約 199,225 件
https://w.atwiki.jp/kskani/pages/479.html
将軍様へのGE・KO・KU・ZYO ◆qYuVhwC7l. エリアF-8の深い森の中に、二人の男が立っている。 彼等はどちらも二メートルは越しているであろう高い身長を持ち、そしてまたその姿形も一般人からは一線を画していた。 片や、銀色の鎧を全身に身にまとった、悪魔のオーラを纏った男。片や、ホッケーマスクのような仮面を被り、巨大な腕を全身に纏わりつかせている男。 彼等の名は、『超人』。人類を遥かに越えた力を持ち、時に物理法則すらも捻じ曲げ、リングの上で数々の奇跡を生み出してきた存在。 銀色の鎧の超人、悪魔の長たる恐怖の将、悪魔将軍はそのままゆっくりと振り向き、正面からホッケーマスクの超人を見据える。 その瞳は、悪魔らしい冷徹な感情で溢れていた。 「もう一度聞くぞ、ジ・オメガマンよ。何故貴様は、悪魔騎士達の亡骸をその身に宿している?」 悪のカリスマに相対している者の名は、ジ・オメガマン。 ありとあらゆる感情を超越した精神を持つと言われ、最も神に近いとされる超人種族、『完璧超人』にその名を連ねる者。 このバトルロワイヤルの会場において、幾度となく辛酸を、そして幾度となく勝利を味わってもいる男は、悪魔の眼差しを前にしても冷静に質問に答える。 「フォーッフォフォ…悪魔騎士の亡骸というのは、こいつらの事ですかい、将軍殿」 そう云いながら、右腕を横に移動するのを合図として、彼の体を包んでいる巨大な拳がゆっくりと開く。 やがて開ききったその拳の指先が、虚ろな瞳を持つ五つの生首へと転じた。 アシュラマン、スニゲーター、サンシャイン、ジャンクマン。 ザ・ニンジャとプラネットマンを除いた、悪魔六騎士のうち四人の首が、生気を宿さない死人の相を悪魔将軍へと向ける。 それを受けた悪魔将軍の瞳が、僅かに見開かれた。 と言っても、かつての部下たちの変わり果てた姿に衝撃を受けたわけでは無い。 氷のような心を持つ悪魔の化身は、さざ波ほどの悲しみも感じる事は無い。 その感情の揺れは、悲しみでは無く驚き。 今現在も『自分の体を構成している』悪魔六騎士の首が、こうして目の前に存在しているという、摩訶不思議な現象に対する疑問だった。 彼等の内の一人、アシュラマンは自分と同じバトルロワイヤルの参加者だ。 ならば、自分と遭遇する前にオメガマンがアシュラマンを殺害し、その首を収集したと見るのが正しいだろう。 だが、それならば、この殺し合いとは無関係である他の悪魔六騎士については? じっと考え込んでいる悪魔将軍を前にして、オメガマンはスッと一本指を立てると、彼等の首を手に入れた経緯についての解説を始める。 彼にとっては、それは大したことのない情報だからだ。 「さて、将軍殿。俺がこの悪魔六騎士達の首を手に入れた経緯について話す前に、あんたに一つだけ確認しておきたいことがある」 「なんだ、言ってみるがいい」 ともすれば不遜とも取れるオメガマンの言動を前にしても、将軍は取り乱すこと無く続きの情報を引き出そうとする。 キング・オブ・デビルは、これしきの事では揺るがない。 貫禄すら漂わせる悪魔将軍の態度を前にして、オメガマンは僅かにフォッと笑うと、彼への質問を口にする。 「我々超人がリングの中で命を落とした場合、その魂は一体どこへ向かうのか…それを知っていますかな?」 「………超人墓場、か」 「クォークォクォ、流石は将軍殿、良くご存じですな」 納得のいく答えを手に入れたオメガマンは、満足げに笑いながら悪魔将軍を褒めたたえる。 超人墓場。それは、リングで散った超人達が行きつくといわれる、摩訶不思議な空間である。 『あの世』とも言い換えられるその場所では、恐ろしい鬼たちが鞭を振るい、死を経験した超人達は過酷な労働を強いられる。 ある意味では、地獄と表現できるような場所だろう。 「キン肉マン達正義超人と戦い、そしてリングに沈んで行った悪魔六騎士達の魂もまた超人墓場へと落ちて行きました…… だが、この悪魔六騎士共は、そのままそこで働く事を良しとしなかった」 悪魔将軍にそう解説しながら、オメガマンは自分の頭上を見上げて四つの生首を目に入れる。 既に光を宿していないその虚ろな眼は、彼等を宿しているオメガマンでさえもどこを映しているかはわからない。 「本来ならば、超人墓場での働きに応じて支給される生命の玉さえ集めれば、超人は再び生を受ける事が出来る。 が、それは短くても半年、長ければ100年以上もの時間が掛かる…その事に反発した悪魔六騎士は、超人墓場からの脱走を図り――」 「それを良しとしない貴様によって、再びその命を奪われたという事か」 「フォーッフォフォフォ!! 察しが良いですな、将軍!」 自分の言葉をフォローする将軍のセリフを聞き、オメガマンが楽しげに笑う。 だが、その笑いは将軍への称賛だけが含められているのではない。 多くの犯罪超人を狩り、報酬を得る超人ハンター・オメガマン。彼にとって、犯罪超人を追い詰め、殺し、そしてコレクションとしてその首を収集する事は、至上の喜びであった。 かつての超人墓場にて、悪魔六騎士達を葬り去った戦いを思い出しながら、オメガマンはしばし笑い続ける。 自分の部下を侮辱するようなその笑いを受けても、悪魔将軍の顔色は何一つ変わらない。 悪魔は、敗者にかける言葉などを持っていない。 そして今は、無残な死を遂げた部下たちを想うよりも、遥かに重要な事があった。 「悪魔六騎士が、キン肉マン達正義超人に敗れたと…そう言ったな」 「ああ、それが何か問題でもあるんですかい?」 「いや、その事自体に問題は無い。奴らが敗北する瞬間は、この私も見届けている」 悪魔将軍の本体でもある黄金のマスク、それを争奪する為の悪魔六騎士と正義超人の戦い。 自分は、この殺し合いに呼ばれる直前まで特等席でそれを鑑賞していたのだ。 そう、本当に直前まで。 「奴らは死後超人墓場に落ち、そこからの脱走を企てた。オメガマンよ、それが『いつ』なのかを、覚えているか?」 「はぁ……?」 悪魔将軍が抱いた疑問は一つ。それは、悪魔六騎士がその命を落として『すぐ』に、超人墓場からの脱走を企てたのか、という物。 彼等がリングの上で命を落としてから経過した時間は、決して長くはない。むしろ、悪魔将軍が知る限りではたった数時間前の出来事だ。 ならば、悪魔六騎士達は死後すぐに復活を求めて、無謀な脱走を求めたというのか。 オメガマンは、悪魔将軍の質問の意図が読めないと表情で思わず間の抜けた声を上げる。 だが、それを見据える将軍の表情は真剣そのものだ。もしも適当な事を云えば、その場で悪魔の制裁がくだされるであろう事は間違いない。 無駄な体力の消耗を避ける為にも、オメガマンは頭を捻らせながら答えを示そうとする。 「さて……少なくとも、将軍殿がキン肉マンに敗れ、トーナメントマウンテンでのタッグマッチが開催されている最中の……」 ふと、オメガマンが漏らした呟きの一つに反応して、悪魔将軍の顔色が即座に変化する。 「待て。今、貴様は何と言った?」 「は? いや、トーナメントマウンテンでのタッグマッチと……」 「違う、その前だ。……私が、キン肉マンに敗れた、だと?」 一言一言を噛みしめるような悪魔将軍の声を聞いて、ホッケーマスクの奥の素顔がサーッと青ざめる。 悪魔将軍は、その名の通り悪魔超人の頂点に立っている者。荒くれ者揃いの彼等を率いているこの男は、紛れもない悪のカリスマと言える。 そんな人物であるからこそ、例えかつての『敗北』という苦い思い出でさえも、自分と同じく糧に変えられるだろうと踏んでいたが、流石に早計だったか。 思わず制裁を覚悟し、冷や汗を流すオメガマンであったが、悪魔将軍を見ている内に徐々にその恐怖も消えていく。 悪魔将軍は、自分の失言に対して怒っている様子がないのだ。 彼から今発せられているのは、明らかな『戸惑い』であった。 「…………オメガマンよ」 「は、はい!」 「お前に嘘を言っている様子はない。そもそも、こんな所で嘘をついた所でお前にメリットがあるとも思えん。 つまり、お前が言っている『私がキン肉マンに敗れた』というのは、紛れもない事実なのだろう。だがな……私はそもそも、『まだキン肉マンと闘ってすらいない』のだ」 「は………はぁ~~~~~~っ!?」 恐らく、あまりにも予想外の一言だったのだろう。オメガマンが挙げた素っ頓狂な叫びを聞きながら、悪魔将軍もまた予想外の事実を頭の中で受け入れる。 キング・オブ・デビルは、目を細めながらゆっくりと自分の記憶をたどる。この殺し合いに巻き込まれる前、リングサイドで自分が見ていた光景を。 すなわち、悪魔超人バッファローマンを脇に従え、悪魔六騎士アシュラマンと正義超人キン肉マンのデスマッチを観戦していた、あの瞬間を。 キン肉マンから起死回生の一撃、ツームストン・ドライバーをその身に受け、リングに沈んだアシュラマンを、悪魔将軍は悪魔の掟に従いその場で処刑した。 そして、アシュラマンの死体をその身に取り込み、最高のコンディションとなった瞬間に、彼はこの殺し合いの始まりの場へと飛ばされたのだ。 ほんの直前に一体となったはずの、アシュラマンと共に。 「それに、お前は他にも気になる事を言っていたな…トーナメントマウンテンでのタッグマッチとはなんだ? 私とキン肉マンの決着がついてから、どれだけの時間が経っているというのだ?」 「そ、それは……軽く半年以上の月日が流れておりますぜ~っ! タッグマッチというのは、将軍殿がキン肉マンに敗れた後でトーナメントマウンテンにて繰り広げられた戦いの事! そして俺は、その後に開催された、キン肉マンを含めた5人の王子達によるキン肉星王位争奪戦の真っ最中にこの殺し合いに巻き込まれたんだ!!」 悪魔将軍の質問に答えながら、オメガマンもまた驚きに目を白黒させている。 このバトルロワイヤルの会場に、既に死した筈の悪魔将軍がいる事自体は不思議では無かった。 この男ほどの実力者ならば、超人墓場にて生命の玉を集め、再び現世に舞い戻る事など容易いだろうと予測していたからだ。 悪魔将軍と、ジ・オメガマン。悪魔超人と、完璧超人。二人の間に流れる、『時間』という大きなギャップが徐々に明らかになって行く。 混乱しているオメガマンに対して、悪魔将軍はここで得られた情報を一つ一つ統合していく。 思い返すのは、自分の新たな部下、古泉の発言…キン肉スグルそっくりの謎の超人、キン肉万太郎と初めて相対した時の言葉だ。 『この人は貴方が狙うキン肉スグルではありません、彼は『キン肉万太郎』、スグルの息子と僕に名乗りました!』 (成程……ハッタリや戯言でもなければ、『並行世界』でも無かったという訳か) マスクの奥で満足げな笑みを浮かべながら、将軍は遂に結論を出す。 (間違いない。このバトルロワイヤルの参加者は、『幾つかの並行世界』だけではなく、『幾つかの時間軸』からも集められているのだな!) 悪魔将軍の存在した、悪魔六騎士と正義超人との激闘の最中。 ジ・オメガマンの存在した、キン肉星王位争奪戦と呼ばれる戦いの最中。 そして、そこから更に未来、キン肉マンの息子、『キン肉万太郎』が存在し、新たな正義超人として活躍しているであろう時間。 ここに至るまでで、悪魔将軍は少なくとも三つの時間軸から現れた参加者を見ている。 同じ事が、自分達の知り得ない参加者達の間で起こっているのは想像に難くないだろう。 そして、それはつまりこの殺し合いの黒幕が、『並行世界』という『空間』だけでなく、『時間』すらも手玉に取るだけの実力を持っているという事。 言うなれば、さしづめ『時空超人』とでも呼称するべきか。 最も、その力を持っているのが長門有希に草壁タツオという二人の男女なのか、既に死した筈の涼宮ハルヒという少女なのかは、この悪魔将軍にも予測のつかない事ではあるが。 そこまで悪魔将軍が考えた所で、目の前でただ茫然としているだけだったジ・オメガマンが動きを見せた。 背負っていたディパックを下ろし、突然中をあさり始めたのだ。 行動の意図がつかみ切れず、将軍の目が冷徹に細められる。 「ジ・オメガマンよ。貴様、一体何をしようとしている?」 「クォークォックォッ…なに、将軍殿に一つ見せたい物がありましてな~っ!」 射抜くような視線を受けても、オメガマンは笑い声を上げながら更にディパックの中を探る。 やがてディパックの探索を止め、その中から厳かな動きで現れたオメガマンの手に存在していたのは、謎の黒い腕輪だった。 悪魔将軍はそれをじっと見つめた後で、組んでいた腕を解くとオメガマンへと近づき始める。 「その腕輪が、一体どうしたというのだ? オメガマンよ…貴様の返答次第では、このまま―――」 静かな怒気を孕んでこちらへと歩を進める将軍を前にしても、超人ハンターは動きを見せない。 ただ、ホッケーマスクのから覗く赤い瞳が、ほんの僅かに揺らめいた。 それが表わすものは、喜悦。自分の策が成功した事への喜び。 「この腕輪はですなぁ……こうするのよ~~~~~~っ!!」 高らかな叫びと共に、オメガマンが謎の腕輪を自分の腕へと嵌めた瞬間、異変が起きる。 島一帯を覆い始めていた夕闇を切り裂く、閃光。強烈な光が、腕輪を中心として放たれたのだ。 「むうっ…!?」 流石の悪魔将軍も、突然の事態に対応出来ずに両腕で顔を庇うのみ。 初手の不覚を取ってしまった事に一瞬歯噛みするが、後悔するのは後回しだ。 こうしている間にも、光は徐々に弱まってきている。数秒もすれば視力も回復し、即座にオメガマンに制裁を与える事も出来よう。 それまでに一撃が加えられる可能性も高いが、そこはむしろ好都合と考える。 この身に攻撃を仕掛けられるのならば、それによって相手の位置を把握し、即座に強烈なカウンターを掛けてやるのみ。 そして、悪魔の制裁をその身に味あわせてやろうと身構える悪魔将軍だったが、その予想に反していつまで待とうとオメガマンが攻撃をしかけて来る様子は無い。 そうこうしている内に光も消えていき、視界が回復したと見るや即座に腕を下ろして周囲を見回す。 そこには最早、将軍への謀反を働いた愚か者の姿は無かった。 いつどこから襲撃が来ようと即時対応出来るように、細心の注意を込めながらぐるりと辺り一面を見渡すが、先ほどまでそこにいた筈のオメガマンの気配はどこからも感じられない。 数刻程逡巡した後に、悪魔将軍は何が起きたのかを把握する。 「奴め、この悪魔将軍から逃げ出しおったか……」 先ほど、オメガマンが取り出した腕輪。アレがこの逃走の何らかのキーになったと見て間違いない。 ワープ装置の一種だったか、はたまた別の何かなのか。が、今それは重要では無い。 オメガマンが自分に反旗を翻す事自体は予想の範囲内だ。 表面上は自分に従順な様子ではあったが、その言動の裏には明らかに不平不満、憎悪の感情が存在していた。 それでも、いつ牙を剥こうと返り討ちに出来る確信があったからこそ放置していたのだが。 しかし、超人ハンター・オメガマンが選択したのは『復讐』ではなく『逃走』であった。 (最も、そう簡単に私への憎しみが消えるとは思えん…体勢を立て直した後は、改めてこの私に挑戦してくるかもしれんな。 