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残されたカスたち 一応、CUCCに所属している3カスは磨き上げた「その日の宿探し能力」を使って道頓堀すぐの一等地にカプセルホテルを抑えたのであった…。 ドン!カプセルホテル!「ブタのヒヅメ大作戦」の脱出コンテナみたいじゃない? まさにカプセルだが、テント泊の2兆倍の広さなのでバイブスアガる。しかも1600円とかでめっちゃ安かった。 「ラーメン食いたい。ラーメン以外食いたくない。」という熱い想いで40分くらい歩いて探した徳島ラーメンの店。この前、テレビでコロコロチキチキペッパーズがよく行くラーメン屋として紹介されてたの、ここじゃないかなぁ。 生卵が無料だったので2個食べた。もりちかは3個食べた。 化学調味料の入っていないラーメンを食べると美味しくないと怒り出す亀。ここのラーメンはいっぱい入ってたから怒らなかった。 翌朝、とりあえず通天閣へ。たこやきと通天閣が両方入った神アングルの一枚。 焼肉の聖地で焼肉を食べた。まあまあおいしかった。 本当の目当ては焼肉じゃなく向かいのこの店。休日には女子高生が押しかけるらしい。もりちかは普通のを頼んだ。モックソは生クリーム多めのを頼んだ。亀はNARUTOの「サスケ」に憧れて甘いものが嫌いなキャラを演じているので甘さ控えめなのを頼んだ。 一応大阪城にも行った。モックソは飽きて写真を撮ることすらしなかったという…。 もりちかが好きそうな形だ このあと、亀ともりちかは千葉に帰るために新大阪へ、モックソは帰省するために関空へ。お土産を買うために大阪駅に向かう電車に乗っていたが、関空まで一本で行ける電車だということが判明したのでそのまま解散した。旅は終わった…。 野田くんとUSJ・・・おわり
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Last up date 2011-06-05 23 58 33 (Sun) 目次 精製された魔力の水画像 効果 入手NPC クエスト ドロップモンスター 精製された魔力の水 画像 ▲ 効果 ▲ 入手 NPC ▲ クエスト ▲ ドロップモンスター ▲ 過去のコメントはコチラ 名前
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中世期に打ち捨てられた地下墓地は、何処より現界した悪魔と、 彼らによって生み出された、不浄な者共の支配下となっている。 ダンジョン攻略十字架がいっぱいの部屋の謎解き ボスの召喚するレギオンが多すぎて近づけない 強化モンスター攻略 ボス攻略 ネームドモンスター攻略 ダンジョン攻略 依頼「ゾンビの討伐」と「デーモンの討伐」の任地。 墓地→洞窟→地下水脈→エウリノームの間、という構成となっている。 「ゾンビの討伐」では墓地エリアでゾンビを、 「デーモンの討伐」では最深部にいる『死の王 エウリノーム』を討伐することが目的。 墓場から洞窟に入るにはホムンクルスが最低2体必要になる。 地下水脈は上のほうを遠回りして進む(Ωのような形の道順) 水脈の左下までいくとイカダがあり、それに乗ってスタート地点右隣の穴に入ればエウリノームの間にたどり着く。 一度エウリノームの間に入れば地下水脈の入口にイカダが出現するようになり、次回以降はショートカット可能になる。 ショートカットフラグが立ったイカダは道中真ん中あたりでエリア切り替えすると消えるが、 上層から降りてきた出入り口をもう1回往復すれば戻ってくる。 エウリノームの間を通り過ぎて右上にいくとネームドモンスターがいる。 セーブポイントはエウリノームの間に入ってすぐのマップにある。 十字架がいっぱいの部屋の謎解き 墓に記載されている文面から対応する数字を推測する謎解き。 6つすべてに正しい数字を入力すると隠されている階段が現れる。 + ヒント ヒント 階段の先に7人目の墓がある。 我々にとってとても身近なもの。 名前の部分だけで解ける。他の部分はフェイク。 鳳は鳳凰や不死鳥のようなもの。 + ネタバレ:完全な答え ネタバレ:完全な答え 日曜を1とした曜日である。大樹→5(木) 鳳→3(火) 海魔→4(水) 飽財→6(金) 土竜→7(土) 月牙→2(月) 隠されていた階段を降りるともう一つの墓と"黄金蛇"グレートアックスが入った宝箱がある。 ボスの召喚するレギオンが多すぎて近づけない 戦わずに消す方法があるので探してみると吉。 + ネタバレ ネタバレ 一旦引き返し、大広間の右下の光っている十字架にレギオンを誘導すれば消滅する。 強化モンスター攻略 名前 HP 出現数 備考 前列 回生と精鋭スライム 2 HP再生62通常攻撃で与えたダメージ分HP回復 通常攻撃でHP吸収に加え再生を持つのでとにかく硬い。 火属性魔法でひたすら焼きまくろう。 名前 HP 出現数 備考 前列 練達ポイズントード 1 毒液を撒く(猛毒付与、一列) ポイズントードのステータス強化版。単体出現なので猛毒を受ける頻度はむしろ減ったとも言える。 名前 HP 出現数 備考 前列 精鋭グール 2 2回攻撃通常攻撃に麻痺付与 攻撃力が高く、更に麻痺を付与してくる強敵。 前衛の物防増加や幻覚付与などで対処しよう。 ボス攻略 名前 HP 出現数 備考 前列 レギオン 180 2or6 雑魚敵と同じ個体 後列 死の王 エウリノーム 960 1 陵辱は行わない魔法防御が高い 戦闘前に召喚したレギオンをスルーすると開始時のレギオンが6体に増える、レギオンを全滅させた場合2体となる。 エウリノームは魔法攻撃を使用するので、適当な盾を装備すると軽減できるので用意しておくと楽 また魔法防御が高いので戦士と射手を中心にパーティを構成するほうがいいだろう 実はエウリノームの行動パターンは完全に固定となっている 惨憺たる裂傷→連環為す稲妻→連環為す稲妻→惨憺たる裂傷→・・・ HPが60%以下になると 焼き尽くす炎の嵐→おおいなる治療or通常パターンの行動→焼き尽くす炎の嵐→・・・ となる 麻痺がよく効くので手が空いた神官に呪縛を使わせるといい。 攻略のポイントは魔法防御だが、適当な武具をインゴットにして(青銅以上が望ましいか) リングを作って各メンバーに配布することでかなり楽になる。 市販のローブも魔防が8ついているのでオススメ。 あとは黄金蛇グレートアックスで殺戮の構えを使った戦士が旋風あたりでダメージを稼いでいけば、 3,4人のメンバーでも倒せる(魔力の水薬を何個か持っていこう)。 勝てない場合はモンスターを狩ってLVを稼ぎつつ、錬成力を稼いで交配を繰り返しレギオンの子供を量産していこう。 稼ぐ際は集団で出現して範囲魔法で一網打尽にできるスライムと物理攻撃で簡単に駆逐できるゾンビグール集団が狙い目 斥候がいる場合、ポイズントラップを使用して巨大ナメクジを狩るのもオススメ 後はLV稼ぎ中に拾った良材質の装備を使っていれば難なく勝利できるであろう。 これに限ったことではないが稼ぎの際は必ず魔力の水薬を持てるだけ持ち込むこと。どうせ元は取れる。 ネームドモンスター攻略 名前 HP 出現数 備考 前列 "デビルリバース"超巨大ナメクジ 1 物理防御が高いHP再生851(猛毒状態で打ち消し)猛毒が非常に有効猛毒状態でカウンター行動 最初のターンの行動は自身の物防増加で固定。 エウリノームより数倍強く、到達時点で倒すのはほぼ不可能。 巨大ナメクジと同じく猛毒弱点かつ、猛毒状態にする事でHPを大きく削る事が出来るのだが、 猛毒にすると凄まじい威力の猛毒ブレスを放ってくるようになる。また、ブレスを放った後は猛毒が解除される。 よって、猛毒状態を維持しつつブレスを耐え凌ぐのが攻略のカギとなる。最低でもバリケード・トラップが使える斥候を用意しておきたい。 ヤケクソに硬い上に毎ターン851ものリジェネを持つ為、猛毒無しでの撃破は相当育ってないと厳しい。 猛毒ブレスは沈黙・封印状態でも使用してくるが、麻痺で動けない場合は猛毒解除共々キャンセルされ、かなり楽に戦えるようになる。 麻痺耐性を持っている上に痺れて行動不能になるかは運次第だが、狙ってみる価値はあるだろう。 睡眠が入ると放置するだけで勝てるが、睡眠耐性は無効に近いレベルで高い上に、 睡眠状態でポイズントラップを使ってもトラップのダメージで起きてしまうので注意。 猛毒状態でない通常行動は弱めの通常攻撃、全体小ダメージ+敏捷低下、自身の物防増加と大人しめなので、 ブレスで戦線が崩壊しそうになっても立て直すのは割と簡単。 しかし立て直しに時間がかかるとモリモリ回復されてしまうので注意。 報酬の宝箱は「"魔術師殺し"ダガー+3(精霊銀)」 銀製かつ沈黙の追加効果を持つ為、生命の霊枢の攻略において特に重宝する。
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残されたものは一つ ◆Wott.eaRjU 「はぁ、どうなるのかな……僕」 デイバックを背負って、眼鏡を掛けた少年が暗闇を歩く。 彼は殺し合いが始まった直後、空き家に身を寄せていたが次第にもの寂しさを感じていた。 危険な事はわかるがそれでもせめて、周囲の光景が変化すれば気が紛れるかもしれない。 そう考え、彼は襲われてもいつでも逃げられる準備をしながら、取り敢えず線路を目印に沿って早足で歩いていた。 彼の名は桜田ジュン。現在はとある事情により所謂引き籠りを続けている中学生。 唐突にギラーミンという男により殺し合いに巻き込まれた現状。 まるで漫画やアニメのような筋書きに則った出来事をどうするか。 今のジュンが考えるべき事はその事だけであり、他の事については碌に考えが回らない。 只、もし参加者の中に警察の人が居れば自分を保護してくれるかもしれない――と、半ば願望に似た感情はあったが。 また、既にモンスターボールは説明書とやらを見つけ、使い方はわかった。 そのため思わぬ形で出す事になったエイバムことエーたろうとやらは、モンスターボールに戻してある。 但し、ジュンは滅多な事でなければモンスターボールを使う気はない。 気味の悪い紫の毛色、馬鹿でかい頭部と大きく発達した両耳、そしてまるで三つの指が生えたような長い尻尾。 猿の一種のように見えるがどれをとっても異常であり、ジュンの常識を超えている。 説明書に『ポケモンの一種』とは書いてあるものの、肝心のポケモンが何かは特に書かれていなかった 更にこれはギラーミンが用意した品の一つであり、必ずしも自分にとって得になるという保障もない。 よって必要以上にモンスターボールは使わない事を決め、今はズボンのポケットに収まっている。 「何か良い考えが浮かぶかとは思ったけど……駄目だ、何も浮かばない……浮かぶわけないだろ。 こんなわけわかんない場所じゃ……」 線路に則した歩道を、ある程度の辺りまで歩いた所で思わず零れた呟き。 歩行と思考、警戒に意識を傾け過ぎていたため此処がエリアF-1の中心である事も気づいていない。 また、最早時間の間隔すらも忘れかけ、ジュンは時計を取り出して確認する気にもなれなかった。 単身外へ出歩き始めた事を、後悔し始めるが既に時は遅し。 必死に周囲に気を配り、怪しい人間が居ないか探るが己の疲労が高まるばかりで、碌に安心も出来ない。 少し眼を放せばその間に……一度でもそう思ってしまえば恐怖心を拭いさるのは容易ではない。 段々と歩幅の間隔も狭まり、視線すらも俯きがちになっていた。 まるで自分には不釣り合いな、重い荷物を背負わされているような感覚がこびりつく。 投げ出したい。 さっさと何処かにでも投げ捨てて楽になりたい。 本音を言ってしまえばたった一言で終わってしまう。 元々体力にも自信があるわけではなく、ジュンが早々に根を上げるのは特に可笑しい話でもない。 だが、楽になりたいと言葉にするのは容易だが実際に行動へ移すとなるとわけが違う。 