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嘘つき兎が召使いの物語 外伝第1話 ここ兎の国アトシャーマにも、バレンタインデーらしき風習はあったりする。 元をたどれば、どこの国にも1年に1回くらいある親しい人に贈り物をするごく普通のイベントだったのだが、 猫国からの商業主義の波が到達してしまったことで、いくらか現金な風習となってしまった経緯がある。 「お嬢さま、もう少し火を強めますか?」 「う~ん。このままでだいじょうぶかな」 早朝、台所にて何やら調理をしているウサギが2人。小さいほうがマシロ嬢。大きいほうが従者のクローディア。 二人してお揃いの花柄エプロンを身につけ、コンロの前で何やら白い液体を煮詰めていた。 そして漂う“クリの花”の香り。 「ふぁあ……いいにおい……」 もはや漂うというよりもあたりに充満していると表現するほうが正しいくらいだが。 マシロは木ベラを手に、白くどろっとした液体が焦げないように片手鍋を揺らしている。 いまマシロが作っているのは、親しい人にプレゼントするためのチョコレートだった。 今行っているのはチョコレートに入れる隠し味。 しかし、そのまま入れると味は隠せても匂いが隠せないので、煮詰めて匂いを飛ばそうとしているのだった。 すぐ横には刻んだチョコレートが用意されている。匂いが飛んだら鍋に入れて溶かすのだ。 「んっ……ん……」 そして漂う“クリの花”の香り。 匂いに当てられたのか、マシロ嬢の頬もいくらか赤く、吐息も艶めかしいものになり始めていた。 強烈な香りがあたりを満たし、肌にしっとりと染み込んできているような錯覚さえ受ける。 きっと今日のおふろまで匂いは取れないんだろうな、と二人はそれぞれ思った。 「……お嬢さまがそうやっている姿を見るのは、初めてですね」 「ふぇ?」 後ろからマシロを見守っていたクローディアが、ふと呟いた。 マシロは手は止めずに、きょとんとした表情で後ろを振り返る。 「いえ。お嬢さまが薬の調合を行っている姿、そういえば私は記憶にないなと思いまして。 それに……魔女は、にやりと笑いながら鍋をかき混ぜているというイメージがあったのですが……」 「あはは。調合っていっても大鍋をかき混ぜるとかってあまりないよ」 「あら、そうですか。すみません」 「それに、私は調合が専門じゃないから薬はあまり作らないし……本家にいたころは結構作ってたけどね」 「本家のころですと、私が赴任される前ですか。ならおそらく見たことはないですね」 “本家”はマシロの実家。今マシロたちが住んでいるのは、本家から離れたところに建つ小さな家だ。 2階がマシロの作業部屋、通称“アトリエ”。 魔女の秘密がいっぱい詰まった秘密基地。迂闊に入るとヒドイ目に遭うので止めておくべきだ。もちろん性的な意味で。 性的に暴力的な才能を発揮するウサギがなお“酷い”と形容する仕打ち……普通の人が想像できなくても無理はないだろう。 「じゃあ……久々に作っちゃおっかな。超強力な媚薬とか。 クーがおま○こぐちゅぐちゅにしてエッチな声で誘うの、最近みてなかったしね」 「私が実験台になること前提ですか。薬で乱れるのはあまり本意ではないのですが……」 「薬使うと、頭の中が ラ ヴ でいっぱいになるよ?」 「……うっ。それはそれで喜ばしいような」 クローディアの頬も、マシロ同様ほんのりと朱に染まっていた。 きっとあたりに立ち込めるクリの花の香りに当てられたのだろう。 この匂いを嗅いで興奮しないウサギなんているのだろうか。二人の頭の中は、すでに精液のことでいっぱいだ。 早く作り終えておま○こしたいなぁ……なんて考え始めているに違いない。違いないったら違いない。 「あ、お嬢さま。そろそろ良いのではないでしょうか」 「は~い」 鍋の白い液体は沸騰まぎわだった。 ねっとりした液体が泡立つ光景はトラウマになりそうだが、匂い消しはもうそろそろ頃合だろう。 火を止めて、細かく切っておいたチョコレートをざらざらと流し込んでいく。 白い液体に茶色の固形物が混ざり、何ともいえない色合いを醸し出している。 これから、チョコが溶けて色むらが無くなるまで木ベラで混ぜていくのだ。 「……えへへ。ちょっとだけ味見してもいいかなぁ」 「ちょっとだけ、ですよ?」 「は~いっ!」 ヘラに付いた熱いチョコの液体を息で冷ましながら、マシロは顔をほころばせる。 ちろっと伸ばした舌が、木ベラを軽く掠めて……。 「う~まいっ!」 テーレッテレー! 「ふふ。味はちょうど良さそうですね」 「うんっ。良い感じになってるよ。……あ、でも、もうちょっと甘いほうが好みかなぁ」 「それじゃあ、粉砂糖をまぶしたらちょうどいいでしょうか」 「うんうんっ!」 出来上がりを楽しみに思いながら手を動かしていく。 次第に混ざり合う白と茶色に、わくわく感はどんどん膨らんでいった。 相変わらずあたりにはザーメンの凄まじい悪臭が充満していたが。 □ 数刻の後。精液臭の充満するマシロ亭ダイニングキッチン。 チョコは既にバットに流し込まれ冷蔵庫の中。あとは冷えるのを待って、切り分けて粉砂糖を塗せば完成だ。 「あっ! あはっ! クー、そこっ! そこぉ!」 甲高い嬌声が響き渡る。 椅子に座ったクローディアの上にさらにマシロが腰掛けた形。 マシロは背中をクローディアに預け、股間をまさぐる相手の指に陶酔している。 「お嬢さま、イき急いではいけません……もっと深く感じてください……」 「うんっ! あっ! あっ! ゆびっ! ゆび、すごいのっ!」 クローディアの中指が、マシロの中に埋められ、Gスポットをひたすら擦り上げていた。 親指の付け根で肉豆を揉むように圧迫し、股間全体に愛撫をくわえていく。 左手は、マシロの左足を高く上げさせて抱きかかえるように拘束し、さらに小さな胸を揉みしだいている。 マシロは口から唾液を、足の付け根から愛液を滴らせ、与えられる快感に酔いしれていく。 限界はあっというまにやってくる。 「ああっ! あっ! あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ!」 断続的な悲鳴をあげて、マシロが身体を痙攣させた。 秘所から吹き出した潮が、クローディアの手のひらに当たってびちゃびちゃと音を立てている。 クローディアは、自分の膝からマシロが転げ落ちないように、優しくマシロの身体を抱きしめた。 そして膣肉がくわえ込む指を、さらに大きく動かして、マシロの雌穴をぐちゃぐちゃにしていく。 「クーっ! くーっ! ゆびとめてっ! イってるっ! いってうっ!」 「お断りいたします、お嬢さま……。私の指で、存分にお狂いください……」 「うあああっ! くるうううっ! おかしくなううっ! くうううっ!!」 頭を振りながら必死に快感から逃れようともがく小さな少女を愛しく想い、 クローディアは膣内をまさぐる指を3本に増やす。 「ふぁああああああっ!! あああっ! ああっ! ああああああああっっっ!」 増やされた指をぎゅっと締め上げながら、マシロは絶叫した。 □ 絶頂地獄から解放されたころには、マシロの腰は完全に砕けてしまっていた。 半ば放心状態でぐったりしている。目には涙、口には涎、顔は上気し肌には汗が、 そして二人の股間は、マシロから吹き出した潮でびしょびしょに汚れていた。 スカートを脱いでいたマシロは兎も角、クローディアは着替える必要があるだろう。 「……すみません。少々やりすぎてしまいました。 その……最近、お嬢さまはユーヤさんとばかり戯れていらっしゃいますので」 クローディアはクローディアで、悶々と溜まっていたものがあったらしい。 ちなみに今の情事は、今だあたりに濃く立ち込める精液の臭いがトリガーだった。 どんな兎といえどもザーメン臭を嗅がされて正気でいられるわけがない。本能がくすぐられてしまうのだ。 二人ともそれを承知で、チョコに入れようなどと考えてしまったのであるが。 くたっと手足から力を抜き、自分に身を預けてくるマシロを今一度いとおしく想い、 クローディアは自らの主人の大きな兎耳に、そっと口付けを行った。 「おはようござ……うぐっ!」 マシロの部屋のドアが開き、パジャマを来たヒトの少年が姿を現す。 ユーヤが起きてきたのだ。微妙にお寝坊さんなのは、他ならぬマシロ嬢のせいだろうか。 そのユーヤは、挨拶もそこそこに立ち込める精液臭に顔をしかめている。 「何ですかこの臭いは……」 「あ、すみません。生チョコを作っていたものでして」 「……まさか、チョコに、精液ですか……」 唖然とするユーヤ。 対してマシロとクローディアは、そろって一瞬きょとんとした表情を浮かべ、 そして二人揃ってくすくすと笑い出していた。 今度はユーヤがきょとんとする番だった。クローディアが笑いながら解説していく。 「精液? いいえ、アフアです。南国で採れるくだものですよ」 「えへへ。もしかして精液のほうがよかった?」 「……いえ、普通のくだものならば良いんです。……精液はちょっと勘弁してください」 アフアの実。 南方原産のくだもので、搾った汁は見た目・質感・臭いともに精液と酷似しているという性的に困った特徴がある。 ただ、ちゃんと味は甘いらしい。食べた人によると食感はまろやかで、味はバナナとリンゴの中間くらいだとか……。 本来は南国の果物なので、ここ極寒の地アトシャーマではあまり見かけることのない本当に貴重な一品だったりする。 誰かに渡すプレゼントとしては最適……なのだ。うん。たぶん。きっと。 ともかく、精液ではなかったことにユーヤは安堵の溜め息をついた。 しかしマシロは何やら不満なようで。 「えー!? 精液キライなんだ。おち○ちんミルク、クセあるけど美味しいのに……」 「お嬢さま。人の好き好みに文句を言ってはいけませんよ」 「う~ん……」 クローディアが、マシロの頭を優しく撫でながら嗜めている。 マシロは幾らか何かを考えていたようだったが、ほっとクローディアの膝から飛び降りて。 「……ご主人。それじゃ、えっちなこと、しちゃおうか」 ユーヤの身体にぽふっと抱きつきながら、そう呟いた。 「っ!? お嬢さまっ!?」 「だいじょうぶ。ユーヤにせーえきの味を教え込もうなんて、ちっとも思ってないよっ!」 「ぜんぜん信用できませんっ! それから、なんで下が真っ裸なんですかっ! それと腰振らないでくださいっ!」 先ほどクローディアとナニしてたままの、下半身に何も身に着けていないマシロ。 ユーヤの身体に抱きついたまま、円を描くように腰を踊らせて誘惑している。 「クー、チョコ、よろしくね」 「はいお嬢さま。後はお任せください」 クローディアも椅子から立ち上がり、情事でしわしわになったスカートを手で直す。 マシロの体液が染み込み、おもらししたようにも見えてしまうが、まあ気にしない気にしない。 「お嬢さまっ! 僕、まだ朝ごはんも……」 「やだぁご主人。朝ごはんは“私”だよ? おま○こ、いっぱい味あわせてあげるからね」 顔を赤くしながら、ぐいぐいとユーヤの身体を押していくマシロ。 ユーヤはそのまま流されるようにマシロの部屋へと連れ込まれてしまい、そしてドアが閉じられた。 鍵が掛かる音も聞こえる。ついでにユーヤの可愛らしい悲鳴も聞こえてきた気がする。 「さて……お鍋を片付けちゃいましょうか」 チョコが冷えるまで、まだだいぶ時間があるだろう。 クローディアはコンロの上に置かれたままの、片手鍋を手に取った。 いくらか冷めかけのチョコが、少しだけ鍋の底に残っている。 そっと指ですくい、味見がてら舌で舐めとった。 「…………ちょっと臭い抜きが足りませんでしたか。 それに、もう少し入れても良かったかもしれませんね。お嬢さまのラブジュース」 それでも舌の上でとろけるような美味しさが広がっていた。 チョコが出来たらみんなで分けて食べよう。 いつもと同じの、けどいつもとはちょっと違う光景を思い浮かべ、 クローディアは笑みをこぼした。 ■ 嘘つきウサギが召使いの物語 §外伝1.生臭い贈りもの ~fin~
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嘘つき兎が召使いの物語 第2話 お父さん……お母さん……いまごろどうしてるのかな。 僕がこっちの世界に落ちてきて、もうすぐ3ヶ月。 そのあいだ売られたり買われたり調教されたり……けど、やっと腰を落ち着けることができました。 今の僕のご主人さまは、ウサギの国に住むウサギのお嬢さまです。 「ご主人! えっちしよっ! おま○こっ! おま○こしよっ! おま○こしてあげるっ!」 ……の筈なのに、なぜか僕のほうがご主人さまになっちゃいました。 手続き上の手違いらしいです。 訂正にも時間がかかるとかで、今はそのまま僕が主人のまねごとをしています。 「あっ……もしかして今日は、おま○こじゃなくて、おくちのほうがいいのかな? じゃあ、私のおくちま○こ、いっぱい味あわせてあげるね」 兎も角そんなアクシデントはあったけど、お嬢さまはとても可愛いし、 周りの人も優しいし、今は何とかやっていけてます。 だから……心配しないでね。 そっちに帰る方法見つけるまで時間がかかるかもしれないけど、いつか……。 □ 午前14時。マシロ邸。 昼ごはんを食べて一息ついた頃、決まって行う日課のようなものがマシロにはあった。 「んっ、んっ、んっ、んっ……んふっ」 マシロのくぐもった吐息が、部屋の中を支配している。 ベッドに横になったユーヤ少年のペニスをマシロが咥えこみ、吸茎を繰り返しているのだ。 一心不乱に頭を前後に振り、陰茎に快感を与え続けている。 ユーヤはその感覚に翻弄されるまま、シーツをぎゅっと掴んで必死に射精を堪えていた。 「んっ、ん……ん゛んっ、ん……」 マシロが一瞬うなるような声を出した。 同時にシーツを掴むユーヤの手に力が篭もり、シーツに深いしわが付いた。 耐え切れなかったユーヤの先端から精液が噴き出し、マシロの小さな口へと注がれていく。 それを嫌な顔ひとつせずに吸い上げ、飲み下していく淫乱ウサギ。 嫌がるどころか舌の上でザーメンを転がすように味わっているのだ。 マシロは、頬を上気させた艶やかな笑みを少年に向けながら呟いた。 「4発目。ご主人、気持ちよかった?」 少年の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。 誘われるままベッドに寝かされると、ズボンを脱がされて吸い付かれ、瞬く間に4回もの絶頂を極めさせられてしまった。 