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初美「大変なのですよ」 春「いきなりなに?」 初美「近々大掃除の予定ありだとか」 春「はぁ、年末にやったような気がするけど」 初美「その時は上手く隠しおおせたんですけどねー、霞ちゃんに見つかったらマズいあれやこれや」 春「ガサ入れ?」 初美「そうなのですよ! 卒業したから……とか色々理由をつけて強行する気満々なのですよ!」 春「そう……(無関心)」 初美「むむっ、一大事なのははるるも一緒かもしれないのですよ?」 春「見つかって困るものは特にないから」 初美「……先日、霞ちゃんと戒能さんの密会があったとか」 春「まさか……」 初美「ええ、その可能性も十分あり得るのですよ」 春「くっ……!」 春「わかった、協力する」 初美「その言葉を待っていたのですよ」ガシッ 春「背に腹は変えられない」ガシッ 初美(まぁ、実際は霞ちゃんを連れ回してただけみたいですけどねー) 初美(その時にはるるの黒糖について触れたかもしれませんし) 初美(ウソはついてないのですよ、うん) 春「それで、具体的にどうするの?」 初美「とにもかくにも隠し場所ですねー」 春「山のどこかに埋める?」 初美「まるでサスペンスの一場面なのですよ」 春「共犯」 初美「だけど、土の中となると漫画の類は湿気っちゃいそうですねー」 春「じゃあ、だれかに預けるとか」 初美「ふーむ、それも一つの手ですかね?」 「というわけで、うちで預かることになったから、受け取りに行ってくれない?」 京太郎「バカじゃねぇの?」 「ひどいっ、実の母親に向かってバカだなんて!」 京太郎「いや、ダンボール箱抱えて山を下れって方がひどいだろ」 「大丈夫よ、お父さんも協力してくれるらしいし。ね?」 京太郎「そうなの?」 「いや、初耳」 京太郎「って言ってるけど」 「ダメ……?」 「……しょうがないなぁ」 京太郎(うわー、母さんに甘いなぁ) 「というわけだ。二人で行くぞ」 京太郎「はぁ……わかったよ。それで、いつ取りに行けばいいのさ」 「これからね」 京太郎「ちょっと急すぎない!?」 「こりゃ、断られることは想定してなかったな」 「もちろんよ。だって、二人のこと信じてたもの!」 京太郎「……バカじゃねぇの?」 「ひどいっ」 初美「んしょ……ふぅ、ここまで来たら後は一人でも大丈夫なのですよ」 春「私が行ってもいいけど」 初美「いえいえ、厳正なジャンケンの結果なのですよ」 春「どうしてもと言うなら代わってもいい」 初美「そもそも代わってほしいとは言ってないですねー」 春「私も行きたい」 初美「キレイさっぱり諦めるのですよ」 春「くっ……」グヌヌ 春「……わかった。陽動は任せて」 初美「お願いするのですよ。ブツを運び終わる前に感づかれたら厄介ですからねー」 春「そっちも、黒糖は任せたから」 初美「まさかダンボール箱二つ分も備蓄があるとは……」 春「買い出しに行く前でよかった」 初美「買い足す必要性がまったく見当たらないのですよ」 京太郎「うおっと……まだまだ山は雪あるな」 「気をつけろよ? 荷物受け取る前にダウンなんてカッコつかないからな」 京太郎「わかってるってば」 「案外近くまで車で登ってこられたのはラッキーだったな」 京太郎「というか、俺一人で来てたらどんなことになってたんだよ……」 「面白いことになってたんじゃないか?」 京太郎「笑えないっての」 初美「あ、やっと来た! こっちですよ、こっちー!」 京太郎「待たせたか?」 初美「んーと、五分ぐらいですかね?」 京太郎「具体的な時間指定もなかったのにジャストだな」 初美「ですねー」 「運ぶのはそこのダンボールでいいのかな?」 初美「あ、お久しぶりなのですよ」 「こっちこそね。さ、冷えるから早く運び込んじゃおうか」 初美「お願いするのですよ」 京太郎「ふぅ……一個だけやたら重かったな」 初美「私のやつですねー。漫画類がぎっしりなのですよ」 京太郎「どうりで……」 「あとの二つは他の人の分かな?」 初美「はるるのですね。主に黒糖」 京太郎「……二箱分も?」 初美「近いうちに買い足す予定だったとか」 京太郎「尋常じゃねーな」 「ははは、よっぽど好きなんだな」 京太郎「本当だよな……黒糖を隠すってことは、戒能さんとなんかあったのか?」 初美「さぁ、どうでしょうねー」 京太郎「まぁ、それはいつものことか」 京太郎「そんで、お前はすぐ戻るのか?」 初美「おやおや? そっちからお誘いとは珍しいのですよ」 京太郎「別に誘ってるわけじゃないから。いつもはなにかと理由つけて押しかけてくるだろ」 初美「あまり長く不在にしてると怪しまれちゃいますから」 京太郎「そうか? じゃ、気をつけて帰れよ」 初美「むぅ、素っ気なさすぎなのですよ」 京太郎「なんだ、高い高いでもしてやろうか?」 初美「蹴られたいのならやってみるといいのですよ」 京太郎「ははっ、冗談だって」 初美「もうっ、ちょっとこっちに来るのですよ!」グイグイ 「どこ行くんだー? って、聞こえてないか」 「仕方ないな、俺も一服するか」シュボッ 初美「……えいっ」ギュッ 京太郎「相変わらず軽いなー」 初美「年頃の女の子に抱きつかれてその反応はなんですかっ」 京太郎「色々と物足りないんじゃないか?」 初美「どういう意味ですかっ!」 京太郎「さぁてね」 初美「こうなったら……んっ」チュッ 初美「こ、これで……参りましたかー?」 京太郎「ぎゃふん……って言えばいいのか?」 初美「バカにしてるのが見え見えなのですよ!」 京太郎「まぁ、ほっぺたぐらいで参ったとは言えないよな」 初美「じゃあ、今度は……」グイッ 初美「……」 京太郎「……」ジー 初美「うぅ……」モジモジ 京太郎「なんだ、なにもしないのか?」 初美「ど、どうしてジッと見てるですか」 京太郎「なにされるか気になるからな」 初美「気になってできないのですよ……」 京太郎「この前は馬乗りになってしてきたくせにな」 初美「あれは! ……ヤケになってたというかですね」 京太郎「それとも――こっちからしようか?」クイッ 初美「ひゃわ!」 初美「な、なんのつもりなのですか?」 京太郎「お前もしようとしてただろ」 初美「……本気なのですか?」 京太郎「良い機会だから言っておくけど――」 「うわっ」ズシャ 京太郎「……親父?」 「まいったな、気をつけろって言った俺が雪に足を取られるなんてな」 初美「はわわ……」カァァ 「お構いなくって雰囲気でもないな……写真撮ったけど見るか?」 京太郎「写真?」 「ほら、見つめあった二人の」 京太郎「あっ、いつの間に撮ったんだよ!」 「呼びに来たらいい雰囲気だったから、記念だな」 京太郎「今すぐ消してくれ」 「お、そうだ。初美ちゃん、一枚いるかい?」 京太郎「聞けよっ」 初美「あ、欲しいのですよ」 京太郎「もらうのかよ!」 「じゃあ、コンビニに寄りがてらお茶でもどうかな? 一息入れるぐらいだったら、時間も大丈夫だと思うよ」 初美「うーん、そういうことならお言葉に甘えちゃいますねー」 京太郎「あーもう、勝手にしてくれ……」 「さて、見送りも終わったし俺らも帰るか?」 京太郎「だな」 「ところで、言わなくて良かったのか?」 京太郎「何の話さ」 「神境の子達の中じゃ、初美ちゃんが一番母さんに似てるよな、性格的に」 京太郎「だから何の話だっての」 「お前って意外とマザコンだったのかって話」 京太郎「親父」 「なんだ?」 京太郎「叩いていいかな?」 「ダメだ」 京太郎「……まぁ、伝えたいことはあったけど、やっぱり俺が向こう行くときでいいかなって」 「そういうことならいいんだけどな。出発は週末だったな」 京太郎「気ままに楽しんでくるよ」 「お土産に期待しておこうか」 京太郎「んじゃ、蜂の子でも買って帰ってくる」 「そこに売ってるのじゃないか」 京太郎「じゃあおやきで」 「せめて県外の物にしろよ」 京太郎「逆にさ、お土産に買うようなものって普段は食べなくない?」 「たしかにな」 京太郎「というわけで、信州そばでも」 「やっぱり県外の買ってこい」 初美「さ、大掃除なのですよ♪」 霞「……なんだか楽しそうね」 春「うん」 霞「いつもは多少面倒そうにしているのに」 春「たしかに」ポリポリ 春(マズい、つい二袋目を食べてしまった) 春(霞さんと姉さんは結託してる) 春(このままじゃ、取り上げられちゃう……!) 霞「それじゃあ、私は上から埃を落としていくから、窓拭きをお願いね」 春「……あれ?」 霞「どうしたの?」 春「姉さんに頼まれてたんじゃ……」 霞「戒能さんに? たしかにこの前、連れ回され……じゃなくて、一緒にお買い物はしたけれど」 春「それだけなの?」 霞「それだけね。戒能さんに用事でもあった?」 春「……はっちゃんに騙された」 初美「ふんふふーん♪」 霞「初美ちゃん、ちょっとお話があるのだけど」 初美「なんですかー? 