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ここは まおうビル(まおうのしろ)▼ 魔王の秘書ゴードン「ガリアス様、ひとつご報告が」 魔王ガリアス「なんだ」 魔王の秘書ゴードン「何やら、ガリアス様を倒そうとこちらに向かっている一行がいるという情報が入りました」 魔王ガリアス「ふふふふ、それは面白い話だな…… 久しぶりにワクワクするよ。どれ、見せてもらおうか」 魔王の秘書ゴードン「はっ」 まおうのひしょゴードンはパソコンを とりだした。▼ 魔王ガリアス「ほほう。勇者はまだ子供じゃないか」 魔王の秘書ゴードン「しかし、魔王ガリアスを倒すための武器・装備をそろえているという情報もございます」 魔王ガリアス「ふっ、面白い。なんならこの城まで、丁重にエスコートしてやれ。この勇者の名は、なんというのだ?」 魔王の秘書ゴードン「ヨシヒコ。勇者ヨシヒコです」 魔王ガリアス「勇者…… ヨシヒコ……」 ヨシヒコたちはまおうビルに やってきた。▼ ヨシヒコ「ここ…… ですかね」 ムラサキ「わかりやすすぎじゃね?」 ヨシヒコたちはまおうビルのなかに はいった。▼ ヨシヒコ「すいません。こちら、魔王ビルですか」 受付嬢「はい、さようでございます」 ヨシヒコ「ここに魔王はいらっしゃいますか」 受付嬢「ガリアス様でございますか?」 ダンジョー「魔王の名は、ガリアスというのか」 ヨシヒコ「……はい。ガリアス様です」 受付嬢「おりますが、アポイントは取られていますか?」 ムラサキ「いるんかい」 メレブ「アポは取っていないよ」 受付嬢「そうですか。アポがございませんと、面会は難しいかと…… どのようなご用件ですか?」 ヨシヒコ「倒しに来たんですが」 メレブ「わーお、ヨシヒコ直接フリーキック」 受付嬢「倒しに、とおっしゃいますと……」 ヨシヒコ「こ…… 殺しに……」 受付嬢「はい、殺しにいらっしゃったということですね。少々お待ちくださいませ」 メレブ「淡々……」 うけつけじょうはないせんを かけはじめた。▼ 受付嬢「はい、こちら受付でございます。ガリアス様にお客様がお見えになっております。あっ、お名前は?」 ヨシヒコ「勇者ヨシヒコです」 受付嬢「勇者ヨシヒコ様。はい、殺しにいらっしゃったということですが……」 ムラサキ「これで通してくれたら奇跡だな……」 受付嬢「わかりました…… はい、お待たせいたしました。ガリアスの部下・ゴードンという者がお迎えに参りますので、少々お待ちくださいませ」 ヨシヒコ「ありがとうございます」 ダンジョー「案外、早めに倒せそうだな」 メレブ「何か、きな臭い気もするのだが……」 まおうのひしょゴードンが あらわれた!▼ 魔王の秘書ゴードン「あっ! 勇者ヨシヒコ様ですか」 ヨシヒコ「はい」 魔王の秘書ゴードン「どうも初めまして。魔王の秘書の、ゴードンと申します」 ヨシヒコ「よろしくお願いします」 魔王の秘書ゴードン「何か本日は、ガリアス様を殺しにいらっしゃったと……」 ヨシヒコ「はい。魔王を倒すのが、私の使命ですから」 魔王の秘書ゴードン「それではその前に、わたくしが相手になってもよろしいですか?」 ダンジョー「なんだと?」 まおうのひしょゴードンはこちらが みがまえるまえにおそいかかってきた!まおうのひしょゴードンの てのひらからはげしいほのおが ほとばしる!▼ メレブ「おい!! これ、やばいぞ!!」 つうこんの いちげき!ヨシヒコは しんでしまった!ダンジョーは しんでしまった!メレブは しんでしまった!ムラサキは にげだした!▼ ムラサキはまおうぐんの ついげきを のがれなかまの かんおけを ひきずりながらしぜんこうえんに みを かくした。▼ ムラサキ「魔王の城にも、月は出るんだな……」 ムラサキはヨシヒコの ことばを おもいだした。▼ 「ムラサキ…… 私にはお前が必要なんだ」 ムラサキ「なんなんだよ…… なんで自分が死んでんだよ…… あたし1人で、どうしろっつんだよ……」 ムラサキはなかまの かんおけに すがりついた。▼ ムラサキ「お願いだよ…… 生き返ってよ……」 なんとメレブが とつぜん いきかえった!▼ ムラサキ「うわ!! なんだ!?」 メレブ「これは……? 生き返った? そんな感じ?」 ムラサキ「なんで!?」 メレブ「ははぁ…… 考えられることはただ1つ」 ムラサキ「何!?」 メレブ「教えてほしくば…… 『メレブさんのイカしたホクロに反して、わたくし、平ら胸で、サーセン』と言え」 ムラサキ「お前、生き返って早々うぜーな!! もっかいぶっ殺すぞ!?」 メレブ「言わないのかい」 ムラサキ「……メレブさんのイカしたホクロに反して、わたくし、平ら胸で、サーセン」 メレブ「サーセン」 ムラサキ「……サーセン」 メレブ「サーセン!」 ムラサキ「サーセン!」 メレブ「むね、たいらです!」 ムラサキ「むね、たいらです」 メレブ「よかろう。教えてやる…… から、その間、かわいいダンスを、するがいい」 ムラサキはしぶしぶ かわいいダンスを おどった!▼ メレブ「笑って」 ムラサキはしぶしぶ つくりわらいを してみせた!▼ ムラサキ「はい、もう早く言って」 メレブ「前に言っていた、お前が覚えたという呪文。あれは、生き返らせる呪文『ザオリク』だったと考える」 ムラサキ「ザオリク?」 メレブ「あの時、どんな呪文でも効くヨシヒコに何も起こらなかったろ。あれは……」 ムラサキ「ヨシヒコが生きてたから!」 メレブ「うむ、その通りだ。しかし、最初に覚える呪文がザオリクとは…… かなりのレアケース」 ムラサキ「じゃあ、そのザオリクでみんなを生き返らせよう!」 メレブ「うむ!」 ムラサキは ザオリクを となえた!ダンジョーは いきかえった!▼ ムラサキ「やった! 次は、ヨシヒコ!」 ムラサキは ザオリクを となえた!▼ ムラサキ「やったー! ヨシヒコ生き返った!」 ヨシヒコ「よーし、手始めにムラサキのパンツを覗いてやっる~!」 ヨシヒコはちゅうとはんぱに いきかえった!▼ ダンジョー「いかん! ヨシヒコが中途半端に生き返った!」 メレブ「あっ、魂抜けたやつだ。アホな奴だ。ただのスケベな奴だ」 ムラサキ「おい、なんでだよ!?」 メレブ「魔法の力が不足したのだろう。ざ~んねん」 ヨシヒコは われにかえった!われにかえった ヨシヒコはいままで てにいれたすべての どうぐを そうびした。▼ ダンジョー「何はともあれ、ヨシヒコが完全に戻ってよかった」 ムラサキ「これで、魔王を倒す装備を着けていけば勝てるわけでしょ? なんでこの間着けていかなかったんだよ」 ヨシヒコ「油断してしまった……」 メレブ「すべてを完全装備すれば、まさに無敵だな」 ヨシヒコ「そうですね」 仏「おいおいお前ら、勘違いすんなよ~~~~い」 ほとけが あらわれた!▼ ヨシヒコ「仏様!」 仏「お前たちがねぇ、集めてきたぁ、装備は、実はその魔王だけに効くものであって、あのめっちゃ強いゴードンという秘書には、効かないっす」 ヨシヒコ「なんですって!?」 ムラサキ「じゃあ、またあいつに全滅させられて終わりかよ!」 メレブ「ちょっ、苦労して集めた意味ねぇじゃねーかよ!」 ムラサキ「使えねぇ仏だな、ったくよぉ!」 仏「……ねぇごめんちょっと待って、えーと、なんでそんなによってたかってみんなによって、あの、キレられなければいけないの? 剣よ剣!」 ヨシヒコ「私にはいざないの剣があります」 仏「いやいや、それは決して殺生をしない平和の剣だ。しかし今回の戦いは、そうはいくまい」 ダンジョー「魔王の息の根を、止めねばならぬということだな」 仏「うむ。そのためには、より強い剣、『勇者の剣』が必要だ」 ヨシヒコ「その勇者の剣は、どこにあるのですか」 仏「その昔、お前と同じように魔王と戦った伝説の勇者がいた。彼は魔王との戦いには勝ったが、その優しさゆえに、命を奪うことができなかった。そのあと魔王は復活し、この街のどこかに彼を封じ込めたのだ…… うん、言えた。噛まずに」 ヨシヒコ「伝説の勇者……」 魔王ガリアス「ゴードン、監視モニターが奴らを見失ったぞ」 魔王の秘書ゴードン「何やら、また仏が余計なことをしたらしいですね」 魔王ガリアス「まさか、奴のところに行ったのでは……」 魔王の秘書ゴードン「そんなはずは…… 至急、探します」 ヨシヒコたちは ほとけに みちびかれまちの こりょうりやに やってきた。▼ ヨシヒコ「『小料理 ロト』…… ここか」 メレブ「うん、なんか、すごく勇者っぽい名前だな」 ダンジョー「入ってみるか」 ヨシヒコ「……はい」 ヨシヒコたちはこりょうりやのなかに はいった。▼ 店主「店、6時からだよ」 ヨシヒコはてんしゅの かおを のぞきこんだ。▼ ヨシヒコ「ち、父上!?」 店主「え? なんつった?」 なんと てんしゅはヨシヒコのちち テルヒコにうりふたつだった!▼ ヨシヒコ「父上、こんなところにおられたのですね。付き合ってらっしゃった女性はいかがされました? 連れ子の方は!?」 店主「入ってくるなり、いきなりなんだよ! 俺、ずっと独り身だぜ?」 ダンジョー「ヨシヒコ、どうやらすごーく似てる人のようだ」 ヨシヒコ「えっ!? ……似すぎている……!!」 店主「ま、世界には何人かいるって言うからな、似た奴ってのは」 メレブ「時に、あなた様は伝説の勇者ですか?」 店主「……何を寝ぼけたこと言ってんの? 見ての通り、小料理屋の主人ですよ」 ムラサキ「小料理屋の主人は魔王に封印され身を隠すための仮の姿、本当は伝説の……」 店主「うるせぇな! 店、6時からだから、ね? 帰って。帰って」 ヨシヒコ「あなたが持つという、勇者の剣をいただきたいのですが。そして、魔王を倒したいのです」 店主「いや、だから…… 勇者でもなんでもないの。毎日、小料理を作る小料理屋。さぁ、仕込み始めるから、邪魔しないでくれ」 てんしゅはちゅうぼうに はいった。てんしゅはヨシヒコと いろちがいの ぼうしをそうびした。▼ メレブ「あっ! それ、勇者の被るやつ!」 店主「ははっ、違うよ。これ、俺の料理用だよ」 ダンジョー「とはいえ、勇者ヨシヒコのと似た感じだな」 店主「こんな帽子、誰でも被ってんだろ」 てんしゅはさかなを とりだした。てんしゅははがねのつるぎを そうびした。▼ メレブ「えっ?」 ムラサキ「だから勇者でしょ、あなた」 店主「違うっつってんだろ!」 てんしゅははがねのつるぎで さかなを さばきはじめた。てんしゅはあきらかに てまどっている。▼ メレブ「普通の包丁でやりましょうよ、あんだけ種類あるんですから」 ヨシヒコ「わざわざやりづらい剣で魚をさばくとは。やはり勇者だ」 店主「俺は、ずーっとこれでやってきてんだ!」 メレブ「にしてもさばききれてないでしょ、上からグリグリやってるだけですもの」 店主「さぁ、あぶるか。お前ら、これから魚あぶるから、火、気をつけろよ」 てんしゅはガスバーナーを そうびした。てんしゅは いきなりガスバーナーから ほのおを はなった!ヨシヒコたちは あとずさった!▼ メレブ「こっち向けないでくださいよ」 てんしゅはてつのたてを そうびした。▼ ダンジョー「完全に勇者だ!!」 ヨシヒコ「勇者なんですね? あなたこそ、伝説の勇者様なんですね!?」 店主「もー、しつこいな~!! 違うっつってんだろ!! おい、シゲ! 仕込み手伝え!」 シゲ「はいよー!」 なんと みせのおくからまものが すがたを あらわした!▼ ヨシヒコ「魔物使い……!!」 メレブ「100パー勇者だ。あなた勇者だ!」 てんしゅは かんねんした。▼ 店主「……もう、隠し立てはできないようだな……」 メレブ「自らバレる流れを作ったとしか思えませんが……」 店主「確かに私は、かつての勇者・ロトスケ」 ヨシヒコ「ロトスケ……」 ダンジョー「あなたが、勇者の剣なるものを持ってると聞いたんだが」 ロトスケ「そうか。奥に入れ」 ヨシヒコたちはみせのおくに とおされた。▼ ロトスケ「『はい、どうぞ』と差し上げたいところだが、通らねばならぬ関門がある」 ヨシヒコ「なんですか、それは」 ロトスケ「これから、7本の剣を見せる。お前が真の勇者なら、本物の勇者の剣を選べるはずだ。ただし、間違った剣に手を触れたとたん…… お前の体は、一瞬にして朽ち果てる! やめるなら、今のうちだぞ」 ヨシヒコ「……私は真の勇者です。必ずや、真の剣を選んでみせます」 ロトスケ「よくぞ申した。さぁ、選べ」 ロトスケは ヨシヒコにななほんの つるぎを みせた。しかし そのうちの ろっぽんはとうしんが さびつきクモのすまで はっている。▼ メレブ「おっと、これは…… 選ぶまでもないような気が、しますけども……」 ロトスケ「まぁ…… 1本しか、メンテしてないもんだから……」 ムラサキ「さらにヒント出しちゃった感じになったぞ?」 ダンジョー「しかしこれは逆に、罠ってこともある。明らかにそれと見せかけ、サッビサビのやつが本物だったりとか……」 メレブ「そっか! ヨシヒコ、よく考えろ?」 ロトスケ「さぁ、選べ!」 メレブ「逆に、質素なやつが名器という……」 ヨシヒコは すこしも まよわずにいちばん きれいな つるぎをえらびとった。▼ ロトスケ「正解」 メレブ「引っ掛け、なかった! なかった……」 ムラサキ「子供レベルの関門だな」 ヨシヒコはゆうしゃのつるぎを てにいれた。▼ ロトスケ「待っていたぞ、勇者よ! 今度こそ魔王ガリアスの息の根を止めてくれ」 ヨシヒコ「はい!」 ロトスケ「奴の生命力は恐ろしいぞ。何しろ、もともと目の玉だけだった体をすべて復活させたバケモンだ」 メレブ「鬼太郎の親父みたいだな」 ロトスケ「えっ? 『きたろう』?」 メレブ「いや、そこ引っかかんなくていいですから。めんどくさくなりますから」 ロトスケ「あ、そう」 ロトスケの なかのひとはようかいの ほうの きたろうのしゅだいかを うたった こともあった。▼ ロトスケ「ある日、宇宙より飛来し、体は砕け散ったが目玉だけは残った。奴は、不死身なのだ」 ムラサキ「じゃあ、勝てないってことじゃん……」 ロトスケ「しかし、命あるものは必ず死ぬ! 戦いの中で、それを見出すんだ」 ヨシヒコ「わかりました」 ヨシヒコはゆうしゃのつるぎを そうびした。ヨシヒコたちは ふたたびまおうビルに のりこんだ。うけつけじょうは あわててないせんを かけようとしたがダンジョーに とめられた。▼ ダンジョー「わかってると思うが、ゴードンを呼んでくれ」 まおうのひしょゴードンが あらわれた!▼ 魔王の秘書ゴードン「これはこれは、生きてらっしゃったとは。何度も来られては、困りますね」 まおうのひしょゴードンの てのひらからはげしいほのおが ほとばしる!しかし ほのおはゆうしゃのつるぎに すいこまれた!▼ 魔王の秘書ゴードン「そ、その剣は……! 貴様ら、やはり…… 伝説の勇者に……!!」 ヨシヒコ「その通りだ。これぞ魔王を窮地に追い込んだ勇者の剣…… 受けてみよ!」 ヨシヒコは いなずまぎりを はなった!かいしんの いちげき!▼ 魔王の秘書ゴードン「……魔王は進化した。そんな剣で、倒せると思うなよ……!」 まおうのひしょゴードンを やっつけた!まおうビル さいじょうかいへ つづくとびらが ひらいた!▼ ギガンテスが あらわれた!ヨシヒコは ゆうしゃのつるぎを ふりかざした!つるぎから いなずまが ほとばしる!ギガンテスを やっつけた!▼ オークキングが あらわれた!ヨシヒコは ゆうしゃのつるぎを ふりかざした!つるぎから いなずまが ほとばしる!オークキングを やっつけた!▼ くさったしたいたちが あらわれた!ヨシヒコは ゆうしゃのつるぎを ふりかざした!つるぎから いなずまが ほとばしる!くさったしたいAを やっつけた!くさったしたいBを やっつけた!▼ まもののむれが あらわれた!・・・キメラを やっつけた!マタンゴを やっつけた!ドラキーマを やっつけた!▼ ヨシヒコはいままで てにいれたすべての どうぐを そうびした。▼ ここは まおうビル おくじょう▼ ヨシヒコ「魔王、出てこい! 私は勇者ヨシヒコ。世界の平和を取り戻すため、お前を倒しに来た!」 まおうガリアスが あらわれた!▼ 魔王ガリアス「見ろ、この繫栄した都市を。私がここに城を築いた時は何もない平原だった。すべて…… すべて私が作ったのだ」 ヨシヒコ「お前が…… 魔王ガリアス!」 魔王ガリアス「ここでは皆、平和に暮らしている。あくまで私の支配下のもとでな。お前たちも街の人間たちと触れ合ったはずだ、彼らが何か不満を漏らしていたか? 彼らは幸せだ。お前たちと1つだけ違うのは、私の思いのままに動くチップが、内蔵されているかいないかだ」 ヨシヒコ「人間は自由だ。誰かの支配を受けて幸せなどありえない」 魔王ガリアス「私の支配を受ければ私に守られるのだ、何が悪い?」 ヨシヒコ「お前は…… お前は間違っている!」 魔王ガリアス「そう考える人間を、魔物と疫病で処理してきたまでだ。どうだ? 文明の遅れた外の世界など捨てて、私の街で暮らさないか」 ヨシヒコ「断る。私はお前を倒しに来たのだ!」 魔王ガリアス「そうか…… 残念だな」 まおうガリアスの ちからでそらが あんうんに つつまれた!▼ ムラサキ「死んでもお前の使いっぱになんてなんねーからな!」 魔王ガリアス「じゃあお前は…… 死ねいっ!!」 まおうガリアスの ゆびからひかりの やが とびだす!ムラサキは しんでしまった!▼ ヨシヒコ「ムラサキっ!!」 魔王ガリアス「ハハハハハ…… その女、どうも生き返りの呪文を持っているらしいからな。さっさと消させてもらったよ。これで、誰も生き返れないな。ハハハ、さぁ、どうする?」 ダンジョー「お前と戦うことを決めてから…… 生き返ろうなんて思ってはおらんよ」 ダンジョーの こうげき!まおうガリアスはダンジョーの こうげきを うけとめうちやぶった!▼ ダンジョー「なんだとっ!?」 メレブ「ならば、俺の『メラチン×100(100連発)』を受けてみよ。1回ならご飯を温める程度…… だが、100回受けたら…… 灼熱地獄だ」 メレブは メラチンを となえた!メレブは メラチンを となえた!メレブは メラチンを となえた!メレブは メラチンを となえた!メレブは メラチンを となえた!・・・100かい かさねがけされたメラチンは なんとしゃくねつの ほのおと なってまおうガリアスを おそう!▼ 魔王ガリアス「うおぉぁっ!!」 ヨシヒコ「やった!」 しかし まおうガリアスはまったく ダメージを うけない!▼ 魔王ガリアス「そんな子供だましの呪文が効くと思われたら心外だなっ!!」 まおうガリアスの こうげき!メレブはかなりの ダメージを うけた!ダンジョーはかなりの ダメージを うけた!▼ ヨシヒコ「魔王! 私と戦え!!」 魔王ガリアス「ふふふふふ…… 仏に言われていろいろと揃えてきたらしいな。はっ!!」 まおうガリアスの こうげき!しかし てんにょのはごろもの ちからでヨシヒコは ダメージを うけない!▼ 魔王ガリアス「ほほう、『みかわしの羽衣』か…… ぬあっ!!」 まおうガリアスははげしく もえさかる ほのおをなげつけてきた!しかし けんじゃのよろいの ちからでほのおは かきけされた!▼ 魔王ガリアス「なるほど…… はあぁーっ!!」 まおうガリアスはいてつく れいきを はなった!しかし ドラゴンのたては そのれいきをうけつけない!▼ ヨシヒコ「無駄だ、魔王。お前の攻撃は私には通じない!」 魔王ガリアス「そのようだな。よくも集めたもんだ」 ヨシヒコ「覚悟しろ!」 ヨシヒコは ゆうしゃのつるぎを ふりかざした!▼ 魔王ガリアス「勇者の剣だな? 私の体を引き裂くことができる、唯一の剣だ!」 ヨシヒコ「魔王…… お前の支配はこれで終わりだ!」 ヨシヒコは いなずまぎりを はなった!かいしんの いちげき!まおうガリアスを やっつけた!▼ メレブ「やったぞ、ヨシヒコ……」 ダンジョー「勝ったんだな!」 ヨシヒコ「……はい!」 そのとき どこからともなくらいめいが とどろいた!▼ ダンジョー「なんだとっ!?」 魔王ガリアス「私の本当の姿を、見せてやる!!」 まおうガリアスはしょうたいを あらわした!しん・まおうガリアスははげしい いなずまを よびよせた!きしんのかぶとは くだけちった!ドラゴンのたては くだけちった!けんじゃのよろいは くだけちった!▼ ヨシヒコ「なんだと……!?」 メレブ「俺に…… 俺に任せろ」 メレブは チョヒャドを となえた!メレブは チョヒャドを となえた!メレブは チョヒャドを となえた!メレブは チョヒャドを となえた!メレブは チョヒャドを となえた!・・・しかし チョヒャドを 100かいかさねがけするより さきにしん・まおうガリアスははげしい いなずまを よびよせた!メレブは しんでしまった!▼ ヨシヒコ「メレブさんっ!!」 ダンジョー「ヨシヒコ!! 勇者の剣で戦うんだ!!」 ヨシヒコ「はい!!」 ヨシヒコは ゆうしゃのつるぎを ふりかざした!しん・まおうガリアスははげしい いなずまを よびよせた!ヨシヒコはかなりの ダメージを うけた!しん・まおうガリアスははげしい いなずまを よびよせた!▼ ダンジョー「……っ! 危ないっ!!」 ダンジョーは みかたのまえに たちはだかりてきからの こうげきを いっしんに うけとめた!▼ ヨシヒコ「……ダンジョーさん……」 ダンジョー「ヨシヒコ…… お前なら倒せる…… 絶対にあきらめっ……」 ダンジョーは しんでしまった!▼ ヨシヒコ「ダンジョーさんっ!!」 しん・まおうガリアスははげしい いなずまを よびよせた!ヨシヒコはゆうしゃのつるぎで ふせごうとした!しかし いなずまを うけたゆうしゃのつるぎは とけてしまった!しん・まおうガリアスははげしい いなずまを よびよせた!ヨシヒコはかなりの ダメージを うけた!▼ ヨシヒコ「私は…… 私は…… 絶対に、お前を…… 倒す……」 真・魔王ガリアス「よく粘ったのは褒めてやる。しかし、次がとどめだ!!」 ヨシヒコはロトスケの ことばを おもいだした。▼ 「もともと目の玉だけだった体をすべて復活させたバケモンだ」 ヨシヒコはむてきのくつに ちゅうもくした!▼ ヨシヒコ「この靴…… もしや……!!」 ヨシヒコは むてきのくつを ぬいだ。ヨシヒコは さいごのちからを ふりしぼりむてきのくつを へんけいさせもういちど はきなおした。▼ ヨシヒコ「『無敵の靴』の意味が、ようやくわかったぞ……!!」 ヨシヒコは こしを ふかく おとしみぎあしを ふりかぶった!▼ ヨシヒコ「行くぞ魔王…… 食らえぇ!!!」 ヨシヒコはようかいの ほうの きたろうのように むてきのくつを けとばした!かいしんの いちげき!▼ 真・魔王ガリアス「うぎゃああああーーーーっ!!!」 ヨシヒコ「貴様の心臓部は…… すべてを復活させた、その目だ!!」 しん・まおうガリアスを やっつけた!▼ ヨシヒコ「………」 ヨシヒコは いのちのゆびわをどうぐとして つかってみた!ムラサキは いきかえった!ゆびわは おともなく くずれさった。▼ ムラサキ「ヨシヒコ……」 ヨシヒコ「ムラサキ…… 勝ったぞ。魔王を、倒したぞ……」 ムラサキは ヨシヒコを だきしめた。そして ムラサキの ザオリクでダンジョーと メレブも いきかえった。▼ まおうガリアスは ほろびさりせかいに へいわが もどった。▼ ダンジョー「それじゃ、俺はここで」 ヨシヒコ「ダンジョーさん……」 ダンジョー「俺は、もっともっと修行して、世界一の戦士になる」 メレブ「私も、魔法の修業ができるという西の大きな国に旅に発つ。人の役に立つ呪文を手に入れたい」 ヨシヒコ「メレブさん……」 ムラサキ「あたしは…… 故郷に帰らないと」 ヨシヒコ「私の首は持ち帰らなくていいのか?」 ムラサキ「冗談でしょ? ……家族が待ってる」 ヨシヒコ「ムラサキ……」 ダンジョー「お前はどうするんだ、ヨシヒコ」 ヨシヒコ「私は、この旅で通ってきた村々が平和になったかを見届けながら、故郷のカボイへ帰ります」 メレブ「そうか」 ヨシヒコ「きっと、皆、笑顔で過ごしていることでしょう」 ムラサキ「だといいな……」 メレブ「大丈夫だ。もう魔王はいないのだ」 ダンジョー「元気でな、みんな! 楽しかったぞ」 ダンジョーは さっていった。▼ メレブ「さらばじゃ…… うむ」 メレブは さっていった。▼ ムラサキ「……じゃあな。ヨシヒコ」 ヨシヒコ「……ああ」 ムラサキは さっていった。▼ ヨシヒコ「………」 ムラサキ「………」 ムラサキは もどってきた。▼ ムラサキ「いいのか、止めなくて! ほんとに行っちゃうぞ?」 ヨシヒコ「……またいつか」 ムラサキ「……ふん! バーカ、バーカ!」 ムラサキは こんどこそ さっていった。ヨシヒコは きろの とちゅうでのびきった ヒゲを そってからカボイのむらに かえった。▼ 村長「村の民よ、勇者ヨシヒコが帰ったぞ!!」 ヨシヒコ「ただいま戻りました」 ヒサが ヨシヒコを でむかえた。▼ ヒサ「兄様…… おかえりなさいませ」 ヨシヒコ「ヒサ……」 ヨシヒコと ヒサは だきあった。▼ ヨシヒコ(こうしてカボイの村に平和が戻った。魔王に操られし魔物たちも姿を消し、人々は再び平穏な暮らしを取り戻した…… しかし、この時私は知る由もなかった。新たな悪がこの世界に降り立とうとしていることを……) ヨシヒコ(……と言ったら、映画になるかもしれないので、とりあえず言ってみた私だ) えいがには なりませんでしたがヨシヒコたちの ぼうけんはまだまだ つづきます。だい2シーズン「ゆうしゃヨシヒコと あくりょうのかぎ」に すすみますか?▼ →はい→いいえ
