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韓国ドラマ コクドゥの季節 あらすじ人間に天罰を下すため、現世へと降り立った死神のコクドゥ(キム・ジョンヒョン)。コクドゥは人間になりすますため、自分と全く同じ容姿をもったト・ジヌに憑依し、現世での生活を始めることに…。一方、医者であるハン・ゲジョル(イム・スヒャン)は、新しく就職した病院で自分の味方をしてくれるト・ジヌに一目ぼれをする。いつかある男がある女を愛した。予想もできなかった別れが二人を訪れ、どうしても女に会いたかった男はあの世で女を待ち続けた。しかし、いくら待っても男は女に会うことはできず、自分が誰なのか、誰を待っていたのかも忘れてしまった。そしてその男は、神の怒りをかってしまい、呪いでコクドゥにされてしまった。誰も愛することができない死神になってしまったのだ…。コクドゥが待ち続けた、ただ一人の女が死神になってしまったコクドゥを愛していると言う時まで、コクドゥは悲しく残酷な人生を生き続ける。永遠に…。しかし、99年ごとに一度、99日間現世に降りていき、彼女を探すことができる奇跡のような季節がある。その約束の日、コクドゥは自分と全く同じ顔の人間、ト・ジヌの体に憑依したまま目を開け、コクドゥの季節を始めるコクドゥの季節 。
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2000年代 2005年 1月21日、田尾安志新監督が中継で生出演 この日出演したモーニング娘。の新曲「THE マンパワー!!!」が東北楽天ゴールデンイーグルスの応援歌であるという縁で、当時同球団の新監督であった田尾安志が仙台からの中継で生出演を果たし、「モーニング娘。に負けないように頑張ります。」とコメントした。共演のSMAPの中居正広は後日『SMAP×SMAP』で田尾のパロディコント披露した(コントタイトルは「百天イーグルズ~がんばれ!田応くん~」)。なお、モーニング娘。は東北楽天ゴールデンイーグルスのユニフォームの複製品(「E」が「モ。」になっている)を着て「THE マンパワー!!!」を熱唱した。因みに、この日は当時リーダーであった飯田圭織のラスト出演の日でもあった。 2月4日、KAT-TUN中継でテレ朝×日テレ共演 日本テレビ系ドラマ『ごくせん』挿入歌の「絆」と新曲「GOLD」をこの日、同ドラマにメンバーの亀梨和也と赤西仁が出演していた縁で他局ながらドラマの教室セットから中継で披露した。同ドラマ主演の仲間由紀恵はこの日コメントで出演した。 4月1日、ZONEが急遽連続出演でラスト 前回の「笑顔日和」披露でラスト出演の予定となっていたZONEだったが、4月1日の解散ライブが金曜日だという事で、日本武道館からの中継で急遽出演が決定した。この日の3時間スペシャルのトリにおいてウエディングドレス姿で自身最大のヒット曲「secret base ~君がくれたもの~」を号泣しながらフルコーラス披露した。因みに、解散ライブ(即日解散での)をMステで行うのは2000年3月31日の春SPのSPEED以来史上2組目である。 4月29日、弥次さん喜多さんがテレビ独占出演 宮藤官九郎脚本で話題になっていた映画『真夜中の弥次さん喜多さん』に主演した長瀬智也と中村七之助が映画の役の衣装でテレビ独占出演、劇中で使われた楽曲「真夜中の弥次さん喜多さん」と「東海道で行こう」を披露した。トークではタモリと共にカツラの話で盛り上がった。このときは、ジャニーズ事務所所属アーティストとしては、珍しく長瀬がサインを書いていた。 5月27日 謎のユニット「トンガリキッズ」TV初登場 メンバーの「ハニホヘニハー」は欠席したが、他のメンバーがマリオにふんして出演。番組からオファーがきたのは何と出演の3日前だったらしい。12月23日の「SUPERLIVE2005」にも出演したのだが、結局メンバーは一緒であったが、衣装だけはマリオのサンタバージョンで出演した。ハニホヘニホーが出演しなかった理由は「ある大人の事情があったから」という。その大人の事情は現在でも不明である。ちなみに、トンガリキッズの他のテレビ出演でもハニホヘニハーが出演したことは一切無い。 6月3日~17日 KinKi Kids、「魚」(剛)VS「車」(光一)、どっちの話をしたらエエんや! 歌詞間違え 6月3日の回では、剛の「魚」の話と光一の「車」の話が対立し、トークができず、放送終了後番組史上初の視聴者からの緊急投票を1週間行なう事になった。 翌週の10日の回でその結果、剛の「魚」の話に決まったが、それでも負けた光一が「車」の話で邪魔をしてしまい結局数秒でトークは終了。その後「ビロードの闇」(2回目)を披露する回でもあったのだが、光一が「僕らは見ることさえ許されないだろう」を「僕らは一人で打ちひしがれるだろう」と歌詞を間違えた。そのためか剛も笑ってしまい、「砂漠のように辛辣(しんらつ)な」を「砂漠のようにこの街で」と間違え、次のパートが歌えなかった。 翌週の17日にもKinKiが出演し、検証VTRが流された。この日の回は何とか間違えずに最後まで歌えたものの、この出来事は本人たちがネタにする程の珍事件となった。剛はこの事件を「3回打ちひしがれた事件」と称している。その理由は、歌詞を間違えて2回『打ちひしがれた』事、そしてKinKi Kidsも打ちひしがれたから(2つ共本人談)。と語っている。 ちなみに、これ以来敗北した光一の車関連のトークはMステでは一切禁止となっているらしく、翌年7月14日の光一がソロで出演した際、車の話題を出した時にADから「Mステでは車の話NG。誰か奴を止めて」というカンペが出された。 7月29日 GLAY×EXILE、テレビ独占の「SCREAM」 2005年当時世紀のコラボレーションとして大きく話題になったGLAY×EXILEがMステ完全独占出演、「SCREAM」を披露した。この日以来この場でこの曲が披露されたのは翌年3月のEXILEのライブにGLAYがサプライズ出演した時のみである。 8月19日 和田アキ子、Mステ11年ぶりの出演 m-floと共にリリースしたシングル「Hey!」のヒットを受けて和田アキ子にとっては1994年6月24日以来11年ぶりとなるMステ登場を果たした。ファン200人を集めてのライブ形式での曲披露を見せた。 8月26日1 笑金オールスターズが全員集結で『Mステ』『笑金』夢の共演 当時Mステの次に放送されていた『笑いの金メダル』(後に日曜夜7時58分に移行)にてウルフルズのトータス松本プロデュースで結成された笑金オールスターズがMステに初出演(竹山隆範のみは1月にJanne Da Arcの応援で出演経験があるので2回目)を果たした。この日は同番組が「Mステ出演記念!生放送SP」であったので笑金メンバーが特別に全員集結して「ココロ花』を披露した。因みにこの後の番組生放送SPで同番組司会の三宅裕司は「鉄拳が笑顔で歌っててびっくりしたよ!」とコメントしていた。またこの日共演した中島美嘉もお笑い好きであったが会いたかったというアンガールズは出演しなかった(後に『うたばん』で共演)。 8月26日2 NANA starring MIKA NAKASHIMA、テレビ独占のオリジナルバージョン この日、映画『NANA』に主演し主題歌を歌ったNANA starring MIKA NAKASHIMAが出演、「GLAMOROUS SKY」を披露した。オリジナルバージョンの披露はこれが最初で最後であり、「SUPERLIVE2005」での同曲の披露は全てアコースティックギター1本の伴奏による「アコースティックver.」で対応した(他の音楽番組においても同じ)。 応援には作曲者であるHYDEが駆けつけ、曲披露ではギターを特別に担当した。 10月28日 亀梨和也 歌詞間違え「ヤベッ」 修二と彰が初登場し、「青春アミーゴ」を披露。が、亀梨和也が「胸をよぎる」という歌詞を「胸を騒ぐ」と間違え、思わず「ヤベッ」と言ってしまった。これは翌週の11月4日の放送で検証VTRでも流された。 11月4日 小池徹平、初登場で男泣き この日、メジャーデビューを果たしたWaTがテレビ初出演。音楽番組に初めて出演した小池徹平は緊張と感動でデビュー曲「僕のキモチ」曲披露中で涙を見せながら熱唱した。この事が大反響になり翌々週にも再登場、VTR付きで初出演時を振り返った。因みに、初出演で涙をこらえて歌いきったウエンツ瑛士には「徹平が泣いてるのを見てお前も焦って泣こうとするな。」という否定的な意見が来たらしい。 12月2日 浜崎あゆみ 宇多田ヒカル初共演 『平成の歌姫』と常に比較され続けた浜崎あゆみと宇多田ヒカルが初共演を果たした。 12月23日 B'z、恒例の爆発なし 「SUPERLIVE2005」のトリを務めたB'z。クリスマス直前ということで特別披露となった「いつかのメリークリスマス」とテレビ初披露となる「OCEAN」の2曲を披露した。この2曲は共にバラードであったため、毎年恒例となっている爆発物は今回は無しとなった。ちなみにその代わりとして、紙吹雪とレーザー光線の演出が使われた。またこの年の爆発付きライブはSMAPが担当した。また、2006年のスーパーライブのトークの時はタモリが2人に「今年はあるの?」と聞いていた。ちなみにその時の稲葉の答えは「どうでしょうかねえ。」だった。そして、「衝動」の最後のサビの最終部で爆発があった。 2006年 3月17日 KAT-TUN、デビュースペシャルライブを中継 この日、先週に続きKAT-TUNが出演。東京ドームでのデビューライブからの中継で「Real Face」を披露した。オープニングトークではライブ観客5万人全員で「タモさ~ん!!」コールを行い、タモリは「何か俺が東京ドームでやってるみたい」とコメント。ちなみに、この「Real Face」はMステでスーパーライブ含め計5回披露している。また、その日観覧に当時お騒がせであった森進一が来ており、カメラに映ると笑顔を見せた。なお、当スタジオには仲間由紀恵 with ダウンローズとしてMステ歌手初出演を果たした仲間由紀恵もいたため亀梨和也・赤西仁とは事実上の再共演となった。 4月21日 EXILE緊急集結 前月の3月を持って脱退していたSHUNだったが、ファンの強い要望もあってかこの日に6人が緊急集結。200人のファンと共に事実上のラストライブを開催し、新曲「YES!」とデビュー曲「Your eyes only~曖昧なぼくの輪郭~」を披露した。トークでは「脱退してもいつまでも仲間なので。」とHIROがコメント。SHUNは涙をこらえながらの熱唱で曲披露終了後のCM中にはATSUSHIと強く抱き合っていた。 4月28日 交際報道の亀梨和也にタモリが意味深な質問 この前日(4月27日)にある女優と交際が報じられたKAT-TUNの亀梨和也がグループとして生出演することもあり、亀梨のコメントが注目されていた。当然ながら、亀梨本人から交際について触れたものはなかったが、オープニングで、他メンバーから「ライブツアーを開催中」と言う話が出た為、タモリが「順調?」と交際とライブを引っ掛けた意味深な質問をした(亀梨はただ笑う程度であった)。このタモリと亀梨のやりとりは翌4月29日に一部スポーツ紙も報じていた。 5月26日 山下智久ハプニング(1) 歌詞間違え、口パクがバレる アイドルグループNEWSのメンバーである山下智久が、ソロデビュー曲「抱いてセニョリータ」を披露するために出演した際、途中の歌詞を間違えてしまった上、サビの部分で、山下が誤って手をマイクスタンドにぶつけてしまいマイクスタンドが転倒。にも拘らず、山下の歌声がそのまま流れたというハプニングがあり、この出演時の山下は「口パク」で歌っていた事が全国的にオンエアされてしまった(但し、歌詞を間違えた部分は口パクではないため、サビのみが口パクだった可能性もある。そのため、サビのみきれいな声である)。倒してしまったマイクスタンドはバックで踊っていたジャニーズJr.の二階堂高嗣が踊りながら元に戻した。なお、山下はエンディングで恥ずかしそうに「間違っちゃった。」とコメント、苦笑していた。また、12月22日の「SUPERLIVE2006」でもサビの歌声が二重に聞こえており、一番は途中で気付いたのか普通の「口パク」に戻っていたが、それ以降は二重に聞こえている。なので、サビのみ異様に歌声が綺麗に聞こえる。山下は母親に電話で「ださっ!!」と言われてしまったらしく、妹がその時にカバーに入り、「人間なんだから」と慰めてくれたらしい。また、今回の事件でかなり影が薄くなってしまったが、曲の披露中にカメラミスがあり、まったく関係ない映像が一瞬放送されてしまった。 6月2日 山下智久ハプニング(2) ステージに亀梨和也が乱入 口パクがバレた回の翌週にも出演した山下。