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いつもの通常営業のスマイルを湛えた古泉が俺の隣から一歩進み出て 鍵を刺し込み自室のドアを開ける 「ただいま帰りました」 あれ?ただいま、って・・・こいつ一人暮らしじゃなかったっけ? 誰か来てるのか?と思って部屋を覗き込むと 狭い玄関への廊下をしゅるしゅると這い出てくる長い物体が見えた うおっ!?蛇か?と思って思わず身を引くと そいつは前に佇む古泉の足元へとするすると巻き付き まるで頬擦りでもするように制服のズボンの太腿辺りを撫で擦っている 「・・・お前が言ってた見せたいものってコレか?」 「はい、お察しの通りです。」 太腿に絡みつく緑色の物体に古泉が指先でちょん、と触れると 嬉しそうにその指先へと移動する 「まるで意思があるみたいだな。」 「ええ、そうなんですよ。こちらが言うことをちゃんと理解してるみたいなんです。 ほら、お客様にご挨拶は?」 肩口まで上げた古泉の指先に乗っかった緑色の物体には 別に目があるわけでも口があるわけでもない それでも古泉の言葉を理解したらしいそいつは俺の顔を しばし見つめるとぺこりと頭らしき先端を下げた 「ね、可愛いでしょう?」 なぁ、古泉 言いたいことは色々あるが 俺はこの信じがたい状況をすんなり受け入れているお前が心配だよ ●分岐? おとなしい触手 アクティブな触手
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958 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/26(金) 19 30 51.63 ID SHe/T7JbP [6/11] 最終話か・・・ 大学へ通学するために高坂家を出て一人暮らしをすることになる京介 一人暮らしにはもったいないぐらいの広さと部屋数の家を探し当て、一人暮らしに思いをはせる そんな時に鳴るインターフォン ピンポーン 「はいはいはい」 誰だ?まだ誰にもこの住所教えてないはずなんだが。知ってるのはウチの家族ぐらいのはず。 業者の人か? ガチャリ 「はい、どなたさ・・・・・・」 「やほ」 「桐乃?」 「えへへ、来ちゃった」 悪戯っぽくそういった桐乃は超可愛いんだが、はて、来ちゃったとは? 「あんたの家ってさ、部屋、あまってんでしょ?」 「まあな」 一人で使い切るには少し多いしな。部屋。 しかしそんなことを聞いて桐乃は何のつもりなんだろうか。 ・・・・・・というか桐乃、その後ろに高々と積まれたダンボールは何だ。 「あたしの高校さ、こっちからの方が近いんだよね」 「そうなのか?」 「うん」 学校の名前は聞いていたが場所までは知らなかったな。 そうか、ここから近いのか。 いやな予感 が胸の中で膨らむ おかしな期待感 「だからね」 「?」 「あたしも、ここに住むから」 「・・・・・・はあ!?」 みたいに二人きりの同棲生活の始まりみたいのがあると俺得なんだが え?兄妹なら同居だろって?いやいやいや、この兄妹なら同棲で間違いないだろ。うん -------------
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P「同棲してるのがみんなにバレた」 執筆開始日時 2012/01/11 元スレURL http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326273752/ 概要 雪歩「で、でも誰なんだろう…」 春香「…」 千早「全く特徴になるようなところがなかったから多分一般人だと思うけど」 P(…春香に帰ってくるときはリボン外せって言っといてよかった) タグ ^ほのぼの ^コメディ ^天海春香 まとめサイト えすえす
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187+1 :名無したちの午後 (ワッチョイ 8e75-vxiR) [↓] :2018/05/28(月) 21 37 06.27 ID 5BY4YXD40 [PC] 「彼女と俺の恋染同棲」 とこはな 童貞 処女のカップル。 ヒロインは主人公と10年以上ぶりの再会。 それまでの間に告白されたことはなし。 転入してきて主人公と同じクラスになりテニス部に入るが、色目を使うような男はいない。 生理が重くて婦人科に通っているが、医者が男か女かは言及されない。 空き教室(施錠済み)と森の中でのアオカンが1枠ずつある。 出血CGあり。
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バカップル保守 同棲編2 「……学校行きたくない」 「はぁ? いきなり何言ってんだ」 「ママー。今日学校休むから。……ん、違うわよ。ちょっとさ……ね?」 「おいおい。本気か? お前が休むなら俺も行かないが……」 「あんたは行かなきゃダメよ。早く行ってらっしゃい」 「おわっ! 押すな……ってオイ! 鍵までかけるこたねーだろ! ……なんなんだよ、畜生」 バカップル保守 「ハルヒー。電話出ろよー。寂しいぞー」 「ハルヒー。メール返せよー。寂しいぞー」 「頼むってー。……俺、何か悪いことしたか?」 「してるな。授業中に携帯を使っている上に授業妨害の一人言。許してやるから保健室に行って頭冷やしてこい」 「……すいません」 バカップル保守 「ハルヒ……なんでだよ……」 「やっぱり帰って理由を聞くべきか……」 「そうだ、そうしよう。とりあえず腹が痛いということにして……」 「聞こえてるから帰っていいわよ~」 「……すいません、先生」 バカップル保守 「ただいま……鍵開いてるな」 「ハルヒー、ハルヒのお母さーん……台所か?」 「お帰りっ!」 「うぉわっ! いきなり驚かす……な……」 「ふふふ、驚いた? 誕生日おめでとっ! キョン!」 「あ、そっか……。今日は……」 「あんた自分の誕生日くらい覚えてなさいよ!」 バカップル保守 「あんたを驚かせたくてママにも手伝ってもらったの。あんたが昼に帰るのも予想済みよっ!」 「よく覚えてたな。俺も忘れてたのに……」 「あ、あんたのことだから当たり前じゃない!」 「ハルヒ……。ケーキ、手作りだろ? 食っていいか?」 「当たり前よ。早く食べちゃいなさい」 「……美味い。……美味い」 「ちょ、ちょっと……なに泣いてんの? 家を追い出したりしたのは謝るから……ね?」 「うるさい。俺は美味しくてうれしいから泣いてるんだ。いいな?」 「……うん。たくさん食べてね」 バカップル保守 「はい、プレゼント」 「あ、なんか悪いな。ありがとう」 「早く開けなさいよ」 「わかってるから急かすなって。……お、なんかいろいろ入ってるな」 「腕時計と、あたしとお揃いのストラップ。そしてあたしの愛情よ! ……チュッ」 「……ハルヒらしいな。サンキュ。……まだ何か入ってるな」 「…………」 「これ……『誓約書』? どれどれ。『あたし、涼宮ハルヒは一生キョンだけを愛して生きます』」 「…………」 「……大好きだぞ、ハルヒ」 「……うん」 バカップル保守 「誓約書か……重いな」 「一生だもんな」 「少しはまじめに勉強して国立大学狙ってみるか」 「一家の主になるんだからな。……あ、明日からは久し振りの我が家か」 「妹はハルヒに任せて勉強するか」 バカップル保守 「ただいま~……お、妹よ。実の兄を無視してハルヒに懐くとはいい度胸だな」 「いいじゃない。キョンよりあたしの方が好きなんだってさ!」 「……まぁいいか。ハルヒ、そのまま妹の相手してやってくれ。勉強してくるから」 「……妹ちゃん。今、キョンなんて言った?」 「勉強してくるって。ハルにゃん、明日は雨かなぁ?」 「雨じゃなくて雪かもね……さ、気を取り直して遊びましょ!」 バカップル保守 「キョン~、ご飯よ……ってほんとに勉強してる」 「飯? あぁ、もうそんな時間か」 「ねぇ、熱でもあるの? あんたが勉強なんておかしいわよ」 「コラ。額をくっつけるな。別に熱なんて無いから」 「それならいいけど……心配なのよ」 「はいはい。ありがとな」 「わぷっ。いきなり抱き締めないでよ。びっくりするじゃない」 「さ、飯行くぞー」 「無視すんなっ!」 バカップル保守 「ねぇ、また勉強?」 「あぁ」 「久し振りのキョンのベッドなのよ? 早く一緒に寝るわよ」 「ん~……。あと5分な」 「……いや。今すぐ来ないとあたし妹ちゃんと寝るから」 「……じゃあ今日は妹と寝てくれ」 「冗談よ! ……ねぇ、あんたおかしいわ。ちょっと来なさい」 「やれやれ。結局行かなきゃいけないんじゃねーか」 バカップル保守 「なんでいきなり真面目になったのか言いなさい」 「断る。いろいろと恥ずかしいからな」 「ほ~う。このあたしに向かって断る、と」 「な、なんだよ……」 「うりゃっ! これでどう? 早く言いなさい!」 「ばっ! や、やめろっ! 顔に胸を押し付けるな!」 「そんなこと言って実はうれしいんでしょ? ほらほら、早く言いなさいよ~」 「やめ、やめろ! 言うから! 言うからやめろ!」 バカップル保守 「ふーん。国立ねぇ……」 「わかったろ。だから邪魔すんなよ」 「……ていっ!」 「あだっ! 何故でこピン!?」 「あたしがいつそんなことを望んだかしら?」 「は?」 「あたしがキョンとイチャつく時間を削ってまで勉強しろって言った?」 「……いや。言ってないが……」 「あんたが相手してくれなかったらあたしは寂しくて死んじゃうわ。だから……やめてよ。別に二人で働いてもいいじゃない……」 「俺はだな、お前に楽をさせるために……」 「あたし全然楽じゃない。