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翌朝。 「なっきぃ!!」 「わっ! め、めぐっ?!」 お嬢様と登校する為に玄関ホールへと移動した私を呼び止め空き部屋へと引き摺った人物。 お嬢様専属メイドと言っても可笑しくない、村上愛こと通称めぐ。 仁王立ちをするその姿の後ろに仁王像が見えるのは私の目の錯覚だよね? 「いいって言ったんだってね」 「えっと…観劇の事でしょうか?」 「それ以外に何があるっていうの! 千聖すごく喜んで私に「なっきぃは私の話を一方的に 否定しないから好きだわ。それに比べてめぐは意地悪ね」とまで言い放ったのよ!」 「えっと…それ私に関係ある?」 「大ありよ! 仕事が入ってなければご一緒したものを!」 「ようは…私に対して嫉妬してるって事?」 「私の口から言わせないで! なっきぃじゃなかったら…なっきぃじゃなかったら こんな事言わないのに!」 「えっと……ごめん」 普段とは違うめぐにたじろぎながらもそんなめぐを可愛いとさえ思ってしまった。 めぐをここまで変える事が出来るなんて。本当、お嬢様は愛されてるなぁ。 「で、何時行くの?」 「に、日曜日の千秋楽はさすがに無理だったから土曜日に。今日の帰りにコンビニに 寄ってチケットを受け取ってくるつもりだけど」 「じゃあ、これ」 「何? これ」 普段のめぐに戻った彼女から渡された一枚の封筒。中には 「め、めぐ! これ!?」 「奥様にお電話した後に代理の家長を務めている執事さんから渡されたの。「中島さんには 大変感謝してるわ」って言伝と一緒に」 「で、でもそれにしては多いよ?」 「交通費と昼食費。あとなっきぃのチケット代もだって」 「そ、そんなの受け取れないよ。チケット代は自分で払うつもりだったのに」 「そう言わずに受け取って。奥様の気持ちも汲んでほしいの」 「………分かった。自分でお礼を言いたいから後で滞在先の電話番号を教えてもらえる?」 「それなら一緒に封筒の中にいれておいたから。じゃ、私からの話はこれで終わり。 いってらっしゃ~い♪」 「ほんと隙が無いなぁ、めぐは。じゃ、いってきます」 部屋を出て持っていた鞄に封筒をしまうと玄関ホールへと急いだ。 そこにいるのは私を待っていてくれる五人の寮生達。 「ほら、なっきぃ。早く行かないとお嬢様拗ねるよ!」 「ごめんごめん。ちょっと…ね。あ、今日は私、一緒に帰れないから」 「ん、了解。戻ってくる時間は? 遅くなりそう?」 「う~ん。そんなに遅くならないと思う」 話しながら靴を履いて玄関を出るとそこにはお屋敷で待っている筈のお嬢様がいた。 「お、お嬢様っ!?」 「おはようございます。皆さん」 「お、おはようございます。ど、どうされたんですか?」 「フフフッ。ちょっと嬉しい事があったから早く起きてしまったの」 「嬉しい事…ですか?」 「ええ。あ、なっきぃ。……ちょっと」 「あ、はい」 お嬢様に袖を引っ張られて皆の輪から外れる。舞ちゃんと栞菜の目が怖かったのは 見なかった事にしておこう。 「き、昨日お願いした“例の件”はどうなったの?」 「今日の帰りにコンビニに寄って受け取ってくる予定です。あの、千秋楽はさすがに 今からだと無理でしたので土曜日の一回目の公演ですが宜しいですか?」 「それは全然構わないわ。そ、それとお金の方は……?」 「それでしたら先程、奥様から家長代理の執事さんとめぐを通して頂きました」 「お、お母様からっ?!」 「ええ。寮に戻ってからお礼のお電話をさせて頂きますので」 「わ、私も電話したいわ。ご一緒していい?」 「もちろん。というかご自分のお母様に電話するのに遠慮はいらないですよ」 「そ、それもそうね。会う機会が少ないから……上手く甘えられなくて」 淋しげな笑みを浮かべてしまったお嬢様。……あぁ。早貴の(略) 視線が…視線が痛いんですけど。“なに淋しげな顔させとんじゃい! われ!”みたいな 普段の二人はどこって?! って感じの声が脳内再生されたんですけど。 「ち、チケットは当日まで私持ちでいいでしょうか?」 「……そうね、お願いするわ。フフフッ。じゃあ、なっきぃチケットを受け取ったらお屋敷まで 来てちょうだい。その方が皆にばれ難いでしょ?」 「そうですね。では帰りに伺いますね」 確認の意味も込めて微笑み合うと再びお嬢様に袖を引っ張られて皆の輪の中に戻った。 「何? 二人してこそこそと。舞達の前では話せない事?」 「お嬢様! まさか私を捨ててなっきぃと!?」 「「「栞菜! 妄想しないっ!!」」」 「フフフッ。ごめんなさい。舞、栞菜。今回はどうしてもなっきぃじゃないと駄目なの」 「「うっ! そんな顔されたら許すしかないんですけど」」 ……え~と、私が言うのもなんだけど。このままだと遅刻するよ? 皆。 前へ TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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前へ なっきぃは翌日の火曜日も、水曜日も大事を取って学校を休んだ。 でも、もう完治間もないのは目に見えていたから、お嬢様ももう落ち込んだりしている様子はなかった。 何より、舞ちゃんと栞菜のダース●イダーマスクのおかげで、お見舞いができるというのが大きいんだろう。 シュコーシュコー言いながら、手話(昔少しだけ習ったことがあるとか)を使ってなっきぃと意思の疎通が図れるから、お互いにとって大きな支えになっているみたいだ。 「えりかさん、なっきぃのところに行きたいわ」 その夜もまた、お嬢様はダースマスクを片手に、私の部屋を訪れた。 「ふっふっふ」 「ケッケッケ」 予め待機していた舞美と愛理が、お嬢様に向かって笑いかける。 「あら、舞美さんと愛理もいらしてたの?」 「お嬢様、ご朗報があります!」 「なあに?」 小首を傾げるお嬢様の目のまえに、舞美が手を突き出した。 「・・・体温計、ですか?」 「ふっふっふ」 ドヤ顔の舞美とは対照的に、お嬢様は困った顔で舞美を見返す。 「あの・・・?」 「ん?あれ?」 予想外のお嬢様の反応に、愛理がひょっこり顔をのぞかせて、体温計を覗き込んだ。 「舞美ちゃん、もう表示消えちゃってるよ・・」 「あーっ!!」 「もう、舞美はドジなんだからぁ」 今は電源が落ちて、グレーの画面になってしまってる体温計。それを舞美から受け取って、私はお嬢様に手渡した。 「36.2℃です」 「え・・・?」 「なっきぃの、さっき計った体温。なっきぃ低体温だから、いつもより0.3℃だけまだ高いけど、もう平熱の範疇と考えていいって、お嬢様の主治医さんが」 お嬢様の顔が、パアッと明るくなる。 こんな満面の笑顔、久しぶりに見たかもしれない。ここにいない舞ちゃんや栞菜が見たら、こないだの梨沙子ちゃんぐらい、可哀想な感じになっちゃいそうだ。 お散歩待ちのわんちゃんみたいにそわそわしてるお嬢様の手から、ダー●ベイダーさんを受け取って「どうぞ、お2人でごゆっくり」とドアを開けると、もう待ちきれないとばかりに、弾丸スタートダッシュで部屋を出て行った。 「・・・あ、えりかさん」 と思ったら、首だけドアの外からひょっこりのぞかせたお嬢様。 「ウフフ・・・そのマスクは、お部屋に飾るから取っておいてね」 「ええ、もちろん!」 