ユーヤは快感と恥辱が織り交じった複雑な心境のまま、ペニスに吸い付き5回目を行おうとしていたウサギを制止させる。 ユーヤがマシロ邸にやってきて数日、これがほぼ毎日繰り返されている日課だった。 朝から晩まで引っ切り無しに繰り返される性的奉仕。 文字通りペニスの乾く暇も与えぬ猛攻撃に曝されて、少年の身体にも疲労が溜まりつつあった。 「ご主人、おつかれさまっ。またいつでもしてあげるからね」 マシロが主人の身体を労るように、幼い半裸の身体を少年へと摺り寄せていく。 ……しかし騙されてはいけない。マシロは早くも次なる行為を期待しているのだ。 柔らかい女の身体を摺り寄せ、少年の本能に訴えかけ誘惑していく。 人間、疲れていようがいまいが、勃起するときには勃起してしまうのだ。 「あはっ。ご主人、またシたくなっちゃったのかぁ……しょうがないなぁ」 ユーヤの身体が、マシロの華奢で幼い身体を生殖対象として認識し始めていた。 マシロはそんなユーヤの様子を、目を輝かせて見つめている。 「お……お嬢さま、少し休ませてください……」 ついに少年は休憩を要望した。 しかし、その言葉に何やら不満そうな表情になる淫女。 「む~。私だってシたいのに。それに『お嬢さま』じゃなくて『メス便器』とかでいいのに……」 「そういうわけにはいきませんよ……。お嬢さまって呼ばせてください」 何か越えたくない一線があるのか、マシロの言葉をユーヤは断った。 そんな少年の胸中を粉砕してしまおうと、眉間にしわを寄せながらマシロが色々と思案を巡らせ始めた。 細い指が少年の胸板に“の”の字を描いていく。 ちょうどユーヤの乳首がある箇所。くすぐったさに思わず身を捩ると、寄り添っていたマシロの身体も揺れ動いた。 「ね、ね。ちょっとだけでいいから、私のことを『メス便器』って呼んでみてよ」 仰向けに寝る少年の顔を覗きこむように、赤く染まった雌ウサギの顔が迫ってくる。 ユーヤは少しだけ躊躇ったが、遊び半分なら……と納得し、 「それじゃ、ちょっとだけですよ。『メス便器』のお嬢さま?」 「はうっ!」 その単語をユーヤが口に出した瞬間、マシロの身体が小さく跳ねた。 顔が紅潮し、ウサギの耳も垂れ下がり、目にはうっすらと涙が滲んでいた。 明らかに様子の異なった少女の姿に、その単語を口に出した当人も困惑してしまう。 「あの、大丈夫ですか?」 「う、うん。大丈夫。……今度は『ま○こ人形』って呼んでみてよ」 「……しょうがないですね。『おま○んこ人形』さん、大丈夫ですか?」 「んみっ!」 またしても、マシロの身体がぶるっと震えた。 息が荒くなり、少年の胸板にぺたっと頬を乗せてしまう。 「『おま○こ人形』のお嬢さま……本当に本当に大丈夫なんですか?」 「う……うん……はぁ……はぁ……。じゃあ、さ……さいごに、 『街中の人から視姦されているなか公開オナニーして潮まで吹いたあげく見ず知らずの人に穴という穴を犯されて精液注ぎ込まれて失神してからも悦がり続けた露出狂で変態で皆の公衆便所な淫乱メス穴ウサギさん』 って呼んでみて……」 「え、ぁ……お、覚えきれません」 「しょぼーん……」 「といいますか、そんなことやっていたんですか……」 断じてやってません。お嬢さまの妄言です。 「それじゃあ、本当にメス穴ウサギさんじゃないですか」 「っ……!!」 ユーヤがマシロの頭を哀れむように優しく撫でていくが、マシロはまたしても身体をぴくぴくっと震わせていた。 身体をもじもじさせて、せわしなく落ち着きが無い感じで、顔を真っ赤にして俯いている。 ぎゅっと少年の身体を抱きしめながら、マシロはどことなく悔しそうに、ぽつぽつと言葉を紡いでいった。 「うう。言霊を使えるヒトっているんだ。知らなかった……」 「え?」 「ことだま。魔法の基本で、言葉に魔力を乗せるの。言霊だけでもうま~く使うと暗示とか命令とかに応用できるよ」 「……もしかして、さっきから身体を震わせてたのは……」 「うん。ご主人の言葉、軽い暗示みたいになってる。ご主人の言葉を聴くたびに、背中がぞくっとするもん……」 それは単にマシロお嬢さまがドMだからです。間違ってもユーヤさんが魔法を使えるなんてことではありません。 と突っ込みを入れることのできる人物は、不幸にも今この場には居なかったのです。 お嬢さま。仮にも魔女なのですから、こういう初歩的なところで勘違いしないでくださいませ……。 □ マシロの部屋のちょっと狂いかけの暖房魔法式も、今日は機嫌が良いようだった。 一糸纏わぬマシロの褐色の乳房を、ユーヤの両手が包み込み円を描くように揉みしだいていく。 マシロはくすぐったさに身を捩るが、その動きを遮るように手枷足枷が音を立てた。 「はぁん……ぁん……っ!」 少女の両手首を拘束しているのは皮製のバンド。 バンドからベッドへは無機質な鎖が伸ばされ、手を頭の上で組ませた状態で動かないよう押さえつけている。 両膝にも同じ皮のバンドが巻かれていて、そしてそれは固い棒の各端に接着されている。 足枷に阻まれ、マシロは両足を閉じることが出来ないでいた。 隠すことのできない幼い割れ目は刺激を求めひくひく動き、愛液を撒き散らしながらベッドを汚していた。 手足のバンドの肌に触れる部分は柔らかな毛で覆われていて、 いかにも相手を傷つけることを嫌うウサギらしいSMプレイ用拘束具だ。 「あぁん……ご主人……ご主人……おま○こぉ……おま○こも弄ってよぉ……」 満足に動かすことのできない身体をもじもじと揺らしながら、マシロが甘い声でおねだりをしている。 ユーヤの手は、先ほどからずっとマシロの褐色の肌を滑るように撫でているだけだった。 起伏の少ない身体を、少年の指がツツツっと移動していく。けして秘所へと向かうことなく上半身のみを。 「ああっ! やぁん! おま○こぉ……ぐちゅぐちゅしてよぉ……おま○こぉ……」 焦らされるマシロは、腰をかくかくと前後にゆすり始めた。柔らかいベッドの上でマシロの身体が小さくバウンドする。 ユーヤがマシロの家にやってきてからの数日で、ユーヤが理解したことは3つあった。 1つ目は、マシロはじっくり前戯を行うと可愛らしい声で鳴くということ。 2つ目は、じっくり前戯を行って体力を消費させておかないと、ヒトはウサギと同じ土俵に立つことすらできないということ。 最後の1つは、そんな小細工をしてもなお、ヒトはウサギに敵わないということだ。 「あっ! んっ! あっ! あんっ! んっ!」 お尻を擦るシーツのくすぐったさと、無毛の秘所を撫でるそよ風の感触にすらも、マシロは感じてしまう変態さんだった。 このまま腰を揺すり続けられていれば、ユーヤが何もしなくてもマシロは絶頂に達することができるのだろう。 ……それは何となく面白くなかった。マシロの股座を、ユーヤの手が擦り始める。 「気持ち、いいですか?」 「あっ! ご主人っ! ごしゅじん……っ」 思わずマシロは足を閉じようとするが、それは膝に付けられた足枷によって阻まれてしまう。 手で少年の腕を掴もうとしても、手枷の鎖がガチャリと音を立てるだけだ。 少女は自分の秘所を擦ってくる少年の手を押さえることができない。 「ふ……んんっ……は……ぁ……はぁ……っ!」 ゆったりとした動きで、ユーヤの手のひらがマシロの股間を撫で回している。 ユーヤの唇がマシロの首筋に当てられた。舌を這わされてマシロの身体も震える。 抱き寄せようとしても、突き飛ばそうとしても、無機質な金属音を立てる枷に遮られて動くことはできない。 ましてや膣に潜り込んでくる中指を、どうやって止められようか。 男にしては華奢なユーヤの指が、淫蜜を湛えるマシロの中をくにくにと捏ね回し始めた。 「ふぁああっ! っふぁあああっ! おま○こイくううっ! いっちゃあああっっ!!」 柔らかな肉を捏ね回すと膣壁が指を締め付けてくる。 そこで指を出し入れするとヒダヒダが擦られ、その指の動きに合わせてマシロの身体もひくひくしていた。 秘所から愛液が溢れ出してユーヤの手のひらにべっとりと引っ付いている。 「お嬢さま、ここも弱いんですよね? クローディアさんから聞きましたよ」 「ひっ! あああっっ!! そこだめっ!! いっ、あああああ……!」 ユーヤがにやりと笑みを浮かべる。マシロは一瞬、嫌な予感に鳥肌が立った。 少女の身体とベッドのあいだに潜り込んだユーヤの手のひらが、少女のおしりの上あたりに狙いを付けた。 ちょこんと身体にくっついているマシロお嬢さまの『うさぎのしっぽ』を、ユーヤの手がまさぐり始める。 秘所と尻尾を同時に愛されてしまい、耐えかねたマシロはついに理性を手放してしまう。 「ああっ! ああああああ……っっっっ!!」 吹き出された潮があたりに飛び散る。少女は震える声で絶叫し、身体を痙攣させた。 幼く狭い膣が、中に入れられた少年の指を咥え込んで離すまいと強く締め付けてきた。 その締め付けにも関わらず、ユーヤは指の動きを止めない。 マシロの暴れる手足は、しかし頑丈な枷によって拘束されたまま。 ガチャガチャと鎖が音を立てるだけで、その動きを完璧に封じていた。 「『おま○こ人形』のお嬢さま、気持ち良いですか? ビクビクしちゃって、いっちゃっているんですよね?」 「あ……ああ……言わないで……言わないで……!」 いまだ絶頂を味わい続けるマシロに、言葉攻めを軽く行う。 柔肉が指をきゅっと締め付けてくる。それに合わせて指をくるっと回して中を擦るとマシロの身体が跳ねた。 少女の愛液ががユーヤの手を汚す。指を締め付けてくる肉の柔らかさに、思わずユーヤは唾を飲み込んだ。 「……お嬢さま。その……入れても良いですか?」 少女の中を指の腹で擦りながら、少年は呟いた。 マシロは、赤い顔をこくりと縦に振る。 その返事を確認してユーヤは指を引き抜くと、マシロの脚を高く上げさせた。 膝を枷で固定されたまま上げられ、マシロの脚はM字形に固められてしまう。 その中心に位置する、熱い蜜壷の入り口。 ユーヤの身体がマシロを求めているのと同じように、マシロの身体もユーヤを求めていた。 「うん……来て、ご主人……。私のおま○こ、おち○ちん入れて……欲しいの……。欲しいよ……」 小さく甘い声でおねだりするように呟いた。もじもじと身体を動かすと、陰唇もつられるように蠢いた。 少女の愛液は女の入り口を汚し、おしりを伝って滴り落ちている。雌の臭いがあたりに立ち込めていた。 ユーヤは硬くなった自分をマシロの女の入り口に軽く触れさせた。マシロがぴくんと反応する。 触れ合う先端から少女の体温が伝わってくる。 「あぁ……んんんんっ!」 ゆっくり腰を前に出すと、マシロの秘所が剛直をぬるりと飲み込んでいく。 一度達したからなのか、今日も膣は熱く震えていて、異物に貪欲に噛み付いてきた。 雄から精液を搾り出すために雌に備わった身体の機能。膣壁の収縮。膣襞のざわめき。 「っ……! お嬢さま、今日も気持ち良い……」 「ご主人……。あっ! んっ! っ! っ! んっ!」 せっぱ詰まったような少年の声。 マシロはビクッと手足を震わせるが、やはり手枷と足枷が邪魔し、金属音が鳴り響くだけだ。 「うぅん……やっぱりこのおもちゃ嫌い……ご主人に抱きつけないよぉ……」 涙まじりに言葉を発する少女。 いつもの正常位ならば決まって抱きついているはずなのに、今日は拘束され手足を絡めることもできないでいる。 そのかわり、いつもより少しだけ強い締め付けに、ユーヤの身体に快感が迸っていく。 「んっ……んぅ……はぁあ……」 ユーヤが腰をゆったりと前後させていくと、マシロの口から甘い息が漏れていく。 拘束され動くこともままならない、いたいけな少女を蹂躙していく背徳感。 しかし蹂躙する少年もまた、精液を搾り取ろうとする少女から攻め立てられる立場にあった。 マシロの震える膣襞が、ユーヤの男根を包み込み扱き上げていく。 「ふっ……ああっ! あ゛あっ! あ゛あっ!」 ユーヤはマシロの脚を抱えながら、膣内を掬い上げるような突き入れへと攻め手を変えた。 擦られる箇所が変わり、膣内のまた新しい場所が新鮮な快感を生み出し、少女に襲い掛かってくる。 膣が収縮し痙攣し、ペニスが淫蜜を湛えた雌肉でもみくちゃにされていく。 「あぁんっ! そこっ! おま○こっ! おま○こイイよおっ!」 快楽に夢中になったマシロが、僅かに動く腰を左右に捩って悶えている。 その不規則な動きにペニスが扱き上げられる。今度はユーヤが悲鳴をあげる番だった。 「ご主人っ! 私をっ! 雌奴隷のマシロの身体を、いっぱい使って気持ちよくなってっ!」 「はぅあっ……お嬢さま……出る……っ!」 少年の側が先に限界を迎えてしまった。 ユーヤはマシロの身体を抱きしめながら、その幼い身体に精液を注ぎ込んでいく。 腰を掴み、一滴も外に零すまいと腰を押し付け、少女の子宮へと熱い子種を染み渡らせていく。 その顔は雌の身体に種付けできたことの快感に蕩けていた。 「あぁん! いくっ! おま○こイくっ! ふぁあああああぁぁぁあああ!!」 種付けの快楽に誘発され、遅れて少女も絶頂に達した。少年の下で背筋を反らし、射精を感じて身を振るわせる。 上に乗った少年の身体がときどき震えているのは、少女の膣が痙攣し精液を搾り取っているからだ。 今だ入りっぱなしの少年のペニスを咥え込み、精液を一滴でも逃すまいと膣ひだがペニスを捏ね回している。 達してなおペニスを刺激してくる雌肉に、ヒトである少年はついに根気負けしてしまった。 「はぁ……はぁ……はぁ……」 荒い息の少年が、少女から男根を抜き去り、少女の横に大の字に寝転がった。 「……ぁ、あれ? ご主人……?」 そんな少年の姿を見て、マシロは頭のうえに疑問符を浮かべた。 褐色の肌も上気し赤みを帯びている。潤む瞳に滲む唾液。 はぁはぁと荒い息を付きながら蕩けた笑顔を浮かべる様は、まるで「もっとして!」と語りかけているようで…… ……否、語りかけているようなのではない。現に語りかけているのだ。 「すみません……ちょっと休ませてください。昨日も殆ど眠れなくて、体力が……」 「あう……しょぼーん……。おま○こぉ……」 残念そうなマシロは、柔らかな布団にぐでっと仰向けに身体を投げ出した。 拘束具ががちゃりと無機質な音を立てる。 「じゃあ……せめて、おもちゃを入れてほしいなぁ……」 「……は~い」 少女のおねだりに、少年はサイドテーブルに置かれたバイブの1本を手に取った。 可愛らしいピンク色の竿にグロテスクな無数のイボが付いている、マシロお嬢さまお気に入りのうちの1本だ。 魔力ではなく魔洸で動くその玩具は猫の国からの輸入品。 マシロ曰く「兎国よりずっとエッチな国」らしいが、さてはて……。 