あんたが離れて手に入る楽ならそんなのいらない」 「う……」 バカップル保守 「ね? 考え直してよ。二人で働こ?」 「でもな……俺の男としてのプライドが……」 「そんなの捨ててよ。あたしとプライドどっちが……」 「お前だ」 「……まだ言い終わってないわよ」 「俺が悪かった。二人で働こうぜ。やっぱりハルヒと顔を合わせる時間が少ないのは嫌だからな」 「ほんと?」 「あぁ」 「ちゅっ。……へへ~、顔を合わせる時間!」 「意味が違うっての」 バカップル保守 「結局折れちまったな……。でも、やっぱりハルヒを寂しがらせたくないしな」 「…………」 「俺としても離れたくないし。大学行かない分、仕事を頑張ればいいか」 「…………」 「それにしても……胸は気持ちよかったな」 「…………」 「もうちょっと埋まっていたかったかも……なんてな」 「……エロキョン」 「やっぱり起きてたか」 バカップル保守 「おはよう。ハルヒ」 「…………」 「おはよう! ハルヒ!」 「うるっさいわね! まだ4時じゃない! もうちょっと寝せなさいよ!」 「寝てるてきにいたずらすると怒るだろ? だから起こしたんだよ」 「んんっ……む……。朝っぱらからなにすんのよ、エロキョン!」 「しょうがないだろ。昨日勉強してた分のリバウンドだ!」 「ちょ……苦しいから! 抱くならもう少し優しく……あはははっ! やめっ、ちょっ……くすぐるなぁはははっ!」 「(やっぱりこうやってるほうがしあわせだな)」 バカップル保守 「いただきまーす」 「……ねぇ、ハルにゃん。なんで朝から大声で笑ってたの?」 「何でもないのよ。ただキョンにくすぐられただけよ」 「ふーん……キョンくん。もっと意地悪しなきゃダメだよ?」 「なぜだ、妹よ」 「だっておかーさんが意地悪した分だけ仲良くなるって言ってたもん」 「…………」 「あ、あはは。妹ちゃん、あたしのイチゴ食べる?」 「食べるー!」 「(バカ妹よ。これ以上のいたずらってのは……アレだからな。簡単には出来ないんだよ……)」 バカップル保守 「ハルヒ、機嫌直せよ」 「あんたがあたしのプリン半分も食べたからでしょ! 絶対に許さないわよ!」 「……今からケーキ食べに連れてってやると言ってもか?」 「う……」 「そのまま街ふらつきデートって考えだったけど許されないならしょうがないな。学校行くか」 「しょ、しょうがないわね! ケーキ3つで許してあげるわよ!」 「……太るぞ?」 「あんたに怒鳴ってカロリー消費してるからいいのよっ!」 バカップル保守 「美味しいか?」 「当たり前じゃない。隠れた名店なんだから」 「そりゃよかった」 「な、なによ。その意味深な微笑は」 「べーつに」 「……照れるじゃない」 「それが見たいからな」 「嫌な趣味ね……」 「(ハルヒが美味しそうに食ってる顔からは目が離せないよな)」 バカップル保守 「デートでバッティングセンターか……」 「ストレス解消よ! うりゃー!」 「相変わらずよく打つが……パンツ丸見えだぞ」 「あんたになら見えても構わないわよ」 「……やれやれ。人がいないのが幸いか」 「ボーリング……」 「ストレス解消よ! とりゃー!」 「ターキーだが……またパンツ見えてるぞ」 「あんたになら見えても構わないって」 「わかっちゃいたが人はいないしな」 「運動系2連発できて映画か。しかも平日割引無しの恋愛映画……」 「ここなら人が少ないからね。……ずっと手繋いで見れるじゃない」 「……顔が見にくいのは残念だけどな。……チュッ」 「もう……バカ」 バカップル保守 「キョーン。起きなさい」 「ん……あれ、映画は?」 「終わったわよ。始まったらグッスリなんだもん。困ったわよ」 「あー、すまんな」 「ふふ、別に構わないわよ。時間はもうちょっとあるから買い物行きましょっ!」 「元気だな。ハルヒは……」 「(寝言でずっとあたしの名前呼んでくれてたからうれしいのよ! お陰で映画見れなかったけど)」 バカップル保守 「ね、二人でお互いにプレゼントするわよ」 「……?」 「なによ、その顔。だから30分後まで自由行動で、その後プレゼント交換ね。より相手を喜ばせたほうが勝ち!」 「あぁ、そういうことか」 「それじゃスタート!」 バカップル保守 「ついて来ないでよ」 「俺もこっちなんだよ」 「……やっぱり小物屋?」 「あぁ。お前もか?」 「こうなったらセンスの勝負ね……」 「受けて立とうじゃねーか」 バカップル保守 「キョンにはこれ似合いそうね……」 「おい、ハルヒ。これなんてお前に似合うんじゃないか?」 「ちょっとあんたこれ付けてみなさい。あたしはそれ付けてみるからさ」 「……なんかイメージと違うな」 「あたしもそう思うわ……じゃないわよ! 今は勝負の最中でしょ!」 「でもデートの最中だろ?」 「む……た、確かに」 「ま、とりあえず別のを探してくるよ」 「あ、うん……」 バカップル保守 「さぁ、勝負よ。あたしはこれ!」 「……普通のアクセだな」 「あたしとお揃い!」 「あ、それはうれしいな。サンキュ」 「ふふふふふ。さぁ、あんたは何を用意したの!?」 「ほい」 「何よ……カチューシャと髪止めの輪ゴム? こんなのたくさんあるわよ!」 「いや、ただ単に俺がして欲しかっただけだ」 「あんたね、少しは……」 「それにこの二つなら常にハルヒはどっちかは付けてるだろう? いつも一緒にいる感じがするしな」 「……ふ、ふんっ! まぁ許してやるわよ!」 「口許の緩み具合から判断すると俺の勝ちみたいだな」 「う、うっさい!」 バカップル保守 「あー美味い」 「あんた食べ過ぎよ!」 「勝負に負けたお前のおごりだから食べたっていいだろう?」 「くっ……」 「ほら、ハルヒ。あーん……」 「いらないわよ!」 「負けただろ?」 「うぅ……。最大の汚点だわ……」 「とか言って口を開けつつもまたうれしそうな顔してるよな」 「…………」 バカップル保守 「帰りたくないが帰るか」 「しょうがないわよね」 「ま、帰ってからも一緒だからいいけどな」 「うん。ずっと一緒にいれるからね」 「一生一緒にいるからな」 「……一生、だからね。約束よ」 「なんなら約束代わりに今日は小指だけ繋いで家まで帰るか?」 「それは嫌! あたしの定位置はここよっ!」 「別にいいけど歩きにくいんだよな。腕に抱き付かれるとさ」 バカップル保守 「ハルヒ」 「なによ」 「今、唐突にお前が作ったうどんが食いたくなった」 「……あんたね、デートであれだけ食べて、家でご飯食べてまだ食べる気?」 「お前が作ったのはまだ食べてないだろ?」 「まぁ……そうだけど……」 「よし、決めた。これからは一日一回はお前の手作りのやつを食うから」 「ちょっと。勝手に決めないでよ」 「頼むよ、な?」 「んむっ……しょうがないわね……待ってなさい」 「サンキュ!」 「(キスされて頼まれたら断れないわよ……もう)」 バカップル保守 「キョン。うどん出来たわよ~」 「…………」 「……寝てるし」 「すー……すー……」 「まぁね、疲れてこうなることはわかってたわよ」 「すー……すー……」 「自分で食べちゃお。……ん~、なかなか美味しい!」 「すー……すー……」 「キョンの寝顔見ながらうどんってかなり贅沢かも。あ~、おいしっ!」 バカップル保守 「あら、起きたの?」 「……ねみぃ」 「ごめん。あんたのうどん食べちゃったわよ」 「……うどんはいいからこっち来い」 「なに?」 「……これなら気持ちよく寝れる。おやすみ」 「(あたしは抱き枕代わり? まぁ別にいいけど……うどんのお椀、洗えないわね。どうしよ……)」 「…………」 「(この顔見たら起こせないわね。明日洗うことにしよっと)」 バカップル保守 「キョンってどこまで考えてるのかしら?」 「あたしはキョンが18になったらすぐに籍入れたいって思ってるけど……」 「式挙げるにはお金もいるし……」 「悩みは尽きないわね」 「すー……すー……」 「あたしの気持ち知らないで平和な顔で寝れるのが羨ましいわ……」 バカップル保守 「早く寝過ぎるとこんな時間に起きちまうんだよな」 「…………」 「ハルヒ寝てるし……暇だな」 「すー……すー……」 「ハルヒにいたずらして時間潰すか。まずはほっぺを摘んで……」 「む~……すー……」 「可愛いな。次は耳とか……」 「ん~……ん~……」 「やべ、面白い。次は鼻……」 「ん…………んん……」 「あんまりやると危ないか。ごめんな、ハルヒ。お詫びにキスしてやる」 「……ルール違反よ」 「うおっ! お、起きたのか!?」 「誰かさんが鼻なんて摘むから息苦しくてね」 「すまん……」 「お詫びとしてキスしなさい」 「ちゅっ。……ハルヒ、ありがとな」 「な、なんのこと? あたしはもう一回寝るから起こしてね!」 バカップル保守 「ん……」 「おはよう。ハルヒ」 「……顔近いわよ」 「お前の寝顔がたまんなく可愛いからな」 「あんたまさか……あたしが寝てからずっとその距離?」 「飽きないからな」 「呆れた……。で、今何時? キョンのママのお手伝いしなきゃ」 「ん? 11時半だぞ」 「ふーん、11時半……ってバカ! なんで起こさないのよ!」 「いや。だから見てたらつい……」 「…………ほんと呆れた」 バカップル保守 「いい加減恥ずかしいんだけど……」 「赤くなったハルヒも可愛いぞ」 「あんた今日はキャラがおかしいわよ」 「悪口叩くお前も可愛いな」 「はっきり言うわよ。キモいってば」 「照れんなって」 「照れて……るけどさ」 「俺は一人でしあわせに浸ってんだ。寝てもいいぞ」 「あーもう! ムカつく! あたしもしあわせに浸るわよ!」 「おい、顔が見えん。