優勝してギラーミンに頼んでここから抜け出す? 考えるだけでも馬鹿らしい。 ジュンには人を殺す力もなく覚悟もなく、何より自分がそこまで行動力があるとは思っていない。 ならば楽になるにはどうするか。 思い当たる節はある事はある。 毎朝、姉が学校に行った後に一人で行う朝食で何度も耳にしたキーワード。 あの時は自分には関係のない話だと思っていた。 自分には自分の部屋という誰にも侵されない領域がある。 他の同世代の奴らとは違って、ずっと此処で生きていればいい。 自分達を放り出し、外国にでも行ってしまった両親達も流石に生活費ぐらいは、これからも送ってくれると思っていたから。 だから、今までのジュンには明確なイメージは出来なかった。 毎日毎日飽きもせずに、大勢の人が色々な方法で行っているらしい行為―― ――自殺という最後の手段を。 「――ッ」 無意識的に奥歯で自分の舌の感触を確かめた。 予想以上に弾力があるような気がする。 コリコリと、分厚いゴムを触ったのに近いような感じ。 いつだったかはわからない。 テレビかネットでは確か舌を噛み切れば、自分の命を絶つ事が出来るらしい。 切断面を境目に残った方の肉片が丸まり、そのまま喉を塞いでしまう。 酸素を吸いたくても吸う事は出来ずに窒息状態に陥り、やがて待つものは死という結末。 怖いとは思う。 きっと舌を噛み切ってしまった時には、口の中で苦い鉄の味が広がるに違いない。 美味い筈もない。 ただただ嫌悪を催す臭いなど、出来れば嗅ぎたくない。 だが、それでも映画のワンシーンで見かけるような拳銃や刃物での殺害に較べれば未だましではと思いもした。 嫌なのは一瞬の事。 只、あまり発達してない顎の力を使って、力の限り噛み潰せばいいだけ。 一思いにやってしまえば――この地獄から逃れる事が出来る。 しかし、ジュンの身体は一向に動きを示さない。 「……無理だよ、僕にはそんな度胸もないんだ……そんなものがあれば学校にだって……!」 そう。ジュンには自らの命を絶つ程の行動に伴う覚悟はない。 普段のジュンならば絶対に言わなかったであろう、自分の不登校に関しての弱音すらも吐き捨てた。 いつしか歩みは完全に止まり、その場に一人立ち尽くす。 まるで全身から力が抜けきった、抜け殻のような様子さえも今のジュンからは見て取れる。 耐え切れない不安を、どうにか振り落としたく思うが、ままならない。 代わりに崩れ落ちたのはジュンの身体。 遂には歩道の真ん中で頭を抱えながら蹲る。 全くの無防備と言えるその姿を親切心に注意してくれる者も居る筈もなく、ジュンもそこまで気が回らない。 確かに震え、自分の意に反するかのようにざわめくちっぽけな体躯を必死に抑えつけるのに意識を傾ける。 どうにもならない現実、止まらない恐怖や後悔、そしてふつふつと湧き上がる疑問。 何故、自分がこんな目に遭わないといけないのか。 答えらしい答えは見つからず、『運が悪かった』という言葉だけでは納得がいかない。 だが、いつまでも此処に留まるわけには、時間を無駄にするべきではない事もジュンはおぼろげに感じていた。 「兎に角、あの真紅とかいう人形に会おう……もしかしたら何か良い方法があるかもしれない……」 未だ共に過ごした日は浅い、奇妙な少女人形――真紅。 胡散臭い奴ではあるが、それでも赤の他人よりは信頼は大きい。 現実から目を背ける様に、たった一人だけの知人である真紅との合流をジュンは深く心に刻みつける。 そう思い始めた先にほんの少しずつ冷静さが蘇り、ジュンは大きく深呼吸を行い、やがてゆっくりと立ちあがった。 が、その時、視界に見慣れない影がある事にジュンは漸く気づいた。 「だ、誰――」 長身、黒髪の男。 パッと見ただけでも、男の着込んだ服装はジュンの常識ではあまり馴染みはない。 甲冑、西洋の騎士が着装する鎧に似ているが、それでいてどこか和の風味も漂わせる。 しかし、ジュンに男の外見についてあれこれ考える時間はなかった。 こうしている間にも、刻一刻とジュンには別の事について決断を迫れている。 男に対する疑問の声を上げ終わる前に、ジュンは無我夢中で右腕を突き出す。 自分でも驚くぐらいに早く、一度乱暴にポケットに突っ込んでから。 お目当てのモンスターボールを、焦りのために生じた汗に塗れた右手で掴み終わってから――ジュンは精一杯の威嚇を行おうとした。 理由は目の前の男が片手に握り締めた一物。 鋭い切っ先を引っさげた、赤黒い槍を男がジュンに向けて走ってきていたのだから。 『止まれ!』と、大声で叫ぶと同時にモンスターボールを使えば男の動きは鈍るかもしれない。 反射的に後ろへ身を傾けながら、ジュンはそう思い立ったが――ふいに彼の右腕に何かが走る。 そう。所詮、ジュンは只の中学生であり、彼の身体能力、反応の速さは男のそれらと比べものになっていなかった。 「う、うわあああああああああああああ!!」 絶叫。 冷静な状態なら、自分がこれほど大きな声を出せたのかと思う程に、ジュンの叫びが周囲に響く。 走ったものは電撃のような痛み、乱暴に己の一部を引き裂かれた感覚。 見れば自分の右手の甲から何かどす黒いものが更に赤みを帯びながら、生えている。 痛い。 声を出してしまう程に感じる痛みから、それは自分の右腕を刺し貫いた槍の矛先である事がわかった。 槍は右腕で掴んでいたモンスターボールごとジュンの右手を刺し貫き、モンスターボールの成れの果てからは不気味な液体が滴り落ちている。 そこで何が起きたか想像するだけでジュンは気分が悪くなり、密かに心の奥底で謝った。 何故なら、今のジュンには酷な言い方であったが自分の身の方が心配であったから。 「痛い! 痛い! 痛いよ……なんで、なんでこんなコトするんだ!? 僕が……一体何をしたって言うんだ!?」 男から一刻も早く離れるために、無我夢中に右腕を引き抜く。 幸いモンスターボールが衝撃を和らいでくれたせいか、ジュンの力でも引き離す事は出来た。 しかし、刺された右腕を己の身に引いた瞬間、更に傷口から大量の血を失い、ジュンの表情は思わず引きつった。 段々と肌からは血色が失われ、確実にジュンの命の灯を奪ってゆく。 必死に自分の不運さを言葉にして呪うが、男は答えない。 只、全身を伝う恐怖と痛みでグシャグシャに歪んだジュンの顔を凝視し、無表情に槍を構え直す。 ジュンが零れ落とすのは涙、男が零れ落としたように見えるのは一切の感情。 ジュンがしきりに放出するものは叫びに似た言葉、男が只、黙って秘めるものは明確な殺意。 無反応な男により一層の恐怖を覚えるジュンは、必死に助けを願い続ける。 誰でも良い。 出来るものならば誰か、誰かに自分を助けて貰いたい。 たとえ身なりは悪く、近寄りがたい大人でも構わない。 昔、テレビで見た事があるような、正義の味方が駆けつけてくれたらどんなに良いことか。 そう。今にも自分か名前も知らない男の後ろから駆け寄って――夢のような話をジュンは無性に信じたかった。 だが、ジュンの耳に、視界に飛び込んだものは彼が望んでいたものとは違っていた。 「――すみません」 誰に対して謝ったのだろう。 ジュンが疑問を抱いた矢先に、男が動いた。 速い。さっきよりももっと速い。 距離が近いせいなのかもしれないとおぼろげながらに思った。 右胸を押し潰すように迫ってきた痛みをハッキリと受け止めながら。 「あ――――」 不思議とあまり声は出ない。 いや、正しくは出す暇すらもなかった。 男が勢いを乗せて繰り出した剛槍――ゲイ・シャルグの切っ先がジュンの一点を突き進む。 真っ直ぐに差し出されたゲイ・シャルクがジュンの肉を裂き、赤一色に染まり、心の臓を貫く。 痛い。 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。 声に出して、この痛みを訴えてやりたいのにそれすらも行う力がない。 声の代わりに出たものは己の吐血。 身につけていたパーカーが朱色に染まり、口の中で苦味が広がる。 全身から大事な何かが抜けていくのがわかり、思わず掴むように手を伸ばした。 伸ばした手に広がる赤い血だまりをぼんやりと見つめ、ジュンは口をパクパクと動かす。 眼の淵からどろりと、感触の悪い液体が零れ出ているような気がしたがその流動は止まる事はなくジュンの頬を伝う。 それはゆっくりと、ジュンの全てを奪う痛みの速さと反比例の関係を保つかの如くに動き続ける。 やがて男は突き出した筈のゲイ・シャルグを、ジュンの胸から勢い良く引き抜く。 あまりにも悲痛な顔で泣き叫ぶジュンに同情したのか。 違う。 ジュンの代わりに抜いてやったかのように見えた動作には優しさは見られない。 只、これ以上は必要ないから、と告げるような淡々とした挙動。 付着した血を振り払うためかゲイ・シャルクを器用に振り、男は矛先を下に向ける。 そしてジュンの身体も動く。 ジュンが意識したわけでもないし、男がそう意図したわけでもない。 極自然に、既に両の脚では支えきれなくなり、ジュンはゲイ・シャルグの矛先に頭を向けて前のめりに倒れ伏す。 歩道に打ちつけたショックで額が切れ、更に出血が起きたのをジュンは息苦しさに咽びながら理解する。 両肩を震わせ、なんとか楽な体勢を取ろうと身体中をくねらせるがもうどうしようもない。 涙や唾液や胃液、そして鮮血が入り混じった溜まりに浸されながら、ジュンは何もかもが手遅れなのだと実感した。 (嫌だ……こんなの嫌だ…………) だが、受け入れたくはない。 このまま死にたくない。 未だ……生きたい、自分の人生を歩みたい。 もしかすれば学校に行けるようになるかもしれない。 そんな自分の未来を少しでも見てみたい――言葉に出来ない、言葉にしたい希望が喉まで来ているのだがそれ以上押し出ようとはしない。 両腕を、グシャグシャに潰された右腕すらも足掻くように必死に動かす。 自分の下に広がる歩道帯に手を伸ばすが、柔土で出来ているわけでもなく碌に掴む事も叶わなかった。 その行動の末の結果が、自分の全てを否定されたような気がしてジュンの表情が一段と崩れる。 そう思った矢先に一際大きな嗚咽をあげて、込み上げていた赤黒いものを外へ吐き出す。 何も出来ない。 結局、何も出来なかった自分を再びちっぽけな存在なのだと確認し、ジュンはやがて身を委ねる。 見知っている人物の顔が順々に浮かんでは消えてゆき、これが走馬灯なのかとぼんやりと思いながら―― (僕は……………) ジュンの意識はゆっくりと深き闇へ沈んでいった。 【桜田ジュン@ローゼンメイデン:死亡確認】 ◇ ◇ ◇ 「先ずは一人、と言ったところでしょうか」 ジュンの命を奪ったゲイ・シャルグを携えて、彼のデイバックを漁って謎のカギと忍術免許皆伝の巻物仮免を手に入れた男がそう呟く。 ベナウィ。 それが男を示す名前であり、かつてはケナシコウルペという国の侍大将であり騎兵衆隊長としての肩書きも持っていた人物。 しかし、今のベナウィは違う。 現在はこの殺し合いの参加者の一人、ハクオロが治めるトゥスクルの騎士。 そして、ハクオロの生還のためにはどんな事も、どんな命も辞さない覚悟を返り血で染めた騎士甲冑を纏い、そう決めていた。 「後戻りなど出来ない、するつもりもありません」 何も抵抗してこなかった。 いや、抵抗出来なかったジュンの命を蹴落した事にも既に後悔はない。 態々奇襲という策は取らずに、真正面から挑んだのはベナウィの気真面目さによるもの。 自分が何をするまでもなく蹲っていたところ余程この状況に怯えていたのだろう。 無理もない。 ベナウィにも一切の動揺がないわけでもなかった。 突然突きつけられたこの状況は、特に年端もいかぬ少年や少女には耐えがたいものだと想像には難しくもない。 そんなあまりにも哀れな姿を見て、自分は凶槍を奮う頃合いを、若干遅れたと言われれば完全に否定出来る保証はない。 己の力を過信するつもりはないが、もしそうでなければもう少し早く終わらせる自信がベナウィにはあった。 