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Hypnotist Tsukasa ~お姉さまと呼ばれたくて編~③に戻る 本日は雲一つない晴天。 土曜日の昼下がり。 私以外誰もいない柊家で、私は恋人のゆたかを待っていた。 前回最大の障害であるみなみちゃんを、彼女に恋心を寄せるゆきちゃんとくっつけることで排除し、これで私の邪魔をしそうな人はいなくなった。 お父さんとお母さん、お姉ちゃんズにも外に出てもらって、ゆっくりとゆたかとの愛を育もうというわけだ。 ゆたか…ちゃんと言った通りの服装で来てくれるかなぁ… ピンポーン (あ、来たかな?) ガチャッ 「こ、こんにちは。つかさお姉さま」 扉を開けると制服姿のゆたかがいた。 「いらっしゃい。さ、あがって」 「おじゃまします…」 少し顔を赤くしたゆたかを部屋に招き入れ、私の部屋へと誘う。 「ちゃんと私の言った服装で来たみたいだね」 「お姉さま…これ、恥ずかしいです…」 ゆたかは陵桜のセーラー服を着ている。 普通に見る限り別におかしなところがあるわけではない。 普通に見る限りは… 「それじゃ、スカートを持ち上げて」 「…ぅぅ」 ゆたかは恥ずかしそうにスカートをつまんで持ち上げた。 スカートの下には普通ならあるべき下着はなく、紺色の布地が見えた。 それはスクール水着だった。 今ゆたかはスクール水着を着て、その上から陵桜の制服を着ている。しかも… 「うん、ちゃんと着てるね。そんなに恥ずかしがることないじゃない」 「でも…この水着…お姉さまの……」 そう、ゆたかが着ているスクール水着はゆたかのものではなく、私が小学校のときに使っていた物なのだ。 「…ぁ…」 ゆたかは恥ずかしそうに太腿をすり合わせる。 「どうしたの?ゆたか」 「…ぁ…ぅ」 一瞬目を逸らすが、私の催眠術の前ではゆたかに隠し事はできない。 「お姉さまの水着を着てるんだって…っ…思うと…すごく、エッチな気分になっちゃって…今、お姉さまに見られて……ぁぁ」 ゆたかの股間を覆う部分が、じわぁ、と濡れていく。 「ぁ……ぁ…」 「くすっ、我慢できないんだね。ゆたか」 「は、はい…」 「いいよ、今日はいっぱい愛してあげるから。でもその前に、コレをつけてくれるかな」 そう言って私はこなちゃんから借りたモノを渡す。 「え…っと、頭につければいいんですか?」 「うん♪」 ゆたかがつけたのは猫耳カチューシャ。 ゆたかは動物にたとえるとリスだって誰かが言ってたけど、萌えを追求するならなんといっても猫耳だよね! 「さぁ、ゆたか、私の目を見て…」 「ふぇ…」 猫耳少女となったゆたかに私はゆっくりと暗示をかける。 「ゆたか。ゆたかはこれから、お話しするときは語尾に『にゃ』をつけるの。 ゆたかは意識しなくても、無意識に語尾に『にゃ』をつけちゃうよ」 「…は…はいですにゃ…」 「ん、よろしい。それじゃあもう一回スカートを持ち上げて」 ゆたかは再びスカートを持ち上げて、さっきよりも愛液のシミが広がったスク水を披露する。 「♪」 (くーーっ!いい…) 歩く萌え要素とまで言われたゆたかがセーラー服、スク水、猫耳を装備している! しかも上目遣い、恥じらい、たくし上げのおまけつきで! やっぱり三大萌え要素といえばセーラー服、スク水、猫耳だよね! ついでにスク水は旧に限る! え?違う? じゃあ貴方にとっての三大萌え要素ってなんなのかな? リクエストがあれば受け付けるよ。作者が。 「あの…お姉さま…」 ゆたかが切なそうに私を呼ぶ。 いけない、放置しすぎたか。 「ごめんごめん。ゆたかがあまりに可愛いから見惚れちゃった」 「もう…」 ゆたかは恥ずかしそうに目を逸らすが、とても嬉しそうだ。 「それじゃゆたか、こっちに来て」 私はゆたかを私の勉強机のそばへと誘う。 そして机の角が股間に当たる位置にゆたかを立たせた。 「あっ」 先に丸みのある机の角がゆたかの股間を押し開く。 「は…あ…んっ…あ……」 「どう?私の机にあそこを擦られる気分は」 「ぁん、き、気持ちいい…です…にゃ…んあっ」 たちまち秘所に愛液が沸いてスク水のシミを広げていく。 ゆたかは徐々に秘所からあふれる快感に囚われ、自然に腰を前後しはじめる。 「あ、あっ…はぅ…んあっ…」 「ふふっ…ゆたか、もっと気持ちよくしてあげる」 言いながら私はセーラー服の上からゆたかの胸元をやわやわと揉みはじめる。 「ふぁっ!お姉さま…んにゃ…っ…それ…気持ちいいですにゃ…」 「かわいいよ、ゆたか…」 腰の動きがますます早くなり、机の角に秘所をより強く押し当てるように動く。 「ん…にゃぁっ…あ、にゃ…ああっ」 「そろそろイきそう?いいよ。イって、ゆたか」 「っ、あ!ああっ…あ…にゃ、あ……にゃあああぁぁっ!」 ゆたかはビクッと大きく震え頭を反らした。 「…ぁ……にゃぁぁ…」 「くすっ、イっちゃったんだ♪…よっと」 腰が抜けたゆたかをお姫様抱っこでベットへと運ぶ。 「でも…これからだよ」 そう言ってゆたかの唇を奪う。 舌を絡ませるキスをしながら股間のスク水をずらし、ゆたかの秘所に指を入れる。 「うにゃっ!…お姉…さ…にゃあっ!」 軽く指を動かしただけでゆたかの身体が震える。 「ずいぶんエッチな身体になっちゃったね。ゆたかのおにゃんこ、とろとろになってる」 「はぁ……はぁ……」 「もうギブアップ?違うよね。まだまだ物足りないよね」 息も絶え絶えなゆたかを視界にいれながら、軽く指を曲げてGスポットを刺激する。 「っ!にゃああああぁぁぁ!」 ぷしゅっ! ゆたかの秘所から半透明の液体が迸った。 「ぁ…にゃぁぁぁ…」 ゆたかの体調を気にするなら、この辺りで休憩させるべきだ。だが私はお構いなしにゆたかの身体を好きにした。 「ほら、もっと気持ちよくなってよ。私のこと以外なにも考えられなくなるくらい。私なしじゃ生きられないくらい!」 「お…おねえしゃま………」 ゆたかの瞳からは理性の光は消え失せ、かわりに私の姿だけを映し出している。 「…………ゆたか…」 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ あの後、ゆたかは何度もイった。 あるときは私の指で。 あるときは一緒に。 今、私とゆたかは行為に疲れ果て、お互い裸でベットに横になっている。 「すぅ…すぅ…」 ゆたかは私の腕の中で安らかな寝息をたてている。 夢にまで望んだシチュのはずなのに、なぜか私の心は落ち込んでいた。 なぜか? 違う。 理由ははっきりとわかっている。 ゆきちゃんのせいだ。 『それが理不尽に植えつけられた感情だとしてもですか!』 あのとき、ゆきちゃんに言われた言葉が、今更になって私の心を苛む。 『間違ってます!』 「うるさいな…」 思わずつぶやいてしまう。 そんなこと、私が一番よくわかっている。 でも、もう後戻りなんてできない。 ゆたかだけじゃなく、お姉ちゃんやみなみちゃんまで巻き込んでしまった。 ゆたかへの恋を邪魔しようとする人に催眠術をかけたときは、他人を支配する快感に囚われ、調子に乗って心の中の黒い部分を暴走させてしまった。 そして作られたゆたかとの…不自然で偽りに満ちた恋人関係。 他人に指摘されなくたって、間違っていることくらいわかっている。 「ん…お姉さま…?」 「あ…ゆたか、起きちゃった?いいよ寝てても。私は…」 「お姉さま、どうして泣いているんですか?」 (……え?) 目に手をやると、たしかに涙で濡れていた。 「あ…あはは……なんでだろうね。幸せすぎるのかな。うん。ゆたかが一番近くにいてくれるのが幸せすぎて…あはは……」 半分は本当だ。 でも、私は不安なのだ。 何かの拍子でゆたかにかけた催眠術がとけてしまったら、ゆたかは二度と私のところには戻ってきてくれないだろう。 「大丈夫ですよ、お姉さま」 「ゆたか?」 ゆたかは私の目をまっすぐに見つめて宣言する。 「私はどこへも行きません。ずっと、お姉さまのそばにいます。おねえさまのこと、愛してますから」 「ゆたか…」 そうだ。 たとえどれだけ捻じ曲がった関係だろうと、偽りに満ちていようと、私がゆたかを思う気持ちだけは本物なのだ。 彼女を一生かけて守っていくことだけが、私にできる唯一の罪滅ぼしなのだ。 「ゆたか」 最愛の人を見つめ、全ての思いをこめて力ある言葉を囁く。 「結婚しよう」 「はい」 ゆたかは迷うことなく私のプロポーズを受け入れる。 私はゆたかを抱きしめ、彼女の温もりに誘われるように眠りにおちた。 意識がブラックアウトする寸前、ゆたかがなにかを言った気がしたが、私の耳には届かなかった。 「いつまでも…一緒ですよ……………つかさ先輩」 さすらいのらき☆すたファン氏に戻る コメントフォーム 名前 コメント とっくに解けてたのですか!作者さんの 深いお話しに脱帽しました!!! -- チャムチロ (2012-11-16 13 21 12) gj -- 名無しさん (2009-10-21 23 27 12) いくら強くても瞬間催眠だからとっくに解けていたんだね ゆーちゃんのつかさへの愛情は変わらない! -- 名無しさん (2009-08-20 01 34 18) ふぅ…… ごちそうさまでした。 GJすぐる!!!! -- 名無しさん (2009-03-23 23 30 46)
