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ズングリムックリ 婆の知っている限りの最上の侮蔑用語 糞きめ 健康ランド 婆にとって最高の贅沢。健康ランド=セレブ。 脳内ブログ 婆が脳内で更新し続ける実在しないブログ。 訪問者が少ない、コメントがつかないのが悩みらしい。 ルンルン 開いた口も塞がるわ☆彡!!!! 未だ意味不明 爆禿大笑い爆禿爆禿爆禿爆禿! 上海蟹 ズワイガニのことらしい。食べたことがあると大いばり。 しんじんたいしゃ どうやら「新陳代謝」のことらしいが。 ヲチャの「それ何?」という質問に対し 漢字に変換出来ねーだけだよ! わかってるくせに聞くんじゃねーよ! 上記レスあり。 その他、「出雲大社の総本山」「新人退社」「信心退社」との諸説もある。
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[マッスル]サンタ [マジック]サンタ [暗黒]サンタ [御令嬢]サンタ
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ある闇 (6) 夕刻には次の港町に何の差し障りも無く入った。 検札にやってきた帝國の兵は、ボフリの銀面をひどくいぶかしがったが、いくらか話をするうちにそれも忘れてしまうようだった。その面を外せとまでは命じなかった。まるで魔法だとアンディは思っていた。 ボフリは荷主鑑札を持ち、諸々の書類も持っていた。船長は船頭の顔をして応じていた。身に着けているものも船頭なりの服だ。船員らも疑われなかった。何も起きていないのだ。知られている限りは。 ゆえに翌朝にも何の差し障りも無く、便乗者も取らず、船は港を出た。昨日までと違って船は船長の手下が操った。手下らは昨日までの本当の船員と変わらぬ、というよりそれ以上に良く働いた。節ある命令と応答は水軍の水兵のように思えた。ふとアンディは己の父もそのようであったのだろうかと思った。顔も覚えていない。その話の男が本当に父なのかもわからない。 ボフリは甲板に立ち、船長と船員たちの働きぶりを見ているようだった。船員のほうもはそれまでと明らかに違った目でボフリを見ていた。近づかず、間合いを置き、見ているのか見ていないのかわからぬくらいにひそかに、ボフリをうかがっていた。昨日まではあれほどあからさまにボフリを見ては、何事か仲間内でささやきあっていたのが嘘のようだ。 船はそれほど急がず、ゆっくりと進んでいた。およそ同じ刻限に出た船は、同じ風と同じ流れに乗りながら、競い合うように川を行くのが常だった。昇ってくる船あり、下ってくる船ありで、船頭が上手く切り回さねば船同士がぶつかることもあった。河船は浅くて帆が高い。ぶつかれば絡み合うように沈むことも少なくない。そうなればそうなったで川岸のものらにとっては役得もある。アンディも何度も拾いもので食いつないだ。 船長が甲板を歩いてくる。変わらぬのは船長だけだった。 「昼飯にしやしょう。うちのまかないは結構なものですぜ」と。 船付の船頭というものは己の船室をもち、船頭なりのものを隠しているものだ。その船室を勝手に引き継いだ船長は、隠してあった酒瓶を引っ張り出し、乾杯しましょうなどという。用意されたまかない飯も悪いものではなかった。 麺麭皿、煮込み皿を片付け、船長は食卓の上に河図を広げる。 「このまま普段通りに進みやす。遅めに入って、この一つ手前の河宿に錨をおろします」 その図に指を走らせて船長は言う。示したのは小さな村だ。港らしい何かがあるわけではない。船がそのまま横付けできる深さであればそれでいい。もちろん河図が間違っていることなどよくある。またこのようにして大船が横付けできるところは無数にあり、そのすべてを帝國が知っているはずもない。 「この雲加減からすると明日も変わらぬ風になるでしょう。明日の夕刻ごろに刻限良くパラウにつく。闇に隠れて引き込んで、夜中かけて本船に積み替えたあと、夜明けを待って船を捨てに出します」 うむ、とボフリはうなずく。その指が下流を滑り行き、河瀬を示す。船長はにやりと笑みを見せる。 「ま、少しは騒ぎになるでしょう。転げた船に銀面の旦那が荷主として乗っていたことは、帝國の連中も知りましたでしょうから」 「構わん」 ボフリは涼しい顔だ。 「いずれお前と私が入れ替わっていたことも知れよう」 「抛金はじゅうぶんに掛けておきました。船主が血相変えて探りを入れてくることは無いでしょう。その時にはその時で手を打ちますが」 あとは、と船長は続ける。 「二番船の引き込みです。うちの船頭に引っ張らせます。二番船に曳かせて昇れば、腐れ船としてそのまま港に入れます」 つまりは川筋のどこかで放置されていた船を引き揚げた風を装うということだ。帝國は、それを禁じることはしていない。 「あとは船台で修繕。船籍をつけなおします」 「問題ない」 「で、旦那は何をさせたいんで?」 「帝國の目については困るようなものをパラウに運び込む」 「・・・・・・」 船長は棒でも飲んだように息を止めた。しかし肩を震わせ、笑い始める。大きな声で笑いながら、己の頭を叩く。 「本気ですかい、ボルフライの旦那」 「もちろんだ」 「初めからそのおつもりだったと」 「もちろんだとも」 「こいつは参った」 肩をゆすり、大きな体を揺すって船長は笑う。 「そりゃあ確かに、今となっちゃヤバいものを隠すにも困りますがね」 船長の目が細められ、するどくボフリを見る。 「旦那、聞かせちゃもらえませんかい。いったい、何をなさるおつもりで?ことによっちゃ・・・・・・」 「期待するな船長。私は帝國の下だろうと構わぬ」 「・・・・・・」 黙りこくっていた船長は、低く唸るように言う。 「あんた、ただもんじゃねえでしょうに、旦那」 「そうだ。私は私だ」 ボフリは言う。 「私に何をしてほしいのだ船長。そして代わりに何を捧げるつもりだ」 「・・・・・・」 「私はこれでも、物の価値のわかる方だと思っている。己の命に己で値段をつけるがいい。たった一つの命だ。私の気まぐれに奪われたくなどあるまい」 睨むように細められた船長の瞳を、ボフリは真っ向から受け止める。銀の杯を取り上げ、静かに飲んだ。 「私が求めるのは忠誠だ。そのもたらすすべてだ」 船長とアンディの沈黙の中、ボフリは笑みを浮かべる。 「代わりにその命、返してやろう」