だが、これからのベナウィにはそんな小さな迷いのようなものは絶対に生じないだろう。 何故なら、既に一人の命を奪う事はやり遂げた。 秘めた想いの果てに奮ったゲイ・シャルグで他人の命を引き換えに、己の為すべき事を為す覚悟は更に強まっている。 途中で断念する事は出来ない。 投げ出してしまえば、自分に肉と血を捧げる形となったジュンが報われない。 一国に仕える騎士や兵士ではなく、守られるべき存在であったジュンには殺される覚悟もなかっただろうから。 やがて惨劇が行われた路線を沿うのを止め、ベナウィはある建物の前で立ち止まる。 それはエリアE-2に位置する一つの駅。 ベナウィの住む世界には駅という施設はなく、列車という概念もない。 故にベナウィは興味があった。 駅たる施設には一体どういう意味合いが隠されているのだろう。 騎馬の一頭でも其処で繋がれているかもしれない。 もし現実の話であるならば騎兵であるベナウィにとってこの上なく利点がある。 気づいた時は既に歩き始めてかなり経っており、エリアD-1の辺りを歩いていた。 更に此処は慣れない地形のため、先ずは最寄の駅とやらに続く道に辿り着き、其処を辿って目的地を目指す。 時間が制限されているわけでもなく、確実に迷う事のない道を取り、ベナウィは歩き、そしてジュンと出会ったというわけだ。 入り口に足を踏みしめ、ベナウィは駅内に侵入する。 「この身が朽ち果てる、その時まで――必ず」 そこに迷いはない。 【E-2 駅入り口 1日目 釈明】 【ベナウィ@うたわれるもの】 [状態] 健康 甲冑に返り血 [装備] 破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)@Fate/Zero、腰に和道一文字@ONE PEACE [道具] 支給品一式 シゥネ・ケニャ(袋詰め)@うたわれるもの 忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん 謎のカギ [思考・状況] 1 聖上を生き残らせるため、殺し合いに加担 2 かつての仲間を優先的に殺したい 3 駅内を探索する。出来れば馬も欲しい。 ※破魔の紅薔薇:あらゆる魔力の循環を遮断する事が可能で、対象に刃が触れた瞬間その魔術的効果をキャンセルする。ただし、魔術そのものを根元から解除するわけではない。破壊される、触れてから一定時間経過などすると効果は解除される。 ※『忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん』 ハテノハテ星雲にあるアミューズメントパーク・ドリーマーズランド における忍者の星における忍者の免許皆伝のための実地試験の 忍術が少し使えるようになる巻物。使える術は次の3つ 壁抜けの術 その名の通り壁をすり抜ける事が出来る。しかし厚すぎる壁は越えられない バッタの術 バッタのように高く飛ぶことが出来る。だいたい一般家庭における屋根裏までが限度 ネズミ変化の術 少しの間、小さなネズミの姿になることが出来る。ある程度時間がたつと元の姿に戻ります。 ※『謎のカギ』 詳細不明、何のカギでどこに使うのかは後続の書き手におまかせします。 「あーさむさむ……なんでワイがあんな目にあわなあかんねん!」 黒スーツ、いかにも堅気の職に就いてないと言わんばかりの風貌の男が愚痴る。 両肩を抱く様にトボトボと歩く男はウルフウッド、ニコラス・D・ウルフウッド。 世界を渡り歩く巡回牧師は表の顔であり、裏の顔は一流の殺し屋。 GUNG-HO-GUNSの一員、ミカエルの眼で殺人術を叩きこまれた男だがウルフウッドは此処に来て以来災難に見舞われている。 けったいな殺し合いに巻き込まれたと思えばいきなりのダイブ。 水。それもかなり冷たい水が張り巡らされた湖への理不尽な突入。 当然、身体中は水浸しになり、折角支給された銃器も使いものにならなくなった。 無事であった円盤は何故だか使う事も出来ずに、全くどうしようもない。 やばい。代謝機能の異常強化により、そこらのトーシローよりしぶとく生き残る自信はある。 だが、武器がなければ心細い。 そう。心細過ぎる。 知り合いの金髪トンガリのノーテンキな奴は『な、なんとかなるさ!』とでも言うかもしれないが、生憎ウルフウッドは違う。 きっちりと身の装備を整えて、たとえば敵に対し頭に二発、心臓に二発銃弾を叩き込めるような準備はしておきたいものだ。 「べーくっしゅい! あーあかん、風邪でも引いたらどないしてくれるんじゃボケェ!」 よってウルフウッドは、何処かに手頃な武器はないかと、辺りを手当たり次第に散索していた。 ちなみに地図はよれよれで、文字の所々が消えており、良く眼を凝らせば何処に何があるかはわかる。 そのため自分が居る位置はわかっていたが、特にこれといって目的地もない。 そんな時、ウルフウッドはふと疑問に思った。 地図の端はどうなっているのだろう、と。 そのまま此処から脱出でも出来たら儲けの至り。 まあ、そんな甘い話は転がってないだろうとは思うが、ウルフウッドは取り敢えず試していた。 湖に落ちたのはエリアE-8、其処から東に向けて前進。 途中で小さな河川を通って歩きやすそうな道路を踏みしめて、また前進。 未だ完全に水気は抜けず、ひんやりとした冷たさを感じながらも、またまた前進。 どうなるかはわからないが、やばいと感じれば一目散に逃げればいいだけの話。 逃げ出す事はウルフウッドにとって慣れ親しんだ行為であり、身体が覚えている。 平和ボケのトンガリ――ヴァッシュ・ザ・スタンピードと馬鹿をやり合った旅で何度もそんな羽目に陥った。 そう。何度も何度もやってられるかー!と叫んだ旅の中で。 「まあ、なんや。トンガリは……多分大丈夫やろ。あいつはそうそう死ぬタマやあらへんし」 そしてヴァッシュもこの殺し合いに呼ばれている事は、デイバックに入っていた名簿でわかっている。 一言で言えば甘い男。 ウルフウッドにとってはあまりにも危うく、己の命を今にも投げ捨てそうな様子さえある。 たとえ全身に銃弾を受けたとしても、一つの愛を、誰かの幸せを守れればそれでいい。 本気でそう思っているような男だが、ヴァッシュの銃の腕は抜きん出ており、他にも様々な力を保持している。 GUNG-HO-GUNSの一人、『チャペル』という名で呼ばれるウルフウッドはヴァッシュを彼の兄、ナイブズの元へ連れてゆく仕事があった。 故にこんな良くわからない場所でのヴァッシュの死は避けておきたい。 気に掛かるのはヴァッシュが誰か見ず知らずの他人ですらも庇い、己の命を散らせるような事を仕出かす事だ。 殺し合いをしろと宣告されているため、異常な状況に慣れていない人間には激しく動揺している者も居るだろう。 慎重に行動しなければ後ろからバッサリと……いっても可笑しくはない。 幾らヴァッシュといえども首を切られるなどの致命傷を受けてしまえば、彼とて死からは免れないであろうから。 流石に向こう見ずな行動は取らず、少しは慎重に動くだろうとウルフウッドは推測する。 「……あかん、前言撤回や。ムッチャ想像出来るで、おい……」 だが、ウルフウッドが見せたものは冷や汗が流れ始めた表情。 自分では否定したものの、一瞬でその自信は何処かへ消え去ってしまった事によるもの。 幾ら状況が過酷なものであっても、ヴァッシュはやる。 一人でも多くの人間を守るためには、どんな痛みすらもヘラヘラとした笑いで誤魔化す。 そう。ヴァッシュはそういう男なのだ、とウルフウッドは次第に呆れ返ったような顔をつくりながら、確認するように胸中で思う。 やがてヴァッシュの事より、一人の男の方をウルフウッドは考えだした。 名簿に載っていた、ウルフウッドが知っているもう一人の名前の事を。 「それよりも、リヴィオ……生きておったんか」 リヴィオ・ザ・ダブルファング。 いつも泣いてばかりであったが、優しい心を持っていた少年。 ウルフウッドと同じ孤児院で育ち、そしてある事件を境目に姿を消してしまった男。 『ザ・ダブルファング』という名称にウルフウッドには聞き覚えがないが、どうにもあの泣き虫リヴィオの気がしてならない。 そして同時に嫌な胸騒ぎがしていた。 孤児院から殺し屋養成の人材として引き取られ、やがて名前を貰った自分のように――。 これ以上、自分のような殺すためだけの全てを注ぎ込まれた人間が出せないためにも。 そう思い立ち、己の師であり諸悪の根源でもあった、マスターチャペルを事故に見せかけて殺したのは遅すぎたのだろうか。 答えは一向に出ず、それが遅すぎたと言われるのもウルフウッドにはどうにも堪えられない。 兎に角、このリヴィオ・ザ・ダブルファング――恐らくあのリヴィオに間違いない――には必ず会うべきだ。 堅く心に留め、歩き続けていたウルフッドはやがて行き着く。 数十分前程に、敢え無く命を落とした桜田ジュンの元へと。 「……運が悪かったな、坊主」 ウルフウッドが足を止めたのは一瞬の事。 もう少し早く此処に着いて居ればジュンの命を救えたかもしれないが、関係ない。 確かにジュンは未だ若い年齢であり、不憫だとは思うがウルフウッドとは接点はゼロ。 所詮、他人が一人死んでしまっただけの事であり、ウルフウッドは仇打ちをしてやろうなどという気はこれといって起きなかった。 そう。自分の生を生きるだけで精一杯なのに、他人の事にまで首を突っ込むなど自殺行為に等しい。 良くも悪くもヴァッシュとは反対の価値観の持ち主であり、それゆえにウルフウッドは次の行動に移る。 ランタンを取り出して、辺りに小さな光を齎す。 光に浮かんだジュンの姿を確認。 しっかりとデイバックを背負っている事も見て取り、ウルフウッドは近寄った。 中腰の体勢でうつ伏せに倒れているジュンの遺体の後ろへ手早く回る。 密かに、こっそりと『堪忍なぁ』と小声でジュンに謝りながらウルフウッドは何か銃器を得るために、荷物漁りを始めた。 「あかんか、そらぁ持ってたとしても殺ったヤツが持っていたんやろなぁ……」 デイバックを器用にジュンの身体から取って、探ってみるが碌なものはない。 残っていた名簿や地図は一応回収したが、一丁の拳銃も見当たらない。 着用していた衣服も調べた所、ご丁寧に『桜田ジュン』と女の字で書かれたため、名前はわかったがどうでもいい。 予想していた事だが、現実を突きつけられるとショックはあるものだ。 ならばもういいだろう。 そう思い、デイバックをジュンの背中にでも戻してやり、立ち去ろうとウルフウッドは顔を上げようとする。 そんな時、ふとウルフウッドの視界に映るものがあった。 「ん? なんや……」 力なく倒れたジュンが伸ばした左腕の先に赤い線が走っているのをウルフウッドは見つける。 赤い線の正体は言うまでもなく、滴り落ちた血液。 ジュンの胸部を起点として円心状に広がっている血だまりによって、指にでも血液が付着したのだろう。 ウルフウッドは血の線が何かの文字を描いているように見えた。 死ぬ前に何かメッセージでも残したのだろうか。 たとえば自分を殺した人物への恨み事が、それともその人物の名前か。 若しくは只、簡潔に『死にたくない』といったような自分の不運さを嘆いたものかもしれない。 死者が最期に遺した言葉を見てやろうなど、あまり趣味の良い話ではないがウルフウッドは一応牧師の職に就いている。 ついさっき死んだと思える人間が果たして、どんな気持ちであの世とやらに逝ったのか。 小さな興味ではあるが、どうせ荷物漁りまでもやってしまったのだから、とウルフウッドはランタンを向ける。 ハッキリと、地面に何が書いてあるのかを確認するために。 きっと力がなくなっていく身体を無理に使い、書いたのだろう。 所々、不自然に歪んで汚い字ではあったがウルフウッドはその両眼で、その血文字を焼きつけた。 ――『おねえちゃん』と書かれた文字を 「――ッ!」 なんでもない。 きっと仲の良い姉に宛てた言葉だったのだろう。 そうだ。