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amazonで探す @楽天で #勇者ヨシヒコ を探す! 金24テレ東 2016.10.07~2016.12.23 wikipedia 前 東京センチメンタル 次 バイプレイヤーズ Hulu NETFLIX dTV PrimeVide U-NEXT TVer Paravi GYAO youtube検索 / Pandora検索 / dailymotion検索 / bilibili検索 1 4年をへて伝説の勇者再始動! 倒せ天空の魔王!! 2016/10/07 2 闇にうごめく死人…カルバト村でパーティー解散!? 2016/10/14 3 新たなシステム!? エフエフ村で新戦士と共闘せよ!! 2016/10/21 4 勇者求婚サラゴナ村の眠り姫!? 救いの涙は魔物の涙 2016/10/28 5 ダシュウ村と5人の神々!! 史上最強に危ない冒険!? 2016/11/04 6 絶体絶命ウガス村は全員盗賊!! 光の玉を奪いし美女 2016/11/11 7 ミュジコ村の旋律…芸術の神に守られし村の秘密!? 2016/11/18 8 バボルの村で勇者交代…ダーマで転職ミスの危機!! 2016/11/25 9 キャパス村で勇者覚醒!! ピュアな玉人と恋 2016/12/02 10 天空城の奇妙な案内人…試練の扉と絶望のループ!! 2016/12/09 11 魔王目前迷宮に眠る最強装備を入手せよ!! 2016/12/16 12 死闘開始…最強の魔王降臨 2016/12/23
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ぼうけんを はじめますか?▼ はい▶いいえ え?もういちど ききますぼうけんを はじめますか?▼ はい▶いいえ いやいやいや なんでよマジで もういっかい きくよぼうけんを はじめますか?▼ はい▶いいえ なにいってんの? おまえバカじゃねえ「はい」を えらばないとなにも はじまんないよ!こんしゅうも「マジすかがくえん3」になっちゃうよ!そのほうが いいやとかいってんじゃねえよ!いやほんとおどすわけじゃ ないけどもういっかい きくからね?▼ ぼうけんを はじめなくても いいですか?▼ はい▶いいえ はいひっかかった~~~~~~▼ それでは ぼうけんを はじめます 伝説の勇者が魔王を倒してから百年……。何者かによって魔物の封印が解かれ、世界は再び、悪の支配に落ちようとしていた……。 ここは カボイのむら▼ 村人「もう少しだ!」「がんばれ!」 村の女A「どうしたんだい? さっき出かけたばかりじゃないか!」 村人A「もうダメだ! もう、魔物は村のすぐ外まで迫っとる」 むらびとの ひとりはどくに おかされている!▼ 村の女B「そんな! 村から三里は結界が張られてるはず……」 村人B「そんなもの、もうとっくに破られてる!」 村の女A「あっ!!」 バブルスライムが あらわれた!▼ 村人B「あいつだ! あいつにやられたんだ!!」 村人C「村がやられるのも、時間の問題だ……」 ここはこの ての ゲームに よく あるものしり じいさんの いえ▼ 村の長老「かつて、このカボイの村に『ヨシヒコ』という勇者がおった。ヨシヒコは、屈強な仲間たちと共に、魔王を倒し、この世に平安をもたらしたのじゃ…… どうじゃ、そなたたちの中に、我こそは悪を倒す勇者となるという者はおらぬか?」 村の若者A「私は、生まれつき体が弱い故、勇者などと大それたことは…… 失礼します」 むらのわかものAは たちさった。▼ 村の長老「強そうだけどなぁ……」 むらのわかものAはわりと ガタイが よかった。▼ 村の長老「ロトヒコはどうじゃ? 名前は、とても勇者っぽい名前じゃがなぁ……」 村の若者B「気持ち的にはやりたいです。ホント気持ち的には、今すぐ冒険に出てもいい感じなんすけどねぇー…… いや、ホンット気持ち的にはぁ…… 気持ち的にはねぇー……」 むらのわかものBはさんざん いいわけを ならべたててたちさった。▼ 村の長老「……何的にダメなんじゃ? さて、お前は……」 村の若者C「無理っ!!」 村の長老「早いなー……」 むらのわかものCは にげだした!▼ 村の長老「ああ、絶望じゃ。我々はもう、悪の手によって滅ぼされるのを、ただ待つだけなのか……」 そのひの よふけキズついた せんしが ひとりカボイのむらに ながれついた。そして よるが あけた。▼ 村の長老「遠くローラシアからやってきた使いというのは、本当か」 戦士「本当だ。ローラシアの長老・ラボナの使い…… 俺の名は、オルダンだ」 村の長老「で…… この村に勇者ヨシヒコの血を継ぐ者がおるというのは、本当か」 オルダン「本当だ」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 村の長老「伝え聞いた話では、ヨシヒコは魔王との戦いの後、一度はこの村に戻ったが、すぐに世界の平和のために旅立ち…… そのまま、戻ってはこなかったと……」 オルダン「ラボナ様の占いによれば、この村に住む巨乳の女と、旅立つ直前にチョチョッと1回……」 村の長老「うん、その手の話は大体……」 オルダン「夜の……」 村の長老「もういい。もういい、それ以上は」 オルダン「………」 村の長老「……本当か? その末裔がおるというのだな?」 オルダン「ああ。『伝説の勇者ヨシヒコも、自分に子孫がいることは知るまい』ということだ」 村の長老「よもや、その子孫の姿かたちまで占いでお見通しなさったか」 オルダン「ラボナ様に不可能はねぇ! 俺は、こいつを、命がけで魔物から守ってきたのさ」 オルダンはにんそうがきを みせつけた。▼ 村人たち「おおーっ!!」 村の長老「これは……!!」 それから しばらくして・・・。▼ 村人「あっ、いたいた。おーい、オルトガ! 長老がお呼びだ!」 ここはこの ての ゲームに よく あるものしり じいさんの いえの とこのま▼ じいさんはてんに いのっている。▼ + 【オンエア時にカットされたシーン】 村の長老「おお、神よ! なんという幸運をお与えくださったか! まさかこの村に、伝説の勇者の血を継ぐ者が生きておったとは…… これで、この世界は救われまする!」 オルダン「ラボナ様はおっしゃった。『勇者の血を継ぐ者が伝説の剣を手に旅立つ時、ひと筋の光が差し込む』と……」 村の長老「勇者の血を継ぐ者・オルトガに、力を与えたまえ!」 村人「オルトガを連れてまいりました」 村の長老「おお、来たか…… 早くオルトガをここへ!」 オルトガが はいってきた。オルトガは まだ おさないしょうねんだった。▼ オルダン「これが伝説の勇者の血を継ぐ者か……」 村の長老「オルトガ…… 突然じゃが、お前が伝説の勇者の血を継ぐ者だということが判明! そこに、勇者ヨシヒコが残していった伝説の剣がある。よいかオルトガ、よーく聞け。そなたはその剣を持ち、屈強な仲間たちを集め、何者かが持ち去った『悪霊の鍵』を手に入れ、魔物を再び封印するのじゃ。それが、勇者の血を継ぐそなたの使命じゃ! さぁ、今すぐ旅立つがいい! この世界に平和をもたらすため、勇者よ、再び旅立つのじゃあー!!」 オルトガ「……嫌だーっ!!」 オルトガはしめいを どうどう きょひした!▼ 村の長老「……え? なんで? なんで、『やだ』?」 オルトガ「子供だから」 オルダン「なるほど」 村の長老「子供だけどさぁ…… 勇者の子孫だしさぁ……」 オルトガ「勇者の子孫でも子供だし、こんな重たい感じの剣…… ほら、全然重たくて持てもしませんもん」 オルダン「なるほどね」 オルトガ「そもそも子供だから、旅立ったその日に間違いなく魔物に殺されますって」 村の長老「でも、ほら、最初はさぁ…… あの、弱ーい、あの…… 例のあの、『青いやつ』でしょ?」 オルトガ「いやいや、十分あいつにも負けますって」 オルダン「なるほどなるほど」 じいさんはしつこく くいさがった。しかし オルトガもいっこうに ゆずらなかった。▼ オルトガ「逆に、なんで子供を1人で旅立たせようとしてたんですか? 逆に不思議」 村の長老「いや、あの…… なんか、あの…… 『っぽい』じゃん?」 オルトガ「『っぽい』の意味がわかんないっす」 村の長老「あるじゃない、あの、ほら…… 子供だった勇者がさぁ、少しずつ成長していく、物語的な?」 オルトガ「物語ですよね。これ、現実ですからね? しっかりしてくださいよ、長老」 オルトガは きっぱり いいすてた。こういう ところは たしかにヨシヒコに にている。オルトガは たちさった。▼ 村の長老「ちょっ、ちょ…… ちょ、待てよ!」 じいさんはだい1シーズンでも ネタになったぼうジャニタレの まねを しながらオルトガを ひきとめた。▼ オルトガ「いや…… マジで行かそうとしてるなら、児童虐待で訴えますよ」 オルダン「そりゃまずいよ、そりゃ……」 村の長老「……勇者の子孫なんだぜ? 頑張ろうよ?」 オルトガ「子供は遊ぶのが仕事ですから。遊びを頑張ります」 オルトガは たちさった。▼ 村の長老「何これ……」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 オルダン「……しゃーないな」 村の長老「……テメー噓ばっかついてんじゃねーぞ、この野郎!」 じいさんは やつあたりを した。▼ 村の長老「なんだよ、そもそもオメーんとこの長老はよぉ!」 オルダン「いや、たまにはあるよ、こんなん」 じいさんはオルトガに たよるのを あきらめてんに いのりを ささげた。▼ 村の長老「ああ、天におられまする仏様よ。魔物の影が間近に迫り、今やこの村は、滅びゆくのを待つばかり。ああ、仏様、仏様よ! その姿を現し、この村を救いたまえ!」 村人A「長老、本当にこんなことをして村は救われるのですか?」 村の長老「これもまた、伝説の勇者の教え。『絶望の中で、天の仏を頼れ』と……」 村人B「そもそも、本当にいたのかい? そのヨシヒコってのは……」 村人A「貴様、長老に向かってなんてことを!」 村人B「だってそうだろ!? 天から仏が……」 ほとけが あらわれた!▼ 仏「え、え、うそ、これ生クリームと何、カスタード、ダブルで入ってるの? うそ、マジで? あと、バナナと? イチゴと? アボカド? 入れすぎだよそれ。それ完全に入れすぎだろそれ、はみ出ちゃうよ食べたら。つーかさぁ、ねぇ、アボカドって合わなくない? うん…… うそ、合うの? マジで?」 ほとけはクレープを たべている。▼ 村の長老「仏ー! 仏よー!」 仏「まいうー。仏まいうー」 ほとけはクレープを たべるのに むちゅうでまだ こちらに きづいていない!▼ 村の長老「仏ー!」 ほとけはようやく よばれていることに きづき5かいほど げかいを チラみした!▼ 仏「……え? これ、待って? 映ってんの? これ。これ映ってんの?」 村の長老「映っておりまする! この村をお救いになるために……」 仏「いやいや、聞いてない、全然、全然聞いてな…… おい、ちょっ、お前…… お前やれよ、お前! いや、だって、なんでって俺、クレープスタート直後だしさぁ……」 村の長老「仏よ、我々は魔物の手からどう生き延びればよろしいでしょうか?」 仏「え、何? また下界に魔物いるの? ねぇ? ……ん、何? ……『知らねーのかよ』って、知ってたんだったらお前が担当しろバカヤローお前!」 村の長老「仏は、勇者ヨシヒコをご存じか?」 仏「ヨシヒコね。はい、知ってますよ」 村の長老「我々は、再び悪と戦う勇者を探し求めておりますが、いまだ見つからず…… 過去に、幾多の若者が魔物に戦いを挑んだと聞きましたが、いずれも帰らず……」 仏「そりゃ困りましたね」 ほとけはクレープを たべるのに むちゅうでろこつに たいどが わるい!▼ 村の長老「なにとぞここは、仏のご助言をいただきたい!」 仏「ほら~、やっぱ…… アボカド合わないよ!」 村の長老「仏!! なにとぞ!!」 じいさんはじゃっかん キレぎみに たのんだ。▼ 仏「はい、ね、下界にね、魔物がね? 困ったね…… ちょっと、お前も考えろよ! ……え、なんだって? え、『ヨシヒコたちを生き返らせろ』って…… そりゃまずいだろうよお前……」 村の長老「ヨシヒコが、生き返るとな!?」 仏「うん、まぁ、あの…… なんとかなりますよ? でもアレでしょ? やっぱりあの、なんか、なんつーか、新しい人がいいでしょ? やっぱりニューフェイスがいいでしょ、やっぱね」 村の長老「いえいえいえ、そんなことない。ヨシヒコでいい!」 仏「いいの? マジで? ヨシヒコで? まぁ、そりゃ全然、なんとかなりますよ。うん」 村の長老「え…… あっ、じゃあ頼んます!」 仏「うん、わかりました。生き返らせます、はい」 村人B「案外簡単なんだな……」 村の長老「それでは、今まさに生き返らせてください!」 仏「あの、つーか、あの、ごめん、一瞬、一瞬待って一瞬。つーかさぁ、ねぇ、これさ、クレープ終わってからでよくない?」 村の長老「もう、今!」 仏「え、だって、手ぇベトベトだしさ……」 村の長老「ベトベトでもいい!」 仏「もう、えー、ホント? ……わかりましたよ、じゃあヨシヒコと、その仲間たちを、生き返らせます。いいですか? いい? ……なななな~~~~ん!!」 ほとけはふっかつの じゅもん?を となえた!▼ 仏「ほい、これで生き返った」 村の長老「嘘だぁ…… そんなんじゃ生き返らん。なんだ今の、『ななななーん』って」 仏「……おいおいおいおい、びっくりだなおい。そりゃ…… 仏の勝手だろ? そうだろ? 違うの? ねぇ。『ななななーん』って呪文だぜ、それ」 村の長老「そんな呪文はない」 仏「おい、失礼だなおい、ジジイ…… ジジイ、え? あのな…… あの、大丈夫です。今頃、世界中のあちこちでね、ヨシヒコと仲間たちが生き返っているであろう!」 村の長老「『ななななーん』はない」 仏「しつこいな貴様。え? ……いや、あのね、正直なんだってよかったのよ、『るるるるーん』でもよかったの。ただ、気分的には『ななななーん』って気分だっていうの。それだけだよ」 村の長老「『る』の方がまだよかった」 仏「変わんねーだろ」 しかし ほとけの ことばどおりせかいの あちこちにあるヨシヒコたちの はかがうごきはじめて いた!▼ メレブは いきかえった!▼ メレブ「ん? ……これどういうことだ!?」 メレブは あたりを みわたした。▼ メレブ「……ん!? なんだ!? 現世の香りするぞ、これ!? どういうことだ!? ん!? これ…… 生き返った感じがするぞ、これ!? なんだこれ!?」 仏「勇者ヨシヒコと、仲間たちよ……」 メレブ「この声、仏!」 ほとけが あらわれた!▼ 仏「魔物たちの、封印が、何者かによって、解かれた」 メレブ「何食ってんだ、おい」 仏「まいうー」 ほとけは まだクレープを たべている。▼ 仏「えー、再び、悪と、戦うのだ……」 メレブ「食べながらじゃ聞こえないでしょうよ!」 仏「戦えよ! ……まいうー」 メレブ「おい」 仏「え? もういいから戦えよ、もう……」 ほとけは クレープを たべながらすがたを けした!▼ メレブ「おい!! そのクチャクチャクチャクチャ…… なんだかわからないスイーツを食べながら天のお告げって! どういうこった!!」 そのとき てんからみっつの ひかりが さしてきた!▼ メレブ「はい、なるほどな。生き返ったなこれ、間違いなく。で、これヨシヒコ、ムラサキ、ダンジョーも生き返ると、そういう意味の光だー、な、これな。なるほど、よし、再び冒険が始まると…… よし!」 ダンジョーは いきかえった!ムラサキは いきかえった!ヨシヒコは いきかえった!しかし なぜか さんにんともとしおいた すがたで いきかえった!▼ メレブ「……ん? お? これ、なんだ? ん? これ…… なんだ……?」 老ヨシヒコ「メレブさん!」 メレブ「おっ、ヨシヒコ…… ではあるのな?」 老ムラサキ「ヨシヒコ……? あんたヨシヒコなの?」 老ヨシヒコ「ああ…… ダンジョーさん、お久しぶりです」 老ダンジョー「これはどういうことだ、ヨシヒコ」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 メレブ「うん、うん、うん、冷静になろう? ちょっとゆっくり考えよう?」 そういう メレブがいちばん うろたえている!▼ 老ムラサキ「悪い歳の取り方したねぇ、おっさんもヨシヒコも」 老ダンジョー「お前もだぞ、ムラサキ!」 老ムラサキ「うっせーよ、おっさん! レディーに歳のこと言ってんじゃなし!」 老ヨシヒコ「やめんか、ムラサキ。今、メレブさんが考えてくれているんだぞ」 老ムラサキ「どうせまともな答え出さないよ、こいつ」 メレブ「ババアになっても口減らねーな。まぁもともと胸は、減るほどなかったがな、もともと!」 老ムラサキ「てめえ! ぶっ殺すぞ!」 老ヨシヒコ「ムラサキ!」 老ダンジョー「ところで、謎は解けたかな? メレブ」 メレブ「うむ、うむ、うむ、うむ。わかったよ」 老ヨシヒコ「さすがです! ……で、どういう?」 メレブ「あのね? 俺たちは、再び魔物を封印するために、生き返らせられたのね、仏に」 老ムラサキ「ふーん、あのクソ仏にねぇ」 メレブ「そう、その…… ま、それはそれとして、確かにその…… 確かにあの仏、クソじゃん?」 老ダンジョー「ああ、クソだな」 メレブ「察するに…… 死んだ時の状態で、生き返らせちゃったね、仏ね」 老ヨシヒコ「死んだ時の状態で……!?」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 メレブ「うん、それは、困るね? この状態ではね」 老ダンジョー「そうだな……」 ムラサキの ようすが おかしい!▼ メレブ「仏!! どうすんだ、これ!? うんうん言ってるぞ!?」 メレブはてんに むかって よびかけた。しかし なにも おこらなかった。▼ 老ダンジョー「現れる気配すらないな」 老ヨシヒコ「なんか疲れましたね」 メレブ「そうだな、そういうことだな。ま、もう、お年寄りだからな……」 老ムラサキ「あ~~~~、お茶飲みた~~~~い!! お茶~~~~!!」 メレブ「後であげるから。後であげるから! お前はなんで叫ぶんだ、そういう歳の取り方をしたかお前は……」 ヨシヒコたちはちかくの こやに いどうした。▼ 老ヨシヒコ「そういうことだったのか」 メレブ「うん、そうなのよ。俺、みんなと別れたあと、魔法の修行に行こうと思って旅立ったんだけど…… 旅立ちました→道に出ました→牛が来ました→轢かれました→死にました→俺、終了。はい」 老ダンジョー「あれだけ呪文を手に入れて、牛に轢かれて死ぬとはな」 老ムラサキ「まぁ、どれも使えない呪文だったからな」 老ダンジョー「それでお前だけ若いのか?」 メレブ「そのようだ」 老ヨシヒコ「メレブさん、久しぶりに、どんな呪文でもいいからかけてください」 メレブ「変わらないな、ヨシヒコは。よかろう、スイーツ!」 メレブは スイーツを となえた!▼ 老ヨシヒコ「……ああ、甘いものが…… とにかく甘いものが食べたい!」 老ムラサキ「こんなとこでそんなもん言われたってねぇ! お前、どうしてスイーツなんかかけたんだよ!」 老ダンジョー「どうするんだ、メレブ! 何もないぞ、甘いものなんて!」 メレブ「どうしようもないな」 老ヨシヒコ「持ってます……」 メレブ「何を?」 ヨシヒコはおまんじゅうを ほおばった。あんこの あまみが クチいっぱいにひろがる。ヨシヒコのあまいものたべたさが おちついた。▼ メレブ「うわ、なんだ、すごいジジイっぽい。っていうか、わー、おじいちゃんだ。おじいちゃんだ」 老ムラサキ「ふふふ、やっぱりお前はクソ魔法使いだね!」 メレブ「…………チョヒャド」 メレブは チョヒャドを となえた!たしょう はだざむく かんじるていどの れいきを おこすチョヒャドも いまの ムラサキにはとても たえがたい さむさだ!▼ 老ムラサキ「うわー、寒い寒い寒い、寒いよー!! 寒いの弱いんだよー!!」 メレブ「だろうな、お年寄りめ」 老ヨシヒコ「しかし、仏はこんな私たちに、魔物と戦えとおっしゃるのか?」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 老ムラサキ「無理だよ。私が村へ帰った時、完全に普通の女の子に戻ってしまって、呪文はすっかり忘れてしまったよ」 メレブ「嘘だろ!? お前、生き返りの呪文まで覚えたんだぞ!?」 老ムラサキ「うん。それもすぐ、使えなくなったよ!」 老ダンジョー「歴戦の戦士だった俺も、さすがに晩年は衰えたからなぁ」 老ヨシヒコ「私も、晩年は勇者であることを疑われるまでに弱くなっていた……」 老ムラサキ「やめようぜ、戦うの。義務じゃないっしょ」 老ダンジョー「うーん、まぁなぁ……」 老ヨシヒコ「ダメだ! 再び世界が魔物に支配されている今、私たちが戦わずして誰が戦うんだ」 メレブ「うん、言うと思った、それ」 老ダンジョー「ヨシヒコ、お前にはかなわんよ」 老ムラサキ「マジで?」 メレブ「みんな、まかしとけ。1人だけ若い、クソ若い、ピチピチ若いこの俺が、次々と呪文を繰り出して、魔物たちを、倒そうぞ!」 老ヨシヒコ「お願いします、メレブさん!」 メレブ「うむ」 スライムが あらわれた!▼ 老ダンジョー「この程度の魔物、俺が1発で仕留めてみせるわ!」 ダンジョーの こうげき!しかしつるぎを ふりかざした とたんダンジョーの こしが ひめいをあげる!▼ 老ダンジョー「うぐっ!! い、いかん…… こ、腰が……」 メレブ「おい、あんま無理すんなよ……」 老ダンジョー「メレブ、呪文で回復させてくれ」 メレブ「バンテリン! ……とかいう呪文ないんだ。な?」 老ムラサキ「メレブ…… ちょっと歩いたから、膝が痛いんだ。呪文、頼むよ……」 メレブ「グルコサミン! アンド、コンドロイチン! ……とか、だから、そういう呪文ねーんだよ。な?」 老ヨシヒコ「私が…… 勇者である私が、仕留めてみせます」 ヨシヒコの こうげき!ミス!スライムに ダメージを あたえられない!ヨシヒコの こうげき!ミス!スライムに ダメージを あたえられない!▼ メレブ「まったく…… まったくダメージを与えられていない様子」 スライムの こうげき!▼ 老ヨシヒコ「うわっ!!!」 ヨシヒコは1か 2くらいの ダメージを うけた!▼ メレブ「弱い、相手も弱い。ここは、俺の呪文で……!?」 ヨシヒコは しんでしまった!▼ メレブ「ええーっ!? 弱すぎる、勇者! こいつに? 勇者…… おい……」 ヨシヒコはゲートボールを している。▼ 老ムラサキ「ナイス!」 メレブ「ナイスじゃねぇじゃねーか」 ダンジョーはサプリメントを つかった。ダンジョーの かんせつつうがやわらいだような きがする。▼ 老ヨシヒコ「いかん…… ふと気が付くと、いつもこの玉突きをしている自分がいる……」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 メレブ「おかげさまで、年寄りだから金は持ってるし、生き返るのはなんぼでもできそうだけどさ…… 敵に勝てない分、強くなっていく気がしないよね、これ」 老ヨシヒコ「しかし、仏様は、なんで私たちをこんな姿でよみがえらせたんだろう」 メレブ「そんな深い意味ないと思うよ。単なるうっかりだと思うよ」 仏「ヨシヒコ! ヨシヒコー!」 ほとけが あらわれた!▼ メレブ「やっと出たか、仏!! おい、見ろ、この…… この、素敵な面倒の数々を!! おい、なんでこんな感じにしてくれてんだ!!」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 仏「まぁ、その…… やいのやいのわめくな! この…… あの、ひとつひとつのパーツはまあまあなのに、トータルだと不細工なメレブよ」 メレブ「誰がトータル不細工だこの野郎、このペヤングフェイスが!」 仏「誰がペヤングフェイスだ! ちょっとうまいこと言うな、この…… 仁鶴師匠に謝れ!!」 メレブ「誰なんだ、仁鶴って!」 老ヨシヒコ「仏様! どうか、私たちを戦える年齢まで戻してください! でないと、いつまでたっても前進できません」 仏「うん、わかっておる。ただ、私が君たちをこのような状態でよみがえらせたのには、理由(わけ)がある」 老ダンジョー「どんな理由(わけ)だ!」 仏「なんだとお思いかな?」 老ヨシヒコ「若い力のありがたみをわかれということですか」 仏「うーん、そうではない」 老ムラサキ「人生の意味を知れとか?」 仏「そうではない」 メレブ「いいから早く言ってくれよ、っていうか言ってあげなさいよ。どうせ『うっかり』だろ?」 