私には隠してるものなんてないのですよ」 霞「ここには、でしょ?」 初美「ちょっとなんのことかわかりませんねー」 霞「春ちゃんから事情は聞かせてもらったわ」 初美「まさか……」 春「よくも騙してくれた」 初美「はるる、裏切ったのですか!」 春「お互い様」 霞「なにを誰に預けたのか、全部聞いたわ」 初美「くっ……だ、大体、霞ちゃんが取り上げようとするのがいけないのですよ!」 霞「あんな……は、破廉恥な漫画を隠し持っているのが問題なのよ!」 初美「なにが破廉恥ですか! あんなの少女漫画じゃ普通なのですよ!」 霞「……とにかく、小蒔ちゃんに悪い影響があるといけないわ」 初美「……」 初美(今でも時々貸してるなんて言ったら、もっと怒られちゃいますかね?) 初美「と、とりあえず、ここはお掃除の方を優先して……」ソロー 霞「待ちなさいっ」ガシッ 初美「あっ」ポロッ 春「写真?」 霞「……これは、どういうこと?」 初美「見られちゃいましたか……」 霞「初美ちゃん、答えて」 初美「……見ての通りなのですよ」 霞「これが許されると思っているの? 私たちは――」 初美「それは、霞ちゃんの考えなのですよ」 初美「たしかに私たちは姫様に仕える六女仙……」 初美「でも、その前に私たちは私たちなのですよ」 初美「自分の気持ちを偽り続けて、そんなの耐え切れなくなるに決まっているのですよ……!」 春「はっちゃん……」 霞「……」グッ 初美「あ……」 初美(マジギレの予兆ですねー) 初美(……私もついつい熱くなっちゃいましたか) 初美(しかし、どうしましょうか) 初美(正直、逃げたいのですよ) 初美(でも、確実に禍根は残っちゃいますねー) 初美(うーん……) 『とにかく、逃げたきゃ逃げればいいさ』 『それで首が回らなくなったら、俺がなんとかしてやるよ』 初美(……なんとかしてもらっちゃいますか) 初美(責任、取ってもらうのですよ) 初美「というわけで、今から修行に行ってくるのですよ」ダッ 霞「――っ、待ちなさい!」 京太郎「いい朝……ってほど早くもないか」 京太郎「まぁ、とりあえず晴れて良かったよ」 京太郎「さっさと山抜けて……えっと、どこ向かってんだっけ?」 京太郎「……地図見るか」 京太郎「現在地は……ここら辺か?」 京太郎「うーん、ナビでも付けときゃよかったな」 京太郎「このまま進んでったら……」 ――ガサガサッ 京太郎「あん?」 初美「わ、わっ、どけるのですよっ」ガサッ 京太郎「うおっ」ガシッ 京太郎「っと、危ないな。いきなり飛び出してくるなんて野生のポケモンかよ」 初美「う~……って、あれ? どうしてあなたが……」 京太郎「今度はなんだよ。鬼ごっこでもしてんのか?」 初美「そうなのですよっ、鬼が来るのですよ!」 京太郎「はぁ?」 初美「わ、私は隠れるからなんとかお願いするのですよっ」ソソクサ 京太郎「おい、まったく話が――」 霞「初美ちゃん、今日という今日は……! あら?」 京太郎「よう、久しぶり。鬼ごっこか?」 霞「ど、どうしてあなたがここに……」 京太郎「そりゃこっちのセリフだ。まぁ、俺はただの通りすがりだけどな」 霞「そう……初美ちゃんを見なかった?」 京太郎「さあ、見てないな」 霞「ごめんなさいね、煩わせてしまって。それじゃあ――」 京太郎「ちょっと待て。どこ行く気だ?」ガシッ 霞「初美ちゃんを探しに行くわ」 京太郎「お前ら、まさかとは思うけど、神境から追いかけっこしてるんじゃないだろうな?」 霞「……初美ちゃんが逃げるからよ」 京太郎「……まぁいいや。とりあえずお前は戻れよ」 霞「いいえ、初美ちゃんを捕まえるまでは――」 京太郎「ていっ」ビシッ 霞「いたっ……ちょっと、どういうつもりなのかしら?」 京太郎「頭冷やせって言ってるんだよ。何があったかは知らんけど、自分が冷静じゃないってのはわかってるよな?」 霞「……」 京太郎「あいつは俺が見つけておく。ちゃんと帰すから安心しろ」 霞「そう、ね……お願いしてもいいかしら?」 京太郎「任せとけ」 初美「……終わりましたかー?」ソロー 京太郎「とりあえずは帰ったみたいだな」 初美「ふぅ、今日という今日はダメかと思ったのですよ」 京太郎「というか、お前らけっこう私用でワープしてくるな」 初美「使わないともったいないのですよ」 京太郎「それもそうだ。で、またトラブルか?」 初美「それは……私が熱くなって、つい霞ちゃんの逆鱗に触れちゃった感じですねー」 京太郎「逆鱗、ねぇ」 『あなたにそれを言われたら、私は……』 京太郎「それで逃げてきたってところか」 初美「マジギレの予兆があったのですよ……今戻ったらどうなるか」 京太郎「……しょうがないな、一回うちに戻るか」 「あら、いらっしゃい初美ちゃん」 初美「お久しぶりなのですよ」 京太郎「母さん、ちょっとの間でいいから泊めてやってくれないかな」 「なになに、駆け落ち?」 京太郎「ちがうわっ。なんか向こうでトラブったみたいでさ、そのほとぼりが冷めるまで」 「ふーん、なるほど……ちょっと待っててね」 「はい、これが着替えで、こっちが――」 京太郎「ちょっと待った! なにこの荷物」 「初美ちゃんのよ」 初美「私のですか?」 京太郎「……つまり、俺に送ってけってことか」 「だって、やっぱり一人で卒業旅行なんて寂しいじゃない」 京太郎「そういう問題じゃないだろ……」 「旅は道連れ世は情けって言うじゃない? それに――」 「初美ちゃんを選んだんでしょ?」ボソッ 「せっかくだから楽しんできちゃいなさいよ」 京太郎「はぁ……抵抗しても無駄か」 「はい、これ軍資金ね」 初美「わっ、こんなに……」 京太郎「ほら、行くぞ」 初美「ついていってもいいのですか?」 京太郎「ま、お前とだったら楽しめるんじゃないか?」 初美「まずはどこからですかね?」 京太郎「とりあえず西だな。そうしてりゃそのうち鹿児島だ」 初美「うーん、今更ながら怖いのですよ……」 京太郎「ま、なるようになるってな」 初美「そういえば、あの時はなにを言おうとしてたのですか?」 京太郎「そりゃあ……あれだ、むこう着いたら教える」 初美「ぶぅ、もったいぶっちゃって!」 京太郎「もったいぶりたくもなるっての」 初美「もう……責任、取ってもらうのですよ」 京太郎「そうだな。まぁ、さしあたっては神境に着いた時か」 初美「そう、ですね……」ギュッ 京太郎「……傍にいてやるよ」 初美「え?」 京太郎「前になんとかしてやるって言ったしな」 初美「……やっぱり、あなたの傍にいたいのですよ」 京太郎「好きにしろよ」 初美「あなたは、どうなのですか?」 京太郎「俺はな……これだ」グイッ 初美「んんっ」 京太郎「――いやって言っても、はなしてやらないからな」 初美「……はい」 京太郎「あ、しまった」 初美「どうかしたのですか?」 京太郎「向こうで伝える予定だったのに……悪い、さっきの忘れてくれ」 初美「むぅ、なんですかそれっ!」 京太郎「いてっ、暴れんな!」 初美「ぜったいに、ぜーったいに忘れてなんか上げないのですよ!」 京太郎「わかった、わかったから暴れんなって!」 『エンディング――あなたの傍で』
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登録日:2012/11/17 Sat 20 01 37 更新日:2020/09/15 Tue 03 25 50 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 はっちゃん ロリ 副将 咲-Saki- 四喜和 巫女 役満使い 日焼け 日焼け跡 永水女子 痴女 薄墨初美 辻あゆみ もし6万点差でも 私がなんとかしてしまいますよー うすずみ はつみ 美少女シャーマンが活躍する麻雀漫画『咲-Saki-』の登場人物。全国編より登場。 初出はアニメ版最終話のEDで、その特徴的な外見から早くも人気を集めていた。 cv.辻あゆみ 【概要】 鹿児島県代表・永水女子の三年生。団体戦では副将を務める。 永水女子の中心人物である姫様こと神代小蒔の分家筋の人間で、彼女に付き従う「六女仙」の一人。 また宮守女子の臼沢塞からは“悪石の巫女”と呼ばれていた。 恐らく同県の悪石島出身と思われ、会場入りの際にはボゼと呼ばれる悪石島で用いられる仮面装束を身に付けている。 ちなみにこの仮面、めっちゃ怖い。エトペンが無いと夜も眠れないのどっちはこれを見るなり泣き出してしまった。 口調は丁寧語+長音。「○○ですよー」等。 【以下少々際どいネタを扱うのでエチぃのが苦手な人はここからジャンプ】 おっぱいオバケを筆頭に巨乳の多いチームで、唯一の貧乳ロリ巫女。 そのロリロリ度はころたんや胡桃ちゃんに並ぶ。 ついでにいうとタコスや国広くんの系譜を継ぐ露出ロリ枠。 