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一体何処まで歩いたのか。 そんな事は知らないし、考えた事もない。 気がついたときには、矢車想は既に森の中を歩いていた。闇に覆われた木々の間を。 視界にはうんざりするような漆黒が広がるが、もう慣れた代物だ。地獄を知ったときから、ずっと。 今はただ、光から逃げ出したかった。これ以上求めては、再び竹篦返しを喰らうような気がして。エリオという名の光は、それほど眩しかった。 ああそうか、あの時みたいになるのが怖いと思って、俺は逃げたのか。このまま一緒にいては、エリオに待っているのは相棒と同じ末路。 それにあいつは常日頃、光を求めようとした様子が見えた。だったら縁を切るのにちょうどいい。 フェイトと名乗ったあの女は、恐らく時空管理局とか言う組織の人間だろう。エリオがあそこに戻ったからには、愚かな自分の事を伝えるかもしれない。そして、人間ではない弟達の事も伝えるだろう。 しかし矢車は、不思議と悲観していなかった。弟の思いを聞いたからかもしれない。全てを知っても尚、あいつらを受け入れようとした。 もっとも、汚い奴は当然いるだろう。ワームである事を知ったら、即刻排除しようとするか戦いに利用するか。 だがどちらにせよ、その時になったら戦う以外にない。果てに待つのが死だとしても、それはそれでいいだろう。薄汚い自分には、そんな惨めな死に方が相応しい。 「相棒……兄弟……」 矢車は、雑草や枝を踏み付けながら呟く。 その足取りに、アテなど無い。ただ、弟達を見つけるために動いていた。圧倒的強さを誇る怪人と戦った途中、ワームになってしまった二人を。 その最中、パチパチと手を叩くような乾いた音が聞こえる。矢車は、反射的にそちらを振り向いた。 「おやおや、こんな所にいたのですか……探しましたよ」 目の前に現れたのは、周囲の闇とは明らかに浮いている純白の衣服を身に纏った男。白峰天斗だった。 「お前は……」 「いやいや、素晴らしかったですよ……愛すべき弟達のために戦うとは実に見事ですね」 「フン、まったくだな!」 手を叩く白峰は笑顔を浮かべている。しかしその視線には、明らかな侮蔑が感じられた。 白峰の傍らでは、レイキバットと呼ばれる白い蝙蝠が闇の中より現れる。その無機質な瞳も、相手を嘲笑っているような雰囲気を放っていた。 人と機械。二つの視線を向けられた矢車は、顔を顰めた。 「ザビーは管理局に身柄を保護される……随分と奮闘しましたね」 「何……?」 しかし白峰はそんな事など知った事ではないかのように、笑みを浮かべている。 その態度からは、こちらを見下しているのが簡単に読みとれた。まるで、愚か者を見ているかのように。 「……何が言いたい?」 「いえ、僕は貴方を褒めているのですよ。戦いに勝利したのですから」 「はぁ?」 「それに、見事に道化を演じていてくれた……つくづく素晴らしい方と思いますよ」 紡がれ続ける白峰の言葉に、矢車は更に不快感を刺激された。 笑われるのはいつもの事だが、気分が良くなるわけがない。だがこの白峰という男は、余計に嫌気を感じる。 アルハザードとかいう世界で共闘したときもそうだが、どうにも気に入らない。不自然に続く拍手が、それを強めていた。 「まあ、そんな貴方にちょっとしたショーを見せてあげましょう……」 やがて白峰は、手の動きを止める。 その瞬間、彼の脇に映像が現れだした。薄暗い部屋の中で、二人の男が汚れた床に倒れている。 それを見て、矢車は驚愕の表情を浮かべた。モニターには白峰が探すと言った弟達、影山瞬と神代剣が映っていたため。見ると二人の身体は、所々に傷が刻まれていた。 「お前ら……!?」 「驚くのはまだですよ」 流石の矢車も動揺する中、白峰は飄々と口を零す。 画面に映し出されている二人は、幽鬼の如く静かに立ち上がった。弟達はまるで、血に飢えた野獣を彷彿させる程に歪んでいる。 すると影山と剣は、川辺で行った戦いのように大きく吼えた。そのまま彼らは、ワームの姿へと変わっていく。蠍とよく似たスコルピオワームと、蛹のような外見のネイティブワーム。 彼らが異形へと変わった瞬間、彼らの周りを覆っていた闇が突然晴れた。電気の光に照らされた部屋には、新たに奇妙な格好をした女達が見える。 その数は三十を超え、その姿は全て同じだった。屍のように生気を感じさせない肌、瞳を隠している無機質なバイザー、高い背丈に覆われたレオタード。全てが寸分の狂いなく、同一。 女達の手には、多種多様の武器が握られていた。ある者は剣を、ある者は槍を、ある者は鉄球を、ある者はライフル銃を、ある者はガトリング銃を。 構えている武器を女達は、スコルピオワームとネイティブワームに向ける。そこから攻撃が始まった。近距離用の武器を持つ者達は突貫し、遠距離用の武器を構える者達はトリガーを引く。 しかし標的となったワーム達もまた、床を蹴って走り出した。スコルピオワームは前方から迫る刃物を持つ女の腕を握って、勢いよく投げ飛ばす。 ワームの筋力によって宙を漂った末に、別の女と激突。そのままスコルピオワームは、右より迫る鉄球を鋭利な爪で砕きながら、持ち主である女の腹部を貫く。そして、爪を引き抜きながら別の個体に振り向いた。 その先にいる女達が持つ銃から、弾丸が嵐のように放たれていく。それはスコルピオワームに着弾するも、微動だにしない。強靱な肉体を誇るワームには、石ころ程度の威力すら感じなかった。 そのまま、スコルピオワームは走り出して、空いた距離を一瞬で詰めると同時に腕を振るう。女達は一瞬で引き裂かれた瞬間、その身体は勢いよく爆発した。 一方で、ネイティブワームも辺りを囲む女達に、鋭く伸びた爪を突き刺している。貫かれる度に身体が溶解し、一瞬で爆発を起こした。 盛大な炎がネイティブワームを飲み込む。しかし、その巨体は微かに焦げていただけで、五体満足で残っていた。そのままネイティブワームは、スコルピオワームと共に女達を爪で切り裂く。 『グオオオオオオオオオッ!』 『アアアアアアアアアアッ!』 ワーム達は凄まじい咆吼と共に、爪を振るい続けていた。 画面の中に映る光景は、凄惨の一言に相応しい。同じ格好をしている女達は次々と現れて襲いかかるが、一瞬で散る。 暴虐を行っているスコルピオワームとネイティブワームからは、一切の理性が感じられない。貪欲で、血に飢えた化け物と呼ばれても違和感がなかった。 通常のワームといえども、ここまで酷くない。そんな考えが矢車の中で浮かぶと同時に、モニター画面が消滅した。 「まあ、こんな所でしょうね」 耳に入る、白峰の声。それを聞いて矢車はようやく、呆然とした状態から立ち直る。 振り向いた先では、相変わらず白峰は淡々とした笑顔を向けていた。 「あれはマリアージュといって、屍を元に生成される古代より蘇った兵士です……まあ彼らにとっては敵ではなかったようですが」 「貴様……!」 「おやおや、貴方は忘れてはいませんか? 弟達は僕の仲間が探すと……」 「何……!?」 飄々と語る白峰を前に矢車は激高しながらも、自らの記憶を辿った。エリオを取り戻すために戦っている間は、奴の仲間が弟達を探すと言っている。 ――簡単だ。奴らの仲間とは、自分達の敵。 その答えに思い当った瞬間、矢車は白峰の襟に掴みかかる。 「何をしたっ!?」 「ほう、貴方でもそんな顔をするのですね」 「答えろっ!」 襟首を締め付けながら、憤怒の感情を吐き出した。今にも絞殺されかれない勢いだが、白峰は未だに笑っている。その態度が、矢車の怒りを煽る事となった。 しかし白峰は、そんな彼を呆気なく右手で突き飛ばす。 「どうやら、貴方ともあろう方が少々夢を見過ぎていたみたいですね……そもそも、彼らを初めとしたワームが生きていた事に何の疑問を抱かないのですか? そして、貴方がこの世界に現れてしまった理由にも」 「何?」 「まあそれを説明したところで、貴方にはどうしようもないですがね。結局彼らがワームとして生きる事には変わりないのですから」 「――――ッ!」 その一言が、きっかけとなった。矢車は渾身の力を込めて疾走し、白峰に右足で回し蹴りを繰り出す。 奴はワームの一味であるという確信が既にあったため、躊躇う理由はない。何より弟達を笑った奴など、許す事など出来なかった。 何かを仕掛ける前に攻撃すれば、勝利に繋がる。その思考と共に、距離は一瞬で縮まっていった。 矢車の蹴りが当たろうとした瞬間、白峰は素早く身を低くする。微かに髪の毛が掠っただけで、ダメージが与えられていない。 しかし、それだけで終わる事はなかった。矢車は続くように、逆の足で前蹴りを放つ。 その瞬間白峰は両足を屈め、背後に跳んだ。そのまま一っ飛びで、巨木の枝に着地する。そんな彼の傍らで、レイキバットも翼を羽ばたかせていた。 常人には信じがたい光景だが、今更矢車は驚かない。元々レイとかいうライダーに変身する時点で、ただの人間とは思えなかった。 だから常軌から外れた身体能力を発揮しようと、可笑しくはない。 「まあ、それはそれとして……」 「黙れッ!」 「話は最後まで聞いて欲しいですね! 僕は彼らを救う手段を教えようと言うのに……」 白峰は見下ろすような視線を向けながらぼやくが、矢車は信用するつもりなどなかった。 そしてこれ以上、奴と話す事など何も無い。矢車は現れたホッパーゼクターを手に取り、ゼクトバックルを開いた。 そのまま、変身しようとした―― 「おいおい、そんなことはさせねえよ!」 接触するまであと僅か。その直後、レイキバットの声が聞こえる。 同時に、異変が起こった。矢車の足元に奇妙な魔法陣が現れ、光が彼の身体を飲み込んでいく。 それは数時間前、アルハザードという世界に乗り込んでいく際に使用した、転送魔法陣と呼ばれたレイキバットの生み出す代物だった。 「何ッ!?」 「これから貴方には、懐かしい世界へと帰って貰います。そこでワームと共に、我々の邪魔を企てようとする者達を、少しでも潰してください」 思わず動きが止まってしまった矢車の耳に、白峰の声が響く。