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化け猫「橙」 化け猫「橙」 キャラクター シンボル:黒 必要コスト<黒:1 無:2> 攻撃力:2 耐久力:3 属性:式神 転化>「黒猫」 《自動》:全ての自分の、「八雲 紫」、「八雲 藍」は、自分の「属性:式神」の枚数だけ、+1/+1を得る。この効果は重複しない。 「藍様、ここは私がなんとかします!」 illus:hounori コメント 自分自身は強化されないが、すきま妖怪の式「八雲 藍」などはこのカードが有るだけで7/7まで強化される。 猫符「キャッツウォーク」の登場により、転化もしやすくなった。 ただ、耐久が3のため、やはり死にやすい。どうやって守るかが課題になるか。 関連 猫符「キャッツウォーク」 黒猫 すきま妖怪の式「八雲 藍」 神隠しの主犯「八雲 紫」 境界の妖怪「八雲 紫」 八雲一家見参 仙符「鳳凰展翅」 仙符「鳳凰卵」 式神「橙」
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化け猫あんずちゃんをお気に入りに追加 化け猫あんずちゃんのリンク #blogsearch2 Amazon.co.jp ウィジェット 化け猫あんずちゃんのキャッシュ 使い方 サイト名 URL 化け猫あんずちゃんの報道 編集者/小誌編集長|指出一正が選ぶ、道の駅をつくる本5冊(2021年11月11日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース 化け猫あんずちゃんとは 化け猫あんずちゃんの83%は情報で出来ています。化け猫あんずちゃんの15%は度胸で出来ています。化け猫あんずちゃんの2%は記憶で出来ています。 化け猫あんずちゃん@ウィキペディア 化け猫あんずちゃん 楽天売れ筋ランキング レディースファッション・靴 メンズファッション・靴 バッグ・小物・ブランド雑貨 インナー・下着・ナイトウエア ジュエリー・腕時計 食品 スイーツ 水・ソフトドリンク ビール・洋酒 日本酒・焼酎 パソコン・周辺機器 家電・AV・カメラ インテリア・寝具・収納 キッチン・日用品雑貨・文具 ダイエット・健康 医薬品・コンタクト・介護 美容・コスメ・香水 スポーツ・アウトドア 花・ガーデン・DIY おもちゃ・ホビー・ゲーム CD・DVD・楽器 車用品・バイク用品 ペット・ペットグッズ キッズ・ベビー・マタニティ 本・雑誌・コミック ゴルフ総合 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ 化け猫あんずちゃん このページについて このページは化け猫あんずちゃんのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される化け猫あんずちゃんに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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壱 弐 参 極 名前 [制服]化け猫 (せいふく ばけねこ) セリフ 壱 「おにゅーの制服ウキウキにゃー!」 弐 「バッチリ粧し込むにゃー♪」 参 「お弁当も忘れないよう準備するにゃー!」 極 「あれ?思わず明日のご飯を食べてしまったにゃー♪」 解説 猫の妖怪。猫又とは異なり、尾は2つに分かれていない。人に悪意を持っていることが多い。 レアリティ 必要法力 攻 防 知 壱 HR 15 1910 1840 1510 弐 2110 2030 1670 参 2320 2230 1840 極 2560 2460 2020 術式名 属性 MAX Lv 効果 専:ハヤる心 雷 5 自分自身の攻防アップ お邪魔戦術式 発動率 攻撃力アップ 低 備考:
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壱 弐 参 極 名前 [番長!]化け猫 (ばんちょう! ばけねこ) セリフ 壱 「今宵は決戦にゃーワクワクにゃー!」 弐 「こっちも、むこうも、ぞくぞくと集まって来てるにゃー!」 参 「時間だにゃ!おっぱじめるとするかにゃー!」 極 「爪立ててかかるにゃー!」 解説 猫の妖怪。猫又とは異なり、尾は2つに分かれていない。人に悪意を持っていることが多い。 レアリティ 必要法力 攻 防 知 壱 HR 16 1840 1920 1720 弐 2030 2120 1900 参 2230 2330 2090 極 2460 2570 2300 術式名 属性 MAX Lv 効果 専:研ぎすぎ爪 雷 5 自分自身の攻防アップ お邪魔戦術式 発動率 攻撃力アップ 低 備考:
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FlameDragon-side IceDragon-side 世に人間という種が姿を現すよりも遥か太古の昔、世界は今よりもずっと厳格な秩序の下に統治されていた。 その地上に台頭していたのは大陸の南方にある活火山に棲み轟々たる火と大地を司ったという炎竜の一族と、北方の海に浮かぶ凍てつく氷山の奥地に集落を構え、荒らぶる風と水を操ったとされる冷たい氷竜の一族。 彼らは特に種族的な対立をしていたわけではなかったものの、決して相容れぬ存在としてお互いに異種族の竜達と関わりを持つことを固く禁じていた。 だがある時、これまで1度も破られることのなかったその絶対の掟に敢然と立ち向かう雌雄の竜が現れる。 この物語はそんな許されざる恋に身を投じた、1匹の雌氷竜が歩んだ生涯の一節である。 深い藍色に染まる原始の海に、厚い氷で覆われた巨大な大陸が浮かんでいる。 その年中通して激しい吹雪に見舞われる極寒の地に、私の住み処である氷塊を刳り抜いて作った雪洞があった。 氷竜である私にとっては、氷雪のもたらす寒さなどは何の苦にならない。 何しろ青白い被膜に覆われた私の全身からは絶えず凍えるような冷気が発散され、湿潤な気候の土地へ行けば凍った大気がキラキラと周囲で輝く程なのだ。 更には氷海に住む魚達を主食にしているお陰でこんな過酷な環境でも生きていくのには全く困らないのだが、そんな私にも仲間達には打ち明けることのできないある悩みがある。 「はぁ・・・今年は、私にも素敵な雄が見つかるのだろうか・・・」 毎年繁殖期である春が過ぎる頃、私はいつも住み処の雪洞の中で番いを見つけられぬ悲しみに沈んできたのだ。 穏やかな気性の仲間達が多い中で私の気の強さが災いしているのは自分でも重々わかっているのだが、雄を前にして雌らしくしおらしい振る舞いができる程私は器用ではない。 今年ももうじき長かった冬が明け、もう何度目になるかもわからぬ例年通りの繁殖期がやってくることだろう。 だが私の方はと言えば、静かな住み処の中で早くも憂鬱な未来の予感に情けなく身を縮めていた。 一体どれくらいそうしていたのだろうか・・・? 今の時間は、丁度真昼に差し掛かろうかという頃だろう。 雪洞の中に吹き込んできた風がほんの少しだけ温くなったのを感じ取ると、私はおもむろに体を起こしていた。 他の仲間達はきっと今頃、繁殖期に声を掛けるべき目ぼしい相手を探してそこらを飛び回っていることだろう。 だが皆も私の性格を知っているためか、わざわざこの雪洞を覗きに来る雄は誰もいない。 とても・・・惨めだった。 本当は私にだって、いつか結ばれたいと思っている雄の氷竜がいくらもいる。 でも仮に勇気を出して彼らに声を掛けてみたところで、結局失敗するのはわかり切っていた。 極めて温厚な彼らにとっては、気の強い雌など所詮は扱いにくいだけのお荷物でしかないのだ。 何処かへ行こう・・・そんな思いが、私の中で喧しく騒ぎ立てている。 早くこの寒々しい住み処を離れて、どこか心の落ち着く場所でゆっくりと休みたい。 私はそんなことを考えながらトボトボと力の無い足取りで雪洞を抜け出すと、仲間達に見つからぬように大きな氷壁の陰から晴れ渡った空へと静かに飛び立っていた。 視界の遥か彼方まで続く青き海原が、私の背後に遠ざかっていく白き島々が、独り逃げ出すように地を離れた弱気な心に孤独の鎚を振り下ろす。 海風とともに南の大陸を目指す私の胸に、このまま遠い別世界に行ってしまいたいという願望が芽生えていた。 だがしばらくして水平線の向こうに白い海岸と森林の湛える緑の絨毯が姿を現すと、無我夢中で羽ばたき続けた翼からほんの少しだけ力が抜ける。 そして眼下に広がる濃い藍色が深い緑色へと染まり切った頃、私は延々と続く森の先にぽっかりと穴があいているのを見つけていた。 どうやら森の真ん中に、大きな湖があるらしい。 丁度いい・・・あそこで一休みするとしよう・・・ やがて長時間の飛行に疲れ切った体を必死に湖の上空まで運ぶと、私はまるで力尽きたかのようにフラフラとよろめきながら短い草の茂った湖畔へと落ちて行った。 そしてドサリと荒々しく地面の上へと着地したその瞬間、湖に水を飲みに来ていた数匹の獣達が慌てて森の中へと一目散に逃げ出していく。 