仏「私が君たちを死んだ時の状態でよみがえらせた、その理由(わけ)とは…… うっかりです!」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 メレブ「おい!! ホントぶっ飛ばすぞ、仏だろうがなんだろうが!!」 仏「来れるもんなら来てみろ~♪ YES!!」 老ヨシヒコ「うっかりだったら、今すぐ戻してください!」 仏「OK、わかりました、戻します戻します…… 仏ビーム!!」 ほとけは ほとけビームを はなった!ダンジョーはわかい ころの すがたに もどった!ムラサキはわかい ころの すがたに もどった!ヨシヒコはわかい ころの すがたに もどった!▼ メレブ「おおっ、ダンジョー!! 胸平らさん!! ヨシヒコ!!」 ムラサキはメレブを にらみつけた。▼ ヨシヒコ「ありがとうございます」 メレブ「おい、あいつのうっかりだから、お礼とか言わなくていいぞ」 仏「というわけでヨシヒコよ、今回のお前の目的は、『悪霊の鍵』と呼ばれる、魔物たちを封印する鍵を取り戻すこと」 ヨシヒコ「悪霊の鍵……」 仏「お前が魔王を倒してから時は流れ、魔物たちの封印を解いた者がある。その者を探し出し、悪霊の鍵を取り戻すのだ。その…… ね……」 ほとけは あいかわらずせりふを おぼえていないようだ。▼ 仏「……封印だ、封印! その封印を、解いた者は、おそらく、悪魔族の者であろう。えー、魔物たちから、悪の力を、を? が? 集め…… すごい…… すごい大きな…… あの…… 力を持っているはず。ね。えー、もはや、そやつに勝つことは、お前とて、到底、容易なことではないず、『ないず』ってなんだよ! 『ないぞ』!」 ほとけは こんかいもせりふを まちがえた!▼ 仏「えー、戦いの末に力と、あの、アレを身に着け、アレ、アレ…… 勇気を身に着け、巨大な敵に立ち向きゃうのだ、『立ち向きゃう』って言っちゃった! 『立ち向かうのだ』!」 ヨシヒコ「しかし、魔王を倒した時点で我々も相当な力をつけていました。その敵を倒すのも時間の問題でしょう」 仏「うん、いやいや、ごめんごめん、あのね、ホントごめん。君らね、今ね、レベル0なの」 ヨシヒコ「なんだと……!?」 メレブ「なんでよ!? 魔王を倒したとこにしてよ!」 仏「うん、ごめんごめん、あの、ちょっとあの、そこでセーブしてなかったから」 メレブ「セーブってなんだ!」 ムラサキ「どこまでクソ仏なんだよ、テメー!」 ダンジョー「ありえん。まったくありえん!」 仏「ごめーん、ごめーん。今ちょっと急いでるのー。ちょっと今から家族旅行なのー」 メレブ「お前、家族いたんか!」 ほとけはよていひょうを つかった。ほとけは よていひょうの「ほとけ4ごう」の らんによていを かきこんだ。▼ メレブ「なんだ、そのホワイトボードは。書くのか、予定をそこに。『かぞくりょこー』……!? ちょっと待て! お前、4号だったのか!?」 ムラサキ「1号出してこいよ、1号を!」 仏「じゃあ…… 家族旅行、行ってきまーす!」 ムラサキ「待てよ!!」 ほとけは にげだした!▼ ヨシヒコ「なんということだ…… レベル0とは……」 ヨシヒコははがねのつるぎを ふりかざした。しかし ヨシヒコの たいりょくはおとろえていた。▼ ムラサキ「あー…… ゼロな感じ出てるねー……」 メレブ「なんだろう、もろもろ記憶もあやふやだな」 ダンジョー「ということはメレブ、お前の呪文もゼロってことか?」 メレブ「いや、意識できている呪文が1つだけある」 ムラサキ「それ、回復の呪文だったら相当いいよ」 メレブ「お前にかけてやろう」 メレブはなんらかの じゅもんを となえた!▼ ムラサキ「……ん? なんも起こんないけど?」 メレブ「見ろ。眉毛が太くなっている」 ムラサキの まゆげがごくぶとに なった!▼ ヨシヒコ「おおっ!!」 ダンジョー「うおぉ……!!」 メレブ「この呪文、『ヨシズミ』という呪文だよ」 メレブはヨシズミの じゅもんを おぼえた!▼ ムラサキ「つか、自分じゃ見えねーし。早く戻せよ!」 ヨシヒコ「メレブさん、私にもかけてください!」 メレブ「うむ、よかろう」 メレブは ヨシズミを となえた!ヨシヒコの まゆげがごくぶとに なった!▼ ヨシヒコ「太く、なりましたか?」 ダンジョー「お、俺にも!」 メレブ「ダンジョー、お前にかけると顔がすべて眉毛になるぞ」 ムラサキ「つか、この呪文なんの役に立つわけ?」 メレブ「敵の眉毛を太くすることによって、目に汗が入るのを防ぐ……」 ムラサキ「助けてますよね? それ」 メレブは なんともいえない かおでムラサキを あおった!▼ ムラサキ「ムカつく~…… はよ戻せや」 ムラサキの ヨシズミが とけた!ムラサキの まゆげはもとに もどった!ヨシヒコの ヨシズミが とけた!ヨシヒコの まゆげはもとに もどった!▼ ダンジョー「さて…… 悪霊の鍵、探しに行くか」 ヨシヒコ「すみません、その前に…… 故郷のカボイの村に寄らせてください」 ムラサキ「え? なんで?」 ヨシヒコ「殺生をせず、敵を眠らせるだけの平和の剣『いざないの剣』がそこに……」 メレブ「行こう。『殺生せぬ』は、ヨシヒコの信条だからな」 ヨシヒコたちはカボイのむらへ むかった。▼ ここは カボイのむら▼ 村の長老「お前たちは……」 ヨシヒコ「勇者ヨシヒコです」 村の長老「ああ…… 本当じゃった! 仏様がおっしゃったのは本当じゃった!!」 メレブ「やはり、疑っていたのだな」 ヨシヒコ「私たちは仏の命により、奪われし悪霊の鍵を取り戻す旅に出ます。その前に、私が死ぬ前にここに届けておくようお願いした……」 村の長老「いざないの剣じゃな? ……剣を! 剣を持て!」 むらびとが ヨシヒコにいざないのつるぎを てわたした。ヨシヒコはいざないのつるぎを てにいれた。ヨシヒコはいざないのつるぎを そうびした。▼ ヨシヒコ「ありがとうございます」 村の長老「必ずや…… 必ずやこの世界に、再び平和をもたらしてくれ」 ヨシヒコ「はい」 オルトガ「ご先祖様!」 オルトガが あらわれた!▼ ヨシヒコ「今、なんと言った?」 村の長老「あなた様の子孫…… そう、勇者の血を継ぐ者…… オルトガでございます」 ヨシヒコ「子孫……? 私に子孫がいるのか!?」 オルトガ「私も勇者になれるでしょうか」 ヨシヒコ「勇者……」 ダンジョー「……どうだ。そなたも俺たちと、旅をしてみるか?」 オルトガ「はい! 伝説の勇者がご一緒ならば、旅にお供して、私も強くなりとうございます」 メレブ「ほほう、勇者が2人とは心強いな」 ムラサキ「1人、仲間が増えたってわけね」 オルトガが なかまに・・・▼ オルトガ「……しかし、ダメなんです」 村の長老「……なぜじゃ? 強い味方が、こんなにおるのじゃぞ?」 ムラサキ「そうだよ。お姉ちゃんたちが守ってあげるよ」 ヨシヒコ「そうだ、戦わずとも共にいるだけで戦闘レベルは上がる。最後の敵と戦う時には立派な勇者になっているはずだ」 オルトガ「それでもダメなんです……」 村の長老「なんだなんだ? お母さんと離れるのがさみしいか?」 ダンジョー「勇者たる者、そんなことあるまい」 オルトガ「そんなんじゃないんです」 ヨシヒコ「では、なぜだ? 正直に申してみよ」 オルトガ「実は…… スケジュールがないんです!」 オルトガは いそがしかった!▼ ヨシヒコ「す、スケジュールがないだと……!?」 オルトガ「すいません! ご一緒したいのはやまやまだったんですが……」 メレブ「……まぁ…… うーん…… 仕方ないよね…… スケジュールというのは、大切だからね……」 ムラサキ「旅、長いしね……」 ダンジョー「今どきの子供は、忙しいようだな」 メレブ「まぁ、彼は、あの、特別なんでしょう。あの…… いろいろと……」 ヨシヒコ「……わかった。ではスケジュールをこなしつつ、立派な勇者として成長するのだぞ」 オルトガ「はい!」 オルトガは おとなの じじょうでなかまに ならなかった。ヨシヒコたちは ふたたび よにんでカボイのむらを たびだった。ふいに ヒサがきのかげから かおをだした。▼ ヒサ「兄様……」 メレブ「ヨシヒコ、今チラリと妹が見えた気がするが」 ヨシヒコ「そんなはずはありません。ヒサまでよみがえるなど……」 ムラサキ「あのうっかり仏ならありうるぜ」 ヨシヒコ「何……!?」 そのとき どこからともなくらいめいが とどろいた!▼ 仏「ごめんごめんごめんごめん、あの、またうっかり」 ほとけが あらわれた!どうやら りょこうに いってきたのはほんとうだった ようだ。▼ メレブ「なんだ! 八兵衛か!」 仏「ごめん、ちょっとごめん、今のツッコミもう1回言って? もう1回言って、今の」 メレブ「何が? 合ってるだろ。なんで? 何度も言わせるなよ、恥ずかしいな。なんだよ」 仏「……えー、もう1つセーブポイントが、ありました!」 ヨシヒコ「えっ…… 一気に強くなれるんですね?」 仏「うん…… いや、ちょっとね、そうかな? そうじゃないかな? よくわかんない、ごめんなさい、あの…… 仏ビーム!!」 ほとけは ほとけビームを はなった!ヨシヒコたちはさいごに セーブした ばしょにとばされた!▼ ヨシヒコ「ここは……」 メレブ「何か、見覚えがあるような……?」 ヨシヒコたちはとりあえず あるきだした。▼ メレブ「呪文は増えた気がするが……」 ???「ふふふふ……」 まおうガリアスが あらわれた!▼ 魔王ガリアス「勇者よ! 私の本当の力を、思い知るがいいっ!!」 なんと ほとけがさいごに セーブした ばしょはいちど たおした まおうガリアスがしょうたいを あらわすちょくぜんの ばめんだった!▼ ヨシヒコ「魔王……!!」 ムラサキ「これ、まずいっしょ!?」 ダンジョー「ひとたまりもないぞ!!」 メレブ「道具、何もねーし……」 ヨシヒコ「こ、これはまずいですよ仏……!! 仏ーーーーっ!!!!」 つづく▼
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ここは カボイのむら▼ 村長「このままでは…… この村の人間全員、この恐ろしい疫病に殺されてしまうだろう」 村人たち「あぁ……」 村長「幻の薬草を求めて半年前に旅立った勇者・テルヒコは、いまだ戻らぬ。我々には、次なる勇者が必要だ」 村人たち「おぉ!」「そうだ!」 村長「今ここに、岩に突き刺さったまま、何者にも抜くことができぬという剣がある! 古の言い伝えによれば、この剣を岩から抜きし者が、真の勇者。我こそは勇者と思う者は、前に出よ!」 村人たち「おぉ!」「俺が行く!」 村の若者ヨシヒコ「よし。俺も行こう」 ヨシヒコの妹ヒサ「やめてください、兄様。兄様に争いごとは向きません」 ヨシヒコ「向くも向かないもない。村が苦しんでるんだ」 ヒサ「でも、兄様は少しおっちょこちょいだし…… 戦いでは、1つのおっちょこちょいで命を落とすのですよ」 ヨシヒコ「おっちょこちょいおっちょこちょい言うな! 村の男たちはみんなやる気だ」 ヒサ「嘘です。みんな行きたくない、行きたくないと言ってました」 ヨシヒコ「そんなわけないだろ」 むらびとAは つるぎを ぬこうとした。しかし つるぎは ぬけなかった。▼ 村長「お前は違う。次の者!」 むらびとBは つるぎを ぬこうとした。しかし つるぎは ぬけなかった。▼ 村長「ああっ、お前も違う! 次の者!」 カボイのむらの おとこたちはだれも つるぎを ぬけなかった。▼ 村長「あぁ~、嘆かわしや。最後の1人になってしまった。この村には、救世主なる勇者はおらぬのか?」 ヨシヒコ「……参ります」 村長「行くがよい」 ヨシヒコは つるぎを ぬこうとした。▼ ヨシヒコ「あっ」 なんと!つるぎは ヨシヒコが ふれるまえにいわから ぬけおちた!ヨシヒコは うろたえている!▼ 村長「ああっ…… 勇者の誕生じゃあー!!」 村人たち「おぉー!!」 ヨシヒコは うろたえている!▼ ヨシヒコ「あ、あの…… 抜くっていうより、倒れた感じ……」 村長「勇者ヨシヒコよ、我がカボイの村のために旅立つがよい!」 ヨシヒコ「あ、あの……」 村人「任せた!」「ヨシヒコ、頼んだぞ!」 ヨシヒコは かくごを きめつるぎを たかく さしだした!▼ ヨシヒコ「……勇者です! 私が、勇者ヨシヒコです!!」 ここは そんちょうのいえ▼ 村長「あっちこっち、どっちそっち、あっちこっち、どっちそっち……」 そんちょうはヨシヒコの たびの みちのりをうらなっている!▼ 村人「オザル様? オザル様、どうなされた!」 ヨシヒコ「お静かに。オザル爺は私に行くべき方角を占ってくださっております」 村長「あっちこっち、どっちそっち、あっちこっち、どっちそっち…… うおぉーっ!!」 村人たち「おぉ……」 村長「……南東…… なーんかこっちの方」 そんちょうはあいまいな ほうこうを さししめした。▼ ヨシヒコ「ありがとうございまする」 ヨシヒコはたびの したくを おわらせた。▼ ヨシヒコ「馬ひけーい!」 ヨシヒコは うまに またがった。しかし うまの すがたはもろもろの つごうでみることが できない。▼ ヒサ「兄様! 本当に行かれるのですか?」 ヨシヒコ「もともと私が行く運命(さだめ)なのだ。先に発ったテルヒコは私たちの父…… 私が行くのが当然だ」 ヒサ「でも、これで兄様がいなくなったら、ヒサは1人きりになってしまいます」 ヨシヒコ「待っているがよい、ヒサ。私は必ず戻ってくる」 ヒサ「兄様…… 信じてよろしいのですね?」 ヨシヒコ「ああ。ハイヤー!」 ヨシヒコは うまを はしらせた。しかし うまの すがたはもろもろの つごうでみることが できない。▼ ヒサ「兄様…… 行ってしまわれた……」 ヨシヒコの まえにスライムが あらわれた!▼ ヨシヒコ「何者だ?」 スライム「何者? 俺を知らないって勇者としてどうなのよ?」 ヨシヒコ「知らん」 スライム「待て待て待て! 旅に出たら最初は俺でしょうよ」 ヨシヒコ「最初は俺? どういうことだ……」 スライム「どういうことって、戦うんだよ! どーん!」 スライムの こうげき!▼ ヨシヒコ「ちょっ」 スライム「……どうだ? 1ポイントくらい痛いだろ」 ヨシヒコ「……痛い……」 スライム「ヘイヘイヘイ、ヘ~~イ! もういっちょ行くぜ、どーん!」 スライムの こうげき!▼ ヨシヒコ「やめなさいって」 スライム「うわー!」 ヨシヒコはスライムの こうげきを うけながした!スライムを やっつけた!▼ ヨシヒコ「………?」 ヨシヒコは さきを いそいだ。▼ やけに もみあげの めだつせんしが とうぞくと たたかっている。もみあげの めだつ せんしはとうぞくを きりすてヨシヒコの ところに ちかづいてきた。ヨシヒコは きづかないふりを してさきを いそごうとした。▼ 戦士「待て」 しかし よびとめられて しまった!▼ ヨシヒコ「……はい」 戦士「嫌な時代になったもんだ…… 皆、人間は疫病に苦しみ救いを求める……」 ヨシヒコは にげだした!▼ 戦士「人が話してるだろ!」 しかし よびとめられて しまった!▼ 戦士「聞くんだ」 ヨシヒコ「……はい」 戦士「……嫌な時代になったもんだ…… 皆、人間は疫病に……」 ヨシヒコは にげだした!▼ 戦士「聞こうよ、話を!」 しかし よびとめられて しまった!▼ 戦士「何、普通の顔してスーッと通り過ぎようとしている!」 ヨシヒコ「長そうなんで……」 戦士「じゃあ、これだけは言わせろ。これを全部言ったら、お前のことサッと殺すから!」 ヨシヒコ「えっ……? 私は殺されるんですか?」 戦士「そう! これから全部、かっこよく語ったのちにな。冥途の土産ってやつだ」 ヨシヒコ「私は勇者だ。村を救わなくてはならない。あなたにどんな正義があろうと、私はあなたにここで殺されるわけにはいかない」 戦士「ふん、なかなか骨のある男だ。しかしな若造、お前が俺の話をしっかり聞くまで、逃がさんぞ? 俺の名はダンジョー。お前と同じ、ある人々を救うという使命を持って戦う男だ……」 ヨシヒコは にげだした!▼ ダンジョー「待てぇ! コラ! おい! ちょっと待て! まだ話は終わってないぞ!」 ヨシヒコは ダンジョーを むししてさきを いそいだ。やがて よるに なった。▼ ヨシヒコ「いつまでついてくるつもりですか」 ダンジョー「え? 俺の話をすべて聞くまでだと言ったろ。話を聞きすぎて疲れたころに、不意を突いて殺す…… それが、俺のやり方だ」 ヨシヒコ「すごい作戦ですね……」 ダンジョー「俺は頭がいいからな。今聞くか?」 ヨシヒコ「今日はもう寝ます」 ダンジョー「そうか」 ダンジョーは ヨシヒコの つるぎにちゅうもくした。▼ ダンジョー「この剣は……! なんて奴だ……」 よるがあけ ヨシヒコは たびをさいかいした。ダンジョーは まだヨシヒコに ついてきている。▼ ダンジョー「ヨシヒコ、そろそろひと休みしよう。足がパンパンだ」 ヨシヒコ「そうですね。休みましょう」 ヨシヒコたちの まえにあやしいおんなが あらわれた!▼ ダンジョー「何者!?」 あやしいおんなはこちらが みがまえるまえにおそいかかってきた!あやしいおんなの こうげき!ダンジョーはひらりと みをかわした!ヨシヒコはふせぐので せいいっぱいだ!▼ ダンジョー「ヨシヒコ! 斬れ!」 ヨシヒコ「いえ、女は斬れません!」 ダンジョー「甘いぞ!」 ヨシヒコ「できれば男も斬りたくありません!」 ダンジョー「いいから斬れ! お前の剣は『いざないの剣』。斬っても死にはせん、眠るだけだ!」 ヨシヒコ「それは本当ですか!」 ダンジョー「平和の神が与えるという、伝説の剣だ!」 ヨシヒコ「信じます!」 ヨシヒコの こうげき!あやしいおんなを ねむらせた!▼ ヨシヒコ「今の話、本当でしょうね?」 ダンジョー「本当だ! ……多分」 ヨシヒコ「『多分』ってなんですか!」 ダンジョー「絶対本当だ! 多分、絶対だ!!」 ヨシヒコ「どっちですか!?」 あやしいおんなは めをさました!▼ 女「父の仇!」 あやしいおんなの こうげき!ヨシヒコはひらりと みをかわした!▼ ダンジョー「そら見ろ、本当だったろ」 ヨシヒコ「そなた、私が父の仇というのはどういうことだ?」 女「我が名はムラサキ。父ヤシマルは、お前に殺されたのだ」 ヨシヒコ「私は自分の村を出たのは初めてだし、人を殺めたことなど一度もない」 ムラサキ「往生際が悪いぞ! ここで会ったが百年目。その首、家族のもとに持ち帰る」 ダンジョー「あー…… ムラサキとやら、ヨシヒコを仇と思うその根拠はなんだ?」 ムラサキ「これぞ動かぬ証拠、父が殺された場にいた男が書いた似顔絵だ! 見ろ」 ムラサキはにんそうがきを みせつけた。しかし にんそうがきはおせじにも よくかけているとはいいがたい できばえだった。▼ ダンジョー「うーん…… どうだ、これ……」 ヨシヒコ「私…… ですかね?」 ダンジョー「なんとも、これでは……」 ムラサキ「そっくりだ」 ダンジョー「もう少し上手い奴に書いてもらった方がよかったんじゃないのか?」 ムラサキ「その男が村で一番上手い」 ダンジョー「すごい村だな……」 ヨシヒコ「見ようによっては、私ですかね……」 ダンジョー「どう見たんだ」 ムラサキ「そっくりだ」 ダンジョー「これではなんともなー……」 ムラサキ「クリソツだ」 ダンジョー「……他に何か、伝えられた手掛かりはないのか?」 ムラサキ「割と目がパッチリしている、と」 ダンジョー「他には?」 ムラサキ「それだけだ」 ヨシヒコ「割と目がパッチリしている男は、結構たくさんいるぞ。パッチリならともかく、『割と』となると、すごくたくさんいるぞ! それをすべて殺して回るのは、大変なことだ」 ムラサキははげしく ショックを うけている!▼ ムラサキ「どれもこれも、人違い、人違い…… いったい私は、誰を殺せばいいんだ……」 ヨシヒコ「……どうだ、そなた、私たちの仲間にならないか?」 ムラサキ「………」 ヨシヒコ「ずっとそばにいて、私が父の仇だと確信することがあれば、その時は私を殺せばいい」 ダンジョー「ヨシヒコ、お人よしもいい加減にするんだ」 ヨシヒコ「私も父を救うために旅をしている。そなたと同じだ。どうだ、私についてこぬか」 ムラサキは まよっている!▼ ムラサキ「私の勘が、お前だと言っている」 ヨシヒコ「その勘が確信に変われば、いつでも私を斬れ」 ムラサキ「……そうさせてもらおう。これからは安心して眠れぬぞ」 ヨシヒコ「覚悟の上だ」 ムラサキが なかまに くわわった!▼ ダンジョー「よーし、日が暮れる前に、森を抜けよう」 ヨシヒコ「行こう」 ここは ウッサンのむら▼ 村人たち「見えたぞ!」「教祖様ぁ!」 むらびとたちの まえにへんなホクロのおとこが あらわれた!▼ 村人たち「教祖! 教祖! 教祖! 教祖!」 ホクロの男「さぁ…… 施しの時間だよ」 村人たち「うおぉーっ!!」 むらびとたちは ねっきょうしている!▼ 村人A「子供が…… 子供が、蜂に刺されました! どうすればいいでしょう、教祖?」 ホクロの男「……刺されたとこ、爪と爪で、こう、押す。押し出す感じでやって、そのあと…… 唾をつけよ」 村人たち「うおぉーっ!!」 むらびとたちは ねっきょうしている!▼ ダンジョー「おお、村だ。あそこで食料を調達するか」 ヨシヒコ「そうしましょう」 ムラサキ「父の仇っ!」 ムラサキは いきなりヨシヒコの かたに ナイフをつきたてた!ミス!ヨシヒコは ダメージを うけない!▼ ヨシヒコ「何度言わせるんだ。もう少し確信を持ってから刺しなさい! きりがないから、引っ込むやつに変えておいたぞ」 ムラサキ「いつの間に、引っ込むやつに…… う~!」 ムラサキはおもちゃのナイフを てにいれた。▼ ヨシヒコたちはウッサンのむらに やってきた。▼ 村人たち「メレブ様ぁ!」「教祖ー!」 ダンジョー「なんじゃ、ありゃ」 なんと きょうそメレブはおおきな いわを ちゅうにうかべている!▼ 村人たち「メレブ様ぁー!!」 ヨシヒコはなにかを さぐるようにメレブを みている!▼ ヨシヒコは むらの みせでしょくりょうを かった。メレブが ヨシヒコたちにちかづいてきた。▼ メレブ「見ない顔だな。外の話が聞きたい。のちに、私の屋敷に来るがいい」 ヨシヒコ「はい、教祖」 ムラサキ「なんだ、あいつ。超上から目線じゃん」 ダンジョー「教祖様だからな」 村人B「さすがに重いな、あの岩」 村人C「さらにでかくされちゃったからなー」 ヨシヒコ「………!」 ヨシヒコはなにかを つきとめた!▼ ここは きょうそメレブの やしき▼ メレブ「ご苦労だった。そなたたち、どこから来た?」 ヨシヒコ「カボイの村です」 メレブ「カボイか…… 知らない。疫病の具合はどうだ」 ヨシヒコ「何人も死にましたが、私は、幻の薬草を探すため先に旅立った父と、その薬草を求め、旅に出ました」 メレブ「それはご苦労であった。お前は?」 ダンジョー「俺は、こいつが俺の話を全部聞いて、俺がこいつを殺すまで、一緒に旅をすることにしてるんだ」 メレブ「何それ? すごいわかりにくいね動機……」 ヨシヒコ「仲間です」 メレブ「仲間じゃないでしょ。殺そうとしてんだよ、お前のこと。で、女は?」 ムラサキ「女とか呼ぶのやめてくんない?」 メレブ「おっと? 気ぃ強い系? 大丈夫大丈夫いいよいいよ、そういうの嫌いじゃない嫌いじゃ、うん、ごめんごめんごめん…… 名はなんと申す?」 ムラサキ「ムラサキ」 メレブ「ほほう。ムラサキ、お前はどういう関係だ?」 ムラサキ「こいつが父の仇。いつか殺します」 メレブ「えっ、2人ともこいつのこと殺そうとしてんの?」 ヨシヒコ「仲間です」 メレブ「仲間じゃないでしょ、だから。殺そうとしてんだよ、2人ともお前のこと。え、旅してても気が気じゃないよね? だって歩いてたって、その…… ど、どっからでも刺してくるよね?」 ヨシヒコ「ムラサキのは引っ込むやつですから」 メレブ「何が? 引っ込む? 何が引っ込むんだよ。な…… わかんないお前、やだ…… もういい、乾杯しよう乾杯。今日は、外の話でも聞いて盛り上がろう。逆に、何か受けたい施しはあるか?」 ヨシヒコ「時に教祖」 メレブ「なんだ」 ヨシヒコ「教祖が、大きな岩を浮かせているのを見ました」 メレブ「おお! あれ見てくれた?」 ヨシヒコ「あれ、布の裏側で人が持ち上げてますよね」 メレブ「……ははっ、はぁ~!? 何言ってんの? はぁ~? 違うよ? はぁ~?」 メレブはあきらかに うろたえている!▼ ヨシヒコ「布の前に、板の台座があって…… それが布の裏側とつながっていて、それを3人ぐらいの人が持ち上げてますよね」 メレブ「ははっ、ちがっ、はぁ~? 何言ってんだろうねあのお兄ちゃんね、何言ってんだろうねおかしいねおかしいね」 メレブは きぼりのくまにはなしかけた!メレブは わざとさけのつまみが はいったこばちを ころがした!▼ ムラサキ「わかりやすくキョドってんじゃん」 メレブ「キョドってませんキョドってません、キョドってませんけど」 ヨシヒコ「『最近、岩が重くなってきた』と話している人たちがいました。多分、彼らが持ち上げているのでしょう」 メレブ「ははっ、誰だよそれ。誰だろうね誰だろうね?」 ムラサキ「一気に万事休すじゃん」 メレブ「……んだよ、うっせーな!! お前なんなんだよ、楽しく飲もうってんのによぉ来て早々よぉ、いちゃもんつけやがってよぉ!」 