海が近いからか日焼けしており、スク水の日焼け跡がなんともセクシー、エロい! 服装については他のメンバー同様巫女服を着用している。 だが問題なのが、袖がブカブカな上に非常にはだけており、尚且つ咲ワールドのお約束としてはいてないという完全にアウトな恰好をしていること。 更に袴がミニスカ風味で靴下は白ニーソ、加えて前述したスク水の日焼け跡と、あざとさの数え役満状態。 咲-Saki-を代表する痴j…露出の多い女の子に一くんが挙げられるが、そんな彼女も露出の多い恰好は私服だけで、大会では普通の恰好をしている。_いやあの恰好で外を彷徨くのも相当ヤバいんですが_ はっちゃんの場合、試合中(全国放送の場)でこれである。 因みに上記画像は単行本だと股間の辺りにトーンの切れ端が偶然紛れ込んだ(棒読み)せいでワレメのように見えr……ん?誰か来たようだ その局部丸見えな容姿故に、ファンの間では長らく「咲-Saki-全国編アニメ化への最大の障害」とまで言われていたが、この度全国編アニメ化が決定。アニメスタッフ頑張ってください……。 【実力】 チーム随一の高火力選手。 その力量は全国的にも有名で、末原先輩も能力上ブレの多い小蒔とは対照的に「ブレなく強い」と評した。 案の定オカルト能力の持ち主で、能力(得意技)は役満・四喜和。通称「裏鬼門」(命名・大沼プロ) 自身が北家時に東と北の風牌を副露すると、その後南と西が続々と手牌に入ってきて四喜和(小四喜/大四喜)を和了ることができる。 どんどんきますよー 集まってくる――――!! 大沼プロや熊倉トシさん曰く、鬼門(北東)に鬼門の牌を置くことで、自身の手牌を裏鬼門(南西)にする……というなんともオカルチックな理屈。 イメージ演出は、はっちゃんの後ろにボロボロの鳥居が出現、そこから悪霊が出てくるというなんとも厨二チックでかっこいいもの。 だいたい配牌時には東と北がセットで揃っている様子。 半荘に最高二回、大会ルールなら一試合に最高四回役満を和了れるという強力な能力。 その火力で今年の県予選では地区大会記録を大きく塗り替え、決勝では大将戦に回すことなく他校をトバしてみせた(しかも巴さんの台詞から察するに日常茶飯事らしい)。 その一方で「東・北を晒さないと発動しない(手牌で暗刻を揃えるだけだと不可)」という性質上、東・北を捨てなければいいという明確な対処法が存在する。 なので対局者全員で協力して抱え込めば決して怖いものではない(但し暗槓で自ら晒してくることもあるので一概に封じられるとは限らない)。 ただ、どうしても攻めないといけない場合、大物手が入って不要な風牌を捨てたい時には驚異的存在と化す。 この能力に絶大な自信を持っているようで、「姫様がボロ負けしても私が取り返すから大丈夫だって、ヘーキヘーキ!」のような発言も。 だが能力発動に失敗した際、成功するまで親に差し込んで北家を続行しようとするなど、少々能力頼りな場面も見られる。 同じ役満能力(厳密には若干違うが)である白糸台高校・渋谷尭深のハーベスト・タイムと比較すると、どちらかと言えばあちらの方が安定している。 因みにオカルト能力を扱うからか、のどっち降臨の際に生える、目には見えないのどっちの羽を認識できたりする。 【活躍】 全国大会二回戦にて原村和(清澄高校)、愛宕絹恵(姫松高校)、臼沢塞(宮守女子)と対戦。 オカルトを信じない和が安易に東・北を捨てるので容易く鬼門を完成させるが、塞の能力で裏鬼門を「塞が」れてしまい、振り込んでまで続行しようとした北家も親のノーテンでアッサリ流れる始末。更には塞さんに狙い撃ちされ泣きっ面に蜂。 私が北家で和了れないなんて… ないない! そんなの……っ!! 前半戦終了時には悔しさのあまりボゼの影で涙を濡らした。 続く後半戦でも相変わらず塞さんによって手を塞がれてしまう。 しかし相変わらず我が道を行く孕村に耐えかねた(*1)塞さんが塞ぐことを止めたことで裏鬼門が復活。最終的に小四喜をツモ和了ることに成功した。 とはいえ、それまでにだいぶ振り込んだこともあって収支は+2300点と残念な結果に。その為前述の自信過剰気味な台詞と合わせてよくネタにされる。 霞さん「6万点差でもなんとかできましたか?(小声)」 はっちゃん「できませんでした……」 更には北家続行の為に絹恵にわざと振り込んだ点数(11900点)が決して少ないものではないので、永水敗退の原因の一つとして戦犯扱いを受けることもある。 残念ながら団体戦での出番は終わってしまったが、姫様共々個人戦には出場するとのことなので、次回登場は気長に待とう。何年後になるか分からないし、そもそも個人戦が描かれるかどうか怪しいが 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 安定超火力って意味で白糸台のたかみーより脅威だな -- 名無しさん (2014-01-23 14 29 39) なんで咲の項目で淫夢ネタが使われてるんですかね・・・? -- 名無しさん (2014-01-23 14 33 46) レズはホモみたいなもんやし(暴論) -- 名無しさん (2014-03-13 12 16 12) はっちゃんって他のロリキャラより背が高かった気がする。確か140ぐらいあるよな -- 名無しさん (2014-03-13 12 27 27) アニメのワープ入場はワロタ -- 名無しさん (2014-05-19 03 33 48) これは非処女じゃないと出来ない格好ですわ -- 名無しさん (2014-07-22 01 12 30) 本編には映らないところでごく普通にごく普通の地元の男の子の彼氏がいるとか想像したらなんかきゅんとしちまったじゃねえか。 -- 名無しさん (2019-05-25 00 54 14) 名前 コメント
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名前(読み方):須原 初美(すはら はつみ) ショップ(メーカー):Advanced Micro Devices, lnc.(AMD)/ 日本エイ・エム・ディ株式会社? ドスパラ限定 公式/非公式:非公式 生年月日:高校2年生 8月23日生まれ 性別:女性 血液型: 各種サイズ:不明。愛真田心より背は低い。 説明:AMD非公式応援キャラクター愛真田 心や松風 碧の同級生。AMD学園に通う高校2年生。 ペンギン型のポーチを愛用している。 ikinaやくろな・Kiinaとの関係は不明。ぺしぺしは控えめに。 須原を「すぱら」と読んではいけません。 関連リンク:【 2012年10月23日 】ドスパラにも萌えキャラ登場、AMDの応援キャラクター 関連画像: [ドスパラにも萌えキャラ登場、AMDの応援キャラクター http //akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20121027/etc_dospara.html]]
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名前(読み方):須原 初美(すはら はつみ) ショップ(メーカー):Advanced Micro Devices, lnc.(AMD)/ 日本エイ・エム・ディ株式会社? ドスパラ限定 公式/非公式:非公式 生年月日:8月23日うまれ。高校2年生 性別:女性 血液型: 各種サイズ:不明。愛真田心より背は低い。 説明:AMD非公式応援キャラクター愛真田 心や松風 碧の同級生。AMD学園に通う高校2年生。 ペンギン型のポーチを愛用している。 ikinaやくろな・Kiinaとの関係は不明。ぺしぺしは控えめに。 「はっちゃん!」と呼ぶと怒ります、たこみたいだから。「はつみ」と呼んで欲しいそうです。(フラグ?) 関連リンク:http //twitter.com/amadakokoro (愛真田心Twitter) AMD学園のブログ 【 2012年10月23日 】ドスパラにも萌えキャラ登場、AMDの応援キャラクター AMD学園:はつみちゃん! そしてはっちゃんはちっちゃいのです(´∀`*) ココロのが高いのです!ヽ(*´∀`)ノ 関連画像: [ドスパラにも萌えキャラ登場、AMDの応援キャラクター http //akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20121027/etc_dospara.html]]
