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少女派連合FAQ htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 「ロリコンという言葉が負のイメージにしかならなくなった上に心の底でそっと少女を愛する人から小林容疑者のように 実在の少女に手をかける人までを指すというのは、どうか」と考えた連合代表七瀬が作った造語。基本的にはロリコンと同義です。 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 代表七瀬曰く 「少女派の秩序回復」 「悪質なネカマへの注意の呼びかけ」 「行き過ぎた女性優位主義への阻止」 を第一目標として作られたのが少女派連合です。 しかし、活動初期にはまったくネカマに対する活動をしていないことや、 最近では「少女を守るために作った」というようなことを言い出しており、 実際のところ目的はよくわかりません。 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 連合代表七瀬が中3の頃着想した「日本萌軍」の「話をして分からない奴は叩きつぶせ精神」を反省し、「一般にも受け入れられる連合を作る」ために構想と名称を変えて、七瀬が高2になった2004年に「少女派連合」は誕生しました。その後幾度も解散、活動停止を宣言していますが、現在も活動を続けています。 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 いいえ、連合代表七瀬の個人コテであり、共有コテではありません。個人が「連合」と名乗る理由としては七瀬本人が「少女派連合と名乗ることによって、連合の主張や悪質なネカマに対する方法が目につく可能性も生まれてくると考えています」と説明していますが、過去には「ロリコン連合」「反ロリコン連合」などと名のっていた事実が知られており、連合を名乗る理由は他にあるものと考えられています。 なお、現在は「流星の七瀬」というハンドルが多く用いられており、「少女派連合」というハンドルを目にする機会は少なくなりました。 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 仕様です。 批判されたり都合が悪くなった活動や目的は、なかったことになることがあります。 しかし、表向き消えただけである場合や表現を変えることで隠されている場合が多いので、注意深く観察してみてください。 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 現在は3人のみですが、ちょっと前までは13人ものメンバーが名簿に載っていました。七瀬代表が少しでも仲間が多く見せかけようとしていたためで、実際に活動していた人はほとんどいなかったようです。最近になって名簿の水増しを指摘された七瀬が思い腰を上げて音信普通のメンバーを削除したところ、たった3人になってしまったという経緯があります。少女派連合に入ればあなたの名前も載せてもらえますよ^^ htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 ネカマに釣られたロリコンを救う為に待ち合わせ場所に出向くなど、リアルでその活動がヲチされています。 また釣りスレを無くすために自分の写メを晒すなど、体を張った活動はネタではないことを証明しています。 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 少女派連合本部の下部にある七瀬代表のメアドにメールしてください。 七瀬代表の言うことをひたすら肯定し続ければ、めでたく幹部になれるはずです。 なお、七瀬代表が寂しいときに電話やメールを返せないと誹謗中傷されたり、 除名されたりする場合がありますので、ご注意ください。 また、正当な批判であっても意見するのは厳禁です。 七瀬代表の気分を害さぬよう、くれぐれも注意してください。 メールの相手をしていれば、活動は無理にしなくてもよいようです。 htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 自殺を仄めかすのは少女派連合の基本です。これまでに何度も自殺宣言していますが、実行されたことはありません(自殺宣言集参照)。七瀬本人も本気で言っていないことは明白であり、単に構ってもらうための手段なので、過剰反応せずにニヤニヤ成り行きを見守るのがいいと思います。
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魔法少女ビッチ 【性別(男性/女性/両性/無性)】:女性 【学年(1年/2年/3年/その他)】:1年 【所持武器】:ビッチスタッフ 【攻撃力】:2 【防御力】:2 【体力】:3 【精神力】:3 【FS名】:ビッチ 【FS】:20 特殊能力 デリヘルデリヘル、ビッチになぁ~れ☆ 発動率106% 【 特殊能力内容】: 同マス任意一名に通常攻撃無効付与(効果時間1ターン)+敵陣方向に2マス強制移動 制約1:女性にしか効かない 制約2:自分永続戦線離脱 オプション:術者死亡非解除 【能力原理】 対象となる女性に、ビッチになる素敵な魔法をかける。 魔法をかけられたキャラクターはビッチになり、猛然と目の前にいるキャラに襲いかかる。ビッチだから。 ビッチになったキャラクターは、相手を犯し倒すまで何者にも止められない。ビッチだから。 金は取る。デリヘルだから。 魔法をかけ終えると、魔法少女ビッチはまだ見ぬモテない男子の役に立つため新たな地に旅立つ。 「それでも、私はビッチだから…みんなのこと、レイプしたいから…」 効果1 効果:通常攻撃無効 50 範囲:同マス一名 1.0倍 時間:1ターン 1.0倍 時間倍率:死亡非解除 1.3倍 効果数値1=50*1.0*1.0*1.3=65 効果2 効果:2マス強制移動(限定方向) 40*2=80 範囲:同マス一名 1.0倍 時間:一瞬 1.0倍 効果数値2=40*2*1.0*1.0=80 効果3 効果:単体で無意味なバステ付与【ビッチ】 3 範囲:同マス一名 1.0倍 時間:永続 2.0倍 時間倍率:死亡非解除 1.3倍 効果数値3=3*1.0*2.0*1.3=7.8 制約1:味方女性にしか効かない 0.75倍 制約2:自分永続戦線離脱 40 FS:20 3倍 調整数値:魔法少女陣営 +30 最終発動率=(100-(65+80+7.8)*0.75+40)*3+30=106.2=106% キャラクター説明 ビッチの国から来た魔法少女。 私立魅瀧胎中学校に通う冴えない男子生徒『喪手内夫』君の願いを叶えるために颯爽と登場。 女の子にモテない喪手内夫君のために、女子生徒達を次々にビッチにする。 ちなみに、喪手内夫君の童貞は会ったその日にいただいた。ビッチだから。 「デリヘルデリヘル、インランメスブタアバズレビッチ☆魔法少女になぁ~れ!」
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禁断少女 01-1 1 :名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20 02 49 ID IJGeRlJg 禁断少女専用スレ 2 :名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20 03 39 ID s41SvlLK ざわ・・ 3 :名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20 04 42 ID IJGeRlJg 30 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2006/05/17(水) 03 01 49 aXVoFy1r 良質な妄想をするために今日からオナ禁クマー! 童貞の癖に絶倫だから12時間ほどで禁断少女でるけどやってやるのさー!! とりあえず1日!!!! 31 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2006/05/17(水) 04 56 12 gWgeNeuH >禁断少女 既に限界っぽいなw 32 名前:禁断少女 投稿日:2006/05/17(水) 06 11 42 fiUI9sG2 「お兄様……もう、限界みたいですわね」 その少女は僕に向かってそう言うと、ズボンのファスナーを下ろし、びくびくと脈打っているモノを取り出した。 「まだ、さっきしてから十二時間しか経ってませんのに――しょうのないおちんちんですこと」 そうなのだ。 彼女は僕がオナニーを我慢していると、決まって目の前に現れる。 たぶん幻覚。たぶん妄想。 麻薬中毒の患者が苦しむという禁断症状のようなものだろう。 けれど、その手の患者にしてみれば、目の前に現れる幻覚がリアルな質量を帯びて感じられるのと一緒で。 僕には――彼女の存在が実際に目の前にあるようにしか思えないのだった。 いや、事実、触れることさえできる。 その感触が僕の脳から生み出されたものなのか、それとも実は夢ではないのか、それはわからない。 ただ、どちらにせよ、現れた彼女は僕のナニを刺激し、射精に導いては去っていく。 それは間違いなかった。 まるで、我慢は体に良くない、とでも言うように。 だから、僕のオナ禁は決して長く続かない。続かせることが、できないのである。 「十二時間前は手でして差し上げましたから――」 『禁断少女』は言う。 「今度はおクチでいかがです?」 「あ……。う、うん」 僕は拒むことさえできず、彼女に言われるがまま、それをOKしてしまう。 「ふふふ……。可愛い。先っぽから何か出てますわよ」 見れば、確かに僕のイチモツは、震えながら先走りの液体をこぼしているようだった。 「……はむ。……ちゅ。……ちゅぅ」 彼女は音を立て、愛おしい物でも口にするかのように僕のペニスをしゃぶっていた。 その表情を見ているだけで、僕は早くも絶頂を迎えそうに―― ……こうですか? わかりません! 4 :名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20 35 06 ID C7qBXMR5 お前ら禁断少女を文章化したら恥ずかしくて逃げ出すっていう考えは無いのか 5 :名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20 39 04 ID yBjHICCm よし。 今日からオナ禁する。 6 :名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20 49 29 ID Wx+/p+fB ……立てたのか。まぁ、頑張ってくれ。 否定はしない。 7 :名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21 12 09 ID aYlgHbNt | |/H\ | 0M0 ) |⊂ / | / 8 :↑の32:2006/06/23(金) 21 22 27 ID ZcNTqUpA この子は俺の禁断少女だから、おまいらには渡さん!w ……という戯言はともかく、 テンプレに固執せず、『僕の所にやって来た禁断少女』を各人持ち寄ったほうが盛り上がるかもしれんね。 9 :名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 23 13 45 ID 17r73y1h 奇態アゲ 10 :名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 23 25 24 ID nVKEDhc6 エロパロ板でネタ雑談から萌えキャラが産まれるとは思わなかったw 11 :名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 04 39 41 ID Bv3k6ykx 禁断少女降臨祈願age 12 :wkz◆5bXzwvtu.E:2006/06/24(土) 05 01 32 ID Q2fn/Nvn とうとう立てやがった勇者野郎に誓いの流浪投下。第一夜(4分割)。 ---------------------------------------- 「ふぅん、こういうのがお好みなのですね」 遠い幹線道路の車の音も絶えた深夜、俺はデスクライトのみの暗い部屋の 中、キーボードに走らせていた指を止めてびくっと振り返る。 「え? えっ!?」 悪戯そうな微笑をたたえた卵形の綺麗な顔。キャスター付きの椅子に座っ た俺が振り返ったすぐ横に、同じ高さの彼女のそんな表情があった。 幼い身体つきはまだ中学生になったかならないか。暗い部屋に豪奢な金髪 が光の粒子を振りまいている。 「純愛ものですのね」 その娘はちょっと目を細め、揶揄するような意地悪な微笑み方をする。酷 薄そうに見える微笑なのに、可憐な美少女がやるだけでコケティッシュで小 悪魔じみた魅力あふれるものに見えた。 俺はその微笑にちょっと息を呑んでしまう。 「お兄様、どうなされたの? きょとんとなされて」 動きを感じさせずにすっと近づく娘。爽やかなフローラルの香りに、どこ かミルクを熔かした様な甘さが混じる。なんだろう。どこかで嗅いだことの あるような。脳裏の奥深くの本能に訴えかけるような、甘い、爛れた香り。 それ以前に、この娘は誰だ? どうやって僕の部屋に入ったんだ? こんな時間に? 一人で? 忍び込んだのか!? 「キミはどこから、いや、なんでここに?」 警戒して緊張した声が出る。 無意味に喉に絡まる唾液を無理やりに飲み込む。その音がこの娘に伝わり そうで必要もないのに頬が熱くなる。 「お兄様が、呼んだんですよ?」 娘は言葉を一つづつばらばらにほぐすように、甘くゆっくりと囁く。 「え? え?」 彼女が動くたびに、闇色のゴシックなドレスがふわりふわりと、部屋の中 で揺れる。昏いチュールレースと細い血色のシルクリボンが、大気を愛撫す るように掻き回す。 「これ、です」 彼女が指差した先。 そのスレッドにはひとつの単語が、モニターの中に浮かび上がっている。 ――禁断処女。 13 :wkz◆5bXzwvtu.E:2006/06/24(土) 05 02 50 ID Q2fn/Nvn 「なにをっ、そんな訳!?」 「あるんですの」 いつの間にか吐息が絡まりあうほどの距離に近づいてきた少女が微笑む。 澄んだ色の瞳がとろりと潤んで俺の視線を絡めとる。 「お兄様? ――ほぅら」 触れる指先。ずきりと甘い痛みに似た快感が僕の下腹部を走る。 「我慢してらっしゃったでしょう?」 彼女はころころと笑って俺のジーンズに包まれたペニスを恥ずかしげもな く撫で上げる。幼い指先が奏でる魔法のような快楽に俺の頭は惑乱する。 禁断処女? 射精をしないで耐えているSS書きの元にやってくるという 幻覚? 馬鹿な、そんなのはただのネタだ。雑談スレの戯れだ。 仮に百歩譲ってそういった幻覚があるとしたって、今ここに居る彼女はそ んな曖昧なものではありえない。 少女の幼い甘い声も。身体から漂うミルクにも似たとろりとした香りも、 部屋で幻想的に揺らめくドレスも、幻覚なんかではありえない。 「なんなんだっ、キミっ」 俺は彼女の指先に何度も包まれてはしごかれるモノから感覚を必死に逸ら しながら問いただす。だが、その声は震えていてちっとも説得力を持ってい なかった。 「お兄様が、我慢しているから。私が来て差し上げたんですよ?」 指先がくりくりとペニスの先端を撫で回す。 身体中の神経がぞわぞわと集中していく感覚。 確かに最近、十日はしていなかった。そのせいか感覚が鋭敏になってしま っているのだ。身体中が熱い。幼い少女に弄られる感覚がリフレインして、 脳の中身までぐちゃぐちゃに溶けていきそうだ。 「我慢なんかっしてっ」 言葉を言い切ることも許されない。 子猫のように伸びた舌が、ちろりと首筋をくすぐる。濡れた感触が心臓の 鼓動をレッドゾーンまで急加速させる。 「してないんですか? うふふ。お兄様、純愛SS書きですものね」 小悪魔のような微笑。俺の息継ぎを見越したように、花びらのような唇が 喉仏を何度も甘く挟み込む。 ちりちりと産毛が逆立つような快楽。 少女の指先がゆっくりとジーンズのファスナーを引きおろしてゆく。ベル トを緩めずに、忍び込む細くしなやかな指先。俺のペニスに淫らな子蛇のよ うに絡み付いてくる。 14 :wkz◆5bXzwvtu.E:2006/06/24(土) 05 03 24 ID Q2fn/Nvn ずくずくとした熱が下半身に集まる。 触れられたい、扱かれたい。そんな欲望を際限なく煽り立てるような緩慢 な彼女の動き。 「うふふ。たっぷり溜まっていますね」 微笑む少女の唇の淫らな朱色。 禁断の味を秘めた唇が緩やかに開閉をして小さな舌が覗く。 たまらなくいやらしい光景。 「スレッドでは、GJが沢山ついてます。お兄様、ファンいらっしゃるんで すよね?」 「んっ! うっ……っ!」 繊細な十本の指が俺のペニスに絡みつく。敏感になっている俺にはそれだ けで腰が勝手に動いてしまうほどの快感。それなのに金髪の少女は先走りの 漏れる亀頭を何度も人差し指で優しく可愛がってくる。 ヌルつく指で粘液を塗り広げ、反応を確かめるようにじっくりと快楽を染 み込ませてくるのだ。 「お兄様のSS、皆様がほのぼのとした気持ちになってくれてますけれど… …」 弱火でじりじりと焼き焦がされるような快感。 じっとしていることが不可能なほどのじれったさ。射精したい。その想い が狂ったように脳をかき回す。 「本当は、ハードディスクにいやらしいSSをたーくさんお貯めになってい るんですよね」 揶揄するような言葉に俺の身体が一気に緊張する。 その無邪気な微笑と囁きが、俺の快楽の引き金を絞りきる。 先端の切れ込みをくすぐる指の動き、恥ずかしい趣味を見透かされたよう な発言、幼く邪悪な微笑の美しさ、部屋にこもる甘い囁き。それが一体にな って狂おしい焦燥で焼き焦がす。 「ほらぁ」 彼女はくすくすと笑いながらペニスに指を絡める。 どんどん執拗に粘着質になる動き。 繊細でいながらこちらの弱点をそそのかすような甘美な律動に、どうしよ うもないほど神経が狂わされてしまう。 「お兄様のおちんちんにも、たぁくさん精子が溜まっていましてよ。――し ょうのないおちんちんですこと。私の指先にそんなにぬるぬるの腰をこすり つけて、気持ちいいですか?」 15 :wkz◆5bXzwvtu.E:2006/06/24(土) 05 04 29 ID Q2fn/Nvn 少女の指先が俺のペニスを愛しげに擦りたてる。吐息が絡む距離、肌に触 れるさらさらした華美なドレスの感触と、漂う甘い香りが視界を輝く闇で満 たす。 「気持ちいいでしょう? こんなに溜め込んで、どろどろに熱くなって。お 兄様のミルク、出して欲しいと涙をこぼしていますわ」 雁の下に絡みついた人差し指が蛇のように亀頭を舐め上げるその動きに、 歯が浮きそうなほどの快感を感じる。 「ほらぁ、お兄様。出してしまっていいんですよ。――これだけ溜め込んだ のですもの、気持ちいですわ。お漏らしが癖になるほど。私の手にたっぷり と出してください。何度でも、どろどろで汚してくださっていいんですよ」 限界だった。 十日以上節制を重ねてきたペニスは俺の意思に反して爆発してしまう。 今までに経験がないほどの愉悦と開放感に俺の意識は白くかすむ。 金髪の少女が何かを囁く。 「……た、沢山……我慢…………会いに……くだ……ね」 その言葉も聞き取れない。まるで壊れてしまったような射精の快楽が脳を 狂わせる。下半身全てが濁流になって流れ出るような脱力感に俺は意識を失 っていった。 ――。 ――――。 失態だ。いくらSS書きが煮詰まってたとはいえ、デスクで寝てしまうな んて。俺は目を擦りながら、情けない気分で下半身を見下ろす。 おいおい。俺は中学生かっての。ったく。恥ずかしいなぁ。 誰もいないはずの部屋で、誰かに見られてないかときょろきょろと周囲を 見回しながら、俺は下着の中を確認する。 ――うわっ。洗濯しなきゃ。最悪だぁ。 なんだかなぁ、たしかにすげぇえっちな夢を見たような……。 いや、なんだか思い出しちゃいけない気がする。俺は部屋の中に漂う僅か な甘い香りを嗅いだ気がして、一瞬だけ陶然となる。 うう、早いところ連載を完成させなきゃ。待ってくれてる人もいるんだし な! 俺は自分を無理やり鼓舞してストーリーを考えながら風呂場に向かう のだった。 ---------------------------------------- 以上、お粗末様っ! ネタから始まった稀有なスレへの慶賀の気持ちを込め て。まずは一筆、今後ともヨロシク&職人様の来駕を願っております! 16 :名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 05 58 39 ID OibJI6EC お、見知った名前が…GJ! 禁断少女でここまで来るとはw 抜けたぜ。あんた神だ。 17 :名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 09 44 25 ID vgbKA/AW さすがだ。仕事はえぇぇぇ! おたくの禁断少女タンは金髪ゴスっ娘ですか。 萌えたぜthx! 話は変わるが、スレの性質的に絵師様降臨も期待できたらな、と思っている俺バルログ。 お客さまの中に絵描きの方はいらっしゃいませんかー? 18 :名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 10 10 05 ID vquf3RBQ / ! ! ! ,l ,l | l | l /,l r|| l ! ! || | l ! //l |.|.| j | | ! !,!| | || l ///l r┐ ,j !イニ |_|、! |l___l ll ィ--,ニ,┐ l ! ! 呼んだでしょ… .////l |,!.| l lア 。 lヽヽ /,イ"。 ヾ|| | ! | / /./. //l |亅 |.|ヽ__,ノ .` ヽ___/ || |ノ ! ./ / / // ! | | ! |,! | |! ´ / / /./ | | | l. _ _ ,| | | | !l / / / / .! | .|\ __ /  ̄l ̄ j | l.l / / / ./ ! | l.l ヽ、 ー _,ィ ´ ,|| | | l l, /./ / .l /| ,!,!| _,ノ| ``ー---‐ " ト_ l ! |l |l | !l / / / .! /i,| /,l〃 、 ヽ\. / ./入l | | ! l.l l !l ,/ / .,! / !!| /"ヽ_ノ`、 !、ヽ. / ./ / 7-、 | ! !l ! !l / / , //.! ´ , ヽ \ ヽr // /~"ヽj ! ! ! l. l.l . / ./ _, - " ``= ヽ ヽ、ヽ / / !、 " ! ヽ! l l !.! / . / /ヽ ヽ !、 У ,/ ノ`‐~~ ヽl. | | (地獄少女) 19 :名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 14 00 36 ID edPC0iRI うはっ禁断少女本当にきたGJ! 続き禁断しながら待ってます。 20 :名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 16 09 30 ID xGpbI5NX 発祥の地となったスレをkwsk 21 :名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 16 14 22 ID 4WbArBWS 20 ttp //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1150818412/ かな? 22 :名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 16 36 05 ID xGpbI5NX 21 ㌧ 23 :名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 17 26 00 ID QNUaHgDp こんなんあるんだな 15 超GJ! 24 :名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 19 20 01 ID YqIUb349 初姫投下乙 よし、俺も禁断して次の禁断少女を待つ 25 :名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 22 51 33 ID IFqj6zwe まさか俺の打ち間違いがスレにまで発展するとは・・。 初の勇者に祝杯を。 俺もそのうち書かないと膀胱炎で死ぬ 26 :名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 08 46 26 ID fbZ7PAka 期待age 27 :名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 04 22 17 ID 2tjOS/Cl 18を見て、誰でも発想することは一緒だなあ、と思った。 つーことで、地獄少女風味。 28 :禁断少女~和装 1/7:2006/06/26(月) 04 24 16 ID 2tjOS/Cl 別に本当に信じていたわけじゃない。 ただ、好奇心からやってみただけだった。 ほら、よくある話だろう。 トイレの奥から何番目を三回ノック。花子さん、遊びましょ。 自慢にもならないが、僕は小学生の時、本当に『それ』をやったことがある。 結果はご想像の通り。 僕は大いに期待を裏切られたわけだが、にもかかわらず、多少年を食った今でもそのタチは変わっていなかったらしい。 小さな小さな都市伝説。 いや、それはまだ伝説というほど成長してはいなかった。 が、確かにその芽らしきものではあるのだろうと思う。 曰く。 ――オナ禁すれば、『禁断少女』に会える。 ばかばかしい戯言と鼻で笑うこともできたはずなのに、僕はそれを試した。 好奇心と、まあ、多分に下心もあっただろうが、もし逢えるものならば逢ってみたい。そう思ったのである。 『伝説』によれば、その『禁断少女』とやらは、召喚者の妄想を具現化した姿で現れるという。 なら、僕の所にやってくるのはどんな『禁断少女』なのだろう。 それにも、興味はあった。 メイドか? 眼鏡っ子か? ツンデレか? ゴスロリ少女か? 僕の妄想は、どんな姿形をしているのだろう? 29 :禁断少女~和装 1/7:2006/06/26(月) 04 25 35 ID 2tjOS/Cl ――と。 意気込んでオナ禁を始めて七日目。 早くも、僕は誘惑に負けそうになっていた。 元々、オナニーは日課のような物だったのだ。 世間一般の彼女ナシ男が皆そうなのかは知らないが、少なくとも、僕はそうやって性欲のはけ口を見出すことで、何とか思春期の煩悶を紛らしていたのである。 今までだって、三日溜めれば暴発しそうな気がしていた。 それが一週間。 笑うなかれ。 僕にとっては、とうに限界を突破している。 もはや、股間の二つの玉に渦巻く澱みを具体的に感じる(……と錯覚する)ほどにまで追い詰められているのであった。 (どうせ、ただの噂だろう?) 漫画的表現でよくありそうな悪魔のささやきが、僕の意志を挫けさせようとする。 実際、オナ禁なんてしたところで何の益もないのである。 溜まるのは、ストレスと精液だけ。 今の僕なら、女と名が付けば、幼稚園児から老婆にまででも発情する自信があった。 ゆえに、苛々もつのる。 そこまでして結果得るものが何もないのだとしたら、それこそ間抜けの極みとしか言いようがない。 花子さんとは違って、『禁断少女』はいつ出てくるかわからないのである。 その来るのか来ないのかわからない『いつか』まで、永遠にオナ禁し続けなければならないのだとしたら、それは僕にとっては地獄そのものと言えた。 (負けちまえよ……!) 悪魔はさらに、僕の耳元で囁く。 「……だよな」 僕は、その囁きに身を委ねる。 「やって――られっか!」 一人叫び、枕元に積み上げてあるエロ本に手を伸ばす。 ――伸ばした。 その時。 「あら、やめてしまうのね。ここまで頑張ったのに、勿体無い」 頭の後ろから、 声がした。 振り向く。 先には。 「私のこと、呼んだでしょう」 胡蝶の紋の振袖を纏った、一人の少女が佇んでいた。 30 :禁断少女~和装 3/7:2006/06/26(月) 04 27 00 ID 2tjOS/Cl 「ほ……」 僕は言葉を失い、硬直した。 「ほんも――の?」 やっとのことで、それだけ言葉を発する。 「当然……でしょう」 市松人形然としたその少女は、ころころと笑いながら、僕の方に擦り寄ってくる。 その動きに併せて、艶やかな彼女の長い黒髪がゆらりとたゆたう。 「これだけ辛抱したのだもの。そろそろ現れてあげなければ、貴方が可哀相」 『少女』とは思えない色気を帯びた微笑を浮かべながら、彼女は言った。 「ふふふ……。莫迦丸出しね。幻想の中の少女に、こんなにも恋焦がれて」 「ち、違っ……」 「違うの?」 淡雪のように白い彼女の細指が、僕の股間をつ、と撫でる。 「――もう、こんなにしているのに?」 そう。 いつの間にか――いや、彼女が現れたその瞬間から、僕の逸物は大きくそそり立ち、ジーパンの布地を三角錐のような形に盛り上げていた。 「好奇心? 試しにやってみた? そうじゃないでしょう」 嗅いだこともないのに何故かそれとわかる――わかってしまう白粉の匂いが、僕を包む。 「貴方は、本心から、心の底から、『私』に逢いたいと願っていた」 さくらんぼのような薄い桃色をした一対の唇から紡ぎだされる、鈴の転がるがごとき丸い声色が、僕を苛む。 「そして――私に『イかせて欲しい』。そう思っていた」 ――ああ。 僕は嘆息する。 そして気付く。 『確かに、僕は、彼女を、待ち望んでいた』のだと。 僕の心の襞に埋もれた、遠い記憶が蘇る。 ひとり旧校舎のトイレを訪れて、その扉をノックした日の記憶。 あの時、僕は本当にただ好奇心からのみ、『儀式』を行ったのか? 答えは否。 そうではない。 僕は、本当に『花子さん』が現れてくれることを期待していたのだ。 だから。 だからこそ。 落胆した。 裏切られた、と感じたのだ。 そして、もう一つ。 あの時、僕の学校に伝わっていた『花子さん』は。 僕の脳裏に浮かんでいた『花子さん』の姿は。 丁度、目の前にいる『彼女』のそれと寸分違わぬものであったのだ。 「『私』に逢って、貴方は何をしたかった?」 少女が問う。 「ともだちに……なろうとおもったんだ」 僕は答える。 「それだけ?」 違う。 「こいびとどうしに……」 なりたかった。 「ふふ、いいわ」 彼女は言った。 「私はそのためのモノなのだから。その為に存在しているのだから。望み通り、貴方の『恋人』になりましょう。貴方を『逝かせて』あげましょう」 「――現世は夢。夜の夢こそ真実。『私』を呼ばったその心根に、『私』は全身全霊を以って、報いますわ」 31 :禁断少女~和装 4/7:2006/06/26(月) 04 28 15 ID 2tjOS/Cl だらしなく延びきった僕の脚の間に、少女は正座し、中心にそびえる『モノ』を眺めていた。 「期待してくれているのね。嬉しい」 一週間分――世の基準からすれば大して多くはないのかも知れないが、ともかく――の欲望を内に湛えたその肉塊を、彼女は潤んだ瞳でじぃっと見詰める。 その視線を感じるだけで、僕は、背筋を貫かれるような心地よさを覚えた。 視姦だけで、イってしまいそうな気がした。 「うふふ……。幾ら何でもまだ早すぎるわ。お愉しみはこれからだというのに」 僕の心を読んだかのように少女は言い、そして、前のめりに身体を倒して徐々に逸物に顔を近づける。 さわさわとした黒髪の感触が僕の内股をそっと撫でた。 「凄い。ぴくぴく動いて、まるで生き物の様。可愛らしいったら」 そう言って、彼女は戯れなのか、それにふぅっと息を吹きかける。 「うぅっ……!」 ぞわりと全身が総毛立つような感じがして、僕は思わず声を漏らしてしまう。 その声を耳にした少女は、上目遣いで勝ち誇ったような視線を僕に向けてきた。 「溜まっているのね?」 「悪いかよっ。だからこそ、君が出てきたんだろう?」 「別に。悪いなんて一言も。ただ――」 いったん言葉を区切り、彼女はさらに僕の分身に近づいた。 「――そんなに長くは持たないのだろうな、と思って」 そして、ちろり、とその先端、とくとくと先走りを溢している尿道口の辺りを舌先でなぞった。 再び背筋に電流が走る。 僕は頭がどうにかなってしまうのではないかと思った。 ほんのわずかな刺激でさえこれだ。 確かに、彼女の言う通り、長持ちさせるのは難しいのかも知れなかった。 だが。 「……嫌だ」 知らず、僕の唇が言葉を発する。 「……ん? 何と言ったの?」 「そんなの、嫌だ!」 イってしまえば、きっと彼女は消える。 出遭って間もない、こんなに短い時間で彼女と別れなければならない。 