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超上級 Hp ATK DEF SATK SDEF SPD Round Target Skill 1 右 ミラージュガオガモン 3794 4251 3014 4178 3014 152 ①⑥ ATK↑ 3ラウンドの間、敵単体の命中率が大ダウン (20%) (2AP) ②⑤ 残りHP↓ 通常の攻撃 ③④ 光苦手 光属性で敵単体に物理特大ダメージ (3AP) 左 シャイングレイモン 4456 5148 3795 3808 3417 117 ①⑥ 火苦手 火属性で敵単体に物理特大ダメージ (3AP) ②⑤ 残りHP↓ 通常の攻撃 ③ 最大HP↑ 確率で敵単体を混乱にする (2回) (3AP) ④ 残りHP↑ 2 右 ミラージュガオガモン 4514 4881 4370 4799 4370 152 ①⑨ 残りHP↓ 3ラウンドの間、味方全体の防御力が特大アップ (25%) (3AP) ②⑤⑧ 残りHP↓ 通常の攻撃 ③④ 残りHP↓ 光属性で敵単体に物理特大ダメージ (3AP) ⑥⑦ 残りHP↓ 火属性で敵単体に物理大ダメージ (3AP) 中 オメガモンズワルトD 6589 7547 4585 5758 4466 166 ①③④⑨ 残りHP↓ 闇属性で敵単体に魔法大ダメージ、さらに物理大ダメージ (3AP) ②⑤⑧ 残りHP↓ 通常の攻撃 ⑥⑦ 残りHP↑ 無属性で敵単体に魔法大ダメージ、ダメージの一部を吸収する 左 シャイングレイモン 5016 5568 5141 4116 4629 117 ①③⑥ 残りHP↓ 通常の攻撃 ② 光苦手 火属性で敵単体に物理特大ダメージ (3AP) ⑦⑧ 火苦手 火属性で敵単体に物理大ダメージ (3AP) ④⑤ ATK↑ 確率で敵単体を混乱にする (2回) (3AP) 上級 Hp ATK DEF SATK SDEF SPD Round Target Skill 1 右 インフェルモン 1482 1676 1999 1524 2037 102 ① ATK↑ 3ラウンドの間、敵単体の命中率が大ダウン (20%) (2AP) ②④⑤ ATK↑ 通常の攻撃 ③ 火苦手 火属性で敵単体に物理大ダメージ (3AP) 中 サイバードラモン 1347 2269 1602 2064 1564 102 ① DEF↓ 無属性で敵単体に物理大ダメージ (3AP) ② SDEF↓ ③ 最大HP↑ ④ DEF↑ 左 インフェルモン 1482 1676 1999 1524 2037 102 ① ATK↓ 確率で敵単体を混乱にする (2回) (2AP) ②④⑤ 最大HP↑ 通常の攻撃 ③ 火苦手 火属性で敵単体に物理大ダメージ (3AP) 2 右 サイバードラモン 1707 2741 1962 2536 1923 102 ① DEF↓ 無属性で敵単体に物理大ダメージ (3AP) ②③ 残りHP↓ 中 インフェルモン 1878 2025 2458 1874 2496 102 ① 0 確率で敵単体を混乱にする (2回) (2AP) ②④⑤ 残りHP↓ 通常の攻撃 ③ 火苦手 火属性で敵単体に物理大ダメージ (3AP) 左 サイバードラモン 1707 2741 1962 2536 1923 102 ① ATK↑ 3ラウンドの間、敵単体の命中率が大ダウン (20%) (2AP) ②④⑤ ATK↑ 通常の攻撃 ③ DEF↓ 無属性で敵単体に物理大ダメージ (3AP) 3 右 インフェルモン 2142 2238 2764 2087 2803 102 ① ATK↑ 3ラウンドの間、敵単体の命中率が大ダウン (20%) (2AP) ②④⑤ 最大HP↑ 通常の攻撃 ③ 火苦手 火属性で敵単体に物理大ダメージ (3AP) 中 オメガモンズワルトD 3116 6719 2380 5127 2317 183 ①⑥ 闇苦手 闇属性で敵単体に魔法大ダメージ、さらに物理大ダメージ (3AP) ②⑤ 残りHP↓ 通常の攻撃 ③④ 火苦手 火属性で敵単体に物理大ダメージ (3AP) 左 サイバードラモン 1947 3028 2202 2823 2163 102 ① DEF↓ 無属性で敵単体に物理大ダメージ (3AP) ② 残りHP↓ ③ 最大HP↑
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戦いと思いと紫の暴走(前編) ◆LuuKRM2PEg ここから、物語は少しだけ変わる。 それは殺し合いが行われている舞台上ではなく、戦いを齎した者達の物語。つまり、主催者達の視点から語られる話だった。 その舞台は一体どこで、殺し合いの会場からはどうやれば辿り着けるのかはまだ誰も知らない。殺し合いの根幹に関わるリーダーたる存在、グリード達ですらも。 それを知るのは、オープニングの舞台となった漆黒の闇に包まれたドームにいる男、真木清人だけだった。 「白のリーダーであるガメル君が砕かれ、鹿目まどかが新しいリーダーとなりましたか……相変わらずよく働いてくれますね、火野君」 当然ながら、彼はこの殺し合いで起こった出来事を全て把握している。どの時間、どの場所で何が起こって誰が死んだのかも。 シュテルンビルトシティに近いオフィス街で繰り広げられた戦いで、白陣営のリーダーであるガメルが凍て付く古の暴君に敗れた。その結果、白陣営の戦力は壊滅寸前となっている。 鹿目まどかが新たなるリーダーとなったが、それでも海東大樹がカザリをリーダーとする黄陣営に奪われたり、確実に不利へと近づいていた。 しかし大局的に見れば終末へと近づいている証拠。だから、特別気にすることはなかった。 「ですが火野君……いえ、仮面ライダーオーズ。君はその紫色のコアが、いつもと同じようになっていると思っているのですか?」 冷たき闇を見据えるかのように立っている清人は、ここにはいない参加者に言い聞かせるかのように独り言を呟く。 殺し合いが始まってからまだ六時間も経過していないが、それでも順調に進んでいた。戦い、裏切り、謀略、悲劇、騙し合い、滅亡……戦いの過程で起こった出来事の数は計り知れなかったが、どれを見ても清人の心は微塵にも揺れない。 ただ、終末への道は確実に進んでいるとしか感じられなかった。 「私が連れてきた君は紫のコアを制御できているようですが、この世界でもそれが通用するとは限りません。何故なら、君には終末を導く手伝いをして貰わなければならないのですから」 紫色に輝く清人の瞳は、彼自身の肩に乗るキヨちゃん人形と同じように闇を見つめ続けている。 