ムラサキ「逆ギレだよ……」 ヨシヒコ「いいえ、私は教祖を怒らせようと思って言ったわけではありません。私は村で大工をやっていたもので…… よくできた装置だなと思ったんです」 メレブ「そうなんだよ! よくできてるだろ、あれ? あれ一度もバレたことないの。結構何回もやってるけど一度も…… 違う! 何? バレるって。やだ! いやいや、違うよ! バレるってなんだよそれ…… いいよ、もうやだ! 気分悪い! 帰る! なんだよもう、なんでお前そういうこと言うの……」 メレブは へそをまげてじぶんのへやに もどった。ヨシヒコたちは このむらにひとばん とまりよくじつの あさはやくむらを でることに した。▼ メレブ「待ってくれ! おーい! 待ってくれ」 ムラサキ「どうしたの? インチキ教祖」 メレブ「インチキって言うな」 ムラサキ「じゃあ、ウソめっちゃつく教祖」 メレブ「さらに悪意を感じるぞ?」 ヨシヒコ「昨日はすいませんでした、失礼な質問をして」 メレブ「いいんだ。本当の話だから」 ムラサキ「ほら~」 メレブ「そういう言い方はやめて」 ダンジョー「ほら~」 メレブ「おっさんもそういうのやめて」 ダンジョー「おっさん言うな」 ヨシヒコ「どうしたんですか、こんな朝早く」 メレブ「……一緒に、旅をさせてくれ」 ダンジョー、ムラサキ「えっ?」 メレブ「教祖、疲れた。もう誰かにバレたらやめようと思ってたんだよね、もう村人の思い引き受けんのはもうまっぴらだ」 ヨシヒコ「しかし、教祖がいなくなっては村人たちが路頭に迷います」 メレブ「いなくなったらなったで、なんとかする。連中」 ダンジョー「退屈しのぎにするような、甘い旅ではないぞ」 メレブ「外の世界が見たいんだ。あっ、魔法を使えるのは本当だぞ? 岩を浮かすとかは無理だけど……」 メレブはなんらかの じゅもんを となえた!▼ メレブ「な? ほら見ろ」 ダンジョー「ん……? 何が変わったんだ?」 メレブ「よく見ろ。ムラサキの鼻が、豚っ鼻になっている」 ダンジョー「本当だ……」 ムラサキ「ちょっ、何すんだよ!」 メレブ「人の鼻の穴を上に向ける…… 『ハナブー』という呪文だ」 ダンジョー「いつ、どこで使うんだ?」 ヨシヒコ「すごい……!!」 ダンジョー「『すごい』? 絶対使わんぞ、この先!」 ムラサキ「ちょっと! もう、人の鼻の穴いつまで上げてんだよ。早く戻せよ!」 メレブ「戻してほしい?」 ムラサキ「うん」 メレブ「戻してほしかったら、『ブヒブヒ』って言え」 ムラサキ「……ブヒ、ブヒ」 メレブ「よくできました」 ムラサキの ハナブーが とけた!ムラサキの ハナはもとに もどった!▼ ヨシヒコ「私にもハナブーをかけてください!」 ダンジョー「かからんでいい」 メレブ「すまん、1日1回だ」 ムラサキ「使えねぇ……」 メレブ「どうだ? 俺は魔法使いだ」 ダンジョー「ああ…… 他にどんな魔法を使えんだ?」 メレブ「今のところ…… ハナブーだけだ」 ムラサキ「使えねぇ……」 メレブ「これから旅をしていくうちに、次々と呪文を覚えていくかもしんない!」 ムラサキ「覚える呪文も使えなさそう」 メレブ「なんだお前、やっぱ態度悪いな! じゃあなんだよ、お前は何使えんだよ!」 ムラサキ「私は父の仇取れればそれでいいんだよ!」 ヨシヒコ「行きましょう、メレブさん」 メレブ「……おお、連れていってくれるか!」 ヨシヒコ「こちらこそ! お手伝いくださってありがたいです」 メレブが なかまに くわわった!▼ メレブ「ヨシヒコ、何か欲しいものはあるか? この村にある物だったらなんでも持っていっていいぞ」 ヨシヒコ「私は…… 私は父上と薬草を探したいだけです。そのためだけに旅を続けます」 メレブ「無欲な奴だ」 ムラサキ「馬鹿なだけだよ」 メレブ「手伝うぞ、その願い」 ダンジョー「俺もだ。それがどんなに長い旅になろうともな」 メレブ「ああ。どんなに長くかかろうとも」 ムラサキ「じゃあ…… 私も、仇はしばらく我慢するか」 ヨシヒコ「行きましょう!」 ダンジョー「おう」 メレブ「ああ」 ヨシヒコたちのけっそくが ふかまった!あるいている うちにひが さしてきた。▼ ヨシヒコ「霧、晴れましたね」 メレブ「晴れるもんだね」 老人「あれ? ヨシヒコ」 とつぜん ろうじんがヨシヒコに はなしかけてきた。▼ 老人「ヨシヒコじゃねぇか!」 ムラサキ「誰?」 ヨシヒコ「……父上っ!!」 ダンジョー、ムラサキ、メレブ「ええっ!?」 なんと ろうじんはヨシヒコのちち テルヒコだった!▼ テルヒコ「どうしたお前、こんなとこで」 ヨシヒコ「父上こそ! 薬草を採りに行って半年……」 テルヒコ「ああ、行った行った。幻の薬草な」 ヨシヒコ「いかがされたのですか? 志半ばで、やむなく戻られたのですか?」 テルヒコ「んーん。あったあった」 ヨシヒコたち「えぇ……」 テルヒコ「もう、めっちゃくちゃたくさん採ってきたよ」 テルヒコはかごいっぱいに つまれた やくそうをみせた。▼ ヨシヒコ「では、なぜ村へ戻らずに……」 テルヒコ「ああ、それがさ……」 テルヒコは わかい おんなとちいさい おんなのこを つれてきた。▼ テルヒコ「付き合ってます」 ヨシヒコ「えっ!?」 テルヒコ「これが、連れ子でさ…… 名前、言いなさい」 女の子「はい、リンです」 テルヒコ「でもって、これが…… これなんす」 なんと テルヒコの こいびとはすでに テルヒコの こどもをみごもっていた!ヨシヒコは こんらんしている!▼ テルヒコ「帰りづらくなっちゃってさ…… あっ、そうだ! お前が持って帰れ、薬草! 疫病、ピタッと治るわ。これ。な?」 ヨシヒコはやくそうを てにいれた。▼ テルヒコ「あっ、皆さん、旅のお仲間……」 ダンジョー「はぁ……」 テルヒコ「……ヨシヒコが、お世話になってまーす。父でーす……」 びみょうな くうきがあたりを つつんだ!▼ テルヒコ「……ヒサは、元気?」 ヨシヒコ「……はい……」 テルヒコ「……ということで、ごめんな、ヨシヒコ。もう、この世に父はいないと思ってくれていいから。じゃあ」 テルヒコはむせきにんな せりふを のこしてたちさった。▼ テルヒコ「小さな幸せ、つかもうな……」 きまずい くうきがあたりを つつんだ!▼ ダンジョー「おやおや? ということは…… 旅、終了?」 ヨシヒコ「……そう、ですね……」 メレブ「おぉう…… え? じゃあ…… これ…… えぇ? これ、アレ? 解散?」 ヨシヒコ「……そうですね……」 メレブ「おぉー…… おぉ…… おわー…… えぇ、すげぇ……」 ヨシヒコ「……何かすいません、こんなにも早く願いが叶うとは……」 メレブ「あっ、ううん、いや、いいよいいよ。あの、願いとかね、あの、早く叶う方が、あの、アレだから」 ダンジョー「……じゃ、あの…… お疲れ」 ヨシヒコ「……お疲れさまでした」 ダンジョー「お疲れ……」 メレブ「お疲れっす」 ダンジョーは さっていった。▼ メレブ「……あの、今度よかったら、飯とか……」 ヨシヒコ「そうですね……」 メレブ「家飲みとか、しよう?」 ヨシヒコ「はい……」 メレブは さっていった。▼ ムラサキ「何これ」 ムラサキは さっていった。▼ ???「ヨシヒコ……」 とつぜん なにものかがヨシヒコたちを よびとめた!▼ ダンジョー「なんだ、この声は?」 ???「ヨシヒコ……」 ダンジョー「あれは!?」 メレブ「仏様……?」 ほとけが あらわれた!▼ 仏「ヨシヒコよ、よく聞くのだ」 ヨシヒコ「………」 ムラサキ「……ヨシヒコ? 仏様に返事しなよ」 ヨシヒコ「いえ…… 全然見えないです、仏様が」 仏「ヨシヒコよ、お前の使命は父上を探すことでも薬草を…… おいおいおい、どっち見てんだヨシヒコ」 ヨシヒコは キョロキョロしている。▼ ダンジョー「おい! あそこだよ、あそこ」 仏「……えっえっ、待って待って待って? えっ、何? 何? えっ、ちょっと待って? 私のこと見えないの?」 メレブ「なんで? あんなはっきり見えるよ?」 ヨシヒコ「すいません……」 仏「おい、おい! おーい! おい、私のこと、マジ? 何、見えないの!? おい、なんだよおい、主人公に見えないんだったらお前、しゃべったってしょうがねぇじゃんよ~!」 メレブ「おい、お前、これかけてみろ。かけてみ、かけてみ」 ヨシヒコはりったいメガネを そうびした。▼ ヨシヒコ「……おおっ、見える!! 仏様だ!!」 仏「お、見えた見えた? いいじゃんいいじゃんいいじゃん、はい、じゃお告げ行くよ、はい」 ヨシヒコ「おお…… すごい、飛び出して見える!」 仏「いや、別に飛び出して見える必要はないんだけどね」 ヨシヒコ「顔が大きい……!」 仏「お前なんでそんな真顔で言うの、それ? ねぇ? そりゃ大きいよ、確かに大きいけれども、あの、俺よく言われるのはね、あの、なんていうのかな、その、体の割にさ、あの、顔がでかいっていうのはね、あの、よく言われる…… って、ほっとけよ! 仏だけに、ほっとけよ!」 ほとけは ノリツッコミを した。ヨシヒコたちは ポカンとしている。▼ 仏「……はい、いい。はい、じゃあ行くよ、はい、お告げ行くよ? お告げ行くよ? はい、はい…… ヨシヒコよ、いざないの剣を手にしたお前の使命は、下界に降り立った魔王を倒すことだ」 ヨシヒコ「魔王?」 仏「彼はかつて、下界に降り立ち地中深くに眠ったが、今、その眠りを解き、地上に現れた。疫病は彼の仕業なのだ。彼は、人々の心を、操り…… 下界を、が? を? 我が物に…… あの、しようとしている。ね」 ほとけはせりふを おぼえていないようだ。▼ 仏「えー、魔王の手によって、あの、人々はアレを宿し…… アレアレ、あの…… アレ、あの…… 邪悪な気を宿し…… 魔物がはこびる…… 『はこびる』ってなんだよ! 『はこびる』ってなんだよ! 『はびこる』!」 ほとけはせりふを まちがえた!▼ 仏「えー、うん…… んー、え? あっ、いいや…… えーと、魔王の手から、下界を救うのだ! それがお前の使命で!」 ほとけは またもせりふを まちがえた!▼ 仏「『使命で』ってなんだよ! 『使命で』ってなんだよ!」 ほとけはノリツッコミを しながらすがたを けした!▼ ヨシヒコ「……ということです」 ダンジョー「なるほど。やはり長い旅は続くということだな」 メレブ「そのようだな」 ムラサキ「なんか、めんどくさ」 ヨシヒコ「共に、行ってくれますか」 メレブ「うむ」 ダンジョーが なかまに くわわった!ムラサキが なかまに くわわった!メレブが なかまに くわわった!▼ ヨシヒコ「行きましょう」 ヨシヒコたちの あらたなるたびが はじまった!ふいに ヒサがきのかげから かおをだした。▼ ヒサ「兄様…… ヒサは心配です」 つづく▼
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ヨシヒコたちはさきんじて あくりょうのかぎを てにいれたあんこくのかみ デスタークを たおしすべての あしき まものを ふういんするためまものたちが すむ 「うらせかい」へとつにゅうした。▼ ここはデスタークのしろの もんぜん▼ ダンジョー「さぁ、いよいよ殴り込みだ」 メレブ「……えっ、待って待って? これ、いきなり勝負? え? 偵察とかではない感じ?」 ムラサキ「それは状況次第だろ。デスタークって奴に出会ったら、戦うしかねーじゃん」 ヨシヒコ「その通りだ」 メレブ「待ってくれよ…… 俺は果たして、デスタークに対抗しうる呪文を手に入れただろうか……」 メレブは かんがえはじめた。▼ メレブ「……いける」 メレブはじしん たっぷりに いいきった。▼ ムラサキ「え? どの呪文で『いける』と判断した?」 ヨシヒコ「行きましょう。そして再び世界に平和を取り戻すのです」 メレブ「では……」 メレブはへんげのつえを つかった。ダンジョーの すがたがもみあげの めだつ スライムにへんかした。ムラサキの すがたがかみかざりの ついた スライムにへんかした。ヨシヒコの すがたがぼうしを かぶった スライムにへんかした。メレブの すがたがへんなホクロの スライムにへんかした。▼ ダンジョー「なるほど、これならバレない」 ヨシヒコ「行きましょう。私についてきてください」 ヨシヒコたちはデスタークのしろへ のりこんだ!▼ ヨシヒコたちはなかにわに やってきた。おおぜいの まもののむれがつどっている。▼ ヨシヒコ「なっ!?」 メレブ「なんだ、これは?」 ムラサキ「やばい…… これ、やばいよ」 メレブ「暗黒の神は、魔族をすべて掌握しているようだな」 ダンジョー「ふふふふ、身震いがするぜ。これだけの子分を引き連れる親分の顔を早く拝みたいもんだな」 ヨシヒコ「行きましょう」 ヨシヒコたちは デスタークをさがしはじめた。スライム そっくりに すがたをかえている ヨシヒコたちはほかの まものからまったく あやしまれていない。▼ メレブ「うむ、うむ、うむ…… 誰もこちらを見る者はいないな」 ヨシヒコ「外見は完全に魔物ですからね」 ヨシヒコたちはしろのなかへの いりぐちをみつけた!▼ ヨシヒコ「あれだ」 メレブ「うむ、間違いない」 ここはデスタークのしろの おおひろま▼ 魔物たち「皇帝! 皇帝! 皇帝! 皇帝!」 メレブ「もしや、ここがデスタークの部屋なのでは?」 ダンジョー「デスタークは自らを『皇帝』と名乗っているのか」 ヨシヒコ「皇帝だと……」 ダンジョー「あっ! 出てくるぞ、皇帝が」 メレブ「こんなにも早く、ボスの姿が拝めるとはな」 ヨシヒコ「皇帝、デスターク……」 こうていが あらわれた!▼ 魔物たち「うおぉーっ!!」 ヨシヒコ「や、奴が暗黒の神・デスタークか……」 皇帝「なんと喜ばしい限りだ…… 今日も歓喜の声がそこかしこから上がっている。我々魔族の力は、日に日に増しているようだな」 魔物たち「うおぉーっ!!」 まもののむれは ねっきょうしている!▼ 皇帝「我々魔族は、人間たちが支配する表の世界を制圧しうる力を持った。いよいよ、この裏世界という不名誉な大地を飛び出し、表世界の覇者となろうぞ」 ヨシヒコ「そうはさせん!!」 まもののむれはいっせいに ヨシヒコを みた。▼ メレブ「あっ、ヨシヒコ…… あら、もう言っちゃう?」 ムラサキ「何してんだよ~、もう少し様子見るとこでしょうよ!」 メレブ「言いたくなっちゃうのな、ついついな」 ムラサキ「空気読めよ、空気……」 ヨシヒコ「空気など読む必要はない!」 メレブ「うん…… 確かに、君が空気読んだとこ見たことないけど……」 ダンジョー「よいではないか。いずれ戦う相手だ」 皇帝「君たちは、新入りか?」 ヨシヒコ「違う! 私はお前を倒すためにやってきた勇者だ」 メレブ「うん、ヨシヒコ、うん…… そこまで言うなら、変装した意味ないな。変化の杖、必要なかったな」 皇帝「ほほう、変化の杖でな…… 人間の勇者がここまで来たことは褒めてやる。しかし…… 私もあまり優しくないのでな……」 こうていの ひとみがぶきみな ひかりを はなちはじめた!▼ 皇帝「消えてもらおうか」 こうていの ひとみからほとばしる まりょくがはげしい ばくはつを おこす!▼ ヨシヒコ「………」 ヨシヒコは めをさました。ダンジョー ムラサキ メレブはしんでしまっていた。ヨシヒコはきょうかいの なかに いた。▼ 神父「おお、死んでしまうとは情けない」 ヨシヒコ「……なぜだ。仏に言われた最強の装備を身に着けていながら……」 神父「何したいの? セーブ?」 ヨシヒコ「いえ……」 神父「呪いを解く?」 ヨシヒコ「いや、これを……」 ヨシヒコはなかまの かんおけを みせた。▼ 神父「生き返らせる?」 ヨシヒコ「はい」 神父「となるとね、ダンジョーさんは、50000ゴールド。ムラサキさんは、10000ゴールド。メレブは…… 6ゴールドかかっちゃうけど」 ヨシヒコ「高い…… メレブさんしか生き返らすことができない」 神父「裏世界価格だからね」 ヨシヒコ「メレブさんと戦っても60000ゴールドなど、いつになることやら……」 神父「まけてほしいの?」 ヨシヒコ「……そうですね」 神父「わかった。じゃあタダでいいよ」 ヨシヒコ「なんだとっ!?」 神父「なぜならば、この教会は、今日で閉店。ということで、一斉処分市」 ヨシヒコ「なぜ……」 神父「なぜって、デスタークに消されるわけよ。だから、死んだら、二度と生き返れないよ。だから、簡単に死んじゃいけないよ」 ダンジョーは いきかえった!ムラサキは いきかえった!メレブは いきかえった!▼ ヨシヒコ「ありがとうございます、神父様」 しんぷの すがたがじょじょに きえはじめた。▼ ヨシヒコ「ああ…… だんだん、お姿が見えなくなってきている……」 メレブ「これも、デスタークの仕業なのか……」 神父「最後に、1つだけ言っておきたいことがある」 ヨシヒコ「はい!」 神父「歯磨きって、毎日しすぎると、知覚過敏になるよ」 しんぷはどうでもいい メッセージを のこしてきえさった。▼ ヨシヒコ「さ、最後まで…… 最後までお聞かせください、神父様!!」 メレブ「……多分、聞かなくていい類のことと思われる」 ヨシヒコたちはひとまず さくせんを かんがえはじめた。ヨシヒコはオリハルコンのこてを そうびした。ヨシヒコはオリハルコンのすねあてを そうびした。▼ + 【オンエア時にカットされたシーン】 ヨシヒコ「なんということだ。たった一撃でやられるとは……」 ダンジョー「あの魔王でさえも、装備を整えさえすれば対抗しえた……」 メレブ「果たして、その装備は本当に無敵なのだろうか。あの仏のお告げによるものだけに、なんとも疑わしい……」 ムラサキ「おーい、仏! どうなってんだよ!」 ムラサキはてんに むかって よびかけた。しかし なにも おこらなかった。▼ メレブ「……こうなったら、奥の手だ」 ダンジョー「奥の手?」 メレブ「ムラサキの『パルプンテ』で、何かしら突破口が開けるかもしれん」 ムラサキ「えー…… 何が起こるかわかんないのに?」 メレブ「わからないからいいのだ」 ヨシヒコ「ムラサキ、やってみろ」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 ムラサキ「それよりさヨシヒコ、新しい特技覚えたんだよ。見よ、必殺『アヒル口』!」 ムラサキは くちびるを とがらせた!▼ メレブ「お前、それ、だからさ、鼻の下ぐちゃぐちゃになってるよ? 大丈夫?」 ヨシヒコ「早くパルプンテを」 ムラサキの アヒルぐちはヨシヒコには なんの こうかもなかった。▼ ムラサキ「……わかったよ。でも、なんかわかんないけど、あれやるとすげー疲れんだよね」 メレブ「だろうな。相当のM(マジック)P(ポイント)を消費するはずだ」 ダンジョー「しかしな、何か必殺の武器が出てくるかもしれんぞ」 ムラサキ「マジで?」 ダンジョー「うんうん」 メレブ「とにかく、やってみるしかない」 ムラサキ「わかりました…… えいっ!」 ムラサキは パルプンテを となえた!・・・どこからともなくレベルが あがったときに ながれるおとが きこえてきた。▼ ヨシヒコ「……何か、どんどんレベルが上がっているような……」 ダンジョー「ああ…… ただ、俺は今ひとつ、力がみなぎってこん……」 ヨシヒコ「私もです…… どういうことだ?」 なにやらメレブの ようすが おかしい。▼ メレブ「これは……? 俺だけが! 一気に!! どんどんと!!! レベルが上がってるよ!!!! そうだよ、そうだよきっと!!!!!」 ムラサキ「意味ねぇじゃん!!」 ヨシヒコ「いや、意味はある。これでメレブさんにたくさん呪文を覚えてもらえる」 ダンジョー「そうか…… やったな!」 ヨシヒコ「でかしたぞ、ムラサキ」 ムラサキはぜんぜん なっとく していない。レベルが あがったときに ながれるおとが なりやんだ。▼ メレブ「どうやら…… 一気に、20レベルほど上がったようだ!!」 ヨシヒコ「すごい……!!」 ムラサキ「最強の攻撃呪文を手に入れたろ!?」 ダンジョー「生き返りも、自由自在だな!」 ヨシヒコ「メレブさん! 今覚えた呪文を、かけまくってください!!」 メレブ「よかろう!」 メレブはなんらかの じゅもんを となえた!▼ ムラサキ「……何も起こんねーじゃねーか、バカヤロー、コノヤロー」 メレブ「『タケシズン』という呪文だ。敵が肩をこう、クイックイッとやって、『バカヤロー、コノヤロー』とやってる間に攻撃できる……!!」 メレブはタケシズンの じゅもんを おぼえた!▼ ヨシヒコ「すごいです…… しかし、もっとすごいのを見せてください」 メレブ「よかろう! どんどんかけるぞ」 メレブはなんらかの じゅもんを となえた!ヨシヒコがおなかを おさえて くるしみだした!▼ ヨシヒコ「……これは……」 メレブ「ヨシヒコ、今うんこしたいでしょ」 ヨシヒコ「はい……」 メレブ「『ダイベイン』! そういう呪文だよ?」 メレブはダイベインの じゅもんを おぼえた!▼ ヨシヒコ「魔物は、トイレに一目散ですね」 ムラサキ「早く解け、バカヤロー、ダンカン、コノヤロー!」 メレブ「ヨシヒコ、うんこしたい? 大丈夫?」 ヨシヒコ「えぇ…… はい……」 ヨシヒコはだいじょうぶ では なさそうだ!▼ メレブ「バカヤロー、コノヤロー!」 ムラサキ「バカヤロー、コノヤロー!」 メレブ「らっきょ、らっきょ」 ムラサキ「らっきょ…… らっきょ」 メレブ「おいおいおい、ヒガシ、お前はさ」 ヨシヒコ「メレブさん…… もう……」 ヨシヒコはかなり つらそうだ!▼ メレブ「限界? ギリまでがんばれ。ギリ、ギリいけるよ? まだいける…… 危ない危ない、ヨシヒコ危ない、あっ、あっ、ヨシヒコ危ない。ねぇ、無表情になってきちゃった。無表情に…… よし、解いてやろう」 ムラサキの タケシズンが とけた!ムラサキは もとに もどった!ヨシヒコの ダイベインが とけた!ヨシヒコの べんいが おちついた!▼ ムラサキ「あのさぁ…… 今んとこ、全然使えない呪文ばっかだけど大丈夫?」 ダンジョー「ハハハ…… まあ、20レベルも上がったんだ。今までのはほんのお遊びだ、な?」 メレブ「その通りだ。いいことを言ったダンジョーに!」 メレブはなんらかの じゅもんを となえた!▼ ダンジョー「ワンッ! ……ワンッ?」 ダンジョーの こえがいぬの なきごえに かわった!▼ メレブ「味方1人の声を小型犬に変えて敵を威嚇する『イヌゴラム』だ!」 メレブはイヌゴラムの じゅもんを おぼえた!▼ ダンジョー「ワンッ…… クゥーン……」 ムラサキ「ねぇ…… いつものおっさんの方が怖いよね……」 ダンジョーは ひょうじょうもどことなく よわよわしくなった!▼ メレブ「まぁ…… これもお遊びだと思え」 ダンジョーの イヌゴラムが とけた!ダンジョーの こえはもとに もどった!▼ ヨシヒコ「そろそろすごいのが出てきそうだ」 メレブ「ああ。期待せよ」 メレブはなんらかの じゅもんを となえた!メレブはなんらかの じゅもんを となえた!メレブはなんらかの じゅもんを となえた!・・・そうこうしている うちによるに なった。▼ ムラサキ「おーい、次が最後ですかー?」 メレブ「ああ。自覚している最強の呪文が、次のやつだ」 ヨシヒコ「かけてください、メレブさん。お願いします」 メレブ「よかろう!」 メレブはなんらかの じゅもんを となえた!▼ ムラサキ「なんも起こんねーぞ?」 メレブ「ヨシヒコ、大きく息を吐いてみよ!」 ムラサキ「まさか……? ヨシヒコ、火ぃ吹くとか!?」 ダンジョー「おおっ、危ない! ちょっと離れよう」 ヨシヒコはおおきく いきを はきだした!▼ メレブ「どうや?」 ヨシヒコ「……ミントの香りがします」 メレブ「『ケアブレス』…… そういう呪文だ」 メレブはケアブレスの じゅもんを おぼえた!▼ ムラサキ「おい!! 20レベ上げて最強の呪文が息リフレッシュってどういうこった!!」 ダンジョー「期待した俺が馬鹿だった!」 メレブ「もっともっと期待してください、褒められて伸びる魔法使いです!」 ヨシヒコ「これで敵に接近しても大丈夫だ!」 メレブ「うむ…… 餃子を食べたら、まずこの呪文だよ?」 ヨシヒコ「無敵ですね……!!」 メレブは とくいげにウインクを してみせた。▼ ここは デスタークのしろ▼ 皇帝「こいつか、勇者の妹というのは」 ギガンテス「はい」 まものたちはぜんかいの ラストシーンでとらえた ヒサをこうていの まえに つきだした!▼ 皇帝「人質にとって、勇者をおびき出すか」 がいこつ「おびき出すも何も、奴はもう死にました」 皇帝「いや、仏の使いである以上、生き返るやもしれんぞ」 ギガンテス「何度生き返っても、皇帝の敵ではありません」 皇帝「ハハハハハハ…… そうだな。では…… 殺してしまえ」 ヒサ「やめて! やめてください!!」 ヒサはじゅうじかに はりつけに された!▼ 皇帝「……やれ」 まものたちはいっせいに じゅもんを となえた!▼ ヨシヒコ「……ヒサっ!」 ヨシヒコはゆめを みていたようだ。めをさました ヨシヒコはなぜか かいがんに いた。▼ ヨシヒコ「どこだ、ここは……」 ムラサキ「おーい、何やってんだよヨシヒコ! 早く遊ぼうぜ?」 