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「ふえるミチコさん --越前摂政危機一髪!?の巻」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 こんばんは。生活ゲームに参りました。 よろしくおねがいします。 芝村 さんの発言 記事どうぞ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 http //cwtg.jp/ogasawara/wforum.cgi?no=4138 reno=4107 oya=4107 mode=msgview 宰相府から護衛ACEをつけていただけるとの事なので、召喚ACEはこのように書いています。 芝村 さんの発言 OK 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 最初に、ゲーム内容についてご相談させてください。 4案あります。 1)越前藩国の慰霊公園(竜の攻撃の後に建てたA Sの霊園及び慰霊碑がある)にて献花。 2)宰相府にて宰相と会談。議題は文殊分散化についての相談。 3)越前藩国の藩立学校を視察 4)それどころじゃないので、越前藩部隊として戦闘対応。 どれがよさそうでしょうか? 芝村 さんの発言 どれでも? 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:敵の暗殺を迎え打つなら、1)か2)だと思います。芝村さんのお勧めはどちらでしょうか? 芝村 さんの発言 A1:1 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 わかりました。では、慰霊公園にて。 すみません、もう少し質問があります。 芝村 さんの発言 ええ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q1:あさぎさん(缶)は必要ですか? (壁30の護衛として。ただ、アリアンの都合もあります) Q2:越前藩王はいた方がいいですか? Q3:いた方が良い場合、アイドレスを着ておいた方が良いですか?現状編成に入って 芝村 さんの発言 A1:いらんだろう A2:いいんじゃね。 A3:とくには? 護衛はだすよ。 あさぎはねえ。アリアンの傍においとこか。 ねらわれるかも 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 わかりました。では、花を買って、護衛の方と一緒に慰霊公園に向かいます。 越前さんは同行無しで。 芝村 さんの発言 OK 2分待ってね 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 花束は、大きな束一つと、小さな束を二つ買っておきます。 芝村 さんの発言 OK /*/ ここは越前藩だ。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 宰相府からの護衛は、どなたが来ていますか? 芝村 さんの発言 アメルダがいるね。 剣をもってる 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「初めまして。越前摂政の黒埼です。いつも藩王がお世話に。」 芝村 さんの発言 アメルダ:「いえ」 アメルダ:「護衛をつとめさせていただきます」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「ありがとうございます。心強いですね。 では、いきましょうか。」 花束3つを持って、慰霊公園へ向かいます。 Q:公用車くらいは出せるでしょうか? 芝村 さんの発言 A:ええ 派手なキャデラック 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 慰霊公園へ行く道すがら、越前藩国の町並みを観察します。 芝村 さんの発言 静かそうだ。 上は、うるさいが 空襲警報がなっている アメルダ:「大変ですね」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「こんな中でわざわざ献花に出るというのも、ちと場違いだったでしょうかね。」 芝村 さんの発言 アメルダ:「いえ。真の事情はおききしています。もちろん、献花も目的でしょうけど」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「慰霊公園には、いずれ行かねばと気にしていました。 今回も迷いましたが、いくなら今しかないかな、と。」 芝村 さんの発言 アメルダ:「そうですね」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「この状況で、慰霊公園に来る国民はいないでしょう。 静かにお参りができそうです。」 後は、慰霊公園まで言葉少なに。 芝村 さんの発言 はい ついたよ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 花束は自分で持って、慰霊碑に向かいます。 着いたら、まずは花束を慰霊碑に捧げます。 芝村 さんの発言 はい。 アメルダは頭をさげた 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:スペーススペルキャスター、ないし宇宙の賢者が持つ知識として、お経を上げることはできますか? 芝村 さんの発言 知識で20だ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 r:お経を上げます。知識24です。 芝村 さんの発言 成功した アメルダが変な顔している 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 お経の後で、慰霊碑に彫った言葉を読み上げます。 【前触れもなく命を奪われた方を悼みます】 【我々はこの悲劇を忘れはしないでしょう】 【今はただ、安らかにお休み下さい。 】 【 我が、そして我らが越前藩国 一同 】 「まあ、見よう見まねでしたからね。変なところもあったかな。」>アメルダに向かって。 芝村 さんの発言 アメルダ:「あ、いえいえ」 アメルダはこまってる 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「・・・供養とは、死者と語り、歴史を語り継ぐ事だと、私は思います。」 慰霊碑に向かいながらしゃべります。 「今の越前藩が、ここに眠る犠牲者の目にどう映るか、あの悲劇をどうすれば防げるか、考える。考えて、実行する。」 「それが、越前摂政として私がやるべき供養です。それを為すには、もっと時間が要ります。まだ、彼らのところには逝けません。」 「お許しを。そして、安らかなれ。」 慰霊碑に向かって手を合わせ、頭を下げます。 芝村 さんの発言 拍手が聞こえる 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 振り返ります。 拍手はアメルダさんですか? 芝村 さんの発言 いや 黒服だ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「・・・この場で拍手というのは、無粋じゃないかね。」 芝村 さんの発言 ミチコ:「たいした茶番。そう思わない?」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 苦笑する。「ええ、正直。」 芝村 さんの発言 ミチコは銃を抜いた。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「私を取り除いたところで、文殊はもう止まりませんよ?」 「odさんもいる。分散化プロジェクトももうすぐ終わる。」 Q:アメルダさんはどう動いていますか? 芝村 さんの発言 アメルダは動いてない 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 打たせて取る、かな。まあ、それでも。 芝村 さんの発言 ミチコ:「od、ね。ありがとう」 ミチコ:「殺しておくわ」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「働き者だなあ。」 Q:逃走経路ってありそうなもんでしょうか。 芝村 さんの発言 A 同じ姿のが、八体でてきた 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:持っている銃はどれも同じですか? 芝村 さんの発言 ええ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:普通の銃でしょうか。それとも、私が見たことのなさそうな形ですか? 悪童屋・四季 さんが会話に参加しました。 芝村 さんの発言 A 聖銃だ 悪童屋・四季 さんの発言 聖銃をたたき落とします。 芝村 さんの発言 自爆した。 爆発の難易は40だ 装甲いくつ? 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:自爆を情報戦で止める事はできますか? 芝村 さんの発言 A 難易50 悪童屋・四季 さんの発言 装甲ですね。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 ぐふ。私一人だと48か。 悪童屋・四季 さんの発言 防御:39 35+4(スイトピー補正)=39 ますらおの鎧(+5)=44 とりあえず、耐えれそうです。 芝村 さんの発言 耐えきった。 ミチコ:「おどろいた」 悪童屋・四季 さんの発言 「ふう・・・。