約 391,595 件
https://w.atwiki.jp/th_izime/pages/1413.html
今里では謎の病が流行っていた。もうかなりの人数が亡くなっているので博麗の巫女が異変だと判断し、 異変解決に動いたが、結局原因が分からず意味が無かった。 その間、里の守護者であるけいねも、看病をしていたが、効果がなく亡くなった人を弔うのみだった。 そのあと、いつものように看病をしていたけいねが、いきなり倒れた。その体には、今里で流行している 病と同じ症状が現れていた。 けいねが倒れた後、永遠亭の兎達や妹紅が手伝いにきて看病をした。 妹紅がけいねの看病をしている時にけいねが口を開いた。が、顔色がとても悪かった。 「妹紅、、私は、、もうすぐ死ぬ、 「けいね? 私が居なくなっても、、幸せに、、な 「けいね?けいね! その異変に気がついた兎が確認したがけいねはもう死んでいた。 けいねの葬式が終わって、遺体を弔った後、永琳が妹紅にたずねた。 「貴女、これからどうするの? 「さぁ?どうするんだろうね その後妹紅の姿が消えた。里の人間、永遠亭が妹紅のことを探したが、見つからなかった。 ザァー けいね、、 あれからもう何年が経ったのだろう。いや何百年かもしれない。 どうしてあんなに早く居なくなってしまったの? 今も見守ってくれてるの? 皆もうけいねのこと 忘れちゃったけど、私だけは覚えてるよ、、 こんなことになるなら人も暖かさなんて知らなければよかった。 ずっと一人で居れば良かった。 私はどうすれば良いの? 教えてよ けいね、、
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/201.html
「ララ…西蓮寺!」 ララと春菜はミネラルンに飲み込まれてしまい、二人は苦しそうにもがいていた。 「くそ、どうすれば……」 ヤミでさえ歯が立たないといっていいほどの相手に、リトはただ呆然と立ち尽くしているだけしかなかった。 何か自分に出来ることは無いのか、そうリトが慌てふためいていると、遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた。 「リトくーん!大丈夫!?」 ルンが大きな声でリトを呼びながら恭子と共にこちらへ駆けつけてくる。 「彼奴が原因か……よぉーし!」 恭子はそう言うと目一杯空気を吸い、 「超熱々火球!!」 そう叫ぶと同時に放たれた火球がミネラルンに当たり、徐々に蒸発していく。 そして最後には水蒸気へと姿を変え、天に消えていった。 「ララ(さん)、西蓮寺(さん)!」 リトや唯たちがララと春菜を呼びながら走り寄る。 「大丈夫か!?ララ、西蓮寺!」 「けほっ けほっ……結城くん、私は大丈夫だけどララさんが…!」 春菜の返事にリトはララの方を見ると、そこには微動だにしないララが横たわっていた。 「ララ、ララっ!」 リトはララを呼びながらララの元へと走り寄る。 「おいララ!しっかりしろ、ララっ!!」 リトはララの肩を掴み体を揺するが起きるどころか返事すらない。 それもそのはず、ララはさっきので溺れていたからだ。 「とりあえず救急車呼びましょ!」 唯がそう言うと籾岡や沢田たちは一緒に携帯のしまってあるロッカーに慌てて直行した。 リトはララが息をしているか確認をすると、息をしていないことに気づく。 (息をしてない……!てことはまさか!?) リトはララが溺れていると察知した。 それと同時に、リトの焦りに拍車が掛かる。 (一刻も早くどうにかしないと取り返しのつかないことになっちまう!救急車なんか待ってられねー!) そうは思ったものの、どうすれば助かる? そう思ったそのとき、リトの頭に『人工呼吸』の四文字が浮かぶ。 (でも……いや、それでララが助かるかもしれないなら、賭けるしかない……!) リトは逡巡したものの、一秒でも早くララを助けたいという思いが半刻前の悩みとそれをかき消した。 すぐさまリトはララの気道を確保をするとスゥーっと空気を吸い、ララの唇に自分のそれを重ねた。 「すぅーーー……」 速くもなく遅くもない速度で息を吹き込む。 「……ぷはっ!ハァ、ハァ、スゥーーっ」 呼吸を整えながら空気を吸い直しては再び息を吹き込む。 何回繰り返しただろうか。 リトが懸命に人工呼吸を続けるにも関わらず、未だララが息を吹き返す兆候が無い。 ますます不安に駆られるリト。 (目を覚ましてくれ、ララ!もしおまえがこのまま目が覚めないなんていったらオレは……!) リトはようやく理解した。 ララのいない日常が考えられないと。 もちろん春菜のことも好きだったことには相違なかった。 けどそれ以上にララのことを意識している自分がいたことも何度かあった。 そしてこの件でハッキリとしたのだ。 自分は他の誰よりも、ララのことが好きなのだと。 ララはいつも自分の隣にいて。 いつも自分のことを想ってくれて。 いつも自分の……数えればきりが無い、それだけ彼女は自分と共に居てくれていた。 だから今度は自分がララの気持ちに応える番だ。 これからは自分からララの隣に居よう、そうリトは誓った。 だが一向に目を覚まさないララを見る度にリトは後悔する。 もう全てが手遅れなのかとも思えてくる。 (頼む……!) リトの瞳からは涙が溢れ、溢れた涙はララの頬にぽたぽたと落ちる。 そのとき、リトの願いが叶ったのかララが息を吹き返した。 「ん……ふぅん……」 「ララ!!」 「……リト……?」 ララが体を起こしながらリトの呼びかけに答える。 「ララ……ララぁっ!!」 リトはララが目を覚ましたことに感極まり、その体をぎゅーッと抱きしめる。 「よかった……目を覚まして……オレ一時はどうなるかと……」 「ちょ、苦しいよぉリト。どうしたの、なんかあったのリト?」 どうやら御本人は溺れていたことに気づいてないらしい。 「ララ……ほん…と…よかっ……」 どさっ リトはララがいつものララに戻ったことに安堵するや否や、今度はリトがその場に倒れこんでしまった。 ――――――――――――――――――――――――― 「ん……」 「あ、リト!」 「目が覚めましたか、結城リト」 リトが目を覚ますと、そこにはララとヤミがいた。 「あれ……ここは……オレは一体……?」 「ココ?ここはね、御門先生のお家だよ」 「御門先生の……?」 リトが不思議そうな顔をしていると、そこに御門が現る。 「あら、結城くん。目覚めはいかが?」 リトは体を起しながら答える。 「別に普通ですけど……それより、一体何があったんですか?」 「あなたが倒れた後、ヤミちゃんが私のところに来て、結城くんが倒れたから助けてくれって言ってきたのよ」 「御門先生もプールにきてたみたいで、すぐ車でここまで運んでくれたんだよ」 御門に続いてララが答えた。 「そっか。ありがとな、ララ、ヤミ……」 「か、勘違いしないで下さい///あなたは私のターゲットですから。私が殺すときが来るまで死んでほしくないだけです」 リトから顔を背けながらもいつもの照れ隠しの台詞を口にするヤミ。 そこでリトはふと気づく。 「ん……?ちょっと待てよ?オレが倒れたっていうのは?」 「あら、覚えてないの?」 御門の問いかけに申し訳なさそうな顔を浮かべるリト。 「スミマセン……まったくです」 「リト、私に抱きついた後気絶しちゃってたんだよ?」 「え、そうなのか……?」 そこも覚えてないリトは顔を赤くした。 (オレいつララに抱きついたんだ……? 第一なんで気絶なんかしてたんだ?) 「プールで散々泳いだ後にあんなことがあったんだもの。肉体的にも精神的にも疲れてたんでしょ。倒れるのも無理ないわ」 「あんなこと?」 リトは首を傾げて訊くとヤミが呆れながら答える。 「呆れました。なんて都合のいい頭をしてるんでしょうか……」 「へっ?」 「プリンセスを助けるためとはいえ、公衆の面前であんな、その、えっちぃことをしておきながら……///」 「ララを助ける?一体ララに何があったんだ……?」 そこまで言うととリトは全てを思い出す。プールで何が起きて、自分が何をしたかを。 「あっ……そうか!ララ、どこもケガはないか?体の調子は!?」 ララは急なリトの変わりように最初は驚いたが、自分よりもララを心配するリトの優しさに思わず嬉しくなり抱きついた。 「ううん、リトのおかげでどこもなんともないよ……ありがと、リト♪」 「そっか……ならよかった。……あれ、そういや西蓮寺たちは?」 春菜たちがいないことにようやく気づくリト。 「そうだ、春菜たちどうしたんだろう?」 春菜たちよりも先にプールから出たララたちもその後は知らなかった。 「まぁ、きっと大丈夫でしょう。もう遅いし、家に居るんじゃない?」 「もう遅いって今何時だ……?」 リトはふと時計を見る。すると時計の時針は8時を指していた。 「やっべ、もうこんな時間か!あれ?……そういや美柑もどうしたんだ?」 