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作者 さすらいのらき☆すたファン氏 季節は冬。 私たち受験生にとって憂鬱で疲れのたまる季節。 だが、私の心は驚くほど軽やかで、機嫌も最高に良かった。 「ふんふ~~~ん♪」 「つかさ、何かいいことでもあった?」 登校中も思わず鼻歌を口ずさんでしまう。 「ふふ~~ちょっとねー♪」 「この気の滅入る時期になにがあったのやら…あっ、こなたたちだ。 おーい、こなたー、ゆたかちゃーん!」 お姉ちゃんは前を歩くこなちゃんたちを見つけて声をかけた。 こなちゃんはゆっくりと振り返り、 「あら、かがみさん。つかささん。御機嫌よう」 キャラーン、という効果音と薔薇の花を背負って朝の挨拶をした。 「………」 「かがみさん、リボンが曲がっていてよー」 「きしょっ!触るな!」 かがみお姉ちゃんは薄気味悪そうにこなちゃんの手を払いのける。 「なんだっていうの?またなんかのアニメの受け売り?」 「はい。最近スト○ニにハマっておりまして」 「ったく、子供かっての。ゆたかちゃんも呆れてるわよ。ね、つかさ」 そう言って振り向いたお姉ちゃんとこなちゃんは、 「つかさお姉さま!おはようございます!」 「ゆたかちゃん、人前ではそう呼んじゃダメって言ったでしょ。ほら、リボンが曲がってるよ」 「………」 「………」 ピシッ、という音をたてて凍りついた。 ・ ・ ・ 「おね…先輩、朝が寒くなってきましたね」 「本当だね。朝起きるのとか登校とか辛い季節だよ。今は全然寒くないけどね」 「どうしてですか?息だってこんなに白いのに。カイロでもつけてるんですか?」 「だって、ゆたかちゃんが隣にいるから…」 「あ…お姉さま…」 「ほらまた。その呼び方は二人っきりのときだけだってば。私だって、『ゆたか』って呼びたいの我慢してるんだよ」 「あ、ごめんなさい、つかさ先輩…」 「いいんだよ。それだけ私のことを思ってくれてるってことだもんね」 「ねえ」 後ろを歩くお姉ちゃんとこなちゃんから遠慮がちな声がかかる。 「二人って…付き合ってるの?」 こなちゃんがおずおずと尋ねる。 「ん~~どうしてそんなふうに思うの?」 「だって…なんか…やけに仲がいいというか…」 「かがみ先輩、うらやましいですか?」 「なっ!」 ボッ!という音たてて真っ赤になったお姉ちゃんが一瞬こなちゃんを見たのを私は見逃さなかった。 「こなちゃん。私たちが仲良くしてるとお姉ちゃん寂しいんだって。お姉ちゃんを慰めてあげてね」 「ほほう…かがみんは寂しいのか。よちよち、おねーさんの胸に飛び込んでおいでー」 「ちっがーう!!」 ・ ・ ・ 放課後、私は一年生の教室へゆたかを迎えに行った。 クラスの子をつかまえてゆたかを呼んでもらう。 ゆたかはみなみちゃんと田村さんと話している途中だったが、私の姿を見つけると満面の笑顔になってやってくる。 「おね…先輩、お疲れ様です!」 「ゆたかちゃんもお疲れ様。一緒に帰ろ」 「はい!あ、みなみちゃん、ごめんね。私、つかさ先輩と帰るからみなみちゃんと田村さんは二人で帰ってね」 「あ、ゆたか」 みなみちゃんが一度は呼び止めるが、 「ごめん…なんでもない…」 かける言葉が見つからなかったらしく、あっさりと開放する。 「?じゃあね、みなみちゃん」 「うん。また明日ね、ゆたか」 ゆたかと挨拶するみなみちゃんと一瞬目があった。 その目に怒りの色が混じっていたのは気のせいではないだろう。 これで三日間連続でゆたかちゃんを連れてっちゃったからね。 みなみちゃんのゆたかに対する気持ちは明らかに友情ではなく愛情だ。衝突は避けられないよね。 ま、近いうちに決着をつけるけどさ。 ・ ・ ・ ゆたかと一緒にいるのは本当に楽しい。 話しているのは他愛もない話題。 学校生活のこと、勉強のこと、日常の出来事などなど。 でも好きな人と、いや、恋人と過ごす時間はそれだけで宝石のように輝いていた。 この時間をもっと長く、永遠のものにするため、私はかねてより準備していた計画を開始する。 ・ ・ ・ 「ゆたか」 私は隣を歩く愛しい人に声をかける。 「はい、お姉さま……あっ!」 ゆたかの頬をそっと両手で包み、目線を合わせる。 「おねえ…さま…」 私の催眠の力で、ゆたかの表情はたちまちトロンとしたものに変わる。 「ゆたか、これから私の家に行こっか」 「お姉さまの…家」 「ゆたかは私と、少しでも長く一緒にいたいよね」 「はい…一緒にいたいです」 「家に来るともっと一緒にいられるよ」 「一緒に…いられる…」 ちなみに、今家にはだれもいない。 お父さんとお母さんは神社のお仕事。 いのりお姉ちゃんとまつりお姉ちゃんも友達と旅行で、みんな明日の夜まで帰ってこない。 かがみお姉ちゃん? かがみお姉ちゃんはこなちゃんちへお泊り。 かがみお姉ちゃんには『自分に素直になる』暗示をかけておいたから今夜はお楽しみかな。 「じゃ、ゆたかちゃん、行こっか」 「あ……はい、お姉さま…」 ・ ・ ・ ゆたかを自分の部屋に招き入れ、飲み物をもってくる。 「ここが、お姉さまの部屋…」 「こら、あんまりきょろきょろしないの」 やっぱりゆたかは可愛いなぁ。 ジュースをのみつつ雑談を楽しむこと数十分。 不意に会話が途切れて沈黙が訪れる。 (今がチャンス!) そっとゆたかの隣に座って、肩を抱きながらささやく。 「ゆたか、保健室での出来事を思い出して」 「ぁ………」 ゆたかの頬が赤くなって、少しずつ息が荒くなっていく。 「あのとき、ゆたかはどんな気持ちだった?」 「………」 「正直に言いなさい」 恥ずかしいのか黙ってしまったゆたかに正直に答えるよう促す。 「は、はい…とっても…エッチな気持ちに…なりました…」 小さな声で、だけども正直に告白した。 「ゆたかは、キスするとエッチな気持ちになっちゃうんだね」 「…は…い」 「じゃあキスしよっか」 「えっ…あ、んむっ」 返事が返ってくる前にゆたかの唇をふさぐ。 「ん、んんっ」 ゆたかの身体からたちまち力が抜け、キスの魔力の虜になる。 「ふ…ん…ちゅ…くちゅ…ん……ちゅ」 舌と舌が触れ合い、いやらしい水音が響く。 「ちゅ…ん…はぁ」 そっと唇を離すと、私とゆたかの口を銀の糸が結ぶ。 「お姉さま…私…」 「ん?どうしたの?ゆたか」 「私…なんだか……とっても…エッチな気分に…だから、あの…」 ゆたかの瞳はうるんで、顔は赤く染まり、息も荒くなっている。 「あの…えっと…」 「どうしたの?はっきり言わないとわからないよ」 発情してしまっているのは明らかだが、私はゆたかの口から決定的な言葉が聞きたくてわざとじらした。 ゆたかはしばらく欲望と格闘していたようだが、 「……………私を……抱いて…ください」 ついに陥落した。 「よく言えました♪」 言いながら、服の上からゆたかの胸に触れる。 「ふぁっ!あ、ああ…」 軽く触れただけなのに、ゆたかの口からは甘い声がもれる。 「ゆたか、かわいいよ…」 「は……っ…お姉さま…キス…して…んんっ」 胸を弄りながら再び唇を合わせる。 「んんっ!ふ……ふぁ…はぁ…ああっ!」 「ゆたか、んっ…敏感なんだね。直接触ったらどうなるのかな…」 「あっ…はぁ…おねえさまぁ…」 メロメロになっているゆたかの耳元でそっと囁く。 「続きをして欲しかったら……ふふ、わかるよね」 「はぁ…はぁ……はい…」 快感の虜となったゆたかは、恥じらいながらも着ているものを脱ぎ捨てて、生まれたままの姿になった。 「ゆたか、きれいだよ」 愛しい人への最大の賛辞をおくりながら、胸への愛撫を再開する、 「ふぁっ!ぁあ、気持ち…いい!ああ!」 「すごい…さきっぽがツンってとがってるよ…」 「ああっ!そこは…だめ…ですぅ」 「ダメじゃないでしょ、触って欲しくてたまらないくせに」 勃起しきった胸の先端をこするように刺激する。 「あああっ!だめっ、だめぇっ!」 ゆたかはイヤイヤをするようにして快感から逃れようとするが、私はキスで逃げ道をふさぐ。 「んっ、ちゅ…はぁぁぁ…だめぇ…」 「そんなトロトロな表情で言われても、説得力ないよ、ゆたか」 「だめっ!私…私っ!あっ、ああああ~~~!!!」 びくっ!とゆたかの身体が震え、がくっと崩れてしまう。 「はぁ…はぁ…」 「ゆたか、もしかして、イッちゃった?」 「~~~~~!!」 図星のようだ。 「胸だけでイッちゃったんだ~。そういえば前もキスだけでイッちゃったし、ゆたかはエッチだね」 「っ!」 からかうように言うと、ゆたかは怒ったような視線を私に向け、 「わっ!」 私をベッドに押し倒した。 「私だけなんて、不公平です」 「ゆ、ゆたか?」 「お姉さまも、気持ちよくなってください」 私のショーツを脱がしながら、上目づかいで反撃にでた。 「ち、ちょっと、そこは…」 「大丈夫です。私にまかせてください。私…シテあげますから…」 反論は一切受け付けてもらえず、ゆたかは私の女の子の部分にそっとキスをした。 「んっ!」 ピリッと電気が走るような間隔が下半身から全身に広がっていく。 「ん……ちゅ」 「ふぁぁ…あ、あぁ」 さっきまでと攻守が完全に逆転し、私はゆたかの与える快感に翻弄されてしまう。 「は…ん、んぅん」 「お姉さま…ん…あむ…気持ち…いいですか?」 ゆたかの唇が私の花芯を弄り、舌がクリトリスを舐め、私の身体は抗いがたい快感に支配される。 「ん…んんっ…んむっ…はぁん……ぁぁ」 あれ? ゆたかの声が少し変わった気がする。 さっきよりも甘い響きが混じったような…… 「あ」 ゆたかの左手は自らの女の子の部分に伸びていて、秘所からはくちゅくちゅといやらしい音が聞こえる。 「ゆたか……」 「だって…私……ガマンできなくて…」 言い訳をしながらも私と自分への愛撫は止まらない。 「ちゅ…はぁ……ごめんなさい…私……こんなに…エッチで…」 目に涙をうかべて許しを請いながらも行為を止めることのないゆたかの姿はどこまでも淫らで、どこまでも愛しかった。 「いいんだよ、ゆたか。エッチなゆたかも、私は大好きだから」 「んんっ!ちゅく…おねえ…さまぁ…」 「はぁ…ゆたか…そろそろっ…私っ!」 「イッてください、お姉さま…私と…一緒にっ」 「う……んっ!イこう、ゆたか」 「つ…かさ、おねえ…さまぁぁっ!ああっ!」 この上なくエッチな体勢で、私たちは同時に絶頂を迎えた。 「はぁ…はぁ……ぁ…は……」 「はぁ…ゆたか…大丈夫?」 二人してかなり激しく乱れてしまったため、ゆたかの体調が少々心配になった。 「はぁ……はぁ……大丈夫です…お姉さま」 「本当に?無理したらだめだよ?」 私との行為が原因で身体を壊すようなことがあってはならない。 しかしゆたかは、 「本当に…大丈夫です。それよりも…お姉さまと、一つになりたい」 まっすぐに私を見つめ、私と一つになることを望んでくる。 「わかった。