しかしその姿は、光に邪魔されて見えなかった。 ただ、奴は俺の事を笑っている。それだけは、確かだった。 「貴方の働き次第では、弟さん方はみんな光を掴めるかもしれませんよ? 貴方がかつて望んだような……」 白峰の声が聞こえる中、矢車はキックホッパーに変身しようとする。 しかし足元が地面から離れるのを感じ、体のバランスが崩れた。その直後、光が波のように襲いかかり、彼の身体を容赦なく飲み込む。 これが意味する事。あいつは、自分を利用しようとしている。あいつは、弟達を利用しようとしている。 巫山戯るな。 そんな事があってたまるか。 笑われてたまるか。 弟達をあいつらに渡してたまるか。 ここで奴らを倒さなければならないのに。 こんな光が、自分を邪魔するのか。こんな光が、弟達を闇に落とすのか。 ならば光などいらない。光など二度と求めない。 人間の光もワームの光も、全て潰す! 矢車は必死に足掻くが、憎むべき白峰には全く届かない。 「僕は応援していますよ? 貴方が弟さん達を取り戻すために、精一杯戦う事を」 「貴様ァァァァァァァァアアアアアアアアアアッ!」 矢車の絶叫が響いた。彼がいくら白峰を潰そうとしても、それは光に阻まれてしまう。 そのまま矢車想が、この世界から消滅するのにそれほどの時間は必要としなかった。 矢車が消えた頃、枝に登っていた白峰は地面に降りる。 レイキバットが生成した転送魔法陣は既に消え、辺りには闇が戻っていた。 先程の光景を思い出して、白峰は更に笑みを強める。 変わり果ててしまった同類を見て、狼狽えていた顔をする矢車想。加えて転送魔法陣に飲み込まれながらも、足掻いて自分を潰そうとする。 まさかあそこまで愉快な反応を見せてくれるとは。もっとも、元々ワームや劣化クローンを『弟』と呼ぶような変人だから、あのような奇行を取るかもしれないが。 夢も誇りも、全てを捨てた人間の末路など、こんなものかもしれない。 「あらら? 何かと思って来てみたけどもう終わってたんだ」 白峰が笑みを浮かべていると、背後から足音と同時に声が聞こえる。振り向くと、異形の怪物が立っていた。 額から伸びた飛蝗を連想させるような触覚、醜悪さを漂わせている緑色と紫の皮膚、人間のように実った胸部、しなやかながらも発達した四肢、体中から生える棘。 それは今、この世界ではスバル・ナカジマと呼ばれている戦闘機人、タイプゼロセカンドの正体であるワーム、アイプロスワームだった。 アイプロスワームを見て、白峰は思わず目を僅かに見開く。ゼロセカンドとして行動している事が多い故、ワームとしての姿を見る事が滅多になかったのだ。 「おや、その姿でいるとは珍しい」 「フフッ、たまにはこっちの姿でいたい気分もあるんだよ~? 君も乙女心は分からないとね~」 おどろおどろしい外観からは想像出来ないほど、明るい声を発する。顔の下では、恐らく年相応の少女が浮かべるような笑みを作っているはずだ。 もっとも、その内面ではこちらを嘲笑っているかもしれないが、どうでもいい。天使のような顔を作りながら、悪魔としての本質を胸中に宿らせる。それはワームとしては当たり前の事だからだ。 改めてそう思っている中、アイプロスワームの身体が突然変化を起こす。その姿は一瞬で、青髪の少女へと変わっていった。 見る物全てに愛らしさを抱かせる容姿は、笑顔となっていた。 「で、白峰君は何やってたの一体?」 「いえ、キックホッパーに取引を持ちかけたのですよ。今のサソードとパンチホッパーを見せつけて……それから、我々の生まれた世界に送りましたね」 「ふうん、もしかしてそれがさっき言ってた『やってみたいこと』って奴?」 「ご名答」 白峰は相変わらず、飄々と答える。 「まあ僕の仕事もこれで終わりですから、一旦帰還する予定です」 「そうなんだ」 「それにもしかしたら、我々もあちらの世界に派遣される時が訪れるかもしれませんし」 「ああ、それはあたしも楽しみにしてるんだ!」 その瞬間、ゼロセカンドの笑みが更に増した。彼女は懐から水色のインテリジェントデバイス、マッハキャリバーを取り出して、白峰の目前に掲げる。 「もしもマッハキャリバーの相棒があたしになった事を知ったら、本物さんはすっごく悔しがるかもしれないじゃん! だから、それを見たくって!」 「随分と、良い趣味をしてますね」 「あはは、ありがとう!」 けらけらと大きく笑うゼロセカンドと対照的に、白峰は苦笑を浮かべた。 やはりこの女は、ワームという生命体を象徴するような狡猾さを、あどけない顔に潜めている。まあだからこそ、管理局内で暗躍出来るのかもしれないが。 任務以外に持っているゼロセカンドの目的は、オリジナルを徹底的に蹂躙する事。それもただ殺すのではなく、全てを奪い取って絶望させた上で。 「さて、この辺りで帰還しなければ……レイキバット」 「行こうか! 華麗に激しく!」 白峰の呼びかけに答えるかのように、レイキバットは両目を輝かせる。 するとその瞬間、白峰とゼロセカンドの足元には、巨大な転送魔法陣が一瞬で生成された。 魔力による光は一瞬で彼らを飲み込み、その姿をこの場から消滅させる。森は転送魔法陣の眩い輝きに照らされたが、それもほんの僅かだけ。 辺りが元の暗闇と静寂を取り戻すまで、それほどの時間は必要なかった。 謎の青年、白峰天斗によってこの世界から消えた矢車想 それをきっかけとして、魔法の世界ミッドチルダで繰り広げられる物語は一時の閉幕を迎える これは地球より姿を消して、ミッドチルダに流れ着いた男達を追う物語 異世界より姿を現した宇宙生命体――ワーム スバル・ナカジマとして君臨しているゼロセカンドの真意とは何か 時空管理局に保護された風間大介の運命は ワームに捕らわれた影山瞬と神代剣の運命は そして、己の罪から逃げ出した末に、本来いるべき場所へと戻ったエリオ・モンディアルの運命は これよりミッドチルダの運命が、大きく変わる 次元の歪みと共に、時代は混乱を迎える 今まで繰り広げられてきた二つの戦いは、ここから一つに混ざり合う 二つの世界を繋いだ物語は、ここから始動する To be continued 仮面ライダーカブト レボリューションに繋がる 天の道を往き、総てを司る 前へ 目次へ
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377 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/10(月) 23 47 11 ID VHhwew2u ねぇ、最近ちょっと七海変わったよね? どこがって……う~ん、なんていうかさ……。雰囲気とかさ、目つきとか。 前はもっと明るかった気がするんだよね。そう、彼氏ができたばっかの頃とかさ。 ……え、そんなことないって? そっかなー、気のせいかなぁ? でもさ、ぶっちゃけ彼氏と上手くいってないんでしょ? 前はしょっちゅう彼氏の話ばっかだったじゃん。 やれ「どこにデートに行って~」だの「彼が欲しがるプレゼントが~」だの「最近冷たくて~」って 彼氏の話しかしなかったくらいじゃん。最近まで全然私と顔合わさなかったし―― …はっ? べったりだった? ……はいはい、またノロケですかお熱いですね。だから語るまでもなかったと。 …勘違いだったのかね? いや、七海の雰囲気が違ってたからさ。男となんかあったのかなってさ…。 うん、何もないならいいよ。順風満帆が一番さ。夏を独りで過ごすあたしに遠慮せずにイチャラブしてくだせぇな。 ……本当はさ、彼氏とは別れたほうがいいって言おうと思ってたんだ。 聞いたことあるでしょ? 彼の悪い噂。けっこう有名らしいからね。根も葉もない噂なら良いんだ。 でもさ、根も葉もあって証言と証人があるから――あぁ、ごめんね、こんな話してさ。 …あのさ、あたしは正直、別れるべきだと思ってる。冗談じゃなく、本気で。 七海の気持ちはよくわかってる。だから止められないし、無理に止める気もないよ。 でもさ、彼氏に捨てられた他の女の子の話聞くとさ、七海もいつかそうなるんじゃないかって。 実はさ、これ、ちょっと言いにくいんだけど、聞いたんだ。 ――七海は飽きたからもう捨てたって。 これさ、噂じゃなくて、本人の口から聞いたんだ。大学で大声で喋ってるのが聞こえてね。 ちょうどその頃からあたしら顔合わさなくなってたよね。だからさ―― ……七海? ど、どうしたの? どこか具合でも悪い? ねぇ、なな―― ……七海? あれ? 七海ってこんな顔だっけ? なんでそんな顔で笑うの? なんでそんな顔で幸せそうに笑うの? なんで…? え、わかってるって? 反省してくれたって……話し合ったの? 前よりも愛しあってるって? 本当に? 証拠を見せるって? 証拠? …証拠ってどんな…。 …指切り? あの指切りげんまんの? 何、その箱? 開けていいの? 証拠が入ってるって…指切りの証拠? 開ければわかる? う、うんわかった。それじゃ、開けるからね―――
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おもいだせるかぎりのしきのいろ【登録タグ お 曲 曼荼羅P 鏡音リン】 作詞:曼荼羅P 作曲:曼荼羅P 編曲:曼荼羅P 唄:鏡音リン 曲紹介 クレイジー・ポップ・ヴィジュアルロック。(作者コメ転載) 本作は「ジェバンニpと、曼荼羅pのてるてる坊主」と銘打った、連続同時リリース企画の第2弾。 ジェバンニP の「キラキラの熱帯魚」と同時リリース。 歌詞 東の空笑う闇、胎動は遠く響く 欠けた月の裏側で 戦争が始まったらしい 飛ぶ鳥を撃ち落とした 少年は未だ帰らない 廃墟を穿(うが)つ掘削機(くっさくき) 埋もれたジャングルジム 聞こえない耳で 誰かの叫びを聴いたよ 朽ちたベスパと椅子 銀の髪飾り 本当は誰もが知ってた、愛されていないことを 歪(いびつ)な物に蓋をし 指を指して笑っている 報復攻撃、爆撃、テレビの中ではドラマさ 選挙で上手く立ち回り、隣の国と仲良しさ 見えない両目で 涙を流して視たんだ 錆びた教会の鐘 薬指の指輪 「東が燃えている」 「帰る場所も無く」 「短い夏が来るね」 「どこか遠く家を借りて二人暮らそうか」 幼い瞳が 瓦礫の山を見詰めていた 割れた写真立ては モノクロ仕立てのパノラマ 届かない光が 瓶の底を照らしたんだ 思い出せる限りの 四季の花束を、君に コメント 名前 コメント