「んっ! あはぁ!」 動けない少女に変わって、その秘所に極太のバイブを沈めてあげる。 スイッチを入れると、マシロは可愛らしい嬌声をあげた。 中で激しく動いているのか、あひあひ声が止まらない。 「ごしゅじん……抱きしめてほしいな……」 2個目のおねだりにも、少年は素直に頷いた。 マシロには拘束具が付いたままだが、そんな幼い身体を優しく抱きしめていく。 「はぁあ、はぁあ、はぁあ……。こうしていると……っ、ご主人に犯されてるみたい……」 目を瞑って、ユーヤの温かさと優しさを感じながら、玩具に与えられる快楽に夢中になっていく。 「はああんっ! ご主人、いくっ! おま○こイくよっ! イクイクっ! いくうっ!」 ユーヤはバイブを手に、優しくズコズコと抜き差ししていく。 引きつったような声をあげながらも、恍惚とした笑みを浮かべながらマシロは幾度めかの絶頂に達した。 暴れる少女の身体をがちゃがちゃと音を立てる鎖が押さえつけている。その身体を更に少年が抱きしめている。 派手に潮を吹きながら、存分に玩具の感覚を味わい、そして淫らに狂っていった。 □ 数刻の後、マシロの部屋からユーヤが出てくる。 ドアの隙間から一度中を窺い、そしてドアを静かに閉める。 そんなユーヤに、リビングで仕事をしていたクローディアが話しかけた。 「ユーヤさん。お嬢さまはお休みですか?」 「はい。イき疲れたようで眠ってしまって……」 「何回くらいですか?」 「う~ん。5回くらい?」 「あら、意外と少なかったのですね。よほど深く感じたのでしょうか……」 「あはは……」 何となくツッコミを入れたくなったユーヤだが、ここは乾いた笑い声だけで我慢する。 簡単に5回とは言ったが、少女の身体が痙攣し声が震え、秘所から愛液を噴き出しながら悶える姿は たぶん何も知らない子供が見たら泣き出してしまうかもしれない。それが5回もだ。 「それで、お嬢さまはいま、どんなご様子で?」 「あ、えっと、手足の枷はそのままに、バイブを弱で動かしていて、 それを抜けないようにバンドで固定してあります」 「抜かりはありませんね。上出来です」 うんうん頷くクローディア。ユーヤは再び乾いた笑い声。 ツッコミを入れたら負けだ。ここは異世界、ヒトの常識が通用しない世界なのだから……。 (注:ウサギの国だけが非常識という説もある) 「それではユーヤさん、今度は私を愛してくださいますか?」 「……はい?」 「いえ、ユーヤさんはこの家に着てから、お嬢さまばかり相手にしてきたでしょう? ですから、そろそろ私が愛されてしまう番かと思いまして……」 「……遠慮しておきます」 正直なところ、マシロの後半は玩具が担当していて、ユーヤ自身は既に臨戦態勢が整っていた。 だが、マシロ戦“夕方の部”“夜の部”“深夜の部”の3連戦が後に控えているのだ。 ここで余計な体力を使ってしまっては……文字通り死んでしまう可能性すらある。 誘いを断られてしまってクローディアは残念そうに微笑んだ。 「私も女ですから、その言葉は傷つきますよ。……後で、お相手してくださいね」 「えっ? あ……ごめんなさい」 ユーヤは思わず謝るが、これでクローディア戦が確約されてしまったことにユーヤが気づくのは 少し後のことである。 □ 「ところで……あのことはもうお嬢さまには伝えたのですか?」 「あのこと?」 「はい。ユーヤさんがこの国に来られた理由を、奴隷商人のかたから伺いまして」 仕事もだいたい一段落したのだろうか。 クローディアは書類を揃え、バッグに片付けながらユーヤに問いかけた。 ユーヤは僅かな時間だけ、心当たりを考えて……。 「……ウサギの魔女ならば、僕が元の世界に帰る方法を知っているかも、という話ですか」 「はい。お嬢さまは魔女ですから、もう相談してあるのかと思いまして……。 私としては、金銭的にも心象的にも、ユーヤさんには居なくなってほしくはありませんけどね」 金銭的……ユーヤはマシロに買われた性奴隷だ。その奴隷が勝手に居なくなるというのは問題だという話だろう。 心象的とは……親しい間柄との別れは辛い、ということだろうか。こちらなら悪い気はしないとユーヤは思った。 「うーん……。帰りたい気持ちが無くなったわけじゃないですけど……今はまだ相談していません。 えっと、なんか僕、妙に懐かれちゃいましたし……」 「ふふ。確かによく懐かれてますね」 ユーヤが恥ずかしそうに笑う。クローディアも笑みを浮かべた。 少年が元の世界へと戻るのは……そもそも、元の世界に戻れるのかの話は、今はまだ時期尚早なのだろう。 どれだけ精液を搾り取られても、自身に懐いてくる少女を振りほどいてまで去っていく心は、 ユーヤは持ち合わせていないのだった。 □ 時は流れ、夕刻。 「お嬢さま。注文した品物が届きましたよ」 「ふえ?」 来客に対応していたクローディアが、小包を持ってリビングに現れた。 どうやら通信販売か何かの運送やさんがやってきていたらしい。 マシロは雑誌を読む手を止めて、クローディアの側へと駆け寄っていった。 「あ、これかぁ。けっこう来るの早かったね」 「はい。さっそく着けますか?」 「うん!」 嬉しそうな笑みを浮かべて包装を剥がしていくマシロ。 中から現れたのは銀色に輝く首輪。表面には「性奴隷 マシロ」の文字が大陸共通語で刻まれていた。 「あれ? お嬢さま、どうしたんですか?」 お手洗いから戻ってきたユーヤが、小包を囲む二人に気付いて声をかけた。 「あ、ご主人、いいところに!」 「お嬢さまが注文していた、ヒト奴隷用の首輪が届いたんです」 「というと、僕の首輪ですか」 「いいえ。お嬢さまの首輪ですよ」 「私が着けるんだよ」 一応、書面上はマシロがユーヤの性奴隷となっているはずだ。 そのマシロがヒト奴隷用の首輪を着けることは、理にかなっているのだろうか。 「これで、名実ともにお嬢さまが性奴隷になりますね」 「うんっ!」 微笑みながらマシロの頭を撫でるクローディア。マシロも嬉しそうに目を細めて笑顔を浮かべた。 一方、ユーヤは若干の眩暈がしたようだ。一瞬だけよろけていた。 「さっそく着けましょうね」 首輪は金属製で、手錠のように開く構造になっていた。 クローディアはマシロの首に手を這わせ、首輪を着けていく。 首を絞めてしまわないように指が入る程度の余裕を持たせて、マシロの首に金属の輪が取り付けられた。 続いて、クローディアは首輪の入っていた小箱から名刺大の紙切れを取り出した。 「行きますよ。光りますから、目を瞑っていてくださいな」 「……ん」 マシロが目を閉じる。ユーヤも一緒に目を瞑った。 名刺大の紙切れが首輪に押し当てられる。『バチッ!』と大きな音がして、閃光が輝いた。 ユーヤが目を開けると、首輪の合わせ目があった箇所は綺麗に繋がっていて、切れ目の無い綺麗なリングとなっていた。 奴隷少女の首に嵌められた、取ることの出来ない金属の首輪。 「……いまの、魔法ですか?」 「うん。魔方陣を紙に刻んだものだよ。今の魔法で、首輪に刻んである『絶対に取れませんように』って魔法を有効にしたの」 「絶対に……って、それじゃこの首輪を取りたくなったらどうするんですか?」 ユーヤの疑問に、マシロは首をかしげた。 「首輪は取らないよ? だって奴隷だもん。取れちゃったらいろいろ困っちゃうよ……」 「まあ、ユーヤさん。一種の“ごっこ遊び”だと思ってください。かなり本格的ですが。 それにお嬢さまは魔女ですから、いざとなったら掛けられた魔法を消してでも外せるでしょう?」 「……うっ!」 何かに詰まったような呻き声が飛び出た。マシロの口から。 ユーヤとクローディア、二人の視線がマシロへと集中する。 「……外せないのですか? てっきり外せるものとばかり思っていましたが……」 「あは……あはは……。ちょっと奮発しすぎて高い首輪を買っちゃったんだよね。魔法がけっこう強めのを」 「まさか一生このままということは……」 「う~ん、外れないことはないよ。一週間くらい徹夜すれば外せるかな。今は外す気は無いけどね」 なんとなく恥ずかしいのか、顔を赤くしてはにかむマシロお嬢さま。 クローディアは、時間がかかるものの首輪は外せると分かり、ほっと安堵の息を漏らしていた。 困惑した表情を浮かべているのは、ユーヤただ一人で……。 「お嬢さま、あの……その首輪を着けたままというのは、さすがにまずいのでは……?」 「うん? えへへ、だいじょうぶだいじょうぶ。そもそも私はご主人の性奴隷なんだから、何も変なことはないよ」 能天気に笑うマシロ。その姿を心配そうに見つめるユーヤに、クローディアはこっそり耳打ちする。 「ユーヤさん。万一何か困ったことになっても、私も、お嬢さま自身も、対処する方法は持ち合わせていますから」 「でも……」 「本人は本気のようですが、所詮ごっこ遊びでしょうし……お嬢さまの気が済むまで付き合ってあげてください」 どうにも心配な気持ちは抜けきらないが、クローディアが大丈夫と言っているのだから…… ユーヤにはクローディアを信用しない理由は持ち合わせていなかった。 彼女は、満足そうな笑みを浮かべ首輪をカチャカチャ弄る少女を眺めて、母親のように微笑んでいた。 「ご主人っ。これで私は、みんなからエッチな性奴隷だって言われちゃうね」 「うーん……あの、やっぱり、ちょっとやりすぎかと思うんですが……」 「ううん、いいの。好きでやってることだから。それよりご主人も、ちゃんと私を性奴隷として扱ってよ?」 首輪弄りを止めたマシロが、絨毯の上にぺたんと腰を下ろす。 スカートを手で捲り上げるとそこには下着は無く、愛液に濡れぼそる秘所が丸見えになってしまう。 はしたなく脚を広げると、羞恥を含んだ熱く震える声で誘いかける。 「ご主人……来て……。私のココ、ご主人が欲しい欲しいって疼いているの……」 男、つまりユーヤを求めてヒクヒクしているマシロの秘所を目の前に、悲しいかなユーヤの本能は正直だった。 少女の主人であるはずのユーヤには何故か選択権が無い、奇妙な状況。 対マシロ戦“夕方の部”のゴングが、今まさに打ち鳴らされた瞬間だった。 ■ 嘘つきウサギが召使いの物語 §2.ウサギの飼い方 ~fin~
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嘘つき兎が召使いの物語 外伝第1話 ここ兎の国アトシャーマにも、バレンタインデーらしき風習はあったりする。 元をたどれば、どこの国にも1年に1回くらいある親しい人に贈り物をするごく普通のイベントだったのだが、 猫国からの商業主義の波が到達してしまったことで、いくらか現金な風習となってしまった経緯がある。 「お嬢さま、もう少し火を強めますか?」 「う~ん。このままでだいじょうぶかな」 早朝、台所にて何やら調理をしているウサギが2人。小さいほうがマシロ嬢。大きいほうが従者のクローディア。 二人してお揃いの花柄エプロンを身につけ、コンロの前で何やら白い液体を煮詰めていた。 そして漂う“クリの花”の香り。 「ふぁあ……いいにおい……」 もはや漂うというよりもあたりに充満していると表現するほうが正しいくらいだが。 マシロは木ベラを手に、白くどろっとした液体が焦げないように片手鍋を揺らしている。 いまマシロが作っているのは、親しい人にプレゼントするためのチョコレートだった。 今行っているのはチョコレートに入れる隠し味。 しかし、そのまま入れると味は隠せても匂いが隠せないので、煮詰めて匂いを飛ばそうとしているのだった。 すぐ横には刻んだチョコレートが用意されている。匂いが飛んだら鍋に入れて溶かすのだ。 「んっ……ん……」 そして漂う“クリの花”の香り。 匂いに当てられたのか、マシロ嬢の頬もいくらか赤く、吐息も艶めかしいものになり始めていた。 強烈な香りがあたりを満たし、肌にしっとりと染み込んできているような錯覚さえ受ける。 きっと今日のおふろまで匂いは取れないんだろうな、と二人はそれぞれ思った。 「……お嬢さまがそうやっている姿を見るのは、初めてですね」 「ふぇ?」 後ろからマシロを見守っていたクローディアが、ふと呟いた。 マシロは手は止めずに、きょとんとした表情で後ろを振り返る。 「いえ。お嬢さまが薬の調合を行っている姿、そういえば私は記憶にないなと思いまして。 それに……魔女は、にやりと笑いながら鍋をかき混ぜているというイメージがあったのですが……」 「あはは。調合っていっても大鍋をかき混ぜるとかってあまりないよ」 「あら、そうですか。すみません」 「それに、私は調合が専門じゃないから薬はあまり作らないし……本家にいたころは結構作ってたけどね」 「本家のころですと、私が赴任される前ですか。ならおそらく見たことはないですね」 “本家”はマシロの実家。今マシロたちが住んでいるのは、本家から離れたところに建つ小さな家だ。 2階がマシロの作業部屋、通称“アトリエ”。 魔女の秘密がいっぱい詰まった秘密基地。迂闊に入るとヒドイ目に遭うので止めておくべきだ。もちろん性的な意味で。 性的に暴力的な才能を発揮するウサギがなお“酷い”と形容する仕打ち……普通の人が想像できなくても無理はないだろう。 「じゃあ……久々に作っちゃおっかな。超強力な媚薬とか。 クーがおま○こぐちゅぐちゅにしてエッチな声で誘うの、最近みてなかったしね」 「私が実験台になること前提ですか。薬で乱れるのはあまり本意ではないのですが……」 「薬使うと、頭の中が ラ ヴ でいっぱいになるよ?」 「……うっ。それはそれで喜ばしいような」 クローディアの頬も、マシロ同様ほんのりと朱に染まっていた。 きっとあたりに立ち込めるクリの花の香りに当てられたのだろう。 この匂いを嗅いで興奮しないウサギなんているのだろうか。二人の頭の中は、すでに精液のことでいっぱいだ。 早く作り終えておま○こしたいなぁ……なんて考え始めているに違いない。違いないったら違いない。 「あ、お嬢さま。そろそろ良いのではないでしょうか」 「は~い」 鍋の白い液体は沸騰まぎわだった。 ねっとりした液体が泡立つ光景はトラウマになりそうだが、匂い消しはもうそろそろ頃合だろう。 火を止めて、細かく切っておいたチョコレートをざらざらと流し込んでいく。 白い液体に茶色の固形物が混ざり、何ともいえない色合いを醸し出している。 これから、チョコが溶けて色むらが無くなるまで木ベラで混ぜていくのだ。 「……えへへ。ちょっとだけ味見してもいいかなぁ」 「ちょっとだけ、ですよ?」 「は~いっ!」 ヘラに付いた熱いチョコの液体を息で冷ましながら、マシロは顔をほころばせる。 