今回は無事に「抱いてセニョリータ」を歌い終えると思われたが、スタジオに突如亀梨和也が登場し、ステージに乱入。山下は「抱いてセニョリータ」を歌いながら亀梨と共に「青春アミーゴ」のダンスを決め、修二と彰のプチ復活が実現した。披露後、山下は「お客さんが興奮してステージに上がってきたのかと思った。また歌詞間違えるかと思った。」とコメント。ただ、実際に亀梨が登場した瞬間の山下は確実に驚いていて、何かつぶやいていたが、流れてくる歌声はそのままであったので、やはりサビの部分だけ口パクの可能性は大である。しかし、これはスタッフ並びに他の出演者が全員知っていた事であり、山下だけに知らされていなかっただけであり、いわゆる「どっきり」であった。出演時亀梨は自身が主演していたドラマのロケの合間を縫ってテレビ朝日に来ていた。 9月8日 KIYOSHIとウルトラ兄弟が共演 この日、KIYOSHI(氷川きよし)が劇場版『ウルトラマンメビウス ウルトラ兄弟』の主題歌「未来」を披露。ウルトラ兄弟と共演した。 10月27日 橘慶太(w-inds.)本番直前にギターが破損 ソロ歌手として初出演した橘慶太が使用するアコースティックギターを、本番直前にスタッフが誤って落下破損させる事故があった。この日共演したTHE ALFEEの坂崎幸之助が事態に気づき、自分のギターを使用するよう提案。急遽、スタッフが坂崎のギターを手配、本番で橘は坂崎のギターを借用して「道標」を披露することとなった。この事件は翌日橘が出演したTOKYO FM「COUNT DOWN JAPAN」の中で本人より明らかにされた。なお、本事件並びに橘が現在まで当番組出演歴のないw-inds.のメンバーであること、また本番中のトークで橘がw-inds.のメンバーであることに一切触れられなかったことが、一部視聴者の間で議論を呼んでいる。 12月1日 海外からU2が初登場 テレビ番組には出演しない姿勢をとっていた洋楽バンドU2がこの日Mステに初出演し、六本木ヒルズ森タワーの屋上から生演奏でスペシャルライブを披露した。U2のメンバーは東京の夜景を一望できるこのステージを大変気に入り、このライブ映像を持ち帰ったという。そして、そうした素晴らしい環境を提供したこの番組に感謝し、世界三大番組の一つ(後の2つは不明)だと言っていたらしい。このエピソードは後にタモリから語られた。因みに、U2はこの日日本のテレビ番組に1983年11月21日にフジテレビ系列『夜のヒットスタジオ』に出演して以来23年ぶりとなる出演だった。 12月8日 伊藤由奈 1曲目でトークなしについて・・・ 2006年最後のレギュラー放送。エンディングで伊藤由奈がタモリとトークできなかった事について「どうして私何もないんですか~?タモさん絶対私のこと嫌ってる~。」 と普段あまり見せないキャラで発言をした。また、翌年2月2日に出演した際にもトップバッターでトーク無しだった。全体的にも伊藤は全8回出演中4回トーク無しトップを経験している。 2007年 2月16日、嵐二宮、遅れて到着 またこの日は、新曲「Love so sweet」をテレビ初披露しに出演した嵐だったが、メンバーの二宮和也が仕事の都合上で追い付かなくなったため、急遽遅れて到着する事となった。その後、NEWSの曲披露終了後に無事合流した。因みに、メンバーの櫻井翔曰く二宮はこの日他アーティストのトーク中にずっとパリでの土産話をしていたらしい(翌週出演のトークより)。 3月2日、宇多田ヒカル、イヤーモニターのトラブル 宇多田ヒカルが約8ヶ月ぶりに出演、当時着うたがCDリリース前に200万ダウンロードを記録するなど大ヒットしていた「Flavor Of Life -Ballad Version-」を披露。しかしイヤーモニターのトラブルで出だしまでのカウントが聞こえず、♪ありがとう、と~と始まるサビの肝心な出だしが歌えなかった。また翌3日に発表されるが、事実上この日映像作家の紀里谷和明と離婚していたため、結婚指輪をしていなかった(番組中で宇多田が指輪をしていないキャプチャ画像が翌日のスポーツ紙に掲載された)。 3月2日、Crystal Kay、のだめオーケストラと共演 この日披露したCrystal Kayの「こんなに近くで…」がアニメ『のだめカンタービレ』の主題歌という縁で、他局系列で放映のアニメながら、バックにのだめオーケストラが登場した。なお、のだめカンタービレは2006年10月-12月にもドラマとして放送していた。 3月2日、Kis-My-Ft.2自身初となるグループ単独出演 ジャニーズJr.のグループ、Kis-My-Ft.2が出演。ローラースケートを履いてのオリジナル曲「Kis-My-Me-Mine」を披露した。曲の合間では千賀健永、二階堂高嗣がローラースケートを脱ぎアクロバットなどのダンスを披露。 3月9日、当日結婚発表のアンジェラ・アキに出演者祝福 当日、結婚を発表したアンジェラ・アキが生放送に出演し、タモリを始めとした多くの出演者から祝福を受けていた。 6月1日、6月29日 坂井泉水(ZARD)追悼特集 同年5月27日に40歳の若さで亡くなったZARDの坂井泉水を偲び、音楽番組初出演となった1992年8月7日放送分と、最後の音楽番組出演となった1993年2月5日放送分の映像を中心に在りし日を振り返った。そして、坂井が病中に「元気になったら、またミュージックステーションで歌ってみたいね。」と周囲の関係者に語っていた事も明かされた。放送終了後、視聴者やZARDファンからの反響が大きく、同年6月29日に放送された「夏うたリクエストSP」で改めて追悼を取り上げ、坂井自身の書いた「負けないで」の歌詞、レコーディング中の様子など貴重な映像も放送され、「IN MY ARMS TONIGHT」を歌った1992年10月16日放送分の映像も放送された。そして「負けないで」に至ってはフルコーラスで放送した。さらに、余談ではあるがこの「負けないで」の映像はこの年の『第58回NHK紅白歌合戦』(NHK紅白歌合戦)で設けられた坂井の追悼コーナーでも流された。 7月27日、KAT-TUN亀梨、Hey! Say! 7と曲披露 オープニングでHey! Say! 7の紹介がされている時下からいきなりKAT-TUNの亀梨和也が現れた。亀梨は直前で「歌え」と言われたらしく歌詞カードを渡され1番サビ後の中島裕翔のソロパートを共演、途中で自分がカメラに映るたびに「昭和です」と呟いていた場面も見られた。また、亀梨は舞台の練習中であり、その合間を縫って来ていた。ちなみに亀梨は2006年にも山下智久の披露中に乱入しているため、番組で他アーティストの披露時に乱入(正確には乱入ではないが)するのは2度目である。オープニングでは同日にスタートする同じKAT-TUNのメンバーである中丸雄一が出演するドラマ『スシ王子!』の番宣もした。 8月10日、タッキー 翼、東京・六本木と大阪・松竹座 同時曲披露 この日新曲「SAMURAI」を引っさげ出演したタッキー 翼だったが、OPでは滝沢秀明が一人で登場。今井翼は現在舞台公演中だった舞台、大阪松竹座から中継で出演した。また、前年の「Venus」の初披露の時と同じく曲披露は合成で行い、ラストサビ部分で翼がスクリーン上からスタジオへ抜け出すという演出もあった。 10月5日、DREAMS COME TRUE、吉田美和の夫の死により欠席 この日は本来DREAMS COME TRUEの出演が予定されていたが、生放送数日前の9月26日に吉田美和の夫(事実婚)で映像ディレクターの末田健(享年33)が急死するという訃報に見舞われ、吉田自身そのショックから立ち直れないこともあり、彼女の心情を察して異例の出演見合わせとなった。同メンバーである中村正人は「吉田は気丈に振る舞うものの、まだまだ人前に出たり、歌を歌える状態ではない」とブログで発表している。皮肉にもこのときに披露するはずだった楽曲「ア・イ・シ・テ・ルのサイン 〜わたしたちの未来予想図〜」は結ばれた二人の『今』をテーマとした楽曲であった。なお、この訃報の影響はこれに留まらず、グループが12月に予定していたアルバム発売が一週間遅れるほど深刻なものであった。そして其れから2ヵ月後のスーパーライブでステージ復帰(同曲を歌唱)。吉田はトークでは珍しく一言も喋らなかった。 11月16日、東方神起、アーティスト出演できず 倖田來未とのコラボレーション曲「LAST ANGEL feat.東方神起」で出演したが、この日トークを行ったのは倖田のみで東方神起はトークはもとより階段からの登場もなく、実質倖田のコーラスおよびバックダンサーという扱いに留まった。これは異なる芸能事務所に所属する男性アイドルグループとの共演を認めないジャニーズ事務所の意向を反映したもの(「1997年 11月14日放送日前 KinKi Kids、急遽出演キャンセル」を参照)とみる向きもあるが、この件に関して当事者からの公式な発言がないことから、真相は不明である。ちなみに、東方神起はジャニーズ事務所とゆかりがないわけではなく、過去にV6や嵐と共演経験がある「日韓両国の友情と相互理解を深めるフレンドシップ2005」、日韓文化交流基金。2008年3月4日閲覧。「倖田来未、嵐が韓国で熱唱」、日刊スポーツ、2006年9月23日。2008年3月4日閲覧。(翌週は『うたばん』に出演し司会の中居正広とトークを繰り広げている)ほか、所属するSMエンターテインメントがジャニーズ傘下のジェイ・ストームと提携を結んでいる縁で、ジャニーズ所有の舞台装置を借りたこともある(MKMFを参照)。 12月21日、堂真理子アナウンサー・偶然の結婚発表! 堂真理子アナがこの日に結婚発表をした。結婚予定日は翌年の春で、この日は偶然にもスーパーライブの生放送と重なった為に番組冒頭でSMAPの木村拓哉から「堂さん、(結婚)おめでとうございます」と祝福の花束が渡された。また、エンディングではトリを務めた桑田佳祐からも祝福メッセージが贈られた(桑田は堂アナが卒業した青山学院大学の先輩でもある)。 脚注 Template reflist 関連項目 ミュージックステーション ミュージックステーションスーパーライブ
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【ラジオ×らじお】 放送予定日 第2回 未定 放送視聴ページはこちら 過去放送ダウンロード お手数ですがキー入力式となっております DLキー radio 第0回 第1回 【うましんぼ 実食集】 パーソナリティである「りゅーやん」のひょんな思いつきから発足し、 それに振り回される形で初ラジオパーソナリティをすることになった 「あーや」と「さがみん」、そんな三人がお送りする予測不能ラジオ 【パーソナリティ自己紹介】 ・りゅーやん パーソナリティの中での最年長 二人を導き いじり役にまわるつもり…だが… Twitter ・あーや 声が天使。 しかし実態はドSである。 一番年下にも関わらず多分一番強い (byさがみん) Twitter ・さがみん 最近うわさの10歳幼女 声がイケメン M担当と見せて実はS (byあーや) Twitter 【コーナー詳細】 ・キャラふり こちらのコーナーは第1回で打ち切りとなりました たくさんのメールありがとうございました! ・コーナーを考えるコーナー このコーナーではリスナーの皆様から頂いたコーナー案を検討していくコーナーです どんな体当たり企画でもOK?ラジオxらじおの明日を担うのはあなたかもしれない! ・うましんぼ リスナーの皆様が考えたオリジナルレシピをパーソナリティが実食していくコーナーです 独創的なものから、美味なものまで幅広く募集します 現在募集中のテーマ【コンビニにあるもの】 例、【コーヒー×ポテトチップス】 ・しゃべりら このコーナーではリスナーの皆様から送ってもらったトークテーマを元に トークをしていくコーナーです 例、【鍋物】など簡単なもので結構です。もちろん長いものでも可 ・三人よればいとかしこし 皆様から寄せられた難しいお題にパーソナリティ二人が華麗にお答えし、 それをジャッジするコーナーです 例、【クロスカップリング】など時事ネタ含め、これは知らないだろうという言葉を 回答とともにお送りください ☆お便りはこちらから☆ 名前 ラジオネーム メールアドレス 空白で構いません 内容 こちらにお送りいただくコーナータイトルとその内容を記入しお送りください メッセージなどもあれば嬉しいです またラジオの感想やフツオタも募集しています 名前 メールアドレス 内容 ☆応援イラスト、バナーはこちらのアドレスへ☆ radio_x2mail@yahoo.co.jp 頂いた応援イラスト&バナー
