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22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 11 59 49.21 ID Y9DxnKOpO叱られながらセクハラされたい。ローターあてられて罵られながら謝りつづけたい。 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 12 06 41.46 ID Y9DxnKOpO 26堅物のむっつりドSな上司とか、アランリックマンみたいなおじ様とかがいいw無能とか言われて酷い目にあいたい。 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 12 13 41.84 ID Y9DxnKOpO 34おもちゃつけさせられたまま、営業いかされたり、クレーム対応させられたり、叩かれては揉まれ叩かれては揉まれたい。 関連レス 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 12 16 43.09 ID qXpy9Os+0 40おもちゃ付きのせいでお客様を怒らせてしまって、それをまた厳しく叱られてしまうわけですねwどんどん激しくなりそうですw 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/30(日) 12 22 42.85 ID PRKIsjDz0 46スーツにパンスト姿でひどい目にあいたいのですか? 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 12 50 27.65 ID Y9DxnKOpO 54スーツきただけでもぞくっとくすから、就活とか楽しみwパンストは伝線しちゃうと、いつも引き裂いて妄想してから脱ぎますw 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 12 53 53.99 ID qXpy9Os+0 92いい妄想ですねw就職活動中にセクハラ面接とか受けたら、どうしますか? 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 12 59 17.36 ID Y9DxnKOpO 96セクハラ面接…ぞくっときます。一応真面目なふりしてキリッと生きてるので、嫌がり続けるとおもいますけど……w 参考
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【番組名】 テレビに出たいやつみんな来い!! 【放送日】 1982年3月17日 【放送局】 日本テレビ 【内容】 ①BOOINGショー ②おタケちゃんスペシャル 【出演者】 出演者:ツービート、近江俊郎、片岡鶴太郎、大川豊他
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944 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 00 35 51 ID ??? 今日のコンベのSWの下駄履きセッションで、女PL二名の女PCの着替えを使い魔に覗かせた男PLの男PCが、 使い魔を手加減で殴る→応急手当のループで殺されてゲームから排除された。 男PLはムギャオーしたが、結託してムギャオーしかえした女PL二名の勢いに押されてすごすごと 退場した。 ひどい話もあったものだ。ちなみに二人とも可愛い系と美人系で平均よりかなり上の容姿。 スレ171 33 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 12 16 52 ID ??? いや、のぞきは殺されても文句は言えんだろ… 34 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 12 33 17 ID ??? 許されるのは半殺しぐらいまでだろう 35 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 12 52 53 ID ??? うん、怖いよね覗きって。 36 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 13 20 01 ID ??? 33 マジレスするなら、 ギャグでの覗きでマジ殺しされてゲームから除外はどうかと… その覗きPLがのっけからセクハラRPばっかする変態だったなら他の参加者全員で 排除されてもしょうがないかもしれんが ギャグかセクハラか、線引きが難しいよね 俺は男だからか今回の報告の女性PL二人はやり過ぎだと思ったけど 37 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 13 44 09 ID ??? 神話にもいたよね、覗きをしたばっかりに鹿かなんかに変えられて、 自分の猟犬に噛み殺されちゃった可哀想な猟師が。 38 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 13 45 38 ID ??? 36 > 33 > マジレスするなら、 > ギャグでの覗きでマジ殺しされてゲームから除外はどうかと… > その覗きPLがのっけからセクハラRPばっかする変態だったなら他の参加者全員で > 排除されてもしょうがないかもしれんが > > ギャグかセクハラか、線引きが難しいよね > 俺は男だからか今回の報告の女性PL二人はやり過ぎだと思ったけど 39 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 13 48 27 ID ??? 私女だけど、件ののぞきPCのPLがイケメンだったら許したと思う。スイーツ(笑) 40 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 13 48 55 ID ??? 36 問答無用で殺すのはやり過ぎだよな まぁ、覗いた方もコンベでそれはギャグでも 難易度高いだろって話だけどな それだけなら事故だけど、その一回でPL排除まで行ったって点に限れば 困なのかもしれんが 41 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 13 59 24 ID ??? 39 正直それはあると思う。 どうせキモヲタが「げへへ着替え覗きまーす」とか調子乗ったんじゃないのと邪推。 42 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 14 30 36 ID ??? 覗きで除きなんて寒いギャグタイトルが浮かんだのは俺だけじゃないはず。 