死ぬかとおもった」 芝村 さんの発言 ミチコ:「化け物ね」 ミチコ:「戦車でもいまのはふっとぶわよ」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「申し訳ない。今日は出ずっぱりらしいのに。」>悪童さん 悪童屋・四季 さんの発言 「まあ、いろいろ鍛えてもらったからね」 芝村 さんの発言 アメルダはうなずいたあとで黒埼に助言した。 評価+4された 悪童屋・四季 さんの発言 「いや、今はここを切り抜けよう」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:自爆したのは一体だけですか? 芝村 さんの発言 A ええ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:越前部隊はこのターン、摂政分隊(私のみ)とそれ以外(補佐分隊)という構成です。 補佐分隊が他所で待機しているものとして、彼らと同調して情報戦を行い、EAIシステムの効果を載せる事は可能ですか? 芝村 さんの発言 残り七体が動き出した 悪童屋・四季 さんの発言 「自爆装置を止めて下さい」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「了解。」 悪童屋・四季 さんの発言 「さすがに体がもたない」 芝村 さんの発言 一斉に襲いかかった。 悪童屋・四季 さんの発言 先に一方方向に突っ込む事はできませんか? 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q2:今の「自爆装置を止めてください」をもって、元帥の効果を得ることはできますか? 芝村 さんの発言 A2 いいですよ 評価はいくつ? 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 私が48、助言をうけて+4、あと元帥効果。 +5でよかったでしたっけ?<元帥効果 悪童屋・四季 さんの発言 はい 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 では、48+4+5=57となります。 えーと、敵の自爆装置の効果を止めるのと、むしろ接触前に自爆させるのだったら、どっちがいいです? >悪童さん 芝村 さんの発言 成功した。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 もう止めるしかないか。 芝村 さんの発言 とめたよ。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 了解です。 芝村 さんの発言 敵七体の一斉攻撃評価は52になる。 アメルダは剣を振るった。 弾が地面に落ちた。 アメルダ:「急いで、片付けてください」 悪童屋・四季 さんの発言 こちらの攻撃でいいのでしょうか? 芝村 さんの発言 ええ ARは6だ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 私は詠唱25、宇宙の賢者の助言で+2することもできます。 悪童屋・四季 さんの発言 敵の評価は52でいいのでしょうか? こちらは白兵攻撃:44 35+2(藩王)+3(拳法家)+4(スイトピー補正)=44 強靭刀(+5)=49 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 ぬ。足らんか。助言入れます? アメルダさんの方が高そうだけれども。<助言 芝村 さんの発言 52だよ。 アメルダが助言入れて+4 悪童屋・四季 さんの発言 えっと、こちらは馬にのっているので有利な位置からの攻撃で修正つきませんか? こちらはAR12からスタートです。 芝村 さんの発言 なるほど。f:で+2修正 差分三 やってみるか 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:私が詠唱を行い、援護射撃とする旨のf:を通すことで、修正を足せないでしょうか? 芝村 さんの発言 足せる。 修正2: これで成功かな 悪童屋・四季 さんの発言 はい #死ぬかと思った 芝村 さんの発言 成功した。 七人を倒した。 笑われたぞ 死体が拍手している。 そのまま動かなくなった。 悪童屋・四季 さんの発言 治療師で浄化しておきます。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「お経でも唱えておきましょうかね。」 悪童屋・四季 さんの発言 死体、黒埼さん、アメルダさん、自分等 とりあえず、ミチコさんは全部偽物ですか? 芝村 さんの発言 浄化した。 偽物だね。別人だ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 r:odさんの安全を確認します。 さっき会話で時間稼ぎしてるときに、odさんを引き合いに出してしまったので・・・。>悪童さん向け説明 芝村 さんの発言 /*/ はい。おつかれさまでした。 odは攻撃受けていない。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 おつかれさまでした。悪童さん、ありがとうございました。 悪童屋・四季 さんの発言 お疲れ様でした いえいえ 間に合ってよかったです。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 いやあ、怖かった。もうミチコさん出てきた時にはどうしたものかと。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 では、こんなところでしょうかね。 ちなみに、アメルダさんからの感情って何か変化ありましたか? 芝村 さんの発言 はい。 +1+1でした 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 了解です。ありがとうございます。 芝村 さんの発言 秘宝館には1,1で依頼できます では解散しましょう。おつかれさまでしたー 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 お疲れ様でした。
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段々と電波的なものに変貌していき色々な意味で注目を集める 684 名前:既にその名前は使われています[] 投稿日:2009/12/15(火) 12 05 09 ID guD0OhgS 今の傘サチコ Casa (Lv75 シーフ / Lv20 学者) 誰でも大切な人いますよね?もしその人が 困っていたら助けますよね?それと同じです 私は過激なだけです迷惑ならごめんなさい 発端のMPKという「いじめ」を行ったのは誰だったのか 考えを全く改めないどころか煽りに煽っていたのは誰だったのか それらを完全に放り出した内容にみえる そんなに庇いたいのに以前話し合いを自ら蹴ったのは何故? (※祭り第五回参照) これ守られてるはずのエリスでさえも引きそうなんだが…
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1 2 3 4 5 6 7 8 9 ※ 死ねたあり 澪と律 閲覧注意:ホラー系 第二部 投稿SS2011年6月15日 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る ここまで来るとChapter5までやってくれぃ‼ って思う。 けいおん!キャラで描いても相変わらず怖ぇな、コープスは… -- (あずキャット) 2012-02-04 01 11 20 続き待ってるよ -- (名無しさん) 2012-02-04 00 12 31 りっちゃんを殺すなああああ!!……りっちゃん… -- (リッチャソ) 2011-11-10 11 39 56 続きは作成中なの?? -- (名無しさん) 2011-09-10 19 09 09 律の首、切ったりしないよね… -- (名無しさん) 2011-09-10 17 53 52 今思ったんだけどさ、BRのとおりに進むとしたら、 刻命とか白壇高校の連中は誰になるんだ・・・? -- (名無しさん) 2011-09-09 22 50 23 今の所キャラを変えただけって感じなので今後に期待 -- (名無しさん) 2011-09-09 04 43 36 あのバケツって中身は肉塊だったのか…抜け目ないな -- (名無しさん) 2011-08-10 16 50 29 ついにあのホラーゲーとクロスしてしまったか… -- (名無しさん) 2011-08-10 13 32 00 もうすぐ2ヶ月になるけど続きはまだなのだろうか? -- (名無しさん) 2011-08-10 04 25 09