ちろっと伸ばした舌が、木ベラを軽く掠めて……。 「う~まいっ!」 テーレッテレー! 「ふふ。味はちょうど良さそうですね」 「うんっ。良い感じになってるよ。……あ、でも、もうちょっと甘いほうが好みかなぁ」 「それじゃあ、粉砂糖をまぶしたらちょうどいいでしょうか」 「うんうんっ!」 出来上がりを楽しみに思いながら手を動かしていく。 次第に混ざり合う白と茶色に、わくわく感はどんどん膨らんでいった。 相変わらずあたりにはザーメンの凄まじい悪臭が充満していたが。 □ 数刻の後。精液臭の充満するマシロ亭ダイニングキッチン。 チョコは既にバットに流し込まれ冷蔵庫の中。あとは冷えるのを待って、切り分けて粉砂糖を塗せば完成だ。 「あっ! あはっ! クー、そこっ! そこぉ!」 甲高い嬌声が響き渡る。 椅子に座ったクローディアの上にさらにマシロが腰掛けた形。 マシロは背中をクローディアに預け、股間をまさぐる相手の指に陶酔している。 「お嬢さま、イき急いではいけません……もっと深く感じてください……」 「うんっ! あっ! あっ! ゆびっ! ゆび、すごいのっ!」 クローディアの中指が、マシロの中に埋められ、Gスポットをひたすら擦り上げていた。 親指の付け根で肉豆を揉むように圧迫し、股間全体に愛撫をくわえていく。 左手は、マシロの左足を高く上げさせて抱きかかえるように拘束し、さらに小さな胸を揉みしだいている。 マシロは口から唾液を、足の付け根から愛液を滴らせ、与えられる快感に酔いしれていく。 限界はあっというまにやってくる。 「ああっ! あっ! あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ!」 断続的な悲鳴をあげて、マシロが身体を痙攣させた。 秘所から吹き出した潮が、クローディアの手のひらに当たってびちゃびちゃと音を立てている。 クローディアは、自分の膝からマシロが転げ落ちないように、優しくマシロの身体を抱きしめた。 そして膣肉がくわえ込む指を、さらに大きく動かして、マシロの雌穴をぐちゃぐちゃにしていく。 「クーっ! くーっ! ゆびとめてっ! イってるっ! いってうっ!」 「お断りいたします、お嬢さま……。私の指で、存分にお狂いください……」 「うあああっ! くるうううっ! おかしくなううっ! くうううっ!!」 頭を振りながら必死に快感から逃れようともがく小さな少女を愛しく想い、 クローディアは膣内をまさぐる指を3本に増やす。 「ふぁああああああっ!! あああっ! ああっ! ああああああああっっっ!」 増やされた指をぎゅっと締め上げながら、マシロは絶叫した。 □ 絶頂地獄から解放されたころには、マシロの腰は完全に砕けてしまっていた。 半ば放心状態でぐったりしている。目には涙、口には涎、顔は上気し肌には汗が、 そして二人の股間は、マシロから吹き出した潮でびしょびしょに汚れていた。 スカートを脱いでいたマシロは兎も角、クローディアは着替える必要があるだろう。 「……すみません。少々やりすぎてしまいました。 その……最近、お嬢さまはユーヤさんとばかり戯れていらっしゃいますので」 クローディアはクローディアで、悶々と溜まっていたものがあったらしい。 ちなみに今の情事は、今だあたりに濃く立ち込める精液の臭いがトリガーだった。 どんな兎といえどもザーメン臭を嗅がされて正気でいられるわけがない。本能がくすぐられてしまうのだ。 二人ともそれを承知で、チョコに入れようなどと考えてしまったのであるが。 くたっと手足から力を抜き、自分に身を預けてくるマシロを今一度いとおしく想い、 クローディアは自らの主人の大きな兎耳に、そっと口付けを行った。 「おはようござ……うぐっ!」 マシロの部屋のドアが開き、パジャマを来たヒトの少年が姿を現す。 ユーヤが起きてきたのだ。微妙にお寝坊さんなのは、他ならぬマシロ嬢のせいだろうか。 そのユーヤは、挨拶もそこそこに立ち込める精液臭に顔をしかめている。 「何ですかこの臭いは……」 「あ、すみません。生チョコを作っていたものでして」 「……まさか、チョコに、精液ですか……」 唖然とするユーヤ。 対してマシロとクローディアは、そろって一瞬きょとんとした表情を浮かべ、 そして二人揃ってくすくすと笑い出していた。 今度はユーヤがきょとんとする番だった。クローディアが笑いながら解説していく。 「精液? いいえ、アフアです。南国で採れるくだものですよ」 「えへへ。もしかして精液のほうがよかった?」 「……いえ、普通のくだものならば良いんです。……精液はちょっと勘弁してください」 アフアの実。 南方原産のくだもので、搾った汁は見た目・質感・臭いともに精液と酷似しているという性的に困った特徴がある。 ただ、ちゃんと味は甘いらしい。食べた人によると食感はまろやかで、味はバナナとリンゴの中間くらいだとか……。 本来は南国の果物なので、ここ極寒の地アトシャーマではあまり見かけることのない本当に貴重な一品だったりする。 誰かに渡すプレゼントとしては最適……なのだ。うん。たぶん。きっと。 ともかく、精液ではなかったことにユーヤは安堵の溜め息をついた。 しかしマシロは何やら不満なようで。 「えー!? 精液キライなんだ。おち○ちんミルク、クセあるけど美味しいのに……」 「お嬢さま。人の好き好みに文句を言ってはいけませんよ」 「う~ん……」 クローディアが、マシロの頭を優しく撫でながら嗜めている。 マシロは幾らか何かを考えていたようだったが、ほっとクローディアの膝から飛び降りて。 「……ご主人。それじゃ、えっちなこと、しちゃおうか」 ユーヤの身体にぽふっと抱きつきながら、そう呟いた。 「っ!? お嬢さまっ!?」 「だいじょうぶ。ユーヤにせーえきの味を教え込もうなんて、ちっとも思ってないよっ!」 「ぜんぜん信用できませんっ! それから、なんで下が真っ裸なんですかっ! それと腰振らないでくださいっ!」 先ほどクローディアとナニしてたままの、下半身に何も身に着けていないマシロ。 ユーヤの身体に抱きついたまま、円を描くように腰を踊らせて誘惑している。 「クー、チョコ、よろしくね」 「はいお嬢さま。後はお任せください」 クローディアも椅子から立ち上がり、情事でしわしわになったスカートを手で直す。 マシロの体液が染み込み、おもらししたようにも見えてしまうが、まあ気にしない気にしない。 「お嬢さまっ! 僕、まだ朝ごはんも……」 「やだぁご主人。朝ごはんは“私”だよ? おま○こ、いっぱい味あわせてあげるからね」 顔を赤くしながら、ぐいぐいとユーヤの身体を押していくマシロ。 ユーヤはそのまま流されるようにマシロの部屋へと連れ込まれてしまい、そしてドアが閉じられた。 鍵が掛かる音も聞こえる。ついでにユーヤの可愛らしい悲鳴も聞こえてきた気がする。 「さて……お鍋を片付けちゃいましょうか」 チョコが冷えるまで、まだだいぶ時間があるだろう。 クローディアはコンロの上に置かれたままの、片手鍋を手に取った。 いくらか冷めかけのチョコが、少しだけ鍋の底に残っている。 そっと指ですくい、味見がてら舌で舐めとった。 「…………ちょっと臭い抜きが足りませんでしたか。 それに、もう少し入れても良かったかもしれませんね。お嬢さまのラブジュース」 それでも舌の上でとろけるような美味しさが広がっていた。 チョコが出来たらみんなで分けて食べよう。 いつもと同じの、けどいつもとはちょっと違う光景を思い浮かべ、 クローディアは笑みをこぼした。 ■ 嘘つきウサギが召使いの物語 §外伝1.生臭い贈りもの ~fin~
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嘘つき兎が召使いの物語 第1話 ウサギに対しての、こんな言葉を耳にしたことがありますでしょうか。 「兎は淫乱……って本当?」 私の友人に猫国出身のかたがいらっしゃいますが、そのかたの御友人がそんなことを言いました。 もちろん面と向かって言われたわけではありません。 本人は内緒話のつもりだったようですが、さすがにあれほど大きな声で話されたのでは聞きたくなくても耳に入ります。 なにせ私はウサギですから。耳が良くて性風俗に寛容で。 その人の言うとおり『淫乱』というのもあながち間違いではありません。 だから私はこのように口を挟んでしまったのです。 「お言葉ですが……あなたは、あなたが好きな人を愛してあげる時間を持たないのですか?」 私には愛すべき人がたくさん居るだけです。猫のかたには理解していただけないかもしれませんが。 ……たくさんの人を愛することのできる心を分け与えてくれたレシーラ様。今、私はあなたに感謝しています。 □ ウサギの住む街、アトシャーマ。吹雪の吹き荒れる雪原の真っ只中、 魔法を使って居住可能な土地を確保しているこの街の朝は、厳しい冷え込みと共にやってくる。 「んっ……んっ……」 最新の魔法式を敷いたアトシャーマ外縁部ならともかく、中央に程近いこの小さな家の冷え込みは耐え難いものがある。 だからこそ、多くのウサギは暖かな布団を恋しく思ってしまうのだ。 彼女が漏らしたのは、そんな暖かな布団のなかの、朝のまどろみに飛び出した可愛らしい息遣い…… ではなく、明らかな嬌声。あの声。オナニーしてる最中に漏れてしまうエッチな喘ぎ声。 まだ少女の域を抜けていない年頃のウサギが、布団から顔を半分だけ出して、熱心に自慰に耽っている。 「んっ……はぁ……あぁ……あぁ……」 セミロングの白髪。褐色の肌。そして大きな白いウサギの耳。 整った顔立ちで他国でも目を引くであろう可愛らしい少女が、熱にうなされているような喘ぎを漏らしている。 瞑った目には涙がにじみ、頬は上気して朱に染まり。どんな娼婦よりも男を惹きつけそうな艶やかな表情。 ガラス細工のように乱暴に扱えば壊れてしまいそうな「はかなさ」さえ、その少女からは感じられた。 しかし布団のなかは凄まじい有様だ。 布団のなかでは愛液が飛び散りぐっちょんぐっちょんになっている。 いま布団をめくれば、少女の淫臭があたりに立ち込めること間違いなしである。 「あぁあ……いく……いくっ……いくっ……」 布団の中で、もぞもぞと身体を動かしながら、一人身体を高ぶらせていく。 彼女を攻め立てているのは1本のバイブだった。 エネルギーは彼女自身の魔力。兎国で開発されたそのバイブは、使用者の魔力を受け取り振動を与えるものだ。 最初は魔法学校の教材として、生徒たちの鍛錬用に使われる予定だったらしいが、結局その話は無しになったらしい。 実現していれば生徒諸君が女も男もバイブを咥えてあふんあふん叫びながら鍛錬に励む姿が見れたのだが、実現しなかった。 ……実に幸いなことである。 ともかく、ある程度の魔法を使える者でないと使いこなせないような特殊バイブを手に、彼女は自慰に耽っていた。 彼女がそれを使いこなせることは、ある意味では当たり前。 それもそのはず。彼女は兎国のなかでも最も魔法に長けた家柄の出身であり、『魔女』の名を与えられた者なのだから。 魔女だってオナニーするもん!! オナニーくらいするもん!! 有り余る魔法技術と底なしの魔力ですることと言えば自慰くらいなものである。他には特に無い。 いや沢山あるのは確かのはずなのだが、今の彼女にとってはオナニーこそが一番大切なのだ。 「ああああぁん! クーっ! いっ、いくっ! いくうううっ!」 バイブを手で秘所に埋め抜き差しすると、びっしりとついたイボイボが幼さすら残す柔肉を容赦なく抉っていく。 かき混ぜられ白く泡立った愛液が肌を伝い、ふわふわの布団を汚していく。 一番奥、子宮の入り口、膣の行き止まりにバイブの先端を当て、底なしの魔力をバイブに注ぎ込んでいく。 身体の奥底から揺さぶられるような振動と快感に襲われて、少女は絶叫し悶え跳ね回った。 「ぁ! ぁ! ぁ! ぁ! あっ! あっ! あっ!」 絶頂に見舞われた膣が、さらに強くバイブを食い締めてしまう。 布団をぎゅっと抱きしめ――想い人のことでも想像しているのか――布団に抱きつきながら快楽を味わっていた。 「……っ、はぁ……はぁ……はぁあ……」 荒い息を吐く。いつのまにか布団は汗で汚れていた。 布団の中は愛液で大変なことになっているだろう。正直めくりたくない。 「……おなか減っちゃった。のども渇いたし」 絶頂の熱も冷め始め、次第に落ち着く息と意識。 そして「くらっ」と眩暈がして、自分が朝起きてから何も飲食していないことを思い出す。 どこからともなく美味しそうな匂いが漂ってくると、少女は仕方無しに、のそのそとベッドから這い出した。 もうすぐ正午になる。きっと昼食が用意されているんだろう。 そう思い立ち上がると、布団の中から細身の身体に大人びたベビードールがあらわになる。褐色の肌に白い衣装が映えていた。 むねもおしりも慎ましく少女をより幼い印象に仕立て上げているが、それが返って背徳的ですらある。 そんな女性的な箇所が透けるほどの薄い布地は、扇情的だが……しかし、やっぱり肌寒い。 「……はくちっ! ……あう……魔法式、後で調律しないと……」 このところ特に朝が冷える。室内に施した暖房機能の魔法式が劣化し痛んでいるのかもしれない。 可愛らしくクシャミを1発。少女はスリッパを履いて、上からバスローブに似たコートを羽織った。 ちなみにバイブは入れたままだ。これが無いと朝方は調子が出ない。 できるならば身体を2つにして、片方で自慰しまくって、もう片方でご飯を食べたいところだった。 だが身体はひとつしかないので両方同時に行う。それが最適解であることは疑いようも無い。 しかし誤算がひとつだけあった。とある理由から、彼女には自慰と食事を同時に行うことはできないのだ。 「……んっ……はぁ……はぁ……はぁ」 一歩、また一歩と部屋の中を歩くたびに淫らな声が漏れていく。冷め始めたと思った淫熱が再びぶり返してくる。 なぜなら、少女が今咥えているバイブが特注品だからだ。 振動機構は汎用的とはいえ、外見は長さ・太さ・硬さに加えてカリの太さに竿のそりかえり具合、 さらには全体にびっしりとあしらわれたイボイボの大きさと配置までが、少女のためだけに計算しつくされたものだ。 そのバイブはいわば一種の魔法である。 彼女をイかせるためだけに存在する魔法の前では、いかな魔女といえども抵抗できず絶頂を極めさせられてしまうのだ。 「おち○ちん……おち○ちん、すごいの……」 うわ言のように呟き、よたよたと部屋の中を歩いていく。秘所からは新たな愛液が滲み出し太股を伝って滴り落ちていく。 