それはどうしようもなく耐え難いことだった。 何故って。 彼女が。 彼女を構成する要素の総てが。 僕にとっては愛おしく、また同時に『快楽』であったから、だ。 長らく望み、願い続けていたモノ。その具現。 やっと出遭えた僕の理想。 「もっと君と一緒に居たい! もっと君と時間を共有したい! もっと君を――感じたい!」 「だったら、頑張ることね」 ふわり、と彼女が微笑んだ。 その表情はとても満足げで。 ……何故かそれが、少女の実存を僕に強く意識させる。 たとえ彼女が僕の妄想の産物だったとしても、彼女は今、『此処に居る』。 「……行くわよ」 少女が僕のものをぱくりと咥え込む。 快楽との闘いが始まった。 32 :禁断少女~和装 5/7:2006/06/26(月) 04 30 26 ID 2tjOS/Cl 「んっ…んんっ……」 ぐぷぐぷと音を立て、少女の頭が激しく上下する。 僕は腹筋に力を込め、とめどなく込み上げてくる射精感を必死で堪えた。 初めて体験するフェラチオという行為は、想像していたよりも数倍甘美で、心地よかった。 僕の『理想』そのものである少女がそれを行っているということも、あるいはその快感の一助となっているかもしれない。 少女の舌遣いは、確実に僕のツボを心得、急所を捉えている。 激しい中にも緩急を付け、ただ上下させるだけではない、複雑な動きを絡めている。 たぶん、それゆえの『禁断少女』なのだろう。 僕のことなど、知り尽くしている。 望んでいることも。 気持ちの上でだけなら、何度絶頂したかわからない。 脳髄は痺れ、指先の先端までが快楽に震えていた。 頬を薄紅色に染め、必死で蠕動を繰り返す少女の表情さえ、僕の瞳には映らない。 視界は混濁し、目を開いているのか、閉じているのかもわからなかった。 けれど、それでも。 それだけの快楽を与えられて尚、僕は精を解き放つことはしなかった。 何故、ここまで耐えられるのだろう? 経験がないから想像でしかないが、僕は決して性的な刺激に強い方ではないはずだった。 いわゆる、『早漏』なんだろうとずっと思っていた。 実際、日々繰り返される自慰行為は短く、ほんの十分足らずで終わってしまうのだ。 にもかかわらず、今の僕は、度重なる絶頂感を凌ぎきり、与えられる快感に酔いしれるだけの猶予を得ていた。 何故だ? これが『夢』だからか? そう考えるのは簡単だったが、それはあまりにも浪漫に欠ける、稚拙な解答であるように僕は思えた。 だから、僕はこう考える。 『僕』はここにいない。 『僕』という存在は虚空に溶け、彼女の口の中のペニスだけが、今、この瞬間の『僕』。 『僕』はただのチンポそのものだから――だから、彼女の刺激を甘受しても、自分を制御できる。 『僕』は今、その全身を彼女の小さな小さな唇に抱かれているのだ。 同じ『夢』なら、そっちの方がよっぽど素敵だ。 ひどく無様で滑稽な想像だったが、しかし僕にはそれが相応しいように思えて仕方なかった。 カウパー液が尿道を伝う感覚など、僕は知らない。 そういう感触を認識することができることにさえ、今まで気がつかなかった。 そこまで、僕の神経は股間のモノ、一点に収束されている。 そしてまた、溢れて溢れて溢れるその液体は、彼女の口腔の中で唾液と交じり合い、嚥下されているはずだった。 つまり、それは、『僕』が彼女の一部になれているということで。 この歓喜を表す言葉を僕は思いつくことができない。 33 :禁断少女~和装 6/7:2006/06/26(月) 04 31 27 ID 2tjOS/Cl 「んっ…! んっ…! んぅっ…!」 少女の律動が速度を増し、それに併せて鼻から漏れる呼吸音も速まっていく。 彼女も頑張っている。 僕を高め、僕を絶頂に導くために頑張っている。 僕のために。 ふと、それに気付いた瞬間、唐突に感覚が戻ってきた。 真っ白だった視界に色が付き、朧げだった輪郭が具体的な質量を取り戻した。 瞬間、僕の目に焼きついた物。 それは、度重なる蠕動に紅潮した彼女の頬でも、あたかも生きているかのようにひらひら舞う振袖の蝶の文様でもなく。 さらさら流れる彼女の髪。 どんな絹糸よりも細く、艶やかな彼女の黒髪。 だった。 ヨ ゴ シ タ イ 。 コ レ ヲ 。 ――僕の中の何かが、強く訴えかける。 気付くと、僕は彼女の頭を掴み、ペニスから引き剥がしていた。 「何…を……?」 予期せぬ僕の行動に驚き目を丸くする彼女を余所に、僕は髪の一房を手に取る。 そして、その美しい弦を逸物に絡みつけ、猛烈に扱き始めた。 昂ぶりに昂ぶって、もはや神経が剥き出しになったかのような僕の分身を、無数の糸が刺激する。 いや、今の『僕』はペニスなのだから、全身を、と言い換えた方がいいかもしれない。 ひらひら舞う彼女はまるで蝶のようだったが、その実質は、蜘蛛だったわけだ。 蜘蛛の糸に絡めとられている哀れな蝶は、僕の方だったわけだ。 「……面白い」 少女がぽつりと呟いた。 「何が貴方をそうさせるのかしら……?」 その言葉も、僕の耳には入らない。 「そう……。それが『貴方』なのね……」 彼女は幼子を宥めるように『僕』に掌を添え、そして、言った。 もう一言だけ。 「……お逝きなさい。存分に」 刹那。 その言葉が引き鉄であったかのように。 『僕』の中に渦巻く、永く淀んでいた塊/魂が解き放たれる。 疾走った奔流が彼女の頬を掠め、穢れない黒に白く一筋汚れを付ける。 それを見届けて、僕は。 僕の意識は、光に還った。 34 :禁断少女~和装 7/7:2006/06/26(月) 04 33 01 ID 2tjOS/Cl 「かえ……った?」 がくん、と急ブレーキでもかけられたかのような衝撃を受けたような気がして、僕は我に『返った』。 蝶の振袖の少女は、もういなかった。 いや、そもそも、本当にいたのかどうか。 彼女の髪を汚したはずの精液は、僕の部屋の床を這い、フローリングの上に敷かれたカーペットを汚している……だけだった。 「やっべぇぇぇ!! ティッシュ、ティッシュ!!」 絨毯にこびりついた精液は、想像通りめちゃくちゃ粘っこく、全部を取りきるのは到底不可能――みたいだった。 「うぅぅ……。なんで僕はこんなことをやってんだ」 それもこれも、変な噂に惑わされて、オナ禁なんか始めたせいだ。 「もー、やだ! 二度とオナ禁なんかしねえっ!」 ……と。 ――そしたら、もう二度と私にも逢えない、ということねえ。 頭の中で、声が聞こえた気がした。 「え?」 思わず、僕は聞き返す。 「また、逢えるのか……?」 だが、返事は返ってこない。 僕は、はぁ、と大きな溜め息をついた。 自分の妄想力の強さには自信があるつもりだったが、今日ばかりはネガティブな意味で、ほとほと愛想が尽きた。 馬鹿な。 そんなはず、ないじゃないか。 『禁断少女』は夢だったのだ。 オナニー断ちのせいで、どーにかなってしまった僕の頭が作り出した、極めて良く出来た幻だったのだ。 「だよ……な?」 自分に言い聞かせるように問いながら、ふと、掌を見る。 そこには。 指と指の間に絡まった、一本の黒く、長い髪の毛があった。 短髪である僕のものではあり得ない、長い長い髪の毛が。 「『禁断少女』……」 名前にしてはひどく無機質で、生命の通っていないその単語を、僕は呟く。 「今度逢ったら、名前を聞かなきゃな……」 かくして、前言はものすっごく簡単に翻されることと相成った。 ……ただ。 それは当分先のことだろう。 ……と、思う。 「この記憶があれば、半年は闘える……」 はっきり、くっきりと、僕の脳に刻み込まれた『彼女』との記憶。 この髪の毛が、それを補完してくれるはずだ。 ごめんよ、『禁断少女』。 僕はしばらくまた、オナニー魔に戻ります。 それもこれも、君が魅力的過ぎるせいだからですよ! ……って、言い訳がましいよな、僕。 35 :名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 04 34 50 ID 2tjOS/Cl こねくり回しすぎて、自分でもワケわからんようになったw 次の勇者にバトンタッチ。 36 :名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 05 03 12 ID 0TKgGctG GJ。 エロかったし、魅力的だった。 それ以上に市松人形のような彼女の黒曜石を削りだしたような 強さと純粋さが出ていた。GJ。 37 :名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 16 40 40 ID wjioKdUV スレの出所からして、ここは板中の八百万の神が集うスレになるかもな。 文体参考にしつつ、そのうち投下しよう 38 :名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 00 07 43 ID ImtmVFxa 意外と盛り上がってるなw 確かに、文章力の平均が他のスレより高そうだ。なんか俺も負けじと書きたくなってくる。 ◆5bXzwvtu.E氏と 28、ともにGJ! 39 :名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 08 43 48 ID 2r0Zy6xp すげえなw 40 :名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 10 05 34 ID hELcCETN 絵師様も欲しいが、戦士も欲しいな。 オナ禁する読者。「オナ禁ネーム@日数」とかで。 なんでも三日~一週間で溜まるらしいので、 溜まったら刺客よろしくSSを投下する。 41 :名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 19 11 42 ID dLTw8VV8 そんなことより、最初の娘のSS読みたいage 42 :名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 20 41 08 ID jC9M92pT 俺も手淫封印するわ。01-2に続く501 KB
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2004年 5月 逆算するとおよそこの頃少女派連合ができあがったことになる(脳内) 7月 育児板に最古の書き込み。この頃の書きこみは 自分がこどもの頃の話など、自分語りばかり。 8月 9月 幼女大好きと育児板を荒らすも、幼女大好きはすぐに離脱。 その後は七瀬ひとりでコピペ荒らしを続ける。 10月 育児板で荒らし→反省ループを繰り返した結果、七瀬アク禁され育児板追放。 11月 七瀬ニュー速南山淫生スレに突撃。日記で家庭教師先少女へのいたずらを告白 したサテキャンを必死で擁護し、スレの延命に寄与する。 12月 七瀬、育児板の奈良女児誘拐小林薫関連スレに突撃して荒らし。小林薫を同志 と呼んで擁護。少女を貶める発言にキレた住人に通報しますた!されて死ぬと言い出す。 2005年 1月 少女派連合本部及び支部サイト設立 2月 美容板を荒らして追い出される。ギャルゲ板で大日本美桜塾らと共闘開始。 ヲタ、虹を叩く鬼畜女性軍のスレを荒らし始める。 ギャルゲ板の「現実の女はキモイ」スレで女性叩きに励む 3月 4月 【我が】打倒!鬼畜女性軍【本部】スレを建てる。 七瀬と愉快な仲間達、VIPの「ロリコン釣りスレ」に突撃し荒らすが相手にされず。 15歳に手を出そうとして釣られた「同志らんたろう」を助けるために、難波駅前へ 出撃し、リアルでヲチされる。活動停止宣言。本部サイト削除。 5月 活動再開宣言。本部サイト復活。年下彼女の存在が美桜塾にばれる。 七瀬、反ヲタ・反ロリ・反男性スレを荒らしまくる。 また最悪板にアンチ釣りスレ「VIPの糞釣り師~その名もるか~」を建て、 釣り撲滅を扇動するも、乗り込んできたVIPPERに論破されて敗北宣言。 6月 最悪板に「悪質な釣り師にまったをかけろ!~2戦目~」をたてる。 が、話の流れが気に食わないという理由で削除依頼。依頼通らず、以後スルーされる。 7月 17歳に手を出そうとした「同志つんつん」を救出するため、三宮へ出撃。 リアルでヲチされる。同志つんつんとの接触には成功するも、その後相手にされず。 「VIP板ネカマ連合軍」との停戦を宣言。 8月 記念すべき第一回ティッシュ配り。大阪日本橋で11個配布。内容はネカマに対する注意呼びかけ。 荒らしに耐えられず、本部サイト閉鎖。 9月 本部サイト復帰。 七瀬自殺宣言。大阪城の内堀に飛び込むと言い出すが、誰にも止めてもらえず。 一週間後に復帰。 第二回ティッシュ配り。23個。 10月 自分の存在が釣りスレを加速させている、と勘違いした七瀬、 少女派連合解散宣言。が、程なく復帰。 11月 「少女派連合の活動を見守るスレ」が建つ。 七瀬、ヲチスレに突撃し同志擁護と女性蔑視論を展開するも、 笑いものにされ撤退。大量の少女派関連資料がうpされる。 七瀬「ダチの進言」を発表。風花が除隊になる。 少女派連合、「女性を敵視する方針を撤回」宣言。 七瀬、主義板に【本部】少女派連合【スレ】をたて、 懲りずに同志擁護、女性蔑視論を展開するも住人に論破され、本部スレ放置。 風花が除隊になる。 ネカマ対策ソフト月光一型、12月上旬公開予告。 喪板のネカマHOMEに釣られて七瀬とおまる放置される。おまるエロ画像に釣られて入隊 七志が新代表に就任。七瀬は影の代表として連合に生き残る。 12月 七瀬、2ちゃん完全撤退宣言。 しかし、その直後VIPの釣りスレに突入し、釣りを止めさせるために自ら 全裸土下座写メをうp。また続けてチンコと顔を晒した写メをうpする。 しかし、スレは止まらず、見事に釣られる。 月光一型、発表中止 七瀬、本部サイト改装宣言。改革と称してそれまで本部にあった趣味の軍隊画像、軍歌 等を「七瀬の自室」へと移動する。 また隊員の役割名を軍隊調から変更し、「専門別理事」「執行役員」等面白役職を量産。 七瀬、ヲチスレに書き込まれた突っ込みに即反応して本部を改装し続ける。 2006年 1月 連合大阪オフ。児童ポルノサイトを新月に送った風花除隊される。 七瀬清掃活動キャンペーン 第三回ティッシュ配り。33個。 七志、夜中にメールを返さなかったことで除隊になる。ヲチャだったことを告白。 2月 「メル凸された」という理由で七瀬がヲチスレに突撃してくるが、 煽られ、論破され、「反省→荒らし」ループを繰り返す。 ヲチスレに反論できず連合解散宣言するが、半日で撤回。 その翌日再び解散宣言するが、2時間で撤回。また、キレた勢いでトリップを晒す。 美桜塾に同盟を破棄される。 改革開始。㌧デモ資料や「はじめに読んでね☆」などの電波文がうpされ、 以前の改革で撤去された軍隊画像と軍歌が復活する。 メガビに擦り寄り開始。 ゆかりからメールがこないのにキレてスレに降臨、釣り師ゆかりにメールを晒されて自爆。 3月 メガビ住人に必死に取り入ろうとするも相手にされず、 ついに第二期改革と称して、2月に散々馬鹿にされた改革案をリセット。 このまとめサイトが誕生。 卒業式の日に豆に告白して玉砕。 釣り師りんにメールを晒され鬱モードに。スレで自殺を仄めかし、 さらに「死ねない…誰かきて」と電番を晒す。が、最早完全に相手にされず。 あまりの醜態に美桜がメールで叱責した直後、本部で活動停止宣言。 七瀬、スレにメアドを変えたことを自演で知らせにくる。 美桜に「もう終わりだな」と絶交宣言される。 その後もヲチスレに反応して影で掲示板を削除するなどしたが、 結局本部、隠れ家共に削除。 桃香と山田にメールを晒される。七瀬の人格破綻ぶりと共に、 活動停止宣言後の馴れ合いの様子があきらかに。 七瀬の人工無能ができる。 4月 七瀬の隠れ家サイトである「第三帝国」及び「旅人の広場」発見される。 六花から「七瀬はサイト経営してないらしい」という情報がもたらされる。 が、相手にされず。 七瀬、ヲチスレにて名無し自演敢行。「七瀬臭いがまだ確定されてはいない」 といったように、全力で火消しに走るが根拠がないので相手にされず。 ついに我慢できずに七瀬本人として書き込み。第三帝国と旅人の広場は無関係 と主張するも、あまりにバレバレの嘘で相手にされず。 第三帝国のトップに七瀬丸出し泣き言長文がうpされる。 第三帝国、更新終了宣言。相互リンクしているナチヲタからも惜しむ声はなし 七瀬、旅人の広場に設置された人工無能の改良に没頭。ヲチャが入力した 言葉に必死にたろを対応させるだけの活動へと落ちぶれる。 5月 たろの改良を続ける七瀬、突然家出 六花に「今日家に行っていい?携帯充電したい…」というメールを晒される 七瀬、自転車で六花のいる岡山まで会いに行くも、六花に親を呼ばれ即強制送還される 七瀬が「たろ」名義で「オタ趣味のメル友」を必死で募集する様が晒される。 スレに第三帝國にリンクしていた痛いナチサイトが接触してくる。 偽七瀬の書き込みを真に受けたナチサイトが第三帝國に「最後通牒」 謝罪とサイト削除を要求。 七瀬、第三帝國を要求どおり閉鎖。謝罪メールが晒される。 七瀬しか友達がいない六花、相手にしてもらいたい一心で七瀬からのメールと、 七瀬画伯によるキモイ直筆絵を晒す。 6月 7月 9月 10月 11月 12月
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少女たちの青春診療録 ◆EAUCq9p8Q. ☆玲 「ええっ!? 小籠包がバクバク美味しくて今日は緊急回鍋肉!?」 「はは、また盛大に聞き違えたな」 アルミ製のキッチンカウンター越しに、ふわふわとした少女と快活な女性が言葉を交わす。 少女は、喋った内容のなにがそんなに恐ろしかったのか、口元に手を当ててわなないている。 その様子を見ながら、女性は豪快に笑ったあと、少女の聞き間違いを訂正した。 「小学校が爆発事故で、今日は緊急放校。つまり、今日はもう終わりってこと」 「終わり?」 「ああ。学校も終わり。玲には悪いけど、食堂も終わり。危ないからさっさと帰れってよ」 玲と呼ばれた少女は、説明でも事態を把握できなかったらしく、少しの間ぽかんと口を開けて止まった。 玲は、この食堂が好きだった。 料理は全部美味しいし、食堂の調理師である女性も接しやすくて大好きだった。 時々高校に遊びに来るときは決まってこの食堂を利用していた。 今日も学校の様子を見るついでにここで食事をしようと考えていたのだが。 よく見れば、いつも元気よく立ち込めている煙もない。人も少ない。いい匂いもしない。 つまり、本当の本当に、今日ここで料理は作られないのだろう。 残酷な世界の真理に気づいてしまった玲は、がっくりと項垂れ、声にならない声を上げた。 「もうだめだあ~……」 「まあ、気を落とすなよ。これ上げるからさ」 落ち込んだ玲を見かねてか、調理師の女性はカウンター越しにタッパーを手渡した。 >*肉じゃが を手に入れた。 受け取った玲の手に、ぬくもりが伝わってくる。 こっそりタッパーの蓋を開けてみると、とってもいい香りがあたり一面に広がった。 「今日の賄いの残り。俺が作ったのだから、金はいらねえよ。その代わり白ご飯はつかないけどな」 玲が顔をあげると、女性はやはり笑っていた。でも、今度はとても優しい笑顔だった。 玲もつられて笑い、大きくお辞儀をする。 「ありがとう、つばめさん!」 「じゃあな。変なもの食べて腹壊すなよ」 「うん! つばめさんも、おなか、気を付けてね!」 つばめと呼ばれた女性は、手を振りながら食堂を後にする玲を見送った。 ☆ 食堂を出た後、玲はそのままふらふらと校舎のほうまで歩いてきていた。 放校というのはどうやら本当らしく、校舎内はすでに人が居なかった。 一人ぼっちで廊下を進んでいると、掃除道具の入っているロッカーがあった。 こっそり隠れてみた。誰も通りかからないけど、なんだかすごくドキドキした。 教室に忍び込んでみると、誰かが置いていった勉強道具があった。 中身はちんぷんかんぷんだけど、椅子に座って机に教科書を広げて黒板を眺めていると、本当に高校生になれたような気がして、とても嬉しかった。 思うままに、無人の高校を堪能していると、ふ、と遠くからかすかな人の声が聞こえてきた。 声に導かれて窓際に寄り、校門に面した窓ガラスに触れる。 心地いい冷たさが指先から伝わってくる。 でも、目に入った光景は、全く心地良くなかった。 皆、皆、家に帰っていた。 皆が、高校に居る玲を置き去りにするみたいに、校舎から離れて行っていた。 「……」 胸が苦しくなる。 知らないはずの何かが、頭の奥で疼いている。 振り返ると、さっきまではなんともなかった校舎の中がとても薄ら寒いものに思えた。 二秒、三秒。少しだけ立ち止まり。 「……桃本、心配してるかな」 誰にも聞こえないつぶやきが長い廊下で反響する。 その反響すら、玲にはなんだか不気味に聞こえた。 玲が立ち尽くしていると、無人の校舎にベルが鳴り響いた。 その音を聞いた玲は、弾かれたように走りだした。 何も居ないのに何かに追われるように。 いや、『何も居ないこと』から逃げるように。 来た道ではなく、皆が向かっている校門に向かって。 しばらく、人の流れに乗って歩いてみた。 耳をすませば爆発事故についても情報が聞こえてくる。 『小学校の屋上が爆発した』。 『小学校のグラウンドが爆発した』。 少しすると『山の方でなにか大きなものが居た』なんてのも混ざり始めた。 不思議な事もあるなあ、と思いながら、コンビニで買ったアメリカンドッグを食べながら道を歩く。 別に行き先は考えていない。 桃本の待つさいはて町への帰り道は、『ここにあるといいなあ』と思ったところにいつだってあった。 だから、気が済むまで散歩して、その後で帰ろうと思った。 あっちへぶらぶら歩き、そっちへふらふら歩き。 時々コンビニで食べ物を買い食いしながら、街の中を文字通りぶらつく。 数十分もそうしただろうか。 もらった肉じゃがのタッパーがすっかり冷えきったことを知り、そろそろ帰るかと思って路地を曲がった時、玲はとても不思議な少女に出会った。 「どうしたの? お腹痛いの?」 蹲っている少女に駆け寄り、声をかける。 返事はない。 大丈夫かと尋ねても、何かあったなら話を聞くと提案しても、少女は、ずっと蹲ったままだ。 耳を澄ませば、くすんくすんとしゃくりあげるような嗚咽が聞こえる。 よく見れば、小さな肩も震えている。 そこでようやく、玲はその少女が、泣いているのだと気づけた。 予想していなかった展開に、ややたじろぐ。 道端で蹲って泣いている人を見るのは(少なくとも玲にとっては)生まれて初めての事だった。 奇人四天王が居る、と桃本が言っていたが、彼女もまたその一人なのかもしれない。 『土下座ウォーカー 立川』なんて名前ならば桃本にも負けない衝撃を与えられるだろう。 そんなインパクト重点な出会いに少々面食らいながらも、やはり玲は少女に声をかけ続けた。 玲が置いていけば、彼女はきっと、独りぼっちになってしまう。 玲の中で、それは、なんとなく嫌な話だった。 それに、一人ぼっちで泣くのはとても辛い。それだけは、なぜだかはっきりと分かった。 できることはないかもしれないけど、側にいてあげたい。 きっとそれは、見ず知らずの玲にだって出来ることのはずだから。 声をかけてみた。背中をさすってみた。 何をしても、少女はずっと泣いたままだった。 どうしようもなくなって、少女の側に座り込む。 体の動きに合わせて、玲のふわふわな髪が揺れる。蹲った少女の前でふわりと踊る。 「輝子さん―――?」 その髪に、顔を上げるだけの何かを感じ取ったらしい。 そこでようやく少女が顔を上げた。 少女の顔は、涙で濡れていて、よく見れば土や砂利で汚れていて。 でも、とても可愛らしい、地面に頭を突いて泣くのなんて似合わない、そんな顔だった。 突然の展開に、お互い少し言葉を失う。 数秒見つめ合い、先に口を開いたのは玲だった。 「……ごめんね、輝子ちゃんって子じゃないんだ」 「……すみません、友達に、似ている気がしたので。まったく、似てなんかないのに……」 そう言って、少女は立ち上がり、服についた汚れを気にすることもなく、どこかに向かって歩き出した。 玲は慌ててその少女を追い、追いながら、コンビニで買ったフライドチキンを差し出す。 「なんですか」 「美味しいよ」 「いりません」 「でも、美味しいよ」 「美味しかったら、なんなんですか」 「……美味しかったら、私は、嬉しい……かなあ」 「知りません。ついてこないでください」 突き放すような言葉が、玲に向かって投げつけられる。 言葉こそ穏やかなものだが、そこに込められている気持ちは、『拒絶』以外にない。 それでも、玲は彼女の後を追い、彼女に対して食べ物を差し出し続けた。 「チキンが駄目なら、肉じゃがもあるよ。肉まん、フランクフルト、たこ焼き、唐揚げ、アメリカンドッグ……」 玲はこういう時、なんと言えばいいのか知らなかった。 人を励ます方法がわからなかった。 頑張って、なんて無責任な言葉は言えない。少女はきっと、頑張って、頑張って、それでも駄目だったから泣いているのだから。 元気を出して、なんて言えればいいんだけど、そんな言葉で本当に元気が出るなら彼女はこんなに傷ついていない。 だからただ単純に自分がしたいこと、されたいこと、元気になれるだろうことをするしかなかった。 そして、どんなことをやってでも、一人ぼっちの彼女を、一人ぼっちのままにはしたくなかった。 少女を追い、数メートルもついて歩けば、ついに怒号が飛んできた。 「ついてこないでくださいって言ってるじゃないですか!」 「でも……」 「迷惑なんです! なんなんですか、さっきから!!」 跳ね除けるように腕が振るわれ、差し出していたフライドポテトが道路に散らばる。 少女はまた泣いていた。まだ泣いていた。 可愛らしい顔を怒りで歪めて、真っ赤な目が玲を睨みつける。 その気迫に、縮こまりそうになってしまうが、それでも、玲が引き下がることはなかった。 「でも……泣いてばっかりだと、悲しいよ」 「貴女には関係ないじゃないですか!」 玲の反論とも言えない反論に、少女が声を荒げて食らいつく。 そして、堰を切ったように少女の瞳から大粒の涙が溢れた。 「関係ないじゃないですか……なんで、一人にしてくれないんですか」 ぼろぼろと音が立つくらい、真珠くらいに大きな涙が、少女の服に吸い込まれていく。 ずっと涙を吸っていたであろう襟首は、すでにふやけてぐしゃぐしゃだ。 大きな涙が頬をつたい、もう一粒、また一粒と襟首に落ちる。 それを見るたび、なんだか、少女の心も涙を吸って、ふやけて崩れていくみたいで。 玲は堪らなくなり、声を上げた。 「だって、だって! だって……関係ないなんて、ないよ」 説明はできない。少女と玲にどんな関係があるかなんて、玲にも分からないのだから。 それでも彼女を見過ごせない。 心のどこかが、すっぽり抜け落ちている何かが、玲にとって大切な部分が、彼女を見捨てることを良しとしない。 灰色の世界に囲まれて、一人で泣いている彼女を見捨てれば、玲はきっと後悔する。死にたくなるくらい後悔する。 頭よりも心よりも深い場所が、玲にそう伝えていた。 怒鳴る力をなくしてまた泣き出した少女の顔を、コンビニで貰った紙ナプキンで拭く。 土汚れを丁寧に拭きとれば、やっぱり、少女は可愛かった。 ☆ 泣き崩れてしまった少女の涙を拭き、背を撫で、呼吸が整うまで側に寄っておく。 すんすんと鼻をすする音だけが、ふたりきりの灰色の世界に水玉模様を飾っていった。 だんだんと、音が消え、灰色の世界が帰ってくる。 「見苦しいところを見せちゃって、ごめんなさい」 「なにかあったの?」 「なんにもありません。貴女には関係のないことです」 泣き終えた少女は、もう取り乱すようなことはなかったけれど、それでも可愛い顔には似合わない仏頂面のままだあった。 なんにもなかったら泣かないよ、なんて切り出せる状況ではないというのは玲にもなんとなく理解できた。 「ボクは帰ります。よくわからないけど、ありがとうございました」 「あ、ま、待って!」 「……今度はなんですか」 「こ、こっち! こっちに来るといいことあるかもよ!」 「え、ちょっと……なにを」 再び一人ぼっちになろうとした少女の手を強引に取り、歩き出す。 玲ではあまり彼女の力になれなかったけど、桃本ならなにか力になってあげられるかもしれない。 桃本のいる場所にたどり着くことを願いながら、近くの曲がり角を曲がる。 曲がり角の先に願いどおりにあった標識を通り抜け、入り口をくぐる。 入り口の先にあったのは、高校や路地よりも見慣れた景色。 屋根の上に乗った人、河の中に住んでいる人、車もないのに交通整理している人、新作を推敲するアーティストたち。 さいはて町、まんなか区の住宅街だ。 【???/さいはて町 住宅街/1日目 夕方】 【玲@ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:街で日常生活を楽しむ。聖杯戦争を終わらせたくない。 1.泣いている少女(幸子)をなんとかしたい。 2.とりあえず桃本に会いに行く。 [備考] ※聖杯戦争についてはある程度認識していますが、戦うつもりが殆どありません。というか、永遠に聖杯戦争が続いたまま生活が終わらなければいいとすら思っています。 【輿水幸子@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [装備]なし [道具] [所持金]中学生のお小遣い程度+5000円分の電子マネー [思考・状況] 基本行動方針:――― 0.――― [備考] ※ランサー(姫河小雪)、フェイト・テスタロッサ&ランサー(綾波レイ)、 キャスター(木原マサキ)、バーサーカー(チェーンソー男)を確認しました。ステータスは確認していません。 ※商店街での戦闘痕を確認しました。戦闘を見ていたとされるNPCの人となりを聞きました。 ※小梅と輝子に電話を入れました。 ※『エノシマ』(大井)とメールで会う約束をしました。 また、小梅と輝子に「安否の確認」「今日は少し体調がすぐれないので学校を休む」「きらりを見かけたら教えて欲しい」というメールを送りました。 ☆雪崎絵理 道路は血に濡れていた。 周囲は傷跡でいっぱいだった。 警察、救急、いろんな人が集まっていた。 電信柱の側には小さな花束が添えられていた。 呆然と立ち尽くしている間に、現場は、見違えるほど変わっていた。 テレビ局の報道員が寄ってたかって現場を映し、カメラに向かってがなり立てる。 『凶刃現る』。 『夕闇を切り裂くチェーンソー』。 『女学生を襲った悲劇』。 文面こそ違えど、それぞれが誰かの死を、センセーショナルな言葉で飾ってはやし立てている。 ここに何が居たのか、絵理も知っている。 チェーンソー男が居た。 そして、誰かを殺した。チェーンソー男が、誰かを。 再び、世界に悲しみが刻まれてしまった。 絵理はその予兆に気づいていながら、間に合うことができなかった。 「……」 どん、と人の波に身体が押され、絵理はそこでようやく我を取り戻した。 そして、自身の中に渦巻く感情をまとめ上げ、一つの決意に変える。 もう、白坂小梅に頼ろうだなんて言っている場合ではない。 聖杯戦争という催しについても、チェーンソー男の出現の変化についても関係ない。 野放しには出来ない。これ以上被害者を出してはいけない。 被害者が出てしまった以上、なんだかんだと言い逃れてはいられない。 倒さなければならない。 チェーンソー男を見つけることが出来るのは、絵理だけなのだから。 ☆ いつもよりも早い帰宅を知らせる戸の音に答える人は誰もいない。 家の中は、いつも通り空っぽだった。 慣れてしまった閑散とした空気に少しだけ感傷を抱きそうになるが、頭を振って弱気な心をはじき出す。 とりあえず、気を落ち着けるためにコーヒーメーカーのスイッチを入れて、コーヒーを沸かす間に準備を整える。 ナイフの数を数え、刃の状態を確認し、ガーターに仕込む。 ついでにタンスの奥にしまっておいた『あれ』を取り出す。 「使わせてもらうね、山本くん」 ビニールに包まれたままの、冗談みたいな鎖帷子に袖を通す。 なんだか重いし、脇が窮屈な感じだし、サイズは合ってない。 歩けばかすかに音がなる。悪目立ちしそうだ。 それに、相手の武器はぎゃんぎゃん唸りを上げて高速回転をするチェーンソーだ。 もし真正面から切りつけられればこんなちゃちな市販の鎖帷子程度で防げるわけがないだろう。 でも、いい。 役に立たなくたっていい。 重くたって、動きにくたって、構わない。 こんな下らないものでも、大切な人がくれた宝物だ。 あの日以来、他人がくれた唯一の誕生日プレゼント。絵理にとって、この世界に残された、唯一の形ある幸福だ。 チェーンソー男と戦ってきてなんとなく分かっていたことがある。 チェーンソー男は、絵理が落ち込めば落ち込むだけ強くなっていく。 絵理のテストの成績が下がると強くなる。 絵理に後ろめたいことがあると強くなる。 そして、絵理が前向きになればなるだけ弱くなる。 山本と一緒に居るようになってから……正確には、山本のことを絵理が意識するようになってから、チェーンソー男はその力を弱めていっていた。 どういうわけかは知らないが、奴の強さは絵理の精神状態に左右されているらしい。 それは、聖杯戦争やサーヴァントという白坂小梅が齎した情報よりも確かな、絵理自身がつかんだ情報だ。信憑性は高い。 だったら新たに悲しみを刻ませてしまった今、チェーンソー男はどれくらい強くなっているだろうか。 