服に態々名前を書いてくれる程に世話焼きの姉への言葉に違いない。 ありふれた文字であり、なんら可笑しくはない。 だが、ウルフウッドは自身でも驚くほどに衝撃を覚えた。 「あかん……あかんぞ、ニコラス。オドレはもう手一杯なんや、銃も碌に持ってないオドレが……あのトンガリのような真似は無理やろうが!」 思わず上げた叫び声。 現実を見定めろという声と、激しい感情を訴える自分の声が正面からぶつかり合う。 死んだ少年が桜田ジュンだとわかったせいではない。 そんな名前は聞いた事がないし、ウルフウッドが気に留める事はない。 只、考えるだけで全身が震えてしまった。 万が一の話だ。もし死んでしまったのがあの孤児院に居た誰かだったら。 いつも一人ではトイレに行けず、自分に連れて行ってくれるように頼んだ少年でもいい。 猫を追いかけて、屋根にまで上ってしまい、泣きべそをかいたあの少女でもいい。 あの中の誰かがこんな風に死んでしまったら。 憐れむ程にか細い文字で遺したら。 『二コにぃ』と、自分に対しての最期の言葉を遺したら、果たして自分は何を想うだろう か―― きっと――解き放つだろう。 滾らせて、あまりにも膨張させた想いを連ねて拳を叩きつけるに違いない。 しかし、その事はジュンの死とは関係ない。 そう。関係ない筈なのだが――ウルフウッドはなかなか落ち着かなかった。 やがて、ウルフウッドは徐に立ち上がる。 両の拳は固く握りしめ、鋭い眼光は雄々しさを印象付けるもの。 そう思いきや、ウルフウッドは踵を返し、歩き出す。 「ええか、今回だけや。乗りかかった船や……期待せんで待っとれ。 なぁ、坊主……」 何でも一人で背負い込む子と、親代わりの保母にかつて評された男が。 一人の少年が最期に残した言葉に、風変りな男がこれまた風変わりな形で応える形となる。 そう。ウルフウッドにとって危険と成り得る人物。 ウルフウッドの言葉は、そこに名も知らない一人が新たに入った事を意味していた。 【F-1/中心部/一日目/黎明】 【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン・マキシマム】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:基本支給品(地図と名簿は二つずつ) デザートイーグル50AE(使用不能) SPAS12(使用不能) スタンドDISC『スター・プラチナ』 [思考・状況] 1:襲われたら返り討ち、必要以上に危険な事に首は突っ込まない。 2:ヴァッシュとの合流、リヴィオとの接触 3:ジュンを殺害した者を突き止め、状況次第で殺す。 4;武器を手に入れる、出来ればパ二ッシャー 【備考】 ※リヴィオは自分が知っているリヴィオだと思っています。 ※まだループには気づいていません ※どこへ行くかは次の方にお任せします。 ※参戦時期は未定です 時系列順で読む Back 輪廻-ロンド- Next 一人では解けない 真実のパズルを抱いて。 投下順で読む Back 輪廻-ロンド- Next 一人では解けない 真実のパズルを抱いて。 一人の夜 桜田ジュン 死亡 あり得る事、成し得る事、求め得る事…… ベナウィ 想いは簡単に届かない ニコラス・D・ウルフウッドの受難 ニコラス・D・ウルフウッド ネズミの国
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残されたものは一つ ◆Wott.eaRjU 「はぁ、どうなるのかな……僕」 デイバックを背負って、眼鏡を掛けた少年が暗闇を歩く。 彼は殺し合いが始まった直後、空き家に身を寄せていたが次第にもの寂しさを感じていた。 危険な事はわかるがそれでもせめて、周囲の光景が変化すれば気が紛れるかもしれない。 そう考え、彼は襲われてもいつでも逃げられる準備をしながら、取り敢えず線路を目印に沿って早足で歩いていた。 彼の名は桜田ジュン。現在はとある事情により所謂引き籠りを続けている中学生。 唐突にギラーミンという男により殺し合いに巻き込まれた現状。 まるで漫画やアニメのような筋書きに則った出来事をどうするか。 今のジュンが考えるべき事はその事だけであり、他の事については碌に考えが回らない。 只、もし参加者の中に警察の人が居れば自分を保護してくれるかもしれない――と、半ば願望に似た感情はあったが。 また、既にモンスターボールは説明書とやらを見つけ、使い方はわかった。 そのため思わぬ形で出す事になったエイバムことエーたろうとやらは、モンスターボールに戻してある。 但し、ジュンは滅多な事でなければモンスターボールを使う気はない。 気味の悪い紫の毛色、馬鹿でかい頭部と大きく発達した両耳、そしてまるで三つの指が生えたような長い尻尾。 猿の一種のように見えるがどれをとっても異常であり、ジュンの常識を超えている。 説明書に『ポケモンの一種』とは書いてあるものの、肝心のポケモンが何かは特に書かれていなかった 更にこれはギラーミンが用意した品の一つであり、必ずしも自分にとって得になるという保障もない。 よって必要以上にモンスターボールは使わない事を決め、今はズボンのポケットに収まっている。 「何か良い考えが浮かぶかとは思ったけど……駄目だ、何も浮かばない……浮かぶわけないだろ。 こんなわけわかんない場所じゃ……」 線路に則した歩道を、ある程度の辺りまで歩いた所で思わず零れた呟き。 歩行と思考、警戒に意識を傾け過ぎていたため此処がエリアF-1の中心である事も気づいていない。 また、最早時間の間隔すらも忘れかけ、ジュンは時計を取り出して確認する気にもなれなかった。 単身外へ出歩き始めた事を、後悔し始めるが既に時は遅し。 必死に周囲に気を配り、怪しい人間が居ないか探るが己の疲労が高まるばかりで、碌に安心も出来ない。 少し眼を放せばその間に……一度でもそう思ってしまえば恐怖心を拭いさるのは容易ではない。 段々と歩幅の間隔も狭まり、視線すらも俯きがちになっていた。 まるで自分には不釣り合いな、重い荷物を背負わされているような感覚がこびりつく。 投げ出したい。 さっさと何処かにでも投げ捨てて楽になりたい。 本音を言ってしまえばたった一言で終わってしまう。 元々体力にも自信があるわけではなく、ジュンが早々に根を上げるのは特に可笑しい話でもない。 だが、楽になりたいと言葉にするのは容易だが実際に行動へ移すとなるとわけが違う。 優勝してギラーミンに頼んでここから抜け出す? 考えるだけでも馬鹿らしい。 ジュンには人を殺す力もなく覚悟もなく、何より自分がそこまで行動力があるとは思っていない。 ならば楽になるにはどうするか。 思い当たる節はある事はある。 毎朝、姉が学校に行った後に一人で行う朝食で何度も耳にしたキーワード。 あの時は自分には関係のない話だと思っていた。 自分には自分の部屋という誰にも侵されない領域がある。 他の同世代の奴らとは違って、ずっと此処で生きていればいい。 自分達を放り出し、外国にでも行ってしまった両親達も流石に生活費ぐらいは、これからも送ってくれると思っていたから。 だから、今までのジュンには明確なイメージは出来なかった。 毎日毎日飽きもせずに、大勢の人が色々な方法で行っているらしい行為―― ――自殺という最後の手段を。 「――ッ」 無意識的に奥歯で自分の舌の感触を確かめた。 予想以上に弾力があるような気がする。 コリコリと、分厚いゴムを触ったのに近いような感じ。 いつだったかはわからない。 テレビかネットでは確か舌を噛み切れば、自分の命を絶つ事が出来るらしい。 切断面を境目に残った方の肉片が丸まり、そのまま喉を塞いでしまう。 酸素を吸いたくても吸う事は出来ずに窒息状態に陥り、やがて待つものは死という結末。 怖いとは思う。 きっと舌を噛み切ってしまった時には、口の中で苦い鉄の味が広がるに違いない。 美味い筈もない。 ただただ嫌悪を催す臭いなど、出来れば嗅ぎたくない。 だが、それでも映画のワンシーンで見かけるような拳銃や刃物での殺害に較べれば未だましではと思いもした。 嫌なのは一瞬の事。 只、あまり発達してない顎の力を使って、力の限り噛み潰せばいいだけ。 一思いにやってしまえば――この地獄から逃れる事が出来る。 しかし、ジュンの身体は一向に動きを示さない。 「……無理だよ、僕にはそんな度胸もないんだ……そんなものがあれば学校にだって……!」 そう。ジュンには自らの命を絶つ程の行動に伴う覚悟はない。 普段のジュンならば絶対に言わなかったであろう、自分の不登校に関しての弱音すらも吐き捨てた。 いつしか歩みは完全に止まり、その場に一人立ち尽くす。 まるで全身から力が抜けきった、抜け殻のような様子さえも今のジュンからは見て取れる。 耐え切れない不安を、どうにか振り落としたく思うが、ままならない。 代わりに崩れ落ちたのはジュンの身体。 遂には歩道の真ん中で頭を抱えながら蹲る。 全くの無防備と言えるその姿を親切心に注意してくれる者も居る筈もなく、ジュンもそこまで気が回らない。 確かに震え、自分の意に反するかのようにざわめくちっぽけな体躯を必死に抑えつけるのに意識を傾ける。 どうにもならない現実、止まらない恐怖や後悔、そしてふつふつと湧き上がる疑問。 何故、自分がこんな目に遭わないといけないのか。 答えらしい答えは見つからず、『運が悪かった』という言葉だけでは納得がいかない。 だが、いつまでも此処に留まるわけには、時間を無駄にするべきではない事もジュンはおぼろげに感じていた。 「兎に角、あの真紅とかいう人形に会おう……もしかしたら何か良い方法があるかもしれない……」 未だ共に過ごした日は浅い、奇妙な少女人形――真紅。 胡散臭い奴ではあるが、それでも赤の他人よりは信頼は大きい。 現実から目を背ける様に、たった一人だけの知人である真紅との合流をジュンは深く心に刻みつける。 そう思い始めた先にほんの少しずつ冷静さが蘇り、ジュンは大きく深呼吸を行い、やがてゆっくりと立ちあがった。 が、その時、視界に見慣れない影がある事にジュンは漸く気づいた。 「だ、誰――」 長身、黒髪の男。 パッと見ただけでも、男の着込んだ服装はジュンの常識ではあまり馴染みはない。 甲冑、西洋の騎士が着装する鎧に似ているが、それでいてどこか和の風味も漂わせる。 しかし、ジュンに男の外見についてあれこれ考える時間はなかった。 こうしている間にも、刻一刻とジュンには別の事について決断を迫れている。 男に対する疑問の声を上げ終わる前に、ジュンは無我夢中で右腕を突き出す。 自分でも驚くぐらいに早く、一度乱暴にポケットに突っ込んでから。 お目当てのモンスターボールを、焦りのために生じた汗に塗れた右手で掴み終わってから――ジュンは精一杯の威嚇を行おうとした。 理由は目の前の男が片手に握り締めた一物。 鋭い切っ先を引っさげた、赤黒い槍を男がジュンに向けて走ってきていたのだから。 『止まれ!』と、大声で叫ぶと同時にモンスターボールを使えば男の動きは鈍るかもしれない。 反射的に後ろへ身を傾けながら、ジュンはそう思い立ったが――ふいに彼の右腕に何かが走る。 そう。所詮、ジュンは只の中学生であり、彼の身体能力、反応の速さは男のそれらと比べものになっていなかった。 「う、うわあああああああああああああ!!」 絶叫。 冷静な状態なら、自分がこれほど大きな声を出せたのかと思う程に、ジュンの叫びが周囲に響く。 走ったものは電撃のような痛み、乱暴に己の一部を引き裂かれた感覚。 見れば自分の右手の甲から何かどす黒いものが更に赤みを帯びながら、生えている。 痛い。 声を出してしまう程に感じる痛みから、それは自分の右腕を刺し貫いた槍の矛先である事がわかった。 槍は右腕で掴んでいたモンスターボールごとジュンの右手を刺し貫き、モンスターボールの成れの果てからは不気味な液体が滴り落ちている。 そこで何が起きたか想像するだけでジュンは気分が悪くなり、密かに心の奥底で謝った。 