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「お姉ちゃん、数学教えて」 悠貴はベッドに寝転んで漫画を読んでいる未来に話しかけた。 「もぉ、しょうがないわね。見せて」 と未来は寝転んだままベッドから手を差し出した。どうやらベッドから出てくるつもりはないらしい。 出無精星人になっちゃうよと言おうとしたが、機嫌をそこねてはいけないので悠貴は黙ってベッドの脇に腰を降ろした。 「ここなんだけど…」 「どれどれ…連立方程式じゃない。こんなの代入すればちゃちゃっと出来るわよ」 「そう…なの?」 「そうなの!ロボット博士になるんだったら数学とか理科はできなきゃダメでしょ!あぁもぉ、カエルの落書きばっかり…」 未来は飽きれ顔だ。 「僕、お姉ちゃんのカエル、大好きだから」 「いつまでたってもお子ちゃまねぇ。そんなんじゃ彼女できないよ」 「別にいらないもん。僕はお姉ちゃんが―」 その時… ゴゴゴゴ…という音が遠くから聞こえ、やがて本棚やベッドがガタガタと揺れだした。大きな地震だ。 「っっっ!?」 幸い揺れはすぐに収まった。 「びっくりしたね、お姉ちゃん」「…………う…ぅ…」 「お姉ちゃん?」 未来は悠貴にギュッとしがみつき静かに震えていた。 「悠貴ぃ…怖いよぉ…」 あれから5年が経った。しかし心の傷、恐怖はなかなか消えるものではなかった。 それは悠貴も同じだが、男の子だし怖がってはがりはいられなかった。いつの間にか自分より背が低くなった姉を守らなければ、という使命感があった。 「お姉ちゃん、収まったから、もう大丈夫だよ」 「………ホント?」 「うん。僕がお姉ちゃんを守るから大丈夫だよ!」 「ふふ…悠貴の癖に生意気~」 未来はやっと笑顔になった。女らしくなった未来に悠貴はドキドキした。 「あんなちびっこだったのにねぇ」 と、未来は悠貴の頭を優しく撫でた。 「今はお姉ちゃんの方がちびっこだね!でも…胸はずいぶん大きくなったよね。当たってるよ」 「な…ななな…」 そこで未来はずっと悠貴にしがみついていたことに気付いた。どんっと悠貴を突き放す。 「もうちょっと抱き合っていたかったのに…」 「バカ!な…何言ってんの!?」 「僕はお姉ちゃんが好きなんだ!女の子として…」 悠貴は意を決して告白した。時間が止まったような気がした。 未来は息を飲んだ。実の弟にそんな告白をされるなんて思いもしなかった。 「悠貴、頭でも打ったんじゃないの?」 「打ったよ。5年前、東京タワーが崩れた時に」 「そうじゃなくてぇ…」 「お姉ちゃん!!」 悠貴は強引に未来を引き寄せ、ギュッと抱きしめた。 「悠貴…」 瓦礫の降り注ぐなか、体を張って自分を守ってくれた弟を愛おしく感じて、未来は悠貴を抱きしめ返した。 チッチッチッ… 静寂の中、カエルの時計が時間を刻む音だけが部屋に響く。 「悠貴~もう寝た~?」 未来が頭上に向かって囁いた。 「…………まだだよ」 ベッドの上段で悠貴も小さく答えた。 「お姉ちゃんは寝た~?」 「ふふっ…ま~だっ」 二人はクスクスと笑った。 「ねぇ悠貴、何考えてたの?」 「さっき教えてもらった連立方程式……じゃなくて、お姉ちゃんのこと…」 「あはっ、私も悠貴のこと…考えてた」 そして二人はまたクスクスと笑いだした。なんて心地良いのだろう。 「私が高校に入学した時さ、年頃だしってお母さんが部屋を別々にしようって言ったじゃない?」 「うん。でもお姉ちゃん、今のままでいいって言ったんだよね。どうして?」 「…………………ゆ、悠貴と一緒が良かったの!」 数秒の沈黙の後未来はぶっきらぼうに答えた。 「あんた、目を離すとすぐどこか行っちゃうんだから…。私がちゃんと見ていなきゃダメなの!」 「もう大丈夫なのに、いつまでも子供扱いするんだから」 悠貴はちょっと不満げに言った。 「たまにね…怖い夢を見るんだ…。悠貴が繋いでいた手を離してどこかへ向かって走っていってしまうの。悠貴、悠貴って叫んで一生懸命追いかけるんだけど、悠貴はどんどん遠くへ離れていくの。そしてずうっと向こうで悠貴が振り向いて何か言ってるの…たぶん、さよならって…」 しんと静まりかえった部屋に未来が鼻をすする音が微かに聞こえた。 自分を思って泣いてくれる姉を悠貴は愛おしく感じた。 「大丈夫だよ、お姉ちゃん!ちゃんと一緒に帰ってきたじゃないか。これからもどこにも行かないよ!」 「グスっ…嘘ついたら…怒るからね!」 「うん」 「悠貴……」 「ん?何、お姉ちゃん?」 「そっち、行ってもいい?」 「え……え…?」 「だから……その……一緒に…寝たい…」 「っ!?」 悠貴は動揺を隠せなかった。二段ベッドがガタガタと大きく揺れる。 スー、ハー…。平常心を取り戻すため大きく深呼吸をした。 「で……でも……」 「嫌?」 「嫌じゃないけどさぁ…」 もちろんうれしかった。うれしすぎてカエルみたいにぴょんぴょん跳ねてしまいそうだ。しかし思春期に入った少年は、色っぽくなった少女が真横にいる状況になったら、どうなってしまうかわからなかった。 「今日だけ。また地震がきそうで怖いんだもん」 ……そうだ。ずっと姉を守ると誓ったのだ。悠貴はぐっと拳を握りしめた。 「上は結構揺れるから……僕がお姉ちゃんの所に行ってもいい?」 ほらっ、と悠貴が体を揺すると年季の入ったベッドはギシギシと鈍い音をたてた。 「う…うん」 「よいしょ…」 暗闇の中、下段のベッドに横たわる姉の存在を全身に感じながら悠貴は梯をゆっくりゆっくり降りていった。 「お、お姉ちゃん……」 「う、うん…」 ドキドキドキドキ…。心臓の音が未来に聞こえてしまいそうで悠貴は焦った。しかしそれは未来も同じだった。 「は、入っていいの?」 「おいで…悠貴…」 と未来は悠貴に優しく手を差し出した。 「お邪魔します…」 「ふふっ、どーぞっ」 今まで未来のベッドは近いようで遠い存在だった。悠貴は一度たりとも使ったことがない、まるで違う国、違う世界…。そこに今、足を踏み入れようとしていた。 ゴン!! 鈍い大きな音が部屋に響いた。悠貴がベッド上段に頭をぶつけたのだ。 「っっっ!?」 「ちょっと大丈夫、悠貴?」 「へへっ、大丈夫…大丈夫…」 「もぅ…ほらっ、痛いの痛いの飛んでいけ~」 そういって未来は悠貴の頭を優しく撫でた。 「すぐ子供扱いするんだから…でも、お姉ちゃんに頭撫でられると安心する」 「そう?じゃあもっとしてあげる。よしよし…悠貴く~ん」 「やっぱりちょっと悔しい…」 並んで寝転ぶとやっぱり狭かった。でもそれが心地良い。お互いの体温を感じながら、二人は手を繋いだ。 「悠貴……好き……」 「僕も……大好きだよ」 「私の方が、大好きなんだからね」 「僕の方が。だって僕の方が背高いじゃん」 「それは関係ないでしょ!?」 「へへへ…」「ふふふ…」 なんだかおかしくなって二人はしばらくの間笑っていた。 「悠貴…」 未来は身体を起こし、悠貴の頬にそっと手を添えた。顔はよく見えないが、微かな吐息をお互い感じ合っていた。 大好き。 「………」「………」 二人はキスをした。唇と唇が触れ合うだけの優しいキス…。 「お…お姉ちゃん…」 悠貴はベッドの上で固まり、未来は枕に顔を埋めた。 「あぁもぅ!は、初めてのキスだったのよ。光栄に思いなさい」 「そうなんだ…お姉ちゃん、ラブレターとか貰って結構モテるから…もしかしたらしたことあるのかなって思ってた」 「バカ!そんなわけないじゃない!」 「ありがとう。でも…お姉ちゃん、あのね……実は僕…初めてじゃないんだ…」 「……え!?」 未来は動揺を隠せず、目を大きく見開いた。 「う……嘘…。そうなんだ……」 「……うん」 お互い初めて同士。そんな風に思っていた未来のショックは大きかった。悠貴が……そんな……。 「ゆ、悠貴って……結構、も…モテるんだね。ぜん…ぜん知らなかったよ…」 声が震えて泣きそうになった。悠貴の唇に…触れた女の子がいる。悔しさ、そしてなんとも言えない寂しさが未来を包んだ。 そして未来は悠貴に背を向けうずくまり枕に顔を埋めた。 「お姉ちゃん?」 「………」 「僕……その子のこと、今でも好きなんだ」 「………酷いよ……悠貴…」 未来は肩を震わせた。思わせぶりなことを言っておいて、好きな女の子、いるんじゃない…。 いつも読んでいる少女マンガを思い出した。主人公の女の子には、ライバルがいて、いっぱい傷つきながら障害を乗り越えて好きな男の子と結ばれる。紆余曲折があるからこそ恋愛マンガは面白いのだ。 「でも…そんな紆余曲折、私にはいらないわよ…」 しばらくの沈黙の後、悠貴は口を開いた。未来は枕に顔を埋めたままだ。 「お姉ちゃん、あのね…」 「………ん…」 「僕が初めてキスしたのって…」 悠貴のファーストキスの相手って誰だろう…。どんな女の子かな。いつか悠貴が連れてきたら、ちょっといじめてやろう……って、嫌な私…。 「お姉ちゃん…だよ」 「……………へっ!?」 「だから、お姉ちゃんとキスしたんだ」 「え……え…?」 未来は枕から顔をあげたしばらくの間ポカーンとしていた。 悠貴ったら何言ってるの…私? 「やっぱり忘れてるし…。僕が3歳くらいの頃、よくおままごとしてたよね?」 「え……あぁ!!」 そうだ。パパとママの結婚式の写真を見てお嫁さんに凄く憧れた時期があった。ちびっこの悠貴を相手にして、よく結婚式ごっこをしたっけ… 「誓いのキス、僕はずぅっと覚えてたんだ」 「あああ…もぉそんなこと…恥ずかしいから忘れてよね!!」 「へへっ、嫌だよ~。一生忘れないよ!昔も今もこれからも、お姉ちゃんのこと大好きだから」 「もぉ!悠貴が他の女の子とキスしたって思ったら…すごく…すごく辛かったんだからね!」 未来は顔を埋めていた枕で悠貴をバシバシと叩いた。 「ごめん。ごめんってお姉ちゃん」 「ダメ!許さない!」 と未来はそっぽを向いた。悠貴は弱っておどおどしている。 「お姉ちゃん。どうしたら許してくれる?」 「…………知らないっ」 「僕、なんでもするよぉ…。そうだ!とっておいたプリンあげるよ」 「もぉ、また食べ物でご機嫌とるつもり?あの時とちっとも変わらないのね。いつまでもお子ちゃま」 未来はそっぽを向いたままぶっきらぼうに答えた。 「あの時……?」 「………あっ!?」 しまった!と未来は焦った。思い出したくもない、恥ずかしい出来事だ。 「あの時って…」 「ど、どうでもいいわよそんなこと。も、もう許したから。ねっねっ」 必死にごまかすがそれも虚しく… 「ああ!!お姉ちゃんがお腹痛がってた時だよね!?携帯トイレってすごいよね!僕驚いちゃった」 悠貴がポンっと手を叩いた。 間髪入れず未来は再び悠貴をポカポカ殴る。 「痛いっ痛いよお姉ちゃん」 「っっっっ……」 悠貴が思い出しちゃった…。 未来も女の子だ。たとえ弟でも、外で用をたしたことなんて思い出して欲しくなかった。暗いのが幸いだが、羞恥心で未来の顔は真っ赤に染まり涙で滲んでいた。 「………お、お姉ちゃん?」 悠貴も少なからず未来の羞恥心を悟ったようだ。デリカシーがなかったと申し訳なくなり恐る恐る未来に話しかけた。 「………」 悠貴はたまらなくなり手の平をパンと合わせ土下座した。 「お姉ちゃん、この通り!」 「どの通りよ?暗くて見えないわよ…」 「へへへ…」 「不公平よ!悠貴の…は、恥ずかしい秘密も…教えなさいよね」 「え?恥ずかしい秘密……かぁ。たまにだけど……お姉ちゃんの寝言を聞くのを楽しみにしてること…とか」 「な……な……悠貴!!」 一際大きな声が部屋に響いた。「お、お姉ちゃん!お父さんたち、起きてきちゃうよ!」 あっ、と未来は口に手を当てた。 「ゆ、悠貴が変なこと言うからじゃない!!それに恥ずかしいのは私だし…」 「ご、ごめん…。もっとあるよ!ノートに未来って書いてニヤニヤしたり、携帯の壁紙、お姉ちゃんの写真にしたり…この前イツキ君に見られちゃった。へへっ」 「もぉ、なにやってんのよぉ」 悠貴の恥ずかしい秘密を聞いていたのに自分が恥ずかしくなっては意味がない。しかし悠貴が自分のことを想ってくれているということが分かり未来はくすぐったい、心地良い恥ずかしさを感じていた。 「後ね……もうひとつ……」 「なぁに?お姉ちゃんにいってみな」 未来はすっかり上機嫌だ。それに反して悠貴はどこか緊張し、もじもじしていたが、しばらくして恐る恐る小さな声を発した。 「僕の身体…なんか…最近おかしいんだ…」 「えっ!?」 二人の間に重たい沈黙が流れた。 「悠貴!どこか…痛いの?」 未来は悠貴の肩をガシッとつかんだ。悠貴は昔から周りに気を遣い具合が悪くても我慢してしまう性格だった。 「正直にお姉ちゃんに言ってみな!」 悠貴はう~ん…と困ったような声を漏らした。 「具合が悪いとかではないと思うんだけど…」 「だったらどこがおかしいのよ?」 「……………身体が…むずむずして…変な気持ちになる……」 「え?」 ハァ…ハァ…と悠貴の呼吸が荒くなった。 「お姉ちゃん、家の中だと…ずいぶん薄着だよね」 「え…まぁ、自分の家だしね」 悠貴の呼吸はさらに荒くなる。 「お姉ちゃんの胸の膨らみとか、お尻とか、脇とか見たら…なんか身体がビリビリ痺れて、すごく…切なくなるんだ。こんなの初めてだよ」 「ゆ、悠貴ったら…お姉ちゃんの身体見て、そんなになってたの?」 未来にはだいたい状況が飲み込めていた。悠貴が思春期になったということなのだろう。 私にアレが来るように…悠貴にも… 「お風呂上がりのお姉ちゃんの匂いをかいだり、後ろ姿を見ると、無性に抱きつきたくなっちゃうんだ」 悠貴は羞恥心に耐えながら告白し、体をもじもじと揺らした。 未来も同様に体を揺さぶる。なんだか熱い… 「今度から、我慢しないで抱きついて良いからね」 悠貴が愛おしい…。なにをされても許してしまいそうだ。 「お姉ちゃん!!」 悠貴はたまらなくなり未来を強く抱きしめた。身体全体が密着する。 「………あ………」 未来は下腹部に違和感を覚えた。何か…硬い何かが当たっている…。これが…悠貴の… 「ん…悠貴……っ!?」 突然悠貴が下半身を揺らし未来に擦り付けだしたのだ。絹の擦れる音と二人の呼吸が響く。 「ご、ごめ…ん。お姉ちゃん。僕…こんなになっちゃって……身体が勝手に……病気かなぁ」 悠貴が不安そうに聞いた。吐息がかかり未来は身体を強張らせる。 「違うよ……習ったでしょ?悠貴はね、赤ちゃんを作れる身体になったの」 「あ、赤ちゃん?どうやって?」 「その……男の人と…女の人が…愛し合うと…できるみたい」 「愛し合うって?キスとか?」 ああもぉ!!この子はなんて純粋なんだろう…。なんで私がそういうこと教えなきゃならないのよ!?お母さんとか、ませたクラスの友達とかの役目でしょ!! 未来はハァ…と深いため息をついた。 「悠貴。セ……セックスって…知ってる?」 ああ、恥ずかしい… 「せっくす?う~ん…そういえば…保健でやったかも…でも良くわかんないや…」 「その……男の人の…おち…おち……おちおち………」 「お姉ちゃん?」 未来はプルプルと震えた。 「ダメ!!私には無理!!」 そう言うと未来はベッドからはい出て部屋の明かりを付けた。それからごそごそと本棚をあさり始めた。 「…………あった!」 一冊の本を取り出し、それをベッドに横たわる悠貴に突き付けた。 「これは…」 本には「新しい保健体育」と書かれている。未来の高校の教科書だ。 「これを読んで勉強しなさい。ちょっと……トイレ……」 そういうと未来は足早に部屋を出ていき、取り残された悠貴は、せっくすせっくす…と索引のページに目を通すのであった。 「スゥ……ハァ……スゥ……ハァ……」 便座に腰掛けた未来は大きく深呼吸をした。身体の奥が熱い… 「うぅ…悠貴があんなこと言うから…。なんか…変な感じ…」 未来は無意識に右手を下腹部へ伸ばしていた。 クチュ…と湿り気を帯びた音が狭い空間に響く。 「こ、こんなに…濡れてる…」 右手から粘り気のある液体が滴り落ちた。 悠貴のオ…オチンチン…すごく…硬くなってた。あんなになっちゃうんだ… 未来は悠貴が身体を密着させ、下半身を擦り付けてきた感触を思い出していた。再び無意識に自らの秘部へ手を伸ばす。 あんなのが、私の中に入ったら…どうなっちゃうんだろう… 未来は昔毎日のように見ていた両親の結婚当時の写真を思い出した。また、幼い頃家族でお風呂に入った時の両親の裸を思い浮かべた。 「パパの硬くなったオチンチンが…ママのアソコに入ったり出たり…出たり入ったり…。そしてパパのオチンチンが入った、ママのアソコから…私や悠貴はでてきたんだ………すごい………」 普段何気なく接してきた両親が、そういうことを経験していたのだ。改めて考えるとすごく恥ずかしく、そして少し寂しくもあった。 「私の知らないパパとママ…。キスをして、服を脱いで……セックス……したんだ…」 未来は息を荒くしながら秘部を刺激し続けた。頭がぼぉっとする…。 クチュクチュ…… 淫靡な音に未来は高まっていく。いつしか未来は思い浮かべていた両親の交わりを自分と悠貴に置き換えていた。 四つん這いになった未来が後ろから悠貴に突かれている。苦しいようなうれしいような表情で喘いでいる。いやらしい… 「ハァ……ン……、悠貴ぃ、もっと……突いて…悠貴、悠貴!」 「何、お姉ちゃん?」 「っっっ!!!???」 心臓が止まるかと思った。扉の向こうから悠貴の声がしたのだ。 「ゆ、ゆゆゆ悠貴……いつからそこに?」 「え?今来たばっかりだよ。お姉ちゃん、戻ってこないから具合悪いのかなって…」 良かった…。聞かれてなかったみたい。 「だ、大丈夫だから……今戻る」「わかった……あっ!?」 遠くから足音がした。 パパかママが起きてきたんだ。 「悠貴!!」 未来はとっさにドアを開け、廊下に立っていた悠貴をトイレの中に導いた。 「お……お姉ちゃん?」 「はっ!?」 何も隠れる必要ないじゃない!?しかもトイレに二人……私のバカバカ!! 湿り気を帯びた未来の下半身に、悠貴はゴクリと固唾を飲むのであった。 「す、すごい……」 悠貴の口から感嘆の言葉が漏れた。 「な、なにが………ひっ!?」 やっと下半身があらわになっていること、そしてそれを悠貴が凝視していることに気付いた未来の顔が凍りついた。 咄嗟に股を閉じる。 「ゆ、悠貴!!こっちみな…んむ!?」 突然悠貴が手の平で未来の口を塞いだのだ。 「お姉ちゃん、気づかれちゃうよ」 小声で悠貴が囁く。 そうだ…。弟と二人でトイレに篭っているなんて知られたら… 未来がゾワっと身震いした。親睦を深めるために一緒にトイレに入ったりなんかしない。 何とか機をみつけて脱出しないと…。 その時、近づいていた足音が扉の向こうで止んだ。未来と悠貴に緊張が走る。 「誰か、入ってるの?」 ママだ…。 「わ、私だよ。ママ」 「未来。夜中起きるなんてめずらしいわね。具合、悪いの?」 「ううん。だいじょう…ふぁ!?」 いきなり未来は口調を乱した。 思春期真っ盛りの好奇心に耐えられなかったのだろう。悠貴が未来の太ももを壊れ物を扱うように優しく撫でていた。 ゆ、悠貴ぃ~!! 声を発さず口だけ動かして悠貴を怒鳴りつける。しかし悠貴の意識は未来の身体にだけ向けられていた。息が荒い。 「未来?やっぱり体調悪いんじゃない?」 未来の母が心配そうに言った。 違うのママ!悠貴が!悠貴が!! 「だ…だい…じょうぶ…ふっ…だか…らぁ…んん!?」 とうとう悠貴の右手は未来の秘部へと伸びていった。 この状況が興奮するからわざとちょっかいを出すという感情は悠貴にはなかった。ただただ姉の未知の領域に対する好奇心や憧れがそういう行動をとらせていたのだ。 指先で未来のアソコを優しく撫でる。 「ふ……あぁ…ん…はぁ…はぁ…」 未来から甘い声が漏れた。 ダメ。止めて悠貴!! 「すごいよお姉ちゃん。ねばねばしたお汁が出てきてる」 目を大きくし、感動を伝えようと悠貴は濡れた手の平を未来にかざした。 ゆ…悠貴ぃ…… 恥ずかしさで未来の目に涙が溢れる。 ゴン!! そして鈍い音がトイレに響いた。 いい加減頭にきた未来が悠貴を殴ったのだ。 「いてっ」 思わず悠貴は少し大きな声をあげてしまった。慌てて口を塞ぐ。 「未来?」 不思議に思った母が未来に話しかけた。 「じ、実は……ちょっと頭が痛くて……。ママ、悪いんだけど頭痛薬出してくれない?」 「そうなの。勉強忙しいからってあんまり無茶しちゃダメよ。今お薬とお水用意してくるね」 そういうと母はリビングへ歩いて行った。パタパタというスリッパの音が遠ざかる。 「先に部屋に戻ってな!!」 未来はドアを開けて左右を確認すると、強引に悠貴を追い出した。 ふぅ……なんとかなった…… ぴちゃんっ。 秘部から滴り落ちた液体が水面に波紋を作る。 それを見てなんとも言えない興奮を覚える未来であった。
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「悠貴…行かないで…」 徐々に姿が薄くなっていく悠貴に、未来は涙をぽろぽろ零しながら絞り出すような声を出した。 「お姉ちゃん、大好き…」 最後に聞こえた悠貴の声に、未来ははっと顔をあげた。「悠貴…行かないで悠貴…」手を伸ばす 未来の前で、悠貴の姿はさらに薄くなり… 「悠貴…行かな……」 「……ちゃん、お姉ちゃん?」 誰かに呼ばれ、未来はぼんやりと目を覚ました。「……ん…?」涙に滲む目に、いつも見慣れた 二段ベッドの底の部分が映る。「……あれ?」未来は呆けた顔になると、上に向けて突き出していた 両手を、ぱたりとベッドに倒した。(…夢?) そうか、夢か…。未来は滲んだ涙をそっと拭いながら思った。今でも時々あの時のことを夢に見たり 思い出したりして、涙ぐんでしまうことがった。あの地震からもうすぐ二年、悠貴の三回忌も近い。 きっとそのせいもあるんだろう。(悠貴…) 「お姉ちゃん、どうしたの?」 「うきゃぁっ!?」 その時、聞き覚えのある懐かしい声で呼ばれた未来は、奇妙な悲鳴をあげて跳び起きた。ベッドの 上をずささっと後ずさって奥の壁に背をつけ、ベッドの脇から自分に声をかけた人物を茫然と見つめる。 「…ゆ、悠貴!?」 イラスト:メンクイさん そこには、水色のパジャマ姿の彼女の弟・悠貴が跪き、驚いた顔で彼女を見つめていた。 「どうしたの?」 「へっ? えっ? あれっ? あんたなんで…? あれっ?」 「もう、なに寝ぼけてるの、お姉ちゃん」 自分を指差して口をぱくぱくとさせている未来に、悠貴が困惑と苦笑いの入り混じった顔をする。 寝ぼけた…? それじゃ今のは夢…? いや、確かに夢だがそういうことではなく…。未来は身を 乗り出すと、恐る恐る悠貴に向けて手を伸ばした。 「悠貴…あんた本当に…」 だが、戸惑った様子の悠貴の頬に、あとわずかで触れそうになったところで、未来はびくっとして 手を引いた。もし、触れなかったら…。また幻だったら…。 「いったいなんなの、お姉ちゃん?」 奇妙な態度の姉に、悠貴が困ったような顔をする。どう見ても本物にしか見えない弟に、未来は 思い切って手を伸ばし、彼の頬に触れた。ぷにぷにと柔らかくて温かい感触が、掌に伝わってくる。 「あんた、本物なの?」 「えっ?」 姉の言葉に、悠貴は困惑を隠しきれない顔をする。「まだ寝ぼけてるの、お姉ちゃん?」 「でも、だって…」ごにょごにょと言いかけ、未来は口をつぐんだ。そう、そうだ。夢だ。未来は そこでようやく思い出した。あの時、悠貴は点滴を受けてすぐによくなり、一緒に帰ってきたんだった。 未来はベッドの枠に取り付けてあるスタンドに手を伸ばしてスイッチを入れた。蛍光灯の灯りが 広がり、悠貴の顔を照らし出す。そして再度未来は弟の頬に触れて撫で回しながら、まじまじと彼を 見つめた。記憶にあるより顎が少しシャープになって、あどけなさと人懐っこさを残しつつも、少し 大人びて見える。肩幅も、以前より広くなっているようだ。しかしそれもそうだろう、悠貴ももうすぐ 11歳になるのだから。 「どうしたのお姉ちゃん、大丈夫?」 「ごめん、なんか変な夢見ちゃって…」 未来は悠貴の頬から手を放すと涙を拭った。悠貴はきょとんとしたように未来に訊ねる。「夢?」 「うん。あの時の地震でね、悠貴が死んじゃった夢」 「ふふふっ、お姉ちゃん、よく変な夢見るもんね」 くすくす笑う悠貴に、未来は少しカチンとした表情になったが、すぐに微苦笑すると恥ずかしそうに ほっぺをかりかりと掻いた。「テスト勉強が大変だったんで、ちょっと疲れてたのかな?」 「お姉ちゃん、夜遅くまで頑張ってたよね」 「へへ、まあね」 弟に言われ、未来がちょっと恥ずかしそうにぽりぽりと頬を掻く。未来も中三、エスカレーター式の 学校とはいえ、日頃あまり成績がよろしい方ではなく、あまりうかうかしていられないのだ。 「お姉ちゃんが急に僕のこと呼んで騒ぎ始めたから、いったいどうしたのかと思っちゃったよ」 「ごめんね、起しちゃった?」 「ううん、いいよ別に。よくあることだし」 「う…。悪かったわね、寝言魔人で」 渋い顔をする未来に、悠貴はまたくすくす笑いながら立ちあがった。「それじゃ、僕もういくね」 「え…」その言葉に、未来は不意に胸がズキンと痛んだ。「待って…!」 「なに、お姉ちゃん?」 パジャマの裾を掴んで止める姉を、悠貴は不思議そうに振り返った。「あ…えぇと、その、ね…」 未来はちょっと顔を赤くし、言い淀んだ。“行く”って、上のベッドに戻るに決まってるのに、 夢のせいか、このまま悠貴がどこか遠くへ行ってしまうような気がして、つい呼び止めてしまった。 「?」 「え、えと…」 未来は悠貴のパジャマの裾を掴んだまま、恥ずかしげに少し俯き、もじもじとする。悠貴は上の ベッドに戻ろうとしているだけ。それはわかっているのに、どうしても手を放しがたかった。行かないで ほしい、ずっとここに、一緒にいてほしい。しばし思いあぐねた末、未来は思い切って口を開いた。 「ね、悠貴…一緒に寝よ?」 「え…」 姉の言葉に、悠貴がドキリとした顔をする。悠貴ももう思春期に入り始め、そして未来もすっかり 女らしくなり、そんな姉と一緒に寝るのは気恥ずかしいのかもしれない。 「お姉ちゃん、今日はなんか変だよ?」 「……ダメ?」 「…ううん、いいよ」 だが、上目遣いで見つめる姉に、悠貴はこくりと肯いた。未来はぱぁっと顔を輝かせると、後ろに どいてタオルケットを捲り、弟のためにスペースを作る。悠貴がベッドにうんしょと上がり込み、 ベッドにぺたんと座ると、未来はその顔をどこか不思議そうに見つめた。さっきの夢のせいで、 なんだか悠貴が三年生からいきなり五年生になったようで、変な感じだ。 「悠貴、あんた随分大きくなったよね」 「もう僕、五年生だもん。