ヨシヒコ「遊ぶ……?」 メレブ「気持ちいいぞヨシヒコ! ほら、あそこのスイカを割って、食そうぜ!」 ムラサキ「イェーイ!」 ムラサキと メレブは なぜかなつの よそおいを している。あきらかに ようすが おかしい。▼ ヨシヒコ「皆さん、私たちにそんなことをしている余裕は……」 ダンジョー「ヨシヒコ! ここは、いい波が来るぜ」 ダンジョーがサーファースタイルで あらわれた。あきらかに ようすが おかしい。▼ ヨシヒコ「ダンジョーさんまで……!? どうしたんですか、皆さん! 早くデスタークを倒さなくていいんですか!?」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 ムラサキ「誰だよ、デスタークって。ねぇねぇねぇ、見て見て! 『ヨシヒコスキ』って書いちゃった!」 ヨシヒコ「浮かれるな、ムラサキ!!」 メレブは スイカわりに むちゅうでヨシヒコの はなしを きいていない。・・・なんと スイカに みえた ものはなぜか すなに うまっているほとけ(4ごう)の あたまだった!▼ ヨシヒコ「メレブさん、それはスイカではありません!!」 メレブは スイカわりに むちゅうでヨシヒコの はなしを きいていない。ヨシヒコは メレブを おしのけた!▼ ヨシヒコ「仏っ!」 仏「……こんにちは。いやー、しかし、よくぞ気づいたぞヨシヒコよ」 ヨシヒコ「これは、一体どうなっているんですか!?」 仏「私は今、お前の頭の中にいる。今やデスタークは、お前の頭の中を占拠し、夢の楽園を見せつけることによって、戦う本能を失わせようとしている」 ヨシヒコ「デスタークは、人間の脳にまで侵入できるのか……」 仏「そのようだ。危ないところだった」 ヨシヒコ「しかし仏様、私は仏様のお告げによってそろえた最強の装備をもってして一撃で死にました」 仏「うん…… ごめんね。その装備を機能させるためには、もう1つアイテムが必要だ。それは『光のオーブ』。太陽よりも明るく光り輝くと言われるその玉は、なんと、暗黒の神デスタークの双子の兄弟が持つと言われる。陰と陽に分かれたその兄弟は、今まで常に均衡を保ってきたが、とうとう陽の光を持つ兄が敗れた。暗黒の裏世界のどこかに、今や悪魔と化した…… あー、弟…… 弟を…… えー、弟を倒すため、姿を隠しているはず。えー、その兄を、一刻も早く探し出し、光のオーブを手に入れるのだ。さすれば、弟のどんな悪の呪文も、光の力で跳ね返すことができるであろう」 ヨシヒコ「……わかりました。その兄様の名は?」 仏「光の子・シンポジオン」 ヨシヒコ「シンポジオン……」 仏「このような状態で、噛まずに言えた私を、褒め讃えよ」 ヨシヒコ「……ありがとうございます」 仏「ヨシヒコ、よく聞け。闇は常に、光を闇に葬ろうとする」 ほとけは うちあげはなびの ようにそらたかく とんでいった。▼ ヨシヒコ「闇は、光を闇に……」 ヨシヒコは いまのことばをふかく こころに きざみこんだ。▼ われにかえった ヨシヒコはシンポジオンを さがしだすためなかまたちと ともにうらせかいを かけまわった。▼ ムラサキ「なんでこんな暗いとこばっか歩くんだよ!」 ヨシヒコ「仏はおっしゃった、『闇は光を闇に隠す』と」 メレブ「暗黒の神をはねのけるための光の玉とは、クソ仏にしてはかなり信ぴょう性の高い話だ。がんばろう」 ダンジョー「しかし、こんな洞窟で強い敵に会ったら、ひとたまりもないぞ」 ムラサキ「おい、洞窟から一瞬で外に出れる呪文とかねーのかよ?」 メレブ「洞窟から、別の洞窟に行ける呪文ならあるぞ?」 ムラサキ「意味ねーし……」 メレブ「『マタカヨ』。そう名付けております」 ヨシヒコたちはみんしゅくに はいった。▼ メレブ「うむー、このあたりの暗闇という暗闇は見て回ったなー」 ムラサキ「ねぇ、考えすぎなんじゃねーの? この街すげー進歩してるしさ、そうそう暗闇なんて……」 ダンジョー「ヨシヒコを信じろ。ひと晩寝て、すぐ出発だ。な?」 メレブ「つか、この民宿大丈夫か? 夜中にまた追われたりしないか?」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 ムラサキ「お前が『ババアだから大丈夫だ』っつったんだろ」 メレブ「うむ」 ヨシヒコ「早く見つけなくては。光のオーブを、早く……」 ダンジョー「焦るな、ヨシヒコ。運命は、勇者にたなびく! 探し物はきっとお前の前に現れる」 メレブ「そうだな…… よし、考えよう! 他に暗闇と言ったら、どこがある……?」 ムラサキ「暗闇ねぇ……」 とつぜん みんしゅくの おしいれのふすまが ひとりでに ひらいた。▼ ヨシヒコ「………」 ダンジョー「………」 ムラサキ「………」 メレブ「………」 おしいれの なかには あやしいろうじんが いた。ろうじんは しずかに ふすまをしめた。▼ メレブ「……誰かいたよね?」 ムラサキ「いたと思うね……」 ダンジョー「……うん……」 メレブ「……開けてみる?」 ダンジョー「……うん、そうだな」 メレブは ふすまに てをかけた。しかし あやしい ろうじんはうちがわから ふすまを しめた。▼ ムラサキ「いるな。これ明らかにいるな」 あやしい ろうじんが ふすまをあけた。ろうじんは ヨシヒコたちとめが あった とたんにうちがわから ふすまを しめた。▼ メレブ「いるな。明らかにいるな」 ムラサキ「うん」 ダンジョー「うん」 ヨシヒコ「誰なんでしょうか」 メレブ「………!!」 メレブはなにかを つきとめた!▼ ダンジョー「なんだよ」 メレブ「押し入れ…… 暗闇…… 光の神……」 ムラサキ「嘘だろ……」 ヨシヒコはふすまごしに あやしい ろうじんにはなしかけた。▼ ヨシヒコ「もしかして、あなたは光の神・シンポジオン様でしょうか」 シンポジオン「……いかにも」 メレブ「いや……!!」 ダンジョー「おいおいおい……」 ムラサキ「嘘だろ、おい!? 洞窟だ鍾乳洞だ、散々探しまくって、結局押し入れ!?」 ヨシヒコたちはあわてて しせいを ただした!▼ ヨシヒコ「光を閉ざすため、デスタークがあなた様をそこに?」 シンポジオン「その通りじゃ……」 メレブ「デスタークどうなのよ、押し入れってどうなのよデスターク…… え? 他に冒険もの的な、秘境みたいな、考えられなかったかね……」 ヨシヒコ「シンポジオン様。デスタークを倒すため、あなたの『光のオーブ』が欲しいのですが」 シンポジオン「それはできん! 今では悪の化身となったデスタークだが、弟は弟。以前は、本当に善い弟だった…… そんな弟を殺すためには……」 ヨシヒコ「殺しはしません! デスタークを操る悪を消し去るだけです」 シンポジオン「そんなことができるわけがない!」 ヨシヒコ「できます! 私を信じてください」 シンポジオン「嫌!」 ヨシヒコ「お願いします!」 メレブ「とりあえず一回出てきましょうかね」 メレブは ふすまを あけた。▼ シンポジオン「やめろってば!」 シンポジオンはうちがわから ふすまを しめた。▼ メレブ「何がだよ!? 一回出てきたらお話ししましょうよ!」 メレブはもういちど ふすまを あけた。▼ シンポジオン「嫌だってば!」 シンポジオンは かたくなだった。▼ メレブ「何が?」 シンポジオン「嫌!」 シンポジオンは なぜかじぶんで ふすまを あけしめしはじめた。▼ メレブ「いや、開け…… 自分で開けてんじゃないですか! 出てきなさいよ、だから、そしたら!」 メレブは むりやりシンポジオンを ひきずりだそうとした。シンポジオンは いうことをきかない。シンポジオンは おしいれの なかにとじこもった。▼ メレブ「もう見えてるじゃん、お互い顔が! 目ぇ見てしゃべりましょうよって!」 シンポジオンは おしいれの なかにとじこもったまま かたりだした。▼ シンポジオン「よいか! 私とデスタークとは表裏一体、奴の苦しみは……」 メレブは ふすまを あけた。▼ シンポジオン「やめろって、お願いだから! ギャグやんなくちゃいけなくなるでしょ…… 痛っ」 シンポジオンはふすまを しめようとしてかおを ふすまに はさんだ。シンポジオンは またもおしいれに とじこもった。▼ メレブ「自分発信じゃない、全部!」 シンポジオンはなにごとも なかったかのようにはなしを すすめた。▼ シンポジオン「奴の苦しみは私の苦しみ。この世界が魔族のものになるなら、なればいい!」 ヨシヒコ「いけません! それによって、表世界に生きる大勢の人間たちが苦しんでいるんです。私は、その人間たちを救わなければならないのです」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 シンポジオン「ほほう、まるで勇者のようなことを言うな」 ヨシヒコ「勇者なのです。私は勇者なのです!」 ダンジョー「かつて魔王の手から世界を救った、伝説の勇者・ヨシヒコだ!」 シンポジオン「ほほう? ヨシヒコなら知っておるぞ」 ムラサキ「だったら信じてよ!」 シンポジオン「いいや、その姿を見せぬ限り、信じるわけにはいかん!」 メレブ「あなたが隠れて出てこないからでしょ!?」 ムラサキ「見たきゃ出てこいよ!」 シンポジオンは おそるおそるかおを だした。▼ メレブ「何、もう…… 引きこもりのおじいちゃんじゃん……」 シンポジオン「……あっ」 ヨシヒコと シンポジオンのめが あった!▼ シンポジオン「本物の、勇者ヨシヒコだ……」 ダンジョー「確認したな? ではさっそく、光のオーブを渡してくれ」 シンポジオン「そう簡単にはいかんのよ」 シンポジオンは またまたおしいれに とじこもった。▼ ヨシヒコはついに しびれを きらした!ヨシヒコははんたいがわの ふすまをいきおいよく あけてみた!▼ シンポジオン「あいてっ、いて……」 シンポジオンはふすまに ぶつかった!▼ ダンジョー「ヨシヒコ、かまわん、行け!」 ヨシヒコ「すいません、シンポジオン様」 ヨシヒコは おしいれの なかにもぐりこんだ!シンポジオンは とうとうおしいれから ひきずりだされた!▼ ヨシヒコ「お願いします」 シンポジオン「私とて、光の玉は2つしか持っていない。この2つは、私にとっても大切な玉なのだ。そう簡単に、そうやすやすと、渡すわけにはいかん」 ヨシヒコ「光の神ならば人々の幸せを望むはずです!」 シンポジオン「わかっておる! そなたが真の勇者なら、私がどこに光の玉を隠し持っておるのか、すぐにわかるはずだ。もしそれが言い当て……」 ヨシヒコは シンポジオンのしょうぞくの またしたにすばやく うでを つっこんだ!▼ シンポジオン「はうっ!!」 ヨシヒコ「ぬぬぬ、ぬあああああああーーーーっ!!!」 ヨシヒコはシンポジオンの こかんからひかりのオーブを もぎとった!▼ ヨシヒコ「これが光のオーブか」 ヨシヒコはひかりのオーブを てにいれた。▼ ヨシヒコ「もう1ついただきます」 シンポジオン「え、2つも? うわーっ!!」 メレブ「アリなんじゃん、これはこれでアリって顔してんじゃないか」 ヨシヒコはシンポジオンの こかんからもうひとつの ひかりのオーブももぎとった!シンポジオンは こころなしかうれしそうだ。▼ ヨシヒコ「ムラサキ、持っていてくれ」 ヨシヒコはけ まみれの ひかりのオーブをてわたした。▼ ムラサキ「やだよ、汚ねぇな!! 最悪!!」 シンポジオン「ちょっと待て! 私の玉が汚いだと? 無礼なことを言うな!」 ムラサキ「逆にきれいなわけねーだろ!?」 シンポジオン「行け、勇者! 私の弟・デスタークを、悪の手から救ってください!」 ヨシヒコ「わかりました」 ヨシヒコはひかりのオーブを そうびした。▼ + 【オンエア時にカットされたシーン】 ここはデスタークのしろの もんぜん▼ ムラサキ「また死んだら、二度と生き返れないんだよね?」 ヨシヒコ「元より死んでいた身…… 魔物を封印するため、仏から再びいただいた命だ」 ダンジョー「そりゃそうだ」 メレブ「うむ、確かに。この戦いを生きて終えることなど考えてはいけないのだ」 ダンジョー「目指すは、暗黒の神・デスターク」 ヨシヒコ「そこに悪霊の鍵があります。行きましょう」 メレブ「よし」 メレブはへんげのつえを つかった。ダンジョーの すがたがもみあげの めだつ スライムにへんかした。ムラサキの すがたがかみかざりの ついた スライムにへんかした。ヨシヒコの すがたがぼうしを かぶった スライムにへんかした。メレブの すがたがへんなホクロの スライムにへんかした。▼ ヨシヒコたちは ふたたびスライムに すがたを かえてデスタークのしろへ のりこんだ!▼ ダンジョー「デスタークの居場所はわかっている。速攻で勝負だ!」 ヨシヒコ「わかりました!」 ここはデスタークのしろの おおひろま▼ 皇帝「………」 こうていが あらわれた!▼ ヨシヒコ「出たな、デスターク!」 皇帝「ほほう、予想通り生き返ってきたか」 ムラサキ「やばいよ、バレてんじゃん!」 メレブ「奴に変化の杖は効かぬようだな」 こうていの ひとみがぶきみな ひかりを はなちはじめた!ヨシヒコたちの へんげが とけた!▼ 皇帝「やはり人間だったか」 ヨシヒコ「デスターク、悪霊の鍵を渡せ」 皇帝「何か勘違いしているようだな。私は悪霊の鍵など持っていない」 ムラサキ「この期に及んでシラ切る気かよ。こちとらお前に勝てる装備は万端なんだからな?」 皇帝「ほほう、面白いことを言うな。では試させてもらおう」 こうていの こうげき!しかし こうていの こうげきはひかりのオーブに かきけされた!▼ 皇帝「なぜだ…… 貴様、なぜ光のオーブを……」 ヨシヒコ「光の神が私に託したのだ、お前をまっとうな神に戻すためにな」 ヨシヒコたちは みがまえた!▼ 皇帝「ほほう…… これでも私を斬れるかな?」 まものたちが ヨシヒコのまえにヒサを つれてきた!▼ ヨシヒコ「ヒサ!?」 ヒサ「すみません、兄様……」 皇帝「ふふふふ…… 生かしておいて正解だったよ、やはりお前の妹か」 ヨシヒコ「なんということだ……」 皇帝「妹を大事に思うのなら、光のオーブをこちらに差し出せ」 ムラサキ「ヨシヒコ……」 ダンジョー「……まぁ、仕方なかろう。差し出せ、ヨシヒコ」 メレブ「妹のためだ」 ヨシヒコ「……皆さん……」 なんとヨシヒコは こうていにひかりのオーブを ふたつともさしだした!▼ メレブ「バカ、2つあるから許したのに! バカ……」 ヨシヒコ「……あっ…… そうですね……」 ヨシヒコは そしらぬかおでひかりのオーブを ひとつだけさしだした!▼ 皇帝「ほう、光のオーブは2つあるのか」 ムラサキ「ヨシヒコ…… 死ねよ、お前よぉ!」 ヨシヒコ「いや、1つしかない!!」 メレブ「お前、バカ…… もう好き。モロバレだから」 こうていの ひとみがぶきみな ひかりを はなちはじめた!ひかりのオーブは ふたつともこうていの てもとに とんでいった!▼ 皇帝「ふふふふ、涙ぐましい兄妹愛だな。では、救った妹の前で死ぬのもまた一興」 ムラサキ「待てよ! お前にも兄ちゃんいんだろ? 素晴らしい兄ちゃんだったぞ。妹のために命なげうったヨシヒコを見てなんとも思わねーのかよ!?」 皇帝「何を言ってるのかな? 私に兄などいない」 ダンジョー「その存在まで忘れるほど、腐ったか!」 皇帝「どれだけ言われても兄などいないのだ。死ねいっ!!」 ヨシヒコたちは みがまえた!しかし とつぜんこうていの すがたが ペンギンにへんかした!▼ メレブ「……どうした?」 皇帝「ん……? これは……?」 メレブ「どうした? 何かを思い出してる様子だが……?」 皇帝「あなたは…… ヨシヒコ様……」 ヨシヒコ「何……?」 皇帝「ヨシヒコ様ですね? 私です! アイシスの格闘場で、あなたに助けていただいたペンギンです!」 ヨシヒコ「なんだとっ!?」 ヨシヒコはペンギンと すごした ひびをおもいだした!▼ メレブ「あっ…… 思い出したけど、こんなことはしてなかったと思うよ」 ムラサキ「あ、だから『コウテイ』って呼ばれてたんだね」 ヨシヒコ「それでは、お前はデスタークでは……」 皇帝(ペンギン)「私の体は魔物に操られ、強大な力を持ったのでしょう。デスタークは奥にいます」 ムラサキ「え? ちょっ…… お前じゃねーの? ってことはもっと強いってこと?」 皇帝(ペンギン)「遥かに……」 メレブ「げんなり」 こうていはヨシヒコに みみうちを した。▼ 皇帝(ペンギン)「私の言うとおりにしていただいてよろしいですか」 ヨシヒコ「ああ……」 皇帝(ペンギン)「……その女を城の外に放り出せ! もう用はない。私はこいつらを、デスターク様にいけにえとして差し出す」 まものたちは ヒサをしろのそとへ つれていった。▼ ヒサ「兄様!! 兄様っ!!」 ヨシヒコ「………」 皇帝(ペンギン)「……さぁ、こちらへ。共に戦いましょう」 こうていが なかまに くわわった!▼ ヨシヒコはひかりのオーブを そうびした。▼ ここはデスタークのしろの さいだん▼ 皇帝(ペンギン)「デスターク様の悪霊の鍵を狙う不届き者を、連れてまいりました」 デスターク「ご苦労だった。生まれ出でるかわいい子供たちの餌にちょうどいい」 デスタークが あらわれた!▼ ダンジョー「どうやらあれが、魔物たちを封印する棺のようだな」 皇帝(ペンギン)「そうです。あれを閉じれば、すべての魔物が封印できます」 ヨシヒコ「私たちは魔物の餌になるために来たのではない。貴様たちを永遠に封印するためにやってきたのだ。悪霊の鍵を渡せ」 デスターク「……どうした、皇帝よ。なぜこんな奴らを連れてきた? さっさと殺すのだ」 皇帝(ペンギン)「……死ぬのはあなたです、デスターク様!」 こうていの こうげき!しかし デスタークには きかなかった!▼ デスターク「ほほう…… 恩を仇で返すとはこのことだぞ、皇帝よ!!」 デスタークの こうげき!こうていはかなりの ダメージを うけた!▼ ヨシヒコ「なんだとっ!?」 デスターク「さぁ…… 勇者の魂とはごちそうだな。ゆっくりと料理してやろう」 デスタークはあやしいひかりを はなった!ダンジョーを ねむらせた!ムラサキを ねむらせた!メレブを ねむらせた!▼ ヨシヒコ「何をした!?」 デスターク「彼らは今、楽園にいる。目覚める頃には私への敵対心などすっかり消えて、私の忠実な家来になるだろう」 ヨシヒコ「何っ!?」 ムラサキは ねむっている。・・・ムラサキは ゆめのなかでアイドルとしてチヤホヤされていた。▼ ダンジョーは ねむっている。・・・ダンジョーは ゆめのなかでぼくじょうぬしとしてテレビに でていた。▼ メレブは ねむっている。・・・メレブは ゆめのなかでじだらくな せいかつをしていた。▼ ヨシヒコ「皆さん、目を覚ましてください! 皆さん!!」 デスターク「勇者よ、私は魔王ガリアスほど甘くないぞ!」 デスタークの こうげき!しかし デスタークの こうげきはひかりのオーブに かきけされた!▼ デスターク「そうか、兄に会ったのか。仏の仕業だな」 デスタークはいてつく れいきを はなった!しかし デスタークの こうげきはひかりのオーブに すいこまれた!▼ ヨシヒコ「お前の兄上は、お前が元のまっとうな神に戻ることを望んだ。魔物の悪の力は、弟を想う愛と正義の力には勝てん!!」 デスターク「ハハハハハハ…… その考えが甘いと言っているのだ!! 人間の歴史を見てもそうだろう。いつの時代も悪の力だけが、進化を遂げるのだ!!」 デスタークははげしく もえさかる ほのおをなげつけてきた!デスタークの こうげきを うけとめたひかりのオーブは くだけちった!▼ ヨシヒコ「何っ!?」 デスターク「私には兄への想いなどひとかけらも存在しない。私にあるのは、この世界を魔族のものにするという欲望だけだ!!」 デスタークはじゃあくな まりょくを ためはじめた!ムラサキは めをさました!▼ デスターク「死ねーーーーっ!!!」 ムラサキ「えいっ!!」 ムラサキは パルプンテを となえた!・・・そらから いなずまが ふりそそいだ!▼ デスターク「ぐわああああーーーーっ!!!」 デスタークを やっつけた!▼ ヨシヒコ「パルプンテか……」 ダンジョーは めをさました!メレブは めをさました!▼ ダンジョー「俺は、何を……」 ヨシヒコ「デスタークが頭の中に侵入していたのです」 メレブ「なんだと!? ……そういえば、ずいぶんと幸せを味わった気がするが」 ダンジョー「奴は、奴はどこに!?」 ヨシヒコ「ムラサキのパルプンテで……」 メレブ「姿が見えないのが、若干不気味だが……」 しかし どこからともなくおぞましいこえが きこえる・・・。▼ デスターク「グオオオオオオッ!!!」 デスタークは おおきな かいぶつにすがたを かえた!▼ メレブ「デスタークは第2形態を持っていたか!」 デスターク「私の邪魔をする者は、1人たりとも生かしてはおけん!!」 じごくのいかずちが あたりを なぎはらう!しかし デスタークの こうげきはひかりのオーブに すいこまれた!▼ ムラサキ「ふざけんなっ!!」 ムラサキは パルプンテを となえた!▼ メレブ「何も起こらなかったな」 ムラサキの パルプンテでメレブの かみがたが かわった。▼ ムラサキ「なんでお前が若干イケメンになってんだよ」 ムラサキは パルプンテを となえた!・・・メレブの かみがたがもとに もどった。▼ ダンジョー「戦士ダンジョーの一撃、受けてみろっ!!」 ダンジョーの こうげき!デスタークは びくともしない!▼ ダンジョー「くそっ……」 皇帝(ペンギン)「奴の弱点は、あの中心の赤い点です。あれが、デスタークに取り憑いた魔物なのです…… ヨシヒコ様、私の背中に乗ってください。私と一緒に、あの中心めがけて、飛び込むのです!!」 ムラサキ「そんなことしたら、ヨシヒコも死ぬだろ……」 皇帝(ペンギン)「もちろん…… 命と引き換えです」 ヨシヒコ「この光のオーブが持ちこたえられるのも時間の問題だ。私はこの命など惜しくはない…… 連れて行ってくれ」 皇帝(ペンギン)「その剣で、確実にあの点を刺し貫いてください」 ヨシヒコ「わかった」 ヨシヒコはこうていの せなかに またがった。▼ ムラサキ「やだよ…… ヨシヒコ死ぬなんてやだよ!」 ヨシヒコ「言ったはずだ。元より絶えていた命、天の仏に戻すまでのこと」 メレブ「ヨシヒコ、お前という奴は……」 ヨシヒコ「ムラサキ、あの棺をしっかりと封印するんだぞ。二度と魔物たちがよみがえることのないように」 ムラサキ「……わかったよ」 ヨシヒコ「生き返ることができて、再び皆さんと旅ができたこと、とても幸せでした…… しかし、二度と私たちがよみがえる必要のない、平和な世界にしてください」 メレブは ヨシヒコのふくの ズレを なおしてあげた。▼ メレブ「任せておけ」 ヨシヒコ「お願いします…… では」 こうていはヨシヒコを のせて とびたった!▼ ヨシヒコ「うおおおおおおおーーーーーーっ!!!」 ヨシヒコは いざないのつるぎをデスタークの きゅうしょに つきたてた!▼ デスターク「ぐわああああーーーーっ!!!」 デスタークを やっつけた!ヨシヒコと こうていはデスタークに とりついた まものとともに きえさった。▼ デスターク「………」 メレブ「デスタークの素顔は、こんなにも優しいのか」 ダンジョー「ムラサキ…… 鍵を」 ムラサキはふういんのひつぎを とじた。せかいじゅうの あしき まものがふういんのひつぎに すいこまれた。ムラサキはふういんのひつぎの かぎを かけた。▼ ムラサキ「ヨシヒコ…… 悪霊の鍵、今かけたぞ」 ヒサ「兄様? ……勝ったのですね、兄様!」 うらせかいも きえさりせかいに へいわが もどった。▼ ダンジョー「なぁみんな、俺たちは戦うためによみがえった…… そして、戦いは終わった…… ヨシヒコと一緒に、天国に連れて行ってもらわないか」 メレブ「私もね、そう言おうと思っていたよ」 ムラサキ「賛成。生きてても、知り合いいねーし」 ダンジョー「決まりだな。一緒に、天国に行こうぜ」 メレブ「うむ…… 仏ー!」 メレブはてんに むかって よびかけた。ほとけが あらわれた!▼ 仏「何、どうした? 戦いは終わった?」 メレブ「うん。終わったからさ…… ほら、俺たちもともと死んでたわけじゃん? だからさ、また天国に行きたいんだけど」 仏「ああ、いいじゃん。お安い御用。じゃあね、行くよ…… のののの~~~~ん!!」 ほとけはしょうてんの じゅもんを となえた!▼ 仏「……はい、もう、あの、みんな天国に行けるから。ごめん、ちょっと今さ、ちょっと大掃除中なの。ね? だからもう、ちょっと忙しいから、もう行くね。じゃあ……」 ほとけは すがたを けした。▼ メレブ「……じゃあな、おっさん、平ら胸」 ダンジョー「お疲れ」 ムラサキ「じゃ」 そのとき てんからふしぎな ひかりが さしてきた!▼ ヨシヒコ「……どういうことだ、これは」 なんとヨシヒコは いきかえった!▼ メレブ「またも、仏がうっかりしたと思われる」 ムラサキ「……どうしようもねぇ仏だな!」 ダンジョー「さーて…… どこへ行こうか」 ヨシヒコ「……わかりません」 メレブはてきとうな ほうこうを さししめした。ヨシヒコたちはとりあえず あるきだした。▼ ヨシヒコ(こうして、世界中に放たれた魔物たちは再び封印された。しかし、この1ヶ月後、宇宙からの生物が地球を侵略し始めようとは、誰も知る由もなかった……) ヨシヒコ(……と言っておくと、今度こそ映画になるかもしれないので、とりあえず言ってみた私だ) にど ある ことは さんど ある。ますます きけんな りょういきにとつにゅうする だい3シーズン「ゆうしゃヨシヒコとみちびかれし しちにん」に すすみますか?▼ →はい→いいえ