彼らには少し悪いことをしてしまったが、しばらく独りになりたい私にはむしろありがたいことだった。 久し振りに長距離を一気に飛んできたせいか、鈍った翼がまるで鉛のように重い。 疲労に乱れた呼吸とともに吐き出される冷たい息が、湿度の高い周囲の空気を輝く氷の粒へと変えていく。 その美しくも幻想的な光景を目にすると、私は足元の草が凍り付くのも構わずにその場へと倒れ込んでいた。 これからどうしようか・・・ 勢いに任せてこんな遠くまで来てはみたものの、そうかと言ってこれ以上は何処へも行く当てが見つからない。 結局私の戻る場所は、あの厚い氷に覆われた冷たい住み処しかないのだろうか? とその時、突然私の耳にバサッバサッという翼を羽ばたく音が聞こえてきた。 「・・・?」 何事かと思って地面の上に蹲ったまま音のする方へと首を振り向けた私の前に、細かな火の粉を振り撒きながら翼をはためかせる大きな雄の炎竜が静かに舞い降りてくる。 そして疎らな草の生えた地面にその紅の鱗に覆われた足を着いた瞬間、ボッという小さな音とともに足元の草が一瞬にして燃え尽きていた。 こちらに向かって歩いてくる彼の体からはユラユラとした熱気が昇り立ち、この私のもとにまでフワリと暖かい風が吹き付けてくる。 「そなたは・・・一体ここで何をしているのだ?」 やがてお互いに関わりを持つことを禁じられているにもかかわらず、炎竜が突然私にそう話し掛けてきた。 だが彼と私は、所詮住む世界の違う別の種族。 今更ここで不慣れな愛想を振り撒く必要もないだろう。 「私はただ、ここで疲れた翼を休めているだけだ・・・お前には何の関係もないことだろう?」 そしてつっけんどんにそう答えると、私は早く何処かへ消えてしまえとばかりに炎竜からフイッと顔を背けた。 「そうはいかぬ。この湖は我らが一族の貴重な狩り場・・・そなたのせいでここに獣が寄り付かぬのでは困る」 全く・・・面倒なことだ。 「私にどうしろというのだ?」 「すぐにここから出て行ってくれ。本当ならば、私はそなたと言葉を交わすことさえ禁じられているのだからな」 それを聞いた途端、私の胸には何故か怒りや悲しみよりも先に激しい自己嫌悪が湧き上がっていた。 ああ、まただ・・・いくら掟で互いに近づくことが禁じられているからとはいえ、私はこんな異種族の雄にさえ疎ましい存在に思われてしまう運命なのか・・・ 最早炎竜に向かって何かを言い返す気力さえ失ってしまい、私は力無く地面の上へと視線を落とした。 そんな私の様子を不思議に思ったのか、炎竜が更に言葉を紡ぐ。 「どうかしたのか・・・?」 「な、何でもない!」 これ以上、惨めな思いなどしたくない。 私は困惑した顔を浮かべる雄の炎竜から逃げるようにして勢いよく空に舞い上がると、ロクに疲れも癒やせぬまま元来た方角に向かってひたすらに翼を羽ばたき続けた。 バサッ・・・バサッ・・・ 「ハァ・・・ハァ・・・」 無我夢中で空を飛び続けること数時間、ようやく遥か彼方に洋上に浮かぶ巨大な氷の台地が見えてくる。 だがほとんど休むこともなく長距離を一気に飛び続けたせいか激しい疲労感に苛まれ、私は住み処の洞窟まで辿り着くこともできずに雪と氷で覆われた氷山の上へゆっくりと降りていった。 そして固い地面の上にみっともなく這いつくばりながら、しばらく乱れた呼吸を整えようと深い息を吸う。 一体私は何をやっているのだ・・・ こんな情けない姿を仲間の誰かに見られでもしたら、それこそ物笑いの種になるというものだろう。 一時の不安と激情に駆られて住み処を飛び出したまではいいものの、結局私が持ち帰ってきたのは空しい疲れと浮き彫りになった心の傷だけ。 しかもその上、朝から何も口にしていない空腹感が打ちひしがれた私の胸を更に掻き毟っていく。 もういい・・・今日はもう、あの寂しい住み処でじっとしているとしよう。 やがて私はそう胸に決め込むと、幾許か回復した体力を注ぎ込んでいつも以上に重い体を持ち上げていた。 暗い闇に沈んだ住み処の中で迎える、いつも通りの孤独な夜。 結局、今日はあれから何もする気が起きなかった。 丸1日食事を与えられていない腹が先程からゴロゴロと不穏な唸りを上げて獲物の到来を待ち侘びているものの、もう今からでは海の魚も見つけることはできないだろう。 それに・・・何故か私の脳裏には、昼間出会ったあの雄の炎竜の姿が鮮明に焼き付いて離れようとしなかった。 たとえそれが住み処を異にする同じ竜族の仲間であったとしても、本来なら大事な餌場を荒らす侵入者など力尽くででも無慈悲に追い払うのが当然のことなのだ。 なのに彼は、それが掟に反することを承知で私に声を掛けてくれた。 もしこのことが炎竜の一族に知れるようなことがあれば、少なからず彼もその咎めを受けることだろう。 もちろんそれはこの私も同じことなのだが、それでも私は最後に彼から掛けられた幾らか優しげな声を強引に振り切って飛び出してきてしまったことをとても悔やんでいた。 せめて、彼に一言だけでも謝りたい・・・ 氷竜の一族としてもそれが決して許されないことであるのは理解しているが、このままではただでさえ憂鬱な気分が当分の間尾を引く結果になるのは目に見えている。 だがこれ以上彼を怒らせてしまわぬように、明日もあの湖で彼を待つとするのならせめて湖畔に集う獣の1匹くらいは捕らえておくべきだろう。 生まれてこのかた地上に住む獲物を狩った経験など1度としてなかったものの、海中を自在に泳ぎ回る素早い魚達に比べればきっと造作もないことに違いない。 私はそんなふうに高を括ってフンと鼻を鳴らすと、なおも空腹に暴れる腹を抱えるようにして眠りについた。 翌朝、私は氷洞の外から差し込む淡い光に目を覚ますとまだ朝日が水平線に足をつけている間に氷の住み処を抜け出していた。 そして周囲に仲間達の気配が無いことを慎重に確認しながら、昨日と同じく聳え立つ氷壁に隠れるようにして微かに曇った空へと舞い上がる。 夕べあれ程うるさくがなり立てていた腹の虫も一夜を過ごす内に鳴りを潜めてしまったらしく、私は今不思議と空腹が気にならなくなっていた。 いやもしかしたら、獲物を探す時間も惜しく思える程に早くあの湖へ行きたくて仕方がなかったのかも知れない。 炎竜達にとっての貴重な餌場だという割には湖の周囲に全く彼の仲間の姿が見当たらなかったのは、きっと私達の魚の狩り場が各々違うのと同じように彼らも自分だけの縄張りを持っているのだろう。 もしそうなら、あの湖で待っていればきっと今日も彼に会えるに違いない。 炎竜と関わり合ってはならぬなどといういつどこの誰が決めたかもわからぬ一族の掟など、この際知ったことか。 そんな背徳的な期待感を胸に海を越える時間は、何だか昨日に比べてずっとずっと短いものに思えた。 同じ距離を飛んでいるのだから翼にも昨日と同様の疲れが溜まっているはずなのだが、自分でも不思議な程に全く気だるさというものを感じない。 そしていよいよ海の先に青々とした森が広がり始めたのを見て、私はますます力強く風を切って青白い肢体を躍動させていた。 もうすぐ、あの湖が見えてくるはずだ。 彼に会ったら謝らなければならないというのに、何故か今はその邂逅の瞬間がこの上もなく待ち遠しい。 ドクドクと心臓の鼓動がまるで早鐘のように打ち続けているのは、きっと疲労のせいだけではないのだろう。 だがやがて視界を埋め尽くした広大な深緑の園の中に透き通った湖水を湛える目的地が姿を現すと、私はその眼下の光景に微かな絶望を感じずにはいられなかった。 「昨日はあんなに獣達がいたというのに・・・今日は一体どうしたというのだ・・・?」 さざ波1つない平らな湖面が象徴しているように、湖の周りにはただの1匹も獣の姿がない。 丁度南中しているはずの太陽は空を覆い尽した灰色の雲にすっかりと隠れてしまっていて、上空に吹く仄かな風の音だけが辺りに立ち込めた何とも言えぬ静寂の胸を優しく叩き続けていた。 もしかして、これも昨日私が湖の畔に居座ったことによる影響なのだろうか・・・? 炎竜達はきっと、湖に水を飲みにきた無防備な獣達を空から掠め取るようにして狩っているのに違いない。 だが1度地上に降りてしまったら、その周囲に私や彼のような捕食者の痕跡が残ることになる。 その証拠に昨日私達がいた辺りの地面には、踏み拉かれたまま1度凍り付いたと見える不自然な草の跡と草が焼け焦げて灰となった黒い足跡が今もくっきりと残っていた。 流石にこんな状態で命の危険に敏感な獣達に、警戒を解いて水を飲みに来いというのは無理な話だろう。 一体私はどうしたらよいのだ・・・ 手土産で彼の怒りを緩和しようという己の浅はかさは十分に自覚しているが、これでは余計に彼を怒らせてしまうだけではないか。 だが折角ここまでやってきたというのに、このままただ失意を抱えて逃げ帰るのではあまりにも惨め過ぎる。 私は1度折れかけた心に何とか拙い添え木をあてがうと、意を決して誰もいない湖の畔へと降りていった。 そして不気味なまでの静寂を孕んだ湖面にゆっくりと顔を近づけ、その透き通った水の中にじっと目を凝らす。 