当たり前だよ」 「そっか、もう五年生なんだっけ…」 どこか上の空でそう呟いて、未来はいま一度弟が本物か確かめるべく、その頬に手を伸ばした。 うん、ちゃんと触れる…。胸の内に、安堵と喜びがどっと込み上げてきて、ほっぺたを撫でられて くすぐったそうにしている悠貴を見つめながら、未来は瞳を潤ませた。しかし悠貴が消えてしまう のではないかという不安が、いつまでも心の片隅にこびりついて離れず、未来は悠貴のほっぺを両手で 挟むと、ほとんどくっつかんばかりに彼の顔を自分の方へ引き寄せ、まじまじと見つめる。 「悠貴、どこにもいったりしないよね?」 「僕、どこにもいかないよ。ずっとここにいるから」 姉の態度に面食らったようにしながらも、悠貴がそう答えると、未来の中に安堵の気持ちが広がって いった。彼女は悠貴にこつんとおでこをくっつけると、囁くように言った。「大好きだよ、悠貴…」 「僕もお姉ちゃん、大好き!」 眩いばかりの笑顔を浮かべて言う悠貴に、未来の中で弟への愛おしさが膨れ上がり、堪え切れなく なって彼女は目尻に大粒の涙を浮かべた。だが、愛おしさが強まっただけ、悠貴がいなくなることへの 不安も、いちだんと強くなる。未来は悠貴の存在を確かめるように、彼の背中に手を回すと強くぎゅっと 抱きしめた。 「悠貴…!」 「お姉ちゃん…」 腕の中に確かに感じる弟の身体に、未来は悠貴にすがりついたまま肩を震わせた。悠貴はそんな姉を 安心させるように、その背中をぽんぽんと軽く叩く。その変わらない優しさが嬉しく、未来はますます 涙を零した。そして悠貴への愛おしさに突き動かされるがままに、未来は衝動的に弟に唇を重ねた。 「!?」 唇を奪われた悠貴が、目を見開いて身体を固くする。未来はしばらく弟に唇を押し付けて、やがて そっと顔を離した。驚いて固まっている弟を、未来はぽろぽろと涙を零しながらじっと見つめる。 「好きよ悠貴…。好きなの…」 「お姉ちゃ……」 未来は戸惑う悠貴に再び唇を重ねた。涙と共に、会えなかった二年間の切ない想いが一気に溢れてきて 止まらない。違う…。あれから毎日会ってるんだから、こんなふうに感じるなんておかしい…。心の どこかで理性がそう訴えていたが、愛おしさと不安はどうしようもないほどに高まり、未来は自分を 抑えられなかった。もっと強く悠貴を感じたい。もっと強く、もっといっぱい。未来はキスをしながら 弟の手を掴むと、自分の胸へと導き、ぎゅっと押しつけた。 「ん…ん…」 姉の行為に驚いたのか、悠貴が未来の腕の中でもがく。「お、お姉ちゃん…?」未来が唇を離すと、 悠貴は目を丸くして彼女を見た。 「悠貴、触って…」 弟の手を胸に押し付けたまま、未来は言った。「悠貴のこと、いっぱいいっぱい覚えておきたいの…」 また悠貴が消えてしまう前に、いなくなってしまう前に…「だからお願い…!」 「お、お姉ちゃん…」 涙を零しながら訴えるように言う姉に、悠貴は顔を赤くして少し困ったようにしていたが、やがて こくんと小さく肯いた。 「い、いいの?」 「もちろんだよ、悠貴…」 弟の返事に、未来は泣き笑いの表情を浮かべると、そっと身体を離した。そして着ていたピンクの パジャマの胸元に手をやり、ボタンを一つずつ外していく。 「悠貴もお姉ちゃんのこと忘れないように、いっぱい触って…」 「う、うん…」 悠貴はどぎまぎと肯き、妙にかしこまった姿勢に座り直すと、姉がボタンを外すのを息を飲んで 見守った。すぐに全てのボタンは外され、未来はパジャマの前を引き開くと、腕を滑らせて脱ぎ落とす。 中から現れた、白い飾り気のないブラジャーに包まれた二つの膨らみに、眩しそうにしている悠貴の 前で、未来は背中に手を回すとブラのホックを外し、そっと胸から取り去った。年の割にはやや小振り だが、悠貴の手には十分余るほどの白い乳房がぽろりとまろび出る。 「悠貴…」 未来ははにかんだ表情をしながら悠貴にいざり寄り、胸をそっと突き出した。「ほら、触ってみて…」 乳房に目を奪われている悠貴を未来が促すと、彼はその膨らみにそっと右手を伸ばし、軽く握るように して乳肉を掴んだ。そしてその柔らかさを推し量るように、ためすつがめすぷにぷにと揉み、それから 左手も伸ばすと、もう一方の膨らみも同じようにして揉み始めた。悠貴の手の中で未来の乳房は自在に 形を変え、頂点の淡いピンクの蕾が踊るように揺れる。悠貴は身体を屈めて未来の胸に顔を寄せ、 自分の手の中で揺れる乳肉を見つめていたが、やがてそっと、ちっちゃな乳首に口付をした。 「ん…」 悠貴の唇に乳首を挟まれた未来が、ピクンと小さく震えた。次いで、悠貴がちゅくちゅくとそこを 吸い始めると、全身に緊張が走り、背中がぎくんと反る。しかしすぐに、悠貴の柔らかな舌に弄られる 胸先から得も知れぬ心地よさが体中に広がり始め、未来は身体を弛緩させていった。 「あ、悠貴…」 未来は悠貴の肩をそっと掴み、胸の中の彼を、潤んだ瞳でじっと見おろした。無心に乳を吸う弟が 可愛く、そして愛おしくて、乳首に感じる快感と混ざり合い、一気に全身を満たしていく。胸先の 蕾がそれに反応してきゅっと固く尖り、こりこりとした触感になった突起を、悠貴はいっそう強く 吸い立てた。乳肉をきゅむきゅむと揉み込みながら、ちゅぱちゅぱ音を立てて吸い付き、軽く歯を立て、 反対側の膨らみも、左手で熱心にこね回し、乳首を指の間に挟んできゅっと摘まむ。そして指先で 押さえると転がすように愛撫し、そっと摘まんでくりくりと扱き立てる。 「はぁ…あ…」 悠貴の愛撫に、未来が熱く深い吐息を漏らした。弟の肩を掴んでいた手を彼の首に回し、乳房に 押しつけるように引き寄せる。半ば乳肉に埋もれるようになりながら、悠貴は姉の胸を愛撫していたが、 ほどなく息苦しくなったのか、乳首を口から離すと顔をあげてぷはっと息をついた。熱っぽい瞳で 彼を見つめていた未来と視線がぶつかり、二人は荒い息をつきながら黙ったまま見つめ合っていたが、 どちらからともなく顔を近寄せ、唇を重ねた。 「ん…ふ…」 ただ唇をつけるだけのキス。だが、軽い鼻息を漏らしながら長い間唇を合わせ、ちょっと離しては またすぐに唇を擦りつけ合い、二人は長く長くキスを交わした。未来の胸に置かれたままだった 悠貴の手は、キスの間に再び動き始め、やわやわと乳丘を弄っていく。きゅむっ、きゅむっと 優しい手つきで柔らかな胸肉を揉みたて、先端のちっちゃな強張りを転がす。 「んふ…ん…ふぅん…」 弟の愛撫に未来の興奮が高まり、呼吸がどんどん荒くなっていく。キスのせいで口は塞がり、しかし 鼻息を悠貴にかけてしまうのが恥ずかしくて、未来は必死に息を詰めていたが、やがて堪らず、 未来は弟から唇を離すと首をのけ反らせて大きく喘いだ。「ふぁ…!」 はぁ、はぁ、と何度か大きく息を吸って呼吸を整えながら、未来は長いキスと柔らかな姉の身体の 感触に、ほわんとした表情をしている弟へと再び視線を戻す。 「悠貴…」 「お姉ちゃん…」 悠貴を見つめながら、未来の中で情欲の炎が揺らいだ。まだだ。この二年間の寂しさは、これくらい では全然埋まらない。もっともっと色んなことをしてほしい。色んなことをしたい…。 未来はほとんど何も考えないまま、腰を浮かして膝立ちになると、下着ごとパジャマの下を引き 下ろした。姉を見つめていた悠貴の視線が、露わになった未来の白く滑らかな下腹部と、まだ淡い ながらも艶々とした陰毛へと引き寄せられ、その口がぽかんとしたように開く。弟の視線を感じながら、 未来は膝を片方ずつあげて、せかせかとパジャマと下着を足から引き抜いた。 「お、お姉ちゃん…」 未来が下も全て脱ぎ捨ててしまうと、悠貴は彼女の顔へとゆっくりと視線を戻していった。姉の 秘密の部分を見てしまったせいか、動揺した面持ちだ。 「悠貴…お姉ちゃんをもっと触って…」 「う、うん…」 未来は訴えるような目で弟を見つめながら、彼の方へにじり寄った。悠貴も腰を浮かし、姉の方へ 身体を寄せる。そして二人は互いの肩を抱き合い、口付けを交わした。「んふ…ん…」と甘い鼻息を 漏らしながらくにくにと唇を擦り付け合いながら、二人はゆっくりとベッドに横になっていく。 「はぁ、あ、ん…ふぁ…」 キスをしながら、悠貴の右手がそろそろと未来の胸へと移っていく。そして姉の控え目な膨らみを 探り当てると、愛おしそうにそっと揉みさする。やがて、悠貴は唇を姉の口からそっと外し、顎、 そして首筋、鎖骨へと唇を這わせていき、最後に乳丘へと口をつける。なだらかな膨らみをきゅ、きゅと 軽く揉みしだきながら、乳肌にキスをし、舐め、乳首を咥えてちゅぱちゅぱと吸い立てる。そして そこの愛撫は口だけに任せ、悠貴は乳果を愛撫していた右手を、未来の柔肌を撫で擦りながら徐々に 下の方へと移動させていった。少しアバラの浮いた脇腹、きゅっとくびれたウェスト、腰…。 愛おしそうに姉の肌を撫で回すその手は、ほどなく張りのある太股へと辿りついた。悠貴は外の ほうから内腿に向けてゆっくりと手を這い進ませ、彼が股の付け根のあたりをさわさわと撫で擦ると、 その手の下で未来の太股の筋肉が緊張に強張る。 「あ…」 乳首をしゃぶられる快感と、ほどなく訪れるであろう一番大事な部分へのタッチへの期待と興奮、 そして恥じらいの気持ちに、未来はぶるっと身震いして、乳房を吸う悠貴の頭にぎゅっとしがみついた。 そしてそれを合図にでもしたかのように、悠貴は掌を姉の股間へ押し当てた。 「ん…」 悠貴は恥ずかしげに身じろぎする姉の秘所を、掌全体を使って撫で回した。ぷっくりとした淫唇や 柔らかな恥毛を、しゅっしゅっと繰り返し擦りたて、そして次第に中指を折り曲げてスリットに 食い込ませていき、秘肉の間で指を泳がせる。しっとりと湿り気を帯びた柔肉をくにくにくちゅくちゅと こね回し、勃起して皮のカバーの下から顔を覗かせたクリトリスを、指先でそっと擦り立てる。 「あ…悠貴…そこ…」 敏感な突起を触られ、未来は声を震わせながらもさらなる愛撫を弟にねだる。「ここ? ここが 気持ちいいの、お姉ちゃん?」 胸の蕾を口から放し、顔をあげて聞き返す悠貴に、未来は羞恥で顔を真っ赤にしながら、こくんと 肯いた。「うん、そこ…いいの…。もっと触って、悠貴」 姉に言われ、悠貴はその部分を集中的に弄り回した。指先で器用にクリトリスの包皮を捲って完全に 露出させると、しゅっしゅ、しゅっしゅと何度も指の腹で擦り、軽く押さえつけ、きゅっと摘まんでくりくりと 扱く。「はっ、あ…ふぁ…そこっ、いいのっ! 悠貴ぃ…」快感に腰をぶるぶる震わせて甘えた声を出す 未来に、悠貴は再び胸に顔を埋めて乳房や乳首を吸い回し、割れ目の中を何度も何度もなぞり上げ、 ちっちゃな淫核を指先でくすぐる。そして悠貴は、とろとろと蜜を滴らせている膣穴を探り当てると、 その中にゆっくりと中指を侵入させた。 「あっ…」 悠貴の指が胎内に入り込むと、未来の肩がびくんと跳ねて膣がきゅっと締まる。姉の反応に驚いた のか、悠貴は慌てて指を引き抜き、乳首を吸うのをやめて顔をあげた。「大丈夫、お姉ちゃん?」 「ん…平気よ…。続けて悠貴」 未来がふるふる首を振ると、悠貴はちょっと考える素振りを見せ、姉から身体を離してむくりと 起き上がった。そして未来の下腹部へ目を向けると、左手を伸ばして太股に置き、ぐいっと押しやる。 されるがままに、未来が身体を仰向けにして軽く膝を曲げて脚を広げると、悠貴は上体を屈め、姉の 股間にぐっと顔を近寄せた。ゆっくりと両手をそこへ伸ばし、姉の白く滑らかな下腹部に生えた、 薄目の恥毛の向こうに走る割れ目の両脇に指先をかけると、悠貴はくいっとそこを押し広げた。 中からしっとりと濡れた淫花が姿を現し、悠貴ははぁ、はぁと荒い息をつきながら、そこをじっと 見つめていたが、やがてスリットを広げるのを左手だけに任せると、右手をそっと姉の割れ目の内部へと はべらせていった。襞状の肉をくにょくにょと弄り、しこり切って皮のカバーの下から完全に姿を 現しているクリトリスを擦り、そしてさっき指を挿入しかけた秘口に指先を持っていき、再び指を 姉の胎内に潜らせる。 「あっ、あ…ん…」 未来は恥ずかしげに呻いて腰をびくっびくっと震わせながら、悠貴の指を受け入れていった。弟の 指が、胎内のぬるつく襞肉をさすりながら奥へ進んでくるのが、未来にははっきりと感じられる。 「あは…っ!」 弟に弄られるのが恥ずかしく、そして無性に嬉しく、戦慄にも似た高揚を覚えて未来は胸の下で腕を 組むと、ぶるるっと胴ぶるいをした。新たな蜜が分泌され、悠貴の指が嵌った秘口からとろりと垂れる。 悠貴は愛液の溢れる処女道に指を根元まで入れてしまうと、ゆっくりと指の抽送を始めた。ぐちゅ、 ぐちゅという湿った音をたてながら、うねる秘肉を掻き分け、膣壁を擦り立て、指をぐりぐりと捻って 中を掻き回す。割れ目をくつろげている左手も、指を器用に動かしてしこりきったクリトリスを擦り、 扱き立てている。 「お姉ちゃん…お姉ちゃんのここ…凄く綺麗…」 「あはっ、あっ…悠貴ぃ…ん、あ!」 姉の生殖器を弄り回しながら、悠貴がうっとりしたように呟く。愛しい弟に見られ、触られる悦びに、 あっという間に未来は官能に溺れていった。焦点の定まらない目で虚空を見つめながら、呂律が回らない 喘ぎ声を漏らしてぴくんぴくんと小さく身体を震わせる。そして我知らず腰をくねらせ、悠貴の指を より深くまで飲み込んでいった。姉の興奮が悠貴にも伝わったのか、指の出し入れが激しくなって、 秘口からはぐちゅぐちゅぬちゅぬちゅと、一段と大きな音が響く。 「はっ、あっ…あ、あふっ、んっ、あ…あっ、あひっ、あっ、んっ!」 弟の指の動きと共に未来の喘ぎ声のピッチはあがっていき、そして悠貴がきゅっと強く淫核を 摘まんだ瞬間、彼女はか細い悲鳴を漏らしてぐっと腰を突き上げた。身体の奥からとぷっと大量の蜜が 溢れ、秘肉が締まって悠貴の指をきゅうっと強く締め付ける。そしてわずかの間ぶるぶると腰を震わせた のち、未来はすぅっと身体を弛緩させ、お尻をベッドに下ろした。悠貴の指が秘口から抜け、後から 愛液がとろとろと流れ落ちていく。 「お姉ちゃん…?」 くたりとなった未来に、悠貴が心配そうに声をかける。未来はしばらくぼおっと天井を見上げて 胸を大きく上下させていたが、やがて大儀そうに身体を起こして、少しやつれたような笑顔を悠貴に 見せた。「良かったよ、悠貴…」 そして未来は悠貴に両手を差し伸べて肩を抱き、弟を抱き寄せるとそっとキスをした。そして唇を 合わせたまま、未来は弟を抱いて再びベッドに背中をつけていき、完全に横たわってしまうと静かに 唇を離した。 「ね、悠貴…。悠貴のおちんちん、ちょうだい…」 すぐ間近から、熱く潤んだ瞳で見つめられながら言われた悠貴は、顔を強張らせた。そしてぐびっと 喉を鳴らして、こくんと小さく肯いた。「わ、わかったよお姉ちゃん」 悠貴は立ち膝になると、パジャマの下とパンツを一緒に引き下ろした。自分からねだっておきながら、 未来は恐怖と恥ずかしさとで弟の性器を直視することができず、彼女は視線を泳がせて視界の端だけで、 悠貴の股間にそそり立った肉色の棍棒をチラ見する。 悠貴はそれを揺らしながら未来の太股を跨ぎ、脚の間に入ると、彼女の両脇に手をついて身体を重ねて いった。すぐに二人の身体に隠れて、未来からは弟のペニスは見えなくなったが、代わりに股間に ごりごりとした固いものが押し当てられるのを彼女は感じた。(あ…悠貴のおちんちん…当たって…) それは未来の割れ目の中を探るように上下に動いていたが、ほどなく膣口を見つけ出すとそこに固定 される。 「お姉ちゃん…ここ?」 「う、うん、そうだよ悠貴」 暫し二人はじっと見つめ合っていたが、やがて悠貴は思い切ったように腰を押し出した。 「ん…!」 太くて固いモノが、誰にも許したことのない処女道を押し広げ、中に入り込んでくる感触に、緊張と 恐怖、期待、歓喜、興奮…様々な想いが渦巻き、未来は悠貴の腕にすがりついた。緊張に強張る未来の 胎内を、悠貴はゆっくりと分身を進めていく。ずずっ、ずずっと、ゆっくりと、しかし確実に肉茎は 未来の中に飲み込まれていき、そしてほどなく、未来と悠貴は完全に一つにつながった。 「悠貴…」 はぁはぁと肩で大きく息をしながら、未来は熱く潤んだ瞳で弟を見つめた。アソコの中に、熱く逞しい 悠貴の存在を感じ、涙が溢れる。 「大丈夫お姉ちゃん、痛くない?」 女の子は初めての時は痛いというのをどこかで耳にしたのだろうか、悠貴が気遣わしげに訊いてくる。 弟の優しさと、そんな彼と一つになれた嬉しさで、未来はさらに胸を熱くした。 「ううん、平気だよ」 未来は涙をこぼしながらも笑みを浮かべ、かぶりを振った。実際、初めてなのに不思議と全然痛みは 感じない。彼女の中にあるのは、ただ愛しい悠貴と結ばれたことへの嬉しさだけだった。例え痛みを 感じたとしても、相手が悠貴だったら我慢できる…。 未来は弟の首に手を回して彼を引き寄せると、自分も顔を少し上げ、チュッとキスをした。そのまま 暫く唇を合わせてからそっと離れると、未来は弟に囁いた。「悠貴、動いて。もっと悠貴を感じさせて…」 「う、うん…」 悠貴は肯くと、ぎこちなく腰を動かし出した。ゆっくり、そっと、姉の中を探るように慎重にペニスの 抜き差しを繰り返していたが、次第にその速度は速くなっていく。ペニスの動きで未来の内部の粘膜が 巻き込まれ、そして捲りあげられて、彼女は恐怖とも興奮ともつかない、昂った声を漏らした。 「ひっ、あっ…」 「あ、あ…お姉ちゃん…」 悠貴も興奮を覚えているのだろう、上ずった声で姉を呼びながら、どんどん腰の動きを強めていく。 悠貴の分身が激しく膣壁を擦り立て、その先端が子宮口を突き上げ、打ち当る恥骨がクリトリスを 押しひしゃげさせて、未来の官能を苛烈なまでに掻き立てる。 「あっ、ひっ、ふぁ…ゆ、悠貴…っ」 未来は涙をぽろぽろ零しながら悦びの声を上げ、弟の肉棒を求めてはしたなく腰をくねらせた。 悠貴の分身がより深く、より強く胎内の奥へ打ち込まれ、痺れるほどの快感の波が全身に広がっていく。 「あっ、あっ、お、お姉ちゃん、お姉ちゃん…っ!」 「あっ、悠貴凄いのっ、悠貴っ、あっ、あっ…!」 弟の肉棒を貪るように激しく腰を振る未来に、悠貴が半分泣いているような声をあげる。応じるように 未来も弟の名を何度も何度も叫ぶ。「あぁっ、凄い…っ! 悠貴っ、悠貴…っ!」 「お姉ちゃん、お姉ちゃんっ!」 「悠貴、イっちゃう、イっちゃうよぉ悠貴ぃ…」 「お、お姉ちゃん…僕も、もう…!」 余りに激しい動きに、二人は数分と経たずに一気に昇りつめていった。迫りくる絶頂の予感に、 二人はぎゅっと目をつぶり、しっかりとお互いを抱きしめて、最後のスパートをかけるが如く、一層 激しく腰をぶつけあった。 「あっ、あ、お、お姉ちゃん…っ!!」 「悠貴、悠貴っ、あっ、あぁぁっ、あーっ!?」 そして身体の中で快感が弾け飛び、二人の背中がきゅーっと弓なりに反り返った。ぎゅっと押しつけ あった腰がぶるぶると震える。最奥まで突き入れられた弟の分身の先っぽから、熱いモノが子宮に 注がれるのを、未来はエクスタシーに霞む意識の片隅でぼんやりと感じていた。(あ…これって… 射精してるの? 悠貴…) 弟が自分の中でイった事に、未来は絶頂に打ち震えながら、うっすらと満足げに微笑んだ。 「……ん…」 朝の光がカーテンの隙間から差し込み始めた頃、未来はぼんやりと目を覚ました。そしてすぐ、昨夜の 出来事を思い出して顔を赤くした。(わたし…悠貴とエッチしちゃったんだ…) 「悠貴…」 未来ははにかみながらそっと顔を横に向けた。が、そこで寝ているはずの弟の姿はなく、彼女は 慌てて身体を起こした。「悠貴?」 弟を呼びながら、未来はベッドから足を下ろした。上の段に戻ったんだろうか? 「悠貴…?」 「!?」 そっと上のベッドを覗きこんだ未来の目が、愕然と見開かれた。そこにも弟の姿はなかった。いや、 それどころかベッドの中には毛布もマットもなく、ただ底板が剥き出しになっているだけだった。 うっすらと埃が積もり、もう長い間そのままの状態だったことが一目でわかる。 よろよろと後じさった未来は、はっとして悠貴の机へ目をやった。机の上は綺麗に整理されているが、 整理されすぎていて、まったく使用感がない。棚に並んでいる教科書は、よく見れば三年生の時のもの ばかりで、五年生の教科書は一冊として見当たらなかった。 「そん…な…」 真相を悟った未来は、ぺたんと床に座り込んだ。茫然と見開かれた瞳に、みるみる涙が溜まっていく。 「言ったのに…ずっとここにいるって…」 『泣かないで、お姉ちゃん』 だが、涙が零れ落ちそうになったその時、どこからか弟の声が聞こえた気がして、未来ははっとして 部屋を見回した。「…悠貴?」 『ちゃんとここにいるよ…』きょろきょろする未来の耳に、また微かな弟の声が聞こえる。『だから 泣かないで…』 「悠貴…」 思わず零れそうになる涙を、未来は歯を喰いしばって堪えた。ずずっと洟をすすり、パジャマの袖で 目の端に浮かんだ涙を拭うと、ふらりと立ちあがる。「うん…うん、そうだね…」 そうだ、この二年間、いつだって悠貴はそばにいてくれた。嬉しい時も悲しい時も、どんな時も。 だから、泣いたりして悠貴を困らせちゃいけない。悲しくて苦しくてたまらなくなったら、きっとまた 慰めにきてくれる。夕べのように。だって悠貴は優しいから…。 未来はそっと窓に近寄ると、閉まっているカーテンを掴んだ。窓の外に、にこにこ笑っている悠貴が 見えるような気がして、彼女は勢いよくカーテンを引き開けた。眩しい朝日に思わず腕で目をかばい、 それからそっと腕をどけると、未来は窓の外を見やった。 …そこには、普段と変わらぬ街並みが広がっているだけだった。だが、窓から差し込んできた朝の 真っ白な光は、まるで悠貴のように暖かく、そして優しく未来を包みこんだ。 おしまい ※おまけ 「……ん…」 朝の光がカーテンの隙間から差し込み始めた頃、未来はぼんやりと目を覚ました。 そしてすぐ、昨夜の 夢を思い出して顔を赤くする。(わたし…あんなエッチな夢を…)あの地震からもうすぐ二年、悠貴の 三回忌も近い。きっとそのせいだろう。それにここのところ、テスト勉強も大変だったし…。 「ふぅ…」と溜息をついてふと横に顔を向けた未来は、そこで弟の寝顔と出くわし、跳ね起きた。 「うきゃぁっ!?」 「……ん…?」 未来の奇妙な悲鳴に悠貴も目を覚まし、目を擦りながらのそりと身体を起こした。「おはよう、 お姉ちゃん」 「な、な、な…」照れ臭そうな顔をして挨拶をする悠貴に、未来はわなわなと震える指を突き付けて 喚いた。「なんであんたそこにいんのよっ!?」 「なんでって…」悠貴が不思議そうな顔をする。「昨日お姉ちゃんが一緒に寝ようっていうから…」 「へっ? えっ? いやそうじゃなくて…えっ?」未来の顔が赤くなり、次いで青くなった。 「あ、あれって夢じゃなかったのっ!?」 「お姉ちゃん、まだ寝ぼけてるの?」 困ったように笑いながら悠貴が言う。そして彼は頬を赤らめ、上目遣いで姉を見つめた。 「そしたらお姉ちゃんが僕にキスして、それから…あれってセックスって言うんだよね、僕知ってるよ。 セックスってすごく気持ちいいんだね、またしようねお姉ちゃん」 「ひ、ひぃぃぃぃぃ、やめてやめて、言わないでっ!」 興奮気味に早口で言う悠貴に、未来は小さな悲鳴をあげると、青くなっていた顔をまた赤くさせた。 目をぐるぐるさせて両手で耳を塞ぎ、喚き立てる。 「だってはいはいどうせ夢でしょってそれでわたしせっかくだからあんたとそんでだから○×△□……」 「ホントに変なお姉ちゃん」 朝の真っ白い光が差し込み始めたベッドの中、支離滅裂なことを言いながら、目まぐるしく顔色を 赤くしたり青くしたりしている姉を、悠貴はにこにことしながらずっと眺めていた。 おしまい
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「おねえちゃん、あのね……」 「なに、悠貴?」 後ろから声をかけられ振り向いたら、悠貴がぎゅっと背中のあたりに手を回して抱きついてきた。 思ったよりも力が強くて、引きはがしてもすぐにギュッとされるのを繰り返していた。 「ちょっと悠貴! 怒るよ!」 「えへへ~、おねえちゃあああん」 「離しなさいよ! おかあさあああん!」 「未来、喧嘩しちゃ駄目よ。 お父さんがそろそろ帰ってくるんだから」 悠貴は私の肩辺りに、あごを乗せて頭をグリグリとすり寄せてきた。 「くすぐったい~! コラ!ちょっと、悠貴ったら!」 「おねえちゃん、大好き!」 「何よ!頭でもぶつけたの? ちょっと! おかあさーん!」 「仲良くしなさい、ほら、未来も手伝って」 「無理、悠貴が、もう!」 力を抜いた瞬間、悠貴に裏返されてチュー……って何やってるのよ! 悠貴お酒くさい! 「お母さん!悠貴お酒飲んじゃってるよ! もう~、離してよ~」 「悠貴! ああ、お父さんのチューハイ飲んじゃったのね。 こっちにはビールの……」 悠貴は私を抱きしめたまま眠ってしまった。 翌日、二日酔いから目覚めた悠貴はなぜかニコニコしていた。 何かいい夢を見ていたみたい。 ……ああ、何で弟とあんな! もう、お願いだから忘れててよ! おわり
