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欧州評議会 女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンスの防止およびこれとの闘いに関する条約(イスタンブール条約)(3) CoE イスタンブール条約(2)より続く 第8章-国際協力 第62条-一般的原則 1.締約国は、この条約の規定にしたがって、かつ、民事上および刑事上の問題における協力についての関連の国際文書および地域文書、統一法または互恵法を基礎とする取決めならびに国内法の適用を通じて、次の目的のため、可能なかぎり最大限に相互協力を行なう。 a. この条約の適用範囲にあるあらゆる形態の暴力の防止、これとの闘いおよびその訴追。 b. 被害者の保護および被害者への援助の提供。 c. この条約にしたがって定められた犯罪に関わる捜査または手続。 d. 締約国の司法機関が言い渡した関連の民事判決または刑事判決(保護命令を含む)の執行。 2.締約国は、この条約にしたがって定められた犯罪の被害者であって居住国以外の締約国の領域内で当該犯罪の被害を受けた者が、その居住国の権限ある機関に申告を行なえることを確保するため、必要な立法上その他の措置をとる。 3.条約がなければ刑事共助、犯罪人引渡しまたは他の締約国が言い渡した民事判決もしくは刑事判決の執行を行なうことはできない旨の条件を設けている締約国が、そのような条約を締結していない締約国から当該法的協力の要請を受けたときは、当該締約国は、この条約を、この条約にしたがって定められた犯罪に関わる刑事共助、犯罪人引渡しまたは他の締約国が言い渡した民事判決もしくは刑事判決の執行の根拠と見なすことができる。 4.締約国は、適当なときは、女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンスの防止ならびにこれとの闘いを、第三国のために提供される開発援助プログラムに統合するよう努める。このための手段には、第18条第5項にしたがって被害者の保護を促進することを目的として、第三国と二国間または多国間協定を締結することを含む。 第63条-危険な状況に置かれた者に関する措置 締約国が、その有する情報に基づき、ある者が他の締約国の領域でこの条約の第36条、第37条、第38条および第39条に掲げられたいずれかの暴力行為を受ける差し迫ったおそれがあると考える合理的理由を有するときは、当該情報を有する締約国は、適切な保護措置がとられることを確保する目的で、当該他の締約国に対し、遅滞なく当該情報を送付するよう奨励される。この情報には、適用可能なときは、危険な状況におかれた当該人物のためにすでにとられている保護体制に関する詳細を含む。 第64条-情報 1.要請を受けた締約国は、要請を行なった締約国に対し、この章に基づいてとられた行動の最終的結果を迅速に通知する。要請を受けた締約国はまた、要請を行なった締約国に対し、追求された行動の実行を不可能にする事情またはこれを著しく遅延させるおそれがある事情があるときは、これについても通知する。 2.締約国は、自国の捜査の枠組みの中で入手した情報を、当該情報の開示が、この条約にしたがって定められた犯罪の防止または当該犯罪に関わる捜査もしくは手続の開始もしくは遂行に関して情報を受け取る締約国の役に立つ可能性があると考えるとき、または、当該情報の開示によって、情報を受け取る締約国がこの章に基づく協力を要請する可能性があると考えるときは、国内法の制約の範囲内で、事前の要請を受けることなく、当該情報を他の締約国に送付することができる。 3.2にしたがっていずれかの情報を受け取った締約国は、適当と考えられるときは手続を開始できるようにするため、または関連の民亊手続および刑事手続において当該情報を考慮することができるようにするため、自国の権限ある公的機関に当該情報を提出する。 第65条-データの保護 個人データは、個人データの自動処理に関する個人の保護のための条約(ETS No. 108)に基づいて締約国が約束した義務にしたがって保存されおよび利用される。 第9章-監視機構 第66条-女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンス対策に関する専門家委員会 1.女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンス対策に関する専門家委員会(以下「GREVIO」)は、締約国によるこの条約の実施を監視する。 2.GREVIOは、ジェンダーの均衡および地理的均衡ならびに学際的専門性を考慮しながら、10名以上15名以下の委員で構成する。GREVIOの委員は、1回の更新が可能な4年の任期で締約国によって指名され、かつ締約国の国民から選ばれた候補者の中から、締約国委員会が選出する。 3.10名の委員の最初の選挙は、この条約の発効後1年以内に行なう。追加の5名の委員の選挙は、25番目の批准または加入の後に行なう。 4.GREVIOの委員の選挙は、次の原則に基づいて行なう。 a. 委員は、人権、ジェンダーの平等、女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンスもしくは被害者の援助および保護の分野で能力を認められていることまたはこの条約の対象分野において専門的経験を示してきたことで知られている、高潔な人格を有する者のなかから、透明な手続にしたがって選ばれる。 b. GREVIOの委員のうちいずれの2名も同一国の国民であってはならない。 c. 委員は、主要な法体系を代表しているべきである。 d. 委員は、女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンスの分野における主要な主体および機関を代表しているべきである。 5.GREVIOの委員の選出手続は、この条約の発効後6か月以内に、締約国と協議しかつその全会一致の同意を得た後、欧州評議会閣僚委員会が決定する。 6.GREVIOは、独自の手続規則を採択する。 7.GREVIOの委員、および、委員以外の者であって第68条第9項および第14条に掲げられた国別訪問を行なう代表団の団員は、この条約の付属文書に定める特権および免除を享受する。 第67条-締約国委員会 1.締約国委員会は、この条約の締約国の代表で構成する。 2.締約国委員会は、欧州評議会事務総長がこれを招集する。その第1回会合は、GREVIOの委員を選出するため、この条約が効力を生じた後1年以内に開催する。その後は、締約国の3分の1以上、締約国委員会議長または事務総長の要請があるときは、いつでも会合を行なう。 3.締約国委員会は、独自の手続規則を採択する。 第68条-手続 1.締約国は、GREVIOによる検討に供するため、欧州評議会事務総長に対し、GREVIOが作成する質問票に基づき、この条約の規定を実施するための立法上その他の措置に関する報告書を提出する。 2.GREVIOは、1にしたがって提出された報告書を、当該締約国の代表とともに検討する。 3.その後の評価手続はラウンドに分割して進めるものとし、ラウンドの期間はGREVIOが決定する。GREVIOは、各ラウンドの開始時に、評価手続の基礎となる特定の規定を選択し、かつ質問票を送付する。 4.GREVIOは、この監視手続を実施するための適当な手段について定める。GREVIOはとくに、締約国による実施の評価手続の基礎となる質問票を評価ラウンドごとに採択することができる。この質問票は、全締約国に宛てられるものとする。締約国は、この質問票に対し、かつGREVIOによる他のいかなる情報要請に対しても、回答する。 5.GREVIOは、非政府組織および市民社会ならびに人権の保護のための国内機関から、この条約の実施に関する情報を受け取ることができる。 6.GREVIOは、この条約の適用範囲内の分野に関する他の地域的および国際的文書および機関から入手可能な既存の情報を正当に考慮する。 7.各評価ラウンドについての質問票を採択するにあたり、GREVIOは、この条約の第11条に掲げられた、締約国ですでに行なわれているデータ収集および調査研究を正当に考慮する。 8.GREVIOは、欧州評議会人権コミッショナー、議員会議および関連する欧州評議会の専門機関ならびに他の国際文書に基づいて設置されている機関から、条約の実施に関する情報を受け取ることができる。これらの機関に申し立てられた苦情およびその結果は、GREVIOに対して利用可能とされる。 9.GREVIOは、得られた情報が不十分であるとき、または14に定める場合には、国内の公的機関と協力し、かつ独立の国内専門家の援助を得ながら、補助的に国別訪問を行なうことができる。当該訪問の際、GREVIOは、特定分野の専門家の援助を得ることができる。 10.GREVIOは、評価の基礎とされた規程の実施に関する分析、ならびに、特定された問題に当該締約国が対処する方法についての提言および提案を記載した報告書案を作成する。当該報告書案は、コメントを求めるため、評価を受けた締約国に送付される。当該締約国のコメントは、報告書の採択の際、GREVIOによって考慮される。 11.GREVIOは、受領したすべての情報および締約国によるコメントに基づき、この条約の規定を実施するために当該締約国がとった措置に関する報告書および結論を採択する。この報告書および結論は、当該締約国および締約国委員会に送付される。GREVIOの報告書および結論は、当該締約国による最終コメントとともに、採択時から公開される。 12.締約国委員会は、1から8までの手続を妨げることなく、GREVIOの報告書および結論に基づき、(a) GREVIOの結論を実施するためにとるべき措置(必要なときは、その実施に関する情報が提出されるべき日を定めるものとする)に関する、かつ (b) この条約の適正な実施のために当該締約国との協力を促進することを目的とした、当該締約国に宛てた勧告を採択することができる。 13.GREVIOは、重大な条約違反を防止しまたはその規模もしくは回数を制限するために即時に注意を払うべき問題がある状況を示す信頼できる情報を受け取ったときは、重大な、大規模なまたは執拗な様式で行なわれる女性に対する暴力を防止するためにとられた措置についての報告書を緊急に提出するよう、要請することができる。 14.GREVIOは、締約国から提出された情報およびGREVIOが入手した他のいずれかの信頼できる情報を考慮に入れ、1名以上の委員を指名して調査を行なわせ、かつGREVIOに緊急に報告させることができる。正当な理由および締約国の同意があるときは、この調査に当該締約国の領域への訪問を含むことができる。 15.GREVIOは、14の調査の知見を検討した後、当該知見を、いずれかのコメントおよび勧告があればそれとともに、当該締約国ならびに適当なときは締約国委員会および欧州評議会閣僚委員会に送付する。 第69条-一般的勧告 GREVIOは、適当なときは、この条約の実施に関する一般的勧告を採択することができる。 第70条-監視への議会の関与 1.国内議会は、この条約の実施のためにとられた措置の監視に参加するよう慫慂される。 2.締約国は、GREVIOの報告書を自国の国内議会に提出する。 3.欧州評議会議員会議は、この条約の実施に関する定期的評価を行なうよう慫慂される。 第10章-他の国際文書との関係 第71条-他の国際文書との関係 1.この条約は、この条約の締約国が現に締約国であるまたは締約国になるものとされる他の国際文書であって、この条約が規律する事柄についての規定を含んでいる他の国際文書から生ずる義務に影響を及ぼすものではない。 2.この条約の締約国は、この条約の規定を補足しもしくは強化しまたはこの条約に掲げられた原則の適用を促進する目的で、この条約で扱われている事柄について相互に二国間または多国間協定を締結することができる。 第11章-条約改正 第72条-改正 1.締約国がこの条約について行なったいかなる改正の提案も、欧州評議会事務総長に送付され、事務総長により、欧州評議会加盟国、すべての署名国、すべての締約国、欧州連合、第75条の規定にしたがってこの条約への署名を慫慂されたすべての国および第76条の規定にしたがってこの条約への加入を慫慂されたすべての国に送付される。 2.欧州評議会閣僚委員会は、当該改正案を検討するものとし、欧州評議会加盟国以外のこの条約の締約国と協議した後、欧州評議会規程第20条dに定める過半数をもって当該改正を採択することができる。 3.2にしたがって閣僚委員会が採択した改正文は、受託のため、締約国に送付される。 4.2にしたがって採択されたいかなる改正も、すべての締約国が改正の受託を事務総長に通告した日の後1か月が経過した月の1日に効力を生ずる。 第12章-最終条項 第73条-この条約の効果 この条約の規定は、国内法およびすでに効力を生じているまたはその可能性がある拘束力のある国際文書の規定であって、女性に対する暴力およびドメスティック・バイオレンスの防止およびこれとの闘いに関して人により手厚い権利を付与しておりまたは付与することになる規定を害するものではない。 第74条-紛争解決 1.この条約の規定の適用または解釈に関して生ずる可能性のあるいずれかの紛争の当事国である締約国は、まず、交渉、調停、仲裁の手段によってまたは当事国間の相互の合意によって受け入れられた他のいずれかの平和的解決方法によって、当該紛争を解決するよう努める。 2.欧州評議会閣僚委員会は、紛争当事国である締約国が合意した場合に利用可能な解決手続を定めることができる。 第75条-署名および発効 1.この条約は、欧州評議会加盟国、その作成に参加した非加盟国および欧州連合による署名のために開放しておく。 2.この条約は、批准、加入または承認されなければならない。批准書、加入書または承認書は、欧州評議会事務総長に寄託する。 3.この条約は、少なくとも8か国の欧州評議会加盟国を含む10か国の署名国が、前項の規定にしたがって条約に拘束されることへの同意を表明した日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。 4.1に掲げられたいずれかの国または欧州連合が、その後、条約に拘束されることへの同意を表明したときは、条約は、当該国または欧州連合について、その批准書、加入書または承認書が寄託された日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。 第76条-条約への加入 1.この条約の発効後、欧州評議会閣僚委員会は、この条約の締約国との協議を行ないかつその全会一致の同意を得た後、欧州評議会の非加盟国であって条約の作成に参加しなかったいかなる国に対しても、欧州評議会規程第20条dに定められた過半数による決定をもって、かつ閣僚評議会に出席する資格を有する締約国の代表の全会一致の投票をもって、この条約に加入するよう慫慂することができる。 2.条約は、加入したいかなる国についても、欧州評議会事務総長に加入書が寄託された日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。 第77条-領域的適用 1.いずれの国または欧州連合も、署名時または批准書、受託書、承認書もしくは加入書の寄託時に、この条約が適用される単一のまたは複数の領域を特定することができる。 2.いずれの国も、その後のいかなる時点においても、欧州評議会事務総長に宛てた宣言によって、当該宣言で特定され、かつ国際的関係について自国が責任を負っているまたは自国が代わって保証を行なうことが認められている他のいずれの領域に対しても、この条約を新たに適用することができる。当該領域については、条約は、事務総長が当該宣言を受領した日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。 3.1および2の規定に基づいて行なわれたいずれの宣言も、当該宣言で特定されたいずれの領域についても、欧州評議会事務総長に宛てた通告によって撤回することができる。撤回は、事務総長が当該通告を受領した日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。 第78条-留保 1.この条約のいかなる規定についても、2および3に定められた例外を除き、いかなる留保も付すことができない。 2.いずれの国または欧州連合も、署名時または批准書、受託書、承認書もしくは加入書の寄託時に、欧州評議会事務総長に宛てた宣言によって、次の条に掲げられた規定を適用しない権利または特定の事案もしくは特定の条件が存するときにかぎって適用する権利を留保する旨、宣言することができる。 第30条第2項 第44条第1項e、第3項および第4項 第55条第1項(微罪に関わる第35条の適用について) 第58条(第37条、第38条および第39条の適用について) 第59条 3.いずれの国または欧州連合も、署名時または批准書、受託書、承認書もしくは加入書の寄託時に、欧州評議会事務総長に宛てた宣言によって、第33条および第34条に掲げられた行動について刑事的制裁に代えて非刑事的制裁を定める権利を留保する旨、宣言することができる。 4.いずれの締約国も、欧州評議会事務総長に宛てた宣言によって、留保の全部または一部を撤回することができる。この宣言は、事務総長の受領の日から効力を生ずる。 第79条-留保の有効性および再検討 1.第78条第2項および第3項に掲げられた留保は、当該締約国についてこの条約が効力を生じた日から5年間、その効力を維持する。ただし、当該留保は同一の期間で更新することができる。 2.欧州評議会事務総長は、留保が失効する日の18か月前に、当該締約国に対して当該失効について通告する。締約国は、失効の3か月前までに、事務総長に対し、自国の留保を維持し、修正しまたは撤回する旨を通告する。当該締約国による通告がないときは、事務総長は、当該締約国に対し、当該締約国の留保は自動的に6か月間延長されたと見なされる旨、通知する。当該締約国が、自国の留保を維持しまたは修正する意思を当該期間の終了までに通告しないときは、当該留保は執行する。 3.第78条第2項および第3項にしたがって留保を付した締約国は、その更新までにまたは要請により、当該留保を継続する正当な理由についてGREVIOに説明を行なう。 第80条-廃棄 1.いかなる締約国も、欧州評議会事務総長に宛てた通告を行なうことによって、いつでもこの条約を廃棄することができる。 2.当該廃棄は、事務総長が通告を受領した日の後3か月が経過した月の1日に効力を生ずる。 第81条-通告 欧州評議会事務総長は、欧州評議会加盟国、この条約の作成に参加した非加盟国、すべての署名国、すべての締約国、欧州連合およびこの条約への加入を慫慂されたすべての国に対し、次の事項を通告する。 a. すべての署名。 b. すべての批准書、受託書、承認書または加入書の寄託。 c. 第75条および第76条にしたがってこの条約が効力を生ずるすべての日付。 d. 第72条にしたがって採択されたすべての改正および当該改正が効力を生ずる日付。 e. 第78条にしたがって行なわれたすべての留保および留保の撤回。 f. 第80条の規定にしたがって行なわれたすべての廃棄。 g. この条約に関わる他のいずれかの行為、通告または連絡。 以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの条約に署名した。 2011年5月11日、イスタンブールにおいて、ひとしく正文である英語およびフランス語により本書1通を作成した。本書は、欧州評議会に寄託する。欧州評議会事務総長は、欧州評議会の各加盟国、この条約の作成に参加した非加盟国、欧州連合およびこの条約に加入するよう慫慂されたすべての国に対し、その認証謄本を送付する。 付属書-特権および免除(第66条) 1.この付属書は、第66条に掲げられたGREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員について適用される。この付属書の適用上、「国別訪問代表団の他の構成員」には、条約第68条第9項に掲げられた独立の国内専門家および特定分野の専門家、欧州評議会の職員、ならびに、欧州評議会によって雇用された、国別訪問中にGREVIOに随行する通訳者を含む。 2.GREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員は、国別訪問の準備および実行ならびにそのフォローアップに関わる任務の遂行中、かつこれらの任務に関係する旅行の期間中、次の特権および免除を享受する。 a. 逮捕または拘禁および個人用の荷物の押収の免除、ならびに、公の資格で口頭または書面により行なった発言および公の資格で行なったあらゆる行動に関わるすべての種類の法的手続の免除。 b. その居住国からの出国および当該国への帰国ならびに任務遂行地である国への入国および当該国からの出国に関するいずれかの制限の免除、ならびに、訪問国または任務の遂行に際して通過する国における外国人登録の免除。 3.GREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員は、任務の遂行に際して行なう渡航の過程で、関税および為替管理の問題について、一時的な公の任務を有する外国政府の代表に与えられる便益と同一の便益を与えられる。 4.GREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員が携行する、条約の実施の評価に関する書類は、当該書類がGREVIOの活動と関係するかぎりにおいて不可侵とする。GREVIOの公用通信またはGREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員の公的通信に対しては、いかなる差止めまたは検閲も適用されない。 5.GREVIOの委員および国別訪問代表団の他の構成員に対して職務遂行における完全な言論の自由および完全な独立を保障するため、当該委員等がもはや当該職務の遂行に関与していない場合であっても、当該委員等が職務遂行に際して口頭または書面により行なった発言および職務遂行に際して行なったあらゆる行為に関わる法的手続の免除は、引き続き与えられる。 6.特権および免除は、GREVIOの利益のために任務を独立して遂行できることを保障する目的でこの付属文書の1に掲げられた者に与えられるものであり、当該委員等の個人的便宜のために与えられるものではない。欧州評議会事務総長は、この付属文書の1に掲げられた者の免除が正義の遂行の妨げとなると考えられ、かつGREVIOの利益を損なうことなく当該免除を放棄できる場合にはいつでも、当該免除を放棄する。 更新履歴:ページ作成(2011年8月6日)。/ページ名を通称に変更(2019年2月23日)。