部屋の入り口までの僅か数歩の距離を歩くだけで、少女の頭の中は張り型のことでいっぱいになってしまっていた。 それでも精一杯身体を動かし、ドアを開けようとノブに手を伸ばした。 ノブに手をかけて回そうとした瞬間……少女が力を入れるまでも無く、ノブが回りドアが開いていく。 ドアの反対側から、誰かが少女の部屋へ入ろうとしていたらしい。 □ 「失礼します。お嬢さま、お楽しみでしたか?」 ドアの前にいたのは、少女よりも頭ひとつ背の高く、少女より幾分か年上の、やはりウサギの女性だった。 白い肌に黒く長い髪、そして少女と同じ白く大きなウサギの耳。 少女とは異なり、ちゃんと服は着ている。うん。さすがに兎だって服くらいは着ます。 「…………うん。もう、イきそう……いっちゃいそう……あんっ! だめっ! 気持ちいいのっ!」 「ダメですよ、お嬢さま。自慰では愛が無いとたしなめたばかりではありませんか……」 少女の痴態に困ったような笑みを浮かべ、女性は少女を優しく抱きとめた。 快楽に腰を振りたくる少女を両腕で抱きしめ、少女の首筋に軽く口付けする。 少女はそんな女性にすがるように抱きついて自らの欲望のままに言葉を発する。 「うんっ……だから、クーでイきたいな……イかせて……」 「はい。仰せのままに……と言いたいところなのですが」 「……え? 今日はダメなの?」 クーと呼ばれた女性はその少女の願いを遮り、代わりに少女の身体をきゅっと抱きしめ、髪を優しく撫でてあげた。 そしてゆっくりと少女を解放し立ち上がると部屋の角に置かれたソファに向き直る。 少女の寝室からドア一枚隔てたリビング、その隅に置かれたソファに座っていたのは……。 「ユーヤさん。この子があなたの主人となるマシロお嬢さまです」 少女――マシロの頭を優しく撫でながら、ソファに腰掛ける少年に話しかけた。 毛に覆われていない女性のような綺麗な肌をしていながら、かといってマダラのような獣耳も無い。 マシロも一目でそれが『ヒト』であることに気付いた。 そのヒトが着ていた服は、マダラのウサギが着るような普通の服…… 落ちてきたときに着ていただろう服は、既に別のところに売られてしまったのだろうか。 ところでその少年、顔を真っ赤に染めて恥ずかしそうに俯きながら前屈みに身体をもじもじさせているところが不憫だった。 先ほどのマシロの嬌声は少年に全部筒抜けだった。しかも今ではバイブの振動音までキッチリと聞こえてくる始末である。 実に生殺しである。据え膳をお預けされるイヌっころの心境である。既に下半身はいつでも砲撃可能な状態だった。 「……ユーヤさん? 恥ずかしそうにしていないで、“立って”挨拶などしないのですか?」 「すっ、すみませんクローディアさん。ちょっといま立てなくて……いや、既に起っちゃってるんですが……」 「……はぁ。長旅で疲れたのでしたらそう言ってくだされば」 「は、はい。めっさ疲れました。脚がガクガクしてます」 あたふたと答える少年。実に哀れなり。 そしてそんな哀れな少年を、色情魔のきらきら輝く瞳が見つめていた。 「はぁ……はぁ…………本物の“おち○ちん”だぁ……っ!」 「お嬢さま」 「やぁん……だめ……クー、いま、私、おち○ちんのことしか考えられないよ……!」 チ○コ呼ばわりされた少年に、きらきらどころかギラギラした目をしたお嬢さまが近寄っていく。 せっかく着たローブも脱ぎ去り、透けるほど薄いベビードール姿に戻り。 挿入された張り型のためか、幾分か歩きにくそうな、よたよたした足取りで。 愛液が滴り落ちて、毛の長いカーペットに淫らな染みを作っていく。 色情魔は慌てる少年ににじり寄り小さくジャンプ。飛び掛かるように抱きついた。 「……捕まえた」 「はうっ!!」 飛びついてきた半裸の少女を成り行きで抱きしめる少年。 傍から見れば羨ましいその状況だが、しかしその少年は全身に鳥肌を立てていた。 マシロにとっては荒い息を吐きながら小声で呟いただけなのだが、少年には必要以上に恐ろしく伝わったらしい。 しかし身体は少女の柔らかな肢体を直に触り、心の鼓動を激しくさせ剛直を硬く大きくさせてしまっている。 少女の背中を少年の手が滑り落ちると、少女の口から艶めかしい吐息が漏れた。 「ねえ……おま○こ……おま○こ、しよ? おち○ちん、おま○こに……はぁ……はぁ……」 「ちょ、あの……っ!」 「はぁ……はぁ……うへへ。おま○こ、おちん○~んでズポズポ~ってされたいなぁ」 目がイっちゃってる。やばいですこの子。 口元に溜まったよだれをじゅるりとすする姿は、まさに獲物を強姦しようと迫る痴漢……もとい、痴女そのもの。 このままでは食われる……少年の本能が警鐘を鳴らしていた。 「お嬢さま、あまり浅ましい姿はお見せになられないほうが」 「あのっ、クローディアさん。言葉だけじゃなくて、止めてはくれないんですかっ!?」 「……何を仰るんですか。お嬢さまの世話を任せたのですから、お相手、よろしくお願いしますね」 そう言い放つクローディアは、上着を何枚も羽織り玄関へと繋がるドアの前。 その彼女は、目の前で繰り広げられる情事に動じることなく、全くもって冷静だった。 興奮してすらいないのは、心が強いのか単に慣れきってしまっただけなのか。 上着を羽織り終えた彼女は、最後に腰に剣を挿して、両手にミトンの手袋を嵌める。 「それでは少し出かけてきます。手続きなどがいくつか済んでいませんので。 帰ってくるまでの間、どうぞ熱い一時をお楽しみくださいね」 そして死刑宣告が下された。真っ白に固まる少年に対し、俄然色めき起つマシロ嬢。 「あはっ。お楽しみくださいだって。いっぱい楽しもうね! ね!! ね!!!」 「あ、えっ!? どこに行く……んっ! ちょ! やめっ!」 マシロは少年に擦り寄ったまま、少年の頬や首筋についばむようなキスの暴風雨を浴びせていた。 そんな少女を突き放すこともできず、なすがままにキスの雨嵐を浴び続けるユーヤ少年。 仲睦ましい二人を見て、クローディアは微笑みを漏らした。 「お嬢さまには気に入っていただけたようで幸いです。 ユーヤさんの所有には税金などが掛かりますから、その申請のために城に行ってきます。 20分くらいで戻ってきますから、帰ってきたら昼ごはんに致しましょう」 リビングからダイニングキッチンを見渡せば、並べられた皿にパンとジャムが入ったバスケット。 コンロにはシチューの大きな鍋。 昼食はあらかた準備されていたようで、先ほどから香る良い匂いはそこから漂ってきていたのだろう。 マシロがそちらを向いていると、反対側からパタン。とドアが閉まる軽い音。 それだけ言ってクローディアはさっと退室してしまった。ユーヤにとって唯一の救いの存在が居なくなってしまう。 同時に、マシロの相手をしてあげられるのが自分ただ一人になってしまったことにもユーヤは気付いた。 「ほら……私、バイブだけじゃやなの……おち○ちん、おま○こに入れてエッチしたいなぁ」 「………………」 張り型は、変わらずマシロの膣内で不気味な音をたてて振動していた。 ウサギより耳の良くないヒトでも、イヌより鼻の良くないヒトでも、卑猥な音色と立ち込める雌臭ははっきりと感じ取れるほど。 相手に見せ付けるように腰をゆっくりと前後左右にくねらせながら、マシロは淫らにおねだりする。 ユーヤは思わず唾を飲み込んだ。それが了承の合図となる。 □ ソファに腰掛ける少年よりも、床に立つ少女のほうが視点が高かった。 熱に浮かされたような赤い瞳で至近距離から見下ろされ、ユーヤは思わず身をすくめてしまう。 「あのっ……連続でしたりして、身体こわしちゃいませんか?」 「んっ……ふ。今まで壊したことないから大丈夫だよ。それとも……そのおち○ちんで壊す気まんまん?」 マシロがバイブを掴み引っ張り出す。くちゅりと水音を立てて長い棒が身体の中から抜き取られていく。 秘裂が名残惜しそうにバイブの刺激を追いかけていく。一挙動一挙動に鼻に掛かったような吐息が漏れていった。 愛液に塗れ、湯気と淫臭を漂わせる白色のバイブ。既にマシロからの魔力供給が止まっているのか動きは止まっていた。 たった今まで雌肉をほぐしていた玩具を見せ付けながら、誘うように熱い吐息を浴びせかける。 「次は、キミのおち○ちんが、こんな風にぐちゃぐちゃになる番だよ……うふふ」 「あ……あの、僕って本当にお嬢さまの性奴隷に……でも、まだ自信なくて……」 「うん。そのリアクション見れば、童貞クンだってのはわかるよぉ」 「いえ、この世界に落ちてから、調教師のひとに5回くらい……」 「……えへへ。5回くらいエッチなことされちゃったんだ。けど5回くらいなら童貞と同じだよ」 言いながら、マシロの手が少年の股間を、服越しに撫で始めた。 軽く擦る動きにときおり押し付けるような動きが混じっている。 ユーヤは顔を真っ赤にしながら、マシロの細い手に自分の手を重ねてふるふる震えていた。 「そんなに顔を赤くしちゃって、かあいいなぁ。もうイきそう? イっちゃう? おち○ちん、どぴゅどぴゅしちゃう?」 「は……はい……ちょっと、どころじゃなく、気持ちいいです……」 「ふふふ。だ~め。キミのおち○ちんミルクは、ぜーんぶ私の中に出さなきゃ、だめだよ?」 気持ちよさに目を潤ませていた少年を見つめ、マシロはいたずらな笑みを浮かべた。 涎をにじませるユーヤの口に吸い付くように唇を重ね、驚く相手をよそに強引に舌をねじ込んでいく。 マシロは手馴れた口付け、ユーヤはぎこちない口付け、ちぐはぐなディープキスは続く。 その間もマシロは身体をユーヤに摺り寄せていった。 ユーヤは思わずマシロを抱きとめるよう両腕を回し、マシロはそんなユーヤの仕草に嬉しそうに微笑んだ。 「ソファの背もたれは、ちゃんと掴んでてね。揺れるから」 「う、うん……」 マシロの言葉にユーヤは素直に従う。背もたれに背中を押し付け、浅く腰掛ける。 そのマシロはユーヤのスボンを脱がしにかかっていた。慣れた手つきでボタンを外し布地をずらしていく。 下に着ているパンツまで半脱ぎにさせられると、立派なそれが天井に向かって直立した。 マシロが熱い息を吐き出して、うっとりとそれに魅入ってしまう。 「はぁ……んっ、おち○ちん、おま○こに入れるよ。いつでも、何回でも中出ししていいからね」 ソファに乗り、少年を跨ぐ体勢で少年と向き合った。 薄い下着の股布をずらすと、愛液の滴り落ちる秘所を剛直に擦り合わせていく。 「んっ……あ……!」 女の子のような声を出したのは少年のほうだった。 可愛らしい反応を見せる男の子に、マシロはニヤリといたずらな笑みを浮かべる。 亀頭の先っぽで秘所を擦りあげる刺激を何回か楽しんだ少女は、いよいよ身体を捩って狙いを定めていく。 ためらうことなく身体を落とす。少女の蜜壷が少年の剛直を貪るように飲み込んでいった。 「あっ! ああっ!」 「んんっ……はぁあ……。もうイっちゃいそう? おち○ちん、私のおま○このなかでビクビクしてるよ」 根元まで棍棒を咥え込んだマシロが、少年にしなだれかかりながら囁いていく。 まだ腰を動かしていないというのに、マシロの膣ひだはユーヤの男根をざわざわと撫でるように刺激していた。 ときおり中が痙攣するようにヒクヒクと動き、ユーヤ自身を締め付けていく。 愛液に塗れた熱い蜜壷に挿入させられ、食べられ溶かされてしまったような、そんな感覚。 「あっ! だめ……お嬢さま、いくっ! いきます……っ!」 「あはっ! いいよっ! 種付け、きてっ! 早漏おち○ちん、びゅーってしてっ! あはっ!」 首を仰け反らせ耐えるが、精液を吸い付くさんと蠢く肉穴の前には無駄な抵抗でしかなかった。 熱い迸りが先端から吹き上がり、蜜壷の中へと溶けていってしまう。 興奮したマシロが軽く腰をひねるだけで射精が二度三度と促されてしまい、 そのたびに少年も少女も気持ちよさそうな蕩け顔を浮かべていた。 「はぁあ……やっぱりナマはいいよぉ……もっと出して……私もイきたいな……」 ユーヤの頬をぺろりと舐めたマシロが、肩に手を置き腰を振り始めた。 剛直がマシロの膣内にくちゅくちゅと音を立てて出入りしていく。膣ヒダが竿の側面を乱雑に扱きあげていく。 イったばかりの敏感な男根が擦りあげられ、むりやり勃たせられる苦しさに、ユーヤが時折顔をしかめていた。 「はぁ……あぁ……おち○ちん、いいよぉ……おま○この奥まで、ぐちゅぐちゅになっちゃう……ッ!」 「お嬢さま……ぁ! もっと、ゆっくり……!」 ぎしぎし音を立てて揺れるソファ。少年はたまらずマシロの身体を抱きかかえるように押さえつけようとした。 少女は抱きよせようとするユーヤに微笑み、艶やかなくねりと共に身体を摺り寄せていった。 結合している腰だけが別の生き物のように蠢き、膣はユーヤから精液を搾り取ろうと男根を締め付けていく。 「はっ……あっ……だめぇ。気持ちいいことガマンしちゃだめ……もっと、もっと愛し合おう……」 舌を絡ませ、胸を擦りつけ、秘所を結合させ……。情欲のままに性を貪っていく。 ユーヤの身体が、背もたれから崩れ落ち、ソファに横に寝る格好になった。 必然的にマシロの身体がユーヤの上にくる。騎乗位。マウントポジション。必勝形。もう逃げられない。 「あぁあ……いく……いきそ……おち○ちんでいっちゃうよ……いかされちゃう……」 「ぁ……ぁ……っ、く……は……ぁ……ッ!」 結合部は、精液と愛液が織り交ざった体液でどろどろに汚れていた。ソファや床にも飛び散り染みを作っている。 ユーヤはたまらず逃げようと身体をくねらせた。ずりずりとソファから床に身体が落ちていくが、 蕩けた表情の淫獣はそれを逃すまいとしがみつき、腰を叩きつけていった。 「いくっ! あっ! あはっ! ああっ! あはああぁぁぁっ!」 「くうっ……ああっ……!」 ユーヤの胸に両手をついて、マシロの身体が弓なりになった。 ペニスを咥えた秘所がぐちゅりと収縮し、それに捕らわれた男根が限界を迎えてしまい、 少女の中へと白濁液を勢いよく吹き上げていった。 その精液の勢いと熱に蕩けさせられたマシロも、何度目かの絶頂を極めさせられてしまう。 「はぁ……はぁ……これ、すごい……すごいよぉ……」 耳まで真っ赤になった淫兎がうっとりした表情で円を描くように腰を揺らしていく。 長い長い絶頂を味わいながらゆったりと腰を動かし、うっとりとした表情を浮かべ。 痙攣する全身で、精液の最後の一滴までをも啜り上げようと貪欲に膣壁をうねらせていく。 「あっ! あぁっ! はあっ! ああっ!」 搾られる側の少年は苦悶の表情を浮かべ、手のひらをぎゅっと握り締めて耐えている。 息遣いも喘ぎ声も女の子のような仕草。