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(無題) 佐伯航一郎は薄暗い部屋でぼんやりとした意識を取り戻し、 口寂しさを感じて煙草を求めたが、彼の手元にあったのは見知らぬデイパックのみだった。 何の期待も無しにファスナーを開けると、日用品一式が折り畳まれたメイド服に埋もれているのが見えた。 すぐに閉めた。 彼のいる部屋はよく見るとどこかの学校の美術室のようで、 暗がりに配置された長机には、よく見るともう二人ほど突っ伏した人影が見えた。 四方の壁際に所狭しと飾られた美術品の中で、 棚のビーナス像だけがなぜか半分に切断されており、なんだか気味が悪い。 だんだんと意識がはっきりしてきた佐伯航一郎は、 先ほど目にした光景を思い返してみる。 体育館に集められた六十人ほどの人影。 舞台に立つワカメヘアーの男性。 男性の口から告げられる「バトルロワイヤル」の言葉。 激昂して男性に歩み寄るおっさん。 雷鳴と電光。 ぐらりと動く影。 そして……。 「俺にわからないんだ、誰にもわかるもんか…」 佐伯は、このツアーの企画者『災厄の皇帝(エンペラー)』とやらに対する自身の憤りを確かめるように、 口に出して呟いた。 彼は幼い頃から天才児と言われ、その明晰な頭脳を用いて数々の殺人計画を実行してきた過去を持つ。 今回とやや似たようなツアーを催して参加者同士の殺し合いを煽った経験すらあるし、 その前科は13歳にしてすでに殺人6件である。 そんな佐伯にすら、『災厄の皇帝(エンペラー)』の狙いは理解しがたかった。 端的な印象としては、 正気じゃない。 すべからく殺意というのはエネルギーを要するもので、 一人の人間が一度に殺意を抱くことのできる相手なんて、 せいぜい数名単位が限界だというのが、彼の考えだった。 あるいは、特定の集団… 例えば自分を虐げた村の人間、自分を脅かす民族、自分を排除しようとする世間、 そういうものを一塊に見て、集団全体に対して復讐を遂げようとすることはあるだろう。 だが、60人もの人間を一同に介させ、殺し合いをさせるというのはどういう心理なのか。 こんな数の人間一人一人に対し、個別にそこまで深い殺意を持てるはずがない。 それに集められた人間にはぱっと見たところさしたる共通点も法則性も見受けられなかったため、 別段何か復讐の意図になぞらえて集められた人員というわけでもなさそうだ。 参加者の詳細については今後探っていく必要があるが、 事の規模の大きさ、参加者の無作為さ、過剰な演出などの現状を総合して考えるに、 この一件の首謀者は、「追い詰められて牙を剥く獣」のごとき犯罪者とは 全く異なるあり方をしているように思えてならなかった。 むしろ、その人物はまさに『皇帝(エンペラー)』のごとく、 参加者を掌中で転がすことそのものを楽しんでいるのではないか。 「だっせえ」 佐伯は思った。 『皇帝(エンペラー)』だって?思い上がりも甚だしい。 人間はみんな人間に過ぎない。 どんな奴でも泥にまみれて生きてるし、どんな奴でも切れば死ぬ。 でも自分は他人を支配する強者だと勘違いして皇帝面をしているような人間は、 引きずり下され、縛られ、切られて自分の無力を晒すまで、 きっとそのことに気づかないだろう。 となれば自分がすべきことは… そこまで考えたとき、ふいに衣擦れの音がしたのに気づいた佐伯は、 顔を上げ、彼のもとから四、五歩離れた席で突っ伏しているその人影に注意を向けた。 「ん…」 「!お前は…!」 起き上がった少女の顔を見て、佐伯はぎょっとした。 前回のバトルロワイヤル、もとい秘宝島殺人事件のときに、 探偵役として選んだあの高校生についてきた、七瀬美雪とかいう女じゃないか。 今回は目立たないように動きながら主催者について探ろうと思っていた矢先なのに この女に自分の前科をバラされでもしたら、 他の参加者に危険視されて刃を向けられることは必至だ。 ならばこの女、まずは始末しなければ…! しかし、佐伯に気づいた少女の口からは意外な言葉が飛び出した。 「誰…?」 無理もない。美雪と会ったとき佐伯は終始女装しており、短髪の姿を見られたことは無かった。 それに、佐伯はこんなこと知る由もないが、 秘宝島殺人事件はFile05なので、美雪はあれから40件以上の殺人事件に遭遇しているのである。 全部覚えていなくても仕方ない。 佐伯はとりあえず13歳の外見に見合う従順な少年として振る舞いながら、様子を見ることにした。 「良かった、気が付いたんですね、お姉さん。僕、佐伯航一郎って言います。 さっき体育館に集められて、気が付いたらここにいたんです」 「体育館…あっ」 少女はびくっとすると周りをきょろきょろ見回し、 もう一人、少年が机に突っ伏しているのを見つけた。 「あ、あの人は…?」 「わかりません。お姉さんと一緒で、僕が気が付いたときにはここで寝てました」 それを聞くなり少女は慌てたように少年に駆け寄り、 ねえ、君、生きてる?大丈夫?と半泣きで少年の背中を叩いた。 すぐに少年は体を起こした。 「あれ?俺…」 「よかった!じゃあ、誰も死んでないんだね」 ほっと笑みをこぼす少女に、今しがた起きたばかりの少年は怪訝な顔をする。 「君たちは?」 「私、楊蘭っていいます。香港出身なんです。あっちの子は…」 「佐伯航一郎です。よろしくお願いします。僕たち、どこかの学校の美術室にいるみたい」 「ふーん。俺は、霧島純平。よろしくね。」 佐伯は内心驚いていた。 楊蘭?香港出身?どういうことだ?こいつは七瀬美雪だろ? もしかしてこいつ、俺のことを覚えていて、殺されまいと他人のふりをしているのか? 「あ、あの、楊さん…?」 「え、なに」 「香港出身って言ってましたよね。中国語もできるんですか?」 「できるよ。ここに連れて来られるまで、香港にいたんだもん」 「へー、すごい。じゃあ、なんで日本語もそんなに上手なんですか?」 「母さんが日本人なのよ。それに小さい頃、色々あって日本に亡命してたの」 「亡命!?危ない目に遭ったんですか」 「うん。ちょっとね」 ここまで話したとき、楊は遠い過去を見るように虚ろな視線を空に向けた。 「日本は平和でいい国… 綺麗で遊ぶところも一杯あって何でも手に入る。 でもあたしの心はまだあの香港の闇の中…」 その様子は、佐伯の胸に響くものがあった。 自分がアメリカのスラム街でドブネズミのような日々を過ごしていたとき、 きっと自分はあんな目をしていただろう。 それに日本に来てからというもの、佐伯も似たような違和感を禁じえなかった。 何もかもが滞りなく、表面的には平和に、流れていく街。 その安寧の只中に立ってみたところで、佐伯の内側にあるのは 失われた恋人の笑顔とスラム街で受けた辱めの数々だった。 あの女の抱える闇は、きっと本物だ。 七瀬美雪が他人のふりをするなら、こんなすぐにばれるような嘘をわざわざつくはずがない。 一方で、霧島は文句ありげに楊に突っかかった。 「えーっ!君、さっきの殺し合いの話、聞いたんだろ? こんなところに閉じ込められても、日本は平和って思うの?」 「ええ。確かに今は大変なことになってるけど…でもきっとこの三日間が異常なだけよ」 「へーっ。やっぱり亡命してただけあって蘭さんは強いな! でもさ、じゃあ、誰かに殺されそうになったらどうするんだ?」 「…そうね、そのとき考えるわ」 まだ質問を続けようとする霧島を、楊は有無を言わさぬ笑顔で制し、 「そういえば、凶器が支給されるって言ってたわね。このデイパックの中、かな?」 楊の言葉につられて、霧島も自分のデイパックを探る。 「あった!俺、こーんなちっちゃい折り畳みナイフだけだったよ。 あーあ、こんなのじゃ護身にもなんねえや」 「あら、私はこれ…何かしら。何か液体が入った袋だったわ」 「えっなんだよそれ。飲めるの?」 「さあ…毒かもしれないね」 自分が以前使った毒を思い出しながら、大分違うなと首をかしげる楊。 「佐伯くんは?」 「僕は…さっき見たんですけど、ちょっと言いたくないです…」 「えー、なんでだよー!俺たち教えたのに」 「ごめんなさい。でも、役に立てそうなときには絶対出すから、お願いします」 「ちぇー。ずるい奴」 楊は外を眺めた。校舎周りには弱々しい街頭の明かりが点々としていた。 「これから、どうしようかな」 「殺し合い…みんな本当にやるんですかね」 「さあ… 景品、会員権だっけ?こんなことして手に入るようなお宝なんて、ろくな物じゃないわ」 「ええ、僕もそう思います」 会員権…。佐伯はもう一度先ほどの体育館での出来事を思い出していた。 『災厄の皇帝(エンペラー)』に対する手掛かりは現状ほとんどないが、 景品が会員権というのは気になる点だった。 もし本当に横浜市に匹敵するほどの広さの島に、本当に様々な施設が建設されているのだとしたら、 そんなものの開発費用は並の人間には到底出せるはずもない。 その上、この島は来年リゾート施設としてオープン予定で、会員権まで出るということだった。 これを素直に受け取れば、バトルロワイヤルの主催者は リゾート開発を行っている会社のトップに近い人間だということになる。 更に、あの九条とかいうツアーコンダクターは観月旅行社から依頼されたと言っていたが、 観月ほどの名の知れた会社が、こんな猟奇じみたツアーにコンダクターを派遣するのも不自然だ。 罠かもしれない。 だが、誰が考えてもリゾート開発を行っている観月旅行社の親会社が怪しい。 とりあえず明日は、観月旅行社のリゾート開発について、 参加者にそれとなく話を振って情報を集めよう、と佐伯は考えた。 もしかすると。 もしこのツアーに愉快犯以外の目的があるとすれば。 『皇帝(エンペラー)』が作ったこの檻の中で、その張本人の息の根を止められる可能性もある。 すなわちそれは、『皇帝(エンペラー)』が「木を隠すなら森」の発想に基づき、 集められた60人の中に主催者の復讐対象数名を織り込んでいる可能性だった。 さながら戦時に誰が誰を殺したのか最早判別がつかないように、 この島で繰り広げらる誰の手によるかもわからない殺人劇の混沌の中に自分の犯行をそっと潜ませる。 そうすれば、最終的に被害者面して無罪釈放となるかもしれない。 この場合、『皇帝(エンペラー)』は参加者の中に身を潜めているかもしれないということになる。 そうであってくれれば、話は更に早い。 この手で、殺せる。 佐伯が一人で考え込んでいると、霧島が急に声を上げた。 「あーあーあー!もう考え込んでたって埒が明かねえや。 なー、ここでこれからの作戦建てる班と、学校の中探検する班に分かれねえ? それで、何かあったら探検班が作戦班に報告するの」 「うん、霧島くんの言う通りかもしれない。探検班の方がきっと危ないし、 二人にするのがいいわ。…いえ、待って」 思わず笑みをこぼした霧島は、楊の突然の制止に面食らった。 なにしろ霧島にはまだ殺人の経験がなかった。 一対一ならまだしも、何の武器を持っているか分からない相手に二対一は危険すぎる。 三人が二班に分かれれば、確実に一対一の状況を作れる、と思ったのに。 「見て、窓の下。誰か出ていく。」 楊の言葉に応じて霧島、佐伯が外に目をやると 男が二人、薄暗い街頭に照らされて校舎から出ていくところだった。 一人は20代くらいの若者、もう一人は40代くらいだろうか。 二人は何かを話し合いながら、どこかへ向かって歩いていく。 様子を見る限り、佐伯にはそれが「見知らぬ土地を警戒しながら歩いている」人間には とても見えなかった。 「あの二人、周りをほとんど気にしないで話し合ってる… この学校の構造に慣れてるように見えます。 それに、あの様子ならすぐにでも殺し合いをしようって雰囲気ではなさそうじゃないですか? 合流する相手としては、安全かもしれません」 その言葉に楊も頷く。 「確かにそうね…よし、あの人たちを追いかけてみよう」 「えっ、行くの?じゃ、じゃあ俺も行く!」 バタバタと部屋を出ていく楊、佐伯を追いかけるように、 少し遅れて霧島も廊下へと飛び出した。 美術室を出るときに目に入った糸ノコギリを、手始めにデイパックに詰めておいた。 【一日目/深夜/不動高校美術室(誰が女神を殺したか?)】 【佐伯航一郎@秘宝島殺人事件】 [状態]健康 [装備]伊志田が着ていたメイド服@不動高校学園祭殺人事件 [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:『災厄の皇帝(エンペラー)』の正体を暴き、殺す。 0:歯向かうと殺される可能性があることはわかっているので、大っぴらには活動しない。 1:とりあえず色々な人に話を聞きながら手掛かりを集めて、色々考える。 2:人殺しなんてハエやゴキブリを殺すのと同じさ。 3:楊蘭にはなんとなく共感するので殺したくない。 4:メイド服では首を絞めるくらいしかできないので、できればまともな武器が欲しい。 [備考] ※参戦は秘宝島殺人事件の犯行後です。 ※6人殺害しているものの、まだ13歳だし反省していたのですぐに出てきました。 ※頭が良いそうです。 ※女装癖があります。 【楊蘭@香港九龍財宝殺人事件】 [状態]健康 [装備]2種類の液体が入った袋@電脳山荘殺人事件 [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:殺し合いから脱出する。 0:亡命してた幼少期と比べたら三日間なんてそんなに気負うことでもない。 1:殺されそうになったら殺し返すかもしれない。 [備考] ※参戦時期は、犯行後ファッションショーに出てから刑務所に入れられるまでです。 【霧島純平@高遠少年の事件簿】 [状態]健康 [装備]金田一が人形を切断するのに使用した折り畳み式ナイフ@異人館村殺人事件、糸ノコ@誰が女神を殺したか? [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:殺す。 0:誰かと二人きりになったら、基本殺す。 1:殺した死体は、余裕があればサプライズ感が出るように演出する。 2:楊蘭は「日本は平和で良い」とか言っていて気に入らないので、できれば殺したい。 [備考] ※参戦時期は、高遠少年の事件簿における最初の事件の直前くらいです。 ※とりあえずこのナイフで人を殺せるかどうか試してみたいので、ずっとチャンスを伺っています。 007 ココロ やせてとがってく 時系列 009 ジョンベネ 007 ココロ やせてとがってく 投下順 009 ジョンベネ GAME START 佐伯航一郎 016 六角村 GAME START 楊蘭 016 六角村 GAME START 霧島純平 019 生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい
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申請順 プレイヤー(敬称略) プレイヤー区分 コミュニティ 申請時自己ベスト 意気込み 備考 1 弱キック 生主 co1082636 87億4980万 筋書きのない笑えるドラマを見せてやる 2 ソーイ 生主 co327010 191億3220万 楽しくがんばりますw 3 ひやむぎ リスナー co1167079 123億3240万 あしゅらたんあっふん。 環境整い次第生放送予定 4 ヴァー 生主 co388551 82億0050万 2~3回しか挑戦できないし、あまり桃鉄も上手くないですけど楽しめればいいや(・ω・) 5 浅倉 椿 リスナー 311億7440万 俺の戦いはまだまだこれからだ!浅倉社長の次回作にご期待ください! 6 マコト 生主 co14756 399億3350万 期間中はかなり忙しくなると思うのでプレイ出来るかわかりませんが一点集中で頑張りたいと思います。 7 MEW リスナー co347188 記録なし 見ているだけでしたがお祭りごとは参加してみるに限ります目標は10回中1回でもプラスで大会を終えることですねwだって過去のリアル桃鉄は赤鬼いじめるだけでしたもの(゜▽、゜) PCスペックがPS2の放送におそらく適さないのでリスナー参加。もしかしたら画面映さずの放送はあるかもしれません 8 おにく 生主 co592857 495億4300万 参加しま~す、トロイさんワッショイしましょう! 9 ayuka リスナー 51億5030万 3日前に桃鉄を10年ぶりにはじめました(´・ω・`)昨日トロイさんに背中を押して頂きました。目標は優勝してトロフィーを送って貰う時にトロイさんの住所と(ry 10 きよ リスナー 記録なし サイコロ運は強いよ!!カード運は弱いよ!! 11 むぅちゃん 生主 co543888 記録なし 桃鉄買ったの初めてだけどがんばる!(๑╹ω╹๑ ) 12 てぽどん リスナー 記録なし えっ作戦?んなもん行き当たりばった…じゃなかった、臨機応変に!頑張ります♪ 13 サンボはん 生主 co275641 515億8860万 スマイルしてますか?10億・・・20億・・・30億!フルスマイル! 14 トロイ 生主 co243537 529億5010万 桃鉄歴の浅い自分ですが、言いたいことが3つ楽しんで何ぼの祭りなんで楽しんでいこっていうても精一杯やってやろうトロフィーは俺の物。この勝負もろうた! 飛び入り参加者 申請順 プレイヤー(敬称略) プレイヤー区分 コミュニティ 申請時自己ベスト 意気込み 備考 15 ケンケン 生主 co1029522 167億3790万 桃鉄16はやり始めたばかりですが、最下位にならないように頑張ります。 16 メタルマックス リスナー -119億9760万 ( ・´ー・`)「参加します」} 三 17 ハチ 生主 co411211 記録なし 今日は目的地ついても、兄貴にリセットされないし、母親も掃除機かけてないからイケるはず! 18 ごる 生主 co505374 記録なし ロマンシングを…起こせるほどの力はありませんがやってみます 19 カブヌシ 生主 co1204445 記録なし よろしくお願いします。 20 アーウィンド リスナー 記録なし 桃鉄1(FC版)ならプレイしたことがありました。 21 兜 生主 co312932 記録なし 参加します
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top-bana2.jpg ⇒【2009年度・春企画】春を貴方に捧げますSP 企画者:偽者さん 期間:2009年1月~3月(予定) 【2009年度・春企画】春を貴方に捧げますSP 2009年・最初の企画です。新たなる春を迎える皆様に捧げるボイスドラマを作成予定。今までにないスケールでのボイスドラマの公開ラジオになると噂されているが、DJ本人は相変わらずグダグダなカミカミトークである。 【2009年度・春企画】春を貴方に捧げますSP ※3月29日22時からねとらじにて放送予定。 掲示板:http //jbbs.livedoor.jp/radio/3346/ 【進行状況ラジオ】 毎週土曜日:午後22時より、ねとらじにて放送予定。 掲示板: http //jbbs.livedoor.jp/radio/3346/ 【企画者のブログ】 ⇒企画の進行具合はブログから常に更新されます。 ブログ: http //nisenisemonomono.blog32.fc2.com/blog-category-17.html
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第20試合傑作 829 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 12 40 24 ID WvTdpgBI0 第20試合スレベスト入場!! 精子殺しは生きていた!! 更なる研鑚を積みマスターベーションが甦った!!! 自慰!! オナニー( 35-39)だァ――――!!! 夏コミの新刊はすでに我々が完成している!! コミックマーケット72男性向け人気ジャンル(予定)( 787-791)だァ――――!!! 全滅しだいhageまくってやる!! DS代表 世界樹の迷宮( 270-274)だァッ!!! 禁止カードの多さなら我々の歴史がものを言う!! 素手のTCG デュエリスト Magic;the Gathering レガシーの禁止カード( 383-386)!!! じっちゃんの名を知らしめたい!! 金田一少年の事件簿漫画版 長編事件( 531-534)だァ!!! 推理小説は3階級制覇だが名探偵なら全階級オレのものだ!! 横溝正史の鉄拳 金田一耕助シリーズ( 588-592)だ!!! 飛び道具対策は完璧だ!! 全日本剣術 剣豪( 213-216)!!!! 全ごはんのベスト・オカズは私の中にある!! 揚げ物の神様が来たッ コロッケ( 496-500)!!! KAIHEN-BATTLEなら絶対に負けねえ…… YOKOHAMA最速のKAIHEN見せてやる Ragoon語で 全Warrior入場( 434-439)さ…… バーリ・トゥード(なんでもあり)ならこいつが怖い!! ジョジョの奇妙な食い物 ジョジョグルメ( 59-63)だ!!! 家庭用ゲーム機から禁則事項が上陸だ!! ファミコンゲーム やってはいけないこと( 261-265)!!! ルールの無いハガキが読みたいからパーソナリティになったのだ!! プロのラジオを見せてやる!!西川貴教のオールナイトネタコーナー( 19-23)!!! めい土の土産に啄木鳥の策とはよく言ったもの!! 達人の軍略が今 実戦でバクハツする!! 甲州流軍学 風林火山( 314-318)先生だ―――!!! 改変忘れこそが定番ネタの代名詞だ!! まさかこんなネタにされるとはッッ 魔王( 773-774)!!! 作りたいからここまできたッ 総額一切不明!!!! バンダイのガンプラファイター MGガンプラ( 125-134)だ!!! オレたちはジオン最強ではない空中分解で最強なのだ!! 御存知ツィマッド社 ヅダ( 24-27)!!! 武術の本場は今や梁山泊にある!! オレを驚かせる奴はいないのか!! 史上最強の弟子ケンイチ( 655-659)だ!!! ウマァァァァァいッ説明不要!! アームロック!!! 一人語り!!! 孤独のグルメ( 564-568)だ!!! AAは実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦AA!! 本家ガ板から「ポルナレフがありのまま起こった事を話すガイドライン」頻出AA( 117-120)の登場だ!!! ローザミスティカはオレのもの 邪魔するやつは思いきり殴り思いきり蹴るだけ!! アリスゲーム統一王者 嫌な女……( 112-113) 自分を試しに大空へきたッ!! 戦闘機乗り全ゲームチャンプ ACE COMBATシリーズ パイロット( 544-547)!!! ショタキャラに更なる磨きをかけ ”ロミ姉”朴路美( 296-300)が帰ってきたァ!!! 今の自分に死角はないッッ!! シュート・ジーニアス天才キャラ( 323-326)!!! 中国四千年の文字が今ベールを脱ぐ!! 699-701から 漢字残しだ!!! 鉄ちゃんの前でならオレはいつでも全盛期だ!! 燃える在来線 本線&元本線( 583-586) JRで登場だ!!! 賢者の修行はどーしたッ クイズの炎 未だ消えずッ!! マジメもボケも思いのまま!! クイズマジックアカデミー・珍回答( 145-149)だ!!! 特に理由はないッ 視聴率を取りたいのは当たりまえ!! 放送倫理・番組向上機構にはないしょだ!!! 日の下開山! TBS不祥事( 801-806)がきてくれた―――!!! 日本半周で磨いた実戦ハイク!! 芭蕉庵のデンジャラス・ハイカイシ おくのほそ道( 333-339)だ!!! 実戦だったらこの人を外せない!! 超A級武道家 柔道キャラ( 461-464)だ!!! 超一流職人の超一流のパロディだ!! 生で拝んでオドロキやがれッ ジョジョネタの鋼鉄人!! 全選手奇妙に入場( 747-751)!!! 日本文学はこの男が完成させた!! ひらがなの切り札!! いろは四十八文字( 482-486)だ!!! 若き暴君が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 愛し子よッッ 俺達は君を待っていたッッッ子育ての心配事( 618-621)の登場だ――――――――ッ 加えて苦情発生に備え独断と偏見でリザーバーを4名御用意致しました! 大雪師走 ハムスターの研究レポート(349-352)!! 伝統派改変 三十二の選手になって( 73)!! 永遠の17歳!井上喜久子( 281-284)! ……ッッ どーやらもう 776-778は13ページに渡って演説している様ですが、終了次第ッ皆様にご紹介致しますッッ 関連レス 833 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 13 13 51 ID B77tqiv90 「 」のつけ忘れ~ッ!! 「 」のつけ忘れ~ッ!! 834 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 13 17 33 ID 1vnwQSWW0 だが専用ブラウザには関係ないッ! 835 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 13 26 35 ID wag76e1p0 ではなく にしている・・・ まさかキャラネタ出身か!? 836 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 13 29 40 ID B77tqiv90 いや、そうじゃなくて… 832の中に一箇所あるだろ「 」がついてないのがさ… 別に「 」でも「 」でも問題ないのくらいわかるけどさ… 834 高くつくよ… マジレスをさせたんだからね… 837 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 14 47 59 ID l0AC+XT30 俺のネタ一本入った!