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子どもの権利委員会・一般的意見18号/女性差別撤廃委員会・一般的勧告31号:有害慣行(後編) (CRC/CEDAW 有害慣行 前編より続く) C 有害慣行の防止 56.有害慣行との闘いにおける最初の措置のひとつは、防止を通じてとられる。両委員会とも、防止を最善の形で達成する方法は、社会的および文化的規範を変革すること、女性・女子のエンパワーメントを図ること、有害慣行の被害者、潜在的被害者および実行者と日常的に接している、あらゆるレベルの、関連するすべての専門家の能力構築を進めること、ならびに、有害慣行の原因および影響についての意識を(関係者との対話等も通じて)高めることに対し、権利を基盤とするアプローチをとることであると強調してきた。 1.権利を基盤とする社会的および文化的規範の確立 57.社会的規範は、あるコミュニティにおける特定の慣行の助長要因および社会的決定因子である。そのような慣行は、肯定的で、コミュニティのアイデンティティおよび結合を強化することもあれば、否定的で、危害につながる可能性がある場合もある。社会的規範は、コミュニティの構成員が遵守することを期待されている社会的な行動規則でもある。これにより、社会的な義務および期待に関する集合的感覚が形成されかつ維持されることにつながり、コミュニティの個々の構成員の行動が、たとえ個人的には当該慣行に賛成していない場合にも、決定づけられる。たとえば、女性性器切除が社会的規範となっている場合、親は、自分の娘に対してそれが行なわれることに同意するよう動機づけられる。他の親が同意しているのを見ており、かつ同じことをするよう周囲から期待されていると考えるためである。この規範または慣行を固定化させるのは、コミュニティのネットワークのなかにいる、すでにその処置を受けた、女性であることも多い。このような女性は、年下の女性に対し、その慣行にしたがうか、さもなければ追放され、遠ざけられまたはスティグマを付与されるおそれを犯すことになると、さらなる圧力をかける。このような周縁化には、重要な経済的および社会的支援ならびに社会的流動性の喪失が含まれることもある。逆に、社会的規範にしたがえば、包摂および賞賛によるものを含む報酬を受け取ることが期待できる。有害慣行の根底にあり、かつそれを正当化している社会的規範を変革するためには、このような期待に立ち向かい、かつその修正を図ることが必要である。 58.社会的規範は相互に関係している。すなわち、有害慣行だけを取り出して対応することはできず、当該慣行が他の文化的および社会的規範ならびに他の慣行とどのように結びついているのかについての包括的理解に基づいた、より幅広い文脈のなかで対応しなければならないということである。このことは、諸権利は不可分でありかつ相互に依存しているという認識に立った、権利を基盤とするアプローチをとることの必要性を明らかにしている。 59.立ち向かわなければならない根本的課題のひとつは、有害慣行が、被害者ならびにその家族およびコミュニティの構成員にとって有益な効果を有していると捉えられている可能性もあることである。したがって、個人の行動変容だけを目標とするいかなるアプローチにも、相当の限界がある。これに代えて、幅広い基盤に立った、ホリスティックな集団的アプローチまたはコミュニティに根差したアプローチをとる必要がある。文化的配慮のある介入策(人権を強化するとともに、このような慣行を実践しているコミュニティが、害を引き起こすことなく、また女性・子どもの人権を侵害することなく価値観および名誉を充足させまたは伝統を祝福する代替的方法を集団的に模索し、かつ合意することを可能にするようなもの)を実施することにより、有害慣行の持続可能かつ大規模な解消および集団による新たな社会的規則の採用につながる可能性がある。代替的慣行に対する集団的コミットメントを公に明らかにすることは、その長期的持続可能性を強化するのに役立ちうる。この点については、コミュニティの指導者らの積極的関与がきわめて重要である。 60.両委員会は、両条約の締約国が、有害慣行に対処し、かつ根底にある社会的規範に立ち向かいかつこれを変革するために行なわれるいかなる努力も、ホリスティックな、コミュニティに根差した、かつ権利を基盤とするアプローチ(あらゆる関係者、とくに女性・女子の積極的参加を含む)に基づくものとなることを確保するよう、勧告する。 2.女性・女子のエンパワーメント 61.締約国は、女性・女子が人権および自由を全面的に行使することを制約する父権的なイデオロギーおよび構造に立ち向かい、かつこれを変革する義務を負う。多くの女子・女性が経験しており、搾取、有害慣行およびその他の形態のジェンダーに基づく暴力の被害をいっそう受けやすくなる原因となっている社会的排除および貧困を克服するためには、女子・女性が、自己の権利(自分自身の生活について自律的な、十分な情報に基づく決定および選択を行なう権利を含む)を主張するために必要なスキルおよび能力を身につけることが必要である。このような文脈において、教育は、女性・女子が自己の権利を主張できるようエンパワーメントを図るための重要な手段となる。 62.女子・女性の学歴の低さと有害慣行の蔓延との間には明確な相関がある。両条約の締約国は、質の高い教育に対する普遍的な権利を確保し、かつ、女子・女性が変革の主体となれるようにする、可能性を促進するような環境づくりを図る義務を負っている(子どもの権利条約第28~29条;女性差別撤廃条約第10条)。そのためには、普遍的な、無償のかつ義務的な就学を整備するとともに、定期的な出席を確保し、中途退学を抑制し、現在存在するジェンダー格差を解消し、かつ、もっとも周縁化されている女子(遠隔地および農村部のコミュニティで生活している女子を含む)のためのアクセス支援を行なうことが必要になる。これらの義務を実施する際には、学校およびその周辺環境を安全な、女子にやさしい、かつ女子の最適な能力発揮に資するようなものにすることが考慮されるべきである。 63.初等中等教育を修了することは、児童婚および思春期の妊娠の防止ならびに乳児死亡率および妊産婦死亡率・罹病率の低下に寄与し、女性・女子が暴力からの自由に対する権利をよりよく主張するための準備を整えることにつながり、かつ、女性・女子があらゆる生活分野に効果的に参加する機会を高めることにより、女子にとって短期的および長期的利益となる。両委員会は、締約国に対し、児童が初等学校を修了することを確保し、初等教育および中等教育の双方について授業料を廃止し、中等教育(技術職業教育の機会を含む)への公平なアクセスを促進し、かつ中等教育の無償化を検討する等の手段により、中等教育における就学率および継学率を高めるための措置をとるよう一貫して奨励してきた。思春期の女子が妊娠中および妊娠終了後も学習を継続する権利は、非差別的な復学政策を通じて保障することが可能である。 64.就学していない女子にとってはノンフォーマル教育が唯一の学習の道であることが多く、そのような教育を通じて基礎教育およびライフスキルに関する教育が提供されるべきである。ノンフォーマル教育は、初等教育または中等教育を修了していない者にとって正規の学校教育に代わるものであり、ラジオ番組その他の媒体(デジタル媒体を含む)を通じて提供することもできる。 65.女性・女子は、生計維持および企業のスキルに関する訓練を通じて自己の経済的資産を構築できるようになり、また婚姻を18歳まで先延ばしにする経済的インセンティブが提供されるプログラム(奨学金、マイクロクレジット・プログラムまたは貯蓄制度など)は女性・女子にとって利益となる(女性差別撤廃条約第11条および第13条;子どもの権利条約第28条)。補完的な意識啓発プログラムは、家庭の外で働く女性の権利を伝え、かつ女性と仕事に関するタブーに立ち向かうことにとって必要不可欠である。 66.女性・女子のエンパワーメントを奨励するもうひとつの手段は、その社会的資産を構築することである。これは、女子・女性が同じ立場にある者同士、助言者、教師およびコミュニティの指導者とつながり、自己表現し、声をあげ、自らの希望および懸念を述べ、かつ自己の生活に影響を及ぼす決定に参加する安全な空間の創設を通じて、促進することができる。このことは、女子・女性が自尊感情および自己効力感、コミュニケーション、交渉および問題解決のスキルならびに自己の権利に関する意識を発達させるのに役立ちうるとともに、移住者の女子にとってはとりわけ重要なものとなりうる。伝統的に、男性があらゆるレベルで権力および影響力を有する立場に就いてきたことに鑑み、男性の関与は、子どもおよび女性がその家族、コミュニティ、市民社会および政策立案者の支持および確固たる関与を得られるようにするうえで、きわめて重要である。 67.子ども時代および遅くとも前思春期は、ジェンダーに基づく態度を変革し、かつ家庭、学校およびもっと広い社会において、より肯定的な役割および行動形態をとるように女子・男子の双方を援助しかつ支援するための入口である。すなわち、思春期前および前思春期の女子にとくに影響を及ぼす有害慣行を解消するための取り組みのなかで、伝統的な女性らしさおよび男性らしさならびに性別およびジェンダーと結びついたステレオタイプ的な役割と関連する社会的規範、態度および期待に関する子どもとの議論を促進し、かつ、ジェンダーの不平等の解消および教育(とくに女子の教育)を重視することの重要性の促進を目的とする個人的および社会的変革を支持するために子どもとパートナーシップを組んで活動しなければならない。 68.有害慣行の対象とされたまたはそのおそれがある女性および思春期女子は、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに対する相当のリスクに直面する。十分な情報およびサービス(思春期の子どもにやさしいサービスを含む)がないことから生ずる、このような問題に関する意思決定を妨げる障壁にすでに遭遇している状況では、なおさらである。そのため、女性および思春期の子どもがセクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスならびに関連の権利に関するならびに有害慣行の影響に関する正確な情報にアクセスでき、かつ、十分なかつ秘密が守られるサービスにアクセスできることを確保するために、特別な注意が必要となる。セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスについての科学を基盤とする情報を含む年齢にふさわしい教育は、女子・女性が十分な情報に基づく決定を行ない、かつ自己の権利を主張できるようにするためのエンパワーメントに寄与する。この目的のため、十分な知識、理解およびスキルを有する保健ケア提供者および教師は、このような情報を伝達し、有害慣行を防止し、かつ、有害慣行の被害者である女性・女子または有害慣行の対象とされるおそれがあるかもしれない女性・女子を特定しかつ援助するうえで、きわめて重要な役割を果たす。 69.両委員会は、両条約の締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 遠隔地および農村部も含めて、女子にやさしい、普遍的な、無償のかつ義務的な初等教育を提供するとともに、中等教育の義務化を検討し(同時に、妊娠した女子および思春期の母親に対して中等学校を修了するための経済的インセンティブも提供するものとする)、かつ、非差別的な復学政策を確立すること。 (b) 女子・女性に対し、自尊感情、自己の権利に関する意識ならびにコミュニケーション、交渉および問題解決のスキルを発達させることのできる安全なかつ可能性を促進するような環境において、教育的および経済的機会を提供すること。 (c) 女性および子どもの人権を含む人権、ジェンダーの平等および自己意識に関する情報を教育カリキュラムに含めるとともに、ジェンダーに基づくステレオタイプの解消および被差別の環境の醸成に貢献すること。 (d) 学校において、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスならびに関連の権利に関する年齢にふさわしい情報(ジェンダー関係および責任ある性行動、HIV予防、栄養ならびに暴力および有害慣行からの保護に関連するものを含む)が提供されることを確保すること。 (e) 通常の学校教育から中途で脱落した女子または一度も就学したことがなく非識字者である女子のためにノンフォーマル教育プログラムへのアクセスを確保するとともに、これらのプログラムの質を監視すること。 (f) 女性・女子のエンパワーメントを支える、可能性を促進するような環境づくりに男性・男子の関与を得ること。 3.あらゆる段階における能力開発 70.有害慣行の解消における主要な課題のひとつは、有害慣行の発生またはリスクを十分に理解し、特定しかつこれに対応することについての意識または能力が関連の専門家(第一線で働く専門家を含む)に欠けていることと関連している。能力構築に対する包括的、ホリスティックかつ効果的なアプローチをとるにあたっては、影響力のある指導者(伝統的および宗教的指導者を含む)および可能なかぎり多くの関連の専門家集団(ヘルスワーカー、教育ワーカー、ソーシャルワーカー、庇護機関および出入国管理機関、警察、裁判官およびあらゆるレベルの政治家を含む)の関与を得ることが目指されるべきである。これらの者に対しては、その者が属する集団およびもっと広いコミュニティの態度および行動形態の変革を促進する目的で、有害慣行ならびに適用される人権規範および人権基準についての正確な情報が提供されなければならない。 71.代替的紛争解決機構または伝統的司法制度が設けられている場合、その運営に責任を負う者を対象として、人権および有害慣行に関する研修が行なわれるべきである。さらに、警察官、検察官、裁判官およびその他の法執行官は、これらの者が女性および子どもの権利について認識し、かつ被害者が置かれた脆弱な立場に敏感であることを確保するために、有害慣行の犯罪化に関する新法または現行法の実施についての研修を受ける必要がある。 72.有害慣行の蔓延が主として移住者コミュニティに限定されている締約国では、保健ケア提供者、教師ならびに保育専門家、ソーシャルワーカー、警察官、移民担当官および司法部門関係者は、有害慣行の対象とされたまたはそのおそれがある女子・女性を特定する方法ならびにそのような女子・女性を保護するためにとりうる方策およびとるべき方策についての感性強化措置および研修を受けなければならない。 73.両委員会は、両条約の締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 第一線で働くすべての関連の専門家に対し、有害慣行ならびに適用される人権規範および人権基準についての情報を提供するとともに、これらの専門家が、有害慣行の発生を防止し、特定しかつこれに対応するための十分な研修(被害者に対する悪影響を軽減し、かつ被害者が救済措置および適切なサービスにアクセスできるよう援助することも含む)を受けることを確保すること。 (b) 代替的紛争解決制度および伝統的司法制度に関与する者を対象として、人権に関する主要な原則、とくに子どもの最善の利益ならびに行政上および司法上の手続への子どもの参加の原則を適切に適用するための研修を行なうこと。 (c) 司法関係者を含むすべての法執行官を対象として、有害慣行を禁ずる新法および現行法についての研修を行なうとともに、これらの者が女性および子どもの権利についてならびに加害者の訴追および有害慣行の被害者の保護における自分の役割について認識することを確保すること。 (d) 移住者コミュニティとともに働く保健ケア提供者を対象として、女性性器切除の対象とされた子ども・女性が有する特有の保健ケア上のニーズに対応するための専門的な意識啓発プログラムおよび研修プログラムを実施するとともに、児童福祉サービスおよび女性の権利に焦点を当てたサービスならびに教育部門、警察部門および司法部門で働く専門家、政治家、ならびに、移住者である女子・女性とともに活動するメディア従事者に対しても専門的研修を実施すること。 4.意識啓発、公の対話および決意表明 74.両委員会は、有害慣行の根底にある社会文化的規範および態度(男性支配の権力構造、性およびジェンダーに基づく差別ならびに年齢による序列を含む)に立ち向かうために、締約国が、有害慣行を解消するための長期的戦略の一環として位置づけられる包括的な広報キャンペーンおよび意識啓発キャンペーンを行なうよう、恒常的に勧告している。 75.意識啓発のための措置には、有害慣行が引き起こす害および有害慣行が解消されるべき説得力のある理由についての、信頼できる情報源から得た正確な情報が含まれるべきである。この点に関して、マスメディアは、とくに、両条約に基づく義務にしたがい、女性および子どもが、その社会的および道徳的ウェルビーイングならびに身体的および精神的健康の促進を目的とした、有害慣行からの保護に役立つ情報および資料にアクセスできるようにすることを通じて、重要な機能を果たすことができる。 76.意識啓発キャンペーンを開始することにより、害を引き起こすことならびに女性および子どもの人権を侵害することのない代替的方法を集団的に模索すること、および、有害慣行の根底にあってそれを維持させている社会的規範は変革でき、かつ変革されるべきであるという合意に達することを目的とした、有害慣行に関する公の議論を主導する機会を提供することができる。自分たちの中核的価値観を満たすための新たな方法を見出しかつ採用するにあたってコミュニティが集団的自尊心を持てるようにすれば、害を引き起こすことまたは人権を侵害することのない新たな社会規範の遵守および維持が確保されることになろう。 77.もっとも効果的な取り組みは、インクルーシブであり、かつ、あらゆるレベルの関係者(とくに、当事者コミュニティ出身の女子・女性、ならびに、男子・男性)の関与を得て行なわれるものである。さらに、このような取り組みにおいては、地元の指導者の積極的な参加および支援(十分な資源の配分を通じたものも含む)が必要である。関係者、関連の機関、団体および社会的ネットワーク(宗教的および伝統的指導者、施術者および市民社会)との間にパートナーシップを確立し、またはすでに存在するそのようなパートナーシップを強化することは、社会の構成員間の橋渡しに役立ちうる。 78.有害慣行の解消後に生じた肯定的な経験についての情報を、地域コミュニティもしくは各地に散らばったコミュニティのなかでまたは同様の背景を有する同一地域内で有害慣行を実践している他のコミュニティ内で普及すること、および、優れた実践(他の地域で取り組まれたものを含む)の交流が検討されるべきである。これは、地方、国もしくは国際地域レベルの会議もしくはイベント、コミュニティの指導者による訪問または視聴覚手段の活用という形態をとって行なうことが考えられる。加えて、意識啓発活動は、それが地元の状況を正確に反映したものとなり、バックラッシュ的反応をもたらさず、または被害者および/もしくは有害慣行を実践しているコミュニティへのスティグマおよび/もしくは差別を助長することがないよう、注意深く計画されなければならない。 79.コミュニティを基盤とするメディアおよび主流メディアは、討論会またはトークショーの開催、ドキュメンタリーの制作および上映ならびにラジオおよびテレビ向けの教育番組の開発を政府との共同事業として進めるなどの手段を通じ、意識啓発および積極的働きかけにおける重要なパートナーとなりうる。インターネットおよびソーシャルメディアも情報および討論の機会を提供する貴重な手段となりうる一方、携帯電話は、メッセージを伝達し、かつあらゆる年齢層の人々とつながるためにますます利用されるようになっている。コミュニティを基盤とするメディアは、情報提供および対話のための有用な場となりうるものであり、ラジオ、街頭演劇、音楽、芸術、詩および人形劇などが考えられる。 80.有害慣行を禁ずる実効的な法律が存在しかつ施行されている締約国では、当該慣行を実践しているコミュニティが隠れてまたは国外で当該慣行を行なうおそれがある。有害慣行を実践しているコミュニティを受入れている締約国は、被害者または被害を受けるおそれがある者への有害な影響に関する意識啓発キャンペーンを支援すると同時に、これらのコミュニティに対する差別およびスティグマを防止することが求められる。この目的のため、このようなコミュニティの社会的統合を促進するための方策がとられるべきである。 81.両委員会は、両条約の締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 有害慣行を固定化させる行動形態の根底にある文化的および社会的態度、伝統および慣習に立ち向かい、これを変革するための包括的意識啓発プログラムを開発し、かつ採択すること。 (b) 意識啓発プログラムにおいて、有害慣行が女性、子ども(とくに女子)、その家族および社会一般に及ぼす悪影響についての、信頼できる情報源から得た正確な情報および明確なかつ統一されたメッセージが提供されることを確保すること。このようなプログラムは、ソーシャルメディア、インターネットならびにコミュニティのコミュニケーション手段および普及手段を含むものであるべきである。 (c) 被害者および/または有害慣行を実践している移住者もしくはマイノリティのコミュニティへのスティグマおよび差別が固定化されないことを確保するため、あらゆる適切な措置をとること。 (d) 国の諸制度を対象とする意識啓発プログラムにおいて、地方および国の政府および政府機関で働く意思決定担当者および関連するすべての計画担当職員ならびに主要な専門家が関与することを確保すること。 (e) 国内人権機関の関係者が、締約国内の有害慣行が人権に及ぼす影響について十分な認識および感性を持つこと、ならびに、これらの者に対し、当該有害慣行の解消を促進するための支援が与えられることを確保すること。 (f) 対策の準備および実施にあらゆる関係者(地元の指導者、施術者、草の根団体および宗教的コミュニティを含む)の関与を得ることにより、有害慣行を防止し、かつその解消を促進するための公の議論を主導すること。当該活動においては、あるコミュニティの文化的原則のうち人権に一致する積極的原則が肯定されるべきであり、かつ、同様の背景を有する、かつて有害慣行を実践していたコミュニティがその解消に成功した経験についての情報が含められるべきである。 (g) 意識啓発プログラムの実施を支え、かつ公の議論を促進する目的で主流メディアとの効果的パートナーシップを構築しまたは強化するとともに、個人のプライバシーを尊重する自主規制機構の創設および遵守を奨励すること。 D 保護措置および応答性の高いサービス 82.有害慣行の被害者である女性および子どもは、医学面、心理面および法律面のサービスを含む支援サービスを直ちに必要とする。ここで取り上げている有害慣行のなかには極度の身体的暴力をともなうものがあり、重度の損傷の治療または死亡の予防のために医学的介入が必要になる場合もあることに鑑み、緊急医療サービスはもっとも緊急性および明白な必要性が高いといえるかもしれない。女性性器切除その他の有害慣行の被害者には、短期的および長期的な身体的影響に対応するための治療または外科的介入も必要な場合がある。女性性器切除を受けた女性または女子の妊娠および出産の管理に関する教育が、助産師、医師および専門的技能を有するその他の分娩介助者の養成訓練および現職者研修に含まれなければならない。 83.国の保護システム、またはそれが設けられていない場合には伝統的諸制度は、子どもにやさしく、かつジェンダーに配慮したものとなることを要求され、かつ、暴力を受ける危険性が高い女性・女子(女性性器切除、強制婚またはいわゆる名誉の名の下に行なわれる犯罪の対象とされないよう逃亡した女子を含む)に対してあらゆる必要な保護サービスを提供するために必要な十分な資源を提供されるべきである。全国的に利用可能でありかつ周知された、番号を覚えやすい、フリーダイヤルの、かつ24時間対応のヘルプラインの設置を検討することが求められる。被害者のために、有害慣行の被害者のためにとくに設けられた一時保護シェルター、または暴力被害者のためのシェルター内で提供される専門的サービスを含む、適切な安全確保措置が利用可能とされなければならない。有害慣行の加害者が被害者の配偶者、家族構成員または被害者のコミュニティの構成員であることも多いことから、保護サービス機関は、被害者の安全が脅かされると考えるに足る理由があるときは、被害者が直接住んでいる地域の外に被害者を移すよう努めるべきである。監督を受けない面会は、とくにいわゆる名誉が問題になっていると考えられる可能性がある場合、回避されなければならない。被害者の即時的および長期的な心理的トラウマ(これには心的外傷後ストレス障害、不安症および抑うつ症が含まれることもある)を治療するための心理的支援も利用可能とされなければならない。 84.ある慣行の対象とされたまたはそれを拒否した女性・女子が家族またはコミュニティを離れて避難してきている場合、帰還するという当該女性・女子の決定に対しては、国の十分な保護システムによる支援が提供されなければならない。自由な、かつ十分な情報に基づくこのような決定を行なうにあたって女性・女子を援助する際には、当該女性・女子の最善の利益の原則に基づいて安全な帰還および再統合を確保する(再被害を回避することも含む)ための機構が必要となる。このような状況にあっては、被害者が短期的にかつ長期的に保護され、かつ自己の権利を享有することを確保するための緊密なフォローアップおよび監視が必要である。 85.有害慣行の結果として生じた権利侵害について公正な対応を求める被害者は、スティグマ、再被害のおそれ、いやがらせおよび報復の可能性に直面することが多い。したがって、女子・女性の権利が法的手続全体を通じて保護されることを確保するための措置(女性差別撤廃条約第2条(c)ならびに第15条(2)および(3))、および、意見を聴かれる権利(子どもの権利条約第12条)の一環として子どもが裁判手続に実効的に参加できることを確保するための措置がとられなければならない。 86.多くの移住者は経済的および法的に不安定な地位に置かれており、そのため、有害慣行を含むあらゆる形態の暴力をいっそう受けやすくなっている。移住者である女性および子どもは、十分なサービスに市民と平等の立場でアクセスできないことが多い。 87.両委員会は、両条約の締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 保護サービス機関に対し、有害慣行の被害者である子ども・女性または被害者となるおそれが高い子ども・女性に対し、防止および保護のためのあらゆる必要なサービスを提供する権限および十分な資源が与えられることを確保すること。 (b) 有害慣行が行なわれる可能性が高い場合または実際に行なわれた場合に被害者が通報を行なえるようにし、かつ、必要なサービスへの付託および有害慣行に関する正確な情報提供を行なうための、訓練を受けたカウンセラーによるフリーダイヤルかつ24時間対応のホットラインを設置すること。 (c) 保護における司法職員(裁判官を含む)、弁護士、検察官およびあらゆる関係者の役割、差別を禁ずる法律、および、両条約に一致する、かつジェンダーおよび年齢に配慮した方法による法律の適用に関する能力構築プログラムを開発しかつ実施すること。 (d) 法的手続に参加する子どもが、その権利および安全を保護し、かつ手続によって生じる可能性がある悪影響を限定するための、子どもに配慮した適切なサービスにアクセスできることを確保すること。保護措置には、被害者が陳述を求められる回数を制限すること、および、被害者が加害者(たち)と対面しないでもいいようにすることなどが含まれうる。その他の措置としては、訴訟後見人を任命すること(とくに加害者が親または法廷後見人である場合)、および、被害を受けた子どもが、手続に関する、子どもに配慮した十分な情報にアクセスでき、かつ何が期待されているかについて十分に理解することを確保することなどが考えられる。 (e) 移住者である女性および子どもが、法律上の地位にかかわりなく、サービスに平等にアクセスできることを確保すること。 VIII.一般的勧告/一般的意見の普及および活用ならびに報告 88.締約国は、この合同一般的勧告/一般的意見を、議会、政府および司法機関に対し、全国的におよび地方レベルでも広く普及するべきである。また、子どもおよび女性、ならびに、子どものためにおよび子どもとともに働く者を含むすべての専門家および関係者(たとえば裁判官、弁護士、警察官その他の法執行官、教師、後見人、ソーシャルワーカー、公立・私立の福祉施設およびシェルターの職員ならびに保健ケア提供者)に対して、また市民社会一般に対して、この文書を周知させることも求められる。この文書は関連の言語に翻訳されるべきであり、また子どもにやさしい/適切な翻案文および障害のある人がアクセスできる形式も利用可能とされるべきである。実施のための最善の方法に関する優れた実践を共有するため、会議、セミナー、ワークショップその他のイベントを開催することが求められる。関連するあらゆる専門家および専門職員の養成訓練および現職者研修にも正式に編入されるべきであり、またすべての国内人権機関、女性団体およびその他の人権非政府組織に対して提供されるべきである。 89.締約国は、両条約に基づく自国の報告書に、有害慣行を固定化させる態度、慣習および社会規範の性質および程度、ならびに、この合同一般的勧告/一般的意見を指針としてとった措置およびその効果に関する情報を記載するべきである。 IX.条約の批准または加入および留保 90.締約国は、次の文書を批准するよう奨励される。 (a) 女性差別撤廃条約の選択議定書。 (b) 子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書。 (c) 武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書。 (d) 通報手続に関する子どもの権利条約の選択議定書。 91.締約国は、女性差別撤廃条約第2条、第5条および第16条またはそのいずれかの項ならびに子どもの権利条約第19条および第24条(3)に留保を付しているときは、当該留保について再検討し、かつ修正または撤回を行なうべきである。女性差別撤廃委員会は、これらの条項への留保は原則として両条約の趣旨および目的と両立せず、したがって女性差別撤廃条約第28条(2)に基づいて許容されないと考える。 更新履歴:ページ作成(2015年2月6日)。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/275.html