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《薄墨 初美(068)》 キャラクターカード 使用コスト1/発生コスト2/黄/AP30/DP30 【永水女子高校】/【水着】 このカードは、自分または相手のポイント置き場にあるカードの枚数が奇数の場合、+20/+20を得る。 このカードは、手札の枚数が奇数の場合、+20/+20を得る。 (泳ぎならおまかせですよー。) 咲-Saki-全国編で登場した黄色・【永水女子高校】【水着】を持つ薄墨 初美。 お互いのポイントの合計もしくは自分の手札が奇数の場合AP・DPが20上昇する効果を持つ。 奇数枚というやや特殊な条件を持つが、最低1枚でも発動できるので条件を満たしやすい。 それぞれの誘発強化効果は独立しているので、両方満たせばAP・DP+40の強化となる。 実質AP・DP70のキャラとなるので強力。 カードイラストは描き下ろし。 関連項目 《田井中 律(L003)》 収録 咲-Saki-全国編 01-068 パラレル 編集
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《薄墨 初美(069)》 キャラクターカード 使用コスト2/発生コスト2/黄/AP30/DP20 【永水女子高校】 このカードは、自分の【永水女子高校】を持つキャラが3枚以上いる場合、+20/+20を得る。 このカードが登場した場合、使用コストの値が0の相手のキャラ1枚を捨て札にすることができる。 (個人戦に出るときの姫様は強い神様ばっかりが出ますよー。) 咲-Saki-全国編で登場した黄色・【永水女子高校】を持つ薄墨 初美。 自分の【永水女子高校】キャラが3枚以上いる時にAP・DPが20上昇する効果、登場した時に使用コスト0の相手キャラ1枚を捨て札にする効果を持つ。 『咲-Saki-全国編』における多重パンプキャラ。 【永水女子高校】キャラが3枚以上いれば実質AP50・DP40のキャラになる。 このカード自身が【永水女子高校】キャラなので、他に2枚いれば発動できる。 また、登場させるだけでコスト0の相手キャラ1枚を除去できる。 対象はコスト0だけなので、サポートキャラを除去するのが主な使い方。 《狩宿 巴(012)》《滝見 春(093)》《石戸 霞(095)》とは同じ効果を持ち、多重パンプで強化し合える。 また、《狩宿 巴(012)》をはじめとする14枚のカードでサイクルをなし、多重パンプが全て共通している。 サイクルをなすカードは2回戦の対戦校のうちサインカードが存在しない選手になっている。 カードイラストは描き下ろし。フレーバーは第12話「真実」での初美のセリフ。 関連項目 《狩宿 巴(012)》 《真瀬 由子(014)》 《エイスリン・ウィッシュアート(016)》 《姉帯 豊音(018)》 《竹井 久(041)》 《末原 恭子(043)》 《臼沢 塞(045)》 《片岡 優希(067)》 《上重 漫(071)》 《鹿倉 胡桃(073)》 《染谷 まこ(091)》 《滝見 春(093)》 《石戸 霞(095)》 《愛宕 絹恵(097)》 収録 咲-Saki-全国編 01-069 パラレル 咲-Saki-全国編スターターデッキ 01-069 編集
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《薄墨 初美(083)》 キャラクターカード 使用コスト3/発生コスト2/黄/AP40/DP30 【永水女子高校】 このカードは、手札にある状態で、自分の【永水女子高校】を持つキャラがいる場合、使用コスト-2を得る。 (どんどんきますよー。) 咲-Saki-全国編で登場した黄色・【永水女子高校】を持つ薄墨 初美。 自分の【永水女子高校】キャラがいる時に手札で使用コストが2減る効果を持つ。 コスト軽減効果を持ち、条件を満たせば実質コスト1のキャラとなる。 《宮永 咲(028)》を始めとした19枚のカードとサイクルをなし、対象が異なるだけで効果は全く同じ。 20枚サイクルという全てのサイクルで最大の数を誇る。 関連項目 《宮永 咲(028)》 《原村 和(030)》 《狩宿 巴(032)》 《真瀬 由子(033)》 《エイスリン・ウィッシュアート(034)》 《姉帯 豊音(035)》 《神代 小蒔(053)》 《竹井 久(055)》 《末原 恭子(057)》 《臼沢 塞(058)》 《愛宕 洋榎(080)》 《片岡 優希(081)》 《上重 漫(084)》 《鹿倉 胡桃(085)》 《小瀬川 白望(102)》 《染谷 まこ(104)》 《滝見 春(106)》 《石戸 霞(107)》 《愛宕 絹恵(108)》 収録 咲-Saki-全国編 01-083 編集
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1374662323 今俺は初美さんと東京を歩いている。 咲から電話を受けてから本家に事情を聞くため電話を掛けたところ…… 『もしもし!』 「あ、初美さん!」 『京太郎ですか!? だから忙しいときに一体なんですかー!?』 「小蒔ちゃんが咲と一緒に居るってどういうことだよ!?」 『はぁぁぁ!?』 「今から俺一人で小蒔ちゃんと咲を迎えに行くから!」 『ちょ!? 京太郎!? はるるはどうしたですかー!?』 「春なら入れ違いでそっちに戻った!」 「だから俺だけでも行くんだよ!」 『私もそっちに行きますから待ってなさいですよー!』 そんなやり取りがあった後、俺は取り急ぎ京都まで行ってそこから新幹線の切符を買って東京行きに乗った。 東京の駅に着いたら既に初美さんが待っていて何かぷんすことしながら怒っていた。 新幹線より飛行機の方が早かったようだ。 初美さんと一緒に小蒔ちゃんと咲が待っているはずであろうところに行ってみるがそれらしき姿が見当たらない。 そんな時、俺の携帯に電話が掛かってくる。 携帯のディスプレイに表示されたのは知らない番号からだった。 不審に思いながら電話に出てみると電話口から咲の声が聞こえてきた。 『あ、京ちゃん?』 「咲か? お前今どこに居るんだよ?」 『お姉ちゃんにお金借りようと思って電話したんだけど、色々あって今白糸台に……』 「はぁ? 何でそんなことになってるんだよ。」 『お姉ちゃんが迎えに来てくれたんだけど……そのちょっと話したくって……』 『あ、安心して京ちゃん、神代さんもちゃんと一緒だよ。』 「お前と小蒔ちゃんのコンビの時点で何一つ安心できねぇよ、とりあえず今から迎えにいくから変に動くなよ。」 『え、あ、うん……それじゃあね。』 電話を切ると初美さんに行き先を告げて二人で白糸台まで行くことにした。 菫Side ―― 一時間前 ―― 私の親友がいきなり告げてくる。 「菫、ちょっと駅にいってくる。」 「……ちょっとまて、お前一人でか?」 「そう、咲から電話が来た。」 「で、お前が一人で迎えに行くのか。」 「そう。」 「……私も付いていく。」 「なんで?」 照が聞き返してきた。 なぜならこいつが迷子になったケースが一度や二度ではすまないからだ。 余計なトラブルに巻き込まれないためにも私が付いていったほうがいい。 そういう理由もあって私はよくこいつの世話を焼く。 「お前一人だと心配で仕方ないからな。」 「そう、菫は無駄に心配性。」 「ならもっと安心させてくれ。」 私は照に意地悪そうにほくそ笑んでおいた。 照と一緒に駅まで行くとそこには宮永咲と何故だか神代小蒔が一緒に待っていた。 話を聞く限りどうやら共通の知人で、ある男を追って大阪に向かっていたらしいのだが 何故か東京に来てしまった上に路銀を使い果たしてしまったらしい。 高校生になってまで壮大に迷子になるとか俄かに信じられんが…… だが前例が私の前にいたので信じざるを得ないだろう。 ところで宮永咲の路銀を出すのは照で良いとして、神代小蒔の路銀を出すのは誰だ? 私か? 流石に赤の他人に高額の旅費を貸し出せるほど学生の身分の私には余裕は無いぞ。 そのことを神代小蒔本人に聞いてみると、迎えに来てくれる人にお金を借りると言っていた。 どこの誰だかわからんが、多分そいつも苦労してるのだろうな。 何時来るかわからん人間をこうして駅で待っているよりはどこか落ち着けるところで待っていた方がいいと照が言い出す。 なので「近くの喫茶店にでも寄るか?」と聞いたところ、うちの高校に行こうと照が言い出した。 何の意図があるのかわからないが多分身内同士でしか聞かせられない『話』でもあるのだろう。 でなければわざわざ麻雀を打つなんて発想は出ないはずだ。 学校についてから宮永咲が電話をしたいと言って来たので私のを貸してやった。 照が貸してやれば良いのにこいつは携帯を持ってないことを思い出した。 迷子になった際役に立つから持っておいてほしいのだが…… 宮永咲が連絡を取り終わった後、私の元に携帯を返される。 その後は照たちが開いてる部室を一つ借りて三人は閉じこもった。 その際、照は私にこう言った。 