ひょっとしたら、絵理の身体能力では既に勝てないくらい強くなってしまっているかもしれない。 チェーンソー男は強い。 今までだって強くて、追い返すのが精一杯だった。 その上さらに強くなった奴を倒すとなると、ただ戦うだけでは絶対に無理だろう。 だから、身にまとう。 絶望を押し隠すように。 ちょっとの悲しみでは傷つかないように。 そして、これ以上あいつに好き勝手させないように。 雪崎絵理は、持ちうる限りの幸福で武装して、この世の果てで待ち受ける悲しみに立ち向かう。 その幸福こそが、『鎖帷子』なのだ。冗談みたいな話だが。 少し考え、制服の上に鎖帷子を着込み、その上からジャケットを羽織って見る。 制服の下に着込もうかとも思ったが、鉄の輪が肌に当たる感覚がどうにも気持ち悪かったからやめにした。 大切なのは着ているという事実だ。 着たままの状態で少し体を動かしてみる。 ちゃき、ちゃき、ちゃりん。 動くたびに、鉄同士の擦れる音がする。なんだか本当に、馬鹿みたいだ。 準備が終わってキッチンに戻れば、丁度コーヒーが出来上がっていた。 コーヒーを飲み干し、マグカップを洗う。 こんなこと、する意味があるかどうかはわからないけど。 でも、もし帰ってこれなくなった時、最後に思い出すのが洗えていないマグカップのことだなんて結末は考えたくない。 水を切り、食器用布巾で残った水を拭き取り、元あったように食器棚へと戻す。 並んだマグカップはくすんで見えた。絵理を取り巻く世界は、あの日から止まったままだった。 少しだけ弱ってしまった心に活を入れるように頬を叩き、心残りがないかを確認しなおし、大事なことをしていないと思いだした。 靴を脱ぎ、ダイニングまで戻って手元にあった便箋に筆を走らせる。 何を書こうか少しだけ迷ったけど、ありのままを書くことに決めた。 突然の出来事で申し訳ないという謝罪から始まり。 突然チェーンソー男のルーチンが切り替わったこと。そのせいで被害者が出てしまったということ。 絵理はこれから、決着をつけるために戦いに行くということ。 一緒に戦ってくれたのにそれなりに感謝していたということ。 山本と一緒にすごした日々は、馬鹿らしくもあったけれどとても楽しかったということ。 そして最後に、絵理の好きな相手についてで締め、筆を置く。 手紙の内容を、会って話したり電話で伝えられたりしたらどれほど楽かはわからない。 返事を聞ければ、チェーンソー男をもっと弱らせることだってできるかもしれない。 でも、もし、絵理のありのままを伝え、山本にそのありのままを否定されてしまえば、絵理はそのまま悲しみに負けてしまうだろう。 だから会わない。最後だからこそ、会わない。 もし口で伝えたいなら、すべて終わった後でいい。 靴を履き、家を出る。 夜になれば山本が来るかもしれないから、鍵は閉めない。 「いってきます」 空っぽの家に向けて声を掛け、背を向ける。 以降、振り返ることはなかった。 振り返ればきっと、幸せの中に別の感情が混ざってしまうから。 家の中は、幸せなあの日の続きを待つように、あの日のままで。 そして、ただひとつだけ、彼が読んでくれるかもしれない手紙を、あの日以降に積み上げられた恋という名の『幸福』を残して。 絵理はまとわりつこうとする悲しみを振り払うように力を振り絞り。 ただ、ただ、目的地に向けて駆けた。 目的地はもう分かっている。 今日何度も起こっているような突発的な出現とは違い、夜の日課の時のように。 チェーンソー男が今夜現れる場所が、いつもどおり予め感覚でわかる。 道なりに進んで。 ふたつ目の信号を右。 目についた路地に入って。 真っ直ぐ進む。 「行き止まりです」 程なく行き止まりに辿り着いた。 しかし、絵理には分かる。 チェーンソー男の現れる場所はこの『行き止まり』の先だ。 直線で突っ切れればと思って最短コースで来たが、回り込む必要があるかもしれない。 一応、側に居た不思議な生き物(工事現場のマスコットかなにかだろうか)に尋ねてみる。 「この先に、用があるんだけど」 「しょうがないにゃぁ……いいよ」 標識のそばに浮いていたよくわからない生き物が道を譲れば、壁だったはずの場所はぽっかりと口を開けた。 目の前には、変わらず商店街が広がっている。 どういう原理かは分からない。 でも、チェーンソー男なんてものが居るんだ。壁によく似た扉があってもおかしくない。 扉を潜り抜けた先、血のように赤黒い夕焼けに染め上げられた商店街を駆け抜ける。 向かう先は当然、奴が居ると感じている場所だ。 夜の帳が降りれば、その場所にチェーンソー男は現れる。 そして、その時、絵理はまた戦うのだ。 悲しみを振りまくチェーンソー男と、青春を賭して。 ちっぽけな幸福で着飾った死にたがりの青春が、決着に向けて走りだす。 【???/一日目 夕方/さいはて町 商店街】 【雪崎絵理@ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ】 [状態]魔力消費(?)、ショック(大)、決意 [令呪]残り三画 [装備]宝具『死にたがりの青春』 、ナイフ、鎖帷子 [道具]スマートフォン [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:チェーンソー男を倒す。 1.チェーンソー男との決着を。 [備考] ※チェーンソー男の出現に関する変化に気づきました。ただし、条件などについては気づいていません。 ※『死にたがりの青春』による運動能力向上には気づいていますが装備していることは知りません。また、この装備によって魔力探知能力が向上していることも知りません。 ※白坂小梅&バーサーカー(ジェノサイド)を確認しました。真名も聞いています。 ※記憶を取り戻しておらず、自身がマスターであることも気づいていません。 ※もしかしたらルーラーも気づいてないかもしれません。 ※聖杯戦争のことは簡単に小梅から聞きました。詳しいルールなどは聞いてません。 ※出典時期はチェーンソー男が弱体化したあと~山本の転校を聞く前です。 ☆★☆☆☆★ 目と耳を塞いで朝日から逃れ。 射した西日をカーテンで遮り。 膝を抱えて俯こう。 壁に体を預けよう。 うつ伏せになって息苦しさを覚えよう。 世界の誰にも見えぬ傷口を治すために。 世界に向かってもう一度踏み出せるようになるために。 最果ては、いつかの昔に立ち止まってしまった人のためにある。 チェーンソーの刃は怖いけれど。 世間は金にうるさいけれど。 それでも、見守ってくれるその世界は。 傷を治せる唯一の病院で。 傷を増やさない唯一の殻で。 傷と向き合える唯一の町だ。 目の前で大切な誰かを失った少女。 遥か昔に大切な誰かを失った少女。 どこかで誰かを失ったままの少女。 少女たちは最果てへと至る。 これから先、いつか傷を癒やすために。 尊い人を思いながら、千年の喪に服すために。 ☆★☆☆☆★ BACK NEXT 028 三人目 投下順 030 ティー・パーティーをもう一度 027 尊いもの 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 027 尊いもの 輿水幸子 思い出が窮屈になりだしたこの頃の僕らは 026 ALL HAZARD PARANOIA/オール・ハザード・パラノイア 雪崎絵理 033 青春にさようなら 024 きっと世界は君のもの きっと世界は僕のもの 玲 思い出が窮屈になりだしたこの頃の僕らは
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フォルテ・カンパネラ カルネが救った少女こと、名はメイリス・ロータスと言った。 この森で生活する錬金術師だそうだ。ブロンドの髪をツインテール?っていうのか?髪の長い少女だ。 『こー見えてあたし、結構スゴ腕なのよ!』と自慢している。実際、お礼にカルネの薬を作っているそうだから。 「なぁ、メイリスちゃん。お前……水色のローブが何処いったか知ってるか?」 「……! あ、あとメイリスでいいわ。知ってはいるけど……危険だよ」 「オレはカルネと戦友なんだ。戦友の敵を取るためなら危険なんか怖くなんかねえ! っていうかお前のほうが怖えぇ!初対面で刃物で傷付けるとか!」 「あはは、……あれは事故なんだってば。ごめんって。 でもその薬、結構効いてきたんじゃない?」 もともとあまり深い傷でもなかったが、成る程ほとんどもう痛みもない。 この薬。ペパーミントのようなハーブの香りがする。 「いいけどよ……とりあえず、なんでも良いから教えてくれよ」 オレは真剣な目でそう言った。 「はぁ……負けたわぁ。いいよ。教えてあげる。 水色のローブは大いなる力を悪いことに使おうとしているの。 ええと、そうね。何より一番やっかいなのは大きな力を持った人間に力尽くで挑んでくるの。 カルネさんも……なんとか命は取り留めたけど、結果片足が義足になっちゃうわね……」 メイリスは、不安そうな顔をして……すぐに何かを決意したような顔になった。 「水色のローブは、また北のほうへ向かったわ。 何を企んで居るのかもわからない。またきっと、カルネさんのように――」 メイリスはうつむいた。涙がぽつぽつと、メイリスの手にかかった。 「おい、泣くなよ……あいつは、お前が思ってる程弱かねぇよ。なんたってオレの戦友なんだからよ。 きっと、メイリスが薬作ってとなりにいてやれば回復は早いはずさ」 「当然よ……あたしを誰だと思ってんのよ……。 でも、カルネさんは……盾になってまで私を……」 困ったな……女の涙は苦手だ。 いや、プラチナの涙もなかなかオレにはダメージがキたっていうか……涙が苦手なんだな、多分。 「いーんだよ。カルネはああいうヤツだ。お前みたいな少女をほっとけないっていうかな。正義感の強いヤツなんだよ。 そうか。じゃあオレは北に向かう。カルネを頼む。ありがとな!メイリス」 オレはメイリスに精一杯の笑顔を見せた。 「死なないでよね」 メイリスは、それだけ言ってひらひらと手を振った。 「おうよ」 オレも、ひらひらと手を振って、メイリスの家から出て行った。 北に、何があるのか。 オレにもまだ分からない。 水色のローブが、悪いやつだってことはかろうじて分かった。 メイリスが言うには大いなる力とは魔術、そして錬金術のことをさすらしい。 水色のローブが狙うのは主に魔術士・魔導士らしいが……。 あのとき会った少年――プラチナは、たしかダークウィザードじゃなかったか……? 生きているんだろうか、無事なんだろうか。 だが、生きていればいつか会える。 オレの旅路は、ここから始まったのだった。 【NEXT】兄妹の追憶 【BACK】その傷の代償と失ったもの
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690 :名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 01 25 38 ID W+dnEKiW 続けろ馬鹿テメェごめんなさいマジ続けてくださいハァハァとかなんかもう、こう、……どうよ!? 691 :名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 18 59 34 ID UkTNNiKl 689 続け続け続け続け続け続け続け続け続け続け続け続け続け……いかん!?願いがだだもれですよ!? 690 さぁ同士ちょっと帰りますよ 692 :名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 21 53 06 ID AEUmn8cM 「…その、天国と言うのは矢張りその少女が、ですか」 「左様、日が変わるまでに誰も気をやらねば、世明けまで相手してくれるのじゃ」 「一人でですか?全員を?」 「観ているだけで精を漏らさせるほどの娘じゃ、指でも足でもどこでも極楽の様だと言うな」 「そんなに?…そんなにまで…(ゴクリ)…ゲフンゲフン、あーそれで、その耐えれなかったら地獄と言うのは」 「知れた事よ、その者が娘の代わりに皆の(rya と言う夢を観た。 693 :名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16 39 24 ID y/Lq66PZ 禁 盗 運 694 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20 10 53 ID wR2wOcX1 女性の身体を洗い、マッサージをする仕事になります。 射精の瞬間を見たいという要望も多数あります。 fukugyouinfom@yahoo.co.jp 695 :名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21 11 27 ID j3+ftQhA 693 やっぱりGO WEST中はオナ禁なのか御師匠様は。 696 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 17 13 10 ID aRPfbEoS 674-675 こうですか?わかりません><! ――冷たい! 乳房の下部にひやりとした感触を感じ、唯奈は身を強張らせた。 冷えと感じるのは一瞬だけで、すぐにそれはカイロのようにじとっとした熱さへと変わっていく。 しまった、唯奈は内心で嘆息した。 夜遅くまで官能小説に興じていたため、ついに「あれ」が訪れてしまった。 禁断少女。 いわゆる性的な禁断症状という説もあるが、それにしては感触が生々しすぎる。 唯奈はもう随分前から、それの存在を認めることにしていた。 そうせざるを得ない理由は、脳に響く人ならぬ声。 『また自慰をしてないのね。もうお姉さん、限界よ。解るでしょう』 冷たさが唯奈の脇腹を過ぎ、女の部分へとぬるりと流れていく。 「…っ!」 脚が思わず強張ったことで、秘裂へ潜り込まれた事がわかった。 スカートもタイツもショーツも、それの侵入を阻む役には立たない。 筋肉を硬直させても流れは緩まらない。 それを知る唯奈は机に肘を預け、ぐっと堪える姿勢を作った。 697 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 17 14 07 ID aRPfbEoS 『あら、今日はまた一段とハードな内容。 レイプ…?そーう、お姉さんそんなことに興味あるの』 脳に言葉が響くと共に、脚の間からくちゅくちゅと音が鳴る。 スカートに視線を落としても乱れてさえいない。 しかしショーツを下げてみると、秘裂だけがひとりでに開いたり閉じたりを繰り返しているのだ。 まるで、見えない指に攪拌されているように。 禁断少女の指は丹念に唯奈の中をなぞる。 仙骨に向けて紅肉を押し上げられたり、直腸に沿って膣をしごかれたり、 Gスポットを粒のひとつずつ潰すように愛されたり。 「あああっ!!」 際どい箇所を突かれるたび、声が上がってしまう。 ともすれば達するほどの極感が背筋を走りはするものの、結局は焦れるだけだ。 それは案外かなりの負荷であり、唯奈はイき損ねるたび、床を悔しげに蹴りつけて気を紛らわさざるをえない。 自分の指でかき回す事もしたが、少女と比べては蚊が刺すほどの刺激にしかならなかった。 「ん、っふー…、っっくうう…っ!!」 唯奈は鼻から大きく息を吐き、しきりに腰を捩る。 前頭部がスカスカになったように寒くなり、身体だけはひどく熱い。 少女の指が這った後は、毒が回ったように鳥肌が立つのだった。 698 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 17 15 04 ID aRPfbEoS 『お姉さんって淫乱なのね。私にここまでさせちゃうの?』 少女の指先が子宮口を捉えた。 また子を生んだ事のないそこは、蕾のように固く閉じている事だろう。 しかし、少女の指はそれを易々と通り抜ける。 子宮口をごりごりと開かれた。 反射的に両脚が大きく開き、スカートが裁断の音を立てる。 「ああああっ……!!」 唯奈は全身の毛という毛が逆立ち、汗が噴出すイメージを浮かべた。 今まで経験したどんなセックスよりも身体の芯に来る刺激。 唯奈の乱れようを同僚が見たら、どう思うだろうか。 スタイルが良く、気品のある唯奈。惚れている男もいることだろう。 699 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 17 15 57 ID aRPfbEoS 禁断少女に遠慮はなく、彼女はついにその細い腕ごと唯奈に飲み込ませる。 自分の膣内が大きな輪を作っていく様を、唯奈は陶然として受け止めていた。子宮口はなおも開閉を続けさせられており、その締め付けは相当なものになっている事が窺えた。 『凄い締め付け、腕が折れそうよ。』 少女の小憎らしいほど澄んだ声が、甘えるように訴える。 しかしその言葉に反して、彼女の腕は唯奈の臍より深く達していた。 彼女に触れられた場所は媚薬のように火照り、痺れる。 膣壁のすべてがじくじくと溶け出すように熱くなっていくのを感じ、 その腰の抜けそうな浮遊感に唯奈は椅子へ深く身を沈めた。 彼女は知っているのだ。 女の部分を徹底的に嬲り者にする割に、禁断少女はけっして達する事を許さない。 彼女に取り付かれた者は耐えなければならない。 男であれば前立腺が鉄線のごとく張り詰め、精嚢がくるみの様に萎むまで。 女であれば椅子から滴るほどに愛液を満ちさせ、脚を奇怪にくねらせて美貌を歪めながらのたうち回り。 日曜の朝、独身女性の部屋を覗いてみるといい。 そこには涙を流し尽くし、椅子の背もたれにぐったりとした身体を預ける美女がいるかもしれない。 彼女らと遭えば等しく身体を求められるだろうが、無駄なことだ。 禁断少女に魅入られた者は、彼女の気まぐれでしか、解放されることは無いのだから…。 650 :名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 20 31 59 ID cIj61fbN その国では、ある一つの禁断の品があった。 中毒性を持ちながら、国によっては嗜好品として認められ、それに税金をかけて 国家収益としている場合も多い、ある種の薬品に近い性質を持った物。 いわゆる一つの――煙草、だ。 「……すぅ……ふぅー……まったく、この国は……」 彼女の口から漏れる紫煙は、まさしくその煙草の煙であった。 彼女は、それが禁じられているこの国において、それを扱う数少ない存在。 年端もいかぬ少女でありながら、禁断の品を扱う仲買人(バイヤー)として、彼女の 存在は広く知られていた。"forbidden girl"という二つ名と共に。 禁煙帝国奇譚 第一章 ―禁断の実を売る少女― 近日執筆予定 は未定! 651 :名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 22 08 14 ID l6k+slaN 未定かよっ! 652 :名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 00 30 32 ID ZsB66EFb 駄目だ……毎日三発くらい抜いてたせいか、二日のオナ禁でいつの間にか股間に手が伸びている状態に…… 禁断少女がやってくる日は限りなく遠いぜ…… 653 :名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 01 41 15 ID zuqrN9F6 652 半年オナ禁な 654 :名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 17 52 23 ID ZsB66EFb 最近、なんかオナっても出る直前で止めることができるようになった。 ……なんでかダイ大のヒュンケルのグランドクロスの極意とかなんかそんなモノを思い出した。 性欲は無いのにたまっていくよ……! 655 :名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 18 08 59 ID fA+9CQBu ヒュンケルとか懐かしすぎるだろwww 全巻売っちまったよオレ また買い直すかな 656 :名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 20 55 51 ID CsMcrkcb 519 名前: イラストに騙された名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/25(金) 10 10 47 ID okhZtkP+ 「コーヒーギフトはEGF~」に聞こえてきた俺はもう禁断少女が出てると思います 520 名前: イラストに騙された名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/25(金) 10 28 05 ID XD4dVry8 禁断少女……それなんてエロゲ? 521 名前: イラストに騙された名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/25(金) 10 32 49 ID dnbQtpeB 『禁断少女』(文:秋山瑞人 挿絵:駒都えーじ) フランス書院文庫 定価670円 522 名前: イラストに騙された名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/25(金) 11 14 50 ID By377cb8 すまん、マジで読んでみたいんだが 僕らの禁断少女が本になりますた 657 :名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 22 47 12 ID I5sY8mYz うほっ ぱんつはいてない禁断少女萌え 658 :名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 18 07 46 ID lequ+Wx4 656 途中で止まっちゃうぅぅうう……! マダー? 659 :名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 18 49 51 ID GbY7C0Hs イリヤの空、UFOの夏? 660 :名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 12 17 39 ID 2WTpxoWN 禁! 661 :名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 12 18 37 ID ePV80AqJ 日! 662 :名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 19 08 53 ID dzdmoatC 開! 663 :名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 19 32 55 ID WWIG7sQx 砲! 664 :名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 23 20 02 ID eU11zkRd 撃! 665 :名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 00 35 05 ID V4F/AttM それなんて超必殺技?www 666 :名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 00 37 22 ID BVdwktjo 46サンチ砲の出番だな 667 :名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 08 31 29 ID 15JmteYn 禁断の艦隊か 668 :名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 11 32 25 ID 75UXxQmI 禁断の艦隊わろたw 669 :名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 11 39 12 ID IjemKP2H 手首外すぞ 670 :名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 23 31 28 ID 4Vnyua1t 667 女っ気無い艦隊勤務だからな。 呼び出された禁断タンがオナ禁だらけの水兵達にまっ白にされる電波を受信した奴はいないのかWW 671 :名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 23 50 58 ID Me2Wqmlj すまん。艦隊に乗った制服姿の禁断少女達が攻めてくるしか頭になかった。 672 :名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 00 38 43 ID uuhg7mju 670 水兵の数だけやってくる禁断少女A~Ω 想像するだけでちんこ立ってきた 673 :名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 14 57 48 ID ehKydQwn 禁弾 674 :名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 15 33 07 ID JzgjR92l 禁弾→発射できない→寸止め で オナ禁職人を一晩中寸止め地獄で弄ぶ禁断タンtいう電波を受信した方は(rya 675 :名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 18 38 10 ID z197ZjO4 674 それは百合にすると素晴らしいこry 676 :名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21 48 20 ID EkXn/4G6 オナ禁職人の所にやってきた禁断少女をふん縛ってSMプレイを施しつつ、 それを見て勃起するオナ禁職人のナニを寸止めプレイする禁弾少女とな? 677 :名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 23 58 57 ID 6F6M4P5q オナ禁職人って、なんだかオナ禁のエキスパートみたいだなぁw 678 :名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 03 03 15 ID ZSa54Mr2 オナ禁職人VS禁断少女 ~イったら負けよ~ 近日公開! まで想像した。 679 :名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 20 46 50 ID mxqDwXfN 禁断少女A 「…だめだわ、今日も奴をイカせられなかった…」 禁断少女B 「お姉様でも駄目なんて…」 禁断少女C 「もう、奴を…『オナ禁職人』をイカせられる勇者はいないの!?」 680 :名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 12 17 02 ID Zq9ngRzn 職人強過ぎだろww 681 :名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 12 45 28 ID WVozxJ3X 少年ならイケたりしてw 682 :名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 15 05 15 ID AIi+DMR+ 貴腐人乙 683 :名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 19 24 42 ID m5ZF+js2 むしろ大腐豪WW 684 :名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 23 16 23 ID oyoXFqhA 禁断さん、今年もチョコありがとう。 685 :名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 09 21 25 ID HjcJg2hH 平蔵 686 :名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 13 17 16 ID NnUKMJEP 禁! 687 :名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 13 51 40 ID Ic9AR1mW 苦! 688 :名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 18 00 53 ID vsc3LvJ0 祭! 689 :SMっぽい感じ エロらしいエロまでいかないなので注意:2008/02/24(日) 23 19 22 ID Imhts9sm 「ふふふ……」 椅子に腰掛けた彼女は、眼前の光景に笑みを漏らした。 まだ少女と呼ぶ方が相応しいだろう体躯の中にあって、その笑みだけは 淫らで、大人びていて―― その淫笑をもって見下ろす彼女の前には、数多の男が、全身を拘束されて 転がっていた。いや、正確には転がっている者もいれば、座らされている者も、 無理やり立たされている者もいた。 そのどれもが例外なく、口にギャグボールをはめられて、そして、身体の一部分を 硬直させていた。 「まったく呆れたものよね、あなたたちって。こんな風に縛られて、猿轡かまされて、 それでこんな風にしちゃうんだから」 少女は笑う。その淫らな笑みに、男達は硬くした部分を――男の象徴を震わせる。 誰一人として例外なく。転がされている者も、座らされている者も、立たされている者も。 「……ま、お祭りだから、仕方が無いのかしら?」 そう、これは祭りだ。 禁苦祭と呼ばれる、禁断の祭り。 「じゃあ……始めましょう?」 少女はそう言うと、まとっていた衣服を脱ぎ捨てた。 露わになる、未成熟な、だがどこか成熟した果実のような柔らかさを感じさせる、 矛盾を内包した肢体に、男達は再び誰一人として例外なく、今度は喉をならした。 彼女もまた、この異様な状況に興奮しているということが、その屹立した桜色の頂点から、 包皮から顔を出した真珠の粒からわかる。 その事実が、さらなる興奮を彼女自身に、そして男達にもたらしていく。 「……ん」 彼女の小さな手が、彼女自身の身体を這う。 その手に自らを重ねるかのように、男達の視線が手の動きを追い、彼女の身体を這う。 「ふふふ……耐えられたら天国……耐えられなかったら、地獄、よ?」 宴が――始まった。 当然続かない 700 :名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 21 12 47 ID 8f/Ohesv ややややべえ立っちまった 701 :名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00 11 21 ID UAYH3blz KINDANのAGE 702 :名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 03 10 00 ID Ind7R+MD うめえ 703 :名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 15 06 06 ID IYX6GjCo きぜぇ 704 :名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 17 27 00 ID I2C95abb わろたww 705 :名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 19 21 23 ID sUoxMUC5 近親少女 706 :名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 12 05 43 ID Uy+H/VOP 近眼少女 707 :名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 16 42 02 ID qeDedUFR 眼鏡と申したか?! 