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今をときめくアイドルグループ「Peach」「CBS」「ASK」、その総合プロデューサーである東ゆりあと、彗星の如く現れた声優・そして歌手としてグループを支えるアイドル逢沢さなのスペシャル対談が行われた。 ――今回は夢の対談ということで、よろしくお願いします。 東ゆりあ(以下ゆ):よろしくお願いします。 逢沢さな(以下さ):よろしくお願い致します。 ――まず、一見全く共通点が無いと思われるお二人なのですが、いつごろ知り合われて、このような関係となったのでしょうか? (このような関係=逢沢がASKに楽曲提供を行うなど) さ:いきなり来ますね(笑)。これに関してはゆりあさんから聞きたいなー。 ゆ:ええとですね、まず、逢沢との出会いなんですが2006年の秋から2007年にかけて行われたPeach第3期オーディションなんですよね。本当にこれは偶然なんですけど、逢沢が第3期オーディションに応募した111人の中の一人でして。そこの書類審査で逢沢のことを知りました。で、二次審査で直接会って面接とかをするんですけど、どの応募者よりも輝いて居て「 あーこいつが桃組を引っ張っていくべきだ 」と思いましたね。この期では1期生の(茅原)ゆずきの妹・(千原)静希(=現CBS)が最終的には加入するんですけど、静希は入って伸びたって感じがあるんですよ。正直オーディションの時は逢沢の方が上だったと思う。まぁ今比較しろと言われても逢沢と静希じゃ芸能活動をやってきた年月がまた違いますし、やってきたことも全く違うので一概には言えませんけどね。今はお互いの色を出せているとは思います。まぁ、話を戻しますけど二次審査は勿論合格でした、三次審査(最終審査でこの回ではダンス・歌などを審査した)でも文句なしの合格を出したんですけど、加入前に辞退の報告を受けて……それはそれはショックでした。 さ:正直桃組に受かったって聞いたときは凄く嬉しかったんですよ。でも、流石に10歳で一人東京に出て行くわけにも行かないし、だからって親と一緒に行くことも出来るはずもなく……結局断るしかなかったんですよ。 ゆ:桃組ハウスが出来るのがもっと早ければねー。無理やりにでも逢沢を入居させたんだけど…さすがにあの時はまだメンバーが少なかったからね。 さ:そうなんですよ。7期ぐらいでもう一回受けてみればよかったかなとか思ったりもしました。 ゆ:じゃあ次受ける?(笑) さ:えっ(笑)でも今は私個人としてのお仕事もありますし……今は今でASKの楽曲を提供させていただけたりしてるので幸せですし…まぁまたオーディション受けるかはその時次第ってことで。 ――ちなみに、もし逢沢さんがグループに加入していたとしたらどのようなポジションになってそうですか? さ:公演皆勤賞じゃないですかね。影で支えてるよ、みたいな感じで(笑) ゆ:いやいやいや。逢沢が加入してたら今はセンターやってると思うよ。 さ:えっ。さすがにそこまではないでしょ。 ゆ:いやあるよ。正直今も一番欲しい人材だと思ってる。Peachは1期・2期・3期生と逢沢に出会うために作ったものだと言っても過言じゃないくらい。逢沢ならいつでも加入していいよ。っていうかしてほしい。 さ:考えておきますね。 ゆ:ちなみに、加入するとしたらどこがいいの? さ:こうしてグループに関わらせていただくまではやっぱりPeachに入りたいってずっと思ってたんですけど、やっぱり楽曲提供とかさせてもらってる点もあって今はASKですかね。CBSは豊平・松本・(山口)香奈が同じSⅠって言うこともあって、メンバーとは関わりあるんですけど、「CBS」というグループとしてはあまり関わったことがないのでなんとも言えないですね。中々勢いに乗れてないCBSですけど、有望な方ばかりだと思います。 ――今後お二人が目指すもの、というのはありますか? さ:私がサポートさせていただいているのはASKなので、もちろんPeachやCBSのメンバーもそうなんですけど、ひとりひとりが輝けるような、誰か一人じゃなくて全員が輝けるような、そんなグループになってほしいと思ってます。私も出来る限り協力させていただこうと思ってます。あと、目標とはちょっと違うのですが、都内で一人暮らしをするための家をいつか買いたいなと思ってます(笑) ゆ:逢沢はもう一軒家買えるでしょ。私の方はそうですね……逢沢も似たようなこと言ってたんですけど、グループをひとりひとりの輝ける場所であり、夢の通過点・夢が叶う場所にしていきたいと思います。 ――今後の願いなどはありますか? ゆ:いつまでもPeach、CBS、ASKという存在が、あなたの心の中にありますように さ:ゆりあさんめっちゃいいこと言いますね。私この後に言うのは…。 ゆ:まぁまぁそう言わずに さ:えっと……このままこうしてグループに関わっていたいです ゆ:逢沢みたいな逸材捨てるわけないでしょ(笑)逢沢がやってくれるならいつまでも関わっていてください。 ――最後に読者へのメッセージをお願いします。 ゆ:今後もグループをよろしくお願いします。 さ:人生は『奇跡』の連続です。その『奇跡』のお陰で今こうしてPeachグループと関わらせて頂いています。友人一人一人と出逢えたことだって、みな『奇跡』。みなさんも身近な『奇跡』、感じてみてください。そして、ありきたりかもしれないけど、すべての『幸せ』に感謝を。 2012.12.01
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http //sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080328/trl0803281344020-n1.htm 【沖縄集団自決訴訟・原告側会見詳報】(1)「ただちに控訴する」 2008.3.28 13 44 沖縄戦の集団自決訴訟で原告側は28日午前11時前から大阪弁護士会館で記者会見。原告の2人は出席せず、代理人の弁護士2人が報道陣の質問に答えた。 --今日の判決について 弁護団「これは不当な判決だ。判決は原告側の元隊長、梅沢さんあるいは赤松さんから住民へ、直接自決命令を出したかどうかについて、これを認定できないとしている。だが、集団自決に対する軍関与を認定し、隊長命令があったという記載についても相当性があると判断をし、大江さんを含む被告側の名誉棄損表現を免責した判決だ。 名誉棄損表現は、梅沢さん、赤松さんが直接集団自決命令を出したかということにかかわっているが、その点については認定できないとしているのに、それとは全く別の事実である軍の関与をもって隊長命令があったという内容の表現を相当だとしたことには論理の飛躍がある。 軍が集団自決に関与したという事実と無慈悲な部隊が生き残るために、潔く住民は自決せよということで手榴(しゆりゆう)弾などを渡したという命令とはまったく別個の事実だ。別個の事実で隊長の自決命令という人格攻撃や非難を正当化するというのは、論理の飛躍であって到底容認できない。 また、判決のなかで、時間の経過に伴う証拠評価上の問題点があるということについて触れている。この点について事実認定が困難になっているのは、梅沢さん、赤松さんの提訴が遅れたからだとして、事実認定の困難さの不利益を原告の責任にしている部分がある。これもまた、原告らが置かれてきた状況から考えて、不当。ただちに控訴することに決めた」 --原告2人はなぜ会見に出席しなかったのか 弁護団「2人と弁護団と話して、ここにくる必要はないだろうということになった。『大変残念な判決だ』と2人ともおっしゃっていた。『控訴審で闘おうということを報道陣に伝えてほしい』と話していた」
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ヤサコ「コイルスの資料によると、ヌルキャリアははじめ、心のかけらを集める探査装置だったそうです」 女子生徒「あの子、ミチコさん呼び出そうとしたんだってー。本当なの?ヤサコ」 ヤサコ「う、うん。よく知らない。」 ヤサコ「前、マユミが言ってたはざま交差点。教えて欲しいの。どうやって行ったの?」 マユミ「今さら」 ヤサコ「どうしても、必要なの。友達の、命がかかってるの」 マユミ「それって、本当に友達?」 ヤサコ「えっ?」 マユミ「私の時と同じで、あなたが友達のフリしてるだけなんじゃないの」 ヤサコ「マユミ」 マユミ「あの時は、聞きたくないって言ったくせに。 みんなと一緒に私のこと無視したくせに。ミチコさんに呪われるとか言ってさ」 ヤサコ「怖かったの。だから」 マユミ「あなたは、いつだってそう!表向きはいい顔して、裏では友達を呼び捨てしたりしてる。ちゃんと知ってるんだから。ずっと、ずっとあなたのそういうところが嫌いだった。優しいフリして、でも困った時には助けてくれなかった。だから私は、自分でなんとかしたわ。あなたもそうして」 ハラケン「おばちゃん怒ってるだろうな。……あった!ヤサコの通った道筋だ。にしても、おばちゃんのメガネ、くせが強いなー」 おばちゃん「くせの強い女で悪かったわね。私をなめるんじゃないわよ。自分のハードの位置くらい3分で分かるわ」 ハラケン「ヤサコはあのマンホールの場所に行くつもりなんだ。止めないと」 おばちゃん「あの時の、ケンちゃんみたいに?」 ハラケン」「ハッ」 おばちゃん「はー。この中継モードをあげれば、もっと精度が上がるわ」 ハラケン「あ。おばちゃん?」 おばちゃん「ヤサコは何か自分で手がかりを見つけたのよ。彼女にかけるしかないわ」 ヤサコ「聞こえない……もう道が分からない」 マユミ「だから私は自分でなんとかしたわ。あなたもそうして」 ヤサコ「マユミの言う通りだ。……痛い。この痛みの先に答えがある。 あ。霧だ……。えっ……」 猫目「金沢にもコイルシステムがあったのか。今もし小此木が天沢を連れ帰ったら空間を維持できなくなる。早く始末をしなくては」 タケル「兄ちゃん、あの子は何も悪くないんだ。ひどいことをしないで」 猫目「ああ、分かってるさ」 ヤサコ「通路だわ。マユミが見たのはこれだったんだわ。……あ!」 カタカタ ヌル「デバイスID、確認されました。小此木先生、試験領域にアクセスしますか?」 ヤサコ「小此木先生?」 おばちゃん「意識を失ったイサコの主治医は小此木医師だ。彼は、コイルスの電脳技術を引き継ぎ、解明しようとしていた。まさかここまでとは思っていなかったけど。おそらくヌルの正体は、コイルスの作ったヌルキャリアという乗り物だ」 ハラケン「ヌルキャリア?」 おばちゃん「本来は、あっちから情報を引き上げる探査隊だったらしい。でも、改造を加えるうちに、電脳コイル現象を利用して、あっちへと意識を送り込み、電脳の乗り物として、使われるようになったのよ。今までの事故は、放棄したヌルと通路との結果なのよ。でも、本来の機能通りに使えばおそらく。あの野生化したヌルと同じく、通路に入れるはずよ」 ハラケン「じゃあ、ヤサコはそれを」 おばちゃん「コイルスは私有地に試験用の交差点を設置していた。古い地名から名前をつけてね。それがはざま交差点。コイルスの金沢支社のあった場所に、今もあるはずよ。