顔を上げてくれよ」 「あたしはキョンの胸板に顔を埋めるのがしあわせなの!」 「……やれやれ。じゃあ俺はこれで我慢するよ」 「ちょっと……やめ……背中撫でるの反則ぅ……」 バカップル保守 「……ねぇ、キョン」 「どうした?」 「今日さ、あたし頑張るから……その……少しいろんな所触ってよ……」 「無理すんなって。焦らなくていいんだぞ?」 「違うわよ……。あたしが触って欲しいの。だからさ、あたしが『やめて』って言うまで……ちょっとエッチなことしなさいよ」 「……お前がそこまで思ってるならやってやるよ」 「キョン」 「ん?」 「優しくしてね?」 「……ばーか」 ちょっと大人なバカップル保守 「大丈夫か?」 「ん……背中はあんた……やってたじゃない……んっ」 「なんか俺までドキドキしてきたぞ」 「ちょ……お尻は……」 「やめとくか?」 「……まだだいじょぶ」 「…………」 「うぅ……エロキョン……やっぱり無理、ごめん」 「だから無理はするなって。ほら、抱き締めてやる」 「ごめん。ありがと……」 「ははは、やっぱり顔真っ赤だな」 「うるさいわよ、エロキョン……」 「(俺はこれだけでもしあわせだからいいけどな)」 ちょっと大人なバカップル保守 「ほんとはキョンにいろんなことしてもらいたいのにな……」 「なんであたしって我慢できないんだろ。気持ちいいのに……」 「あれ? 気持ちいいのって我慢しなくていいのかしら?」 「どーでもいいから寝ろ。一人言がうるさいぞ、変態」 「ばっ……だ、誰が変態よ! エロキョン!」 ちょっと大人なバカップル保守 「昼寝なんて出来ないわよ。ドキドキして」 「すー……すー……」 「……ちょっとイメージトレーニングするわね。手、借りるわよ」 「すー……すー……」 「ふーん……他人に胸を触られるってこんな感じなんだ……うぅ~……」 「すー……すー……」 「ふふふ……今はそうやって大人しく寝てなさい……んっ。起きたらあたしはたぶん大丈夫になってるんだから。んぅ……」 「(ほんとは起きてるけどな。なんだか思春期が遅れて来てるな、ハルヒの奴)」 ちょっと大人なバカップル保守 「俺は健全な恋愛を希望する」 「な、なによ起きたと思ったらいきなり……」 「無理して肉体関係を持つ必要なんかない。そういうのは二人とも自然に出来るようになるもんだ」 「…………」 「だから俺はこういう関係を望む! とうっ!」 「あぁもう! だからなんで抱き付くのよ! あんた最近おかしい!」 「愛情表現だと思え!」 「痛い痛い! 愛情はわかったから少し緩めなさーい!」 やっぱりこどもなバカップル保守 「そしてまた先に寝ちゃうのね……」 「すー……すー……」 「確かにあたしは少し焦ってたわ。反省しなくちゃ」 「…………」 「起きてるわよね。一応謝ってやるわ。ごめん、キョン」 「…………」 「反省ついでに明日からはちゃんと学校にも行くわよ」 「……おう」 バカップル保守 同棲編3へ
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307 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/22(日) 00 53 59.43 ID Fk6raj470 【SS/大学生京介の同棲疑惑】 桐乃スレ45-140様および145様の構成を元に、勝手ながらSSを作成いたしました。 妄想主の希望に近い展開であったら幸いです。 ――――――――オープニング―――――――――― 高校を卒業し、東京都(とっても23区外だけどよ)にある○○大学に通う大学生となった俺、1年半前までは平凡な人生を歩んできた高坂京介。 今、季節は初夏。新生活にも馴染み初め、徐々に勉強漬けだった1年前の生活と180度違う環境を楽しめるようになってきた。 そう、当初、入学するはずだった地元の国立大学を蹴り、更にワンランク上の東京の大学を受験し、見事現役で合格した。 こういう風に現状に甘んじず、上を目指そうと思ったのは、一番身近な頑張り屋の影響であることは否定しない。 でも、合格しても浮かれてばっかりにはいかなかった。 それはそれは深刻な二つの問題点があって、その一つが通学するのに1時間半位かかることだ。 通えない距離でもないので、サラリーマンよろしく長距離通学を覚悟した矢先、両親から薦めてもらい自由な一人暮らしすることが許された。 よし、オーケィ、一つ目の問題点はクリアできた。だが、もう一つの問題点である『桐乃』はどうか。 もう自認しているが、重度のシスコン野郎である俺は、桐乃と離ればなれになる事を恐れたわけだ。 しかーし、決して桐乃と毎日逢えなくなるのが淋しくて辛いわけじゃない。あいつに近づく男がいてもブン殴れないのが悔しいのである!! チクショウ!!こんな事なら麻奈実と一緒の地元大学に入学するんだった!! 桐乃は、そんな俺の気持ちを察してか、大学合格し、一人暮らしをすることが決まった後、こう言ってきた。 「京介、あんたは病的なシスコンだから、あんまり逢えない時間が長いと、久々に帰った来た時に、あたしが襲われるかも知れないし…。だから、毎週そっちに行ってあげるから感謝しなさいね!!」 「ふぇ!!」 「キモい声出すな!!あたしが居ないと寂しくて死んじゃうんでしょ!?あたしも襲われないし、京介も死なないし良いこと尽くめじゃん!!」 顔を焼きリンゴみたいに真っ赤にして俺を励ます桐乃が可愛くて愛おしくて死にそうになった。 「…、桐乃?やっぱり、お前が一番だな!!俺は、桐乃の一番傍に居れて本当に嬉しいぞ!!」 「!!!!!!!!!!!」 不意に抱き着こうとしたら、俺の胸を両手で突き飛ばし、急いでリビングから出て、ドタドタと自室まで戻っていった。 その後、なぜか桐乃主導で、俺の住む場所を相当こだわった条件のもと決め (オートロック、間取りは絶対に1LDK、宅配ボックス付、脱衣所付、と社会人並のスペックを要求され、相当難儀したんだが…) いざ、大学に入学したものの、知ってるやつは一人も居ないし、当初は不安だらけだった。 けど、体育会、文化会、サークル合同の新入生歓迎会(各々が自分たちはどういう事をやっているか説明するプレゼンの場だ) の後にふと目についた『写真』サークルへの入会が俺の大きな転機となった。 「写真」なんてこれっぽっちも興味はなかったが、桐乃の笑顔を向けているその先にカメラマンがいることを考えると心中穏やかじゃなくなる自分がいた。 水着やミニスカ、その他、露出が多い写真を撮るときに、撮影者はどんな気持なのか? 勿論、プロだし、中学生ごときに欲情するはずもないと思うが、実の兄か異性としても意識せざるおえない魅力を持っている桐乃ならば…? と、写真サークルの案内版の前で悶々と考えていると、超絶イケメンが声を掛けてきた。 「君、写真を撮ることに興味があるのかい?」 「いえ、身近な奴がモデルでして…。そんで、撮影する側はどんな気持ちなのかと思っていたんですが…」 「へぇ、奇遇だね。実は僕の弟がモデルでさ。でも、普通の雑誌だけじゃなく、こすぷれ?ってやつも嗜むんだよ」 「そうなん…、すか」 「どうかな。もし時間が空いているなら、我がサークルの説明をちょっとだけ聞いていかないかい?」 こうして俺は写真サークルへ入ることになった。 この事を家族や友人たちに話をした時の周りの反応は、親父以外、酷いものばかりだった。 お袋には親子そろって桐乃の写真を撮るのかと冷やかされた。(←将来的にはそうなると思う) あやせには犯罪者と断定されたうえで通報されかけた。(←思い出しただけでも泣きそう) 黒猫や沙織には桐乃が居るにも関わらず『独占欲が天元突破したシスコン兄貴』と罵られた。(←否定できなかった) 肝心の桐乃は顔を下に向け表情を伺い知ることはできなかったが…、全身をワナワナと震わせていたから怒ってたのかも知れねーな。 …、とまぁ、そんなこんなで今に至るわけだ。 ―――――――――本編――――――――――― 今日は金曜日、サークルで仲良くなった同期2名を初めてウチに招待し、とある疑惑を晴らす日だ。 実は、頑なに俺が部屋に誰も入れないせいで、彼女との同棲疑惑が持ち上がってしまったわけだ。 勿論、あの約束がある以上、俺には彼女なんていない。 それでも部屋に入れられない原因は押しかけ女房みたいに毎週やってくる桐乃だ。 仕方ねーだろ、桐乃のやつが自分の荷物をどんどん持ち込みやがってよ…。 可愛らしい小物入れ、インテリア、クッション、スリッパ、歯ブラシセット、食器…。と、この位はまぁ良いとしよう。 他にも、入浴なんかしたことねーのに入浴セット、泊まったことなんてねーのに、枕とかブランケット等々、いつ使うんだよっていう代物まであるんだぜ。 正直、俺の私物より多い気がする…。 まぁ、俺も俺で冷蔵庫にプリクラ貼ったり、机の上にツーショット写真を飾ったりしているもだからよ、 傍から見たら彼女とラブラブ同棲しているとしか思えない状況。 てなわけで、あらぬ疑いを掛けられぬよう昨日の夜、桐乃グッズを一通り風呂場に格納し、女のニオイを消し去り、男一人の生活に見せる工作を施し今日を迎えた。 「へぇ、良いとこに住んでるんだな、高坂」 「それほどでもねーよ」 オートロックのエントランスを通り、エレベーターで4階にある我が部屋の前にたどり着き、扉の鍵を開けて部屋の中に入ると…。 「…?」 おかしい、週に2日だけ漂う女の子の部屋って感じの凄く良いニオイがする。 「あれ、あいつの靴があるぞ…」 足元を見ると女物の可愛らしいミュールが行儀よく2足並んでいた。 「ねぇ京介、勝手にあたしの荷物片づけたでしょ!?」 