708 :名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 19 21 17 ID qLLehthe 既出だよ>眼鏡 709 :名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 22 25 08 ID TnqI1BuE 老眼少女 710 :名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23 43 55 ID qfFxI8J8 既出でもいいじゃないか 眼鏡だもの 近眼少女 711 :名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00 19 36 ID BUvCl9P9 ちかめしょうじょと読む 712 :名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00 31 22 ID hNRuBJAx 乱視少女 713 :名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00 32 43 ID lxl0g111 みだれし少女、か。 714 :名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00 35 47 ID BUvCl9P9 乱れた所を見てもらうことで快感を得る少女 はっ、とんだ淫乱だな! 715 :名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00 48 28 ID /Uqlc3Ee おかめとな?! 716 :名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00 55 15 ID lxl0g111 金田一少女 717 :名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 16 52 54 ID /Fgnhyde 現れるたびに死人が出るんだな? 718 :名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 19 51 44 ID aVHpgxVW 「ジッちゃんのナニにかけて!」 719 :名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 21 51 33 ID XVgetH0H 童貞はこの中にいる! 720 :名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 22 18 17 ID gLz5uVb/ シューン カッ カッ カッ カッ ババーン 男「俺かよ!」 金「貴方は私が卒業させて見せる! ジッちゃんのナニにかけて!」 男「え、ちょ……い、あ……」 金「んむふ……まずは口で……ん、あむ……」 男「くっ!」 ビュルルルルッ! 男「くはっ……!」 金「……ん…………ごくん」 男「………………」 金「さすがに初めてだから早いわね……けど、凄い勢いだったわ。 じゃあ、今度は……あれ?」 男「………………」 金「………………」 男「………………」 金「……だ、誰がこの人を殺したのっ(性的な意味で)!?」 男「(お前だよお前……ガクッ)」 721 :名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 00 36 51 ID BrpOeTtB 明痴警視大変だな 722 :名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 09 20 25 ID ufpPvVYj 腹上死ならぬ口下死か 723 :名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 11 38 52 ID 6QFOXv9D 拘禁少女 724 :名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 19 25 08 ID fxqITBq7 拘「ふっふっふっふ……」 男「俺を捕まえて何をするつもりだ!?」 拘「これを、食べてもらうわ」 男「……なにそれ?」 拘「見てわからない? ……鶏よ」 男「……お前、まさか……それでコーチン少女とか言うつも」 拘「オチを先に言わないでっ!」 男「………………」 拘「………………」 男「……で、どうすんだ?」 拘「こ、この裏金で」 男「公金少女か」 拘「………………」 男「……諦めた方がいいんじゃないか、色々な意味で?」 拘「……うん、そうする」 えー、こんなわけのわからない電波を送ってきた方、挙手してください 725 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 20 01 52 ID X+5sJRwt 712-714で思いついたので ――ガタンゴトン ガタンゴトン―― (……?) 気がついたときに最初に違和感を覚えたのは、視点の低さだった。 身長が大してないくせに座高だけは高い俺にとっては、ここまで地面が近く見えることはまれだ。 これが座席に浅く座ってぐたっとへたれた状態だったならわかる。だが、今の俺はお尻がしっかり背もたれに触れるほど深く腰掛けてるのだ。 (あれ、それ以前に、俺って何で電車に乗ってたんだっけ?) 思い出せない。 ここ数日の仕事の忙しさのせいで疲れ、久しぶりの休みのこの日曜は寝通そうと決めたんじゃなかったか。 大体この電車はどこ行きだ? ボーっとした頭でそこまで考えたとき、不意に声が響いた。 『ようやくお目覚め? 本当に疲れてたのね』 声は耳ではなく脳みそに直に届いているような、不思議でぼやけたものだった。 (あれ? 誰だ?) 聞き覚えのないはずのその声は、しかし俺の脳内に何か引っかかりを残す。 聞いたことはないが、しかしこの声を俺は知っているような……? 『気にしないで。あなたはただこれから起こることに全神経を集中させていればいいのよ』 (……?) どういうことだ、と口にしようとして、口が動かない事に気づく。 口だけじゃない。手も足も動かない。目線だけは動かせるようだが、呼吸すら自分の意思どおりにならない。 726 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 20 03 05 ID X+5sJRwt 『慌てないでいいわ。あなたに害は一切ないから』 (だから何がどうなって――) す、と視点が高くなった。同時に、お尻に感じていた体重が足の裏に移動する。 立ち上がったのだ、と気づき、立ち上がってなお低い身長に驚く。 俺、中学生くらいのころまで縮んじまったのか? 『違うわよ。私の感覚を繋いでいるだけ』 感覚を繋ぐ? どういうことなのか想像は出来なくないが、何でそうなっているのかさっぱりわからない。 『説明が面倒だからもういいわ。それじゃ楽しむだけ楽しんでいってね』 その声と同時に俺の視点が分裂した。さっきまでの視界と別に、テレビの二元放送のようにもう一つの視界が挿入される。 そちらに映るのは、黒色で統一されてレース過多な、俗にいうゴスロリ衣装に身を包んだ金髪の少女。 す、と俺の両が勝手に動き、腰の辺りにある布を摘む。 同時に、もう一つの視界の中の少女がその手を動かし、スカートの両脇を摘んだ。 (え!?) 俺の手が勝手に持ち上がる。 ゴスロリ少女がスカートを摘み上げる。 いつの間に現れたのか、最初からいたのか、他の乗客の目がこちらを向く。 少女は周りの乗客の視線を感じたのか、口元をわずかに微笑ませる。 ……なんだこれ!? あれが俺の姿なのか!? もう一方の視点のあるはずの位置には、少女である俺からは何もないように見える。 727 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 20 03 56 ID X+5sJRwt 持ち上がる手は止まらない。腰の高さを超え、お腹の辺りを越え、胸の高さまで持ち上がっていく。 少女は白い足をすねから太ももとどんどん晒していき、だがスカートの長いゴスロリ衣装はいまだ肝心な部分までは晒すに至らない。 突然の事態に乗客の視線が集まる。 ――どくん 胸の中で心臓がすごい勢いで跳ねた。 少女が、スカートを肩より少し低い高さまで持ち上げて止まる。 スカートの下端は少女の太ももをその限界まで衆目に晒しており、あとわずかに腕を上げるだけで…… 全身に小さな痺れが走る。息が少し苦しくなる。胸の中の拍動が耳元に移動したようにうるさい。 少女の頬がわずかに紅潮し、微笑を浮かべていた口が小さく開き、目が細まり、眉が下がる。 そのまま数秒ばかり、観衆が固唾を呑むのを待つかのような静止が続き…… 腕が一気に顔の高さまで上がる。 少女が一息にスカートを持ち上げた。 (っ!?) 皆の視線がスカートの下に集中するのがわかる。全身に汗が吹き出る。体中の血液がそこに流れ込んで張り詰める。 そこにあるはずだった下着は姿を現さず、ただわずかな金色の茂みと、充血してなお薄桃色の小さな―― 728 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 20 04 38 ID X+5sJRwt 「うああっ!?」 自分の叫び声で意識が覚醒する。視界に映ったのは良く見知った天井。 「あああ……あ?」 自分の部屋? 「あれ、声が出る……って、俺の体!」 慌てて体中をまさぐってみるが、長年慣れ親しんだ俺の体に間違いない。 とすると、さっきのは……ただの夢? って、 「うわあ」 まさぐってる内に気づいたが、パンツの中が……ひどいことに……。 くそ、なんだあの夢。この年で夢精かよ。 『文句言わないの。気持ちよかったでしょ?』 「え!?」 『露出狂の少女を眺めるだけじゃなくて、その感覚まで判るなんて、なかなか体験できることではないでしょう?』 今の声って!? おい、さっきのやつがまだいるのか!? 『うふふ、それじゃあね。また会える日を楽しみにしてるわ』 「ちょっと待ってくれ!」 俺の言葉を無視して、その声はどんどん小さくなっていく。 『……次は、あの続きから始めましょうね……』 「………」 そしてその声は完全に消えた。 729 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 20 06 18 ID X+5sJRwt いじょ。乱れたところではなくただ露出してるだけになってしまった。申し訳ない。 730 :712:2008/03/09(日) 20 33 35 ID t4oIrYg/ ちょっとした呟きが…… GJ! じりじり感が堪らなかった! 次よ早く来い! 731 :名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 23 57 17 ID roHjAAol そう言えば、物書き(SS書き)のところに現れるんじゃなかったっけ? 732 :名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 00 15 35 ID nFjvd5kZ あー、その辺描写し忘れた。一応物書きのつもりで書いてたんだけど。 最後に 背後のパソコンではいつの間にかエディタが開き、書きかけのSSが映っていた とか追加しといたほうが良かったか。 733 :名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 05 44 28 ID QJLtNkeb 禁止少女 筋肉少女 緊縛少女 禁句少女 734 :名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 12 45 49 ID jLMwCw0T 733 >禁句少女 「抜けないわね」 「つまんないわね」 「小さいわね」 「早いわね」 魂をえぐる一言を放ちながらその瞬間のSS書きの情けない顔を見て S的好奇心を満足させ、秘部を熱く濡らしてしまう少女なのだな? 735 :名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 14 21 41 ID kdXTSIGx 734 童貞って事にだけは触れてないのが優しいな 736 :名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 16 26 27 ID 0ZNoxGje 733 オーケンは最高だ・・・ 737 :名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 16 33 13 ID JMacCaiO 736 ボヨヨンロックか 738 :名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 21 31 39 ID ztM7OzwK 736 うわっ!今気づいた!! 何気に混ぜてんなよ 733w 739 :名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 23 08 46 ID ZwCgrt3B 金券少女 740 :修正少女:2008/03/18(火) 01 40 06 ID vK5HI2uD 突然ですが投下します。 スレタイとかけ離れた少女が主人公で、陵辱・百合描写を含みます。 43KBほどになってしまったので、22~25レスほど使用させていただきます。 属性が苦手な方、長編が苦手な方は題名をNG指定でお願いします。 741 :修正少女:2008/03/18(火) 01 41 45 ID vK5HI2uD 「え~とぉ……。ここと、ここと、ここと……」 暗闇の中でカタカタと、懸命にキーボードを叩いている少女がいた。 背後のベッドでは、部屋の持ち主である男が高いびきで眠っている。 「ん~……。そこで男は少女を押し倒し……」 いきなり背を向けたまま言葉を発する男に、ビクッと飛び上がる少女。 「違うだろ! そこはやはりバックからだろ……むにゃ」 身を硬くして脅える少女を他所に、そのまま男は寝返りを打つ。 「……はぁ。驚いたですぅ。寝言だったんですね。――さて、後20行!」 カタカタカタ……。Enter! 少女は勢いよくエンターキーを押した。 思わず袖で額に浮いた汗を拭ってしまい、お行儀の悪さに頬を染める。 「ふぅ。任務完了ですぅ~! 今日の試験は緊張しちゃいましたっ! さっ、早速帰って明日の発表を待つですぅ~!」 主がまだ熟睡している事をそ~っと確かめると、小窓を開けて外へと浮かび でる。ふわふわと空を飛んでいると、一仕事終えた満足感が少女を満たす。 満月も、『がんばったね』というように、まぁるく少女を照らしていた。 ――翌日の夕刻。 「さぁ、投下するぞ! 推敲なんて俺の辞書にはないっ! はははははは!」 昨夜熟睡していた男が、少女が座っていた椅子に座って高笑いをしている。 テキストエディタを開いて、投下窓に次々とコピペをすると、次々に送信 ボタンを押し続ける。 「よしっと! 投下完了! さて反応は……?」 男はせわしなくモニターを見つめ、開いているブラウザの更新キーを連打し 始めた。反応が来るまでその作業を繰り返す。 そんな男の姿を、水晶越しに昨日の少女と、尖った眼鏡に髪をきつく結い上 げた女性が見つめているのを男は知らない。 「――はぁ。すごいですねぇ……、あの方。あのパワーをもう少し自分の文章 を読み返す事にまわせばいいのに……」 更新キーをマッハの速さで連打する男に、少女は感心したような、呆れたよ うな溜息をついた。 「他人事ではありませんよ! 受験ナンバー4989さん! あの方の誤字率 は何%だったのですか?」 尖った眼鏡の女性に喝を入れられ、ナンバー4989と呼ばれる少女は身を すくめた。 「は、はいぃっ! せ、先生……。え、え~とですね。あの方の投下前の誤字 率はぁ~1行20文字につき3文字でぇ~……」 少女はしどろもどろに夕べの修正率を指で数える。 「返答は30秒以内に応えなさい!」 「はいっ! おおよそ70%だったと思いますぅ!」 先生と呼ばれた女性の眼鏡がきらりと光った。 「……80点。ぎりぎり合格です。ちなみに正解は71.3%で、あなたの修正成 功率は 65。4%でした」 まだリロードキーを連打している男を見下ろしながら、少女は困ったような顔 をする。 「そ、そんなコンマ数まで……」 「お黙りなさい! 受験ナンバー4989さん! 2級妖精ならそこまで要求され るのですよ!」 「ええっ!? そ、そんなに困難なんですか?」 「当然です。3級妖精が2級妖精になるためには、そんな茨の道をも踏み越え るのです! これからあなたも3級妖精。頑張るのですよ、4989さん!」 「は、はいぃっ!」 742 :修正少女:2008/03/18(火) 01 42 57 ID vK5HI2uD 4989と呼ばれる少女は、溜息交じりに昨夜誤字を修正した男を再び見下 ろした。 ガッツ・ポーズをとっている。どうやらGJが付き始めたらしい。 あの笑顔をもっと見るために、私たちも日夜頑張るのですね、先生……。 「さて、では2級妖精検定までの実習予定を渡します。これらの予定をこなし たら、2級昇級試験が受けられます。わかりましたね? 4989さん!」 先生は、どこから取り出したのか、ずっしりと分厚い書類を渡してきた。 少女はその厚みに目を丸くして驚きながら、渋々課題を受け取った。 「……あらっ!?」 書類を手にした途端、大きく分厚かったはずの書類がなんだか小さく感じら れる。なんだか着ている服もきつい気がした。 「なにを驚いているのです。4989さん。あなたは今書類を受け取ったことで、 正式に修正妖精3級となったのですよ。級があがれば、体も大きくなるのです」 「は、はぁ……」 どうせなら、服も大きくしてくれないかなぁ……。少女は短くなった袖を見下 ろすと、無言で先生を見上げて溜息をつく。 「我儘はいけません! 我が修正妖精の世界はまだ新しく、予算があまりな いのです! 今、巷で有名な『禁断少女』をしのぐ勢いで頑張りなさい」 言葉にもしなかった心の中を見透かされ、4989と呼ばれる少女はすくみあ がった。 ――禁断少女かぁ……。あそこまで人気が出ると貧乏なんて無いんだろう なぁ……。進路間違えたかしら……? 「受験ナンバー4989さん!」 「は、はいっ! ウソです! ちょっと羨ましかっただけですぅっ!」 先生程になると、読心術もできちゃうんですね……。 4989少女は身を縮めて、急いで教務室から逃げ出した。 「これなら体が大きくなっても少しは伸びるわね」 4989少女は妖精デパートの学割バーゲンで買った黒いニットのワンピー スを頭からかぶる。これは修正妖精の制服みたいなものだ。 「さて、実習初日の相手は……?」 先生に渡された文書のページをめくる。文書には実習課題の相手のデータ や誤字率などが詳細に記載されていた。 いずれも修正し甲斐のありそうな、誤字の多いエロパロ職人ばかりがリスト アップされている。 二次職人のデータは原作迄細やかに書かれており、小さなチップにはアニ メのファイルまで入っていた。 シチュ職人のデータには作品の嗜好や作者の個人的嗜好まで載っている。 最初の実習相手は、かなり特殊と思われる嗜好の持ち主で、誤字率も79 %、かなりの難物と予想された。 「いや~ん! こんなに誤字率が高いのぉ? 私のキータッチ速度で間に合う かしら……。ううん、弱気になっちゃ駄目よね。頑張ろう!」 4989少女は両の指関節を鳴らすと、いざ出陣!とばかりに勢いよく窓から 飛び立った。 「お月様……。今日も応援していてくださいね!」 今日はやや半月だ。少女はふわふわと宙を舞いながら、目指す相手の部 屋へと向かった。 743 :修正少女:2008/03/18(火) 01 44 09 ID vK5HI2uD 今夜のターゲットは眉間に眉を寄せて、じっと画面を見つめている。 ――あらあら。どうやら煮詰まっているようですね。早く寝てくれないかな~。 4989少女は困った顔で、窓の外から相手を見つめていた。 すると、胸につけた校章ワッペンから、先生の声が聞こえてくる。 「受験ナンバー4989さん! なにをグズグズしているのです! そんな事で はノルマをこなす前に落第ですよ!」 「ひゃっ!? せ、先生……? で、でもぉ~ターゲットがまだ起きてるんですぅ」 4989少女は驚きながらも、先生に向かって泣き言を言う。 「は~……。4989さん、あなたはきちんと授業を聞いていなかったのですか? 我が妖精学校では、いくつかの効果的な呪文も教えられた筈ですよ?」 4989少女はしばらくぽか~んとしていたが、そういえばそんな授業も受け ていた事を思い出した。 「そ、そうでしたね。あはは……っ」 「笑いごとではありません! さっさと行動を開始しなさい!」 「は、はいぃ! ……え、え~と……。誤字誤字修正、夢魔よこ~い!」 ……相手が眠る様子はなかった。4989少女は泣きたくなってしまう。 「ふぇ~ん……! せ、先生~!」 「もっと意識を集中して唱えなさい! 4989さん! 留年したいのですか?」 「は、はいっ! 誤字誤字修正、夢魔よこ~い! 書いてる人によって来い!」 今度は一心不乱に唱え始める。 何度か必死に唱えるうちに、ようやくターゲットが舟をこぎ始めた。 ……やったぁ! 呪文成功! こんな便利な呪文、もっと早く教えてくれれば いいのに。 4989少女はすっかり授業を忘れていた事を棚に上げ、心の中で呟いた。 ターゲットはこっくり、こっくりと舟をこぐと、そのうち机に突っ伏して居眠りを 始める。4989少女はにっこり笑うと、またも小窓から忍び込んだ。 修正妖精には窓に触れただけで鍵が開く、という特権だけが最初からある のだ。コソ泥に入るのには、とっても便利な力なのである。 この力を別に使えば、バーゲンじゃない洋服も……! 「4989さん! 修正妖精の特権は、あくまで人のために使うのですよ!」 またも4989少女の思考を察したか、先生が厳しく言ってくる。 「わ、わかってます! 今のは冗談ですよぅ……! お邪魔しまぁす……」 肩をすくめながら、4989少女は室内に侵入した。 「は~い、ちょっと失礼しますよ……っと」 机に突っ伏して眠る書き手さんを、起こさないようにキーボードの上からずり 動かす。 エディタをスクロールして作品を眺めた4989少女は、呆然とした顔で横で 居眠りしている書き手さんを見下ろした。 「こ、これは酷いですぅ……! 題名から既に誤字ってますぅ~! 誤字職人 さん、としか、もう形容できませぇん!」 しかも今回は200KBはある大作だった。4989少女は、半べそをかきなが ら、居眠り誤字職人の膨大な誤字脱字を修正し始める。 「……ふぇ~ん……! 直しても、直しても誤字があるぅ~! しかも内容が、 ものすご~く、えっちですぅ~!」 さすが特殊シチュ職人さんだ。読んでるこっちが恥ずかしい内容なのに、そ の上更に誤字・脱字で溢れている。4989少女は思わず泣きながら、読み飛 ばすこともできずに修正作業を続けていった。 744 :修正少女:2008/03/18(火) 01 45 16 ID vK5HI2uD いつになったら終わるのかしら……。直しても直しても、新たに見つかる誤 字脱字に、軽い眩暈を覚えた時だった。 「ん……。あれ、寝ちゃってたのか。まずいまずい! ラストを……」 誤字職人さんがふわ~っと大きな欠伸と共に目覚めてしまう。 目覚めた誤字職人さんは、再びエロSSの続きを、とキーボードへと手を伸ば した。 当然、夢中で修正作業をしていた4989少女の手に重なってしまった。 「ひゃっ!?」 「おわっ!?」 お互いがお互いの存在にビックリして固まる。 誤字職人さんは、眼を擦りながらキーボードに手を重ねたまま固まっている、 4989少女を気まずそうにじろじろ見つめて、ぼそりと聞いた。 「あ、あの~。どちらさんで?」 4989少女はパニックを起こし、なんと答えていいか分らない。 「あ、怪しい者ではないですぅ! と、通りすがりの妖精候補です!」 うっかり身分を明かしてしまい、しまった! という表情になる。 誤字職人さんは、しばらく4989少女を見つめると、突然閃く様に頷いた。 「あ~! わかった! 君はあの……!」 4989少女は慌ててしまい、とりあえずぺこぺこ頭を下げる。 「す、すいません! すいません! 悪気とか犯罪する気は全然ないんですぅ ~! ご、誤解だけはしないでくださぁ~い!」 誤字職人さんは、うんうん、としきりに頷くと、4989少女の手を取った。 「少し赤みがかった三つ編み、ロリ顔に申し訳ないくらいの貧乳、まさに僕の 理想どおりだ!」 「……は? ……ひ、貧乳って……! し、失礼な方ですぅ~!」 誉められてるのか、けなされてるのか分らない。ともかく4989少女が気に している胸の事を、誤字職人に一言で言い表され、少女は頬を染めて胸を隠 し、断固として抗議した。 「いいんだって。それが僕の好みなんだからさ。都市伝説とは思いながらも、 ずっと君の出現を、信じて禁じて待っていたんだよ!」 誤字職人さんは4989少女の抗議にも耳を貸さず、いきなり少女を抱き上 げた。 745 :修正少女:2008/03/18(火) 01 46 39 ID vK5HI2uD まだ3級妖精になったばかりの4989少女は、幼女という程のサイズなので、 貧相な体の誤字職人にも、軽々と持ち上げられてしまう。 「きゃぅっ!? な、なにするですか~!? わ、私は仕事中で……!」 「うん。仕事なのはわかってるんだ。でもこんなチャンスはまたとないからね。 早速だけど、美味しくいただかせてもらうよ」 誤字職人は、4989少女をベッドに降ろすと、さっさと服を脱ぎ始めた。 「な、なんで脱ぐんですかぁっ!? そ、そんなもの見せちゃいやんですぅ~!」 まだ文字の中でしか見たことのない、男性自身を見せ付けられ、4989少 女は混乱した。掌で目を隠すが、指の隙間からつい見てしまう。 「いいねぇ……。その反応! 勿論、君も僕が脱がせてあげるよ。僕のハニー・ 禁断少女ちゃん!」 のしかかってくる誤字職人に組み敷かれながら、4989少女は目を丸くした。 「は……? ちょ、ちょと待ってくださ~い! わ、私はその、禁断少女さんで はないんですぅ~! あ、あなた! ひ、人違いしてますよぉっ!」 必死に誤字職人の説得を試みる。しかし、彼の耳には入らないようだ。 「う~ん……。レイプ・陵辱設定かぁ~! ますますいいよ! 萌えちゃうよ!」 手探りでワンピースの背中をまさぐり、ファスナーを発見できないと、いきな りスカートをめくり上げた。 まっ白な、膝丈までのフリル付きかぼちゃブルマーが顕わにされる。 「きゃぁっ! え、エッチなのはいけないと思いますっ! ひ、引っ張らないでく ださ~い! おニューのワンピなのに、破れちゃいますぅ~!」 捲り上げられたスカートの裾を引っ張り合い、4989少女は必死に叫ぶ。 そんな少女の反応に、誤字職人はますます目を輝かせた。 「すごいな……! 下着まで僕の好みにジャストミートだよ! さぁ、君の全て を僕に余すところ無く見せておくれ、ハニー!」 「ち、違いますっ! 第一、喋り方が変ですよっ! こ、この下着は学校指定 のものでして……! だ、だからぁっ! 一張羅をそんなに引っ張らないでぇ ~っ!」 まるで意に介さない誤字職人に力任せに引っ張られ、4989少女のワンピ ースは、ついに『ベリっ』と音を立てて見るも無残に引き裂かれた。 4989少女は無残に散ったワンピースを見て悲鳴をあげる。 「あぁぁ! 買ったばかりなのにぃ~! ひどいですぅ! 先生! 助けてくださ ~い! こ、こんな事の対策は、授業で習ってませ~ん!」 破かれて、かろうじて手元に残ったワッペンの端切れに助けを求める。 「ガガガガ……ピー! ……っかりしなさい! 4989さん! そういう○△□ ……ガガガガ!」 「き、聞こえませ~ん! 先生~! もしも~し!?」 破れたせいで、ワッペンの通信機能が壊れたらしい。 「……? 誰と話してるんだい? ハニー。さぁ、その端切れも捨てて、こっちを お向き」 白いかぼちゃパンツ1枚になった4989少女に、誤字職人さんは抱きつき、 押し倒してくる。 「だ、だから! その喋り方! なんだか怖いですって! あッー!」 両腕を押さえられ、隠していた胸を顕わにされる。ささやかに盛り上がった、 白い乳房とピンク色の突起が誤字職人の目に晒される。 「可愛いおっぱいだ……! これぞ僕が夢見ていた、理想の貧乳だよ! い、いただきますっ!」 誤字職人は、興奮で目を真っ赤に充血させ、4989少女の胸に顔を埋める。 「ひ、貧乳、貧乳っていわないでくださいっ! ……あんっ……!」 誤字職人さんの唇が、4989少女のささやかな胸に吸い付いた。 ちゅっ、ちゅっ、っと音を立て、4989少女の胸に赤い斑紋を残してゆく。 「い……いやぁ……んっ! そんなに強く吸っっちゃダメですぅ…っ! きゃぅ!」 誤字職人は、必死に抵抗する4989少女の小さな乳首にも吸い付いてきた。 舌先で小粒のような先端を舐め転がし、甘噛みをして刺激してくる。 746 :修正少女:2008/03/18(火) 01 48 35 ID vK5HI2uD 「だ、ダメですぅ……っ! こ、こんな行為は私の管轄じゃ……あん……っ!」 残る乳房は誤字職人の掌で揉まれ、ひしゃげて4989少女を攻め立ててい る。 「可愛いよ……! 美味しいよ……! オーマイハニー! マイ・貧乳!」 誤字職人は涎を垂らしながら、夢中で4989少女の胸にむしゃぶりつき、舐 める唾液で少女の乳房を濡れ汚してゆく。 「だ……だからっ! 喋り方が気持ち悪いしっ! だめですぅ……! も、もう、 ……や、やめてくださぁ……いっ……やぁあぁんっ!」 ――せ、先生……っ! ど、どうしたらいいんですか……? な、なんだか私、 エッチな気分になっちゃいますぅ……! 「可愛いよ……。君のおっぱい、もっといっぱい味わいたいんだ……」 誤字職人は、荒い息で4989少女のささやかな胸を、ちゅっぱ、ちゅっぱと 音を立てて、飽きることなく貪り続ける。 「わ、私のおっぱいは、チュ○パチャ○スじゃないんですぅ……っ! そ、そん なにエッチに舐めないでくださぁ……いっ! いにゃ……ぅんっ……!」 もはや、ろれつも自由にならない。 4989少女は初めてのアクシデントと、誤字職人の口儀から粘っこく繰り返 される恥ずかしい感触の嵐から逃れられない絶望感で、もう流されてしまいそ うだった。 「い……いやぁ……ん! わ、私の仕事は……誤字脱字の修正だけなんです ぅ……っ! ぁあんっ……! ……あん……っ! だ、だめぇ……っ!」 思わず甘い声が漏れてしまう。 こ、こんなエッチな感触が、日頃私達が誤字修正している文章なの……? 誤字脱字にばかり目が行って、今迄気がつかなかったですぅ……っ! 「気持ちいいでしょ? もっと声を出して、一杯よがっていいんだよ? ハニー」 誤字職人さんは4989少女の反応を楽しみながら、かぼちゃパンツにも手 を伸ばし始める。 「わ、私……は、ハニーじゃ……ないんですてばっ! ……あぁっ……!」 ウエストを絞るリボンを解き、誤字職人さんの手が4989少女のかぼちゃパ ンツの中に消えてゆく。無骨でキーダコのできている指先が、4989少女の 敏感な部分に触れると、4989少女は仰け反って叫んだ。 「きゃんっ! そ、そんなところまで! 触っちゃダメですぅ……っ! ああぁ… …っ! い、いやぁ……んっ」 かぼちゃパンツの中から、4989少女の敏感な部分が、『くちゅっ』といやら しい音をたてる。4989少女は初めての感触に、体をビクッと強張らせた。 「一杯濡れてるよ、ハニー……。もう、これ脱いじゃおうよ……」 誤字職人さんは4989少女の秘肉からいったん手を外すと、ウエストを緩ま せたかぼちゃパンツを一気に引き摺り下ろす。 「だ、ダメですぅ……っ! 脱がせないでぇ……っ! ……いやぁんっ……!」 白い靴下に体育用シューズを残したまま、4989少女の肌を隠すものは、 全部、誤字職人に剥ぎ取られた。靴下と体育シューズだけの全裸姿も、どう やらこの誤字職人の嗜好にジャストマッチらしい。 ばたつかせた足を捕らえられ、大きく股を広げられると、思わず少女は叫ん でしまう。 「ラ、ラジオ体操じゃありませぇぇ……んっ! そ、そんなに大きく開かないでぇ ……っ! あぁ……っ!」 747 :修正少女:2008/03/18(火) 01 49 38 ID vK5HI2uD さっきまで、くちゅくちゅと触られていた敏感な部分に、誤字職人さんの鼻息 がかかる。ふいに、柔らかく熱いものが、4989少女の秘肉をなぞり、蠢きだ した。 熱く柔らかく蠢くそれは、4989少女の固く閉じた秘肉をねっとり湿らせ、と ろけさせる。股間から湧き上がる熱い火照りに、4989少女は戸惑い、悲鳴 のような声を放ってしまった。 自分をとろけさせるそれが、誤字職人の舌だとわかり、4989少女は慌てて 身をくねらせて逃れようとしたが、誤字職人の抱えた腕からは逃れられない。 4989少女は自分の股間に向かって、懇願するように叫んだ。 「な、舐めちゃ嫌ですぅ……っ! へ、変になっちゃいますぅ……!」 いやらしい音を立てて4989少女の秘肉を舐めしゃぶっていた誤字職人は、 4989少女の股間から顔を上げ、いやらしく笑いながら囁いてくる。 「う~んと変になっていいんだよ。僕も、そのほうが燃えるからね」 「も、萌えなくていいんですぅ……っ!……あぁ……っ!」 むしゃぶりつくように、誤字職人さんの舌と唇が、4989少女の秘肉を這い 回る。刺激に仰け反る4989少女の体の内部に、誤字職人の指が差し込ま れ、これまたいやらしく蠢きだした。 舌と指の攻撃に、4989少女の体は否応も無く反応してしまう。 ――ああ、先生……っ! 