ゆたか、足を開いて」 私も着ているものを脱ぎ捨ててゆたかと向かい合い、ゆっくりと女の子の部分を合わせる。 「ふあぁぁぁぁぁっ!」 「ああっ!ゆたか、愛してる!」 二人の大事な所からくちゅくちゅといやらしい音が響き、もたらされる快感に理性が溶かされ、互いのことしか考えられなくなっていく。 花芯が触れ合い、勃起したクリトリスがこすれ合い、互いの愛液が混ざり合い、二人が一つになる快感が全身を支配する。 「お姉さまぁっ!愛してます、愛してますっ!」 「ゆたか…いつまでも…っ…一緒だよ…!」 切なく、甘い快感に導かれ、私たちは永遠に一つになった。 ・ ・ ・ 次の日、私たちは手をつないで登校した。 「おーい!つかさーゆたかちゃんー」 「つかさ、ゆーちゃん、おはよー」 後ろからこなちゃんとかがみお姉ちゃんがやってくる。 「おはようございます」 「おはよー」 そっと二人に近づき、ゆたかに聞こえないようにささやく。 「サクヤハオタノシミデシタネ」 「「っ!」」 二人の顔が一瞬にして真っ赤になる。 「つかさぁっ!」 「あはは~」 四人でじゃれあいながら校門をくぐり、下駄箱へと向かう。 「ん?」 私の下駄箱の中に一通の手紙が入っていた。 こなちゃんたちに見つからないように内容を確認する。 『お話したいことがあります。昼休み、屋上で待っています。』 チェックの封筒に収められた手紙にはそう書かれていた。 差出人は書かれてなかったが、見当はついている。 手紙を鞄にしまい、こなちゃんたちと合流する。 「おはようございます、つかささん」 「つかさ先輩、おはようございます」 ゆきちゃんとみなみちゃんも合流し、朝の挨拶を交わす。 だがみなみちゃんの瞳には、明らかな敵意と憎悪の炎がともっていた。 どうしてだか、昨日ゆたかが私の家にお泊りしたことを知っているようだ。 くすっ。いいよ、私は逃げも隠れもしない。 ゆたかは私のものなんだ。それをはっきりとさせてあげるよ。 あはっ、あはは、あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは コメントフォーム 名前 コメント つかさ、、、最強? -- チャムチロ (2012-11-15 21 59 26) つかさ極黒・・・最後の笑い声がいい -- 960yuuuuk (2010-07-07 22 23 28) つかさ…くろーい!くろいよ、くろすぎるよ! でも、そんなひーちゃんも…いい! -- 15 (2009-02-05 23 33 19)
https://w.atwiki.jp/yurupedia/pages/413.html
夜灯姉さん Mr.夜灯マン 都道府県 千葉県 肩書き 稲毛あかり祭り-夜灯-マスコットキャラクター 攻略難易度 ★★★中。稲毛あかり祭りのほか、千葉県の観光イベントにも。 名刺の有無 ? 狙い目イベント ? イベント情報
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番外編 京太郎と豊音のED秘話 豊音「寒いよー」 京太郎「岩手の冬も長野の冬も変わらないからな」 豊音「違うのは皆がいない事だね」 京太郎「…嫌だったか?」 豊音「うんうん。京太郎が望んだ事なら私はついていくよ」 京太郎「…ありがとう」 豊音「みずくさいよ。私達はもう夫婦なんだから」左の指輪を見て 京太郎「そうだな。ずいぶんと時間がかかってごめんな」 豊音「ぜんぜん。寧ろ二年でここまできたら十分だよ」 京太郎「二年か…長かったはずなのに短かく感じるよ」 豊音「そうだね。二年前に京太郎と結ばれて…全国優勝をしたりお姉さん達を相手に麻雀で勝利したり」 京太郎「…なあ豊音。本当に大学に行かなくてよかったのか?」 豊音「うん。勉強をしたい事もなかったしそれに…はやく京太郎の赤ちゃんが欲しかったから」ニコ 京太郎「うっ…ああもう、豊音がかわいすぎる」 豊音「き、急にどうしたの?」カァァ 京太郎「なんでもない。こんな俺と居てくれてありがとうな」 豊音「全国男子麻雀三連覇で三年連続エキシビションマッチで日本最強プロに勝ってる京太郎がこんなにとか言ったらだめだよ」 京太郎「……そうだな。来年から俺もプロになれるからな。これで豊音を支えることができる」 豊音「それは違うよ。私達は支えあって生きていくんだよ。辛い事も悲しい事も嬉しい事も全部共有して歩いていく。だって夫婦なんだから」 京太郎「……そうだな」 豊音「そうだよ。だからあの…その…」 京太郎「どうしたんだ?」 豊音「……して欲しいかなって」 京太郎「えっ?」 豊音「危険日だからあの抱いて欲しいかな」カァァ 京太郎「……」 豊音「だ、駄目かな?」 京太郎「今夜はクリスマスだからな」 豊音「えっ?」 京太郎「六時間は寝かせないからな」 豊音「あっ…うん!」 カン!
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乙女はお姉さまに恋してる 【メーカー】アルケミスト 【発売日】2005/12/29 動作報告 HDA2.1 SCPH-50000MB(V10) Maxtor 6L200P0 マスターで直インストール 序盤を少しPLAYして不具合無し。 商品の説明
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■乙女はお姉さまに恋してるキャラ人気投票実施中! コメント欄での誹謗中傷、荒らし行為は禁止します スクリプトなどを使った投票・投稿は禁止します マナーを守って利用してください 選択肢 投票 宮小路 瑞穂 (792) すばらしいっ! -- (神聖日本皇帝) 2009-01-02 20 02 12 う、美しい・・・ハッ! -- (名無しさん) 2010-05-07 00 33 22 (*°∀°)=3 -- (リアルおとボク) 2012-06-04 21 11 38 名前 コメント すべてのコメントを見る 選択肢 投票 十条 紫苑 (444) ジークシオン! -- (シオニスト#6_E^[Ma ) 2006-12-16 14 46 32 ジークシオン! -- (紫苑好きな人) 2007-05-06 13 12 15 ジークシオン!!!! -- (しおにすと3えdc) 2007-06-30 22 16 24 名前 コメント すべてのコメントを見る 選択肢 投票 御門 まりや (63) まりやタン(*´Д`)ハァハァ/|ァ/|ァ/ヽァ/ヽァノ \ァノ \ァ/ \ア/ \ア -- (ハァハァ) 2006-11-03 00 35 40 原作は貴子一筋だがアニメはまりやだと思うんだ -- (浅野信者) 2006-11-27 01 08 48 まりや無くして、おとボクは語れない! -- (阿部まりや) 2006-12-30 00 43 08 名前 コメント すべてのコメントを見る 選択肢 投票 厳島 貴子 (227) 貴子最強 -- (名無しさん) 2007-01-18 16 22 07 この程度のツンデレ最高 -- (mmm) 2007-04-05 23 41 56 結婚したっ!俺は貴子と結婚したぞーっ!! -- (名無しさん) 2007-06-07 18 13 20 名前 コメント すべてのコメントを見る 選択肢 投票 上岡 由佳里 (8) 焼き加減はレアで -- (おとボケ) 2006-12-11 18 07 20 名前 コメント すべてのコメントを見る 選択肢 投票 周防院 奏 (19) ~ -- (ppp) 2006-12-03 22 16 55 大好き -- (リアルおとボク) 2012-06-04 21 12 30 名前 コメント すべてのコメントを見る 選択肢 投票 梶浦 緋紗子 (2) 画像が違うお( ^ω^) -- (otome) 2006-11-03 00 36 46 名前 コメント すべてのコメントを見る 選択肢 投票 高根 美智子 (9) test7 -- (otome) 2006-10-18 11 06 41 美智子さんに攻められたスw -- (絶対美智子主義) 2007-02-21 19 18 07 名前 コメント すべてのコメントを見る 選択肢 投票 小鳥遊 圭 (459) 投票まだですか… -- (名無しさん) 2006-11-12 10 15 31 圭さんは漏れのもの -- (や、やめて美智グホァ) 2006-12-17 01 40 28 名前 コメント すべてのコメントを見る 選択肢 投票 菅原 君枝 (1) カワユス -- (みいた) 2007-02-28 01 43 21 名前 コメント すべてのコメントを見る 選択肢 投票 高島 一子 (14) 取り憑き瑞穂ちゃんと見た -- (この画像は) 2006-11-27 00 11 45 名前 コメント すべてのコメントを見る