「美柑だったら先に帰ってご飯の支度してるって」 「そっか……じゃあ早く帰らないとな。先生、どうもありがとうございました。ヤミもサンキューな」 御門に会釈をし、ヤミにも礼をいうと、リトはララに体を向ける。 「ララも……ホントにありがとな!」 「うん……///」 嬉しさと気恥ずかしさに顔を赤らめ俯くララに、リトの心臓が早鐘を打つ。 それも、春菜を見ていたとき以上に。そんな自分にしみじみとリトは思う。 (あぁ……やっぱりオレ、心の底からララのコトが好きなんだなぁ……) リトはそう思いつつもララの手を取り自分の手と繋ぐ。 「リっ、リト!?」 リトの思い掛けない行為にララは吃驚するが、リトは落ち着いた声で微笑みながら言った。 「帰ろう?」 その言葉にララは首を立てに振って、連られるように微笑みながら答える。 「うんっ!」 そういうとララはリトに抱きつき腕を組む。 しかしいつものように引きはがされる様子は無い。 「それじゃ、お大事に~」 バタン… 「ドクターミカド」 「何、ヤミちゃん?」 「結城リト……彼の様子がいつもと違くありませんでしたか?」 「そうね……きっと吹っ切れたんじゃない?」 「吹っ切れる……?」 「そうよ」 「……?」 「あなたにも解るときがいつかくるわよ、きっと」 「そうですか……」 その後、リトとララは腕を組んだまま無言で歩いていた。 しかしそれは帰路ではなく、家とは違う方向に。 そのことに気づいたララが沈黙を破った。 「ねぇ、リト?」 「ん、なんだ?ララ」 「お家はコッチじゃないよ?」 「あぁ、わかってるよ?」 「?」 「ちょっと行きたい場所があってさ、そこでララに話したいことがあるんだ」 「私に?」 「うん。ダメか?」 「ううん、私はいいよ。それに私もリトに言いたいことがあるから。でもあんまり遅いと美柑、余計に待たせちゃうよ?」 「そうだな……。でもどうしてもララに伝えたいことがあるんだ。だから……」 「うん、わかった……。もう一つ訊いてもいい?」 「ん、なんだ?」 「リト、イヤじゃないの?」 「何がだ?」 「今まで腕組んだり抱きついたりすると慌てて逃げてたのに……」 「あぁ、そーゆーことか」 「うん。だからイヤじゃないのかなって」 「そっか、今まで嫌がってるように見えてたのか……。ゴメンな」 「イヤだったんじゃないの?」 「あぁ」 「じゃあ?」 「その、恥ずかしかったっつーか……」 「恥ずかしい?」 「あぁ……でも、これからは自分の気持ちに素直になろうと思ったんだ」 「え?それってどー「お、着いた」 ララの言葉をリトが遮るように喋り、そして続ける。 「なぁ、ララ。ここ、覚えてるか?」 「え?ここって……?」 ララは辺りを見渡してすぐに何か閃いたかのように言う。 「あ、もしかして……!」 「そ、ここはララがオレにプロポーズした場所だな」 どうやらリトはここに向かって足を運んでいたらしい。 「でもどうしてここに……?」 「さっき、ララに伝えたいことがあるって言ったろ?それにはここが一番ふさわしい場所かなって思ったから」 リトは河川敷の芝生に足を踏み入れながらそう言った。 「そっかぁ……それで、伝えたいことって?」 そう言いながらララもリトの後ろをついていくように芝生に足を踏み入れる。 「…………」 「リト?」 「オレさ、西連寺のことが好きだったんだ」 「えっ……」 突然の好きという告白、しかもそれが恋敵でもあり親友でもある春菜に対するものでララは唖然とする。 リトはララの方に振り向いてゆっくりとした口調で続ける。 「でもだんだんララが好きになっていく自分がいて、ララと西連寺、どっちが好きなのか解らなくなってた……けど……」 「……?」 「今日になってやっと解ったんだ。オレはララが好きなんだって」 「……!」 「ララの笑顔を見てると心から安心する。それにうれしくなるんだ」 「……ほんと、に?」 「あぁ……それにララが溺れた姿を見たとき、すごく怖くなって涙が止まらなかった……それでやっと気づいたんだ、ララが大好きで大切なんだって」 「リトっ!!」 ララは声涙倶に下り、リトの胸に飛び込んで顔を埋める。 「うれしい……本当にうれしい!やっと、振り向いてもらえたんだね……」 それに相呼応してリトはやさしくララを抱き込む。 「遅くなってごめんな、ララ」 「ほんとだよ……。私、不安だった……もう振り向いてくれないかもって何度も思ったんだよ?」 「ホントにごめんな……」 「うん……」 「でさ、まだあの時の返事してなかったろ?それにこーゆーのは男から言うもんだと思うし」 「え?」 急にリトの態度が変わり、真剣な目つきになる。そしてララの目を見据えて言った。 「デビルークだとか王女だとか……そういうのは一切無しで。ララ、好きだ」 「リト……」 「ララのこと、もっといっぱい知りたい。それにこれからもずっと一緒に居たいんだ。だから……結婚しよう?」 「リトっ!!」 ララは一番言って欲しかった言葉を言われリトを抱き締める。 「私もリトのこと、もっといっぱい知りたい!一緒に居たい!!だから絶対の絶対だよ!?」 それに応えるかのようにリトは抱き返す。 「あぁ!!でも今はまだ高校生だから卒業したら、な?」 「うん!ねぇ、リト?」 「ん?」 「キスしてもいい?」 ララがそう訊くとリトはすぐに瞼を閉じララの唇に自分の唇を重ねた。 「んっ……」 ララはリトの嬉しい不意打ちに思わず目を丸くする。 前はこんなことを訊いただけでも顔を真っ赤する程奥手だった彼が自分を求めてくれている。 そう思うだけで更に嬉しさに拍車がかかる。 そしてリトの顔が離れていくとともに唇にあった暖かい感触が薄れていく。 「あ……」 「こんなんでよかったら、いつでもしてやるよ?///」 顔を赤くしたリトはそっぽを向き照れながら言った。 「うん……じゃあもう一度して……?///」 ララも顔を赤らめながらもキスをねだる。 リトは無言で肩を抱き寄せるとその唇にキスを落とす。 唇が繋がっているだけで、互いの考えや想い、全てが分かるようなこの感触、感覚。 たった数秒のはずなのに、数十秒にもとって感じられる。 今度はララの方から顔を離す。 「私もリトに言いたいことがあるの」 「ん?」 「今日はホントにありがと!リトは命の恩人だね?」 「そんな……別に当然のことをしたまでで……」 「ううん、そんなことないよ。リトはやっぱり宇宙一頼りになるね♪」 「そんな……///とりあえず、帰ろっか」 「うん!」 二人は腕を組み手を繋ぎ歩き始める。 「帰ったら続きしようね、リト?」 「続きって……///」 「えへへ、今日は寝かせてあげないよ~♪」 そんな会話をしながら帰路を歩んでいった。 そして玄関の扉に着く頃には午後九時を回っていた。 チャイムを鳴らすとすぐに美柑が出迎える。 「遅いよ、リト!ララさん!いったいどうしたの?」 美柑が心配しながら訊くとララはリトを横からぎゅっと抱き締めて言った。 「私たち結婚しまーす!!」 「はい……?」 ――――――――――― 三人は湯気が揺曵し、見るからにして美味そうな料理が並ぶ食卓を囲んでいた。 一通りのことをリトとララが美柑に話した。美柑はリトの急な決心に驚きつつも黙って聞いていた。 そして話を聞き終えて美柑は確認するかのようにリトに問う。 「そっか……そうなんだ。それでリトは結局ララさんを選んだんだ……?」 「選んだって言い方は違う気がするけど……そうなるのかな」 「よかったの?」 「よかったって何がだ?」 「春菜さんのことだよ」 「西連寺の?」 ララも「そこんとこ気になるなぁ」といった顔で美柑とリトの話し合いを傍観する。 「だってリト、春菜さんのことが好きだったんじゃないの?」 「あぁ……好き、だったのかもな。でも今にしてみれば好きっていうよりも憧れに近いものだったと思うんだ」 「憧れ?」 「誰に対しても分け隔てなく優しくて、立候補もしてないのに委員長に推薦されるくらいみんなに信頼されてて……オレもそんな風になってみたいなって憧れてたんだと思う」 「ふぅ~ん……。ま、その辺はリト自身が一番分かる、か」 リトの目を見て迷いが無いと分かった美柑は深追いしなかった。 「じゃあララさん、ペケ、これからもよろしくね!」 「うん!」 『こちらこそ』 「ところで美柑、ナナとモモ、それにセリーヌは?」 リトがモモたちがいないことに気づき美柑に訊く 「モモさんたちならデビルーク星に用事があるって言って帰っていったよ?セリーヌはほら、そこ」 リトは美柑が指差す方を見るとセリーヌはソファーの上でぐっすりと眠っていた。 「起こしたらかわいそうだからそっとしときなよ?」 「あぁ」 リトがセリーヌの寝顔を見つめていると、ララは席を立ち、弾んだ声でリトに言った。 「じゃあリト、私は先に部屋で待ってるね?」 「あれ、おまえ風呂は?」 「御門先生のとこでシャワー浴びちゃったから」 そう言うと階段を上っていった。 