アリガトォォォォォ!!! 838 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 18 35 30 ID fApRWull0 俺のネタも入った! アリガトォォォォォ!! 839 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 19 20 19 ID Jk4BSTHw0 このスレでは一ツも投下していないことに気づいて出したのがリザーバーに選ばれる様など感動を覚える 次スレでは3つ4つ出せるよう努力致しますッッ 840 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 19 33 05 ID dRyKJHSr0 ベスト乙! 一個入っていたぜ、嬉しい! 841 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 20 34 33 ID lk7ACbjL0 気合入れて書いたネタが入ると嬉しいな ベスト乙!そしてアリガトォォォォ! 842 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 20 53 39 ID uHvvDHID0 魔王と諸君私は戦争が好きだは既出のかぶりネタ 843 名前:水先案名無い人 :2007/08/10(金) 21 08 57 ID fApRWull0 既出の魔王ネタは確かに魔王級のネタだったが、被ってるわけじゃないだろ。 844 名前:水先案名無い人 :2007/08/11(土) 00 15 42 ID xvMkKxQC0 少佐ネタも既出なのは入場ベースに少佐ネタを組み込んだのと少佐ベースに入場スレの説明みたいなのだから被ってないだろ 845 名前:623 :2007/08/11(土) 00 41 29 ID D/Yy22qE0 622 チャンピオンになれて良かったな 今回は「おめでとう」と言ってやる 846 名前:水先案名無い人 :2007/08/11(土) 00 53 24 ID SiK8rIoQ0 845 622本人乙 きもすぎ 848 名前:水先案名無い人 :2007/08/11(土) 02 50 42 ID 3/6pum470 ベスト乙!そして俺のネタも入れてくれてアリガトォォォォォ!! 852 名前:水先案名無い人 :2007/08/12(日) 00 41 11 ID c8EL+8NL0 835 「 」でベスト作ると 「 」が多すぎます!!ってエラーになることがあるんだよ 853 名前:水先案名無い人 :2007/08/12(日) 00 42 14 ID ZLpR2xt80 ベスト作る時に限らず 855 名前:水先案名無い人 :2007/08/13(月) 01 54 30 ID BA813i2k0 さりげなく今回はテンプレいじり系が豊作だった気がする。 嫌な女…、Ragoon語、漢字残し、奇妙に入場、魔王etc... コメント 名前
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ふたりは平行線 死骨ヶ原ステーションホテル。 禍々しい地名にちなんでそう名づけられたホテルは、かつて──それも、二度に渡って──ある惨劇の舞台となった場所であった。 ある一人の天才マジシャンのトリックノートを巡る、弟子たちの欲望の殺人。 そして、その天才マジシャンの遺志を受け継ぎ、その欲望を断罪した一人の天才犯罪者による忌まわしき連続殺人事件。 ……結果的に、これらの事件の真相は、天才的頭脳を持つ一人の高校生名探偵によって暴かれた。 だが、それは、「天才探偵」と「天才犯罪者」の因縁の始まりでしかなかった。 この後、彼らは幾つかの事件で再び合い見え、殺人計画と推理の対立を演じ続けてきたのである。 トップアイドルの誘拐事件を発端とするマネージャー殺し。 ベストセラー小説家の遺産を巡る、不思議な館の暗号殺人事件。 複雑怪奇な事件を巡る二人の因縁に決着が着く日はだんだんと近づいていた──。 そして。 ──再び。 彼らは、凄惨な殺し合いに引き寄せられるとともに、全ての始まりのこの場所に引き戻された。 一切の恣意性のない完全なランダムの配置が、偶然にも彼らをここに呼びつけたのだ。 あのオープニングから目を覚ました天才探偵と、天才犯罪者の前にあったのが、此処の天井だった。 決して交わらない平行線の二人は、果たしてどう動くのか──。 そして、この殺し合いは彼らをどう突き動かすのか──。 ◆ ホテルの隣にある劇場──ここは死骨ヶ原ステーションホテルに来る客がマジックショーを見る為に作られた劇場だ、劇場の周囲は池になっている──の観客席に立ったまま、舞台上を物憂げに見つめる一人の美青年がいた。 彼の名は、高遠遙一。 殺人の罪状で全国指名手配を受けている犯罪者ゆえ、本来、安易に素顔を見せるべきではないのだが、今はそれを隠すのに適当な仮面や覆面もない。 ……いや、この殺し合いの状況下、「高遠遙一」の名が名簿に載っている状態で仮面の男が混じっているというのも少し奇妙だろうか。 まあいい。 ともかく、相手が刑事事件の事情に乏しく、手配書をあまり見ない普通の相手である事を祈り、高遠はこの殺し合いで行動する事にしたのだが── 「……おや」 ──いやはや、早速、この劇場で一人、他の参加者に見つかってしまったようである。 高遠にとっては大きな不覚である。 誰とも知らぬ人物にこんな殺し合いに連れ去られた事そのものが不覚と言わざるを得ないのだが、それを除いても──まず、この場ではいきなりの不覚だ。流石に状況をよく理解して警戒したつもりではあったのだが。 これは、高遠自身が、初期位置が基本的に無人であると勝手に錯覚していた事と、まだ状況に慣れ切っていない中で、彼にとっていわくつきの場所に辿り着いてしまって気が抜けていた事が原因だろう。 しかし、言い訳をどう繕っても意味はない。 ──どうやら、舞台上の黒い暗幕(カーテン)の裏に、一人隠れていたようだ。 高遠も観客席側にいた故、しっかりとはそれを確認できなかったが、彼にはわかった。 その人間が、今、ちらりと顔を出して観客席の高遠を見てから、またすぐに慌てて同じ場所に隠れたのである。 あのスペースに違和感なく忍び込み、体格を見せない事からも分かる通り、それはとても痩せた小柄な人間だった。皺の間に収まってもおかしくないほどだ。 高遠にはその人間の姿が見えたが……ひとまず、気づかない振りをした。 (まあいいか……) ああしてカーテンの裏などに必死に隠れなければならないという事そのものが、戦力を持たない事と戦意のない事の証である。そして、相手はこちらを殺す為に機を伺っている様子ではなかった。ただ怯えて過ぎ去るのを待っているだけだ。 何せ、そこに隠れていたのは── (……どうせ、相手は“子供”だ) ──幼い、金髪の少女だった。 一目見た所、それは日本人ではなかった。イギリスに住んでいた高遠が見ても、そのブロンドはなかなか見かけないほど綺麗な金色である。彼女は一昔前の洋服を着ていた。 外見上のデータはたったそれだけだが、高遠はこの状況から、彼女のパーソナリティを、ただ一つだけ考察した。 ──彼女は、少なからずマジシャンの素質がある、という事だ。 普通、こうして自分が隠れる場所を探す場合、裏にある楽屋など、もっと隠れやすい場所に隠れる。そこが最も目につきにくい場所であるからだ。 ──だが、本当に一流のマジシャンは、“わざと見えやすい場所に、最も見られたくない物を隠す”のである。 そう、今の彼女のようにだ。 高遠も、この劇場に来たばかりの時、まさかあんなに目立つ舞台上に子供が隠れていようなどとは思っていなかった。だから、油断して、向こうに姿を見られてしまったというわけである。 とはいえ、やはりそこにいたのは幼い少女ゆえに手際が悪い。 相手はまだ隠れているつもりだろうが、高遠にはもう彼女の形がしっかり見えてしまっている。もし顔を出さずに息を殺していればこちらに感づかれる事もなかっただろうに、その一点だけは残念だ。まあ……所詮真相は、「慌てて手近な所に隠れた」なのだろうが。 (こうして待っているのも少し意地が悪いか……?) 高遠がクスクス笑っている間にも、その少女は今も、心臓をバクバクと高鳴らせている事だろう。今、彼女の側には高遠のスタンスを読む材料がない。 距離があるので、高遠から逃げようと思えば逃げのびる事もできるだろうが……かといって、この状況だ。 信頼できる大人に会う事ができなければ、彼女は残酷な人間の手にかかるかもしれない。 「……」 さて。 高遠はどうしようか考えた。 相手が子供となれば、高遠の顔や名前もそこまで認知されてはいない。ただでさえ、ミステリーマニアでもない限りは滅多に看破されないくらいである。 また、犯罪者となってからは日本を拠点に活躍してきた関係上、高遠の名は海外には知れ渡ってもいないので、相手が日本人でなければ、高遠を知る事はほぼないだろう。 まあ、エトランゼの子供であるとはいえ、おそらく日本語理解のある相手である可能性は高く、更にもっと高い確率で日本住まいだと思われるので、そこは安心できない点でもあるが(何せ、日本語で行われた説明を聞き、日本語で書かれた名簿を支給されているのだから、全くそれらが理解できない人間では殺し合いも成り立たない)。 あの身なりから、おそらくフランス人と推測したが、だとすると、「イリス・シャトーブリアン」、「マチルダ・ランドー」あたりが彼女の名前ではないだろうか。 あのまま放っておくか、いっそ殺してしまうというのも“殺人者”らしい手のように思う。しかし、もとより無関係な人間を無差別に殺すのは高遠の主義ではない。 果たして、どうしようか、とほんの少し考えた。 そして──あっさりと答えは決まった。 「……大丈夫だよ。姿を見せてごらん」 高遠は、屈託のない笑みで、その少女に、ひとまず日本語を投げかけた。フランス語がわからないわけではないが、日本語圏であるかどうかをまず確かめておく為である。 もしこの姿を、高遠という男を知る者が見ていたのなら、その笑みは邪心がないからこそ、不気味に映ったに相違ない。 何と言っても、この男は今日この時までに四人の人間を手にかけてきた生粋の殺人鬼なのだから。 周囲を軽く眺め、他には人がいないのを確認してから、高遠はデイパックを舞台に投げて、両手を挙げ、舞台にそっと近寄っていった。 ばっ、と音を立てて、震えていたカーテンをめくる。 !? 「きゃあっ!」 「──大丈夫。お兄さんは、きみの敵じゃないよ」 と、高遠は驚き怯える彼女の前で屈んで見せた。 藍色の瞳を広げる彼女は、まるでフランス人形のようだった。 ブロンドの髪の上にはピンクの大きなリボンが結ばれており、どうしても年齢より幼い印象を感じさせる。黄緑色の生地に真っ白なエプロンを縫い付けたような服は、高遠に『不思議の国のアリス』を思い起こさせた。 しかし、何といっても──殺し合いの場に呼び出すには、あまりにも明るく不釣り合いな姿だと思えて仕方が無い。 「お嬢さん、お名前は?」 「……お兄ちゃんは?」 「僕かい? そうか、先に名乗るべきだったね。……僕は、高遠遙一」 「……私はアイリス。本当はイリス・シャトーブリアンだけど、アイリスでいいよ」 「アイリスか。良い名前だね。じゃあ、そんなアイリスにプレゼントをあげよう」 少女が全く怖がっていないのを確認した高遠は、本名を名乗った。 それから、高遠は、彼女の前で両手を広げて見せて、手首を回して表と裏を確認させてから、右手を左手で強く握って少し唸る。 う~ん、う~ん……と。 その時、アイリスという少女の瞳は、高遠の右手に注目した。じっくりと無防備に高遠の右手だけを見つめるアイリス。 再び高遠は、左手で右手の拳を撫ぜた。 !? ──すると、次の瞬間、高遠の右手からは、一輪の薔薇が煙のように現れたのである。 「え……!? どうやったの……!? 教えて! ねえ、教えて!」 「ダメダメ! お兄さんは、マジシャンなんだ。だから、タネは教えられないんだよ!」 くすくす、と不敵に笑い、そっとアイリスに棘のない薔薇の花を一輪渡す高遠。 アイリスの目は、プレゼントされた薔薇など忘れて、すっかり高遠のマジックの虜である。 種を明かせば簡単で、懐にあった薔薇を握り込んだだけだ──ローズマジックと呼ばれる基本動作だった。 高遠も、殺傷能力を持つようなマジックアイテムはほぼ奪われていたが、普段仕込んでいる幾つかの簡単なマジックのタネは身体に幾つも残っている。 しかし、武器が没収されている事だけわかれば充分だ。それは、これが本当に危険と隣り合わせの状況なのだと彼に実感させる根拠になった。