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第一章 使い魔は暗殺者 前編 リゾットは怒っていた。心の底から。頭のてっぺんを突き抜けるような怒りを、不甲斐ない自分に感じていた。 ――オレは…何一つとしてっ、仲間と交わした誓いを果たすことが出来なかったっ!! それが、リゾットの怒りの原因だった。 ボスを殺すこと。 栄光を掴むこと。 仲間たちと約束したことを、リゾットは何一つとして叶えることが出来ず、無様に死んでいく自分が、リゾットはこの世で一番許せなかった。 誇りを傷つけられ、栄光を掴もうと誓った。 けれど、全ては無駄に終わってしまったのだ。自分たちの反乱は、挫折した。 誰が悪いのではないだろう。強いて言うのならば、運が無かったとしか言えない。 戦いに勝つには天の時と地の利と人の和が必要だと言われている。 地の利と人の和は同等だった。けれど、天の時はブチャラティたちに味方した――そういうことだ。 しかし、リゾットはそれだけに全てを委ねる事はできなかった。 リーダーである自分がもっと上手くチームを指揮していれば勝てたのではないか。そう考えてしまうのだ。 すでに起きてしまった出来事にもしもはない――。そう分かっていても、リゾットの頭の片隅で声は囁く。 ――お前の采配が悪かったから仲間たちは無駄死にしたのだ…………。 と。 だからこそリゾットは相打ちを覚悟でボスを殺したかった。 相打ちでボスを殺してもどうしようもないことは分かっていたけれども。仲間はもう一人も残っていないし、ボスを殺しても自分が死んでしまっては、それで終わりだ。 それに、リゾット以外の仲間が死に絶えたとき、ボスを殺す理由は無くなっていた。“仲間と”栄光と掴むためにボスを殺そうと決意したのだから。 それでもリゾットがボスを殺そうとしたのは、死んだ仲間たちに少しでも報いたかったからだ。 死んだ後、あの世で仲間たちと再会したとき、胸を張っていられるように。そう思って、リゾットはボスを殺しに行った。 が、最後の最後、後一歩が及ばなかった。結局、天の時は最後までリゾットの味方をすることはなかったのだ。 ――オレたちは……決して栄光を掴む事が出来ないと言う事なのか?! 神を裏切ったオレたちには祝福を受ける資格がないと言うのか?! そんなことは……そんなことは認めないッ! 絶対に認めるものかァッ! オレは……いや、オレたちは! 使い捨てられて、踏み台にされるために生きていたのではないッ!!!! リゾットは怒っていた。心の底から。頭のてっぺんを突き抜けるような怒りを、無慈悲な神に向かって感じていた。 ――オレたちは……栄光を掴むんだ!!! 「あんたたち誰?」 雲ひとつ無い晴天の空を背景に、誰かがリゾットの顔を覗き込んでいた。 急激に意識が上昇して目が覚めたため、視界はあまりよくなかったが、リゾットを真上から見下ろしている人物が桃色に近いブロンドの少女だという事は分かった。 そうして、その少女が白いブラウスとプリーツスカートを身に纏い、その上に黒のマントを羽織っている事も。 (コス……、プレとかいうやつか?) 少女の姿を見たリゾットの最初の感想は、正直どこかずれていた。しかし、これは彼にとっては致し方ないことでもあった。 少女の格好からリゾットが連想したものは、チーム仲間のメローネが(自分の)食費を削ってまで購入していたジャッポネーゼアニメやジャッポネーゼマンガに描かれていた、いわゆる魔女っ子と呼ばれるものだったからだ。 メローネや歳若い仲間が楽しそうに読んでいるのを見て、一度だけリゾットも読んだ事があるが、あまりの展開の破天荒さに5ページほどで挫折した。 けれども、メローネたちにはそこがいいらしく、同じく面白さが分からなかったプロシュートやギアッチョとともに肩身の狭い思いをしながら、 『あれが若さか』 などという発言をしてちびちびとワインを啜った記憶が懐かしい。あの時はまだ、ソルベとジェラートも居て、ボスに反感を持つ前だった。 あれから、そう、色んなことがあった。 身を粉にして組織を大きくしたというのに、与えられた対価はそれに見合うことは無く。ボスはリゾットが嫌っている麻薬を金のために、裏の人間だけではなく一般市民にまで売り出した。 それがリゾットには気に食わなかった。元々リゾットは裏の人間が必要以上に表の人間と関わる事を良いとは思っていなかったし、麻薬は人をボロボロにする。短い目で見れば金になる商売かもしれないが、長い目で見れば害にしかならない。 そうこうしている内に、待遇に不満を抱いたソルベとジェラートがボスのことを調べ始めて、殺された。 そんな様々な要因が重なって、トリッシュというボスの娘の噂が切っ掛けとなり、リゾットたちは組織を裏切った。ボスを倒すために。 そして、昔夢見た理想を現実にするために。 しかし、現実は非情で、リゾットの仲間たちはボスの娘を護衛するブチャラティチームたちと戦い、死んでいった。 リゾットも一人ボスと対峙し、負けた。そう、ボスのスタンド能力の前にリゾットは敗北したのだ。裏の世界では負けはそのまま死に繋がる。つまり、リゾットは死んだ――はずだった。 (そうだ。俺はエアロスミスの銃弾を受けて死んだはずだ) 未だ上手く働かない思考をフル回転させてリゾットはこの状況を理解しようとした。何故、イタリアのサルディニア島でボスに敗れた自分がこんな城の見える平原に居るのか。しかも―― (この女、あんたたち……複数形で訊いた?) そのことに疑問を持ったリゾットは、目の前にいる少女を警戒しながらゆっくりと上体を起こし、体を捻って後方に視線を動かした。 「!!?」 その瞬間、リゾットはこれまで味わった事の無いほどの混乱に襲われた。 メタリカを体内に宿しているせいで白目の部分が充血している、他人とは違う目を大きく見開いて自分の後ろに広がっている光景を呆然とした表情で見つめる事しかできない。 (馬鹿な……っ、これは、どういうことだ?!) サルディニア島に居たはずなのに、こんな観光地のような場所に居る事も不可思議な事だが、それ以上に不可解なことが目の前に広がっている。 「ホルマジオ……、イルーゾォ……、プロシュート……、ペッシ……、メローネ……、ギアッチョ……。馬鹿な……、死んだはずだ……ッ」 そう、リゾットの背後には死んだはずの彼の仲間たちが倒れていたのだ。 暗殺チームのリーダーとして普段から滅多に感情を揺らす事の無いリゾットだが、この状況にはただ心の底から驚愕するしかなかった。 (天国とでも言うのか?) イタリア生まれのイタリア育ちであるリゾットはギャングに入って後も基本的な思考はローマ・カトリックに由来していた。 そのため、この異常な状態を天国と思ったわけだが――、それにしてはどうも様子がおかしい。 混乱しながらも、仲間たちは全員気絶しているだけだと確認したリゾットは、次に周りの様子を慎重に観察し始めた。 目の前には未だに少女が憤然とした面持ちで仁王立ちしている。 その遥か後ろには平地用の――つまりは守りに向いてない移住性を重視した――城が聳え立っていた。 そして、その城と少女の間に、十数人ほどの人間が、全員同じような黒いマントを羽織ってまるでファンタジーに出てくる魔法使いの持つ杖のようなものを手にして、リゾットたちを物珍しそうな顔で眺めている。 「あんたたち、誰?」 もう一度少女は聞いてきた。瞳には苛立ちの色がはっきりと見える。それ以外には、焦りと、少しばかりの恐怖。 期待通りに行かなかった事に対する拍子抜けしたような感情。それと、大きな疑問だろうか。この事態に戸惑っているようにも思えた。 「……オレは……、リゾットだ」 とりあえずリゾットはそれだけ答えた。頭の中では未だに黄色いヒヨコが踊っている。 (とにかく、ここがどこか分かるまではこちらの情報は最低限隠さなければいけないな……) 「どこの平民?」 平民? この問いにリゾットは一瞬詰まった。身分社会が崩壊して久しいこの時代、ヨーロッパにも貴族と呼ばれる人種は居るが、こういった物言いをすることはない。 つまり、導き出される結論は、ここはヨーロッパ以外の身分社会がまだ残っている土地か――、はたまた、地球ではないどこかだ。 (本当に異世界だとすると――ナルニア国年代記のようなものか) リゾットは幼い頃に読んだヨーロッパで有名なファンタジーシリーズの名前を挙げて秘かに笑った。 従兄弟が憧れていたファンタジーの世界に――もしかしてだが――自分が足を踏み入れているのかと思うと、なんとも言いがたい気分になってくる。 「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」 と、リゾットが物思いに耽っている間に、周囲の時間はどんどん進んでいたようだ。 驚きが終わった野次馬たちが、馬鹿にしたような色を浮かべながら声を掛けてくる。げらげらという爆笑をバックコーラスにして。 