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術技:ヨシヒコ大増殖 概要 ヨシヒコの最終奥義。 過去から招いた大量のヨシヒコを敵陣に呼び出し、敵全体をフルボッコにする。 元ネタ 『勇者ヨシヒコと導かれし七人』の最終話・魔王ゲルゾーマ完全体(*1)との決戦で他の仲間全員を瞬殺されて窮地に立たされたヨシヒコは過去の自分(*2)を大量に呼び寄せ、ゲルゾーマを無我夢中でめった刺しにして討ち滅ぼした。 その直後にゲルゾーマによって完全なる死を遂げてしまった3人の亡骸を目にしたヨシヒコは無念の死を遂げた3人の仲間達を思い、泣き崩れたのであった(*3)。 関連リンク 勇者ヨシヒコ完全図鑑
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まおうゲルゾーマを たおすために7つのオーブを すべて あつめオーブに みちびかれし せんし「ぎょくじん」を なかまにしたヨシヒコたちはゲルゾーマが まつ さいごのダンジョン「まおうだいしんでん」に のりこんだ。ゲルゾーマを ほんとうに たおすためにひつような ぶき 「トドメのつるぎ」をてにいれ いま ヨシヒコたちはゲルゾーマのへやへと むかう・・・。▼ ムラサキは ベホマズンを となえた!ヨシヒコの キズが かいふくした!ダンジョーの キズが かいふくした!ムラサキの キズが かいふくした!メレブの キズが かいふくした!▼ ムラサキは スクルトを となえた!ヨシヒコの しゅびりょくが ふえた!ダンジョーの しゅびりょくが ふえた!ムラサキの しゅびりょくが ふえた!メレブの しゅびりょくが ふえた!▼ ここはまおうだいしんでんの ちゅうすう▼ ヨシヒコ「お前が魔王か」 魔王ゲルゾーマ「ようこそ、この魔王ゲルゾーマの大神殿へ」 まおうゲルゾーマが あらわれた!▼ メレブ「ほほう、魔王はゲルゾーマという名か」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 魔王ゲルゾーマ「仏が集めるよう告げた装備は、そろえてきたのかな?」 ムラサキ「なんでそのことを!」 魔王ゲルゾーマ「知っているさ。私と戦いに来る者たちへの、私からのプレゼントだ」 ムラサキ「あのクソ仏、単に魔王の罠にはめてくれたってわけかよ……」 魔王ゲルゾーマ「罠ではない。私は確かにそれらの装備が恐怖だ」 ダンジョー「なぜわざわざ、俺たちにそれを渡す?」 魔王ゲルゾーマ「欲しいのさ、恐怖が…… 私は恐怖を感じることでもっと強くなる。そして、もっともっと多くの魔物たちを生み出すことができる…… 私を守ってくれる魔物たちをな」 ヨシヒコ「その恐怖との戯れも、今日で最後だ」 魔王ゲルゾーマ「そうかもしれん。なぜなら、お前が初めて7つのオーブをそろえし勇者……」 メレブ「なるほど? 貴様の弱点を突く『助け人』を携えずに来たというわけだな、他の勇者たちは」 魔王ゲルゾーマ「そうだ」 ダンジョー「では、今日がお前の最後だ」 ムラサキ「こっちは7人の助け人と、3つの宝を持ってんだよ」 魔王ゲルゾーマ「ああ~、怖い。そんなにそろえられたら、いかな私でも負けるかもしれん」 メレブ「ふふふ、臆したか魔王。しかし、逃げられんぞ。ブラズーレ!」 メレブは ブラズーレを となえた!▼ 魔王ゲルゾーマ「……ん? んん……? ブラがずれている感じがする。魔王なのに…… 俺、魔王なのに……」 メレブは かちほこっている!▼ ムラサキ「おいおいおい、魔王がこいつのヘボ呪文かかっちゃっていいわけ!? ちょろすぎ!」 ヨシヒコ「油断するな。目の前にいるのは魔王だぞ」 魔王ゲルゾーマ「ええい!」 まおうゲルゾーマの こうげき!ヨシヒコたちは それほど ダメージをうけていない!▼ メレブ「全く効かぬ」 ムラサキ「スクルトかけてあるからな!」 ヨシヒコ「ブラがズレてる感じがしたまま葬ってやる!」 ヨシヒコ「世界の平和のために、消えてもらうぞ魔王。7人の助け人、召喚!!」 ヨシヒコは いままで あつめたオーブを すべて つかった!▼ 魔王ゲルゾーマ「なんだとっ!?」 メレブ「これで貴様も終わりぞ!」 ヨシヒコ「7人の助け人よ、今こそ魔王の弱点を突いてくれ!」 しかし なにも おこらなかった!▼ ヨシヒコ「何っ!?」 メレブ「さぁ、ほら、みんな! さぁ、みんな…… あれ?」 ムラサキ「なんで……?」 ダンジョー「おい、どういうことだ?」 魔王ゲルゾーマ「……どうした」 ヨシヒコ「なぜだ……」 魔王ゲルゾーマ「どしたの?」 メレブ「あ、いや、あの…… どうしたんだろう…… あれ? なんだろ? あれ?」 魔王ゲルゾーマ「来ないの? 助け人」 メレブ「あ、いや、そう…… ですね…… 来ないというか…… なんでだろう? なんでだろう」 ムラサキ「よ、ヨシヒコ、あの、『召喚』って、言った?」 ヨシヒコ「言った!」 メレブ「聞いた! 確かに聞いた。 ……あれ? おかしいな、なんで出てこない…… ちょっと待ってください、なんで出てこない? あ、なんか不具合かな、これ……」 魔王ゲルゾーマ「来なかったら、勝てないよ? 私に」 メレブ「いや、わかってます、わかってます! あの…… これだって、あの、『トドメの剣』ですもんね。『トドメ』ですもん。それまでに7人の手で、あなたをこう、弱らせないと、ダメですよね?」 魔王ゲルゾーマ「だと思うけど」 ムラサキ「何? 何? ねぇねぇ、ここにきて不具合とかさぁ、これまでの冒険の意味が何もないんだけど!」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 ダンジョー「ヨシヒコ! ヨシヒコ、もう1回投げてみろ」 ヨシヒコ「わかりました。 ……出でよ、7人の助け人! 召喚!!」 ヨシヒコは いままで あつめたオーブを すべて つかった!しかし なにも おこらなかった!▼ メレブ「うん、変えてみたな? セリフな。『出でよ』使ったな」 ヨシヒコ「………」 メレブ「ただ、『出でよ』を使って『出てこない』となると……」 魔王ゲルゾーマ「それならば私から攻撃させてもらおうか」 メレブ「あっ、あっ、ちょっと待って、一瞬、一瞬。魔王っち、待って。一瞬待っち。え、何? これは何? 仏じゃないとわかんねーか? この問題は」 ダンジョー「だが、さすがの仏も魔王の神殿には出れんだろ」 ムラサキ「『さすがの仏』ってほどの仏でもねーしな」 魔王ゲルゾーマ「ねぇ、何待ち?」 メレブ「あっ、ちょっと待ってください! あの、じゃあ楽に…… 楽にお待ちください、楽にお待ちあれ、ください」 魔王ゲルゾーマ「じゃあ、魔物生み出してるよ?」 メレブ「あっ…… まぁ、そうですねー…… まぁ、その、魔物生み出しといていただいて結構…… うん、大丈夫です。すみません」 まおうゲルゾーマは だまってまものを うみだす さぎょうをさいかいした。▼ ヨシヒコ「………」 ダンジョー「………」 ムラサキ「………」 メレブ「………」 ヨシヒコたちは もういちど7つのオーブを よく しらべてみた。▼ ムラサキ「……あっ、仏!!」 仏「オッス、オラ仏!」 なんと ブルーオーブにほとけの かおが うつしだされた!▼ メレブ「おい、コラ、仏! なんで助け人来ねーんだよ?」 ヨシヒコ「召喚しても出てきてくれません。どうしてですか、仏?」 仏「うん、あのね、これホントちょっと申し訳ないんだけどね、言うのホント申し訳ないんだけどもね…… あのですね、スケジュール」 ヨシヒコ「なんだとっ!?」 仏「うん…… あのね、ちょっと忙しい人ばっかり集めちゃった。7人。もうね、もうめっちゃ忙しい人ばっかをね、ブッキングしちゃったね」 メレブ「ブッキングとか言うな」 仏「うん、まぁ…… こういうこともありますわ」 ダンジョー「『こういうこともありますわ』ではないっ!!」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 ムラサキ「お前がみんなのスケジュールを調整するんちゃうんか!」 仏「えー、なんで? 仏さぁ、マネージャーじゃないもん」 メレブ「いや、しかし、7人もいたら、1人くらいは合うであろうよ、なんぼ忙しかろうともよ!」 仏「うん、まぁ…… ちょいちょい、縫い仕事を入れていると思われる(*1)」 メレブ「お前が言うな(*2)」 ヨシヒコ「仏、私たちがこの状態で魔王に勝つにはどうすれば!?」 仏「うん、わかった。1つだけ方法を教えよう」 メレブ「あるんかい、あるならはよ言えや~」 仏「うん…… 逃げろ」 ヨシヒコ「なっ……!?」 メレブ「は?」 仏「もう、とにかく逃げろ。ね? それで、7人のスケジュールが合った時に、また改めて魔王に戦いを挑むのだ」 ムラサキ「魔王から逃げられるわけねーだろ!?」 仏「大丈夫大丈夫、逃げれる逃げれる! あの、今ほら、あの、魔物を生み出すのにさ、夢中だからさ。逃げれるって、うん。じゃあ、あの、私は、今から、あの、他のドラマの撮影がある故」 ダンジョー「おい、お前もか!」 ほとけは にげだした!▼ ヨシヒコ「………」 ダンジョー「………」 ムラサキ「………」 メレブ「………」 まおうゲルゾーマは だまってまものを うみだす さぎょうにしゅうちゅうしている。▼ ヨシヒコ「どうしますか? 逃げますか?」 メレブ「だな」 ムラサキ「仕方ないよね……」 ダンジョー「ああ……」 ヨシヒコ「逃げましょう」 メレブ「うむ」 ムラサキ「魔物生み出すの大好きっ子な、あれ」 ヨシヒコたちは こっそり にげだした・・・▼ ヨシヒコ「また来るぞ、魔王!!」 ヨシヒコは いきなりおおごえで すてぜりふを いった!▼ メレブ「おい、おい、おい! びっくりした、俺がびっくりして俺もでかい声になっちゃった…… やめて、気づくじゃん」 しかし まおうゲルゾーマはまものを うみだす さぎょうにしゅうちゅうしている。▼ ダンジョー「おお…… なかなかの集中力だ。まったく気づいていない」 ヨシヒコたちは こっそり にげだした・・・▼ 魔王ゲルゾーマ「待て」 あんのじょう まおうゲルゾーマはすでに きづいていた。▼ メレブ「ですよねー、魔王っちから逃げられるわけないっすよねー」 魔王ゲルゾーマ「逃げてもいいんだけどさ」 ムラサキ「あっ、いいんすか?」 魔王ゲルゾーマ「その前に、1つ……」 まおうゲルゾーマはむねから ひかりを はなった!なんと まおうゲルゾーマがはなった ひかりを あびたトドメのつるぎは とけてしまった!▼ ヨシヒコ「なんだと……!?」 魔王ゲルゾーマ「さっ、逃げていいよん」 ヨシヒコ「とどめを刺すはずの剣が……」 魔王ゲルゾーマ「早く逃げなさいよ。そしていつでもどうぞ……!!」 ヨシヒコ「ゲルゾーマ……」 メレブ「ここはお言葉に甘えよう、ヨシヒコ」 ヨシヒコたちは にげだした!・・・ゲルゾーマから にげた ヨシヒコはすっかり こころが おれてしまった。▼ ヨシヒコ「勝てない…… どうやっても勝てない……」 ダンジョー「あきらめるな。次に7人のスケジュールが合う時に戦いを挑めば、勝機はある」 ヨシヒコ「しかしトドメの剣が……」 ムラサキ「んなもんなくたって根性でなんとかなんだろ! 今までだってそうやって勝ってきたろ?」 ヨシヒコ「ゲルゾーマは、私たちを簡単に逃がした。今まであれほどまでに余裕がある魔王はいなかった…… それほど強いということだ。私たちに全く恐怖していなかった!」 メレブ「ヨシヒコ、考えよ。そして、仏のお告げを待とうではないか」 ヨシヒコ「………」 ダンジョー「………」 ムラサキ「………」 メレブ「………」 ヨシヒコたちはひとまず さくせんを かんがえはじめた。▼ ヨシヒコ「……1つ、私に考えが」 メレブ「ん? なんだ?」 ヨシヒコ「魔王を倒すの…… あきらめましょう」 ダンジョー「………」 ムラサキ「………」 メレブ「……ん? ごめん、ちょっと、もう一度言って。なんて言ったかわからなかった、もう一度言っ……」 ヨシヒコ「何度でも言います!! もう魔王は倒さなくていい!!」 ヨシヒコは ヤケを おこした!▼ メレブ「わー……」 ムラサキ「最終回で来たかー……」 ダンジョー「臆したか、ヨシヒコ!」 ヨシヒコ「臆しました!! 永遠に命を奪われるんですよ!? そんなことはあり得ない!! 私は絶対に死にたくないっ!!」 メレブ「ヒーローもので、ヒーローが100パー言っちゃいけないセリフ、オンパレード」 ヨシヒコ「私は世界の平和より自分の命が大事だ!!」 ダンジョー「それ以上言うな!!」 ヨシヒコ「今まではいくら死んでも、とりあえず私だけが生き返り、稼いだお金で皆さんを生き返らすことができた。しかし、次はそれができないんですよ!?」 メレブ「……なぜ、負ける前提で物を言う?」 ムラサキ「ヨシヒコ大好きなちびっ子たちが、ガッカリしてるぜ……?」 メレブ「まぁ、ガッカリさせ続けるのがヨシヒコなのだが」 ヨシヒコ「とにかく!! 私はもう魔王を倒さない!!」 ヨシヒコは にげだした!▼ ムラサキ「おい、待てよヨシヒコ!」 そのとき どこからともなくらいめいが とどろいた!▼ メレブ「そら来た、仏のお告げ!」 ほとけが あらわれた・・・?・・・なにやらほとけの ようすが おかしい。▼ 仏?「ヨシヒコ……」 メレブ「わっ!?」 ヨシヒコ「黒い、仏……?」 メレブ「なんで仏が黒いんじゃ、ボケェ!」 黒い仏「ヨシヒコ…… 魔王を倒さずとも、この冒険を終わらせる方法はあるぞ」 ヨシヒコ「なんですって!?」 ヨシヒコは くろいほとけによってどこかに とばされた!・・・ヨシヒコの めのまえにあか あお きいろの3つの とびらが ある。▼ 黒い仏「ヨシヒコよ、ここは『終わりの祠』だ」 ヨシヒコ「終わりの、祠……」 黒い仏「お前はこの中のいずれかの祠で、この冒険を終わらせることができる」 ヨシヒコ「すごい……!!」 黒い仏「それは、それは、魔王を倒すよりもはるかに素晴らしい冒険の終わりだ」 ヨシヒコ「……行かせてください、私を『素晴らしい冒険の終わり』に!」 黒い仏「選ぶがいい。どの終わりの祠がいいのか?」 ヨシヒコ「………」 どのいろの ほこらを えらびますか? ▶あか_あお_きいろ ヨシヒコはあかいほこらを くぐりぬけた!▼ メレブたちの絵(え) 魔王退治をあきらめたことを責められたヨシヒコは、みんなの前から姿を消してしまいました。 外はもう、夜。その上、一面、激しい吹雪に覆われて、前を見ることもままなりません。 ダンジョー、ムラサキ、メレブは、それでも必死になってヨシヒコを探し続けました。 ダンジョー「ヨシヒコー!! 戻ってきて、俺を許すと言ってくれー!!」 ムラサキ「ヨシヒコ、どこ行っちゃったの!? ヨシヒコー!!」 その頃、メレブは、村はずれの教会で倒れているヨシヒコを見つけていました。 厳しい寒さの中、何も食べず、魔王からも仲間からもひたすら逃げ続けたヨシヒコの命は、すでに風前の灯火となっていました。 メレブは、そんなヨシヒコの服の乱れを優しく直してあげました。 ヨシヒコ「メレブさん…… 私、魔王に負けちゃいました……」 メレブ「よいのだ。負けても、よいのだ」 ヨシヒコとメレブは、一緒に協会の床に横たわりました。 ヨシヒコ「メレブさん、疲れたでしょう? 私も疲れたんです。なんだかとても眠いんです、メレブさん……」 ヨシヒコとメレブは、力尽き、息絶えました。しかし、その死に顔は安らかでした。 すると…… そこへ、天使が降りてきたのです。 メレブそっくりの変な髪形をし、変なホクロを持った天使たちは、ヨシヒコとメレブの亡骸に近づくと、それをそっと抱え上げました。 ……ヨシヒコとメレブは、今まで退治してきた魔物たちがたくさんいる、遠いお国へ行きました。 もうこれからは、魔物を倒すことも、女に惑わされることも、ドSになることもなく、みんな一緒に、いつまでも楽しく暮らすことでしょう……。 ヨシヒコ「違うっ!! なんだこれは!?」 ヨシヒコはあかいほこらから もどってきた!▼ 黒い仏「どうした」 ヨシヒコ「死んでるじゃないか!!」 黒い仏「しかし、美しかったろ?」 ヨシヒコ「美しさなんて、どうでもいい。私は死なずにこの冒険を終わらせたいのだ!」 黒い仏「わかった」 ヨシヒコ「魔王を倒さずとも死なずに、『なんとなく、収まった感じ』で冒険を終わらせたいのだ!」 黒い仏「わかったから。次の祠に入ってみろ、きっとお前の望み通りの冒険の終わりがあるはずだ」 ヨシヒコ「……わかった」 どのいろの ほこらを えらびますか? あか▶あお_きいろ ヨシヒコはあおいほこらを くぐりぬけた!▼ 最終話カボイの村の中心でもう魔王なんかどうでもいいと叫んだヨシヒコ + 【オンエア時にカットされたシーン】 ヨシヒコ(逃げたらダメだ) 「どうして逃げてはいけないの?」 ヨシヒコ(逃げたらつらいんだ) 「つらいことから逃げ出したの?」 ヨシヒコ(つらかったんだ) 「つらいことがわかってるなら、それでよかろう」「そう、つらかったら逃げてもいいのよ」「本当に嫌だったら、逃げ出してもいいんだぜ」 ヨシヒコ(でも、嫌だ。逃げるのはもう嫌なんだ) 「逃げることのつらさを知ったから。だから逃げるのが嫌なのね」 ヨシヒコ(これは…… 何もない世界…… 誰もいない世界……) 「自由の世界」 ヨシヒコ(自由?) 「魔王なんか倒さなくてもいい、自由の世界だよ」 ヨシヒコ(そんな…… どうしたらいいかわからん……) 「自分のイメージがないのだな」「漠然としているんだ」「何もつかめない世界」 それが自由 ヨシヒコ(私は…… 私は、魔王に負けた……) 「お前、バカなの? お前が1人でそう思ってるだけだぜ?」「負けても、いいんだぜ」 ヨシヒコ(私は卑怯で、臆病で、ずるくて、弱虫で……) 「自分がわかれば、優しくできるであろう」 ヨシヒコ「私は魔王に負けた。しかし冒険は、終わらせられるかもしれない。私はここにいていいのかもしれない…… 私はここにいたい!」 ──そしてセカイが開かれる── 「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「Congratulation」「おめでとう」「おめでとうー!!」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「……うむ」 ヨシヒコ「ありがとう」 仲間に、ありがとう魔王に、さようならそして、すべての視聴者(オーディエンス)におやすみなさい ヨシヒコ「意味がわからん!!」 ヨシヒコはあおいほこらから もどってきた!▼ 黒い仏「どうしてだ? すべてがうやむやで、意味がわからない、素晴らしい終わり方だろう」 ヨシヒコ「うやむやすぎる!! なんなんだ、『魔王に、さようなら』とは!!」 黒い仏「そのままの意味だ」 ヨシヒコ「……ダメだ。やはり魔王を倒さなくては、冒険を終わらすことができないのか」 黒い仏「終わりの祠は、もう1つ残っているぞ?」 ヨシヒコ「もういい!!」 現実、っぽい感じの、どこか──。 ヨシヒコ(ヘラ男)「……ダメだわ、ボスキャラ強すぎる(笑)」 やっていたテレビゲームを投げ出して、誰かに電話をかけるヨシヒコ。 その恰好は、肩までだらしなく伸ばした長髪に厚い眼鏡。精悍さの欠片もない。 ヨシヒコ(ヘラ男)「……早っ(笑) もしもし? 遊ぼうぜ。今、家。今ね、ゲームしてた。いや、今回ボスキャラ強すぎるんだよ(笑) もう、なんか、エンドロール、もう見なくていいかなって思って。もうなんかボスキャラ見るだけで十分かなって…… うん。あー、うん、じゃ7時、駅に着くのね…… なんでもいいよ? ……あー、いいね、『笑笑』ね(笑) はい、じゃ後でね」 電話を切り、玄関へ向かう。不意にインターホンが鳴った。 「宅配便でーす」 ヨシヒコ(ヘラ男)「はーい」 仏「はい、えー、Amazonからお荷物です」 なんと たくはいぎょうしゃはほとけだった!▼ ヨシヒコ(ヘラ男)「うわー、箱でかっ」 仏「えっと、ハンコいただけますか」 ヨシヒコ(ヘラ男)「あー…… あの、アレ、拇印でもいいですか」 仏「あっ、そんな君はボインちゃんが好きなのかい?」 ヨシヒコ(ヘラ男)「あ…… ま、そっすね(笑)」 仏「うん」 ヨシヒコ(ヘラ男)「ハハハ(笑)」 ヨシヒコは ヘラヘラ わらっている。ほとけも ヘラヘラ わらいだした。▼ 仏「笑ってダメとも!!」 ほとけは いきなりヨシヒコを マジで ぶんなぐった!▼ 仏「はい、仏、お邪魔しまーす」 ヨシヒコ(ヘラ男)「ちょっ、なんなんですか、勝手に入んないでくださいよ…… すごいっすね、勝手に入るとか(笑)」 仏「えーと、ご覧の通りわたくしはですね、えー、隣の晩御飯を食べに来たわけでも、そして、除菌のできる洗剤を試してもらいに来たわけでもございません。わたくしは仏でございます」 ヨシヒコ(ヘラ男)「仏? え、なんかあれですか? 怪しい宗教とか?」 仏「うん、仏教。仏の教えと書いて仏教、常識でしょこれ」 ヨシヒコ(ヘラ男)「あー、はぁ…… で、なん、なんすか? その仏が(笑)」 仏「うん、あのー、今、君さぁ、ボスキャラが強いからってさぁ、あの、ゲームを終了しちゃったでしょ」 ヨシヒコ(ヘラ男)「あー、今回ちょっと無理っすね(笑)」 仏「え? なんで? その、1回負けただけでさ…… あの、あきらミングしちゃった?」 ヨシヒコ(ヘラ男)「え~、いや、わかるんすよね、なんか、1回やると。『あ、多分今回勝てねーなー』って(笑)」 ヨシヒコは ヘラヘラ わらっている。▼ 仏「うん、何笑ってんだ?」 ヨシヒコは ヘラヘラ わらっている。▼ 仏「ちょっ、何笑ってんだよ?」 ヨシヒコは ヘラヘラ わらっている。▼ 仏「……あのさぁ、あの…… それだとやった甲斐がないじゃん。やっぱ最後さ、やっぱボスキャラを倒してエンドロールを見て、それでね、えーと、最後に、堀井雄二さんの名前を見ないとさ、終われないじゃないか」 ヨシヒコ(ヘラ男)「いや、もう今回は見なくていいです」 仏「あの、それでさ、ヘラ男はさ…… ヘラ男はこれから何をしようとしてるの?」 ヨシヒコ(ヘラ男)「飲みに行きます。笑笑へ」 仏「ヘラ男はなんでそうまでして笑笑?」 ヨシヒコ(ヘラ男)「いやもう、その名の通り、笑笑行ったら、笑いが止まらないんす(笑)」 仏「うっそー、そんなことないだろうよ」 ヨシヒコ(ヘラ男)「めっちゃ安いんすよ、めっちゃうまいし!」 仏「えっ? あの…… でもさ、そんなにさ…… えっ、君は一体、笑笑のなんなの?」 ヨシヒコ(ヘラ男)「……笑笑…… いや、だってもう、なんか、あれが…… 結局、ボスキャラが強いのがよくないですね」 仏「そうか…… もうちょっとこれ、こいつにはねぇ、ちょっと、これはもう、これしかないんで、もう、ちょっと仏的に久しぶりだけれども…… ちょっとあの、やります。これは」 ほとけはしちょうしゃに よびかけた。▼ 仏「もしよかったらみんなも、久しぶりだから、あの、ご唱和して、一緒に。いい? ……そんなお前に、仏ビーム」 ほとけは ほとけビームを はなった!ヨシヒコは もとに もどった!▼ ヨシヒコ「私は…… 私は何を……」 仏「うむ…… お前は、魔王との戦いから逃避するあまり、お前の頭の中で、この戦いをゲームとして処理しようとしていたぞ」 ヨシヒコ「なんということだ……」 仏「何度でも言うが、魔王に、お前の故郷・カボイの村が滅ぼされてもいいのか?」 ヨシヒコ「ダメだ…… そんなことはさせない」 仏「うん。今、あちらでは、お前の仲間たちが、魔王を倒すためにお前を待っておる。今すぐ、あちらの世界に戻るがよい」 ヨシヒコ「わかりました。しかし、どうすれば……」 仏「これに乗れ」 ほとけはどこかで みたような ドラゴンをよびだした!ヨシヒコは ドラゴンに のってもうそうのせかいを とびだした!▼ 仏「魔王を倒す答えは、終わりの祠・第3の祠にあるぞ」 ヨシヒコ「わかりました!!」 どのいろの ほこらを えらびますか? あか_あお▶きいろ ヨシヒコはきいろのほこらを くぐりぬけた!▼ ヨシヒコはなかまたちと ごうりゅうした。▼ ムラサキ「おい! ヨシヒコ、お前どこ行ってたんだよ?」 ヨシヒコ「詳しい話はあとだ。仏が魔王を倒す鍵がここにあると申された」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 ムラサキ「なんか、景色がかすんでるね?」 ダンジョー「俺もそんな気がするが…… ま、気のせいだろう」 ここは どこかのほこら▼ メレブ「ん? 中から声がするぞ」 ダンジョー「ほんとだな。何話してるんだ?」 ヨシヒコたちはほこらに ちかづいた。