そして、おそらく通路も」 ハラケン「もうすぐだ! !ヤサコ!」 おばちゃん「遅かった……あ!」 ハラケン「ヌル!?」 おばちゃん「大丈夫。正常なヌルよ。先にこの子が入ったわね」 カチカチカチカチ ヌル「小此木先生が、試験領域に、ログインしています」 おばちゃん「やはり」 ハラケン「ぼくが行く!ヌル、ぼくを触ってくれ!」 ヌル「デバイスIDが一致しません」 おばちゃん「コイルスのメガネでないと入れないんだわ」 ヒョーーーーン おばちゃん「あ!2.0!」 猫目「内部からも破壊する気か!くそっ、こうなったら。足跡は残るが、強硬手段で行くしかない!」 ハラケン「どういうこと?」 おばちゃん「本社が動き始めたんだわ。こうなったら」 ペシッ おばちゃん「タマ、ヤサコを追うのよ!」 カタカタ、カタカタ サッチー「ぼく、サッチー」 おばちゃん「本社が、イマーゴと電脳コイルの問題が世間に知られるのを恐れている」 ハラケン「じゃあ!」 おばちゃん「あっちの中心よ。ヤサコごと消す気だわ」 ハラケン「そんな?」 ピュイーーーーーンカッビシシシシシシシ! ハラケン「ああ!」 ピュイーン 猫目「くそ、遅かった」 ピュイーン……カタカタカタカタカタ、カタカタ。ピューン 猫目「コントロールは奪った。もみ消し、頼みます」 ピ 猫目「次は内部の2機だな。あとは、あの子供さえなんとかすれば!」 タケル「お兄ちゃん」 ハラケン「おばちゃん、ヤサコが中に!」 おばちゃん「落ち着いて。タマのパネルを繋いでみるわ」 ヤサコ「あ……あ」 ヒュオーン ヤサコ「あ!」 ヒューーーーー ヤサコ「あ!」 カタカタカタカタ 猫目「よーし、こちらもなんとか間に合った。さあ、あの子はどこだ。チッセンサーがうまく働かん」 タケル「に、兄ちゃん。やめようよ。あの子は」 猫目「だまれ!いい加減にしないとその口をふさぐぞ!」 ヤサコ「ハアハアハアハア、あ!あ…… あ。うっ。痛いわ」 ヒュイーン 猫目「見つけたぞ!」 ヒューンビジジジ!バアアア! ヤサコ「ああ! っ!」 ビジッ 猫目「くそお、こしゃくな。タケル、手動で修復だ!」 タケル「わ、わかったよお兄ちゃん」 カタカタカタカタ ヒューンヒュイーン ババババ ヤサコ「サッチー!?」 サッチー「ぼくだ、ハラケンだ!」 ヤサコ「ええ!?」 ビジジジ!バウン! ビョビョビョビョ ヤサコ「ええ!?うへっ」 コポッ ヤサコ「あっ」 ウィイーン ヤサコ「うわあ!」 おばちゃん「ヤサコ聞こえる?」 ヤサコ「あ、おばちゃん!」 おばちゃん「ふ。うまく行ったわ」 ヤサコ「どうしてタマが?」 おばちゃん「私のアカウントは消去されたけど、ケンちゃんの裏口が気づかれずに残ってたの」 ハラケン「ヤサコ、ぼくだ!」 ヤサコ「ハラケン。よかった、目が覚めたのね」 ハラケン「うん。ぼくのことは、もう心配ないよ」 ヤサコ「飛んでる」 おばちゃん「持ち出す時、いろいろ手を加えたのよ。大人としては、後が大変だけどね」 ハラケン「でも、どっちに迎えば」 イサコ「ここは……お兄ちゃん。そうだ、この階段の上、そこにいるのね、お兄ちゃん!」 イサコ兄「ユウコ、ユウコ」 イサコ「見て、お母さんが作ってくれたの。このお人形は、お兄ちゃんと私。だから、私のこと、忘れないでね」 イサコ兄「忘れないさ。勇子こそ、ぼくのこと忘れるなよ」 イサコ「お母さん、時々怖いの。私のこと、ぶつの」 イサコ兄「泣いちゃだめだ、イサコ」 イサコ「イサコ?」 イサコ兄「ああ。秘密の暗号名だ。勇子の勇は勇ましいの勇。だからイサコ」 イサコ「うん!」 イサコ兄「ぼくだけがそう呼ぶ秘密の暗号だよ」 イサコ「じゃあお兄ちゃんの秘密の名前は?」 イサコ兄「そうだな。ぼくは4423。」 イサコ「44、23」 イサコ兄「さあ、もうすぐお別れの時間だ。上で遊ぼう、イサコ」 イサコ「うん!」 イサコ「はあはあ……お兄ちゃん」 ハラケン「ヤサコ、どうしたの?」 ヤサコ「胸が、心が痛い 天沢さん。天沢さんなの?」 ミチコ「迷ってはだめ。そのまま進むのよ、勇子」 イサコ兄「お帰り、勇子」 イサコ「お兄ちゃん」 ヤサコ「この方向。タマ、この方向に進んで?」 ハラケン「ヤサコ、何かわかったの?」 ヤサコ「きっと、きっとこの先に天沢さんがいる。胸が痛みを感じる方向に」 ハラケン「痛みを感じる方向?」 ヤサコ「なぜだか分からないけど、天沢さんにもらったキラバグが胸側の私にそう教えるの どうなるか分からない。でも、私しかもう天沢さんを助けられない」 ハラケン「ヤサコ」 ヤサコ「私が、天沢さんがまだ生きていることを信じられなくなったら、天沢さんは本当に戻れなくなる。私だけが」 ハラケン「わかったよ、ヤサコ」 ヤサコ「ハラケン」 ハラケン「でも約束して。必ず戻るって。イサコも連れて、絶対戻って来るって」 ヤサコ「うん、約束する。急いで、タマ!」 うにゅーん、ゴー! おばちゃん「全く、あんたたちの保護者やるのも大変だわ」 ハラケン「でも、出口はあるのかな」 ゴーー ヤサコ「この感じ。これは天沢さんの気持ちなの?こう、悲しくて切ないような」 ハラケン「ヤサコ、反応が出た!下だ!」 ヤサコ「あ。あっちだわ。 ここも無人の街だわ ここ、大黒市?」 ハラケン「逃げろ、ヤサコ!」 ひゅーん、ドーーーーーン!!! ヤサコ「うわわ!」 ヒュオオ、ズババ ドドドドドドオン!!! 猫目「やってくれるな珠子。すぐに手を回して逮捕してやる。だが、そのくたびれたポンコツに、性能の差を思い知らせてやる!」 アイキャッチ ヒューンドドドドドドドドオン!!! ヤサコ「きゃああ!」 ハラケン「ヤサコ!」 猫目「この旧式が!」 ヒューーーーン ドオーーーン!!! ズオオオオ ヤサコ「あ、タマ? タマー!」 猫目「ちっ、こうなったら限定フォーマットで。ああ!? く、くそお!」 ドゴーーーーン 猫目「取り逃がしたか」 ジジジッ 猫目「タケル、お前何かしたのか?」 タケル「ヤサコ、殺す気だったんだね」 猫目「父さんと母さんのためだ。父さんは、イマーゴを開発して、世界で初めて人間の集合無意識を電脳空間化したんだ。それなのに、メガマスはその発明を奪って、ゴミのように捨てた。ぼくら家族全員を! それに、病気の母さんを救うには、父さんの名誉を取り戻すしかないんだ。お前だって分かってるだろう!」 ミチコ「この世界は、もうすぐ滅ぶはずだったの。あちこちが壊れ始めて、私も兄弟たちもみんな死んでいく運命だった。でも、あの人は助けてくれた。」 イサコ「あの人?」 ミチコ「宗助よ。この世界を守るために、何が必要かを教えてくれた」 猫目「復讐してやる。メガマスをズタズタにしてやる!そのために、ミチコが必要なんだ」 タケル「何を、するつもりなの?」 猫目「あのアバズレを利用して、世界中のイマーゴのガキどもを、意識不明にしてやるんだ」 タケル「そんなこと!」 猫目「あの空間を維持しなければならない。そのために、勇子をミチコにくれてやったんだ。 全部、メガマスのせいにしてやる!これでやつらも終わりだ!」 タケル「兄ちゃん。ぼくは、もう手伝えない!」 猫目「待て、タケル!馬鹿め、父さんの仇を討ちたくないのか!」 メガばあ「ううん、それにしても、この空間は一体……」 イサコおじ「そのことで、お話しがあります」 メガばあ「あっ」 イサコおじ「先生の奥様ですね。ご葬儀の時、一度」 ミチコ「でもあなたは何も気にしなくていいのよ。 この空間が、一体何のためにあるのか、何故できたのか、私にも分からない。でもあなたはここでお兄さんと一緒に幸せに暮らすことで、この世界は守られる。永遠に」 ヤサコ「ここだわ」 タッタッタッタッタ ヤサコ「鳥居の、階段だわ!」 イサコ「お兄ちゃん、ずっと一緒だよね」 イサコ兄「ああ。ずっと一緒だ」 イサコ「あ」 イサコ兄「どうしたの?」 イサコ「わかんない」 ヤサコ「天沢さん!」 イサコ「はっ!」 ミチコ「ダメよ勇子」 イサコ「誰かが、呼んでるの」 ミチコ「それは空耳よ」 イサコ「違うわ」 ミチコ「耳を傾けてはだめ勇子。あれはあなたたちの幸せを壊す声」 ヤサコ「はあはあはあはあ。いる、そこにいるのね。天沢さん、答えて!」 イサコ「誰?誰なの?」 ミチコ「勇子、勇子」 ズゴゴゴゴゴ ミチコ「どこに行くの?この空間が壊れたら、あなたのお兄さんも死んでしまうわ。勇子、あなたはこの世界を守らなくてはいけない。あの女は、お兄さんと幸せに暮らせるこの世界を壊そうとしているのよ」 イサコ「そ、そんなこと」 ミチコ「御覧なさい、勇子。何故あなたがあの子を嫌いなのか。何故あの子を拒絶しなくてはならないのか。名前をもらったのは、あなただけじゃなかった。あなたにイサコと名付けたように、あの子をヤサコと名付けた」 イサコ「やめて!」 ミチコ「それだけじゃない。あなたの大事なお兄ちゃんを、あの子は奪ったのよ。あなたがお兄ちゃんを取られたくないという気持ち。あなたがあの子を憎む気持ち。その気持ちから私は生まれたの」 イサコ「思い出した」 ミチコ「この世界だけが、あなたを優しく包んでくれる。あの子はそれを壊そうとしているの」 イサコ「そんなこと、させない」 ヤサコ「誰?」 イサコ「来ないで!」 ヤサコ「天沢さん! 天沢さん帰りましょう!?今なら間に合う!」 イサコ「帰って!私の居場所はもう、ここしかないの! 戻っても、私はお兄ちゃんを死なせた馬鹿な妹になるだけ!」 ヤサコ「天沢さん!」 イサコ「いや!ここでお兄ちゃんと暮らすの、ずっと。 もう来ないで!大っ嫌い!」 ミチコ「それでいいのよ。あの子を憎むのよ」 ヤサコ「あ、誰?あなたは誰なの?天沢さん、その子の言うことを聞いちゃだめ!」 イサコ「帰って!」 おばちゃん「コイルドメインが、崩壊する!」 ハラケン「ヤサコ!」 ヤサコ「はあはあはあはあ。ああ!」 ドオン!バキバキバキ! ヤサコ「あ……あ。ああ!」 リーン ヤサコ「あ」 リーン ヤサコ「あ」 リーン ヤサコ「えいっ」 バキバキバキ イサコ「ううっ、うっ、ううっ」 ミチコ「これでよかったのよ。これはあなたが、勇子が望んだことなのよ。ここで一緒に暮らしましょう。3人で永遠に」 イサコ「違う。何かが、違うわ」 おばちゃん「リンクが途切れた」 ハラケン「そんな!空間は!」 おばちゃん「分からない。でも今は、完全にリンクが切れている」 ハラケン「じゃあ、ヤサコはどうなるの?」 おばちゃん「ヤサコとのリンクも、切れたわ」 ハラケン「ヤサコ。ヤサコ!目を覚まして!」 ヤサコ「ハアハアハアハアハア」 リーン リーン ヤサコ「あ!」 ヤサコ母「おじいちゃんのプレゼントよ?」 ヤサコ「うわあ!」 おばあちゃん「かわいそうにねえ、やっと孫が来たのに」 クゥン ヤサコ「あー、可愛い!」 ハッ、アウーン!アウー、アウーン ヤサコ「大好き!」 ヘッヘッヘッヘ ヤサコ「うんちー」 ヤサコ「はあはあはあはあ」 ヤサコ「デンスケ」 アウーン ヤサコ「どうしよう、迷っちゃった。ここ、さっきも通ったわ」 ヤサコ「これは、私の記憶だわ。記憶を見てるんだ。あっ」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ヤサコ「あの時の。これってl、ヌルキャリア?」 イサコ「思い出した。あの時、私はお兄ちゃんと」 ミチコ「勇子」 イサコ「消えそうになってた。そうだわ。全てはあのまま、消えるはずだった」 ミチコ「思い出してはだめ」 イサコ「お兄ちゃん」 イサコ兄「もうじきぼくは、君のお兄ちゃんではいられなくなる。これからは、ぼくなしで生きていかなくてはならないんだ。」 イサコ「お兄ちゃん、別れたくない!」 イサコ「思い出した。私はお兄ちゃんと、さよならするはずだった。それなのに」 ヤサコ「この背の高さ、もしかして」 ヤサコ「あなたは何を探してるの?」 ヌル「4423」 ヤサコ「えっ」 ヌル「4423」 ヤサコ「兄さん?」 ヌル「私は、4423を探している」 ヤサコ「あっ……」 ヌル「そうだ、私はコイルスの医療器で4423を」 おばちゃん「相変わらずリンクが戻らない。このままじゃ メガばあ、何か手はないの?」 メガばあ「うん、今イサコの病室じゃ」 おばちゃん「なんですって?」 メガばあ「イサコのおじに呼ばれてな? 今全ての資料に目を通しておるわい。ん?信彦は4422?どういうことじゃ? それも死亡時期は交通事故の直後! これを見い」 シャ おばちゃん「これは、4423のカルテ。イサコの兄、天沢信彦のものね」 メガばあ「いいや違う。」 おばちゃん「えっ」 メガばあ「わしも見落としておった。患者の名前を見てみい」 おばちゃん「名前?」 ヤサコ「4423って、あのお兄ちゃん?」 ヌル「違う。私は4423を」 ヤサコ「えっ」 ヌル「天沢勇子を探している」 ヤサコ「ええっ」 おばちゃん「天沢、勇子?」 メガばあ「ああ、4423とは、イサコ自身だったのじゃ!」 ヤサコ「次回、電脳コイル、最終回 ヤサコとイサコ お楽しみに」