「ちょ、ちょっと間違っただけよ!」 「間違いって、ルイズはいっつもそうじゃん」 「さすがはゼロのルイズだ!」 ルイズ――どうやらこの桃色掛かった金髪の少女の名前らしい――の拙い反論に、他の子供たちは一斉に笑い声を上げ、馬鹿にする。 そんな子供たちの幼稚な行為に、リゾットは眉を顰めた。 他人を嘲笑うという行動は大きく分けて、自分に絶対の自信があるために相手を軽く見るというものと、相手を軽んじる事で自分が優れていると錯覚したいというものがある。 しかし、どちらの場合も相手の実力を過小評価し、自分の実力を過大評価する傾向にある。そして、それは殺し合いの世界に身を置く者としては非常に不味い事であった。 自分を強いと思うことは油断を招くし、相手を弱いと思うことは隙を生む。過去、その結果として自分に殺された要人やギャングなどの構成員たちを思い出しつつ、リゾットは緩やかに警戒レベルを戦闘時から常時に戻した。 どうやらそこに居る人間たちが結託してリゾットたちを攻撃するような状況にはならないらしい。 けれども、疑問は何一つとして解消されて無い。リゾットは慎重に彼らの出方を待った。 「ミスタ・コルベール!」 少女がまた叫ぶ。誰か――リゾットが推測するに引率者――を呼んだようで、その声に反応して人垣の中から中年の男性が進み出た。 丸い眼鏡をかけた、額から頭のてっぺんまで禿げている温厚そうな男である。この男も真っ黒なローブを身に纏い、大きな木の杖を手にしていた。 絵本や映画などに出てくる魔法使いそのものの姿だ。街でこんな格好をしていたら、道行く人たちに白い目で見られることは確実である。 が、その男――ミスタ・コルベールと呼ばれていた――を見て、リゾットの暗殺者としての感覚が盛大に反応した。 一気に警戒レベルが跳ね上がり、ドッドッドッと心臓が血液を全身に送り出そうと動き出す。酸素が体中を駆け巡り、思考が活性化する。 (この男……、強い! そして、戦い慣れしている!) 男の表情や足運びなどから彼の実力を推測したリゾットは、全身の筋肉を強張らせた。 しかし、そんなリゾットの考えとは裏腹に、男は昼行灯という言葉が似合うほど害意の無い顔でルイズという少女に対して返事をする。 「なんだね。ミス・ヴァリエール」 「あの! もう一回召喚させてください!」 そうして、のんびりとした男とは対象的に、身振り手振りで気を引き必死になって何事かを頼み込んでいるルイズの台詞に、リゾットは思い切り困惑した。 (召喚だと?) その単語を聞いて真っ先に思い出したのは、やはりチーム仲間の一人、ジャッポネーゼマニアのメローネがやっていた(ジャッポネーゼ言葉ではプレイするというらしいが)ファイナル○ァンタジーとかいう、指輪物語の設定を下地にしているRPGとかいうTVゲームだった。 頭に角を生やして杖を持った幼女が脳裏に浮かぶ。そういえば目の前にいる少女も幼い。角は生えてないようだが、杖は持っていた。 「それはダメだ。ミス・ヴァリエール」 「どうしてですか!」 「決まりだよ。二年生に進級する際、君たちは『使い魔』を召喚する。今、やっているとおりだ」 半ば涙目になりながらルイズは尚も言い募るが、コルベールは素っ気無く首を振るだけだ。 周りの生徒たちはコルベールとルイズの会話を邪魔しないように大声で笑う事は止めていたが、ルイズに対してニヤニヤと歪んだ笑みを向けている。 (召喚……使い魔……。この二人の言葉をそのまま信じるのなら、オレは……いや、オレたちは地球から別の世界に呼び出されたということか!) コルベールの登場で脳に充分な酸素が行き渡ったリゾットは、先入観を棄ててこの事態を正確に把握する事に専念する。 この状況が理解できなければ、どういった行動が最適になるのかも分からない。 リゾットの能力ならばここにいる全員を一気に殺すことも可能だが、それをして仲間が危険になるような事になってしまっては困る。 「それによって現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、それにより専門課程へと進むんだ。一度呼び出した『使い魔』は変更することはできない。何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからだ。好むと好まざるにかかわらず、彼らのうちの誰かを使い魔にするしかない」 「でも! 平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!」 ルイズが屈辱と怒りで頬に朱を散らせて大声を張り上げると、また子供たちが一斉に笑った。 それをルイズが悔しそうな瞳で睨みつけるが、それでも笑い声の大合唱は止まらない。 リゾットはあまりに幼稚すぎる子供たちの反応に、呆れたような視線を向けた。 あまりに呑気すぎる。イタリアの小学生より程度が低いかもしれない。 (それにしてもオレたちはこのルイズとかいう女に呼び出されたのか……。使い魔…………というとあれか、黒猫のような扱いを受けるのか) 生粋のイタリア育ちのリゾットが想像する使い魔と言えば、ローマ・カトリックの魔女狩りでイメージが固定化された黒猫である。 ちなみにリゾットの脳内では、箒に乗った鉤鼻の魔女が黒猫を従えて満月をバックに飛んでいる姿が浮かんでいた。 (それは……少し、いや、かなり嫌だな。というよりこの傲慢で駄々っ子なマンモーニの下につくなど真っ平ゴメンだ。逃げるのが得策だと思うが……、仲間を見捨てるわけにはいかない。どうするべきか……) リゾットはこの短い時間でルイズの性格を端的にだがきちんと把握していた。ルイズには悪いが、このような人間は雇い主としては最低の部類に入る。きっと食事すらまともに与えてはくれないだろう。 「これは伝統なんだ。ミス・ヴァリエール。例外は認められない。彼らは……」 リゾットが本気で対策を考え始めた頃、コルベールの説教も終わりに掛かっていた。 「ただの平民かもしれないが、呼び出された以上、君の『使い魔』にならなければいけない。古今東西、人を使い魔にした例はないが、春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆるルールに優先する。彼らのうち誰か一人には君の使い魔になってもらわなくてはな」 「そんな……」 (どうやら使い魔とやらは一人しかなれないらしいな。しかし……、仲間にそれを押し付けることはリーダーとしてあってはならない行為だ……) がっくりと肩を落として溜め息を吐くルイズに少しむっとしながら、リゾットは冷静に情報を処理していく。 今までの会話や様子から推測できる事をまとめると、こんな感じだ。 一、ここは魔法使いが存在する異世界である。 二、リゾットたちはルイズと呼ばれる少女の使い魔として呼ばれた。 三、何故か知らないが、仲間たちは全員生き返っている。 四、彼らは学校に所属している。コルベールと呼ばれる男が教師らしい。 五、彼女らは二年生になったばかり。 六、現在、ここの季節は春だ。 七、ルイズと呼ばれる少女はクラスメイトから軽んじられていると思われる。 八、使い魔は一人一体が原則。 九、この国は平和である。 十、彼らは全員中流以上の家庭の生まれ。 ほかにも細々としたところが推測できたが、彼らと関わる上で重要になってくるところと言えばこれくらいだろう。 「さて、では、儀式を続けなさい」 「えー、彼らのうち、誰かと?」 「そうだ。早く。次の授業が始まってしまうじゃないか。君は召喚にどれだけ時間をかけたと思ってるんだね? 何回も何回も失敗して、やっと呼び出せたんだ。いいから早く一人を選んで契約したまえ」 コルベールがそう厳しく言うと、途端に周りから、そうだそうだ、早くしろよ、どれも一緒だからさっさと選べよ、などといった野次が飛ぶ。 あまりのウザさにリゾットは一瞬メタリカを使い全員の口をホッチキスの針で縫い止めようかと思ったが、止めておいた。そんなことより仲間の事が気に掛かる。 何故選ばれたのかは不明だが、この召喚によって――ソルベとジェラートは除くが――全員が生き返っている事は、リゾットにとって幸運だった。 暗殺チームに身を置き、それを率いる事になったリゾットにはチーム以外に信頼できる人間がいない。チームが家族と言っても過言では無いくらい互いを大切に感じてもいる。 (――つまり、これは恩か?) ルイズの召喚の儀式がなければ自分も仲間たちも死んだままだった。そう考えると、リゾットはルイズにかなりの恩を受けたことになる。 「ねえ」 新たな発見に脳をフル回転させていたリゾットに、空気をまったく読まずにルイズが声を掛けてくる。 リゾットが顔を上げるとそこには何かを決意して唇を真一文字に結んだルイズが立っていた。 「なんだ?」 「起きているのがあんただけだし、まあ、顔もそこそこイケてるし……。