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糸語(意図騙) ◆LxH6hCs9JU 【0】 童を両の肩に乗せりて、櫓を行かん。 糸舞い意図散る、二者一者の判別不能。 これぞ甲賀流忍法――肩車《かたぐるま》也。 ◇ ◇ ◇ 【1】 甲賀卍谷衆がひとり、如月左衛門。 曲絃師にしてジグザグ、紫木一姫。 行くは肩車。 向かうは南。 街を離れ海へ。 温泉地を離れ自然の泉へ。 アスファルトを離れ泥土ある地面へ。 すべては変顔の忍法を見せんとする為。 なぜ、変顔の忍法を見せんとするのか? それはそれ、理由と呼べるもの四つ有。 一つ! 甲賀卍谷衆が頭領、甲賀弦之介の首を奪還したがため。 弦之介の死を隠蔽し、自身が弦之介に成り代わり甲賀を率いる。 これは、後に控える忍法殺戮合戦、その終極を乗り切るに必要なこと。 二つ! 甲賀流忍法、肩車《かたぐるま》の安定性を高めんとするため。 女である櫛枝実乃梨の姿のままでは、当然のごとくその肩幅も狭いまま。 肩に乗せる紫木一姫は小柄でこそあったが、やはり男の肩であったほうが安定する。 三つ! 女の姿でいるのはやはり疲れる。 如月左衛門は男であるがゆえに。 四つ! 同盟を組んだ紫木一姫に、変顔の忍法を見せつけるのも一興。 忍法を秘すは忍者の鉄則なれど半分ほどは既に露見している。 ならば半端に秘すよりもその術理を教え評価を得たほうが良し。 さてさて、この忍者と少女の奇っ怪なる同盟。いつまで続くやら? 互いが互いに、意図を騙り意図を秘す。 意図は糸のようには交差せず、しかし正面衝突とまではいかず。 糸《ライン》を見極め緊張を保つ、至難。 どちらかがぐうの音をあげるか、どちらかが先にお陀仏となるか。 忍者か少女か? 左衛門か、一姫か? いやいや案外長く連れ合うとも限らぬ、先の見えぬ二人也。―― ◇ ◇ ◇ 【2】 現在位置は、【F-3】。海と、『黒い壁』が一望できる町の外れ。 地面の質が変わり、灰色が土の茶色と草の緑色に変わった。 ここならば、粘度も申し分ない最高の泥土を練れることだろう。 到着後、早速の用意を済ませ、自慢の忍法を披露しようとするは、如月左衛門。 変顔の忍法。読んで字のごとく顔を変える技。変装術を超越したメーキャップ術。 変わりゆく顔、変わりゆく姿態、変わりゆく性別に、紫木一姫は震撼した様子だ。 どひぇーっと驚いたと言っても過言ではない。というか実際、どひぇーっと驚いた。 かくして、《櫛枝実乃梨》の姿をしていた《如月左衛門》は、《甲賀弦之介》へと生まれ変わる! 憎き怨敵、がうるんとの決着を済ませたいま、もはや後顧の憂いなし。 今後は甲賀弦之介として生き、主の首も、肌身離さず持ち帰ると誓う。 一姫にも、おれのことは甲賀弦之介と呼ぶのじゃぞ、と言い聞かせた。 「姫ちゃん、ちょっと残念です。如月左衛門さんの素顔がどんななのか見たかったのに」 「おれの素顔なぞ、見ておもしろいものでもあるまいて」 「でも、どんななのか気になるじゃないですかー」 「ふむ。そうじゃの、しいて言うならば、《印象に残らぬのっぺりした顔》かの」 「えー。なんかつまらなそうな顔じゃないですか、それ」 「言ったはずじゃぞ、一姫。おれの素顔なんぞ、見ておもしろいものでもないとな」 左衛門の忍法は、一姫に知れた。しかし左衛門の素顔は、未だ一姫には秘されたままだ。 顔は、櫛枝実乃梨から甲賀弦之介へ。いちいち元の素顔、左衛門の顔に戻す必要はない。 「さて、これがおれの《顔を変える》忍法よ。顔だけでなく、体格もある程度は融通が利く」 「まるでこんにゃく人間みたいですね。ボディのメリハリとかはどうしているんですか?」 「骨をずらし、筋肉を移動させ、それでも上手くいかぬなら詰め物じゃ。ゆえに、おなごの姿は疲れる」 「声まで自由自在だなんて、すごく便利そうですよね。姫ちゃんの声も出せますか?」 「応。《それくらい朝飯前ですよ》……このように少し声を絞れば、ほれ」 「ぞぞー。そっくりだけど、その顔でその声は、そこはかとなく気色悪いです」 「《やれやれ、ひどい娘っ子じゃのう》」 あえて紫木一姫の声を真似て言った。 紫木一姫は露骨に嫌そうな顔をした。 「ところで一姫。おれもそなたの忍法に興味がある。《曲絃糸》という名のあれじゃ」 「夜叉猿さんの縄術とやらじゃないですよ? それから忍法とかでもないです。姫ちゃん、忍者じゃなく《ジグザグ》ですから」 「たしかに、あやつめは伊賀猿には違いないが……それはそれとして、その《曲絃糸》とやら」 「はい」 「どのような技か、詳しく聞きたい」 「詳しくって、実際に見たじゃないですか」 「おれが知りたいのは、見ただけではわからぬ部分よ」 如月左衛門は甲賀弦之介の顔で、にたりと笑った。 「そなたもおれの忍法を知った。ならば、おれもそなたの《曲絃糸》を知るべきじゃろう?」 「……交換条件ってやつですか? 後から見返りを求めるだなんて、アコースティックギター生涯ですね」 「よくわからぬが、おれはそなたの足となることを受諾した。手を組むのに、理解は必要だろうて」 「百里ありますね」 「遠いの」 様々な意味で。 「まあいいです。でも姫ちゃん、説明は得意なほうじゃないですから。結構時間かかっちゃうかもですよ?」 「構わんさ。話している間に時間も流れよう。ぼちぼち、がうるんの名が呼ばれる時刻じゃ」 そうして、《曲絃師》紫木一姫は《曲絃糸》について語り始める。 如月左衛門は一姫の語る内容を知識として吸収していき、改めて目の前の娘の恐ろしさを知る。 そうこうしている内に時刻は正午、狐面による二回目の放送へ。 さてさて次なる放送、狐さんの口からはいったい何人の名前が告げられるのか。期待が高まる。 ◇ ◇ ◇ 【3】 「あっ、死におった」 狐さんによる放送。呼ばれた名は十一。 その中にはもちろん、がうるんの名前も入っていた。 が、しかし左衛門に衝撃を与えたのは、他の二つの名であった! 「朧と、薬師寺天膳が。伊賀を相手取る上で厄介だった二柱が、揃って死におった! 死におったぞ!」 伊賀の姫君――朧。 伊賀の重鎮――薬師寺天膳。 敵方、伊賀の上位二名が、この地で脱落したという朗報だった! この死が甲賀と伊賀の忍法合戦、その戦局を左右するは必定! 左衛門の顔が笑む! 口の端がほころぶ! 笑いが止まらぬ! 死んだ、死んだ、死んだ――! 死におったぞ、伊賀者めらが! 「これは早速、朧と薬師寺天膳の名に血の線を引かねばならぬなぁ」 手元に人別帖がないことが悔やまれる。 「……《零崎》」 如月左衛門が一人、歓喜に浸っていると、一姫は珍妙に唸った。 紫木一姫は活発な娘だが、今は印象がガラリと変わり、知的にも思える。 はて、これはどうしたことか――? 左衛門は訝り、笑いを抑えて一姫に問うた。 「どうした、一姫? よもや、読み上げられた名の中にそなたの《師匠》がおったのか?」 「そうじゃないです。けど、ある意味では……厄介な名前が呼ばれちゃったですよ」 「零崎、と呟いたな。となると、《零崎人識》……とは、いったいなにものじゃ?」 「同姓同名とかでなければ、十中八九《零崎一賊》の一員……《殺し名》の《零崎》です」 「ふむ、《零崎》。甲賀と伊賀の手練はだいたい把握しておるが、聞かぬ名じゃの」 意気消沈の一姫、窺える様相は悲哀というよりも焦燥。 零崎なる者、いったい何者か? 左衛門は再び問うた。 「《零崎》は《零崎》、《殺し名》の《零崎一賊》に決まってるじゃないですか。 如月さん、じゃなくて《弦之介さん》。《殺し名》を知らないですか? 