数多もの世界から集められた六十五つの欲望が交錯する殺し合いの果てに、本当に終末が齎されるのかはまだわからない。今はただ、無慈悲なる殺し合いが進むだけだった。 ○○○ 力が欲しいと、鹿目まどかは思った。 罪のない人々を誰も犠牲にしないで、こんな殺し合いを終わらせたかった。みんなにはみんなの毎日があって、素敵な未来を目指す為に生きているのだから。 そんなささやかな毎日を守る為に魔法少女になったのに……誰も助けることが出来ない。見せしめにされた女の子達を助けられず、この世界で出会えたガメルを見殺しにしてしまった。 仮面ライダーオーズやルナティックのやり方は正しいのかもしれない。こんな馬鹿げた殺し合いを開いた真木清人の仲間であったガメルは、人々から見れば魔女のように不幸をもたらす存在だろう。でも、グリードであってもガメルはとても優しかったし、分かり合えたかもしれなかった。 でも自分が弱かったせいで、ガメルの未来を守ることができなかった。オーズやルナティックが悪いのではなく、力が足りないせいでガメルを死なせてしまった。 『おまえ、いいやつ! これあげる』 ガメルの暖かい笑顔と言葉がまどかの脳裏に何度もフラッシュバックしていく。 彼はちょっと変わった所があったけど、とっても優しかった。もしもメズールって人を見つけられたのならもっと笑えていたのだろうか……ガメルの笑顔を思い出すあまりに、まどかの中でそんな思いが芽生えてしまう。 『おれ、まどかのこと、メズールのつぎにすきだ~』 そんなに時間が経っていないのに、ガメルとの思い出がまるで遠い過去のように感じられた。 もしもこの殺し合いが悪い冗談で、誰かが死んだという事実が夢であったらどれだけよかっただろうか。そうすればガメルも死ぬことなんて無いし、オーズも悲しい思いをする事も無かった。何よりも、ここに連れてこられたみんなが平穏な毎日を過ごしていたはずだった。 何もかもが嘘であって欲しかったが、そんなまどかの欲望が叶うことはない。 『俺はヒーローだ。ヒーローは決して悪人を許さない。真木清人……お前が何をやろうってんだか知らないが、それはこの俺ワイルドタイガーが全て止める!』 不意に、闇に覆われた始まりの会場で聞こえた言葉がまどかの脳裏に蘇った。 ワイルドタイガーと名乗った男の人は確固たる意志を持って清人に反逆の言葉をぶつけている。その姿はまさに、TV番組でよく見る悪人から人々を守る正義の味方と呼ぶに相応しかった。もしかしたら彼は今もどこかで、この殺し合いに巻き込まれた全ての人々を助ける為に一生懸命頑張っているかもしれない。 (ワイルドタイガーさんやさやかちゃん達だって頑張ってるはずなのに、みんなと比べて……わたしはどうなんだろう) 本当なら、あの会場でワイルドタイガーや犠牲にされた女の子のように清人に反抗の意志を示さなければならなかったのに、身体が動かなかった。あそこで逆らったら殺されてしまう……そんな事が、理由になんてなる訳がない。 そんな体たらくだから、ガメルを守ることができなかった。ルナティックの事をオーズやファイアーエンブレムに押し付けて、逃げ出してしまった。 このままじゃ、誰かを守ることなんて出来ない。みんなを守るって決めたのに、実際は責任を他の人に負わせることしかしていなかった。 「わたしって、本当にどうしようもないなぁ……」 思わず空を見上げながら、まどかは静かにそう呟く。 この世界を照らす太陽の輝きが、まどかにはあまりにも痛く感じられた。あの光が弱くて卑怯な自分自身を今にも裁いてしまいそうで、居た堪れなくなってしまう。でもここから逃げたって何にもならないし、オーズ達が戦っている戦場に戻っても何かができるとは思えなかった。 でも、このままここでじっとしていたって何にもならない。だから今を変えるために動きたかったが、やはりまどかの中で迷いが残っている。 力がないのにこのまま戻ったって、ただ悲しみを生むだけではないか? 「君!」 そうやって悩み続けていたまどかの耳に、突如として声が響く。 ほんの少しだけ驚きながら振り向いた先から、赤いジャケットを身に纏った男の人がこちらに歩いてくるのをまどかは見た。その少し後ろでは、自分とほぼ同年代と思われる少女がいる。 「大丈夫か?」 「あの……あなたは?」 「俺は照井竜、警察だ」 そう言いながら、照井竜と名乗った男は懐から警察手帳を取り出した。 警察。それは一般社会の治安を維持する為に存在する誰もが知っている組織だ。そんな人すらも殺し合いに巻き込まれているのかと思う暇もなく、竜はまどかの目前で止まる。 「君は一人だけか?」 「えっと……そうですね」 「そうか、なら今から後ろにいる彼女と一緒に来てくれ。ここは危険だからな」 「待ってください!」 竜の提案に対するまどかの答えは、そんな叫びだった。 「わたしは……隠れるわけにはいきません! いいえ、隠れちゃいけないんです!」 このまま彼の言葉を受け入れるのでは、結局守られるままで何も変わらない。ここで隠れていては、ガメルの時みたいにまた誰かが犠牲になるに決まっている。 みんなを守る為に魔法少女になったのに、肝心な時に逃げてるなんて嫌だった。 「それは一体、どういう事なんだ?」 しかし次の瞬間、竜は怪訝な表情を浮かべる。それを見たまどかはしまったと思うも、もう遅い。 「何か訳ありのようだな……詳しい話を聞かせてくれないか」 ありのままの感情を吐き出してしまった事に後悔を抱きながら、先程出会った仮面ライダーを潰すと言った男の姿を思い出す。あの時みたいに、またうっかり口を滑らせてしまった。 まどかは何とか誤魔化したかったがその為の言葉が出てこず、しどろもどろに口を動かすしか出来ない。元々嘘が得意な方ではなかったからだ。 「とにかくここでは危ない……一旦、あのビルに行くぞ」 竜がここから少し離れたビルを指差すのを見て、まどかはもう逃げることも誤魔化すことも出来ないと確信する。 その建物の壁には空想上の生物である巨大なドラゴンの頭が飾られていて、あまりにも異質に満ちていた。しかし今のまどかにとって、それはあまりにもどうでもよかった。 自分を心配してくれる竜についていく。それ以外に出来ることが何一つ思いつかなかった。 ○○○ (鹿目まどか……何でこんな所にいるのよ!?) そんな様子のまどかを見て、メズールは焦りを感じていた。 見滝原に向かう途中、他の参加者を捜すという名目でキャッスルドランを訪れたが、よりにもよってオーズとは違う意味で出会いたくない相手と出会ってしまった。 