受験ナンバー4989は、今夜実技試験から脱落 しちゃいます……っ! 朦朧とした快感の中で、4989少女は誤字職人の与える愛撫に身を委ね始 めてしまう自分を恥じて自らを罵る。 もう、これで昇級どころか妖精失格だわ……ターゲットに見つかり、押し倒さ れた挙句、こんなにえっちにされちゃうなんて……! 最悪の場合、退学かも。 修正妖精の昇級試験なんか、もうきっと今後受けさせてもらえない……っ! 4989少女は執拗な刺激に完全に流され、誤字職人から与えられる快感に 耐え忍ぶ事を放棄した。全てを諦めて、されるがままに流される。 流されてしまえば、誤字職人さんの、わざとなのか分らない、気持ち悪い喋 り方すら、4989少女には刺激的だし、おぞましく汚してくる舌や指に、素直に 悦楽の喘ぎ声を放つ事もできるようになってくる。 「もう、すっかり準備はいいみたいだね……ハニー。じゃぁ、そろそろ挿れさせ てもらうよ?」 ……これ以上なにをするつもりなんですかぁ? 誤字職人さん……。 もう、もう私は身も心も溶かされて、壊れちゃいそうですぅ……っ! 誰か……誰か! 今からでもいいから……助けてくださぁい……っ! 748 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01 49 53 ID uIedn5gn 支援 749 :修正少女:2008/03/18(火) 01 51 25 ID vK5HI2uD ぐったりと力が抜けた4989少女の両足を抱えあげると、誤字職人は、なん だかとっても熱くて固いものを、4989少女の秘部に押し当ててきた。 熱くて固い先端が、4989少女の秘密の洞窟入り口を擦り彷徨う。 くちゅくちゅ、と湿った音を立てて猛った先端が4989少女の秘部を摩擦し、 揉み解す。その淫靡な秘所の連続刺激に、朦朧とする4989少女が甘い喘 ぎを漏らし続ける。 滾る先端が、4989少女の愛液で充分にぬめり、濡らされ、秘肉入り口を押 し広げた。 先端が入り口付近を回転するように蠢き、誤字職人さんの猛る一物が、今 まさに4989少女の内部まで、浸入しようという矢先だった。 「ちょ~っと待ったぁ!」 よく通る声と共に鈍い音がして、4989少女の入り口に先端を埋め込もうと していた誤字職人さんの体が、一物ごと跳ね飛ばされる。 危機一髪だった4989少女は、何が起こったのかと固く閉じていた瞳を見開 いた。 ベッドに蹴り飛ばされてうつ伏せになった誤字職人の後頭部に、見知らぬ美 少女が仁王立ちしている。 美少女は、さも呆れた、といった顔で誤字職人さんを見下ろし、呟く。 「……まったく! 誰と勘違いしてやがりますか! この人は!」 誤字職人は、美少女に後頭部を踏まれたまま、手足をバタバタさせていた。 「あのぅ……。助けてもらってなんなんですけどぉ……。もしかして、誤字職人 さん、顔が埋まって、息ができないんじゃ……?」 4989少女は、声も出せずにもがいている誤字職人さんを見つめて、美少 女にちょっとツッコミを入れてみたりする。 「あら、だらしない。私程度の重みで、息ができなくなるだなんて!」 美少女は、ちょっと4989少女のツッコミに顔を紅くすると、ブツブツ文句を 言いながら、誤字職人さんの頭から片足ずつ降りた。 後頭部を開放された誤字職人は、少し青い唇をして、がばっと起き上がる。 ――やはり酸欠だったらしい。 「……ぶはっ! はぁはぁ……! なんだ、なんだ? 何が起こったんだ!?」 吸えなかった酸素を補おうとしてるのか、大きな口をあけて呼吸している。 呼吸音を台詞にしてますよ、誤字職人さん……。SSだったらまた修正ですぅ。 貞操の危機からやっと逃れた直後なのに、4989少女はそんな事を思って いた。 750 :修正少女:2008/03/18(火) 01 52 27 ID vK5HI2uD 誤字職人は、4989少女と、突如現れた美少女を交互に見比べ、間抜けな 顔で驚いていた。 「あ、あのぅ……。せっかくこれからって時に、邪魔するあなたはどちら様?」 行き場のなくなっている猛った一物を押さえながら、誤字職人は美少女に尋 ねた。 ――バキッ! 美少女は無言で誤字職人の延髄に鋭い回し蹴りを入れる。さすがに3級に 昇進したばかりの4989少女とは違い、体格も破壊力も数倍上だ。 「いつまで寝ぼけたことを言ってるのよ!? 見ればわかるでしょっ! 私こそが、あなたの待ち焦がれていた『禁断少女』なのよっ!」 ハチミツ色の柔らかな髪。豊かに実った豊満なおっぱい。きゅっとくぼんだウ エストを、強調するようなボリュームのあるヒップ。 それでいて下品な感じはまったくない、完全な美少女が誤字職人を鋭くにら みつけていた。 誤字職人は、さっきより更に間抜けな顔で、『禁断少女』と自ら名乗る美少 女を、無遠慮な視線で上から下まで見つめあげた。 突然、やっと開放された4989少女を振り返ると、とんでもない事を言う。 「悪いけど、僕、こっちの娘の方がいいや。チェンジしてくれない?」 禁断少女と4989少女が、思わずハモって口をそろえる。 「……はぁ!?」 4989少女は驚いただけだが、禁断少女は怒りの、まるで炎のスクリーント ーンがバックに見えるようなオーラを放っていた。 「……なに勝手な事ほざいてんのよ! 禁断少女は私だって言ってるでしょ!」 「だって僕、こっちの娘の方が好みなんだもん。仕方ないよ? ねぇ? ハニー」 4989少女に、無責任にも同意を求めてくる始末だ。 名指しされた4989少女は、睨みつけてくる禁断少女の視線に、オロオロし ながら弁明をする。 「で、ですからぁっ! 私は最初から『禁断少女さん』じゃないって、言ってるじ ゃないですかぁ! 私は書き手さんの誤字をこっそり直すのが役目の、修正 妖精受験生なんですぅっ!」 どうやらまた人の話を聞かない気らしい。 再びいやらしい目つきになった誤字職人が、4989少女に詰め寄り始める。 「もう、そんな事はどうだっていいんだよ、ハニー! 僕は君が好みなんだ!」 またも4989少女を押し倒そうとして、禁断少女に蹴り飛ばされる。 「冗談じゃないわよ! 私はあんたの好みの筈よ! 強い思念体が私の姿を こう形作ったんだから! よく見なさい! この豊潤な胸、キュッとしまったウエ ストと淫らなヒップ! 全てあんたの好みのはずよ!」 禁断少女は怒りで体を火照らせて、自ら服を脱ぎ捨てると、誤字職人に裸 体を誇示した。 751 :修正少女:2008/03/18(火) 01 53 29 ID vK5HI2uD 蹴り飛ばされて、ベッドの下に落ちた誤字職人は、禁断少女の裸体をじっく り見つめると、おもむろに首を横に振って拒否を示した。 そして、体を隠して脅えている、4989少女熱い目で見つめる。 「そんな事言ったって、現に僕の理想少女はこっちなんだもん。現れる場所を 間違えたんじゃないの、君?」 「なっ……! なんですってぇ……!? どうやら天国より地獄が見たいらしい わね、あなた!」 まさに修羅場のゴングが鳴らされそうな、険悪な雰囲気が漂い始めた。 その場の空気を読んでいるのか、読めないのか、4989少女が恐る恐る挙 手をした。 「……なによ? なにか言いたい事でもあるの?」 禁断少女が、冷たい視線で4989少女を睨みつける。 4989少女は脅えながらも、小さい声で打ち明けた。 「あのぅ……。『禁断少女』さん……。と~っても言いにくいんですけどぉ……。 ――あなたの今の姿って、私が理想と思い描いてた姿なんですぅ……」 しばらくの間沈黙が続く。 禁断少女が耳に手を当てて聞き返してきた。 「……はぁ?」 「で、ですからぁ……! 禁断少女さんの今の姿は、私がなりたいと思ってい る、理想の少女なんですぅ~! なぜ私の願望が禁断少女さんに影響しちゃ ったのかは、わからないんですけどぉ……」 4989少女は困った顔で、今にも半べそをかきそうだった。 暫しの静寂が、時を刻んだ。 752 :修正少女:2008/03/18(火) 01 54 35 ID vK5HI2uD 「……紛らわしいわねぇ……」 禁断少女も言葉を失い、ついでに戦意も喪失してしまったようだ。 しかし、もっと空気を読まなかったのが誤字職人だった。 ずるずるとベッドの上に這い上がり、またも4989少女ににじり寄る。 「君は君のままでいいんだよ! ハニー! あんな風にこれ見よがしに、胸を 膨らませちゃ駄目だ! 駄目だ! 駄目だ駄目だぁぁ!」 叫ぶ勢いに任せて、4989少女にのしかかった。 「きゃぅっ!? な、何するですかぁ~! あ、あなたのお相手はあちら様です よぅ~!」 押し倒されて、またもささやかな胸に吸い付かれる。まるで吸盤のように吸 い付く誤字職人が与える淫靡な刺激に、つい甘い声を漏らしてしまう。 「い、いやぁ……んっ! は、放してくださ……いぃっ! はぅっ!」 4989少女は困った顔で必死に抵抗を試みた。 「嫌だ嫌だ! 僕は君がいいんだよ! ハニー!」 またも小さな乳首に吸い付き、音を立てて舐め始めた。 「だ、ダメですってばぁ……っ! こ、これじゃまるで『淫欲な団地妻』みたいな シチュエーションですぅ……っ!」 再び繰り返される愛撫に、4989少女は思わず具体的作品名を叫んでしま う。どうやら過去試験には某書院の商業作家もいたらしい。 4989少女の告白に、戦意を削がれた禁断少女は、未だ裸のまま、ぼ~っ と考え込んでしまっている。 全裸の中央にそそり立つ誤字職人の一物は、立派に復活を果たしていた。 「さぁさぁ! 今こそ一つになろう! マイ・ハニー!」 4989少女は、またも足を開かされ、やっと乾き始めていた秘肉に舌を差し 込まれる。 「だ、ダメですぅ! や、やめてくださぁ~い……っ! あっ……あぁんっ!」 再び秘所を攻め立てられる快感に、4989少女は反応してしまう。 「んっ……! き、禁断さぁん……! や、やめさせてくださ……んぁっ!」 秘所を舌で攻め立てられ、感じながらも、4989少女は禁断少女に助けを 求めた。真横に立ち尽くす禁断少女は、戸惑った表情で、喘ぐ4989少女の 助命嘆願を聞き流していた。 ――まるで夫や恋人の前で犯されようとしている、ヒロインのように見えなく も無かった。 やっと我に返った禁断少女は、4989少女の秘所を貪る誤字職人を見下ろ す。まるでバター犬のような格好で、4989少女の股間を舐め続ける誤字職 人の醜悪な姿に溜息をつく。 そして攻められ、泣き声のような喘ぎを放つ4989少女に視線を移した。 「……筋金入りのHENTAIなのね。これはもう、私のでる幕じゃないかも……」 禁断少女が弱音を吐く。 「そ……そんなぁぁ……っ! た、助けてくださいよぅ! 禁断さん……ッ!」 股間を貪られ、今にも達しそうな4989少女が禁断少女に哀願する。 753 :修正少女:2008/03/18(火) 01 56 01 ID vK5HI2uD 「だってねぇ……。書き手の理想の姿で現れるっていう、最初の設定から外れ ちゃってるんだもの。あなたも運がなかったのよ」 「そ……そんなぁぁ……! わっ……私はここに、誤字脱字の修正に来ただけ で……んん……っ!」 秘部の敏感な部分を甘噛みされ、4989少女は仰け反った。 「おおお! 湧き上がるぞ! エナジーが! ハニー! もっと君を愛したい!」 いよいよ興奮した誤字職人が、終には4989少女の太腿を抱えあげる。 「ちょ……っ!? な、なに言ってるですかぁ……っ! 誤字職人さん! ま、待って……! そ、それ以上は……だ、ダメですぅっ! ぁあん……っ」 もはや禁断少女の存在も、4989少女の哀願も聞こえてはいない。 散々自分で慰め、使い込んできたのであろう、黒光りする一物を、先程貫き そこなった、4989少女の蜜壷にあてがう。 「君と僕の間に、障害なんか何もないのさ! さぁ、今こそひとつになろう! マイ・ハニー!」 ぐちゅぐちゅと4989少女の愛液で己を濡らし、秘部をかき分け、入り口に 先端を擦り付ける。 「だ、だからぁ……っ! その言葉使いはやめてって……んぁっ……! き、禁断さぁん……っ! た、助けてぇぇ……っ! きゃぁぁっ!」 ずぶり、と誤字職人の一物の先端が、4989少女の蜜壷に飲み込まれる。 「…………んぁぁぁっ! い、いやぁぁぁっ! ダメですぅぅぅ……っ!」 快楽とは別の、破瓜の痛みが4989に悲鳴をあげさせる。 誤字職人の肉棒が、4989少女の内部へずぶりずぶりと浸入し、根元迄埋 め込まれる。 「ついに一つになれたよ、マイ・ハニー! やはり障害がある方が、愛って燃 え上がるものなんだね!」 4989処女の最奥まで到達した誤字職人が、歓喜の雄叫びをあげる。 「……っっ! な、なに勝手な事言ってるですかぁ……っ! は、早くっ……! ぬ、抜いてくださ~いっ! い、痛いんですぅ……っ……てばぁ……っ!」 「ぬ、ヌく!? なんて卑猥な言葉を、その可愛い唇から言うんだ! ハニー」 嗚咽をあげながら、誤字職人に抽迭され、結合部を中心に全身が揺さぶら れている4989少女の耳元で、禁断少女が囁いた。 「やれやれ。事情はどうあれ、結局あなたは私の商売敵だったみたいね。妖 精候補生さん」 ギシギシとベッドに押し付けられ、貫かれながら、4989少女は切れ切れの 涙声で訴える。 「そ、そんなぁ……っ! わ、私は……ただのぉっ……! んぁっ……!」 「誤字脱字を直して回る修正妖精だと言うんでしょ? でも、結果的には、私 の任務を横取りしちゃったじゃない。……ん? ちょっと待ってよ……?」 754 :修正少女:2008/03/18(火) 01 57 27 ID vK5HI2uD 禁断少女の瞳が怪しく光る。ほっそりした指先で、4989少女を貫いている、 誤字職人の背中をつっ……となぞった。 誤字職人は一瞬、落雷したように仰け反ると、4989少女の股を更に大きく 抱え上げ、蜜壷内部への突き上げを激しくしてゆく。 「あぁっ……! あんっ……! あん……っ! き、禁断さん……! ひ、酷い ですぅ……っ! きゃぁぁっ……! い、痛いんですぅ……っ!」 大きな瞳から涙がぽろぽろ零れ、誤字職人の抽送の勢いで宙に飛び散る。 「初めてだったんだね……! ハニー! 僕はもう感激で一杯さっ!」 誤字職人が4989少女の破瓜のしるしを見て、嬉しそうに腰を動かす。 突き上げられるたびに4989少女の口から、小さな声がこぼれている。 「……どうやら勘違いしてたみたい。あなたの理想の姿になったって事は……。 今回の私のターゲットはあなただったのよ! 修正妖精さん」 誤字職人に抽迭されながら、4989少女は禁断少女の言葉に驚く。 「は、はい……? ……んぁん……っ! あんっ! い、言ってる意味が、…… わ、わかりませぇん!」 禁断少女は両脚を抱えられ、抽迭される4989少女の小さな乳首を指先で つついた。 「きゃぅん! なっ……何するですかぁ……っ!? 禁断さん……っ!」 禁断少女は嫣然と笑い、4989少女の顔を覗き込んだ。 「やっぱりね……。私達が現れる時、異性の姿とは限らないのよ。相手をエク スタシーに導き、達しさせるのが私達の役目。今、あなたを刺激してわかった わ。やはり私のターゲットはそこのサルじゃなくてあなたよ! 修正妖精さん」 禁断少女はそう言うと、誤字職人に貫かれた4989少女の唇を奪った。 「……んっ……! ……んん……っ!?」 禁断少女の紅い唇が、4989少女の濡れる唇をなぞり、開いた口内に舌を 差し込む。貫かれ、喘ぐ4989少女の舌に、禁断少女の舌が絡みつき、細や かでねっとりした愛撫が4989少女を支配してゆく。 破瓜の痛みで喘いでいた、4989少女の表情が、潤んだ表情に変わる。 「……どう? 禁断のくちづけは甘美でしょう? あなたの唾液から、沢山のエ ナジーが私にも注がれてきているわ。サルが夢中になるのも、当然ね」 「そ、そんなぁ……っ! 誤字職人さんだけでも一杯なのに……んっ! む… …無理っ……ですぅ……っ! んんん……っ!」 舌と舌を絡めながら、禁断少女は4989少女を貫いている、誤字職人の前 に跨り、四つ這いになって4989少女を愛撫し始める。 「……ふぁ……っ! き、禁断さん……っ? あぁん……っ!」 禁断少女の重みで、突き上げられても体が揺さぶられる事が無くなった。 しなやかな指先が、ささやかな4989少女の乳房を彷徨い、小さな突起を刺 激し始めた。 「……! ひゃぅん!? き、禁断さん……っ! す、すごいエッチですぅ……っ」 「ふふ……。女同士の体ですもの。どうすれば気持ちいいか、股間にいるサ ルなんかより、ずっとわかるわよ」 ほっそりとした桃色の舌が、4989少女の乳房と乳首を羽のように軽いタッ チで這い回る。 誤字職人に突き上げられ、禁断少女の甘美な愛撫に、4989少女はあられ もない喘ぎ声を放ち続けた。 755 :修正少女:2008/03/18(火) 01 59 55 ID vK5HI2uD 高く上げた腰を誤字職人に見せつけ、4989少女を愉悦させている禁断少 女に、誤字職人は怒って抗議をする。 「こ、こらっ! どけよ! 僕とハニーの愛の営みを邪魔するな! 僕のハニー が見えないじゃないか!」 眼前に禁断少女の濡れた蜜壷を見せ付けられ、思わず生唾を飲みながら、 誤字職人は禁断少女を排除しようとする。 禁断少女はそんな誤字職人の言葉も聞かず、腰をくねらせ、4989少女の 上半身を愛撫し続ける。 明らかに4989少女の反応が、自分の時よりも甘く甘美なものに変わり、内 部の締め付けも緩やかになっていた。 「ふっ……。どうやらアナタより、私の方がこの子を感じさせられるようね」 挑発的に局部を振り、勝ち誇った蜜壷からは愛液を滴らせている。 「く、くっそ~! 僕とハニーの邪魔をするなっ! こ、こうなったら、お前から 先に犯してやるぞっ!」 4989少女の乳首を舌で弄びながら、禁断少女は嘲るように振り向いた。 「……できるものならやってごらんなさい。あなたにプロの仕事を教えてあげ るわ!」 「こ、後悔するなよっ! このデカパイ女めっ!」 誤字職人は4989少女から濡れそぼった一物を引き抜くと、眼前の禁断少 女の蜜壷を、怒りを込めて挿し貫いた。 「……んっ……!」 4989少女の上で、禁断少女が軽く仰け反る。 やっと股間を押し広げ、摩擦していた異物から開放された4989少女が、今 度は代わりに貫かれた禁断少女を気遣う。 「き、禁断さんっ!? だ、大丈夫ですかぁっ?」 禁断少女は返事をする代わりに、4989少女に甘いキスをする。 「……んん……っ!? き、禁断さ……ぁんっ……」 誤字職人に突き上げられながらも、禁断少女は4989少女を愛撫する。 「ん……っ! いいわ……。あなたの破瓜の印が、私の中に注がれてる……。 す、すごいパワーよ! あなたの、今迄修正して来た作品の力も宿ってるの ね……っ!」 誤字職人に乱暴に突き上げられながら、禁断少女は濡れそぼった4989少 女の蜜壷に指を差し込む。 「……きゃぅんっ!? そ、そこはまだ……っ……」 しなやかな指が、4989少女の内部を優しく擦りあげる。 「大丈夫……痛くないでしょ? 私はこれでもプロよ……んんっ……!」 「……は、はい……っ! き、気持ちいい……ですぅ……っ! あぁん!」 自分自身に貫かれながらも、睦まじく4989少女と絡み合っている禁断少 女に、誤字職人の嫉妬の炎が燃え盛った。 彼女を屈服させ、再びハニーと愛し合いたい! その思いが誤字職人の抽 迭を激しくさせる。 756 :修正少女:2008/03/18(火) 02 01 11 ID vK5HI2uD * 「ほら、イけよ! イッちゃえよ! 僕とハニーを邪魔する悪魔め!」 禁断少女の蜜壷の最奥にある、固い蕾を突き上げる。 「あぁ……っ! い、いい……っ!」 最奥を攻め立てられ、禁断少女が仰け反る。 「き、禁断さんっ……! ま、負けないでくださいぃ~っ!」 「あ、あなたのパワーが、彼にも乗り移ってるのね……。んっ……! で、でも! 大丈夫よ……っ! 今あなたと繋がってるのは私なんだから……っ!」 禁断少女が秘部を意識的に締め付ける。誤字職人を咥え込んだまま、激し く腰を揺り動かした。 「……うっ……ううっ……!」 誤字職人の顔が切なそうに上気する。このままでは先に果ててしまうと察し、 禁断少女の秘部から、一次撤退を試みる。 「う……うわ……っ! ぬ、抜けない……っ!?」 「……プロの底力を教えてあげるといったでしょう? ほら、さっさと果てなさい!」 4989少女の乳首と秘所を愛撫し、喘がせながら、禁断少女はさらに誤字 職人を咥えこんでいる内部をきつく締め上げた。 「うっ……! ギブギブッ! アッー!」 誤字職人はついに悲愴な喘ぎとともに果て、禁断少女の中に精を放った。 がっくりと力が抜け、高くあげた禁断少女の尻の上にもたれかかる。 禁断少女は四つ這いのまま、後蹴りを放ち、果てた誤字職人を場外に落と した。 「……か、勝ったんですか!? 禁断さん……っ?」 4989少女の胸に倒れ掛かり、荒い息をはく禁断少女を抱きしめながら、 4989少女は感嘆の声を漏らした。 「え、ええ……。なかなかの強敵だったわ……」 「す、すごいですぅっ! あんなにすごい誤字職人さんに勝つなんて!」 額に汗を浮かばせて、禁断少女は微笑んだ。 「すごい思いをするのはこれからよ……。修正妖精候補さん。あなたの知らな い世界に、これから私が連れて行ってあげる……!」 真っ赤な唇が4989少女の耳朶を甘噛みし、舌を這わせ始める。 「え……! ちょ、ちょっと待ってくださぁ……ぁぁん……っ!」 誤字職人に汚された体を、禁断少女の舌が丹念に舐め清める。 もう、破瓜もすませ、半分以上開発された4989少女の体は、きっちりと調 律された楽器のように、甘く切なく反応する。 誤字職人に刻まれた、胸の赤い刻印さえもが、禁断少女の舌によって拭い 消された。 まだうっすらとピンク色の破瓜の印を滲ませる、4989少女の秘肉にも、禁 断少女の赤い舌とほっそりした指が差し込まれた。ゆっくりと蠢き、汚された 内部を4989少女の愛液で洗い清める。 淫らな水音が響き、4989少女を狂ったようによがらせ、仰け反らせた。 誤字職人とは違う、ポイントを押さえた舌使いとフィンガー・テクニックだ。 4989少女の体はリズミカルに反応し、悦楽の喘ぎを放ち続ける。 757 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 02 01 46 ID uIedn5gn 支援 758 :修正少女:2008/03/18(火) 02 02 05 ID vK5HI2uD 「案外、男の人は知らないのよね。女はここだけでもイけちゃうって事を……」 禁断少女は呟くと、艶やかに輝き、小さく猛った4989少女の一番敏感な部 分を軽くかじった。 「……きゃぅぅん……っ! き、禁断さん……っ! へ、変になりそうですぅっ」 「……まだよ。……もっと、もっと、高みまで登りなさい。全てのパワーを開放 するのよ!」 敏感な突起を舌で弄くり、悪戯そうに禁断少女が呟く。 「……だ、ダメですっ……! す、全てを開放したら……な、何が起こるのか、 わかりませぇ……んっ!」 悦楽で途切れ途切れになりながら、4989少女は絶頂に達する事への恐 怖感を打ち明ける。 頂上近くまで上り詰めながら、なおも抵抗を示す4989少女に、禁断少女は 少し焦れた。蜜壷に挿し込んでいる指で、Gスポットを刺激する。 「きゃぁぁん……っ! だ、ダメですぅ~っ!」 「知らない世界を、あなたも見てみたいでしょ? 強情を張らずに身を委ねな さいな」 4989少女の秘所に尖る先端を強く吸い、内部のGスポットを連打する。 「……だ、ダメぇぇぇぇ……っ!」 ついに4989少女は痙攣したように小刻みに震え、性の頂上へと上り詰め てしまった。 びくん、びくんと体を仰け反らせ、うっとりと焦点の合わない瞳を宙に彷徨わ せる。4989少女の発するエクスタシーのパワーが、舌先と指を伝って、禁断 少女に流れ込む。 「く……っ! 予想以上に莫大なエナジーだわ……。この娘、これでまだ候補 生なの……っ?」 半分意識を失った4989少女は、朦朧とした意識でブツブツと呟き始める。 「……? なぁに? 夢でも見ているのかしら?」 流れ込むエナジーに恍惚としながら、禁断少女は愛しそうに4989少女を 見つめていた。 759 :修正少女:2008/03/18(火) 02 04 39 ID vK5HI2uD ベッドの下に蹴り落とされ、失神していた誤字職人が、いきなり復活して飛び 起きる。 幸福そうに達している4989少女と、傍らに寄り添う禁断少女を見つけると、 どす黒い怒りを顕わにして、二人の間に乱入した。 「ちょ……! 今更何するのよ! もう、あなたの出番は終わってるの!」 「黙れ黙れ! よくも僕のハニーを汚したなっ! ハニー! 僕がわかるかい」 4989少女は虚ろな瞳で誤字職人を見上げる。 「……はい、先生。緊急再生魔法を発動ですね……」 ブツブツと小声で呟き始める。禁断少女は、はっとして少女から離れた。 「ハニー! ハニー! 僕だよ! さぁ、今こそ深く愛し合おう!」 誤字職人は、人形のように脱力している4989少女を抱きしめる。 「……緊急再生魔法、発動します」 再び少女の足を抱え広げた誤字職人は、少女の言葉に気づかない。 「バ、バカッ! 離れなさい! 危険よっ!」 ベッドの隅に退避した、禁断少女が呼びかける。 「へっ! もうお前のトラップになんか引っかからないぞ! さぁ、ハニー! 行 くよ!」 再び猛る一物を、4989少女の蜜壷にあてがった時だった。 4989少女の瞳がかっと見開かれ、唇から凛とした声が発せられる。 「誤字誤字開放! 全ての誤字よ! この書き手の文章に全て戻れっ!」 「――ちょ、ちょっと……! その呪文は……!」 焦る禁断少女も巻き込んで、真っ黒な竜巻が音を立てて舞い上がった。 舞うように文字の羅列が室内を覆い、誤字職人にも襲い掛かる。 「な、なんだ!? この見覚えのある文字の羅列は……っ!?」 誤字職人は突然起こったこの現象に驚き、呆然としてあたりを舞い散る文 字の羅列に視線を合わせた。 い淫です……あたしなんかっ! 痔分がそんなに鰓いと主ってるの? あ鳴るに淹れられた女が注僧に歌うつ。 南無でそんなこ戸をいうの? ……い屋ぁ!いれひゃらめぇぇ!…… ……渡しはあ鉈を哀史てるわ… etc…… etc…… 「う。うわぁぁっぁぁ! やめろ! やめてくれぇぇ!」 「や、やめなさい! 妖精候補さん! その呪文はあまりに危険よっ!」 過去打ち間違えた誤字脱字全てが、誤字職人の脳内に蘇りスレで嘲られ、 恥辱で泣いた記憶が蘇ってくる。 760 :修正少女:2008/03/18(火) 02 05 59 ID vK5HI2uD 「ご、ご免! ごめんよぉぉぉ! シリアスな場面にギャグな誤字誤爆入れて、 台無しでした! すいません! すいません!」 4989少女を抱きかかえていた誤字職人は、黒い竜巻に巻きつくされると、 枕の下に頭を隠して謝りはじめた。エロパロデビューしてから数年、何度も見 直したはずなのに発見される誤字への恥辱に苛まれる。 耳に栓をしても、眼をつぶっても、過去消し去る事のできない誤字脱字が誤 字職人を襲う。 「……恐ろしい呪文ね……。職人全てが背を向け、見なかった事にしたい事 実を、そしてあなた方がこっそり直してあげていた過去の恥部が、今この恥知 らずな書き手さえも責め苛んでいるわ……」 禁断少女は、アマチュアだとたかをくくっていた4989少女の魔力に、身震 いを覚えた。そして、恥辱で逆に猛り立っている誤字職人を見下ろすと、ぼん やり座って呆けている、4989少女を揺り起こした。 「修正妖精さん! しっかりしなさい! ともかくこの魔法をどうにかして!」 激しく揺り起こされ、ようやく4989少女が正気に返る。 「あれ……? 禁断さん……? ど、どうしたんですかぁ……?」 「いいから! この魔法を止めて!」 やっと周囲の惨状に気づいた4989少女は、慌てて誤字召還魔法を唱える。 黒い竜巻が煙と化し、やがて天井から消えて行った。 「……あんな危ない呪文を持っていたなんて、正直驚いたわ。あれは職人殺 しの、まさに最強最悪の呪文よ。私がもっと経験の浅い禁断少女なら、あの 呪文で一緒に壊されていたわ」 4989少女は慌ててぺこぺこと頭を下げる。 「す、すいません! すいません! なんだか講義中の夢を見ちゃったみたい ですぅ~」 さっきまで恐ろしい魔法を使っていた少女とは思えない頼りなさに、禁断少 女は吹き出してしまう。 「あなたのエナジーは職人さんより魅力だけど、ちょっと諸刃の刃ねぇ……。 まぁ、今回はあなたプラスアルファで、この職人さんの精もいただけたし。まぁ、 よしとしますか」 「ど、どうもご迷惑をおかけしましたぁ……」 照れくさそうに頭を掻きつつ、4989少女はもう一度、頭を下げた。 761 :修正少女:2008/03/18(火) 02 07 19 ID vK5HI2uD 「それより、今日の実習はどうなるの? 誤字開放しちゃったら、最初からやり 直し?」 「い、いえ……。あれは緊急再生魔法なので。誤字職人さんは、デビュー当時 の職人さんに戻っちゃったんです……。だから、修正すべき作品も消えちゃっ て……。追試でしょうね。それより着て帰る服が無くて困ってますぅ~」 禁断少女は目を丸くした。 「あんなにすごい魔法を使えるんだから、服位出せるんじゃないの?」 4989少女は急に真面目な顔つきになる。 「無理です。誤字修正だって、手作業なんですよ? 私達の世界は、まだまだ 発展途上なんですっ」 ――そういえば手作業だったわね……。 「……いいわ。私は電脳世界の禁断少女。モニターから出れば物質化される けど、変える時にはモニターからなの。サイズは合わないだろうけど、私の服 を着ていきなさい」 「えっ……! いいんですか? あんなに高そうなお洋服……!」 「いいのよ。今夜はあなたに膨大なエナジーを貰っちゃったし。ささやかなお礼」 「あ、ありがとうございますぅっ!」 こうして、受験ナンバー4989少女と禁断少女の、奇妙な邂逅が終わった。 762 :修正少女:2008/03/18(火) 02 08 21 ID vK5HI2uD ――そして、更に数年後。 ハチミツ色の明るい髪に、豊かな胸とキュッとしまったウェスト、それを強調 するようなヒップを持った美少女が、傍らで職人を寝かせつけ、一心不乱にキ ーボードを叩いていた。 「ふぇ~ん……! この人も誤字脱字が酷すぎですぅ~!」 思わず泣き言を呟いている。 そこへ、頭上の方から、なんだか聞き覚えのある声がしてきた。 「あら……? あなた、もしかして……!? 修正妖精さん?」 呼ばれて思わず上を向くと、そこには数年前の3級妖精だった自分の姿が 浮かんでいた。 「えぇっ……!? も、もしかして、禁断さんですかぁっ?」 「すっごい偶然ねぇ……。お久しぶり。元気だった? 今回は姿が逆転ね」 ぴょんととこに飛び降りると、ロリ顔貧乳の少女が微笑んだ。 「その様子だと、あれから進級できたみたいね。おめでとう!」 すると、ハチミツ色の髪と同じ色の瞳の少女が、急に眼に涙を潤ませる。 「めでたくなんて無いんですぅ……っ! あれから大変だったんですよぅ!」 ハチミツ色の瞳の少女は、自分より小さい禁断少女の胸に泣きついた。 どうやら、あの時の事が原因らしかった。 通信機器のワッペンが破けてしまい、相手の声は聞こえなかったが、受信 装置は無事だったらしい。 4989少女が襲われ、陵辱された後、私こと禁断少女にエクスタシーを教え 込まれた経過が、全て傍受されていたのだという。 「あんまり私が気持ちよさそうな声だったので、先生は卒倒し、他の受験生は、 みんな禁断候補生に転向しちゃったんですぅ! おかげで私は繰り上がり1 級妖精になったんですが、一人で5地区の管轄なんですよぅ! 先生方も現 役に戻ったんですが、お年なので……」 泣き付いてくる修正妖精の手には、あのときの誤字職人と同じ、キーダコが 出来上がっていた。 763 :修正少女:2008/03/18(火) 02 09 03 ID vK5HI2uD ――そういえば、最近出番が少ないと思ったわ……。禁断少女が溢れちゃ ってたわけね……。 「そ、それは大変だったわね……。あなたもいっそ、転職しちゃおうとは思わな かったの?」 ハチミツ色の瞳をした、今は立派な修正少女は、頬を赤く染めて禁断少女を 潤んだ瞳で見つめ返した。 「何度かは考えました……。でも、こうして続けていれば、また、会えるんじゃ ないかな、って……。覚えてます? この職人さん。あの時の誤字職人さんな んですよぅ。相変わらず誤字脱字が多いけど……。ここに来たらもしかしてと 思って……」 禁断少女は驚いたように修正少女を見上げた。 「あなた……、私にもう一度会いたかったの?」 修正少女は頬を染めて、こくりと頷く。あの時の3級妖精ではない。 今や立派な1級妖精だ。達する時のエナジーも、半端なものではないだろう。 ロリ姿だった禁断少女は、修正少女に口づけをした。 「わかったわ。ちょっと待ってて……。あなたの想念にインプットしなおして、男 性体になってくる。逞しい男根で、あなたを攻めて攻めて一杯イかせてあげる。 覚悟していなさい。 ――今夜は一睡も寝かせないわよ?」 修正少女は期待に潤んだ瞳で頷いた。ロリ姿の禁断少女は……ちょっぴり スリルと興奮で、とびきり大きな男根の男性になってこようとモニターの中に 戻って行った。 終わり 764 :修正少女:2008/03/18(火) 02 13 43 ID vK5HI2uD 以上です。 