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「力の限りゴーゴゴー!!」 其ノ参(2000年5月10日放送) 今回は「悩んでいる人の為にはどんな歌を作ればいいのか?」という議題で、ゆず&呼人さん&ネプチューンで緊急作曲会議をします。 それではレポいってみよ~う!! (今回はコーナーの時間が5分弱しかなかったので、短めのレポになっています) 「センチメンタル」「友達の唄」「心のままに」プロモでゆずの紹介&前回のおさらい。 レコーディングスタジオにて ホワイトボードを前に6人で会議をしています。 堀健 「やっぱり若者はね、勇気付けられるっていうそういうのを 根本に置いた方がいいような…」 北川 「あ~」 堀健 「『勇気・元気・献血!!』(胸のトコでチョキをやるギャグ)じゃないけれど… そういうような感じ!?」 ゆず&呼人さん苦笑い。 堀健 「勇気とあと…元気がいいと思う…だから何ていうの… 『元気・未来・平和』」 名倉 「ギャグはええから(笑)」 今度はゆず爆笑(笑) このままでは埒があかないという事で、歌詞のイメージを膨らませるためにそれぞれの悩みを告白する事に… 岩沢 「僕はやっぱ高校生の時とかにやっぱ悩んだのは…自分の進路。 これは悩みましたね~」 名倉 「厚治はええ事言う」 堀健 「すごい、厚治…」 …そこまで褒められる事でしょうか?(笑) 北川 「僕は中学生の時に、あの~太ってたんですよ」 名倉 「あ~そう?」 北川 「そういう容姿に対するコンプレックス…あるじゃないですか?」 名倉 「誰でもあるもんな~」 北川 「ありますよね」 名倉 「なるほどね。ふんどし先生は何か…?」 泰造 「ちょっとホントに言えない悩みだから…」 北川 「あはははは」 名倉 「急にリアルになるな~」 歌詞のイメージが膨らんできた所で、ふんどし先生がギターを弾きながら自分でイメージして作った曲を披露します(笑) 泰造 「タイトル「嵐」… ♪昨日の~ことだったぁ~ 外は~嵐~…だったぁ~ …みたいな」 堀健 「さっきからふんどし先生の歌とか聞いてるとさぁ、 なんかジトーッっとした感じだから 明るい感じがいいよ~ポップな感じ…パアップ!!な感じ」 北川 「ポップ!!な感じ…」 今度はホリケンがギターを弾きながら歌いだします。といっても、ギターは弾くマネだけです(笑) 堀健 「♪日本人は~胃腸が弱い~ 日本人は~胃腸が弱い~」 苦笑いのゆず(笑) 堀健 「♪だから~だから~君と踊りに行きたい 日本人は胃腸が弱い~」 呼人 「カップリングにいいよ」 北川 「カップリング(笑)」 岩沢 「カップリングにね」 岩沢さんは真面目な顔でホリケンを見ています。(ミュージシャンとして堀健の歌を真剣に聴いている感じ(笑)) 堀健 「♪楽しい回転寿司占いっ」 呼人 「いいよねぇ」 名倉 「ポップな感じは非常にええけど、「日本人は胃腸が弱い」て」 北川 「あはははは(笑)」 名倉 「こういうポップな感じはどう?」 北川さんがコードを拾ってギターを弾き始めようとすると、呼人さん、岩沢さんもそれに乗っかり3人でギターを弾きます。 北川 「♪日本人は~胃腸が弱い~」 ゆず 「♪日本人は~胃腸が弱い~(岩沢さんのハモ付き)」 名倉 「あっ、もうハモってる!!」 北川 「(ホリケンに向かって)はいっ」 堀健 「♪日本人は~胃腸が弱い~」 北川 「(キーを上げて)♪日本人は~胃腸が弱い~ はいっ!」 全員 「♪日本人は~胃腸が弱い~」 と、ノリノリに(笑)。セッションが終わった所で… 泰造 「こちらから、ホントに頼みます!! 頼みますけど、これだけは心に刻みこんでください…」 ゆず 「はい」 泰造 「中途半端な気持ちで作んじゃねぇぞ!!」 いきなり怒鳴る泰造を制止するホリケン(笑) 北川さん、またまた苦笑い(笑)岩沢さんは唖然としてます(笑) 名倉 「言い方は悪いですけど、ほんとそういう気持ちで…」 岩沢 「今ちょっと気が締まったな」 北川 「気が締まった!! 」 最後に「♪日本人は胃腸が弱い」を全員総立ちで熱唱して終了(笑)
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▼お犯し屋さん 相手を確実に【ピー】させるプロ集団。それが--- 「お犯し屋さん」--- お犯し屋さんとは、嘘が設立した変態チーム。 どんなチームかは「無法地帯」に入ってすぐにその身を以って知る事になると思います。
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「本日は、公私ともお忙しい中、父の為にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。 父もさだめし、皆様方のご厚情に感謝している事と存じます。 残りました私たち家族、まだまだ未熟者ではありますが、家業を盛り立てていく所存です。 父亡き後も、皆様方のご指導ご鞭撻の程を心からお願い申し上げ、甚だ簡単ではございますが遺族を代表し御礼のご挨拶とさせていただきます。 本日は誠にありがとうございました」 挨拶をする30代半ばらしき男とその脇に遺影を持ちうつむき気味の初老の女性。 遺影に写るのは同じく初老の男性……挨拶をした男には遺影の面影が確かにあった。 弔問席には遺影の男と同じ年代のまた別の女。 彼女は霊柩車を見送った後、1人で式場を後にし 1人、失望する。 こうして、世界は終わった。 柔らかな日差しが頬を照らし、小鳥のさえずりが聞こえてくる。 こんな日は僕を縛り付ける『お布団』という名前の悪魔からもすんなり解放してくれるのだ。 全く、最高の朝だなぁ…… こいつさえいなければ。 「……優衣。なんでお前は毎朝僕の部屋にいるんだ?」 「なんで? ん~~……窓が開いてたから?」 「いや、そういう問題じゃなくて……」 言いながらも僕は知っていた。 この女には何を言っても無駄だって。 この女『天羽 優衣』は 僕『内田 徹』の所謂『幼なじみ』ってやつだ。 幼稚園の頃から家は隣同士、さらに二階の自分の部屋まで隣同士という……どこかで聞いたことのあるような環境。 更に……この優衣がなかなかの美人である事を付け加えると、大抵の男は涙目で『ギギギ……』と、虫の鳴くような音を立てて表情を歪ませる。 とは言え、僕は別に優衣と付き合っている訳ではない 本当に、ただの幼馴染みなのである。 「徹ーッ!いつまで寝てるの!?さっさと朝ご……あら、優衣ちゃん来てたの?ご飯食べてく?」 「大丈夫です~、ありがとうございます」 ……ノックもせず、無遠慮に部屋に上がり込む母と 窓から不法侵入してくる幼馴染み。 部屋の主である僕の尊厳は一体どこにあるのだろう? 「はぁ……優衣、着替えるからシャツ取ってよ」 「取ってって……自分で取りなさいよ」 「男にはそういう訳にはいかない理由があるんだよ」 「……あー、ハイハイ。 勃起してんのね、可哀想に『彼女』とはご無沙汰かぁ~」 「それはいけないわ、セックスレスは離婚の理由として正式に認められてる程の問題よ!」 「……違うって、ただの朝勃ちだよ」 「何て事!やりまくりだって自白したわッ!」 「徹……ちゃんと避妊はしなきゃ駄目よ?」 「……もういいから出てってくれよ」 ――ガチャッ 「いってきまーす」 「ごちそうさまでした~!」 「……結局、朝飯食ってたじゃん」 「だって用意してくれてあったんだもん、食べないなんて失礼じゃない」 「まったく……」 「おはよう、徹くん」 不意に後ろから声をかけられ、振り向くとそこには学園のマドンナ『寺沢 葉子』の姿があった。 彼女の家は僕の家から学校へ向かっていく途中にある。 つまり、彼女はわざわざ一度反対方向にある僕の家へとやって来た訳だ。 その理由とは…… 言わずもがな、彼女が僕の『彼女』という事だ。 しかも、この前当たる事で有名に占い師に観てもらったら 彼女と僕は『ソウルメイト』だと言われた。 それはパズルのピースのように 刀と鞘のように 二人で一つ。 魂で深く繋がっているから、例え生まれ変わっても必ず巡り会い、結ばれると。 こんな話を信じるなんて馬鹿げてると思われるだろうけど、男ってのはロマンチストだからね。 因みに、ソウルメイトでない普通の男女は『元素』に例えられるらしい たとえば、水素と酸素は結びついて水になるけど 別に結びつけるのはそれだけじゃあない。 水素も酸素も別の元素と結びつく事が出来るからだって。 「あら、寺沢さん。わざわざ迎えに来なくても私がコイツをちゃんと学校に連れて行くわよ~」 「おはよう、天羽さん。 うん、でも学校だと徹くんと校舎が違うし……出来るだけ一緒にいたいから……ね?」 「そっか~、大変じゃない? まぁ寺沢さんが良いならいいけど…… じゃ、『三人』で学校に行きましょうか!」 「あ、そうだ。急がなきゃ遅刻しちゃうぜ(優衣……ッ!空気読めよ!)」 こうして僕らは三人で学校へ向かう…… 寺沢さんの貼りつけたような笑顔が逆に怖い。 僕と優衣が教室に着くと、朝っぱらから何やら重々しい雰囲気だった。 「おいっす、高橋。 なんかみんな暗いけど何かあったの?」 机に鞄を置きながら前の席の友人に声をかける。 「あぁ……朝、先生達が集まって緊急会議をしてたんだよ。 ほら、例の『通り魔』…… 殺されたのがうちのクラスの……」 そう言って高橋は顎で僕の隣の席を指す。 「………!そんな……北島……ッ!」 僕は力なく自分の席へ腰を落とす…… 北島……消しゴムを貸してくれた恩は卒業まで忘れないよ。 ――ガラガラガラッ! 教室の扉が乱暴に開け放たれるとクラスの担任が大きな足音を立てて教壇に上がる。 「おーーッすお前ら!