その時は、容赦なく屠らせて貰おう。その気が無かったとしても、この悪魔将軍をコケにした報いは受けてもらわねばな) オメガマンへの対応を検討した後、悪魔将軍は何事も無かったかの様に歩き出した。 先から抱いていた疑問も解消された以上、奴から得られるものはもう何もないだろう。 尻尾を撒いて逃げ出した負け犬になど、深入りする気も起きない。 ただ、恐怖の将は先を急ぎ、当初の目的を完遂させるのみ。 果たして目的の地、採掘場に『キョン』というもう一人のガイバーは表れるのか。 現れたとして、その男は悪魔の心を満たすだけの素質を持っているのか。 まだ見ぬ哀れな生贄に対して笑みを浮かべつつ、悪魔の男は先へと進む。 【F-8 森/一日目・夜】 【悪魔将軍@キン肉マン】 【状態】健康 【持ち物】 ユニット・リムーバー@強殖装甲ガイバー、ワルサーWA2000(6/6)、ワルサーWA2000用箱型弾倉×3、 ディパック(支給品一式、食料ゼロ)、朝比奈みくるの死体(一部)入りデイパック 【思考】 0.他の「マップに記載されていない施設・特設リング・仕掛け」を探しに、主に島の南側を中心に回ってみる。 1.古泉とノーヴェを立派な悪魔超人にする。 2.強い奴は利用、弱い奴は殺害、正義超人は自分の手で殺す(キン肉マンは特に念入りに殺す)、但し主催者に迫る者は殺すとは限らない。 3.殺し合いに主催者達も混ぜ、更に発展させる。 4.強者であるなのはに興味 5.採掘場に向かい、キョンとの接触を試みる。 6.もしもオメガマンに再会したら、悪魔の制裁を施す。 ※参加者が別の世界、また同じ世界からでも別の時間軸から集められてきた事に気付きました。 ※ エリアE-07を南北に隔てる川には、申し訳程度の丸太橋が掛かっている。 掛けられてから対して月日は経ってないであろうその橋は、しかし随所に無残な皹が入り、今にも崩れ落ちそうであった。 と、突然橋がミシリと音を立てて揺れる。周囲には人影は無く、橋を渡る者の姿は無い。 だが、それでも断続的なミシミシという音は続き、パラパラと木片が川に向かって落ちて行く。 やがて、音が対岸へと移動した瞬間に丸太橋の耐久力は限界を迎え、耳障りな破壊音と共にその寿命を終えた。 ドボドボと川へ落下し、湖方面へと流れて行く光景を『見ていた男』は、そこで自分の腕から先ほどとよく似た罅割れの音が発せられているに気づく。 パキンという小さな破壊音と共に黒い欠片が地面へと落ち、『男』、ジ・オメガマンの姿が何もなかった空間から浮かび上がる。 「チッ、もうバッテリーが切れやがったか…まぁ性能を考えれば妥当な所かもな~っ」 不満の声を零しつつ、オメガマンは先ほどまで自分が嵌めていた腕輪と同種の物をディパックから取り出す。 それは、元々はキン肉万太郎に支給されていた支給品の一つだ。 『スーパーアンチバリア発生装置』という名のそれは、腕に身に付ける事によって凄まじいステルス能力が得る事が出来るという物。 体が不可視性になる事はおろか、発する声も第三者に聞こえなくなり、センサーの観測すらくぐり抜けるという優れものだ。 だが、多大なエネルギーを消耗するこの発生装置は15分ほどしか機能せず、バッテリーが切れると同時に装置自体も破壊される使い捨てとなっている。 さらに、一度腕に嵌めて発動させてしまえばバッテリーが切れるまでは自分でも外すことが出来ない。 とりあえず五個セットで支給されていたのは救いではあるが、使いどころはよくよく考えねばならないだろう。 それともう一つ、この腕輪を使用する際に『スーパーアンチバリア』の出力を最大限まで上げれば別の効果が発動するのだが、 ただ参加者を皆殺しにする事だけを考えているオメガマンにはどうでもいい機能であった。 ともかく、オメガマンはこの支給品を使う事によって自分の存在を隠蔽し、忌々しい悪魔将軍の元からの脱出に成功した。 これは、一種の賭けであった。彼が今現在持っている不明支給品は、万太郎が持っていた一つに加えてアシュラマンが持っていた幾つかと、かなり多い部類に入る。 自分が見知らぬ支給品の中に、悪魔からの脱出に使える物があるのではないかと思い立ったのが、この作戦を実行した理由であった。 悪魔将軍の目の前で支給品の調査を行った時には流石に肝が冷えたが、どうやら運は自分に向いていたらしい。 悪魔将軍への憎しみをその内に秘め、彼の命を奪う事を狙っていた筈のオメガマンが、正反対の脱走と言う手段を取ったのには理由がある。 しばしの間悪魔の軍団と一緒に行動して分かった事だが、かの将軍は厳格な成果主義者だ。部下には一切のミスを許さず、一度失敗すれば即座に肉体的な厳罰が下される。 こんな超人と行動していたのでは、とてもコンディションを最良に保つどころでは無い。 将軍の隙をついてその命を奪う事など、夢のまた夢だろう。 だからこそ、オメガマンは一度距離を取る事を選んだ。もはや、悪魔将軍は自分に容赦しないだろう。 追いかけては来ていないようだが、それでも何らかの弾みで再会すればその時点でリターン・マッチのゴングが鳴り響くのは想像に難くない。 今は英気を養い、一人でも多くの参加者を殺すのを優先するべき。憎き悪魔の化身へとリベンジするのはその後…オメガマンはそう結論づけたのだ。 「フォーフォフォフォ……だが、流石に今は休息が必要か……」 そう呟くオメガマンの顔色は悪い。F-08から全力疾走でE-07へと移動したのだ、無理もない事だろう。 15分という短い時間ながら、それだけの距離を駆け抜けられたのは超人ならではと言えるが、やはり消耗した体力は大きい。 荒い息を付きながら北へと視線を移動させてみれば、ぽつんと小屋が建っているのが見えた。 地図にも記されている、山小屋という施設と見て間違いないだろう。 幸か不幸か、人がいる気配はない。今はこの中で休息し、体力を回復させるのが最良の一手か。 足を引きずるようにして山小屋へと向かいながら、オメガマンはこの後どう行動すべきかを考える。 まず、もうしばらくは島の南方面へは向かえないだろう。採掘場やその周辺の調査とすると言っていた悪魔将軍と鉢合わせる可能性が非常に高い。 いつかはこの手で殺す相手、と決めてはいるが今はその時ではない。それよりも、他の参加者を殺すのが先決だ。 次に、湖のリング方面。悪魔将軍の部下たる古泉、ノーヴェがいるあちらへ向かうのも出来れば避けたい。 となれば、残っているのは北の町方面、及び島の西側。 オメガマンの視線が、山小屋の向こう、僅かに見える煙へと注がれる。 街の火事が観測されてからはかなりの時間が掛かっているためか、煙はリングで見た時に比べると随分と弱くなっているようにも見える。 ここで自分が休息し終わったころにはどうなっているだろうか。 ともかく、火事に引き寄せられた参加者、もしくは火勢が弱まっている為に街の調査を開始する参加者が来る公算は高い。 「クォークォクォクォ……次の目的地は決まったな…」 ホッケーマスクの奥で、超人ハンターは邪悪に笑う。 黙々と牙を研ぎながら、狙うのは何も知らない呑気な参加者達。 今はただ、雌伏の時。 じっくりと英気を養いながら、ジ・オメガマンは闇夜に笑う。 【E-7 川付近・北側/一日目・夜】 【ジ・オメガマン@キン肉マンシリーズ】 【状態】ダメージ(中)、疲労(大)、アシュラマンの顔を指に蒐集 【持ち物】デイパック(支給品一式入り)×3、不明支給品1~2、5.56mm NATO弾x60、マシンガンの予備弾倉×3、夏子のメモ、スーパーアンチバリア発生装置@ケロロ軍曹×4 【思考】 1:皆殺し。 2:ひとまず、山小屋で休息して体力の回復を待つ。 3:街及び島の西方面を探索して参加者を探し、殺す。 4:完璧超人としての誇りを取り戻す。 5:スエゾーは必ず殺す。 6:スバルナカジマンにも雪辱する。 7:悪魔将軍にも復讐する。 ※バトルロワイアルを、自分にきた依頼と勘違いしています。 皆殺しをした後は報酬をもらうつもりでいます。 ※Ωメタモルフォーゼは首輪の制限により参加者には効きません。 ※E-7の川に掛かっていた、115話『キングもふもふはなかまをよんだ!』にてトトロ達が使用した丸太橋は崩壊しました。 【スーパーアンチバリア発生装置@ケロロ軍曹】 超劇場版3にて、ダークケロロ達がケロロ達を分断させるために使用した腕輪。 アンチバリアを強化したスーパーアンチバリアを発動させ、装着された者の姿・声などを認識できないようにする。ロワ内ではデバイス等のエリアサーチすらも無効化する。 ただし、使い捨てで15分しか使えない上に、バッテリーが切れるのと同時に装置が自壊する。 なお、姿が見えないだけであくまでそこには存在しているので、行動次第によっては居場所がバレる事もある。 劇中では、スーパーアンチバリア発動中のケロロ達がガンプラを組み立てている際にガンプラだけが浮かび上がるという現象が発生していた。 また、スーパーアンチバリアの出力を最大まであげる事で、装着者に『傍にいる仲間が、自分に敵意を持ち襲い掛かってくる』という幻覚を見せる事が出来る。 時系列順で読む Back 止マラナイ! Next 耐えきれる痛みなどありはしない 投下順で読む Back 止マラナイ! Next かくて黒は笑いき 止マラナイ! 悪魔将軍 I returned ジ・オメガマン ザ・ネゴシエーター
https://w.atwiki.jp/tousounokeitou/pages/209.html
『絆は種族を超えて…』-11 作者・ユガミ博士 499-24 怨みのエネルギーを吸収し、パワーアップをした悪魔将軍を相手に 真吾少年は復活した十二使徒や鬼太郎、デビルマン達と共に、熾烈な 戦いを繰り広げる。 メフィスト二世「よくも、コケにしやがって!」 メフィスト老「ゆくぞ、せがれよ!」 メフィスト二世「応、親父。魔力・冷凍冬眠!」 メフィスト老「魔力・絶対零度!」 メフィスト親子は、それぞれ「魔力・冷凍冬眠」と「魔力・絶対零度」を使い、 悪魔将軍を凍らせようとする。 悪魔将軍「むぅ...この様な攻撃で怯むものか...!」 ルキア「ならば、私も手を貸そう。次の舞...白漣!」 メフィスト親子の攻撃にビクともしない悪魔将軍に、ルキアは【次の舞 白漣】を使い、 冷気を津波の様に押し寄せ、メフィスト親子の攻撃に加勢する。 妖虎「氷の次は、炎をお見せしよう。行くぞ、ユルグよ」 ユルグ「ああ、妖虎。オーエッサムコー!」 ユルグは呪文を唱え、青白い狐火を作り放つ。そして妖虎は老人の 姿から、虎に姿を変えて体内のアルコールを用いて炎を吐き、ユルグの 狐火と合わさって、特大な火炎攻撃をぶつける。 飛影「炎か...なら、俺の炎を見よ。邪王炎殺黒龍波ッ!」 悪魔将軍「魔界の炎の黒龍か!」 ユルグと妖虎の火炎攻撃に、飛影も自らの最終奥義である邪王炎殺 黒龍波を放ち、魔界の炎の黒龍を召喚して、悪魔将軍にぶつけた。 さすがの悪魔将軍も黒龍には苦戦する。 デビルマン「よくも美樹を、こんな場所に連れてきやがって...」 悪魔将軍「貴様を葬った後、あの女も一緒にあの世へ送ってやるわッ!」 デビルマン「美樹に手を出すんじゃねえ!デビルビィィム!」 幽助「俺も行くぜ。霊ガァァァン!」 チャド「...エル・ディアブロォ!」 牧村美樹はソロモンの笛を取り戻した時に保護され、龍亀一號で 眠っている。そして美樹を危険な目に合せた怒りを悪魔将軍にぶつけようと 強力な熱光線、デビルビームをぶつける。そこに幽助の霊丸、チャドの エル・ディアブロも合わさり、強力なパワーとなった。 零児「悪魔将軍!ぬらりひょんが言っていた“あの御方”とは誰だ!」 悪魔将軍「フッフッフッ...奴はいずれ動き出す。その時が来れば 知る事が出来るであろう。だが、その前に俺が貴様達を葬る!」 小牟「ええい、勿体つけおって!」 零児は悪魔将軍と戦いながら、ぬらりひょんが言っていた妖怪帝国を 立ち上げた人物の事を問い質すが、悪魔将軍は答える気は無く、 小牟は苦虫を潰したような顔をする。 モリガン「エネルギーの体っていうと、パイロンを思い出すわね」 デミトリ「何であろうと、勝つのは私だ」 悪魔将軍「我が配下に加わらないのであれば、貴様達も我が肉体の 一部にしてくれようぞ」 モリガン「あらあら。身体を重ねるのならば、お相手してあげてもいいわよ」 デミトリ「くだらん...さっさと始末をするぞ」 肉体を取り込もうとする悪魔将軍に対し、デミトリとモリガンは分身攻撃や カオスフレアを繰り出していく。 499-25 一護「オラァ!」 悪魔将軍「その刀に黒の装束...尸魂界の死神か?その霊力、 何やら特殊な力を感じる。貴様も我が一部に取り込んでやろう」 一護「てめぇに取り込まれる気は更々ねえぜ!」 悪魔将軍は一護の特殊な霊力を感じ取り、取り込うとするが、 一護は天鎖斬月を振りかざして悪魔将軍を斬りつける。 幽助「アンタ、悪魔の親分なんだってなぁ。倒しがいがあるぜ!」 悪魔将軍「貴様は暗黒武術会で飛影がいたチームのリーダーだったという 浦飯幽助とかいう人間か。我が力に恐怖せよ!」 幽助「誰が、ビビるかってんだぁ!霊丸を喰らいやがれ!」 先程、デビルマンの攻撃に加わった幽助は単身、悪魔将軍に近づき、 霊丸を構える。 目玉おやじ「鬼太郎。十二使徒や見えない学校がパワーが無くなったとはいえ、 奴の力は健在じゃ。油断をするでないぞ!」 鬼太郎「はい、父さん!」 悪魔将軍「幽霊族の末裔、ゲゲゲの鬼太郎...聞けば、地獄の力を使う事が 出来るそうだな。いずれは地獄も制圧してみせるわ!」 鬼太郎「そんな事させるもんか!」 砂かけ「うむ。それに鬼太郎には」 子泣き「ワシ達がついておるぞ!」 シーサー「お前なんか、怖くないぞ!」 悪魔将軍「ふん。一介の妖怪風情が、威勢の良い事を言うわ。 ならば、貴様達の力を見せてみよ!」 鬼太郎「かかってこい、悪魔将軍!」 一反「鬼太郎、おいどんに乗るばい」 悪魔将軍と対峙した鬼太郎は、一反木綿に乗って空を飛び、 砂かけや子泣き達と共に立ち向かう。 悪魔将軍「悪魔くん...いや、埋もれ木真吾よ。今度こそ、貴様を取り込み、 我が頭脳としてくれるわ!」 真吾「いや、悪魔将軍。僕は絶対、お前なんかに取り込まれるものか!」 ヨナルデ「鬼太郎くんに多くの仲間の妖怪がいるように、悪魔くんには わしら十二使徒がいるのであ~る」 鳥乙女「さっきまで取り込まれていた私達だけど、今度はそうはいかないわ」 象人「パオー!暴れるゾウ」 家獣「バウー!!」 真吾少年に近づく悪魔将軍に、十二使徒達は真吾少年を守ろうと 立ち塞がる。悪魔将軍に取り込まれた怒りから、真吾少年達は やる気が溢れていた。 ねずみ男「がんばれー、鬼太郎!」 こうもり猫「ヨイショ!流石は悪魔くん、そのままやっつけるでヤンス!」 猫娘「そんな所にいないで、あんた達も少しは手伝いなさい!」 ねずみ男、こうもり猫「「すいません...(汗」」 戦いを他の人達に任せて、隅に隠れて応援していたねずみ男とこうもり猫だが、 猫娘に叱られて、身を縮こませる。そして悪魔将軍は十二使徒や鬼太郎、 デビルマン達の攻撃を受けて、徐々にダメージを募らせていく。 