今の自分は、警察官である照井竜を利用する為に弱者の志筑仁美として振舞っている。だが志筑仁美は目の前にいるまどかの友人だから、いつ嘘が見破られてもおかしくなっていた。 同姓同名の他人と言い張る事も出来るが、一歩間違えればボロが出てしまう。だがここで今すぐ二人と別れる事も出来ない。ここで始末する方法もあるが、それではセルメダルを無駄に消耗するだけだ。 (まずいわね……もしこのまま照井竜から名前を呼ばれたら、今後の行動に支障が出るかもしれない) このまま黙っている訳にもいかない。こんな状況では、参加者の愛を手に入れるどころではなくなる。 どうしたものかと考えるメズールは、照井竜と鹿目まどかの背中を交互に見ながら歩いていた。 (迂闊だったわ、まさか鹿目まどかが私達の方に来るなんて……こうなるならもっと早く、照井竜に違う道を進ませるよう誘導させるべきだったかしら?) 考えてみればまどかの初期位置は秋葉原だったので、遭遇する確率は充分にあったがもう遅い。 もしも竜と出会わなければ、一人で何とかなったかもしれなかった。そんなIFの可能性を考えてしまうがどうにもならず、次第に竜への殺意が芽生えていく。しかしそれを今ここで発散させるなんて出来るわけがなかった。この二人を相手では反撃を受けるだろうし、仮に勝ったとしてもそれから別の参加者から襲撃されては全てが終わる。 様々な最悪の可能性が湧き水のように溢れ出てきて、メズールの焦燥は時間と共に強くなっていくのだった。 ○○○ 外見から漂う異質さとは裏腹に、中は意外に普通だった事が驚きだったが油断はできない。得体の知れない男が用意した施設なのだから、どんな罠が仕掛けられていてもおかしくなかった。 とはいえ、幸いにもこの部屋は普通の応接室のようだった。二つのソファーが向かい合うように備え付けられていて、その間には小さなテーブルが置かれている。その他にも観葉植物やいくつものファイルが入っている本棚、それにTVなど風都署でもよく見られる物がたくさんあった。 「……なるほど、大体分かった。話してくれてありがとう」 「い、いえ……照井さんこそ心配してくれてありがとうございます」 「それが警察官の使命だから、当然だ」 そんな『C―5』エリアにあるキャッスルドランの一室で、戸惑っている鹿目まどかに照井竜はそう答える。彼女の隣では志筑仁美――竜は知らないが、仁美の名を騙っているメズール――が座っているが、怯えているのか先程から何も喋っていなかった。尤も、こんな状況にただの中学生が放り込まれては、こうなっても当然だから何かを問い詰めても仕方がない。 故に、竜は何とかしてメズールを保護してくれる人物を捜すことを優先する。この殺し合いに巻き込まれた左翔太郎やフィリップのように、信頼できる者を見つけたいと願った矢先にこうして鹿目まどかと出会った。 「それにしても、魔法少女なんてものが本当にいるとは……」 「信じてくれないかもしれませんが、わたし達は本当に戦ってきたんです……社会の裏でみんなを不幸にしている魔女達と」 「……いや、信じよう。出来るだけ表沙汰にはしないようにしているが、俺達も似たような相手と戦っているからな」 インキュベーターという謎の生物や、そいつと契約する事で生まれる魔法少女という存在。そして、絶望をもたらす魔法少女の成れの果てである魔女という怪物。あまりにも荒唐無稽な話だが、竜はそれらをただの出鱈目と片付ける事は出来なかった。 この世界にはガイアメモリによって生まれるドーパントという怪物が、人々に絶望をもたらしている。憎き仇である深紅郎もその一人だ。 しかし今はそれよりも重大な問題がある。 「とりあえず、その仮面ライダーを潰そうとしている男とは一体何者なんだ? 確か、ここから東に向かったと聞いたが……」 「私にもわかりません……あの人がどうして仮面ライダーを潰そうとしてるかなんて」 「そうか……」 聞いた話によるとまどかは先程、仮面ライダーを潰そうとしている男と出会ったらしい。その男を前にまどかは、ついオーズとルナティックの事を話してしまったと言った。 殺し合いに乗っているのかと思ったが、それならば何故まどかの命を奪わなかったのか? 魔法少女とはいえ、守ろうとしたガメルというグリードの死に落ち込んでいる彼女も格好の餌食のはず。 仮面ライダーを潰そうというなら自分は勿論、左翔太郎やフィリップもその男のターゲットになる。だが、まどかを殺していないから一概に危険人物と決め付けられなかった。 (仮面ライダーオーズ……それにファイアーエンブレムやルナティックという仮面ライダーか) この殺し合いを開いたグリードという連中を砕こうとする仮面ライダーオーズ。 シュテルンビルトを守る正義のヒーローを自称したファイアーエンブレム。 罪人を裁くと言いながら、正義を振り翳してまどかを傷つけようとしたルナティック。 そして、この殺し合いを開いたグリードの一人でありながらまどかと心を通わせたガメルという男。 (普通ならばオーズとルナティックが正しいのだろうが……ガメルも間違っているとは言い難いな) ガメルはグリードでありながら、まどかを救おうとその身を犠牲にしたらしい。だが、グリードは名も知らぬ少女達を虫けらのように殺した真木清人の仲間だ。そんな連中を殺そうとするオーズやルナティックに正義があるのだろうが、素直に認めるわけにもいかない。 正義の名を語って無抵抗の者を傷つけるのでは、ドーパント達と何一つ変わらないからだ。 誰かを守りたい。警察官なら誰もが持っているであろう思いが根底にあるのだろうが、それが暴走してしまっていた。 (どうやら、井坂を探す前にやるべき事が出来たようだな……) そんな彼らとの騒動があったせいか酷く疲れ果てた表情を浮かべているまどかを見て、竜は心の中でそう呟く。 「わかった、彼らの事は俺に任せろ……君達二人は俺が戻ってくるまで、ここに隠れていてくれ」 そして今度は口から言葉を紡ぎながら竜は立ち上がり、デイバッグを手に取った。 すると、まどかと仁美の二人は驚いたような表情を向けてくる。 「照井さん!? どうして……」 「俺に質問をするな……このままでは、君の言っていた四人の間で戦いが起こってしまう。それだけだ」 「だったら私も行きます!」 「いや、君はここで彼女と一緒にいてくれ。それに君のような子どもがそんな危険な場所に行くのは駄目だ」 「でも……!」 「俺に任せろと言っている……気持ちはわかるが、どうかここにいてくれ」 そう語りながら竜はまどかから目を離して、仁美の様子を伺った。