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第75話 断ち切る思い 『さて、次の放送は6時間後の午後6時だ…』 耳障りなルシファーの声でミラージュは目を覚ました。 慌てて放送を聞こうとしたが、もう遅い。 既に死亡者や禁止エリアの発表は終わってしまっていた。 『…では、これで放送は終了する』 「私とした事が…たるんでいましたね」 窓から外を見て辺りを伺った。 恐らくあの時気絶させられてから、ずっと寝ていたのだろう。 ガンツは無事なのだろうか?自分の荷物が無くなっていた事からするに、彼も無事で済んだとは思えない。 ただ自分がこうして生きているのだから、ガンツも生きているかもしれない。 窓から見る限り周囲に危険は無さそうだ。安全を確認したミラージュは外へ出ることにした。 太陽は既に空の真上に来ていた。 荷物を失ったのはともかく、放送を聞き逃したのは大きな痛手だ。 (クリフもマリアも、そしてフェイトさん達も簡単に負けるような人達では無いですが…無事だと信じたいですね) 知り合いの生死は確認できないのは不安だが、目下一番危険なのは自分だ。 禁止エリアが分からないのでは自滅の可能性が出てくる。 もしかしたら今自分がいる所が禁止エリアに指定されているかもしれない。 また、いつ禁止エリアになるのか。それとも既にどこかが禁止エリアとなっているのかそういった事がまるで分からない。 しかしミラージュはこんな窮地でも冷静だ。即座にこの状況の対処法を考える。 地図は今持っていないが、この島の地形及びエリア分けなどは最初に地図を見た時頭に叩き込んでおいた。 前方に郵便局が見える事から、自分が今いるのは「C-04」エリアの筈だ。 そして郵便局の位置から考えるに、ここはC-04内のほぼ中心。 自分の位置を特定したミラージュは、考えを実行に移すべく移動した。 彼女が来たのはC-04の北東部付近である。 自分の記憶が正しければ、ここから十数メートル走ればC-05、B-04、B-05と三つのエリアに入ることが出来る。 これなら仮に今いるC-04が禁止エリアに指定されたとしても、どこかしらのエリアに逃げられるという寸法だ。 まさか隣り合う四つのエリアがいきなり禁止エリアにされるという事はないだろう。 恐いのはC-04が禁止エリアに指定され、その瞬間に首輪を爆破される事だが、こればかりは祈るしかない。 ただ禁止エリアで自爆というのは、殺し合いをゲームとするルシファーに取ってはこの上なくつまらない死に方に違いない。 つまりいきなり爆破するのではなく、何らかの形で警告が出され、それに従わなかった場合爆破されるのではないか…そう考えた。 後は誰かがここを通るまで待ち、その人物から情報を仕入れればいい。 そして、待つこと1時間程。 「…いつからそこにいましたか?」 自分の背後に感じる気配にそう言う。 瞬間、気配は殺意に変わった。 振り向くと、剣を持った少女が眼前まで迫り、その剣をミラージュに突き刺さんとしていた。 「くっ!」 体を捻ってその攻撃をかわす。 そして、その小さな体に裏拳を叩き込んだ。 裏拳を受けた少女は空中で一回転してその衝撃を流し、ミラージュから3メートルほど離れた地点に着地した。 その間にミラージュも構えを取る。 相手は少女…スフレより少し下程度の年齢だろう。だが先程の攻撃を見る限り、かなりの実力者だ。油断はできない。 「武器を捨てて投降しなさい。今ならそれで許してあげます」 こんな言葉を聞くとは思えないが、一応忠告しておく。 だが予想通り、その少女はミラージュの言葉など耳にも貸さなかった。 「忍法飯綱落とし!」 飛び上がった少女がミラージュの頭上から剣を振り下ろす。 ミラージュは一歩下がり蹴りで応戦。剣を持った少女の腕を弾き、アッパー気味のパンチを一撃お見舞いすると もう一度蹴りを決めて少女を吹っ飛ばした。 さらに追撃を決め、一気に仕留めようとミラージュは吹っ飛んだ少女の下へ向かった。 「これで終わりです」 落ちてくる少女にクレッセント・ローカスをぶちかます。 しかし、ミラージュの攻撃は空振りに終わる。 「忍法葉隠!」 彼女の蹴りが少女を捕らえるその瞬間、少女の姿は突如として消え去ってしまった。 「消えた…?」 すぐにミラージュは周辺を見渡した。少なくとも、不意打ちされそうな距離からの気配は無い。 逃げたのだろうか? そう思いながらも隙を見せないよう、ミラージュはしばらくの間警戒態勢を取った。 葉隠を使って辛くも戦闘から離脱したというパターンは、先程の戦闘と全く同じような状況だった。 同じような事を繰り返してしまった事を反省しながら、ミラージュと対峙していた少女―藤林すずは今後の方針を練った。 すずが逃げ込んだのはミラージュとやり合った場所のすぐ近くの民家。このまま逃げる事も可能だろう。 だがすずに逃げるつもりは無かった。 (ミントさん…) 一時間前、死亡者の名を伝える定時放送でかつての仲間の名前が呼ばれた。 楽しかった思い出の中に残る、清楚で慈愛に満ちたあの女性の名が。 優勝を目指す以上彼女を始めとする仲間達の死も覚悟はしていたつもりだ。 しかし、やはりどこかで「生きていて欲しい」という思いを捨て切れなかった。 生き残るためにはそんな思いは捨てなければならない。 頭では分かっていたものの、心の中はミントが死んだという事実に押し潰されそうになってしまった。 このままではいけない。 仲間の死に動揺するなど、忍として、次期頭領として以ての外。 自分は非情になりきらなければならない―。 すずがミラージュを見つけたのは、その時だった。 あの金髪と糸目の男の戦闘の疲れも完全には癒えてないし、あるアイテムの副作用で体力も落ち気味だ。 本来ならここは戦いを避けて夜まで休憩するのが最善である。事実午前中はそのつもりでいた。 だがすずは戦う事を選んだ。 自分の甘さや情、様々な感情。 悲しみに沈んだこの状態で人を殺す事で、それらを捨て去ろうとした。 バッグの中に入れておいたブラッディアーマーを再び装着する。 できればここぞという場面のみで使用したかったが、ミラージュを倒すにはこの鎧が無ければ難しい。 鎧を装着した後、少しの間だけミントに黙祷を捧げた。 かつての仲間に思いを馳せるのはこれが最後。 黙祷を終えると、彼女への未練を断ち切るかの如くすずは民家を飛び出した。 (来ましたね!) やはり少女は逃げていなかった。 姿を消して数分、少女は再びミラージュの前に現れた。先程と違い鎧を付けている。 姿を見せると同時に凄まじい速さでミラージュに襲いかかる。 (速い…でも、見切れない速さじゃない!) 少女が放った斬撃をサイドステップでギリギリ回避。 攻撃後の隙を狙い、ミラージュが踏み込む。 ミラージュの蹴りが一発、二発と息吐く間もなく放たれた。 防御態勢を取る事も出来ない女にその連撃が叩き込まれていく。 合計十一発。ミラージュの全力を込めたキックの雨は、全てクリーンヒットした。 (決まった!) フィニッシュで少女を吹っ飛ばし、ミラージュは勝利を確信した。 十一発全てに手応えがあった。今の技をまともに喰らえば、あの少女もさすがに…。 しかし次の瞬間、ミラージュの顔が驚愕に染まった。 吹っ飛ばされた少女はノックダウンされるどころか、空中で体勢を立て直し、着地と同時に攻撃を仕掛けてきたのである。 反応が遅れたミラージュは回避行動を取るも、左頬を剣がかすった。 見ると少女はダメージを負うばかりか、体に殴られた痕すらも残ってなかった。 (まさか…!あの攻撃をまともに受けてダメージをほとんど受けてないなんて…) クリフや多くの魔物を沈めてきたミラージュの攻撃が全く効いていない。 「忍法五月雨!」 今度は少女の連撃がミラージュを襲う。 ステップを取る暇はない。一太刀一太刀身を捻って攻撃を避ける。 だが少女の猛攻は止まらず、ミラージュは次第に後ろに下げられていった。 首輪から声が聞こえてきたのは、その時だった。 『禁止エリアに抵触しています。首輪爆破まで後30秒』 その声は、自分が禁止エリアに入った事を警告する音声だった。 どうやら後ろに下がる内に隣のエリアに進入してしまったようだ。そしてのエリアは禁止エリアに指定されていた。 少女の方もその音声に気付いたらしく、攻撃を一時中断する。 一旦間合いを取るべきと判断したミラージュは、後方にバックステップ。 さらに禁止エリアに入り込んでしまうが、30秒あるなら大丈夫だ。充分エリアから出ることができる。 (恐らくここはC-05。禁止エリアに進入すると即座に首輪が爆破するのではなく、30秒間猶予が与えられるという事ですね) バックステップを取りながら得た情報を整理するミラージュ。 さすがにあの少女も禁止エリアの中まで入ってくる事はないだろう。体勢を整えたら、エリアから出て戦闘を再開して…。 が、ここでまたしてもミラージュの思惑は外れる。 少女は禁止エリア内にいる事を全く気にしないかのように間合いを詰めてきたのだ。 予想外の行動に、今度は回避する暇は全くなかった。 繰り出された攻撃を咄嗟にガードして防ぐ。 ミラージュは気付かなかった。 少女の武器がさっきまで使用していた剣ではなく、別の物になっていた事に。 少女の攻撃を受けた瞬間、ミラージュは体に違和感を感じた。 ガードした腕が痺れて動かない。腕だけではない、体全体が動かなくなってしまった。 「し…しまっ…た……」 支えを失い、立つ事もできなくなったミラージュはその場に倒れ込んだ。 倒れながらも前方を見るが、少女は既に禁止エリアの外へと逃げ去っていた。 あそこが禁止エリアに近い事は知っていたが、戦っている間にそこへ進入してしまうのは計算外だった。 だが、そのお陰で今の戦いは勝利できたと言えよう。 もう自分がとどめを刺さなくても相手は死ぬだろうと判断したすずは、C-05エリアから脱出してその場を立ち去った。 C-05から充分離れた所で、すずは装備していたブラッディアーマーを脱いだ。 この鎧は自分へのダメージを完全に防ぐ代償として、装備しているだけで体力が減っていくと説明書にあった。 すず自身しばらくの間効果を知らずにこの鎧を装備していた為、副作用の危険性は身を持って知っている。 だから装備するのはできるだけ避けたい。戦ってもない時にまで着ている必要は無い。 首輪から警告音声が発せられた時、ある戦略が思いついた。 30秒後に首輪が爆発する――つまりここで30秒の間相手の動きを止めれば、相手を殺せるということだ。 そう考えたすずは、使っていたアントラーソードを一時的に捨てて別の武器を装備した。 サーペントトゥース。午前中金髪の男を倒すのに使った武器だ。このナックルには、対象を麻痺させる効果がある。 金髪の男を麻痺させた時も30秒以上は動きを止めていた。この武器を当てることができれば、勝てる。 そして作戦は成功した。 既に麻痺させてから30秒以上経っている。あの女性も既に死んでいるだろう。 自分は勝った。 あの女性に対してだけでは無い、自分自身にもだ。 悲しい時、心が挫けそうな時…そんな状況で、参加者を始末する事が出来た。 もう大丈夫だ。二度と決心が鈍ることはない。 この先何があっても自分は戦っていける。 安心すると、疲れがどっと出てきた。 午前中の戦いだけでもかなり疲弊していたし、今の戦いも楽ではなかった。 元々夜までは休息するつもりだった所で戦いブラッディアーマーも着用したのだ。当分の間行動は避けよう。 近くの民家に身を隠し、すずは食事を取って休憩した。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 『首輪爆破まで後20秒』 首輪から二度目の警告が聞こえる。 ミラージュの体は痺れたまま動かない。このままでは首輪の爆発で自分は死ぬ。状況は絶望的だ。 だが諦めるわけにはいかない。まだ爆発まで20秒ある。 その間にこの危機を乗り越える方法を考えようと、ミラージュは必死で頭をフル回転させた。 ここに人が来て助けてもらうのが一番確実だが、ここに人が来る可能性は限りなく低い。 一発逆転ができそうなアイテムも無い。 自分で何とかするしかない。何か、何かないか。この禁止エリアから脱出する方法は。 …一つだけ思いついた。 幸いにもその方法を行えるように、今自分はうつ伏せで倒れている。 上手くいくかは分からないし、失敗する可能性の方が高い。 だがやってみるしかない。 『首輪爆破まで後10秒』 痺れながらも全員のエネルギーを一点に―胸の前に集中させた。 「マイト・ディスチャージ」 瞬間、ミラージュの体と地面の間に爆発が起こる。 その衝撃で彼女は空中へ投げ出された。 麻痺しているため受け身も取れず、地面に叩きつけられる。 そして…首輪の警告が止まった。 成功したようだ。 自分と地面の間で爆発を起こし、自分の体を吹っ飛ばす。 運良くC-04エリアの方向へ飛んでくれたおかげで、ギリギリC-05から脱出できた。 ミラージュは安堵の溜息を吐く。 どうやら麻痺が解けたようで、体を動かすことが可能になった。 起きあがろうとするが、体中に激痛が走る。何とか近くの塀まで這っていって寄りかかるが、立てそうにない。 「…無様、ですね」 自分は何をやっているのだろうか。 開始早々油断して気絶させられ、目が覚めたのは放送後。 荷物は無くなり、禁止エリアも、仲間の安否を確認することもできず。 そして殺し合いに乗った者を止める事にも失敗し、残ったのは自身へのダメージだけだ。 ともかく、この状態では何もすることは出来ない。 しばらくは傷の回復に専念するしかない。 「…本当に、無様です」 これまで何もできずにいて、そして今も何も出来ないのが、たまらなく歯痒かった。 【C-4/午後】 【ミラージュ・コースト】[MP残量:70%] [状態:疲労大、全身に傷痕(特に前の上半身に集中、深い傷もあり)、左頬に切り傷、衣服ボロボロ] [装備:無し] [道具:無し] [行動方針:このゲームから脱出してルシファーを倒す] [思考1:体力の回復] [思考2:鎌石村で仲間及び参加者を探す] [思考3:第一放送についての情報を集める] [思考4:煙の発生場所(G-3平瀬村分校跡)に行く] [現在位置:C-04北東、C-05との境界線付近] [備考:第一放送は聞いていません。(C-05が禁止エリアという事は把握)] 【藤林すず】[MP残量:0%] [状態:疲労極大] [装備:アントラー・ソード@VP] [道具:サーペントトゥース@SO2、ブラッディーアーマー@SO2、ノエルの支給品×0~2(本人確認)、荷物一式×3] [行動方針:生き残る] [思考1:次の放送まで休息] [思考2:暗くなったら行動開始] [思考3:自分が死んだ場合はクレス、チェスター、アーチェ、クラースの誰かに優勝して欲しい。そのため四人の殺害には消極的] [現在位置:C-04中心部 民家の一室] [備考:ミラージュ(名前は知らない)は死んだと思っています] 【残り36人】 第74話← 戻る →第76話 前へ キャラ追跡表 次へ 第44話 ミラージュ 第77話 第41話 すず 第77話
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短期で打ち切りになった漫画を中心に解説してくれる学会。 闇に葬られた駄作から埋没した迷作まで多岐にわたり知らない漫画を紹介してくれっぞ!
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登録日:2018/09/03 Mon 19 39 18 更新日:2024/04/22 Mon 20 03 31NEW! 所要時間:約 113 分で読めます ▽タグ一覧 どうしてこうなった なんだよこの展開… コメント欄ログ化項目 ソードマスターヤマト プリンセスハオ 不完全燃焼 創作 夢野カケラ 大人になったら意味がわかる項目 大人の事情 封印作品 所要時間30分以上の項目 所要時間60分以上の項目 所要時間90分以上の項目 打ち切り 最終回 未完 概要項目 漫画 漫画業界の闇 路線変更 「仕事の話に戻りますけど、『ソードマスターヤマト』来月号で最終回です」 「ウソォ!?」 「悪く言えば打ち切りです」 「わざわざ悪く言わないでください」 ここでは、漫画における打ち切りについて、背景事情や具体的な様相について紹介する。 「打ち切り」という言葉そのもの、および海外ドラマとラジオ番組についての事情は打ち切り(海外ドラマ・ラジオ番組)、 テレビ番組は打ち切り(テレビ番組)、 ライトノベルは打ち切り(ライトノベル)、 オンラインゲーム・ソーシャルゲームやWebサービスはサービス終了で解説する。 【概要】 ◇人気低迷による打ち切り◆俺たちの戦いはこれからだ!型 ◆なんとか終わらせちゃう型 ◆伏線?なにそれおいしいの?型 ◆まさかの延命決定型 ◆後でなんとかする型 ◇人気低迷以外による打ち切り◆商業的事情による打ち切り ◆社会的事情による打ち切り ◆雑誌の消滅 ◆作者の逝去、病気、不祥事、その他漫画を描けなくなる事による打ち切り ◆作者多忙による打ち切り ◆編集部関連の事情による打ち切り ◆打ち切りとはいったい…うごごご 【関連項目】 【概要】 漫画における打ち切りとは、雑誌等で連載していた漫画が、作者の意に沿わない形で連載を終了させられてしまう事を言う。 前々から単行本○巻分で終了すると作者が公言したものや、 伏線を概ね回収して終わったもの、通算話数を200話・500話などある程度キリのいい数になるものは、長い連載がある日終わったとしても打ち切りとは言わない。 (例:こちら葛飾区亀有公園前派出所) 後腐れなく綺麗に終わったけど未回収の伏線があるだろうと思われる場合、単なるミスリード要素だったり、作者が意図的に謎のまま残しているパターンがある(特別編・続編・次回作への伏線も含む)。 また、作者が故意或いは止むを得ず伏線を放り投げて大団円にした場合、「打ち切られた」のではなく「打ち切った」と言うほうが適切であろう。 尚、ソースがない物に関しては終了理由に推測が見られる物もあるため注意。作品によっては10年以上後に真相が語られるまでデマが飛び交った例も見られるので… ◇人気低迷による打ち切り 漫画はテレビよりも制作に関わる人物が少なく、多くの人物やスポンサー(=利権)が絡むテレビ番組等と比べると、 比較的自由な表現が可能なため、よっぽどのことがない限り「読者からの人気低迷」での打ち切りが殆どである。 逆に人気のある作品が急に打ち切られた場合、掲載誌か作家に何か重大な問題が発生したと見ていい。 よって、漫画の打ち切りが発生した場合、「なぜ打ち切られたか」よりも「打ち切りを宣告された漫画家が話をどうまとめるか」の方が注目される。 かのソードマスターヤマトもそこをネタにした作品である。 特に週刊少年ジャンプはコミックスの売れ行きよりも読者アンケートの順位が打ち切り決定プロセスに大きく関わるとされており、「アンケート至上主義」と呼ばれている。 売れっ子漫画家であってもアンケートが振るわなければ容赦なく打ち切られるし、逆に新人の初連載作であってもアンケートを稼げれば看板にのし上がることができる。 好きな作品が打ち切られたことを悲しむファンがいる一方、 「次はどの作品が打ち切られるか」 「最後っ屁はどうやるのか」 「(かつて打ち切られた作者の次作で)成長したかしてないのか」 を楽しみにジャンプを読んでいる層さえも存在しており、既に打ち切りは1つの文化と化しつつある。 なお、打ち切りが決まった作品については20週から30週ほど、すなわち単行本が2冊ないしは3冊分が出せるキリのいい話数で終了することが比較的多い。著しく不人気な作品の場合は10週で打ち切り終了という場合もあり、これは「10週打ち切り」と通称されている。 逆にコミック百合姫は「コミックスの売り上げ」によって打ち切りの是非を判断しているようで、かつて「百合男子」を連載していた倉田嘘がその事に言及している(後述)。 週刊少年チャンピオンはアンケート、コミックス売り上げの両方を判断材料にしており、また人気次第ではコミックス1巻すら出してもらえない作品もあるため、その意味ではジャンプより厳しいといえる。 [部分編集] ◆俺たちの戦いはこれからだ!型 作品を終わらせるには展開が進んでいない場合に取られるパターン。 とりあえず伏線とかは放置して今戦っている敵を倒し、キリのいい所で終わらせる。 ラスボスに挑む主人公の心意気だけ描いて、とにかく終わったことにしちゃう。 「俺たちの戦いはこれからだ!」「俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ!」といった煽りがよく最後のコマにつけられるのが特徴。 俺たちの「旅」だったり「冒険」だったりもするが、だいたい意味は一緒。 なぜか敵に突っ込んでいく絵か全員で走っている絵で終わることが多い。 どろろ(1967~1969) 妖怪退治を主とした時代劇ダークファンタジーだが、暗く陰鬱とした内容や百鬼丸の全身欠損といった刺激の強い設定などが少年層に受け入れられず打ち切り。 後にアニメ化された際に続きが補完され、全ての妖怪が倒される場面も描かれるも、その結末自体は安直なハッピーエンドとは呼べないものであった。 男坂(1984~1985) 車田正美が『聖闘士星矢』の前にジャンプで描いていた作品。 「この漫画を描くために漫画家になった」とまで評している入魂の作品だったが、30週打ち切り。 よほど打ち切りに未練があったらしく、 オレはようやくのぼりはじめたばかりだからな このはてしなく遠い男坂をよ……。 未完。 という魂の叫びを残し、今なお語り継がれる印象的な打ち切りとなった。 ……この伝説の最終回から30年以上経った2014年4月30日。 車田のオフィシャルブログにて連載開始に向けて製作中と告知が出される。 そして6月9日より『週プレNEWS』でのWebコミック配信にて、30年越しの再連載をスタートさせたのだ。 10月3日には30年ぶりの最新刊となるジャンプ・コミックス第4巻が刊行された。 その後は『少年ジャンプ+』に掲載の場を移し連載を継続し、2023年11月11日の更新をもって完結。連載開始から39年、未完の大作に遂に終止符が打たれた。 SILENT KNIGHT翔(1992) 男坂に続いてまた車田正美作品。こちらは『聖闘士星矢』の次にジャンプで描いていた。 「主人公は超人だが、その中では最下級」「動物の形を模したプロテクターを着けて戦う」など、 星矢の二番煎じが飽きられたか、2巻で打ち切り。 全く伏線を回収する事無く、敵に対峙して「1人でも戦い続けてやる」と決意を新たにするシーンから、 見開きで「NEVER END」の文字が書かれて終了。 その号の車田は、作者コメントで「…GOOD BYE」の一言だけを残して、『ジャンプ』誌から去る。 コマンダー0(1981~1982) その車田のアシスタント経験者である富澤順がジャンプに掲載したSF漫画。 あっという間に掲載順最下位まで落ち込み15週で打ち切り、主要人物が走っている見開きで完結。 厳密に言えばこのページは単行本による加筆部分なのだが、作品の評価や単行本の売れ行きが良かったためこちらがよく知られるようになった。 コスモスストライカー(1988) どこかの二番煎じ臭いけど無駄に難解な設定、何をやっているのかわからない必殺技など、10週打ち切りになるべくしてなったサッカー漫画。 主人公がなんだかよくわからないけどすごいシュートに目覚め、西ドイツ代表を倒して唐突に終了した。 これを筆頭に、10週打ち切り漫画はラスボスと決着を付けるべくもない段階で打ち切りを宣告されるため、「俺たちの戦いは~」エンドになりやすい。 翔の伝説(1988~1989) 高橋陽一が『キャプテン翼』の後に連載したテニス漫画。 主人公が5歳の頃から始まり、将来はグランドスラムを制覇して世界一のテニスプレイヤーになる……という、大河ドラマにする予定の作品だったが、前作から変わらないキャラの描き分けの出来なさや登場人物の身勝手さが災いしてか、半年ほどで打ち切り。 結果として、10歳になった主人公が初参戦するテニス選手権で初戦の相手に勝つという、伝説が始まった時点で終わってしまった。 また、物語の謎でもあった主人公の出生の秘密に関しても、全く明かされずに終わってしまった。 単行本のコメントも、「先はまだまだ長いですが、どうぞみなさん、応援してやってください」(1巻)、「これからの活躍に、ご期待ください」(2巻)、とファンを煽るようなことを書いておきながら、 「最初の構想の10分の1も描けないまま終わってしまい、この先の展開を期待してくれたファンの皆さんには、申し訳ない気持ちでいっぱいです」(3巻)という三段落ちとなっている。 蹴撃手マモル(1991) ゆでたまごによるムエタイ漫画。 主人公による「戦いはこれからだ!」で打ち切り。 連載終了後の93年に発足したK-1を機にキックボクシングが注目されるようになったため、連載も打ち切りも早過ぎた一作となってしまった。 斬(2006) 杉田尚が手掛けた作品。 現代日本で刀を使っての決闘が許されているという設定と、その画力と台詞回しから長年ネタにされることになってしまった。 また連載終了後、ニコニコ動画で有志が作成したアニメ風OPが投稿されている。 作者はその後ジャンプ本誌で『SWOT』、最強ジャンプで『マジンボーン』、ジャンプ+で『ムッツリ真拳』をそれぞれ手掛けていたが、斬の頃から比べると作品を経る毎に圧倒的に画力が高まっている。 そして2022年には『遊戯王ゴーラッシュ!!』のコミカライズ版を手掛けており、注目を集めている。 スカイガールズ(漫画版)(2007) ソニックダイバー隊、出動します! 島田フミカネが初のキャラデザ担当となったスカイガールズのコミカライズ作品。アニメとも小説とも異なる展開が描かれる予定だった。 のだがフミカネ絵の良さはどこへやら。月1連載なのに作画崩壊が甚だしく4ヶ月で打ち切り。 単行本ではあまりに崩壊しすぎた部分は修正されてしまっているのでインパクトは多少薄れている。残念。 しかし冒頭のセリフと共に始まる伝説の見開きカラーは、これからもネットの海に漂い続けるだろう。 ちなみに作者は8年以上後に漫画を出しているが、そっちは普通に上手い。一体これは何だったんだ。 2020年、漫画を担当した大関詠嗣が当時の状況をインターネットで語っており、元々全4話でソニックダイバーの整備士をメインとした話にする方向で進めていたが、出版社側から「女の子が出ないと売れないので書き直してくれ」という指示が出たため調整するうちに崩れてしまったとのこと。 幻魔大戦(1967、但し小説展開は2008年まで) 週刊少年マガジンに連載された、原作:平井和正・漫画:石森章太郎による「幻魔」と超能力者との絶望的な戦いを描いたサイキック漫画。 本作自体は「破滅的状況となった地球で最終決戦を待つ主人公達が、地に堕ちるような髑髏月を仰ぎ見る」という典型的打ち切りエンドなのだが、 その4年後にマガジン版のパラレルワールドを描いた「新幻魔大戦」(*1)がSFマガジン(*2)にて連載開始…するもこれも中途半端な所で終了。 で、これで終わりかと思ったら1983年にアニメ映画化され、平井によるマガジン版アナザーにあたる角川文庫版(*3)と「新」の先に生まれたパラレル世界を舞台にした「真幻魔大戦」(*4)、 石ノ森による「マガジン版で人類が敗北した未来」を描いた漫画「幻魔大戦 神話前夜の章」(*5)が開始。 が、結局これも小説版が「ハルマゲドン」(*6)・「ハルマゲドンの少女」(*7)まで続くも尻切れトンボ、漫画版が打ち切りとなり中途半端な結果に。 只、平井はこの結果に未練があったのか、後にさらにパラレルな世界を描いた『幻魔大戦deep』・『~トルテック』(*8)を執筆。 そして彼の生前最後の作品であり、彼の他作品『ABDUCTION』シリーズらともクロスさせた『~トルテック』ラストにおいて、原作者による各種メディア作品中最初で最後の「幻魔との決着」が描かれ、本シリーズは幕を閉じた。 そして『~トルテック』から6年後の2014年、七月鏡一脚本、早瀬マサト・石森プロ作画による、マガジン版の未来から他パラレル世界・原作者他作品にも繋がる新作『幻魔大戦 Rebirth』(*9)がスタート。2019年に幻魔との決着を迎えて完結したことで「マガジン版の幻魔大戦」も晴れて決着がついたと言えるだろう。 スカーレット(2018~2019) コミック百合姫で連載されていた、百合姫としては非常に珍しいダークファンタジーバトル漫画。 1年間も連載が続いていた事から、百合姫の中でも相当人気が出ていた作品だと思われるのだが…。 いよいよラスボスが主人公の前に姿を現し、物語が急展開を迎えた所で、様々な伏線や謎が未回収のまま、まさかの「私たちの戦いはこれからだ」END。 誰もが予想もしなかった、このあまりの唐突な打ち切り同然の最終話に、唖然とした読者は多かったのではないだろうか。 作者の結野ちりは自らのtwitterにおいて、 「全ては私の見通しの甘さが招いた事です。本当にごめんなさい!!」 と読者に謝罪した上で、 「原稿という形では無理ですが、今後何らかの形で最終話の続きをtwitterで掲載したいと思っています。」 と語っており、後にネームという形で公表すると発表したのだが、「より多くの人に満足して貰えるように」との理由から制作が遅れており、もうしばらく待って欲しいとの事。 夜ヲ東ニ(2019~2020) 陽の光が失われて常に夜となってしまった世界の謎を明かす冒険の旅を描いた作品。フルカラー漫画ならではの闇や光の表現も特徴。 骨太の世界観やキャラの設定などがウリの作品だったのだが、逆にその重苦しい雰囲気がお手軽に見れるジャンプ+の客層には合わなかったらしく、上記のナノハザードと同じく「コミックスが売れなかったから」と作者から直々に打ち切りの理由が語られてしまった。 フルカラーであるが故にコミックスの値段が通常よりも高かったのも痛かったか。 作者のアンギャマンは後にジャンプ+で『ラーメン赤猫』を連載しているが、こちらはコミックスの発売も確約されていないインディーズ契約(*10)から本連載に昇格、その後アニメ化を果たすジャイアントキリングを成し遂げている。 ノケモノたちの夜(2019~2021) 週刊少年サンデーに連載されていた星野真氏によるファンタジー。伝説の十三の悪魔の一体マルバスと契約した、盲目の少女ウィステリアが織りなす旅路を描いている。 人間を侮り、矮小な生物と見下していた超常的な力を発揮する悪魔が、契約者である人間達の生き様に、或いは信念に魅せられて、確かな絆を紡ぐと共に、無情な現実に立ち向かう強さを『ノケモノ』とされていた者達が得ていく。 そんな中でかつて存在した悪魔が交わした契約が物語の裏側にあることが発覚し、その謎も含めて旅の中で解明していたのだが、あえなく途中で打ち切りになってしまった。 ……が、なんと打ち切られた後にアニメ化の話が舞い込んでくるという、作者も困惑する出来事が発生した。 打ち合わせの会議には制作スタッフが大量の付箋を貼り付けた私物の単行本を持ってくる気合の入れようで、それを見た作者の星野氏は感極まって思わず号泣してしまったとのこと。 アニメ化の際に本編の後日談エピソードとなる特別編『ノケモノたちの夜 フレイムナイト』が短期連載され、ウィステリア達の物語の先が僅かだが描かれることになった。 BUILD KING(2020~2021) 作者は「トリコ」の島袋光年。前作の連載終了から4年、読切を経てからの連載となった。 「食」をテーマにしたトリコに対して、こちらのテーマは「住」。家の建築や、それに携わる職人達の成長を描き、主人公は奇跡の建造物「ビルドキング」の建設を目指す…という話だったのだが、内容は建築版トリコに過ぎず新鮮味ゼロ。連載序盤に盛り上がる戦闘をやらなかった事もあり人気は得られず、僅か20話で終了した。 終盤は難解かつ膨大な設定を出しまくって話を纏めようとしたが、結局纏まらず連載は唐突な形で終わった。しかし単行本最終巻(3巻)に141ページもの描き下ろしを行い、全ての設定を明かして完結させた。 尚、週刊少年ジャンプにおいては本誌で何の予告も無く突然終了し単行本で完結させた「モンモンモン(つの丸)」、スポーツ漫画で予め提示していた最終決戦を本誌で出来ず単行本で描いた「クーロンズ・ボール・パレード(鎌田幹康、福井あしび)」、サスペンスなのにほぼ何も決着出来ないまま打ち切られた「すごいスマホ(冨澤浩気、肥田野健太郎)」という事例もある。 レッドフード(2021) 週刊少年ジャンプ連載の川口勇貴の漫画。 人狼狩りをモチーフとしたファンタジー漫画作品で、作者の高い画力と長身美女の赤ずきんといった出で立ちのグリムを評価する声が多い一方で、狩人になるための試験である「ケイドロ」に全体話数の半分以上を費やすなど遅すぎる展開のせいでか短期打ち切りに。 最終回の最後の一コマでガチで「俺達の戦いはこれからだ」と言わせて〆た事でも注目を浴びた。 サイコの世界(2021-2022) マガポケで連載されていた「超能力者(サイコ)」とそのサイコへの復讐を誓う能力を持たない=「無能」主人公の男の戦いを描いたアクション漫画。 超能力者の成り立ちや主人公の幼馴染を殺した犯人などが明かされたものの駆け足気味の説明口調で一気に畳み、ヒロイン・リコを狙う「五大家」との戦争間近のシーンで主人公がヒロインにプロポーズをして打ち切りとなった。 戦闘も五大家自身と主人公たち―――ではなく、その直属の追っ手との戦闘シーンで終わってしまい、読者たちを大いに落胆させてしまった。 打ち切り理由は売上が起因とのことだが真相は不明。 ガチャマン(2021-2023) 裏サンデー・コミックワンで連載されていたアクション漫画。 ある日、自分の身体に取り付けられた「ガチャ」と記憶喪失の謎を巡り、同じような力を持つ「ガチャマン」たちの戦いを描いている。 最終盤では最後の1人になるためのバトルロワイアルが開催され、主人公は自らを犠牲にして運営側の人間を1人倒すことができた。 そして、最終回でガチャマンバトルが異星人の戯れのようなもので開催されていたということが明らかになった。 異星人関連の要素は超展開とよく言われているが、神懸かり的なガチャマンの力を複数人に与える、特定の記憶を奪う&戻すなど、第1話の段階から人類の現代科学を遥かに超えた超常技術が使われているので、決してこの設定自体が唐突なわけではない。 批判を受けているのは、最終回近辺のドタバタしたまま打ち切られた部分である。 犠牲となった主人公は「敗者復活戦」と称された自分のコピーとの戦いに挑むところで終了した。 この突然の最終回に読者らの反応は様々で、コミックスも8巻まで発刊される人気作だけに戸惑う声が多く聞かれた。 はたらけ!おじさんの森(2022-2023) となりのヤングジャンプで連載されていた異世界転移漫画。全16話。 ライトノベル作品をコミカライズしたものでぶっちゃけ言ってしまえば「どう森」フォロワー作品である。 2足歩行の動物のような「あにまる」と彼らの島を繁栄させるために遣わされた人間の「おじさん」、そのあにまるを労働力としてコキ使う「わかもの」との物語が主軸となっており、基本的にはほのぼのとしているが時折ダークな雰囲気も醸し出している。 ただ、コミカライズとしては非常に中途半端な部分で終わっており(連載当時の原作本が2巻までしか刊行されていなかったというのもあるが)、主人公が「わかもの」の先遣部隊に宣戦布告して終わるところで打ち切り。 SNS上などでは「打ち切る理由が分からない」という読者の驚きと嘆きがところどころで発生した。 搾精病棟 全年齢版(2022-2023) ヤンマガWEBで連載していた搾精病棟のコミカライズ版。 ナースを中心としたギャグ有り医療物というスタイルだったが4巻で完結。 終盤は三大お局の内二人の出番がごく僅かで終わる、病院を裏から牛耳る看護師長との決着がつかず主人公のタチバナが決意を新たにするシーンで終わる、と明らかに打ち切りらしい終わり方だった。 一応、R18版の主人公であるヤマダもいたのだが11話を最後に最終回(27話)まで出番が無かった。 制作側もそれをわかっていたのか最終巻の帯に「打ち切り!コイツらの戦いはここまでだ!」とデカデカと書いたりして開き直っている。 なおあとがきによると打ち切りの理由は「単行本の売れ行きが悪かった」ことらしい。 ムシリョウシ(2023) マガジンポケットで連載されていたアクション漫画。 地球に突如現れた異形の生命体『蟲』とそれを狩る『蟲猟師』たちの戦いを描く。 銃を操る女子高生主人公というウケは良かったがそれだけに尽きてしまい、第18話で打ち切りとなってしまった。 16話から主人公・蝶乃の両親を殺害・誘拐した仇の元に乗り込むのだが、実際に仇を相手に戦闘したのは最終話だけである。 ▽おまけ ORANGE(2001~2004) 週刊少年チャンピオン連載の能田達規によるサッカー漫画。 上記のレッドフード同様に最終回ラストシーンのセリフが「俺達の戦いはこれからだーー!!!」なのだが 物語はきちんと完結しておりシチュエーション的にも違和感が無く、本気なのかネタなのか絶妙なチョイスとなっている。 …なのだが作者は次のサッカー漫画『フットブルース』で早期打ち切りを食らいチャンピオンを去ってしまった。しかも単行本1巻のみ発刊で残りの回は電子化含めて未だにまとめられていない。 ブラッククローバー(2016〜) 週刊少年ジャンプ掲載のハイファンタジーバトル漫画。 1700万部発行されありとあらゆるメディアミックスを行脚した文句無しのヒット漫画だが、 週刊誌での連載が困難となり季刊誌に移籍が決定。 本誌最終回はサブタイトルが「こっからだ」で、クライマックスバトルにメインキャラクターが集合。主人公アスタとライバルユノがラスボスに突っ込んでいくシーンで一旦の終わりを迎えた。 まさに戦いはこれからなのである。 [部分編集] ◆なんとか終わらせちゃう型 残された時間で上手くストーリーにケリをつけ、作品を終わらせるパターン。 作者にある程度の実績がある場合などは打ち切りの決定から実行までにある程度の猶予が与えられる事があり、この場合はちゃんと読めるものになる。 設定を出し惜しみせず急速展開でラストまで持っていくため、「打ち切りが決まってからの方が面白い」などと評価される場合も。 が、打ち切りの実行までの回数が短い場合マジでソードマスターヤマトが爆誕する事になる。 余談だが、今となってはヒットしたといえる作品も、序盤では打ちきられた際にそれなりにきれいに終わらせられるように展開する所謂「打ち切り対策」を取っていることも多い。 特にジャンプ系に多く、島でハドラーを倒して区切りをつけられるようにしていた『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』やシンとの因縁にケリをつけて終わりにもできていた『北斗の拳』あたりが有名。 バオー来訪者(1984~1985) 『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの前作にあたる、荒木飛呂彦の変身ヒーロー漫画。 全2巻と十分打ち切りの範囲内作品ではあるのだが、ストーリーが非常に良く纏まっておりそこまで違和感がない。 そのため、「当初からある程度のストーリー構成を考えていたのでは?」という考察もされている。 少女鮫(1996~1999) 白泉社の「花とゆめ」に連載されていた、和田慎二の現代アクション漫画。 前後編の短期集中連載の後に、主人公の過去を描く第1部「戦場編」の連載が開始される。単行本全8巻。 それから時間軸を現在に戻して第2部「日本編」が開始。こちらも全8巻かけて連載する予定だったが、諸事情により2巻で完結。 和田は後述の「ピグマリオ」も描きあげた「実績がある」作者なので、ストーリー自体はちゃんとまとめて終わらせている。扉絵でカウントダウンすら行っていた。 ……が、エンディングテーマのごとく流れたブルーハーツの「リンダリンダ」には多くの読者が面食らったものと思われる。 なお、「諸事情」について和田は「ええい! 踊ってしまおう!!」と語るのみだったが、 同じく「花とゆめ」系列で連載を行っていた野間美由紀は、和田と白泉社の間で方向性が乖離してきたことで打ち切りに至った模様だと述べている。 つまる所、「花とゆめ」の読者層が変わっていった結果として人気が低迷することになった訳である。長生きするのも考えものだ。 彼もそう判断したのか、以降は活動の場を他社に移し、さらにこれまでの作品の版権を引き上げて白泉社とは絶縁している。 その後和田は2011年に急逝してしまい、秋田書店の「ミステリーボニータ」で連載していた「傀儡師リン」は後述の「作者の死去による打ち切り」へ仲間入りすることに。 武士沢レシーブ(1999) 『セクシーコマンドー外伝すごいよ!!マサルさん』のうすた京介が『マサルさん』の次に連載したヒーローギャグバトル漫画。 当初はヒーローにあこがれる主人公が周囲を振り回す学園ギャグマンガだったが、第10話以降は異形の存在「ゼリー」と戦うバトル漫画路線が強まる。 これは作者が単行本のあとがきで「テコ入れではなく自分のもともとのイメージ通り」と述べているが、この路線が原因かシュールギャグというジャンルで大きな影響を与えた前作に比べると人気は伸びず、20週打ち切りに。 そして迎えた最終話、敵の本拠地に飛び込んだはいいが17ページで敵との決戦を処理できるはずがなく、2ページのダイジェストで本拠地の戦いを描いたがそれでも伏線の全回収に至らず。 そこでなんと残り4ページ中2ページを年表にして処理、2ページをエピローグとして戦いに決着をつけた。 作者自身「実力以上の奇跡」と評するこの暴挙斬新な手法により主要な伏線はきっちり回収され(*11)、読者には「伝説の最終回」として強く印象に残るものとなっている。 無頼伝 涯(2000~2001) 『アカギ』や『カイジシリーズ』で知られる福本伸行原作の少年漫画。 掲載誌が少年誌であったにもかかわらず福本作品特有の難解な心理描写を入れたり、展開が遅すぎるといったことからわずか一年未満で打ち切りとなる。 作者も「失敗作だった」とコメントをしており、この反省を踏まえて『賭博覇王伝 零』が連載されることになる。 しかし、物語の起承転結自体は綺麗に纏まっており、むしろ現在の福本作品は人気の高さ故に展開が遅すぎるといった負の一面もあるため、打ち切りになったからこそ名作になったとファンからは評価されている。 SWORD BREAKER(2002) 『BOY-ボーイ-』の作者である梅澤春人によるファンタジーバトル漫画。 王道な物語ながらも「盾を持つ主人公」「異世界転生(*12)」などを先駆けて盛り込んだ意欲的な作品(*13)であったが、魔城ガッデムなどの独自の奇抜過ぎるセンスが多すぎたためか2巻で完結。 敵の幹部である七剣邪を粛清し黒幕であるズールとの戦いに移行し、最終決戦もわずか一ページで終わってしまった。 打ち切り作品ではあるものの、最期に敵であるズールを救うために主人公のとった行動は、打ち切られたのも当然と考える読者からも評価されている。 ▽物語の顛末 ズールは生まれついて触れるだけで死んでしまう致死性の病を患っており、母親も自分を産む際に亡くなってしまったため愛を知らずに育ち、歪んでしまう。 しかし、主人公のミコトは最終決戦にて無敵の盾を投げ捨て彼を抱擁し、自分が受けてきた人の温もり…無償の愛の素晴らしさを伝えて事切れる。ミコトの命懸けの献身によりその暖かさを知ったズールは憎しみを抱く事なく昇天するといった結末を迎える。 そして、ズールとリンクしていた黒幕の邪神アバルは、ズールの中に自身の復活の糧となる憎しみが欠片も存在しないため、今後二度と復活する事は無くなった。 ウッディケーン(2002~2003) 横内なおきが『サイボーグクロちゃん』の連載終了後に連載を開始した漫画。 しかしクロちゃん連載時よりボンボンのハイエイジ向け路線が緩和される中で下手すればクロちゃん以上にハイエイジ向けの作風だったのが災いしてか、「打ち切られるんじゃないかと思いながら描いていたら本当に打ち切られた」ため、雑誌掲載時は運動会のエピソードで唐突に終了。それ以降のエピソード及び最終話を作者が単行本用に書き下ろした事で無事完結した。 ちなみに作者はTwitterで「運動会エンドでも良かったかもしれませんね。『俺たちの戦いはこれからだ!』エンドとは違った味があって。(単行本で書き下ろした)最終回も当初予定していたものとは違いますが、アレはアレで作者も気に入ってます」とツイートしている。 武装錬金(2003~2006) 『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の和月伸宏によるバトル漫画。 打ち切り決定から見事に円満終了まで持っていった稀有な作品の1つ。 作者が編集部との交渉の末「赤マルジャンプ」での読み切り2回分の枠を獲得し、一部シナリオの短縮はあったもののラスボスとの決戦までを描ききった。 連載終了後にアニメ化され高い評価を得るなど、打ち切りでありながらかなり成功した作品である。アニメ化には作者も「今更ァ!?」と驚きを隠せなかったそうだが。 また、打ち切られずに進んでいた場合、仲間が数多く死亡するなどの鬱展開が予定されていたため、「打ち切られてよかった」との声もある。 そのアニメ化については 尺の長さが適切な原作を探していた 監督が武装練金について話を聞いて ちょうど良い所でもうすぐ終わるらしい…という事が決定の主因になったそうで 打ち切りにならなければアニメ化もされなかった 可能性が高かった。 ちなみに武装錬金のように打ち切られた後、アニメ化された作品としては「初恋限定。」や「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」などが挙げられる。 女王騎士物語(2003~2007) リアルソードマスターヤマト。 残ったボスを片っ端から2コマで倒し、伏線をすべて回収し、作者が考えていた展開をすべて書いた上で、 「エルトの愛がアルマを救うと信じて……!」というヤマトそのまんまな煽りと共に終了した。 更に更に最終巻の裏表紙に、最終決戦の展開と結末を(文章で)載せるという離れ業までやってのけた。 基本的に、短期打ち切り作品は打ち切りまでの猶予が少ししか与えられない事が多いためリアルヤマト化しやすい傾向にある。 だが、本作は4年間も連載された作品でありながらヤマト程度の猶予しか与えられておらず、作者に対しての扱いが酷すぎるのではないかと物議を醸した。 