何故なら、今のジュンには酷な言い方であったが自分の身の方が心配であったから。 「痛い! 痛い! 痛いよ……なんで、なんでこんなコトするんだ!? 僕が……一体何をしたって言うんだ!?」 男から一刻も早く離れるために、無我夢中に右腕を引き抜く。 幸いモンスターボールが衝撃を和らいでくれたせいか、ジュンの力でも引き離す事は出来た。 しかし、刺された右腕を己の身に引いた瞬間、更に傷口から大量の血を失い、ジュンの表情は思わず引きつった。 段々と肌からは血色が失われ、確実にジュンの命の灯を奪ってゆく。 必死に自分の不運さを言葉にして呪うが、男は答えない。 只、全身を伝う恐怖と痛みでグシャグシャに歪んだジュンの顔を凝視し、無表情に槍を構え直す。 ジュンが零れ落とすのは涙、男が零れ落としたように見えるのは一切の感情。 ジュンがしきりに放出するものは叫びに似た言葉、男が只、黙って秘めるものは明確な殺意。 無反応な男により一層の恐怖を覚えるジュンは、必死に助けを願い続ける。 誰でも良い。 出来るものならば誰か、誰かに自分を助けて貰いたい。 たとえ身なりは悪く、近寄りがたい大人でも構わない。 昔、テレビで見た事があるような、正義の味方が駆けつけてくれたらどんなに良いことか。 そう。今にも自分か名前も知らない男の後ろから駆け寄って――夢のような話をジュンは無性に信じたかった。 だが、ジュンの耳に、視界に飛び込んだものは彼が望んでいたものとは違っていた。 「――すみません」 誰に対して謝ったのだろう。 ジュンが疑問を抱いた矢先に、男が動いた。 速い。さっきよりももっと速い。 距離が近いせいなのかもしれないとおぼろげながらに思った。 右胸を押し潰すように迫ってきた痛みをハッキリと受け止めながら。 「あ――――」 不思議とあまり声は出ない。 いや、正しくは出す暇すらもなかった。 男が勢いを乗せて繰り出した剛槍――ゲイ・シャルグの切っ先がジュンの一点を突き進む。 真っ直ぐに差し出されたゲイ・シャルクがジュンの肉を裂き、赤一色に染まり、心の臓を貫く。 痛い。 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。 声に出して、この痛みを訴えてやりたいのにそれすらも行う力がない。 声の代わりに出たものは己の吐血。 身につけていたパーカーが朱色に染まり、口の中で苦味が広がる。 全身から大事な何かが抜けていくのがわかり、思わず掴むように手を伸ばした。 伸ばした手に広がる赤い血だまりをぼんやりと見つめ、ジュンは口をパクパクと動かす。 眼の淵からどろりと、感触の悪い液体が零れ出ているような気がしたがその流動は止まる事はなくジュンの頬を伝う。 それはゆっくりと、ジュンの全てを奪う痛みの速さと反比例の関係を保つかの如くに動き続ける。 やがて男は突き出した筈のゲイ・シャルグを、ジュンの胸から勢い良く引き抜く。 あまりにも悲痛な顔で泣き叫ぶジュンに同情したのか。 違う。 ジュンの代わりに抜いてやったかのように見えた動作には優しさは見られない。 只、これ以上は必要ないから、と告げるような淡々とした挙動。 付着した血を振り払うためかゲイ・シャルクを器用に振り、男は矛先を下に向ける。 そしてジュンの身体も動く。 ジュンが意識したわけでもないし、男がそう意図したわけでもない。 極自然に、既に両の脚では支えきれなくなり、ジュンはゲイ・シャルグの矛先に頭を向けて前のめりに倒れ伏す。 歩道に打ちつけたショックで額が切れ、更に出血が起きたのをジュンは息苦しさに咽びながら理解する。 両肩を震わせ、なんとか楽な体勢を取ろうと身体中をくねらせるがもうどうしようもない。 涙や唾液や胃液、そして鮮血が入り混じった溜まりに浸されながら、ジュンは何もかもが手遅れなのだと実感した。 (嫌だ……こんなの嫌だ…………) だが、受け入れたくはない。 このまま死にたくない。 未だ……生きたい、自分の人生を歩みたい。 もしかすれば学校に行けるようになるかもしれない。 そんな自分の未来を少しでも見てみたい――言葉に出来ない、言葉にしたい希望が喉まで来ているのだがそれ以上押し出ようとはしない。 両腕を、グシャグシャに潰された右腕すらも足掻くように必死に動かす。 自分の下に広がる歩道帯に手を伸ばすが、柔土で出来ているわけでもなく碌に掴む事も叶わなかった。 その行動の末の結果が、自分の全てを否定されたような気がしてジュンの表情が一段と崩れる。 そう思った矢先に一際大きな嗚咽をあげて、込み上げていた赤黒いものを外へ吐き出す。 何も出来ない。 結局、何も出来なかった自分を再びちっぽけな存在なのだと確認し、ジュンはやがて身を委ねる。 見知っている人物の顔が順々に浮かんでは消えてゆき、これが走馬灯なのかとぼんやりと思いながら―― (僕は……………) ジュンの意識はゆっくりと深き闇へ沈んでいった。 【桜田ジュン@ローゼンメイデン:死亡確認】 ◇ ◇ ◇ 「先ずは一人、と言ったところでしょうか」 ジュンの命を奪ったゲイ・シャルグを携えて、彼のデイバックを漁って謎のカギと忍術免許皆伝の巻物仮免を手に入れた男がそう呟く。 ベナウィ。 それが男を示す名前であり、かつてはケナシコウルペという国の侍大将であり騎兵衆隊長としての肩書きも持っていた人物。 しかし、今のベナウィは違う。 現在はこの殺し合いの参加者の一人、ハクオロが治めるトゥスクルの騎士。 そして、ハクオロの生還のためにはどんな事も、どんな命も辞さない覚悟を返り血で染めた騎士甲冑を纏い、そう決めていた。 「後戻りなど出来ない、するつもりもありません」 何も抵抗してこなかった。 いや、抵抗出来なかったジュンの命を蹴落した事にも既に後悔はない。 態々奇襲という策は取らずに、真正面から挑んだのはベナウィの気真面目さによるもの。 自分が何をするまでもなく蹲っていたところ余程この状況に怯えていたのだろう。 無理もない。 ベナウィにも一切の動揺がないわけでもなかった。 突然突きつけられたこの状況は、特に年端もいかぬ少年や少女には耐えがたいものだと想像には難しくもない。 そんなあまりにも哀れな姿を見て、自分は凶槍を奮う頃合いを、若干遅れたと言われれば完全に否定出来る保証はない。 己の力を過信するつもりはないが、もしそうでなければもう少し早く終わらせる自信がベナウィにはあった。 だが、これからのベナウィにはそんな小さな迷いのようなものは絶対に生じないだろう。 何故なら、既に一人の命を奪う事はやり遂げた。 秘めた想いの果てに奮ったゲイ・シャルグで他人の命を引き換えに、己の為すべき事を為す覚悟は更に強まっている。 途中で断念する事は出来ない。 投げ出してしまえば、自分に肉と血を捧げる形となったジュンが報われない。 一国に仕える騎士や兵士ではなく、守られるべき存在であったジュンには殺される覚悟もなかっただろうから。 やがて惨劇が行われた路線を沿うのを止め、ベナウィはある建物の前で立ち止まる。 それはエリアE-2に位置する一つの駅。 ベナウィの住む世界には駅という施設はなく、列車という概念もない。 故にベナウィは興味があった。 駅たる施設には一体どういう意味合いが隠されているのだろう。 騎馬の一頭でも其処で繋がれているかもしれない。 もし現実の話であるならば騎兵であるベナウィにとってこの上なく利点がある。 気づいた時は既に歩き始めてかなり経っており、エリアD-1の辺りを歩いていた。 更に此処は慣れない地形のため、先ずは最寄の駅とやらに続く道に辿り着き、其処を辿って目的地を目指す。 時間が制限されているわけでもなく、確実に迷う事のない道を取り、ベナウィは歩き、そしてジュンと出会ったというわけだ。 入り口に足を踏みしめ、ベナウィは駅内に侵入する。 「この身が朽ち果てる、その時まで――必ず」 そこに迷いはない。 【E-2 駅入り口 1日目 釈明】 【ベナウィ@うたわれるもの】 [状態] 健康 甲冑に返り血 [装備] 破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)@Fate/Zero、腰に和道一文字@ONE PEACE [道具] 支給品一式 シゥネ・ケニャ(袋詰め)@うたわれるもの 忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん 謎のカギ [思考・状況] 1 聖上を生き残らせるため、殺し合いに加担 2 かつての仲間を優先的に殺したい 3 駅内を探索する。出来れば馬も欲しい。 ※破魔の紅薔薇:あらゆる魔力の循環を遮断する事が可能で、対象に刃が触れた瞬間その魔術的効果をキャンセルする。ただし、魔術そのものを根元から解除するわけではない。破壊される、触れてから一定時間経過などすると効果は解除される。 ※『忍術免許皆伝の巻物仮免@ドラえもん』 ハテノハテ星雲にあるアミューズメントパーク・ドリーマーズランド における忍者の星における忍者の免許皆伝のための実地試験の 忍術が少し使えるようになる巻物。使える術は次の3つ 壁抜けの術 その名の通り壁をすり抜ける事が出来る。しかし厚すぎる壁は越えられない バッタの術 バッタのように高く飛ぶことが出来る。だいたい一般家庭における屋根裏までが限度 ネズミ変化の術 少しの間、小さなネズミの姿になることが出来る。ある程度時間がたつと元の姿に戻ります。 ※『謎のカギ』 詳細不明、何のカギでどこに使うのかは後続の書き手におまかせします。 「あーさむさむ……なんでワイがあんな目にあわなあかんねん!」 黒スーツ、いかにも堅気の職に就いてないと言わんばかりの風貌の男が愚痴る。 両肩を抱く様にトボトボと歩く男はウルフウッド、ニコラス・D・ウルフウッド。 世界を渡り歩く巡回牧師は表の顔であり、裏の顔は一流の殺し屋。 GUNG-HO-GUNSの一員、ミカエルの眼で殺人術を叩きこまれた男だがウルフウッドは此処に来て以来災難に見舞われている。 けったいな殺し合いに巻き込まれたと思えばいきなりのダイブ。 水。それもかなり冷たい水が張り巡らされた湖への理不尽な突入。 当然、身体中は水浸しになり、折角支給された銃器も使いものにならなくなった。 無事であった円盤は何故だか使う事も出来ずに、全くどうしようもない。 やばい。代謝機能の異常強化により、そこらのトーシローよりしぶとく生き残る自信はある。 だが、武器がなければ心細い。 そう。心細過ぎる。 知り合いの金髪トンガリのノーテンキな奴は『な、なんとかなるさ!』とでも言うかもしれないが、生憎ウルフウッドは違う。 きっちりと身の装備を整えて、たとえば敵に対し頭に二発、心臓に二発銃弾を叩き込めるような準備はしておきたいものだ。 「べーくっしゅい! あーあかん、風邪でも引いたらどないしてくれるんじゃボケェ!」 よってウルフウッドは、何処かに手頃な武器はないかと、辺りを手当たり次第に散索していた。 ちなみに地図はよれよれで、文字の所々が消えており、良く眼を凝らせば何処に何があるかはわかる。 そのため自分が居る位置はわかっていたが、特にこれといって目的地もない。 そんな時、ウルフウッドはふと疑問に思った。 地図の端はどうなっているのだろう、と。 そのまま此処から脱出でも出来たら儲けの至り。 まあ、そんな甘い話は転がってないだろうとは思うが、ウルフウッドは取り敢えず試していた。 湖に落ちたのはエリアE-8、其処から東に向けて前進。 途中で小さな河川を通って歩きやすそうな道路を踏みしめて、また前進。 未だ完全に水気は抜けず、ひんやりとした冷たさを感じながらも、またまた前進。 どうなるかはわからないが、やばいと感じれば一目散に逃げればいいだけの話。 逃げ出す事はウルフウッドにとって慣れ親しんだ行為であり、身体が覚えている。 平和ボケのトンガリ――ヴァッシュ・ザ・スタンピードと馬鹿をやり合った旅で何度もそんな羽目に陥った。 