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サッちゃんは わたシの 自 慢 わた しのために なんでも してくれる わたしの ことは もう わからなくなって いる けれど あの子 を わたしは あ いしている ━━━━━━━━━━。 ちょうどこんな……雨のふる放課後だったそうよ…… その女性の先生が、怪談の踊り場から…… 転落してなくなったのは。 ━━みんな知ってるよね?私達の学校、【桜ヶ丘高校】が建てられる前…… この場所にもともと建っていた、【天神小学校】。 ブクブクッ 不幸な事故だったわ……。 当時の校長先生は、学校のことを まるで我が子のように、大事に思っていたみたいなんだけど…… その事件をきっかけに、天神小学校は廃校が決定しちゃったの それ以来、心を病んでしまった校長先生は……学校が閉鎖された当日に 校舎の屋上から身を投げて、自殺しちゃったんだって ゴロゴロッ 唯「……、」 和「私達の今いるこの学校は、そんな呪われた天神小学校の跡地に建っているの……」 和「しかもね、階段で転落死した先生の方は、まだ自分が亡くなったことに気が付いてないらしくって…… こんな雨の日の放課後には、 真っ暗な校舎の中を、今 で も 歩 い て る ん だ っ て ……」 和「そう、もうすぐよ!……時計が『7時を過ぎたあたり』 その先生が現れるとき、校舎は必ず『停電で真っ暗』になるの コンコン……ってノックのあとに、スゥッ……と扉が開くと…… 真っ白な顔が覗いてね…… 『ま だ 残 っ て る の~~?』……って!」 ドッシャアァァン! 唯「キャアァアァァ!」 ……しーん。 唯「(しまった……タイミングよく雷まで鳴るもんだから、つい大声をあげてしまった……でも、部屋暗くしてるしバレてないよね?)」 律「いやー!すんごい声出してる人がいたな~~、唯!」 パチッという軽快な音と共に闇に包まれていた音楽室全体が明るくなる。 私が所属している『軽音部』の部長、田井中 律ちゃんが教室の蛍光灯のスイッチを入れたのだ。 唯「そ、そうだねぇ……。(えッ!?なんで私に話ふってくるの?もしかしてりっちゃんにバレてる!?)」 梓「誰かの悲鳴のせいでこっちのほうがビックリしちゃいましたね、唯先輩。」 唯「だ、だよねぇ!(あずにゃんも!?)」 紬「みんな!そんなに責めちゃ唯ちゃんが可哀想よ!」ニコニコ 唯「……むぎちゃん、フォローになってないよ。(むぎちゃんまで……)」 和「どっちにしろみんなには筒抜けだから観念しなさい、唯。」フフッ 唯「あぅ……みんなぁ、ひどいよぉ。たしかにさっきのは私だったけど一番最初に疑われるのは澪ちゃんだと思ってた!」 律「あぁ、それは叫び声の問題だ。 澪の叫び声は、キャアァアァァじゃなくてヒィィイイィィ!だからな。それに……」 澪「私は怪談の始めの方で泡吹いて気絶してたんだよ。聞こえなかったか?ブクブクッて。」 紬「雰囲気だけで気絶したのね。」 唯「そんなバカな。」 そういえば……スルーしてたけど確かに聞こえてた気がする。 律「おっ、起きたか。」 澪「あぁ、唯の悲鳴で目が覚めたんだ。」 唯「そんなバカな。」 気絶してる人を起こすくらい声だしてたんだ、私。 和「まぁ、これが、代々、生徒会に伝わる怪談らしいんだけど……まぁ、唯には大成功だったみたいね。」フフッ 唯「もう!みんなして笑って!」プンスカ 私は額にシワを寄せた。 って言っても半分は照れ隠しなんだけどね! なんだかんだで私はこの暖かい人達と一緒にいるのが大好きなんだ! そう、大好きなんだ。 梓「それはそうと雨やまないですね。」 梓がカーテンをめくると雨はまだ勢いを保ったまま窓を殴りつけていた。 澪「あちゃー。私、今日傘持ってきてないや。」 だって天気予報晴れだったんだもん。 紬「私、置き傘あるけど澪ちゃん使う?」 澪「ホントか?助かるよ、ムギ!」 キンコンカンコーン! 突然チャイムが鳴り響いた。 時計を見るともう6時50分を過ぎていた。 和「あら、もう最終下校時刻ね。」 唯「和ちゃんが長いこと話するからだよ~!」 和「『何か面白い話無い?』ってわざわざ生徒会室まで呼び出しに来た唯には言われたくないはね!」 律「そんなこと言って、和もノリノリで怪談話始めるんだもんな。」 律「もう、軽音部に入っちゃわないか?」 和「前向きに検討しておくくわ。それはそうと、ちゃんと練習はしてるの?」 梓がピクンと反応したのは言うまでもない。 律「まぁ……ボチボチかな。」アハハ 和「そろそろ学園祭近いわよ?あと、体育館の使用許可書は今度こそ忘れないようにね。」 律「ほいほーい♪」 澪「それじゃあ、そろそろ(ry」 ドッシャアァァァァン! ジッ……ジジッ 皆「えっ!?」 一際大きな雷の音がしたかと思うと、音楽室の蛍光灯は音を立てて自ら放っていた光を絶った。 律「停電……か!?澪どこだ大丈夫か!?」 澪「ミエナイ、ミエナイ、ミエナイ、ミエナイ、ミエナイ、ミエナイ、ミエナイ、ミエナイ、ミエナイ、ミエナイ、ミエナイ」 律「うん、私も真っ暗で何も見えない。」 梓「どうします?電気復旧するまで、ここにいますか?」 和「そうね……暗い中帰ろうとしたら誤って階段から転落して、さっき話した女性の先生のお仲間入り……なんてことになったらシャレにならないし。」 コツ━━ 律「そ、そうだな!」 紬「じゃあ、ここにいましょう!」 唯「そうしよう~!」キャッキャ コツコツ━━ 澪「な、なぁ?」 律「んっ?」 澪「さっきから……なんか聞こえないか?」 律「えっ?」 コツコツコツ━━ 澪「ま、まただ!足音みたいな音……しかも、さっきより早くなってる!」 コツコツコツコツ━━。 梓「わ、私もさっきから気になってました……。 なんだか、どんどん音が大きくなってますし、まるでこっちに近づいてきてるような……?」 …まさか? 律「和!今何時だ!」 いち早く律が気付いてそう叫ぶ。 その間にも足音はどんどん近づいてきている。 和「ちょっと待って……ヨイショ。」 和がごそごそと何かを漁る音が聞こえたあと、私達はほんのりと柔らかい光に照らされた。 あれは……携帯か? 和「えっと……ウソ……。」 律「どうした?」 反応でだいたいの察しはつくのだが、それでも聞かざるを得ない。 和「律、見て。」 和が携帯を差し出してくる。 律は恐る恐るその携帯を受け取り、画面を除きこんだ。 待ち受けに唯と和のツーショットのプリクラ画像が表示されていた。 和にしては落書きの多いプリ画でなんか意外だった(唯がやったのかもしれないが)が、それに長く囚われずに律は時間を確かめる。 やっぱり……。 携帯に内蔵されたデジタル時計は19 00を表していた。 皆が次々と携帯を除き込んでくる。 紬や梓は不安そうだし、唯はボーっとしているし、皆まちまちの表情を浮かべていた。 澪だけは珍しくなにくわぬ顔をしているが? 澪「なんだ?時間が関係があるのか?」 そうか、澪は気絶してたせいで怪談を最後まで聞いてなかったんだな。 ある意味うらやましい。 紬「ねぇ……足音。止まったみたいよ。」 ハッとして耳を済ます。 確かにもう音は聞こえない。 梓「で……でも!もし、怪談通りだとしたらマズイです! 私、ずっと聞いてましたが、足音が止まったのってだいたいこの部屋の扉のま…え…。」 コンコンッ 高くもなく低くもない音が私達の耳を駆け巡る。 律「…………、」ゴクリ 律は生唾を飲み込む。 さすがにシャレにならないよ、これ。 唯「私……確かめてみる。携帯貸して!」 そういって唯は律から和の携帯をひったくって懐中電灯代わりにする。 律「唯ッ!」 律が名前をよんで警告するが唯はそれを無視し扉へ向かう。 唯は無言で扉へたどり着き、取っ手へと手を伸ばした。 「まだ残ってい゛るの?」 瞬間、唯は伸ばした手を引っ込める。 しかし、そんな危機感知もいまさら虚しく、扉はギィーっと不気味な音を立てて、独りでに開いていく。 その時私は見た。扉の開いた隙間から覗く血走った目と女性と思わしき長い髪を。 「早゛く……カエリナザァアァアアィ!」 ドッシャアァァン! 唯「キャアアァァアァアァァ!ア…ワ、ワァァアァア!!」ドテン 唯は思わず尻餅をついた。その拍子に和ちゃんの携帯が扉の方へ転がっていった。 ヤバい、襲われる! ?「ク……くくッアッハハハ!唯ちゃんのリアクション新鮮で良いわぁ!最高よ!」 唯「へっ?」 さっきと打って変わって聞き慣れた声が私の耳を撫でる。 声の主は床に転がっている和の携帯を拾って自らの顔を照らした。 唯「……さわちゃん!?」 さわ子「そう、正体は私でしたぁ♪いやぁ、懐かしい怪談が聞こえてきたからつい便乗させてもらったわ!」 唯「」 律「さ……さすがにびびったぜ。」 梓「死ぬかと思いました……。」 紬「わたしも……。」 澪「私は見回りの先生だと思ってたぞ?」 和「澪は私の話した怪談をロクに聞いてなかったからね。けど、先生もこの怪談をご存知だったんですか?」 さわ子「えぇ。私が軽音部の部員だった時も紀美……ほら、結婚式で私に演奏させようとしてた子よ。 あの子が何度か話してくれたの。」 和「ってことは、これは生徒会だけに伝わる怪談じゃあないんですか?」 さわ子「いや、あの子何だかんだで頭よくて、たしか生徒会と軽音部を掛け持ちしてたのよね~。」 和「そんなバカな。」 さわ子「たぶん、『生徒会で面白い話聞いたんだけど~』みたいな感じで話してたと思うわ。あっ、電気が。」ジジッ 紬「復旧しましたね。」 澪「これで帰れる……」 唯「」 梓「唯先輩がさっきから放心しっぱなしで帰って来ません。」 さわ子「そんな唯ちゃんには心強い味方が来てるわよ。あと、梓ちゃんにもお客さん!」 梓「お客さん?」 ?「お姉ちゃん!」 唯「うーん……あれ憂どうしたの?」 ?「梓~」 梓「なんだ純か。」 純「扱いヒドッ!?」 さわ子「2人ともワザワザあんた達に傘を届けに来てくれたらしいわよ!お礼くらい言いなさい!」 唯・梓「ありがとう、いい薬です。」 律「あぁ、憂ちゃんと佐々木さんだ!」 純「鈴木です。」 澪「こら律!高木さんに失礼だろ!」 純「鈴木です。」 和「あんた達……。 ごめんね?気を悪くしないでね?山木さん。」 純「もういやだこの人達。」 さわ子「はいはーい、みんな、もう7時回ってるわよ。帰る準備しない?」 さわ子がパンパンっと手を叩いてみんなを仕切る。 紬「……っ……」 律「さわちゃん、なんだか今日家に帰りたくないんだ。」 憂「律さん大胆///」 和「まるで下心丸出しの彼氏のようなセリフね。」 紬「『律さわ』もありかも♪」 さわ子「りっちゃん。そういうセリフはもっと大人になってから澪ちゃんに言ってあげなさい。喜ぶと思うから。」 澪「ちょっとさわ子先生///」 律「純ちゃん、今ならさっきの君の気持ちが分かるよ。」 さわ子「ほら、ごちゃごちゃ言ってないでさっさと帰るわよ!」 皆「ハーイ。」 さわ子「それじゃあ……むぎちゃんも。名残惜しいけど……」 さわ子「向こうに行っても、元気でね?」 紬「……っ」 皆「…………」 紬「……はい……」 唯「ムギちゃんがいなくなると寂しいな……」 梓「ムギ先輩ならすぐに友達できますよ、絶対に!」 そう、紬は両親の仕事の関係でフィンランドの学校に転校することになっていた。 今日、こうしてみんなで遅くまで集まっていたのも紬の最後の登校日だからであった。 律「皆……大げさだぜ。 長期の休みには……必ず……帰って来てくれるらしいじゃんか……。」 澪「そういいながら……律……泣いてるよ。」 律「澪こそ……」 律・澪「……うわぁぁあん!」 憂・純「先輩方……」 唯「……(ヤバい)」 梓「……(私達まで)」 和「……(もらい泣きしそう)」 紬「……これじゃ、ダメよ。」 さわ子「えっ?」 2