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処女(おとめ)はお姉さま(ぼく)に恋してる~2人のエルダー~。通称おとボク2の攻略です。不備もあるかもしれませんがよかったら参考にしてください。 メニュー おとボク2攻略 - 七々原薫子 おとボク2攻略 - 神近香織理 おとボク2攻略 - 哘雅楽乃 おとボク2攻略 - 冷泉淡雪 おとボク2攻略 - ケイリ・グランセリウス おとボク2攻略 - 度會史 おとボク2攻略 - スウィート・パニック おとボク資料 - キャラクター一覧 おとボク資料 - 曲名一覧 おとボク資料 - 小説・漫画 ※メインキャラ臭漂わせている初音、優雨、陽向のルートは無いようです。 追記:このサイトはPC版の攻略です。 4/28に発売されるPSP版では香織理と雅楽乃のかわりに初音と優雨ルートが追加されるみたいです。 パッチ シナリオの流れ シリーズの歴史 おまけシナリオ リンク アニメ化について その他のゲーム攻略 パッチ 公式サイトでパッチをあてることでver1.1になります。もしかすると出荷時期によっては既にパッチが当てられているかもしれません。ver1.0になっている人はパッチを当てましょう。 パッチを当てるとセーブデータの互換性が無くなるようです。注意。 シナリオの流れ 第一話「モナ・リザはご機嫌ななめ」 寮生活のキャラの顔合わせ 選択肢なし ※第一話の次回予告はタイトル画面を放置していると始まります。 第二話「赤頭巾ちゃんの憂鬱」 優雨メインの話 選択肢なし 第三話「眠り姫オーヴァードライブ」 図書室で華道部の部員(淡雪)に対して 声を掛ける +雅楽乃 淡雪 参考書を探す +薫子 ケイリ 廊下でケイリに対して ケイリと一緒に散歩する +ケイリ ケイリとここで別れる +香織理 第四話「愛しきあなたに贈る歌」 千歳の憑依が解けた後の放課後 帰った方がいいかな 少し休んでいこうかな +香織理(選択肢なしでこちらに自動分岐するパターンあり) その時は・香織理が熱を測ってくる +香織理 帰った方がいいかなを選ぶと 初志貫徹して屋上に +淡雪 やっぱり引き返そうかな +雅楽乃 ※この選択肢を選ぶと次の薫子視点の選択肢はスキップ 放課後 薫子が千早に対して(薫子視点) やっぱり気になる +薫子 まあいいか…… +香織理 第五話「白銀の花びら、黄金の雪」 淡雪の話 盗難事件解明の手伝いにきた雅楽乃に対して 大丈夫 +香織理 ケイリ そうでもない +雅楽乃 友だちの影響について薫子に訊かれて 薫子さんの影響 +薫子 聖さんの影響 +なし? 体育祭の仮装競争にて 手加減をする +雅楽乃 全力で競う +淡雪 第六話「射干玉(ぬばたま)の夜の姫君」 香織理の話 ※ぬばたまはヒオウギの実のこと お弁当を忘れた千早が 食堂へ行く +雅楽乃 売店で済ませる +ケイリ 「……少し、気分転換でもしてから考えてみましょうか」 図書室へ行く +淡雪 教室へ戻る +薫子(選択肢なしでこちらに自動分岐するパターンあり) 第六話までの選択肢でルートが決定される 第七話「蒼き心の吸血姫(カーミラ)」 選択肢なし ※カーミラの元ネタ 吸血鬼カーミラ 創元推理文庫 506-1 (文庫) レ・ファニュ (著), 平井 呈一 (翻訳) 第八話「聖夜に祈りを、聖者には安らぎを」 薫子とのダンスの練習→薫子ルート 雅楽乃とダンスした後、淡雪とは踊らない→淡雪ルートor雅楽乃ルート ケイリと踊る→ケイリルート 史と踊る→史ルート ※以下は攻略キャラクターによって異なる 第九話 最終話 エピローグ キャラクター別攻略 おとボク2攻略 - 七々原薫子 おとボク2攻略 - 神近香織理 おとボク2攻略 - 哘雅楽乃 おとボク2攻略 - 冷泉淡雪 おとボク2攻略 - ケイリ・グランセリウス おとボク2攻略 - 度會史 シリーズの歴史 独立したストーリーですが、シリーズ物なので前作をプレイしておく方がより楽しめます。前作のキャラクターは作中でちょっと言及されます。 今ならPSP版がおすすめです。 乙女はお姉さまに恋してる Portable/アルケミスト ストーリー的には1作目→櫻の園のエトワール→2人のエルダーとなっています。櫻の園のエトワールには瑞穂ちゃん(主人公)はほとんど出てこないので実質百合小説です。 小説版 乙女はお姉さまに恋してる 櫻の園のエトワール (ファミ通文庫) /嵩夜 あや (著), のり太 (イラスト) ちなみに「乙女は~」は全年齢版。「処女は~」は18禁版です。 そして最新作「2人のエルダー」に繋がります。 処女はお姉さまに恋してる 2人のエルダー 通常版 [アダルト]/キャラメルBOX 初回限定版はほとんど売り切れのようで、7/30から通常版が出荷されます。ちなみに初回限定版ではエルダー2人が描かれた謎のポーチが入っていましたが、ひょっとするとあれが初回版特典なのでしょうか? おまけシナリオ 一度クリアすると「おまけ」がアンロックされます。 おまけシナリオは「おまけ」→「STAFF ROOM」→「嵩夜あや」→「おまけシナリオを観る!」にあります。 おまけシナリオの攻略はこちら おとボク2攻略 - スウィート・パニック さらに、タイトル画面で「nkmr」と入力すると…… リンク キャラメルBOX キャラメルBOX公式サイト(年齢認証有り) PSP版公式サイト PSP版公式サイト アニメ版公式サイト アニメ版公式サイト 1作目の攻略ではこちらのサイト様にお世話になりました。 op アニメ化について 一部の情報によると、どうやらアニメ化されるらしいです。続報が入り次第まとめていく予定です。 その他のゲーム攻略 ゲーム攻略 - 処女はお姉さまに恋してる~2人のエルダー~ ゲーム攻略 - 涼宮ハルヒの逆転2 ゲーム攻略 - 涼宮ハルヒの逆転3 ゲーム攻略 - フリップニック ↓気になる新作↓
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5月12日金曜日 朝 京太郎「…和と出かけるのは世間的にはデートと言うのではないだろうか」 カピー「パカパカ(朝からまた来たのか…それなら散歩につれていけ」 京太郎「…すまん、今日は昼前から人と会う約束があって」 カピー「パカパカ(おもちばかり追いかけてたらいつかないちち共に刺されるぞ」 カピー「パカパカ(天沼鉾についてか…あれは主が手にするものではなかった代物だ」 京太郎「俺が手にするものじゃなかった?」 カピー「パカパカ(そうだ。たまたま天、要石、天女のを得て条件を満たしてしまっただげのモノ。だから器はできても中身が伴わないから性能が落ちて、その奥にとたどり着けない」 京太郎「難しい話だな。ならその器はどうやったら満たされるんだ?」 カピー「パカパカ(…人との縁を大切にしろ。槍を刺すのもいいが神殺しではなくその真逆のモノなのだから無理をさせていることになるからな。あのおっぱいおばけ以外の五人…岩手、大阪…奈良にもいるな。精々満たせよ。その鉾は主の力になるからな」 昼1 京太郎「さて待ち合わせ場所にはやく着いたけど…和はまだきてないみたいだな」 数分後 和「す、すいません!お待たせしたみたいで…ハァハァ…」 京太郎「いや待ってないけど、その格好は…」 和「へ、変ですか?須賀君に喜んでもらう為に頑張ったんですが…」 京太郎「いや、とても似合ってる。寧ろドストライクです、ありがとうございました」 和「そ、それはよかったです」カァァ 京太郎「それで今日は何処に行くんだ?」 和「えっとですね…今日は」 和「父に映画のペアチケットを貰ったんで映画でもどうですか?」 京太郎「映画か…ああいいぜ」 ギュ…←和から手を握る 和「な、なら行きましょう」 京太郎(和の手細いな…) ーーーーーーー 映画館 京太郎「それで何を見るんだ?」 和「あれです」 京太郎(あれは今CMで絶賛されてる純愛もの…義姉さん達が見にいきたいのかチラチラとCMの度に見てくるからな。原作とは違って最後にヒロインは助かるんだよな) 和「い、嫌だったですか?」 京太郎「そんな事はないぞ。ただまあ、和とこれを見れて幸せだなっと思ってな」 和「なっ!」カァァ 京太郎「チケットは和にだして貰うから俺はポップコーンでも買ってくる」 トテトテ…… 和「須賀君だから見に来たにきまってるじゃないですか…」小声 上映中 京太郎(…中々に重いな。恋人を助けるには世界チャンピオンにならないといけない。だが世界大会と恋人の死の宣告をされた日が一緒とか…映像で観ると余計に重いな) ギュ… 京太郎(和は真剣だな…女の子はああいうのに憧れるのか?義姉さんや咲はある意味メタ発言をしながら映画やドラマを観るからな…新鮮だ) ーーーーーーー 和(京太郎君と手を繋いで映画を観てる…気を抜いたら頬が緩みそうですから真剣な表情じゃないと) 和(それにしてもこの映画の主人公は京太郎君に似てますよね。金髪で麻雀が強くて家事とかもこなせて…ただヒロインが義理の姉と言うのは納得できませんが…京太郎君は私がこんな事になったらこうしてくれるんでしょうか?) 帰り道 京太郎「面白かったな」 和「ええ、最後に女の子が助かってよかったです」 京太郎「そうだな…でも俺が主人公ならもうヒロインには会わないかな」 和「えっ?」 京太郎「決勝まで行って慢心して役満をブチ当てられてヒロインを助けられないと絶望したのにヒロインが自分で助かった…男として複雑だろ」 和「そうなんですか?」 京太郎「そうなんだ。男は見栄っ張りなんだよ」 和「…ヒロインはでも主人公に会いたくて頑張ったのに救われないじゃないですか」 京太郎「……それもそうだな」 和「そうです。ヒロインは主人公と居たいから頑張ったんです。なのに主人公が居なくなったら意味ないじゃないですか」 京太郎「……」 和「…男の人は身勝手ですよ。女からしたら側に居れるだけで良いんですから」 京太郎「そんなものなのか?」 和「そんなもんなんです。私も須賀君と居れたら嬉しいですから」 京太郎「えっ?」 和「私は須賀君が好きです」 和「……冗談ですよ」 京太郎「そ、そうだよな。俺達まだ出会って一カ月も経ってないのに…」アタフタ 和「ふふ、須賀君も慌てるんですね」 京太郎「お、俺だって和に告白されたらテンパるって!」 和「岩手に行く事を黙ってた罰です。因みにこれはあとで咲さんに報告しときますんで…」 京太郎「な、なんだと…」 和「さあ、はやくかえりますよ」 ダッ… 京太郎「えっ、ちょっ待てよ、和!」 夜 京太郎「……あれは目がマジだった…ヘタレだよな、俺」 カピー「パカパカ(ヘタレがどうした?」 京太郎「…何でしってるんだ」 カピー「パカパカ(私は知らない事がないぞ」 京太郎「…本当に恐ろしいな」 京太郎「願い事を聞いてくれ」 カピー「パカパカ(よし、何だ言ってみろ。星がみたいのか?温泉か?五月に雪とかでもいいぞ」 京太郎「自然系統は頼まないから」 カピー「パカパカ(なんだと…それなら何か私に未来を変えさせたいのか?」 京太郎「未来を変える?」 カピー「パカパカ(そうだ。