とにかく、感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから」 リゾットが返事をすると、瞳にあった決意はあっさりと霧散し、ルイズはブツブツと言い訳を口にする。 そのマンモーニぶりにリゾットはメタリカで説教したくなったが、いきなり目を閉じたルイズに虚を突かれた。 はて、何をするつもりなのだろう。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 疑問を感じているリゾットの前でルイズは杖を振ると、朗々とした声で呪文と思しき言葉を唱えた。 そうして、リゾットが反応するより先に、杖をリゾットの額に置く。 (何だ?! 体が動かないだと?!) とっさに避けようとしたリゾットは、そこに来て自分の体の自由が利かないことに気付いた。 上体を起こして膝立ちになった格好から、全身が彫像になったかのように身動きが取れない。そうして、そのことに戸惑っている間に、どんどんルイズの顔は近づいてくる。 一体なにが起こるんだ? そう思ったとき、ルイズの唇がリゾットの唇に重なった。柔らかい感触がする。 目を閉じたルイズは何故か頬を染めているが、リゾットにとっては蚊に刺された事と同レベルだ。 と、無感動にルイズを見つめているうちに(何しろ体が動かないのでそれ以外出来ない)キスは終わり、ルイズは唇を離した。 「終わりました」 少し恥らいながらコルベールに向かって報告するルイズを、リゾットは冷めた表情で眺める。 「『サモン・サーヴァントは』何回も失敗したが、『コントラクト・サーヴァント』はきちんとできたね」 やっと厄介ごとが終わったというように晴れ晴れとした顔でコルベールが言った。 その言葉にリゾットは心の中だけで盛大に舌打ちする。やはり今のは使い魔とやらの契約の儀式だったらしい。 面倒な事になったと、頭を抱えたくなった。ルイズの唇が離れたせいか、体は元通り動くようになっていた。 後ろをもう一度覗くが、仲間たちはまだ目を覚まさない。普段の彼らならすぐに起きるのだが、一回死んでいるので勝手が違うのだろうか。 殴って起こそうかとも考えたが、スタンド攻撃が飛んできそうなので遠慮しておいた。 ここでザ・グレイトフル・デッドやホワイト・アルバムなんぞを発生させたら大変な事になる。 「相手がただの平民だから『契約』できたんだよ」 「そいつが高位の幻獣だったら、『契約』なんかできないって」 リゾットの注意が逸れている間も彼らの会話は進んでいく。それにしても平民平民と煩いものだ。リゾットは真剣にメタリカで口を塞ごうかと考える。 「バカにしないで! わたしだってたまにはうまくいくわよ!」 「ほんとにたまによね。ゼロのルイズ」 おほほほ、と今にもお嬢様笑いが聞こえてきそうな声音で、見事な巻き毛を持つブロンドの少女が言う。 顔にはそばかすが散っていて、まだまだガキといった容貌だ。外見と中身が比例している良い例である。 「ミスタ・コルベール! 『洪水』のモンモランシーがわたしを侮辱しました!」 「誰が『洪水』ですって! わたしは『香水』のモンモランシーよ!」 「あんた小さい頃、洪水みたいなおねしょしてたって話じゃない。『洪水』の方がお似合いよ!」 「よくも言ってくれたわね! ゼロのルイズ! ゼロのくせになによ!」 「こらこら。貴族はお互いを尊重しあうものだ」 ルイズとモンモランシーとかいう女の聞くに堪えない低レベルな口喧嘩(少なくともリゾットは耳栓がほしくなった)を、穏やかな声でコルベールが宥める。 この男、この集団と一人で相対しても勝てるほど飛び抜けた強さを持っているが、あまり畏怖されていないようだ。その事に僅かに首を傾げた瞬間、リゾットの体が熱くなった。 「なんだ、これはッ?!」 熱の発信源はどうやら左腕のようだ。見れば左手の甲に見知らぬ文様が刻まれていっている。熱い。 我慢出来ないほどではないが、脂汗が滲むのを感じた。 「『使い魔のルーン』が刻まれているだけよ。すぐ終わるわよ」 やはりさっきのキスが契約履行の条件だったらしく、ルイズは苛立った声で説明してくれた。 どうやら契約のキスがよっぽどおきに召さなかったと思われる。しかし、激痛に襲われるリゾットにはそこまでルイズを観察する余裕は無い。 ぐっと唇を噛み締めて痛みに耐える。そして、その数瞬後、熱と痛みはあっさりと退いた。 「……使い魔のルーンか……。本格的だな……」 異常が終わった事に安堵の息を吐いたリゾットは、左手の甲に浮かび上がった文様を見てそう零した。 すると、コルベールが近づいてきて、リゾットの左手を持ち上げた。リゾットは反射的に攻撃に転じようとして、意識的にそれを抑えた。 コルベールにはリゾットに危害を加えようとする意志は無い。ただ、リゾットに刻まれたルーンを確認しようとしているだけだ。 相手に完全に敵意が無いことを理解し、リゾットはそれまで無意識に行っていた警戒を解いた。 この男はリゾットが敵になろうと思わない限り攻撃してこないだろう。 「ふむ……。珍しいルーンだな」 何か突っ込まれるかと思ったが、感想はそれだけのようだった。 もしかしたら自分が普通の人間ではないことがばれるかもしれないと思っていたリゾットは、この台詞に安心する。 「さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」 「ちょっと待ってくれ」 くるりと踵を返して生徒たちに指示を出すコルベールを、リゾットは呼び止めた。平民の事を侮っている者たちなので無視されるかもしれないと案じていたが、リゾットが初めて自主的に声を掛けたからか、コルベールは興味深げな顔をして振り返ってくれた。 「何かね、――……ええと……」 声を掛けたコルベールはそこで自分がこの使い魔の名前を知らないことに気付いたようで、視線で名前を尋ねる。 リゾットはここで反抗的な態度を取る事のデメリットを理解していたので、出来るだけ丁重な口調で話すことにした。 「リゾット。リゾット・ネエロという。不躾で悪いのだが、気絶している彼らを運ぶのを手伝ってもらいたいのだが、お願いできるだろうか?」 その言葉にコルベールは、ああ、と軽く頷いた。別に了承したのではなく、失念していたことを思い出した、という様子だ。 複数形で話してはいたが、リゾットの仲間の事はすっかり忘れ去られていたらしい。 「そうだな、六人もの人間を学院まで運ぶのは難しいだろう。分かった。彼らはわたしが責任をもって学院に送り届けよう。君はミス・ヴァリエールと共に来たまえ」 そう言って今度こそコルベールは生徒たちに向き直り、宙に浮かんだ。 魔法使いと思わしき格好をしていることから、リゾットはこの可能性を頭のどこかで肯定していたが、想像と実際に見てみるとは大違いだという事を知る。 思わずぽかんとした間抜けな表情で、すうっと空中に飛び上がって静止するコルベールの後ろ姿を見上げる。さらに生徒たちも一斉に空へと浮かんだ。 およそ十メートルの高度で留まっている。ある意味でとても衝撃が強い光景だ。メローネなんかは飛び跳ねて喜びそうだが、あいにくとリゾットにそんな余裕は無い。 生まれて初めて見る魔法にひたすら唖然としていた。そうしているうちに、まずはコルベールが気絶しているリゾットの仲間たちを背後に浮かべて地平線の少し手前に位置している城へ向かって飛び出す。 「ルイズ、お前は歩いてこいよ!」 「あいつ『フライ』はおろか『レビテーション』さえまともにできないんだぜ」 「その平民、あんたの使い魔にお似合いよ!」 次に生徒たちが口々にルイズをからかう言葉を残して去っていった。 これにはさすがのリゾットも、人間が宙を飛んでいくという画期的なシーンを目撃した興奮に砂をかけられた気分になった。 ある意味心沸き立つ光景であったため余韻に浸りたかったのだが、台無しである。が、そのおかげで現実に立ち戻ったリゾットは、横に居るルイズを見やった。 ルイズは先ほどの生徒たちの哄笑に怒りを感じているらしく、苛立ちを込めた視線で去っていく生徒たちの後ろ姿を睨みつけていた。 「あんた、なんなのよ!」 しかし、リゾットが自分を見ていることに気付くと、いきなりキレてきた。リゾットは一瞬この展開の速さについて行けずに目を見張る。 もっとも感情豊かなルイズに比べたら微々たる変化なので、相対するルイズは無反応だと感じたようで、さらに言葉を重ねるために息を吸った。 「なんで『サモン・サーヴァント』であんたみたいな平民を呼び出しちゃうのよ! ああ、ドラゴンとかグリフォンとかマンティコアとか……カッコいいのがよかったのに。それがダメだったらせめてフクロウとかワシとかそんな有能な使い魔を望んでたのに!」 どうやら癇癪玉が爆発してしまったらしい。地団太を踏んで悔しがっている。 リゾットはそんなルイズに向かってメタリカを発動させたかったが、仲間を全員生き返らせてもらった恩があるので何とか堪える。 ギアッチョだったら即行ブチギレて殴りかかるだろうな、プロシュートなら説教タイムに突入するだろう。