「じゃあオレは風呂入るかな」 「リト」 風呂場に向かおうとしたリトを美柑は呼び止めた。 「大切にしてあげなよ?」 「……あぁ。サンキューな、美柑」 「うん……」 美柑は今度こそ風呂場へ向かうリトの後ろ姿を見つめていた。 自分だけのお兄ちゃんだったのがそうでなくなる寂しさ、悲しさ。 自分の義姉がララになることの嬉しさ、喜ばしさ。 これらの感情が入り交じって、得も言えない気分になっていた。 そんな気分でも美柑はただひとつだけ言えることがあった。 「リト……ララさん、お幸せにね」 風呂をあがったリトはトランクス一丁で自室へと戻る。 扉を開けると部屋の明かりは点いておらず、カーテンは朝と変わらず開けっぱなしのまま。 窓からは満月の月光が射し込み、幻想的な雰囲気を醸し出している。 そんなリトの部屋のベッドに、ララは一糸も纏わぬ姿で横になっていた。 「もう寝ちまったのか?」 こちら側に背を向けているので起きているのか寝ているのか判別つかないララに一人呟く。 もし寝ていたら、と考えてそーっとララに近づく。 するとララはがばっと体を起こすとリトを捕まえてベッドに引き摺り込んだ。 「おわっ!?」 リトは視界が回転したかたと思うと、急に顔面が柔らかい感触に包まれ真っ暗になる。 (この柔らかい感じは……) リトはこの感触が胸のものだと解ると同時に、ララの胸に顔を埋められていると理解する。 (なんか、すごく落ち着く……でも息が!) ララの胸に安堵を覚えたリトだが、このままでは窒息死してしまうと、リトは顔を上げる。 するとそこにはリトを慈しむような目で見るララの顔があった。 「捕まえた♪」 リトの首に腕を回してがっちりとホールドするララはにっこりと笑う。 「ララ……」 ララの純粋で無邪気な笑顔にリトは思わず見とれる。 「うふふ……前よりずっとリトを近くに感じてうれしい♪」 急速に縮んだ心の距離に喜びを隠さず、笑顔でありのままの自分の気持ちを伝えるララにリトの口元も自然と綻ぶ。 「うん……。オレもララを近く感じる」 もうララの気持ちから逃げる理由は無い。ララの気持ちを受け入れ、逆に自分の気持ちもララに向かって突っ走しるだけ。 リトは早速行動に移そうとララに訊く。 「なァ、ララ。今日はララの部屋で寝かせてくんねーか?」 「? 別にいいけど……」 「よし、そうと決まれば」 ララからOKをもらうとリトの首に腕を回したままのララの胴と膝の下に腕を回し立ち上がる。いわゆるお姫様抱っこ状態。 「あは……うれしい///いつかリトにこうやって抱っこしてもらえたらなって思ってたから……///」 ララの顔は驚きながらも嬉しさで満ちる。 リトはそんなララを見て自分まで嬉しくなっていった。 「じゃあこれから抱っこするときはこうするな?」 「うん♪」 ララの意を汲んだリトの言葉にララの表情はもっと明るくなる。と同時にリトの嬉しさにも拍車が掛かる。 「他にもしてほしいこととかあったら言ってくれな」 「えっ!?ホントに!?」 リトの意外な申し出にララの嬉しさは有頂天真っ直中だった。 「出来る限りは応えるから」 リトもララに負けないくらいの笑顔で答える。 そんなやりとりをしてると、リトの部屋の隣だけあってすぐにララの研究所につく。 「リト、寝室はコッチだよ!」 リトはララが指でさす方に進むとドアがあった。ドアを開け中に入ると、そこは発明品の並ぶ研究所とは打って変わった部屋だった。 六畳ほどの部屋の真ん中にクィーンサイズのベッドがあるだけの部屋。 (こんな部屋で寝てたんだ……) 飾り気も何も無い、ただ寝るためだけにあるかのような部屋にリトは驚きながらも、リトがララをベッドの上にそっと横たわらせると、リトもララの隣で横になる。 「にしてもでかいベッドだな」 「うん、いつリトと寝てもいいようにこうしといたんだ!」 リトの胸は切ない気持ちでいっぱいになる。 いつもこんな広いベッドに一人で寝ていたのか。いったいどれだけの間、自分が振り向くのを待っていてくれたんだろう。 そう思うと以前のハッキリしなかった自分がどれだけララを傷つけてきたのか、自分に怒りを覚える。 「ごめんな」 「えっ?」 リトはララの方に体を向けて、悲しげな顔をしてララに謝る。 「今まで散々ララに辛い思いをさせてきたんだなって……」 「リト……」 ララはリトの頬に手を添えるとキスをして言った。 「大丈夫だよ?気にしてないから」 「ララ……」 無理矢理笑顔をつくって答えるララがリトには凄くいじらしく思えて、思わずララを抱きしめる。 「ありがとう」 ララもリトを抱きしめる。二人は抱き合ったまま黙り込んだ。 しばらくしてリトが口を開く。 「すごいよなぁ……」 心から感心したような声でリトは言った。 「すごいって?」 何がすごいのかさっぱり見当のつかないララの頭の上には?マークが浮かぶ。 「どれだけ広いかわからないこの宇宙でオレとララが出逢えたことがすごいなって思ってさ」 「うん……そうだね」 リトの言うことにララは頷く。 確かにどれだけ広いかわからない宇宙で二人が出逢う確率など天文学的数値に等しい。 「でもね、リト?私は出逢わなかったってことはないと思うんだ」 ララは自信満々にそう言い切った。 「どうしてそう言い切れるんだ?」 「だって……運命だったから」 「運命……?」 「うん。リトんちのお風呂で出逢って、いつか結ばれる運命だったんだよ」 「……そういうもんか?」 そんな一言で片づけていいもんなのかな、そう思いつつもリトはララに聞き返した 「うん……言葉じゃ説明できないことってあると思うの。他にもそういうのはあると思うよ」 「ほか?」 どんなのがあるんだ?とリトの目がララにそう訊く。 「うん。……例えば、リトは私が好きで、私はリトが好き。でもどんなに好きでも言葉じゃ限界があると思うの」 「確かにな……」 (好きだの愛してるだの言ってるだけじゃただの安売りだし、言葉じゃ表現出来ない部分もあるもんな……) 言葉に余るとはまさにこういうことだろうな、とリトはうんうんと頷きながら肯定する。 「だからそういう時は態度とか行動で表すものだって私は思うよ?」 ララは起き上がるとリトに跨り、馬乗りになると腰を屈めた。 顔は鼻と鼻がぶつかるのではないかという位にまで近づいている。 ララの翡翠色の瞳はリトの瞳の底を覗き込むかのように見つめる。 彼女の揺れ動く長い桃色の髪がリトの鎖骨や耳を撫でるようにくすぐり、たわわに実った胸はリトの胸板に押しつけられる。 「ララ……?」 「私たちも……言うだけ言ったから、言葉じゃもう限界だと思うよ?」 ララはそういうと同時にリトに口づけをした。 リトの口の隙間に舌を差し込み、リトの舌を誘う。 リトは舌を伸ばすとララの舌を受け止めて絡める。 「ふぁ…ん…ぁ…ちゅる…んむ、ぷはっ……」 初めてのディープキス。 とろけそうなくらい熱く、甘い。その淫猥な感覚に官能が刺激され、互いを求める気持ちがエスカレートしていく。 「ぢゅる…んぅ…ふぁ、んぅ……ぷはぁ……」 二人はようやく唇を離すと、リトとララの絡み合った唾液が糸を引く。 「リトぉ……もう我慢しなくていいんだよね?」 「あぁ、オレも我慢できそうにない……」 ララの今までずっと我慢していたリトへの想いが弾ける。 リトも今日になって解ったララを想う気持ちが止めどなく溢れていく。 「じゃあリト、一緒に気持ちよくなろう?」 ララはそういうや否や体の向きを180度回転させた。 リトのトランクスをやや強引に脱がすと怒張した一物が露わになる。先からは透明で粘りのある体液が溢れていた。 「リトの……すごい濡れてるよ?」 「ララのもすごいよ……?」 「ひゃっ!?」 リトもララのお尻に手を掛けると、突き出されたララの潤った秘部をまじまじと見つめ、愛液を舐めとるように割れ目をなぞっていく。 「リトぉ……よーし、こっちだって」 ララも負けじとリトの一物に舌を這わせ、口の奥深くまで入れる。 「くっ……ララぁ……」 ただでさえ気持ちいいのにララが舐めている、そう思うだけでリトの全身に快感が走る。 そんなリトの反応に、ララはリトの弱点を的確に攻め続ける 「ちゅぷっ…じゅる……ここが気持ちいいんでしょ?リト……」 (このままじゃヤバい!) なんとかララの猛攻を緩和しようと、リトはララのなぞるだけではなくララの割れ目に舌を差し込むと掻き回す。 「あっ、それ……気持ちよすぎて、おかしくなっちゃう!」 しかしララはこの快感を紛らわそうと余計にリトへの攻めを激しくする。 「ララぁっ……ダメだ……そんな激しくしたらオレ……っ」 最早ララを攻めることが出来なくなるにまで快感に溺れたリトは為す術が無かった。 リトはこのまま絶頂を迎えるのかと思った矢先、あるものが目に留まる。 (これだ!!) リトはふりふりと揺れ動くララの尻尾を掴み、先端をくわえる。 「し……尻尾はダメぇぇ~~~~!」 ララはリトの一物から手を離すとビクビクと震え始める。 