おはよう! 今日はHRの前に重大発表がある! 昨日ついに通り魔の被害にうちの生徒があってしまった! 被害者『達』の中にはうちのクラスの北島も含まれる……まずは一分間の黙祷だ! ………黙ッ! ………祷ォォオ!!!」 …………………………… …………………………… ……………………… ………………… 「おーし!終わりだ! 次に対策を発表する! 戦闘タイプの生徒は学校が終わったら自警団を結成して街に出ろ! 教師が引率する! 非戦闘タイプの奴らは集団下校だ! 戦闘タイプの奴を何人か混ぜるッ! 通り魔と出くわして戦える奴がいなくちゃ話にならないからなッ!」 「先生!さっき被害者『達』と言われましたが、北島以外に誰がやられたんですか!?」 高橋が大きく手を挙げ質問する。 その事は、確かに僕も気になっていた。 「……聞きたいのか?ならば教えよう。 殺されたのは各部活の部長、並びに副部長……! そして目撃者の北島だ」 その瞬間、クラスの空気が凍り付いた。 各部活の部長と言えば、この学園の中でも最強と言われている人達であるからだ。 恐らくこのクラス全員でかかってもまず勝てない人達だ。 「これは我らが学園に対する挑戦である! 現在、職員、生徒会、各委員会が対策を練っている。 追って指示があるまでは先ほどの指示を守れ。 これは降星学園始まって以来の戦いになるだろう…… もし、敵と出会っても犬死にはするな! 最低でも手傷を負わせるか、能力を解き明かしてから死ね! 自分の死が敵を倒す道筋を作り出す事を誇りに思え!」 ……最悪だ、言ってる事が無茶苦茶だ、このハゲ。 僕らの通う降星学園は 太平洋のど真ん中に位置する孤島に建てられた巨大な学校で、学園自体が既に都市と化している。 ここに通える生徒は世界中でもごく僅かしかいない。 経済力でも学力でもなく、ただ一点のみで入学の合否が決まる……それは『スタンド』の才能があるかないかという事。 表向きには才能ある子供を集めて、世界に有益な人物を輩出させるのが目的とされているけれど、本当の目的は『スタンド能力の軍事利用』とも言われている。 僕と優衣、それに寺沢さんは親がこの島で働いているため実家から通っている。 僕ら以外に、もちらほらそういう生徒もいるが、寮で一人暮らしの生徒がほとんどだ。 僕の能力は戦闘向き……帰宅する側には回れないだろう。 でも、まだ帰宅する非戦闘タイプの生徒達の護衛の可能性も残されている、願わくば寺沢さんの護衛につきたいなぁ。 そんな事を思いつつ、ちらりと優衣の方を見ると 拳を作りシャドーボクシングの真似事なんかしていた。 「……あいつ、戦う気満々じゃん」 ――――そして、放課後。 僕は、寺沢さん達のグループの護衛につく事が出来た。 方面が一緒なのが幸いしたみたいだ。 ……ただ 「徹ッ!がんばろうね!二人で通り魔をやっつけよ!!」 「お……おぅ」 考えても見れば家が隣同士なんだから優衣も一緒になるのは当然の事だった。 「徹くん、よろしくね」 「任せてよ、寺沢さんは僕が無事に家まで送り届けるから」 邪魔者はいるが、寺沢さんと帰れる事に違いはない。 僕は気を取り直して家路につくことにした。 「あっついねー!みんな、アイス買って行こうよ!」 「……お前は。小学生じゃないんだからさぁ」 とは言え、一学期終盤の汗ばむ陽気では、アイスと言う誘惑に打ち勝つ事は難しい……と、言うか無理。 結局、コンビニでアイスを買い食べながら帰る事になってしまった……まぁ、でも天気も良いし、通り魔も白昼堂々と襲ってくる事なんかないか。 アイスをくわえ、だらだらとお喋りしながら僕らは歩いていた。 しばらく歩き、住宅街の入り口辺りで自警団の生徒と出会う。 「おぃすー、通り魔いた?」 「いや、いたら俺たちは今頃あの世にいるだろ」 「そりゃそうか。じゃ、僕らはこれで」 「おう、送りオオカミするなよ?」 「バカ、そんな事しないよ」 笑顔で彼らを見送り、さあ帰ろうと前へ振り向こうとした時…… 僕の後ろで、何か重たい物が落ちる音がした。 耳をつんざくような悲鳴に、思わず体が硬直する。 「………!」 恐る恐る……ゆっくりと振り返ると、そこにはたった今見送った自警団の生徒の姿がそこにあった。 どの生徒も胴体に大きな穴が開き、既に事切れている。 「馬鹿な……彼らはたった今、反対方向に向かって歩いていった筈ッ!」 「おい!ぼさっとするな!敵だッ!」 僕らの先頭に立つ上級生の声に目線を前に向ける。 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 『これが……世界を牛耳る……降星学園の実……力か?』 僕らの目の前、数メートルの場所には男が1人佇んでいた。 「こ……いつはッ!?」 何かとてつもなくヤバい雰囲気を感じる。 男がそこにいるだけで、夏だってのに鳥肌が治まらない……! 「徹ッ!きっとこいつが通り魔だよ!やっつけるわよ!」 「徹くん……!逃げましょう!」 僕の後ろには優衣と寺沢さんがいる……二人とも違う事を言っていたが、そのどちらも正解とは思えなかった。 戦って勝てるとも思えなかったし 逃げ延びる事も不可能に思えた。 ふと気が付けば、殺された生徒達の体がグズグズと腐敗し嫌な臭いを放っている…… 先頭にいた先輩は、いつの間にか顔面を縦に切り裂かれ、顔から何かをこぼしつつ痙攣していた。 さっきまで威勢の良かった優衣ですら、その顔面からは血の気が引き、小刻みに震えている。 「駄目だ……殺されるッ!」 『どうした…?かかってこない……のか?』 ――ズギュウン……ッ! 男がスタンドを発現させると、大気が震え空間がねじ曲がるかのような感覚が僕らを襲う。 違う。 これは人間じゃあない。 世界がこの男を拒絶している。 この男は存在すべきではないと叫んでいる。 だけどこの男はそれを力で抑えつけてる。 この男は……世界よりも『強い』 この男が人間だとしたら……僕らはピョンピョン飛んで血を吸う蚤だ。 蚤が人間に立ち向かう……? 違う、そんなのは勇気じゃあない。 「徹ッ!やるしかないよ!覚悟を決めて!」 「逃げるのよ!死んじゃうわ……!」 「くぅ……!!」 そんな僕らを、まるで面白い見せ物を見るかのように男は嫌な含み笑いをしている。 気が付けば、悲鳴すらあげず他の生徒達の骸が足下に転がっていた…… 『進むべきか……退くべきか…… 決めあぐねて……いるか。 ならば……決めやすくしてやろう。 いくぞ……【キングスタープラチナ・ザ・ワールドクイーン・イン・ヘブン】!!』 音も気配も無く、一瞬でそいつは僕の前に現れた。 まるで時を止められたかのように…… それはほんの一瞬であったが、僕が死を感じとるには充分な時間だった。 「オラオラオラオラオラオラアーッ!!」 男の背後から、優衣が飛びかかりスタンドでラッシュを繰り出す! 『ッ!?』 ――ドゴドグシャアーーッ!! 「ぐわあぁあーッ!?」 「……あれ!?徹ッ?」 気が付いた時には、優衣の拳を受け吹き飛ぶ僕…… だが、そのおかげで僕は男の攻撃を避ける事は出来た。 駆け寄ってきた寺沢さんに介抱されながら思考をフル回転させるが、敵の能力は全く分からない…… 駄目だ……無理だ。 倒すどころか突破口も思い浮かばない…… 「諦めちゃ駄目ッ! 私たち二人なら何とか出来る!信じるのよッ!! だから立っ……」 ――ボゴオォォオ! 言い掛けた優衣の土手っ腹に風穴が開く…… 「……ゴフッ!」 口から血を流し崩れ落ちる優衣。 何とか、息はあるようだが このままでは殺されてしまうだろう。 僕に出来る事は一つしかなかった。 ――ダッ!! 震える寺沢さんの手を掴み、男に背を向けて駆け出す。 『逃げるか……だが……みすます逃がすものか』 ――ボゴンッ! 痛みもなく、体に衝撃が走る。 息が出来なくなり、胸に手をやるとおびただしい出血があり、風穴が開いていた。 心臓と肺を一度に持って行かれたようだ。 隣を見ると、寺沢さんも同じ状態のようだった。 「ごめん……寺沢さん……」 それ以上は息が出来ず、 どんなに頑張ってもパクパクと、金魚のように口を動かすばかりで 1人、後悔を抱えて こうして、僕は死んだ。 『お前の連れ……は、死んだ どうせ、お前もすぐに……同じになる』 うつ伏せに倒れる優衣の側に男は佇む。 「ゴフッ……! あーあ……逃げられちゃったか…… そうだよね……寺沢さんの方が……大事だよね。 好きだったんだぁ……私。 ずっと、ずっと……… 徹の事が…… でも彼は……ずっと彼女が好きだった……」 『ふむ、あの……男、徹と……いうのか。 最後に徹の言葉を……伝えてやろう。お前は……唯一の戦士だった せめて安らかに……眠れ』 男は優衣の近くに屈み込み、耳元で何事か囁く…… しかし 優衣は既に視力も聴力も失ってしまっていた…… 男の言葉は彼女に届かなかった。 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 「だったら……こんな世界…… いらない」 『……ッ!?』 消えかけの彼女のスタンド。その両腕の地球儀が回転し、世界が光に包まれる。 柄の書かれていない真っ白なパズルのピースを、少女ははめ込んで行く。 やがてそれは組み上がり、最後に一つだけピースが余る…… 次のパズル、また次のパズルと組み上げていくが やはり一つだけ、ピースが余ってしまう。 そしてそれはどれも同じ形をしていた。 ぽたり 涙がパズルの上に落ちる。 彼女はどの世界に於いても、唯一無二であり続ける。 どこの世界にも居ると言うことは、どこの世界にもいないのと同じなのだ。 それでも、この無限に広がるパズルのどこかにこのピースがピッタリはまるパズルがあるはずだと 彼女は信じ、新しいパズルを組み始める。 ぽとり 合わなかったピースが、先ほど壊したばかりのパズルに落ちる。 彼女は気付かない 合わないと思って壊したパズルに、ピースが余ると思って壊してしまったパズルに ぴったりと合うピースが 確かに在ったのだ。 ――END 使用させていただいたスタンド No.1804 【スタンド名】 キングスタープラチナ・ザ・ワールドクイーン・イン・ヘブン 【本体】 通り魔 【能力】 時を止めて巻き戻して吹き飛ばして加速させることができる No.1001 【スタンド名】 ワールズ・エンド・ガールフレンド 【本体】 天羽 優衣 【能力】 「この世界」を消滅させ、「平行世界」に移動する 一覧へ戻る 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ ルールブック ] [ 削除ガイドライン ] [ よくある質問 ] [ 管理人へ連絡 ]