「菫、私が良いと言うまで誰も通さないで。」 「は? お前はいったい何を……」 「菫、お願い。」 「……わかった、『誰も』通さん。」 珍しく、というより初めて親友にお願いをされた。 今までは私が勝手に世話を焼いてきたがあいつからお願いなんてされたことは無かった。 だから親友の願いを聞いて誰も通さないことにした。 だがこのときの私はまだ気づかなかった、鼠一匹通すつもりは無いと意気込んでいたが既にうちの部員が一人入っていたことを。 そしてこのときの私はまだ知らない、あの傲岸不遜で生意気な後輩が怯えた表情を浮かべることになることを。 更に数十分ほどした頃か、私の携帯に電話が掛かってくる。 知らない番号だが私の電話には発信履歴が残っていた。 多分だが宮永咲と神代小蒔のお迎えだろう。 お迎えならば当然照が居る部屋に行くだろう、そうしたら親友との約束も果たせない。 だが無碍に返してしまえば宮永咲はまだしも神代小蒔を家に帰すことが出来なくなってしまう。 どうしたものかと思ったがとりあえず電話に出ることにした。 電話口からは男の声。 二人の知人である須賀という男からだった。 どうやら彼の話だと白糸台の校門入り口まで来ているらしい。 私は迎えに行くために信頼のできる亦野を照達が居る部屋の前に置いて校門まで向かう。 そこには巫女服というのだろうか、それを着崩した中学生くらいの少女と。 稲穂を思わせるような金髪に染めた一見軽そうな男が待っていた。 「君が須賀か?」 「ええ、神代小蒔と宮永咲を引き取りに来ました。」 「……こんな所ではなんだ、とりあえずこっちに来てくれ。」 私は二人の客人を一軍の部室に連れて行った。 中にはお茶を啜る尭深のみ。 部屋の中を案内して事情を話す。 「すまない、今彼女たちは照と話をしていてな。」 「少しの間、ここで待っていてくれないだろうか。」 少し間が空いて男の方がピクリと何かに反応した後、少女に耳打ちをしている。 男が何を話したのかは全く聞こえなかったが警戒したほうがよさそうだ。 少女のほうが口を開く。 「宮永姉妹で話すことはあるかもしれませんけど、でもそれってうちの姫様は関係ないですよねー?」 「姫様だけでも返してもらえませんかー?」 確かに宮永咲は兎も角、神代小蒔の方は完全な部外者だ。 照が何を考えてるかは知らんが何かあるのだろう。 だから私は私の成すべき事を成すだけだ。 「すまないな、友人に頼まれていて場所は言えない……だからここで待っていてくれ。」 今度は男の方が口を開く。 「こう言っちゃなんですが、ここって貴方達のホームなわけですよね?」 「うちの人間が無事に帰して貰えるかどうかの保証はないわけです。」 「……まぁ初対面の人間に信じてくれと言っても難しいのはわかっている。」 「だからこうしないか? そちらは二人、こちらも二人、そしてここは麻雀部。」 「だったらすることは一つしかないだろう。」 何か渋っているようだったのでさらに追い討ちをかける。 それは先ほどこの少女の事を思い出したからだ。 「……薄墨、君も雀士だろう?」 「だったらこれほどわかりやすい事はないんじゃないか?」 「……つまり、打って姫様の場所を吐かせればいいんですかー?」 「……私をその気にさせてくれたらな。」 勿論照が戻ってくるまではその気になる気はない。 その間の時間稼ぎとして麻雀を指しただけだ。 一半荘大体30分といったところか。 半荘を二三回程すれば照も二人を解放するだろう。 そういう思惑ではあったが突如男の方が質問をしてきた。 「ああっと、俺着替えたいんですけど、どこか使っていい更衣室はありませんか?」 「……わかった、そこを使ってくれ。」 「ありがとうございます……初美さん、着替えるの手伝ってください。」 知らない男に使わせるのは気が引けるが、ここで抜け出られて勝手に 探されたらまずいと思い私たちが普段使っている更衣室を案内した。 そこの更衣室の出入り口は一つ、ここから監視するにはちょうどいい。 二人が入っていったが、どんな作戦を立てようが私には関係ないことだ。 京太郎Side 案内された更衣室で浄衣に着替えながら初美さんと話す。 「一体何のつもりですかー?」 「姫様と宮永姉妹が打ったら絶対碌な事にならないのですよー。」 「……もしかして何か聞いたのですかー?」 「そういうのも含まれてますけど俺なりに作戦があるってことですよ。」 「その為にも情報が必要かなと。」 「初美さん、初美さんの戦い方教えてもらっていいですか?」 「じゃあ、ざっくり言いますけど私が北家の時に東北を鬼門として 場に晒せば裏鬼門から南西が来て四喜和で和了りなのですよー。」 「とはいえ対処されやすいから東北が鳴けなかったら終わりなのですよー。」 それを聞いて少し考える。 その後携帯を取り出し電話帳を開いてある場所に電話をかけた。 こういう時にこそ人脈は活躍するのだ。 一件一件電話をかけて用件を伝える。 計5箇所に電話をかけ終わったあと初美さんに作戦内容を伝えて麻雀のコツを聞いた。 俺が麻雀初心者じゃなかったらこんな事聴かずに済んだかもしれないが。 「あと俺完全に初心者なんで麻雀のコツとか聞いていいですか?」 「ああ……麻雀のコツは集中力と想像力なのですよー。」 「きっと京太郎は自分の武器になるイマジネーションは出来なくても相手のイマジネーションは見えるのですよー。」 「私の鬼門とか相手の弓矢とか見えれば多分それなりに動けると思うのですよー。」 「それなり、か……」 俺たちは更衣室を出た。 作戦内容を伝えた際、初美さんが意地悪な笑みを浮かべて俺にこう言っていたのを覚えている。 「それじゃあ霧島のわりこっぼ(悪ガキ)コンビ再結成ですよー!」 昔大人たちから呼ばれた名前を言いながら初美さんは奮起していた。 そうして俺たちは昔と同じように今日もお袋の拳骨が飛んできそうなことをする。 更衣室から出ると部長の弘世菫と渋谷尭深が待っていた。 俺の姿を見てこう言っていた。 「まるで神主のようだな。」 「俺は神主じゃありませんけどね。」 「それよりも弘世さん、俺にもシャープシュートってやつ見せてくれませんかね?」 「……私は君に名前を名乗っていたか?」 「白糸台のメンバーは有名ですから、誰が知っていてもおかしくはないでしょう?」 「……そうか。」 「では席に付け、お望みとあらばみせてやる。」 別に俺たちは麻雀で勝つ必要はない。 東家:薄墨初美 南家:弘世菫 西家:渋谷尭深 北家:須賀京太郎 東一局 0本場 親:薄墨初美 賽が回る、そして初美さんの起家で局が始まる。 咲と小蒔ちゃんに宮永照さんが一緒にいたら何が起こるかわからない。 そう教えられ急かされたのには理由がある。 一切教えられていないがそう急かされた。 だから早目に終わらせたいのだがそうは問屋が卸さないのはわかっている。 なので、それなりに手は打ってある。 だがまずは初美さんの言った通りイマジネーションの世界を広げるとしよう。 対面の弘世菫を注視しながら場を把握する。 上家の渋谷尭深の第一打は発。 初美さんは流すように打ち、弘世菫は息を殺すかのように打つ。 十一巡目。 俺は浮いた牌を切った。 しかもわざと。 「ロン、2000。」 「!」 切った牌に対して弘世菫の栄和宣言と同時に俺の体に鈍い衝撃が奔る。 俺が幽かに見たイマジネーションには弘世菫が洋弓を携えた姿で立っていた。 今更ながら鏑矢が飛んできて開戦の合図が響き渡る。 成る程、情報通りだ。 薄墨初美 25000 弘世菫 27000 +2000 渋谷尭深 25000 須賀京太郎 23000 -2000 東二局 0本場 親:弘世菫 俺は気を引き締めるために腕に巻いたマフラー三度程振って首に巻く。 若干体が熱くなってきた。 初美さんが北家になったのならすることは一つだ。 俺の手牌には東と北が一枚ずつ。 弘世菫の第一打は白。 続いて渋谷尭深の第一打も白。 俺の第一打は東。 「その東ポンですよー。」 俺の東を初美さんが鳴く。 鳴いて入れた東の代わりに5索を切る。 そして次の巡、普段なら恨むようなツモりと手牌だが今はそんな事は関係なかった。 自摸った南を手牌に入れ俺は北を切る。 「その北もポンですよー。」 俺の北を初美さんが鳴き、東と北を場に晒す。 鬼門が開く。 鬼の手が門から這い出る。 鬼がその巨体を晒した瞬間、対の裏鬼門が現れる。 鬼はその裏鬼門に手を伸ばしていた。 その3巡後、俺は南を切る。 初美さんがまたもや鳴く。 もうほぼ聴牌しているだろう。 俺は邪魔にならないように完オリの体勢に入る。 その二巡後。 裏鬼門が開き、鬼が完全に出てきた。 初美さんの和了宣言が室内に響く。 「ツモ、8000・16000ですよー。」 その声と同時に鬼が暴れ、周りの岩を砕き、飛散した礫(つぶて)が俺たちに飛んできて衝突する。 現実の物理ではないにしろ精神的なダメージは大きく中々にきつい。 