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夏休み初日の朝。まだ7時にもならない時間に、悠貴は既に目を覚まして早々に着替えを済ませ、 机に座っていた。彼は少し退屈そうに、視線を窓の外に見える、朝日に照らされた東京タワーに向けて いる。今日は母に頼んでロボット展に連れていってもらうつもりだったが、興奮しすぎたためか随分 早くに目が覚めてしまい、いささか暇を持て余しているところだった。同室の未来は二段ベッドの下で カーテンを閉めたまま、まだ眠っている様子だ。両親もまだ起きていないようで、家の中はシンと 静まり返っている。 「お姉ちゃん、起きて。なんかして遊ぼ!」 一人っきりなのに耐えられなくなった悠貴は、姉に声をかけたが、返事はなかった。 「ねえ、起きてよぉ…」 悠貴はベッドの脇までいき、もう一度カーテン越しに姉に声をかけるが、やはり返事はなかった。 「お姉ちゃん?」 常々、勝手に開けるなと言われてはいたが、悠貴はそぉっとカーテンを開けて中の様子を伺った。 ベッドでは、ピンクのパジャマ姿の未来が、ぐーすかと軽いいびきをかき、仰向けで軽くバンザイを するような格好でぐっすりと眠っていた。しまりなく開いた口の端からは、タラリと涎が一筋垂れ、 脚はがばっと大きく広げられ、パジャマの上はおへそまでめくれあがっている。寝る時に身体にかけて いた薄手のブランケットは、暑かったのか邪魔そうに跳ねのけられて、ベッドの脇で丸まっていた。 「ねえお姉ちゃん」 乙女らしからぬ寝相の未来を、悠貴は肩を掴んで軽くゆすったが、それでも彼女はまったく起きる 気配がない。ふと見ると、ベッドの脇に、未来のお気に入りの黄色いクアンパのぬいぐるみとともに、 ケータイが置かれている。きっとベッドの中で夜遅くまでケータイをいじっていたのだろう。 「もぉ…」 ケータイ星人なんだから…。不満げに溜息を漏らした悠貴は、困ったように、未来のしまりのない 寝顔を見た。一緒にロボット展にいきたいのに、ちゃんと起きてくれるかなぁ…。 (そうだ…!) だが、未来の寝顔を見ていた悠貴が、ふと丸出しになっている未来のお腹に目を留め、その顔に イタズラっぽい笑みを浮かべた。(くすぐっちゃえ…) 悠貴はベッドの横で立ち膝になり、人差し指を立てると、丸出しになっている未来のお腹に近付けて いき、そっと脇腹を擦った。未来の寝顔にほとんど変化はなかったが、お腹だけがびくっ、びくっと 痙攣するように波打ち、悠貴は可笑しくてクスクスと笑いを漏らした。 (ここはどうかな?) 悠貴は次に姉のちっちゃなおヘソへ指先を持っていった。そこへ指先をそっと潜らせると、未来の 腹筋がぐぐっと強張った。さらに爪先で底をかりかりと軽く引っ掻くと、くすぐった時のように びくびくとお腹が震えるが、やはり目を覚ます様子はなく、悠貴は姉の震えるお腹と、表情を変えない 寝顔とを、愉快そうに代わる代わる眺めた。 (ようし…) 未来をくすぐっていた悠貴の目が輝いた。彼のその目は、小さく上下している未来のなだらかな胸に 向けられる。(おっぱいつついたらどうなるかな?) その思いつきに悠貴はクスクスしながら、くすぐっていたおヘソから指を離すと、自分に近い方の 未来の右胸の上へと持っていった。そして一度息を吸うと、パジャマに包まれた小さな膨らみに指先を 押しつけた。(えい!) くにゅっ (!?) その瞬間、悠貴はまるで熱いものに触れでもしたように、さっと指を引っ込めた。柔らかい…。 思いもしなかった姉の胸の柔らかさに、悠貴はどぎまぎとしながら、姉の乳房をつついた指先を 見つめた。お姉ちゃんのおっぱい、こんなに柔らかいんだ…。 悠貴はしばらくの間、今触ってしまった未来の胸と指とを交互に見比べていたが、やがてそろそろと、 その指を再び未来の胸へと持っていった。 つん… 恐る恐るといったふうに、悠貴はもう一度未来の胸をつついた。パジャマ越しに柔らかい膨らみの 感触がはっきりと伝わってきて、悠貴は生唾を飲み込んだ。つんつん、つんつん、と悠貴は二度三度と 未来の微乳を繰り返しつついた。指先を押し返してくるもっちりとした弾力に、悠貴は「わぁ」と 驚きと感動の入り混じった表情を浮かべる。悠貴はさらに何度かつんつんとそこを突いていたが、 やがて手を開くと、姉の膨らみにそっと押し当ててみた。 (うわぁ…) 掌いっぱいに柔らかい膨らみが伝わって来る。悠貴は胸をドキドキとさせながら、さらにそっと 掌で未来の乳房を撫で転がしたり軽く握りしめたりして、その柔らかさを味わった。 未来の胸をさすりながら、悠貴はそっと姉の寝顔を伺った。大きく開けられていた口が閉じられ、 どことなく切なげな表情になったような気がするが、相変わらず起きる気配はない。悠貴は未来の胸に 視線を戻し、しばらく慈しむようにそこを撫で回していたが、やがて彼はその手を止めると、両手を ベッドの横枠に乗せ、じっと姉の寝顔を見つめた。 (お、起きないよね…?) 悠貴はベッドの枠越しに腕を伸ばし、未来のパジャマの前に両手を持っていった。唇を戦慄かせ ながら、悠貴は一番上のボタンに手を掛け、こっそりと外し始めた。一つ、二つと、緊張に震える 指先でもどかしそうに外していき、やがて悠貴は全てのボタンを外し終えると、そこで一度大きく 息をついてから、パジャマの前をそっと引き開いた。 (わぁ…) 未来はブラジャーも肌着も着けておらず、パジャマの下からはすぐさま膨らみかけた乳房が姿を現し、 悠貴は息を飲んだ。白い小さな膨らみの先端では、ピンクがかった薄茶色の乳輪が、寝息に合わせて 小さく上下している。ちょっと前までは一緒にお風呂に入っていて見慣れていたはずなのに、その時 よりほんのちょっと膨らみ始めているだけの姉の乳房が、今はなんだか眩く感じられる。 悠貴は立ち膝になってベッドの横枠に手を掛けた格好で、しばらくの間未来の白い胸を眩そうに 見つめ、それからそっと、さっきパジャマの上から触っていた右側の膨らみへと手を伸ばし、そこに ぴたりと押し当てた。 (…!) 掌に姉の乳房の感触を感じた瞬間、悠貴は短く息を吐いた。パジャマの上から触ったよりもずっと 柔らかくて暖かく、なによりもすべすべとした乳肌がなんとも艶めかしく心地よい。未来の乳肉の 愛らしい手触りに、悠貴はしばし陶然としていたが、やがてそっと手を動かし、そこを撫で擦り始めた。 乳果を軽く押さえながら、ゆっくりとこねるように掌を回してみる。時々その柔らかな膨らみを そっと握りしめ、掌にこつんと当たる小さな乳首を、指先できゅっと摘まんで…「ん…」 「はっ!?」 その時、乳蕾を弄られた未来が小さく呻いて微かに身じろぎをし、悠貴は弾かれたように姉の 乳房から手を離した。興奮でドキドキしていた心臓が、今度は驚きでドキドキし始める。悠貴は凍り ついたようになって姉を見つめていたが、未来は目を覚ますようなことはなく、それっきり、また 穏やかな寝息を立て始めた。 (びっくりした~) しばらく金縛りにあったように身じろぎ一つしないで立ち尽くしていた悠貴だったが、姉が目を 覚まさないとわかると、ようやく緊張を解き、まだばくばくとしている胸へ手をやって、ほっと 安堵の息をついた。もうこんなことやめよう。すぐ怒るし。それでロボット展に一緒に行ってくれなく なったら困ってしまう。 悠貴は、引き広げた未来のパジャマの前を掴むと、そっと閉じ合せようとした。しかしそこで、 悠貴は微かに上下する剥き出しの乳房に目を奪われ、両手でパジャマを掴んだまま動きを止めた。 白く小さな二つの膨らみと、その頂点の愛らしい薄桜色の突起を、悠貴はしばしの間、魅入られた ように見つめていたが、やがて掴んでいたパジャマをぱさりと手離した。 (もうちょっと…もうちょっとだけ…) 悠貴は未来の身体の上に身を乗り出すようにして、右手を奥の方にある未来の左側の乳房へと持って いった。先刻のようにそちらの肉果をさわさわと揉み始め、さらに左手をこちら側の乳丘に置き、 悠貴は姉の両方の膨らみを弄り回した。きゅむきゅむ、ぷにゅぷにゅと揉みにじり、さすり回し、 そして指先で乳輪や乳首をそっと擦り、摘まんでみる。 「ん…」 「!?」 悠貴が未来の乳首を指先で扱いていると、未来がまた小声で呻いて身動きし、悠貴のその手は ピタリと止まった。だが、さっきのように慌てて離れたりはせず、乳丘に乗せた手はそのままで、 警戒したようにじっと未来の寝顔を伺う。その頬は微かに赤らみ、少し顔をしかめて寝苦しそうな 感じにしているが、それでも目を覚ます気配はなさそうだった。 まだ起きそうにない、まだ大丈夫…。 再び悠貴の手が動き始めた。滑らかな乳肌をそっと撫で、乳果をやわやわと軽く揉みしめ、乳蕾を 指先で押さえて転がす。 「ん…あ…」 乳首を弄られる未来が小さく身じろぎして吐息を漏らすが、悠貴はもう手を休めることなく、姉の 胸を触り続けた。温かくて柔らかい密やかな膨らみと、その先端の小さな突起を、手で、指で、 余すことなく味わう。悠貴に弄られているうちに、未来の少し茶色がかった薄桃色の乳輪はぷっくりと 膨らみ、先端の突起はツンと尖り始めた。 「んふ…ん…」 次第に熱っぽさを増す未来の吐息を聞きながら、悠貴はコリコリとしてきた乳首をさらに執拗に こね回した。乳房を撫で擦り、軽く握って勃起した乳頭を突き出させると、先端を軽く摘まんで くりくりと扱き、引っ張り、逆に指先で乳輪に押し込んだり、掌で擦るように転がす。そして、手で 弄るだけでは我慢しきれなくなった悠貴は、姉の胸に顔を近寄せると、自分に近い右側の乳首に そっと口をつけた。 「ふぁ…ん…っ」 未来の背中がびくっと震え、一段と大きな喘ぎが漏れた。しかし、まだ目を覚まそうとはしない。 ちゅくっ、ちゅくっと微かな音を立てながら、悠貴が未来の乳首を吸い始めても、未来は眠ったまま、 ただ、微かな喘ぎを漏らし、時折ぴくっ、ぴくっと小さく身体を震わせるだけだ。 (お姉ちゃん…いい匂いがする…) 未来の甘い体臭が、悠貴の鼻をくすぐる。姉の匂いを胸一杯に吸い込みながら、悠貴は胸蕾を 吸い立て、舌で乳輪や乳頭を舐め転がした。向こう側の乳丘に置かれた右手は、さわさわとその小さな 膨らみを揉みしだき、固くなった先端の突起をくりくりと扱き立てている。 「はっ、あ…う…ん…」 未来の喘ぎが強まり、はぁ…はぁ…と寝息も荒くなってくる。頬ははっきりと紅潮し、肌がじっとりと 汗ばみだしていたが、決して部屋が暑いせいではなかった。 「ふぅ……」 やがて、未来の乳首を存分に味わった悠貴は、そこからそっと口を離した。自分の涎でべとべとに 濡れ光り、強く吸われたせいで色味を濃くした乳首を少し潤んだ瞳で見つめ、それから未来の顔へと 視線を移した。頬が上気して寝息も乱れているが、未来はまだぐっすりと眠っている。 (まだ起きないや…) 別に起こすつもりでやっていたわけではないし、むしろ目を覚まされたら困るところだが、これだけ 身体を触ってもまだ起きそうにない未来に、悠貴は少し呆れたような顔になった。でも… (だったらもうちょっと…大丈夫だよね?) これなら、もうちょっと身体を触ってもきっと起きたりしない。悠貴は自分にそう言い聞かせながら、 胸が剥き出しになった姉の寝姿を眺めた。その目は、寝顔から剥き出しの乳房に、それからお腹へと ゆっくり移り、そして最後に、太股の間のデルタ部分に留まった。一年くらい前までは一緒にお風呂に 入っていたこともあって、パジャマの下には一本の縦スジがあることは悠貴も知っている。だが、 しっかり見たことはなかったし、もちろん触ったことなど一度もない。女のコの…お姉ちゃんの アソコって、どんな感じなんだろう…。 さらなる好奇心に突き動かされた悠貴は、緊張した面持ちで、恐る恐る未来の股間へと手を伸ばして いった。 悠貴は未来の股の間に差し込むようにして、性器の上のあたりにぺたりと右手をつけた。ちらりと 姉の寝顔に視線をやり、その程度では目を覚ましそうにないと見ると、緊張していた顔が緩んで、 わくわくとした表情に変わる。そして悠貴は掌全体を使い、未来の股間をパジャマの上からゆっくりと 擦り始めた。掌に微かに感じる、パジャマの下の形状に意識を凝らし、すっ、すっ、と手を前後させ、 やがて掌床を浮かして揃えた指の腹で、そして最後には中指だけで、股間の真ん中にある、割れ目の あたりをすりすりと何度もさする。 悠貴は指先にわずかに力を込めた。中指がパジャマと下着ごと割れ目の中に押し込まれ、そのまま 指先を前後させると、パジャマが割れ目の形に食い込んでいく。 「ん…ふ…」 「あ…」 と、未来がどことなく悩ましげな吐息を漏らして脚をもぞりと動かし、悠貴は慌ててそこから指を どけた。しかし未来はそれっきり動かず、悠貴はほっと胸を撫で下ろした。まだもう少し触って いたい…。悠貴は再度姉の股間に手をやろうとしたが、ふと考えが変わってその手を止めた。パジャマの 上からなんかじゃなく、直に触ってみたい。そして直に見てみたい…。 悠貴は未来の寝顔に目をやり、ぐっすり眠っているのを確かめると、そおっとパジャマのズボンの 両脇に指を差し入れた。 胸をドキドキさせながら、悠貴が未来のズボンをそろそろと引っ張り下ろしていくと、前に小さな カエルのワンポイントのついた、純白のパンツが現れた。悠貴はその腰のところにも指先を入れ、 パジャマと一緒に引き下ろしていく。(…あれ?) だがすぐに、未来の太股の付け根、いわゆるVラインの上端が見えたあたりで、パジャマと下着は お尻に引っ掛かって動かなくなってしまった。悠貴は下着のゴムが伸びそうになるほどぐいぐいと 引っ張り、無理矢理脱がそうとするが、なかなかうまくいかない。 「う…ん…」 しかしその時、下着が腰に食い込むのがくすぐったかったのか、未来が腰をよじってお尻を浮かせ、 悠貴はその一瞬の隙を逃さず、ずるりとパジャマと下着をずり下げた。 「あ…!?」 パジャマと下着は一気に太股まで下げられ、未来の下半身が丸出しとなった。その光景に、悠貴の 心臓が激しく跳ねあがった。未来は軽く両膝を曲げて股を広げた格好で寝ていて、悠貴が見たかった 肉の割れ目を、惜しみなくさらけ出していた。さらにそこには、悠貴が思ってもみなかったものまでが、 一緒に姿を晒していた。 (お姉ちゃん、毛が生えてる…!) 割れ目の上部にうっすらと生え始めていた産毛に、悠貴は心の中で茫然としたように呟いた。乳房の 膨らみと同様に、それも以前一緒にお風呂に入っていた頃にはなかったものだ。下着とパジャマを 脛のところまで下ろしていきながら、悠貴はしげしげと姉の肢体を眺め回した。膨らみかけた胸と、 生え始めた恥毛…。昨夜「子供のくせに」と言われて、自分だって子供じゃんと小声で言い返したが、 悠貴はそれが間違いだったと知った。自分の知らない間に、姉はオトナになっていたのだ。 悠貴はオトナになった…なり始めた未来の身体を上から下までじろじろと眺めながら、彼女の腰の横 あたりに戻って跪くと、一番の目的だった秘裂へと視線を定めた。そしてそこに向けてそろそろと右手を 伸ばしていったが、寸前でどうしても躊躇われ、代わりにすぐ脇の内腿にそっと触れた。一瞬、広げて いた脚がびくんと閉じられ、悠貴の手を挟みこんだが、すぐに力が緩んで、自由に手を動かせるように なる。悠貴は張りと弾力のある姉の太股の肌をさわさわと撫でながら、徐々に股間へ手を近付けていき、 やがて意を決すると、割れ目を覆うように静かに手を置いた。 中指の腹に、股間の中央を走る溝を感じ、悠貴はぐびっと喉を鳴らした。下腹の肌はわずかに 汗ばんでしっとりとし、掌底のあたりには、さらさらした柔らかい産毛の感触がある。 悠貴は呼吸を整えるかのように二、三度大きく息をついてから、パジャマの上からしていたように、 掌全体を使ってそこを撫で始めた。割れ目が全て見えるくらいにまで手を引き、そして全てが隠れて しまうまで股の間に差し込み、大きくすっすっと手を前後させる。掌をくすぐる、萌え始めたばかりの 柔らかな恥毛や、ぽってりした陰唇やその間のクレヴァスの感触を楽しみながら、すっ、すっ、すっ… と何度かさすり、悠貴はさらに思い切って、指先を曲げて割れ目の中に忍び込ませた。 指先に、しっとりとした柔らかい肉の感触を感じる。悠貴はその柔肉をなぞりながら、割れ目の中で 指先を上下に動かした。 「う…ふ…んっ…」 淫肉を弄られる未来が、眠ったまま深い吐息をついた。腰がもじもじと動くが、悠貴は構わずに、 姉の媚肉をくにくにとこね回す。そうして悠貴は、しばし未来の中にある襞状の柔らかな肉の手触りを 楽しんでいたが、おもむろにそこから指を外すと、秘唇の脇につけ、左手も伸ばして反対側の脇に つけ、割れ目をくぱっと引き開けた。 (うわぁ…) 未来の秘密の割れ目の中から、薄桃色の花びらのような襞肉が姿を現し、悠貴の目が真ん丸に 見開かれた。(凄いや…) 悠貴は上から覗き込むように上体を屈め、広げた肉唇の内側をつぶさに眺めた。さっき指先に感じた、 いかにも柔らかそうな薄桜色の襞状の肉が、ひくひくと風に揺れる花びらのように揺れている。その 合間の下の方に、きゅっと窄まった穴があり、とろりとした液体が涎のように垂れていた。汗とはまた 違った、甘酸っぱい女の香りが微かに立ち昇って、悠貴の鼻腔を満たしていく。 (お姉ちゃんの中ってこんなふうなんだ…) 姉の美しい生殖器を眺めているうちに、悠貴の胸のドキドキは強まり、ペニスがなんだかむずむずと 疼いて、彼は腰をもぞもぞとさせた。下半身からこみ上げてくる衝動の赴くまま、悠貴は右手を 肉門から離して左手だけにそこを任せ、内側の襞肉にその指先をはべらせた。 しっとり湿った柔軟な秘肉は、悠貴が軽く押しただけでくにゅりと形を変える。悠貴は秘花を 指先でくにくにとこね回したり花弁の奥の粘膜をつつっとなぞり、クレヴァスの中にくまなく指を 這わせていった。そして悠貴は、愛蜜をたたえる処女口を捉えると、溢れる秘蜜を掬い取るように その入口の周りを何度かさすってから、ゆっくりと指を膣の中に潜り込ませた。 「ん…っ…」 未来が眠りながら小さく呻き、びくんと腰を震わせた。その寝顔は、なんだか寝苦しそうに眉根が 寄せられている。悠貴は姉を起こさないよう慎重に、きつく締まった秘道の中にそっと指を潜らせて いき、第一関節くらいまで入り込んだあたりで、柔らかな粘膜が盛り上がって狭くなっている箇所に 突き当って動きを止めた。未来の処女の証だ。それの意味することはわからなかったが、悠貴は より慎重に、肉洞を押し広げるように指をくねらせながら、さらに奥へと進ませていった。 そしてついに悠貴は根元まで挿入を果たすと、蜜に溢れた胎内を探るように、静かに指先で膣壁を 擦り始めた。ぬちゅ、ぬちゅという微かな水音を響かせ、指はぬるつく膣内の隅々まで、余すことなく 弄っていく。まだ中一で男を知らない未来の狭い処女道だったが、小3の悠貴の小さな指は、たいした 抵抗もなく彼女の中を動き回った。 「ん…ふ…あ…」 身体の奥深くをくすぐられ、未来がまた小さく喘いだ。悠貴の指に内部の襞々を丹念に擦り上げられる うち、眠りながら愉悦の波に襲われ、頬が赤く上気していった。 「は…うん…あ…ふ…」 未来の口からは、喘ぎが次々と漏れていく。しかしそこには、はっきりと甘い響きが混じり始めて いた。険しかった寝顔は次第にとろけたように緩み、小さな胸丘は荒くなりつつある呼吸にあわせて 大きく上下している。白かった胸は、頬っぺと同じようにほんのり赤味を帯び、その美しさをいや増して いた。 (……) 未来の性器を弄りながら、時折ちらちらと彼女の寝顔を伺っていた悠貴の目が、その胸に留まった。 吸い寄せられるように、悠貴は未来の生殖器を弄る手は休めずに、姉の乳房へと顔を近付けていった。 「んふっ…あ…」 悠貴が再び乳首を咥えてちゅうちゅうと吸い始め、性器と乳房を同時に責められた未来の喘ぎが 強くなっていく。「あ…は…ぁ…んっ…あっ…あ…」 切なげに喘ぎながら、未来は悠貴の指を求めるように、腰を緩やかに動かしだした。胎内では媚肉が うねうねと蠢いて、そこを探る指をきゅっきゅっと甘やかに締めつける。新たな愛蜜が奥からトロトロ 溢れてきて、指と腰の動きにあわせて起きるぐちゅぬちゅという淫らな水音が、いっそう大きくなって きた。それに伴って性臭も一段と強まり、全身にじっとりと浮かんだ汗の臭いと混じって、乳首を しゃぶる悠貴の鼻にまで届き、悠貴の股間をますます固くさせる。 (どんどんぬるぬるしてくる…) 姉の甘い体臭を感じつつ、悠貴は蜜でしとどに濡れた秘道を夢中になって弄り回した。じゅぷっ じゅぷっと指を抜き差しし、根元まで突き入れてぐりぐりと掻き回す。柔肉は熱く火照って、 締めつけられる指が火傷しそうなくらいだ。 (……) 未来の性器を弄りながら、悠貴は居心地悪そうに腰をもぞもぞと動かした。悠貴の分身は完全に カチカチになり、ズボンの前が突っ張ってなんとも納まりが悪く、いつしか彼は、我知らずベッドの横に 股間を押し付けだしていた。 「あっ…ん…ふぁ…あ…ん…っ…」 「はぁ、はぁ…んっ!?」 部屋の中に、未来の喘ぎ声に混じって悠貴の小さな喘ぎも響き始めた。ペニスをぎゅっと押し付ける たび、悠貴は得も知れぬ気持ちよさを覚え、姉の乳蕾をしゃぶる合間に溜息のような声を漏らす。 (あ…おちんちん…なんだか…) それはペニスの強張りを鎮めようとしての行為のはずだったが、いくら擦りつけても一向に落ち着く 気配はなく、逆に強まっていってしまう。込み上げる快感に目尻にうっすらと涙を浮かべ、悠貴は 姉と共に切ない喘ぎを漏らしながら、未来の柔らかな身体を貪るように弄り回した。 「ふあっ、あ…ん…はっ、あ…っ、あぁっ!?」 そして悠貴が何度目かに指を最奥まで突き入れた瞬間、未来が小さな悲鳴を漏らし、わずかに腰を 浮かしてびくびくと身体を痙攣させた。淫肉が引き絞られて、挿入されている悠貴の指を痛いくらいに ぎゅっと締めつけてくる。 (お、お姉ちゃん…?) 眠ったままで軽い絶頂に達した未来を、悠貴は膣に指を突っこんだまま呆然と見つめていた。女性の 絶頂など、見るのはもちろん、そんな現象があることすら知らない彼は、切なげな顔をしてひくひくと うち震えている未来に、何が起きたのかわからずただただ驚くだけだ。 「あっ、んっ…あ…」 やがて、未来の痙攣と声は鎮まっていき、浮かしていた腰がベッドに沈みこんだ。悠貴の指の 締め付けも緩まり、彼は姉の生殖器から指を引き抜くと、愛蜜でどろどろになった指をぼんやりと 見つめた。 (凄い…お姉ちゃん…) 悠貴の目が、未だひくついている淫花に、それから未来の全身に向けられた。まだ完全に絶頂の 余韻は引いていないらしく、胸は大きく上下し、寝顔には悩ましげな表情が浮かんでいる。一方で、 全身の筋肉は弛緩し、汗ばんでしっとりとなった白い肌と相まって、まるで溶け出しているようにも 見える。何が起こったのかはわからない。わからないが、悠貴にはしどけない寝姿の姉は、いっそう 大人っぽく感じられた。 艶やかな姉の肢体を眺めながら、悠貴は再び腰を動かし、固くなった肉棒をベッドの横に擦りつけ 始めた。が、すぐにその動きは止まっってしまった。こんな固い木枠なんかではなく、目の前の、この 柔らかな姉の身体に押しつけたら、きっともっと気持ちいいはず…。 「はぁ、ふぅ、はぁ…」 抗いがたい衝動に、悠貴はふらっと身体を起こすと、緊張に震える指をズボンの前に掛けた。 もどかしそうにボタンを外し、チャックを下ろすと、ズボンをパンツごと一気に脱ぎ捨てる。窮屈な 下着から解放されたペニスが、黄緑色のシャツの裾の下からぴょこっと頭をもたげた。 下半身を丸出しにした悠貴は、そっとベッドにあがると、未来の脚の間へと入り込んだ。悠貴は ハァハァと大きく息をしながら、胸をはだけ、下半身を丸出しにしている姉に、熱っぽく潤んだ瞳を 向ける。広がった脚の間で、悠貴を誘うように割れ目がわずかに口を開け、内側の秘花をちらりと 覗かせていた。とろりとした透明な粘液を滴らせている膣口も、微かに姿を見せている。 (まだ起きないで、お姉ちゃん…) 悠貴は心の中でそう祈りながら、未来の膝の裏を持って脚をM字にすると、ゆっくりと姉の身体に 覆いかぶさっていった。脚を押さえていた手を離して、未来の両脇につけて身を乗り出す。そして腰を 突き出し、いきり立った陰茎を肉唇に咥えさせるような形に押しつけると、悠貴はゆっくりと腰を 前後させ、ペニスでスリットを擦り始めた。 カチカチになった陰茎に、濡れた肉唇や初々しい柔肉がぺとりと張り付き、ずずっ、ずずっと這い 進む。ぞくぞくと身震いしたくなるような快感が下腹部からこみ上げてきて、悠貴は繰り返し肉棒で スリットを擦りたて、時折先端を押し付けて濡れた秘花をこね回し、ペニス全体で姉の秘部を味わった。 「ん…はぁっ…ん…あ…」 固くなったペニスが、未来の敏感な肉芽を包皮の上から擦りたて、彼女は再び甘い響きの混じる 喘ぎを漏らし始めた。眠ったままで悩ましげに首を振り、くすぐったそうに腰をもぞもぞと動かす。 「ん…ふ…あ…んっ…ふぁ…」 「はぁ…あ…お姉ちゃん…」 悠貴は目をとろんとさせながら、腰をかくかくとぎこちなく動かして、必死に姉の股間にペニスを 擦り続けた。思った通り、すごく気持ちがいい。未来が身じろぎすると、イレギュラーな刺激が生じ、 さらに快感が募っていく。 「はぁっ、はぁっ、あっ…お姉ちゃん…はっ、あ……」(あ…ここ…) ペニスの先端に、割れ目の中の窪んだ部分を感じ、悠貴はそこを探るように亀頭で軽くつついた。 さっき指を入れていた穴だ。悠貴の脳裏に、熱く濡れた柔肉が指をぐいぐいと締めつけてくる感触が、 ありありと蘇ってくる。ここにおちんちんを入れたらどんな感じだろう…? 「はぁ、はぁ…」 悠貴は下腹部を見やりながら、ペニスの先端に意識を集中させてその穴の中心と思しき場所を探り 当てると、ペニスの先っぽを固定した。こんなことをしたら起きてしまうかもしれないと、そこで わずかに躊躇したが、股間の昂りと好奇心を抑えることはできなかった。悠貴は心臓を破裂しそうなほど ドキドキさせながら、そっと腰を突き出していった。 ちゅぷっ…と、亀頭が膣口の中に潜り込む。姉を起こさないよう、悠貴はゆっくり、ゆっくりと腰を 進めていく。「う…うん…」狭量な処女道をこじ広げながら、亀頭がずずっ、ずずっと胎内に押し入って くる感触に、未来が小さく呻いた。寝苦しそうに、眉間に皺が寄せられる。 あとちょっと、まだ起きないで…。そう願いながら悠貴がさらにペニスを侵入させていくと、肉胴が 半分近くまで入ったところで、その先端が先ほど指で探った時に感じた、一段と狭くなった場所… 未来の処女膜に突き当たった。 「んっ…」 だが、悠貴がぐっぐっと何度か力を込めると、まだ幼く小さなペニスは、いとも容易くずるりと奥に 入り込んだ。痛みを感じたのか、未来の片膝がぎくんと曲げられ、膣がきゅっと締まったが、すぐに 力は抜けていく。そして悠貴はさらにペニスを奥へ押し進めていき、やがて彼は、完全に未来と繋がる ことに成功した。 (あ、ぜ、全部入った…) 姉の熱く濡れた秘肉にペニスを根元まですっぽりと包まれ、悠貴は感激したように心の中で呟いた。 まだ幼いとはいえ、それでも陰茎のほうが指よりは二回りほども太く、痛いほどに勃起していることも あって、指を入れていた時よりもずっときつく感じられる。ひくひくと蠢く柔らかい肉が、ペニスを ぎゅっと締めつけ、まるで手で握られているようだ。 「ん…う…ん…」 未来がまた重苦しい吐息を漏らした。処女喪失の微かな痛みと、まだ狭い処女道に悠貴の分身が ずっぽりと嵌り込んでいる圧迫感とで、その寝顔は微かに歪んでいる。だが、弟に処女を奪われて しまったことには全く気付く様子もなく、未来は未だ眠りこけたままだった。 姉がまだ目を覚まさないのを見て、悠貴は未来の膣壁に擦りつけるようにして、そろそろとペニスを 前後に動かした。 「ん…」 悠貴の口から溜息が洩れる。ぬるつく柔らかな襞肉が肉胴を擦っていく感触が、言いようのないほど 心地いい。