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2月14日 この日はすべての男にとって特別な日であろう 僕もそのうちの1人であるののは確かだ 僕は少なからず心に期待を寄せて登校した いつも遅刻するはずの僕はやけに早く目を覚まし ワカメよりも先に家をでるほどだった いつもの曲がり角を曲がろうとしたとき、聞きなれた声がした 「磯野君!」 その声の主はカオリちゃんだった カオリちゃんは、まるで僕を待ち伏せしてたかのようなタイミングで登場した カオリちゃん…、おはよう 「おはよう磯野君!あの………これ貰ってくれない?」 差し出されたのは可愛くラッピングされた小さな袋だった 僕がどんなに鈍くても、当然その中身がなんなのかは分かっていた これ、僕にくれるの? 分かっているくせに、とぼけてみせる 「もちろんよ!…………それでね、これ……義理じゃないのよ!?」 カオリちゃんは照れ隠しするように強くそう言った 義理じゃない…ってことは… 「私たち、付き合わない!?」 信じられなかった 義理チョコを貰う期待なんかはしていたが、まさかカオリちゃんに 告白されるなんて夢にも思っていなかった 僕はその告白を断るはずもなく、2人の交際はスタートした もしかしたら、もう未来はこのとき既に崩れていたのかもしれない 「磯野君、カオリちゃんと付き合ってるんですって?」 そう聞いてきたのは僕の隣の席のおてんば娘、花沢さん バレンタインデーの日から1週間が過ぎた頃の、教室でのことだった どこから流れた噂なのかいつのまにかバレてしまっていたのだ 僕は中島や家族にさえ話していないというのに 後から聞いた話なのだが、カオリちゃんも誰にも話したことはなかったらしい いや、えーと、その………… 僕は花沢さんへの返答に困っていた なんせ花沢さんの脳内では、既に僕は夫で、花沢不動産を継いでいるのであろう ここは素直に打ち明けるべきか、いや、そしたら花沢さんは傷つくのだろうか どう答えるのがベストなのだろうと僕が答えを模索していると、花沢さんから口を開いた 「あっはは!隠さなくたっていいのよ!どーせアタシのほうが魅力的だってそのうち気づくから!!!」 なんだ、花沢さんはいつもの花沢さんだ ポジティブすぎて怖い 「ごめんね、隠してて」 そういうカオリちゃんの声が聞こえた どうやら早川さんと話をしているらしい 「そうよ、隠すことなんてなかったのに、私もお似合いだと思うな、カオリちゃんと磯野君」 そう早川さんは怒った様子もなく言っていた ああ、やっぱり優しいんだな、早川さんは そして、あっという間にクラスじゅうに僕たちの噂は広がった はじめのうちこそ中島の機嫌が悪くなったりしたが、最近は普通に接してくる まったく、わがままな眼鏡野郎だ あのうるさい家族もどこからか噂を聞きつけ大騒ぎしていたが、 カオリちゃんがいい子だというのはみんな充分承知なので、すっかり家族公認の仲ともなった それからというものの、僕とカオリちゃんの付き合いは順調そのものだった 休日の日には一緒に街に出かけ、ショッピングや、映画を見たりした そんな関係が何ヶ月かつづき、夏の近づいた5月のある日のことだった ある日曜日、僕らはいつものように街にでかけ、映画を見た その後駅前の喫茶店で昼食をとって、おしゃべりをする そんな、なんてことのないデートだが、小学生の僕らにとっては充分すぎるほど幸せだった。 そして、いつものように帰ろうとしたときのことだった 「ねえ、ちょっと公園に寄って行かない?」 つないでいた手をいっそう強く握り締めカオリちゃんは僕にそう言ってきた カオリちゃんから上目使いでそんなこと頼まれたら、断れる男なんてそういないだろうな 僕らは夕暮れの公園のベンチに2人で腰掛けた 周りにはもう少し年上のカップルが何組か僕らと同じように座っていた 僕はいまいちどう言葉を発していいか分からず、黙ったままになってしまった 流れてゆく雲の下、しばらく沈黙がつづく でもカオリちゃんとの沈黙は、なぜか心地いいと思えるほどだった 「ねえ、カツオ君?」 はじめに言葉を発したのはカオリちゃんのほうだった 僕はカオリちゃんのほうに目をむける !! カオリちゃんの目は潤んでいた 僕、なにかした? カオリちゃんは僕の手をそっと掴み、少し震えた声を発した 「あのね、カツオくんは…いつも私の味方でいてくれるよね?」 カオリちゃんは涙をこらえるように静かにそうつぶやいた 「え……う、うん、もちろんだよ?」 あまりの突然の質問に僕はこう答えるしかなかった もちろんこの言葉に嘘はなかったし、僕はいつでもカオリちゃんの味方でいる でも僕はまだ気づいていなかったんだ この言葉の本当の意味を 次の日、その日は得てして普通の日のようだった 午後3時、学校が終わるその時間まで、僕はそう思っていた、いや何も思ってすらいなかっただろう 「ねえ磯野君、ごめん、今日は一緒に帰れないの」 放課後、帰り支度をしていた僕にカオリちゃんはそう言ってきた なにか用があるの?僕は軽い気持ちでカオリちゃんにそう尋ねた 「うん、…ちょっと、ね」 カオリちゃんはどこか切ない顔をしたような気がした 僕は詮索してほしくないのだと直感的に感じとり、それ以上は何も問わないことにした。 分かった、じゃあ気をつけてね、とだけカオリちゃんに伝える 「ごめんね、じゃあ私もう行くわ、バイバイ!」 僕は何のためらいもなくカオリちゃんを見送った もう運命は止められないところまで迫っていたというのに この時彼女を引き止めていたらどうなっていたんだろう、なんて無駄なことを考えてしまう 僕はそのまま家に帰るのも何だったので、中島たちと校庭でサッカーをすることにする 中島がニヤニヤしながら「彼女はどうしたんだい?」なんて聞いてきた気がしたが 僕はそんな挑発は気にも留めずにスルーした しばらく遊びに興じた後、ふと校舎の時計を確認する 午後4時、夏場だけあってまだ明るい、まだまだ遊べるな そう思っていた矢先に誰かが校庭に向かって校舎から走ってきた 誰だろう…小柄な人影……ワカメ?いや、その正体は早川さんだった 早川さんは僕らがサッカーの試合中であることをお構いなしに 僕のもとに一直線に走ってきて、そこでやっとストップした 「ハァ……いそ……磯野君!よかった……まだ帰ってなかったのね……」 早川さんは相当のスピードで走ってきたようでだいぶ息がきれていた その…落ち着いてしゃべっていいよ、急にどうしたの? 僕は肩で息をする早川さんの呼吸を整えさせようと試みるが、早川さんは応じない 「カ…カオリちゃん!カオリちゃんが大変なの!!」 よく見ると早川さんの目は血走っており、この激しい呼吸は走ったせいだけではないようだった カオリちゃんが…どうしたって!? タダ事じゃない!! そう感じた僕は思わず興奮気味に早川さんに尋ねた 「はやく…はやく5の3の教室に!急いで!!」 早川さんはそう叫んで僕らの教室の方角を指さし、その場にへたれこんでしまった 唖然としている中島たちの痛い視線を尻目に僕は教室へと全速力で向かった 僕はかつてない速さで階段を駆け上がり、教室を目指した カオリちゃん!? 僕はそう言いながら教室のドアを思い切り開ける が、しかし、教室には誰もおらず、何てことはない単なる放課後の教室でしかなかった 僕はふいを突かれたようで、その場にそのまま動けなくなる。 カオリちゃん……誰も…いない……? 「ごめんね、磯野君」 あの声が僕のすぐ背後で聞こえた どうして…? そう思った次の瞬間僕は下腹部に強烈な痛みを感じ すぐに視界がブラックアウトした 《兆候編・終》
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Rider s Assemble(前編) その声を聞いて久しぶりに感じたのは、意外にも安堵だった。 記憶と寸分違わない穏やかで優しく、それでいて自然と背筋が伸びるような威厳を伴った不思議な声。 耳にこびり付いたそれは修二がずっと求めていたもので、だからこそこんな凄惨な状況で彼が話しているのが不思議で仕方なかった。 何度も何度も瞬きを繰り返しながら、修二は画面越しに話し続ける父の姿を見やる。 いつもと同じ服装、いつもと同じ視線。 けれど父が紡ぐ言葉だけは、決して修二の記憶のそれとは一致することはない。 困惑し、何度も内容を理解しようとする修二を待つことなく父の言葉は紡がれ続ける。 待ってくれ、待ってくれよ父さん。 心の中で呼びかけても、父は修二を待ってはくれない。彼の気持ちに気付いてはくれない。 そしていつの間にか、修二が自身の中の感情を整理し終わるより早く、放送は終わった。 驚愕の内容を少しでも分かち合おうと、周囲が喧噪に呑まれ始める。 しかしそんな光景を前にしてもなお、修二はただ一人だけ違う世界にいるような心地で、ただ父の言葉を思い返していた。 ◆ 一台のトレーラーが、病院という目的地への到達を受けて勢いよく停車する。 だが通常停車後に消灯するだろうヘッドライトの明かりが未だ眩くその前方を照らし続けているのは、万が一の状況を考えての判断なのだろう。 抜け目ないな、と士は思う。 遠方から偵察を行っていたために既にこの到着は承知していた為、病院内の仲間たちは全員トレーラー内からも一瞥できる場所に立ち並んでいる。 それでもなおまだ隠し球の存在を危惧し、いつでも逃げられる状況に自分を置いているそんな運転手の存在を、疑り深いと思いこそすれ不快に思うこともなかった。 「……ハッ、俺らのことも敵扱いか」 だがそうして相手の抜け目なさを好意的に受け止めることが出来ない仲間も、隣に一人。 分かりやすく苛立った様子で眉を顰める帽子の男、翔太郎を一瞥して士は小さく笑った。 以前共に戦った時にも少し感じたが、やはり彼は感情を隠しておけない性質(タチ)らしい。 続けて翔太郎の隣にいる一条にも視線を移す。 彼にはいずれ、話さなくてはならない。 東病院での戦いで自分が犯した、許されざる罪について。 幾度となく過ぎった忌むべき記憶のフラッシュバックに士が顔をしかめるのと同時、Gトレーラーの助手席から一人の影が舞い降りる。 大凡100mほど先でゆっくりと立ち上がる青年の姿に士が既視感を覚えるのと、今まで斜に構えていた翔太郎が駆け出すのはほぼ同時だった。 「フィリップ!」 隠そうともしない弾んだ声で、翔太郎は唯一人の相棒の名前を呼ぶ。 それを受け少し呆れたような、しかし歓喜を含んだ様子で髪をかき上げたフィリップもまた翔太郎に向け歩を進めていく。 こうして、この24時間余り心の底から幾度も再会を望みあった二人の探偵の邂逅は、意外に呆気なく果たされたのだった。 「フィリップ、お前無事だったんだな……」 「君の方こそ、僕抜きでよくここまで生き残れたねぇ?」 「ハッ、言うじゃねえか」 フィリップの軽口を小さく鼻で笑うように息を吐き出して、翔太郎は小さく小突くように彼の胸を突いた。 まるで相手に直接触れられることを確かめるようなその動作に、フィリップも嫌悪を示す様子もない。 悪戯っぽく笑い合ってから、フィリップはふと徐ろに懐へと手を伸ばした。 いつでもそこから取り出せるようにしてあったのだろう。 さして苦労する様子もなく、彼は目当ての代物を探し当てそのまま翔太郎へと差し出していた。 「翔太郎、これを」 どこか仰々しく差し出されたそのドライバーを、翔太郎が忘れるはずもない。 翔太郎とフィリップの絆の証であり、愛する街を守り戦い続ける為に得た彼らの力の象徴――ダブルドライバー。 サンキュ、と小さく礼を呟きながら受け取って、翔太郎はこれでようやく本領発揮だとばかりに帽子を被り直した。 「……久しぶりだな、ジョーカーの男」 だが瞬間、相棒との再会に沸く彼の熱を冷ますような、涼やかな声がその場に響く。 その声の主を、翔太郎が忘れるはずもない。 木場という善良な青年を躊躇なく殺しておきながら、何食わぬ顔で自分と行動を共にした面の皮の厚い男。 彼こそは自身の因縁の存在、相川始その人であったのだから。 