「お願い……尻尾はっ……」 リトは口から尻尾を離すと指先で尻尾を擦り、空いた口はというと尻尾よりも敏感な、小さな突起に舌を伸ばし、包み込むように舐める。 「それ……っ、はんそ、くぅ……っ」 ララはどんどん押し寄せる快感に身悶えながらもリトの一物に再びくわえこむ。 「くっ……もうダメだ、ララぁっ!」 「私もイッちゃうよ!リトぉっ!」 二人はほぼ同時に果て、リトはララの口内に色情の全てを吐き出す。 ララはそれを「こくん」と音を立てて嚥下すると微笑んで言った。 「リトの味がする……///」 そんなララにリトは見惚れる。可愛い。可愛すぎる。 どうしてこんなにも可愛いのか。最早リトにとってはララの全てが愛おしかった。 その体も心も匂いも味も、全てが。 刹那、ララを自分のものにしたい、自分はララのものにされたいという欲求に駆られる。 「ララ……」 「うん……」 ララ自ら足を開き、リトを誘う。どれほどこの瞬間を待ち焦がれたことか。不安なんか微塵の欠片もなかった。 そして望みはついに叶う。 「いくよ……?」 「きて……」 リトは自分の一物をララに挿した。 「ひっ……くぅん!」 ララは痛みと喜びの入り交じった声を挙げ、リトは未知の感覚に早くも射精感を覚える。 ぎっちぎちに締め付けられるくらいきついのに、ぬるぬると奥へ吸い込まれていくような感覚。 それと同時に柔らかい感触がリトを四方八方から包み込む。それでいてとても熱い。 しかし少しでもララの痛みを無くそうと、リトは堪えながら止まることなく一気に進んだ。 必死に痛みを耐えるララにリトは抱きしめ、少しでも早く気持ちよくなってもらおうと唇を重ね、舌を絡める。 「見て、ララ?」 リトはララを抱き抱え座位になり、接合部が見えやすい格好をとる。 「ほら……オレとララが繋がってる……」 「うん……やっと一つになれた」 ララは涙をぽろぽろとこぼしながらリトの首に腕を回してしがみつき、口付けをする。 「ん…ふぁ…ちゅぱ……ちゅるっ…」 啄むように口付けをし、流れるように舌を絡め吸い上げる。 「もう痛くないか?」 「うん、大丈夫だよ……」 「じゃあ動くな?」 リトは後ろにぽすんとララを倒すと、少しずつ腰を引いては打ちつける。 「ん……ふぁ……あぁん……」 だんだん嬌声へと変わっていくララの喘ぎ声を確認しながらそのスピードを速めていく。 それと同時に空いた手で豊満な胸を鷲掴みながら揉みしだいていく。 「あっあっ、リトぉっ、はげしいよぅっ!」 そうは言いつつもリトのリズムに合わせてララも腰を上下に振る。 「だめ…そこっ…気持ちいいの…ああん!いっ、だめ…ッ!」 リトも限界が近いと悟り、一気にラストスパートをかける。 「リトっ、お願い…一緒にっ!」 「くぁっ、ララ、出る!」 リトは最後に最奥を突くと絶頂へ達し、ララの膣内に思いの丈全てを吐き出した。 それと同時にララは体を弓なりに反らしながら果てる。 「はぁっ…はぁっ…」 二人は繋がったままベッドに倒れ込み、倒れた反動でララからリトが引き抜ける。 「はぁっ……ララ、愛してるよ……」 「うん、私もリトを愛してるよ……リトを本当に好きになったあの日から、ずっとずっと……」 「そしてこれからも……だろ?ララ」 「うん!」 どちらからともなく、そっと口付けを交わす。 「それにしてもホンットに気持ちよかった♪ね?」 満足そうにララはリトに訊く。 「あぁ……でも凄い疲れるな。なんか眠たくなってきちまった……ふぁぁ~」 リトは欠伸をしながらそう答えると、ララはリトに覆い被さって言った。 「ね、リト?」 「ん、なんだ?」 ララは満面の笑みでリトに言った。 「今日は寝かさないって言ったでしょ♪寝ないでずーっと愛し合うの!」 その言葉にリトの一物は再び元気を取り戻す。断るの文字は頭の片隅にも無い。 自分もまだララを求めて止まない、そう思ったリトは喜んで快諾した。 「あぁ、望むところだ」
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/4327.html
遠野日和の場合 「なんでこんなことに巻き込めれなきゃいけないんだよ」 遠野日和は歩いていた。 ジョーズエリアの道を、 (郁弥も参加させられてしまった、僕はどうすればいいんだ?郁弥を生き残らせるために戦うべきなのか?他の人達を殺すべきなのか?) 中学時代彼は親の仕事の都合でアメリカにいた。 その時彼は桐嶋郁弥と出会った、 郁弥が酸欠で溺れた時には日和が助けた。 日本に帰ってからも同じ高校、同じ大学で泳いでいた。 かなり長い付き合いだった、 がしかし最近は郁弥が昔の仲間、七瀬遙に会ったことで迷い初め、スランプに陥ってしまい、最終的には公園で言い合いの喧嘩になってしまっていた。 (僕は助けたことに気付かれない人魚姫でいい、とにかく郁弥だけは絶対に守る!) 彼はデイバックの中からサイの紋章が入ったカードデッキを取り出す。 (仮面ライダー、、、この力で僕は郁弥を死んでも守る、) そしてここで彼はあることを思い出す。 (そういえば名簿に七瀬陸とあったな、彼は何者だ?あの七瀬の弟か?) 七瀬遙と七瀬陸、2人は全く違う世界の人間である。しかし参加者達はそんな事情を知ることはできないのである。彼らに与えられた情報は鏡に写し出されていた5つの文言だけである。 (まあ、いい、僕の邪魔をするようであればこの手で、、、) 1度空を見上げ、遠野日和は誓った。 何があっても、どんな手段を使っても桐嶋郁弥を守ると。 倉沢ほのかの場合 倉沢ほのかは色々とこの世とは違う別世界に住む普通の女子高校生だった。 「裕也くん、、、」 彼女には恋人がいた。 海野裕也という名前の男である。 少し気は弱いが優しい男である。 「裕也くんに会いたい、でも殺しなんて、、、できないよ、裕也くん、私はどうすればいいの?」 彼女は1人涙を流す 悲しさと寂しさを合わせた涙を 「誰?」 そしてその涙が地面に落ちる時、 彼女の後ろには男がいた。 「僕は遠野日和さ、君は?」 遠野日和、彼女と同じく大切な人を思う者である。 「私は倉沢ほのか、悪いですけど遠野さん、死んでください。」 彼女の表情が変わる。 狂気の満ちた表情に、 「変、、、身、、、」 カードデッキを腰に現れたバックルに装填すると、倉沢ほのかの体が青色のサメの様な意匠のある鎧に、 (裕也くん、私決めたわ、あなたのために生き残ると、) この戦いにおける最初の変身により君臨した戦士の名は仮面ライダーアビス 「悪いけど僕もそう簡単に死ぬ気はないよ、変身!」 遠野日和もまたカードデッキを使いサイのデザインの鎧を身に纏う。 (郁弥、絶対に勝つからね、) 仮面ライダーガイ、恐らくこの戦いで最も大きく、思う戦士だろう。 「私は!裕也くんに会うの!その為に、、、死んでよ!」 最初に動いたのはアビス、 召喚機アビスバイザーでガイの頭部をめがけ左ストレートを放つ。 「大切な人を思う気持ちは僕はも同じだ!」 ガイはその左腕を横から殴り、攻撃を防ぐ。 「このカードはこう使うのかな?」 SWORD VENT アビスセイバーが現れ、アビスはそれでガイの腹部を切る。 「うわっ!」 ガイは攻撃を受け、仰向けに倒れる。 更にアビスが剣を振りかざそうとする。 「ならこっちもだ!」 STRIKE VENT ガイの腕にメタルホーンが装備され、彼はそのままアビスの胸部を殴る。 「殺す!殺す!皆殺す!」 ADVENT アビスの契約モンスターであるアビスラッシャーとアビスハンマーが現れてガイに襲いかかる。 「だったらこれで、どうかな?」 CONFINE VENT 1枚のカードによって2体のモンスターが消されてしまう。 「えぇ、嘘、でしょ、、、」 「嘘じゃない、これが現実だ!」 ガイはメタルホーンでアビスを殴り飛ばす。 「殺す!絶対に殺す!私は裕也くんにまた会うのよ!」 FINAL VENT 先程の2体のモンスターが合体した形態、アビソドンがガイを強襲しようとするが、、、 「実はもう1枚あるんだ、」 CONFINE VENT またもや1枚のカードによってアビソドンの姿が消える。 「そんな、、、」 「ごめんね、でも郁弥のためなんだ。」 FINAL VENT メタルゲラスが現れてガイの足を頭に乗せ、ガイと共に突進する技、ヘビープレッシャーが発動されて呆然と立ち尽くしたアビスに炸裂する。 「いやあああああああああ!」 大きく跳ね飛ばされてジョーズのアトラクション入口に激突する。 (裕也くん、、、私もう、、、死ぬみたい、、、会えなくて、、、ゴメンね、、、やっぱり人殺しなんて、できないよ、、、) ガイがそこに来た時、もう彼女の体は動かなくなっていた、 亡骸とカードデッキが落ちているだけであった。 (もう後戻りはできない、僕は郁弥を、郁弥を生き残らせてみせる!) 遠野日和は変身を解除するとアビスのデッキを手に取りその場から立ち去る。 そして向かう、修羅の道へ 倉沢ほのか死亡 残り12人 状態表 午前0時20分 現在地ジョーズエリア 【遠野日和@free!dive to the future】 【状態】健康 仮面ライダーガイに2時間変身不可能 【時系列】第6話終了後(桐嶋郁弥と喧嘩後) 【装備】カードデッキ(ガイ、アビス) 【道具】支給品一式 不明支給品 【思考・状況】 0、奉仕マーダー(桐嶋郁弥) 1、人を殺してしまったが吹っ切る 前話 次話 戦いの幕開け 正義と悪 悪と悪魔 前編