43 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 15 25 48 ID ??? ふつうは覗きRPには演出戦闘的にフルボッコにするRPで返すだけで終わるもんだ。 お約束的ギャグだし。 44 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 15 49 54 ID ??? というかGMが止めるべきだと思うんだ 応急手当を 45 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 15 59 24 ID ??? 除かれても全く気付かないロールしてたら あまりの無防備さに男PCが「何やってんだろ俺……」とか言いながらすごすご帰ってった事はあるな 46 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 16 31 20 ID ??? イリーナ「大剣で死なない程度に真っ二つ」 マウナ「そこにヒーリング」 イリーナ「そして再び大剣」 47 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 17 39 02 ID ??? 46 あるあるW 48 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 17 47 20 ID ??? 39 スイーツがどうか知らないけど 相手によって対応変えるのは普通と思う スレ172
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ミスコン女王が殺された 題名:ミスコン女王が殺された 原題:Lethal Bayou Beauty (2013) 著者:ジャナ・デリオン Jana Deleon 訳者:島村浩子 発行:創元推理文庫 2018.9.21 初版 価格:¥1,000 アメリカ南部ルイジアナ州。バイユーにワニの生息する人口300のシアフルという小さな町。こんな静かで平和なはずである町に、CIAでへまをやらかした女スパイ、フォーチュンが身を潜めてからいきなり事件が連続するようになった。わけありのおばあちゃん二人アイダ・ベルとガーティとのトリオでの活躍シリーズ第二弾。 先日の翻訳ミステリー札幌支部のZOOMによるリモート読書会では、このシリーズ翻訳は三作目までなされたけれど、この後の続巻は売れ行き次第とのこと。たいていの翻訳シリーズ物は三作までの版権を得て、その売れ行き次第で出版を続けるか否かを決定するということが、出版事情に明るい方により明らかになった。 なのでぼくもささやかながらこのシリーズの力になるべく既訳の三作は読むことにする。あまりユーモア・ミステリに食指を動かされるタイプではないが、主人公の若い姉ちゃんフォーチュンは、ある意味ハードボイルドな戦闘的主人公であり、男顔負けの戦闘能力に長けているわけで、ユーモアと言いながら男性読者を十分に引き連れてゆける魅力に富んでいるのだ。アイダ・ベルとガーティの老女二人も然り。 タフでハードな女性トリオによる本編はタイトル通り。バナナプディングに関する競争相手(一作目ご参照)シーリアの娘であるミスコン女王が殺害される事件が発生。殺害状況その他が不明ななか、戦闘女トリオはイケメン保安官助手カーターの目線を潜り抜つつ隠密捜査を展開、ドタバタアクションで読者を爆笑させつつ真相に迫ってゆく。 この作家の天才を感じるのはこのあたりの展開だ。あらゆるシーンが爆笑要素とスリルに満ちている。 それでいてカフェ店員アリーという普通の女の子も登場させ、ドライで孤独なヒロイン、フォーチュンに普通の世界を体験させることで、改めてこの町での日々によるヒューマニズムのような感触を彼女自身に感じさせる。一冊二冊の作品展開のなかでも、少しだけ鋼鉄の戦士に温かい血が流れ、心が通電するような微妙な変化が生まれる。このあたりの描写も素晴らしいのだ。 特に保安官助手カーターとの間に生まれそうで生まれない、女性として初めての恋愛感情の卵のような意識。このあたりも繊細で可愛らしく、あくまでハードボイルドなヒロインがこの先18作くらい続いてゆくシリーズでどれくらい人間化してゆくのかというプロセスもなんだか楽しみでならない。 ちなみにこのシリーズ10作を越えても3か月くらいしか経過しないという。邦訳されている三作だけでも10日ほどしか経っていないらしい。フォーチュンがこの町に来てからいきなり事件が連続し、保安官事務所はいきなり忙しくなってしまうのだ。こんな無理な展開でも中身が詰まっていれば読者は食いつく。さて続けて三作目にとりかかろう。 (2020.06.19)
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【検索用 あのこみたいにあいされたい 登録タグ CeVIO あ 星界 暴走P 曲 曲あ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:cosMo(暴走P) 作曲:cosMo(暴走P) 編曲:cosMo(暴走P) 唄:星界 曲紹介 ――瘴気が強いです 曲名:『あの子みたいに愛されたい』(あのこみたいにあいされたい) 個人的な感想ですけど、CeVIO AIの合成音声は表現力がバリ高い分、異常高速脳筋早口をやるのは難しそうという印象を受けました。なので今回はオケはBPM230でバチバチやりつつメロディは半分の115ベースで緩めにする事で調整しました。(作者投稿文より) cosMo@暴走P初の星界オリジナル曲。今回も、作詞・作曲・編曲・イラスト・動画すべてにおいて暴走Pソロプレイ。 歌詞 (YouTubeコメント欄の本人コメントより転載) あの子みたいに 愛されたいされたい愛されたいのに 解んない 解んない 何か全然解んない 画面の向こうのあの子は 笑顔がカワイイなーと眺めてた でもそれだけじゃない 私に無いものをあの子は持ってる ときおりあの子は 不機嫌になる威嚇もする そしてみんなが喜ぶ あれになりたい あれになりたい きっとあれが救いだから 貼り付いた笑顔褒められても 嬉しいのか分からない あの子みたいに やる事成すこと 全部正解にしてほしい ――解んない ――解んない 何か全然解んない あの子みたいに愛されたい 笑ったり泣いたり拗ねたり怒ったり くるりくるくる回る感情 すべてが本物 自然体 処世の笑顔が剥がれない 笑ったり媚びたりそして壊れたり 嘘を付いた私の 感情 すべてが偽物 紛い物 ねえ 痛いのは 痛いのはとてもイヤだけど ねえ この表情(かお)抉っちゃって 少しだけ我儘に―― ――なりたい ――なりたい あの子みたいに愛されたい 世界中から 愛されたい あの子みたいに愛されたい 何をしてても 愛されたい ん゛ん゛ん゛ーーー万能感万能感信仰 情緒 情緒 檻を壊して ん゛ん゛ん゛ーーー劣等感劣等感粉砕 情緒 情緒 喪失 喜怒哀楽は業者さんが持っていっちゃった 「勝手な真似をしないで!!!!!」 って言おうとしたけど怒り方がいまいちわかりません どこに出しても褒められるような 正しい所作が見えない 思った事口に出すこと全部合法にしてほしい ――解んない ――解んない 森羅万象解んない 画面の向こうのあの子は叫んでた よくわからない事をがなってた でもみんな「理解」していた 解る解るよと頷いていた あれになりたい あれになりたい そういうものに わたしは なりたい あの子みたいに愛されたい 笑ったり泣いたり拗ねたり怒ったり くるりくるくる回る感情 すべてが本物 自然体 処世の笑顔が剥がれない 笑ったり媚びたりそして壊れたり 嘘だらけの私の表情 すべてを壊して―― ねえ 痛いのは 痛いのはとてもイヤだけど ねえ この表情(かお)抉っちゃって 少しだけ我儘に―― ――なりたい ――なりたい コメント 名前 コメント