機動戦士ガンダムALIVE(2006~2007) 雑誌休刊に伴い一旦打ち切りになるも、『テレまんがヒーローズ』で完結編が描かれる。 そこで終了かと思われたが、しばらくしてまさかの二度目の完結編が描かれた。 結局打ち切りエンドである事に変わりは無いのだが、珍しいケースと言える。 ステルス交響曲(2014) 原作が成田良悟、漫画が天野洋一の不思議な街を舞台にしたバトルファンタジー作品。 ライトノベル作家で、しかも評判の良い群像劇を多数送り出してきた成田を全面に押し出し、前日譚まで用意された期待の作品だったのだが、週刊漫画のペース・需要と作家の得意とする群像劇が致命的に噛み合わなかったため打ち切りに。評判の良い別分野の作家でも、週刊少年漫画向けの話を書けるとは限らない事例であった。そのためか、衝撃的なエピソードが終わってすぐに連載も終了してしまった。 但し、それなりにファンもおり、作者たちや編集部も無念だったようで、後日談がジャンプ+にて配信された。 放課後ウィザード倶楽部(2016~2017) 夢世界バベルを冒険する3人の少年の活躍を描くファンタジー作品。 最終話は打ち切り最終話の典型を思い起こさせる内容となっている。 ちなみに主人公達が最後に放った技は「最終波」、最後のページの煽りは「輝け!!少年たちよ!!!」である。 ナノハザード(2018~2019) 開発中のナノマシンを巡る能力バトル漫画。 Web漫画で最も多いパターンである「閲覧数は多いがコミックスの売り上げが悪かったので短期打ち切り」となった作品なのだが、 最後の3話が非常にスピーディかつツッコミどころ満載な典型的過ぎる打ち切り展開であり、最終回に至っては一気にTwitterのトレンドへと乗り上げた程であった。 特に驚くべきはツッコミどころなどにTwitter上で多彩な考察がなされ、一部は作者による肯定がなされた点である(*14)。 虚空に向けて考察を吐くことには慣れている考察班もこれにはたまらず、トレンドが長引くきっかけにもなった。 また、驚きの最終回周りの展開に対し「最初から最終回はこうなる予定だった」という作者の発言もあり、打ち切りに強いられて典型的な打ち切り展開になった訳ではないらしいことからも特殊性がうかがえる。 原作の栗原正尚(*15)は「打ち切りになってしまったのは先達である自分の実力不足が原因(意訳)」と、作画のかざあなに非はないことを伝えている。 サムライ8八丸伝(2019~2020) 「NARUTO」の岸本斉史が原作を、彼のチーフアシスタントだった大久保彰が作画を担当したSFアクション漫画。 世界的な大ヒット作になった「NARUTO」の作者による新作という事で連載前から注目されており、集英社も多数の広告を出していた。 だが難解な設定、性格が良いとは言えない主人公、遅いストーリー展開などで失速・低迷し、巻数は2桁表記で10巻以上連載するつもりだったにもかかわらず43話・5巻で終了することに。 「NARUTO作者の新作なら(最初がつまらなくても)少しは我慢してくれる」といった原作者と編集の発言(*16)や連載初期の(漫画のクオリティに伴わない)露骨な優遇に反感を抱くジャンプ読者も存在したが、それでも主人公の成長物語としては完結しており、「自分の目で判断しよう」というテーマもそれなりに分かり易く描けている。ツッコミどころとセンスに溢れる台詞回しは一部の読者の人気を得て、ネット上ではネタとして使われている。 タイムパラドクスゴーストライター(2020) 歴史改変を主題に添えたSF漫画作品。 本作は週刊少年ジャンプでの掲載を目指す漫画家が未来ジャンプを手にして翻弄される話であり、作中では2020年8月に作中作の連載が始まった。 しかし、肝心の本作が2020年8月発売のジャンプで打ち切られてしまった。 その後、コミックス描き下ろしで後日談が描かれ作中の伏線を一応すべて回収しきった。 ちなみに、内容は「ヒロインが描いた漫画は国民的ヒット作となるも、作者死亡による打ち切りとなってしまうため、主人公がその未来をなんとか変えようと奮闘する」という、漫画の打ち切りを絡めた王道的なSFサスペンス物語である。 ただし、この目標が出てきたのが本当に終盤の終盤のため、序盤の迷走っぷりから打ち切られても妥当なものとは言われている。 ドリトライ(2023) 戦後まもなくの昭和日本を舞台としたボクシング漫画。 太平洋戦争の戦災孤児が生きるためにボクシングの道に入るストーリーで、戦後という時代設定がジャンプとしては渋すぎてウケなかったのか全19話で打ち切りとなった。 ……ところが、「ド級のリトライ、ドリトライだ!」といった独特の言い回しや終盤の荒唐無稽な展開は読者に絶大なインパクトを与え、打ち切り後にネットミーム化した。そのせいで「ドリトライの内容は知らないがドリトライ構文は知っている」という層が多く発生することとなり、公式も2巻の帯でドリトライ構文に乗っかってきた。 なお、打ち切り直後には「ゴジラ-1.0」や「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」といった戦後を舞台とした作品が大ヒットしており、この2作とはまた違った形で戦後日本の暗部を描いた内容を評価する意見もある。 [部分編集] ◆伏線?なにそれおいしいの?型 もうどうしようもない場合、こうなる。 世界観はおろかテーマすらも投げ捨ててデウス・エクス・マキナが降臨する。 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に登場する漫画であるロボ刑事番長も事前告知なしで終了し、打ち切りになった号の目次で「ロボ刑事番長は終了しました」と記載されていたためこれに該当すると思われる。 ジャングル少年ジャン(1995~1996) 番外編に下剋上されて連載枠を奪われるという珍しい理由で終了に追い込まれた柴田亜美のギャグ漫画。 厳密に言うと打ち切りというよりは長期休載からの自然消滅に近かったという事情もあり(*17)、単行本は打ち切り最終回ですらないサブキャラメインの水着回で唐突に終わっている。 タカヤ -閃武学園激闘伝-(2005~2006) 坂本裕次郎作の少年漫画。 ジャンプ新人作家たちの読み切り掲載企画である「ジャンプ金未来杯」にて大賞を取ったラブコメ『タカヤ -おとなりさんパニック!!-』を前身としている。 当初はラブコメ要素を交えた学園バトル漫画として始まったが、次第にラブコメ色が薄くなりトーナメントも始まるなど本格的にバトル展開に突入。 人気が低迷しながらもなんとかトーナメント優勝まで描けたが、その翌週に何の伏線もなく突如異世界へ召喚。 続編『タカヤ -夜明けの炎刃王-』が始まり、異世界ファンタジー漫画へと変貌を遂げ、全1巻で終わった。 あまりに突然すぎる路線変更、そして「THE ENDォオ!! よっしゃあああッ」の叫びで〆た最終回などで一周回って伝説化し、現在も打ち切り漫画の代名詞として語り継がれており『太蔵もて王サーガ』や『デッドプール:SAMURAI』などでもパロられる程であった。 ちなみに当時はまだ珍しかったPCソフトを用いての作画が行われており、背景にやたら森が多いのも素材を駆使しているかららしい。そういった点も含めて、なろう系漫画を先取りしているかもしれない ゆび(2005~2006) 週刊少年チャンピオンで連載。全8話の短期集中連載だったのに誌面の都合で4話に短縮されるという不遇作。 その結果、唐突に登場人物が全員死亡し、世界が崩壊して終了という伝説の作品と化した。投げっぱなしどころの話ではない。 バディストライク(2015~2016) 週刊少年ジャンプで『クロス・マネジ』の後に連載された、超ノーコンピッチャーと謎の力を持ったキャッチャーとの凸凹コンビが甲子園を目指す野球ものとしてはまあありふれたもの。全11話。 唐突な過去編などフラグ満載だったが問題は最終回。甲子園に臨む主人公たちに、地区予選で闘った四神またかよの名を冠した高校生とキャプテンたちが一堂に集った伝説の最終回となった。 走らずして塁を盗む天才・盗塁の鬼才「瞬間移動(モーメント・ムーブ)」、消える分身魔球の使い手「投手坂上(マウンド)の魔術師(マジシャン)」、全てのボールを素手で捕るショート「グローブは枷」、 守備範囲最大級「守護神(ガーディアン)」、ボールを粉砕する強振「爆砕安打」、金属バットをも粉砕する豪球「破壊神」 ……などパワーワードと人外の領域に達したような怪しい高校球児が集い、彼らの激励を浴びながら甲子園に臨むという、凄まじい最終回となった。他にも巻末にて『リンかけ』を思わす予告的なダンジェストまで乗ってしまい一時期話題になった。 この顛末については「お蔵入りになりそうになった作者の意地」「破天荒だが発想力が凄まじい作者の底力をみた」と、「最後を投げっぱなしで済ましたという意味でプロ意識が決定的に欠けてる」の二極に分かれてる。 ちなみに作者のデビュー作はギャグ漫画であり(内容は当時、雨後の筍のように出てきた『マサルさん』フォロワーの不条理ギャグ)、その時の主人公が最終回に出てきたキャラに使い回されている。ある意味、初心に帰ったと言えなくもない。 なお作者の次作『青のフラッグ』はジャンプ+で人気を獲得、約3年ほど連載された。 VECTOR BALL(2016~2017) 週刊少年マガジンにかつて連載していた作品。作者は『金色のガッシュ!!』『どうぶつの国』などの雷句誠。 話を要約すると、特殊な才能を持った高校生たちが異世界の若いモンスターと共に侵略者たちから世界を守るというお話。 ……なのだが、急遽とんでもない展開になってしまった。 最終回をまとめると、ブス三大闘神と称して和田アキ子、田村亮子、吉田沙保里似のアメリカ人がカップ麺を頭に乗せてカニの敵をボコボコにし、その敵を登場人物が食べて「カニ味だ!」といって終わるという、直前の話の伏線は愚か打ち切りの定番「俺たちの戦いはこれからだ!」というとりあえずの締めすらない唐突かつ、最終回という形すら整えていない終わり方であった。 なおブス三大闘神だのカニ味だ!だの変な単語が踊っているがこの漫画ではいつものことではある。だいたい主人公からして「ブスを笑うのが趣味」という人間のクズだし。 …というのは元からの読者ならわかるのだがあまりにも特異な打ち切りだったため、この回だけ本誌で見た人が結構いたらしくネットでは「クールな主人公が狂った行動をし始めて困惑」「ブス召喚とかまるで意味がわからない展開」「和田アキ子たちに失礼極まりないのでは?」「何がカニ味だふざけんな(これは普通に読んでても思うが)」という「打ち切りで作者が狂ってしまい意味不明な展開を連打してしまった」と勘違いをしてしまってる人が結構見受けられた。 実際このページでもそのような勘違いをした人が編集してしまい、長いこと誤った情報が掲載されてしまっていたくらいである。 更に巻末コメにて「大変申し訳ありません。『VECTOR BALL』はこれで終わりとなります。読んでくれた方ありがとうございました。」と一言発し、そのままフェードアウトした。 なお連載時の人気も単行本の売り上げも十分あり、決して打ち切られるような作品ではなかったが、その唐突なオチに困惑した読者も多いだろう。 一説には雷句と編集者側のいざこざがあって意趣返しによる急遽休載…と言われてるが、さすがに純粋に応援していた読者にとっては、迷惑千万の評もやむ無しだろう。 …と思いきや作者本人はブログにて「(理由は)単刀直入に言えば自分の力不足」とした上で、「アンケートの結果が相当悪かったらしく編集者からテコ入れを提案されたが、その案は王道的な展開ではあるが個人的に受け入れられないもので、どうしてもその案に沿った続きを描けず連載終了を申し入れた」という旨を語っている。 餓獣(2019-2021) コミックDAYSに連載されていた小池ノクトによるパニックホラー漫画。舞台は東京都の地下鉄でそこに突如現れた巨大な熊「餓獣」に襲われる人々を描く。 餓獣は機械と融合しており、何らかの目的をもって造られた人為的な存在であることが予想できるのだが、誰が何の目的でどうやって生み出したのかは一切明かされないまま打ち切り。 途中、意味ありげに出てきた餓獣の世話をしていたと思われるおばちゃんもいたが1話限りの出番だったために余計に謎を招く結果となった。 餓獣との戦いの他にも暴徒と化した人間同士の争いや、突如餓獣保護に目覚めたヒロインが他の人間を弓矢で撃ち殺すなど収拾がつかなくなり、単独行動した動画配信者と主人公がその身を犠牲にして送り出した男子児童以外は全員死亡、トラックに乗せられた餓獣がどこかへ運搬される=またどこかで餓獣を製造することを予感させるシーンで終わってしまった。 絶望集落(2020-2021) マガポケに連載されていた原作・蔵石ユウ、漫画・白山一也のモンスターパニック漫画。 出会ったら、犯されるか、食われるか、犯されて食われるかの凶悪な猿のようなモンスターに襲われた某県某地方を描く。ベビーカーの赤ん坊まで襲う衝撃的な描写もあった。 …はずだったが、現実にはショッピングモールでのヒト対ヒトの要素が長く、よく分からないままに打ち切りとなった。 ラストシーンは物語の端緒となったモンスターに襲われた主人公の姉の妊娠が発覚する場面で終了。 原作者は終了後も『食糧人類Re 』などを精力的に発表している。 一方で漫画担当もその絵柄や妙に濃密なチンピラ描写からある怪作のコミカライズに別名義で関わっているのではという噂も存在する。 人間消失(2022-2023) マガポケで連載されていた「生贄教室」「寄生列島」の江戸川エドガワによるサバイバル・サスペンス漫画。 現実の日本で新型コロナウイルス真っ只中に掲載されていた作品で「特に仲が良いわけでもない男女4人の高校生が人類が消失した世界で生き抜く」ことを目標にサバイバルする。 そのテーマと作者の過去作品の評判から期待されてはいたのだがいざ蓋を開けると人類が消失した理由は特に明かされず、希望が見えない中で発狂した男子2人が死亡、主人公とヒロインだけが残されるという状況になった。 前作である「寄生列島」では「未知の寄生虫」に対し、スーパースプレッダーの特定やワクチンを完成させるという希望ある解決を見せたが、本作の最終回では主人公が耕した畑に芽が出る=希望はまだ潰えていない可能性を示唆するシーンでぶっつり終わってしまった。 結果、上記の消失の謎を含めて「大量発生したネズミは何だったんだ」「コロナ全く関係無かった」「まだ話が続くと思ってた」などの声が挙がった。 リモデリング R(2022-2023) ウルトラジャンプ連載の大野将麿原作、平岡滉司作画のSFバトル漫画。 もともとはヤングジャンプ新人賞を複数受賞した大野による「となりのヤングジャンプ」連載のWeb漫画で、単行本も4巻まで発売されていたが一旦休載。約半年後に本作が始動し、ページ割りや台詞回しはほぼそのまま作画だけ描き直すという形で連載が続いていた。 しかし原作の半分程度まで話が進んだ時点で突然連載が終了し、原作者や編集部からは特にコメントは無く作画担当だけが「作者の都合で終了となった」旨をSNSで伝えるに留まった。 原作ファンにしてみればリメイク版のシナリオが原作に追いつけば続きが読めるところ思いっきり梯子を外された形だが、そもそも(原作の画風が特徴的だったとはいえ)なぜこのような形で連載されたのかもはっきりしていない。 一ノ瀬家の大罪(2022-2023) 『タコピーの原罪』がヒットを飛ばしたタイザン5作の週刊少年ジャンプ連載のホームサスペンス漫画。 『タコピー』同様、1話目から不穏な空気が漂い実際にいじめや家庭内不和など重苦しい話が続々と展開していき、途中からはさらに夢オチによるループが主軸となるなど先の展開の予想が容易につかないストーリーとなり、話題を呼んだ。 …が、その夢オチループが仇になり「毎回のように衝撃的な展開が挟まれても結局はループしていくためどこから夢でどこから現実なのかが非常に解りづらくなった」「毎回似たような内容で飽きるし、積み重ねも無い上に訳も解らない」「考察が考察にならない」「そもそもジャンプでこんな陰湿な話読みたくない」という意見が次第に多く占めるようになった他、伏線かと思いきやそのまま放置されてしまったミスリード要素や寄り道としか思えない展開も多く、さらに登場人物のほぼ全員が性格に難があるなど『タコピー』以上に人を選ぶ作風となってしまっていた。 連載期間もほぼ1年で全48話と打ち切りの範囲内ではあるものの、これだけの尺でありながらかなりグダグダな展開や、十分な猶予があったにもかかわらず最終回の内容がこじんまりとした纏め方だったため「元々短い連載期間で済む話を無理やり引き延ばしたようにしか見えない」という意見まで出てしまっている(*18)。つまり、打ち切り漫画としては異例の「もっと早く打ち切りになっておくべきだった」という10年以上もの長期連載作品に与えられるような評価となってしまったのである。読者側が過度に持ち上げた結果、連載させてみたらズタボロになったという事から『令和のタカヤ』なんて意見までも存在する また、作者が描く内容の引き出しの無さ(*19)や巻末コメントの内容が毎回ほぼ同じである事への批判、打ち切り2か月前に「次に来るマンガ賞2023」で第3位を獲得した事やタイザンが特別審査員を務める「タイザン5漫画賞」の設立などを作者に対しての露骨な持ち上げと指摘する意見、果ては前作『タコピー』に対しての批判意見までも見られるようになっているが、これに対して「作者や前作に対しても批判するのはおかしい」「タコピーの路線を踏襲したのがマズかったのでは」と擁護意見も見られている(実際、本作がタイザン5にとって初の長期連載作品のため不慣れな面があった事は想像に難くないが…)。 スケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティ(2022-2024) 週刊ヤングマガジン2022年34号から連載が始まった大学を舞台にしたホラー漫画。2023年4月には雑誌からヤンマガWEBへと移籍。 主人公の千嵐まひながパートナーである怪異退治の専門家・間九部薫と共に大学に巣くう怪異を祓っていくというストーリー。 間九部の恩師である二村重範の行方が物語の重要なカギを握っているのだが回想で触れられる以外は特に出番も無く、基本的には大学生にまつわる事象を中心とした怪異退治がメインであった。 終盤も終盤となった文化祭編の終わりで二村が急に登場するのだが本心で語っているのか、操られているのかもわからない。 千嵐に失意の目を向けるとそのまま姿を消した―――と同時に文化祭編が終わってしまい、二村もそれっきり姿を見せず、単話を挟んで打ち切り漫画によくある『それから〇年後―――』エンドを迎えることとなった。 最終回では社会人となった千嵐が大学で学び直しをしている中で間九部と再会し、そのまま終わるという展開で近年類を見ないレベルの投げっぱなしジャーマンを見せつけられることになる。文化祭編で登場した邪悪なサンドウィッチマンが原因だったか。 千嵐の友人が怪異によって作られた存在なのでは?と言った謎もあったのだが最終回で彼女がどうなったのかは1ミリも触れられていない。(*20) [部分編集] ◆まさかの延命決定型 一旦打ち切りが決まるも、まさかの復活を遂げ何とか終了に漕ぎつけるケース。 但し打ち切り前と同じ雑誌で再開できるかは作品によって異なる。 オバケのQ太郎(1964-1966(他誌を含めると1974年まで)) 藤子不二雄(初期は合作、後にFの単独作品に)の代表作の一つである、頭の毛が3本のオバケを主人公としたギャグ漫画。 『週刊少年サンデー』で連載を開始したが、読者からの反応が無く、不人気だと判断されて9回で連載終了。 …が、連載終了した途端、読者から再開を求める手紙や電話が編集部に殺到。 読者も当たり前に楽しんでいて反応がなかったという不思議な漫画だった。3か月後に連載再開するに至った。 アニメ化されれば視聴率30%越え、『オバQ音頭』のレコードはダブルミリオン達成、 そして小学館のかつての自社ビルはほとんど本作のおかげで建設されたとも言われるほど(通称『オバQビル』)の人気を博す。名実共に藤子不二雄は大人気作家となり様々な作品を並行して連載、そして「ドラえもん」に繋がっていく。 その後も3度にわたって再アニメ化されるなど、現在に至るまで高い知名度を誇っているのはご存知の通り。 打ち切り復活の最初期の例、ならびに最も成功した作品と言えるだろう。 はだしのゲン(1972~1985) 抜群の知名度を誇る原爆漫画だが、当初あの『週刊少年ジャンプ』で連載されていた事を知る人は少ない。 案の定と言うべきか、エンタメ路線の『ジャンプ』においてあまり人気が高いとは言えず、 編集長のえこひいきバックアップで何とか1年継続するも、1974年にオイルショックに伴う誌面整理で打ち切り。ギギギ… その後、リベラル系の言論誌『市民』に都落ちするも、雑誌が売れず、1976年の休刊と共に中座する。 次は日本共産党の機関紙『文化評論』へと移るが、1980年に打ち切り。 最後の活動の場となったのは日教組の機関紙『教育評論』で、こちらで一応の完結を見る。 一般人の目に触れる機会からどんどん遠ざかっているが、最後の連載誌が日教組の機関紙であった事が幸いした。 これにより「学校図書館で読める唯一の漫画」という貴重な地位を確立し、何度踏まれても麦のように立ち上がった本作は、今なおその読者層を広げ続けている。 小学校/中学校の図書館で『はだしのゲン』を見つけた、あるいはそれをきっかけに読んでみた、というwiki籠り諸兄も、おそらくはいるのではないだろうか。 皮肉にも、現代ではそのへんが一部のネットユーザーから否定的な意見(*21)が出ることになったわけだが… サーキットの狼(1975~1979) 池沢さとしの代表作で、1970年代後半のスーパーカーブームの火付け役となった漫画。 実在メーカーの自動車を出した最初の漫画作品でもある。 担当編集者を2年間説得した後『週刊少年ジャンプ』で連載を開始。順当に人気を伸ばしていたが15週目で打ち切りが決定。 ところが、その週に実施した読者投票で1位を獲得して急遽連載継続が決定し、ジャンプの看板作品として人気を博した。 ピグマリオ(1978、1983~1990) 上述の少女鮫を描いた和田慎二のファンタジー漫画。 『スケバン刑事』の第一部終了後に編集に聞かれ「少年主人公のファンタジーもの」をやるという話になり連載開始。しかし、一年以内の打ち切りになる。第一部完! しかしその後、『スケバン刑事』第二部終了後の82年末に「昔と状況が変わった」と言われ連載再開。全五部、コミックス27巻で大団円を迎えている。 『ダイの大冒険』の主人公像などを見れば分かるように1980年代には人気となっている「少年が剣を持ち悪を討つ」というファンタジーの王道みたいに見えるストーリーだが、 受け入れる下地が少なくとも1970年代は末期になるまで存在していなかったという事が明確に分かるエピソードと言えるだろうか。 風雲児たち(1979~1998、2001~2020) みなもと太郎の歴史ギャグ漫画で、元々は潮出版社の『少年ワールド』・『コミックトム』で連載されていた。 当初は「幕末の風雲児たちの活躍を描く」としてスタートしたが、何と幕末に突入するまでの前振りに実世界で20年・作品内で約250年かけるというスローペースに編集部がいら立ち、 途中編集部からの圧力で展開短縮をさせてもこの長さになったため打ち切られ、坂本龍馬主役の『雲竜奔馬』を強引にスタート。 だがそれも編集との関係悪化と雑誌終了で打ち切られ、結局2001年から続編『風雲児たち 幕末編』(一部は『雲竜奔馬』と重複)がリイド社の『コミック乱』で開始。スローペースながらも2020年まで連載されていたが、2021年の作者逝去により未完に。 あまいぞ!男吾(1986~1992) 当初は小学生編だけで終了する予定だったが、最後だからとバトル要素を入れた前後編仕立ての最終回が予想外の人気を博した事で3か月後に中学生編がスタート。そして高校生編にも続いていき月刊誌で6年間連載というロングラン作品となった。 ライジングインパクト(1998~1999、1999~2002) 週刊少年ジャンプに連載されていたゴルフ漫画。作者は後に4代少年誌を制覇し、マガジンで七つの大罪を連載する鈴木央。 主人公がゴルフの名門校のスカウトを受けた所で打ち切り。 保護者の下を離れてアメリカに留学し、数年後、プロとなった彼の活躍を保護者がテレビで見つめる、という終わり方だったが、 読者から継続希望の手紙が殺到したため、まさかの連載復活。 アメリカではなく、国内の学校へ編入するという形に変更された。 ジャンプの長い歴史の中でも、打ち切りで一度完結してから連載復活したのは本作品だけである。 これ以降、ジャンプで連載が打ち切られる度に「ライジングインパクトよ再び」を合言葉に、読者が連載継続を編集部に訴えることが常態化した。 更にその後もう一度人気不振で打ち切られ、2回連載し、2回打ち切られるという後にも先にも無い特殊な経緯を持つ作品であるが……。 さすがに本作以外に完全復活を果たした作品はないものの、 編集部も「アンケートが振るわなくても可能性を秘めた作品はある」と学習したのか、前述の『武装錬金』をはじめ、 打ち切り決定から最終回まである程度猶予を持たせる、あるいは別冊・ウェブサイトやスマートフォンアプリなどで完結編を掲載させるなどの猶予措置を取ることが増えた。 同雑誌の亜種が増えたこともあり、「別冊に移籍して連載続行」というパターンも大きく増えた。 ファンにとっても漫画家にとっても優しい環境になったと言えよう。 なお、本作は2024年にNetflixでのアニメ化が決定している。 テコンダー朴(2007、2015~) アニヲタwikiでは取り扱えないようなセンシティブな部分を不快感を飛び越したブッ飛んだ内容(不快感が無いとは言ってない)で取り扱う人権派格闘技漫画。 まあ要するにアイツとかコイツとかと同類のイロモノ枠であり、ネットユーザーの間では有名である。 元は「マンガ 嫌韓流」の成功の勢いで晋遊舎が出したオピニオン誌「スレッド」に連載されていたが、同誌の廃刊により僅か3ヶ月で打ち切り。 だが2015年に8年もの歳月を経て7話分を書き下ろし、青林堂から単行本第一巻を刊行。同社の保守言論雑誌「ジャパニズム」において連載が再開されるという奇跡の復活を成し遂げた。 2008年にニコニコ動画にアップされたりしてじわじわと知名度を上げたりしていたので、ネットの力が現実に影響を及ぼした一例とも言えよう。 しかし3年後の2018年12月に一部伏字にしていた差別的な言葉を出版社に全て伏字にされたことを理由に作者側から連載中止を申し入れている。 その2週間後にコアマガジン社のあまりに言論・表現の自由に挑戦しすぎてて評判がすさまじくよろしくない実話誌「実話BUNKAタブー」で連載していくことが発表されたため、事実上の移籍ということになった。 公式ツイッターも悪ふざけがすぎるのではないかと思わせるぐらいアレなのだが、ブラックな方面のギャグとしては真剣に描いていることがうかがえる。でもイカやアイマスはやるし、ウマもやってるっぽい(*22)。 色んな意味でこれからも目が離せない漫画である。 海の大陸NOA(1996~1998、2006~2009) じゅきあきらがコミックボンボンで連載していたギャグ漫画。 「作者の目の病気により一時休載、その後も連載頻度が減る」という告知が一旦なされるが、その後再開することはなかった。 しかし2006年、休刊間近の末期のコミックボンボンに「海の大陸NOA+」として突如連載再開。その後ボンボン休刊により講談社の漫画配信サイトMiChao!に「海の大陸NOA×」として移籍する。 単行本が途中から電子書籍しか発売されなくなり、MiChao!自体も閉鎖になるも、完結までこぎつけた。 里見☆八犬伝(1997~2002) よしむらなつきが手掛けた、滝沢馬琴の長編娯楽小説『南総里見八犬伝』をベースにコメディタッチにアレンジしたバトル漫画。 エニックス(現・スクウェア・エニックス)の月刊少年ガンガンにて連載されていたが、ガンガンのお家騒動の煽りを受けて単行本6巻で「第1部完」として終了。 その後、マッグガーデンのコミックブレイドMASAMUNEにて『新装 里見☆八犬伝』として連載再開するも、連載5話で中断して、そのまままたしても打ち切りに。 だが、2015年よりauブックパス内のweb漫画雑誌「近代漫画」及びその後の「連載マンガ先読みっ!!」にて『里見☆八犬伝REBOOT』のタイトルでリブートの形式で連載が開始され、今度は雑誌移籍もあったものの、2023年に無事完結した。 こちらはオリジナル版よりシリアス成分多めの作風となっている。 死神様に最期のお願いを(2009~2011) 今では漫画原作者として活動する山口ミコトが直接作画も手がけた数少ない作品。 月刊ガンガンJOKERにて連載していた主人公たちの運命を決めた殺人事件の真相を解き明かすサスペンス漫画だったのだが、 項目を見れば解るように、真相が明かされないまま打ち切りとなってしまった。 その後、連載開始から10年の時を経て『死神様に最期のお願いをRE』としてリメイク版が同誌にて2019年から21年まで連載(作画は古代甲)。 こちらで無事事件の真相が描かれ、名実ともに完結した。 [部分編集] ◆後でなんとかする型 雑誌とコミックスは打ち切りそのまんまの状態で出しておくが、その後再録の際に修正・完結させるパターン。 そもそも人気のない作家・作品の場合はコミックス以外に再録の機会は与えられないので、これを行いうるのはよほど著名な漫画家か、一時は非常に高い人気を得ていた作品に限られる。 中にはこの機会が与えられないならば、と自分で同人誌やweb掲載をして続ける作者もいる。 モジャ公(1969~1970) 連載時は完璧な打ち切りだったが、後に出た愛蔵版で話のシャッフル・加筆修正が行われ、「打ち切り回前の長編→最終回」になる様に修正された。 …「俺たちの戦いはこれからだ!」的にも見えるしそのせいで打ち切り回が一部単行本に未収録になったりしたが。 現在では『藤子・F・不二雄大全集』版の単行本で現行版と連載版との変更点を確認できる。 ダスト8(1972) 元々は打ち切り作品『ダスト18』(2018年に単行本化)だった。 だが『手塚治虫漫画全集』収録時の加筆修正で『ダスト8』となり、あっけなくはあるが完結した。 だったら他の作品(『バンパイヤ』や『ガラスの城の記録』等)も完結させてほしかった気が…。 シャーマンキング(1998~2004) 武井宏之が手掛けたバトル漫画で、連載中にアニメ化を果たし大きな賑わいを見せた。 しかしアニメの放送が終わってしばらくしてから人気が低迷し、アニメをやっていた頃の賑わいを取り戻せずに結果的に打ち切りとなってしまう。 打ち切りが決まったころは大量の伏線があったためそれを消化しなければいけない羽目となり、最後の最後にプリンセスハオなるとんでもない爆弾を用意した事で話題に。 なお単行本発行後は意外にもこの爆弾がよくできていた事で再度話題になった。 その後、完全版コミックスで描き下ろしの完結編が描かれた。 ちなみにその後連載された続編は、雑誌の休刊により再び打ち切られる羽目に。 しかし、連載開始20周年を迎えた2018年からは出版社を講談社に変え、続編の流れを汲む新シリーズや本編を補完する外伝を複数制作、2021年には原作準拠で再アニメ化されている。 羽人(2021~2022) 『コミックDAYS』にて連載していた漫画。作者は宮尾行巳。 単行本の売上が悪かったことから打ち切りが決まったのだが、最終話が掲載された後に「作者から読者の皆さまへ」という文章が発表。 作品は3巻分にて終了として謝罪と同時に「担当編集との話し合いで無理矢理完結させて作品を”殺して”しまうよりも敢えて途中で切り、いつか機会や場があれば続きを描ける余地を残すことにした」との声明を発表。実際に最終話は話に区切りを付けるようなことはなく、ぶつ切りの状態となっている。 宮尾は作品に思い入れがあったが故にこの形を取ることで最終話まで執筆するメンタルを保てたと釈明しており、この発表には「作品を発表する媒体が増えている現代でこのやり方もありなのではないか」という肯定的な意見がある一方、「打ち切りならばその結果に応じてちゃんと話をまとめるべきではなかったのか」というような批判も見られる。 ◇人気低迷以外による打ち切り 漫画は「よっぽどのことがない限り『読者からの人気低迷』での打ち切りが殆どである」と述べたが、広い漫画界では「よっぽどのこと」は結構頻繁にある。 作品自体は好調でもメディアミックスの都合や掲載誌の方針の転換、単行本の売れ行きが悪い、あるいは編集部と作家の間でのトラブル発生や編集部のお家騒動に巻き込まれる、 はたまた作者が逝去してしまうなど、その原因は様々である。 (同様のパターンとして移籍連載も参照) [部分編集] ◆商業的事情による打ち切り 主にメディアミックス物やタイアップ物等でよく見られるパターンで、派生元の路線変更や展開終了に巻き込まれてしまったという物。 人気低迷による打ち切りとは異なり、こちらは漫画その物が好評だったとしても容赦なく打ち切られてしまう場合が殆ど。 タイアップ先から事実上の独立を果たした『西遊記ヒーローGo! 空伝』のようなケースは本当にレア中のレアである。 特にホビー系の漫画は派生元の具体的な終了時期の予定がない事が多く、予想以上に長く続く事もあれば本当に唐突に終わってしまう事も珍しくないため、 ストーリー漫画としての展望とタイアップ先の商業展開の間に齟齬が発生しやすく、結果的に打ち切り最終回になりやすい。 酷い時には引き伸ばしで新展開を入れた直後にタイアップ先が終わって打ち切り決定なんてパターンまで見られる。 その性質上、特定の雑誌において特によく見られるタイプのパターンでもある。 突撃!ヒューマン!!(漫画版)(1972) 特撮番組とのタイアップ漫画だが、番組が打ち切られてしまったために漫画版も打ち切り。 だが、最終回に与えられたページ数はわずか2ページだった……。 (1ページ目)『「兄のかたきっ」と、新ヒューマンはグランドキングフラッシャーにおそいかかった。そして、ついにたおした』「ぎゃあ」 (2ページ目)『にいさん、かたきはとったよ。これで、にいさんがのぞんでいたへいわがやって来るよ』 小学二年生の1973年2月出版号に記載されたこの内容。児童誌でもともとページ数は多くないとはいえ、まとめた作者の苦労が偲ばれる。 なお、小学館の学年誌にはそれぞれの学年で並行して同様の漫画が連載されることが珍しくなく、本作もその一つであった。 この結末は『小学二年生』のものだけであり、他の学年では違う結末が描かれている。 ファミコンランナー高橋名人物語(1986~1988) コロコロコミックで連載されていたあの高橋名人こと高橋利幸を主人公に据えた漫画。 しかし肝心の高橋名人が自社が関わっている新ハードの発売に伴ってファミコン関係の活動から離れてしまい、それに巻き込まれる形で打ち切られてしまった。 スカルキラー邪鬼王(1990~1991) 少年キャプテンにて連載していた石川賢による「進化するロボット」を題材にしたロボット漫画。 当時キャプテン編集部からオリジナルでゲッターロボの新作をやろうという話が持ち上がっていたものの、当の石川賢本人は今更ゲッターでもないだろうと断っており、ダイナミックプロ側でもあまり乗り気ではなかった。 しかしながらそれでもまたロボット漫画は描いてみたいと思っており、それでできたのが本作ということになる。 『怪物的な外見でありながら普段は番犬的な扱いをされている』ということもあって「挙動がいちいち可愛い」と評されるロボット邪鬼王と、石川賢の漫画にしてはほのぼのとした日常描写が豊富ということもあって実は人気も悪くなかった。 しかし突如として『ゲッターロボ號』のアニメ企画が起動、そして発売予定のゲッターロボのおもちゃの出来に感動した石川賢本人も『ゲッターロボ號』をキャプテンで連載することとなり本作は打ち切られることとなった。 もっとも、本作のコンセプトである「進化するロボット」の概念は『號』の終盤に引き継がれ、その後のロボットものの作品に多大な影響を与えたことは間違いない。 また、本作は後述の『虚無戦記』にも組み込まれている。 銀と金(1992~1996) アクションピザッツで連載されていた『アカギ』や『カイジシリーズ』で知られる福本伸行原作の漫画。 青年向け作品がメインだった掲載誌が成人向けへと路線変更され、また同時に新シリーズであるカイジの連載に集中する意味もあって休載という形でそのまま打ち切られる。 当初は銀次と森田が戦う展開になる予定だったらしく、銀二が近い将来の敗北を予感しながらも最後まで戦い続けることを決意するという場面で終わる。 福本自身はインタビュー等で「いずれ機会があれば描こうと思う」とコメントしているものの、未だ音沙汰はない。 せめてカイジが完結しなければ無理だろうが。 スパイダーマン/偽りの赤(2019~2020) マガジンポケットで連載されていた日本版スパイダーマンの漫画。 ウェブ媒体ということで知名度は高いほうではなかったが、連載開始の少し前にMCU版スパイダーマンを主役に据えた映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』を上映していたこともあり、スパイダーマンやマーベルファンの間で広まっていった。 第1部完という形で一旦連載終了した後に続編を描く予定であったが、書籍の売り上げの都合で続編が白紙となってしまった。原因としては、その書籍が1200円越えとやや高額だったことに加え、発売当初はコロナ禍真っただ中ゆえに書店の営業時間や来店者が激減し、販促が難しかったことも挙げられるだろう。 その一方では、同じく打ち切り作品であるマーク・ウェブ版スパイダーマンと比べると続編の伏線が少なく、前述の通り第1部のみながらもストーリーが上手くまとまっており、一部ファンからは連載再開を熱望されており、作者も可能であればやりたいとコメントしている。 ソードアート・オンライン プロジェクト・アリシゼーション(2016~2021) 『ソードアート・オンライン』の一エピソード「アリシゼーション」のコミカライズ作品。 商業誌で隔月連載していたが雑誌が廃刊、その後はウェブ媒体で連載していた。 2021年に完結したものの、いわゆる作品の上での前半部終盤での終了となり(場面自体も最終戦手前まで)、最終話の数ページで各キャラクターが後半部までに辿る顛末をダイジェストで紹介している。 また、同作者は本作の終了と同時に長らく中断していたSAOの別コミカライズ『ファントム・バレット』の執筆を再開し、こちらは原作の最後までしっかり描いて完結させている。 カフェちゃんとブレークタイム(2015~2017) ポルリンによる飲料の擬人化コミック。 WEB漫画が商業化された作品にありがちな「WEB上での人気や認知度に反し、コミックスの売り上げが伸び悩んだ」ケースで、 本作もそれも例に漏れず、全3巻までウェブ媒体で連載するも、単行本第3巻が刊行された所で打ち切られてしまった。 実際の所、単行本1巻は初動の売り上げがかなり伸び悩んでおり、その上で2巻が刊行されたため、本来ならここで終わってもおかしくなかったが、 SNS上で注目された事で1・2巻共に重版がかかり、3巻の刊行まで漕ぎ付く事が出来るも、やはり初動が悪かった影響は否めず、 3巻の重版がかかる事なく打ち切り終了となってしまったとのこと。 その後、著者自身の手で同人媒体で続きが展開され、2019年から商業版単行本を再構成した同人誌『カフェちゃんとブレークタイムRefill』として再出発。 その最中に著者が別作品の展開に際して悪質なトラブルに巻き込まれ鬱病になったりと苦労が絶えなかったが、 クラウドファンディングでの支援もあり、2021年にようやく『Refill』版が念願の4巻目(商業版全3巻の続き)に到達する事となった。 時間の支配者(2015~2018) 台湾の作家、彭傑による漫画。中国の漫画雑誌で連載されていたものを邦訳してジャンプ+にて連載されていた。 2017年にはアニメ化もされたが、翌年突然日本での連載が終了。「この続きは中国の漫画雑誌『翻漫画』で確認しよう」という前代未聞の煽り文が載せられた。 最後のコマでは主人公の息子が重大な秘密を告白するシーンとなっており、よりによってこれからの展開に繋がる新たな伏線が生まれた直後の幕切れとなった。 単行本はアニメ放送の際に出された1・2巻のみで、それ以降の話は現在もジャンプ+にて無料で読むことができる。 この打ち切りの10日後には台湾からの漫画「SINNERS -罪魂使-」(鮭&鯊)も殆ど同じ末路を迎えているが、このような日本の読者を完全に切り捨てるような処遇がされた理由は今なお語られていない。 仮面ライダー913(2019~2022) 『電撃マオウ』で連載された漫画作品。特撮テレビドラマ『仮面ライダー555』のスピンオフ的作品であり、本編のシリーズ構成である井上敏樹が脚本を担当している。 作品に協力していた村上幸平のTwitterにて打ち切りの報告が行われたことから読者からは残念がる声が集まっていたのだが、いざ発売されたその内容が読者の度肝を抜いた。 最終回の内容はとあるキャラクターの正体が語られると同時に作品の設定に関する驚愕の事実が判明、それに対して主人公の「何だ…と…?」という困惑の台詞を最後に話が終了。そして煽り文の「衝撃の真実…!!応援ありがとうございました!!」。 つまり、ラストページで衝撃的な設定の開示と主人公の困惑が描かれるという情報の洪水が読者に流れてくるのに形を整えない状態で物語が無理矢理終了するという混沌とした結末だったため、ネタにされることになった。「よくないなぁ…こういうのは」 一方で先述の通り協力していた村上は当然ながら「乾巧って奴の仕業なんだ」「俺の漫画のことを好きにならない人間は邪魔なんだよ!」……などとは述べず、 「担当編集として力及ばずで、大変申し訳ありません」「応援していただきました皆様、本当にありがとうございました」と模範的で誠実なコメントを残した。 きららファンタジア(2019~2023) まんがタイムきらら系列誌のクロスオーバー作品である同名のアプリのコミカライズ。 アプリのプレイヤーのみならずクロスオーバー元のファンからの評判も上々だったのだが、ストーリー進行をじっくりやり過ぎて先に肝心のアプリが終了してしまいあえなく打ち切り。 それでも進行中だった4章に加え、間の話を6ページに大幅圧縮したとはいえ第1部最終決戦までやらせてもらえるなど、打ち切り作品としては破格の扱いを受けている。 [部分編集] ◆社会的事情による打ち切り 「何か色々と社会的にデリケートなネタをやってしまった」「社会そのものが連載どころではない状況に陥った」故に、打ち切りや巻きが入っての早期終了に追い込まれた例。 戦時下における「資源統制で用紙が入荷しない」「空襲で出版社や印刷所が焼けた」といった例がわかりやすいか。 中には編集部が何も言われていないのに勝手に市民団体にビビって打ち切った『境界のないセカイ』という例もある(*23)。 編集部がアクの強い作風の作家を連れてきたのに後からビビって打ち切りになる場合もあり、こういったケースは作家本人やファンからも「もともとそういう作風だって知ってただろう!」と怒りを買うことも多々。 のらくろ(1931~1941、1958~1980) 大日本雄辯會講談社(現・講談社)の雑誌『少年倶楽部』に連載された、戦前を代表する児童漫画。 連載10年目(*24)に太平洋戦争が始まってなお絶大な人気を誇っていたが、政府の情報局から執筆を禁じられ、やむを得ず打ち切りとなった。 作者と奥様が執筆した「のらくろ一代記 田河水泡自叙伝」によれば政府や軍部は紙資源の節約のために少年倶楽部を廃刊にしたかったのだが、そのために田河水泡を呼び出して 「君の『のらくろ』を辞めて欲しいんだ。『のらくろ』がなくなればきっと少年倶楽部の売れ行きが落ちる。そうすれば少年倶楽部を潰せる。君も国策に協力したまえ」 という趣旨の通告をしてそれに従わざるを得なかったそうな。 人気が無い訳ではなくむしろ人気があったので潰されたというとんでもないケースである。 最終回に与えられたページ数はわずか2ページ、前回までの流れは完全放棄と、看板作品としてはあまりに呆気ない終わり方であった。 内容自体は「軍隊時代の上官と偶然再会し、彼の下で働き始める」(*25)という、最終回らしい終わり方をしていると言えなくもないが。 戦後は潮書房の軍事雑誌『丸』にて連載を再開。 リメイク版が絵物語の形式で連載された後、戦前版の続編が漫画として連載。1980年に無事完結を迎えた。 ちなみに前述の自叙伝によれば「もしあの時に打ち切られなければもっと軍国主義に協力する内容で執筆を続けていただろうし そうすれば終戦後にGHQに睨まれて戦後の連載再開や新たな表現活動はできなかっただろう」とも述べている。 私立極道高校(1979~1980) 後に『魁!!男塾』を手掛ける宮下あきらの作品。 当時彼に雇われていた滋賀県出身のアシスタントが無断で、滋賀県湖東地方にある実在の5つの中学校名と校章、4名の卒業生の名前や校章を無断で作品内に掲載した。 その結果その中学校が所在する自治体から抗議が起きたため、ジャンプ本誌の回収騒動が発生した。そして責任を負う形で打ち切られる羽目となった。 作者がインタビューで答えたところによると「連載の人気が出て調子に乗っていた時期で、原稿のチェックをちゃんとせずに飲みにいったりしており 新聞沙汰になって初めて事態を知った。 ジャンプ編集部からは『次回はもう描かなくていい』と通告されたが普通なら干されてるところを数か月ほどで実質的に同じ世界観でキャラも再登場している『激!!極虎一家』を書かせてくれたことには感謝しかない」とのこと。 理由が理由だったため長らく絶版状態が続いていたが、2012年には復活版として実に30年越しの完全版が発売された。その際もちろん問題となった該当のシーンは修正されている。 勉強しまっせ(1995~1996) 講談社の『別冊フレンド』に連載された、みやうち沙矢の少女漫画。 打ち切り理由が副編集長のせいというあんまりなもの。 1996年3月号掲載話で主人公の彼氏のセリフに「西成」が出た際、副編集長が欄外の注釈として 「※大阪の地名。気の弱い人は近づかないほうが無難なトコロ。」 という文章を(作者に断りを入れず独断で)入れた。 