《呪い名》は? まあ、姫ちゃんも詳しいってわけじゃないですけど……ほとんど萩原さん経由の情報ですし。 でも弦之介さんほどの人が《殺し名》を知らないって、どういうことなんですか? あ、そういえば《玖渚機関》はどうですか? え、知らない? ばっかじゃねーの!」 どうやら、左衛門と一姫では常識と捉える捉える常識に若干の齟齬がある様子。 とにもかくにも、《零崎》。とにもかくにも、《殺し名》。とにもかくにも、《零崎一賊》。 これらのキーワードに興味を惹かれた左衛門は、一姫にさらなる説明を求めた。 紫木一姫曰く、《殺し名》と呼ばれる集団、七つ有り。 《匂宮》――序列第一位《殺し屋》。別名《匂宮雑技団》! 《闇口》――序列第二位《暗殺者》。別名《闇口衆》! 《零崎》――序列第三位《殺人鬼》。別名《零崎一賊》! 《薄野》――序列第四位《始末番》。別名《薄野武隊》! 《墓森》――序列第五位《虐殺師》。別名《墓森司令塔》! 《天吹》――序列第六位《掃除人》。別名《天吹正規庁》! 《石凪》――序列第七位《死神》。別名《石凪調査室》! 非尋常にして異常なる単語の羅列。どれもこれもがおぞましい、肩書きの群集。 甲賀や伊賀、忍者にも劣らぬ使い手たちの存在を、左衛門は知ることとなった。 「ふうむ。よもや、卍谷の外にそのような者たちがおったとはな」 「実際に相対したことはないですけど、《零崎》なんて最低最悪です。絶対、敵に回すべきじゃないです」 「じゃが、その《零崎人識》も死んだ。恐ろしい相手だということはわかったが、過ぎたことではないか」 「過ぎてません。一人《零崎》がいたってことは、他にも《零崎》がいるかもしれないってことですよ」 「あっ、《名知れず》の十人のことか?」 「はい。この名簿に載ってる師匠じゃないほうの《師匠》とかも、《零崎》だったりするかもしれませんし」 「偽名……か。なるほど、ありえぬ話ではないな」 「他の《殺し名》……特に《匂宮》なんてのが紛れていたとしても最悪ですよね」 「ほう、《匂宮》。《零崎》以外にも、厄介なる使い手はおると?」 「有名所だと、《殺戮奇術の匂宮兄妹》とかしゃれになりません」 「……もしや臆しておるのか、一姫? そやつらは、そなたの《曲絃糸》を持ってしても敵わぬ相手なのか?」 「そんなことはないですよ。けど、姫ちゃんは弦之介さんと違って、自分が無事ならそれで安心ってわけじゃないですから……」 左衛門は弦之介の姿を保ち、弦之介の首も持ったまま、最後の一人となればそれで良し。 しかし一姫は、己ではなく彼女が敬愛する師匠の生存を第一に考え、行動を起こしている。 零崎や匂宮が紛れていたとして、その連中に師匠が害されることを、一姫は危惧している。 「しかし、かような心配は不要やもしれぬぞ?」 左衛門は言った。 「思い出してみい、一姫。これまで放送で名を呼ばれた、すなわち脱落した《名知れず》どもの名を」 一姫は口に手を添え考えた。 左衛門と答え合わせをする。 一人――《メリッサ・マオ》! 二人――《北村祐作》! 三人――《木下秀吉》! 四人――《土屋康太》! 五人――《白純里緒》! 六人――《零崎人識》! 《名知れず》は、残り四人。 「そしてここに、《名知れず》は二人おる。そう、おれと一姫じゃ。二人とも、人別帖には名が載っておらぬ」 七人――《如月左衛門》! 八人――《紫木一姫》! 《名知れず》は、残り二人。 「いいや、一人じゃ。忘れたか、一姫? そなたは先刻、自分でその名を口にしたではないか」 そうだ。一姫は既に、残り二人の《名知れず》の内、一人と相対した。 高須竜児がまもり、叫んだことで名が知れた、ポニーテールの少女。 あれはなんという名前だったか。確かに名簿には載っていなかった。 一姫が殺しそびれた、是が非でも殺しておくべきだった少女の名は。 九人――《島田》! 「つまり、《名知れず》は残り一人じゃ。《殺し名》がいたとしても一人じゃ。そう構えることはあるまい」 なんと、如月左衛門は脱落した《名知れず》の数と、一姫の話から、残りの《名知れず》の数を算出してみせたのだ! 不思議か、否。 《泥の死仮面遣い》如月左衛門――その本領は、姿を偽り、敵を欺き、隙を突く、頭脳冴えたる策士ぶりにこそあり! 「残る《名知らず》は一人。《零崎》や《匂宮》はたしかに厄介やもしれぬが、いるとは限らぬであろうよ。 願わくば、最後の一人は伊賀の朱絹あたりであってほしいものじゃが……この場はあやつらを討ち取る好機ゆえ。 残る伊賀方は朱絹と蛍火と蓑念鬼と雨夜陣五郎の四人。甲賀はおれと霞刑部、室賀豹馬、陽炎の四人。 おお、鍔隠れとの戦いはもはや勝ったも同然か。いやいや、弦之介さまならここで勝ちを確信したりはするまいよ。 朧と薬師寺天膳が討たれたとはいえ、数の面で見ればまだまだ互角。それどころか、おれが帰らねば劣勢のままなのだからな」 くっくっくっくっく――と笑い声を漏らす外面甲賀弦之介、内面如月左衛門。 一姫は左衛門に問うた。その甲賀やら伊賀やらという単語はなんなのか。 余人が知らずとも無理はない。甲賀と伊賀の宿縁は闇の世界のことゆえ。 左衛門は一姫に、甲賀の十人と伊賀の十人が起こす争乱の顛末を話す。 一姫は考え込む様相を見せ、しかし信じまいとはせず、淫乱すると言った。 いやはやどうにも性欲盛んな娘よのう。召し物も破廉恥極まりない――と。 傍から見た二人の姿は、まさしく親子そのもの。肩車をすればなおさらだ。 誰が片方を変顔の忍者、片方を糸繰りの狂戦士と思うだろうか。思うまい。 レーダーなる敵の気配を探る箱も合わされば、これはもはや無敵也。―― ◇ ◇ ◇ 【4】 「それで、これから先はどうしますか?」 顔を変えるための南下だったわけだが、それも既に完了した。 さらに南を目指したところで海があるだけ。そちらに用はない。 そうさのう、と呟いて、左衛門は顎に手をあてながら思案する。 「まず、欲しいものがある。伊賀者の首じゃ」 「首? それは誰か殺したい相手がいるってことですか?」 「さにあらず。おれが欲するは、文字通りの《首》よ。首から上、とも言えようか」 「……あっ、ひょっとして《顔》ってことですか? 伊賀の人たちの」 「さよう。筑摩小四郎は顔が潰れているはずゆえ、役にたたんが……先刻死におった二人は違う」 「朧さんと、薬師寺天膳さんですね」 「片や伊賀の姫君、片や古くから伊賀を支える重鎮じゃ。誰が疑おうものかよ」 「つまり弦之介さんはその二人に化けて、他の伊賀忍者たちを騙し討ちしたいと」 「さすがのおれも朧姫の《瞳》は真似られんでな、できれば薬師寺天膳のほうを見つけたいが」 「弦之介さん――いえ、左衛門さんはやっぱり《策師(サク)》ですねー」 歩きながら北上する二名、片方の一姫の手には、敵の気配を察知するレーダーなる箱が。 レーダーに反応が表れないところを見るに、近隣に競争相手は、《まだ》いないようだった。 「ともあれ、おれも少々つかれた。ここいらで、ちと一休みしたいのう」 「えっ、なに言ってるんですか?」 左衛門が口にしたのは、一姫にとっては思わぬ一言。 「いや、なに。というのも先の放送の結果が、ちと予想外のものであったのでな。 一回目で十人、二回目で十一人だったか……そう、脱落した者の、死んだ者の数よの。 これはつまり、半日で二十一人もの人間が脱落したことにほかならん。 少々どころか、多分に流れが早いと、おれは見る。これでは案外、終わりも早いやもしれん」 左衛門は歩く。北への歩みを止めず、喋りながら歩く。レーダーに反応は、《まだ》ない。 「おれにはもはや、誰か殺されて困るという者もおらぬのでな。 他が迅速に潰し合ってくれるというのであれば、まことに重畳。 