そう。何度も何度もやってられるかー!と叫んだ旅の中で。 「まあ、なんや。トンガリは……多分大丈夫やろ。あいつはそうそう死ぬタマやあらへんし」 そしてヴァッシュもこの殺し合いに呼ばれている事は、デイバックに入っていた名簿でわかっている。 一言で言えば甘い男。 ウルフウッドにとってはあまりにも危うく、己の命を今にも投げ捨てそうな様子さえある。 たとえ全身に銃弾を受けたとしても、一つの愛を、誰かの幸せを守れればそれでいい。 本気でそう思っているような男だが、ヴァッシュの銃の腕は抜きん出ており、他にも様々な力を保持している。 GUNG-HO-GUNSの一人、『チャペル』という名で呼ばれるウルフウッドはヴァッシュを彼の兄、ナイブズの元へ連れてゆく仕事があった。 故にこんな良くわからない場所でのヴァッシュの死は避けておきたい。 気に掛かるのはヴァッシュが誰か見ず知らずの他人ですらも庇い、己の命を散らせるような事を仕出かす事だ。 殺し合いをしろと宣告されているため、異常な状況に慣れていない人間には激しく動揺している者も居るだろう。 慎重に行動しなければ後ろからバッサリと……いっても可笑しくはない。 幾らヴァッシュといえども首を切られるなどの致命傷を受けてしまえば、彼とて死からは免れないであろうから。 流石に向こう見ずな行動は取らず、少しは慎重に動くだろうとウルフウッドは推測する。 「……あかん、前言撤回や。ムッチャ想像出来るで、おい……」 だが、ウルフウッドが見せたものは冷や汗が流れ始めた表情。 自分では否定したものの、一瞬でその自信は何処かへ消え去ってしまった事によるもの。 幾ら状況が過酷なものであっても、ヴァッシュはやる。 一人でも多くの人間を守るためには、どんな痛みすらもヘラヘラとした笑いで誤魔化す。 そう。ヴァッシュはそういう男なのだ、とウルフウッドは次第に呆れ返ったような顔をつくりながら、確認するように胸中で思う。 やがてヴァッシュの事より、一人の男の方をウルフウッドは考えだした。 名簿に載っていた、ウルフウッドが知っているもう一人の名前の事を。 「それよりも、リヴィオ……生きておったんか」 リヴィオ・ザ・ダブルファング。 いつも泣いてばかりであったが、優しい心を持っていた少年。 ウルフウッドと同じ孤児院で育ち、そしてある事件を境目に姿を消してしまった男。 『ザ・ダブルファング』という名称にウルフウッドには聞き覚えがないが、どうにもあの泣き虫リヴィオの気がしてならない。 そして同時に嫌な胸騒ぎがしていた。 孤児院から殺し屋養成の人材として引き取られ、やがて名前を貰った自分のように――。 これ以上、自分のような殺すためだけの全てを注ぎ込まれた人間が出せないためにも。 そう思い立ち、己の師であり諸悪の根源でもあった、マスターチャペルを事故に見せかけて殺したのは遅すぎたのだろうか。 答えは一向に出ず、それが遅すぎたと言われるのもウルフウッドにはどうにも堪えられない。 兎に角、このリヴィオ・ザ・ダブルファング――恐らくあのリヴィオに間違いない――には必ず会うべきだ。 堅く心に留め、歩き続けていたウルフッドはやがて行き着く。 数十分前程に、敢え無く命を落とした桜田ジュンの元へと。 「……運が悪かったな、坊主」 ウルフウッドが足を止めたのは一瞬の事。 もう少し早く此処に着いて居ればジュンの命を救えたかもしれないが、関係ない。 確かにジュンは未だ若い年齢であり、不憫だとは思うがウルフウッドとは接点はゼロ。 所詮、他人が一人死んでしまっただけの事であり、ウルフウッドは仇打ちをしてやろうなどという気はこれといって起きなかった。 そう。自分の生を生きるだけで精一杯なのに、他人の事にまで首を突っ込むなど自殺行為に等しい。 良くも悪くもヴァッシュとは反対の価値観の持ち主であり、それゆえにウルフウッドは次の行動に移る。 ランタンを取り出して、辺りに小さな光を齎す。 光に浮かんだジュンの姿を確認。 しっかりとデイバックを背負っている事も見て取り、ウルフウッドは近寄った。 中腰の体勢でうつ伏せに倒れているジュンの遺体の後ろへ手早く回る。 密かに、こっそりと『堪忍なぁ』と小声でジュンに謝りながらウルフウッドは何か銃器を得るために、荷物漁りを始めた。 「あかんか、そらぁ持ってたとしても殺ったヤツが持っていたんやろなぁ……」 デイバックを器用にジュンの身体から取って、探ってみるが碌なものはない。 残っていた名簿や地図は一応回収したが、一丁の拳銃も見当たらない。 着用していた衣服も調べた所、ご丁寧に『桜田ジュン』と女の字で書かれたため、名前はわかったがどうでもいい。 予想していた事だが、現実を突きつけられるとショックはあるものだ。 ならばもういいだろう。 そう思い、デイバックをジュンの背中にでも戻してやり、立ち去ろうとウルフウッドは顔を上げようとする。 そんな時、ふとウルフウッドの視界に映るものがあった。 「ん? なんや……」 力なく倒れたジュンが伸ばした左腕の先に赤い線が走っているのをウルフウッドは見つける。 赤い線の正体は言うまでもなく、滴り落ちた血液。 ジュンの胸部を起点として円心状に広がっている血だまりによって、指にでも血液が付着したのだろう。 ウルフウッドは血の線が何かの文字を描いているように見えた。 死ぬ前に何かメッセージでも残したのだろうか。 たとえば自分を殺した人物への恨み事が、それともその人物の名前か。 若しくは只、簡潔に『死にたくない』といったような自分の不運さを嘆いたものかもしれない。 死者が最期に遺した言葉を見てやろうなど、あまり趣味の良い話ではないがウルフウッドは一応牧師の職に就いている。 ついさっき死んだと思える人間が果たして、どんな気持ちであの世とやらに逝ったのか。 小さな興味ではあるが、どうせ荷物漁りまでもやってしまったのだから、とウルフウッドはランタンを向ける。 ハッキリと、地面に何が書いてあるのかを確認するために。 きっと力がなくなっていく身体を無理に使い、書いたのだろう。 所々、不自然に歪んで汚い字ではあったがウルフウッドはその両眼で、その血文字を焼きつけた。 ――『おねえちゃん』と書かれた文字を 「――ッ!」 なんでもない。 きっと仲の良い姉に宛てた言葉だったのだろう。 そうだ。服に態々名前を書いてくれる程に世話焼きの姉への言葉に違いない。 ありふれた文字であり、なんら可笑しくはない。 だが、ウルフウッドは自身でも驚くほどに衝撃を覚えた。 「あかん……あかんぞ、ニコラス。オドレはもう手一杯なんや、銃も碌に持ってないオドレが……あのトンガリのような真似は無理やろうが!」 思わず上げた叫び声。 現実を見定めろという声と、激しい感情を訴える自分の声が正面からぶつかり合う。 死んだ少年が桜田ジュンだとわかったせいではない。 そんな名前は聞いた事がないし、ウルフウッドが気に留める事はない。 只、考えるだけで全身が震えてしまった。 万が一の話だ。もし死んでしまったのがあの孤児院に居た誰かだったら。 いつも一人ではトイレに行けず、自分に連れて行ってくれるように頼んだ少年でもいい。 猫を追いかけて、屋根にまで上ってしまい、泣きべそをかいたあの少女でもいい。 あの中の誰かがこんな風に死んでしまったら。 憐れむ程にか細い文字で遺したら。 『二コにぃ』と、自分に対しての最期の言葉を遺したら、果たして自分は何を想うだろう か―― きっと――解き放つだろう。 滾らせて、あまりにも膨張させた想いを連ねて拳を叩きつけるに違いない。 しかし、その事はジュンの死とは関係ない。 そう。関係ない筈なのだが――ウルフウッドはなかなか落ち着かなかった。 やがて、ウルフウッドは徐に立ち上がる。 両の拳は固く握りしめ、鋭い眼光は雄々しさを印象付けるもの。 そう思いきや、ウルフウッドは踵を返し、歩き出す。 「ええか、今回だけや。乗りかかった船や……期待せんで待っとれ。 なぁ、坊主……」 何でも一人で背負い込む子と、親代わりの保母にかつて評された男が。 一人の少年が最期に残した言葉に、風変りな男がこれまた風変わりな形で応える形となる。 そう。ウルフウッドにとって危険と成り得る人物。 ウルフウッドの言葉は、そこに名も知らない一人が新たに入った事を意味していた。 【F-1/中心部/一日目/黎明】 【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン・マキシマム】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:基本支給品(地図と名簿は二つずつ) デザートイーグル50AE(使用不能) SPAS12(使用不能) スタンドDISC『スター・プラチナ』 [思考・状況] 1:襲われたら返り討ち、必要以上に危険な事に首は突っ込まない。 2:ヴァッシュとの合流、リヴィオとの接触 3:ジュンを殺害した者を突き止め、状況次第で殺す。 4;武器を手に入れる、出来ればパ二ッシャー 【備考】 ※リヴィオは自分が知っているリヴィオだと思っています。 ※まだループには気づいていません ※どこへ行くかは次の方にお任せします。 ※参戦時期は未定です 時系列順で読む Back 輪廻-ロンド- Next 一人では解けない 真実のパズルを抱いて。 投下順で読む Back 輪廻-ロンド- Next 一人では解けない 真実のパズルを抱いて。 一人の夜 桜田ジュン 死亡 あり得る事、成し得る事、求め得る事…… ベナウィ 想いは簡単に届かない ニコラス・D・ウルフウッドの受難 ニコラス・D・ウルフウッド ネズミの国
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アヴェンジャーのサーヴァントが召喚された日から1週間が過ぎた頃… ここ冬木市の指定釣場では… 「釣れないな…」 「釣れねえな…」 「釣れんぞ…」 むさくるしくも男3人がボソリと同じ事を呟いていた… 衛宮士郎を筆頭にランサー、アーチャーも息が合ったかのようにため息を付いた… 「やけに釣れないな…」 「いつもなら釣れるのによ…今日はハズレか?」 「早朝から粘って5時間…一体どうしたものか…」 そして再び同時にため息した瞬間… 「見つけたわよ…アーチャ!!」 恐ろしい怨念の様なオーラを漂わせてこちらに走ってくるのは遠坂凛… そして間髪入れず飛び蹴りをかましアーチャーは一瞬の隙を突かれ堤防から落ちテトラポットに顔面を打ち付け海へと転落する… それを唖然と見ている衛宮とランサー… 「こんな所で油を売っていると思ったわ…!」 「何だ、いきなり!」 「アーチャー!今すぐ、聖堂教会に行くわよ!衛宮君も!ついでにランサーもね!」 「俺はついでかよ…」 「それよりも遠坂、一体どうしたんだ?」 「来れば解るわ…」 士郎達は凛の表情から多々ごとではない事を悟り、釣具一式を片付けて聖堂協会へと足を運んだ… =聖堂教会前= 「士郎」 聖堂教会にたどり着くとセイバー他サーヴァントとマスター達が集まっていた… 「セイバー、それにイリヤ…桜も」 「ランサー」 「バゼット、一体どうしたんだ?」 「私も凛に呼ばれただけでまだ…」 「全員集まったわね、さっそくだけど教会に入って頂戴…話はそれからよ…」 そう答え、凛が教会の扉を開くとそこには居る筈のない人物が居た… 「お前は…言峰!?」 そう… 第五次聖杯戦争で死亡した筈の言峰綺礼が目処前に立っていたのだ… そしてその奥には既にギルガメッシュも居座っていた… 「久しぶりと言った方が良いかな?マスター並びにサーヴァント諸君…」 「どうしてお前が…!」 「私の話は後でしよう、まずは緊急を要する話をしなければならない…」 「どういうことだ?」 「失った筈の聖杯が新たに創造された…」 その言葉にその場に居た全員が動揺を隠せなかった… 「何だって!?」 「その聖杯は受肉した君達の他に新たなサーヴァントを作り出した…」 「まさか…?」 