やがて鏡の如き静かな水面に見えたのは、今にも泣き出してしまいそうな情けない表情を浮かべる私の顔・・・ だがその顔の更に奥底に、これまで誰にも脅かされることのなかったであろう大きな魚達が悠々と群れを成して泳いでいる姿が見て取れた。 その瞬間、湖面に映った私の顔が思わずニヤリと綻んでしまう。 ようやく見つかった獲物に逸る気持ちを抑えながら、私はそっと水面の上に片手を差し出していた。 その手先からシュウウ・・・という音とともに凄まじい冷気が発散され、足元の岸辺から少しづつ同心円状に湖面が白く凍り付いていく。 やがてものの数秒で凍った即席の釣り場が完成すると、私はゆっくりその氷上に足を踏み出した。 流石は穏やかな湖の水というべきか、波の激しい海とは違って簡単に丈夫な足場を作ることができるらしい。 そんな氷台の上から水中を覗き込むと、何も知らぬ魚達の群れが私のすぐ目と鼻の先で呑気な行軍を続けている。 私はその中の1匹に慎重に狙いを付けると、青白い指先を静かに水面へと近付けていった。 そして指先を勢いよく水中に突き入れた次の瞬間、急激に水が凍ったと見える凄まじい音が辺りに響き渡る。 ビシッビキビキビキッ! 一瞬にして私の指先から伸びた氷の帯が、逃げ遅れた数匹の魚達を巻き込んでいた。 凍り付いた指をそっと水中から引き抜いてみると、刺々しい氷柱のような氷の先に3匹の魚達が埋まっている。 北方の海では見たことのない魚だが、でっぷりと太ったその身の味は想像するだけでも唾液が滴り落ちるようだ。 そんな久し振りの釣果に、長らくお預けを食らっていた腹が再びゴロゴロと唸りを上げ始めていた。 だが彼がいつここへやってくるかわからない以上、この最初の獲物に私が手を付けるわけにはいかないだろう。 早く獲物を寄越せと泣き喚く腹の虫を押さえ付けて、私は魚を捕らえた氷柱をポイッと背後に放り投げた。 やがて地面の上に落ちた氷塊がガシャンという音とともに砕け散り、中に埋まっていた魚達が陸上に投げ出されてピチピチと跳ね上がる。 節操のない馬鹿者め・・・お前よりも私の方が泣きたい気分だというのに、空腹など少しくらい我慢するのだ。 心の内で己の腹にそう怒鳴り散らすと、私は次の獲物を獲るために再び水中へと目を凝らしていた。 やがてゆらゆらと揺らめく魚影が右へ左へ乱舞すると、私の眼前に再び数匹の魚達が迷い込んでくる。 ビキビキッビシシッ! どうやら、今度も上手くいったらしい。 慎重に水中から指先を引き抜いてみると、太くて歪な氷柱の中に2匹の魚達が捕らわれの身となっていた。 大分幸先がいいと言えるだろう。 既に私の空腹も限界に程近い所まできていたものの、この調子なら彼にも十分な量の獲物を分けてやれるに違いない。 そうして魚を捕らえた氷柱をチラリと一瞥すると、私は先程と同じように手にしたそれを背後に放り投げていた。 「・・・・・・?」 だが不思議なことに、氷の割れる音が何時まで経っても聞こえてこない。 柔らかい草むらの上にでも落ちてしまったのだろうか? 背後で起こったであろう不思議な現象の正体を確かめるために、私はゆっくりを後ろを振り向いてみた。 その視界の中に、突然見覚えのある紅の雄竜が飛び込んでくる。 私が放り投げた氷柱を抱えたままの彼と思わずじっと見つめ合ってしまったその数瞬後、己の置かれている状況を理解した頭の中が真っ白に塗り潰されていた。 「なっ・・・あっ・・・こ、これはその、つまりだな・・・も、もう好きにしろ!」 自分でも何を言っているのか訳がわからず、私は彼の顔を直視できずにその場で顔を伏せてしまった。 まだ彼に会う心の準備などできているはずもなく、何をどうすればよいのかが全くわからない。 頭の片隅では彼に謝らなければという思いが必死に駆け巡ってはいたものの、機会を逸した今となっては一体どうやってそれを切り出せばいいというのだろうか。 できることならば、今すぐにでもここから逃げ出したい。 だが萎縮してしまった翼がそう簡単に動いてくれるはずもなく、今の私にできるのはただブルブルと震えながら彼の言葉を待つことばかり。 そしてしばらくすると、何の怒りも侮蔑も込められていない彼の声が聞こえてくる。 「もしやこの魚達は・・・私のために獲ってくれたのか?」 「な、何・・・?」 突如として投げかけられたその予想外の質問に思わず間抜けな声を出してしまい、私は恐る恐る顔を上げていた。 さっきまで彼が抱えていたはずの大きな氷柱はその燃えるように熱い体温の前に跡形もなく溶けていて、その足下に溶けた氷柱から零れ落ちたと見える2匹の魚達が激しくのたうっている。 彼の第一声がまたしても縄張りを荒らしてしまった私を責める辛辣な言葉でなかったのは、きっと私のことを気遣ってのことなのだろう。 「そ、そうだ、お前のために獲ったのだ。こ、これで昨日の無礼な振る舞いの借りは返したからな!」 違う、そうではないのだ・・・! どうして私はこう、雄の前で素直になることができないのだろうか? これではまるで、わざわざ彼の気分を逆撫でしにきたようなものではないか。 だが肝心の彼の方は特に気分を害した様子もなく、地面に落ちた2匹の魚をひょいっと片手で拾い上げていた。 その途端ジュッという音とともに彼の手の内で魚が丸焼けになり、大きく開けた口の中へと放り込まれる。 モグ・・・モグムグ・・・ 「ふむ・・・初めて食べてみたが、魚もなかなかに美味いものなのだな」 そう言って美味そうに魚を呑み込んだ彼を見て、私はついに空腹を我慢できずに腹を鳴らしてしまっていた。 ゴロゴロ・・・ゴロロ・・・ 「あ・・・」 彼にだけは聞かれたくなかった、恥ずかしい食欲の唸り声。 氷のように冷たいはずの体が熱く燃え上がったかのような激しい羞恥に、思わず顔を赤らめながら俯いてしまう。 そんな弱り切った私の姿は、彼にはとても不器用な雌に映ったことだろう。 例えようもない恥ずかしさと情けなさに顔を上げることもできず、私はひたすらに彼から顔を背け続けていた。 だがその私の目の前に、突然彼の手からこんがりと焼けた3匹の魚が差し出される。 「何故そうまでして強がる必要があるのだ。そなたの獲物なら、空腹など我慢せずに食べたらいいではないか」 それと同時に掛けられた声に驚いて彼を見上げると、穏やかな慈しみに満ちた視線が私に向けて注がれていた。 やがて彼に弱みを見せたくないという拙い自尊心が反射的に抗弁の口を開けはしたものの、その瞬間鼻から吸い込んでしまった香ばしい香りがこれまで耐えに耐えてきた食欲に軍配を上げる。 そして彼の手から程良く焼き目のついた美味しそうな魚を受け取ると、私は雄の見ている目の前だというのにもかかわらずそれを一気に口の中へと詰め込んでいた。 ムシャッハグ・・・ムグ・・・ング・・・ 美味い・・・! 激しい空腹のせいもあるのだろうが、初めて味わったこの魚の美味さはもう生涯忘れられそうにない。 いつもなら半ば凍りかけた冷たい生魚を一呑みにするだけだというのに、私は少しずつ喉の奥へと流れ込んでいくまろやかな味を惜しむように何度何度も咀嚼を繰り返していた。 そして美味しい食事に十分満足した私の口から、弱々しい呟きにも似た微かな声が漏れ出していく。 「私を・・・怒らぬのか・・・?」 「どうして?」 「わ、私は、またお前の縄張りを荒らしたのだぞ?ここはお前にとって、貴重な狩り場なのだろう?」 謝りに来たはずなのにまたしても彼に気を遣わせてしまい、私はもうどう振舞えばいいのかわからなかった。 せめてきつい言葉の1つでも叩き付けて私を詰ってくれればそれで済むというのに、彼は掟で禁じられているはずの私との再開を寧ろ喜んでいるようにすら見える。 その怪訝そうな私の視線を受けて、彼が静かに言葉を紡ぎ始めていた。 「実は昨日そなたが去った後、私は一体何がそなたをそんなに傷付けてしまったのかずっと悩んでいたのだ」 私から外した視線を地面の上に落としながら、彼がその顔に少しばかり申し訳なさそうな笑みを浮かべる。 「氷竜達と関わり合うことを掟で禁じられている以上、あのように言うしか他に方法がなかったのでな・・・」 「お前と会うことを禁じられているのはこの私とて同じこと・・・それに・・・昨日の私はどうかしていたのだ」 私がそう言うと、彼は相変わらず穏やかな表情を崩さぬまますぐ傍の地面の上にそっと腰を下ろした。 その紅い鱗に触れた短い草がポッと小さな炎を吹き上げながらあっという間に燃え尽き、辺りにほんのりとした香ばしい香りを漂わせる。 そして彼と並ぶように湖の方へと体を向けると、私は徐々に溶けていく氷の釣り場を眺めながら先を続けていた。 「私は見ての通り、気が強いばかりで何の取り柄もない。そのお陰で、仲間達からも干されてしまってな・・・」 「それで自棄を起こした挙句に、こんな遠くまで飛び出してきてしまったというのか?」 「ああ、そうだ・・・その上更に異種族の雄竜にまで冷たくあしらわれて、正直昨日は泣き出したい気分だった」 私はそこまで言うと、長い首をそっと彼の方へと振り向けた。 それに釣られるようにして、彼も私の顔を正面から見据えてくる。 