いっそこのまま、三日が過ぎるまで隠遁していたとしても構わぬ。 急いては事を仕損じる……いやはや、楽な戦になるかもしれんなぁ」 レーダーに反応は、《まだ》ないが――まったくのゼロというわけではなかった。 レーダーには、反応と言えるものが二つ――二つだけ、示されてはいるのだ。 それは誰と誰か。答えは明瞭。ここにいる如月左衛門と、紫木一姫のものだ。 「もちろん、それはおれ自身の都合のみを考えた策よ。一箇所に留まっても、伊賀者の首は手に入らんでな。 まあ、そろそろ身を休めたいという気持ちは嘘ではない。ほれ、あの建物などおあつらえ向きではないか」 左衛門が足を止め、指を差した先には――《西東診療所》なる一軒の建物が建っていた。 もっとも、左衛門は《西東診療所》の看板を読めたわけではない。 なんと、看板は随分と年季が入っていて、擦れて文字が読めなくなってしまっていたのだ。 もっとも、建物の名称など、二人にとってはどうでもよくはあるが。 「しかしそなたには、休んでいる間に死なれては困る相手が――師匠がおるのだろう? 足が休んでいては、師匠を守るという命も果たせなかろう。そこはそれ、無理強いはせん。 おれは紫木一姫の足となることを誓った。この関係をここで崩すは、自ら利を手放すも同義。 ゆえにおれはそなたの判断に従おうかい。急ぐも休むも、紫木一姫しだいというわけじゃ」 選択権は、紫木一姫へと託された。 「……寝込みを襲ったりは、してこないですよね? 姫ちゃん、裸を見られたことを忘れたわけではありません」 「そなたが陽炎ほどにいい女であったなら、考えんでもなかったがなあ。幼女では、手篭めにできるとも思えん」 左衛門と一姫の距離が、わずかばかり離れた。 「…………」 「…………」 左衛門は言う。 「まあ、その箱があれば焦る必要もないと見るがの。誰ぞが近寄ってくれば抹殺、でもよかろうよ」 「…………」 「重ねて言うが、今ここでそなたを裏切ったとしても、おれに利はない。そこは信用してもらおうかい」 「…………」 「加えて言うなら、おれはいい女が好みでな。そなたはいい女かどうか以前に、容姿が幼すぎる」 「…………」 汚物を見るような視線が、ひどく痛々しかった。一姫に貞操の危機が迫る。 いや、しかし。しかしだ。左衛門の提案にも一理あるのではないか。 なんといっても疲れた。草臥た。この疲労感は誤魔化せない。 さきの温泉においても、疲労感あっての失敗があった。 すべからく抹殺すべしと心得ど、眠気はどうにも。 が、師匠たる戯言遣いのことが気がかりだ。 忍んでばかりではいられない、一姫の事情。 者共を皆殺しに、などと謳っている内に殺される。 きっと後悔するのだろう。後悔に打ちひしがれて、泣く。 たった一つのかけがえのない命――かけがえのない、存在。 なくしたくはないし、失いたくもないし、手放したくもない、だから、と。 いま一度、一姫は思案する。休むか進むか、二つに一つ。狂戦士の選択。 【F-3/診療所前/一日目・日中】 【如月左衛門@甲賀忍法帖】 [状態]:胸部に打撲。甲賀弦之介の容姿。 [装備]:マキビシ(20/20)@甲賀忍法帖、白金の腕輪@バカとテストと召喚獣、二十万ボルトスタンガン@バカとテストと召喚獣、 フランベルジェ@とある魔術の禁書目録、自分の着物 [道具]:デイパック ×4、支給品一式 ×6、甲賀弦之介の生首、IMI デザートイーグル44Magnumモデル(残弾7/8+1)、 SIG SAUER MOSQUITO(9/10)、予備弾倉(SIG SAUER MOSQUITO)×5、 金属バット 、不明支給品1(確認済み。武器ではない?)、陣代高校の制服@フルメタル・パニック!、 櫛枝実乃梨変装セット(とらドラの制服@とらドラ!、カツラ) [思考・状況] 基本:自らを甲賀弦之介と偽り、甲賀弦之介の顔のまま生還する。同時に、弦之介の仇を討つ。 1:紫木一姫と同盟。 2:目の前の建物(西東診療所)でしばらく身を休めたい。 3:残る伊賀鍔隠れ衆との争乱を踏まえ、朧か薬師寺天膳の顔を手に入れたい。 4:弦之介の仇に警戒&復讐心。甲賀・伊賀の忍び以外で「弦之介の顔」を見知っている者がいたら要注意。 [備考] ※遺体をデイパックで運べることに気がつきました ※千鳥かなめ、櫛枝実乃梨、紫木一姫の声は確実に真似ることが可能です。 ※「二十万ボルトスタンガン」の一応の使い方と効果を理解しました。 しかしバッテリー切れの問題など細かい問題は理解していない可能性があります。 【紫木一姫@戯言シリーズ】 [状態]:健康。疲労感? [装備]:澄百合学園の制服@戯言シリーズ、曲絃糸(大量)&手袋、レーダー@オリジナル? [道具]:デイパック、支給品一式、シュヴァルツの水鉄砲@キノの旅、ナイフピストル@キノの旅(4/4発) 、 裁縫用の糸(大量)@現地調達 [思考・状況] 1:如月左衛門と同盟。 2:しばらくお休みするか、休まず殺しにいくか。 3:いーちゃんを生き残りにするため、他の参加者を殺してゆく。 4:SOS団のメンバーに対しては? 5:如月左衛門に裸を見られたことを忘れたわけではない。最後はきっちりその償いを受けさせる。 [備考] ※登場時期はヒトクイマジカル開始直前より。 ※SOS団のメンバーに関して知りました。ただし完全にその情報を信じたわけではありません。 ※如月左衛門の忍法、甲賀と伊賀の争いについて話を聞きました。どこまで把握できているかはわかりません。 投下順に読む 前:ペルソナヘイズ 少女には向かない職業 次:硫黄の炎に焼かれても 時系列順に読む 前:ペルソナヘイズ 少女には向かない職業 次:硫黄の炎に焼かれても 前:モザイクカケラ 如月左衛門 次:小憩――(waiting game) 前:モザイクカケラ 紫木一姫 次:小憩――(waiting game)
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戯言シリーズ/登場人物は小説戯言シリーズに登場する人物の一覧。 主要人物 戯言遣い | 玖渚友 | 哀川潤 | 西東天 | 葵井巫女子 | 浅野みいこ | 紫木一姫 | 闇口崩子 | 石凪萌太 | 零崎人識 チーム 死線の蒼 | 兎吊木垓輔 | 日中涼 | 梧轟正誤 | 棟桐伯楽 | 綾南豹 | 式岸軋騎 | 滋賀井統乃 十三階段 狐面の男 | 架城明楽 | 一里塚木の実 | 絵本園樹 | 匂宮出夢 | 匂宮理澄 | 宴九段 | 古槍頭巾 | 時宮時刻 | 右下るれろ | 闇口濡衣 | 澪標深空 | 澪標高海 | ノイズ | 奇野頼知 | 想影真心 殺し名 零崎人識 | 零崎双識 | 零崎曲識 | 零崎軋識 | 零崎舞織 | 零崎零識 | 零崎機織 | 闇口崩子 | 闇口濡衣 | 匂宮出夢 | 匂宮理澄 匂宮分家 早蕨刃渡 | 早蕨薙真 | 早蕨弓矢 | 澪標高海 | 澪標深空 | 総角ぱれす | 総角ろうど | 総角さえら 呪い名 奇野頼知 | 時宮時刻 骨董アパートの住人 戯言遣い | 浅野みいこ | 闇口崩子 | 石凪萌太 | 紫木一姫 | 七々見奈波 | 隼荒唐丸 | 浮雲さん 大学関係 貴宮むいみ | 葵井巫女子 | 宇佐美秋春 | 江本智恵 | その他のクラスメート 鴉の濡れ羽島の住人 赤神イリア | 伊吹かなみ | 逆木深夜 | 佐代野弥生 | 姫菜真姫 | 班田玲 | 千賀あかり | 千賀ひかり | 千賀てる子 | 園山赤音 澄百合学園 紫木一姫 | 阿弥 | 慶喜 | 朱熹 | 荻原子荻 | 西条玉藻 | 市井遊馬 | 檻神ノア その他 春日井春日 | 藍川純哉 | 貴宮無理 | 石丸小唄 | 井伊遥奈 | 斑鳩数一 | 形梨らぶみ | 霞丘道児 | 玖渚直 | 佐々沙咲 | ヒューレット助教授 | 円朽葉 | 本名朝日 | フロライン・ラヴ