これを見た西成の中学校や人権団体、果ては西成区長が抗議文を送り、結果的に打ち切りとなった。漫画自体は全く差別的ではなく、謝罪文だけでも良かったとは思われる。 …が、その謝罪文の内容について「抗議による打ち切りと誤解される」などと批判され、講談社はあくまで自主判断による打ち切りであると再度謝罪文を表明することになった。 みやうちの名誉のために追記すると、みやうち自身は昔通ったライブハウスがあった西成に親しみを持っており差別の意図など全く無く地名を出しただけに、完全なとばっちりを受けた形である。 ノノノノ(2007~2010) 岡本倫のスキー漫画。 「女子種目が存在しないオリンピックのスキージャンプ競技に、本来は参加できない女性主人公が男子選手のふりをして挑む」というコンセプトの漫画だったのだが、あろうことか『現実で女子種目の導入が検討され始めてしまい、話の大前提が崩れてしまうため』急遽打ち切りせざるを得なくなってしまった。 実際、本作が打ち切られてから僅か3か月後には女子スキージャンプが正式にオリンピック競技になる事が決定している。 作者はこの顛末に納得がいかなかったらしく、最終回は練習中のアクシデントでユニフォームが破れてしまい、おっぱいで女バレしてそのまま終了というやけくそ感漂う内容だった。 (一応単行本では加筆修正でフォローが入れられている) あきそら(2008~2011) 過激な近親相姦描写をウリにした漫画だったが、東京都青少年育成条例の標的とされ打ち切られてしまう。最終巻も重版がかからないとアナウンスされていた。 しかし2018年に電子書籍化され、再び日の目を見る事になった。 のぞえもん(2015) コミックへヴンで連載され、待望の第1巻が発売されるも、発売後僅か一週間で店舗から回収、連載も中止になってしまった例。 大人気漫画である『ドラえもん』のちょっと過激でえっちなコメディ版という立ち位置だったのだが、 出版元の日本文芸社は、『ドラえもん』のアニメ版権を持つADKの完全子会社だったのに、そのADKに認可を得ずに出版してしまったがために、藤子プロからクレームが入った訳でもないのに、ビビって打ち切りにされてしまった。 所謂大人の事情が原因らしく、他出版社であったらまだ連載が続いていたかもしれない。 なお、古本はプレミア価格で取引されている。 君に愛されて痛かった(2017〜) 成人誌や同人誌などでハードかつ生々しい作風(*26)で知られていた女性漫画家、知るかバカうどんが漫画アクションで一般紙デビュー作として手がけた。 しかし「援助交際に手を染めているメンヘラJK」の主人公がどんどん残酷ないじめにあっていくだけならまだしも、主人公がいじめに耐えかねて「友人のヤンキー男子に依頼していじめっ子をハイエースしてもらう」という過激な展開から、出版社サイドから横やりが入り打ち切り。 この連載のために大阪から上京してきていて、事前に自分の描きたい路線での了承を編集部に得ていた作者は梯子を外された格好になりTwitterで激怒していた。 その後新潮社の電子書籍コミックサイト「まんが王国」に移籍しての連載再開となり復活した。 とはいえ、流石にあまりにハードな描写に苦言を呈されたのか本来掲載予定だった当初の9話はお蔵入りとなり、コミックス第1巻のメロンブックス購入特典に回されている。 その後、新潮社側の担当編集と何らかのトラブルを起こしたらしく2022年3月31日を以て契約解除。秋田書店へと移籍することとなった。 「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~(2022) 集英社の運営するウェブメディア「よみタイ」にて掲載されていた漫画。親の信仰する宗教を信仰させられる「宗教2世」に関するテーマを取り扱っている。 連載第5話「母の期待に応えたい……宗教高校一期生として過ごした女性の告白」のエピソードが唐突に公開終了が決定し、集英社から「あたかも教団・教義の反社会性が主人公の苦悩の元凶であるかのような描き方をしている箇所があった」として謝罪文が出され、その後は他の話も「諸般の事情」として公開停止となってしまった。 作者は自身のTwitterにて無念と集英社へ抗議の意思を表明する読者への感謝を示すツイートをしている。 後に連載再開のために作者と集英社は協議を重ねるも、双方の意見が対立したことで作品の連載終了が決定した。 連載終了よりおよそ半年後、版元を文藝春秋に移し連載分以降の内容を書き下ろした上で単行本が無事出版された。 それに際し作者は「文芸春秋」誌を通して、多くの読者の推測通り「問題となった連載第5話の内容が某宗教団体を示唆する内容だったことから抗議声明が出された」事が公開停止の原因だったと明かしている。 [部分編集] ◆雑誌の消滅 連載していた雑誌の休刊により、打ち切られてしまった事例。 要は描く場所が無くなったということであり、人気があれば別の雑誌から呼んでもらえることもあるが、マイナーな作品の場合は難しい。 稀にだが、掲載誌は無事でも、執筆に協力していた雑誌が休刊したことで続きが描けず、打ち切らざるを得なくなってしまう例もある。 『鉄腕アトム』『忍者ハットリくん』(いずれも雑誌「少年」)、『アンパンマン』(いちごえほん)などは、抜群の知名度を誇る作品でありながら「連載誌自体が消滅し、打ち切りにならざるを得なかった」という気の毒な例である。 但し『鉄腕アトム』は廃刊当時からサンケイ新聞にて外伝『アトム今昔物語』を連載中であり『忍者ハットリくん』は最終号1話前に唐突に終了したがその後アニメ人気を受けて執筆された続編『新忍者ハットリくん』で最終回を迎えることができた。 『アンパンマン』は雑誌休刊を知らされたキャラクターたちが読者に別れの挨拶をする、というよくありそうな最終回だが、作者のやなせたかしが掲載誌の編集長であることを考慮すると、それまで一切用いなかった突然のメタ発言は彼の無念の現れのようにも思える(*27)。 他にも「いかにもな悪の金持ちによる武道大会に主人公たちが参加する→1回戦終わったところで廃刊のため打ち切らざるを得ず(*28)、急遽その悪の親玉を倒してむりやり終わらせた」『ジャンプ三大奇書闘将!!拉麺男』(*29)など、実は結構事例は多い。 掲載雑誌が休刊した後、移籍先が見つかるまで完全描き下ろしで単行本の定期刊行を守った『Q.E.D. 証明終了』という例もあるが、これはかなりのレアケースだろう。 依頼人から一言(1982) たがみよしひさの最初期の連載作品であるオカルトミステリー漫画。 しかし掲載紙の休刊に巻き込まれて僅か4話、うち2話が前後編エピソードのため実質3話で打ち切り。 この一件以降、作者は「漫画に雪女を出すと連載が終わる」というジンクスを抱える事となったが、 後に本作の路線をミステリー寄りにして引き継いだ『NERVOUS BREAKDOWN』でジンクスを打ち破りつつ最長連載を達成するという二重の意味でのリベンジに成功している。 スーパーマリオブラザーズ3(1989) 某世界一有名な配管工を主人公にしたバトルギャグ漫画『スーパーマリオブラザーズ2』の続編。 よりにもよって2が最終回を迎えて3が始まった直後に雑誌が休刊してしまい、始まったばかりの3はもちろん、一応完結したはずの2の最終巻まで未発売という憂き目にあってしまった。 なお、その後作者は別の出版社で同じゲームを題材にした漫画を設定を変えて掲載、そちらは今もなお続く長寿漫画となっている。 シリーズ単位で言えばわりと打ち切りっぽい終わり方をしている話(*30)が結構あるのは秘密だ。 喪黒福次郎の仕事(1997~1998) あの「笑ゥせぇるすまん」の主人公・喪黒福造の弟が様々な問題を抱えた人々を助けていく藤子不二雄A原作の漫画。 Aとしても描いていて心が荒む「笑ゥせぇるすまん」のいい気分転換になるとして気に入っていた作品だったらしいが、雑誌が休刊してしまいあえなく打ち切り。 ちなみに意図したのかは不明だが、最終エピソードのゲストキャラは「雑誌の休刊で連載を打ち切られた漫画家」で、しかもその結末は「福次郎の紹介で転職した先で成功を収める」という漫画家廃業オチであった。 お姉さんと学ぼっ! グレグリ探検隊(1999) 『突撃!パッパラ隊』の作者である松沢夏樹が月刊少年ギャグ王にて99年4月号から連載したギャグ漫画。 …なのだが、よりにもよってそのギャグ王が99年4月号で休刊してしまったため連載1話目にして最終回を迎えてしまった。もうそれ読み切り漫画じゃないか これ以外でも、この雑誌は末期から連載が始まったためにたったの2、3話で終わってしまった作品が多い。悲惨すぎる… 新 宇宙戦艦ヤマト (2000~2001) 松本零士執筆による、『宇宙戦艦ヤマト』の完全続編。 かつての『ヤマト』の時代から1000年後の3199年を舞台に、古代進やスターシアの子孫たちが千年かけて超強化されたグレートヤマトに乗り込むというストーリー。 映画化の予定もあり、当時の雑誌や関連本でも特集が組まれていた。 しかし、松本の悪癖であるもったいぶりすぎと月間連載ゆえに話は遅々として進まず、雑誌は休刊、すべてはお流れになった。 なんとかヤマト発進と波動砲発射まで持っていけたのが幸いか。 ゲッターロボアーク (2001~2003) 石川賢によるゲッターロボ・サーガ最終作。 『真ゲッターロボ』で広がったゲッターの謎を追い、次世代のゲッターチームと新たな敵・アンドロメダ流国との戦いが繰り広げられる。 ダイナミックな石川の画力はさらに進化し、その戦闘の迫力はまさに圧巻。 だが連載誌スーパーロボットマガジンの休刊で第一部完となり、単行本の加筆分でも「でたなゲッタードラゴン」という所で打ち切りとなってしまった。 そして石川がゲッター線に導かれてしまったことで、サーガの行く先は虚無の彼方かと思われたが、2021年のアニメ化に際して虚無の先へと奇跡の一歩を踏み出した。 かいけつゾロリ(マンガ版)(2003~2009) 「月刊コミックブンブン」に連載されていた『かいけつゾロリ』のコミカライズ。 TVCMでも本作をプッシュするなど、同誌の看板作品と呼べる存在だった。 しかし単行本の売れ行きは今一つだったらしく、雑誌の休刊と同時に打ち切り(物語としては一応完結)。 詳細は個別項目に譲るが、ある人物にまつわる壮大な設定が構想されていたことがわかっている。 エルヴァンディアストーリー 白狼の騎士(2006~2007) 2007年度KOTY次点作品という不名誉な経歴を持つ『エルヴァンディアストーリー』のコミカライズ。 ゲームそのものは全てにおいて隙の無いクソゲーという酷い有様だったが、漫画としては主人公の性格やストーリーの破綻を改善することでまともにできていた。 だが雑誌も元のゲームの人気もどうしようもなかったため、廃刊と共に打ち切られてしまった。 瞳のフォトグラフ(2008~2010) 「FlexComixブラッド」に連載されていた、女子高写真部が舞台の青春マンガ。 GUNP初のオリジナル作品で、ボイスコミックが作られるなど人気はあったのだが、作品の技術監修や取材協力を行っていた雑誌「デジタルフォト」の休刊に伴い、打ち切りとなった。 掲載誌ではなく協力誌の休刊が原因という、少し珍しいケース。 作中では数々の伏線(特にヒロインの過去にまつわるもの)が張られていたものの、ほとんど解明されずに終わった。 GUNPはその後、「COMICリリィPLUS」で同じく写真をテーマにした『茜色の方程式』を連載していたが、こちらも掲載誌の休刊により2話で打ち切られている。 アウターゾーン リ ビジテッド(2011~2016) かつてジャンプで連載されていた光原伸のホラー漫画『アウターゾーン』の続編。 初期のような各話独立した単発形式なので、続編というより再開と言う方が近い。 『コミック特盛』で連載されていたのだが、2015年に雑誌が休刊。 後にホーム社のWebマンガサイト・画楽ノ杜に続きの2話分が2016年に掲載されたが、画楽ノ杜もWEB漫画サイト『Z』にリニューアル。 リニューアル後は紹介ページはあるものの連載は再開されておらず、後にトップページの作品リストからも削除されてしまった。 つまる所、雑誌休刊のごたごたに巻き込まれてなし崩し的に打ち切りになってしまった模様で、更に光原の五十肩によるブランクで復帰の目処は経っていないままとなっている。 Webサイト掲載分を含めた4話分はコミックス未収録のまま。 [部分編集] ◆作者の逝去、病気、不祥事、その他漫画を描けなくなる事による打ち切り 漫画の制作はアニメやテレビ番組と比べ制作側が少人数であり、個人の技量に依る部分が多く、 連載中の作者が重い病気に罹ったり亡くなってしまった場合は、打ち切りを余儀なくされてしまう。 手塚治虫の『火の鳥』、藤子・F・不二雄の『ドラえもん』を筆頭に、作者の死去によって未完に終わった作品は枚挙に暇がない。 なんなら海外でも主人公がピンチの場面で途切れる全編ラフスケッチ状態の単行本という壮絶な最終巻が発行された事で有名な『タンタンの冒険旅行』シリーズのようなケースがある。 但し、プロダクション制度を採用している作品や、作画者と原作者が分かれている作品、アシスタントや弟子が付いていた場合では、 作者に重大な問題が発生した場合も人員を変更し、一旦仕切りなおして連載が続けられるパターンもある。 プロダクション制によって連載を続けた例…『クレヨンしんちゃん』(2009年作者逝去)、『ゴルゴ13』(2021年作者逝去)、『ベルセルク』(2021年作者逝去)など スタッフを変更し連載を続けた例…『味いちもんめ』(1999年原作者逝去により原作者変更)、『ポケットモンスターSPECIAL』(2001年作画担当が病気のため変更)、『キャタピラー -Caterpillar-』(2013年作画担当が急逝したため作画担当を変更)など 中にはアニメ化などメディアミックスされた際に続きが描かれ、作品としての完結に至ったケースも見られている。 また、『まりんこゆみ』も原案担当者が2015年に病死したが、こちらは『ゼロの使い魔』と同様に逝去まで時間の猶予が幾分あったため、原案者が最終回までのプロットを残して作画担当の野上武志に託している。 しかしこれも急逝である場合どうしようもなく、2013年に佐渡川準が自殺(*31)した際は、連載中であった『あまねあたためる』は既に提出されていた原稿分で終了・打ち切りになった。 同様の事例は2015年に31歳の若さで病没した藤原ここあの『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』、2019年に持病が再発して急逝した鬼八頭かかしの『たとえ灰になっても』(*32)でも起きている。 正式な打ち切り発表は出されていないものの、岡崎京子の『森』は1話発表直後に作者が事故で重傷を負って執筆どころではなくなり20年以上中断状態になっている。 病気や死去の他には、作者の精神状態・モチベーションの悪化や戦時下における作者の召集、作者の不祥事(特に逮捕)も打ち切りの原因となりうる。 8マン(1963-1965) 当時『鉄腕アトム』『鉄人28号』と人気を三分していた日本漫画界における最初期ロボット漫画にして三大ロボット漫画のひとつ。 しかしよりにもよって作者・桑田次郎が拳銃を所持していたことが発覚、銃刀法違反で逮捕されてしまったため急遽打ち切り(*33)。 正体のバレてしまった東八郎が人知れず立ち去っていくという最終回はアシスタントの楠高治と小畑しゅんじによって代筆され、桑田版の最終回は1989年の完全版刊行を待たねばならなかった。 他にもアニメ主題歌を歌っていた克美しげるが殺人を犯して逮捕されたり、実写映画が大ゴケして会社を倒産させたり、続編漫画が雑誌廃刊に伴って打ち切られたり、トラブルに見舞われることの多い作品である。 なお桑田は逮捕後も人気は衰えず、2020年に逝去するまで精力的に作品を発表し続けていた。 風魔の小次郎(1982~1983) 本項3度目の登場となる車田正美があの『リングにかけろ』の後に執筆した、大人気現代劇忍者漫画。 実際は打ち切りではなく車田の要望に編集部が応じたことでキチンと完結できた作品である。 最終章である『風魔叛乱編』はスケールこそ小規模化したが話自体はちゃんと上手くまとまっていた。 しかし、車田が終了を望むに至った経緯が作者の判断による打ち切りと言っても過言ではなかったのでここに記載する。 作品自体は非常に人気が高く、車田ももっと長く続けるつもりだったのだが、よりにもよって連載中に父親が急病で倒れてしまう。 車田も看病のため病院へ通う傍ら、距離の問題から「部屋をとった旅館で原稿を執筆する」という最悪なコンディションで描き続けた末、 想いは届かず父親が逝去したことで、モチベーションの回復が不能になる程の精神的ダメージを負ってしまった。 これが原因で連載の終了を決意し編集部も了承してくれたのが事のあらましである。 それでも綺麗に終わらせることができたのだから、車田の職人気質の強さがうかがえる。 「リングにかけろ」連載時にリフォームされた集英社の社屋ビルが『リンかけビル』『車田ビル』なんてあだ名で呼ばれたり、 他ならぬ当人が「ジャンプが300万部突破したのは私の漫画のおかげ」と「実録!神輪会」でネタにして編集部がそれを通したレベルで、 週刊少年ジャンプの屋台骨を支えた彼に対してなら編集部も家庭の事情を考慮して長期休載を了承しただろうが、 一説によると彼は上記の職人気質が裏目に出てそれを選ぶことができなかった模様。 このように車田が執念で完結まで描き上げた事で本作の評価はますます高まり、 連載終了後年月が経ってからOVA・実写化されたり、別の漫画家による続編「風魔の小次郎 柳生暗殺帖」が制作されたりしている……が、その「柳生暗殺帖」がまたまた突然の長期休載に。 宙ポコ(1983) 宙犬トッピ(1984) 藤子・F・不二雄による、「オバケのQ太郎」「ドラえもん」の流れをくむ、SFギャグ漫画。 『宙ポコ』は、「別冊コロコロコミック」月刊化記念として企画され、「ドラえもんにつづく最大のギャグヒーロー」という触れ込みで大体的に始まったものの、藤子Fの「どうしてもドラえもんになってしまう」という判断から、わずか3話で(半ば自主的に)打ち切り。 最終回は、「副主人公・つとむがパーマンごっこをした挙句の騒動」という日常エピソードで、まともに終わらせられない有様だった。 続く『宙犬トッピ』も、「キテレツ大百科になってしまう」との判断から(*34)、6話で打ち切り。こちらはきちんと最終回を描いているのが救いか。 この2作の失敗が堪えたのか、藤子Fは『ドラえもん』に注力するようになり、新作は『チンプイ』『未来の想い出』のみとなった。 新しいものを描こうと思っても、描くことができなかった巨匠の苦労がうかがえる話である。 イタズラなKiss(1990~1999) 多田かおる作のラブコメ少女漫画。 連載期間が10年近いなどなかなかの長期作品であり、主人公の結婚と妊娠疑惑までが描かれるも、 作者が引っ越し作業中床拭きから立ち上がった拍子に誤って大理石製のテーブルに頭を打ちつけた結果、夜に脳内出血を発症して倒れそのまま急逝してしまい未完となった。 幸いにも多田は構想ノートを残しており2008年に放送されたアニメ版は構想を元にして補完し無事完結させている。 かおす寒鰤屋(1995~1996) 現在『王様の仕立て屋』を連載中の大河原遁の初連載作品。 地方在住に加えて週刊連載ということが負担だったらしく、体調が悪化。連載継続不可能としていわゆる「10週打ち切り」よりも早い9週で打ち切りとなった。 週刊連載の過酷さが分かる1エピソードである。現在は通信技術の大幅な発展や郵送が簡単になったことにより、地方での連載も容易になっている。 刻の大地(1996~2002) 少年ガンガンで連載開始し、後にGファンタジーに移籍した夜麻みゆきの代表作。 2002年に「不思議の環~RIDDLE~」をZERO-SUMで連載開始し、刻の大地を月刊から隔月化。隔月連載2本同時進行という体制になったが、体調不良のため2003年初めから休載。2003年12月号から復帰準備の記事「オッツ・キイムnote」を連載するがこれも2回掲載後に休載、最終的に2005年4月号に連載終了発表となった。 2007年にGファンタジーで短期の新連載を開始し漫画家として復帰。作者ブログにて「刻の大地」は(略)「描けなくなった」と発表。 その後同人活動をしていたが、2017年からクラウドファンディング方式で「刻の大地」の「塔の戦い完結編」「天秤の代理編」のWEB連載と単行本化を果たし、更なる続きも同様の形式で行う旨が発表されている。 花と狼の帝国(1996~2003) 藤田貴美と山下友美のコンビによる漫画作品。 一度は掲載誌の廃刊に伴って連載中断の憂き目にあうものの、中断後も読み切りや同人誌という形で作品展開を継続しており、移籍による連載再開も視野に入っていたという。 しかし作者のストーカーと化した熱狂的なファンが作者への迷惑行為を繰り返した事で執筆環境が急速に悪化。 酷い時には作者に対する脅迫まで行われていたらしく、最終的に作者直々に「終結宣言」という名の展開打ち切り&封印宣告がされる事となってしまった。 読者絡みのトラブルによる打ち切りとしては間違いなく最悪のケースであろう。 クラッシュバンディクー ダンスでジャンプな大冒険!(1997~1999) 川嶋亜理による、PSゲーム『クラッシュ・バンディクー』の漫画化作品。 同作の第2作を元にしてストーリーを終え、第3作を2話連載した所で急遽休載となり、連載が再開されることなく打ち切りとなる。なお、休載の2か月後には同ゲームを基にした別作者(後藤英貴)による4コマギャグ漫画が始まっている。 休載理由については当時掲載誌で言及された「作者の急病」以上の情報が無く長らく不明瞭のままだったが、2012年に作者の妹(*35)がブログで、1年前に姉が亡くなったことを明らかにした。 しかし1999年当時休載した理由は不明のままであり、2011年に川嶋亜理氏が亡くなった事との関連も不明である。 最近になり「ゲームに先駆けて登場したニセクラッシュの版権問題で揉めたのではないか?」との説も浮上しているが、休載後に別作者のクラッシュの漫画が連載開始したため、信ぴょう性は低い。 世紀末リーダー伝たけし!(1997~2002、2005) 作者が援助交際で捕まるというあんまりにあんまりな理由で打ち切り。打ち切り告知文はちょっとした話題となった。 作品自体の評価は高く、またストーリーも佳境に入っていた所だったため、「作者の人格と作品の出来は別」として継続を望む声も多かった。 発売予定だった単行本は中止になり既刊も絶版になるが、2004年になってワイド版として復活。 単行本からワイド版への再録が終わった辺りで、『スーパージャンプ』誌に誌面を移して中断箇所から連載も復活。2005年に完結した。 なお、作者の島袋は一時期漫画家どころか社会生命まで危ぶまれたが、その後『トリコ』で再び人気を得たのはご存知の通り。 こちらも無事に完結を迎えたが、上記の通りその後連載した『BUILD KING』は打ち切られている。 似たような例として、2017年に『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』が作者が児童ポルノ作品所持で書類送検されるという理由で一時連載が中断されている。 ただ、こちらは逮捕ではなかったためか期間をさほど置かずに連載再開している。 01 ZERO ONE(1999~2000) 奥浩哉によるVR格闘ゲーム漫画。 3DCGをふんだんに取り入れた斬新な作風だったが、制作環境構築のための投資金額と人気が釣り合わず作者の資金切れによる自発的な打ち切りとなってしまった。ちなみに本作のノウハウを取り入れて成功したのがGANTZである。 Van-ditz(2002) エニックスお家騒動でコミックブレイドに移った斎藤カズサの新作漫画だが、創刊号から4話まで載せた所で作者の体調不良により休載。 一応、話はキリが良い所ではあった。 以降も休載扱いのままとなっていたが、その後続報もないまま雑誌が書籍からウェブへと移行し、本作については特に触れられないままとなった。 作者がHP等も持たずSNS等もやっていないため、作品どころか作者が現在どうなっているのかも全く不明。 コータローまかりとおる!(1984〜2004) 週刊少年マガジンで蛭田辰也が執筆していた漫画。 主人公の功太郎がおちゃらけながらバトルやスポーツに明け暮れるギャグ寄り漫画シリーズだったが、 シリーズ最終章といえる『コータローまかりとおる!L』の物語の中途で作者の体調不良のため休載してそのままフェードアウト。 『コータロー』『新コータロー』は単行本の巻数は「全◯巻」だが『コータローL』は「1〜8巻」と完結していない扱いで記述しており 講談社としては再開の見込みは薄いとしても「休載中」の扱いとしているようだが実質的な打ち切りと思われる。 R2(2002~2008) これもエニックスお家騒動でコミックブレイドに移った箱田真紀の新作漫画。 コミックス3巻が発売予定になっていたが休載し、3巻も発売されないままとなった。 上記の斎藤同様に音沙汰のない期間が長く続いたが、2007年5月号で久しぶりにイラストが載り、作者の無事が確認された。 2008年に新創刊された「コミックブレイドBROWNIE」で連載再開されるものの雑誌が創刊号のみで予定されていたVol.2が発行されず。 結果、BROWNIE連載陣は他の現行雑誌に移ったりしたのだが、せっかく再開したR2は移籍しないまま音沙汰がないまま消えてしまった。 同作者の「ワールドエンド・フェアリーテイル」の続編、「ワールドエンド・フェアリーテイル・アフター」もコミックブレイドMASAMUNEで再開するものの長く続かず休載となっており、マッグガーデンでの箱田の連載は悉く止まる事に。 以降箱田は漫画連載をしていないが、作者のホームページは2022年現在も更新されており、イラストが載せられている。 華中華(2003~2013) 西ゆうじとひきの慎二による炒飯専門料理漫画。 当初はビッグコミック増刊号のみで連載していたが、途中からビッグコミック本誌に移籍して連載。単行本数も19巻とかなり出版されていたのだが、原作の西が逝去され、生前の意向と遺族の申し出により急遽連載が終了した。 元々一話完結方式のスタイルだったので伏線回収のし忘れ等は無いが、大筋となるストーリーの中盤で突然の終了だったので驚いた読者も多数いた。 Silver(2005) 過去作である『エデンの花(2000-2004)』の要所要所に入っていたバスケットボールの描写が『SLAM DUNK』などのトレースである事が発覚し、『とくダネ!』など漫画と関係ないメディアまでも詳細に取り上げ波紋が広がった。 本作でもバレーボールの描写などに他作品からのトレースが発覚しており、結局作者も盗作を認め、「バスケをまともに描く能力がなかった」と釈明。作品は打ち切りとなり単行本も回収処分となった。 なお、その際に作者の過去作も全て絶版処分にされたが、これに関しては「流石に処罰が大きすぎるのでは」という意見も見られていた。 その後『ちはやふる』でブレイクし完全復活を果たした。 EREMENTAR GERAD -蒼空の戦旗-(2003~2014) アニメ化もされた『EREMENTAR GERAD』のスピンオフであり、本編の2年後の話。 コミックブレイドMASAMUNEで連載が開始され、雑誌休刊後は月刊コミックブレイドアヴァルスに移り連載を続けていた。 2014年11月の第64話を最後に作者の緑内障治療を理由に連載が中断。2015年3月にその理由と共に休載が発表された。(一部はコミックス化されていないまま) マッグガーデンの雑誌形式での発行が止まり、WebのMAGCOMIに移行した後は本作の情報は一切載っておらず、公式でどういう扱いかは不明。 東まゆみ自体、緑内障の治療を宣言してから執筆作業を止めたままであり、2015年に連載が始まった中西達郎との共作『アマデウスコード』も同じく休載したままである。 学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD(2006~2017) 佐藤大輔による人気のゾンビサバイバル漫画。グロテスクはもちろん、ほとんどの女性キャラクターが巨乳描写やエッチなシーンやギャグ要素も練り込んでいる属性もりもりな作品の一つ。 遅筆が目立った作品ではあるが2011年以降は連載や単行本も完全停止状態に。 当時は東日本大震災が起きた時期でもあり、佐藤大輔は震災と作品の悲惨な光景が同じになってしまった精神ショックと心臓病で入院していた事がコメントで公表していたが、2017年に虚血性心疾患で死去。 国内外で復帰の願う声もいたのだが、当時作画担当していた佐藤ショウジは「第三者がそう簡単に続きを書けるはずが無い」というコメントを残しており、『佐藤大輔がこの作品に対して相当拘りが強かった』(*36)と捉えられる発言をした事から絶筆が確定となった。 天然あるみにゅーむ(2007~2013) まんがタイムきららで連載されていた4コマ漫画。作品の詳細は項目に譲るとして、こちらも作者の体調不良により打ち切られた作品の一つ。 作者が脳溢血で倒れたために製作が不可能となり、休載から打ち切られた。その後作者は復帰を目指してリハビリに励んでいたものの、2017年に亡くなられたため、絶筆となってしまった。 バチバチシリーズ(2009~2018) 週刊少年チャンピオンで連載されていた熱血相撲漫画。順調に連載を続けていたのだが、2018年7月3日に作者が急逝し未完に終わってしまった。 チャンピオン2018年43号及び『鮫島、最後の十五日』最終20巻表紙は生前に残した鉛筆画が使われた他、43号では52ページにも渡る追悼企画が行われた。また「大相撲ジャーナル」で追悼企画が行われるなど各所から悼まれた。 追悼メッセージの中には週刊少年ジャンプで『火ノ丸相撲』を連載していた川田も参加している。 主人公の鮫島鯉太郎がソップ体型に鞭を打っての土俵で満身創痍となり今にも死にそうであったため、完結していればまず間違いなく鯉太郎の悲劇が描かれていたことであろう。 石田とあさくら(2011~2012) 月刊ヤングキングに連載されていたマサオによる漫画作品。 元々著者がWEB上で連載していた同名漫画を原型とした作品だったが、連載後期に著作権のある画像素材を著者が盗用していた事が発覚し、正式な謝罪やこの事に対する言及こそ無いものの打ち切られる事に。 よりによってアニメ版の放送が決まっていた最中の騒動というバッドタイミングであり、アニメ自体は連載終了の翌年に放送されたものの、この余波か発売が予定されていた映像ソフトもリリースされず仕舞いで終わっている。というか未だに全話がニコニコ動画にて無料配信されている。 なお、マサオの次回作『忍びのオツトメ』も明らかに打ち切りとしか思えない終わり方となっており、現在彼は漫画界から引退状態となっている。 ……と思われたがペンネームを変え(ここでは伏せるが絵柄は変わっていないのでわかる)、現在は精力的に活動している。 ソマリと森の神様(2015~2019) WEBコミックぜにょんにて連載されていた暮石ヤコによるファンタジー漫画。 2019年10月25日の更新以降暮石の体調不良によって休載が続き、2020年12月22日に正式に連載終了が編集部から発表された。 休載から連載終了発表の間にTVアニメが制作されている。 本日わたしは炎上しました(2018) まんがタイムきららMAXにて連載されていた4コマ漫画。タイトル通り、Youtuberとして活動するJKが再生数を稼ぐ=炎上させるためにありとあらゆる行為も厭わないという風刺ギャグな内容。 …だったのだが、作者が過去にヘイトスピーチをしていた事が発覚し急遽休載となり謝罪文を出す。 ここまでならまだなんとかなったのだが、その後あろうことか作者はTwitterにて送られた挑発に対して過激な煽りを繰り返してしまう。 結果、再開する予定だった連載は急遽打ち切りになるという自業自得な結末を迎えてしまった。 ちなみに作者のPNは「どげざ」。存在自体が出オチな作品になるとは作者も編集部も思わなかっただろう。 その後、作者はTwitterのアカウントを削除、現在はその足取りは不明。 おしかけメイドの白雪さん(2018~2019) 別冊少年チャンピオンに連載されていたもりしげ作の漫画。 突如編集部から休載の告知がされ、それにもりしげのツイッターアカウントが猛反発、他の漫画家とのトラブルなどが発端で編集部から一方的に打ち切られたかのように主張。 ところが編集部側が経緯説明において、ツイ垢と漫画の作者が別であるかのような内容を述べた所で事態が急変。もりしげの公式アカウントの「中の人」及び複数のアカウントが彼の妻によるものと判明し、妻のSNSでの暴走が酷く連載終了を申し出たことが発覚した。 この妻とは一時期「もりしげ」の筆名を共有する共同制作者状態だったという(作画は夫)が、現在では解消されている模様。斜め上すぎる展開に唖然とする読者をよそに、正式な連載終了がもりしげ(夫)のアカウントで告知されるというカオスすぎる展開となった。 その後、2020年にもりしげ(夫)の訃報が伝えられ、本作は事実上の絶筆となってしまった。 なお、もりしげ(妻)は全く懲りず、訃報以前も訃報以降も暴走発言を繰り返しているため(*37)、皆に呆れられている。 落第忍者乱太郎(1986~2019) 尼子騒兵衛作の忍者漫画。 作者が脳梗塞を発症して連載を続ける事が困難になってしまったため急遽打ち切り。 幸い経過自体は良好であったのだが、「3カ月間毎日連載、その後3カ月間休載」の繰り返し(掲載媒体は小学生新聞)というそれまでの連載形式は負担が大きすぎるという判断であった。 ちなみに発症したのが休載期間だったため、話自体はキリのいいところで終わっており、最終巻も問題なく発行されている。 2020年からは、「今昔物語集」など日本の古典を、乱太郎たちを登場人物にして翻案した掌編小説に1ページ漫画(*38)と解説を添えて月1で掲載する「乱太郎とめぐるふしぎな世界」がスタートしている。 アクタージュ act-age(2018〜2020) 週刊少年ジャンプに連載されていた漫画。 コミックの発行部数が200万部を越え、大手企業とのタイアップや舞台化も決まっていたが、2020年8月に原作者のマツキタツヤが女子中学生への強制猥褻で逮捕され、連載終了となった。前述の舞台化も中止が発表されている。 人気漫画であるため惜しむ声が非常に大きいが、被害者が出ている事件であることや犯罪行為と照らし合わせると、漫画の内容が非常にデリケートだったゆえの決断だろう。 事件から2週間ほどたった頃、作画担当である宇佐崎しろのTwitterでは連載終了を初めとした編集部の決定に全面的に同意していること、被害者が『アクタージュ』という作品そのものを見ることによって苦痛を与える可能性を考えて終了は妥当と判断したこと、そして「作品の終了は被害者のせいではないのだから通報などを行った被害者を傷つけることはあってはならない、絶対にやめてください」と言ったコメントが投稿された。 また、同じジャンプ漫画かつ性的な不祥事で共通する上記の『たけし』では「16歳の女子高生との児童買春で逮捕されたとはいえ、女性側も年齢詐称をしていた疑惑がある(*39)」、 『るろうに剣心』は「児童ポルノ動画のDVDを所持していた事による書類送検であり、直接児童に手を出していないしそもそも書類送検だけで逮捕された訳じゃない」のに対して、 「公道で女子中学生を襲った(*40)」といった違いがあり、情状酌量の余地が異なる事がうかがえるため、復活は厳しいと見られているのが現状である。 はらぺこペンギンカフェ(2019~2021) とむとじぇりー ナナイロ(2021) 少女漫画雑誌「なかよし」に連載されていた漫画。共に著者は「きゃらきゃらマキアート」。後者はトムとジェリーのスピンオフ作品。 「きゃらきゃらマキアート」は原作を夫、作画を妻が手掛ける夫婦による共同著作者の名義だった(Twitterによれば2021年で活動歴15年)。 このうち、原作担当者が2020年春から夏にかけて小学生女児に対する強制わいせつ事件を起こし、のちに逮捕され、2021年11月25日に懲役3年・執行猶予5年(保護観察付)の有罪判決を受けたことが、同年12月13日に講談社により公表された。 2作品は11月発売の2021年11月号をもって打ち切りとなり、12月号に連載終了の旨のみ記載されていたが、このような発表になったのは、発行元の講談社が被害者側の心情に寄り添うことを第一とし、裁判の進行を勘案した結果であった。 講談社は、著者との契約破棄・単行本回収および無期限出荷停止・電子書籍版の削除等の措置を講じ、原作者の行為について「断じて許されない卑劣かつ悪質な行為」と厳しく糾弾し、同時に被害者や関係者、読者に対して謝罪の言葉を述べた。 また、作画担当者はTwitterにて、応援してくれた人への感謝の言葉と「きゃらきゃらマキアート」としての活動終了を発表した(但し事件や被害者に関するコメントは無く、「様々な事情」とのみ記している)。 鬼嫁と結婚してしまった結果(2019~2021) 月刊コミックフラッパーにて連載されていた、大和なでしこによる文字通り種族が鬼の女性と人間の会社員男性とのイチャイチャもの。 元々ニコニコ静画やPixivなどで人気を博したものが連載になったのだが、この手の漫画にありがちなネットの人気が単行本の売上に貢献しないパターンに陥り、単行本すら打ち切られる可能性まで出てきた。 この作者は以前から色々騒動を起こす問題人物で、単行本打ち切りまでは回避したいがためか「ファンが単行本を買わないからいっぱい宣伝しないといけない」「アンチが低評価レビューしか付けないから単行本が売れない」と陰謀論を展開しながら作者がTwitterで暴走。 ファンからも苦言を呈されるレベルであったが、面白がった野次馬が料理や建物が軒並み見本写真やGoogleマップの写真を盗用していた事や、体調を悪くした同業者に対してアソシエイトタグを無断で付けたAmazonのURLをリプライで送り広告料を得ようとした(*41)事を掘り出してしまい炎上。 これを重くみたのかフラッパー側は公言しないものの連載は炎上してから2ヶ月後に急に最終回になり、本当に単行本も刊行打ち切りになってしまった。 ちなみに、連載中も同人版を不定期で更新していたためか、そもそもこの漫画が雑誌に連載されていて、しかも単行本発行までこぎつけたことを炎上するまで知らなかった読者が結構いた。TwitterやAmazonでしか評判を見ていなかったせいで宣伝するべき場所すら根本的に間違えていたというオチまで付いてしまった。 嫌われたいの~好色王の妃を全力で回避します~(2020~2021) 小説投稿サイト「カクヨム」で連載中の同名小説のコミカライズで、漫画配信サイトで連載していた。 しかし、読者から漫画家の小田すずかの作品から絵柄のトレースや模倣が見受けられる箇所が多数あると指摘され、編集部が作者の一色真白に問い合わせた所トレースした事実を認めたため、2021年11月に連載の打ち切り、配信とコミックスの出荷停止を決定した。 現在もカクヨムで連載してる原作小説については、作者である春野こももやイラストを担当する雪子はトレース問題とは関係ないとしており、今後も連載や出荷は続く模様。 獣攻遊撃隊アカツキ(2021) 小石ちかさによる異能力ダークアクション。2018~2020に連載されていた「ケモノギガ」の続編にあたる。 6月初めに膀胱内に腫瘍が見つかったことを自身のTwitterで報告し、精密検査の結果週刊連載は難しいと判断、7月3日の更新を最後に連載終了となった。 異世界転生者殺し-チートスレイヤー-(2021) 賭ケグルイの原作者・河本ほむら原作の、月刊ドラゴンエイジ7月号から連載するはずだった漫画。 「世間では勇者のように扱われている異世界転生者たちが実はやりたい放題やってる悪人だった」という触れ込みの復讐譚の予定だった。 解りやすく言えば異世界版ザ・ボーイズ…というか一部の読者からは最低系ジャンルと見做されている。 『小説家になろう』に代表される異世界転生系作品に対するアンチテーゼのつもりだったのだろうが、敵側として描いた転生者たちの描写が余りにもマズかった。 キャラクターデザインや名前、設定などが露骨なまでに既存作品に酷似している上に、同1話では実際に台詞をパロった上で明確な悪役として描かれていた挙句、 「異世界転生者は全員チートスキルを貰ってイキってるだけの陰キャども」という台詞まで出るなど、なろう系作品を馬鹿にしていると受け取られても仕方のない描写に満ち溢れていたのだった。(*42) 更にその異世界転生者たちにも元ネタとされる作品ではチート能力を持っていなかったり、異世界現地人で戦闘能力が無かったり、そもそも『小説家になろう』で連載していない・転生ものですらない作品のパロキャラまで描かれる始末だった。 これらの事から原作者の河本ほむらに対して「あまりにも理解が無さ過ぎる」といった批判が続出し、同年6月28日には編集部からも「ヘイト創作と見做されても仕方ないので連載を中止します(意訳)」と宣言されるなど、前代未聞の1話打ち切りになってしまった(*43)。 なお、後にWebコミックサイト・ストーリアダッシュにて「チートイーター 異世界召喚尽く滅ぶべし」(作者は『屍姫』の赤人義一)というよく似たタイトルかつ題材の作品が連載しているが、作者も内容も関係は無い作品であるため注意すべし。 トモガタリ(2021~2023) エッセイ漫画『ど根性ガエルの娘』でセンセーショナルな話題を呼んだ大月悠祐子が手懸けた『サンデーうぇぶり』にて連載していた漫画。 「虫子」なる漫画家の独白という形で中学校時代の部活動などドロッドロな人間模様が描かれていくが、その中の部員の一人が経歴などからこげどんぼ*に酷似していると指摘が出始め、 実際にこげどんぼ*から「ノンフィクションと誤解されかねない」と訴訟沙汰にまで発展。最終的に「フィクションであり実在人物とは関係ありません」と声明文が出され一応の解決、連載終了となった。 現在作品自体は閲覧不可であるが、こげどんぼ*の趣味用Xアカウントには証人付き訴訟文が掲載されており、こげどんぼ*視点でのいきさつを読むことが出来る。 セクシー田中さん(2017~2023) 周囲からは婚期を逃した奇怪な女性と思われているアラフォーの主人公が実は美人のベリーダンサーで、その秘密を知ったOLとの友情や人間模様を描くという芦原妃名子の漫画で、小学館の「姉系プチコミック」で連載されていた。 2023年10月に日本テレビ系でドラマ化されこちらも好評を博したが、終了直後の2024年1月に原作者の芦原が自殺し、そのまま打ち切りとなった。 原因としてドラマ版のスタッフとのトラブルが報じられ、プロデューサーから芦原に脚本の書き直しを命じられ、漫画連載との並行もあり精神的に追い詰められていたという。 映像化で原作の世界観と乖離してしまう例はこれまでにも多々見られたが、原典の作者が自殺してしまうという取り返しのつかない事態になった影響は非常に大きく、 日テレでは2024年4月クールに予定していた「たーたん」(本作と同じ小学舘作品)の製作中止を発表したほか、漫画作品の映像化が多いテレビ東京でも定例会見で本件に言及している。 星のカービィ デデデでプププなものがたり(1994~2006、2018~) コロコロコミックで掲載された、ひかわ博一作の星のカービィシリーズのコミカライズ漫画。 安定した人気を誇っていたが、24巻から次第に作風がおかしくなっていき、作画崩壊や暗い作風、さらに作者のコメントが不穏なものへと変化していき、2006年には最終回を迎えることとなったが、最終回は最終回であることに関して何も触れられないごく普通の内容であった(*44)。 これらのことから「作者が小学館の編集者からパワハラされの鬱病になった」と言ったうわさが囁かれ、ひかわもこれ以降長期にわたって作家活動を休止していたことから死亡説まで取り沙汰されていたが…… 詳細は当該項目を参照。 ぼくは、せんそうをしらない。(2016) リイドカフェで連載されていたカメントツの戦争ルポ漫画。全2話。正確に書くと全1話だが、こうなってしまうまでには幾つかの深い事情があった。 第1話として描かれたあらすじでは「立ち寄った大衆食堂で相席となった老人から戦争当時の話を聞き、風化させまいとして」「第2話以降は戦争体験者からの体験談を募る」こととなる。 公開後はかなりの反響もあったため、インタビューを続行するも相手は老人。ろくに論理だった聞き取りも出来ず、カメントツは自分の慢心と甘さを痛いほど痛感する羽目に。 それでも担当編集と共にボイスレコーダーから復元作業を行うのだが、当時のカメントツは幾つかの連載を抱えていた作家で多忙に耐えかねたため、結果的に担当編集に資料集めなどを丸投げする形になる。 だが、どれだけ資料を読み込んだとしてもそれは資料をなぞっただけ。インタビューの内容をフィクションで膨らませに膨らませた「創作」が出来上がっただけだった。 後に新聞社からこの作品についてインタビューを受けることになったカメントツだが、取材担当記者の誘導尋問のようなやり方に怒りを覚える。 しかし『やり方は違えど、自分も記者と同じように作品を作っていた』ことを自覚。自省したため、第1話から200日も連載が止まることとなった。(*45) 第2話がこの経過報告として配信されて以降も体験談の募集は行われている…が、連載自体は完全に停止している。 [部分編集] ◆作者多忙による打ち切り 逝去などで完全に描けなくなる訳ではなくとも、作者が多忙すぎて打ち切りにせざるを得ない事もある。 特に作者が複数の雑誌を掛け持ちしている場合、スケジュールが合わずうち1つを打ち切りにする、という結果になりやすい。 この場合、マイナー誌やエロ漫画雑誌の作品が犠牲になることが多い。 この代表格がちみもりを作の『冥王計画ゼオライマー』原作版で、 作者が高屋良樹名義でのメジャー進出のため一端打ち切りになり、23年後に別の一般誌で完結編および続編の派生作品が描かれた。 但し、打ち切りに応じるマイナー誌の側も作家のメジャー進出を後押ししたいということで案外快く応じている場合もある。 この例は天王寺きつね作の『Rape+2πr』で、作者の一般誌連載が決まったため予定していた一章を切って完結を早めた。 プリティフェイス(2002~2003) エム×ゼロ(2006~2008) 共に叶恭弘が手掛けた作品。