例えば留学生がとどまったり負けた事で転校するのを止めたり、身体が弱いのを普通にしたり。私にできないのは主がヘタレを治すことだな」ワハハ 京太郎「……えらい具体的だな」 カピー「パカパカ(私は未来が視えるからな)」 京太郎「ちょっと考える…」 京太郎「…俺と関わる人が幸せになるようにしてくれ」 カピー「パカパカ(抽象的だな。それじゃあ私は誰を救えばいいかわからないだろ」 京太郎「…それならどうしようも無い運命を変えてくれ。可能性があるのはなしだ。今のまあまでは絶対的に変えられない未来だけを変えてくれ」 カピー「パカパカ(…私に不可能はない。主も言い方が悪いな。最悪を回避するつもりなら主が願わなければいいのに。わざと願う必要もなかろうて」 京太郎「…俺は賢くないからな」 カピー「パカパカ(まあいい…その願いを叶えよう」 ♪ー 京太郎「…電話か?」 京太郎「もしもし?」 衣「もしもし、義兄様の携帯であっているか?」 京太郎「あってるぞ、衣。どうした、こんな夜遅くに」 衣「…この前の件の詫びと義兄様を送り出す為にささやかなパーティーを明日しようと思う。来てくれるか?」 京太郎「構わないが…ハギヨシさんがこっちに来るのか?」 衣「そうだ。あと衣に対する命令を考えておくんだぞ!」カァァ プツン… 京太郎「…命令?ああ、あれか麻雀に勝ったらのやつか…どうしたものか」 5月13日 土曜日 朝 京太郎「カピーが朝から出かけただと……」 ーーーーーーー 健夜義姉さんを起こしにいく。 京太郎「健夜義姉さんを起こしに行こう。最近ダラけてるからな」 コンコン… 京太郎「健夜義姉さん、起きてる?」 シーン… 京太郎「寝てるか…入るよ」 ガチャ 京太郎「………」 京太郎「またジャージか…もうアラサーなのにジャージは駄目だろ。貰い手がいないだろうし…まあ、30なっても無理なら俺が結婚を……なんてな、相手にされないか」 ガタ… 京太郎「?もしかして義姉さん起きてる?」 健夜「すぅ…zzz」 京太郎「寝てるよな…聞かれてたら恥ずかしいし……今日はこのままでいいか」 ガチャ…バタン 健夜「…どうしよう今ので完全に目が覚めたよ…もう京君は無自覚なのに鋭いからタチが悪い。うぅ…二度寝しよ」カァァ 昼1 ハギヨシ「お迎えにあがりました」 京太郎「今日は鼻眼鏡はしてないんですか?」 ハギヨシ「ええ、あれをしていると食事ができないらしいのでやめました」 京太郎「…確かに無理だな」 ハギヨシ「それでは向かいましょう」 ーーーーーーーー 一「よく来てくれたね、須賀君」 京太郎「お出迎えありがとうございます、国広さん」 一「透華と衣はちょっと用事で忙しいから僕が変わりに案内するよ」 京太郎「そうなんですか…お願いします」 テクテク… 一「明後日には岩手に行くんだっけ?」 京太郎「ええまあ。日曜日の夜出発になってますが、多分月曜日の朝になるかな」 一「…それはどうして?」 京太郎「健夜義姉さんが……いやまあ、色々とあるんですよ」ワハハ 一「そうなんだ…まあいいや。僕は須賀君に贈り物があるんだ」 京太郎「贈り物?」 一「一つは僕のメルアドと携帯番号。もう一つはこれかな」 御守りを見せる 京太郎「ありがとうございます…でも俺はお返しができない」 一「いらないよ…僕はもう沢山のモノを君に貰ったからね。これはそのお礼を兼ねてるんだ」 京太郎「俺は国広さんになにも…」 一「ハジメ。呼び捨てでいいよ。僕も京太郎って呼ぶし。京太郎が気がついてないだけだよ!あと御守りの中身は覗いたら駄目だからね!」カァァ 京太郎「わかったよ、ハジメ。向こうについたらお返しの品を送るよ。それで対等だ。一方的なのはあまり好きじゃないんだ」 一「京太郎らしいな…期待してるよ」 透華「よくおいでになってくれましたわ!」 京太郎「龍門渕さん、お招きありがとうございます」 透華「それを言う相手は私ではなくてよ」 トテトテ… 衣「よく来たな京太郎!」 バッ…ギュッ 京太郎「おっと…元気そうだな衣」 衣「ああ、衣は元気だぞ!今日は楽しんで行ってくれ」 京太郎「ああ、楽しましてもらうよ」 透華「本日はーーー」 京太郎「龍門渕さんがスピーチをし始めて十分は経つぞ…流石というべきか?」 ちょんちょん… 京太郎「うん?」 京太郎「どうしたんだ、衣?」 衣「よかったら衣とご飯を食べないか?」 京太郎「別にいいけど龍門渕さんのスピーチは…?」 衣「大丈夫だ…あれはあと十分以上かかると衣は知ってるからな」 京太郎「そんなにかかるのか…」 衣「それよりもハギヨシが作った料理を食べよう!エビフライとタルタルは絶品だぞ!」 京太郎「…しかたない、食べるか」 衣「うん!」 衣「美味しいね、京太郎」 京太郎「そうだな…本当にハギヨシさんご飯は美味しいな」 衣「京太郎、あーんだ」エビフライを箸で掴んで 京太郎「…あーん。」 もぐもぐ… 京太郎「美味しいな」 衣「だろ。ハギヨシのエビフライは天下一品のできだからな!」 京太郎「はい、お返しだ。あーん…」ウインナーを掴み 衣「あーん…」 もぐもぐ… 衣「美味しいな!」 京太郎「ならよかった」あはは ーーーー 衣「なあ、京太郎…いや義兄様。岩手に行っても衣の事を忘れないでいてくれるか?」 京太郎「当たり前だろ。衣は俺の義妹だからな。忘れるわけないだろ」 衣「そうだよな…わかっては居るんだがどうしても怖くてな…」 すっ…わしゃわしゃ 京太郎「信じろ、衣。俺はひとりぼっちが嫌いだからな。衣のことは絶対に忘れないさ」 衣「…ぐす……そうだね…衣も1人が嫌いだから義兄様の事を忘れないよ」ポタ…ポタ… 京太郎「まったく衣は手間のかかる可愛い義妹だよ」ワハハ ーーーーーー 純「あれを素でやってるのか京太郎は…」 智紀「恐るべき才能…」 一「京太郎は優しいからね」 透華「私の伝説は…」 衣「それで京太郎は衣に何を命令するんだ?」 京太郎「命令…ああ、ちゃんと考えてきてるぞ」 一、透華「…」ガタ! 京太郎「…全国で待っている。個人でも団体でもどっちでもいい、全国で会おう」 衣「えっ?」 京太郎「だから…」 純「京太郎、それは命令じゃないだろ」 一「そうだよ、普通なら全国に来いって言うのに待ってるって頼んでるよ」 京太郎「いやまあ、俺は清澄高校の麻雀部だからさどっちかを応援するってのはできないんだ…」 衣「任せろ、義兄様。衣は必ず全国で義兄様に会いに行くぞ!」 透華「私も忘れて貰っては困りますわ。県大会で勝つのこの龍門渕透華が率いる龍門渕高校ですわ」 智紀「負けない…」 京太郎「ああ、楽しみにしてるよ」 昼2 京太郎「全国で待つか…言ったからには俺も頑張らないとな」 久「京太郎に勝てる高校生なんて殆ど…二、三人も居ないわよ?」 京太郎「そんな事ない……あれ、久なんでいるんだ?」 久「少しね…でも丁度良かったわ。京太郎、私に付き合ってちょうだい」 京太郎「何を?」 久「もちろん…」 久「決まってるわよ、デートよデート」 京太郎「…ああ、この間は邪魔が入りましたもんね」 久「そうよ…あの後藤田プロには色々としてもらったんだから」 京太郎「笑顔が怖い……」ボソ 久「何か言ったかしら?」 京太郎「いえ、なにも」 久「それじゃあ…あそこにいきましょうか」 久「私の家に行きましょ。京太郎に渡す選別と美味しい紅茶があるのよ」 京太郎「流石に久の家に俺みたいな格好の奴が行ったら問題になるんじゃないのか?」 久「大丈夫よ。お父さんは出張でいないし…それとも嫌なのかしら?」涙目 京太郎「行かしていただきます!」 久「よろしい、なら行きますか」 ーーーーーーー コトン… 久「京太郎が淹れたよりはおちるけどどうぞ」 京太郎「久が淹れてくれただけで俺は美味しいと思うけどな…」 ゴク… 京太郎(あれなんか苦い…). 久「どうかした?」 京太郎「いや、なんか紅茶が苦くて…あれ…」 バタ… 京太郎「ひ、久…何を……盛った?」 久「別に何も?増強剤と少しの興奮剤をね…大丈夫よ、京太郎。今の私、危険日ど真ん中だから…孕んでも京太郎に責任とか言わないし。でもたまには岩手から帰って来て欲しいな」 京太郎「なんで…」 久「…我慢できなくなったのよ。一緒に居るって言ったのに私をおいていくし…だから、証が欲しかった。今日は寝かせないわよ?」 すっ…バサ… 90 名前: ◆qV6dwdDny6[saga] 投稿日:2013/11/04(月) 12 46 16.39 ID 6LmbjOTSO [11/12] 京太郎(…まずい…実は全く薬が効いて無いなんて言えない。てか久の裸でまじで息子が。) ギュ…チュ…っ! 久「はぁ…愛してるわ京太郎」 京太郎「…俺もだ…久」 ギュ…バッ… 久「えっ、薬は…!」 京太郎「耐性持ちでな…誘ったのはそっちなんだ…覚悟しろよ」 久「は、はい…」カァァ ーーーーーーー 京太郎「あの後まる二日間久とまぐわり、俺は義姉さん達との真剣麻雀に勝利した…そして」 久「貴方、世界チャンピオンおめでとう!」 娘「パーパー!」 ダキ… 京太郎「ありがとう久…あれからも七年か」 久「そうね…義姉さん達の許可が降りるまで大変だったわ」 京太郎「そうだな…」 久「それでね貴方…私、あと二人子供が欲しいの」カァァ 京太郎「……よし、行こう。今日は寝かせないからな」 娘「またプロレスごっこするの?」 久「ち、ちがう…」 京太郎「今日は弟か妹を神様から授かるんだよ」 娘「私、両方がいい!」 京太郎「娘もこう言ってるし…今日は頑張りますか!」 久「もう馬鹿なんだから」カァァ END 久「私の家に…いえ、公園にでも行きましょう」 京太郎「別にいいけど…前半に不吉な言葉が聞こえた気が…」 久「き、気のせいよ!さあ、はやく行きましょう!」 ギュ、ダッ… 京太郎「えっ、急に走るな…」 久(なんで今、京太郎に媚薬を盛ろうって考えたのかしら…恥ずかしい)カァァ 公園 久「…岩手に行ったら京太郎はどうするつもりなの?」 京太郎「麻雀かな…」 久「ふふふ…京太郎らしいわね」 京太郎「馬鹿にされてる気がする…」 久「褒めてるのよ。ねえ京太郎…」 京太郎「うん?」 久「私が京太郎を好きって言ったらどうするの?」 