長々と最後まで読んで下さった方はありがとうございます。 また、NGでスルーしてくださっている方もありがとうございます。 詰め込みましたが、22レスもの長きに渡り使用させていただきました事も、 ここでお詫びをさせていただきます。 765 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 02 46 10 ID w9Iusl/T 大作投下GJ! エロおもろかったw うちにも来てくれないかな>修正少女 寝ている間に誤字直してくれる妖精さんの設定に萌えー! マジテンポも良くて面白かった。次回も期待。 766 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 07 53 14 ID 3HPC5rJ1 ぐ、ぐっじょーぶ! 展開のカオスっぷりに寝起きの牛乳吹いたwww 誤字職人・・・やな呼び名だwwwめ、目が痛いのはなぜだ? 767 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 08 19 02 ID WOj0ZfXK おいおいおいおい!朝っぱらからなんてエロいもん読ませてくれたんだよ!GJ!としか言えねぇじゃないか! 768 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 09 06 09 ID VUFamxS5 764 す、すげぇぜ…!エロさといい、ストーリーといい、まさにスレの可能性が広がる一品! GJの惨事を送らせてもらうぜ! 769 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 09 09 17 ID VUFamxS5 すまん、賛辞の誤字だ…orz 修正ちゃん、俺の家にも来てくれまいか? な、何もしないからさ!ジェントルメンだから信じてくれ! 770 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 11 15 34 ID 5996N1Tt 764 すごくテンポよくスラスラ読めて、サイズなんか気にならなかったよ! エロの部分は何度も読み返したけど、それでも長さは気にならなかった 会社じゃなかったら抜いてたと思う(実は今もトイレで抜きたい) 何も言うまい!ただただGJ!! 771 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 12 17 50 ID 8Om/RM4P なんで修正妖精の呼び名がわざわざ4898少女?と思いながら読んでいたんだが、 4989、4989・・・四苦八苦か!と突然納得して吹いた。 序盤からヒロインの受難をにおわすネーミングだったんだなwww それにしてもテンポのいいエロさに楽しんで読めた。 誤字職人の哀れさに同情しつつも、二人の少女に萌え。 やっとスッキリしてトイレに行けるぜ!GJ!! 772 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 12 32 46 ID yWY1/F3S これは面白い切り口ですな 新たな世界が広がりそうだわ 773 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 13 26 54 ID WuL0Ri30 スレが伸びてると思ったら新作きてたkr!!! またも新たな妄想設定出しやがって!GJだぜコンチキショー! 774 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 14 45 49 ID HbVLRmDL GJwwwなんか凄い物を読ませてもらったぜ。 775 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 18 24 12 ID KdGFsO4l 764 連投規制にかからないように支援入れつつ、最後まで投下しきった心意気は漢だよ!アンタ! テンポよく一気に読ませてしまう手腕にもGJ! 776 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 19 01 01 ID SdxL3Mf4 GJ HENTAIが使われてたところから見て、某IRCにいる人かな、と 推測してみる 違ったらスマソ 百合好きにはたまらん作品でした ニヤニヤが止まらんwwww 777 :名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 22 44 41 ID IaDC5ZbR 764 面白かったGJ!できれば続編なども希望してみる。 禁断少女に開発される、修正少女から転校した禁断候補生とかwww すごく面白かったので、もっと読みたいです! 蛇足だけど・・・。 名無しで投下してる人の身元を、いちいち詮索するのは感心しない行為だと思う。 778 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 08 33 59 ID Y2qyPkD1 某IRCチャットってすぐ特定できるよな ふーん・・・・ 776はそこに出入りしてた?それとも今も出入りしてる? どっちにしろその発言はあそこのチャットのマナーに違反してないか? 自分もあそこには参加してたけど最初にきっちり言われたぞ 入室できましたら、簡単な自己紹介(どんなジャンルやシチュに投下しているか)等 をお願いします。 ・また、会話内容やログなどは外部流出禁止です。 細かいネタ雑談や投下前の舞台裏話などもしているのでご理解いただけるようお願いします。 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/7226/1154175713/10-11 宣伝乙。でいいのかな 764 とりあえず完投乙 779 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 09 22 34 ID ZL+wU3Sw まぁまぁ。 776も投下を直接叩いてるわけでもなし、 777でも注意はされている。 とりあえず落ち着こうぜ。 だが空気嫁といわれても仕方のない痛いレスだとは俺も思った。 777がレスするまでスレストしてたし、俺もGJつけるふいんきじゃなくなってROMしてた。 誰が書いたのかは詮索しないが 764の作品が、純粋に面白かったのは事実。 スレも残り少なくなって次スレ立てるかも微妙な時期に、変な揉め事はごめんだな。 780 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 09 23 51 ID ZL+wU3Sw 肝心な事を書き忘れた。 764GJ! 781 :776:2008/03/19(水) 09 33 37 ID //6UWygF すまん 浅はかだった 782 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 10 53 41 ID tgvNN6bM 元々百合や陵辱を生理的に受け付けない自分でも、このSSは素直に面白かった 属性としての前置きはされてるけど、コミカル仕立ての3Pだと思って楽しめた ここからは先は駄目だ、と感じたら即NGするつもりで読み勧めていたのに、気がつけば最後まで読んでいた 43KBもあったのかと疑うくらい、スラスラ読めたのには本当にそんなに容量あるのかと疑ったりもした この職人の文章構成の巧みさには舌を巻いたし、たまにある誤字や支援レスもタイミングが良すぎて笑えた これも狙ってやってたならすごいと思う 上には上がいるんだなと思い知らされ、穴を掘りたい自分が今ここにいるort 783 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 17 37 40 ID vi8QRpoQ 782 誤字や支援はたまたまだろ ・・・そういわれて思わず探しちゃったじゃないかwww 784 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 17 54 26 ID k7VZkrhy ところでそろそろ次スレのテンプレについて話し合わないか? テンプレ案 それは、ある1人のss書きの誤字から始まりました。 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2006/05/17(水) 03 01 49 aXVoFy1r 良質な妄想をするために今日からオナ禁クマー! 童貞の癖に絶倫だから12時間ほどで禁断少女でるけどやってやるのさー!! とりあえず1日!!!! この誤字により始まった新たな伝説。 幾日もの間、欲求を溜め込んだss書きのもとに現れるという伝説の少女。その名も……禁断少女。 彼女達は、ss書きの望むままの姿で現れ欲望を満たすという。 時には清楚なお嬢様。時には元気な女子高校生。時には金髪の美少女。 時には他の少女達と一緒に現れて、ss書きを慰めます。 ここはそんな貴方だけの禁断少女を欲望のままに書き上げて投下するスレです。 適当に考えてみたけど、こんな感じでどう?っていうか、次スレ建つのかな? 785 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 18 26 04 ID v09kARxs 書き手の息抜きというか、お遊びのスレだから残して欲しいなー 786 :名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 20 03 12 ID IdY0+FJR 次スレ立てるかどうかもわからないけど一応保管庫の場所だけ確保 前スレ過去ログだけ収納 今のところ自由編集モードなのであとは任せるhttp //www8.atwiki.jp/kindan-girl/ 787 :名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 13 37 22 ID gQ8jxgKz 786 保管庫乙 788 :名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 17 24 35 ID Ki5GNa5X 786 乙。 やべ、ちょっといじってみたら意外と面白い しかし前スレから全部抽出はしんどそうだなあ 789 :名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 18 30 58 ID OTofjxEg 投下本人か、自分が気に入った作品だけ作業すればいいんじゃね? ああいう形式なら投下ごの修正とかも自分でできるから便利といえば便利 見てきたけど過去スレがしっかり保管されてるし、Wikiってすげえな・・・ 790 :名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 06 41 53 ID ZL3xXQOH datがないと本人も編集できんのだが……。 全然どうでも良いが 禁断少女王 という言葉の電波を受けた。 791 :名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 13 15 54 ID dVLIELnU ――禁断少女王 無垢にて妖艶。清楚にて淫美 彼女は全ての禁断少女の頂点であり、禁断少女を統べる者 彼女の前に優れる者なく、彼女の後に並ぶ者なし 究極にして絶対なる、唯一の乙女なのだ。 までは受信した。なんか変かも。 792 :名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 13 49 37 ID MpQsokPr なんか、禁断少女の間で、王になるための熱いバトルが展開されていそうw ローゼンメイデンかワンピースのようだ…。 793 :名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 18 10 39 ID /qZR3Dp3 ローマ法王の選挙みたいに投票制で成績にあわせて推薦されるとか コンクラーベだっけ? 794 :名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22 03 19 ID wK33wHoX 使徒座空位の際に枢機卿団によって執り行われる秘儀「根比べ」だね。 795 :名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22 48 26 ID kKrt/wkD 790 過去ログならwikiにあるからdatなんかいらないと思うぜ ついでに、そろそろ次スレの準備がいると思うんだが 784の案の他になんかあるかな? 796 :名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 05 08 13 ID im3TatOn 禁断少女隊 797 :名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 06 33 11 ID 2SX/3WSD 795 把握した。とんくす。 テンプレは 784で良いと思う。 他に細かい決め事増やすと 窮屈になるから。 禁断少女隊―― それは通称『7つの大罪』と呼ばれる、 禁断少女王を守る親衛隊である。 禁断少女隊はエリートである。 禁断少女隊になるためにはまず、禁断少女にならなければならない。 下位の少女妖精たちは、自らの希望する技を持つ禁断少女を姉(スール)とし 修行の日々を送る。その技は一子相伝である。 禁断少女が少女隊に入隊するためには、成績上位者であることは必須である。 さらに、その姉との関係や人格を総合的に禁断少女評議委員会が判断する。 その時点で結論が出ない場合、全ての禁断少女、少女妖精らの投票及び、 同順位者同志の試合(デュエル)によって選抜されるのだ。 798 :名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 23 40 12 ID 5aJ0MRXL ,. -‐ ""¨¨¨ヽ (.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今した事を話すぜ! |i i| }! }} //| |l、{ j} /,,ィ//| 『ssのwikiへの保管が終わった』 i| !ヾ、_ノ/ u { }//ヘ |リ u } ,ノ _,!V,ハ | /´fト、_{ル{,ィ eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが / ヾ|宀| {´,)⌒`/ | ヽトiゝ おれも 何が起きたのか わからなかった… ,゙ / )ヽ iLレ u | | ヾlトハ〉 |/_/ ハ !ニ⊇ / } V ヽ 頭がどうにかなりそうだった… // 二二二7 T /u __ / /`ヽ / ´r -―一ァ‐゙T´ "´ / /-‐ \ 最初はここまでするつもりはなかったとか / // 广¨´ / / /´ ̄`ヽ ⌒ヽ 小ネタと思われるssは省いてるとか ノ / ノ `ー-、___/ // ヽ } そんなチャチなモンじゃあ断じてねえ _/`丶 /  ̄`ー-{ ... イ もっと恐ろしい 『wikiへの保管が面白くて熱中してしまい、まったくssを書いてない』の片鱗を味わったぜ 799 :名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 14 34 46 ID Zl+VE5bg 798 >『ssのwikiへの保管が終わった』 そこはこうだろ 『ssを書いていたらwikiへの保管が終わっていた』469KB
https://w.atwiki.jp/mamamadangeros/pages/24.html
魔法少女サイド 名前 性 攻 防 体 精 FS 特殊能力 発 成
https://w.atwiki.jp/girlwithlolipop/pages/161.html
絶望少女育成計画Reflect ◆EAUCq9p8Q. ―――二枚の手紙と招待状。 宛先不明の交換日記。 無人の家で受け取る電話。 学生服と地縛霊。 握った左手に刻まれた呪い。 食べたお菓子はどこまで響く? あなたはいつまで気づかない? 踊る町並み人の影。 笑う三つのお人形。 一人は一人のままだけど、 一人は二人でいるらしい。 一人が二人に出会い、 一人が一人に出会い、 二人が一人と一人に出会い、 最後に二人の神様が生まれた時の話。 ◇◆◆ 商店街を、外ハネが揺れる。 あっちにゆらゆら。こっちにゆらゆら。ぴょこぴょこぴょんぴょこ、ゆらゆらゆら。 まるで波間を漂う木切れのように、不規則に揺れる。 外ハネの主、輿水幸子は途方に暮れていた。 諸星きらりを探すと啖呵を切ったはいいものの、彼女がどこに居るのか皆目検討がつかない。 聖杯戦争の舞台は広い。歩き回っていては一週間あっても足りないだろう。 更に(なぜだか知らないが)きらりの携帯番号もメールアドレスも携帯からすっぽり抜け落ちていた。 ドコに行けばいいのかわからない。なにから探せばいいのかわからない。 まったく行く宛なしの打つ手なし。 ただ、だからといって立ち止まってはいられない。 こうしている間にも、聖杯戦争は続いていく。 放っておけば、彼女のサーヴァントであるクリエイターは必ず行動を起こすだろう。 放っておけば、きらりは誰かの悪意によってひどい状況に追いやられてしまうだろう。 そんなことさせるもんか。 こんな聖杯戦争なんて、やらせてたまるもんか。 そのためにも、幸子は動かなければならなかった。 何かが起こるより先に、なにか打開策を見つけなければならない。 幸子はきらりのことをよく知っている。 身体は人より大きいし、愛情表現が人より過激で、たまに舞台のセットを壊したりもする人だけど、誰かを殺すなんて、そんな悪人なんかじゃない。 彼女は人のことを思いやれるし、人のことを心配できるし、人を傷つけるのを何より嫌がるような人だ。 事件なんていうのも誰かがでっち上げたに違いない。 幸子を突き動かしているのは、なにより、アイドルであり良き友であるきらりへの信頼だった。 行く先の見えない不安に押しつぶされそうになりながら、それでも自慢の虚勢で胸を張り。 とりあえず人の多そうな場所から探してみようと思って商店街(C-2)に来たはいいが。 「な、なんですか、これ……」 あまりの現実離れした状況に、目眩を起こしかける。 商店街はまるで嵐か何かが通り過ぎたあとのようだった。 壁面一面に刻まれた無数の傷跡。 同じくコンクリートにも走っているこれまた無数の傷跡。 看板が切り落とされ、商店街のゲートに飾られている人形はちょんまげが綺麗に刈り上げられている。 改装だとしたら思い切った趣旨替えだ。 「……て、んなわけないでしょう!」 一瞬現実逃避しそうになった自分に喝を入れる。 現実から逃げたところで何も変わらない。 これは、間違いなく戦いのあとだ。 誰かにとっての聖杯戦争が、もう始まっているのだ。 聖杯戦争。 殺す力を持った者同士の争い。 それをそのまま表したような商店街の惨状に身震いする。 クリエイターの能力はあまりに現実離れしていて恐怖感が薄かった。 あの世界を見続ければ精神が崩壊する、と言われても、リアリティがなかったから虚勢を張れた。 だが、この戦場には、この商店街で起こったような生々しい戦いがある。 引き裂き、斬り捨て、粉々に砕く。周囲の建物すらも破壊する、実際の戦争のように泥臭い戦いが。 遠く離れた異国の戦場なんかじゃなく、この世界の、幸子のすぐ側で、そんな戦いが起こっている。 もし、こんな戦闘に巻き込まれてしまったら、カワイイ以外に武器がない幸子なんてそれこそ、蟻ん子を踏みつけるように簡単に殺されてしまうだろう。 幸子じゃなくたって、普通の人だったら誰だって巻き込まれたら無事じゃすまない。 無数の傷跡の先に血が通っていなかったのが幸いだ。 胸を撫で下ろそうとして、はっと気がつく。 彼女の親友と言っても過言ではない二人、星輝子と白坂小梅。 彼女たちの家は、この商店街から遠くない場所にある。 彼女たちがもし巻き込まれていたら…… そう思うと、居てもたっても居られなくなった。 小梅に電話をかける。留守電だった。 輝子に電話をかける。こちらも数回の呼び出し音のあと、留守電に繋がった。 最悪の状況が頭をよぎるが、ぶんぶんと頭を振ってその考えを吹き飛ばす。 まわりの店の人が喋るのを聞く限りでは、被害者はゼロだということ。 単に都合が合わなくて電話に出られないだけ。きっとそのはず。 三回深呼吸をして、携帯に向き直る。 もう一度、連絡を取る。 今度は留守電じゃなくて、開いた瞬間にメッセージが伝わるようにメールで。 ◇◇◇ 「ふ、ふ、ふー……フフフー」 中学校、三年生の教室。 机に突っ伏して足をぶらぶらさせる少女が一人。 少女・星輝子は時間を持て余していた。 宿題も終わってるし、予習も終わってる。ノートの清書もばっちり。 聖杯戦争が始まったと聞いたが、それもまだ特に関係ない。 クラスではあまり交友関係を築いていない彼女にとってホームルームまでの十数分や授業合間の短休憩などは特にやることもないので、いつも通りぐだぐだしながら過ごしていた。 手持ち無沙汰に携帯を取り出すと、着信を知らせるライトが点滅していた。 「……?」 何かあったのかと思い携帯を見ると、電話着信と、ついでにメールも来ている。 どちらも幸子からのものだった。 慣れない手つきでぽちぽち携帯を操作してまずはメールの方を確認する。 【from:幸子ちゃん 件名:無題 本文:ボクは今日は調子が悪いので欠席させてもらいます。 ところで、商店街が騒がしいのですが大丈夫ですか? 二人に何もないようならいいのですが。 追伸 きらりさんを見かけたら、ボクが話したいことがあって探していたと伝えておいてください。】 絵文字や顔文字などで飾られていない。 カワイイ見た目からは想像出来ないほど簡素な文章。 いつも通りの丁寧な、幸子らしい文章だった。 「そっか……今日は、来ないのか」 少しだけ寂しくなる。 輝子はだいたい、友達というものが少ないので、数少ない友人である幸子・小梅と一緒にいる時間がとても大好きだった。 それがなくなるというのは、とてもつらい。 「ま、まぁ……そんな日も、あるよね……」 でも、わがままは言えない。 調子が悪い時は休むべきだ。無理をシてもいいことなんてない。 そう割り切って、返信の文章を打とうとして、不意に不思議な感覚に陥る。 今日のこれはそれを差し引いても少しおかしな文章だ、という感覚、 調子が悪いから欠席するのに、きらりも探している。 なんとなくおかしな気がする。なにか隠し事でもしているんだろうか。 「……ふ、フフー……フフフー」 でも、幸子は確かに輝子の友達だけど、友達だからって全部を全部知っているわけじゃない。 いつか知れればいいなぁと思うけど、今根掘り葉掘り聞こうとも思わない。 そうして輝子は、特に深く探るようなことは書かないことに決めた。 ぽちぽちとボタンを操作して幸子に返信メールを打つ。 そして、少し考えて、ぽち、ぽち、ぽちと追記を打つ。 送信ボタンを押し、数秒の沈黙の後、席を立った。 授業開始まではもう少し時間がある。今からなら、手短に済ませれば大丈夫だろう。 ふらふらと風が吹けばこけてしまうんじゃないかというような足取りで女子トイレに入り。 個室のドアを閉め、鍵も閉め、携帯を取り出して電話帳から目当ての番号を探す。 「おお、あった……」 開いたアドレス名は『自宅』と書かれていた。 ◇◇ マンションの一室に呼び出し音が鳴り響く。 無人のはずの部屋の奥、きのこの山の向こう側。 ともすれば『工房』とも呼べそうな、不思議な生物とエンチャント用の機材で埋め尽くされたマンションらしくない空間。 その中心に座していた、火花避けのゴーグルに白衣という科学者らしい格好をしたミニサイズの使い魔(のようなもの)が声をあげる。 「かび!」 その使い魔の声に、同じように白衣を着て瓶底眼鏡をかけたチリ毛アフロの英霊が振り向き、電話の方へと近づいて受話器を取った。 「もしもし」 『ライダー? わ、私……』 「うん? ああ、マスターか。なんだ」 『もしかしたら、幸子ちゃんが、そっちに行くかもしれないから……よろしく』 「はぁ? お、おい、いきなりなにを……」 『じゃあ、授業始まるから……ばいばい、頑張って』 聞くよりも早く、電話が切られてしまう。 電話を取った英霊―――ばいきんまんは、顔の色が紫から赤に変わるんじゃないかというくらいぷりぷり怒った。 「まったく、あいつってば、また俺様になぁーんも言わずに勝手に決めて!」 受話器を叩きつけ、更にぷりぷり怒りながら自身の『工房』に戻った。 ライダーは輝子にはついていかず、自宅にこもって自身の宝具のエンチャントを行っていた。 ついていったところで戦力になれないのは決まりきっているのだから、まずは二人は別行動。非常時には令呪で呼べばいい、ということで。 輝子側からも特に苦情はなく、するすると序盤の方針は決まった。 現状、ライダー自身にこの聖杯戦争における目標のようなものはないので輝子の方針通りにエンチャントを行っている。 準備期間中に『バイキンUFO』と『もぐりん』搭乗員枠を最大数まで拡張してある。 現在は『バイキンUFO』に逃走用の加速機能と、地面に居るNPCを拾えるように『掃除機ノズルアーム』を作成中だ。 さらに午後になれば『もぐりん』を(気配遮断効果が得られる)地中でエンチャントを行うつもりだった。 だというのに、来客があるとなると、その計画が狂ってしまうじゃないか。 やれやれと大きく溜息をついて、かけていた瓶底眼鏡をクロスで拭きながら側のかびるんるんの一体に命令を言い渡す。 「写真を取ってきてくれ」 「かび!」 言われたかびるんるんがタンスの一番上の引き出しから一枚の写真を取り出して運んでくる。 写真を一人+無数のかびるんるんで覗きこむ。 その写真に写っていたのは、薄い髪色の少女、淡い金髪の少女、そして彼らのマスターである輝子。 いつもよりきらきらとした衣装を着たマスターを少し興味深げにしげっと眺めたあと、輝子と仲の良いかびるんるんたちに尋ねた。 「で、サチコってどっちだったっけか。お前ら知ってるか?」 「「「「「かび!」」」」」」 かびるんるんが一斉に薄い髪色の少女の方を指す。 「こっち? 本当にこっちであってるのか?」 「かび!」「かび? かび #65374;」「かびかび?」「かび!」「かびかび!!」 「そうか、こっちか」 輝子とかびるんるんが仲良くしてたのは、こういった自体に備えての部分もある。 ライダー自身がエンチャントにかかりきりであると、どうしてもマスターとの情報交換が疎かになってしまう。 その時点ですぐに影響は出ないだろうが、そういった関係が続けばいつかどこかで大きなミスを引き起こしてしまうかもしれない。 そこで、かびるんるんの出番というわけだ。 かびるんるんはこう見えても知能が高い。 ライダーの宝具である三種のメカのうち、『もぐりん』の操縦をライダー不在時代わりに行うことだって出来る。 エンチャントに関する指示を出せば従うし、与えられた作業はだいたいそつなくこなす。特殊能力も含めて、実に優秀な使い魔だ。 さらに、彼らはかびかびとしか喋れないが、彼らの言葉がわかるライダーとは会話が可能だし、逆にライダーの言葉(一般的な人間の言語)を理解できる。 かびるんるんが輝子の話をすべて聞いていれば、ライダーはエンチャントにかかりきりでもあとあとその情報を聞き返すことが可能となる。 もちろん、かびるんるんは楽しいことが大好きだし輝子がかびるんるんとライダーを気に入っている、という事のほうが大きな理由だが。 ライダーとかびるんるんの一部がエンチャント。残りのかびるんるんが原木を腐らせてキノコの育成+魔力供給(微)をしたり輝子と話したりをする。 ライダーはディフォルメチックな見た目にそぐわず、実に理にかなった使い魔運用を行っていた。 事前打ち合わせで、マスターが三人で取った写真をもらっておいて正解だった。 保護対象がはっきりしているのは、ライダーとしてもやりやすい。 不意な来客の場合も、この写真に写っている人物ならば輝子の知り合いであると判断できる。 「……しかしなぁ……こいつ、信用できるのかぁ?」 「かびぃ?」 「俺様どーもマスターの方針ってやつがよくわかんないんだよなー」 「かびかび」 「なにぃ? 『なにか考えがあるはず』だってぇ? そうは思えないがなぁ。 単に仲良しだからって……聖杯戦争中なんだぞ、今!」 白衣を脱ぎ、チリ毛のカツラを外し、タオルで汗を拭きながらつぶやく。 まぁ、確かにあのマスターの友人なら悪いやつではないのだろうが。 ライダーは知っている。戦いは何があるかがわからないんだ。 勝負はなにかのきっかけで逆転されるし。仲間はすぐに裏切るし。どれだけ確率を100%に近づけようと不確定要素は絶対に紛れ込んでくる。 ライダーの思い通りに行くことなんてせいぜい宝具の向かう先とかびるんるんへの指示くらいしかない。 輝子はその辺をどうも甘く見てる、とライダーは思う。 その分ライダーが少し過剰なくらい警戒しておいて損はない。 「信じろって言ってるから多少は信じるが、だからってすぐに入り込ませるもんか! もし襲ってきたら、そんときゃ俺様容赦しないかんなぁ!!」 もしその幸子とかいう少女が輝子の優しさにつけこんでライダーに襲い掛かってくるようなら容赦はしない。 ぎったんぎったんのめったんめったんに踏み潰してやればいい。 友人と戦うのは輝子はあまり喜ばないだろうが、生け捕りにすれば怒りもしないだろう。 「だとすると、トリモチバズーカなんかも作っておいたほうがよさそうだな」 ライダーは広げた設計図にさらさらと図を書き足していく。 その行為には一切の淀みがない。 「よぉし、かびるんるん! 新しい設計図だ!」 「「「「「かび!!」」」」」 壁に改定図が貼りだされる。 そこには数十秒前までは影も形もなかったトリモチバズーカの設計図と組み立て図が書き加えられていた。 その改定図をしっかり確認して、作業員かびるんるんたちは再び作業に取り掛かった。 ◇◇◆ 幸子の携帯がメロディを奏でる。 着うたは当然『To_my_darling…』。カワイイ歌声で着信がすぐわかる。実際便利。 慌てて中身を確認する。 【from:輝子さん 件名:Re.無題 本文:私は特に変わりないぞ 最近物騒だから、なにかあったら私の家に来るといい。安全だ】 「輝子さんの方はひとまず無事みたいですね……」 あまりそんな印象は持てないだろうが、輝子と小梅でマメな方は意外にも輝子だ。 小梅の方はわりとマイペースなので、返信は気が向いた時になるだろう。 「まったく! こっちの気も知らないで!」 ぷりぷりと怒りながらも輝子の文章を再確認する。 後半のちぐはぐな気遣いにも、なんとなく輝子らしさを感じる。 危ない時があったら寄っていいよと書いてあるが、輝子が居ないのに上がるのは無作法じゃないだろうか。 まあ、輝子はそういうところに無頓着な部分があるから追求してもしょうがない。 だから、まぁ、本当に危なくなったら。 絶対にないと思っているが、本当に危なくなったら寄らせてもらおう。 「……小梅さんの返信は、いつ頃になるでしょうね」 一度溜息をつく。小梅のことだから、確認を忘れていた 携帯をポケットに仕舞おうとして今朝のやりとりを思い返す。 携帯で見た通達、そして掲示板。 そういえば、あの掲示板はどうなっただろう。 4レス目以降ぱったりと書き込みが途絶えて、画面の向こうの相手になにかあったのかと心配していたが、きらりの事もあってそこで幸子は確認せずに。 もしかしたら、謝罪の言葉が書き込まれているかもしれないと思い掲示板を開いてみると、スレッドが一つ増えていた。 タイトルは「きらりさん、見てますか」 慌てて中身を確認する。 しかし、中身は今朝のものとは違い、心の底からきらりを心配した文章。 幸子は心の中に春風が吹いたような心地だった。 こんな戦争でも、友人のことを心配する優しい人物が居るという事実を認識して、暗い気持ちが少しだけ明るくなる。 「クリシュナさんはああ言ってましたけど、皆が皆やる気なわけじゃないんですね! 安心しました!」 自身を鼓舞するように口に出す。 あまりの嬉しさに、掲示板に喜びのレスをしようとして、とある事実に気付き指が止まる。 この人が、きらりを知っているということは……? 「ひょっとすると、ボクの知り合い……かもしれませんね」 きらりはそのキャラクター性と大きな体躯とたっぷりな愛嬌で(幸子には少し及ばないがそれでも凄く)カワイイアイドルだ。 ファンは男女問わず多数存在するだろうから、そんなファンの一人が書き込んだのしれない。 でも、もしかしたら、仕事仲間のアイドルの誰かが書き込んだのかもしれない。 幸子ときらりのプロダクションには単なる顔見知りも含めれば、200人近くのアイドルが在籍している。 共通の知り合いも多い。 そういったアイドルの誰かが聖杯戦争に巻き込まれており、今朝の通達を見て書き込んだ可能性は否めない。 「……とりあえず、確認してみないと始まらないですよね!」 そう決めて、メールアドレスをタップする。 でも、誰かわからない相手にいきなり『お久しぶりです!カワイイボクですよ!』なんてメールを送るほど無作法ではない。 幸子は少しだけ考えたあと、文章を打ち込み、メールを送った。 少し間を置いて、再び『To_my_darling…』が流れる。 今度の着信は、未登録アドレスから。でも、見覚えはある。先ほど送ったアドレスからだ。 メールには意外な内容が書かれていた。 【from:SUPER_Kitakami_sama@ 件名:Re.掲示板の件について 本文:あなたが誰かはわからないので、名前だけ名乗らせていただきます。 私はエノシマといいます。きらりさんと同じ高校に通っていた者です】 「『エノシマ』……?」 聞き覚えのない名前を一度口ずさむ。 その声は、商店街の雑踏の中に消えていった。 【C-2/商店街周辺/1日目 午前】 【輿水幸子@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]健康、怒り、恐怖(小) [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]なし [所持金]中学生のお小遣い程度+5000円分の電子マネー [思考・状況] 基本行動方針:この聖杯戦争をカワイイボク達で止めてみせる 1.諸星きらりに会う 2.『エノシマ』とメール。 3.商店街で起こった事件が気になる。 4.何かあったら輝子の家に避難……? [備考] ※商店街での戦闘痕を確認しました。 ※小梅と輝子に電話を入れました。 ※大井のスレを確認してメールを送信しました。 また、小梅と輝子に「安否の確認」「今日は少し体調がすぐれないので学校を休む」「きらりを見かけたら教えて欲しい」というメールを送りました。 【D-2/中学校 三年生の教室/1日目 午前】 【星輝子@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [装備] [道具]多機能携帯電話 [所持金]一人で暮らせる程度にはある [思考・状況] 基本行動方針:幸子ちゃんと小梅ちゃんを守る。 1.学校で小梅ちゃんを待つ。 2.フェイト・テスタロッサが気になる。 3.緊急時にはライダーを令呪で呼ぶ。 4.きらりちゃんを探す。 [備考] ※掲示板を確認していません。 ※念話は届きませんが何かあったら自宅に電話をかけます。 【C-2/マンション/一日目 午前】 【ライダー(ばいきんまん)@劇場版それいけ!アンパンマン】 [状態]平常、魔力消費(小)、魔力回復(微) [装備]宝具『俺様の円盤(バイキンUFO)』、『地の底に潜む侵略者(もぐりん)』、『踏み砕くブリキの侵略者(だだんだん)』 [道具]カワイイボクと142 sの写真、白衣+チリ毛カツラ+瓶底眼鏡の発明家コス [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:宝具を改造して、準備を整えてから行動したい。 1.『俺様の円盤』をエンチャント中。午前中には加速機能と掃除機ノズルアーム・トリモチバズーカが完成。 2.午後には人目につかない場所(地下)で『地の底に潜む侵略者』をエンチャント予定。加速機能と索敵レーダーを開発。 3.輝子緊急時には見られることを気にせず宝具で逃亡。 4.幸子が来たらどうするかな…… [備考] ※マンションの一室をエンチャント部屋として使用中(作中表記は『工房』ですが陣地ではありません)。 ※原木にかびるんるんをとり付かせることで魔力回復(微)の効果を得ます。星家の原木がキノコパラダイスになれば効果がなくなります。 ※現在の宝具エンチャント。 『俺様の円盤』……搭乗員数最大拡張 『地の底に潜む侵略者』……搭乗員数最大拡張 『踏み砕くブリキの侵略者』……搭乗員数最大拡張 ※輝子の素質上の問題で念話は届きませんが星家に電話がかかってくると応対を行います。 ◇◇◆◇ 【from:Boku_is_kawaii@ 件名:掲示板の件について 本文:あなた、誰ですか? きらりさんの知り合いっていうの、本当ですか?】 学校につく少し前、大井のスマートフォンにこんなメールが届いた。 掲示板の書き込みを見てのメールだろう。 今朝以来、再び自身の幸運と神の計らいに感謝する。 早速効果があったようで、内心ガッツポーズを握る。 しかし、少し喜んだあとで、考える。 この送り主はどういった立ち位置からメールを送ってきたのだろう。 この本文では、送り主の情報がまったくわからない。 もしかしたらきらり本人かもしれないし、そうじゃないかもしれない。 友好的な相手なのか、敵対目的の相手なのか。 それともただのカマかけなのか。 どれにしろこちらの情報は渡さないにこしたことはない。 じゃあどうすればいいか。 簡単だ。バレてもいい名前を使えばいい。 大井は丁度、都合のいい名前を知っている。 聖杯戦争の参加者であり、きらりのことを探っていた人物であり、高校にかよっている人物。 『エノシマ』。 彼女にすべての泥を被ってもらえば、大井の払うリスクは最低限で済む。 大井は特に躊躇せずにその名前を騙って返信を出した。 相手がそうしてきたように、こちら側の情報も名前以外は一切をひた隠しにして。 これで、次は彼女のほうが手の内を明かしてくる。 その情報からまた新たな作戦を立てて、初日最大の目標である『参加者衝突』へと向かわせる。 もし、メールを送ってきたのが『エノシマ』本人だったとしたら……その時は、『お前のことを知っている』と仄めかしてやればあっちは勝手に混乱してボロを出してくれるだろう。 大井は左手で器用にスマートフォンをいじりながら他者より優位に立っているという実感を手にしていた。 今日の大井は、過去一番に冴えていると言っていいだろう。 これなら、あと数日の内に北上を取り戻せるかもしれない。 いや、取り戻せる。確実に。 スマートフォンを持っている左手の代わりに、右手で北上の愛情のこもったお守りを握りしめる。 ほんのり暖かい気がした。 「ねえ、そこの人」 そんな愛に溺れかけていた時、不意に背後から声がかけられた。 「はい?」 大井が振り向くと、まるで妖精のように小さな女の子が立っていた。 ◇◇◆ 朝の日差しが眩しい。というよりも、痛い。 全体的にさわやかで黄色めいた空気がくすぐったい。 道行く人々の活気に酔いそうになる。 ニート特化型のニフラムがあるとすれば、それは朝の通学路だ。 双葉杏は、そんなことを考えながら頭に叩き込んだ地図を思い出しながら道を歩いていた。 『どこに向かってるんだニャン?』 (学校。高校) 杏は今朝、あのスレッドを見てから、少しの身支度を整えてすぐにタクシーを呼んだ。 タクシーに乗って、(そのまま敷地内まで乗り込むのはあまりに目立ちすぎると思ったので)学校の近くまで乗り付け、そこから少しの距離だけ徒歩で移動。 その道すがら、杏とランサー・ジバニャンは他愛もない話をしていた。 『きらりちゃんって子を探すんじゃなかったニャン?』 (そうだよ) 『でもマスター、オレっち、きらりちゃんって子は高校に居ないと思うニャン』 (知ってるよ。ていうか、居るわけないじゃん) 一切間を置かずに肯定する。 その返答を聞き、ランサー・ジバニャンは信じられないと声を(念話だけど)荒げた。 『言ってることとやってることがむちゃくちゃニャン!!』 (ん、そーでもないよ) 杏の目指す道は常に最短距離だ。 闇雲とか手探りなんてのは彼女の信条から最も遠い場所にあると言ってもいい。 だから、真っ先に切り捨てたのは『どこに居るかわからないけどとりあえず探す』だった。 (高校に行くのは、きらりの情報がほしいから) 電話番号もわからない。メールアドレスもわからない。住所も別の場所になっている。 でも、確実にきらりはこの舞台にいる。 ということはこれまた確実に、きらりの情報がどこかに存在する。 杏に与えられた情報の中できらりの情報が確実にある場所と言ったら、事件発生まできらりが通っていたという学校しかない。 だからこそ、ニートは重い腰を上げ、無意識のニフラムが飛び交う通学路を歩くことを決めた。 (できれば、家の場所とかケータイの番号とか聞ければいいんだけど、そう上手くいかないだろうなぁ。 聞き込みが上手くいかなかったら、忍び込んで盗んできてね) 『万引きかニャン!? 嫌だニャン! そんなことしたら、オレっち可愛いから事務所に呼び出されてなんでも言うこと聞かされちゃうニャン!!』 霊体化していて見えないが、今きっとランサーはものすごく面白い動作をしていることだろう。 生意気な奴めぇと叩いてやりたかったが人前で、霊体化したジバニャン相手にそんなことしたら確実に杏のほうが変人扱いを受けてしまう。 だから話半分で聞きながら、道行く少女たちを物色する。 きらりの事件はインターネットサイトでニュースとして纏められているくらいには有名だ。 校内に知っていない人が居ないとまでは言わないが、石を投げればきらりの事件のことを知っている人に出会えるんじゃないだろうか。 だが、その少女が杏の欲しているきらりの情報を知っている可能性はどれほどか。 そして、知っているとして、杏に教えてくれる可能性はいかほどか。おそらく、かなり低い。 盗むのが一番手っ取り早いだろうが、窃盗は犯罪なので杏には出来ないしこのおっちょこちょいでマイペースなランサーが一切のミスなく盗んでこれるとは思えない。 見つかったらきらりを探すどころじゃない。杏のほうが先に刑務所送りになってしまう。 ここであまり時間を割くわけにもいかない。 きらりの情報はすでに参加者たちに向けて拡散されてしまっている。事態は急を要するのだ。 「三人駄目だったら盗んできてね」 『……当たれー、当たれー……』 ランサーの呪詛めいた念話をBGMに、手始めに目についた少女に声をかける。 「ねえ、そこの人」 「はい?」 亜麻色のロングヘアの少女は、スマートフォンをいじっていた手を止めて振り向いた。 なかなかの美少女なんじゃないだろうか、というのが杏の彼女に対する第一印象だった。 ◇◇◆ 「諸星、さん?」 「そ。知らない?」 「聞いたことがありませんね。その人に何か御用なんですか?」 「……んん? ……んー……いや、そういうわけじゃないんだけど」 「そうですか……」 少女が右手に持ち変えたスマートフォンをポケットにしまい、そのままその右手を顎に添えて少し考える素振りをする。 杏の目が少しだけ細くなる。 「いや、わからないならいいんだけどさ」 「……少し待っててもらえますか? 先生に聞いてきますので」 「……いいの?」 「はい。せっかく来ていただいたのに何もなしで突っぱねるのは気が引けますので」 礼をして少女が立ち去る。 それを確認してから、霊体化しているランサーが杏に念話で話しかけてきた。 (いやぁ、最初からいい人に会えてよかったニャン。これでオレっちもワルに手を染めることなく……) 浮かれるランサー。 しかし、最初の難関をクリアしたというのに、杏の方はかなり釈然としない顔をしていた。 そして、たっぷり間をとったあと、ランサーに念話でこう伝えた。 (ランサー。ちょっと動ける準備しといて) 『どうしてニャン?』 杏はニートだ。 だが、愚鈍ではない。 むしろ常人と照らし合わせれば聡明の部類に入るだろう。 その杏の目から見て、亜麻色の髪の少女は、どうもちぐはぐだった。 おかしい、と思う部分が幾つもある。 左手でスマートフォンをいじっていたのに、杏が声をかけてから右手に持ち替えて左手をポケットに入れたとか。 きらりのことを知りたいと尋ねた杏に即座に協力を申し出たこととか。 なにより、きらりの事件について一切知らないふうに振舞っていたこととか。 きらりのことを『知らない』『聞いてくる』というのが、杏にとってはどうも咬み合わない返答だった。 高校に通っていてあんな凄惨な事件を知らない人物が居るだろうか。 そのことについて調べようとした人間に対して快く協力を申し出る人間が居るだろうか。 なんとも腑に落ちない。 そこまで考えて、杏の脳内にある推理が組み上がった。 あの詳しく書き込まれていたスレ。 あのスレには当然立てた人物がいる。 あそこまで詳しく情報を集められるということは、高校の内部にマスターが居る可能性は高い。 その少女はなぜスレを立てたのか。 その少女が目指すところはどこなのか。 それはもしかすると、きらり個人の破滅以外にもあるんじゃないだろうか。 (……これは、とんだ大当たりを引いちゃったかな) 『言ってる意味がさっぱりだニャン! もっとオレっちにもわかるように説明するニャン!!』 ぽりぽりと頭をかく。 日光に当たりすぎたせいでいつもより頭が活発に動いたんだろうか。 こんな立ち回りは杏っぽくないのになぁと思う。 杏は小さく溜息をついて、こう答えた。 (なんとなくだよ。なんとなく) 言ってしまえばなんとなく。 双葉杏は、なんとなく、かの亜麻色の髪の少女―――大井のことをかなり警戒していた。 ◆◆ 「はい。せっかく来ていただいたのに何もなしで突っぱねるのは気が引けますので」 自分でも気持ち悪くなるくらい朗らかな笑みを浮かべ、頭を下げる。 そして少女に背を向けたまま、大井は内心ほくそ笑みながら校舎の方に向かって歩いた。 鴨が葱を背負って来るとはこのことだ。 あの金髪の少女の方は隠してるつもりだろうが、大井はすべてお見通しだった。 彼女は掲示板を見て諸星きらりの情報を探りに来たのだろう。 なんとも愚かだ。馬鹿なマスターが針の見えてる餌に引っかかって大井の大願成就のためにのこのこやってきたのだ。 出来ることならばこの場でアーチャーに命じてぶち殺してやりたいところだったが、それはさすがにやめておいた。 通学時間で人目につきやすいし、この学校には本物の『エノシマ』が居る。 『エノシマ』に存在を知られてしまうと、大井の立ち回りはそうとう厳しくなる。 (アーチャー、聞こえますか) 『なんだろう』 (校門のところに聖杯戦争の参加者と思わしき少女が居ます。監視していてください。 もし逃げるようならば連絡をお願いします) 簡潔なやりとりを終える。 これでもし、あの少女が逃げるようなことがあってもこちらの優位には変わりない。 むしろ、人目につかない場所に逃げてくれればこちらとしては非常にやりやすい。 先ほどのメールを確認する。 返事はまだ届いていない。 もしもメールの相手が好戦的な人物なら、人目につかないところにこいつを誘導した後でぶつけてやればいい。 順序が逆になってしまうが、それでも交戦が引き起こせるならよしだ。 どう捌くか。 どう操るか。 どう戦局を動かしていくか。 さあ、ここからは大井の腕の見せどころだ。 この二人を利用しつくして、一日目で望める最大限の戦果をあげる。 せっかくの機会だ。あの無能が服を着て歩いているような脳筋長門よりも上手く戦況を動かしてやろう。 これも北上への土産話になる。 艦隊に帰った時にあの木偶の坊の鼻をあかすいい経験になる。 まったく、神様は粋な計らいばっかりしてくれる。 大井は、今朝以来、再び神の思し召しに感謝した。 ―――大井自身自覚はないことだが、彼女は割と自信過剰なタチだった。 【D-2/高等学校来客口側/1日目 午前】 【双葉杏@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]健康、焦燥感 [令呪]残り三画 [装備] [道具]携帯ゲーム機×2 [所持金]高校生にしては大金持ち [思考・状況] 基本行動方針:なるべく聖杯戦争とは関わりたくなかったが 0.諸星きらりに会う 1.そのために高校で諸星きらりの住所について調べる 2.少女(大井)を警戒。どうするべきか。 [備考] ※大井と出会いました。大井を危険人物(≒きらりスレの 1)ではないかと疑っています。 【ランサー(ジバニャン)@妖怪ウォッチ】 [状態]健康 [装備]のろい札 [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:なんとなく頑張る 1.双葉杏に付いて行く 【D-2/高等学校来客口側/1日目 午前】 【大井@艦隊これくしょん(アニメ版)】 [状態]満腹、健康 [令呪]残り三画 [装備]北上の枕の蕎麦殻入りお守り [道具]通学鞄、勉強道具、スマートフォン [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:北上さんへの愛を胸に戦う。 0.聖杯戦争に北上さんが居る可能性を潰す。 1.諸星きらりとエノシマという女子高生、各種噂を警戒。 2.メールを送ってきた人物をどこかしらに集める。 3.2.の場所に少女(双葉杏)も上手いこと誘導する。 4.メールの件が片付いたらしばらくはNPCとして潜伏する。 [備考] ※双葉杏を確認しました。魔力反応から彼女をマスターではないかと疑っています。 ※北上が参加者として参加している可能性も限りなく低いがあり得ると考えています。北上からと判断できるメールが来なければしばらくは払拭されるでしょう。 ※『チェーンソー男』『火吹き男』『高校の殺人事件』『小学校の死亡事件』の噂を入手しました。 また、高校の事件がらみで諸星きらりの人相・性格、『エノシマ』という少女が諸星きらりを探っていたことを教師経由で知りました。 ※フェイト・テスタロッサの顔と名前を把握しました。 ※輿水幸子からメールが届きました。 ◆◆ ぽり。 ぱりぽりぱり。 しゃくしゃく。 ぱき。 いくら気をつけても、音が鳴るものはしょうがない。 だからいっそ気をつけないことにした。 音を鳴らさないように気をつけて、お菓子の量を減らして、いざ戦闘って時に全力が発揮できなければ本末転倒もいいところだ。 それに、お菓子を食べている自分に気付けるサーヴァントは、お菓子を食べていようがいなかろうが最初から見抜いてくる。 逆に気づかないサーヴァントは音を聞いていても木々のざわめき程度にしか感じない。 気配遮断はだいたいがそういうスキルだ。 アサシン・クロメは楽観でもなく驕りでもなく、冷静に自分の能力を判断してそう結論づけた。 なぎさから指示があって十数分後。 中学校の屋上の上でお菓子をいつものペースで食べ続けているが、未だにアサシンが誰かに見つかった様子はない。 それもNPCだけでなく、至近距離に突然現れた、英霊と思わしき男にも、だ。 クロメがぽりぽりとお菓子をかじっていると、突然向かいの高等学校の校舎の屋上に男が現れた。 音もなく、まるで手品のように。『居ない』から『居る』に切り替わるように。 考えるまでもなく、サーヴァントだ。 霊体化して屋上まで登ってきて、ここで霊体化を解除した、というところか。 (殺せればいい人形なんだろうけど……そう甘くはいかないよねぇ) 相手は油断している。 油断している、が。 ここで斬りかかることはできない。 一撃で殺せると確定しているのならまだしも、彼の戦闘能力の一切わからない。 今こそ近代的な服装の壮年の男性の格好をしているが、装いなんてどうとでもなる。 武器だってアサシンの八房のように出したり消したりが自由自在なら見てくれなんて一切有益な情報足り得ない。 更にこちらに注意を払わずに油断しているのだってアサシンの持つスキル:気配遮断の賜だ。 動けば気配遮断は即座に解け、相手はこちらの存在に気づく。そうなればそこからはアサシンの苦手な『正々堂々』の始まりだ。 不用意に斬りかかってもこちらに利はない。 案外、この男は最初から『襲ってくる相手の返り討ち』を狙って姿を表しているのかもしれない。 (……分かりづらくて、面倒な戦争) ぽり、ともう一口クッキーをかじる。 相当の自信があるか、規格外の馬鹿か。 英霊として名を残している以上前者の可能性が遥かに高い。 そんな自信満々なサーヴァント相手に、非力なアサシンにどれほどの勝機があろうか。 (『これ』が上手く働いてくれるってことが分かっただけでもよし、かなぁ) 『気配遮断』。 最初に記したとおり、クロメの存在を隠すスキル。 かつ、個体によって不確定要素の強いスキル。 彼女の持つ気配遮断のランクはB、すなわち『気配を絶していれば他者からの発見は免れる』というもの。 気配を消すというのがどの程度のものかは分からなかったが、男性サーヴァントの反応を見るに息を潜めて目立つ場所に居なければまあよし、ということらしい。 実際現在、貯水タンクの影に隠れて息を潜めているだけでも見つかっていないのだから。 直接戦闘で勝ち目がなかろうと、このスキルを上手く使いこなすことができれば格段に『人形』が集めやすくなる。 (汚く、あざとく、みっともなく。今は襲うのはやめ。完璧な隙を見せたら、その時で) 視界の中に居てくれるならこれ以上のことはない。 じっと好機を待ち続ける。 相手が完全に意識を一点に集中した時、他者への攻撃態勢に入るようなことがあれば、その時に斬ってかかる。 英霊対英霊の華やかさなどみじんもない、根気比べの泥仕合。 分があるのは、相手の存在を一方的に感知できているアサシンの方だ。 この有利を消さないためにも、じっと様子を探り続ける。 (今回ばっかりは逃げられるのも仕方ない。手広くいって、楽そうなのから仕留めていこう) すでに数人のマスターの目星は付いている。 現在高等部の校門前に居る地面に着くほどに伸びきった金髪の二つ結びの少女。 私服で学校を訪れ、なにやら質問をするというのがNPCのルーチンの一部とは思えない。 おそらく、なんらかの情報を得るために、もしくは情報を得たから、高等学校に居るマスターについて直球で探りを入れに来た、というようなところだ。 そして、先ほど図書館方面に向かって全速力で走ってきたピンクブロンドの少女。 その隣に付き従う、絵本の中に出てくる『魔法少女』のような格好をした少女。 魔法少女の方には、遠目ながらはっきりと『人間離れした力』を感じる。 輝くような容姿もそうだし、周囲を警戒する所作もそうだし、纏っている魔力もまたそうだ。 (幸先いいね。このままさくっと何体か殺れればいいけど) 少女たちの顔覚えておく。 魔法少女を従えた少女は危険だ。 遠目で見てもわかるくらいには魔力の強いサーヴァントを携え、その少女を隠そうともせずに連れ回しているからには、好戦的な可能性が高い。 小さな少女は、保留。 サーヴァントがそばにいるかどうかが分からない。ひょっとすると別の場所にいるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。 ただ、積極的な行動に出ている以上、なんらかの信念のようなものはあるはずだ。 そういう相手は手強い。心が決まっている分付け入る隙も少ない。 場合によってはこちらも、警戒が必要かもしれない。 ぱく。 今度は音がならない、饅頭のような菓子。 アサシンはいろいろなお菓子を食べながら、じわじわと動き出した大局を眺めていた。 【D-2/中学校の屋上/1日目 午前】 【アサシン(クロメ)@アカメが斬る!】 [状態]実体化(気配遮断)中 [装備]八房 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を取る。 1.現状、マスターに不満はない。 2.アサシンらしく暗殺といった搦手で攻める。その為にも、骸人形が欲しい。 3.とりあえずおとなしく索敵。使えそうな主従を探す。 4.男(我望光明)の隙を伺う。 5.見つけたマスター候補の情報を山田なぎさへ。 [備考] ※双葉杏をマスター(仮)として記憶しました。 江ノ島盾子&ランサー(姫河小雪)を確認しました。ランサーはスノーホワイト状態だったため変身前の姿は知りません。 側にサーヴァントの居なかった大井・星輝子はスルーしています。 ※アーチャー(我望光明)を確認しています。戦力が不明なため、こちらから斬りかかることは今はまだありません。 ※八房の骸人形のストックは零です。 ※気配遮断が相まってかなり見つけられにくいです。同ランクより上の索敵持ちで発見の機会を得られます。 【D-2/高等学校の屋上/1日目 午前】 【アーチャー(我望光明)@仮面ライダーフォーゼ】 [状態]実体化 [装備]サジタリウスのゾディアーツスイッチ [道具]理事長時代のスーツ姿 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を得る 1.大井との距離を保ちつつ索敵。双葉杏の監視。 2.フェイト・テスタロッサが現れた場合、大井に連絡を入れる。 [備考] ※双葉杏=マスターであるとしています。時間の前後により諸星きらりと江ノ島盾子は見てない可能性が高いです。 ※アサシン(クロメ)と近い位置に居ますが存在に気付いていません。(菓子の咀嚼音も距離のこともあり届いていません) ただ、アサシンが不用意に近づいたり、臨戦態勢に入ったりすれば気配遮断の効果が切れて気づきます。 ◇◆◆◇ 『どうしよう』 『どうすればいいんだろう』 『バーサーカーを助けたいのに』 『元居た世界に帰りたいのに』 『方法がわからない』 『どうしよう』 『どうすればいいんだろう』 少女の頭のなかに、招待状が、鳴り止まず届き続けていた。 ◇◆◆◇ どうしよう。 どうすればいいんだろう。 とろけたような頭。おぼつかない足取り。ふわふわとした、悪夢の続きのような感覚に陥る。 諸星きらりは図書館を出て、そんな気分の悪い夢心地で道を歩いていた。 どうすればいいのか、まったく分からない。 フェイト・テスタロッサを捕まえれば、聖杯戦争が止まるかもしれない。 でも、それはきらり自身がフェイトを追い回す側にまわるということを意味している。 苦い思い出が、胃の痛みとともに蘇ってくる。 何の理由もなく追い回すなんて、そんなことだけは、したくなかった。 たとえわがままだとしても、きらりはフェイトを捕まえて、ルーラーが言ったように『誰か』に渡すなんてしたくなかった。 「どうしよっか……」 バーサーカーは何も言わない。 きらりのわがままに、ただついてきてくれる。 何も言わずについてきてくれる。 それはありがたいことでもあったし、少しだけ、心細くもあった。 行く場所がない。 帰る場所もない。 この広い世界で、やっぱりきらりはひとりぼっちなんじゃないか。 そんな気がして、少しだけ泣きそうになって、それをこらえてを繰り返していた。 図書館の近くに居るのは嫌だった。 あの場に居続けると、あの、不気味な世界に飲み込まれてしまいそうな気がした。 学校も近いから、できれば離れたい。 そう思って、とりあえず(地図上D-3に位置する)小道を歩いていた。 おぼつかない足取りで、なんでもない段差に足をつっかけて転んでしまう。 べたんとみっともない音を立てて少女は道路に倒れこむ。 足音。 足音。 足音。 すれ違う声と声。 起こしてくれる人はいなかった。 じっと見つめたアスファルト。 きらりの眼前に影が落ちて深い灰色を更に濃く染める。 地面がきらりからあたたかさを奪っていく。 まるで、きらりのまわりにだけ雨が降っているみたいに、目の前は薄暗く、心は冷たくなっていくようだった。 「諸星、さん?」 転んだまま立ち上がれず、俯いていたきらりの遥か後方から。 来た道の道から、名前を呼ぶ声がする。 声の主に覚えはない。 この世界に来て、きらりと友好的に接する人なんて数えるほども居なかった。 じゃあ、悪い人だろうか。 おっかなびっくり顔をあげると、街路樹が添えられたなんともない道路の奥に、眩しいピンクブロンドの髪を両サイドで纏めた少女とふわふわきらきらした少女が立っていた。 どちらも、見覚えのない人だった。 ピンクの方の人はこの聖杯戦争の舞台に来るより前に、カリスマギャルモデルとして紹介されていた城ヶ崎美嘉に似ているような気がしたが、別人だった。 そもそも、城ヶ崎美嘉ときらりは知り合いじゃないから名前を呼ばれることなんてない。 ふわふわとした服の人は、言葉じゃ言い表せないくらい、可愛らしい女の子だった。 ただ、気のせいかもしれないが、文字が重なって見えるような気がした。 「だ、だぁれ……?」 きらりがおずおずと、尋ねる。 顔も見えないピンク髪の少女はすこしばかり身を震わせると。 「諸星さん!!」 叫びながら、きらりの方に走ってきた。 突然の出来事に、すこしだけ身構える。 しかし、その少女がもたらしたのは、この舞台に来てからずっときらりを苛み続けた悪意ではなかった。 「よかった、よかったよぉ!!」 「諸星さん、なにかあったんじゃないかって!」 「よかったぁ、諸星さん、諸星さん!」 へたり込んでいるきらりに、見知らぬ少女が抱きつく。 抱きすがり、おいおいと泣きながらきらりの名前と、安堵の言葉をこぼし続ける。 きらりの大きな身体と小さな心が、優しいぬくもりに包まれる。 久々に感じた誰かの優しさは、じんわりと心まで染み込んでくるようだった。 泣くまいと決めていたけど、やっぱりきらりには無理だった。 きらりはその少女を抱きしめて、決して怪我させないように優しく、だけど暖かさを逃がさないように力強く抱きしめて。 誰かもわからない女の子と声を合わせておいおい泣きじゃくった。 そうして、少し二人で泣きに泣いて。 道を行き交う人々が怪訝な瞳で見つめているのに気付いて。 とりあえず場所を移そうということになった。 道中、なんとなく気恥ずかしくなって話すきっかけを掴みあぐねていたが、それでもなんとかきらりの方から切り出せた。 「……あの、あなた、だれ? きらりのこと知ってゆの?」 「覚えてない? 私、高校で、諸星さんと同級生で……」 高校で、と言ったところで少女が慌てて口をつぐむ。 そして小さく『ごめんなさい』と言った。 「高校のこと、思い出したくないよね……ごめんなさい、私ったら……」 「あ、あっ、いいよ、いいよぅ! 気にしないで!!」 謝罪する少女にぶんぶん手を振ってみせる。 確かに、きらりにとって高校でのあれこれはほとんどすべて思い出したくないことだ。 でも、他の人に気を使わせちゃうのはよくないことだ。きらりもそこはしっかりわかっている。 「あの事件、もしかしたら、サーヴァントが関わってるんじゃないかって思って…… それで、諸星さんが、諸星さんが誰かに襲われちゃったんじゃないかって」 今にも再び泣き出しそうな少女の口から飛び出した『サーヴァント』という単語に、きらりの心臓が跳ね上がる。 その単語を知っているのは聖杯戦争の参加者以外に居ないはずだ。 まさか、目の前の少女は参加者で、きらりと戦いに来たのだろうか。 どうしようどうしようとぐるぐる頭のなかで問いを回していると、きらりの様子を見て察したのか、少女の方からそのことについて切り出してくれた。 「あ、心配しないで! 私、そんな、戦ったりとかできないし…… それに、私のサーヴァントはこの子で、なんにも悪いこととかしないから!! そこは大丈夫!! オッケー! 超安心! 絶望的非暴力不服従って奴? うぷぷ」 紹介されたサーヴァントは、何故か苦虫を噛み潰したような顔をしている。 ステータスが見える。どうやらランサーのサーヴァントらしい。 襲ってくるような様子はない。少女の言うように友好的な人なんだろうか。 「あ、あの、諸星きらりです!!」 「……どうも」 怯えた心を吹き飛ばすようにきらりが力強く会釈をすると、ランサーと呼ばれた少女も会釈を返してきた。 「とにかく、こんなところにいたら目立っちゃうから、とりあえず移動しよう」 ピンク色の少女がきらりの手を引いて歩き出す。 つないだ手を通じて、暖かさが胸の内側に流れ込んでくる。 きらりは、ほんの少しだけ、彼女にばれないように、小粒の涙を流した。 ◇◆◆◇ 先ほどまで這いつくばっていた道をしばらく急ぎ足で進み。 大通りから路地に入り込み、メインストリートからは少し離れた、細く狭い道を歩きながら声を掛け合う。 「どこに行こっか。諸星さん、どこか行きたい場所、ある?」 「んーとね……きらりはね、この聖杯戦争の舞台よりもね、もっともぉーっと、遠いところに行きたいの」 「それは……今はちょっと無理じゃないかな。ひとまずそれは最後の目標にして、いまからどこかに行きたいとかってない?」 「……あ、じゃあ、きらりのお家、くる? きらりのお家、ここをまーっすぐ行ったところにあるんだにぃ☆」 和気藹々としたやりとり。 今が戦争中だということを忘れさせてくれそうな、綺麗なガラス球のような日常。 光を取り込んでプリズムが輝くように、きらりの心は名も知らぬ少女という光のお陰で輝きを取り戻せていた。 そこで気付き、足を止める。 「……どうしたの、諸星さん?」 「ねえ、あのね。えっとね」 おずおずと切り出す。 「もし、もし、もう聞いてるのにきらりが忘れちゃってたんだったら、ごめんね……? お名前、なんて言うのかなって、思って……」 ようやく聞けた。 いつまでも『あの女の子』『ピンク色の少女』じゃ格好がつかない。 せっかく友だちになれたのだから、名前はもちろん知っておきたい。 きらりの問いかけを聞いた少女は、待ってましたとばかりにこう答える。 「私? 私の名前は―――」 少女が手を払って、くるりと一回、踊るように回ってきらりの方に向き直る。 そして、満面の笑みで名乗った。 「―――エノシマ。江ノ島盾子ちゃんだよ」 にいっと、口の端を吊り上げて作り上げられる、今までに見たことないほどの快笑。 きらりはその笑みを見て、久しぶりに、心の底から暖かくなるような感覚を覚えた。 たまらず、元気な声で自己紹介を返す。 「そっか! きらりはねーぇ、諸星きらりだよぉ! よろしくね、盾子ちゃん!」 「うん、よろしくね、諸星―――ううん、きらりちゃん!」 二人で笑い合う。 涙の跡なんか消し飛ばしてしまえるくらい力強く笑い合う。 