「だが後になってから、お前が掟を破ってまで私に声を掛けてくれたことが妙に嬉しく思えるようになったのだ」 「いくら気性の荒い炎竜の一族だとはいえ、問答無用で雌の仲間を叩き出せる程私は残酷にはなれぬよ」 「そんなお前の気遣いを振り切って逃げ出してしまったことを、一言お前に謝りたくてな・・・」 呆れ顔を浮かべるという私の予想に反して、彼はそんな告白を聞いてもなお表情を変えようとはしなかった。 いや寧ろ、心なしか柔和さが増したような気さえしてしまう。 「謝る必要などない。私の方こそ、そなたの気持ちも考えずに冷たく当たってしまって悪かった」 「お前は・・・優しいのだな・・・」 生まれて初めて雄から掛けられたその言葉に、私は思わず胸の内が熱くなっていた。 もっともっと、彼と同じ時間を過ごしていたい・・・ だがそんな願望に意識を傾けようとした正にその時、突然ポタッという音とともに1粒の小さな水滴が私の鼻先に当たって凍り付く。 ポツッ・・・ポツポツ・・・ 何時の間にかどんよりと空を黒く染めていた厚い雨雲が、ついに冷たい滴を地上に向かって落とし始めたのだ。 氷のように冷たい私の体が、その降り頻る雨粒を受け止めては次々と細かな氷の粒へと変えていく。 そしておもむろに傍にいた炎竜の方へ目を向けると、彼の全身から薄っすらと白い湯気が立ち昇っていた。 「全くこれからという時に・・・憎たらしい夕立ちだ・・・」 「フフフ・・・そうだな・・・だが掟で禁じられた我らの逢瀬も、今日はここらが頃合ということなのだろう」 なおもザーザーと激しさを増す雨の中、そんな彼の声が少し遠くに感じられてしまう。 「また・・・お前に会いに来てもよいか?」 「もちろんだ。私も仲間に知れてはならぬ故そう頻繁には来られぬが、それでもよいならここで待っていてくれ」 よかった・・・彼はまだ、こんな厚かましい私のことを疎ましくは思っていないらしい。 私はその返事を聞いて彼に隠すことなく顔一杯に安堵の表情を浮かべると、バッと翼を広げて全身に降り積もった小さな氷の粒を弾き飛ばしていた。 やがてお互い別れを惜しむかのように数瞬だけ見つめ合い、羽のように軽く感じる体を宙へと舞い上げる。 「楽しみにしているぞ!」 そしていまだ地上から私を見上げている彼に向かってそう叫ぶと、私は意気揚々と遥か遠い北方の住み処目指して翼を羽ばたいていた。 それからというもの、私はくる日もくる日も遠い海を越えてあの森に隠された湖へと足を運ぶようになっていた。 流石に彼も毎日私に会いに来てくれるというわけではなかったものの、そんな時は私もゆっくりと魚を獲って1日中のんびり過ごしていればいいだけのことなのだ。 どれ程空模様が荒れようとも、どれ程激しい海越えの疲労が溜まっていようとも、そしてどれ程炎竜と会うことを固く禁じられていようとも、そんなもの私にとっては何の障害にもなりはしない。 とにかく早く彼に会いたい、1秒でも長く共に過ごしていたいという激しい衝動が、まるでコンコンと湧き出す澄んだ泉のような活力となって私の中に満ち満ちている。 正に今、私は恋をしていた。 その相手は異種族の私でさえ受け入れてくれる程に大らかで、仲間達の誰よりも優しい性格の持ち主。 長く辛かった茨の道を乗り越えて、私はようやく運命の相手に巡り合うことができたのだ。 初めて彼と会ってから2ヶ月が経ったある日、私はいつものように湖へ向かって快晴の空の下を飛び続けていた。 ここ3日程は彼の姿を見ていないが、今日はきっと私に会いに来てくれるに違いない。 片道数時間という過酷な往来すらもが、そんな切ない期待の前では小さなこと。 しばらくして海の向こうに深緑を湛える大陸の影が見え始めると、私は殊更に大気を叩く翼を早めていた。 真昼の陽光を反射する湖面の眩い輝きが目に入り、水を飲みにきた大勢の獣達が湖畔で長閑に草を食んでいる。 そしてそんな平穏な世界の中へと静かに舞い降りていくと、獣達がそっと私から離れていった。 だが未だかつて私が獣達を襲ったところを見たことが無いためか、必死に逃げ出すというよりは私と・・・ そして後からやってくるであろう彼のためにこの秘密の場所を明け渡してくれているようにすら感じられる。 こんな平和な考えが頭を過ぎるのも、きっと恋の病のせいだろう。 やがて私が湖に着いてからものの30分もしない内に、バサッバサッという聞き慣れた翼の音が耳へと届いてきた。 反射的に上を見上げてみると、真っ赤な火の粉を撒き散らしながら彼がこちらに向かって空を滑り下りてくる。 そしてゆっくりと地面に着地した彼としばし無言のまま視線を重ねると、私達はどちらからともなくお互いにその場に蹲っていた。 「久し振りだな・・・そなたは毎日のように待ってくれているというのに、寂しい思いをさせてしまっただろう」 「別に構わぬ・・・待ち焦がれる時間が長ければ長いほど、お前に会えた時の喜びが増すというものだ」 まるで甘い睦言のように交わしたその言葉に、彼が珍しく先を続ける。 「そなたと会うのは・・・もうこれで何度目になるのだろうな?」 「今日で37回目だ・・・お前と交わした言葉も、共に食べた魚の味も・・・私は、全部覚えているぞ」 「そうか・・・もうそんなになるのだな」 私と会ってからのこの2ヶ月間を振り返るように、彼はゆっくりと青く澄み切った空を仰いでいた。 「私は、そなたが好きだ。気が強くて不器用で、それでいてとても繊細・・・だが一途に私を想ってくれている」 唐突に、彼がそんな告白を口にする。 そう言えば、彼から面と向かって好きだと言われたのはこれが初めてかも知れない。 「だが毎日こんなにもそなたのことばかり考えているというのに、私はそなたに触れることさえできぬ」 その言葉の意味を理解した瞬間、私はガツンと頭を殴られたような気分を味わっていた。 確かに・・・灼熱の熱気を吹き上げる炎竜の体に、氷竜の私は触れることができない。 そして彼もまた、極寒の冷気を纏った私には手を触れることができないのだ。 もしお互いの身に触れたとしたら、私も彼も酷い火傷と凍傷を負ってしまうことだろう。 種族の違いという、私と彼との間を隔てる一族の掟とは別の高い壁。 それはつまり、私達の間にこれ以上の進展など望むべくもないことを暗に示している。 「何が・・・言いたいのだ・・・?」 別れ話を切り出されるのではないかと思って、そう訊いた私の声は無意識の内に不安で震えていた。 「もうそろそろ、決断を下す頃合だと思うのだ」 「それはつまりこの私に・・・お前のことを忘れろというのか!?」 「そうでなければ、何処かここから遠く離れた地で互いの一族から隠れて暮らすかのどちらかだろう」 自らの不安を掻き消すかのように、思わずそう声を荒げてしまう。 だが彼の言葉には、何よりも彼自身の深い懊悩がまるで血の涙のように滲み出していた。 「何故突然そんなことを・・・」 「仲間達が・・・そなたと会うためにひっそりと住み処を抜け出していく私のことを怪しみ始めているのだ」 いつか来るだろうと覚悟だけはしていたこの時。 掟を破ったことが仲間に知られれば、私はともかく彼にも大きな迷惑を掛けてしまうことだろう。 それでも彼は、私を捨てることよりも共に駆け落ちすることを選んでくれようとしている。 「私は・・・」 とその時、私は彼の背後の空に一瞬何か赤い物が飛んでいたのを見つけて言い掛けた言葉を呑み込んでいた。 今のは・・・? 「どうかしたのか?」 彼は全く気付かなかったようだが、私の見間違いでなければあれは恐らく・・・他の炎竜・・・? まさか、私が彼といるところを仲間に見られてしまったのか・・・? もしそうだったとしたら、住み処に戻った彼は一体どうなってしまうのだ? 一族の掟を破った者にどんな咎めが待っているのかは知らないが、少なくともこのまま無事に済むとは思えない。 でもそれを伝えたら・・・彼は・・・ 「そなた・・・私の仲間の姿が見えたのか?」 その瞬間、私は唐突に現実へと引き戻されていた。 そして何時の間にか宙を泳いでいた虚ろな視線を、どうにかして彼の方へと向ける。 「わ、私は一体どうすればよいのだ?このことが仲間に知られればお前は・・・」 だが依然として取り乱す私を落ち着かせるように、彼はその優しげな眼差しを一心に私に注いでくれていた。 「そなたが心配する必要はない。だが仲間に知られてしまった以上、私はもうここには来られぬかもしれぬ」 「・・・戻るつもりなのか?」 「そうだ・・・長年固く守られていた掟を破ったからには、私も咎めを逃れることはできぬだろう」 そう言った彼の目には、悲しげな覚悟のようなものが輝いていた。 今すぐここで私と別れることで、彼は私を守ろうとしてくれているのかも知れない。 彼は・・・この私が誑かしたも同然なのだ。 やがて言葉を失ったままの私に背を向けながら、彼が切ない声を絞り出す。 「最後になるかも知れぬ別れ際で、そんなに悲しそうな顔をしないでくれ・・・何時か何処かで、また会おう」 そしてその言葉を最後に、彼が空へと舞い上がっていく。 「私はここで待っているぞ!」 小さく竦めた彼の背中に私は思わずそう叫ばずにはいられなかったものの・・・その声も、彼には届かなかった。 つづく