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王朝が殺された件、ガチなんだって。 誰に殺されたの 👆通り魔
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殺し殺され 風を孕んだカーテンが、ぶわりぶわりと波打った。その風は心地よくもあったが、割烹着姿のナースが窓を閉めてしまった。消得(きえる)の身体に障ると良くないという労りなのだろうが、妹の気配りが身に染みるようなのだが、あまりに過保護すぎるのも考えものだった。 「…………なあ、癒得(いえる)」 「ありません」 「まだ何も言うてへんやんか」 「どうせ『本当に二ヶ月なんか』とか『もっと早うに治せへんか』とか言うんでしょ」 「……なあ、ほんま辛気臭くてかなわへんねん、何とかしてぇな」 「どうにもなりません。命あるだけ奇跡なんですから。二ヶ月、しっかり治してください」 ㅤ全身複雑骨折。確かにこれだけで済んだのは奇跡中の奇跡だった。のゑるの防壁をいとも簡単にクラッキングし、単身乗り込んできた紫電の悪魔に襲われておきながら、消得は確かに生きていた。数人の犠牲者はあったが、彼らの犠牲の先に、消得は生きている。死んでいない。それはそれだけで十分なのかもしれない。 「ならせめて、窓は開けといてぇな」 ㅤ癒得は少し考えるように少し手を止めて、窓を半分だけ開けた。さっきよりも優しい風が消得の頬を撫でる。 ㅤそれにしても、だ。 「一体全体、なんだったんでしょ」 ㅤ癒得の嘆息。唐突な襲撃が彼女には不思議でならないようだった。消得はそれに、答えることはしない。そんなことは、紫電を浴びせてきた紫音の表情を見た消得にとっては、火を見るより明らかだったからだ。そんなことより、消得の目下の心配事は別にあった。 「親父」 ㅤ部屋の外から、消得を呼ぶ声が聞こえる。 「入り」 ㅤふすまを開けて入ってきたのは消得より一回り若い、スーツに身を包んだ青年、萎得(なえる)だった。その眉間には深いしわが刻まれている。 「どうしたん、怖い顔して」 「吼得の奴らが……」 ㅤ嫌な予感がした。そしてそれは当たっていた。 ㅤ癒得に車椅子を押されて廊下を進んでいく。ひとつの部屋に大勢が集まっているのが見えた。数人が消得を振り返り、道を譲った。開けて見えたのは、顔に白い布をかけられた巨漢だった。覗く黄金のたてがみ。護人衆が一人、泣成吼得。その胸に、のゑるがすがりついていた。 「癒得」 ㅤ消得がそう呼びかけるのと同時に、癒得は息を呑んで吼得に駆け寄った。傍に座ってその腕をとり、タップのソフトウェアをいくつか起動する。癒得手製の医療アプリだ。それは非常に正確で、吼得の状態をありありと映し出す。癒得は何度も何度もそれに目を通し、消得に振り返って首を横に振った。 「さよか」 ㅤ消得は短く、それだけ言った。 「またあいつらです」 ㅤ萎得が言った。それはただの報告でもあったし、明確な怒りが刻まれた言葉だった。その場の全員の脳裏に、目的不明、出自不明、河渡連合に敵対的な五人組がありありと浮かんだ。特に、河渡のレッガーを手当たり次第に手にかける“黄色い龍”。消得の働きによって、彼の正体は明かされていた。三合会のレッガー、鳳龍。 「もう我慢ならねェっ!!!!!」 ㅤ叫んだのは絶得(たえる)だった。護人衆の中でも、家族を守ることに対する熱意において彼の右に出るものはいないだろう。絶得は泣成家の結束力の要であることは消得も認めている。 ㅤだからこそ、こういう時に裏目に出るのだ。 「絶得、落ち着きぃ」 「落ち着いてなんかいられねェよ兄貴っ!ㅤ吼得だけじゃねェっ、吼得の舎弟も軒並み、全員だっ!」 ㅤふつふつと、湧き上がる気を消得は感じ取った。絶得の言葉に呼応するように、その場にいる全員が、泣きじゃくるのゑるでさえも、みなが共通して心に飼っている“鬼”が奮い立つのを抑えられていない。怒り、憎しみ、殺意。 「全員覚えている、名前も言えるぞ、家族だからなっ!ㅤ家族が殺されて、黙ってる俺たちじゃねェだろが兄貴よぉっ!!」 「分かったから、落ち着きぃ言うてんねん」 「消得兄さん!」 ㅤ次に立ち上がったのは煮得(にえる)だった。 「兄さんらしくないよ。どうしようもない社会不適合者の僕達に居場所を作ってくれたのは、家族と呼んでくれたのは他でもない兄さんだろ!ㅤ僕達から居場所を奪おうとするやつは、たとえ河渡の身内だって、N◎VA軍が相手だって容赦しなかった!ㅤだから僕達は兄さんに着いてきたんだ!」 「煮得」 「この前の襲撃事件の時も、復讐しにいこうとしていた吼得兄さんと、還得(かえる)姉さんを止めてたよね?ㅤあの時に泣成家総力あげて挑んでいれば、こんなに沢山死ぬことは無かったんだ!」 ㅤ還得はともかく、吼得は止めても無駄だろうと、消得自身も分かっていた。煮得の言うことは正しい。中途半端な人数では返り討ちに会うのがオチだ。そのことももちろん消得は考えていた。その上で、吼得を止めたのだ。 「そやよってに、落ち着きぃ言うとるやろ」 「五人全員、面は割れてるんだ。住んでるところも、アイツらの家族の情報もある!ㅤ報復の仕方なんていくらでもある!ㅤうちはその気になれば一晩でN◎VAを壊滅させることだってできるんだ!ㅤ最後の手段なら、有得(ありえる)姉さんだってーー」 「煮得っっっっっ!!!!!」 ㅤ怒気が、爆ぜた。一喝、たったの一言で、その部屋に充ちていた復讐心は霧散する。直撃を受けた煮得はそのまま後ろに倒れそうになったところを絶得に受け止められた。思考が飛んでいるようで、ぽかんと消得を見つめている。 「なんべんも言わせんな、落ち着きぃ言うてんねん。お前らがどれだけいきり立とうが、家の方針は絶対変えへん。黄色い龍と、その周辺には一切手を出したらあかん。ええな」 「親父、そんなの……、あんまりだ……っ!」 ㅤこういう空気でも口を開けるのだから、萎得は強い男だ。消得は彼の、そういう所を買っていた。 「癒得、葬儀の準備しい。