しかしその表情はメスの中に射精できたことの満足感で溢れていた。 マシロはそんな少年を可愛らしく感じて、そして唇を重ねていった。 少年の舌を嬲るように舌を差し込み、ちゅぷちゅぷと音を立てながら唾液を啜っていく。 握り締めたユーヤの手に優しく手を重ね、そして少年に微笑みかけていった。 □ 「ふう。やーっとおま○こ落ち着いたよ。助かっちゃった」 えへへと微笑んだマシロがふらふらと立ち上がった。数歩あるいてソファに倒れこむように腰をかける。 少年のほうを向いてソファをペシペシと叩いた。隣に座れという合図らしい。 慌ててユーヤも立ち上がり、いそいそとズボンを穿きなおしてからマシロの隣に腰掛けた。 「えへへ。想像していたよりずっと良い子が来ちゃった。いい買い物したなぁ」 「…………あ、ありがとう? ございます」 ユーヤの身体にマシロが寄り掛かる。 さほど背の変わらない柔らかな身体に密着されてユーヤはごくりと唾を飲み込んだ。 それでも「買い物」の言葉にユーヤはドキッとしていた。 気にしないようとしても、どうしても自分の置かれている状況を再認識してしまう。 「注文してたヒトが明日届くって聞いてて、でもガマンできなくて……今日だったんだね」 「あ、はい。この国には予定より早く着いたので……でも我慢しなさすぎですよ」 「えへ。これくらいフツウだよ。けど今日からはキミも使えるし。クーから話は聞いてるよね?」 「はい」 「それじゃ、マンネリしてた性活にもハリが出てくるかな。毎日、おま○こ、おねがいね」 「……あ……あはは……」 つまり、あれだけ乱れた主人の相手を任せられたということになる。乾いた笑いも出ようというもの。 自分がバイブのような性的玩具としか思われてないのだろうか、とかそんな不安もよぎってしまう。 「お嬢さま……さっきの玩具と僕と、どっちが気持ちよかったですか?」 「バイブ」 即答。 「やっぱりね、あのバイブだけじゃないけど、女の子をいかせるためだけに作られた玩具って凄いよ?」 「そ……そうですか……」 撃沈。しかもマシロはうっとりとその場面を回想しながら語り始めた。 「おま○このなかとかグリグリほじられて、奥がブルブルして、クリちゃんもコシコシされてね。 ちょっと前にはバイブの上に拘束帯付けて耐久したんだけど、100回越えたところから意識とんじゃって! いくら興味があったからって『少なくとも3日は外さないでね』なんて命令しなければよかったよ……。 おま○こ穿られて善がって病院だなんて、あんなに恥ずかしい思いをしたのは生まれて初めてだったなぁ。 けど本当に凄いのは二本挿しだよね。前と後ろからおま○こされるのクセになっちゃって……」 ユーヤの付け入る隙を与えず、ただ自分だけの世界にのめり込んでのマシンガントーク。 恥ずかしがるように脚をもじもじさせるのは、恥ずかしいのではなく身体が火照り始めたからだろう。 再燃し始めた淫獣のそばにいるのは危険なのだが、当の少年はそれどころではない様子だった。 ユーヤはマシロにお金で買われた性奴隷だ。その立場は高級な玩具に過ぎない。 奴隷商人からもクローディアからも、マシロ嬢を性的に満足させるよう言いつけられていた。 性交には慣れていないとはいえ、商人から最低限の指導は受け、最低でも無機質な玩具には負けない、と……。 しかし、自分では足りないと言われ、少年の目に涙が浮かび始める。 「それじゃあ……僕は不要と……」 「え? そんなことないよ?」 涙ぐむ少年の顔に、マシロは擦り寄り、そっと口付けを行った。 淫らではない、本当に触れ合うだけの軽い口付け。そして頬にもキスの雨を降らせて。 終わる頃には、二人の顔は揃って赤く染まっていた。 「ほら……ね? おもちゃは私を愛してくれないでしょ?」 赤い瞳で少年を見つめながら、少女はそう呟いた。 「お嬢さまって、読心術を使えるんですか」 「ううん、そんな気がするだけ。けど、そんな理由じゃだめかな? 玩具は気持ちいいけど、けど生身の人間じゃなきゃ好きっていえないでしょ」 「……はい」 二人して頬を赤く染めて微笑みあった。……しかし頬を染める理由は少し違ったもので。 先ほど回想に耽ってから淫獣、ずっと火照ったままだ。 「えっちなこと考えたら、またしたくなっちゃった。おま○こしてほしいな」 「……え?」 赤い瞳で少年を見つめながら、少女はそう呟いた。 秘所を自分の手でくちゅくちゅと弄り、再び熱い吐息を出し始める。 誘惑するような声で少年の身体に擦り寄り、圧し掛かり、優しくしかし確実に押し倒していく。 ユーヤはそれに抵抗することもできず、なすがままにされてしまい…… □ そんなとき、マシロの耳がピクっと動いた。 「んっ…………お嬢さま?」 自分に圧し掛かりながら、玄関へ続くドアに注目するマシロを見て、ユーヤが声をあげる。 ぱたぱたと音を立てて誰かが家に入り込んできた。クローディアが帰ってきたのだろう。 しかし何か様子がおかしい。妙に慌てているような音がドアの向こうから聞こえてくる。 ドアが開いた。息を切らしたクローディアが、マシロとユーヤの前に現れる。 出かける前とは明らかに様子が異なり、慌てた様子で、どこか涙目で。 「大変申し訳ございません。その……私の手違いで『お嬢さまのほうが奴隷に』なってしまいました……」 床に平伏し、深々と頭を下げて呟くのは謝罪の言葉。 一瞬で場の空気が凍ってしまう。あっけにとられたような表情を浮かべるマシロ。 ユーヤに至っては、いったい何が起きたのかすら把握できていなかった。 「申請書の『所有物』と『所有者』の欄を、お嬢さまとユーヤさんの名前を逆に書いてしまいまして……」 所有者がユーヤで所有物がマシロ。 ユーヤもマシロも、やっと何が起きたのか理解しだしてきた。 「えっと、そんなのが、なんで受理されるの……?」 「それが、書類を受け取ったのがモルガンルフェイ様でして……」 マシロの目が点になる。無理もない。自分が主人、少年が奴隷となるはずが…… なぜか、自分が奴隷で少年が主人になってしまったわけだから。 「モルガンルフェイ様?」 「うん。アリアンロッドの魔女で……できないことはないってくらい凄いひと」 「申請、取り消せたりできないんですか?」 「無理だとおもう……。あんなモンスター級が介入しているのなら、ちょっと私でも手が出せないよ……」 モルガンルフェイ・アリアンロッド。 幾多の魔女の中でもトップクラスの美貌と才能と政治力を持った、まさに化け物級の存在だ。 不可能は無いと言われる彼女にとって、マシロを奴隷に貶めることも不可能では無かったのだろうか。 「……ところで、なんで顔が笑ってるんですか?」 「え?」 そんな事態にあって、マシロの表情は混乱したそれではなく、笑顔だった。 それも引きつった笑顔ではなく、何かを期待しているかのようなわくわくした表情。 クローディアは気付く。またお嬢さまが変なことを考えているのではないか、と。 「えっと、だって、私がユーヤの性奴隷になっちゃったわけでしょ?」 「はい。現在、書面上はそうなっているはずです」 「じゃあ私、ユーヤのおち○ちんが乾かないように、いつでもおま○こ開いてあげなきゃいけないんだよね?」 ……そうなるの? そうなるらしいです。 このお嬢さま、自分の立場より淫行を選びましたよ? そうなるらしいですね。 「なっちゃったものはしかたないよね。大切なのは、これからどうするかだし! どうセックスするかだし!」 「……えっと、お嬢さま……?」 「うへへ……安心して。絶対にエッチなことには不自由させないから……ん、はぁ……ぁ」 赤いギラギラとした瞳が少年を見つめている。 少年は思わず後ずさりするが、マシロはそんな少年ににじり寄りながら荒い息を呟いた。 「……うぅん……ご主人、これからよろしくね……。具体的には今から」 「その……僕、今はエッチなことに不自由はしていないのですが……」 マシロの秘所からは愛液と精液が交じり合った白い体液が漏れ出し、脚を伝って滴り落ちていた。 ギシっとソファが軋む音が響く。3人掛けのソファでは、逃げ場はそんなに広くは無かった。 「おねがい、ご主人。『お嬢さま』じゃなくて『マシロ』って呼び捨てにして……。 ううん、いっそのこと『メス奴隷』とか『おま○こ穴』とか『淫乱メス便器』って呼んでよぉ」 「お嬢さまっ! 今は遊んでいる場合ではっ!」 クローディアが制止する声も聞き入れず、マシロはユーヤに覆いかぶさっていく。 熱にうなされたような、興奮しているような、そんな熱く荒い息を吐きながら。 褐色の白兎は、目の前の獲物を味わうべく食事を開始した。 ■ 嘘つきウサギが召使いの物語 §1.嘘つきウサギが召使い ~fin~
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嘘つき兎が召使いの物語 第2話 お父さん……お母さん……いまごろどうしてるのかな。 僕がこっちの世界に落ちてきて、もうすぐ3ヶ月。 そのあいだ売られたり買われたり調教されたり……けど、やっと腰を落ち着けることができました。 今の僕のご主人さまは、ウサギの国に住むウサギのお嬢さまです。 「ご主人! えっちしよっ! おま○こっ! おま○こしよっ! おま○こしてあげるっ!」 ……の筈なのに、なぜか僕のほうがご主人さまになっちゃいました。 手続き上の手違いらしいです。 訂正にも時間がかかるとかで、今はそのまま僕が主人のまねごとをしています。 「あっ……もしかして今日は、おま○こじゃなくて、おくちのほうがいいのかな? じゃあ、私のおくちま○こ、いっぱい味あわせてあげるね」 兎も角そんなアクシデントはあったけど、お嬢さまはとても可愛いし、 周りの人も優しいし、今は何とかやっていけてます。 だから……心配しないでね。 そっちに帰る方法見つけるまで時間がかかるかもしれないけど、いつか……。 □ 午前14時。マシロ邸。 昼ごはんを食べて一息ついた頃、決まって行う日課のようなものがマシロにはあった。 「んっ、んっ、んっ、んっ……んふっ」 マシロのくぐもった吐息が、部屋の中を支配している。 ベッドに横になったユーヤ少年のペニスをマシロが咥えこみ、吸茎を繰り返しているのだ。 一心不乱に頭を前後に振り、陰茎に快感を与え続けている。 ユーヤはその感覚に翻弄されるまま、シーツをぎゅっと掴んで必死に射精を堪えていた。 「んっ、ん……ん゛んっ、ん……」 マシロが一瞬うなるような声を出した。 同時にシーツを掴むユーヤの手に力が篭もり、シーツに深いしわが付いた。 耐え切れなかったユーヤの先端から精液が噴き出し、マシロの小さな口へと注がれていく。 それを嫌な顔ひとつせずに吸い上げ、飲み下していく淫乱ウサギ。 嫌がるどころか舌の上でザーメンを転がすように味わっているのだ。 マシロは、頬を上気させた艶やかな笑みを少年に向けながら呟いた。 「4発目。ご主人、気持ちよかった?」 少年の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。 誘われるままベッドに寝かされると、ズボンを脱がされて吸い付かれ、瞬く間に4回もの絶頂を極めさせられてしまった。 ユーヤは快感と恥辱が織り交じった複雑な心境のまま、ペニスに吸い付き5回目を行おうとしていたウサギを制止させる。 ユーヤがマシロ邸にやってきて数日、これがほぼ毎日繰り返されている日課だった。 朝から晩まで引っ切り無しに繰り返される性的奉仕。 文字通りペニスの乾く暇も与えぬ猛攻撃に曝されて、少年の身体にも疲労が溜まりつつあった。 「ご主人、おつかれさまっ。またいつでもしてあげるからね」 マシロが主人の身体を労るように、幼い半裸の身体を少年へと摺り寄せていく。 ……しかし騙されてはいけない。マシロは早くも次なる行為を期待しているのだ。 柔らかい女の身体を摺り寄せ、少年の本能に訴えかけ誘惑していく。 人間、疲れていようがいまいが、勃起するときには勃起してしまうのだ。 「あはっ。ご主人、またシたくなっちゃったのかぁ……しょうがないなぁ」 ユーヤの身体が、マシロの華奢で幼い身体を生殖対象として認識し始めていた。 マシロはそんなユーヤの様子を、目を輝かせて見つめている。 「お……お嬢さま、少し休ませてください……」 ついに少年は休憩を要望した。 しかし、その言葉に何やら不満そうな表情になる淫女。 「む~。私だってシたいのに。それに『お嬢さま』じゃなくて『メス便器』とかでいいのに……」 「そういうわけにはいきませんよ……。お嬢さまって呼ばせてください」 何か越えたくない一線があるのか、マシロの言葉をユーヤは断った。 そんな少年の胸中を粉砕してしまおうと、眉間にしわを寄せながらマシロが色々と思案を巡らせ始めた。 細い指が少年の胸板に“の”の字を描いていく。 ちょうどユーヤの乳首がある箇所。くすぐったさに思わず身を捩ると、寄り添っていたマシロの身体も揺れ動いた。 「ね、ね。ちょっとだけでいいから、私のことを『メス便器』って呼んでみてよ」 仰向けに寝る少年の顔を覗きこむように、赤く染まった雌ウサギの顔が迫ってくる。 ユーヤは少しだけ躊躇ったが、遊び半分なら……と納得し、 「それじゃ、ちょっとだけですよ。『メス便器』のお嬢さま?」 「はうっ!」 その単語をユーヤが口に出した瞬間、マシロの身体が小さく跳ねた。 顔が紅潮し、ウサギの耳も垂れ下がり、目にはうっすらと涙が滲んでいた。 明らかに様子の異なった少女の姿に、その単語を口に出した当人も困惑してしまう。 「あの、大丈夫ですか?」 「う、うん。大丈夫。……今度は『ま○こ人形』って呼んでみてよ」 「……しょうがないですね。『おま○んこ人形』さん、大丈夫ですか?」 「んみっ!」 またしても、マシロの身体がぶるっと震えた。 息が荒くなり、少年の胸板にぺたっと頬を乗せてしまう。 「『おま○こ人形』のお嬢さま……本当に本当に大丈夫なんですか?」 「う……うん……はぁ……はぁ……。じゃあ、さ……さいごに、 『街中の人から視姦されているなか公開オナニーして潮まで吹いたあげく見ず知らずの人に穴という穴を犯されて精液注ぎ込まれて失神してからも悦がり続けた露出狂で変態で皆の公衆便所な淫乱メス穴ウサギさん』 って呼んでみて……」 「え、ぁ……お、覚えきれません」 「しょぼーん……」 「といいますか、そんなことやっていたんですか……」 断じてやってません。お嬢さまの妄言です。 「それじゃあ、本当にメス穴ウサギさんじゃないですか」 「っ……!!」 