京太郎「……断る」 久「理由は?」 京太郎「俺は久との約束を破って岩手に行く…それにもし答えたらまた久を傷つけるだけだろ」 久「……本当に京太郎は馬鹿ね」 バッ… 京太郎「えっ?」 バシ… 久「自惚れないで。私はそんな詰まらない事で傷付かないわ」 京太郎「……」 久「京太郎、この前の時もそうだった。人を大切にするって言っといて京太郎は適度な距離でいようとする。傷付くのが怖いのわ京太郎の方よ」 京太郎「俺はそんなつもりじゃ…」 久「そんなつもりなのよ。だから私が踏み込んであげる」 京太郎「えっ…」 ギュ… 久「私は京太郎の側に居るわ。恋や愛じゃない…私は貴方の隣に居たい。貴方を支えたいのよ」 京太郎「俺にそんな価値は…」 久「ある。私には貴方が“必要”なのよ」 京太郎「…知りませんよ」 久「構わないわ」 京太郎「馬鹿ですよ久は…」 久「京太郎ほどじゃないわ」 京太郎「……逃がしませんよ?」 久「上等。私こそ逃がさないんだから」 夜 京太郎「……気が緩んでるな。幸せすぎる時ほど後が怖いのにな」 良子「どうかしたんですか、京太郎?顔色がバッドですよ」 京太郎「そうかな。特に何もないんだけど」 良子「…まあ、いいでしょう。今日はどうかしたんですか?」 京太郎「…」 京太郎「引越したら良子義姉さんはどうするか聞きたくてさ」 良子「タイトルの関係であまり纏まって家には居られない…知らない土地なのにごめんなさい」 京太郎「い、いや、俺ももう高校生だし1人で大丈夫。そういえばもうすぐ大きなタイトル戦だったね」 良子「Yes。去年は健夜義姉さんに負けましたが今年こそは私が勝ちます」 京太郎「今年は大沼プロも強いんだろ?世界タイトルで役満連続であがったらしいし」 良子「…あれは京太郎が戦うべき相手です。私は健夜義姉さんと夏の家族旅行決定権の為に全力を尽くすだけです」 京太郎「…タイトル戦が夏の家族旅行決定権だなんて普通ありえないぞ」 良子「ノーウェイ。勝者が絶対です」 京太郎「相変わらず義姉さん達は規格外だ…」 夜 別視点 健夜「…ついに明日だね、良子ちゃん」 良子「そうですね…京太郎は最後まで悩んでるようでした」 健夜「京君が一番ココにいたからね…それより明日、本当にやるの?」 良子「オフコース。霞の事情も知りましたし、そろそろ六女仙と京太郎がまともに会ってもいいはずです」 健夜「それは良子ちゃんが私に勝てないからそうなってるんじゃ…」 良子「とにかく明日は夕方からパーティーです」 朝 京太郎「…今日、長野を去るのか」 京太郎「昨日は健夜義姉さんだったから次は良子義姉さんだな」 コンコン… 京太郎「良子義姉さん、おきてるか?」 シーン… 京太郎「はぁ…どうしてうちの義姉二人は世間的にはクールで通ってるのに家ではだらしないんだ。入るよ」 ガチャ… 良子「…zzz」 京太郎「爆睡してるし。全くもう二十歳なんだからしっかりしてくれよ。起きてくれ、良子義姉さん」 良子「…あと五分…」 京太郎「ダメだ。今日は朝から出かけるんだろ」 良子「ノーウェイ…だいじょ…ぶです…zzz」 京太郎「秘技を使うか…これ恥ずかしいからしたくないんだけどな…」 スッ…良子の耳元に顔をちかづけて 京太郎「朝だよ、義姉さん。起きないと寂しいだろ?」 バッ… 良子「おはようございます、京太郎……突然ですが抱きしめますね?答えは聞いてません」 ぎゅー 良子「一年ぶりぐらいに聞いてエキサイトしました…むかしはもう少し可愛かったのに……」 京太郎(義姉さんが話し始めたら五分はかかるんだが…起きたからいいか) 良子「聞いてるんですか京太郎?だいたい京太郎は…」 昼1 京太郎「夕方までにあの高級ホテルに着けとはどういう事なんだ?まあとりあえず出かけるか」 ーーーーー ♪ 京太郎「うん?妹尾さんからか…。雀荘で麻雀を教えて欲しいか…まあ、構わないか」 京太郎「ここが妹尾さんが言ってた雀荘だよな…」 ガチャ… 華菜「それロン!8000!」 佳織「うぅ…どうぞ」 京太郎「あれ妹尾さん、知り合いと打ってるの?」 佳織「す、須賀君!違うの…須賀君を待ってたら…」 華菜「なんだお前は?華菜ちゃん達は今、打ってるんだぞ!」 京太郎(残り1000点で…なんだこれ明らかに初心者狩り紛いの事をしてるぞこの人達) 華菜「さあ、お前の親なんだからはやくしろよ」 佳織「うぅ…」 京太郎「ちょっと待った。妹尾さんの変わりに俺が打つよ。点数もそのままで」 華菜「はぁ?そんなの駄目に…」 京太郎「初心者の妹尾さんをあんまりいじめないでやってくださいよ」 華菜「イジメてなんかないし!仕方ないから認めてやる。皆もそれでいいよね?」 純代「大丈夫」 星夏「かまいませんよ」 京太郎「なら…俺の友人をいじめたんだ覚悟してくださいね」ゴゴゴゴゴゴ… 一同「ひっ!」 京太郎「俺の親番からか…」 南3局 京太郎 1000 華菜 43000 星夏 32000 純代 24000 京太郎 W役満 対象 池田 京太郎(…っ…また槍に弾かれた。しかたないか。この牌が来た意味を考えろ) 逆転者と添い遂げた者発動! 華菜(なんなんだ…なんなんだよ、あの男は!) コトン… 京太郎「ロン…ここってWありなんだよな?国士無双13面待ちで96000」 華菜「なっ!」 京太郎「俺の友人を虐めてたんだ…W役満ぐらい平気だろ?」 京太郎 97000 華菜 -53000 星夏 32000 純代 24000 京太郎が勝利しました。 佳織「す、凄いです!須賀君!」 ギュ… 京太郎「たまたまだよ、たまたま」ワハハ 華菜「……けるな、ふざけるな!」 京太郎「はっ?」 華菜「たまたまW役満をあがっていい気になるなよ…次は最初から…」 京太郎「負け犬が吠えるな。三人で妹尾さんをサンドバッグにしてたんだ…W役満なんて安いだろ。実力差を理解しろよ」ゴッ… 華菜「うっ…華菜ちゃんは華菜ちゃんは負けてないし!」ジュッ…ポタ バタバタ 星夏「ま、待ってください!」 バッ 純代「……」キッ←京太郎をにらむ ダッ… ーーーーー 京太郎「……罪悪感があるな」ボソ 佳織「あ、あの…私のせいでごめんなさい」 京太郎「いや、妹尾さんが謝る事じゃ無い。ただ俺が大人げなかっただけだから」 佳織「……須賀君、私つよくなりたいです」 京太郎「えっ?」 佳織「さっきの人達なんかよりもっと強くなって須賀君が全力で打っても遊べるくらいに強くなります!」 京太郎「…ふふふ。妹尾さんは面白いですね」 妹尾「よく言われます」 京太郎「なら一丁、この須賀京太郎が全力で麻雀を教えますよ」 妹尾「はい!」 夕方 京太郎「妹尾さんは幸運過ぎるだろ…最後に打ったら三回は役満聴牌してたぞ。とりあえずここが指定されたホテルだけど…あれだれかいる」 ??「……」 巴「須賀さ…こほん、京太郎君、お久しぶりです」 京太郎「えっ、うん。お久しぶりです巴さん」 巴「皆が待ってるからはやく行きましょう」 とことこ… 京太郎「あの、ここで何をするんですか?」 巴「知らされてないの?」 京太郎「はい。朝に健夜義姉さんが此処に来るようにって言われて」 巴「そうなんだ…簡単に言うと親睦会をするの」 京太郎「親睦会?」 巴「そう、貴方の義姉さん達が私達を赦すって言ってこれからの事もあるから一席設けたのよ」 京太郎「一席って、まるでお酒を…まさか飲んでるんじゃ」 巴「の、飲んでないわよ、私は!」 京太郎「地獄絵図が広がってそうだな…」 巴「アハハ…頑張ってね」 京太郎「…逃げて来た人も同罪ですよ」 巴「ばれてたか…」 ーーーーーーー ガチャ 京太郎「……」 京太郎「酒くさい…これやばい奴じゃ…」 ギュ… 小蒔「たいちょー、きょーたろーくんを…つかまえまちた!」 京太郎「えっ、姫様?くさ…酔ってるな」 健夜「よくやった、うしちちにごう!」 京太郎「義姉さんもかよ…」 ギュー 初美「わたしもつかまえたのれすよー」 京太郎「ちょっ!初美さん見えてる、見えてるから!」 春「きょーたろーの変態…」 京太郎「春さん、助けて…なんであんたも上半身裸なんだよ!」 ギュー 春「あつかったから……寒いからあたためて…」 霞「みんならめようー、きょーたろくんはみんなのものなんだから!」 京太郎「霞さん、おれは貴方を信じて……真っ裸だと…神は死んだのか?いや、巴さんが!」 良子「私の酒が飲めないとかありえないですー!」 巴「えっ…もう、無理!」ゴグゴクゴク… 巴「キョー君ー私も混ぜてよー、」 パサ… 京太郎「良子義姉さん、良子義姉さんは酔ってないんだろ!」 良子「Yes。ですが残念です京太郎…私は貴方をヘルプできません」 京太郎「えっ?」 良子「今日は酒池肉林…乱行パーティーだからです!」 パサ… 京太郎「ど、どういう…」 良子「霞の件を知って私は考えたんです…いっその事、全員京太郎の嫁にすれば争いはおきません」 京太郎「俺の人権は!」 良子「ナッシング!大丈夫京太郎!全員に少し強力な妊娠誘発剤を飲まして危険日前後なだけです…私は大当たりですがね」 京太郎「信じてたのに…義姉さん…」 スッ… 良子「大丈夫京太郎、家族が来年には三人から15人になるだけのことです…それで貴方は誰にも見捨てられない」 ちゅ…くちゅ… 京太郎「おれは…」 良子「天上のシミを数えてるあいだに全部終わります。これを飲んでくださいね」 ゴグ… 京太郎「何を…」 良子「ただ、精力が何倍にもなるだけですよ…それじゃあ始めましょうか。肉の宴です!」 数年後 京太郎「その後はすごかった…ホテルのスィーツルームで永遠と一週間ただ腰を振り、飯を食べるだけの性活が続いた。俺は抑えきれない性欲に身を任せた。そして今俺は…」 小蒔「あ、貴方…今日は私の番ですから可愛がってくださいね」 京太郎「待って、小蒔…今日はタイトル戦で…」 小蒔「関係ありません…良子さんが三人目なのにわたしも旦那様の子供が欲しいです!」 初美「そうですよ!私もあと二人は欲しいですよー」 京太郎「えっ、初美さん?」 巴「わ、私もいますよ」 霞「私もね…」 春「私も…」 京太郎「…昨日も五人でしませんでしたか?」 霞「昨日は昨日。