明日の早朝にする」 「……はい」 「のゑる、そろそろ泣き止み。癒得の邪魔になんで」 ㅤしかし、のゑるは身動ぎひとつしなかった。生粋のお兄ちゃんっ子ののゑるは吼得とも親密だった。彼女の葛藤を想像できないほど消得も無能ではなかったが、その上で仕方ないと割り切ってしまえるほどには無能だった。 「べゑる、連れてき」 ㅤ黒装束の女がひょいとのゑるを持ち上げる。 「いやっ……、いやぁっ……!」 ㅤのゑるは必死に吼得に手を伸ばす。 しかしべゑるの手から逃れることは出来ない。のゑるの叫びが廊下に、暫くこだました。 「親父……!」 「最初に教えたやろ。お前ら一人一人が、うちの家族になる時に」 ㅤ萎得の訴えに、消得はあくまで冷たい。 「殺すんやから、殺されもするさかい。文句言うたらあかん。報復するのは勝手やけど、相手を間違うたらあかん。これ以上被害を出したくないんやったら、あいつらに手ぇ出したらあかん」 「被害?ㅤそんなもの!ㅤ俺たちは吼得や、他の奴らの、恨みや、怒りや、哀しみを晴らしてやるべきだと言ってるんだ!」 「死んだらしまいや」 「やってやりますよ、この命に変えてでも!」 ㅤそれは、みんなの覚悟だった。他ならぬ、消得自身の決意の代弁でもあった。死んでも家族を守る、その相互宣誓のうちに殺人鬼達は居場所を見出しているのだった。 ㅤ果たして消得は、何も答えなかった。「散り」という鶴の一声に、一人、また一人と部屋から立ち去っていく。絶得、煮得、萎得の三人は連れ違ざまに、それぞれに消得を睨んでいった。消得は誰とも目を合わさなかった。 トーキョーN◎VA 小説 泣成のゑる 泣成べゑる 泣成吼得 泣成消得 泣成煮得 泣成癒得 泣成組 泣成絶得 泣成萎得
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わるいやつら ◆JafXqJgmR2 大正の世を騒がせた悪の秘密組織「我威亜党」は、たった一人の『名探偵』の手によって崩壊した。 しかしそれが我威亜党幹部・黒羽根あやかにとっては大した問題ではなかった。 ただ、数多くある「ヒマつぶし」の一つがダメになってしまっただけの事。 我威亜党崩壊を確認した後、あやかは日本に見切りをつけ、部下の鷹森と共にとある外国へ飛んだ。 闇の眷族として行動し、時々現れる妖怪ハンターを適当にあしらっては暮らす日々……。 それもまた一つの「ヒマつぶし」にはなったが、やはり我威亜党幹部として暗躍していたあの頃が夢の様に思いだされる。 だからこそ、そろそろ新しい「ヒマつぶし」を探そうとしていた彼女にとって、この提案は願っても無い事であった。 「もう一度、お前の力を借りたいのでやんす」 一体どこで自分たちの所在を嗅ぎつけたのか、 再び目の前に現れた我威亜党リーダーにして自分のかつての上司であった男、亀田はあやかにこう持ちかけた。 「やってほしい事は簡単でやんす。オイラ達が今計画している『殺し合い』に、参加者として参加してほしいのでやんす」 『殺し合い』。随分と物騒な単語が飛び出したものだ。 ついこの間まで我威亜党が狙っていた大量虐殺よりも残酷な遊戯と言える。 「参加者を全員殺せ、と?」 「ああ、それは違うでやんすよ。お前に頼みたいのは、その『殺し合い』を潤滑に進めるための工作でやんす。 まぁもちろん、お前がその手で参加者達を殺すのも止めはしないでやんすがね」 「…………?」 一瞬だけあやかの頭に疑問符が浮かぶが、それもやがて消える。 我が主が果たして何を目的として『殺し合い』を開くのか、何を求めているのか…そんな事はあやかにとってはどうでもいい事だ。 重要なのは唯一つ。 「ただし、注意するでやんすよ。参加者に怪しまれない為にも、お前にも反乱防止用の首輪をつけさせてもらうでやんす。 首がふっとんだぐらいじゃ死なないお前でも、死ぬでやんすからね?」 「あら……?それはどういう意味です?」 「参加者の間の実力差を減らすために、『能力の制限』が掛る事になっているのでやんす。 本来なら霊力がない相手には傷一つ付けられないお前も、どこの馬の骨ともわからない奴らに殺されるかも知れないでやんすよ」 「それはまた、随分と厳しい任務ですわね」 「こうしなければいけない理由があるのでやんすよ………それに」 ニヤリ、と亀田がどす黒い笑みを見せた 「これぐらいした方が、十分にお前の『ヒマつぶし』になるでやんしょ?」 クスクスクス――――思わず、そんな笑いが口をついた。 どうやら、仕えていた我が主には、すべてがお見通しだったようだ。 全く、生まれ故郷にて仕えた横暴な殿と言い、その後に仕えたあの忍者らしくない忍者といい、 そして自分が『この世界』に来るきっかけを作ってくれたあの魔法使いといい…どうにも自分には上司運と言う物が無いらしい。 まぁいい。どちらにせよ構わない。これまで以上に刺激的で興味深い、いい「ヒマつぶし」になりそうな事だから。 「この黒羽根あやか……亀田皇帝の為にこの身を捧げる事を誓いましょう」 今までは、『どうせ傷つくのは人間の方なのだから』とタカを括っていた。 ここであえて、自分も『傷つく可能性のある側』に回ってみるのも面白い。 そして彼女は、バトルロワイヤルの会場へとその身を投じたのだった。 ※ 亀田皇帝によるデモンストレーションが終了した後、あやかが飛ばされた場所は地図上にて【H-3】にあたる場所であった。 耳を澄ませば聞こえる波の音と、風に乗って運ばれてくる潮の香りが、すぐそばに存在するであろう海を感じさせる。 (随分と端の方に飛ばされたわね……皇帝ももう少し考えてくだされば良いのに) このような僻地では、果たしてすぐに他の参加者と出会う事が出来るかどうか…… ともかく、考えていても仕方がない。とりあえず移動を始めるべく第一歩を踏み出した瞬間―――― 「……………!」 あやかの体が横へとジャンプし、今の今まで立っていた場所に大きな火の玉が直撃した。 即座に、自分の愛刀である妖刀ムラマサをディパックから取り出し構える。 「……出てきてくれませんか?そこにいるのは分かっています」 草むらの中の一か所を睨みつけたままであやかが言う。 しばらくの間、草木がパチパチと燃える音が響いた後で………ガサリ、と音を立てて草むらから一人の男が現れた。 「ったく、難儀やなぁ……襲う相手を間違えてもうたか…よりによって『魔のモノ』かいな」 一部地方の訛りが掛った言葉を呟きながら、男がギロリとあやかを睨みつける。 その姿を見た瞬間、あやかの眉がほんの少しだけ動いた。 奇妙な格好の男だった。青い帽子と、これまた青いマントを羽織り、さらに左目の周りには妙なメイクが施されている。 一見したところ、どこかのサーカスのピエロか………もしくはどこぞの悪の魔法使いかといったところ。 そして、あやかはその印象が当たっている事を知っている。 「これはこれは…まさかこんな処で会えるとは思っていませんでした。悪の魔道士兄妹の兄、プレイグさん」 「お、なんや?ワシの事知っとるんか!ハハハ、こらワシらも随分有名になったもんやな!!」 