499-26 悪魔将軍「うぅ~...」 鬼太郎「父さん」 目玉おやじ「うむ、皆の攻撃を受けて悪魔将軍の力が弱まっておるのじゃ」 ヨナルデ「今こそ、悪魔将軍...いや、サタンの化身を我ら十二使徒と 悪魔くんの力で封印する時なのであ~る」 真吾「分かった!皆、力を貸してくれ」 悪魔将軍が弱まって来た事に、ヨナルデパズトーリは真吾少年に、 悪魔将軍を封印する事を提案する。それを受けた真吾少年は 十二使徒に呼びかけて、真吾少年を中心に六芒星の形になるように、 それぞれ並び立つ。 悪魔将軍「させるかぁっ!」 一護「井上!」 井上「うん!三天結盾、私は拒絶する!」 悪魔将軍「ぐぅ...なんだとっ!」 真吾少年達を邪魔しようと悪魔将軍は巨大な手を伸ばすが、 井上が三天結盾でバリアーを張り、その攻撃を拒絶した。 その間、真吾少年達による魔法陣は完成した。そして真吾少年と 十二使徒達の力が高まり、その精神は一つになっていく。 真吾「...サタンの化身よ。その身を封印する!」 そして魔法陣から発するパワーを受けて、悪魔将軍を構成していた エネルギーは徐々に散り散りとなっていく。 悪魔将軍「うぅ...お、おのれ~、例え、この身が滅びようとも... 俺は諦めんぞ!必ず...復活...して...みせ...」 ザ・ニンジャ「・・・(さらば、かつての主君よ...願わくば、安らかに 眠って下され)」 悪魔将軍は「必ず、復活する」と最期の言葉を残しながら、真吾少年達に よって封印され、その場から消えた。ザ・ニンジャは、かつての主君を哀れみ、 安寧を願って、心の中で冥福を祈るのであった。 ◯埋もれ木真吾→十二使徒と共に悪魔将軍と戦い、封印する。 ◯メフィスト二世→悪魔将軍に、メフィスト老と冷凍攻撃を行う。 ◯メフィスト老→悪魔将軍にメフィスト二世と冷凍攻撃を行う。 ◯ユルグ→悪魔将軍に、妖虎と火炎攻撃を行う。 ◯妖虎→悪魔将軍に、ユルグと火炎攻撃を行う。 ◯ヨナルデパズトーリ→真吾少年に悪魔将軍を封印する事を提案する。 ◯鳥乙女ナスカ→悪魔将軍に立ち向かう。 ◯象人→悪魔将軍に立ち向かう。 ◯家獣→悪魔将軍に立ち向かう。 ◯こうもり猫→ねずみ男と隅に隠れて応援する。 ◯デビルマン→悪魔将軍にデビルビームを放つ。 ◯デミトリ・マキシモフ→悪魔将軍に攻撃をする。 ◯モリガン・アーンスランド→悪魔将軍異攻撃をする。 ◯鬼太郎→悪魔将軍に立ち向かう。 ◯砂かけばばあ→悪魔将軍に立ち向かう。 ◯子泣きじじい→悪魔将軍に立ち向かう。 ◯シーサー→悪魔将軍に立ち向かう。 ◯一反木綿→鬼太郎を乗せて空を飛ぶ。 ◯猫娘→隅に隠れているねずみ男とこうもり猫を叱る。 ◯ねずみ男→こうもり猫と隅に隠れて応援する。 ◯浦飯幽助→悪魔将軍に霊丸を放つ。 ◯飛影→悪魔将軍に、邪王炎殺黒龍波を放つ。 ◯黒崎一護→悪魔将軍に斬月を斬りつける。 ◯朽木ルキア→メフィスト親子の冷凍攻撃に加わる。 ◯茶渡泰虎→悪魔将軍に、エル・ディアブロを放つ。 ◯井上織姫→真吾少年達を三天結盾で守る。 ◯有栖零児→悪魔将軍から「ある御方」について問いただそうとする。 ◯小牟→悪魔将軍から「ある御方」について問いただそうとする。 ◯ザ・ニンジャ→封印された悪魔将軍に対して、心の中で安寧を祈る。 ●悪魔将軍→真吾少年達に封印され、消滅する
https://w.atwiki.jp/tousounokeitou/pages/205.html
『絆は種族を超えて…』-7 作者・ユガミ博士 499-11 悪魔将軍「―?何やら、外が騒がしいな」 ぬらりひょん「朱の盆。様子を見て来い!」 朱の盆「は、はい!・・・・うわぁぁぁ!!」 真吾少年に迫っていた悪魔将軍は、外が騒がしい事に気が付き、 ぬらりひょんは朱の盆に様子を探らせに行かせる。命令に従った 朱の盆は様子を見に行くが、大声を上げて戻って来た。 ぬらりひょん「どうしたというのだ、朱の盆!」 ???「やはり、お前が絡んでいたのか、ぬらりひょん!」 ぬらりひょん「...その声は鬼太郎か!」 通路から現れたのは、外でパズズを倒した鬼太郎達だった。 宿敵である鬼太郎が現れ、ぬらりひょんは苦虫を潰したような顔をする。 百目「悪魔くん!」 真吾「ひゃ...百目。幽子ちゃん...来てくれたんだね」 百目「勿論だモン!」 悪魔将軍の恐怖に怯んでいた真吾少年だが、百目と幽子が 助けに来てくれた事に安堵する。 目玉おやじ「彼が、悪魔くん...埋もれ木真吾君という少年か!」 鬼太郎「真吾君を返してもらうぞ!」 悪魔将軍「そうはいかん...」 シレーヌ「この少年は、我らデーモン族...悪魔がこの世を支配する為に 必要な存在なのだ。邪魔立てはさせぬぞ!」 一反「何か、おっかないのがいるバイ...!」ガクガク 真吾少年を返すように鬼太郎が迫るが、悪魔将軍やシレーヌが阻む。 一反木綿は、悪魔将軍達から発する気迫に体を震わせる。 デミトリ「奴はもしや...」 飛影「サタンの化身といわれる悪魔超人のボス...悪魔将軍か。 ふっ...面白い奴が絡んでいたようだな」 悪魔将軍「魔界の貴族、デミトリ・マキシモフにモリガン・アーンスランド... それに暗黒武術会の優勝チームのメンバーの1人、飛影か。ゲゲゲの 鬼太郎だけでなく、この様な者達まで来るとは...どの様な意図があって ここに来たかは分からないが、貴様達も我が配下となり、共に人間共を 支配しようではないか!」 悪魔将軍という強敵を前に、強者と戦う事を望む飛影は不敵な 笑みを浮かべる。悪魔将軍は、デミトリ達に配下に加わるよう、 誘いを持ちかける。 飛影「ほう...」 モリガン「あら、私を誘ってくれるなんて嬉しいわ。けど...人間を支配するとか、 興味ないのよ。私...」 デミトリ「人間がどうなろうと、私には関係の無い事だが、この私を配下に加えるだと... 私の望みは『支配』だ...私は誰の下にも付かん!」 飛影「同感だ。それよりも、俺は貴様と戦ってみたいと思うのでな」 悪魔将軍に誘われるデミトリ達だが、それぞれ、その誘いを断る。 499-12 氷村「ムッ...この気配は、ついに来たか!」 デビルマン「美樹ィィィ!!」 ドゴォーン 猫娘「ニャッ!!」 シーサー「今度は何だ!?」 氷村が気配を感じ取ると、けたたましい音と共に建物の壁が 崩れると、美樹を助けに現れたデビルマンが現れる。 氷村「来たな。デビルマン」 デビルマン「氷村ァ!美樹は何処だ!」 氷村「安心しろ。牧村美樹は丁重に扱っているぜ」 美樹を取り返そうと、氷村に敵意をむき出しにしながら、居場所を 聞き出す。氷村は、眠っている美樹をデビルマンに見せた。 デビルマン「美樹...」 悪魔将軍「デーモン族の勇者、デビルマン。その身体...我が肉体の 一部にしてくれよう!」 デビルマン「...誰だが知らねえが、俺の邪魔をするってんなら、相手に なってやるぜ!」 悪魔将軍「刃向うのであれば、この姿で相手をしよう。ムゥン!」 デビルマンも吸収しようと悪魔将軍が立ちはだかるが、デビルマンは 悪魔将軍に敵意を向ける。敵意を向けたデビルマンに対して、エネルギー体の 姿だった悪魔将軍は姿を変え、キン肉マンを苦しめた西洋の騎士の様な甲冑の 姿に変わる。 鬼太郎「あの姿は...!」 目玉おやじ「あれはNYで、正義超人のキン肉マンと戦った時の姿じゃ。 以前テレビの中継で見た事があるぞ!」 悪魔将軍の姿が変わった事で鬼太郎は驚き、目玉おやじは、テレビの 中継で見た事を思い出す。 デミトリ「面白い。ならば私がねじ伏せてみせよう」 悪魔将軍「無論、貴様達の相手もしてやる。だが今、用があるのは デビルマンだ。貴様達は、彼等が相手をしよう。出てくるのだ!お前達」 悪魔将軍がデミトリ達に差し向けたのは、かつてNYでの戦いで、 キン肉マンに差し向けた地下を根城にしている地下超人の軍団だった。 ぬらりひょん「では、我々も...」 シレーヌ「悪魔将軍の邪魔はさせぬぞ!」 ぬらりひょんとシレーヌも、それぞれ配下の妖怪やデーモン族を 呼び出した。 猫娘「まだ、こんなにいたなんて!」 一反「どんだけいるバイ...」 百目「悪魔くんや見えない学校の皆を助けるんだモン!」 まだまだ妖怪やデーモン族がいる事に驚く猫娘達。そしていよいよ、 恐怖の将―悪魔将軍との決戦の火蓋が切って落とされた。 見えない学校の仲間や美樹は救い出されるのか...戦いの行方は如何に! 499-13 ◯鬼太郎→悪魔将軍達と対峙する。 ◯目玉おやじ→テレビの中継でキン肉マンと悪魔将軍のNYの戦いの事を思い出す。 ◯猫娘→悪魔将軍達と対峙する。 ◯一反木綿→悪魔将軍の気迫に体が震えだす。 ◯シーサー→悪魔将軍達と対峙する。 ●ぬらりひょん→配下の妖怪を呼び寄せる。 ●朱の盆→外の様子を見に行かされるが、鬼太郎達が来たので引き返す。 ◯埋もれ木真吾→百目達が助けに来たので、安堵する。 ◯百目→悪魔将軍達と対峙する。 ◯幽子→悪魔将軍達と対峙する。 ◯デビルマン→美樹を助けに現れ、悪魔将軍と対峙する。 ◯牧村美樹→氷村によって、眠らされている。 ●氷村巌→デビルマンに眠っている美樹を見せる。 ●妖獣シレーヌ→配下のデーモン族を呼びよせる。 ◯モリガン・アーンスランド→悪魔将軍に配下になるよう誘われるが断る。 △デミトリ・マキシモフ→悪魔将軍に配下になるよう誘われるが断る。 ◯飛影→悪魔将軍に配下になるよう誘われるが断る。
https://w.atwiki.jp/tousounokeitou/pages/208.html
『絆は種族を超えて…』-10 作者・ユガミ博士 499-20 鬼太郎や零児達の活躍で、デーモン族とぬらりひょん率いる妖怪達は倒された。 一方、デビルマンは悪魔将軍と熾烈な戦いを続けていた。 デビルマン「はぁ...はぁ...全然ビクともしねえや」 デミトリ「ならば、次は私が奴の相手をしよう。カオスフレアァ!」 悪魔将軍を攻撃するデビルマンだが、次第に息を切らしてしまう。 そこでデミトリが勝負に割って入り、カオスフレアを悪魔将軍に向けて 繰り出す。 悪魔将軍「流石は魔界の大貴族。なかなかの攻撃だ。ふむ... 痛みを感じないとはいえ、少しダメージを負い過ぎたか。 ならばそろそろ...」 小牟「ムッ!あれは...!?」 零児「知っているのか、小牟!」 小牟「あれはヨガのポーズ...悪魔将軍はヨガのポーズをする事で 身体に受けたダメージを回復させる事ができるのじゃ!」 デミトリのカオスフレアを受けた悪魔将軍はヨガのポーズをとる。 悪魔将軍はヨガをポーズをとることで、体に受けたダメージを回復できるのであった。 プロレス好きな小牟は超人プロレスにも精通しており、悪魔将軍に関する知識を 話す。 悪魔将軍「では、こちらの番だ。竜巻大回転!」 デビルマン「うぅ...」 悪魔将軍「続いて、体重移動魔法!」 デミトリ「この様な攻撃で...屈するものか!」 悪魔将軍はサシペレレの竜巻大回転で、竜巻を起こしてデビルマンを 苦しめた後、デミトリに組みつき、象人の体重移動魔法で体重を重くして、 伸し掛かる。 真吾少年「また皆の技を...!」 ザ・ニンジャ「やはり、悪魔将軍を倒すには、取り込まれた十二使徒達を 解放しなければ...!ソロモンの笛の奪還をするしか手はあるまい!」 ザ・ニンジャは悪魔将軍に取り込まれた十二使徒達を助けだそうと、 ソロモンの笛を取り返す事を決める。ソロモンの笛が置かれている場所には 地下超人達が待ち構えていた。 地下超人A「ここで、手柄を立てれば俺達は悪魔超人軍団の幹部だ!」 地下超人B「ソロモンの笛は渡さんぞ!」 ザ・ニンジャ「拙者に立ち向かってくるか...ならば、かつて悪魔六騎士の 1人だった拙者の忍術を特と見よッ!」 ザ・ニンジャは、その俊敏さと忍法を繰り出し地下超人達を蹴散らしていく。 真吾「うぅ...いつまでも倒れている訳にはいかない。僕も戦う!」 幽子「悪魔くん...」 百目「その身体で、大丈夫なのかモン?」 井上「だったら、私が回復させてあげる。舜桜、あやめ。双天帰盾・ 『私は拒絶する』」 敵に捕まり弱っていた真吾少年だが、悪魔将軍に取り込まれた仲間を 助け出す為、自分も戦おうと立ち上がる。百目と幽子は心配するが、 見かねた井上が盾瞬六花の能力の一つである回復技【双天帰盾】を使う。 これにより、真吾少年は心身ともに回復した。 真吾「すごい。さっきまで、あんなに体が弱っていたのに、力が漲ってくる」 鬼太郎「よし、僕達もソロモンの笛を取り返すぞ!」 499-21 回復した真吾少年と共に、鬼太郎達は襲い掛かる地下超人達を 蹴散らしていく。 地下超人「逃がさんぞ!」 ねずみ男「ヒィ~~お助け~!」ブゥ~~ 地下超人「くさ~~~~!!」 ねずみ男「あっ!助かった?」 地下超人達に囲まれたねずみ男だったが、その強力な屁をした事で、 臭いを嗅いだ地下超人達はあまりの臭さに気絶した。 真吾「タロット手裏剣!」 地下超人「ぐわぁ!」 真吾少年もタロットカードを手裏剣の様に飛ばし、地下超人を倒していく。 地下超人「貴様ァ!」 百目「あぶない、悪魔くん!」 幽子「照魔境ー!」 地下超人「うぅ...まぶしい!」 ザ・ニンジャ「てりゃぁ」 地下超人「ぐわぁ...」 真吾少年の背後から他の地下超人が襲い掛かって来たが、百目と 幽子が喰い止め、ザ・ニンジャが倒した。 真吾少年「ありがとうございます」 ザ・ニンジャ「いや礼は後でござる。さ、今の内にソロモンの笛を...」 真吾少年はザ・ニンジャにお礼を言おうとするが、今はその時では無い としてザ・ニンジャは礼を受け取らなかった。そして彼らの奮闘により、 真吾少年はソロモンの笛をついに取り戻す。 悪魔将軍「いかん、ソロモンの笛が!」 デビルマン「おっと...」 デミトリ「貴様の相手は...」 デビルマン&デミトリ「「俺(私)だ!!」」 悪魔将軍「ぬぅぅ...」 真吾少年の手にソロモンの笛が戻った事で動揺する悪魔将軍は 取り返そうとするが、デビルマンとデミトリが阻む。 真吾「...(皆、今助けるよ)」 ♯~♪~♭~♯~ 猫娘「綺麗な音色...」 井上「とても優しい感じがする...」 真吾少年は悪魔将軍に取り込まれた十二使徒達に届く様に、 想いを込めてソロモンの笛を吹く。その音色に猫娘や井上など 心が心地よくなっていくのを感じた。 悪魔将軍「うぅ...その演奏をや、やめろ...」 目玉おやじ「おお、悪魔将軍が苦しみ始めたぞ!」 零児「やはり、悪魔将軍にはソロモンの笛は友好か」 悪魔将軍はソロモンの笛の音色を聞いて、苦しみだす。 邪悪なサタンの化身である悪魔将軍には、ソロモンの笛の音色は 酷い騒音を聞いているような感じになるのであった。 499-22 メフィスト老「うぅ...この音色は?」 メフィスト二世「これは...ソロモンの笛?」 ヨナルデ「悪魔くんじゃ...悪魔くんがわし達の為に吹いておるのであーる」 鳥乙女「悪魔くん...」 象人「悪魔くん...」 家獣「バウー」 赤ピクシー&青ピクシー「「悪魔くん...」」 ユルグ「悪魔くん...」 妖虎「悪魔くん...」 