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【戯言シリーズ】からの支給品 【アンチロックドブレード@戯言シリーズ】 白純里緒に支給された。 初出は066破と獣と炎の狂想曲 150万円するらしい鋸状のナイフ。 零崎人識が使用し後にいーちゃんに渡った。 【エリミネイター・00@戯言シリーズ】 フリアグネに支給された。 初出は120しばるセンス・オブ・ロス 澄百合学園の一年生、西条玉藻が愛用する得物の1つ。 見るからに派手で無骨なナイフ。 【狐の面@戯言シリーズ(?)】 両儀式に支給された。 初出は072 弛緩思考 Roundabout Speculation 『人類最悪』こと西東天が被っていたものと、同じデザインの狐のお面。 OPにおいて彼が狐の面を被っていたことから、こちらは予備の一枚なのだろうか? なんであれ、外見からは西東天の仮面と寸分の違いも見出せない。 【曲絃糸&専用手袋@戯言シリーズ】 木下秀吉に支給された。 初出は082 行き遭ってしまった 曲絃師が用いる糸。本来は総称だが今回支給されたのは萩原子荻殺を切断したものと同種のもののみ。自分の手を傷つけてしまわないよう、専用の手袋もセットで。 【グリフォン・ハードカスタム@戯言シリーズ】 白井黒子に支給された。 初出は022ネコの話 ―― Girl meets Girl ―― 澄百合学園の一年生、西条玉藻が愛用する得物の1つ。 見るからに派手で凶悪なナイフ。 【早蕨薙真の大薙刀@戯言シリーズ】 相良宗介に支給された。 初出は126ふたりの護りたいという気持ち、ふたりの不安。 《殺し名》の序列第一位である匂宮雑技団の分家である《早蕨》に所属する早蕨三兄妹。 その次男であり蕨刃渡の双子の弟である早蕨薙真の大薙刀。 【早蕨刃渡の太刀@戯言シリーズ】 坂井悠二に支給された。 初出は125CROSS†POINT――(交換点) 《殺し名》の序列第一位である匂宮雑技団の分家である《早蕨》に所属する早蕨三兄妹。 その長兄である《紫に血塗られた混濁》こと早蕨刃渡が使用していた太刀。 【少女趣味(ボルトキープ)@戯言シリーズ】 逢坂大河に支給された。(が、すぐに零崎人識に奪われた) 初出は008たいがーころしあむ 戯言シリーズ番外編、零崎曲識の人間人間より。曲識が最期の戦いに挑む直前製作してもらった真っ黒なマラカス。 制作者曰く、広く正確に音階に表現できるように制作された「ちょっとしたグランドピアノ並み」のマラカスであると同時に打撃武器としても使用可能なだけの頑丈さを併せ持つ。 ただし、楽器として使おうと思うならけた違いの音楽センスが必要となる。 【自殺志願(マインドレンデル)@戯言シリーズ】 フリアグネに支給された。 初出は138硫黄の炎に焼かれても 得物と同じく『自殺志願(マインドレンデル)』の異名を取る、零崎一賊の長兄・零崎双識の愛用武器。 握り部分を半月状にした和式のナイフを2振り、ネジで可動式に固定し、大鋏の形にしてある。 その気になれば、ネジのところで分離し、2振りのナイフとして振るうことも可能。(むしろ明らかに武器としてはそちらの方が使いやすい) 『自殺志願』を収めるホルスターもセットで支給されている。 【無桐伊織の義手(左右セット)@戯言シリーズ】 逢坂大河に支給された。 初出は038虎と機関銃 罪口商会の罪口積雪が零崎人識の依頼で用意した、無桐伊織(=零崎舞織)のための義手。 出展は『少女趣味』同様、戯言シリーズ外伝・人間シリーズ3巻『零崎曲識の人間人間』。 とある経緯で両手首を切断された伊織のために用意されたもので、左右の手で1セット。 とはいえ、片手ずつでも十分使用に耐えうるものだと思われる。 鋼鉄製で金属剥きだし、生身の腕を模してはいない。またその素材ゆえに、それ自体が十分に武器となる。 義手に神経や筋肉を正確に接続してやることで、緻密な動きを可能にする。 なお、その接続方法の関係上、任意の着脱は不可能。一旦接続したら、外すのは激痛を伴う大手術となる。 今回の支給に当たって、腕への接続方法を詳細に記した解説書もセットでついている。 が、医療などの心得のない素人では、接続作業は相当に手間取るものと思われる。 【『無銘』@戯言シリーズ】 榎本に支給された。 初出は062南の島 シリーズ後半において、いーちゃんの手元にあった刀子。 外科用メスにも例えられる鋭さと、向こうが透けて見えそうなくらいの薄さを併せ持つ、小ぶりの刃物。 刃物の扱いは専門ではなかったいーちゃんにとっても、かなり「扱いやすい」ものだった。
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_ \、ト . ,. イ´ ̄_ `ヽ i ヽ i / ,. , -‐ テ、< _ \ l i レ / / / ヽ `ヽ  ̄`ヽ l / / / i! \ \. l / / / / i! ヽ ヽ ; / / / i! i l , l イ i! / ∧ ト. ト、 i l l i! イ / i j/´ i! ; ((⌒ Y i! / l _/._ i! /i, 'ィi! . / `\ ∨ ト. / l 、∠_、,, 、 i` /、,!6 j i! , / \ ∨ Y _.! i 《 ( o )`ヾ/ ゞ-'゙レl/ _ ,. -‐===‐-\ bヽ∨l /癶,ニ,-‐゙` ヽ l' , < _ ==ゝbら レ((_,.ノ) ;./ ´ > ´,. -≦三ニ彡G_、⌒)人(o ,. ィ /= _' / /´ /三三三/ > ` ー=ニ - ´ /////ヽー─ - / rイ'´三(ニ=‐ ' >, イ///////i/ヽ > _,、_ / /ニi三三三`ヽ /三三≧==三///////l//i ヽ`== ヽ,イr'三三\三三ミ三ニ\ /l三三三i///////////l//l_____ i三三=}`ヽ三三三三 ミ 三三三三ニヽ r'l三三三!/////////ノ ̄ `ヽ/三三=j二ニ-‐ つ三三三三三三三三三三三\ ___ ! l三三 /////////// \三=r'ー─ <三二二ニニニニ=─/ ̄ ̄`ヽ`-=ニ三三三三三丶 ` ,イ三ニ////////// ´ /´ ̄////////∧三三ニ=-=三三三=ト==' 'iニ=////// ̄  ̄`ヽ_)/////////∧三三三三三ニ=三l lニ/彡`ヽ//////////∧三三三三三三`ヽ. l/ニ三/ 名前:零崎 人識(ぜろざき ひとしき) 性別:男 原作:戯言シリーズ 一人称:基本は俺(僕のこと有) 二人称:お前など 口調:一般的男性調 さ行/さ/戯言シリーズ/零崎人識.mlt 西尾維新の小説「戯言シリーズ」の登場人物。 キャラ紹介で「きりさき」と見間違いが発生しているしダブルミーニングっぽくもあるが、そもそも「ぜろざき」と濁るようである。釣りバカのハマサキデンスケの逆というか。 作中設定での「零崎一賊」(超人と鳥人が違うように「一族」ではない。別字)の一角であるが、 零崎というのは「ある日一般人から生じる殺人鬼」であり、普通は血縁者の集団とはならない。 そんな中で彼は零崎となった後の男女から生まれ零崎となっており「血統書付きの生粋の殺人鬼」と評される。 零崎は「殺し名」という殺人ギルドに所属しており、彼は殺し名で序列第三位。 