「またはじまると言うの聖杯戦争が…!?」 「そうとしか言い様がない…」 「そんな…」 「新たに召喚されたサーヴァントは3体…ダンサー、マシンナリー、そして…アヴェンジャーだ…」 「待ってください、アヴェンジャーのサーヴァントはもう…」 アヴェンジャーの言葉に桜が反応するが… 「今回召喚されたのは新たなアヴェンジャーのサーヴァントだ…君を蝕んでいたアヴェンジャーとは異なる…」 「そうですか…」 「待て言峰、アヴェンジャーはともかく…ダンサーとマシンナリーとは聴き慣れぬクラスだな…我としては興味深いが?」 「それを話すには私の事を話さなければならない…」 「そうだ…お前はあの時、俺が…」 「そう、君に命を消された私は死ぬ筈だった…だが、新たに創造された聖杯によって私は生き返った…そして聖杯から聞いたのだ…」 「言峰、何を聞いたと言うのだ?」 「この聖杯戦争はアヴェンジャーに勝利した者へ聖杯をさずけるとな…」 「何だって…」 「受肉を果たした8人のサーヴァントと3人の新サーヴァントによる聖杯戦争は今宵より開始される…そしてその審判役として私が復活させられたのだ…」 「…?!」 「新サーヴァント達の正体は不明だ……だが、近くに居ることは確かだろう…」 「でも、私達にはもう令呪はないわ…」 「今一度…戦いを止めるのならば再契約するといい…審判役の私が認めよう…」 嘗てのマスターとサーヴァント達は動揺しつつも… 戦いの真意を知る為に… それぞれが契約を紡いだ… 衛宮はセイバー… 凛はアーチャ-… バゼットはランサー… 桜はライダー… イリヤはバーサーカー… 総一郎はキャスター… アサシンに関しては二重契約の元、総一郎が兼任し… その魔力を他のマスターが補完する事となった… ギルガメッシュに関してはセイバーと共に居るために… 嫌々ながらも衛宮と二重契約を結んだことは言うまでもない…
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VS/W50-024 カード名:見出された原石 フーカ カテゴリ:キャラ 色:緑 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:4000 ソウル:1 特徴:《格闘》?・《覇王流》? 【自】 このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたは自分の山札の上から2枚を、控え室に置く。それらのカードにクライマックスがあるなら、このカードをストック置場に置く。 アインなんとかさんとゆう人から、ここを訪ねてこいと… レアリティ:C ViVid Strike!収録
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削除された作品 個別ページのある作品は「削除」タグを参照してください。 フルボイス動画「エストポリス伝記2に声入れてみた」 「無謀にもロマサガ3でフルボイスった」 「ドラえもんのび太のトイズランド大冒険 フルボイス実況プレイ」 「フルボイスMOTHER3」 「フルボイスでFF6 part1」 「フルボイス 風来のシレン3」 「FF8 フルボイスでやってみた」 「【FF9】何かに囁かれてフルボイスプレイ」 「フルボイス 伝説のオウガバトル」 「単発フルボイスロマサガ3~サラ破壊譚~」 「単発フルボイスMother2~史上最低の戦い~」 「単発フルボイスメタルマックスリターンズ-甦る伝説-」 「フルボイス探偵神宮寺三郎~危険な二人~前編」 「【フルボイス】一人でペーパーマリオRPGのアフレコをやってみた【自演】」 「ドンキーコング2 フルボイス」 「フルボイスでストⅡ」 「フルボイスでモンスターハンターフロンティア」 「FF5をボイスチェンジャーを使ってフルボイスってみた」 「【フルボイス】クラウドの声をピザっぽくしてみた【FF7】」 「サモンナイトクラフトソード物語2をみんなでフルボイス」 「単発フルボイスFINAL FANTASYⅣ~一度限りのカムバック~」 「単発フルボイスBounty Sword~帰ってきたダメ人間~」 「単発フルボイスLIVEALIVE~友情のバントライン~」 「フルボイスでルドラの秘宝 (サーレントの章)」 「フルボイスでマザー3とか今更誰も釣られねぇよ!」 「ドラクエフルボイスTESTアプ」 「新桃太郎伝説をハイテンションでフルボイス」 「FFTでフルボイス」 「フルボイスPS版桃太郎伝説 」 「逆転裁判VSMMRでフルボイス」 「FF6 フルボイス」 番外編作品「メルト~フルボイスで聖剣伝説3-シャルロット編-ver~」 「シャルボッコにしてあげる♪~フルボイス聖剣3-シャルロット編-~」 「あの子が倒せない~フルボイスで聖剣伝説3-シャルロット編-~」 「フルボイスでクロノクロス #最糸回 すべての夢見るフルボイスの為に」 「フルボイス新宿OP」 関連作品「赤の他人が作ったフルボイスマリオRPGの予告編」 「【応援歌】フルボイスマリオにご用心」 「フルボイスロマサガ2 アメジストを描きなぐる」 「フルボイスでドラクエ3 のタイシ×イチヨウに萌えて描いてしまった絵」 「フルボイスでロマサガ2のキャラ描いてみた(投稿テスト用)」 「続・フルボイスでロマサガ2のキャラ描いてみた」 「【フルボイスロマサガ2】さよなら最終皇帝【未完成】」 フルボイス動画 個別ページが無い作品に関してはこちらに掲載。 エストポリス伝記2に声入れてみた 【元ネタ】エストポリス伝記2 【作者名】hino 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】テストがてらにupの動画。 無謀にもロマサガ3でフルボイスった 【元ネタ】ロマンシング サ・ガ3 【作者名】あああ 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】 ドラえもんのび太のトイズランド大冒険 フルボイス実況プレイ 【元ネタ】ドラえもんのび太のトイズランド大冒険 【作者名】ゴロりん 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】SFC本体が壊れたため継続不能 フルボイスMOTHER3 【元ネタ】MOTHER3 【作者名】るっく 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】途中から音声のみ フルボイスでFF6 part1 【元ネタ】ファイナルファンタジー6 【作者名】とんぼ 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】 フルボイス 風来のシレン3 【元ネタ】風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫 【作者名】あキら 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/1048863 【作品の傾向】原作重視 【備考】OPのみ FF8 フルボイスでやってみた 【元ネタ】ファイナルファンタジー8 【作者名】103j 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】 【FF9】何かに囁かれてフルボイスプレイ 【元ネタ】ファイナルファンタジーIX 【作者名】ずーみん 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】 フルボイス 伝説のオウガバトル 【元ネタ】伝説のオウガバトル 【作者名】IBARAKO 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/8571092 【作品の傾向】原作重視 【備考】続編は未定 単発フルボイスロマサガ3~サラ破壊譚~ 【元ネタ】ロマンシング サ・ガ3 【作者名】トヅカ 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/8348374 【作品の傾向】ネタ重視 【備考】 単発フルボイスMother2~史上最低の戦い~ 【元ネタ】Mother2 【作者名】トヅカ 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/8348374 【作品の傾向】ネタ重視 【備考】 単発フルボイスメタルマックスリターンズ-甦る伝説- 【元ネタ】メタルマックスリターンズ 【作者名】トヅカ 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/8348374 【作品の傾向】ネタ重視 【備考】 フルボイス探偵神宮寺三郎~危険な二人~前編 【元ネタ】探偵神宮寺三郎 危険な二人 前編 【作者名】トヅカ 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/8348374 【作品の傾向】原作重視 【備考】 【フルボイス】一人でペーパーマリオRPGのアフレコをやってみた【自演】 【元ネタ】ペーパーマリオRPG 【作者名】shigu 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】 ドンキーコング2 フルボイス 【元ネタ】ドンキーコング2 【作者名】めい 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/9196359 【作品の傾向】ネタ重視 【備考】 フルボイスでストⅡ 【元ネタ】ストリートファイターⅡ 【作者名】ぶちゃ 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】ネタ重視 【備考】 フルボイスでモンスターハンターフロンティア 【元ネタ】モンスターハンターフロンティア 【作者名】ぶちゃ 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】ネタ重視 【備考】 FF5をボイスチェンジャーを使ってフルボイスってみた 【元ネタ】ファイナルファンタジー5 【作者名】ra-barusu 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】 【フルボイス】クラウドの声をピザっぽくしてみた【FF7】 【元ネタ】ファイナルファンタジー7 【作者名】ワキの下くさか郎 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】ネタ重視 【備考】 サモンナイトクラフトソード物語2をみんなでフルボイス 【元ネタ】サモンナイト クラフトソード物語2 【作者名】田螺 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】多人数 単発フルボイスFINAL FANTASYⅣ~一度限りのカムバック~ 【元ネタ】ファイナルファンタジー4 【作者名】トヅカ 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】ネタ重視 【備考】 単発フルボイスBounty Sword~帰ってきたダメ人間~ 【元ネタ】Bounty Sword 【作者名】トヅカ 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】ネタ重視 【備考】 単発フルボイスLIVEALIVE~友情のバントライン~ 【元ネタ】LIVEALIVE 【作者名】トヅカ 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】ネタ重視 【備考】 フルボイスでルドラの秘宝 (サーレントの章) 【元ネタ】ルドラの秘宝 【作者名】みさきち 【完成度】 【動画数】 【part1へのリンク】http //www.nicovideo.jp/watch/sm5060723 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】 フルボイスでマザー3とか今更誰も釣られねぇよ! 