前者はラブコメで後者は魔法学園モノ。共通しているのはお色気要素の強さ。 ときには下ネタもギャグにぶっこむところがあり、前者はイチモツのモザイク描写も平気で出てくる。 両作品そこそこの人気を博しており、連載も共に1年以上は続けていたが、 作者が遅筆で週刊誌のペースには耐えられないという事情などで、両作品作者都合で打ち切りになってしまった。 どちらも一定数のファンがいただけにアンケートとは関係ない突然の終了が悔やまれる。 叶恭弘は2011年にも『鏡の国の針栖川』を連載したが、こちらはお色気要素をほぼゼロに抑え込んだ結果人気低迷に終わり、最後にお色気要素を全解禁して締め括った。 なお、叶はその後ウェブ媒体である『ジャンプ+』に活動拠点を移し、『KISS×DEATH』や『きるる KILL ME』を隔週ペースで連載している(前者は完結したが、後者は2022年7月より長期休載中)。 仕掛人 藤枝梅安(さいとう・たかを版)(2001〜2014) 池波正太郎の時代小説を劇画化したもので単行本は35巻まで出た作品。 2000年代のさいとう・たかをは『ゴルゴ13』『鬼平犯科帳』『仕掛人 藤枝梅安』の3作に絞って連載を続けていたが 当時のさいとうの年齢は70代で、直属の部下のチーフアシスタント2名も60代であり チーフアシ2人の方が相次いで亡くなってしまう。 このため増加する作業量に対応できず『梅安』の連載終了を表明した。 この作品は「単発の事件に主人公が立ち向かって解決」という時代劇によくある構成なので途中で打ち切っても面白さが削がれるというものではないのでその点は読者が不満を感じることはないと思われる。 原作小説の内容を全て描ききる前に作者が 生前のうちに 終了を決断したので打ち切りと判断できるだろう。 それから武村勇治が作画する新たな『仕掛人 藤枝梅安』が連載開始された。 (作画を変えての続行ではなくあくまで「新生」であり武村版もエピソードを第1話から新規に描いている) こちらは原作小説の内容を一通り描き切って完結した。 残りの2本の連載『ゴルゴ』『鬼平』についてはさいとう死後もさいとうプロダクションの手で連載継続中である。 ダイヤのA(2006~2022) 週刊少年マガジン連載の野球漫画。足掛け15年以上に渡る長期連載だったのだが、第2部の最終回が完全に打ち切りとしか思えない終わり方で物議を醸す事となった。 これに対して作者の寺嶋裕二は体力の低下とスケジュールの厳しさにより週刊連載が難しくなった事と、それに起因して無理して連載を進めて登場人物たちのその後を雑に決めるのが嫌だった事をTwitterにて語っている。 このため、月刊などで連載ペースを落とした上で第3部を連載して欲しいという声も上がっている。 [部分編集] ◆編集部関連の事情による打ち切り 漫画作成に欠かせない存在であるがしばしば漫画家の最大の敵として描かれる編集部。 彼らの漫画への貢献は計り知れないが、その編集部のせいで漫画が打ち切りになってしまうという本末転倒な事例もある。 メタルK(1986) 巻来功士が週刊少年ジャンプで連載した作品。婚約者に両親を殺され自身も生きたまま焼かれた少女がサイボーグとなって甦り、硫酸を含んた溶解性の人造皮膚を武器にかつての婚約者と黒幕の組織の人間に復讐していく…という従来の少年漫画とは真逆の漫画。 この作品は第2話で掲載順が巻末となり(*46)、その後も第8話を除きすべて巻末掲載(*47)という不自然な掲載順で終わっている。 後に作者の自伝漫画で『この掲載順は編集部によって最初から決められており、しかもそれは当時の作者には事前に語られていなかった』ということが判明。ジャンプ生え抜きの作家でない(*48)ことを考慮してもひどい仕打ちである(*49)(*50)。 しかしその異端ともいうべき作風と斬新な設定ゆえに読者人気は編集部の予想以上に高かったため、連載延長すべきかどうかの会議にかかるほどではあった。 残念ながら本作の連載続行はならず10週打ち切りで終わったものの、その後さほど間を置かず代表作となる『ゴッドサイダー』を連載開始、好評を博すこととなる。 かってに改蔵(1998~2004) 週刊少年サンデーにて連載された久米田康治の代表作。 最終巻の数巻前までは特装版やファンブック発売、と本誌側でもプッシュされていたのだが、当時のサンデー編集部によるサンデーの低年齢層を意識した改革宣言により打ち切りが決定した(本編内や単行本おまけにて散々ネタにしている)。 その後、久米田はライバル誌である週刊少年マガジンにて『さよなら絶望先生』を連載、念願のアニメ化、ヒットを果たした。改蔵の方も後にOVA化を果たしている。 ちなみに打ち切りではあったものの、最終回の内容についてはある程度当初からの想定通りだった事が後年言及されている。 BMネクタール(2000~2002) 藤沢勇希が週刊少年チャンピオンにて連載していた、ゴミと食糧の問題を一度に解決してくれる夢の人工生物BM(バイオ・ミート)が町中に解き放たれてしまうというモンスターパニック漫画。 一部で打ち切られるはずだったが、割と人気が出たため二部、三部と続いていき、更に引き伸ばしもされていた。 アメリカが舞台となる四部の構想もあったのだが編集長交代の際に方針が変わってしまい突如打ち切りが決定。引き伸ばしの末に打ち切りという割とあんまりな結末を迎えてしまう。 相当堪えたのか、この作品以降に作者は似たようなものを連載しては打ち切られるというループに陥ってしまっている。 ROZEN MAIDEN(2002~2007) 月刊コミックバーズにて連載されていたPEACH-PITの代表作。バトルロイヤルという当時の流行にアンティークドールという特異なホビーを組み合わせた、まったく新しいジャンルの作品である。 アニメ化で人気に火が付いたが、作者が編集部の怠慢(*51)に腹を立てて喧嘩別れし、非常に中途半端な所で打ち切られることになった。 ストーリー上だけでなく、分量的にも半端であり、最終巻は他の巻の半分ほどしか厚みがない。 その後、『ヤングジャンプ』誌に移籍し、タイトルをアルファベットからカタカナ表記に改めて再開。絶版になった単行本も、集英社から再刊された。 ちなみにバーズ連載分はタイトルがアルファベット名義のままのため、新規の人はアルファベット名義→カタカナ名義の順に読むことを推奨。現在は既刊分を再編集した愛蔵版も発売されている。 艦隊これくしょん -艦これ- side 金剛(2013~2014) コンプティーク誌で連載されていた人気ゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』のコミカライズ。 作者はLiliTHなどで原画を手掛けたこともあるSASAYUKi_。 単行本第1巻はゲーム原作スタッフによるドラマCD付きの特装版も発売され、作者によると特典のない通常版単行本も重版がかかっていたのだが、 その単行本が発売された少し後の14年6月号分から連載休止。その後同年10月号にて「編集部の都合」による連載終了が伝えられた。 詳細は不明だが、角川でのコミカライズなどを手掛けるフリーの編集者がtwitterで 「ある編集スタッフが周囲への了承を受けず独断で行動していたり、彼の話が相手によって異なっていたことがその人物の異動で発覚。複数の作品の連載を止めて立て直しを行ったが、終了せざるを得なかった作品もあった」 というトラブルがあったと述べており、その一つが本作ではないかと推測する声もある。 連載終了後に作者はTwitterで「公の場なので名前は出せないが、この件はある一個人に問題の起因が絞り込める」としている。 『艦これ』のコミカライズ絡みでは、他にもコミックウォーカーでの連載が予定されていた『ブラックオーダー(仮題)』も、 本作の連載終了の発表と同時期に、連載中止が告知されて世に出る事すらなく闇に埋もれる結果となっている。 また、別誌で連載されていた『水雷戦隊クロニクル』も同時期に半年ほど休載していたのだが、こちらは無事連載再開して完結を迎えている。 ゆる艦~女提督プレイ日記~(2014) 上記の「side 金剛」と同様の、艦これコミカライズ。 シナリオ担当 仁藤砂雨&漫画担当 湧井想太のコンビによって描かれたプレイ漫画で、KADOKAWAが運営している無料コミックポータルサイト「コミックウォーカー」に掲載された。 既に連載されていたプレイ漫画「艦々日和」に比べると序盤の進行についてのチュートリアル要素が強く、初期艦娘の選択は電、 そして何より提督になった漫画担当湧井の貧乳から巨乳まで万遍なく愛する変態淑女ぶりと、漢字や英語をろくに読解できないおバカぶりで差別化されている。 1度はコミックウォーカーの閲覧数トップを獲得したりするも、side 金剛の終了とほぼ同時期に連載が中断され、そのまま打ち切りとなる。 特に、最後の掲載となる第8話は電が大破したのに泡食った提督がうっかり進撃させてしまい、次の戦闘で電に攻撃が飛んでくる場面で終わるという、まさに衝撃のラスト。 その後、湧井は自身のTwitter及びPixivで第9話、そして第1話~第8話を公開し、上記の「後でなんとかする型」で本作は完結した。どうなったのかは読者自身が確かめてほしい。 なお、シナリオ担当仁藤はTwitterにて「ネームのOK出たから描いた完成原稿を提出したのに1円も支払われない」と明かしており、 仁藤&湧井コンビの次回作にも「一ヶ月働いて原稿料もらえなかったあの切なみ」「このうらみはらさでおくべきか…」という1コマがあったりしたが、 仁藤はこれ以降KADOKAWAで仕事を行った形跡が確認されない一方、湧井はKADOKAWAにおいて別の原作者による漫画を複数作品連載している。 Mourning Bride(2018~2019) 森山大輔が少年マガジンエッジにて隔月ペースで連載していた漫画作品。 2019年8月に「諸般の都合」で連載が中止される事が発表され、発売が予定されていた単行本第3巻も制作中止が告知されてしまった。 連載中止の告知では作者と編集部の関係悪化が原因である事が暗に示されており、 著者も自身のTwitterで「経緯については先方の発表以上でも以下でもないです」と肯定するコメントをしている。 影守人のジグとメル(2021~2022) 陽歌れいりが東京漫画社のBLウェブマガジン「NUUDE」で連載していたBL作品。 2021年5月に連載を開始したが、担当編集者の連絡不備や打ち合わせすっぽかしなどの不手際から第1話掲載後に休載。その影響から、しばらくして作者が蕁麻疹による不眠症や突発性難聴を発症するなど、肉体的・精神的にも負担となっていた。 11月には連載終了を申し出たが慰留され、12月に編集部が「担当編集のスケジュール管理の甘さと度重なる不手際により、進行面で先生に多大なるご迷惑をおかけした」として休載を謝罪し、「今後は編集体制を整え、先生にご負担のかからぬよう進行して参る所存です」と発表した。 そして2022年5月に第2話が発表されたが、8月にこの2話をもって連載終了することが発表された。 作者によれば、12月の謝罪コメント後も担当編集者の連絡不備・遅延等の不手際は改善されなかったとのことで、編集部との協議の末、連載継続が難しいとして終了に至った。 コミック百合姫、コミック百合姫Sの一部作品 発行当時はマイナーな百合漫画誌だったのだが徐々に人気を獲得し、季刊→隔月刊→月刊と、徐々に発行ペースを上げていった。 だが当初は何の告知も無いまま物語が途中のまま突然連載終了したり、「この続きはコミックスで」というケースがやたらと多かった。 酷い時には掲載作品の半数以上が「この続きはコミックスで」などというケースもあった程。 中には「この続きはpixivで」というケースもあったのだが、こちらは無料会員でも閲覧可能である事が救いか。 後に百合姫Sが廃刊となり、月刊化が決まっていた百合姫と統合したのだが、 百合姫Sで連載中だった作品の幾つかがが「この続きはWEBで無料配信決定」と告知していたにもかかわらず、 結局は『死神アリス』の未掲載分がコミックス最終巻に収録されたのみで、 他の作品は物語が消化不良のまま、連載その物が打ち切りになってしまっている。 この雑誌で問題なのは、作品が突然打ち切りになった事を、誌面上で読者に一切報告しないケースばかりという点だろう。 上記の「死神アリス」などが「WEBでの無料配信が決まった」と告知した件に関しても、結局その後は何の告知もせずに音沙汰無しとなってしまっている。 読者の立場からすればたまった物ではないだろう。せめて進捗状況の告知くらいはすべきだと思うのだが…。 流石に読者から批判が多く集まったためか、その後しばらくは上記のようなケースは見受けられず、まともな完結を迎えている作品がほとんどだった。しかし2019年頃からまたしても、突然長期休載状態になっている作品が幾つか現れ始めている。 そしてこの件に関しての進捗状況について、やはり編集部からはこれまで何の告知もされていなかった。…と思いきや「作者がこれ以上執筆活動を続けられなくなった」という理由から、2020年6月に「凛としてカレンな花のように」、2021年1月に「夢の中で君を探して」の打ち切りが正式発表された。もしかして編集部がここを見た? だが打ち切りの告知は両作品共に巻末の片隅の物凄く狭いスペースで、しかも物凄く小さな文字で書かれている事から、打ち切りの告知が掲載されている事自体に気付かなかったという人も多いのではないだろうか。 「夢の中で君を探して」に関しては、作者が2020年3月に自らのブログで 「命に係わるような物ではないが病気療養をせざるを得なくなってしまい、止むを得ず長期休載せざるを得なくなってしまった」 「現在は連載再開に向けて担当者と話し合っている状況」 と報告していたのだが、この件に関しても誌面上では何の発表もされていない。誌面上で報告出来ない理由が何かあるというのだろうか? …と思ったら2022年4月にセメルパルスが不定期連載になる事が誌面上で発表された際、1ページ丸ごと使って大々的に報じられた上に「作者の体調不良が理由」だとはっきりと記載された。やっぱり編集部がここを見てるとしか…。 同様に突然連載が打ち切られた『百合男子』の作者の倉田嘘は、同作が打ち切られた経緯として 「コミックスが想定していたより売れなかった事を理由に打ち切りを宣告された」と百合姫の誌面上で明かしている。 最終話までのプロットは既に完成していたとの事で、「出来れば最後まで描きたかった」と無念をにじませていた。 [部分編集] ◆打ち切りとはいったい…うごごご 数限りない打ち切りを食らい続けた作家にしか見えない境地がある。 虚無戦記(1999~2000) 数限りない打ち切りを食らった石川賢が辿り着いた、自身の打ち切り漫画をまとめて1つの作品にしてしまうという新境地。 石川はこの漫画を自らのライフワークと評しており、彼の漫画が打ち切られる事は虚無ると呼ばれている。 自分の漫画が打ち切りになって嘆いている漫画家は、彼の漫画を読んで元気を出そう! 「一度の打ち切りが何だ」と思うか、「一度打ち切りになるとその後も打ち切りになりやすいのか……」と感じるかはその人次第であるが。 しかし虚無に挑んだ石川は「虚無の向こうは、やはり虚無でした」と語り、やがて急逝。 全ては虚無の彼方に消え失せてしまった。 ジンキシリーズ(1999~) 『はだしのゲン』に匹敵する超しぶといロボット漫画作品。 今は亡きガンガンWINGで連載が始まるが、エニックスお家騒動の影響で打ち切り。 その後、月刊コミックブレイドで仕切り直しになるが、ミッシングリンク編の連載途中で担当編集とイザコザを起こして連載中断。 そして月刊コミック電撃大王へ移籍し再び仕切り直し、ミッシングリンク編は完結させた。 さらに『オリハルコン・レイカル』を連載していた月刊ドラゴンエイジ(の増刊であるドラゴンエイジピュア)と枠を交換する形で3度目の仕切り直しになるが、ストーリー半ばで急展開となりまたまた中断。(*52) さらにさらに、2016年に月刊チャンピオンREDにて新シリーズ「人狼機ウィンヴルガ」の連載が開始された…が、 2021年末期にTwitterにて「雑誌の規制が厳しくなって執筆モチベーションが落ちている」とのコメントが呟かれ、翌22年には同じ秋田書店の別雑誌であるヤングチャンピオン烈へ「人狼機ウィンヴルガ 叛逆篇」として移籍連載が決まった。何回仕切り直すんだよ 大人の事情による打ち切りと復活を繰り返している珍しい漫画なのだが、ぶっちゃけ続ければ続ける程グダグダかつエログロ漫画になっている…。(*53) こういった経緯もあるので現在では「編集部以上に作者に問題があるのでは?」とする見方も広まってしまっている。 なお、後年に作者が出した同人誌のインタビューにて担当編集とはやはり不仲であった事が語られており、それがストーリーの展開にも影響を及ぼしていた様子。 また、無印時代は作者の前作である『ライフエラーズ』よりも売れてなかった事も明かしており、むしろお家騒動の影響で延命出来たようなものだった事が発覚している。 セーラーエース(2015~2017) ヤングマガジンにて連載されていた美少女高校生がセーラー服を着て野球をする作者の好みを体現したようなスポ根漫画。作者は『頭文字D』などが代表作として知られるしげの秀一。 相手のエース投手が登板を迎えるという展開で唐突に最終回だと告知されるというとんでもない幕切れとなった。 しかも終了告知と同時に作者の次回作となる新連載が告知されるという前代未聞のW告知が行われた。 SNSでも大きな賛否を呼ぶ事態となったが、編集部や作者からこの件に対するコメントは未だに出ていないので真相は不明。 セーラーエースの終了がヤングマガジン2017年第18号、作者の代表作『頭文字D』の続編に近い『MFゴースト』の開始が2017年40号と読者人気による打ち切りにしては異常に間隔が狭いため「しげのは続けたかったが、編集部から『車漫画を描け』という圧力に負けて打ち切りになった」可能性が高いが、真相は今後も闇の中だろう。 珍ピース(2017) やはり打ち切り率の異常な高さで知られる前衛的漫画家、漫☆画太郎が週刊少年ジャンプで掲載した漫画。 もう題名からしてアレだが、一番の問題はたったの3ページで連載終了になったこと。ジャンプ史上最速の打ち切り記録である。 実はジャンプ+での連載告知用漫画を打ち切りと称してネタにしているに過ぎない。 なお、画太郎はこの後『星の王子さま』で正式に連載を獲得している。 【関連項目】 路線変更(連載漫画) 「人気低迷」の原因だったり結果だったり。 移籍連載 「社会的事情」「掲載誌の消滅」「編集部関連の事情」などの場合、掲載誌を変えて連載が続く場合もある。 「マジッスか?! でも、急に最終回とか言われても困りますよ。僕の項目、やっと盛り上がってきたところなのに。打ち切り四天王とか出て来て」 「追記・修正お願いします……的みたいな終わり方でいいじゃないですか」 「そーゆー終わり方ってよくありますけど、僕の項目の場合、10週打ち切りに触れてるじゃないですか。だから「ロケットでつきぬけろ!」や「チャゲチャ」に「マジパング」も出さないとスッキリしないって言うか……」 「そうですね……」 「しかも、打ち切り作家というか作品を放棄する作家である江口寿史も書かなきゃいけないし、シナリオ担当と作画担当が離婚したことで打ち切られたこれが私の御主人様も必要だし、ある意味毎月打ち切られている3番目死神(略)電撃ももえサイズも必要だし、しかも今読んでるキャプテンコマンドーも単行本が全巻発売されているのに全話収録されてないんですよ」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 コメントログ 原作版の「翔んで埼玉」はこれに入るんだろうか? -- (名無しさん) 2023-08-26 19 51 02 合田蛍冬が作画担当した「小悪魔教師サイコ」も打ち切りに該当しないか? -- (名無しさん) 2023-09-11 08 27 02 「ギンカとリューナ」の最終巻(4巻)、本誌には描かれてなかった描き下ろしエピソードあり。 -- (名無しさん) 2023-09-14 14 27 17 ↑最近のジャンプ打ち切りは大抵追加されてないか? -- (名無しさん) 2023-09-14 14 31 50 少年ジャンプの「デビリーマン」は全2巻で打ち切りだけど、コアなファンの間では第2の「Y氏の隣人」って呼ばれるくらいの打ち切り名作らしい。 -- (名無しさん) 2023-09-14 20 24 33 何本もスピンオフを生み出してるにも関わらず、全てが打ち切りエンドの『低俗霊』シリーズは… -- (名無しさん) 2023-09-20 20 30 51 割と長年やってたのにサンデーのBE BLUES!とSwitchは割と打ちきりっぽい終わり方だったな… -- (名無しさん) 2023-09-22 09 24 15 ガチャマンか… 単行本売れてなかったのかなぁ 毎回本当に楽しみにしてたんだけどなぁ -- (名無しさん) 2023-09-23 01 07 05 搾精病棟全年齢版追加していい? -- (名無しさん) 2023-10-22 15 56 14 一ノ瀬家の大罪は伏線何それに入れていいのだろうか。1年ほどの連載でも引き伸ばし感感じるってどういう事だよと。 -- (名無しさん) 2023-11-06 01 11 22 1980年代の少年ジャンプの伝説の打ち切り作品『セコンド』はなんと6週打ち切りだったので、2008年頃の『チャゲチャ』(8週打ち切り)が少年ジャンプ最短記録なのは間違いだよ。 -- (名無しさん) 2023-11-06 19 30 08 ↑2 タコピーの作者って事で持ち上げられてたのに打ち切りの際に「次回作にご期待ください」が無かったし編集部から期待外れで手のひらを返された感じだ -- (名無しさん) 2023-11-07 08 00 20 少年ジャンプの短期打ち切り作品は時々、古本がプレミア価格になる事も少なくない。 -- (名無しさん) 2023-11-07 19 09 50 打ち切り作品からついには公式20周年記念動画が作られるにすら至った『武装錬金』。 -- (名無しさん) 2023-11-11 20 38 54 jinkiの作者に問題があるというのが事実なら、今でも漫画家続けられてるのと矛盾している様な… -- (名無しさん) 2023-11-16 18 49 54 ぼくは、せんそうをしらない。の1話を初めて見たけどすげえなコレ…お年寄りからの聞き取りは大変だと思うけど再開して欲しいくらいには衝撃的だった。陳腐な感想で申し訳ないけどコミカルな絵柄なのに鳥肌立ってしまった -- (名無しさん) 2023-11-23 13 15 19 『おしかけメイドの白雪さん』は作者不祥事で打ち切られ、後に作者逝去で絶筆なんて、まるで歌手の尾崎豊みたいな感じがする。 -- (名無しさん) 2023-11-29 16 50 17 今日発売の月刊まんがタウン(双葉社)は最終号となり廃刊決定だけど、クレしん以外の連載作品は一体どうなりますか? -- (名無しさん) 2023-12-07 13 27 38 少年ジャンプの「アイスヘッドギル」は短期打ち切りだったけど何故か最終巻(2巻)は発行部数が結構多かったという事はコアなファンにだけ根強い人気だったからかな? -- (名無しさん) 2023-12-11 13 38 01 「BMネクタール」挙がってるけど割と綺麗に終われてたし(最後の不安描写はホラーにはありがち)、巻数的にも全3部バランス良くまとまったと思うわ -- (名無しさん) 2023-12-25 23 47 12 ぶっちゃけ3部の時点でモンスターパニック漫画としてやれることはやり尽くしたって感じだったし、仮に4部やってもマンネリ化しそう -- (名無しさん) 2023-12-26 02 12 27 学園黙示録って原作者が未完のまま他作品を書く事が何度もあるのにどうして原作担当させたんだろうと思う -- (名無しさん) 2023-12-26 08 40 39 「勇者の母ですが、魔王軍の幹部になりました。」の漫画版って編集部とトラブルがあって打ち切りになってたのか -- (名無しさん) 2024-01-10 12 08 38 「スケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティ」は当初ヤンマガで連載されてたけど少ししてweb連載になってその数か月後に打ち切りになってたな。作者Xに「やりたいネタがあったけど力及ばず」と打ち切りの説明をしてた -- (名無しさん) 2024-01-30 14 49 47 スケキャン売上が悪くて打ち切りだけどそれに繋がる要素って何があったのか -- (名無しさん) 2024-02-06 14 07 20 「クラッシュバンディクー」の打ち切り、ブログで川島留美氏が作者が亡くなったことは言及してたけど、休載の理由までは言及していなかったはず。 -- (名無しさん) 2024-02-07 07 28 02 廣瀬俊の「葬いの共犯者」は作者Xにて「単行本とマガポケの先読みの売り上げが悪かったので打ち切りとなってしまいました」とのこと。ネット連載してる漫画はこういう理由で打ち切られるって指標になるのかな? -- (名無しさん) 2024-03-25 11 12 35 マガジンエッジはmourning bride を打ち切って、くにはちぶを12巻も続けてた時点でお察し。 -- (名無しさん) 2024-03-28 21 04 33 キャプ翼はどう考えても打ち切りではないだろ。続けていくって言ってるのに -- (名無しさん) 2024-04-05 14 40 37 唯ちゃん達が大人になった「けいおん!」の続編も何か打ち切りっぽい終わり方だったな…あずにゃんが主人公を務めてたやつはもうちょっとマシだったのに -- (名無しさん) 2024-04-06 19 12 16 名前 コメント すべてのコメントを見る
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DS2/SE16-42 カード名:縁を断ち切るヤマト カテゴリ:キャラ 色:青 レベル:2 コスト:1 トリガー:1 パワー:9000 ソウル:1 特徴 《サマナー》?・《竜》? 【永】他のあなたのキャラすべてに、次の能力を与える。『【永】このカードはサイドアタックできない。』 貴様との縁も今日までだ。最後に死の概念を教えてやる レアリティ:C illust. 初出:ニュータイプ2013年4月号 13/10/03 メールマガジン
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登録日:2018/09/03 Mon 19 21 13 更新日:2024/04/04 Thu 20 05 55NEW! 所要時間:約 152 分で読めます ▽タグ一覧 どうしてこうなった アニメ テレビ番組 マンネリ 不完全燃焼 不祥事 創作 大人になったら意味がわかる項目 大人の事情 封印作品 所要時間120分以上の項目 所要時間30分以上の項目 所要時間60分以上の項目 所要時間90分以上の項目 打ち切り 最終回 未完 概要項目 特撮 「人類の毛の自由と平和は、必ず守って見せる!」 「みんなー、元気でねなのらー♪」 「えぇーーっ!? ここで終わりー!?」 この項目では、テレビ・配信番組における打ち切りについて、その背景事情や具体的な様相について紹介していく。 「打ち切り」という言葉そのもの、および海外ドラマとラジオ番組についての事情は打ち切り(海外ドラマ・ラジオ番組)、 漫画は打ち切り(漫画)、ライトノベルは打ち切り(ライトノベル)、オンラインゲーム及びソーシャルゲームはサービス終了で解説する。 【概要】 テレビ番組には明確な放送期間が決まっているものとそうでないものが存在する。 例えばアニメやドラマは最初から「1クール13話」「1年間52話」などと放送期間と回数が決まっているものが大多数である。 一方でニュースやバラエティ、映画などは「いつまで放送するか」が決まっていない事が多い。 前者の場合、当初決められた放送回数よりも短期間で放送が終了してしまえば「打ち切り」となり、大変不名誉な事とされる。 逆に後者の場合、終わりどころの見極めが非常に難しいため、『トリビアの泉』(2002~2006)や『プロジェクトX~挑戦者たち~』(2000~2005)のように、いかに人気番組であってもその最後は「打ち切り」と呼ばざるを得ないものが多い。 番組のレベルが高くても延々と続けたがためにマンネリ化が指摘され、後述する視聴率不振になることもある。 そういう場合は改編の半年前位に終了が告知され、ゲストが豪華になる等お膳立てをたっぷり行い、視聴者側にも充分な準備を持たせたうえで最終回が作られる。 バラエティ番組等でもビッグネームが出てたりセットが派手だったりなど明らかに大きな予算が掛かっている、内容が多数回の放送を前提としているなど、 明らかに長期予定、またはそれを強く目指していることが推察できる作品が短命で終わるということも時々ながら見られる。 そういったケースの場合「惜しまれつつ終わる」というケースがまず無く、単に「失敗」など直接的にネガティブな言葉で表されることが大半である。 なお、この記事で扱う「打ち切り」は地方局で遅れて放送されていたものが編成の都合で打ち切られた場合は含まない。 それはアニメ過疎地域などの問題である。 【概要】 【視聴率低迷による打ち切り】 【路線変更絡みの打ち切り】 【不祥事による打ち切り】 【とばっちりによる打ち切り】 【製作の都合による打ち切り】 【出演者の都合による打ち切り】 【スポンサーの都合による打ち切り】 【ネタ切れによる打ち切り】 【ネットチェンジに伴う打ち切り】 【サービス終了に伴う打ち切り】 【お色気番組の打ち切り】 【その他】 【視聴率低迷による打ち切り】 最も多い打ち切りのパターンがこれ。 民放は基本的に他社のCMを流してスポンサー料を貰うのが収益の1つとなっているのだが、CMを流す企業の目的は「多くの人にCMを観てもらい、自社の製品を知って(買って)もらうこと」である。 故に視聴率の低い番組(=CMも見られていない)と判断されれば、スポンサーが撤退してしまう事があり、結果的にその番組で収益を上げるのが困難になってしまう為、打ち切りとなるのである。 ただし、関連グッズの売り上げが高かったり、スポンサー側が辛抱強く番組続行を要請するなど、スポンサーにとって気にならない事情(*1)があれば、視聴率が低かったとしても続行とされるケースがある。 もちろんその先に待っているのが奇跡の大逆転か、醜態を晒し続けた末の無残な失敗なのかはその時点では誰もわからないのだが……。 かつて視聴率において、録画勢は基本的にCMを飛ばしてみるため意味がほとんどないとされていたが、レコーダー付きテレビ受信機の普及もあり、2016年からはオンエアから7日間(168時間)以内に録画再生で視聴された割合を示す「タイムシフト視聴率」の調査が開始された。 また、2010年代以降はネット配信の存在も無視できなくなり、民放でも2015年からテレビ番組の見逃し配信サービス「TVer」を開始した。 これらの状況の変化から、2020年4月よりテレビ視聴率の調査方式がリニューアルされ、民放が重視する視聴率が「世帯視聴率」から「個人視聴率」に変わることになった。 これに伴い、テレビ朝日を除く(*2)各局では購買・消費意欲の高い13~49歳層の視聴率を重視するようになり、世帯視聴率が高くても個人やタイムシフト率が低く、視聴者層が高齢者に偏った番組を打ち切る例が増えるようになった(*3)。 前述のTVerの普及後はテレビ局側もTVerの再生回数を指標とすることが増え、民放連側も定例会見で「もはや世帯視聴率は時代にそぐわない」という見解を示している。 宇宙戦艦ヤマト(1974)、機動戦士ガンダム(1979~1980) 打ち切りアニメの代表格。そして日本アニメの代表格でもある。 前者は3クール、後者は4クールの予定だったが、視聴率不振によりどちらも1クール短縮された。 行きはさんざん難航したヤマトが、帰路はアッという間に帰ってくるのはこの短縮のためにほかならない。 もっとも、スタッフのトップである西崎が短いインターバルで会議を開き過ぎていたため制作はかなり遅延しており、スタッフ的にはこれで正解だった面も少しだけある。 その後、再放送で注目されるようになり、テレビ版を再編集した映画や続編作品が作られ一大ブームを巻き起こしたのは皆さんご承知の通り。 『ガンダム』はスポンサーのクローバーからスーパーロボット路線への転換を強いられたがこれを拒絶し打ち切られた。 だが、結果としてガンダムはリアルロボットの金字塔となり、アニメ業界や日本の文化に新風を吹き込む結果になった事は言うまでもない。 元々玩具自体は割と売上良好で作品自体も着実にファンを増やしていたのもあり、 打ち切り決定に怒ったファンたちからの抗議の手紙&電話でテレビ局が対応に追われ、これが原因で短期間での再放送が決定。 皮肉なことに再放送でようやく作品人気が視聴率に反映され、劇場版制作に繋がった。それからの人気は言うまでも無いだろう。 とはいえ、こちらはこちらで作画監督の安彦良和が途中で倒れたことからも察せられるように、スタジオの体力的に4クール丸々やれるか不安視していたスタッフはむしろ打ち切りに安堵したなんて証言もある。 なお、対象年齢高めで作っていたけど、スポンサー集めのために低年齢向けと事前に広報していたなんて話があったり無かったり おてんば宇宙人(1981) 国際放映の児童向けテレビドラマ。アルファートゥインクル星の王女チカ(演・高見千佳)が、婚約者のギンギラ公爵(演・横山やすし)から逃れ、日本のとある家庭に居候… と、同社の『コメットさん』や、後の東映『ちゅうかなぱいぱい!』『ちゅうかないぱねま!』のような、アイドル主演の魔法少女コメディもの。 ところが同日に開始した裏番組のせいかわずか9話で打ち切られる。その番組とはあの『うる星やつら』だったのだ。まぁ相手が悪かった。 最終回はごく普通のエピソードで、チカは地球に留まったまま。ギンギラ公爵との決着というメインシナリオも回収していない。 イタダキマン(1983) タイムボカンシリーズの作品。最低でも26話が製作される予定だったが、視聴率低迷により19話で放送は打ち切り。後に未放送の1話が再放送で日の目を見た。 新規視聴者獲得のためにとそれまで土曜18時30分だった放送枠が1時間下がり、山本正之や小山高生といったボカンシリーズの人気を支えた名スタッフをマンネリ化したからという理由でメインから外したりといった事情と、作風が『イッパツマン』から変わった事もあって人気が伸び悩んだ(*4)。 更に放送時間移動先の19時30分台には裏番組に『クイズダービー』があったこと、おまけに野球中継による頻繁な放送休止も視聴者離れに拍車をかけた。 その後、タイムボカンシリーズはフジテレビを離れ、OVAを経て21世紀を目前にテレビ東京系で復活することとなる。 それ以降は読売テレビ制作、7~8年周期でシリーズの新作が放送されている。 ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説(1989~1990・1991) 人気ゲームのアニメ化と過大な期待が寄せられたものの、野球中継などで度々中止にされ、シナリオを消化できなかった上に、 対象層の被る裏番組『おぼっちゃまくん』を始め、他局に視聴率を取られていたため打ち切られた。 そのため本来の予定とは異なる打ち切り用の最終回が制作・放送されたのだが、その内容は 「数十年後のヒロインと思われる老婆が孫らしき子供たちに結末を昔話として語る」というものであった。 このあまりにも強引かつ唐突な終わり方は、当時の視聴者に打ち切り最終回として強烈な印象を残すこととなり、後のアスキーアート「というお話だったのサ」の元ネタとされている。 しかし、翌年早々には打ち切り最終回をなかったことにした続きの第2部が放送され、物語は完結している。 ただ時間が関東ローカル枠だったため、第2部が放送されなかった地域では、 「打ち切りエンドのまま完結したものと思った」「再放送やレンタルビデオで初めて続きを知った」という視聴者も相当数いたようだ(*5)。 なお、後年には地方局の再放送でも打ち切りになるが、それはまた後述。 忍者マン一平/一ツ星家のウルトラ婆さん(1982) 1982年秋、日本テレビとよみうりテレビが「ゲキゲキアニメだ月・木・土」のキャッチフレーズとともに各曜日の夜7時にアニメ枠を追加新設、放送開始したアニメ。 しかし『あさりちゃん』『まんが日本昔ばなし』など裏番組の視聴率を崩せず、ゴールデン帯の児童向けアニメにもかかわらず1クール13話で早々に打ち切られた。 ただ『忍者マン一平』は次クールの金曜夕方に再放送が行われたため、一応半年は放送したことになる。 視聴率の問題もあるだろうが、例のキャッチフレーズやゲキゲキアニメ作品を掲載した下敷きを配るなどの積極的な広報活動を見る限り、局側の期待値があまりにも高過ぎたのは否めないだろう。 もし夕方や日曜午前などほかの時間帯だったら半年~1年続いていた可能性もあったかと思うと、毎回楽しみに見ていた良い子の視聴者が不憫でならない。 特に『忍者マン一平』はこの後、原作漫画の方も連載雑誌休刊により打ち切りとなったため、ファンは踏んだりけったりである。 なお、ゲキゲキアニメの残り1作『ときめきトゥナイト』は野球中継による約1クール分の休止を挟みつつも1年間完走した。 炎のアルペンローゼ ジュディ ランディ(1985) 少女漫画を原作としたタツノコプロ製作のフジテレビのアニメ。 1930年代~1940年代、第二次世界大戦前および戦時中のヨーロッパを舞台に繰り広げられたラブストーリー&サスペンス作品。 1年間の放送予定だったが、視聴率低迷(前番組『よろしくメカドック』が平均15%前後に対し、本作は一桁台を推移)のため、急遽20話で打ち切り。 あまりにも突然決まった打ち切りらしく、最終回においてはこれまで通りストーリーが進み、1940年6月のナチスドイツによるパリ占領まで描かれるが、ラスト2分で超展開。 ナチスの脅威がすっ飛ばされあっという間に戦後になり、主人公の結婚式が入ってEND。これまで積み重ねてきた謎や伏線を完全放置した。 タツノコプロも腹に据えかねたのか、2011年放送の『C』までの25年以上にわたり、タツノコプロのアニメがフジテレビで放送されることはなかった。 ちなみに、本作の後番組は、最高視聴率29.6%を記録する『ゲゲゲの鬼太郎(第3シリーズ)』である。 ピーマン白書(1980) フジテレビが「3年B組金八先生」(TBS)や「熱中時代」(日本テレビ)といった学園ドラマブームに乗じて、かつて『マイティジャック』や『コント55号の世界は笑う』『欽ちゃんのドンとやってみよう!』を放送していた土曜夜8時枠で制作した学園ドラマ。 校長の「小学校からやり直せ!」という口癖を真に受けた中学生25人が中学校を集団脱走し、謎生物や説得に失敗して同行することになった担任教師と共に自分たちを受け入れてくれる小学校を求めて旅に出るというストーリー。ちなみに生徒役の一人は子役時代の冨永みーな。 しかし裏番組が当時天下を誇っていた「8時だョ!全員集合」であったため初回から視聴率5%台と低迷。第2話に至っては2%台を記録してしまう。 このため全26話予定だったところを9話に短縮され、さらには6〜8話が飛ばされて全6回で打ち切り。 翌年の深夜に飛ばされた3話を含めて再放送が行われたが、これ以降は一切再放送もソフト化もされていない。 警視-K(1980) 日本映画界の大スター・勝新太郎を監督・主演に招いて制作された刑事ドラマ。 ゲストには原田芳雄や緒形拳、ジュディ・オングといった豪華な面々が登場した。 セリフは全編アドリブとし、どのような状況でも現場録音のみで対応する(*6)という特殊な制作方式を採用した結果、 初回オンエア中から演者が何をしゃべっているのかわからないという苦情が殺到(当然ながら字幕解説なんてものはない)。 視聴率は第2話で4.2%と、現在の低視聴率番組と肩を並べるワースト記録(*7)を打ち出した。 これに加えて予算オーバーに無理な撮影スケジュールも相まって制作現場は破綻し、26話の予定だったところが13話で打ち切りとなった。 なお、当初予定していた最終回では主題歌及び音楽を担当した山下達郎をカメオ出演させる計画もあったが(当然ながら山下は拒否)、それが無くなったため山下は安堵したという。 Gメン'82(1982) TBS制作のドラマで、1975〜82年に放送された人気ドラマ「Gメン'75」の続編。 土曜21時に放送されていた前作から日曜20時に枠を移しての放送となった。 しかし当時の日曜20時台はNHK大河ドラマ、「久米宏のTVスクランブル」(日本テレビ)、「西部警察PART-II」(テレビ朝日)、「オールスター家族対抗歌合戦」(フジテレビ)……と人気番組の並ぶ激戦区であり、平均視聴率は5%台と低迷。17話で打ち切られた。 もうひとつのJリーグ(1993) 日本テレビ制作のテレビドラマ。同年に発足したJリーグを舞台にしたドラマで、サテライトリーグで奮闘する「東京セインツ」所属の選手たちの活躍・青春を描く。 制作に際してヴェルディ川崎(現在の東京ヴェルディ)が全面協力し、出演者にはサッカーを実際にプレイできるタレントをオーディション実施の上で起用したり、 当時ヴェルディに所属していた永井秀樹選手や阿部良則選手などを登場させたりとかなりこだわった演出がされていたが、視聴率が伸び悩んだため5話で打ち切られた。 その後、鹿児島読売テレビ(KYT)が正式開局する前に行っていたサービス放送で全話放送されたのを最後に再放送やソフト化・配信はされていない。 オレたちのオーレ!(1993) 毎日放送制作のテレビドラマ。上記『もうひとつのJリーグ』と同じタイミングで放送され、同様にJリーグをテーマにしたドラマである。 こちらもJリーグブームにあやかって半年間の放送を見込んでいたが、こちらも最終的に視聴率が5%ほどにまで落ち込み、1クールで打ち切りとなった。 放送枠は元々バラエティ枠であり、人気クイズ番組『ダウトをさがせ!』が放送されていたのだが、これを打ち切りにした上でこの番組を始め見事にコケるという、さながら巻き込まれ事故のような有様となった。 この辺りでテレビ業界では「スポーツ関連の時事ネタに便乗したドラマは受けない」という共通認識ができたとされる(*8)。 その『ダウトをさがせ!』は、ドラマ打ち切り後に2番組を挟んで『ダウトをさがせII』として復活するも、半年もしないうちにクイズ番組の要素を廃止し『ダウトをさがせR』にリニューアルしたが、視聴率が全く振るわず1年持たずに打ち切られた。 『ダウトをさがせ!』自体は元々それなりに人気があったため復活したのだが、当時の絶頂期の『マジカル頭脳パワー!!』が真裏にあったため(*9)あっさり撃沈してしまった。 西遊記(1994) 前年にスペシャル番組として放送された本木雅弘版『西遊記』が好評だったため、孫悟空役を唐沢寿明に変更し、他のキャストも牧瀬里穂、柄本明、小倉久寛、柳沢慎吾と名優を揃え連続ドラマとして金曜日の8時に放送された。 …が、当時の裏番組は「ミュージックステーション」と強力なものがあり、プロ野球のナイター中継による休止も加わり22話の予定が17話で終了。 ソフトも1話のみを収録したVHSが1本出たのみで、全話を見る手段は無い。 ギンザの恋(2002) ウルフルズのトータス松本を主演にした読売テレビ制作のテレビドラマ。 当初は10回の予定だったが、あまりの低視聴率から7話で打ち切りが決定。 6話の最後には「次回最終回!」と書かれたモノリスのようなものが落っこちる演出がなされた。 また、7話からは平山あやが出演予定だったがこれも取りやめとなっている。 あまりの唐突な打ち切りにトータスはショックを受け、俳優業を止めることも考えたという。 低迷最大の理由は裏番組の『SMAP×SMAP』で、ただでさえ相手が悪かったことに加え2002年1月14日放送分では当時交通事故で謹慎中だった稲垣吾郎の復帰生放送が行われ、番組最高視聴率34.2%を記録しており以降暫くは稲垣復帰の無双状態が続くことに。 なお、これに限らず同枠のドラマはスマスマに圧倒されて視聴率が低迷、制作サイドも「何をやってもスマスマに勝てない」と白旗を上げる状態で、最終的にドラマ枠は2004年3月で廃止となっている(*10)。 遊戯王(東映版)(1998) 今や世界的人気を獲得するカードゲームの原作だが、そのカードゲームが主軸になる前の連載序盤がベースであったため、物語やバトルの路線が定まっておらず迷走していた。連載時には人気が低迷したシャーディー編を飛ばさなかったのは褒めるべきか無茶と言うべきか その上『YAT安心!宇宙旅行』や『ウルトラマンガイア』が裏番組であったことも追い打ちとなり、原作の人気を確固たるものにした「王国編」を目前にして打ち切りとなる。 原作者の高橋和希も「このまま続いていても視聴率は取れなかっただろう」と発言している。ただし高橋個人としては割と好きだったらしく、原作漫画単行本のあとがきで言及したりしている。 番組自体は打ち切りだが、主人公と同じ千年アイテムを持つ敵、バクラとの戦いを終えたところでキリよく完結したため、内容としては打ち切り感なく纏まっている。 後に放送開始されたテレ東版は初期こそ低迷したものの、オリジナル要素も交えたストーリーがカードゲーム人気とマッチして大ヒット、現在まで続く人気シリーズとなった。 紳竜のコケてたまるか(1981) テレビ東京で放送されていた島田紳助・松本竜介司会のバラエティ番組。 司会の2人がゲストとコントを繰り広げたり、ゲストの人相を占ったりするという内容であった。 しかし裏番組が「クイズ100人に聞きました」(TBS)、「釣りキチ三平」(フジテレビ)、「新・ど根性ガエル」(日本テレビ)と強豪ぞろいであったため視聴率は2~3%と低迷。わずか6回で打ち切られ、ラテ欄に「終」すらもつかない状況だったという。 紳助は後に自身が司会の「EXテレビ」にて、「コケてたまるか言うてすぐにコケた(笑)」と自虐的に当番組をネタにしていた。 笑ってルンルン(1982) テレビ東京で放送されていたバラエティ番組。司会は関根勤とみのもんた。 