性格としては「百円渡すついでにうっかりバラバラにしちゃった」とかいうほど 殺人に対する忌避感がなく、「『殺人鬼』が人を殺すのは当然だろ?」と殺人に自覚的。 一方で零崎は家族(零崎)を害するあらゆるものに容赦がなく、 更に彼が怒りを見せるシーンとして「中学のクラスメイトが殺されまくった」時というのがある。 このためなんでもかんでも虚無的にバラしにかかる類というわけでもない。 「人を殺さなくちゃ息苦しい」という台詞があるが、 殺してもいい人間だから、と殺さない対象、の分別はされているようである。 彼の側は双識という人物のみを家族と呼ぶが零崎一賊全体をそこまで嫌ってはいないようである。 しかし他の零崎側は彼を零崎の禁忌と見做し基本的に疎遠である。 また殺人に忌避は全くないものの衝動とまで言えるほど重いものがないようで、これもあり他の殺人衝動と共に覚醒する零崎に理解されない。 このため零崎の鬼子扱いされている、と言えるようである。 外見としては髪色が脱色した白に一部染め、頬に入れ墨、男性としては小柄、顔は女性的に整っている、という感じである。 キャラ紹介 Wikipedia アニヲタWiki ニコ百 ピクペ 運用法 AAは36枚、うち[武器持ち](武器なしもある、戦闘向けシルエットAAなど)が19枚。武器は全て紹介AAのようなナイフ。 キャラ紹介では七夜と比較されているが、択一式でキャラ被りするケースはともかく推理ものならミスリード等で互いを補填できる。 凶器がナイフと推定される殺人の現場が複数あり、しかし捜査を重ねるうち単独犯の可能性が崩れ……といった展開に持ち込むならば、犯人は複数いることにこそ意義がある。 外見が白い髪、頬に特徴がある、小柄で顔も女性に見えかねない、ナイフ使い、殺人、という要素からジャック・ザ・リッパーと 関連させることもできそうである。 こういったキャラのヘイト管理としては「悪人だけを殺させる、その時代や世界での命の価値自体が低い」と世界観やターゲットを設定する手がある。 が、そもそもやる夫スレはクロスオーバー性が強いため、一般的な手段では殺すことが困難であるとか殺してもすぐリスポンするといった、 特殊な生命形態を持つキャラクターはリンクで貼ったように割と複数いる。 このため、そのような特殊な存在に対して執着し他の殺しやすい命を無視するといった設定なら、 能力が高い上に殺人を欲するキャラ性と無辜の市民を殺戮するキャラではないことを両立できる。
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autolink ID/W10-093 カード名:ステイル=マグヌス カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:1 コスト:1 トリガー:1 パワー:5500 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《タバコ》? 【自】記憶 このカードとバトル中のキャラがリバースした時、あなたの思い出置き場に「修道女 インデックス」があるなら、あなたはそのバトル中のキャラを山札の下に置いてよい。 重要なのは魔法名を名乗り上げた事でね 僕達の間では、むしろ「殺し名」かな レアリティ:C illust.- 見るからに極悪そうな顔をしてるが、実はCXシナジーやイベントなどでないと無理だった山札下への送り返しが簡単に可能となった有能な1枚。 ネオスタンダード環境(特に相手が科学サイド構築)においてレベル1帯はカウンターを積むほど重要でない反面、 自ターン中の強化のカードが多いため先に倒してしまおうという風潮が強い。 反面魔術サイド構築だと謎の純白少女 インデックスの自動能力を使えば最大2000パンプで大抵の相手は倒すことが可能で、 むしろ“女教皇”神裂に加え先のインデックスと併用すると3000~4000パンプ可能と、相手ターン中の方がパワーが大きくなりやすい。 デッキの底に送った枚数だけリフレッシュ前のアタックがほぼ確実に通りやすくなるため、積極的に活用すれば強くなる。 幻想御手使用者 佐天のCXシナジーと合わせ相手にぶつけると、パワー10500(CX込)で相手キャラを山札下に送りつつ、 ついでにパワーもダウンさせ、ターン終了後には思い出に飛ぶ……と、まるで爆弾のような効果を発揮する。 科学と魔術の枠を超えたロマンコンボであるため、物好きな人は試してみてはどうだろうか。 ・関連カード カード名 レベル/コスト パワー/ソウル 色 備考 修道女 インデックス 0/0 2500/1 青 記憶発動条件
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殺し名。 裏の社会で有名な戦闘集団の総称であり、圧倒的な殺人能力を誇る。 《匂宮》《闇口》《零崎》《薄野》《墓守》《天吹》《石凪》。 裏の世界の人間なら誰もが知っている、恐怖と忌避の象徴でもある。 圧倒的な殺人能力。 比喩でも何でもなく、彼らは殺しにとにかく秀でている。 《匂宮》は頼まれれば誰でも殺す《殺し屋》。 《闇口》は主の為に殺す《暗殺者》。 《零崎》は理由なく殺す《殺人鬼》。 各個が異常。殺人を躊躇しない、一般人には理解できない境地。 対極に《呪い名》があるが、ここでは関係ない事柄だ。 話は変わってバトルロワイアル。この殺人ゲームにも、二人だけ招かれている。片方は匂宮の史上最高最大の失敗作、匂宮出夢。片割れを失った人喰い。 もう片方は闇口の一族・闇口崩子。ただし、一族からは家出中の身。 とはいえ殺し名としての性質は持ち合わせている。 既に匂宮出夢は槍使いと戦い、痛み分けに持ち込んでいる。 そして今度のお話は、闇口崩子。殺し名から外れた少女のお話。 彼女のバトルロワイアルの《はじまり》のお話。 彼女が、とある男と出会う、ただそれだけのお話だ。 既に主を定めた彼女。 その彼女が、どう動くか。 これは、彼女のスタンスが確定するまでの過程。 それでは、物語を始めよう。 □ 殺し合い。 岡部倫太郎の語彙を漁っても『イレギュラー』としか形容できない。 数多くの運命を経験してきた彼は、不測の事態――――即ちイレギュラーを人より確実に多く経験している。少なくとも心が擦り切れそうなくらいには。 しかし、これはあまりに予想の範疇を越えすぎている。 一人の少女を救うために幾多の世界『線』を越えてきた彼の経験上、《シュタインズゲート》に至るまでの物語は秋葉原の、自分の身近で展開されなければならない。 そういう法則(ルール)だ。 法則(ルール)が破綻した式は、存在できない。 「…………嘘だろ」 まさか。 まさか。まさか。 まさか。まさか。まさか。 岡部の脳内を、絶望に限りなく近い恐怖が駆け巡る。 死など今更恐れてはいないし、死と比べて尚勝る恐怖。 だって、考えてもみろ。 殺し合いなんてものが、世界に紛れ込むなら。 ただでさえ数多の広がりを見せる世界が、更に分岐する。 参加者一人一人の行動がもたらす結果の一つ一つが結末を左右。 そして、何よりも最悪なのは。 俺の頼みの綱、タイムリーブマシンが手元に無いことだ。 それはつまり、今まで当たり前だったやり直しが出来なくなる。リセットボタンが無いゲーム機のようで、人間のあるべき姿。 シュタインズゲートに辿り着けない。 俺のやってきた事は。 ―――何もかも、無駄だったってこと――― 「……っ、ふざけるな……ふざけるなぁぁああああああああッ!!」 ただ、やり場のない怒りを、絶望を、ぶつけて叫んだ。 