俺が返ってきたことを察したのかリビングの扉が開き、露出の多いミニスカ姿で魅力的な太ももが露わな恰好をしたモデル様がこちらに近づいてきた。 「桐乃!?お前、なんで今日来てんの!?」 「それは…、今日あたしの学校が創立記念日で休みだからだケド…」 俺が突っ込むと、視線を逸らし、ちょっと気まずそうにしている桐乃。 やべぇ、くぁわいいじゃねーか、俺死ぬぞ!! 「すんげー、美人!!高坂、お前やっぱり彼女と同棲してんじゃん!!」 「こんな超可愛い子が居たら、お前がサークルで女子にがっつかないのも分るわ」 そうだろ、絶美人だろ、超可愛いだろ!? 俺の彼女だったらどれだけ良いか。だがな、現実は非情なんだよ!! 「お前ら、落ち付け。こいつは俺の『妹』だ!!」 「ちょ…。んな…、キッパリ…、…ないじゃん…」 桐乃は小声でボソボソと呟いている。ちょっと前まで機嫌良かったのに、拗ねちまったのか? もしかして、俺たちの部屋に勝手に野郎2名を呼んだことを怒ってんのか? すまん、桐乃。どうしてもサークルメンバーに俺の同棲疑惑を晴らす必要があってよ…。 「そんな下手な嘘つくんじゃねーよ、全然似てねーじゃねーか」 「どう見ても他人です。本当にありがとうございました」 何度言われたかその『似てない』って科白。いい加減、聞き飽きたぜ!! 「嘘じゃねーし。なぁ、桐乃。この2人に説明してくれよ」 「あれぇ、京介どうしたの?あぁ、そっか~。今日は『兄妹』ってことにするって話だったね」 不意に、腕を絡めて胸を俺の肘に押し付けてくる桐乃。 「ねっ、おにいちゃん!!」 「…おま!?」 満面の笑顔で俺を『お兄ちゃん』と呼んだ桐乃。演技だと判っているのに、くやしい、嬉しくて顔が歪んじゃう!! 「兄妹プレイかよ!!マニアックすぎるぜ高坂!!」 「…、プププ。ごめんなさい。兄貴をからかいたくって少し意地悪をしてしまいました」 桐乃は俺をからかって満足したのか、絡めていた腕を解き、同期2名に向かってペコリと頭を下げた。 「初めまして、あたしは『高坂桐乃』。京介の一応、『妹』です」 「こちらこそ、どうも。へぇー、良かったな高坂。そういう事にしてもらえてよ」 「だーから、違うっての!!」 「それにしてもマジでカワイイな。もし本当にお前の妹なら俺に紹介してくれよ」 「ダメだ!!」 俺はクワッと、あんまりデカくない目を見開いて猛獣2匹を威圧してやった。 「即答かよ!!」 「おまえら、さっきから俺の妹を厭らしい目で見やがって」 俺の目は誤魔化せねーからな!!おまえらが桐乃の太ももをチラチラ見てやがるのはよ!! 「おいおい、チラっと見ただけだろ」 「少しでもダメだ!!」 「もう、あたしは気にしないって。そんなの、いつもの事だし」 いつもだとー!!ぬがぁー、許せん。世の男共は俺の大切な桐乃を何だと思ってんだ!! 「桐乃ちゃんは心が広いねー。まぁ、こいつも普段は寛大なヤツなんだけど。」 「桐乃ちゃんとか言うな。馴れ馴れしく近づくな、話しかけんな!!桐乃がよくても俺がダメだ!!いいか、てめぇら、よーく聞け!!桐乃に近づいていい『男』は俺だけだ、桐乃は俺だけのもんだ!!!」 「…、京介?」 「ハッ…!?」 耳まで真っ赤にして恥ずかしかがる桐乃を見て俺は我に返った。 「分った、分った。俺たち、もう帰るわ。すまんね、カップルの時間を邪魔しちまって」 「お前ら…、何度言わせるつもりだ!!」 「だから、分ってるって!!サークルのみんなにはこう言っておくよ。現在、妹?と同棲中。そんで、シスコンだから妹?以外に興味がないって!!」 「待てーぃ!!」 我が同期2名はこっちを厭らしい目で覗き見るようにゆっくりと玄関ドアを閉めて帰っていった。 聞き耳を立てているような予感がして玄関ドアを開いてみたが素直に帰ってくれたようだ…。 「ああああああああああああ!!!!」 玄関ドアを閉め、リビングにあるクッションに顔をうずめ、思わず叫んでみたが過去は何も変わらねー!! 終わった、俺の大学生活オワタ\(^o^)/ 完全に誤解された。彼女と同棲していることは間違いだと証明されたが、妹と同棲しているというトンデモナイ誤解が生まれた。 しかも、桐乃は俺のものなんて超はずかしい科白をはいちゃったよ、俺!? もう駄目だ、明日からあだ名がシスコンになっちまう…。 「もしかして、あたしが彼女だって思われて落ち込んでるの?それともシスコンってバレたから?」 「………」 「そっか、同棲してるってこともかぁ…」 「………」 「フヒヒ。もう、そんなに落ち込むなっつーの。『全部本当の事』でしょ?」 「シスコン以外は違うだろ?」 俺に追い打ちを仕掛ける桐乃の口撃を無視してたが、『全部本当』なんて冗談は流石に聞き逃せなかった。 「やっと口聞いたね。でも、これで判ったでしょ?あんたが授業参観に来た一年前、あたしがクラスメイトの前でどんだけ恥掻いたかって」 「ぐす…、そうだな。全力で逃げ出したくなるぜ…」 ちきしょう、俺が大恥かいてやたら嬉しそうじゃねーか。 また一つ、桐乃に弱みを握られちまった…。 今すぐ桐乃とあいつらの記憶を消し去りたい!!そんで俺の記憶も消し去りたい!! ああああ、どうにもならんが、どうにかしたい…。 「桐乃!?」 気が付くと、桐乃は後ろからあの時と同じように暖かく優しく抱擁をしてくれていた。 「京介、こうされるのは嫌、かな…?」 「もうちょっとだけこうしていただけると助かります、桐乃さん」 「しょーがないな、この甘えん坊は」 「なぁ…、桐乃?」 「なーぁに、京介?」 「お前、9か月前よりおっぱいでかくなった?」 「エロ、バカ、変態!!妹にセクハラ発言すんな!!」 「バカ、兄に向ってセクハラとは何だ!!こういう風に後ろから抱き着かれると、どうしても体がくっついてる場所を意識しちまうんだよ!!」 「あたしは、あんたが落ち込んでるから慰めてあげようって思っただけなのに、そういうエロい感想しか言えないワケ!!」 「グッ…」 「さっきは、友達のまえで『俺の妹を厭らしい目で見るな』って叫んでたのに!!京介が一番そういう目であたしを見てるじゃん!!」 「反論の余地もございません。申し訳ございませんでした」 「でも…。ちょっと恥ずかしいけど、京介なら良いよ。それに、あたしも、ちょっと嬉しいし…」 「んっ…、何でだよ…!?」 「それは…、言わせんな、察しろっての!!」 「ぐぇ、アームロックは止めて、じぬ…」 その後、普通の仲のいい兄妹なら当然の流れで、腕を組みつつ買い物に出かけ、お袋直伝のカレーを二人で作って食べたり、 桐乃がアマゾンで発注してココに届いた新作エロゲを肘をくっ付けながらプレイしたりして夕方まで過ごした。 FIN? 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バカップル保守 同棲編2 「……学校行きたくない」 「はぁ? いきなり何言ってんだ」 「ママー。今日学校休むから。……ん、違うわよ。ちょっとさ……ね?」 「おいおい。本気か? お前が休むなら俺も行かないが……」 「あんたは行かなきゃダメよ。早く行ってらっしゃい」 「おわっ! 押すな……ってオイ! 鍵までかけるこたねーだろ! ……なんなんだよ、畜生」 バカップル保守 「ハルヒー。電話出ろよー。寂しいぞー」 「ハルヒー。メール返せよー。寂しいぞー」 「頼むってー。……俺、何か悪いことしたか?」 「してるな。授業中に携帯を使っている上に授業妨害の一人言。許してやるから保健室に行って頭冷やしてこい」 「……すいません」 バカップル保守 「ハルヒ……なんでだよ……」 「やっぱり帰って理由を聞くべきか……」 「そうだ、そうしよう。とりあえず腹が痛いということにして……」 「聞こえてるから帰っていいわよ~」 「……すいません、先生」 バカップル保守 「ただいま……鍵開いてるな」 「ハルヒー、ハルヒのお母さーん……台所か?」 「お帰りっ!」 「うぉわっ! いきなり驚かす……な……」 「ふふふ、驚いた? 誕生日おめでとっ! キョン!」 「あ、そっか……。今日は……」 「あんた自分の誕生日くらい覚えてなさいよ!」 バカップル保守 「あんたを驚かせたくてママにも手伝ってもらったの。あんたが昼に帰るのも予想済みよっ!」 「よく覚えてたな。俺も忘れてたのに……」 「あ、あんたのことだから当たり前じゃない!」 「ハルヒ……。ケーキ、手作りだろ? 食っていいか?」 「当たり前よ。早く食べちゃいなさい」 「……美味い。……美味い」 「ちょ、ちょっと……なに泣いてんの? 家を追い出したりしたのは謝るから……ね?」 「うるさい。俺は美味しくてうれしいから泣いてるんだ。いいな?」 「……うん。たくさん食べてね」 バカップル保守 「はい、プレゼント」 「あ、なんか悪いな。ありがとう」 「早く開けなさいよ」 「わかってるから急かすなって。……お、なんかいろいろ入ってるな」 「腕時計と、あたしとお揃いのストラップ。そしてあたしの愛情よ! ……チュッ」 「……ハルヒらしいな。サンキュ。……まだ何か入ってるな」 「…………」 「これ……『誓約書』? どれどれ。『あたし、涼宮ハルヒは一生キョンだけを愛して生きます』」 「…………」 「……大好きだぞ、ハルヒ」 「……うん」 バカップル保守 「誓約書か……重いな」 「一生だもんな」 「少しはまじめに勉強して国立大学狙ってみるか」 「一家の主になるんだからな。……あ、明日からは久し振りの我が家か」 「妹はハルヒに任せて勉強するか」 バカップル保守 「ただいま~……お、妹よ。実の兄を無視してハルヒに懐くとはいい度胸だな」 「いいじゃない。キョンよりあたしの方が好きなんだってさ!」 「……まぁいいか。ハルヒ、そのまま妹の相手してやってくれ。勉強してくるから」 「……妹ちゃん。