「よかったねー。お嬢様、なっきぃに会いたがってたからね」 ほんわか笑顔の舞美と愛理。舞ちゃんたちほど過激なことはしないものの、心優しい二人は、やっぱりお嬢様となっきぃのことをとても心配していたみたいだった。 「ねえ、お茶でも飲んでかない?お嬢様の極上スマイル記念に」 「うん、ぜひ!えりのミルクティ、美味しいんだよねー」 「まあ、あの笑顔を引き出したのが舞じゃないのは不本意でしゅけど」 「なっきぃは仕方ないかんな。お嬢様のハートキャッチプリキュフフだかんな」 「・・・二人とも、さりげなく部屋に侵入するのやめてくれるかしら。」 いつの間にかテーブルの前にちょこんと座っていた、お嬢ヲタツインズ。結局いつものメンツが揃ったので、そのままにぎやかなガールズトークに花が咲いた。 あちらの部屋からも、お嬢様となっきぃの笑い声が聞こえてくる。 「あ、そうだ、えり」 ふと舞美がカバンを手繰り寄せて、私の前にスッと冊子を差し出してきた。 「これ、学校新聞見たよー!《緊急》生徒会副会長兼風紀委員長・中島早貴 復学セレモニー開催!《参加者求む!》・・・何か面白そうじゃない?えり、主催なんでしょ?もちろん協力するよ!」 「あ、私も見た!今朝梨沙子と熊井さんが、学校中に配布して回ってたみたい。決行って明日でいいんだよね?」 「うん。なっきぃも明日には登校できそうだし、予定通りやれそうなんだ」 お嬢様提案の、なっきぃを喜ばせるためのドッキリ企画。 さすがお嬢様の影響力と言ったところか、新聞部はもちろん、生徒会メンバーにまで質問に来る人がいるほど、反響があった。 「佐紀と茉麻も、明日アナウンスが必要ならまかせてって言ってたよ!」 「へー、なっちゃん人気者だねぇ」 厳しい面もあるけど、模範生でしっかり者で、尚且つ可愛いとこもあるなっきぃは、どうやら予想以上に生徒たちからの人望も厚いみたいだった。 「んま、それはそうと・・・千聖、遅くない?」 時計を見ると、もうお嬢様がなっきぃの部屋に行ってから、2時間以上経過している。 話がはずんでるのはいいことだけど、病み上がりなんだからあんまり無理はさせたくない。 そう判断して、私たちは連れ立ってなっきぃの部屋に向かった。 「おーい、なっきぃ。お嬢様ー。明日も学校あるんだから、そろそろ――」 ノックとともに声をかけるけど、返答がない。 「千聖、なっちゃん、入るよー」 「あっ、こら!」 全く遠慮なく、私の横をすり抜けて、部屋の中に入っていく舞ちゃん。 その背中を追いかけて、部屋の廊下を抜き足差し足で進んでいくと、くるっと振り返った舞ちゃんが、唇の前で人差し指を立ててシーッとしてきた。 「寝てる・・・」 なっきぃはベッドの中で、お嬢様は座り込んで、顔だけお布団に伏せった状態で。2人はおでこがくっついちゃいそうな距離で、気持ちよさそうに小さな寝息を立てていた。 「もう、風邪引いちゃうよ。バカちしゃと・・・」 二の腕を掴んで引っ張ろうとした舞ちゃんは、ふと手を止めて、パタパタと部屋を出て行った。 そのまま、すぐに黒いナイロンバックみたいなのを持って戻ってくる。 「ん?なーに、それ」 「寝袋。一晩ぐらい、これで大丈夫でしょ。暖房でポカポカしてるし」 「なるほど」 皆で手際よく寝床の準備をして、舞美にお姫様抱っこされたお嬢様の小さな体が、寝袋の中にすっぽりと納まる。 「・・・なんか、このまま帰るの名残惜しいなぁ」 珍しく、愛理がポツンとそんなことを言う。 これがお嬢様親衛隊のお2人からの発言なら、おいおいコラコラあかんがなと嗜めるところだけど、これには私も舞美も心動かされてしまった。たしかに、部屋に戻るの寂しい・・・。 「・・・やっちゃいますか」 「久しぶりにやりますか」 「でも、静かにね。2人が起きないように」 「そーっと、そーっと」 「ケッケッケ、わがまま言ってごめんねー」 数分後。 それぞれのmy布団を持ち寄った私たちは、再びなっきぃの部屋に集合していた。 「修学旅行みたいだねー」 「何かワクワクするね!」 全員分の布団をキチキチに敷いて、2人を起こさないよう静かに床に就く。 「明日の朝、なっきぃびっくりするだろうね。ある意味プレどっきりみたいだね、とかいってw」 「こら、栞菜なにやってんの、ちしゃとから離れろ、もう!」 「もー、静かに!」 お嬢様の寝袋に無理やり入ろうとする栞菜と、プロレス技でそれを阻止する舞ちゃんのサイレントコントに笑いをこらえながら、私たちも眠りについた。 ***** 「キュフフ・・・愛してるぅ、やっぱ愛してるぅ~、バリバリ愛してるぅ~」 まだほっぺの色は少し悪いけど、鏡の中では、すっかり隈も取れた自分がニコニコ笑っている。 こんなに学校を休んだのは初めて。罪悪感や焦燥感もあったけど、今はゆっくりしてよかったと思っている。 今日は、明け方に一度起きたら、みんなが私の部屋で寝ていた。心配性なみんなの思いやりが嬉しくて照れくさくて、「一旦部屋にもどりなさーい!」なんて、いつもの私らしいお小言をかましてしまった。 「キュフフフ、もうすぐ行くからね、千聖お嬢様」 現在、午前11時30分。 制服を着こんで、ドレッサーの前に座り込んでから、1時間近く経っている。 一応、今日はお昼から登校する予定になっているけど、我ながら随分長い時間、準備に取り掛かっていると思う。 それにはもちろん理由がある。 学校を休んでいる間、私も自分なりにいろんなことを考えた。 嗣永さんに、頭固いって言われちゃったこと。 私の胃痛で、お嬢様の楽しみを邪魔してしまったこと。 そういうのを、本当にそのままでいいのかじっくり考察して、私はとある結論に至った。 「んー・・なんか恥ずかしいかも・・・でも、せっかく・・・キュフフ」 さっきから何度となく口から出る独り言も、病み上がりのテンションの前では、大した抑制にはならないみたいだった。 鏡の前で、念入りに“最終確認”を行うと、私は部屋の電気を消して、学校に向かった。 そして、たどり着いた校門前。 どうも融通が利かないというか、基本的に小心者な私は、今更“この状況”を人に見られるのが怖くなってきた。 だって、久しぶりに学校に来たと思ったらこんな・・・いや、でも大丈夫!何てったって、今日は! いつもの数倍の緊張感を持って、おそるおそる敷地内に足を踏み入れる。その瞬間、門の両側からパーン!!!とものすごい音が鳴った。 「ひえっ!!」 思わず足を止めると、どこからか「せぇーのっ」って声がして、それと同時にたくさんの女の子たちが、私の前に立ちはだかった。 「「「「「おかえりなさい、風紀委員ちょ・・・・え、・・・・あれ?委員長・・・さん・・・?」」」」」 だけど、その祝福の声は、私の姿を見た途端、バラバラになってざわめきに変わってしまった。 「な・・・なっきぃ?どうして・・・」 最前列で、いつもどおり清楚に制服を着こなしたお嬢様が、切れ長の目を見開いて、まるで泣き出しそうな顔になっている。 ――どうして、って。それはこっちが聞きたいケロ!だって、今日は・・・ 「きょきょきょうは、木曜日でしょ、お嬢様!!!」 そう、今日はギャルの日。お嬢様や友理奈ちゃん、梨沙子ちゃんを中心に、学園中が派手派手メイクを楽しんでいるはずなのに、私を迎えてくれた人たちの、誰一人としてそれをやっていない。 「あの、ぎゃ、ぎゃるはもう、先週で卒業したのよ・・・?