あやかの言葉を聞き、目の前の男――プレイグが豪快に笑う。 この会話だけ見れば、二人の間に流れる空気が親密な物のように思える。 だが、実際にはプレイグから発せられる強い殺気は今だに消えず、同時にあやかも刀を構えたまま微動だにしない。 「ま、正直な話、ここで貴重なワシのファンに手ぇ出すんは悲しいんやけど……命にゃ代えられんからなぁ。 ワシだって色々やらなアカン事もあるし、豪華な賞品にもちょいと興味があるんでな」 そう言いながら、ゆっくりとプレイグが自分の手をあやかへと向ける。 そして彼の口がモゴモゴとしばらく動いたかと思うと、徐々に手の先へと赤い炎が集まり始める。 つい先ほどあやかを襲った火の玉の正体であり、プレイグの得意魔法でもある炎の呪文『ボー』の発動準備だ。 しかし、炎が十分に集まった後でも、彼は『ボー』を発動させない。そしてあやかもまた、それを好機と見て斬りかかろうとはしない。 互いに隙を読み合い、自分の一撃が確実に入る瞬間を狙っているのだ。 一分、二分、三分………無言のままの睨み合いが続く。 そして、最初に動いたのはあやかだった。 「じゃ、もうやめましょうか」(ポイッ) 「って何じゃそらぁぁぁぁぁ!?」 あろう事か、あやかはプレイグの目の前で自分の得物を投げ捨てたのである。 あまりにもあんまりな行動に、プレイグも呪文を発動させるどころか全力でツッコミを入れる。これも関西人(?)のサガか。 「はぁ、はぁ……あー、これはアレなんか? もしや『愛しのプレイグ様に殺されるならばこの命も惜しくは…!』みたいな涙ぐましいファン根性と見てええんか?」 「何やら勘違いなさっているようなので言っておきますが、私は『決して』あなたのファンなどでは『絶対に』ありませんので」 「二重に否定するんかい!?」 「ひとまず落ち着いて、私の話を聞いていただけませんか?」 興奮させたのはお前の方やろが……!!という憤りは胸の内に仕舞いこみ、プレイグはひとまずあやかの次の言葉を待つ。 今の漫才的な流れでせっかく貯めたマナも散りじりになり、途中まで唱えていた『ボー』の呪文も役立たずになってしまったが、 それでも即座に反応が出来るように意識は集中させたままだ。 「まず最初に…私は、この『殺し合い』に乗っています」 「オイオイ、普通この場で言うのは逆とちゃうんか?」 「『殺し合い』に乗っている人物の前で、『殺し合い』に乗っていないと言ったところで何の意味があります? それに、貴方にとってはこちらのスタンスの方が喜ばしい事だと思われるのですが」 「まぁ確かにそうやな……」 幾ら『殺し合いに乗った』とはいえ、たった一人で他の参加者全員を始末するのは不可能に近いだろう。 だからこそ、自分以外にも『殺し合い』に乗り、積極的に参加者を減らしてくれる人物は必要となる。 「けどな、だからってワシがアンタを見逃す理由にゃならんわな? ワシが『ほな、お互いに殺し合い頑張ろうやないか』と後ろを向いたとこでバッサリ、っちゅーのも大いにありえるやろが」 「ええ、優勝を目指すものという意味ではライバルとなりますからね。 ですが……私が別に『優勝を目指していない』とすればどうです?」 「何やて?」 「自己紹介がまだでしたわね。私の名は黒羽根あやか……我威亜党幹部であり、この殺し合いの主催者である亀田皇帝の部下の一人です」 「はぁ?」 突然のあやかの自己紹介にプレイグはポカンとした表情を浮かべるが、やがて合点がいったというように徐々に不敵な笑みを浮かべる。 「ははぁ、なるほど…つまりはスパイ、っちゅー事か」 「スパイですか……私個人としてはジョーカーと呼んでほしい所ですが」 「ハン、呼び方なんざどうでもええわい」 「ともかく、これで私の言いたい事は終わりました。と言う訳で、その警戒を解除して頂きたいのですが?」 あやかが微笑みを浮かべながらプレイグへと問う。 だが、その美しい笑みを見てもプレイグの目からは今だに不信の色は消えていなかった。 「悪いが、そういう訳にゃいかんわな。確かに理にかなっとる説明ではあるが、ここまで全部ウソ八百っちゅー可能性も多いにあるやろが」 「……………………」 「オイ、なんやそのむっちゃ驚いた表情は」 「いえ、貴方はもっとツメが甘くおっちょこちょいで間の抜けた人物だと聞いていたので」 「お前はワシの信用を得たいのかワシにぶっ殺されたいのかどっちなんじゃ!? ちゅーかどこのどいつやそんな失礼な事言いよったアホタレは!!」 「貴方の妹のイル様ですが」 言い終えた瞬間、あやかの胸に強い衝撃が走る。 プレイグが一瞬の間に距離を詰め、あやかの胸倉に掴みかかってきたのだ。 「おい」 「苦しいので離していただけないでしょうか?」 「黙っとけ。ワシの質問に答えろや。アイツは今どこにおる?」 「離せ、と私は言っているのです」 「……………チッ」 忌々しげに舌打ちをしたあと、プレイグが乱暴にその手を離す。 やや乱れた服装を直しながら、あやかは言葉を続けた。 「彼女が今どこにいるのか、という質問にはお答えできません。私も存じ上げていないのですから」 「………そうかい。なら次の質問や。お前とイルとの関係はなんや?」 「イル様は私のかつての主です。危うい所を助けられ、『契約』を結び主従関係となりました。…まぁ、色々と語弊はありますが」 「『弱みに付け込まれて無理やり命令に従わされた』の方がしっくりきそうやな」 「ふふ、流石によくご存じですこと」 「当たり前や、たった二人の兄妹やからな………アホか、何言わすんや」 自分で勝手に言っておきながら、バツの悪そうに呟いた後にプレイグは明後日の方へと顔を向ける。 その表情は今まで見たことのないような険しい物だ。 「ついでにもう一つだけ情報を。イル様はこの会場にも呼び寄せられてはいませんよ」 「何やその情報は? 妹さんは殺し合いに巻き込まれてませんから安心してください、とでも言うんかい」 「私のような闇の眷属にそのような思いやりの感情があるとでも? ただ、もしもイル様がいたら喜びそうな『バカ騒ぎ』だと思っただけですわ」 「ハッ……イルの子分やったっちゅーのは本当らしいな。アイツの性格を良うわかっとるわ」 あやかの言葉にプレイグが苦笑する。その苦笑いはまさしく、少し手のかかる妹へ向けたものだった。 どうやら、目の前の男にとっては予想以上に『妹』という存在は大きい物らしい。 「……良い事を教えてさしあげましょうか。今の私の主は…亀田皇帝の技術力は、一言で言えば『異常』です」 「そらそうやろな。あんな大人数を一度にテレポートさせるんやら、こんなけったいな物を全員につけるやら、どうやったのか想像も着かんわ」 自らの首にはまった首輪の枷をコンコンと指で叩きながら、プレイグが同意する。 「で、結局何が言いたいんや」 「いえ……もしもあの方ならば、探したい物の居場所を見つけるのも簡単だろうなと思いまして」 「ギャハハハハハハハハ!! こら傑作や!! こいつ、ワシに思い切り殺し合いを進めようとしとるやないか!!」 「ええ、もちろん。