今、キョンなんて言った?」 「勉強してくるって。ハルにゃん、明日は雨かなぁ?」 「雨じゃなくて雪かもね……さ、気を取り直して遊びましょ!」 バカップル保守 「キョン~、ご飯よ……ってほんとに勉強してる」 「飯? あぁ、もうそんな時間か」 「ねぇ、熱でもあるの? あんたが勉強なんておかしいわよ」 「コラ。額をくっつけるな。別に熱なんて無いから」 「それならいいけど……心配なのよ」 「はいはい。ありがとな」 「わぷっ。いきなり抱き締めないでよ。びっくりするじゃない」 「さ、飯行くぞー」 「無視すんなっ!」 バカップル保守 「ねぇ、また勉強?」 「あぁ」 「久し振りのキョンのベッドなのよ? 早く一緒に寝るわよ」 「ん~……。あと5分な」 「……いや。今すぐ来ないとあたし妹ちゃんと寝るから」 「……じゃあ今日は妹と寝てくれ」 「冗談よ! ……ねぇ、あんたおかしいわ。ちょっと来なさい」 「やれやれ。結局行かなきゃいけないんじゃねーか」 バカップル保守 「なんでいきなり真面目になったのか言いなさい」 「断る。いろいろと恥ずかしいからな」 「ほ~う。このあたしに向かって断る、と」 「な、なんだよ……」 「うりゃっ! これでどう? 早く言いなさい!」 「ばっ! や、やめろっ! 顔に胸を押し付けるな!」 「そんなこと言って実はうれしいんでしょ? ほらほら、早く言いなさいよ~」 「やめ、やめろ! 言うから! 言うからやめろ!」 バカップル保守 「ふーん。国立ねぇ……」 「わかったろ。だから邪魔すんなよ」 「……ていっ!」 「あだっ! 何故でこピン!?」 「あたしがいつそんなことを望んだかしら?」 「は?」 「あたしがキョンとイチャつく時間を削ってまで勉強しろって言った?」 「……いや。言ってないが……」 「あんたが相手してくれなかったらあたしは寂しくて死んじゃうわ。だから……やめてよ。別に二人で働いてもいいじゃない……」 「俺はだな、お前に楽をさせるために……」 「あたし全然楽じゃない。あんたが離れて手に入る楽ならそんなのいらない」 「う……」 バカップル保守 「ね? 考え直してよ。二人で働こ?」 「でもな……俺の男としてのプライドが……」 「そんなの捨ててよ。あたしとプライドどっちが……」 「お前だ」 「……まだ言い終わってないわよ」 「俺が悪かった。二人で働こうぜ。やっぱりハルヒと顔を合わせる時間が少ないのは嫌だからな」 「ほんと?」 「あぁ」 「ちゅっ。……へへ~、顔を合わせる時間!」 「意味が違うっての」 バカップル保守 「結局折れちまったな……。でも、やっぱりハルヒを寂しがらせたくないしな」 「…………」 「俺としても離れたくないし。大学行かない分、仕事を頑張ればいいか」 「…………」 「それにしても……胸は気持ちよかったな」 「…………」 「もうちょっと埋まっていたかったかも……なんてな」 「……エロキョン」 「やっぱり起きてたか」 バカップル保守 「おはよう。ハルヒ」 「…………」 「おはよう! ハルヒ!」 「うるっさいわね! まだ4時じゃない! もうちょっと寝せなさいよ!」 「寝てるてきにいたずらすると怒るだろ? だから起こしたんだよ」 「んんっ……む……。朝っぱらからなにすんのよ、エロキョン!」 「しょうがないだろ。昨日勉強してた分のリバウンドだ!」 「ちょ……苦しいから! 抱くならもう少し優しく……あはははっ! やめっ、ちょっ……くすぐるなぁはははっ!」 「(やっぱりこうやってるほうがしあわせだな)」 バカップル保守 「いただきまーす」 「……ねぇ、ハルにゃん。なんで朝から大声で笑ってたの?」 「何でもないのよ。ただキョンにくすぐられただけよ」 「ふーん……キョンくん。もっと意地悪しなきゃダメだよ?」 「なぜだ、妹よ」 「だっておかーさんが意地悪した分だけ仲良くなるって言ってたもん」 「…………」 「あ、あはは。妹ちゃん、あたしのイチゴ食べる?」 「食べるー!」 「(バカ妹よ。これ以上のいたずらってのは……アレだからな。簡単には出来ないんだよ……)」 バカップル保守 「ハルヒ、機嫌直せよ」 「あんたがあたしのプリン半分も食べたからでしょ! 絶対に許さないわよ!」 「……今からケーキ食べに連れてってやると言ってもか?」 「う……」 「そのまま街ふらつきデートって考えだったけど許されないならしょうがないな。学校行くか」 「しょ、しょうがないわね! ケーキ3つで許してあげるわよ!」 「……太るぞ?」 「あんたに怒鳴ってカロリー消費してるからいいのよっ!」 バカップル保守 「美味しいか?」 「当たり前じゃない。隠れた名店なんだから」 「そりゃよかった」 「な、なによ。その意味深な微笑は」 「べーつに」 「……照れるじゃない」 「それが見たいからな」 「嫌な趣味ね……」 「(ハルヒが美味しそうに食ってる顔からは目が離せないよな)」 バカップル保守 「デートでバッティングセンターか……」 「ストレス解消よ! うりゃー!」 「相変わらずよく打つが……パンツ丸見えだぞ」 「あんたになら見えても構わないわよ」 「……やれやれ。人がいないのが幸いか」 「ボーリング……」 「ストレス解消よ! とりゃー!」 「ターキーだが……またパンツ見えてるぞ」 「あんたになら見えても構わないって」 「わかっちゃいたが人はいないしな」 「運動系2連発できて映画か。しかも平日割引無しの恋愛映画……」 「ここなら人が少ないからね。……ずっと手繋いで見れるじゃない」 「……顔が見にくいのは残念だけどな。……チュッ」 「もう……バカ」 バカップル保守 「キョーン。起きなさい」 「ん……あれ、映画は?」 「終わったわよ。始まったらグッスリなんだもん。困ったわよ」 「あー、すまんな」 「ふふ、別に構わないわよ。時間はもうちょっとあるから買い物行きましょっ!」 「元気だな。ハルヒは……」 「(寝言でずっとあたしの名前呼んでくれてたからうれしいのよ! お陰で映画見れなかったけど)」 バカップル保守 「ね、二人でお互いにプレゼントするわよ」 「……?」 「なによ、その顔。だから30分後まで自由行動で、その後プレゼント交換ね。より相手を喜ばせたほうが勝ち!」 「あぁ、そういうことか」 「それじゃスタート!」 バカップル保守 「ついて来ないでよ」 「俺もこっちなんだよ」 「……やっぱり小物屋?」 「あぁ。お前もか?」 「こうなったらセンスの勝負ね……」 「受けて立とうじゃねーか」 バカップル保守 「キョンにはこれ似合いそうね……」 「おい、ハルヒ。これなんてお前に似合うんじゃないか?」 「ちょっとあんたこれ付けてみなさい。あたしはそれ付けてみるからさ」 「……なんかイメージと違うな」 「あたしもそう思うわ……じゃないわよ! 今は勝負の最中でしょ!」 「でもデートの最中だろ?」 「む……た、確かに」 「ま、とりあえず別のを探してくるよ」 「あ、うん……」 バカップル保守 「さぁ、勝負よ。あたしはこれ!」 「……普通のアクセだな」 「あたしとお揃い!」 「あ、それはうれしいな。サンキュ」 「ふふふふふ。さぁ、あんたは何を用意したの!?」 「ほい」 「何よ……カチューシャと髪止めの輪ゴム? こんなのたくさんあるわよ!」 「いや、ただ単に俺がして欲しかっただけだ」 「あんたね、少しは……」 「それにこの二つなら常にハルヒはどっちかは付けてるだろう? いつも一緒にいる感じがするしな」 「……ふ、ふんっ! まぁ許してやるわよ!」 「口許の緩み具合から判断すると俺の勝ちみたいだな」 「う、うっさい!」 バカップル保守 「あー美味い」 「あんた食べ過ぎよ!」 「勝負に負けたお前のおごりだから食べたっていいだろう?」 「くっ……」 「ほら、ハルヒ。あーん……」 「いらないわよ!」 「負けただろ?」 「うぅ……。最大の汚点だわ……」 「とか言って口を開けつつもまたうれしそうな顔してるよな」 「…………」 バカップル保守 「帰りたくないが帰るか」 「しょうがないわよね」 「ま、帰ってからも一緒だからいいけどな」 「うん。ずっと一緒にいれるからね」 「一生一緒にいるからな」 「……一生、だからね。約束よ」 「なんなら約束代わりに今日は小指だけ繋いで家まで帰るか?」 「それは嫌! あたしの定位置はここよっ!」 「別にいいけど歩きにくいんだよな。腕に抱き付かれるとさ」 バカップル保守 「ハルヒ」 「なによ」 「今、唐突にお前が作ったうどんが食いたくなった」 「……あんたね、デートであれだけ食べて、家でご飯食べてまだ食べる気?」 「お前が作ったのはまだ食べてないだろ?」 「まぁ……そうだけど……」 「よし、決めた。これからは一日一回はお前の手作りのやつを食うから」 「ちょっと。勝手に決めないでよ」 「頼むよ、な?」 「んむっ……しょうがないわね……待ってなさい」 「サンキュ!」 「(キスされて頼まれたら断れないわよ……もう)」 バカップル保守 「キョン。うどん出来たわよ~」 「…………」 「……寝てるし」 「すー……すー……」 「まぁね、疲れてこうなることはわかってたわよ」 「すー……すー……」 「自分で食べちゃお。……ん~、なかなか美味しい!」 「すー……すー……」 「キョンの寝顔見ながらうどんってかなり贅沢かも。あ~、おいしっ!」 バカップル保守 「あら、起きたの?」 「……ねみぃ」 「ごめん。あんたのうどん食べちゃったわよ」 「……うどんはいいからこっち来い」 「なに?」 「……これなら気持ちよく寝れる。おやすみ」 「(あたしは抱き枕代わり? まぁ別にいいけど……うどんのお椀、洗えないわね。どうしよ……)」 「…………」 「(この顔見たら起こせないわね。