彼女の顔は未だに怯えで染まっているので、こんな所にいさせてしまうのに些かの罪悪感を抱く。 しかしだからといって、これから向かう戦場にこんな少女達を連れてくる訳にもいかなかった。 「行くんですか……?」 「すまない。だが、すぐ戻ってくるから二人でここにいてくれ」 「……はい」 そう弱弱しく呟くと、仁美は再び顔を俯かせる。それだけでも、相当怖がっているのがよくわかった。本当なら彼女を守らなければならないが、それは出来ない。 今はまどかの為にもオフィス街で起こる戦いを止めなければならなかった。 「いいか、出来るだけここにいるんだぞ。もしも怪しい奴が来たのなら、二人で見滝原まで逃げろ……いいな」 そう言い残すと、竜はデイバッグを抱えながら部屋から出て行く。廊下に出た後、彼の足取りは次第に早くなっていた。 できるならば、これから向かう戦いの舞台に憎き深紅朗が現れるのを祈る。奴はこの世界で絶対に倒さなければならないからだ。 だがいないならば、まどかとの約束を果たすことを優先させなければならない。 『わたしは……隠れるわけにはいきません! いいえ、隠れちゃいけないんです!』 (あんな子どもが、まさか俺達みたいに戦っているとはな……) まどかの悲しげな表情と言葉を思い出し、竜は思わず心の中でそう零した。 深紅朗に殺された春子とそこまで年齢は変わらないのに、危険な世界に足を突っ込んでいる。その勇気は素晴らしいかもしれないが、子どもが戦うなど竜には容認することができない。だから、戦いを止めたいという彼女の願いを聞き入れた。 あんな子どもを二人だけにするのは不安だが、自分が行かなければまどかが一人で突っ走る可能性もあった。 (オーズもファイアーエンブレムもルナティックも死ぬなよ。それに仮面ライダーを潰そうとしている男、お前は何故その道を選ぶ。何か理由があるのか……?) キャッスルドランから外に出て、竜はこれから向かうであろう戦場の方角を真っ直ぐに見据えながらひたすら進む。 井坂深紅朗への憎悪は強く燃え上がっていたが、今の照井竜は鹿目まどかの願いを叶えたいという『欲望』の方が勝っていた。 結局、どれだけ復讐鬼の道を歩もうとしても、彼は人々を守る使命を持つ警察官。誰かの悲しみを見過ごすなど、心の奥底に宿る誇りが許さなかったのだ。 別に誰かを守るなんて綺麗な言葉を使うつもりはない。ただ、春子と同じ未来ある少女が悪意の犠牲になることが許せないだけ。 尤も、彼自身がそれを意識しているかどうかは定かではないが。 ○○○ (照井さんに任せたけど……本当にこれでいいのかな?) 照井竜が去ってから数分経った頃、鹿目まどかは考えていた。 竜の好意に甘えてしまい、誰も犠牲にさせないという義務を押し付けてしまっている。無論、ここにいる名前も知らない女の子を守らなければならないが、それでも胸にモヤモヤを感じていた。 このままではまた誰かが死んでしまうかもしれないのに、逃げるように隠れたままでいいのか? 「ねえ、鹿目さん……ちょっといい?」 そんな疑問が波紋のように広がっていく中、あの女の子が声をかけてくる。 それに気付いて顔を上げたまどかは、女の子がこちらを凝視しているのを見た。 「……どうしましたか?」 「あなた、もしかして悩んでる?」 「えっ?」 「さっきからあなた、ずっと悩んでいるように見えるけど……もしかして、照井さんのこと?」 その問いかけに対して、まどかは首を横に振る事ができなかった。 竜と出会ってから動揺してばかりだったので気にしていられなかったが、よく見ると彼女は自分よりもずっと大人びて見える。その瞳からはただ怯えていただけの数分前とは打って変わって、落ち着いた雰囲気が感じられた。 「悩んでるなら、照井さんの所に行ってあげて」 「えっ!?」 「このままじゃ……このままじゃ、あの人が殺されちゃうかもしれないのよ! だから、鹿目さんには行って欲しいの!」 そして少女の語気は唐突に強くなり、まどかは思わず呆気にとられてしまう。 この状況に恐怖を感じていたと思ったら、突如として豹変したので違和感を覚えざるを得ない。だけど、もしかしたらこれが本来の彼女かもしれなかった。穏やかな毎日では誰かの為に一生懸命に頑張りながら、いつだって周りのみんなを笑顔にしていると、まどかは考える。 こんな世界でも誰かを思いやる心を持っている少女を、まどかは素晴らしいと思った。彼女みたいな人がたくさんいてくれるなら、誰だって毎日を笑顔で過ごせるはず。 「私なら大丈夫だから、行ってあげて」 「その気持ちは嬉しいですけど……わたしは行けません」 でも、まどかにはその好意に甘える事ができなかった。 「どうして?」 「わたしは、あなたの事も助けないといけないんです。照井さんにもそう約束しましたし、何よりもわたしがいなくなったらあなたが独りぼっちになっちゃいます……そんなの、寂しすぎますよね?」 竜の後を追って戦いを止めたいのは山々だが、彼女を一人にさせるなんて出来る訳がない。ただの人間でしかない少女をこんな場所にほったらかしにしては、殺し合いに乗った人が来た時に殺されるに決まっている。 それに竜からも頼まれた以上、きちんと果たさなければいけない。だからこのキャッスルドランから離れることが出来なかった。 「いいえ、竜さんと一緒に行ってあげて! そうしないと、あなたはきっと後悔するから!」 しかしそんなまどかの思いに反して、少女は尚も真摯な表情で詰め寄ってくる。その瞳からは焦燥感すらも感じられた。 「鹿目さんはみんなを守る魔法少女なんでしょ!? だったらこんな所にいないで、戦いを止めてきて! 私だって、誰かが死ぬなんて嫌だから!」 「でも、そうしたらあなたが危ないよ! それに照井さんとだって、あなたを守るって約束したし……」 「私なら大丈夫だから! いざって時には、一人で逃げられる自信もあるし! それにあなたが守ろうとしたガメルって人も、それを望んでいるはずよ!」 「……ッ!」 少女の口から出たガメルの名前を聞いて、まどかの心が一気に締め付けられていく。 あの戦いでオーズに吹き飛ばされた時、ガメルは自分の危険も顧みずに守ってくれた。例えどれだけ傷ついても、守るためにその身を犠牲にして動いていた。 『まどか、おれにやさしくしてくれた! まどかをいじめるやつ、おれがゆるさないっ!!』 そんなガメルの勇気と優しさに溢れた姿が、まどかの脳裏に再び蘇っていく。 彼はこんな弱い自分を信じて、好きだと言ってくれた。それに何より、あんなにも恐ろしく見えたオーズを前に一歩も引かずに立ち向かっている。 