特に俺や渋谷尭深の礫に比べて倍くらいの大きさもある石を被った弘世菫はダメージも一入(ひとしお)のはずだ。 薄墨初美 57000 +32000 弘世菫 11000 -16000 渋谷尭深 17000 -8000 須賀京太郎 15000 -8000 東三局 0本場 親:渋谷尭深 渋谷尭深の第一打は発、続いて俺が西を切る。 俺が何とか聴牌に漕ぎ着けられたのはそれから11巡後。 そしてそのときには既に弘世菫から狙われている状態だった。 弓に矢を番える仕草、弦がギリギリと伸ばされる音。 それを感じ取り聴牌を取りやめて迂回する。 矢は放たれたがそこに俺はいない。 更にその3巡後、再び矢を番える音。 それに対応すると俺の顔の横を矢が通り過ぎていった。 それを見て弘世菫は若干苦い顔をしていたような気がする。 そしてそのまま流局、聴牌宣言をしたのは弘世菫だけだった。 薄墨初美 56000 -1000 弘世菫 14000 +3000 渋谷尭深 16000 -1000 須賀京太郎 14000 -1000 東四局 0本場 親:須賀京太郎 俺の親だが配牌を見るに一向に和了れる気がしない。 渋谷尭深の第一打は中。 オーラスでは大三元狙いだろうか。 一応頑張って聴牌まで漕ぎ着けようとはするものの中々有効牌が掴めない。 もたもたしている内に弘世菫の手牌は揃った様だ。 本人は気付いてないサインを拾ってまたもや迂回する。 飛んできた矢を踊るようにして躱す。 躱されたのを見たのか弘世菫の表情が焦れている様にも見える。 その4巡後またもや矢が番えられるがその矢が放たれる前に卓上へ和了宣言が言い渡される。 「ロン、7700。」 初美さんが渋谷尭深へと振り込んだ。 薄墨初美 48300 -7700 弘世菫 14000 渋谷尭深 23700 +7700 須賀京太郎 14000 南一局 0本場 親:薄墨初美 南場に入り再び初美さんの親となる。 初美さんは第一打に赤5筒を切った。 多分大量のリードを守るために完オリする気だろう。 そして渋谷尭深の第一打は白。 これで白二枚の発二枚、中一枚が確定したわけだ。 俺の配牌はというと相変わらず八種八牌のひどい物。 とりあえずは手持ちの白を切りながら弘世菫に挑発をかける。 「案外シャープシューターって命中率が低いんですね。」 「…………君の期待に応えられてないようで残念だ。」 返された言葉には苛立ちが滲み出ていた。 多分これで俺を意識せざるを得なくなっただろう。 自分が得意としている技術をどこの馬の骨とも知らない初心者に虚仮(こけ)にされては面白くはないだろう。 弓を引き絞る音が聞こえるが挑発するようになるべく直前で躱す。 俺を執拗に狙う矢は悉く隣をすり抜けて行った。 矢が一発も当たらず流局するも聴牌宣言したのは弘世菫だけだった。 薄墨初美 47300 -1000 弘世菫 17000 +3000 渋谷尭深 22700 -1000 須賀京太郎 13000 -1000 南二局 0本場 親:弘世菫 二度目の初美さんの北家。 当然警戒されているので和了り難いはずではあるが。 普段なら恨むようなばらばらの配牌もアシスト前提のこの場ではありがたいものだ。 穴が開くのではないかと思うほどこちらを見てくる弘世菫の第一打に続き渋谷尭深が発を切る。 それに続き俺は北を捨てて初美さんがそれを鳴く。 次の巡、今度は東を捨ててまたも初美さんが鳴く。 だがアシストできるのはここまでだろう。 なぜなら俺には南と西がないからだ。 だが数巡後、西が一切無い手牌を初美さんが晒してくれた。 「ツモ、4000・8000ですよー。」 混一・混老・役役・対々の倍満を自摸り和了る。 これで逃げ切れば俺たちの勝ちではあるが弘世菫の表情には焦りの色は伺えない。 怪訝に思い確認してみた。 「弘世さん、俺たちの身内の居場所を教えてくれるんですよね?」 「……ああ、私をその気にさせてくれたらな。」 やはりこの女は最初から教える気は無かったようだ。 飽くまで麻雀は余興や時間稼ぎの類でしかなかったわけだ。 そっちがその気ならこっちも手段は選ばない。 意地でも教えたくなるようにしてやるよ…… 薄墨初美 63300 +16000 弘世菫 9000 -8000 渋谷尭深 18700 -4000 須賀京太郎 9000 -4000 菫Side あの男……先ほどの和了りと今の会話で私が時間稼ぎをしていることに気付いたのだろうか。 しかしそれよりもこちらの矢が悉く躱されるのが気になる。 打ち方や動作を見るに初心者にしか見えないのに私の矢が一切当たらない。 いや、最初の一回は当たった。 だがそれは何か確認するために振り込んだかのようだった。 もしかしてたった一度で私の打ち筋が看破されたのか? それはありえない、仲間ですら気付かなかったことを初心者がたった一度の対峙で見抜くなんて不可能なはずだ。 南三局 0本場 親:渋谷尭深 尭深の第一打は中。 これで発3・白2・中2だ。 オーラスで白か中のどちらかを鳴けば4飜で満貫は確定だ。 手牌を揃え、矢を番え、標的に狙いを絞る。 私は自分では冷静でいようとしていたが相当熱くなっていたのだろう。 狙いを躱され虚仮にされて黙ってはいられなかった。 対面にいる男を何度も執拗に狙うが躱される。 私はムキになっていた。 だが先程と違う事がある。 何か気分が少し優れない。 寒くは無いのに寒気がして身体が震える。 ふと顔を上げるとあの男がこちらにその双眸を向けている。 しかも恐ろしいほどの眼光で悪意を含ませながら。 目が合った瞬間怖気が奔る。 明らかな悪意を感じて身震いをしてしまった。 いや、悪意など生易しいものなどでは無かった。 私の直感が告げる、先程からの震えはこれを感じてだと。 明確な悪意が私の中に幻像を形作る。 これはまるで…… まるでナイフを持った殺人鬼と同じ部屋に居るみたいだ……! 私はこの場から逃げたくなった。 だがまだ逃げる事が出来ない。 親友の望みを成し遂げずにこの場を逃げ出すことは親友としてしたくない。 そして何より卓を途中で放棄して逃げ出す事は雀士としてしてはいけない。 そういう思いがあるから逃げるに逃げられなかった。 生物としての私の本能がここから逃げたいと告げる。 雀士としての私の矜持がそれを許さない。 逃げだしたい。 逃げてはいけない。 逃げたい。 逃げるな。 ただ只管浮かぶそんな葛藤が私を苛む。 だが何とかそれを押さえ込んで私は卓に居続けた。 再び弓を引き絞り狙いを定める。 何度も矢を放つが当たらない。 その度に矢を番えるが時間と共に体調が悪化する。 焦りからか普段の私ならしないようなミスをする。 「ロン、2000ですよー。」 薄墨初美に私は振り込んだ。 薄墨初美 65300 +2000 弘世菫 7000 -2000 渋谷尭深 18700 須賀京太郎 9000 南四局 0本場 親:須賀京太郎 オーラス、あの男の親だ。 尭深が収穫を行える局になったが、こちらに三元牌はないので助力は出来ない。 だが万が一あの男が和了ってこの卓が続行されれば私に纏わりつく悪意も長引く。 体調が先程よりも悪化している。 冷や汗が大量に吹き出て止まらない。 頭が万力で締め付けられているかのように痛い。 物が何重にも見えるほど眩暈がする。 周囲の音を掻き消すくらい強烈な耳鳴りが止まない。 胃の中を全て吐き出したいほどの吐き気を催す。 誰でもいい、誰か早くこの卓を終わらせてくれ…… そんな思いも空しく巡がゆっくりと進む。 微かに草を焼く火の様な匂いが感じられた。 その感覚を訝しげに思っていると男がポツリと呟いた。 「内はほらほら、外はすぶすぶ。」 どういう意味なのかわからない。 というよりもどんな意味か気にしてる余裕は無かった。 何故なら今の私は火の幻像に囲まれていたからだ。 じりじりと私を囲むように炎は迫ってくる。 身を焦がすような炎の温度と私の周りにある酸素まで奪われているのような幻覚に陥る。 早くこの幻覚を終わらせようと思ったが私の手には矢が(牌が揃って)無かった。 番えるものも無く、ただ火に焼かれるのを待つ身は絶望に打ちひしがれ心が折れそうだった。 そんな時和了宣言が上がる。 「ツモ、2000・4000。」 尭深の和了りだった。 しかし不自然なところがある。 尭深の川には白が二枚出ている。 恐らく出ないと判断して切ったのだろうが高目の役をそんな簡単に諦められるのか? 尭深の思惑はどうにせよ私は内心助かったと思ってしまった。 尭深が渋い顔をしていた意味に気付かないまま安堵してしまっていた。 薄墨初美 63300 -2000 弘世菫 5000 -2000 渋谷尭深 26700 +8000 須賀京太郎 5000 -4000 あの男と同点だったが席順の関係で3位になった。 席順が一つずれていれば負けていたのは私だった。 席順のおかげで勝ったのだ、初心者同然のしかも焼鳥のあの男に。 