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トリステイン魔法学院。 メイジ達に、魔法や教養を教え貴族として育成するこの学院は、非常に騒がしい状態にあった。 というのも、新二年生達による使い魔召喚の儀式が行われているためだ。 所属する学生達は、この使い魔召喚の儀式で呼び出されたものによって、属性の固定とそれに伴う専門科目の専攻が行われるため、その結果に一喜一憂する。 この学院に所属する、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、これこそ名誉挽回のチャンスと、非常にはやり立っていた。 ゼロのルイズ。それが彼女に与えられた二つ名である。これは彼女の魔法成功率が0であるということを表す、極めて不名誉な二つ名であった。 もし、これで凄い使い魔を呼び出せば、今まで自分をゼロと呼んだ奴らを見返せる! そう思い、彼女は今、この使い魔召喚の儀式に向かっていた。 (でも、今まで一度も、魔法が成功したことのない私に、できるの?) しかし他の生徒の召喚が進むにつれ、ルイズの頭の中に弱い考えが沸々と浮かんでいく。 「まだ、召喚してない者は…… ミス・ヴァリエール!! 」 「はい」 黒いローブをまとった男、コルベールに名を呼ばれ、ルイズは大きく前へとでる。 それに合わせるように、既に召喚を終わらせた生徒の一団は、大きく後ろへと下がった。 「ゼロのルイズ! また校舎に傷をつける気か?」 「ちゃんとサモン・サーヴァント出来るのか? 」 「コモンマジックも出来ないドット以下が、何をやっても無駄だっつーの!」 生徒達からヤジが飛ぶ。 その内容はルイズを誹謗するモノであったが、事実であった。 公爵家の三女として生まれたルイズにとって、魔法が使えないということは、耐え難い屈辱である。 ただですらプライドの高いルイズは、そのヤジを飛ばした生徒の方をキッと睨みつける。 「みてなさいッ! ……あんた達なんかより、ずっと強力な使い魔を召喚してみせるわッ!」 言うと同時に、またやってしまったのかとルイズは後悔した。 言うだけは言うが、実技は伴わない。 また、他の生徒にバカにされる口実ができてしまったではないか。 ルイズはうつむいて、杖を強く握りしめた。 「ミス・ヴァリエール。早くなさい。次の授業が始まってしまうじゃないか」 しかし、そんなことは関係なく、教師であるコルベールから、早くせよと催促の言葉が飛ぶ。 ルイズは悔しさを視線にこめ、顔を上げて、天高く杖を構えた。 「……宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ!」 よく息を吸い込んで、空全体に響き渡るような声を挙げ、ルイズは独自的な召喚の言葉を紡いでいく。 その言葉に合わせ、天高くあげられた杖の先に、光が集まっていく。 「神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!」 ルイズは紡いでいく言葉の一言一言に、自分の今の心の震えを載せる。 その言葉がよりルイズの感情を大きく揺さぶって、声はさらに大きなものとなっていく。 「私が心より求め、訴えるは、我が導きに答えなさい!」 最後の一節に合わせ、ルイズは高く構えた杖を振り下ろす。 ルイズの口から、精一杯、全力を以て唱えられた言葉は、その杖の先に集まった光を爆発へと変えた。 「またかよ!」 「サモン・サーヴァントでも爆発させるのかよ!?」 「召喚されてても、使い魔死んでるんじゃないか?」 ルイズが魔法を使うたびに、毎回起こる現象、爆発。 その中でも一際の威力を誇った今回の爆発は、既に慣れていて、対処をしていた生徒達を幾人か巻き込む。 「うわっ! 僕のミッキーロークが!」 「俺のヒロスエも暴れ出したぞ!」 その大きな爆発は、召喚されたばかりの使い魔達を興奮させ、暴れさせるには十分であった。 特に空を飛ぶ使い魔達は、強い衝撃によって、よりひどい混乱状態となる。 パニックとなった使い魔達は、主人であるメイジ達の命令を全く聞かずに、辺りを阿鼻叫喚の状態へと陥れた。 今にもメイジを襲ってきそうな使い魔までいる始末だ。 そんな惨状を後目に、ルイズは爆発の中心部に目を向ける。 未だ煙に包まれ、はっきりとした姿は見えないが、そこには3、40サントほどのサイズの影が見えた。 それほど大きくはない。むしろ使い魔としてはやや小さめのサイズだ。 あれが私の使い魔なのだろうと、ルイズは理解した。 「ああ! 僕のトキマツ!」 よくその姿を確認しようとその影に近づいていこうとしたルイズは、後ろの喧噪よりもやや近くで聞こえたその声に、思わず振り向く。 そこには先程召喚を終わらせた生徒と、その使い魔である、1メイルはあろうかという規格外の鴉がいた。 この惨状で、使い魔が制御できなくなったのだろう。 その暴走している使い魔は、何を思ったか、その影へと襲いかかる。 ルイズは慌て、その使い魔へと杖を向けて、その行動を阻止せんと詠唱を始める。 が、それよりも早く、影の方からビュンと、風を切り裂いて何かを振り抜く様な音が聞こえ、その音と共に流れたカッターのような風が、ルイズの頬に傷を付けた。 ルイズは驚き詠唱を止め、自分の頬へと手を当てる。 温かい血が、たらりと当てた手を伝った。 一瞬のフリーズの後、ルイズは先程、影へと向かっていたバカでかい鴉へと視線を戻す。 鴉はその動きを停止していた。 ルイズはもう何がなんだか解らないと言った様子で、暫くその動きを止めたバカでかい鴉を眺める。 しかしルイズの耳は新たな変化をとらえた。 先程まであれほど騒がしかった生徒の一団の方から、使い魔の鳴き声が殆どしなくなったのだ。 代わりにひゅんひゅんと耳障りな、何かが風を切る音が響く。 その風切り音が五度なる頃には、完全に声が聞こえなくなっていた。 (いいい、一体、何が……) ルイズはおそるおそる、後ろの一団を見る。 すると、呼び出した中でも、空を飛べる使い魔達だけがボトボトと、真っ二つの死骸となって地面に落ちていく様が見えた。こちらに向かっていたバカでかい鴉も、ものの見事に真っ二つだ。 その凄惨な光景に、地上で暴れていた使い魔も、騒いでいた生徒も、それを制しようとしたコルベールもが動きを止める。 色々起こりすぎて、何がなんだか解らないルイズは、もう一度、自分の呼び出した使い魔の方へと視線を向けた。 他の生徒達や、コルベール、果ては使い魔達さえも、ひゅんひゅんと最初に音が鳴り始めた場所にいて、おそらくはこの現象の犯人であろう、ルイズの呼び出した使い魔へと視線を向けた。 もわもわと、爆発によって巻き上げられた土煙が収まり、ついにその使い魔が、ルイズ達の前へと姿を表す。 「え!?」 「「「「「「「猫ゥ!?」」」」」」」 そこにいたのは、ボロボロのマントをまとい、右目に大きな眼帯をつけ、右腕、いや右前足に巨大なブーメランを持った、トラ縞の猫であった。 そこにいる全員の視線を恣にする中、その猫はふらふらと左右に揺れると、そのままボテッと地面に倒れ伏したのだった。
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掟を破ったことでどんな咎めを受けるのかなど、最早知ったことではない。 だが失意の底に溺れながら火山地帯へと向かって飛ぶ間、私はずっと彼女のことばかり考え続けていた。 彼女のあの悲しげな表情が脳裏に浮かんでくる度に、すぐにでも引き返したくなる衝動を必死に押さえ付ける。 やがて不安と後悔を胸に秘めたまま住み処の傍までやってくると、案の定数匹の仲間達がまるで周囲を監視するかのように待ち構えていた。 そんな不穏な雰囲気の山間部へ向かって、堂々と正面から降りていく。 その瞬間私の姿を見つけた仲間の1匹が、慌てた様子で私のもとへとやってきた。 「おい、最長老様がお前のことを探していたぞ。何かやったのか?」 どうやら、彼らは事の詳細を知らされぬまま私を探していたらしい。 もし彼に真実を告げたなら、彼は一体どんな反応を示すのだろうか? 「ああ・・・わかっている」 私は力無くそれだけ言い置くと、燃え上がる火山の中腹にある巨大な洞窟へ向かってゆっくりと滑空していった。 最長老・・・炎竜の一族の中でも僅か数匹の年長者だけがそう呼ばれ、この広大な火山地帯の数ヶ所に点在するようにして暮らしている。 そして最も近場にあった最長老の住み処に降り立つと、私は足音を殺しながら暗い洞窟の中へと入っていった。 やがてその広い洞窟の最奥にある広間に、巨大な炎竜の姿が見えてくる。 私の優に100倍は生きているのであろうその荘厳な雄の巨竜が、洞窟に入ってきた仲間の存在に気付いて地に伏していた顔を上げた。 「私をお呼びですか・・・?」 「うむ・・・お主、北方の湖で1匹の氷竜と会っていたそうじゃが・・・それは真の話か・・・?」 「本当のことです」 今更、事実を隠し立てする必要などないだろう。 私は自身の何倍もある巨竜の顔を見上げながら、微塵も臆することなくそう答えていた。 「会い始めてからどのくらいになる?」 「もう2ヶ月になります」 それを聞いた最長老の顔に、苦々しい表情が浮かぶ。 「お主も一族の掟は知っておるはず・・・それなのに一体何故じゃ・・・?」 「その前に、何故氷竜と関わりを持ってはならないのかをお教え願いたい!」 