あの、その、今日はわ、私・・・なっきぃを驚かせて、喜んでいただこうと思って・・・あのフガフガフガ」 「ションナ・・・!」 よく見れば結構な数の生徒たちが、この場に集結している。私の担任の先生や、風紀委員会の先生まで。 そして、中等部の子も高等部の生徒も、みんな一様に、“お手本どおりの制服の着こなし”をしていた。 白か紺のハイソックス。 スカート丈はちょうど膝こぞうが出るくらい。 ワイシャツは第一ボタンまでカッチリ締めて、ネクタイもリボンも緩く結ばない。 髪の長い生徒はポニテかお下げ髪に結わいて、メイクは色つきリップまで。 そう、まるで普段の私のような・・・。 「な、なっきぃ・・・」 「いいんちょうさぁん・・・」 寮や生徒会のみんなは、(えりこちゃん以外)普段からそう着崩していないからいいとして、新聞部コンビや熊井ちゃん、普段ギャルっぽい人たち、それに、なななんと嗣永さんまで、今日はまともに制服を着ている。 それは、私の理想とする学園風景のはずなのに。なんで、よりによって今日なんだケロ! 「ギュフゥ・・・」 みんな、口をあんぐり開けて、私の姿に見入っている。無理もない話だ。 カラースプレーで、金茶に染めた巻き髪。 繊維入りのマスカラを7度塗りしたまつげ。 ダンス部の舞台用のゴンぶとアイライナーの上で踊る、金色のラメ達。 ねちょねちょぬめるほど塗りたくったパールピンクのグロス。 私は今日一日だけ、思い切ってお嬢様と一緒にギャルを楽しむつもりでいたのだ。なのに、なんなのこの仕打ちは!あんまりだケロ! 「あはは、なかさきちゃん!そんなにシャツ開けたらブラ見えちゃうよ!それにスカート短くしすぎ!!うちのことわかめちゃんって言うけど、なかさきちゃんだって、オレンジのパン」 「もー、熊井ちゃん無神経!パンツ見えてるとか大きい声で言ったら可哀想でしょ!いいんちょーさんは着崩しなれてないんだからしょーがないのっ」 梨沙子ちゃんのとんちんかんなお気遣いが、まるで遠くの世界のお話みたいに耳を滑る。 ど、ど、どうしよう、私、今日あと半日、この格好で過ごすの?こんなに大勢の生徒がマトモな格好で生活している中、1人でアホみたいなメイクに、超ミニスカート&ルーズソックスで? 「い、い・・・いやああああああ」 「なっきぃ?しっかりなさって!すぐに予備の制服を・・・」 お嬢様の優しい声が遠ざかっていく。 ハムスター並みに気が小さい私は、慌てて駆け寄ってきたみぃたんのたくましい腕の中で、意識を手放したのだった・・・。 次へ TOP
https://w.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/878.html
前へ 「私ね、結構疑り深いところがありましてぇ」 まあ、これも風紀委員の職業病って奴かな?(ケロキュフッ)とか言って、風紀委員長さん、なぜかとても嬉しそう。 「なかなか、人の内面を100%信用できないっていうか、妙に物わかりがいいタイプだと、これって本心?とか思っちゃうんだよね。キュフフ」 ――うーん、まだ、風紀委員長さんの言わんとすることが良くわからない。 前置きが長いタイプなのかも。横で里保ちゃんが、警戒するように肩を緊張させるのがわかった。 「・・・でね、どうしてもすぐにその人の人となりを判断したい!って思った時、千聖お嬢様の様子をうかがうようにしているの」 「はぁ、ちさとさんの」 このシャキシャキきびきびしてる人が、あのぽわーっとしたちさとさんを、大事なことを決める時の基準にしてるなんて。ちょっとびっくり。 「ねえ、香音ちゃん」 すると、唐突に里保ちゃんが私の手を握ったまま、少しピリッとした声で話しかけてきた。 「さっき、グラウンド離れたとき・・・岡井さんと会ってたの?」 「え?」 「答えて。大事なことなの」 「う・・・うん。初対面だから、少し話しただけだけど。あと、一緒に走っ・・・」 そこまで言ったところで、里保ちゃんは風紀委員長さんに険しい視線を投げかけた。 「風紀委員長さんは、岡井さんが他の生徒より偉い立場の人だから、いちいち様子をうかがったりしてるんですか、お金持ちで、権力があるから・・・」 「ええ?」 目をパチクリさせる風紀委員長さん。 私は慌てて軽く里保ちゃんの腕を引いたけれど、口をへの字にしたその顔は変わらなかった。 「・・・里保ちゃん、ちさとさんのこと知ってるの?」 「うん。知り合いではないけどね」 「へぇー、本当に有名人なんだ・・・」 私の言葉を受けて、有名人…と小さく呟いた里保ちゃんは、また風紀委員長さんに視線を戻した。 「人を判断するのに、岡井さんの顔色を伺うっていうの、納得できないです」 「里保ちゃんてば」 「だって、物わかりがいい子は信用できない・・・って香音ちゃんのことを言ってるんでしょう。私の大事な友達のこと、そんなふうに判断してほしくないです」 里保ちゃんが、先輩に向かって、声を荒げている。 そんな姿は、初めて見た。 基本的に真面目で、先生や先輩に対しては、礼儀を重んじるタイプだったはずなのに。 「里保ちゃん、いいって、そんなに怒らないで」 「よくないよ、だってさぁ」 「・・・あー、ごめんごめん!そうじゃないの!そういうことじゃなくてぇ」 もはや、私と里保ちゃんの間にも、ピシッと亀裂が走りそうになった瞬間、ちょっと高めの風紀委員長さんの声が、言い争いを遮った。 「言葉足らずだった!そうじゃないんだよ、里保ちゃん」 「はぁ」 デキるオンナは無駄口を叩かないと言うけれどさじ加減が難しいケロ・・・などと独り言をつぶやきながら、ごめん!とジェスチャーで示してくれる。 「私はね、お嬢様の立場や権力なんて、どうだっていいの。・・・ううん、私だけじゃない。きっと、お嬢様と関わった人なら、みんな、そう思うんじゃないかな」 「だったら、どうして」 スッと目を細めて、風紀委員長さんは私たちを交互に見た。 微笑しているけれど、反論する余地を与えないような、不思議な表情。 興奮した様子だった里保ちゃんも、言葉に詰まって黙り込んでしまった。 「千聖お嬢様は、本当に純粋な方だから。私が信頼しているのは、その何色にも染まらない、美しい感性。どんな人にも、色眼鏡を使わない・・・というか、そんなもの、最初からないんだろうね。 地位や権力を気にしてお嬢様と接していた人も、すぐにそれがどんなにちっぽけな価値観だったか思い知らされるの。 誰かが言ってた。“千聖お嬢様は、心を裸にしてしまう”って。私もそう思う」 そう言って、風紀委員長さんは、今度は私の顔をじっと見た。 「あの人見知りで、なかなか自分をさらけ出せないお嬢様に、あんな奇妙なダッシュまで披露させちゃうんだもの。香音ちゃんが、悪い子なわけがないじゃない。キュフフ」 ――あのエクソシ●トは、私別に関係ないんだけどな・・・。とはいえ、風紀委員長をやっているような、真面目で優秀そうな人に認めてもらえたっていうのは素直にうれしい。 「あの、すみませんでした・・・」 風紀委員長さんの言葉の本当の意味がわかって、里保ちゃんは神妙な面持ちで頭を下げた。 「大切な友達の香音ちゃんのことだから、ムキになってしまいました。失礼なこといってごめんなさい」 「キュフフ、真面目だなあ。香音ちゃんと里保ちゃん、いいコンビなんじゃない?