子どもの権利委員会・一般的意見20号:思春期における子どもの権利の実施(後編) 一般的意見一覧 (思春期の子どもの権利 前編より続く) IX.子どもに対する暴力 あらゆる形態の暴力からの保護 49.委員会は、締約国に対し、あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利についての一般的意見13号(2011年)および有害慣行についての一般的意見18号(2014年)に掲げられた、あらゆる形態の暴力を終わらせること(あらゆる場面における体罰を法律で禁止することを含む)およびあらゆる有害慣行を変容させかつ終わらせることを目的とした包括的な立法上、行政上、社会上および教育上の措置に関する勧告を参照するよう、求める。締約国は、防止およびリハビリテーションならびに被害を受けた思春期の子どもの社会的再統合に関する制度的プログラムの規模拡大のために、いっそう多くの機会を設けなければならない。委員会は、防止戦略および暴力被害者に対する保護対応の策定に思春期の子どもたちの関与を得る必要があることを強調する。 X.家庭環境および代替的養護 親および養育者への支援 50.子どもに安全、情緒的安定、励ましおよび保護を提供する親および養育者の役割は、思春期全体を通じて依然として重要である。委員会は、条約第18条第2項および第3項に掲げられているように親および養育者に適切な援助を与え、かつ、第27条第2項と一致するやり方で、最適な発達のために必要な支援および生活条件の提供に関して親を援助する締約国の義務が、思春期の子どもの親についても平等に適用されることを強調する。このような支援においては、思春期の子どもの権利および発達しつつある能力、ならびに、思春期の子どもが自分自身の生活に対して行なう貢献度の高まりが尊重されるべきである。各国には、伝統的価値観の名のもとで、暴力を黙認しまたは容認し、家族環境における不平等な権力関係を強化し、かつ、そのことによって思春期の子どもから基本的権利の行使の機会を奪うことがないようにすることが求められる [24]。 [24] A/HRC/32/32 参照。 51.委員会は、思春期の子どもたちが暮らしている、デジタル時代とグローバル化を特徴とする環境と、思春期の子どもたちの親および養育者が成長した環境との間で分断が大きくなりつつあることの重要性に対し、締約国の注意を喚起する。思春期の子どもたちは、世代間の理解を阻害しうるグローバルな商業世界(この世界は、親またはコミュニティの価値観に媒介されないままの場合もあれば、これらの価値観による統制を受けている場合もある)にさらされており、かつその影響を不可避的に受けている。このような状況の変化は、思春期の子どもと効果的なコミュニケーションを図り、かつ子どもの生活の現在の実情を考慮に入れたやり方で指示および保護を提供する親および養育者の能力にとって、課題を突きつけるものである。委員会は、各国が、世代間の経験の相違への対処に役立てるために必要な指針、援助、研修および支援はどのようなものかについての調査を、思春期の子どもたちならびにその親および養育者とともに実施するよう勧告する。 代替的養護を受けている思春期の子ども 52.大規模な長期入所施設で生活している思春期の子どもが十分な成果を達成できていないこと、および、程度ははるかに弱まるとはいえ他の形態の代替的養護(里親養護および小規模集団養護など)を受けている思春期の場合も同様であることについては、相当の証拠が存在する。このような思春期の子どもは、成績の低下、社会福祉への依存、ならびに、住む場所の喪失、収監、望まない妊娠、早期の出産、有害物質の誤用、自己危害および自殺のリスクの高まりを経験している。代替的養護を受けている思春期の子どもは16~18歳になった時点で離脱を求められるのが通例であって、支援システムまたは保護を欠いており、かつ自分自身を守るためのスキルおよび能力を獲得する機会も与えられてこなかったことから、性的虐待および性的搾取、人身取引および暴力の被害をとりわけ受けやすい状況に置かれる。障害のある思春期の子どもは、コミュニティで生活する機会を否定されて成人施設に移送されることが多く、そこで引き続き権利を侵害されるおそれがますます高まる。 53.各国は、代替的養護を受けている思春期の子どもの支援に対する強い決意を示し、かつそのような支援への投資を増やすべきである。里親養護および小規模ホームを優先する方針を補完するものとして、差別と闘い、思春期の子どもが置かれている個別の状況が定期的に検討されることを確保し、これらの子どもの教育を支援し、自己に影響を及ぼす手続において真の発言権を認め、かつ、複数回の移動を回避するために必要な措置をとる必要がある。各国は、施設措置が最後の手段としてのみ用いられることを確保するとともに、秘密が保持される苦情申立て機構および司法へのアクセス等を通じ、施設で生活しているすべての子どもの適切な保護を確保するよう、促される。各国はまた、代替的養護を受けている思春期の子どもの自立を支援し、かつそのライフチャンスを高めるための措置、および、代替的養護を離脱するのに十分な年齢に達するなかでこれらの子どもが直面する特別な脆弱性および不安定性に対処するための措置もとるべきである。 54.代替的養護を離脱する思春期の子どもには、移行の準備、就労、住居および心理的支援へのアクセス、家族との関係修復への参加(これが子どもの最善の利益に合致する場合)ならびにアフターケアサービスへのアクセスに関わる、子どもの代替的養護に関する指針 [25] に一致する方法で提供される支援が必要である。 [25] 国連総会決議64/142付属文書。子どもの権利委員会の一般的意見9号も参照。 思春期の子どもが世帯主である家庭 55.相当数の思春期の子どもが、自らが親であるために、または親が死亡しもしくは失踪しまたは存在しないために、家族の主たる養育者となっている。条約第24条および第27条が求めるところにしたがい、思春期の子どもである親および養育者に対しては、子どもの健康、栄養および母乳育児に関する基礎的知識が提供されなければならず、また自らが責任を負っている子どもへの責任を果たせるよう援助するための適切な支援、ならびに、必要なときは栄養、衣服および住居に関する物質的援助が提供されなければならない。思春期の子どもである養育者が教育、遊びおよび参加に対する権利を享受するためには、追加的な支援が必要となる。とくに、各国は、ライフサイクルの重要な段階における社会的保護のための支援策を導入し、かつ、思春期の子どもである養育者に特有の要求に対応するべきである。 XI.基礎保健および福祉 保健ケア 56.保健サービスが思春期の子どもに特有の健康上のニーズに配慮して整備されていることはまれであり、この問題は、年齢、性別および障害ごとに細分化された人口動態上および疫学上のデータおよび統計が存在しないためにいっそう悪化させられている。思春期の子どもが援助を求めても、法律上および金銭上の障壁、差別、秘密保持および尊重の欠如、暴力および虐待、スティグマならびに保健ケア関係者による審判的態度を経験することが多い。 57.思春期の子どもの健康に関わる状況は、主として、個人、同世代、家族、学校、コミュニティおよび社会の各レベルに存在する、行動および活動によって媒介された社会的および経済的決定因子ならびに構造的不平等の結果である。したがって、締約国は、思春期の子どもたちと連携し、今後の包括的な保健政策、プログラムおよび公衆衛生戦略の基盤とするため、思春期の子どもの健康問題の性質および程度ならびに思春期の子どもがサービスへのアクセスにあたって直面している障壁についての、多面的な関係者による包括的検討を実施することが求められる。 58.自殺、自己危害、摂食障害および抑うつのような精神保健上の問題および心理社会的問題は、思春期の子ども、とくに脆弱な状況に置かれた集団の子どもの健康障害、疾病および死亡の主たる原因である [26]。これらの問題は、遺伝的、生物学的、人格的および環境的原因の複雑な相互作用から生じ、かつ、たとえば紛争、避難、差別、いじめおよび社会的排除の経験ならびに身体イメージに関わる圧力および「完璧」志向の文化によっていっそう悪化させられている。レジリエンスおよび健康的発達を促進し、かつ精神的健康障害からの保護につながることがわかっている要因としては、重要な大人との強い関係およびこのような大人からの支援、肯定的な役割モデル、適切な生活水準、良質な中等教育へのアクセス、暴力および差別からの自由、影響力の行使および意思決定の機会、精神保健に関する知識、問題解決および対処のスキル、ならびに、安全かつ健康的な地域環境などがある。委員会は、各国が、過剰な医療化および施設措置ではなく公衆衛生および心理社会的支援を基盤とするアプローチをとるべきであることを強調する。親、同世代の子ども、より幅広い家族および学校の関与を得た統合的な思春期精神保健ケア制度、ならびに、訓練を受けたスタッフによる支援および援助の提供を通じた、包括的な部門横断型の対応が必要である [27]。 [26] 到達可能な最高水準の健康を享受する子どもの権利についての一般的意見15号(2013年)、パラ38参照。 [27] A/HRC/32/32 参照。 59.委員会は、各国に対し、思春期の子どもを対象として、セクシュアル/リプロダクティブヘルスに関わる、ジェンダーおよびセクシュアリティに配慮した包括的な政策を採用するよう促すとともに、思春期の子どもがこれらの情報、物資およびサービスに平等にアクセスできないことは差別にあたることを強調する [28]。このようなサービスにアクセスできないことは、思春期の女子が、妊娠および出産の際に死亡しまたは重大なもしくは生涯にわたる外傷を負う危険性がもっとも高い集団になることを助長する。思春期のすべての子どもが、セクシュアル/リプロダクティブヘルスに関わる、無償の、思春期の子どもへの反応性が高くかつ差別のない、オンラインでも対面でも利用可能なサービス、情報および教育にアクセスできるべきである。これには、家族計画、避妊(緊急避妊を含む)、性感染症の予防、ケアおよび治療、カウンセリング、受胎前のケア、母子保健サービスおよび生理衛生に関するものが含まれる。 [28] 経済的、社会的および文化的権利に関する差別の禁止についての社会権規約委員会の一般的意見20号(2009年)、パラ29参照。 60.セクシュアル/リプロダクティブヘルスならびにこれらに関わる権利についての物資、情報およびカウンセリングに関しては、第三者による同意または許可の要件などのいかなる障壁も設けられるべきではない。加えて、たとえば思春期の女子、障害のある女子ならびにレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびインターセックスである思春期の子どもがこのようなサービスにアクセスする際に経験する、スティグマおよび恐怖の障壁を克服するために特段の努力が必要である。委員会は、締約国に対し、女子が安全な中絶および中絶後のサービスにアクセスできることを確保するために中絶を犯罪化し、思春期の妊婦の最善の利益を保障する目的で法律を見直し、かつ、中絶関連の決定において思春期の妊婦の意見が常に聴かれかつ尊重されることを確保するよう、促す。 61.科学的根拠および人権基準を基盤とし、かつ思春期の子どもたちとともに開発された、年齢にふさわしい、包括的かつインクルーシブなセクシュアル/リプロダクティブヘルス教育が、必修学校カリキュラムの一環に位置づけられるべきであり、かつ、学校に行っていない思春期の子どもにも提供されるべきである。ジェンダー平等、性の多様性、セクシュアル/リプロダクティブヘルスに関わる権利、責任のある親としてのあり方および性的活動ならびに暴力の防止に対して、また若年妊娠および性感染症の予防に対して注意を向けることが求められる。情報は、思春期のすべての子ども、とくに障害のある思春期の子どもにとってのアクセシビリティを確保するため、代替的形式で利用可能とされるべきである。 HIV/AIDS 62.思春期の子どもは、AIDSによる死亡数が増加している唯一の年齢層である [29]。思春期の子どもは、抗レトロウィルス治療にアクセスし、かつ治療を受け続けるうえで課題に直面する場合がある。HIV関連の治療にアクセスするために保護者の同意を得なければならないこと、情報を開示されるおそれがあることおよびスティグマを付与されることは障壁の一部である。思春期の女子は人口比に照らして不均衡なほどの影響を受けており、新たな感染者数の3分の2を占めている。思春期の子どものうち、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルおよびトランスジェンダーである子ども、金銭、現物または好意と引き換えにセックスをする子どもおよび薬物静注を行なう子どもも、HIVに感染するリスクがいっそう高い。 [29] http //apps.who.int/iris/bitstream/10665/112750/1/WHO_FWC_MCA_14.05_eng.pdf?ua=1, p.3 参照。 63.委員会は、各国に対し、思春期の子どもの多様な現実を認めて、これらの子どもが、訓練を受けた要員(これらの者はプライバシーおよび差別の禁止に対する思春期の子どもの権利を全面的に尊重するものとする)によって提供される、秘密が守られるHIV検査およびカウンセリングサービスならびに科学的根拠に基づくHIV予防・治療プログラムにアクセスできることを確保するよう、奨励する。保健サービスには、HIV関連の情報、検査および診断、避妊およびコンドームの使用に関する情報、ケアおよび治療(HIV/AIDSのケアおよび治療のための抗レトロウィルス薬その他の医薬品および関連技術を含む)、適切な栄養に関する助言、霊的および心理社会的支援、ならびに、家族、コミュニティおよび自宅を基盤とするケアが含まれるべきである。HIVに特化した立法のうち、意図せずにHIVを感染させたことおよび自分がHIV感染者である旨を明らかにしなかったことを犯罪とする法律の見直しを検討することが求められる。 思春期の子どもによる薬物の使用 64.思春期の子どもは、薬物の使用へと引きこまれる可能性および薬物関連の危害を受けるリスクが大人よりも高く、かつ、思春期に開始された薬物の使用は依存へと至ることがより多い。薬物関連の危害を受けるリスクがもっとも高いことがわかっている思春期の子どもは、路上の状況にある子ども、学校から排除された子ども、トラウマ、家族の崩壊または虐待の経験がある子どもおよび薬物依存に対処中の家族と生活している子どもである。締約国には、麻薬および向精神薬の不法な使用から思春期の子どもを保護する義務がある。締約国は、このような有害物質ならびにタバコ、アルコールおよび溶剤の使用に関わる思春期の子どもの健康権を確保するとともに、予防、ハームリダクション(危害軽減)および治療のためのサービスを、差別なく、かつ十分な予算を配分して整備するべきである。思春期の子どもとの関連では、懲罰的または抑圧的な薬物統制政策に代わる措置をとることが歓迎される [30]。思春期の子どもに対しては、有害物質の使用から生ずる害の防止および最小化を目的とする、科学的根拠に基づく正確かつ客観的な情報も提供されるべきである。 [30] A/HRC/32/32 参照。 受傷および安全な環境 65.不慮の事故による受傷または暴力による受傷は、思春期の子どもの死亡および障害の主たる原因のひとつである。不慮の事故による受傷のほとんどは、路上での交通事故、溺水、火災、転落および毒物摂取によって生じている。締約国は、リスク低減のため、部門横断型の戦略を策定するべきである。このような戦略には、保護装置の使用を義務づける立法、飲酒運転および免許発行に関する政策、教育、スキル開発および行動変容に関するプログラム、環境への適応、ならびに、受傷した者のケアおよびリハビリテーションのためのサービスの提供を含めることが求められる。 十分な生活水準 66.貧困の影響は思春期において深甚な意味合いを有しており、極度のストレスおよび不安定感ならびに社会的および政治的排除につながることもある。経済的苦境に対処するために思春期の子どもが余儀なくされるまたは自らとる戦略には、学校を中退すること、児童婚または強制婚の対象となること、性的搾取または人身取引の対象となること、危険なもしくは搾取的な労働または教育の妨げとなる労働に従事すること、ギャングの構成員になること、民兵に加入することおよび移住することなどがある。 67.各国は、身体的、精神的、霊的、道徳的および社会的発達のためにふさわしい生活水準に対するすべての子どもの権利を想起するよう求められるとともに、思春期の子どもおよびその家族が基礎所得の安定を保障され、経済的衝撃および長期の経済的危機から保護され、かつ社会サービスにアクセスできるようにする、社会的保護の最低基準を導入するよう促される。 XII.教育、余暇および文化的活動 教育 68.普遍的、良質かつインクルーシブな教育および訓練に対する権利を保障することは、思春期の子どもの直近の発達および長期的発達を確保するために各国が行ないうる、単独の投資としてはもっとも重要な政策投資であり、とくに中等教育の肯定的影響を明らかにする証拠はますます増えつつある [31]。各国は、すべての者が広く利用できる中等教育を緊急に導入するとともに、高等教育を、すべての適切な方法により、能力に基づいてすべての者がアクセスできるようにするよう、奨励される。 [31] www.unicef.org/adolescence/files/SOWC_2011_Main_Report_EN_02092011.pdf 参照。 69.委員会は、女子および男子の平等な就学を達成し、かつ初等教育後も女子が教育を受け続けるようにするうえで多くの国が直面している課題を深く懸念する。女子の中等教育への投資は、条約第2条、第6条および第28条を遵守するために必要な公約であり、児童婚および強制婚、性的搾取ならびに若年妊娠から女子を保護するのにも役立つとともに、女子およびその子どもの将来の経済的可能性を高めることに相当に貢献する。女子にとっての障壁となっている法的、政治的、文化的、経済的および社会的障壁を克服する目的で、肯定的なジェンダー関係および社会的規範を促進し、性暴力およびジェンダーを理由とする暴力(学校におけるものを含む)に対応し、かつ、肯定的な役割モデル、家族支援および女性の経済的エンパワーメントを促進する戦略への投資も行なわれるべきである。さらに、各国は、就学しない男子および在学し続けない男子の人数が増えていることを認識し、その原因を特定し、かつ、男子の継続的教育参加を支えるための適切な措置をとるよう求められる。 70.委員会は、周縁下された状況に置かれている思春期の子どもであって中等教育進学の機会を与えられない子ども(貧困下で暮らしている子ども、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびインターセックスである子ども、マイノリティに属する子ども、心理社会的障害、感覚障害または身体障害のある子ども、移住している子ども、武力紛争または自然災害の状況下にある子どもならびに路上の状況にある子どもまたは働いている子どもなど)の人数が多いことに、懸念とともに留意する。集団化された集団が教育へのアクセスについて直面している差別に終止符を打つための積極的措置が必要である。このような差別を終わらせるための手段には、現金移転プログラムを設けること、マイノリティおよび先住民族の文化ならびにすべての宗教コミュニティの子どもを尊重すること、障害のある子どものインクルーシブ教育を促進すること、教育制度におけるいじめおよび差別的態度と闘うこと、ならびに、難民キャンプで教育を提供することなどが含まれる。 71.識字能力を身につけないまままたは資格を取得しないままの早期退学の水準の高さに鑑み、学校への継続的参加を妨げる障壁について思春期の子どもたちと協議するための取り組みが行なわれるべきである。委員会の見るところ、助長要因には次のようなものがある――授業料および関連費用が必要であること、家庭の貧困であることおよび十分な社会的保護制度(十分な健康保険を含む)が存在しないこと、女子のための十分かつ安全な衛生設備が設けられていないこと、妊娠した女子生徒および母親となった女子が排除されること、残虐な、非人道的なおよび品位を傷つける処罰が根強く使用されてること、学校におけるセクシュアルハラスメントを解消するための効果的措置がとられていないこと、女子が性的に搾取されていること、環境が女子の包摂および安全に資するものになっていないこと、教授法が不適切であること、カリキュラムが関連性を有しておらずまたは時代遅れになっていること、生徒を自分自身の学習に関与させられていないこと、ならびに、いじめが行なわれていることである。加えて、学校には、思春期の子どもが仕事および(または)家族のケアの責任と教育を両立できるようにするために必要な柔軟性が欠けていることが多く、思春期の子どもは就学関連費用を負担し続けることができなくなる場合がある。各国は、条約第28条第1項(e)およびSDG〔持続可能な開発目標〕4にしたがい、これらのすべての要因への対処、ならびに、就学および通学の状況の向上、早期退学の減少および退学した者への教育修了の機会の提供を目的とした、包括的かつ積極的な措置を導入するべきである。 