掟が一体何だというのだ。 私と彼女との間に、その関係を阻むものなどあっていいはずがない。 「氷竜と関わりを持てば、そこに必ず悲劇が生まれるからじゃ」 「一体どんな悲劇が生まれるというのです?私は彼女を愛している。心の底から彼女を想っているというのに!」 やがて私がそう叫ぶと、最長老が持ち上げていた顎をゆっくりと組んだ腕の上へ降ろしていた。 「では聞くが・・・互いに手を触れることもできぬ相手と一体どうやって愛を育むというのじゃ・・・?」 「触れる必要などありません。彼女と共に幸福な時間を共有できるのなら・・・私はそれで十分です」 確かに、彼女に触れることができないのは私にとっても辛いことだ。 だがこの2か月間、彼女とともに過ごした時間は何よりも楽しかった。 この老竜は、そんな幸福な一時さえも忌々しい掟の1文字で私から奪い去ろうというのだろうか。 「それ程までにお主がその氷竜のことを想っているのなら尚更のこと・・・もうその者に近付いてはならぬ」 「何故です!」 「皆まで言わせるでない。お主には監視の者をつけよう。彼の氷竜を忘れ去るまで、勝手な行動は許さぬぞ」 最長老はそれだけ言うと、じっと押し黙ったまま目を閉じてしまっていた。 もう私の話を聞くつもりはないらしい。納得がいかぬ。 だがむしゃくしゃした気分のまま洞窟の外へと出た途端、すかさず2匹の仲間達が私の傍へと近づいてくる。 私に監視の者をつけるだと?ふざけるな! だがそうかといって事情もよく知らぬ彼らに当たってみたところで、事態が好転するわけでもないだろう。 私は仕方なく彼らに付き添われながら自分の住み処に戻ると、他にすることも見当たらずゴロゴロと地面の上を転がった。 彼女との突然過ぎる悲しい別れから、早くも一月半が経とうとしていた。 私の監視に付けられた者達は数日置きに交代しながら、外での私の行動をずっと付け回している。 狩りの他には特にこれといって行き場のない私にとって、今の生活に別段不自由はなかった。 それにしても彼らは、一体何時までこの私の見張りを続けるつもりなのだろうか? 確かに私の心の中には、今もなお彼女の美しい姿が刻み付けられていた。 監視の目が無くなれば今すぐにでも彼女に会いに行きたいという強い気持ちは変わっていないが、私を監視している彼らにはそんな心の奥底など見えぬはず。 なのに彼らが今もこうして私の行動に目を光らせているのは、一体何故なのだ? その夜、私はどうにも上手く寝付くことができずに洞窟の外で交わされる見張りの者達の声に耳を傾けていた。 「我らは一体、何時まであの者の見張りを続けねばならんのだ?」 「仕方がなかろう。あ奴の会っていたという氷竜が、まだあの湖に来ておるというのだからな。油断はならぬぞ」 何だと・・・? あれからもう随分と時が経つというのに、彼女はまだあそこで私を待っているというのか・・・? 北の果ての氷山から広大な海を越えてくることだけでも、相当な疲労を伴う重労働のはずだ。 だが彼女はまだ、私と再会することを諦めていない。 それなのに肝心のこの私がこんな所で腐っているようでは、情けない奴だと彼女に笑われてしまうことだろう。 見張りの者達を張り倒してでも、私は彼女に会いに行くべきだったのだ。 やがて胸の内にそんな強い決意が芽生えたのを感じ取ると、私はさっきまでの寝付きの悪さなど嘘のように深い夢の世界に落ちていった。 次の日の昼過ぎ、私はいつものように狩りへ出掛けると背後をついてくる2匹の仲間を燃える翼越しにチラリと一瞥していた。 彼らさえ何とかすることができれば、私はまた彼女に会いにいける。 彼女はこの一月半、ずっとこの私を信じて待ち続けてくれた。 もうこれ以上、彼女に寂しい思いをさせるわけにはいかぬのだ。 やがて遠く荒野の向こうに、雄大な岩山の連なる山脈が顔を覗かせ始める。 その幾本もの穂先のようにも見える峻嶮な稜線を目にすると、私は密かに顔を綻ばせていた。 しばらくして互い違いに並んだ歪な円錐型の山間をヒラヒラと縫うように飛び抜けると、背後の仲間達の視界から外れた頃を見計らって谷底を流れる細い川に目掛けて一気に急降下する。 それが功を奏したのか、遥か頭上から消えた私を探して慌てふためく仲間達の声が途切れ途切れに聞こえてきた。 これでいい・・・ 私の行き先を考えればいずれは追手がかかることになるだろうが、今はそんなことなどどうでもいい。 そして折角撒いた仲間達に見つからぬよう巧みに岩陰に身を隠しながら険しい山岳地帯を通り抜けると、私はクルリと向きを変えて彼女の待つ湖へと向けて思い切り翼を羽ばたいていた。 逸る気持ちを抑えながら深い森の上空を飛ぶ1本の炎の矢。 愛する者のもとへ急ぐのに、特別な理由など必要ない。 やがて例の湖が視界の中に滑り込んでくると、私はその水辺に佇んでいた1匹の氷竜の姿を見つけていた。 やはり、彼女はあれからずっと私を待っていてくれたのだ。 胸の内に彼女に対する申し訳なさが苦い泉のように溢れ出してくるが、不甲斐無い自分を責めるのは後でいい。 彼女の方も私を見つけたのか、その顔には激しい驚愕と歓喜が綯い交ぜになった表情が浮かんでいた。 そして互いに押し黙ったまま久し振りの湖畔にそっと舞い降りると、一月半もの長い空白を埋めるようにじっと彼女と見つめ合う。 「戻って・・・きてくれたのだな」 「待たせてしまって済まなかった・・・そなたには、とても詫びの言葉が見つからぬ」 「よいのだ・・・お前が目の前にいるだけで、私のこの一月半は無駄ではなかったのだから」 できることなら愛しの彼女と抱き合って再会を喜び合いたいものだが、どうしてもそれができないことだけが私は歯痒くて仕方がなかった。 それに、今はここでいつまでもゆっくりしている時間はない。 早くこの場を離れて何処かに身を隠さなければ、私はまた理不尽な掟の名の下に彼女と引き離されてしまうのだ。 「とにかく、仲間に見つからぬ内にここを離れるとしよう。何処か遠くに逃げ延びて、ひっそりと隠れ住むのだ」 やがてその言葉の示す逼迫した状況を悟ったのか、彼女が私の目を見つめたまま小さく頷いた。 そして不意に空へと飛び上がった私の後に彼女がしっかりとついてきたことを確かめると、手頃な隠れ場所のある東方の岩山へと向かって力一杯加速する。 遥か前方に聳え立つ天を衝くような高い岩山を目指して、青と紅の番いが緑の絨毯の上を低く飛び続けていた。 次第に眼下を覆い尽していた木々の気配が後方へと遠のいていき、ゴツゴツとした尖った石や岩の塊が辺りに散乱しているのが目に付き始める。 もう少しだ・・・もう少し進めば、仲間達も知らぬ隠れ家が見えてくるはずだ。 やがて谷底を流れる美しい渓流に沿って川の上流を目指すと、その先にようやく目的の巨洞が見えてくる。 そして何の躊躇いもなくその暗い楽園に舞い降りた私の背後に、少し遅れて彼女がゆっくりと着地した。 「よくこんな所を見つけたものだな」 楽しげに声を弾ませながら周囲を見回すそんな彼女の姿に、何だか緊張に荒れていた気分が少しずつ癒されていくような気がする。 「我らは自分だけの狩り場を見つけるために方々を飛び回るのでな・・・こういう場所なら幾つも知っている」 「これでもう、私達の間を引き裂こうとする者は誰もおらぬのだな」 「そうだな・・・新たな狩り場を見つけるのは少々骨が折れるだろうが、そなたと暮らせることを思えば・・・」 それからというもの、私は昼も夜も彼女と共にいられる生活を存分に楽しんだ。 互いの体には一切触れることができぬというのに、愛し合った異種族の雌雄が寝食を共にする不思議な暮らし。 幸い私達の隠れ住んでいる岩山の傍に小さいながらも仲間達にはまだ知られていない格好の水場が見つかり、どうやら食料の調達にも不自由をしなくて済みそうだったのが何よりの救いだったと言えることだろう。 だが彼女との隠遁生活を始めて10日程経ったある日・・・それはあまりにも突然にやってきた。 「う・・・うぅ・・・ぐぅ・・・」 初夏の涼しげな風の吹き込む朝方の洞窟の中で、互いに寄り添うように、だが決して触れ合わぬように蹲って眠っていた彼女から、不意に奇妙な呻き声が漏れ始めたのだ。 それを聞いて目を覚ました私も初めはそれを寝言か何かだろうと思って聞き流していたものの、やがて闇に慣れた私の目に酷く苦しそうに歪められた彼女の顔が飛び込んでくる。 「ど、どうかしたのか?」 慌ててそう訊いてみると、震える彼女の口が何かを言おうとして微かに動いた。 「わ、わからぬ・・・だが・・・あ、熱いのだ・・・体中が・・・燃えるように・・・う、うああっ・・・!」 熱い・・・だと?一体何を言っているのだ・・・彼女は氷竜なのだぞ? 体の中がというのならともかく、彼女の全身を覆った青と白の皮膜などは触れた雨粒や涙を一瞬にして氷の粒に変えてしまう程の冷たい冷気を放っているはずなのだ。 しかし注意深く彼女の体を観察してみると、確かに皮膜の表面に薄っすらと汗をかいているのが見て取れる。 極寒の体が汗をかくなど、普通に考えれば到底有り得ない話だ。 だがそうは言っても、彼女が私の眼前で酷い苦しみにのたうっているのは紛れもない事実。 「しっかりするのだ!私はどうすればいい?