と、苛々を紛らわせるために別のことを考えながら。 「…………それなのに、それなのに! なんであんたみたいな平民がのこのこ召喚されちゃうの?! 由緒正しい古い家柄を誇るヴァリエール家の三女であるこのわたしがなんであんたみたいな平民を使い魔にしないといけないの? ああ、わたしの人生お先真っ暗だわ!」 「………………それはすまないな。ところでミス・ヴァリエール」 全然申し訳ないと思ってない表情と声でリゾットは謝ってみせる。 ルイズはそれに対して、誠意が篭ってない! と怒鳴ったが、一応話を聞くつもりはあるらしい。じっとリゾットの目を見つめた。 「ここはどこなのか教えてもらえないか?」 「は? あんたそんな田舎から来たの? ここはトリステインよ。そして、あそこに見える城がトリステイン魔法学院! ちなみにわたしは二年生のルイズ・ド・ラ・ヴァリエールよ。今日からあんたのご主人様だからね。ちゃんと覚えておきなさいよ」 だが断る。と、リゾットは返そうと思ったが、話がややこしくなるので止めておく。 その代わり新たに入った知識で推測を補強することにした。 (この国の名前はトリステイン。地球上には存在しない国だな。先ほどの魔法の件もあるから、ここは本当に正真正銘の異世界なのだろう。 そして、トリステイン魔法学院とか言ったな。ならばそこは国立校だと分かる。 その学校に通っているという事は、このルイズとか言う女はかなり身分の高い貴族だという事になる。そうして、貴族は平民を見下している。それもかなり徹底的にな) ルイズはその隣で、トリステイン魔法学院も知らない田舎者の平民を使い魔にするなんて。しかも、ファーストキスだったのに。 と、さらに嘆いていたが、自分の思考に没頭していたリゾットは余裕で無視した。 (とりあえず今はこの世界の情報を手に入れる事を優先しなくてはいけないな。ボスへの反逆でここしばらく緊迫した状態が続いていたからな……、少しは休息も必要だろう。それに……この女には恩もある) リゾットは飽く迄仲間たちのことを考えていた。成り行きで使い魔になってしまったが、人の実力を見極める事もできずに喚き散らすだけしか出来ない主人に忠誠を誓う気はまったく持ってない。 ――つまり、真面目に使い魔をやる気などこれっぽっちもないのである。しかし、ルイズに恩があることも事実。それを返さないことはリゾットの生き様にも関わる不祥事だ。 (恩を返すまでは使い魔として仕えるが、それ以後は………………この女次第だな) ちらりと横目でリゾットはルイズを見下ろす。彼女はまだリゾットたちを召喚してしまった事を嘆いていた。始祖ブリミルがどうとかこうとかと呟いている。 しかし、リゾットはこの我侭な少女が、まだ研磨する前の宝石のような存在である事を見抜いていた。
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流動的なので、変更される可能性があります。内容については正確かどうかを再度確認してください。 薬剤師が取り扱いできる品目は薬事法改正その他を参照してください。 薬学部卒業後の医薬品販売業へのルートについて 薬学部既卒者(薬剤師免許無し)→薬種商のルート 卒業証明書により実務と試験は免除されて店舗の開設許可(薬種商として)は下りるとのこと。 薬種商は店舗の開設と同時に申し込む必要がある、また、制度の運用は地区によって違うらしいので注意。 薬学部既卒者(薬剤師免許無し)→登録販売者のルート 登録販売者の試験が必要 4年制の薬学部卒業者(平成18年以降の入学者)→登録販売者のルート 実務経験と登録販売者の試験が必要 6年制の薬学部卒業者(平成18年以降の入学者)→登録販売者のルート 現場での実務経験は免除。登録販売者の試験が必要 薬学部既卒者(卒業後に薬剤師国家試験に受からなかったもの)の薬剤師国家試験受験について 「4年制の薬学部卒業者(平成17年以前の入学者)」は追加の実習を受けることなく今後とも薬剤師国家試験を受験することが出来ます。 薬学部在籍中に登録販売者の資格を取ると有利か? 2年生以降は実習などがあり、80時間/月もドラッグストアでアルバイトしていると、勉学がおろそかになります。 よっぽどでない限り、実習や勉強に気合を入れたほうが将来有利です。もしくはアロマなどやや関連資格、語学などを取得するようにしましょう。 ※詳細は、厚生労働省や都道府県の薬務課に確認してください。 ※基本的に、薬剤師の国家試験を取得するのが上策です。しっかりと勉強しましょう! 参考資料: 薬事法の一部を改正する法律の一部の施行について 厚生労働省医薬食品局長通知一部抜粋 ア 薬科大学等を卒業した者の取扱いについて 旧大学令(大正7年勅令第388号)に基づく大学及び旧専門学校令(明治36年勅令第61号)に基づく専門学校において薬学に関する専門の課程を修了した者、平成18年3月31日以前に学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学(短期大学を除く。)に入学し、当該大学において薬学の正規の課程を修めて卒業した者又は平成18年4月1日以降に大学に入学し、当該大学において薬学の正規の課程(学校教育法第87条第2項に規定する6年制課程の薬学部に限る。)を修めて卒業した者は、受験資格を有すると認められる。 一方、平成18年4月1日以降に学校教育法に基づく大学に入学し、当該大学において薬学の正規の課程(学校教育法第87条第2項に規定する6年制課程の薬学部を除く。)を修めて卒業した者は、下記イと同様の取扱いをするものであること。 注:下記イとは「高校等を卒業した者の取扱いについて」と同等とのこと 四年制と六年制の違いについて Wikipediaを参照のこと 北海道薬科大学 ※2008/2時点で調べた分です。詳細については必ず厚生労働省などに確認をしてください。 EOF
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2009年民主党マニフェストの内容 1ムダづかい 1.現在の政策・支出を全て見直す 【政策目的】 ○自民党長期政権の下で温存された族議員、霞が関の既得権益を一掃する。 ○政策コスト、調達コストを引き下げる。 【具体策】 ○「行政刷新会議(仮称)」で政府の全ての政策・支出を、現場調査、外部意見を踏まえて、検証する。 ○実施方法・調達方法を見直し、政策コスト、調達コストを引き下げる。 ○不要不急の事業、効果の乏しい事業は、政治の責任で凍結・廃止する。 検証→評価保留 行政刷新会議で事業仕分けを2010年2011年おこなっている。 予算が削れている模様。 しかしいくら削れたのかはちょっとわからない。 いままでとくらべてどのぐらい予算が縮小したのか、廃止された事業が刷新会議が行われる前と比べてどのくらい増えたのかの数字がみあたらない。 なので評価は保留。 技術予算を削減することに対しては、日本の競争力をそぐという批判から、補助がないとできないなら競争力がそもそもないという反論(ホリエモン)もあり、賛否両論。 行政刷新会議 2.特別会計、独立行政法人、公益法人をゼロベースで見直す 【政策目的】 ○財政を透明にして、国民の政治に対する信頼を高める。 ○税金のムダづかいを根絶する。 【具体策】 ○特別会計をゼロベースで見直し、必要不可欠なもの以外は廃止する。 ○独立行政法人の実施する事業について、不要な事業や民間で可能な事業は廃止し、国が責任を負うべき事業は国が直接実施することとして、法人のあり方は全廃を含めて抜本的な見直しを進める。 ○実質的に霞が関の天下り団体となっている公益法人は原則として廃止する。公益法人との契約関係を全面的に見直す。 検証→評価保留 財務省のHPによると、特別会計のみなおしは、平成17年2004年から始まっている。財務省主導で自民党時代から行っている。 なので民主党の功績とはいえない。 2008年以前にくらべてどのくらい減ったかの検証が必要 http //www.mof.go.jp/budget/topics/special_account/touhai.htm 3.国が行う契約を適正化する 【政策目的】 ○政策コスト、調達コストの引き下げで税金のムダづかいを根絶する。 ○政府調達をオープンにして、多くの国民が参加できるようにする。 【具体策】 ○公務員OBを官製談合防止法の適用対象にする。 ○随意契約、指名競争入札を実施する場合には、徹底的な情報公開を義務付ける。 ○契約の事後的検証と是正措置を担う「政府調達監視等委員会」を設置する。 検証 公務員OBを官製談合防止法の適用対象に 毎日新聞民主党マニフェストの通信簿によると 未着手 0点 随意契約、指名競争入札を実施する場合には、徹底的な情報公開を義務 毎日新聞民主党マニフェストの通信簿によると 未着手 0点 「政府調達監視等委員会」 作られた形跡なし 0点 4.