きっと彼は勝ち目があるとかないとかなんて考えてなかったかもしれない。あの時のガメルから感じられたのは、誰かを守りたいという強い決意だった。それは人々を守る魔法少女の誰もが持っているであろう、揺るぎない思い。 今ここでじっとしているのは、それを自分から裏切っているに他ならなかった。 「だからお願い! 私の代わりに竜さんを助けて、オーズって人達を止めてあげて! このままじゃ、みんなが……」 「……わかりました」 饒舌となった少女の言葉はまだまだ続いただろうが、まどかはそれを途中で遮る。 「確かに、このまま何もしないせいでみんなが犠牲になるなんて、わたしだって嫌です」 「行ってくれるのね……!」 「はい……でも、すぐに戻りますから! あなたのことだって、わたしは守りたいので!」 微笑みを向けてくれる少女の両手を強く握りながら、まどかははっきりと答えた。 正直な話、ここで彼女の元を離れるのは心苦しくなってしまうし、やってはいけないのは理解している。でも、少女の言うようにここで黙っていたら今度は竜が犠牲になってしまうかもしれない。そんなことになったらガメルの思いを無駄にしてしまうし、魔法少女のみんなに顔向けが出来なかった。 「そう……ありがとう。私のワガママを聞いてくれて」 「いいえ、わたしの方こそごめんなさい。あなたやガメルの気持ちをわかってあげられなくて……」 「そんなの大丈夫よ。むしろ、このままじゃあなたのやりたいことを邪魔するだけになったのだから」 「そんなことないですよ……あ、そういえばあなたのお名前を聞かせてくれてもいいかな?」 「……そはら、見月そはらよ」 「そはらさんか……改めて、よろしくお願いします」 「うん! それはそうと、早く行ってあげて。みんなを助けるためにも」 「わかりました……そはらさん、すぐに戻りますからね!」 力強くそう言い残しながらまどかはデイバッグを手にしながら部屋を出て、魔法少女に変身する。そのまま彼女は窓から勢いよく飛び出しながら、来た道を戻り始めた。 この時、まどかは急いでいた余りに気づいていない。後ろにいる少女がガメルと同じグリードで、探し求めていたメズールであると。そして彼女が親友の志筑仁美の名前を騙っていたことを。 そして、戦場へと向かうまどかの背中を見ているメズールの笑みが愉悦に染まっていることを、気づくことは出来なかった。 【1日目-午後】 【C-6 キャッスルドラン前】 【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】 【所属】白 【状態】哀しみ、疲労(小)、全身に小程度の打撲、魔法少女に変身中 【首輪】300枚 30枚 【コア】サイ(感情)、ゴリラ、ゾウ 【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ 【道具】基本支給品一式×2、ランダム支給品0~3(うち二つは用途の分からないもの、一つはガメルが所持していたもの)、 詳細名簿@オリジナル、ワイルドタイガーのブロマイド@TIGER BUNNY、マスク・ド・パンツのマスク@そらのおとしもの 【思考・状況】 基本:この手で誰かを守る為、魔法少女として戦う。 0.みんなを守る為の力がもっと欲しい。 1.急いで戦いを止めて、そはらさん(メズール)の所に戻る。 2.仮面ライダーオーズ(=映司)がいい人だという事は分かるけど…… 3.仮面ライダールナティック? の事は警戒しなければならない。 4.マミさんがもし他の魔法少女を殺すと云うなら、戦う事になるかも知れない…… 5.ほむらちゃんやさやかちゃんとも、もう一度会いたいな…… 【備考】 ※白陣営の現リーダーです。 ※参戦時期は第十話三週目で、ほむらに願いを託し、死亡した直後です。 ※まどかの欲望は「自分自身の力で誰かを守る事」で刺激されると思われます。 ※火野映司(名前は知らない)が良い人であろう事は把握していますが、複雑な気持ちです。 ※仮面ライダーの定義が曖昧な為、ルナティックの正式名称をとりあえず「仮面ライダールナティック(仮)」と認識しています。 ※ガメルが所持していたセルメダルと、ガメルの身体を形成していたセルメダルを吸収し所持メダルが大幅に増えました。 ※サイのコアメダルにはガメルの感情が内包されていますが、まどかは気付いていません。 ※サイとゴリラのコアメダルが、本人も気付かぬうちにまどかの身体に取り込まれ同化していますが、まどかの意思次第でメダルは自由に取り出せます(まどかはまだ人間です)。 ※メズールを見月そはらだと思っています。 ○○○ 「一時はどうなるかと思ったけど、助かったわ……」 鹿目まどかが去ったことでようやく一人になれたメズールは、一息つきながらソファーに腰掛ける。 邪魔者の照井竜も鹿目まどかもこうしていなくなってくれたことで、ようやく動きやすくなった。しかも竜はまどかを優先させていたのか、自分の名前を呼ぶこともなく戦場に向かってくれている。 良い事と悪い事にはバランスがあると言うが、まさにその通りかもしれない。これであの二人がオーズ達と潰しあってくれれば最高だが、流石にそこまで都合よくはいかないだろう。 もしも、竜が狙っている井坂深紅郎も登場すればもっと面白くなるだろうが、配置された位置が少し遠いので期待はしない。 「我ながら臭い演技だったわね……まあ上手くいったから文句はないけど」 殺し合いの兵力として利用するために煽ったセシリア・オルコットの時と違って、あの二人の前では弱者として振る舞った。まどかを煽った際の演技は今になって思うと大げさすぎたが、成功したのだからそれでいい。 自分がグリードの一人であることを露知らず、殺し合いを止めるなどと意気込むまどかの姿は実に愉快だった。彼女の持つ誰かを守りたいという『愛』を、思うがままに利用している……そう考えたら、笑わずにはいられなくなってしまう。 今になって考えると竜を青陣営に引き入れられなかったが、オーズを潰せる可能性を上げられるなら惜しくないかもしれない。 「それにしても、まさかこんなにも早く砕かれてしまうなんてね……ガメル」 そして戦場に向かったまどかからガメルがオーズによって砕かれたと聞いた時、メズールの中で確かな喪失感が満ちていた。自分と一緒にいる事を最大の欲望として、誰の事も疑っていない彼が既にいない。 つまり、彼との愛情はもう永遠に育まれる事はないのだ。 「グリード故に満たされない……でも安心して、ガメルの分まで私はたくさんの愛を集めてみせるから」 しかし、嘆くことはない。