何をして欲しいのか言ってくれ!」 焦燥に駆られた声でそう訊ねてみるものの、もう声を上げる力も無いのか彼女からの返事は返ってこない。 そして思わずぐったりと項垂れた彼女を揺すってやろうと右手を伸ばしかけ・・・ 私はすぐにハッとしてそれを引っ込めていた。 おのれ!おのれ、おのれ、おのれぇ! 無力な己自身に対する憤りが、洞窟の岩壁に思い切り頭を打ち付けたくなるような衝動となって込み上げてくる。 どうすればよいのだ!?彼女が・・・彼女が死んでしまう・・・! 目の前で彼女が瀕死の苦しみに喘いでいるというのに、私は何もしてやれぬのか! 数分後・・・洞窟の地面の上に突っ伏すようにして泣いていた私はおもむろに顔を上げていた。 諦めてなるものか。たとえどんな運命の悪戯があろうとも、彼女だけは助けなければならぬ。 そして先程からピクリとも動かずにハァハァと虫の息を吐き出している彼女を一瞥すると、私は声を掛ける間も惜しんで洞窟の外へと飛び出していた。 もしかしたら、これが彼女との本当の別れになるかも知れない。 だが今は、彼女を助けるために何もかもを擲つ覚悟が必要なのだ。 もしあのまま何もせずに彼女の最期を看取ったとしたら、私は生涯悔やんでも悔やみ切れぬ心の傷を残すことだろう。 永遠にも思えるような長い長い1時間の飛行の末、ようやく住み処のある火山地帯が見えてきていた。 私を探しているのか数匹の仲間達がその上空を旋回するように飛んでいたが、今はそんなことなどどうでもいい。 やがて火山へと近づく私の姿を見つけたのか、彼らが私のもとへと近付いてくる。 ブゥン! 「邪魔をするな!」 だが私を捕まえようと迫る仲間達を力任せに振り回した燃える尾で牽制すると、私はそのまま最長老の住み処である中腹の巨洞へと飛び込んで行った。 「最長老!」 そして洞窟の奥に広がる闇へ向けてそう叫びながら、最長老の待つ広場へと急ぐ。 「一体どうしたというのじゃ?」 切羽詰まった私の声に驚いたのか、最長老が不意に住み処へ飛び込んできた小さな仲間を怪訝そうに見つめる。 「彼女が・・・愛しの氷竜が死にかけているのです。一体どうしたら彼女を救えるのですか?」 それを聞いた最長老の顔には、私の予想を裏切って深い悲しみの表情が表れていた。 「やはりな・・・だからあれ程言ったではないか・・・お互いのために、もう氷竜には近づくなと」 「教えてください最長老!あなたは一体何を知っているというのです!?」 その問いに答えようとしてか、最長老が大きく1つ深い息をつく。 「最長老というのは、かつて氷炎の竜達が共に暮らしていた時代を生きていた者を指す呼び名なのじゃ」 つまり今私の目の前にいる巨竜は、その幻の時代の生き残りということか。 「そして・・・ワシにもおったのじゃよ。お主と同じように、恋い焦がれた雌の氷竜がな」 愕然とした思いが、私の頭の中を真っ白に塗り潰していった。 「だが彼女と共に暮らし始めて数日が経った頃・・・突然彼女に発作が起きたのじゃ」 「発作・・・?」 「氷竜達は常にその全身から、触れた物を瞬時に凍り付かせることができる程の冷たい冷気を発しておる」 そんなことは知っている。 だがそれと彼女の発作とやらに、一体どんな関係があるというのか。 「それは言い換えれば、常に周囲の物から膨大な熱を奪っているということ。故に彼らは・・・」 「元々寒冷な土地でなければ生きてはいけぬ種族だと・・・?」 「うむ・・・しかも我らが傍にいるだけで、その高熱に耐えることが出来ず殊更に彼らの命を縮めることになる」 では・・・彼女があれ程までに苦しんでいるのは・・・この私のせいだったというのか・・・? 「数日に1度会う程度であれば大した影響はないが・・・結局我らは、氷竜と共には暮らすことができぬのじゃ」 「どうすれば・・・彼女を救えるのですか・・・?」 彼女の苦しみの原因が自分にあることを知って、その声の勢いはさっきまでよりも大分衰えてしまっていた。 「大量の水を与え、その者の身を冷やしてやるのじゃ・・・だがワシは・・・彼女を助けることができなかった」 その瞬間、私は最長老の住み処を勢いよく飛び出していった。 水だ・・・水が要る。 だが一体、どうやって彼女のもとまで水を運べというのだろうか? この灼熱の身で水に触れれば忽ち蒸発させてしまうだろうし、そうかと言って触れても燃え尽きずに耐え切れる大きな器などがそう簡単に見つかるはずもない。 第一、冷たい水でなくてはならぬのだ。 炎竜である私に・・・それはあまりにも荷が重過ぎる。 私には・・・彼女を助けられぬのだろうか・・・ かつてあの最長老も、きっと今の私と同じ苦悩と葛藤を味わったのに違いない。 ただただ衰弱に命を削り取られていく彼女を前に何もしてやることができず、身を引き裂かれるような深い自責と後悔に幾度となく苛まれたことだろう。 そしてそれが、炎竜と氷竜を分かつきっかけになったのだ。 もう、元気な彼女の顔を見ることは出来ぬのだろうか・・・ フラフラと当てもなく空を漂い続ける私の脳裏に、この数ヶ月の記憶がまざまざと蘇ってくる。 初めて会った時に彼女が見せた、あの悲しそうに俯いた横顔。 私のために自らの空腹を我慢してまで一心に魚を獲り続けていた、あの一途な後姿。 そして長い長い空白の時を経て再会した彼女の・・・あの嬉々とした明るい笑顔。 それらが全て記憶の中だけのものになってしまうなど、私には到底耐えられそうにない。 次から次へと溢れ出してくる彼女と過ごした甘酸っぱい記憶の波に流されそうになりながら、それでも私は辛うじてその中に淡い希望の切れ端を見つけ出していた。 そうだ・・・彼女を救う方法が、まだたった1つだけ残っている。 だがそれには、ある1つの大きな壁を乗り越えなければならなかった。 不干渉の掟という鎖を幾重にも巻かれて補強されてしまった、種族という名の高い壁。 果たして、この私にそれができるのだろうか・・・? しかしこうしている間にも、あの洞窟で独り孤独に待つ彼女の命は刻一刻と死に向かって擦り減っているのだ。 やるしかない。 私は突然目の前に垂れ下った一縷の望みに顔を上げると、北に向かって全力で翼を羽ばたき始めていた。 しばらくすると、深い森の上空を急ぐ私の眼下をあの思い出の詰まった湖が一瞬にして過ぎ去っていく。 そしてなおも遠くまで続く木々の絨毯を見下ろし続けていると、やがて緑の森が短い海岸を挟んで唐突に青い海へとその姿を変えていた。 遠い遠い、しかし彼女が毎日欠かさずに飛び越えてきた、碧き水を湛える大海原。 何処までも果てることを知らないその広大過ぎる海の威容に、早くも心が折れそうになってしまう。 いや・・・彼女は私に会うために、こんな遠い旅路を幾度も続けてきたのだ。 殊にあの空白の一月半の間、彼女は一体何を支えに無駄骨かも知れぬ渡海をやってのけられたのか・・・ それはきっと、また私と再会できるかもしれないという小さな希望を最後まで捨てなかったからに違いないのだ。 なのに私が・・・彼女が死にかけている今、この私が挫けてしまってどうするというのか。 誰も知らぬ山中の洞窟で孤独に死を迎えようとしている彼女を想起して、私は微かに疲労の溜まり始めた翼に鞭を打ちながらまだ見ぬ北方の氷山目指して飛び続けていた。 もう、何時間そうしていたことだろうか・・・ 間もなく夕刻を迎える太陽が西の水平線に触れようと身を屈めた頃、ようやく遥か前方の彼方に氷で覆われた白い台地が姿を見せ始めていた。 グングンと近付いてくるその氷竜の住み処が、寒々しい静寂とともに私の到着を待ち構えている。 そして眼下を埋め尽くす雪と氷の世界にじっと目を凝らしてみると、幾本もの大きな氷洞が連なった、分厚い氷壁がそこに聳え立っていた。 住み処の外に出ている氷竜達の姿は無く、生物の気配が何処にも感じられない。 だが、迷っている時間はない。 私は無数に並んだ氷竜達の住み処の1つに勢いよく飛び込むと、何も見えぬ奥の暗闇に向かって声を張り上げていた。 「誰か!誰かいないのか!?」 その声に、闇の中から何かが顔を出す。雄の氷竜だ。 頭に生やした彼女とそっくりな数本の氷角をいからせながら、突然の侵入者を激しく警戒している様子が窺える。 「な、何だお前は・・・炎竜・・・?お前は我らの交流が掟で禁じられているを知らぬのか?」 「そんなことは無論知っている。だが、これはそなたらの仲間の命に関わる問題なのだ」 「どういうことだ?」 流石の彼も、仲間の命が危ないと知っては掟を盾に私を無視することができなかったらしい。 だが、まだ問題は山積している。 徐々に溶けて沈み始めた足元の氷穴から手足を引き抜いて平らな地面に移動すると、私は未だ闇の中から全貌を見せようとしない彼を外へと誘うかのようにゆっくりと後退さり始めていた。 そしていざ風雪吹き荒れる氷洞の外に出てみると、先の私の声が聞こえていたらしく何時の間にか数匹の氷竜達がその周囲をグルリと取り囲んでいる。 「誰だお前は!?どうして炎竜が我らの住み処をうろついている!」 「掟も知らぬならず者め!」 「さっさとここから出て行け!」 どうして彼らは、これ程までに掟に縛られているのだろうか。 初めて彼女に会った時に私が言った言葉を逆に叩き付けられて、私は苦笑いを浮かべながらも大声で叫んでいた。 