ユーヤがマシロの頭を哀れむように優しく撫でていくが、マシロはまたしても身体をぴくぴくっと震わせていた。 身体をもじもじさせて、せわしなく落ち着きが無い感じで、顔を真っ赤にして俯いている。 ぎゅっと少年の身体を抱きしめながら、マシロはどことなく悔しそうに、ぽつぽつと言葉を紡いでいった。 「うう。言霊を使えるヒトっているんだ。知らなかった……」 「え?」 「ことだま。魔法の基本で、言葉に魔力を乗せるの。言霊だけでもうま~く使うと暗示とか命令とかに応用できるよ」 「……もしかして、さっきから身体を震わせてたのは……」 「うん。ご主人の言葉、軽い暗示みたいになってる。ご主人の言葉を聴くたびに、背中がぞくっとするもん……」 それは単にマシロお嬢さまがドMだからです。間違ってもユーヤさんが魔法を使えるなんてことではありません。 と突っ込みを入れることのできる人物は、不幸にも今この場には居なかったのです。 お嬢さま。仮にも魔女なのですから、こういう初歩的なところで勘違いしないでくださいませ……。 □ マシロの部屋のちょっと狂いかけの暖房魔法式も、今日は機嫌が良いようだった。 一糸纏わぬマシロの褐色の乳房を、ユーヤの両手が包み込み円を描くように揉みしだいていく。 マシロはくすぐったさに身を捩るが、その動きを遮るように手枷足枷が音を立てた。 「はぁん……ぁん……っ!」 少女の両手首を拘束しているのは皮製のバンド。 バンドからベッドへは無機質な鎖が伸ばされ、手を頭の上で組ませた状態で動かないよう押さえつけている。 両膝にも同じ皮のバンドが巻かれていて、そしてそれは固い棒の各端に接着されている。 足枷に阻まれ、マシロは両足を閉じることが出来ないでいた。 隠すことのできない幼い割れ目は刺激を求めひくひく動き、愛液を撒き散らしながらベッドを汚していた。 手足のバンドの肌に触れる部分は柔らかな毛で覆われていて、 いかにも相手を傷つけることを嫌うウサギらしいSMプレイ用拘束具だ。 「あぁん……ご主人……ご主人……おま○こぉ……おま○こも弄ってよぉ……」 満足に動かすことのできない身体をもじもじと揺らしながら、マシロが甘い声でおねだりをしている。 ユーヤの手は、先ほどからずっとマシロの褐色の肌を滑るように撫でているだけだった。 起伏の少ない身体を、少年の指がツツツっと移動していく。けして秘所へと向かうことなく上半身のみを。 「ああっ! やぁん! おま○こぉ……ぐちゅぐちゅしてよぉ……おま○こぉ……」 焦らされるマシロは、腰をかくかくと前後にゆすり始めた。柔らかいベッドの上でマシロの身体が小さくバウンドする。 ユーヤがマシロの家にやってきてからの数日で、ユーヤが理解したことは3つあった。 1つ目は、マシロはじっくり前戯を行うと可愛らしい声で鳴くということ。 2つ目は、じっくり前戯を行って体力を消費させておかないと、ヒトはウサギと同じ土俵に立つことすらできないということ。 最後の1つは、そんな小細工をしてもなお、ヒトはウサギに敵わないということだ。 「あっ! んっ! あっ! あんっ! んっ!」 お尻を擦るシーツのくすぐったさと、無毛の秘所を撫でるそよ風の感触にすらも、マシロは感じてしまう変態さんだった。 このまま腰を揺すり続けられていれば、ユーヤが何もしなくてもマシロは絶頂に達することができるのだろう。 ……それは何となく面白くなかった。マシロの股座を、ユーヤの手が擦り始める。 「気持ち、いいですか?」 「あっ! ご主人っ! ごしゅじん……っ」 思わずマシロは足を閉じようとするが、それは膝に付けられた足枷によって阻まれてしまう。 手で少年の腕を掴もうとしても、手枷の鎖がガチャリと音を立てるだけだ。 少女は自分の秘所を擦ってくる少年の手を押さえることができない。 「ふ……んんっ……は……ぁ……はぁ……っ!」 ゆったりとした動きで、ユーヤの手のひらがマシロの股間を撫で回している。 ユーヤの唇がマシロの首筋に当てられた。舌を這わされてマシロの身体も震える。 抱き寄せようとしても、突き飛ばそうとしても、無機質な金属音を立てる枷に遮られて動くことはできない。 ましてや膣に潜り込んでくる中指を、どうやって止められようか。 男にしては華奢なユーヤの指が、淫蜜を湛えるマシロの中をくにくにと捏ね回し始めた。 「ふぁああっ! っふぁあああっ! おま○こイくううっ! いっちゃあああっっ!!」 柔らかな肉を捏ね回すと膣壁が指を締め付けてくる。 そこで指を出し入れするとヒダヒダが擦られ、その指の動きに合わせてマシロの身体もひくひくしていた。 秘所から愛液が溢れ出してユーヤの手のひらにべっとりと引っ付いている。 「お嬢さま、ここも弱いんですよね? クローディアさんから聞きましたよ」 「ひっ! あああっっ!! そこだめっ!! いっ、あああああ……!」 ユーヤがにやりと笑みを浮かべる。マシロは一瞬、嫌な予感に鳥肌が立った。 少女の身体とベッドのあいだに潜り込んだユーヤの手のひらが、少女のおしりの上あたりに狙いを付けた。 ちょこんと身体にくっついているマシロお嬢さまの『うさぎのしっぽ』を、ユーヤの手がまさぐり始める。 秘所と尻尾を同時に愛されてしまい、耐えかねたマシロはついに理性を手放してしまう。 「ああっ! ああああああ……っっっっ!!」 吹き出された潮があたりに飛び散る。少女は震える声で絶叫し、身体を痙攣させた。 幼く狭い膣が、中に入れられた少年の指を咥え込んで離すまいと強く締め付けてきた。 その締め付けにも関わらず、ユーヤは指の動きを止めない。 マシロの暴れる手足は、しかし頑丈な枷によって拘束されたまま。 ガチャガチャと鎖が音を立てるだけで、その動きを完璧に封じていた。 「『おま○こ人形』のお嬢さま、気持ち良いですか? ビクビクしちゃって、いっちゃっているんですよね?」 「あ……ああ……言わないで……言わないで……!」 いまだ絶頂を味わい続けるマシロに、言葉攻めを軽く行う。 柔肉が指をきゅっと締め付けてくる。それに合わせて指をくるっと回して中を擦るとマシロの身体が跳ねた。 少女の愛液ががユーヤの手を汚す。指を締め付けてくる肉の柔らかさに、思わずユーヤは唾を飲み込んだ。 「……お嬢さま。その……入れても良いですか?」 少女の中を指の腹で擦りながら、少年は呟いた。 マシロは、赤い顔をこくりと縦に振る。 その返事を確認してユーヤは指を引き抜くと、マシロの脚を高く上げさせた。 膝を枷で固定されたまま上げられ、マシロの脚はM字形に固められてしまう。 その中心に位置する、熱い蜜壷の入り口。 ユーヤの身体がマシロを求めているのと同じように、マシロの身体もユーヤを求めていた。 「うん……来て、ご主人……。私のおま○こ、おち○ちん入れて……欲しいの……。欲しいよ……」 小さく甘い声でおねだりするように呟いた。もじもじと身体を動かすと、陰唇もつられるように蠢いた。 少女の愛液は女の入り口を汚し、おしりを伝って滴り落ちている。雌の臭いがあたりに立ち込めていた。 ユーヤは硬くなった自分をマシロの女の入り口に軽く触れさせた。マシロがぴくんと反応する。 触れ合う先端から少女の体温が伝わってくる。 「あぁ……んんんんっ!」 ゆっくり腰を前に出すと、マシロの秘所が剛直をぬるりと飲み込んでいく。 一度達したからなのか、今日も膣は熱く震えていて、異物に貪欲に噛み付いてきた。 雄から精液を搾り出すために雌に備わった身体の機能。膣壁の収縮。膣襞のざわめき。 「っ……! お嬢さま、今日も気持ち良い……」 「ご主人……。あっ! んっ! っ! っ! んっ!」 せっぱ詰まったような少年の声。 マシロはビクッと手足を震わせるが、やはり手枷と足枷が邪魔し、金属音が鳴り響くだけだ。 「うぅん……やっぱりこのおもちゃ嫌い……ご主人に抱きつけないよぉ……」 涙まじりに言葉を発する少女。 いつもの正常位ならば決まって抱きついているはずなのに、今日は拘束され手足を絡めることもできないでいる。 そのかわり、いつもより少しだけ強い締め付けに、ユーヤの身体に快感が迸っていく。 「んっ……んぅ……はぁあ……」 ユーヤが腰をゆったりと前後させていくと、マシロの口から甘い息が漏れていく。 拘束され動くこともままならない、いたいけな少女を蹂躙していく背徳感。 しかし蹂躙する少年もまた、精液を搾り取ろうとする少女から攻め立てられる立場にあった。 マシロの震える膣襞が、ユーヤの男根を包み込み扱き上げていく。 「ふっ……ああっ! あ゛あっ! あ゛あっ!」 ユーヤはマシロの脚を抱えながら、膣内を掬い上げるような突き入れへと攻め手を変えた。 擦られる箇所が変わり、膣内のまた新しい場所が新鮮な快感を生み出し、少女に襲い掛かってくる。 膣が収縮し痙攣し、ペニスが淫蜜を湛えた雌肉でもみくちゃにされていく。 「あぁんっ! そこっ! おま○こっ! おま○こイイよおっ!」 快楽に夢中になったマシロが、僅かに動く腰を左右に捩って悶えている。 その不規則な動きにペニスが扱き上げられる。今度はユーヤが悲鳴をあげる番だった。 「ご主人っ! 私をっ! 雌奴隷のマシロの身体を、いっぱい使って気持ちよくなってっ!」 「はぅあっ……お嬢さま……出る……っ!」 少年の側が先に限界を迎えてしまった。 ユーヤはマシロの身体を抱きしめながら、その幼い身体に精液を注ぎ込んでいく。 腰を掴み、一滴も外に零すまいと腰を押し付け、少女の子宮へと熱い子種を染み渡らせていく。 その顔は雌の身体に種付けできたことの快感に蕩けていた。 「あぁん! いくっ! おま○こイくっ! ふぁあああああぁぁぁあああ!!」 種付けの快楽に誘発され、遅れて少女も絶頂に達した。少年の下で背筋を反らし、射精を感じて身を振るわせる。 上に乗った少年の身体がときどき震えているのは、少女の膣が痙攣し精液を搾り取っているからだ。 今だ入りっぱなしの少年のペニスを咥え込み、精液を一滴でも逃すまいと膣ひだがペニスを捏ね回している。 達してなおペニスを刺激してくる雌肉に、ヒトである少年はついに根気負けしてしまった。 「はぁ……はぁ……はぁ……」 荒い息の少年が、少女から男根を抜き去り、少女の横に大の字に寝転がった。 「……ぁ、あれ? ご主人……?」 そんな少年の姿を見て、マシロは頭のうえに疑問符を浮かべた。 褐色の肌も上気し赤みを帯びている。潤む瞳に滲む唾液。 はぁはぁと荒い息を付きながら蕩けた笑顔を浮かべる様は、まるで「もっとして!」と語りかけているようで…… ……否、語りかけているようなのではない。現に語りかけているのだ。 「すみません……ちょっと休ませてください。昨日も殆ど眠れなくて、体力が……」 「あう……しょぼーん……。おま○こぉ……」 残念そうなマシロは、柔らかな布団にぐでっと仰向けに身体を投げ出した。 拘束具ががちゃりと無機質な音を立てる。 「じゃあ……せめて、おもちゃを入れてほしいなぁ……」 「……は~い」 少女のおねだりに、少年はサイドテーブルに置かれたバイブの1本を手に取った。 可愛らしいピンク色の竿にグロテスクな無数のイボが付いている、マシロお嬢さまお気に入りのうちの1本だ。 魔力ではなく魔洸で動くその玩具は猫の国からの輸入品。 マシロ曰く「兎国よりずっとエッチな国」らしいが、さてはて……。 「んっ! あはぁ!」 動けない少女に変わって、その秘所に極太のバイブを沈めてあげる。 スイッチを入れると、マシロは可愛らしい嬌声をあげた。 中で激しく動いているのか、あひあひ声が止まらない。 「ごしゅじん……抱きしめてほしいな……」 2個目のおねだりにも、少年は素直に頷いた。 マシロには拘束具が付いたままだが、そんな幼い身体を優しく抱きしめていく。 「はぁあ、はぁあ、はぁあ……。こうしていると……っ、ご主人に犯されてるみたい……」 目を瞑って、ユーヤの温かさと優しさを感じながら、玩具に与えられる快楽に夢中になっていく。 「はああんっ! ご主人、いくっ! おま○こイくよっ! イクイクっ! いくうっ!」 ユーヤはバイブを手に、優しくズコズコと抜き差ししていく。 引きつったような声をあげながらも、恍惚とした笑みを浮かべながらマシロは幾度めかの絶頂に達した。 暴れる少女の身体をがちゃがちゃと音を立てる鎖が押さえつけている。その身体を更に少年が抱きしめている。 派手に潮を吹きながら、存分に玩具の感覚を味わい、そして淫らに狂っていった。 □ 数刻の後、マシロの部屋からユーヤが出てくる。 ドアの隙間から一度中を窺い、そしてドアを静かに閉める。 そんなユーヤに、リビングで仕事をしていたクローディアが話しかけた。 「ユーヤさん。お嬢さまはお休みですか?」 「はい。イき疲れたようで眠ってしまって……」 「何回くらいですか?」 「う~ん。5回くらい?」 「あら、意外と少なかったのですね。よほど深く感じたのでしょうか……」 「あはは……」 何となくツッコミを入れたくなったユーヤだが、ここは乾いた笑い声だけで我慢する。 簡単に5回とは言ったが、少女の身体が痙攣し声が震え、秘所から愛液を噴き出しながら悶える姿は たぶん何も知らない子供が見たら泣き出してしまうかもしれない。それが5回もだ。 「それで、お嬢さまはいま、どんなご様子で?」 「あ、えっと、手足の枷はそのままに、バイブを弱で動かしていて、 それを抜けないようにバンドで固定してあります」 「抜かりはありませんね。上出来です」 うんうん頷くクローディア。ユーヤは再び乾いた笑い声。 ツッコミを入れたら負けだ。ここは異世界、ヒトの常識が通用しない世界なのだから……。 (注:ウサギの国だけが非常識という説もある) 「それではユーヤさん、今度は私を愛してくださいますか?」 「……はい?」 「いえ、ユーヤさんはこの家に着てから、お嬢さまばかり相手にしてきたでしょう? ですから、そろそろ私が愛されてしまう番かと思いまして……」 「……遠慮しておきます」 正直なところ、マシロの後半は玩具が担当していて、ユーヤ自身は既に臨戦態勢が整っていた。 だが、マシロ戦“夕方の部”“夜の部”“深夜の部”の3連戦が後に控えているのだ。 ここで余計な体力を使ってしまっては……文字通り死んでしまう可能性すらある。 誘いを断られてしまってクローディアは残念そうに微笑んだ。 「私も女ですから、その言葉は傷つきますよ。……後で、お相手してくださいね」 「えっ? あ……ごめんなさい」 ユーヤは思わず謝るが、これでクローディア戦が確約されてしまったことにユーヤが気づくのは 少し後のことである。 □ 「ところで……あのことはもうお嬢さまには伝えたのですか?」 「あのこと?」 「はい。