公務員制度の抜本改革の実施 【政策目的】 ○公務員に対する信頼を回復する。 ○行政コストを適正化する。 ○労働者としての公務員の権利を認め、優秀な人材を確保する。 【具体策】 ○2008年に成立した「国家公務員制度改革基本法」に基づき、内閣の一元管理による新たな幹部職制度や能力・実績に応じた処遇などを着実に実施する。 ○定年まで働ける環境をつくり、国家公務員の天下りのあっせんは全面的に禁止する。 ○地方分権推進に伴う地方移管、国家公務員の手当・退職金などの水準、定員の見直しなどにより、国家公務員の総人件費を2割削減する。 ○公務員の労働基本権を回復し、民間と同様、労使交渉によって給与を決定する仕組みを作る。 検証 内閣の一元管理による新たな幹部職制度や能力・実績に応じた処遇などを着実に実施 内閣人事局が計画されているが、人事院の抵抗により先送り中 定年まで働ける環境をつくり、国家公務員の天下りのあっせんは全面的に禁止する。 元大蔵官僚の斎藤次郎氏を日本郵政社長に起用。斡旋してる・・・ 国家公務員の総人件費を2割削減 2012年2月に「今国会中に提出する予定の民主党議員立法の素案「行政構造改革実行法案」に2割削減を明記。しかし達成時期は明記しないもよう。」 http //www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/349471.html 公務員の労働基本権回復 ILOの勧告にもとづくものらしい。でもこれの目的がちょっとわからない。これで優秀な人材を確保するということなのか?そんなんでくるのかな? 2割削減とかもっとむりになるんじゃ? 5.政と官の関係を抜本的に見直す 【政策目的】 ○政治主導を確立することで、真の民主主義を回復する。 【具体策】 ○与党議員が100人以上、大臣・副大臣・政務官等として政府の中に入り、中央省庁の政策立案・決定を実質的に担う。 ○政治家と官僚の接触に係わる情報公開などで透明性を確保する。 6.企業団体献金・世襲を禁止する 【政策目的】 ○政治不信を解消する。 ○多様な人材が政治家になれる環境を整備する。 【具体策】 ○政治資金規正法を改正し、その3年後から企業団体の献金及びパーティー券購入を禁止する。 ○当面の措置として、国や自治体と1件1億円以上の契約関係にある企業等の政治献金・パーティー券購入を禁止する。 ○個人献金を普及促進するための税制改革を実施する。 ○現職の国会議員の配偶者及び三親等以内の親族が、同一選挙区から連続して立候補することは、民主党のルールとして認めない。 ○政治資金を取り扱う団体を親族に引き継ぐことは、法律で禁止する。 ○誹謗中傷の抑制策、「なりすまし」への罰則などを講じつつ、インターネット選挙活動を解禁する。 7.国会議員の定数を削減する 【政策目的】 ○行財政改革を進めるとともに、政権交代が実現しやすい選挙制度とする。 【具体策】 ○衆議院の比例定数を80削減する。参議院については選挙制度の抜本的改革の中で、衆議院に準じて削減する。 8.税金の使い途をすべて明らかにする 【政策目的】 ○税金の使い途をすべて明らかにして、国民のチェックを受ける。 ○決算を予算に反映させ、政策評価を徹底する。 【具体策】 ○予算編成過程を原則公開するとともに、執行を厳格に管理する。 ○決算に関する情報公開を徹底するとともに、提出時期を前倒しすることで予算との連動性を高める。 ○一般会計・特別会計について、企業会計に準じた財務書類の作成、国会提出を法定化する。 9.公平で、簡素な税制をつくる 【政策目的】 ○税制の既得権益を一掃する。 ○租税特別措置の効果を検証し、税制の透明性、信頼性を高める。 【具体策】 ○租税特別措置の適用対象を明確にし、その効果を検証できる仕組みをつくる。 ○効果の不明なもの、役割を終えた租税特別措置は廃止し、真に必要なものは「特別措置」から「恒久措置」へ切り替える。 2子育て・教育 10.出産の経済的負担を軽減する 【政策目的】 ○ほぼ自己負担なしに出産できるようにする。 【具体策】 ○現在の出産一時金(2009年10月から42万円)を見直し、国からの助成を加え、出産時に55万円までの助成をおこなう。 ○不妊治療に関する情報提供、相談体制を強化するとともに、適応症と効果が明らかな治療には医療保険の適用を検討し、支援を拡充する。 【所要額】 2000億円程度 11.年額31万2000円の「子ども手当」を創設する 【政策目的】 ○次代の社会を担う子ども1人ひとりの育ちを社会全体で応援する。 ○子育ての経済的負担を軽減し、安心して出産し、子どもが育てられる社会をつくる。 【具体策】 ○中学卒業までの子ども1人当たり年31万2000円(月額2万6000円)の「子ども手当」を創設する(平成22年度は半額)。 ○相対的に高所得者に有利な所得控除から、中・低所得者に有利な手当などへ切り替える。 【所要額】 5.3兆円程度 12.公立高校を実質無償化し、私立高校生の学費負担を軽減する 【政策目的】 ○家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生・大学生が安心して勉学に打ち込める社会をつくる。 【具体策】 ○公立高校生のいる世帯に対し、授業料相当額を助成し、実質的に授業料を無料とする。 ○私立高校生のいる世帯に対し、年額12万円(低所得世帯は24万円)の助成を行う。 ○大学などの学生に、希望者全員が受けられる奨学金制度を創設する。 【所要額】 9000億円程度 13.生活保護の母子加算を復活し、父子家庭にも児童扶養手当を支給する 【政策目的】 ○ひとり親家庭の自立を支援する。 【具体策】 ○2009年度に廃止された生活保護の母子加算を復活する。 ○母子家庭と同様に、父子家庭にも児童扶養手当を支給する。 ○5年以上の受給者等を対象に行っている児童扶養手当の減額制度を廃止する。 ○在宅就労の促進、保育所の優先入所、離婚時の養育費支払の履行確保などの総合的な支援策を講じる。 【所要額】 500億円程度 14.保育所の待機児童を解消する 【政策目的】 ○縦割り行政になっている子どもに関する施策を一本化し、質の高い保育の環境を整備する。 【具体策】 ○小・中学校の余裕教室・廃校を利用した認可保育所分園を増設する。 ○「保育ママ」の増員、認可保育所の増設を進める。 ○「子ども家庭省(仮称)」の設置を検討する。 15.全ての人に質の高い教育を提供する 【政策目的】 ○学校の教育環境を整備し、教員の質と数を充実させる。 【具体策】 ○全ての人にとって適切かつ最善な教育が保障されるよう学校教育環境を整備し、教育格差を是正する。 ○教員の資質向上のため、教員免許制度を抜本的に見直す。教員の養成課程は6年制(修士)とし、養成と研修の充実を図る。 ○教員が子どもと向き合う時間を確保するため、教員を増員し、教育に集中できる環境をつくる。 ○公立小中学校は、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等が参画する「学校理事会」が運営することにより、保護者と学校と地域の信頼関係を深める。 ○現在の教育委員会制度を抜本的に見直し、教育行政全体を厳格に監視する「教育監査委員会」を設置する。 ○生活相談、進路相談を行うスクールカウンセラーを全小中学校に配置する。 ○国際社会の中で、多様な価値観を持つ人々と協力、協働できる、創造性豊かな人材を輩出するためのコミュニケーション教育拠点を充実する。 【所要額】 600億円程度 3年金・医療 16.年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で、「一括補償」を実施する 【政策目的】 ○年金記録問題の被害者の補償を一刻も早く進める。 ○年金記録問題の再発を防ぐ。 ○公的年金制度に対する国民の信頼を回復する。 【具体策】 ○「消えた年金」「消された年金」問題への対応を「国家プロジェクト」と位置づけ、2年間、集中的に取り組む。 ○年金記録が誤っている可能性の高い受給者等を対象に、記録訂正手続きを簡略化する。 ○コンピューター上の年金記録と紙台帳の記録の全件照合を速やかに開始する。 ○年金記録を訂正した人が、本来の年金受給額を回復するまでの期間を大幅に短縮する。 ○全ての加入者に「年金通帳」を交付し、いつでも自分の年金記録(報酬月額を含む)を確認できるようにする。 【所要額】 2000億円程度 17.年金保険料の流用を禁止する 【政策目的】 ○公的年金制度に対する国民の信頼を回復する。 ○保険料流用を禁止することで、年金給付の水準を少しでも高める。 【具体策】 ○年金保険料は年金給付だけに充当することを法律で定める。 【所要額】 2000億円程 →検証2010年時点で法律で定められていない。