ベッドや、割れ目に擦りつけているよりも何倍も…。悠貴は興奮気味に、しかし姉を 起こさないようにそっと、二度三度とペニスを抽送した。股間からじんわりと込み上げる快感は、 肉棒を動かすにつれどんどん強まっていき、高まる興奮に、抑え気味だった腰の動きは徐々に早く、 激しくなっていく。 「はぁっ、はぁっ、はっ、はぁっ…」 「ん…う…」 悠貴に荒々しく突き上げられ、未来は寝ながら小さく呻いた。「ふ…ん…ふっ…んっ…」 まだ小さな亀頭が最深部に突き入れられるたびに、彼女小さく開かれた口から息が吐き出されていく。 「はっ、ふっ、あっ、あくっ…」 苦しげに喘ぐ未来を、悠貴は自覚のないまま犯し続けた。何度も何度もペニスを抜き差しし、時折 最奥まで突き入れたところで下腹部を姉と密着させ、そこに生えている産毛の肌触りを楽しむように 擦りつける。 「ん…あ…うぅん…ふぁ…」 ペニスで胎内を掻き回され、さらに押し付けられる悠貴の恥骨でクリトリスを擦らたてられて、未来の 喘ぎ声には次第に鼻にかかったような艶っぽい響きが混じり始めていた。頬は紅潮して眉間の皺は消え、 その寝顔はどこか悩ましげになってくる。胎内では愛液がとろとろと滲みだし、ぐちょぐちょになった 襞肉がうねって、そこを激しく出入りする悠貴のペニスを、より深くへと引きずり込もうとするかの ように蠢く。そして、指でされていた時のように、未来は眠りながら腰を浮かし、弟の腰の動きを 追ってゆっくり動かし始めた。 (凄い…凄いや…お姉ちゃん…っ…!) 「あ、うぅん…はぁっ、あっ、ふぁ…ん…っ」 未来の腰の動きで一段と高まった官能に、悠貴は心の中で驚嘆の声を挙げながら、必死に腰を振った。 快感を感ずるがままに、かくかく、かくかくと腰を小刻みに前後させ、姉の胎内でペニスを擦る。 溢れる蜜が激しく掻き回されて、ぐちゅっ、ぬちゅっ…と淫らな音を響かせる。未来の腰の動きと 喘ぎは、悠貴に合わせるように強まり、弟のぱんぱんに張りつめた亀頭や肉胴に、媚肉がねっとりと 絡みついて、激しく扱き立てた。 「あっ、お姉ちゃん、あっ、んっ…」 「はっ、あ…あっ、んっ、あっ…」 悠貴の喘ぎ声が切なげに震える。ペニスや腿の付け根のあたりがじんじん疼き、破裂してしまい そうだ。未来も悠貴に呼応するように、切羽詰まったような喘ぎを漏らしている。 「はっ、あっ…あ、くぅん…あっ、うんっ! あっ、ふぁっ!?」 そして未来がひときわ甲高い悲鳴を上げ、背中をぎくんと反り返らせた。腰がぶるぶる震えて 胎内の襞肉がぎゅっと収縮し、悠貴の分身を千切れんばかりにきつく締めつける。それが引き金と なって悠貴も生まれて初めての絶頂に達し、未来の中でペニスがびゅくんと跳ね震えた。 「あっ!? あ、お、お姉ちゃん…っ!!」 悠貴は未来の震える腰に、自分の腰をぎゅっと押しつけた。うねる柔肉の中で、悠貴の肉棒が びくんびくんと何度も何度も律動を繰り返す。 「あっ、あ…! ふぁ…んっ…あ……ん……」 「くっ、あっ!? ふっ、んっ……」 徐々に、二人の喘ぎ声は静かになっていった。秘肉のうねりとペニスの脈動も次第に収まり、やがて 二人はがくりと脱力し、ゆっくりとベッドに沈みこんでいった。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」 しばらく未来の身体に覆いかぶさって荒い息をついていた悠貴は、まだ絶頂感が抜けきらないまま のろのろと腕を突っ張らせて身体を起こすと、ゆっくりと姉からペニスを引き抜いていった。萎れ 始めた陰茎が未来の中から徐々に姿を現し、完全に引き抜かれると、二人の間にとろりとした銀色の 粘液が糸を引いた。それをぼーっと見つめていた悠貴は、糸が垂れ下がってぷつんと切れると、 思い出したように膝まで下げていたパンツとズボンを引き上げた。 それから悠貴は、苦労しいしい未来にパンツとパジャマの下を履かせ、上もボタンを留めて、すべて 元通りに戻した。そしてしばらく、ほつれた髪を汗の浮いた額や頬にべったりと張りつけている姉の 寝顔を、ぼんやりと眺めていた。その心の中に、これまで以上に姉への愛おしさが込み上げてくる。 (お姉ちゃん、大好き…) 愛おしさに突き動かされるがまま、悠貴はそっと未来に顔を寄せると、その唇にちゅっと軽くキスを した。そしてベッドを下り、再びすやすやと穏やかな寝顔に戻った未来を束の間眺め、それから静かに カーテンを閉めた。(一緒に橋を見ようね…) 「……暑い…」 それから少し時間が経ち、時刻が8時を大きく回った頃。まだ朝だというのに早くも暑くなり始めた 部屋で、未来はぼんやりと目を覚ました。夕べ遅くまでケータイをいじっていたせいでまだ全然眠い。 (???) のそりと身体を起した未来は、妙な気だるさを感じて寝ぼけまなこを擦りながら首を捻った。なんだか 身体が火照っているし、身体中寝汗でべたべたで、まるでちょっとした運動でもした後みたいだ。 (…やだ!?) さらに、アソコが汗とは別の液体でぬるぬるしているのに気付き、未来は頬を赤くした。(わたし、 なんで…。いつの間に…?) 「あ~、もう、なんなのよぉ…」 まだ眠いやら恥ずかしいやら暑いやらで、未来はぐったりしたような顔をしながらのろのろと ベッドから下りた。シャワーでも浴びてすっきりしようと、重い体を引きずってドアに向かった彼女の 耳に、どこかから母親と悠貴の声が聞こえてくる。 「ねえママ、今日、ロボット展に連れてって。お姉ちゃんと一緒に」「えぇ? ダメよ悠ちゃん、 今日はママお仕事があるの」……… エピローグ 「悠貴君…朝早いけど、平気?」 「うん、平気」 二日後の朝、まだ早い時間。三人が一夜を過ごした六華女学院の校門で、悠貴は真理に笑顔で答えた。 それから悠貴は、それを少し悪戯っぽい笑みに変えると、横目で姉を見やって付け加えた。 「でもお姉ちゃんはダメだと思うよ」 「はぁ?」 「だってねむねむ大王でしょ? お昼まで眠ってるもんね」 「ちょ、そんなわけないでしょ、学校あるっつーの!」 「ふふふふふ…」 怒る未来に、悠貴が意味深ににやにやと笑ったが、彼女が弟のその笑いの意味を知ることはなかった。 おしまい
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(前編へ) 未来がソファーから立ち上がると、悠貴は目を輝かせてソファーの上で女の子座りになり、 姉がそこを見せてくれるのを待った。 未来はそんな悠貴の前でスカートの中に両手を差し入れ、少しごそごそと動かすと、中から するりと白いパンツを降ろした。ひざ下まで下ろしてしまうと、片足ずつあげて足を引き抜く。 未来は脱ぎ捨てたパンツを床に落とし、今度は前についているスカートのボタンに手をかけた。 すぐにボタンは外され、そしてファスナーが引き下ろされ…… スカートがぱさっと音をたてて床に落ち、姉の下半身が露わになった瞬間、悠貴はハッと 息を飲む音をたてた。そして半ば呆然としたように、剥き出しになった姉の下半身を見つめる。 未来の水色のキャミソールの裾は、今はおへそのすぐ下まで下がっていて、そこから突然、 なだらかな下腹部の、輝くばかりに真っ白な肌が姿を覗かせる。下腹は幼さの名残で少しぽっこりし、 ヒップの発達もまだまだでウエストの括れもあまりない。股間にある割れ目はひっそりと閉じ合わさり、 中の様子を伺い知ることはできなかった。久しぶりに悠貴が見た未来の下半身は、全体的にまだまだ 幼さを漂わせ、彼が最後に見たものとさほど大きく違っていなかった。ただ一か所を除いては。 悠貴は感激したようにわぁーと口を開け、視線を未来の顔へと戻すとはしゃいだように言った。 「お姉ちゃん、毛が生えてる!」 (そっち!?) 途端に、未来が嫌そうな顔になる。恥ずかしさを堪えて秘密の場所を見せてあげているのに、 一番に気にするのがあそこの毛のことだなんてと、気恥ずかしさも相まって、未来はキレ気味に 思った。小学三年生に気の利いたセリフを期待するのが間違いだろうが、女のコとしては、もう少し デリカシーのある言葉をかけてほしいところであった。 「そりゃあ、もう中学生だもん。他のみんなだってもう生えてるよ」 「へー、そうなんだ」 むっつりした顔で未来が言うが、悠貴は姉のそんな様子には気付かぬふうで、感心したように 肯くと目を再び姉の陰毛へ戻した。以前見たのと余り変わらない様子の性器そのものより、 そちらのほうが悠貴には興味深かいのだ。 それは割れ目のすぐ上の部分を、ちょぼちょぼと覆っていた。見慣れた父や母のとは違い、 髪よりも細くて短く、縮れてもいない、ちょうど眉毛くらいの産毛だ。地肌がはっきりとわかる くらいにまばらにしか生えていなかったが、未来の白い下腹部の肌に栄えてよく目立った。 悠貴は姉の恥毛を、しばしの間物珍しそうにしげしげと見つめ、それからようやく、視線を その下にある割れ目へと移動させた。おちんちんを入れる穴というのはどこなんだろう…? 「……」 悠貴の視線が性器に向いたのを感じ、未来のむっつり顔が少し緩んだ。やれやれ、ようやく そっちを見る気になったか…(って、別に見て欲しいってわけじゃないけどさ…)。 誰に言い訳するでもなく胸の内で呟きつつ、未来は後ろ手を組んで、悠貴の視線を受け止める。 と、しばらく未来の性器を眺めていた悠貴が、顔をあげて口を開いた。 「おちんちんを入れる穴はどこなの?」 「え?」 膣を見つけられずにその場所を訊いてくる弟に、未来は頬の赤味を強くした。だが、わくわくした 表情で、彼女がそれを教えてくれるのを待っている悠貴を見ていると、未来の羞恥心は薄らいでいく。 「あ…えっと…」 未来は求められるままに説明しようとして、しばし考えを巡らせた。真っ直ぐ立っている状態では、 ソファーの上に座っている悠貴からでは見えないだろう。逡巡したのち、未来はソファーの上で 女の子座りをしている悠貴のほうを向いて、ソファーに斜めに腰かけた。剥き出しのお尻に、 合成皮革の感触がひやりと冷たい。 「んしょ」 ぽーっとした表情で姉のすることを見守る悠貴の前で、未来は左足は外に垂らしたまま、右足だけを ソファーの上に引き上げた。さして大きなソファーではない、悠貴のすぐ目の前を、白いソックスを 履いた未来の足が通りすぎ、一瞬視界を遮った。そして次の瞬間、大きく股を広げる格好になった 姉の姿が彼の目に飛び込んで来た。 「!?」 その途端、悠貴の心臓の鼓動が跳ね上がった。続いて、ドキドキドキドキ…と早鐘のように脈打ち 始め、なんだか身体がかぁっと熱くなって、息が苦しい感じがする。悠貴は思わずシャツの前を ぎゅっと握りしめたが、姉の肢体から決して目を逸らさなかった。 幼い性衝動の芽生えに戸惑う悠貴の前で、未来はお尻をわずかにあげて腰を弟の方へ突き出すように 少しずらした。そして上半身は後ろへゆっくり倒していき、ソファーの肘掛に背中を預けると、 肘をついて身体を支えた。 「どう、これで見える?」 「え、あ…うん」 今やアナルまで丸見えにさせている姉のあられもない姿に、悠貴は胸の奥のもやもやとしたものが 一層強烈に湧き起こるのを覚え、どぎまぎとしながら肯いた。大きく広げられた股の中心に、秘密の 割れ目が見えている。立っていた時はぴたりと閉じ合わさっていたそこは、今は足に合わせるように 広がり、内部の様子をさらけ出していた。 広がった割れ目の中、小さな薄桃色の花びらのような襞肉が二枚寄り添い、ひくひくと微かに震えて いるのがわかる。その花びらの間の下の方には、とろりとした透明な液体が滲み出している、小さな 肉の窄まりがあった。そしてさらにそのすぐ下に、セピア色の菊座の姿もはっきりと見える。 と、そこに姉の指が伸びてきて、割れ目を縁取る肉厚の部分をくいっと引きはだき、さらにそこを おし広げた。大きく花開いたピンクの粘膜の下部にはっきりと姿を現した、愛蜜を滴らせる膣穴を、 未来は人差指で指し示した。 「ここよ。ここがオチンチンを入れるとこなの。わかる、悠貴?」 「う、うん、わかるよお姉ちゃん」 悠貴は肯きながら、姉が広げてくれたそこをもっとよく見ようと、四つん這いになって未来の 股間へと顔を近づけた。ここ数日入浴していないせいで、汗や尿の臭い、それにすえたチーズのような 異臭が入り混じり、悠貴の鼻を突く。しかし、それらの臭いを圧倒する、甘酸っぱいような不思議な 香り…女の発情臭が、そこからは立ち昇っていた。 (綺麗だなぁ…) 未来のほの甘い媚香を鼻いっぱいに吸い込みながら、悠貴は姉の生殖器に目を凝らし、ほぅっと 溜息を洩らした。まだほとんどビラつきがない、小さな秘花の間に、綺麗な薄紅色の粘膜が広がる。 割れ目の下の方についている、小さく窄まった、姉の言うところの『おちんちんを入れる穴』から、 蜜にも似たトロリと粘性のある滴が垂れている様もあいまって、まるで何かの花の内部を覗きこんで いるような気分だ。 姉の美しい生殖器を見つめるうちに悠貴の胸の鼓動はさらに高まり、息がどんどん荒くなっていく。 興奮に荒ぐ鼻息が媚肉に当り、未来はくすぐったさを覚えてそこをひくひくと震わせたが、可憐な 秘花が蠢く様子が、さらに悠貴の胸の中のもやもやをかき立てる。 (ここにおちんちんを入れるんだ…) 胸を高鳴らせながら、悠貴は淫蜜滴る姉の秘口に意識を集中させた。いかにも柔らかそうな 肉の窄まりだ。ここにおちんちんを入れると気持ち良くなると、さっき姉は言っていた。この 穴の中はどんな感じなんだろう、気持ち良いってどんな感じなんだろう…? 悠貴は考えを 巡らせたが、初めて見る器官に、まったく想像がつかない。 「さ、触ってもいい、お姉ちゃん?」 「!?」 見ているだけでは物足りなくなった悠貴が、どもりながら訊ねると、未来は胸の鼓動を速めた。 見せるだけじゃなくて触らせるだなんて…。胸の内で恥じらい迷いつつ、しかしもう未来の答えは 決まっていた。 「……うん、いいよ」 「ありがとう!」 羞恥に目を潤ませながら答える未来に、悠貴はやったぁと言わんばかりに口を大きく広げた 喜びの表情を浮かべた。そしてすぐに姉の股間に視線を落とすと、そこへすっと手を伸ばし、 人差し指を立てて花びらのような襞肉へと指先を近付けていった。 「~~~~~」 未来は唇をわななかせ、悠貴が触れるのを待った。潤んだ瞳で見つめる先、弟の指はさらに 割れ目に近付き、そして遂に、中で震える秘花へと触れ…るかに見えたが、直前で指先は上の方へ 動いたかと思うと、恥丘に生える産毛を指先でチョンっと摘まんだ。 (そっちが先!?) 涙目のまま微妙な表情になった未来に気付かず、悠貴は指先できゅっきゅとその産毛を擦った。 姉とは風呂に入らなくなったが、父とはまだよく一緒に入っていて、その時に父のモノをいくらでも 見ているし、触ったことだって何度もある。しかし姉の恥毛はそれとは全然違う、まだ縮れもなく さらさらで細い、しかし髪の毛とはまた異なる指触りだ。好奇に駆られた悠貴は、一本を摘まんで そっと引っ張ってみた。 「痛っ」 途端に未来が顔をしかめ、悠貴は慌てて毛を手放した。 「あ、ご、ごめんなさい」 「もう、優しくしないと触らせてあげないんだからね!?」 未来に叱られた悠貴は、そそくさと指先をその下…未来の生殖器へと移すと、姉の怒気にせかされる ように、ためらうことなく淫花に指先をはべらせた。 「あ…」 緊張を解いていたところへいきなりタッチされ、未来は思わず生殖器をピクンと震わせた。 また痛くしちゃったんだろうかと、悠貴が手を止め、上目遣いで未来を見たが、彼女は無言で 小さく肯くと先を促した。 悠貴の小さな指先が、花弁状の襞肉をくにゅくにゅとこね回す。指は襞肉を掻き回すように動き、 割れ目の縁の、少し肉厚になった部分をなぞり、そして中央の粘膜をすっすっと上下に擦りたて、 さらに秘花の合わい目にある、包皮に包まれた陰核をそっと押さえる。 (なんだろ、ここ?) 皮の下にこりこりとしたものがあるのを感じた悠貴は、そこを軽く押さえたままぐりぐりと 押さえつけた。 「んっ…!」 敏感な突起をいささか乱暴に弄られ、未来の腰が跳ねる。悠貴が再び手を止め、姉の様子を伺うが、 「いいの、大丈夫。続けて悠貴」と、彼女は弟に続けるように促す。 悠貴の指がクリトリスに戻った。弟が先ほどよりも優しく、皮の上からさするようにようにそっと 指先を動かすと、その小さな突起から、ぞわぞわと快感が未来の全身に這い上がっていく。 さらに悠貴がすりすりと擦ると、その指の下で、包皮の中の淫芯が次第に固さを増していき、 悠貴の指に伝わるコリコリとした感触が徐々に強くなる。そのコリコリの正体を確かめようと、 悠貴は指先で皮のカバーをクリっと引き剥いた。 「ひぁ…っ!」 小豆粒ほどもない小さな女芯が剥き出しにされ、未来が身体を震わせて押し殺した小さな悲鳴を 漏らした。悠貴の指の動きが一瞬鈍ったが、その密やかな声に嫌がる気配は感じられず、もう いちいち姉の顔色を伺ったりしないで、そのまま黙々と姉の淫核を弄っていく。 「んっ…あ…」 外気にさらされてスースーするそこを、悠貴が指の腹でそっとさすると、包皮の上からされるよりも ずっと強烈な快感が未来を襲い、彼女は下腹をびくびくと痙攣したように震わせた。胎内が熱く火照り、 そこからじゅわっと新たに蜜が滲むのが未来にはわかった。 (あ…そんなトコ…悠貴…) 恥ずかしい突起を直にくりくりされ、未来は腰をよじらせたくなるような肉の疼きを覚えるが、 弟の邪魔をしないように必死にそれを堪えた。しかし堪えることにより、その疼きを誤魔化すことが できずに全身ではっきりと感じてしまい、頭がぽーっとしてきて、愛蜜の分泌がますます増えていく。 やがてクリトリスの指触りを十分に味わった悠貴は、一番のお目当てだったその淫膣へと指先を 移動させた。秘液で濡れ光るそこを、まずは指先でこわごわとつつく。 「ん…あ…」 未来はきつく目をつぶり、悲鳴とも喘ぎともつかない小さな声を漏らし、膣口をひくつかせる。 新たな蜜がトロリと垂れて悠貴の指先を汚し、彼はびくっと指を引っ込めた。 悠貴は指先についた姉の愛液を不思議そうに眺めた。アソコから出てきた液だがおしっこではないし、 汗とも違う、粘性の高い透明な液体で、どちらかといえば涎に近い。股についている口のような 器官から、涎に似た液体を垂らす摩訶不思議な女のコの身体に、悠貴は何か感動のようなものすら 覚えつつ、再度そこへと指を伸ばした。 悠貴はそこに垂れる蜜を擦り込むかのように、窄まった入口の周りを人差し指の先で何度も何度も なぞりあげた。そしてこちょこちょくすぐるように、指先で秘口をこね、とんとんと指の腹で叩き、 それからようやく思い切って、指先をゆっくりと膣へと潜らせた。 「んっ…」 つぷっと、爪が隠れるほどまで悠貴の指が未来の中に入る。一瞬秘口がきゅっと窄まり、その指先を きつく締めつけた。悠貴はさすがに驚いて、指をそこで止めたが、未来が力を抜いて締め付けの力が 緩むと、再びそろそろと姉の胎内へと指を埋めていった。 (うわ、凄いぬるぬるしてる…) 今までの愛撫ですっかり濡れそぼった姉の淫膣に、悠貴は息を飲んだ。指を進めるにつれ、中に 溜まっていた愛液が溢れてトロトロと垂れ落ち、蟻の門渡りを伝って肛門まで濡らしていく。 そして遂に、悠貴の指は根元まで姉の胎内に挿入された。 (あったかい…それに柔らかいや…) 悠貴はしばし動かず、姉の中の感触をじっくりと味わった。熱く濡れた、柔らかな襞肉が、中に 入れられた悠貴の指をきゅうきゅうと締めつけてくる。時に痛いくらいにきつく、時にふわりと 包み込むように優しく…。 「あひっ…」 悠貴が、未来の中で指をくいっと捻った。中の粘膜まで一緒に捩れそうな感触に、未来が怯えと 悦びのない交ぜとなった悲鳴を漏らす。 「ひっ、あっ、あ…ん…ふぁ…」 次いで悠貴の指が探るかのように、内部の襞々をそっとなぞりだすと、未来の声はすぐに悦び一色と なった。悠貴の指先に、まるでくすぐられるようにすりすりと襞壁を摩りたてられ、弟の指が触れる 襞の一枚一枚から快感が込み上げてくるようだ。指は未来の胎内でくねり、襞肉をくすぐり、指先が 粘膜を擦りながらゆっくり引き抜かれていき、そしてまた根元までずぷりと突き入れられる。 「あはっ、あ…あっ…ん…」 きゅっと締めつけてくる柔肉をかき分けながらの指の抽送に、心地よさを覚えたのか、悠貴は 甘い鼻声を漏らす未来の膣に、何度も何度も指を出し入れさせた。指が根元まで挿入されるたび、 じゅぷっ、じゅぷっと秘蜜が溢れ出し、アナルまで濡らしていたそれは、遂にはソファーにまで 垂れ落ちていった。溢れる潤滑液に、悠貴の指はさらにスムーズに動くようになり、ぐちゅ、 ぬちゅ、くちゅ…という淫靡な水音を立てながら、リズミカルに未来の秘口を行き来する。 (あ…悠貴…) その音は未来の耳にもはっきりと届いていた。弟に胎内を掻き回されながら、はしたないまでに 濡れてしまっている自分が恥ずかしくて溜まらない。しかしそれとは裏腹に、いつしか未来は昂りを 抑えきれず、秘裂を押し広げていた指先が、淫芯を皮のカバーの上からすりすりと擦り始めて しまっていた。身体の脇に垂らしていた左手は胸の上に移り、服の上からその小さな膨らみを さわさわと撫でさすっている。 (悠貴…あ…いい…ん…っ!) 未来は胎内をまさぐる悠貴の指に加え、自らの手でさらに自分を高めていく。小さな胸を掌で 回すように揉みしだき、淫核を弄る指は包皮を剥きひだき、剥き出しになった敏感な突起を直接 刺激する。 「あ、悠貴…あ…うぅん…は…あ…あっ、いい…」 未来の甘い歓喜の声は徐々に高く大きくなり、まるで甘えるような、そしてねだるような響きを 強くしていった。腰を悩ましくくねらせ、弟の指を胎内深くまで飲み込んでいく。それに応える かのように、悠貴の指遣いもどんどん激しくなっていき、あそこから響く水音も、さらに大きく、 そしていやらしさを増していった。 (凄いや、お姉ちゃん) 未来の甘ったるい喘ぎといやらしい水音は、まだ幼い悠貴をも昂らせていた。姉の膣内の感触に 心の中で感嘆の声を漏らしながら、まとわりつく柔肉をかき分けながら指を激しく抜き差しし、 根元まで突き入れてぐりぐりと捻り、指先で肉壁をすりすりと擦りあげる。 (お姉ちゃんの中って、こんなに気持ちいいんだ…!) 指じゃなくて、実際におちんちんを入れたらどんな感じなんだろう? お姉ちゃんが言った “セックス”って、どんな感じなんだろう…? そここを掻き回しながら悠貴は思った。入れてみたい。 お姉ちゃんの中におちんちんを…。 姉とのセックスを夢想するうち、悠貴はペニスがむずむずしてくるのを半ば無意識のうちに感じて いた。そのむずむずはやがてずくんずくんという疼きになり、下腹部にちょっと力が入っただけで、 きゅんっとなって腰が跳ね上がりそうになる、くすぐったいような痛いような、今まで彼が経験した ことのない不思議な感覚へと育っていく。 四つん這いになって姉の生殖器をいじりながら、悠貴はそわそわと腰を動かし始め、やがて我知らず 背中を反らしてお尻を突きあげたり、逆に腰を下げてほとんど正坐するような格好になったり、 さらに空いているもう片方の手で股間を押さえつけ、ペニスの違和感を紛らわそうとするが、 どうしてもその奇妙な感じは股間から去っていこうとしなかった。 (悠貴…?) 未来の昂奮に霞む瞳にも、弟のその不審な動きは映っていた。しきりにもぞもぞさせている腰の 方へと彼女の視線は自然と引き寄せられる。(…!?) “それ”に気がついた未来は、思わず自分を慰めていた手を動かすのを止め、瞳を大きく見開いた。 悠貴のズボンの前の部分が、こんもりと膨らんでいたのだ。まだ中一の未来でも、それがなんなのか くらいすぐにわかった。男性がエッチな気分になると…女の人とエッチしたくなるとそうなるという アレだ。 悠貴がボッキしてる…わたしとエッチしたがってる…「悠貴、あんたそれ…」 「あ…」 未来が呆然となりながら思わずのそりと身体を起こすと、姉の視線が自分の股間に向いているのを 知った悠貴は、慌てて未来の性器から指を抜き、ぺたん座りになると膨らんだ股間を隠した。 「あ、あの、僕、その…」 悠貴が上目遣いで未来を見て戸惑い恥じらう。その弟の様子に、目を見張っていた未来は表情を 緩めた。どうやら悠貴自身、ボッキするのは初めて…あるいは初めてに近いらしいのが、未来にも 手に取るようにわかった。弟のボッキに驚いたものの、自分以上にそれに戸惑っているらしい悠貴が 面白く、そして可愛かった。 「悠貴、お姉ちゃんとセックスしたくなっちゃったんだ?」 「え?」 未来に言われ、悠貴はドキリとして顔をあげた。確かに自分は、姉のアソコを弄りながら、そこに おちんちんを入れたら…姉の言うところの“セックス”をしたらどんな感じなんだろうと想像していた。 でも、どうしてわかったんだろう…? 物問いたげな弟に、未来が少し悪戯っぽい笑みを浮かべて言う。 「あのね、男のコって、セックスしたいと思った時にオチンチンが大きくなるんだって」 「え…あ…?」 姉の言葉に、悠貴はかぁっと頬を赤くし、しばらくもじもじとしていたが、やがて観念したように 小さく肯いた。「……うん」 「……いいよ、悠貴。お姉ちゃん、セックスさせてあげる」 「えっ?」 悠貴が驚いて顔をあげた。未来は、どこか泣き笑いのような表情を浮かべて彼を見つめている。 「え、えと…でも…」 悠貴は姉の言葉に期待と戸惑いの表情を浮かべた。確かにセックスをしたいとは思ったが、女のコの 大事なところをいじるだけでも、なんだかイケナイことのように感じていたのに、それだけじゃなく、 そこに自分の大事な部分を入れるなんて、物凄くエッチでイケナイことのような気がする。 それに… 「で、でも、セックスすると赤ちゃんができるんでしょ?」 「悠貴は、もう精液出るの?」 逆に質問を返された悠貴はきょとんとなった。聞き慣れない言葉だ。 「せーえき?」 「精液っていうのはね、赤ちゃんの素なの。白くてドロドロした液がオチンチンから出てきて、 それが女の人のお腹に入ると、赤ちゃんができるんだよ」 未来の説明に、悠貴は目をぱちくりさせた。白くてどろどろした液…そんなものがおちんちんから 出てきたことなど一度もない。「ううん、僕、そんなの出たことないよ」 弟の返事に、未来はにっこり微笑んだ。「それじゃ、セックスしても大丈夫だね」 未来はそっと首を巡らし、すぐ脇で椅子に腰かけたまま寝ている真理を見やった。だいぶ疲れて いたのか、身じろぎせずにぐっすり眠っている。