サシペレレ「悪魔くん...」 こうもり猫「悪魔くん...」 そしてソロモンの笛の音色は悪魔将軍に取り込まれたメフィスト老や メフィスト二世達、十二使徒にしっかりと伝わっていた。そして皆、 掛け替えのない仲間、悪魔くんを思い浮かべる。そして、皆の気持ちが 1つとなり、奇跡が起きる。 悪魔将軍「こ、これは...!」 幽助「おいおい、何か光り出したぞ!」 幽子「この感じ...」 百目「分かるモン!これはメフィスト二世達、皆がやっているんだモン!」 悪魔将軍「ぬぅぅ...や、やめろぉぉぉぉ!」 悪魔将軍の身体が突如として光り出す。幽子と百目は、これは取り込まれた 仲間達が起こしている事に気付く。そして、最大限に光を放つと、悪魔将軍の 中から、メフィスト老、メフィスト二世、ユルグ、妖虎、鳥乙女、こうもり猫、 象人、家獣、サシペレレ、ヨナルデパズトーリ、ピクシーが出現し、真吾少年の 前に降りてくる。 真吾「皆...」 メフィスト二世「サンキューだぜ、悪魔くん」 ヨナルデ「悪魔くんのおかげでわしらは悪魔将軍の呪縛から 解放されたのであーる」 幽子「本当に...よかった」 百目「皆、無事に戻ってきて嬉しんだモーン!」 メフィスト二世「百目も幽子も、頑張ったな!」 真吾少年や十二使徒は、涙を浮かべながら無事に再会できた事を 喜び合う。 鬼太郎「よかったですね。父さん」 目玉おやじ「うむ。そうじゃのう」 ザ・ニンジャ「そういえば、十二使徒以外にも見えない学校も 悪魔将軍に取り込まれた筈だが...何処に?」 ヨナルデ「その心配は必要ないのであーる。何故なら、わし達が 悪魔将軍から脱出した時、見えない学校は、元の結界の場所へ 転移したのであーる!」 取り込まれた見えない学校の姿が見えない事に疑問を抱いた ザ・ニンジャに対し、ヨナルデパズトーリは見えない学校が元の場所へ 戻った事を話す。 悪魔将軍「うぅ...」 デビルマン「どうやら、あの連中がいなくなった事で、てめぇは ひどく弱くなったみてえだな」 デミトリ「貴様から受けた屈辱、晴らさせてもらうぞ」 零児「地下超人達も全て倒した。後は貴様だけだ」 小牟「これだけの人数じゃ。年貢の納め時じゃぞ」 悪魔将軍「うぅ...俺は恐怖の将、悪魔将軍。悪魔超人の支配者である 俺が、こんな所で敗れてたまるかぁ!」 弱体化した悪魔将軍にデビルマン達が迫るが、悪魔将軍は負けじと 立ち上がる。 真吾「まだ、立ち上がるのか!?」 悪魔将軍「こうなれば、この場所で貴様達に敗れた妖怪、デーモン族、 地下超人の怨みをパワーを取り込み、我が力とする!」 周囲の倒された妖怪やデーモン族、地下超人の身体から怨みの籠った エネルギーが現れ、立ち上がった悪魔将軍の元に集まっていく。 そのパワーを吸収し、悪魔将軍は巨大なエネルギーの姿に変わるのであった。 悪魔将軍「今度こそ、貴様達の命を奪い、その力を我が糧とする!」 真吾「そうは行かない。メフィスト達を取り戻したんだ。もうお前に取り込ませたりしない!」 メフィスト二世「おう。散々俺達の力を使いやがったんだ。その礼を たっぷりさせてもらうぜ!」 メフィスト老「うむ。儂も今回の事は腹に据えかねておる。我が魔力を受けてみよ!」 零児「ぬらりひょんには逃げられたが、貴様の知っている事を話してもらうぞ」 幽助「ぶちのめしてやるぜ!」 一護「覚悟しな」 デビルマン「美樹は返してもらうぜ!」 鬼太郎「さぁ、行くぞ!悪魔将軍」 怨みのエネルギーを取り込んだ悪魔将軍を真吾少年達は果たして 倒す事が出来るのか...。 499-23 ◯埋もれ木真吾→ソロモンの笛を取戻し、悪魔将軍から十二使徒達を解放する。 ◯百目→メフィスト二世達との再会を喜ぶ。 ◯幽子→メフィスト二世達との再会を喜ぶ。 ◯メフィスト老→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。 ◯メフィスト二世→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。 ◯ユルグ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。 ◯妖虎→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。 ◯ヨナルデパズトーリ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。 ◯ピクシー→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。 ◯象人→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。 ◯家獣→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。 ◯サシペレレ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。 ◯鳥乙女ナスカ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。 ◯こうもり猫→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。 ◯鬼太郎→ソロモンの笛を取り戻す為、戦う。 ◯ねずみ男→襲ってきた地下超人達に屁をくらわす。 ◯デビルマン→悪魔将軍と戦う。 ◯デミトリ・マキシモフ→悪魔将軍と戦う。 ◯小牟→悪魔将軍がヨガのポーズでダメージを回復出来る事を話す。 ◯井上織姫→真吾を回復させる。 ◯ザ・ニンジャ→ソロモンの笛を取り返す為、地下超人と戦う。 ●悪魔将軍→十二使徒が真吾少年によって解放された事で弱体化するが 妖怪、デーモン族、地下超人の恨みのパワーを吸収してパワーアップする。
https://w.atwiki.jp/cardxyz/pages/913.html
魔将軍 効果キャラクター HP7 AP7 DP7 召喚コストL3N3維持コストL3N3 種族、魔神 このカードは召喚コストとは別にLP3を必要とする。 出典 はちくま作品
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/4999.html
autolink FT/SE10-29 カード名:六魔将軍(オラシオンセイス) カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《魔法》? 【永】このカードと同じカード名のカードは、デッキに6枚まで入れることができる。 【自】バトル中のこのカードがリバースした時、あなたは自分の「六魔将軍のマスター ゼロ」を1枚選び、このカードをそのカードの下にマーカーとして裏向きに置いてよい。 Ang:エンジェル「邪魔する子は天使(エンジェル)が裁くゾ」 Bra:止める?ニルヴァーナを?できるものか Cob:コブラ「聴こえるぞ。光の崩れ落ちる・・音が」 Hot:ホットアイ「お金は人を強くするデスネ」 Mid:ミッドナイト「数打てば当たると思った?」 Rac:レーサー「仕事は速ェ方がいい。 それにはアンタら・・邪魔なんだよ」 レアリティ:C illust. エンドレスエイト同様、同名だが6柄のカードが存在するカード。6種類2種がホロで、ブレインとコブラがホロ絵となっている。 六魔将軍の名の通り、デッキに6枚まで入れることが可能。 注目すべきは2番目の能力。リバース時に、六魔将軍のマスター ゼロのマーカー要員となれるのだ。 つまりこのカードを3枚リバースすれば、即座に1体は能力を満たすことが可能となる。 しかし、それを満たすためにはまずレベル0帯はこのカードを抱えておかないといけない。 そして2体目以降のゼロを満たすには、残る3枚の六魔将軍を用いなければならないと難易度が跳ね上がる点が問題か。 慎重なプレイングが求められる、上級者向けのカードである。 なお、六魔の祈りと同じ「オラシオンセイス」という読み方だが、当然各制限枚数まで投入が可能である。 ちなみにゼロのマーカーが5枚の際にこのカードがリバースし、ゼロの能力を先に解決した場合に7枚目のマーカーが置くことが可能である。 「六魔将軍」には一応七人目(杖?)であるクロドアが存在するため、これもある意味原作再現の範疇と呼べよう。 ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 六魔将軍のマスター ゼロ 1/1 5500/1/1 赤 マーカー
https://w.atwiki.jp/kskani/pages/349.html
彼の心乱せ魔将(後編)◆2XEqsKa.CM ◇ 私の発言に、古泉は大層驚いているようだった。 素早く朝比奈みくるから離れ、後ずさる。 この反応を見るだけでも、この男の動揺が読めると言うもの。 私が朝比奈みくるを殺そうとするとは考えられても、自分が仲間を殺せと命じられるとは考えていなかったらしい。 悪魔である私にとっては仲間を殺すことなど何も感じないが、超人ですらない古泉にとっては一大事と言うわけか。 だが、これをやってもらわなければ、古泉は私にとって"使える"領域にまで到底達しない。 仲間を平然と見捨て、自分の利益のためだけに生きる。それが悪魔だ。 アシュラマンを失った今、私には六騎士の欠員を埋めるための悪魔超人が必要。 それにしてもアシュラマンのやつめ、なんたる不敬。 超人墓場に行く前に私の前に顔を出すのが礼儀ではないのか!? まあ、死んだ者の事などどうでもいいから、それは許してやるとしよう。 古泉はガイバーの殖装によって、既に人間の域を越えはしている。 もちろんノーヴェも候補に入っている。ノーヴェは聞けば生まれてそう時間の立っていない、子供のようなものだという。 古泉にせよノーヴェにせよ、これからの育成方針が将来を決めるわけだ。 古泉に関しては、無論奴自身に言った涼宮ハルヒ関連の懸念も解決しなければならない。 KSK団とか言う涼宮が奴に吹き込んだ謎の概念……これだけは、今叩き潰す必要があるだろう。 このゲームにおける何らかの重要な儀式を狙ってそういう物を設立した、とも思えるからな。 涼宮ハルヒが、死後に古泉の精神に直接介入したのはブタ面云々で裏付けが取れている。 そもそも古泉の妄想であれば、こんな面倒な事をせずにすむのだがな。まあ、念のためだ。 「何も驚くことはあるまい。お前のお仲間もやったことだろう? 」 「……! 」 「将軍! てっめぇ……! 」 ノーヴェが血気ばんで私に噛み付いてくる。 ワンパターンな奴だ。こいつを製造した里親の底の浅さが知れるという物よ。 だが、出来の悪い娘ほど可愛いという言葉もある。 こいつの教育は後回しだ。今は古泉に専念するとするか。 私はノーヴェを完全に無視し、古泉を更に責め立てる。 「古泉。お前はどういうわけか知らんが自分を偽って生きている。恐らくはこの島に来る前からだろうな。 表情が作り物なのだ、お前はな。そこに付け込まれて、KSK団などという世迷言に惑わされたのだ」 「……いえ、僕は僕自身の意思で、KSK団を……」 「心にも無いことを言うな、古泉。お前は頭がいい男だ。本当はとっくに気付いているのではないか? 」 「何に、ですか」 「"お前に"だ、古泉。もっと言えば、歪められたお前に、だ。 お前は猫の皮を被っているつもりが虱に寄生され、内側から肉質を変えられた哀れな狗だ。 友情などと言う毒を何時まで飲み続けるつもりだ? いつまで騙される快感に酔っているのだ、お前は」 「……」 「涼宮ハルヒはもういない。いたとしても、この私が消してやる。私にとっては涼宮某などどうでもいい存在よ。 お前の方がよほど、価値のある人間だ。それを思い知れ。思い知らせろ。一皮……剥けてみろ、古泉。 涼宮と決別するのだ! 私が、お前の新しい神になってやろうではないか! 」 古泉の表情が、徐々に私好みに加工されていく。 ノーヴェからは見えていないだろうが、実によろしい。友情だの信頼だのを切り捨てた、真実の表情。 だが、その変化はすぐに止まる。……涼宮ハルヒの介入か? 友達思いで結構な事だ。 「将軍……僕はたとえあなたの仰る通り偽りの自分であっても、それを曲げるつもりはありません。 歪んでいようと偽っていようと、僕は今ここでKSK団の成功を望んでいる、それは事実ですから」 「つまり、私の言うことは聞けない、と? 」 「はい。申し訳ありませんが」 「そうか……」 私は古泉にゆっくりと近づく。 ノーヴェがなにやら喚いているが、無視。 朝比奈みくるの脇に放り投げた自分のディバッグを引っつかみ、中からユニット・リムーバーを取り出して装着。 立ち上がって、水平にリムーバーを取り付けた腕を伸ばす。 リムーバーの先は、古泉に向いている。 「残念だ」 「……」 本当に残念だ。 こんな荒療治をしなくては、ならないとはな。 私はリムーバーを大上段に抱え、振り下ろした。 「ぷ、ぎゃっ」 カエルを叩き潰したような音が聞こえた。 朝比奈みくるの最期の声だ。 リムーバーで粉々に砕かれた朝比奈みくるの頭をチラリと見遣る。 仰向けに寝ていたせいか、美女といって差し支えなかった顔が見るも無惨に破壊されていた。 こういうギャップを楽しむ趣味はないが、鼻が口の奥辺りまでねじ込まれているのはなかなか面白い。 首輪は無傷か。やはり相当頑丈に作られているのだな。 古泉はまだ何が起きたのか理解していない。目を白黒させる直前、と言ったところか。 私はリムーバーに付いた脳漿と涙液と血を振り落とし、そのままの勢いでリムーバーを朝比奈みくるの腹部に突き刺した。 リムーバーの先端周りの総面積が朝比奈みくるの腹よりやや広い為、刺さるというよりは千切るといった感じか。 片肺側の皮と背骨で辛うじて繋がった朝比奈みくるを持ち上げ、リムーバーを起動させる。 散華。 生前は可憐な花であったその朝比奈みくるは、展開したリムーバーに伸ばされ、引き千切られ、数多の肉片と化した。 血の雨と臓腑の槍が、私を、古泉を、ノーヴェに降り注ぐ。 私は比較的大きい肉片と割れた頭部を拾って、中身を全て出した朝比奈みくるのディバッグに詰め、しっかりと閉じた。 べたり、と古泉の頬に肉片が張り付き、滴り落ちて僅かに開いた口の中に入る。 ノーヴェを見ると、放心したように、自分の体にへばり付く血と肉とヘドロを眺めていた。 この様子では、人間が死ぬのを間近で見るのは初めてのようだな。 古泉も同様らしく、気を失いそうな顔で私を唖然と見ていた。 感情を爆発させてからでは扱い辛い。私は古泉が言葉を発する一瞬前まで待ち、機先を制する。 「そんな顔をするな、古泉よ。悪魔はたとえ目の前で肉親が死んでも、戦い続けるのだぞ」 「――――は、悪魔じゃ――――」 聞き慣れない一人称で、始めて見る表情で、始めて触れる口調で、古泉が呟く。 私はその反応に満足し、言葉を重ねた。 「悪魔ではないか。ならばお前はなんだ。 そんな顔をする今のお前は、確かに悪魔ではないだろう。 