年金給付以外にも使われていると長妻厚生労働大臣(当時)が答弁 18.一元化で公平な年金制度へ 【政策目的】 ○公的年金制度に対する国民の信頼を回復する。 ○雇用の流動化など時代にあった年金制度、透明で分かりやすい年金制度をつくる。 ○月額7万円以上の年金を受給できる年金制度をつくり、高齢期の生活の安定、現役時代の安心感を高める。 【具体策】 ○以下を骨格とする年金制度創設のための法律を平成25年までに成立させる。 <年金制度の骨格> ○全ての人が同じ年金制度に加入し、職業を移動しても面倒な手続きが不要となるように、年金制度を例外なく一元化する。 ○全ての人が「所得が同じなら、同じ保険料」を負担し、納めた保険料を基に受給額を計算する「所得比例年金」を創設する。 ○消費税を財源とする「最低保障年金」を創設し、全ての人が7万円以上の年金を受け取れるようにする。「所得比例年金」を一定額以上受給できる人には、「最低保障年金」を減額する。 19.年金受給者の税負担を軽減する 【政策目的】 ○年金受給者の負担を軽減し、高齢者の生活の安定を図る。 【具体策】 ○公的年金控除の最低補償額を140万円に戻す。 ○老年者控除50万円を復活する。 【所要額】 2400億円程度 20.歳入庁を創設する 【政策目的】 ○年金保険料のムダづかい体質を一掃する。 ○年金保険料の未納を減らす。 【具体策】 ○社会保険庁は国税庁と統合して「歳入庁」とし、税と保険料を一体的に徴収する。 ○所得の把握を確実に行うために、税と社会保障制度共通の番号制度を導入する。 検証 →これから 2012/2/9 民主党は歳入庁の設置について検討するワーキングチームを設置することを決めた http //www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E2EBE2E1978DE2EBE2E0E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2 21.後期高齢者医療制度を廃止し、国民皆保険を守る 【政策目的】 ○年齢で差別する制度を廃止して、医療制度に対する国民の信頼を高める。 ○医療保険制度の一元的運用を通じて、国民皆保険制度を守る。 【具体策】 ○後期高齢者医療制度・関連法は廃止する。廃止に伴う国民健康保険の負担増は国が支援する。 ○被用者保険と国民健康保険を段階的に統合し、将来、地域保険として一元的運用を図る。 【所要額】 8500億円程度 22.医療崩壊を食い止め、国民に質の高い医療サービスを提供する 【政策目的】 ○医療従事者等を増員し、質を高めることで、国民に質の高い医療サービスを安定的に提供する。 ○特に救急、産科、小児、外科等の医療提供体制を再建し、国民の不安を軽減する。 【具体策】 ○自公政権が続けてきた社会保障費2200億円の削減方針は撤回する。医師・看護師・その他の医療従事者の増員に努める医療機関の診療報酬(入院)を増額する。 ○OECD平均の人口当たり医師数を目指し、医師養成数を1.5倍にする。 ○国立大学付属病院などを再建するため、病院運営交付金を従来水準へ回復する。 ○救急、産科、小児、外科等の医療提供体制を再建するため、地域医療計画を抜本的に見直し、支援を行う。 ○妊婦、患者、医療者がともに安心して出産、治療に臨めるように、無過失補償制度を全分野に広げ、公的制度として設立する。 【所要額】 9000億円程度 23.新型インフルエンザ等への万全の対応、がん・肝炎対策の拡充 【政策目的】 ○新型インフルエンザによる被害を最小限にとどめる。 ○がん、肝炎など特に患者の負担が重い疾病等について、支援策を拡充する。 【具体策】 ○新型インフルエンザに関し、危機管理・情報共有体制を再構築する。ガイドライン・関連法制を全面的に見直すとともに、診療・相談・治療体制の拡充を図る。ワクチン接種体制を整備する。 ○乳がんや子宮頸がんの予防・検診を受けやすい体制の整備などにより、がん検診受診率を引き上げる。子宮頸がんに関するワクチンの任意接種を促進する。化学療法専門医・放射線治療専門医・病理医などを養成する。 ○高額療養費制度に関し、治療が長期にわたる患者の負担軽減を図る。 ○肝炎患者が受けるインターフェロン治療の自己負担額の上限を月額1万円にする。治療のために休業・休職する患者の生活の安定や、インターフェロン以外の治療に対する支援に取り組む。 【所要額】 3000億円程度 24.被爆者を援護する 【政策目的】 ○被爆者を早急に救済する。 【具体策】 ○高齢化している被爆者を早急に救済するため、被爆実態を反映した新しい原爆症認定制度を創設する。 ○被爆二世、在外被爆者を含め、被爆者の健康管理を拡充する。 25.介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる 【政策目的】 ○全国どこでも、介護の必要な高齢者に良質な介護サービスを提供する。 ○療養病床、グループホーム等の確保により、介護サービスの量の不足を軽減する。 【具体策】 ○認定事業者に対する介護報酬を加算し、介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる。 ○当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する。 【所要額】 8000億円程度 26.「障害者自立支援法」を廃止して、障がい者福祉制度を抜本的に見直す 【政策目的】 ○障がい者等が当たり前に地域で暮らし、地域の一員としてともに生活できる社会をつくる。 【具体策】 ○「障害者自立支援法」は廃止し、「制度の谷間」がなく、サービスの利用者負担を応能負担とする障がい者総合福祉法(仮称)を制定する。 ○わが国の障がい者施策を総合的かつ集中的に改革し、「国連障害者権利条約」の批准に必要な国内法の整備を行うために、内閣に「障がい者制度改革推進本部」を設置する。 【所要額】 400億円程度 4地域主権 27.霞が関を解体・再編し、地域主権を確立する 【政策目的】 ○明治維新以来続いた中央集権体制を抜本的に改め、「地域主権国家」へと転換する。 ○中央政府は国レベルの仕事に専念し、国と地方自治体の関係を、上下・主従の関係から対等・協力の関係へ改める。地方政府が地域の実情にあった行政サービスを提供できるようにする。 ○地域の産業を再生し、雇用を拡大することによって地域を活性化する。 【具体策】 ○新たに設立する「行政刷新会議(仮称)」で全ての事務事業を整理し、基礎的自治体が対応可能な事務事業の権限と財源を大幅に移譲する。 ○国と地方の協議の場を法律に基づいて設置する。 ○国から地方への「ひもつき補助金」を廃止し、基本的に地方が自由に使える「一括交付金」として交付する。義務教育・社会保障の必要額は確保する。 ○「一括交付金」化により、効率的に財源を活用できるようになるとともに補助金申請が不要になるため、補助金に関わる経費と人件費を削減する。 28.国の出先機関、直轄事業に対する地方の負担金は廃止する 【政策目的】 ○国と地方の二重行政は排し、地方にできることは地方に委ねる。 ○地方が自由に使えるお金を増やし、自治体が地域のニーズに適切に応えられるようにする。 【具体策】 ○国の出先機関を原則廃止する。 ○道路・河川・ダム等の全ての国直轄事業における負担金制度を廃止し、地方の約1兆円の負担をなくす。それに伴う地方交付税の減額は行わない。 29.目的を失った自動車関連諸税の暫定税率は廃止する 【政策目的】 ○課税の根拠を失った暫定税率を廃止して、税制に対する国民の信頼を回復する。 ○2.5兆円の減税を実施し、国民生活を守る。特に、移動を車に依存することの多い地方の国民負担を軽減する。 【具体策】 ○ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率は廃止して、2.5兆円の減税を実施する。 ○将来的には、ガソリン税、軽油引取税は「地球温暖化対策税(仮称)」として一本化、自動車重量税は自動車税と一本化、自動車取得税は消費税との二重課税回避の観点から廃止する。 【所要額】 2.5兆円程度 30.高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る 【政策目的】 ○流通コストの引き下げを通じて、生活コストを引き下げる。 ○産地から消費地へ商品を運びやすいようにして、地域経済を活性化する。 ○高速道路の出入り口を増設し、今ある社会資本を有効に使って、渋滞などの経済的損失を軽減する。 【具体策】 ○割引率の順次拡大などの社会実験を実施し、その影響を確認しながら、高速道路を無料化していく。 【所要額】 1.3兆円程度 31.