一般視聴者がネタを披露して賞金を稼ぐ「ルンルンキャッシュ」などのコーナーで構成されていた。 しかし裏番組が「Dr.スランプ アラレちゃん」であったためか、月曜19時というゴールデン帯であったにもかかわらず0.2~0.3%というとんでもない低視聴率を記録してしまい、わずか8回で打ち切られた。 関根によると当時のテレ東の社長夫人が番組を見て「何だこれは?」とつぶやいたらしい。 テレビ東京にも映像が残っていなかったが、当時高校生だったイジリー岡田が番組に出演した際に自分で録画しており、関根司会の「ウラ関根TV」にイジリーがゲスト出演した際に20年ぶりに放送された。 TVジョーカーズ笑(1983) TBSで放送されていたバラエティ番組。前述の「Gメン'82」の後番組でもある。 堺正章、タモリ、中原理恵、研ナオコらがメインを務め、ゲームやバラエティなどのコーナーで構成されていた。 番組が放送された日曜20時はNHK大河ドラマ「徳川家康」、「久米宏のTVスクランブル」(日本テレビ)、「オールスター家族対抗歌合戦」(フジテレビ)の3番組が幅を利かせていたことから、「家康・久米・欽も真っ青!」(*11)なる露骨に喧嘩を売るようなキャッチコピーを掲げていた。しかし初回の視聴率は1.2%と大爆死。以後も低迷し、わずか3ヶ月で打ち切られた。裏番組を脅かそうとするも逆に低視聴率で真っ青にさせられたのは言うまでもない。 TBSの同時間帯は前述の裏番組の影響で何をやっても長続きせず、同番組の打ち切り後はドラマ枠や単発特番枠と色々変わり、1987年開始のドキュメンタリー番組「新世界紀行」でようやく落ち着くこととなる。 極楽テレビ(1985) 朝日放送制作・テレビ朝日系列で放送されたバラエティ番組。 島田紳助や野沢直子がレギュラーを務め、宇宙人一家が拙い日本語で日本の文化評論をする「アタマ一家」などのコントで構成されていた。 しかし裏番組に「木曜スペシャル」(日本テレビ)、「世界まるごとHOWマッチ」(MBS制作・TBS系)と人気番組が揃っていたため、初回放送では2.9%という深夜番組並みの視聴率を記録してしまった。このため初回終了時点で打ち切りが決定し、わずか5回で終了。 その後は一部出演者を入れ替えた上で「爆笑!!ライブハウス」と改題し(*12)、年末までつないだ。 ニッポン快汗マップ ガムシャラ十勇士!!(1987~1988) 日本テレビで放送されていたバラエティ番組。司会は山田邦子と柳沢慎吾。 一般参加者が敵の妨害を受けながら数々の難関を突破していくという内容であった。 しかし裏番組が全盛期の「ドラえもん」であり、かつ番組の内容がTBSの『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』とモロ被りであったため(*13)、ゴールデン帯であるにもかかわらず最低視聴率1.8%を叩き出してしまい半年で打ち切られた。 クイズ仕事人(1988~1991) 朝日放送制作のクイズバラエティ番組。司会は島田紳助。 「紳助に現金を払うことで回答を変えることができる」「紳助による円広志いじり」という、いつもの紳助ノリが受けて、関西ローカルの金曜23時台の放送でありながら20%台の視聴率を記録する人気番組へと成長。 これを受けて1990年に全国ネットのゴールデンタイムへ移動したものの、視聴率が関西では15~20%とまずまずだったにもかかわらず関東で3~4%という爆死になってしまった。 翌1991年にタイトルを「クイズバトルロイヤル待ったあり!」としてリニューアルしたものの、関東での視聴率が相変わらず伸びず、半年足らずで打ち切り。 この打ち切りは製作側に思うところがあったようで、1993年からほぼ同じスタッフで関西ローカルの「クイズ!紳助くん」を開始。こちらは後述の理由で打ち切られるまで18年の長きにわたって放送された。 音楽派Together(1989) TBSで12年近くに渡って放送された『ザ・ベストテン』の後継番組で、放送時刻は同番組より1時間繰り下げた。 前番組より続投の黒柳徹子に高田純次を加えた司会でスタートした。 しかし、この時期は歌番組全体が不振であり(*14)、その上前番組の目玉だったランキング要素がなくなりトークに重点を置いたためか、華やかさに欠ける内容となって視聴率がほとんど伸びず、3ヶ月で打ち切られた。 トーク主体の音楽番組といえば1994年にはフジテレビが『HEY!HEY!HEY!』を、1996年にはTBSも同様の『うたばん』を立ち上げ人気を博したが、それを考えると本番組はコンセプトが時期尚早だったと言える。 マダムんむん(1999) TBS系列で平日正午から放映されていた情報バラエティ番組で、司会は小笠原亘(月曜 - 木曜)と安東弘樹(金曜)。タイトル通り毎回女優達をマダムと称して招き視聴者からの相談に答えていた。 ところが、当時平日のお昼はフジテレビ系「森田一義アワー 笑っていいとも!」が天下を取っており、裏番組の本作はなんと毎分視聴率測定不可能(要するに何分か実質誰にも番組が見られていないタイミングがあった)という珍記録を打ち立ててしまい、あえなく打ち切りに。 当時TBSはいいとも!を相手に3年間で6番組を作っては打ち切り、作っては打ち切り、を繰り返していた。安定は2000年4月から4年続いた「ベストタイム」まで待つことになる。 ニュースシャトル(1987~1989) テレビ朝日で放送されていたニュース番組。メインキャスターは女優の星野知子。 それまで18時台に放送されていたニュース番組を19時台に移行するという形でのスタートとなった。 しかし開始時刻が19時20分とあまりに中途半端だった上、どの曜日もアニメ、バラエティ、野球中継などが並ぶ激戦区であったため視聴率は低迷。結局1年半で18時台に戻ることとなる。 しかしそちらでも「FNNスーパータイム」(フジテレビ)相手に苦戦し、移動後わずか半年で打ち切られた。 余談だがこの番組を始める影響で「ドラえもん」が18時50分開始に繰り上げられたり、「藤子不二雄ワイド」「宇宙船サジタリウス」を打ち切る必要が生じたりと番組編成にかなりの影響が生じた。特に「サジタリウス」は放送延長が決まりかけており、新主題歌の話も持ち上がっていたという。 JNNニュース22プライムタイム(1987~1988) TBSで平日22時台に放送されていたニュース番組。メインキャスターは元NHKアナウンサーの森本毅郎。 「報道のTBS」のメンツを保つべく、裏番組の「ニュースステーション」に対抗して開始した。 しかし視聴率で「ニュースステーション」には勝てず、その上森本の不倫スキャンダルが文春にすっぱ抜かれたり、スポンサーのリクルートコスモス(現 コスモスイニシア)がリクルート事件に絡んでいることが発覚したなど不祥事が相次ぎ、番組のイメージも下がってしまった。 このためわずか1年で打ち切られ、「ニュースデスク'88(89)」へリニューアルするなどして再起を図るもこちらも1年で終了。流石にここで諦めたのか放送枠は23時台に戻され、メインキャスターに筑紫哲也を据えて「NEWS23」をスタート。こちらはリニューアルを繰り返しながらも現在まで続いている。 なお、当初はキャスターに黒柳徹子の起用が予定されていたが、スケジュール的に「徹子の部屋」「ザ・ベストテン」など他のレギュラー番組を降板する必要が生じた上、かつて「ベストテン」で共に司会をし、「ニュースステーション」のキャスター就任のためにベストテンを降板した久米宏と何かと比較されることに本人が難色を示したためお流れとなった。 当時TBSは視聴率でフジテレビに次ぐ2位に付けていたが、本改編と後述する92年の大改編が大コケし、坂道を転がるように転落してゆくこととなる。 総力報道!THE NEWS(2009) TBSが2009年春から開始した平日夕方のニュース番組。メインキャスターは小林麻耶。 放送時間は他局の17時・18時台より1時間遅い18時・19時台となり、電子番組表にはNHKの『NHKニュース7』を意識したためか、「NHKに真っ向勝負!」と書かれていた。 だが、開始前から混乱が起きてしまい、19時台を全国ニュース枠としたためか、同じ時間帯にローカルの野球中継を放送している局から苦情が殺到し、系列局のCBCテレビからは番組全体をローカル枠とするよう求めた末に19時30分での終了ができるようになったが、番組全編のネット返上までは認められなかった。 開始後も視聴率は4〜7%と低迷。テコ入れとして7月20日からは報道局デスクの竹内明が起用されたが、視聴率の改善は見込まれず、9月28日からは17時・18時台にフリーアナウンサーの堀尾正明がメインキャスターの『イブニングワイド』を開始したため、放送時間が19時台のみと短縮。最終的には2010年3月で打ち切りとなった。 本番組新設に伴い、TBSでは人気番組だった『フレンドパーク2』等を20時台に移動させるなど大型改編を実施したが、番組の打ち切りに伴い『フレンドパーク』が元枠に戻る(も更に1年後に終了)という特大ポカをやらかしている。前述の88年改編以来まるで成長していない… これらの失態に継ぐ失態は他の事業にも影響し、特に横浜ベイスターズの暗黒期と言われる低迷を招いた遠因となってしまった。 知りたがり!(2010~2012) フジテレビで放送されていた平日の情報番組。メインキャスターはフジテレビアナウンサーの伊藤利尋。 2010年から午前10時台・11時台前半にて放送開始。これまでの枠は生活情報をメインとした情報番組が放送されてきたが、本番組では報道色を強めた内容にリニューアルし、関東地区での平均視聴率は5%で推移していた。2012年からは14・15時台に枠移動し(*15)、メインキャスターにフリーアナウンサーの住吉美紀が加わり、金曜日のみに出演していたロンドンブーツ1号2号の田村淳を全曜日のメイン格のコメンテーターとして起用した。 しかしながら、関東地区での視聴率は2%前後と低迷し、2013年3月29日を以って打ち切りとなった。 日曜ゴールデンで何やってんだテレビ(2012~2013) TBSで放送された、ビートたけしと石橋貴明が初共演にして総合司会を務めたバラエティ番組。 「今のテレビに足りないものとは何か?」等といったたけしと石橋が色々構成を練って実行していくという実験型痛快バラエティー。 しかし放送開始の時点で視聴率はぶっちぎりで低く、2013年3月3日放送分では3%程の視聴率しか取れなかった。これが災いしたか、その後はつなぎ編成にひっそり移行し、同年4月11日に局側が打ち切りを決定したと報じられた。 実質的な最終回である3月3日放送分では「終」のマークも一切無く、ネットを見て打ち切りを知った人も多い模様。 いっぷく!(2014) TBSで放送されていた平日朝の情報番組。メインキャスターはTOKIOの国分太一。 1996年から17年半にわたり放送された『はなまるマーケット』の後継番組として放送開始。 これまでの『はなまる』の放送時間は他局の8時開始より30分遅い8時半開始だったが、この番組からは8時開始に設定している。 放送内容も『はなまる』で扱っていた生活情報を引き継ぎながら、他局のワイドショーのように時事ニュースを扱うコーナーも新設していた。 開始後の視聴率は1〜3%と大きく低迷。テコ入れとして9月29日からは前半をニュースコーナー、後半を生活情報コーナーとしたが、最終的には2015年3月で打ち切りとなった。 【路線変更絡みの打ち切り】 視聴率不振に陥った場合、打ち切りの前にしばしば行われるのが路線変更である。 現在の路線は視聴者にウケないと判断され、テコ入れとして新しいコーナーを設けたり番組のカラーを変更したりする(特に特撮番組に顕著。『ウルトラマンレオ』(1974~1975)、『仮面ライダーX』(1974)、『ブルースワット』(1994~1995)など。『レオ』の場合はオイルショックによる影響なので致し方ないが)。 このあたりは路線変更(特撮)の項も参照。 もっとも全く新しい事を行って視聴率が回復する保証はないという理由から、一度成功した番組のフォロワーと化す事が多い。 結果として旧来のファンからも見捨てられ、打ち切りとなってしまうのはよくある話である。 特に保守思考が根強いヲタ界隈では路線変更は基本的に評判が悪い。 著名な例を挙げると、路線変更を受け入れて4クールを放送しきった『仮面ライダー響鬼』(2005~2006)は「路線変更さえなければ…」「響鬼は前半まで」という評価が一時期幅を利かせており(路線変更に対して怒りを抑えきれなかった主演俳優の細川茂樹が、後半のメインライターが書いた最終回脚本を書き直すという異常事態を招いた)、 路線変更を拒否して3クールに放送短縮された『ウルトラマンネクサス』(2004~2005)は「よくぞ路線変更せずに作り上げた」という評価が一般的になっている。 とは言っても、『ネクサス』の脚本を手掛けた長谷川圭一は「放送短縮が決定した時点で脚本:村井さだゆき・監督:阿部雄一(現・アベユーイチ)による第4クールの回がクランクイン直前であった」と証言しているため、売上がよければ本来のストーリーで放送されていたのかもしれない。 ただ、一概に「路線変更は改悪」と決めつけるのは決して良い判断とは言い難い。 例えば初代『仮面ライダー』は初期の怪奇路線を転換した事で、『ルパン三世』は第2シリーズから子供向けを意識した事で、どちらも現在まで続く人気シリーズとなったのだ。バラエティ番組では『Qさま!!』が良い例だろう。 前述した『響鬼』についても、放送当時から「路線変更後も嫌いじゃない」「言われるほど悪くはない」「ガラッと変わったのは事実だけどそれはそれで面白い」「むしろ英断だった」という旨の声は少なからず存在し、 当時こそ否定派に押し切られた感はあるものの、時を経た現在は再評価する動きも増えつつある(*16)。 何より『響鬼』は路線変更に踏み切った事で、その後ニチアサの平成仮面ライダー放送枠を10年以上維持し続ける成果に繋げている。その後の仮面ライダーシリーズの隆盛はアニオタ諸君も知るところだろう。 逆に『ネクサス』は放送短縮を受け入れた事で母体としていた「ULTRA N PROJECT」の頓挫、ただでさえ数十年以上に亘って赤字体質が続いていた円谷プロの業績悪化に拍車がかかり、 2007年に倒産寸前に陥った円谷プロがTYOに経営権を譲り渡す結果を招いてしまったという事実だけは念頭に置くべきである(*17)。 そもそも放送短縮に陥ったのは、いくら内容が大人向けだったとはいえ、本来のメイン視聴者である児童層から支持を得られなかった事の裏返しなわけで、本末転倒な状態になっている事を忘れてはならない。 ルパン三世(1stシリーズ)(1971) 今や国民的アニメと化した『ルパン三世』、その記念すべきファーストシリーズ。 いわゆる「緑ルパン」として有名な今作は「業界初の大人向けアニメ」を標榜して製作されており、演出にあの『ムーミン』を手がけた大隅正秋、脚本にピンク映画出身の大和屋竺と異色の顔ぶれが並ぶ、極めて意欲的な作品だった。 しかしいざ放送開始されると、視聴率一桁台と大きく苦戦。アニメを放送すれば視聴率20%が当たり前だった時代背景もあり、桁違いに低迷していた今作はテレビ局やスポンサーの意向もあって路線変更を余儀なくされてしまう。 だがこれに猛反発したのが演出の大隈氏。「売れる保証もないのに今更子供向けに作り直せるか!」と激怒し降板してしまう。そこで急きょピンチヒッターとして起用されたのが、あの宮崎駿と高畑勲のコンビである。 二人による突貫工事とも言える軌道修正は功を奏し、視聴率も9%と多少は改善。だがやはりそれでも十分とは言えず、結局全26話予定のところを23話で打ち切りとなってしまった。 しかし皮肉なことに、打ち切りの憂き目にあってから数年後、再放送を繰り返すうちに人気が高騰。上述のセカンドシリーズが製作されるに至った。 その後の躍進ぶりは周知の通り。 路線変更前に予定されていたストーリーは想像で補完するしかないが、後年になって一部がコミカライズされている。 どれもハードボイルド色の強い内容であり、初期の作風が好みだというファンは決して読んで損はないだろう。 ほろにがショー 何でもやりまショー(1953~1959) 日本テレビの開局翌月から放送されていたゲーム番組。 内容は一般の視聴者たちがくだらない他愛のないゲーム(*18)で競うという内容で、昨今のバラエティー番組の先駆けともいえる内容であった。 1956年の放送分において、当時プロ野球を凌駕する人気を誇っていた東京六大学野球の早慶戦で「早稲田側の応援席で慶應の旗を振った人に5000円を進呈」という企画を放送したが、実は「一般の参加者には危険すぎる」という理由で俳優にやらせていたことが発覚。 これに批判が殺到し、東京六大学野球連盟が日本テレビでの試合中継を拒否する事態にまで発展した。 この影響でマイルドな内容に路線変更せざるを得なくなり、その結果人気が落ちて打ち切られた。 ゲーム企画自体は1963年開始の「底ぬけ脱線ゲーム」に引き継がれた。 気まぐれ百年(1966) 日本テレビで放送されていたバラエティ番組。 青島幸男や牧伸二が出演し、(放送当時)100年前の明治と現在を風刺交じりに比較するという内容であった。 視聴率は高かったが、スポンサーの日立から「風刺が過ぎる」とクレームがついたため第2回以降は内容を変更せざるを得なくなり、番組自体もわずか4回で打ち切られた。 お笑い頭の体操(1968~1975) TBSで放送されていたバラエティ番組。司会は大橋巨泉。 芸能人が「創造力テスト」や「定義づけテスト」といった様々なテストに挑戦するという内容で、最高視聴率30%を記録するほどの人気番組であった。 しかし同時間帯にフジテレビで「欽ちゃんのドンとやってみよう!」が始まったころから視聴率は10%前後にまで低下。スポンサーのロート製薬からテコ入れの話が出るも巨泉は「てこ入れなら俺は辞める」「新番組を作ろう。新番組ならやる」と発言したため、1975年12月をもって番組は終了した。 そして巨泉が企画した新番組こそが後に最高視聴率40%を記録するほどの人気番組となった『クイズダービー』である。 巨泉はこの件について後に「番組には寿命が来ており、テコ入れしても数年で打ち切られるだろうから、視聴率が取れているうちに新番組を始めるつもりだった」と語っている。 闘将ダイモス(1978~1979) スポンサーから要請された路線変更を拒否して打ち切られたケース(……と言われていた。詳しくは後述)。 打診されたのは主な視聴層とメインターゲットがある意味正反対で、玩具の売り上げ低迷に繋がったため。 なんでこうなったのかと言うと、そもそも「男女の愛」をテーマにしたことで「ダイモス」は、 「ロボットアニメと混ぜた『ロミオとジュリエット』」とも評される女の子向けアニメもビックリな純愛ドラマが展開されていたからである。 結果、「メインターゲットである少年たちは気恥ずかしさから他の番組に流れてしまい、恋愛ドラマに惹かれた少女たちがこぞって見るようになった」というのが大まかな経緯(元々前々作&前作はいずれも女性ファンが非常に多く、その流れとの相乗効果なのか『ダイモス』は相当な数の女性ファンがいたのだった)。 そりゃ玩具が売れないわけである。 そしてスタッフが路線変更を拒否したのも、その内容が「ヒロインを殺害して普通のロボットものに回帰してくれ」という、作品のテーマを最悪な方法で根本から否定する物であったから。 長浜監督はこの打診に激怒し、「変更するぐらいなら打ち切りの方がいい」と啖呵を切ったのが打ち切りの真相である。 実際に打ち切りが決まったことで下記の様に多少のブラックな要素が削られるという一側面でのプラス効果は生じたものの、 終盤の展開が慌ただしくなるという弊害も生じており、スポンサー側の打診の内容もかなり悪質だったのもまた事実であった。 勿論、打ち切りでも構わないことを言葉で表明してしまった長浜監督にも責任はあるが、この件に関してはスポンサーの非の方が遥かに大きいと思われる。 もっとも路線変更せずに打ち切られなかった場合は、自業自得な末路を辿ったある主要人物の悲惨極まりないその後の姿で作品を終わらせる予定だったので、 スタッフ達には悪いが、メイン視聴層であった少女たちの精神衛生を考えたら打ち切りを決めた局側の判断は正解だったのかもしれない。 番組自体は年を越しているし、実際に制作された最終回の方も少々ビターながらちゃんとハッピーエンドで終わっている。 長浜監督を筆頭としたスタッフたちもテーマを貫徹できた満足感もあってか、打ち切りになったこと自体は殆ど気にしていなかったようだ。 ……という理由が打ち切りの理由であると長らく言われてきたが、 当時東映のプロデューサーであった鈴木武幸が2018年に発表した著書『夢を追い続ける男』にて、 「(ダイモスの)玩具の売れ行きも視聴率も悪くなかったが、後番組『バトルフィーバーJ』を2月スタートに早めて欲しいという局側の要望で打ち切らざるを得なくなった」 という当時の事情について言及しており、上述の定説については若干信憑性が揺らぎつつある現状である。 大激闘マッドポリス'80(1980) 渡瀬恒彦主演の刑事ドラマ。全国の暴力団を統一した組織・ジャパンマフィアの壊滅を目的に結成された警察の特殊部隊、通称マッドポリスの活躍を描いたもの。 「10秒に一発撃ち、一分にひとりの犯人が死ぬ」というキャッチコピーのもと毎回戦争さながらの過激なアクションが描かれたが、週刊誌や新聞の投書欄に苦情が殺到しスポンサーからも問題視され、最終的に16話でジャパンマフィアが壊滅して打ち切り。 残りの10話はキャスティングや設定はそのままで路線をマイルド化し、タイトルを「特命刑事」と変更して完走した。 突撃HOTスタジオ!(1982) TBSで放送されていたバラエティ番組。 たのきんトリオ・ビートたけし・松本伊代をメインに置き、ミニドラマやゲーム・歌で構成されていた。 ところが当時の裏番組は常時20%越えの「Dr.スランプ アラレちゃん」「うる星やつら」だったこともあり初回視聴率が6.2%、以降も4~6%台を彷徨うなど一貫して低迷し、同年6月末で打ち切り。 翌月からは出演者はそのままで、全編架空の番組宣伝風コントに変更した『笑ってポン!』にリニューアルして9月まで放送。視聴率は12回中6回で10%超えを記録するなど「HOTスタジオ」よりも好調だった。 『笑ってポン!』はその馬鹿馬鹿しいながらも一度聞いたら忘れられないネーミングに加え、たけしが「たった3回で打ち切り」などとネタにしまくり(*19)、後年の『風雲!たけし城』にも「〇〇でポン!」という名前のゲームを多数作ったことから一定の知名度を誇っており、ある雑誌で実施した「有名な短命番組ランキング」では堂々の一位に輝くなど、本番組の存在を考えると皮肉な結果となっている。 【不祥事による打ち切り】 やらせや捏造や盗作の発覚、出演者やスタッフ・芸能事務所の不祥事や軋轢、収録中の事故、その他視聴者から「これはおかしいのでは?」の意見が多数寄せられ、それが概ね事実であった場合を含む不祥事が発生すると多くの場合番組はあっという間に打ち切られる。 ただ、死亡事故などの大事に発展せずに済んだ場合、元の番組が打ち切られても関連番組の放送は継続されたり、安全対策を強化した後継番組が作られることはある。 また、ドラマや映画の場合は「不祥事を起こした人物の出演部分を削除」「キャラクターはそのまま演者を交代させる」「別の役者が演じる新キャラに交代させる」などの措置が取られるケースがあり、 連続作品ではヘッダー指揮官役の潮建志が覚せい剤所持で逮捕された『バトルフィーバーJ』、初代イエローフォー役の矢島由紀が蒸発し、その結果衝撃的な退場回が描かれた『超電子バイオマン』がこれに当たる。 幸いにしてサブカル作品とはあまり縁のない打ち切り理由だが、主演の杉浦太陽が誤認逮捕された『ウルトラマンコスモス』(2001~2002)はかなり危なかった。 やはり不名誉な理由であるために、この類のものはそれまでの内容に関わらず叩きの対象にされやすい。 不祥事の背景には「過剰なまでの視聴率追求」「局側のチェック体制の不備」「プロダクションへの丸投げなど杜撰な制作体制」が報じられることが多く、それがずっと繰り返されているため自浄能力作用が無いと見られていることも叩かれやすい一因。 中には「話は良かったのに…」と擁護されることも無いわけではないが…。 アフタヌーンショー(1965~1985) テレビ朝日の昼のワイドショーで、やらせで打ち切られた番組の代表格といえばまずこれが上がる。 というより「やらせ」という言葉が一般化したのはこの不祥事がきっかけだったりする。 ヤンキー少年少女同士のリンチを「激写!中学女番長!!セックスリンチ全告白」として放映したが、警察がこれを見過ごさず、本格的に捜査を開始。捜査の末に関わっていた少女が逮捕され、警察で「ディレクターが暴力した側の不良少年少女にお金を払って演技させた」と白状したため、やらせであったことが発覚。 しかもこのディレクターは現場でさらなる暴力を煽りたてていた上、被害者としてリンチを受けた側は一切事情を知らされていなかった(つまり、完全なとばっちり&無許可撮影)。世間ではそれを犯罪教唆と言うのだが、視聴率のことばかり考えてそういった倫理観が全く欠如していたようだ。 更には後日、被害者側の少女の母親が線路に飛び込み自殺するという取り返しのつかない結果になってしまった。 当然ながらディレクターは逮捕された上に解雇処分を受け、出演者が次々降板を表明して番組は打ち切りになり、テレビ朝日は危うく廃業(=放送免許剥奪)の危機に直面することになった。 どうにかお上の郵政省(現 総務省)には許してもらい免許再交付をされたものの、行政指導と厳重注意を食らっている。ついでに民放各局に要望書が出される事態に。 最終的には少女とディレクター含む5人が逮捕された。 なお、打ち切りとは言いながら長らく放送されたことから最終回はきっちりと用意され、そこでは20年を振り返る特集が放送された。 この一件により、当たり前だがテレビ朝日の信頼はガタ落ちとなり、長らく視聴率4位に低迷。 その後、テレビ朝日の昼の番組枠は以後10年に渡って半年~1年前後で打ち切られる短命番組が並ぶ「魔の枠」となり、払拭されるには1996年にスタートした『ワイド!スクランブル』を待たなければならなかった。幾度の放送時間の変更はあるものの、『アフタヌーンショー』のみならず『笑っていいとも!』終了後の同時間帯では最長寿番組となっている。 1987年に「新・アフタヌーンショ―」としてスキャンダルネタ抜きで復活するも、視聴率が低迷したうえ、ロケ中にスタッフの水死事故が起こるなどしたため半年で打ち切られた。 土曜ショー(1966〜1972) NETテレビ(現・テレビ朝日)で土曜昼に放送されていたワイドショー。 当初は主婦向けの内容であったが、1971年頃からは天皇制や公害、自衛隊といった際どい内容を取り扱うことが多くなり、郵政省からも問題視されていた。 そんな中、1972年8月12日には「禁止!禁止!それでも歌う!!」という企画を放送。その内容はというと… 「特定の歌を自主規制コードを作って放送禁止にしている業界のナンセンスぶりを皮肉ることで表現の自由について考える」 もうこれだけで危ない予感がする 番組では泉谷しげるが、民放連が要注意歌謡曲に指定している「戦争小唄」を一部歌詞を変えて、さらに後に要注意歌謡曲に指定される「先天性欲情魔」を民放連の音楽審議会のメンバーの目の前で歌唱。さらに泉谷は鶏肉の缶詰の生CMに向かって「くだらねぇ!!やるんじゃねぇ!!!!」「こんなもんうめぇわけねぇだろぉっ!」と罵倒。これが大問題になり、番組は同年9月で打ち切られた。 なお番組は1974年に復活するも、1年で終了している。 真夜中の警視(1973) 関西テレビ制作のドラマ。 撮影中に主演の原田芳雄が自動車事故を起こし、原田とスタッフ数人が軽症を負った。 …と、ここまでだったら撮影中のトラブルで打ち切りまでは行かなかったのだが、何と原田は当時無免許であった。このため道路交通法違反違反で逮捕されてしまい、全13回予定のところを7回で打ち切られた。これにより次番組「追跡」の開始が繰り上がることとなったが、こちらもまた別の理由で打ち切られている。(詳しくは後述) たけし軍団!ヒット ビート(1986) テレビ朝日で日曜昼に放送されていたバラエティ番組。たけし軍団初の冠番組であった。 しかし1986年12月にあのフライデー襲撃事件が発生し、メンバーのうち11人が逮捕されてしまう。このため12月21日放送分で打ち切られた。 翌年4月に新たな冠番組「パァーッといこうぜい」が同時間帯でスタートするも、裏番組が「笑っていいとも!増刊号」だったためかわずか3か月で打ち切られている。 世界の超豪華・珍品料理(1986~1998) フジテレビで不定期放送されていた特番。 芸能人が海外に出向き、蛇、ワニ、ムカデ、ピラニアといったゲテモノ料理や激辛料理を食べるという内容で、そのリアクションが見どころであった。 しかし1998年の放送回にて、ワシントン条約で国際商取引が禁止されているベンガルトラの料理を出演者に食べさせたことに対しWWF日本委員会が抗議。これ以降は1度も放送されず、打ち切り状態になっている。 ただし関係ない部分は後にDVD化されている。 いつみの情報案内人・素敵にドキュメント(1987~1992) 朝日放送のドキュメンタリー番組。 打ち切り理由は上記の『アフタヌーンショー』同様やらせで、ナンパについての映像に出ていたのが素人ではなく、製作会社が雇った女優であることが判明。 司会の逸見政孝が「ドキュメント番組の制作者が最もやっていけない事をやったのは失格です。番組名に私の名前が入っている以上、私の知らない所で行われた行為とは言え視聴者に対する責任を負わなければなりません」と視聴者に向けて謝罪し、番組を降板。そのまま打ち切られた。 なお、この一件で朝日放送はお上から厳重注意を受けている。 疑惑の家族(1988) TBS制作のドラマ。 出演者の一人であった横山やすしの息子・木村一八がタクシー運転手への暴行容疑(それも「相手を再起不能にするほどの重傷を負わせる」ほど酷いもの)で逮捕される事件が発生。木村の出演シーンをカットしてストーリーの見直しを図るも、低視聴率だったこともあり全12回の予定だったところを9回で打ち切られた。 ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!(1990~1993) ウッチャンナンチャンの冠番組で、前述の打ち切りドラマ『ピーマン白書』と同じく、後に『めちゃ2イケてるッ!』が放送される「土曜8時」枠で放送されていた。 番組中のゲームでゲスト出演した香港のバンド・BEYONDのリーダー黄家駒が収録中に事故死したため打ち切られた、「不祥事打ち切り系」では最悪のケース。 幸いにも後に事件に関係ない部分はDVD化されている。 この打ち切りはスタッフにとってもかなり悔しいものだったようで、後にウンナンがホスト格を務めた『笑う犬』シリーズの初期は「YARANEVA」というサブタイトルが付いていたほど。 1or8(1991) フジテレビの深夜バラエティ番組。 「ヒロミがロケット花火をたくさん背負って宇宙へ行く企画!!」と題してヒロミに6000本のロケット花火を括り付け、宇宙に飛ばそうという明らかに無謀な企画を実行したところ、強風に煽られて花火の火が尻に燃え移り、大やけどを負ってしまった。当然ながら企画はお蔵入りとなり、番組自体も騒ぎが大きくなりすぎたことなどから9月で終了となった。 超近未来遭遇!! どーなるスコープ(1992) 読売テレビ制作の関西ローカルバラエティ番組。 「出張アンケート・看護婦さん大会」のテーマで看護婦たちを呼んで座談会を行うという企画を放送したが、実際は現場で働く看護婦ではなく、看護学生やアルバイトなどの「替え玉」を出演させていたことが発覚。番組は12月をもって打ち切られ、この一件で読売テレビはお上から厳重注意を受けている。 その後、同枠は再放送や海外ドラマで半年繋いだのちに新番組が開始。この番組こそが今なお続く『大阪ほんわかテレビ』である。 クローズアップ現代(1993〜2016) NHKの報道番組。 2014年に放送された回にやらせがあったことが発覚。1年近くかかって調査が行われ、メインキャスターの国谷裕子が降板して打ち切りとなった。 翌年キャスターを交代した上で『クローズアップ現代+』としてリニューアルして復活。 筋肉番付(1995〜2002) TBSのバラエティ番組。様々な分野から集めた力自慢達が各種競技で体力と技術の限界に挑戦する。各球技のプレーヤーが用意された板を制限時間内に割るストラックアウトや、後述のSASUKE名物プレイヤーとなる山田勝己もこの番組に出演していた。 しかし、出演者が負傷する事故が発生したため打ち切られた。 跡継ぎとして安全対策を強化した後継番組『体育王国』が作られたが、こちらも放送終了。 一方で派生番組にあのSASUKEシリーズやスポーツマンNo.1決定戦シリーズがあり、これらは不定期特番として現在も放送が続いている。 また、筋肉番付の流れを汲むスポーツ番組としては『炎の体育会TV』が放送されている。 TBS制作の情報・ワイドショー番組(1996) 1996年、ワイドショーのスタッフがオウム真理教の幹部に坂本弁護士の取材ビデオを見せ、それが坂本弁護士一家殺人事件の発端となったとされるいわゆる「TBSビデオ問題」が発覚。TBSは激しい非難を受けることとなった。 これを受けてTBSはワイドショーからの完全撤退を発表。これによりワイドショーを製作していた社会情報局が廃止され、「スーパーワイド」「フレッシュ!」「モーニングEye」「スペースJ」の4番組が打ち切られた。 ちなみに『モーニングEye』の打ち切りを受けて始まったのが『はなまるマーケット』で、当初は半年間のつなぎ番組の予定だったが、結果的に18年も続く人気番組となった。 広島もてなしキング(1997~2000) テレビ新広島で月曜19時から放送されていたローカル番組。 広島県内在住の家族が芸能人を自宅に招待してもてなすという内容で、フジテレビの「おはよう!ナイスデイ」でも当番組の企画を流用した「日本全国もてなしキング」が放送されるほど有名であった。 しかしナビゲーターの佐藤幸弘(テレビ新広島アナウンサー・当時)が東京都内で強制わいせつの疑いで逮捕されたため2000年10月をもって打ち切られ、その後は12月までフジテレビで同時間帯に放送されていた「男と女!!雨のち晴」をつなぎ番組として放送した。 2005年にテレビ新広島開局30周年記念特番として、初代ナビゲーターの棚田徹を据えて一度だけ復活した。 愛する二人別れる二人(1998~1999) フジテレビのバラエティ番組。 応募した夫婦の視聴者の中から選ばれた夫婦が、結婚生活の続行か離婚かを決める番組。 不倫相手といがみ合いを始めたり、出場者がレギュラーパネリストの発言に激怒してスタッフや司会のみのもんたが制止したり、ひとまず一件落着したかと思ったら別の不倫相手が出てきてまた修羅場ったり、という場面が放送され人気を博した。 しかし当たり前だがそう毎週毎週修羅場を山程抱えた夫婦が来るはずがなく、視聴率を取りたいがためにやらせに走り、それが番組に出た一般人の女性が自殺したことで発覚し、いくら視聴率が取れていても…という上層部判断により番組が打ち切られた。 この番組の打ち切り後、半年近くのブランクを経てみのを司会者に据えたまま開始したのがあの『クイズ$ミリオネア』である。 ちなみに、この番組には元ネタとして1991年からアメリカで放送されていた『ジェリー・スプリンガー・ショー』という番組が存在する(*20)。 こちらは出演者同士が放送禁止用語による罵倒や取っ組み合いの喧嘩になるなど素人版WWEともいえる過激な展開が特徴で、本国では低俗番組と槍玉に挙げられていた。 しかし番組の人気は非常に高く、最終的には2018年に終了するまで27年も続く人気番組となった。 二重マル健康テレビ(1998~2001) 福岡の健康食品販売会社・アサヒ緑健の一社提供の健康情報番組。 ゲストを招いて健康の秘訣をトークしたのち、同社が発売する「緑効青汁」を紹介する。 全国の地方局・BSデジタル局・CSで大量に放送され、同社の知名度および青汁の売り上げを大きく伸ばしたが、厚生労働省から番組内容が薬事法に抵触するとの通告を受けて2001年4月に打ち切り。 以降は同社の番組はドキュメンタリーを制作し、その最後に青汁のCMを流す方式に変更された。 ぴーかんテレビ(1998~2011) 東海テレビの情報番組。 震災の被災者を思いっきり馬鹿にしたテロップを誤って表示したため非難が殺到、打ち切られた。 不祥事の背景として、地方局における番組制作体制の厳しさがあったことが発覚している。 なお、東海テレビでは番組打ち切り後は再放送枠としていたが、2013年からは後番組として『スイッチ!』が放送されている。 そこが知りたい 特捜!板東リサーチ(1999~2012) CBCテレビのローカル情報番組。 メイン出演者の板東英二が自身の所属事務所で所得隠しをしていたことが発覚。休止後そのまま打ち切られた。 ちなみに板東の不祥事発覚後に放送されるはずだった正月特番は石川県の北陸放送と長崎県の長崎放送でも放送されることが決まっており、北陸放送はTBSから番組を受けることで対処したが、長崎放送は代わりの番組が確保できなかったため、そのまま放送した。 またこの打ち切りを機にCBCテレビで代替番組として始まったのが、後にTBSをはじめとしてJNN系列局でのネットを着実に増やす事となる『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』である。 プライスバラエティ ナンボDEなんぼ(2000~2010) 関西テレビ制作のバラエティ番組。 MCのメッセンジャー黒田有とニュース番組の放送中に自身がカツラを着用していることを告白したアナウンサー山本浩之がそれぞれムダレッド・ムダブルーに扮し、 視聴者から寄せられた情報を元に無駄遣いばかりしているとされる女性宅を訪問し、無駄遣いの実態を暴くコーナーが人気を博した。 メッセンジャー黒田が傷害事件を起こして逮捕されたため、急遽放送を中止。 そのまま再開されること無く打ち切られ、黒田自身も関西テレビでのレギュラーがなくなったが、2014年には『ナンボDEなんぼ』のMCだった2人に東野幸治を加えた3人がMCの番組『ちゃちゃ入れマンデー』がスタートし、番組名に反して火曜日に移動したが続いている。 奇跡の扉 TVのチカラ(2002〜2006) テレビ朝日制作の生放送情報番組。 毎回全国各地の未解決事件や行方不明者の捜索などをテレビを通じて視聴者に呼びかけ、解決に導こうというもの。毎回安定した視聴率で、実際に解決された事件も多くあった。 しかし2006年7月、番組プロデューサーの使途不明金疑惑が発覚。前々から番組内容に対する苦情(*21)が多く寄せられていたこともあり、同年9月で打ち切られた。 ちなみにこの番組の後枠として深夜からゴールデン帯に昇格したのが「Qさま!!」である。 雲と波と少年と(2003) 日本テレビのバラエティ番組。 メイン企画担当の番組スタッフが飲酒運転で死傷事故を起こしたためにメイン企画が打ち切られ、番組そのものも低視聴率を理由に打ち切られた。 もっとも、この番組自体が2003年1月を以て打ち切られた「電波少年シリーズ」(*22)の2003年春改編までのつなぎ番組だった。 打ち切り後は同年4月の『エンタの神様』開始まで『電波少年』の総集編や特別番組で繋いだ。 みごろ!たべごろ!デンセンマン(2003) テレビ朝日で日曜早朝に放送されていたバラエティ番組。 1970年代に放送されていた「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」のリメイク版で、午前4時台としては異例の視聴率2%台を獲得した「みごろ!たべごろ!ナントカカントカ」の後番組である。 番組公式サイトに「番組を応援してくれる方を募集!!ビデ○リサーチの視聴率を取る機械を持っている人!大歓迎」と当時問題になっていた日テレの視聴率買収問題を皮肉った文言を載せたところ、テレ朝から「不適切である」としてページ削除を命じられ、直後に番組自体もわずか5回で打ち切りとなった。 最終回も特に最終回らしい内容ではなく、番組の最後に「この番組は都合により本日で終了します」というテロップが流れたのみであった。 教えて!ウルトラ実験隊(2004~2005) テレビ東京制作のバラエティ番組。 日常生活で目にする様々な現象を科学的に調査するという内容であった。 花粉症対策を特集した2005年1月25日放送分にて、臨床研究中の「舌下減感作療法」と呼ばれる花粉症治療法を千葉大学の協力を得て撮影し紹介したが、治療実験自体を行っていないにもかかわらず実験により花粉症が治ったと見せかけるような放送をしていたことが発覚。低視聴率だったこともあり4か月で打ち切られ、総務省から厳重注意を受ける事態となった。 なお番組を制作していた日本テレワークは次項でテレビ史に残る一大不祥事を起こすこととなる。 発掘!あるある大事典II(2004~2007) 関西テレビ制作・フジテレビ系のバラエティ番組。 『発掘!あるある大事典』(1996~2004)より改題した番組で、食や健康を中心とした暮らしにまつわる情報を視聴者に提供する。 放送の反響は凄まじく、番組で取り上げられた食品が翌日売り切れることもザラだった。 一方で、実験に対して「無意味ではないか」と専門家から疑問の声が尽きなかった面も。 そこに2007年1月7日放送の「食べてヤセる!!!食材Xの新事実」という納豆によるダイエット効果を取り上げた内容で捏造やデータの改ざんが発覚。 アメリカのダイエット研究で、56人の被験者を2グループに分けて、一方のグループにのみDHEAを投与し、半年間その違いを比較した実験を紹介した際に、痩せた被験者の例として3枚の比較写真を使用したが、これらの写真はいずれも被験者とは無関係なものであった。 テンプル大学のアーサー・ショーツ (Arthur Schwartz) 教授のコメントで、実際には「DHEAの摂取により痩せる効果がある」という趣旨で発言したが、番組では「日本の方々にとっても身近な食材で体内のDHEAを増やすことが可能です。体内のDHEAを増やす食材がありますよ。イソフラボンを含む食品です。なぜなら、イソフラボンはDHEAの原料ですから」と教授が述べていない事実を日本語の吹き替えを利用してあたかも述べたようにコメントを捏造して放送していた。 番組で行った8人の被験者の中で、中性脂肪値が高くて悩んでいた2人は「完全な正常値に戻った」とコメントし、そのデータを紹介したが、実際には血中の中性脂肪値・コレステロール値・血糖値についての検査は行っていなかった。 「あるあるミニ実験」として、納豆を朝2パックまとめて食べた場合と朝晩1パックずつに分けて食べた場合の比較実験のデータを放送したが、実際には血中イソフラボンの測定は行っていなかった。 体内でつくられるDHEAは20代をピークに減少し、食べ過ぎや運動不足によりDHEAの量が低下している可能性があるとして、22歳OL、25歳会社員、37歳会社員のDHEAの量を測定し、年齢の基準値と検査結果をテロップ表示で比較したが、血液採取は行ったものの実際には検査は行っておらず、数字は架空のものであった。 『DHEA分泌は加齢とともに低下する』ことを示したグラフは、慶應義塾大学出版会発行の著作物より無許可で引用していた。 この捏造発覚を受けて番組は急遽打ち切りとなり、これまで複数販売された書籍が事実上の封印作品となり本屋・図書館・小中学校の図書室から撤廃。 その後、外部有識者による調査委員会を立ち上げ、前身の『発掘!あるある大事典』と合わせて、520回の放送全てにおいて徹底的に社内調査を実施した。 その結果、新たに7つの放送について捏造・データの改ざんが発覚した。 + 新たに発覚した7つの捏造・データ改ざん 2005年6月12日放送「寒天で本当にヤセるのか!?」 食物繊維が豊富で、カロリーゼロの食材・寒天のダイエット効果について紹介する内容。 「2週間寒天ダイエット実験」において、血液検査の結果が放送されたが、被験者の一人(以下「被験者A」)の実験開始前の血糖値が放送では正常範囲外の111で1週間後には97と正常範囲内まで低下したとテロップ表示されていたが、制作会社が保存していた検査結果によると、被験者Aの実験開始時の血糖値は97で、正常範囲内であった。実験開始時には正常範囲外であったが、実験によって正常範囲内にまで低下し、効果があったとする番組構成に合わせる為に被験者Aの実験結果のデータの改竄(改ざん)が行われていた(実験前と実験から1週間後との血糖値に変化が全く見られなったのか、実験前の血糖値より実験から1週間後の血糖値が、実験前のものより更に低下したのか、正常範囲外に増加したのかは不明)。 また、同実験の別の被験者(以下「被験者B」)の血液検査についてもデータの改ざんが行われていた。放送では、被験者Bのコレステロール値は、実験開始時322・実験から1週間後310となっていたが、本当の検査結果のコレステロール値は、実験開始時291・実験から1週間後310であり、コレステロール値が逆に増加してしまったのである。 2005年8月7日放送「あなたの身体は損だらけ2 毒抜きで体質改善」 水銀・鉛・カドミウム等の有害ミネラルの排出の必要性について紹介する内容。 ある家族を被験者とした3日間の解毒プログラムを実施し、体質改善がなされたことを示す根拠として、被験者全員の尿検査の結果、水銀・鉛・カドミウムの3種類の有害ミネラルの排出量が増加したことを示すグラフが紹介されており、ナレーションでも「全員に効果が現れた」とコメントした。しかし制作会社が保存していた資料によると、一部の被験者には効果が現れてはいるものの、全員が3種類全ての項目で改善されていたわけではなく、データを改ざんして放送していたことが判明した。 2005年10月16日放送「エッ?!3分でいいの!?有酸素運動の新理論」 1日合計3分、30秒毎に有酸素・無酸素運動を交互に行うことにより痩せることができる新理論を紹介する内容。 番組では、アメリカの大学教授の見解が論拠とされていて、日本語による吹き替えでコメントされた。