https://w.atwiki.jp/yyyigame/pages/1245.html
想い語るは大切な人 花本美佳 CV 宮原 颯希 ステータス ※ステータスの数値は初期値になります。 型 属性 レア度 HP ATK 巫女 青 SSR 1350 540 アビリティ それも郡様の美点です 発動条件 効果 開幕 開幕時、30秒間仲間全員のATK+5%、攻撃ペース+5%、さらに30秒間郡千景のATK+10%、攻撃ペース+10% 神花・覚醒 神花/覚醒時 獲得精霊 初回神花 二回目回神花 SR七人御先(青) 一定覚醒値報酬 必要覚醒値 5 SSR七人御先(青) 神花解放 段階 必要コイン 必要属性結晶 上限Lv30 8,000 青の欠片x7 上限Lv50 - - 上限Lv70 - - 上限Lv99 - - ボイス 1 - 2 - 入手方法 イベント2022年「1月 想い語るは大切な人」イベントpt報酬 名前
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/6864.html
タイセツナヒトノタメニキリト【登録タグ CXシナジー ID SAO ドローブースト パワーパンプ 加速 松岡禎丞】 autolink SAO/S20-080 カード名:大切な人のために キリト カテゴリ:キャラ 色:青 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:4000 ソウル:1 特徴 《アバター》?・《武器》? 【自】[①]このカードがアタックした時、クライマックス置場に「世界の終焉」があるなら、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは1枚引く。 【自】加速[あなたの山札の上から1枚をクロック置場に置く]あなたのクライマックスフェイズの始めに、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、次の相手のターンの終わりまで、このカードのパワーを+2500。 ――もう一度、俺に力を貸してくれ レアリティ:R illust. 13/02/20 今日のカード。 ・対応クライマックス カード名 トリガー 世界の終焉 2 ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 自分に言い聞かせる直葉 0/0 500/1/0 緑 絆
https://w.atwiki.jp/sentairowa/pages/107.html
―大切な人がいる 焚き火の明かりには不思議な力がある。 友人と囲めばより心を開かせ、恋人とあたる炎は愛をも温める。 独りで向き合ったときは―― 夜の砂浜に座り込み揺れる炎を見つめていると、今は隣にいない友人や仲間達のことが思い出される。 菊池啓太郎、木場勇二、そして園田真理。 「……真理」 乾巧は、この夜空の下のどこかにいるであろう真理のことを思う。 鼻っ柱の強い女ではあるが、人が殺せるかと問われれば、おそらく無理だろう。 勝手に死なれたら、啓太郎に何と言えばいいのか。 見上げると、瞬く星々の間を縫うように火の粉が走っている。 今はただ真理がこの炎に気がついてくれる幸運だけを祈り、巧は考えるのを止めた。 乾いた木片が燃えてパチパチと音を立てる他は、ゆったりとした波の音しかない静かな夜。 どれほどの間、独り静けさに身を委ねていただろうか。 それを破ったのは、誰かが砂を踏む足音だった。 「……おい?どうしたんだ!?」 振り向いた先にいたのは、顔を腫らして血を垂らし、衣類は無残に切り裂かれた一人の少女だった。 「どうした?誰かに襲われたのか?」 反射的に巧は立ち上がっていた。濡れたジーンズにへばり付いた砂を払うようにしながら、少女に駆け寄る。 腰をかがめて少女の高さまで目線を落とし、その顔を覗き込んだ。 間近で見れば傷はずいぶん酷く、強い力で何度も殴られたようだった。 「おい、何とか言えよ?」 肩を掴んで軽く揺するが、少女は無言のまま。 ならば無理して喋らせることはない、そう考えた巧は、少女の手を引いて焚き火の傍に連れて行った。 「顔洗うなら、海水よりそっちのほうがいいぜ」 デイバッグからミネラルウォーターのボトルを取り出し、少女に渡す。 「……腹が減ってたら、そこの乾パン食っていいからな」 ボトルの水で、顔に貼りついた血と砂を洗い落としている少女の小さな背中に声をかける。その弱々しいシルエットから嗚咽が漏れるのが聞こえて、巧は目を逸らした。 「まぁしょうがないよな。いきなりこんなところに連れてこられて、 殺し合えとか言われても……現実感っていうの、ないよなあ」 少女に背を向けるようにすると、視界いっぱいに海と夜空が広がる。 少女に傷を負わせたのは誰か、その者が近くにいるのか、そういった心配もあったが、 一方でどこかほっとしている部分があるのも確かだった。 「まぁ、なんとかなるって」 海に向かったままそう言った後、暫く沈黙が流れた。 「すみません」 少女の声が自分のすぐ後ろでしたので、巧は驚いて振り向いた。 「わっ、あちっ」 火のついた木片を棍棒のように振り下ろす少女。背中に熱い火があたる。 衣服が海水を吸っていなければ、燃え移って大火傷をしていたかもしれない。 「やめろっ」 慌てて体をかわす。 「お前、あんな奴のいいなりになって、殺し合いすんのかよ!」 とても人殺しなんて出来そうもない少女が自分に襲い掛かってきたことに、巧は薄ら寒いものを感じた。 己が命を人質に捕られれば、人はこうも残酷になれるのか、と。 少女は喚きながら狂ったように木片を振り回す。巧はすんでのところで少女の手を掴み、押し戻した。 少女が半ば叫ぶように言う。 「それでも……それでも帰りたい場所があるんです!」 その声には再び嗚咽が混じり、怒りとも悲しみともつかない感情が篭っているようだった。 気が動転しているだけなのかもしれないが、少女は見た目に反してかなり力強く、 巧はつい本気で少女を突き飛ばしてしまった。 「痛っ!」 少女が砂浜に転げて、燃える木片がその手を離れた 「あ、悪いっ」 何とかしてこの少女を落ち着かせなければならないと思い、巧は木片を取り上げた。 ちょうどそのときだった。 虫の羽音を低くしたような音とともに、砲弾のようなものが飛んで来て巧の手にした木片を弾き飛ばした。 木片は燃えたままバラバラに砕け、海へと落ちた。 「――おばあちゃんは言っていた」 海とは逆の方向から、男の声が聞こえてくる。巧と少女は声のする方へ視線をやった。 「男がやってはいけないことが二つある。 食べ物を粗末にすることと、女の子を泣かせることだ、とな」 男は喋りながら巧達の方へと近づいてきた。 暗さもあり遠目にはよく見えないが、声の感じや背格好からして、男は巧と同じくらいか少し年かさと思われた。 「その少女を殺すつもりだったのか?」 あまりにタイミングが悪かった。完全に誤解されている。 戸惑った巧が言葉に詰まる間も、男は歩みを止めなかった。 次第に距離が縮まり、焚き火が男の顔を照らしだす。 近くでみれば端正な顔立ちで、やはり巧よりはやや年長のようだった。 そして、何の根拠があるのか知らないが、男の表情や言葉には自信のようなものが満ち溢れていた。 「……だったら、どうだっつーんだよ」 ようやく口をついて出た言葉がこれだった。 素直に違うといえば、もう少しマシな展開になったのかもしれない。 しかし、巧は人付き合いに関しては本来的に不器用で、 初対面の相手にはつっけんどんな態度をとってしまう性分であった。 少女に対して優しい態度を取れたのは、相手が年少の女の子であったこともあるが、 何より巧自身の内なる不安と孤独に因るもので、言わば例外中の例外だった。 「知れたことだ」 男は超然とした態度を崩さずに巧の傍まで歩み寄ってきた。 「……へっ。やってみやがれ!」 焚き火を焚いたときから、襲われることは覚悟していた。 神崎とやらの言うなりに殺し合うかどうかは決めかねるが、降りかかる火の粉を払うことにはためらいは無い。 初めてベルトを手にしたときもそうであったように。 巧は右の手首を軽くしならせると、男に殴りかかる。 ……が、男は巧の大振りのパンチを難なくいなし、逆に殴り返してきた。 もう一度殴りかかるが、今度はパンチを受け止められ、突き飛ばされる。 