私、真面目なコは大好き~」 あっさりと、でも自然に里保ちゃんの発言を許した風紀委員長さん。 この人も、きっとちさとさんに救われたことがあるんだろうな、なんて思った。 だからこうやって、里保ちゃんの言葉の裏にあった気持ちをわかってくれて・・・謝罪も受け入れてくれたのだろう。 もう、里保ちゃんも落ち着いてきたみたいで、少し汗ばんでいた手のひらが、いつもの柔らかくて心地いい温度に戻っていくのがわかる。 「香音ちゃんは、少し千聖お嬢様に似たところがあるのかもね」 「ええっ!私なんかが」 「ほら、すぐそうやって“わたしなんか”って言うとこ、そっくり。キュフフ、自分がどれだけ魅力的なのか、全然わかってないんだから」 「そうですよね!私、香音ちゃんが“私なんか”っていうの、ほんと嫌なんです!私が言っても、全然直してくれないし・・・」 「だよね!千聖お嬢様もそうなの!あれだけ可愛くて気品のある方なのに、全然自分のことが全然わかってないケロ!」 け、けろ?二人はすっかり意気投合したように、私とちさとさんの愚痴(?)を言い合っている。 「もうこうなったら(どうなったら?)、“私なんか”禁止条例を出そう!お嬢様と香音ちゃんが、1度禁止ワードを言うたびに、ギュフーッ!ポイントが加算されていくの。5ギュフーッ!で罰ゲーム1回」 「あ、いいですねそれ」 「よくないです!てかなにそれ!ちさとさんいないのに勝手にそんな」 「あら、千聖がどうかしたのかしら?」 声に反応して、くるりと後ろを振り返る。 「ひっ!!」 里保ちゃんが、短い悲鳴を上げて、私の腕にしがみついた。 「ウフフ、香音さん。ごめんなさいね。つい舞美さんとの競走に夢中になってしまって」 「・・・いいえ、それは別にいいんですが」 「あははは、楽しいね、お嬢様!」 「ええ、香音さんも一緒にどうかしら?」 「いや・・・私は・・・」 もう、“あの時”から数十分は経ったというのに。 大きな美人さんと小さな美人さんのコンビは、まだ二人して、ブリッジ走りを続けていた。 「え・・岡井・・・え?」 イメージしていた人物像と違いすぎたのだろう、栗色の髪をふわふわ揺らしている逆さづりお嬢様を前にした里保ちゃんは、私にすがるような目を向けてきた。 次へ TOP
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2009/01/01 【初日の出】 気温マイナス4℃ 息子と二人、ふるーつ公園に初日の出を拝みに繰り出しました。 5時半過ぎに起きたというのに、テンション高め。 2009年の幕開け! 雲ひとつ無い快晴の空に、今年最初の太陽が昇ってきました。 背に日を浴びて、満足そうです。 寒い中、30分も待った甲斐がありました。 本年も宜しくお願いします。。。 親子で挨拶を交わしつつ、渋滞を避けて、裏道をスイスイ戻ってきました。 ふぁー。 暖かい部屋に戻ったとたん睡魔が・・・ でも、息子は元気です。 2009/01/10 【吉田うどん】 とうちゃんの通勤快速ライフ号は、貰い事故で修理中。 ナビ付きの「わ」ナンバーの車をお借りして、ドライブにで掛ける事にしました。 都留の「好浩」さんへ。 かっちゃんは二度目の訪問です。 迷うことなく「スペシャル」を注文しました。 硬くて、モチモチのうどんですが、ゆっきーも喜んでくれました。 食後は雪溜まりで戯れ、3時間弱のドライブはおしまいです。 2009/01/25 【三度目の・・・】 ライフ君との別れを惜しみつつ、三度目のスケートへ 休憩する間も惜しんで、頑張っています。 ついーっと・・・ 調子はどうよ? ついー・・・ ※ 手軽だからって、携帯のカメラに頼り切っているとロクな写真が取れません。 というわけでもないんだけど、新しいデジカメが欲しいなぁ。 2009/03/07 【初めてのスキー】 漸く念願の初スキーに出かけます。 すっかり陽気が良くなってきたので、コンディションが心配ですが、昨日の雪で少しは改善されたかな? 雪を見るなり、斜面を駆け上がる子供たち。 何かに飢えているみたいです。 かっちゃんとじゅんた君は、初めてのスキーに挑戦! 「とうちゃんコーチ」の元、既にお疲れモードになっていますが・・・ じゃあ、おチビさんたちと一緒にソリ遊びでもする? なんだ、まだまだ元気あるじゃん。 じゃあ、休憩はもう終わりー! それー。頑張って歩けよー! 「Vの字の形を崩さないようにね・・・」 どう? 少しは楽しくなってきた? 初めのうちは、足枷を付けられたみたいに自由が利かず、難儀していた二人ですが、帰る頃には「もう一回!」といって、自分から斜面を登っていくようになりました。 ソリ遊びをする様な緩斜面でしたので、始めての練習をするのにはもってこい! 今シーズンは、もう来れないけど、来シーズンは早い時期から「特訓」することにしましょう。 レストハウスからは、八ヶ岳がとっても綺麗に見えました。 2009/03/20 【ワニ】 春休みを前に、かっちゃんが巨大なオブジェを持ち帰りました・・・ 凶暴な顔つきをしています。口の中には、びっしりと牙が並んでいます。 体長2m弱。こんなのどこに置いておくんだ? という訳で、ばあちゃんちに見せにいったまま、置き去りになっています。 2009/03/26 【十割そば】 かっちゃんは春休みで暇しています。 ゆっきーを保育園に送り出し、久しぶりに三人で出掛けることに・・・ 以前から気になっていた、駅前のお蕎麦屋さんに来ました。 元は居酒屋さんだった店内は、すっかり「そばや!」といった雰囲気になっています。 何にしようかなぁ。 最初に届いたのは、かあちゃんが注文した「つけとろそば」 そんなにうらやましそうに見ないの! 続いて届いたのは、とうちゃんが注文した「十割鴨せいろそば」 山椒の香りと、肉厚の鴨肉が最高に美味! でも、汁の香りが強すぎ、折角の十割そばの香りが掻き消されてしまっているのは少し残念。 かっちゃんは定番の「十割天せいろそば」を注文。 写真を撮る間もなく、ぺろぺろっと食べてしまいました。 美味しかったねー。 また行こうね。 2009/04/04 【慈雲寺】 春休み最後の週末。 特に予定も無かったので、近くのお寺さんへ、桜見物に出かけることに・・・ 「イトザクラ」と呼ばれる、枝垂桜の巨木が境内にあります。 久しぶりのお出掛けで、テンション高めです。 すごくおっきいねー。 そのポーズはなんのまね? 地面に届くほど垂れ下がった枝には、満開の花が咲き誇っていました。 落ちていた桜を拾って御機嫌です。 かっちゃん11 子供たちメニュー かっちゃん13