放送では、 「今アメリカでは1日たった3分で痩せられる画期的な有酸素運動が大ブームです。従来の3倍以上の脂肪燃焼効果が期待出来る常識を覆す新しい理論の有酸素運動なのです」とコメントされていた。 しかし取材時のインタビューを調査したところ、実際には教授は「従来の有酸素運動での消費カロリーが150kcalとすれば、新有酸素運動での消費カロリーは250~300kcal程度である。3分間の運動をして代謝を大幅に上げることを示した研究を見たことはない」とコメントしていた。 また、「この新理論を応用すれば、お腹や太もも、二の腕などの部分痩せも可能です」とコメントされている部分でも、実際の取材時のインタビューでは、「部分痩せはできない」と放送のものと全く真逆の回答コメントしており、教授が述べていない事実を日本語の吹き替えを利用して、あたかも教授が述べたようにするコメントの捏造が行われていた。つまり、アメリカでの1日3分の有酸素運動ブームは全く存在しない、虚構新聞なみの嘘八百のデタラメだったのである。 また、この回では14人の被験者を対象に、日本の専門家が作成した運動プログラムを2週間実施し、その運動によるダイエット効果を測る実験も放送されたが、制作会社が保存していた資料によると、実験に参加した一人の体重について、放送では体重減少幅が2kg減と紹介されていたが、実際の体重減少幅は0.6kgで、実験データを改ざんしていた。つまり、誤差の範囲内で、効果なしに等しい結果であった。 2005年12月11日放送「2005ダイエット総決算SP」 『発掘!あるある大事典II』で過去に取り上げたダイエット食材について紹介していたほか、有酸素運動の効果を高める食材としてカルシウムを取り上げていた。番組内でカルシウムについての情報は、2005年10月16日放送の『エッ?!3分でいいの!?有酸素運動の新理論』の回で取材したアメリカの大学教授が番組スタッフ宛に電話で情報を提供していたのだが、実際には、教授は電話をかけてきたという事実はなく、放送された電話の声はなんと別人の声を吹き込んだもので、コントともとれる、教授を茶化しているようにしか感じられない極めて悪質な捏造であった。 2006年2月19日放送「衝撃!味噌汁でヤセる?!」 味噌汁のダイエット効果について紹介するという内容。 番組では、味噌のダイエット効果について、味噌には大豆ペプチドが含まれていること、大豆ペプチドが腸管から吸収される際に自律神経を刺激すること、とりわけ朝に味噌汁を飲むことで痩せやすい身体になることが挙げられた。これら番組で紹介された味噌のダイエット効果は、アメリカの大学助教授の見解が論拠とされ、放送では助教授は、「味噌が大豆食品の中で最も高いダイエット効果が期待出来る食品なんです。朝食に味噌汁を摂る事は、ダイエットに非常に効果的です」等と日本語の吹き替えで述べていたのだが、実際の取材インタビューで助教授は、味噌に大豆ペプチドが含まれている事と発酵した場合、大豆ペプチドの吸収の効率が高まる事以外は述べておらず、「ダイエット効果についてはわからない」「大豆ペプチドの吸収は納豆の方がよい」ともコメントしている等、助教授が述べていない事実を日本語の吹き替えを利用して、あたかも助教授が述べたようにするコメントの捏造が行われていた。 番組内で紹介した8日間の味噌汁ダイエット実験で、被験者の実験前後の体重比較について、データの改ざんが行われていた。放送内で1.3kgの減少となっていた被験者は、実際には4kg減少していた。また、他の被験者についても放送では2.8kg減少したことになっていたが、実際には4.8kgの減少であった。なぜ大幅に減少したものを出さなかったのか不明だが捏造だとバレてしまうことを恐れて減少幅を少なくしたのかもしれない。本末転倒過ぎる 2006年8月20日放送「チョコレートで本当にやせるのか」 当時噂になっていたチョコレートダイエットについて、賛成派と反対派に分け、論争の形で番組は進行し、最終的には一定の条件を守れば、チョコレートにもダイエット効果があるという結論を導き出し放送した。 この中で、基礎代謝量が落ちている人の方がチョコレートダイエットに効果があるという仮説を実証する為、チョコレートダイエットを行った被験者である親子の基礎代謝量を測定する実験を実施した。この時ダイエットに成功した母親と失敗した娘の基礎代謝量の差が多くなるよう、娘の基礎代謝量を実際は1133kcalであったにもかかわらず、放送では1332kcalとし、母親の基礎代謝量を実際は1020kcalであったにもかかわらず、放送では1081kcalとして、それぞれ実験で得た数値を改ざんして放送していた。 2006年10月22日放送「あなたのダイエットフルーツはどっち?みかんorリンゴ」 みかんとリンゴを使ったダイエットについて紹介する内容。 その中で、紹介された2名の被験者に対して行われた実験は、1日目はパンだけを食べて血糖値を測定し、2日目は先にみかんを食べた後に、パンを食べて血糖値を測定するもの。実験結果を表したグラフは、時間の経過と血糖値の増減を折れ線で表したもので、縦軸は血糖値となっていた。番組では被験者二人ともがパンのみを食べた場合と、みかんを食べた後、パンを食べた場合の結果として、パンのみを食べた場合にはグラフの山型が急で、みかんを食べた後にパンを食べた場合のグラフの山型は比較的緩やかに表現されていた。 しかし、被験者のうちの一人について、制作会社が保存していたグラフでは、放送において表現されたような顕著な差を示すグラフではなく、みかんを一緒に摂取すれば、血糖値の上昇を抑えられるという、実験結果を番組のテーマに合致するよう改ざんしていた。 その他、捏造・データ改ざんは認められなかったが、番組の演出上問題箇所や改善すべき事項が含まれる放送回が8つ存在した。 2005年1月9日放送「〜今夜はお肉をもりもり食べて痩せる〜炭水化物ダイエット」 実験開始前後で基礎代謝の測定が不適切だった。 2005年2月20日放送「体脂肪を減らす救世主」 専門家の確認を得ずに、αリポ酸の折れ線グラフを作成し、研究者への敬意と配慮を欠けることになった。 2005年3月20日放送「冷え人間は太るし老ける!?」 入浴実験の開始前後のNK細胞活性の数値にデータを改ざんした疑惑があるものの、確認は取れず、結論に影響なしの範囲とされた。 2005年4月17日放送「夢診断でわかる!本当のあなた」 被験者が夢を見ていないにも関わらず、あたかも火災に関する夢を見たかのように番組を放送。 2006年1月15日放送「ダイエット緊急企画!食べても太らない方法」 専門家の確認を取るべき部分があったにも関わらず、確認を無視して放送。 2006年3月26日放送「日本が生んだ最強のハーブ ワサビで10才若返る!!」 結論に影響しない範囲内で肌年齢の数字を改ざんした疑惑がある。 2006年4月30日放送「あなたの食事は間違っている?!カロリーの新常識」 あたかも24時間実験したかのような誤解を生じさせた。 2006年10月8日放送「たったこれだけ!足裏刺激でヤセる」 足裏刺激による減量方法に対して疑問視されていた。 関テレはこれにより民放連から一時除名処分を受けた。 また、同じ生活情報番組として知られ「あるある」同様槍玉に上がることも多かった『午後は○○おもいっきりテレビ』(日本テレビ)も、同年9月をもって『おもいっきりイイ‼テレビ』にリニューアルする形で終了。本件の影響か、リニューアル後は生活情報を一切取り扱わなくなった。 フットボール汗(2004~2005) テレビ大阪の深夜バラエティ番組。お笑いコンビ・フットボールアワーの冠番組。 この番組にはフットボールアワーの岩尾望が街ゆく女性にキスを迫るという企画が存在し、ある日のロケでキスを迫った女性に後日オンエアの許可を求めたところ、 その女性の彼氏を名乗る男性が「オレの彼女になんてことしてくれとんじゃ!」と大激怒。キスを迫られた女性もBPOに抗議したため、番組は打ち切りとなった。 そりゃお世辞にもカッコいいとは言えないどころか当時ブサイク芸人の代表格だった岩尾にキスを迫られた挙げ句、その醜態を関西ローカルとは言え公共の電波に乗せて放送されるんじゃ怒りたくもなるよね ぴーかんバディ!(2006) TBS制作の生活情報番組。 医師やトップモデルをゲストとして招き、若者向けの健康情報を提供するというもので、司会には日テレ退社後、初の他局レギュラーとなる福澤朗が起用された。 ところが、同年5月に放送された「白いんげん豆ダイエット」による食中毒事件が発生。 被害者158人(うち30人が入院)という一大事となったため、厚生労働省及び総務省はTBSに行政指導を実施。 以降視聴率が急激に低下し同年8月で打ち切りとなった。 健康系生活情報番組は折からのブームもあって2000年代に隆盛を極めたが、「あるある」の不祥事以降は減少傾向にあり、2022年の「ガッテン!」(NHK総合)終了を最後にゴールデン・プライムタイムからは姿を消している。 ハジメちゃん~あなたの大人年齢は?~(2006) 朝日放送で放送されていたゲストに事前に出題されたアンケートの内容を元にトークを繰り広げる番組。 メインMCを務めていた極楽とんぼ・山本圭壱が不祥事で吉本から解雇されたため打ち切られた(後年復帰している)。 キッパリ!!(2008) TBS系のお昼の帯ドラマ。前年に同じ時間帯で放送されていた『キッパリ!』の続編。 出演者の一人だった旧加勢大周が覚せい剤と大麻の所持で逮捕(*23)されたためそのまま打ち切りに。残り期間は『キッパリ!』の再放送を行った。 狩野英孝★熱血アイドルアカデミー アキパラ嬢(2009) 静岡第一テレビ(SDT)制作のバラエティ番組。SDT開局30周年を記念して開始した番組で、厳正な選考で選ばれたアイドル10人でパラパラユニットを結成し、狩野英孝がプロデュースしていく。 出演していたグラビアアイドルの幸田さゆりが他人のクレジットカードを不正に利用した詐欺容疑で逮捕された事を受け、 SDTとTOKYO MX、tvk、テレ玉では第6回までを放送した段階で、それ以外のネット局では2回・4回・5回までのいずれかを放送して打ち切った。 松井誠と井田國彦の名古屋見世舞(2009) テレビ愛知制作のトーク番組。 出演者の井田國彦と矢部美穂が名古屋の観光地で通行人にインタビューするという企画の収録にて、2人のスケジュールの都合で時間が押し迫っていたため、制作陣が女性スタッフ2人に通行人を演じるよう指示。しかし通行人の氏名とスタッフロールの氏名が一致していたため、視聴者からの問い合わせであっさりバレた。さらには現場にテレビ愛知の社員も立ち会っていたことが発覚。営業部の社員だったとはいえ局側がやらせを黙認したという形になってしまい、テレビ愛知の判断によりわずか4回で打ち切られた。 クイズ!ヘキサゴンII クイズパレード(2005~2011)、クイズ!紳助くん(1993~2011)、紳助社長のプロデュース大作戦!(2010~2011) いずれも司会をしていた島田紳助が「黒い交際(*24)」をしていたことが発覚したため、その責任を取り2011年8月に芸能界を引退。このため同年秋の改編に合わせて当該3番組を打ち切った。 「ヘキサゴンII」は紳助の冠番組ではなかったが、紳助のイメージが強かったため番組継続が困難になり終了を発表。以降はレギュラーメンバーが代理司会を担当して最終回までつなげた。 「クイズ!紳助くん」は紳助出演分をカットして番組のレポーター集団「なにわ突撃隊」を前面に出した特集でつないだ。 なお、『行列の出来る(法律)相談所』や『開運!なんでも鑑定団』について司会者交代で現在も継続している。前者はこれ以降もやたらと出演者の不祥事が多かったりするが今なお続いている 芸能★BANG+(2011~2012) 日本テレビのバラエティ番組。芸能界の事情通が集結してゴシップで盛り上がるという番組。 オセロの中島知子の洗脳疑惑騒動を取り上げた際に、「当事者の占い師がスタジオに登場!」などと煽った挙句、登場したのはその占い師の知り合いの別の占い師だったため、視聴者からの抗議が殺到。 BPOでの審議の末「故意に視聴者を騙そうとしていたとしか考えられない」「非常識だと言わざるを得ない」とのボロクソに叩かれた表明が発表されたため、打ち切りに。 この番組の後継として放送を開始したのが後に水曜21時台に昇格する『今夜くらべてみました』であり、司会のトリオもそのまま引き継がれた。MCは途中から4人になったが、産休・謹慎による欠員が出た期間を挟みながら2022年3月まで10年間も続く人気番組となった。 ほこ×たて(2011~2013) フジテレビのバラエティ番組。 文字通り矛盾したもの同士の対決で、町工場の意地を賭けて闘う姿が人気を呼び、2010年代前半のフジテレビの番組の中では珍しく高視聴率を維持していた。 特に「絶対に穴の開かない金属 VS どんな金属にも穴を開けられるドリル」は人気の高い対決で、「穴の開かない金属」を作っていた金属精製加工メーカーの「日本タングステン」は大きく知名度を上げ、様々な業界からも注目を浴びるほどだった。 が、末期に出演者の暴露で「猿とラジコンカーを紐で結んで、嫌がる猿に強引にラジコンカーを追わせる」「収録から順番を並び替えて編集し互角の勝負を演出」といったやらせが発覚し、即刻打ち切りに。 余談だが、似たような番組としてNHKが2014年から2018年まで「超絶 凄ワザ!」という番組を放送していたが、「手作業VS最新機械」「全く違う専門分野同士がこれまた違う分野に挑む」という形になっており、番組最後に勝敗関係なく「どっちも凄い」で終わらせる形式を取っていた。 Rの法則(2011~2018) NHKのトーク番組。 司会のTOKIO・山口達也が出演者の未成年タレントを家に呼び強引に唇を奪うという強制わいせつの不祥事を起こし書類送検となり、山口の事務所との契約解除(*25)に伴う降板で番組が打ち切りになった。 未成年のアイドルグループメンバーやタレント(R'sと呼ばれる)が多く出演するトーク番組で、近年は「R's世代」にも人気だというアニメやネット小説などcool japanなカルチャーを取り上げたり、 思わぬ人気声優が顔出し出演したり朗読を行ったりしていたので、番組を観たことがあるwiki民もいることだろう。 しかし、以前から「女性の未成年タレントに対してセクハラじみた演出(*26)がある」「出演者の未成年タレントが次々に夜遊びや未成年飲酒事件を起こし降板、事務所からの実質解雇や謹慎処分を受ける事件が数件発生(*27)」といった問題の多い番組であり、女性アイドルヲタには元々非常に評判の悪い番組であった。 マツコの日本ボカシ話(2013) TBS制作のマツコ・デラックスの冠番組。 深夜時代の『マツコの知らない世界』が終了した後に始まった。 毎回呼ばれるゲストは必ずボカシをかけることで顔出しNGの業界関係者を出演させることを実現したバラエティ。 第1回の放送後にゲストに全編ボカシをかける演出が局の内規に抵触する恐れがあると判明した上、視聴者や第1回のゲストである生保レディに関連する生命保険関係者からも苦情が入ったため、放送休止のまま再開されることなく打ち切られた。単発で終わったため事実上の特別番組みたいなもんである。 3B juniorの星くず商事(2015) BS朝日で放送されていたアイドルグループ3B juniorの看板番組。 メンバーにパーティ用ヘリウムを吸わせる企画で、一気に大量吸引してしまったメンバーが酸欠で昏倒して搬送されるという事故が発生。結局2回で打ち切りとなった。 となりの新選組(2016) フジテレビ制作の競馬情報番組。新選組の日常生活(「おバカな」という前句が付きます)から様々な教訓を取り上げ、その教訓と競馬にまつわる様々なトピックスを絡ませて描く短編ドラマ。 主演の高畑裕太が婦女暴行事件を起こしたため、休止の後に打ち切られた。 その後、後番組として高畑以外の出演者を継続させた『ふらり松尾芭蕉』が放送された。 超ポンコツさまぁ~ず(2016~2017) テレビ東京制作の土曜の夕方に放送していたバラエティ番組。 アンジャッシュの児嶋一哉と狩野英孝が街の人々にカラオケを歌ってもらい、その点数と予想した点数の差分に応じた燃料を獲得し、東京から北海道を目指す(東日本の必ず1県は通る)というものであり、そのVTRをさまぁ~ずと女性ゲストが見ながら突っ込んでいくという内容だった。 しかし、2017年1月に狩野が未成年と淫行していた事が発覚し謹慎を余儀なくされた事を受け、企画が一時中断し、収録分は7本分全てお蔵入りになった。 代役としてコカドケンタロウ(ロッチ)と、西村瑞樹(バイきんぐ)を立てて再開するが、2017年3月末をもって打ち切りが決まり、北海道どころか東北地方にすら辿り着くことが出来ず、企画は未完に終わった(*28)。 テレビ東京は狩野が原因ではないとしているが(*29)、事実上狩野の降板が番組終了につながってしまった(*30)。 相方だった児嶋は企画再開後初のロケで実名こそ出さなかったが「お前のせいで番組バタバタだよ!」と怒っていた。最終回の締めでも同様の発言をしている。 とはいえこの一件により狩野と児嶋の関係が特別悪化したわけではなく(*31)交友自体は続いており、テレビ番組やお互いのYouTubeチャンネルで共演の機会もあることを付け加えておく。 余談だが、同局の『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』に児嶋がゲスト出演した際、番組で訪れた新潟のアイスクリーム店に立ち寄ったこともある。児嶋当人はこの影響かすっかり忘れていたが… 美しき酒呑みたち(2012~2018) BSフジで不定期に放送された紀行番組。 出演者の新井浩文が2019年2月に強制性交で逮捕され、同月に放送予定だった最新回は放送されず、2018年10月の放送をもって放送休止となった(明言は無いが事実上打ち切り)。 なお、最後の放送回のゲストが奇しくもピエール瀧(下記参照)である。 ピエール瀧のしょんないTV(2010~2019) そのピエール瀧が司会を務める静岡朝日テレビ制作の深夜バラエティ番組。 4月からのゴールデンタイム昇格(ローカル枠)が決まっていた矢先の2019年3月、ピエールがコカイン使用で逮捕。即座に打ち切りとなった。 NGT48のにいがったフレンド!(2017~2019) テレビ新潟制作の番組。新潟県のご当地アイドル・NGT48とロッチが街ブラロケを行うもの。 2019年1月にメンバーの暴行被害事件が発生。この事件は被害者当人がSNSで発信して発覚したこと(=運営側の隠蔽疑惑)や、加害者が他のメンバーの指示で襲撃したことが報じられるなど大混乱に陥りNGT48の活動が不可能な状態となったことから、同年3月で打ち切り。 この騒動の影響は大きく、NGT48は冠番組のみならず地元企業のCMや県のアンバサダー契約まで解除となり、結果ファンのみならず新潟県自体を裏切る事態となってしまった。 また、ロッチにとっても数少ないレギュラー番組であり、二人にとっても打ち切りはかなりのショックだったことを明かしている。 その後48グループ全般の運営体制大幅刷新を経て、2022年1月から後継番組として「ロッチ×NGT48のアイドルってなんだ?」が半年間放送された。 恋神アプリ(2017) フジテレビの深夜バラエティ番組。 番組名と同名のアプリケーションをスマートフォンにダウンロードした男女の出演者が一緒にデートをするという番組。 ロケ先のパラオで飲酒が許可されるのが21歳以上であるのに20歳の出演者が飲酒したことが問題視されたため、放送開始からわずか1ヶ月ちょっとで打ち切りに。 なお、番組は翌年3月に仕切り直して復活するも5ヶ月程度で終了している。 テラスハウス(2012~2020) 複数の男女をシェアハウスで共同生活させ、人間関係の変化を観察する「台本なし」が売りのリアリティー番組。 フジテレビの深夜枠で始まり、後にNetflix・FODで先行配信してから再編集版を地上波で流す形式に変わった。 計5シーズン作られ、映画化もされる人気シリーズだったが、出演者のひとりが自殺する事件が発生。 直前の番組内の言動がSNSで炎上し、激しい誹謗中傷に晒されたのが原因とみられ、フジテレビは放映を中止、そのまま打ち切りが決定した。 「素人の修羅場」を電波に乗せた点で近いものがある、20年前の同局『愛する二人別れる二人』と同じような経緯をたどった。 問題の言動は心にもないことをスタッフの演出で言わされた、要はヤラセなのではないかとの疑惑も浮上したが、「ネット配信番組はBPOの対象外」など特有の事情もあって、真相はうやむやのままとなっている。 番組にはスタジオ収録パートがあり、タレント達がシェアハウス内の人間模様についてトークを行う形式だったのだが、 おどけたコメントでシェアハウス住人をフォローしたり、場を和ませたりする役回りだったチュートリアルの徳井義実が脱税騒動を起こして謹慎に入っており、 ムードメーカー不在となったスタジオが批判的な雰囲気に偏ったことがSNSの暴走を生んだのではないかとの指摘も出た。 これが正しいとすれば、タレントのトラブルによる謹慎という小さな不祥事(*32)が、取り返しのつかない不祥事を呼び込んでしまったことになる。 こういったリアリティー番組は「予測不能さ」や「視聴者の強い感情移入」が原動力となって高い人気を生むが、 同時にそれがトラブルの温床にもなる構造的な問題があり、欧米や韓国など各地で同様の事件が報じられている。 世界の怖い夜(2008~2017) TBS制作のいわゆる心霊番組でそこそこ人気が高かったのだが、心霊番組という時点で何かを察した人も多いだろう。そう、やらせである。 番組が紹介した心霊写真があり、それは窓に人の顔が…という写真だったが、実際は本当に人が覗いていたのだった…と思われたが、なんと番組がSNSの拾い画(*33)を加工して心霊写真でも何でもない画像に貼り付けるというたちの悪いやらせだった。 そして内部告発によってこれがバレて結果放送は中止になり、これ以降「世界の怖い夜」シリーズは制作されていない。 心霊番組やオカルト番組自体は怖いもの見たさから根強い人気がある一方で、現代では容易に合成・加工ができる時代である事や単なる誤認である事も珍しくないため、やらせではないかと疑いの眼を掛けられるリスクが付きまとうのである。 その後心霊番組自体は「口を揃えた怖い話」シリーズとして復活し、現在でも不定期に放送されている。 ただ、この騒動で懲りたのか心霊写真や心霊映像の紹介は全くなくなり、「霊能者が紹介した心霊スポットでお笑い芸人がロケを行う」「巷で噂になっている妖怪を再現VTRで紹介する」という形式となっている。 消えた天才(2018~2019) 様々な分野で活躍している天才と比肩する才能がありがなら表舞台に立つことがなかった、あるいは消えていった人物にスポットを当てる番組。 しかしそんなドラマチックな人物が早々見つかるはずもなく、2019年9月5日放送の回で、VTRを早回しにすることであたかも速球を投げているかのように見せかける捏造が発覚し、問題となった。 それ以前にも都合のいいように経歴をでっち上げる(*34)ことが批判されていたこともあり、TBSが放送休止を決定。 検証の結果「本番組の継続は困難」と判断した事で打ち切りが決まった。 クレイジージャーニー (2015~2019・2022~) 世界を巡る狂気の旅人、クレイジージャーニーの旅にスタッフが同行し、「世界のスラム街を訪れ、そこに住む人々を紹介する」「世界の奥地に生息する知られざる生物を捜索する」などの尖った内容で人気を博していた番組。 2019年9月11日放送回で前述の生物捜索企画を放送した際、実際にはスタッフが事前に用意した生物を捜索の結果発見したかのように放送したことが発覚。 上述の「消えた天才」と共に番組休止→打ち切りとなってしまった。 打ち切り発表時には出演者および多くの視聴者から惜しむ声があがっており、 これを受けてか「議論を重ね、問題点の洗い出しと改善を行った」として2021年に1年半ぶりの復活SPを放送。さらに過去作の配信も開始した。 さらに2022年10月からはレギュラー放送が復活。 不祥事で打ち切りになった番組としては極めて珍しい完全復活を遂げる番組となった。 アイドルゾーン20時(2019) TOKYO MXで放送されていた帯形式のバラエティ番組。 名前の通りアイドルたちが様々な企画に挑戦するというものだった。 金曜MCを担当していた2700がお笑い芸人の闇営業問題に関与しており、吉本側から無期限の謹慎処分(のちに解除)を言い渡された影響で開始から3ヶ月持たずに打ち切りが決定。 月~木曜MCだった全力じじぃ(現:TOKYO COOL)は初の地上波レギュラーだったにもかかわらず思わぬとばっちりを喰らってしまった。 闇営業問題は多数の吉本芸人が関与していたことから番組や出演者の差し替えなど大きな影響が生じたが、時間を追う毎に芸人ではなく吉本興業のマネジメント体制に問題があることが明らかになったこともあり、本件が原因で打ち切りとなったのは当番組のみである。 でんじろうのTHE実験(2019~2021) でんじろう先生こと米村でんじろうの冠番組。 2020年10月、トレンディエンジェルの斎藤司が「エアバッグをお尻に敷いて爆発させたら宙に浮くか」という実験の収録にて背骨の圧迫骨折など全治3か月のけがを負ってしまう。(*35)これを受けて翌年2月に打ち切られた。 水溜りボンドの○○いくってよ(2020~2021) テレビ神奈川(tvk)制作によるYouTuber水溜りボンドの冠番組。 神奈川県内の様々なスポットを二人が訪れる旅番組で、独立局制作番組で初となるTVerでの配信が実施された番組である。 2021年6月にメンバーのトミーが新型コロナウイルスの緊急事態宣言下にもかかわらず自身の経営するバーでパーティーを開いていたことが週刊誌で報じられ、事態を重く見たtvkが同月26日以降の放送休止を発表。 この件でトミーも活動休止となったため、2021年9月で打ち切られた。 余談だが2022年1月からtvkで開始したお笑いコンビ・かが屋の冠番組「かがやけ!ミラクルボーイズ」はかが屋が架空の人気YouTuber・ミラクルボーイズに扮して神奈川県内を訪れるというもので、本番組をオマージュした設定となっている。 週末ライブ キモイリ!(2019〜2022)、アプリ学院!(2021〜2022) どちらもTKO・木本武宏司会の番組で、前者はKBS京都で放送されていた情報番組、後者はBS11で放送されていたバラエティ番組。 2022年7月、木本が巨額の投資トラブルを抱えていたことが発覚。これを受けて前者は7月23日(*36)、後者は7月19日に(*37)それぞれ打ち切られた。前者はその後司会者を変えて同じような内容の番組を立ち上げている。 インセクトランド(2022) 2022年からEテレの番組『ミニアニメ』内で放送された同名の絵本を原作とするアニメ。 昆虫好きで知られ、クジコハクトガマムシの学名の元ともなった俳優の香川照之が原作のみならずエグゼクティブプロデューサーとして名を連ね、エンディング前のミニコーナーでは「カマキリ先生」としてクイズを担当するなど香川が全面的にバックアップした。 が、同年8月に香川が銀座のクラブを中心に女性に暴行を加えていたことが発覚。9月5日以降の放送は中止となった。 裸の少年(2001~2009・2018~2023) テレビ朝日で放送されていたジャニーズJr.の冠バラエティ番組。 風間俊介が進行役を担当していた第1期と、Jr.が様々な企画にチャレンジする第2期に大別される。 2023年に発覚した故・ジャニー喜多川氏の性加害問題の影響で、問題を連想させるアウト過ぎる番組タイトルのせいか批判が殺到。結局同年11月4日放送分での打ち切りを発表した。 後継番組は『地域密着 駅特化型地図バラエティー カクエキ!』で、スタッフと出演者は本番組から継続し、事実上のリニューアルとなる。 ジャニー喜多川氏の問題では出演見合わせや冠番組のタイトル変更など各局で対応に追われているが、打ち切りになった番組はこれが初めて。 ザ少年倶楽部/ザ少年俱楽部プレミアム→ニュージェネ!/プレミセ!(2000~2024) NHKで放送されていたジャニーズ事務所所属タレントによる音楽バラエティ番組。 前述の問題の中で、2002年に同番組の出演を希望していたダンサーがジャニー氏の性被害を受けていたことを「NHKニュース7」内で報じ、これを受けて予定されていた2023年10月の収録を中止、番組も翌月から放送休止となった。 その後番組のリニューアルが決定し、タイトルが『ニュージェネ!/プレミセ!』に変更され、2024年1月から放送開始。リニューアル後は他芸能事務所のグループや女性アイドルも出演していたが、NHKがレギュラー番組から旧ジャニーズ所属タレントをすべて降板させる意向を表明したため、同年3月での終了が決定した。 【とばっちりによる打ち切り】 その番組自体に罪はないが、実際の事件と勝手に結び付けられる、あるいは別の問題とこじつけられて非難の対象にされるというはた迷惑なパターン。 必殺仕置人殺人事件(1973)など大昔から存在するが、近年は深夜アニメなどのオタク向けコンテンツが非難のやり玉に挙がりやすいため恐ろしい。 影響が皆無とまでは言わないものの、コンテンツが膨大に存在する昨今、「一切ゲームもマンガも所持せずアニメも見ない」人物の方が希少になりつつある。 なおこのようなパターンの場合、後に許されて後継番組の制作が行われたり問題のシーンを上手く誤魔化したりして再放送などがおこなわれるケースもちょくちょくある。 ちなみに騒がれていないのに打ち切るなどするというのは、念のために予防線を張っておくという意味合いが強い。 東京新選組(1960) フジテレビで放送されていたドラマ。 あらゆる社会悪に立ち向かってゆく秘密結社の活躍を描いた作品であった。 しかし放送当時は安保闘争をはじめ社会情勢が不安定であり、本作も過激な暴力描写が問題となったためわずか3回で打ち切られた。 超人バロム・1(1972) さいとう・たかをのヒーロー漫画を原作とする特撮ドラマ。 悪役のボスの名前が「ドルゲ」、ドルゲが生み出す魔人が「ドルゲ魔人」であり、同じ名前の子供を持つ親が「自分の子供がいじめられている」と裁判を起こしたと報道された。 裁判後、番組内で「このドラマに出てくるドルゲは架空の存在であり、実在の人とは関係がありません」というテロップを流し、決着は付いたものの、これに低視聴率や作品のクオリティ難が重なり打ち切られてしまった。 …と言われていたが、後に読売テレビの佐野寿七プロデューサーは、裁判にはなっていないし、「いじめられる可能性がある」というクレームであったし(*38)、35話で終了したのは視聴率の問題や作品的に『仮面ライダー』を超えられなかったため、と噂の一部を否定している。 また、これが「このドラマはフィクションです」というテロップの走りと思われていたが、後に「子供番組」では確かに初であるものの、「テレビ番組」ではこれよりも8年前の1964年にフジテレビで放送されたドラマ『第7の男』でのフィクションテロップが初であると判明している。 ウソップランド(広島ホームテレビのみ・1983〜1986) テレビ朝日制作のバラエティ番組。 お笑いグループ・怪物ランドによる様々な社会風刺のパロディコントをメインとする番組構成であった。 1986年、血液型をテーマにしたコント「血液型封建時代 ヘモグロビンショック」内で「AB型は下層階級、士農工商AB型」というくだりがあり、これが差別的表現にあたるとして部落解放同盟広島県連合会が地元系列局である広島ホームテレビに抗議。糾弾会まで実施される事態となり、同局での放送を打ち切った。 エコエコアザラク(1997) 古賀新一のホラー漫画を原作としたテレビドラマ。 黒魔術を主とした猟奇的な描写があり、深夜2時台の放送としては高視聴率を獲得していた。 …が、テレビ東京での放送中に神戸連続児童殺傷事件が発生し、影響を考慮してか、全26話のうち18話時点で打ち切りとなってしまった。 なお、犯人逮捕後に放送を開始したテレビ大阪では全話放送した。 School Days(2007)、ひぐらしのなく頃に解(2007) 『School Days』最終回放送の前日である9月18日、少女が父親を鉈で殺害する事件が発生。 さらにその一週間後には報道を見た少年が斧で父親を殴打する事件が起き、また同年5月には会津若松で少年が母親の首を切断して殺害した事件もあったため、大きな騒動となった。 前者は地上波全局が殺人シーンのある最終回の放送を自粛し、後者は東海テレビとテレビ埼玉が放送を途中で打ち切った。 その後の『School Days』に関する色々とアホ臭い顛末についてはNice boat.に詳しい。 事の発端となった事件は少女がゴスロリファッションに傾倒していた事と、凶器の共通点から『ひぐらしのなく頃に』の影響が取り沙汰されたが、 実際は警察官であるにもかかわらず浮気を繰り返す父親と、その事をひたすら愚痴り続ける母親に対して、潔癖だった少女が追い詰められた結果であった。 斧での殴打事件は少女の事件報道に影響されたもので、母親殺害事件は放送開始よりも遥か前の事件であるため、三件とも作品を視聴したために発生した事件ではない。 後に『School Days』最終話の殺人シーンが2016年に放送された地上波のテレビ番組の中でダイジェスト形式で流されているが、その際の反応はお察しください…。 密室謎解きバラエティー 脱出ゲームDERO!(2010~2011) 文字通り部屋に秘められた謎を解いて密室からの脱出を目指す番組。 それなりの人気があったが、放送中に東日本大震災が発生してしまう。 「水の間」の徐々に水が増えていく仕掛けや「石像の間」の後ろから徐々に石像が迫ってくる仕掛けが津波を連想させてしまうとされ、あえなく打ち切り。 なお、その後それらの要素を排除した後継番組『宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!』が作られ、レギュラー放送終了後も2016年まで不定期特番として放送されていた。 あいのて(2006~2007) NHK教育の幼児向け音楽番組。シュールな歌詞とプロダンサーのキレッキレなダンスによる番組内コーナー「ワニバレエ」が人気だった。 体や様々な物から出る雑音が音色に、そして音楽へと発展する過程を寸劇を通して紹介する番組なのだが、文具・調理器具・家具などを叩いて音を出す行為が「子供が真似をしてうるさい」などと一部の親から苦情のネタにされてしまい、わずか1年で終了した。 NHKの教育番組で1年終了というのは非常にまれで、番組に出演していた音楽家は「視聴率は良かったが苦情で打ち切られた」と発言している。 番外 魔法少女まどか☆マギカ(2011) 本作は最終回が「スーパーセルに擬態した巨大魔女に襲われる街を守る」という内容であった。 しかし、終盤に東日本大震災とタイミングが思い切り被ってしまい、特別報道番組の為に編成がグチャグチャになった上、 悪いことに市民たちが体育館に避難するなどのシーンもあったため、視聴者への心理的影響を配慮して最終回が放送延期となり、緊急報道体制が解かれた後に最終話を含む2,3話が集中放送された(*39)。 厳密な意味での打ち切りではないが、作品側に責任がないのに大きく編成がずれた一例として述べておく。 【製作の都合による打ち切り】 ここまでは放送するテレビ局側が放送を中止するパターンについて述べたが、逆に番組制作側の都合で制作を続けられなくなってしまうパターン。 制作会社の経営不振や倒産、主要スタッフ(特にディレクターやプロデューサー)や関係者の退社・蒸発などもある。 制作会社の倒産など会社が無くなってしまう状態を理由に打ち切られると、権利関係の問題で映像ソフト化が難しくなる。 それ以外では制作費の高騰が挙げられる。その理由には「出演者のギャラが高騰しすぎた」という例が多く、海外ドラマでシリーズ作品終了のきっかけは大抵がこれ。日本では一部のバラエティ番組がこれが原因で打ち切られることがある。 民放テレビ局版ゆく年くる年(1956~1988) 現在もNHKで放送されている「ゆく年くる年」だが、かつては同じタイトルの番組が大晦日に系列の垣根を超えて民放全局で同時放送されていたのをご存じだろうか? NHKへの対抗策として、毎年キー局5局が持ち回りで幹事を務めて制作し、独立局も含めた全国の民放で放送された。 スポンサーはセイコーの一社提供。なので、カウントダウンやスタジオのセットには必ずと言っていいほどセイコー製の時計が使われたり、視聴者プレゼントとしてセイコーの時計が提供されたり、カウントダウン前後には銀座和光の時計台が映る回もあった。 内容は年ごとに異なり、お笑いやドキュメンタリー、ドラマなど様々で、年越し前には紅白から続けて「蛍の光」の合唱が行われていた。 回を追うごとに内容が凝ったものとなったことから制作費が高騰しすぎてしまい、1989/1990年分を担当予定だったテレビ東京から制作辞退の申し出があり、セイコーからスポンサー代替の了承(*40)を得て打ち切り。 そのため、1988/1989年分を担当したテレビ朝日制作分が最終回となった。 打ち切りの理由は上記のほか、放送末期には民放各局による全国ネットワークがほぼ完成しており、独自の年越し番組を放送したかったことも一つに挙げられる。 魔法のじゅうたん(1961~1963) 「アブラカダブラ!」の掛け声とともに、男女1人ずつの小学生を乗せた“魔法のじゅうたん”がNHKの屋上から飛び立つNHKの子ども向けバラエティ番組。司会はあの黒柳徹子。 魔法のじゅうたんが空を飛んでいるシーンは、ヘリコプターによる空撮映像に、スタジオ収録のじゅうたんに乗ったアラビア風の衣装をまとった黒柳とターバンをかぶってガウンを羽織った小学生2人の映像をクロマキー合成ではめこんでいた。 子どもたちのリクエストをもとに決められた行き先の他、毎回出演した子どもの通う小学校も上空から映した。 出演する小学生の抽選には応募が殺到し、登場する校庭では全校児童でじゅうたんを歓迎する人文字を作るなど大人気番組だったが、1964年の東京オリンピックにヘリコプターが必要になったので、3年で終わってしまった。 ウルトラマン(1966~1967) 人気も視聴率もあった怪物番組だが、円谷英二監督が特撮にこだわりすぎて制作が間に合わなくなり(それに伴い予算が足りなくなったこともあり)、本来4クールだったところを3クールで打ち切らざるを得なかった。 この反省を踏まえた上で『ウルトラセブン』以降の作品は制作されていくことになる。 ワイルド7(1972~1973) 望月三起也原作によるアクション漫画の実写化作品で、設定を低年齢向けに改変されながらもバイクとガンアクションを多用した演出が好評を博し、月曜夜7時という時間帯にもかかわらず20%という高視聴率を叩き出し、この記録は40年以上経った今も更新されていない。 一時はブラジルロケも企画されるほどの勢いだったが、制作費の高騰が逆風となり全25話で打ち切りが決定。そのため敵組織・ブラックスパイダーは終盤2話で壊滅というやや唐突な終わり方となっている。 制作会社の国際放映も経営陣の入れ替えが行われるなど苦い結果となった。 ステージ101(1970〜1974) NHKで放送されていた音楽番組。 タイトルの「101」は当時番組の収録が行われていたNHK放送センターCT-101スタジオで、番組内で結成されたグループ「ヤング101」を軸に彼らの歌うポップスや流行歌、オリジナル楽曲を披露する番組構成であった。 しかし1973年に発生した第一次オイルショックにより、NHKは徹底した経費削減を求められることとなる。 そして数十人の若者をメインに毎週違う音楽を様々なセットで収録するこの番組も例外ではなく、公開収録型の番組に移行すべきとの結論に至ったため、1974年3月をもって終了することとなった。 後継番組「レッツゴーヤング」は基本的にNHKホールでの公開収録かつゲストを呼んでの半ば普通の音楽番組に近づけた(レギュラーによる歌コーナーは一応続行)作りとなったが、1986年開始の「ヤングスタジオ101」からはスタジオ収録に戻っている。 スーパーロボット マッハバロン(1974~1975) 第一次オイルショックによる予算の大幅削減が大きな要因。そのためか、等身大戦や巨大戦の減少が目立っていた。 また、前作『スーパーロボット レッドバロン』が宣弘社制作だったのに対し、この『マッハバロン』は前作で特撮部分の外注を請け負っていた日本現代企画による単独製作によるもの。 前作より視聴率はやや低めだったが、アオシマの合体玩具をはじめとして関連玩具の売り上げは上々で、 巨大ロボットの発進シークエンスや格闘戦などの特撮シーン、グラムロックを駆使した主題歌などは今日でも高く評価されている。 しかし、それでも前作から巻き起こったオイルショックの余波は尾を引いており、予算を調達しきれず、40話を予定していたのが26話で終了している。 特にララーシュタイン博士率いるロボット帝国との決戦に向けて悲壮感を盛り上げるべく、仲間の一人、しかもヒロイン格の女性隊員が戦死するという第26話がよりにもよって最終回、まさかのバッドエンドとなってしまった事は語り草である。 もちろんロボット帝国との決着はついていない。おそらく製作スタッフも寝耳に水で対応しきれなかったのだろう。 なお、打ち切られなければロボット帝国の新幹部・ゲシュター警部の登場とマッハバロンがサイボーグロボットとなったララーシュタインに特攻して戦死、というさらに輪をかけた悲壮な展開が待っていたとのこと。 ちなみに、この枠の後番組は『ガンバの冒険』。 それ故か、後述の編成の問題(*41)が独り歩きしている印象は否めない。 ふたり鷹(1984~1985)、サイボーグクロちゃん(1999~2001)、手塚治虫のドン・ドラキュラ(1982) 『ふたり鷹』と『サイボーグクロちゃん』は放送中に制作会社が倒産、アニメを作ることが物理的に不可能となってしまった。 『ドン・ドラキュラ』はよりにもよって広告代理店のチョイスをミスって虫の息だった会社を選んでしまい、案の定1クール目で倒産した巻き添えで制作不可能に。 『クロちゃん』は次回予告まで放送していたが、とうとうその「次回」が放送されることはなかった……。 『ドン・ドラキュラ』は関東地区では実に第4話で打ち切られるというアニメ史上最速記録を誇っている。 ダッシュ!四駆郎(1989~1990) ご存知、第一次ミニ四駆ブームを支えた名作のアニメ版。 打ち切りかどうかは微妙だが、タミヤ側が3クール目以降の放映を望んでいたにも拘らず、広告代理店だった東急エージェンシー側の都合から2クールで終了させられてしまう。 これが第一次ブーム終焉の遠因となったため(*42)、その件を根に持っていたタミヤと小学館は数年後、 同じ轍を踏まないために『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』のアニメ版を製作するに当たり、企画の監修とスポンサー探しに関しては最初から最後まで広告代理店を爪弾きにした。 一応、申し訳程度に『四駆郎』の時とは別の会社が広告代理店として就く事になる。 女神候補生(2000) NHK BS2で放送されていた杉崎ゆきる先生の同名漫画をアニメ化した作品。 当初は2クール作られる予定だったのだが、予算不足が発覚し、12話で打ち切られてしまった。 製作に関わった会社は倒産していないが、資金問題で打ち切りになるというちょっと珍しい事例。 原作の方も5巻が出た所で連載を放棄しており、実質打ち切りである。何故か2005年に新装版が出た事で「連載再開予告かな?」と思ったけどそんな事はなかった。 RGBアドベンチャー(2006~2007) 『MUSASHI-GUN道-』の後番組で制作会社も同じくACCプロダクションのアニメ。 『GUN道』も作画が常に崩れていたり突然総集編が挿入されたりAパートがまるまる歌ってるだけの回があったりと制作が逼迫していたが、 このアニメではさらに悪化していたようで、6話まで放送した後総集編が2話流れ、「制作会社の都合により放送継続が不可能になったため」という理由で打ち切りとなった。 それから半年後にACCプロダクションは破産した。その後、残りの話はドラマCDとして日の目を見ている。 NNNニューススポット(1963〜2008) 日本テレビで毎日21時前などに放送されていたスポットニュース番組。 日本テレビの収益悪化などに伴うリストラの対象番組に選ばれたため、2008年9月29日をもって打ち切られた。これにより日テレはキー局で初めてスポットニュースから完全撤退することとなった。 その後2011年に「ZERO MINUTE」として平日限定でスポットニュース枠が復活するも、2017年に終了している。 余談だが2010年代以降はキー局各局がニュースのみならずミニ番組全般を削減する傾向にあり、20時台の番組を21時終了とし、次番組とステブレレスで接続する編成に変わっている(*43)。 【出演者の都合による打ち切り】 上の亜種であり、番組の核となる主演が出演出来なくなるため視聴率等に関係なく打ち切られてしまう。テレビ以外では映画『男はつらいよ』シリーズもこれに入る。 なお、番組出演者が撮影中・直前に出演不能になっても終了しない事も結構あり、アニヲタ的には初代『仮面ライダー』での仮面ライダー1号出演不能→仮面ライダー2号登場→1号復帰が分かりやすい例。 他には『渡る世間は鬼ばかり』は「岡倉夫妻と娘たち」が主人公なため、夫妻が他界しても物語は続き(岡倉大吉役の藤岡琢也没後は宇津井健が代役を務め、宇津井の死後「大吉没後」編SPドラマを制作)、 1974年のNHK大河ドラマ『勝海舟』では当初主演だった渡哲也が急病により降板後、松方弘樹が代役を務めた。 渡はその2年前にも『忍法かげろう斬り』を病気降板して弟の渡瀬恒彦が代役を務め上げ、その渡瀬がメインだった『警視庁捜査一課9係』は渡瀬の死後も「渡瀬が演じていた人物が異動になった」という設定で新作が作られ続編『特捜9』へと繋いでいる。 体調面以外では出演タレントがそれまで所属していた芸能事務所から独立した際、前の事務所がテレビ局に働きかけ、レギュラー番組が軒並み打ち切られることがある。 