▼ 村人A「オザル様はこの剣を岩から引き抜いた者を、勇者として薬草を探す旅に出すと言っていたよな」 村人B「ただ、この剣、めっちゃ簡単に引き抜けんだよね。ほら」 村人C「わかった! じゃあさ、あいつバカだからさ、みんなで岩から抜けないふりして、あいつが抜く番になったら、誰かヒモで引っ張ればよくない?」 村人A「それがいい!」 村人B「そしたら、あいつが旅に出ることになるな。バカだから、その気になってすぐ旅に出るぜ」 村人A「OK、それじゃ行こうか」 むらびとたちがほこらから でてきた。ヨシヒコたちは いそいでほこらの かげに かくれた。・・・ヨシヒコたちはほこらに はいってみた。おおきな いわにごうかで つよそうな つるぎがつきささっている。▼ ムラサキ「どういうこと?」 仏「ヨシヒコよ、それが本物のトドメの剣だ」 ほとけが あらわれた!▼ ヨシヒコ「なんですって!?」 仏「ねぇー、お前らホントに魔王にコロッと騙されてたねー? なんでもない剣をつかまされて、それ溶かされて、ビビらされて……」 ダンジョー「そうだったのか……」 メレブ「よくわからんが、ヨシヒコよ、この剣をいただいておけ」 ダンジョー「しかし何やらこの後、この剣が必要だとか話していたぞ?」 メレブ「では、代わりにいざないの剣でも挿しておけ。魔王を倒せば、もう私たちが戦うこともあるまい」 ヨシヒコ「……はい」 ヨシヒコは いわに ささったトドメのつるぎと いざないのつるぎをこうかんした。ヨシヒコはトドメのつるぎを てにいれた。ヨシヒコはトドメのつるぎを そうびした。▼ それから しばらくして・・・。▼ オザル「我こそは勇者と思う者は、前に出よ!」 村人たち「おぉ!」「俺が行く!」 村のバカな若者「よし。俺も行こう」 若者の妹「やめてください、兄様。兄様に争いごとは向きません」 村のバカな若者「向くも向かないもない。村が苦しんでるんだ」 ヨシヒコたちはそのようすを かげから みていた。▼ メレブ「なんと…… 我々は時空を超えていたのか」 ムラサキ「この旅の終わりが、ヨシヒコの旅の始まりのきっかけだったとはね」 ダンジョー「難しくてよくわからん……」 仏「それではさっそく、魔王ゲルゾーマの神殿に連れて行こうぞ」 ヨシヒコ「ちょっと待ってください、仏」 仏「ん?」 ※ここからの展開は映像ソフト版準拠でお送りします。 ヨシヒコたちはまおうだいしんでんに もどってきた!▼ 魔王ゲルゾーマ「ほほう、思ったよりも早く戻ったな?」 ヨシヒコ「私はお前を倒す本当のトドメの剣を手に入れた」 魔王ゲルゾーマ「……また仏か。困ったものだ…… また勇者の屍が増えるというもの」 ダンジョー「それはわからんぞ? 地獄に落ちるのは、お前の番かもしれんぞ」 魔王ゲルゾーマ「大した自信だな。ほざく根拠はあるのかな?」 ヨシヒコ「出でよ、7人の助け人!!」 ヨシヒコは 7にんの ぎょくじんをしょうかんした!▼ ヨシヒコ「皆さん、ありがとうございます」 玉人たち「………」 よく みると ぎょくじんの かおはみんな おめんだった。▼ メレブ「……おっと? これは…… いるようで、いない……? あの、これって、合成……?」 ムラサキ「いるだろ」 メレブ「やっぱ、あの、スケジュールが……」 ムラサキ「合ったろ、今日。ねぇ?」 メレブ「1人もかぁ、無理かぁ…… わかりました…… あ、います。います…… お願いします、どうぞ」 ムラサキ「ゲルゾーマ! 逃げ出すなら今のうちだよ!」 魔王ゲルゾーマ「どうしようかなぁー。困りましたねー?」 ヨシヒコ「皆さん、その玉を奴に向かって投げるのです!」 玉人たち「………」 ヨシヒコ「返事は!?」 メレブ「わかれ、ヨシヒコ。この方たちは今、しゃべれない。 ……それでは、お願いします」 7にんの ぎょくじん?はまおうゲルゾーマにそれぞれが もつ オーブを なげつけた!まおうゲルゾーマの7つの じゃくてんが はかいされた!▼ 魔王ゲルゾーマ「うおぉぉぉっ!!」 ムラサキ「えー? ヨシヒコの剣、必要なかったじゃん!」 ヨシヒコ「いや、違う。皆さん、構えて!」 まおうゲルゾーマの からだがあやしく うごめきだした!まおうゲルゾーマはしょうたいを あらわした!▼ メレブ「これが、ゲルゾーマの真の姿か」 魔王ゲルゾーマ「ああぁ…… 久しぶりだ。勇者よ、私を目覚めさせてしまったな」 ヨシヒコ「もう一度だ! あなたたちは魔王の弱点を突く玉を自ら生み出すことができる。それがあなたたちの玉人たる理由だ。もう一度だ、もう一度玉を生み出し奴に投げるのです!」 7にんの ぎょくじん?はふたたび オーブを うみだした!▼ メレブ「玉人に、こんな力があろうとは……」 ムラサキ「まさに、運命の助け人だな」 7にんの ぎょくじん?はふたたび オーブを なげつけた!まおうゲルゾーマの7つの じゃくてんが はかいされた!▼ ムラサキ「やった!」 ダンジョー「今だ、ヨシヒコ! とどめを刺せ!!」 ヨシヒコ「はい!!」 ヨシヒコの こうげき!▼ 魔王ゲルゾーマ「き、貴様…… このゲルゾーマを……」 まおうゲルゾーマは たおれた!▼ メレブ「やったぞ!」 ダンジョー「これぞ、トドメの剣!」 ヨシヒコ「これで…… これで世界に平穏が戻る……」 魔王ゲルゾーマ「……今までの私ならば、ここで終わりだった」 ヨシヒコ「……なんだとっ!?」 なんとまおうゲルゾーマが おきあがりさらなる へんしんを とげた!▼ メレブ「嘘だろ……!?」 ムラサキ「なんじゃ、こりゃ!?」 ダンジョー「ひるむなっ!!」 まおうゲルゾーマは おたけびを あげた!ぎょくじんのオーブは くだけちった!なんと 7にんの ぎょくじん?はぜんいん きえてしまった!▼ ヨシヒコ「……何っ!?」 ムラサキ「ふざけんなっ!! メラゾーマ!!」 ムラサキは メラゾーマを となえた!まおうゲルゾーマに じゃっかんの ダメージ!▼ メレブ「そして…… フタメガンテ!!」 メレブは フタメガンテを となえた!まおうゲルゾーマには きかなかった!まおうゲルゾーマの こうげき!ムラサキは しんでしまった!メレブは しんでしまった!▼ ヨシヒコ「ムラサキ!! メレブさん!!」 ダンジョー「俺様の炎の剣、受けてみよっ!!」 ダンジョーは かえんぎりを はなった!まおうゲルゾーマに かなりの ダメージ!▼ ダンジョー「どうだ……」 まおうゲルゾーマは じこさいせいを した!まおうゲルゾーマの キズが かいふくした!まおうゲルゾーマの こうげき!ダンジョーは しんでしまった!▼ ヨシヒコ「ダンジョーさんっ!!」 魔王ゲルゾーマ「知っているな? 私に殺された者は二度とよみがえらん。貴様の仲間は永遠に死んだのだ!」 ヨシヒコ「許さん…… 私はお前を許さん!!」 ヨシヒコの こうげき!しかし ヨシヒコの こうげきはかたてで はじかれた!▼ 魔王ゲルゾーマ「何度言わせる? 私は常に進化しているのだ」 まおうゲルゾーマは クチからじゃあくなちからの かたまりを はきだした!ヨシヒコははげしい ダメージを うけた!▼ 魔王ゲルゾーマ「ここまで私を追い込んだ勇者はお前だけだ。褒めてやる」 ヨシヒコ「………」 ヨシヒコはちからを ふりしぼって たちあがった。▼ 魔王ゲルゾーマ「……何? どういうことだ……?」 な なんと ヨシヒコたちが・・・!かぞえきれないほどの ヨシヒコたちがまおうゲルゾーマの まえに あらわれた!▼ 魔王ゲルゾーマ「な…… なんということだ!?」 ヨシヒコ「これはすべて私だ…… 過去から招きし私だ!! 私は…… お前を絶対に許さない!! ぬぅあああーーーーっ!!!!」 ヨシヒコAの こうげき!ヨシヒコBの こうげき!ヨシヒコCの こうげき!ヨシヒコDの こうげき!ヨシヒコEの こうげき!ヨシヒコFの こうげき!・・・まおうゲルゾーマはむすうの ヨシヒコに むらがられこうげきも ぼうぎょも できない!▼ 魔王ゲルゾーマ「なんということだ…… 私が、人間にやられるとは……!!」 まおうゲルゾーマを やっつけた!▼ ヨシヒコ「……ダンジョーさん…… ムラサキ…… メレブさん…… うわぁぁぁーっ!!」 たったひとり いきのこった ヨシヒコにどこからか ほとけのこえが きこえてきた。▼ 仏「勇者ヨシヒコよ、よくぞ魔王を倒してくれた。では、この戦いの記憶を消し去り…… 元いた時代に、戻ってもらうぞ」 ヨシヒコ「………」 さいごに のこった ヨシヒコはもと いた じだいに おくりかえされた・・・。▼ ヨシヒコ「……ここは……」 やけに もみあげの めだつせんしが とうぞくと たたかっている。もみあげの めだつ せんしはとうぞくを きりすてヨシヒコの ところに ちかづいてきた。▼ ヨシヒコ「……ダンジョーさん……」 ヨシヒコはもみあげの めだつ せんしにかけよった!▼ ヨシヒコ「ダンジョーさん!」 ダンジョー「ん? なぜ俺の名を知っている…… まぁいいか。嫌な時代になったものだ…… 皆、人間は疫病に苦しみ救いを求める……」 ヨシヒコ「この先の山に向かいましょう!」 ダンジョー「話を聞け!」 ヨシヒコ「そこに行けば、私を狙うおなごに会えるのです」 ダンジョー「……何を言ってる?」 ヨシヒコ「そのおなごを仲間にして、ウッサンの村に向かうと、金髪の教祖がいます。その人も仲間にしましょう!」 ヨシヒコはダンジョーの てをひいて かけだした!▼ ダンジョー「おい!? 小僧、何言ってる!」 ダンジョーが なかまに くわわった!ムラサキが なかまに くわわった!メレブが なかまに くわわった!▼ ヨシヒコ(仏のうっかりで、昨日の私が冒険に旅立った直後に戻された。私は再び、仲間と共に魔王ガリアスを倒す旅に出たのだ…… しかし、この時空の歪みが魔界にも歪みをもたらし、とてつもなく恐ろしい敵が生まれ出ていることに、この時の私たちは全く気づいていなかった……) ヨシヒコ(……などと言っておくと、年末年始の時代劇6時間特番として戻ってこられるかもしれないので、とりあえず言ってみた私だ) いまさらですがこのドラマは フィクションでありとうじょうする じんぶつ だんたいは かくうです
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ここは まおうバルザスのしろ▼ バルザス「ここまで きたことは ほめてやる!_____しかし わたしに はむかおうなどと_____100ねん はやいのだ!_____ただ 100ねんごっていうと きみたち_____なんさいに なっちゃう?_____さすがに そんなに いきられない?_____そんなことを しんぱいして やらんぞっ!!_____いますぐに まおうバルザスの まえから_____その いまいましい すがたを_____けしさってやろうぞ!」▼ まおうバルザスが あらわれた!▼ メレブ「ヨシヒコ、あいつの言ってることは正しいぞ。ここに来るの、100パー早かったと思うぞ」 ヨシヒコ「何を弱気なことを言ってるんですか、メレブさん。私たちにはこんなにも強い味方があるじゃないですか」 メレブ「うん…… 薬草な? これ、かなり初期の段階で手に入るやつな?」 どうぐ やくそう 99こ ダンジョー「バカめ。俺のカゴには、毒消し草も入っておる!」 どうぐ どくけしそう 99こ メレブ「うん…… いらないと思うんだ。彼との戦いにおいて、毒消し草はいらないと思うんだ」 ムラサキ「いちいちうっせーぞ、ハゲ!」 ヨシヒコ「ヨシヒコ、行きまーす!!!」 ヨシヒコの こうげき!▼ メレブ「やめてヨシヒコ、ストップ! ストップ・ザ・ヨシヒコ!」 しかし ヨシヒコの こうげきはメレブに あわてて とめられた!▼ メレブ「もうヨシヒコやめて、薬草がいっぱい落ちちゃうから…… 『アムロ行きます』みたいなテイストで、気軽に攻撃しないで?」 ヨシヒコ「先手必勝ですよ!」 メレブ「いや、違う。これ、システム的に、こっちが攻撃しない限り、あっちは何もしてこない」 ムラサキ「システムってなんだよ」 メレブ「もう、わかれ~! シーズン3なんだからもう、わかれ~! システムと言えば、『ドラ●●●●スト』のシステムだよ!」 メレブの ことばはふしぎな おとに かきけされた!▼ ヨシヒコ「途中、『ピー』の音でなんのことかわかりませんでした」 メレブ「聞こえたはず! ピーは後付けだから、聞こえたはず。私が発し、君の耳を通った後に、その、『ピーって入れようかな、入れるのやめようかな?』って審査し、入れる人が…… もう、いい! その話はいいから、もう。見てみ? あいつ、『今すぐ消し去る』って言った割には、ガッガッて動いてるだけだろ? 魔王バルザス」 ダンジョー「おぉ…… 確かにな」 メレブ「な? ガッガッて動いてる間に、逃げよう」 ダンジョー「馬鹿者! ヨシヒコは勇者だ。魔王を前に、戦いもせず逃げるはずないだろう!」 ヨシヒコ「逃げますか」 ヨシヒコは そくとうした。▼ メレブ「ナイス判断」 ムラサキ「でもさ、逃げたら逆に攻撃されるってことないの?」 メレブ「それもシステム的にはある。が、逃げられる場合もある。ということは、逃げられる可能性に賭けたいと思う」 ヨシヒコ「逃げられますか?」 メレブ「私が占って進ぜよう」 メレブは うらないを はじめた。▼ メレブ「……逃げられる」 ヨシヒコ「よし、逃げましょう!」 ヨシヒコたちは にげだした!しかし まわりこまれて しまった!まおうバルザスの こうげき!ヨシヒコたちはかなりの ダメージを うけた!▼ 魔王バルザス「え~~? 俺、魔王だよ? ボスキャラだよ? なんで逃げられると思ったのよ。そもそもボスキャラとの戦いで逃げるとか、ホントありえないよ!」 ヨシヒコ「大丈夫ですか、皆さん。薬草を…… 薬草を使ってください!」 メレブ「うーん…… 使いたいとは、思うのだが…… シーズン3にして初めて具現化し出てきたこの薬草を、どう使えばいいのかわからん」 ムラサキ「お前の言ってる『システム』ではどうやって使ってんだよ?」 メレブ「知らん!」 メレブは そくとうした。▼ ヨシヒコ「なんだとっ!?」 メレブ「薬草を▶つかうというコマンドが出てくるだけで、果たして飲んでいるのか、はたまた擦り込んでいるのか、はたまた鍋にして、鶏肉と一緒に煮込んでおいしくいただいているのか…… 見当もつかん」 ヨシヒコ「……鍋は…… 鍋は!?」 メレブ「探すな、ヨシヒコ! なんだ、おいしくいただきたいのか?」 ヨシヒコ「はい!」 メレブ「残念。鍋のくだりは、メレブジョークだ」 ムラサキ「てめぇ、この期に及んでジョークとか言ってんじゃねーぞ、ホクロ」 ダンジョー「よーし、俺は食う! 食うぞっ!」 ダンジョーはやくそうを つかった。▼ ヨシヒコ「どうですか、ダンジョーさん」 ダンジョー「うーん…… 何も変わった気がせんな。体も痛いまんまだ」 ムラサキ「おっさん食ったの、毒消し草じゃね?」 ダンジョー「……そうだ」 メレブ「うっかりだな」 ダンジョーはどくけしそうを つかっていた。▼ メレブ「今ダンジョーは、ちょっとしたデトックスをした状態になってるな」 ヨシヒコ「では私は、薬草を食べてみます」 メレブ「うむ」 ヨシヒコはやくそうを つかった。▼ メレブ「どうだ?」 ヨシヒコ「少しずつ…… 少しずつですが、傷が癒えてる感じがします」 メレブ「そうなんだよな。これ、少しずつしか癒えないやつなんだよな」 ヨシヒコ「たくさん…… とにかく(たくさん食べれば元の体力に戻るってことですよね)」 メレブ「うーん、後半何言ってるかわかんなかったな、お口の中、草いっぱいで。何言ってるかわかんなかったわ」 ムラサキ「どれくらい食えばいいんだよ」 メレブ「そうだなー、ひょっとしたらこれ全部食べないと完全には癒えないかもなー」 ムラサキ「そんなことしたら次やられた時食べる分なくなるだろ!」 ヨシヒコ「ゲホッ」 メレブ「そういう草なんだよ! お前…… そもそもね、ボスキャラと戦う時にね、持ち込むような草じゃないんだから!」 ムラサキ「そもそもこんなに食えっかよ! オカピか? わしゃオカピか!」 メレブ「ムラサキ、もうちょっとわかりやすい草食動物で例えてくれ。ダンジョー、いつまでそれ食ってんだ! 毒消し草を!」 ダンジョー「最近、歳のせいか、毒素が溜まってるような気がしてな」 メレブ「デトックスしてる場合ではない。目の前、魔王」 ダンジョー「あっ」 ダンジョーはいまさら きがついた!▼ ヨシヒコ「メレブさん、私はもう◎$♪△¥○&Ψ☆×■*@!!!」 メレブ「な、何? 何つった?」 ヨシヒコ「うおぉーっ!!!」 ヨシヒコは クチから やくそうをはげしく こぼしながらまおうバルザスに きりかかった!ヨシヒコの こうげき!ミス!ダメージを 1ミリも あたえられない!▼ 魔王バルザス「今度は私の番だな」 まおうバルザスの こうげき!はげしい ほのおの なみがヨシヒコたちを のみこんだ!▼ ヨシヒコ「………」 ヨシヒコは めをさました。▼ 神父「おお、勇者ヨシヒコよ。全滅してしまうとは情けない」 ヨシヒコ「全滅……?」 ダンジョー ムラサキ メレブはしんでしまっていた。ヨシヒコはきょうかいの なかに いた。▼ 神父「つか、オメーよ、今レベル18なんだよね」 ヨシヒコ「レベル?」 神父「レベル18でボスキャラと戦うとか、ありえねーからさ」 ヨシヒコ「……どういうわけか、いろんなことがうまく行ってしまって、スムーズにたどり着いてしまったんです」 神父「……バグかな?」 ヨシヒコ「そうですね……」 神父「バグ知ってんの?」 ヨシヒコ「いえ……」 神父「なんで知ってるふりしたの? そういうとこだよ」 ヨシヒコ「……どういうところですか?」 神父「……ま、とりあえず…… なんの用ですか?」 ヨシヒコ「どういうところですか?」 神父「お祈りをする? お告げを聞く? 毒の治療?」 ヨシヒコ「どういうところですか?」 神父「しつこいよ!」 ヨシヒコは おこられて しまった。▼ 神父「しつこいよ」 ヨシヒコ「悪いところがあったら治しますから!」 神父「悪いところがあるから全員死んだんでしょうよ!」 ヨシヒコ「……そうなのか……」 神父「生き返らせる?」 ヨシヒコ「……生き返らせます」 神父「それならば、ダンジョーさんを生き返らせるには、100ゴールド。ムラサキさんは、80ゴールド。メレブは…… 3ゴールド必要ですが、どうするよ」 ヨシヒコ「……お金がない……」 神父「金もないの!? 金も力もないのに魔王んとこ行ってきたの? バカなの? マジでバカなの?」 ヨシヒコ「………」 ヨシヒコは なにも いいかえせずくやしさに からだを ふるわせた。▼ ヨシヒコ「……倒してきます! 魔物たちを倒しまくってきます!!」 ヨシヒコは すてぜりふを はくとなかまの かんおけを ひきずりながらきょうかいを とびだしていった。▼ 神父「おい! お前まだ、キメラとかドラキーとかが精いっぱいだからな!」 + 【オンエア時にカットされたシーン】 ヨシヒコは きょうかいの とびらにひっかかった なかまの かんおけをむりやり うごかして きょうかいをとびだした。▼ 神父「いや、もっと丁寧に…… もういうとこ! そういうとこだよ!」 ヨシヒコ「これは…… 違います!」 神父「そういうとこだよ! それもだよ!」 まもののむれが あらわれた!ヨシヒコの こうげき!キメラに そこそこの ダメージ!マタンゴは あまい いきを はいた!ヨシヒコを ねむらせた!キメラは ほのおを はいた!ヨシヒコはまあまあの ダメージを うけた!▼ スライムたちが あらわれた!ヨシヒコの こうげき!スライムDを やっつけた!スライムAは にげだした!スライムBは にげだした!スライムCは にげだした!スライムたちを やっつけた!ヨシヒコの レベルが あがった!▼ まもののむれが あらわれた!ヨシヒコの こうげき!ドロヌーバを やっつけた!ゴーストは メダパニを となえた!ヨシヒコは こんらんした!ヨシヒコは こんらんしている。ヨシヒコはへんてこなおどりを おどった!しかし なにも おこらなかった!ヨシヒコは こんらんしている。ヨシヒコの こうげき!ヨシヒコはあしもとの くさを なぎはらった!ヨシヒコは こんらんしている。ヨシヒコは いきなり わらいだした!ヨシヒコは こんらんしている。ヨシヒコはスライムナイトが のっているスライムに こしかけた!ヨシヒコは こんらんしている。ヨシヒコはへんてこなおどりを おどった!しかし なにも おこらなかった!▼ ゴースト「混乱しすぎ」 ダンジョーは いきかえった!ムラサキは いきかえった!メレブは いきかえった!▼ + 【オンエア時にカットされたシーン】 メレブ「そもそも俺たち、結構冒険してきたでしょ? いわゆる魔王的なボスをさ、何度か倒してきたよね、ここまで。ちゃんとさ、冒険のプロセスを踏んできたよね? 魔物倒したりだとか、装備をそろえたりだとか……」 ムラサキ「お前がろくでもない呪文しか覚えないのは、いつものことだけどな」 メレブ「そんな我々がさ? どうしてレベル18で魔王に立ち向かったかな……」 ダンジョー「『今回の冒険、楽に進んでよかったね』って、お前も言っていたじゃないか」 メレブ「あー、言ったなー。あ、魔王の罠だったんだな、やっぱりな」 ヨシヒコ「やはり楽な冒険などないのです、戦いを積まなければ」 メレブ「なぁ、教会でさ、俺たちのレベルいくつって言ってた?」 ヨシヒコ「27と言われました」 メレブ「まぁ、ボスキャラ倒すには最低50は必要だよね……」 ヨシヒコ「まだまだ長い道のりですね」 盗賊「ちょっと止まってもらおうか!」 とうぞくが あらわれた!▼ ヨシヒコ「なんの用だ!」 盗賊「貴様らの持っている金と食糧をもらいてぇんだけど」 ダンジョー「1人で挑んでくるとは、いい度胸だ」 盗賊「だって強えぇから俺。たとえ10人いても1人で十分だから!」 ヨシヒコ「金も食糧もこれからの旅に必要なのだ。あきらめてくれ」 盗賊「はい、わかりました…… って言うとでも思ったかぁ!」 忍者「………」 とうぞくの うしろににんじゃが あらわれた!▼ メレブ「ん? ん? ん? ん? ん……? なんか後ろにいるね」 ムラサキ「あ、いるね……」 盗賊「さぁー、かかってこいやぁ!! まずはどいつだ~!?」 メレブ「『まずはどいつだ』もいいんだけど、まずはあいつなんじゃないかな」 盗賊「何?」 メレブ「ああ、いやいや、後ろにね…… あなたの命を狙ってる方だと思う」 盗賊「ん……? 後ろ?」 メレブ「後ろ、後ろ」 とうぞくは うしろを むいた。にんじゃは すばやく みをかくした!▼ 盗賊「ハハハ、誰もいねぇじゃねーか! さては俺の目をそらそうって魂胆か? ふっ、子供じみた真似を!」 とうぞくが まえを むいた とたんにんじゃが また かおを だした!にんじゃは とうぞくを ねらってしゅりけんを なげつけた!しかし しゅりけんは とうぞくにまったく あたらない!▼ 盗賊「さぁ、来い!!」 メレブ「いや、後ろ!」 盗賊「え?」 メレブ「後ろ」 盗賊「もうその手には引っかからんわ!」 にんじゃは とうぞくを ねらってしゅりけんを なげつけた!しかし しゅりけんは とうぞくにまったく あたらない!▼ メレブ「あーあーあー、ダメだ。あいつもあいつでダメな忍者なんだな、あれな……」 盗賊「ハハハ、恐れをなしたか」 メレブ「いや、恐れるも恐れないもさ、後ろの奴が今も…… 今もなお後ろの奴が……」 にんじゃは ついにとうぞくの まうしろに たってしゅりけんを なげはじめた!しかし なお しゅりけんはかすりも しないままじめんに おちていく!▼ 盗賊「もうその手には引っかからんわ!」 メレブ「いや、気になっちゃって君とも戦えないよ。ほら、ずっと俺あっち見ちゃうもん」 ダンジョー「おい、おい!」 盗賊「あ?」 ダンジョー「まずは後ろの敵を倒してから、俺たちと戦え!」 盗賊「何? なんなの?」 とうぞくは うしろを むいた。にんじゃは あわててきの かげに かくれた!▼ メレブ「な? 今見えただろ、忍者風の人」 盗賊「……いや」 ムラサキ「絶対見えたよ?」 メレブ「え、え? じゃあわかった、こっち向いててみ?」 盗賊「あ、うん」 メレブ「俺の方向いててみ?」 盗賊「はい」 メレブ「ちょっと待って。ちょっと待ってて」 盗賊「はい」 にんじゃは またとうぞくの まうしろに たってしゅりけんを なげはじめた!しかし まず しゅりけんをなげる だんかいで からぶった!▼ ムラサキ「あー…… あいつダメだな」 メレブ「なんだかな、もうちょっと修行してからの方がいいんだよな、ああいう奴…… ハイ後ろ!」 とうぞくは うしろを むいた。にんじゃは みをかくそうとしてあしを もつれさせた!▼ ムラサキ「完璧見えたろ」 盗賊「……いや……」 メレブ「おい、嘘つけお前! 100パー見えただろ! どういう関係性なんだよ、あの人と!」 にんじゃは またまたとうぞくの まうしろに たった!▼ メレブ「ハイ後ろ!」 とうぞくは うしろを むいた。にんじゃは みをかくそうとして すっころんだ!▼ メレブ「1コケしちゃったよ、今1コケしちゃってるよ。1コケ見えた、1コケ」 盗賊「見えてねーよ」 メレブ「嘘だろ!?」 盗賊「見えてねーよ!」 メレブ「なんでだよ!?」 