「相川さん……いや、こう呼んだ方がいいか?仮面ライダーカリス、そして……ジョーカーアンデッド」 翔太郎の言葉を受けて、始の眉がピクリと動く。 だがそれは動揺と呼ぶにはあまりに薄い反応で、彼にとっては元より正体がばれていることも織り込み済みだったのだろうと思えた。 だがそれならそれで構わないとばかりに、翔太郎は矢継ぎ早に続ける。 「まさか、あんたが木場さんを殺した張本人だったなんてな。気付かなかったぜ」 「ならどうする?また俺と戦うか?」 お手上げだ、のジェスチャーを示すように腕を広げた翔太郎に対し、始は取り合う様子もなく懐からハートのAのカードを取り出す。 それはまさしく、あの時木場を殺した仮面ライダーが用いていたのと同じ規格の、同じハートスートのカード。 分かっていたはずなのに、改めて本人から示された彼の正体に、翔太郎はその拳を握り締め肩を怒らせる。 「残念だがあんときと同じ結果にはならねぇぜ?今の俺には相棒もいるからな」 「なら……試してみろ」 ダブルドライバーを握る手に、思わず力が籠る。 木場を殺した憎むべきあの黒い仮面ライダー。 それが目の前の男であるのが確かなら、木場の無念を晴らすのが自分の仕事ではないのか。 見知らぬ異世界の住人である自分を庇い命を散らした、あの心優しき異形の分まで、正義を果たすために。 そんな青臭い義憤に駆られて、彼はドライバーを胸の高さに掲げて……しかしそこから自身の腰に装着することなく、その腕を力なく垂らした。 「……やめだ」 「何?」 始の困惑を前に、しかし翔太郎は罰が悪そうに視線を逸らす。 怖気づいたようにも見えるその挙動に覚えた苛立ちを隠そうともせず、始はその瞳を鋭く尖らせる。 「木場という男の仇はどうした。お前の怒りはその程度か」 安い挑発だ、と始自身分かっている。 だがそれでもここで翔太郎が敗北の可能性に怯え折れるくらいなら、この程度は幾らでも吐いてやるつもりだった。 だが翔太郎は動じない。ただ心苦し気に拳を握りしめて、今度は始に対し向き直る。 「俺は正直、木場さんを殺したあんたのことを……そう簡単に許すことは出来ねぇ」 「なら――」 「だけど、それ以上に俺は……あんたの事を信じてぇ」 続けられた翔太郎の言葉に、始は思わず顔を上げる。 思わず衝撃に染まったその表情にしかし躊躇いもせず、翔太郎は続けた。 「あんた俺に言ったろ、世界が崩壊する運命を変えて見せろって。あんたが本当に悪人なら、あんなこと言う必要ねぇはずだ、違うか?」 翔太郎の問いに、始は答えない。 それを答える義理もないとばかりに沈黙を貫いて、しかしその間こそが、翔太郎にとっては何よりの答えに思えた。 「それに木場さんは、敵かもしれねぇ俺のことを心から案じてくれた。そんなあの人が、例え自分を殺した奴だとしても、今のあんたの死を望むわけねぇって……そう思っちまうんだよ」 告げてから翔太郎の表情が、僅かに歪む。 死者の言葉を自分に都合よく代弁することに、心苦しさを感じているのだろう。 だが、それを撤回する様子は見られない。 例え綺麗事だとしても、自分の信じたいものを信じぬく。 それが彼という人間の在り方であり、魅力であり、同時に愛すべき欠点でもあった。 「……好きにしろ」 翔太郎の言葉を受け止めて、始はゆっくりと病院に向け歩みを進めていく。 その背中は変わらず飄々としているようで、しかしどことなく憑き物が落ちたようでもある。 果たして彼にとってこの許しが救いであればいいが、と願うように見送った彼の隣から、まるで指定席に収まるようにフィリップが顔を覗かせた。 「……ハーフボイルド」 「うっせぇ」 言葉少なに交わした会話は、しかし彼らにはもうそれだけで全てが伝わるような心地だった。 だが居心地が悪そうに帽子を被り直し視線を反らした翔太郎に対して、フィリップが続けたのは意外にも安堵を含んだ声だった。 「いや、安心したよ翔太郎。君が、君のままでいてくれて」 「え?」 フィリップの言葉の意味を捉えきれず、彼に向け振り向いた翔太郎はしかし、すぐに彼の意を汲むこととなる。 その視線の先、虚空を見つめるフィリップの瞳が、あまりにも悲しみに暮れていた為だ。 「……そうだな」 全てを察したように呟いた翔太郎を横目に見ながら、フィリップはどうしてもその胸にこの状況に呑まれ変わり果ててしまった女性のことを思い浮かべる。 鳴海亜樹子。葦原涼から告げられた彼女の変貌の末路は、彼にとってあまりにも信じがたい事実だった。 だがそれでも彼が嘘をついていると糾弾する気になれなかったのは、自分自身この場で再開した彼女にどことなく違和感を覚えていたからかもしれない。 彼女の全てを知ったつもりになって、照井という心の支えを失った彼女の心に触れるのが怖くて、フィリップはその違和感を見ないようにした。 その結果が、矢車と乃木を彼女に殺させてしまうという最悪のものになるとも知らずに。 愛すべき仲間の、それもかつて自分が生み出したガイアメモリによる暴走の果ての死は、フィリップの心に深い傷を残していた。 故に彼は始と対峙した翔太郎の決断に、一切の口を挟まなかったのである。 彼がまだ自分の信じる半人前であるのかどうか、それを見極めたいという、その一心で。 だがこれで、その杞憂も晴れた。 今は亡き彼女の分まで、街のため戦わなくてはならない。 もちろん彼女が最終的に選んでしまった修羅の道ではなく、他者と手を取り合い共に進む道を、歩む形で。 「おい翔太郎!久しぶり!」 重く苦しい決意を固めた二人のもとへ、場違いなほど能天気な声が響く。 振り向けば、茶髪に青いジャンパーを着た人懐っこそうな笑みを浮かべた城戸真司の顔がそこにあった。 全く良い意味で、この男はやはり馬鹿なのだなと苦笑を浮かべながら、翔太郎は肩から一気に力が抜ける心地だった。 「なんだよ、俺の顔になんかついてる?」 「いいや、助かったよ。それよりお前以外にはその車ん中には乗ってないのか?」 「いや、三原が気絶してる小野寺って奴を見てる」 「小野寺……か」 真司から飛び出した名前に、翔太郎は思わず病院の前の一条に視線を向ける。 彼はこちらのやり取りが気になるのか、或いはトレーラー内の残り人数が気になるのか不安げな瞳をこちらに向けていた。 果たしてあれほど力を渇望した理由の一つでもある小野寺との再会に、彼はどう振舞うのだろうか。 そんなことは考えても仕方ないとわかっていても、翔太郎にはどうもそれが心掛かりに感じられた。 「小野寺さん!まだ歩いちゃダメだって!」 ふと、トレーラーの方向から叫び声が聞こえる。 三原の声だ、と瞬時に理解すると同時、彼が呼び掛けている人物が幽鬼のような足取りでこちらに近づいてくる視線の先の青年だと気づく。 これが小野寺ユウスケか、と知っているはずなのに身構えてしまったのは、ひとえにその身体に刻まれた隠しようのない痛ましい傷の数々故だ。 こんな状況で人は歩けるものなのか、とさえ感じてしまうその満身創痍の風体で、ユウスケはゆっくりとしかし確実にその足を進めていく。 だがそんな惨状を補い余りあるほどに彼の瞳に宿る命の炎は燃え滾っていて、そのギャップが何より彼に今の異様な雰囲気を齎していた。 「小野寺君!」 背後から、一条が彼を呼ぶ声が響く。 刹那、それを待ち望んでいたように表情を明るく一変させたユウスケは、そのまま一条のもとへ足を進めようとして――。 ――そこで思い切り、前のめりに倒れこんだ。 ◆ ―――――どうしたの、もう一人のクウガ。 ―――――もう終わりなの? ―――――もっともっと強くなって、もっと僕を笑顔にしてよ。 ―――――待ってるよ。 「……ッ!」 誰かに気安く肩を撫でられるようなそんな悪寒を全身に感じて、ユウスケは飛び上がるように身を起こした。 全身はうだるほど熱いようでもあり、一方で凍えるほど寒いようにも感じるし、頭の中は絶えずキンキンと耳鳴りのような音が響いている。 端的に言って最悪の目覚めにそれでも彼が顔を歪めないのは、今見た悪夢が自分の妄想に過ぎないとは到底思えなかったからだ。 自身を二度も究極の闇に染めた忌むべき悪魔、ン・ダグバ・ゼバ。 彼はもう死んだと頭では理解しているはずなのに、どうしてもその考えを受け入れられない自分がいる。 これは自分のトラウマが生み出した強迫観念に過ぎないのか、それともアマダムが放つ危険信号の一種なのか。 どちらにせよどうしても自分は、ダグバが未だ生きていて自分を殺しに来るというその思考から逃れられないでいる。 それこそそう、今も自身の肩にポンと手を乗せて――。 「うわっ!」 まさに自分の中に浮かんだ考えに追従するように肩に置かれた手を、ユウスケは勢いよく撥ね退ける。 だがその先にあったのは彼が恐れを抱いた白い悪魔のそれではなく。 こちらを案じるような表情を浮かべた、一条薫が伸ばした手だった。 「一条さん……」 「大丈夫か、小野寺君」 待ち望んだはずの、一条との再会。 第二回放送前の時は自身の背中の上で今にも死にそうな顔色をしていた彼であるが、今は随分生気が戻ったらしい。 だが、自身の足で立ちベッドに横たわる自分を案じる余裕すらある一条の姿を前にしてもなお、今のユウスケは素直に喜ぶことすら出来なかった。 一条もまた、沈むユウスケを前に何事もないように振舞えるほど器用では無い。 故に必然生まれた重苦しい沈黙の中で、一条は突如意を決したように口を開いた。 「フィリップから聞いたぞ。また、凄まじき戦士になったと」 一条の言葉に、ユウスケは答えない。 そうだ。あれだけ仲間を傷つけておいて、あれだけ皆に迷惑をかけておいて、ダグバを倒すことすら出来なかったくせに。 さっきの戦いでまた自分は、究極の闇にこの身を染めた。 自分の目の前で誰も傷ついてほしくないなんて甘えたことを言って、結局他ならぬ自分が誰かを傷つけてしまうと、わかっていたはずなのに。 あの戦いで死んだ間宮麗奈という女性だって、自分のせいで死んだわけでないと仲間は言ってくれたが、果たして本当にそうだろうか。 もし自分ではなくもっと強い仮面ライダーがあの場にいてくれたら、彼女はまだ生きていたのではないか。 「……君が無事で良かった」 考えるべきではないと分かっているはずなのに無数に去来するそんな思考に苛まれるユウスケを尻目に、一条が紡いだ言葉はしかし意外にも安堵だけを示すものだった。 口調や声音はどうであれ、自身が暴走したという事実を咎めるだろうとばかり思っていた一条が放った赦しとも言える言葉は、ユウスケに確かな驚愕を齎していた。 そして、そんな彼の驚きは一条にも容易く伝わっていたのだろう。 少し言葉を選ぶように逡巡してから、一条は続けた。 「勿論俺も、理想を言うなら君が凄まじき戦士にならなくて済むのが一番だと思っている。 だが、第0号……ダグバを始めとして、この場にはあの姿にならなくては対抗できない相手が多々いることも、もう承知しているからな」 それは、一条なりに多くの妥協を積み重ねた結果なのだろう。 中途半端をしない一条が、かつて五代がクウガとして未確認との戦いに参加することを認めたのと同じように、ユウスケにその覚悟があると認めたのかもしれない。 ダグバの変身したブレイドとの戦いで大敗を喫してから、一条の中にもまた心境の変化があったのだろうか。 そんな風にユウスケが一条の心の内を慮る一方で、当の一条はだが、と言葉を続けた。 