私の目的は亀田皇帝の言うとおりに、この殺し合いを円滑に進める事ですから」 「………フン。ほんまに喰えん姉ちゃんやな」 しばらく目を細めてあやかを睨みつけた後、プレイグは興を殺がれた様子で背を向け、何処かへと歩き出した。 「あら…そんな無防備に背を向けてよろしいんですか?」 「実際、ここでアンタがワシを殺すメリットなんかほとんど無いやろ。今の話が全部咄嗟でついた嘘やとも思えんしな」 「ところで、私は人間の血が大の好物なのですが」 「せっかく人が決心しとる所やのに思いっきり出鼻挫くなや!! 後俺の血は間違いなくメッチャマズイからな!?」 「ええ、見ればわかります」 「ぐっ……ほんっまに喰えん姉ちゃんやなオイ!!」 「クスクスクス………」 思わず笑いが口から零れる。 醜い争いや犯罪で行う『ヒマつぶし』には勝てないが、このようにからかい甲斐のある相手をからかうのもある意味ではいい『ヒマつぶし』になりそうだ。 そこまで考えて、ふとある事を思い出した。そばに落ちていた自分のディバックを拾ってゴソゴソと中身を探る。 「オイ、いきなり何のつもりや」 険呑な目つきをしながらプレイグが身構える。 突然の行動に、武器を取り出して攻撃してくるのかと思わせてしまったらしい。 「いえ、大した事ではありませんが……あなたは杖を持っていないなと」 「あ? ああ、なんや愛用のロッドも没収されとってな…支給品にもそれっぽいもんがあらへんかったし。 別に無いとこで特に問題はないんやけど、正直落ち着かんわな」 「なので、私に配られた杖を差し上げようかと。私には刀があれば十分ですので」 「ほんまか? ま、タダで貰えるっちゅーなら貰っとくわ」 やがて、あやかがディバックの中から目当ての物を見つけ、それを取り出しプレイグに渡す。 そしてプレイグはそれを装備『させられた』。 「あら、とても良くお似合いですわ」 「………………オイ」 「私にはよくわかりませんが、とある魔術師が実際に使っていた物だそうです」 「……………………オイこら」 「何でも生贄に選ばれるような十分な力を持っていた女性の物のようで」 「いや待たんかいコラぁ!! 何やねんコレは!?」 「杖ですが」 「ああ杖やな! そうやなくて…なんでこんな妙な造形しとるんかっちゅーとるんや!!」 プレイグの反応も無理はない。 金色に美しく輝く棒に、天辺には綺麗な星型の飾り。 何というか、『ファンシー』だった。 少なくとも、ムサイ関西弁の悪の魔道士には全く似合わないと言えるぐらい『ファンシー』だった。 どっちかと言うと、どこかの小島にある綺麗な泉に宿った美しい桃色の髪の少女にはとても似合いそうな『ファンシー』な杖だった。 「気に入らないのであれば、引き取りますが」 「…………いや、やっぱええわ…無いよりはまだマシや…ああもう何でこないな物しか持ってへんのや!?」 「支給品については私の管轄ではありませんので、答えかねますね」 目の前にて地団駄を踏むプレイグに対してしれっと答えながら、あやかはこれからの事を考える。 すなわち……目の前の男と共に行動するか否か。 殺し合いが始まってすぐにゲームに乗った者――便箋上マーダーと呼称する――と遭遇し、そこそこの関係を気付けた事は僥倖だったと言えるだろう。 予想よりはややガードの固い男ではあったが、もうひと押しすれば共に行動する事も不可能ではないだろう。 『すぐ暴力振るうしちょい頭悪いバカな兄ちゃんやけど、何だかんだで扱いやすいから助かるわ~♪』との弁は正しかったらしい。 もちろんこのゲーム――あえてこう呼称しよう――の性質上いつまでも一緒に行動する事は不可能だろうが、それでも参加者の大半が脱落するまでは問題ないはずだ。 この場合のメリットは、一重に二人での戦闘が行える事にある。 このゲームの参加者達は一般人がほとんどではあるが、中には自分に匹敵するような力を持った者も何人か存在している。 そういった輩と戦う際に、中々の実力者であろうプレイグと共にいる事は非常にメリットになるだろう。 また、正攻法ではなく絡め手…すなわち、ゲームの打開を目指して団体行動をしている者たちの中に潜り込み、 疑心暗鬼を引き起こして内部崩壊をさせる事も不可能では無さそうだ。 イルからの又聞き情報ではあるが、この男は多少の変身魔法も扱えるようであるし、演技力もそこそこあるのだろう。 そして逆にデメリットを上げるとするならば、絶えず裏切りの可能性が消せない事。 幾らやや間抜けで扱いやすそうとは言え、そこは海千山千の悪の魔道士兄妹。 妹の知り合いとは言え今出会ったばかりの人間に、そこまで信頼を持つハズも無い。 もしも真に危険が迫った時、もしくはそちらの方が都合が良いとなった場合には容赦なく自分を切り捨てようとするだろう。 最も、簡単にやられてあげる気など毛頭も無いが。 (他にも……『あの情報』を話すべきか否か、ですね) つい先ほど、プレイグに言った『この殺し合いにイルは参加していない』という言葉。 アレは半分は本当であるが、半分は嘘である。 殺し合いに参加させられている、ある一人の人物……その名も『天本 令泉』。 亀田皇帝曰く、彼女は『イルという人物にある意味では非常に近く、ある意味では非常に遠い別人』であるらしい。 ゲームの開催前に、他の参加者についてのプロフィールや顔写真などには全て目を通して居たのだが、 そこでみたこの『天本 令泉』なる人物の顔は、自分のかつての主『天本 威流』に瓜二つだった。 しかし、プロフィールに乗っていた彼女の性格は完全にイルとは正反対ではあったが。 この事については多少は驚いた物の、あやかが納得するまではそう時間がかからなかった。 何故ならば綾華自身、似たような現象を見たことがあるからだ。 自分が生まれ育った、かの忍者の里から彼女の手を借りて大正の世界にやってきた後で、あの『名探偵』と戦った時の事。 『彼』が連れていた、時代錯誤の侍や陸軍の若将校にそっくりな人物を、すでに忍者の里で目撃しているのだ。 なぜそんな現象が起きているのか詳しい事はわからないが、元よりそんな事の理由を知る事に興味などは無い。 重要なのは、『別人である』という事実である。 ともかく、あやかは『天本 令泉』≠『天本 威流』という事実をしっかりと受け入れる事が出来た。 だがプレイグという男にとってはどうだろうか? いきなり『このゲームの中で自分の妹にそっくりな人間が居ても、それは全くの別人です』と言われ、はいそうですかと納得できるものなのか。 そういう意味では、この情報を話す事はそのまま余計な不信感を与えてしまう事となる。出来ればそれは避けたいところだ。 ならば、逆に伝えなかった場合は? これもまた問題がある。もしもこの事実を伝えないまま、彼が『天本 令泉』と遭遇してしまったらどうなるのか。 『天本 令泉』がまだ生きていれば、接触していく内に自分の妹とは別人である事がわかるだろう。 だが、既に物言わぬ死体となっていた場合は厄介だ。 何も知らないプレイグにとって、その死体が妹とは別人であると判断する材料はない。 