それで何か道が開ける訳でもなく、ただの酸素の無駄に過ぎない。 だが、そうしなければ。 自分で自分を壊してしまいそうで、たまらなく怖かった。 岡部倫太郎は、観測者だった。 本質は大きく異なったが、それが彼を表すのに一番適していたろう。 もう、そんな甘ったれた立場は終わりだ。 岡部はこの世界線においては、《参加者(プレイヤー)》にならなければならない。観測して考察する立場はもう、通用しない。 失敗なんて許されない。 傲慢かもしれないが、岡部以外に、あの幼なじみの少女を救うことの出来る人間はこの世に居ない。否、自分が救わなければ。 この地球に存在する630000000人の人間の誰にも、背負わせない。 救世なんて大袈裟なものでなくたっていい。 あの少女の終わりだけは、認めない。 岡部倫太郎の命を懸けてでも終わり(バッドエンド)を否定する。 絶望してはいられない。 岡部が目指したのは148人全員の救済。 誰も最終的に泣かなくて済む、そんな終わりを成し遂げたい。 『最終的に』。 岡部倫太郎は、覚悟を決めた。 今まで繰り返した途方もない時間の苦痛を越えるほどの苦痛に苛まれようが、彼という一人の人間の価値観を破壊しようが、絶対に止まらず理想を成し遂げる覚悟を。 「やってやる――――――何もかも壊してから、何もかも救ってやる―――――――――――――――――――エル・プサイ・コングルゥ」 道なき道を往く。そこに居ても、待っていても、何も始まらない。 《観測者》から《参加者》に。 《救世主》から《極悪人》に。 変革の時は来た。 さあ、物語を始めよう。 その果てに何が在ろうと、後悔だけはしないと誓って。 ■ 面倒なことになりましたね――――――と、闇口崩子は険しい顔で言う。 彼女の記憶では、自分は病院に居たと記憶していた。 《橙なる種》。 想影真心によりアパートが破壊され、病院に搬送された。 早い話が、何らかの方法で拉致されたということなのだろう。 しかし、殺し合いときた。 闇口崩子はつい最近、傷を負わされている。肉体より心の方の。 《十三階段》と関わる中。 先の《橙なる種》に惨敗した帰りに、大切な人を一人、失ったのだ。 それは彼女を一度、壊した。 戯言遣いに、もう戦えないと判断させるほどまでに。 今は不完全ながら立ち直ったものの、本当に酷く、破壊された。 だからといって、この状況でその理由は通らない。 崩子は戯言遣いを守らなければならないのだから。 主と定めた相手を、守る。闇口の姓を持つ者として、大前提だった。 たとえ誰を殺めても。 たとえ自分がされたような手段を用いてでも。 《戯言遣いのお兄ちゃん》を守るために、行動する。殺す。 覚悟を決めるのに時間は必要なかった。むしろ、とっくに出来ていた。 殺そう。戯言遣いを守ることにつながるのなら。 守ろう。戯言遣いを守ることにつながるのなら。 矛盾は無い。主のために、殺す一族。それが《闇口》だ。 「……待っていてください、戯言遣いのお兄ちゃん」 強く宣言した。 崩子はすぐに支給品の入ったデイバックを開き、中身を確認する。 一つ目。何の拘りもなさそうな、シンプルなナイフ。 本来、直死の魔眼遣いの少女の所持していたナイフだ。 所持者・両儀式にすれば一撃必殺の手に馴染む最高の武器だったのだろうが、魔眼の類を一切持たない崩子にはただのナイフでしかない。 だが、ナイフが支給されたのは彼女にとっては幸運だった。 オーソドックスながらも手に馴染む、彼女の好む凶器がナイフだ。 二つ目は杭。 たった一本の、不気味なオカルティックな装飾の杭。 さすがにこれは使えそうにない。 間違ってはいない、闇口崩子にはこの杭の真価を引き出せない。 この杭の真名は『傲慢のルシファー』。 煉獄の七姉妹と呼ばれる悪魔の杭。七つの大罪『傲慢』の罪を抱えた者になら使役することが出来る。魔力の有無は関係なく、呼び出せるのだが。 主に尽くしたい、という崩子の思想では、傲慢の罪とはほど遠い。 「とりあえず、このナイフは役に立ちそうですね」 杭をデイバックにしまい、ナイフを巧妙に隠し持つ。 まずは戯言遣いを探す。危険な相手・邪魔な相手は排除していく。 逆に、利用できそうな相手は利用。 闇口崩子のバトルロワイアルは始まった。 ◇ ダァン!と、破裂音が響く。 銃の型はジグザウアーH226。 覚悟を決めていた少女と決めた男は、早速開戦していた。 しかし、抜けているとはいえ《殺し名》。一般人の殺しのスキルとではセンスが違う。銃とナイフの差でも、素人に銃ならナイフを持った《殺し名》の方が上手だ。 「(……くそっ!!)」 「温いですよ――――――あなたは、とても温い」 ナイフの切っ先が前髪を少し掠める。 岡部は若干の冷や汗を流すが、体格差を利用した攻めに出る。 蹴りを交えた、自己流かつ超即席の格闘術。 通用するとは思っていない。あくまで、牽制のための一時凌ぎだ。 隙があったら、容赦なく射殺する。覚悟はとうに決まっている。 崩子は身を少し屈めて岡部の蹴りを避ける。 不安定な体勢からの発砲。あまりに不安定なそれは崩子を掠めもしない。 直後。岡部の胸元を、崩子のナイフが浅く切り裂いていた。 だが、違和感。 殺しのセンスを持つ者だからこそ分かる。今の攻撃は、避けられた。なのに、目の前の男は受けた。たまたま距離のせいで致命傷にはならなかったが、危険はあった。 直後岡部は怯みもせずに白衣を翻す。 「(しまった――――視界を、封じて―――!?)」 崩子の肉体は白衣を払おうとするが、体格差はどうにもならない。 やっと視界が戻った時には、銃口が崩子の胸に向いていた。 ダァン!と、乾いた音がした。 が、崩子の肉体に傷はない。胸元に、空気を感じただけだった。 つまり、空撃ち。素人こその、凡ミスだ。 王手は回避した。今度は崩子の王手だ。むしろ、チェックメイトか。 岡部は迫る死に恐れも見せず、まだ闘志を漲らせている。 負ける訳にはいかない。 たとえどれだけの卑劣に成り果てようが、負けられない。 銃床。意外とそれは堅く、殴るだけでもそれなりの威力になる。 岡部はそれを振りかぶろうとし、そして―――――――― 意識を、失った。 結論、最初の傷が痛かった。 決して深くは無いが、決して浅い傷でも無かったのだ。 そして、結果的にこうなる。 「………それじゃ、わたしの勝ちですね」 後は簡単だ。崩子はその手にあるナイフで、岡部の首を裂けばいい。 子供でも至れるような簡単な選択。ゆらり、と崩子は近寄っていく。 岡部の表情は悔しげだった。意識は失っているが、とても、悔しげ。 崩子は何も知ることはない。 彼が全てを賭して、修羅道を歩んでさえ求めた目的を知ることはない。 ここで、闇口崩子と岡部倫太郎の因果は切断される。 彼の死により、彼女の手で。 二度と繋がることはない。どうせ代替可能なのかもしれないが。 「―――――――――――――――さようなら」 ◆ 「ちょぉぉぉおおおっと待ったぁぁああああああああああ!!」 甲高い声がした。そして、高校生くらいの少女が走ってくる。 崩子は相手のうかつさに呆気に取られるが、すぐに岡部の肉体を抱き寄せ、首元にナイフを当てる。脅しだ。妙なことをすればこの人の命はない、と、暗に警告する。 崩子は何も皆殺しなど考えてはいない。 《戯言遣い》を守る、そのためだけに行動するのだ。 だから、戦意がない相手に危害は加えない。ただ、視界から外す。 だが、この少女に敵対の意思があったなら話は別だ。それは闇口崩子の排除対象になる。当然、容赦情けは一切掛からない。血飛沫をあげて斬り殺されるだけだ。単純ゆえに残酷。 