3度、4度と拳を振るっても、全て無駄のない動きで捌かれ、カウンターを入れられる。 巧も相当にケンカ慣れしているが、男の動きはもっと完成された体術のそれだった。 とうとう、男の蹴りが巧の腹を捕らえ、巧はもんどりうって倒れる。 このまま殴りあっても、勝ち目は薄い。ならば―― 「お前を倒す前に聞いておきたいことがある」 砂浜に尻餅をついた巧を上から見据えながら、おもむろに男は言った。 「おいおい、気が早いんじゃねーか?」 巧は殴られた頬を軽く指でなぞりながら、失笑して男を見上げる。 「日下部ひよりという女について、何か知らないか?」 「……知らないなあ」 名簿に目を通したとき、ひよりという名前があったような気はしたが、苗字は難しくて巧には読めなかった。 それよりも、やたら偉そうな男が女の心配をしていることが意外に思えて、幾分気が殺がれた。 「俺も聞いていいか?園田真理って女のこと、知らないか?」 殺がれついでに、巧も質問をする。 「……知らんな。その真理という女がどうかしたのか?」 巧は気がつかなかったが、そのとき男は少し眉根をひそめ、巧と少女とを交互に見比べていた。 「そいつに死なれちゃ寝覚めが悪いんでな。本気でやらせてもらうぜ」 巧は奥の手を使おうと、全身に力を込める。 体の表面にうっすらと黒い紋様が浮かび上がり―― 「やめてください!」 それまで黙っていた少女が、突然大きな声を上げた。 「私が悪いんです。私がその人を殺そうと思って、焚き火の木で殴ったんです」 巧も男も、少女の方を見つめる。 「その人は、怪我をしていた私を助けてくれたんです」 「お前……」 巧は、少女の肩が小刻みに震えているのに気がついた。 しかしその言葉には、先刻より少しばかりしっかりした意志も感じられた。 「何故恩人を殺そうとした?」 男が少女に聞く。当然の質問だった。 答える前に、少女は二度三度しゃくりあげるように大きく息をした。 「どうしても帰りたい場所があるんです」 声は、震えていた。 「私には……私にも、会いたい人がいるんです!」 喉から搾り出すような叫びとともに、少女は砂の上に崩れ落ちた。 浜の真砂が、少女の頬からぽろぽろとこぼれ落ちる雫を吸う。 男は暫く少女を見つめて、何事か考えているようだった。 それからおもむろに向き直ると、 「どうやら俺の早とちりだったようだな。悪いことをした」 と言って、尻餅をついたままの巧に手を差し出した。 「だが、何故わざわざ誤解されるような態度を?」 「……人付き合いってやつが、どうにも苦手でね」 巧は男の手を借りずに立ち上がって、ジーンズの砂を払った。 「フン、なかなか面白い奴だ」 男は気を悪くするでもなく、むしろ微笑みさえみせて、行きどころを無くした手を収めた。 「アンタも、相当なモンだと思うぜ」 巧は男を一瞥してから少女の元へ行き、大丈夫か、と一言だけ聞いた。少女は小さくうなずいた。 そんな巧の背に、男が言葉を投げかける。 「お前にも、守りたい人がいるのか」 巧は、嗚咽が止まらない少女の背中をさすりながら、男を見やる。 「守りたいっつーか……勝手に死んで欲しくないだけだ。さっきも言っただろ」 「俺にも守らねばならない人がいる。そこの娘にも、会いたい人がいる」 「何が言いたいんだよ?」 男は小さく溜息をついた。それから、巧から顔を逸らし、焚き火を見つめながら続けた。 「手を組んでやる。1人で探すより、大勢で探した方が早い。 さっさとお互いの大切な人を見つけて、こんなくだらん殺し合いから抜け出すぞ」 男の言葉に巧は一瞬戸惑う。 真理を見つけることばかり考えていたが、その後のことは何も考えていなかった。 もし真理を見つけたとしても、最後の1人まで殺しあうならばいずれは―― 「抜け出す……できるのか?あの神崎ってヤローは、妙な力を使うみたいだぜ?」 ある日突然知らない場所に集められたと思えば、今度は別の知らない場所へとワープさせられた。 正直言って、ここが日本なのか、外国なのかも分からない。 「それにこの首輪だって……」 指先でそっと喉元をなぞる。 いつの間にか体温に馴染んで忘れかけていたが、巧にも、男にも、少女にも、そして真理にも、例外なく首輪が嵌められている。 下手なことをすれば、あの男のように――飛び散った脳漿のことを思い出すと、口の中の唾液が苦味を増す。 しかし、男は涼しい顔で言った。 「俺が願うことは全てが現実になる。選ばれし者だからな」 「……やっぱり、アンタのほうがずっと面白いぜ」 どこぞの草加とは違う方向で偉そうだ。だが、ここまで突き抜けられると返って悪い気はしない。 ましてやこのような状況であれば、どこか勇気付けられる部分があるのも確かだった。 「首輪は何とかして外そう。そうすれば俺は時空さえ越えられる。仮にここが異次元でも、な」 「時空を越えるか。そいつはいいな」 途方もないことを事も無げに語る男を見て、巧は思わず口の端に笑いを浮かべていた。 そして、少女の肩に手を置いて、 「この子の帰りたい場所ってのにも、飛べるのか?」 と聞いた。 「当然だ」 「気に入ったぜ」 巧は男の言うことを全て信じたわけではなかったが、 ――真理と一緒に啓太郎達のところに帰ることができるかもしれない―― そう思うと、どす黒いもやに覆われていた心に一筋の光明が差していた。 巧は、傍らの少女に声をかける。 「おい、帰れるかもしれねーぜ。元気出しな。名前、何て言うんだ?」 少女はようやく涙をすするのをやめ、腫れ上がったままの顔を2人に向けた。 「天美……あきらです」 「俺は乾巧だ。アンタは?」 巧に名前を尋ねられると、男は右手を掲げ満天の星空を指差した。 「覚えておけ。俺は天の道を行き、総てを司る男――天道総司だ」 【乾巧@仮面ライダー555】 【1日目 現時刻:深夜】 【現在地:海岸J-6】 【時間軸】中盤くらい 【状態】天道に殴られてややダメージ、服が濡れて気持ち悪い 【装備】ファイズドライバー 【道具】ミネラルウォーター×2(一本は半分消費) カレーの缶詰 乾パンの缶詰 【思考・状況】1:園田真理を探して合流する (草加は多分大丈夫的発想。) 2:可能であれば、脱出して神崎士郎をぶん殴る 3:脱出できるなら天道と手を組むのも悪くない 【天美あきら@仮面ライダー響鬼】 【1日目 現時刻:深夜】 【現在地:海岸J-6】 【時間軸】中盤くらい 【状態】顔は腫れたまま、だいぶ落ち着いたがやや混乱気味。 【装備】破れたインナー・鬼笛・ディスクアニマルアカネタカ 【道具】ファイズフォン 【思考・状況】1:絶対に生き残る 2:とりあえずは巧と天道についていく 【天道総司@仮面ライダーカブト】 【1日目 現時刻:深夜】 【現在地:J-6 海岸】 【時間軸】ハイパーゼクター入手後 【状態】健康 至って冷静 【装備】カブトゼクター&ベルト 【道具】未確認 他食料など一式 【思考・状況】1:日下部ひよりの保護 2:脱出して(首輪の解除とハイパーゼクターの入手)神崎を倒す 3:乾巧の心根を気に入り、天美あきらには樹花を重ねている
https://w.atwiki.jp/kodamasuru/pages/126.html
大切な人を失いたくない J02-009/END-N カード名:《大切な人を失いたくない》(タイセツナヒトヲウシナイタクナイ) キャラ名:「リン」(リン) LPリミット:60% キャラクターシンボル:クラブ 属性:イグラ END:END 【自分の場にキャラ名「シキ」のカードがある時】あなたは自分の場にあるキャラ名「リン」のLv.の数だけ、山札からカードを引く。 リン「……さわりたい、アキラに。確かめたい。……消えて、しまわないって」
https://w.atwiki.jp/rnext/pages/277.html