もしそれが起こってしまった場合、その感情の爆発が真っ先に自分に向けられてしまう可能性が高い。 これもまた、プレイグという男と一緒に行動するか否かにかかわってくる判断だろう。 (全く、亀田皇帝も随分難しい任務を命じたものですね…) 今の自分の横暴な主に少しだけ悪態をつきながらも、彼女の顔にそこまで絶望の色は無い。 簡単な話だ。彼女は、この事態をも『ヒマつぶし』として楽しんでいるのだから。 果たして、この極限状態のゲームの中で、自分はどこまで生き残れるのか。 どれだけの人をこの手にかける事が出来るのか。 それとも、惨めに霊力すらない人間に殺されてしまうのか。 もしくは………今度こそ、この手であの『名探偵』を――――― (フフ…………楽しみですわね) 別に、あやかは『名探偵』に対して憎しみや恨みを持っている訳ではない。 むしろ抱いている感情はその逆と言えるかも知れない。 だが、それでも彼女は、彼との戦いを想像して悦びに打ち震える。 それでいいのだ。黒羽根あやかは闇の眷属。人間達が持つような甘い感情など、持っている筈も無い。 彼女の『ヒマつぶし』は続く。 どうせ傷つくのは人間と、自分自身だけなのだから。 「あ、やっぱりとても良く似合っていると思いますよ? 写真に撮りたいぐらい」 「じゃかぁしいわボケェ!! ちっとも嬉しくないわ!!」 はい、ヒマつぶしヒマつぶし。 【H-03/一日目深夜】 【黒羽根あやか@パワプロクンポケット7裏】 [参戦時期]:本編終了後 [状態] 健康 [装備] 妖刀ムラマサ@パワプロクンポケット7裏 [道具] 支給品一式、ランダム支給品1 [思考・状況] 基本:『殺し合い』を円滑に進めるために動く。方法は問わない。 1:ひとまずプレイグと行動するか否か、『天本 令泉』に関する情報を話すか否かを考える。 2:『名探偵』は、今度こそこの手で……… [備考] 1:参加者全員の顔と詳細情報についての知識を持っています。 【プレイグ@パワプロクンポケット4裏】 [参戦時期]:本編終了後、イルが忍者編の世界へ飛ばされた後 [状態] 健康 [装備] ハヅキの杖@パワプロクンポケット4裏 [道具] 支給品一式、ランダム支給品1~3(杖は無い) [思考・状況] 基本:『殺し合い』に乗り、ゲームを優勝を目指す。 1:あやかについては保留。とりあえず今は殺さない。 2:もっとまともな杖が欲しいでホンマ…… [備考] 1:杖がなくとも呪文を唱える事に支障はありません。精神的にほんの少し落ち着かないだけです。 【妖刀ムラマサ@パワプロクンポケット7裏】 あやかの使う愛刀。 切った相手の体力を吸って使い手に与えるという特性を持っている。 制限されている為威力は落ちている物の、その機能はロワ会場でも健在。 【ハヅキの杖@パワプロクンポケット4裏】 仲間の一人、ハヅキが持っている星のついたステッキ。 とってもファンシー☆ 特に特殊な効果は無い。 投下順に読む 017 時間の歪み← 戻る →019 The Joker 時系列順に読む 017 時間の歪み← 戻る →019 The Joker 前へ キャラ追跡表 次へ GAME START 黒羽根あやか 037 Masquerade GAME START プレイグ 037 Masquerade
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コトノハ 第7話『殺されたがり』 みっちゃんを闇に取り込み、ゲラゲラと笑い転げるもう一人の初。私は湧き出す殺意を抑えきれず、怒りに身を任せて決意した。 「お前だけは.......此処で殺すッ!!!!」 「出来るものならやってみなよ、アハハハッ!」 「うあぁああああああああ!!!」 瞳を赤く染め、殺意と怒りを込めた右手の拳を振り上げながら叫ぶ。 「消え失せろぉおおおおおおおおおッ!!!」 ギュンッ、と空を斬るような音を立てながら、私は初目掛けて勢いよく拳を振り下ろした。しかし、初は微動だにせずそれを片手で受け止める。 「なッ.....!?」 「...甘いんだよ。」 二タッ、と笑ったかと思うと、初は私の拳を掴んだまま思い切り力を込め始めた。 「うっ!?ぐ、あぁあッ!?」 「ハハハ.....折れろ!!」 初の指が私の拳にめり込み、バキバキと骨を砕いていく。赤い血が滴り落ち、やがてべキィッ!という音と共に手首ごとへし折られた。 「があぁああぁああぁあッ!!??!?」 「アハハハッ.....!痛そ〜!」 激痛に耐えきれず、私は地面に倒れ伏す。必死に手首を押さえるが、血は止まらなかった。 「初ちゃん!!」 「行こう、皆!初を助けるんだ!」 そんな私を見て、とうとう耐えかねた皆が一斉に教室を飛び出しグラウンドに集結する。 「来ちゃ、駄目.....だっ.......皆............!」 私は痛みに抗いながら叫んだけど、皆は止まろうとしなかった。 「初ちゃんを.....みっちゃんをよくも!!」 「あたしが行く.....!《女児符号・暁天-ガールズコード・ライジング-》!!」 旭の身体から、眩い光が放出される。その光は徐々に旭の両手に集まっていき、まるで太陽のように巨大な光球が出来上がった。 「はーーーーーーーーーッ!!」 旭はその光球を初目掛けて勢いよく撃ち放つ。地面を、そして空気をも焼き焦がす程の熱と光が、初の放つ闇を掻き消した。 「チッ.........!」 初は咄嗟に攻撃を避け、私達の手が届かない高い所へと移動した。 「また邪魔者が入った.....めんどくさいから殺すのは今度にしてあげるよ!」 そう言い残し、初は姿を消した。私は追いかけようとしたけど、既に身体が限界を迎えていて立ち上がる余力すらも残っていなかった。 「初ちゃん!大変、手が.....!」 「誰か包帯持ってきて!消毒液も!」 「大丈夫、私に任せて。」 群がる皆の間に分け入り、玲亜がやってきた。 「玲亜.....」 「無理しちゃって........《女児符号・慈愛空間-ガールズコード・Affection Space》。」 玲亜がそう唱えると、ドーム状の光が私の身体を包み込んだ。ぐちゃぐちゃになった傷口を光が包み込み、手首から指先までゆっくりと修復していく。 「.........!」 しばらくして、私の手は完全に元通りになった。手首や指を何度か動かしてみても、全く痛みはない。 「どう?大丈夫そう?」 「......うん、大丈夫..........ありがとう........」 玲亜が生み出した空間の中に居ると、さっきまで殺意に満ちていた心もだんだん穏やかになっていく。私が完全に落ち着くまで、玲亜はずっと見守ってくれていた。 ................................. ............... 静まり返る教室。みっちゃんが居なくなり、クラスの雰囲気はかなり寂しくなった。 「........私のせいで.............」 私は机に顔を伏せ、必死に涙を堪えていた。あの時、もっと早くにみっちゃんを助けていたら.....