ひとまず彼女の脅迫は効いているらしく、相手はただ睨みつけるだけだ。 「……動かない限り、わたしはあなたに危害を加えません。ただこの人を殺して、おしまいです」 「やだなぁ、はるちん、そんなに穏やかな性格してないよ」 『はるちん』と名乗る少女・三枝葉留佳は、敵意を剥く。 彼女はデイバックから支給された刃――――かつて世界の終わりを夢見たとある組織の『刀鍛冶』が捜し求めた逸品《無銘》を取り出し、崩子に向ける。 その瞳は挑発の色を含んでいたが、諦めの色さえ見えた。 しかし彼女は止まらない。否、ブレーキはとっくに破損している。 ブレーキの壊れた車は、ただ走るしか能の無い猪と成り果てる。 「はるちんと戦え。もし私が勝ったら君を殺す」 返事は無かった。 崩子は言葉も無しに勢いよく駆け出す。今の宣言を以て三枝葉留佳は完全に彼女と敵対した。葉留佳の武器は彼女のものより強力だと理解していたが、勝算はある。 そして、再び殺し合いが始まった。 □ 「………俺、は…………?」 岡部倫太郎は、血生臭い目覚めを迎えた。その命は、保たれて。 胸の傷にはある程度の処置がされており、傷の大きさからしても命に別状は無さそうだ。だが、何故自分は生きているのか?あの場で、行き永らえられたのは何故だ? 答えは本当に、すぐ近くにあった。 「あ―――――――目、覚めたね」 少女が、倒れていた。腹には一つ、明らかに深い刺し傷がある。 そして理解する。この血生臭さは彼女の血によるものだと。 更に、自分が生きているのは、この少女のおかげなのだと。 「………おいっ!死ぬな……待ってろ、今、止血を……」 「やはは……無理、だよ。血が、足りなすぎるから……君の、傷は、あの子が、処置してくれたんだよ」 何があったのかは岡部には分からない。 ただ一つ言えるのは、彼が気絶している間にここで一つの殺し合いがあったこと。闇口崩子はその果てに、岡部を助ける選択をしたこと。 結論、岡部倫太郎の生命は一人の少女の命と引き替えに救われた。 「……最後に、おね、がい」 「………何だ」 「君が、私を、殺して。私を、終わらせて―――」 儚い願いだった。 きっと三枝葉留佳は、岡部が殺し合いに乗っていると気付いていたのだろう。その上で、彼を助けた。自分の命よりも、殺人者の命を優先した。 岡部はデイバックからジグザウアーH226を取り出し、弾を一発だけ、装填した。すぐに、彼女の願いを叶えてやるために。 安全装置を外し、発砲できる状態にする。 即死させる。 そのために、葉留佳の額の真ん中に銃口を当てた。 後は引き金を引くだけで、儚い消えかけの命は失われる。 人差し指に意を決して力を込める。最期に、葉留佳はこう紡いだ。 「――――――がんばれ、かなた」 乾いた破裂音と、一人の男の叫びが木霊した。 家系に翻弄され、疲弊しきり、死を望んだ少女、三枝葉留佳。 彼女は、ようやくすべての鎖から解き放たれた。 最期に想ったのは愛しい仲間たちのことか、それとも。 敵対していた、けれどどこか心配な、姉のことか。 【三枝葉留佳@リトルバスターズ!】 死亡 【残り140/148人】 【深夜/B-6】 【岡部倫太郎@STEINS;GATE】 [状態]胸に切り傷(処置済)、悲しみ [所持品]ジグザウアーH226@現実、無銘@戯言シリーズ [思考・行動] 0 殺し合いを勝ち抜き、殺し合いをなかったことにする 1 くそっ――――――――。 2 紅莉栖たちには会いたくない。 3 闇口崩子にとりあえずは警戒しておく。 ※『境界面上のシュタインズゲート』前からの参加です ■ 闇口崩子は、血に汚れたナイフをデイバックにしまった。 殺した。殺人の経験は無かったが、思ったより来るものがある。 まさか、刺された直後に殺人者の処置を乞われるとは思わなかった。 慣れない処置だったが、とりあえずは大丈夫の筈だ。 ついこの前『壊された』ばかりの彼女の心に、このバトルロワイアルは彼女の把握するより遙かに大きな負荷をかけている。何時、また壊れるかは分からない。 しかし不幸にも。B-6エリアには、最悪の男がいる。 人を壊し、人の悲しみや呪詛の声を糧とする自覚した破綻者が。 『神父』言峰綺礼と、闇口崩子が遭遇するまで、遠くない。 【闇口崩子@戯言シリーズ】 [状態]健康、心に負荷 [所持品]式のナイフ@空の境界、ルシファーの杭@うみねこのなく頃に [思考・行動] 0 戯言遣いのお兄ちゃんを守る。 1 お兄ちゃんに危害を加えそうな人物、邪魔な人物は殺す 2 岡部倫太郎は次に会ったら殺す ※『ネコソギラジカル』、いーちゃんが見舞いに来た後からの参加です ※無自覚ながら殺人行為がストレスとして蓄積しています、何時再び壊れるかは分かりません ※言峰綺礼が接近しています 走り出した想いは何時までも―――― 投下順 [[]] GAME START 三枝葉留佳 GAME OVER GAME START 岡部倫太郎 [[]] GAME START 闇口崩子 [[]]
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ランドセルランドの虐殺劇 ◆H5vacvVhok そこは、世間一般では俗に『天国に一番近い遊園地』と呼ばれ、子供から大人まで楽しめる絶叫マシーンが多数取り揃えられた、まさに絶叫マシーン・マニアのための遊園地として全国的に有名な娯楽施設―――ランドセルランドだった。 そのランドセルランドの入場ゲートのベンチに一人の男がだるそうに腰を掛けていた。 「あ~あ、めんどくさいことになったちゃ」 その男、スリーブレスの白シャツに、よれよれでサイズが一回り大きいのではないか?と思われるだぼだぼのズボン、 両足には、ぼろぼろのサンダル、首には白いタオルをかけていて、肩にはバット収納用の鞄を提げている。 おまけに頭には麦藁帽子をかぶっていた。 傍からみれば華奢で牧歌的な人畜無害な青年といった風貌だが、 人を見かけで判断してはいけない。 いや、人ではない。 鬼だ。 それも、ただの鬼ではなかった。 殺人鬼である。 殺し名七名、序列第三位。 零崎一賊。 禁忌の対象である殺し名の中で最も忌み嫌われ、あの哀川潤でさえ関わりたくないといわしめた脅威の殺人鬼一賊。 その零崎一賊のなかで、誰よりも容赦のない手口で、誰よりも多くの人間を殺してきたまさに生きた伝説 『愚神礼賛』こと零崎軋識がそこにいた。 「こんなに訳が分からない戦いは、『大戦争』以来だっちゃ。 ったく、レンとトキの奴はどこでなにをしているんだっちゃ?」 こんな気の抜けた独り言を言っている軋識ではあったが、内心はかなり焦っていた。 『大戦争』のときは、一賊の総力を結集してなんとか生き延びることができたが、今回の戦いは、一筋縄ではいきそうになかった。 長年の殺人鬼としての勘となにより、プロのプレイヤーとしての経験が軋識に警鐘を鳴らしているのだった。 (まずは、トキとレンと合流して―――) と今後の方針を思考していると、妙な気配を感じ取った。 ☆ ☆ ☆ 「ああ、いいですね、いいですね、いいですね。これから、殺される者を観察するのは、 とても気分のいいものですね」 ランドセルランドのゲートの上から零崎軋識を観察する一つの影があった。 袖のない忍び装束に、左右の腰に一本ずつ忍者等を差しており、 何より異様なのが身体中に巻かれた鎖であった。 真庭喰鮫である。 喰鮫は嘗てないほどのやる気と殺気に満ちていた。 普段からワーカー・ホリック気味の喰鮫だったが、ここまで自分にピッタリの任務は他にはないと確信していた。 ただ、自分はこの戦いの参加者を虐殺して回ればいい もし、他に真庭忍軍の者が参戦しているのならば、自分は自刃することにしよう。 