寂寥感を覚えたものの、ガメルもグリードである以上は自分の敵なのだから、いつかは倒す運命にあった。その時が存外、早く来てしまっただけ。自分に出来ることは青陣営のリーダーとして、陣営戦の優勝を目指すしかなかった。 あれから、大分時間も経っている。恐らくオーズ達も戦いで大分消耗しているだろうから、隙を見ればメダルを奪えるかもしれない。尤も、ウヴァみたいに策も無しに特攻しては自滅するだけだから、慎重に行動しなければならないが。 戦場から離れるとしても、一人になったから動きやすくなったかもしれない。 「さて、私もそろそろ行かないとね……みんな、頑張りなさいよ」 妖艶に微笑むメズールは、誰に向けるわけでもなく独り言を呟きながら立ち上がる。 陣営に分けた戦いに勝利して、全ての愛を手に入れる為にも。 【1日目-午後】 【C-6 キャッスルドラン内部】 【メズール@仮面ライダーOOO】 【所属】青・リーダー 【状態】健康 【首輪】110枚(増加中):0枚 【コア】シャチ:1、ウナギ:2、タコ:2 【装備】グロック拳銃(15/15)@Fate/Zero、紅椿@インフィニット・ストラトス 【道具】基本支給品、T2オーシャンメモリ@仮面ライダーW、 【思考・状況】 基本:青陣営の勝利。全ての「愛」を手に入れたい。 1.このまま単独行動を続けるか? それとも戦場に向かい、戦いの隙を見てオーズを仕留めるか? 2.まずはセルと自分のコア(水棲系)をすべて集め、完全態となる。 3.可能であれば、コアが砕かれる前にオーズを殺しておく。 4.完全態となったら、T2オーシャンメモリを取り込んでみる。 【備考】 ※参戦時期は本編終盤からとなります。 ※自身に掛けられた制限を大体把握しました。 NEXT 戦いと思いと紫の暴走(後編)
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ある闇 (4) 実は設定wがちょっと動いてる。 当初はどこの港町でもよかったんだけど、ここではゼクステクス伯の名をあっさり出してるw ま、その辺は行き当たりばったりでもw 男は大柄で手足も体も太かった。 黒髪で髭面で、年の頃は熟達の船長といったころあいだった。体はすこし臭った。ほんの少し前まで、アンディからも同じ臭いがしていたはずなのに、それを不快に思った。 部屋に招かれた男は、ボフリを見ても驚かなかった。ボフリのことを知っていたからだとアンディは思った。 「お初にお目にかかる、ボフリ殿。ボルフライ殿と呼ぶべきだろうか」 男は大柄の体を折り、礼をしてみせる。 「どちらでも構わない、船長」 執務机の向こうからボフリはこたえる。アンディはすこし驚いていたし、驚きながらも不思議には思わなかった。ボフリは別の名を持っている。しかしそれはあたりまえのことに思えた。 船長と呼ばれた男は、髭面に笑みを浮かべる。 「お判りならば話が早い。俺ならば、あなたのために船をお仕立てできますぜ。いかなる用向きでも」 「私は船を仕立てたいわけではない。船と乗員を手に入れたいのだ」 「おっしゃることがわかりかねますが」 「私が船主になる。船主として何を行うか決める」 「なにをなさりたいわけで?」 少し背を丸めて、声低く船長は問う。ボフリただこたえる。 「私の成さんとするすべてだ」 静けさが立ち込めた。船長はかすかに目を伏せて、何を思っているのかうかがえない。ボフリは待っているようだった。小首をかしげるようにして、そのこめかみに軽く指をそえて、口元には楽しげな笑みさえ浮かんでいる。 不意に笑い声が起きた。船長のものだ。船長は身を起こし、体をゆするように笑っていた。 船長は踏み出し、執務机へと向かってゆく。足音が響く。アンディは隠していた短剣を静かに抜いた。船長の大きな背中は目の前だ。 だが執務机の端で、ボフリの手が動いた。明らかにアンディに向けてだ。それは下がれと言っていた。 船長はその腕を振り上げ、机を打つように前のめりにボフリへと顔を近づける。 「そいつはちょいと高くつきますぜ、ボルフライの旦那」 「なにがほしい」 ボフリは静かに問い返す。船長はぐいと顔を近づける。 「俺の求めるすべてでさ。あんた、それを買えるっていうのかい」 「ゼクステクス伯による免状ならすでにある」 「そんなもんは何の意味もありませんぜ」 「帝國による更新押印もだ」 「!」 船長は絶句した。背中が震えるほどだった。執務机についた手が震える。そこにあった書類を掴んで強く握りしめる。 「・・・・・・あんた、ほんとうか」 「ほかに何が要る」 「本当かと言ってるんだ」 「その目で見たものしか信じない、か。それは正しい。それこそ私の探していた男だ」 引き出しをあける音がした。船長の大きな肩の向こうでボフリの体が見え隠れする。船長はよろめくように退く。大きな体を縮めるようにして、何かを胸の前に持って。 「ほかに何が要る」 ボフリの言葉が追いかける。こたえがあるまで、静かに待っていた。船長は顔を上げる。 「・・・・・・修繕が、要ります」 「それだけでは足りぬだろう。船員は食えているのか」 「・・・・・・いえ」 「そちらの方が難しいな。人を動かしても糧秣を動かしても目につく。何隻か沈めるか」 「・・・・・・」 船長すら沈黙していた。船を求めているのに、ボフリは船を沈める話をし始めている。 「帝國の調べが入るのは好ましくない」 それからボフリは言った。 「船長。とりあえず君の配下は、いまこの街に何人いる?」 「・・・・・・ボルフライの旦那、どういうことで?」 「とりあえず小舟をいくらか買い取る。漁船だな。4,5艘ほどばらばらに調達したまえ。漁具もあわせてだ。そのうえで目立たぬ程度に入り用のものらを買い集め、君の根城へ送りたまえ。その間に君はつぎの下ごしらえをしてもらう」 「仕事、ですかい?」 「そうだ。わたしの代わりに船を調達するのだ。この街では駄目だ。別の街へ行ってもらおう。帝國の息のかかっていない廻船問屋の船だ。一隻でいい。それにわたしの発注した荷を乗せる」 船長の大きな肩が揺れた。その肩は力とともに上がったあと、静かに落ちる。 「・・・・・・沈めちまうのはもったいなくありませんかい」 「動かせない船など不要だ、船長。始末はきれいにやれ。あちらの船主にあきらめがつくようにな」 「そいつは任せていただきてえ」 「一人残さずだ」 「もちろんでさ」 「いいだろう」 覗くと、ボフリは何事か紙に書き留めているようだった。