「だがそれはあくまで、最悪の可能性として、だ。俺はずっと、君が究極の闇にならなくて済むように……少なくとも君に守られるだけの俺じゃなく、共に戦える力を得たいとそう考えていた、だから――」 勿体ぶるようにそこまで告げて、一条は懐からストップウォッチのような機器と一体化したガイアメモリを取り出した。 初めて見る形状のそれにユウスケが困惑を示す中、一条は確たる意思で続ける。 「これは、トライアルメモリというアクセルの強化アタッチメントだ。勿論これがあったからと言って俺があのクウガほど強くなったとは思わないが……しかし少なくとも、もう君に守られるだけの俺じゃないと、そう言い切ることは出来る」 断言した一条の瞳に、迷いはなかった。 事実彼にとって今の言葉に一切の嘘はない。 少なくとも単身でモンスターを打破せしめたこのトライアルの力は、一条が元の世界において五代雄介と並び共に戦う為欲していた力として不足なかった。 もしこの力がこの地に連れてこられる前に手元にあったなら、などとそんなIFを夢想するつもりはない。 ただ照井から受け継ぎ、翔太郎が鍛えてくれた今のアクセルならば、きっと前よりもうまく戦える。 半ば確信にも近い自信を抱いて、一条はユウスケに向けてゆっくりと手を伸ばした。 「だから……小野寺君。もう一度俺と、一緒に戦ってくれ」 揺ぎ無く真っ直ぐに伸びた腕と、その先にある迷いない一条の瞳。 正面から見据えれば射抜かれてしまいそうなそのひたむきさに、ユウスケは思わず顔を背ける。 彼らしくもない不自然な消沈に一条が気付くのと、ユウスケが口を開くのはほぼ同時だった。 「……無理ですよ、もう」 予想していなかった意外な言葉に、一条から驚愕の嗚咽が漏れる。 だがユウスケの口から続けられたのは、更に驚くべき内容だった。 「俺はもう……長くないんです。これ以上クウガとして戦いを続けたら死ぬ。アマダムが、そう警告してくるんです」 「アマダムが……?」 言って一条は、ユウスケの腰あたりを見やる。 当然臨戦態勢ではない今彼の腰に霊石は出現していないが、それでもほぼ反射的に一瞥せずにはいられなかった。 「ブレイドに変身したダグバと戦ったとき、多分アマダムに傷がついたんです。それが戦うたびに広がって……そのたびに『これ以上戦いを続ければ死ぬぞ』って、頭に声がするんです」 「頭に……それが、アマダムからの警告だと?」 問いに頷くユウスケを前に、一条は過去の五代の言葉を思い出す。 未確認生命体42号との戦いの折、深い怒りに駆られた五代は、凄まじき戦士のビジョンを見たと言っていた。 曰くそれは究極の闇にすまいとするアマダムから齎された警告ではないかということだったが、或いはそれに近しい信号を、ユウスケの霊石も発しているのかもしれなかった。 「だが、アマダムが傷ついたとしても、君にはクウガ以外にも戦う術があるだろう」 「ええ、でも分かるんです。このままアマダムの警告を無視し続けたら、俺は死ぬって」 「死……!?」 そんなことを言うな、と咎めようとした一条の脳裏に、かつて友である椿が五代の身体を診察した際の言葉が思い出される。 クウガと未確認の身体の構造は非常に似ていて、凄まじき戦士に覚醒すれば、それこそ肉体的にはその二つは完全に同一のものとなるという、彼の言葉。 それはすなわち霊石の働きによって尋常ならざる力を得ているだけで身体構造そのものはかなり人に近いと言われた未確認と、同じになるということだ。 未確認は戦いの後、霊石から爆発し死に至る。 つまりそれは霊石さえ無事なら生き延びられる彼らにとって、不可避の死を与えるにはそれが最良だと、彼ら自身知っていることに他ならない。 ならば当然、それらと肉体的に同じクウガもまた、アマダムの破壊はそのまま死に繋がることになる。 皮肉にもユウスケより遥かに長くグロンギ相手に苦しい戦いを強いられたからこそ知りえた、霊石に関する知識。 それらから齎される結論の残酷さと現実の非情さに、一条は思わず慰めの言葉すらかける事が出来なくなってしまう。 そして俯いた一条とは反対に自身の定めを悟ったように静かに、ユウスケは口を開く。 「その声を俺は、ずっと……無視してきました。それで誰かを助けられるならって、渡の時も、さっきの戦いの時も。でも……思ったんです、そんな風に俺が出しゃばっても、結局誰も助けられてないって」 「何を言う、君は何度も俺たちを助けてくれたじゃないか。俺だけじゃない、京介君も小沢さんも……君に助けられたんだぞ」 ユウスケの肩を揺すりながら、一条は必死に訴える。 それだけは、彼に否定してほしくなかった。 洗脳された小沢に襲われたあの時、もしも彼と出会えていなければ、少なくとも自分はあの時死んでいた。 或いは照井のように京介を逃す事すら出来ず、無念の中で息絶えていたかもしれないのだ。 それだけではない。牙王の時も、ダグバの時も、彼は足手纏いな自分に代わって仲間を守ってくれた。 本当は背負わなくていい厄介だというのに、それが自分の望みだと、傷つくことすら恐れぬままに。 しかし一条の叱咤を受けても、ユウスケの面持ちはなお暗く、俯き続けていた。 「でも……結局京介君も小沢さんも、俺のせいで死んじゃったじゃないですか」 「君はまだそんなことを――!」 「俺が!」 さしもの一条も、煮え切らぬユウスケを前にいよいよ怒声を上げようかという、しかしその瞬間。 それを遮るように放たれた彼の一条のものより遥かに大きい声が、その場を支配した。 空気が震え、歴戦の刑事である一条の背筋すら強張るようなその中で、ユウスケは一転囁くような声音で続ける。 「……俺が弱いから、ダグバを、キングフォームになる前に倒せなかったから……だから、あの二人は死んだんです。全部、俺のせいなんです……!」 依然として俯いたままのユウスケの拳が、ぐっと強く握りしめられる。 だが一方の一条もまた、今の彼以上に強く、強くその拳に力を込めていた。 「それは、君の本心か。小野寺ユウスケ」 小野寺君、ではなく敢えて“ユウスケ”と一条は呼んだ。 五代と同じその名前で呼ぶことに、果たして今の自分が怒っていると示す以上の意味が含まれているのかどうか。 しかし数秒の間をおいてもなお、ユウスケはその問いに肯定も否定も返すことはなかった。 「……しばらく、頭を冷やせ」 それだけを言い残して、一条はユウスケの病室から廊下に飛び出す。 ただ一人、窓から日光が差し込むその閑静な一本道の中心で、一条は耐え切れぬとばかりにその拳を壁に叩きつけた。 果たして、頭を冷やさねばならぬのは自分の方だ。 ユウスケに言ってやりたかった。 本当はその苦しみは、全て警察官である自分が背負うべきものなのだと。 京介と小沢を救えなかったことだけでなく、ユウスケを究極の闇にしてしまったことだって。 全ては自分が弱いから引き起こされた事なのだ。 民間人である五代をこんな殺し合いに巻き込んで死に追いやったのも、今ユウスケが死に向かいつつあるのも。 トライアルの力を得てもなお、大ショッカーとの戦いを前にユウスケは戦わなくても良いとは言えない自分自身の情けなさも、全て全て。 結局のところ一条は、ユウスケから逃げ出したのだ。 あのままあの場にいればきっと、理不尽に彼を怒鳴りつけずにはいられなかったから。 それこそが自分の弱さ故だと知りつつも、それでもなおあの場には留まっていられなかった。 何故もっとうまくやれないのかと、自己嫌悪が沸く。 究極の闇なんかにならなくても、仲間を頼れば大ショッカーだって倒せるはずだとそう伝えて、彼らしく生きることの後押しをしてやるはずだった。 そんな風に前向きに、あの黒いクウガにならない小野寺ユウスケにも、いやだからこそ意味があるのだと伝えたかった。 だというのに結局自分は、何も変えることが出来ない。 やはり自分ではだめなのかと、押し込めたはずの疑念が頭を擡げる。 ユウスケを立ち直らせるには、自分よりもっと他に適した人間に任せるべきではないのか。 そんな彼らしくもない他力本願を抱いたその時、彼はふといつの間にやら自身の前に立っている人影に気付いた。 「そんなとこで突っ立って、何してる?」 「門矢さん……」 いつの間にかその場に突然現れていた男、門矢士は壁に傾れかかるようにして立つ自分を不可解そうに見つめている。 だが、情けないところを見られてしまったと居心地の悪さを感じるよりも、彼ならばユウスケに的確な言葉をかけることが出来るかもしれないと、そんな思いが沸く。 いやむしろ、ユウスケの笑顔を守ると宣言し、共に旅を続けてきた彼を前にしてはやはり、自分など出る幕がなかったに違いない。 不思議と肩の荷が下りるような心地を抱きながら、一条は一礼しつつ病室への道を譲るようにして退こうとする。 だがそうしてこの場から掃けようとした一条を呼び止めたのは、士の呑気にも聞こえる声だった。 「お前確か、一条薫……だったか。ユウスケが世話になったらしいな、礼を言う」 「いえ、自分は何も……」 「謙遜するな、あいつは俺がいないと何をしでかすか分からないからな。アルティメットフォームになったって聞いた時は、流石に驚いたが」 聞き覚えのない単語に一条は生返事しか返せないが、士はそれを意に介す様子もない。 だが、一見すると傍若無人に見えるその振る舞いの裏には、確かにユウスケを気遣う一面が存在していることを一条は見抜いていた。 きっと彼らの間には、深い理解と信頼があるのだろう。 二人のやり取りを直接見たわけでもないのに十分感じられる彼らの絆を目の当たりにして、一条はただただ深く安堵の籠った溜息をついていた。 それに対し、不可解を示した士の目線を前にして、一条は身体ごと彼にしっかりと向き合い直した。 「安心しました。あなたがいればもう、小野寺君は心配なさそうです」 「まぁな」 謙遜することなく、士はその言葉を受け容れる。 だがそんな不遜にも思える彼の態度が、一条は嫌いではなかった。 「俺は、羨ましいですよ。あなたのことが」 だから、だろうか。 信頼できる相手に出会い、そして自分の抱えていた不安を預けて良いと思えた安心感からか、一条は自身の心中を吐き出していた。 ユウスケからずっと聞いていた、頼れる仲間である門矢士。 自分自身、クウガの横に並ぶ男として、彼のように支え合えるほどの信頼感を築けていたら。 幾度となく夢想した理想の関係を築く彼本人に対して、一条は自身の思いを押さえられなくなっていた。 「皆の笑顔を守ろうとする彼自身の笑顔を守る為、共に肩を並べて戦う。五代にも、そんな存在がいれば……いえ、俺自身が、そうなれていれば……そう、思わずにはいられないんです」 かつてユウスケにも吐露した、自分がずっと抱き続けてきた後悔。 ただの冒険野郎に過ぎなかった五代を苦しい戦いの道に引きずり込み頼るしか出来なかった自分。 もし自分に五代の笑顔を守って見せると断言できるだけの強さがあったなら。 「羨ましい、か」 士に言ってもどうしようもないと分かったうえでどうしても漏れた心の声に、士はしかし意外にも己の掌を開き見ていた。 単に感慨だけではないその動作に一条が呆気にとられる中、士は不意に視線をこちらへと戻し、続ける。 「薫。ユウスケのこと以外にもう一つ、お前には言っておかなきゃならないことがあった」 「俺に、ですか?」 訝し気な瞳を向ける一条に対し、士は迷うことなく頷く。 