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2010/01/04 【お正月ドライブ】 毎年恒例の「お正月ドライブ」 今年は、一昨年好評だった「静岡うまいもんツアー!」 笛吹川→富士川と川沿いを下り、県境近くの道の駅で一休み。 「たけのこの里」には目もくれず、「アーモンドチョコ」をGET! お目当ての市場は、初売り開始の一日前だったため、今回もアウト。 でも隣接のお店が開いていたので、こちらに入ることに。 以前訪れたときには、バイキング形式の海鮮物屋さんだったんだけどなぁ。 久しぶりに訪れたら、浜焼き?のお店に変わっていました。 お寿司やら、トロマグロの串焼きやら、ソーセージやら、たらふく平らげてきました。 港に来たら、取り敢えず「これ」でしょう。 岸壁近くには、小さなイカの姿が沢山見られました。 お疲れ気味のゆっきーも、漸く元気に。。。 この後、いちご狩りをしようと考えていたのですが、満腹でこれ以上無理!ということだったので、みんなで、三保の海岸を散策することに。。。 海風が強く、少々肌寒いのですが、子供たちは元気です。 ゆっきーは、石拾いに夢中。 そろそろ車に戻らないと、風邪ひいちゃうよ。 ガイコツみたいな「出っ歯顔」の石を発見! 自然界の神秘ですな。 白い石や、まあるい石や、ちっちゃな貝殻がお土産です。(まぁ安上がりだこと) でも、みんなが大好きな「これ」は、忘れずに買ってきましたよ。 2010/01/10 【おいちゃんのスキー教室】 今週、じゅんた君(5年生)のスキー教室があるということなので、急遽プレレッスンを開催することに・・・ 今日は、かあちゃんカメラマンが欠席のため、レッスン中の写真は1枚も無し。 初め、ブーツがなかなか固定できずにグズッていたかっちゃんも、夕方にはスイスイ滑っていました。 おちびさん組は、チイちゃんと、ネーネが一手に担当。 ご苦労様でした。 帰り間際に、みんなで記念写真を撮ったと思ったら・・・ 雪合戦勃発! おいちゃんを狙うんじゃぁねーよ。 痛くしないようにね・・・ 夕暮れ迫る中、雪合戦でおちびさん組をイジメた兄貴たちは、こっぴどく怒られたのでした。。。 かっちゃん16 子供たちメニュー かっちゃん18
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前へ 夜はパブとして営業しているその店。 この店にあるミニステージを使いたいから、そこを借り切って行うことにしたのだ。 梨沙子ちゃんの誕生パーティー。 もぉ軍団プレゼンツ。 参加者はもぉ軍団と、特別ゲストがひとり。それは彼女の一番の親友という愛理ちゃん。 愛理ちゃんには桃子さんが話しをしてくれたらしい。 言ってくれれば僕が愛理ちゃんのところに出向いてお願いしたのに。 まぁ、桃子さんが愛理ちゃんのところに出向いたのは意味があるんだけどさ。 それは、もう一つのサプライズ企画の件。それの打ち合わせも含めての軍団長の愛理ちゃん御訪問だったんだ。 そう、この誕生パーティー、梨沙子ちゃんに喜んでもらおうと、あるサプライズ企画を考えたんだ。 その企画とはこういうもの。 もぉ軍団と愛理ちゃんの4人でワイワイとパーティーをしていると、そこに突然雅さんが現れる。 そしていきなり始まるBuono!のサプライズシークレットギグ。 現れたBuono!の皆さんが、梨沙子ちゃんの誕生日を祝福しつつ彼女の目の前で歌う。 きっと梨沙子ちゃんに喜んでもらえるはず。 大学を後にして、その誕生パーティーの会場に向かうべく乗っている電車の中で僕は思い返していた。 桃子さんの発案したその企画を実行するために、雅さんのところには僕がアポイントを取りに行かされた(だったら愛理ちゃんにも僕がry)。 雅さんの通う大学に行ったそのときのことを。 * * * * 部外者が勝手にこんなところまで入り込んでいいのか若干ちょっとビビりながら、雅さんのいらっしゃるという場所へと向かう。 事情通の桃子さんから聞いていた通り、校舎内のその場所には雅さんがいた。 雅さんだ!! 視界に入ってきたその瞬間に目を奪われるような雅さんの美貌。 目の前にいるというのに、その存在にまるで現実感を感じられない。 思わずその場に立ち尽くしてしまいそうになるが、僕には軍団長から言い渡されている使命があるのだ。それを伝えなければならない。 僕は極度の緊張を感じながらも気力を振り絞って、その美人さんに何とか話しかける。 「あのー、すみません。嗣永さんの使者として伺った者なんですけど・・・」 突然目の前に現れた僕のことを、すごい目付きで睨みつけてきた。 あ、勘違いしないで。睨みつけてきたのは雅さんじゃないです。 その鋭い目付きで僕のことを睨んできたのは、あの村上さんです。 そう、雅さんの横にはあの村上さんがまるで彼女の親衛隊かのように張り付いていたのだ。 雅さんに近づくもの全てを警戒対象としているんだろうか。僕の来訪にも、その真意を見抜こうとするかのような鋭い視線を突き刺してくる。 なるほど、雅さんのもとへ桃子さんが自分じゃなく僕を向かわせたのは、こういうことだったんだ。 村上さんからそんな怖い目で睨みつけられて、僕はもうチビりそうだった。 そんなビビりまくる僕に対して、雅さんはフランクに話しかけてきてくれた。 「君、あの少年だよね。うわぁ、久し振り! あれ?でも、桃のお使いなの? 熊井ちゃんじゃないんだw」 そうだ。雅さんって意外とさばけた方で、僕なんかにもこうやって気さくに接してくれるんだった。 こんな美人さんだし、もっとツンツンとしているのかと思うけど全く違うんだよね。 まぁ、だからといって僕ごときが馴れ馴れしく話しかけられるような人じゃないわけで。だって、その美しさといったら・・・ 考えてみれば、僕が雅さんと会話を交わすのはいつ以来になるんだろう。 記憶にある限りでは、雅さんの最後の学園祭のときにお見かけしたのが最後だったような気がする。 もう1年半も前のことになるのか。でも、そのときには何かお話しをしたっけ? そんな雅さんを前にして、僕はもぉ軍団の計画している企画の詳細を説明する。 僕の話すその内容を真面目に聞いてくれた雅さんは、それで梨沙子ちゃんが喜んでくれるなら、と快諾してくれた。 「めぐも来てくれるでしょ?」 そう聞いた雅さんに対して村上さんは固い表情を崩さずに答えた。 「私はその日どうしても外せない勤務があるんだ。だから行けない」 そう言いつつ、ちょっと不満そうに僕のことを睨みつけてくる。 その表情。こ、怖いよ・・・・ 村上さんのことだからこのライブには代休を取ってでも来るのかと思ったけど。 でも、そんな目で僕を見られても。 村上さんの勤務シフトがどうかなんて、そんなの知らんがな。それは僕の責任じゃないでしょ、普通に考えて。 「まぁ、いいけど」 僕に向けてくる表情とは打って変わって優しげな表情で雅さんに向き直る村上さん。 「みやび、菅谷さんのことをしっかり見てきてあげて。私が行ったら雅は私のことばっかり見ちゃうだろうから」 自信たっぷりにそう言う村上さん。すごいな、その俺様思考。 なるほど、完全に上から目線なんですね。 * * * * そんな雅さんの元での出来事を思い返しながら僕がやっと着いたとき、店内のミニステージにはまだBuono!の皆さんが立っていた。 ちょうど一曲終わるところ。 どうやら何とかライブ中に間に合ったか!良かった!! 「お ~ そ ~ い ~ !!」 独特の黄色い声がマイクを通した大音量で耳に突き刺さってきた。 その声に反応してステージに目を向けた僕。 真っ先に僕が目を向けたのは、その黄色い声の主・・・ ・・・ではなく、センターに立つ愛理ちゃんだった。 視界に入ったその瞬間、彼女のその姿に目が釘付けになる。 か、かわいい! かわいすぎる!! 華やかな衣装に身を包んでいる愛理ちゃん。 今日はポニーテールなんだ! 愛らしい髪型が彼女にまた似合ってて。 そのかわいらしさといったら・・・ カワイイにもほどがある!! そのとき、愛理ちゃんは現れた僕に視線を向けてくれた。愛理ちゃんがステージから僕を!? しかもただ顔を向けてくれただけじゃない。何と愛理ちゃんは僕を見て微笑んでくれたんだ。 たぶん、幻覚なんかじゃなかったと思う。けど、現実感が感じられなくて。 だから定かじゃないんだ。その瞬間、意識が一瞬飛んでしまったし。 瞬間的にフワフワとした感覚に包まれてしまったが、客席側を見るとこれがまたエライ濃い空間になっていた。 シークレットライブなんだから、このステージを見ているのは僕らだけのはずなのに。 それが、まるで満員の客で埋まっているかのような盛り上がりとなっていたこの空間。 それは、たった一人で100人分の戦闘力を誇るこの人の力によるところが大きい。 Buono!ヲタならその名を知らぬ者はいないという伝説の人物。 本日の主役。 次へ TOP