72.委員会は、教育の目的に関する委員会の一般的意見1号(2001年)に対して注意を喚起する。委員会はそこで、教育は子ども中心の、子どもにやさしい、かつ子どものエンパワーメントにつながるようなものでなければならないと主張するとともに、より協働的なかつ参加型の教授法の重要性を強調している [32]。中等教育のカリキュラムは、思春期の子どもが主体的参加の力を身につけられるようにし、人権および基本的自由の尊重を発展させ、市民的関与を促進し、かつ思春期の子どもが自由な社会で責任ある生活を送れるようにすることを目的として立案されるべきである。思春期の子どもの可能性を最大限に発達させ、かつこれらの子どもが退学しないようにするため、思春期の子どもの学習能力、同世代の仲間とともに活動する動機およびエンパワーメントを活用し、経験学習に焦点を当て、かつ試験を限定的に用いるような学習環境を確保する目的で、学習環境のあり方の検討を行なうことが求められる。 [32] 教育の目的に関する子どもの権利委員会の一般的意見1号(2001年)、パラ2参照。 教育から訓練および/またはディーセントワークへの移行 73.思春期の子どもの相当数が教育もしくは訓練を受けておらず、または就労していないことから、成人期への移行にかけて不均衡なほどの水準の失業、不完全就労または搾取につながっている。委員会は、各国に対し、就学していない思春期の子どもがディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に移行することを促進する目的でこれらの子どもをその年齢にふさわしいやり方で支援する(教育法と労働法の整合性を確保することも含む)とともに、これらの子どもの将来の就労を促進するための政策を採択するよう、促す [33]。条約第28条第1項(d)にしたがい、各国は、思春期の子どもが教育上および職業上の情報および指導を利用しかつこれらにアクセスできるようにするべきである。 [33] 持続可能な開発目標のターゲット8.6は「若者」(15~24歳の思春期の子ども)に関連したものである。国連総会決議70/1参照。 74.教育および訓練は、公式なものであれ非公式なものであれ、現代労働市場で必要とされる21世紀型スキル [34] を目的として設計されなければならない。これには、ソフトスキルおよび転換可能なスキルをカリキュラムに統合すること、経験学習または実践学習の機会を拡大すること、労働市場の需要に基づいて職業訓練を発展させること、起業、インターンシップおよび実習に関する官民パートナーシップを確立すること、ならびに、学業上および職業の機会に関する指導を提供することが含まれる。各国はまた、労働組合および職能団体への加盟に関する権利を含む就労者の権利についての情報も普及するべきである。 [34] 「21世紀型スキル」とは、今日の世界、とくに大学プログラムならびに現代的職業および職場で成功するために決定的に重要であると――教育者、学校改革論者、大学教授、雇用主等によって――考えられている、一連の幅広い知識、スキル、労働習慣および性格特性をいう。 余暇、レクリエーションおよび芸術 75.休息および余暇に対する思春期の子どもの権利、ならびに、思春期の子どもが、オンラインとオフラインの双方で、遊び、レクリエーション活動および芸術活動に自由に従事しかつ参加する権利は、思春期の子どものアイデンティティの模索にとって根本的に重要であり、思春期の子どもが、自己の文化を模索し、新たな芸術形態を創り出し、人間関係を形成し、かつ人間として成長していくことを可能とする。余暇、レクリエーションおよび芸術は、人間の尊厳、最適な発達、表現の自由、参加およびプライバシーに対する権利にとって根本的に重要である、自分はかけがえのない存在であるという感覚を思春期の子どもに与えるものである。委員会は、これらの権利が、とくに女子について、思春期において広く軽視されていることに遺憾の意とともに留意する。公共の空間で思春期の子どもたちに恐怖および敵意が向けられており、かつ思春期の子どもにやさしい都市計画、教育施設および余暇施設が存在しないことは、レクリエーション活動およびスポーツに従事する自由の妨げとなりうる。委員会は、条約第31条に掲げられた諸権利、および、休息、余暇、遊び、レクリエーション活動、文化的生活および芸術に対する子どもの権利についての一般的意見17号(2013年)にまとめられている委員会の勧告に対し、各国の注意を促すものである。 XIII.特別な保護措置 移住 76.生活水準の向上、教育または家族再統合を求め、出身国の内外に移住する思春期の子どもの人数が増えつつある。多くの子どもにとって、移住は重要な社会的および経済的な機会を提供してくれるものである。しかし、身体的危害、心理的トラウマ、周縁化、差別、排外主義、性的搾取および経済的搾取、ならびに、国境を越える場合には入国管理当局による摘発および収容を含むリスクを突きつけるものでもある [35]。移住者である思春期の子どもの多くは、教育、住居、保健、レクリエーション、参加、保護および社会保障へのアクセスを否定されている。サービスに対する権利が法律および政策で保護されている場合でさえ、思春期の子どもは、そのようなサービスへのアクセスに関して行政上その他の障壁に直面する場合がある。身分署名書類または社会保障番号を要求されること、有害かつ不正確な年齢鑑別手続がとられていること、金銭面および言語面の障壁があること、ならびに、サービスにアクセスすることによって収容または退去強制の対象とされることなどである [36]。委員会は、移住者である子どもについて詳細に述べた委員会の包括的勧告を参照するよう求める [37]。 [35] www.ohchr.org/Documents/HRBodies/CRC/Discussions/2012/DGD2012ReportAndRecommendations.pdf 参照。 [36] Fundamental Rights Agency, "Apprehension of migrants in an irregular situation - fundamental rights considerations"(2012年9月9日付)参照。https //fra.europa.eu/sites/default/files/fra-2013-apprehension-migrants-irregular-situation_en.pdf より入手可能。 [37] www.ohchr.org/Documents/HRBodies/CRC/Discussions/2014/DGD_report.pdf 参照。 77.委員会は、条約第22条において、難民および庇護希望者である子どもがその権利を享受し、かつ国際難民保護体制を通じて与えられる追加的保障措置の利益を受けられるようにするためには特別な措置が必要であることが認められていることを強調する。難民および庇護希望者である思春期の子どもは、国外追放のための迅速手続の対象とされるべきではなく、むしろその入国を認める方向で検討がなされるべきであり、また、子どもの最善の利益についての判断が行なわれ、かつ国際的保護の必要性が確認される前に送還されまたは入国を拒否されるべきではない。自国の管轄内にあるすべての子どもの権利をその地位にかかわらず尊重しかつ確保する第2条上の義務にしたがい、各国は、難民および庇護希望者である思春期の子どもであって保護者のいない者および養育者から分離された者ならびに移住者の双方を規律する、年齢およびジェンダーに配慮した立法を導入するべきである。このような立法は、最善の利益の原則を土台とし、出入国管理法上の地位の決定よりも保護のニーズの評価を優先させ、出入国管理関連の収容を禁止し、かつ、出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いに関する一般的意見6号(2005年)の勧告を参照しながら、これらの思春期の子どもが有する特別な脆弱性に対応するものであることが求められる [38]。各国はまた、思春期の子どもを移住へと向かわせる諸要因、ならびに、親が移住した場合に残された思春期の子どもが直面する脆弱性および権利侵害(退学、児童労働、暴力および犯罪活動の被害の受けやすさならびに負担の大きい家事責任を含む)に対処するための措置も導入するべきである。 [38] 出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いに関する一般的意見6号(2005年)参照。 人身取引 78.多くの思春期の子どもが、経済的理由または性的搾取を目的とした人身取引の対象とされるおそれに直面している。各国は、子どもの売買、人身取引および誘拐に関するデータ収集のための包括的かつ体系的な機構を確立するとともに、当該データが細分化されることを確保し、かつもっとも被害を受けやすい状況で生活している子どもに特段の注意を払うよう、促される。各国はまた、被害を受けた子どもを対象としたリハビリテーションおよび再統合のためのサービスならびに心理社会的支援への投資も行なうべきである。脆弱性および搾取が有する、ジェンダーを基盤とする諸側面に注意を払うことが求められる。国内の人身取引および国際的人身取引双方の危険性を親および子どもたちが理解するようにするため、ソーシャルメディア等も通じた意識啓発活動を行なわなければならない。各国は、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書を批准し、かつ、同議定書にしたがって立法の調和を図るよう促される。 紛争および危機 79.武力紛争および人道上の災害の状況により、社会的規範ならびに家族およびコミュニティによる支援体制の崩壊がもたらされている。そのため、思春期の子どもであって避難民となった子どもおよび危機の影響を受けている子どもの多くが、大人としての責任を引き受けることを余儀なくされ、かつ性暴力およびジェンダーを理由とする暴力、児童婚および強制婚ならびに人身取引のおそれにさらされている。さらに、このような状況に置かれた思春期の子どもは、教育、スキル訓練、安全な就労機会、ならびに、セクシュアル/リプロダクティブヘルスに関わる適切なサービスおよび情報へのアクセスを否定され、かつ、孤立、差別およびスティグマ、精神保健〔上の問題〕ならびにあえてリスクを冒す行動に直面する可能性が高い。 80.委員会は、人道プログラムにおいて思春期の子どもの特有のニーズおよび権利への対応が行なわれていないことを懸念する。委員会は、締約国に対し、保護システムの開発および設計ならびに和解および平和構築のプロセスにおいて主体的役割を果たす体系的機会が思春期の子どもたちに提供されることを確保するよう、促すものである。紛争後および移行期の再建への明確な投資は、思春期の子どもたちが、自分の国の経済的および社会的開発、レジリエンスの構築ならびに平和的移行に貢献する機会ととらえられるべきである。加えて、緊急事態対応準備プログラムでは、思春期の子どもたちの脆弱性および保護に対する権利のいずれをも認識し、かつ、コミュニティの支援およびリスク緩和の援助に関してこれらの子どもたちが果たしうる役割を認めながら、これらの子どもたちに対応することが求められる。 軍隊および武装集団への徴集 81.委員会は、思春期の男子および女子が、ソーシャルメディアの利用等も通じて、国の軍隊、武装集団および民兵に徴集されていることに深い懸念を表明するとともに、すべての締約国に対し、武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書を批准するよう促す。委員会はまた、思春期の子どもが、テロリストのプロパガンダ、過激主義的見方およびテロ活動への関与にそそのかされやすいことも懸念するものである。思春期の子どもをそのような活動への参加に駆り立てる要因を模索するための調査研究が思春期の子どもたちとともに実施されるべきであり、各国は、社会的統合を促進する措置に特段の注意を払いながら、当該調査研究で得られた知見に応じた適切な対応をとるべきである。 82.各国は、軍隊および武装集団に徴集された思春期の子ども(移住の状況にある子どもを含む)の回復およびジェンダーに配慮した再統合を確保するとともに、あらゆる敵対行為において、かつ和平または停戦に関わる武装集団との交渉および協定において、思春期の子どもの徴集または使用を禁止するべきである [39]。各国は、支援介入の持続可能性および文化的適切性を確保する目的で、平和運動に思春期の子どもたちが参加する機会、および、地域コミュニティに根ざした非暴力的紛争解決に対する同世代間働きかけアプローチを支援するよう求められる。委員会は、締約国に対し、思春期の子どもに対して行なわれた紛争関連の性暴力、性的搾取および性的虐待ならびにその他の人権侵害の事案について迅速かつ適正な対応がとられることを確保するため、断固たる措置をとるよう促すものである。 [39] A/68/267、パラ81-87参照。 83.委員会は、世界の多くの場所で、思春期の子どもがギャングおよびパンディーヤ〔訳者注/ギャングを意味するスペイン語〕に引きこまれていることを認識する。これらの集団は、社会的支援、生計維持手段、保護およびアイデンティティの感覚を、合法的な活動を通じてこのような目標を達成する機会が存在しないなかで提供してくれることが多い。しかし、ギャングの構成員が生じさせる恐怖、危険、脅威および暴力の雰囲気は、思春期の子どもの権利の実現を脅かすものであり、思春期の子どもの移住を助長する主要な要因のひとつである。委員会は、攻撃的な法執行アプローチに代えて、少年の暴力およびギャングへの加入の根本的原因に対処する包括的な公共政策の策定をいっそう重視するよう、勧告する。学校、家庭および社会的包摂のための措置を重視しながら、危険な状況に置かれた思春期の子どもを対象とする防止活動、思春期の子どもにギャングを離脱するよう奨励するための支援介入、ギャングの構成員の更生および再統合、修復的司法、ならびに、犯罪および暴力に反対する自治体連合の創設への投資を進めることが必要である。委員会は、各国に対し、ギャングの暴力に関連する理由で自国を離れることを余儀なくされた思春期の子どもに正当な考慮を払い、かつ、このような子どもに難民資格を付与するよう、促す。 児童労働 84.委員会は、思春期のすべての子どもに経済的搾取および最悪の形態の児童労働から保護される権利があることを強調するとともに、各国に対し、条約第32条第2項ならびに国際労働機関の最低年齢条約(1973年、第138号)および最悪の形態の児童労働条約(1999年、第182号)の規定を実施するよう促す。 85.年齢にふさわしい形態の労働への導入は、思春期の子どもの生活において重要な発達上の役割を果たすのであって、これによって思春期の子どもはスキルを身につけるとともに、責任を学ぶこと、ならびに、必要なときは、家族の経済的安寧に貢献し、かつ自らの教育へのアクセスを支えることができるようになる。児童労働に反対する行動は、学校から労働への移行、社会的および経済的開発、貧困根絶プログラム、および、良質かつインクルーシブな初等中等教育への普遍的かつ無償のアクセスを含む、包括的措置から構成されるべきである。思春期の子どもには、国内法上の最低就労年齢(これは国際基準および義務教育に整合したものであるべきである)に達した段階で、教育ならびに休息、余暇、遊び、レクリエーション活動、文化的生活および芸術に対する権利を正当に尊重されながら、適切な条件下で軽易労働を行なう権利があることを強調しておかなければならない。 86.委員会は、各国が、思春期の子どもの生活において労働が果たす積極的役割と、義務教育に対する思春期の子どもの権利を差別なく確保することとの間でバランスをとることに向けた経過的アプローチをとるよう勧告する。学校教育およびディーセントワークへの導入は、思春期の子どもの生活において、その年齢にしたがって両方を促進するための調整が図られるべきであり、またそのような労働を規制し、かつ思春期の子どもが搾取の被害を受けた場合に救済措置を与えるための効果的機構が導入されるべきである。18歳未満のすべての子どもを危険な労働から保護する旨を、具体的な有害労働の明確な一覧とともに規定することが求められる。有害な労働および労働条件を防止することに向けた努力が、家事労働に従事している女子およびその他のしばしば「不可視化された」労働者に特段の注意を払いながら、優先課題として行なわれるべきである。 思春期の子どもを対象とした司法 87.思春期の子どもは、法律に触れたことによって、犯罪の被害者もしくは証人として、または養護、監護もしくは保護のようなその他の理由で、司法制度と関わりを持つ場合がある。思春期の子どもが、被害者としても犯罪加害者としても権利を侵害されやすい立場に置かれにくくするための措置が必要である。 88.締約国は、条約第37条および第40条ならびに少年非行の防止に関する国連指針に一致するやり方で社会的要因および根本的原因に対応するため、修復的司法、司法手続からのダイバージョン、拘禁に代わる措置および予防的介入を重視する包括的な少年司法政策を導入するよう促される。少年司法における子どもの権利についての一般的意見10号(2007年)に掲げられた勧告にしたがい、焦点は、テロリズムに分類される活動に関与した思春期の子どもを対象とするものも含む、更生および再統合に当てられるべきである。拘禁は、最後の手段として、かつもっとも短い適切な期間でのみ用いられるべきであり、また思春期の子どもは成人とは分離して収容することが求められる。委員会は、18歳未満のときに行なった犯罪について有罪とされたいかなる者に関しても死刑および終身刑を禁止することが絶対要件であることを強調するものである。委員会は、刑事責任年齢を引き下げようとしている国が多いことを深刻に懸念するとともに、各国に対し、刑事責任年齢を漸進的に18歳まで引き上げるよう奨励する。 XIV.国際協力 89.委員会は、条約の実施は締約国にとって協力的な営みであることおよび国際協力が必要であることを強調する。委員会は、締約国に対し、思春期の子どもの権利の実施について貢献を行ない、かつ、国際連合および地域機関の技術的援助を適宜活用するよう奨励するものである。 XV.普及 90.委員会は、締約国が、この一般的意見を、すべての関係機関、とくに議会およびすべての段階の行政機関(省庁および自治体/地方当局内の部局を含む)、ならびに、思春期のすべての子どもに対して広く普及するよう勧告する。委員会はまた、この一般的意見を関連のすべての言語に翻訳するとともに、思春期の子どもにやさしい版および障害のある思春期の子どもにとってアクセシブルな形式として刊行することも勧告するものである。 更新履歴:ページ作成(2016年12月25日)。
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国連・子どもの権利委員会 定期報告書ガイドライン(改訂第3版)付属文書 CRC 定期報告書ガイドライン(第3版) 子どもの権利に関する条約第44条第1項(b)に基づいて締約国が提出する定期報告書への統計情報およびデータの記載に関する指針 I.序 1.締約国は、定期報告書の作成にあたり、形式および内容に関する条約別指針にしたがうとともに、この付属文書で説明されているとおり、年齢または年齢層、性別、所在地(農村部または都市部)、マイノリティ集団もしくは先住民族集団、民族、宗教、障害または適切と考えられる他のカテゴリーごとに細分化された統計的情報およびデータを適宜記載するよう求められる。 2.締約国が提供する統計的情報および細分化されたデータは、前回の報告書が検討されて以降の期間を対象としたものであるべきである。報告対象期間中の推移を示す表の掲載が推奨されるところであり、また報告対象期間に生じた重要な変化についても説明またはコメントを行うことが求められる。 II.報告書で提供されるべき統計的情報 A.実施に関する一般的措置(条約第4条、第42条および第44条第6項) 3.締約国は、報告対象期間中の支出総額と関連させながら、社会サービスのための資源配分に関する情報を提供するよう求められる。 (a) 家族手当および/または子ども手当、条件付現金給付制度 (b) 保健サービス(とくにプライマリーヘルスサービス) (c) 乳幼児期の発達(ケアおよび教育) (d) 教育(初等・中等教育)、職業教育および職業訓練、特別教育 (e) 子どもの保護のための措置(暴力、児童労働および性的搾取の防止ならびにリハビリテーションのためのプログラムを含む) 4.締約国は、子どもとともにおよび子どものために活動する専門家を対象として実施された、条約に関する研修についての統計データを提供するよう求められる。これには次の専門家が含まれるが、これに限るものではない。 (a) 司法職員(裁判官を含む) (b) 法執行官 (c) 教職員 (d) 保健従事者 (e) ソーシャルワーカー B.子どもの定義(第1条) 5.締約国は、締約国に住んでいる18歳未満の子どもの人数および割合に関する、前掲パラ1で述べたとおりに細分化されたデータ、ならびに、婚姻している子どもの人数に関する、年齢その他の関連の基準(都市部/農村部、民族、マイノリティ集団または先住民族集団)によって細分化されたデータを提供するよう求められる。 C.一般原則(第2条、第3条、第6条および第12条) 1.生命、生存および発達に対する権利(第6条) 5.締約国は、次の原因による18歳未満の者の死亡について、前掲パラ1で述べたとおりに細分化されたデータを提供するよう勧告される。 (a) 非司法的処刑、略式処刑または恣意的処刑 (b) 死刑 (c) HIV/AIDS、マラリア、結核、ポリオ、肝炎および急性呼吸器感染症を含む疾病 (d) 交通事故その他の事故 (e) 犯罪その他の形態の暴力 (f) 自殺 2.子どもの意見の尊重(第12条) 7.締約国は、次の点に関するデータを提供するよう求められる。 (a) 子ども団体および若者団体の数ならびにこれらの団体が代表している構成員の人数 (b) 独立の生徒評議会を設けている学校数 (c) 司法上および行政上の手続で意見を聴取された子どもの人数(その年齢に関する情報を含む) D.市民的権利および自由(第7条、第8条および第13~17条) 1.出生登録(第7条) 8.締約国は、出生後に登録された子どもの人数および割合ならびに登録時期に関する情報を提供するよう求められる。 2.適切な情報へのアクセス(第17条) 9.締約国は、子どもがアクセスできる図書館(移動図書館を含む)の数および情報テクノロジー設備がある学校の数についての統計を提供するよう求められる。 E.子どもに対する暴力(第19条、第24条第3項、第28条第2項、第24条、第34条および第37条(a)) 1.虐待およびネグレクト(第19条)(身体的および心理的回復ならびに社会的再統合(第39条)を含む) 10.締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりに細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) 親その他の親族/養育者による虐待および/またはネグレクトの被害者として報告された子どもの人数および割合 (b) 報告された事案のうち、加害者に対する制裁その他の形態のフォローアップが行なわれたものの件数および割合 (c) 回復および社会的再統合に関する特別なケアを受けた子どもの人数および割合 2.拷問または他の残虐な、非人道的なもしくは品位を傷つける取扱いもしくは処罰を受けない権利(第37条(a)および第28条第2項) 11.締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりにおよび侵害の態様別に細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) 拷問被害者として報告された子どもの人数 (b) 他の残虐な、非人道的なもしくは品位を傷つける取扱いまたはその他の形態の処罰(強制婚および女性性器切除を含む)の被害者として報告された子どもの人数 (c) あらゆる場面(保育施設、学校、家庭、里親ホーム、施設および子どもにサービスを提供するその他の場所)における体罰の発生件数ならびに集団的いやがらせおよびいじめの発生件数 (d) 前掲(a)、(b)および(c)として報告された侵害のうち、裁判所による決定またはその他の態様のフォローアップのいずれかが行なわれたものの件数および割合 (e) 回復および社会的再統合に関する特別なケアを受けた子どもの人数および割合 (f) 施設内暴力の防止のために実施されているプログラムの数およびこの問題に関して施設職員を対象として実施された研修の量 F.家庭環境および代替的養護(第5条、第9条~11条、第18条第1項および第2項、第20条、第21条、第25条ならびに第27条第4項) 1.家族の支援(第5条ならびに第18条第1項および第2項) 12.