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封印の剣◆WoLFzcfcE. アグリアス・オークスは騎士である。 ルザリア聖近衛騎士団に属し、その剣は王女オヴェリア・アトカーシャに捧げられている。 彼女と王女の関わりは深く、アグリアスは職務ではなく自身の忠義を以て王女を護るべく剣を振るってきた。 放浪の末に主と離れても、その心はいつも王女の身を案じていた。 彼女は信頼できる友と共にイヴァリースを蝕む者たちとの決戦に臨んでいたはずだった。 その戦いの先にこそ求める平和があり、ひいては主の安寧にも繋がると信じて。 記憶が確かならば、自分は魔法都市ガリランドで宿を取っていたはずだ。 しかし今、アグリアスが立っている場所はどことも知れない建物の中だった。 最初は夢でも見ているのかと思った。 だが、ロワと名乗る女から伝えられた戦乱の匂い、死の宣告。 そしてフレンなる金髪の青年が無残な死を遂げるのを見て、尋常な事態ではないと悟った。 あの場でまず彼女がしたのは声を潜め周囲を見渡したこと。 辺りには自分と同じく殺し合いに巻き込まれたであろう数十名の人間の姿があった。 一行のリーダーであるラムザ・ベオルブ、銃使いムスタディオ、部下であるアリシアとラヴィアン、古参の傭兵ラッド。 神殿騎士メリアドール、ハンターであるベイオウーフ、その恋人レーゼ、ラファとマラークの兄妹に、チョコボのボコ。 幸いにも彼らの姿はなく、ほっと胸を撫で下ろした。 ムスタディオやレーゼなどはともかく、ラムザやメリアドール、それに部下二人などはこの場に招かれていてもおかしくはなかったからだ。 だが――幸か不幸か、自分一人でもなかった。 パーティの主力として活躍していた剣聖シドルファス・オルランドゥ、そして謎の男クラウドの姿を彼女は確かに認めていた。 特にシドがいてくれたことは心強い。 あらゆる剣技に精通し単騎で戦場を支配するあの剣聖ならば、こんな殺し合いなど決して許さず争いを止めるために動いているだろう。 クラウドは正直なところ掴みどころがない人物である。 だが、何度も戦場を共に駆けていく内に信頼の置ける男であるということはわかっていた。 彼女は自分の限界を知っている。 剣の腕に自信はある。が、どう逆立ちしても剣聖には及ばない。 統率力や判断力ではラムザに適うはずもなく、魔法もその道専門の使い手ほどでもない。 人間が一人でできることなどたかが知れている。 むしろ一つ一つは弱いその力を束ねることで、彼女たちは人間を超えた存在であるルカヴィを何度も退けてきたのだ。 そう、選ぶべきは殺し合いではなく元凶の打倒。 ロワという女を倒し、速やかにイヴァリースに帰還することこそ、騎士として彼女が進む道だ。 当面は二人との合流を目的に動くべきか。 その道中で望まぬ戦いを強いられた者がいれば救ってみせる。 かつてラムザがそうしたように、己を偽ることなく己の信ずる道を行けば、必ず道は開けるはず。 「……誰だ!?」 そのとき、アグリアスの耳にかすかな物音が聞こえた。 反射的に手にしていた刀を抜刀し、そちらへと向き直る。 刀の銘は九字兼定。握りの部分に九字を刻んだ名刀である。 本来彼女が使うのは両刃の騎士剣なので、刀はどちらかといえば不得手だ。 だがこの刀からは並々ならぬ魔力を感じる。 聖剣技のパワーにも問題なく答えてくれると抜刀した瞬間に確信した。 「わっ、待て待て! 人がいるとは思わなかったんだ!」 そこでは全身を侍のような装備で固めた人物が、物陰から窺うようにアグリアスを見ていた。 まじまじとアグリアスの姿を見つめた後、おそるおそる近寄ってくる。 「お前……人間か? モンスターじゃないよな?」 「何を言っている? 人間に決まっているだろう」 アグリアスがそう言うと、鎧男は緊張の糸が切れたかのように膝から崩れ落ち、滂沱の涙を流し始めた。 突然の奇行に驚いたが、刀を構える腕は下ろさない。 「ああ、良かった! やっと化け物じゃないやつと会えた!」 「だから何を言っている! お前は一体誰だ!」 「おっと、自己紹介がまだだったな! 俺はギルガメッシュだ!」 涙の跡など一瞬で消えた。 立ち直りの早い男と思いつつも、その物腰は確実に武人のそれだった。 ギルガメッシュの背中にある大剣を睨み、アグリアスは警戒を緩めない。 「私はアグリアス・オークスという。それで……ギルガメッシュよ。どうする気だ?」 「は? どうするとは?」 「とぼけるな! 貴様は殺し合いに乗っているのかと聞いている!」 「殺し合い……いや待て待て! 俺はそんなことをする気はない!」 そこまで言うとやっと事態を認識したか、ギルガメッシュは慌てて手を振って戦意はないとアピールした。 彼は背中から剣を外し、地面に置く。 それを見てアグリアスは安心するより先に訝しんだ。 「……お前、殺し合いに乗る気がないのは結構だが、無防備にもほどがあるぞ。私がお前を殺す気だったらどうする気だったんだ」 「えっ!? そうなのか!?」 「違う! ……違うが、危機感が足りないと言ってるんだ」 刀を納めるアグリアス。 ギルガメッシュはほっと息をつき、床にどっしりと腰を下ろした。 「いやなんつーかさ、俺ここに来るまでさんざん化け物に追っかけられてたんだよ。 だからもう戦いは懲り懲りって言うか……とにかくしばらくゆっくりしたいなー、なんて思ったり」 「ゆっくりできる状況だとでも思っているのか?」 ギルガメッシュは相当楽天的……悪く言えばバカだった。 その分腹に含むものはないだろうと、アグリアスにしては辛めの評価をつけた。 「珍しい剣はほしいが、自分から奪うような真似はしねえよ。人間にもすげー強いやつがいるし。 ……ああ、最初にいた場所でも化け物みたいな気配を出してるのが何人かいたぜ。あんなのは相手にしたくねえなぁ」 「ふむ、なら私についてこないか? 私はあのロワという女を倒してこの島から脱出するつもりだ」 「脱出って……そんなことできるのか? 勝ち残るより難しいんじゃないのか」 「私とお前だけならそうだろうが、他にも同じ目的を持つものはいるだろう。そういった者と合流し、殺し合いを破綻させるんだ。 何より、この場には剣聖がいる。彼ならどんな達人が相手だろうと決して遅れは取らないだろう」 「はあ……じゃあ、とりあえずはあんたについてくよ。他にあてもないしな」 なんとも軽いやり取りの末、ギルガメッシュはアグリアスと同行することになった。 闘いたくないとは言ったが死にたくもないようで、自衛程度なら協力してくれるという。 とりあえず外に出るかと、アグリアスたちは建物の中を移動していく。 やがて一際大きなホールに出る――我知らず息を呑んだ。 そこは一言で表すなら剣の墓標。 円形のテーブルにぐるりと剣が突き立っている。その数――12本。 その光景を眼にした瞬間ギルガメッシュが歓声を上げて駆け寄っていった。 「うおおっ、こいつはすげえ!」 「おい、迂闊に近づくな!」 ギルガメッシュがそびえる剣の一本に手を掛け、引き抜こうとした。 「よっと……ん? この……ふぬぬ! うおおおおお……だぁっ! な、んだこれ! どうやっても抜けないぞ!」 だが、剣は求めに答えない。 明らかにアグリアスの倍はありそうな膂力を以てしても剣はびくともしていなかった。 往生際悪く剣に挑みかかっていくギルガメッシュは放っておいて、アグリアスはテーブルの一角へと歩み寄った。 そこには石板があり、文字が刻まれている。 「こ、これは……!?」 その石板にはこうあった。 我ら 約されし戦に備え 盟約のもと 眠りにつこう 汝 力を求めるならば 来たるべき刻 再び我らを手にするがよい 汝が真なる剣士ならば 我らは汝の願いに応えよう ――と。 「どういうことだ? 眠りにつく……封印されているのか?」 呟きに、石板は黙して応えない。 だが想像はつく。これらはおそらく、剣を失った者への救済措置なのだ。 新たな剣を手に、最後の一人となるまで闘い抜け――と、どうせそんなところだろう。 来たるべき刻、というのは放送のことだろうか。 真なる剣士ならば、これがわからない。何か資格があるのだろうか。 アグリアスは剣を抜こうと奮闘するギルガメッシュを見やる。あいつに資格はなさそうだ、と思いながらも嘆息した。 これは必ずしもアグリアスたちに利する要素ではない。 刀剣というものは使い込めば劣化する。一握りの名剣魔剣を除き、基本的には消耗品なのだ。 もし殺し合いに乗った者がこの地で新たな力を得れば、必ず惨劇を生む。 殺し合いはますます加速するだろう。あるいはそれが狙いか。 並び立つ剣はどれも一目でわかる業物ばかり。 これらが野に解き放たれればどれだけの血が流されるか――想像するだに気が重い。 「だが、今抜けないのでは対処のしようもない。また後で戻ってきてみるか……」 思考を切り替え、アグリアスは未練がましく負け惜しみを言うギルガメッシュを引っ張って出口へと向かう。 今はシドとクラウドを見つけるほうが先だ。 遺跡を一歩出ると、夜闇が二人の前に広がった。 先行きは暗い――あの剣たちがもたらす未来図を思うと、さらに。 だが、諦めるわけにはいかない。 元の世界で仲間が、そして護るべき主がアグリアスの力を必要としているのだから。 意を決して歩き出す。 騎士の苦難の一日が始まる―― 【C-7/遺跡内部/一日目/深夜】 【アグリアス・オークス@ファイナルファンタジータクティクス】 【状態】健康 【装備】九字兼定@空の境界 【道具】基本支給品、ランダムアイテム(個数、詳細不明) 【思考】基本:ロワを打倒して元の世界に帰還する。 1:シド、クラウドと合流する。 2:ギルガメッシュ……信用できるのか? 3:遺跡の剣が気になる。 【ギルガメッシュ@ファイナルファンタジー5】 【状態】健康 【装備】アルテマウェポン@ファイナルファンタジー7 【道具】基本支給品、ランダムアイテム(個数、詳細不明) 【思考】基本:剣はほしいが殺し合いはあまりしたくない。 1:とりあえずアグリアスに同行する。 2:バッツに会ったらどうしよう。 3:遺跡にあった剣がほしい。 【備考】 ※次元の狭間を彷徨っているっときからの参加です。 ※外見はギルガメッシュチェンジ前のもの。 ※C-7の遺跡には12本の剣が封印されており、放送ごとに四本の封印が解かれます。 ※一人が持ち出せる剣は一振りのみです。 ※剣を抜くには何かしらの条件があるかもしれません。 BACK NEXT 020 闇に輝く光 投下順 022 骸骨の踊り 020 闇に輝く光 時系列順 023 願果(ねがいのはて) BACK 登場キャラ NEXT GAME START アグリアス・オークス 046 朝焼けに間に合わない GAME START ギルガメッシュ 046 朝焼けに間に合わない
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FS/S34-T06 カード名:隠された武器 セイバー カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:2 コスト:1 トリガー:1 パワー:8500 ソウル:1 特徴:《サーヴァント》?・《武器》? ランサー「貴様の宝具、それは剣か?」 セイバー「さぁ、どうかな。斧かもしれぬし槍かもしれぬ」 レアリティ:TD