忍者「ハイ! ハイ!」 にんじゃは とうぞくを ねらってしゅりけんを なげつけた!しかし しゅりけんは とうぞくにまったく あたらない!▼ メレブ「ハイ後ろ!」 とうぞくは うしろを むいた。▼ 忍者「あっ! おぉ……」 にんじゃは あわてて みをかくした!▼ メレブ「『おぉ』って言った時、目が合ったべ? おい。おい」 盗賊「見えてねーよ!!」 とうぞくは なぜか キレだした!▼ メレブ「なんでキレんだよ? こっちがキレてーんだよ! お前…… いいか? じゃあいいよ、俺と話そう」 盗賊「おう」 メレブ「あ~、今日の髪型いいね~、お前すごく…… ハイ後ろ!」 とうぞくは うしろを むいた。にんじゃは ちょっと たちどまったあとあわてて きのかげに みをかくした!▼ メレブ「今迷ったんだ、ほら。迷っ…… お前も笑ってるだろ、おい、こっち見ろ」 盗賊「笑っ…… 見えてねーよ!!」 メレブ「今笑ってただろ、今ちょっと笑ってただろ」 盗賊「笑ってねーよ」 メレブ「え? 笑ったってことは見えてんじゃん?」 盗賊「笑ってねーよ!!!」 メレブ「笑ってないんだな?」 盗賊「笑ってない」 メレブ「OK、OK、じゃあもう1回。ラストチャンスな」 とうぞくは うしろを むいた。▼ 忍者「おっ…… オアァ……」 にんじゃは みをかくそうとしてかくしきれていない!▼ メレブ「『オアァ……』だって。ほら見た? おい、今笑ってるべ?」 盗賊「笑ってない」 メレブ「今笑ってたべ? 今笑ってたよ」 盗賊「笑ってない」 メレブ「『オアァ……』のとこ見てるでしょ?」 盗賊「笑ってねーよ」 ヨシヒコ「誰かに狙われてるところ申し訳ないが、こんなところで時間を食ってる場合ではない。私のいざないの剣で眠ってもらうぞ」 盗賊「いざないの剣!?」 ダンジョー「人を殺さずに眠らせる、伝説の剣だ!」 盗賊「殺さずに眠らせる? そんな甘っちょろいことじゃーなぁ、この魔物たちの世界は、生き抜けないぜ~!!」 とうぞくの こうげき!ヨシヒコはいざないのつるぎで うけとめた!▼ メレブ「あー、いいよ? いい感じ、いい戦いなんだけど……」 そのあいだにもにんじゃは とうぞくを ねらってしゅりけんを なげつづけている!しかし しゅりけんは とうぞくにまったく あたらない!▼ メレブ「……ほら、いるいる。あいつ、ダメだなー……」 ダンジョー「ああ。だが、ついつい応援したくなる」 メレブ「ヨシヒコ、気を付けてね…… あれ?」 にんじゃはしゅりけんを つかいはたした!▼ メレブ「嘘だろ? おい、あいつ手裏剣なくなったよ。手持ち無沙汰になっちゃってんじゃん…… あーあ、なんかしろよ、なんか…… 何かしら狙え、チャンスだよ? 拾えよ、拾え。刀行け、刀……」 ヨシヒコ「眠らせてもらうぞ……!」 にんじゃは モタモタしている!▼ 盗賊「うぉああ!!」 ヨシヒコはつばぜりあいに おしまけた いきおいでにんじゃに きりかかった!▼ ヨシヒコ「でやぁ!!」 ヨシヒコの こうげき!にんじゃを ねむらせた!▼ メレブ「あっ…… あっ、そっち? ヨシヒコ……」 盗賊「え? 何……? なんなの、この人?」 ヨシヒコ「あなたをつけ狙っていたようだ」 盗賊「えっ、俺!? え…… 誰だろう、この人……」 メレブ「おい、誰なんだよ!? 気になってるぞ俺はもう。誰?」 盗賊「あっ…… え……!?」 とうぞくは にんじゃの かおをまじまじと みつめた。▼ 盗賊「おい…… まさか、こいつ……!! おい! おい!!」 とうぞくは にんじゃを ゆさぶった。にんじゃは ねむっている。▼ 盗賊「お前、どうしてこんなところにー!!」 とうぞくは なきだした。▼ ムラサキ「誰なの? 劇的な再会なの?」 盗賊「ああ…… 奇跡的な再会だ。実は……」 ヨシヒコ「でやぁ!!」 ヨシヒコの こうげき!とうぞくを ねむらせた!▼ メレブ「どうして!? なんで今斬ったの!? 『実は……』まだ聞きたかったよ?」 ヨシヒコ「先を急ぎましょう……」 メレブ「え? 何きっかけで斬ったの? 今……」 ムラサキ「聞きたかったー、奇跡的な内容……」 ダンジョー「20年前に生き別れた弟だ……」 メレブ「知らないでしょ、ダンジョー」 ダンジョー「顔が瓜二つだった!」 ムラサキ「似てねーよ。何一つ似てねーよ」 とうぞくたちを やっつけた!▼ ムラサキ「しかし、悪い奴らは何度倒してもなんで次々と出てくるかね?」 ダンジョー「それが世の常だ。善人だけの世界など、この世には絶対、存在せん」 ヨシヒコ「いえ…… 悪は倒し続ければいつか滅びます。そして善だけが残る。それを信じて戦い続けるのです」 ダンジョー「………」 ムラサキ「………」 メレブ「……そんなヨシヒコの言葉に、一瞬しんみりムードの、そんな折も折…… 新しい呪文を覚えた私だよ?」 ヨシヒコ「すごい……! 今度はなんなんですか、メレブさん!」 ムラサキ「なんでそんな毎回期待できんの? いっつもガッカリさせられるだけじゃんか」 メレブ「ガッカリするのはお前だけだムラサキ! ムラサキお前だけだ」 ムラサキ「この間の呪文だって、なんだよ、アレ」 メレブ「んー、なんだろう? 『スモーデ』のことかな~?」 ムラサキ「気に入らないことがあったら『よし、相撲で決着つけようぜ』って言いたくなる呪文、って意味わかります? ねぇ? ねぇ?」 メレブ「……スモーデ!」 メレブは スモーデを となえた!▼ ムラサキ「……お前のホクロってホント、ムカつくとこにあんな? よーし、相撲で決着つけようぜ? トントンストトントントントントトン……」 ムラサキは どひょういりを はじめた!ムラサキは どうどうと シコを ふんだ!▼ メレブ「よいしょー」 ヨシヒコ「すごい!! 相撲で決着をつけようとしている……!」 ダンジョー「おい、ここまでやらせたんだ。相撲取ってやらんか」 メレブ「うーん…… デースモ!」 メレブは デースモを となえた!ムラサキの スモーデが とけた!ムラサキは もとに もどった!▼ ムラサキ「あたし何してんの?」 ダンジョー「相撲を取る気満々だった」 ヨシヒコ「すごい!! 新しい呪文はなんですか!?」 メレブ「よく聞け! この呪文は先ほどレベルが上がった瞬間に手に入った、最・強・呪・文」 ヨシヒコ「これで魔王が倒せますね……!!」 メレブ「かもな?」 ダンジョー「早く言え!」 メレブ「この呪文をかけられた者は…… 脇の下が恐ろしく臭くなる、それはそれは臭くなる! そうして、魔物(モンスター)が匂いに耐えられなくなったところで攻撃!」 ヨシヒコ「すごい……!!」 メレブ「私はこの攻撃呪文を、『ワキガンテ』…… そう名付けたよ」 メレブはワキガンテの じゅもんを おぼえた!▼ ムラサキ「ってことは味方の誰かにかけて戦うってことでしょ……? え、絶対やだよ、あたし!! 女の子だからね!?」 ヨシヒコ「かけてください、メレブさん!! 私にワキガンテをかけてください!!」 メレブ「うむ、よかろう! ……ヨシヒコ、脇閉じなさい。危ないよ」 ヨシヒコは すなおにワキを かたく とじた。▼ メレブ「行くぞヨシヒコ、ワキガンテ!」 メレブは ワキガンテを となえた!▼ ヨシヒコ「…………ゆ、ゆっくり行きますか? 一気に行きますか?」 メレブ「ノーノーノー、ゆっくりだ! ゆっくりだ、ヨシヒコ、ゆっくり開けてみろ」 ヨシヒコは おそるおそるとじた ワキを ひらいてみた・・・。すさまじい あくしゅうがあたりに じゅうまんした!▼ ヨシヒコ「あ゛っ゛!!!」 メレブ「う゛わ゛ぁ゛ー!!!」 ムラサキ「くっっさ~~~~!!!」 ヨシヒコたちはかなりの ダメージを うけた!▼ メレブ「ヨシヒコ、MAXが知りたい、MAXが知りたい。一気に、一気にやって!」 ヨシヒコ「………」 ヨシヒコは とじた りょうワキをおもいきり ひらいてみた!さらに すさまじい あくしゅうがあたりに じゅうまんした!ヨシヒコたちはちめいてきな ダメージを うけた!▼ ヨシヒコ「目…… 目が……!!」 ダンジョー「ゲホッ、ゲホ…… ヴォエェ!!」 ヨシヒコ「すごい…… すごいですよメレブさ、ォ゛エ゛エ゛……!!」 ヨシヒコは ちからつきた!▼ メレブ「あっ、ヨシヒコが! 気絶した!」 ダンジョー「おい、呪文を…… 呪文を解け!」 メレブ「ガンワキテ!」 メレブは ガンワキテを となえた!ヨシヒコの ワキガンテが とけた!ヨシヒコの ワキのにおいが おさまった!ヨシヒコは われにかえった!▼ ヨシヒコ「すごいですよ…… これで敵を一網打尽ですよ!!」 メレブ「気絶せずに、攻撃する余裕があればの話だがな……」 ムラサキ「ゲロ吐いてるうちにやられるわ……」 メレブ「しかしこの呪文…… 『ワキガンテ』から『ワキガイン』に進化を遂げるよ!」 ダンジョー「遂げるな、馬鹿者!」 まもののむれが あらわれた!キラーマシンの こうげき!ヨシヒコはそれなりの ダメージを うけた!ダンジョーはけっこうな ダメージを うけた!ヨシヒコの こうげき!キラーマシンに まずまずの ダメージ!ダンジョーの こうげき!キラーマシンを やっつけた!▼ ムラサキ「メラゾーマ!」 ムラサキは メラゾーマを となえた!ギガンテスに かなりの ダメージ!ギガンテスを やっつけた!▼ メレブ「ヨシズミ!」 メレブは ヨシズミを となえた!ゴーレムの まゆげがごくぶとに なった!▼ ムラサキ「眉毛生えただけじゃねーかよ」 ヨシヒコたちは ちゃくちゃくとけいけんちを ふやしていった。・・・ヨシヒコたちは けっせんにむけてそれぞれ そうびを ととのえた。▼ メレブ「あぁ…… 長かったな。レベル18で戦いを挑んだ時が、懐かしく感じる」 ヨシヒコ「今回ばかりは本当に、永遠に命を落としてしまうかもしれない……」 ダンジョー「覚悟は必要だが、希望は持てる」 ヨシヒコ「しかしレベル18の時とはいえ、バルザスの力はとてつもなく強かった」 メレブ「もう、薬草を頼りに戦うわけではない」 ムラサキ「私だって、生き返りの呪文も回復の呪文も覚えたし……」 ヨシヒコ「……ムラサキ」 ヨシヒコはムラサキと すごした ひびをおもいだした。▼ ヨシヒコ「……ダンジョーさん」 ヨシヒコはダンジョーと すごした ひびをおもいだした。▼ ヨシヒコ「……メレブさん」 ヨシヒコはメレブの くだらない エピソードやなさけない すがたを おもいだした。▼ メレブ「俺のフラッシュバックにだけ悪意を感じたのは気のせいか?」 ヨシヒコ「……皆さんと戦ってきたこと、決して忘れません」 メレブ「うむ、私もだ」 ダンジョー「俺もだ」 ムラサキ「あたしも」 ダンジョー「ヨシヒコ…… 死ぬ時は、一緒だぜ」 ヨシヒコ「はい!」 ヨシヒコたちは ふたたびまおうバルザスのしろへ のりこんだ!▼ ヨシヒコたちは まおうバルザスとそうぜつな たたかいを くりひろげていた。▼ ダンジョー「ヨシヒコ、一緒に行くぞ!」 ヨシヒコ「はい!」 ヨシヒコたちは ちからを あわせてまおうバルザスを こうげきした!かいしんの いちげき!▼ メレブ「おお~、会心だ! 会心っぽい音したよ、今!」 ムラサキ「やった!」 メレブ「そこで…… スイーツ!」 メレブは スイーツを となえた!▼ 魔王バルザス「ああ、甘いものが…… 甘いものが食べたい……!!」 メレブ「ふっ、炎と電流に包まれながら甘いものを欲しておるわ」 ムラサキ「必要ないよね。普通に苦しめるだけでいいよね?」 ヨシヒコ「バカな、ムラサキ。炎と電流に包まれて苦しい中でさらに甘いものを食べたい状況を想像してみろ」 ムラサキ「……全然想像できねぇ。やっぱ甘いもの余計な気がする」 ヨシヒコ「やりましたね、メレブさん」 メレブ「うむ、スイーツがむしろとどめとなったようだ」*(*1) バルザス「あぁ あまいものが たべたい!」・・・まおうバルザスを やっつけた!▼ * まおうバルザスは たおれせかいに へいわが もどった。これで こんかいの おはなしはおしまい・・・▼ ???「待て~い! 待て待て待て待て~~~~い!!」 ヨシヒコたちは とつぜんへいげんに とばされた。▼ ヨシヒコ「これは……」 仏「はい、こっち注も~~く」 ほとけが あらわれた!▼ メレブ「あ、仏」 仏「はい、どうも、仏でございます」 ヨシヒコ「どこですか、仏?」 仏「……ちょっと待って、え? おい、ちょっと待っ…… おい、ちょっ待っ…… おい、ちょっ待っ、シーズン3になっても見えないの、ねぇ? 私のこと、ねぇ? ヨシヒコ君は、ねぇ?」 メレブ「あっ…… ねぇヨシヒコ、これしてみ」 ヨシヒコ「ありがとうございます」 ヨシヒコはヒーローのへんしんグッズを そうびした。▼ 仏「!?」 ヨシヒコ「あっ、見えた! 仏!」 仏「……びっくりした、今絶対変身すると思った(*2)。え、何? ちょっと、ねぇ…… それで私のこと見えるの?」 ヨシヒコ「はい、見えます」 ムラサキ「なんの用だよ?」 仏「『なんの用だ』はねぇでしょうよ、えぇ!? 薄々わかってんでしょ、ねぇ? 大体薄々わかってんでしょ?」 ムラサキ「わかりません」 仏「うそ? ダンジョーは?」 ダンジョー「わからん」 仏「ん~? じゃあ、金髪ホクロは?」 メレブ「なんですかね? とんとわかりませんな」 仏「おお、そうですか。まぁ、ヨシ君はな……」 ヨシヒコ「………」 仏「……ヨシ君、ヨシ君、ちょっと、それでずっと見るの? ちょっと耐えられるかわかんない、おじさん。あの、まぁヨシ君はわかんないわな、少しおバカさんだもんな。うん、じゃあね、正解を言います。正解を言います…… あのね、ただね、ちょっと1つ宣言させてほしいの、ね。1つ宣言させてほしい、大きな声が出ます。かなり、大きな声が出ます。ですから鼓膜が弱い人はね、あの、ちょっとふさいでおいた方が得策かも。いい? いい?」 ほとけは いきを すいこんだ。▼ 仏「初回~~!!!!」 ヨシヒコたちは ポカンとしている。▼ 仏「あっ、なんか虫が…… 虫が今…… 雲の上にもいるんだね、虫がね……」 ほとけは きをとりなおしてもういちど ねんを おした。▼ 仏「本日、初回で~~す!!!!」 ヨシヒコたちは ポカンとしている。▼ ヨシヒコ「初回?」 仏「あのね、仏ね、ホントにねぇ、ドキドキドキドキしながら見てたよ、雲の上から」 メレブ「ドキドキ土器土?」 仏「ドキドキドキドキだよ。だってさ、その、えーと、何? もう、あの、しょっぱなからいきなり、なんか最終回みたいに始まったじゃん? そうでしょ? ほんで、あの、冒険のくだり、かなり端折ってね? それであの、最後、あの、魔王の館に乗り込む前にさ、あの、シーズン1からのフラッシュバックをぶちこみーのね? んで『死ぬ時は一緒だぜ』的な、『もちろんです』的な? そんで感動的な音楽がファー、流れてさぁ…… おかしいだろ? マジで、テメーら、ぶっ飛ばすぞ? マジで。ホントに。初回としてかなりおかしいだろ?」 ムラサキ「いや…… 初回も何も、あいつ倒せば今回の冒険は終わりでしょ?」* 仏「そんなわけはないぜ? ねぇ! あの、世界にさ、そんな簡単に平和は訪れないぜ?」 ヨシヒコ「どういうことですか」 仏「まぁ簡単に言うと、今倒した奴は、ボスじゃないってことだね」 ムラサキ「えっ!?」 ヨシヒコ「何っ!?」 メレブ「えぇ……」 仏「その証拠にさぁ、その辺をさぁ、少しさぁ、歩いてみ? あの、少し歩いてみ? まだまだ魔物がうじゃうじゃいるよ?」 ヨシヒコ「では、バルザスは……」 仏「うーん、まぁ…… 知事……? ……あっ、唾が飛んだ。ごめん。知事、みたいなもんかな…… あの…… まぁ、舛添さんみたいなもんかな? まぁ、これ放送してる時にまだやってるかどうかわかんないけどね」 メレブ「実名を出すな、実名を。もう…… まぁ、名前はあえて言わないけど、その…… アレが知事だとしたら…… え、何、『総理大臣』がいるってこと!?」 仏「その通りだ。いいか、よく聞け。現在、この世界を闇に葬ろうとしている魔王には、弱点がある。しかし、その弱点は1つではない。7つだ! この7つの弱点、すべて攻撃しなければ絶対に倒すことはできない。1つの弱点を突いても、1つでも……」 ほとけは れいによってせりふを おぼえていないようだ。▼ 仏「………」 メレブ「なんだよ。『1つでも』?」 仏「え?」 メレブ「『1つでも』?」 仏「え?」 メレブ「『1つでも』?」 仏「ちょっ、え?」 メレブ「……おい、自分のミスを……」 仏「ちょっ、ちょっとごめん…… えーと、1つでも…… あっ、わかった」 メレブ「自分のミスをさ……」 仏「ミスじゃない! 何? ……1つでも、ちゃく、弱点が、を? が? あの…… ゼゼゼゼゼゼっていう、あの、形をとらなければ…… あの…… あの、絶対にあの、くびれボディを獲得することができない…… 今なんでくびれボディって言ったんだろう、おじさん。魔王はくびれボディの持ち主なの? ねぇ。魔王は果たしてくびれボディの持ち主なの? ねぇ」 ほとけは れいによってせりふを まちがえた!▼ 仏「あの、えーと、大体、言いたいこと…… わかんないか」 メレブ「わかんないよ」 仏「だから、えっと、つまり、1つの弱点を突いても……」 このあと ほとけがつまらない ボケを くりかえしヨシヒコたちが ひたすらうんざりさせられる ながれがつづくが むだに ながくてしょうじき たいくつなのでじゃっかん はぶく。▼ 仏「……あ、わかった! 思い出した! 1つの弱点を突いても、1つでもね、1つでも弱点が残っちゃうと、魔王はね、たちまち突かれた弱点をね、あの、修復しゅる…… あ、『修復しゅる』じゃない、修復する能力を持っている。ね? 強いね、魔王ね。やるね、魔王ね? ……で、その7つの弱点はね、それぞれ運命に定められし人間にしか、攻撃しゅる…… あっ! ちょっ…… 聞いた、今? 『しゅる』が2回出た。1日2回『しゅる』。これ結構珍しいこと!」 メレブ「いいよ、もう……」 仏「もう、あの、今頃アレだよ? 『しゅる』が急上昇タレント検索キーワードに……」 メレブ「しないよ……」 仏「だから、7つの弱点があります、と。それが、運命に定められた人間にしか攻撃できないってことですよ。ね? それが、ま、つまり、あの、7人いるわけですよね…… あの…… ちょっとごめん」 ほとけは クシャミをしそうに なったが ちょくぜんでおさまった。▼ 仏「今、クシャミが出そうで止まった! 見た? 今! クシャミが出そうで止まった~♪」 ヨシヒコたちは しらけている。▼ 仏「ねぇ、ちょっと、もうちょっとかかる。もうちょっと待ってくれる? ちょっと、退屈しないで? ね? ……7人いるわけ、その弱点を攻めれる人はね。7人いるわけ。ね? で、その7人っていうのはさ、それぞれ光り輝くオーブを持っている、ね。あの、オーブっていうのは玉です。つまり7人は玉を持っているってことですね…… あの、これ、あの、別にいやらしい意味で言ったわけじゃないよ」 メレブ「わかってるよ、続けなさいよ」 仏「ということで、ヨシヒコよ。お前たちは、この運命に定められし7人を探し出し、そして魔王を倒さなければならんのら…… 最後に『ら』って言っちゃった! 『ならんのだ』!」 ヨシヒコ「魔王の弱点を突く、運命の7人……」 ムラサキ「また長い旅が始まるんだな。いい感じのダイジェストっぽい感じで終われると思ったのに」 仏「ということで、冒険の始まりはやっぱりカボイの村へ。はい、ルーラ!!」 ほとけは ルーラを となえた!ヨシヒコたちはカボイのむらに とばされた!▼ ヒサ「……兄様!?」 ヨシヒコ「ヒサ……」 ヒサ「いつ戻られたのですか?」 ヨシヒコ「戻ったのではない。今再び、旅立つところだ」 ヒサ「そんな……」 仏「最後に言っておく…… 初回から、魔王のCGで予算を使いすぎてきた。本物の魔王にたどり着くまで、せいぜい節約に努めよ。よいな」 メレブ「……確かに」 ダンジョー「終わる気満々だったからなぁ」 ムラサキ「しかし相変わらずムカつくな、あの仏」 ヨシヒコ「まだまだ世界は闇に包まれている。行きましょう」 ダンジョー「おう」 ムラサキ「うん」 メレブ「うむ」 ヨシヒコ「ヒサ、私は必ず生きて帰る。村を頼んだぞ」 ヨシヒコたちは ふたたびカボイのむらを たびだった。▼ ヒサ「兄様!」 ヨシヒコたちの ゆく さきにはじゃあくな かげが たちこめていた・・・。▼ つづく▼ 映像ソフト版では…… ※各所にある「*」を押すと、以下の場面が挿入される段落に飛ぶことができます。 * なんと!まおうバルザスは ヨシヒコと ダンジョーのこうげきを たえぬいた!▼ ダンジョー「なんだとっ!?」 ヨシヒコ「魔王は不死身だというのか……」 魔王バルザス「あぁぁぁ…… 甘いものが食べたくてムシャクシャする! 全力ビーム!!」 まおうバルザスの こうげき!つうこんの いちげき!▼ ヨシヒコ「ぐうぅっ!! ……大丈夫ですか、皆さん!?」 ダンジョーは しんでしまった!ムラサキは しんでしまった!メレブは しんでしまった!▼ ヨシヒコ「なんだとっ!? ……みんな…… くぁあああーーーーっ!!」 ヨシヒコの こうげき!まおうバルザスに そこそこの ダメージ!まおうバルザスの こうげき!つうこんの いちげき!ヨシヒコは しんでしまった!・・・しかし そのときいままで ヨシヒコが なかまにしたまものたちが ばしゃから とびだした!くさったしたいの こうげき!まおうバルザスに やや ダメージ!ドラキーマの こうげき!まおうバルザスに やや ダメージ!ゴーレムの こうげき!まおうバルザスに やや ダメージ!おおめだまの こうげき!まおうバルザスに やや ダメージ!まおうバルザスの こうげき!くさったしたいは しんでしまった!ドラキーマは しんでしまった!ゴーレムは しんでしまった!おおめだまは しんでしまった!まものが ばしゃから とびだした!おおきづちの こうげき!まおうバルザスに やや ダメージ!さまようよろいの こうげき!まおうバルザスに やや ダメージ!ギガンテスの こうげき!まおうバルザスに やや ダメージ!ゴーストの こうげき!まおうバルザスに やや ダメージ!まおうバルザスの こうげき!おおきづちは しんでしまった!さまようよろいは しんでしまった!ギガンテスは しんでしまった!ゴーストは しんでしまった!まものが ばしゃから とびだした!マミーの こうげき!まおうバルザスに やや ダメージ!ばくだんいわは メガンテを となえた!まおうバルザスに それなりの ダメージ!ばくだんいわは しんでしまった!マタンゴは あまい いきを はいた!まおうバルザスには きかなかった!どろにんぎょうの こうげき!まおうバルザスに やや ダメージ!まおうバルザスの こうげき!マミーは しんでしまった!マタンゴは しんでしまった!どろにんぎょうは しんでしまった!・・・スライムが ばしゃから とびだした!スライムの こうげき!まおうバルザスに たしょうの ダメージ!まおうバルザスを やっつけた!▼ * 仏「いや、違うんだよ。倒したのは君らではなくね、スライムのスラリンなんだけど…… だけど! ねぇ、そんなさ、ラストさ、スライムのドアップで終わる冒険活劇ってどうでしょう? いわゆるひとつの、ん~、どうでしょう」 ダンジョー「ともかく、敵を倒したんだ。世の中、これで平和になった」*
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人物名鑑:ヨシヒコ PTキャラとしてのスペックはキャラスペック:ヨシヒコを参考。 ゲーム内におけるヨシヒコ 演:山田孝之。 カボイの村出身のレプリ名古屋から北東の村にいた勇者の青年。「いざないの剣」を片手に魔王討伐の旅に出ている最中だった。 イチロー一行と初めて出会った際、パパスからはいちもつと間違えられている。 原作でもともに旅をした仲間達はもちろん、イチロー達にすら見えているイムの姿を唯一肉眼で見ることができない。一応3Dメガネなどのメガネ越しになら見ることができるが、登場のたびに無くしている。どこかで見たような赤いサングラスやメタナイトの仮面を経て最終的に怪しいサングラスで落ち着いたようだ。 そしてかなりの早とちりで蛮勇なところがあり、明らかに敵わない相手の所に突っ込んでいっては倒されている。 また変に影響を受けやすい体質で本作ではサングラスのモデルとなった人物の影響をもろに受けたり、セクシーなお姉さんにぱふぱふされて大泥棒に転職したりしている。 原作におけるヨシヒコ 「勇者ヨシヒコ」シリーズの主人公。カボイの村に伝わる岩に刺さったいざないの剣を抜いた事で魔王を退治する勇者として旅立つ。 正義感が強く、困った人を放っておけないがとにかく天然ボケな勇者。術や魔法にもかかりやすく、むしろ積極的にかかりたがる傾向にある。壊滅的に空気が読めないため周りを困らせる言動をしてしまうこともしばしば。魂を抜かれた際の本性はかなりドスケベ。周りに流されやすい性分のため、度々魔王討伐を投げ出すことも珍しくない。 何故か素の状態ではイムの姿を見ることができないため、イムをお告げを聞く際にはメガネ的なアイテムを掛ける必要がある。 父親の名前はテルヒコ。ヒサという妹もおり、兄のヨシヒコの行く末を心配して後を付けていたりする。