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律「澪っ!」 澪「り、律……わた……あっ、私……」 呂律が上手く回らない。 声も震えていて、ちゃんと言葉になってるかどうかすら不安だ。 律「落ち着け!大丈夫か!?何があった!?」 澪「こ、これ……」 私は腐汁のついた手で『それ』を指差した。 律「…………え!?」 律が目撃した『物』。 それは、まだ腐りかかった肉やポロポロの服が所々骨を覆っている、人の死体だった。 律「うわぁアァア!?し……死体ッ!?本物ッ!?嘘だろォッ!!?」 律「み、澪!立て!こっ、こんな所……ッ、早く離れなきゃ……」 キ…… 澪・律「!?」 キ、キ 澪「今……なんか声がしなかった?」 ギ、ギギ 律に問うまでもない。 紛れもなく、その腐った死体から聞こえてくるものだった。 律「み……お。」 その時、ボゥッと青白く光る『何か』が死体からスズズッと飛び出してきた。 その丸い物体(?)は、宙に浮いたまま私達の反応をうかがっている。 澪「ひっ人魂!?」 私は逃げ場を求めるようにして律の顔を見る。 相当酷い顔をしているが、私はもっと酷い顔をしているのだろう。 ?「……キ・ミ・タ・チ」 人魂がしゃべりかけてきた。 ?「キ・ミ・タ・チ ハ、新シイ犠牲者か……」 澪「あ、あ……ぁ、あなたは……?」 ?「……キミ達と同ジように……無理ヤリ此処に、『監禁』サレタ者だ……。」 律「監禁って……外には出られないって事か……?」 ?「……そうサ。この学校ハ、キミ達のイタ世界とは 切り離されて存在している。」 澪「どうして……そんな所に、私達……」 ?「『彼等』ガ。何人も何人も、この空間に送り込んでいるらしイ……。」 ?「……何の罪も無い、生きた人間を次々とね。」 ?「……此処は、恐ろしい力を持つ 怨霊が作り出シた、呪われた異次元空間…… 幾つモの空間が重なり合う、」 ?「閉じられた【多重閉鎖空間】さ……。」 ?「キミ達も我々も、運悪く手ニ掛カった……『誘拐』の被害者ト云う訳だ。」 澪「多重……閉鎖空間?」 ?「ソウだ……。」 ?「キミ達二人の他にも…… 此処に連レて来られた者が、何人かイルみたいだね……」 澪「━━!(まさか……本当に……みんなもここに?)」 澪「(……無事……なのかな…… 心配……)」 律「み、みんなも、この学校の何処かにいるの?」 ?「何人かは、ワタシニはワカらないが…… 君達と同時に 連れて来られた人間ガ 数名、」 ?「この学校に確かニいる……」 律「よっしゃ! 澪、みんなも一緒だってさ!」 澪「…………っ」 律「憂ちゃんや、さわちゃんもきっと居るよ!いやぁ、良かったぜ澪!」 ?「ダが……会えない」 澪・律「えっ?」 ?「……この学校内二 確かに居るが、存在している次元が違う。」 ?「再ビ仲間と逢いたけレば、"同じ次元"に存在する方法を見つけなけレばならない…… そうすれば」 ?「脱出は出来なくトモ……せめて一緒に死ヌ事くらいは出来るカモ知レないな……」 律「そ、そんな……どうやったら 帰れるんだ?」 澪「怨霊って、何者だ? どうしてこんな事を?」 ?「……わからない…… 彼らの目的モ、ここから抜け出す方法モ……」 ?「だが……頑張れるカもな ……キミ達は一緒ノ次元に存在出来タだけ……まだ幸運ダ」 ?「頭が二つアレバ、発想も広ガル」 ?「……なんとか脱出方法を見ツケ出スンダ……」 ?「ワタシ達ノヨウニ…… ナラナイデクレ……」 …………ガラッ 澪・律「・・・?」 突然、閉まっていたはずのドアが音を立てて開いた。 そのドアの向こうには……? 律「……誰もいないぜ?」 澪「そんな……風で勝手に開くようなタイプのドアじゃないのに?」 ?「……ヒィ!?」 律「どうした!?」 ?「い、イル……黒板の所に……」 ?「赤い少女が……!」 澪・律「なにっ!?」 私と律が同時に黒板の方に目を向ける。 そこには、血のように真っ赤に染まったワンピースにお腹の裂けた熊のぬいぐるみを持った、まだ小さな女の子がいた。 *「……キャハ♪」 血走った目……っというより、血が溢れて垂れている目をギラつかせながら、狂ったように笑い出す。 *「キャハハハハハッ♪」 律「うわぁ!?み、澪逃げるぞ!早くっ!(この笑いを聞いてると……)」ダッ 澪「う、うん!(頭痛や耳鳴りがする……)」ダッ 澪「うっ……足が……」ズキッ 澪「わぁっ!?」ドテン 律「ちょっ!?」ドテン 突如、足の痛みに耐えきれなくなった私はドミノ倒しのように律を巻き込んで転倒した。 そんな間にも赤い服の女の子はこっちに迫ってきている。 律「あ……あ、あ……」 澪「ごめんっ!?大丈夫か!?」 私は律の腕をつかんで引き上げるようにして、一緒に立ち上がろうとした。 澪「……律?」 律がカッと目を見開いたまま動かない。 その視線の先は、赤い服の女の子のおぞましい目に吸い込まれていた。 澪「おい!律!しっかりしろ!律っ!!」 律「……はッ!?」 律「み……お……?」 澪「あぁ、私だ!逃げるぞ!!」ダッ 私は律の手を引っ張って教室の外に出た。 ━━━━━━━。 澪「ハア……ハァ」 律「ゼェー……ゼェー」 必死で逃げた私達は廊下の壁を背にへたりこんでいた。 2人とも荒くなった息づかいを静めようと、躍起になっていた。 しかし、私達の意志に反して心臓の鼓動の高鳴りがなかなか収まってくれない。 律「……追って来ないな?」 律が【2のAの教室】の出入口をひたと見据える。 澪「あぁ……なぁ、さっきの子ども?幽霊?」 澪「ぼんやり光ってたよな……。幽霊とかなんとか……信じられないんだけど……!」 澪「本当に現実なのか?これ……」 律「でも……人魂とか いたし…… あんなの初めて見たぜ?」 澪「律も見たんだよな……?」 律「あぁ……、話もしたよ……。」 澪「わけ、わからない……!」 澪「けど……ただ校舎を出れば家に帰れる……なんて、簡単な状況じゃないのかも……。」 律「……だ、大丈夫だって!いつもみたいに元気よく行こうぜ!……な?」 澪「……、うん」 律「それとさ……やっぱり3階行ってみよう? さっき、澪を追いかけてる時、誰かが登って行った気がしたんだ。」 澪「唯達……かな?」 律「わかんない……けど 知らない人だとしても 、もしかしたら脱出するのに協力してくれるかもしれない。」 澪「……そうだな。よし、行こう。」 澪「……ところで、どっちの階段だ?」 この通路の左右の突き当たりにはそれぞれ登る階段がある。 律「えっと……あ、あれ?」 律「……どっちだっけ?」 澪「……おい、自慢の頭の中の地図はどうした……。」 律「むっ……、誰かさんが急に走り出すから、ここまでの道を覚える暇無かったんだよ。」 澪「……、」 律「あっ、ご ごめん……澪……」 澪「……別にいいよ。」 律「……とりあえず、あっちの階段見てみよっか!」 澪「……うん。」 私達は左側の階段に向かうことにした。 ━━━━━━━━。 律「あっ、あれは……【1のAの教室】!」 澪「なるほど、こっちの階段は1階に降りる前に見た、上に上がる階段か。」 律「ここに繋がるのかぁ!……って、おい!? これって私達、【1のAの教室】周辺しか、まだ調べられてないってことじゃないか?」 澪「……常に恐怖でストレスを感じてるから、時間や距離の感覚が狂っちゃってるんだろうな……。」 律「……けっこう走り回った気がするのに……。」 澪「私もだよ……。」 律「……とりあえず、登ろうぜ!」 律が先に上り始めた。 私もその後ろをちょこちょことついていく。 しかし、3階を目指す私達の目の前に現れたのは………… 律「なんだ?これ?」 階段には、机や椅子が複雑に積み重なり、屈強に立ちふさがっていた。 澪「……バリケードみたいだな。これじゃ通れない……。」 けど、誰が何のためにこんな物を? 律「くそっ、誰かが登って行ったのを見たのは、向こうの階段だったのか……?イマイチ思い出せない……。」 クルシイ……イタイ…… 律・澪「……っ!?」 律「……聞こえたか?」 澪「……あぁ、私達の背後から……だよな?」 私は律の手をギュッと握って、そぉっと後ろを振り返った。 ?「イタイ……イタイ……。」 澪「ヒッ!?」 律「また……人魂か?」 ?「オマエ 達 が、新タナ 迷イ子 か」 迷い子?あぁ、犠牲者ってこと……か。 澪「そうだけれど……あの、あなたは?」 ?「キミタチノ 先輩 ってトコだ キミタチも モタモタ シテイタラ いずレ コウナル」 律「……それはどういう……」 ?「コレダケハ 覚エテオケ 」 律「おい!?無視か!?」 ?「コノ、ガッコウ デ死ヌト 死ンダ、トキノ 痛ミ クルシミ、ガ、永遠ニ 続ク……」 ?「成仏ノ ミチ ガ、完全二 閉ザ サレテ イルカ、ラ」 ?「ウゥ……オレハ ナンデ アンナ、死ニカタヲ……ウァゥア。」 ?「ドレダケ 探シテモ 【あいつ】は 見ツカラナイ。」 ?「目二 ツクノハ ただタダ 絶望ノミ ダッタ。」 律「お、おい……」 ?「……先輩カラノ 選別ダ コレヲ 持ッテ イケ」 ━━チャリンッ 金属質の物が床に落ちる時の独特の音が響き渡る。 【不明の鍵】を手に入れた。 タグも何もついてないのでどこの鍵かはわかりません。 律「これは?」 ?「オマエラ二 必要 な 物ダ」 澪「どこの鍵……」 ?「ソロソロ、時間……」 律・澪「……!?」 人魂の輪郭がどんどんぼやけていってる。 ?「オ前ラハ……負ケルナ……ヨ」 ━━━━━コレデイインダヨナ?マ……ゆ…… そう言い残してその人魂は消えていった。 澪「し、死んだ瞬間の痛みが永遠に……」ガクガク 律「……できるだけ考えないでおこうぜ?」 立て続けに出会った2名の犠牲者。 それに謎の赤いワンピースの女の子。 この先にどんなことが待ち受けているのか、嫌でも頭についてしまう。 それらを振り払うようにして私達は淡々と行き止まりだった階段を降りていった。 澪「結局、律の見た人影ってなんだったんだろうな?」 律「気のせいだったのかな?」 澪「年のために向こう側の階段も調べて見ようか?」 律「……そうするか。」 ━━━━━━━━。 4