明日洗うことにしよっと)」 バカップル保守 「キョンってどこまで考えてるのかしら?」 「あたしはキョンが18になったらすぐに籍入れたいって思ってるけど……」 「式挙げるにはお金もいるし……」 「悩みは尽きないわね」 「すー……すー……」 「あたしの気持ち知らないで平和な顔で寝れるのが羨ましいわ……」 バカップル保守 「早く寝過ぎるとこんな時間に起きちまうんだよな」 「…………」 「ハルヒ寝てるし……暇だな」 「すー……すー……」 「ハルヒにいたずらして時間潰すか。まずはほっぺを摘んで……」 「む~……すー……」 「可愛いな。次は耳とか……」 「ん~……ん~……」 「やべ、面白い。次は鼻……」 「ん…………んん……」 「あんまりやると危ないか。ごめんな、ハルヒ。お詫びにキスしてやる」 「……ルール違反よ」 「うおっ! お、起きたのか!?」 「誰かさんが鼻なんて摘むから息苦しくてね」 「すまん……」 「お詫びとしてキスしなさい」 「ちゅっ。……ハルヒ、ありがとな」 「な、なんのこと? あたしはもう一回寝るから起こしてね!」 バカップル保守 「ん……」 「おはよう。ハルヒ」 「……顔近いわよ」 「お前の寝顔がたまんなく可愛いからな」 「あんたまさか……あたしが寝てからずっとその距離?」 「飽きないからな」 「呆れた……。で、今何時? キョンのママのお手伝いしなきゃ」 「ん? 11時半だぞ」 「ふーん、11時半……ってバカ! なんで起こさないのよ!」 「いや。だから見てたらつい……」 「…………ほんと呆れた」 バカップル保守 「いい加減恥ずかしいんだけど……」 「赤くなったハルヒも可愛いぞ」 「あんた今日はキャラがおかしいわよ」 「悪口叩くお前も可愛いな」 「はっきり言うわよ。キモいってば」 「照れんなって」 「照れて……るけどさ」 「俺は一人でしあわせに浸ってんだ。寝てもいいぞ」 「あーもう! ムカつく! あたしもしあわせに浸るわよ!」 「おい、顔が見えん。顔を上げてくれよ」 「あたしはキョンの胸板に顔を埋めるのがしあわせなの!」 「……やれやれ。じゃあ俺はこれで我慢するよ」 「ちょっと……やめ……背中撫でるの反則ぅ……」 バカップル保守 「……ねぇ、キョン」 「どうした?」 「今日さ、あたし頑張るから……その……少しいろんな所触ってよ……」 「無理すんなって。焦らなくていいんだぞ?」 「違うわよ……。あたしが触って欲しいの。だからさ、あたしが『やめて』って言うまで……ちょっとエッチなことしなさいよ」 「……お前がそこまで思ってるならやってやるよ」 「キョン」 「ん?」 「優しくしてね?」 「……ばーか」 ちょっと大人なバカップル保守 「大丈夫か?」 「ん……背中はあんた……やってたじゃない……んっ」 「なんか俺までドキドキしてきたぞ」 「ちょ……お尻は……」 「やめとくか?」 「……まだだいじょぶ」 「…………」 「うぅ……エロキョン……やっぱり無理、ごめん」 「だから無理はするなって。ほら、抱き締めてやる」 「ごめん。ありがと……」 「ははは、やっぱり顔真っ赤だな」 「うるさいわよ、エロキョン……」 「(俺はこれだけでもしあわせだからいいけどな)」 ちょっと大人なバカップル保守 「ほんとはキョンにいろんなことしてもらいたいのにな……」 「なんであたしって我慢できないんだろ。気持ちいいのに……」 「あれ? 気持ちいいのって我慢しなくていいのかしら?」 「どーでもいいから寝ろ。一人言がうるさいぞ、変態」 「ばっ……だ、誰が変態よ! エロキョン!」 ちょっと大人なバカップル保守 「昼寝なんて出来ないわよ。ドキドキして」 「すー……すー……」 「……ちょっとイメージトレーニングするわね。手、借りるわよ」 「すー……すー……」 「ふーん……他人に胸を触られるってこんな感じなんだ……うぅ~……」 「すー……すー……」 「ふふふ……今はそうやって大人しく寝てなさい……んっ。起きたらあたしはたぶん大丈夫になってるんだから。んぅ……」 「(ほんとは起きてるけどな。なんだか思春期が遅れて来てるな、ハルヒの奴)」 ちょっと大人なバカップル保守 「俺は健全な恋愛を希望する」 「な、なによ起きたと思ったらいきなり……」 「無理して肉体関係を持つ必要なんかない。そういうのは二人とも自然に出来るようになるもんだ」 「…………」 「だから俺はこういう関係を望む! とうっ!」 「あぁもう! だからなんで抱き付くのよ! あんた最近おかしい!」 「愛情表現だと思え!」 「痛い痛い! 愛情はわかったから少し緩めなさーい!」 やっぱりこどもなバカップル保守 「そしてまた先に寝ちゃうのね……」 「すー……すー……」 「確かにあたしは少し焦ってたわ。反省しなくちゃ」 「…………」 「起きてるわよね。一応謝ってやるわ。ごめん、キョン」 「…………」 「反省ついでに明日からはちゃんと学校にも行くわよ」 「……おう」 バカップル保守 同棲編3へ
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元スレURL 善子「ヨハネのお家で」梨子「同棲生活?」 概要 三連休に善子の家にお泊梨子 関連作 前作:善子「風邪引いちゃった...」梨子「お見舞いに行きます!」 タグ ^桜内梨子 ^津島善子 ^よしりこ ^ほのぼの 名前 コメント
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美少女と同棲するための百のマニュアル 夢を叶えるためには、自分の夢を守り続けなければならない。 理想と現実のギャップとか、成功する可能性の低さとか、或いはどうしようもない事故とか、諦める理由なんてのは人それぞれにある。そうして『大人になったんだ』なんて言いながら蓋をかぶせてしまう。 ありていに言えば、それは壁だ。その壁を乗り越えるにしろ、跳ね返されるにしろ、土下座するにしろ、結局夢を持ち続けなければ叶うことは絶対に無い。 そして僕にとっての当面の壁は、目の前に並べられたパンフレットの山だった。 「お決まりになりましたか?」 まるでファーストフードのメニューを尋ねるような気軽さで、目の前の少女はそう言った。 よく晴れた昼下がり、どこにでもあるファミレスの、テーブルを挟んで座っている二人。傍から見れば微笑ましいカップルに見えるかもしれない。その様子を良く見るまでは、であるが。 もう少し待ってもらえますか、そう言いながら僕は頭を抱える。テーブルに敷き詰められたパンフレットに書かれているのは、『幸運の』だとか『魔よけの』とかの形容詞のついた――壺だった。 『都会は怖い。いつ騙されるか分からない。だからいつも気をつけていなさい』 上京する時、父はそう言って僕に一冊の本を手渡した。『騙されない人間になる為の百のマニュアル』そんな表題のついた本だった。 この人の血が流れている僕には多分無理だろうな。そう思ったのは、その本の背表紙に書かれた値段を見た時だった。そして、その予感が正しいと思い知るまでにそれほど時間はかからなかった。 『絶対に痩せるサプリメント』、『身長を伸ばす体操全集』、『あの子を口説く百の台詞』、数え上げればきりが無い。部屋の隅には通信販売で買ったガラクタが山のように積まれている。 これはもう宿命なんだ。そうやって諦める事を覚えた。そしてどうせ逃れられないのなら、騙されるにしても何かいい目にあってやろう、楽しんでやろうと心に決めた。既に通信販売が趣味の一つになってしまっていたからだという理由もある。 そんな風に通販生活を続けているうちに、いつしか僕には危険察知能力と言うか、本能のようなものが備わっていた。やはり失敗こそ最高の教材だ。友人には、そんな事しなくても最初から分かるだろうなんてからかわれたのだけれど。 そうして都会で過ごした何年目かの朝の事だ。その日も僕は欠伸をしながらポストを探っていた。そこに入っていた一枚の広告に、またも振り回される事になるとは気が付かずに。 『ボディガード派遣。美少女ロボットがあなたをお守りします』 チラシには胡散臭いうたい文句が踊っていた。普段なら気にも留めないだろう。しかしその隅に印刷された顔写真が、紙を丸めようとする僕の手を止めた。 ちょっとくせっ毛気味のセミロング、大きめの丸い瞳、真面目そうだがどこかあどけない笑顔、つまりは僕の好みど真ん中の美人だった。いや、寧ろうたい文句通りの美少女だった。 よし、とりあえず落ち着こう。そう自分に言い聞かせながら、僕は携帯電話をポケットから取り出していた。 悪い癖だ。衝動買いして後悔するいつものパターンじゃないか。だがそんな警鐘も、写真を眺めているうちに聞こえなくなっていく。 ボディガード、つまりは寝食を共にするわけだ。美少女と。値段も手ごろとまでは行かないが、いかがわしいサービスよりよっぽど良心的だ。美少女と同棲生活、そんなささやかな夢を叶える手段が、目の前にある。 どこかぼうとした頭で、広告に書かれた番号をプッシュする。〇九〇の……番号を呟きながら、まるで魔法の呪文のようだな、なんてくだらない事が頭に浮かび、苦笑いをしていた。 話はとんとん拍子に進んだ。名前や年齢、住所等のプロフィール、それから通勤状況等の生活サイクルと、心理テストのような質問が幾つか。それらを電話口で答えると、数日後連絡が来て、近所のファミレスを待ち合わせ場所に指定された。 最後に僕が慌てて「チラシに載ってた子でお願いします」と裏返った声で伝えると、相手方は控えめに笑いながら「承りました。オシャレして行きますね」と添え、電話は切れた。 多分、僕はどうしようもなく浮かれていたんだと思う。待ち合わせの時間より二時間も早く店に着き、ひたすらドリンクバーのコーヒーを飲んでいた。