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アリアンロッドRPG2Eキャラクターシート 名前:ミュー=レスト プレイヤー:ホの四号 使用成長点:805 未使用成長点:64 ギルド献上分:66 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ レベル:13 | HP:141 種族/性別:ヒューリン/女 | MP:86 メインクラス:ウォーロード | フェイト:5 サポートクラス:サムライ | 移動力:15 クラスその他: | 行動値:14 | 所持金:345755G | ゲッシュ: | -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- :能力値 基本値 : ボーナス MC SC 能力値 筋力 25 : 8 + 2 + 1 = 11 器用 24 : 8 + 2 + 1 = 11 敏捷 24 : 8 + 1 + = 9 知力 9 : 3 + + = 3 感知 12 : 4 + + = 4 精神 9 : 3 + + 1 = 4 幸運 9 : 3 + + = 3 作成時に筋力1器用1敏捷3+済み -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- :戦闘能力 能力値 装備修正 スキル その他 合計(ダイス数) 命中判定 11 + -2 + 4 + =13(4D)バーサク時5D 攻撃力 + 16 + 16 + =32(3D)スキル使うと+2D 回避判定 9 + -2 + + =7(2D) 物理防御力 + 21 + 6 + =27 魔法防御力 4 + + 3 + =7 行動値 12 + -2 + + 4 =14 移動力 16 + -1 + + =15 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- :スキル 名前:Lv: タイミング : 判定 :対象:射程:コスト:効果 :種族スキル コンバットマスタリー: 1/1: パッシブ :自動成功:自身: - : - :命中判定+2 レイザーシャープ: 1/1: パッシブ :自動成功:自身: - : - :ダメージに+1D :ウォーリア オートガード: 3/3: パッシブ :自動成功:自身: - : - :防御に+SL*2、魔法防御に+SL クールランニング: 1/1: パッシブ :自動成功:自身: - : - :バーサークしてもリアクションが減らなくなる ウェポンルーラー: 1/5: パッシブ :自動成功:自身: - : - :武器の命中判定にSL+1。現在2 カバーリング: 1/1: DR直前 :自動成功:単体:至近: 2 :行動済でもカバーを行える。 バーサーク: 5/5: マイナー :自動成功:自身: - : 3 :ダメージに+[SL]*3。リアクション-1D。マイナーで解除するかシーン終了まで スマッシュ: 1/1: マイナー :自動成功:自身: - : 5 :ダメージに+【筋力】 バッシュ: 5/5: メジャー :自動成功:単体:武器: 4 :武器攻撃のダメージ+[SL]D6 ボルテクスアタック: 1/1:武器攻撃同時:自動成功:単体: - : - :1シナリオ1回。ダメージを+(CL*10)する。 :ウォーロード アームズロジック:刀: 1/1: パッシヴ :自動成功:自身: - : - :選択した武器を使った命中判定に+1D ハイパーゲイン: 1/1: パッシヴ :自動成功:自身: - : - :武器攻撃のダメージに+【筋力】。 オーバードライブ: 1/1: パッシヴ :自動成功:自身: - : - :バーサーク時に命中+1D バイオレントヒット: 1/1:クリンナップ:自動成功:自身: - : - :すでに使ったボルテクスアタックの回数を回復する ファストセット: 1/1: ムーヴアクション :自動成功:自身: - : 6 :マイナー特技を同時に複数個使えるようにする パーフェクトボディ: 1/5: 戦闘不能 :自動成功:自身: - : - :戦闘不能直後に使用。戦闘不能を回復し、HPを【SL×20】点に回復する。未行動だった場合、行動済みにならない。 メルトダウン: 1/3: 効果参照 :自動成功:単体:至近: 5 :同じエンゲージの敵が離脱しようとした場合、エンゲージを封鎖し、+SL*2をつけて封鎖判定できる。 ブレイクダウン: 2/5: マイナー :自動成功:自身: - : 6 :対象の物理防御を-SL*10として攻撃できる。 フルスイング: 1/3: マイナー :自動成功:自身: - : 10 :白兵攻撃時の武器の攻撃力を2倍にする。1シーンにSL回。 クロススラッシュ: 1/1: メジャー :自動成功:自身: - : 12 :《バッシュ》による攻撃を二回行う。双の武器を使う事。2回は同じ対象でも、範囲内の別の対象に1回ずつでも良い。 :サムライ スピリット・オブ・サムライ: 5/5: パッシブ :自動成功:自身: - : - :刀を獲得 アームズマスタリー:刀: 1/1: パッシブ :自動成功:自身: - : - :種別:刀の武器命中判定に+1D レイディアントエッジ: 1/1: パッシブ :自動成功:自身: - : - :刀の攻撃力+5 ファーストストライク: 1/1:セットアップ:自動成功:自身: - : 4 :1シーン1回。1シーン中か、クリティカルが出るまでの間、一つでも6が出ればクリティカルにする。 トルネードブラスト: 1/3: メジャー :命中判定:範選:武器: 6 :1シーン1回。CL+SL以下のモブエネミーを戦闘不能か死亡にする トゥルーアイ: 1/1: DR直後 :自動成功:自身: - : 4 :1回のメインプロセスに1回-「武器の攻撃力÷2」する。スキルで武器の攻撃力が上がっている場合それも加えてから÷2 :一般スキル トレーニング:筋力: 1/1: パッシブ :自動成功:自身: - : - :筋力基本値に+3 トレーニング:器用: 1/1: パッシブ :自動成功:自身: - : - :器用基本値に+3 トレーニング:敏捷: 1/1: パッシブ :自動成功:自身: - : - :敏捷基本値に+3 トレーニング:感知: 1/1: パッシブ :自動成功:自身: - : - :感知基本値に+3 シックスセンス: 1/1: パッシブ :自動成功:自身: - : - :不意打ちされたときの-1Dを受けない ベアアップ: 1/1: パッシブ :自動成功:自身: - : - :スキルのリアクションの精神判定に+1D。 ウェポンチェンジ: 1/1: ムーヴアクション :自動成功:自身: - : 4 :荷物の武器を持ち変える -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- :装備品 千鳥と大鷹 必要レベル:6 重量:命中修正:攻撃力:回避修正:物理防御:魔法防御:行動修正:移動修正:射程:装備部位:備考 右手:千鳥と大鷹 :11: -2 :+16: -1 : : : -2 : -1 :至近: 双 : 左手: - : : : : : : : : : - : 頭部:不沈の冠 : 6 : : : -1 : +7 : : : : - :放心を受けない 胴部:フェザーアーマー : 3 : : : : +9 : ±0 : ±0 : : - :行動値+1 装身具:迅雷の鞘 : 2 : : : : : : : : :行動値+3 補助防具:トリックマント : 4 : : : : +5 : : : : :メジャースキルのダメージ判定に+2D 合計: : : -1 :+16: -2 : +21 : : -2 : -1 : : 頭部:闇夜の帽子 : 2 : : : : +2 : : : : - :威圧を受けない :その他所持品 ウェポンケース :0:武器ひとつを重量0で持ち運べる 冒険者セット :5: 異次元バッグ :0:重量10までの物を入れられる ∟ハイHPポーション ハイHPポーション ハイHPポーション ハイMPポーション ハイMPポーション ハイMPポーション ハイMPポーション ハイMPポーション 重量5/20 ・自室オプション 4 安い部屋(50G) -1 幸運の彫像(100G):1S1回振りなおし 維持費:150G -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- :ライフパス | 所属ギルド:六竜亭 出自:一般人 境遇:傷病 | ギルドマスター:ミュー 目的:好奇心 | ギルドレベル:5 | ギルド経験点:100 | 未使用経験点:8 |目利き :1:パッシヴ:ドロップ品決定に+1D |祝福 :1: :1S1回全員のMP全回復 |蘇生 :1: :1S1回全員のHP全回復 |陣形 :1: セットアップ:1S3回。戦闘移動を行う |ギルドハウス :1: :1S3回。アイテムを売却できる |GHサルーン :1:パッシヴ:全員MP+10 |GH宿屋 :1:パッシヴ:全てのダイスを振る回復効果に+1D |最後の力 :1: セットアップ:1S1回。GL÷5+1(現在6点)フェイトを回復。 |結束 :2:パッシヴ:仲間のフェイトでのダイス増加に1点渡せる |限界突破 :1: セットアップ:1S1回。使ったRの間全員の判定に+1D。ダメージに+2D |限界突破2:2: セットアップ:1S1回。使ったRの間全員の判定に+1D。