その眼に一切の迷いは見られず、どころかその鋭さは、まさにこちらを見定めんとするかのようだった。 「……五代を殺したのは、俺だ」 「え?」 士の言葉にその場の空気が、凍り付く。 時さえも止まったような錯覚すら覚えるその空間の中で、一条はひたすらに困惑しか示せない。 まさか五代を殺したのがあのユウスケの仲間であり、今目の前にいるあの門矢士だというのか?一体何のために。 なんと問えばどんな答えが返ってくるのか。 あまりにも唐突なその告白に一条が二の句を告げずにいる一方で、士は痺れを切らしたように続けた。 「あいつは地の石の力に操られて、仲間に手をかけようとしていた。だから俺は、あいつの背中に向けて……トリガーを引いた」 ただ事実を述べているだけ、という風に士は淡々と当時の状況を口にする。 刹那ほぼ反射的に、一条の脳裏にその瞬間の光景が再現される。 紅渡が持ち、ユウスケを操ろうとしたあの地の石の力で、望みもしない殺戮に手を染めさせられる五代。 その凶行と彼の心中を思えば思うほどに、一条の胸は熱く、締め付けられるように痛む。 一方で、もし自分がその場にいれば五代が目の前で殺されることなど許しはしなかっただろうとも思う。 もしそうしなければ、誰かの命を五代が奪うことに、なったとしても。 次々に沸き上がる様々な感情に翻弄される一条は、しかしそれでも一つ息を吐き出してその頭を小さく下げた。 「……ありがとうございます、門矢さん。あいつの……五代の最期を、知らせてくれて」 「それだけか?俺は、五代を殺した張本人なんだぞ?」 煽るような士の口調に、さしもの一条もその顔を強張らせる。 仲間を守るため仕方なかったとはいえ、背中から撃ち抜かれた五代のことを思えば、憤りややるせなさを感じないはずがない。 きっと士は、自分を煽ることで敢えてそのやり場のない怒りの受け手になろうとしているのだ。 だから恐らくこの衝動のままに自分が殴り掛かったとしても、士は何も弁明しないだろう。 しかしそこまで分かっていて一条が彼に手を出さないのは、その実彼の人柄が咎めるからでもなく、刑事という職業柄持っている強い理性故からでもない。 彼が手を出さないのは、ただ一つ五代の望みを知っていたからだった。 「確かに、あなたは理性を失った五代を殺したのかもしれない。でも、きっと……それは、あいつの願いでもあったはずです」 「……」 真っ直ぐな一条の瞳に、士は何も言わない。 ただ少しだけその眉をピクリと動かして、興味深そうに彼を眺め見ただけだった。 「あいつは、ずっと気にしていました。自分がもし究極の闇になって、理性を失ってしまったら、どうすればいいのかと」 思い起こされる、様々な五代との会話。 椿にグロンギとの類似性を指摘された時、桜子に究極の闇の伝説を伝えられた時、どちらも五代は言葉ではその危険性を否定して見せた。 だがその言葉と裏腹に、彼は常に究極の闇と化した自分の弱点を探し続けていた。 アマダムを砕けば倒せるというのも元を正せば、椿の話を受けて五代自身がいつもよりずっと真面目なトーンで語った分析だったのである。 故に彼が真に危惧していた聖なる泉が枯れ果てた末のものではない、地の石による自己喪失であったとしても、彼の思いは変わらないはずだと、一条は思う。 すなわち、誰かの笑顔を奪うくらいなら、自分の命を絶ってほしいという、その高潔な自己犠牲の精神は、何も変わらなかったはずだと、そう思うのだ。 「だから……少なくとも、あなたが俺に謝る必要はありません。本当はその仕事も、俺がしなくちゃいけないことだったんですから」 本来彼が背負うべきでない責任を負わせ、自分が戦いに巻き込んでしまった好青年、五代雄介。 その彼が道を踏み外したなら、終わらせるのは自分だったはず。 なればこそ、五代に無念はあったのかもしれないが、その重責を押し付けてしまった士に対し、一条が怒る資格など、あるはずもなかった。 心中で五代への思いを募らせながら、一条はもう一度士に頭を下げる。 もうこれ以上彼をここに留めておいてはいけない。 彼にはこれから、自分の代わりにユウスケを立ち直らせる仕事が残っているのだ。 「待て、一条薫」 そのままその場を後にしようとした一条に対し、士の声が響く。 意外なその声に驚き振り返れば、士はこちらに背を向けたまま、続ける。 「……十分わかってるだろ、お前はあいつのことを」 放たれた言葉が指す意味が、一条にはすぐに飲み込めなかった。 そんな困惑を背中越しに察したのか、士は続ける。 「五代はきっと、お前が思うよりずっとお前のことを頼りにしてたはずだ。自分の笑顔を守るために戦ってくれる相棒として」 「五代が俺を……?何故そんなことが言えるんです?」 死に際の五代と言葉を交わしたとして、しかしその交流はとても短かったはずだ。 しかし士の言い分は確信めいていて、それ以外の答えなどないようにすら錯覚させられる。 それが一層不可解で、一条はらしくなくそんな問いを投げていた。 「俺自身が、お前みたいになれたらと思うからだ」 士の口から発せられた言葉に、一条は耳を疑う。 未だ彼はこちらに背を向けたまま、その声は彼の背中越しにしか聞こえない。 だがそれでも、なぜか一条には士の表情が分かるような気がした。 「俺は結局、ユウスケとは旅を通じてしか関われない。いつか旅が終わり、それぞれの道を行く時が来れば……あいつと俺はもう、二度と出会うことはないだろう」 それを告げる士は、隠しようもないほどに孤独を滲ませていた。 口調だけでなく、その背中からさえも、如実に感じられるほどに。 「だが、お前は違う。もし戦いが終わっても、同じ世界で、同じ景色を見ながら生きていける。……生きていけた、はずだったんだ」 そこまで言って、士はようやく一条に向けて振り向く。 その顔に苦痛を滲ませながら、どこかに罪に対する罰を求めるような、そんな居た堪れない表情を浮かべながら。 「お前は、確かに俺にはなれない。だが俺は、決してお前のようにユウスケに関わることは出来ない」 士は、ゆっくりとその足を進めていく。 ユウスケの病室を離れて一条の方へ、いやその先に待つ仲間たちの方へと。 「――俺からすれば、お前の方がよほど羨ましいさ」 すれ違い際、士は一条にそう耳打ちする。 ユウスケに聞いた士の人柄と合致しない、あまりにも実直に仲間を思う青年の、心から漏れ出た真実の声。 ユウスケに会わなくていいのか、とそう呼び止めることすら出来ぬまま士の背を見送った一条は、そのまま自身の掌を開き見る。 クウガの笑顔を守ると宣言して見せた自身の理想の一つは、自身のような存在を羨ましいと言ってくれた。 同じ世界に生き、戦い抜いた先も当然に隣にいていい存在としてクウガの友であれる、そんな自分。 見失いかけていた自分の存在意義に気付かせてくれた士の背に、一条は今一度深くその頭を下げた。 心よりの感謝と、そしてもう二度と五代の横に立ち続けてきた自分を恥じぬことを、心から誓いながら。 くるりと翻り、今度こそはとユウスケの待つ病室のドアへ手をかけたその瞬間。 一条が力を込めるより早く、閉じられた扉は勢いよく押し開けられた。 「小野寺君……」 目の前に立つ青年に、どう声をかけるべきか。 一条がそんな逡巡をする必要すらなくなったのは、彼の頬から汗ではない滴が零れ落ちるのを、見てしまったからだった。 「なんだよあいつ……ああいうことは、直接言えっての……!」 「小野寺君、まさかさっきの会話を……」 よもや病室の壁越しでも聞こえてしまうほどに、今のユウスケの聴力が進化していたというのか。 そんな驚きを示すより早く、ユウスケはその涙に濡れ赤くなった瞳で一条を見上げた。 「一条さん、さっきはすみませんでした。俺……もう迷いません。五代さんの分まで、それに俺自身が胸を張ってあの馬鹿の横に立つ為にも……戦います、クウガとして」 宣言して見せたユウスケの顔には、さっきまではなかった芯が戻っていた。 そしてそれを取り戻して見せたのは……悔しいが自分との会話ではなく、さきほどの士の言葉なのだろう。 きっと士はユウスケに聞かれているのが分かったうえであの話を自分にし、故に彼に会うことなくこの場を後にしたのだ。 何故ならあのままユウスケに会えば、その言葉の真意を問いただされてしまうのが、目に見えているから。 そして何より、そんな士の複雑な感情を、ユウスケも理解しているのだ。 出ようと思えばいつでも出てこられたはずなのに、士が去った今になって出てきたのが、何よりその証拠だった。 「フッ……」 互いに互いが相手を十分すぎるほど理解しているのに、それをどちらも直接伝えられない。 そんな関係がどこかおかしくて、一条は思わず小さく苦笑する。 不思議に思ったユウスケの問いを軽く流しながら、彼は病室の窓から見える青空に視線を巡らせた。 (本当に、素晴らしい仲間だ。そう思わないか?なぁ、五代……) 俺たちも、そう見えていただろうかと。 亡き友に思いを馳せる一条の中にもう、煩わしい悩みなど存在しなかった。 152 第四回放送 投下順 153 Rider s Assemble(後編) 時系列順 147:Tを越えろ/疾走 一条薫 左翔太郎 149 覚醒(4) 城戸真司 三原修二 相川始 小野寺ユウスケ フィリップ 152:Chain of Destiny♮スーパーノヴァ 擬態天道 名護啓介 門矢士 134 第三回放送 水のエル 風のエル 地のエル 152 第四回放送 ラ・バルバ・デ オーヴァーロード・テオス
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↓↓↓↓↓まずはここを押して下さい。 人気ブログランキング 本日の閲覧数 - 昨日の閲覧数 - 総閲覧数 - 平成21年12月12日変更 小沢氏が永住外国人に選挙権付与へ前向き 民主党の次期幹事長に内定している小沢一郎代表代行は平成21年9月11日、在日韓国人ら永住外国人に地方選挙権を付与する法案の来年の通常国会提出に前向きな考えを示した。 小沢氏は、付与に賛成の同党有志議員でつくる議員連盟事務局長の川上義博参院議員と党本部で面会。川上氏によると小沢氏は「日韓関係をしっかりさせるためにも永住外国人の扱いは重要だ。通常国会までに(立法措置の)取り扱いを考えよう」と述べた。 同時に「どういう方向で党内をまとめるか、それを含めてやっていこう」と指摘、慎重意見への対応が必要との認識を強調した。(共同) 小沢幹事長、在日外国人の参政権に言及 韓国の大学で特別講義。平成21年12月12日。 産経新聞 平成21年12.12 12日午前、ソウル市内の大学で講演する民主党の小沢幹事長(共同)12日午前、ソウル市内の大学で講演する民主党の小沢幹事長(共同) 【ソウル=水沼啓子】韓国を訪問している民主党の小沢一郎幹事長は12日午前、ソウル市内の国民大学で特別講義を行い、永住外国人への地方参政権付与法案について「日本政府の姿勢を示す意味でも、政府提案として参政権を認める法律を出すべきだと思っている。鳩山内閣は同じように考えていると思う。来年の通常会でそれが現実になるのではないか。日本側が積極的に取り組まなければならない問題だ」と語った。 小沢は日本人に一度も外国人参政権付与しますと説明をしていない。理由も説明はしていない。誰も日本人は小沢に外国人参政権付与してくれと頼んでもいないのに強引に外国人参政権付与するのは売国奴である。