トイレに行くのも我慢して、ただじっと携帯の時計を見続けていた。 「……木下様ですね?」 いい加減下腹部が痛くなってきた頃、そう声をかけられた。はっとして見上げると、そこには写真で見た少女がこちらを覗き込んでいた。慌てて「そうですそうです」と繰り返しながら首を縦に振る。 その様子が可笑しかったのか、彼女は口元を抑えてくすくすと笑った。ああ、絵になるなあ、そんな感想が自然に浮かぶ。童顔の彼女には薄いグレーのスーツは背伸びしている感じがするけれど、すっと伸びた背のせいもあり、仕事熱心さと几帳面さをうかがわせる。化粧っ気の無い顔や薄く引かれたルージュ、頭から伸びた二本のアンテナだってチャーミングだ。 ……アンテナ? 違和感を感じ、彼女の頭に乗ったそれに視線を戻した。先端に小さな球体のついた、まるでゲームセンターのジョイスティックみたいなものが、彼女の頭からにょっきりと生えている。 ぽかんとそれを眺めていると、彼女は「ああ、これですか」と頭上のアンテナに手を添えた。 「ロボットですから」 そう答え、こちらに笑顔を向ける。僕といえば、「ああ、なるほど」なんて呟くのが精一杯だった。 そう言えば、と『美少女ロボット』という広告の一文を思い出す。まあ『メイド喫茶のメイド』くらいの意味なのだろうけれど、結構役作りにも力が入っているのかもしれない。なにせあれを着けたまま街中を歩いてきたのだろうから。 「それでですね、早速で恐縮なんですが、ご契約の話なんですけれど」 アンテナに向けられた怪訝な視線を気にする風も無く、彼女はそう切り出した。いつの間にかテーブルの向かいに腰を下ろし、やけに大きな鞄から何かを取り出そうとしている。 「ええと、具体的にはどんな事をしてくれるんでしょう?」 「はい。事前調査の結果、木下様の日常生活における危機レベルはF……つまり一般の方と比べても事故等に遭われる危険性は低いとの事ですので、こちらのわくわくコースなどは如何でしょう?」 そう言いながら彼女はパンフレットを広げる。コースの名前にひっかかる物を感じたが、とりあえずテーブルに視線を落とした。 二十四時間身辺警護、お試し一週間コースと説明がある。こういったものの相場は分からないが、値段はさほど高く無いように思えた。それは良いのだが……。 「なんか、たまに銃弾が飛んでくるって書いてあるんですけど?」 「はい。せっかくですのでスリルも味わって頂こうという趣向です。ですがご安心下さい。滅多に当たる事はありませんので」 「……滅多に?」 「ええ」 「……この銃弾サービス、外す事はできますか?」 「別途に料金を頂けば」 にっこりと微笑む彼女の顔には、欠片も悪意が感じられなかった。 「ええと」なんとか気を取り直しながら、僕は質問を続ける。「二十四時間警護って事は、家の中でも?」 「はい」 「朝起こしてくれたり」 「寝坊による社会的地位喪失からお守りするのも、私共の仕事です」 「ご飯作ってくれたりも?」 「材料費はお客様ご負担で、カレーと目玉焼き以外はオプション契約になります」 僕はテーブルの下で小さくガッツポーズをする。 「その他私共の判断に任せていただく事になりますが、詳細はこちらの小冊子をご覧下さい」 また鞄からパンフレットが取り出される。『警備の目安』と題打たれた文庫本くらいの紙束に、どんな事からどんな風に守るのかが事細かに書かれている。 適当にページをめくりながら、拾い読みをする。『睡眠不足から守るために手を握って子守唄』、『野球中継延長による、アニメ録画失敗を防ぐ手動録画代行』、『罵詈雑言から守るためネット掲示板音読』、等々。 なんだかいらないものが大半な気がするが、それでも中には興味を惹かれるものもあり、「素晴らしいサービスですね」なんて言葉がいつの間にか口をついていた。まあ結局、『美少女が』という枕詞さえ着けばなんでもいいやというのが本音だったのだけれど。 「ご納得頂けたようなので、物理的な警護内容はこのくらいにして、続いて精神的な警護サービスについてご説明させて頂きます」 僕がパンフレットを閉じるのとほぼ同時に、彼女はそう切り出した。精神的? 首を傾げる僕に、彼女はこれこそが本題とばかりに身を乗り出した。 「ロボットによる警護ですので、どうしても精神的なケアには不足する部分が出てきてしまいます。そこで、恐怖や不安と言ったものからお客様をお守りする為に――」 どすんとテーブルを鳴らして、電話帳くらいのパンフレットが目の前に置かれる。 「こちらの当社オリジナルグッズによる精神ケアサポートがセットになっております」 ぱらぱらとページがめくられる。そこに書かれていたのは沢山の数字と、色とりどりの壺の群れだった。 こめかめに指を添えたまま、僕は固まっていた。目の前の冊子の壺達には、何故か僕の貯金と生活費を合わせてぎりぎり買える位の値段がついている。その他のパンフには欲しいと思っていたバイクと同じ価格や、親に泣きついてもなんとか許してもらえそうな金額、そして毎月の給料と同じ位の分割払いが載っていた。 「こちらのグッズはセットなので外せないんです」そう彼女は笑顔で言った。 本当に効果があるのかと尋ねると、「こちらで効果のほどが説明してあります」と、また分厚いパンフレットを渡された。それでも不満顔の僕に、彼女は「これを見れば何でも信じられるようになりますよ」と言ってビデオテープをおまけにくれた。 洗脳、何故だかそんな単語が頭に浮かぶ。なんだか冷たい汗が額に浮かんでいた。そう言えば下腹部も痛いままだ。 ずっと感じていた疑惑が口から出てきそうになる。だけど、と僕はその言葉を必死に飲み込んだ。 そう、言ってみればこれは試練なのだ。美少女と同棲、そんなささやかな夢を叶えるための。 考えてみる。ひょっとすれば、この先何かの間違いで美女と同棲することはあるかもしれない。だけど美少女となると不可能ではないだろうか。たとえそれが自称ロボットでも、あやしげな宗教まがいの布教者でも、僕を騙そうとしているのだとしても。それら全てをチャームポイントとして受け入れる位の度量が無いと、叶わない夢なんじゃないだろうか。……多分。 そうして僕は、精一杯の妥協点を口にした。 「ええと、一番安い壺はどれですか?」 僕の言葉に彼女はぽんと両手を合わせて、嬉しそうに語りだす。 「はい。こちらの『レガ』なんかはこの春流行モデルですし、こちらの『ヤイカ』などは有名デザイナーの作品です。こちらの『トサッサ』などは幅広い年代の方に人気ですし、お勧めするのはこの辺りでしょうか」 なんとなく壺の説明では無いような気がしたが、とりあえず一番最初に進められた壺を選んだ。それからすぐに契約書にサイン、振込口座の記入などが続く。 「ご契約真にありがとうございます。それではこれより早速、警護の方に移らさせて頂きます」 全てが終わり、彼女は満面の笑みを浮かべた。何かもうどうでもいいや。そんな風に思わせる魅力があった。 ドアについていたカウベルが、からんからんと甲高い音を鳴らす。空は良く晴れていて、どこからか小鳥のさえずりが聞こえていた。 腕に感じる柔らかな感触。頬が緩んでいるのを自覚する。晩御飯は何がいいですか? 横から聞こえるそんな台詞に、思わず口元がにやけてしまう。美少女と腕を組んで家路に着く、これもささやかな夢の一つだ。 「そう言えば、その頭のアンテナみたいなのは何に使うんですか?」 声が裏返りそうになるのを耐えながら、なんとか声をかける。 「これはですね」そっとアンテナを撫でながら、彼女は答える。「私のデータをチェックしているんですよ」 「データ?」 「ええ。人間で言えば心拍数とか、そういったものです。たまに遠隔操作されたりもしますね」 結局僕は「ああ、なるほど……」なんて、要領を得ない返事しか出来なかった。 「でもなんで光っているんですか?」 「え?」驚いたように彼女は頭上を見上げる。外に出ているためか、それとも移動しているせいなのか、アンテナは落ち着き無く点滅していた。 「あー、これはサービスエリア外ですね」 「エリア外?」 「はい。ここから先は私の担当地区ではなくなりますので、代わりの者に警護を引き継ぎたいと思います」 そう言って彼女はきょろきょろと辺りを見回す。困惑する僕を尻目に、目当ての人物を見つけたらしく、その人の元へ駆け寄っていった。 「この者がこの先の地区の担当者になります」 彼女は相変わらずの笑顔で、新しいボディガードを紹介する。彼女よりやや濃いグレーのスーツ、彼女よりも随分と高い身長、表情の読めないサングラスに、頼もしい胸板。 「え? あれ?」少なくとも『美少女』という単語には一文字も該当しないその大男と彼女を見比べる。だが、彼女は仕事は終わりだとばかりに、背を向けて歩き出していた。 僕は大男に引きつった笑顔を向けたまま、父の顔を思い出す。 ああ、これはやっぱり宿命だ。百個あったマニュアルにはこんなケースは書いていなかった。こめかみを親指で押しながら、次は千個くらい載ってるやつを買わなければ、なんて、そんな事を考えていた。 了 トップページ 一人反省会場 blog