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454 名前: NPCさん 2001/08/05(日) 17 55 昨日チャットRPGやりました。 ゲーム関係のチャットの常連が中心(10人程)になってやってます。 昨日はパーティー内で最も剣技が優れ、最も頑丈な戦士がリーダーでした。 プレイヤーが普段から場の空気を読まずに自分の話しかしない人であること、 そしてお約束のようにキャラが14才の美少女でレズビアン(プレイヤーは男) であったことから先行きは不安でイッパイだったことは公然の秘密です。 そして案の定好き勝手に暴走します。 依頼人との交渉では 「朧(彼のキャラ)は酒飲んで気分悪いから話しを聞いといて。……うにゅ~」 今後の行動についてプレイヤー同士で意見が真っ二つに割れた時の発言は 「朧はこうしたいんだけどなあ。うう、板挟みだなあ、リーダーってつらいなあ」 どんな時も人に意見を求めないで「朧は」しか言いません。 司会進行は他の人が(自主的に)つとめました。 ちなみに戦士なのに戦闘中体を張らない事を強めに注意したら 「キャラじゃなくてプレイヤーに辛く当たる人がいるのは納得できない」 と言われました。そんな彼がちょっぴり羨ましかったです。 ちなみに、彼に切れたのは私で3人目です。 他にも「ドラえもん、彼と一緒にプレイするのは疲れたよ」と言って 以後はマスターに専念した人が一人います。 どうも相手にされていないのを『自分の悪ノリが許容されている』とかん違いしているようです。 彼の実績としては「一緒に組みたくない」と他のプレイヤーに直接言われたこと1回、 マスターに「君、退場(冗談じゃなくてホントにチャットから落された」と言われたこと1回と なかなかの物なのですが、それでも足りないのでしょうか。 私も以後は彼がいる時の参加は控えようと思っています。 455 名前: NPCさん 2001/08/05(日) 23 28 454 ログ読ませろよ。 456 名前: NPCさん 2001/08/06(月) 00 00 454 彼に切れたのは 結局きれたんかい(藁 457 名前: 1D100 2001/08/06(月) 06 13 うーん、その悪行はさらしageの意味で確かに読みたい…… >最も剣技が優れ、最も頑丈な戦士がリーダー この枕詞では、颯爽と板金鎧を着込んだ体格の良く懐の広い男を想像し、 2行後で >14才の美少女でレズビアン(プレイヤーは男) ……かなり、「まだこんなことやってる奴がいるのか……」と藁ってしまいました。 >戦士なのに戦闘中体を張らない イタいキャラでも、一番頑丈なら盾ぐらいにはなれっての! しかもリーダーだろ? リーダーシップを身を以て発揮しろ! その前に出ない?PLの言い訳が見てみたいです。 ……すいません。俺イタいPLを見ると禿しく罵倒したくなるので。 458 名前: NPCさん 2001/08/06(月) 07 26 これ、なんのゲーム? 朧ってことは和系? ファンタジーで無理矢理漢字の名前つける奴も痛いよね。 459 名前: NPCさん 2001/08/06(月) 07 32 サムライとかニンジャは別としてな。 460 名前: NPCさん 2001/08/06(月) 09 12 挑発しちゃえばいいんだよ、そのキャラに。 つかその朧ちゃんに、ソースひっかけちまえ。泥の中でころばせちまえ。 デカイモンスターを「頼むぜ!」で押し付けちまえ。ファンブルでかっぱ頭にしちまえ。 「朧はこうなったよ」ってマスターにいわせるようにしむけれ。 そこまではっきり嫌わないとだめだな。 ロールプレイだっていいはるんだろうから、ロールプレイのなかで苛めてやれ。 461 名前: NPCさん 2001/08/06(月) 10 12 他のPC全員レズファビアにしちゃえ。 で、皆で迫害したれ。 462 名前: 454 2001/08/06(月) 17 19 ルールはチャット用に作ったとても簡素なオリジナルシステムです。 舞台はファンタジー世界。 怒られると落ち込むんで「反省した」なんて言うんですが、 その反省が次に生きたことがこれっぽっちも無いことを考えると 現代っ子(しかもオタク属性)の典型例なのかもしれません。 493 名前: NPCさん 2001/08/14(火) 02 48 この間の朧ちゃん( 454参照)。チャットRPG反省会にて 朧ちゃん:あー、キャラとしてどう行動すればいいか、わかんなくなっちまいましてぇ。すいませんね。 PL1:キャラとしてはいつも通り意味不明のことを一人でつぶやいてるという感じでしたね。 PL2:げはははは(笑) GM:まぁいつも通りでしたな。 朧ちゃんはこの直後から沈黙。その後挨拶も無しに落ちました。 傷ついたみたいだけど、次回も何事も無かったかのように 参加するんだろうな。今までの彼の行動を見ていると。 518 名前: NPCさん 01/08/26 14 42 UNIX板のみなさんに感謝しつつ、先日の朧ちゃん( 493参照)報告。 依頼人との交渉時、 朧ちゃん:「ぴこぴこスレイヤー*が、曇ってる……?」*注)自分で名づけた魔法剣 朧ちゃん:(この曇り……レモンのヘタで取れるかな?) と独り言。交渉相手には、 朧ちゃん:「もう面倒くさいから、知ってる事全部教えて。そのほうが手間が無くていいわ」 ダンジョン侵入しても今までパーティーを犠牲にしてため込んだ魔法剣(2本所有) を誰にも渡さず、作戦タイムでも他のPLの提案を「それはどうかな」と否定するのみ。 一番力が入っていたのは当然キャラロールの独り言(つまり誰も相手にしない)。 特に朧ちゃんがアンデッド相手に対アンデッド用の魔法剣ではなくお気に入りの 魔法剣を使おうとしてあっけなく気絶させられてからの他のPCへの罵倒は圧巻でした。 あくまでも自称キャラロール、しかも気絶中の夢とか電波なんだそうです。 なんか、ここまで来ると格好良いですよね。 こうなることはわかっていたのに、好きなGMだったのでついつい参加した 自分が間違っていたのかもしれません。 ……幼稚園の先生が疲れる訳だ、と言うのが今日の感想でした。 533 名前: 愚痴り続けた奴 01/08/29 01 31 ID mpVVkPbs いつもガス抜きさせてもらってます。自称朧ちゃんの被害者です。 最近では今まで表立って切れてた人達が朧ちゃんを無視することに 決めたようで、実質野放し状態です。