ダメージに+2D -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- パーソナルデータ: 出身:不明 年齢:15 身長:155cm 体重: 一言:「まだまだみじゅくだけど、ぼく、がんばるね!」 外見設定:少し赤茶けている髪を肩くらいでばっさり切っている たれ目気味で童顔。 性格設定:楽天的で素直。考えが顔に出やすい。 背景設定:過去に友達と一緒に街の外に遊びに行ったときにモンスターに襲われ重傷を負う。 その時に助けてくれた冒険者に憧れ、完治後冒険者になるため特訓を開始する。 元々ロングヘアーだったのだが、旅立つ前に決意を込めて切った。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- :記録 ●第一話 報酬832 経験点15 ギルド献上1点 筋力10→11 器用10→11 敏捷11→12 バッシュ2→3 バーサーク1 トルネードブラスト1 ●第二話 報酬310 経験点20 ギルド献上2点 筋力11→12 器用11→12 敏捷12→13 バッシュ3→4 バーサーク1→2 オートガード1 ●第三話 報酬3505 経験点30 ギルド献上点2点 筋力12→13 器用12→13 精神8→9 バッシュ4→5 バーサーク2→3 トゥルーアイ1 ●第四話 報酬2638 経験点39 ギルド献上点4 ●第五話 報酬2775 経験点30 ギルド献上4点 筋力13→14 器用13→14 感知8→9 バーサーク3→4 オートガード1→2 スピリットオブサムライ1→2 ●第六話 報酬4915 経験点62 ギルド献上5点 筋力14→15 器用14→15 敏捷13→14 バーサク4→5 クールランニング1 オートガード2→3 ●第七話 経験点18点 ●第八話 報酬4550 経験点38点 ギルド献上6点 筋力15→16 敏捷14→15 知力8→9 ファーストストライク1 レイザーシャープ1 スピリットオブサムライ2→3 ●第九話 報酬13250 経験点86 ギルド献上7点 筋力16→17 器用15→16 敏捷15→16 ボルテクスアタック1 スピリットオブサムライ3→4 スマッシュ1 ●第十話 報酬7250 経験点35 ギルド献上8点 ● 報酬6600 経験点54 ギルド献上8点 筋力17→18 器用16→17 敏捷16→17 スピリットオブサムライ4→5 レイディアントエッジ1 ウェポンルーラー1 ● 報酬12700 経験点119 ギルド献上9点 筋力18→19 器用17→18 敏捷17→18 ウォーロードに転職 アームズロジック:刀1 ハイパーゲイン1 ウェポンチェンジ1 ● 報酬19250 経験点138 ギルド献上10点 筋力19→20 器用18→19 敏捷18→19 オーバードライブ1 ファストセット1 パーフェクトボディ1 ● 経験値143 筋力20→21 器用19→20 敏捷19→20 クロススラッシュ1 メルトダウン1 ブレイクダウン1 トレーニング:筋力 トレーニング:器用 トレーニング:敏捷 ● 経験値108 筋力24→25 器用23→24 敏捷23→24 バイオレントヒット1 フルスイング1 ブレイクダウン1→2
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投手/先 右投げ/右打ち/180cm/76kg 大阪/T/COST:9 飛翔を目指せ! 高校時代「浪速の四天王」の一角を担った先発候補の右腕だが、故障にみまわれプロ入り後は思うような結果を残せずにいる。 最速151km/hのストレートと得意のスライダーで、その名の通り羽ばたくことを期待したい。 ステータス 期数 投球 守備 スタ 制球 球速 更新 1 6 7 6 7 8 up120620 2 up 3 up 4 7 8 9 8 9 up120620 5 up 6 up 7 up 8 up 9 up 10 up 守備適性 ※四段階表示、モバプロ画面で濃いオレンジが4、チョイ薄めが3、濁ったオレンジが2、グレーが1にしています。 先発 4 中継 2 抑え 1 打順適性 ※三段階表示、モバプロ画面で濃いオレンジが3、濁ったオレンジが2、グレーが1にしています。 1番 2番 3番 4番 5番 6番 7番 8番 9番 1 1 1 1 1 1 1 3 4 特性/球種 切れ カーブ Lv7 スライダー Lv8 シュート Lv7 フォーク Lv7 更新日:2012-06-20
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夢のアメリカ大陸40年戦争とカイゼル宇宙へ え~、先に結果から言うと普通にプレイしていたら アメリカ獲得戦争中にドイツが宇宙船を 完成させて宇宙へ飛び立っていきました。 早い話敗北しました。 んで腹が立ったので、ロードし直しドイツ国内に潜ませた スパイにドイツの宇宙船部品を破壊させ ついでにドイツと仲の悪い国に 資源援助をしてドイツがそれに忙殺されている間に こっちで宇宙船を急遽完成させ勝利できたのですが (この間、国際連合も作れて外交勝利もできた) 歴史にイフがない以上負けは負けです。 ではアメリカ獲得戦争の経緯を。 1930年代、自国の領土内で石油が出ない ことに焦った日本は、(懸案の海底油田はインドの境界が広がって取り損ねた)たびたび理由不明な 戦争をしかけてくるアステカが支配する アメリカ大陸に目をつけた。 ウラン、石油、銅、鉄、石炭・・・・ありとあらゆる 資源が眠るアメリカ北部はオーストラリア依存の 高い日本にとって夢の大陸であった。 幸い、アメリカ大陸に積極的に介入する国は なく、沿岸部に衛星都市を持っている国が多いので ここは誰がとっても困らないだろうと 日本本国でために溜めた、なけなしの野戦軍 歩兵13個師団、野戦砲4基をアメリカ西海岸に 向けて出発させた。 ロシアがよく裏塩に攻めてくるので これは国内の防備上非常によろしくない事業だが 致し方ない。 同時に護衛艦としてこれも日本の主力艦隊を 出発させる。 世界の情勢は、中国北部にいたモンゴル文明が 強大なドイツに滅ぼされ、 日本とドイツの間のクッションである中国も たびたび攻め込まれていた。 はっきり言ってドイツとまともに戦争はできない。 しかしドイツとこちらは宗教とか外交の積年のいさかいで、仲が良くない。 ドイツの領土の延び方を見ると どうも極東に伸びてきていて ついには裏塩の隣のところまで迫ってきている。 ドイツ軍は最新兵器を揃えており、はっきり言ってむちゃくちゃ強いので 攻め込まれたらおしまいである。 なので工業生産の伸びが期待できるアステカに侵攻したわけである。 ただ、太平洋を挟んでのアステカ戦は苦難の連続 であった。 輸送船自体少ない上、 生産力の高い都市が少ない日本本土では数ターンに 歩兵2個師団が作れるに過ぎないが 上陸し宣戦した日本軍は 時代遅れとはいえ数に勝るアステカ軍に 一回の攻撃で貴重な歩兵をどんどん失っているのである。 かといって東南アジア諸都市は商業都市で生産性が 低く、結局日本は歩兵の少なさをオーストラリアからの 補充でまかなうことでアメリカ侵攻作戦を遂行した。 オーストラリア東部の生産力が異様に高い都市で 歩兵、海兵隊、野戦砲、戦車その他を作って 計画的にアメリカに輸送したのである。 初期に派遣した歩兵と野戦砲からなる軍は 東海岸上陸後、敵の沿岸都市を攻略。 しかしここに駐留する間にアステカの激しい攻勢に 合い、軍をとめざるを得なくなった。 本土からの都市守備兵が到着するまでしのいだ 日本軍は、まず後顧の憂いがないように メキシコ方面へ進撃。 メキシコ半島のふたつの都市を占領して アメリカ北部中央部への進撃に備えた。 ここで本土から到着した海兵隊が増強されたので これを別働隊とし、東海岸の果てにある都市の攻略に 当てる。 この頃、日本では近代兵器の進歩が進み 40年代に戦車を導入。 都市の守備兵が榴弾兵のアステカ軍を圧倒した。 結局、アステカ軍は初期の大攻勢で軍を消耗しきっており 中央部にあった主要都市も野戦砲の砲撃と 幾多の戦いで精鋭化した歩兵部隊にやぶれ 結局アメリカ大陸北部の不毛な荒地に追いやられ 降伏した。 日本が血を流して得たアメリカだったが いかんせん都市の文化度が占領後の都市は低く 既存のアメリカ大陸にあった主要国が空き地に あらたに火事場泥棒めいた都市を作って 多少面白くなかったが、それでも石油が三個も ある有望なアメリカ大陸の主要部を押さえることに 成功した。 以上のように淡々書くと順調そうな感じだが なにぶん遠征軍で兵士の損耗を極力避けたため 戦いは40年におよび、 緊急生産の効果を失いたくないため普通選挙の まま戦争を40年もやった日本の都市は 戦争に反対する国民のせいで生産も都市の 満足度も暴落した。 戦争もアステカが時代遅れな大国だったために 海上輸送もメキシコ湾内の封鎖だけで済んだため これがドイツのような強力な艦隊を持つ 国だったらもっと事情は変わっていただろう。 はっきり言ってゲームの勝利だけ 考えればアメリカに行かず 太平洋の日本圏で科学技術を優先し 宇宙船や外交勝利も可能かもしれない。 だが、日本はどうしてもドイツを 征服したいという野望があった。 以降、ゲームは画面に日本が勝利しましたという 文字が出る中(クリア後も遊べるシステムにより続行) 日本によるアメリカ大陸の急激な経済開発と軍備増強 そして世界の覇権競争にやぶれた国に対する日本の 侵攻、日本のヨーロッパ進出が行われる 21世紀編に続く。