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ホテルの朝! 唯「もぐもぐ」 律「もぐもぐ」 梓「相変わらずよく食べますね」 律「さすがに腹減ってな」モグモグ 澪「ふぁ・・・」 憂「旅行の疲れが貯まってるみたいですね」 唯「私は元気だよ!」 和「あなたはいつも元気じゃない」 紬「帰りの新幹線は自由席にしたからいつ帰ってもいいわよ」 唯「じゃあゆっくりお土産選べるね」 澪「自由席じゃ固まって座r・・・、なんでもない」 和「その方がいいわね」 紬「朝ごはん食べて、一休みしてから駅に行きましょう」 憂「わかりました」 梓「そんなにガッつかなくても・・・」 律「ここの料理はこれで最後だからな」モグモグ 唯「だね!悔いは残したくないね!」モグモグ ・・・ 唯「・・・このホテルともおさらばだね」 紬「そうね。いい思い出になったわ」 梓「」/// 澪「忘れられない思い出だな」 律「」/// 和「また来れればいいわね」 憂「・・・難しそうだね」 唯「さよなら、またね!」 ・・・ 唯「りっちゃん!たこ焼き味のケーキだよ!」 律「たこ焼き味せんべい、たこ焼き味飴・・・」 澪「・・・うまいのか?」 紬「みたらし団子買って行くわ!」 梓「よく知ってるのと違いますね」 憂「点心買って家で焼こうね」 唯「うん!」 和「キ○ィちゃん大阪バージョン・・・」 ・・・ 唯「たくさん買っちゃったー」ポンポン 律「八つ橋や神戸の名物も買わなくても・・・」 唯「ついでだよ!」 澪「さて、そろそろ乗り場に行くか」 紬「そうね、今からならお昼ちょっと過ぎに着くわ」 梓「楽しかったね」 憂「うん!」 和「ちょうど新幹線来たわね」 座席! 律澪 和憂唯 紬梓 唯「楽しかったねー」 梓「家に着くまでが旅行ですよ」 紬「あずにゃん先生みたい」 律「私らは寝るよ。はしゃぎすぎて疲れちゃったぜ」 梓「・・・私達もそうしますか」 和「そうね。休むのも悪くないわ」 唯「・・・つまんない」 憂「みんな疲れてるんだよ。ね」 唯「むー」 律澪「」Zzzz 紬梓「スゥスゥ」 唯「・・・いいもん。外見てるから」 ・・・ 唯「・・・」 唯「」ニヤッ ・・・ 唯「もうすぐ着くよ。みんな起きて」ユサユサ 憂「・・・んっ。もう?」 律「早いな、さすが・・・ふぁ」 紬「荷物下ろさないと・・・」 唯「さぁ降りるよ!」 プシューッ 唯「ふんす!」 澪「」 和「・・・ここ、名古屋じゃない」 唯「もうちょっとでお昼の時間だよ!」 紬「」 梓「」 唯「ひつまぶし、きしめん、味噌カツ選び放題!」 憂「」 和「・・・あなたねぇ」 律「・・・降りちまったものはしょうがない。・・・お昼にするか」 澪「内心うれしいだろ」 律「・・・まぁな」 唯「名古屋駅も大きいねー」 憂「うん」 澪「せめてお昼は駅中にしておけよ」 律「うーむ、どれもおいしそうだ・・・」 紬「そうね。せっかくだもの、名古屋名物も堪能しましょうか」 梓「唯先輩がここまで自由な人だったとは・・・」 唯「じゃああずにゃんはお昼抜きで」 梓「なんでそうなるんですか!」 律「朝結構食べたし、きしめんにしようっと」 ・・・ 紬「ひつまぶしおいしかったわね」 梓「はい!」 唯「きしめんもおいしいかったね」 憂「そうだね。また食べたいね」 澪「よし。今度こそ帰るぞ」 和「横浜で降りようとしないでよ」 唯「・・・」 和「返事は?」 唯「うぅ・・・。わかったよ」 憂「お姉ちゃん、着いたよ」 唯「・・・鴨まん」ジュルリ 憂「お姉ちゃん、起きて」ユサユサ 唯「んぁ、・・・おはよう、憂」 憂「うん。降りようね」 律「やっと着いたぞー」 澪「だな。早く家に帰ろう」 紬「そうね」 梓「・・・もうちょっと寝たいです」 ・・・ 唯「ただいま、我がふるさと!」 梓「見慣れた風景ですけど安心しますね」 紬「この後どうする?ここで解散かしら」 律「そうしようか。みんな疲れてるだろうし」 澪「だな。またなにかあったら連絡してくれ」 唯「そうだね。・・・みんなで旅行で来て、よかったよ!」 律「あぁ。みんな、またな」 紬「えぇ、ゆっくり休んでね」 梓「お疲れ様でした」 紬「少し寂しいけど楽しかったわね」 梓「はい」 紬「今日はゆっくり休みましょう」 紬「明日は予定あるかしら?」 梓「えっと、特にはないですけど」 紬「急なんだけど部屋探しに行きましょう」 梓「・・・そ、そうですね。・・・同棲するんですから」/// 紬「早く動かないといいお部屋埋まっちゃうからね」 梓「で、ですね!行きましょう!」 次の日! ピンポーン 梓「はーい」ガチャ 紬「おはよう、あずにゃん」 梓「おはようございます。さっ、どうぞ」 紬「おじゃまします」 梓「どうやって部屋探しするんですか?ネットとかですか?」 紬「知り合いに不動屋さんがいるからそこに行こうと思うの。どうかな?」 梓「いいですね。お知り合いでしたら安心です」 ・・・ 紬「ここよ」 梓「(・・・普通のお店だった)」 カランカラン 紬「すみません。先日連絡しました琴吹です」 店員「お待ちしておりました。こちらにおかけください」 紬「はい」 梓「」キョロキョロ 紬「どんなお部屋があるか楽しみねぇ」 店長「お待たせしました」 紬「いえ、今日はよろしくお願いします」 梓「お、お願いします」 店長「お話は伺っております。同棲ですってね、羨ましいです」 紬「い、いえいえ」 梓「」/// 店長「では探しましょうか」 紬「はい!」 梓「」ワクワク 店長「希望の間取りとかありますか?」 紬「・・・なにかある?」 梓「と、特には・・・」 店長「二人住まいですと・・・、このような2DKが多いですね」カチカチ 紬「ふむふむ」 梓「なるほど」 紬「・・・でもこれじゃダブルベット置けそうにないわね」コソッ 梓「ですね。・・・でもしょうがないんじゃないですか?」コソッ 梓「・・・ダブルベットは諦めましょうか」コソッ 紬「・・・うん」ショボン 梓「お待たせしました」 店長「いえいえ」 紬「うーん、場所はこの辺がいいわよねぇ」 梓「ですね。高校と大学、どっちも行けますから」 店長「○○ですね。確か新しい物件が・・・」カチカチ 紬「へぇ。女性限定、ですって」 梓「他の設備も結構いい感じですね」 店長「では一部屋目はこちらですね。他の部屋もどんどん見ましょう」 店長「ではこちら三つの物件見て回りましょうか」 紬「お願いします!」 梓「お、お願いします」 ブロロロ 店長「一つ目はここですね」 紬「へぇ、奇麗ね」 梓「築二年ですからね」 ガチャ 店長「では中へどうぞ」 紬「広いわねー」 梓「ですね」ガチャ 紬「ふふっ。ここが私の部屋で、あっちが梓ちゃんのお部屋で」 梓「ここにテーブル置いて一緒にご飯食べましょうね」 紬「うん!」 紬「ダブルベットは置けないから夜はどっちかのお部屋で寝ましょうね」 梓「それもいいですね。プチお泊りみたいで」 キャッキャウフフ 店長「・・・」 紬「たくさん見たわね」 梓「ですね。私は二つ目の部屋がなかなかいいと思うんですけどムギちゃんは?」 紬「女性限定のところね。そこもよかったわね」 紬「そこにする?私は梓ちゃんと一緒ならどこでもいいわよ」 梓「・・・そんな、恥ずかしいですよ」/// 紬「ならこのお部屋にしましょうか」 梓「はい!」 紬「ここのお部屋でお願いします!」 店長(32独身)「・・・。あ、はい!ここですね!」 紬「今日はありがとうございました」 梓「ありがとうございました」 店長「では後ほど書類を送らせていただきます」 カランカラン 梓「店長さん、奇麗な人でしたね」 紬「仕事のできる女性って憧れるわね」 唯「確保ー!」ガシッ 律「おー!」ガシッ 紬梓「!!!」 紬「ゆ、唯ちゃん!?」 唯「ふふふ、なにをしていたか話してもらうよ」 梓「律先輩まで!」 律「唯と買い物してたらムギ達が車から降りてこの店に入ったから待ってたんだ」 梓「(部屋見終わって戻ってきたときか・・・)」 唯「ここじゃなんだからお茶飲みながらにしようよ」 ・・・ 唯「なんで二人で不動産屋さんに?」 律「隠しても無駄だぞー」 紬「・・・、話していい?」 梓「・・・はい。どうせいつかバレますし・・・」 紬「えっと、・・・来月からあずにゃんと、同棲を・・・」 梓「」/// 唯「・・・はい?・・・いまなんと」 律「どどど、同棲だってー!!!」 紬「りっちゃん声大きい」 律「ムググ」 唯「わー・・・」 律「そ、そんなのお父さん認めません!」 唯「お母さんも反対だよ!」 梓「・・・先輩方みたいな両親に育てられた覚えはありません!」 紬「ちゃ、ちゃんと両親の許可ももらってるのよ」 唯「・・・」 律「・・・」 律「・・・なるほど、それで寮に入らなかったわけだ」 紬「う、うん。ごめんね」 唯「同棲かー。なんか羨ましいなぁ」 梓「唯先輩は憂と同棲してるようなもんじゃないですか」 唯「チッチッチ。甘いね、あずにゃん」 唯「借家だからいいんだよ!」 梓「・・・よくわかりません」 律「そっかー。でもよく両親が許可したな」 紬「・・・説得が大変だったわね」 梓「・・・はい。今思い出しても震えが・・・」 律「(どんな両親・・・)」 唯「どんな部屋に住むの?」 梓「えっと、これが間取りです」 唯「おー。広いねぇ、いいなぁー」 律「ふむ2DKか。妥当だな」 紬「みんなも遊びに来てね」 律「いやいや。二人の愛の巣にお邪魔するほど無粋じゃないぜ」 梓「そ、そんなんじゃないですよ!」 律「顔がニヤけてるぞ・・・」 紬「愛の巣だなんて、そんな」/// 唯「いいなぁ・・・」 律「引越しはいつだ?手伝うぜ」 紬「今月末の予定ね。あまり時間ないから荷造りがんばらなきゃ!」 梓「ですね。家電製品やテーブルとかも買わなきゃいけないですし」 紬「家具は私の家に余ってるのがいくつかあるからそれを使いましょう!」 梓「それは助かります」 唯「りっちゃん達の寮はいつ入るの?」 律「同じく今月末だ。お互い忙しくなるな」 紬「そうね。でも頑張らなきゃ」 唯「なにかあったら言ってね。手伝うから」 唯「じゃあまたねー」 紬「うん。またね」 律「にしても同棲かー」 唯「すごいね。大人だね!」 律「大学出たら私達も・・・」 唯「・・・あれ?今日なにしに来たんだっけ?」 律「・・・」 律「・・・買い物行くか」 唯「・・・そうだね」 5