後のことは仲間に任せれば自分たちの悲願を達成することができる。 真庭忍軍の悲願―――真庭の里の復興がついに実現するのだ!! 「でも、油断は禁物ですね。前回と同じ轍を踏まないよう今回は、しのびらしく『忍んでいく』と致しましょう」 と喰鮫は気配を消して左右の腰に差した忍者刀を抜いた。 忍法渦刀―――!! 『鎖縛の喰鮫』こと真庭喰鮫、必殺の忍法が零崎軋識に炸裂しようとしていた。 気配を消した真庭喰鮫が忍法渦刀を行使し、急速に零崎軋識に接近しようとしていた。 (楽しいですね、楽しいですね、楽しいですね。 ただ、一方的に殺すというのは、本当に楽しいですね!!) そして、炸裂する渦刀。 響き渡る断末魔。 地面に倒れ伏しているいるのは、 真庭喰鮫だった。 「ど、、、う、して」 地面に叩き付けられた喰鮫は虫の息になっていた。 よくみると、軋識の右手には釘バットが握られていて、 その釘バットには鎖に繋がれた忍者刀が絡み付いている。 「巧く気配は消していたようだっちゃが、そんだけ殺気だってちゃあ、 俺じゃあなくても気づくっちゃよ……」 なにが起こったのか理解できない様子の喰鮫に呆れたように説明してやる軋識。 「格好を見る限りじゃあ、闇口衆だっちゃね。ということは、死んでも口は割らないか……」 じゃあ、殺しておくのがベストっちゃね、と己の二つ名と同じ名を持つ釘バットを構える軋識。 それをただ呆然と眺める真庭喰鮫は、朦朧とする意識のなかで、 ただ一つのことだけは、なんとか理解することができた。 (いやですね、いやですね、いやですね。殺されるというのは、実にいやなものですね) そして、振り下ろされる『愚神礼賛』。 全てが、闇に、包まれ、消えた。 【真庭喰鮫@刀語 死亡】 ☆ ☆ ☆ (さて、さっそく敵襲があったということは、もうここは駄目っちゃね) と周囲に警戒しながらその場を去る零崎軋識。 仲間の無事を祈る思いと同時に漠然とした不安が焦りを伴い軋識を次なる戦場へと駆り立てる。 【一日目/深夜/E-6ランドセルランド】 【零崎軋識@人間シリーズ】 [状態]仲間が見つからないことへの焦燥感 [装備]愚神礼賛―――シームレスバイアス [道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3) [思考] 一刻も早く他の一賊の兄弟と合流したい。(特に曲識と双識) この状態の元凶及び零崎一賊に歯牙を向いた不知火袴の抹殺。 [備考] ※人間関係(双識との関係)後の参戦です。 戯言語 時系列順 閃々響々 戯言語 投下順 閃々響々 START 真庭喰鮫 GAME OVER START 零崎軋識 殺人鬼の邂逅
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戯言シリーズ(ざれごと-)は、西尾維新作、竹絵によるライトノベルのシリーズ。全九冊。語り部は「ぼく」こと戯言遣い。 慣用 戯言シリーズとは以下の本を指す。 クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い クビシメロマンティスト 人間失格・零崎人識 クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 サイコロジカル ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 ネコソギラジカル このうち、サイコロジカルは上下巻、ネコソギラジカルは上中下巻である。平均的なページ数は360ページ。 また、その外伝的シリーズである人間シリーズが以下の通り。 零崎双識の人間試験 零崎軋識の人間ノック 零崎曲識の人間人間 零崎人識の人間関係 備考 第一冊目となるクビキリサイクルは西尾維新にとっても作家として第一作目。その前の短編に、かの人類最強が主人公の探偵小説があり、それをもとに書かれている。ちなみにそれはエイトクイーンという小説で、孤島の女主人、三つ子メイドなど、クビキリサイクルに受け継がれている要素は多い。 また、宝島社「このライトノベルがすごい! 2006」では作品部門第1位を獲得した。 世界観 戯言シリーズ及び派生作品内では、四つの世界が互いに癒着、依存しながら共存している。その四つとは、 表世界(平和で戦争な世界)…一般的な日常世界。「ぼく」が所属する世界。 財力の世界(四神一鏡・神理楽 ルール )…表世界に一番近い世界。赤神イリアなど。 政治力の世界(玖渚機関)…一種の結社みたいなものでその力は横向きに広い。壱外、弐栞、三榊、肆屍、伍砦、陸枷、染の名を飛ばして、捌限。そしてそれらを束ねる玖渚機関によって成り立つ世界。 暴力の世界(殺し名・呪い名の世界)…異形・異端・異能こそが支配する秩序で無秩序な世界。「力が物を言う」。零崎人識含む零崎一賊や匂宮理澄及び匂宮出夢が所属していた匂宮雑技団などがある。 登場人物 戯言シリーズ\登場人物をご覧ください。
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【種別】 儀式 【元ネタ】 魔術を行使する際に行う「己の名を宣言する」という儀式。 よく「我が○○の名において宣言(行使)する」等の形で行われる。 【初出】 一巻でインデックスが名乗ったDedicatus545が初出。 【解説】 魔術師が戦闘時に魔術を行使するために名乗る名前。 また、自身の真名を伏せる目的もあるらしい。 己の信念をラテン語で表し、重複防止の為000~999までの数字を付ける。要は意識高いメールアドレス(アカウント)のようなもの。 もともと、魔術において「名前」というものはとても重要な要素である上 位階と名と魔術武器を知らしめ、 己の行わんとする行為を誓言してからが魔術師の本領といえるため、 魔法名は非常に重要なものと言える。 ステイルなど一部の魔術師にとっては「殺し名」である。 これを宣言する事は自分の覚悟を見せ付ける事と同義であり、 名乗られた者は本気で相手をしないと相手に対し失礼であるという。 なお、アニェーゼ達ローマ正教のシスターも魔術を行使するが、彼女たちは魔法名を持たない。 これは、「自分たちはシスターであり、魔術師ではない」ということを表す為である。 作中に登場しているものは以下。 マーク=スペース/Armare091 オリアナ=トムソン/礎を担いし者(Basis104) アレイスター=クロウリー/Beast666 禁書目録/献身的な子羊は強者の知識を守る(Dedicatus545) 土御門元春/背中刺す刃(Fallere825) ウィリアム=オルウェル(アックア)/その涙の理由を変える者(Flere210) ステイル=マグヌス/我が名が最強である理由をここに証明する(Fortis931) アウレオルス=イザード/我が名誉は世界のために(Honos628) シェリー=クロムウェル/我が身の全ては亡き友のために(Intimus115) レイヴィニア=バードウェイ/Regunm771 神裂火織/救われぬ者に救いの手を(Salvere000)
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・荒らし名簿 ここでは、オンラインの「デュエル・オブ・レジェンド」で見つけた、荒らし・迷惑行為をする人の名簿を書きます。 見つけ次第、ここに書いて下さい。(ニックネームを変えて入室する荒らしも居るので、注意してください。) ・ぴこーん