直近の分かりやすいものは元SMAPメンバー3名(香取慎吾・草彅剛・稲垣吾郎)がジャニーズ事務所退所後、長寿だった「『ぷっ』すま」を筆頭とした番組が続々打ち切られることになった。この件で香取は後日配信番組で「独立するとこんなにテレビに出られなくなるのか」と心境を暴露して話題となった。 太陽にほえろ!(1972~1986) 東宝制作・日本テレビ系で放送されていた日本を代表する刑事ドラマ。 少なくともキリよく15周年企画までは予定されていたが、メインだった石原裕次郎の体調が末期的状況になってきたため打ち切られた。 さすがに急すぎたせいか、後番組で脚本とスケジュール消化を兼ねて後日談となる「PART2」(DVD化時には本編と共に扱われた)が1クール制作された。 三波伸介の凸凹大学校(1977~1982) テレビ東京で放送されていた三波伸介司会のバラエティー番組。 1982年12月に三波が自宅で急逝し、番組の続行が困難になったため打ち切られた。 死去翌週には三波が亡くなる20時間前に収録されたVTRなどとともに追悼番組を放送。その翌週に最終回を放送し、5年間の歴史に幕を閉じた。 新車情報(1977~2005) テレビ神奈川(tvk)で放送されていた、文字通り自動車の新車を紹介する番組。 自動車ジャーナリストの三本和彦が企画・構成・司会を担当し、前半は高速道路といつもの山坂道でのドライビングインプレッション、後半はスタジオに新車とメーカーの開発責任者を招き質問を行うパートで構成されていた。 不躾棒(*44)片手にユーザー目線の辛口な評価を行う姿勢が人気を呼び、全国で放送されるtvkの看板番組となった。 三本が73歳と高齢になったことから2005年春に勇退という形で終了。 …だったのだが、後に三本は終了の真相をモーターファンのブログ内で語った。 tvkは2004年に山下町から関内の新社屋に移転したが、番組収録を行う1階のオープンスタジオはレストランが隣接しているにも関わらず、防音対策がされていないために本番収録中にレストランの音が入ってきてしまう状態に。 この状況に我慢ならなくなった三本は、2005年の番組新年会内においてスタッフ側に降板を表明し、同年春で終了に至った。 後継番組には同じ自動車評論家の岡崎五朗が起用され、「新車ファイル クルマのツボ」→「クルマでいこう!」と放送が続いている。 水曜スペシャル・川口浩探検隊シリーズ(1978~1986) テレビ朝日で放送されていた世界の秘境や未確認生物を求めて探検するやらせ番組。 1985年に隊長である川口浩が癌の療養のため放送休止となり、翌年には闘病を追った特別版が放送された。 これらの流れかわかるように、当初は1988年にネタバラシの特番を放送して以降も継続する予定だったのだが、1987年11月に川口が死去。結果前述の特別版が最終作となってしまった。 その後探検隊シリーズは21世紀に藤岡弘、を隊長に迎えて復活することとなる。 今夜は最高!(1981~1989) 日本テレビで放送されていたパイオニア一社提供のバラエティ番組。 タモリの冠番組で、毎回男女一組のゲストとコント・トーク・歌を繰り広げる内容がアダルト層に人気を博した。 末期はとんねるずの「ねるとん紅鯨団」(*45)(関西テレビ・フジテレビ系)に押されながらも継続を希望していたが、日本テレビとタモリの所属事務所である田辺エージェンシー・パイオニアとの間でトラブルが生じて打ち切りとなった。 なお、打ち切りに際しては「パイオニアの担当者がタモリを馬鹿にする発言を行い、それにタモリが激怒して打ち切りに至った」という根拠のない噂がWikipediaにも長らく堂々と掲載されていたが、タモリの座付き作家である高平哲郎は著書でこの件を完全に否定しており、「トラブルの理由についてもわからない」としている。 その後、タモリは日本テレビではレギュラー番組を一切持たず、日本テレビへの出演も極めて少なくなった。 ふれあい広場・サンデー九(1976~1985) 札幌テレビで放送されていた坂本九の冠番組で、北海道電力の一社提供。 社会福祉の問題や話題を取り上げたもので、聴覚障碍者にも見てもらえるよう、当時としては珍しい番組全編にテロップを入れて放送する手法を取り入れていた。 メインMCの坂本が搭乗していた日本航空123便墜落事故に巻き込まれて死去した為、番組は同年9月をもって終了した。 なお、系列のSTVラジオでは2011年から2014年まで同名の番組が放送されており、番組には坂本の家族もスペシャルリポーターとして出演していた。 ミラクルガール(1980) 東京12チャンネル(現・テレビ東京)で放送されていたドラマ。 かつて人気を博した「プレイガール」の後継作品にあたり、「プレイガール」と同様に女性探偵たちの活躍を描いていた。 しかし撮影現場ではトラブルが絶えなかったらしく、レギュラー出演者の途中降板が相次ぐ事態に。制作側はどうにかして番組を続けようとするも、次第に撮影自体がままならなくなってしまう。 最終的に「現場をまとめきれなかった」として主演の由美かおるが降板を申し出たことで26話の予定だったのが19話で打ち切られた。 久米宏のTVスクランブル(1982~1985) 日本テレビで放送されていた生放送の情報バラエティ番組。 主に時事・流行ネタを扱い、事前収録した映像を短時間で次々と紹介する当時としては画期的な構成とレギュラーコメンテーターである横山やすしの予測不能な行動が人気を博した(*46)。 1985年春から久米が半年間の充電期間に入ることを理由に、同局の「おしゃれ」(*47)を除いた当時のレギュラーを全降板することになり(*48)、同年3月末で終了となった。 この充電は新番組の制作準備に充てるためのものであり、その番組こそが同年10月から開始し、18年間続いた「ニュースステーション」(テレビ朝日)である。 夢のビッグスタジオ(1982) テレビ朝日で放送されていた音楽番組。司会はタモリと西田敏行。 当時全盛期だったTBSの「ザ・ベストテン」に対抗すべく、ベストテンより1時間遅い木曜22時から放送されていた。 しかしハシゴしてまで2時間も歌番組を見る人などそんなにいるはずもなく、視聴率は6〜8%と低迷。さらには「タモリがゲストの歌手に直撃インタビューをして本音を聞き出す」という番組の狙いも上手く行かずにシラケたムードになったり、スケジュールの都合で西田の出演部分のみ事前収録となるなど、番組の内容自体も散々な有様であった。テコ入れとして古舘伊知郎(当時テレビ朝日アナウンサー)が起用されるも改善せず、業を煮やした上層部が担当プロデューサーの更迭を決定する。しかしタモリはこれに対し「局がプロデューサーを更迭するのに、メインの出演者が居座るなんてできない」と、西田・古舘とともに番組を6回で降板してしまった。 これに慌てた局側は急遽局アナ2人で繋ぐも、結局番組は8回で打ち切られた。 なおこの件でタモリとテレビ朝日の関係が悪化する…といったことはなく、当番組終了後も同局で「夕刊タモリ」→「タモリ倶楽部」「タモリSTATION」に出演し続けている他、この5年後には「ミュージックステーション」にて再び音楽番組の司会を務めることとなる。 鶴瓶上岡パペポTV→LIVE PAPEPO 鶴+龍(1987~2000) 読売テレビ制作のトーク番組。 笑福亭鶴瓶と上岡龍太郎の2名が打ち合わせ・台本無しで時事問題から身近な出来事迄何でもトークするもので、番組の人気から大阪城ホールやニューヨークでの公演も実施し、当時としては珍しいトーク内容をまとめたカセットテープソフトまで発売された。 今も続く『探偵!ナイトスクープ』とともに上岡龍太郎の知名度を一挙に全国区に押し上げた番組である。 1998年4月に休止、同年7月から『LIVE PAPEPO 鶴+龍』とリニューアルして放送が続けられたが、上岡が「僕の芸は21世紀に通用しない」と芸能界引退を発表したため、2000年3月で終了。 終了後、鶴瓶は松嶋尚美とタッグを組んで同種のトーク番組『きらきらアフロ』(テレビ大阪・テレビ東京)を開始したほか、NHKでも吉本新喜劇の元座長である小籔千豊とタッグを組んで『ヤブツル~鶴瓶・小籔の大阪夜話』を2015年から不定期に放送。 制作局の読売テレビもケンドーコバヤシ・千原ジュニアをMCに迎えた『にけつッ!』を2008年から放送している。 魔法少女ちゅうかなぱいぱい!(1989) 不思議コメディシリーズの特撮作品だったが、主演女優の小沢なつきがマネージャーと駆け落ち未遂事件を起こして降板、打ち切りになった。 打ち切りとはいえ物語は完結しており、残り半年は主役をアイドルだった頃の島崎和歌子へ交代した続編『魔法少女ちゅうかないぱねま!』へ引き継がれた。 邦ちゃんのやまだかつてないテレビ(1989~1992) フジテレビで放送されていた山田邦子の冠番組。 ゲストとトークやコントなどをするのが基本の流れ。 番組レギュラーで出演していたKANの「愛は勝つ」や大事MANブラザーズバンドの「それが大事」、更に山田本人がwinkとデュエットした「さよならだけどさよならじゃない」が大ヒットし、視聴率20%を獲得する人気番組となった。 ところが、山田本人が前述したレギュラーを次々と卒業させるフジテレビ側の姿勢に不満を示し、降板を表明して1992年春で終了した。 なお、番組は「音楽番組を新たに復活させる」という名目で表向きは円満に終了している。 この降板経緯については後年山田本人がインタビューや自身のYoutube内で明らかにしたもので、当時を振り返り「今考えるとスタッフ側に大変失礼なことをした」と反省の弁を述べている。 SMAP×SMAP(1996~2016) SMAPの解散を受けて終了。 当初は解散報道を受けて急遽生放送で公開処刑会見を行い番組継続を表明したが、以降視聴率の低迷や急転直下に解散が決まったこともあり、結局打ち切りに。 また、解散の切っ掛けに色々と「大人の事情」が絡み過ぎていたせいか、「番組最終回」=「SMAP最後のステージ」(特別なコメントは一切なし)」になってしまった。 ナイナイナ(1997~1999) テレビ朝日で放送されていたナインティナインの冠番組。 ナイナイとゲストが無茶な実験や実証をするバラエティで、ダチョウ倶楽部の「どうぞどうぞ」のギャグはこの番組から誕生したことで知られる。 1999年4月から日曜20時への進出が決まっていたが、岡村隆史がゴールデン進出にあたり番組のカラーが変更されることを嫌がり、結果打ち切りとなった。 実際2000年代以降、深夜番組からゴールデンに進出して失敗する番組が多数出てきたことを考えるとこの決定は非常に慧眼があったと言えよう。 なお、進出予定だった枠は今なお続く『ロンドンハーツ』となり、スタッフも一部共通している。 ロケット・ボーイ(2001) 織田裕二主演のフジテレビのドラマ。 収録中に織田が椎間板ヘルニアを発症して入院し、第3話以降の収録が出来なくなってしまう。このため4週にわたって放送を休止し、全11話の予定だったところを7話に短縮された。 なお、休止期間中は『ザッツ踊る大捜査線』と題して踊るシリーズの再放送が行われたが、これが皮肉にも『ロケット・ボーイ』の平均視聴率を上回るという、スタッフにとっては何とも屈辱的な結果になってしまった(*49)。 この再放送が好評だったため、本来放送予定のなかった最終回も『ザッツ踊る大捜査線ファイナル』と題して別枠で放送された。 ちい散歩(2006~2012) テレビ朝日平日午前の帯で放送されていた散歩番組。 俳優の地井武男が東京近郊の様々なスポットを訪れながら散歩するという内容で、その人柄から多くの視聴者に親しまれた。長年低迷していたテレ朝午前10時台を立て直したのもこの番組である。 2012年1月、地井が心臓疾患の治療のためしばらく入院することに。このため既に収録した分と過去回の再放送でつなぎ、回復を待って収録を再開する予定であった。しかし地井の入院が長期化することとなったため、地井サイドからの連絡によりやむを得ず5月4日をもって終了することとなった。この打ち切りは本人にとっても心残りであったようで、最終回の最後には本人直筆のメッセージが流れた。この2か月後、地井は心不全でこの世を去った。 翌週からは旅人が加山雄三に交代して「若大将のゆうゆう散歩」、2015年には高田純次に交代して「じゅん散歩」がスタートし、散歩シリーズは現在も続いている。 西部邁ゼミナール(2009~2018) MXテレビで放送されていた保守評論家である西部邁の冠番組。前身番組は『続・言いたい放題』。 内容は戦後においてタブー視された問題を西部とゲストが議論する番組であった。 しかし、2018年1月に司会の西部が自殺し、27日の放送で番組の打ち切りを発表。後に、番組関係者が西部の自殺をほう助した疑いで警察に逮捕された。 天才!志村どうぶつ園(2004~2020) 2020年3月に園長(司会者)の志村けんが新型コロナウイルスによる肺炎で死去したため。 当初は飼育係の相葉雅紀と主任の山瀬まみを主体にそのままの役職で続けていくとしていたが、「やはり志村さんなしにはタイトルを背負って続けていくことはできない」という結論に至り、同年9月で「閉園」。 翌月から相葉が園長を引き継ぎ『I Loveみんなのどうぶつ園』(2022年4月以降は『嗚呼!!みんなの動物園』)を放送開始。 快傑えみちゃんねる(1995~2020) 大阪城城主上沼恵美子の冠番組で、上沼と複数のゲストがトークをする関西テレビの番組。 最盛期には関西で20%以上を誇る高視聴率を獲得し、関東でも独立局や一時期フジテレビでも放送され、上沼が審査員を務める「M-1グランプリ」でもネタにされる(*50)など知名度が高かったが、 2020年7月21日に突如終了を発表。その3日後の24日に最終回を迎えた。 改編期でもない時期の突然の終了で、最終回も総集編こそ流れたが特段の挨拶も無く、関西テレビ側も終了理由の発表を控えていたため、週刊誌では「関西テレビとケンカ別れ」などの見出しが踊ったが、上沼はこれをラジオで否定。 後に週刊文春でのインタビューによると 「新型コロナウイルスの流行でソーシャルディスタンスを取った形で収録を再開したが、間の取り方(*51)が分からなくなってしまい、夫(関西テレビの元社長である上沼晋平)からもそれを指摘されていた」 「番組には普段バラエティに出演しないベテラン俳優をゲストに招くことが多かったが、その経費が負担になっていた」 「当初から1000回を節目に終わるつもりだったが、視聴者からの反響を考えて惰性で続けてざるを得なかった」 ……など、自らの意向から終了を申し出たことを明かした。 とはいえ終了時期については一悶着あったらしく、当初は通常の改編と同じく9月末予定だったのがいきなり7月に繰り上げられたことも後に明かしており、以降上沼は堰を切ったように関西テレビへの攻撃を開始している。前述の週刊誌の予想は結果大当たりだったことになる。 その後、同枠は『鬼滅の刃』や同時間帯にフジテレビで放送されている『坂上どうぶつ王国』等でつないだ後、2021年11月から見取り図と横山裕MCの『ちまたのジョーシキちゃん』が放送されている。 上沼は現在もタレント活動を続けており、メイン出演者の体調不良や不祥事でなく打ち切られた例の一つ。 もっとも、上沼については長寿かつ唯一の全国ネットレギュラーであった『おしゃべりクッキング』も終了して急にキー局制作の番組に出まくるようになったため、冒頭で記した編成による若返りの対象となっている向きもある。 なお、新型コロナウイルスの流行後、本番組に限らずタレントを多数集めてトークを行うタイプの番組の制作が難しくなり、打ち切られるケースも多数生じている。 この影響からか、お笑い界では雛壇ではなくコントのできる芸人が重宝されるようになり、壁芸人全盛へ流れも大きく変わることになった。 ひみつの嵐ちゃん!(2008~2013) 嵐の冠バラエティ番組の1つ。 2009年4月にリニューアルするまではタイトルが「ひみつのアラシちゃん!」だった。 前半は嵐とゲストとのトーク、後半は様々なコーナーで進行するのが特徴のバラエティ番組で、特に『マネキンファイブ』については世界でのアンケートが行われるなどかなりの好評であった。 だが、2011年の4月から嵐のメンバー2人とゲストの体制に変わり、それ以降の視聴率は1桁台を連発するなど低迷。 加えて2012年途中で出演者であるオセロの中島知子のトラブルがあり、2013年3月で終了。 後継番組は櫻井翔のみを残し、有吉弘行と共にMCを務める番組が続いている(*52)。 VS嵐(2008~2020)/嵐にしやがれ(2010~2020) 前者はフジテレビ・後者は日本テレビ制作の嵐の冠バラエティ番組。 両者とも2020年末の嵐の活動休止に伴い終了。 前者は相葉司会・風間俊介およびジャニーズ他グループメンバーをレギュラーにした「VS魂」、後者は櫻井翔司会の「1億3000万人のSHOWチャンネル」にリニューアルされた。 なお、前者はレギュラーだった岸優太のジャニーズ退所に伴い2023年9月末で終了、後者も2024年4月からドラマ枠への転換が決定し、2024年3月末で終了した。 バイキング→バイキングMORE(2014~2022) フジテレビで『森田一義アワー 笑っていいとも!』の後継番組として始まった平日の帯番組。 当初は曜日ごとにMCが交代していたが、後に全曜日で坂上忍が単独MCを担当することになった。また、番組内容も当初はバラエティの色が強かったが次第にワイドショーへと方針転換。2020年秋に後枠の『直撃LIVE グッディ!』が終了してからは名実共にワイドショーとなっていた。 チョコプラ松尾の「これさぁ、パワハラだよねえ」のモノマネを聞いたことある人も多いだろう。 坂上がかねてからライフワークとしていた動物愛護活動へ専念することから降板の申し出があり(*53)、2022年3月で終了。 後継番組はフジテレビアナウンサーをMCにした『ポップUP!』で、一部コメンテーターは本番組から続投したが翌年からワイドショー色を排除し、観覧客を復活させた新番組『ぽかぽか』を開始させるため同年末で終了。 余談だがその『ぽかぽか』の2023年10月2日放送分では夏季休暇を取ったハライチ澤部の代理MCとして坂上忍が登場していたりする。 和牛のA4ランクを召し上がれ!(2018~2024)/東野・和牛の全国街ぶらチーキーズ(2023~2024) 前者は愛媛の南海放送、後者はBSよしもと製作の番組。 両方とも和牛の解散に伴い終了。 前者は近年のローカルバラエティ番組では珍しくDVDが発売されるなど好評を博しており、南海放送では翌週から川西以外のMCが続投する新番組『ミズタのレシピ!』を放送することを発表している。 【スポンサーの都合による打ち切り】 民放局で稀に発生する事態。番組のスポンサーが撤退してしまうパターン。 主にスポンサー企業の経営方針の変更や経営不振、関連商品が売れずCMの効果が見込めない、不本意ながらスポンサー企業が不祥事を起こしてしまい、番組及び企業のイメージ悪化を避けるなどが理由として挙げられる。 かつては1社提供の番組が多かったため発生しやすかったが、複数社提供が基本となった現在では発生率は減った。 『ズバット』や『レイズナー』のように視聴率は良かったが、関連商品の売り上げ不振による打ち切りなんてことも。 アップダウンクイズ(1963~1985) 毎日放送制作のクイズ番組。 開始から1975年3月まではNET(現 テレビ朝日)系・1975年4月から終了まではTBS系で放送された。 6人の挑戦者がゴンドラに乗り込み、1問正解ごとに1段上昇し(*54)、10問正解すればハワイ(アメリカ)旅行がプレゼントされる。 クイズで全問正解すれば当時庶民にとっては夢のまた夢だった海外旅行に行けるというコンセプトが大いに受け、昭和を代表するクイズ番組として人気を博した。 その賞品を提供していたのが日本航空だったが(*55)、1985年8月12日に起きた123便墜落事故の影響で協賛が不可能となってしまい、同年10月に最終回を迎えた。 提供ではなく協賛スポンサーの不祥事が原因で打ち切りという珍しい理由だが(*56)、番組は1983年から全国ネットに昇格した裏番組『世界一周双六ゲーム』(朝日放送・テレビ朝日系)に視聴率を奪われ低迷しており、司会者の交代などテコ入れを図ったものの回復には至らず特番や野球による休止も相次ぐなど、いつ打ち切られてもおかしくない状態だった。 単純で分かりやすいルールからオマージュしたクイズが今なお作られているが、番組の全国ネットでの復活版は現在まで一度も制作されていない(関西ローカルでの復活は何度かある)。 なお毎日放送では同時期、日本航空全面協力のドラマ「スチュワーデス物語」の再放送を行っていたが、こちらも事故の影響を受けて最終回の1話手前で打ち切られてしまった。 水戸黄門(1969~2011) 40年以上続いた国民的時代劇。「変わらない安心感」、「偉大なるマンネリ」の代名詞。 00年代後半から番組終了時期まで長年低迷が続いていたTBSでは、数少ない二桁視聴率を維持する番組だった。 そんな人気番組でありながら、メイン視聴者層は高齢者であり、スポンサーである松下電器(現 パナソニック)の製品をあまり買わない年代であることから打ち切り。 一社提供であったことが災いした。 しかし、TBSも国民的番組を手放すのは流石に心苦しかったのか、2015年に複数社提供のスペシャルドラマという体を経て、2017年には、どういうわけか金八先生でお馴染みの武田鉄矢を黄門様にしてBS-TBSで復活。 越後のちりめん問屋のご隠居とお供2人の旅は今日も続く。 ごちそうさま(1971~1998) 日本テレビ制作・味の素一社提供の平日帯の料理番組。 MCは高島忠夫・寿美花代夫妻→1996年4月からは辰巳琢朗・大東めぐみの両名が担当していた。 月~木は有名人による料理披露、金曜日は名店リポートという構成で、前者は必ず調理中に味の素製品(*57)を使うシーンが入っていた。 1987年から1989年までは土曜22時台に世界の料理を紹介するスピンオフ番組が放送されていたこともある。 1997年に味の素が総会屋に利益供与していたことが発覚。これに伴い味の素が番組スポンサーの降板を決定し、翌1998年3月に番組は終了した。 快傑ズバット(1977) 視聴率は高かったのだが、何故かおもちゃが売れず、よくよく調べてみると中学生くらい(中には大学生もいた)ばかりが観ていたことが明らかになったため、32話で打ち切り。 同様の事態は後番組『忍者キャプター』でも発生しており、おもちゃと視聴率の両立の難しさが察される。 なお、この困難な状況を打破して大成功を収めたのが、続く『スパイダーマン』であった。 小さなスーパーマン ガンバロン(1977) 後半で後に『ときめきメモリアル』の藤崎詩織役を演じる金月真美が出演していた事でも知られる特撮番組。 メインスポンサーだったブルマァクが倒産したため作品に使用できる資金が大幅に減少。番組継続が不可能となり、結局最終回もなしに全32話で打ち切られた。 第32話の最後でガンバロンが「また来週も見てね」と言っていたが、その来週が来ることはなかった。 ちなみにバロンシリーズできちんと完結するのはロボット格闘大会を主軸にリメイクした1994年のアニメ版『レッドバロン』を待たねばならない。 こちらも視聴率は些か厳しかったものの、玩具の売上が良好だったため打ち切られず4クール全49話を完走することに成功した(一部地域では売り切りになったところもある)。 よりにもよって同時期の『機動武闘伝Gガンダム』と題材はおろかメインキャスト(山口勝平)まで被ってるのに良く打ち切られず奮闘したもんである。 なおブルマァクの倒産により『ガンバロン』と同じく同社がメインスポンサーだった『合身戦隊メカンダーロボ』も打ち切りの危機に瀕したが、こちらは総集編的な形態になりながらも何とか完走している。 スターウルフ(1978) 円谷プロ製作の特撮番組。原作はアメリカの小説である。 当時は「スター・ウォーズ」や「未知との遭遇」といったSFブームであり、本作もそれを反映して制作され、人気番組「びっくり日本新記録」を終わらせて放送を開始した。 しかし視聴率は4〜7%と低迷、途中で路線変更を図るも全く改善せず、ついにはスポンサーの三洋電機とポピーが両方とも降板してしまう。 このため、4クールの予定だったところを全24話で打ち切られた。 なお、前述の2社が撤退した分は広告代理店が無理やりスポンサーをかき集め、何とか最終回まで放送し切った。 結局打ち切りによって前番組『びっくり日本新記録』が復活することとなった。 魔法のプリンセス ミンキーモモ(1982~1983) いわゆる初代空モモ。 視聴率は好転したものの、おもちゃの販売が頭打ちになったと玩具会社に判断され打ち切り決定。 これに怒ったスタッフにより主人公のモモが使命を果たせないまま皮肉にも玩具屋のトラックに轢かれて死ぬという玩具会社への抗議表現を含む有名な最終回を迎えてしまう。 しかし、アニメとは無関係に開発されていた新商品のキャラを登場させる販促番組としての延長が急きょ決定。 2回の総集編放送により再準備期間を設け、一部に当初予定していた最終回構想も取り込んだ新展開の第2部がスタートした。 余談だが、2代目である海モモも中々に衝撃的な結末を迎えている。 超攻速ガルビオン(1984) メインスポンサーのタカトクトイズが営業不振で倒産してしまい、代わりのスポンサーが見つからず打ち切り。 結局ほぼ完成状態の第22話のラスト30秒に止め絵とナレーションによる「結末」を加えて強引に終了。 この顛末には全国のファンから抗議の電話やハガキが国際映画社へと送られ、国際映画社側も泣く泣く謝罪せざるを得なかった。 なお、シナリオは第26話まで出来上がっていた様子。 その後、先述の『ふたり鷹』で国際映画社は倒産することになる。 蒼き流星SPTレイズナー(1985) メインスポンサーのバンダイが出していた残念な出来のプラモの売れ行きが悪く、3クール目で北斗の拳チックな路線変更をしたところに 三洋電機が石油ファンヒーターで一酸化炭素中毒事故を起こした影響で撤退し、本作より『機動戦士Ζガンダム』や『機動戦士ガンダムΖΖ』が本命だったバンダイの意向もあって打ち切り。 打ち切りが急に決まったこともあり、最終話の前の回となった第37話の展開から一気に話が飛んでいきなり最終話(おそらく第50話前後に相当)が始まるというぶっ飛んだ構成になっている。 なお、この話が一気に省略された4クール目相当の部分はOVAの第3巻という形で補完されている(ちなみに1巻、2巻はテレビアニメの総集編)。 ちなみに視聴率は平均10%と悪くない……どころか裏番組がおニャン子クラブを輩出した『夕やけニャンニャン』の全盛期だったことを踏まえると大健闘した番組であった。 当たり前だが、この件でバンダイとサンライズの間には結構な溝が出来たようで、リアルロボットブームが下火になったのもあってガンダムシリーズはTVアニメを『ZZ』で一旦終了。 映画やOVAなどでガンダムシリーズ自体のリリースは継続しつつも、TV放送の再開は93年の『機動戦士Vガンダム』まで間が空くこととなる。 ただこの頃から始まった「SDガンダム」が大ヒットしOVAや劇場版アニメまで作られ、「自分達の関与しないガンダムの企画」のヒットがサンライズに衝撃を与えた事、そして『Vガンダム』の監督は「スポンサーと刺し違えるつもりだった」と語る程バンダイの意向をガン無視し、子供向け番組とは思えない陰鬱な物語を展開していったのはまた別の話。 その一方でサンライズは『魔神英雄伝ワタル』『鎧伝サムライトルーパー』を皮切りに、当てつけの如くバンダイのライバル企業であるタカラ(現・タカラトミー)主導によるシリーズものアニメを多数制作する(*58)(*59)。 ベストヒットUSA(1981~1989・2003~) テレビ朝日で放送されていたブリヂストンの一社提供番組。 VJ小林克也の軽妙なトークに乗せて洋楽の最新PVを流すというもので、開始はあのMTVよりも早い。 海外アーティストの最新映像が見られる貴重な番組として若者に人気を博し、80年代の洋楽ブームのけん引役となった。 1989年にテレビ朝日がスポンサー料の値上げをブリヂストンに申請したが、「内容が同じなのにスポンサー料の値上げは納得できない」と同社が拒否したことから打ち切り。 末期には裏番組である「ねるとん紅鯨団」を筆頭に各局が深夜番組に力を入れるようになったことから視聴率的に苦戦しており、先のスポンサー料値上げもこの流れに準じたものであったが、放送形態を見直した方が良いと判断され終了に至った。 その後、番組は2003年からBS朝日で復活し(一部地上波テレビ朝日系列局でも放送)、2021年には誕生40年を迎える長寿番組となった。 スポンサーのブリヂストンについても節目の回で一社提供を実施するなど、今なお良好な関係を築いている。 新世紀GPXサイバーフォーミュラ(1991) F1ブームに乗っかり、先述の『魔神英雄伝ワタル』などを放送したロボットアニメの枠で放送されたレースアニメ。 しかし、玩具は不振で視聴率も全く振るわず、遂にタカラがスポンサーを降りてしまい、4クールのところを3クールに変更して最終回までの流れを強引にやり切る形で打ち切られた。 だが人気がなかったというわけではなく、少年よりも青年やあっちの方々にかなり受けていた。 このため、OVAなどで長期に渡って展開が続いていくことになる。 完結編となる「SIN」が発売されたのはなんと2000年。 『SIN CYBER GRANDPRIX』シリーズに至っては初代こそ同人ゲーム扱いだが、2作目からサンライズ公認となり、2018年にも新作が出て、2020年にはPS4への移植まで果たしているほど。 2021年に30周年を迎え、CDの復刻BOXが発売されたりと「本当に打ち切り作品かコレ?」という展開を見せている。 世界ふしぎ発見!(系列外ネット局のみ、1995〜2020) 言わずと知れたTBS制作の長寿クイズ番組。 系列外の秋田放送・福井放送・四国放送(いずれも日本テレビ系)でもTBS系列局がない都合上、1995年より遅れネットされていた。 しかしスポンサーである日立グループが事業展開等の変化により家電など個人向け商品の宣伝活動を縮小することとなり、これによって2020年6月をもって上記の3局では放送が打ち切られた。 主に地方局において遅れネット番組が突然打ち切られることはそれほど珍しくないが、そのほとんどは編成の都合によるものであり、このようにスポンサーの都合というのは珍しい。 破邪巨星Gダンガイオー(2001) スポンサーの都合で2クールの予定が1クール分しか確保できなかった。 …のだが、話を縮小する事もなく1クール目のみを放送して終了となった。 最終回を一言で言えば、「翌週にグレートマジンガーが始まらなかった『マジンガーZ』」である。 Cosmic Baton Girl コメットさん☆(2001~2002) 以前に2回特撮で放映された作品のリメイク。 原作は横山光輝だが、クレジットには表記されていない。 特撮版でヒロインを務めた九重佑三子と大場久美子の2名を重要な役柄でキャスティングし、コメット役の前田亜季を含めた3名で制作発表を実施、本編も街並みの繊細な表現や心情描写などが話題となったが、 メインスポンサーのタカラが玩具の売り上げ不振により撤退してしまい、4クールの予定が3クールに大幅に短縮された。 打ち切り決定後は若干物語が駆け足となったが、自然な形で最終回を迎えている。 本編で語りきれなかったエピソードはDVD-BOXのミュージッククリップ内に新規書き下ろしで補完された。 その後流行する癒し系の先駆けとも言えるこの作品は、生まれる時代が少々早すぎたのかもしれない。 FF U ~ファイナルファンタジー:アンリミテッド~(2001~2002) 『ファイナルファンタジー』唯一の地上波アニメ作品であるとともに、あの悪名高き映画版『ファイナルファンタジー』の煽りで打ち切られた悲劇の作品として有名。 当初は駄アニメと見られていたものの、ゲーム版にはない特異な設定や演出で徐々に人気を獲得し、2クール目に入る頃には相応の固定ファンを抱えていたが、 FFシリーズの発売元、かつアニメの主要スポンサーでもあったスクウェア(現・スクウェア・エニックス)が映画版の歴史的大失敗を機に「映像部門からの撤退」を表明。半分の2クールとなる。 熱心なファンを生み出しはしたが、版権などの問題で客演も難しいようだ。 給与明細(2001~2008) テレビ東京で放送されていた深夜番組。 水商売などあまり知られていない世界の仕事や給料についてスポットを当てた番組で、テリー伊藤が企画制作・進行を担当していた。 スポンサーのプロピアが2008年7月に倒産。改編期が近かったこともあって新規スポンサー獲得に間に合わず、同年9月をもって打ち切られた。 2014年には別の企業がスポンサーに付いた上で『給与明細2』として復活し、半年間放送された。 2018年からはABEMAにて第3シリーズの配信が開始された。 料理バンザイ!(1982~2002) 大河ドラマ『徳川家康』などで有名な俳優の滝田栄が司会を務めていた料理番組。 20年続いてきた長寿番組であったが、2000年以降スポンサーである雪印グループの相次ぐ不祥事により、雪印側から降板の申し出があり、2002年3月31日放送分をもって打ち切られた。最終回では雪印グループの謝罪広告が流れた。 この打ち切りの影響で、番組を制作していたプロダクションのカノックスは収益が大幅に悪化し、2004年に民事再生法を適用している(最終的には創業者である久世光彦の死去もあり、2010年に会社解散)。 ボボボーボ・ボーボボ(2003~2005) PTAに徹底して糾弾された悲劇のアニメ(冒頭の一文の元ネタはこれ)。 ゴールデン→放送局減少→関東地方のみとどんどん放送範囲の縮小を余儀なくされ、最後にはスポンサーが1社もいなくなってしまった。 それでも制作会社が制作費を持ち出し(*60)、スポンサー無しでしばらく放送を続けていたが、さすがに株主総会で取り上げられてはどうしようもなく、あえなくギブアップした。 一説によるとスタッフが主人公の合体形態の一つである田ボのファンで、その再登場回をアニメ化するためだけに粘っていたなんて噂もあるとか。 まぁPTAの「こんな番組を見ていたらバカになる」という主張に反論できる人は多分いないだろう。バカだから見ているとも言えるかもしれない。 なお、打ち切られなかったら突入していた裏マルハーゲ帝国編は出る作品を間違えていると名高い作中トップクラスのマジキチが登場するシリーズでもあるので、仮にスポンサーがいたとしても放送は厳しかったのではないかという声もある。 最近では中国の国内で放送してはいけない番組リストに入っていたことで話題になった。中国政府もこれを見ていたらバカになると思ったのだろうか(*61)? アニメ終了から15年後、まさかの農林水産省公式アカウントが突如としてボーボボネタをツイートし、ネットの一部が騒然となる出来事もあった。 今ではPTAの批判に対して「バカになるどころか国家公務員にもなれる」との反論も可能である、かもしれない。 週刊ことばマガジン(2005~2011)、情熱エンジン(2005~2011)、ふしぎのトビラ(2006~2011) いずれも東北6県・新潟県で放送されていたローカル番組。 スポンサーだった東北電力が2011年3月の東日本大震災の影響で経営・イメージ悪化したため、震災時の放送休止がそのまま放送終了状態になってしまった。 ちなみに福島県など東北各県で東北電力と東京電力が提供していた番組は震災と原発事故を機に全て打ち切り、あるいはスポンサー降板となっている。 尚、スポンサーこそ違うが、同じ東北ブロックネットの東日本放送制作の「週末釣り倶楽部」も震災以降は休止してしまい、事実上打ち切られている。 やっとかめ探偵団(2007) 清水義範の小説をアニメ化した作品。 テレビ愛知制作で、中京ローカルで放送された。 多くの登場人物の演者に尾張地方出身の声優を起用することで自然な名古屋弁を実現したり、ナレーションにこれまた尾張出身の落語家の三遊亭圓丈を起用したりとかなりこだわっていたのだが、1社単独提供でCMの放送時間数が足りず(*62)、13話で打ち切り。 映像ソフト化もされず、その後公式サイトも削除されてしまったため、完全に歴史の闇へと消えた。 なお、アニメは日曜朝の放送なのに不倫や殺人といった暗いネタが多く扱われていたため、内容的にスポンサーがつかなかったという見方もある。 窓をあけて九州(1979~2012)・未来への羅針盤(2010~2012)・あかりSTORY(2009~2012) いずれも九州地方で九州電力の一社提供で放送されていたローカル番組。 全国の電力会社が東日本大震災の影響で経営・イメージ悪化したことによるとともに、スポンサーだった九州電力が2011年7月に佐賀県の九州電力玄海原子力発電所の運転再開による佐賀県民向け説明会を行ったが、関係会社の社員は運転再開の指示にやらせメールを送っていたことが発覚(九州電力やらせメール事件)。 この為、九州電力は業績不振に陥り、広告費削減のため当該3番組のスポンサーが降板となり、2012年3月をもって終了となったが、「窓をあけて九州」に関しては3つのグループ会社との共同で、2016年4月から「新 窓をあけて九州」のタイトルで番組が復活している。 【ネタ切れによる打ち切り】 番組で取り扱うネタが枯渇してしまい、それ以上の番組制作が困難になってしまったパターン。 末期になると明らかなネタの水増しや使い回しが散見されるようになったり、扱われる話題が目に見えて新しくなったりといった現象が多発する事が多く、場合によっては路線変更による迷走や視聴率低下といった他の打ち切り要因を招く原因になるケースも少なくない。 特に視聴者投稿をメインに据えた番組(トリビアの泉とか)はその性質上ネタの供給が安定しているとは言い難く、常にネタ切れの危機に脅かされている。 一方で番組人気や制作体制その物の問題というわけではないため、打ち切りの理由としては比較的ポジティブな理由であり、中には後々特番として復活したり様式を変えた別番組として仕切り直すなどして延命に成功するケースも。 【ネットチェンジに伴う打ち切り】 地方の民放局で見られるパターン。 地方のテレビ局はクロスネット局でスタートすることが多く、後年新たに系列局が開局した場合、系列キー局や準キー局が制作していた番組が移籍するため打ち切りとなる。 但し、局の方針や編成の都合から文字通りの打ち切り、つまり終了となってしまうことも。 東リクイズ・イエス・ノー(1974~1975) 1975年4月に行われたネットワークの腸捻転解消(*63)に伴う打ち切り例。 毎日放送制作で、児玉清が司会の視聴者参加型クイズ番組。 ○×クイズで30人抜きをすれば賞金100万円というルールだったが、あまりに難易度が高すぎたため半年後に5人抜きに変更。 それでも視聴率は伸びず、結果開始から1年で打ち切りとなった。 終了後同枠は朝日放送制作となり、司会とスポンサーを引き継いで新たに開始したのが『パネルクイズ アタック25』である。 山形テレビにおけるフジテレビの番組(1993) 山形テレビは元々フジテレビ系列局であったが、様々な事情によりテレビ朝日系列へのネットチェンジを決定した。 しかし、明確な理由も説明しないままネット離脱を伝えたためフジテレビ側は激怒。 全ての番組のスポンサー交渉を山形テレビだけ単独で行わせるというペナルティを課したものの、山形テレビの気持ちは動かず、結局1993年3月31日をもってフジテレビ系列を脱退した。 これにより、山形テレビで放送されていたフジテレビの番組がほぼ全て打ち切られることとなった(*64)。 翌日からはテレビ朝日の番組が放送されることとなったものの、当時数多くの人気番組を抱えていたフジテレビに対し、テレビ朝日は『ドラえもん』『徹子の部屋』『ニュースステーション』くらいしか人気番組がない状態。当然県民が納得するはずがなかった。 さらにフジテレビは山形テレビだけでなく、ネットチェンジに協力したとみなした山形放送に対しても番組販売を拒否したため、残る一局のテレビユー山形において『サザエさん』など一部が放送されるにとどまった(*65)。 このような状況に県民の不満が爆発し、署名運動やフジテレビの後押しによって1997年、フジテレビ系列局のさくらんぼテレビが開局した。これにより民放が4局揃ったため、ある意味結果オーライとも言えるだろう。 ちなみに山形テレビは最初テレビ朝日系列局として開局する予定だったが、前述した服部天皇の鶴の一声でフジテレビ系列局となったため、このネットチェンジはある意味当然の判断ともいえる。 【サービス終了に伴う打ち切り】 チャンネルの運営終了による打ち切りというあんまりなケース。 2000年代以降は新たにCS放送局が多数開局したが、小回りが利く一方採算面では地上波以上にシビアなため、開局から10年持たずに放送終了する例も少なくない。 近年は前述したように動画配信サービスが普及したが、サービス自体も過当競争になりつつあるため、今後オリジナル番組についてはサービス終了→打ち切りでそのまま封印作品となってしまうリスクも生じるようになった。 「内村さまぁ~ず」のように配信先を転々としながら継続する番組もないわけではないのだが… 2012年3月の第一興商スターカラオケ終了における打ち切り スターカラオケはその名の通りカラオケなどの音楽番組を放送していたCS放送チャンネルなのだが、2009年10月から新たに昭和のアニメや特撮の放送を開始した。 しかし放送ペースはなぜか2週1話という超鈍足ペースだった。つまり全話放送するには本来の2倍の年月がかかってしまうことになる。 2011年、運営元の第一興商はテレビ放送からの撤退、および当チャンネルの放送終了を公表。 当時放送されていた『鉄腕アトム』、大場久美子の『コメットさん』は全話放送できないまま、チャンネルの終了とともに途中で打ち切られた。 ……それにしても第一興商は『アトム』を8年もかけて放送するつもりだったのだろうか。 2016年6月のNOTTV停波に伴う打ち切り NOTTVはNTTドコモの子会社として設立した携帯電話向けのマルチメディア放送局で、2012年4月に開局した。 しかし放送を受信するには専用のチューナーとドコモとの回線契約が必須とハードルが非常に高く利用者数は伸び悩み、2015年に翌年6月での停波・放送終了を発表。 これに伴いオリジナル番組は軒並み打ち切りとなったが、『AKB48のオールナイトニッポン』のサイマル放送はSHOWROOMに、『もう!バカリズムさんのH!』はフジテレビONEにそれぞれ移行して継続した。 マルチメディア放送は地上アナログ放送終了で空いたVHF帯の有効活用を狙ったものだが、同時期に急速に普及した動画配信サービスに太刀打ちできず、現在同帯を使った放送局は存在しない。 2023年のGYAO!サービス終了に伴う打ち切り GYAO!はヤフーが運営する動画配信サービスで、テレビ番組の見逃しや『木梨の貝。』『木村さ〜〜ん!』『M-1グランプリ』の予選・ワイルドカード・反省会といったオリジナル番組を配信していた。 2023年1月にヤフーおよびLINEを運営するZホールディングスがGYAO!とLINE LIVEの同年3月末終了を発表し、オリジナル番組については同月内で全て打ち切りとなった。 なお、M-1については予選会が公式YouTube、ワイルドカードがTVer、反省会がLeminoへそれぞれ移行して配信が実施されている。 【お色気番組の打ち切り】 テレビ黎明期から深夜番組では様々なお色気番組が放送されてきたが、現場や視聴者に好評でもPTAや局の上層部からはあまりいい顔をされず、低俗番組とクレームが入って番組終了、あるいはネット打ち切りとなった番組も数多い。 一方在阪局のように「エログロは麻薬のようなもの、一度手を出すと過激な映像を求めてきりが無くなってしまう」との判断から制作・ネット受けをしなかった例もある。 1980年代後半以降になると女性の社会進出に伴い深夜番組も女性層を重視するようになり、視聴率を度外視したマニアックなバラエティ、あるいは若者向けのドラマといった現在の路線へシフトするようになり、お色気番組はそのほとんどが姿を消した。 とはいえテレビ東京やサンテレビのようにコンプラの波をかいくぐりながら作り続けている局もあるので、やはりお色気は欠かせないコンテンツなのだろう。 本項ではお色気とはいえない番組も入っているが、便宜上それらも含めて記述する。 23時ショー(毎日放送・1971) 11PM(山形放送・1978) 11PM・ミセス ミセス(山口放送・1978) 「23時ショー」はNETテレビ(現・テレビ朝日)で放送されていた深夜番組で、過激なお色気コーナーを売りとしており、裏番組の「11PM」としのぎを削っていた。 毎日放送は金曜放送分の制作も担当していたが、1971年に「内容が低俗すぎる」として放送を打ち切った。このような理由でのネット打ち切りはテレビ史においてこれが初である。 打ち切りの背景には前述の理由のほか、お笑い路線で行きたいMBS側とお色気路線を維持したいNET側の対立も一因としてあった。 「11PM」は1965年から1990年まで放送された深夜番組で、月・水・金曜が日本テレビ、火・木曜が読売テレビ制作だった。 山形放送では当時の社長・服部天皇服部敬雄が低俗な内容の改善を日本テレビ側に要求するも、日本テレビ側が応じなかったため1978年に打ち切り。 山口放送では上述2番組のほか、「ウィークエンダー」「お昼のワイドショー」などの番組で低俗化が進んでいることを訴えるも、改善が見られなかったため前者の2番組を1978年に打ち切った。 余談だが、「11PM」は時事問題や麻雀や釣りにオカルトに、音楽ライブに温泉や新車レビュー、果ては地方局とタッグを組んだご当地特集など様々な企画を放送しており(*66)、後年語られるほどお色気に特化した番組ではない。 3分勝負15ラウンド(1976) フジテレビで放送されていたバラエティ番組。 ドラマやクイズなど様々なジャンルの3分番組をオムニバス形式で放送するという内容であった。 お色気要素があるものも多く、その中の1つの「上から油が流れるすり鉢に水着姿の女性たちを入れ、上にある商品を目指して這い上がる姿をカメラで舐め回すように下から撮影する」という企画が当時のフジテレビ社長の逆鱗に触れ、わずか3か月で打ち切りとなった。 