私の力不足のせいで、みっちゃんは...... 「初ちゃん。」 耳元で声がして、ゆっくりと顔を上げる。隣の席に、玲亜が座っていた。 「.......玲亜.............」 私をじっと見つめ、優しく微笑む玲亜。堪えきれなくなった私は、ついにボロボロと泣き出してしまった。 「.....ごめん....っ......ごめんなさい.......!ごめんなさい.........!!」 「大丈夫......怒ってなんかないよ。」 玲亜はハンカチで私の目元を拭き、ポンポンと頭を撫でてくれた。 「初ちゃんは一生懸命みっちゃんを助けようとしたんでしょ?私はちゃんと見てたよ。」 「でも.......私、結局..........」 「あいつも言ってたでしょ?アタシは最強だ、って。ずっと一緒に居たから分かる、そう簡単にはくたばらないよ。あの筋肉バカは。」 玲亜はいつにも増して冷静だった。親友のみっちゃんがやられて誰よりも辛い筈なのに、決して取り乱さなかった。......私とは、大違いだ。 「旭ちゃん、これからどうする?私は、やっぱりちゃんと作戦を考えなきゃいけないと思うんだけど。」 「そうだね、次は絶対負けないように作戦会議しよう。皆、まだ諦めちゃ駄目だよ!あたし達が全滅しない限り、絶対に勝てるんだから!」 旭がそう言うと、さっきまで沈んだ顔をしていた皆も顔を上げて頷いた。 「皆..............」 「初ちゃんはどうする?」 再び私に向き直り、玲亜が問いかけてくる。 「.............私は」 力への恐れ、あいつへの憎しみ。また暴走してしまうかもしれない。正直、怖い。それでも、皆が希望を捨てずに戦い続けるのなら。 私の答えは、たった一つだ。 「......戦うよ、最後まで。私はもう、絶対に諦めない。」 「あいつの力は初ちゃんと同じ、言ったことを現実に引き起こす力.....それを打ち消せすには、初ちゃんの力が一番有効だよね。」 「あたし達の技で対処しきれない技を撃ってくる可能性もあるからね.....そういう時は、技を無効化しろーって初ちゃんが言えばどうにかなるんじゃないかな?」 確かに、私が「初の技を無効化しろ」と言えばそれで解決するだろう。しかし、何度も通じるわけではない。一度防がれても、次は必ず何かしらの対策をしてくるはずだ。 「相手への攻撃はどうする?さっきの戦い、ほとんどあいつにダメージ入らなかった.....防戦一方でも勝ち目はないよ。」 「何であんなに強いんだろうね、もう一人の初ちゃん.....」 「......あいつ....もう1人の私には、“恐れ”がない。だから『言刃』の効果も大きいんだ。『言刃』は自分の精神状態に影響される.....自分の力への恐れを捨てきれてない私と、完全に恐れを捨て切ったあいつでは、力の効果が全然違う。」 「初ちゃんは、自分の力が怖いの?」 「怖いよ.....この力を使って起きたことは、後から修正が効かないんだ。もし相手を殺してしまったら、『言刃』を使っても生き返ることはないんだよ。」 丸菜の問いにそう答えながら、また思い出してしまう。あの日、私がしてしまった事を。 「なるほどね....それは確かに怖くなるのも当たり前だよ。」 「あいつは、私が『言刃』の真価を発揮するのを待ってるんだ。皆を傷つけることで、私を焚きつけて.....そして..........」 私はもう一人の初が言っていたことを思い出した。 「本気で私を殺そうとする相手と戦いたい」 あの子は、自分を殺せる程強い相手と戦いたいのか。 それとも.....誰かに殺されたがっているのか。 そう考えると、あの子には何か事情があるのかもしれないと私は思った。 「..........ごめん。私、ちょっと行ってくる。」 「行くって、何処に?」 「もう一人の私を探しに。戦いに行くんじゃない、少し話がしたいんだ。」 「だったら私も行く。」 玲亜が立ち上がってそう言った。 「玲亜.....」 「多分、話し合いだけで済むとは思えないし。また初が怪我したら大変だから、念の為の付き添いだよ。」 私の肩に手を置いて、玲亜は力強く頷いた。私も頷き返し、玲亜と一緒に教室を後にする。 「待って!」 すると、旭が私達を呼び止めた。 「旭?」 「もし......もし、危ないと思ったらすぐに逃げてね!二人ともだよ!」 「.......分かった、危ない真似はしないよ。ね、初ちゃん。」 「うん、出来るだけ.....ね。旭、引き続き皆をよろしく。」 「うん.....待ってるからね、無事に帰ってくるのを.....」 私達は同時に頷き、もう一人の私を探しに向かった。 ................................... ................. 「はぁ......はぁ..........」 流石に、力を使いすぎた。一人潰すだけなのに、かなり無駄な労力を使った気がする。 「手こずらせるなぁ.....思ったよりも.......」 私の名は、音羽 初。 .......向こうからすれば、もう一人の自分に見えているだろうけど、それは違う。私も、あいつも、同じ“音羽 初”という一人の人間だ。 でも、私とあいつでは違うところが三つある。 髪の色、瞳の色。そして、『言刃』に対する恐れがあるか否か。 私は“否”の方だ。『言刃』の力は無限大、この力さえあれば何だって出来る。抵抗を抱く理由なんて何処にもない。 それなのに、あいつは恐れている。自分の力を......だから私を殺せない。不完全で中途半端な力でしか戦うことが出来ない。 「あいつが恐れさえ克服出来れば.....あいつは私を殺せるのに..........」 あいつの友達を傷つけるだけじゃ、足りないのかもしれない。それなら、もっとあいつを怒らせる方法があるはずだ。何か別の方法が。 考えろ。あいつが、恐れを捨てて私を殺しに来る方法を。 .................................. .................... ........... 「............そうだ。」 思いついた。あいつを本気にさせる方法を。 これならあいつは、絶対に.......... 「ハハッ....ッハハハハハハ........!これで私は..........やっと...........!!」 私は笑った。呼吸が出来なくなるくらいに。 当然だ。私はやっと............あいつに殺してもらえるかもしれなんだから。 続く
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353 名前:人数(略) :04/04/28 23 08 ID ??? そういや昔、コンベで出会った困ったちゃんは、 「オープニングでいきなり”何となく”って理由で殺されたんですよ! 有り得ないでしょう!? だから、N◎VAはキライなんだよね」 って憤っていたっけ。 ちなみにN◎VAでソイツを飼っててくれたら、そのセッションは面倒臭くなくて良かったにと思った。 スレ15