死者の為に生きるのか。死者を想って生きるのか。そんなお前は亡霊だ。何度でも言ってやる、亡霊なのだ。 お前は亡霊だ。死者に縛られ、死者を振り返り、死者の意を汲む。KSK団々長? いいや違う。お前は、唯の――――」 亡霊、だ。 その言葉を聞き、古泉は静かに俯いた。 まあ……仕込みはこんなところだろう。 あとは古泉次第、か。 心配ではあるが、この男は強かだ。私の思うとおりに強くなるに違いない。 私はノーヴェに視線を飛ばし、行くぞ、と首で指示する。 ノーヴェは怯えたような表情だった。 強気だった先程までの性格は成りを顰め、あたふたしながら古泉を気にする。 古泉に近づき、言葉を交わそうとする。 「こ……」 「今僕に話しかけないで下さい。僕は――仮面を付け続けていられる、自信がない」 「う……」 古泉は、ノーヴェに対してはいつもどおりの口調で言った。 だが、その表情を真正面から見たノーヴェは会話を断念し、そそくさとその場を離れる。 私に着いてきたくはないようだったが、他に行き場が無いと判断したのか、少し離れて後を着いてきた。 木々の中に分け入り、ふと古泉に今後の指示を出していなかったことを思い出す。 振り返ってノーヴェに先に行くよう指で促し、古泉に叫ぶ。 「古泉! あの小僧の話ではモールにまだ仲間が残っていたらしい! お前はモールに行って、様子を見て来い。 有能そうなものがいればリングまで連れてきても構わん。だが、下らん仲間意識にはもう期待せん事だな」 「……はい」 「私を失望させるなよ、古泉。亡霊から、悪魔になって見せろ」 それだけ言うと、私はノーヴェを追って森に入る。 さて……ウォーズマンとの対決を、楽しみに待つとするか。 ◇ ロビンマスクの仮面を付けて、炎で朝比奈さんの痕跡を全て消した。 別に碇シンジが戻って来た時のことを考えたわけではない。 ただ、自分が肉片と血を見るのが嫌になっただけだ。 森に燃え移らないように配慮しながら全ての痕跡を消すまで、五分とかからなかった。 ふと、視界に朝比奈さんの物だと思われる首輪が入る。 見れば、内側には「mikuru」とローマ字で書かれていた。 「これは何かの役に立つかもしれませんね。持って置きましょう」 自分の口から聞こえる声が、無感情だな、と思った。 一体自分は、何故こんな目にあっているのか。 涼宮ハルヒの遺志を継いだだけだというのに。 悪魔将軍のせいだとは思いたかったが、それだけとは思えなかった。 彼の言い分にも、一理はあった。真実を射ていないともいえないだろう。 自分は、本当は何がしたいのか。 それを考えさせられる機会を与えられただけだ。 だが、今、この口から出る言葉だけは。 「……畜生」 涼宮ハルヒにも、悪魔将軍にも、止められない。 そう思った。 【朝比奈みくる@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡確認】 【残り37人】 【D-07 森/一日目・昼過ぎ】 【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】 【状態】、ガイバー状態、精神的疲労(極大)、強い迷い 【装備】 ガイバーユニットⅡ 【持ち物】ロビンマスクの仮面(歪んでいる)@キン肉マン、ロビンマスクの鎧@キン肉マン、デジタルカメラ@涼宮ハルヒの憂鬱、ケーブル10本セット@現実、 ハルヒのギター@涼宮ハルヒの憂鬱、デイパック、基本セット一式、考察を書き記したメモ用紙 基本セット(食料を三人分消費) 、スタームルガー レッドホーク(4/6)@砂ぼうず、.44マグナム弾30発、 コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱、七色煙玉セット@砂ぼうず(赤・黄・青消費、残り四個) 高性能指向性マイク@現実 【思考】 0. ど う す れ ば い い ん だ 。 1.団長命令に従い、キョンを止め、参加者を殺し合いから救う? 2.モールを探索して他の参加者を捜し、団員を増やす? 3.地図中央部分に主催につながる「何か」があるのではないかと推測。機を見て探索したい。 4.みくる、キョンの妹と合流は一時保留? 朝倉涼子は警戒。 5.午後6時に、採掘所でキョンと合流? 時間を前倒しして接触するか検討中。 6.長門有希の意思が気になる。デジタルカメラの中身をよく確かめたい。 7.悪魔将軍とは今後も情報交換を行う? ※ガイバーに殖装することが可能になりました。使える能力はガイバーⅢと同一です ※悪魔将軍が殺し合いに乗っている事を認識しています。 ※ほんの僅かながら、自分の『超能力』が使用できる事に気付きました。 ※『超能力』を使用するごとに、精神的に疲労を感じます。 ※ノーヴェの知り合いと世界観について、軽く把握しました。 ※悪魔将軍から知っている超人と超人の可能性がある参加者について話を聞いています。 ※メモ用紙には地図から読み取れる「中央に近づけたくない意志」についてのみ記されています(文中参照)。 禁止エリアについてとそこから発展した長門の意思に関する考察は書かれていません。 ※ロビンマスクの仮面による火炎放射には軽度な精神的な疲労を伴いますが、仮面さえ被れば誰にでも使用できます。 ◇ 「……ムハ~。逃げ切れたようですな」 「……ええ」 ハムと夏子は、追っ手が来ないことを確認し、ジェットエッジの機動を止めた。 なんともいえない空気が二人を覆い、会話をなくす。 仲間を見捨てて逃げた――その現実が、重く圧し掛かっているかのように。 「すべては我輩の独断です。夏子さんはお気になさらぬよう」 「いえ……的確な判断だったわ。私でも同じことをしていたでしょう。でも……」 「でも? 」 「やり切れない、わね」 「……ムハ。まったくです。しかし、奴等はみくるさんに用があった様子でした。生きている可能性もありますぞ」 「シンジ君が、私達を売ったのかしら」 「みくるさんだけが標的だったようですがな。まあ、被害を被ったのは我々全員ですが」 「……甘すぎたのね、私は。まだ」 「お気になさらず」 ハムは表面上は落ち込む夏子を励ましていたが、内心では至極冷静だった。 (……こりゃ、しばらく立ち直れそうにありませんなぁ……いいお仲間でしたが、あるいはお別れすることも……) ハムが周囲を見渡す。 ゴルフ場のようだった。 (期せずして、市街地には近づけましたが……みくるさんがいなくなっては……) 悩むハム。 彼はどのように動くのだろうか。 今だ、未定である。 【B-08 ゴルフ場/一日目・昼過ぎ】 【川口夏子@砂ぼうず】 【状態】疲労(中)、落ち込み 【持ち物】デイパック、基本セット(水は補充済み) 、ビニール紐@現実(少し消費)、コルトSAA(5/6)@現実、.45ACL弾(18/18)、夏子とみくるのメモ 【思考】 0.何をしてでも生き残る。終盤までは徒党を組みたい。 1.シンジとみくるに対して申し訳ない気持ち。みくるのことが心配。 2.市街地に向かいパソコンとシンジの知り合い(特にアスカ)を探す。 3.ハムを少し警戒。 4.力が欲しい。 5.水野灌太と会ったら―――― 6.シンジに会ったら、ケジメをつける 【備考】 ※主催者が監視をしている事に気がつきました。 ※みくるの持っている情報を教えられましたが、全て理解できてはいません。 ※万太郎に渡したメモには「18時にB-06の公民館」と合流場所が書かれています。 【ハム@モンスターファーム~円盤石の秘密~】 【状態】疲労(中)、少しの擦り傷 【持ち物】 基本セット(ペットボトル1本、食料半分消費)、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 1.夏子達に同行し、市街地に向かう。でも危なくなったら逃げる。 2.頼りになる仲間をスカウトしたい。 3.シンジの知り合い(特にアスカ)を探し彼の説得と保護を依頼する。 4.殺し合いについては……。 【備考】 ※ゲンキたちと会う前の時代から来たようです。 ※アシュラマンをキン肉万太郎と同じ時代から来ていたと勘違いしています。 ※スタンスは次のかたにお任せします。仲間集めはあくまで生存率アップのためです。 ◇ 「ハァッ……ハァッ……」 息遣いが、森に響く。 走るのは、碇シンジ。 彼は後悔していた。 浅はかに朝比奈みくるを疑ったことを、今まで彼女にしてきた行為を。 (ごめんなさい……みくるさん、ごめんなさい……) ならば、彼は彼女を助けるため、悪魔との契約を遂行するのだろうか。 (ごめんなさい……みくるさん、ごめんなさい……! ) 否。 彼は後悔以上に、恐怖していた。 死に直面し、"生きたい"と願ったシンジは、再びあの恐怖に立ち向かうことなどできなかった。 疾走は、逃走。 悪魔将軍の事を、忘れたかった。 「みんな、みんな怖いんだよ……僕には無理なんだよ……ごめんなさい……ごめんなさい……」 誰にも聞こえない謝罪。 シンジは、贖罪を放棄し、走り続ける。 みっともなく生きる為に、美しく。 【E-06 森/一日目・昼過ぎ】 【碇シンジ@新世紀エヴァンゲリオン】 【状態】疲労(大)、左肘に銃創、恐慌状態 【持ち物】デイパック、基本セット(水は小川で補充済み) 護身用トウガラシスプレー@現実、木の枝、ポケットに石を数個 【思考】 0.悪魔将軍から逃げる。 1.死にたくない。独りになりたくないが、誰も信用できない。 2.すべての人間への疑心と恐怖。 3.アスカと合流したい? 4.優勝したらカヲル君が――――? 5.もう超人には関わりたくない 【備考】 ※現在地の正確な位置は判っていませんがE-07かE-08のどちらかだろうと思っています。 ※聞き逃していた禁止エリアの情報を知りました。 ※地図の裏面には「18時にB-06の公民館で待ち合わせ、無理の場合B-07のデパートへ」と走り書きされています。 ◇ 「……あの小僧のディバッグに私が預けた食料を入れてやっていたな、ノーヴェ」 「わりいかよ。どうせ食わねえんだ、かまわねえだろ」 「そうだな。……まだ落ち込んでいるのか? 」 「るっせえな……セインが死んだんだ、当たり前だろ。チンク姉になんていやいいんだよ……」 悪魔将軍とノーヴェは、森の中を方向もはっきりさせずに歩いていた。 ノーヴェの気晴らしの為の行動である。 10分ほど歩けば、動転したノーヴェも随分と落ち着いていた。 その代わりに、一度は飲み込んだ姉妹の死を、深く考えてしまうことになったが。 目の前で無惨に古泉の仲間を殺した悪魔将軍への怒りを、飲み込むように。 悪魔将軍との幾度もの手合わせで、ノーヴェは自分の怒りを少しづつ制御出来るようになっていた。 何も考えず、闇雲にかかっていくことの無意味さを、知ったというべきか。 あるいは……矛先を変える知恵を付けた、か。 「セインを殺した奴は、絶対に許さねえ……あたしが、この手で殺してやる」 「そやつの居場所は私があと1人適当な奴を殺せば、放送時の参加者の位置で大体予測できるだろうな」 「……いいよ。自分で探すさ」 「しかし、相手がお前の上位機種だったらどうするのだ? スバル何とか……と言ったか」 「上位機種って言うんじゃねえ。一度負けただけだ。あいつだろうがエースオブエースだろうが関係ねえ。 セインの敵は、あたしが討つ。だから、てめえについてきてやってんだ。強くなる為にな」 「ふん……殊勝な心がけだな。いいだろう。リングに着いたら、とっておきの悪魔技を仕込んでやる。地獄の九所封じをな」 「チッ……ゼクトールの野郎も、タイプゼロセカンドも、主催者も、どいつもこいつも、蹴り倒してやる。見てやがれ……! 」 悪魔将軍は適当に相槌を打ちながら、一冊の本を読んでいた。 シンジが落としたものなのだが、男と男が絡み合う官能小説だ。 暗号でも隠されているのかとじっくり探したが、一見何も無い。 興味を無くし、本を放り投げる悪魔将軍。 本はノーヴェの顔面にぶち当たり、ノーヴェの機嫌を一回り悪くする。 ノーヴェは本を手でキャッチして、異臭に気付いた。 「なにしやがる……そういや、なんでみくるの……アレを、持ち歩いてんだ、てめえ? 」 「あの小僧が頑張って第三回放送までにウォーズマンを探し出して来たときに――――」 悪魔将軍の表情のない仮面が、ニヤリ、と歪んだ気がした。 「返すものが無くては、可哀想ではないか」 「……てめえも、いつか蹴っ飛ばす」 ノーヴェが、不快感を露わにして、悪魔将軍を睨みつける。 だが……彼女は、気付いていないのだろうか。 悪魔将軍に対して、僅かに、僅かに抱いている、感情に。 それは――憧憬、とも呼べるもの。 気付いているのだろうか。 ノーヴェの下腹部に眠る何かが。 悪魔将軍という『絶対悪』に、共鳴しているのだと。 ◇ 古泉と別れて十数分。 ノーヴェの為に森をぶらぶらして気分転換を図っているが、まったく退屈だ。 ノーヴェの単純な言葉に適当に相槌を打ちながら、私はこのゲームの真実について心を巡らせていた。 (監視――盗聴。ないはずがない。だが、それはどういう手段だ? ) 定点カメラ。 否。 かなり島を歩き回ったが、そんな物はまるで見当たらなかった。 首輪に備えられている。 否。 カメラがついていればいかに極小でも気付く。 ノーヴェや古泉の首輪を四方から見たが、それらしき物は無かった。 盗聴器は、どうか分からないが。 参加者、あるいは現地生物の中に主催者の回し者がいる。 それなりに、可能性はある。 黒幕が涼宮ハルヒだった場合でも、そうでない場合でもだ。 古泉から聞いた長門の能力ならば、生物の目をカメラとして改造することも可能だろう。 参加者全員の体自体が監視、盗聴の道具とされている可能性もあるが、そうならば反逆はかなり難しい。 希望的観測は好きではないが、監視と盗聴に適した生物が"偵察員"に選ばれているとすれば……。 それは、どういった生物だろうか。 『ヴォオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーー!!!! 』 「な、なんだぁ!? ってうおっ! ありゃあ……」 「古泉の言っていた……むう……MO・NO・NO・KE……」 怪物の声が、私とノーヴェに届いた。 周りを見渡せば、それは山小屋の前にいるようだ。 凄い勢いでジャンプし、山小屋を揺らしている。 怪物の周りには、ぞろぞろと他の怪物が。 「……」 巨体。 超人でも驚くほどに巨体。 あの大きさならば、島のかなり広い範囲を見渡せるだろう。 「……」 俊敏そうな、狼。 島のあちこちを駆け回っても、ほとんど疲れることはあるまい。 「……」 竜。 巨獣のカバーしきれない場所を、見渡せるだろう。 なるほど。そういうことか、主催者共よ。 確かにあれほど監視に適したチームはいまい。 目立ちすぎるのが難点だがな。 「えーと……どうするんだ、接触……すんのか? 」 「いや、まだだ。奴等とまみえるのは……恐らくは、このゲームの終盤も終盤だろうな」 「うん。あたしもぶっちゃけあんまり関わりたくねえ」 悪魔将軍は、踵を返す。 意外な収穫を胸に。 来る、収穫を楽しみに。 