大切な人は誰ですか 下半身に走る鈍い痛みの理由が、折れた木枝にあると認識したのは何時頃だっただろうか。 悪魔の如き戦闘能力を見せ付けて来た北崎との一戦から逃れ、気絶したまま――正確には、一度目覚めた後再度意識を手放した――東條悟の回復を三田村晴彦は待つ。 逃げ込んだ先は有り触れた雑木林。靴裏が軽く振動する度に、敷き詰められたままの落ち葉が連続して旋律を響かせていた。 ふと、本体から剥がれ落ちたクヌギの表皮を指先で掴んで、弄繰り回す。 程無くして崩壊したそれが地に還る様子を眺め終えて、彼は正面に二つ並べられているデイパックに手を突っ込んだ。 一通り中身を確認、半円を描く様にしてそれらを並べる。恐らくはゲームの参加者全員に与えられている共通の支給品類が二組に、飲食物、木製の箱、首輪、カード一枚。 その中から、栓を開けられた形跡のないペットボトルを選択し、恐る恐るそれを掴んだ。 ライダーに変身しての行動とは言え、一人の人間に二つのデイパックを抱えての全力疾走は喉にも堪えるものがある。 乾きを水で潤しながら、横目でチラリと他の品々を見据える。 食料は、デイパック毎に差異があるらしい。既にある程度食べられた形跡があるが、残っているものも晴彦の食した缶詰とは異なる。 キャップを閉めてボトルを置くと、入れ替わりにカードを一枚手に取る。 「サバイブ…………?」 survive。『生き残る』ことを示すそのカードに、強いメッセージと可能性を感じずにはいられなかった。 実際問題、強大な力を秘めていることは間違いないのだろう。 現在晴彦や北崎の所持しているデッキに納められているカード群と共通性を抱えていることは、疑いようがない事実だ。 だが東條はこのカードを用いなかった。あるいは、使用不能だったのだろうか。 木箱や首輪とは別のデイパックに所在していたことから、このカードを入手してから然程時間は経過していないのかも知れない。 そして、二つの首輪。外装にこびりついている血が、嫌でも人の『死』を認識させた。 無論この首輪の存在は、そのまま東條による殺害行為へと直結するというものではない。 しかし放送で十数人もの名前がコールされた過去を塗り潰すような衝撃が、この首輪にはある。 いよいよもって間近へ迫ってきた恐怖に背筋を凍らせながらも、晴彦は次へ視線を揺らす。 木箱の中から取り出されたのは、長方形の刃をした薄刃包丁だった。 この一品がどんな用途を想定して支給されたのか、殺人に用いることが可能なのかを考証する程、晴彦は調理器具に親しんではいない。 形状の関係上、ナイフのように刺し殺すための起用は叶わない。だったら、斬り殺すのはどうだろうか。 丁度目の前には、まな板に乗せられた食材を彷彿とさせる沈黙振りを見せる格好の『獲物』がいる。 いくら病院暮らしが長かったとはいえ、青魚の首と胴、大根の葉と根が切り離されるビジョンを想像できない程、彼は愚鈍ではない。 その気になれば、眠りについたままの東條の首を刎ねられるのではないか、と思考したところで、先程の首輪が目に入る。 直後、疑念が点火した。――――こうして、二人殺したのか? 勿論、ライダーへの変身能力を考慮していない訳ではない。が、この瞬間、『東條が二人の参加者を殺した』ことは彼の中で決定的となった。 転じて、彼は自身へ向けて注がれる視線に身を震わせた。 「おおお、起きたのか」 晴彦にとっては限りなく最悪に近いタイミングと呼べる中での、東條の目覚め。 上半身を起き上がらせた彼を前にして、未だ包丁へ添えられたままの両手が、がくがくと脅えを見せる。 焦りを伴いつつそれを木箱に乗せて、彼の反応を待つ。 「……僕が生きているのは、残念だったかな」 張り詰めた雰囲気の中での第一声に、想定との猛烈なギャップを感じながらも、晴彦は次第に警戒を解いていく。 今の東條には、自分を殺す術がないと判断したためだ。 始めに横たわらせた直後何か隠し持っていないかチェックもしたし、デイパックや支給品も全て自分の掌中にある。 完全に優位だと自覚したことで、詰まっていた返答が小さく開いた唇の合間から漏れる。 「な、なんで急にそんなことを……」 あくまでも返答を搾り出せただけらしい。虚勢すら張れていない、酷く弱々しい応答。 自分はこんなにまで弱気だったのか、などと内で嘆きつつも、晴彦は会話の続きを求めていた。 東條との間になんとか協力態勢を継続して、次の目的を定める――――そんな形へ、話題を展開するために。 「別に。君なんかに話しても、無駄なんじゃないかな」 どう返せば良いのか、咄嗟にはとるべき対応が思い浮かばなかった。言意というよりも、その暗いオーラに包まれたトーンに対して。 これが幸いしてか、晴彦は先程感じたギャップの原因に気付く。大きな、読み誤りに。 もやもやとした違和感が晴れていく課程を経て、彼は起き上がって以降、身を屈めたままの体勢を維持している東條の全体像を視界に収めた。 たった一度の瞬きを境目として、印象がガラリと変わった。自分が無意識の内に生み出していたフィルターを、切り換えたかのような感覚に襲われる。 元々は、北崎と同じ類に括られるような人間なのだと感じていた。 どんな状況下にあっても必ず己は高い位置に構える自信家で、こちらを見下してくる。そんな奴なのだと。 違いと言えば、北崎は自分と同様ヒトを越えた異型の存在であることが明らかなのに対し、東條は現時点ではただの人間として映ること。 ただ一度共闘しただけの間柄である彼に晴彦がそんな感想を持ったのは、妥協を込めた願望が混じっていたからだろう。 更には持って間も無い、『東條が二人の参加者を殺した』実績への確信。 つまり、晴彦は東條に代役を求めていたのだ。同時に、北崎を裏切ったことを後悔している証でもある。 だから裏切る前に状況を似せようとして、彼に期待を寄せた。再び他者に従属して、生存への路を開こうとした。 だというのに、希望と反して彼は縮こまっている。これでは代役など期待の仕様がなかった。 こうなったら殺すべきなのではないのか、と一考する中、葛藤に中断を持ち込む様に彼が口を開く。 「君は、三田村……だっけ?」 「そうだ。僕は、三田村……晴彦」 名前を知っている理由を思い起こせば、『三田村君』というフレーズを多様してきた北崎の笑顔が真っ先に浮かぶ。 ある時は龍人に、あるいは帝王に、更には金蟹に外見を変化させ、彼は晴彦に声を掛け続けた。東條の発言も、そこに由来があるのだろう。 「そう。僕の名前は……さっき話したっけ、三田村君?」 「ああ。凄く聞き取り難かったけど……東條悟だよな?」 軽く首を縦に振りつつ、自分に聞き間違いがないか確認で聞き返した。 『さっき』とは、ここに身を潜めて間もなくして東條が目覚めた時のことを指す。 その際に晴彦は彼の名前を聞いたが、直後に彼が目を閉じたので会話はそこで中断されていたのだ。 「そう思ってくれて構わないよ。……で、あの北崎とか言う奴は倒せたの?」 「い、いや……それが……」 簡単にこれまでの経緯を話す。と言っても、東條が気絶して以降の僅かな行動に過ぎない。負けて、逃げて、荷物を確認。それだけだ。 確実に勝利を掴むことができるという触れ込みで彼に停戦を持ち掛けた晴彦なだけに、敗退の報告には息がつまる思いだった。 「あんな大口を叩いておいて、結局負けたんだ。しかも、大事なデッキまで……」 東條はそう言うと、周辺に転がった幾本かのペットボトルを全て片方のデイパックに滑りこませる。理由を求められた彼は簡潔に可能性を語った。 カードデッキ損壊によって無効となったミラーモンスターとの契約。それによって起こり得る事態――鏡面からの銀犀による奇襲。 君がそれを使えばなんとかなるかもね、と虎の紋章が彫られた青のカードデッキが指差された時、晴彦はみるみる内に自身の顔が青く染まっていくのを感じていた。 タイガへの変身を移動のために行使済だとあたふたしながら伝えるが、相変わらず表情を欠いたまま。 戦力が包丁一本という状況への焦りや怒りも、あわてふためく眼前の青年への嘲笑も、姿を表すことがない。 「なあ、本当に……どうかしたのか?」 「君には関係のないことだよ」 一蹴。問い掛けた晴彦も、これには思わずふさぎ込む。間を持たせられなくなった末に、小規模ながら散乱した食料品へと手を伸ばした。 モンスターの襲撃を阻止するために戻されたペットボトルに習い、食料品を同じデイパックに、もう一方へ共通の支給品群を詰め込む。 しばしの時を稼いでも無駄なのだと頭では理解しながらも、別の選択が過ぎらない現状を嫌悪していた。 いや、選択肢などいくらでもあるのだ。殺すでも、引き連れていくのでも良い。 初めて北崎と対峙した時も、後に裏切った時にも、殺す覚悟を抱いて戦に臨んでいた。 ショッカーの支配下にあった頃は、幾人もの配下達を従えていたこともあった。 そんな自分が、今更人間一人に引っ張られるのを望むことこそ筋違いと言える。 正確には、今更決断一つ成せない己を憎むべきだった。それも分かっているのに、何故先へ進めないのか。 震える手でサバイブのカードを掴む。閉ざされた唇の奥で噛み締められた歯がぎりぎりと音を立てていた。 カードの中央に描かれた金色の翼が、背後でその威風を引き立てている烈火が、数刻前より輝いて、そして羨ましく映る。 持ったカードをどうするか悩んだが、デイパックにわざわざ戻す必要のあるものでもない。 暫定的な措置として、タイガのデッキにカードを滑り込ませる。次に変身する場面が訪れれば、カードの真価も見出せるだろう。 「ねえ」 突如掛けられた声に異変を察知して、晴彦が思わず顔を向けた。 「今のカード、見せてくれないかな」 東條の表情に、玩具の話をする北崎がダブって見えた。 ◆ この島に、殺し合いに来るほんの少し前。東條悟は一人のライダーを殺した。 実の所止めを刺したのは彼ではないのだが、彼に真相を知る由もない。 何れにせよ、その勝利は敗戦を重ねていた彼に名誉挽回を齎した。 更にこの島では、三人の参加者を殺した。仮面ライダーガイ、仮面ライダー二号、ギラファアンデッド。 