彼は言う。 「──もう少し、マジックショーを見たいかい?」 ◆ 「参ったなぁ~」 金田一一(きんだいちはじめ)もまた、偶然、このステーションホテルの近くに配置されており、長いボサボサの後ろ髪を掻きながら劇場に近づいていた。 先ほど人が死んだのを前にしたというのに、一般的な高校生と比べると嫌に冷静に事を運んでいた。 それもその筈である。 彼は、一見すると頭の悪そうな容姿とは裏腹に、かの名探偵・金田一耕助の血を受け継ぐIQ180の天才少年だった。やはり血は争えないのか、これまで幾つもの難事件に偶然遭遇し、それを鋭い頭脳で解決してきたのである。 しかも、その大半は、不可解な連続殺人事件だった。 彼は、今日まで30件以上の連続殺人事件に偶々遭遇し、あらゆる悲しい死を目撃して修羅場をくぐった少年なのだ。 その度に彼は怒り、悲しみ、命の大切さを知ってきた。 その中でもう一つ知った事がある。死んだ人間に対して出来る事は、『前に進む事』、『彼らの無念をわかってあげる事』、そして、彼にしか出来ない『謎を解いてやる事』なのだ。 勿論、彼もそれだけ正義感の強い人間だったから、二人の人間(片方は人間に見えなかったが……)が殺された事には強い怒りを覚えている。しかし、それによって冷静さを失うのではなく、まずは自分らしく、“考える”のである──。 「ったく、よりにもよってこんな場所に来るなんてな……それに、あの“10を、1に変えちまうトリック”……」 ブツブツ呟きながら歩くはじめ。 名探偵の金田一少年にとっても、まずこの殺し合いは不可解な事だらけだ。 まずは、東京タワー、蒲生屋敷、死骨ヶ原ホテルという、ばらばらな土地にあるはずの場所が一つのマップに集約された不可解な地図だった。 物理的には不可能ではない事であっても、東京タワーをもう一つ建造するだけでもはじめが想像しえない莫大な資産が必要とされる事になる以上、やはり無理だと考えて良い。 だが、少なくとも、マップにはそれらは、「ある」という事になっている。 実際に確かめなければ、そこに東京タワーがそびえたっているのかはわからない。嘘かもしれない。──だが、もし、このホテルと同じように、そこに本当に“あったら”? 第一、このホテルだって、貸し切りなんて難しいだろう。従業員も多かったし、ホテルの性質上、無人という事はありえない。まして、目的が殺し合いなのだ。 東京タワーなど存在しておらず、このマップそのものが「錯覚」させる為のトリックだという事をまず考えたが──こればかりは、この外に出て見なければわからない話だろう。 それから、高遠遙一はともかく、今は逮捕されて少年院で服役している筈の親友・千家貴司までが参加させられているという事が書かれている参加者名簿だ。 何せ、少年院にいるはずの千家を連れ出すのは難しいし、高遠だって、神出鬼没の指名手配犯だ。決して簡単にこんな風に捕まりはしない。 ──強いて言うなら、高遠という男は、むしろこういう事を考える側の人間だ。 しかし、もしこの殺し合いとやらを考えたのが彼ならば、この名簿に彼の名前がある事自体がおかしい事になる。 彼は、他者の復讐計画を作り上げる事をしたとしても、そこに絶対に手を貸さず、堂々と姿を現そうとはしない人間なのだ。このゲームならば迷わず主催側を選ぶに違いないし、参加したとしても、絶対に「高遠遙一」という名前を明かしたりしない。 だとすれば、やはり彼も巻き込まれたと言う結論で間違いない、とはじめは推理する……。 それから、──おそらく、同姓同名だと推測したが──それでも気にかかるのは、亡くなったはずの「和泉さくら」や「小田切進」の名前だ。 どちらも、ごく平凡な名前で、探し出せば何人も見つかってもおかしくない。いや、実際、はじめもきっとそうなのだろうと思っている。苗字・名前ともによくある物で、高遠や千家に比べると、同姓同名が何人も存在していても不思議ではないだろう。 特に、「さくら」という名前は名簿に四つも存在しているくらいだ。やはり珍しい名ではないのだろう。 しかし……そう割り切ったはずだが、どうも引っかかる。 主催者──『ノストラダムス』という人物の言葉によれば、人間を生き返らせる技術があるとかないとか……。 ──あの言葉に、何か関係がある気がしてならない。これは、はじめらしい推理ではなく、どちらかといえば、時折命中する彼の勘であった。 だが、いつもは当ててきた勘も、今度ばかりは簡単に信じる気にはならない。 人の命が生き返る方法など存在しない。──それは、常識である。 (そうだぜ、金田一! これまでだって、死者の呪いなんて嘘だったじゃないか……! さくらたちが生きてるなら、それに越した事はないけど……そんな事はないんだ……絶対に) 考える事を放棄してはならない。死から逃れてはならない。全ての事象は推理で説明がつく。オカルトに逃げてはならないのだ。 ──これは、日本では有名な偉大な祖父の教えだ。 金田一は──耕助も、はじめも──、これまでどんな事件に遭遇しても、それを決して不可能なオカルトの事象だと結論づけようとはしなかった。 その信念を持ち続ける彼は、ワニの怪物もこれまでの“怪人たち”同様、人間が被った着ぐるみだという前提で考えているし、周囲にちらほらといた変わった姿の人間たちも本当にそんな姿だとは思っていない。 参加者とされている側にもサクラがいる……と考えると、殺し合いが本当に行われているかも疑わなければならないはずだが、この首輪が巻かれている事などからも、ひとまずは「殺し合いは行われている」という前提で、警戒して歩いた方がいいだろう。仮に、いつかのようなテレビのドッキリ企画だとしても……まずは注意に越した事はない。 しかし……やはり、ここにもまた、『重大な見落とし』をしている気がしてならなかった。 それに、クロコダインと呼ばれたあのワニの怪物に駆け寄った子供たち──彼らの悲痛の叫びが偽物とは到底……思えない。 「ん……?」 そんな事を考えながら歩いていた彼の目の前に、池を跨ぐ橋が見えていた。 考える事に夢中になると、周囲が見えなくなるはじめだ。今も、こうして、ほとんどホテルの外に出ている事に全く気づいていなかったらしい。 しかし、目の前に見えて来た物を見つめると、そんな思考が一瞬遮断される。 そう、元々、今はこの場所を目的に歩いていたのである。 「やっぱり……ここにあったのか」 この橋を渡ると、ステーションホテルの劇場に繋がっているのだ。 彼の前には、ドームのように丸い屋根の小さな劇場が見えてきていた。 この建物は、確かにはじめも過去に見た事がある。……いや、以前ステーションホテルに来た時、まさにここに足を運んだのだ。 「……」 ……だが、はじめも、まさか、こんな時にまたここに来るとは思わなかった。 あの天才犯罪者──『地獄の傀儡師』が生みだされる原因になった、ある不幸な事件が起こった場所が、ここなのだから。 ◆ !? ──そして、劇場に入ったはじめの前では、至極奇妙な光景が繰り広げられていた。 どこか暗い面持ちでこの劇場に入ったはずの金田一の顔が、「空いた口が塞がらない」を体現するように、どこかマヌケになった。 劇場には、小さな外国人少女の高い声が響いている。 少女は、全く邪心も見せずにはしゃいでぴょんぴょん跳ねていた。 「すご~い! これどうやったの~!? ねえねえ、教えて!」 「だからダメだってば! 自分で考えないと、名探偵になれないぞっ!」 はじめの顔見知りの“ある男”が、何やら奇妙なマジックショーを一人の少女にだけ向けて行っている。 それを眺めて、その男も笑っていた。 ……“顔見知りの男”、“ある男”という言い方では、少しじれったいだろうか。 「『地獄の傀儡師』──高遠遙一……!」 それは──ここで犯罪者として誕生した男・高遠遙一である。 彼は、ニコニコと笑いながらアイリスの方を見て、トランプを宙に浮かせてシャッフルしていた。しかし、劇場にはじめが入った事に気づいたようで、一瞬、きりっと真面目な顔付ではじめを遠く睨んだ。 子供相手にも、割と本格的なマジックを見せているようだ。──さすがはプロ、と思い、はじめは少しばかり苦い顔で高遠を睨み返した。 「どうしたの……? お兄ちゃん」 「……いや。どうやら、もう一人、お客さんが来たようだね。──でも、大丈夫。嬉しい事に、あれは僕の友達だから」 はじめと高遠──因縁の二人は、思ったより早く出会えたようである。 再びここで出会った二人の視線が重なっているのを、アイリスが少し不安そうに見つめていた。 彼女も、そこで二人の間に渦巻いた悪意を、どこかで直感していたのかもしれない。 このアイリスという少女の正体は後ほど明かす事になるが、ひとまず、今ははじめと高遠の事だけを見てみよう。 はじめは、ゆっくりと舞台に近づいて行った。 はじめが一度舞台の前で止まったが、それを見て高遠が言った。 「ステージに上がっても構いませんよ、金田一くん。今日ばかりは歓迎します」 「じゃあ、お言葉に甘えて! よっと!」 そう言い合いつつも、どこかピリピリしたムードがはじめと高遠の間に流れ、アイリスは不安げな表情を見せていた。 高遠の顔付きも、どこか先ほどより強張ったようで、アイリスに直感的な恐ろしさを植え付けた。 この二人……ただの仲が良い友達には見えない。 「あ、このお兄ちゃん……」 アイリスは、近くで見てみて、金田一一という男にどこか見覚えがあったのを思い出す。そう、あの凄惨な殺人現場で、主催に最後の質問を行ったのが、彼だったのだ。 あの時の事を思い出し──戦争を嫌うアイリスは、ぐっとスカートの裾を握った。 やはり、どう楽しい記憶で塗り替えても、先ほど人が死んだのは確かだった……。 「……」 はじめも黙り込んだまま、近づいて来る。 はじめという男は、あの船上での様子を見るに、おそらく──悪い人間ではない。アイリスもそう思っている。しかし、真顔の彼はどこか恐ろしかったのだろう。 アイリスの前で、はじめは、ふぅ、と息を吐いてから、強張った表情を崩して、少し高等部を掻いて、高遠に、馴れ馴れしく言った。 「……ったく、気が抜けるぜ。まあ、正直言うと、あんたに会いたくなかったわけじゃないけどさ。まさか、こんな時にもマジックショーなんて」 はじめの顔は、緊張しながらも、どこか高遠を前に肩の力を抜く事が出来たようだ。 「……おや。これはこれは。意外にも私と同意見のようですね。少なくとも、一度は……金田一くん、君と会っておきたかった」 高遠も、どこか薄く笑っているような表情で、はじめを見つめていた。 それで、アイリスはすぐにほっと息をついた。 はじめと高遠は、どうやら険悪な関係に見えたが、そういうわけでもないらしいと思った。それで、安心しきったまま、アイリスは高遠に訊いた。 「えっと……お兄ちゃんのお友達……なんだよね?」 「そうだよ、アイリス。このお兄ちゃんは、金田一一。有名な名探偵の孫なんだ」 「へへっ……。いや、友達っていうとちょっと違うような気もするけど」 はじめは否定したいように冷や汗をかいていたが、高遠は淡々と「友達」などという言葉を口にする。まあ、厳密な関係を口にすれば、それこそ誰も人が寄らなくなるので致し方ないとも言えるが……。 「……ふふ。アイリス、それじゃあマジックショーは終わりだよ。裏の楽屋でこっちのお兄ちゃんとお話があるから、その間だけ別の部屋に居てもらえないかな?」 「え~……マジック終わりなの~? つまんな~い!!」 丁度、はじめも高遠と二人で話したいと思っていた所だ。 そもそも、高遠の正体を前提とした上で話し合うならば、他の人間はその場に置いておくわけにはいかない。 しかし、アイリスは、高遠のマジックに夢中だったらしく、どこかはじめを疎ましそうにも見ていた。 よりによって、殺人鬼の方が子供に懐かれてしまうとは、はじめとしても癪だった。 「大丈夫、すぐに終わるからね。それまで良い子にしていたら、今度は金田一のお兄さんが面白いマジックを見せてくれるよ」 「アイリス子供じゃないもん!」 「そうかそうか、ごめんごめん!」 そう宥める彼の姿は、彼をよく知るはじめにさえ、四人の人間を殺した犯罪者には見えなかった。 ◆ 劇場の楽屋であった。楽屋では、舞台上でどんな姿を演じている者も、素の姿を現す事が出来る。──まさに今は、彼らの舞台裏であった。 はじめと高遠は、それぞれ越しかけながら、日常でも殺人を演じてきた者とは思えないほどにくつろいで、友人とでも会話するかのように向かい合っている。 額やに置いてある幾つかのマジック道具を高遠は興味深く見つめていた。近宮のトリックに使われる道具ばかりである。 しかし、すぐに興味を失った。 今は──目の前には、もっと興味を示すべき人物がいる。 「……さて、金田一くん。訊かせてもらおうか。君ともあろう物が、この『地獄の傀儡師』と会いたいとは、一体どんな理由があっての事なのか」 「この状況だぜ? 理由くらいわかるだろう」 「だからといって、君が私の力を借りたいなどと言うはずがないでしょう?」 