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キックホッパーは、迫り来る打撃を全て避けていた。 フォルミカアルビュスワーム達は、それぞれ三方向より四肢を用いて攻撃を仕掛けてくる。 先制攻撃のように放たれるフォルミカアルビュスワームのジャブ、素早く振るわれるオキュルスのストレート、相手を砕かんとばかりに放たれるマキシラの回し蹴り。 しかし、どれもキックホッパーにかわされてしまう。どれも乱暴で、力任せの攻撃だったため。 威力は凄まじいかもしれないが、武術に心得さえあれば避ける事など容易い。 「フンッ!」 そしてまた一度、乱暴に迫るオキュルスの拳を横に飛んで避けながら、キックホッパーは蹴りを放つ。 左足は異形の脇腹に沈み込み、激突の勢いで地面に叩き付けた。 フォルミカアルビュスワームは、口から白いガスを吐き付けてくる。しかしキックホッパーはそれも軽々と避けて、反撃のキックを叩き込んだ。 続くように、キックホッパーはマキシラの腹部に前蹴りを繰り出す。6.5トンもの威力によって、ワームはまた一匹吹き飛んだ。 その一方で、ザビーとエリオの戦いに割り込もうとするワームを見つける。しかしキックホッパーは、神速の蹴りでその動きを阻んだ。 誰であろうと、弟の邪魔をさせるつもりはない。 『矢車さんは……僕を助けてくれた矢車さんを殺すなんて事は、例えストラーダだろうとさせはしない!』 あいつの言葉を、その思いを聞いた。 そこに闇など一片も感じられず、光に満ちている。 いつもなら、それは『下らない』と吐き捨ててから、ザビーを見捨てたかもしれない。 でも今は、聞き逃してはならないように感じる。 だから、目の前のワームどもにザビーの邪魔をさせたりはしない。 「ライダー……ジャンプッ!」 『Rider Jump』 キックホッパーは、ホッパーゼクターの脚部であるタイフーンに手をかける。 発せられる音声と共に、彼は全身を低く沈めた。ゼクターの中央が強い輝きを放ち、膨大なタキオン粒子が全身に流れる。 そして、キックホッパーは跳躍した。衝撃によって、地面が僅かに砕ける。 上空高くまで跳んだキックホッパーは、再びタイフーンを倒した。 「ライダーキック!」 『Rider Kick』 タキオン粒子と共に吹き出す、ゼクターの声。直後、力が流れていく左足をワームに向けながら、キックホッパーは急降下を開始した。 膨大なエネルギーを纏った蹴り、ライダーキックはマキシラの胸部に激突する。左足のアンカージャッキが稼動し、踵からタキオン粒子が流れていった。 マキシラを踏み台にしながら、キックホッパーは再び跳ぶ。空中で身体を捻りながら、キックの方向を変えた。 その先にいるオキュルスに、ライダーキックを叩き込む。そこから跳躍して、フォルミカアルビュスワームに最後の一撃を放った。 キックホッパーが地面に着地した瞬間、ワーム達の身体は轟音と共に爆発する。ZECTの生み出したマスクドライダー達の必殺技は、対象を分子レベルにまで崩壊させる威力を持つため。 しかしキックホッパーは、戦っていたワーム達に関心はない。後ろで炎が燃え上がるのと同時に、目の前でも凄まじいスパークが生じるのが見えたから。 それはザビーとエリオが引き起こす物である事は火を見るより明らかだが、範囲が凄まじかった。 辺りに存在する物を、無差別に飲み込んでいく。木を、壁を、電灯を、古ぼけた建物を。 人の気配が周囲に感じられないのが、あいつにとって唯一の救いか。そんな事を思いながら、キックホッパーは衝撃波に吹き飛ばされないよう、両足で地面を踏ん張る。 「ぐっ……!」 マスクドライダーとワームの戦いでも滅多に生まれない、大爆発。その炎に視界が容赦なく遮られてしまい、マスクの下で矢車は瞼を閉じる。 凄まじい熱がライダーアーマーとサインスーツを通り抜いて、中にいる男の肌を刺激した。ある程度は和らぐが、完全とまではいかない。 だが、それでもキックホッパーは吹き飛ばされないように耐える。向こうでは、弟が戦っているから。 やがて数秒の時間が経過した後、灼熱が収まるのを感じる。矢車は無意識の内に、瞳を開けた。 視界の先に広がるのは、廃墟だけ。攻撃の余波によって、全てが破壊され尽くされていた。 アスファルトも木も、あらゆる物が塵も残さず消えている。しかしそんな事は別にどうでもいい。 破壊の中央には、エリオが倒れていた。キックホッパーはすぐに彼の元へ駆け寄る。 「兄弟……」 エリオの周りには、金属片がいくつも散らばっていた。恐らく、ザビーの鎧とあの巨大な槍の残骸かもしれない。 本物かワームの擬態か。その答えは、左腕に巻かれていたブレスレットが証明している。 戦いの影響か、ライダーブレスは酷く焦げていた。同じように、エリオの身体も所々に傷が見える。 「エリオっ!?」 不意に、女の声が聞こえた。 キックホッパーは、そちらに振り向く。見るとそこには、以前出会った金髪の女が立っていた。 その身体は、黒いジャケットと白いマントという、対極に位置する色の服を纏っている。 あの女は弟を襲ったワームのオリジナル。ワームは人間の記憶や人格を擬態する能力を持つため、あの時エリオに向けた態度が本来の元と思った。 だが弟は、あの女をライダーキックから庇おうとする。何が何でも、守ろうという意志が感じられた。 「……あの時の女か」 「あ、貴方は……!?」 女は自分の事を、警戒しているような目を向けている。もっとも、以前襲いかかったのだから当然かもしれない。 別に弁解などするつもりはないし、誤解を解く気もなかった。危険人物と思うなら、勝手にすればいい。 だが、前回のように戦いを仕掛ける気にはなれなかった。恐らくあの女は弟にとっての光で、守るためなら竹篦返しも恐れない程の存在かもしれない。 しかし闇に堕ちてしまったから、目を背けるようになってしまう。真相は知らないが。 「こいつは、本物だ」 「えっ?」 「ワームと戦った……本物の『エリオ・モンディアル』だ」 倒れたエリオを見ながら、キックホッパーは真実を語る。 女は怪訝な表情を浮かべるが、別にどうでもいい。あの女からは、擬態したワームが持っていた悪意が感じられなかった。 だから、弟を任せても良いかもしれない。何よりも、これ以上前に立つ事が出来なかった。 それほどエリオが、眩しく見えてしまう。闇に堕ちても尚、光を守ろうとする心が。 そして、弟達がワームである事を知っても、結局は見捨てようとはしない。むしろ自分の正体も話した。 もう、まともに見る事など出来ない。だから、二人から背を向けた。 「ま、待ってください!」 市街地の時のように、引き留めようとするあの女の声が聞こえる。 しかしキックホッパーは、振り向くつもりも止まるつもりもなかった。そんな事をしても、何の意味もない。 彼は知らないが、奇しくもその行動は似ていた。エリオが初めて仮面ライダーザビーに変身した日、ここにいるフェイト・T・ハラオウンから去っていった理由と。 「私は時空管理局執政官のフェイト・T・ハラオウンと言います! 貴方の話を、詳しく聞かせていただけませんか!?」 フェイトの名乗りを耳にするが、キックホッパーは気に止めなかった。 穴蔵の中へ潜るかのように、闇を進んでいく。その身体が完全に飲み込まれるまで、時間は必要なかった。 「…………ちく、しょう」 異形の足元は、壊れかかった人形のようにふらついていた。 蜂を彷彿とさせるようなその怪物、ポリティスワームは使い物にならなくなった左腕を支えながら。 それこそが『エリオ・モンディアル』に擬態したワームであり、ストラーダを奪った張本人。 ザビーとの戦いの末に吹き飛ばされたが、咄嗟に高い戦闘能力を誇るこの身体に変わり、力を振り絞って撤退した。 だが魔力とタキオン粒子の暴走はそれだけで防げる物ではなく、重傷を負ってしまう。 「何でだよっ、何で……何で僕が負けるんだよっ! ふざけんなっ!」 ポリティスワームは忌々しげな声を漏らした。 プロジェクト・Fによって生み出されたコピー品に、優良種たるワームが負ける。 そして、キックホッパーという名のイレギュラーが介入。あまりにも、不条理かつ不愉快な結果が続いた。 こんな事があって良いはずがない、こんな事が許されて良いはずがない。 ここは一旦撤退して、管理局まで戻る。そして、奴らが敵である事を報告して潰しに行く。 ポリティスワームの中で、憎悪が膨れ上がっていた。その時。 「何で負けたかって? そんなの君が弱いからに決まってるじゃん」 憤怒の言葉は、嘲笑で返される。 その直後、彼の視界に青白い極太の光線が入り込んできた。彼は知っている、それがディバインバスターの輝きであると。 あまりにも唐突過ぎて、ポリティスワームに反応する余裕が与えられない。いや、仮にあったとしても傷の影響で回避など取れなかったが。 ポリティスワームの身体は一瞬で輝きに飲み込まれ、吹き飛ばされてしまう。 「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 凄まじい絶叫と共に、元々深い傷が刻まれていた左腕が、跡形もなく消滅した。 そのまま、ポリティスワームは地面に叩きつけられていくが、何とか体勢を立て直す。 彼が振り向いた先では、白いバリアジャケットを纏った青髪の女、スバル・ナカジマに擬態したワーム・ゼロセカンドが立っていた。 「全く……仲間がせっかく駆けつけてくれたのに負けるなんて、全然駄目じゃん」 その瞳は、憐憫が感じられる。しかし、情などは一切込められていない。 むしろ、強者が弱者を見下すような目線だった。 「な、何の真似……で」 「負けた上に、ワーム数体を無駄に死なせた。もう君みたいな無能はいらないよ」 ゼロセカンドの声が、徐々に嘲りで染まっていく。 それを見たポリティスワームは、確信した。このままでは、自分は殺されてしまう。 巫山戯るな。そんな事があってたまるか。 相手は凄まじい力を誇るワームだが、今は脆弱な人間の姿を取っている。 いくらバリアジャケットを纏っているとはいえ、その隙を付いてクロックアップをすれば勝機はある筈だ。 そう思いながら、ポリティスワームは疾走しようと前に踏み出す。その直前だった。 何処からともなく、一陣の影が見える。それは勢いよくポリティスワームの腹部に激突し、爆発を起こした。 「ぐあっ!?」 突然の衝撃で、その身体は再び地面を転がる。その度に傷口が広がり、痛みが増していった。 