ユーヤさんがこの国に来られた理由を、奴隷商人のかたから伺いまして」 仕事もだいたい一段落したのだろうか。 クローディアは書類を揃え、バッグに片付けながらユーヤに問いかけた。 ユーヤは僅かな時間だけ、心当たりを考えて……。 「……ウサギの魔女ならば、僕が元の世界に帰る方法を知っているかも、という話ですか」 「はい。お嬢さまは魔女ですから、もう相談してあるのかと思いまして……。 私としては、金銭的にも心象的にも、ユーヤさんには居なくなってほしくはありませんけどね」 金銭的……ユーヤはマシロに買われた性奴隷だ。その奴隷が勝手に居なくなるというのは問題だという話だろう。 心象的とは……親しい間柄との別れは辛い、ということだろうか。こちらなら悪い気はしないとユーヤは思った。 「うーん……。帰りたい気持ちが無くなったわけじゃないですけど……今はまだ相談していません。 えっと、なんか僕、妙に懐かれちゃいましたし……」 「ふふ。確かによく懐かれてますね」 ユーヤが恥ずかしそうに笑う。クローディアも笑みを浮かべた。 少年が元の世界へと戻るのは……そもそも、元の世界に戻れるのかの話は、今はまだ時期尚早なのだろう。 どれだけ精液を搾り取られても、自身に懐いてくる少女を振りほどいてまで去っていく心は、 ユーヤは持ち合わせていないのだった。 □ 時は流れ、夕刻。 「お嬢さま。注文した品物が届きましたよ」 「ふえ?」 来客に対応していたクローディアが、小包を持ってリビングに現れた。 どうやら通信販売か何かの運送やさんがやってきていたらしい。 マシロは雑誌を読む手を止めて、クローディアの側へと駆け寄っていった。 「あ、これかぁ。けっこう来るの早かったね」 「はい。さっそく着けますか?」 「うん!」 嬉しそうな笑みを浮かべて包装を剥がしていくマシロ。 中から現れたのは銀色に輝く首輪。表面には「性奴隷 マシロ」の文字が大陸共通語で刻まれていた。 「あれ? お嬢さま、どうしたんですか?」 お手洗いから戻ってきたユーヤが、小包を囲む二人に気付いて声をかけた。 「あ、ご主人、いいところに!」 「お嬢さまが注文していた、ヒト奴隷用の首輪が届いたんです」 「というと、僕の首輪ですか」 「いいえ。お嬢さまの首輪ですよ」 「私が着けるんだよ」 一応、書面上はマシロがユーヤの性奴隷となっているはずだ。 そのマシロがヒト奴隷用の首輪を着けることは、理にかなっているのだろうか。 「これで、名実ともにお嬢さまが性奴隷になりますね」 「うんっ!」 微笑みながらマシロの頭を撫でるクローディア。マシロも嬉しそうに目を細めて笑顔を浮かべた。 一方、ユーヤは若干の眩暈がしたようだ。一瞬だけよろけていた。 「さっそく着けましょうね」 首輪は金属製で、手錠のように開く構造になっていた。 クローディアはマシロの首に手を這わせ、首輪を着けていく。 首を絞めてしまわないように指が入る程度の余裕を持たせて、マシロの首に金属の輪が取り付けられた。 続いて、クローディアは首輪の入っていた小箱から名刺大の紙切れを取り出した。 「行きますよ。光りますから、目を瞑っていてくださいな」 「……ん」 マシロが目を閉じる。ユーヤも一緒に目を瞑った。 名刺大の紙切れが首輪に押し当てられる。『バチッ!』と大きな音がして、閃光が輝いた。 ユーヤが目を開けると、首輪の合わせ目があった箇所は綺麗に繋がっていて、切れ目の無い綺麗なリングとなっていた。 奴隷少女の首に嵌められた、取ることの出来ない金属の首輪。 「……いまの、魔法ですか?」 「うん。魔方陣を紙に刻んだものだよ。今の魔法で、首輪に刻んである『絶対に取れませんように』って魔法を有効にしたの」 「絶対に……って、それじゃこの首輪を取りたくなったらどうするんですか?」 ユーヤの疑問に、マシロは首をかしげた。 「首輪は取らないよ? だって奴隷だもん。取れちゃったらいろいろ困っちゃうよ……」 「まあ、ユーヤさん。一種の“ごっこ遊び”だと思ってください。かなり本格的ですが。 それにお嬢さまは魔女ですから、いざとなったら掛けられた魔法を消してでも外せるでしょう?」 「……うっ!」 何かに詰まったような呻き声が飛び出た。マシロの口から。 ユーヤとクローディア、二人の視線がマシロへと集中する。 「……外せないのですか? てっきり外せるものとばかり思っていましたが……」 「あは……あはは……。ちょっと奮発しすぎて高い首輪を買っちゃったんだよね。魔法がけっこう強めのを」 「まさか一生このままということは……」 「う~ん、外れないことはないよ。一週間くらい徹夜すれば外せるかな。今は外す気は無いけどね」 なんとなく恥ずかしいのか、顔を赤くしてはにかむマシロお嬢さま。 クローディアは、時間がかかるものの首輪は外せると分かり、ほっと安堵の息を漏らしていた。 困惑した表情を浮かべているのは、ユーヤただ一人で……。 「お嬢さま、あの……その首輪を着けたままというのは、さすがにまずいのでは……?」 「うん? えへへ、だいじょうぶだいじょうぶ。そもそも私はご主人の性奴隷なんだから、何も変なことはないよ」 能天気に笑うマシロ。その姿を心配そうに見つめるユーヤに、クローディアはこっそり耳打ちする。 「ユーヤさん。万一何か困ったことになっても、私も、お嬢さま自身も、対処する方法は持ち合わせていますから」 「でも……」 「本人は本気のようですが、所詮ごっこ遊びでしょうし……お嬢さまの気が済むまで付き合ってあげてください」 どうにも心配な気持ちは抜けきらないが、クローディアが大丈夫と言っているのだから…… ユーヤにはクローディアを信用しない理由は持ち合わせていなかった。 彼女は、満足そうな笑みを浮かべ首輪をカチャカチャ弄る少女を眺めて、母親のように微笑んでいた。 「ご主人っ。これで私は、みんなからエッチな性奴隷だって言われちゃうね」 「うーん……あの、やっぱり、ちょっとやりすぎかと思うんですが……」 「ううん、いいの。好きでやってることだから。それよりご主人も、ちゃんと私を性奴隷として扱ってよ?」 首輪弄りを止めたマシロが、絨毯の上にぺたんと腰を下ろす。 スカートを手で捲り上げるとそこには下着は無く、愛液に濡れぼそる秘所が丸見えになってしまう。 はしたなく脚を広げると、羞恥を含んだ熱く震える声で誘いかける。 「ご主人……来て……。私のココ、ご主人が欲しい欲しいって疼いているの……」 男、つまりユーヤを求めてヒクヒクしているマシロの秘所を目の前に、悲しいかなユーヤの本能は正直だった。 少女の主人であるはずのユーヤには何故か選択権が無い、奇妙な状況。 対マシロ戦“夕方の部”のゴングが、今まさに打ち鳴らされた瞬間だった。 ■ 嘘つきウサギが召使いの物語 §2.ウサギの飼い方 ~fin~
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嘘つき お前 嘘つきだったのか 知らなかったよ 酷いなあ もし俺が知っていたなら きっとお前を好きになることなんて なかった こんなにもお前のことで苦しむことなんて なかった お前 嘘を吐いていたのか 俺に気があるように 演技していただけだったのか 知らなかったよ 酷いなあ もし俺が知っていたなら きっとお前を深く愛することなんて なかった こんなにもお前を想うことなんて なかった お前 本当に嘘つきなのか 俺と交わした数々の言葉は 虚言だったのか 嘘だろ? なあ 信じたくないから俺は 信じないぞ 哂ってろよ 愚かな奴だと俺を哂えよ だけど お前 嘘つきじゃないから そうだと 信じているから ■アトガキ■ 「私嘘つきなの。貴方にも嘘を吐いていたの。」 モドル
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このページはこちらに移転しました 嘘つき 作詞/288スレ381 君の笑顔が見たくて 嘘をついた ずっと一緒にいたくて 嘘をついた とっさに隠した傷 すっかり塗り固めて ほんとの気持ち隠して 嘘をついた ほんの些細な想いで 嘘をついた 僅かに綻ぶ顔 僅かに綻ぶ糸 二人近くなってゆく 二人脆くなってゆく 今更 言えないよ 見せられないよ 蓋をしていたら いつしか 腐ってしまってたんだ 全ては 臆病な 僕の弱さを 埋め尽くすための 小さな 拙い抵抗なんだ 今日だけは笑って許して
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嘘つき村 和久津智、才野原惠が住んでいる村。 もちろん実際に住んでいるわけではなく、嘘つき常習犯に授けられる称号のようなもの。 元ネタは論理学の教科書などで有名な「正直村と嘘つき村」だと思われる。 正直村を目指す旅人が二分岐する道に差し掛かった。 片方は正直村への道、もう片方は嘘つき村への道である。 その分かれ道には男が一人立っていた。 その男は正直村か嘘つき村の住人である。 一回の質問で正直村への道を知るには、どのような質問をすればよいか。 一般的な答えとしては「あなたの村へ行くにはどっちの道を通ればいいですか?」がある。 これならば、正直村の住人も嘘つき村の住人も正直村への道を教えてくれる。 名前 コメント
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嘘つき事件 うそつきじけん (名・ANN)LF前で女性に「伊集院さんまだですか?」と聞かれて「俺だけど」と答えたところ、持っていたプレゼントを落とし「嘘つき〜っ!」と言って泣きながら走り去った事件。その女性は「大島渚」よろしく「伊集院光」という名前から伊集院レイのようなルックスを想像していたらしいが、伊集院はそれまで放送で自らの容姿に触れたことはなかった為、嘘はついていない。その女性は伊集院初の出待ち/入り待ちファン。
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時間はそこで止まらない 2006-08-22 Gyaoで「少女には向かない職業」を見た。 原作は『GOSICK』の桜庭一樹の小説。13歳の大西葵と宮乃下静香の二人が二人の人を殺す物語。 第10回が良かった。原作にはない最終回。これで一度完結したはずの物語がもう一度戻ってくる。美食を楽しみでもそろそろ満腹の域を超えつつあって、そんな時にともかくも飲み下して胃に納めたはずのものがふとした気の緩みでもう一度喉を伝って戻ってきて、とはいえそれをあからさまにゲロするわけにもいかず、胃液の苦みを感じながらもう一度咀嚼し続けている感じ。 この回がなければ、それなりに不幸な状況に置かれた二人の少女が友情と自尊心だけを最後のよすがに不器用に状況に立ち向かおうとするハードだけれども切ない青春ドラマとして自己完結したはずの物語は、最終回によって一気に12年という時間を跳躍しながらも視聴者のリアルな時間と接続される。二人の時間は物語の中で自足することを許されず、物語の外の視聴者の時空間に繋がる。 主人公の一人大西葵は12年後荻窪駅前の書店でアルバイトをしている。物語の中の少女は、その後の時間の中で物語を陳列する棚の並ぶ書店で、時折こっそり売り物の本を持ち帰って読んだりしながら、働いている。いつか少女は物語の外に出なければならない。 どちらかと言えば静香の方が物語の中に居続けている。大学に進学しイギリスに留学する静香は、けれども人との距離を取り続け取り巻く環境に違和感を感じながら暮らし続けている。その場に適応しつつ実際には半透明な膜によって自分と外とを区分けしながら生き続けている。そもそも葵に本を読むことの楽しさを教えたのは静香だった。葵と出会うまで一人の友達もなく物語の世界の中に生きていたのは静香だった。静香にとって葵は物語の外との接点。けれども13歳の時には葵が静香の物語の中に巻き込まれてしまったのかもしれない。12年後、葵を訪ねる静香を現実の世界に繋いだのは葵だった。それゆえ静香は葵に感謝する。 最終回は、殺された二人の死も物語の中からサルベージする。物語の中で死んだ二人の人間の死が、物語の外で質量を得る。13歳の青春を駆け抜けて燃え尽きたはずの二人の12年後にその重石が載せられている。久しぶりに再開した二人が喫茶店で交わす言葉は数少ない。語るべき言葉は全て12年前に二人で体験してしまった。その後の12年のそれぞれの暮らしの重さよりもその後の12年の二人の間の空虚さが、にも関わらず13歳の時の二人の間にあった濃密な関係を呼び覚まして語る言葉を失わせる。 二人を捉える常に震えるような不安定なカメラは、その時々の彼女達の気持ちを上手く表現していた。殺され役の萩原聖人も要潤も殺されるべくして殺される嫌な役をうまく演じていたけれど、葵と親しくなる先田庄司警察官役の渡辺いっけいがとてもいい。物語の中で彼女達を唯一物語の外へと繋ぐ可能性として存在したゲートとしての存在。けれども最終回でも描かれていない彼のその後の人生を考えるならば、それはもしかしたらとても切ないものだったかもしれないと思う。 オープニングに毎回挿入される「中学二年生の半年間で、私大西葵13歳は人を二人殺した/少女の魂は殺人に向かない、誰か最初にそう教えてくれたら良かったのに/でもその時、私たちのそばには誰もいなかった」という言葉が、この作品のキーフレーズだ。人は出会う人にとって次の部屋に進むためのドアなのかもしれない。葵は静香に会ってひとつのドアを開け殺人という部屋にに入っていった、けれども葵は本当に小さな非常口として先田警官と出会っていた。第9回で二人を救うのは先田警官というドアだ。物語は本来、彼を救済へのドアとして終わっている。が、映像版「少女には向かない職業」では、第9回までの物語に第10回というドアが用意され、そこで第9回までの物語は別の時空間に接続される。その中で物語を生き続けてきた静香は、物語から踏み出しつつあった葵によって次の部屋へと誘われる、それは静香を現実の世界へと位置づけるための部屋なのだけれど、二人の人間の死という重みは二人の少女を救うには重すぎて、静香のためのゲートを用意するために葵の生は失われる。静香は三人の人間の死という重みによって開かれたゲートをくぐって次の部屋へと進んでいく。 映像版「少女には向かない職業」第10回は、決してエピローグではない。画竜点睛と言ってしまえばあまりにありきたりな表現になってしまうけれども、第10回という映像によって「少女には向かない職業」は転生を遂げている。