感情が屈辱と恐怖に満ちた私に男が話しかけてくる。 「弘世さん、少しはその気になりましたか?」 「それともまだ足りませんか?」 「!」 まだ眩暈が治まらない私はその言葉を聴いて固まった。 もしかしてあの責め苦をもう一度味わうのか? 私の身体が再び震え始めるが男は構わずに続ける。 「もしその気になってないならもう一回卓に着きましょう。」 「勿論断りませんよね? そちらがこの条件を提示してきたんですから。」 私は男の残酷な目を見て疑問に思った。 そしてそれを男に問う。 「何で君はそこまで……残酷になれるんだ……?」 「……覚悟の差ですよ。」 「大切な人の近くに居るために俺は今までの生活を捨てた。」 「大切な人を守るために俺は命を差し出す覚悟を決めた。」 「大切な人が願ったから俺は片腕を犠牲にして生き永らえた。」 「あんたはただ友人に頼まれたからというだけでそこにいるのか?」 「その程度の覚悟だったらへし折ってやるよ。」 「あんたの覚悟を折るためなら俺は喜んで畜生だの外道だの呼ばれてやる。」 「あんたと俺では端から覚悟が違うんだ。」 「さぁ、卓に着けよ、今度はあんただけじゃない、あんたのお仲間にもさっきのをぶち当ててやるぜ。」 私はその言葉を聴いてまた心が折れそうになる。 今度は最初からあの責め苦を味わわせると言ってきた。 しかも尭深も巻き添えにする気で。 私は尭深にも犠牲になってくれと言わないといけないのか? だが照との約束を反故にするわけにもいかない。 悩んだ挙句、私は卓に着こうとして……止められた。 私を制止させる為に肩に掛けられた手。 振り返ると親友の顔があった。 「菫、それ以上無理したら菫が壊れちゃう。」 「照……?」 「……思ったより早く終わったんだな。」 「ううん、親から電話が来たから。」 「?」 「それより……須賀に一つ聞いていいか?」 「何ですか?」 「どうやって私の矢を潜り抜け続けたんだ? そもそも私に何をした?」 「マジシャンが種を明かすと思いますか? 悪いけど俺は敵に塩を送るほど親切じゃないんでね。」 当然の返答だった、私は何を馬鹿な事を聞いているんだろうか。 あまりよくない体調のせいか思考が短絡的になっていたのだろう。 そう思っていたが思わぬところから返答が帰ってきた。 先程まで尭深と軽く話していた照だった。 「多分……菫の癖が見抜かれて居たんだと思う。」 きっと尭深から対局の様子を聞いていたのだろう。 照が発した言葉に対し、割と小声でやりとりをする。 「そんな馬鹿な……会って間もない、しかも初心者同然の相手にか?」 「彼の実力だけじゃないはず。」 「?…………!」 「思い出した、あのマフラーどこか見覚えが有ると思ったが阿知賀の……」 そこでやっと思い出した、確かにあの男がつけているマフラーはどこか見覚えがあった。 それは準決勝・決勝と対戦した阿知賀の松実宥が着けていたものと同じだった。 私が思い出したことを意にも介さず照が続ける。 「多分彼が更衣室か何かに行ったときにでもアドバイスを貰ったんだと思う。」 「挑発したのも菫と実質一騎打ちするため、そして自分を狙わせて注意を逸らす為。」 「私は見事にしてやられたわけか……」 「毒を吐いてくるから一体どんな物を含ませてくるかと思ったら……」 乾いた笑いが出てきそうだったがそれよりも前に須賀が口を出してきた。 「俺が口に含んでいたのは赤土(あかつち)ですよ。」 「まぁ貴女達を研究していた協力者は一校だけじゃありませんがね。」 「もし弘世さんが俺に負けたと思ってるんならそれは松実宥に負けたという事です。」 須賀の言葉を受けると目が少し眩んだ。 それと同時に一瞬幻覚とも思えるビジョンが見える。 この男の後ろについてる人間がとんでもない数だった。 彼が宮永咲を迎えに来た事から察するに恐らく清澄の関係者…… さらに元々鹿児島出身の者も居る……新道寺と何処かで繋がっていてもおかしくは無い。 しかも彼の口振りから察するに他の高校もそうだろう、例えば千里山とか…… そうか、恐らくだがうちの高校が準決勝で当たった全校と決勝で当たった高校が協力者だったわけだ…… 勝敗は元から決まっていたのか。 「とんだ、パイプの持ち主だったわけだ……」 「俺のようなちょろちょろする鼠に自慢の矢が当たらなかった気分はどうですか?」 「鼠に一矢報いようと思ったが……逆に鼠に齧られてぼろぼろで最悪の気分だな……」 「機会があったらまた打ちますか?」 「あんな対局二度とはごめんだな。」 「それは残念です、貴女みたいな綺麗所に穴が開くほど見つめられる機会なんて滅多に無いですから。」 「口の減らない男だな。」 軽口を叩く様に会話をするが空気は未だにひり付いていたかのようだった。 終わったのを見計らってか照が口を開く。 そういえばこいつがここに来た理由を聞いてなかった。 「彼、借りるね。」 「来て、二人が待っている。」 「そうですか、では……初美さん。」 「渋谷さんと一緒に弘世さんを診ててもらっていいですか? 何かあったら電話で呼んでください。」 「はぁ……わかったのですよー。」 薄墨が軽く溜息を付くと了解をして照と須賀を見送る。 なんとも抜け目の無い男だ。 介抱と称して監視役を付けていくとは。 しかし私が何かするとしても視界が霞むこの状況では何もしようがない。 今の私は何かする事もないのでまだ答えられていない疑問がある事を薄墨に聞いてみる。 「薄墨、私は彼に何をされたんだ?」 「……完全に気枯れ状態だから多分気当たりですよー。」 気当たり……確か武道か何かであった気もするが…… どうやら薄墨が言っているのはそれとはまた違うもののようだ。 「神社に来る方で偶に頭痛や眩暈を訴える人がいるんですよー。」 「うちの神社は気が強いからそれに当たることがあるみたいなんですよー。」 言ってる事はよくわからないがそこまで問題のある事ではないらしい。 それから薄墨の勧めもあって私はしばらく休んでいた。 京太郎Side 俺は事前に電話をかけていた。 場所は清澄、阿知賀、千里山、新道寺。 新道寺は和と優希の伝で二人の先輩である花田煌という人から。 最後にかけた五箇所目の電話先は咲の親父さん。 咲も小蒔ちゃんもこのご時勢だというのに携帯電話を持っていないので咲の親父さんに 掛けて宮永照に連絡を取るように頼んでおいた。 その保険が花開くように宮永照がやってきた。 おかげで弘世菫の心を砕く前に目的を達する事が出来そうだ。 そして俺は初美さんを残して咲と小蒔ちゃんを迎えに行くために白糸台の廊下を二人で歩いている。 しかし五分ほど歩いているが一向に目的地まで着かない。 もしやと思って先導している人に聞いてみた。 「あの、いつになったら着くんですか?」 「……もうすぐ。」 「でももう既に結構歩きましたよね……」 「……うちの学校は大きいから多少は歩く。」 そう答える彼女は前を歩いているので表情は窺えない。 いやまさか……ここは彼女にとって通いなれている場所なわけで。 しかもクールな雰囲気で私に付いて来いと言わんばかりのオーラなわけで。 更に言うならさっき俺達の居た所まで来たわけで。 まさか迷っているとは思えないわけで。 ましてや彼女は咲の血縁者なわけで…… ……一気に不安になってきた。 それから数分後、そろそろ沈黙に耐えられなくなってきたので意を決して聞いてみる。 「あの……もしかして迷って……」 「ちがう。」 「あ、そうですか。」 会話終了。 しかもこれ絶対に迷ってる。 携帯を取り出して弘世さんに道を聞こうと思った矢先、前方の扉が開いた。 中からは長い金髪の少女が顔を覗かせている。 その少女がこちらをみて大声を出しながら駆け寄ってきた。 「テルー! 遅いよもう!」 「職員室に行ってから三十分も何してたのさ?」 三十分? 俺たちが歩いてきた時間は長くても十分くらいだ。 つまりこの人はここを出てから二十分もの間何をしていたんだ? そう思って俺は前を歩いていた人物の顔に視線を送る。 「……ちがう。」 そう言って露骨に目を合わせない人は置いといて部屋の中を見ると二人が待っていた。 咲と小蒔ちゃんがこっちに気付くと目を輝かせてこっちに寄って来た。 「京ちゃん!」 「京太郎君!」 「会いたかったよ! だって京ちゃんいきなりいなくなるんだもん!」 「そうですよ! 京太郎君がいきなりいなくなって二人で探しに来たんですから!」 むしろ探す羽目になったのはこっちなんだけど…… しかし何でこの二人はこんなに暢気なんだ…… 「とりあえず帰る用意をしてください、初美さんを待たせているんですから。」 「ほら咲も、長野に帰る準備をしろ。」 「ちょっと待って。」 さっさと帰りたい俺に制止の声がかかる。 どうやら宮永照はまだ用事が済んでいないと言いたい様だった。 「あの、出来れば手短に終わらせてくれると嬉しいんですけど。」 「私は君とも少し話がしたい。」 「? 