「……そう思うかい?」 どこか調子の良いはじめである。 彼は、順序立てて高遠に対して、自分の高遠遙一という人物の認識に関する「推理」を教える事にした。 「まず一つ。俺は一応、あんたの知能や才能だけは認めている。これが大前提だ」 「ほう。しかし、それだけ、という事は、私の人間性を信用しているわけではないのでしょう? それこそが、ここが本当に殺し合いの現場ならば──最も重要な前提となりそうですが」 確かに、連続殺人鬼である高遠を仲間に引き入れるというのは、はじめらしくはない。 しかし、彼はそれを選ぶ事にしたのだ。──決して、高遠の本質を信頼せずに、高遠の主義を信頼する、という形で。 「それが、もう一つの理由だよ。確かにあんたは信用できないけど、これが“あの”高遠なら、『他人に殺人を強要させる』事はあっても、『他人が強要する殺し合いに乗る』事はない」 「なるほど」 「……そして、それからもう一つ。少なくとも、あんたは自分にとって恨みがない人間や、復讐計画を遂行する犯罪者以外には殆ど手を出さない事だ。……そう、例えば、ああいう子供なんかを殺したりはしないと思ってる」 「流石だ、金田一くん。この私の性格を概ね言い当てていると言っていいでしょう。私も、別に無差別殺人犯というわけではないからね」 いや、お前はむしろそっちに近いだろ、よく言うぜ……とはじめは思ったが、刺激しても仕方が無いので黙っておいた。 幻想魔術団のメンバーを殺害したのは私怨や復讐かもしれないが、『道化人形』を利用して始末したのは、無差別的な愉快犯としか言いようがない。 だが、それでも、やはり彼なりのポリシーというのは存在するのである。 地獄の傀儡師──高遠遙一はそういう意味で、不思議な犯罪者だった。 警戒するに越した事はないが、それでも一定の信頼値の置ける相手だというのは、ある事件を通して知って間もない事だった。 「……で、まあ、正直言っちゃえば、俺もお手上げなんだよね。この殺し合いってやつ。今んところ、あんまり実感もないしさ」 「そうですね。……ただ、最初の二件の殺人。あれだけは、まず考えておく必要がありそうです。お互いの結論を言っておきましょう」 まるで明智警視と会話をしているような気分だが、まあ、高遠が刑事だったとしてもあんな感じになるのだろうな、とはじめは思う。 それから、口を揃えて二人は言った。 「「────あれは本物だ!!」」 つまり──オープニングの時点で、二人の人間が死んでいるという事だ。あれは人間を怯えさせる偽物の死などではない。 普段、死体を見慣れている二人だから、それがよくわかったのだろう。 はじめにとっては、それは直感でしかなかったのだが、高遠にはマジックと本物の死の区別はもっとよくつくらしい。 「あの死体は、確かに作り物なんかじゃない。確かに一瞬でスポットライトが消えて見えなくなっちゃったけど、本当に人が死んでいたと思う」 「同感です。ワニ男の方は……おそらく、外装は精巧な作り物でしょう。──いや、これは、あくまで触れる機会もなかったので確かめる事はできませんが、常識として、その可能性が高い。……しかし、気になるのは、そこまでしてあんなサクラを用意する必要があるか、という事です」 「それなんだよ。どうも引っかかる。よほど人相が悪くない限り、あんな所で着ぐるみなんて着る意味はないし。それに、駆け寄った子供だ……。あれは、テレビのスター怪獣の最期を観ちまったってわけでもなさそうだった。知り合いの亡骸に抱きつくみたいで……」 死体という“モノ”を理解する高遠と、死体に駆け寄る人間の“感情”を理解するはじめ。 その点において、過程は対立しているが、結局、二人の結論は同じだった。 「とにかく、あのクロコダイル・マンを知っている少年たちを探す必要もありそうですね。できれば、最初の道化師の知り合いも」 「ああ……。色々と事情も聞いておかないとな」 二人の意見は、そこについても同じだった。 それから、またはじめはまくしたてるように高遠に問うた。 「……でも、それを除いても、もう一つ疑問が残るんだ。この殺人劇の目的だよ」 「……」 「こんな事をしたって、何の意味もないだろ? それに、あの『ノストラダムス』とかいう奴だって、目的は教えてくれなかった」 「……」 「あの二人に恨みがあったとか、ここにいる人間に何か特別な共通点があるとか……そういう理由があるんじゃないかと思ってさ」 彼が素直に疑問としている部分は、おそらく高遠に訊くような意味だった。 はじめも多くの犯罪者を見てきたが、それでも、これだけの事をする犯罪者はこれまでいない。逆に、高遠ならばそうした犯罪者側の心情もよくわかるだろうと、ひとまずカマをかけてみたのだ。 しかし、高遠は“動機”については深く考えようとはしていなかった。 「確かに、随分手の込んだ事のように思いますね。──しかし、露西亜館の事件を忘れましたか? 金田一くん。大がかりな犯罪を行うのに、大した理由など必要ありません。いえ、大がかりであればあるほど、快楽以上の意味はないのです。復讐ならば終えれば済むだけですからね。山之内恒聖もそうだったでしょう?」 「……忘れてなんかいないさ。でも、俺はあの時言ったはずだぜ? 俺はあんたのような人間は認めないって……! こんな事をするからには、何か必ず理由があるはずなんだよ!」 「私はそうは思いません。いいえ、むしろ、手間と金をかけてまでこんな事を目論む愉快犯の方が、私にはずっと共感できる……まあ、巻き込まれた手前、素直に褒める気にはなりませんが」 淡々と言う高遠である。 実際、はじめも、高遠の言っている事は理解できる。 たとえば、高遠が殺人を犯した理由は、当初こそそれなりに納得できたかもしれないが、今となっては、殺人者を教唆してはじめを嘲笑う愉快犯になっている。あんな真似をしても、高遠にとってメリットなんてないはずだというのに、彼は殺人を行い続けるのだ。 そして、彼らが話している露西亜館の事件では、犯人の目的は金であったし──更にそれを操っていた“もう一人の犯人”山之内恒聖の動機で、はじめと高遠は、真向から意見を対立させたのである。 はじめが認めていないとしても──完全な愉快犯の犯罪者は、“いる”のだ。 「くっ」 「この話はそれこそ平行線です。やめておきましょう。……他に、何か私に訊きたい事は?」 高遠は巧妙に話題を逸らした。 はじめの方も熱くなりすぎたので、一度熱を冷ます。こうして、根本的な考えの食い違いを議論しても仕方が無い。 今すべきは、この犯罪者に協力を仰いででも、殺し合いについてもっと推理を深める事だ。 「そうだな。あんたとこんな話をするのはやめにしよう。……で、今あんたに一番訊きたいのは、このデイパックについてだよ」 「ほう」 腕を組んでいた高遠も、その時、少し興味深そうにはじめを見た。 誰もが持っている小道具の名前が出て来た事に少し驚いているのかもしれない。 「実は、このデイパックにもちょっとしたトリックが仕掛けられてるんだ。これくらいなら、あんたならもしかしたら解けるんじゃないかと思って、あんたを探してみたわけ。ホテルを探すよりも、こっちの劇場を探した方が、あんたがいるんじゃないかな~と思って来てみたら、案の定いるんだもん、流石に驚いちゃったよ」 「……それで、君が解けなかったトリックというのは何かな?」 はじめは、無理して少し普段通りのおどけた口調で熱を冷まそうとしていた。 しかし、高遠はそれを見抜いており、簡単にその要件だけ聞こうと考えていた。 それを悟って、はじめは、すぐに言った。 「ヒスイだよ」 それでも少し勿体付けた言い方になってしまうのは、はじめの悪癖だ。彼特有の演出癖と言ってもいいかもしれない。 しかし、高遠はしっかりと彼の言葉に訊き返す。 「ヒスイ?」 「ああ、ずっと前にどっかの誰かさんが間抜けにも置き忘れて、この俺にヒントを与えた、あのヒスイと全く同じ物さ」 「……その下手な皮肉はひとまず置いておきましょう。そのヒスイがどうかしましたか?」 死骨ヶ原ステーションホテルに設置されているヒスイの石は、かつて高遠の犯罪が暴かれる証拠となった物である。 はじめも、今思うと高遠のあのミスは間抜けすぎて笑ってしまうのだが、もしかすると、それも含めて、わざと手がかりを残したのではないか──と思ってしまう。まあ、余裕ぶった本人を前にしても、真相は藪の中だが。 とにかく、はじめは答えた。 「実は俺、さっき、あの部屋にあったヒスイを二つとも貰ってきたんだ。部屋は、あの事件の時のままだったからね。……流石に死体まではなかったけどな」 「……夕海の死体が吊るされていたら、とうに腐っているでしょう」 「それもそうか。……で、話を戻すけど、俺が覚えているところだと、あのヒスイの重さは一つあたりだいたい5kg程度。だから、今俺は10kgのヒスイを持ってきている事になる」 「10kg?」 「ああ。普通に考えれば、俺みたいにそんなに力もない人間じゃあ、片手で軽々とは持てないだろ? ……だけど、ホラ!」 はじめは、デイパックを片手で平然と持っている。いや、それどころか、そんな物が入っているデイパックは、少し形がいびつになる物だろうに、それは綺麗な形を保持していて、到底、二個の翡翠が入っているようには見せなかった。 はじめは、それを高遠に渡した。 「試しにあんたも持ってみなよ」 そう言うと、高遠はあまり警戒せずに片手で受け取った。 あまり重くはない──。 いや、どう見積もっても10kgはない。トランプ一枚の重さがわかる高遠が見積もっても、これは1kg丁度の重さだ。 「私のデイパックの重さと、変わらないな……。いや、これは1kgもない……中を確認しても?」 「ああ、構わないぜ」 高遠が確認すると、二個のヒスイが取りだされる。それは、片手で取りだすには大きく歪で、その重さは確かに5kgあった。──以前、抱えたのと同じ重さだ。 それを見て、高遠は呟いた。 「……信じられない。確かに、不思議な“魔法”だ」 はじめも、高遠がこれほど驚いている顔は初めて見たような気がする。 しかし、高遠ならこれくらいの魔法を可能にしてしまうトリックくらいは持っていてもおかしくない。 はじめですら解けなかった物だが、奇術のプロならばどうだろうか。 「だろ? どう考えたって、10kgのヒスイをデイパックに入れてたら、重くて歩いていられないよ。でも、このデイパックに入れると、急にその重さがなくなったんだ。一体、どんなトリックが仕掛けられてたらこんな風になるのか、って思ったんだよ。マジシャンのお前なら、このくらいわかるかと思ってさ」 それで高遠を頼ったのだ。はじめも、マジックは祖父に多数教わっているので得意としている所だが、それでも本業マジシャンには敵わない。このトリックはどれだけ考えても全くわからなかったのだ。 それで、──彼らしくはないが──答えを探ろうとしたのである。 高遠が、デイパックと翡翠を見つめながら、少し頭を悩ませた。 それから、少し躊躇して口を開いた。 「ええ、本来ならば、そうですね。ですが、これに関しては……トリックは、ありません」 「何だって!?」 今度は、はじめの方が驚いてしまった。 いや、流石に──はじめも、お手上げだったとはいえ、トリックがないという言葉が高遠の口から出てくるなど、信じがたい事である。 彼らほど、トリックというものに精通している人間はいないだろう。 「君も薄々勘付いているでしょうが、重さを感じなくなるトリックは、だいたい別の場所に荷物を隠していたり、重さを感じにくいように持たせたり──というタネがあります。しかし、現に君はホテルからここまで何なく10kgのヒスイを持ち歩いている……。君はここまで歩く間、背中にそれほどの重さを感じなかったんでしょう?」 「ああ……でも、だからってそんな……」 「……それならば、トリックはありません。つまり、このデイパックに物体を入れれば、その質量が一時的に軽減する効果を持っている、という事になります。君が嘘をついているわけじゃなければね」 「質量がなくなるだって……!? そんなバカな!」 はじめが驚きを露骨に表しているのに対して、高遠は至って冷静に言った。 彼も驚いていないわけではないが、少なくとも、あらゆる事態に冷静に──あるいは冷徹に対処する性格であった。 自分の信念さえも、時には冷徹に覆して現実を見る事が出来るのが高遠のある種の長所だ。 「……残念ながら、我々は認めざるを得ないようだ。主催側が持っている力は決して単純ではない、と」 「そんなものを認めろだって!?」 「私だって……いええ、私の方こそ、こんな事を簡単に認めたくはありませんよ。仮にもマジシャンの一人として、ね。よりによって、こんな物が出来てしまえば、私たちの商売は上がったり無しだ。──いや、それは探偵の君も同じ……か」 「くそっ……! どうなってるんだ! きっと何かトリックがあるはずなんだ!」 はじめは、オカルトや魔法を簡単には認めない性格だ。 現実に、不思議な事は山ほどある。