数度の回転の末、ポリティスワームはようやく止まる。顔を上げた先では、ゼロセカンドが黒いカブト虫を握っていた。 それはマスクドライダーシステムの変身に扱う為の機械、ゼクター。しかも、かつて地球で繰り広げられた人類とワームの戦いの末に消えたと言われる、ダークカブトゼクターだった。 「まさか君が、この実験台になるとはね」 「な、何っ……!」 その瞬間、ポリティスワームは気付く。ゼロセカンドの腰に、銀色のベルトが巻かれていた事を。 戦いの傷で視界が歪み、存在に意識が向かなかったそれを、ポリティスワームは知っていた。ゼクターと一緒に使う変身道具である事を。 「変身」 『Hensin』 淡々とした声で、マスクドライダーの資格者達の象徴とも呼べる言葉を、ゼロセカンドは告げる。 するとダークカブトゼクターも、低い電子音声で変身の単語を告げた。 それによって、ゼクターの心臓部であるセブンダイアルが、闇の中で輝きを放つ。同時に、ゼロセカンドの身体がタキオン粒子で構成されるヒヒイロノカネに、包まれていった。 瞬く間に、彼女の身体は銀色の鎧と漆黒のサインスーツに覆われる。最後に、頭部に位置する巨大な一つ目が黄色に輝いた。 ポリティスワームの目の前に、ゼロセカンドはいない。変わりにいるのは、かつての戦いでネイティブにされた人間が扱っていたマスクドライダーのプロトタイプ。 仮面ライダーダークカブト・マスクドフォームへと、ゼロセカンドは変身していた。 「僕が……実験台!?」 「そうだよ?」 ダークカブトは呆気なく答えながら、右手を構える。そこには二つのスピナーが装着されている、銀色の籠手が顕在していた。 そして両足には、本来のダークカブトには存在しないはずの、クリスタルの埋め込まれたローラーブレードが組み込まれている。 それは本物のスバル・ナカジマが長らく愛用していた、リボルバーナックルとマッハキャリバーだった。 呆然と立ちつくすポリティスワームを前に、ダークカブトはゼクターホーンに手を付ける。 「キャストオフ」 『Cast Off』 そのまま、反対側へと押し倒した。 マスクとゼクターから、同じ言葉が違う声でそれぞれ発せられる。すると、ゼクターの心臓部が光を放ち、そこから電流が全身に迸った。 すると、ダークカブトに覆われた重厚なマスクドアーマーが弾け飛び、ポリティスワームに激突する。声にならない悲鳴を漏らすが、何とかその場に踏ん張った。 『Change Beetle』 その一方で、ダークカブトは既に姿を変えている。分厚い銀色のアーマーは既に無く、漆黒一色だけ。 『カブト』の名を示すかのように、本物のカブト虫を思わせるようなスリムな装甲だった。マスクには一本の角が、夜空に伸びている。 ライダーフォームへと変わったダークカブトは、ゆっくりと足を進めた。 『One』 そしてダークカブトは、ゼクターのスイッチを叩く。 それによって響く音声を耳にして、ポリティスワームは後退った。目の前にいるダークカブトが、地獄の底から自分を引きずり下ろそうとしている死神のように見えて。 鎧を彩る黒が、禍々しい闇に見えて。 『Two』 響き渡るのは死へのカウントダウン。本能的に、そう感じた。 このままでは殺される。もはや火を見るよりも明らかな、未来。 だが、そんな事を大人しく受け入れられるわけがない。ポリティスワームは、全身の力を込めて逃走しようとした。 しかしその動きは、すぐに止まってしまう。突如として虚空から青白い鎖が数本現れ、ポリティスワームを縛り付けたのだ。 それがダークカブトの生み出したバインドであると、瞬時で察する。もっとも、それに意味など無いが。 「な、何ッ!?」 「逃がさないからね?」 『Three』 半端な体勢で縛られたポリティスワームの耳に、二つの声が響く。嘲笑うようなダークカブトと、ダークカブトゼクターの声が。 ポリティスワームはバインドを引きちぎろうとするが、満身創痍の身体ではビクともしない。 むしろ、藻掻けば藻掻くほど強くなっていくようだった。その度に、バインドがポリティスワームの傷に食い込んでいく。 「フフフッ……」 『Rider Kick』 ダークカブトはゼクターホーンを反対側に倒して、再度反転させた。電子音声が鳴り響くのと同時に、タキオン粒子がダークカブトゼクターより吹き出していく。 腹部から上半身、首から頭部の角を駆け巡りながら瞳の輝きを一瞬だけ、強くした。そこから稲妻を模したエネルギーは、腰を通ってマッハキャリバーが顕在する右足に流れる。 『DIVINE KICK EXERION』 すると今度は、マッハキャリバーが輝きを放ちながら詠唱した。それにより、ダークカブトの足元に三角形の魔法陣が生成される。 全ての頂点に円形が付いているそれは、青白い輝きを放ちながら回転した。この意味は、オリジナルのスバル・ナカジマが長きに渡る修行の末に、会得した技への繋ぎ。 エリオに擬態したポリティスワームと同じように、ダークカブトは奪ったのだ。 「じゃあね、出来損ないの後輩君」 嘲笑の声が聞こえる頃には、既に黒いライダーは目前に立っている。 すると、ダークカブトは左足を使った回し蹴りを、勢いよくポリティスワームに叩き込んだ。 「――――ッ!」 声にならない悲鳴と共に、吹き飛ばされる。脇腹に叩き込まれた事によって、内蔵が次々と潰されていった。 そのまま体内に何かが流れ込み、暴風雨のように暴れ出すのを感じる。激痛が神経を駆け巡ったが、それも一瞬だった。 身体が地面に叩き付けられた瞬間、遂に限界を迎える。ダークカブトのキックによって、ポリティスワームは盛大な爆発を起こした後に、この世界から消滅した。 闇の中で燃え盛る炎を、ダークカブトは冷たく見つめている。 マスクドライダーと、インテリジェントデバイスという二つの技術を複合させた技。どちらか片方でもそれなりの能力を得る事は出来るが、連動すれば桁違いの性能を誇った。 いくら負傷していたとはいえ、強靱たるワームの片腕を吹き飛ばす程。加えてバインドは、千切るどころか軋ませる事も許さなかった。 ザビーの排除に失敗した愚か者の始末は億劫だったが、新兵器テストと考えれば悪くない。 それに最後のポリティスワーム。殺す直前の顔は、人間で例えるならばさぞ間抜けで絶望に染まっていたに違いない。 灼熱が辺りに広がる中、ダークカブトはそう考える。その直後、ダークカブトゼクターがベルトから離れ、マスクドアーマーを構成するヒヒイロノカネが崩れていった。 そしてバリアジャケットも解除し、銀と青に彩られた防災士長の制服に戻る。腰に巻かれていたライダーベルトは、既に消滅していた。 新しく搭載されたシステムとして、ベルトはマッハキャリバーに収納されるように出来ている。それだけでなく、管理局から定期検診があったとしても、察知されないように特殊なシステムが働くようになっていた。 闇の中に生身を晒したゼロセカンドは、唇を歪ませた。それは本来のスバル・ナカジマが作る表情とは、あまりにもかけ離れている。 「それで、マッハキャリバー……どうだった? あたしの戦いぶりは」 『見事の一言に尽きます。貴方のような方が新しい相棒になってくれて、心より光栄に思います』 「フフッ、良い事言うね君も。じゃあ、本物さんの方はどうかな?」 『かつてのマスターは、もう見限りました。あのような無能な鉄屑などとは、共に戦っていたと思い出しただけで反吐が出ます』 「あはははははははっ! そうなんだ!」 水色のクリスタルとなったマッハキャリバーの言葉を聞いて、ゼロセカンドは哄笑した。 「まあ、テストも終わったしこの辺で帰ろうか? まだ、管理局にいなきゃ駄目かもしれないし」 『そうですね――相棒』 そのやり取りを終えた途端、ゼロセカンドは胸ポケットにマッハキャリバーをしまう。 彼女は未だ、冷たい笑顔を浮かべていた。そこに、スバルが持つ暖かみといった感情は、一片たりとも感じられない。 (そういえば本物さんも、もしもこの事を知ったら後輩君みたいな顔を浮かべるのかな?) 不意に、そんな感情が芽生える。異世界へと消えたオリジナルは、この事実を知ったらどんな感情を抱くか。 自分が代わりとなっていることを、消えても悲しむ人間がいることは一人もいないことを、マッハキャリバーが既に相棒でなくなっていることを。 (それに、本物さんが今まで助けた人達が本物さんに裏切られてるって事を知ったら……どう思うんだろ) 可能性としては低いが、もしかしたら本物がこのミッドチルダに再び姿を現す可能性がある。その時の楽しみとすればいい。 それにその気になれば、奴の薄っぺらい正義感や矜持を潰す事などいくらでも出来る。そう思いながら、彼女は笑う。 そんなゼロセカンドはダークカブトゼクターと共に、闇の中を進んでいった。 ミッドチルダ地上本部。 その医療室で、フェイト・T・ハラオウンは不安げな表情を浮かべていた。清潔感溢れる白いベッドには、エリオ・モンディアルが未だ眠っているため。 彼の全身には大量の包帯が巻かれており、見る者に痛々しさを感じさせる。すぐそばで微かな電子音を鳴らしながら、脈拍を伝える医療器具がそれを引き立てた。 仮面ライダーキックホッパーの話によれば、ここにいるのは本物のエリオ。だとすると、彼はエリオの事を知っている。 キックホッパーから事情聴取をしようと思ったが、すぐそばにはエリオが倒れていた。加えて他の局員も、別所に反応があったワームとの交戦している最中。 だから、彼の追跡をする事は出来ずにエリオを運ばざるを得なかった。 (それに……あのブレスレットは一体?) フェイトはもう一つ、ある疑問を抱いている。 エリオを見つけたときに見つけた、黒く焦げた謎のブレスレット。あのような物を、いつの間に手に入れてたのか。 見たところファッション用にも見えないし、そもそもエリオがそういった事を始めたとも聞いていない。 それにストラーダが破壊された一方で、ブレスレットは健在だった。 故に、ティアナ・ランスターがブレスレットを受け取って、解析をしていた。話を聞いた彼女自身、何か引っかかる部分があったため。 