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澪「……また床が壊れてる……。」 飛び越えるのはちょっと無理そうな穴が私達の行く手を阻んでいた。 律「くそっ、階段はすぐそこだってのに……。」 回りを探しても使えそうなものは特にない。 律「なにか、橋になるようなものがあればな……。」 澪「橋……橋か。」 なんだ?なにか私の頭に引っ掛かっている。 この状況を打破できそうな物を私は既に知っているような……。 律「そこら辺に転がっている板より長いのがあれば、向こうにわたることができるかも……」 澪「板……長い……それだっ!」 そうだ、思い出した! 私の頭の中の電球が一斉についたような気がする。 律「どうした、澪?」 澪「律!一回、【1のAの教室】に戻るぞ!」ニヤッ ━━━━━━━━。 澪「これだっ!」 私は肩に担ぐようにして床に落ちてるそれを持った。 それは、私が目を覚ました時に教室の左隅に落ちていたのを偶然見つけた、あの長い板。 これぐらい長ければ、橋がわりにして崩れた床を渡るのも可能だろう。 律「でも、それけっこうボロボロだぞ?私くらいなら大丈夫かもしれないが……。」 律「澪、そんな体重で大丈夫か?」 澪「大丈夫だ、問題無い。」キリッ 律「……。」 澪「なんだその目は。これでも最近ダイエットしてたんだぞ!……一応。」 律「その分だと大して痩せなかったんだな。」 澪「……皆までいうな。」 ━━━━━━━━。 律「おぉ、けっこうこれ丈夫だぞ♪」 橋代わりにした板の上で律が無邪気に跳び跳ねる。 たしかに板はきしまないし、折れるような気配も無い。 気がつけば律はもう向こう側まで渡っていた。 律「ほら、澪も来いよ!」 澪「……あぁ。」 私は慎重に一歩踏み出す。片足に力を入れて板が折れないかを確かめると、さっきとは対照的に早足で一気に渡りきった。 澪「ふぅ……。」 思わず安堵の息がもれる。 律「お疲れさん!んじゃ、降りるぞ!」 澪「うんっ!」 私は、ずんずん進んでいく律の後ろをついて回る。 その階段は、半分ほど降りると平らな場所が設けられ、そこから折り返すようにしてもう半分を降りるっという、よく学校に使われる作りの階段だった。 私は、その階段で見慣れてる物を見つけた。 澪「あれは……亀の像?」 そう、それは私達の学校【桜ヶ丘高校】にもある、手すりのところに固定された亀のオブジェだった。 律「おっ、なんだか懐かしいな!……あれっ!?」 澪「どうした?」 律「いや、この亀の頭にさ。なんかついてるみたいで……よっと!」ビリッ 律が亀の頭から何かを剥がした。 律「ほらっ!これっ!」 律が人差し指に付けてそれを差し出してきた。 澪「……シールか?」 私は律の指からそれを取る。 律「……なんか、どっかで見たことあるよな?」 澪「あぁ、私もそう思ってたところだ……。」 律「まぁ、一応持っておいて後で考えようぜ!」 澪「そうだな。まずは玄関だ!」 『【シール】を手に入れた。 可愛い猫がプリントされたそのシールは、私達の脳に既視感を漂わせている。』 階段を降りきった私達は外が少しだけ明るくなっているのに気づいた。 窓から、見える景色はまだぼんやりしているが、自分達は今、1階に降りたっと言うことが確認できた。 律「1年の教室が2階にあるなんて変な校舎だな。」 澪「いや、そうでもないよ。1階に教員が使う部屋を集めて、2階から生徒達が使う教室とかを集めてる学校もなくは無いから。」 律「そうなのか~。物知りだな!」 澪「……それほどでも。」 ━━━━━━━。 玄関はそれほど苦労せずに見つかった。 というのも、私達が今歩いてる1階の通路は床が崩れてるせいで玄関まで一本道になっていたからだ。 しかし、、、 澪「んっ━━んー……。」 澪「ダメだ開かない……。」 【玄関】 重い扉はドッシリと閉じられ、開けられそうにありません。 澪「鍵もかかってないのに……なんだか、力ずくで、開く感じじゃないみたい……」 律「マジか……でも、なーんか、そんな予感はしてたよ……な……。」 澪「そうだな……まぁ、ずっとここにいてもしょうがないし……どうした?」 私は、律がしきりに床に視線を送っていたのに気づく。 そこには、小さな靴が乱雑に散らばっていた。 律「小っちゃい靴……」 律「ここ、やっぱり小学校の校舎なんだよな……。」 澪「……あぁ。」 律「聡……腹減らしてるかな……。」 澪「……そっか、律ん家、今 お父さん……帰り遅いんだっけ?」 律「うん、ほらっ!ウチは母さんが『アレ』だったからさ……なんせ家計がなぁ……。」 律の母親は、律がまだ小さい頃に失踪していた。 しかも、律の母親は失踪する前日に多額の借金を追っており、失踪した今では律のお父さんが負担しているらしい。 どうして、借金を負ったのかも不明で、私も律母には何度も会ったことがあるが律と同じく気さくで明るい人だった。 何か危ないことに巻き込まれてしまったんじゃないかと律達や、私も今だに帰りを待ちわびている。 律「父さんが頑張ってる間、私が主婦やらないとな……あはは~~~~。」 澪「聡も、まだちっちゃいからなぁ……。」 澪「律、偉い!女子高生にして立派なお母さんだ!」 律「えー……なんかソレビミョーだぁ!!」 澪「あはは♪」 律「早く帰ってやらないと……。」 律「ってか、澪もだよな。澪ママ、『一人』で待ってるぜ。」 澪「うん そう……。ウチ もお父さん死んじゃっていないし…… ママ、心配してるかな━━。」 律「……絶対帰ろうな、澪!大丈夫!なんとかなるって!」 澪「あぁ!」 一人の時はどうしようかとおもったけど…… 律といたらなんだか元気が出てくる。 私もしっかりしなくちゃな! 律「……んん~♪」 澪「きゃ!?」パチン 律「ふぎゃっ!?」 澪「何してんだ━━━!!」 律「あっはは~♪澪ってば私の顔じっとみつめてるんだもん♪ キッスを求められてるのかと思って━━」 澪「んなわけあるかっ!」ゴチン 律「あぅ……」イテー 澪「まったく……。」 律……いつも励ましてくれてありがとうな。 ━━━━━━━━。 律「……ってわけで【1のAの教室】に戻ってきたわけですが!」 律「さて、次の目的地の非常口はどこにあるのでしょうか……澪さん?」 澪「人まかせかい!」 律「いや、こういう考えて推測するってのは私には向いてないだろ?」 律「それに、私の頭は今、地図の作成に脳の85%を、思い出に残りの15%を使うことになってるから、あまり複雑な思考はできないんだ!」 澪「そうか、じゃあまずはお前のそのどうしようもない幻想をぶち殺す必要があるな。」ゴツン 律「痛っ……男女平等パンチ反対!」 澪「フフッ……って、やってる場合じゃない。さすがに非常口は推測のしようがないぞ。」 律「えっ、どうして?」 澪「割と新しい学校の場合なら、各階に備えつけられてるはずだが……ここは古い校舎みたいだし、どっかの教室に一つだけとか、非常口すらない場合もある……。」 律「ってことは手当たり次第に探すってことか!?」 澪「あぁ……。気の遠くなる作業になりそうだ。」 律「……でも、アレだ澪。心配するな。」 澪「うんっ?」 律「ほら、そっちの方が私達軽音部らしいだろ! 探検してるんだと思って楽しんで行こうぜ!」ニコッ 澪「……あぁ!」ニコッ 軽音部……その言葉を聞いただけでなんだか勇気が出て、本当にどうにかなる気がした。 律「とりあえず、あそこの上に上がる階段に上がってみるか?ここが2階だから、3階に通じてるはずだぜ?」 ボソッ━━ 澪「いや、先にこの2階を調べ……?」 ボソボソッ━━━ 律「……今度はなんだ?」 ボソ 澪「しっ!」 私は人差し指を口に当てて律を黙らせる。 ダ・レ・カ━━ 澪・律「━━!?」 律「人の声!?私達以外にも人が━━っておい!澪!」 澪「……、」ダッ 私の足は気がつけば走り出していた。 怪我をしていることを忘れてしまうくらいに、ひたすら、今にも消えてしまいそうな声に向かって来た道を引き返す。 そんな私の脳裏には淡い希望が詰まっていた。 澪「もしかして……唯たちかも。」 澪「うッ……」ズキッ 足の痛みが再び私を襲ってきたが気にせずに降りてきた階段を登る。 律「おい!待てって!」 遠くから律の制止の声が聞こえた。 だが、今の私の足を止めるにはそれくらいの物では不十分だった。 ━━━━━━━。 澪「……この教室だ。【2のAの教室】か。」ガラッ 律の声を振りきるようにして私はその教室の扉を開けた。 澪「(真っ暗……?)誰か居ますか……?」 この教室も【1のAの教室】と同じで床はあちこち崩れており、転倒している机がいくつもあるが元々は並んでいた形跡があった。 澪「おかしいな(確かに人の声が聞こえたんだけど……)……ハッ!」 私は机の影に隠れていて、さっきまで見えなかった人影を見つけた。 澪「……(人が倒れてる!?)」 澪「(やっぱり私達の他にも誰かいたんだ!)大丈夫ですか!?」 私は床に座ってその人を抱き起こした。 グチャ━━ 澪「えっ?」 嫌な音共に『それ』を抱き起こした私の手から嫌な感触が伝わってくる。 ━━━━━━━━。 律「ったく、澪のやつ先に走っていっちまいやがって……。本当に足を捻挫してんのかな?」 律「いくら私が短足だとしても、怪我してる相手にはさすがに負けない……」ブツブツ 律「……『唯』たちかも、か。そう言えば最近唯の前でよく片耳だけピアスしてるよな、あいつ。」 まさかな…… 律「……しかし、澪のやつどこにいったんだ? 姿は見失ったし、おまけにさっきまで聞こえてた声もしなくなった……。」 律「まさか死……。いやいや、悪い方に考えちゃダメだ。らしくないぞ田井中律!」 律「とにかく、徹底的に探すんだ。まずはあの教室から…… んっ?今、あの階段を誰かが登ってった気が……」 もしかして澪か? 「ギャアァアアァアァア!!?」 律「……!?違う、今のが澪の叫び声だ。……? なら、さっきのは誰だ?」 律「……いや、とにかく、今は澪だ。 急げ、ワタシ。」ダッ ━━━━━━━。 3