締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりに細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) 親および法定保護者が子どもの養育責任を果たすにあたって適切な援助を与えることを目的としたサービスおよびプログラムの数、ならびに、これらのサービスおよびプログラムから利益を得ている子どもおよび家族の数および割合 (b) 利用可能な保育サービスおよび保育施設の数ならびにこれらのサービスにアクセスできている子どもおよび家族の割合 2.親のケアを受けていない子ども(第9条第1~4項、第21条および第25条) 13.親から分離された子どもとの関連で、締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりに細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) 原因別(たとえば武力紛争、貧困、差別の結果としての遺棄等)に細分化された、親のケアを受けていない子どもの人数 (b) 裁判所による決定(とくに親による虐待もしくはネグレクトの状況、拘禁、収監、労働目的の移住、国外追放または退去強制に関わるもの)の結果として親から分離された子どもの人数 (c) これらの子どものための施設の数(地域別)、これらの施設の定員、子ども対養育者の比率および里親ホームの数 (d) 親から分離された子どものうち施設または里親ホームで暮らしている者の人数および割合、ならびに、措置期間および措置の再審査の頻度 (e) 措置後に親と再統合した子どもの人数および割合 (f) 国内養子縁組、国際養子縁組またはカファラ的養子縁組のプログラムの対象とされた子どもの人数(年齢別)、ならびに、関連する場合には対象となった子どもの出身国および縁組先の国に関する情報 3.家族再統合(第10条) 14.締約国は、家族再統合の目的で入国しまたは出国した子どもの人数(難民および庇護希望者であって保護者のいない子どもの人数を含む)について、ジェンダー、年齢ならびに国民的および民族的出身ごとに細分化されたデータを提供するよう求められる。 4.不法移送および不返還(第11条) 15.締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりにならびに国民的出身、居住地および家族の地位ごとに細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) 締約国から奪取された子どもおよび締約国に奪取されてきた子どもの人数 (b) 逮捕された加害者の人数およびそのうち(刑事)裁判所による制裁を受けた者の割合 5.親が収監された子ども 16.締約国は、親が収監された子どもおよび母親とともに刑務所で生活している子どもの人数ならびにこれらの子どもの平均年齢に関する情報を提供するよう求められる。 G.障害、基礎保健および福祉(第6条、第18条第3項、第23条、第24条、第26条、第27条第1~3項および第33条) 1.障害のある子ども(第23条) 17.締約国は、次の状況にある障害児の人数および割合を、前掲パラ1で述べたとおりにおよび障害の性質ごとに細分化された形で明らかにするよう求められる。 (a) 親が特別な物質的、心理社会的その他の援助を受けている障害児 (b) 施設(精神障害のある子どものための施設を含む)において、または里親ケアなど家庭外で生活している障害児 (c) 普通学校に通っている障害児 (d) 特別学校に通っている障害児 (e) 学校またはこれに類する施設に通っていない障害児 2.健康および保健サービス(第24条) 18.締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりに細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) 乳児死亡率および5歳未満児死亡率 (b) 低体重出生児の割合 (c) 中度および重度の低体重、消耗および発育不全の状態にある子どもの割合 (d) 自殺を原因とする子どもの死亡率 (e) 衛生設備にアクセスできない世帯および安全な飲料水にアクセスできない世帯の割合 (f) 結核、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオおよびはしかの予防接種を完全に受けた1歳児の割合 (g) 妊産婦死亡率(主要な死因を含む) (h) 産前産後の保健ケアにアクセスし、かつその利益を享受している妊産婦の割合 (i) 病院で出生した子どもの割合 (j) 病院におけるケアおよび分娩の訓練を受けた要因の割合 (k) 完全母乳育児を実践している母親の割合およびその母乳育児期間 19.締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりに細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) HIV/AIDSに感染した子どもおよびHIV/AIDSの影響を受けている子どもの人数/割合 (b) これらの子どものうち治療、カウンセリング、ケアおよび支援を含む援助を受けている者の人数/割合 (c) これらの子どものうち親族とともに暮らしている者、里親ケアを受けている者、施設で生活している者または路上で暮らしている者の人数/割合 (d) HIV/AIDSのため子どもが筆頭者となっている世帯の数 20.締約国は、思春期の健康に関連して次の点に関するデータを提供するよう求められる。 (a) 若年妊娠、性感染症、精神保健上の問題、薬物濫用およびアルコール濫用の影響を受けている思春期の子どもの、前掲パラ1で述べたとおりに細分化された人数 (b) 思春期の健康上の問題の予防および治療を目的としたプログラムおよびサービスの数 3.薬物および有害物質の濫用(第33条) 21.締約国は、薬物および有害物質の濫用の被害者である子どもの人数ならびに利用可能な援助プログラムの数に関する情報を提供するよう求められる。 H.教育、余暇および文化的活動(第28条~31条) 22.締約国は、次の点との関連で、前掲パラ1で述べたとおりに細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) 子どもおよび成人の識字率 (b) 初等学校および中等学校ならびに職業訓練センターへの総・純就学率および総・純出席率 (c) 初等学校および中等学校ならびに職業訓練センターにおける在籍継続率、修了率および移行率ならびに中退者の割合 (d) 教員1人あたり児童生徒数の平均(相当の地域格差または農村部/都市部の格差がある場合にはそれも明らかにすること)および訓練を受けた教員の割合 (e) 国が資金を拠出している、自分自身の言語による教育を受けている先住民族およびマイノリティの子どもの人数 (f) ノンフォーマル教育制度で教育を受けている子どもの割合 (g) 就学前教育施設およびその他の乳幼児期発達教育施設に通っている子どもの割合 (h) 放課後プログラムに参加している子どもの人数/割合 (i) コミュニティにある公共の遊び場の数(農村部か都市部かを明示すること) (j) 組織化された余暇、スポーツ、文化および芸術の活動に参加する子どもの人数/割合(当該活動が農村部または都市部のどちらで行なわれているかを明示すること) I.特別な保護措置(第22条、第30条、第32条、第33条、第35条、第36条、第37条(b)~(d)および第38条~40条) 1.出身国外にあって難民としての保護を求めている子ども(第22条)および国内避難民である子ども 23.締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりにならびに出身国別、国籍別および保護者の有無別に細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) 国内避難民である子ども、庇護希望者である子どもおよび難民である子どもの人数 (b) それらの子どものうち初等学校および中等学校ならびに職業訓練センターに通っている者ならびに保健サービスその他のサービスにアクセスできている者の人数および割合 (c) 資格認定手続の最中または終了後に失踪した子どもの人数 2.児童労働を含む経済的搾取(第32条) 24.特別な保護措置について、締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりに細分化された統計データを提供するよう求められる。 (a) 法律で定められた最低就労年齢に達しない子どものうち、国際労働機関の最低年齢条約(1973年、第138号)および最悪の形態の児童労働条約(1999年、第182号)が定める児童労働に従事する者の、就労態様ごとに細分化された人数および割合 (b) それらの子どものうち回復および再統合のための援助(無償の基礎教育および/または職業訓練を含む)にアクセスできている者の人数および割合 (c) 路上の状況にある子どもの人数 3.性的搾取、性的虐待および人身取引(第34条および第35条) 25.締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりにおよび侵害の態様別に細分化された統計データを提供するよう求められる。 (a) 性的搾取(買春、ポルノおよび人身取引を含む)に関与した子どもの人数 (b) それらの子どものうちリハビリテーション・プログラムにアクセスできるようにされた子どもの人数 (c) 報告対象期間中に報告された、子どもの性的搾取、性的虐待および売買、子どもの誘拐ならびに子どもに対する暴力の件数 (d) それらの事件のうち制裁が科されるに至ったものの件数および割合(加害者の出身国および科された処罰の性質に関する情報を添えること) (e) その他の目的(労働を含む)による人身取引の対象とされた子どもの人数 (f) 子どもの人身取引を防止し、かつその尊厳の尊重を確保するための研修を受けた国境管理官および法執行官の人数 4.法に抵触した子どもおよび少年司法の運営(第40条) 26.締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりに細分化されたデータ(犯罪態様別の細分化を含む)を提供するよう求められる。 (a) 法に抵触した疑いがあることを理由に警察に逮捕された18歳未満の者の人数 (b) 法的その他の援助が提供された事案の割合 (c) 次の対応をとられた18歳未満の者の人数および割合(i) ダイバージョン・プログラムに移送された者 (ii) 裁判所により有罪と認定され、かつ刑の執行猶予または自由の剥奪以外の刑罰を言い渡された者 (iii) 修復的アプローチに基づく代替的制裁を受けた者 (iv) 保護観察(プロベーション)プログラムに参加した者 (d) 再犯率 5.自由を奪われた子ども(いずれかの形態の拘禁、収監または収容場所への措置を含む)(第37条(b)~(d)) 27.締約国は、次の点との関連で、法に抵触した子どもに関して、前掲パラ1で述べたとおりに細分化されたデータ(社会的地位、出身および犯罪態様別の細分化を含む)を提供するよう求められる。 (a) 罪を犯したとして警察に通報された後、警察署での留置または未決拘禁の対象とされた18歳未満の者の人数およびその平均拘禁期間 (b) 刑法に違反したとして申立てられ、罪を問われ、または認定された18歳未満の者をとくに対象とする施設の数 (c) それらの施設に収容されている18歳未満の者の人数および平均収容期間 (d) 成人から分離されない施設に拘禁されている18歳未満の者の人数 (e) 裁判所によって有罪と認定され、かつ拘禁刑を言い渡された18歳未満の者の人数および割合ならびにその平均拘禁期間 (f) 逮捕および拘禁/収監中に生じた18歳未満の者の虐待および不当な取扱いの報告件数 6.武力紛争下の子ども(第38条)(身体的および心理的回復ならびに社会的再統合(第39条)を含む) 28.締約国は、次の点に関して、前掲パラ1で述べたとおりに細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) 軍隊に徴募されまたは自発的に入隊した18歳未満の者の人数および割合、ならびに、そのうち敵対行為に参加している者の割合 (b) 武装集団または軍隊から動員解除され、かつコミュニティに再統合された子どもの人数および割合(これらの子どものうち学校に復帰した者および家族と再統合した者の割合を含む) (c) 武力紛争による子どもの死傷者の人数および割合 (d) 人道援助を受けている子どもの人数 (e) 武力紛争への関与後に身体的および心理的回復のための援助を受けている子どもの人数 7.子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書 29.子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の締約国は、次の点に関して、性別、年齢、民族的集団および居住地(都市部または農村部)別に細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) 子どもの売買、児童買春、児童ポルノおよび児童セックスツーリズムの報告件数 (b) それらの事案のうち捜査が行なわれ、起訴されかつ制裁が科されたものの件数 (c) 被害を受けた子どものうち選択議定書第9条第3項および第4項にしたがって回復のための援助または被害賠償を提供された者の人数 8.武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書 30.武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書の締約国は、次の点に関して、性別、年齢および民族的集団別に細分化されたデータを提供するよう求められる。 (a) 軍の学校に通っている生徒の人数および入学が認められる最低年齢 (b) 子どもが徴募されまたは敵対行為で使用された可能性のある地域から締約国に入国した、子どもの庇護希望者および難民の人数 (c) 身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための措置から利益を得ている子どもの人数 更新履歴:ページ作成(2015年4月25日)。
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子どもの権利委員会・一般的意見12号:意見を聴かれる子どもの権利(2) 意見を聴かれる子どもの権利(1)より続く A.法的分析(続き) 3.締約国の義務 (a)締約国の中核的義務 48.意見を聴かれる子どもの権利は、適切な情報、必要な場合の十分な支援、意見がどの程度重視されたかに関するフィードバック、および、苦情申立て、救済措置または是正措置の手続へのアクセスを子どもたちに提供する機構を導入するために国内法を再検討しまたは改正する義務を、締約国に対して課すものである。 49.これらの義務を履行するため、締約国は以下の戦略をとるべきである。 第12条に関する制限的な宣言および留保を再検討しかつ撤回すること。 子どもの権利に関する幅広い権限を有する子どもオンブズマンまたは子どもコミッショナーのような、独立の人権機関を設置すること [8]。 子どもとともにおよび子どものために働くすべての専門家を対象として、第12条および実践におけるその適用についての研修を行なうこと。このような専門家には、弁護士、裁判官、警察官、ソーシャルワーカー、コミュニティワーカー、心理学者、ケアワーカー、居住型施設および刑務所の職員、あらゆる段階の教育制度の教員、医師、看護師その他の保健専門職、公務員および公的職員、庇護担当官ならびに伝統的指導者が含まれる。 規則および体制を整えることにより、子どもの意見表明を支援および奨励するための適切な条件を確保し、かつ子どもの意見が正当に重視されるのを確実にすること。このような規則および体制は、法律および機関内規則にしっかりと根ざしており、かつその効果に関して定期的評価が行なわれるようなものでなければならない。 広く蔓延している慣習的子ども観を変革するための公的キャンペーン(オピニオンリーダーおよびメディアによるものも含む)を通じ、意見を聴かれる子どもの権利の全面的実現を妨げる否定的態度と闘うこと。 [8] 独立した国内人権機関の役割に関する委員会の一般的意見2号(2002年)参照。 (b)司法的および行政的手続に関わる具体的義務 (i) 民事上の司法手続において意見を聴かれる子どもの権利 50.子どもの意見が聴かれなければならない主な問題について以下に詳述する。 〈離婚および別居〉 51.別居および離婚の事案において、当該関係のもとにある子どもが裁判所の決定の影響を受けることは明白である。子どもの養育費ならびに監護権および面接交渉の問題は、審判において、または裁判所が主導する調停を通じて、いずれにせよ裁判官によって決定される。多くの法域では、その法律に、関係の解消と関わって、裁判官は「子どもの最善の利益」を至高の考慮事項としなければならない旨の規定を置くようになっている。 52.このような理由から、別居および離婚に関するあらゆる立法には、子どもが意思決定担当者によっておよび調停手続において意見を聴かれる権利が含まれていなければならない。法域によっては、政策上または立法上の問題として、子どもに自己の意見を表明する力があると見なされるいずれかの年齢を定めることが望ましいとされている場合もある。しかし委員会は、この問題が個別事案ごとに決定されることを期待するものである。これは年齢および成熟度に関わる問題であり、そのため子どもの能力を個別に評価することが必要だからである。 〈親からの分離および代替的養護〉 53.家庭内で虐待またはネグレクトの被害を受けているという理由で子どもを家族から分離するという決定が行なわれるときは常に、子どもの最善の利益を判断するためその子どもの意見が考慮されなければならない。このような介入は、子ども、他の家族構成員または虐待もしくはネグレクトを訴えるコミュニティの構成員からの苦情申立てによって開始されることが考えられる。 54.委員会の経験では、意見を聴かれる子どもの権利は締約国によって常に考慮されているとはかぎらない。委員会は、締約国が、立法、規則および政令を通じ、里親養護または施設への措置、ケアプランの策定および見直しならびに親および家族の訪問に関わるものを含む決定において子どもの意見が求められかつ考慮されることを確保するよう勧告する。 〈養子縁組およびイスラム法のカファラ〉 55.子どもが養子縁組またはイスラム法のカファラのために措置され、かつ最終的に養子となりまたはカファラの措置が行なわれる見込みのときは、子どもの意見を聴くことがきわめて重要である。このようなプロセスは、継親または里親家族が子どもを養子とするときにも、子どもと養親になろうとする者がすでに一定期間ともに生活していた可能性もあるとはいえ、必要となる。 56.条約第21条は、子どもの最善の利益が最高の考慮事項であると述べている。養子縁組、カファラその他の措置に関する決定においては、子どもの意見を考慮することなく子どもの「最善の利益」を定義することはできない。委員会は、すべての締約国に対し、可能であれば養子縁組、カファラその他の措置の効果について子どもに情報を提供し、かつ子どもの意見が聴かれることを立法によって確保するよう促すものである。 (ii) 刑事上の司法手続において意見を聴かれる子どもの権利 57.刑事上の手続において、自己に影響を与えるすべての事柄について自由に自己の意見を表明する子どもの権利は、少年司法手続のあらゆる段階を通じて全面的に尊重されかつ実施されなければならない [9]。 [9] 少年司法における子どもの権利に関する委員会の一般的意見10号(2007年、CRC/C/GC/10)参照。 〈罪を犯した子ども〉 58.条約第12条第2項は、刑法に違反したとして申し立てられ、罪を問われまたは認定された子どもが、意見を聴かれる権利を有すべきことを求めている。この権利は、子どもが黙秘権を有する審判前の段階から、警察、検察官および予審判事によって意見を聴かれる権利まで、司法手続のあらゆる段階を通じて全面的に遵守されなければならない。この権利はまた、判決および処分の段階ならびに科された措置の実施の段階全体においても適用される。 59.調停を含むダイバージョンの場合、子どもは自由なかつ自発的な同意を与える機会を認められなければならず、かつ、提案されているダイバージョンの適切さおよび望ましさについて判断するにあたり法的その他の助言および援助を得る機会が与えられなければならない。 60.手続に実効的に参加するため、すべての子どもは、自己に対する被疑事実について迅速かつ直接にならびにその子どもが理解する言語で知らされなければならず、かつ、少年司法手続および裁判所がとる可能性のある措置についての情報も提供されなければならない。手続は、子どもの参加および自由な意見表明を可能にするような雰囲気のなかで行なわれるべきである。 61.法律に抵触した子どもの裁判その他の聴聞は非公開で行なわれるべきである。この原則に対する例外はきわめて限定されたものであるべきであり、国内法で明確に定められ、かつ子どもの最善の利益を指針とすることが求められる。 〈子どもの被害者および子どもの証人〉 62.犯罪の被害を受けた子どもおよび犯罪の証人である子どもに対しては、国際連合経済社会理事会決議2005/20「子どもの犯罪被害者および証人が関与する事案における司法についての国連指針」[10] にしたがって、自己の見解を自由に表明する権利を全面的に行使する機会が与えられなければならない。 [10] 国際連合経済社会理事会決議2005/20、とくに8、19および20条参照。下記URLで入手可:www.un.org/ecosoc/docs/2005/Resolution%202005-20.pdf 63.このことはとくに、子どもの被害者または(および)証人が、審査中の事案への関与に関わる関連の事柄について協議の対象とされ、かつ、司法手続への関与に関する意見および懸念を自由にかつその子どもなりの方法で表明できることを確保するために、あらゆる努力が行なわれなければならないということを意味する。 64.子どもの被害者および証人が有するこの権利は、保健サービス、心理サービスおよび社会サービスの利用可能性、子どもの被害者および(または)証人の役割、「尋問」が行なわれる方法、苦情を申し立てたり捜査および裁判手続に参加したりする際に子どものために用意されている支援のしくみ、聴聞が行なわれる具体的場所および時間、保護措置の利用可能性、補償を受けられる可能性、ならびに、上訴に関する規定について情報を知らされる権利とも関連している。 (iii) 行政上の手続において意見を聴かれる子どもの権利 65.すべての締約国は、第12条の要件を反映した行政手続を立法で策定し、かつ、意見を聴かれる子どもの権利を他の手続的権利(関連する記録の開示、聴聞の告知および親その他の者による代理に対する権利を含む)とともに確保するべきである。 66.子どもは裁判手続よりも行政手続に関与することになる可能性のほうが高い。行政手続はそれほど形式的なものではなく、より柔軟であり、かつ法令を通じて確立することが相対的に容易だからである。手続は、子どもにやさしく、かつアクセスしやすいものでなければならない。 67.子どもたちに関連する行政上の手続の具体例としては、学校における規律上の問題(たとえば停退学等)、学校証明書の発給拒否および成績関連の問題、少年拘禁所における規律上の措置および特権を認めることの拒否、保護者のいない子どもによる庇護申請、ならびに、運転免許の申請に対応するためのしくみなどがある。これらの事案において、子どもは意見を聴かれる権利を認められるべきであり、かつ「国内法の手続規則と一致する」その他の権利を享受できるべきである。 B.意見を聴かれる権利および条約の他の規定との関係 68.第12条は、一般原則のひとつとして、第2条(差別の禁止に対する権利)および第6条(生命、生存および発達に対する権利)のような他の一般原則と関連しており、かつ、とくに第3条(子どもの最善の利益の第一次的考慮)と相互依存関係にある。同条はまた、市民的権利および自由に関わる条項、とくに第13条(表現の自由に対する権利)および第17条(情報に対する権利)とも密接に関連している。さらに、第12条は条約の他のすべての条項とも関係しているのであって、これらの規定は、子どもがそれぞれの条項に掲げられた権利およびその実施について自分なりの意見を有する主体として尊重されるのでなければ、全面的に実施することができない。 69.