今日は今日よ?目標は皆合わせて20人なんだから」 京太郎「…良子義姉さんが三人、健夜義姉さんも三人、他は二人づつだから…もう16人俺の子供が…」 小蒔「大丈夫ですよ!旦那様は世間では世界最強の男や抱かれたい男No.1の称号があるんですから」 霞「私達ぐらい余裕よね?」 京太郎「……今日も寝かさないからかな!」 カン 京太郎「…はっ!何か凄まじい未来があった気がする」 巴「何を言ってるんですか」 小蒔「京太郎様!」 京太郎「姫様、今日はよろしくお願いします」 小蒔「うぅ…今日は無礼講ですよ」 京太郎「は、はぁ…」 良子「そうですよ。今日は親睦会ですから」 京太郎「そう言うなら…そうするか」 小蒔「はい!」 京太郎「良子義姉さん、どうしてこんな事を思いついたんだ?」 良子「何がですか?」 京太郎「いや、いつもの良子義姉さんなら姫様とかに辛辣だからさ」 良子「かつての嫁仲間ですからね…優しくもなりますよ」 京太郎「嫁仲間?」 良子「ソーリー、京太郎にはまだ関係のない話です。それよりほら、京太郎の好物をとっときましたよ」 京太郎「ありがとう…あれ俺、義姉さんにカレイが好きになったって言ったっけ?」 良子「私は京太郎の事ならなんでも解りますよ」ニコニコ 京太郎「そうなのか?」 良子「はい、第二夫人ですからね」 京太郎「酔ってないか?」 良子「酔うのは二人の時だけですよ」 京太郎「…。まあいいや、これありがとう」 良子「妻の勤めですから」 京太郎「今の義姉さんなら立派な嫁さんだよ」 テクテク… 良子「当たり前ですよ、貴方」カァァ 小蒔「京太郎様!」 ダッダッダ… 京太郎「姫様、走ったら危ないですよ」 小蒔「大丈…あっ…!」 バタ……ギュ… 京太郎「ほら言ったじゃないですか」 小蒔「うぅ……京太郎様の胸は温かいですね」 京太郎「そうですか?ほら、立ってください」 小蒔「あっ…何故か懐かしい気がしました」 京太郎「懐かしいですか…そういえば昔、一度だけ今見たいなことがありましたね」 小蒔「あ、あれは、京太郎様がアイスを持って行ったから…」カァァ 京太郎「姫様が自慢するからですよ……懐かしいですね」 小蒔「あれからもう大分と経ちますから…京太郎様、この度は本当にありがとうございました」 京太郎「えっ?」 小蒔「霞ちゃんの事です。付き物が落ちたみたいに元気になりました…あれは京太郎様のおかげですよね?」 京太郎「俺は何も…」 小蒔「…否定しても駄目です。過去は変えれませんが…また良かったら私達と遊んでくれますか?」 京太郎「はい、こんな俺で良ければ」 小蒔「ありがとうございます」 バッ…ギュ… 初美「ああ、姫様ばかりずるいのですよ!」 小蒔「私の特権だからいいんです!」 京太郎「喧嘩しない喧嘩しない…昔みたいにか…悪くないのかもな」 京太郎「あれ霞さん…どこ行くんだろ」 霞「……」 スッ… 京太郎「追いかけるかな」 ーーーーーーー 京太郎「霞さん、どうかしたんですか?」 霞「須賀…京太郎君…ついて来たの?」 京太郎「ええまあ、姿が見えたので」 霞「姫様の相手もしてあげてよ。あの娘だけじゃない、春ちゃんも初美ちゃんも貴方と話をしたいのよ」 京太郎「何かあったんですか?」 霞「……少しね。変な既視感を感じたのよ」 京太郎「既視感?」 霞「そう既視感…貴方の義姉二人と私達が貴方の嫁になるのよ」 京太郎「それはまた壮絶な…」 霞「嫌だったかしら?」 京太郎「全く。寧ろ男なら誰でも望む事でしょ」ワハハ 霞「貴方らしいわね…でもね…」 スッ… 京太郎「近いですよ、霞さん」 霞「私からしたらそうあって欲しい未来なのよ」 チュ…クチュ… 京太郎「な、なっ!」カァァ 霞「まだまだ子供ね…京太郎、私は貴方を諦めないわ。岩手に行っても押しかけてやる。私は昔から貴方に姉じゃなくて友人…今は恋人かしら、そう見て欲しかったのよ」 京太郎「おれは…」 霞「言わなくてもわかってる。だから少しだけ待ってあげる…そうね、全国大会が終わった後にでも聞きに行くわ」 京太郎「…駄目です。それなら断ります」 霞「…本当に変な気遣いはできるのね」 京太郎「俺はまだ貴方や他の人を選べません。だから俺は貴方を振ります」 霞「そう…答えてくれてありがとう。先に戻っててくれるかしら…もう少し夜風に当たって行くわ」 京太郎「はい…」 ーーーーーー 霞「そんな回答知ってたわよ…良子さんや健夜さんも怪しいし…今度は私が二番目で姫様を正妻にする」 巴「京太郎君、どうかしたの?」 京太郎「いや、弄ばれたなって思って」 巴「弄ばれたの?」 京太郎「うん…本人は気が付いてないみたいだけどな」 巴「…なんか京太郎君、大人になったね」 京太郎「そうか?」 巴「うん、昔はもっとやんちゃだった」 京太郎「八歳だったからな…やんちゃなのは仕方ない」 巴「それもそうだね」 京太郎「巴さんだって大人の女性になったよ…昔、森に行った時なんで…」 巴「あ、あれは二人の秘密だから喋ったら駄目!」 京太郎「そうだったな…懐かしいな」 巴「そうだね…また彼処に行けたらいいね」 京太郎「ああ…また彼処に二人で行くか」 巴「うん」ニコ 霞「それではこれで親睦会を終わります!」 京太郎「…すぐだったな」 トントン… ??「……」 初美「少し話しませんかー?」 京太郎「別にいいけど…大丈夫なのか?」 初美「大丈夫ですよー。こっちです」 ーーーーーーー 初美「京太郎は本当に鹿児島にはこないんですか?」 京太郎「ああ…岩手に行くからな」 初美「…うぅ…岩手なんか田舎よりも鹿児島の方がいいですよ」 京太郎「ごめん」 初美「…京太郎は我儘ですよ」 京太郎「それは初美さんの方が…」 初美「お姉さんですよー」 京太郎「えっ…初美さんじゃ」 グッ… 初美「昔みたいに初美お姉ちゃんの方がいいですか?」 京太郎「初美お姉さん…」 初美「それでいいですよー」 ナデナデ… 初美「な、何をするですか!」 京太郎「いや仕返し…」 初美「京太郎の癖に生意気ですよ!」 ナデナデ 京太郎「それでも逃げないんだな」 初美「し、仕方なくですよ!京太郎が可哀想だから!」 京太郎「ふふふ…ありがとうな、初美お姉さん」 初美「うぅ…京太郎なんて嫌いですよー」カァァ 夜 家 京太郎「…義姉さん達が帰って来てから秘密会議をしてる。明日の朝から岩手に行くのに大丈夫なのか?」 カピー「パカパカ(久しぶりだな」 京太郎「昨日は何処に行ってたんだ?」 カピー「パカパカ(大阪にたこ焼きを食べにな」 京太郎「…本当か?」 カピー「パカパカ(本当だ」 カピー「パカパカ(これを持って某所に行くだけで主様は有名人だぞ…冗談は置いておこうか」 カピー「パカパカ(この鏡は元は八咫烏のガキの鏡だがそんな事はどうでもいい。この鏡は儀水鏡よりも強力でありかつ終わりを呼ぶ)」 京太郎「終わり?」 カピー「パカパカ(まあ、人生の墓場の事だ。使い切っても壊れないが力は込めれないからな。この鏡は大切にするといい。天沼鉾が完成してるんだ…こんな時は二度とこないだろう」 京太郎「因みにカピーから見たらこれはどんな価値なんだ?」 カピー「パカパカ(昔作った出来損ない以下の鏡だ」 京太郎「そ、そうなのか…」 深夜 某所 トシ「こんな夜中にどうしたんだい?」 霞「…宣戦布告の電話です」 トシ「そうかい…それでどうするつもりだい?」 霞「全国大会で戦いましょう…勝つのは私達です」 トシ「…あの娘達は負けやしないさ。勝つのは私達だ」 霞「では…」 トシ「そうだね…」 霞、トシ「全国で会いましょう」 ーーーーーー 健夜「良子ちゃんも思い出したの?」 良子「健夜義姉さんも思い出したんですね」 健夜「そっか…それでどうするの?」 良子「決まってるじゃないですか」 健夜「そうだね、私達は常に一緒だったね」 良子「ええ私達は京太郎を支えるだけですよ」 健夜「うん京君は私達が支えるよ」 良子健夜「18歳になったら勝負です」 朝 京太郎「それじゃあ、行こうか義姉さん達」 良子「そうですね…行きましょうか」 健夜「私が運転するからね」 京太郎「あれカピーは何処だ?…まあ、向こうにいるだろう」 岩手 カピー「パカパカ(ここが新居か…悪くないな」 昼2 京太郎「ここが新居か…」 健夜「第二のマイホームだね」 良子「部屋の間取りは説明した通りなので、とりあえず荷物の整理ですね」 京太郎「そうだな」 ーーーーー 京太郎「やっぱり居たかカピー」 カピー「パカパカ(朝から待ちわびたぞ」 京太郎「たまに俺はカピーがただのカピパラじゃないような気がする」 カピー「パカパカ(私はただのカピパラだ。安心しろ」 京太郎「……まあ、カピーはカピーだからな」 ーーーーーーーーーー 夕食 強制イベント 京太郎「そういえばさ…俺って何処に転校するんだ?」 良子「宮守女子ですよ」 京太郎「えっ?」 良子「だから宮守…」 京太郎「ちょっと待った、あそこは女子高じゃ…」 健夜「大丈夫、あそこは今年から共学になったんだよ」 京太郎「そうなのか…」 良子「男子は少ないですが京太郎なら大丈夫です…ただし、あんまり女の子に手をだしたらためですよ?」 健夜「そうだよ…十人以下ならいいかな」 京太郎「そんなに居たらただのタラシじゃないか」 健夜良子「……」 京太郎「俺はそんなにもてないよ」 健夜良子(天然ジゴロの自覚は無しか…) 夜 家 京太郎「片付けは終わったし…どうしたものか」 カピー「パカパカ(もう片付けが終わったのか」 京太郎「ああ。もともと物があまりなかったからな」 カピー「パカパカ(そうだったな。今回は果実の回収と零天の果実についての説明だな」 京太郎「果実って事は食べれるのか?」 カピー「パカパカ(鋭いな。あの果実は実体化できないが人に譲渡する事ができる」 京太郎「譲渡?」 カピー「パカパカ(そうだ、譲渡された果実はその人の中で成長する」 京太郎「成長…?」 カピー「パカパカ(譲渡する相手を間違えるな。あれはお前を想う心で成長する。絆ではない…一種の子供に近いものだ。成長すれば必ず力になる」 京太郎「どうやって譲渡するんだ?」 カピー「パカパカ(時がくればわかる。