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私達はまたもや今来た道を引き返すことになった。 途中でさっきの【2のAの教室】の前を通ることになったが、特に何事も起きずに通り過ぎることができた。 律「さて、【2階・東階段】の前についたわけだが……」 澪「【2階・東階段】?」 律「あぁ、階段が2つもあったら分かりづらいだろ?だから、さっきの【1のA】に近いところが【2階・西階段】でこっちが【2階・東階段】だ!」 律「ちなみに、玄関に行くときに降りた階段は【1階・西階段】と命名させてもらった!」 ブブッ 澪「変なとこで、きちょうめんだな……。」 ブブッブブッ 律「まぁな……てか、さっきからハエがブンブン飛び回って邪魔だ!」 律が顔の前で手をしきりに左右に振る。 澪「律……ちゃんと風呂くらい……」 律「いや、ちゃんと毎日入ってるよ!?」 澪「こっち側にも通路があるんだな……」 ブブッ 律「曲がり角になってたみたいだからな。」 律「さっ、ハエもうっとおしいことだし、そっちは後にして3階に上がろうぜ!」 澪「……あぁ。」 【3階・東通路】 律「どわっ!?」 澪「どうした!?」 律「あっ、あれ!」 澪「うっ……また……死体か……。」 律「あぁ……完全に白骨化してるな……。」 3階に着いた私達を出迎えてくれたのは、座った状態で力無く壁にもたれ掛かっている骸骨だった。 セーラー服を着ていることから、その子が女子であることが一目でわかった。 澪「……頭の部分が割れてる……」 律「何か固くて重いもので思いっきり殴られて死んだのかもな……。」 澪「……いったい誰に?」 律「……さぁ?」 ……誰彼かまわずに生存者を探すのはもしかしたら危ない行為なのかもしれない。 律「……んっ?」 澪「なんだ?」 律「いや、この骸の手の下に、くしゃくしゃになった紙切れが……よっと。」 律は死体を動かさないよう、器用に紙切れを抜き取った。 律「……、」 澪「……なんて書いてあるんだ?」 律「……いや、たいしたことは書いてないが。」 澪「……いいから見せてみろ。」 ポケットに紙切れを突っ込もうとする律を止めて、私は紙切れをひったくる。 澪「これは……。」 そこにはこう書かれていた。 " かみさ まは きっと たすけ てくれる " 澪「……神頼みか。」 律「……、なぁ!私達も神に祈っとこうぜ!ほら、もしかしたら祈りが届くかもだし……」 澪「……必要ない。」 律「えっ……?」 澪「……だって、祈った結果がこれだぞ?」 澪「私もできるなら神様がババッと解決してくれたほうがいい。」 澪「でも、これ見てるとわかる通り、神様ってのは肝心な時ほど助けてくれないもんなんだよ。」 律「……あ、あぁ。悪い……。」 澪「……いいよ。私も気持ちはこの人と同じだから。」 律「……うん。」 澪「ほら、さっさとこの階を調べよう。」 ━━━━━━━。 澪「【2階・東階段】しか無いってことは、あのバリケードでふさがれているフロアとは別の空間なんだな、ここは。」 律「そうだな、2階より格段に狭いしそれは間違いないだろう。」 澪「目立ったものと言えば、さっきの死体と……」 律「ウジ虫のわいた、何が入ってるのか得体の知れないバケツ……」 澪「後は【厠(かわや)】くらいか……」 律「なぁ、澪!」 澪「んっ?」 律「【厠】って何?」 澪「あぁ、確かトイレの昔の呼び方だよ。」 律「なーる!トイレか!ラッキー♪」 澪「どうした?行きたかったのか?」 律「そうそう、ちょっとねん♪」 律がスキップしながら女子用の厠に向かう。 ゴゴゴゴゴ━━ 律の前に姿を現したのは、そういう効果音がよく似合うくらい、真っ暗で荒れ果てた状態の不気味な女子用厠だった。 やはりここも木造で、異様な雰囲気を放っている。 律「ウッ……」 澪「わぁ……これは怖いな……」 律「な、なぁ……澪……。」 澪「嫌だ。」 律「まだ何も言ってな……!?」 澪「嫌だ……っと言いたいが、今日の律はなんだか頼りないからな。ついてってやるよ。」 律「サンキュー♪ツンデレ澪さん素敵ッ!」 澪「なっ///そんなこと言ってるとついてってやんないぞ!」 律「へいへい、すいませんでした~!」 ━━━━━━━。 澪「……よし、何もいないし大丈夫みたいだな。」 律「でも、何でだろう?ここの個室だけ開かないなんて……。」 律が左から2番目の個室を開けようとガタガタと音を立てて引っ張る。 律「……誰か入ってんのかな?」 律「お~~~~い」ヒョイ 澪「ちょっ、り、律……」 律が扉の下の隙間から中の様子を覗きこむ。 こ、こいつ、怖がってたわりには、また考え無しなことを……。 律「んん━━━?誰かいれば足だけでも見えるかなって……」 律「…………でも、誰もいないみたいだ……。」 ……やっぱり 変だな……誰も入ってないのにここだけ開かないなんて…… 澪「じゃあ、立て付けが悪いってことなのかなぁ?」 律「だなぁ。他は、特に変わったところは無いみたい~~」 澪「そっか。よかったじゃないか、律。入っても大丈夫だよ!」 澪「じゃあ、私は外で待ってるからな。なんかあったら呼んでくれ。」 律「あっ、ちょっと待ってちょ~だい!」 律「澪、『アレ』持ってない?」 息を吹き掛けるようにして律が私の耳元で囁いてくる。 澪「あ……『アレ』って……?」 律「お尻の薬!塗るやつだ!」 澪「なんだ またぁ?それでトイレ行きたかったのか?」 律「うん……最近なんかお尻の調子が悪くてさ~」 澪「普通の軟膏ならあるよ、ホラ。」 律「お━━━ さすが澪お母さん!」 澪「お母さんって……こんな大きい子産んだ覚えなんてないよ///」 律「アハハ♪ありがとなぁ!じゃ、行ってくるぜ♪」 律「イエ~~~~イ♪」 澪「もうちょっと恥じらえよ……///」 扉の閉まる音が聞こえたのを確認して、私は厠の外に出た。 澪「……なんか、嫌でもあの死体が目につくなぁ……。」 澪「他殺……なんだよな。」 澪「なぁ、あなたは誰にやられたの?」 当然、屍が答えるわけがない。 澪「……だよなぁ。まぁ、答えたら答えたで怖いし……」 澪「……あれ?」 どうやら、死体の背中に隠れて読めないが、壁に張り紙がしてあるみたいだった。 澪「なんでこんな位置に張り紙が……?」 澪「……なんて書いてあるんだろう。」 澪「……この子、動かない よね?」 私は死体をそっと脇に移動させて張り紙を読む。 "お前たちは 本当は お互いが 嫌い いすれ 殺し合う゛ 澪「……殺し合う?まさかこの子……友達に……?」 もし、そうだとしたら律と一緒にいる私だって殺し…… 澪「……なに考えてるんだバカ澪!」 澪「私達が殺し合いなんてするわけ無いじゃないか!」 澪「それに、ここにはお互いが嫌いって書いてある!私達には当てはまらない!!」 澪「……そうだよな、律……?」 自然と厠に目が行く。 律はまだ出てこない。 澪「……一人はやっぱり心細いな……」 澪「いったい、なんでこんなことになっちゃったんだろ?」 オネエチャァン━━━━ 澪「……!?今の声、あれは……?」 ウッ……グスッ、オネエチャン━━ 澪「また聞こえたっ!間違いない、この声!」 澪「どこからだ?下の階の方から聞こえてくるのは分かるが……。」 澪「……よし、確かめに行こう!」 そう意気込んだ私は階段に足をかけて不意に足を止める。 澪「……律をそのままにしちゃまずいよね……。」 私の頭の中では、『置いていけ』とか『逃げろ』とか負の考えが渦を巻いていた。 それでも、私はそんな考えを投げ捨てて律を呼びにいった。 澪「律っ!いるかっ!?」 律「ん~~?どうしたぁ~~?」 予想してたものより、のんびりとした返事が返ってきて少し緊張がほぐれる。 澪「憂ちゃんだ!……憂ちゃんの声が聞こえた!」 律「なにっ!?本当か!?」 ジャーっと水の流れる音がした後、左から2番目の個室から律が勢いよく扉を開けて出てきた。 律「お待たせ!んで、どっから声がしたんだ?」 澪「わからないけど、ここよりは下の階みたい。」 律「よし、急いで下へ降りよう!」 私達は勢いよく駆け出した。 澪「……ところで、律。」 律「どった?」 澪「お前、あの開かない個室から出てきたけど、扉開いたんだな?」 律「へっ?そうだっけ?」 律「なんとなくあの個室に入ったんだけど……。」 澪「……そっか(やっぱり立て付けが悪かっただけなのかなぁ)?」 5
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1 2 3 クロス:『コープスパーティー』 ホラー系! ※第一部 投稿SS 2011年5月23日 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る 持田兄妹→平沢姉妹 直美・世以子ペア→律・澪 岸沼・篠崎ペア→梓・純 宍戸先生→さわ子 森繁→和 繭→紬 ってな感じか? -- (名無しさん) 2011-08-10 17 13 15 変人小学校にようこそ(笑) -- (名無しさん) 2011-08-10 08 17 48 梓「アッハァ!イィイイイィィ!!」 -- (、) 2011-06-28 12 50 02 けいおんはSIRENとのクロスとかよくあるけどコープスパーティーのクロスは初めてじゃないかな? このホラーゲーム自体がネタになる事が無いのは知名度の問題なんだろうか? 良作っぽいので続き読んできます。 -- (名無しさん) 2011-06-28 02 57 24 ↓×3間違えた、和じゃなくって梓なのかな? -- (名無しさん) 2011-06-25 23 08 48 唯はどうなるんだ?(-_-;) -- (Japan) 2011-06-25 22 29 40 怖すぎる!(x_x;) -- (ジェリー) 2011-06-25 22 28 24 読んでて思ったけど、あゆみポジションは和なのかな? PSP版はクリアしてるから続きに期待。 -- (名無しさん) 2011-06-04 21 17 55 世似子ポシにはもっと適任者がいるはず… なぜあの人物を… -- (名無しさん) 2011-06-04 18 57 30 こんなssを待ってました! 自分的に、 律は良樹ポジションにあたると思うんですが… でも、おもしろかった! -- (名無しさん) 2011-05-29 14 47 06
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よく見ると鍵は外したままになっていた。 澪「うそだろ……!?鍵かかってないのに、開かない……!」 扉は空間に固定されていて開きません。 キャハハ…… ……アハハ 澪「……? こ……子供の ……声?」 夏休みニハ 皆さんで 遠足ニ 出掛け マショ ウ ? 澪「だ……誰? 何?」 澪「なんか……頭が痛い……耳鳴りがする……」 キャハハ━━ 澪「あれっ……?あの張り紙!?」 私は壁にかじりつくようにして張り紙の内容を何度も確認する。 そこにはこう書かれていた。 "せっけんで 血 を洗おう" 澪「ヒィィっ!?」 手を洗おうだったはずなのに……内容が変わってる!? ジジッジ━━ 今度は照明が音を立ててフッと消えた。 明るかった部屋が暗くなり、よりいっそう恐怖感を煽られる。 しかし、そんな部屋の中でも一部だけ明るい場所があった。 そう、机の上にあるスタンドライトが狂ったようについたり消えたりを繰り返しているのだ。 しかも、ボールペンで何かに書きなぐる音まで聞こえてくる。 澪「ひ、人の……気配……。」 その時……、 ?「 サッちゃーん 迎えに来てくれたの ?」 ズズズッ 子どもの声とは別の女性の声。 何もないところから人の形をした黒い霧のようなものが這い出てきた。 直感でなんとなく分かる。 間違いない。 こいつが…… 怨霊 澪「……ッ……!」 そいつは獲物を見つけた狩人のように、一歩、また一歩と私に迫ってくる。 澪「(に、逃げなきゃ……!)」 澪「……!?やっぱりこの扉開かない!?」 反射的に扉を開けようとするもののやはり扉は全く動いてくれない。 澪「何でだ!?くそっ……ヒッ!?」 思わず、口から悲鳴がこぼれてしまう。 なぜ、扉が開かないのか今分かった。 なぜなら、扉にたくさんの黒い髪の毛が 何重にも絡まっていたからだ。 澪「どうなってんだよ!いったい!……うわっ!?」 私は、肩を捕まれそうになったのをかろうじて回避した。 だが、━━━━ 澪「ウソ……こっち行き止まり……」 澪「(逃げられないっ……!)」 澪「きゃあっ!?」 ……とうとう、黒い霧のようなものが体中に絡み付いて来た。 触手のように伸ばした霧の腕が穴という穴から私の体の中へ侵入してくる。 澪「(このままじゃ……こいつに取り込まれるっ!?)」 澪「うっ……ぐっ うっ……」 澪「ケ……う……クヒッ ひっ……く……」 澪「(も…もうダメだ……口や鼻を塞がれて……息ができない……。」 澪「(意識が……律……助け……)」 「…………お!?」 「澪ッ!!!」 澪「(律が……私を呼んでる……)」 澪「(そうだ、私はみんなと一緒にここを出るんだ!こんなところで……)」 澪「死ね……ない!」 澪「この……このおっ! 放せェェェエェエ!」 私はこの霧を振りほどこうと力を振り絞り、ジタバタともがいた。 すると、耐えかねたのか怨霊がたまらず私を宙に投げ出した。 ドンッカラン 澪「痛ッ……うぅ……」 怨霊を振りほどけたのはいいが、投げ出された勢いで戸棚に頭から思いきり衝突して思わずうめき声がでた。 澪「(危ない……頭打って意識が飛びかけた。)」 しかし、そんな間にもあいつは私を取り込もうと再び追い詰めてくる。 澪「く、来るな!」 私が戸棚にぶつかった拍子にいくつか落ちてきたビンの中の一つを怨霊に投げつけたが、虚しくもビンは怨霊には当たらず、壁に衝突して割れた。 ……しかし、これが幸を成すことになる。 澪「(くそっ、どうやったら逃げ切れる、考えろ私!)」 再び怨霊と距離を取る。 今度また取り込まれそうになったら恐らく…… 澪「……んっ?このスゥーっとする臭い……これはアルコールのビンなのか。」クンクン 澪「アルコール……そうだ!」 私は怨霊を牽制しつつも摺り足でストーブのところへ移動した。 澪「どこだ!あるはずだろ!頼む、出てきてくれ!」 澪「……あった!」 【マッチ】手に入れた。 箱が汚れてる割りには中身は湿気ていなく良好です。 澪「よしっ!これで……」 私はアルコールのビンを扉に投げつけた。 当然のようにビンは割れて中身が髪の毛に降りかかる。 澪「お願い!ついて!」 ジュッボッ マッチを擦ると直ぐ様柔らかな光が私を包んだ。 澪「……点火ッ!」 ボッーパチパチ 私は火のついたマッチを扉に投げ捨てる。 アルコールの染み込んだ髪の毛は激しく燃え上がりあっという間に塵になって消えた。 澪「……これで扉が開くはず……熱っ!?」 取っ手にかけた右手を思わず引っ込めてしまう。 澪「が、我慢できるような熱さじゃない……」 ズズズッ 澪「……ひっ!?」 背中のすぐ後ろにチクチクと視線を感じた。 澪「(もう、すぐ後ろまで来てる!?くそっ、熱いなんて言ってられない……。)」 澪「ぐっ……く……うわぁぁああ!」 ガラッ 私は手のひらが熱でジリジリと焼ける痛みを奇声に変えて思いっきり扉を開ける。 私は切り開けた脱出口に、蹴飛ばされた猫のようにしてすごい勢いで駆け抜けた。 【2階廊下・保健室前】 澪「ハァッ、ハァッ、 ……ハァッ、ハァ」 澪「(……追って……来ない?)」 人間には怖いもの見たさと言う恐ろしい機能が備わっている。 あの場を切り抜けて半ば興奮気味だった私は、恐怖感より好奇心の方が勝り、バッと扉の開いた保健室に振り返る。 だが、振り返ったとたんに後悔した。 怨霊は追ってこそ来ないがそこから出ようと抵抗しているかのように、扉をガタガタッと揺らしながら私をずっと睨み付けていたからだ。 ?「殺 し て や る」 澪「ひぃ……!」 澪「うぷっ……おぇっ…………」 奴の瞳の奥深くから伝わってくる、あまりにも強い殺意に気圧された私は激しい嘔吐感に教われ、胃の中のものを全て廊下の壁にぶち撒けてしまった。 澪「……けはっ、ごぼっ けほっ、けぼっ!」ガチガチガチガチ ガシッ 不意に肩を掴まれた。 瞬時に私はその場に凍りつく。 私の脳裏にはさっきの黒い霧の人がチラチラと姿を見せている。 澪「わぁっ!?(まさか……追ってっ!?)」 肩に乗せられた手を振り払うようにして、バッと振り返った私の視界に入ったのは…… 律「澪! どうしたんだ!?大丈夫か?!」 心配そうに私の目を覗き込む幼なじみの姿だった。 澪「律……」 澪「ごめん、戻しちゃった……」 律「謝ることないじゃん……澪……」 澪「うっ……ぷ……」 もう、胃の中にはなにも残ってないはずなのに…… それでも、私はまだ吐き足らないらしい。 律「大丈夫、吐いちゃったら楽になるよ」 律「背中……擦ってあげる……」 澪「うん ……ありがと でも……もう、平気っぽい。」 私は律に心配は掛けますまいと無理矢理笑顔を作って見せる。 だが、その顔は引き吊っていて相当酷い顔をしているようだ。 律の困ったような表情を見ていたらわかる。 律「ところでどうしたんだ、澪?」 律「戻ってきても扉開かないし、呼んでも返事がないからいないかと思って他探してたのに」 律「やっぱりいないから、こっちに戻って来てみれば、すごい勢いで澪が扉から扉から飛び出してきて……」 澪「休んでたら急に…… 真っ黒な幽霊みたいなのが出てきたんだ……」 律「マジ!? ……大丈夫だったのか?」 澪「なんとか……でも、どっちにしろあの部屋には今後近付かない方がいいと思う……。」 律「そうか……よかった とりあえず無事で……。」 澪「……それより、憂ちゃん、いた?」 律「ううん……」 律が静かに首を降る。 律「……やっぱり 此処には……この学校には」 律「私達2人しか……生きてる人いないみたい」 律「人を探す叫び声も呑み込んでしまうくらい……静か過ぎるもの」 澪「…………。」 律「……じゃ、そろそろ行こっか 立てる?」 澪「……あぁ」 私は膝に手をついてなんとか立ち上がる。 そんな私の胸の中にはある疑念が渦巻いていた。 澪「でも、 行くって何処に?」 ズバリこれだ。 律「ん……と……」 澪「もう、大体廻っただろ……校舎」 澪「見つける人、みんな……死んでたじゃん」 律「…………。」 澪「(あ……やばい また私……)」 澪「もう、無理だよきっと ……疲れた」 澪「(また、子供みたいになってる……。)」 律「み、澪 元気出せよ?何とかなるって!」ニコッ 律「ありえないじゃん? 死ぬなんて、私達……」 律「明日は朝イチで、スタジオの予約入れてるし……」 律「午後からは ほら、 新作の予約してたCD取りに行かなくちゃいけないし」 律「ついて来てくれるんだろ?」ニコッ またっ……あの笑顔。 ……不快だ。 澪「……帰れたらな……」 澪「(……律にあたっても仕方ないだろ……)」 澪「(……止めなきゃ、心……)」 律「み、澪疲れちゃったか? らしくないぜ? なんか」 律「……もっとテンションアゲて行こうぜ!そしたら 全然 全く 毛ほども怖く無いって!」ニカッ 幼少の頃…… 引っ込み思案だった私を救ってくれたあの笑顔が 今の私に取ってはこの理不尽な状況への怒りの矛先へとなっていた。 澪「……なぁ、何が そう楽しいんだ?」 律「ん、ん?」 澪「なんか、ずっと笑ってる」 律「そ、そうかな……」 澪「このまま、ホントに出られなかったら……どうするの?」 律「…………。」 澪「真剣に考えてる?何とかなるよ、じゃなくてさぁ!」 8