俺とですか?」 彼女がこくりと頷くと咲と小蒔ちゃんに指示を出す。 一体俺に何を求めるって言うんだ? 「咲、神代さん、卓について。」 「テルー、私はー?」 「淡は見学、悪いけど今回は家族同士の話だから。」 「えー? つまんなーい!」 文句をたれる大星をよそに宮永照が促してくる。 明らかに俺より大星のほうが打てるだろうに。 「さぁ、君も卓について。」 「何で俺なんですか?」 「君は神様を信じる?」 何を思ってかそんなことを聞く宮永照に。 眠るように静かになっていった小蒔ちゃん。 咲もついさっきとは雰囲気が違う。 逃げる場所なんてない。 だから俺は質問に答えながら席に着いた。 「俺に神様の事を信じているかどうか聞くなんて愚問ですね。」 「そう。」 宮永照が短く答える、その瞳には何が見えていたのだろうか。 俺の事は見ていないように見えるその瞳は何か不思議と引き込まれる光があった。 席に着くと頭の中に響く声。 ああ、聞き覚えのある声だ。 だけど呼んでいないのに来るなんて…… そう考えているとうちの御祭神がこう言った。 『童(わっぱ)、少々その身体を借りるぞ。』 俺はその理由を聞く前に自分の身体の制御を奪われ意識を手放す羽目になった。 そして俺が再び意識を取り戻した頃には対局は既に終わっていた。 周りを見回すと室内で嵐か台風でもあったのかと疑うほど物が散乱した状況。 その中で暢気にぐうすかと眠っている小蒔ちゃんに晴れやかな顔をした咲と満足そうな笑みを浮かべる宮永照。 そして俺の後ろの方でがたがたと怯える大星淡。 一体俺が寝ている間に何があったのか。 多分真実を知っているのは咲と宮永照と大星淡だけだろう。 だが俺は聞く気は無い。 立ち上がって小蒔ちゃんを揺り起こす。 すると小蒔ちゃんが欠伸(あくび)をしながら眠りから覚めた。 「あれ? 私また寝ちゃってましたか!?」 「ぐっすりと寝てたと思います。」 「た、対局中に、失礼しました!」 「別にいい、楽しかったから。」 「またしようね、神代さん。」 慌てて謝罪する小蒔ちゃんに笑って応える宮永姉妹。 咲が宮永照に向き直っておずおずと質問する。 「ね、ねぇお姉ちゃん……」 「何?」 「また一緒に打って貰っていいかな……」 「別に……かまわない。」 咲の顔が明るくなった。 ここでようやく二人はインターハイで出来なかった仲直りを果たした。 宮永照がまだ続ける、だがその声は何か重なったものであり宮永照の背後に何か見えたような気がする。 「『だって、私はあなたのお姉ちゃんだから。」』 「うん、また会おうねお姉ちゃん。」 『ふん……俺はもう行くぞ童。』 『……京太郎、礼を言う。』 「いえ、そのようなお言葉、俺には畏れ多いです。」 宮永照が発した言葉は果たして咲だけに向かった言葉だったのだろうか…… でもそれは対局中眠っていた俺にはわからないことだった。 俺たちは初美さんと合流して東京を出る事にした。 駅までたどり着けば、そこで咲とお別れかと思ったがまだ鹿児島には戻る気は無かった。 だから道の途中で咲に告げる。 「咲一人じゃ不安だから俺も付いていく。」 「え? いいの?」 「ああ、お袋にも顔見せなきゃいけないと思っていたからな。」 「うん、ありがとう京ちゃん。」 「あ、あの……私も京太郎君と一緒に長野に行きます!」 そう言ったのは小蒔ちゃんだった。 隣では初美さんが露骨にゲッと声を出しそうなくらいに嫌な顔をしている。 吃驚する俺たちを残して小蒔ちゃんが続ける。 「京太郎君が今まで住んでいたところもみたいですし、それからおば様にもご挨拶しないといけないですし……」 「それから、それから……」 どこか焦っている様にアタフタと慌てだす小蒔ちゃん。 長野なんて何もないと思うがそんなに行きたいものだろうか。 それとも鹿児島にはまだ戻りたくないのだろうか。 そんな考えが浮かんでは消えていくがどれも核心を突くものではない。 別に付いて来られて困るものでもないので返事をする。 「小蒔ちゃんが来たいと言うならいいですよ。」 「!! 本当ですか!」 小蒔ちゃんの顔が明るい笑顔に変わる。 そんなに嬉しいものなのだろうか。 みんなの行き先が決まり長野までの旅程を決めはじめる。 そこで愚図り出したのが初美さんだった。 「いやですよー! 絶対行きたくないですよー!」 「大丈夫ですよ初美さん! 長野は怖くないですよ!」 「長野が怖いんじゃないんですよー! 浪おばさんが怖いんですよー!」 「京太郎は一人で折檻を受ければいいんですよー! 私を巻き込まないでくださいですよー!」 「そんなこと言わないで一緒に怒られましょうよ!」 「絶対に嫌ですよー! 一人で鹿児島に帰るですよー!」 俺の必死の説得も空しくこんな具合に初美さんは愚図っていた。 無理矢理引きずりながら連れて行く途中、道行くおばあさんにかわいい妹さんね、と笑われたのは非常に恥ずかしかった。 尚も愚図る初美さんをよそに咲と小蒔ちゃんが話し始める。 「京ちゃんのおばさんって別に怖くないですよね?」 「はい、とても優しい方です。」 「でもあの二人はよくいたずらとかしていましたから……」 「ああ、それで……」 帰ったらお袋にどやされるだろうな。 だから道連れにするために初美さんを一緒に持って行こうと思ったのだけど。 大丈夫、長野にはパッと戻ってパッと鹿児島に戻ればいい話だから! 【京太郎「神代の守人~鏡晒し編~」】 カン 菫Side 薄墨たちが帰り、私の体調も回復して照の所に行くとかたかたと震える淡がいた。 様子がおかしいので何があったのかと聞くとただ呟く様に淡がこう漏らしていた。 「あんなの……麻雀じゃない……雀士じゃない……」 「ただの暴力と暴君だよ……」 さっぱり要領を得ない。 照に聞いてもこう言っただけだった。 「麻雀をしただけ、淡は打ってない見てただけ、ただ私達に当てられたかも知れないけど。」 やはりわからない。 一体ここで何があったっていうんだ。 カン 火(松実宥)と矢(弘世菫)と鼠(カピバラ)に関して スサノオの娘のスセリビメはオオナムヂ(後の大国主)と恋に落ちる。 その後二柱は夫婦となって父のスサノオの元に訪れるが父親としての 嫉妬かオオナムヂを邪険にして蛇・蜂・百足がいる部屋に泊めさせる。 オオナムヂは妻のスセリビメより蛇やムカデや蜂の比礼(女性が首に掛けるもの)を受け取りそれ三回振って難を逃れる。 次にスサノオは野原に鏑矢を射ち、それをオオナムヂに取ってこさせようとした。 オオナムヂが野原の中に入った際、野原に火を放ちオオナムヂを焼き囲む。 オオナムヂが難儀しているところに鼠が現れ「内はほらほら、外はすぶすぶ」 (穴の内側は広い、穴の入り口はすぼまって狭い)といってオオナムヂを穴に入れて助ける。 しかもその上鼠は鏑矢も持ってきてそれをオオナムヂに差し出す、 だが鏑矢は鼠の子供たちによって齧られぼろぼろになっていた。 戻ってきたオオナムヂに対しスサノオは頭の虱を取るようにいう。 その髪の中には百足が潜んでいたがオオナムヂはスセリビメからもらった椋の実と赤土を口に含み唾と共に吐き出す。 それを見たスサノオは百足を噛み千切ったと勘違いしてかわいいやつだと思って、寝てしまう。
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《薄墨 初美(P020)》 キャラクターカード 使用コスト0/発生コスト2/黄/AP40/DP0 【永水女子高校】 このカードは、自分のメインフェイズ以外でも登場させることができる。 このカードが登場した場合、自分の【永水女子高校】を持つキャラ1枚は、ターン終了時まで使用コスト+3を得る。 (これでイッキに、全国制覇ですぅ!) きゃらスリーブコレクションデラックス 咲-Saki-全国編で登場した黄色・【永水女子高校】を持つ薄墨 初美。 自由登場、登場した時に自分の【永水女子高校】キャラ1枚の使用コストを3増やす効果を持つ。 ドロー効果のない《監督はこのぼくだ!》を内蔵している。 また、相手ターン中に【永水女子高校】キャラコストを増やすことができる。 天然のメタカードと言え、油断してアプローチしてきた天然キャラを返り討ちにできる。 関連項目 《監督はこのぼくだ!》 収録 きゃらスリーブコレクションデラックス 咲-Saki-全国編 P-020 プロモカード 編集
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出演回 プロフィール 誕生日:1997/02/24 出身地:大阪府 サイズ:B85(E)W60H84(2017) AV女優 リンク https //ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%9D%E7%BE%8E%E3%82%8A%E3%82%93 名前 コメント