【D-7 森/一日目・昼過ぎ】 【悪魔将軍@キン肉マン】 【状態】疲労(小) 【持ち物】 ユニット・リムーバー@強殖装甲ガイバー、ワルサーWA2000(5/6)、ワルサーWA2000用箱型弾倉×3、 黄金のマスク型プロジェクター@キン肉マン、ディパック(支給品一式、食料ゼロ)、 朝比奈みくるの死体(一部)入りディバッグ 【思考】 0.他の「マップに記載されていない施設・特設リング・仕掛け」を探しに、主に島の南側を中心に回ってみる。(古泉が戻るまで保留) 1.古泉とノーヴェを立派な悪魔超人にする。 2.湖畔のリングでノーヴェを鍛える。 3.強い奴は利用(市街地等に誘導)、弱い奴は殺害、正義超人は自分の手で殺す(キン肉マンは特に念入りに殺す)、但し主催者に迫る者は殺すとは限らない。 4.殺し合いを主催者達も混ぜ、更に発展させる。 5.強者であるなのはに興味 6.シンジがウォーズマンを連れてくるのを待つ ※涼宮ハルヒがこの一件の黒幕ではないかと考えています。 ※トトロたちを主催者達の監視カメラ代わりだと思っています。(真偽は不明) 【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】 魔力消費(小)、不機嫌 【持ち物】 小説『k君とs君のkみそテクニック』 【思考】 0.仲間を探し、主催者を蹴っ飛ばしに行く。 1.ヴィヴィオは見つけたら捕まえる。 2.とりあえずは悪魔将軍を利用して強くなる。 3.親友を裏切り、妹を殺そうとするキョンを蹴り飛ばしたい 4.タイプゼロセカンド、ゼクトール、いずれは悪魔将軍も蹴っ飛ばす。 5.ジェットエッジ欲しい ※悪魔将軍が殺し合いに乗っている事を認識しています。 ※フェイトを殺した悪魔将軍の実力に一目置いています。 ※名簿を見たため、知りあいについて把握しました。 ※第一放送の内容(死亡者と禁止エリア)について、古泉から聞いたので把握しました。 ※古泉のハルヒを除く知り合いについて、簡単に理解しました。 ※参戦時期は原作の第18話~第21話の間と思われます。 ◇ 『ヴォーーーーーーーーーー!!!!! 』 巨獣、よ。 あなたは怒って、いる、のか、悲しんで。いるのか。 巨獣トトロ。よ、あなた、は、なぜ、暴れて。いるのか。 恐れて。いる、ぞ、恐れ。ているぞ。 足元の小さい。友達も。 空を。飛、ぶ友、達も。 助。言者、も。 何をそ、んなに、猛っている。 義憤か、興。奮か、劣。情か。 あなたは何を。見て。いるのか。 その暗。黒の瞳で。 その大きな瞳。で。 何を、見て、い、るの。か 何を。何を?何を、何を、何を何。を誰、に?。 カナ、ブンの、私に。は、わか、らない。 そ、れ。 は。 あな、たの、目に、映っ、ている、。もの。は、 何? 【D-7/山小屋前/一日目・昼過ぎ】 【名前】トトロ@となりのトトロ 【状態】頭部にでかいたんこぶ、左足の付け根に軽い火傷(毛皮が焦げている)、腹部に中ダメージ 、??? 【持ち物】ディパック(支給品一式)、スイカ×5@新世紀エヴァンゲリオン、古泉の手紙 フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS 円盤石x(2/3)+αセット@モンスターファーム~円盤石の秘密~、ライガー@モンスターファーム~円盤石の秘密~ 【思考】 1:誰にも傷ついてほしくない 2:キョンの保護?古泉の手紙を渡す? 3:???????????????? ※ケリュケイオンは現在の状況が理解できていません ※D-7の山小屋に再生の神殿が登場しました。ただしこれ以上は合体しか行えません。 ※少なくともあと二つ、どこかに再生の神殿が隠されているようです。 時系列順で読む Back Sand Mission Next 古泉一樹の戸惑 投下順で読む Back Sand Mission Next 古泉一樹の戸惑 悪魔と戦闘機人と学生と(後編) 悪魔将軍 復讐者と悪魔の出会い ノーヴェ 古泉一樹 古泉一樹の戸惑 少年いずくんぞ獣人の志を知らんや 朝比奈みくる GAME OVER 川口夏子 情報を制する者はゲームを制す?(前編) ハム 碇シンジ Dies irae / まいご キングもふもふはなかまをよんだ! トトロ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/475.html
魔界は悪魔超人界を束ねる悪魔将軍にも悩みはある。 何しろ何億と言う悪魔達を世話しなければならないのだ。 支配者にも支配者の苦労と言う物がある。正義超人達のどんな技にも 耐える強靭な肉体を持つ悪魔将軍だが、政務の精神的な疲労はちと勝手が違う。 「悪魔将軍様、気分転換に出かけられては?」 「うむ。それもそうだな。」 と言う事で悪魔将軍は出かける事にした。目指すは地球。いずれ近い内再び 地球制圧に向けて動き出そうと言う考えもあったし、その下見も兼ねて悪魔将軍は地球にやって来た。 「さて、地球にやって来たは良いが何をしよう。」 とりあえず悪魔将軍は手近にあった喫茶店「翠屋」でこれからの事を ゆっくり考えようと言う事になったのだが、翠屋の人達はビックリだ。 いきなり全身ダイアモンドで出来た2メートル以上の大男が入ってくるのだから仕方が無い。 しかもこの翠屋と言う喫茶店、本来女性客が多い店だったらしく、違和感ありまくりである。 「あ…あの…ご…ご注文を…。」 店の人と思しき女の子が恐る恐る注文をとりにやって来た。まだ小さいのにしっかりした子だなと 悪魔将軍も感心しつつ、注文をする事にした。 「じゃあ~牛丼!」 「あの~ぎゅ…牛丼は…。」 「何!? まさか無いと言うのか!? 地球では牛丼が世界共通の主食だと言うのは嘘だったのか!?」 これには悪魔将軍も驚いた。てっきり地球では牛丼が主食になっているとばかり思っていたのだ。 これは悪魔将軍にとって唯一の汚点たるキン肉マンの影響なのは言うまでも無い。 「はっ! さては狂牛病だな! 狂牛病問題のせいだな!?」 「いえ、狂牛病違いますから…。最初から翠屋のメニューに牛丼ありませんから…。」 物凄い剣幕で迫る悪魔将軍に女の子も泣きそうだ。そして牛丼を食べられない怒りからか 悪魔将軍はついにやってしまった。 「おのれぇぇ! まさか正義超人の陰謀か! 貴様も正義超人の刺客だな!? 許さぬぞぉ!」 「え!? ってキャァァァァァ!!」 悪魔将軍は女の子を掴むと共にダブルアームスピン。そして天高く放り投げた後に 己もより高く飛びあがり、女の子の首下目掛けて… 「地獄の断頭台!!」 「ぐぇ…。」 幾多の正義超人を地獄に送って来た悪魔将軍の必殺技、地獄の断頭台が女の子の首に炸裂し、 その女の子は動かなくなった。幾らなんでも大の大人が女の子相手に大人気ないんじゃないか? と思われるかもしれないが悪魔将軍は魔界の悪魔達を束ねる存在だ。この位極悪で無ければ勤まらない。 「あああ! なのはー!」 「なのはがー!」 店内は大騒ぎとなったが悪魔将軍にとっては何処吹く風。牛丼のある店を探す為に翠屋を出たのだが それから直ぐの事だった。 「待ちなさい! そこの全身ダイアモンド男!」 突然呼び止められた悪魔将軍がふと後を向くと、そこには黒いマントに実を包み、 光の刃を持つ漆黒の鎌を持った金髪の女の子が立っていた。そして悪魔将軍に向けて憎悪の炎を燃やす。 「何だその目は…まさかこの悪魔将軍に戦いを挑むつもりではあるまいな? やめておけ、お前もあの人間のガキと同じ運命を辿る事になるぞ。」 「あの人間のガキ…なのはの事か…なのはの事かぁぁぁぁぁぁ!!」 単発総合目次へ その他系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/justicerowa/pages/151.html
ダイヤモンドvsダイヤモンド◆KKid85tGwY 「…………おい、訳が分かんねーぞ……。ちょっと待てよ……今、頭の中整理してみっからよ~」 人気の無い深夜の街中、リーゼントヘアに学ランと言う出で立ちの少年が一人ごちていた。 少年の名は東方仗助。日本のM県S市杜王町に住むぶどうが丘高校の1年生である。 仗助が住む杜王町にはある大きな特徴がある。それは『スタンド使い』の過密都市であると言うことだ。 その中には欲望のために他者を傷つけるスタンド使いも存在する。 そして仗助はそれらの悪しきスタンド使いから、街の人々を守るために戦ってきた。 自身も強力なスタンド使いであり、そのジョースターの血統に受け継がれている正義の魂故に。 仗助には様々なスタンド使いとの戦闘経験が有る。その中で常識を無視した奇妙な体験をしたことも、1度や2度では無い。 だが、これほど異常な体験は初めてだ。 大勢の人間と一緒に見覚えの無い場所に移動させられて、意味の分からない殺し合いをさせられる。 その上いつの間にか、逆らえないように首輪まで嵌められていた。 「……この首輪も見たこともねー町並みもよー、スタンドや幻覚なんてもんじゃねー…………全部モノホンだ。 『グレート』。こいつは、とんでもなく厄介なことに巻き込まれちまったみてーだぜ……」 状況から判断して、恐らく本当に殺し合いに参加させられたのだ。 ここはその殺し合いのために用意された場所なのだろう。 だからかなりの規模の市街地なのに、全く人の気配がしない 紹介された参加者は50人か60人は居ただろうか。 その中にはあの空条承太郎も居たような気がする。 まだ年端もいかない子供も居た。 それらの参加者達も皆、今の状況に困惑している仗助同様 望んでもいないのに、無理やり 連行されたに違いない。 そして殺し合い、ほとんどが死ぬことになる――。 そこまで理解した瞬間、仗助のリーゼントに固められた髪が天を衝くように逆立った。 怒りによって。本人の言葉を借りれば『プッツンした』と言われる状態である。 そして仗助の身体から人間型のヴィジョンが姿を現す。 『クレイジー・ダイヤモンド』。仗助のスタンドである。 「ドラララララララララララッ!!!」 クレイジー・ダイヤモンドは拳を固め、足元のアスファルトで出来た道路に繰り出す。 時速約300kmの速さで繰り出された拳は、いとも容易くアスファルトを破壊した。 しかもそれは1発や2発に留まらない。 数え切れないほどのパンチを息も付かせず連続で繰り出す、拳の『ラッシュ』。 ラッシュによる破壊の規模はアスファルトに留まらず、近くにあった電柱やポストにまで及んだ。 やがてクレイジー・ダイヤモンドのラッシュが収まると、周囲の景色はさながら惨状と言った体を為していた。 アスファルトで固められていた道路は一面荒野と化し ポストは砕け散って中の郵便物が散乱し 電柱は側面を大きく削り取られ、今にも倒れそうである。 当の破壊を行った本人である仗助は、先ほどより落ち着いた様子で自分の髪を櫛で整える。 「フー……俺は別にきれちゃあいないぜ。チコッと頭に血がのぼっただけで冷静だ……。 その証拠に、ブチ壊した物もちゃんと直してるからな……」 仗助の言葉が終わった途端、アスファルトの破片は宙を飛んで元に有った場所に嵌り ポストは郵便物を巻き込んで箱に戻り 倒れかけていた電柱も、元の太さの戻り電線を支える機能を取り戻した。 これがクレイジー・ダイヤモンドの能力。『破壊された物を直す』ことができる。 もっとも道路は何故か波打っているし、ポストは球形だし、電柱は途中で捻じ曲がって円を描いていた。 元通りに戻すだけではなく、変形して直すこともできるのだ。 今のは狙って変形させたわけではないが。 「頭にのぼった血も降りたことだし、これでようやく考えに整理も付いた。 そして頭の血が降りても、俺の怒りはまだ冷めていねーぜ! HorだのSetだの殺し合いだの関係ねー! この殺し合いを仕組んだ奴をブチのめすっ!!」 仗助は愚鈍では無いが、あまり物事を複雑に考える人間ではない。 そして、それ以上に正義感の強い人間である。 だから仗助は単純に、そして自分の怒りに正直に決意する。 この殺し合いを仕掛けた卑劣な主催者を倒す、と。 決意も新たにした仗助は地面に座り込み、まだ確認していなかったバックパックを開ける。 目的が定まったとは言え、具体的な方策がある訳ではない。 そこでとりあえず、支給品の内容を確認することにしたのだ。 「やっぱり承太郎さんが居たよー! こんな所に知り合いが居るのを喜ぶのも不謹慎な話かもしんねーけどよー。 無敵の『スタープラチナ』を持つ承太郎さんなら、ホーレン草を食べたポパイより頼り甲斐があるぜーっ!!」 名簿を確認すると、やはり空条承太郎の名前があった。 仗助の甥に当たるが年上の人物。 スピード、パワー、精密性を兼ね備え時を止められるスタンド『スタープラチナ』を持つ男。 仗助にとっては最も頼りになる人物と言えよう。 「ほう、そいつは面白そうな話だな」 不意に声が掛かる。 まるで重く圧し掛かるような声が。 仗助が顔を上げると、声の主と思しき人物を確認できた。 いや、それは人間であるかどうかすら分からない。 仗助より二回りも大きい全身が金属の鎧で覆われたその姿は、威圧感にあふれている。 外見の厳しさからだけではなく、その存在そのものが放つ強烈な威圧感に。 仗助はその姿を見るや否や、名簿をバックパックに仕舞い バックパックをそこに置いたまま、立ち上がって警戒態勢を取る。 「は、はじめまして。……いやぁ~、お互い大変っスね。妙なことに巻き込まれちゃって。 それで初対面の人に、いきなりこんなこと言うのも何ですけど……そこで止まってくれません?」 出で立ちはさながら一昔前の不良と言った風情の仗助だが、彼は元来温厚で人との不要な衝突は避ける人間だ。 だから警戒はすれど、話をする上では可能な限り穏当に運ぼうとする。 『鎧』は先ほどから、何食わぬ調子で仗助に向かって歩を進めているが それでも仗助は、何とか穏便に立ち止まって貰うように説得の言葉を掛けた。 しかし『鎧』の歩みは止まらない。 「いや、こんな状況じゃないっスか。初対面の人をいきなり疑いたくは無いんですけど そうズカズカ近寄られると、こっちも怖いじゃないっスか。……マジ止まってくんねースか。 日本語分かりますよね? さっき、自分で喋ってたんだし……」 重ねての制止の要求も無視して近付いてくる『鎧』に、仗助の直感が告げる。 こいつは危険だと。 仗助は直感力に優れる。 虹村億泰のスタンド能力を知る前から、『ザ・ハンド』の右手の危険性を直感で見抜いた。 鼠のスタンド『ラット』の針の危険性も直感で見抜いた。 その直感が、最大級の警報を鳴らす。 「だからですねー……近寄るなっつってんだてめー!! それ以上近付くと、問答無用で攻撃するぞコラァー!!」 激昂した仗助は、自分の右手――と重なるように発現させたクレイジー・ダイヤモンドの右手――で コンクリートの壁を殴って、その一部を崩す。 それを見て『鎧』はやっと立ち止まり、口を利いた。 「クッククククク、何故それほどわたしを恐れる?」 「…………」 「わたしがまるで悪魔にでも見えるのか? 