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第二部 澪「なんだこれ?」 私達は教室を出る前に使えそうなものを手分けして探すことにしていた。 そして、私は教室の隅にひっそりとたたずんでいる戸棚に目をつけたのだ……が 澪「か、髪の毛か?」 戸棚の中にはビッシリと髪の毛が敷き詰められており、今にも溢れ出てきそうだった。 澪「あ、悪趣味にも程がある……。誰だこんなことしたのは……んっ?」 髪の毛の奥に何かが鈍く光っているのを見つけた。 澪「あれは……。」 律「何か見つかったか?澪?」 長年寄り添ってきた幼馴染みが私の様子を伺いに来る。 澪「あぁ、あったことにはあったが……。」 私はそれ以上は言わずに戸棚を指差す。 見た方が早いだろう。 律「……なんだ?うぉっ!?」 律が短い悲鳴を飛ばした。 まぁ、いきなりこんなの見せられたら誰でも驚く。 澪「悪趣味……だよな。」 律「……だな。髪の毛ビッシリな上に、戸棚のガラスに一瞬、日本人形みたいなのが映るなんて……。」 澪「……へっ?日本人形?」 律「いや、今、映ってたじゃんか?」 私は再び戸棚に目を向ける。 やはり、ガラスはただのガラスだ。 澪「悪い……よそ見してた。見間違えじゃないのか?」 律「うーん……どうだろう?」 澪「たぶん、こんな場所にいるからだよ。 自分の顔が映っただけなのに、そう見えちゃったんだ。」 律「……そうだよな!不思議なことがそう簡単に何度も起きたらたまったもんじゃねえし!」 澪「あぁ、そうとも!」 私も心からそう願った。 私も律もあまり表には出さないが、今すぐにでも発狂してしまいそうなくらい今の状況が怖い。 それでも、正気が保てているのはお互いがいるおかげだろう。 澪「それより、この戸棚の真ん中の段見てくれないか?」 律が、いぶかしげにもう一度戸棚を覗き込む。 律「真ん中の段つったって、髪の毛だらけでどこが真ん中なんだか……あっ!?」 澪「見えたか?」 律「あぁ!ナイスだ、澪!さっそく……!?」 律はニヤリとしてから、何かにハッとした顔になり、私の方に体を向けた。 澪・律「…………、」 澪「律……。」 律「……あぁ、言わなくても分かってるよ澪。一回勝負だ。」 二人にしばしの沈黙が訪れる。 だが、その静寂は長くは持たない。 澪「……ジャンッ!」 律「……ケンッ!」 澪・律「ポォォォォォオオォォン!」 澪「YESゥゥウウウウ!」チョキ 律「ohゥゥウウウウ!?」パー 律「か、神よ!何故我を見放したのですか!?」 澪「ジャンケンっという公正な方法を用いたんだ。これが神のお告げだよ。」 律「シット!」 ━━━━━━━━。 律「うぅ……。気持ち悪い。」ガソゴソ ジャンケンで負けた律は髪の毛で溢れかえる戸棚の中を詮索していた。 澪「頑張れ!律!お前ならできる!」 律「こんなときだけ真面目に応援しやがって……」 澪「お前が負けたんだから文句は言わない!」 律「ううぅぅ……あぁもう!」バッ 律が戸棚から手を引き抜く。 律「決めた!どうせ触らなきゃいけないんだ!なら、いっそのこと思いっきりやってやるぜ!」 律は両手を突き出して戸棚に突っ込んでいく。 律「とりゃあぁあああ!」 奇声をあげながら、ズブリと髪の毛の山に両手を突き刺すと、それらをどんどん戸棚の外へ掻き出していく。 律「よし、何か掴んだぜ!」 律が戸棚から手を出して取った物を私に見せてきた。 ……そう、見せてきたんだ。 澪「バ、バカ律っ!何やってるんだ!」 律「おいおい!そんな言い方すんなよ!たしかに床が髪だらけになったけど、今は気にするような状況でも無いだろ?」 律、気づいてないのか? 澪「じ、自分の握ってるものをちゃんと見ろ!」 律「……へっ?」 私の反応でただ事じゃ無いのを感じ取ったのか、律は恐る恐る自分の掲げている手に目を向ける。 その手に握ってたのは………… 心臓 律「ギャアァァアァア!」 ……余りの驚きのせいで握るのに力が入ってしまったのだろう。 律が血相を変えて『それ』を放り捨てる前に『それ』は律の拳の中で破裂した。 誰のものかも分からない血液がビチャッと嫌な音を立てて律のブレザーや顔に付着する。 律「…………、」 ドサッと言う音を立てて律が床に倒れた。 澪「律っ!?」 澪「(……気絶してるだけか。人間は激しいストレスを感じると、それから逃げる為に脳が一時停止する事があるらしいけど……。まさにこれは典型だな。)」 私は律を引きずって教壇に寝かせた。 澪「律は気絶しちゃったし……続きは私がやるしかないな。」 私は戸棚と向き合う。 澪「うっ、生臭い……。」 当たり前か……。 なんせ心臓が入ってたんだもんな……。 澪「と、とりあえず髪の毛全部取りだそう……。」 私は、握った感触が確かめながら慎重に髪を取り除いていった。 ━━━━━━━━。 あらかた片付いただろうか? そこには驚くべき光景が広がっていた。 澪「……。」 恐怖から声が出ない。 戸棚は三段に別れており、上の段には筋肉らしき塊。 下の段には骨の束。 中の段には無造作に並べられた内臓、そしてその奥にやっと私達が探していたものが見つかった。 澪「……まるで、人が丸々一人解体されて放り込まれたような戸棚だな……。 いや、この内臓や骨が人間のものかどうかは私には分からないけれど……。」 腹の底から込み上げてくる吐き気を抑えながらも、私は内臓を左右に避けて、目的の物を取り出した。 澪「……ふぅ。」 『【鍵】を手に入れた。 鍵に付いているタグには保健室と書かれている。』 澪「……保健室か。正門とか、玄関の鍵なら良かったんだけど。」 澪「とりあえず、律の顔を拭いといてやるか。」 私は戸棚の戸を閉めて、ポケットから百合の花の刺繍が入ったハンカチを取り出した。 ━━━━━━━━━。 律「んっ……うーん……」 律「……ハッ!?」 律がバッと勢いよく体を起こした。 澪「起きたか、律。」 律「……やっぱり、夢じゃ無いんだよな。」 律は辺りを見回した後、ガックリと肩を落とす。 澪「あぁ、どうやら私達は相当ヤバいとこにいるらしい。」 私は戸棚の中身を思いだす。 律も心臓を握り潰した感触を思い出したのか、顔が引きつっていた。 律「んで、どこの鍵だったんだ?」 澪「……保健室だよ。」 私は律に鍵を手渡した。 律「おう、保健室か!これで、ベッドがあればいつでも休憩できるな!」 澪「……そうだな。」 私は捻挫した足を見る。 たしかに、休める場所が確保できたのは運が良かったかもしれない。 律「あれっ?澪、その足どうしたんだ?」 律が私の視線に気づいたのか、腫れた右足について尋ねてきた。 澪「あぁ、これか? さっき転んだ時にちょっとな。」 律「おいおい、何で先に言わないんだよ!」 澪「えっ?だって、律に迷惑……」 律「問答無用だぁっ!」 律は、私の言葉を手で薙ぎ払うようにして掻き消すと、私の側に寄ってきてしゃがみこむ。 律「ほら、肩かしてやるからさ!さっさと、こんなとこ脱出しちゃおうぜ!」 腕を回せっと言わんばかりに律は自分の肩を叩く。 澪「……悪いな、ヨイショ。」 律「悪いなんて言うなよ!こっちは、親友が困ってるから助けてるだけなのに!」ニコッ 澪「律……。」 やっぱり、律にはかなわないな。昔っから。 澪「ありがとうな、律!」ニコッ 律「おう、どういたまして!」 澪「それじゃあ!」 律「レッツゴー!」 私は教室の扉に手をかけた。 その時……、 グラグラグラ━━ 律「わぁっ!?」 澪「また地震……っ!?」 律「うわぁあぁあっ!」 グラグラ…グラ…ピタッ 澪「……おさまった……?」 律「ふぅ……。」 澪「もうやだぁ……」 律「と、とにかく……廊下へ出ようぜ!」 いとも簡単に出鼻をくじかれた私は、渋りながらも律に連れられて廊下に出た。 澪「━━━━!?」 律「こ、今度はなんだ?どうかしたのか?」 澪「さっきと、廊下の形が変わってる……」 さっきとは、どことなく雰囲気が違うし、廊下の電気もついていて明るい。 律「い、今の地震で…… 床が崩れたりしたんだって!」 澪「……そ、そう、かな……」 でも、勝手に電気ついてるんだぞ?っと言いたかったがやめておいた。 いくら考えても答えは出ないだろうし、私と律の恐怖を倍増させるだけだからだ。 律「んで、どっちに行く?」 教室を出て右手には、 廊下の突き当たりに下に降りる階段。 左手には廊下の突き当たりに上に上がる階段と、その右側にさらに廊下が続いているのが見られる。 澪「……右だな。」 律「どうして?」 澪「……まずは、私達の目標は外に出ることだ。外に出るには玄関を見つけなくちゃいけない。 そして、玄関はどんな学校でも必ず1階にあるだろう。 なら、ここが何階なのか分からないが、とりあえず下に降りる階段に行くべき……ってことだ。」 律「いやぁ……さすが、澪!いざって時には頼りになるぜ!」 澪「頭いいのだけが取り柄なんでな。」ニコッ 澪「じゃ、今度こそ行こうか!」 律「……あっ、ちょっと待って。」 律が扉の上辺りを凝視している。 澪「どうした?……なにを確認してるんだ?」 律「あぁ、教室名だよ。 もし、玄関から外に出られなかった場合は校舎中を探索することになるよな?」 澪「まぁ、そうなるな?」 律「そんな時、地図が無い場合は色んな物を目印にして頭の中で地図を組み立てるんだ!そうすれば、迷わずにすむ。」 澪「……ゲームで得た知識か?」 律「あぁ。まさかこんな時に役に立つとはな。ちなみに、この教室は【1のAの教室】だそうだ!」 澪「そうか……。律らしいな。」フフッ 律「まぁな!でも、この調子だと案外早く脱出できるかもな。」 澪「だな!」 そうして、私達は、根拠の無い希望に喜び、力強く一歩を踏み出した。 ……だが、現実はやはりそう簡単にはいかなかった。 ━━━━━。 2