大丈夫、さっきの地震でも起きなかったし、今も ちょっと大きな声を出してしまったが、まるで起きそうにない。これならまだしばらくは起きたり しないだろう。 「…おいで、悠貴」 未来は再びソファーに寝そべると先ほどと同じような格好になり、弟に両手を差しのべた。悠貴は 正座したまま姉の肢体を見つめ、しばし逡巡していたが、まもなく心を決めると、立ち膝になって 未来の広げた脚の間へと入っていった。 「お、お姉ちゃん…」 「悠貴…」 悠貴は横たわる姉を見下ろしながら、ズボンのボタンに手をかけた。震える指先でもどかしげに ボタンを外すと、チャックを下ろしてズボンを緩める。そして両側の腰の部分に指を差し入れると、 下着ごと一気に膝まで引き下ろした。 「!?」 黄緑色のシャツの裾の下から、カチカチになった悠貴のペニスがぴょこんと姿を現すと、未来は 顔を強張らせて凍りついた。一緒にお風呂に入ることはなくなったとはいえ、悠貴が風呂上がり などによく全裸でうろつくせいで、未来には弟のペニスは見慣れたモノとなっていた。しかし それは平時のモノの話であり、ボッキしたモノを見るのはこれが初めてだ。 (悠貴の…あんなに大きくなってる…!) ソレは未来が知っている弟の分身より、太さも長さも倍以上になっていようかというサイズだった。 ズボンの上から見た時に彼女が想像したより遥かに大きい、ちょうど無着色のウインナーのような ソレに、今さらながら彼女は怖気づいた。初めての時は痛いというけど、本当に大丈夫なんだろうか? 未来はちらちらと、自分の指と悠貴のペニスを見比べた。いつも自慰の時に挿入する中指より、 一回り大きいくらいだろうか? それくらいならなんとか大丈夫かも…。 「お姉ちゃん…」 その間にも、悠貴は未来の上にのしかかってきて、未来の両脇に手を付いて支えた、ちょうど 彼女を押し倒すような格好となった。もう、止めるわけにはいかなかった。未来は覚悟を決めると、 悠貴の背中に両手をまわし、弟を引き寄せた。 未来に引き寄せられるがまま、悠貴は両肘をソファーにつけ、さらに姉に身体を密着させた。 その下半身が未来の股間に押し付けられ、カチカチになった肉棒の先端が、股間の割れ目を 探るように、内部の粘膜を擦りながら移動していく。悠貴ははぁはぁと興奮に息を荒げながら、 ペニスの先端に意識を集中し、目的の場所を探していたが、ほどなくそこ…未来の膣口を 探り当てると、訊ねるように姉を見つめた。 未来が、そこでいいよと小さく肯くと、悠貴はそれを確かめるかのように、その付近を亀頭で 数回つんつんとつつく。そして場所が合っていることを確信すると、彼はぐっと腰を突き出した。 「んっ!」 悠貴の指で既に十分に解きほぐされ、濡れそぼった秘口は、彼のぱんぱんに膨れあがった亀頭も すんなりと受け入れていった。先っぽがぬるりと未来の中に入り込み、彼女は腰をびくんと震わせた。 「はぁ、はぁ、はぁ……」 二人とも、興奮に大きく口を開けて喘ぐ。先っぽが入った…あと少しで…「あっ!?」 次の瞬間、悠貴がわずかに腰を動かしただけで、彼の分身が一気に根元まで姉の中にずるりと 入りこんでしまい、二人は呆然と顔を見合わせた。 「あ…は…入っちゃった…お姉ちゃん…」 「う、うん…悠貴のオチンチン、全部入っちゃった…」 未来の下腹部、膣の中いっぱいにぎっちりと悠貴のペニスは嵌り込んでいた。なにか息苦しいほどの 圧迫感、異物感を未来は感じたが、事前に十分に弟の指で濡れ、解きほぐされていたのと、悠貴の 分身がまださほど大きくないおかげか、痛みはまったくといっていいほど感じられなかった。 (あ…凄い…中でびくんびくんしてる…) まだ狭い処女道を埋め尽くす熱い肉棒が、弟の鼓動に合わせ、ずくんずくんと脈動し、時折 びくっ、びくっと痙攣するように震える様子が、未来の胎内にダイレクトに伝わって来る。悠貴が わずかに身じろぎしただけでも、その動きがペニスを通じて未来にはっきりと感じられる。 かつてないほど未来は悠貴を身近に感じ、彼女は弟の背に回した腕にそっと力をこめ、慈しむように その小さな身体を抱いた。 (お姉ちゃんの中…すごく暖かいや…) 悠貴も、未来に深く挿入したままじっと動かず、ペニスに感じる姉の胎内の感触を味わっていた。 悠貴の肉棒は痛いくらいに勃起し、敏感になっていて、姉の中の柔らかさ、熱さを、指よりもずっと 強く感じられる。そしてそこにきつくまとわりつく秘肉を通じ、姉の鼓動もはっきりと伝わってくる。 彼もまた姉と同じように、未来を今まで以上に近くに感じていた。 「悠貴、動いてみて」 「う、動くの?」 しばらくお互いの身体をじっと感じていた二人だったが、やがて未来が囁くように悠貴に言った。 「うん…セックスっていうのはね、オチンチンを入れるだけじゃなくて、出したり入れたり するんだって」 「わ、わかったよお姉ちゃん」 姉に促され、悠貴はそっとと腰を引いていった。そして亀頭だけを残して肉胴を引き抜いたあたりで、 再び未来の中にゆっくり入っていく。根元まで挿入すると、また引き、そして入れ…。分身を姉から 出し入れするたび、肉棒にきつく絡みつく、熱く濡れそぼった柔らかな媚肉にそこを扱かれる形となり、 腰砕けになりそうなほどの快感が悠貴の下腹部に込み上げてくる。 「あっ、くっ…はっ、あ、あぁっ…」 快感を感ずるまま、悠貴の腰の動きがどんどん強くなっていくと、未来は怯えたような喘ぎを 漏らした。まるで内臓ごと引きずり出されそうな、そして先端が内臓を突き破りそうな感じがして、 なんだか怖い。 「ひっ、ひはっ、はくっ、あっ、あ…」 ずん、ずんと、悠貴のペニスが突き入れられ、未来は身体を揺さぶられながら、苦しげな片息を 漏らす。「あっ、くっ、はっ、あ…あんっ、あっ、んんっ…」 だが、何度も何度も突かれ、胎内を掻き回されるうち、やがて未来の喘ぎに官能の響きが混じり 始めていく。弟のかちかちになった肉棒に荒々しく擦られる膣道から、得も知れぬ悦びが湧き起こって くるのだ。 「はっ、あ、あ…悠貴…」 未来は悠貴に突かれながら、ぶるりと身震いした。秘肉がきゅっと締まり、そこを出入りする弟の 分身を、よりきつく絞めつける。無意識のうちに未来の腰も、より強い快感を求めてはしたなく 動き始めていた。 「あっ、お、お姉ちゃん!」 一層強まった圧力と淫らな腰の動きに、悠貴が思わず声を漏らす。快感の余り涙を浮かべ、しかし より強い快感を求めてひたすらに腰を振り続ける。ぎっ、ぎっ、ぎっ…と、二人が乗ったソファーが 荒々しい動きに抗議するかのように軋む。 「はっ、あっ、あ、ふっ、あ……」 やがて、未来の上で夢中になって腰を振っていた悠貴の目が、ふとある物を捉えた。身長差の せいで、悠貴の頭はちょうど未来の胸の前にあり、そのまさに目と鼻の先に、水色のキャミソールに 包まれ、荒い呼吸にあわせて上下する姉の密やかな膨らみが見える。昂奮にしこりきった先端の ぽっちが、薄い布地をツンと突き上げているのもはっきりと見て取れる。 「はっ、はっ……」 分身に感ずる快感に喘ぎながら、悠貴は先ほどそこを触らせてもらった時の感触を、掌に ぼんやりと蘇らせていた。悠貴はしばしの間、腰を動かしながら姉の乳丘をぼうっとした目で 見つめていたが、やがておもむろに右手で姉の服の裾を掴むとぐいっと引き上げると、未来の 小さな膨らみを露わにさせた。 「はっ、あっ…あ?」 悠貴の小さな手が乳房をもみ始めると、未来はぎくりと背中を反らしたが、すぐに力を抜いて 弟の愛撫に身を委ねた。さっきと違い、今度は腰の動きと同様に荒々しい愛撫だった。ぎゅっぎゅっと きつく乳房を揉みにじり、こりこりした乳首をつねり、捻るが、今の未来には最早それすら快感 でしかなかった。「あひっ、あっ、くっ、あっ、ゆ、悠貴…っ!」 悶える姉の乳房に、悠貴は口をつけた。滑らかな乳肌にキスをし、勃起した乳首をくわえると ちゅうちゅうと吸い立てる。手と口、そしてペニスから与えられる快美感に、未来は身も世もなく よがり悶え、秘口の中では媚肉がうねうねとうねり、そこを激しく動くペニスをより深いところまで 飲み込んでいく。弟の肉棒がぎっちりと嵌り込んだ秘口から垂れ落ちる愛液は、いつしか 白く濁ったものへと変貌していた。 イラスト :メンクイさん 「あっ、あ、お、お姉ちゃん…おちんちんが爆発しちゃうよぉ!」 激しい交わりに限界まで昂った悠貴が、しゃぶっていた乳首を口から離すと思わず悲鳴のような 声を漏らした。 「あっ、悠貴、わたしも…わたしも爆発しちゃうっ!」 同じく絶頂の予感に、未来もひときわ大きな嬌声をあげる。姉弟はひしっと抱き合い、最後の瞬間に 向けて、激しく腰をぶつけ合った。 「あっ、お、お姉ちゃんっ!」 「ゆ、悠貴、悠貴っ!」 悠貴の腰の動きが限界までに強まり、未来の爪先がぐんっと伸ばされる。そして何度か腰をぶつけ 合ったのち、遂に二人は絶頂に達した。 「あっ、あっ、あーーーっ!?」 絶頂の叫びとともに未来の背中がぎくんと反り、胎内では秘肉がアクメにうねる。最深部までに 突き入れられた悠貴のペニスが、その中でびくんびくんと何度も何度も痙攣したように跳ねあがる。 二人はぎゅっと腰を押し付け合って快感に打ち震えていたが、絶頂感が引いていくにつれて秘肉と ペニスの律動も次第に収まっていき、やがて二人の身体からがくりと力が抜け落ち、姉弟は 折り重なるようにしてソファーに沈みこんだ。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」 今や悠貴は肘で支える事もなく、ぐったりとなって完全に未来の胸の上に身体を預けていた。 8歳といえどさすがに少し重いが、未来には少しも苦にならなかった。「悠貴…」 未来の呼びかけに、悠貴はぼんやりと顔をあげた。「…お姉ちゃん…」 二人は肩で息をしながらしばらく見つめあっていたが、やがて未来がそっと弟に顔を寄せると、 静かに唇を重ねた。悠貴は突然の口付けに、一瞬目を見開いたが、すぐにその目をつぶると、 姉の唇を受け入れた。 永遠にも思える数秒ののち、未来はゆっくりと唇を離した。「ふふ、キスしちゃった…」 そう言って照れ笑いを浮かべる未来に、悠貴も照れたような笑みを返した。 「ふぅ…」 それから少し時が経ち、二人はすっかり身だしなみを整え、事を始める前のように並んでソファーに 座っていた。真理は二人の愛の交わりにはまるで気付く様子もなく、相変わらず傍らのイスに 座ったまま、すやすやと穏やかな寝息をたてている。 二人の方はといえば、悠貴は猫ならば喉をごろごろ鳴らしていそうな上機嫌な顔で、未来の肩に もたれかかっていたが、未来の方は少し暗い顔で、小さく溜息を洩らしていた。 (悠貴と…セックスしちゃった…) 興奮が醒めてみると、まだ幼い実の弟と性交し、バージンを捧げてしまったことへの罪悪感と後悔が、 ずーんと未来にのしかかってくる。もう、弟として見ることなんてできそうにない。これからどんな 顔をして悠貴と接していけばいいんだろう? 「……」 ちらっと横目で弟を見るが、姉の気持など露知らず、悠貴はこの上なく幸せそうな表情だ。 (……ま、いっか) 弟につられるように、未来の表情も少し明るくなる。これだけ嬉しそうにされたんなら、身体を 許した甲斐もあったというものだ。それに自分の方も… 「ねえお姉ちゃん」 「な、なに、悠貴?」 エッチなことを思い出しかけていたところに話しかけられ、未来は照れ隠し気味にぶっきら棒に 返事をする。その姉に、悠貴は最上の笑顔を向けて言った。「すっごく気持ちよかったね」 「いっ…」 途端に未来の顔が真っ赤に染まる。「う、あ、えーと…」どう返事をすべきかうろたえていた 未来は、ぷいとそっぽを向くとぶっきら棒に答えた「ま、まあね」 「またセックスしようね、お姉ちゃん」 「!?」 ぎょっとして悠貴を見つめる未来の顔が、さらに赤くなった。未来は悠貴を見つめたまま、 金魚のように口をぱくぱくさせる。 「ダメ…?」 「う…」 しかし悠貴に少し寂しそうに上目遣いで言われると、未来の口は静かに閉じた。そして、敵わないな といった感じの微苦笑を浮かべると、未来は肯いた。「お家に帰ったら、またさせてあげるわよ」 「ホント!?」 「うん……。ただし誰にも言っちゃダメよ、悠貴。パパとママにも、お友達にも、真理さんにも、 ぜーったい言っちゃダメだからね!?」 「うん、わかった!」 本当にわかっているのか、悠貴は笑顔でかるーく答えると、未来の腕にぎゅっとしがみついた。 「お姉ちゃん、大好きだよ」 その言葉に、未来の心臓がどきんと跳ねた。そして、はしゃぐ弟に、未来は困ったような笑みを 浮かべつつ、心の中でそっと呟いた。(わたしも…大好きだよ悠…) 「ん?」 だが、それが心の中で形になる寸前、悠貴は突然立ち上がると、玄関ドアの方へとトタトタと 走っていってしまった。 「悠貴?」 「僕のカエルロボ一号だ!」 「ちょっとどこ行くのよ?」 玄関を開けて外に出ていこうとする弟を未来は呼びとめるが、悠貴は「ロボを見るだけ!」と 言い残し、そのまま外へと走り出て行ってしまった。「えーっ!?」 未来はなにか途轍もない敗北感と屈辱感を感じつつ、弟の背中を呆然と見送っていたが、やがて 我に帰ると、慌てて真理へのメモを書き、弟の後を追って雨の上がった表へと走り出して行った。 おしまい
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「今度さ、またみんなでお台場行こうよ」 それまで未来の太ももを枕に寝ていた悠貴が、身体を起こすと未来に笑顔を向けて言った。 もう、先ほどまでの体調不調はすっかり良くなったようだ。その様子に、未来の胸の内の不安も 晴れていき、今までの不安交じりの笑みとは違う、安堵の笑みを浮かべた。 「そうだね、橋、無くなっちゃったけど」 「また新しいのできるよ」 「うん…」 そして二人は肩を寄せ合うと、揃って無言のまま、すっかり雨の上がった窓の外へとぼんやりと 視線を移した。 (元気になってよかった…) 肩に悠貴の頭の重みを感じながら未来は思った。ついこの前まではウザいだけの弟だったのに、 今では愛おしくてしかたない。加えて、悠貴がすっかり元気になった安堵から、未来は我知らず 弟の肩に手を回すと、頭を胸元にぐっと引き寄せた。 「よかった…」 「お、お姉ちゃん?」 姉に抱きしめられるなど、ここ最近ほとんど記憶にない悠貴は、この突然のハグに未来の胸の中で 戸惑いの表情を浮かべ、もがくような仕草を見せた。しかし、自分を包む姉の身体の温もりに、 悠貴は身体の力を抜くと、姉に身体を預けた。胸に押しつけた耳に、トクン、トクンという姉の鼓動が 伝わって来る。それを聞いていると、なんだか妙に心安らぐ気持ちだ。それに、顔の横に当たる 柔らかな感触…「おねえちゃんのおっぱい、柔らかいや…」 「……」 思わず口をついてでた悠貴の言葉に、未来は彫刻になったように固まった。その顔がみるみる 真っ赤に染まっていき、心臓が数拍した後、彼女は弾かれたように悠貴から身体を離した。 両腕を胸の前でクロスして悠貴から身体を背け、真っ赤な顔で口をわなわなさせながら、 首だけを巡らして弟を見る。 「な、な、な……」 「えへへ~…」 慌てる姉に、悠貴がいたずらっぽい笑いを浮かべる。そんな弟に、瞬時に恥ずかしさが怒りに 取って代わり、未来は胸を隠していた腕をさっと伸ばすと、弟の耳をぎゅっと摘まんだ。 「悠貴のエッチ!」 「痛い痛い痛い痛い痛い!!」 耳を引っ張り上げられ、悠貴が悲鳴をあげる。その声に、未来ははっと我に返って耳を離した。 元気になったとはいえ、まだ治ったばかりなのだ。怒るにしても、もう少し優しくしないと…。 「酷いよお姉ちゃん…」 心の中ではそう反省した未来だったが、恨みがましい目で自分を見る悠貴に、素直に謝ることが できない。 「悠貴がエッチなこと言うのが悪いんだからね?」 「お姉ちゃんがおっぱいを押し付けたんじゃない」 怒る姉に、悠貴は痛む耳を押さえながら、半べそで抗議する。 「そ、それは、その…」 確かにその通りだが、別に胸を押し付けるつもりで悠貴を抱きしめたわけじゃない。未来は 一瞬怯んだ様子を見せたものの、すぐに怒った顔をして見せた。「もう、本当にエッチなんだから」 「ひくっ…」 と、悠貴がしゃくりあげた。実を言えば、あんなことを言えば姉が怒るのは予想していたし、 叩かれるなりするかもしれないとも覚悟していた。そうしたら、笑って「ごめんなさぁい」と 言って、それで終わりにするつもりであった。 まさに悠貴の思った通りの成り行きとなったわけたが、一つだけ誤算があった。未来が思った 以上に怒り、強く耳を引っ張った、というわけではない。平時であればこれくらいで泣いたりは しない。普段はもっと酷い扱いを受けているのだから。 誤算は、悠貴の心が自分で思っていた以上に弱くなっていたことであった。元気になったように 振舞ってはいたものの、実際はまだまだ頭は痛み、軽い吐き気も続いていた。それに、ついさっき までは今とは比べ物にならないくらい具合が悪かったのだ。こういう時は、ちょっとしたことでも 辛く感じてしまうものである。 こんなことで泣いちゃダメだ。そうは思うものの、どうしても涙が込み上げてきてしまう。 そして遂に一粒の涙が目からこぼれ落ちると、後から後から涙があふれ出していくのを、悠貴は もう止められなかった。 「ひくっ、うっ、うぅっ…」 「え? ちょ、ちょっと悠貴」 ぽろぽろと涙をこぼし始めた悠貴に、未来は慌てふためいた。 (わたし、そんなに強く引っ張ったっけ?) カッとなってやってしまったとはいえ、それなりに自制は効いていたつもりだった。なのに 泣くなんて…。それとも、エッチって言ったのがそんなに堪えたんだろうか? 「ちょっと、泣くことないでしょ?」 「だって、だって…ひくっ…うぅっ」 ぽろぽろ涙をこぼしながらしゃくりあげる悠貴に、未来がおろおろとする。放っておけば 大声で泣き出しそうな勢いだ。 「ほら、真理さんが起きちゃうよ?」 「うっ、うぅっ、うっ……」 未来は、すぐ横の椅子に座って眠りこんでいる真理を横目で見た。起こすと気の毒だ、という のもあるが、さっきまで具合の悪かった弟を叱って泣かせたなんて知られたらバツが悪い。 ぐずりながらしきりに袖で涙をぬぐう弟に、未来はどうなだめていいかわからず、おたおた おろおろと手を上げ下げするだけだった。そしていよいよ悠貴が大泣きを始めようかという 瞬間、未来は天を仰いでやけっぱち気味に叫んだ。 「あ~~もう、おっぱいでもなんでも触らせてあげるから泣かないで悠貴っ!」 「ふへっ?」 未来の言葉に、悠貴の涙がピタリと止まった。涙に濡れる目をパチクリさせ、口は泣き声を あげていた形のままでポカンと開け、姉を見る。が、未来は意地悪そうなにやにや笑いを浮かべ、 彼を見つめ返している。 「あー、泣きやんだ。やっぱり悠貴はエッチだ」 「え、あ…?」 からかわれた…。そうわかった時には既に手遅れだった。未来の手がさっと悠貴のほっぺに伸び、 ぐにゅっと摘まむ。ただし、耳を引っ張った時よりもはるかに優しく、痛くないようにちゃんと 手加減はしている。 「いつからそんなにエッチになったの悠貴?」 「ちっ、違うよ! 僕、そんなんじゃ…」 「悠貴のエッチ~」 畳みかけるようにからかう姉に、悠貴は再度泣きそうな表情になるが、それよりも怒りの感情の ほうが強く、悠貴はほっぺを引っ張る姉の手を振りほどき、ぷくーっと頬を膨らませると、 くるっと姉に背を向けた。「もう知らない!」 「そんなに怒んないでよ、冗談だって」 「……」 今度は怒りだした悠貴に、未来は苦笑を浮かべ、無言のまま背を向ける彼の肩にぽんっと手を置き、 こちらを向かそうとした。しかし悠貴はぶんぶんと肩をゆすり、姉の手を振り払う。 (ちょっとからかいすぎたかな?) 悠貴に拒絶され、未来は苦笑いに愛想笑いの入り混じった薄ら笑いを浮かべ、猫撫で声を出す。 「ほら、悪かったってば。謝るから機嫌直して」 「……」 だが、悠貴は姉に背を向けたまま一言もしゃべらない。 「もう…」 未来は腕組みをしながら弟の背中を見つめ、はぁっと溜息を洩らした。(しょうがないなぁ…) 未来は頬を赤らめ、しばし考えあぐねる様子を見せていたが、やがて小さく肯くと肩にかけていた バッグを外した。 「……?」 後ろで未来が何かごそごそやっている物音がしてきて、悠貴の耳がぴくっと動いた。 (お姉ちゃん、何してんだろう?) ことりと、何かをテーブルに載せる音。どうやら、肩にかけていたバッグを置いたらしいと 悠貴には見当がついた。それに続いて、今度は衣擦れの音。 「ほら悠貴、こっち向いてよ」 「ん~…?」 姉の猫撫で声に、悠貴は面倒くさそうな声を出しつつ、姉の方を向き直った。もうお姉ちゃんとは 二度と口を聞くもんかというほどむくれていた悠貴だったが、今の物音に対する好奇心が怒りを 上回ったのだ。 未来は悠貴が見当をつけた通り、バッグをテーブルに置き、さらに羽織っていた薄手の カーディガンを脱いで、水色のキャミソールだけの姿になってソファーに座っていた。 後から 聞こえたのは、やはりカーディガンを脱ぐ音だったようだ。 「なに、お姉ちゃん?」 悠貴がぶすっとした声で聞く。未来に向ける目も、声と同様不機嫌そうだ。何をするつもりかは 分からなかったが、ちょっと謝ったくらいで機嫌を直すつもりはなかった。そんな弟の姿に未来は 苦笑を浮かべると、両手でキャミソールの裾を掴んだ。 「ほら、ちゃんと触らせてあげるから許して。ね?」 姉が何の話をしているのか悠貴が飲み込む間もなく、未来はさっと服を胸元まで引き上げた。 なだらかな二つの小さな膨らみが、薄暗い室内で揺れるロウソクの灯りに照らし出されると、 悠貴の目が真ん丸に見開かれた。 「お、お姉ちゃん?」 「約束だもんね。泣きやんだら触らせてあげる、って」 声をひっくり返している悠貴に、未来は少し照れた様子で言う。しかしそんな姉の表情は、 弟の目にはまるで入っていない。彼の目は姉の乳房に吸い寄せられ、他の事など何も映って いなかった。 姉の胸を見つめる悠貴の喉がごくっと動いた。一緒にお風呂に入ることもなくなり、着替えの時は 部屋を追い出されるようにもなって、姉の裸を最後に見たのはもう一年以上前になる(わずか一年 とはいえ、まだ8歳の彼にとっては遥か昔の出来事に等しい)。久しぶりに見た姉の胸は、まだ全然 小さなものではあったが、彼が最後に見た微かな記憶の、真っ平に近かった頃と比べれば格段に 膨らみんでいた。 悠貴はソファーの上でお尻をいざらせ、姉の方へと近寄っていった。その間も、視線は未来の胸に 釘付けになったままだ。めくり上げられた水色のキャミソールの下からのぞく、真っ白でなだらかで、 いかにも柔らかそうな小さな膨らみ。その頂点には、大きさといい色といい、ちょうど10円玉 くらいの薄茶色の乳輪があり、中央に小さな出っ張りがぽつんとついている。乳房と同じで、まだ 発達が始まったばかりのそれは、見慣れた悠貴自身の乳首とほとんど違いはなかったが、姉に… 姉の乳丘にあるというだけで、悠貴にはなにか特別な感じがしていた。 触ってみたい…どんな感じなんだろう…。好奇心に突き動かされ、悠貴はソファーの上に正坐を すると右手を上げ、姉の胸へと伸ばしかけた。が、彼はそこではっとしたように手をおろし、未来の 乳果から視線を外すと彼女の顔へと移した。もしかしてまたからかってるんじゃないだろうか? 「どうしたの、触らないの?」 だが未来は、はにかんだ笑みを悠貴に向けたままだった。「いいよ、ほら」と、未来は警戒する弟を 促すように、ぐっと胸を突き出した。たいして大きくもない乳丘だ、突き出したところでたかがしれて いたが、悠貴は気圧されたようにわずかに頭をのけぞらせた。しかしそれでようやく、悠貴は姉が 本気で触らせてくれようとしているのだと得心し、すぐに姿勢を戻すと再び右手をあげ、そっと 姉の小さな膨らみに掌を押しあてた。 ぷにゅ。(わぁ…) 掌に暖かく柔らかな感触を感じ、悠貴の顔に感激の表情が広がる。未来の胸の膨らみは、幼い悠貴の 手にもすっぽり収まってしまいそうなほどに小さかったが、姉の柔らかさと温かさ、そして心臓の 鼓動を、悠貴は掌全体に感じていた。さっき抱かれた時に感じたものよりも、何倍も何倍もはっきりと。 悠貴はその感触を推し量るように、しばらくじっと掌を押しあてていたが、膝についていた左手も 持ちあげると、もう一方の膨らみにそっと触れてみた。両方の掌全体に、姉の柔らかな肉果の感触が 伝わってくる。丘の中ごろにある、少し硬くて小さな突起の存在まではっきりと悠貴にはわかった。 掌の中央をこつんと突き上げて、なんだかくすぐったく、それでいて心地よい、ちょっと不思議な感じだ。 悠貴は両手を姉の微乳に当てたまま、いましばらくその艶めかしい感触をじっと噛みしめていたが、 やがてゆっくりと手を動かし始めた。ちょっと力を入れただけで潰れてしまいそうな気がして、 そっと優しく、慈しむように、きゅむっ、きゅむっと…。 「ん…」 悠貴に乳房を揉まれながら、未来が悩ましげな吐息を漏らした。ほんの軽い気持ちで始めたものの、 悠貴の小さな指が乳肉に食い込むたび、恥ずかしい気持ちが身内に募っていき、頬が、いや身体が かぁっと熱くなる。だが、無心に乳房と戯れる弟に、もうやめろと言えず、未来は恥ずかしさを堪えて じっと弟のなすがままにされていた。 「あ…」 悠貴が右手の人差し指の腹で、乳肌をつつっとなぞっていき、頂点にある突起を捉えるとそこを きゅっと押さえた。未来は小さな声を漏らし、思わずぴくっと震える。 「あ…ん…」 悠貴は指の先でその小さな突起をこねまわし、押さえ、弾くように転がした。そうしながら もう一方の手も乳首を捉え、きゅっと軽く摘まみ、扱き、そして軽く引っ張る。 「はぁ、はぁ…あはっ…はぁっ…」 弟に乳首を弄られながら、未来の息は荒くなっていった。悠貴が触れる胸の奥では心臓が激しく 脈打ち、未来は恥ずかしさからとは別の熱さを下腹部に感じ始めていた。こみ上げる熱さを抑えようと するかのように、未来は無意識のうちに太ももをぎゅっと閉じ合せた。それでも足らず、オシッコを 我慢でもしているみたいに、もじもじとすり合わせる。ハァハァと息が荒くなり、肩が大きく 上下している。 「あんっ…」 乳首をきゅっと摘ままれ、未来はまたもや小さな悲鳴を漏らし、肩をピクっと震わせた。 弟の指の中で、乳首が固くなっていく。悠貴の指がそれをこりこりと扱き、掌で押さえて乳房ごと 転がすように撫でまわす。(あ…気持ちい……)「ねぇお姉ちゃん」 「なっ、なに?」 