「そなたらの仲間が南の大陸で死にかけているのだ!彼女を救うために、どうしてもそなたらの協力が欲しい!」 「南の・・・大陸だと?」 「どうしてそんな所に仲間が?」 それは、至極当然の反応だったのだろう。 氷竜達にとっては、この雪と氷の台地が生活の全てなのだ。 彼らの多くは、この台地から遠くかけ離れた外の世界など1度も見たことがないのかも知れない。 だがそんな周囲の冷たい反応にもめげずに、私は先を続ける。 「今すぐ大量の氷が必要なのだ。それに、そなたらの冷たい体も。私には・・・とても彼女を助けられぬ・・・」 その瞬間今にも死にかけている彼女の姿が脳裏を過ぎり、私は力無くその場に崩れ落ちていた。 この氷竜達の協力が得られなければ、もう彼女に助かる見込みはない。 私のせいでこうなったというのに、自分では何も出来ぬという無力感が執拗に私を責め苛むのだ。 やがてしばしの不気味な静寂を挟んだ後に、不意に私の耳にゴソリという物音が届いていた。 何事かと思ってゆっくり顔を上げてみると、3匹程の雄の氷竜が氷山の一角から切り出したと見える大きな氷塊をその両腕に抱えたまま高台から私を見下ろしている。 「今回はお前を信じてみるとしよう・・・早く我らをその仲間のもとに案内するのだ」 私の願いが、彼らに通じたのだろうか・・・? だがそんな考えを、私はすぐに振り払っていた。 あんな掟があるせいで私はこの氷竜達をまるで敵か何かのように考えていたものの、彼らも言うなれば最長老の時代から連綿と受け継がれてきた遠大な歴史の犠牲者に他ならないのだ。 今更改めて言うまでもなく、誰もが皆一族の者達の身を案じている。 なればいかに関わることを禁じられている炎竜の頼みとはいえ、彼らが仲間を見殺しにするはずがなかったのだ。 例えようもない深い感謝の念に押されてバッと空に飛び上がると、私は後に従った3匹の氷竜達とともに勢いよく氷の台地を飛び出した。 そして懸命に苦しみに耐え続ける彼女のもとへ救いの使者を導くべく、疲弊しきったはずの翼に力を込める。 美しく澄み切った夜空に浮かぶ大きな上弦の月と煌く星々が、深い藍色に染まる海を越えて南へと急ぐ我々を淡く照らし出していた。 数時間後、月の光の届かぬ岩山の谷間を縫うようにして飛びながら、私は激しい焦燥に駆られていた。 彼女はまだ無事なのだろうか? もし万が一手遅れになっていたとしたら、私はその辛すぎる現実を受け止め切れるのだろうか? そんな脳裏に去来する様々な思いを噛み締めながら羽ばたき続けていると、やがて彼女の待つ大きな洞窟が視界の中に入ってくる。 そして3匹の氷竜達を伴ったまま勢いよくその闇の中へ飛び込むと、私は真っ先に彼女の安否を確かめにいった。 弱々しく開けられた彼女の眼に、まだ微かな生気が残っている。 よかった・・・私は間に合ったのだ! だが喜んでばかりはいられない。まだ彼女は、この極めて危険な状態を脱してはいないのだから。 「さあ、その氷を私に・・・そして彼女の体を、そなたたちの身で冷やしてやってくれ」 そう言って1匹の氷竜から大きな氷を受け取ると、私は溶け出した水が流れていきやすいように円錐状に尖った先端を彼女の口の中へと優しく差し入れていた。 両手から伝わる高温の熱気があっという間に大きな氷塊を痩せ細らせていき、氷の表面を流れ落ちる冷水が彼女の渇きを少しずつ癒していく。 そして同時にその火照った体を冷やすべく、手ぶらになった氷竜が彼女の上にドサリと覆い被さっていた。 それを見た私の心中に何とも言えない嫉妬にも似た感情が湧き上がってきたものの、今は自分の役目に徹するより他に道がない。 徐々に回復していく彼女の様子にホッと胸を撫で下しながら、氷炎の竜達による必死の看病は夜明けまで続いた。 翌朝になって、彼女はすっかりと元の元気を取り戻していた。 「本当によかった・・・そなた達には、礼の言葉が見つからぬ」 「仲間同士が助け合うのは当然のことだ。お前こそ、よく我らに知らせてくれた」 そして3匹の氷竜達とそんなやり取りを終えると、その内の1匹が彼女の方へと首を振り向ける。 「さあ、里へ帰ろうぞ」 その返答に困った彼女が物言いたげに私の顔を見つめたものの、私は何も言わず静かに頷いていた。 やはり、彼女と一緒に暮らすことはできない。 「そなたのためだ・・・もし今度同じことが起こったら、次もまたそなたを助けられるとは限らぬ」 「そんな・・・」 「私は、そなただけは失いたくないのだ。共に暮らすことが危険だというのなら、私は潔く身を引こう」 それを聞いた彼女の顔に深い悲しみの表情が浮かぶと、私は思わず言葉を失ってその場に頭を垂れていた。 彼女の方も、こうなった原因が私にあることは薄々感じているはずだ。 先程から食い入るように私の顔を覗き込みながらも彼女が抗議の声を上げようとしないのは、きっと心の何処かに躊躇いが芽生えてしまった動かぬ証拠なのだろう。 「もう・・・私と会ってはくれないのか・・・?」 透き通った輝きを湛える彼女の青い瞳が、また微かに潤み始めている。 私は、一体何度彼女を泣かせれば気が済むのだろうか。 だが思わず返答に詰まって俯いた私の様子を見るに見かねてか、それまで沈黙を保っていた雄の氷竜達が突然予想外の提案を持ち掛けてきた。 「お前さえよければの話だが、我らの里で彼女と共に暮らすというのはどうなのだ?」 「それはいい!それならもしまた同じことがあっても、すぐに我らの助けが呼べるだろうしな」 「だ、だが・・・あの土地は、炎竜の私が暮らしていけるような所ではないだろう?」 氷竜達の住み処は、一面が厚い雪と氷に覆われた世界だ。 全身から熱気を放つ私がそこで一晩眠ったとしたら、朝方には深い氷の穴の底で目を覚ますことになるだろう。 「なぁに・・・寝床となる岩を1枚、外から持ち込んでくればよいだけではないか」 「彼女のために精一杯尽くしてくれたお前なら、仲間達も快く受け入れてくれるとも」 正直、私の心は揺れ動いていた。 何と答えていいのかわからずに彼女の方へ視線を振ってみると、その顔に貼り付いた心底嬉しげな表情が私の目に飛び込んでくる。 そうだ・・・私は、またこの笑顔が見たいがためにあれ程必死になれたのだ。 やがて返事を待つ氷竜達の方へ向き直った私の目に、もう迷いはなかった。 「そうだな・・・そう言ってもらえるのなら、お言葉に甘えさせてもらうとしよう」 視界一面を白銀に塗り潰す、とめどない雪と氷に支配された冷たい世界。 そんな不毛な台地のとある片隅で、禁じられたはずの氷炎の竜の番いが暮らしていた。 広い氷洞の奥には炎竜の寝床となる厚い岩床が設けられ、そのすぐ横の地面の上で全身に青白い皮膜を纏った雌の氷竜が静かに夫の帰りを待っている。 もう間もなく、氷海に住む獣を仕留めた炎竜が意気揚々と妻のもとへ帰ってくることだろう。 お互いにその身を触れ合うことすら許されぬというのに、彼らの未来は燦々と氷原に降り注ぐ太陽のように明るい輝きに満ち溢れていた。 完 感想 良かった…本当に良かった!ただそれだけ -- 名無しさん (2008-06-24 17 23 34) ベタだな・・・・だがそれがいい!!b -- 名無しさん (2009-03-03 03 41 18) 名前 コメント
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今日。 クラスの中で気に入ってる2人の女子がいた。 なんと今日、2人のメールアドレスをGETした。 だが、こたえは三択。 1人を選ぶか、もう1人を選ぶか、どっちもないか。 3つ目は困る。 明日、2人の様子を見てみようと思う。 結果はまだ分からないが、 明日へ続く…
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化け猫(DC) 効果モンスター 星1/闇属性/獣族/攻 0/守 0 このカードが「捨て猫」の効果によって特殊召喚に成功した時、 相手フィールド上のレベル4以下のモンスターを全て破壊し、 破壊したモンスターの数×800ポイントダメージを相手ライフに与える。 また、1ターンに1度、自分の墓地から「捨て猫」または「捨て猫娘」1体を選択して手札に加える事ができる。 モンスター破壊 下級モンスター 墓地再利用 猫 獣族 直接ダメージ 闇属性 同名カード 化け猫(アニメ) 関連カード 捨て猫(アニメ) 捨て猫(DC) 捨て猫娘(アニメ) 捨て猫娘(DC) 怪猫変化(アニメ)
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壱 弐 参 極 名前 [特訓!]化け猫 (とっくん ばけねこ) セリフ 壱 「応援してあげるから頑張るにゃ!」 弐 参 極 解説 猫の妖怪。猫又とは異なり、尾は2つに分かれていない。人に悪意を持っていることが多い。 レアリティ 必要法力 攻 防 知 壱 SSR 33 7200 5900 5500 弐 8140 6670 6220 参 極 術式名 属性 MAX Lv 効果 専:れっすん開始☆ 雷 10 味方単体の攻防アップ お邪魔戦術式 発動率 攻撃力アップ 高 備考: