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前ページ次ページ暗の使い魔 ギーシュとの決闘を終え朝食を取った後の時間、官兵衛はぶらりと気ままな時を過ごしていた。 練兵場の隅っこに座り込んで、抜き身のデルフと向き合う。 時間は昼ごろになろうか、練兵場には日が差しており、石の地面を熱々に照らしていた。 そんな熱を嫌ってか、官兵衛は日陰を選んで座っている。 日差し自体は嫌いではない、むしろ秀吉に穴倉送りにされてからは望んで止まないものだ。 しかしそれでも、長年洞窟に篭っていた性か、官兵衛は暗がりを好んだのだ。 「ハァ……貴族ってのは面倒極まりないな、デルフ」 「そうだねえ」 乱雑に置かれた樽をどけ、鉄球に座り込みながら官兵衛はぼやいた。デルフが気の無い返事をする。 そんな相槌を気にする訳でもなく、官兵衛は続ける。 「ちょいと誇りが傷つきゃあ、躍起になってそれを取り戻そうとする。決闘だの何だの言ってな。 こっちの事情なんざお構いなしだ。あー嫌だ嫌だ」 「でも相棒、なんだかんだ言って付き合ってやったんだろ?おまけに密やかに助言までしてな。結構なお人よしだねぇ相棒は」 デルフがカタカタと震える。どうやら笑っているようだった。それを聞いて官兵衛が黙り込む。 と、その時だった。 「やあ、ここに居たのかい?」 よく通る声が、練兵場に響いた。黒いマントをたなびかせ、長身の男がこちらに歩み寄る。ルイズの婚約者のワルドだった。 暗の使い魔 第十七話 『亀裂』 「ごきげんよう、使い魔くん」 つば広の帽子を片手に、ワルドは官兵衛の目の前に立って挨拶をした。座り込んだ官兵衛を鋭い目が見下ろす。 『使い魔くん』、その言い方に嫌味な何かを感じた官兵衛は、その挨拶を無視した。 そんな官兵衛の様子に、ワルドは困ったように首をかしげる。たが、すぐに気を取り直すと官兵衛に言った。 「こんな所で何をしてるんだい?日和はいいし、じっとしてるには勿体無いんじゃないかな?」 「そうかい、生憎だが小生はこの枷だ。無駄に動けるほど元気じゃないんでね……」 ワルドの言葉に、面倒臭そうに返す官兵衛。それを聞いてワルドが言う。 「ハハハ、つれないなぁ。トリステインの未来を左右する崇高なる使命、それを共にする仲間じゃないか。もう少し仲良くしてくれてもいいだろう?」 ワルドが笑う。しかし、官兵衛はそれに対して一言も言葉を発さなかった。両者の間に沈黙が流れる。 前髪に隠れていたが、官兵衛は視線を鋭くしてワルドを見据えた。 がっしりした長身の体格に、逞しい口ひげ、精悍な顔立ち。だが表情はどこか作り物感があり、視線も冷たさを感じる。 厳しい訓練と出世を勝ち抜いてきた道のりが、その様相を形作ってきたのだろう。しかし。 気に入らないな、つま先から髪の毛の一本まで。 官兵衛はそう思った。 官兵衛のそんな視線を受け止めたワルド。彼は官兵衛に対して、一瞬射るような視線を感じさせたが、すぐにニコリと笑うと、こう切り出した。 「君は伝説の使い魔、ガンダールヴなんだろう?」 その言葉に、官兵衛は首を傾げた。 「あん?何言ってる……」 ワルドの言葉への反応を隠すように、官兵衛はとぼけた。 官兵衛がガンダールヴである事を知ってるのは、今のところ学院長のオールド・オスマンただ一人の筈だ。 それを何故ワルドが知っているのか。ワルドはその理由を喋りだした。 「とぼけるのは止してくれたまえ。君については、悪いとは思ったが調べさせてもらったよ。フーケから尋問したルーンを元にね」 ワルドが得意げに語る。 「トリスタニアの王立図書館は歴史と伝説にまつわる文献が豊富なのさ。そこで君のルーンを調べる末にガンダールヴへと行き着いた。そういう訳さ」 それを聞いて、官兵衛は「そうかい、わざわざご苦労なこった」と返した。 とりあえず、話を聞く限り矛盾は無い。あの騒ぎだ、フーケにもルーンを見られていたかもしれない。 それにワルドも王宮の人間であるからして、珍しいルーンに執着して調べ上げる事に何の疑問も無かった。だが―― 「それで、そんな大層な小生に何の用があるってんだ?」 官兵衛は内に秘めた猜疑心を一先ず抑え、ワルドに尋ねた。するとワルドは。 「あの『土くれ』を捕まえた君の腕を知りたいんだ。手合わせ願いたい」 真っ直ぐな視線で、官兵衛にそう言った。成程、と官兵衛は思った。 「決闘か」 「ああ、そうだね」 またもや面倒臭い事になった。官兵衛はうんざりして首を振った。 「お断りだ」 「どうしてだね?」 ワルドが不思議そうに首を傾げる。 「最初に言ったはずだがな?小生は無駄に動くほど暇でも、体力が有り余ってるわけでもない、と」 官兵衛が立ち上がってワルドに言う。ワルドと官兵衛は丁度同じ背丈であり、視線が交差する。 「それに、小生の実力ならもう見せたがな?コソコソした覗き見じゃあ満足出来なかったか?子爵」 その言葉に、ワルドは目を細めた。ギーシュとの決闘を見ていた事を看破され、若干だが動揺したのだ。 その様子を見て満足した官兵衛は、抜き身のデルフと鞘を引っつかむ。ワルドの隣を抜けようとして呼び止められた。 「逃げるのかい?」 官兵衛の歩みが止まる。 「なんだと?」と官兵衛が振り向かずに言う。 互いに背を向けたままで、会話が続いた。 「魔法衛士隊隊長であるこの僕を前にして、怖気づいたのかい?」 ワルドは口元に笑みを浮かべて続けた。 「仲間の申し出を断り、互いの実力を知ろうともしないとは。 君にとって損な事は無いはずだがね?『本物のメイジ』の実力を推し量る、又とない機会だ」 ワルドは振り向いた。そして振り向かない官兵衛の背に向けて言葉を投げかけた。 「そんな貴重な機会をみすみす棒に振るとは。『伝説』にしては見通しが利かないな、君は。そんなんでこの先の任務を乗り越えられるのかな?」 官兵衛の肩が震え始めた。ワルドは自分の言葉が官兵衛を揺さぶったと見て、益々笑みを浮かべた。 さあ僕の申し出を受けろ、そして怒りのままにかかってこい。その時は、主人の前で恥をかかせてやる。 ワルドはそう思った。しかし、その時だった。 「クックック!」 官兵衛が突如振り返り、わざとらしく笑いだした。 彼は肩を揺らし、口元を妖しく緩めながらワルドを見据えてこう言った。 「ダメだなお前さん。それで小生を誘い込んだつもりか?」 なんだと?とワルドは目の色を変えた。 「そんな安い挑発に乗るほど、小生は甘っちょろくないんだよ」 官兵衛のその目には余裕の色がありありと浮かぶ。 「それに実力を推し量るのに又とない機会だと?そいつは違うな」 官兵衛がワルドに歩み寄る。 そして、やや顔を近づけながら、こう言った。 「これから殺りあう機会なんざ、いくらでもある。違うか?」 低く、唸るような声色だった。 不意なその言葉に、ワルドは息を詰まらせた。頬に一筋の汗が流れる。 官兵衛の視線はうかがえないが、それがかえって圧力を増す。 まるで蛇に睨まれた蛙のごとく、ワルドは固まった。 しばしのにらみ合いが続く。が、数秒の後、官兵衛が笑みを浮かべて遠ざかった。 「冗談だ、子爵……!」 再び忍び笑いをしながら、官兵衛は踵を返した。 ワルドは固まったまま微動だにしない。 そんなワルドを置いて練兵場を出ようとすると、扉の陰からルイズが現れた。 「ワルド?用があるって言うから来たけど。カンベエも一緒?」 ルイズがきょとんとして二人を見比べた。それに対してワルドは何も言わない。 官兵衛は現れたルイズと、彼女が発した言葉から、ワルドの意図を察した。 成程な、と聞こえるように呟く。そして。 「気に入られたきゃあ、花の一つでも摘んでくるんだな。そっちの方が似合いだぞ、子爵!」 官兵衛はそう言い放って、建物の中へ消えていった。 後に残ったのは、状況を飲み込めず疑問符を浮かべるルイズ。それと俯いたまま一言も発さないワルドだけだった。 その夜。官兵衛達は、アルビオンに渡る前の最後の夜だと、一階の酒場で酒盛りを行っていた。 酒の席には全員が揃っている。高級な貴族の食卓だけあって、その様相は上品で静かだった。 ある二人を除いては。 「ご馳走じゃあっ!食いまくってるか?青いの!」 「……美味」 石で出来たテーブルの一角に陣取る、大と小の二つの背中。 ソースがたっぷり塗られた肉にかぶりつきながら、官兵衛はワインをあおる。 ほどほどに租借し飲み込み、こんがり焼きあがった黄金色のパイに手を伸ばす。 それらを平らげると、官兵衛はふう、と腹を押さえながらのけぞった。 官兵衛の隣ではタバサが、なにやら熱心に妖しい香りのするサラダをほお張っている。 ものの十数分で、テーブルの上の食事は大半が消えていた。 そんな二人の食べっぷりを見て、二人の向かいに座ったギーシュがげんなりしたように喋りだした。 「き、君達……よく食べるね」 タバサは答えずサラダをほおばり続ける。官兵衛が代わりに答えるように言った。 「そういうお前さんは随分食が細いな?」 見ると、ギーシュの目前の皿の料理はほぼ手付かず。珍しくあまりワインも飲んではいなかった。 「いらないならもらうぞ?」 「あっ!ちょっと……」 ギーシュの前の食事をひょいと手で取る官兵衛。がつがつと音が出そうな程の勢いでそれを平らげた。 「食べるのに一生懸命なダーリンも可愛いわぁ」 すると、彼の隣に寄り添うキュルケが、がっつく官兵衛を見て頬を染めながらそんな感想を述べた。 「か、かわいい?」 突然の言われ慣れない言葉に戸惑う官兵衛。キュルケがうっとりしながら見るので、官兵衛は思わず食事の手を止めた。 「そうよ?ダーリンったら身体は大きいのに、仕草や態度が子供っぽくてすごいカワイイの」 「こ、子供っぽい!?」 上ずった声が思わず出る。続けざまに自分にふさわしくない言葉が出てくるので、官兵衛は戸惑うばかり。 そのうち、キュルケが官兵衛の顔にそっと手を伸ばしてきた。そして頬についたご飯粒をそっと取ると、フフッと笑った。 「おべんとつけてるわよ?ダーリン♪」 色っぽい仕草で粒を口に運ぶキュルケを見て、官兵衛は僅かながら頬を染めた。 気恥ずかしさを紛らわすように、官兵衛は続きを口の中へとかっ込んだ。 そんな官兵衛の様を見て、ルイズはため息をついた。その後、恨めしげに官兵衛を見やる。 「(なんだ?)」 食事をリスのように頬張りながら、官兵衛はそんなルイズの視線をいぶかしんだ。 「なんだ、ご主人様よ」 官兵衛が耐え切れなくなって話しかける。しかしルイズは。 「……別に」 口を尖らせながら、ぶっきらぼうに一言で済ました。明らかに不機嫌な色をその目に宿しながら。 おかしい、自分が何かしただろうか。キュルケに色目は送られたが。 ルイズの無性に何か言いたげな視線は、とてもではないが居心地の良いものではない。 その時、そういえば、と官兵衛は思い出したのだった。 思えば官兵衛は、トリステイン魔法学院を出てからルイズとほぼ口を利いていない。 それは、学院を出る前の喧嘩のせいもあった。 しかし、ルイズは道中ワルドのグリフォンに跨り、会話に花をさかせていたように見えたし。 それに、宿についても即部屋に泊まり、その間も婚約者と二人きりだ。 婚約を交わした以上、それが普通だろうと思っていたし、そこは官兵衛も気にもとめていなかった。 会話を交わす機会が無いのは仕方なかっただろう。しかし。 「(それで妙に不機嫌なのか?)」 官兵衛は、やれやれとため息をついた。 大方、自分を従者として傍に置いておけないゆえのフラストレーションがたまっているのだろう。 ルイズが食事を済ませ、さっさと上に上がっていく。そんな様子を見て、官兵衛はめんどくさそうに肩をすくませた。 「(まあ、ご機嫌とっておくか。)」 そう胸中で思いながら、官兵衛は階段を上がっていった。 「おい、ご主人」 乱暴にルイズの部屋の扉をノックする官兵衛。 純白に塗りつぶされた扉が、いかにも高貴な貴族の部屋を思わせる。 そんな扉の向こうから、ルイズの返事が返ってくるのに、それほど時間は掛からなかった。 「……カンベエ?ちょっと待って」 官兵衛の声に、意外そうに返答するルイズ。ギイと扉が開き、中から普段の制服姿のルイズが現れる。 ワルドは現在、一階の酒場に居るため、部屋にはルイズ一人だ。 「カンベエ、何か用?」 「何か用があるのはお前さんじゃないのか?」 いつもどうりの気だるげな様子で、官兵衛がルイズに尋ねた。 それを聞くと、ルイズはやや俯いた様子で、部屋から出てきた。 普段と違ったしおらしい様子で、ルイズが言う。ここではまずいから、とルイズは官兵衛の部屋へ行く事を提案した。 官兵衛の部屋で二人は、窓辺に置かれた座椅子に寄りかかりながら話を始めた。 言うか言うまいか悩んでいたルイズだが、やがて意を決したように話し出す。 「昼間、ワルドと何を話していたの?」 ルイズが言うのは、あの練兵場での事だろう。 正直、離れ離れになっていた事を責められると思って身構えていた官兵衛は、肩透かしを食らった。 ルイズが不安そうに尋ねるので、官兵衛は渋々口を開いた。 「何って、ただの世間話だよ。他愛もない話だ」 官兵衛は平静を装う。そしていつも通りのぶっきらぼうな態度で返した。しかしルイズは。 「嘘。あんた、何かいつもと違う雰囲気だったわ」 いぶかしんだ表情で官兵衛を追求した。 「じゃあいつもと違う雰囲気の会話だったんだろうさ」 官兵衛はルイズの指摘にめんどくさそうに、適当に返す。ルイズはますます表情を険しくした。 「じゃあって何よ!どんな会話してたのよ!あんたまさか、ワルドと喧嘩してたんじゃないでしょうね!」 「お前さんにゃ関係ないだろう」 「あるわよっ!!」 ルイズがバンッと机を叩いて立ち上がった。 「あのね!これは姫様から賜った重大な任務なのッ。仲間同士で争ってる場合じゃないの!」 ルイズがまくし立てるように言う。 「ねえカンベエ。あんた私の使い魔でしょう?喧嘩より先にやる事があるんじゃないの?主人の私を気にかけたり――」 「お前さんの大事な婚約者様のご機嫌を伺ったり、か?」 ルイズの言葉を割って、官兵衛が喋りだした。 なっ!とルイズの言葉が一瞬止まる。官兵衛の言葉に、ルイズが顔を逸らして喋りだす。 「ワ、ワルドは関係ないじゃない……」 呟くようにルイズがそう言った。 「だ、大体なによ!彼の何が気に入らないのよ!ワルドは昔からの幼馴染よ! 優しかったしそれに、魔法の才能だって私とは比べ物にならないくらいで――」 そうだ、ワルドは幼い頃からの自分の憧れだった。中庭の小船で泣いている私を、いつも迎えにきてくれた。 そしてワルドと自分の両親の間で交わされた約束。 婚約、それは大好きな人とずっと一緒にいられる、そんな甘い想像だった。 だが月日が経って、とうに婚約など解消されたと思っていた矢先、彼は帰ってきた。そして―― 『ルイズ、この旅が無事終わったら、僕と結婚して欲しい』 昨晩の事だ、ルイズはワルドにプロポーズされたのだ。 嬉しかった。でも、彼女は心に何かが引っかかるのを感じた。 どうしてだろうか、あんなに幼い頃から憧れていた子爵が、自分を求めてくれたのに。 結局ルイズは返事を先延ばしにした。ワルドは優しく、急がないよ、と言ってくれた。 そしてその笑顔が、チクリと胸に刺さった。 彼女は、引っかかって前に進めない自分の心を、整理したかった。 なぜワルドを受け入れる気にならないのか、知りたかった。 誰かに思いを打ち明けることで。そう、ある誰かに―― 「おいご主人?」 官兵衛の言葉が耳に届いて、ルイズははっとした。 目の前を見るとそこに、不思議そうな表情の官兵衛が居た。 「どうした?急に黙り込んで」 ワルドの話をしている途中で急に黙り込んだルイズを、官兵衛は怪しんで顔を覗き込む。ルイズは頭を振った。 「な、なんでもないわよ!」 官兵衛に覗き込まれ、自分の顔が赤くなるのを感じる。頬に手を当て、そっぽを向く。 何故だろう、今の表情を官兵衛に見られたくはない。 そんな思いが彼女の頭いっぱいに広がっていった。 官兵衛は、そんなルイズの様子を見てハァと息をついた。ゆっくりとルイズに問いかける。 「そんなにあの子爵が恋しいか?」 「なっ!違うわ!」 官兵衛の言葉に慌てて顔を上げる。ルイズは困ったような顔をして、官兵衛を見やった。 しかしそんなルイズの態度を肯定ととったのか、官兵衛は続ける。 「ま、そうなるのも当然だろう。子爵は魔法なんちゃら隊の頭だ。 式典の時の声援や装いからも、その人気っぷりが窺える。それに加えて顔も実力も揃い踏みときたもんだ。 お前さんが必死になるのにも頷けるよ」 官兵衛が喋り続けるのを聞いて、ルイズは一言も口が利けない。 「まあ白状するよ。あの子爵とひと悶着起こして悪かったとは思ってる。だが心配いらん、あの子爵はお前さん一筋だよ」 違う、とルイズは思った。 そんな言葉が聞きたいんじゃない、官兵衛の口からはもっと―― 「やめて……」 ルイズが呟く。しかし聞こえなかったのか、構わず官兵衛は喋り続ける。 「安心しろ。小生とどう険悪になろうと、お前さんとの結婚に支障はない」 やめて欲しい、人の気も知らないで、とルイズの肩が震えた。 自分はこの結婚をして良いかどうか悩んでいるのに。 ワルドの気持ちを何故か受け入れられなくて悩んでいるのに。 官兵衛が何かを喋り続ける。 「まあ、小生もお前さんが結婚するまでにはおさらばしてやる。その辺は気に――」 その言葉に、ルイズは弾けたように叫んだ。 「やめてっ!!」 「ッ!?」 ルイズの剣幕に、官兵衛はビクリと肩を震わせた。 ルイズが顔を真っ赤にして、息を切らす。小さな肩が激しく上下する。彼女は立ち上がり、思いのまま叫んだ。 「なによっ!人の気も知らないで!あんたなんかに私の結婚のなにが分かるっていうのよっ! こっちの気も知らないで!適当な事ばっかり言って!」 叫び続けるルイズに圧され、官兵衛は押し黙る。 「そうよ!あんたのせいよ!あんたが私の使い魔だからよ!あんたみたいなのが居るせいで私は結婚に踏み切れないんだわっ! あんたのせい!あんたのせいなんだから!!」 そこまでまくし立て、ルイズはハッとした。自分は何を言っているのだろう。 今、目の前で話をしている官兵衛に何を喚いているのだろう。叫びの所為か、喉の奥がジンジンする。 官兵衛は口を半開きにしたまま、ルイズを見上げていた。彼女の胸中に後悔がよぎる、そして。 「ッ……!!」 叫んだあまり歯止めの効かなくなった感情が、波のように押し寄せてきた。 ルイズはくしゃりと顔を歪めると、わき目も振らず駆け出した。 扉を開け放ち、外へと飛び出す。背後で自分の名を呼ばれたような気がしたが、ルイズは振り向かなかった。 廊下を滅茶苦茶に走る。幾度そうしたか、彼女は自分とワルドが泊まる部屋に辿り着く。 ワルドは戻っておらず、部屋は真っ暗だ。 ルイズは飛び込むように大きなベッドに倒れみ、うつぶせになる。 拳を振り上げ、何度も毛布を叩いた。 叩いて叩いて、耐え切れなくなって、彼女は真っ白いシーツに顔を埋めた。 自分は、あんな事を官兵衛に言うために彼を呼んだんじゃない。 そして、ワルドとの昼間の騒ぎを問い詰めるために官兵衛を呼んだわけでもなかった。 そうだ、自分は相談したかったのだ。官兵衛に結婚の事を、プロポーズの事を。 自分はどうしたらいいか、自分の引っかかってる心は何なのか。官兵衛なら答えをくれるような気がしたから。 それを自分はフイにした。そしてあろうことか、官兵衛の思いやりの言葉を跳ね除けて―― にじむ涙をベッドに押し付けながら、彼女は声を押し殺して泣いた。 時間にして十数分、だが彼女にとっては無限のような後悔の時間が、そっと流れていった。 ルイズがそんな時間を過ごしてから一刻が過ぎた頃だった。 キュルケとタバサ、そしてワルドは、一階の酒場で異様な気配に身構えていた。 月が一つになった闇夜、宿の外はやけに静かだ。 この時間、人通りはまちまちの筈だが、それらが全て払われたかのような静寂。 闇に何かが潜んで、息を殺しているようであった。 どうしたね?とギーシュが三人に尋ねる。 しかし皆は答えず、そっと手で杖の位置を確認する。 互いに目配せし、頷く。その時だった。 入り口の闇から狂うように、無数の矢が飛び込んできたのだ。 「ッ!?」 ギーシュが目を見開いた。タバサが素早くルーンを唱え、風のシールドを作り出す。 弾かれた矢が酒場の天井や床に突き刺さるのを見て、他の客が声を上げた。 「なんだ!?」 「襲撃だああああああっ!」 無数の叫び声が室内に響き渡った。 ワルドが瞬時にルーンを唱える。杖が風の刃と化し、床と一体となったテーブルを切り倒し、盾とした。 削り出しの大理石机に、矢が当たって跳ね返るのを見て、ギーシュは身震いした。 「やっぱり来たわね!」 キュルケがファイヤーボールを唱え、外に向かって放つ。炎弾が闇の一部を照らすと、そこに無数の武装集団が映し出される。 夕べ官兵衛達を襲った、貴族派の刺客。それを思わせる軍団が、ざっと100人以上、そこに構えていた。 「あらまあ、随分沢山のお客さんだこと」 あまりの歓迎ぶりに、キュルケがおどけた調子で言った。 ワルドが矢を逸らしながら喋る。 「貴族派も手が早いな、昨日の今日でもうこれほど兵を集めるとは。何が何でもアルビオンに行かせない気だな」 テーブルの影に身を潜めながら、四人は顔を見合わせた。 「どうするの?敵は多勢、いくらこっちがメイジでも、魔法が切れたら終わり。即突入してくるわ」 「そ、そうなったら僕の新生ワルキューレで!」 ギーシュが薔薇をくわえながら勇む。それを手を広げながらキュルケが言う。 「あなた精神力は?」 ギーシュがうっ、と言葉に詰まった。そして何故知っているんだ、とキュルケに問う。 「だって朝あれだけドンパチしてれば、ねぇ?」 キュルケの言葉に、タバサも頷いた。彼と官兵衛の戦いは、どうやら見られていたらしい。 「ダーリンとの戦いで四体使ったでしょ?あと出せるのは三体。それじゃあ一個小隊も相手になんないわよ?」 ましてや相手はメイジ相手に手馴れた集団だ。先程から魔法の射程外から矢を放ってくる事から、それが窺える。 それを聞いて、ギーシュは静かになった。 「とりあえず、ルイズと使い魔君が気になるな」 ワルドが階上を見上げながら言う。 「ルイズはともかく、ダーリンは大丈夫よ」 キュルケがそんな事を喋ると、ややあって扉の外から轟音がした。 それと同時に、傭兵達の悲鳴が上がり、激しい剣戟の音が響き渡る。 剣戟の音に混じって、聞きなれた怒声が聞こえてきた。 先程から雨あられのように飛んできた矢が、ピタリと止んだ。 「ほらね?」 キュルケがニコッ、と笑いながら言った。 次にととと、と階段を降りてくる軽い足音を聞き、ギーシュがテーブルから顔を出した。 足音の主を見て、一同は声をあげた。 「ルイズ!」 二階に続く階段から、ルイズが汗を流しながら駆けて来た。やんだ矢を見計らって、ルイズがテーブルの陰に合流した。 ワルドがすぐさま彼女の傍に寄る。 「ルイズ、良く無事で」 「ワルド……」 即座に彼女の手を取り、安堵の表情を浮かべるワルド。 そんな最中、ギーシュがルイズに、彼は?と短く尋ねた。 ルイズが外を見ながら言った。 「私は三階から、傭兵が押し寄せるのを見つけて。それで後から駆けつけたカンベエがそのまま飛び降りて傭兵の群れに……」 「飛び降りた?三階から!?」 ルイズの言葉にギーシュが驚き声を上げた。 フライも使えない平民が三階もの高さから跳ぶなど、自殺行為もいいところだ。 それを平然とやってのけ、傭兵の集団に突っ込むなど常軌を逸し過ぎている。 と言う事は、先程外から聞こえた騒ぎは――。 そこまで考え、彼は傭兵集団の方向に目を向けた。 なにやら先程と同じ、聞きなれた叫び声が響いてくる。 だんだんと大きくなり、こちらに近づいてくる音源。 やがて、扉の向こうから大きな人影が転がり込んできた。 「うおおおおっ!」 手枷に鉄球、汚れた羽織。黒田官兵衛が、入口の段差にずっこけそうになりながら現れた。 「カンベエ!」 「ルイズ!無事降りたか!っととと!」 官兵衛がルイズに声を掛けると同時に、再び矢が飛んでくる。 それを転がって避けながら、官兵衛もテーブルに逃げ込んだ。 「ちくしょう!少しは休ませろってんだ!」 間一髪で矢の雨から逃げ切った官兵衛は、小さくごちた。 ワルドが、メンバーが揃った事を目で確認しながら口を開く。 「全員揃ったな、それでは作戦だ」 ワルドの言葉に、全員が顔を寄せ合った。 ワルドの提案はこうだった。 まず数人がこの場に残り、集団を、派手に足止めする。傭兵をひきつけている間に残りが裏口から桟橋に向かう。 船の出港時刻ではないが、ワルドは風のスクウェアメイジなので、船の航行を助ける事が出来る。 それにより船を予定より早く出航させ、敵を振り切ってしまおう。そういう作戦だった。 ワルドの作戦を聞き終えた一同は顔を見合わせた。 タバサが本を閉じ、自分とキュルケとギーシュを指して囮、と言った。 次にワルドとルイズ、官兵衛に桟橋へ、と告げた。 ワルドとタバサの合図で、全員が腰を上げようとした、その時だった。 「駄目だ」 短く鋭い一言が、場の空気を破った。 驚いて全員が振り返る、そこには。 「カンベエ?」 ルイズの使い魔、黒田官兵衛が静かに鎮座していた。 「どうしたの?ダーリン」 キュルケが目を見開いて尋ねる。それに対して速やかに官兵衛が答えた。 「この行軍、危険だ。この場でやり過ごす」 突然の提案に、皆が固まった。しばしの沈黙、我にかえったギーシュがあわてて喋りだす。 「なにを言うかね!こんな時に!」 矢が降りしきる中、彼は焦りながら言った。 「子爵も言っただろう!僕らは囮で、君らは目的地へ!分かれて速やかに作戦遂行しなければいけない時に君は――」 「分断は敵の思う壺だ」 ギーシュの言葉を打ち消して、低いうなるような声色が通る。ビクリと肩を震わせたギーシュが押し黙った。 続けるように官兵衛が言う。 「いいか、敵は大群で奇襲、にもかかわらず裏口の包囲は薄い。明らかに罠を仕掛けてる」 官兵衛の言葉に皆が静まり返った。 「逃げ道を作り、分断させ、出たところを仕掛けて一気に切り崩す。戦の常套手段だ」 ギーシュやルイズ、キュルケさえもその気迫に押し黙った。 「このまま出るのは危険すぎる。明るくなるまで待って桟橋へ向かう」 官兵衛が無表情で言い放った。有無を言わさぬ態度。 それを見ていて、ルイズは驚きを隠せなかった。 今の官兵衛からはいつもの暢気な様子も、気だるげな態度も感じ取れない。 前髪で隠れた表情から、鬼気迫るものを感じる。目の前の人物は本当に官兵衛なのだろうか? そう疑うような変わり様だった。 これまで沈黙を守っていたワルドが口を開く。 「待ちたまえ、使い魔君」 ずいと前へ進み出て、官兵衛と向かい合うワルド。 「君の言う事は推測に過ぎない。危険があるという確証がどこにある?」 静かに落ち着いた様子で、官兵衛を見据える。 その表情は僅かに笑みを浮かべているように見えるが、目元が鋭い。 いつもよりややトーンの低い調子で、彼は喋った。 「いいかね、これは急ぎの任務だ。朝まで待つ?馬鹿げている。そうしている内に目的はすり抜けていくだろう」 王党派は明日をも知れぬ身だ。官兵衛らの到着が遅れれば軍は崩れ、手紙の回収などままならぬ。 さらに言えば、急いで出航して敵を欺かないと、この状況すら切り抜けられないかもしれなかった。 ワルドは語調を強くして言った。 「なあ使い魔君。平民の君にはわからないかもしれないが、こうした状況では半数が目的地に達すれば成功なのだよ。 罠の確証が無い以上、これが最善だ」 諭すような口ぶりである。 「それとも危険が待ち構えているという証拠でもあるのかね?」 尚の事ワルドは問いかける。その鋭い眼光が官兵衛を捕らえる。ギーシュがオロオロしながら、二人を見比べた。 ややあって、官兵衛はゆっくりと言葉を紡いだ。 「証拠は、無い」 否定の言葉がその口から出る。 それを聞くとワルドは、ふぅと肩を下ろした。やはりな、といった表情であった。 「では決まりだ。諸君――」 「だが、確信はある」 ワルドの言葉を遮る官兵衛。それを聞き、ワルドが言う。 「君の確信など当てにならない。何を根拠にそんな事を」 「ここまで襲ってきたのは平民だ。必ず裏にメイジが居て隙をうかがってる」 ワルドの言葉に即座に反論する。ワルドが忌々しそうに口元をゆがめた。 「だからそれも君の推論だろう。その白仮面が待ち構えているとなぜ言えるッ」 ワルドが語調を強める。官兵衛が目を光らせ、冷静に言い放った。 「読みだよ。賭けるに値する読みだ」 二人のそのさまに、ルイズは不安な気持ちを大きくした。 どちらも普段の調子からは予想がつかないほど恐ろしい。 普段暢気な官兵衛は、これ以上なく真剣だし。優しいワルドは、苛立ちを隠せずに居る。 自分の使い魔と、婚約者がいがみ合っている。ルイズにはその状況が嫌でたまらなかった。 「や、やめて」 か細い声でルイズが言う。しかし二人の耳には届かない。 「賭けだと?僕らの使命は博打じゃないッ」 「戦は博打だ。草履か木履か選ぶように動くのが戦だ」 二人の熱は高まる一方だ。 「なにを言うか!平民風情が知った風な口を利くな!」 「平民だろうが貴族だろうが、読み間違えたら一巻の終わりだろうが」 そして、官兵衛の言葉にワルドが勝ち誇ったように言う。 「成程、さては恐ろしいんだな?」 何?と官兵衛が顔を上げた。 「君のそのザマ、その手枷。それではとてもルイズを守り通す事は出来ない」 何を言っている、とばかりに官兵衛が首を傾げる。 「もっともらしい事を言っているが、君はただ恐れているだけだ!万にひとつでも主人を守れない可能性に!」 ワルドが突如手を広げた。 「だから危ない橋を渡らずに無難な選択で乗り切ろうとしている!ふふ、成程ね」 口元に手をやり、短く笑ってみせるワルド。その様子に官兵衛もカチンと来た。 「心配はいらないよ、使い魔君。ルイズは僕が守る。君はせいぜい危なくないよう、こっそり着いてくるがいい」 そんなワルドの言葉に、官兵衛が悪態をついた。 「はん……誇りまみれの箱庭育ちが。お国さんは丸裸だな、こんなヘナチョコが護衛隊長なんだからな」 「何?」 ワルドの顔から表情が消える。そしてゆらりと杖を引き抜いた。 「いま何と言った?」 ワルドに杖を向けられながら、官兵衛が立ち上がる。彼は矢が飛び交う室内で、堂々と屹立すると。 「オラッ!」 その場で豪快にも鉄球を振り回した。暴風を巻き起こし、大量の矢の雨を元の方向へと跳ね返す。 跳ね返って来た矢に、恐れおののいた傭兵達は、射撃を一時中断した。 矢が止んだ室内で、官兵衛はゆっくりとワルドを見下ろす。 そのとてつもない迫力に、口を挟む物は誰も居ない。 官兵衛が言い放った。 「何度でも言ってやる、お前さんはヘナチョコだ。状況も読めず、無謀と勇猛の区別もつかず、挙句の果て女を奪おうと躍起になる」 無表情のワルドの頬が、ピクリと動いた。 「腕っ節と誇りに溺れて、部下や味方は一目散に死に向かわせられる。隊の頭が聞いて呆れる」 官兵衛に突きつけられた杖の切っ先が、わずかに震える。 それを見て、官兵衛は薄く笑った。 「お前さんはなにも掴めんさ。ツキも、勝ちも、惚れた女もな」 息を目一杯吸い込む。そして、大声でワルド目掛けて言い放った。 「そんなんで使命なんざ百年早い!帰って母親の顔でも拝むこったな!」 「貴様ッ!!」 官兵衛の言葉にワルドが激高した。 杖から魔法が飛び出す。昂ぶったワルドの精神力が膨れ上がり、スクウェア以上の風圧が生み出される。 台風と見紛う巨大なウィンドブレイク、それが発動した。 「!!」 暴風が吹き荒れ、壁が根こそぎ持っていかれる。 人が塵あくたのように舞い、どこかへと消えていく。 バーにあった酒瓶や椅子は紙切れのように飛び上がる。 恐るべき光景であった。 数分か数秒か、長いか短いかわからない時間が過ぎる。 ガクガクと震えながら地面に突っ伏していたギーシュが、ちらりと目を開ける。 キュルケも、おもわず伏せていた顔を上げ、それを見やる。 タバサは、飛ばないよう本を押さえていた手をどけた。 風が止み、静寂が訪れる。 彼らの視線のその先には、見るも無残に破壊された宿の入り口。 扉ごと根こそぎ持っていかれた壁は、部屋の三分の一を占めていて、ぽっかりと外の闇を覗かせていた。 入り口に溢れん程にいた傭兵達は、かけらも姿が見えない。ワルドの魔法で、跡形もなく吹き飛んだのだろう。 脅威の威力だった。ワルドが水平に杖を構えたまま息を切らす。 ゼェゼェとその切っ先を虚空に向けている。 そして、その切っ先のすぐ隣に、官兵衛は立っていた。 顔の真横のスレスレを、ワルドの杖が指す。 暴風で乱れた髪を気にするでもなく、官兵衛はその人物を見ていた。 その視線の先には、杖を持ったワルドの腕にすがりつく、桃色の髪の少女。 ルイズが、必死の表情で杖の切っ先を官兵衛から遠ざけていた。 「……ルイズ」 ワルドが無表情でその名を呼ぶ。 肩で息をし、顔面を蒼白にしながらルイズは静かに言った。 「やめて、二人とも……!」 ふるふると小刻みに震えるルイズ。彼女は怯えた表情で、ワルドの行動を押し留めていた。 嫌だった、もうたくさんだった。 憧れの人が、命の恩人が、醜く言い争い、傷つけあう姿が。 ワルドが呼吸を静め、ゆっくりと杖をしまう。吹き飛んだ羽帽子を拾ってかぶり直し、服についた埃を払った。 一方で官兵衛はコキコキと首を鳴らし、周囲を見回す。 女神の杵亭の壁ごといなくなった傭兵集団を確認すると、深くため息をついた。 睨みあう官兵衛とワルド。 ルイズがその間に入り込むと、両手を広げて二人を制した。 ワルドのほうを向きながら、ルイズは強い眼差しで訴えかける。 その美しい鳶色の瞳に見据えられたワルドは、息を吸って、官兵衛に向けてこう言った。 「この僕を侮辱した事。ここは僕の婚約者、ルイズに免じて受け流そう」 それを聞くと官兵衛は、つまらなそうに鼻をならした。 そんな官兵衛をルイズが睨みつける。主人の視線を受けて、頭をぽりぽり掻きながら、官兵衛は歩き出した。 「ルイズ」 官兵衛を見つめるルイズの背中に、唐突に声がかけられる。 見ると先程から一変、やわらかい優しげな表情に戻ったワルドが、彼女の後ろに立っていた。 そして真剣な眼差しで、こう言った。 「これからどう行動するか、君が決めてくれ」 えっ、と呆気に取られるルイズ。彼女の肩にやさしく手がかかる。 「君はこの任務の第一人者だ。僕よりも、彼よりも、行く道を決める権利がある」 ルイズは困り果てた。先程言い争っていた行動を、自分が決めるのだ。 それは、どちらかを選んで、どちらかを選ばない。そういう事だ。 ちらりと横目で官兵衛を見やるルイズ。 偶然にも官兵衛と目が合うと、その目は好きにしろ、と物語っているように思えた。 自分が決めるしかない。彼女は意を決して、口を開いた。 「桟橋へ、ただし行軍は皆で行くわ。何が待ち構えているかわからないから慎重に!」 強い口調で言い放つ。それは、官兵衛とワルドの案を考慮した、譲歩案だった。 どっちつかずとも取れる決定だったが、キュルケをはじめ、ギーシュ、タバサも納得したように頷いた。 全員が、壊れた壁を通り抜けて外へ出る。ガレキの山を踏み越えながら、一同は桟橋を目指した。 「はあ……まったく一時はどうなる事かと」 ギーシュが顔を蒼白にしながら、ようやく口を開いた。 隣を悠々と歩く、キュルケとタバサ。二人は先程の事など何も無かったかのように振舞いながら、目的地を目指していた。 「なあ、君達?」 ギーシュの声かけに、無言の二人。 「なあって!」 そんな二人にしつこく話しかけ続けるギーシュ。 「なぁによ、うるさいわね」 面倒くさそうにキュルケが口を開いた。しかし気にした素振りもなく、ギーシュは喋りだす。 「彼らさ、カンベエと子爵。一体どっちが正しかったのかな?」 歩きながら、ギーシュはそんな事を口にする。それを聞くとキュルケは、下らなそうに手を振った。 「知らな~い。ああいった言い争いに興味はないわ」 「でも、もしかしたら僕らの生死を左右するかも!考えておいて損はないだろう!?」 しつこく食い下がるギーシュ。しかしキュルケは、やれやれと肩をすくめるとこう言った。 「あのねえ、あの二択はもう終了したの。今はあの子の計らいでこうして歩みを進めている訳だし、ほじくり返す必要ないの。おわかり?」 「うっ!まあ確かに、そう、だけど……」 しょんぼりするギーシュに、さらにキュルケが言う。 「下手にほじくり返して、またあの二人が決闘!なんて事になったら困るでしょ?」 本当、男って子供なんだから、と付け足すと、彼女は足早に歩き続ける。 ギーシュはやきもきした気持ちのまま、彼女の後を着いて行ったのだった。 「(でもまあ、ダーリンの策だったら別に何でもいいかも)」 彼女の内心思ってる事は露知らずに。 闇夜の中、桟橋である大樹ユグドラシルを見渡す家屋の屋上に、四人の影があった。 一人は長身で杖を下げ、白い仮面をつけた男。そして残り三人。 「ようやくか」 「待たせるな」 「全くだ」 それぞれが思い思いの言葉を発する。 三人は重い甲冑を一様に着込んでおり、動くたびにガチャガチャと音が鳴り響く。 その甲冑は白と黒で彩られた風変わりな物であった。 そして顔には、ドクロを思わせる白色の惚面をつけており、三者とも目元のみしか判らない。 さらには武器である。 一人はその手に、東方から伝わる剣、太刀を。 二人は身の丈以上ある薙刀を、それぞれ携えていた。 そんな奇妙な出で立ちの三人は、かちゃりかちゃりと、不気味なまでにリズミカルに得物を鳴り響かせる。 鋭い眼光を隠そうともせずに、仮面の貴族と向き合っていた。 「よいな。予定は狂ったが、手筈どおり邪魔者を消せ。俺は土くれを探す。はっ!」 仮面が合図のように跳躍する。すると、重い甲冑を纏ってるにも関わらず、三人も高々と跳躍した。 重なりし月をバックに、四のシルエットが浮かび上がる。 そして音無く着地した四つの質量は、屋根づたいに駆け出した。 背後を一糸乱れず着いてくる三人を見て、仮面の貴族はほくそ笑んだ。 仮面は三人を一瞥すると、激を飛ばした。 「行け、死神共!その刃に血を存分に吸わせ、事を成せ!さあ行け!」 そういうと、三人は恐るべき速度で地を駆け、まっすぐにユグドラシルに向かって行った。 「行け、ミヨシ……三人衆」 仮面がその背中を見て、静かに呟いた。 必殺非業 三好三人衆 暗躍 前ページ次ページ暗の使い魔
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前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第50話 帰ってきたタバサ 高次元捕食王 アークボガール 深海竜 ディプラス 根源破滅天使 ゾグ(幻影) 登場! 「間もなく、セレファイス海溝深度八千メートル。高山さん、藤宮さん、もうすぐですよ」 「これがリナールの海底都市……なんて神秘的な」 「藤宮は、見るの初めてだったね。僕も、もう一度ここを訪れられるとは思わなかった。本当に美しい……でも今回は、この先に行かなきゃいけない」 「見えました! 高山さん、あれに間違いありません」 「以前ガクゾムが通ってきたワームホールの残り。あの奥に、破滅招来体の最後の残党がいる。藤宮、準備はいいかい?」 「いつでもいい。あのワームホールは、セイレーンが通るにじゅうぶんな広さと安定性を持っている。あとは、リナールの光が俺たちを導いてくれる。破滅招来体の隠れ家へ、そして……この子の故郷へな」 「……」 「どうしたの? 帰れるのに、うれしくないのかい」 「違う、私は帰る。帰らなきゃいけない。それより、あなたたちこそ本当にいいの? わたしたちの世界に来れば、わたしたちの世界の問題に関わることになるかもしれない」 「わかっているよ。それでも、破滅招来体によって滅びようとしている世界があるなら、僕らは見過ごせない」 「破滅招来体は恐ろしい敵だ。ありとあらゆる方法を使ってやってくる。しがらみのことなら気にするな、だからこそ向こうに渡るのは俺と我夢だけでG.U.A.R.D.は表向き関与しない。感謝するなら、あのコマンダーにすることだ」 「ありがとう、あなたたちにはそれしか言えない」 「かまうな、俺たちも君にはいろいろ助けられた。それより、いよいよ境界線を越えるぞ」 「これがワームホールの中。エアロヴァイパーと戦ったときの時空間を思い出すけど、向こうからの呼びかけがなかったら完全に異次元の迷子になるところだ。帰りのために、しっかり記録しておかないと」 「高山さん、前方から妙な信号が入ってます。そっちで分析できますか」 「は、はい! こ、これは音声……話し声?」 「この声……キュルケ!?」 「ワームホールを抜けます。前方に大型の金属反応、ですがエネルギーは微弱。船が沈没しているようですよ!」 「向こうに回線をつなげますか?」 「やってみます。こりゃすごい水の音、浸水しているようです。おそらく、向こうはもう」 「キュルケ! そこにいるの? キュルケ!」 「ちょ、タバサちゃん落ち着いて! えっ? これはテレパシー? 誰だ、僕に話しかけてくるのは」 「俺にも聞こえる。水の精霊? そうか、お前がこの世界のリナールの同族か。なるほど、こちらの世界の事情はだいたい理解した。我夢」 「わかってる。横谷リーダー、さっそくですが行ってきます。僕の荷物も持って行きますので、よろしくお願いします」 「了解です。ケーブル切り離し、セイレーンはこのまま離脱。では、幸運を」 「ありがとうございます」 「キュルケ、返事をして! わたしはここ、ここにいる!」 「タバサちゃん、落ち着いて。心配しないで、僕らが君をあそこに連れて行く。藤宮、いくよ!」 「おう!」 高山我夢と藤宮博也。大地の力と海の力を与えられた二人がタバサの手を取り、その手に与えられた光を掲げた。 「ガイアーッ!」 「アグルゥーッ!」 エスプレンダーとアグレイターが輝き、XIGの潜水艇セイレーン7500の中から三人の姿が光と共に消え去る。 ワームホールを背に、東方号を赤と青の輝きが照らし出す。その光から現れる二人の巨人、ウルトラマンガイア、ウルトラマンアグル。 ふたりのウルトラマンは沈没中の東方号を下から持ち上げると、そのまま上昇を始めた。 水中では浮力が働くとはいえさすがに重い。しかし一度勢いがつけば、東方号は押されるままにぐんぐんと浮上していった。 しかし、このままでは水上に着く前に中の人間たちの息が尽きてしまうだろう。だが、そちらにはキュルケたちが心から待ち望んだ仲間が助けに駆けつけていたのだ。 「キュルケ、水を吐いて、息を吸って。大丈夫、もう空気はあるから」 「タバサ、ほ、本当にタバサなの?」 「うん、間に合ってよかった。久しぶり、キュルケ」 窒息寸前のところで息を吹き返したキュルケの前に、見慣れた懐かしい顔がかがんでこちらを見つめていた。 短く刈りそろえた蒼い髪。顔の割に大きなメガネに、小柄な身の丈に合わない大きすぎる杖。服装こそ、グレーとブルーを基調としたジャケットのようなものを着ているけれど、その幼げな顔立ちと雰囲気は間違いなくキュルケにとってよく見慣れて、そしてもう一度直に見たいと願い続けてきたタバサのそれそのものだった。 「タバサ……ああタバサ、夢じゃないのね。わたし、あなたの助けになるつもりが、あなたの足手まといになってばかりで。ごめん、ごめんね」 「キュルケ、そんなことはない。キュルケが呼んでくれたから、わたしは帰ってくることができた。ありがとう」 水の引いた耐圧区画の中で、キュルケとタバサは固く抱きしめあった。ガイアの力で東方号内にテレポートしたタバサが、セイレーンから持ち込んだ空気ボンベに風の魔法をかけて空気を作ったのだ。 浸水もガイアのバリアーで守られているおかげでない。溺れかけていた面々も、床でカエルのように伸びているドゥドゥーを除いて全員息を吹き返した。 「でもタバサ、いったいどうして?」 「ごめん、話は後にして。ハルケギニアがどうなってるのかはわたしも水の精霊から聞いた。みんなが、ハルケギニアのために頑張ってる。だから、わたしも帰ってきた。彼らの助けを借りて」 「彼ら……ウルトラマン!?」 「そう、ウルトラマンガイア、ウルトラマンアグル。わたしの迷い込んだ世界で、根源的破滅招来体と戦っていたウルトラマン」 驚くキュルケたちの前で、タバサは誇らしげにふたりのウルトラマン、ガイアとアグルを見つめた。 いったい、異世界でタバサに何が? いや、それはタバサの言うとおり後で聞けばいいとキュルケは思った。自分たちにさえ、これだけ色々なことが起きたのだ。タバサはそれ以上の体験をしてきた、それだけのことだろう。 ふたりのウルトラマンに持ち上げられて、東方号はぐんぐんと上昇していく。水の精霊の都はあっというまに見えなくなり、あれだけ深く思えた大水崖もすぐに裂け目が見えてきた。 しかし、東方号ほどの大きさの物体を奴は見逃しはしなかった。 「ソナーに反応!? あの怪獣、また来るわよ」 ティラが叫ぶ。一度は撃退されたディプラスが、性懲りもなくまた襲ってきたのだ。 水中を蛇行するように高速で突進してくるディプラスの姿が見える。「まずい!」、ファーティマが叫んだ。今度攻撃を受けたら東方号は終わりだ。 だが、ディプラスの接近はガイアとアグルもとっくに気づいていた。アグルはいったん東方号をガイアにまかせると、接近してくるディプラスのほうを向き、指先から白色のエネルギー弾を放った。 『アグルスラッシュ!』 エネルギー弾はディプラスの頭に当たってスパークし、ディプラスは激しく首を振り動かして苦しんだ。 しかしディプラスはダメージを受けながらも、まったく躊躇することなく東方号を狙ってくる。アグルとしては、今の威嚇で退散してくれればよいと思ったのだが、そう願えないのであれば是非もないと、さらに強力なエネルギー弾を投げつけた。 『リキデイター!』 青い光弾はディプラスを今度は粉々に打ち砕き、破片を湖の中に散乱させた。 すごい、コルベールやファーティマは息を呑んだ。あの怪獣をたった一撃で倒してしまった……いや、このくらいで喜んではいられない。本当に倒すべき敵は、この上にいる。 ガイアとアグルに支えられて、水面がすぐそこに見えてきた。さあ、いよいよ悪党どもに目にものを見せてやるときだ。 そう、すべてをひっくり返すときが来たのだ。 ラグドリアン湖の湖畔で続く死闘は、アークボガールの完全勝利に終わろうとしていた。 「これまでだな。さあ、我の胃袋がお前たちを待っているぞ。寂しがることはない、すぐにこの星の生き物たちもまとめて後を追わせてやろう」 「まだまだ、勝負はこれからだっ!」 捕食器官を開いてヒカリとジャスティスを飲み込もうとするアークボガール。ふたりはカラータイマーの点滅が限界に来ながらもなお抗うが、もう数秒も経たずに飲み込まれてしまうだろう。 もうダメなのかっ? 戦いを船上から見守っていたベアトリスやギーシュたちは、自らの無力を嘆き、始祖と神に祈った。 この世に奇跡というものがあるなら、それは今こそくれ! しかし、神は奇跡を起こさない。奇跡を呼び込むのは、常に人の努力に他ならない。 そのとき、黒い空を映して墨のような水面をたたえていたラグドリアン湖が、金色のまばゆい光を放って輝き始めたのだ。 「な、なんだこれは!?」 湖上のギーシュたちだけでなく、輝きに目を焼かれてアークボガールもうろたえる。 いったい何が? その答えは、水柱とともに彼らの眼前に現れた。 「ジュワッ!」 「トゥワッ!」 水面に浮き上がってくる東方号と、それが起こした大波が彼らの乗る小船を翻弄する。 だが、彼らの誰もが振り落とされそうな揺れも、頭から降り注いでくる水も気にしてはいなかった。そんなものよりも、彼らは東方号に続いて現れたふたつのシルエットに釘付けになっていたからだ。 「ウルトラマンだ!」 ガイアとアグルのふたりの雄姿。それは、彼らから絶望の二文字を消し去るのに十分すぎる威力を持っていた。皆が空を指差し、声を限りに叫んで喜ぶ。 東方号は浅瀬に座礁して止まり、彼らの見ている前でふたりのウルトラマンはアークボガールの前へと着地した。激震とともに、ガイアとアグルの足元の土砂が舞い上がり、すさまじい重量感に、まるで大地と大気が呼応するかのようだ。 「き、貴様らは!?」 想像もしていなかったガイアとアグルの登場に、アークボガールの口から動揺を隠せない声が漏れた。 ガイアとアグル、このふたりがハルケギニアに姿を現すのはこれが初めてで、当然アークボガールも彼らのことは知らない。もちろんベアトリスやギーシュたちもだ。ヒカリとジャスティスでさえ、見も知らぬウルトラマンの登場に戸惑ったが、ガイアは彼らに対して落ち着いた声色で告げた。 『はじめまして、後はまかせてください』 『君たちは?』 『話は後で、安心してください。僕らも、ウルトラマンです』 短いが、確かな信頼がガイアの言葉には込められていた。ヒカリとジャスティスは、バトンを渡すときが来たことを悟って後ろへと下がる。彼らが何者であろうと、信じることからすべてが始まる。 しかし、たったひとり、ウルトラセブンことモロボシ・ダンだけは、彼らを見るのが初めてにも関わらずに既視感を覚えていた。 「彼らは……」 M78星雲出身のセブンはガイアとアグルを見たことはない。だが、頭のどこかで懐かしいという思いを感じている。 そうか、メビウスの言っていた、これがそうか。 ダンは既視感の意味を悟り、うなづいた。そんなダンに、ギーシュが興奮して詰め寄ってくる。 「あ、あれが、あなたの兄弟? ウルトラ兄弟なんですか!」 「いや、違う。だが、違っていない。別の世界の、もうひとつの兄弟たちだ」 「は、はぁ?」 ギーシュは意味がわからないと戸惑うが、ダンの表情には彼らは仲間だという確信があった。 なるほど、詳しいことはわからないが、異世界への門へたどり着いたことは無駄にはならなかったらしい。ダンは、ともすれば自分が彼らを死地に送り込んでしまったのではないかと心苦しさを感じていたのだが、彼らは見事に自分の想像を超えた結果を呼び出してくれた。 若者たちのパワーはすばらしい。かつてのレオも、ひよっこだったときから見る見るうちに自分の助けがなくとも地球を守れるまでに成長したものだ。 着地し、態勢を整えるガイアとアグル。そして、ガイアは脇に抱えていたコンテナを放り投げた。セイレーン7500が牽引してきて、ガイアがここまでいっしょに持ってきたのだ。すると、コンテナは空中で変形してXIGの戦闘機ファイターEXの姿となって飛び上がった。 『PAL、具合はどうだい?』 『良好です。我夢、ファイターEX、すべて問題ありません』 『よかった。なら、そっちのほうは君にまかせる。頼んだよ』 『了解』 ガイアはファイターEXのAIである人工知能プログラムPALに指示を出すと、アグルとともにアークボガールに向かい合った。ファイターEXはジェットを噴射すると、PALによる無人操縦であっというまに飛んでいった。 あの方角は……ギーシュたちは、ファイターEXが飛んでいった方向を見ていぶかしんだ。あっちに飛んでいって行き着く先といえば、まさか。 だが思考をめぐらせている時間などはなかった。アークボガールがガイアとアグルに対して、ついに敵意をむき出しにしてきたのだ。 「なんだ、お前たちは?」 「お前の敵だ」 アークボガールの問いかけをアグルが一言で切り飛ばす。もとよりアークボガールにとって、自分以外の生物はすべて敵か餌かのどちらかなのだ。 たとえ言葉が通じたところで狼と羊が仲良くすることなどない。ミツバチとスズメバチが隣り合って巣作りをすることなどない。生態としてそうなのだ、ボガールは知性を持った食欲の権化であり、形を持った生存競争なのだ。これを前にしたとき、他の生物がとるべき道は、戦う以外にはない。 避けることのできない戦いの火蓋は、ついに切って落とされた。 足元から土砂を噴き上げるほどに荒々しく大地を蹴ってガイアとアグルが駆ける。対して、アークボガールも新たなウルトラマンたちが容易ならざる相手だということを肌で察して、真っ向からふたりを迎え撃った。 「デヤアアッ!」 正面から激突する二大ウルトラマンとアークボガール。巨大な太鼓を鳴らしたような激震が大気を揺さぶり、見ている者の顔をひっぱたいた。 組み合う三者。なんと、ガイアとアグルのふたりを持ってしても、アークボガールは押し負けずに受け止めたのだ。 「グフフ、バカめ。その程度のパワーで、我を止められるわけがなかろう」 「どうかな? ガイア、いくぞ!」 「おう!」 アグルとともに、ガイアはさらに力を込めた。すると、アークボガールの巨体がズルズルと後ろに押されだしたではないか。 「な、なんとぉ!?」 自分が力負けしているということにアークボガールは驚愕する。だが、こんなバカなと思っても、ガイアとアグルはアークボガールを押し続け、そのまま掬い上げるようにして地に叩きつけた。 「ぐぅぅ、おのれぇ!」 地を這わせられた屈辱から、アークボガールは怒りを込めて立ち上がってくる。 が、ガイアとアグルの攻撃が先手を打った。アグルのキックがアークボガールの腰を打ち、ひるんだところにガイアのパンチのラッシュが決まる。 やる! あの悪魔のような怪獣を押していると、銃士隊から感嘆の笑みがこぼれた。だが、アークボガールはそんなに簡単に負けてくれるような敵ではない。 「なめるなぁ!」 アークボガールは叫ぶと、全身から強烈なエネルギーの波動を放射してガイアとアグルを吹っ飛ばした。 「ウワァッ!」 「ヌワッ!」 弾き飛ばされたガイアとアグルは背中から地面に叩きつけられる。アークボガールは、そこに間髪いれずに赤紫色のエネルギー弾を連発してきた。 まるで池に次々に石を投げ入れて水しぶきをあげるように、ガイアとアグルの周囲にエネルギー弾の炸裂する火柱が無数に立ち上がる。 「ウルトラマン!」 炎の中に飲み込むようなすさまじい爆発の嵐に、ギーシュたちから叫びがあがる。 しかし、ガイアとアグルは確かにダメージは受けながらも、冷静に反撃の機会をうかがっていたのだ。 爆炎が逆にめくらましになるのを計算して、アグルがガイアの後ろに配置すると、ガイアは手を前に掲げて回転する円状のエネルギーシールドを作り出した。 『ウルトラバリヤー!』 強固なエネルギーの盾は、ガイアとアグルへの直撃コースの攻撃をすべて受け止め防ぎきった。 だがむろんそれだけではない。ガイアのバリヤーで安全が確保されたアグルは、アークボガールの虚をついて垂直に高くジャンプすると、そのまま超高速での飛び蹴りを食らわせたのだ。 「テヤアァッーッ!」 弾丸のようなスピードでアグルとアークボガールのシルエットが交差したと思った瞬間、アークボガールの広げた捕食器官の右半分が粉々に吹き飛んでいた。 「よし、これで奴はもうまともにものを食うことはできない」 ダンが、アークボガールの能力の半分がダウンしたことを確信してつぶやいた。まだ半分しかつぶしていないと見ることもできるが、どんな食いしん坊でも口の中にでかい口内炎ができていたら満足に食事ができないのと同じだ。 しかし喜ぶのは早い。アークボガールの戦闘力はまだ衰えていないし、時間をかければ奴はこの程度の傷は再生してしまうだろう。 つまり、攻めるなら今だ。ガイアとアグルはアークボガールを挟み撃ちにして、それぞれ額を輝かせ、必殺の一撃を同時に撃ちはなった! 『フォトンエッジ!』 『フォトンクラッシャー!』 ガイアの額から放たれる赤白の光芒と、アグルの額から放たれる青白の光芒がアークボガールの前後から炸裂した。 爆発が起こり、アークボガールから苦悶の声があがる。 「うぬぅ、貴様らぁ!」 傷の痛みと怒りと恨みの叫び声。だがそれは、奴自身がこれまで食い散らかしてきたものたちの断末魔を自分で再現しているということだ。 食べるということは神からすべての生命に与えられた権利であるが、暴食は神から禁じられた罰となる。 ただし神は罰を下さない。罰を下すのは天、そして天とは、めぐりめぐった因果のこと。アークボガールを下すのは、奴自身が招いた敵という因果だ。 なおも倒れないアークボガールに対して、ガイアとアグルは再度接近戦に打って出た。コンビネーションを活かし、パンチとキックが次々に決まる。アークボガールは、ガイアに対抗しようとすればアグルに攻撃され、アグルを打ち払おうとすればガイアの一撃を食らうという悪循環に陥って、思うように立ち回ることができない。 だがガイアとアグルは油断してはいない。フォトンエッジとフォトンクラッシャーのダブル攻撃を受けてなお、アークボガールにはまだ余力が十分に見える。まだ形勢はどう動くかわからない。 戦いはガイアとアグルが押しているように見えて、実はようやく互角の状況といえる。そして、アークボガールはさすがのタフさでふたりの攻撃を耐え続けた上で、ついにふたりの動きを見切ることに成功した。 「食らえ!」 「ヌワッ!」 「ウオワッ!」 アークボガールはタイミングを見計らって身をよじり、同時に左右に腕を振り下ろすことで一気にガイアとアグルをなぎ倒した。 重い一撃を受けて、ガイアとアグルは湖畔の木々を巻き込んで倒れこむ。やはり、腕力ではアークボガールのほうに分があるし、奴も戦闘経験から学習する。 「調子に乗りおって、倍返しにしてくれるわ!」 怒るアークボガールの猛攻が始まった。太い足でガイアを蹴り上げ、巨大な爪でアグルを切り付けて火花を散らさせる。 ガイアとアグルも抵抗しようとするが、コンビネーションを崩された状態ではアークボガールのパワーには対抗するのは難しかった。アークボガールは、これまでの仕返しとばかりに徹底して痛めつけにかかってくる。 危ない! と、ギーシュたちは悲鳴をあげた。新しいウルトラマンの力でも、あの悪魔に勝つことはできないのか? 空腹のアークボガールは、自身の怒りをコンロの炎にして、ふたりのウルトラマンを美味しく調理しようとしているかのように炒め続ける。 その様子は、座礁した東方号からでもありありと見えた。立ち上る砂煙、紙くずのように吹き飛んでいく立ち木、それらの中で苦戦を強いられているガイアとアグルを甲板で寒風にさらされながら見て、キュルケやコルベールは歯噛みをしていた。 「なんて強い奴なの……」 数えればウルトラマン五人分と相手していると同じだというのに、奴にはかなわないというのか。彼女たちは、アークボガールが宇宙大皇帝の側近であったことを知るべくもないが、キュルケだけでなく誰もがこれまで見てきた中でも跳び抜けて強いアークボガールに、畏怖の念さえ抱いていた。 だが、この中で恐れていない者がひとりだけいる。土佐衛門状態で気絶したまま艦内に置いていかれているドゥドゥーを除けばただひとり、タバサがキュルケの手をつないで言った。 「大丈夫、あのふたりは……あんな奴より、ずっと強いから」 「タバサ……」 キュルケは、「あなた、いったい向こうの世界でなにを見てきたの?」と問い返そうとして思いとどまった。タバサの目は確信と、ふたりのウルトラマンに対する信頼に満ちている。 自分がタバサと別れてから今日までの時間、タバサも同じだけ異世界で過ごしていたとしたら、タバサはどれだけのものを見聞きしたというのだろう? そう……きっと、このタバサは自分の知っているタバサとはまるで別人なくらいに成長しているのに違いない。 少し寂しいわね、とキュルケは心の中で思った。タバサを助けてあげるために強くなったつもりだったが、タバサも天井知らずに成長を続けている。守ってあげる必要などないくらいに。 でも、きっとそのほうがよいのだろう。タバサが自分の腕などで支えないでもよいくらいに大きくなれば、きっと多くの人たちの助けになるはずだから。 なら、自分のすべきことはひとつ。タバサの成長を見届け、喜んであげることだ。これから先のタバサとの友情の答えは、きっとそこにあるはずだ。そのためには、タバサの言うとおりに、あのふたりのウルトラマンを信じることだ。 「きっと勝つ、そうよね」 戦いはまだ終わっていない。希望を託したならば、最後まで勝利をあきらめてはいけない。それがせめてもの責任だ。 アークボガールの攻撃は容赦を知らず、途切れることなく続いている。だが、アークボガールがガイアとアグルを観察していたように、ガイアとアグルもまたアークボガールのパターンを観察していた。 生き物である以上、動きにはどうしても癖が出る。まして向こうは怒りで半狂乱だ、パターンを絞り込むのに多くはいらない、そうら……ここだ! 「デヤァッ!」 奴の攻撃の前の一瞬の溜めを狙って、ガイアとアグルは同時にキックを打ち込んだ。攻撃前の瞬間に一撃をもらい、アークボガールは体勢を崩してよろめき、逆にガイアとアグルは態勢を立て直す。 だが、アークボガールもそうはさせじと、自身も体勢を立て直すよりも先にエネルギー弾を連打してきた。狙いは甘くても、数を撃てばそんなことは関係ないとばかりの弾幕が襲い来る中、アグルはその身をそのまま使って攻撃を受け止めた。 『ボディバリヤー!』 肉体そのものを盾とする荒々しい防御技の前に、アークボガールのエネルギー弾がはじかれていく。そしてアグルは攻撃を受け止めながら、胸のライフゲージを中心にしてエネルギーを両手を広げながら集め、それを渦を巻く青いエネルギー球へと圧縮して投げつけた。 『フォトンスクリュー!』 アグル必殺の超エネルギー弾が正面からアークボガールに炸裂する。だが、驚くべきことにアークボガールはフォトンスクリューのエネルギーさえも我が物にしようと胸から吸収しだしたのだ。 「ファハハ、わざわざ我に馳走をくれるとは、感謝するぞ!」 強力なエネルギーを手に入れられると、アークボガールの勝ち誇った声が響く。 しかし、実はこれはアグルの計算どおりだったのだ。アークボガールといえども、フォトンスクリューのエネルギーを食い切るにはわずかだが時間が必要だ。その隙に、こちらの切り札を見せてやる! 「ガイア、変身だ!」 「おう!」 アグルの呼びかけで、ガイアはアグルと並ぶと、気合を込めて両腕を頭上に掲げた。 刹那、ガイアから光がほとばしり、ガイアは腕をライフゲージの前から横に広げ、その全身を金色の光が包んでいく。 地球からガイアに与えられた光の力。それを最大限に高めることで溢れ出した輝きが見るものを照らし出し、その優しくも力強い光にタバサは勝利を確信して言った。 「ガイアが、変わる」 輝きの中でガイアの姿がよりたくましく変化し、その身に海の力のシンボルである青い色が加わる。そして変身の完了したガイアは、大地を踏みしめ雄雄しい姿を現した。 『ウルトラマンガイア・スプリーム・ヴァージョン!』 パワーを全開にしたガイアの真の姿に、見守るうちから歓声があがった。 そうだ、ここからが本当の勝負だ。意気上がる人間たちとは反対に、アークボガールは「こけおどしを」と吐き捨てるが、それはこれからわかることだ。 大地を揺るがし、ガイアとアークボガールが再び激突する。アメフト選手のぶつかりあいを数千倍にしたかのような衝撃が生まれ、両者はがっぷりと組み合った。 「ぐぅぅ、くっ!?」 一瞬で、アークボガールはガイアの力がこれまでとは違うことを悟った。こいつは見掛け倒しなどではない、こちらも全力を出さなければ対抗できない。 だが、アークボガールは見誤っていた。ガイアの全力はここまでではない、これからなのだ! 「デヤァァァッ!!」 「な、なんだとぉ!?」 ガイアの掛け声とともにアークボガールの巨体が宙に浮いた。ガイアのパワーはアークボガールを吊り上げて、そのまま後ろに倒れこむ形で奴を頭から地面に叩きつけた。 激震、人間だったら確実に首の骨が折れているであろう衝撃がアークボガールを襲う。むろん奴はしぶとく起き上がってガイアへの逆襲を計ろうとしたが、ガイアの攻勢はまだ始まったばかりであった。 反撃に出ようとしたアークボガールの胸にガイアのスプリームキックが炸裂してよろめかせ、体勢を崩したところに体をつかんで持ち上げ投げる! 『スプリームホイップ!』 回転して背中から地面に投げ出され、アークボガールの骨格がきしむ。もちろんそれで終わりということはなく、ガイアは今度は起き上がろうとするアークボガールの首根っこを掴んで放り投げた。 「デエヤアッ!」 「うがあっ!」 受身をとることもできずに投げ出され、アークボガールは全身を強打して苦悶の声を漏らした。 ガイアの攻撃は止まらない。起き上がろうともがくアークボガールの後頭部にかかと落としを食らわせて倒すと、首根っこを締め上げながら持ち上げて、そのまま自分の体重も含めて奴の頭を地面に叩きつけた。 『スプリームフェイスクラッシャー!』 壮絶な力技の炸裂に、ラグドリアンの湖水すらも震えて波打つ。だが波に翻弄されながらも、船上で見守るギーシュたちの顔は明るい。 すげえ、あの怪物に完全にパワー勝ちしているぜ! 思いっきりやっちまえーっ! 少年たちは口々に歓声を喉から搾り出し、目の前で繰り広げられるウルトラマンガイアの活躍にしびれた。 ガイアの攻撃はとどまるところを知らない。強烈な一撃、スプリームパンチがアークボガールの皮膚を超えて内蔵まで打ちのめし、奴の爪とガイアのチョップがぶつかり合って爪のほうが真っ二つにへし折られる。 パワーとスピード、さらに技法が加わったガイアの攻撃は圧倒的だ。だが銃士隊の面々はガイアの強さに、ウルトラマンだからというだけではない何かを感じ取っていた。 「そうか、彼も私たちと同じ……」 力に頼るのではなく使いこなすからこその強さ、ガイアの変身者である我夢は任務の合間に地道なトレーニングを重ねてきており、その自信がガイアの強さを支えているのだ。 ガイアのバックドロップがアークボガールにまたも土をなめさせ、体の内部からダメージを浸透させていく。 さらに、アグルも負けてはいない。ガイアに投げ飛ばされたアークボガールの尻尾を掴んでジャイアントスイングのように振り回して放り投げると、さらに駆け寄って腕を掴んで投げ飛ばしたのだ。 『アグルホイップ!』 ガイアのものに劣らずの勢いで投げ飛ばされ、地響きとともにクレーターの底でアークボガールはもう全身砂埃まみれだ。 強い! 本当に強い! キュルケは、タバサの言ったことが間違っていなかったことを確信した。これまでいろんなウルトラマンの活躍を見てきたけれど、あんな豪快な戦いぶりは初めてだ。 「きゃーっ! きゃーっ! タバサすごいすごーい! 見てみて、どっかーんって、ずどーんって!」 「キュルケ、重い……」 調子が上がるとやや我を失ってしまうのが微熱のキュルケの面倒な性だ。特に今回はタバサが帰ってきてくれた喜びも合わせて、タバサに抱きついて子供のようにはしゃいでいる。 さあ、そろそろクライマックスだ。ガイアはアークボガールの巨体を頭上に高々と持ち上げると、もがく奴をこれまでで一番の勢いで放り投げた。 『スプリームリフティング!』 無造作に地面に叩きつけられ、アークボガールはまだ生きてはいるけれども動きは明らかに鈍っている。 「こ、この我が、こんな奴らに」 アークボガールも格闘戦には自信があったが、こうまで投げ技の連発を食らうことになるとは想像もしていなかった。特に投げ技はきちんとした受身がとれないのならば衝撃の逃げ場がないためにダメージがまとめて自分に来るので、アークボガールの全身は打撲でボロボロだ。警察官が訓練で柔道を叩き込まれるのはそれだけの実用性があるからなのである。 よろめきながらも起き上がってきたアークボガールに対して、ガイアとアグルは隣り合って並ぶと合図を送りあって互いに必殺技の構えに入った。 ガイアが右手を高く掲げると同時にライフゲージが輝き、前に突き出した左手に揃えるようにして一回転させることでエネルギーが集中する。そして重ねた手のひらを上下にスライドさせ、赤色の光線を発射した。 『フォトンストリーム!』 さらにアグルも両腕を胸の前でクロスさせてライフゲージを輝かせ、高く掲げた右腕をL字に曲げることで青色の光線を放つ。 『アグルストリーム!』 ガイアとアグルの最強必殺光線。だがそれだけで終わりと思ったら大間違いだ。両者は空中で融合し、果てない威力を秘めた超破壊光線へと変わってアークボガールに襲い掛かっていく。 『ストリーム・エクスプロージョン!』 巨大な光の大河が奔流となってアークボガールに直撃した。大地と海の光が合わさった究極のパワーは、いかなる屈強な悪をも粉砕するであろう怒涛の鉄槌である。 だが、信じられないことにアークボガールはストリーム・エクスプロージョンのエネルギーさえをも我が物にしようとしだしたのだ。 「ぐおぉっ! 我は捕食の王、全宇宙の生態系の頂点。この我に食えぬものなどないぃぃ!」 アークボガールの腹に光線のエネルギーが吸い込まれていく。 なんて奴だ! これで決まると思っていたダンは歯噛みした。あの合体光線ならば、直撃すればエンペラ星人でも無事ではいられないであろうのに、奴の胃袋は底なしなのか。 ガイアとアグルは光線を撃ち続けるが、アークボガールは吸収を続ける。まずい、このままでは。 「ぐわはっはっは、お前たちの光を残さず食い尽くしてくれる。そうすれば、もはやお前たちに戦う術は残っているまい!」 ガイアとアグルのエネルギーが尽きたら今度こそ本当に終わりだ。ここまで来て、ここまで来て最後に勝つのは奴だというのか。 ギーシュやベアトリスたちや、タバサとキュルケたちの顔が歪む。あと一息、あと一息なのに。 そのときだった。 『ナイトシュート!』 横合いから飛んできた青色の光線がアークボガールの肩に当たり、その衝撃で奴は体勢を崩してしまった。 「ぐああっ? き、貴様ぁ!」 アークボガールの視線の先、そこにはひざを突きながらも両手を十字に組むウルトラマンヒカリの姿があった。 「ボガール、貴様だけはこの俺が許してはおかん!」 「こ、この死にぞこないが! っ、しまった!」 体勢が崩れ、吸収するエネルギーのベクトルが歪んだ。今だ、ガイアとアグルはこの瞬間に全力を注ぎ込んだ。 「藤宮!」 「おう!」 フォトンストリーム&アグルストリーム、最大出力。その光の圧倒的なパワーの前に、咀嚼が間に合わなくなったアークボガールの胃袋はついに陥落した。 「ヴがぁぁぁ! こ、この我が、この我が食あたりなどとぉ? 光が、光が我を満たして……ふははは、我がフルコースは、宇宙一だったぁぁーっ!」 最後まで食に執着した言葉を残し、アークボガールは大爆発して完全に消滅した。 撃破、あの恐ろしい悪魔も今度こそ滅び去った。もはや、二度と蘇ることはないだろう。 勝利に、見守っていた人間たちから祝う声が高らかにあがる。ガイアとアグルのライフゲージは点滅し、ギリギリだったけれどもとにかく勝ったのだ。 ガイアはヒカリに礼を言った。あなたのおかげだと。ヒカリは答えた、礼には及ばないと。 しかし、戦いはまだ終わってはいない。アークボガールは倒したが、この異変の根源はまだ残っている。 だがアークボガールとの戦いで力を使いきり、この場のウルトラマンたちはもう戦えない。ガイア、アグル、ヒカリ、ジャスティスの四人は、残った力で変身解除するために飛び立った。 「シュワッチ!」 四人のウルトラマンは光となり、やがて人の姿となって降り立った。しかしセリザワとジュリは疲労が激しく、陸にあがってきた銃士隊に肩を貸されてやっと立っていられる有様だ。 一方で我夢と藤宮はまだ余力はあるが、再変身して戦うまでは無理だろう。アークボガールは、それほどまでに強かった。 見れば、タバサの帰還にギーシュたちが沸いている。万歳の声も聞こえるところを見ると、いまいち脈絡はないがタバサを胴上げしようとしているみたいだ。タバサは困惑しているが、キュルケまでもがいっしょになっていることから、彼らの喜びがわかる。 タバサと面識のないベアトリスたちだけが蚊帳の外で不思議そうに眺めている。エーコたちは疲れ果てた様子のティラとティアを介抱しており、ファーティマも疲れたという風に倒木に腰を下ろしていた。 この場にいるものは皆、やれるだけのことはやりきった。だが、まだ休むわけにはいかない。 ダンは、藤宮と我夢にこの世界で起こっていることのおおまかを説明した。ダンはコスモスとのテレパシーで、トリスタニアでの死闘を知っている。あそこを何とかしなければ本当の勝ちにはならない。 「残念だが、我々の力では奴らのトリックを暴くことができない。力を貸してもらいたいのだ」 「安心してください。この世界に来たときから、記録にある敵の兆候を見つけていました。そっちには僕の一番信頼するパートナーが向かってます」 我夢はそう言うと、ファイターEXが飛んでいった方角を見上げた。 そしてトリスタニア。ガリア・ロマリア軍の攻撃は勢いを増し、防戦一方のトリステイン軍の潰走はもはや時間の問題に見えた。 原因は、言うに及ばず天使の存在だ。あれが物理的、精神的にロマリア側を大きく利している状況ではトリステインに勝機はなく、教皇はさらに演説で自軍を煽り立てる。 「信仰深きブリミル教徒の皆さん、あと少しです。異端者たちの軍勢に、もう逃げ場はありません。ですが油断してはなりません。神に歯向かう愚か者たちがまた現れぬよう、異端者たちを残らず刈り取ってしまうのです」 トリスタニアの半分が敵に制圧され、後退しながらの防御戦ももう限界にきている。 天使はウルトラマンコスモスがなんとか抑えてはいるものの、いくらエネルギー消費の少ないルナモードとはいえ連続してバリアを使わせられればもたない。 あの天使の正体を暴かないことには負ける。コスモスだけでなく、王宮ではエレオノールやルクシャナが、街ではアニエスやジルが知識や勘を総動員して考えているが、わからない。 どうしようもないのか? コスモスのカラータイマーが鳴り始めて、いよいよ時間がなくなったと焦燥に駆られた、そのときだった。 「お、おい空! なんだあれは?」 突如、ジェット音を響かせてトリスタニアの空にファイターEXが現れた。その甲高い飛行音に人々は気を取られ、動揺が広がる。 なにせジェット戦闘機を見たことがある者などほとんどいない。人々が困惑するのも当然だが、その姿を見て驚愕した者がふたりだけいた。ヴィットーリオとジュリオだ。 「あれは、まさか! なぜこの世界に!」 都市上空を旋回するファイターEXを見てヴィットーリオが初めて焦りを見せた。彼らにとって、それはこの場にありえるはずのない存在だったからだ。 しかしファイターEXは確実にこの世界に存在している。そのコクピットは無人だが、PALによって完璧に制御され、この場で得たデータを正確にラグドリアン湖にいる我夢の端末へと届けていた。 『我夢、分析データを送ります。予測どおり、この街の上空に超空間の発生源が存在しているようです』 「わかった。破滅招来体め、お前たちの卑劣な手段はもう通用しないぞ。PAL、EXに積んである特殊弾は一発しかないんだ。絶対外すんじゃないぞ」 『信頼してください。ターゲットをロック、我夢、合図をお願いします』 急旋回したファイターEXは街の上空の一角、黒い雲が渦を巻いているような一点に向けて機首を向けた。 安全装置を解除するPAL。教皇は焦り、天使にファイターEXを撃墜するように指示を出そうとしたが、それより早くPALに我夢の指示が飛んでいた。 「波動生命体、マスカレードはここまでだ。特殊弾頭弾、発射!」 ファイターEXから一発のミサイルが放たれて黒い渦に突き刺さる。瞬間、女性の悲鳴に似た叫び声が響き、天使の姿が幻のように揺れた。 続く 前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔
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前ページ次ページ帝王(貴族)に逃走はない(のよ)! 沈黙。 先ほどまで喧騒に包まれていたニューカッスル城のホールは、誰も話すことのない沈黙に包まれている。 その場に居る全ての者の視線の先にあるのは、金色に輝く巨大な鳳。 まるで生身で火竜にでも相対したが如き威圧感を放つそれが翼を広げきると、大きく咆哮をあげた。 「南斗鳳凰拳奥義、天翔十字鳳!」 光の正体は、南斗聖拳百八派において唯一北斗元斗に匹敵する程の圧倒的な闘気。 天を貫くような光が邪魔だと言わんばかりに頭上を崩し、空を露にする。 そして空にはいつの間にか雲がかかり雷が落ち始めた。 鳳凰がその姿を見せた時、天すらも崩す。 南斗聖拳百八派を統べる帝王が遂に真の姿を現したのだ。 「不死鳥……」 誰かが最初にその名を呟くと、動揺が水面に投げ入れられた石が起こす波紋のように広がっていく。 不死鳥(フェニックス)。 再生の炎を纏い天を駆けるそれは、ハルケギニアにおいても逸話として古くから語られている。 そして世紀末以前の世界では、鳳凰はフェニックスと同一視されてきた事が多い。 墜ちる事なく、天空を支配する鳳という意味で言えば違いは東西での呼び名ぐらいでしかない。 この姿をフェニックスと言うのならまさしくそうだろう。 眼下で浮き足立つ貴族達を軽く一瞥すると、サウザーが告げた。 「天に輝く天帝は、この俺の将星ただ一つ。それを身に刻みながら、六千年の歴史に幕を下ろすがいい!」 力の無い正義など、何の役にも立たないことは王党派がこのような窮地に追い込まれている事で証明されている。 天空に極星は一つ。 即ち、このアルビオンに君臨する王はただ一人。 障壁あらば打ち砕くのみ。反逆あらば力で従わせるのみ。 それが天を支配する鳳凰のあり方。 その道理が通らぬというのであれば、無理にでも押し通すまで。 翼を広げた鳳凰が己の力を誇示せんと中空へと飛び立った。 最終話『行進の始まり』 「あれが伝説の不死鳥……、なんと美しい……」 輝き宙を舞う鳳凰の姿は、まさに優雅華麗の一言。 鳳凰の真の姿を前にしては、水鳥ですら姿が霞む。 南斗の頂点に立つ六聖拳において、鳳凰拳のみが別格と評されているのは誇張でも何でもなく事実なのだ。 天空を舞う姿に心を奪われた貴族の数は決して少なくはない。 あれが味方であれば万の軍勢を得たに等しかったであろうが、自分たちを滅ぼさんと襲い掛かってきている。 進む先に居るのは十数人の貴族。 惚けた様に動かない者、杖を向けようとする者様々だが、ほぼ同時に翼で撫でられたような感覚を味わった。 「たわば!」 「あわびゅ!」 次いで響き渡ったのは声にならない絶叫と、弾けたかのように吹き飛ぶ人の姿。 倒れ伏す者の身体には無数の浅い傷が浮かび上がり血が滲み出ている その気なら、傷の一つ一つが致命傷となり得ているのだから並みの人間なら身一つも動かせまい。 南斗鳳凰拳は帝王の拳。 敵は戦わずして膝を屈し頭を垂れる。 鳳凰と対峙するためには、まずその身に受ける圧を跳ね除けねばならない。 そして、アルビオンの貴族達には鳳凰の前に立つ資格は十分にあった。 「ひ、怯むな!不死鳥とは言え、ここで醜態を見せれば我らは末代までの笑い草ぞ!」 「おお!」 さすがにここまで戦い抜いてきた精鋭と言うべきか。 元より明日には捨てるはずの命。 この惨状にあっても誰一人として屈しようとしていない。 ホールに立つ貴族全員が等しくサウザーを凝視している。 「ふっ……はははははは!」 そんな背景を尻目にサウザーが高笑いをあげた。 一山幾らのモヒカン共ではこうはいくまい。 それでこそ叩き潰し甲斐もあるというもの。 挑発するかのように手を前にかざし、獰猛な笑みを見せつけながら言い放った。 「かかってくるがいい!」 その言葉を皮切りに次々と魔法がサウザーへと飛ぶ。 全てを焼き尽くす火炎。 鉄をも切り裂く風の刃。 変幻自在の水の鞭。 歴戦の兵十数人分の働きを見せるゴーレム。 どれもこれも、一つ一つが常人では太刀打ちできないような魔法がただ一人の男だけに向かう。 身じろぎすらせぬ光景に誰もが勝利を確信しただろうが、……しかし。 「効かんなぁ!」 薄笑いすら浮かべたサウザーが、全ての魔法を受けきる。 その身には傷はおろか、攻撃を受けた跡すら無い。 実体を持たぬ火水風はサウザーが纏う闘気の鎧に押し負け、土は近づく事すら出来ずに切り刻まれる。 ならばと、何人かの貴族が呪文を詠唱し、エア・ニードルやブレイドの魔法が掛かった杖を手にしサウザーへと向かった。 どちらも接近戦用の魔法で、鎧など簡単に砕く威力を持つ魔法だ。 それらを一目見ると、サウザーはその様な事を意に介せず飛んだ。 避ける素振りすら見せずの直進。 そして、宙を舞うサウザーを捉えた者はただの一人として存在しなかった。 「ははははははは!」 宙を飛んでいるにも関わらず、突かれ振るわれる魔法の刃は悉くサウザーの身体をすり抜けた。 実体はその場にあって無いがの如し。 だが、幻影などではなくそこから放たれる威圧感は紛れも無く本物。 事実、サウザーの後ろでは何人もの貴族が斬撃を浴び倒れ伏しているのだ。 「天空を舞う羽……、何人にも砕く事はできぬ!」 南斗鳳凰拳が南斗最強と呼ばれている理由は、拳の威力の高さでも踏み込みの速さでも無い。 何よりも優れているのは、あらゆる状況下においても相手の体の流れを完全に見切る力の高さ。 その力があるからこそ、南斗鳳凰拳の使い手は構えを取らず、相手の拳を受ける事無く紙一重で見切り避け、その流れの中から隙を見つけ前進し攻撃を繰り出す。 よく南斗鳳凰拳には構えが無いと勘違いされているが、拳を受ける事が無いため構えという防御の型を取る必要が無いだけなのだ。 そして、この中に天空を舞う一枚の羽を捉えきれる者が居るかと問われれば応えは否。 あのケンシロウですら、不意打ち気味に北斗神拳秘奥義『天破活殺』を放つまでは傷一つ付ける事も叶わなかった。 まして、拳法を知らぬ者達では触れる事すらできない。 僅か一分足らずで三十数人のメイジが地へ倒れ伏す事となってしまった。 「どうした?来ぬのならこちらから行くぞ」 地上に降り立ち翼を納めたサウザーが手をかざしながら言う。 一歩、二歩と歩を進めただけで、あの勇猛果敢なアルビオンの精鋭達が怯んでしまうのだから、サウザーの強さがいかに桁外れか理解できるだろう。 もう一押しで心を砕くことも出来る。 最早、天翔十字鳳の構えを取るまでもない。 そう考え、踏み込もうとした前に一つの影が立ちはだかった。 「これ以上は、我が杖と王家の誇りに賭けてやらせはしない!」 杖を掲げ鳳凰の前に歩み出たのは皇太子であるウェールズだったが、サウザーは少しだけそれを一瞥するとつまらなそうに言い放った。 「貴様一人でこの俺と戦おうなどとはな。頭に乗るなよ小僧」 言った瞬間、またしてもサウザーから暴風のような闘気が吹き荒れウェールズを襲う。 これでもまだ手を抜いているのだ。 三百でも対等足り得ぬのに、一人で挑もうなどとは思い上がりも甚だしい。 だが、ウェールズは闘気に気圧されつつも、自らを奮い立たせ一歩踏み出すと叫ぶように言った。 「一人ではない!この国の民と、戦いの中で死んでいった者達の想いを受け継いでいる!」 「っ!……想いを受け継ぐだと?」 それだけで勝てると思っているのであれば愚か者の極みだ。 しかし、どうりで心が砕けぬはずだと、どこかで納得してしまっている。 自らが手にかけたシュウの想いを受け継ぎ、ケンシロウはこの聖帝ですら及ばぬ程に強くなった。 そして恐らくはラオウですら敗れ去る事になる。 人は愛と哀しみを背負い、そのために戦うからこそ強くなれる存在なのだ。 だからこそ、目を閉じ、小さく含み笑いを漏らすと腕を振るった。 「よかろう。ならば貴様が受け継いだ物の全てを、この俺に見せてみるがいい!」 いかな術を使おうと、全て己の力によって打ち砕くのみ。 南斗百八派を統べる帝王には、いかなる時であれ退く事は許されない。 退かぬ、媚びぬ、省みぬ。 この不文律こそが、帝王が帝王であり続ける為の証である。 再び闘気を身に纏うとウェールズが仕掛けてくるのを静かに待った。 「アンリエッタ。君の力を僕に貸して欲しい」 そう言われたアンリエッタの身体がピクリと震える。 ウェールズがやろうとしている事はアンリエッタにも分かるつもりだ。 だがその行為は、あの強大な力を持った覇者を敵に回すことになる。 勝つにしろ敗れるにしろアルビオンとトリステイン両国の破滅に繋がってしまうのだから、迷うのも当然の事である。 迷うアンリエッタに決意を促したのは、他でも無いサウザーだった。 「何を寝惚けている。力無き者では、この俺の風下にすら立つことが出来ぬという事ぐらいは貴様とて理解していよう」 生焼けでは完全な再生は得られない。 不死鳥は灰の中からこそ蘇る。 相手の力の全てを飲み込み、喰らい尽くしてこそ、鳳凰はより高く舞い上がる事ができるのだ。 二人が揃う事で全力が出せるのならそうすればいい。 それは単に驕りや慢心といったような物ではなく、若くして頂点を極めた者のみが持つことが許された絶対の自信からの言葉だった。 「……執念」 ぽつりと、あの時サウザーが言った言葉をアンリエッタが思い起こす。 力無き者が不死鳥の傍に居たとしても、ただその身を業火に焼き滅ぼされるだけ。 サウザーは対等とは行かずとも、力と執念を見せてみろと言った。 元より答えなど見つかるはずなど無かった闇の道。 そこに差し込んできた出口へと繋がる一条の光。 その光を放つ不死鳥を見失わぬ為には、杖を手に取り、抗い、その想いも執念も全てを見せつけるしか術は無いのだ。 あえて退路を断ち修羅の道を進む者と、追い詰められ退路を断たれた者。 違いこそあれど、互いに退く事は出来ぬ状況。 だが、そんな中にあっても、アンリエッタは僅かでもウェールズと共に歩める事を嬉しく感じている。 むしろ、後が無いという事実がそう思わせているのかもしれない。 全てを失うか、望む物を手に入れるかという二つに一つ。 そんな状況だからこそ、あの時、あの場所で誓った想いを隠し通す事無くこの胸に抱く事ができる。 欲望と言えば聞こえは悪いが、愛する人を救いたいという想いも言わば欲望である。 アンリエッタが持つ想いは他の誰よりも強く激しい。 欲望。そして執念こそが強さに繋がるのだ。 「ウェールズ様の願いをわたくしが拒むはずがありません」 どこか陶酔と高揚感が混ざり合ったような声になったアンリエッタが返事を返す。 もちろん、一時の感情に身を任せただけではなく、生まれて初めて自分で選んだ道だ。 流れに身を任せるだけではなく、自らの手で運命を切り開いてみせるという決意に満ちた答え。 それが分かっているのか、ウェールズは小さく、アンリエッタにだけ聞こえるように呟いた。 「……ありがとう、アンリエッタ」 ウェールズがその言葉を言い終えると同時に、聞こえていたのかいなかったのかサウザーが腕を薙ぐようにして払う。 死にたくなければ下がれ、という意味だ。 その動きだけで動揺しきっていた貴族達の動きが止まり、一人が気付いたかのように動けなくなった者に肩を貸すと、残った者もそれに続きサウザーから距離を取った。 巻き添えを食らう事を恐れただけではなく、第三者が下手に手を出せば逆鱗に触れ皆殺しにされかねないという事を肌で感じ取った為である。 静まり返った空間の中、アンリエッタが静かに呪文を唱え始めると、その詠唱にウェールズが加わる。 すると、辺りの室温が見る間に下がり始めると同時に、二人の周りを無数の氷の刃を含んだ冷たい竜巻がうねり始めた。 「ほう……!」 少しづつ膨れ上がる竜巻を見て、サウザーも思わず声を漏らした。 王家の血を引く水と風のトライアングルの二人のみが許されたヘクサゴン・スペル。 その威力は通常のアイスストームとは比較にならず、見る者が見れば、かの烈風が使うカッタートルネードに匹敵すると評する程だ。 既にホールの天井は崩れ始め、このまま進めばニューカッスルは城としての役目を果たす事はできなくなるだろう。 「くっはっはははははは!面白い!」 恐れなど微塵も無く、ただただ愉快そうにサウザーが笑う。 ただの小娘と小僧が、これだけの技を見せた。 これがケンシロウの言う愛の為に戦う者のみが出す事の出来る力か。 愛と情けを捨てた者が決してたどり着く事の出来ぬ場所。 だからこそ、ケンシロウに敗れ去った。 だが、帝王に二度の敗北は無い。 愛を捨てたと言いながら、その実、愛から背を向けていた男が逃げる事をやめた時、どれ程の強さが発揮されるのかはまだ誰も見た者は居ない。 先人達が積み上げ、そして師が命を懸けて託した拳と想い。 一度敗れ、諭された今だからこそ、南斗鳳凰拳の全てを背負う事が出来る。 城の一角を吹き飛ばした巨大な竜巻を前にして再びサウザーが両手を広げ構えた。 「聖帝様!」 あれに飲み込まれれば、自分のゴレームですら一瞬で砕け散る。 焦るマチルダとは対照的にサウザーは笑みすら浮かべている。 ヘクサゴン・スペルの威力に思わず声を出してしまったが、サウザーの表情を見ると大丈夫だとも感じてしまった。 この土くれですら膝を付き従わざるを得なかった男があれしきの事で退くはずが無いのだ。 現に、サウザーを飲み込んだ竜巻はそれ以上前に進むこと無く動きを止めていた。 あらゆる物を切り刻む竜巻と言えど氷と風。 いかに強大であろうとも、鳳凰は嵐の中心にあっても吹き荒れる中を舞う。 本来、天翔十字鳳という構えの持つ意味は天破の構えと同じく、あくまで技に移る前の構えにすぎない。 その構えの先には南斗鳳凰拳歴代伝承者をして、僅か数人しか会得できなかった奥義が二つ存在する。 師と呼び父と慕った男は、まだ幼き日の頃にその技を確かに見せてくれた。 忌まわしき記憶として封じていた物の片隅に僅かに残る型の一つ。 天翔十字鳳という構えから放たれる秘奥義。 南斗鳳凰拳秘奥義 鳳 凰 炎 舞 刃 全てを飲み込み切り裂く力を持った竜巻は、より巨大な力によって内側から幾重にも寸断された。 鳳凰を模った闘気は無数の刃となり、逃げる場を与える事なく周りに居る者全てを切り刻む。 敵の体の流れを完璧に見切り、逃げ場を無くした敵を闘気の刃により止めを刺す。 天破の構えが天破活殺という技に繋ぐ型であるように、これこそが天翔十字鳳が持つ真の型だ。 「これぞ帝王の拳!」 うねる竜巻の内側から鳳凰の翼が突き破るかのようにして姿を見せた。 そして切り裂くような咆哮をあげ翼を羽ばたかせると、あれだけの竜巻が一瞬にして四散し、氷片が闘気の炎によって水飛沫と化し雨のようになって辺りへ散らばる。 ヘクサゴンスペルと鳳凰の炎舞によって風が吹き荒れる中、立っている事が出来たのはサウザー一人だけだった 「お師……、天より照覧あれ!俺はようやく鳳凰拳を……」 夜空を見上げながらどこか遠い目をしたサウザーが他の誰にも聞こえないように天に向け呟く。 ようやく、歴代の伝承者達と同じ舞台に立つ事ができるようになった。 不完全な天翔十字鳳だったがゆえに天破活殺に撃ち落とされたのだ。 そうでなければ、南斗鳳凰拳が北斗神拳に遅れを取るものか。 この空に南斗六星はありはしないが、サウザーの目には十字に光を放つ南斗十字星と、今もなお色褪せる事の無い師の姿が映っていた。 精神力を使い果たし、風圧と水飛沫に煽られたアンリエッタとウェールズが室内とは呼べなくなった床に崩れ落ちるが それでもウェールズは辛うじて片膝を付いて踏み止まり意識を失ったアンリエッタを支える。 他の全てが尽き果てたとしても王家の誇りだけは失うものかと顔を上げたが、その先にある光景に思わず息を飲んだ。 雲の隙間を縫って差し込む月明かりに照らされ空を見上げるサウザーの表情は、あれだけ暴れまわっていたのが嘘と思える程に穏やかと言っていい。 圧倒的なまでの力でアルビオンを飲み込もうとしている覇者であるとは思えない程に。 決着が付いた。 ヘクサゴンスペルを以ってしても子揺るぎもしない者と、力を使い果たし立てぬ者。 誰が見ても勝敗は明らかである。 そして今、二人の命を握っている男は崩れ落ちた天井の先を見ている。 何人かの貴族がウェールズを救わんとサウザーに杖を向けたが、彼らは突如として吹き荒れた風に吹き飛ばされてしまう。 悲鳴をあげて吹き飛んだ者が壁に打ち付けられる前に見たのは、白い仮面を被った男だった。 「き、貴様……『レコン・キスタ』……」 攻撃してきた以上、王党派のメイジであるはずはないが、かと言ってあの男の手の者でもない。 こんな小細工を弄さずとも、この場の三百人を皆殺しにできるだけの力を目にしたのだ。 ならば残された答えは、この混乱に乗じた内部工作か暗殺。 それを声に出す前に意識を落したが、仮面の男は閃光の如き素早さでアンリエッタとウェールズに向けて走り出していた。 手にするのは風の近接魔法エア・ニードル。 一体、何時から紛れ込んでいたのか分からないが、そんな事はどうでもいい。 問題なのは、今のウェールズは精神力を使い果たしアンリエッタに至っては気を失って身動きが取れないという事である。 「よせ!そこからでは殿下に当たる!」 「し、しかし、このままでは!」 もちろん、貴族達とて黙って見ていたわけではない。 素早く反応した者が何人か襲撃者に杖を向けたのだが、男はそれも考えに入れているのか射線上にウェールズが入る位置を取っている。 もし避けられたら身動きの取れない二人に当たってしまうという躊躇が一瞬の遅れを呼び、そしてそれが致命的な物になった。 もうどんな魔法でも襲撃者の凶刃から二人を守る術は無い。 そんな中でただ一人ルイズだけが杖を向けていた。 「殿下!姫様と一緒に伏せてください!」 叫びながらも、白仮面の男に向けて狙いを定める。 以前のままのルイズなら狙いを定める事すら難しかっただろうが、今は違う。 あれが閃光というのなら、ルイズはここ毎日のように神速を相手に奮闘していたのだ。 命中させられなくても、爆風でひるます事ができればなんとかなるかもしれない。 何でもいいから短い呪文を詠唱しようとすると邪魔が入った。 「無駄な事だな」 その言葉に思わずカッとなったルイズが、いつの間に傍に立っていたサウザーを睨み付ける。 例えそうであっても、黙って見ているなんて出来るわけがない。 そんなルイズを見てサウザーは何時も以上に余裕めいた笑みを見せて言った。 「もう殺している」 その言葉の意味を理解するためには僅かな時間を要した。 今にも魔法の刃を突き立てようとした仮面の男の動きが直前で止まってしまったのだ。 そして、その身体に浮かび上がった交差する二本の線。 頭頂から足先、胸から背中へと伸びたその線が意味する事は一つ。 「ばわ!」 仮面の下から聞こえるくぐもった断末魔。 極星十字拳を受けた者が至る末路だ。 だが、おかしな事に、四つに切り裂かれた身体からは一滴の血も流れる事なく消滅してしまっていた。 「こ、これは風の遍在……!いや、それ以上に一体何時の間に……」 見えなかった。 それだけならまだしも、風のトライアングルであるこの身が、どうやって遍在を切り裂いたかすら感じる事ができなかったのだ。 サウザーがやった事は極めて単純な二つの動作のみである。 ただ踏み込んで、すれ違いざまに交差させた腕を振り抜いただけ。 単純故に無駄が無く、いかな達人であっても完全に見切る事は難しい。 実際、二度目の極星十字拳を受けたケンシロウは、見切っていたつもりでも致命的な一撃を貰ってしまっている。 無論、北斗神拳が効かないという状況であったため、被弾前提で撃ち込めたという点が大きいが今は特に関係無いだろう。 どうせ、仮面の男は斬られたと気付くよりも前に死んでいたのだから。 再びサウザーが貴族達に向けて歩みを進める。 これ以上の事は望めそうに無いが、まだ目の光は消えていない。 ならば残り全てを悉く打ち倒すまでと踏み込もうとすると、今まで守られるようにしていたジェームズ一世が前に進み出て サウザーの姿をじっくりと眺めると、少し堰をしながら全ての者に聞こえるように告げた。 「諸君はこれまでよく戦ってくれた。我らを晒し者にする気でいる叛乱軍には降るまいと思っていたが、この方に降るのであれば始祖も我らをお許しになられるだろう」 最後まで王に付き従った者達が他の王に仕える事は無い。 ならば、王自らが降れば他の者も続くという事だろうか。 それでも戸惑いはあるのか、どよめきがあがる。 そんな中、ウェールズがよろめきながら立ち上がると父王に近付いた。 「父上がそう望まれるのであれば、私は異論はありません。皆で空賊に扮していた時のように、やつらに一泡吹かす事ができるのであれば、むしろ望むところです」 ヘクサゴンスペルですら傷一つ負わす事ができず、あまつさえ手加減すらされていた。 ここまでされればいっそ清々しい。 それに、サウザーは王党派を殺しに来たのではない。 レコン・キスタを潰すためにアルビオンに乗り込んできたのだ。 王家は潰えるが、一度滅びかかった者が戦いの場をまた与えられるというのであれば本望である。 しかし、ジェームズ一世はウェールズの肩に手を置いて言った。 「お前はバリーと十人ばかりを連れてトリステインへ行くがいい」 「そんな!父上を残して……私だけ亡命しろというのですか!?」 「アルビオン王家の血を絶やしてはならぬ。我らの意思を受け継ぐ者がいてこそ、アルビオン王家は再び蘇る事ができるのだ」 この老王。老いてはいるが先見の明は確かなようだ。 聖帝の支配力が衰えれば何時でも国を奪い返す気でいる。 例えそれが百年先ともなろうとも、アルビオン王家の血を継ぐ者が必ずこの地に戻ってくると信じているのだ。 明確な叛意ともとれるが、まぁそれもいい。 毒虫を腹の中に飼い、御しきるのも帝王としての器量の一つ。 そもそも、サウザーにとって支配する帝国とは己一代の物にすぎない。 奪いたければ奪えばいい。 その時は全力で叩き潰すまで。 それに敗れるようであればそれまでだったという事だ。 なんにせよ、覇道に役立つのであれば、そんな考えなど些細な事である。 言いたい事を言うとジェームズ一世は意地悪そうな笑みを浮かべた。 「それにだ。水の精霊の下で誓約しておきながら、王家に産まれた者が恋仲と結ばれるという滅多に無い好機を逃すつもりか?」 「い、一体何時から気付いていらしたのですか?」 「毎夜のように園遊会を抜け出しておいて気付かれていないと思っていたのか。馬鹿息子め」 呆れたような声で言われたので、ウェールズの顔が一気に朱に染まった。 何度も繰り返した密会を知られていないと思っていたのは自分達だけで、その実筒抜けだったのだからそうもなる。 まるっきり初心な男女の反応を見せたので、誰かが笑い出すと、もうそれを止める事は誰にもできなかった。 「ふん……」 大方の興味は失せたのか、マントを羽織り直したサウザーがその中を歩き、辛うじて残っていた玉座へと座る。 脚を組み頬杖を付いた何時もの姿勢でマチルダを呼び寄せた。 「お呼びでしょうか」 「この城にある物資を運び出せ。必要な物かそうでないかは貴様の判断に任せる。人手が足りぬのであればやつらを使え」 「はっ!」 恭しく頭を下げると踵を返し走り出したが、言われた事をもう一度頭の中で繰り返し確認する。 やつらを使え。 父を殺し、家名を奪ったやつらを遠慮なく使う事が出来るようになった。 ついこの間まで盗賊家業に甘んじていた女がだ。 「ふふ、あはは……」 その事を考えるだけで含み笑いが漏れ出てしまう。 これが楽しくなくて何だというのだ。 走る先は宝物庫。 アルビオン王家にも、レコン・キスタにも何も残してやるものかと決めると大きく笑った。 予定とは多少違ったが、結果としてアルビオン王家の残党を糾合出来たのだから首尾としては上出来だ。 前線では使えそうに無い老兵とウェールズに付いて行く者を除いても、二百五十余名のメイジが戦力に加わった。 数の上では少ないが、質が高く目的の為ならば敵を恐れず遮二無二に突き進める兵だけあって通常の何十倍もの戦果が期待できるだろう。 既にサウザーの頭の中では、まずどの都市から落とすべきかという考えが張り巡らされている。 この城は拠点としては使えないし、一度滅びた物を拾い上げる気はサウザーには無い。 よって棄てるしかないのだが、兵站及び機動力の確保として港は抑えておきたいところだ。 敵の艦隊の戦力を削り取るという意味でも、有数の港とそれに伴う生産能力を持つロサイスを占領し、周囲の領土を併呑していくのが最も効率が良さそうではある。 まぁ、多少の戦略など己一人でひっくり返せる自信があるので、今はその考えについてはこのぐらいにしておくと、玉座から立ち上がり手を掲げた。 「聞けぃ!我が拳にあるのは制圧前進のみ!即ち、この俺に後退や敗北の文字は無い!我が聖帝の名の下に跪き戦う者には勝利か、より完全な勝利が与えられよう!」 言葉という物は使い方によっては麻薬と同じ効果を持つ。 久しく聞くことの無かった勝利という言葉のなんと甘美な事か。 戦乱が始まって以来、彼らは敗北という名の肝を嘗め続けてきたのだ。 そして目前に迫った滅びの結末。 栄光ある敗北と言っても誰もが少なからず心に絶望を背負っていたのだが、それが不死鳥を纏った王の手によって勝利という希望に塗り替えられた瞬間であった。 「おお………、不死鳥の王が勝利を約束されたぞ!」 たった一人で三百ものメイジを圧倒していただけに言葉の持つ力は大きい。 恐怖のみで縛った支配は長くは続かない。 秩序が保たれているこの世界であればなおさらの事。 全てを支配する力はここにあり、希望も見せた。 欲する物を与えれば、人を従わせる事など容易い。 それに、希望を胸に抱いて戦う者が容易には心折れぬ事はよく知っている。 南斗鳳凰拳に及ばぬと知りながらも叛旗を翻し、最期まで未来への希望の為に戦い死んでいったあの男のように。 「見よ!」 一人の貴族の装飾品から宝石を剥ぎ取ると天高く掲げ力を加える。 僅かに宝石に亀裂が入ったと思うと、宝石は四散して砕けてしまった。 サウザーからすれば、下らないパフォーマンスに過ぎないが、ハルケギニアの住人にとっては信じ難い行為である。 そして、その信じ難い事実が燻っていた熱狂を嫌が応にも加速させる。 澱みの無い金髪が月明かりと四散した宝石の破片が反射させる光に照らされ、まるで王冠でも被っているかのように輝いて見えた、と後に隠遁したジェームズ一世はそう記録に残した。 「聖帝サウザー様……!」 一つの声が呼び水となり、さらに多くの歓声を誘う。 外を包囲する五万の軍勢すら圧倒しそうな勢いにまで達すると、全ての歓声が一つに重なって一個の生物のようになって辺りを包んだ。 やがて消えた燭台に再び火が灯されると半壊したホールに酒や簡素な料理が運ばれてきた。 先程まで行われていた物に比べればほんのささやかな物だったが、その意味合いが違う。 滅びの為の宴から、いつの日かの復活を思い描いた宴。 その宴に集う者達が心に思う事は一つ。 生きなければならない。 国は滅んでも人は生きる。 人が生きていれば国などいくらでも作る事ができるのだ。 無論、アルビオン王家に対しての忠誠を捨てたわけではない。 しかし、それで若い二人が結ばれ、何時の日かの再興に繋がるのであれば一時の不名誉も甘んじて受け入れよう。 サウザーが酒が満たされた杯を手にし掲げると勝利の為の宴が始まった。 そうして始まった宴をルイズはただぼんやりと眺めていた。 さっきまでの、明るく派手だったがどこか悲壮感に包まれた物と違い、誰もが生き抜く為に前を見ている。 それをいとも容易くやってのけたのは言うまでも無くサウザーだ。 南斗聖拳最強にして聖帝の名を持つ男は、力を見せ付ける事であっという間に王党派の心を掌握してしまった。 それも、たった一人で。 一度飛び立った鳳凰が自らの意思で檻の中に戻ってくる事は決して無い。 そもそも、今までがほんの気紛れにすぎなかったのだ。 ならば、一人残された無力な小娘はどうすればいい。 昔の時のように小船の中で泣けばいいのか。 それは駄目だ。 泣いたところで誇り高き鳳凰はそれを見ようともせずに天空の彼方へ飛んでいってしまう。 人が足元の蟻を気に止めずに歩くように、鳳凰も無力な人間を気にかける事も無い。 振り向かせるには、その後ろ姿を追い続け無理矢理にでも力を見せるしか無いのだ。 だが、『ゼロ』と蔑まれ魔法一つ満足に使う事が出来ない自分が、あれ程までに強大な力を持った男を追い掛ける事なんて出来るのだろうかとも思う。 ヘクサゴンスペルすら通用しなかったとなると、その上を行く力はハルケギニアにおいてはたった一つ。 始祖ブリミルが使いし伝説の力『虚無』だ。 いかなる系統にも属さず、あくまで伝説で語り継がれるのみだが、その使い手はブリミルが用いたとされる四つの使い魔のどれかを召喚したという。 神の左手『ガンダールヴ』 左に握った大剣と、右に掴んだ長槍でブリミルを守った神の盾。 神の右手『ヴィンダールヴ』 あらゆる獣を自在に操り、陸海空を問わずブリミルを運んだ神の笛。 神の頭脳『ミョズニトニルン』 あらゆる知識を溜め込みて、ブリミルに助言を呈した神の本。 そして、記すことさえはばかれるとされる正体不明の存在。 オスマンの考えでは、サウザーの力はそのガンダールヴに匹敵するらしい。 メイジと使い魔の力量は比例するのであれば、この身には『虚無』かそれに匹敵するだけの力が眠っているのかもしれないと少し考えた。 その突拍子も無い考えを、ありえないと否定したのは今までの失敗や他人の評価のせい。 逆に、もしかしたらと考えてしまったのは、他でもないサウザーの言葉にある。 『この俺が、単に無能なだけのやつを気に入るわけがなかろう』 笑いながら確かにこう言った。 どこで無能ではないと判断されたのかは分からないが、少なくともサウザーは自分の事を気に入っている。 今まであらゆる事を試し失敗してきたルイズであっても、虚無だなんて事は思いもしなかったので一般的な事以上は知らなかった。 やっていない事なら調べてみる価値はある。 戻ったら学院の図書館や、アンリエッタに頼んで王宮の蔵書も調べてみようと決めた。 それで何も出てこなかったら、その時考えればいい。 不退転の決意を持ち、どのような苦境に陥ろうとも決して誇りを失わない者だけが鳳凰の前に立つ資格を持つのだ。 再び何時もの姿勢で座るサウザーの姿を見ると、月明かりの元で歌い踊る貴族、貴婦人の間を通り抜け近付いた。 「大変な事になったみたいだけど、これからどうするつもり?」 「まず港を落し勢力の拡大を計る。後は、敵の士気を削いでいけば瓦解させるのも容易かろう」 ルイズとしては、外を包囲する五万の大軍をどうするのかという風に聞いたのだが、サウザーはその事を問題にしていないかのように答えた。 そう言うのならきっと大丈夫なのだろう。 安心した反面、面と向かって戻る気が少しも無いと言っているも同然なので少し見捨てられたような気分になったが、すぐにその思いを振り切った。 それに、考えてみればアンリエッタとトリステインの為にもなる。 サウザーが貴族派をアルビオンで抑えてくれるなら、ゲルマニアとの同盟を結ばずに済むし アンリエッタとウェールズが婚姻を結ぶ事ができれば、長年空位だった王座を埋める事ができる。 今の淀んだ空気のトリステインには、勇気と才に溢れた王が必要だったのだが アンリエッタは国民からの人気は高いものの、政を行うには経験不足で、母であるマリアンヌ大后は先王の喪に服しており王位に付く気はない。 仮に付いたとしても、個人的感情で国力を衰退させる事態を招いていたのだから、政治的能力が足りているかどうかは火を見るよりも明らかではあるが。 その点、常に先陣を切りレコン・キスタと戦ってきたウェールズなら血筋、名声、実力のどれを取っても申し分ない。 なにより、互いに好き合っているのだから、これ以上の条件を望むのは些か贅沢が過ぎるというものだろう。 だから、さも当然そうに言ったサウザーを見てルイズもつい、つられて笑ってしまった。 「それが姫様のためになるのなら何だっていいわ。あんたが何かしないと、姫様はゲルマニアなんて所に嫁がなきゃならないんだし」 そう言うと、ルイズはサウザーの真正面に回り込み、精一杯背伸びをすると人差し指を向けながら続けた。 「でも、忘れないで。わたしは、いつかあんたの前に立つわよ。一人でどんなに先へ行っても、絶対に追い付いてみせるんだから!」 誰もが聖帝の前では膝を付く中で、この小娘はどれだけ時が経とうとも前に立つと言ってのけた。 少しも視線を反らさず燐とした目付き。 どこかで見た覚えがあると思ってはいたが、今になって思い出した。 もう何年前になるか、あの大戦が起こる前にラオウがまだ小僧だったケンシロウを連れて南斗の道場に乗り込んできた時だ。 己の光と引き換えにケンシロウの命を救った男は、強い光を感じたと言った。 あの時は小僧と呼びさして気にも留めていなかったが、今になって思えばこんな目をしていたのかもしれない。 事実、歳月を経て、北の空で輝く光は将星すら飲み込んでしまったのだ。 だからか、とこれまで感じていた違和感の正体にも納得がいった。 シュウやラオウがケンシロウの素質を見抜いたように、我が身も自らと同じ信条を持つ少女のまだ見ぬ素質を感じ取ったのかもしれない。 「ふっ……よかろう!この俺が許す。何時、如何なる時でも向かってくるがいい!」 そして、蟻の反逆も許さぬと言った男が、一人の少女が立ち向かってくる事を公然と認めた。 自分でも意外な事を言っていると思わないでもないが、まぁそれも悪くは無い。 小娘一人向かってきたところで帝王は揺るぎはしないのである。 そうしていると、また歓声が飛んだ。 「姫様……、ウェールズ皇太子……!良かった……本当に!」 さっきまで、愛しているからこそ死を選ぶと言っていたウェールズが 抱えきれないような悩みを背負っていたはずのアンリエッタがこうして誰の目もはばからずに幸せそうに踊っている。 ルイズにはそれが自分の事のに嬉しい。 紅潮した顔でボロボロと嬉し涙を流しながら見つめているルイズとは対照的に サウザーは大して興味も無いのか頬杖を付きながらそれを眺めていると、一人の貴族がルイズに近付いてくるのが見えた。 羽根突きの帽子に髭を生やした凛々しい顔付き。 着ている物など特にどうでもよかったが、全体的な体の流れは二度見た事がある。 一度はラ・ロシェールで、二度はついさっき見た。 それに、この目は己の野心と欲望を隠し通そうとしている目だ。 なるほど、とこれで手応えが無かった事に合点がいった。 風は遍在し、何処となくさ迷い現れ、その距離は意思の力に比例する。 背格好と微細な動作の一致。 つまりはそういう事だ。 「くっははは、さしずめ貴様はユダ……、と言ったところか」 他人の下に甘んじながらも、その下では様々な策謀を巡らし、虎視眈々と頂点の座を狙う危険な男。 南斗六星が一星、妖かしの星の宿命に生きた男の名は南斗紅鶴拳のユダ。 裏切りの代名詞とも言える名を笑いながら言ったが、その名を持つ意味は誰も知らない。 どういう意味かと問いかけようとした瞬間、サウザーの手刀がワルドの胸元に突き刺さっていた。 「なっ……!」 物音一つ立てず、一度の瞬きも終わらぬ間に放たれた手刀に気付いた者は当事者以外には居ない。 至近に居たルイズですら何が起こったのか気付きもせずに二人が踊る姿を眺めている。 手刀を受けたワルドがよろめきながら一歩下がると、懐から白い破片が無数に零れ落ちる。 その破片を軽く一瞥すると、サウザーは今までハルケギニアでは見せる事の無かった残忍な笑みを浮かべながら言った。 「俺は裏切り者は決して許さん。だが、貴様は俺に叛いたわけではない。そこで一つ選択肢をくれてやろう。死にたく無ければ存分に舞え。この俺の為にな」 ユダの例もあるが、基本的に裏切り者は己の利の為に動き、忠誠心など皆無に等しい。 王党派の貴族を従わせるのに効果的な事が希望を与える事であるなら、裏切り者を裏切らせない為に一番いいのは圧倒的な力と恐怖で縛る事だ。 どれだけ策謀を張り巡らせても、少しでも叛意を見せれば必ず殺されるという程の隔絶した力の差を自覚させれば裏切る事は無くなる。 「こ、この『閃光』と呼ばれた僕が……」 地面に尻餅を付いたワルドがわなわなと震えた。 その震えが屈辱からくる怒りではなく、恐怖だと気付いたのは自分を見下した目で眺めている男を見た時。 人間、であるはずなのにその存在があまりに大きく感じられる。 立ち上がろうとしても脚に力が入らず立つ事が出来ない。 杖を手にしたところで腕が震え杖先を向ける事すらおぼつかない。 呪文を詠唱しようとも、言葉は出ずに変わりにカチカチと奥歯がぶつかる音が聞こえる。 一目見ただけで、あの遍在が自分が作り出した物で、トリステインを裏切っている事も見抜かれた。 遍在を一瞬で切り伏せた男はそれを知ってあえて生かしている。 身動き一つ取れずに懐に忍ばせていた仮面だけを砕かれたのは、貴様など何時でも殺せるというメッセージに他ならない。 役に立つ存在であるという事を見せ続けねば、すぐにでも切り裂かれるだろう。 気が付けばワルドはサウザーの前で片膝を付き、頭を下げて貴族の誇りでもある杖を差し出していた。 前ページ次ページ帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!
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不意に名前を呼ばれて、デスクにつっぷしていたエレオノールは顔を上げた。 どうやら、疲れからいつの間にかうたた寝をしていたらしい。 「なに?」 デスクの面に当たっていた部分を、髪で隠すようにして振り向くと、職員が恐る恐る戸口から覗き込んでいた。 どうやら、外部から連絡があったらしい。恐縮し切った職員の話を聞いて、ようやく意識がはっきりした。 「バーガンティ伯爵が?」 予想外の名前を聞いて、彼女は目を瞬かせた。 エレオノールにも、一応婚姻の約束を交わした婚約者がいる。産まれた子が三人とも性別が女だったため、ヴァリエール家へ娘婿の形で入る事になるのだが、今職員から出た名前こそが、その婚約者のものだった。 「いったい、今時分からどうしたのかしら?」 普通ならば、仕事を終えた後に会う約束をするのだが、どうやらかなり急いているらしい。今すぐ会いたいとのことだった。 しばらく考え、エレオノールは行き詰った研究の気分転換に良いだろうと判断。職員に早退する事を告げ、部屋から出ていった。 そんなエレオノールの後姿を見送る者が居た。 レナード・カタリは早退手続きをする彼女を遠くから見ながら、薄く笑みを浮かべる。 「どうやら、外へ出てゆくみたいだね。ちょうどいい。君のサンプル、僕が貰うよ。そして僕の理論が正しいことを証明してあげよう」 まっ白な歯を見せ、嫌味なほどさわやかに哂(わら)った青年は、きびすを返すと研究室の中へ入っていった。 どうにかルイズとキュルケの衝突を抑え、鋼牙ら一行は表通りへと向かった。 既に主な用事は済み、物見遊山的な気楽さが漂っている。 「ふ~ん。これって」 通りの両側に並ぶ出店を冷やかしつつ、品物を眺めていたルイズの目が一点に留まった。見れば、丸い硝子細工の容器の中に仕掛けを施した玩具が並んでいる。どうやらハルケギニア各地の景色を再現しているらしく、一定時間ごとに昼と夜の明滅を繰り返していた。しかも時間の流れは一年を通じてあるようで、四季に応じて景色は次第に変わっていっていた。 「へえ。ずい分と手が込んでるわね。マジックアイテム?こんだけこだわって作ってたら、とんでもない値段なんじゃない?」 ルイズの視線に興味を引かれたのか、キュルケが玩具を手に取った。ためすがめつ仕掛けを見て、その後値札を見て「やっぱり」と呟いた。 「こんな値段じゃあ、平民は手を出せないわよね。魔法で構成された材料を使ってるから。これって一種のアルヴィーズよ」 キュルケの指摘に、店主の青年は困った顔をした。 「ええ。実はそうなんですよ。創り手……僕の知り合いの元メイジなんですけど、妙なところにこだわりすぎて、コストが見合わなくなっちゃってるんですよね」 「これでも、材料費ぎりぎりなんですけど」と青年は続けた。 なんでも友人に落ちぶれたメイジが居て、錬金で作った作品を売って生計を建てているのだとか。だが妙なギミックにこだわり過ぎて、玩具としては破格の値段になってしまったのだという。確かによくよく見れば、細部までこだわった作りは並みの技量ではない。先ほどの武器屋で見たシュペー卿作の剣より、実のところ時間と努力を費やしていると言って過言ではなかった。 「どこにでもいるのよねえ。こだわり過ぎて周りが見えなくなっちゃうタイプが」 「でも、あたしたちメイジ(貴族)としては、あまり破格とは言えないわ。むしろ、このサイズとギミックのアルヴィーズとすると、安すぎるくらいね」 しみじみとルイズが呟く。そして「欲しいなあ」と何度も口の中で繰り返した。 その目は、一点に向けられている。どうやら湖に浮かぶ小船をモチーフにした作品で、船の中には恋人たちを模したアルヴィーズが乗っている。ルイズの見ている前で、昼と夜が繰り返されて次第に季節が移ろっていった。 「欲しいなら、買ってやろう」 その時、鋼牙が動いた。 「日ごろ、お前には迷惑をかけている。これくらいのことで許してくれとは言わないが、それでも感謝の気持ちと受け取ってくればいい」 そう言って「店主、いくらだ」と尋ねる。 どうやら店先に積まれた商品の山を見るに、初めての客だったらしい。店主の青年は、鋼牙に問われて驚愕の表情を浮かべた。 「は、はい!」 慌てて商品の値段を言う。それを聞いた鋼牙は、コートの内側から財布を取り出し支払おうとした。 一方、鋼牙の申し出を聞いたルイズは呆然としていた。最初何を言われたか分からず、その後ようやくじわじわと理解した。それに伴い顔面が高潮し、全身が震え始める。 「ふーん」「おやおや」「なるほど」 だが、それを他の三人が座視するわけがなかった。 お互いニヤニヤと(一人はあいかわらず無表情だったが)顔を見合わせあった三人は、一斉にうなづくと、それぞれ思い思いの玩具をつかみ、鋼牙に向かって突き出した。 「ボクもー」「あたしもー」「……」 鋼牙と三人の間に流れる、しばしの沈黙。そして見詰め合う瞳と瞳と瞳と瞳。温もりを信じあう、四人の仲間。 やがて最初に折れたのは、鋼牙の方だった。 「まあいい。勝手にしろ」 それを聞いて、「やったー」と騒ぐ娘三人。その傍らでは、怒りに握りこぶしを震わせる少女とため息をつく騎士が一人居た。 けだるげな午後の日差しを浴びる広場を見下ろしながら、オールド・オスマンはあごひげを撫で上げた。 ホラー グレンデルにより痛手を負った学舎も順調に再建され始めている。 トリステイン魔法学院の主塔最上階、学院の全てを統べる学長室である。 目を細め、遥か彼方を眺める老人の背後で扉が開く音がした。 「失礼します。オールド・オスマン」 「何かな?ミスタ・コルベール」 背後に立つ禿頭の教師 コルベールの物言いたげな気配を察知したのか、オスマンが口を開いた。 「少々、気になることがございまして」 対するコルベールは、緊張を全身に漲(みなぎ)らせながら頭を下げた。 「かまわぬ。言うてみよ」 「先日、アカデミーに引き渡した『ホラー』なる幻獣についてです」 「ふむ」 やはりそう来たか、と言いたげな様子でオスマンは肩をそびやかす。 「あのような幻獣を、私は始めて見ました。少なくとも、『フェニアのライブラリー』に収められている資料中にも記録されたものは有りません。学院長はあのような存在を、何処でお知りになられたので?」 「どこで、か?」 あいかわらず、コルベールに背を向けたままオスマンは語り始めた。 「その場合、『何時(いつ)』と尋ねたほうが良いやも知れぬな」 「何時?」 訝しげなコルベールの声に、オスマンは背中でうなづく。 「誰も知らぬのは無理もない。なぜならば」 呼吸さえはばかるコルベールの気配を感じながら、オスマンは続けた。 「六千年余り前よりこの方、このハルケギニアの地にホラーは現われなかったのだからな」 「六千年!まさか、始祖ブリミルの時代の存在でしたか!」 コルベールが驚きの声を上げる。 「さよう。門の彼方より現われたブリミルは、また門の内側より此方へと来る悪魔を防いだという。だが六千年の長い年月の間に、この封印が弱まり始めたのだ。ゆえにホラーもまた、この地へと現われ始めた」 「なるほど、そういうことでしたか……」 己の疑問に明確に答えるオスマンに、コルベールは驚嘆の念をもって聞き入った。 だが、同時に新たな疑念が生じる。 なぜ、オスマンは六千年も前の誰も知らないことを知っているのか? それがオスマンのメイジとしての力量を表す知見であるとしても、あまりに不自然に過ぎる。 ましてや、この学院に潰滅的打撃を与えたホラーを単独で拘束するなぞ、一体いかなる技を振るえばそのようなことができるのか?地を穿つほどの衝撃を与え、水晶の戒めで封印するとは、どれほどの魔導の力を秘めているのか? と、ここまで考えてコルベールの脳裏に奇妙な考えが浮かんだ。 果たして、あのホラーは完全に封印されてしまったのだろうか?メイジを融合捕食し、その力を取り込んでさらに強大化する存在が、あれくらいで大人しく実験材料となるとは思えない。 そしてもう一つの懸念。 平民どころか、メイジですら必要となれば生体実験を辞さないアカデミーの連中が、ホラーをあのまま放置しておくとは考えられない。封印を暴き、ホラーを丸ごと取り出してどうかしようとするのではないか? そんな存在を、よりによって王立魔法研究所などに受け渡してしまったとは。 もしかしたら、自分は取り返しがつかない事をしでかしてしまったかもしれない。 そんな風に思いに沈むコルベールに背中を向けたまま、オールド・オスマンは窓の外を見続けている。 目を細め、遥か彼方を眺めるのは、トリステインの王都トリスタニアの方向だった。 と、不意に窓の外が陰る。 太陽を覆い隠すように、黒っぽい雲が一塊、上空に浮いていた。 そのためにそれまで向こう側を透かしていた窓硝子が、鏡のようにこちら側のものを映し出す状態へと変わった。 「さて……そろそろ、頃合じゃな」 口の中で呟かれた、コルベールにも聴こえないオスマンの言葉。 窓ガラスに映し出されたオールド・オスマンの表情は、普段の好々爺めいたものではなく、ここではないどこか遠くの何者かに対する嘲笑を浮かべていた。 結局、武器屋を出た後はトリスタニアの街の中を巡る、物見遊山の道中となった。 かしましく騒ぐ四人娘たちの背後で、鋼牙はまるで護衛のようについてゆく。 「あら?」 最初に異常に気付いたのは、キュルケだった。 「荷物はどうしたのかしら?ダーリン」 そう、最初に買った被服類、その後の武器屋で自分とタバサが買い求め与えたデルフリンガーとかいうインテリジェンスソードが何処にもないのだ。 「何処に?」 上目遣いに尋ねたのは、タバサだった。あいかわらず読みにくい表情をしているが、キュルケにはどこか悲しげに見えた。 だからと言うわけではないが、自然問い詰める口調になっていたことは否めない。 「女の子のプレゼントをどっかにうっちゃるなんて、さいって~の男のすることじゃないのかしら?」 確かブルドンネ街に出るまでは、脇に携えているのを見た事は覚えているが。 一体どうしたのかと尋ねるキュルケに対し、鋼牙は至極当然のように簡潔に答えた。 すなわち。 「かさばるからな。コートの中にしまっただけだ」 「はいぃ?」 だが、キュルケは納得しなかった。少なくともあのインテリジェンスソードは、タバサの身長くらいあったはずだ。それが鋼牙のまとうコートに隠せるはずがない。無理矢理押し込んでも、何処かからか必ずはみ出るだろう。 「どういうことよ?それ」 『はははは!不思議がるのも無理はない。鋼牙。意地悪しないで教えてやれ』 頭を抱えてウンウンうなるキュルケを見て、《ザルバ》がさもおかしそうに笑った。 『魔戒騎士のまとうコレはな。内側がこことは違う別のところにつながってるのさ。普段、魔戒剣をしまってるのは、そこの中だ』 「へえ」 そう言えば、鋼牙はホラーと戦う際、何処からか剣を取り出している。コートの中にしまう場所があるのか、でも身体を屈めたらつっかえてしまいそうだな、などと考えていたが要はそういう事らしい。 『デルフリンガーとか言ったか?先ほどの喋る剣も、五月蝿く話しかけるからな。さっさと仕舞うよう、俺様が鋼牙に言ったのさ』 鋼牙はうなづき、コートの中へ掌を突っ込んだ。 再び引き出した腕には、古びた鞘に収められた剣が握られている。鞘から抜くと、さっそく鍔の金具を震わせて、デルフリンガーが叫び始めた。 『な、なに今の?俺、どこに居たの?なんかにゅーって入っていって、なんかにゅーっで出てきたよーな気が』 どうやら、コートの内側に入っている間、時間の経過はほぼないらしい。デルフリンガーにとっては、いきなり突っ込まれて、いきなり外へ出された、そんな感覚のようだ。 『うるさいんだよお前は。少しは静かにしろ』 そして、そんな魔剣に対して《ザルバ》が噛み付いた。 どうやら同族嫌悪とでも言うのか、あるいは近親憎悪とでも言うべきか、似たような存在である両者は出会った当初から仲が悪いようだ。 魔導輪と魔剣は、さっそく口々になにやら言い争いを始めた。 『フン!てめこそ、この中に入ってやがれ!六千年生きてきたデルフリンガー様と、どこぞのポッと出のマジックアイテム風情、どっちが偉いか分かりきったことだろーがよ?』 『下らないなあ。長生きすれば良いと思ってる辺り、やはり相当呆けてきているらしい。要は、どれだけ鋼牙に貢献できているか、俺たちの価値はそこにこそある。まあ、喋るだけの剣のお前なんぞ、元から勝負はついているがな』 『なんだとこのーっ!七面倒臭いことばかりくっちゃべりやがって!てめ、何様のつもり―』 『おや、もう言葉に詰まったのか?やっぱり肝心の脳みそがすっからかんらしいな。まあ、全身無垢の金属のお前さんの、どこに脳みそがあるかかいもく見当はつかないがな』 『う、うう……』 何も言い返せず、鍔の金具をカタカタ言わせるだけのデルフリンガー。その肩(はないから柄)を軽く叩き、タバサは「生キロ」とささやいた。 そんな二体の様子に、いい加減業を煮やしたのか、思い余った様子で鋼牙が怒鳴った。 「お前たち、いい加減にしろ」 『ちょ!いきなり出して来られたかとお思えば……てめ、ナニをしやが……』 デルフリンガーを鞘の中に収めると、鋼牙はさっさとコートの中にしまった。1.5メイルを超える刀身が何の抵抗もなく消えてゆく様を見て、各々賛嘆の声を上げる。 「なんと言うか」「すごい」「便利ねえ」 キュルケとタバサ、モンモランシーは感心しながらうなづいた。 そんな中、残るもう一人であるルイズはなにやらポイポイと鋼牙の方へ投げ渡した。 「へえええ~、いい事聞いちゃった。鋼牙。コレ頼むわね」 「なんだこれは?」 当然、鋼牙は厳しい顔つきでルイズの方を見る。手元にあるのはルイズの買った下着類や先ほど買った玩具等などをまとめた一抱えほどの荷物だ。 「まさかコレを、この中に?」 「んん、そ~ゆ~事」 ルイズは人差し指を立て「チッチッチッ」と言いながら振った。 「遣い魔のものはご主人様のものよ。とーぜん、アタシの荷物も持っていってくれるわよね?鋼牙」 「……」 「持っていってくれないの?」 不機嫌そうにだんまりを決め込む鋼牙に対して、ルイズは瞳を潤ませる。 『まあ、いいんじゃあないか?お嬢ちゃんの手荷物くらい。毒喰らわば皿までって言うだろう?』 「わかった。ただし、今回きりだぞ」 魔剣をやり込めたことで、どうやら上機嫌らしい《ザルバ》がなだめる。鋼牙はこの日何度目になるか分からないため息をつきながら、ようやく納得した。 重いものが倒れる鈍い音を背後に聞きながら、レナード・カタリは前方へと足を進めた。 王立魔法研究所(アカデミー) 第二隔離実験棟のゴーレム操作室である。 直接接蝕することが困難であるサンプル調査のための部屋に、彼は来ていた。 硝子越しに水晶の巨大結晶に封じられて、ホラーなる幻獣が浮いているのが見える。 「僕が作業を終える間、君たちには眠っててもらうよ」 『スリープ・クラウド』の魔法で、何人もの研究所員がバタバタと周囲に倒れている。それを見下ろしながら、レナードは卓上に突き出た、篭手のような器具を操作し始めた。 すると篭手の動きに従い、硝子窓の向こうのゴーレムの腕が動き始めた。 「なにも、全部盗ろうってわけじゃあないんだ。ほんの少し……腕か脚の一本でもいただければ充分なんだよね」 認可は得ていないが、盗った後にでも既成事実化すれば別に問題ないだろう。レナードはそんな風に考えていた。ある意味、倫理感の薄いアカデミーの人間の代表的意識と言えよう。 エレオノールの不在をうかがったのは、あくまで揉め事を避けるためだ。 レナードのやろうとしていることは、封印である水晶構造をある程度破壊する事だからだ。 とは言え封印それ自体は実際は水晶ではなく、物質化レベルまで凝集された、純粋な魔力の塊であると研究所のスタッフは見ていた。それが物理的に破壊可能であることが、なによりの驚きであった。 「さて、まずは脚を一本」 『エア・ニードル』をゴーレムの腕の先端にまとわせ、水晶を削り取ってゆく。硝子窓の向こうから、カリカリと小刻みな音が聞こえてきた。本来ならば、鼓膜を破るような轟音が発生しているはずである。それが、強化硝子を挟んでコレくらいに聞こえて来るのだ。 だから、彼には『その音』が聞こえなかった。 ガリガリと刻む音に混じって、何かが割れるような、澄んだ音が鳴り響く。 レナードには見えていない、ホラーの背中側から水晶の表面を細かなひび割れが広がっていった。 「もうちょっとかな?」 いつの間にかにじんだ、額の汗を拭い取り、レナードは最後の詰めをこなそうとしていた。 「これが済んだら、次は実験用の人間の脳を確保しなくちゃならないね」 魔法のための永久供給源『生体過給器』のためには、その二つが必要であると彼は考えていた。それさえ実現すれば、レナードはアカデミー内で半永久的な賞賛を受けることができるだろう。その日の訪れる事を考えると、彼の胸は期待に膨らんだ。 「アカデミーは実力主義なんだよ!ヴァリエールとかなんとか、血筋だけで偉い顔をしている奴らを、僕はしのいでみせる!」 そんな妄想に浸っていたためだろう。彼は最期まで変事に気付くのが遅れた。 気がつけば、その時は唐突に訪れていた。 「あ……れ?」 硝子窓の向こう、透明な水晶構造の全体がいつの間にか白濁していた。 「おかしいな?こんなに削ったっけ?」 ゴーレムを停止させ、窓硝子を覗き込む。耳が痛いほどの静寂が、唐突に訪れた。 そんな中、どこからか微かな音が響いてきた。 みしみしという、氷が砕けるとき立てるのに似た、奇妙に乾いた音の出所は。 「ホラー、か?」 正確には、ホラーを封印した水晶の構造が砕け、床下に落ちてゆく音だった。 床に落ちた水晶構造の欠片は、溶けるように消滅してゆく。 「馬鹿な!そんな馬鹿な!」 自分はごく一部、ほんの少しだけサンプルが欲しかっただけなのに、どうしてこんな予想外のことが生じてしまうのか? このままでは全部の水晶が崩壊し、中身のホラーが現れてしまう。 唖然とするレナードの眼前で、水晶の構造全体をひび割れが覆いつくし、次の瞬間―。 一斉に飛び散った。 「うわっ!」 思わずレナードは顔を覆った。硝子窓に阻まれて、飛び散った欠片は彼には届かないはずだった。とは言え、やはり条件反射的な反応を示してしまう。もっとも、欠片の大半は空中で気化するように蒸発してしまったため、さほど問題はなかったが。 「僕は知らない。知らない……ぞ」 自分のやらかした結果を、首を振って否定しようとする。だが、目の前で起きた事に気を取られて、レナードは重大なことを忘れていた。 『GuゥるrUゥゥ』 「へ?」 硝子窓の向こうから、不気味にくぐもった音が聞こえてきた。ヒトの声とも獣のものとも微妙に異なるソレは、次第に大きくなってくる。 『GGGGGGおOOOrうRおOウウウウウウウウウウ』 そして―。 レナードの居る硝子窓の向こう側に、黒い影が立ちふさがった。 べったりと掌を貼り付けて、こちら側を覗き込む顔は豚のようであり、人間のようでもあり、骸骨のようでもあり、そのどれにも似ていない。全身は鱗のような獣毛のような、灰色の奇妙な皮膚に包まれ、背中には申し訳程度の羽根が蠢いていた。 「だ、大丈夫、さ」 レナードは安心し切っていた。一応、化学反応による爆発にも耐えられるようにこの窓は作られているのだ。たかが人間の大きさくらいの存在が、どれだけ暴れても突き破ることなんてできるわけない。 そう、そのはずだった。 「ひ!」 ずぶり、とホラーの腕が硝子窓に沈んだ。 液体に掌を沈めるようして、鈍色の幻獣がこちら側へとやってこようとしていた。 硝子の向こうから、掌が、腕が、肩が、そしてとうとう頭が現われる。 幾重にも生え揃った牙が剥き出しになって哂(わら)って視界いっぱいに広がって―。 レナード・カタリの意識は喪われた。 『むう?』 《ザルバ》の放つ唸り声に、鋼牙は目線を手元へとやった。 「どうした《ザルバ》」 左中指にはめられた魔導輪《ザルバ》は顎をカクカク揺らしながら答えた。 「久しぶりだ。鋼牙。ホラーの気配だ」 「なに!」 色めき立つ鋼牙は、だが一方で視線を周囲に走らせて渋面を作った。 「こいつらを、ゾロゾロ引き連れて行くわけにはいかない」 鋼牙が見遣る先では、ルイズ以下四人娘たちがあいかわらず店頭で品物を見ていた。いわゆるパーティーグッズ(鋼牙の元居た世界とは違い、それこそ本当のパーティー=舞踏会やら園遊会やらのことだ)を売っている店らしく、羽毛で作られた扇子やらなにやらが並べられていた。 どうして女と言うものは、買うつもりがないのに目に付いた店全てを見て回り、品物を手に取ろうとするのだろう? 世の男性のほぼ全員が問わずには居られない疑念を、鋼牙は抱く。 「ルイズたちを戦わせるのは、危険だ」 鋼牙の反対意見に対して、《ザルバ》は微妙に重い口ぶりで答えた。 『うーん。あんまり賛成できないな。鋼牙。お嬢ちゃんたちだって、一生懸命魔戒法師を目指しているじゃあないか?ここで除け者にするのは、良くないと思うぞ』 「お前の言いたいことも分かる」 鋼牙は、《ザルバ》の言わんとした事に同意を示した。あくまで、一応ではあるが。 「だがな。今のあいつらは半人前どころか、魔戒法師の初歩の初歩でしかない。そんなレベルでホラーと正面からやり合っても、到底太刀打ちできるはずがないだろう」 『なるほど、前回はかなり運の良い部類に属したからな。あれでホラーを甘く見ているようじゃあ危ないか』 ある意味、友好的?なホラーと遭遇した、モット伯邸での事件を思い出したのか、金気混じりのため息を吐き出しながら《ザルバ》も折れた。 『だがな。鋼牙。後できちんとお嬢ちゃん方に謝ったといた方が良い。特にルイズのお嬢ちゃんにはきっちりとな』 「分かっているさ。あいつの厄介さはな」 苦い笑みを浮かべながら、鋼牙は《ザルバ》との会話を打ち切った。 どうやら、四人の少女たちは自分の買い物が決まったらしく、めいめいが商品を抱えて店の奥へと向かっていこうとしていた。 『よし!今だ』 様子をうかがっていた鋼牙は、少女達が店の奥に消えた瞬間を見計らい、素早く路地の奥へとその姿を消した。 そして、もう一人。 「どうやら、封印が除けた様じゃな」 相変わらず窓の外を眺めながら、オールド・オスマンが呟いた。 陽はだいぶ傾き、すでに夕刻に迫ろうとしていた。ゆっくりと茜色に変わった稜線がはるか彼方に見え、草原は陰り始めている。 コルベールの姿はない。オスマンの説明に完全に納得したわけではないだろうが、学院長がこれ以上話すつもりはないだろう事を感じ取り、自ら退出したのだ。 今は、この部屋には学院長一人だけである。 そう、思われていた。 「モートソグニル。おぬしの出番じゃ」 誰も居ないはずの室内に、オスマンの声が響く。 モートソグニル。 オールド・オスマンの使い魔である、ハツカネズミの名前である。 それは、この学院の者なら誰でも知っている、常識的な事柄だった。 そう、そのはずだった。 「……」 オスマンの背後の空間が陰り、いつの間にかそこに一人の少年が立っていた。 年の頃は七か八。硬く凍てついた能面のような表情を浮かべているが、その面は冴え渡った月のごとき白皙の麗貌である。 身にまとうのは白。純白たる執事の装いである。革靴のつま先から、絹の手袋の指先まで、全てが不自然なまでに白く統一されていた。 オスマンの背後に現われた少年は、胸に掌を当てて深く頭を垂れた。 「……予定には変更なしじゃ。彼の地に赴き、例のものを回収せよ」 オスマンの指示に、美童は再度一礼した。 次の瞬間、少年の周りで再び闇が渦巻いた。影が一層濃くなり、華奢なその姿を覆い隠す。 再び闇が晴れたときには、その場所には何も存在していなかった。窓辺から差し込む夕日が、何もない空っぽな床面を映し出しているだけだった。 「アカデミーどもめ。汝らに過ぎたる力、返してもらうぞ」 ゆっくりと身体を巡らせ、室内のほうを向く。 いつの間にか学院長室は、はるか彼方まで続く見通せぬ闇の空間となっていた。 その中央に立つ、まるで裁判官の席のような壇上に着いたオスマンは、昂然と顔を上げて彼方を見据えた。 果たして、ソレに気付いたのはルイズが先だった。 「ちょっと!鋼牙が居ないわよ!?」 例によって、鋼牙に荷物を持たせようと姿を探して、何処にも居ない事を彼女は発見した。 「どういうこと?」 「ハッハ~ン!なるほど、そういうことね~」 「な、なに?なんだというのツェルプストー!?」 きょろきょろと不安げに見回すルイズに、キュルケは余裕の態度で歩み寄って告げた。 「謎はすべて解けた!犯人はヤス……じゃあなくって、ご主人様の過酷な扱いに、さすがの魔戒騎士もギブ・アップしたのよ。ダーリンは今頃寮のあたしの部屋に帰ってて、待ってくれているの。そうして今夜から、あたしとダーリンの快楽と肉欲の日々が始まるのよ!」 「ヤ~ンマイッチング!」とか言いながら身体をくねらせるキュルケを、ルイズは拳を震わせて睨んだ。 大きく深呼吸して、何か叫ぼうとしたルイズにモンモランシーが駆け寄り必死で停めようとした。 「ここはもう少し、冷静にね?ひょっとしたら急用ができたかもしれないし、四人で……ううん三人で考えましょう」 どうやらモンモランシーは、未だ妄想に浸り切っているキュルケは放置する方針らしい。タバサと共に、そのおでこを突き合わせてなにやら考え込み始めた。 「まずは、いつ、いなくなったかよね?」 「清算する前には居た」 「と言うことは、アタシたちが店の奥に入った時ね」 モンモランシーが問題提議し、タバサがヒントを出す。そうしてルイズが答えを導き出すという順番である。 「それで、原因さえ分かれば何処に行ったのか分かると思うのよ」 「原因、不明」 「少なくとも、アタシ達は連れて行けないと考えたってことじゃあないの?」 首を振るタバサに、ルイズは故意に置いて行かれた可能性を指摘した。 「つまり、つれてゆけない理由ね?」 「理由……戦闘?」 「戦いに巻き込みたくないってこと?まさか!ホラー!」 一足飛(いっそくとび)に結論を導き出したルイズは、唇を噛み締めた。 「なによ!アイツ……そんなにアタシ達が頼りにならないって言うの?」 「仕方がない……確かに未熟」 悔しさに全身を震わせるルイズに、タバサはだが乾いた口調で告げた。 「未熟って…まあ、確かにそうだし」 「そんな!じゃあ何のためにあんなに特訓してきたって言うのよ!」 曖昧な口調でタバサの言葉を認めるモンモランシー。だが、それを認めがたいルイズは二人共に噛み付いた。 「許せないっ!帰ってきたら、とっちめてやるんだからっ!」 「あ~ら?ヴァリエールの女は、男が帰ってくるまで辛抱強く待つだけの存在~?」 肩を落とすルイズ。そんな彼女にキュルケのからかい口調の言葉が突き刺さる。 「待つって……待つしかないじゃない!どうしろって言うのよ?」 「んん~」 どうやらキュルケは、情欲呆(よくぼ)けから回復したらしい。ルイズに問われて、顎に人差し指を当て考えながら答えた。 「大体の事は理解できたわ。た~しかに今のあたしたちじゃあ、頼りなく考えるのも無理はないもの。ルイズ。貴女一人でホラーを倒すことなんて、できると思う?」 「そんなの!やってみなくちゃわからないじゃない!敵に背中を見せないことが、貴族の誇りよ!」 「それは違う」 貴族の誇り伝々を語るルイズの言葉を、まっ正面から否定したのはタバサだった。 「無謀と勇敢は異なる」 「確かにね。敵の力量を誤る事は、戦う上で一番やってはいけないことよ。昔ギーシュがそんな事を言ってたわ。まあアイツの言う力量って、女の子相手の甲斐性がどうとかって意味だったけれど」 失われた恋人の事を思い出しながら、モンモランシーも同意した。 「まあ、あたしの家も元武門だからね~。そのあたり良く似た話は聞くけれど。まず大切な事はね。モンモランシーの言った通り、敵の実力を過小評価しない事だと思うわけよ。同時に、自分の実力を把握する事。その上で、確実に勝てるって策を練らなくちゃ。これが一番大事よね」 かってのルイズならば、こうした説得に耳を貸す事無くただ自分の思いのみで暴走しただろう。だが度重なるホラーとの交戦経験と鋼牙の存在が、戦いを共にした友人たちの言葉に耳を傾ける素地を生んでいた。 「……わかった……」 「んん?聞こえな~い」 「わかったって言ってるでしょう!ああもう!で、どうしたら良いのよ?鋼牙の居所も分からないし、ホラーをアタシ達で倒せる算段も見つからない。だったら大人しく、尻尾を巻いて逃げ出せって言うの?」 わざとらしく聞き返すキュルケに、焦れたルイズが大声を上げる。そんな彼女に、タバサは一言だけ告げた。 「協力」 「なるほどね。一人じゃあ敵わないかもしれないけど、全員の力を合わせればOKって事ね?」 「その通り」 モンモランシーには、タバサの言いたいことが理解できたらしい。 「それより、鋼牙の居場所がわからないことにはどうしようもないでしょう?」 「たぶん、ある」 「えっ!」 ルイズの疑念に対して、タバサはだが自信に満ちた答えを返した。 「あなたの、おかげ」 「あたし、の?」 驚きの色を浮かべるルイズの顔をしっかり見ながら、青髪の少女はおもむろにうなづいた。 夕闇の街を、一人の女が駈けて行く。 王城に近いこの区画には、官僚達の居住する屋敷が多い。 本来ならば、帰宅を急ぐそうした者たちでごったがえしているはずの時間帯だった。 だが今、通りを歩く者の姿は何処にも見えない。まるでその様子は、この王都から住人が一人もいなくなってしまったように感じられた。 息を切らし、懸命に助けを求めて視線を彷徨わせる。 何度も転んで、灰色に汚れた白衣の裾に足を絡め取られながらも彼女は前へと進んだ。 入り組んだ街路のそこかしこの闇から、得体の知れぬものが這い出てきそうでともすればすくみそうになる。 だが、ほんの少しの間でも足を停めれば、『彼』が追いついてしまい其処で終わりとなってしまうだろう。 そんな想像が容易にできてしまい、彼女は足を停める事ができないでいる。 だが、その努力も虚しく終わりを告げるときが来たようだ。 限界まで酷使された肺と筋肉は、唐突にその機能を麻痺させた。 足がこれ以上動かなくなった女は、その場に受身も取れず叩きつけられるように転倒した。 口を魚のようにパクパクさせて、懸命に息をしようとするが肺そのものが酸素を受け付けなくなっていた。 見る見るうちに女の顔色が蒼白に変わってゆく。 『やA、追IツいTa(やあ、追いついた)』 だが、背後からその声を聞いたとき、女の顔色は蒼白を通り越して土気色に変わった。 「ひっ」 喉の奥からかすれた悲鳴を絞り出しながら、女は慌てて後方を顧みた。 居た。 夕刻から夜の闇に沈む逢う魔が刻。 闇より昏い闇夜より浮かび上がる白い影。 それが、自分と同じ白衣に包まれた青年であると気付いた時には、既に相手は目の前に立っていた。 『ずi分手間取LaせるYoね。あチこTi逃GeてクレTE。でmoまア、よWUヤく追IツいTあYo(ずい分手間取らせるよね。あちこち逃げてくれて。でもまあ、ようやく追いついたよ)』 音階があちこち外れ、言語には聞こえない言葉を話しながら、自分と同じ白衣の青年が近づいてきた。 整い過ぎて、逆に特徴に乏しい面に笑顔を浮かべながらやってきた青年は、不自然なくらい白い歯を煌めかせて彼女を覗き込んだ。 『kいミDeサい後ダ。きmIのNoUをIレてひゃKuサんジュウ五ニンぶN。KOレでヨウYaク思IDおRIのモNOガ作Reる(君で最後だ。君の脳を入れて百三十五人分。コレでようやく思い通りのものが作れる)』 「!」 女の脳裏に、様々な光景がフラッシュ・バックする。 探しても捜し求めても、人一人見つからない研究所の中。 次第に強くなる血臭の中、ようやく探し当てた人の気配。そこで見たもの。 細切れに分解され、いたる所にうず高く積まれた、かって人体だった断片。 その中に一人立つ、異形と化した青年の姿。 まるで粘土細工でもこしらえるように、人間の肉体のその部分を弄んで組み上げる、異形のオブジェ。 その形は。その形こそは。 「あ、あ」 自分が目撃したモノと、青年の言葉の意味が頭の中で一つに結びついて彼女は悲鳴を上げる。 「いやーっ!殺さないで殺さないで!ごめんなさいごめんなさい!」 かって同僚だった、彼女のそんな狂態を心底悲しげに眺めながら、青年は口を開いた。 「ドUsいtソんなNaに嫌gルのSA?君daっTe学MoんノとNoハシくreだロウ?だつtsuタら、Koの実KeんノユうイギSあガDoしTE理カIでKiないノ?(どうしてそんなに嫌がるのさ?君だって学問の徒の端くれだろう?だったら、この実験の有意義さがどうして理解できないの?)」 不思議そうな口ぶりで尋ねた青年は、相手の狂態がいっこうにおさまらないのに業を煮やしたのか、首を振った。 『NaんTo言Uか、君NIハシTu望SIたYo。もTo同RyoうダッTa君なRA、賛DoしTeクReruと思ッたノニ(なんと言うか、君には失望したよ。元同僚だった君なら、賛同してくれると思ったのに)』 かってレナード・カタリと呼ばれた青年は、女性を迎え入れるように両腕を広げた。 次の瞬間、レナードの白衣の背中が弾け、緑色の触手が現われた。 何十本何百本もの、細いコードのようなソレの先端にはメスやかん子、注射器など様々な医療器具が生えている。 『ジyuつSiき、かIシ(術式、開始)』 器具同士が触れ合って、甲高い音を奏でながら近づいて来る。 「いやぁぁぁぁぁっっっ!」 何処にそんな力が残っていたのか?女性は突然立ち上がり、レナードに背を向け逃走しようとした。 「UごイTra、ダMeじゃnあIカ(動いたら、駄目じゃないか)」 大きな肉の塊に、ナイフを何度も突き立てたら、こんな音が聞こえるだろうか? 抵抗も虚しく女の身体にメスが、注射器が、ありとあらゆる医療器具が突き刺さり、一斉に蠢いた。 何か柔らかいものを、鋭利な刃物で引き裂いてゆく音が辺りに響く。夜目が利く者が居れば、女の身体に縦、横、斜め方向へ次々と『線』が入って行くのが見えただろう。 時間にして、ほんの三十秒ほどだろうか? レナードは、女性の身体からゆっくりと触手を引き抜いた。 静まり返った通りの石畳の上に、湿ったモノが落ちる鈍い音が響く。 それは次第に勢いを増して響き、同時に女性の身体はブロック玩具で作られていたかのようにバラバラになって散っていった。 後には満足した表情を浮かべ、ナニかを抱き締めつつ立つレナードの姿が残された。 『よUヤKu、手に入レタ(ようやく、手に入れた)』 腕の中にある灰白質の塊を、愛しそうに見下ろしながらレナードは呟いた。 『サA、KaえTuテKuみたテNあIト(さあ、帰って組み立てないと……)』 言いつつきびすを返しかけた彼は、ふと立ち止まり―。 『nあ!』 斬!と。 足元の石畳が割れた。否、切り裂かれた。同時に闇の中を風を切る音が近づいて来る。吹き付ける殺気と共に獣のような咆哮が轟いて、次の瞬間レナードは5メイル以上も飛び退いた。 『DぁRE、ダ?(誰、だ?)』 闇の中を透かし見た彼の表情が恐怖に揺れる。 目の前に、いつの間にか見知らぬ青年が立っていた。 ピッタリと身に付いた、皮製の黒のスーツの上に同じく皮製の白い装甲コートをまとっている。強い意志を宿した瞳は、闇夜の中でも炯炯と光を放っていた。凛々しき顔(かんばせ)には、幾多もの戦闘の経験に裏打ちされた逞しさが浮かんでいる。 「遅かったか!」 青年は、たった今振り抜いた黄金の刃を持ち上げると、左中指のリングに刀身を当てて滑らせる、一種独特の構えを取った。 「貴様。ホラーだな?」。 『dあRe……Iや!(誰……いや!)』 正面から叩きつけてくる剣気を感じ取るだけで、レナードの全身が身震いする。 問うまでもなく、彼にも正体はわかっていた。 この者は、この者こそは! 『マsあKァ、Kiさマ!(まさか、貴様!)』 それは恐怖か?戦慄か?はたまたこれから巻き起こる破壊に対する愉悦と狂気か? 喜びと憎しみのない混ざった表情で彼は叫んだ。 『キSaま、マKaい、Kiシかa!(貴様、魔戒騎士かぁ!)』 レナードの背中の触手が一斉に広がり、鋼牙目がけて襲い掛かった。 メスや注射針、はさみやかん子など様々な手術道具が、その鈍い銀の先端を輝かせながら押し寄せる。 「!」 だが鋼牙の腕が目まぐるしく動くたびに、触手はことごとく弾かれ虚しく散っていった。一体どういう見切りなのか、剣のたった一断ちで十数本分の触手が一斉に切り裂かれて落ちてゆくのだ。 残像すら見えない超高速の剣のやり取りに、いつしか二人の間で大気が渦を巻き、吹き飛ばされた塵が砂嵐のように渦を巻いて飛び散っていった。 『Kウsっ!(くそっ!)』 大事な脳を両腕で抱えた状態である。そのため全開で攻撃できないレナードは、次第に押され気味となってきた。 鋼牙との凶器のやり取りに没頭しながらも、何とか周囲に視線を走らせて―。 「ちいっ!」 石畳を蹴る音が響いたのは同時。 一方は前方へ、他方は後方へ跳躍する。 一瞬で数メイルの距離を縮めた鋼牙だが、大振りの魔戒剣の一撃は虚しく空を斬っただけで終わった。 『鋼牙、上だ!』 《ザルバ》のアドバイスに急いで視線を上げると、とある屋敷の屋根の上から青年が覗き見ているのに気がついた。 「妙に身軽な奴だ」 『あの触手には見覚えがある。確か……《魔験ヴァルファル》。背中から生えた触手を脚代わりに使って、どんな所へも移動できたはずだ』 「まるで蜘蛛か蛸だな」 鋼牙は数歩を駈けると、足裏に力に込めていっきに跳躍した。体重がまるでないかのように飛翔すると、鋼牙はヴァルファルの居る屋根の上に足先から着地する。 「だが、逃がさん!」 再び魔戒剣を振り、屋根の上をいっきに駆け抜ける。だがヴァルファルは、背中から伸ばした触手を別の屋敷の屋根に打ち込み、無理矢理自分の身体を引っぱる形で己の位置を移動させた。 「待て!」 『ッMaらNaい事Dえ、あrAソIたkナいね。Imあハ、Koレの無JiがItiばNだIジDあ。BoくWo倒シTaケれBa、つiTえkUるト良I(つまらないことで、争いたくないね。今は、コレの無事が一番大事だ。僕を倒したければ、ついてくると良い!)』 胸に抱えた脳を大事そうに抱えながら、ヴァルファルは屋根伝いに逃走を開始した。
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おまえらのほうがすうばいいたいけどな! -- 2008-10-12 23 44 25 ちゅっきりいちばんのりー!! -- 2008-10-12 23 44 40 ほっぺたを突く微笑ましいいぢりをしてる僕はお前らとは違うんだ! 違うんだったら違うんだ! 僕は選ばれたクズなんかじゃない!んほおおお! -- 2008-10-12 23 46 03 乙! 出て行った職人だって虐スレ設定と無縁じゃないぜw こっちが先にあって設定作っちゃってたんだから どうやっても後からできた愛でスレは影響を受ける 虐待許さないって連中も動物設定から離れられてない 妖精設定にすれば矛盾も解消できるのに -- 2008-10-12 23 46 24 害獣設定を作ったの作らないの より外道だのなんだのとちゃんちゃらおかしいw 公式設定(笑)以外は別の何か。違うもの!ってやつですね -- 2008-10-12 23 48 23 なんかいきなり変なのが混じってるな -- 2008-10-12 23 49 45 ちゅっきりー! 2008-10-12 23 44 25 乙もちゅっきりもしぇずにあおりゅとかばきゃなの? れーみゅでももうしゅこちくーきよめりゅよ! 2008-10-12 23 46 24 しょろしょろおうちかえっちぇにぇ! -- 2008-10-12 23 50 40 チル裏に何を求めてんだ 自分が認めるレス以外は出て行けとでも?w -- 2008-10-12 23 51 54 独り言すまん。 俺、子供を産んで幸せな一家を築くゆっくりってのが大嫌いなんだ。 ゆっくりAA自体は好きだし、ゆっくり自体も可愛いと思ってる。 けれどそれはふてぶてしくって、食べられても平気な顔でふんぞり返ってるようなのだけ。 例えるならま○子さんやガ板、幻想板ゆっくりは好き。ウザ可愛い。 ただ、子供をと一緒に「いつまでもゆっくりしようね~」 なんていってるのを見ると叩き潰したくなる。特にゆっくりの家族。 子供を産む設定とか、上記の台詞なんかは虐められるためだけに存在するように感じていて、 こいつらのせいでゆっくりに弱いイメージが付いた元凶だと思ってる。 そんな自分がこのスレで好んで読むのはゆっくり一家が崩壊する話。 弱いゆっくりはゲスも含めて苦しんで欲しい。ふてぶてしいゆっくりが好きだから。 愚痴すまん。 -- 2008-10-12 23 52 34 向こうの人のほとんどはこっちが本拠地 向こうのチル裏は言論統制されてるから仕方ない -- 2008-10-12 23 53 14 2008-10-12 23 49 45 ゆっくり的なセリフ吐こうが、煽ろうが、それを注意しようが 全く変わらないのがチル裏だ 頭の中でゆっくり的なセリフ吐いてる奴ワンパターンでつまんねーなって思っても ここに書いちゃいかん、ただ荒れるだけだ -- 2008-10-12 23 53 20 今日もまた楽しそうに過ごしている一家の巣をスコップで埋めていく作業が始まるお・・・ -- 2008-10-12 23 53 55 変な奴がいるとか 荒らしが紛れてとかは 言っとけば自分がゆっくりじゃない気持ちになれる便利な言葉 -- 2008-10-12 23 54 39 2008-10-12 23 51 54 あんまファビョるなよ、みっともない -- 2008-10-12 23 55 21 ここに書いちゃいかん(キリッ 何書いてもいいように用意してくれてる場所で何言ってるんだお -- 2008-10-12 23 56 43 2008-10-12 23 53 55 楽しそうな作業だな。俺も混ぜてくれ -- 2008-10-12 23 57 43 2008-10-12 23 53 55 ただ埋めるなんてもったいない まず殺さない程度に赤ゆor子ゆを吊り上げ、親をボッコボコ 目の前で尊敬する親が死んでいく光景に子供達の恐怖フルマックス んで子ゆっくり達に先に親の死骸全部食べきれた奴を生かしてやるって言う んで遅い奴を一匹ずつつぶし、最後の一匹に完食させる。 んで実は事前に捕まえておいた野生のゆっくりにそれを見せて野に放つ んで子ゆっくりは他の群れからフルボッコ んで子ゆっくりを追いかけた自分も群れフルボッコ -- 2008-10-12 23 57 51 ファビョるって意味わかってるのか微妙なのがいるな。 -- 2008-10-12 23 58 07 愛で住人どころかアンチスレでみかけるような奴がいても、受け入れてやるのがチル裏さ! 楽しくやろうぜ!叩くけどな! -- 2008-10-12 23 58 54 2008-10-12 23 56 43 それもそうでした -- 2008-10-12 23 59 10 2008-10-12 23 58 54 SS職人の半数近くが虐スレ安置に常駐していると聞きましたが -- 2008-10-13 00 06 15 2008-10-13 00 06 15 愛で虐アンチ荒らし、あらゆる魑魅魍魎の集まりを楽しく拝見させていただいております -- 2008-10-13 00 09 30 2008-10-13 00 06 15 ゆっくり虐待自体は好きでも、 ゆっくり虐待「スレ」が嫌いなんじゃないか? スレにはゆとりや新参が多いし。 面白くない人が集まって面白くないものを書く時期ってのになってるようだしね、今。 -- 2008-10-13 00 10 25 神バですがそろそろ書くのやめようと思ってます -- 2008-10-13 00 11 27 2008-10-13 00 11 27 そうか、今までお疲れ様 -- 2008-10-13 00 12 21 おう、とっととでてけ -- 2008-10-13 00 12 43 -- 2008-10-13 00 11 27 何で?理由を詳しく。あなたの作品好きだったのに。 -- 2008-10-13 00 13 09 2008-10-13 00 13 09 なんとなく? ってのは冗談で 単純にネタが思い浮かばなくなった、映画見てもゲームやっても本読んでも妄想しても なんにもでてこないんよ -- 2008-10-13 00 15 12 続きすまないがそんななんも出てこない状態で無理やりひりだして 出したSS書いた俺もつまらないし、読む人もつまらないとおもうんよ -- 2008-10-13 00 17 13 2008-10-13 00 10 25 虐スレアンチ住人ってどうしてこんなにわかりやすいの -- 2008-10-13 00 17 37 2008-10-13 00 17 13 そうですか、お疲れ様です。 またネタが思いついたら書いていただけるとうれしいです。 -- 2008-10-13 00 18 52 2008-10-13 00 18 52 うん、ありがとう -- 2008-10-13 00 20 48 2008-10-13 00 20 48 まあ、あれだ。気が向いたら書けばいい それまでは泥でねっちょりされてるといいさ -- 2008-10-13 00 21 36 これで泥専になったらウンコ漏らすぞw -- 2008-10-13 00 22 03 2008-10-13 00 17 13 それは残念。ゆっくりお休み下さいませ。 その際なんか浮かんだらまたきてくれたりしたら、べ、別に嬉しくなんか(ry -- 2008-10-13 00 22 37 「スランプの時は?」 「かきまくる」 「それでもダメな時は」 「寝る」 魔女宅でもこのやり取りは鮮明に覚えている -- 2008-10-13 00 23 26 2008-10-13 00 22 03 泥は遊び感覚でやってるし、多分まだいると思う ここにもたぶんいる 思いついたらたぶんなんか書くし、いずれ -- 2008-10-13 00 24 43 最近虐待アンチスレが活発だな -- 2008-10-13 00 28 23 2008-10-13 00 28 23 頑張った甲斐があったな -- 2008-10-13 00 29 24 2008-10-13 00 28 23 実はアンチスレ民とかぶってる虐スレ民やチル裏民もいるのでは? -- 2008-10-13 00 30 57 2008-10-13 00 28 23 触れずに静観しとくとかなり面白いよ 公式設定派を中心に一般愛で派や虐待派や荒らしが渦巻いてとてもセクシー -- 2008-10-13 00 31 34 被ってるのはそりゃいるだろうな。 いつも愚痴ってる奴は明らかに同じだしw -- 2008-10-13 00 32 46 おいなんだよ2972のSS虐待かと思ったら違うじゃねぇか -- 2008-10-13 00 35 09 2008-10-13 00 31 34 勢力別に分けて戦争できそうだなwww -- 2008-10-13 00 35 42 虐待ではないがちびどもは餡子ペーストだなぁ -- 2008-10-13 00 35 59 ゆっくり虐待とかは人間の闇の部分って言うのはまぁ別に同意してもいいけど あのスレもはっきり言って人間の闇の部分駄々漏れしまくりだよなぁw 闇って言うか、主に「俺が正義」成分だけどw -- 2008-10-13 00 37 27 あれは普通に愛で向きだな -- 2008-10-13 00 40 03 2972は穴の中でれいむに潰された子ゆっくりを想像してニヨニヨする作品ですぞ? -- 2008-10-13 00 40 45 ついに饅頭は犬に勝てるようにまで進化したか -- 2008-10-13 00 41 16 2008-10-13 00 35 09 何言ってるんだ ちゃんと虐待されてるだろ・・・野犬が あれ? -- 2008-10-13 00 41 36 俺こそが全て正しいのだ ってのをいかに回りくどく他の話にまぶしてわかりづらくして言うかを競ってるんだろw -- 2008-10-13 00 42 02 穴に引っかかって跳ねる ↓ 穴はちびれいむが入るぐらいの深さしかない ↓ 野良れいむの ころがる こうげき! こうかはばつぐんだ! ちびれいむはつぶれてしまった! -- 2008-10-13 00 43 11 ほら、よーく読んでみろ 1匹目が飛んだときに「落ち葉に隠された穴に引っかかり」ってあるだろ? 2匹目も同じ穴で飛んだってあるだろ? 読み取れない人用の説明以下省略 -- 2008-10-13 00 43 17 排水溝には虐待SSだけ張るという明確な決まりはないしスルーでいいんじゃないか? -- 2008-10-13 00 43 29 虐スレ民はアブノーマルだって自分で認識してるだけまだまし あそこで正義とか言ってる奴は下膨れ生首饅頭を愛でること 自体が世間一般から見るとおかしな事だと理解しなきゃ 単なる痛い子だぜ -- 2008-10-13 00 45 16 ID 8Yl6jvNF0 こいつが投下したか それに合わせてここやスレで始めたか 虐スレ用じゃなかったらそれで終わりの話だけどね -- 2008-10-13 00 46 46 2972に関しては具体的に明示していないだけで 子ゆっくり虐待を意図してると思うよ こういうのも面白いじゃん -- 2008-10-13 00 48 37 2008-10-13 00 05 16 あそこの主流派は愛でなんて建前にすらしてないよ 悪意と曲解を込めて虐スレさえ叩ければすっきりなのさ あのスレは本当に面白い -- 2008-10-13 00 51 25 詳細に潰したって書かないと納得しないのかね?w と、思いましたよ。 -- 2008-10-13 00 52 10 親れいむのがんばり ってタイトルは、それが無駄でしたっていう暗示 -- 2008-10-13 00 52 48 読解力の低いゆとりが多いんだよ -- 2008-10-13 00 53 09 さあアンチ虐殺が便乗してきました -- 2008-10-13 00 53 55 ゆとりは読解力磨くために小説でも読んでろ -- 2008-10-13 00 54 12 わかりにくいってのもあるな パパッと読むとただゆっくりが犬倒した話になるし じっくり読むとちゃんと虐待になってるし 俺も気付けなかった、おもしろいと思うけど -- 2008-10-13 00 54 29 2008-10-13 00 51 25 一応虐待アンチスレだしな しかし釈尊氏の絵の米が香ばしいw 本当に香ばしいタグとコメ付けられて外部にやいのやいの言われる作者も大変だわ -- 2008-10-13 00 54 53 仲間がジャンプした後に子ゆっくりの描写が一切ないのは…ってことでしょ -- 2008-10-13 00 55 50 ゆっくりが現れた→イヤッホゥ虐待だ!→グシャ! そんなのばかり食べると変わった作品を楽しく読めなくなる -- 2008-10-13 00 56 43 ニヨニヨ系SSもたまには良いな ほんの少し改訂したら愛でに投下しても歓迎されそうな、 微妙なラインで作られてるのも面白い -- 2008-10-13 00 57 34 ゆっくり3匹で犬に勝つるか…… おそろしい饅頭よの -- 2008-10-13 00 58 28 アンチテンプレもいつも通り参戦 -- 2008-10-13 00 58 58 2008-10-13 00 40 45 2008-10-13 00 43 11 2008-10-13 00 43 17 2972の意味が判らない人はここを読んで考えなされ ついでに言えばあのロダはここ専用でもなんでもないので虐待モノでなくても一々騒がないように 火消し入りまーす -- 2008-10-13 00 59 11 ゆとりどもには2972の素晴らしさがわからないかw -- 2008-10-13 01 00 13 2008-10-13 00 55 50 れいむ達の頑張る姿を見せ付けられただけのような気持ちになる -- 2008-10-13 01 00 56 その頑張った結果がこれだよ! をたのしむもんなんだぜ? -- 2008-10-13 01 01 57 いぢりでも文句言う奴居るからな -- 2008-10-13 01 02 15 ゆとりは大味な物しか受け付けないから困る 薄味でも奥が深い物だってあろうに 名前どおりただの虐待スレになってきたな -- 2008-10-13 01 03 26 作者でもないのに楽しみ方を決めてる奴がいるぜw -- 2008-10-13 01 03 42 ヤダヤダヤダ! 潰れたガキどもを見て親が絶望するのを書いてくれなきゃヤダヤダヤダ! と、言いたいんですねわかります。 -- 2008-10-13 01 03 58 ガンバレいぢり派 ここで大攻勢だ! この流れは勝つる! -- 2008-10-13 01 04 20 「もっと詳しく書けよばーか!」って言う奴と 「なーるほど、そういうことか」って言う奴 無知でもどっちがマシですか -- 2008-10-13 01 04 54 敵はゆとりだ そういうことにしていぢり全盛の時代ですね。この日を待ってた! -- 2008-10-13 01 05 46 煽るなよw落ち着け -- 2008-10-13 01 06 28 餡子と飛び散らしてめん玉くりぬいて歯を全部へし折るのは楽しかろう 何度もそういうのみてヨーシパパもそういうの書いちゃうぞ! ってやると上手な人の二番煎じだから感想もらえないんだよね -- 2008-10-13 01 07 09 ここまで加速させた作者はしてやったりだよな。 今頃ニヨニヨしてること間違いなしだ -- 2008-10-13 01 07 22 テンプレと虐殺を両方まとめて葬るチャンスがやってきた -- 2008-10-13 01 07 59 ああいう風に必死で逃げる魔理沙を見ると、以前のれみりゃのように、 後ろから釣竿を下げたくなる -- 2008-10-13 01 08 11 家に侵入してきたれいむとまりさの一家 そしてれいむだけ開放して別の一家を連れてきたら家族は開放してやると言い・・・ -- 2008-10-13 01 09 25 もう人家はデッカイゴキブリホイホイにすればいいと思うの -- 2008-10-13 01 10 10 そういえば、虐殺好きは虐殺厨と呼ばれるのに いぢり好きはいぢり厨とは呼ばれないな 何故なんだぜ? -- 2008-10-13 01 10 56 コレを機にスレタイに偽りありの 奥深いいじりスレにしよう。 ゆとりは出入り禁止な。 -- 2008-10-13 01 11 27 扉のふちにカミソリ付けて勝手に扉開けようものなら切り裂かれる仕組み さらに窓に針を織り込んだ布で覆って窓を叩き割られないようにする そして家から10歩範囲までにまきびしを巻く え? どうやって出入りするかって? 知るか -- 2008-10-13 01 12 15 いぢりは厨と呼ばれる程活発に活動してんの見かけんからでは? 目に余りだすと何れそう呼ばれるっそ -- 2008-10-13 01 13 19 老人に優しくないバリアフルな家なら侵入も難しいだろうが -- 2008-10-13 01 13 28 いぢり派は大人しかいないからなあ スレはゆとりだけしかいないけど -- 2008-10-13 01 14 28 匠による改造前の家なら間違いなくゆっくりは出たくても出られなくなる -- 2008-10-13 01 14 33 2008-10-13 01 10 56 投下されたぬる目作品に、虐殺しろ!とかいっちゃう子は昔結構いたが ハードな作品にぬるくしろ!とかいっちゃう子はまずいないから -- 2008-10-13 01 15 11 2008-10-13 01 13 28 むっきゅ!! おにーさんはばかね!! ばりあがあるから、ゆっくりおとしよりにもつかいやすいのよ!! -- 2008-10-13 01 15 39 だからなんで絵師が直後に来るんだよ……よりによってあの人だしorz この時間帯は避けた方が良いのかなぁ。 -- 2008-10-13 01 15 50 スレで投下報告するの止めれば苦しまずに済むよ -- 2008-10-13 01 16 43 だがスレはゆっくりの食生活談義の真っ最中であった -- 2008-10-13 01 17 07 絵師に投下されたからって嘆いてる奴は何なんだ そんなにSSがダメなら投下せず推敲しときゃいいだろw -- 2008-10-13 01 18 45 直接的にぬるくしろ!っていう奴は確かにまずいないな まわりくどいのは結構いるけどw -- 2008-10-13 01 18 57 むしろ推敲しないで投下しちゃえよw レスは付きやすいかもしれん -- 2008-10-13 01 19 38 ちと話変わるんだが 人間とゆっくりが共存するようになって数年。 ある日、主人公の少年は昔の友人に招待を受ける。 友人は子役として活動中で、呼ばれた先は映画の撮影所。 久々の再開を喜ぶ中、あるベテランゆっくりのれいむが死亡する事故が発生する。 数日後、彼女の葬儀に出席した主人公は芸能界におけるゆっくりと人間の軋轢を知り 今回の死亡事故も実は仕組まれた事件であったことを知る。 警察や政府の介入を拒む芸能界、様々な陰謀が渦巻くそこで凶行に及んだ真犯人の正体とは? 友人は世話になったれいむに恩義を返すために、主人公と共に事件の真相へと臨む。 ・・・て夢を寝てたらさっき見た、結構きてんな俺。 こういうストーリー仕立ての夢は普通に見るがゆっくりが出てきたのは初めてだ。 そんなわけでゆっくりが夢に出た人って居ます? -- 2008-10-13 01 19 48 俺は毎回推敲しないで投下してるが? -- 2008-10-13 01 20 29 投下報告しなくても話題になる時もあるしね -- 2008-10-13 01 20 56 週末は激戦区だよね… それはそうと、話ぶったぎりでなんですが、 新wiki移行後にupした奴が、初めて2000アクセス越えてヘブン状態! キャラ単独の○○いじめ系だとアクセス伸びにくいようだけど、見ていただいた方々に感謝です。 (謝辞だけ言いたかったとです) -- 2008-10-13 01 21 41 虐待は心の向くままにやるものだから推敲とかすると逆に質が落ちそうで -- 2008-10-13 01 21 51 スレで延々独り言みたいに俺設定をつぶやいてる人キモいです -- 2008-10-13 01 22 14 スレの話題なんてほぼノリで決まるんだぞ 思い出したかの様に過去ネタ話始めたりするのに そんな賞賛ほしいならID換えて自分のSS賞賛して住人気を引けばいい -- 2008-10-13 01 22 37 2975 虐待していないがある意味究極の虐待とも言えるような・・・ -- 2008-10-13 01 25 29 2008-10-13 01 21 41 おめでとう! まりさたちもおはながたかいよ! -- 2008-10-13 01 25 54 鼻ねーだろこのやろ -- 2008-10-13 01 27 15 2008-10-13 01 27 15 つ 今話題の「掃除機」 -- 2008-10-13 01 29 41 人為的に作ったのかいw -- 2008-10-13 01 31 29 2008-10-13 01 29 41 天狗の仕業じゃあああああ!! -- 2008-10-13 01 31 57 掃除機に吸い込まれた赤ゆっくりの結末とな -- 2008-10-13 01 32 03 生まれたばかりの赤ん坊なら吸い込めそうだな。 ただ、今の掃除機は空気で圧縮するから結局死ぬんだけど。 -- 2008-10-13 01 32 18 つまり、れみりゃ親子に掃除機を持たせて 「うっう~~♪ すいすい~~だどぉ~~♪」 「うぎゃーー!! まぁまぁ!!!」 「う~~♪ おかちゃんたじも、まぁまぁのかでぇなうごきをみるんだどぉ~~♪」 -- 2008-10-13 01 33 15 死ななくても充分悲惨w ゴミパック内とか -- 2008-10-13 01 33 29 ケース開けると数匹がブロック状に固まって出てくんだろうか -- 2008-10-13 01 35 49 元ネタ無いとレイプアリス描く人の話は詰まらんな 絵だけは上手いのに -- 2008-10-13 01 37 28 今回もいつもどおり明示してないだけで元ネタあったらどうすんだよw -- 2008-10-13 01 38 12 2008-10-13 01 38 12 心当たりがありすぎて逆にわかんねぇw -- 2008-10-13 01 38 52 何時もレイプオチなのは分かるが -- 2008-10-13 01 39 40 あの人の絵は好きだけど さすがにレイパーがもうゆっくりに見えない -- 2008-10-13 01 40 57 俺はもうアリスの酷いツラを楽しむものだと思ってる 今回とか最高に気持ち悪くて素敵 -- 2008-10-13 01 42 14 まともなアリスは、ゆっくりの中でも思いやるということが出来るのに -- 2008-10-13 01 44 02 あの人は俺の中でありす愛で絵師 良くも悪くも -- 2008-10-13 01 45 14 まともなありすがレイパーに変貌する系の話が好きです -- 2008-10-13 01 45 45 レイパーが増えるのは理論的に正しいw てかアレは繁殖能力異常に高めた加工場の改良種じゃないかと思ったり -- 2008-10-13 01 46 11 あの人の、想像妊娠ネタを漫画化したやつの続きが見たい。 -- 2008-10-13 01 46 35 2008-10-13 01 45 14 誰かはレイパー嫌いと言ってたなw -- 2008-10-13 01 47 39 レイパーありすって数匹で固まってる描写をよく見るんだが、ありす同士ではあんまネチョらんね -- 2008-10-13 01 48 14 同じ種類同士で交尾してるビジュアル自体が案外少ない、って事は無いかな? -- 2008-10-13 01 49 25 マイナスにマイナス足してもマイナスだからな >同じ種類同士で交尾 SS作者の憂鬱 -- 2008-10-13 01 49 44 2008-10-13 01 48 14 同個体=同性って概念が薄っすらとあるんじゃないか? -- 2008-10-13 01 49 52 ではありすの飾りを取って帽子を乗せて実験ですね -- 2008-10-13 01 50 56 鏡が無いから自分を棚に上げて、アヘってる他のありすを単純にキモいと思ってるんじゃない?w -- 2008-10-13 01 51 37 れいむがれいむのまむまむに屹立たぺにぺにをおしあてる れれいむの分身はれいむを荒波に漂う小船の如く蹂躙する -- 2008-10-13 01 51 44 2008-10-13 01 50 56 かなり前に小ネタでかいたおww -- 2008-10-13 01 52 24 2008-10-13 01 45 45 同意。ありすをメインにするならそっちのほうが発展性もあるしな -- 2008-10-13 01 52 43 別に書くのは困らんけど、そうする利点が今のところ特に見当たらない。 捻りも無くレイプシーンが欲しいだけならありす使えば説明も何も要らないし -- 2008-10-13 01 53 33 2008-10-13 01 51 44 きめぇ丸ならタチを射精丸、ネコをらめぇ丸と表記することで解決できるんだけどな -- 2008-10-13 01 53 48 >マイナスにマイナス足してもマイナス そこで雑種強勢てどうだろ? ハイスペックな子供が出来群れ全体の将来を期待されるが孫は残念な感じに つかこれだとチェンジリングの話みたいになりそうか -- 2008-10-13 01 55 26 明日って一般的に休みなんだっけ? 学園祭で休みだからてっきり自分だけかと…… -- 2008-10-13 01 55 38 -- 2008-10-13 01 51 44 花まりさ、とか青ありすみたいに特徴をつける手もあるけど やっぱり面倒か -- 2008-10-13 01 55 58 虐ゆっくりは基本的に雑種だろw -- 2008-10-13 01 56 02 頑張って純血種で保ってても 特に意味無いとかでもいいなw -- 2008-10-13 01 59 45 ゆっくりの子供はプランクトンの分裂体のような物だと思っている -- 2008-10-13 02 02 33 2008-10-13 01 59 45 ぱちゅりーとかがやってそうだな -- 2008-10-13 02 02 56 ぱちゅりー同士で交尾はリスク高すぎるだろ 下手すれば両方くたばりかねないのにw -- 2008-10-13 02 04 36 雑種って両方の特質を受け継ぎそうなんだけど 例えばまりさとれいむでゆっクスしても、生まれるのはまいむとかれりさとかじゃないじゃん 母体内でキッパリ分かれちゃうんだと思う -- 2008-10-13 02 05 11 2008-10-13 02 02 56 確かにやってそう 病弱をおしてよかれと思って凄い頑張ってる でも全く無意味w 大差無い餡子脳でした~って感じが好み -- 2008-10-13 02 05 56 大正天皇みたいにキ●ガイ生まれるかもしれんぞ -- 2008-10-13 02 06 49 2008-10-13 02 05 56 それどころか、ほぼ同じ性格の親から教育を受けるせいで 画一的な教育しか施されず酷く偏った知識しか持ち合わせていなかったりな -- 2008-10-13 02 07 13 -- 2008-10-13 02 02 56 むしろ体が丈夫なまりさとやるんじゃないかな? 純血主義なめーりんの話はあったけど。 -- 2008-10-13 02 07 38 ぱちゅりーの欠点を補えるのが実地の知識とサバイバルに比較的強いまりさだろ -- 2008-10-13 02 08 59 ゲスというか無知の超天然な思考が優勢の補則遺伝か条件遺伝なんだろうな でも子供が死ぬ確立はほぼ同確率ww -- 2008-10-13 02 09 40 ああ、ミスった優性遺伝子ね -- 2008-10-13 02 10 08 良い意味で人間とは呼べないシロモノになってそうだ 良い意味ならいいじゃんw 冗談は置いとくとして また害獣設定反対の人ってのは漏れなくまわりくどい…… -- 2008-10-13 02 11 35 人間も精子バンクとかやってるけど、結果はどうなんだろうな。 -- 2008-10-13 02 12 34 郷に下りたゆっくりを人間が群れに返さないから人里マジパネェという知識が伝わらず やたら殺すわ改造するもんだから進化を促して繁殖能力を異常発達させて こんなギスギスの状況に居ればどんな奴だってゲスになる位荒む -- 2008-10-13 02 13 26 精子バンクねぇ・・・やっぱ時間が経つにつれ劣化していくんかね -- 2008-10-13 02 13 45 精子も卵子も人間若いうちに使わんと腐るよ! -- 2008-10-13 02 14 35 天然の受精と確率的には変わらないよな ただ単に自分の望む人物像ってだけで -- 2008-10-13 02 15 03 2008-10-13 02 13 26 返したら返したで復讐をたくらんだり、かといって痛い目見させないと増長したりと どう転んでも結局は大変そうだ -- 2008-10-13 02 15 35 2008-10-13 02 15 03 それも両親のどの特性が何処に遺伝するかまでは選別できないから 虚弱な天才学者と美貌のダンサーの子どもが虚弱で冴えない馬鹿の可能性もあるわけで しかもそれがゆっくりとなると・・・ -- 2008-10-13 02 17 28 賢い個体が人間から聞きかじって餡子バンクを作るわけだな 頑張って痛い思いとかしながら必死に優良個体の餡子を保存するも やっぱり徒労でしたサーセンwww で憤死 -- 2008-10-13 02 17 42 天然の優性がA、自思慮が浅いの優性ががBだとして、一回に16っ匹の子供を生むと 天然で思慮なしが9、天然で多少考えるのが3、普通で思慮が浅いのが3、普通で多少考えるのが1 の割合だからな -- 2008-10-13 02 20 30 >2008-10-13 02 17 42 現代で血統書付きゆっくり(笑)とかに使えないか? -- 2008-10-13 02 21 10 -- 2008-10-13 02 17 28 頭がいいけど虚弱なぱちゅりー 馬鹿だけど強健なまりさ 痛みに耐えて生まれた子供は…ドМなてんこですた。ってSSがあったな。 遺伝子とか超越してる。 -- 2008-10-13 02 21 42 あったなあ だって餡子だしなw -- 2008-10-13 02 23 09 -- 2008-10-13 02 20 30 身体的な特徴はともかくとして性格は後天的なものじゃないかな… それだけに「親に似る」のだろうけど。 -- 2008-10-13 02 24 25 またゆとりが釣れましたー 2972はホント良い餌だなw -- 2008-10-13 02 24 45 2008-10-13 02 17 42 ゆっくり達からしたら、優良って 頭が良くて、元気 って所だと思うけど、これってちょうどイラッと来るど真ん中なんだよなww -- 2008-10-13 02 25 02 2008-10-13 02 21 10 ゆっくりんピースの血統書付き優良ゆっくり それを誇りに思って生きてきたが…… 実は全くの無根拠でした~、って感じか ある程度頭良いとより悲惨でいいかも -- 2008-10-13 02 26 25 2008-10-13 02 24 45 懲りずに自演やってるようにしか見えない -- 2008-10-13 02 27 35 2008-10-13 02 24 25 いや、ゆっくりのあの楽天的な性格を上手く現す言葉が思いつかなかったもので…… 言いたいことは、ゆっくりからは殆どまともなのが生まれてこないってことです -- 2008-10-13 02 27 47 2008-10-13 02 26 25 いや、人間が血統書付きのゆっくりの餡子を集めて新たな子を作ろうとするわけだよ。 でも出来るのは失敗作ばかり。その失敗作は潰されず野に放たれて…とか。 -- 2008-10-13 02 28 55 -- 2008-10-13 02 26 25 ゆっくりんピースよりもきもんげがやりそうな気がする。 「希少価値を高めるんや!!」って感じで -- 2008-10-13 02 29 20 2008-10-13 02 25 02 更にゆっくりにとっての「頭が良くて、元気」 更に更に虐スレゆっくりにとっての「頭が良くて、元気」 きっとブッ飛ばしたい事うけあいw -- 2008-10-13 02 30 13 えーりん辺りがやってみて「所詮餡子脳は餡子脳ね」って結果により放逐されそうだw -- 2008-10-13 02 30 48 スレの連中のゆっくり評が酷いとかいうレベルじゃない 経験や学習できず教育も出来ない完全なる無能とかもうね… 経験し、学習し、生きる事を教育し それでもなお足りぬ、その中で弱者が足掻く様こそ楽しいのに… 経験学習しなきゃ出来るネタ減りまくるんだよね。 なんでこんな単純なこともわからないの?馬鹿なの?SS読んだ事あるの? もう死ね -- 2008-10-13 02 58 26 まぁ、俺達と同じだよな 作者は書いたり描いたりして、技術やネタの広がりを作り 読む方も読む方で数をこなして成長する それが出来なきゃこき下ろしてるゆっくりとさほど変わらんってこった -- 2008-10-13 03 00 18 俺のSSは成長したんだろうか… -- 2008-10-13 03 02 11 最近新規のSS作家が増えてるけど、評価や意見貰って今後のSSの形みたいなの出来るじゃん そこで声高に同じこと延々と粘着して叫んでるのがいると、そういう系統のに偏らないかちと心配 そう言う人たちばかりじゃないだろうし、俺が穿った考えしてるだけかもだけどね 愚痴スマソ -- 2008-10-13 03 05 02 2008-10-13 03 02 11 自分が楽しければ少なくとも作りたいものが思うように書けてるから成長してんでは? 自分は初投稿より成長した気がするが、最近は下る一方の気がして( A`) -- 2008-10-13 03 07 10 思い悩む事は思い悩まない事よりも重要 根拠も無く「成長してる!」と言い切ったら「多分何とかなるよ!」のゆっくりブレインだ -- 2008-10-13 03 09 56 大丈夫、そんな大勢が気に入らないていう天邪鬼が必ずいるから -- 2008-10-13 03 10 36 天邪鬼てか少数派って民主主義だと目の敵にされるが、そういうのあってこその多数派だよね -- 2008-10-13 03 13 54 今日はゆとりと新参ばっかだな なんかあったか? -- 2008-10-13 03 20 44 散々お世話してあげて一晩明けたら「おじさんだれ?」とか抜かすゆっくりも好きだぜ -- 2008-10-13 03 21 20 2008-10-13 03 20 44 連休の中日だからじゃないか? ……空きっ腹で酒が回ってきたから今日はドロップアウト…… -- 2008-10-13 03 22 53 人家に侵入して痛めつけられて二度と来ないと約束する→人家だけ覚えていて人間と痛めつけられたことや約束は忘れて次の日また来る 都合の悪いことだけ忘れるゆっくり ところが恩であっても忘れる時あるから何を忘れてても不思議じゃないな -- 2008-10-13 03 23 51 やたら細かいことまで覚えているゆっくりあきゅうとか -- 2008-10-13 03 27 06 ゆっくりあきゅうはただでさえ短い寿命のゆっくりな上に、基本の天寿がマッハで燃え尽きそうだ -- 2008-10-13 03 30 56 記憶を持ってまたゆっくりあきゅうに生まれるわけですね。 虐待死とかしたら大変なコトにw -- 2008-10-13 03 36 52 2008-10-13 03 23 51 そこで「全て覚えている。でも、忘れたように振舞わなければ生きられない」 という解釈を入れるとまた見方は変わってくる訳で 全ては使い様でしかない。 -- 2008-10-13 03 38 34 -- 2008-10-13 03 30 56 その代り親の記憶をすべて引き継ぐくらいはやってのけるかも。 ああでもぱちぇ以上に生かせるかどうか微妙だ。 -- 2008-10-13 03 45 24 別にバカとは言わないが、ゆっくり基本的に話聞かない確率高いからなぁw -- 2008-10-13 03 46 33 ゆっくりを単純に賢いとか愚かとかで語る風潮が嫌い。 あれの根本は「軸が我々とは違う」だろうに。 俺らの基準前提の話で優劣の評価付けてもしょうがないだろ。 -- 2008-10-13 03 46 40 しょうがないからやらなくていいってわけでもないだろ! -- 2008-10-13 03 58 34 やらなくていいだろ。 相違点を見つけ、それによる影響を考えるとかならまだしも 「あいつは無能だから」とか「あいつは馬鹿だから」で その根本を理解せずに思考停止するような連中ばかりなんだから。 -- 2008-10-13 04 02 10 妄想設定の押し付けだ -- 2008-10-13 04 06 59 お前の基準前提の話でああだこうだ言われてもなあ -- 2008-10-13 04 09 16 まぁ単純に愚か扱いしてるSSは大抵ハズレなのは間違いないわなw -- 2008-10-13 04 23 38 無能と決め付けていい相手は逆噴射式の彼女だけです -- 2008-10-13 04 27 00 2008-10-13 04 23 38 なにやっても「愚かだから」で済んじゃうからな。 ひねりも何もあったもんじゃない。 -- 2008-10-13 04 29 06 俺は…俺は根本を理解しているっ スレの思考停止してる連中とは違う、違うんだ! …俺だけがゆっくりの全てを真髄をわかっている -- 2008-10-13 04 30 25 ひねりの無い駄作ばっかり書いてる思考停止野郎は追い出そうぜ ゆっくり界の発展を妨げないとも限らないし -- 2008-10-13 04 33 25 爆釣り用の針ですね。 -- 2008-10-13 04 35 57 早速痛いところ突かれた駄作書きがかかったか。 -- 2008-10-13 04 37 21 じゃあ代わり映え無くゆっくりが酷い目にあってる話しかないここの作者は全員退場ですね -- 2008-10-13 04 40 34 いや、上で自分だけの基準を前提に他人を 根本を理解せず思考停止する連中とか言ってる方だけは残ってもいいと思います。 -- 2008-10-13 04 47 50 ふんふんふーん とーってーもあーりすーは とかいーもんー♪ -- 2008-10-13 05 03 55 吐下胃歯 -- 2008-10-13 05 08 26 お前ら全員消えろよ -- 2008-10-13 08 05 10 野犬と同lvにするだけでだめなのか -- 2008-10-13 08 10 26 いま自分の書いたSSのアクセス数を見ていたんだが… 新しいSSほどアクセス数が多いってどういうことなんだろう? -- 2008-10-13 08 55 22 古いSSは前のwikiで読了済みだからじゃね? -- 2008-10-13 09 02 29 なるほど、納得 確かに新wikiに移ってから書いたSSはそんなにアクセス数の差がなかった -- 2008-10-13 09 06 41 ゆっくり絵で厚塗りもどきやってみたけど、あんま合わないな。 なんかこう、雰囲気にマッチしないというか……。 やっぱりアニメ塗りが一番合うかな? -- 2008-10-13 09 25 03 絵本のイメージで塗ったら結構しっくりきた覚えがある。 ただ、虐待の雰囲気と少し離れるかも? -- 2008-10-13 09 53 22 あんまり色と色の間をぼかさない方がいいかも。 人間塗ってる感覚でぼかしてたら見た目の質感が饅頭大福じゃなく人肌になってしまった。 やっぱ見た目の質感って大事だよなー。 -- 2008-10-13 10 00 07 ここってssの書き方の勉強をするには最高の場所だとふと思った。 勧善懲悪の書き方、虐待お兄さんみたいなゲスの書き方、起承転結の書き方、 テンプレとは何か、受けるにはどうすればいいかなど どういう作品が批判良くて、どういう作品が駄目なのかわかる。 かなり参考になる。 -- 2008-10-13 10 04 34 リアルだとただの生首だしな -- 2008-10-13 10 34 52 やはり休みの間に大物投下が来てたか ただでさえスルーなのに上げるのキツイわw -- 2008-10-13 10 40 57 俺の家に巨大なススメバチの巣ができてた 危ないと思う前に「あぁ、にんっしんっゆっくりってこのくらいの大きさなのかなぁ」と思った -- 2008-10-13 11 18 14 ちょwでかすぎじゃね?w -- 2008-10-13 11 35 01 二階の屋根にあるから正確な大きさはよくわからんがだいたい横幅がジャンプ2.5冊分くらい高さがマガジン3冊分くらいだ 逆に笑いがこみ上げてくる -- 2008-10-13 11 37 33 とりあえず役所に処理してもらおうぜ -- 2008-10-13 11 38 03 ですよねー -- 2008-10-13 11 39 36 冬眠するし今の内がいいぞ -- 2008-10-13 12 08 08 むしろ爆破すべき -- 2008-10-13 12 14 04 ちょww -- 2008-10-13 12 14 23 発破をかけるんですね -- 2008-10-13 12 22 27 そんなでかい巣があったらご近所の人も怖いだろうな…… -- 2008-10-13 12 23 54 戦う時だ -- 2008-10-13 12 28 05 隣の家は20mくらい離れてるから気付いて無いんじゃないかな -- 2008-10-13 12 28 37 -- 2008-10-13 12 23 54 不用意に近づかない限りは安全だよ。空家に作られた時はご近所全員スルーだった。 もっとも人が住んでいる状況ではそんなことは言ってられないから 駆除業者か役所に言ったほうがいいけど。 -- 2008-10-13 12 29 44 ゆっくりだと思って思う存分虐待するんだ! 巣を -- 2008-10-13 12 31 14 下手に触れるとマジパネェ空飛ぶサソリと言う位だし 先日100匹にめったざしされて死んだ山菜取りの人が出たし -- 2008-10-13 12 32 18 ID i3uFbS3v0 うわぁ・・・ -- 2008-10-13 12 33 12 30匹くらいだったら10m遠方からジェット殺した事があるがあれは無理、遠いし高いしデカいし多いし死ねる -- 2008-10-13 12 33 56 わかった。家ごと燃やす(・▽・)b -- 2008-10-13 12 42 21 ゆっくりが床下に住み着く→数が多いので業者を呼ぶ→「ひゃあ、家ごと虐待だぁ」 -- 2008-10-13 12 49 26 ゆっくりを家にでもしてるのかよw -- 2008-10-13 12 50 04 なんという幻想ブレイク工業w -- 2008-10-13 12 50 54 yga_uljp00215.png 素晴らしい -- 2008-10-13 12 51 17 そういえば蜂の巣の処理ってタダでやってもらえんのかな? -- 2008-10-13 12 52 34 役所でやってるところもあったような -- 2008-10-13 12 55 52 借家が家ならしゃくやにやってもらうと良いよ -- 2008-10-13 12 57 22 俺いじめを画策するなよ -- 2008-10-13 12 58 45 むしゃむしゃしあわせ〜と幸せそうな面してなきゃゆっくりじゃねぇ! 俺はせっかくだから癖は残しておくぜ! 小突く為に -- 2008-10-13 13 03 07 215.png うっぎゃあああああああああ!!ネタ被ったああああああああああ!! -- 2008-10-13 13 03 40 赤ゆっていう表現は、バカっぽさが出てて可愛いなあ -- 2008-10-13 13 34 46 しかし「赤ゆ」って何度も言ってるといつの間にか「あきゅ」になってしまって困る -- 2008-10-13 13 39 12 赤ゆっくりという表現は虐スレ発か? 他ではあまり用いられていないように思える 某絵サイトだと赤ゆっくりってタグがついてることがあるが -- 2008-10-13 13 42 17 「赤ゆ」をはじめて見た時はゆっくりれいむの事かな?と思った -- 2008-10-13 13 44 37 垢ゆ「おきゃーしゃん!しゅりしゅりしようね!」 親ゆ「ゆげえ!すごくきたないこがいるよお!?」 赤ゆA「ゆげ!おねーちゃんがきちゃなくなっちぇるよ!」 赤ゆB「くちゃいよ!きちゃない!」 垢ゆ「どぼじでぞんなごじょいうのぉおお!?れーみゅきれいなのにいい!!」 -- 2008-10-13 13 53 38 志村、字が違うw -- 2008-10-13 13 54 44 天のイタズラか、変換ミスで生まれてしまった垢まりさ。 いくら洗っても体の垢は次々とわいてくる。 親に捨てられ、同族にののしられる毎日。 うーん、ネタが広がらん。 -- 2008-10-13 13 55 58 亞粥「おがーしゃんだずげでぇぇぇぇ!」 親ゆ「ゆゆ!おいしそうなおかゆがあるよ!」 赤ゆA「ハフハフうめ、これむっちゃうめ!」 赤ゆB「あまあまー♪」 亞粥「どぼじでりぇーむたべちゃうにょぉぉ?!」 -- 2008-10-13 13 56 05 赤ゆA 「かりぐみであつめたたべものは、ぜんいんにぶんぱいするよ!!」 赤ゆP 「りーだーのわるぐちをいうゆっくりは、ゆっくりしんでね!!」 -- 2008-10-13 13 56 47 中に詰まってるのが餡子じゃなくて垢なんだろきっと。 -- 2008-10-13 13 57 39 赤湯「おねーちゃん、いっしょにゆっくちちようね!」 垢ゆ「すごくゆっくりできるよー」 -- 2008-10-13 13 57 47 あーかーゆ「ゆっきゅりをころちゅのはいちゅだっちぇにんげんだ」 -- 2008-10-13 13 58 09 2008-10-13 13 57 39 それをうっかり出荷して営業停止に・・・ -- 2008-10-13 13 59 11 -- 2008-10-13 13 55 58 垢がこびり付き過ぎると逆にてかてかと輝いてくる。 そんな頃に人間に捕まる垢まりさ 垢まりさを一目見たきもんげはこう言った。 「こいつは売れるで!!」 輝くゆっくりとしてガラスケースに入れられて見世物小屋に入れられる垢まりさ 匂いが漏れないように密封された空間で長い余生を… -- 2008-10-13 14 00 01 そーいや汚いまりさのSSあったっけ -- 2008-10-13 14 01 09 カビが生える奴だっけ? -- 2008-10-13 14 03 56 それそれ ゆっくりいじめ系775 風呂嫌いの結末 -- 2008-10-13 14 06 20 台風の所為で数日間外に出れなかったゆっくり一家 「ゆ~~♪ きちんとたいよーさんがでてきたよ!!」 「ゆっきゅりししゅぎだよ!! ぷんぷん!!」 「さっそく、おふろにはいってすっきりしよ~~ね!!」 「ゆゆ~~♪ ゆっきししゅりゅよ~~♪」 かっこいいといいながら濁流の中に入っていく一家 -- 2008-10-13 14 16 53 fuku2985 垢ゆが描きたくてやった あまり反省はしていない -- 2008-10-13 14 19 33 2008-10-13 14 16 53 「しゅごいよ! かわさんがぐるぐるしてりゅよ!」 「かっこいいよ! ゆっきゅりできそう!」 「みんな! ぐるぐるかわさんといっしょにゆっくりするよ!」 一家入水 「ゆぎゃああああ!! ながされるうう!!」 「どうじでえ!? ゆっぐりでぎないいいい!!」 「おぶええええ!! どろみずまずいいい!!」 こうですか? わかりません! -- 2008-10-13 14 25 09 「かわさん!! かわいいれいむたちをゆっくりさせてーー!!!」 -- 2008-10-13 14 25 56 yga_uljp00215の 「はじめてのおうち宣言」 がかわいかったです リスペクトしてぇ~なぁ~ -- 2008-10-13 14 41 20 川「よしきた、かわいいれいむはゆっくりさせてやろう」 ………… 川「かわいいれいむは一匹もいないから全員ゆっくりさせない」 れ「どぼじでぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」 -- 2008-10-13 14 46 47 SSリレーみたいになってきたなw -- 2008-10-13 14 50 26 赤ゆ「りぇーみゅはかわいいよ!」 川「そうだな、君はかわいいな」 赤ゆ「だきゃら、しょとにだしちぇね!」 川「可愛いゆっくりは、いっしょにゆっくりしようね。はーい、すりすりだよ」 赤ゆ「ぼごご・・!ぼべえええ・・!ぼぼ、おぼりぇりゅぅう!!」 -- 2008-10-13 14 55 46 激しい濁流に飲まれ、川深くに沈んでいくゆっくり一家 だが、薄れゆく意識の中で、母れいむはこの困難を脱する方法を思いつくのだった! その方法とは…… 次の人よろしく -- 2008-10-13 15 05 49 赤ゆ「りぇいむをおぼれざぜようどずるがわじゃんどはゆっぐじでぎないよ!ゆっぐじじね!」 ただの罵倒であった。 川「何故そのような事を仰る!かような事を申すゆっくりとはゆっくりできぬ!飲み込み溺れさせてくれるわ!」 赤ゆ「ゆぎぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 駄目であった。 -- 2008-10-13 15 07 01 名前は饒速水琥珀主ですね -- 2008-10-13 15 07 58 「ゆゆ!! ぷく~~すればうかべるはずだよ!! おちびちゃんたち、ぷく~~♪するよ!!」 「「「「ぷっく~~~~~♪」」」」 「ぼぼじでびぶぶの~~!! (どうしてしずぬの~~?)」 「おばあばんのおぼつぎーー!!!!」 -- 2008-10-13 15 12 49 ああ、なんという事だろう。 何の罪もないゆっくりが、一匹、また一匹と濁流に溶けていく。 やがて、全てのゆっくりが溶けてしまう頃には、川は平穏を取り戻していた。 それはまるで、ゆっくり一家という生贄を捧げた事により、 川の神が機嫌を直したかのようだった。 台風が過ぎ去った空には、まぶしい太陽が燦々と輝いていた。 即興SSリレー:ゆっくり一家と濁流 完 -- 2008-10-13 15 16 49 「まりさはぼうしがあるからうくことができるよ!れいむはゆっくりすいししてね!」 -- 2008-10-13 15 17 22 ほの暗いそこから、ゆっくり魔理沙に忍び寄る魔の手。 穏やかなみみなもは、一転して狂気の渦に飲まれるのだった。 次回ゆっくりしていってね!!! どうぞお楽しみに!! -- 2008-10-13 15 22 07 2008-10-13 15 17 22 よっしよし。 おじさんと一緒にカニ取りに行こうか -- 2008-10-13 15 23 46 つうかお題とかリレーとかの企画は立ち消えか? -- 2008-10-13 15 25 44 いざまとめるとなると、いろいろめんどうだもんね 東方SSコンペだと、お題を募集して、そこから無理そうなのを排除、その後 機械でランダムに選んでるみたいだけど。 そこまでやる人がここにはいるのかどうかどうかどうか…… -- 2008-10-13 15 41 41 いっそページ作って、小ネタ兼リレー置き逃げ場とか -- 2008-10-13 15 42 04 チル裏でも、上のリレーみたいに 誰かがネタ投下 ↓ 誰かがノリで続ける ↓ 誰かがノリで閉める で、いいんじゃない? 気楽で面白そうだし -- 2008-10-13 15 59 52 yga_uljp00214 なにこれ、ゆっくりのつもりなの? 新種のスライムじゃん ゆっくりが嫌いなんかなぁ -- 2008-10-13 16 06 58 キモイゆっくりを売りにしてるんだから絵柄で叩くなよ -- 2008-10-13 16 10 37
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前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第48話 あの闇の中へ進め 深海竜 ディプラス 根源破滅天使 ゾグ(幻影) 登場! この世界の行く先を左右するであろうトリスタニアでの戦いを、全ハルケギニアや東方のエルフたちも注視している。 しかし、確かにそれは過去数世紀来の大事件であろうが、同等の重要さを持つ戦いが同じトリステインですでに始まっていることを知る者は少ない。 高次元捕食王アークボガール。惑星すら軽く食い尽くす恐るべき宇宙の悪魔を止めるべく、東方号は異世界からの救援を求めにラグドリアン湖の底へと潜行した。 だが、ラグドリアン湖の底はいまだハルケギニアの何人もたどり着いたことのない未知の領域である。どんどんと深さを増していく中で、水圧という悪魔は少しずつ東方号を握る手を強めていっていた。 深度千メイル、二千メイル、三千メイル。まだ東方号はビクともしない。だが、本当の地獄はまだこの先に待っているのだ。 ミシリ…… 東方号の耐圧装甲から、はじめて恐れていた音が皆の耳に響いた。 空耳ではない。それは一度ではなく、続いて、ミシリ、ミシリと連続して響いてくる。それまで水の精霊とのおしゃべりに夢中になっていたキュルケたちは、とうとう来るべきときが来たことを察し、コントロールパネルを扱っていたティラに目を向けた。 「現在、ラグドリアン湖の水面下一万メイル。ここから先は、鉄の塊を紙くずみたいに握りつぶす死の領域よ。メイジのみんな、お楽しみは終わりよ、用意して!」 ティラの叫びで、メイジは全員杖を握り締めて息を呑んだ。 これより先は、この耐圧区画の外に出ようものなら人間など一瞬でグシャグシャにされてしまう、水圧の支配する絶対領域。海棲人パラダイ星人でも耐えられないほどの完全に未知の暗黒水域だ。 そこを目指し、東方号はひたすら沈んでいく。本来ならば、最深部でも耐えられるように念入りに建造されるはずだったのが半分もいかず、耐えられるのはここまでが限界だ。ここから先は、不足する強度を補うために中から魔法で補強してやらねばならない。 『念力』 手を触れずにものを動かす魔法の応用で、中から力をかけることで水圧を相殺する。キュルケとドゥドゥーが魔法をかけたことにより、不穏な音がやんだ。 「やった! 成功ね」 キュルケが、どんなもんだいとでも言うかのように得意げに叫んだ。だが、コルベールは目つきを緩めることなく釘を刺す。 「いや、こんなものは序の口だ。ここから先、水圧は比べ物にならないほど強くなってくるはずだ。皆、精神力の使いすぎには注意するんだ。少しの油断が、この先はそのまま死につながることになる」 コルベールの警告に、ドゥドゥーとジャネット以外は気を引き締めなおした。ここからが本番、力を試されるのは、ここからだ。 そのとき、外を観察していたティアが引きつった声で言った。 「みんな、下を見てみて。これ、すごいわよ」 「なんだい? お、こりゃあ……たまげたね」 ドゥドゥーも、その光景には思わず息を呑んだ。ティアが映し出した東方号の周囲の光景、それを赤外線処理で昼間のように明るく映し出したところには、ようやく見えてきたラグドリアン湖の湖底と、湖底を裂くように広がっている巨大な亀裂が見えたのだ。 亀裂の幅は少なく見積もっても五リーグほど。それが湖底からさらに深くへと断崖のように沈みこんでいる。底は深すぎてとても見えない。コルベールは、その地上では決してありえない光景を見て、ぞっとしながらつぶやいた。 「大水崖だ……とうとう見えてきたぞ」 「だい……なんですの、それは?」 「かつて、優れた水の使い魔を使役していたメイジが歴史上唯一観測したという、ラグドリアン湖の底に広がる巨大な谷のことだ。別名は、青い地獄の淵。これより深くは、いかなる使い魔も到達することはできず、その底はハルケギニアの永遠の謎と言われてきたんだ」 「と、いうことは。わたしたちが、向かうべき目的地は」 「そう、水の精霊の都は、この大水崖の底にあるということだ」 ついに、ついに目的地が見えてきた。この先は、完全なる人跡未踏の魔境。ハルケギニア永遠の謎に挑むこととなる。 覚悟を決めるのを待つまでもなく、東方号は大水崖の中へと沈んでいく。左右に見える景色は、断崖の両側の壁のみ。垂直に切り立ったその岸壁の険しさは、火竜山脈とて比較にもならないだろう。 下はまったく見えない。まるで、無限永劫に続いてるかのようだ……いったい底などあるのか? 息を呑む彼らに対して、水の精霊が短く言った。 「よくここまでやってきたな、単なる者たちよ。道のりはあと半分だ」 「あと半分? ということは、あと……一万メイル、ですか」 コルベールが額で輝く汗をぬぐってつぶやいた。あと一万メイルの深さに、この東方号は耐えられるのだろうか。外でタバサの姿で浮いている水の精霊はすました様子だが、普通の生き物にとってはここはまさに地獄そのものだ。 と、そのとき外の様子を水質や温度なども含めて観察していたティラがいぶかしげに言った。 「おかしいわね。水中の塩分濃度がすごい勢いで増えてる。この成分分布だと、まるで海の中じゃない。精霊さん、もしかして」 「そうだ。異世界への門の先は、ときおりどこかの世界の海とつながることがある。我らもそうして来た者であり、ここより深くは深海と変わらない世界が広がっている。心せよ」 言われてみれば、外を泳いでいる魚の様子も変わっているようだ。まさか、湖の中に海があるとは誰も思わなかった。日本のとある湖は地底で海につながっていて、そこから大ダコが出てきたことがあるというが、これは文字通りスケールが違う。 だが、見とれている場合ではなかった。再び、船殻がミシミシときしみだしたのだ。キュルケとドゥドゥーに加えて、今度はジャネットも『念力』をかけてようやく収まるが、安心した者はいなかった。 「水の力が、強くなってきているのね」 「そうだ。スクウェアクラス三人で、ようやくギリギリだと言っただろう。ミス・ファーティマ、このぶんだと水中呼吸の魔法も早く必要になるかもしれん。準備を頼むよ」 「わかった。わたしもこんな海で水練などしたくないからな。しかし、なんという不穏な海だ……この下に精霊の住まう場所があるなどと、とても信じられない」 こんな海に沈んだら永遠に死体も浮いてこないだろう。深度はすでに一万メイルを軽く突破し、エルフの水軍もこんな深さまで潜ったものはいない。 すべてにおいて、世界初のことを自分たちはやっている。しかし偉業を成しているという実感はまったくない。 ひたすらに、下へ、下へ、下へ。光ではなく闇の方向へと、ひたすらに降りていく。その先に、本当の希望の光があると信じて。 しかし、深度一万三千メイルを超えたときだった。水の精霊が、突然慌てた雰囲気で言ってきたのだ。 「まずい、来る。あれがこっちに向かってくる」 「なんですって? なにが、何が来るっていうんですか」 「悪意に満ちた生命。幾万と月を重ねた過去に異なる海からやってきて、湖底に眠り続けていた、我の力も及ばぬほど凶暴な獣がやってくる」 なんだいったい? 水の精霊の抽象的な言い方に、皆はいぶかしるが、何か危険が迫ってきているのだけは確かなようだ。 いったい何がどこから来る? そのとき、レーダーを睨んでいたティラが叫んだ。 「右、下方からなにかが接近してくるわ。なにこれ大きい、それに速過ぎる。普通の生物じゃありえないわ。気をつけて!」 「気をつけてって、いったい何に気をつければいいんだい!?」 ドゥドゥーが困惑して叫び返すと、キュルケは「あ、この子なんかギーシュに似てるわね」と思った。 けれども危機は遠慮も容赦もなしにやってくる。ティアの言ったとおりの方向から、東方号を目掛けてすごい速さで黒いヘビのような物体が近づいてきたのだ。 「な、なにあれ? 竜? 海蛇?」 「海竜か? いや、大きすぎる! まずい、ぶつかるぞ。避けろコッパゲ蛮人!」 ファーティマがコルベールに怒鳴るが、もちろんコルベールにそんなことをすることはできない。 「誰がコッパゲ蛮人だね! せめてコッパゲか蛮人かどちらかにしたまえ。避けるなど無理だ! この船は沈むしかできないと言ったはずだぞ。くっ、奴はぶつける気だぞ。みんな、なにかに掴まれ!」 そして皆が慌てて手近にあった何かに飛びついた瞬間、ヘビのような巨大ななにかは東方号に頭から突っ込んできた。とたんに激震が走り、彼らのいる耐圧区画の中もミキサーのように揺さぶられる。それでも念力の魔法は使い続けたままでいたが、あちこちに体をぶつける羽目になって、鈍痛が皆の顔をしかめさせた。 だが、ぶつかってきた何者かがすれ違って行ったときに、相手の姿ははっきりと見えた。東方号の巨体と比較しても遜色のない長さの。 「巨大なウミヘビ? いえ、あの大きさはもう怪獣ね。水の精霊! なんであんなのがいるのに黙ってたのよ」 「奴は、今日この日までじっと眠り続けていたのだ。だが、邪悪な波動を受けて突然目覚めて動き出した。だがお前たちとはかなり離れた場所で暴れていたので、気に止める必要はないと思っていた。急にこちらに方向を変えて襲ってきたのだ」 「邪悪な波動? それって、もしかして」 アークボガール……そう察するのに時間はいらなかった。奴の出現が、ラグドリアン湖に眠っていた古代の怪獣をも蘇らせてしまったというのか。 しかし、なぜ東方号を狙ってくる? エサに見えたのか? 縄張りを荒らされたと思ったのか? いや、考えるだけ無駄だ。今の東方号は逃げられないし、武器もないのだ。このままでは、間違いなくやられてしまう。かといっていくらメイジでも船の中ではどうしようもなく、キュルケたちはコルベールに詰め寄った。 「ミスタ・コルベール、なんとかならないの? ほら、いつもあなたが自慢してる秘密道具とか」 「発明品は基本ができあがってから取り付けるはずだったんだ。今の東方号に戦う術はなにもない。奴があきらめるか飽きるまで、耐えるしかない!」 「そんな、耐えるって言っても」 東方号が頑丈とはいっても怪獣の攻撃には持ちこたえられないことはわかっている。ましてや今の東方号はただでさえボロボロの状態なのだ、そんな耐久力がはるかに下がった状態で怪獣が飽きるまで耐えろというのか。 船体から装甲や武装がはがれて水中に散っていく。今の一撃だけでも相当なダメージになっている、これ以上の攻撃を受けたらそれこそ。 だが、怪獣はこちらに考える余裕など与えてはくれなかった。東方号に体当たりして、そのまますれ違っていった怪獣が反転してこちらを向いたとき、怪獣の頭部に生えている一本の触角の先端が黄色く光り、稲妻状の光線が発射されたのだ。 「うわあぁぁぁっ!」 大爆発が起こり、耐圧区画の中もさらに激しく揺さぶられた。 部品が砕けて水中に舞い散り、船体ががくりと傾く。中にいた人間も無事では済まず、折り重なって壁だった床に投げ出され、魔法のランプが叩きつけられて砕け散り、明かりが消えて室内は漆黒の闇に包まれた。 大量の水泡を吐きながら沈んでいく東方号。だが、怪獣、深海竜ディプラスはなおも敵意を揺るまさせずに、沈んでいく東方号をめがけ牙をむいて襲い掛かっていった。 大ピンチに陥った東方号。しかし、危機は彼らだけでは済んでいなかったのだ。 湖の上で、東方号の帰りを待つ仲間たち。その彼らの前で、信じられない光景が空に浮かんできたのである。 「み、見ろ! 空が、空が割れて何かが出てくるぞ!」 「あれは、まさかアークボガール? ばかな、いくらなんでも早すぎる!」 小型船の上から望み、一同が慌て、ダンの驚愕する声が響く。 そう、まだアークボガールが出てくるまでには数時間は必要なはずだ。なのに、いったいどうして! 納得できない一同とダンを見下ろして、アークボガールは勝ち誇ったように告げた。 「馬鹿めが! 確かに貴様の念力で痛い思いこそしたが、ディナーの邪魔をされた我の怒りと飢えの嘆きが糧となって傷は癒えたのだ」 「よく言う。要するにお預けに耐えられなくなっただけではないか、お前のようにマナーのはしくれもわきまえていない奴に食わせるものなど、この世界のどこにもない」 「負け惜しみを。この宇宙のすべては我の胃袋を満たすためにあるのだ。もはやお前に我に対抗する力などはないことはわかっているぞ。さあ、覚悟するがいい。今度こそ、このちっぽけな湖ごと我の腹におさめてやるわ」 次元の裂け目から湖畔に降り立ち、アークボガールは高らかに勝ち誇った。 奴を見るのが二度目のベアトリスたちだけでなく、初めて見るギーシュたちや銃士隊の皆も、人間とまったく同じレベルで流暢に話すアークボガールを見て驚いている。超獣以外にもこれほど知能の高い怪獣がいたとは、なんということだ。 アークボガールの再出現で、空気が震え、湖が波打ちだす。奴は蘇っただけではなく、飢えに耐えかねてパワーが漏れ出しているのだ。余波だけでこの威力とは、ハルケギニアを食い尽くすという言葉にももはや疑う余地はない。 しかも、悔しいが奴の言うとおり、もはやこちらに打つ手がないのも事実だ。奴が吸引を始めれば、ものの数秒で全員が船ごと飲み込まれてしまうだろう。そして我慢の限界に来ている奴に、もう言葉で時間を稼ぐという手は使えない。 もはやこれまでか、しかしアークボガールが腹の吸引器官に力を込めようとした、そのとき。 『ナイトシュート!』 空から降り注いできた一条の青い閃光がアークボガールの足元を撃って爆発し、驚いた奴は体勢を崩して空を見上げた。 そしてそこから降り立ってくる、青と赤のふたりの巨人。 「すまないセブン、遅くなってしまった」 「ヒカリ! お前たち、無事だったのか」 「なんとか、飛んで帰ってこれるだけの体力は取り戻せてきた。アークボガール、私の命が続く限り、貴様の思うとおりにはさせんぞ」 ウルトラマンヒカリとウルトラマンジャスティスのふたりのウルトラマンがアークボガールの前に立ちはだかり、闘志を込めて構えをとる。 次いで、小船の上から湧き上がる水精霊騎士隊の歓声。ウルトラマンがふたりも助けに来てくれた。これならば勝てると、期待が巻き上がる。 だが、ダンは険しい表情を崩さず、アークボガールはまるで脅威を感じていないというふうに笑った。 「フハハハ、馬鹿め。おとなしく星屑のように待っていれば長生きできたものを、お前たちは文字通り、戻ってこれただけの体たらくではないか。そんなしなびた野菜のような姿で、我を倒せると思っているのか?」 そう、ヒカリとジャスティスは回復が追いついていなかった。アークボガールから受けたダメージは残ったままで、その証拠にカラータイマーが赤く点滅し続けている。 ふたりとも万全にはほど遠い。それでも、ハルケギニアの危機を見過ごせずに来てくれたのだ。 完全に余裕を示すアークボガールに対して、ヒカリとジャスティスはもう後がない状態だ。ジャスティスはクラッシャーモードにチェンジする余力はなく、ヒカリもこれ以上光線技を使う余裕はなく、ナイトビームブレードにすべてを託した。 勝ち目はほとんどない。そのことを水精霊騎士隊も気づいて、表情が一転して不安に変わる。しかし、ヒカリとジャスティスはあきらめてはいない。 「アークボガール、お前にはウルトラマンのなんたるかがわかっていない。決してあきらめないことの強さを、お前に教えてやる」 「お前がどんなに強さを誇ろうとも、力に頼る者に待つのは滅びのみだ。お前も、すぐに知ることになるだろう」 「ほざきおったな。この星を喰らえば、もはやこの宇宙に我に敵うものはいなくなる。だが、さんざん我をじらさせた貴様らをもう許しはせんぞ。少しだけ遊んでやる、そして心の底から後悔しながら死ぬがいい!」 アークボガールも戦闘体勢をとり、ふたりのウルトラマンを迎え撃つ。 駆けるジャスティス、斬り込むヒカリ。だがそれは、なぶり殺しにも似た一方的な殺戮劇になるであろうことは、もはや誰の目にも明らかであった。 そして、急変はラグドリアンだけではなく、いよいよトリスタニアでも起ころうとしていた。 トリステイン・アルビオン連合軍と、ガリア・ロマリア連合の激戦が続くトリスタニア。戦局は防戦につとめるトリステイン側の厚い防御陣に阻まれたロマリア側が足踏みを強いられていたが、トリステインの指導者層でこんなダラダラした戦況がこのまま続くと楽観している者はいなかった。 王政府の人間は、おおむねがアンリエッタに賛同して王宮に残っている。信仰心からロマリアを選び、去った者も少なからずいたが、アンリエッタは追うことも処罰することもせずに、財産も持たせて行かせた。信仰を強制せずに、信じる対象は自由意志に任せるというのがトリステイン側の大義名分であるので、ここだけは譲れなかった。ただし、もしも戦場で敵として相対した場合は一切の容赦はしないと釘を刺すことも忘れてはいない。 そのおかげで、幸いにもトリステイン人同士で相打つといった状況はほとんど起きていない。去っていった者たちも、昨日までの主君に杖を向けることを忌避する感情があったし、ロマリア側もトリステイン人同士を戦わせて、後で問題が起きることを望まなかった。 もっとも、少数ではあるが、ロマリア側に情報を売り渡したり、積極的に参戦することでロマリアに自分を売り込もうとする恥知らずな元トリステイン貴族も存在した。もっとも、そういう連中は信用が置けないことは特にガリアの軍人はよくわかっており、情報を引き出された後は様々な方法で秘密裏に始末されたらしい。 戦闘自体は局地戦でも、戦争の醜愚の光景は例外なく、今後も絶えることはないだろう。それらの内容はアンリエッタにもそのまま報告され、今日もまた彼女はマザリーニ枢機卿から手渡された戦況報告の書類を読んで表情を曇らせた。 「戦況は硬直状態ですか。一応は、こちらが想定したとおりに状況は流れているようですね。しかし、犠牲はどうしても出てしまうのですね。今日もまた、始祖のためにと戦い、始祖の元へ行った方々がそれぞれの陣営で生まれてしまいました」 「女王陛下、これは陛下が始めることを決めた戦争ですぞ。もっとしゃんとなさいませ……と、私も言うだけならば簡単ですな。王たる者、戦との縁は切っても切れませぬ。味方だけでなく、敵の兵卒の死にも心を痛める陛下の御心はさぞつらかろうと思います」 心身ともにまだ若すぎるアンリエッタの心労をいたわって、マザリーニは優しげに告げた。 しかし、アンリエッタの表情は晴れない。それに、気落ちしているのは彼女だけではなかった。王宮にかくまわれているティファニアもまた、戦場に近い場所にさらされていることでの圧迫に耐えていた。 「ティファニアさんも、大丈夫でしょうか?」 話題を変えて、アンリエッタは尋ねた。彼女とティファニアは遠縁に当たり、ふたりとも仲を深めたいと思っていたが、これまではなかなか二人でゆっくりと話す機会もなかったのだが、マザリーニは首を振った。 「今はそっとしておくべきでしょうな。陛下の察しのとおり、あまりよくはありませぬが、彼女にとって、世界で一番安全なのはここなのですから仕方がありますまい。彼女には、できるだけ凄惨な状況は伝えまいとしていますけれども、それでも感じるものは感じてしまいます。彼女のことは、あの方にまかせましょう。あの方の頼もしさは、陛下もよくご存知のことでしょう」 マザリーニにそう言われて、アンリエッタは無言でうなづいた。本音を言えば、ティファニアとは語り合いたいことは山ほどある。しかし戦時で神経が張り詰めた今の自分が行けば逆効果だということはわかっている。 指導者とは孤独だ、とアンリエッタは思った。 「女王など、ならなければよかった」 「王になる者は、たぶん皆そう思うのでしょう」 ガリアのジョゼフ王もだろうか? と、アンリエッタは思った。権力を私物化し、国政を省みずに好き放題しているというあの男もまた、王という器に苦しめられているのだろうか。 いや、考えてもせんなきことだろう。王家と言えば、ティファニアにもアルビオン王家の血が流れているが、彼女にはとても女王などは務まるまいとアンリエッタは思った。自虐するわけではないが、彼女は自分と比べても純粋で優しすぎる。 わたくしの姪のことを頼みますわと、アンリエッタはティファニアの護衛についているトリステイン最強の騎士に祈った。 ティファニアは、王宮の一室が与えられて休んでいる。部屋には窓はないが、外からは兵士の叫び声や軍隊の喚声が漏れ聞こえてくる。最初は『サイレント』の魔法で、それらもシャットアウトしようかとされたがティファニア自身が断った。外の情報を遮断しすぎてしまったら、外に出ることになったときの覚悟ができなくなってしまうからだというのが理由だった。 しかし、覚悟を決めたつもりでいても、漏れてくる声で想像できる外の惨状は彼女の神経をすり減らさせた。以前ティファニアといっしょにウェストウッド村に住んでいて、今はトリスタニアの孤児院に預けられている子供たちは安全な場所に疎開させたから、その点だけは安心できたが、ティファニアは見知らぬ誰かでも人死ににそ知らぬ顔を続けられるほど強くはなかった。 数少ない心を許せる相手はロングビルことマチルダやルクシャナであったが、猫の手も借りたい状況では、マチルダはロマリアに不審な動きがないかを監視するため、ルクシャナは先住魔法の力を買われているために、常に彼女といっしょにいれるわけではない。せめてカトレアの手が開いていればよかったのだろうけれど、彼女ほどの腕利きのメイジを遊ばせておけるほどトリステインには余裕はなかった。 今、ティファニアの心を安定させられているのは、護衛についているカリーヌによるところが大きかった。 「今日もまた、なんの罪もない人たちが死んでいっているのですね……」 「そうだな。まあ、よくあることだ」 嘆くティファニアに、カリーヌはそっけなく答えた。トリステインの切り札、『烈風』は通常の戦闘で出すには強力すぎ、こうして待機がてらティファニアがロマリアに狙われるのを防いでいる。なお、もしも外で異変があった場合には、彼女の使い魔が即座に視界を共有して知らせるので出遅れる心配はない。 が、ティファニアはどうにもこの怜悧な貴婦人が苦手であった。まず話が合わないし、そもそも部屋でじっと瞑目していることが多くて、恐る恐るお茶を淹れていったときも無言で飲んだだけだった。 怖いです……ルイズさんのお母さんというから、こういう人なのは納得できますけど、空気が重すぎます。 悪い人ではないのはわかるけれど、こういう状況に慣れていないティファニアにはつらかった。しかし互いに嫌っていたわけではなく、犠牲者が増えることにいたたまれなくなったティファニアに、カリーヌはこう言ったのだ。 「嘆くのはけっこうだが、あまり自分を追い詰めすぎるな。女王陛下と教皇のどちらが正しいにせよ、この戦場に集った者は皆それぞれの意志で戦っている。死ぬのもまた、彼らが選んだ結果ゆえだ。お前を含め、ほかの誰のせいでもない」 「でも、兵士の皆さんだって人間です。それぞれの人生があり、家族がいるはずです。でも、わたしはここで守られているしかできません」 「それで罪悪感を感じる必要はない。お前は、孤児を十人ほど育て上げたそうだな。仮にこの戦で千人が死んだとしても、お前の子供たちは十年後には子供を作って二十人に増える。さらに十年後には、兄弟ができて五十人に増える。百年後には、その子供たちに子供や孫ができて、さらに何百年後には一万人を超えるかもしれない。それで吊り合いは十分だ。想像してみろ、その未来を」 「わたしの、ウェストウッド村の子供たちが……いつか一万人に、ですか」 ティファニアは、カリーヌに言われた光景を思い浮かべた。大人になり、多くの家族を持つ子供たち。その子供たちがさらに多くの家族へと広がっていく……そこまでの未来を、考えたこともなかった。 「そうだ。千の人命が失われるのは確かに悲惨だ。だが、十人を生かすことはもっと尊い。時を経れば、十万にも、百万人にもなるからな。私は騎士として多くの敵をこの手で屠った。しかし、その代わりに守るべき者は守り、なにより三人の娘を育て上げた。それだけで、私は己の価値を万人に誇れる。戦いに倒れた者たちも同様だ、同情されるべきなにものもない!」 カリーヌにがんとして言われて、ティファニアは心臓をわしづかみにされたような衝撃を覚えた。 「はい、わかりました。いいえ、わかったような気がします。わたしは……傲慢だったのかもしれません。ただ、命があるかないか、それだけが価値だと思い込んでいました」 「実際は、そこまで単純ではないが、それはいずれ学んでいけばいい。だが、常に己の心に誇りを持ち続けることを忘れるな。戦う誇りのある人間は、どんな苦境でも心が折れることはない」 その言葉は、ティファニアの胸に深く染み入ってきた。戦う誇り……自分は、とても戦士にはなれない。しかし、今の自分の中には戦うことのできる力が眠っている。 思い浮かんだのは、救えなかったエルザの最期。もし、あのときの自分にカリーヌの言うような誇りがあれば。過ちは、繰り返してはいけない。 きっと、自分と、自分の中に眠るもうひとりの力が必要になるときが近くやってくる。 ”そのときには、わたしも……” 避けられない戦いがすぐそこまで来ていることを、ティファニアは懐の中に仕舞いこんであるコスモプラックを握り締めて思った。コスモスは、アークボガールのことをティファニアには伝えていない。彼女への負担が大きすぎることになるだろうと判断したからだが、彼女の力を借りねばならない事態がすぐにでも訪れかねないことを彼も覚悟していた。 そして、同じように重圧に耐えているアンリエッタにも、マザリーニが諭す言葉をかけていた。 「陛下、腐っても神に仕える身であるこの私も、いまや教皇聖下公認の異端者です。が、私もなによりも女王陛下を信じたくてトリステインに残った次第、だから申し上げさせていただきます。犠牲に涙する陛下のお優しさは宝石よりも貴重だと思いますが、陛下がそうして悲しまれてばかりおられては、少なくとも女王陛下のために散った我が軍の兵たちのためにはなりませんぞ」 「非才なわたくしめには、少しでも犠牲が少なく済むようにと、祈ることくらいしかできませぬ。それでも、何かできることがあるというのですか?」 「そうですね。なら、たとえ話をしましょう。女王陛下が将来結婚して子供が生まれたとしましょう。その子供に命の危険が迫って、女王陛下が犠牲になる代わりに、その子が助かったとします。陛下は、生き残ったお子さんにいつまでも悲しみ続けていてほしいと思いますか?」 「いいえ、わたくしでしたら、自分の死などは乗り越えて、より強く立派に育ってほしいと思います」 「でしょう? 兵たちもそれと同じです。悲しむことは大事ですが、散った者の思いを無駄にしてはいけません。あなたは散った者たちに「よくやった、見事でした」とお褒めの言葉をおかけになり、その者の名を覚えていればよいのです。それでもつらいのでしたら、戦争が終わった後の処理のことを考えていなさい。そうすれば、兵たちも安心して天国に行けることでしょう」 「ありがとうございます、マザリーニ枢機卿。少し、気分が楽になった気がします。ですが、恐らくはもう長くは続かないと思います。そろそろ教皇もしびれを切らしてくる頃でしょうからね」 彼女の勘が言っていた。戦線は固まり、消耗戦の体をなしてきている。それにこれ以上長引けば、兵たちの士気も下がる一方である。 教皇がなにかを仕掛けてくるならタイミングは今しかない。そしてそれは完全に的中していた。 トリスタニア郊外のロマリア軍陣地で、戦況を見守っているヴィットーリオは、まったく進まないトリスタニア攻略戦を焦るでもなく静観していたが、ついに腰をあげようとしていた。 「さて、頃合ですね。もう皆さん、じゅうぶんに戦争ごっこは楽しんだことでしょう。まったく人間という種は、ほかの生き物を平気で殺戮するだけでなく、同じ種でもなんの疑いもなく争う。我々の慈悲ももはや限界……ジュリオ、用意はいいですか?」 「はい、すべてとどこおりなく。今は我が軍とトリステイン軍がほどよく離れています。アルビオンの艦隊もいらっしゃっていますし、観客は申し分ないかと」 「よろしい。今日を持って、このくだらない戦争を終わらせましょう。彼らの信ずる神の加護の元に」 ヴィットーリオは空を見上げ、トリスタニアの真上の空に視線を集中させた。すると、虫の雲に覆われた空に黒い渦巻きが現れ、その中心に不気味に笑う顔が一瞬現れて消えた。 その間にも、街では戦闘が続いている。魔法騎士隊、銃士隊、名もない兵卒たちが死力を尽くしてトリスタニアを守ろうとしていたが、少しずつ異変の予兆は始まっていた。 それにもっとも早く気がついたのは地上で戦っている銃士隊だった。 「全員気を張れ! もうじきアルビオン艦隊の援護がはじまる。そうすれば敵は引いていくぞ!」 「待てミシェル、なにか様子がおかしい。なにか……なにか聞こえないか?」 「え? そういえば……なんだ、波の音のような……鈴の音のような」 アニエスとミシェルに続いて、銃士隊の隊員たちも、ふと聞こえだした奇妙な音に耳を済ませた。 いったいなんだ? 空耳ではない。皆に聞こえている。いや、遠巻きに対峙している敵兵も聞こえ始めたようで、耳を立てているのが見えた。 とっさにアニエスは全員を固めて防御陣をとらせた。戦士としての勘が言っている、戦場で理解不能な出来事に直面したときには、必ず悪いことが起きると。 「おい! 空を見ろ」 誰かが叫び、見上げた誰もが言葉を失った。 空を、まるで砂金のような金色の粒子が舞っている。いったいなんだ、敵の策略か? 両軍ともにそう疑い、身構える。 いつの間にか、トリスタニア全域が金色の光に照らし出されていた。人々は例外なく空を見上げ、王宮でも事態の急変にアンリエッタがバルコニーに現れていた。 「何事ですか? これは、敵の魔法攻撃なのですか」 「わ、わかりませぬ。女王陛下、なにが起こるかわかりません。どうか中に」 「かまいません。何が起ころうと、わたくしにはすべてを見届ける義務があります……思ったとおり、仕掛けてきましたね」 来るべきときが来た。彼女はそう確信した。 これまでの戦いは、いわば目くらまし。この世ならざる力を持つ教皇は、必ずや奇跡という名目でトリステインをつぶそうとしてくるはず。 ならば、この見るからに神々しい光景は演出にふさわしいではないか。そして、次に来るものこそ……アンリエッタは、切り札の使用も含めて覚悟を決めた。 光溢れる世界、それは神の領域。神は天上の光溢れる世界に住まい、ときおり光と共に光臨して人々に祝福を与えるという。 神話に伝えられる救世の時。それはかつてロマリアで現実となり、そして再びトリステインのここでも再来する。 「て、天使だ。天使さまだぁーっ!」 大気を揺るがす喚声とともに、それは空から降りてきた。 光をまとった、数百メイルの大きさはあるのではという巨大な白い天使。それが人々の見上げる前で、ゆっくりとトリスタニアへと降りてくる。 「天使だ、天使さまだ」 「なんとお美しい。おお、また天使さまのお姿を拝むことができるとは」 ロマリアの兵たちは、かつて光臨して怪獣を消し去り、教皇聖下に祝福を与えた天使の再来に感動してひざまづいて涙を流している。 一方で、トリステイン兵たちのあいだには動揺が広がっていった。 「なんなんだ、あれは!」 普通の人間にとっては理解を完全に超えた範疇の出来事に、頭がついていかなかったとしても仕方ない。 トリステイン側で理解できているのは、かつて見たことのある銃士隊の面々のみだった。 「隊長、あれです! あれがロマリアに現れた天使です」 「そうか、なるほどな。これは確かに、見るからに見るからな奇跡だ。奴ら、本気で神を気取っているのか。馬鹿馬鹿しい!」 アニエスは吐き捨てた。ロマリアがどういうところか、彼女もよく知っている。あんなところに、間違っても神の祝福などあるわけがない。 だが、神々しい天使の姿は両軍ともに理性を失わせるほどのインパクトを与えたのは間違いない。兵たちは戦いを忘れて天使を見上げ、ひざまづいて祈りをささげている者も少なくない。 白磁でできた天使像のように、純白の天使はゆっくりとトリスタニアの町並みに降り立った。その姿はほんとうに巨大で、王宮すら見下ろすほどに背丈が高い。 「天使さま」 「天使さま……」 もはや戦争のことなどは誰もが忘れていた。チクトンネ街ではスカロンたちが啞然としており、近くまでやってきていたアルビオン艦隊の将兵たちも言葉を失っている。 ロマリアの人間たちは、教皇とともに祈りの姿勢をとり、神の御心にすべてをゆだねようとしている。 しかし、あれが天使だなどと信じない者もいる。 アンリエッタは最初からあれが天使だなどとは思っていない。あれが現れたとき、ルイズはその消息を絶った。自分の大切な親友を奪うものが、天使などであるはずがない。 バルコニーから憎憎しげに巨大天使を見上げるアンリエッタの視線にも天使は動じない。だが、天使はついにその腕を抱きかかえるように動かし、手のひらのあいだに波動球を作り出すと無造作に街に向かって投げ下ろしたのだ。 「うわあぁぁっ!?」 波動球が爆発を起こし、トリスタニアの街と共にトリステイン兵たちが吹き飛ばされていく。 攻撃!? 天使が!? 人々が状況を納得することもできぬまま、天使は次々に波動球を撃ちはなってトリスタニアを火の海にしていった。 頭上からの攻撃には兵士たちもどうすることもできない。さらに天使から撃たれたということはトリステイン兵たちの士気を激減させ、逆にロマリア兵たちの士気を最大にあげた。 「おお! 天使が、天使さまがトリステインを撃っておられるぞ。天罰だ、神に逆らった異端の徒に天罰が下されているのだ」 「やはりこの戦の正義は教皇聖下にあり! これぞ奇跡だ。いや、必然なのだ」 逃げ惑うトリステイン軍を見て、ロマリア軍はあざ笑った。そして、そこに魔法で増幅されたヴィットーリオの声が響いたのだ。 「我が信仰深き神の使途の皆さん。今こそ立つ時です! 天使は、我々の信仰を守る必死の思いに答えて再び降臨されました。今こそブリミル教徒はひとつとなり、異端の徒を打ち倒すのです!」 その声が引き金となり、ロマリア・ガリア軍はときの声をあげて総攻撃に打って出た。もはや戦術もなにもあったものではないただの突撃だが、迎え撃つトリステイン軍は士気が崩壊しかけている。 このまま激突すれば鎧袖一触でトリステイン軍は蹴散らされて勝敗は決まってしまうだろう。統制を保っているのは銃士隊くらいだが、そんな少数ではどうしようもなかった。 そしてついに、天使の波動攻撃が王宮のアンリエッタに向けられたときだった。 『エア・カッター!』 特大の空気の刃が波動球を両断し、そのまま聳え立つ天使に直撃させて大きく揺るがしたのだ。 「なっ! て、天使が」 天使をのけぞらせるほどの攻撃に、発狂の一歩手前にまで進んでいたロマリア兵たちも足を止めて振り返った。 そして、天使と王宮のあいだに舞い降りてくる巨鳥が人々の目を引き、その背に乗る騎士の放った声が戦場に響き渡った。 「トリステインの戦士たちよ、臆するな! たとえ目の前に何が立ちはだかろうと、お前たちが信じると決めたものはなんだ? 忠義、信義、故郷、家族、信仰、我らの正義は少しもゆらいではいない! それらを思い出し、誇り高く立ち直れ! あんなものを恐れるな。我らの街を土足で踏みつけ、人間を蹂躙するものが果たして天使か? 皆のものよ、偽りの天使は私が叩き潰す! 勝利を信じ、我に続け! 我が名は烈風、我ある限り敗北はない!」 トリステイン軍すべてから怒号のような喚声が沸きあがった。 そうだ、あんなものは天使ではない。正義は変わらず我らにある。 対して、一歩も進めなくなったのはロマリア軍だ。天使を揺るがすとてつもない魔法……あれが生きる伝説、ハルケギニア最強のメイジ、烈風に違いない。 けれど彼らに後退は許されなかった。引けば、始祖への信仰心が揺らいだことを自白することと同じになる。完全に機能を取り戻したトリステイン軍の防御陣に突撃するしか道は残っていなかった。 戦いは、まさにこれが最終局面。それを理解し、アンリエッタもヴィットーリオも声を枯らさんばかりに自軍に激を飛ばした。 だが、ヴィットーリオは烈風の力の強大さは想定外だったものの、まだまだ余裕を崩してはいない。 「烈風カリン……アルビオンでの戦いでの実力を基準にして考えていましたが、それ以上を隠していましたか。ですが、いくらあなたが強くてもそれに勝つことはできません。それの秘密を解かない限りは、決してね。そして、それはこの世界の人間には絶対に不可能なのですよ」 結果は揺るがない。予定は狂わない、それを確信して、ヴィットーリオは聖人面をしてロマリア軍へと激を飛ばしていった。 明日の夜明けすら待たずに、今にも滅亡のカウントダウンとなろうとしているハルケギニア。 さらに、それを覆せるかもしれない唯一の存在である東方号もまた、最大の危機に陥っていた。 「圧力がさらに上がったわ! これ以上はもう船が持たない。バラバラにされちゃうわよ!」 ラグドリアン湖の底へと沈んでいく東方号。その船体にはディプラスが長い体を巻きつけて締め上げており、今にも押しつぶしてしまいそうな力をかけ続けていた。 「これじゃ、湖底に着くまでに海の藻屑にされちゃうわ。ミスタ・コルベール、ほんとになんとかならないの?」 キュルケが悲鳴のように叫んだ。ドゥドゥーやジャネットも必死に念力の魔法で支え続けてくれているが、もう何分も持たないことは明白だ。しかしコルベールは苦しげに首を振った。 「だめだ、本当にもう手がない。打てる手は尽きた。浮上しようにも、もう間に合わない。すまない、後はもう、始祖に祈るくらいしかない」 「そんな……」 コルベールすらさじを投げてしまったのでは、もはやキュルケたちに手段があろうはずがなかった。 湖底まで、あと数千メイル。それまでを耐えるなど、とても不可能だ。 だが、そのときティラがつぶやくように言った。 「いいえ、まだひとつだけ。打てる手があるわ」 「なんだって、それは本当かい!」 全員の視線が刺すようにティラを向く。そして、ティラはゆっくりと語り始めた。 「この船のエンジンのエネルギーを、電気ショックにして奴にぶつけるの。あなたたちにわかりやすく言うと、ライトニング・クラウドのすごいやつに変えてぶつけるの。うまくいけば、奴は驚いて離れていくかもしれない」 「なんだい、そんないい方法があるなら早く言いたまえよ。ぼやぼやしてないで、早く早く」 ドゥドゥーが急かすようにティラに言う。しかし、ティラの苦悶に満ちた表情に、他の皆は気づいていた。大きな代償を伴うであろうことに。 「ただし、それをすればエンジンに残ってるぶんのエネルギーは底を尽くわ。つまり、もう二度と浮き上がることはできなくなるでしょうね」 続く 前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔
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大貝獣物語 17-284~303・315・317 284大貝獣物語 その1:オープニングsage2005/08/06(土) 05 19 18 ID d48MtN15 大貝獣物語の舞台となるのは、我々の住む地球とは異なるシェルドラドという世界です。 この世界には人間の他、背中に貝殻をもつ不思議な生き物「貝獣」をはじめとする さまざまな種族が共存しています。 かつて、シェルドラドでは「大魔王ファットバジャー」という強大な魔物が現れ、 世界全体が闇と恐怖のどん底にたたき落されそうになったことがありました。 その時には異世界からやってきた火の貝の勇者と勇気ある貝獣たちが協力し、 冒険の末ファットバジャーを打ち破り封印することに成功しました。 これが前作「貝獣物語」のお話です。 かくてシェルドラドには再び平和な時代が訪れたのですが、最近になって 封印された大魔王ファットバジャーが復活の兆しを見せていることがわかりました。 貝獣たちの長・貝獣仙人はこの事態を重く見て、前の時と同じように、異世界から 火の貝の勇者を召喚してファットバジャーを再び打ち破ろうとしました。 貝獣仙人らの召喚の儀式によって呼び出された地球人の少年──シェルドラドの住人は 我々の住む地球を異世界と呼んでいるようです──が、今回のお話の主人公となる 火の貝の勇者です。 貝獣仙人はさっそく火の貝の勇者にシェルドラド様式の服装と武装をさせると、 大魔王を封じ込めるためのオーラの玉、大魔王の魔力を抑えるための火の貝・水の貝・ 大気の貝・大地の貝の4つの貝を与え、前回でも活躍した貝獣の3人組、バブ・ クピクピ・ポヨンをお供につけて、さあゆくがよいと船に乗せて送り出しました。 …有無を言わさず別世界に連れてこられてお前は勇者だ魔王を倒してこいと言われ、 小船ひとつで海のまっただ中に放り出された主人公の少年の心中は察するに余りある ものがあるのですが、なおも災難は続きます。 一行は南の海に浮かぶ貝獣島からファットバジャーが封印されているドラドシティーに 向けて大海原を北上していたのですが、ろくすっぽ進みもしないうちに嵐に遭遇。 船は木の葉のごとくに翻弄され、勇者たちは海に投げ出されてしまうのでした。 285大貝獣物語 その2:チクリー~サンドサイドsage2005/08/06(土) 05 23 58 ID d48MtN15 火の貝の勇者が目を覚ましたのは、シェルドラドの北西の大陸のはずれにある チクリーの村でした。介抱してくれていた村人の話によるとずいぶん長い間意識が もどらなかったようです。ふと気付くと一緒にいた貝獣もいませんし、持ち物も 勇者が身につけていた火の貝をのぞいて全てなくなっています。 村人にきいてみてもそんなものは最初からなかったと言うので、嵐に巻き込まれた時に 離ればなれになったり紛失したりしてしまったのでしょう。 そしてがっくり気落ちする暇もなくここでも非常事態が発生します。突然空から ロボットのようなものが何体も降ってきて村を攻撃しはじめたのです。 彼らはそれを防ぎに出た村人を軽くひねると、マユのようなものに包んで連れ去って しまいます。 ロボットのようなものが去った後、火の貝の勇者は村人のすすめに従って チクリーの村を後にしました。目的地はこの地方の中心的な町、サンドサイドです。 この町でなら旅の支度もできるし、何か有力な情報が得られるかもしれません。 サンドサイドの町でいろいろ聞き込みを行った結果、思わしくない話が耳に入りました。 出発してすぐになくしてしまったオーラの玉は、いま現在奴隷商人のドグラーという 人物の手元にあり、しかも彼はそれを使ってファットバジャーの復活を企んでいる らしいのです。サンドサイドではドグラーの配下をふん捕まえて尋問を行おうとして いましたが、そいつは口封じのために殺されてしまいます。しかし、一味の活動の 範囲から、ドグラーの拠点はサンドサイドから南東の方角にある砂漠地帯にあると 見当がついています。それからいい話もあって、サンドサイドの首長がドグラー討伐の ために世界各地から募った有志を火の貝の勇者に同行させてくれるというのです。 そしてその中には嵐で離ればなれになってしまっていたバブもいました。しかし、 クピクピ・ポヨンの行方についてはバブも知らないようです。以降、サンドサイドの 「勇者の館」で、最大4人までのパーティーを自由に編成することができます。 286大貝獣物語 その3:滝の洞窟~ドグラー砦sage2005/08/06(土) 05 27 37 ID d48MtN15 サンドサイドからドグラーの拠点がある砂漠地帯へ行く途中、滝の流れる大きな洞窟を 抜けていく必要があります。実際に行ってみたら薬売りの行商人がいて、洞窟は モンスターがいるからと言って勝手についてきます。旅は道連れ世は情けといいつつ 何だかうさんくさい雰囲気が気になるこの薬売り、やっぱり敵でした。洞窟の最深部で 本性を表し、サンドサイドで仲間の口を封じるのにも使った吹き矢を手にして 襲いかかってきます。 こいつを退けると洞窟の奥に捕らえられていたピッギーというオーク族を助けることが できます。何でもドグラーに協力するのを拒んだために捕らえられていたとか。 怪力で岩をぶん投げるのが彼(彼女?)の得意技。さっそく洞窟内の通路を塞いでいた 岩をどかして、砂漠地帯へと通じる道を切り開いてくれます。 洞窟を抜け砂漠を越え、ついに火の貝の勇者たちはドグラーの居城にたどり着きました。 城内各所に仕掛けられた砂のトラップを突破し、最上階でドグラーと相まみえます。 ドグラーは同情の余地なき悪党、全力でたたき殺しましょう。 …火の貝の勇者らの活躍によりドグラーの野望は潰え、大魔王ファットバジャーへの いけにえとして捕らえられていた娘達も無事に解放されました。もちろんオーラの玉も 火の貝の勇者のもとに戻りました。一刻も早く世界に平和を取り戻すべく、勇者たちは ドグラーの居城に隠されていた地下通路を通って新しい大陸を目指します。 287大貝獣物語 その4:ラミール~シーマン神殿sage2005/08/06(土) 05 30 44 ID d48MtN15 火の貝の勇者たちが新しい大陸で最初にたどり着いたのがラミールの町です。 この町で聞き込みを行ったところ、南にあるシーマン神殿に珍しい貝が流れ着いたとの 情報が手に入りました。もしかしたら旅立ちの時になくしてしまった3つの貝の どれかかもしれません。 シーマン神殿は半人半魚の姿をした海の民、シーマン族の聖地です。シーマン族の 長老に会って話を聞いてみたところ、神殿に流れ着いた貝はやはり3つの貝のうちの ひとつ、水の貝であることがわかりました。水の貝を取り戻したと思ったのも束の間、 巨大な魚が突如として神殿の中に乱入し、ひとしきり暴れ回った後長老と水の貝を 飲み込んで地下水脈へと逃げ込みます。火の貝の勇者たちも巨大魚を追って地下水脈に 踏み込み、魚を〆て長老を助け出します。 今度こそ、水の貝をしかと取り戻しました。 さて先ほどはさらっと流したラミールの町ですが、実はなかなか愉快なことになって います。まず、地震に見舞われて町全体に被害が及んでいます。この地震はラミールの 東にあって大魔王ファットバジャーが封印されているドラドシティーが震源地で、 ファットバジャーの復活が近いのではないかと町では噂されています。この地震のため ドラドシティーとラミール地方を結んでいる橋が崩壊してしまい行くことができません。 また、それ以外にも地震の影響で崖崩れや土砂崩れが発生し、北のマーナリー、 南のサンドラといった周辺地域との交通がことごとく遮断されている状態です。 さらに、ラミールの町はチクリーの村に現れたのと同じロボットのようなものによる 攻撃を受けており、地震とのダブルパンチで町はボロボロ。住民の一部はロボットに 拉致されることこそまぬがれたものの、マユのようなもので梱包されたまま町の一角に 安置されています。中の人は死んではいないようですが、マユのようなものは めっぽう固く町の人達には開封できないままでいます。 そんなところにやってきた勇者ご一行、あんた勇者なんだから何とかして下さいよと 町の人達に泣きつかれるもやっぱり開封できません。こりゃどうすりゃよかんべ、 と知恵を出し合った結果、コスモストーンという希少な鉱物で作った剣なら何とか できそうだ、ということになりました。ところが、コスモストーンがあるという 北の山──コスモストーンを加工できる鍛冶屋が住むマーナリーの町へとつながる 唯一のルートでもあります──の入口は崖崩れで塞がってしまっているのだとか。 288大貝獣物語 その5:ガル山脈~コールドリバーsage2005/08/06(土) 05 34 11 ID d48MtN15 北の山に行ってみると、町の人の話どおり入口が大岩で塞がれていました。ここは 滝の洞窟の時と同じように、ピッギーの怪力で岩をどかしてもらう必要がありそうです。 入口の大岩をどかして山道を進むと、崖崩れによって立ち往生していたとおぼしき おっさんがいました。彼はマーナリーの鍛冶屋で名はラバン。希少な鉱物である コスモストーンを求めて山に入り手に入れたものの、崖崩れによって山の中から 出られなくなってしまったのです。 コスモストーンを手に入れた勇者一行はラバンを伴って山を下り、マーナリーにある 彼の工房でコスモストーンをコスモソードという剣に加工してもらいました。 コスモソードを手にしてラミールに戻ってきた火の貝の勇者は、腰の入った回転斬りで ばっさばっさとマユのようなものをぶった斬っていきます。中の人もろとも斬り捨てて しまいそうな勢いです。…普段は言葉少なな彼ですが、やはり別世界での戦いの旅で ストレスがたまっていたのでしょうか。 とまあそんなワケで、凄惨な二次被害を出しそうになりながらも町の人達を助ける ことができたのですが、その中にミルミーというおばあさんがいました。 彼女はグレートノーム四姉妹と呼ばれる、大賢者グレートノームの4人の娘の ひとりです。火の貝の勇者がファットバジャーを打ち破るために旅をしていることを 知ると、南のサンドラに行ってみることを勧めます。しかし、ラミールからサンドラに つながる道は土砂崩れで遮断されています。正確に言うと、ラミール地方と サンドラ地方を隔てている川にかかる開閉式の橋を動かすための施設が土砂崩れで 埋まってしまい、橋が開いたままになっていて川を渡ることができないのです。 もぐらみたいに土を掘れたらいいのになぁ、と思っていたら本当にもぐらが助けて くれました。ミルミーおばあさんのお友達のもぐらが土砂に埋まった施設に潜り、 橋の開閉装置を動かして川を渡らせてくれます。 289大貝獣物語 その6:サンドラ~ゼニム屋敷sage2005/08/06(土) 05 37 40 ID d48MtN15 かくて火の貝の勇者一行は川を越え、鬱蒼とした森を抜けてサンドラに到着しました。 サンドラはラミール地方と同様にドラドシティーと橋で結ばれていましたが、今は 地震のため橋が崩れて行き来ができない状況です。 サンドラに入ると、この町を取り仕切っている名士のゼニムの使いだという男が 勇者一行の前にあらわれました。火の貝の勇者の噂を聞いたゼニムが是非とも 会いたがっていると言い、勇者一行を屋敷に案内します。 …ところがこの招待は罠でした。勇者たちはオーラの玉を奪われてしまった上、 仕掛け部屋に閉じ込められて命までも失いそうになります。 この窮地を救ったのは、忍び術の使い手のキラーという男でした。彼はゼニムが オーラの玉と火の貝の勇者の命を狙っていることに気付いており、単身屋敷に潜入して 勇者たちを助け出し、町の一角にあるスラムにかくまったのです。 キラーの話によると、ゼニムは私兵を使って町の出入口を封鎖し、火の貝の勇者の行方を 血眼になって捜し回っている模様。何としても勇者を抹殺するつもりのようです。 ここまでされて黙っているわけにはいきません。屋敷に乗り込んでゼニムを締め上げて やりたいところですが、さすがに正面突破は分が悪い。というわけでここは、スラムの 地下にひそかに掘られていた秘密の通路からこっそりとゼニム屋敷に忍び入りましょう。 屋敷に入り込んだ火の貝の勇者たちは、ゼニムの魔法で動くモンスターや私兵の攻撃を かいくぐりゼニムを追い詰めます。ゼニムもしぶとく抵抗しますが、最終的には 勇者たちの力が勝り、彼は屋根から落ちて絶命しました。諸行無常とか盛者必衰とか、 そのへんの言葉をそのまんま体現したかのようなゼニムの最期に仲間たちも複雑な 心境のようで、ゼニムに同情するようなセリフもちらほらと口をついて出てきます。 …ところでこの人、死体がいつまでたってもきれいなままなんですがどうしてなんでしょう。 それはともかく、こと切れたゼニムの懐から蔵の鍵を失敬し、オーラの玉を取り戻すと ともにたくさんのお宝、さらに船まで手に入れました。 …仲間たちがゼニムに同情するようなセリフを言ったのは、実はこの行為が後ろめたくて 言ったんじゃなかろうかという気もしてきました。 290大貝獣物語 その7:モスウッド~グレートノームの家sage2005/08/06(土) 05 40 35 ID d48MtN15 船を手に入れて行動範囲が大きく広がった火の貝の勇者一行の次なる目的地は、大賢者 グレートノームが住むという北の大陸です。この大陸は中央に険しい山脈が走っていて、 北方には雪と氷の大地が広がり、南方は穏やかな気候で人も住んでいます。 グレートノームは物好きにも北の雪原地帯に住んでいるので、会いに行くには南から 山脈を越えていく必要があります。しかしこの山脈は年がら年中嵐が吹き荒れて しかも落雷が絶えない難所、備えもなく挑んだのでは命がいくつあっても足りません。 そこで、南の森サワサという場所に生えている電気を帯びた草を手に入れ、これを 南の集落モスウッドの仕立て屋に持ち込んで雷を防ぐ服を作ってもらいました。 その名も「耐電ガッパ」、道具袋に放り込んでおくだけで雨も風も雷もしのげる 優れものにして、使うとなぜかなくなってしまう不思議アイテムであります。 かくして火の貝の勇者一行は山脈を越え、大賢者グレートノームの家を目指すのでした。 火の貝の勇者がグレートノームの家をたずねあてると、彼は病気になって床に伏せって いました。それでも話ができるぐらいには元気なのでいろいろ聞いてみたところ、 次のようなことがわかりました。 大魔王ファットバジャーが封印されているドラドシティーは現在周辺地域との交通が 遮断されている状態にあるのですが、実はこの雪原地帯と秘密の地下道でつながっていて そこを通って行くことができるそうです。しかし、その地下道の入口は雪崩で埋まって しまっています。グレートノーム曰く、ワシが病気でさえなければそんな雪なんぞ チョチョイのチョイ、ということなんですが動けないジジイはただのジジイです。 ベッドにへばりついたままウダウダされても何にもならないので、いい薬があるという アイスマンの村を目指して勇者一行はさらに北へ向かうのでした。 291大貝獣物語 その8:アイスマンの村への洞窟~アイスマンの村sage2005/08/06(土) 05 43 26 ID d48MtN15 山に囲まれたアイスマンの村に行くには山腹に開いた洞窟を抜けていく必要があるの ですが、複雑な構造はしていません。大したことないお使いイベントかと思っていたら 思わぬハプニングが発生します。 なんと、オーラの玉に突然ヒビが入ってしまったのです! …思えばこのオーラの玉、物語の根幹をなす最重要アイテムでありながら、2度も 敵に奪われるわ、火の貝の勇者が持っていた時は歩くたびに地面を引きずられるわで 不憫にしてぞんざいなことこの上ない扱いを受けていたのですが、事ここに至って ついに損傷してしまったのです。 オーラの玉が失われてしまっては大魔王ファットバジャーの復活を止める手立ては ありません。一刻も早くドラドシティーに急行しファットバジャーを打ち破るべく、 勇者たちは不吉な予感をおぼえながらも再び歩き始めます。 …オーラの玉を引きずって。 急ぎ足で洞窟を抜け、アイスマンの村に着いてみると動くものが何一つありません。 実はこの村の住民は中央の広場に立ち並ぶモアイのような頭だけの石像で、 人の姿はしていませんがちゃんと言葉が通じますし、グレートノームのために薬を 作ることも快諾してくれます。ですが彼らは石像なので動くことができず、薬の 材料となる5種類のアイテムを持ってくるよう要求します。特に入手困難なものは ありません。 言われた通りのアイテムを持ってくると、彼らは今度はそのアイテムを口の中に 入れるよう要求します。5種類全部を石像の口の中に入れたらさっそく薬作り開始。 口の中のアイテムをぐっちゃぐっちゃと噛み砕き、舌でこねくり回したあげくに カァーッペッと吐き出して完成です。 …あまりに豪快(?)な作業風景に、幾多の戦いをくぐり抜けてきた仲間たちも ド肝を抜かれた様子、というか、完全に引いています。 洞窟の中でオーラの玉にヒビが入ったときの緊迫感も、完膚なきまでに打ち砕かれて しまいました。 こうして大賢者グレートノームの病気を治す薬が出来上がりましたが、仲間の誰も 持ちたがらないため仕方なく火の貝の勇者が持つことになりました。 …こんなところで仲間に見捨てられるとは、彼も夢にも思っていなかったでしょう。 292大貝獣物語 その9:ふたたびグレートノームの家~ラミールの湖sage2005/08/06(土) 05 46 28 ID d48MtN15 火の貝の勇者たちは急いでグレートノームの家に戻りました。ファットバジャーを 一刻も早く打ち倒すためで、決してエンガチョな薬をさっさと処分してしまいたかった からではありません。早速グレートノームに薬を渡し、グレートノームは薬をのんで 元気になりました。知らぬが仏とはよく言ったものです。 元気になったグレートノームから地下道の入口を塞ぐ雪を溶かすためのアイテム、 ヒートボンバーを受け取ります。この物騒な品を使えば地下道を通ってドラドシティーに 行けるようになるのですが、その前にやっておくことがあります。 それは未だ行方の知れない大気の貝と大地の貝を見つけ出し、火の貝・水の貝とそろえて 合体させ、四大元素の力の結晶「合体貝」とすることです。この合体貝がなければ ファットバジャーを打ち破ることは不可能です。 そして、大気の貝・大地の貝の行方も、グレートノームの力により判明しました。 その場所は、ラミールの町の近くの湖と、東の海に浮かぶ孤島です。 火の貝の勇者たちはまずラミール近くの湖にやってきたのですが、やはり貝は湖の中に 沈んでしまっていて、漁師にでも頼まないと探し出すのには無理がありそうです。 ここで助けになってくれるのはマーナリーの漁師ゲンジ。自らシェルドラド一の漁師と 豪語する彼はちょっとおだてられるとすぐに湖の探索を引き受け、ものすごい速さで 船を出しあっという間に大きな魚を釣り上げます。 …網で底を曳いてくれるんじゃなかったのかと思っていた勇者一行でしたが、ゲンジが 釣り上げた魚から都合よく大気の貝が出てきました。それだけでなく、旅立ってすぐの 嵐で離ればなれになっていたクピクピも一緒に魚の腹の中から出てきました。クピクピは 嵐のあと大気の貝を握りしめたままラミール地方に流れ着き、さまよっているうちに 魚に飲み込まれてしまったそうです。 こうして、クピクピが仲間に加わり大気の貝を手に入れました。 293大貝獣物語 その10:ポグー島~みたびグレートノームの家sage2005/08/06(土) 05 49 05 ID d48MtN15 4つの貝のうち3つを再び手中にした火の貝の勇者一行は、最後の1つ、大地の貝を 取り戻すべく船に乗って東の島に向かいました。この島はポグー島と呼ばれる火山島で、 島全体が囚人を収監する流刑地になっていますが、どうも様子が変です。 いろいろ話を聞いて回ったところ、この島に収監されていたギルダーという囚人が 反乱を起こし、警備を突破して島内の洞窟に立てこもったというのです。そして、 老人である彼が反乱を起こし警備を蹴散らすほどの力を手に入れたのには、この島に 流れ着いた大地の貝が関わっているらしいことが分かりました。 そういうことで溶岩が顔を覗かせる火山洞窟に踏み込み、ギルダーと対面した火の貝の 勇者一行。やはりギルダーの力は大地の貝によってもたらされたものでした。 パワーアップしたギルダーは徹底抗戦の構えを見せ、勇者たちとの戦闘が始まります。 一度倒されても大地の貝の力で復活するギルダーを撃破し、大地の貝を取り戻しました。 こうして火・水・大気・大地の貝すべてがそろい、4つの貝は大賢者グレートノームの 力で合体して合体貝となりました。これで大魔王ファットバジャーの魔力を抑えることが できるようになったので、秘密の地下道を通ってドラドシティーに乗り込みましょう。 294大貝獣物語 その11:秘密の地下道sage2005/08/06(土) 05 52 58 ID d48MtN15 ヒートボンバーで雪を吹っ飛ばし、地下道を進んでいくとおばあさんがモンスターに 襲われています。モンスターを倒して助けてあげたところ、彼女はグレートノーム 四姉妹のひとり、コリコットと名乗りました。コリコットおばあさんは病に倒れた グレートノームに代わってドラドシティーの様子を見に行っていたのですが、地下道の 入口は雪崩で埋まるしモンスターに熱烈に追いかけ回されるしでさんざっぱらな目に 遭っていたとこぼします。と、ここで彼女は火の貝の勇者が引きずっているヒビ割れた オーラの玉に気付きます。そしてオーラの玉にヒビが入るなんてあり得ないと主張し、 いや実際にヒビ割れてるじゃないかと勇者も反論します。そんな言い争いをしていると、 急にオーラの玉が光を放ってふるえだし、景気のいい音を立てて爆発してしまいました… …オーラの玉が弾け飛んでしまって現れたのは大魔王ファットバジャー……ではなく、 1体のロボットでした。ロボットであるからには何かの任務があって作られたの でしょうが、それを感じさせるような動作も見せず、それどころかアヒルのひな鳥が 生まれて初めて見た動くものを親と思うがごとくに火の貝の勇者になつく始末です。 ところがロボットを見てコリコットの顔色が一変、さっさと破壊してしまえと強い口調で 言い募ります。何でもこのロボットはチクリーやラミールなど世界の各地に現れて 町を攻撃し人々を拉致しているロボットと同型なんだそうです。 これを聞いた火の貝の勇者、こんなになついてるんだから連れていってもいいじゃん、と 一歩も引きません。このノリはそのまんま犬を拾ってきた子供vs捨ててきなさいと怒る親 なんですが、案外彼は地球で暮らしていた時にも同じ経験をしているのかもしれません。 結局コリコットが折れて、晴れてロボットは火の貝の勇者の仲間になりました。ただ、 普通に連れ回していたんじゃ町の人に何を言われるか分からん、ということで適当に 変装をさせ、勇者たちの旅に同行させていくことになります。 295大貝獣物語 その12:ドラドシティーsage2005/08/06(土) 05 56 16 ID d48MtN15 地下道を抜けてやってきたドラドシティーは地震のためあちこちが崩れていて、町や城の いたるところにモンスターが徘徊しています。大魔王ファットバジャーは城の中心部に 結界によって封じられており、結界を破るにはかつての勇者が大魔王との戦いに使った 伝説の武器「愛の剣」が必要です。城の一室で愛の剣を手に入れた火の貝の勇者たちは 愛の剣と合体貝、そして世界に平和を取り戻すという強い意志をもって大魔王との戦いに 臨みます。 結界が破られ、地の底から姿を現した大魔王ファットバジャーは圧倒的な巨体と威圧感で もって火の貝の勇者たちに襲いかかります。全力で立ち向かう火の貝の勇者たち。 闇の力を吸収してその力を増す大魔王ファットバジャー、しかし、ついに伝説の剣の力と 勇者たちの勇気が勝り、ファットバジャーは倒れました。 長い戦いの旅が終わったことを知り安堵する火の貝の勇者と仲間たち。 彼らを祝福するように空から白い光が降り注ぎ、その光に包まれてファットバジャーが 昇天していきます。そして勇者たちのもとに天からの声が届きました。 ──我が名はギャブ・ファー。 宇宙の侵略王! そう、実はシェルドラドは外宇宙からの侵略者に狙われていて、 ファットバジャーが光に包まれて天に昇っていったのはUFOのトラクタービームだったのです! 「な、なんだってー!!」と驚くひまもなくギャブ・ファーのUFOはファットバジャーを 収容して飛び去り、地上全体に砲撃を仕掛けました。砲撃の凄まじい威力により 大地は裂け山は砕け、幾多の町や村が海の藻屑と消えていきました…。 296大貝獣物語 その13:ドラドシティー~潜水艦sage2005/08/06(土) 05 59 41 ID d48MtN15 大賢者グレートノームと四姉妹がドラドシティーにやって来ました。サンドサイドの 勇者の館にいた仲間たちも、新たなる侵略者あらわる、の知らせを聞きドラドシティーに 集結しています。 ドラドシティーは少しずつ人が集まってきて復興しつつあり、サンドラ・ラミールに つながる橋も再建されたのですが、ギャブ・ファーの存在は一般の人々には伏せられて います。ファットバジャーの脅威が去った今、人々をいたずらに絶望させたくないと グレートノームが判断したのでした。 とはいえ、外宇宙からの侵略者という正体不明にして前代未聞の脅威がシェルドラドに 迫っていることは事実。せめてその姿の片鱗だけでもなんとかつかみたいものだと いうことで、火の貝の勇者が連れているロボットに白羽の矢が立ちました。世界各地を 襲い人々を拉致した同型のロボットはギャブ・ファーの尖兵であると思われたからです。 天才科学者ディープ博士の協力を得てロボットの中身を解析してみたところ、ご丁寧にも プロモーションビデオが収録されていました。再生してみると、基地やらロボット軍団を バックにギャブ・ファーの演説が流れます。どうやら産めよ増やせよ地に満てよの精神で 星々を蹂躙、侵略している様子、なんてはた迷惑な奴なんでしょう。 この征服キ○ガイに対抗する策としてグレートノームが出した答えは、シェルドラドの 守護者であり、火・水・大気・大地の四大元素の力を司る「貝竜」の力を借りること でした。絶海の孤島「ガーディアン島」に4頭の貝竜のリーダー格、レッドドラゴンが いることがわかっています。波の荒い外洋を通ってこのガーディアン島に行くには ディープ博士の作った潜水艦が必要。ところが、潜水艦はギャブ・ファー配下の魔物に 奪われて行方知れずになっているのでした…! 餅は餅屋という言葉があります。奪われた潜水艦のことを海に詳しい人に聞いてみよう、 ということで海の民シーマン族の神殿を再び訪れたところ耳寄りな情報がありました。 なんでも、シーマン神殿の近くの入り江で潜水艦らしきものが目撃されていて、しかも 三方を山に囲まれたその入り江に出られる地下通路の入り口がなぜかシーマン神殿に 開通しているというのです。 地下通路を通り入り江に出ると、おあつらえむきのタイミングで潜水艦が登場しました。 さっそく見張りをぶちのめして殴り込み、ナメック星人そっくりの魔物の親玉と 対決します。こいつは一度倒してもよみがえるのですが、そういう復活タイプのボスは 食傷気味の今日このごろ、さくっとやっつけましょう。 297大貝獣物語 その14:ガーディアン島・風の塔・溶岩洞ランドン・水の洞窟アクアンsage2005/08/06(土) 06 04 44 ID d48MtN15 潜水艦を奪還した火の貝の勇者一行は一路ガーディアン島へ。この島はレッドドラゴンの 眠る遺跡を守る使命を帯びたガーディアン族が住んでいますが、たてつづけに人間が やってきたというので皆驚いた様子です。勇者たちのこともそうなんですが、実は先客が きていたのです。それはクシューラという少女で、火の貝の勇者と顔を合わせたことも たびたびあります。彼女はファットバジャーへのいけにえとして奴隷商人のドグラーに 捕らえられていて、ドグラーから解放された後も身寄りがないので生きるため奴隷に 逆戻り、この度は宇宙から侵略者がやってきたことに絶望して入水したんだけれど結局 死にきれずガーディアン島まで流れ着いてしまった、と恐るべき不幸っぷりです。 火の貝の勇者たちはクシューラをお見舞いしてから遺跡に入り、その最深部で レッドドラゴンと対面します。話を聞いたレッドドラゴンは勇者たちに試練を与え、 これを突破したら力を貸すと約束します。その試練とは、レッドドラゴン以外の3頭の 貝竜に会い、戦って力を認めてもらうというものです。 風の吹き荒れる塔に居を構え大気の力を司る、ウインドドラゴン 溶岩の流れる洞窟にひそみ大地の力を司る、ランドドラゴン 海底の神殿に鎮座し水の力を司る、アクアドラゴン 火の貝の勇者たちはこの3頭の貝竜と戦い、力を認められて各貝竜の協力を取り付けました。 ガーディアン島の遺跡で再びレッドドラゴンと対面し、最後の試練、レッドドラゴンとの 戦いに挑みます。 火の貝の勇者たちは見事この試練を乗り越え、四貝竜の力がすべてそろいました。 298大貝獣物語 その15:カメレオン村~氷河洞窟sage2005/08/06(土) 06 08 02 ID d48MtN15 遺跡の外に出ると勇者たちの前にクシューラが現れ、衝撃の事実を口にします。 彼女は人間の少女クシューラなどではなく、侵略者ギャブ・ファーの実の娘、グジューで あること。人間のふりをして火の貝の勇者の行く先々にあらわれ動向を監視し、さらに ドグラーやゼニムを操ってオーラの玉や勇者の命を狙っていたこと。 そしてグジューは本来の姿を表すと火の貝の勇者をとらえ、UFOのような飛行体に乗って 東のほうへ飛び去ってしまいました。 仲間たちはグジューの飛行体を追って東に急行しますが、途中でばかでかい植物の根が びっしりと地面を埋めつくしている場所があって、そこで足止めをくらってしまいました。 勇者を連れ去ったグジューの基地はこの向こう側にありそうなんですが、空でも飛ぶか 植物の根をなんとかしないことには先へ進めません。 とりあえず仲間たちは根っこ地帯の手前にあるカメレオン村を訪れました。その名の通り 住民はみんなカメレオン。いたって友好的な彼らですが、カエルが一番のごちそうという 食習慣なため宿屋の食事に不安が残ります。 物知りな長老に会って根っこの話をすると、その植物ははるか古代のものだと言います。 そして当時はその植物を食べる巨大昆虫も存在していて、今でも北方の氷河地帯では その卵が見つかるかもしれないと言うのでした。 それを聞いた仲間たちは北方の氷河洞窟を探索し、巨大昆虫の卵を見つけて発掘しました。 この巨大卵をカメレオン村に持ち込むと、長老はじめ村の一同が巨大卵を村の奥の祭壇に そなえて一心に祈りを捧げました。すると巨大卵から巨大幼虫が孵りました。エサの 気配をかぎつけた巨大幼虫は村を破壊しながら巨大植物に突撃し、あっという間に 根っこを食べつくしてしまいました。満腹した巨大幼虫は巨大サナギへと姿を変えます。 こうして、グジューの基地に襲撃をかける用意が整いました。 299大貝獣物語 その16:バイオベースsage2005/08/06(土) 06 10 53 ID d48MtN15 グジューの基地は有機体で構成されたバイオベースです。ここは新桃太郎伝説の 新しい村と並ぶハドソンRPGの双璧。壁や床には気色悪い細胞や触手がうじょうじょと うごめき、改造とか合成で生まれたグロいバイオモンスターがひしめき合っています。 そしてここにはシェルドラド各地から拉致されてきた人々が捕らわれていて、緑色の マユのようなものにくっつけられて生命力を吸い取られています。彼らに話しかけると かえってくるあまりに衝撃的な言葉は、いつのまにかレゲー板貝獣物語スレッドの テンプレになってしまいました。 奥に進むと生命力を吸い尽くされてマユのようなものと完全に同化してしまった人たちを 発見したり、血まみれの手術室に迷い込んだりと陰惨さ具合はさらに加速。仲間たちの 憤りとプレイヤーの吐き気も最高潮に達します。 基地の中枢までやって来た仲間たちが目にしたのは、カプセルの中に浮かぶ火の貝の 勇者とその前に立つグジューでした。グジューはさらってきた火の貝の勇者を自軍に 引き入れようと試みましたが、いくら痛めつけても勇者が首を縦に振らないのに業を 煮やし薬漬け作戦を実行していました。火の貝の勇者を取り戻すべく、仲間たちと グジューの決戦の火蓋が切って落とされます。 仲間たちがグジューを破り、火の貝の勇者は無事に助け出されました。グジューは 飛行体に乗って逃走し、バイオベースは捕らわれていた人々もろとも崩壊します。 しかし悲しんでいる暇はありません。一刻も早くギャブ・ファーを止めなければ、 同じ悲劇が繰り返されることは明らかです。 決意を新たにする一行の前に、巨大植物の根を食べつくして巨大サナギになっていた 巨大昆虫が羽化し、巨大成虫のクロム蝶となって飛んできました。火の貝の勇者たちは 大空を自由に駆けるクロム蝶の背に乗り貝獣島を目指すのでした。 300大貝獣物語 その17:貝獣島~失われた大陸sage2005/08/06(土) 06 14 27 ID d48MtN15 貝獣島に降り立った火の貝の勇者は貝獣仙人と再会します。勇者たちから事情を聞いた 貝獣仙人は、シェルドラドの守護者にして四貝竜の上に立つ「大貝竜」の力を借りる ことを提案します。貝獣仙人らの召喚の儀式に応えて現れた大貝竜は火の貝の勇者への 協力を承諾し、さらに失われた大陸を目指しオーラの玉を手に入れろ、と助言します。 「失われた大陸」というのはシェルドラドの地底に広がる大陸のことを指しており、 そこにある「永遠の谷」という場所でオーラの玉を手に入れられるそうです。 そして、大貝竜の力で貝獣島から地底世界へ続く穴が開きました。 勇者一行は貝獣島に開いた地底へと続く穴を下り、さらに男のロマン・ドリル戦車をも 使って地底世界へと突き進みます。最初に火の貝の勇者たちがたどり着いたのは、 「失われた神殿」というだだっ広い建造物の中でした。失われた神殿は失われた大陸 よりも上層に位置し、ここから失われた大陸に行くのには鍵となるアイテム、 メスタファイアが必要らしいです。勇者一行は神殿を奔走してメスタファイアを入手し、 失われた大陸への道を開きました。 火の貝の勇者たちは失われた大陸の中央部の祭壇にやって来ました。この祭壇は 永遠の谷の入口でもあるのですが、今は封印されていて中に入ることはできません。 この封印を解くには、失われた大陸のどこかにある神殿にあるという呪文が必要です。 勇者たちはまたしてもだだっ広い大陸を奔走し、谷の入口を開く呪文を入手しました。 再び永遠の谷の入口にやってきた火の貝の勇者たち。尾行してきていたギャブ・ファーの 手下を蹴散らし、封印を解いて中に足を踏み入れます。 谷の中で勇者たちを待ち受けていたのは、オーラドラゴンと名乗る巨竜でした。 オーラドラゴンは試練を乗り越えることでオーラ力の結晶であるオーラの玉が得られると 言い、勇者たちの力を試すべく戦いを挑んできます。 戦いの末オーラドラゴンは勇者たちの力を認め、自らの体をオーラの玉に変化させます。 こうして火の貝の勇者たちはオーラの玉を手にしました。ちなみに今回のオーラの玉は 小ぶりなので引きずって歩く必要もありません。 301大貝獣物語 その18:ラストダンジョンsage2005/08/06(土) 06 16 34 ID d48MtN15 失われた大陸から帰還し、あとはギャブ・ファーの本拠地に攻め込むだけです。 ところがその本拠地の場所がわかりません。陸を探しても海を探しても見つからなかった のですが、まだ探索していない場所がひとつありました。それは海の底のさらに底の 深海底で、すさまじい水圧がかかるために潜水艦でも行くことができなかった場所です。 そこで水圧に耐えられるよう潜水艦を改造し、ドラドシティー近くの海溝を下って 深海底を探してみたところ巨大な建造物が発見されました。 これこそが、ギャブ・ファーの宇宙船兼要塞です。 こうして火の貝の勇者たちの最後の戦いの舞台が幕を開けました。強力なモンスターとの 戦いを繰り広げ、強力な武具の入った宝箱をあさり、強力に配置されたトラップを くぐりぬけ、強力にグロい光景に吐き気をもよおしつつ、勇者たちは要塞の奥へ奥へと 進んでいきます。 途中、砲撃戦仕様に改造されたファットバジャー、大幅にパワーアップしたグジューとの 再度の対決が待ち受けています。勇者たちはこれらの激戦を制し、ギャブ・ファーの もとへと急ぐのでした。 要塞の最深部で遭遇したギャブ・ファーは醜怪な巨体をもつ化け物でした。そして、 その前にはグジューがこちらに背を向けて立っていて、何かを必死に訴えているようです。 実はグジューは2度にわたる戦いの中で火の貝の勇者の勇気や仲間たちの絆に触れ、 力で相手をねじ伏せ侵略していく自分たちの行いが不毛であると思うようになり、 父ギャブ・ファーに侵略行為をやめるよう説得していたのです。 しかしギャブ・ファーは耳を貸さないどころか、邪魔だとばかりにグジューを踏みつぶし 火の貝の勇者たちに襲いかかってきました。 ギャブ・ファーと火の貝の勇者たちとの戦いは熾烈を極めました。禍々しいまでに強大な 力をもって勇者たちに迫り来るギャブ・ファー。火の貝の勇者と仲間たちは、 傷つきながらも立ち上がり、果敢にギャブ・ファーに挑みかかっていきます。 死力を尽くした戦いの中でギャブ・ファーは真の姿を表し、その攻撃はさらに激しさを 増します。火の貝の勇者と仲間たちもまた、世界の命運、シェルドラドに生きるすべての 生命の未来をかけ、全身全霊で立ち向かいます。 …そして長きにわたる死闘の末、ついにギャブ・ファーは倒れました。宇宙の侵略王、 ギャブ・ファーの野望はここに打ち砕かれたのです。 302大貝獣物語 その19:エンディングsage2005/08/06(土) 06 18 50 ID d48MtN15 しかし、戦いに敗れ自らの滅びをさとったギャブ・ファーは、最後の力を振り絞って 要塞の自爆装置を作動させます。たとえ火の貝の勇者たちが脱出できたとしても、 シェルドラドのど真ん中で爆発されたら甚大な被害が出ることはまぬかれません。 それこそ、シェルドラドがギャブ・ファーの道連れに滅んでしまいかねないのです。 この危機を回避する方法はただひとつ。それは、宇宙船を兼ねるこの要塞が爆発する前に 誰かが操縦してシェルドラドを離れ、宇宙空間で爆発させることです。 しかし、この方法では操縦者の命はまず助かりません。今になって誰かが命を 捨てなければならない事態が発生したことに火の貝の勇者が躊躇していると、ロボットが その役を買って出ました。 驚く一同を前にしてロボットが語り始めます。勇者たちに秘密の地下道で出会って以来、 本来はギャブ・ファーの尖兵である自分に分け隔てなく接してくれ、仲間としてずっと 一緒に旅をすることができたことを本当にうれしく思っている。そしてロボットの自分は 人間と接するうちに自分にはない人間の心にあこがれるようになり、それを理解しようと してきたが、今、大切な人のために自分を犠牲にできる人間の心がわかった気がする…と。 そしてロボットは要塞の中に捕らわれている人たちを助け出して脱出するよう言い残すと、 勇者たちの制止を振り切って操縦室へ向かっていきました。 火の貝の勇者たちは要塞内の生存者を救出し、潜水艦で脱出しました。その後ろで、 ギャブ・ファーの要塞は海底を離れ宇宙へと飛び立っていきます。 そしてついに要塞は爆発し、ロボットもまた宇宙に散りました。 火の貝の勇者たちはドラドシティーの海岸に上陸しました。彼らが見上げている空を 大きな流星が横切っていきます。勇者たちは共に旅をし、助け合った仲間を失った悲しみに 包まれ、いつまでも空を見上げています。 そしてまた、シェルドラドを救うという使命を果たした火の貝の勇者にも、この世界を 去らねばならない時がきていました。別れを惜しむ仲間たちの前で火の貝の勇者の体は 天からの光に包まれ、彼は元いた世界へと還っていきます。 こうして、シェルドラドにまたひとつ新たな物語が刻まれることになりました。 世界を救った勇者たちの伝承はいつまでも忘れられず、シェルドラドに語り継がれて ゆくことでしょう……。 303大貝獣物語 補足sage2005/08/06(土) 06 22 14 ID d48MtN15 ※実際には火の貝の勇者がシェルドラドから消えてしまった後、最終決戦に同行していた 仲間たちのその後が描かれるのですが、コレをきれいさっぱり忘れてしまったので 書くことができません。 orz あと、仲間の個別EDはキャラごとに用意されたイベントをクリアしているかどうかで 変化するようです。基本的にこのイベントはストーリーの大筋とは無関係です。 このキャラごとのイベントものちのち投下する予定です。 315名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/07(日) 03 20 02 ID 8o4P3CJB 貝獣の人乙です ただポヨンが嵐で流されてから再登場してないのですがどうなったのですか? 317名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/07(日) 05 37 22 ID zzjqTie3 315 自分は貝獣の人ではありませんが ストーリーの途中で主人公が町を作る(復興させる?)というイベントがあるのですが、 町をある程度成長させると、ポヨンがその町に出現し、再び仲間にすることができたと思います。 うろ覚えなので間違っていたらすいません。 320大貝獣物語の中の人sage2005/08/07(日) 12 19 24 ID bG/bDZoC 315 ポヨンの件は仲間のイベント紹介で書こうと思ってたのですが、 317さんの言う通り町作りのイベントで特定の施設を作ると再登場します。 大抵の人は気付かないままゲームを終えるのですが… あと、 305さん ED特攻ガンガンいっちゃって下さい
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遊戯王/オリカ/海賊の宴-1 2007-11-10 FOP-JP001「海賊船 シー・サーペント号」 レア 水属性・★7・ATK2400/DEF2200 【戦士族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、2000ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。「ブルー・アロー海賊団」と名の付いたモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚される度、自分ライフは500ポイント回復する。 <髑髏に青き矢が刺さったシンボルを持つB・A海賊団の船。白と青をメインカラーとしている為、海軍の船と間違われる事も。> FOP-JP002「B・A(ブルー・アロー)海賊団 船長―海竜のアレク」 スーパー 水属性・★7・ATK2800/DEF1800 【海竜族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上に「海」が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。お互いのバトルフェイズ時、2000ライフを払う事で、このターンのエンドフェイズ時までこのカードの攻撃力または守備力は2000ポイントアップする。 <西の海「ネアゲア」を統べるB・A海賊団の船長。人間と海竜のハーフで、基本は人型だが海中では海竜ならではの機動力・戦闘力を見せる。> FOP-JP003「B・A(ブルー・アロー)海賊団―黄金剣のシキ」 レア 水属性・★6・ATK2000/DEF2200 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手ライフが回復する度、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。このカードが攻撃力または守備力2000以上のモンスターと戦闘を行ったターンのエンドフェイズ時、デッキからカードを2枚ドローし、その後デッキの1番上のカードを1枚墓地に送る。 <B・A海賊団の副船長。全て純金で作られた剣を所持し、それを振りかざす様は神々しささえ漂わせる。> FOP-JP004「B・A(ブルー・アロー)海賊団―破骨のオーブレズ」 ノーマル 水属性・★5・ATK1400/DEF2700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手フィールド上の「海賊船」と名の付いたモンスターの守備力は1000ポイントダウンする。相手ターン中、フィールド上のこのカードの元々の攻撃力と守備力は入れ替わる。 <その巨体から放たれる斧により、船の骨組みをボロボロにしてしまう事から「破骨」と呼ばれるようになった。> FOP-JP005「B・A(ブルー・アロー)海賊団―瞬刃のゼティーア」 ノーマル 水属性・★4・ATK1650/DEF1700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上に水属性モンスターが反転召喚・特殊召喚されたターン、このカードは相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃する事ができる。 <瞬速で繰り出される偃月刀(ファルシオン)の連続斬りは芸術と賞される。> FOP-JP006「B・A(ブルー・アロー)海賊団―ルクツ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1800/DEF1300 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。1ターンに1度、自分エンドフェイズ時に自分のデッキの1番上のカードを1枚墓地に送る事ができる。この効果によって墓地に送られたカードがモンスターカードの場合、自分のデッキまたは墓地から「B・A海賊団―リシアス」「B・A海賊団―ミーティー」をそれぞれ1体ずつ特殊召喚する事ができる。 <リシアス、ミーティーと共にB・A海賊団の砲撃部隊を指揮している。> FOP-JP007「B・A(ブルー・アロー)海賊団―リシアス」 ノーマル 水属性・★4・ATK1400/DEF1800 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。1ターンに1度、自分エンドフェイズ時に自分のデッキの1番上のカードを1枚墓地に送る事ができる。この効果によって墓地に送られたカードが魔法カードの場合、自分ライフを2000ポイント回復する。 <B・A海賊団の第二砲撃部隊を指揮している。敵船の旗を撃ち抜いた者には肉をプレゼントしてくれる。> FOP-JP008「B・A(ブルー・アロー)海賊団―ミーティー」 ノーマル 水属性・★4・ATK1100/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。1ターンに1度、自分エンドフェイズ時に自分のデッキの1番上のカードを1枚墓地に送る事ができる。この効果によって墓地に送られたカードが罠カードの場合、自分のデッキからカードを2枚まで選択し、墓地に送る事ができる。 <B・A海賊団の第三砲撃部隊を指揮している。敵船の砲門を破壊した者には酒を飲ませてくれる。> FOP-JP009「シー・サーペント号の海賊達」 ノーマル 水属性・★3・ATK1000/DEF1500 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ブルー・アロー海賊団」としても扱う。このカードが手札・デッキから墓地に送られた時、自分または相手ライフを500ポイント回復する。 <B・A海賊団の海賊船、シー・サーペント号の乗組員達。> FOP-JP010「海賊船 アンゴッド号」 レア 水属性・★7・ATK2000/DEF2500 【戦士族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、2000ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上の「ダーク・クロス海賊団」と名の付いたモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。 <闇の十字架を背負った髑髏がシンボルのD・C海賊団の船。この一味に所属する者は体の何所かに必ず黒き十字の刺青を施している。> FOP-JP011「D・C(ダーク・クロス)海賊団 船長―我神のゼオ」 スーパー 水属性・★7・ATK2500/DEF2500 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した時、相手のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から1枚を選択し手札に加え、残りのカードは墓地に送る(この効果によって手札に加えられたカードは、このデュエル中自分のカードとして扱う)。 <東の海「バルシ」を拠点とするD・C海賊団の船長。背中一面に施された黒十字は神をも恐れない事を表しているのだとか。> FOP-JP012「D・C(ダーク・クロス)海賊団―弾薬庫 ピーアテン」 レア 水属性・★6・ATK1500/DEF2500 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードの攻撃力は自分の手札の数×500ポイントアップする。このカードは自分の手札が2枚以上ある場合、1度のバトルフェイズ中2回攻撃する事ができ、相手ライフに戦闘ダメージを与える事ができない。 <D・C海賊団の副船長。全身に50以上もの銃火器を常備しており、中距離戦では圧倒的な物量を持つ。> FOP-JP013「D・C(ダーク・クロス)海賊団―海狐(うみぎつね) バウンディード」 ノーマル 水属性・★5・ATK2000/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。速攻魔法が発動された自分・相手ターンのエンドフェイズ時、このカードは墓地から特殊召喚する事ができる。この効果は自分フィールド上に「D・C海賊団―海狐 バウンディード」が表側表示で存在する場合は発動できない。 <D・C海賊団の戦闘隊長。殺られたと見せかけて海から奇襲を仕掛けて来る戦法を使う。> FOP-JP014「D・C(ダーク・クロス)海賊団―海蛇(うみへび) ブラッブ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1750/DEF1850 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分の墓地に速攻魔法が3枚以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。フィールド上のこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の墓地から速攻魔法カードを1枚選択し手札に加える。 <海上を高速移動できる小船を操り、単独で敵に速攻を仕掛ける。> FOP-JP015「D・C(ダーク・クロス)海賊団―海烏(うみがらす) エッサル」 ノーマル 水属性・★4・ATK1800/DEF1700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが守備表示モンスターを戦闘によって破壊し墓地に送った時、相手の墓地から速攻魔法カードを1枚選択し、手札に加える(墓地に送られる場合は元々の持ち主の墓地へ送られる)。 <逃げる者も執拗に追いかけ仕留める残忍さは、敵船を恐怖に包む。> FOP-JP016「D・C(ダーク・クロス)海賊団―アーラント」 ノーマル 水属性・★4・ATK1650/DEF1200 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上の「ダーク・クロス海賊団」と名の付いたモンスターの攻撃力は100ポイントアップする。このカードが相手モンスターの効果によってフィールドから離れた時、自分のデッキから「ダーク・クロス海賊団」と名の付いたモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。 <船長不在時のD・C海賊団の指揮を取る役目を担う。> FOP-JP017「D・C(ダーク・クロス)海賊団―スレイ」 ノーマル 水属性・★3・ATK1700/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは通常召喚できない。相手がカードの効果によってデッキからカードをドローした時、手札から特殊召喚される。この効果によって特殊召喚に成功した場合、自分のデッキから「宝」と名の付いたカードを1枚選択しデッキの1番上に置く。 <普段はノンビリとしているが、宝を見つけると我先にと行動する。> FOP-JP018「アンゴッド号の海賊達」 ノーマル 水属性・★3・ATK1500/DEF1100 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ダーク・クロス海賊団」としても扱う。相手フィールド上にセットカードが存在する場合、このカードは罠の効果によっては破壊されない。 <D・C海賊団の海賊船、アンゴッド号の乗組員達。> FOP-JP019「海賊船 プロミネンス号」 レア 水属性・★9・ATK2800/DEF3100 【戦士族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、2500ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、「フレイム・エンパイア海賊団」と名の付いたモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚される度、相手ライフに300ポイントダメージを与える。 <深紅の髑髏をシンボルに持つF・E海賊団の船。大国に匹敵する程の統治町村を持ち、海賊王亡き今では世界最強の海賊団とされる。> FOP-JP020「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団 船長―紅帝ベレイ」 スーパー 水属性・★9・ATK2700/DEF2900 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。3体の生け贄を捧げてこのカードを生け贄召喚した場合、相手ライフに3000ポイントダメージを与える。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、コントローラーへのカードの効果によるダメージを0にする。 <北の海「ビッグネル」を拠点とするF・E海賊団の船長。元々海賊によって滅ぼされた国の王族の娘で、自身も海賊となり再び国を立ち上げようとしている。> FOP-JP021「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―灰原のクィマント」 レア 水属性・★7・ATK2700/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードの生け贄召喚は1~3体のモンスターを生け贄に捧げる事で行う。このカードが生け贄召喚に成功した時、生け贄に捧げたモンスターの数だけ魔法・罠カードゾーンのカードを破壊する。 <F・E海賊団の副船長。戦いで失った右腕の代わりに重量級三連火炎放出義手を装備している。> FOP-JP022「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―奇操のゲイム」 ノーマル 水属性・★4・ATK1300/DEF1850 【悪魔族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上のパイレーツモンスターが破壊される場合、手札からこのカードを墓地に送る事で、その破壊を無効にし相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを2体まで守備表示にする(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <F・E海賊団の操舵手。悪魔ならではの腕なのか、巧みな舵捌きは他のどの海賊達も舌を巻く。> FOP-JP023「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―双弓のバウォー・ブラザーズ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1500/DEF1800 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚される度、相手ライフに400ポイントダメージを与える。この効果が1ターンに3回発動されたターンのエンドフェイズ時、相手フィールド上の魔法・罠カードを1枚破壊する。 <F・E海賊団の狙撃兄弟。止め処無く放たれる炎の矢は敵船を徐々に燃え上がらせる。> FOP-JP024「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―水狼オーヴェン」 ノーマル 水属性・★5・ATK2300/DEF1200 【獣戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは墓地に存在する限り、元々の攻撃力・守備力が0になる。このカードが墓地から特殊召喚された場合、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。 <幼い頃から海辺で育って来た為、泳ぎが非常に得意な狼人間。> FOP-JP025「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―イッセン」 ノーマル 水属性・★4・ATK1850/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分フィールド上に存在するカードを1枚破壊する。その後、相手フィールド上に表側表示で存在するこの効果によって破壊したカードの種類(魔法・罠・モンスター)と同じ種類のカード1枚を選択し破壊する。 <バトルアックスを振り回す豪傑。その力強い攻撃も味方に少なからず被害を及ぼしてしまうのが玉に瑕。> FOP-JP026「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―ハンマン」 ノーマル 水属性・★4・ATK1750/DEF1450 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズ時、フィールド上のこのカードを裏側守備表示にする事で、相手ライフに800ポイントダメージを与える。 <殺した相手の体内に爆弾を仕掛けて去って行くという鬼畜さは海賊の中でも恐れられている。> FOP-JP027「プロミネンス号の海賊達」 ノーマル 水属性・★3・ATK1500/DEF950 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「フレイム・エンパイア海賊団」としても扱う。このカードが戦闘によって破壊された時、相手ライフに300ポイントダメージを与える。このカードが相手カードの効果によって破壊された時、相手ライフに600ポイントダメージを与える。 <F・E海賊団の海賊船、プロミネンス号の乗組員達。> FOP-JP028「海賊船 ビジランス号」 レア 水属性・★6・ATK2000/DEF2400 【アンデット族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、1500ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。自分フィールド上に「ヘル・ゴースト海賊団」と名の付いたモンスターが特殊召喚されたターン、フィールド上のこのカードと水属性のアンデット族モンスターはモンスターの効果によっては破壊されない。 <ボロボロになった骸骨をシンボルに持つH・G海賊団の船。一年中何時何所に現れるか分からない神出鬼没さから『不眠症』と名付けられた。> FOP-JP029「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団 船長―悪夢のエジール」 スーパー 水属性・★6・ATK2200/DEF2500 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは通常召喚できない。相手バトルフェイズ開始時、手札からモンスターカード1枚を墓地に送る事で、自分の墓地に存在するこのカード1体を特殊召喚する。1ターンに1度、手札から魔法・罠カード1枚を墓地に送る事で、自分の墓地から水属性のアンデット族モンスター1体を特殊召喚する。 <世界の中央に位置する海「ムーンロス」を拠点とするH・G海賊団の船長。海に散った海賊達の霊を従え、復活の秘宝を求め彷徨う。> FOP-JP030「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―死令ディーロビー」 レア 水属性・★6・ATK2200/DEF2000 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手スタンバイフェイズ時、手札からモンスターカード1枚を墓地に送る事で自分の墓地に存在するこのカード1体を特殊召喚する。フィールド上のこのカードがカードの効果によって墓地に送られた時、自分のフィールド上に「海の亡霊トークン」(アンデット族・水・星1・攻/守0)を守備表示で5体まで特殊召喚する。このトークンが生け贄に捧げられた場合、ターンプレイヤーのデッキの1番下のカードを墓地に送る。 <H・G海賊団の副船長。人骨で作られた笛より発せられる不気味な音色が霊達を呼び寄せる。> FOP-JP031「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―テイム」 ノーマル 水属性・★3・ATK1500/DEF1700 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上の「ヘル・ゴースト海賊団―死令ディーロビー」が墓地に送られた時、このカードは墓地から特殊召喚される。自分フィールド上の「海の亡霊トークン」2体とこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の墓地から「ヘル・ゴースト海賊団―死令のディーロビー」1体を特殊召喚する。 <H・G海賊団ディーロビーの息子。死してもなお親子で海賊とは神すら想像しなかったかも知れない。> FOP-JP032「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―ハイサル」 ノーマル 水属性・★4・ATK1600/DEF1900 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上のアンデット族モンスターの攻撃力は100ポイントアップする。1ターンに1度、自分の手札からカードを1枚墓地に送る事で、自分または相手フィールド上に「海の亡霊トークン」(アンデット族・水・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。このトークンが生け贄に捧げられた場合、ターンプレイヤーのデッキの1番下のカードを墓地に送る。 <H・G海賊団の参謀。その指揮・統括力で亡霊達をも従える。> FOP-JP033「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―フィランジス」 ノーマル 水属性・★3・ATK1600/DEF900 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは通常召喚できない。フィールド上に「亡霊海―ムーンロス」が存在する場合、このカードは相手フィールド上にモンスターが存在していても相手に直接攻撃をする事ができる。 <磨きぬかれた短曲刀(カトラス)による華麗な早斬りは彼が死者である事さえ忘れてしまう。> FOP-JP034「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―ロッソ」 ノーマル 水属性・★3・ATK500/DEF2000 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分スタンバイフェイズ時、自分のデッキ枚数が30枚以下の場合、このカードをデッキから墓地に送る事ができる。フィールド上の「ヘル・ゴースト海賊団」と名の付いたモンスターが効果によって破壊された時、このカードは墓地から守備表示で特殊召喚する事ができる(この効果は自分フィールド上に「ヘル・ゴースト海賊団―ロッソ」が表側表示で存在する場合は発動できない)。 <一日の殆どを海中で送るH・G海賊団の異端者。船上にいるのは戦う時くらいだ。> FOP-JP035「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―アルビー」 ノーマル 水属性・★4・ATK1800/DEF100 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上に攻撃表示で存在するこのカードが戦闘によって破壊された時、自分のデッキからパイレーツモンスターを3体まで選択し墓地に送る事ができる。 <勝ちに執着する彼は、例え倒されようが仲間と共に必ず恨みを晴らしに来る。> FOP-JP036「ビジランス号の海賊達」 ノーマル 水属性・★2・ATK1300/DEF200 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ヘル・ゴースト海賊団」としても扱う。自分フィールド上に水属性のアンデット族モンスターが3体以上存在する限り、相手フィールド上の永続魔法・永続罠カードの効果は無効になる。 <H・G海賊団の海賊船、ビジランス号の乗組員達。> FOP-JP037「海賊船 イリュージョン・ミスト号」 レア 水属性・★5・ATK1700/DEF2400 【魔法使い族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、1000ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上の「ジャグル・イリス海賊団」と名の付いたモンスターは相手魔法カードの効果の対象にはならない。 <虹色に輝く髑髏をシンボルに持つJ・I海賊団の船。帆柱の先より放出される魔法の霧が蜃気楼を発生させ敵の砲撃を狂わせる。> FOP-JP038「J・I(ジャグル・イリス)海賊団 船長―千里眼のオング」 スーパー 水属性・★5・ATK1900/DEF2100 【魔法使い族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンター1個乗せる(最大5個まで)。このカードに魔力カウンターが乗っている限り、自分フィールド上のパイレーツモンスターは相手の永続魔法・永続罠の効果を受けない。自分フィールド上の魔力カウンターを5個取り除く事で、相手フィールド上のカードを2枚破壊する。 <世界の南に位置する海「レフォルズ」を拠点とするJ・I海賊団の船長。荒くれた船員にも魔術を伝授できる程の魔導の才を誇る。> FOP-JP039「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―地獄耳のイールメット」 レア 水属性・★5・ATK2000/DEF1800 【魔法使い族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンター1個乗せる(最大4個まで)。相手はカードを手札からフィールド上にセットする場合、そのカードを公開してからセットしなければならない。フィールド上のこのカードは相手の魔法カードの効果によっては破壊されない。 <J・I海賊団の副船長。船長のオングとは古くからの付き合いで、共に魔導の道を学んでいる。> FOP-JP040「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―巨砲のジーザ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1000/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大3個まで)。1ターンに1度、手札からカードを1枚墓地に送る事でこのカードに乗っている魔力カウンターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。 <J・I海賊団の砲撃手。3メートルもある巨大な魔導砲を単独で正確に扱えるのは彼くらいだろう。> FOP-JP041「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―ヤエヌ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1300/DEF1700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。このカードが反転召喚に成功した時、自分のデッキから「ジャグル・イリス海賊団―グーグ」を1体フィールド上に特殊召喚する。このカードに乗っている魔力カウンターを2個取り除く事で、相手の罠カードの発動と効果を無効にし破壊する(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <J・I海賊団、グーグの妻。彼とは敵対する海賊として出会ったが、その戦いで惚れてしまいそのまま元いた海賊団を抜け出してきたという。> FOP-JP042「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―グーグ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1600/DEF1100 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。このカードが特殊召喚に成功した時、自分のデッキから「ジャグル・イリス海賊団―ヤエヌ」を1体フィールド上にセットする。このカードに乗っている魔力カウンターを1個取り除く事で、相手の速攻魔法カードの発動と効果を無効にし破壊する(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <J・I海賊団、ヤエヌの夫。夫婦喧嘩をしている時の船内の盛り上がりは戦いの時以上と噂される。> FOP-JP043「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―ドゥーエム」 ノーマル 水属性・★3・ATK1400/DEF1600 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。自分フィールド上に魔力カウンターが3個以上存在する場合、このカードは相手フィールド上にモンスターが存在しても、相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。 <船長、オングの力によって多少の魔法力を身に付けたが、才能が無いのか今一上手く利用できないらしい。> FOP-JP044「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―オウフ」 ノーマル 水属性・★3・ATK1600/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。ダメージステップ時、このカードに乗っている魔力カウンターを2個取り除く事で、このカードの攻撃力は700ポイントアップする。 <装備する高熱を帯びた鞭は時として制裁や拷問にも使われ、彼自身もそれを多少楽しんでいるようだ。> FOP-JP045「イリュージョン・ミスト号の海賊達」 ノーマル 水属性・★2・ATK500/DEF1600 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ジャグル・イリス海賊団」としても扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大1個まで)。相手バトルフェイズ開始時、自分フィールド上の魔力カウンターを1個取り除く事でこのカードを手札から特殊召喚する。この効果によって特殊召喚された場合、そのターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。 <J・I海賊団の海賊船、イリュージョン・ミスト号の乗組員達。> FOP-JP046「見習い海賊」 ノーマル 水属性・★2・ATK1000/DEF800 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手エンドフェイズ時、このターン戦闘を行ったこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の手札・デッキ・墓地から「半人前海賊」を1体フィールド上に特殊召喚する。 <海賊になり立ての少年。> FOP-JP047「半人前海賊」 ノーマル 水属性・★3・ATK1450/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手エンドフェイズ時、このターン戦闘を行ったこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の手札・デッキ・墓地から「一流海賊」を1体フィールド上に特殊召喚する。 <仲間の海賊達と共に成長し続ける青年。> FOP-JP048「一流海賊」 ノーマル 水属性・★4・ATK1700/DEF1400 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手モンスターを戦闘によって破壊した時、自分の墓地から「見習い海賊」を1体フィールド上に特殊召喚する事ができる。 <数々の航海を経て一人前の海賊になった。> FOP-JP049「伝説の海賊船 ゴールデン・トライデント号」 スーパー 水属性・★12・ATK3000/DEF4500 【戦士族・効果】このカードは通常召喚できない。フィールド上に「海」が存在する場合、4000ライフを払う事でのみ手札またはデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分の手札・デッキ・墓地に存在するパイレーツモンスターの星の数は4つ少なくなる。 <海賊王ログエルがその生涯を終えた船。歴史上最も巨大で雄大な海賊船と称えられる。> FOP-JP050「ディナビアン・ガーディアン」 ノーマルパラレル 地属性・★7・ATK2050/DEF2050 【植物族・効果】このカードは通常召喚できない。フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在する時、2000ライフを払う事でのみ手札または墓地から特殊召喚するこのカードは装備カードの効果を受けず、装備カードを装備していないモンスターとの戦闘によっては破壊されない。自分スタンバイフェイズ時、フィールド上のこのカードを生け贄に捧げる事で、手札またはデッキから「ディナビアの瞳」1枚を発動する。 <ディナビアの森に根着く神木。彼に認められた者にしか秘宝は与えられないという。> FOP-JP051「ディナビアン・ビースト」 ノーマル 風属性・★4・ATK1860/DEF1340 【獣族・効果】フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、フィールド上のこのカードは持ち主の手札に戻る。このカードがデッキから手札に加えられた時、フィールド上に特殊召喚する事ができる。相手エンドフェイズ時、フィールド上のこのカードを手札に戻す事で、自分のデッキから「ディナビア」と名のついたモンスターを2体まで選択し、フィールド上に特殊召喚する。 <ディナビアの森に棲む生物達を指揮する巨大な犬型の獣。> FOP-JP052「ディナビアン・キラー」 ノーマル 水属性・★4・ATK1870/DEF1230 【魚族・効果】フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、フィールド上のこのカードは持ち主の手札に戻る。このカードがデッキから手札に加えられた時、フィールド上に特殊召喚する事ができる。自分・相手バトルフェイズ開始時、相手フィールド上にカードが4枚以上存在する時、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを手札に戻す事で自分のデッキまたは墓地から「ディナビアン・キラー」を除く星4以下の「ディナビア」と名の付いたモンスターを1体選択しフィールド上に特殊召喚する。 <ディナビア島内の海を回遊する魚。口の先は剣の如く鋭い。> FOP-JP053「ディナビアン・フレーバー」 ノーマル 炎属性・★4・ATK1880/DEF1120 【植物族・効果】フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、フィールド上のこのカードは持ち主の手札に戻る。このカードがデッキから手札に加えられた時、フィールド上に特殊召喚する事ができる。罠カードが発動した時、フィールド上のこのカードを手札に戻す事で、そのカードの発動と効果を無効にし破壊する(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <ディナビアの森に生息する不思議な香りのする熱気を放つ雑食植物。> FOP-JP054「ディナビアの死霊海賊」 ノーマル 闇属性・★3・ATK1750/DEF0 【アンデット族・効果】このカードがデッキまたは墓地から手札に加わった時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体に装備カードとして装備する。装備モンスターの効果はフィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない限り無効になる。このカードがフィールド上から離れた時、自分フィールド上のカードを1枚選択し手札に戻す。このカードの効果はフィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、無効になる。 <ディナビアの秘宝を求め、この島で命を落とした海賊。> FOP-JP055「ディナビアの亡霊」 ノーマル 闇属性・★1・ATK500/DEF1000 【アンデット族・効果】相手フィールド上にモンスターが召喚・反転召喚された時、墓地に存在するこのカードを自分または相手フィールド上に特殊召喚する。このカードがフィールド上から離れた時、自分フィールド上のカードを1枚選択し手札に戻す。このカードの効果はフィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、無効になる。 <かつてこの島に辿り着いた人間達の亡霊。上陸者が現れると森の奥深くから飛んで来る。> FOP-JP056「ディナビア海の魔物」 ノーマル 水属性・★9・ATK3000/DEF3000 【水族・効果】このカードは通常召喚できない。相手フィールド上に表側表示モンスターが2体以上存在する場合、1000ライフを払う事のみ墓地から守備表示で特殊召喚する。フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、この効果は発動できない。 <ディナビア島周辺の海に棲む海月と海栗を合わせた様な異形の巨大生物。> FOP-JP057「ディナビア海の巨貝」 ノーマル 水属性・★9・ATK0/DEF4500 【水族・効果】このカードは通常召喚できない。相手フィールド上に表側表示モンスターが2体以上存在する場合、1000ライフを払う事のみ墓地から守備表示で特殊召喚する。フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、この効果は発動できない。 <この巨大な貝を突破しなければディナビア島へ上陸する事は叶わない。> 058~123 戻る
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用語辞典 ※略称は2chのスレ内では多く使われるが、ゲーム内ではそれほど…という物が多い。 その為、ゲーム内でも通じるかどうかは保障できない事を断っておく。 0~9,A~Z,記号 あ~な行 は~わ行 あ~な行 用語辞典あ行 か行 さ行 た行 な行 コメント あ行 アーク コズミックブレイクにおける神の存在で、ログイン画面に登場する3種の巨大ロボ。 09年2月26~28日の間、アリーナでバトル中のロボがアークになるテストイベントが実施された。 09年4月9日のアップデートで正式搭載し、その後専用ルームが開設。 アークが降臨したプレイヤーは巨大ロボを自由に動かせるようになるが、降臨のトリガーは現在のところ不明。 ちなみに通称は以下のとおり↓ (武装など操作方法は各アークのページを参照) ブレイダイン(BRD)=勇者王(見たまんまのと、某ガオガイガーの影響と思われる) ドストレックス(DOS)=ゾイド(見たまんま)恐竜、ゴジラ(見たまんま、WIZのガメラと対比しているのかも) ウィズダム(WIZ)=ガメラ(独特の飛行方法が有名特撮怪獣のガメラそっくりなためと思われる) 悪意、アクイ、アクイア 空戦型Lサイズロボ「アクイーア」の事。 変形するBSやLGにBSを追加できたりとギミックは豊富。 しかしLサイズ故にウイングJを付けられないなど不便な所も。 TGHが低く、落とされやすいため前線や乱戦には意外と向かず 空戦では08年2月現在最も早いレベル6から取得できる『ブロードレーダー』を駆使して 手薄な拠点や孤立した敵を闇討ち的に強襲するのが得意。 等身が高いヒーローロボット系の外観とは似つかないその戦法から『悪意』と呼ばれる。 アセン アセンブリ、つまり機体の構成のこと。 BDパーツに設定されたキャパシティ(コスト上限)内で自由にパーツを組替えて行う。 全ての武器・パーツ・ワンダービット・カートリッジに至るまでコストが設定されているので 無闇に高性能なパーツを付けて行くとすぐにコストオーバーとなり出撃できない。 (例外としてBDに初期搭載されているワンダービットのみコストが0) 他にもSサイズロボはLサイズのパーツが付けられなかったり、LLサイズの武器はLサイズロボ専用だったり といったサイズ制限や、砲戦専用パーツ・空戦専用ビットといったタイプ別制限がある。 参考アセンブリ考察 兄貴 マイティバインの事。 ガチムチな見た目や、熱くて硬くてぶっといアレを砲戦機に叩き込むその姿はまさに兄貴と言えよう。 ちなみにAAだとほぼ全裸。そしてツノの蓋が取れやすいらしい。 アリーナ 対人戦ができるCBのモードのひとつ。各プレイヤーは3対のロボを準備し、バトルを行う。 現在、30vs30、15vs15、イベント50、チームファイト等がある。 階級ごとの部屋もあるため、同ランク同士で戦うことも出来る 詳しくはアリーナを参照。 アンチ 1:『反』の意味を持つ接頭語。 特定のロボや武器に対して天敵となるロボ・武装のこと。 痛い目に合わされたからといって逆に使ってみても、すんなりと思惑通りにいくものでもない。 2:特定のロボや武装を嫌う者のこと。 主に自身が愛用しているロボ・武装の天敵に対してのアンチになり、それに対して 「○○はバランスブレイカー」「○○は下方修正すべき」などの言動をすることが多く ここでも時折不毛な削除・編集合戦に発展することがある。 *いしのなかにいる* ミッション『ギガンバスターズ』において以前発生した、ギガンドロフがワープを行った際に 壁の中に入ってしまいダメージを与えられない=クリア不可能になるバグのこと。(現在修正済み) 元ネタは名作RPG『ウィザードリィ』で石の中に転移させられる有名な全滅パターンから。 イバラ子ちゃん 09年3月12日に発売された女性型ロボ第5弾、Sサイズ補助ロボ『ウィンベル』のこと。 補助ロボの主な仕事はリペアだったために女性型補助ロボはナースタイプの癒し系という予想が 主流だったが、意外にもスコルタンやタラントリックの流れを汲む妨害型。 明るくスポーティーなタイプのラズフラムとはまた違った勝気系のルックス。 ちなみに、胸はSサイズらしい。 なお、一部ファンには『マエバリ』との通称で愛されている。(→用語辞典の「マエバリ」を参照。) 芋 FPS用語。芋虫の意味。 戦線とは関係ない自陣奥深くに寝そべり、ライフルのスコープを除きひたすら敵を待ち続けるプレイヤーの蔑称。 性質上、スナイパーが非常に多い。スナ芋、芋スナともほぼ同義。 コズミックブレイクでは前線や味方の状況を無視し、前線から遠く離れた箇所に引き篭もるプレイヤーを指す。 烏合の衆 ソードウィングの小隊の事。元ネタは、右に出てくる神官たちの会話。 打ち上げ花火 Mサイズ砲戦エスエルXおよびエスエルBDに内蔵されているミサイルのこと。 命名の由来は垂直に打ち上げてから誘導する独特の動きが打ち上げ花火に似ているため。 空戦に見事命中して爆散するのが見えたときは『たまやー』とか言いたくなる。 エスカ神 エスカゴット→エスカゴッド→エスカGod→エスカ神。 エスカゴッ「ド」は誤りで正しくはエスカゴッ「ト」なので要注意。 体が大きく鈍足だが長距離射程の内蔵ミサイルを持つ。HDやAMにも内蔵武器を搭載しているが扱い難い。 LGの稼動ギミックに関しては非常に好みが分かれる。 オッスオッス 複数のマイティバインやそのパーツで身を固めたガチムチな機体で相手を蹂躙すること。 2月21日のGMラジオにて公式用語へと昇格した。 オブジェクト ミッションの話で使われた場合 ミッション中に登場する設置物(木、サボテン、衛星、火山など)のことを指す事が多い。 破壊するとBPを獲得することができる。 ユニオンウォーズの話で使われた場合 破壊することでロボのWBゲージが上昇するほか、特殊アイテムをドロップすることがある。 これを応用してリペアを迅速に行うので、無暗に破壊するのは好ましくない。 参考:木こり・伐採 おでん クロムヒーローまでの低階級のこと、またはその集団。 階級章のマークが○(ニューヒーロー)△(アイアンヒーロー)◇(スチールヒーロー)と 縦に並び、串おでんのように見えることから。 ユニオン戦のランク無制限部屋に予約観戦等で大量に流入することで、 経験不足からのチームの総合戦力の低下や、高階級にただカモられるだけの存在であったりなど、チームの総合的な階級差が全てではないが、負けの原因のひとつとして蔑称で使われることが多い。 おでん部屋 ユニオン戦における、階級制限部屋の事 オペレーター アリーナを観戦しているとき ブロードレーダーを装備しているロボの視点にして戦場全体を見渡し、状況報告をすること。 主な内容は相手のリペア、自陣内へのステルス単機侵入発見、手薄な拠点とルート案内など。 軍師気取りであれこれ指示を出すと嫌忌されるので、 あくまでもオペレーターとして淡々と状況報告に徹するのがよい。 オルダム オールドダムツリーの事。 クエストのフィールドボスとして出てくるMobである。 高い自己再生能力とミサイル・アーマーブレイカー・近接時のスタンプなど、かなり強力。 しかもまだブーストが溜まっていない平原で良く出てくるというとんでもない悪魔である。 初心者はもちろん、上級者でも武装によってはこのボスに泣くことが多い。 ちなみに、同じような性質を持っているホワイトダムツリーがいるが、こちらは大体ブーストが溜まってから 遭遇するので陰が薄い。 温泉 ユニオン戦のこと。 ユニオン戦、湯に温泉。 隠密 アリーナにおける戦闘方法のひとつで、敵レーダーに映らなくなる『ステルスシステム』と ロックオンしても相手にアラート表示されない『スナイパーサイト』を利用し、敵陣に潜入すること。 伐採中の補助ロボ、リペア待ちの瀕死状態ロボを主なターゲットとし、 他には敵陣オブジェクトの伐採、ピラーやカバといった攻撃アイテム投入・トラップ設置など。 味方からはその活躍ぶりがわかりにくいものの、時に勝敗に重大な影響を及ぼす。 『ブロードレーダー』装備ロボが見ていると失敗しやすくなるが、 逆にブロードレーダーを装備して無人になっている拠点を攻撃する方法もある。 か行 ガード 被ダメージを削減する効果のあるカートリッジ。 「シェルガード」、「ソードガード」、「ビームガード」、「ブラストガード」の4種類。 弱点属性のガードは取得することが出来ない。(補タイプは基本的にすべて取得することが出来るが、例外もいる) 防御力という概念が無いゲームなので貴重な「装甲」といえるが、実際は シェルガード・・・ほぼすべてのロボが取得でき、実弾全般に効果があるがわずか10%のためほとんど実感なし ソードガード・・・効果自体は良好だが、直接殴られる時点で負け ビームガード・・・やはり効果自体は良好だが、アリーナではほぼブラスター種で個々の削減率が低いのでやはり実感なし ※2/26に実装されたマッハナイト・ワンの普及により、「ビーム属性の誘導弾」が飛来するケースが増えている また、プラズマガンなどもそこそこには使われており、砲戦機体や補助機体が奇襲を受ける場合、相手が大抵空戦である事もあり、そこそこ重要になりつつある ブラストガード・・・誰がどう扱っても痛い爆風を50%も削減してくれる、というわけでほぼ必須。 といった按配である。 カエル、蛙 陸戦型Sサイズロボ「フログランダー」のこと。陸戦タイプでは最も低コスト。 デフォルトで水中移動のカートリッジが搭載されており、水場でも移動速度が落ちなかった。(オープンβよりデフォルトではなくなった) 性能は低いが当たり判定が小さいので、チョコマカと動き回ってかく乱するのが主な役目となる。 マシンガン等を持たせれば火力も確保でき、コストを気にせず突っ込めるので愛用者は多い。 核 トイボックスBDにサブとして内蔵されている巡航ミサイルの通称。 トイボックス全体に対しても使われる事が多い。 着弾点を中心にパワースポットと同程度の大きさの爆風が発生する。爆風は多段ヒットする。 発射硬直が長いが射程もかなり長く、一部のマップでは自軍拠点近くから敵軍拠点を攻撃することもできる。 非常に高性能だが、使えるのが課金機のため弱体化があるかは不明。 核戦争 砲戦機トイボックスの巡航ミサイルの打ち合いになったアリーナのこと。 爆発の見た目や大きさが核兵器を連想させるために、こういう名前がついた。 カスガン カスマグ それぞれカスタムガン・カスタムマグの略称。 ハンドガン系としてバランスの良い性能で使いやすく、FLY+1 WLK+1のステータスも美味しい。 陸戦と砲戦が装備可能。 ガナなんとか 買われてすぐに他のロボ(主にマイティ)にAMを移し替えられ、 その後はガレージの隅で埃を被っているか解体されるなどして、 中々見かけられず存在が忘れられているとあるロボの事。 最早ロボの名前よりもトンファーという名称でしか認識されていない。 言うまでもなく「名前が忘れられている」というネタ扱いをされているだけ……のはず。 カバ アリーナやクエストでサモンヒポカバスのアイテムを使用することによって、ランダムに呼び出されるモンスターロボ。 様々な種類があり召喚後しばらくの間自動で敵を攻撃する。一定時間経つか倒されると消滅する。 耐久力はそれほどではないが、結構強い。特に最強種のオメガバスは殆どのロボを一~二撃で粉砕する凶悪な強さを誇る。 流石に修正が入ったもののそれでも高い火力は健在。やられたら最優先で撃ち落せ。 カメ、亀 陸戦型Sサイズロボ「カメンティス」のこと。中コストに分類される機体でバランスがいい。 亀だが中々素早く、サイズが小さいためちょこまかと動ける。 ちなみに、亀だけにクイックスイムのカードリッジが搭載されている。 フログランダーと並んでよく突撃陸戦機使用者に愛用されている。 カモマス アリーナにおいて、ソードマスターとカモの称号、この2つだけを同時に取ること。蔑称として使われることがほとんど。 サブ攻撃主体の人が取ることが多い。 総攻撃・消費コストなどから、チームに悪影響を与えている人がこの称号を取った時に呼ばれる。 カモマスを取ってしまっても、チームへの貢献度が高い場合(総攻撃>消費コストなど)はカモマス呼ばわりされることは少ない。 基本的に無理な攻撃は禁物。 突撃する際は友軍へ呼びかけておくと生還率が上がり結果的に消費コストも下がる。 ガラポン 1回50Rt(現金にして500円)で さまざまなロボや武器、各種チケットやチューンナップの素材セットがランダムで手に入る。 1回あたりの値段が高い上に当たりハズレの落差が大きく、 加えてガラポンでしか手に入らないものも多いために複雑な感情を抱くユーザーもいる。 別ゲームの通称からか、ガチャと呼ばれることも。 冠 アリーナ終了時の獲得称号のこと。 「特攻隊長・撃墜王・ソードマスター・敢闘賞・ベストサポーター・チキン・カモ」の7種類がある。 ダメ出しのチキン・カモも、なぜか1冠に数えられる。 5冠が最多と言われており、それ以上の報告例は無い。 ※制限部屋ながらチキン以外の6冠取得を確認。チキンと特攻隊長の同時取得は不可能なため、これが真の最多に。 ギガトン 砲戦型Lサイズロボ「ギガトンオー」のこと。 砲戦型Lサイズロボ「メガトンオー」の強化型と思われる外見である。 性能コスト共に非常に高い。また巨体に似合わず機動性もあり機敏に動ける。 TEC・TGHも高くβテスト時はデストラクトと並び砲戦の主力として人気が高かったが 新ロボの登場や強力な砲戦用武器が他タイプに流れてしまったため影が薄くなった。 しかし、残念な課金ロボとして話題に上がる事も増えた。 木こり オブジェクトを破壊すること、または、破壊する人のこと。 「木こってくる」は、オブジェクトを破壊してくる、という意味になる。 初期にはよく使われていたが、侮辱の意味で使われることが多くなり、あまり使われなくなった。 あまり友好的に取られないことが多いので、発言の際には注意が必要。 また、ギガンバスターズ1面のオブジェクト伐採→リタイアで経験値を稼ぐ方法も木こりと呼ばれる。 難易度hellでヤングダムツリー・ヴッツリー撃破リタイヤで経験値20~22。所用時間1分程度。 キャノボ 砲戦型Sサイズロボ「キャノンボール」のこと。砲戦タイプでは最も低コスト。 AMが装備不可な代わりにキャノンボールBDにハンドガン・サブミサイルの両方を内蔵している。 このサブミサイルは挙動が特殊であり、発射前にボタンを連打することによって 最大7発のミサイルを連続発射するチャージショットを撃ち出せる。 低コストながら後方支援に徹すれば良い戦力になり、見た目的にも人気が高かった。 しかし最近は前線に出るには心許無い為か、あまり見ない。 余談だが、4月19日0:00から4月27日0:00までのユニオン戦の恩賞としてもらえる、 黄金のキャノンボールの通称は「金玉」、詳しくはゲーム情報サイトをチェック。 クエ、クエスト 様々な惑星を冒険し、アイテムやパーツなどを手に入れることができる。 特定の敵を倒す事によりドロップするキーを使ってゲートを起動し、次のステージへと進む。 キー、ゲートはブルーとレッドがありブルーは遠回り、レッドは近道らしい。 一定エリア進むとOUTPOSTと呼ばれる中継ポイントがありそこから帰還することが出来る。 全滅、帰還した際に進んだエリアや掛かった時間、撃破数に応じてスコアが算出され 報酬と経験値、またアイテムやパーツ等を入手できる。 その際最初から持っていった&道中で拾ったアイテム等は消えてしまうので注意。 詳しくはゲームモード「クエスト」を参照のこと。 クモ、蜘蛛(タラン) Sサイズの補助ロボ『タラントリック』のこと。タラン とも。 スロウ効果を持つメインウエポンをタラントリックBDに内蔵しており、コストの低さもあいまって 高コストの特攻陸戦つぶしに小船でのマグロ一本釣りのような醍醐味がある。 ウィンベルAMの登場により、実用性が大幅にアップした。 蜘蛛の糸 『ウィンベルAM』に内蔵されているDRAWGUNのこと。 タラントリックと相性がよく、DRAWGUNで引き寄せてBEAMWEBでスロウをかける連携が非常に強力。 タラントリックに装備している場合にのみ、こう呼ばれる。 クモの巣(ネット) Sサイズの補助ロボ『タラントリック』のBD内蔵武器『BEAMWEB』のこと。 その通称通りクモの巣状の特徴的な弾丸はスロウ効果もあって特攻陸戦への牽制効果もあり 射程が短いものの、ウィンベルAMの内蔵武器と連携させることでそれを補うことが可能。 実はスコアのサポートに入るポイントが高く、双方にリペアがいないアリーナバトルでは 2機ほど仕留めるだけでベストサポーター賞を取れることもある。 グラBS グランダムBSの事。 腹巻同様の内蔵ミサイルを持つ武器であり、L型砲戦のBSとして大人気だが、 入手方法がクエストでのドロップ、しかも超低確率なうえに、 グランダムはBDパーツもドロップするため、ただでさえ低いドロップ率に拍車がかかっている。 そのため、ある意味では強運の象徴ともされる。 クリム 空戦型Sサイズロボ「クリムローゼ」の事。「クリムさん」と、何故かさん付けで呼ばれることも多い。 Sサイズにしては大きめな当たり判定、同能力帯ロボの中でやや高コスト等、 微妙な性能ではあるがCB初の女性型ロボという事もあり、所持者・愛用者は非常に多い。 彼女によって多くのスキン職人が生み出された。 女性型ロボ第一号ということもあり、バレンタインイベントでは平均的なヒロイン口調。 なお、料理は下手らしい(バレンタインイベントでの会話より。) 剣鳥 空戦型Sサイズロボ「ソードウィング」のこと。FLYが高く機動性に優れるものの耐久が低い。 HDにマシンガンを内蔵。低コストに分類される方だがキャパシティアップを複数付ければ 高コストな武器も装備可能。バランスがよく扱い易い。 コア ロボの基本性能を大きく左右する部分。BDパーツ。 ワンダービットの性能もコアに大きく影響を受ける。 クローズβ時には、BS(ブースター)はコアに内蔵されていた。 ゴース 空戦型Mサイズロボ「ゴースレイダー」のこと。 BDにBSを内蔵しており、飛行時にステルス戦闘機のような形に変形する。 またLGがキャタピラによるローラーダッシュ形式になっていたりと浪漫あふれる機体。 LV開放しなくてもステルスのカートリッジがあり必要コストが低く、高い隠密性を活かした奇襲攻撃を得意とする。 開放すればレーダー関連のカートリッジが用意されている。 (スナイパーサイト・ブロードレーダー) 決して性能は低くないのだが、同じMサイズ空戦のメカジェッターに比べてFLY値だけが低く またBSが装備不可な分もあって一歩遅れを取る形となっている。 AMが非常に小さいため被弾しにくく、とても壊れにくい。 そのため、AM破壊が致命的である射陸などによく移植されている。 コズミックガール コズミックブレイクの看板娘。 正式サービスに伴う客寄せとして登場した、CyberStepの奥の手。 しかしゲーム内に登場しているわけでもなく、その認知度は意外と低い。 それぞれがゲーム内ロボの擬人化であり 黄色=ゼロセイバー 青色=メカジェッター 緑色=デストラクト である。 小出し レンジビットを展開、効果を受けた後即展開終了し攻撃→WDゲージ充電完了により再展開可能→再び展開 と言った具合のWB活用戦法だったが、アップデートによりレンジ効果発生に時間を要するようになった。 またバーストビットは展開している間のみ効果が現れるためこの方法は使えない。 さ行 サイガン サイコ サイコガン サイコフォーミュラ・リリレイン内蔵武器およびマグネガンのPSYGUNのこと。 発射後に一度だけ目標へ向かって軌道修正を行い、かつ目標の移動速度に応じて弾が加速する。 特殊な誘導性ゆえに軌道を読み辛く、回避は難しい。中距離での命中率は随一を誇る。 抜群の対空性能を持つ他、牽制や追撃に威力を発揮する。 またディスオーダー(集弾異常)状態下でも問題無く使えるなど強力な兵器。 ただしこれ単品での火力はさほど高くない。 索敵 アリーナにおいて、主にカートリッジ『ブロードレーダー』を使い敵軍の動向を把握すること。 Mサイズ補助ロボの『パラボロイド』と『デジトロイド』はレベル開放せずにブロードレーダーを 取得できるため、後方でリペア活動をしつつ逐一報告するのが定石。 無人の拠点や手薄なルートを簡単に見つけられるため、 隠密活動をするステルス搭載機に装備させればより安全かつ強力な行動が可能になる。 また、ロック武器でロックしたり、ロックサイトが広い武器で周囲をかざすとレーダーに反映されるため、 これらも一種の索敵となる。 サジ 砲戦型Lサイズロボ「サジタルマクシス」および「サジタルマクシスⅡ」のこと。 BDに付属する形で長射程の大口径レールガンを装備している。 Ⅱは速射性に優れる連装レールガンに換装した代わりに右腕が犠牲となっている。 レールガンの発射には一定時間のチャージが必要なものの、その弾速は圧倒的。着弾地点には爆音が響く。 まさに砲戦を絵に描いたようなロボである。使い勝手としては少々クセがあるものの レールガンの余りのカッコ良さと某「狙い撃つぜ!」のセリフと共に人気が高い。 サテライト射撃 目標を中心として、円を描くように横移動で敵の攻撃を回避しつつ目標に攻撃を加える方法。 主に空戦機で行うことが多い。ミッション・クエストでの基本攻撃方法とも言えるだろう。 着地の隙を狙われないように注意。 ちなみにサテライトとは衛星のことを指す。 見た目が惑星の周りを公転する衛星のような動きの事からこの名がついた。 サポチキ サポチン アリーナで、ベストサポーターとチキンを同時に取ること。 回復専用の補助系が取ることが多い。 元々はベストサポーターとチキンを同時に取ることへの卑称であるが、現在は一概にはそう思わない人もいるようである。 前線機体の回復を行い、自軍への貢献に専念したのだから総攻撃量が少なくなるのはやむを得ない、と考える人と 前線に出ずに回復のみ行い、敵と戦うこと無く高スコア、称号を獲得するその事を問題視する人とが存在する。 しかしアップデートによりアイテムを渡せるようになった為、ワンダードラッグの回転率が良くなったので サポチキも仕方ないといえば仕方ない。 産廃 産業廃棄物の略。CB的には、コストと性能がどう考えても見合ってない武器など、 入手したはいいが、ほぼ使用されずにガレージの肥しと化す物の事を指す。 ただ、熟練や用途次第では十分実用に耐えうる物もあるので、弱い・使いづらいというだけで 産廃と決め付けるのも早計である。 ジーク、ジー君 陸戦型Sサイズロボ「ジークンフー」の事。ヒューマノイドロボ初のオトコノコ。 BD内蔵のワープタックル、LG内蔵のキックコンボで縦横無尽に暴れまわる格闘機。 余剰キャパシティは少ないものの、初期能力は優秀の一言に尽きる。チューンせずとも前線に立てる、いわばリリレインに近い立ち位置か。 各種カートリッジも豊富に用意されており、プレイヤーによって育成面でも個性の出るロボといえる。 渋田 酢豚(下記項目を参照)の派生型。 酢豚からスウェーの頭文字「ス」を取って代わりにショートブーストの「シ」を付けたもの。 今まで陸戦のカートリッジといえば酢豚が主流であったが、 たとえWLK40の機体がブーストランニング中であろうと地に足を着けていればほぼ必中という、 理不尽なまでの対地誘導性を誇るマッハナイト・ワンのパルスミサイルに少しでも対抗するため、 最近ではスウェーの代わりにショートブーストを取得する機体が増えつつある。 亜種としてこれら3つにクイックランディングまたはクイックジャンプを加え、 某アニメキャラになぞらえて「シブタク」と呼ぶ組み合わせもある。 司令 司令官 陸戦型Lサイズロボ「コスモカイザー」のこと。単にコスモとも呼ばれる。(C21経験者に多い) C21cβでの説明文が「ADF軍宇宙司令」となっていた為、長らくこの愛称で親しまれる。 高いHPによるタフネスさを誇る。 陸戦に必須と言われていた爆風耐性カートリッジが付かなかったため不遇の扱いを受けていたが ちょこっとテストPart2にて晴れて解禁。また耐性自体の価値が下がった為前線にて大活躍する事となった。 シャドハン 陸戦型Sサイズロボ「シャドウハンター」のこと。シャドウハンターBSにロックオンタイプの手裏剣を内蔵。 08年2月現在では唯一の無課金でステルスシステムのカートリッジを使用できるロボであり、 なおかつ使用コストも少ない。 ジェッター、メカジェ 空戦型Mサイズロボ「メカジェッター」のこと。NPCとしてユニオン戦の説明をしてくれたりもする。 高いFLYを有する空戦の主力機。耐久も高く弱点のミサイル系兵器を用いなければ撃墜は困難である。 LGには錐揉み回転しながら一定距離を突進するジェットアタックを内蔵。飛距離はFLYに依存。 れっきとした格闘攻撃だが離脱用に使われる事のほうが多い。 コズミックガールの青い娘はメカジェッターを擬人化したもの。 オトコ口調で姐御肌タイプ。 手裏剣 シャドウハンターBS、またはシュリケンガンの事。 どちらも手裏剣型の弾を飛ばす武器。 どういうわけだが知らないが、ゲーム内のシュリケンガンの解説はござる口調である。 瞬殺 アリーナのマップのひとつ『テンプルサイト』にある 即死エリア(落ちると必ずロボが大破してしまう白い溝)に敵を追いやること。 主な方法は、 アイテムのハリケーンブローや格闘武器、もしくはスコルタンBDなどで吹っ飛ばす。 ウィンベルAMやドローガンで高台から落としたり、引き寄せる。 即死エリアを背にして格闘攻撃を誘い、ギリギリでかわして敵が自ら即死エリアにダイブするよう仕向ける。 ツボにはまれば効果が高いものの、この方法では相手を倒してもスコアに反映されないのが欠点。 ジョイントパーツ コアとAM、コアとLGの間などに挟むことが出来るカスタマイズ用パーツ。 接続AM数を増やすなど、様々な機能を持つ。 無論、パーツが増える分コストも割増になるので、計画的なアセンブリを。 蒸発 撃破される表現の一つ。 類義語に死ぬ、爆発するなど。 この場合は特に「(全快及び程近い状態から)HPがあっという間になくなる」という意味で使われる。 よくある状況としては バズーカ系や格闘などでスタンしてハメ殺される 敵3~4体に囲まれて成す術もなく撃墜 触手 砲戦型Sサイズロボ「サイコフォーミュラ」の、特にAMのこと。 PSYGUNが発射される時、AMが伸縮する特徴的な動きをすることからこの名前がついた。 相手の移動速度によって弾速が変わるという仕様で、高速機に対して非常に有効である。 ショートブースト ダッシュアクションが空に向かって斜めに飛ぶようになる。 通称ドム飛び。 機能特性上はフロートダッシュの方が何かと便利なのだが、こちらの方が取得できるロボが多いので マッハナイト・ワンの普及により「地上にいること」自体が危険になりつつある現状(4/19)に合わせて スウェーに代わる強カートリッジとして注目されるようになった。 スコ スコル(蠍、サソリ) 1. 援護重視の補助型Mサイズロボットスコルタンの略名。 形状は「蠍」。 同名だが一部変えて スコルたん ともいわれる。 スコルタンBDに内蔵されているスタン性能が高いエレキガンが特徴で、 これを利用することで相手の動きを止めたり嵌めたりする事で地味ながら強力なサポートが可能。 ただ、女性型ロボにこれを行うと鬼畜に見える(聞こえる)事がある。 ロボのステータスや武装の関係上これだけでスコアを稼ぐのは難しいものの BD内蔵武器は他パーツのように破損することがないため、普段は前線で援護をし 両手をやられたりその他必要に応じてリペア活動に切り替えるなど柔軟な対応が可能なロボ。 2. クエストの砂漠エリアにいる蠍型モンスタースコッピーの略名。 スコルタンBDのエレキガンが3ウェイになっており、威力は低いもののスタン性能が高い。 単体でいると怖くないが、他のロボといるとこいつに注意しないと動きを止められ大ダメージを食らう事がある。 その恐怖は喰らったものにしかわからない。 スタン 一定の射撃を連続で受ける。 格闘攻撃を喰らう等すると動けなくなること。(⇒スタンする・される) 武器やTGHによって変化するスタン値の量が多いと、回転してスタンする「回転スタン」もある。 近接武器全般のスタン性能は高く、射撃武器は低くなっているのが普通だが、 パルスガン、エレキガン、パラライズガン、スコルタンBDのような 「エレキガン」系武器を使うことで相手の動きを簡単に封じ込めることもできる。 (⇒ハメ殺し) ただし回転するような強力なスタンには若干の無敵時間が発生する。 酢豚 陸の強カートリッジ3種のこと。 「スウェー」 「ブーストランニング」 「タフランナー」 の頭文字から。 スロット 別名「穴」とも。チューンアップを施す際に必要なエリア。 基本的にBDパーツとジョイントパーツを除く全てのパーツにある。 チューンアップに失敗すると、スロットプロテクトを使っていないと「破損」してしまう。 スロットの数や状態はそれぞれアイコン右上の切り込みを見るとわかる。 接待○○ 専属○○ 仲間内で補助WBを使う人とWB効果を受ける人をあらかじめ決めておいて、 効果を受ける側が都合の良いタイミングでWB展開してもらうようなプレイ、それをする人を指す。 ゼロ ゼロセ コズミックブレイクの看板ロボでもある「ゼロセイバー」の事。 遠い過去の世界であるC21のロボ「ゼロファイター」の後継発展機。 BDに一定距離を詰められるゼロステップを内蔵し、各ステータスも高いハイスペックな機体。 ちなみにコズミックガールの黄色い娘はゼロセイバーの擬人化である、通称ゼロ子。元気娘タイプ。 空 ロボのタイプ「空型」の略称。 また、上空を示すこともある。 陸型に有効なビーム武器が得意でFLYとブーストゲージが多く、砲型が得意とする爆風系武器が弱点なのが特徴。 ブースターエフェクトは水色の炎エフェクトにリングがついている。 空芋 マッハナイトBD2に内蔵されたPULSEMISSILEを用いて後方からの射撃を行うこと。 芋自体はタイプを限定したものではないが、性質上砲戦に送られる称号(蔑称)なのであえて空とつけている模様。 空戦で前線に出ない(出る必要がない)その様は、多くの反感を生み出している。 ゾンビ、低コゾンビ凸 語源は夏の無制限時に遡る。低コストロボの立ち位置を確立するための試行錯誤が行われたが その際、片手、頭を初めから装備させずに片手だけに強力な武器を一丁従えて即大破上等のKAMIKAZEが行われた。 コストパフォーマンスが異常に高く、マトモにロボを組んで戦ってる人たちの戦意を悉く踏みにじることになった。 その事実を皮肉るカタチで、現在ではHD,AM等のパーツ欠損させたままコマンドーに入れることをゾンビと呼ぶ。 現存のゾンビは”腹巻レンジゾンビ”と”蜂バズゾンビ”の二種類が主流。 前者はレンジユニットを装備させたミサイルバレル付き補助ロボ、その中でも両腕を装備させていないものを指す事が多い。 後者は、空戦機でもっとも低いコストのビーゾルAにミニバズなどを装備させ、片手を外した本来の意味に近いもの。 外観の酷さから嫌悪感を抱く人も少なくない。また、片手のみに武器を装備させ、背が異常に高い前者は同社運営のC21に でてくる”アイスガンダーノッポ”というこれまた賛否の分かれるロボに酷似してることから嫌うものもいる。 現在では上記の由来を離れ、欠損アセンブルでなくとも低コストロボ自体をゾンビと呼ぶ事も多い。 経緯を知る低コストロボ愛好者にはあまり気分のいいものではないだろう。 た行 第三の女 女性型ロボ第三弾のSサイズ空戦型アストロメリアのこと。 雑誌の付録という少々特殊な形で販売されたために話題をさらったものの、 リリレインが女性型ロボ第三弾と間違われたりバレンタインイベントでも登場なしなど 次第に影が薄くなりつつある不遇のロボ。 名前の由来は名作映画から。 09年3月12日に新たな女性型ロボウィンベルが登場したが、4gamerの記事では第4弾となっている。 また、カウントして、もらえなかったね ……というよりクリムローゼの色違いとしてしか扱われていない模様。 スキンでデフォルトに戻すと外見がクリムローゼになるという不具合の存在が、それを示している。 達磨 ダルマ Sサイズの補助型ダルマスターの事。 移動系ステータスが優秀で、様々な状況に対応できる万能能力を持ちながら、リペア活動もできる援護能力を持たせる事が可能。 また初期ビットがミニバーストビットなのも特徴。 極めつけはカートリッジが各種万能。 多種多彩なダルマができる反面、育てる前にプランを考えないと、中途半端なダルマになってしまう欠点がある。 稀に、両腕が無くなったロボという意味にもなる。 混同しないように注意。大抵は話の流れからして勘違いはないだろうが。 弾幕機 アシュラAMJなどを利用し、多数の射撃武器を装備したロボの総称。 一斉射撃による圧倒的な火力が特徴。 団子 主にアリーナでリペア中に固まっているロボたちの総称。 敵が団子になっていたらピラーで攻撃してしまおう。 乳首 コスモカイザーBDの内蔵武装のマシンガンの事。 二発同時に発射し、位置が丁度乳首の位置に見える事からたまに呼ばれる。 能力の割には威力が高めで両手に火器を持たせ、一斉発射すればとんでもない火力を叩き出す。 ただし射程は短め。 どうでもいいが、GMのY氏によると乳首バルカンという呼び方は運営公認・・・らしいです。 チューンアップ スロットと素材、コスモスを使用してパーツ、武器を強化する。 強化に成功するとコストが上がる代わりにステータスが上がったり、武器の威力が上がったり、 スタン武器のスタン性能が2倍になったりする。 但し失敗すると素材、コスモスはなくなる上、スロットは破損してしまい、二度と使えなくなる。 (スロットプロテクトを利用するとそれを回避することは可能) →参照チューンアップ チ○コバリア、チン○ 課金ジョイントパーツである、フォースバリアLGJの通称。 極めて卑猥な表現なうえバリア自体はロボ全体をすっぽり覆う仕組みになっているが、 パーツの取り付け位置が取り付け位置だけなために、この通称が流行してしまった。 なお、バリアは2秒ほど前方からの攻撃をほぼ完全に無効化してくれるため、射撃陸に割と人気。 デス、デス様 砲戦型Lサイズロボ「デストラクト」の事、BDに高性能なサブミサイルを内蔵。 性能はそこそこ高いが機動性は低め。足を止めて弾幕を張り敵空戦に制空権を与えないのが主な役割。 HPも高いので前線を構築する上での要となる機体である。砲戦タイプの主力機。 ゼロセイバー・メカジェッターと共にコズミックガールとして擬人化されている。通称デス子。 おとなしめタイプで押し(=近接攻撃?)に弱いようだ。 貧乳。 デスCN 砲戦型Lサイズロボ「デストラクトCN」のこと。こちらはBDにバズーカを内蔵。 内蔵がミサイルに比べて使い勝手があまり良くなく、ステータス面でも不遇のロボ。 正式サービス後、数回ほどデスCNの能力が上げられた。 これでようやく・・・と思ったがやっぱり使い難い事に変わりはないようだ。 デスミサ デストラクトのデストラクトBD内蔵アンチエアミサイルのこと。ホーミング性能の高さがウリ。 また内蔵強化を施すことによりありえない角度(ほぼ直角)に曲がるように。 現在は誘導が落とされ、対地にはまるで誘導しなくなり、対空ミサイルとして使われている。 鉄人 テツジンガーの事、ヒーロー物にありがちなロマン溢れるロケットパンチを搭載。 テツジンガーAMとテツジンガーAM2の二種類がある、後者はドリルパンチである。 ただし後者はアリーナの報酬などでしか入手できない少々レアな品。 また前者は武器を持つ事ができるが、武器を持つとロケットパンチは打てないので注意。 ドム跳び カスタムカートリッジの『ショートブースト』を利用し、 相手を跳び越しつつ側面もしくは背後に回って格闘武器を当てる一連の動作のこと。 名前の由来は有名ロボットアニメの機動戦士ガンダムのワンシーンである。 トラップ クエスト道中でプレイヤーの妨げとなる。遠くからは見えず、近付くと光るドクロのようなものが浮かび上がる。 ドクロは結構大きいので(Lサイズ機体分くらい)飛んで空中を通過しようとしても引っかかる事がある。 特定のアイテムを使うと遠くからでも見えるようになるが、うっかり踏んでしまうと ダメージ、移動速度激減、射撃集弾性悪化など様々な障害を引き起こす。 状態異常系は一定時間経つと解除されるがmobに囲まれていたりすると非常に危険。 アリーナでは自然発生することはないが、専用のアイテムとしてトラップが出現することがある。 味方が設置した場合は遠くからでも見えるが、敵が設置した場合は近寄らないと見えない。 ドラガン、ドラム ドラムガンの略。下記のドラムマシンガンとの混同に注意。 性能としては威力のある弾をマシンガン並の速度で連射できるため瞬発火力が高いが 装弾数が少なくすぐにガス欠するのが玉に傷、片道切符の低コスト機辺りと相性が良い。 ドラマシ ドラムマシンガンの略。1500発という他の武器を圧倒する装弾数が特徴。 故に弾切れする前に大抵自機の腕が取れる、しかしマシンガン系最上位で威力もそれなりに高い。 H21.2月現在では迎撃用武器として向いているかも知れない。 トンパイル トンファー(ガナハウンドAM)とパイルバンカー(マイティバインAM)の事を指す。 この二つを合わせて略したものがトンパイルである。 誘導性が高くスタン効果も強力なトンファーで敵を捕らえ、 高威力だが当てづらいパイルバンカーを確実に当てるという強烈なコンボを繰り出せる。 両AMともに武器を持たせられるが、バイパーシールドやブロードソードなど射撃武器以外の装備を持たせたロボが多く ブレード 現在”ブレオン(近接武器オンリーアセン)”の代表格 な行 ネガ、葱 ネガトロンライフルの略。コストが嵩むが射程が長く高威力・高スタンで更に敵やオブジェクトを貫通する。 以前は砲戦が装備できる強力なビーム兵器ということで広まり、砲が陸を食うという三竦み崩しの武器となった。 現在では砲戦は装備不可。 ネガトロ ネガトロイド ネギトロ ネガトロンライフルを装備したデジトロイドの事。 デジトロイドは補助型なので、自己ロングレンジで使えば超射程の化け物と化す。 ただ、弾数の都合上継戦能力にやや不安が残る。 コメント カ行のガード 酢豚の「ブ」はブラストガードじゃなくてブーストランニングです -- (名無しさん) 2009-03-07 16 03 11 上2つとも修正しました。 -- (名無しさん) 2009-03-07 16 52 20 「ガード」の項目に 最近のアリーナの状況を踏まえて加筆しました -- (名無しさん) 2009-03-21 00 49 54 フォースバリアが前々からチンコチンコ言われていたので登録。 卑猥な表現でスミマセン。 -- (名無しさん) 2009-03-25 02 56 07 温泉の意味が解からない、って人が居たんで追加してみました。 -- (名無しさん) 2009-04-06 22 15 24 トンパイルの文が一部消えてます。修正お願いします。 -- (buranzyu) 2009-04-21 19 15 42 1万バイトに到達。 細分化(あ、か、さ、た、な)か整理(システム、ネタ含むスラング)への 移行の検討をお願いします。 -- (名無しさん) 2009-05-31 18 06 09 よくアリーナで聞かれる 「蹴られた」とか「リペ蹴られた」とは どういう意味なのでしょうか? 用語辞典で誰か教えてください -- (名無しさん) 2009-06-05 03 31 11 アリーナの参戦予約にて参加中の者が次の者と交代させられる時に 「蹴られた」 -- (名無しさん) 2009-06-05 03 54 30 「蹴られた」、「○○蹴られた」 1.次回参戦希望の観戦者がおり、なおかつ現在参戦マッチングが満員のユニオンウォーズにおいて 成績の振るわなかったプレイヤーが参戦希望の観戦者に次回参戦マッチングの席を譲る際に出る言葉。 対象者には戦闘終了後の成績画面、ボタンの上にメッセージが出るためすぐ分かる。 2.キック投票などによりマッチングから除外された場合に出る言葉。 この場合にもメッセージは出るが、内容は1と変わらないため キック投票を入れた人間以外には対象者が追い出されたことを知られない。 この現象は特にユニオンウォーズ[TRIAL]や[ARK]など連日人気の部屋で多く見られる。 ちなみに「○○」蹴られたという場合は、○○に当てはまるものを請け負うプレイヤーが 何らかの理由でマッチングから外れたことを示す。 例:リペ蹴られた = リペア担当の人がマッチングから外された 等 -- (名無しさん) 2009-06-06 08 20 35 名前 コメント すべてのコメントを見る
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【Mission XXX Mission-02】 Mission XXX Mission-02 触れ得ぬ男 ―異能消失事件― つまるところ、これは鬼ごっこのようなものなのだ。 人気のない大通りを小走りに走りながら、皆槻直はようやくそういう認識に立ち至った。 事前の準備を整え、あらかじめ相手の行動を把握して、こちらにとって最も都合がいい場所で戦いを始めた。 色々と付随する要素はあれど、こちらが狩る側で向こうが狩られる側、そういう狩のようなものであった。 いや、そうだと認識していたのだ。 (道理で色々と噛み合わない感じがしたはずだよ) そう、現状が「狩のようなもの」でなく「鬼ごっこのようなもの」として考えればすべて得心がいく。 なにしろ相手とこちらの間には「触れられたら負け」という関係性があるからだ。 疑いようもなく向こうが鬼で、それによる当然の帰結としてこちらの役どころは鬼から逃げる哀れな子供となる。 あまり愉快な話ではないが、さっきから後手後手に回り続けているこの状態もこれで納得できるというものだ。 「またか…!」 うんざりしたように呟き、直は後ろに大きく跳ぶ。隣のビルの壁に走るパイプを伝い伝うように滑り降りた人影が目の前に降り立った。 「そういう所も鬼役にぴったりだね、まったく」 余裕を見せ付けるかのように散歩する程度の歩みで近づいてくる人影を見やり、左の道へと入り込んだ。 そう、先程からどこに行ってもすぐに先回りされている。 偶然、といって済ませるには数を重ねすぎている。異能というのはもっとありえないだろう。一人の持つ異能は一種類のみというのは異能の大原則の一つであり、相手の異能を考えてもこれは能力の応用で済む範囲を超えている。機械的な何か…というのも考えにくいだろう。相手と自分とは先程の遭遇が初対面であり、しかもその後も相手の異能を警戒して常に十分距離をとっている。 そうなると残る可能性は経験が導き出した一種の技術的なものか、それとも勘という「その他の理由」と同義っぽい言葉か。 (これ以上は分からないね。ミヤだったらあるいは…だけど) だがそれは今言っても仕方のないことだ。 この戦いには宮子は関わらせたくないということはこの場に赴く前に決心していた。それは今この時も変わってはいない。 それに、追う立場が追われる立場に変わってもこれまでの状況から見る限りさして問題はない。 追い立てるか、誘い込むか。 言葉がどうあれ、今やるべきことは変わりはせず、その遂行も割とシビアではあるが十分果たせそうだからだ。 事前に頭の中に叩き込んだ地図を脳裏に留め、直は足早にその場から走り去った。 中華料理店『神龍閣』。 学園都市島の中の料理屋ヒエラルキーの中で頂の一つに数えられる店である。 その三階に案内された直は下座の席に座り、見るともなく外の景色に目をやっていた。 「高級店の個室とはこういうものなんだね」 すぐ下の階の喧騒すら、流れる緩やかな音楽を妨げない微かな波のさざめき程度にしか聞こえない。 正直、少し気が重かった。 回りくどい連絡手段で「話がしたい」と伝えられ、待ち合わせの場所に来てみれば待っていたのは相手でなくハイヤー。 見るからに場違いなこんな店に連れてこられ、挙句予約の名前は偽名ときた。 子供でも分かる。ここで聞かされるであろう話は極めて面倒なものだろう、と。 (いっそもう帰るという選択肢もあるのだけれど) いや、むしろハイヤーなんぞに来られた時点で断っておくべきだったか。 だが……たとえ面倒なものだとしてもその先の話に興味がない、といえば嘘になる。 相手が私の何を必要としているのか?それは私の力に他ならないだろう。 相手が用いることのできる力に比べれば私の力など掃いて捨てる程度にしか過ぎないという大きな疑問はあるのだが、かといって私にそれ以外の何を欲するのかと考えてみればどの要素を考えてみても差は桁違いに開く。そうなると自ずと結論は決まってくる。 「あれだけの手駒を持っていてなお私の力が必要なのだとしたら」 そんな敵との戦いがありうる、そう想像しただけで胸の高まりを抑えることが難しい。宥めるようにそっと心臓の上辺りをなぞるように撫ぜてみる。 それに、私を呼び出した相手のことも多少は気になっていた。 直接話をしたことこそないが、噂は色々伝わってくる。少なくとも、こんな回りくどい行動はしそうにない人間だった。 (ああ、そういえば確か割とわがままな性格、だったかな) もし用件が想像と違ってつまらないものだったらどうしてくれようか。 彼女のことを考えるなら、今のうちに矯正してあげるほうがいいのかもしれない。 (…いや、やっぱりまずいかな、それは) どうにも、期待に反して下らないことで時間を潰されたからというのは私怨が勝りすぎている。 それはポリシーに反することだ。 それに…と少し想像してみた。流石に絵面が悪すぎる。どう考えてもただの虐待である。 想像した絵面をかき消す。だがその少女はまだ消えない。いや、違う。 直はガラスに映った少女に軽く頭を下げると、席を立って個室の入り口へと向き直った。 「初めまして、藤神門会長」 「うむ、こちらこそ初めましてじゃ、皆槻直」 追われ続けながらも、敵の誘導はほぼ完璧に進んでいた。 一旦距離を離した間に改めて現状の整理をする。 まず敵は元は日本人、というよりかつてこの双葉学園に所属していた人間だった。その当時の名を藤谷昭三(ふじやしょうぞう)――まあその名はもはや空虚な記号以外の意味を持たないが。 当時はその異能故に異能による犯罪を取りしまる部署に所属し対異能者戦に投入されていた。 異能は触れた相手の異能を消し去る能力。以下詳細はほぼ不明。なんでも亡命時にハッキングをかけデータを消去したらしい。 (そうなるとどこまで信頼できるものか…) 辛うじてサルベージできたデータで構成された虫食いのような異能のデータを眺めながら直は考え続けた。 (何か隠し札がある) これは直感だったが、直なりに根拠もある。男によって異能を奪われたものの中にはそれなりの実力を持つ身体強化能力者も何人かいるのだ。 それに徒手格闘を鍛えているとはいえこちらから触れねばいけないという厳しい制限付きでここまで生きていけるだろうか? (恐らくは接触自動発動、最悪ごく至近距離なら触れる必要もないのかも) かなりシビアな予想ではあるが、能力が能力だけに用心に越したことはない。これまでの接触から見てもその見解を修正する必要はなさそうだった。 こちらの作戦―触れることができず、こちらに直接遠距離攻撃手段がない以上広いスペースでの遭遇戦は不利になるだけ。ならば思い切って限定されたスペースに戦場を移した上で間接的なアプローチによる攻撃を行うしかないだろう。これも現状特に修正する必要はない。 (後は一般人の避難か) 不確定要素を無くすため男が作戦予定エリア内に入った時点で適当な口実をつけて周辺住民を避難させるように藤神門御鈴に頼んでいた。それに気づいて男が逃げ出す可能性もあったが、直はそれはないだろう、と思っていた。 (自分の力…あるいは自分の背負った権力を恃むタイプだ) 凄まじいテンポで増えていっている犠牲者リストを見て直はそう感じた。ならばむしろこういう行為には進んで乗ってくるはずだ。 「いっそ『異能狩り』に狩られてくれればいいものを」 そう言ったものの、ああ、それでは私が戦えないな、と首を振って思い直す。 ともあれ、避難に関しても見た感じ問題はないようだ。 前回の接触の後、敵の気配はつかず離れずを繰り返していた。どうやら直の意図を察し――乗っかる気らしい。 と、そこに予定通り目標である小さな倉庫が現れた。 直はスイッチを操作し重い音と共に開きだした扉の奥に歩を進める。 すぐに道の奥から人影が現れた。倉庫が光に満ち、扉から溢れ出す。歩み寄る人影は初めて光の中にその姿を晒した。 黒色のシルクが光を柔らかく吸い込むような光沢を放つ服。前面の一字ボタンが全体に締まった印象を与えている。 鍛錬を怠らない格闘家、という印象を強く与える男であった。 男の歩みと共に直は退き、距離を保ったまま二人は倉庫に飲み込まれていく。 男が倉庫に足を踏み入れると共にゆっくりと扉が閉まりはじめた。 「…お前は俺を誘い込んだつもりだろう?」 男が初めてその口を開いた。 「だが、お前の意思はどうあれ事実はただ一つ。俺が、お前を追い詰めたんだよ」 鈍い音が響き渡る。そして倉庫は密室となった。 今目の前にある皿が片付く度に、まるで横で見ているかのような絶妙なタイミングで次の皿が運ばれてくる。 挨拶の後、口を開こうとした直の機先を制し、 「まずは食事としよう!」 藤神門御鈴は首を大きく傾けて見上げながら最初からそう決まっていたかのように宣告した。 確かに時間的にも合致していたし、更にこちらが招待したのだからお金のことは気にしなくていいと言われては断るのも憚られる。 (まあいいか。もう二度と会うこともないかもしれないしね、この位は付き合おうか) かくしてグルメ紹介本の常連として知られる神龍閣のフルコース料理が目の前に並ぶことになった。 確かに評判は嘘ではない。味覚は当然として、触れるのを一瞬躊躇ってしまうほど精緻に組まれた飾りつけ、直前まで加熱されていた料理から放たれる鼻腔の奥の奥までたやすく浸透する香りと熱せられたソースがバックコーラスとして奏でる沸騰音。箸から伝わる素材の感触からも十の色合いをアレンジによって百にも千にも編み上げようという料理人の心遣いが見て取れる。五感全てに強く訴えかける姿に確かに頂と呼ばれるはずだ、と直は得心がいく思いだった。 それにしても、と直は思う。目の前では藤神門御鈴が北京ダックに舌鼓を打っていた。 自分もその絶妙な歯ごたえを堪能しつつ、直は思う。 (よくもまあ、あんなに入るものだね) 183cmの長身に加え運動量(戦闘量と置き換えてもさほど間違いではない)の多い直は自他共に認める健啖家であった。 フルコースのメニューはその直にしても「ぎりぎり八分目を超えるかも」と感じさせる程のボリュームである。 それを目の前の少女は平気な顔をして直の食べるペースに併走しているのだ。 半ば呆れながら眺めていると、その視線に気づいたのかん?と少女は面を上げた。 「ひょっとして口に合わなかったか?」 「いえ、十分満足していますよ」 「私もそうだ。だから、な」 藤神門御鈴はいたずらっこのような笑みを浮かべ、続けた。 「いくらでも入る」 テーブルの下でおこぼれに預かっていた白いトラ猫が取り皿から主を見上げてにゃー、と小さく鳴いた。 「そんな勝手な事実とやらにはいそうですかと従ってあげるいわれはないね」 男の軽く手を広げるような動きに呼応するかのように直は横っ飛びに小さな壁の向こうに飛び込んだ。 「はあっ!」 気合と共に壁に向かって後ろ蹴りを放つ。薄いコンクリ壁が大きく崩れ、砕けた破片は空気の流れに乗って男のほうへ降り注いだ。 (さて、どう出る?) 直接的な遠距離攻撃手段を持たない直が考えた策の一つだった。雑な攻撃でさほど威力も望めないが牽制程度にはなるだろう。まずは出方を窺いたい。 男は腕で上半身を庇いながらこちらに近づいてきていた。それを確認すると直は隣のコンクリ壁に移り再び蹴破る。そしてそのままの勢いで壁の隠しボタンを押した。 同時に天井に設置していたコンクリ片が雨のように降り注いだ。 (呆気ないな) 今までのところこちらがペースを握っているように見える。それが逆に不安ではあるのだが、かといって手を休めるわけにもいかないだろう。 コンクリ片の落下によって生み出された濛々とした粉煙と驟雨のような音の中、直は次の壁へと走り出す。と、突然踏み出した右足が糸が切れたようにがくん、と落ちる。 直後に焼けるような痛みが右足から体中を走りぬけた。 「!」 止まってはいけない。戦いの中で刷り込ませた生きるためのルールが直を突き動かす。床を転がるようにして壁の後ろに隠れた。 「しかし、参ったね…」 右足を確認する。銃創だ。いきなり銃を使ってきたこともそうだが、粉煙と轟音で事実上目も耳もふさがれた状態で普通に当ててきたのも想定外だった。 わざとらしいぐらいゆっくりと足音が近づいてくる。 (なんにせよ、まずは距離を取らないと) 直は壁を背にして立ち上がる。一息で荒げた呼吸を戻し、両腕を横に開いた。 全身にゲートを発生させ、方向を調整。 津波のように周囲に流れ出す風を残し、直の体は宙を舞っていた。 限定飛翔能力。 体中から高圧空気を噴出させることで一定の距離を跳躍する、〈ワールウィンド〉の応用能力である。 あっという間に積まれていたコンテナの山の裏に消えていった直を見送り、男は舌なめずりをして再びゆっくりと歩き出した。 デザートのライチが舌を乗り越え、喉を越えて胃まで落ちていく。 爽やかな甘みが舌から脳まで駆け抜け、波が引くように余計な後味を残さずに消えていった。 もういいだろう、と直は判断した。時間的に急がねばならない理由があるわけではない。単に待つのはあまり性に合わないのだ。 「それでは藤神門会長、そろそろ私にもデザートを頂けないでしょうか?」 藤神門御鈴は怪訝な顔で答えを返した。 「何を言っておる。デザートなら既に食べておるではないか」 「率直に言いましょう。…私は誰と戦えばいいのですか?」 その返答に藤神門御鈴は運びかけていたライチを慌てて口の中に放り込み、あっという間に飲み込んでコホン、と一つ咳払い。 「そう、その通り。皆槻直、お前の推測通りだ」 そう告げた表情は既に先程までの大食い少女ではなく、学園を守る醒徒会の長のそれとなっていた。 「まず…この学園では今異能者が連続で襲われる事件が起きておる。彼らは殆どの場合怪我らしい怪我はしておらん。ただ、彼ら全てに異能が消失すると言う現象が起きておる」 「まるで『異能狩り』ですね。しかしそんな話『異能狩り』の噂を除いては全く耳に入ってきたことがないんですけど」 自らの異能の力をひけらかす人間から異能を奪ってしまうと言われている怪人『異能狩り』。この都市伝説の主人公が相手なのだろうか? 「学園がこの件に関して全面的に放送規制を行っておるからな」 「醒徒会」ではなく「学園」と言った。それはつまり学園を束ねる理事長、いやあるいは更にその上の組織が動いていると言うことなのだろう。 「根本的な疑問があるのですが」 「うむ、聞こう」 進むたびに不透明さが増していくような話は直の好むところではなかった。故に、早速最大の疑問に切り込む。 「貴女には実働部隊の風紀委員もいれば切り札たる醒徒会もある。それでなお御せぬほどの敵ならばそれこそ政府の出番でしょう。なぜ私なのです?」 藤神門御鈴はその問いに答えようとして一瞬つまり、数秒の間を置いてようやく口を開いた。 「………今回お前に頼みたいターゲットは触れた相手の異能を消失させる異能者。そして、こやつには醒徒会は手を出せぬ。いや、醒徒会だけではない、政府の連中にも手は出せぬのだ」 そう語る少女の表情はあふれ出る何かをこらえるようなものになっていた。だが、まだ答えは出ていない。 「何故?」 だから直はただその一言を問いかける。 「…何故ならその男は―――国の外交官だからだ」 藤神門御鈴はこらえるのを諦めたかのようにそう吐き捨てるように言った。 (そういえば) と直は思う。風紀委員にしつこく「服の布地が少なすぎる」と文句を言われていたっけ? 着地した通路で血止めをしようと思った直だったが、ノースリーブにホットパンツという組み合わせでは布地を調達する余地が少ない。 例えばさっきのような跳躍時にトップスの裾やボトムスの筒があったりするとどうにもバランスが取れないという事情あっての出で立ちなのだが、少し考え直す必要がありそうだ。 ともあれ、背に腹は代えられない。ノースリーブの腹の部分を破り、手早く脚を縛って血止めをする。 その間にも足音は全く変わらぬペースで近づいてきていた。ゆっくりと感覚が薄れつつある右足を引きずりながら直は足音から離れるように歩き出した。 (もう間違いない。何らかの方法で私の動きが読まれている) その確信は得たものの、その具体的な手段は以前見当がつかないままだ。目の前のデータを組み合わせて必要な情報を導き出すのは宮子のほうの得意分野だった。その彼女がいない以上、具体的な手段が分からないことを前提として動かざるを得ないだろう。 その上片足が使えないというのは痛い。悪党どもも震えだすかのデンジャー&アイスの片割れを始めとして学園には銃使いが多い。そんな連中の戦いぶりを間近で見たり時には戦ったりしてきた過程で銃での攻撃の特性は概ね把握していた。万全の状態ならば銃が相手でもどうとでも立ち回れるのだが… とはいえ、勝負を諦めるつもりは毛頭ない。まだ手は残っている。ただ問題は時間との戦いになることだ。 そのためにもここで捕捉されるわけにはいかない。 「やれやれ、ひどい話だね」 相手を狩りだすつもりがいつの間にか鬼ごっこになっていて、今度はこちらが銃で狩り出されているんだ。 (そうミヤに話したらどんな顔をするのかな?) きっと「訳分からないわよ」といった感じの呆れ顔を見せてくれるだろう。 そう考えると痛みを超えてくすり、と笑みがこぼれてくる。 「笑えるうちは、まだ大丈夫」 自分自身に言い聞かせるように呟き、直は顔を上げて歩みを進めた。 「はぁ!?」 さすがの直にも全く想定外の答えであった。動揺する直に藤神門御鈴は語りだした。 「外交官とは所属する国の派遣される国における代表ともいえる存在なのだ…」 国家間は対等であるが故に、国の代表である外交官には他の国の支配に服さないと言う理由から強い特権がある。たとえそれが現行犯であったとしてもいかなる罪にも問えない、逮捕することすらできないのだ。 そして、非公開の国際的取り決めで異能者に関する一定規模以上の施設は全て国の管理下に置くように定められている。ここ双葉学園のように法律用語のマジックを使うことで実質的に民間で管理されている例もあるが、そういう例外もあくまで形式上では国の管理下となっている。 「…つまり実際に学園を統括しておる私たち醒徒会や風紀委員は解釈によっては公務員であるとも言える立場なのだ」 そんな立場の人間が外交官と衝突すればどうなるか。即座に国際問題だ。 「しかしその男は実際に異能使いに危害を加えている。たとえ罪には問えなくとも向こうに抗議すれば…」 「よく思い出せ、皆槻直」 腹立たしげに首を振る藤神門御鈴。 「表の世界では異能の存在は認められていない。相手に触れて異能を消すだけの奴の行為は表の世界では如何様にも非難しようがない」 「あ…」 まったくもって面倒極まりない話だ、と直は思う。彼女の好みとはまるで真逆の話である。できればこれ以上話を聞き続けるのも断りたいものだった。 「一応外交官を合法的に追い出すシステムもあるのだが」 ある人間が外交官としてある為には派遣国が認めるだけでなく、受け入れる側の国にもそう認められなければならない。国家間は対等であるという理念から承認を取り消す権利もまた何の制限もなく存在する。その、はずなのだが。 「確かあの国には後ろ盾がありましたよね」 「そうだ。というより糸を引いているのは間違いなくそっちだろう」 かの外交官を送り込んできた国は某大国の半属国的な国である、それはさほどニュースに興味のない直ですら知っている程に広く人口に膾炙した認識だった。 「というわけでそこを刺激したくない私たちの上の上の…一番上、日本政府からお達しが出ている。奴には決して手を出すな、と」 「あいも変わらずですね、この国は」 今のところ誰が向こうとの交渉の主体になるかという段階で喧々諤々の議論を交わしているところだと聞いた直は深くため息をついた。 「放っておけば放置している政府への異能者側の不満を煽って相対的に異能力軍備競争で優位に立つことができる。かといって手を出せば外交交渉の場で使える手札を一枚得た上で学園と日本政府の間の軋轢を誘うこともできる。全く良くできた話だな」 「全ての皺寄せを受けるのは何も知らない異能持ちの生徒ばかりなり、か」 まるでゴルディアスの結び目だね、直は昔読んだ故事のことを思い出し独りごちた。かの少女は未来の英雄アレクサンダー、そして私は彼女に使われる剣。悪くはない話である。超常の力といえど、間違いなくその人間の自己を形成する一部である。それを奪い去る行為はたとえ世界が認めなくとも罪なのだ、直はそう考える。それに現実問題として異能と引き換えに奨学金をもらっている者も山ほどいる。異能を失ってしまえばそれも無くなる。高みから見下ろすものにとっては些細なことだろうが、それで人生が大きく変えられてしまう者もいるだろう。 「そうだ。今奴の犠牲になった者だけではない。ここで弱腰を見せれば他の国も付け込んでくるやも知れぬ。そうなればますます学園は平和から遠ざかり罪も無い学生が苦しむことになる。私はそれは絶対に嫌なのだ」 一歩退けば一歩、二歩退けば二歩。下がった分だけ相手は前に押し出してくる。人と人、人とラルヴァを問わずそれが互いに鬩ぎあう者たちの摂理なのだと直は言葉ではなく実感として理解していた。 「正直なところこれは褒められたものではないことだとは分かっている。だが向こうがこういう真似に出るのならこちらにも手段があることを示さねばならない。さっきも言ったように政府関係者や私たちは動けない。そして奴は徒手格闘の達人だ。異能消去の異能を持っていても異能使いでなければ抗することはできないだろう。恐らくそれができるのはお前だけだ」 「皆槻直、学園の皆のために奴を捕縛して欲しい、頼む」 納得できる戦いの理由はある。強敵もいる。そう、悪くはない話である。 だけど。 「私だけ、か。…それは全部終わった後に切り捨ててもさほど痛くもないという意味なんでしょうか、ね?」 曲がり角を曲がろうとした瞬間、嫌な予感を感じて直は体を引いた。鋭い音と共に銃弾が目の前を掠めていく。 あわてて踵を返すが、両側はコンテナでふさがれている。足音から遠ざかるように進む、だが間に合わない。 「どうした、さっきのように華麗にジャンプして逃げてみろよ?ん?」 通路を半ばまできたところで男が直の前に姿を現した。 「ああ悪い悪い、もう弾丸切れだった。しっかり聞いてたぜ、さっきからお前力全然使ってないもんな」 ゲラゲラと下品に笑いながら男は銃口で直の動きを制する。 「『嵐風小姐』皆槻直、か。多少名が知られているからどんなのと思えば所詮はアマチュア、唯の喧嘩屋か」 銃を突きつけながら告げる男の顔は実に退屈そうであった。 「…権力を笠に着て横車を通すのが…プロというのなら、私は…唯のアマチュアで構わないよ」 男を睨み付けてそう返す直。だが男はそれを鼻で笑い飛ばす。 「俺の思うとおりに動かされてきたお前に言われてもな、実に滑稽だよ」 「…何?」 それを待っていた、とばかりに男の形相が崩れる。それは皿いっぱいのアイスが自分のものだと教えられた子供のように――いや、本質的にはそれと変わりはないのだろう。口の中に好物を入れるか、口から愚者への教授という愉悦を流しだすかの違いはあれど… 「人間の心理というのは複雑なようでいて意外と単純なものだ。故にある行動に対する反応もある程度類型化してまとめることができる。これを突き詰めればそれは一つの技能、自らの言動で他者を誘導する技法となる」 そこまで一息で言い切ると男はわざとらしげに一拍間を置き、 「俺の思うままに足掻いてくれたその姿、いや、実に楽しかったよ」 「……」 答えることもしなくなった直を見てますます興をそそられたのか、男は更に陽気に声をかけた。 「ようやく格の差を思い知ったようだな。いや結構結構」 「…格の差、ねえ」 実につまらなそうな声だった。 「…虎の威を借る狐の格というものが…それほど凄いものだとはどうしても…思えないね」 「ほぅ、なかなか吠えるじゃないか」 にやけた笑いで軽く返す男。だが、直はもう男の方を向いていない。 「…異能を奪うことでこの学園を…揺るがしたいのなら醒徒会を狙えばいい。…この国を憎むのなら…その力で異能者のSPを突破して…首相を狙えばいい。…結局君は怖いんだ、…虎の威という笠の外に出るのが」 「ガキにはわからんよ。大人の世界はそんな単純なものじゃないんだ」 空気が漏れているような小さな音が断続的に聞こえ出した。その音は徐々に大きくなる。それはやがて笑い声として形を成した。 「なっ!何を言う!」 今度は驚愕したのは藤神門御鈴の方だった。 「そうでしょう?相手に付け入られる余地を無くすのなら実行犯を消すのが一番確実ですよね。そしてどうせいなくなってもらうなら優等生よりは鼻つまみ者の生徒のほうがいいと思うのもまた自然だと思いますよ」 「違う、そうではない!確かにお前のことは悪く言う人間も多い。それでも無為に力を使うような人間ではないということは私は良く理解しておる。お前も私たちと同じ学園の仲間だ!」 突如変貌した場の雰囲気に戸惑っているトラ猫が二人の間を不安げに行ったり来たりしている。その様にちらりと目をやり、直は再び口を開いた。 「私と学園を天秤にかける様な事態になっても同じことを言えますか?」 「無論、学園も救い、お前も守る」 堂々と宣言する藤神門御鈴。だが直はゆっくりと首を振る。 「その心意気は立派です。けど、貴女は私が貴女の言を信じるに足るものを示せるのですか?自分のことを「公務員のような」と言い上の意向に従わざるを得ない、そんな貴女に」 横っ面を張られたかのような表情で固まる少女。 結局のところ彼女は自らの意思に関わらず現実という刃ができるだけ届かないように周囲の善意という名の鎧で守られてきたのだろう。 直はそれを悪いことだとは思わない。むしろこんな少女に何の助けも無いまま全てを背負わせるほうが酷だと思う。 だが、それによって嵐の中の小船のように翻弄されるのが自分自身の運命だとなるとまた話は変わってくる。 死ぬかもしれない戦いだからこそ、自らが心底納得して赴きたい。彼女への個人的な印象とはまた別に、これが直の偽らざる思いだった。 (とはいえ、きつく当たりすぎたかな) 俯いたまま考え続けている藤神門御鈴。直は視線をそらし、視界に飛び込んできたトラ猫にふ、と手を伸ばした。 シャァァァァ! 「あ…」 主を困らせる直を良くない人間だと認識したらしく、トラ猫は体中の毛を逆立たせて直を威嚇した。 「ねえ、会長」 直は仕方なく手を引っ込めると今だ固まっている少女に声をかけた。 「…ん」 ゆっくりと顔を上げる藤神門御鈴。 「この子は貴女にとってどんな存在?」 潮が満ちるような速度でその言葉が体に染みこんでいく。「白虎」「大切な友達」と小さく呟いていた少女。すると、不意にその顔色が変わる。 主の意図を察したのかトラ猫は一っ飛びに少女の腕の中に飛び込む。力ある瞳で直を見つめる少女の表情は大喰らいの少女のものでもなく、醒徒会長のものでもなく、そしてそれらを含む存在。 「この子の名は白虎。私の一番大切な友達で守りたい存在だ」 そう、それは藤神門御鈴という存在。 「私、藤神門御鈴は今ここに我が魂と大事な友たる白虎に誓う」 言葉ではなく魂をぶつけるが故に更にその言葉は強く輝く。 「私は学園のため泥をかぶる者を決して見捨てはしない。私の全ての力で学園とその生徒と同様、必ず守る」 直は一礼し、その場で方膝をついた。 「わかりました。ならば私も私にある全ての力を賭け学園のため、貴女のため」 同じ視線で少女に告げる。 「…必ず勝ちます」 「…は、はは…これは…愉快だな」 「…何がおかしい?」 (こいつの声を聞いてると頭がキリキリしてきやがる) 直とは逆に、男の顔からは笑みが薄れてきていた。薄皮のような笑顔を辛うじて保ちながら男は直を詰問する。 「…知り合い、というほどでもないけれど…私は一人の男を知っている。…その男は醒徒会が大嫌いで…取って代わろうと日々活動を続けている」 「何を言ってるんだ、ガキが」 いきなり誰とも知らない人間の話をされた男は銃をこれ見よがしに構えなおして直に見せ付ける。だが、直はそれが見えていないかのように話を続けた。 「…正直その望みが適うとは思えないけど…それでも彼は一歩一歩その階段を積み上げている。…共感はできない人間だけど…その知性と何より意志の強さは…尊敬に値すると思う」 と、そこで直の眼が再び男を射抜く。 「…で、大人の世界のやり方というのは…行き当たりばったりに通り魔の真似事をすることを言うのかな?」 劈く音と共に直の左腕が赤く染まる。それでも直は歯を食いしばって声を出すのをこらえていた。 「無駄に図体だけでかくて生意気なバカガキに現実って奴を教えてやる、これが『格の差』だ」 「……」 口を開くのもままならない状態で、直の眼光だけはなおも衰えない。 「今まで襲った奴ら見てて殺されることまではないって思ってるだろう。生憎だな。俺は生殺与奪の権利を持っている。今までは温情で命を助けてやっただけだ。だから大人を小馬鹿にするお前はしっかり殺してやるよ」 「…まだ…死にたく…は…ない…な」 男の顔が大きく歪む。 「そうだ!それだ!もっと!詫びろ!媚びろ!許しを請え!」 「…だから…これで…」 「ガキが!さっさと跪…」 叫びすぎて肺の空気を使い尽くしたのか、とても息苦しい。酸素が欲しい。大きく息を吸い込む。まだ息苦しい。世界が傾く。違う、これは。 「…ここの…空気は…頂いたよ」 〈ワールウィンド〉の能力で倉庫の空気を亜空間に吸い込み酸欠に追い込む。これが直が用意した隠し札だった。 (しかし…本当に危ない橋だったね) この手はとにかく時間がかかることが難点であった。同じ異能者を狩り続ける生活で精神が歪んでしまったのか、優位に立った時に相手をいたぶる嗜癖があったことが幸いした。それがなければあるいはどうなっていたことか。 「……」 男の唇が小さく動いている。 (な・ぜ・だ・?) 「…ああ、こういう…ことだよ」 と直は大きく口を開けて見せた。舌の奥の方に小さな穴――亜空間へのゲートだ――が開いたり閉じたりしている。 「…ここから少しづつ…空気を戻していたんだよ…ああ、もう…聞こえていないよう…だね」 どうにか勝ったのはいいものの、それでできた傷がふさがるわけでもない。 傷口にゲートを発生させ空気を噴出させることで無理やり血の流出を止めているが、こんな力任せな処置がそう長く続くわけもなく。 (最悪死ぬかな) と直はぼんやりと現状を分析していた。死の実感が湧かないというわけではない。死を垣間見た経験はもう何度かある。 (好き好んでここまで来たのだから死ぬからといって騒ぐのも筋違いって分かってはいるのだけれど、ね) 自分の死という問題をそれで済ませてしまうのも流石にどうかと思わないでもない。もう後はバックアップチームがこちらを見つけてくれるのを待つ以外することがないので、直はじっくり何かないか考えることにした。 「…ああ、そうか…」 すぐに思い出した。 (ここで独りで死んだらミヤが怒るよね) あるいは泣くのかもしれない。いずれにしてもそれは困るな、と強く思う。 そう思えることが自分がまだまともな人らしいこともできるという証明となるような気がして、直は素直に嬉しい、と思えた。 倉庫に人の気配が近づいてくる。「ナオ!返事してよ!ナオ!」丸一日ぶりの宮子の声も聞こえる。 (『笑えるうちは、まだ大丈夫』か) 自分の顔だ、鏡がなくとも分かる。 今の自分の顔はかなりひどいもので…それでもまだしっかりと笑えている。 「…やあ、ミ」 挨拶のいとまもなく、唇を引き結んだ宮子から拳が降ってきた。 「…!!…」 悶絶する直の襟首を掴み、宮子は息がかかる程の距離まで直の首を引き上げた。 「私たち、チームでしょ!会長さんが教えてくれなかったら、私きっと何も知らないままだった!何で黙って独りで行っちゃうのよ!ねえ!」 直の首をガクガク揺さぶりながら叫ぶ宮子。「普通と違うリスクに巻き込みたくなかった」とか「そもそも作戦上独りじゃないと困る」 とか直にも言いたいことはあったが何を言っても論破されそうな気がして――そもそも口論は不得意なのだ――ただ一言、 「ごめん」 と謝った。 「どうせそんなこと言って、また何かあったらまた私を置いて行っちゃうんでしょ」 宮子の口調はあくまで冷たい。 「…絶対置いて行かないって…約束はできないから…それを含めて…ごめん」 「もう一発殴っていい?」 す、と右腕が振り上げられる。 「…うん、謹んで…お受けするよ」 その言葉と共に右腕は振り下ろされ――ふわり、と直の背中に回された。 「馬鹿、冗談よ。その怪我に免じて特別に許してあげる…『今は』、ね」 『今は』の言葉を強調する宮子。これは機嫌を直してもらうのに苦労しそうだな、と直はこっそりため息をついた。 「…で、どうするの、あれ」 宮子が指差したのは先程まで直と殺し合いをしており、今はバックアップチームに簀巻きにされている男だった。 失血と疲労で口を開くのものも辛くなってきた直は小さく首を横に振った。正直そのあたりにはさほど興味はなかったので後回しにしていたのだ。いざとなれば藤神門会長に回してしまえ、とも思っている。そのくらいは許されるだろう。 「ふうん…」 どこか不穏を感じさせる口ぶりだった。 「ねえ、だったら私に任せてもらってもいい?」 翌日。 直は〈ペインブースト〉の力で傷口のみふさいだ後即座に病院送りになり、そこで一晩を過ごした。 目を覚ますと、まるでそれを待っていたかのようなタイミングでノックの音が聞こえた。 どうぞ、という返事とともに入ってきたのはサングラスをかけた直とほぼ同じ背丈の少年だった。 確か新聞部だかの記事で写真を見たことがある。醒徒会会計監査、エヌR・ルールだ。 「今日は君に会長からの伝言を言付かってきた」 軽い自己紹介の後、ルールはそう話を切り出した。 「授業欠席の手続きは既に済ませてある、気にせず治療に専念してくれ。あと、一度お茶でもどうか、と会長から君へ提案がある」 なんとまあ殺風景な口調だ。直は鼻白む思いだった。それに、仕方がないことだとはいえ『神龍閣』での出来事がなかったことになっているというのも少々気に食わない。 「伝言は以上だ。返答は?」 「そうだね…ぜひ。今度はフルコース早食いの決着をつけましょうと伝えてもらえますか?」 いたずら代わりの意趣返しとしてはまあこんなものだろう、と直は思った。ちなみに、醒徒会全員の前でこの返答を伝えられた藤神門御鈴は直の想定と反し「私のイメージが~」と結構凹んでいたが、それはまた別の話である。 ルールが去った後しばらくして疲労に身を委ねることにしウトウトしていた直が再び目を覚ますと、時刻は昼を回っており、ベッド横では宮子が林檎を剥いていた。 「おはよ、ナオ。調子はどう?」 あの後宮子は徹夜となり目が覚めたのが昼前だったのでそのままここに来たらしい。林檎で喉を潤した後、直は宮子にせがまれるまま昨日の出来事を語りだした。 「…で、それでどうなったの?」 興味しんしんで続きを促す宮子を制し、直はTVのほうに目をやった。 「またあのニュースがやっているようだよ」 「あ、ほんとだ」 ニュースの見出しは『椿事!「下半身の悪魔」に制裁下る!』。何股もかけて相手を手ひどく弄んだ男が被害者たちに拉致され全裸で晒し者になった(当然、映像上ではモザイクはかかっている)というニュースである。男の前には大きな看板があり、でかでかと顔写真が貼られ(これもモザイクがかかっている)「結婚しよう、って言われて1000万円貢いだのに…(24歳・女)」「学校帰りに車ではねられて町外れのポンプ小屋に連れて行かれて…これ以上は書きたくない!(13歳・女)」「同じ男だから安心してたのに…あんたのせいで俺の人生めちゃくちゃだよ(16歳・男)」などの告発文が書かれ、中央には激しい字体で「ヤることしか考えてない全人類の敵!半径3m以内には絶対に近寄らないで!」と書いてある。 要するに、宮子プロデュースによるあの男の末路だった。 「ふふふ…モザイクなんてかけても無駄よ。もうとっくの昔に無修正版を10ヶ国語に翻訳して世界中のニッチでエッジな掲示板にばら撒いてるもの。WWWがこの世にある限り未来永劫あんたの顔は烙印と一緒に地球全土で語り継がれるんだから」 そう言う宮子の顔は実に楽しそうだった。直としてはいくらなんでも…と思わないでもないものの、確かに効果は覿面だった。ルールが帰る直前独り言のように告げた言葉によると、男は『1ヶ月前』に既に外交官を解任された、ということで政治上の決着はついたらしい。顔バレした挙句スキャンダルまで背負ってしまった駒にはもう用はない、ということだろう。 「あんな自業自得野郎のことはどうでもいいから続き教えてよ、ねえ」 宮子が直の袖を引きながらせがむ。命のやり取りをしたのだ、命が残っているだけで彼は僥倖と言えるはずだろう、と直は思い直し話を続けることにした。 「ナオ、会長ってどんな人だった?」 話が全て終わった頃、太陽はベッドからでも見えるほどその高度を落としていた。直はそうだね、と少し考え込み、 「いきなり高級料理店に連れて行くことで場の主導権を握り、『お前だけだ』とこっちの自尊心もくすぐってきて…なかなかどうして意外とずるい人だよ」 「へぇ、珍しく辛口」 宮子は口を丸くして言った。 「まさか、褒めているんだよ」 直は肩をすくめる。 「私たちの頭だ。多少はずるいくらいの方がよほど信頼できるよ」 「まあ、確かに」 宮子は頷き、 「珍しいといえば猫にほだされて仕事請けるってのもナオにしちゃ珍しいよね。ま、白虎ちゃんの魅力を考えると仕方ないか」 「いや、それもちょっと違うよ」 直は首を振り、続けた。 「息を吸うように人殺しやその他の悪事を楽しんでいたシチリアのマフィアたちも唯一幼い愛娘の前でだけは一切そんな話をしなかった、そんな話を聞いたことはない?」 「ううん?でもそれが何の関係があるの?」 首をひねる宮子。 「人は誰しも大事なものがある。そして人はそれを綺麗な場所に置いて汚い部分と分けておきたいものなんだ。だけどね、あの子は大事なもの、あの猫を綺麗な場所から泥をかぶるかもしれない所まで連れて来てまで誓いを立ててくれた。だったら私も全力でそれに応えなければいけない…ただ、それだけのことだよ」 (…ん?) 返答が無いことに気づいた直が宮子を見やると、宮子は頬を赤らめてそっぽを向いていた。 (大事なものを綺麗な場所から出したくないって…) 宮子はさっきまで聞いていた昨日のやり取りを思い出す。 (私への言い訳…いやそんなまどろっこしいことする性格じゃないし。ほんとなんでナオは素でこんなこと言えるかなあ) 「…ミヤ?」 直が怪訝な顔でベッドからこちらの顔を覗き込んでいる。 「……ううん、ナオが男じゃなくて良かったって思ってただけ」 そして宮子はますますわけが分からないといった表情の直を横目に大きなため息をつくのだった。 次回予告 「あンた、背中が煤けてるぜ」 「それでね、今動物が…」 「万死に値する!」 「そう、願えばきっと夢はかなう…!」 「1.7cmかあ…」 Next Mission Worst Day Mission-03 Mission-01 Mission XXXシリーズページに戻る トップに戻る 作品保管庫に戻る