未来が自分が感じ始めていることを認めてしまいそうになった寸前、悠貴が乳房をまさぐる 手を離し、彼女ははっと我に返ると慌てて返事をした。トロンとなった目を瞬かせ、自分を 見つめる悠貴に目の焦点を合わせる。 「お姉ちゃん、あのね…」 悠貴は何かを言いかけたが、姉に見つめられて気恥ずかしそうに視線を逸らし口ごもった。 「なに? 言ってみなさいよ」 弟に胸を弄られて感じそうになっていた照れ隠しもあり、はっきりしない態度の弟に、 未来はちょっときつめに問い質した。悠貴はそれで踏ん切りがついたのか、視線を姉に戻すと、 思い切ったように口を開いた。 「あのね……おっぱい…吸ってもいい?」 「へ?」 未来の目が点になった。そして一瞬の間を置いて、彼女は首まで引き上げたままだった服を バッと下ろして胸を隠し、ぶんぶんと首を横に振る。 「だ、ダメダメ。赤ちゃんじゃないんだから」 触らせるだけならともかく、おっぱいを吸わせるなんてとんでもない! 未来は顔を真っ赤にして 慌てふためくが、悠貴はそんな姉を面白がるふうでもなく、寂しそうな表情で顔を落とした。 「うん…」 「う…」 そんな顔を見せられ、強く拒絶しすぎたかなと未来の罪悪感が疼いた。思えば、あの日から 今日で3日。体調を崩して心細さが増し、母恋しさが募っているのかもしれない。さっき悠貴に 膝枕をしていた時、両親の話をしたのもいけなかったかもと、未来は悠貴の心情を思い、少し 顔を暗くする。そして未来は目を閉じ、ふぅっと小さな溜息を一つつくと、半ば諦めたように 悠貴に言った。 「わかったわよ、吸ってもいいよ」 「えっ?」 とたんに悠貴は顔を輝かして姉を見た。現金なもんだと未来は微苦笑を浮かべつつ、もう一度 服の裾を持つとたくし上げた。「ほら、特別だからね?」 「ありがとうお姉ちゃん」 悠貴はそっと未来の左側の乳首に唇を寄せた。まさに口づけする寸前、彼に弄られて、全体が ぷっくりと膨らみかけているそこを、悠貴は少し躊躇うかのように一度動きをとめ、それから おもむろに、薄茶色の乳輪もろともその小さな突起を口に含んだ。 「ふくっ…」 弟に弄られている間に勃起し、敏感になった乳首に、暖かくぬめっとした柔らかな唇が触れた瞬間、 未来はくすぐったさを覚えて含み笑いを漏らしてぴくっと身じろぎした。次いで、悠貴がちゅくっ、 ちゅくっとそこを吸い始めると、胸の蕾に血が集まり、じんじんと疼きだす。その肉蕾を悠貴は 時折唇で軽く挟み、時折もごもごと動かしては擦りたて、ぬめっとした舌先がまるでくすぐるように 乳輪や乳首を舐め上げ、未来の中にむず痒さが募っていく。 「んっ…んくっ…ふふっ…くっ…」 未来の唇が歪み、笑い声が漏れた。ダメ、くすぐったい…! 赤ちゃんにおっぱいを吸われるって こんな感じなの…? あまりのくすぐったさに、未来の服を捲りあげている手がぷるぷると震え、 ビクッビクッとひきつったように身体を左右にくねらせる。 「動かないでよお姉ちゃん、うまく吸えないよ」 未来があまりにもぞもぞ動くせいで、乳首から唇が離れてしまい、悠貴が胸元から姉を見上げて 抗議の声をあげる。 「ごめんごめん、だってくすぐったいんだもん」 「もぉ…」 笑いながら謝る未来に、悠貴は少し憤った様子を見せたが、自分があれこれ注文できる立場では ないのはわきまえていて、それ以上は文句は言わずに、顔を落とすと再度姉の乳首に口をつけた。 「んふ、ふ…」 再び乳首を吸われ、またも未来の口から忍び笑いが漏れ始めた。しかし、やや慣れてきたことも あってか、身悶えするほどのくすぐったさはなくなってきた。はぁ、はぁ、と大きく口を開けて 深く息をし、呼吸を整えていくと、やがて気持ちに余裕が出てくるようになり、未来は黙々と 胸を吸う弟へと視線を定めた。 (悠貴ってば赤ちゃんみたい) 無心におっぱいを吸う弟に、未来はぼんやりとそんなことを思った。やはり母親が恋しかった のだろうか。そう思うと弟が不憫で、そして可愛くて、未来は胸の奥からなにか暖かな感情が 湧き起こるのを感じた。悠貴を見つめる未来の眼差しは優しく細められ、いつしか乳首に感じていた くすぐったさが、不思議な心地よさへと転じていく。 (あん…) 未来がぴくんと身体を震わせた。悠貴が未来の横腹にかけていた右手が、その滑らかな肌を 滑るように徐々に上に移動していき、空いている右の乳房に触れたのだ。無意識なのか意図的なのか、 悠貴はちゅくちゅくと小さな音をたてて乳頭を吸いながら、乳肉に手を押し付けてゆっくり回す ように動かし始める。 「ふぅ……ん…」 唇と手、左右の胸に加えられるまったく違った刺激に、背筋をざわざわと快感の波が駆け上がり、 未来は甘やかな吐息を漏らした。身体がかっと熱くなって、呼吸がだんだん荒いでいく。 (やだ…またわたし…) 再び自分が感じ始めているのを知り、未来は目を潤ませながら唇を噛みしめ、こみ上げてくる 愉悦と戦った。弟におっぱいを吸われて気持ちよくなるなんて、こんなの…「あっ…!」 胸を弄っていた悠貴の指が、固くなった乳首をきゅうっと摘まみ、未来は思わず声をあげて 首をのけ反らせた。「あっ、あ、ふぁ…」そのまま、固くなった胸の蕾を揉みほぐすかのように 悠貴にそこをこね回され、未来の口から次々に喘ぎ声が漏れる。(ダメ…悠貴…) 未来の内心の懇願も虚しく、弟の指はせわしなく彼女の乳蕾を弄り回した。切なく疼くその 小さな突起を、指や唇が時に強く、時にほとんど触れる程度に心地よく刺激し、手で触られていた だけの時より数段苛烈な官能を生み出していく。 服を引き下ろして胸を隠し、「はい、そこまで」と言えばいつでもやめさせられるはずだったが、 未来はそれをやめさせようとはしなかった。理性はイケナイと訴えていたが、胸先から全身に広がる 快美感に、未来はどうしても抗う事が出来なかった。もっと触ってほしい、もっと吸ってほしい、 もっと気持ち良くしてほしい…「あはっ……!」 乳蕾を弄る悠貴の指が、きゅむっとそこを摘まみあげた瞬間、未来はがくんと首をのけ反らせ、 ひときわ大きな歓喜の喘ぎを漏らした。(あ…気持ちいいよぉ…) 服をたくしあげていた手は、いつしか悠貴の首にまわされ、彼を胸元に引き寄せていた。支えを 失った服は悠貴の頭に被さっているが、悠貴はまったく気にもとめず、ちゅくちゅくと一心に姉の 乳首を吸い、その手で乳房を撫で、指先で先端の蕾を転がす。 「あ…くぅん…ん、あ…あっ…」 悠貴の愛撫にあわせ、未来の押し殺した喘ぎが静かな室内に広がっていった。 イラスト:メンクイさん 「あ…は…ん………あ…?」 やがて、悠貴がようやく乳首から口を離し、苛烈な快感から解放された未来は、ぼんやりとした 表情で弟を見た。弟は未来の胸元で、どこかぽぉっとした顔で彼女の胸を見つめている。 「…悠貴、もうおっぱいいいの?」 はぁはぁと肩で息をしながら、未来は弟に訊ねた。悠貴は顔を上げると、不思議そうに姉に言った。 「おっぱい、出ないね」 「…いっ?」 弟の言葉に、未来は驚きと苦笑いの入り混じった表情を浮かべた。どうやら悠貴は、母の おっぱいを吸う真似ごとではなく、本当に母乳が出るのだと思って、自分の乳首をしゃぶっていた ようだ。母乳というのは、おっぱいが膨らめばみんな出るようになるとでも思っているのだろう。 「もっと大きくないとダメなのかなぁ?」 「ち・が・い・ま・す」 未来はこめかみにびきっと青筋を浮かべ、不機嫌そうに服を直しながら悠貴に言う。「あのね悠貴、 おっぱいは赤ちゃんができないと出ないの」 「えー、そうなの?」 指をくわえて悠貴は姉の胸を見つめた。彼が初めて知った意外な真実だった。 (赤ちゃんができないとおっぱいって出ないんだ……) 悠貴は再び顔をあげて姉を見つめ、聞いた。「赤ちゃんって、どうやったらできるの?」 「……!?」 弟のいきなりの質問に、未来は頬を赤くし、視線を逸らしながらつっかえつっかえ答える。 「えーっと、あのね…その……せ、セックスすると出来るんだよ」 「せっくす?」 「う…」 真面目な顔で聞き返され、未来は返事に詰まった。赤ちゃんの作り方も知らないのに、セックス という言葉を教えても意味がわからなくて当然だ。 「あ、あのね、セックスっていうのは……男の子の…お、オチンチンをね、その、女の子のあそこに 入れて……」 「あそこ?」 再び悠貴が訊ねる。「あそこってどこ?」 次々に恥ずかしい質問をされ、未来のほっぺが赤くなる。 「あ、あそこっていうのはね、えーと…“性器”よ」 「せいき?」 またもや聞き返され、未来は頭を抱えた。(性器なんて言ってもわかんないか…) かと言って、他になんと呼べばいいのか未来にもわからない。思い余った彼女は、スカートの 上からぺしぺしと自分の股間をはたいて、それがどこなのかを指し示した。 「ここよここ。お股のとこにあるここ」 「あ…」 ようやく“あそこ”がどこのことなのか気付いた悠貴が、目を丸くして姉が叩いている部分を 見つめる。未来はそんな悠貴にさらに説明を続けた。 「ここにオチンチンを入れる穴があってね…」 それを聞いて、悠貴がますます目を丸くする。凄いや、女の子ってそんな穴があるんだ! 「そこにオチンチンを入れると、男の人は気持ちよくなって赤ちゃんの素が出るの。そしたら 赤ちゃんができるんだよ、わかった?」 「へぇ~」 気持ちよくなる…赤ちゃんの素…。姉の説明に激しく興味をかき立てられた悠貴は、未来の股間を 見つめ、感心したように肯いた。女のコのアソコって、そんな場所があるんだ…。 その部分がどうなっていたか悠貴は記憶を手繰ったが、そんなにじっくりと観察したこともなく、 自分とは違っておちんちんはついておらず、一本の割れ目がお尻まで続いていた、というくらいしか 覚えがない。おちんちんを入れる穴ってどんなのだろう、どのあたりにあるんだろう…? と、 悠貴はそこを見ながら想像を巡らせる。 「ちょっと、なに見てんのよ悠貴」 弟に好奇心丸出しの目でじろじろと股間を見つめられ、未来が脚をぴたりと閉じた。 「あ、ご、ごめんなさい…」 姉に叱られ、悠貴は口ごもりながら謝った。特段エッチな気持ちでそこを見ていたわけではないが、 女の子のアソコを見たりするのはエッチなこと、イケナイことという認識は悠貴にも既にある。 が、それでも胸の内に湧き起こった、女性の身体に対する好奇心が抑えきれずに、悠貴はどうしても 視線を姉の股間に向けてしまう。 女のコの秘密の場所に興味津々といった弟の姿に、未来は恥ずかしさを忘れ、思わずくすりと 笑いをこぼした。(もう、悠貴ったら…) 見せてあげちゃおうかな…。ふとそんな考えが頭をよぎり、未来は頬を染めた。胸ならまだしも、 そんなとこを見せるなんてありえない。ありえないが… (……) しかし、未だ好奇の視線を股間に向けている弟を見ているうち、未来の心が揺らぐ。こんなに 見たがってるんだったら、ちょっとくらい…。いや、そんな。でも少しくらいなら…。つい一年ほど 前まで一緒にお風呂に入ってたんだから、別に見せたって…。 未来の中で、徐々にサービスしてあげようというほうに気持ちが傾いていく。まだ小さいのに、 この二日間頑張ってきた弟への、それが今の自分にできる精一杯のご褒美だ。 「ねえ、悠貴…」 「なに、お姉ちゃん?」 姉に呼ばれ、悠貴が顔をあげた。屈託のない笑顔だ。そんな顔を見せられ、未来にわずかに残って いた躊躇いの気持ちも消え去った。未来はごくりと唾を飲み込むと、続きを口にした。 「お姉ちゃんのあそこ、見たいの?」 「えっ…」 悠貴がさっと頬を赤らめ、未来を注視した。「いいの、お姉ちゃん?」 見てはイケナイ場所、秘密の部分。そこを見られるという期待と、見てもいいんだろうかという 不安がない交ぜとなった面持ちで、悠貴は姉を見つめた。未来ははにかんだ笑みを浮かべながら、 弟に肯いてみせる。 「うん。悠貴、ずっと頑張って歩いてたもんね。ご褒美だよ」 「わぁ…」 (後編へ続く)
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「あ、悠貴! おかえり~」 学校から帰宅した悠貴を出迎える未来。なんだかいつもよりテンションが高い。 あの地震以来、未来は以前よりずいぶん悠貴に優しく接するようになった。 以前の未来は帰宅の挨拶もおろそかにするような性格だったのだが、あの日を境に 家族に対する挨拶を欠かしていない。悠貴に対しては構い過ぎるぐらい構っている ぐらいだ。ただ、そのことを差し引いても、今日の未来はテンションが高めだった。 何か企んでいるのだろうか。ほんの少しの警戒心を抱きつつ未来を観察すると、 どうやら後ろ手に何か隠しているようだった。 「あ、うん。ただいま」 「へっへー、悠貴ー。いいものあげようか?」 未来の様子は楽しげだ。正直言って、不気味だと思う。友達からは、 「お前の姉ちゃん、ブラコン?」などと言われる始末だった。もちろん最初は 姉の変化は素直に嬉しかったのだけれど、小学生の頃ならともかく、悠貴も もう中学生である。家の中にいると隙を見ては抱きついてくるし、いい加減 弟との距離に気を使ってくれても良いんじゃないかと思う今日この頃だった。 「……何?」 「じゃーん!」 未来が見せたのは、手編みのものとおぼしき毛糸のマフラーだった。 「そろそろ寒くなってくるからね、悠貴にあげようと思って真理さんに 教わって編んでたんだー」 「最近あんまりウチにいないと思ってたら、そんなことやってたんだ。 てっきりまたテストの補習受けてるのかと思ってた」 「ちょっ、しっ、失礼ね! あたしそんな毎回補習受けるほど頭悪くないもん!」 悠貴の冷めた返答に憤慨する未来。最近の悠貴はこんな調子だった。 小学生の頃はこんな皮肉を言う子じゃなかったのに。姉として少し悲しい。 「お姉ちゃんさ、『もん』とか言うのいい加減やめたら? 子供じゃないんだから。 もういい歳でしょ」 「っ、もおおおおおっ、ほんっとアッタマくるわねー、かわいくなーい! 花の女子高生に向かってそういうこと言う、フツー!?」 悠貴は姉の手編みのマフラーなどには全く関心のない様子で、冷蔵庫の中身などを 漁っている。めぼしいものは何もないと悟ると、冷蔵庫をパタンと閉じて、 スタスタと自分の部屋に向かって歩き出した。 「ゆ、悠貴! ちょっと待ってよ! マフラー巻いて見せてよ、絶対似合うから!」 あわてて悠貴を引きとめる未来だが、悠貴の態度は相変わらずそっけない。 「えー、いいよ、いらないよー」 「悠貴、冷たい……お姉ちゃんの、せっかくの編み物初挑戦なのに」 「だって恥ずかしいよ、そんな赤いマフラー巻いて学校行けないよ、恥ずかしくて 外歩けないよ」 確かに言われてみると、男の子に赤はなかったかもしれない。姉バカ視点で 深くは考えていなかったのだが。真理さんも、全然気にしてなかったし…… こういうところは抜けてるんだよなぁ、あの人……などと、真理に小さく逆恨み する未来だった。 「う……、そ、そうかなぁ……そんなに恥ずかしいかなぁ……」 すっかり自信をなくした様子で、しょんぼりと肩を落とす未来。ここにきて、 ちょっと言い過ぎたかな、とバツの悪い表情を見せる悠貴だが、未来にはそんな 悠貴の表情に気が付いている様子はなかった。 「……セーターとかなら良かったのかも」 「え?」 ボソッとつぶやく悠貴に、未来が反応する。 「いや、だから、セーターとかなら、ウチの中だけでなら、着てても、別に 恥ずかしくないからさ」 それを聞いて、表情に明るさを取り戻す未来。 「そっか! そうだね! ウチの中なら恥ずかしくないもんね! わかった! 今度はセーターにするね! お姉ちゃんまた頑張って編んであげるからね!」 「いや、そっちの方がマシって言っただけで、別に欲しいとか言ってないから!」 「もおおお、照れちゃって~、ほんっとかわいいなぁ、悠貴は~」 「だーっ! いちいちくっつかないでよ! 鬱陶しいなぁ、ホントにもう!」 スキンシップを求める姉をなんとか振り払い、自室にこもってバタン!と 音を立てて戸を閉める悠貴。居間に取り残されて、一人寂しげに佇む未来だった。 「はぁ……ちっちゃい頃はお姉ちゃんお姉ちゃんて、かわいかったのになぁ……」 ソファーに腰をおろしつつ、小学生の頃の悠貴を思い起こし、アンニュイな気分に 浸ったりしてみる。確かに自分でもちょっと構い過ぎかもしれない、とは思う。 あの日から、「優しい良いお姉ちゃんになろう」って決めたけど、どんなお姉ちゃんが 「良いお姉ちゃん」なのか、今でもよくわからない。 そろそろ、構い過ぎない方が良い時期なのかな。 一人で悩んだり、一人で考えたり。 悠貴にも、そういう時間が必要な時期なのかな。 ねえ、悠貴。あたし、良いお姉ちゃん、ちゃんと出来てるかな? 唐突に、ふと、思い出したことがあった。 「……あれ。そういえば、マフラー、ない。……あれ? あれ? やだ。 マフラー、どこいったの!? マフラー、どこおおおお!?」 一方、自室の悠貴は、ベッドの上に仰向けになって、姉の手編みのマフラーを 手に取って眺めていた。どう見ても編み目が粗い。どう考えてもこういう地味な 手作業が得意とは思えない。まったく、これを完成させるのにどのぐらい時間を かけたのやら。 「……ヘタクソ」 おわり
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(前編へ) 「あっ、お、お姉ちゃん…」 未来が男の指示通りにペニスを弄り回していくと、悠貴は堪え切れずに切なげな声をあげた。舌と唇、 そして指で優しく愛撫されたペニスは、これ以上ないほどにかちかちになっていた。そこを舌が這い、 指がタマを転がす、そのほんのちょっとした刺激で、ずくんという疼きが脳天まで駆け上がり、悠貴は 喘ぎ声を漏らしてびくんびくんと身悶えする。時折歯が当って痛みが走るが、そんなことなどまるで 気にならないほどの強烈な快感が全身を包み、悠貴の目は次第に虚ろになっていった。 「はぁ、はぁ…お、お姉ちゃん…」 気持ち良すぎてどうにかなってしまいそうで、悠貴は震える声で姉を呼んだ。怖いよお姉ちゃん…。 そう思ったが、それが言葉にされることはなかった。怖い。けど、気持ちいい。やめてほしいけど やめてほしくない。恐怖と快感の狭間で、悠貴はただただ切ない喘ぎ声をあげる事しかできなかった。 「はっ、あ、ふぁ…んっ、あ…」 (悠貴…気持ちいいの…?) 悠貴の怯え震える声の中に、まるで甘えているかのような響きが混じりはじめ、それは彼のペニスを しゃぶる未来の耳にも届いていた。自分のフェラチオで、弟が気持ちよくなってる…。こんな状況下に 関わらず、未来は思わず昂奮を覚え、悠貴のペニスをしゃぶりながらぶるっと身体を震わせた。 半ば投げやりに、先を急ぐようにせかせかと弟の分身を舐めていた舌の動きが、肉胴に絡みつくかの ようにねっとりとしてくる。「ん…ふぅ…んっ、んむっ、ん…」と、未来は盛んに鼻声を漏らして 弟の肉棒を舐め擦り、ちゅぱちゅぱと音を立てながら吸い立て、睾丸をさすり、そこへキスをする。 そして未来は肉竿を根元まで飲み込むと、口腔をきゅっと窄めて締め付け、髪を揺らしながら頭を 前後させて、激しく扱き立てる。未来は13歳、思春期真っ盛りだ。その旺盛な性的好奇心は、理性を いとも容易くねじ伏せ、先ほどの自慰の時のように、彼女はこの禁断の行為にのめり込んでいった。 「ふぁっ、あっ…あ、あぁっ…」 激しさを増した愛撫に、悠貴は涙を浮かべて身悶えし、盛んに喘ぎ声を奏でた。腿の付け根のあたりが じんじんと疼き、尿意にも似た快感が下腹部を襲い、ペニスがびくっ、びくっと痙攣する。 「あ、あ、も、漏れちゃ……あっ、は…はぁっ…あっ!?」 未来が舌を器用にくねらせて包皮の中に舌先を潜らせ、尿道をちょんちょんと突き、舐め擦ると、 とうとう限界に達した悠貴が小さな悲鳴をあげ、びくん! と大きく腰を跳ねさせた。同時に、未来の 口の中で、びゅくんびゅくんとペニスが激しく脈動する。「ふぁっ、んっ、あ!」 「!?」 驚き、思わず口を離した未来の目の前で、悠貴のペニスがびくんびくんと踊るように上下する。 顔を上げると、悠貴はきつく瞑った目の端に大粒の涙を浮かべていたが、その表情は陶然としていて、 涙が痛みや悲しみのためでないのは一目でわかった。 「ひへへへ、このガキ、イきやがったぜ」 ぎょっとしたように未来は男へ目を向け、そしてまた悠貴に視線を戻す。悠貴…イったの…? 未来は 地面にぺたんと座りこみ、切なげな顔で大きく喘いでいる弟を、呆然と見つめた。まだ全然子供だと 思っていたのに、勃起して、射精こそしなかったものの絶頂まで…。しかも、この自分が口でイかせた のだ。イケナイことと知りつつも、未来はどきどきと胸が高鳴らせた。 「どうだボウス、気持ち良かったろ?」 「う…あ…ぼ、僕…」 男に訊かれて悠貴は何か言いかけたが、生まれて初めての絶頂の衝撃が消えず、切なげな顔をして 口をぱくぱくさせるだけだ。「ひひっ、声も出ないくらいか」 男は嘲笑うように言うと、未来へ目を移し、下卑た笑いを洩らしながら左手でファスナーを探った。 「さてと、それじゃあ…」男はファスナーを下ろすと、中に手を入れ、もぞもぞと動かす。 「今度は俺の番だぜ」 ぼーっとなっていた未来の顔が、ぎくりと引きつった。今度はこいつのアレをしゃぶらされるんだ。 弟を絶頂させた高揚感が、一瞬で冷めていく。 「ほらよ」 「ひっ!?」 勃起した陰茎がファスナーの奥から飛び出すように姿を現し、未来は恐怖に蒼ざめた。それは、 たった今彼女がしゃぶっていた悠貴のペニスとは比べ物にならないほど、巨大で禍々しい物体だった。 大きさもそうだが、綺麗な肌色でつるっとした感じの悠貴のモノとはまるで違い、先端の皮はずる向け、 赤黒く膨れ上がった亀頭が剥き出しになっている。肉胴は黒ずんで太い血管が何本も浮かび、付け根には ごわごわとした陰毛が密生して、無数の皺が寄っている袋にも、まばらに毛が生えているのが見える。 未来の身体が小刻みに震え出した。こんなのをしゃぶらされるなんて…。それだけじゃない、 最後にはこれをアソコに突っ込まれるんだ。「い、嫌…」 「弟のチンポはあんなに美味そうに舐めてたじゃねぇか、ん?」 「くぅ…」 男の皮肉に、未来は頬を赤く染めた。その眼前にペニスがぬっと突き出され、未来はさっと顔を 背けた。 「いいからほら、さっさとしゃぶれよ。やらなきゃどうなるか、また教えてほしいのか?」 「……」 嫌がる素振りを見せる未来に、男の脅しが飛ぶ。未来は涙を滲ませながら、自分に突きつけられて いる醜悪なペニスへと向き直った。そうだ、やらなきゃ悠貴まで酷い目にあわされるんだ…。未来は 嫌悪感をぐっと飲み込むと覚悟を決め、軽く開いた口から愛らしい舌を突き出し、恐る恐る男の亀頭に 這わせた。 (うぅ…) 尿と汗の入り混じった異臭が未来の鼻を突く。そして、悠貴のモノを舐めた時にはほとんど感じられ なかったイカ臭い強烈な性臭。おぞましさに唇をぶるぶる戦かせ、それでも未来は必死にぺろ、ぺろと 舌を動かして男の分身を舐め回した。先端から肉竿へと舌を進ませ、そしてまた先端へ戻ると、未来は ペニスを口の中に納めていく。亀頭をすべて口に入れると、れろれろと舐め回し、ちゅっちゅと吸い立て、 適当に舌先で弄んでから口を離し、また竿を舐め始める。 「ほら、裏の筋に沿って舐めるんだ。さっきのようにタマもしゃぶって…手も使うんだ…そうそう…」 激しく沸き起こる嫌悪感に身体を小さく震わせながら、未来は男の指示通りにせっせと肉茎を舐め、 扱き、睾丸を揉み転がした。 「へへ、いいぜ…」 興奮しているのか、男の声が微かに震えているのがわかる。しかし悠貴の時と違い、未来が昂りを 覚えることはなかった。あるのはただ、汚辱感と屈辱感だけだ。少しでも早く終わらせたい一心で、 未来はひたすらに舌を動かし続けた。 「ひへへへ…」 必死に口奉仕する未来に、男は薄笑いを浮かべた。フェラの経験は皆無に近く、しかもいやいや やっているのだ、到底彼を満足させるレベルのテクニックではなかったが、そのいやいややっている 姿がサディスティックな悦びを掻き立て、何よりも彼を昂らせる。 「もっと一生懸命に舌を動かせ! ほら、もっとだ!」 己の分身が未来の口から出入りし、唾液で濡れ光っていく様子を眺めながら、男は興奮気味に未来に 命令をしていたが、やがて未来に任せているだけでは我慢しきれなくなり、まだくたりとしている 悠貴を押さえるのを右手だけに任せ、左手で彼女の頭を掴むと、喉の奥までペニスを突き入れた。 「おらっ!」 「むぐぅっ!?」 目を見開く未来に、男は腰を振って口の奥に何度もペニスを突き入れる。「むぐっ、んーーっ! んむっ、むぅぅ~~~~~!!」 ペニスで塞がれた口の端から、未来が苦しげな呻き声を漏らすが、男はお構いなしに…いや、むしろ ますます昂奮を覚え、いっそう激しく腰を動かす。苦しげに呻く姉に、男の腕の中で悠貴がおろおろと 身じろぎするが、彼が何もできないまま、あっと言う間に男は頂点へと昇り詰めていった。 「い、いくぜ!」 「んむっ!?」 未来の口内でペニスが大きく震え、喉の奥にねっとりと熱い粘液が勢いよく注ぎこまれる。未来は 目をかっと見開き、咄嗟に頭を引いてペニスを口から引き抜こうとするが、男にしっかり押さえられて いて動かすことができない。「んっ、んんーーーっ!?」 未来の口内に、苦みとしょっぱさの入り混じった、どろりとした液体が充満していく。そしてその味を 圧倒する、栗の花のような青臭い強烈な匂い。ペニスで口を塞がれているため、吐き出すことも叶わず、 未来はその粘液をこくこくと飲み下すしかなかった。 「うぅっ、むっ、うぅ…」 未来の頬を涙が伝い落ちていく。今飲まされているそれが精液だと、彼女にもわかっていた。身体の 奥の奥まで汚されてしまったような絶望感に襲われ、ペニスを咥える唇がわなわな震えるが、それは 男の加虐心を満足させるだけだった。泣きながらザーメンを飲んでいく未来を眺めながら、男は 満足げな笑みを浮かべつつ、最後の一滴まで彼女の口の中に精液を注ぎ込んだ。 「ふう…」 そして完全に射精を終えると、男は大きな吐息を漏らし、未来の口からゆっくりと肉棒を引き抜いた。 「けっこう良かったぜ、おい?」 「ううっ、ひくっ…」 男の侮蔑の言葉を聞きながら、未来は口の中に残った精液をぺっぺっと吐き捨て、口元を拭った。 しかし口の中の精液の味は…そして汚辱感は、いつまでも消えようとはしなかった。 「おい、そこに寝っ転がりな」 未来の心が落ち着く間もなく、男の次の指示が飛んだ。