様々なシチュエーションで彼らの命を絶っていく内に、元の世界で失いかけていた自信は完全に取り戻されつつあった。 自信が戻っていったが故に、気に入らない存在への憎悪も募っていった。 変身不可能な状況であるにも関わらず、ライダーとなっていた自分を撃退した本郷猛は、既に死んでいる。 残るは馬を模した異形や銀の装甲に赤のラインを駆け巡らせたライダーに変身する青年と、北崎というらしい龍人。 彼の英雄観を打ち砕いた前者に加え、正面切っての戦闘で彼を圧倒した後者。 両者共に、英雄までの道のりに避けては通れない存在だった。 その筈が、必要条件として越えなければならない相手に負けた。 スペック上では同等か、それ以下のデッキを用いられた際にまでもだ。 本来ならば一人でも勝てて当然という解釈があった以上、三田村晴彦の吐血による攻撃失敗は、この場合問題ではない。 遂には、事が終わった後に殺害しようとしていた相手に情けを掛けられて、無様に生き残っている。 ようやく再構築されようかというところだった彼のプライドは、ズタズタに切り刻まれた状態に等しい。 何か浮上する切欠はないのかと、沈んだ気持ちで物思いにふけっていた時。"ソレ"に彼の目線は固定された。 「ねえ、今のカード、見せてくれないかな」 晴彦が深刻な表情で眺めていたカードは、城戸真司が所有している筈の『サバイブ』だった。 神崎士郎がライダーバトルの進行を促すために一部のライダーへと与えた、戦闘力強化カード。 サバイブがライダーに与える力の程は、東條も良く知る所だった。 (このカードが使えれば、北崎って奴も倒せる。もう一度、英雄を目指せるんだ) 急に訪れた東條の変調に驚愕した晴彦は、拒否することなくデッキを渡してきた。 話に寄れば、サバイブのカードはデイパックに入っていたらしい。 (確かこいつのデイパックは、奪われたままだったよね。つまりこれは……) 東條自身のデイパックは包丁を取り出した際に隅々まで調べてあることから、島で最初に出会った芝浦の支給品ということになる。 つまりは戦利品だ、自分の力で勝ち取ったものだ、と満足しつつ、カードが発見されたデイパックを晴彦の付近から引っ張り込む。 もしかすれば、まだ何かが入っているかも知れない――期待を膨らませて、基本支給品の類を掻き分け彼の手は進む。 「それって、一体どんなカードなんだ」 「……これはね、タイガのデッキじゃ使えないみたいだ。使うには、城戸真司のデッキを奪うしかないね」 『仮面ライダー龍騎をサバイブ態へ変身させる』とだけ書かれた紙切れを引っ張りだした東條が言い、少しばかり残念な表情を形作る。 しかし、明らかにその表情は色と呼べるものを取り戻していた。 指針を見出せず四苦八苦していた自分が余計に情けなく思えて、晴彦は思わず目を背けながら声を上げた。 「でも、その城戸真司って奴がデッキを持ってるとは……」 「彼は生きてるみたいだし、多分持ってるよ。僕も自分のデッキを支給されたしね。 君みたいな弱い奴には、この島に来てない奴のデッキが渡されてるみたいだけど」 「そ、そうなのか……でも、そこまでして使う必要があるカードなのかな」 「性能は僕が保証するよ。あの力を手に入れれば、あの北崎を殺して英雄に近づくのも遠くない」 「英……雄?」 不適に笑う東條に北崎とは一風違った狂気を感じつつ、晴彦は英雄について恐る恐る問う。 「そう、英雄。この戦いに勝ち残って、香川先生の前で、僕は皆から認められる英雄になるんだ。 ……君は分かってくれるよね? 僕の、この英雄的行為の素晴らしさを」 「あ、ああ…………やっぱり、その香川先生っていう人も……」 「当然じゃないか。先生は僕に道を示してくれた大切な人さ。もう一回死んだ筈だけど、 この島では先生がまだ生きてる。そんな先生を最後にもう一度殺した時、僕は真の英雄になれるんだ」 溢れる笑みに歯止めをかけようともせず、東條は理想の展望を垂れる。 香川なる人物が彼にどの様な影響を与えたかは定かではない。 (一回死んだ筈、か……) 自分と同じ境遇の参加者がこの島にいる。それは即ち、スマートブレインの死者蘇生技術がいよいよ現実味を帯びてくることにもなる。 死ぬ訳にはいかない。まして、せっかく生きながらえた大切な人を再び死に追いやろうとする、東條の様な人間に殺される訳にはいかない。 「じゃあ、そろそろ行こうか。君はまだ、殺さないでおくよ。荷物運び位にはなるよね? ……もしかしたら君も、僕にとって大切な人かも知れないし、ね」 木箱に戻した包丁と首輪をデイパックに入れつつ、東條は立ち上がり、歩きだす。 追従する晴彦はもう片方のデイパックを担ぎ、堂々たるその背中を見据えていた。 今しばらくはこれでいい。相反する望みを持った二人の歩みがいつまで続くのか――その答えを知る者は、誰もいない。 状態表 【三田村晴彦@仮面ライダー THE FIRST】 【F-5 上部 川沿いの雑木林】【日中】 [時間軸]:原作での死亡直前から [状態]:全身に中度の疲労、全身に強い痛み、不可解な衝動(リジェクション)への疑問、 北崎に対する強い恐怖 、一時間タイガへ変身不能 [装備]:特殊マスク、鞭 [道具]:飲食物(二人分) 【思考・状況】 基本行動方針:彼女を救うために勝者となる。 1:当面は東條に従って行動する。 2:北崎とはできるだけ離れたい。 3:リジェクションへの不安。できるだけ早く原因を突き止めたい。 4:いざとなれば迷わない。 5:桐矢、海堂に僅かな罪悪感。 6:自身が改造人間(コブラ)であることは東條に黙っておく。 【備考】 ※変身制限がある事を把握しました(正確な時間等は不明) ※リジェクションの間隔は次の書き手さんに任せます。(現状は頻繁ではない) 【東條悟@仮面ライダー龍騎】 [時間軸]:44話終了後 [状態]:中程度のダメージ。タイガに1時間変身不能。 [装備]:カードデッキ(タイガ・若干ひび割れ)+サバイブ烈火@仮面ライダー龍騎 [道具]:基本支給品×2(飲食物抜き)、首輪(芝浦、金居) 、田所包丁@仮面ライダーカブト [思考・状況] 基本行動方針:全員殺して勝ち残り、名実共に英雄となる 1:『ある程度の力を持つ参加者を一人でも多く間引く』 2:できれば最後の仕上げは先生(香川)にしたい 3:龍騎のデッキを入手するため、城戸真司を探す。北崎と戦うのはその後。 4:三田村はとりあえず生かしておく。殺すタイミングは今後の動向次第。 5:殺した奴の首輪をコレクションするのも面白い。積極的に外す 。 6:木場(名前は知らない)に自分が英雄であることを知らしめる為、自らの手で闘って殺す。 ※三田村が改造人間(コブラ)であることを知りません。 103 牙の本能 投下順 105 病い風、昏い道(前編) 101 藪をつついて黒龍を出す 時系列順 107 香川教授の事件簿 099 金色の戦士(後編) 三田村晴彦 106 龍哭(前編) 099 金色の戦士(後編) 東條悟 106 龍哭(前編)
https://w.atwiki.jp/versesaver/pages/648.html
名前 大切な人を失わぬよう パラメータ上昇値 レアリティ ☆5 HP 5 メインスキル 全体攻撃B SP 4 AT 6 DF 4 IN 3 スカウト以外の入手法 -
https://w.atwiki.jp/yyyigame/pages/1244.html
想い語るは大切な人 高嶋友奈 CV 照井 春佳 ステータス ※ステータスの数値は初期値になります。 型 属性 レア度 HP ATK 踏ん張り 速度 CRT コスト SP 近接型 緑 SSR 3780 2700 S- C E- 24 35 リーダースキル ぐんちゃんの髪型 緑属性の勇者のATK+25% 必殺技 愛シキ友ヲ想ウ勇者ノ拳 種別 効果 ゲージ 技再使用時間 敵踏ん張り減 攻撃昇 CRT昇 40倍ダメージを円範囲の敵に与え、20秒間敵全体の踏ん張り40%減少、20秒間自ペアのATK+30%、CRT+350 3 23秒 アビリティ ぐんちゃんの話をしてたんだ♪ 発動条件 効果 昇段 昇段時、仲間全員のMAXHP+5%、緑属性の勇者の必殺技再使用時間を0.5秒短縮、30秒間仲間全員のHPを1秒毎に3%回復 神花・覚醒 神花/覚醒時 獲得精霊 初回神花 二回目回神花 三回目神花 四回目神花 SR一目連(緑) 一定覚醒値報酬 必要覚醒値 5 SSR一目連(緑) 全開突破報酬 SR一目連(緑) 最高級技うどん玉x15 神花解放 段階 必要コイン 必要属性結晶 上限Lv30 8,000 緑の欠片x7 上限Lv50 - - 上限Lv70 - - 上限Lv99 - - 上限Lv150 2,048,000 勇気の結び目・魂x1 勇気の結び目・絆x1 勇気の結び目・花x1 ボイス 1 - 2 - 入手方法 イベント2022年「1月 想い語るは大切な人」イベントpt報酬 名前