それに指輪の押印をする。それはアルベルトに預けた金を引き出すときにすることだ。 「アンディ、船長を連れてアルベルトのところに行け。まずは小舟かかわりのことだ。アルベルトから勘定役のものも出させるのだ。船長」 ボフリは卓から船長を見た。 「まず証文を返したまえ。それが役に立つのは君の船が修繕されてからだ」 「・・・・・・」 船長は、胸の前に抱えていた免状に目を落としたようだった。それをじっと見つめたあと、顔を上げてボフリを見、それからまた免状を見る。 「旦那・・・・・・」 ボフリの答えは無かった。けれど向き合う船長の肩がびくり震えた。船長は気圧されたように低くうなり、胸に抱えていた免状をそっと机へと戻す。ボフリは言う。 「わたしは金にはこだわらぬ。だが騙されるのが嫌いだ」 「へい。ボルフライの旦那」 「船が調達できたなら、次の仕事がある」 「お任せあれ」 船長は一歩退き、そしてその汚れた体に似合わぬしぐさで、かかとを合わせた。それから王族に対してして見せるような恭しい礼を見せた。
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もうどうにも止まらない♪ ある闇 アンディはボフリの身の回りの世話もするようになった。そして知った。ボフリは双性だった。神に愛され、それゆえに両性具有に生まれ、精霊に愛されそれらと意を通じ合える。さらには神殿にも愛され、王家に愛され、召し抱えられるものだ。そのような双性びとに会うなどと思ってもみなかった。 驚いているアンディにボフリはただ笑って、はやく身を拭う布をよこすようにと言うだけだった。そんなときであっても、ボフリの顔にはあの銀の仮面があった。目元から額までを覆い、さらに角のように冠のように頭の上のほうまで伸びる仮面を。ボフリは決して仮面を脱がなかった。仮面の下を見てみたいという思いは、アンディの中から失われることも無かったけれど、そうすることは何か恐ろしい罪ではないかと思えるようにもなっていた。 ボフリの定宿は、街でもそれなりの宿で、最上とは言わぬけれど、ボフリなりの眼鏡にかなったところであるらしい。ボフリに伴われて入ろうとしたときにも、宿おもての者は、どちら様でしょうかとボフリに問いただすくらいだった。 笑みを見せてボフリは、私の小間使いのものだ。アンディという。覚えてやってくれるか、というのだ。宿おもてのものはそれでも少し不審げにアンディを見、それからボフリを見返して、承知しましたとうなずいた。アンディを男娼として知っているものがいてもおかしくは無かった。けれど今のアンディは違うのだ。ボフリはアンディを求めはしなかった。 ボフリはアンディにただ命じるのだ。この街で、何かを手に入れるには誰に会えばいい、と。 アンディが思い浮かべ名をあげると、言ったものを呼ぶようにボフリは命じた。顔つなぎの金を惜しむことは無かった。最初に呼ばれたのは両替屋だった。ボフリはアンディに金貨を一枚投げ渡し、それを百枚両替させたいと言った。少し笑って、こう付け加えた。 「利が悪くても構わん。お前の知る限り、もっとも信頼できる両替を呼べ」と。 アンディは考えた。さすがに信頼できる両替屋と言われても、そうそう思いつかなかったのだ。すまなげにそのようにボフリに言うと、ボフリは言った。そういう時には宿に聞くのも手だ、と。 いやであったけれど、ボフリに言われては仕方ない。宿の表にそのように告げると、まるでボフリその人が来たかのように、アンディに詳しくそれを教えてくれた。しかも宿からの紹介状まで渡された。ただの男娼だったアンディに。ボフリは何もかもを変えるのだ。 アンディは教えられたとおりに行き、両替屋の表で金貨を示した。わが主はこれを多目に両替したい。ついては主のもとへ来てほしい。両替屋のものは驚き、上のものを呼び、上の者はさらに上のものを呼んだ。最後に現れたのは二番番頭と名乗るものだった。手もみしながらアンディについてくるほどだった。 ボフリは部屋でくつろいで待っていた。二番番頭はボフリの仮面に驚いたようだった。ボフリは自ら立ち上がり、二番番頭のもとへ歩み寄り、名を問いただした。 「アルベルト・・・・・・」 震える声で二番番頭は言った。その時に分かった。アルベルトもボフリに魅入られたのだと。 どこに隠していたのかボフリは革袋を手渡し、それを両替してこちらの金貨、銀貨に代えるようにと言った。アルベルトは革袋を開き、そして震え上がった。 震えながら、これほどの量は今は両替申し上げられませんと言った。構わずボフリは預けると言った。 「金は惜しまぬ。だが私は騙されるのが嫌いだ。意味が分かるか」 もちろんでございますとアルベルト平身低頭し、震える手の中に金貨を包みながら、命に代えてもお守りいたしますとさえ誓った。アンディはおかしくてたまらなかった。 いくさに負けてからこちら、火の消えたようだった港町で、ボフリだけが灯明にように輝いて見えた。ボフリは届けられた金を慎重に使った。ばらまくような使い方は決してしなかった。ただもっとも良いものをしつらえさせただけだ。ボフリの服はこの街で作らせたらしい。服屋は誇らしげに新しい服を届けに来た。靴も、小物もそうだった。アンディにすら、お仕着せをくれたほどだ。 けれど、要らぬものは決して寄せ付けなかった。そう言ったものは、宿の表で阻まれた。呼べるのはアンディだけだった。多くの者がアンディに口利きを頼んだが、すべて退けた。男娼のアンディに皆が愛想を見せた。 いろいろなことがボフリの耳に入るようになった。いくさの前と変わらぬのは、帝國が手配した船ばかりだ。南の島に行き、農園から茶葉を運んで来たり、南の獣人大陸と交易したりしていた。帝國ではない船というと、西回りの航路で西方のゼニアの船がやってくる。それに西のアル・カディアの船が増えた。帝國は、船の建造を許していない。 ただ一つ、ボフリの手に入らないものがあった。 船だ。 ボフリの命じるままアンディとアルベルトが走り回ったけれど、船を手に入れることはできなかった。 一度、帝國のものに金を渡して見逃させればと言ったのだが、ボフリは笑って退けた。 「帝國は、そういうものを探しているんだ」と。 ボフリはすこしもあわてておらず、必ず船は手に入ると思っている風だった。そんな自信がどこから来るのか、アンディには不思議なくらいだった。 けれど、ボフリの言うとおりになった。 あるとき、大柄な男がうっそりと宿を訪れ、そして言ったのだ。 「こちらの旦那さんが、船をお探しだと聞いてきたものでね」