きらりは久しぶりに、笑顔になれた。 一人ぼっちだと、辛かったけど。 二人なら、頑張れる気がした。 きらりの心に少しだけ、希望が湧いてきた。 ◇◆◆◇ 横並びに道を歩く三人の少女。 左端の少女の涙のあとに浮かぶ明るい笑顔。 真ん中の少女の突き抜けたような朗らかな笑顔。 右端の少女の■■を■■■■■■■■■ような、■愉快そうな表情。 ■■は砂糖の右側に。 少女はまだ、気づかない。 空欄をまだ埋められない。 【D-3/諸星きらりの家への道/1日目 午前】 【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ(アニメ版)】 [状態]精神的疲労(軽)、魔力消費(中)、希望(微) [令呪]残り二画 [装備]なし [道具]なし [所持金]不明 [思考・状況] 基本行動方針:バーサーカーを元に戻し、元の世界へと戻りたい 1.盾子ちゃん! 2.いったん家に帰ろうかな……? [備考] ※D-4に諸星きらりの家があります。 ※江ノ島盾子&ランサー(姫河小雪)を確認しました。そして、江ノ島盾子を信用しています。 ※三画以上の令呪による命令によって狂化を解除できる可能性を知りました(真実とは限りません) ※フェイト・テスタロッサの捕獲による聖杯戦争中断の可能性を知りました(真実とは限りません) ※ルーラーの姿を確認しました ※掲示板が自分の話題で賑わっていることは未だ知りません 【悠久山安慈@るろうに剣心(旧漫画版)】 [状態]霊体化 [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:??? [備考] ※雪華綺晶の存在を確認しました、再会時には再び襲いに行く可能性があります。 ※江ノ島盾子&ランサー(姫河小雪)を確認しました。 スキル『こころやさしいひと』の効果できらりの精神の安定に江ノ島盾子&ランサーが役に立っていると察知しイレギュラーが発生。狂化中ですが敵意を向けられない限りこの二人を襲いません。 ◆◇ 諸星きらりを発見する数十分前。 家を出る直前に、江ノ島盾子はランサーに唐突にこう言った。 「その魔法さ、ほんと極悪だけど、無敵じゃないよね」 言いたいことが分からない、とランサーが言うと江ノ島盾子はそれはもう楽しそうに口を釣り上げて笑った。 その笑顔と来たら、人助けに尽力してきたランサーが見たこともないほどの満面の笑みだった。 「気になるなら、ついてくれば? ただし、条件が一つ」 提示された条件は『魔法少女状態で実体化すること』。 他者に発見されて戦闘に巻き込まれることを期待しているのか。それとも別の狙いがあるのか。 どちらにせよ、実体化していられるというのはランサーにとっても願っても見ない条件だった。 ランサーはその魔法によってかなり広範囲の困った人の声が聞こえる。 江ノ島盾子の知らない情報を手に入れられる、というのはそれだけでこの絶望少女を出し抜けるアドバンテージになる。 そのことに気取られないよう気のない素振りをしながら、ふいとランサーは問いかけを返した。 「……どこに行くつもりですか?」 「諸星きらりに会いに行くに決まってんじゃん!!! きらりんをきらきらいっとうしょー☆の一番星にしてあげるのが私達の役目でしょー?」 「……諸星きらりの居場所がわかるんですか」 実体化し、魔法少女に変身して尋ねる。 江ノ島盾子はどこからか取り出した伊達眼鏡をかけて流れるように説明を始めた。 「いいでしょう説明しましょう。諸星きらりの行動は三つほど予測できます。 まずいちばん可能性が高いのは籠城の可能性。これは場所が割れない限り他者に襲われないという利点があります。 諸星きらりの性格を考えた結果、掲示板、それも私様のスレを確認していた場合、それを差し引いても彼女が聖杯戦争という催し自体に恐怖を抱いていた場合など。 そういった条件を鑑みればこれが一番可能性が高いというのは自明の理だとわかるはずです。 次に可能性が高いのが『図書館に向かう』という行動。これには『ルーラーの所在地が明かされた』+『掲示板の書き込み』という環境の変化が起因しています。 所在地の明かされたルーラーに掲示板の書き込みの削除を申し込みに行く可能性。所在地の明かされたルーラーに殺人事件の隠蔽を申し込みに行く可能性。 これもまた、諸星きらりの性格を考えれば同じくらい可能性が高いと言えます。 そして最後が聖杯戦争が始まったにもかかわらず街をぶらつく可能性。この選択肢を選ぶ時点で諸星きらりは自分の立場を理解できていないと判断できます。 この場合は学校以外の場所を虱潰しに歩きまわる、ということになるので今後の行動を考える上での優先度は最下位と考えられます」 「以上を踏まえて、私様が考えた行動は一つ。まずは一番近い図書館に行き、不在を確認した後でD-3地区にある諸星きらりの自宅へ向かうというものです!」 「……これなら、二つの可能性を……一気に試行出来るし……一挙両得……ふふふ」 2秒弱で言い切って、おどおどした言い方をしながらもふんぞり返る。 少々呆気に取られたランサーを見ながら、更にふんぞりがえって、そりゃもうブリッジの体勢になるんじゃないかというくらいふんぞりがえった。 「あれwwwww聞き込みってもしかして事件について話聞いて回るだけだと思っちゃったの?wwwwマジウケるwwww」 「先生騙くらかして住所聞き出したり、クラスメイトそそのかして連絡網ゲットしたり、そういうのもちゃあああああんと調査済みに決まってんでしょ!!」 「せっかく面白そうなネタなのに、なんで中途半端で終わらせる必要があるんですか。あたりまえだよなぁ?」 どうやら、そこまで手回しをしていたらしい。 抜け目のない少女だ。 廻るのは口だけではない、ということか。 江ノ島盾子ころころとキャラを変えながら、玄関の戸を開ける。 定まらないキャラクター性とは裏腹に、その動作には一切のゆらぎも感じない。 ランサーは多少警戒しながらも、条件通り実体化してついていくことにした。 ◆◇ 出発から数十分後。 果たして、江ノ島盾子の読み通り、彼女たちは諸星きらりを発見した。 きらりに対して屈託のない笑顔をふりまく傍で、江ノ島盾子はランサーに念話で語りかける。 (似てた?) 『……なにが』 (えー? 似てない? 今のキャラ、夢で見た姫河小雪ちゃんをイメージしてやってみたんだけどさぁ!) あきらかにこちら側の神経を逆なでするための一言。 飽き性のくせに、余計なことをやって。 すぐに化けの皮が剥がれて、醜態を晒すことになるだろうと思ったが思考の先読みでもしたのか、江ノ島盾子は聞いてもいない説明を始めた。 (あー、あっあっあー、そっかそっか! ランサーちゃん知らないんだよねぇ!) (『うぷぷ、ボクはねぇ、他人の、絶望した顔を見るためだったらさぁ? なんとぉ! 一時間でも、一日でも、一ヶ月でも、なんなら一年だって、猫を被っていられる!!! ……気がする!!』) 新事実。だが、どこまで本当かはわからない。 もしかしたら口からでまかせかもしれないし、キャラクターに絶望的に飽きやすいという『設定』自体が違うのかもしれない。 ただ、この少女はどんなことに関しても、おおよそ全ての計画を破綻させ、おおよそ全ての虚言妄言を実行しかねない。 短いつきあいのランサーでもそれだけははっきりわかっていた。 (『まぁ、途中で飽きることとか、気分が変わって計画を変えちゃうこともあるよ。女心とクマの綿って言うしね。 それでも、他人の絶望した姿を見るために飽き飽きしてる個性を演じ続けるってさ』) (絶ッッッ望ぅぅ的にぃぃぃいいい!!! エクスタシーもんでしょおおおぉぉおおおーーーー!!!!) (なあんちゃって、『クマー』) けたたましく喚き散らした後、なんのキャラ付けかクマーとつぶやく。 ランサーは、表面ではきらりに優しく声をかけ続け、念話ではランサーを煽りまくる。 器用なものだと皮肉ってやろうかとも思ったが、ランサーはそれどころではなかった。 なぜなら、江ノ島盾子の言葉の意味と、彼女が仕掛けた爆弾に、遅まきながら気付いてしまったから。 (おやおやおやおや、なんだか何か言いたげだね) (ちょうどいいや、聞かせてよ。アンタも気付いてるんでしょ? 私の言いたかったこと。 『極悪な能力だけど無敵ではない』って言葉の、その理由) その問いかけに、ランサーは言葉を濁した。 ランサーが諸星きらりの存在に気付いたのはほぼ必然というべきめぐり合わせだった。 彼女の持つ『困った人の声が聞こえるよ』というスキル。 どんな相手の心の声も余さず聞き届ける事のできる魔法少女に与えられた無二の魔法。 その能力が、現在会場内でトップを争うほどに困っているきらりの声をランサーに届けないはずがなかった。 聞こえたし、わかった。 諸星きらりがこの上なく困っていることがわかった。 そして、諸星きらりが『望んでいる参加者』じゃないことがわかった。 一度は『クロ』だと言い切った相手。 だが、その心では自身の英霊であるバーサーカーの救済と、元いた世界に帰ることを望み続けていた。 小さな子どものように、困ったよう、困ったよう、と今にも泣き出しそうな声で叫び続けていた。 そして初対面は、並木道の真ん中でこけても立ち上がれない程に打ちのめされた諸星きらりの姿。 その声を聞いた瞬間に理解した。 『間接的に情報だけを与えられた状態では、心は読めない』。 当然だ。写真、文章、データ、そんな集められただけの情報に心なんか宿らないのだから。 それは数々の修羅場をくぐり抜けて来た時点でわかっている。 相手と向き合い、心の声が聞こえれば相手の思考なんて百発百中で当ててみせるが、そうじゃなければランサーが状況から判断する以外ない。 無敵じゃない、とはつまりこのことだろう。 江ノ島盾子はなんらかの推論から『諸星きらりはシロである』と確信しており、ランサーの間違いをわざわざ証明するためにランサーを実体化させた。 更に言えば、無敵じゃない理由について江ノ島盾子と話していてもう一つ気づいた。 江ノ島盾子は無意識か、あるいは意識してなのかランサーの読心に対策を打っている。 対策とはずばり、『包み隠さず話すこと』。 (こうしたい)→(それを知られては困る)という過程を経て、相手の行動を予測できるランサーに対して順応していた。 つまり、思ったこと全部真実を話して本人に後ろ暗いことがなければ心を読まれて困ることなどない。 相手を蹴るときに「今から右足で蹴る」と宣言すれば心を読まれようが関係ない。 どんな悪巧みでも「こういった手順でこういった悪事を働くよ」と事前に説明すれば後ろ暗いことなどない。 さらに言えば、スノーホワイトが生前使っていたようなあえて質問をして相手から情報を引き出すという技も、逐一事実を説明していればする必要がない。 江ノ島盾子はそうやって、『困った人の声が聞こえる』という説明から読心のメカニズムを理解して、最も効率的な対策を打ってきていた。 なんとも嫌味な人間だ、と毒づきたくなるが、ぐっとこらえていると、江ノ島盾子は火が突いたように手を変えキャラを変えまくしたて始めた。 (さて、私様の言う『弱点』が分かったんだったら……その先にある私様の言いたかったことも、ちゃあんとわかってくれてますよね? まさか私様がメッチャやさしみを込めて弱点だけ教えてあげたとは思わないでしょう?) (まぁ、わかってますよね……だってランサーさん……倒れてるきらりちゃんを私が助けた時……) (貴女、『しまった!!』って顔をしてましたわね!) (私様を出し抜こうなんて、百万光年早いんだよなああああああああああ!!!!) (ねえ、姫河小雪ちゃん。教えてよ。この子、どぉんな声、出してたの?) (困った困ったって泣いてたに違ぇねぇべ! 俺の占いは三割当たるべ!! ……ん、これ違う?) (……しまった、光年は時間じゃない、距離だ!) (それで、ランサー) (困った困ったって泣いてるきらりちゃん、アンタはどうするつもりなの?) 江ノ島盾子の一言が、ついに核心を突く。 ◆◇ ランサーは。 スノーホワイトは。 姫河小雪は。 困っている誰かを助けてあげたいという、同業者にすら甘っちょろいと笑われてしまう理想を胸に英霊の頂まで上り詰めたサーヴァントだ。 森の音楽家クラムベリーの試験を様々な犠牲のもとに生き抜かされ。 魔法の国から後ろ指をさされようともおのが信念を貫き。 『魔法少女狩り』の異名を背負わされてまで強さへの狂信に身を落とした魔法少女と戦い。 悪に立ち向かう強い心と心を貫く強い力を手にし。 優しい魔法少女らしいと誇っていた『困っている人の声が聞こえる』能力を不意打ちや詐術に使えるようになってしまい。 性格も、ほわほわとした白うさぎのような優しいものからは想像できないほどスれてしまい。 様々なものを得て、様々なものを失って。 様々な人と出会い、様々な人と別れ。 様々な人を救い、それ以上の人々を救えず。 中学生のあの日から、英霊の座に至るその日まで。いや、この戦争に呼び出されても。 彼女の中心、存在の『芯』とも言うべき部分、本質は変わっていない。 困っている人を助けたい。 泣いている人にハンカチを渡してあげるような。 重い荷物を代わりに背負ってあげるような。 落し物をした人に落し物を届けてあげるような。 数々の事件のせいで幾分ハードにコーティングされてしまったが、そんななんともない優しさこそが彼女の根本だ。 諸星きらりの声を聞いて、ランサーは全てを理解していた。 諸星きらりがうずくまっている姿を見て、理解が思い込みではなく事実であると確信した。 諸星きらりは善人だ。どうしようもない善人だ。なにかに巻き込まれ、聖杯戦争に参加させられている『被害者』だ。 確信し、どう動くべきか迷った。 江ノ島盾子が令呪を用いてランサーにきらりを襲わせる可能性がある以上、素早く逃げるように促すべきか。 彼女が善人であると分かったならば、掲示板の悪行の主が江ノ島盾子のせいだ伝えるべきか。 それよりも、あの殺人事件の真相を彼女の口から効くべきか。 何よりもまず彼女の願いに手を差し伸べてあげるべきか。 どんな悪者にも負けないために鍛え上げた魔法少女の魂も、『心の声』の更に先にある不意打ちには対処できない。 予想外の出来事で、ランサーの心は一瞬だけ揺らいでしまう。 その一瞬の動揺が水面下の勝負を決着づけた。 ランサーの一瞬の虚を突いて、盾子は素早く、そして的確に諸星きらりの懐に入って彼女の信頼を得てしまった。 それは鮮やかで。華やかで。呆れるほどに、彼女の言葉を借りるならば『絶望的に』、見事な手口。 仮に超高校級のアイドルなんてのが居たとしても、そんな子でも裸足で逃げ出す演技力だったろう。 精も根も尽き果てた様子の諸星きらりに寄り添い、彼女の精神の添え木となり、折れかかっていた彼女の心を支え直した。 見事、彼女の困った声を一発でやませた。 だが、ランサーにはその行動のすべてが、ある方向を目指しているとわかっている。 そしてそれが諸星きらりの目指す方向ではなく、真逆の方向であるのも理解している。 彼女がそんなことをする理由なんてランサーと諸星きらりに絶望を与えるため以外に考えられない。 つまり、まんまと出し抜かれたのだ。出会いの一件以来再び、この絶望的に絶望を愛する少女に。 後はあれよあれよというまに江ノ島盾子のペースだ。 苛立ちを覚えるが、なにもできない。 ずしんと鉛のような、ほの暗い感情が、ランサーの心中の奥深くに陣取り、反撃の気力を削いでいる。 『諸星きらりの無実を証明』し、『その上で諸星きらりの精神的支柱となる』という一手が奇手すぎた。 この一手は、大きな意味を持っている。 少なくともあの時。 二人が出会ったあの名前も知らない死体の前での問答を知っているのならば。 江ノ島盾子のこの行動に隠された意味が理解できる。 (ねえ、小雪ちゃぁん。この状況って、あの時のやつに似てるよねぇ?) 不意にランサーの方を向き、すべてを見透かしたような声と満面の笑みでそう尋ねる。 その問は、姫河小雪と江ノ島盾子のパラドクス。 希望と絶望のコンフリクト。 (ちょうどいい! 聞いてみたかったんだぁー! あの時の質問、ランサーちゃんならどんな答えを出してくれるのかなぁーって?) (問題!! 例えばこれから、江ノ島盾子ちゃんのことがとっても大好きな諸星きらりちゃんが、なにかに絶望して死んだとして、その時、『彼女を殺したのは誰』?) 江ノ島盾子の口から放たれた問い。 それはまさしく、二人が出会ったあの時の問答の再現。 ランサーが「殺したのか」と問うた時、盾子は「背中を押しただけだ」という長回しをきっかり三秒で説明してみせた。 あんなのは詭弁だ。江ノ島盾子だってそのくらい気付いている。 だから今、江ノ島盾子は試している。 ランサーに同じ命題を突きつけて、ランサーにその問の答えを導き出させようとしている。 仮に諸星きらりに対して江ノ島盾子の悪事を伝え警戒を促せば、江ノ島盾子を心の支えにしている以上諸星きらりの心は確実に折れる。 再起不能になり、あの子供のように(ビルから飛び降りて死んだ名も知らぬ子供のように)自殺してしまうかもしれない。 その点について理解した上で、ランサー―――『姫河小雪』はこの状況でどう動くのか。 江ノ島盾子は。 超高校級の絶望はそれを尋ねている。 (さて、私様の行動を察知できず、止められなかった哀れなランサーちゃんにネクストクエスチョン。 答え次第では一発逆転もあるかもよ? 張り切って行ってみよう!) (……あなたは、背中を押せない優しい優しい小雪ちゃん? とっても困ってる優しい優しいきらりちゃんのためにアタシという巨悪の跋扈を許す優しい優しい小雪ちゃん?) (……それとも、背中を押せる優しい優しい小雪ちゃん? 他の参加者のために、優しい優しいきらりちゃんの心をへし折って屋上から突き落としてでもアタシを止められる優しい優しい小雪ちゃん?) 前者を選べば、一人の善人を救い、不特定多数の他人が死ぬ。 江ノ島盾子の『殺人』をやはり殺人であるとし、殺人を犯さず諸星きらりを救う代わりに江ノ島盾子が今後積み重ねる悪行を止める機会を失う。 後者を選べば、不特定多数の他人を救い、一人の善人を殺す。 江ノ島盾子の『殺人』を背中を押しただけだとし、江ノ島盾子の悪行を未然に一つ食い止める代わりに結果として諸星きらりという善人が死ぬ。 どちらを選ぼうと、結果は――― (あれちょっと待って!? どおっちにしろ、人死んじゃってる気がする! あれあれ、まさかまさかの魔法少女血みどろ計画Restart!? ウッソそれってつまり新しい姫河小雪ちゃんの誕生じゃない!!! 今夜はお赤飯だねぇっ!! んキャハぁっ☆ ハッピーバースデー、新しい姫河小雪ちゃあああああああああああん!!!!) 念話でげらげらと高笑いをする。 本当に、他人の癪に障るのが生きがいのような人物だ、とランサーは歯噛みしながら思った。 (ねぇ、ランサー) (気付いてないかもしれないから教えてあげるね。アンタ今、すっごくいい顔してるよ) 悪魔が笑う。 ランサーは臍を噛んだ。 それしかできなかった。 ◇◆◆◇ 横並びに道を歩く三人の少女。 左端の少女の涙のあとに浮かぶ明るい笑顔。 真ん中の少女の突き抜けたような朗らかな笑顔。 右端の少女の苦渋をしこたま飲まされたような、不愉快そうな表情。 絶望は砂糖の右側に。 【D-3/諸星きらりへの道の途中/1日目 午前】 【江ノ島盾子@ダンガンロンパシリーズ】 [状態]健康、涙で化粧が流れてる、小雪ちゃん(魔法少女育成計画最序盤)の真似中 [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]なし [所持金]大金+5000円分の電子マネー(電子マネーは携帯を取り戻すまで使用できません) [思考・状況] 基本行動方針:絶望を振りまく 1.諸星きらりをプロデュース! 2.放課後になったら、蜂屋あいと会う 3.ケータイ欲しい……ケータイ欲しくない? [備考] ※諸星きらりを確認しました。彼女の自宅の位置・電話番号・性格なども事前確認済みです。彼女が掲示板に目を通してないことも考察済みです。 ※自身の最後の書き込み以降のスレは確認できません。 ※数十分、もしくは数時間、あるいは数日、ひょっとしたら数年は同じキャラを演じ続けられるかもしれませんし、続けられないかもしれません。 ※ランサーのスキル『困った人の心の声が聞こえるよ』に対して順応しています。順応に気付いているかいないかは不明です。動揺しない限り尻尾を掴まれることはないかもしれません。あるかもしれません。 【ランサー(姫河小雪)@魔法少女育成計画】 [状態]実体化中、健康、絶望(微) [装備]ルーラ [道具]四次元袋 [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:出来る限り犠牲を出さずに聖杯戦争を終わらせる。 1.江ノ島盾子と蜂屋あいの再会時に蜂屋あいのサーヴァントを仕留める。 2.出来ることなら、諸星きらりに手を貸してあげたい。 [備考] ※江ノ島盾子がスキル『困った人の心の声が聞こえるよ』に対応していることに気づきました。 ※諸星きらりの声(『バーサーカーを助けたい』『元いた世界に帰りたい』)を聞きました。 彼女が善人であることを確信しました。 ◆? "When I was a little girl, (私が小さな頃のこと About seven years old, 7つくらいの頃のこと I hadn t got a petticoat, 私はペチコートを持ってなくて To keep me from the cold." 寒くてしょうがなかったの) "So I went into Darlington, (だから私はダーリントンへ That pretty little town, あの小さくてきれいな街へ And there I bought a petticoat, そうして私はペチコートと A cloak, and a gown," マントとガウンを買ってきた) "I went into the woods (わたしは森のなかへ入って And built me a kirk, そこに教会を作ることにした And all the birds of the air, 森中の鳥さんたちが They helped me to work." 私を手伝ってくれたわ) "The hawk, with his long claws, (鷹は長くて鋭い爪で Pulled down the stone, 石を次々切っていって The dove, with her rough bill, 鳩は逞しいくちばしで Brought me them home." 石を次々運んでくれたの) "The parrot was the clergyman, (オウムは司祭の代わりになって The peacock was the clerk, 孔雀は牧師の代わりになって The bullfinch played the organ, ウソがオルガン響かせて And we made merry work." 皆で賛美歌を歌ったわ) 「素晴らしい、また新しい神様が二人生まれたわけだ」 「え? なんでそう言えるのかって?」 「君は創造力が貧困なんだろうね。生きてて死にたくならないかい?」 ◆? 「世界なんて、そんな大したもんじゃないんだ」 往来を行き来するオークのような生物を眺めながら、少女がつぶやく。 墓標のようにそびえ立ったビルのガラスがくすくす笑う。 「皆ありがたがってるけどさ……例えばそこに石ころがあったとして、石ころに蟻が乗ってた。 不思議なことに石が空中に浮き上がって蟻は石ころから離れられなくなった。 そうすれば、蟻にとっての八方ふさがりが生まれる。それで世界が出来上がる。くだんないでしょ?」 オークの正面に巨大な蟻が現れる。 突然現れた蟻の体を、街の人々がよってたかって千切り崩していく。 蟻の体からこぼれた体液がくすくす笑う。 「他に必要な物があるとすれば、観測者かな。 石ころを浮かせる役。蟻を閉じ込めようと企む奴。そして、蟻以外に蟻の世界を認めてやる者。広義的に言うなら、いわゆる神サマってやつがそれ」 くすくす笑う。 くすくす笑う。 くすくす笑う。 「サチコは、石ころの存在に気付いてしまった哀れな蟻ん子さ。 大地への郷里の慕に駆られ、必死に石ころから飛び出そうとしてる。よくやるよ、無駄だって薄々感づいてるだろうに」 『くすくす。それがこの『世界』のお話ですか?』 少女が指をつい、と動かすと、山が凹んで窪地に変わった。 とくとくと体液が流れこんでいく。湖が出来上がる。 湖に映るのは、きれいな色のロリータドレスを身に纏った可愛い可愛いお人形。 「ここの完成はまだまだ時間がかかりそうだよ。別の場所で遊んできたらどうかな」 少女―――創造主(クリエイター)のサーヴァント・クリシュナは、ルーラー・雪華綺晶にそう告げた。 彼女にしては珍しい、毒突くでもなく、気遣うでもなく、当然といわんばかりの声色だった。 『クリエイター様のようなことをする方は特殊ですので。見ておく必要があるかと』 どこまで本音かわからない言葉。 しかしクリエイターは特に気にせず、さらりと流した。 「へえ、仕事熱心なんだね。マスターじゃなくてわざわざ僕のところに来るなんて」 湖の縁に人々が集まり、やたらめったらに踊り狂う。 意味なんてない。そうしたいからそうする。人間らしい動作じゃないか。 踊り狂う人々をそのまま踊らせ続けながら、クリエイターは鏡のように美しくきらめく水面に、水面の向こう側のルーラーに向き合った。 「で、それは誰が考えたの」 不意に。 クリエイターが湖越しのルーラーに問いかける。 『誰が、何を?』 ルーラーはあどけない顔で問い返す。 「話の続きだ。この世界が石ころで、サチコがかわいそうな蟻ん子ちゃんだとしたら、石ころを浮かしてるのは誰だ。 サチコのことを認めてやってるのは誰だ。この世界の神様ってやつはなんのためにこんなことをする? ねえ、君……君じゃないよね。君みたいな空っぽの器は、そんな器じゃなさそうだ」 『それを知ってどうするのです?』 「別に、どうも。必要なら神様の先輩として、助言の一つでもあげるけど? そのために君が来たんじゃないの?」 ぽ、と花が咲く。 次から次へと花を咲かせ、右から左への道を作る。 湖から街へと通じる道が出来上がった。 「ハートの女王に逢いたいのなら、ちゃんとうさぎを追うべきですわ」 くすくす。取ってつけたような笑い声。 「僕に、兎狩りをしろって?」 『ええそうです。なぜなら貴女様はこの世界の『神様』ではないのですもの』 「それは誰の言葉?」 『私の言葉は私の言葉、ですわ』 くすくす。世界の中に響き渡る笑い声。 『貴女様は呼び出されてしまったかわいそうなお人形さんの一人。 お人形さんは、ご主人様の望むとおりに動くのがお仕事。そうでしょう? お人形さん、お人形さん。兎狩りの時間です。ハートの女王はお冠。チクタクチクタク兎を追って、不思議な国に向かいましょう』 ルーラーが歌い出す。無垢な少女のように、可愛らしく。 クリエイターは少しだけ心外そうに、語気を少し強めてまくしたてた。 「はは、言ってくれるじゃないか。自分だって、他人の未完成な部分を見つけてあざ笑いあげつらうばっかりの未完成なお人形さんのくせに」 『かわいそうなお人形さん。こんなおもちゃの世界に閉じこもって、外の世界が怖いから』 クリエイターが売り言葉を叩きつければ、ルーラーは歌うように答える。 先ほどまで噛み合っていたのが嘘のように、大きく食い違い始める。 『おもちゃの世界で一等賞。外の世界の貴女はだあれ。望みはなあに、貴女はだあれ、貴女の見ている私はだあれ』 「君は自分が思ってるほど清廉潔癖じゃないよ。被造物ってのは、突き詰めれば『煮詰められた人間のエゴ』だ。 華奢な器に押し込められて綺麗なフリルでラッピングしたところで腐った中身と漏れだす臭いは消せない。 今度はもっと声を上げて笑ってみなよ。下品な方がお似合いだよ。お人形さん」 クリエイターが言葉とともに、水面に花束を投げつける。 花束が打ち付けられて起こった波紋がルーラーの身体を細かく裁断する。 『くすくす。おもちゃ箱の中の狐。ぶどうが甘いか酸っぱいかは、狐には永遠にわからずじまい。 さようなら、クリエイター様。また後程お会いしましょう』 大した意味もないだろうに意味深な言い回しでそう言い残して波紋の奥に消えていく。 それを確認して、クリエイターは鼻を一度鳴らすと、投げた花束を湖と混ぜてお人形を生み出した。 ◆ 「せっかくもてなしてやったのにあの態度ったら。こんなことならもっと盛大にやるべきだったかな」 未完成の幻想世界を眺めてつぶやく。 あれやこれやと悩まず幸子がぶっ倒れるくらいの魔力をつかって世界を作ってやってればあのルーラーに泡を吹かせてやれたかもしれない。 惜しいことしたなぁ。 この場でただのお人形さんに戻してあげればよかったかなぁ。 「英霊の枠に閉じ込められた僕程度敵じゃないって? だとしたら心外だ」 新たに生み出した物言わぬお人形に語りかける。 その人形は、誰にも愛されない。ただ、空間の中で、そこにあり続けるだけ。 お人形はくたりと頷くようにその場に倒れこんだ。 クリエイターが弧を描くように指をすべらせると、お人形の周りに人だかりが出来上がった。 人だかりは皆、キラキラした衣装を着て空に向かってニコニコ微笑んでいる。 皆一緒の衣装を着て、誰かに笑顔を振りまく。まるでアイドルのように。 「それとも、そんなことされたっていいと思ってあのお人形を僕のところに送り込んだのかい。それなら少し笑えるね」 お人形がおもむろに立ち上がり、動き出す。 お人形を取り囲んでいるアイドルたちが次から次にお人形に食べられていく。 アイドルたちは逃げることも悲鳴を上げることもしない。 ただ、観客である誰かに笑顔を振りまきながら、お人形の内側に閉じ込められていく。 一人、また一人。 人形の内側に消えていく。 最後の一人を食べ終えた後、人形はくすくす笑い出した。 「どっちにしろ……お人形遊びで僕をはかろうなんてのは少し虫がよすぎるんじゃないかな」 「君に対して、思うところが出てきたよ。『この世界の神様』」 ぽん、と手を叩く。 お人形がくすくす笑いながらその場で高速回転を始める。 くるくる、くるくる。 回り続けて、回り続けて。 バターになるほど回り続けて。 臨界点を突破したお人形は、創造主の気まぐれで本物の少女に生まれ変わり、街の方へと走っていった。 そうして、街にたどり着いた少女は、そこで誰かのお人形として暮らすことになった。 その様子を感慨なさ気に見送ったクリエーターはまた世界創造に戻るのだった。 【C-4/マンション/1日目 午前】 【クリエイター(クリシュナ)@夜明けの口笛吹き】 [状態]健康 [装備]なし [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:勝つ 1.幸子の言うことは放って、自身の幻想世界を完成させたい 2.『この世界の神様』に会いたいもんだ [備考] ※ルーラーを確認しました。 ※幸子の部屋は現在、クリシュナの幻想世界に作り替えられている途中です ※完成した際、マスターとサーヴァントに対する精神攻撃として作動します ※聖杯戦争の開催に何者かが関与していると考察しています。ルーラーは正統な裁定者ではなく彼女の手先であるとも考えています。 この空間はその人物が作り上げた世界であり、その人物の意向次第で結末が変わると睨んでいます。 【???/nのフィールド/1日目 早朝】 【ルーラー(雪華綺晶)@ローゼンメイデン】 [状態]健康 [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:??? [備考] ※アイドルの物真似が出来ます ※クリエイター(クリシュナ)の幻想世界(未完成)を確認しました。 BACK NEXT 013 Because,I miss you/逢いたくて 投下順 015 約束/まおゆう 魔王勇者 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 006 匿名希望のアガパンサス 大井&アーチャー(我望光明) 020 逢魔が時に逢いましょう 003 目覚め/wake up girls! 江ノ島盾子&ランサー(姫河小雪) 022 マッド・ティーパーティー 双葉杏&ランサー(ジバニャン) 020 逢魔が時に逢いましょう 007 【>願う 何を? >幸せ 何が君の幸せ?】 星輝子&ライダー(ばいきんまん) 023 シュガー・ラッシュ 000 Because,I miss you/逢いたくて アサシン(クロメ) 025 過ぐる日の憧憬 000 開幕/きらりん☆レボリューション 諸星きらり&バーサーカー(悠久山安慈) 022 マッド・ティーパーティー 003 目覚め/wake up girls! 輿水幸子 020 逢魔が時に逢いましょう クリエーター(クリシュナ) 037 思い出が窮屈になりだしたこの頃の僕らは 010 開幕/きらりん☆レボリューション ルーラー(雪華綺晶) 022 マッド・ティーパーティー
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殺し合いと奪い合いを強要される、魔法少女のシステムを現実のブラック企業になぞらえて揶揄した言葉。 薄給どころか無給の無休で、業務内容は命懸けで、自由な退職すらも認められない。 そんな超絶ブラックな雇用契約に縛られた魔法少女達の戦いを描く、この物語の主題となる一言である。