戸別所得補償制度で農山漁村を再生する 【政策目的】 ○農山漁村を6次産業化(生産・加工・流通までを一体的に担う)し、活性化する。 ○主要穀物等では完全自給をめざす。 ○小規模経営の農家を含めて農業の継続を可能とし、農村環境を維持する。 ○国土保全、水源かん養、水質浄化、温暖化ガス吸収など多面的な機能を有する農山漁村を再生する。 【具体策】 ○農畜産物の販売価格と生産費の差額を基本とする「戸別所得補償制度」を販売農家に実施する。 ○所得補償制度では規模、品質、環境保全、主食用米からの転作等に応じた加算を行う。 ○畜産・酪農業、漁業に対しても、農業の仕組みを基本として、所得補償制度を導入する。 ○間伐等の森林整備を実施するために必要な費用を森林所有者に交付する「森林管理・環境保全直接支払制度」を導入する。 【所要額】 1.4兆円程度 32.食の安全・安心を確保する 【政策目的】 ○国民が安全な食料を、安心して食べられる仕組みをつくる。 ○食品安全行政を総点検する。 【具体策】 ○食品の生産、加工、流通の過程を事後的に容易に検証できる「食品トレーサビリティシステム」を確立する。 ○原料原産地等の表示の義務付け対象を加工食品等に拡大する。 ○主な対日食料輸出国に「国際食品調査官(仮称)」を配置して、輸入検疫体制を強化する。 ○BSE対策としての全頭検査に対する国庫補助を復活し、また輸入牛肉の条件違反があった場合には、輸入の全面禁止等直ちに対応する。 ○食品安全庁を設置し、厚生労働省と農林水産省に分かれている食品リスク管理機能を一元化する。併せて食品安全委員会の機能を強化する。 【所要額】 3500億円程度 33.郵政事業を抜本的に見直す 【政策目的】 ○現在の郵政事業には、国民生活の利便性が低下していること、地域社会で金融サービスが受けられなくなる可能性があること、事業を担う4社の将来的な経営の見通しが不透明であることなど、深刻な問題が山積している。郵政事業における国民の権利を保障するため、また、国民生活を確保し、地域社会を活性化することを目的に、郵政事業の抜本的な見直しに取り組む。 【具体策】 ○「日本郵政」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の株式売却を凍結するための法律(郵政株式売却凍結法)を可及的速やかに成立させる。 ○郵政各社のサービスと経営の実態を精査し、国民不在の「郵政事業の4分社化」を見直し、郵便局のサービスを全国あまねく公平にかつ利用者本位の簡便な方法で利用できる仕組みを再構築する。 ○その際、郵便局における郵政三事業の一体的サービス提供を保障するとともに、株式保有を含む郵政会社のあり方を検討し、郵政事業の利便性と公益性を高める改革を行う。 34.市民が公益を担う社会を実現する 【政策目的】 ○市民が公益を担う社会を実現する。 ○特定非営利活動法人をはじめとする非営利セクター(NPOセクター)の活動を支援する。 【具体策】 ○認定NPO法人制度を見直し、寄付税制を拡充するとともに、認定手続きの簡素化・審査期間の短縮などを行う。 ○国際協力においてNGOの果たす積極的な役割を評価し、連携を強化する。 【所要額】 100億円程度 5雇用・経済 35.中小企業向けの減税を実施する 【政策目的】 ○中小企業やその経営者を支援することで、経済の基盤を強化する。 【具体策】 ○中小企業向けの法人税率を現在の18%から11%に引き下げる。 ○いわゆる「1人オーナー会社(特殊支配同族会社)」の役員給与に対する損金不算入措置は廃止する。 【所要額】 2500億円程度 36.中小企業憲章の制定など、中小企業を総合的に支援する 【政策目的】 ○わが国経済の基盤である中小企業の活性化を図るため、政府全体で中小企業対策に全力で取り組む。 【具体策】 ○「次世代の人材育成」「公正な市場環境整備」「中小企業金融の円滑化」などを内容とする「中小企業憲章」を制定する。 ○最低賃金引き上げを円滑に実施するため、中小企業への支援を行う。 ○「中小企業いじめ防止法」を制定し、大企業による不当な値引きや押しつけ販売、サービスの強要など不公正な取引を禁止する。 ○貸し渋り・貸しはがし対策を講じるとともに、使い勝手の良い「特別信用保証」を復活させる。 ○政府系金融機関の中小企業に対する融資について、個人保証を撤廃する。 ○自殺の大きな要因ともなっている連帯保証人制度について、廃止を含め、あり方を検討する。 ○金融機関に対して地域への寄与度や中小企業に対する融資状況などの公開を義務付ける「地域金融円滑化法」を制定する。 ○公正取引委員会の機能強化・体制充実により公正な市場環境を整備する。 ○中小企業の技術開発を促進する制度の導入など総合的な起業支援策を講じることによって、「100万社起業」を目指す。 37.月額10万円の手当つき職業訓練制度により、求職者を支援する 【政策目的】 ○雇用保険と生活保護の間に「第2のセーフティネット」を創設する。 ○期間中に手当を支給することで、職業訓練を受けやすくする。 【具体策】 ○失業給付の切れた人、雇用保険の対象外である非正規労働者、自営業を廃業した人を対象に、職業能力訓練を受けた日数に応じて「能力開発手当」を支給する。 【所要額】 5000億円程度 38.雇用保険を全ての労働者に適用する 【政策目的】 ○セーフティネットを強化して、国民の安心感を高める。 ○雇用保険の財政基盤を強化するとともに、雇用形態の多様化に対応する。 【具体策】 ○全ての労働者を雇用保険の被保険者とする。 ○雇用保険における国庫負担を、法律の本則である1/4に戻す。 ○失業後1年の間は、在職中と同程度の保険料負担で医療保険に加入できるようにする。 【所要額】 3000億円程度 39.製造現場への派遣を原則禁止するなど、派遣労働者の雇用の安定を図る 【政策目的】 ○雇用にかかわる行き過ぎた規制緩和を適正化し、労働者の生活の安定を図る。 ○日本の労働力の質を高め、技術や技能の継承を容易にすることで、将来の国力を維持する。 【具体策】 ○原則として製造現場への派遣を禁止する(新たな専門職制度を設ける)。 ○専門業務以外の派遣労働者は常用雇用として、派遣労働者の雇用の安定を図る。 ○2ヵ月以下の雇用契約については、労働者派遣を禁止する。「日雇い派遣」「スポット派遣」も原則禁止とする。 ○派遣労働者と派遣先労働者の均等待遇原則を確立する。 ○期間制限を超えて派遣労働者を受け入れている場合などに、派遣労働者が派遣先に直接雇用を通告できる「直接雇用みなし制度」を創設する。 40.最低賃金を引き上げる 【政策目的】 ○まじめに働いている人が生計を立てられるようにし、ワーキングプアからの脱却を支援する。 【具体策】 ○貧困の実態調査を行い、対策を講じる。 ○最低賃金の原則を「労働者とその家族を支える生計費」とする。 ○全ての労働者に適用される「全国最低賃金」を設定(800円を想定)する。 ○景気状況に配慮しつつ、最低賃金の全国平均1000円を目指す。 ○中小企業における円滑な実施を図るための財政上・金融上の措置を実施する。 【所要額】 2200億円程度 41.ワークライフバランスと均等待遇を実現する 【政策目的】 ○全ての労働者が1人ひとりの意識やニーズに応じて、やりがいのある仕事と充実した生活を調和させることのできる「ワークライフバランス」の実現を目指す。 【具体策】 ○性別、正規・非正規にかかわらず、同じ職場で同じ仕事をしている人は同じ賃金を得られる均等待遇を実現する。 ○過労死や過労自殺などを防ぎ、労働災害をなくす取り組みを強化する。 42.地球温暖化対策を強力に推進する 【政策目的】 ○国際社会と協調して地球温暖化に歯止めをかけ、次世代に良好な環境を引き継ぐ。 ○CO2等排出量について、2020年までに25%減(1990年比)、2050年までに60%超減(同前)を目標とする。 【具体策】 ○「ポスト京都」の温暖化ガス抑制の国際的枠組みに米国・中国・インドなど主要排出国の参加を促し、主導的な環境外交を展開する。 ○キャップ&トレード方式による実効ある国内排出量取引市場を創設する。 ○地球温暖化対策税の導入を検討する。その際、地方財政に配慮しつつ、特定の産業に過度の負担とならないように留意した制度設計を行う。 ○家電製品等の供給・販売に際して、CO2排出に関する情報を通知するなど「CO2の見える化」を推進する。 43.全量買い取り方式の固定価格買取制度を導入する 【政策目的】 ○国民生活に根ざした温暖化対策を推進することにより、国民の温暖化に対する意識を高める。 ○エネルギー分野での新たな技術開発・産業育成をすすめ、安定した雇用を創出する。 【具体策】 ○全量買い取り方式の再生可能エネルギーに対する固定価格買取制度を早期に導入するとともに、効率的な電力網(スマートグリッド)の技術開発・普及を促進する。 ○住宅用などの太陽光パネル、環境対応車、省エネ家電などの購入を助成する。 44.環境に優しく、質の高い住宅の普及を促進する 【政策目的】 ○住宅政策を転換して、多様化する国民の価値観にあった住宅の普及を促進する。 【具体策】 ○リフォームを最重点に位置づけ、バリアフリー改修、耐震補強改修、太陽光パネルや断熱材設置などの省エネルギー改修工事を支援する。 ○建築基準法などの関係法令の抜本的見直し、住宅建設に係る資格・許認可の整理・簡素化等、必要な予算を地方自治体に一括交付する。 ○正しく鑑定できる人(ホームインスペクター)の育成、施工現場記録の取引時の添付を推進する。 ○多様な賃貸住宅を整備するため、家賃補助や所得控除などの支援制度を創設する。 ○定期借家制度の普及を推進する。ノンリコース(不遡及)型ローンの普及を促進する。土地の価値のみでなされているリバースモーゲージ(住宅担保貸付)を利用しやすくする。 ○木材住宅産業を「地域資源活用型産業」の柱とし、推進する。伝統工法を継承する技術者、健全な地場の建設・建築産業を育成する。 45.環境分野などの技術革新で世界をリードする 【政策目的】 ○1次エネルギーの総供給量に占める再生可能エネルギーの割合を、2020年までに10%程度の水準まで引き上げる。 ○環境技術の研究開発・実用化を進めることで、わが国の国際競争力を維持・向上させる。 【具体策】 ○世界をリードする燃料電池、超伝導、バイオマスなどの環境技術の研究開発・実用化を進める。 ○新エネルギー・省エネルギー技術を活用し、イノベーション等による新産業を育成する。 ○国立大学法人など公的研究開発法人制度の改善、研究者奨励金制度の創設などにより、大学や研究機関の教育力・研究力を世界トップレベルまで引き上げる。 46.エネルギーの安定供給体制を確立する 【政策目的】 ○国民生活の安定、経済の安定成長のため、エネルギー安定供給体制を確立する。 【具体策】 ○エネルギーの安定確保、新エネルギーの開発・普及、省エネルギー推進等に一元的に取り組む。 ○レアメタル(希少金属)などの安定確保に向けた体制を確立し、再利用システムの構築や資源国との外交を進める。 ○安全を第一として、国民の理解と信頼を得ながら、原子力利用について着実に取り組む。 6消費者・人権 47.消費者の権利を守り、安全を確保する 【政策目的】 ○日常生活にあるリスクから国民を守る。 ○消費者の立場に立った行政を確立する。 【具体策】 ○消費者に危害を及ぼすおそれのある製品・物品等に関する情報の公開を企業に義務づける「危険情報公表法」を制定する。 ○消費者行政を強化するため、地方消費生活相談員及び国民生活センターの相談員の待遇を抜本的に改善する。 ○消費生活相談の過半を占める財産被害の救済と消費者団体訴訟制度を実効あるものとするため、悪徳業者が違法に集めた財産をはく奪する制度を創設する。 【所要額】 400億円程度 48.災害や犯罪から国民を守る 【政策目的】 ○災害や犯罪から国民を守る。 【具体策】 ○大規模災害時等の被災者の迅速救済・被害拡大防止・都市機能維持のために、危機管理庁(仮称)を設置するなど危機管理体制を強化する。 ○日常生活に密着した「地域・刑事・生活安全」にかかる警察機能を拡充する。 【所要額】 500億円程度 49.取り調べの可視化で冤罪を防止する 【政策目的】 ○自白の任意性をめぐる裁判の長期化を防止する。 ○自白強要による冤罪を防止する。 【具体策】 ○ビデオ録画等により取り調べ過程を可視化する。 【所要額】 90億円程度 50.人権侵害救済機関を創設し、人権条約選択議定書を批准する 【政策目的】 ○人権が尊重される社会をめざし、人権侵害からの迅速かつ実効性ある救済を図る。 【具体策】 ○内閣府の外局として人権侵害救済機関を創設する。 ○個人が国際機関に対して直接に人権侵害の救済を求める個人通報制度を定めている関係条約の選択議定書を批准する。 7外交 51.緊密で対等な日米関係を築く ○日本外交の基盤として緊密で対等な日米同盟関係をつくるため、主体的な外交戦略を構築した上で、米国と役割を分担しながら日本の責任を積極的に果たす。 ○米国との間で自由貿易協定(FTA)の交渉を促進し、貿易・投資の自由化を進める。その際、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない。 ○日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。 52.東アジア共同体の構築をめざし、アジア外交を強化する ○中国、韓国をはじめ、アジア諸国との信頼関係の構築に全力を挙げる。 ○通商、金融、エネルギー、環境、災害救援、感染症対策等の分野において、アジア・太平洋地域の域内協力体制を確立する。 ○アジア・太平洋諸国をはじめとして、世界の国々との投資・労働や知的財産など広い分野を含む経済連携協定(EPA)、自由貿易協定(FTA)の交渉を積極的に推進する。その際、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない。 53.北朝鮮の核保有を認めない ○北朝鮮が繰り返す核実験とミサイル発射は、わが国および国際の平和と安定に対する明白な脅威であり、断じて容認できない。 ○核・化学・生物兵器やミサイルの開発・保有・配備を放棄させるため、米韓中ロなどの国際社会と協力しながら、貨物検査の実施を含め断固とした措置をとる。 ○拉致問題はわが国に対する主権侵害かつ重大な人権侵害であり、国の責任において解決に全力を尽くす。 54.世界の平和と繁栄を実現する ○国連を重視した世界平和の構築を目指し、国連改革を主導するなど、重要な役割を果たす。 ○わが国の主体的判断と民主的統制の下、国連の平和維持活動(PKO)等に参加して平和の構築に向けた役割を果たす。 ○海上輸送の安全確保と国際貢献のため、適正な手続きで海賊対処のための活動を実施する。 ○紛争解決制度の充実等や農業を含む政策の根本的見直しにより、世界貿易機関(WTO)交渉妥結に向けて指導力を発揮するなど、貿易・投資の自由化を推進する。 55.核兵器廃絶の先頭に立ち、テロの脅威を除去する ○北東アジア地域の非核化をめざす。 ○包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効やカットオフ条約(兵器用核分裂性物質生産禁止条約)の早期実現に取り組む。 ○2010年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議において主導的な役割を果たす。 ○テロとその温床を除去するため、NGOとも連携しつつ、経済的支援、統治機構の強化、人道復興支援活動等の実施を検討し、「貧困の根絶」と「国家の再建」に役割を果たす。
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MusicMaker △> 作曲ツールの1つ 簡単な音楽ビデオ制作も出来る(640*480程度なら余裕) 正式名称は MAGIX Music Maker Producer Edition 開発元は、MAGIX AG 日本での販売は、株式会社 AHS(エー・エイチ・エス)jamバンドをマスコットに付けて、販売している メモ 体験版を試す事が出来る パッケージは様々 VOCALOIDも乗り換え版対象。一緒に購入する事も出来る 製品本体は、価格に似合わない位高機能 特に、ミックス以降と(おまけの)動画編集機能の評価が高い (動画編集機能のうち、高度な機能は、Music Maker 2まで) 操作性も、初心者には難しいけれど、他の作曲ツールと比べると簡単 反面、マニュアルでは、全機能を紹介し切れていない 解説書も少ないので、ある程度自分で試したい方向け (Music Maker 2以降、改善されている) to_dk の作品では、作曲と映像イメージ(動画)作成に使用している 関連する記事 ニュース - AHS 専門用語 - jamバンド タグ MusicMaker jamバンド ソフトウェア 専門用語 ま行 MusicMaker MySpace ミク号 ミク互換 ミクさん ミクさんのやっつのひみつ ミクZ4 ミクダヨー ミク厨 ミク廃 MikuMikuDance ミクリーチャー みんなのミクうた 麦ふぁー MEIKO 巡音ルカ 専門用語 ▼あ行 ▼か行 ▼さ行 ▼た行 ▼な行 ▼は行 ▼ま行 ▼や行 用語一覧 上へ お役立ち度( - ) Copyright ©2008-2010 to_dk. _
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