もとから一人で訳のわからない ことを言い続けて盛り上がっていた朧ちゃんは何も気付いてない様子 ですが。 454にある通り正面切って注意or切れる人もいたのに全く態度を 改めないのでみんな諦めた様子です。 メンバーは自分を含めてほぼ全員がTRPG未経験なので、やはり この板に書いてあるような強行手段をとるのはみんな気が引ける ようです。それにあくまでもチャットがメインで、有志で遊んでる だけなので変に波風を立てられないというのがあります。 ということなので、すいませんがウォッチは勘弁して下さい。 これ以上は板違いですね。チャットの嫌な常連対策スレでも探します。 でも、朧ちゃんの愚痴はこぼさせて下さい。どっかで発散しないと 正直やってられません(w 582 名前: 454 01/10/28 08 00 お久しぶりです。ほぼ2ヶ月振りに朧ちゃん( 454参照)の話を一つ。 先日行われたチャットRPGのセッションでのことです。 そのときの朧ちゃんプレーヤーのキャラはパーティー唯一にして、 HPが理論上ほぼ最低の僧侶キャラでした。 さて、セッションの進行とあまり関係のないネタでゴブリンを食材にした料理の レシピが出たのですが、その時たまたま料理番だった彼は調理の失敗を理由に、 ①誰にも何も言わず、②単独で、③ゴブリンを狩りに行きました。 この時私はある期待を胸に秘めていた訳ですが、GMはその期待に見事に応えてくれました。 ゴブリンの集団を発見→見つかる→タコ殴りの上で死亡。記念すべき初の死亡キャラの誕生です。 ちなみに、以前からパーティーの薬箱としての自覚が無いんじゃないかとこぼしていた GMが今回でついに堪忍袋の尾が切れたようで、朧ちゃんの必至の努力をもてあそぶ様に 止めを刺します。(後のGMのコメントは「あそこまで悪ノリされちゃなあ」) GM:ゴブリンに完全におさえこまれました。そして残りのゴブリンもやってきました。 朧:では、説得しましょう(笑 毅然とした態度で GM:ゴブゴブ騒いでいます。言葉が通じないようです。 朧:堂々とした態度でゴブリンの声を真似ます 適当に GM:どうやらうまく真似られたようです。 GM:しかし、どうやらケンカをふっかけるような言葉だったようで、怒っています。 GM:っていうか、刺されて死亡。 GM:チーン。 その後は反省会で吊るし上げ。言い訳にならない言い訳を披露して場をヒートアップ させた後、例によって猿でもできる反省をかましてバックれました。 非常に後味の清々しいセッションでした。次は……無かったら良いなあ。 597 名前: NPCさん 01/11/26 07 22 582のセッション時のマスターをつとめた者でございます。 例の朧ちゃん(戦士)は存命でして、先のセッションにおいて死亡したのは、 朧ちゃんのプレイヤーの操る別キャラクター(僧侶)であります。 キャラはかわってもプレイヤーが同じである限りは、 やはり少々アレな行動をするものなのでございますねえ。 いやはや。 逝けてるRPGゲーマー募集!!
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「あっ・・・あの、私、覚えてます?あの・・・」 思わず興奮して話しかけると、美人さんはずいっと顔を近づけてきた。 顔近っ!でも目を逸らしたら負けのような気がして(何がだ?)、至近距離で私たちは見つめあう。 しばらくするとその目力が少し和らいで、ちょっとだけ口角が上がったように見えた。 「・・・あー!」 「思い出してもらえました?」 「あ、あー、あ、あの、うーん。・・・アハハ。」 ――そうですか、覚えてないんですか。 「ほら、昨日私、校庭を覗いていて・・・」 「・・・あー!」 「思い出してもらえました?」 「あ、あー、あ、あの、うーん。・・・アハハ。」 どうやら見かけによらず、かなりの天然さんのようだ。鋭かったはずの目がふにゃっと和らいで、人懐っこい笑顔が現れた。 「あら、面識がおありだったんですか?」 「はい。・・・でも覚えていらっしゃらないみたいですけど。とかいってw」 「いやー、私実は学校でもニワトリ生徒会長なんて呼ばれてて。そのこころは、3歩歩いたら全部忘れちゃうから。とかいってw」 「「ぷっ」」 ゆるゆるなやり取りが当人ながら面白くて、私と美人さんは顔を合わせて笑いあう。 何か、同世代の子とこんなやりとりをすることが久しぶりで少し面映い。この人が近くに住んでいてくれてよかったな、なんて思った。 「えっと、紹介します。こちらは矢島舞美さん。この寮に住んでいらっしゃいます。高等部の2年生で、先ほどおっしゃってたように、学園では生徒会長もなさっています。」 「へー!」 「まあまあ、私は何にもできないんですけど。副会長とか、生徒会のメンバーにいっつも“頼むよー!”なんて突っ込まれてるし」 そういって照れくさそうに私の肩をばしばし叩く。・・・痛いがな。 「で、こちらが村上愛さん。お屋敷でメイドとして働くことになったので、今日は皆さんにご挨拶を。」 舞波さんにうながされて、私は咳払いをひとつ。昨日鏡の前で練習した“貞淑なメイドスマイル”を披露しつつ「よろしくお願いします」と微笑みかけた。 「あははははは。こちらこそよろしくお願いします。」 ――なぜ笑う。 「ところで舞波さん、お嬢様は?」 「えと・・・調子がお悪いみたいで。お部屋で休まれてます。」 「そうなんだ。私まだお嬢様と話すの緊張しちゃうんで、今朝勇気を出してランニングに誘ってみたんですけど、顔近すぎた上に噛みすぎて何言ってるかわかんなかったみたい。怯えた顔して逃げられちゃいまいました。あはは」 「うふふ。また誘って差し上げてください。お嬢様は外遊びが大好きなので。」 ――たしか、舞波さんは一週間くらいここでメイドさんを居るといっていた。ということは、舞美さんよりお嬢様と密に接している期間は短いはずなのに、完全に立場が逆転している。 「・・・それじゃ、私ちょっと走ってくるんで。愛さん、舞波さんまた今度。」 「はぁい。」 なんだか掴みどこのない人だ。さわやかに笑いながら、舞美さんは林道のほうへ走っていってしまった。 「よかった。舞美さんとは早く仲良くなれそう。」 独り言半分でそうつぶやくと、舞波さんは「それはよかったです。」とえくぼを見せて笑った。 「いなくなる前に、めぐさんにお友達が出来たら私も安心。」 「・・・・・・え?いなくなるって、誰が?」 「あれ?ごめんなさい、言い忘れてたかも・・・ 私、あと1週間でここを出て行くんです。」 「えーっ!!!」 驚いて大声を上げてみるものの、なるほど確かにそれなら合点がいく事もある。 お嬢様は、大好きな舞波さんが出ていく事を喜ぶわけがない。私がお屋敷で働くとなると、引き止める理由に使えそうな“従業員不足”は解消されてしまう。それで、私はあんなに拒まれたのか。 「・・・ちょっと、急ですね。」 「はい。あ、でも引継ぎ事項はすべて終わらせますから。」 「いや、そういうことじゃなくて・・・」 “舞波ちゃんがいればそれでいい”そこまで言っていたお嬢様が、あと1週間で気持ちの整理をつけることなんてできるだろうか。昨日今日の様子じゃ、とても難しいことのように思える。 かつて私が雅の言葉を残酷に断ち切ったように、いざとなったら舞波さんもお嬢様を自ら遠ざける?