次は何をさせられるのか、もはや考える気も 起きず、未来はぐすぐすと鼻をすすりながら小さく肯くと、さっき脱ぎ捨てた服の上におとなしく腰を おろし、脚を男の方に向けて仰向けに横たわった。 「脚を広げろ」 「……」 まったく抵抗する素振りも見せずに、未来は言われた通り膝をM字に曲げて脚を広げた。まだ幼さを 漂わせる割れ目が、男と、彼に抱えられた悠貴の目の前に晒され、男に口を犯されてむせび泣く姉の 姿に、絶頂の余韻もすっかり醒めて茫然としていた悠貴の頬に、さっと朱が差した。 「ほらよ」 「え…?」 と、男が悠貴の腕を離し、背中をどんっと押した。「あ、わ…」虚を突かれた悠貴は、未来の広げた 股の間に、四つん這の格好に倒れ込んだ。一瞬何が起きたかわからなかったが、はっと気付くと、 姉の股間の割れ目がすぐ目の前に飛び込んできた。 「あ…」 「あ…」 感情を失ったようになっていた未来もこれにはぎょっとなり、悠貴とハモるように声をあげて首を 起こした。股の間では悠貴が慌てて立ち上がりかけるが、男がその肩を掴んでぐっと下に押し、彼を また四つん這いの格好にさせる。「おっと、そのままだ。今度はお前が姉ちゃんのアソコを舐めて 気持ちよくしてやれ」 「な…」 「おっと、お前もそのまま寝てるんだ」 男の言葉に思わず起き上がりかけた未来に、男の鋭い声が飛び、彼女は後ろ手をついて上体を少し 起こしたところで動きを止めた。 「あ、あの、僕…」 「さっき姉ちゃんに気持ちよくしてもらっただろ? だったら今度はお前が姉ちゃんを舐めて気持ちよく してやらないとなぁ」 おどおどしながら肩を掴む男を振り返る悠貴に、男が耳元に口を寄せて囁くように言う。 舐める…? お姉ちゃんのアソコを…? 悠貴はおずおずと前を向き直り、未来の性器を見つめ、 それから少し顔をあげて彼女の顔へ目を移した。そして不安そうにじっと彼を見つめ返している姉の 表情に、悠貴はきっと唇を結ぶと、男を振り返った。「僕、そんなのヤダ!」 「む…」 自分を睨むように言う悠貴に、男は一瞬怯んだような顔をしたが、すぐに気色ばんだ表情になると、 悠貴の肩を掴む手にぐっと力を込めた。 「いいからやれって」 「いっ…!」 「悠貴!」 顔をしかめてぎくんと頭を反らす悠貴に、未来が小さな悲鳴を漏らした。「悠貴、言う通りにして!」 「で、でも…」 苦痛に顔を歪めながらも、まだためらう素振りを見せる悠貴に、未来はなんとか微笑みを作って みせる。「お姉ちゃんなら平気だから…」 「お姉ちゃん…」 「お願い、悠貴」 「……うん」 なおも躊躇う悠貴に重ねて未来が言うと、彼は観念したように小さく肯き、薄ら笑いを浮かべる男の 見守る前で、姉の性器に顔を近付けていった。 割れ目に吐息がかかるほどまで顔を近寄せたところで、悠貴は一度動きを止めてまじまじと姉の股間を 見つめた。薄暗いせいでそれまで気付かなかったが、割れ目の上のほうにはうっすらと産毛が生え、 割れ目の中には、ピンク色の襞肉が月光に照らされてぬめぬめと濡れ光っている。 そこから微かな汗と尿の臭いと、すえたチーズのような立ち昇り、悠貴の鼻をついた。そして なによりも強烈な、甘酸っぱいような香りが漂っている。部屋でも時々微かに感じたことがあったが、 それが姉の匂いなのだと、今初めて悠貴は知った。 これがお姉ちゃんの匂い、これがお姉ちゃんのアソコ…。束の間、男への怒りも姉への罪悪感も忘れ、 悠貴は未来の性器に見入っていたが、すぐに男の命令を思い出し、ぐびっと唾を飲み込むと、そっと 割れ目に口づけをした。 「あ…」 下の口に弟のキスを受けた未来が、内腿をぐっと強張らせる。次いで、柔らかくて少しざらついた 舌が、割れ目の内部をちろちろと舐め擦り始めると、膝がびくっびくっと震えた。堪えなきゃと 思っても、生まれて初めて他人に…しかも実の弟に秘密の部分を舐められる恥ずかしさが、股間に 感じる舌の感触を実際より何倍も過剰に増幅させていた。 「あっ、ふっ…」 下敷きにしている服についた未来の手がぎゅっと握られ、服を掴んだ。ぐっ、ぐっと爪先が反り、 肩が震える。姉が快感を必死に堪えようとしているのを知ってか知らずか、悠貴は割れ目の中を じっくりと舐め回していった。右手を伸ばして肉唇をくいっと押し広げ、花芯に溜まった愛液を丹念に 舐め取り、すすり、指先で内側の花びらを捲りあげると、その裏側まで舌を這わせる。 「そこの豆みたいなとこをいっぱい舐めてやれ。それから下の穴に指を入れて中をくすぐるんだ」 男が横から口を挟むと、悠貴は言われた通り、勃起して包皮からわずかに顔を覗かせたちっちゃな クリトリスに口を移し、ちろちろと舌を動かす。そして右の人差し指でスリットの中をつつっとなぞり、 とろとろと蜜を溢れさせている膣口を探り当てると、その中にゆっくりと指を潜らせていく。 「ひっ、あっ」 悠貴に敏感な突起をしゃぶられ、胎内をくすぐられて、未来は腰をびくんびくんと震わせながら 小さな声を漏らした。男のペニスをしゃぶらされたせいですっかり消え失せていた下腹部の火照りが、 またもや甦ってくるのを未来は感じていた。 「くぅ…」 未来は目をぎゅっと瞑り、こみ上げる快感を頭から締め出そうとしたが、一舐めされるごとに 火照りはどんどん強まり、上体を支えている腕から力が抜けていく。未来は徐々に身体を倒していき、 背中をぺったりと下につけてしまうと、しばらくの間頭だけを起こして、股間を熱心に舐め回す悠貴に 潤んだ瞳を向けていたが、やがてそれも億劫になり、頭も倒すと、彼女は弟の愛撫に身も心も委ねた。 「どうだ、姉ちゃんのアソコは? 美味いか?」 「……」 未来の性器を舐め回す悠貴に男が茶々を入れる、聞こえていないのか無視しているのか、悠貴は 男にはまるで目もくれず、ただひたすら姉の性器の愛撫を続けた。秘花や淫核をしゃぶり回し、指先で 胎内をくすぐるうちに、未来の秘口からはますます蜜が滴り、女の香りが一段と強く匂い立つ。そして 胎内では秘肉がうねって、そこをまさぐる指をきゅっきゅっと締め付けてくる。 指に絡みつく熱い柔肉の感触と、鼻をくすぐる姉の芳香にぼーっとなりながら、溢れる淫汁をせっせと 舐め取っていくうち、姉の口奉仕で一度果てた悠貴の分身は、再び力を取り戻していった。カチカチに なったペニスが突っ張るような違和感に、悠貴はクンニをしながら無意識のうちに腰をもぞもぞさせ、 それだけでは治まらず、手を伸ばしてペニスをぎゅっぎゅっと揉みほぐした。 「へっ」 悠貴のその行動に目ざとく気付いた男が、あざけるような笑いを洩らす。「こいつ、姉ちゃんの アソコ舐めながらチンポを固くしてやがる」 「!?」 男の言葉に、半ば朦朧としていた未来が我に返り、思わず頭をあげて悠貴を見つめた。男と姉に 視線を向けられ、悠貴は未来の股間を舐めるのを止めて顔をあげ、困惑したようにおどおどと男と姉を 交互に見やる。 「チビのくせにとんでもねぇやつだな、ひゃははは…」男はひとしきり笑うと、悠貴の肩に手を回し、 耳元に口を寄せて言った。「よし、それじゃあ今度はチンポを姉ちゃんのアソコの穴に入れてみろ」 「な!?」 男の言葉に、未来の顔がさっと赤くなり、そしてすぐに蒼ざめた。「い、嫌…」悪い冗談でも 聞かされたかのように、未来は半ば薄笑いのような表情を浮かべてふるふると首を振ったが、悠貴が 不安げな顔で自分を見ているのが目に留まると、彼女は動きを止めた。 自分が嫌がっていれば、悠貴はきっと男に逆らうだろう。そうしたらまた酷い目にあわされる。 逆らったところで、どうせ最後は言う事をきかせられることになるのだ、だったら何も痛い思いを することはない。諦めの気持ちと弟への気遣いとで、未来は嫌悪感を無理矢理押さえこむ。 「ほら、さっさとしろ」 「う、うん…」 男にせっつかれた悠貴は未来の顔色を伺い、彼女が嫌がっている様子を見せないことを確かめると、 多少の躊躇いをみせつつも、言われるがままに未来に下腹部をすりつけるように身体を寄せた。そして もう一度未来を見るが、彼女は強張った笑みを作ると、こくんと小さく肯いた。「いいよ、悠貴」 未来が言うと、悠貴は自分の分身をそっと姉の股間に押し付けた。下腹部をじっと注視しながら 位置をずらしていき、膣穴を探り当てると、確認するように再び姉を見る。弟に物問いたげに 見つめられた未来がこくっと肯いてみせると、悠貴はそっと腰を突き出していった。 まだ狭い未来の処女口を押し広げながら、悠貴の強張りがゆっくりと膣の中へと入り込んでいく。 未来はこれが初めてだったが、最前の自慰や悠貴の愛撫で十分に濡れ、解きほぐされていて、加えて 悠貴の分身がまだ小さなこともあって、痛みはまったく感じない。ただ、初体験への不安に…しかも 無理強いされて、弟と初体験することになった不安に、未来は小さく呻いて広げた脚をもじっと 動かした。 「はぁ、はぁ…」 悠貴は荒い息をつきながら、慎重に奥へとペニスを進めた。ぬるつく柔肉はすんなりと弟を受け入れて いったが、ほどなく処女膜がその進行を阻む。だが、先っぽがつかえたのを感じ、悠貴がぐっぐっと 二、三度力を込め直すと、ペニスはその繊細な襞肉を引き裂きながら、ずるりと奥へと潜り込んだ。 「あっ、くっ!」 「だ、大丈夫?」 処女を失った痛みに思わず小さな悲鳴を漏らす未来に、悠貴が気遣わしげな顔で尋ねるが、彼女は なんとか笑顔を作ると弟に肯いてみせた。「う、うん、平気」 実際、耐えきれないほどの痛みではなかった。弟に余計な心配をかけないよう、未来は漏れそうになる 苦痛の声をどうにか堪え、平然を装った。それが今、彼女が弟にしてやれる、唯一のことだった。 姉の返事に、悠貴は安心したような顔になると、さらにペニスを未来の中に進めていった。 そしてほどなく、悠貴の分身は根元まで完全に姉の中へと納まった。肉棒を包む、ぬるついた秘肉の 官能的な感触に、悠貴はふぅ、はぁ、と切なげに大きな息をつき、潤んだ瞳で姉を見つめた。未来も、 胎内で脈打つ固くて熱いペニスをありありと感じ、茫然としたように言葉もなく悠貴を見つめ返す。 「ほら、腰を動かしてみな。もっと気持ちいいぜ」 「え…?」 そこへ男が横から声をかけ、悠貴は半泣きの顔を男に向け、それから未来に顔を戻すと、彼は言われた 通り、そっと腰を動かし始めた。 「あ、く…!」 引き裂かれたばかりの処女膜をペニスで擦られ、未来が思わず押し殺した悲鳴を漏らすと、悠貴は すぐに動くのをやめて姉を気遣わしげに見つめた。 「休んでんじゃねぇ、さっさと動け!」 男の苛立った声に、姉弟は怯えた視線を彼へと向けた。腕組みをして二人を見下ろしている男に、 未来は悲しげに顔を歪ませ、そして弟へと視線を戻すと優しく言い聞かせるように言った。 「大丈夫、続けて悠貴」 姉に言われ、悠貴はしぶしぶといったふうに再び腰を動かしだした。かくかく、かくかくとぎこちなく お尻を振り、小さなペニスで未来を懸命に突き上げる。悠貴のペニスが最奥に突き入れられるたび、 痛みと、何より弟と性交しているという恥じらいに、未来の口からはどうしても抑えきれない小さな声が 漏れ出てしまう。「あっ、くっ、ん…」 「んっ、ん、んっ…」 悠貴は小さな鼻息を漏らしながら、押し殺した喘ぎを漏らす姉を幾度となく突いた。姉を虐めている ような後ろめたさを覚えつつも、熱くぬるついた柔肉の感触に、悠貴はどうしても昂奮を感じずには いられなかった。口で舐められていた時よりも遥かに心地よく、いつまでも姉とこうして繋がって いたいと、快感に霞む心の片隅で、彼はぼんやりと思った。 「はっ、あっ、お、お姉ちゃん…」 「あっ、ひっ…!」 快感が高まるにつれて悠貴の腰の動きは次第に激しくなっていき、強まる突き上げに、未来が怯えた 声を漏らす。まだ幼く小さいペニスだったが、男を受け入れた経験のない未来には、まるで胎内を ぎっちりと埋め尽くしているようで、処女喪失の痛みが、さらにそれを巨大に感じさせている。 身体の奥から怯えとも興奮ともつかない戦慄が込み上げてきて、未来はぶるっと身震いをした。 「ひゃははは、マジで姉弟でセックスしてやがる。近親ソーカンてやつか、ひひっ」 幼い姉弟の交わりを眺めながら男が笑うが、二人の耳にはその声は届いていない。下腹部に感じる 互いの生殖器の感触に、二人の頭の中はいっぱいだった。 「はぁっ、はぁっ、あっ、す、凄い…お姉ちゃん!」 「あっ、悠貴、凄いの…」 胎内を荒々しく掻き回され、苦痛とも快感ともつかぬ小さな呻き声を漏らす未来に、悠貴は息を 荒げながら、何度も何度も腰を打ちつけた。下腹部で快感が膨れ上がり、さっき口でされた時のように、 再び弾けそうになるのを悠貴は感じていた。あの強烈な快美感を求めて、悠貴はさらに腰を激しく 振りたてていく。 「はっ、あっ、あっ、ふっ、あっ、あ…お、お姉ちゃん、お姉ちゃんっ、お姉ちゃん…っ!!」 そして悠貴は最後にひときわ大きな声で姉を呼ぶと、ペニスを深々と姉の中に突き入れた。ぐっと 背中を反らして硬直し、未来の中で肉棒がびくっびゅくっと激しく脈動した。 「あっ、ふぁっ、あっ、あっ、あ……」 悠貴はそのまま切なげに喘いでいたが、ペニスの脈動が徐々に収まるにつれてその声も小さく、 途切れ途切れになっていき、やがて悠貴はがっくりと脱力すると、未来の身体の上に沈みこんだ。 「あ、悠貴…」 息も絶え絶えといった感じの弟を、未来はしっかりと抱きとめると、愛おしそうに背中に手を回した。 「お姉ちゃん…」 未来の腕の中で悠貴が気だるそうに顔をあげ、涙を湛えた瞳で彼女を見つめる。未来も潤んだ目で 弟をじっと見つめ返す。二人は、お互いの瞳の中に相手に対する深い愛情を感じ取っていた。肉の交わり が、お互いが一層近しく、そして愛しく感じさせていた。それが例え強制されたものだったとしても…。 「おら、終わったんならさっさとどきな」 だが、姉弟の無言の愛情の確認は、男によってすぐに断ち切られた。押しのけられて未来の上から 転げ落ち、のろのろと身体を起こす悠貴に、男は威圧するように、未来の身体越しにぐっと身を 乗り出して言った。 「これでお前も共犯だからな。誰か呼んだりしたらお前も一緒に捕まるんだぜ、わかったな?」 「え…?」 まだぼんやりとした顔をしている悠貴の前で、男は未来に馬乗りになる。 「それじゃ、今度は俺の番だ」 「あ、嫌…」 助けを呼んだからといって、もちろん悠貴が逮捕されることなどありえないが、幼い彼にはそんな ことなどわかるはずもなく、悠貴は嫌がる姉に男が覆いかぶさっていくのを、ただおろおろと見守る ことしかできなかった。「お姉ちゃん…」 「悠貴…」 男が未来の膝を掴み、股を広げていくと彼女は涙をこぼしながら弟へ目を向けた「悠貴、見ないで…」 「う、あ…」 悠貴は何か言いたげに口をぱくぱくさせたが、言われた通りぎゅっと目を瞑ると下を向いた。それを 見届けた未来は、安心したような顔をすると、自分もぎゅっと目を瞑り、男に汚されるのを静かに 待った。 「ひひ…」 すっかり観念して大人しくなった未来に、男は薄笑いを浮かべながら、いきり立ったペニスを 握りしめて、彼女の割れ目に押し当てた。 「…………」 「!?」 だが、まさに男が未来に挿入しようとしたその時、遠くのほうから微かに人の声が聞こえてきて、 男はギクリとして頭を巡らせた。木立の間から目を凝らして様子を伺うと、校舎の向こうから人が 歩いてくるのがわかる。しかも一人だけではない、二人だ。 やばい…。男の額に汗が滲んだ。「おいお前ら、声を出すんじゃねぇぞ」男は未来たちにそう言うと、 慌てて身体を起こしてペニスをズボンにしまい、そそくさとファスナーをあげた。「ぎ!!!?」 その瞬間、男の口から唸り声のような悲鳴が漏れた。焦って勃起したペニスをしまいきらないままに ファスナーをあげたせいで、裏の皮を派手に挟んでしまったのだ。 「ふわっ、おっ、がっ!」 悲鳴をあげてのたうち回りたくなるような、脳天まで突き抜ける激痛が男を襲うが、微かに残された 自制心で彼はなんとか絶叫することだけは押し止めた。大声を出したら、こちらにくる二人連れに 見つかってしまう。 「があああ、ぐひっ、あっ、あひっ」 だが、絶叫こそしなかったものの、喉の奥から野獣のような唸り声が漏れるのはどうしても止められ なかった。さらに、じっとしていられず、内股になってうろうろと辺りをうろつき回る。動いていたら 見つかる。それに声ももっと落とさなければ。理性ではそうわかっていても、この痛みの前には絶叫を 押し止めるだけで精一杯だった。 痛い! 痛い!! 痛い!! 男は涙を零して必死にファスナーを外そうと格闘するが、がっちりと 皮に食い込んだ金属の爪を無理に引き剥がそうとすると、今以上の激痛が急所を襲う。「う…?」 男は、指にぬるりとしたものを感じ、月明かりに照らしてみると、そこには鮮血がべったりとついて いた。「ひっ、血っ、血が…ひぃぃ…」 男の全身から血の気が引いていき、足ががくがくと震えて力が抜け、へたり込みそうになる。男は 情けない悲鳴を漏らしながら、助けを求めるように辺りに視線を巡らせたが、その視界の端に、呆気に とられて彼を見ている未来と悠貴が映った。 (やばい…) 今は二人とも大人しくしているが、もし正気に返って逃げ出そうとしたり、歩いてくる人物を呼ぼう とでも考えたら、それを止めることはできそうにない。激痛に苛まれながら、男は必死になんとか しようと考えを巡らせるが、痛みの余りまともに頭が働かない。やばい、やばい、やばい… 「くっ!」 「あ…」 ぽかんとしている姉弟の前で、男はくるりと背中を向けると、二人連れが来るのとは反対の方向へと よたよた走りだした。二人を止められそうにない、そして人を呼ばれたら、こんな状態では逃げることも ままならないだろう。だったら、人を呼ばれる前に逃げなければ。それが、彼の出した結論だった。 幸か不幸か、フェラチオをさせて一度すっきりしていたため、未来をレイプできなかったことに さほど未練はなかった。どのみち、ペニスがこんな状態では、もうレイプなんかしていられない。 そんなことより捕まらないことのほうが大事だ。 男は股間を押さえて内股ぎみに、よろよろと、しかし精一杯早足で未来たちから遠ざかっていった。 急げ、二人が助けを呼ぶ前に、できるだけ遠くへ……。 やがて男の姿は木立の闇の中によろよろと消えていき、ほどなくその姿は完全に見えなくなった。 「……はっ」 男が消えてもまだしばらく茫然としていた未来たちだったが、やがて悠貴が我に返り、こちらに 歩いてきた人物に向かって声をかけようとした。「助け…」(ダメ!) だが、未来が小声で囁いて悠貴の腕を引っ張り、それを止めた。怪訝そうな視線を姉に向ける悠貴に、 未来はなおも小声でひそひそと言う。(ちょっと待って、わたしハダカんぼなのよ!?)(あ…) 裸なだけでも十分問題だったが、こんな時間にこんなところで服を脱ぎ、弟と二人でいるところを 見つかりでもしたら一大事である。(隠れて、悠貴!)(う、うん…) 「ん…?」 二人連の一人が、立ち止まって未来たちのいる茂みの方へ顔を向けた。二人は茂みの陰で身体を 小さくして、じっと息を潜める。 「どうしたんですか?」と、未来たちの耳に、上品そうな中年女性の声が聞こえてくる。もう一人は 女性だったようだ。もしかしたら夫婦なのかもしれないが、この際それはどうでもいいことだった。 未来は二人がこちらにこないことを、茂みの陰で必死に祈った。 「ん? ああ、なんでもない。さ、行こう」 男性の方は未来たちに気付かなかったのか、あるいはこんな時間に暗い茂みの奥にこそこそ隠れている 人物を詮索する気がなかっただけか、そう言って首を振ると、再び女性と一緒に歩き出した。そして この二人も、間もなく闇の中へと消えていった。 (ふぅ…) 二人の姿が見えなくなってしまうと、未来は溜めていた息を吐きだし、全身から力を抜いた。あの男も もう戻ってはこないようだ。助かった…。 いや、本当に助かったと言えるのだろうか? あの男にはレイプされずに済んだが、悠貴とは…。 未来は今しがたの出来事を思い返して、頬を赤くした。どうしよう、悠貴とエッチしちゃった…。 悠貴は今の事をどう思ってるんだろう。聞いてみたいような怖いような気持ちで、未来は横目で ちらりと、隣でしゃがんでいる悠貴の様子を伺ったが、弟が浮かない顔をしているのに気付いて、 表情を硬くした。「どうしたの悠貴、どこか痛いの?」 姉の問いかけに、悠貴はかぶりを振った。そして顔をあげて未来をまっすぐに見つめ、泣きそうな声で 言った。「お姉ちゃんごめんなさい、僕、お姉ちゃんを助けようと思ったのに…」 その後は声が震えて言葉にならず、悠貴は再び俯いてしまった。下の地面に、涙がぽたぽたと滴る。 未来は泣きだしてしまった悠貴に少し驚いた顔をしたが、すぐに表情を和らげると、弟の頭をそっと 撫でた。 「悠貴が悪いんじゃないよ。それに、あんな怖そうな大人の人なのに、助けてくれようとしたんだもん。 ありがと、悠貴」 「……」 悠貴は顔を上げると、涙を溜めた瞳で未来を見た。「でもお姉ちゃん、嫌だったでしょ?」 悠貴に訊かれ、未来の頬がさっと赤く染まった。「あ、え~と、そのぉ…」しどろもどろになって 未来は言葉を探していたが、ふっと表情を緩めて弟に微笑みかけた。「…嫌じゃなかったよ」 「ホントに?」 「うん。だって悠貴だったから…」ぎょっとして顔を赤くする悠貴に、未来はうっかり口を滑らせて しまったことに気付いて、彼女も顔を赤くした。 「えっ? あっ、ちっ、違…」 「僕も!」 未来は焦りながら今の言葉を訂正しようとしたが、その言葉を遮るように悠貴が口を開いた。「僕も、 全然嫌じゃなかったよ!」 「悠貴…」 弟の言葉に、未来は目を丸くした。ほっぺがかぁっと熱く火照り、胸がどきどきと高鳴りだす。 それから奇妙な嬉しさを覚え、未来は目を細めると、思い切って思っていることを口にした。 「うん。わたしも悠貴にだったら…エッチなことされたって全然嫌じゃないよ…」 「お姉ちゃん…」 気恥ずかしそうに、少し嬉しそうに、二人は地面に膝をついたままでじっと見つめ合った、そして、 未来が両手を広げると、悠貴は姉の元へと這い寄っていき、その胸の中に身体を預けた。 「悠貴、本当に嫌じゃなかった?」 「うん…」 弟を抱きしめながら未来が訊くと、彼女の胸の中で悠貴がこくんと頷く。未来はごくりと唾を飲み 込むと、弟を抱擁していた右手を下におろし、彼の股間の辺りを探った。悠貴はズボンとパンツを まだ下ろしたままで、未来はすぐに剥き出しになっていた弟の分身を探り当てた。それは、姉の柔らかな 身体の感触と、これから起きることへの期待で、既に固くなり始めていた。 「悠貴のおちんちん…固くなってる…」 「あ、お姉ちゃぁん…」 未来がペニスを愛おしそうに擦ると、悠貴が甘えたような声をだす。未来が弟を擦り続けていると、 彼女の手の中で、その分身はより固く大きくなり、すぐにかちかちになった。姉に弄られながら、 悠貴も彼女の股間へ手を伸ばすと、スリットをすっすっと擦り始める。 「お姉ちゃん…ここ、気持ちいいの?」 勃起してこりこりとなった淫核を弄りながら悠貴が訊く。さっき男に命令されて弄っていた場所だ。 「うん、そうだよ…そこ…気持ちいいの…」 はぁ、はぁと息を荒げながら未来が答える。そんな事を言うのは恥ずかしい。けど、男がいた間は 抑えていたモノが一気に溢れ出し、自分を抑えきれない。「もっといっぱい触って、お姉ちゃんを 気持ちよくして、悠貴」 そう言いながら、未来は悠貴の分身をいっそう強く擦る。睾丸を揉み、ぷっくりと膨れた、包皮に 包まれた亀頭を指先でぷにぷにと摘まむ。悠貴も応じるようにクリトリスを擦り、襞肉を掻き回し、 膣口を探り当てると、指を中に潜らせる。 そしてペッティングを繰り返しながら、やがて未来は悠貴をそっと地面に横たわらせた。仰向けに なった弟に、彼女は立ち膝になってまたがる。あんな男に命令されたからじゃなく、今度は自分の 意思で、弟とつながるんだ…。 「悠貴、おちんちん…入れるよ?」 半分泣きそうな顔で悠貴が頷くと、未来は弟のペニスを摘まんで真っ直ぐ上を向かせ、ゆっくりと 腰を下ろしていった。ペニスの先端がスリットに当たるのを感じると、腰をずらして膣口へと導き、 そしてわずかな躊躇ののち、ぐっと腰を落とした。 「あっ、ふっ…!」 かちかちになった弟の分身が胎内に入り込むと、未来は小さく喘いだ。まだちょっと痛い。しかし、 初めての時よりは幾分マシだ。未来はさらに腰を落としていくと、弟と完全に一つになった。 「ぜ、全部入ったよ、悠貴」 「う、うん…」 姉の股間に自分の分身が飲み込まれていくのを、瞬き一つしないで凝視していた悠貴は、心ここに非ず といった様子で肯いた。「お姉ちゃんの中、あったかくてぬるぬるしてて…凄く気持ちいい…」 「バカ」 恥ずかしいことを言われ、咄嗟にそんな言葉が口をついたが、悠貴が悦んでいると思うと、その口許は ほころんでいた。もっともっと気持ちよくしてあげたい、もっともっと悦ばしてあげたい…「悠貴、 動くよ?」 未来はそう言うと、腰を上下に揺らし始めた。さっきは悠貴が動いたが、今度は自分が動く番だ。 「はぁ、はぁ…あ、凄いや、お姉ちゃん…」 「気持ちいい、悠貴?」 「うん、気持ちいい、気持ちいいよぉ」 騎乗位になって盛んに腰を振る未来の腰を掴み、悠貴は切なげに喘いだ。姉の襞肉はさっきにも増して 熱く濡れ、ぐいぐいと情熱的にきつくペニスを絞めつけてくる。 「あっ、凄い、凄い!」 「悠貴、悠貴っ!」 暗い木立の中、ぼんやりと浮かんだ二人のシルエットが淫らに激しく揺れたが、それを見る者は、 幸いにもどこにもいなかった。 「さ、行こう」 「うん」 それから十分ほどが経ち、服を整えた未来が茂みから姿を現した。その後から悠貴も姿を現す。未来が 悠貴に手を差し出すと、悠貴も手を伸ばし、二人は指と指とを絡め、しっかりと手を握りあった。肌を重ね、 愛を交わし、今二人は、この茂みに入る以前とは比べ物にならないほど、お互いを大切に、愛おしく 感じていた。 そして二人は、まるで恋人同士のようにぴったりと寄り添いながら、校舎の向こうから漏れ出る 照明の光を目指し、ゆっくりと歩き始めた。 おわり