──以前、ある場所で起きた怪事件では、『死体の服が赤いちゃんちゃんこのように塗られていた』という怪現象が起きた事もあるが、その時には図書館で必死に勉強を初めて、美雪たちを呆れさせたほどである。 はじめは、もう一度デイパックを確認し、焦りながら中身を見つめている。 そんなはじめを、「無駄だ」と思いながら見下ろしている高遠。 彼も、とにかく一つだけ、はじめに胸の内を言ってやる事にした。 「……金田一くん。どうやら、ここでは私の求める芸術犯罪を行う価値は本当になくなったようです」 そんな高遠の意外な言葉に、一瞬、はじめの動きが止まった。 はじめは、そんな高遠の方を凝視した。 「私は自然界の法則と人間の心理の穴を駆使してこそ、私の計画は芸術として完成される。そう、推理小説もマジックも、その条件で作られたからこそ、一つの芸術になるのです。……しかし、こんな魔法は、私を侮辱しているとしか思えない。──君も同じでしょう?」 はじめは、そう言われて、デイパックの仕掛けを見抜こうとする動きを止めた。 ……認めたくはなかったが、やはり、高遠の言う通りなのだろう。 いや、むしろ──こんな魔法を最も忌避するであろう高遠が認めたのだ。こうしてトリックを探そうとする事こそ、駄々をこねる子供のようだった。 はじめも、すぐに諦めた。 犯罪は芸術なんかじゃない──と言いたかったが、これも無駄だろう。 「ああ……! くそ……まったく、わけわかんねえぜ。でも、一度認めるしかないみたいだな……。これは、トリックなんかじゃないよ!」 「ええ。仮にトリックがあるとしても、それは、今の私たちにはまだわかりません。しかし、私も、ひとまずは、“こんな魔法のデイパックが存在する”という前提で動きましょう。……まあ、我々の主義や性格に目を瞑って認めてしまえば、こんな鞄も便利ですしね」 クスクスと笑う高遠を、はじめは何か言いたげな目で見つめる。 はじめも、別に納得はしていないが、納得せざるを得ないのだった。 と、そのクスクス笑いをやめて、高遠が思い出したように言った。 「そうだ、私からも、君に頼みがあるんでした」 「……あんたが俺に頼みだって?」 それから、高遠は少し躊躇した。 頼み事をするだけで驚くはじめである。高遠がこんな事を口にすれば余計に驚くのではないかと──高遠は、そう思った。 しかし、やはり、彼もすぐにはじめに要件を伝える事にした。 案の定、それははじめを驚かせる事になる。 「あのアイリスという少女についてです。──彼女を、君の手で保護してもらえませんか?」 「何だって!?」 はじめは、魔法の存在を知るよりも、彼がこんな事を言い出した事の方がずっと驚いているようだ。 いや──確かに、露西亜館の事件では、高遠は己の主義を守って、はじめたちの前で犯人の命を守ってみせた。 しかし、だからって、高遠の方が先にこんな事を頼むなどとは思いもしなかったのだ。 「……こう見えて、私もマジック好きの子供は嫌いではありません。しかし、『殺す』のはともかく、『守る』というのは、少しニガテでね。明智警視や剣持警部もいない以上、こんな事を頼むならば、君くらいしかいないと思っていたんですよ。それが、私が君に会いたかった理由の一つです」 「あんたがそんな事言うなんて……流石にそこまで考えてなかったぜ。だけど、それなら俺とあんたが一緒に行動するっていうのも一つの手じゃないか?」 はじめは、まるで誘い込むかのように言ったが、自分でもそんな言葉が出たのが不思議だった。 高遠との協力……? ──自分はそう言ったのだろうか。 しかし、やはり──高遠の返答は、否定だった。 「……私と君は決して交わる事のない平行線だ。共に行動しても反発するだけに過ぎない。──たとえば、いくら殺し合いに乗らず、芸術犯罪が完成しないとしても、もしこのゲームからの脱出に邪魔な人間が現れれば、その時は──」 「やめろ!!」 高遠が何を言うかを読んだはじめは、思わず遮るようにそう叫んだ。それから、震えるように息をあげた。 そうして高遠の本質を忌避した時に、はじめも、なるほど、と思った。 確かに──はじめと高遠は、時に協力出来たとしても、結局“平行線”なのだ。 しかし、それを確認して、はじめ自身がどこか安心していた。 「……フッ。そう。だから、私と君とは、同じ目的を持っていても、たとえどこか一か所理解し合ったとしても、結局は対立せざるを得なくなるという事です」 「……」 「それでは、二人きりの話はこれくらいにしておきましょうか。改めて、またアイリスも交えて情報交換をしましょう。この場で選ばれたという事を考えると、やはり彼女にも二、三は特殊な部分があるかもしれないし、そろそろ一人が怖いでしょうしね。……まあ、プロフィールを明かすという程度でも構いません。そこから先は別行動です。そうですね、その後で、また会う約束でも取り付けておくべきでしょうか」 意外な事ずくめで、流石のはじめも困惑していたが、彼も状況を飲み込むのは早い。 数秒の沈黙が流れた後で、彼は、納得を示して言った。 「……ったく、仕方ねえな。でも、高遠。一つだけ訊かせてくれ」 いまだ高遠という男を完全には理解できなかったはじめは、ふと疑問を口にした。 「もし……あんたがこの殺し合いの主催者だったら、あれくらいの子供も巻き込むのか?」 そう。そんな疑問である。 アイリスを守れといった彼であるが、それは「マジック好きの子供」という非常に限定的な理由によるものである。それとも、彼自身は本質的に「子供を巻き込まない」のだろうか? 少し迷った後で、高遠は答えた。 「どうでしょうね。私にもわかりません。神のみぞ知る……という所でしょうか」 はじめは、思った。──やはり、こいつが刑事じゃなくて良かった。 あの“明智警視”みたいな上司が二人に増えたら、剣持のオッサンや捜査一課の人たちが心労で倒れちまう、と。 だが、それでも──こんな人間でも、殺人者にはならないでほしかったのははじめの本心だ。高遠にとっても、殺人など知らないただのマジシャンであるのが本当は一番幸せだっただろう。 はじめは、誰よりも犯罪を憎み、許さない人間であると同時に、誰よりも犯罪者を憎まず、許す心を持った少年なのだ──。 ◆ その裏で──。 彼らが“魔法”の話をしている横の部屋で、実は──、“魔法”は起きていた。 隣の楽屋に準備されていたマジック道具は、空中に浮いている。 本来なら糸で釣るトリックがあるはずなのだが、今はそんな物が全く使われておらず、本当に、マジック道具たちはふわふわと空を飛んで、少女を囲んでいる。 「アイリスだって出来るも~ん。ホラ! アイリスすご~い!」 これは、なんと、アイリスの仕業であった。 別に、あの僅かな時間で高遠のマジックを覚えたというわけでも、ここにある道具を浮かせるトリックを看破したわけでもない。 彼女は、強い“霊力”を持っていて、こうした魔法のような芸当が本当に出来るのである。 しかし、霊力の事は基本的には、「ヒミツ」なのだった。使えるのは緊急時か、あるいは、こうして、隠れてこっそり使う場合だけだろう。 (う~ん……でも、高遠のお兄ちゃんは霊力がなくてもこういう事が出来るんだよね……本当にあんな凄いマジックが出来るのかなぁ。──一体、どうやってるんだろう?) そんなアイリスですら、高遠のマジックのタネは全くわからない。 それだけ高遠の手際が良いと言う事である。まるで本当の魔法のように見せなければ一流のマジシャンにはなれないというのだ。 (まあいっか……! ……それより、早くお兄ちゃんたちと合流する事を考えなきゃ) マジックのタネを考えるのをやめたアイリスが次に考えたのは、ある特殊部隊の仲間の事である。 実は──ここからが、アイリスの正体の確信である。 彼女が無邪気な一人の少女であるのは確かだが、それでもただの少女ではない。 帝国華撃団。──実は、アイリスは、この幼い年齢にも関わらず、高い霊力を認められて、その特殊部隊の戦士の一人をやっているのだ。 そして、この殺し合いの現場には、同じ帝国華撃団の大神一郎や真宮寺さくら、李紅蘭という頼もしい仲間もいる。三人は特にアイリスと仲の良い団員でもある。 一刻も早く彼らと合流し、この殺し合いを終わらせなければならない。 あの“ピエロさん”や、あの“ワニさん”のように、誰にも悲しい目には遭ってほしくないのだ……。 (まあ、いざとなったら、アイリスが、高遠のお兄ちゃんも、金田一お兄ちゃんも守ってあげなきゃね……!) 大人ぶりたいアイリスは、二人に対してそんな姉のような使命感を持っていた。 高遠のマジックに惹かれている姿は子供そのものだというのに、彼女は自分が子供扱いされる事をとにかく否定する。 そして、何より、自分を大人に見せたいのだ。 何より、彼女は、力ある者として、力なき二人を守ってあげる義務がある。守られたくはないのだ──。 (それにしても、あの金田一のお兄ちゃん、随分変な恰好してたなぁ……) それから、外見年齢だけ見ていると全くわからない、彼ら自身は全く理解していない、ある“差異”も存在していた。 (最近の流行りなの……? でも、帝都にもあんな変な恰好している人、いなかったけどなぁ……) そう──実は、このアイリスという少女の生年は、なんと金田一一の祖父・金田一耕助と同じ、1913年なのである。はじめからすれば、少女というより、「ばあちゃん」である。 だから、彼女やその仲間たちに、「金田一耕助」などという戦後の有名な名探偵の名前は全く伝わっていなかった。 大神も、さくらも、紅蘭も、金田一耕助という名前を聞いてもピンと来ないだろう。 ……まあ、実年齢や人生経験は、現時点でははじめより下でる。 彼女たちは、1925年(太正14年)やその前後から連れてこられたのである。 これらの事実は、邪魔が入らなければ、これからの情報交換ではじめや高遠たちにも明らかになっていく事だろう……。 ◆ 次 回 予 告 (嘘) へっへーん、アイリス、この二人よりもずーーーっと年上だったんだよ!! これなら、アイリスも、立派に大人の仲間入りだよね? じゃあじゃあ、こう呼んでもいいでしょ?“はじめちゃん”に“遙一くん”! 次回! 90’s ばとるろいやる! タイトルは、えっと……まだわかんな~い! とにかく、太正櫻に浪漫の嵐! お兄ちゃんの~名にかけて~!! ※この予告は仮のものです。 実際の内容とは異なるかもしれませんし、こういう内容になるかもしれません。 ◆ 【G-4 死骨ヶ原ステーションホテル・劇場の楽屋/1日目 深夜】 【金田一一@金田一少年の事件簿】 [状態] 健康 [装備] 不明 [道具] 支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済)、ヒスイ×2 [思考] 基本行動方針 殺し合いを止め、脱出する。 0:高遠、アイリスとの情報交換。その後、高遠とは別れる。 1:高遠との約束通り、アイリスを守る。高遠の正体はなるべく教えない。 2:クロコダインの死体に駆け寄った少年を探す。 [備考] ※参戦時期は、「露西亜人形殺人事件」終了~「金田一少年の決死行」開始までのどこか。 ※トリックでは説明できない事象をそれなりに認める事にしました。 【高遠遙一@金田一少年の事件簿】 [状態] 健康 [装備] 不明 [道具] 支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済)、マジック用のアイテム(没収漏れ) [思考] 基本行動方針 殺し合いから脱出する。 0:金田一、アイリスとの情報交換。その後、金田一とは別れる。 1:殺し合いからの脱出を行う。ただし、邪魔な者は容赦なく殺害する。 [備考] ※参戦時期は、「露西亜人形殺人事件」終了~「金田一少年の決死行」開始までのどこか。 ※マジック用のアイテムは、殺傷能力を持つ物(毒入りの薔薇など)や、懐などに仕込めない大き目の物や生物(ボックス、鳩など)のみ没収されています。簡単なテーブルマジックならば行う事ができますが、基本的に戦闘では活かせません。 ※トリックでは説明できない事象をそれなりに認める事にしました。 【イリス・シャトーブリアン@サクラ大戦シリーズ】 [状態] 健康 [装備] 不明 [道具] 支給品一式、ランダム支給品1~3、作り物の薔薇一輪 [思考] 基本行動方針 殺し合いには乗らない。 0:高遠のマジックがもっと見たい。 1:大神一郎、真宮寺さくら、李紅蘭との合流。 2:霊力は人前では使わないが、いざという時はそれを使ってみんなを守る。 [備考] ※参戦時期は「サクラ大戦2」のどこか(太正14年の為)。 時系列順で読む Back 乾いた風を素肌に受けながら Next 翼よ!あれが帝都の灯だ 投下順で読む Back 乾いた風を素肌に受けながら Next 翼よ!あれが帝都の灯だ Back オープニング 金田一一 Next [[]] GAME START 高遠遙一 Next [[]] イリス・シャトーブリアン Next [[]]