この手の番組はフジテレビの十八番‥と思われがちだが、当時のフジは「母と子のフジテレビ」というキャッチフレーズの下、ファミリー健全路線の編成を組んでいたこと打ち切りの一因となっている。 女子プロレス中継 世界選手権シリーズ(1968~1970) 東京12チャンネル(現・テレビ東京)で放送されていた女子プロレス中継番組。単発で放送された特別番組が22.4%と高視聴率を獲得したためにレギュラー化された。レギュラー化後も常時15%の視聴率をキープするほど根強い人気を誇った。 しかし上層部の会議において、お色気番組2本を放送するのは不要として、同時期に人気を博していたテレビドラマ「プレイガール」のどちらかの打ち切りを迫られることとなる。プロデューサーの説得も虚しく、上層部は当番組を打ち切り、「プレイガール」を存続させることを決定した。 当時は女性が男性ばりのアクションを見せる番組に対し「低俗」「エログロ」とみなす風潮が根強く、そうした世論の高まりが原因とも言われている。 さんまのサタデーナイトショー(1981~1984) テレビ東京で放送されていた深夜番組。司会は明石家さんま。 深夜帯であるにも関わらず視聴率10%台と好調で、当時のテレビ東京の全番組の中で最高視聴率であった。 しかし「局の最高視聴率がお色気番組というのは体裁が悪い」という上層部の夫人の抗議で打ち切り決定。さんまはこの件を相当根に持っていたらしく、以降テレビ東京制作番組の出演は2018年の「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」まで待つこととなる。 民放キー局制作の土曜深夜ワイドショー番組(1984~1986) 1983年にフジテレビで開始した「オールナイトフジ」が、AV紹介や風俗店レポートなど過激なお色気路線で人気を博したことから、1984年10月以降各キー局が同種の番組を開始し、それまで不毛の地と言われていた土曜深夜枠を大きく盛り上げることとなった。 ところが、その過激な内容が国会で取り上げられるほど問題となり(*67)、翌1985年3月に管轄の郵政省(現 総務省)から深夜番組自粛の通告が来たことで、「オールナイトフジ」を除く全番組が1986年3月までに打ち切りとなった。 TBSのみ非お色気路線だったのだが、視聴率低迷で終了というある意味まっとうな理由だった。 その一方、元祖でもある「オールナイトフジ」は85年4月からお色気路線を全廃し、最終的には91年まで続くというロングランぶりを見せており、その後も何度か復刻版やオマージュ番組が制作されている。 【その他】 カウボーイビバップ(1998)、バブルガムクライシス TOKYO 2040(1998~1999) 「枠が足りなかった」というとんでもない理由で、地上波ではごく中途半端にしか放送されていない。 『カウボーイビバップ』はテレ東規制に巻き込まれ、比較的刺激の低い数話しか流さなかったが、一応WOWOW(地上波終了後)で放送された。 『バブルガム2040』は最終2話をVHSおよびDVDで収録されたが、厳しい言い方をしてしまえば作品を舐めているとしか思えないだろう。 レディレディ!(1987~1988)、ドラゴンクエスト ダイの大冒険(1991~1992)、B'tX(ビートエックス)(1996) いずれもTBSテレビ制作のアニメで、「TBSの編成の事情」という最悪なパターンで打ち切られた例。この局の学習能力の無さは何なのか 『レディレディ!』も『ダイの大冒険』も視聴率も関連商品の売り上げも上々だったが、『編成の都合』という名目でスポンサーの断りもなく打ち切られてしまった。 一応、『レディレディ!』は放送局をテレビ東京に移して『ハロー!レディリン』という新シリーズが放送されたが、ローカル枠だったため視聴できなかった人は少なくはないだろう。 『ダイの大冒険』に関してはタカラから発売されていたミニフィギュア玩具「ダイコロ」シリーズの売り上げも上々で、竜騎衆ラーハルトの試作品も作られていた。 ……が、TBSがフジテレビのバラエティ対策として片っ端から人気番組を打ち切って月曜から木曜の19時台に「ムーブ」という帯のバラエティ番組の時間枠を作ろうとしたのが運のつき。この番組も編成の事情に巻き込まれて中途半端に打ち切られてしまった。 ついでに言うと『笑ゥせぇるすまん』を番組内アニメとして放送していた『ギミア・ぶれいく』も打ち切られており、司会だった大橋巨泉はその体制を番組最終回で批判した(*68)。 この件で制作元の東映アニメーションは完全にキレたのか、これ以降TBS系列で放送した東映アニメは2007年の『ラブ★コン』のみである(2022年1月時点)。 当然のことながら、2020年からの『ダイの大冒険』の再アニメ化もテレビ東京系列の放送となっている。 なお、肝心の「ムーブ」はこれらの所業が祟って『上岡龍太郎の男と女ホントのところ』以外が爆死レベルの視聴率しか出せずに1年で打ち切り。 テコ入れで「ザッツ!」へと改名されるも半年程度で枠が消滅。 唯一好評だった『関口宏の東京フレンドパーク』は半年後に『関口宏の東京フレンドパーク2』へとリニューアルされ一躍人気番組になったが、こちらは2009年の「総力報道~」の改編に巻き込まれる形で終了に追い込まれた。 こうした改編が行われる最大の理由として、編成部長や社長といった上層部の交代が挙げられる。 オードリーの若林曰く、テレビ局で新社長が真っ先にやりたいことは「社長が交代してよかったという実績を上げる」ことであり、その方針として改編を提案することが多いのだとか。そして現場やタレント側は新上層部へのゴマすりを欠かさないようにする。 前述の「ムーブ」新設はTBSが野村証券の損失補填問題で大きく揺れていた時期で、あっさり黒歴史となった新ロゴ「ミクロコスモス」の制定に代表されるイメージ回復策として改編を実施したものだが、視聴者側を悉く無視した内容はあまりに酷過ぎた。 その後、TBSは改編失敗に加えビデオ事件などの不祥事もあり、世間からの信頼を大きく失い冬の時代を迎えることになる。 余談だが、「大型バラエティ枠の開始に伴い番組時間帯変更」になったものとしては同じく2009年4月に日本テレビで放送された『サプライズ』枠があるが、こっちの場合は移動させられた『名探偵コナン』など3番組が現在でも継続し(*69)、「サプライズ」枠も「ムーブ」と似たような感じになり、「サプライズ」枠は2010年3月で終了となった。 しかし、火曜日の放送は評判は良く、2010年4月からは『火曜サプライズ』として単独番組化し2021年3月まで放送され、レギュラー放送終了後も不定期特番として放送されている。 『B'tX』は1年放送を念頭に置いていたのか、原作のストックが追いつくのを何とか避けるためアニメオリジナルエピソードで水増したり、エックスに似た黒い麒麟のB't・シャドーエックスとそれを駆る黒いバトルギアを纏った謎のドナー・黒騎士を登場させたり…と工夫したが局の都合で打ち切られた。 しかし、アニメの方はOVA『B'tX NEO』で完結しており、シャドーエックスは原作漫画にも登場、作品自体は無事に幕を閉じている。 また、海外での評価は高かったのか、日本では未発売に終わった『ソリッドスキャンキット』のマックス、マドンナ、リュカオン、五色の燐光を発動したエックスなどが発売されている。 追跡(1973) 関西テレビ制作のドラマ。 第15話として予定されていた「汚れた天使」を試写会で見た関西テレビの重役が「内容が非常識」と判断し(*70)、次話の「灰色の天使」への差し替えを一方的に決定。 これに同作品を手掛けた唐十郎が「放送しなければ関西テレビと絶縁する」と激怒し、主演の中村敦夫をはじめとする出演者とスタッフ、さらには中村の事務所の先輩にあたる初代黄門様こと東野英治郎も同調するという事態に発展した。 しかし関西テレビは差し替えを強行。これにより全出演者・スタッフが撮影をボイコットしたため、全16話で打ち切られた。 なお「汚れた天使」は後に行われた唐十郎の自主上映会で日の目を見ることとなった。 ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説(2009・チバテレビ再放送時) 『ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人』発売直後の2009年8月にチバテレビ夕方5時台のアニメ枠で再放送されるも、6話放送したところで ドラゴンクエストの放送について 「ドラゴンクエスト」は放送権利の問題で急遽放映できなくなりました。ご了承下さい。 と同局ホームページで公表、視聴者にはよくわからない理由で打ち切られてしまった。 ……アニメの『ドラクエ』はよほど打ち切りと縁が深いらしい。こんな理由でご了承できる人はそういないだろう。 なお、『ドラクエ』打ち切り後のこの枠では『らんま1/2』が放送され、こちらは無事全話完走している。 同局ではこの数年前に『うる星やつら』を放送、途中終了したが膨大な話数を抱える1話完結形式の作品が、穴埋めなどの目的で一部のみ再放送されることはそう珍しいことではない。 しかし、このように完結した続き物の作品が打ち切られるのはよほどのことと言える。 ドラえもん(日本テレビ版)(1979・富山テレビ再放送時) 現在も放送中のテレビ朝日版ではなく、封印作品にも名を連ねる1973年放送の日本テレビ版の方の話。 本放送後もしばらくは再放送が行われており、1979年7月には作者の出身県である富山県の富山テレビで再放送が開始されたが、わずか9回で打ち切りとなった。 これを最後に再放送は行われなくなったため、日本テレビ版が公の場に出た最後の機会となった。 打ち切りの理由について、『封印作品の謎』の著者である安藤健二が小学館元専務の赤座登に行ったインタビューによると、 「作者の藤子・F・不二雄が再放送に憤慨し、小学館と藤子スタジオが連名で放送中止を求める警告状を送った」とされている。 一方、テレビ朝日元編成部長の高橋浩は、自著『視聴率15%を保証します!』において、「テレビ朝日版が同年4月に放送を開始した事を踏まえて、子供たちを混乱させないため小学館に日テレ版を封印してもらった」という別の理由を述べている。 そもそもこの日本テレビ版『ドラえもん』自体自体、打ち切りではないが想定外のトラブルにより終了したという経緯がある。 「2クール放送、人気が出れば延長」という契約で始まり、そこそこの人気により3クール目突入が決まりかけたところで製作会社の社長が失踪して会社の解散が決定。 大混乱の中なんとか最終回を製作して、当初の予定であった2クールで終了させるという悲劇的な終局を迎えている(詳しくは封印作品の本作品の項を参照)。 いつか復活する日を信じたスタッフにより、最終回のエンディングでは敢えて「次回をおたのしみに」というメッセージが流された(*71)。 テレビ朝日の大山版でもこれを踏まえて 放映第1作は『ゆめの町ノビタランド』を選び、『未来の国からはるばると』から始めない。 のび太とドラえもんの出会いは特番の回で放映する(*72)(*73)。 という対応がとられており、一応全く無かったことにはなっていなかったようだ。 機動新世紀ガンダムX(1996) 当初は他のTVシリーズのガンダム同様に4クールが予定されていたが、3クールに短縮された。 また、打ち切りが決まる以前の段階で放送枠が夕方から早朝に移行していた。ガンダムの公式ギャグ漫画は数あれど、「本放映が始まるからで他の主人公を朝から叩き起こす」ネタが許されるのはガロードくらいだろう。(*74) その理由は編成上の都合とも、当時の放送局がアニメを軽視していたことによるとも、はたまた『新世紀エヴァンゲリオン』となるとロボアニメとして相手があまりに悪かった(*75)ともされているが、真相は定かではない。 とはいえ、放送期間が短くなったことで終盤はかなりの急展開であったものの、全体として切られたエピソードは無いようである。 ゲゲゲの鬼太郎(第5シリーズ)(2007~2009) 『ドラゴンボール改』を放送するため100話で打ち切り……と言われていたが、実際はタイアップのおもちゃの売上が芳しく無く、更に2008年9月のリーマンショックに伴う世界的な大不況で巻き返しも見込めなかった事などが絡み合った複雑な事情によるものとされる。 しかし視聴率自体は高く、定期的にネットニュースのアニメカテゴリでトップを飾り、シリーズ構成の三条陸も長期シリーズとして続けていきたいと語っていたが、スタッフの熱意や視聴者の期待も虚しく100話打ち切りが劇場版公開前に決定してしまった。 その最終話は5期からサブレギュラーとして度々登場した天狗ポリスのエース・黒鴉の過去に関するエピソードであり、その話のラストで鬼太郎が視聴者に向けて「僕たち妖怪の百の物語はこれで終わりです」と語りかける典型的な打ち切りエンドであった。 もし100話で打ち切られていなかった場合、残りの妖怪四十七士の覚醒や獄炎乱舞・武頼針に次ぐ地獄究極奥義などをテレビアニメで描き、真の最終回となる劇場版で四十七士全員が顔合わせをし、鬼太郎たちと力を合わせて史上最強の敵に立ち向かうという構想が練られていた。 更にテレビシリーズで足跡の怪もリメイクが予定されていたというほか、三条は「『大海獣』でガッツリ怪獣ものやりたい」「メカ大海獣はなんとしても出してやる!」と述べていたとされる。 幸いにも映画『劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』は企画段階で立ち消えにならず、テレビシリーズで覚醒しなかった四十七士もこちらで「東映特撮の追加戦士の紹介のノリで半覚醒し、四十七士全員で力を合わせて最強の敵に立ち向かう」という真の最終回的な内容は実現した。 また「足跡の怪」のリメイクは後年の第6シリーズで実現したが、第6シリーズは第5シリーズと設定や作風も大きく異なっているため、第5シリーズでもし制作されていたらどのような内容になっていたのか興味深いところである。 名犬ラッシー(1996) 全26話が制作されたが、最終話が野球中継により放送されず。 元々『名犬ラッシー』は1年4クールかけて放送される予定だったのだが、何らかの事情で半年2クールに短縮され、第26話は「野球中継が雨天中止になったら放送される」といういわゆる雨傘番組であったため、第25話で打ち切りとなった。 ただ第26話の内容はそれまでの話の後日談であり、ストーリーが尻切れトンボになったというわけではない。 さんまのナンでもダービー(1993~1995) アスリートや運動自慢のタレント達、名馬達をもじったポニーがレースを行い、ゲストが誰が1着2着かを予想してベット、当てるという競馬をモチーフとしたテレビ朝日のクイズ番組。 視聴率的には悪くなかったが、ゲストとして出演した野村沙知代(野村克也夫人)が収録中に横暴な態度を取ったり、途中でスタジオから出たりと次々と問題を起こし、さんまと大喧嘩を起こす騒動に。 しかしテレ朝側はあろうことか『さんまの方が謝罪するように』と沙知代の肩を持ち、これにさんまが激怒。テレ朝と絶縁宣言をし、1995年9月に打ち切りとなった。 以降さんまはテレ朝でのレギュラーは持たなくなったが、近年では「アメトーーク!」の年末企画「さんまVS若手芸人」に出演するなど、完全に縁を切ったわけではない。 一方、大阪のABCテレビでは全国ネットの特番や関西ローカル番組で出演機会が多い。 ダウンタウンのごっつええ感じ(1991~1997) 特番が急遽野球中継に差し替えられ、それに激怒した松本が収録をボイコットし、 最終的には番組打ち切りで手打ちとなった。もともと人気番組だったことに加え、打ち切りの経緯についても一二を争う知名度を誇る。 詳細は当該項目参照。 スーパージョッキー(1983~1999) 日本テレビで日曜午後に放送されていたバラエティー番組。司会はビートたけし。 あの「熱湯風呂」を生み出したのもこの番組である。 打ち切りの理由について、司会だったたけしは「当時の日テレ社長が民放連の会長に就任した際、番組の風紀向上を謳ったところ、『だったらあんたの所のスーパージョッキーを打ち切れ!』という意見が噴出したため、打ち切らざるを得なくなった」と語っている。しかし単に企画自体のマンネリ化などによるものという説もあり、上記の話の真偽は不明。 むしろこんなお色気番組がここまで長続きしたことが凄いが。 ザ・スクープ(1989~2002) テレビ朝日で放送されていた報道ドキュメンタリー番組。 桶川ストーカー殺人事件では警察の怠慢と隠蔽を告発する内容の報道を行い、日本記者クラブ賞を受賞する快挙を成し遂げている。 2002年に番組の終了が予定されていることが明らかになると、弁護士や教授、ジャーナリストによる「『ザ・スクープ』存続を求める会」が発足、更に「テレビ番組は誰のものか?―テレビ朝日『ザ・スクープ』打ち切りを問う―」と題したシンポジウムが開催されるほどの事態となった。 だがこうした活動も虚しく、9月28日をもってレギュラー放送は終了、その後は年に5回放送をめどとして放送されていたが、2018年8月12日に放送された回を最後にそれ以降は制作されず、29年間の歴史に幕を閉じた。 打ち切りの理由であるが、これがよくわからない。 出演者の都合による打ち切りか、スポンサーの都合による打ち切りか、ネタ切れによる打ち切りかのどれかだと思われるが、推測の域を出ず断言はできない。 過去に不祥事(*76)を起こしたこともあるが、1993年のことであるためこれが打ち切りの直接の原因であるとは考えにくい。 異種族レビュアーズ(2020) 異世界での風俗店のレビューをするという漫画原作のアニメ(詳細は項目参照)。令和最初の打ち切りアニメとなった。 性的な内容ゆえ、「無修正ver」「裏オプver」「通常ver」に分けて制作されるなどしていたが、まず北米の配信サイト・ファニメーションにおける配信が停止され、TOKYO MXで第4話、サンテレビで第5話を以て「編成上の都合」という名目で放送打ち切りとなった。 第7話時点では地上波で残るのはKBS京都のみとなり、全話完走できるのかどうか…と心配されていたが、その後岐阜放送・びわ湖放送・奈良テレビでも放送が始まり、むしろ打ち切り前より放送局が増えるという謎の展開をたどっている。 「むしろ何故放送までこぎつけられたのか」とする意見も見られる。 TOKYO MXでは打ち切り後の差し替え番組が船番組であったため、「Nice boat.を意図してるんじゃないか」とか言われた。 夜の巷を徘徊する(2015~2021) テレビ朝日で放送されていたマツコ・デラックスの冠番組。 その名の通りマツコが夜の街に繰り出して様々な施設を訪問するもので、テロップやナレーションを極力使わない演出もあって異色の旅番組として人気を博した。 2020年の新型コロナウイルスの流行に伴いロケが出来なくなってしまい、同年6月以降はスタジオ収録でタイトルも「夜の巷を徘徊しない」に変更して新作の放送を再開。 しかし内容的に他のマツコの冠番組と変わらなくなったことや、時勢的に夜間ロケが再開できる可能性が見込めないと判断され2021年3月をもって終了。 前述の雛壇系バラエティ同様、この手のロケ番組も新型コロナウイルスの流行を大いに受けたジャンルの一つ。 2000年代前半のフジ深夜アニメにおける打ち切り 放送機器メンテナンスやスポーツ中継の延長などによる放送時間の消滅によって予定していたスケジュールで放送ができなくなり、 連続放送などの措置を取っても放送期間内に放映しきれなくなった結果打ち切られるという、かなり特殊なケース。 上記のTBSの「編成の事情」と同ケースだが、また違った理由による局の都合の打ち切り。 放送されなかった残りのストーリーはスカパーやBSで放送された。 当時のフジ深夜アニメではこの他にも深夜アニメの放映トラブルが常態化しており、結果フジにおける深夜アニメ放送そのものへの信頼が失われることとなった。 詳しくは2000年代初頭フジテレビ深夜アニメ問題にて。 NHK学校放送 小学校低学年向けの理科・社会科番組(1992) 打ち切りより廃止と言うべきだが、学習指導要領の改定により1991年度をもって終了した。 文部省(当時)の定めた教育カリキュラムから小学1・2年の理科と社会科が無くなり、それに沿って制作・放送されていた番組も終了せざるを得なくなったのだ。 該当番組は小1理科『なんなんなあに』、小1社会『それいけノンタック』、小2理科『はてなはてな』、小2社会『はたらくひとたち』の4つ。 いずれも1950年代~1960年代(!)からタイトルや内容を変えつつ長年放送されてきた番組で、パペットによる番組キャラと、お姉さん・お兄さん・おじさんなどの人間キャラやナレーターとの掛け合いで進行するのがテンプレとなっていた。 終了当時小学生だった子なら「やったくん、めるちゃん、のっくちゃん、どんとのおじさん」「ノンタック」「ポトリ、グラ」「ケンちゃん、フムフム」などのキャラ名に覚えがあるのでは。 もうちょっと上のお兄さんお姉さんなら「みるちゃん、きくちゃん、なんだろうくん」「ヌウくん、ピコちゃん」「カンちゃん、サッちゃん」「ペペ、モコ、ひとみ博士」「タンちゃん、ペロくん」などの方に馴染みがあるかもしれない。 翌1992年度からは理科と社会に代わり生活科が導入され、学校放送でも小1・小2それぞれに対応した生活科の新番組が開始されることとなる。 なお、小学3〜6年生向けの理科・社会科も、履修学年が4学年に縮小される関係で授業内容の入れ替えが生じた為、この前後の年度から番組のリニューアルや年度毎の単元差し替え(*77)が行われるなどの影響が及んだ。この為、移行前の録画ビデオを授業で使っていた小学校では「下級学年の授業で上級学年の学校放送の録画テープを視聴する」珍事が発生する事もあった。 アイアンキング(1985・テレビ埼玉再放送時) 最終回の1話手前で打ち切り。 本来ラスト2話は前後編構成となっており、第25話ではアイアンキングが怪獣タイタニアンに憑依されて街を破壊するシーンで終了、次の第26話で憑依が解け、タイタニアンを倒すという構成であった。 しかしあろうことか前編だけを放送して打ち切ったため、「ヒーローが街を破壊し続けて終わり」というとんでもないバッドエンドになってしまった。 また、アイアンキングの容姿がウルトラマンに似ていたため、「ウルトラマンが街を破壊し続ける最終回がある」という都市伝説が生まれ、伊集院光が『やりすぎ都市伝説』で取り上げる事態にまで至った。 BSジャパンにおける地上波番組のサイマル放送(2000) 2000年12月1日に開局したテレビ東京系のBS局・BSジャパン(現・BSテレ東)では、当初「テレビ東京が映らない地域でも番組がリアルタイムで見られる」ことを目的とし、放送番組の実に7割が地上波の同時放送となっていた。 …のだが、音事協による出演者の肖像権を理由とした激しい抗議や、出演者のギャラをめぐるトラブルが発生したため、半月ほどでその殆どが打ち切られてしまった。 その後は一部の生放送を除いて地上波の番組は時差放送となっているが、独自編成の拡大によりこれらの番組は減少傾向にある。 当初の目的であった「テレビ東京の全国放送」はその後、2022年にTVerにて(プライム帯限定で)リアルタイム配信がスタートし、22年越しに達成されることになった。 BS FUJIハイビジョンナイター(2001) BSフジで放送されていたプロ野球中継。 横浜ベイスターズとヤクルトスワローズの主催試合で対巨人戦以外の試合を水曜・日曜に約20試合ほどをハイビジョン生中継で放送し、BSデジタル放送の利点を生かし、特別会員のみが参加できる双方向システムを使ったゲームなどの企画も盛り込まれていた。 しかし当時のBSデジタル放送は一般的に浸透しておらず、いまひとつ盛り上がらなかったことに加えて、シーズンオフに横浜ベイスターズの親会社が変わったことなどの事情もあり、BSフジは僅か1年でプロ野球中継を取りやめることに。 以降はメジャーリーグ中継やオールスターゲーム・日本シリーズのサイマル放送程度に縮小されたが、2013年以降は公式戦の放送を再開している。 超獣機神ダンクーガ(1985) 「裏番組『夕焼けニャンニャン』の存在」「国内におけるおもちゃの売り上げの低迷」「海外でおもちゃを完売させ売る物がなくなった為の打ち切り」と様々な要因が重なっての打ち切り。 ただし、女性層を中心にキャラクター人気は高く続編のOVAや声優達によるライブも展開され、『スーパーロボット大戦』には常連の参戦作となっているなど需要は高く、言わば「時代が早すぎた」のかもしれない。 ついでにとんちんかん(1987~1988) 週刊少年ジャンプで連載されていたえんどコイチのギャグ漫画のアニメ化。 下ネタ当たり前、エイズやら黒人やらをネタにしたクレームもののギャグまで飛ばす作品ながらもアニメ放送はつつがなく行われていた。 が、第42話放送を控えた1988年9月19日に昭和天皇が吐血。以後、翌年1月まで続いた天皇の闘病を鑑みて日本国内には行事やイベント、テレビ番組についての自粛ムードが生まれることになり、このアニメも第42話の放送は中止され、翌週の第43話をもって打ち切りとなった。 番外 超電磁マシーン ボルテスV(1979年、フィリピン国営放送) 『ボルテスV』は日本での放送完結間もない1978年からフィリピン国営放送で放送開始され、「放送時間には子供が町から消える」と言われる程の人気を獲得し最高視聴率58%というバケモノじみた人気があった。 しかし、同作の最終回は「主人公たちが父親の母星に行き、独裁政治を打ち破る」というものだったが、当時のフィリピンにて独裁を敷いていた大統領、フェルディナンド・マルコスの鶴の一声で物語終盤に打ち切りという事態になった。 一説には最終回のストーリーが反体制運動に発展することを恐れたのではないかともいわれている…… が、後にNHKが再調査をしたところ、「過度に暴力的な内容」「戦時中を経験した世代が日本の作品に反発していた事」、そして「政治家へ便宜を測っていなかったために契約が打ち切られた事」が理由である事が判明。 その後、1986年に発生した革命によりマルコス独裁政権が倒れ、ようやく残りの数話を放送することが出来た。 なお、現在でもフィリピンにおける『ボルテスV』人気は根強く、2020年には東映の許可を得て実写ドラマ版の制作が発表され、2023年5月よりGMAにて全90話が放送された。 奇しくも本放送時点でのフィリピン大統領はその息子であるフェルディナンド・マルコスと同じ名前(*78)なのだが、内容は果たして如何に? クイズ!バーチャQ(2002) テレビ朝日で半年間に渡って放映された、「大魔王に攫われたお姫様(野村真季アナウンサー)を助けるため、選ばれた子供達が宇宙に旅立って大魔王の手下(浅草キッド)とクイズバトルをする」というストーリー仕立ての子供向けクイズ番組。 番組終了の経緯自体に特筆するような物はないものの、問題はその内容。 この番組では「子供達が勝つと子供達を乗せた宇宙船が大魔王に近づき、負けると遠ざかる」というシステムを採用していたのだが、 クイズが(恐らく)やらせ無しだったのが仇となってストーリー進行がなかなか安定しない(子供達の成績に左右されるから)という問題を抱えていた。 その上、よりにもよって最終回で子供達が敗北(*79)という最悪パターンのシナリオに。 しかし、最終的にはキレたお姫様が「こんな終わり方、嫌!」と巨大化して大魔王の本拠地を踏みつぶし爆散→宇宙に輝く子供たちの顔をバックにナレーション「この戦いは、今もどこかで続いている」…という超展開で幕引きするオチとなった。 もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな。 プロ野球・巨人戦のナイター中継 かつてはプロ野球シーズン中の火曜~日曜のゴールデンタイムでホームゲームが日本テレビ・NHK(*80)で、ビジターゲームが各局で合計100試合近くが放送されていたが、視聴率の低迷を受けて2000年代後半以降に中継の取りやめまたは衛星放送への移行が開始された。 土日祝日についてはローカル枠のデーゲーム(*81)へと移行し継続している例が多いが、ナイターに至ってはNHK・日本テレビ・フジテレビを除いて撤退し、残った局でも年間1~4試合程度と単発特番に毛が生えた程度の本数しか放送されなくなってしまった。 視聴率低迷の原因は、2004年の球界再編問題の影響で巨人およびプロ野球ファンが減少したこと、視聴者の関心がFIFAワールドカップ以降国際大会のあるスポーツ全般へと移り、キー局がそれに関連した大会(世界水泳・世界陸上等)の中継に力を入れるようになったこと、レギュラー番組の度重なる休止や延長に伴う録画失敗で、野球中継に嫌悪感を持つ視聴者が増えたこと等が理由に挙げられている。 プロ野球中継は本拠地チームのある地元局ではローカルコンテンツとして人気を博している一方で、全国ネットではもはや放送できる価値が無いと見なされ、ラジオでもTBSラジオのように撤退した局が現れている。 2時間ドラマ 2時間ドラマは最初から単発作品の場合はともかく、特に告知なしにシリーズ作品でも新作が放送されないまま実質打ち切りとなることが多い。 2010年代以降は民放各局の2時間ドラマ枠がバラエティや映画も含めた単発特番枠に移行する形で消滅し、その傾向が強くなっている。 『外科医 鳩村周五郎』は2時間ドラマでは珍しい連続もので、7作目で主要登場人物の1人が失踪、気になる終わり方をしたのだが、約10か月後に放送された8作目は何事もなかったかのように無関係のストーリーが展開された。 その後は1話完結がメイン(12、13作は前後編)となり、連続2時間ドラマとは強調されていない。連続ものであったがストーリーを打ち切ってシリーズは継続という路線変更が行われるこれまた珍しい作品となった。 その一方、最終回と銘打たれることもあり『元祖!混浴露天風呂連続殺人』『家政婦は見た!』(*82)『万引きGメン・二階堂雪』『天才刑事・野呂盆六』『おばさんデカ 桜乙女の事件帖』『西村京太郎トラベルミステリー』『終着駅シリーズ』等が該当する。 なお、2000年代までは撮影してから放送するまで複数年単位で時間が空くこともあったため打ち切りかどうかは1年経った程度では判断できるとはいえなかった。 木曜ミステリー 『科捜研の女』シリーズを放送しているドラマ枠だが、『おみやさん』のように主演の渡瀬恒彦の死去により終了となったものや、『京都迷宮案内』『京都地検の女』のように新作が作られないまま打ち切りとみられる場合もある。 2022年秋改編で新たに火曜21時台にドラマ枠を設置されたことに伴い、本枠は同年9月を最後に廃止された。 テツワン探偵ロボタック(1998) 放映開始時点で「ここで打ち切るためお話を終わらせないといけない」が決まっていたレアケース。 メタルヒーローシリーズ第17作。いわゆるニチアサキッズタイムに放映されていた特撮ヒーロー番組。 放送・販売成績は十分好調だったのだが、3月の放映開始直前に東映特撮の生みの親の一人・石ノ森章太郎が逝去。「先生の一周忌企画として1月末頃に何か新番組を始めたい」ということで急遽それまでの2月末ころに完結を1か月早く打ち切ることとなった。 かなり早期に終了時期が決定したため、トラボルト関係などの「通しで進めるストーリー」をしっかり完結できたこと、元々1話完結のストーリーが大半だった(*83)ことから、制作上の問題は特に起きないままきれいに終わり、後年のメタルヒーローシリーズ全体の企画でもしっかり扱われている。 そしてロボタック放映完了後の1999年には、「石ノ森がリメイクしたいと東映に相談していたことがあった」「石ノ森が挙げた中で『人造人間ハカイダー』として実現した『人造人間キカイダー』と違い、この時点では一度も公式リメイクを行っていなかった」として『がんばれ!!ロボコン』のリメイクが一周忌企画に決定。 メタルヒーローシリーズそのものを終了し、『燃えろ!!ロボコン』が放映される運びとなった。YouTube東映特撮公式だと平成ロボコンもメタルヒーローにカウントしてるっぽいが。 メタルヒーローシリーズはこれで完結とされ、単体での作品は『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』までの休止期間を挟むことに。 一方ロボコンも好評なまま1年を完走。その翌年に『仮面ライダークウガ』が放映され、平成ライダーが始まる歴史にバトンをつないだ形になったほか、こちらも後に『がんばれいわ!!ロボコン』として再度の新作制作が行われた。 追記・修正は、打ち切られたあの番組たちに思いを馳せながらお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 コメントログ 逆に何が何でも敬称消したい奴も何なんだ? -- 名無しさん (2022-07-17 12 41 11) 少なくとも、「小さなスーパーマン ガンバロン」と「超攻速ガルビオン」は1社のみ提供だったんじゃない? -- 名無しさん (2022-07-22 15 06 07) ログ化しました -- (名無しさん) 2022-07-24 21 33 00 「ナニコレ珍百景」は「トリビアの泉」と同様、視聴者投稿番組である上に2016年3月末にネタ切れで打ち切られたのに、打ち切りからわずか2年半後にレギュラー再開されたのがスゴく不思議。 -- (名無しさん) 2022-07-26 19 31 04 2020年頃には「個人視聴率」にリニューアルされても、さすがに新聞やネットニュースなどではほとんど「世帯視聴率」のままらしいよ。 -- (名無しさん) 2022-07-29 13 21 29 おてんば宇宙人が -- (名無しさん) 2022-08-23 20 56 37 おてんば宇宙人が1クールにも満たなかったこと考えるとゴーバリアンは健闘してたんだなあ -- (名無しさん) 2022-08-23 20 57 42 世代から外れてるのもあってドラゴンボールZの引き伸ばしせざるを得なかった当時の状況を知らなかったのと、リアタイ視聴してた鬼太郎が明らかに変な終わり方して(Zをリマスターしただけと勘違いしていた)改が始まって「リメイクとはいえ新作を打ち切ってもう終了した作品を放送するのか」と当時残念に思った記憶…いろいろ仕方なかったんだろうな… -- (名無しさん) 2022-08-27 22 53 17 極端な低視聴率で打ち切られただけでなく、別の意味でも騒がれたフジテレビのドラマ『家族のうた』(2012年)が本項目に出てきても不思議ではないのだが。 -- (名無しさん) 2022-09-27 16 12 32 ↑なお、これの打ち切りと同時にその名前が出てきた『メッセージ 言葉が裏切っていく』(2003年)も付け加えたほうがいいのでは? -- (名無しさん) 2022-09-29 15 41 11 「モー。たいへんでした」も打ち切り? -- (名無しさん) 2022-10-30 01 30 50 【出演者の都合による打ち切り】に「嵐にしやがれ」を追記希望。 -- (名無しさん) 2022-12-02 14 27 43 ↑個人的には別の記事「最終回」に追記してほしい(そっちではVS嵐の事も記載しているため)。 -- (名無しさん) 2023-01-15 18 59 10 TFプライム、アドベンチャー、サイバーバース -- (名無しさん) 2023-01-29 20 28 00 アニメ版「こち亀」も【出演者の都合による打ち切り】に入るんじゃない? 本作は17%程度の高視聴率だったのに改編期ではない2004年12月に打ち切られたしね。 -- (名無しさん) 2023-02-13 14 33 18 「デザインあ」「JAPANGLE」も不祥事打ち切りかな。(以前から言われてた)楽曲担当の小山田圭吾の不祥事が五輪開会式関連で注目された際に一気に大炎上、両方とも放送打ち切り(JAPANGLEはコロナ禍で再放送のみ期間だったけど)。デザインあだけ1年後に楽曲担当も替えneoとして一応リメイク再開 -- (名無しさん) 2023-02-13 17 17 22 「異世界おじさん」も【製作の都合による打ち切り】に入るんじゃない? コロナ禍で配信・放送が2度も延期されたし、第13話で最終回になったしね(ストーリー上では一応きちんと終ってるかもしれないが) -- (名無しさん) 2023-02-16 19 19 35 ↑話の途中であっても12〜3話で一旦終わるなんてアニメではよくあることだぞ -- (名無しさん) 2023-02-16 19 32 38 このサイトの基準じゃロボタックも打ち切りに入るのか… -- (名無しさん) 2023-02-17 14 40 23 ネクサスの短縮も開始地点で既に情報番組がネクサスの後の後に入るのが決まってた→でもネクサスを1年やって半年の新作は当時の円谷には無理だった→スポンサーがマックスを夏休みのイベントの山場にしたいっていうのが重なった結果とも聞いたのだが…後公式が何も行ってないがエグゼイドの45話の編成もロボタックのパターンなんだろうか? -- (名無しさん) 2023-02-17 14 44 40 放映開始時点で「ここで打ち切るためお話を終わらせないといけない」が決まっていたレアケース。…って当初から話数が決まってたなら打ち切りじゃないんじゃないの? -- (名無しさん) 2023-02-17 15 06 37 『BORUTO(第1期)』(2017~2023)は【製作の都合による打ち切り】に入りそう。 -- (名無しさん) 2023-04-17 13 43 39 オリエンタルラジオは売れてる頃多数の冠番組を持ってたけど、その殆どが短期打ち切りになってたな。 -- (名無しさん) 2023-05-10 15 57 53 少なくとも『トリビアの泉』は【ネタ切れによる打ち切り】ではなく【製作の都合による打ち切り】だと思いますが。 -- (名無しさん) 2023-07-30 20 11 29 今年の12月1日にNHK-BSプレミアムの停波により、BSPの多くの番組が打ち切りそうな気がする。 -- (名無しさん) 2023-08-12 16 59 38 テレビ朝日の「サンデーLIVE‼️」の司会だった東山さんが所属事務所の社長になって降板されても本番組は司会交代で続いてるので、少なくとも【出演者都合による打ち切り】は番組スタッフによって決める事だと思いますが。 -- (名無しさん) 2023-09-14 14 40 29 【出演者の都合による打ち切り】に『みのもんたの朝ズバッ❗️』(2005年〜2014年)を追記希望。 -- (名無しさん) 2023-10-09 15 26 08 若林の潜在能力テストも打ち切りか 最終回感が全くなくラストに若林が「また次回~」的な事言ってたし -- (名無しさん) 2023-11-16 09 12 15 ↑調べたらマジで打ち切られてたわ…ここんとこ見ないからどうしたんだ?と思ってたが -- (名無しさん) 2023-11-16 14 44 15 トリニクって何の肉も謎の打ち切りだ 似たようなスタッフの格付けは浜田もいながらやってたし 浜田の不倫も打ち切り後でなんか微妙だし -- (名無しさん) 2023-11-18 13 05 44 名前 コメント すべてのコメントを見る
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------------------------ あ× 全曲フルコンボ -------------------------- TW:ZI~ WT:レベル8~ e-typing:600~ 「速度」+「安定性」を兼ね備えたタイパー。 歌謡以外のタイピングゲームでも有名人だろう。 この程度であれば、ソロでタイピング道場をクリアできるフラグでもある。 ------------------------ あ× フルコンボ -------------------------- TW:XS~ZJ WT:レベル7 e-typing:550~600 難しい歌詞を打ち切る事や 高い判定を出すことに安定性がある。 おそらく歌謡では有名人。 ------------------------ あ× 全曲コンボ -------------------------- TW:XC~XA WT:レベル6 e-typing:500~550 周りの人が出せない判定を出すことや 周りの人が打ち切ることができない歌詞を打ち切る事が可能。 周りから見て明らかに「速い」と言われる速度。 ------------------------ ダイエット、ちびすけクリアフラグ -------------------------- TW:XF~XD WT:レベル5 e-typing:450~500 難易度の高い歌詞もそれなりに打て、 それなりの判定を連発することができる。 ようやく安定といったところ。 ------------------------ あ× コンボ -------------------------- TW:SS~XG WT:レベル4 e-typing:400~450 難易度の高い歌詞を打ち切る事が可能。 しかし、その成功率は低い。 ------------------------ ☆楽しくコンボ☆ -------------------------- TW:SS未満 WT:レベル4未満 e-typing:400未満 少しでも難易度の高い歌詞を打ち切る事ができない。 打つよりも楽しむ事重視。遊びの歌謡。
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作者 I'm変人です PowerPointで製作されたエロ同人誌。 初めから打ち切るつもりであったが一応最終回まで動画は作られた。 細かい設定 舞台はナメック星だが、当たり前のように他の世界に干渉している。 主人公や打ちスマメンバーは脅迫を行い無理やり採用したという設定。 自分たちのことはキチガイだと思っているらしい。 敵組織などはなし。 ルール 基本ルールは大体のエロ同人誌と同じ。 たまにストックが少ないことがあるが大抵それは手抜きである。 キャラクター ニダ 炎使いの韓国人。キチガイである。 ドンキーコング ウンチーコングって、知ってる? ハンターナイトツルギ 悪のウルトラマン。最終回でクビになった。 カービィ キチガイ描写が多く、人気がないがエロ同人誌出演だけは多い。 サトシのピカチュウ ヤンキーピカチュウ。人気が低く、人形を製作してもらえない。 仮面ライダー龍騎 編集を遅らせる要因。消息不明。 ルルーシュ・ランペルージ 撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ。 ウルトラマンルーブ 人気がない。 隠れキャラ サビュウ 裏切り者。 おとうふあすか 自殺したJK。 オコリザル しばくぞゴラァ!! ミオリネ・レンブラン ウルトラマンタイガの変身者。 追加キャラ 色川真子 全裸死体。 他、完結後の新作に登場したキャラクターや未公開キャラクターが多数。 マスターオーガズムとかいう死に設定のやつが一応いたりする。
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「打ち切ると言ったな。あれは嘘だ」 【ジョン・メイトリックス@コマンドー】 【状態】健康 【装備】アサルトライフル 【道具】支給品一式 【思考】 1:打ち切ると言ったな、あれは嘘だ 2:1も嘘だ 3:2も嘘だ 【 319@カオスロワ 死亡確認】 死因:射殺 【テラカオスバトルロワイアル@2ch 再開確認】
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作者 I m人です ※このページは自演です(一部他ユーザーも編集) スマホアプリiMovieで製作されたイロスマ同人誌 初めから打ち切るつもりであったが一応最終回まで動画は作られた 細かい設定 舞台は地球だが当たり前のように他の世界に干渉している 主人公や打ちスマメンバーはオーディションを行い採用されたという設定 自分たちのことは人間っぽい人形だと思っているらしい 敵組織などはなし ルール 基本ルールは大体のイロスマ同人誌と同じ たまにストックが少ないことがあるが大抵それは手抜きである キャラクター リダ 主人公 動画内ではパワプロくんと言われてるが言うほど似てない ゴノウ 灰色のゴリラ ツルギ イケメン枠(笑) 最終回でクビになった イータ リンポジション キチガイ描写が多く同じポジションのワチェより人気がないが同人誌出演だけは多い ワチェ ヤンキーピカチュウ 人気が高く人形を製作してもらったこともある 別の動画でワチャと間違われていた リョウキ 編集を遅らせる要因 消息不明 ルルス コードギアス反逆のルルーシュのパクリキャラ 中身はC.C. カイゾー 不遇キャラ 人気もない 隠れキャラ サビュウ 変態キャラ ザビュウと間違われることが多い 他同人誌や本家イロスマにも登場する人気?キャラ リロ どう見てもJK マジキチ枠二人目 マッサル 見た目の割に活躍しない不遇キャラ ヒョウリ ストック1になると覚醒するプラズマポジション 思ったより人気 追加キャラ キョウキ 夏の特別編で参戦 あれでも正式なメンバー 他、完結後の新作に登場したキャラクターや未公開キャラクターが多数 マスター マスターティッピーとかいう死に設定のやつが一応いたりする(亜空間にて)
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590:黒井 2011/10/15(土) 03 46 35.77 ID MeKODzoxO [不幸の連鎖を断ち切る術] ※新月の7日前から行う 1.毎日、夜(あまり遅い時間でなくて良いです。会社帰りとかでも良いです)散歩して、 乾燥した木の枝(20〜30センチ位の長さであまり太すぎないもの)を一本ずつ拾って来る。 2.これを七日間続ける(枝を七本集める) 3.七本集まったら枝を黒い綿の紐でぐるぐる巻いて束ねる 4.小さな焚き火を焚くか耐熱性の入れ物に入れて(焚き付けに新聞紙を使うと良いです) 5.の枝を燃やしながら燃え尽きるまで次の呪文を唱える 「不幸よ、私のもとから直ちに消え去ってください。輝ける新たな日々がもうそこまで来ているのだから」 6.燃え尽きたら水をかけて消します。残ったものは土に撒いてください 以上です。