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「お姉ちゃん、あそこにお化け屋敷があるよ!」 GW後半、未来と悠貴は二人だけで都内にあるとある遊園地へと遊びにきていた。本当は両親とくる はずだったが、毎度のように両方とも急な仕事が入ってしまっていた。最初はムクれた未来だったが、 幸い、もう中学生になったこともあって、悠貴と二人だけで行くことを許され、しかもお詫び代りに お小遣いもたっぷりとはずんでもらい、朝から様々な遊具で遊んで今はもうすっかり機嫌を直していた。 次は何に乗ろうかと、二人が手を繋いできょろきょろとあたりを見回しながら歩いていると、悠貴が 前方にお化け屋敷があるのを見つけ、目を輝かせた。病院をモチーフにしたものらしく、古びた鉄筋 ふうの大型の建物に、おどろおどろしい看板がかかっている。お化け屋敷のシーズンにはまだ早い時期 ではあったが、入口にはそこそこの人数が入場待ちをしていた。 「ね、あれ入ろ!」 「は、お化け屋敷なんて子供騙しじゃん、バカバカしい」 悠貴が顔をわくわくとさせながらそちらを指差して言うが、彼女の返事は冷やかだった。実のところ 結構興味をひかれていたが、言った通り、お化け屋敷なんて子供騙し・子供の入るところだという 思いこみがあり、しかし一方で少し怖くもあって、未来はいかにも興味なさげな醒めた表情を装った。 「あんた、あんなの入りたいの?」 「……」 小バカにされた気がして悠貴は少しむっとした顔になったが、繋いでいた姉の手が、緊張でわずかに 力がこもったのに気がついた。 「…お姉ちゃん、怖いの?」 「なっ!?」 内心を見透かされた未来の顔が真っ赤に染まった。「そ、そんなわけないじゃん! バッカじゃない、 あんた何言ってんの!?」 「え、でも…」 「わかったわよ、そんなに入りたいならいこうじゃないの」 未来はそう言うと、悠貴の手を引いてお化け屋敷の方へ歩き始めた。本当を言えばちょっと怖い。 怖いが、どうせ子供騙しなんだから大丈夫。弟の手前もあって、未来は自分にそう言い聞かせた。 「わぁい」 そう挑発すれば、きっと入ろうと言い出す。などという計算は悠貴にはなかった。未来が怖がって いるならしょうがないと、素直に諦めかけていた悠貴は大喜びをする。 「でも、途中で怖くなって動けなくなっても置いてっちゃうからねー」 「え…」 そう言って意地悪そうに舌を出す未来に、悠貴は少し不安そうな顔になったが、彼は姉の事はよく わかっていた。口ではどう言おうと、置いてったりしないで、ちゃんと傍についててくれるはずだ。 悠貴は未来としっかり手を握ると、二人で入場待ちの列へと加わった。 そして… ガタン! 「きゃあああああああ!!!」 暗がりの通路、曲がり角の向こうから突然現れた血みどろのナース服のゾンビに、未来が絶叫した。 ここのお化けは全て機械仕掛けだったが、登場やその奇怪な動きは実に滑らかで、まるで人が演じて いるようだ。いや、人ではマネをできないような昆虫じみた動きをする化け物などもあり、人間が 化けているよりも数段優れているかもしれない。他にもホログラムなど最新式のギミック満載で メイクも演出も優れていて、子供騙しとあなどっていた未来は、入ってすぐに恐怖のどん底へと 叩き落されていた。 「凄いねお姉ちゃん、本当に生きてるみたいだよ!」 一方悠貴は、いきなり目の前に現れる化け物に驚きはするものの、その精巧な動きや造りに感動する 気持ちのほうが強いようで、興奮気味に未来に話しかける。 「ねえねえお姉ちゃん、このお化け表情まで変わるんだよ」 「そんなのほっといて早くいこ!」 今にも噛みついてきそうなゾンビの顔を指差す悠貴に、未来は涙目で悠貴の袖を引っ張った。 「う、うん…」 悠貴はもう少しじっくりとゾンビの仕掛けを見てたかったが、姉に促されて渋々と歩きだした。 こんなことなら、さっき言った通り自分だけ置いてさっさといってほしいと悠貴は秘かに思ったが、 怯える姉にあまり冷たくすることもできず、未来に引っ張られるようにして通路を歩いていった。 ガタッ 「嫌ぁぁぁっ!」 ゴトッ 「きゃあああああ!!」 ドンッ 「うきゃあああああ!!!」 ベッドの上の血まみれの包帯男や解剖室の解剖中の死体やらが不気味に蠢きながら迫ってきて、 未来はその度に悲鳴をあげて悠貴にひしっとしがみついた。しまいにはなにもないのに、自分の足音にも びくびくと怯え、先を急いでいた足はすくんで思うように進まなくなり、いつしか未来は顔を真っ青に して、弟の背中に隠れるようにおどおどと歩くようになっていた。両手は悠貴の肩に乗せてしっかりと 掴み、いざとなったら弟を盾にして自分だけ逃げだそうという気が見てとれる。 「もうヤダ、帰る~! 出口どこよぉ?」 「大丈夫だよお姉ちゃん、全部作りものだよ」 泣きごとを漏らす未来を、悠貴が時々振り返って励ましながら、二人はさらに先へと進んでいった。 「ひ!」 「わっ」 やがて、二人が真っ直ぐ続く薄暗い廊下を歩いていると、突然左右の壁から無数の腕が飛び出し、 未来は短い悲鳴を漏らしてぴきっと固まった。悠貴も一瞬怯んだものの、こちらはすぐに歩きだす。 「あー、びっくりした…」 だが、悠貴は数歩進んだところで、それまでしっかり肩を掴んでいた未来の手が離れたのに気付いて 後ろを振り返った。「お姉ちゃん?」 「あ…あ…」 未来は両手を前に突き出した悠貴の肩を掴んだ恰好のまま硬直し、ぷるぷると小刻みに震えていた。 大粒の涙の浮かんだ目を見開いてどこか虚空を見つめ、さっきまで真っ青だった顔は、赤味が混じって だんだら模様となっている。 「お姉ちゃん、大丈夫?」 様子のおかしい未来に、悠貴が目の前まで戻って訊ねたが返事はなかった。(ん…?) その時悠貴は微かな異臭に気付いて、鼻をくんっと鳴らした。(この匂い…)くさいが、割と馴染みの ある匂いだ。これは確か…。 それがなんの匂いだったか考えながら、匂いの元を辿って視線を下に向けた悠貴は、未来の履いて いるミニスカートの中から、水滴がぴちゃっ、ぴちゃっと滴り落ち、床に小さな水溜りができているのを 見つけた。さらに未来の太股を、滴がつぅっと伝い垂れていくのにも気が付く。 悠貴は茫然と、姉の顔へと視線を移した。「お姉ちゃん、おしっ…」「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 悠貴がみなまで言い終える前に、未来は悲鳴をあげてその場にしゃがみこんだ。「嫌ぁぁ、うっ、 うぅっ…ひくっ、うぅっ…」 そのまま両手で顔を覆い、声を潜めて泣きじゃくり始めた未来を、悠貴はどうしていいかわからずに おろおろと見つめていたが、ほどなくポケットをごそごそ探ると、ティッシュとハンカチを取り出した。 「お姉ちゃん、はい。これで拭いて」 「ううっ、うっ、ひくっ…」 悠貴がティッシュとハンカチを姉に差し出すが、未来はふるふると首を振って受取ろうとはしない。 恐怖と、中一にもなって、しかも弟の目の前でお漏らししてしまった恥ずかしさとで、未来は立ちあがる ことも顔をあげることもできずにいた。が、 「僕が拭いてあげるね」 「!?」 しゃがんで姉の太股を拭こうとする悠貴に、未来はびくっとして顔をあげると、慌ててティッシュと ハンカチをひったくった。そしてしくしく泣きながら、未来は濡れた太股をティッシュで拭き始める。 弟の前でお漏らしの後始末など、年頃の少女にとってはこの上ない恥辱であったが、弟に拭いてもらう くらいなら自分でやったほうがマシだった。それに、いつまでもこうしてしゃがみこんでいたって しょうがない。 「うぅっ、ぐすっ…」 鼻をすすりながら、ふくらはぎ近くまで垂れたおしっこを拭き終えた未来は、よろよろと立ち あがった。ついでに鼻をかんで涙もぬぐい、売店で買い物をした時にもらってバッグに入れておいた、 いわゆるコンビニ袋を取り出して、そこに丸まったティッシュを突っこんだ。 「お姉ちゃん、もう大丈夫?」 「……」 気遣わしげな顔で訊く悠貴に、未来はとまらない涙を拭いながら、無言でこくりと頷いた。まだ 怖いし、恥ずかしい。しかし、一刻も早くここから立ち去りたかった。 「いこ、お姉ちゃん。僕がついてるから大丈夫だよ」 「うう…」 悠貴に励まされるが、未来は逆に情けないやら恥ずかしいやらで、さらに涙が溢れてきてしまう。 それでも彼女は悠貴に手を引かれつつ、涙を拭き拭き先へと歩き始めた。 (うう、気持ち悪い…なんか痒い…) だがしばらくも行かないうちに、濡れて股間に張り付くパンツに、未来はまだ涙の止まらない顔を 嫌悪感に歪めて足を止めた。それにこのままだと、今は無事なスカートまで濡れてしまうかもしれない。 どうにかしないと…。 「お姉ちゃん?」 また立ち止まってしまった姉に訝しげな顔をする悠貴に、未来は少し怒ったような声で言った。 「悠貴、ちょっとあっち向いてて」 「?」 未来の意図がよくわからないままに、悠貴が姉の指図に従ってくるりと背中を向けると、未来は きょろきょろと辺りを見回し、監視カメラの類がない事を確かめてから、スカートのなかに手を入れた。 そして濡れてしまった下着をするっと引き下ろし、脱いでしまうと、さっきティッシュを入れた袋に 一緒にしまい込んだ。股間がすーすーして無防備になった気分だが、おしっこで濡れた下着を つけたままにしているよりはいいだろう。 「もういいよ。さ、いこう悠貴」 「え? あ、うん」 未来が何をしていたのか気付かないまま、悠貴は姉に背中を押されるように歩きだした。どこか 吹っ切れたのか、未来は悠貴の背中に隠れて登場するお化けに怯えつつも、もう足は止めることなく 先へ先へと進んでいった。そして数分も歩くと、ようやく通路の先に『EXIT』の表示のある扉が 見えてきた。 「あ、出口だよお姉ちゃん」 「あ…」 悠貴が前方の扉を指差すと、未来は顔を輝かせた。よかった、ようやくここから逃げ出せる…。 自然と早足となり、未来は悠貴の背中を押すように出口に向けてどんどん歩いていった。 しかし未来は知らなかった。お化け屋敷というものは、出口が見えて客がほっと安心したところに、 最後のドッキリを仕掛けてあることが多々あるということに。 「ひゃあっ!」 「うわっ」 出口目前で、二人の前に天井からいきなりフリークスじみた化け物が目の前に降ってきた。驚いて 情けない悲鳴をあげ、思わず悠貴の肩を手放して身体をのけ反らせた未来は、バランスを崩して どすんと派手に尻もちをついた。 「痛っ!」 「お姉ちゃん、だいじょう…」 お尻をしたたかに床に打ちつけ、顔をしかめる未来に、悠貴が振り向いて手を差し出しかけたが、 彼は不意に目を真ん丸にしてその手を止めた。 「あ痛たたた……はっ!?」 お尻の痛みに気を取られていた未来は、悠貴に少し遅れて、自分が大股を広げた格好になっている ことに気がついた。短いスカートは捲れ上がってしまい、自分からでもその中が見えてしまいそうだ。 当然、悠貴からなら… 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」 「な、なんだ…?」 出口の中から聞こえてきた絶叫に、順番待ちをしていた客がどよめいた。しかし、それが恐怖の悲鳴 ではないことに気付く者はなかった… ※おまけ※ 「~♪」 「う~……」 お化け屋敷を出て、妙に上機嫌な悠貴の後ろを、未来は顔を真っ赤にしてその背中を睨みつけながら 歩いていた。手はスカートの前と後ろを押さえ、万が一にもめくれたりしないようにしている。もっと 長いスカートにしておけばよかったと思っても、今さらどうしようもない。早くどこかで替えの下着を 見つけないと、うかつにしゃがむこともできないし、階段だって使えない。 「あ…!」 未来がそんな事を考えながら歩いていると、前を行く悠貴が不意に足を止めて振り返った。 「ねえお姉ちゃん、あそこにパンツがあるよ!」 「え?」 悠貴の指さす方を見ると、売店の中に、マスコットキャラのイラストの入ったTシャツなどに混じって 下着が並べられている。よかった、助かった… 「よかったねお姉ちゃん、パンツ売ってて」 「い!?」 大きな声で言う悠貴に、安心しかけていた未来の顔が引きつった。周りの人々の視線が自分に 集まっているような気がする。 「きっとみんなもおしっこ漏らしちゃうんだね、お姉ちゃんだけじゃないんだ」 屈託のない笑顔でさらに続ける悠貴に、未来は他人のふりをすることに決めてスタスタと早足で 弟の横を通り過ぎた。 「あれ、お姉ちゃん、パンツ買わないの? ねえお姉ちゃん、パンツは……」 ほとんど駆け足となって遠ざかる未来に、悠貴も駆け足で追いかけ始めた。 「お姉ちゃん、パンツ、パンツ! パンツ売ってるよお姉ちゃんってば……」 顔を真っ赤にして走る少女と、その後を追いかけながらパンツという言葉を連呼する少年を、 周りの客たちは不思議そうに眺めていた。 おしまい
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「ただいまー」 水色の厚手のジャンパーに茶色のマフラーを巻き、ランドセルを背負った未来が小学校から帰って来て 部屋に入ると、入口のすぐ脇にある机に座っていた悠貴が振り向き、彼女に笑顔を見せた。 「あ、お姉ちゃん、お帰り」 「あ、悠貴、こっちにいたの?」 未来も弟ににこやかな笑みを返すと、マフラーをほどきながら彼の方へと一、二歩歩み寄った。 「あのね、悠貴…」 ジャンパーのポケットに手を突っ込み、未来は何かを言いかけたが、そこで弟が手にしている物に 気が付くと、笑顔を強張らせて言葉を止めた。ハート型をした、掌にすっぽり収まるほどの大きさの、 齧りかけのチョコ…。「あんた、それどうしたの?」 「あ、これ?」悠貴は手に持ったチョコに目を落とし、それから顔を上げるとにこにことしながら 言った。「ママがくれたんだ、バレンタイン・デーだからって」 そう、今日は2月14日、バレンタインだ。しかし、まだ小2の悠貴がチョコを貰っているのは 意外だったが、母親からというなら納得だ。どこかほっとしながら、未来は弟に訊いた。 「そういえばママは?」 「もうお仕事にいったよ」 「なんだ…」 悠貴が顔を曇らせて答えると、未来は少し不機嫌そうに呟いた。母は最近仕事で家を空けることが 多く、今日のように悠貴と二人で留守番を頼まれることが多かった。悠貴のチョコは、そのお詫び代わり なのかもしれない。 ま、いいか別に。未来は心の中で呟いた。六華女学院に合格してようやく受験勉強から解放されたと 思ったのに、今度は、中学で落ちこぼれないように今からしっかり勉強をしろとうるさいのだ。 それよりも…「ね、悠貴」 未来は不機嫌そうだった顔をなんだか嬉しそうにすると、弟に一歩近寄った。が、その時、悠貴の机の 上にも何個かのチョコが置いてあるのが見えて、未来は再び顔を強張らせた。チロルチョコや銀紙に 包まれたアーモンドチョコといった、明らかに大勢に配るための一口チョコに混じり、どう見ても 『義理』以上の意図がこめられた、リボンのかかった小箱も二つばかり置いてある。 「こっちはね、学校で貰ったんだ」 未来の視線に気付いた悠貴が、にこりとなって答える。 「へ、へぇ、まだ二年なのにもうチョコをあげたりするんだ…。よかったじゃない、悠貴」 「うん!」 未来がどこか不機嫌そうなのに気付かず、悠貴はさらににこにことなって頷くと、ふと気がついた 顔をして机に置いてあったチロルチョコを手に取り、彼女に向けて差し出した。 「そうだ、お姉ちゃんも欲しい? わけてあげるよ」 「別に…」 だが、未来はいっそう不機嫌そうにぷいっと横を向くと、部屋の奥にある自分の机へとすたすたと 歩み寄り、ランドセルを乱暴に椅子の上に置くと、踵を返して部屋の外へと向かった。ドアから出ていき かける未来の背中に、チョコを差し出したままで悠貴が声をかける。 「いらないの? お姉ちゃん、チョコ好きでしょ?」 「あんたが貰ったんだからあんたが食べなさいよ、バカ!」 「……」 怒気の籠る声に、さすがに姉の機嫌が悪いのに気がついた悠貴は、しかしその理由が分からずに、 ぽかんとなってリビングへと消えていく未来の背中を見送った。 (はーあ…) リビングのテレビの前に置いてあるテーブルに座った未来は、ポケットに突っ込んでいた手を出した。 そこには、ピンクのリボンのついた、ワインレッドのハート型をした箱が握りしめられていた。 いわずもがなのバレンタインチョコだ。未来はそれをテーブルに置くと、頬づえをついてため息混じりに 見つめた。 小学校生活最後のバレンタイン。しかも未来が合格した六華女学院はちょっと離れたところにあるうえ、 名前の通りの女子校で、今の学校の男子と顔を合わせることはほとんどなくなるだろう。だから、 その前に気になる子にチョコを渡そう。幼馴染で、一緒の中学に行くことになったマユにそう勧められ、 未来はこのチョコを買っていたのだった。 しかし未来には特に渡したい相手などおらず、いちおう学校に持っていったが結局誰にも渡さない ままに、こうして持って帰ってきてしまっていた。悠貴にでもあげればいいや、きっと喜ぶだろうな…。 そんなことを考えていたが、母や他の女の子にチョコを貰ってにこにこしている悠貴を見たら、なんだか 気が抜けてしまった。あれだけ貰ってるなら、別にあげなくたっていいや。一枚増えたところでたいして 喜びもしないだろう。 (どうしよ、これ…) 悠貴でなければあとは…。未来の脳裏に、ちらっと父の顔が浮かぶ。しかし、ここのところ自分たちに 母への愚痴を聞かせたり、自分たちをダシにして母に嫌味を言ったりすることの多くなった父を、未来は 嫌っていた。パパにあげるくらいだったら自分で食べるほうがよっぽどマシだ…(あ、そうか…) 未来はハッと顔をあげた。そうだ、なにも無理に誰かにあげることはない。自分で食べちゃえば いいんだ。「うん、そうしよ」 未来は自分の思いつきに頷くと、箱を手に取って包装紙を剥がし始めた。 「へへ…」 箱の中から出てきた、掌大のハート型のチョコに、ちょっぴり憂鬱だったのも忘れて未来は 目を輝かせた。結構高かったのだから、きっと美味しいはずだ。 「うわ」 チョコを両手で取りあげた未来は、小さな声を漏らした。柔らかくなってたチョコが、指にべっとりと ついてしまったのだ。下校中、悠貴になんと言って渡そうかと考えながら、ポケットの中でずっと 握りしめていたせいだろう。口の中ですぐ溶けるというキャッチコピーがついていたが、それは 伊達ではなかったようだ。 未来は、チョコを持つのを左手だけに任せ、右手の指についたチョコをペロリと舐め取った。 (ん…美味しい…) 指先についたほんのわずかな分だけでも、よく食べる安い量販品の物とはまるで違う、滑らかで クリーミーな味わいが、口の中に広がる。思った通り、高いだけのことはあったというわけだ。 未来はわくわくしながら、ハートの右上あたりにパクリと齧りついた。 「んふ…」 一口齧り取り、舌の上で転がすと、チョコはすぐさま溶けて口の中いっぱいに濃厚な味が広がり、 未来は幸せそうな笑みを浮かべた。悠貴になんかあげなくてよかったかも…。そして未来は顔を綻ばせ ながら、一口、また一口と、ハートを齧っていった。 「あ、お姉ちゃんもチョコレート食べてる!」 「むぐ!」 そうやって未来が黙々とチョコを齧っていると、不意に横から悠貴の声がして、彼女はチョコを喉に 詰まらせかけて目を白黒させながら、慌てて残ったチョコを身体の影に隠すと振り向いた。 「ゆ、悠貴、いたの?」 「お姉ちゃんもチョコ貰ったの?」 いつの間にかリビングに来ていた悠貴が、未来がチョコを隠しているあたりを見つめながら訊く。 もうバレているんだから隠していても意味がないと、未来はチョコを弟の見えるところへと出し、 つんとした顔で言った。 「貰ったんじゃないわよ、自分で買ったの」 「へぇ…」 悠貴は指を咥えて物欲しそうな顔で、彼女の持つ食べかけのチョコを見つめていたが、やがて顔を 上げると彼女に訊ねた。 「お姉ちゃんはチョコくれないの?」 その言葉に、未来は頬がかぁっとなるのを感じ、慌ててそっぽを向いて吐き捨てるように言った。 「な、なんでわたしがあんたにチョコをあげなきゃなんないのよ!」 「……」 途端に悠貴が悲しげな顔になる。そして彼は指をくわえたまま上目遣いで未来を見ると言った。 「僕、お姉ちゃんからチョコ貰いたかったな」 「う…」 例え弟とはいえ、そんな表情でそんなことをストレートに言われ、未来は頬が熱くなるのを感じずには いられなかった。「な、なに言ってんのよ、バッカじゃない?」と、未来は照れ隠しにそっぽを向いた まま乱暴に言った。だがすぐに、ちょっとキツく言い過ぎたかなと気になって、横目でそっと弟の様子を 伺うと、悠貴はしょげたような顔をして、じっと彼女の手のチョコを見つめていた。 そんなにわたしのチョコ欲しかったのかな…。未来は罪悪感と共に嬉しさを覚えたが、生憎とそんなに 欲しそうな顔をされても、チョコはこの一つだけで他に用意していない。まったく、欲しいんなら 最初から言えばいいのに…。内心で理不尽に悠貴に怒りながら、未来はどうしようかと考えを巡らせた。 新しいチョコを買ってこようか? しかしそこまでするのは、弟にチョコをあげたがっているみたいで なんか嫌だ。かと言って他にチョコはないし…。 「ああもう、そんなに欲しかったんならこれあげるわよ」 少し逡巡したのち、未来は持っていた、半分近く齧った残りのチョコを悠貴に突き出した。ハート型 だったものは今や左半分しか残っておらず、その残りも、柔らかくなっていたのを摘まんでいたせいで、 指の形に窪みがついている。我ながら嫌がらせに近い気がしたが、他にあげられるチョコはないのだから しかたがない。文句があるなら食べてくれなくて結構だ、別に貰ってほしいわけじゃないのだし…。 「わぁ…」だが、差し出されたそのチョコに、悠貴は顔を綻ばせると未来の横にちょこんと座り、両手を 彼女に差し出した。「ありがとう、お姉ちゃん!」 「え? あ、はい…」 こんな食べかけのチョコに大喜びするなんてと、未来が呆れ半分嬉しさ半分でチョコを弟に手渡すと、 悠貴はにこにことしながら、さっそくそれを口へと運んでいった。 あーん、と悠貴が大きく口を開けて、がぶりとチョコに食いつく。あ、間接キス…。その様子を なんとはなしに眺めていた未来の頭に、ふとそんなことが浮かび、彼女は頬を赤らめると悠貴からさっと 顔を背けた。なに考えてんだろ、悠貴と食べかけのお菓子を分け合うなんて、よくやることなのに…。 きっと今日がバレンタインだからだ。未来は思った。女の子が男の子に愛の告白をする、特別な日。 だから、そんな変な事を考えてしまうんだ…。 「このチョコ美味しいね!」 悠貴に話しかけられ、未来ははっと視線を弟に戻した。見れば、悠貴はこの上なく幸せそうな顔で、 口いっぱいにチョコを頬ばってもごもごとやっている。口に押し込むようにして食べたせいだろう、 唇の端には溶けかけていたチョコがべっとりとついてしまっている。 そんな、いかにも子供じみた弟の姿に、未来は思わず相好を崩した。まったく、子供なんだから…。 そして、こんな子供にどぎまぎするなんてと、未来は微苦笑を浮かべ、悠貴の口許へ指を伸ばした。 「もう、チョコついてるわよ」 未来は悠貴の口端についたチョコを指先できゅっと拭った。が、上手く拭いとることができず、 むしろチョコを塗り広げてしまう。「う…」 未来は少したじろぐと、チョコのついた指先をぺろりと舐めながら、ティッシュを探して辺りを 見回した。だが、生憎と手近なところにティッシュの箱は見当たらない。部屋まで取りにいこうか? それとも他に使えそうなものは…。 「もう、しょうがないなぁ…」 適当なものが見当たらず、未来は考えあぐねた末に、弟の方へ身を乗り出した。「じっとしてて…」 そして未来は悠貴の肩を掴んで顔を近寄せていくと、舌を突き出して弟の口の横をペロリと一舐めした。 チョコの甘い味…。未来は顔を離すと、くすぐったそうな顔をしている悠貴を見つめた。そして、 チョコがまだ完全に舐め取れていないのを見て、もう一度顔を寄せて弟のほっぺに舌を這わせた。 別に変なことじゃない、ママだってよくやってるし。ぺろ、ぺろとチョコを舐め取りながら、未来は 自分に言い聞かせた。今日はバレンタイン、特別な日なんだから、ママの真似くらいしてあげたって いいだろう。これは最近仕事が忙しい母にあまり構ってもらえず、寂しそうだった弟へのバレンタインの ちょっと特別なプレゼントだ。 「ふふふっ…」 くすぐったさに悠貴が含み笑いを漏らして身じろぎする。 「ほら…動かないの…取れないじゃない…」 未来はそう囁きながらちろちろと舌を動かし、悠貴の頬についたチョコを舐め取っていった。チョコの 甘い香りとは別の、子供特有のほの甘い匂いが漂う悠貴の頬を、未来は外側のほうから徐々に唇の方へと 舐め進め、そして唇に舌が触れる寸前、彼女は舌をそっと引っ込めた。そしてわずかな躊躇ののち、 さっと口を近寄せると、未来は悠貴の唇の端に自分の唇を擦るように一瞬触れさせ、すぐに顔を離した。 (…はっ!?) そのままぽーっとした顔で、ぽかんとしている弟を見つめていた未来は、数拍おいてから我に返って 頬を赤らめた。(キス…しちゃった…) バードキスとすら呼べないような、口の端にわずかに擦っただけの、軽く短いキス…。だがそれは、 間違いなくキスであった。自分のしたことに驚き恥じらい、今さらのように未来の胸はどきどき高鳴り 始めた。 なんでわたし、そんなこと…。未来はどぎまぎしながら自分に問いかけた。きっとこれも、今日が バレンタインだからだ。きっとそうだ…。(そ、それに、チョコが半分しかなったしね…) さらに未来は、動揺しながら頭の中で付け加えた。キスはその分のおまけ、これもバレンタインの 特別なプレゼントだ。そう、全部バレンタインのせいなんだ…。 「ありがとう、お姉ちゃん」 「い!?」 あれこれ頭の中で自分に言い訳をしていた未来は、弟にお礼を言われ、赤らめていた顔を完全に 真っ赤にさせた。だがそれは、ほっぺを綺麗にしたお礼を言ったのだとすぐに気付き、未来は心を 落ち着けた。キスに気が付かなかったのか、それもついたチョコを綺麗にしていただけと思ったのか、 いずれにしろ、悠貴は特別なことがあったとは思っていないようだ。 (キスに気付かないなんて、ホントまだまだ子供だな悠貴は…) 安心したようなちょっぴり残念なような、拍子ぬけした気分になりながら、未来はテーブルに頬杖を ついて優しげな微笑みを浮かべ、残りのチョコを美味しそうに頬張る悠貴をじっと見つめた。 「…ねえ、悠貴」 やがてすっかりチョコを平らげ、指についたチョコをぺろぺろと舐めている悠貴に、未来は ゆっくりと口を開いた。 「なに、お姉ちゃん?」 「今日は一緒にお風呂入ろうか?」 「うん!」 朗らかに返事をする弟に、未来の口許が緩んだ。今日は両親の帰りは遅い。まだまだ色々と、悠貴に 特別なプレゼントをしてあげられそうだ…… おわり