でも舞波さんは私なんかとは違って、思いやりにあふれた人だ。そんな強硬手段で、お嬢様を傷つけるようなことはしそうにない。 「千聖お嬢様のことでしたら、大丈夫です。」 「えっ・・・」 私が思考の迷路に迷い込みかけていると、舞波さんがそっと肩に手を置いた。 「といっても、まだ全然納得はしてくれてないんですけど。」 「舞波さん・・・」 「でも、私がいてもいなくても、大丈夫なお嬢様になってもらわないと。」 「舞波さんが、いなくても・・・・?」 心臓を、乱暴にわしづかみにされたような感覚。 だって、それは、私が雅に投げつけた言葉と・・・ 「めぐさん?大丈夫ですか?顔色・・・」 「大丈夫。寮の中の案内お願いします。本当、なんでもないから」 きっと舞波さんは、私が何かに動揺していることぐらいお見通しだと思う。それでも私は、何でもないと虚勢を張ることでしか、この今にも溢れそうなそうな思いを食い止めることができない。 「・・・そうですか。では、中へ。気分が悪くなったら言ってくださいね。寮生さん、あと1人なので。」 「はい。」 大丈夫、大丈夫。 こうやって何かしらやることがあるほうが、気が紛れるというもの。動揺をポーカーフェイスで隠しながら、私は舞波さんに促されるまま、寮の中へと入っていった。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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2010/07/31 【よっこと清里へ】 暇な一日。どこかドライブに出掛けましょう。 なんとなーく、清里方面に走り続け、大泉辺りで小休止。 小腹がすいたので、お蕎麦を頂くことにしました。 御夫婦で切盛りしている様子のお店は、観光道路沿いにあることもあって、結構な賑わい。 今日は「よっこ」も一緒です。 少々お高い「山菜の天ざる」を頂きました。 当然支払いはよっこ持ち。 ゴチです。 「虫が入っちゃうから・・・」と厳しく言われた入り口にて、パチリ。 何の目的も無いまま野辺山まで進み、とうもろこしやら野菜やらを買い込んで帰路につきました。 天気はいまひとつだったけど、気持ちの良い、日帰りショートドライブでした。 2010/08/01 【かっちゃん11歳】 今日は、かっちゃんのお誕生日。 リクエストにお答えして、フルーツ満載のケーキをオーダーしました。 それっ消せ! それっ食え! 2010/08/04-5 【新潟旅行】 今年の旅行は、「きれいな海希望」とのことで、かっちゃんが強く御推薦の新潟に行くことに。。。 どうよ。どうなのよ。 兄妹仲良く楽しんでいる様子なので、まあOKってことなんでしょう。 晩御飯も、海の幸満載で満足。 ゆっきーの御飯もすごいね。こんなに沢山食べられる? 翌日は、一転してお山にGO! 右手に妙高を眺めつつ、黒四を目指します。 車に乗りっぱなしで、少々お疲れ気味。 木の枝からブランコがぶら下がっていた御蕎麦屋さんで、ひと休み。 どう? 疲れた? あんまり疲れていないようです・・・ お蕎麦を食べると言いつつも、ヤマメの唐揚げをつついている息子。 程無くして、扇沢に到着。 日差しは強いけど、吹く風がとっても心地いいです。 待望のトロリーバスに乗車。 バスは、力強く、ぐんぐんと山道を登っていき・・・ 終点「黒部ダム」に到着!。 さっ寒ぅ。。。 昔の人たちが、大変な苦労をして築き上げた、巨大建造物を目の当たりにして、彼はいったい、何を感じたのでしょうか。 2010/08/28 【がんばります】 夏休みが終わり、前期後半がスタート。 元気に頑張ります! 2010/08/31 【水泳記録会】 トドのようなおなかをしていても、大活躍しちゃうよ!の水泳記録会。 今年もイイトコロ見せちゃってくれよ! お友達の大応援を一身に受けて・・・ しっかし、すっげー腹だな。とうちゃんよりデカイぞ。 メドレーリレーも、ぐんぐん進み・・・ かっちゃんチームは、二位以下を大きく突き放し、トップでフィニッシュ! うんうん よかったよかった。 来年(6年生)は、街の記録会もあるし、期待しているよ! 2010/09/14 【シンメトリ】 はははっ。 流石ごきょうだい。 同じ格好をして、寝ています。 かっちゃん19 子供たちメニュー かっちゃん21
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少年が滑り台の脇の段ボールからする声の主に、恐る恐る近づいていくとまだ生まれてから間もない仔犬がいた。 犬の種類など全然知らない少年には、仔犬が茶色くて丸いぐらいしかわからない。 少年はしゃがみこみ、仔犬の掌にすっぽりと納まる小さな頭を撫でた。 「どうしてこんなところにいるの? お名前は?」 仔犬は少年を見上げ、クゥーンと鳴き声をあげた。 少年にはその鳴き声がまるで『僕はお腹が減っているから食べ物を分けて』とでも言っているように聞こえた。 空耳かとも思ったが、食料品の入ったレジ袋に頭を突っ込んでくるあたり、あながち嘘でもないらしい。 お腹が減っている仔犬は可哀そうではあるが、これをこの子にあげるわけにはいかないのだ。 家にはこの子同様にお腹を空かした妹たちが、今か今かと兄である少年の帰宅を待ちわびている。 しかし、少年に抱きついて離れようとしない仔犬の姿に弱り切った少年は、チャーハンの具にするはずだったハムを分け与えることにした。 「餓えて死ぬのなんて可哀そうだよ。君の気持ちは痛いほどわかってるよ」 ハムを食べやすいサイズにちぎっては与え、ちぎっては与えを繰り返した。 元気よくハムにとびつく姿を眺め、少年はこれでよかったんだ、と自分に言い聞かせた。 妹たちの分をあげるわけにはいかないので、自分の分相当のハムを与えると再びレジ袋へと戻した。 「ごめんよ。後のものは妹や弟たちにあげないといけないんだ。もっと食べたかったら、僕なんかよりお金持ちの人に拾われなよ」 名残惜しくはあったが、情が移る前に自分はここを立ち去らねばならない。 両親が健在だった頃、情が移っては動物を拾って家に連れ帰り、その度に親に怒られていた。 そんな時、親は決まって『うちには動物を飼うお金がありません』と言ったものだ。 あの頃と比べて、より一層ひもじい生活を送る今、当然飼えるはずがない。 なのに、 「コラ、ついてくるな。しっし!! 僕は本気で怒ってるんだぞ」 手を振り追い払おうとするも、仔犬はしつこく少年を追いかけてくる。 「ダメだって言ってるじゃないか。僕の家じゃあ飼うお金もないんだ。だから、困るんだって」 こんなやりとりを何度繰り返しただろうか。 とうとう仔犬は千聖の家の前までついてきてしまった。 どんなに本気で怒ろうとしても怒れない自分の甘さが招いたとはいえ、これは妹たちにみせていいのだろうか。 もうここまでついてきたら仕方ない、そんな思いに駆られ少年は仔犬を家族の一員に認めることにした。 「ふぅ~仕方ないな。頑固な君に負けたよ。まぁ、家族にするには名前がないといけないね。えぇと、そうだ、君の名前は段ボールからみつかったからダンね。 そして、僕の名前は岡井千聖。よろしくね」 ダンをどう紹介しよう、まぁ何とかなるだろう、千聖はそう思うことにして、玄関を開けた。 ←前のページ 次のページ→