近付くだけで災厄をもたらされるような悪魔に? だとすれば……………………正解だ!」 (! は、速い!) 『鎧』は地を蹴り、タックルをするように仗助に飛び掛る。 その速さは人間のそれを遥かに超えるもの。 仗助はクレイジー・ダイヤモンドを、自分の前方に顕現して受け止めた。 が、『鎧』の力を受け止めきれずスタンドごと吹き飛ばされた。 仗助は数m道路を転がった後、『鎧』を睨みつけながら立ち上がる。 「……なんつう、グレートなパワーだ」 「何だあいつは!? どうやって突然現れた?」 「! てめー、クレイジー・ダイヤモンドが見えるってことはスタンド使いか!?」 「見える? なるほど、その口ぶりからしてそいつはおまえの能力で生み出した物か。 フッ。ただの人間だと思っていたが、少しは楽しめそうだな」 『鎧』からの威圧感が更に増す。 クレイジー・ダイヤモンドが見えたことで、仗助は一瞬『鎧』がスタンド使いだと推測した。 しかし『鎧』の言動と気配から、仗助の直感が別の可能性を告げる。 「…………てめー、もしかして人間じゃねーっつうんじゃねーだろーな?」 「ククク、このわたしを矮小な人間ごときと一緒にするな。 わたしは超人。その中でも悪魔超人の頂点に立つ者、悪魔将軍だ!!」 「……『グレート』。マジで人間じゃねーのかよ…………」 仗助の直感は当たった。 悪魔将軍の言葉は嘘ではないだろう。 超人と言う概念はよく分からないが、人間以上の能力を持っているのは間違いない。 そして別の直感も当たっていたことになる。 こいつは途轍もなく危険で、そして邪悪な存在だった。 「おまえにこのわたし……悪魔将軍と戦う栄誉を与えよう」 .............. 「超人の悪魔将軍ね、なるほど……………………そいつは良いことを聞いたぜ」 今度は仗助から悪魔将軍に向かっていく。 顕現したクレイジー・ダイヤモンドが、悪魔将軍にラッシュを仕掛けた。 「てめーが人間じゃねーってんならよォー……遠慮無くブチのめせるってことじゃねーかっ!!」 数々のスタンド使いを倒して来た、クレイジー・ダイヤモンドのラッシュは 1発1発が時速約300kmで打ち出される拳の、正に弾幕。 しかし、それらは全て空を切るに終わる。 悪魔将軍はクレイジー・ダイヤモンドの左側面に回り込んでいた。 「プラネットマンのスピード!!」 (こいつ、クレイジー・ダイヤモンドと同等かそれ以上のスピード!) そこから、クレイジー・ダイヤモンドは更に追撃する。 クレイジー・ダイヤモンドは右拳をフック状に振るって、悪事魔将軍の顔に殴りかかった。 しかし、岩をも砕くもクレイジー・ダイヤモンドのパンチは悪魔将軍に片手で受け止められる。 そしてそのまま、右拳を握りこまれる。 クレイジー・ダイヤモンドは力負けし、膝から崩れ落ちる。 スタンドと連動している仗助も、痛みに呻きながら膝をついた。 「サンシャインのパワー!!」 (パワーじゃ完全に向こうが上か!) クレイジー・ダイヤモンドは悪魔将軍の足を掬い取るように、足下に横薙ぎの蹴りを放った。 悪魔将軍は跳躍して回避。 そしてまだ握っていたクレイジー・ダイヤモンドの右拳を両手で持ち、捻りを加える。 クレイジー・ダイヤモンドは右腕から捻り上げられ、立ち上がる。 悪魔将軍は、きれいに直立するクレイジー・ダイヤモンドの背後に着地。 クレイジー・ダイヤモンドの両手足を、自分の両手足に絡め 悪魔将軍はロメロ・スペシャルの体勢に、クレイジー・ダイヤモンドを持ち上げる。 そのロメロ・スペシャルの体勢のまま、車輪状に転がった。 「ザ・ニンジャのテクニック」 (ど、どんだけ器用なんだおめーはよォーっ!) 数m道路を転がった後、クレイジー・ダイヤモンドは路上駐車している乗用車に投げ飛ばされた。 乗用車は側面からクレイジー・ダイヤモンドを叩きつけられ、部品を撒き散らし大破。 仗助も連動して叩きつけられる。 仗助は自分の肋骨が折れるのを感じ取りながら、口から血を流した。 「悪魔六騎士のパワーをすばらしい戦闘頭脳で統率する、完全無欠のキングオブデビル。それがこの悪魔将軍だ!」 (つ、強過ぎるぞこいつはよー……) 悪魔将軍の戦闘能力は、仗助のこれまでの経験を絶するものだった。 近距離パワー型のスタンドであるクレイジー・ダイヤモンドが、接近戦で圧倒されるほどに。 戦闘能力ならばスタープラチナに匹敵するかもしれない。 それでも、仗助の戦意は未だ折れてはいない。 (単純な強さならてめーが上でもよー……クレイジー・ダイヤモンドの能力は、まだ見せていねーぜ!) 再び立ち上がったクレイジー・ダイヤモンドは、乗用車の屋根を引きちぎって 悪魔将軍めがけ、投げ付けた。 回転しながら飛んでくる屋根を、悪魔将軍は邪魔臭そうに片手で軽々と払い除けた。 そこへ更に、車のボンネットが飛んで来る。 それも悪魔将軍は軽く払い除ける。 しかしタイヤ、ガラス、バンパーと車の部品が次々とクレイジー・ダイヤモンドに投げ付けられる。 だが、その尽くが悪魔将軍に払い飛ばされていた。 「下らん。無駄な足掻きは止せ」 引き千切られて、先の尖ったフレームが悪魔将軍の顔に投げ付けられる。 悪魔将軍はそれを、頭を傾けただけで避けた。 もはや仗助の周囲には、細かい物以外は車の部品は無くなっていた。 悪魔将軍は、仗助へ詰め寄ろうとする。 「よーく避けたぜ、悪魔将軍よー。ところでてめー、さっき投げたフレームに俺のシャツの一部を巻きつけてたのに気付いたか? 高いシャツだから、破るのはさすがに勿体無いと持ったけどよ~。ま、別に良いか……すぐに直るんだからな。 クレイジー・ダイヤモンド!!」 クレイジー・ダイヤモンドが胸元で破れた仗助のシャツに、拳で触る。 その瞬間、クレイジー・ダイヤモンドの能力が発現。 巻き付けられたシャツに引っ張られ、フレームが戻る。 それはちょうどフレームと仗助の中間に位置する悪魔将軍の背中に目掛け、飛び掛る形になった。 しかし悪魔将軍は後ろ手で、フレームを掴んで止めた。 「遠隔操作か? どうやったかは知らんが、意表を衝かれたぞ。だが、このわたしには背後であろうと死角は無い。 何故ならわたしの体は悪魔六騎士の集合体。つまりわたしのふたつの目の他に、12の目が存在するのだ」 悪魔将軍は、6人の悪魔超人そのものを身体にしているも同然の存在である。 だから視覚・嗅覚・聴覚も、通常の超人の7倍なのだ。 しかも五体そのものとして融合しているのだから、視覚であろうと方向は関係ない。 「呆れたぜ。つくづく隙のねー野郎っスね、おめーはよー。けどよー、『そいつを掴んだ』ってことは……」 仗助は懐に隠し持っていた車の部品、サイドミラーを取り出し それを空中に放って、クレイジー・ダイヤモンドで悪魔将軍へ向け殴り飛ばした。 「おめーの負けだぜ、悪魔将軍!!」 殴り飛ばされたサイドミラーも、悪魔将軍にもう片方の手で受け止められる。 すでにクレイジー・ダイヤモンドの能力が使われているサイドミラーを。 つまり車が直るということ。 先ほどの戦いで悪魔将軍の周囲には、車の部品が散乱していた。 それらもクレイジー・ダイヤモンドの能力で、当然直っていく。 悪魔将軍の四方八方から、車の部品が元の一個に直るべく殺到する。 (俺のクレイジー・ダイヤモンドのパワーとスピードは、直す能力でこそ真価を発揮する。 逃場はねー。てめーで散らかした車の部品に押し潰されちまいな!) 「硬度10 ダイヤモンド・パワー!」 そう叫ぶと同時に、悪魔将軍の身体に宝石の輝きが宿る。 殺到する車の部品は、悪魔将軍の五体に突き立った。 しかし全身が車の部品で埋め尽くされても、悪魔将軍の身体には傷一つ付いていなかった。 「フッ、修復する能力と言うことか。しかしダイヤモンドの硬度を誇る私の身体を破壊するパワーは、無いようだな」 「……体がダイヤの硬さだとォー!? 俺のスタンドがクレイジー・ダイヤモンドだってのに対する皮肉かよォ~……」 押し寄せる車の部品を物ともせず、悪魔将軍は前に進む。 群がっていた部品は悪魔将軍の体表滑るようにして、その後ろに集まっていく。 悪魔将軍が持っていたフレームとサイドミラーを後ろに放ると、背後で乗用車が完成した。 悪魔将軍はすでに仗助の間近まで迫っていた。 「てめー、俺を舐めてるだろ悪魔将軍……。不用意に近付きやがって………… そこはとっくにクレイジー・ダイヤモンドの射程内だぜっ!」 クレイジー・ダイヤモンドが悪魔将軍の腹にパンチを打ち込んだ。 途端、仗助の手に激痛が走る。 手の甲に負傷が出来ている。 見ればクレイジー・ダイヤモンドの拳にも傷が付いていた。 しかし悪魔将軍の体には、傷一つ無い。 悪魔将軍の肉体にクレイジー・ダイヤモンドの拳は負けていた。 (マジでダイヤの硬さかよォー…そんなもん、スタープラチナでもなけりゃぶっ壊せねーぞ) 悪魔将軍はクレイジー・ダイヤモンドの脇から手を差し入れ、背後で手を組む。 ダブルアームといわれる体勢。 そこから悪魔将軍は自分の体を軸に、竜巻のごとくに回リはじめた。 それはすぐにクレイジー・ダイヤモンドの身体が遠心力で水平になるほどの、強烈な回転(スピン)と化す。 「光栄に思え。人間が、わたしのフィニッシュホールドを喰らってあの世に行けることをな」 遠心力を利用され、クレイジー・ダイヤモンドは天高く放り投げられる。 悪魔将軍もそれを追うように跳躍。 クレイジー・ダイヤモンドの顎に、悪魔将軍が圧し掛かるように折り畳んだ右の脛を当てる。 「地獄の断頭台!!」 そのまま地面に落下。 悪魔のギロチンはクレイジー・ダイヤモンドの首に下りた。 クレイジー・ダイヤモンドも仗助も、地に倒れ伏した。 ◇ 悪魔将軍には元より、この殺し合いにおけるグループ分け つまりHorもSetもIsiも、全く関係の無い話であった。 悪魔将軍は通常の超人とは違う、それどころか悪魔超人の中でも特異な存在。 その実体は、言わば悪の思念そのものと言った存在である。 だから悪魔将軍が悪を為すこと、それは人間の暴力性や殺人衝動などの問題とは次元が違う。 悪魔超人の中の悪魔超人である、キングオブデビルの存在理念(レゾンデートル)なのだ。 しかも無始にして無終の存在である今の肉体が滅んでも、決して消滅することは無い。 何度でも蘇ることができる。 人間ならば自分がHorである可能性を考えれば、保身のために殺人を躊躇いもするだろう。 しかし悪魔将軍にそんな躊躇は存在しない。 人間が己の欲望のために悪を為すのとも、また次元が違う。 悪魔将軍にとって、悪を為すために己の存在があるのだ。 だから悪魔将軍はこの殺し合いも、喜びを持って迎えられた。 無論、キングオブデビルたる自分に首輪を掛けた主催者を許すつもりなど無い。 ことが終われば、必ず相応しい罰を与える。 しかし殺し合い自体は楽しめそうに思える。 恐らく殺し合いの参加者は、人間であろうと超人であろうと恐怖と混乱の中で醜く足掻き争うのだろう。 ならば自分はそれを助長してやってもいい。 己は殺しを楽しみ、興が乗れば恐怖と不和を広げ殺し合いを加速させる。 悪魔が最も心地よい地獄を作り出すのだ。 名簿に正義超人であるロビンマスクの名前があったが、あの程度が雑魚の存在など全く問題では無い。 いや、あのアイドル超人を殺してやれば、より他の参加者に絶望を与えてやれるかもしれない。 何れにしろ悪魔将軍が居るということは、他の殺し合いの参加者は全て彼の玩具でしかないのだ。 それが悪魔将軍の殺し合いに対する認識であり方針であった。 そして悪魔将軍が最初に発見したのが仗助である。 悪魔には悪魔の直感がある。 仗助を僅かにでも観察して、すぐにはっきりと分かったことが殺し合いの邪魔者であることだ。 こいつは殺し合いを是としない、むしろ反目して止めようとする 正義超人共と同じ種類の人間だと。 ならば塵を片付ける。殺すまで。 どうせ、ただの人間では楽しむ間もあるまい。 そう高を括って仕掛けてみたが、仗助は未知の能力を有しており存外に手間取る。 もっとも、人間如きが多少の力を持っていた所で悪魔将軍が脅かされるわけも無く 地獄の断頭台を喰らわせて、確実なトドメを刺した。 筈だったのだが――。 「まだ息があるな」 仗助はまだかろうじて生きていた。 意識は朦朧として指1本動かせないようだが、それでも生きているのだ。 ただの人間が悪魔将軍の必殺技である地獄の断頭台を喰らって、生きているはずが無いのだが。 その超人界でも最高峰にある戦闘頭脳で。悪魔将軍は原因を思案する。 やがて何かに気付き悪魔将軍は、道路に転がるクレイジー・ダイヤモンドを蹴り飛ばす。 その下ではアスファルトが、小石などの混ざった石油になっている。 それで仗助が助かった理由が分かった。 理由の1つ目。 それは地獄の断頭台が決まる直前、クレイジー・ダイヤモンドが着地点に拳で触れ アスファルトを原材料まで戻して、僅かにでもクッションにしていたのだ。 そして理由の2つ目。 それはスタンドの方に技を掛けたため。 悪魔将軍はスタンドを知らないが、クレイジー・ダイヤモンドと仗助の受けるダメージが連動しているのは分かっている。 しかしクレイジー・ダイヤモンドは人間より、はるかに強靭な肉体を持っている。 つまり、クレイジー・ダイヤモンドは仗助より耐久力が高いのだ。 だから人間が同じ技を喰らえば確実に死ぬところを、スタンドで受けたから耐えられたのである。 もっとも、地獄の断頭台を生き延びたからと言っても、ほんの僅かに死期が伸びただけに過ぎないが。 「フッ、ならば今度は人間の方に確実なトドメを刺してやろう」 悪魔将軍は息も絶え絶え、意識も虚ろと言った様子の仗助のもとに行き 技を掛けるべく、仗助の頭髪を乱暴に掴んで身体ごと引っ張り上げようとする。 「クク、妙な髪形だが掴むのには便利だな」 僅かに仗助の瞳に光が戻るが、悪魔将軍は気にも留めない。 そして掴んだ手の中で髪の毛が千切れ、仗助の頭を滑り落とす。 「フン、人間の髪は脆すぎる」 次の瞬間、悪魔将軍の視界が回転した。 不意の異常事態。悪魔将軍は六騎士の目も駆使して、状況を確認する。 異常の原因が判明。 それは悪魔将軍の身体が、空中を回転しながら飛んでいたのだ。 空中で体勢を整え、からくも着地。 その腹にクレイジー・ダイヤモンドの拳が入った。 ダイヤモンドパワーのボディに凄まじい衝撃が走る。 (あいつの能力!? さっきのも、これに殴られたのか?) クレイジー・ダイヤモンドの背後では、仗助も立ち上がっていた。 先ほどまで虫の息だったはずが、その瞳には意思の光が宿っていた。 いや、それどころか全身から凄まじい怒気を放っている。 「てめー、今……………………俺の髪に何しやがったああああああああああっ!!!!!!」 クレイジー・ダイヤモンドの拳が左胸に突き刺さり、ダイヤモンドパワーのボディが砕ける。 今度は右胸に刺さり、ダイヤが弾けた。 悪魔将軍の全身に次々とクレイジー・ダイヤモンドの拳が叩き込まれ その度にダイヤが砕け散っていく。 (バカな! さっきまでよりパンチが遥かに速くなっている! わたしが回避できないほどに!! しかも超人界最高の硬度を誇る、わたしのダイヤモンドパワーのボディを破壊するほどのパワー!!) 