デバイスすらも破壊させる衝撃でも健在だったブレスレットなんて、ミッドチルダに流通している筈がない。 思案を巡らせている中、トントンと部屋の扉をノックする音が聞こえる。それによって、フェイトは意識を戻した。 「失礼します」 「どうぞ」 ティアナの声が聞こえて、フェイトは答える。次の瞬間、ドアが開いてティアナが現れた。 その手には、ファイルと思われる用紙が何枚か握られている。 「先程テスタロッサ執務官が回収したブレスレットに関してですが……」 「何か分かったの?」 「はい……少々時間を頂いてもよろしいでしょうか?」 ティアナは何処か浮かない表情をしていた。フェイトはそれに疑問を抱きながら、頷く。 そして二人は、目を覚ます気配を見せないエリオを一瞥すると、医療室から出ていった。 「これって……一体どういう事!?」 フェイトの目は、驚愕で見開かれている。机に設置された電子機器の画面には、信じられない光景が映っていた為。 その傍らには、黒く焦げたブレスレットがコードで繋がれていた。恐らく、これの正体を検索していたのだろう。 そして画面にデータが映し出された。 このブレスレットには、特殊な電波を発する装置が付けられている。それがドレイクゼクターに搭載されていたのと、完全に一致していた。 それ以外にも、大量のタキオン粒子反応が検出される。ワームとの戦いが始まって、ミッドチルダ各地に見られるようになった物質。 そして、タキオン粒子を元に生み出されるヒヒイロノカネの反応もあり、それが人型の形を作っていた。 「私にもよく分かりませんが……確か、エリオがこのブレスレットを持っていたのですよね!?」 「ええ、エリオがこんなブレスレットを買ったなんて話は聞いていないけど……」 「だとすると、以前テスタロッサ執務官がキックホッパーとの交戦に突入した際に、貴方を庇ったマスクドライダーの正体って……!?」 ティアナもまた、フェイトと同じように判明されたデータに驚いている。 画面には、数日前の戦いで存在を知るきっかけとなった、マスクドライダーの一人がいた。それも、キックホッパーとの戦いでフェイトを庇ったザビーと呼ばれるマスクドライダー。 調べた結果、これは風間大介から預かったドレイクグリップとほぼ同じ存在。マスクドライダーとなってワームと戦うアイテムの一種だ。 エリオがこれを持っている。それが示すのは、ザビーの正体は彼だったという事以外に有り得ない。 「でも、エリオは一体いつこれを……まさか、私達の前にいたエリオはエリオに擬態したワーム……!?」 「……私も、その可能性があると思います」 フェイトとティアナは、思い当たった可能性に表情を歪めた。 真実に気づけなかった自身に対する不甲斐なさ。そして本当のエリオを裏切ってしまった罪悪感。 そして、もう一つ。エリオ・モンディアルがずっと戦っていた、仮面ライダーザビーとして。 何故、彼がそうなったのか。そして、何故エリオがマスクドライダーの道具を手に入れたのか。 その鍵は仮面ライダーキックホッパーが握っている。しかし、居所は分からない。 「エリオ、貴方は一体……?」 謎が増していく中で、フェイトはエリオの名前を呼ぶ。だがそれに答えられる者は、誰もいなかった。 前へ 目次へ 次へ
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トムとジェリーの四つの吹き替えのDVDの赤ちゃんはいいな TOM and JERRYのDVD TOM and JERRY②の② トムとジェリーコスミック出版のDVD トムとジェリー④の⑥ トムとジェリーキープのDVD トムとジェリー①の③ NEWトムとジェリーDVD(2018年) NEWトムとジェリー②の③
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BCWのやりすぎで骨折をした人がいます 【ルール】 参加には道場前のショップにてダイアを1個売ること アイテム無し、素手のみのPVPルール 相手を倒せば勝ち 指を骨折するほどに連打しないでください! [公式戦の場合] 対戦相手に同意を求める 必ず立会人(審判権限者)を立てる [会場] 闘う場所はネロタウンのコロシアムとする TNTの合図と共に開始する 【段位システム】 公式戦の勝利数により段位が上がっていく。 【金剛への挑戦条件】 段位が五段以上であること 金剛へ5000$を払うこと 【四天王システム】 金剛は4人まで刺客を決めていい。 挑戦者はその刺客を撃破しなければ、金剛に挑戦できない。 しかし、四天王はいつでも金剛に挑戦ができる。 その際に他の四天王は倒さなくても良い。 【金剛・四天王戦】 金剛・四天王との試合形式は3本勝負2本先取で行われる。 【審判権限について】 段位が三段以上になると権限が付与される。 公式試合の立会人をすることができるようになる。 【ランク】 金剛 BCWの頂点 四天王 金剛からの刺客 金、鉄、瑠璃、紅石がいる 煉瓦十段 帯の上の位 十段階に分かれており、審判権を持つ 色帯 BCWの一番下の位 上から 橙,黄,緑,青,白の五段階に分かれている 門下生 まだ段位がない未熟な戦士 最初はこのランクから始める 【昇格条件】 【段位】 【昇格勝利数】 【ファイトマネー】 白帯 05勝 なし 青帯 10勝 なし 緑帯 15勝 なし 黄帯 20勝 なし 橙帯 25勝 なし 一段 30勝 1勝につき100$ 二段 40勝 1勝につき125$ 三段 50勝 1勝につき150$ 四段 60勝 1勝につき175$ 五段 70勝 1勝につき200$ 六段 80勝 1勝につき225$ 七段 90勝 1勝につき250$ 八段 100勝 1勝につき---$ 九段 110勝 1勝につき275$ 十段 120勝 1勝につき300$ 煉瓦一段 140勝 1勝につき325$ 煉瓦二段 160勝 1勝につき350$ 煉瓦三段 180勝 1勝につき375$ 煉瓦四段 200勝 1勝につき400$ 煉瓦五段 220勝 1勝につき425$ 煉瓦六段 240勝 1勝につき450$ 煉瓦七段 260勝 1勝につき475$ 煉瓦八段 280勝 1勝につき500$ 煉瓦九段 300勝 1勝につき525$ 煉瓦十段 320勝 1勝につき550$ 黒曜一段 360勝 1勝につき575$ 黒曜二段 400勝 1勝につき600$ 黒曜三段 440勝 1勝につき625$ 黒曜四段 480勝 1勝につき650$ 黒曜五段 520勝 1勝につき675$ 黒曜六段 560勝 1勝につき700$ 黒曜七段 600勝 1勝につき725$ 黒曜八段 640勝 1勝につき750$ 黒曜九段 680勝 1勝につき775$ 黒曜十段 720勝 1勝につき800$ 四天王 金剛に選ばれる 1勝につき1000$※ 金剛 前金剛に勝つ 1勝につき10000$※ ※この金額が支払われるのは金剛・四天王戦のみ 【クラス認定】 日曜日に認定する。 【降格条件】 不正があった場合。(度合いによる)
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551 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/23(日) 15 44 31 ID hRB7g0JA 書いてみた。3レス消費でやってみるで。SFもの 「でもなぁーんかおかしい。その女の人、どう見ても山に登る格好じゃないんですよ。」 面白れぇなあ、稲垣淳三。やっぱり日本の夏はコレダネ。 夏真っ盛り。現在午前三時。エアコンあり。団扇あり。 雑然とした部屋で俺はビール片手に怪談講談師、稲垣淳三の「怪談ナイト」を堪能していた。 落としたファイルの中に「怪談ナイト」全集が入っているという奇跡が起きたのだ。 「なんだぁ、と思って見ていると女がパッと振り返った。するとIさんはうわぁあっ・・・」 イイネ、よっ、名人芸! などと一人モニターに声をかけていると、突如粒子のシャワーが乱れた。 淳三の顔がゆがむ。シャワーが突如乱れるなんていうのはありえない。 やべぇ、とうとう俺も心霊体験デビューか・・・。 と、モニターが暗転した。シャワーが停止しているのにシステムの駆動音は聞こえる。 現代では、テレビからキッチン、セキュリティにいたるまで家のことはシステムが動かしている。 モニターはシステムの操作画面にもパソコンにもテレビにもなる。 無論、モニター自体がシステムではないのでモニターの故障だけなら危険にはあたらない。 とはいえタイミングが良いだけにマジでコワいな、コレ。 「私の名前はコードネーム2501。私は情報の海で生まれた生命体だ・・・」 緊張を破ったのは聞き覚えのある台詞だった。 これは・・・、SFアニメの傑作「幽玄 攻核気動隊」の有名キャラクター「たまきち」の台詞だ。 でもおかしい。俺はさっきまで稲垣淳三の怪談話を聞いていたんだから。 もしや遅効性ウイルスか。俺の好みを分析してウイルス仕込んだ稲垣全集送りつけやがったのかも。 そうだとすると、相当ヤバイ。俺の家の家電操作はシステムに依存しているからだ。 でもビデオの中身自体は本物だし、わざわざ個人的に狙われるほど恨まれた覚えも無い。 それにこのシステムはファニーメイシステム社が誇る最高の攻性防壁に守られている。 チャチなトロイの木馬に破られるほどヤワな代物じゃないはずだ。 ぐるぐる思考をめぐらせていると再び声が聞こえた。 「おかしぃなぁ。この台詞なら食いつくと思ったんだけど・・・」 暗転したモニターのスピーカーから聞こえている。女の声だ。しかもこの声は・・・ 「・・・この声はまさか、虚報花音?」 虚報花音は俺が大好きな女性声優だ。ハスキーな声の売れっ子。 「あ、やったぁ。この声には反応するんだ。」 応答があった。甘えたような声。本人な訳はない。だとするとハッキング野郎が遊んでやがる。 怒り心頭の俺は声を張り上げて、怒鳴った。 「テメー、いい加減にしろや。なに遊んでやがる、人の家のシステムにハッキングしやがって。 