第12条と第5条(子どもの発達しつつある能力ならびに親による適切な指示および指導、この一般的意見のパラ84参照)との関係はとくに関連性を有する。親が指導を与える際には子どもの発達しつつある能力を考慮に入れることがきわめて重要だからである。 1.第12条と第3条 70.第3条の目的は、子どもに関わるすべての行動において、その行動が公的もしくは私的な社会福祉機関、裁判所、行政機関または立法機関によってなされたかどうかに関わらず、子どもの最善の利益が第一次的に考慮されることを確保することである。このことは、子どものためにとられるすべての行動において、その子どもの最善の利益が尊重されなければならないことを意味する。子どもの最善の利益は、締約国に対し、子どもの最善の利益が考慮されることを確保するための措置を行動プロセスに導入するよう義務づける手続的権利とそれほど変わらない。条約は、締約国に対し、これらの行動の担当者が第12条で定められているとおりに子どもの意見を聴くことを確保するよう、義務づけている。このような措置は義務的なものである。 71.子どもとの協議に基づいて確立された子どもの最善の利益は、諸機関、公的機関および行政の行動において考慮されるべき唯一の要素というわけではない。しかしそれは、子どもの意見と同様に、決定的重要性を有する要素である。 72.第3条ではもっぱら個別事案が対象とされているが、子どもに関わるあらゆる行動において集団としての子どもの最善の利益が考慮されるよう要求していることも明らかである。したがって締約国には、子どもたちの最善の利益を明らかにする際に子ども一人ひとりの個別的状況を考慮するのみならず、集団としての子どもたちの利益も考慮する義務がある。さらに、締約国は、官民諸機関、公的機関および立法機関の行動も検討しなければならない。この義務が「立法機関」に対しても拡大されていることは、子どもたちに影響を与えるすべての法令または規則は「最善の利益」基準を指針としなければならないことを明確に示すものである。 73.いずれかの定義による集団としての子どもたちの最善の利益が、個別の利益を衡量する場合と同じやり方で確立されなければならないことには疑問の余地がない。多数の子どもたちの最善の利益が問題となっているときは、諸機関、公的機関または政府機関の長は、子どもたちに直接または間接に影響する行動(立法上の決定を含む)を計画する際、具体的に定義されていないそのような集団の子どもたちのうち関係する子どもたちから意見を聴き、かつその意見を正当に重視する機会も設けるべきである。 74.第3条と第12条との間に緊張関係はなく、2つの一般原則の補完的役割が存在するのみである。一方が子どもの最善の利益を達成するという目的を定め、他方が子ども(たち)の意見を聴くという目標を達成するための方法論を用意している。実のところ、第12条の要素が尊重されなければ第3条の正しい適用はありえない。同様に、第3条は、自分たちの生活に影響を与えるあらゆる決定における子どもたちの必要不可欠な役割を促進することにより、第12条の機能性を強化している。 2.第12条、第2条および第6条 75.差別の禁止に対する権利は、子どもの権利条約を含むすべての人権文書で保障されている固有の権利である。条約第2条にしたがい、すべての子どもは、第12条で規定されているものも含む自己の権利の行使に関して差別されない権利を有する。委員会は、自己の意見を自由に表明しかつその意見を正当に考慮される権利を、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、民族的もしくは社会的出身、財産、障害、出生またはその他の地位を理由とするいかなる種類の差別もなくすべての子どもに対して保障するために、締約国が十分な措置をとらなければならないことを強調するものである。締約国は、子どもたちが意見を聴かれる権利を保障され、かつ、自己に影響を与えるすべての事柄に他のすべての子どもたちと平等に参加できるようにされることを確保する目的で、差別(権利を侵害されやすい立場に置かれたまたは周縁化された集団の子どもたちに対するものも含む)に対応しなければならない。 76.委員会はとりわけ、一部の社会で、慣習的態度および慣行によりこの権利の享受が阻害されかつ深刻に制限されていることに、懸念とともに留意する。締約国は、条約に基づくすべての子どもの権利の全面的実施を達成する目的で、このような態度および慣行の否定的な影響について意識啓発および社会の教育を行ない、かつ態度の変革を奨励するための十分な措置をとらなければならない。 77.委員会は、締約国に対し、意見を聴かれ、必要であれば支援を受け、自己の意見を明らかにし、かつその意見を正当に重視される女子の権利に特別な注意を払うよう促す。ジェンダーに基づくステレオタイプおよび家父長制的価値観により、第12条に掲げられた権利の女子による享受が阻害されかつ女児に深刻に制限されているからである。 78.委員会は、障害のある人の権利に関する条約第7条において、障害のある子どもが、自己の意見を自由に表明し、かつその意見を正当に重視されることを可能にするために必要な援助および設備を提供されることを確保する義務が、締約国に課されていることを歓迎する。 79.子どもの権利条約第6条は、すべての子どもが生命に対する固有の権利を有すること、および、締約国は子どもの生存および発達を可能なかぎり最大限に確保しなければならないことを認めている。委員会は、意見を聴かれる子どもの権利のための機会を促進することの重要性に留意するものである。子ども参加は、第6条、および、第29条に掲げられた教育の目的に一致する形で子どもの人格の全面的発達および子どもの発達しつつある能力を刺激する手段のひとつだからである。 3.第12条、第13条および第17条 80.表現の自由に対する権利に関する第13条および情報へのアクセスに関する第17条は、意見を聴かれる権利を効果的に行使するために決定的に重要な前提である。これらの条項は、子どもが権利の主体であることを確立するとともに、第12条とあわせて、子どもにはこれらの権利を自分自身で、その発達しつつある能力にしたがって行使する資格があると主張している。 81.第13条に掲げられた表現の自由に対する権利は、第12条と混同されることが多い。しかし、どちらも強く関連し合っているとはいえ、これらの条項は異なる権利を定めたものである。表現の自由は、意見を有しかつ表明する権利ならびにいかなる媒体を通じても情報を求めかつ受け取る権利に関連している。これは、どのような意見を有しまたは表明するかについて締約国による制約を受けない子どもの権利を擁護するものである。したがって、これによって締約国に課される義務は、コミュニケーション手段および公の議論にアクセスする権利を保護しつつ、これらの意見の表明または情報へのアクセスに対する介入を行なわないことである。しかし第12条は、子どもに影響を与える事柄について具体的に意見を表明する権利、および、自分の生活に影響を及ぼす行動および決定に関与する権利に関連している。第12条は、締約国に対し、子どもに影響を与えるあらゆる行動および意思決定への子どもの積極的参加を容易にし、かつ表明されたこれらの意見を正当に重視する義務を履行するために必要な法的枠組みおよび機構を導入する義務を課しているのである。第13条に掲げられた表現の自由は、締約国によるこのような関与または反応を要求するものではない。ただし、第12条に一致する形で子どもの意見表明が尊重される環境をつくり出すことは、表現の自由に対する権利を行使する子どもの能力の構築にも寄与するものである。 82.第17条に一致する形で情報に対する子どもの権利を充足させることは、かなりの程度、意見表明権を効果的に実現するための前提である。子どもたちは、自分たちに関係するあらゆる問題についての情報に、その年齢および能力にふさわしい形式でアクセスできる必要がある。このことは、たとえば、自分たちの権利、子どもに影響を与えるいずれかの手続、国内法令および政策、地元のサービスならびに異議申立ておよび苦情申立ての手続に関する情報について当てはまる。締約国は、第17条および第42条に一致する形で、学校カリキュラムに子どもの権利を含めるべきである。 83.委員会はまた、メディアが、子どもの意見表明権に関する意識を促進する上でも、そのような意見を公的に表明する機会を提供する上でも重要な手段のひとつであることを、締約国が想起するよう求める。委員会は、さまざまな形態のメディアに対し、プログラムの制作に子どもたちの参加を得ること、および、子どもたちが自分たちの権利に関するメディアの取り組みを発展させかつ主導する機会を創設することにいっそうの資源を振り向けるよう、促すものである [11]。 [11] 子どもとメディアに関する一般的討議勧告(1996年):www.unhchr.ch/html/menu2/6/crc/doc/days/media.pdf 4.第12条と第5条 84.条約第5条は、締約国が、条約で認められた権利を子どもが行使するにあたって適当な指示および指導を行なう、親、法定保護者、または地方的慣習で定められている拡大家族もしくは共同体の構成員の責任、権利および義務を尊重しなければならないと述べている。したがって子どもは指示および指導に対する権利を有するのであるが、この指示および指導は、子どもの知識、経験および理解力の欠如を補うようなものでなければならず、かつ、同条で述べられているように、子どもの発達しつつある能力による制約を受けるものである。子ども自身の知識、経験および理解力が高まるにつれて、親、法定保護者または子どもに責任を負うその他の者は、指示および指導を、子ども自身の気づきを促すための注意喚起およびその他の形態の助言に、そしてやがては対等な立場の意見交換に、変えていかなければならない。このような転換は、子どもの発達の固定された時点で生じるのではなく、子どもが自分の意見を表明するよう奨励されるなかで着実に進行していくものである。 85.この要件は、子どもが自己の意見をまとめる力を有しているときは常にその意見が正当に重視されなければならないと定めた条約第12条によって活性化される。換言すれば、子どもが力を獲得していくにつれて、自己に影響を与える事柄の規制に関してますます高い水準の責任を負う資格を有するようになるのである [12]。 [12] 子どもの権利条約の実施に関する一般的措置についての一般的意見5号(2003年)。 5.第12条と子どもの権利一般の実施 86.以上のパラグラフで論じた諸条項に加え、条約のその他の条項も、ほとんどは子どもたちに影響を与える事柄への子どもたちの関与を要求しかつ促進するものである。このような多層的な関与については、参加という概念があらゆるところで用いられている。当然のことながら、このような関与の要となるのは第12条であるが、子どもたちとの協議に基づく計画、活動および発展は条約全体で要求されている。 87.実施の実践においては保健、経済、教育または環境のような幅広い問題への対処が行なわれるのであり、このような問題は個人としての子どものみならず子どもたちの集団および子どもたち一般にとっての関心事でもある。したがって、委員会は参加を常に幅広く解釈し、個々の子どもたちおよび明確な定義に基づく集団の子どもたちのみならず、先住民族の子ども、障害のある子どものような子どもたちの集団、または、社会における社会的、経済的または文化的生活条件によって直接もしくは間接に影響を受ける子どもたち一般のための手続も定められることを目指してきた。 88.子どもたちの参加に関するこのような幅広い理解は、〔国連〕総会第27特別会期で採択された成果文書「子どもにふさわしい世界」に反映されている。締約国は、「家庭および学校ならびに地方および国のレベルにおけるものも含む意思決定プロセスに、思春期の青少年を含む子どもが意味のある形で参加することを促進するためのプログラムを策定および実施する」ことを約束した(パラ32(1))。委員会は、子どもの権利条約の実施に関する一般的措置についての一般的意見5号で、「政府が子どもたちとの直接の関係を発展させ、非政府組織(NGO)や人権機関を通じて仲介された関係に留まらないようにすることも重要である」と述べている [13]。 [13] 前掲パラ12。 C.さまざまな場面および状況における意見を聴かれる権利の実施 89.意見を聴かれる子どもの権利は、子どもが成長し、発達しかつ学習する多様な場面および状況で実施されなければならない。このような場面および状況では子どもおよびその役割についてそれぞれ異なるとらえ方が存在しており、それによって日常的事柄およびきわめて重要な決定への子どもの関与が促されたり制約されたりする場合がある。意見を聴かれる子どもの権利の実施に影響を及ぼす方法にはさまざまなものがあり、締約国は子ども参加を促進するためにそれらを活用することが可能である。 1.家庭における実施 90.子どもがもっとも幼い年齢から自由に意見を表明でき、かつそれを真剣に受けとめてもらえる家庭は重要なモデルであり、かつ、より幅広い社会において子どもが意見を聴かれる権利を行使するための準備の場である。子育てに対するこのようなアプローチは、個人の発達を促進し、家族関係を強化し、かつ子どもの社会化を支援するうえで役に立つとともに、家庭におけるあらゆる形態の暴力に対して予防的役割を果たす。 91.条約は、子どもに適当な指示および指導を行なう親その他の法定保護者の権利および責任を認めている(前掲パラ84参照)が、それは子どもがその権利を行使できるようにするためであることを強調するとともに、指示および指導が子どもの発達しつつある能力にしたがって行なわれることを求めている。 92.締約国は、親、保護者および保育者に対し、子どもに関わるあらゆる事柄について子どもたちの声に耳を傾け、かつその意見を正当に重視するよう、立法および政策を通じて奨励するべきである。親に対してはまた、社会のあらゆるレベルで自由に自己の意見を表明し、かつその意見を正当に考慮される権利の実現に関して子どもたちを支援することが望ましいという助言も与えられるべきである。 93.意見を聴かれる子どもの権利を尊重する子育てスタイルの発展を支援するため、委員会は、締約国が、すでにある前向きな行動および態度をもとにそれらをさらに発展させ、かつ条約に掲げられた子どもおよび親の権利に関する情報を普及する親教育プログラムを推進するよう勧告する。 94.そのようなプログラムでは次のような問題を取り上げる必要がある。 親子間の相互尊重関係 意思決定への子どもの関与 家族構成員全員の意見を正当に重視するということの意味 子どもの発達しつつある能力の理解、促進および尊重 家庭内で意見が食い違うときの対処方法 95.これらのプログラムは、女子と男子は平等な意見表明権を有しているという原則を強化するものでなければならない。 96.メディアは、親に対し、その子どもの参加は子ども自身、その家族および社会にとって高い価値を有するものであることを伝えるうえで強力な役割を果たすべきである。 2.代替的養護における実施 97.施設を含むあらゆる形態の代替的養護のもとにある子どもたちが、自分の措置、里親家族またはホームにおける養護の規制および日常生活に関わる事柄について自己の意見を表明でき、かつその意見が正当に重視されることを確保するための機構が導入されなければならない。このような機構には次のようなものが含まれるべきである。 措置、養護および(または)処遇に関わるいかなる計画についても情報を得る権利、ならびに、意思決定プロセス全体を通じて自己の意見を表明しかつその意見を正当に重視される意味のある機会を子どもに認める立法。 子どもにやさしい養護サービスの開発および設置において、意見を聴かれる子どもの権利およびその意見が正当に重視されることを確保する立法。 第3条に基づく義務にしたがい、子どもの養護、保護または処遇の提供について定めた規則および規制の遵守状況を監視するための、権限のある監視機関(子どもオンブズパーソン、子どもコミッショナーまたは査察官など)の設置。このような監視機関には、居住型施設(法に抵触した子どもたちを対象とした施設も含む)に何ら妨げられることなくアクセスし、子どもの意見および懸念を直接聴き、かつ、施設自体によって子どもの意見がどの程度聴かれかつ正当に重視されているかを監視する権限が与えられるべきである。 施設の方針およびあらゆる規則の策定および実施に参加する権限を有する、居住型養護施設における効果的機構の確立(たとえば女子および男子双方の代表による子ども会など)。 3.保健ケアにおける実施 98.条約の諸規定を実現するためには、子どもたちの健康的な発達およびウェルビーイングの促進に関する子どもの意見表明権および参加権を尊重することが必要である。このことは、保健ケアに関する個別の決定にも、保健政策の策定および保健サービスの開発への子どもたちの関与にも当てはまる。 99.委員会は、自分自身の保健ケアに関わる実務および決定への子どもの関与に関わって検討が必要な、それぞれ異なってはいるが関連しているいくつかの問題を明らかにする。 100.乳幼児を含む子どもたちは、その発達しつつある能力に一致した方法で、意思決定プロセスに包摂されるべきである。子どもたちに対しては、提案されている治療ならびにその作用および結果に関する情報(障害のある子どもにとって適切かつアクセスしやすい形式によるものも含む)が提供されるべきである。 101.締約国は、子どもたちが、子どもの安全またはウェルビーイングのために必要な場合、子どもの年齢に関わらず、親の同意を得ることなく秘密裡に医療上の相談および助言にアクセスできることを確保するための立法または規則を導入しなければならない。子どもたちは、たとえば家庭で暴力もしくは虐待を経験しているとき、リプロダクティブ・ヘルスに関わる教育もしくはサービスを必要とするとき、または保健サービスへのアクセスをめぐって親と子どもとの間に食い違いがあるときなどに、このようなアクセスを必要とする可能性がある。相談および助言に対する権利は医療上の同意を与える権利とは異なるものであり、いかなる年齢制限の対象にもされるべきではない。 102.委員会は、一部の国において、子どもが定められた年齢に達した時点で同意権が子どもに移行する制度が導入されていることを歓迎するとともに、締約国に対し、このような立法の導入を検討するよう奨励する。このようにして、当該年齢以上の子どもは、独立した有資格の専門家と協議した後に個別の専門的評価を受けなければならないという要件を課されることなく、同意を与える資格を認められるわけである。しかし委員会は、当該年齢未満の子どもが自己の治療について十分な情報に基づく意見を表明する能力を実証できるときは、この意見が正当に重視されることを締約国が確保するよう、強く勧告する。 103.医師および保健ケア施設は、子どもたちに対し、小児科学研究および臨床試験への参加に関わる権利について、明確かつアクセスしやすい情報を提供するべきである。その他の手続的保障に加えて十分な情報に基づく子どもの同意が得られるよう、子どもたちに対しては当該研究に関する情報が提供されなければならない。 104.締約国はまた、子どもの健康および発達のためのサービスの計画およびプログラム立案に関して子どもたちが自己の意見および経験を提供できるようにする措置も導入するべきである。子どもたちの意見は保健体制のあらゆる側面について求められるべきであり、これには、必要とされているサービスの種類、そのようなサービスを最善の形で提供するための方法および場所、サービスへのアクセスを妨げる差別的障壁、保健専門職の資質および態度、ならびに、自分自身の健康および発達について徐々に水準を上げながら責任を負う子どもたちの能力を促進する方法も含まれる。このような情報は、とくにサービスを利用しまたは研究に参加した子どもを対象とするフィードバック・システムおよび協議プロセスを通じて入手することが可能であり、かつ、子どもの権利を尊重する保健サービスの基準および指標を策定する目的で、地方または国の子ども評議会または子ども議会に送付することができる [14]。 [14] 委員会は、HIV/AIDSと子どもの権利に関する一般的意見3号(2003年、パラ11および12)および思春期の健康に関する一般的意見4号(2003年、パラ6)にも注意を促すものである。 4.教育および学校における実施 105.教育において意見を聴かれる子どもの権利を尊重することは、教育に対する権利の実現にとって根本的に重要である。委員会は、依然として続く権威主義、差別、敬意の欠如および暴力が多くの学校および教室の現実を特徴づけていることに、懸念とともに留意する。このような環境は、子どもが意見を表明することおよびこれらの意見が正当に重視されることに資するものではない。 106.委員会は、締約国が、以下の問題に関して子どもたちが意見を表明しかつその意見が正当に重視される機会構築のための行動をとるよう勧告する。 107.乳幼児期の教育プログラムを含むあらゆる教育環境において、参加型学習環境における子どもたちの積極的役割が促進されるべきである [15]。教授および学習においては、子どもたちの生活条件および展望が考慮に入れられなければならない。そのため、教育当局はカリキュラムおよび学校プログラムの計画に子どもたちおよびその親の意見を含めなければならない。 [15] 「万人のための教育に対する人権基盤アプローチ:教育に対する子どもたちの権利と教育における権利の実現のための枠組み」ユニセフ/ユネスコ(2007年)。 108.人権教育は、子どもが他の子どもたちおよびおとなとともに学び、遊びかつ生活する施設で人権が実践されないかぎり、子どもたちの動機づけおよび行動形成にはつながりえない [16]。とくに、意見を聴かれる子どもの権利は、条約で宣言されているとおり実際に自分たちの意見が正当に重視されているかどうか目の当たりにできるこれらの施設で、子どもたちによる批判的吟味の対象とされている。 [16] 教育の目的(条約第29条1項)に関する子どもの権利委員会の一般的意見1号(CRC/GC/2001/1)。 109.子ども中心の双方向型学習のために必要な協力と相互支援を刺激するような人間関係的雰囲気を教室につくり出すためには、子どもたちの参加が欠かせない。子どもたちの意見を重視することは、差別の解消、いじめの防止および規律維持のための措置においてとりわけ重要である。委員会は、ピア・エデュケーションおよびピア・カウンセリングの拡大を歓迎する。 110.意思決定プロセスへの子どもたちの着実な参加は、とくに、学級会、生徒会、ならびに、学校理事会および学校委員会への生徒代表の参加を通じて達成されるべきである。このような場で、子どもたちは学校方針および行動規範の策定および実施について自由にその意見を表明できる。これらの権利は、それを実施しようという公的機関、学校および校長の善意に依拠するのではなく、立法に掲げられる必要がある。 111.締約国は、学校に留まらず、教育政策のあらゆる側面について地方および国のレベルで子どもたちと協議するべきである。これには、教育制度、子どもたちに「2度目のチャンス」を与えるインフォーマルなおよびノンフォーマルな学習上の便益、学校カリキュラム、教授法、学校の構造、基準、予算策定および子ども保護システムの子どもにやさしい特徴を強化することも含まれる。 112.委員会は、締約国に対し、独立した生徒組織の発展を支援するよう奨励する。このような組織は、子どもたちが教育制度への参加役割を適切に果たすことを援助しうる。 113.次の学校段階への移行または能力・適性別コースもしくはクラスの選択に関する決定においては、意見を聴かれる子どもの権利が確保されなければならない。これらの決定は子どもの最善の利益に深い影響を及ぼすためである。このような決定は行政上または司法上の再審査に服さなければならない。加えて、規律維持に関わる事案においては、意見を聴かれる子どもの権利が全面的に尊重されるべきである [17]。とくに、子どもを授業または学校から排除する場合には、この決定は、教育に対する子どもの権利と矛盾することから、司法審査に服さなければならない。 [17] 締約国は、体罰を解消するための参加型戦略について説明した、体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利に関する委員会の一般的意見8号(2006年、CRC/C/GC/8)を参照することが求められる。 114.委員会は、多くの国で子どもにやさしい学校プログラムが導入されていることを歓迎する。これは、子どもたちと青少年が社会で積極的役割を果たしかつコミュニティ内で責任ある市民として行動できるよう準備させる、双方向的な、配慮と保護に満ちた参加型の環境を提供することを追求するものである。 5.遊び、レクリエーション、スポーツおよび文化的活動における実施 115.子どもたちは、発達および社会化のために遊び、レクリエーション、身体的および文化的活動を必要としている。これらの活動は、子どもの好みおよび能力を考慮に入れながら立案されるべきである。自己の意見を表明できる子どもたちは、遊びおよびレクリエーションのための設備のアクセスしやすさおよび適切さについて協議の対象とされるべきである。正式な協議プロセスに参加することができない、非常に幼い子どもたちおよび障害のある子どもたちの一部は、自分の希望を表明する特別の機会を提供されるべきである。 → 意見を聴かれる子どもの権利(3)へ続く 更新履歴:ページ作成(2011年5月2日)。