「ドラララララララララララララララララッ!!!!!」 クレイジー・ダイヤモンドの、ダイヤモンドを破壊する威力のラッシュ。 それが悪魔将軍の身体を粉々にしていきながら吹き飛ばした。 悪魔将軍はコンクリート壁に叩き付けられた。 ◇ 東方仗助には、幼い頃から心の底に焼きついているヒーローが居る。 まだ仗助が4歳の頃、高熱に倒れ生死の境をさまよい 母親に病院に運ばれる途中、積雪に車のタイヤを取られて立ち往生したことがある。 その時、居合わせた学ランを着たリーゼントヘアの男が自分の学ラン犠牲にして仗助を助けた。 以来、その名前も知らない男が仗助のヒーローであり憧れであり生き方の手本となった。 リーゼントの髪形も、その男に憧れて同じ物にしている。 そしてその髪形を侮辱されることは、その男を侮辱されることと心の底で同じなのだ。 その怒りは途轍もなく、少しけなされただけで鼻の形が変わる位の攻撃を加えるほど。 リーゼントの髪形は、仗助の決して犯してはならない聖域なのだ。 だから朧な意識の中でも、はっきりと捉えられた。 悪魔将軍のヒーローを侮辱する言葉を。 悪魔将軍の憧れを侮辱する行為を。 怒りは仗助を覚醒に導いただけではなく、かつてない力を与えた。 スピード・パワー共に悪魔将軍を凌駕する、クレイジー・ダイヤモンドのラッシュ。 それが悪魔将軍の肉体を粉砕した。 胸や腹には大きく穴が開き、肩や腰が削れている。 破壊の痕は、悪魔将軍の鎧の中を露出していた。 それは虚無。 悪魔将軍の鎧の中は空洞になっていた。 「わたしのダイヤモンドパワーのボディを砕くとはな……。だが、わたしの身体は六騎士の集合体にすぎん。 だから、幾らでも再生できる」 周囲に散乱していたダイヤが、悪魔将軍に戻っていく。 それがパズルのように身体に嵌っていき 悪魔将軍は再び、ダイヤモンドの輝きを持つ自分の身体を完全に取り戻した。 それでも、まだ怒りの覚めやらぬ仗助は向かっていく。 「再生するってんならよー……もう一度ブッ壊して、今度は原型無いくれーグレートに変形させてやるぜぇー!! 俺のクレイジー・ダイヤモンドの能力でよォーっ!!!」 再度クレイジー・ダイヤモンドのラッシュを放つ。 その直前に、悪魔将軍は叫んでいた。 「超人硬度ゼロ スネーク・ボディ!!」 クレイジー・ダイヤモンドの拳が悪魔将軍の胸に刺さり、歪ませる。 クレイジー・ダイヤモンドの拳が悪魔将軍の腹に刺さり、背後まで威力が伝わっていく。 悪魔将軍の身体を次々と変形させていく、クレイジー・ダイヤモンドのラッシュ。 しかし悪魔将軍にダメージは無い。 ラッシュの威力は全て、背後のコンクリート壁につき抜け コンクリート壁は全面粉々に壊された。 先ほどまでダイヤの堅さだったのが嘘のように、軟体動物のごとく柔軟な悪魔将軍の身体。 それがラッシュの威力を全て通過させてしまった。 「ククク。硬度ゼロ。故に打撃では絶対に破壊できん」 「硬度ゼロだ~!? だがよー……一箇所だけ堅さを保ってる場所があるぜ、悪魔将軍さんよォー」 クレイジー・ダイヤモンドが、今度は悪魔将軍の顔を目掛けパンチを放つ。 しかし悪魔将軍は頭を傾け、それを回避。 そして拳が伸び切って無防備になったクレイジー・ダイヤモンドの頭を掴んだ。 「ご名答。おまえの見抜いた通りこの頭は軟体化できない、わたしの唯一の弱点だ。 だが、それゆえにそこへ来る攻撃だけは特別に警戒しているのだ。 いくらスピードが有っても、おまえのテレフォンパンチを喰らうほど愚鈍ではない。 見ての通り来ると分かっている攻撃なら、回避も反撃も容易い! 喰らえ、魔のショーグン・クロー!」 悪魔将軍はクレイジー・ダイヤモンドの頭を掴む手に力を込めていった。 しかし徐々に、クレイジー・ダイヤモンドの方が押し勝っていく。 「俺は今プッツン来てるからよ~…………てめーに力負けする訳ねーだろーがっ!!!」 「力はな。……だが、テクニックは怒りでどうにもなるまい!」 突如、頭を抑えている悪魔将軍の手から力が抜けた。 クレイジー・ダイヤモンドの押している力が相手を失くし、前につんのめった。 「わたしにはザ・ニンジャのテクニックも備わっているのだ! 地獄の超特急!!」 悪魔将軍はクレイジー・ダイヤモンドの勢いを利用し、腰から背負い投げて道路に叩きつけた。 クレイジー・ダイヤモンドは頭から落ちて、アスファルトを砕き 仗助の頭から血が噴出した。 全身から出血し幾つも骨が折れ、今や仗助は満身創痍の状態だ。 死んでいてもおかしくない負傷。 だが、強烈な怒りに支えられ仗助は未だ戦意を保ち立っている。 その戦意に呼応し、クレイジー・ダイヤモンドもまた立ち上がる。 追撃せんと、悪魔将軍はクレイジー・ダイヤモンドに右手を伸ばす。 「ドラララララララララララッ!!!」 その右腕に向け、クレイジー・ダイヤモンドはラッシュを打つ。 しかし、すでに悪魔将軍の右腕は軟体化していた。 ラッシュの威力は全て無化される。 「なるほど硬度が0なら打撃は効かねーか……なら、斬撃はどうよ!!」 クレイジー・ダイヤモンドの右手に、仗助の頭から流れ出た血液が溜まる。 それをクレイジー・ダイヤモンドのパワーで極度に圧縮。 刃物の薄さにまでなった血液を、悪魔将軍に向け投げ飛ばした。 血液による水圧カッター。 それは硬度0になっている悪魔将軍の右腕を大きく切り裂き それでも勢いは衰えず、悪魔将軍の首へと飛んで行く。 しかし、水圧カッターではクレイジー・ダイヤモンドのパンチより速度に劣る。 悪魔将軍は容易に回避した。 そして悪魔将軍の右手は、クレイジー・ダイヤモンドの頭を掴む。 「無駄だ。おまえのスピードとパワーには意表を衝かれたが、そうと分かればどうとでも対処できる」 「対処できる? いいや、手遅れだな。てめーの右腕にはよォー……すでに傷が付いちまったからな!!」 クレイジー・ダイヤモンドはいつの間にか持っていたコンクリート壁の破片を、悪魔将軍の右腕の傷に押し当て殴りつけた。 やはり硬度0でダメージは無い。 しかし、傷は治っていく。 コンクリート壁の破片と同化しながら。 「…………!?」 魔のショーグン・クローが右腕の異変に虚を衝かれ緩んだ隙に、クレイジー・ダイヤモンドの頭を引き離す。 悪魔将軍と同化したコンクリート壁の破片は、道路に散乱していた他の破片と次々に融合していく。 コンクリートが集まって悪魔将軍の右腕を覆う。それでも成長は止まらない。 やがてそれは悪魔将軍の右腕を中心に、巨大な正方形の形作る。 更にその下部の面は、破損していた道路のアスファルトとも融合。 最終的に、道路から生えた悪魔将軍の身長ほどもある正方形のオブジェが出来上がった。 そこから右腕を軟体化して抜くのは不可能。何しろ融合して、一体化しているのだから。 「味な真似を。だが、残った左腕と両脚で破壊すれば済むことだ」 「手遅れだっつってんだろ。もう俺は『この位置』まで来ちまったんだからよォー。 ここからだと、よーく見えるぜ。てめーの『後頭部』と『首輪』がな」 仗助の声は悪魔将軍の背後からした。 悪魔将軍がオブジェに気を取られているうちに、仗助はスタンドの脚力を利用して 回り込んで、悪魔将軍の背後に立っていた。 「そんだけグレートに固定されたらよー、幾らてめーでも背後からの攻撃を避けることも防ぐことも出来ねーよな? そして、てめーがどれだけ不死身でも……さすがに頭と首輪をブッ壊されたら死ぬよなぁー!! でなきゃ、殺し合いにならねーんだからよォー!」 右腕を固定されてはパワーもスピードもテクニックも、ほとんど発揮しようが無い。 さすがに頭と首輪を軟体化で防御も出来まい。 つまり今の仗助は必勝の態勢。 その必勝の態勢から――。 「ドラララララララララララララララッ!!!!」 クレイジー・ダイヤモンドで、悪魔将軍の頭部と首に目掛け渾身のラッシュを放った。 ラッシュは砂の城を崩すがごとく、容易に破壊していく。 コンクリート製のオブジェを。 「――――!!!?」 悪魔将軍が居ない。 悪魔将軍が消えて無くなっていたため、その向こうのオブジェを攻撃する形になったのだ。 仗助は混乱、と言うより思考もままならなく呆然とする。 「たとえダイヤを……いや、この世の如何なる物質を砕く能力があろうと、わたしを倒すことはできん。 なぜならわたしは――悪そのものだからだ!」 悪魔将軍の声。 発生した方向は――直下。 視線を下げる。 そこに悪魔将軍は居た。仗助の足下に。 何故そんな所に? しかしその疑問は、すぐに解決した。 悪魔将軍の左腕を見ると、そこからは剣が伸びている。 そして右腕は、根元から綺麗に無くなっていた。 悪魔将軍は自分の剣で、自分の右腕を切り落としたのだ。 背後に居た仗助には、悪魔将軍の巨躯が邪魔をしてそれが見えなかった。 そして軟体を利用し、素早く仗助の足下に滑り込む。 仗助には完全に不意を衝かれた、しかも目で追い難い上下の動き。 仗助にとっては必勝の態勢だったはずが 悪魔将軍にとって、奇襲に最適の態勢だったのだ。 「悪は不朽! 悪は不滅! この世のいかなる能力でも、わたしを滅ぼすことはできんのだ!」 クレイジー・ダイヤモンドが悪魔将軍に拳を打ち出す。 しかし足下への攻撃と言うのは、実は極めて難しい。 その拳が届く前に、悪魔将軍の剣が仗助の下腹を貫いた。 (な、なんつーグレートな野郎だ……。ま、まだ……切り札を残していたなんてよー…………) ジョースターの血統と正義を受け継ぐ、東方仗助。 悪魔超人の首領、悪魔将軍。 正義と悪の戦いは、悪の勝利で終わった。 ◇ 悪魔将軍が左腕の損傷を再生し、自分が置いていたバックパックを拾いに行っているのを 仗助は、道路に倒れたまま薄れゆく意識の中で眺めていた。 もう自分には戦う力が一片も残っていない、それどころか命の灯火すら長くないのは分かっている。 それが悔しいとは思わない。 自分は全力を尽くして戦った。 それでも悪魔将軍の底知れない強さには届かなかった。 ならば、それを認めるしかない。 自分が力尽きたことを。悪魔将軍の強さを。 それでも心残りが無いわけではない。 あの悪魔将軍は途轍もなく強く、そして途轍もなく危険だ。 放置すれば、間違いなく犠牲者は出る。 絶対に野放しには出来ない存在。 しかし、自分の力は届かなかったのだ。 悪魔将軍を倒す手段に1つだけ心当たりが有った。 いや、倒す可能性のある人物に。 しかしそれも、ここで息絶える仗助には関係ない物になってしまった。 それが何より心残りなのだ。 「そう言えば、おまえは承太郎がどうとか言っていたな」 悪魔将軍が仗助を見下ろし話し掛ける。 仗助は無言で、視線だけを向けた。 「名簿にも空条承太郎とある。こいつのことだな? 話せ。こいつはどんな奴だ? おまえのような能力を持っているのか?」 悪魔将軍が空条承太郎について聞いてきた。 上等だ。と、仗助は思った。 そんなに聞きたいなら聞かせてやる、と。 「……お、おめーは…………自分のことを悪そのものだとか……い、言ってやがったけどよー…………。 そ、それなら……おめーは……絶対に承太郎さんには……勝てねーぜ…………。 あ、あの人はよー…………お、おめーみたいな悪を必ず倒す……正義そのものだ……………………」 悪魔将軍を倒す方法を、仗助は1つしか思い浮かばなかった。 それは承太郎に倒してもらうこと。 悪魔将軍は途轍もなく強い。仗助が及ばなかったほどに。 しかし、あの承太郎なら 最強のスタンド『スタープラチナ』を持ち、冷静で的確な判断力を備え 何より、揺るがぬ正義の意思を持つ空条承太郎ならば倒すことも出来る。 だから悪魔将軍が承太郎に興味が向くように挑発した。 あわよくば、他の参加者より承太郎を優先して狙うように。 身勝手なやり方だとは思う。 自分の知り合いに危険人物を差し向けたのだ。 しかし殺し合いの中で、弱者が悪魔将軍の被害にあうのを抑えるには それが最も効果的な方法なのだ。 「つまり空条承太郎はおまえと同じような能力を持ち、わたしに敵対するような人間なんだな」 悪魔将軍はどこか楽しげな調子で言った。 どうやら、挑発は成功したらしい。 それを確認すると、仗助は今度こそ全ての力を使い果たし ゆっくりと目を閉じた。 ◇ 力を使い果たしたように瞑目した仗助。 しかしまだ微かに息があると見た悪魔将軍は、ある実験を思いついた。 右腕から剣を伸ばし、それ仗助の首輪に差し込む。 首輪は爆発。 仗助の頭は転がっていった。 これで首輪が本当に爆発するのと、生者の首輪が破損すると爆発するのは確認できた。 別に首輪を調べて、具体的にどうしたいと言うのがある訳ではない。 一応情報として、知っておきたいと思っただけだ。 首輪が厄介だとは思う。 悪魔将軍の軟体機能を使っても、頭の大きさより狭いものは通れない。 つまり首輪は外せない。 それに悪魔将軍は頭部が弱点だ。 そのすぐ下にある首輪が爆発すれば死ぬ。 首輪が無いなら無いで越したことはないのだ。 それでも結局は、首輪があろうがあるまいがすることは変わらない。 悪魔将軍は人々に恐怖を、苦痛を、死を、あらゆる災厄を与えるのみ。 それが悪魔将軍の楽しみであり生き方であり存在理由なのだから。 悪魔将軍は仗助の話に出てきた、承太郎について考える。 仗助は明らかに、承太郎へ自分をぶつけようと挑発していた。 そこから、承太郎は仗助以上の戦力を持つと推測できる。 (あの直す能力の男以上に、楽しめる相手と言うことか。面白い、あいつの挑発に乗ってやる。 まずは空条承太郎を捜し出して、殺してやる) そうすれば他の参加者にとって、より絶望的なゲームになるだろう。 悪は恐れない。 悪は迷わない。 悪は躊躇わない。 そして悪は何者よりも強い。 最強の悪は殺し合いにおいても捕食者でしか無いのだ。 【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】 【I-8/市街地:深夜】 【悪魔将軍@キン肉マン】 [属性]:Set(悪) [状態]:疲労(中) [装備]:なし [道具]:基本支給品×2、不明支給品2~6 [思考・状況] 基本行動方針:悪を為す 1:空条承太郎を見つけ出して殺す 2:殺し合いを楽しみ、それが終わった後は主催者を殺す 時系列順で読む Back とあるイカ娘の侵略目録《バトルロワイアル》 Next 究極の闇 投下順で読む Back とあるイカ娘の侵略目録《バトルロワイアル》 Next 究極の闇 実験開始 悪魔将軍 BATMAN:Tales of the Devil 実験開始 東方仗助 死亡
https://w.atwiki.jp/siriarubokumetukai/pages/14.html
ここは六魔将軍さんのページです 好きなようにつかってちょ(≧ω≦)ー★ フィイクの勝手な編集w(六魔sが編集するときは消してw) 悪魔の心臓と仲が異常な剣士 フィイク(髑髏)とはあまり関わりがなくよく私も分からんww 編集 フィイク (駄文は消しておk) 勝手な編集さーせんorz よろです^^ -- フィイク (2011-06-27 00 00 06) 名前 コメント