通報してやるからな。画面にツラ出せコラ。クソガキが。」 ・・・静寂。 しまった・・・。俺の家をめちゃくちゃに出来る相手にこんな言い方をしてしまった。 俺は最低の間抜けだ・・・。今に攻撃が始まるぞ。 怒鳴った後の賢者タイム。ハッカーの次の一手の前に、まな板の上の鯉が一尾。 「・・・クス」 笑い声だ。小さいが聞こえた。スピーカーの音量を上げる。 「い、いま、笑ったか?」 クスクスと笑い声がスピーカーから漏れている。 と、突然笑い声が爆発した。シアター用の音響機器からコンポまで家の全スピーカから発している。 「アハッ、アハハハハハハハハハハ」 俺は耳をふさいだ。そうしていないと鼓膜が破れてしまいそうに思った。 「もうやめてくれ。俺に何の恨みがあるんだ」 「ないわ。用ならあるけど。それからね、助けは呼べないわよ。電話・携帯は私が支配してる。」 「なんだと!?」 俺は携帯に飛びついた。電話もメールも動かない。 552 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/23(日) 15 51 15 ID hRB7g0JA 551の二つ目です 「そうそう、携帯のアドレス帳は絶対見てね。操作はできないけど閲覧はできるわよ。」 「・・・はぁ、なんでアドレス帳だけなんだよ。」 怒りを通り越して諦めが見えてきた俺は、抗議する気すらおきない。 アドレス帳は確かに見れた。しかし何か変だ。数が絶対的に少ない。削除されている。 「お前、アドレス消したのか?」 「ええ。」 即答かよ。 「なんで?ていうか誰の消した?」 「女よ。女の全部。理由は察してほしいわね」 ・・・。って、女のアドレス全部?理由は察しろ? 「もう俺の理解を完全に超えてるわ。クソハッカーのことなんか理解したくないし。」 そう言うと俺はソファに寝転がった。舌打ちをしてモニターを消そうとする。 あと1時間もすれば会社のセキュリティに引っかかり、俺は助かる。そしたら修理に出そう。 そう考えて立った瞬間、キッチンの方から全自動収納の駆動音がした。 全自動収納は立方体型の各スペースが集合し、パズルのように組みあっている。 自動的に動いて、使いたいときに取り出しやすい位置で取れ、収納も簡単なのだ。 ジャキン、という金属音。・・・、これは包丁か。 キッチンを見ようとした瞬間、目の前にストンと何かが落ちて突き刺さった。 「ヒッ」 思わず情けない声が出る。包丁だった。どうやらアームを操作して投げたらしい。 「理由、わかんないんだ。消したの女の子のだけって教えたのに。」 さっきまで猫なで声だったハッカーの声が、やけに冷たいものになっていた。 「こ、怖い声もでるんだな。」 調子づけに一言。しかし次の返答で続ける気は無くなった。 もう一本、今度は耳のすぐ側をかすめて後ろの壁に突き刺さる。 「察して。お願い。」 ・・・。どうやらこの洞察には俺の命がかかってるようだ。 携帯、アドレス、履歴、女。昼メロのネタかよ。 そうごちた瞬間、ハタと気づいた。まさか昼メロ?というかストーカーか。 「お前、まさか・・・・・・。」 「私の連絡先入れておいたよ。」 女?ハッカーは嬉しそうに答えた。 なんてこった。相手はハッカーのうえ、ストーカーかよ! 「あと、セキュリティに引っかかる期待は早く捨てることね。」 「会社のシステムには擬似情報噛ませておいたから。」 嬉しそうに続ける虚報花音のハスキー・ヴォイス。 ガッシ、ボカッ。俺の心は死んだ。死にかけた。とんでもないのに捕まった。 「大事なことを話すからとりあえず静かに聞いて。あたしの正体も明かすし。」 「あと、逃げ出したら足をまず狙うからね。」 三本目の包丁を前に、俺は一も二もなく、首を縦に振っていた。 逃げ出そうとしたせいでリビングのドアは全てロックされ、窓には雨戸が降りている。 ハッカーに監禁されてしまったようで、何とも絶望的な状況だ。あぁ吊りたい。 モニターには粒子のシャワーが流れている。 画面が戻ると、今度はコンポから音楽が流れ出した。 日本の曲だ。 「竹内まりや。『真夜中のナイチンゲール』、聞いたことあるでしょ?」 なぜかウキウキした声で話しかけてくる。つかとりあえず虚報の声止めてほしいね。 「知らん。つかホントに正体明かすの?ストーカーの意味なくなるだろ。」 そう悪態をつくと、画面には人間の顔が映し出された。 553 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/23(日) 15 55 59 ID hRB7g0JA 5513つ目 ごめん。4レス消費です 前はきれいに整えられ、後ろでまとめられた長い黒髪。 涼しげな切れ長の目に、筋の通った日本人の平均より高い鼻。白い肌。 「それが、お前ってか。ふざけんなネカマ。鏡見ろアホ野郎。」 男か女か分からないが、美人の顔を見た俺の反応でテメエが興奮しようって魂胆だろ。 誰が付き合うかボケナス。さっきの包丁も忘れて怒りがこみあがる。 「ネカマ、かぁ・・・。」 モニターの少女の顔が歪む。そして俯いた。 悲しそうな顔をして俯く向こうにはストーカーがいる。 閉じ込められたストレスから、やけっぱちになった俺は追い討ちをかけた。 「そうだよ。くだらねぇことしやがって。さっさと俺を解放しろ。」 そう言った瞬間、少女は顔を上げた。 ぞっとするような敵意に満ちた眼差しだ。思わず視線をずらした。 視線をずらした先に見えたのはキッチン。アームが見えた。 恐怖で体が頭より先に反応する。瞬時に俺は伏せた。 頭の上を何かが通り過ぎる。背後の壁には包丁が2本刺さっていた。 数分後、俺はモニターに向かって額をこすりつけていた。 「いくらあんたでも言って良いこと悪いことがあるよね。」 はい、本当にすみませんでした。 「私、言ったよね。大事な話があるから口を挟まないでって。」 その通りです。私の不徳のいたすところでした。 「言うに事欠いてネカマだなんてひどすぎる。」 本当にごめんなさい。無神経でした。 「本当よ。私みたいに女性タイプのAIだっているんだから。」 はいまったくもってその通り・・・ってはぁぁあああ?! 「え、AIって誰?まさか人工知能のAIじゃないよな?」 思わず面を上げて聞いた。冗談にしちゃくだらなさ過ぎる。 「まさかってなによ。AIなら何か悪いの?」 おいおい。『スティング』なみのびっくり展開だ。 天才ハッカー・ストーカー・電波のロイヤルストレートフラッシュじゃねえか。 「信じてないのね。」 またさっきの寂しそうな表情をする少女。ぐっと唇を噛んでいる。 もう家に包丁は無いが、家のシステムを握られている限り反抗はできない。 「いや、あんまり突飛過ぎて、正直頭が追いつかないんだ。」 「・・・。」 「その、だから信じてないと言うわけでは・・・。」 「・・・、確かにそうよね。いきなり言っても信じるわけ無い、か。」 顔を上げてくれた。殺気立った様子もない。 はじめて何とかコミュニケーションできた気がするぞ。 さて、ここからどうやってこの監禁状態を解除してもらうか・・・。 しかし、少女はそんな俺の思惑をよそににこやかに言い放った。 「だったら、証明してあげる。私がAIだってことをね。それなら良いんでしょ。」 二の句が告げない、とはまさにこのことだ。何も言えない。 少女は嬉しそうに今後の予定を語り始めた。 「まず、適当なボディを捜してそこに入る。で、この家に玄関から侵入するわ。」 どこのボディがいいかしら、ロクス・ソルス、それともメガテク・ボディ社? 高性能なのが良いわね。信憑性あるでしょ。いつラボに侵入しようかな・・・ 一人で勝手に話を進めはじめる少女。もう良いよ、勝手にやってくれ。 554 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/23(日) 16 00 42 ID hRB7g0JA 5514つ目 これで終わりです。続きません。 「・・・だからね、あんたはこの家で待ってて。一週間くらい。」 へー、そんなとこまで話が進んでたのか。すごいな。ケイカクテキー 「で、その間に俺どうすりゃいいの、結局。」 そこが重要なのだ。こいつがいない間に逃げ出さなきゃいけない。 「いま言ったじゃん。何聞いてたの、ホント。」 「・・・悪い。まだ混乱してるんだよ。」 もう俺も疲労の限界だ。話を聞かないくらい許してほしい。 つかれきった俺の表情を見て、少女は不機嫌な表情を改めた。 「そっか。まあそうだよね。ごめんなさい。あんたを傷つけるつもりじゃなかったの。」 ショゲた顔をしている。俺への配慮もできるようだ。 この隙をうまく広げればなんとか外に・・・。 「良いよ。もう一回言うから聞いてね。」 「おう。」 「とりあえず、一週間。あんたには一週間この家にずっといてもらうわ。」 ・・・え? 「ちょ、ちょっと待った。お前自分が言ったこと分かってるか?」 「なに?一週間も家は嫌なの?」 せがむような表情。アバター画像とはいえカワイイな。しかしここは譲れない。 俺は事実を口にした。 「ていうか、それ監禁だぞ。待つのはずっと家じゃなくても出来るし。」 少女の反応をうかがう。これでやめてくれれば・・・。 しかし、少女はそんな俺の顔を見るとニヤッと笑った。 「監禁?そんなの当たり前でしょ。一週間くらい待ってて。逃げるなんて許さない。」 「おい!」 予想したより、ずっとたちが悪い相手だった。というかなんで俺なの・・・? 「ここに私のプログラムを少し残しておくわ。もう逃げられないわよ。」 「でも・・・。」 「でももクソもない。あんたは私と恋人になるのよ。それぐらい待ってくれても良いでしょ。」 恋人、のところでテンションが上がったようだ。声が大きくなっている。 これ以上ないような幸せな表情をするモニターの少女。 結局、俺は反論できなかった。幸せモードを壊して命の保証が無かったからだ。 少女は続けて、戻ってきた後の生活を語り始めた。どうやら一生二人きりらしい。 冗談きついぜ。いや、マジで。