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各国の体罰等全面禁止法(年代順) 2024年4月30日現在、66か国。1979年:スウェーデン 1983年:フィンランド 1987年:ノルウェー 1989年:オーストリア 1994年:キプロス 1997年:デンマーク 1998年:クロアチア、ラトビア 2000年:ドイツ、ブルガリア、イスラエル 2002年:トルクメニスタン 2003年:アイスランド 2004年:ルーマニア、ウクライナ 2005年:ハンガリー 2006年:ギリシア 2007年:オランダ、ニュージーランド、ポルトガル、ウルグアイ、ベネズエラ、スペイン、トーゴ 2008年:コスタリカ、モルドバ、ルクセンブルグ、リヒテンシュタイン 2010年:ポーランド、チュニジア、ケニア、コンゴ共和国、アルバニア 2011年:南スーダン 2013年:マケドニア、ホンジュラス、カボベルデ 2014年:マルタ、ブラジル、ボリビア、アルゼンチン、サンマリノ、エストニア、ニカラグア、アンドラ 2015年:ベナン、アイルランド、ペルー 2016年:モンゴル、パラグアイ、スロベニア、モンテネグロ 2017年:リトアニア 2018年:ネパール 2019年:コソボ、フランス、南アフリカ、ジョージア 2020年:日本、セーシェル、ギニア、(メキシコ) 2021年:韓国、コロンビア 2022年:ザンビア、モーリシャス 2023年:ラオス注/カッコした国名は、親による体罰などを禁止する法律が可決されたものの、体罰全面禁止国としてまだ認定されていない国。 (参考)英国:スコットランド(2019年)/王室属領ジャージー代官管轄区(2019年)/ウェールズ(2020年) 条文出典:Susan H. Bitensky, Corporal Punishment of Children A Human Rights Violation, Transnational Publishers, New York, 2006およびGlobal Initiative to End All Corporal Punishment of Childrenのサイトほか。 日本における暴力防止キャンペーンについては、子どもすこやかサポートネットのサイト等を参照。 スウェーデン(1979年) 子どもと親法6.1条「子どもはケア、安全および良質な養育に対する権利を有する。子どもは、その人格および個性を尊重して扱われ、体罰または他のいかなる屈辱的な扱いも受けない」(1983年改正) フィンランド(1983年) 子どもの監護およびアクセス権法1章1条3項「子どもは理解、安全および優しさのもとで育てられる。子どもは抑圧、体罰またはその他の辱めの対象とされない。独立、責任およびおとなとしての生活に向けた子どもの成長が支援されかつ奨励される」 ノルウェー(1987年) 親子法30条3項「子どもは、身体的暴力、またはその身体的もしくは精神的健康を害する可能性がある取扱いの対象とされない」 オーストリア(1989年) 民法146条(a)「未成年の子は親の命令に従わなければならない。親は、命令およびその実施において、子供の年齢、発達および人格を考慮しなければならない。有形力を用いることおよび身体的または精神的危害を加えることは許されない」 キプロス(1994年) 家庭における暴力の防止および被害者の保護について定める法3条1項「この法律の適用上、暴力とは、いずれかの不法な行為、不作為または行動であって、家族のいずれかの構成員に対して家族の他の構成員が身体的、性的または精神的損傷を直接加える結果に至ったものを意味し、かつ、被害者の同意を得ずに性交を行なうことおよび被害者の自由を制限することを目的として用いられる暴力を含む」(1994年/2000年改正、刑法154章) デンマーク(1997年) 親の監護権/権限ならびに面接交渉権法改正法1条「子どもはケアおよび安全に対する権利を有する。子どもは、その人格を尊重して扱われ、かつ、体罰または他のいかなる侮辱的な扱いも受けない」 クロアチア(1998年) 家族法88条「親その他の家族構成員は、子どもを、品位を傷つける取扱い、精神的または身体的処罰および虐待の対象としてはならない」(旧87条、2003年に条文番号変更)(関連規定)家族法92条「親は、子どもを、他の者による品位を傷つける取扱いおよび身体的虐待から保護しなければならない」 ラトビア(1998年) 子どもの権利保護法9条2項「子どもは、残虐に扱われ、拷問されまたは体罰を受けず、かつ、その尊厳または名誉を侵害されない」 ドイツ(2000年) 養育における有形力追放法(民法)1631条2項「子どもは、有形力の行使を受けずに養育される権利を有する。体罰、心理的被害の生起その他の品位を傷つける措置は禁じられる」(関連規定)青年福祉法16条1項「母、父その他の法定保護者ならびに青年は、家庭における教育の一般的促進のためのサービスを提供される。当該サービスは、母、父その他の法定保護者の教育上の責任がよりよい形で遂行されることに寄与するためのものである。また、有形力を用いることなく家庭における紛争状況を解決する手段を示すためのものでもある」 ドイツに関する邦語参考文献荒川麻里「ドイツにおける親の体罰禁止の法制化:『親権条項改正法』(1979年)から『教育における暴力追放に関する法律』(2000年)まで」 カイ=デトレフ・ブスマン(湯尾紫乃訳)「ドイツの家庭内養育における暴力禁止の効果」古橋エツ子編『家族の変容と暴力の国際比較』明石書店・2007 ブルガリア(2000年) 子ども保護法11条2項「すべての子どもは、その尊厳を害するあらゆる養育手段、身体的、精神的その他の態様の暴力、〔ならびに〕その利益に反するあらゆる形態の影響から保護される権利を有する」 イスラエル(2000年) 最高裁が、イスラエル国 対 プローニット(State of Israel v. Plonit)事件判決において、実質的にあらゆる体罰を犯罪化(体罰を理由とする抗弁を認めず、また体罰の日常的使用はたとえ重大な傷害につながらなくとも児童虐待に相当すると判示)。国会も、親、保護者および教員に対する不法行為訴訟における「合理的懲戒」の抗弁を廃止(不法行為法改正9号)。 トルクメニスタン(2002年) 子どもの権利保障法(2002年)24条3項:「子どもの尊厳を貶めること、体罰、〔および〕子どもの精神的または身体的健康にとって有害なその他の身体的虐待は認められない」 家族法(2012年)85条2項:「子どもの尊厳を貶めること、脅し、体罰、〔および〕子どもの精神的または身体的健康にとって有害なその他の身体的虐待は認められない」 89条2項:「親の権利を実施するにあたり、親は、子どもの身体的および精神的健康、〔ならびに〕その道徳的発達に損害を与えてはならない。教育手法から、放任的な、残虐的な、……品位を傷つける取扱い……は除外されるものとする」 アイスランド(2003年) 子ども法28条「子の監護には、精神的および身体的暴力その他の品位を傷つける行動から子を保護する監護者の義務が含まれる」 ルーマニア(2004年) 子どもの権利保護促進法28条「子どもは、その人格および個性を尊重される権利を有し、体罰またはその他の屈辱的なもしくは品位を傷つける取扱いを受けない。子どものしつけのための措置は、その子どもの尊厳にしたがってのみとることができ、体罰または子どもの身体的および精神的発達に関わる罰もしくは子どもの情緒的状況に影響を及ぼす可能性のある罰は、いかなる状況下においても認められない」 同90条「いずれかの種類の体罰を実行することまたは子どもからその権利を剥奪することは、子どもの生命、身体的、精神的、霊的、道徳的および社会的発達、身体的不可侵性ならびに身体的および精神的健康を脅かすことにつながるおそれがあるので、家庭においても、子どもの保護、ケアおよび教育を確保するいずれかの施設においても、禁じられる」 ウクライナ(2004年) 家族法150条7項「親による子どもの体罰およびその他の非人道的なまたは品位を傷つける取扱いまたは処罰は禁じられる」 ハンガリー(2005年) 子どもの保護および後見運営法6条5項「子どもは、その尊厳を尊重され、かつ虐待(身体的、性的および精神的暴力、ケアの懈怠ならびにいずれかの情報によって引き起こされる被害)から保護される権利を有する。子どもは、拷問、体罰およびいずれかの残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける処罰または取扱いを受けない」 ギリシア(2006年) 家族間暴力禁止法4条「子どもの養育の文脈における、しつけのための措置としての子どもに対する身体的暴力に対しては、〔親の権限の濫用に対する対応を定めた〕民法第1532条の対応が適用される」 オランダ(2007年) 民法1:247条 1.親の権限には、未成年の子をケアしおよび養育する親の義務および権利が含まれる。 2.子のケアおよび養育には、子の情緒的および身体的福祉、子の安全ならびに子の人格の発達の促進への配慮および責任が含まれる。子のケアおよび養育において、親は、情緒的もしくは身体的暴力または他のいかなる屈辱的な取扱いも用いない。 ニュージーランド(2007年) 刑法59条(親の統制) (1)子を持つすべての親およびこれに代わる立場にあるすべての者による有形力の行使は、当該有形力が情況に照らして合理的であり、かつ次のいずれかの目的のために用いられる場合には、正当と認められる。 (a) 子または他の者に対する危害を防止し、もしくは最小限に留めるため。 (b) 子が犯罪に相当する行為に携わり、もしくは携わり続けることを防止するため。 (c) 子が攻撃的なまたは破壊的な行動に携わり、もしくは携わり続けることを防止するため。 (d) 望ましいケアおよび子育てに付随する通常の日常的職務を遂行するため。 (2) 1項のいかなる規定またはコモンローのいかなる規則も、矯正を目的とする有形力の行使を正当化するものではない。 (3) 2項は1項に優越する。 (4) 子に対する有形力の行使をともなう犯罪との関わりで行なわれた、子の親またはこれに代わる立場にある者に対する告発について、当該犯罪がきわめて瑣末であることから起訴することに何の公益もないと考えられるときは、警察にはこれを起訴しない裁量権があることを、疑いを回避するために確認する。 ポルトガル(2007年) 改正刑法152条「何人も、身体的または心理的な不当な取扱い(体罰を含む)、自由の剥奪および性犯罪を行なったときは、当該行為を繰り返し行なったか否かに関わらず、1年から5年の収監刑に処す」 ウルグアイ(2007年) 民法等改正法(2007年11月20日) 第1条 2004年9月7日の法律第17.823号に以下の条を追加する。 「第12条bis(体罰の禁止) 親、保護者、および、子どもおよび青少年の養育、処遇、教育または監督に責任を負う他のすべての者が、子どもまたは青少年の矯正または規律の一形態として、体罰または他のいずれかの屈辱的な罰を用いることは禁じられる。 ウルグアイ子ども青少年機関、その他の国の機関および市民社会は、次のことについて共同の責任を負う。 a) 親、および、子どもおよび青少年の養育、処遇、教育または監督に責任を負う他のすべての者を対象とする意識啓発プログラムおよび教育プログラムを実施すること。 b) 体罰その他の形態の屈辱的取扱いに代わる手段として、積極的な、参加型のかつ非暴力的な形態の規律を推進すること。」 第2条 2004年9月7日の法律第17.823号第16条Fの規定を次の規定に代える。 「f) 子どもまたは被保護者の矯正にあたり、体罰または他のいずれかの種類の屈辱的取扱いを用いないこと。」 第3条 民法第261条ならびに第384条第2文および第3文を廃止する。 ベネズエラ(2007年) 子ども・青少年保護法32条A すべての子どもおよび若者は、よく取り扱われる権利を有する。この権利には、愛、愛情、相互の理解および尊重ならびに連帯に基づく、非暴力的な教育および養育を含む。 親、代理人、保護者、親族および教師は、その子どもの養育および教育にあたり、非暴力的な教育および規律の手段を用いるべきである。したがって、あらゆる形態の体罰および屈辱的な罰は禁じられる。国は、社会の積極的参加を得ながら、子どもおよび若者に対するあらゆる形態の体罰および屈辱的な罰を廃止するための政策、プログラムおよび保護措置が整備されることを確保しなければならない。 体罰とは、子どもの養育または教育における力の行使であって、子どもおよび若者の行動を矯正し、統制しまたは変化させるためにいずれかの程度の身体的苦痛または不快感を引き起こす意図で行なわれるものをいう(ただし、当該行為が刑罰の対象とならないことを条件とする)。 屈辱的な罰とは、子どもおよび若者を養育しまたは教育するため、その行動を規律し、統制しまたは変化させる目的で行なわれるいずれかの形態の取扱いであって、攻撃的な、人格を傷つける、おとしめる、汚名を着せるまたは嘲笑するものとして理解しうる(ただし、当該行為が刑罰の対象とならないことを条件とする)。」 同358条 子どもの養育責任には、子どもの尊厳、権利、諸保障または全般的発達を侵害しない適切な矯正措置を用いながら、自己の子どもを養育し、しつけ、教育しおよび世話しならびに金銭的、道徳的および情緒的に支えおよび援助する、父および母の共有の義務および権利(この義務および権利は平等でありかつ逸脱不可能である)を含む。したがって、あらゆる形態の体罰、心理的暴力および屈辱的な取扱いは、子どもおよび若者を害するものであり、禁じられる。 スペイン(2007年) 2007年12月20日の民法改正により、「合理的かつ節度のある」矯正手段を用いる親の権利に関する規定を削除するとともに、154条で、親/保護者はその責任を果たすにあたり子どもの身体的および心理的不可侵性を尊重しなければならないと規定。 トーゴ(2007年) 子ども法353条「国は、親または子どもに対して権限または監護権を有する他のいずれかの者によるあらゆる形態の暴力(性的虐待、身体的または身体的暴力、ネグレクトまたは不注意、虐待を含む)から子どもを保護する」 同357条「身体的および心理的虐待、体罰……は第356条第2項に定められた処罰の対象となる」 同376条「学校、職業訓練所および施設における体罰その他の形態の暴力または虐待は、禁じられる。これには、いずれかの施設もしくは孤児院、障害児リハビリテーション・センター、接受センターもしくは更生センター、病院、再教育センターまたは一時的か恒久的かを問わず子どもが養育される他の場所を含む」 コスタリカ(2008年) 改正家族法143条「親の権威は、子どもを導き、教育し、養育し、監督しおよび規律する権利を与えかつ義務を課すものであって、いかなる場合にも、未成年者に対する体罰の使用または他のいずれかの形態の品位を傷つける取扱いを公認するものではない」 子ども・青少年法24条bis(体罰その他の品位を傷つける形態の取扱いから自由な規律に対する権利)「子どもおよび青少年は、母、父または保護者および養育者または教育施設、保健施設、シェルター、青年拘禁施設その他のいずれかのタイプの施設の職員から、助言、教育、ケアおよび規律を受ける権利を有する。このことは、これらの者に対し、体罰または品位を傷つける取扱いを用いるいかなる権限も与えるものではない」 モルドバ(2008年) 改正家族法53条4項「未成年者は、親または親に代わる者による体罰を含む虐待から保護される権利を有する」 同62条2項「親が選択する子どもの教育方法から、虐待的行動、あらゆる態様の侮辱および不当な取扱い、差別、心理的および身体的暴力、体罰……は排除される」 ルクセンブルグ(2008年) 子ども・家族法2条「家庭および教育共同体において、身体的および性的暴力、世代間の侵犯、非人道的なおよび品位を傷つける取扱いならびに性器切除は禁じられる」 リヒテンシュタイン(2008年) 子ども・若者法3条 1.子どもおよび若者は、子どもの権利に関する条約に掲げられた権利および次の措置に対する権利を有する。 a. とくに差別、ネグレクト、暴力、虐待および性的虐待からの保護。 b. 暴力のない教育/養育。体罰、心理的危害その他の品位を傷つける取扱いは認められない。 c. 自己に関わる社会的、政治的、経済的および文化的状況への参加。 d. とくに裁判所および行政との対応において、その成熟度および年齢にしたがって意見を表明しかつ聴かれること。 e. その最善の利益が優先されること。 2.子どもは、自己の権利が侵害されたと考えるときは、オンブズパーソンに連絡することができる。 ポーランド(2010年) 改正家族法96条「未成年者に対して親の配慮、養育または代替的養護を行なう者が、体罰を用い、心理的苦痛を与え、かつ他のいずれかの形態で子どもに屈辱を与えることは禁じられる」 チュニジア(2010年) 2010年7月26日の法律第2010-40号により、刑法319号から「子どもに対して権限を有する者による子どもの矯正は、これを処罰しない」旨の文言を削除。 ケニア(2010年) 憲法29条(人身の自由および安全) すべての者は、人身の自由および安全に対する権利を有する。これには、次の権利を含む。 …… (c) 公的なものか私的なものかを問わず、いかなる形態の暴力の対象にもされないこと。 (d) 身体的なものか心理的なものかを問わず、いかなる方法による拷問の対象にもされないこと。 (e) 体罰の対象とされないこと。 (f) 残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取扱いまたは処罰を受けないこと。 コンゴ共和国(2010年) 子ども保護法53条「子どものしつけまたは矯正のために体罰を用いることは、禁じられる」 アルバニア(2010年) 子どもの権利保護法21条(あらゆる形態の暴力からの保護) 子どもは、以下の形態のいかなる行為からも保護される。 a) 身体的および心理的暴力〔注/「身体的暴力」とは、「子どもに対して損傷を与えようとするすべての試みもしくは実際の身体的損傷または傷害(体罰を含む)であって偶発的ではないもの」をいう(3条(c))〕 b) 体罰ならびに品位を傷つけるおよび屈辱的な取扱い c) 差別、排除および侮蔑 d) 不当な取扱いおよび遺棄 dh) 搾取および虐待 e) 性暴力 同3条(f) 「体罰」とは、親、きょうだい、祖父母、法定代理人、親族または子どもに法的責任を負う他のいずれかの者によって、たとえその程度がもっとも軽いものであっても、痛みまたは苦痛を引き起こす目的で力の行使に訴えることにより行なわれるいずれかの形態の罰をいう。体罰には、殴打すること、責め苛むこと、暴力的に揺さぶること、火傷を負わせること、平手で打つこと、蹴ること、つねること、ひっかくこと、噛むこと、叱責すること、行為を強要すること、および、身体的および精神的不快感を引き起こすための物質を用いることのような諸形態を含む。 南スーダン(2011年) 暫定憲法17条1項「すべての子どもは、次の権利を有する。…… (f) 親、学校管理者その他の施設管理者を含むいかなる者による体罰ならびに残虐なおよび非人道的な取扱いも受けないこと。……」 マケドニア(2013年) 改正子ども保護法(2013年)12条2項:「あらゆる形態の性的搾取および子どもの性的虐待(いやがらせ、児童ポルノ、児童買春)、強制的周旋、子どもの売買もしくは取引、心理的もしくは身体的な暴力およびいやがらせ、処罰その他の非人道的な取扱い、あらゆる種類の子どもの搾取、商業的搾取および虐待は、基本的な人間としての自由および権利ならびに子どもの権利を侵害するものであって、禁じられる」 ホンジュラス(2013年) 政令第35-2013号(14条:親の懲戒権を認めていた民法231条を削除/5条:家族法191条を以下のように改正) 親は、親の権威を行使するにあたり、その子の方向づけ、ケアおよび矯正を行ない、かつ、その子の身体的および精神的能力の発達に一致する形で、その包括的発達にとってふさわしい指導および方向づけを与える権利を有する。 親、および、一時的か恒久的かにかかわらず〔子どもおよび青少年の〕ケア、養育、教育、処遇および監督に責任を負うすべての者は、体罰を用い、または子どもまたは青少年の矯正またはしつけの形態としていかなる態様の屈辱的な、品位を傷つける、残虐なもしくは非人道的な取扱いを用いることも、禁じられる。 国は、権限のある国の制度を通じ、以下のことを保障する。 (a) (親向けの意識啓発・教育プログラム、略) (b) 体罰その他の形態の屈辱的な取扱いに代わる手段として、積極的な、参加型の、かつ非暴力的な形態のしつけを推進すること。 カボベルデ(2013年) 子ども・青少年法31条 (1)家族は、子どもおよび青少年の全面的発達を可能にし、かつその身体の不可侵性に影響を及ぼすいかなる行為からも子どもおよび青少年を保護する、愛情に満ちた安全な環境を提供しなければならない。 (2)親は、矯正の権利を行使するにあたり、暴力、体罰、心理的危害およびその尊厳に影響を及ぼす他のすべての措置(これらの行為はすべて許容されない)を受けない養育に対する子どもおよび青少年の権利を常に念頭に置かなければならない。 マルタ(2014年) 改正刑法(2014年)339条1項 以下のいずれかに該当するすべての者は、人身に対する侵害の罪で有罪となる。(中略) (h) 他のいずれかの者を矯正する権限を有する者が節度の限界を超えたとき。 ただし、いかなる疑念も回避するため、いかなる種類の体罰も、常に節度の限界を超えたものとみなされるものとする。 ブラジル(2014年) 改正子ども・青少年法18-A条 子どもおよび青少年は、その親もしくは拡大家族の構成員、当該子ども等について責任を負う者、社会的および教育的措置を実施する公務員、または当該子ども等のケアまたは処遇、教育もしくは保護を委託された他のいずれかの者によって行なわれる、矯正、しつけ、教育または他のいずれかの名目の形態としての体罰または残酷なもしくは品位を傷つける取扱いを利用されることなく、教育されかつケアされる権利を有する。…… ボリビア(2014年) 子ども・青少年法146条 (1)子どもおよび青少年は、相互の尊重および連帯を基礎とする、非暴力的な養育および教育から構成される良好な取扱いについての権利を有する。 (2)母、父、保護者、家族構成員および教育者の権威を行使するにあたっては、子育て、教育および教育において非暴力的な手法が用いられるべきである。身体的な、暴力的なおよび屈辱的ないかなる罰も、禁じられる。 アルゼンチン(2014年) 民商法647条「あらゆる形態の体罰、不当な取扱い、および、子どもおよび青少年を身体的にまたは精神的に傷つけまたは損なういかなる行為も、禁じられる。……」 サンマリノ(2014年) 家族法改正法57条改正「子どもは、保護および安全に対する権利を有し、体罰または子どもの身体的および心理的不可侵性にとって害となるその他の取扱いを受けない」 刑法234条改正「(体罰の禁止)矯正または規律の権限を行使する際に体罰を行ないまたは他の威迫的もしくは抑圧的な手段を用いたいかなる者も、当該の罰または手段によって、加害者の権限下にある者または加害者に委託された者に身体もしくは精神への危険または疾病が生じたときは、第1級禁固刑または親権の行使の禁止、解任、解職もしくは専門資格の剥奪に処すものとし、当該行為によって第156条に定めるいずれかの事件が生じたときは第3級禁固刑に、または当該行為が死亡につながったときは第5級禁固刑に処すものとする」 エストニア(2014年) 児童福祉法24条 (1)子どもをネグレクトし、子どもを精神的、情緒的、身体的または性的に虐待し(子どもに屈辱を与え、脅かし、もしくは身体的に罰することを含む)、かつ、子どもの精神的、情緒的または身体的健康を危うくする他のいずれかの方法によって子どもを罰することは、禁じられる。 (2)子どもの虐待を防止するため、子どもの法的代理人は、懲罰登録法に基づく他の者の懲罰記録についての情報を入手する権利を有する。 (3)子どもの行動が当該子ども自身または他の者の生命または健康を直接かつ直ちに危うくするものであって、会話、説得または言葉で落ち着かせようとする試み等を通じてこの危険を回避することが不可能であるために、子どもを養育する者、子どもを相手として働いている者または子ども保護ワーカーが、子どもを抑制するために、子どもに身体的、精神的または情緒的危害を引き起こさず、かつ子どもの権利および自由を可能なかぎり侵害しない限度で有形力を用いなければならないときは、本法にいう子どもの虐待にはあたらない。 (4)本法の適用上、有形力の使用が認められるのは、子どもを脅かす危険または子どもが及ぼす危険を回避する目的に照らして比例性および必要性を有する限度で子どもの動作を制限する場合のみである。罰を目的とする有形力の使用は、認められない。 ニカラグア(2014年) 2014年家族法280条 父、母その他の家族構成員、保護者、または息子もしくは娘に法的に責任を負う他の者は、子どもの健康、身体的不可侵性ならびに心理的および人格的尊厳を危険にさらすことなく、かつ、いかなる状況下においても矯正またはしつけの形態として体罰またはいずれかの態様の屈辱的取扱いを用いることなく、子どもに対し、子どもの発達しつつある能力に一致する形で適切な指示および指導を与える責任、権利および義務を有する。 (略) 家族・若者・子ども省は、他の国家機関および社会との調整を図りながら、体罰およびその他の形態の屈辱的しつけに代わる手段としての積極的な、参加型のかつ非暴力的な諸形態のしつけを促進する。 アンドラ(2014年) 刑法476条改正:「いずれかの者を軽度に虐待しまたは身体的危害を加えたいかなる者も、禁固刑または6000ユーロ以下の罰金に処す。当該虐待が体罰に当たるときは、禁固刑を科すものとする」 ベナン(2015年) 2015年子ども法 第39条 親、または子どもに法的責任を負う他の者は、子どもが人道的にかつその人間の尊厳を尊重しながら扱われることを確保するような方法でしつけが実行されることを確保する。いかなる場合にも、子どもの身体的不可侵性の侵害または拷問もしくは非人道的なもしくは品位を傷つける取扱いに相当する罰が行なわれてはならない。いかなる罰も、教育的意図を有し、かつ説明をともなうものでなければならない。 第119条 あらゆる形態の体罰は、学校、専門的学習センターおよび保育施設においてこれを禁ずる。 第130条 国は、家庭、学校および他の官民の施設におけるしつけおよび規律維持にあって、体罰または他のいかなる形態の残虐なもしくは品位を傷つける取扱いも行なわれないことを確保する。 第220条 養護を受けている子どもに対するいかなる形態の体罰その他の暴力もこれを禁じ、違反に対しては刑事罰を科す。 アイルランド(2015年) 2015年子ども最優先法 合理的懲戒の抗弁の廃止 第28条 1997年非致死性対人犯罪法を改正し、第24条の次に以下の条を挿入する。 「第24条A (1)合理的な懲戒に関するコモンロー上の抗弁は、これを廃止する。」(第2項以下略) ※訳者注/子ども最優先法の条文番号は法案(PDF)による。 ペルー(2015年) 子どもおよび青少年に対する体罰その他の屈辱的な罰の使用を禁止する法律 第1条 法律の目的 子どもおよび青少年に対する体罰その他の屈辱的な罰の使用を禁止すること。 当該禁止は、家庭、学校、地域、職場およびその他の関連の場所を含む、子どもおよび青少年が存在するすべての場所で適用される。 第2条 定義 この法律の適用上、次の文言は次のように理解される。 1.体罰:養育権限または教育権限の行使における有形力の使用であって、子どもおよび青少年の行動を矯正し、管理しまたは変化させる目的で一定の程度の苦痛または不快感を引き起こすことを意図したもの。 2.屈辱的な罰:養育権限または教育権限の行使において、子どもおよび青少年の行動を矯正し、管理しまたは変化させる目的で行なわれる、侮辱的な、品位を傷つける、価値を貶める、汚名を着せるまたはあざけるすべての取扱い。 改正子どもおよび青少年法第3-A条(上記法律により新設) 子どもおよび青少年は、例外なく、よい取扱いを受ける権利を有する。このことは、親、後見人または法定代理人および教員、行政機関、公的機関もしくは私的機関または他のいずれかの者による包括的な保護が提供される調和的、支援的かつ愛育的な環境において、ケア、愛情、保護、社会化および非暴力的教育を受ける権利を意味する。 よい取扱いを受ける権利は、子どもおよび青少年の間でも相互に適用される。 モンゴル(2016年) 子どもの権利法 7条1項 子どもは、あらゆる社会的場面における犯罪またはいかなる形態の暴力、体罰、心理的虐待、ネグレクトおよび搾取からも保護される権利を有する。 子ども保護法 2条6項 親、保護者ならびに子どもおよび青少年のケア、処遇、指導および教育に責任を負う第三者が子どもの養育および子どもの誤った行動の懲戒の際に行なうあらゆる態様の身体的および屈辱的な罰は、これを禁ずる。 5条4項 子どもの教育、養育およびケアに際し、親、法定保護者、親族および教員は、非暴力的なしつけの方法をとるものとする。 パラグアイ(2016年) 子どもおよび青少年の望ましい取扱い、建設的な子育ておよび矯正またはしつけの手段としての体罰もしくはあらゆる態様の暴力からの保護の促進に関する法律 第1条 望ましい取扱いに対する子どもおよび青少年の権利ならびに体罰または屈辱的な取扱いの禁止 すべての子どもおよび青少年は、望ましい取扱いに対する権利ならびに自己の身体的、心理的および情緒的不可侵性を尊重される権利を有する。この権利には、自己のイメージ、アイデンティティ、自律、考え方、気持ち、尊厳および価値観の保護を含む。 矯正およびしつけの一形態としての子どもおよび青少年の体罰および屈辱的な取扱いは、とくにそれが親、指導者、保護者または子どもおよび青少年の教育、ケア、指導もしくは何らかの取扱いに責任を負ういずれかの者によって行なわれるときは、これを禁ずる。 子どもおよび青少年は、とくに、建設的な子育てのための指針を実施することによる指導、教育、ケアおよびしつけを受ける権利を有する。 第5条 体罰および屈辱的な取扱いの禁止 子どもまたは青少年に関連して保健、教育、文化、レクリエーション、保護、雇用または治安に関する政策、計画およびプログラムを実施する国の機関は、次の目的のための資源を提供しなければならない。 a) 親ならびに子どもおよび青少年の養育、教育、ケアまたは保護に責任を負うその他の成人を対象とした、教育相談活動、建設的な子育てに関する指導および望ましい取扱いの推進のためのプログラムの策定および実施。その際、とくに社会経済的地位、年齢、ジェンダーアイデンティティ、障害、民族および文化など、とりわけ被害につながりやすい諸条件を考慮するものとする。 b) 子ども期および青少年期に関連した業務を行なっている政府職員を対象とした、望ましい取扱いの推進、体罰および残虐なまたは屈辱的な取扱いの禁止ならびに権利侵害があった場合の保護機構に関する研修。 c) この法律の規定に違反する行為の通報、調査および是正を奨励するための規則および機構の策定および実施。 d) 子どもおよび青少年の教育を目的としたしつけの形態としての体罰および屈辱的な取扱いの使用を助長する諸要因の根絶を奨励するための政策、計画およびプログラムの策定。 e) 統合的相談および負担可能、持続可能かつ良質なケアが存在しかつ利用できることの確保。 f) あらゆるレベルおよび公的機関における、建設的な子育ておよび望ましい取扱いの推進ならびに子どもまたは青少年の権利の全面的行使の保障。 g) 国、県および自治体のレベルにおける、望ましい取扱いに対する子どもおよび青少年の権利の促進。この取り組みは、国家子ども青少年評議会ならびに県および自治体の子ども青少年評議会を通じて、それぞれこの目的のための行動および資源を共有しながら進めるものとする。 スロベニア(2016年) 家族内暴力の防止に関する法律(改正) 第3条a 子どもの体罰の禁止 (1) 子どもの体罰は、これを禁ずる。 (2) 子どもの体罰とは、子どもに対するあらゆる身体的な、残虐なもしくは品位を傷つける取扱いまたは子どもを罰する意図で行なわれる他のあらゆる行為であって、教育の手段としての身体的、心理的もしくは性的暴力またはネグレクトの要素を有するものをいう。 モンテネグロ(2016年) 改正家族法 第9条a(1)子どもは、体罰または他のいかなる残虐な、非人道的なもしくは品位を傷つける取扱いの対象にもされない。 (2)第1項の禁止は、親、保護者および子どもをケアしまたは子どもと接触する他のすべての者に対して及ぶ。 (3)第2項に掲げられた者は、第1項に掲げられたいかなる取扱いからも子どもを保護する義務を負う。 リトアニア(2017年) 子どもの権利の保護の基本原則に関する法律(改正条文抜粋) 第2条〔定義〕 1.体罰-たとえ小規模なものであっても身体的苦痛を引き起こすために、またはその他のやり方で子どもを身体的に拷問するために有形力が用いられるすべての罰。 2.子どもに対する暴力-子どもが経験する他の者の作為または不作為であって、子どもに対して身体的、心理的、性的、経済的もしくはその他の影響を与えもしくはネグレクトに至り、そのために子どもの生命、健康、発達、名誉および尊厳に対する被害および脅威をもたらすもの(家族間暴力および体罰を含む)。 第6条 9.国は、子どもが、親、その他の子どもの法的代理人または子どもの世話をする他のいずれかの者から受けるおそれのあるあらゆる形態の暴力(体罰を含む)から保護されることを確保するため、あらゆる適切な立法上、行政上、社会上、教育上その他の措置をとる。 第10条 2.子どもは、その親、その他の法的代理人、子どもと同居している者またはその他の者によるあらゆる形態の暴力(体罰を含む)から保護される権利を有する。 第49条 1.子どもの親またはその他の法的代理人は、子どもが自己の義務を果たそうとしなかったことまたは規律に違反したことを理由として、自己の判断にしたがい、子どもに適切な懲戒(ただし、体罰および他のあらゆる形態の暴力を除く)を加えることができる。 ネパール(2018年) 子ども法 7条 5.すべての子どもは、その父、母、その他の家族構成員もしくは保護者、教員または他のいずれかの者によって行なわれる、あらゆる態様の身体的または精神的暴力および処罰、ネグレクト、非人道的な振舞い、ジェンダーに基づくまたは差別的な虐待、性的虐待ならびに搾取から保護される権利を有する。 コソボ(2019年) 子どもの保護に関する法律 第24条 1.体罰および子どもの尊厳を害しかつ低減させる懲戒措置(諸形態の身体的および精神的暴力ならびに子どもの品位を傷つけ、子どもを辱めかつ子どもを不適切な状況に置く諸行動を含む)は、家庭、教育施設、子どものケアのための施設、法典および司法制度、職場ならびにコミュニティのそれぞれの環境において、禁じられる。 2.いかなる者も、子どもを拷問、非人道的なおよび品位を傷つける取扱いならびに体罰および品位を傷つける取扱いの対象とすることを禁じられる。 3.教育関係者および学校関係者は、懲戒および支配の手段として体罰を用いるべきではなく、尊重および正義を基礎として職務を遂行しかつ実践を積み重ねるべきである。 4.関連省庁は、体罰の有害な影響に関する意識を高めるためのプログラムの発出および確立を確保するとともに、以下のものを立案しかつ創設する。 4.1 体罰が品位を傷つける結果をもたらすことに関する教育および意識啓発 4.2 家庭および教育施設で非暴力的なしつけおよび規律維持の手法を促進する子育て支援プログラム フランス(2019年) 民法第371-1条(「通常の教育的暴力の禁止に関する法律」により、以下に太字で表示した第3項を追加) 1.親の権威は、子の利益を最終目的とする権利および義務の総体である。 2.親の権威は、子の人格を適正に尊重しながら、子をその安全、健康および道徳において保護し、その教育を確保しかつその発達を可能にする目的で、子の成年または未成年解放まで父母に委ねられる。 3.親の権威は、いかなる身体的または心理的暴力も用いることなく行使される。 4.両親は、子の年齢および成熟度にしたがい、子に関わる決定に子を参加させる。 南アフリカ(2019年) 最高裁判所判決(9月18日)により、コモンローで認められてきた「合理的なまたは節度のある懲戒(reasonable or moderate chastisement)」の抗弁を廃止。(解説) ジョージア(2019年) 子どもの権利に関する法律 第24.5条 親または子どもの養育に責任を負う者が、子どもの養育または教育の過程で、子どもに対する体罰または他の残虐な、品位を傷つけるまたは非人道的な取扱いおよび/もしくは処罰を含むやり方を適用することは、これを認めない。 第53.2条 子どもの体罰、拷問または他のいずれかの残虐な、品位を傷つけるもしくは非人道的な取扱いもしくは処罰は、家庭、就学前教育施設または一般教育施設、代替的養護サービス、医療施設および/または精神医療施設、刑事施設ならびに他のいかなる場所においても、これを禁止する。このような行為の実行は、ジョージアで施行されている法律に基づいて処罰される。 日本(2020年) 児童虐待の防止等に関する法律(2019年改正) 第14条 児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、体罰を加えることその他民法(明治29年法律第89号)第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を懲戒してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。(2項略) 児童福祉法(2019年改正) 第33条の2(1項略) 2 児童相談所長は、一時保護が行われた児童で親権を行う者又は未成年後見人のあるものについても、監護、教育及び懲戒に関し、その児童の福祉のため必要な措置を採ることができる。ただし、体罰を加えることはできない。(3項・4項略) 第47条(1項・2項略) 3 児童福祉施設の長、その住居において養育を行う第六条の三第八項に規定する厚生労働省令で定める者又は里親は、入所中又は受託中の児童等で親権を行う者又は未成年後見人のあるものについても、監護、教育及び懲戒に関し、その児童等の福祉のため必要な措置をとることができる。ただし、体罰を加えることはできない。 厚生労働省「体罰等によらない子育てのために~みんなで育児を支える社会に~」〔PDF〕(2020年2月) 民法(2022年12月改正) 第821条 親権を行う者は、前条の規定による監護及び教育をするに当たっては、子の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の程度に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない。 ※あわせて第822条(懲戒権規定)を削除し、第821条(親権者の居所指定権)を第822条に変更。 セーシェル(2020年) 子ども法(2020年改正) 第70.B条 (1)他のいかなる法律の規定にかかわらず、いかなる子どもも体罰の対象とされない。 (2)前項の規定に違反したいかなる者も、犯罪を行なったものとし、有罪判決とともに罰金25,000SCR〔セーシェルルピー〕もしくは2年以下の収監を科しまたはこれを併科する。ただし、その前に裁判所が、当該犯罪者と子どもとの関係を考慮しながら、当該案件を処理する他の適切な手段を検討することを条件とする。 注/「体罰」は、同法第2条に新たに設けられた定義規定で、「親の権限、または子どもに関する責任、子どもの監護、子どもへのアクセス、子どものケア、扶養もしくは管理から派生する権利もしくは権限を行使するにあたって、規律を維持しまたは規則を執行するために子どもに対して行なわれるすべての種類の身体的罰」と定義されている。 ギニア(2020年) 子ども法(2019年12月可決/2020年6月施行)(条文出典) 第767条 子どもに対するあらゆる形態の体罰、身体的罰または言葉による罰および残虐な、非人道的な、品位を傷つけるまたは屈辱的な取扱いは、家庭、教育現場、職業上の現場、行政の現場、司法現場その他の現場のいずれで行なわれるかにかかわらず、明示的に禁止される。 第768条(体罰を合理的なものとして正当化することはできない旨の宣言/行政機関または司法機関への通報義務) 第769条(学校および刑事施設における体罰の明示的禁止) メキシコ(2020年) ※保留 女児、男児および青少年の権利に関する一般法改正(改正内容概要)注/Global Initiative to End All Corporal Punishment は、メキシコ連邦を構成する32州のうちまだ州法で体罰を全面禁止していない11州で法改正が行なわれた後に、メキシコを体罰全面禁止国として認定する見込み。 韓国(2021年) 民法第915条(親権者の懲戒権)の削除(改正内容概要) コロンビア(2021年) 2021年5月14日の法律第2089号 第1条 親または子どもおよび青少年に対して親としての権威を行使する個人は、その信条および価値観にしたがって子どもを教育し、育てかつ矯正する権利を有する。唯一の限界として、子どもおよび青少年に対し、体罰、残虐な、屈辱的なまたは品位を傷つける取扱いおよびあらゆる態様の暴力を用いることは、禁じられる。この禁止は、子どもおよび青少年が成長するさまざまな環境のそれぞれにおいて子どもおよび青少年のケアに責任を負う他のいかなる者に対しても、適用される。 ※第3条でも「矯正、制裁またはしつけの方法として「体罰、残虐な、屈辱的なまたは品位を傷つける取扱いおよびあらゆる態様の暴力を用いること」を禁止。 ザンビア(2022年) 子ども法(2022年法律第12号)22条:「子どもに対する罰としての体罰は、これを加えてはならない」 モーリシャス(2022年) 2022年子ども法 第14条(1)何人も、子どもの矯正またはしつけのための措置として子どもに体罰または屈辱的な罰を与えてはならない。 ※「体罰または屈辱的な罰」とは、「有形力の使用または物質の使用(ただしこれらの手段に限られない)を通じ、子どもに痛みまたは苦痛を引き起こすすべての形態の罰」をいう(第14条(3))。 ラオス(2024年) 2006年子どもの権利利益保護法(2023年改正) 第57条(2) 親、保護者その他の者は次の行為を禁じられる。(……)体罰、殴打、叱責およびその他の形態の子どもの拷問による身体的虐待…… (参考)英国 スコットランド(2019年)子ども(暴行からの平等な保護)(スコットランド)法 第1条 (1) 親の権利または子どもの監督(charge)もしくは監護(care)から派生する権利の行使における子どもの体罰は正当と認められ、したがって暴行ではない旨の法の規則は、その効力を失う。 (2) 2003年刑事司法(スコットランド)法第51条(子どもの体罰)は廃止される。 第2条 スコットランド諸閣僚は、第1条の効力に関する公衆の意識および理解を促進するために適切と考える措置をとらなければならない。 王室属領ジャージー代官管轄区(2019年)子ども・教育(改正)(ジャージー)法 第1条 2002年子ども(ジャージー)法を第2条および第3条にしたがって改正する。 第2条 2002年法の第35条(16歳未満の子どもに対する危害またはネグレクト)のうち、親、教員または法律に基づいて子どもを管理する他の者には子どもに対して体罰を行なう固有の権利があると推定される旨を定めた第5項を削除する。 第3条 2002年法の第79条(合理的な体罰の抗弁の制限)を次の規定に置き換える。 第79条(合理的な体罰の抗弁の廃止) (1)慣習法に基づく子どもの合理的な体罰のいかなる抗弁も、これを廃止する。 (2)したがって、子どもの体罰は、いかなる民事上または刑事上の手続においても、当該体罰が慣習法のいずれかの規則の適用上 (a) 合理的な処罰または (b) 容認可能な行為のいずれかを構成するという理由で正当化することができない。 (3)本条において「体罰」とは、子どもとの関連で、子どもを処罰する目的で、子どもの身体に対し、暴行を構成するような身体的行為を行なうことをいう(当該行為に処罰以外の理由があるか否かを問わない)。 第4条 1999年教育(ジャージー)法の第36A条(合理的な力を用いる職員の権限)における「体罰」の定義を改正後の2002年法第79条(3)の規定と揃え、体罰は許されないことを明確にする。子どもに危害が及ぶことを防止するための合理的な力の行使(たとえば道路に飛び出した子どもを引っ張って戻すことなど)は引き続き認められる。 第5条(雑則、略) ウェールズ(2020年)子ども(合理的処罰の抗弁の廃止)(ウェールズ)法 1.コモンロー上の合理的処罰の抗弁の廃止 (1)コモンロー上の合理的処罰の抗弁は、ウェールズで行なわれる子どもの体罰との関連では、これを廃止する。 (2)これにともない、ウェールズで行なわれる子どもの体罰は、いかなる民事上または刑事上の手続においても、合理的処罰にあたるという理由で、これを正当化することはできない。 (3)同様に、ウェールズで行なわれる子どもの体罰は、いかなる民事上または刑事上の手続においても、他のいずれかのコモンロー上の規則の適用上認められた行為であったという理由で、これを正当化することはできない。 (4)本条の適用上、「体罰」とは、処罰として行なわれるすべての殴打(battery)をいう。 (5)(略:英国2004年子ども法第58条の修正) 2.(略:施行に関する規定) 3.(略:法律の略称に関する規定) 更新履歴:ページ作成(2011年10月25日)。なお、ニュージーランドまでの資料は2007年5月31日に旧サイトに掲載した内容を一部修正したもの。/~/日本を追加(2020年2月28日)。/セーシェルを追加(6月1日)。/メキシコを追加(12月11日)。/韓国を判断保留のまま追加(2021年1月9日)。/ギニアを追加(1月29日)。/韓国が体罰全面禁止国として認定されたことにともない、法改正達成国数を62か国に修正(3月26日)。/コロンビアを追加(8月19日)。/ザンビアを追加(2022年11月8日)。/モーリシャスを追加。日本の民法改正を追加(12月13日)。/ラオスを追加(2024年5月1日)。
https://w.atwiki.jp/ekish/pages/188.html
駅名 接続路線 所在地 エキスク 大日 大モ 大阪府守口市 たこ焼き 守口 大阪府守口市 たこ焼き 太子橋今市 今里筋線 大阪市旭区 たこ焼き、お好み焼き 千林大宮 大阪市旭区 たこ焼き、お好み焼き 関目高殿 大阪市旭区 たこ焼き、お好み焼き 野江内代 大阪市都島区 たこ焼き、お好み焼き 都島 大阪市都島区 たこ焼き、お好み焼き 天神橋筋六丁目 堺筋線、千里線(阪急) 大阪市北区 たこ焼き、お好み焼き 中崎町 大阪市北区 たこ焼き、お好み焼き 東梅田 御堂筋線、四ツ橋線、東海道本線・大阪環状線(J西)、神戸線・宝塚線・京都線(阪急)、阪神本線(阪神) 大阪市北区 たこ焼き、お好み焼き 南森町 堺筋線、東西線(J西) 大阪市北区 たこ焼き、お好み焼き 天満橋 京阪本線・中之島線(京阪) 大阪市中央区 たこ焼き、お好み焼き、大阪城、岩おこし、豊臣秀吉、豊臣秀吉と大阪城(SP) 谷町四丁目 中央線 大阪市中央区 たこ焼き、お好み焼き、大阪城、岩おこし、豊臣秀吉、豊臣秀吉と大阪城(SP) 谷町六丁目 長堀鶴見緑地線 大阪市中央区 たこ焼き、お好み焼き 谷町九丁目 千日前線、奈良線・大阪線(近鉄) 大阪市天王寺区 たこ焼き、お好み焼き 四天王寺前夕陽ケ丘 大阪市天王寺区 たこ焼き、お好み焼き 天王寺 御堂筋線、大阪環状線・関西線・阪和線(J西)、上町線(阪堺) 大阪市天王寺区 たこ焼き、お好み焼き 阿倍野 上町線(阪堺) 大阪市阿倍野区 たこ焼き、お好み焼き 文の里 大阪市阿倍野区 たこ焼き、お好み焼き 田辺 大阪市東住吉区 たこ焼き、お好み焼き 駒川中野 大阪市東住吉区 たこ焼き、お好み焼き 平野(大阪市営) 大阪市平野区 たこ焼き、お好み焼き 喜連瓜破 大阪市平野区 たこ焼き、お好み焼き 出戸 大阪市平野区 たこ焼き、お好み焼き 長原(大阪府) 大阪市平野区 たこ焼き、お好み焼き 八尾南 大阪府八尾市 たこ焼き 谷町線マスターバッジ 詳細はWikipediaで
https://w.atwiki.jp/fukusimamachtrain/pages/30.html
桜水駅は、福島県福島市笹谷にあるしのぶ野線の駅である。 しのぶ野線列車の車庫機能を持つしのぶ野線鉄道部を併設する。 駅構造 直轄の有人駅(管理駅)で、1面2線のホームを持つ地上駅。 両方向に折返しができる構造になっており、当駅折返しの普通列車が設定される。 しのぶ野線の乗務員が所属するしのぶ野線鉄道部が併設されており、多くの列車が当駅で乗務員交代を行う。 のりば 1 穴原・もにわ・高畠方面 2 福島中央・蓬莱・松川・川俣方面 駅設備 自動券売機2台 多機能トイレ 大手コンビニエンスストア Mach Information 駅周辺 駅周辺は住宅地 管轄下駅 当駅では平野・笹谷地区を統括する管理駅であり、下記の駅を管理している。 上松川駅-笹谷駅-平野駅 隣の駅 しのぶ野線 笹谷駅-桜水駅-平野駅 しのぶ野線 高畠-東高畠-鳩峰信号場-稲子-もにわ-穴原温泉-飯坂大鳥-飯坂温泉-花水坂-医王寺前-平野-桜水-笹谷-上松川-泉-岩代清水-美術館図書館前-曽根田-福島中央-県庁前-荒町-日東前-伏拝-清水町-北蓬莱-蓬莱-県立医大-松川