今回はサービスで全て回収しておいてやる」 美穂子からメール ♪ー 京太郎「美穂子からメールがきてる」 From 福路美穂子 はじめてのめーるです。だいじょうぶでしょうか? 京太郎「全部平仮名だと。本当に苦手なんだな。大丈夫ですよ。また何か合ったら相談します…と」 From 福路美穂子 はい!またれんらくしますね! 京太郎「…少しだけ元気が出たな」 朝 火曜日 京太郎「今日から…新しい学校か」 京太郎「健夜義姉さんを起こすか」 ーーーーーー コンコン… 京太郎「健夜義姉さん、起きてる?」 シーン… 京太郎「…まあ引っ越してすぐだから仕方ないか。起こすけどな」 ガチャ… 京太郎「健夜義姉さん、朝だ…ぞ……なんで裸で寝てるんだよ!」 健夜「うぅ……貴方?もう朝なのかな……目覚めのKissは?」寝坊け眼+布団で身体を隠すためにそこからにじみ出るエロさ 京太郎「…すぅ…はぁ…よし落ち着いた」 健夜「貴方?」 スッ… 京太郎「そんな行為は大切なひとにする事だと俺は思うぞ、義姉さん」耳元で 健夜「……」 ガシ… 京太郎「えっ?」 健夜「朝から…小言なんて聞きたくないよ」 チュ…くちゅ…約一分蹂躙され 健夜「ぷはぁ……二度寝しよう……」 バタン 京太郎「うぅ…」カァァ 京太郎「起きろ、この馬鹿義姉!!!」真っ赤 健夜「…zzzz」 朝 強制イベント トシと出会う 京太郎「健夜義姉さんを叱ってたら遅刻ギリギリだった…」 トシ「ようやくきたのかい?」 京太郎「えっ、トシさんがなんでここに…」 トシ「ここで教師をしているからに決まっているじゃないか」 京太郎「ならここには…」 トシ「ああ、塞達がいるよ」 京太郎「よっしゃぁ!」 トシ「えらく喜ぶじゃないか」 京太郎「ええ…全国で会うと前の高校の麻雀部の人達と約束してたから…塞達なら全国に行けると俺は思ってるから素直に嬉しいんです」 トシ「それじゃあ、麻雀部にきてくれるかい?」 京太郎「はい、喜んで!」 放課後 京太郎「質問責めにあって昼は動けなかった…それよりも麻雀部だ!」 京太郎「…すぅ…はぁ…よし、行くぞ」 ガチャ 京太郎「失礼します、入部希望の須賀京太郎……あっ」 豊音「えっ…」 エイスリン「わぁ…」 白望「……ダルい」 豊音「京太郎君だよ!」 エイスリン[ブンブンと手を振って居る絵] もぞもぞ 白望「…ダルい」 ギュ… 京太郎「えっと、皆さんお久しぶりです」 豊音「な、なんで京太郎君が居るの?」 京太郎「えっ、いや、俺は今日からこの宮守に転校してきたんだけど…トシさんから聞いてない?」 エイスリン[腕をバッテンにしてる絵] 京太郎「まじか…これからよろしくお願いします」 白望「よろしく……」 ぎゅう 京太郎「シロ、抱きつくのはいいけど暑くないか?」 白望「大丈夫……だるくないから」 塞「皆ー、今日はなんだか良い事が…えっ、なんで」 京太郎「どうも、お久しぶりです」 バタン… 塞「えっ、今、京太郎が居たよね…身嗜みとか大丈夫だよね…てかなんでシロが張り付いてるの?そんな事より…」 ガチャ 塞「なんで京太郎がここにはいるの!」 京太郎「あはは…本日三回目だな。宮守に転校してきたんだ」 塞「そうなんだ…それで麻雀部に入るの?」 京太郎「ああ、よろしく頼むよ」 胡桃「このお茶とかも京太郎がいれてくれたんだよ!」 豊音「お菓子も何時の間にか用意されてたし」 エイスリン[京太郎がテキパキ動いている絵] 白望「だるくないよ…」 トシ「おやもう皆いるのかい…珍しいね」 京太郎「朝方ぶりですトシさん」 トシ「あんたの環境適応力も驚いたもんだ…てっきりエイスリンかシロ辺りに警戒されてるかと思ったよ」 京太郎「顔見知りだったんで大丈夫でしたよ」 トシ「そうかいなら今日は須賀の歓迎会に行こうか」 一同「えっ?」 トシ「歓迎会だよ、歓迎会。何か皆で食べに行こうか。お金は気にしなくていいよ。須賀の義姉二人から渡されてるからね」 京太郎(義姉さん達に気を使わせたかな) 京太郎「なら、焼肉かバイキングにいきませんか?」 エイスリン[手で大きな丸を作っている絵] 白望「どこでもいい…ダルい」 塞「京太郎がそう言うなら私もどこでも」 胡桃「私もどこでもいいかな」 豊音「じゃあさ、皆で…」 豊音「皆でバイキングに行こうよ!」 トシ「それでいいかい?」 一同「うん」 ーーーーーーーー バイキング 塞「それじゃあ、京太郎の入部を祝って、乾杯!」 一同「乾杯!」 胡桃「京太郎、ご飯とりに行こうよ」 京太郎「いいですよ」 シロ「京太郎ー」 京太郎「わかってるよ、シロの分もとってくる」 シロ「…ありがとう」 ーーーーーー 胡桃「京太郎はなんであんなにシロと仲がいいの?」 京太郎「仲がいいのかな。会った時からあんなんだったんですよ」 胡桃「それってあれだよね、私達と麻雀を打つ前にシロやとよね達と会ってたやつだよね」 京太郎「そうですよ。ベンチにシロが居てそこで会ったんですよ」 胡桃「シロらしいね」 京太郎「俺もそう思います…こっちの方がシロは好きそうかな」シロの好みに合わせて選んでいく 胡桃「…京太郎って凄いんだね」 京太郎「えっ?」 胡桃「麻雀が強くて雑用ができて、気を使えるんだから」 京太郎「それなら鹿倉さんも凄いですよ」 胡桃「えっ?」 京太郎「皆で移動する時もシロやエイスリンを気にかけてましたよね?俺がするよりも先に。さすが年上だなって思いましたよ」 胡桃「あ、あたりまえだよ!私は三年生だからね!」 京太郎「そうですね、俺はまたまだ至らない一年生ですからご鞭撻お願いします」 胡桃「任せなさい。あっ、京太郎あそこのラザニアとって」 京太郎「はい、どうぞ。隣のピラフもどうですか?」 胡桃「もらおうかな」 京太郎「了解です」 京太郎「とってきたぞー」 シロ「あーん…」 すっ エイスリン[食べさせる絵と豊音がさびしがってる絵] 京太郎「…頼む」 エイスリン「英(まかせてよ」 ーーーー 京太郎「豊音さん、隣いいですか?」 豊音「あっ、うん!どうぞだよー」 京太郎「豊音さんはあんまり食べないんですか?」 豊音「うん。昔から小食なんだよー。京太郎君は男の子だからたくさん食べないと駄目だよ」 京太郎「これでも結構食べてるんですが…」 豊音「そういえば京太郎君って清澄高校から転校してきたんだよね?」 京太郎「ええまあ…」 豊音「じゃあさ…原村和と知り合いなのかな?」 京太郎「同じ部活でしたし、友人でしたよ」 豊音「…超ー凄いよ!テレビに出てた人と知り合いなんて羨ましいよ!」 京太郎「そうでもないよ。和もテレビで見るよりも人間らしいし」 豊音「それでもだよ。」 京太郎「また良かったら紹介しましょうか?」 豊音「う、うん!約束だよ!」 塞「京太郎!」 京太郎「どうかしました?」 塞「いや、その…引っ越してきたばかりで場所がわからないだろうから今度の日曜日に案内しようかなって」 京太郎「それはお願いします…あっ、塞、動かないで」 塞「えっ?」 スッ… 京太郎「ご飯粒がついてた」 パク… 塞「なっ!」 京太郎「ビビンバかな…俺も食べようかな」 塞「うぅ……」真っ赤 ーーーーー トシ「それじゃあ気をつけて帰るんだよ」 豊音「それじゃあ京太郎君、また明日!」 塞「気をつけて帰ってね!」 胡桃「またね、京太郎」 京太郎「さて…こっちであってるよな」 トントン ??「……」 白望「京太郎…」 ギュ… 京太郎「あれ、シロは塞と帰ったんじゃ…」 白望「……今日、家に人がいないんだ」 京太郎「それで…?」 白望「家事がダルい…」 京太郎「…もしかして」 白望「うん…」 京太郎「駄目だ」 白望「……離れないよ?」 京太郎「塞に連絡を…」 白望「さっき…塞の携帯の電源を切った…」 京太郎「な、なんだと…そ、そうだ、親御さんが許さない」 From 小瀬川母 ダルくない相手ならいいんじゃない? 京太郎「ガッデム…神は死んだのか」 ギュ… 白望「ダルくない…」 京太郎「ただいまー」小声 白望「…おじゃまします」 カピー「パカパカ(また数奇な女を連れて帰ってきたのか…愛情や友情じゃない…ただの依存か…優秀過ぎるのは罪だな。姉共は昼からタイトル戦でいないから。命拾いしたな」. 白望「カピバラって喋るんだね…ダルい…」 京太郎「気のせいだと思っててくれ」 白望「うん……京太郎、お風呂」 京太郎「……まじで家事をさせるつもりか」 白望「うん……駄目だった?」 京太郎「嫌なら家に連れてこないぞ…風呂は自動設定してるからもう湧いてるぞ。洗濯物は右の白い洗濯機にいれてスタートを押してくれたら明日の朝には綺麗になるから……寝巻きは義姉のジャージでいいよな」 白望「わかった…」 夜 白望「おやすみ…」 京太郎「ああ、おやすみ」 ガチャ… 京太郎「客人の部屋を先に整えていてよかった…俺も寝よう」 ーーーーーー 深夜 白望「…う…お小水」 モゾモゾ… ガチャ… 白望「…あれ、部屋どこ…ダルいな」 ガチャ… 京太郎「……zzz」 白望「…」 モゾモゾ 白望「………」 白望「…京太郎、お小水…」 ゴシゴシ… 京太郎「うん……義姉さんまた怖い話をみたの?…トイレはこっちだよ」寝ぼけている ギュ… 白望「……」 京太郎「待っててあげるから…」 白望「…うん」 数分後 白望「おんぶ…」 京太郎「……今日だけだぞ…」 ギュ… 白望「だるくない…」 ガチャ… 京太郎「うん…」降ろす モゾモゾ… 京太郎「おやすみ…zzz」 白望「京太郎の部屋なんだけど…ダルいからいいか」 モゾモゾ 白望「…………さむい」 スゥ…京太郎の方を向く 京太郎「…zzz」 モゾモゾ… ギュ… 白望「…悪くない」 数分後 白望「……」 ギュっ 白望「………zzz」 ーーーーーーー 京太郎「トイレ、あれ…」 ギュ… 白望「……zzz」 京太郎「……動かないだと…」 モゾモゾ…腕を動かすが離れず 京太郎「…シロ」 白望「……zzz」 ゆさゆさ… 白望「…っ?」 京太郎「腕はなしてくれないか?」 白望「うん…」 バッ… 京太郎「ありがとう」 モゾモゾ…ガチャ… 京太郎「…トイレ、トイレと…」 数分後 ガチャ… 京太郎「やっぱり寝てるよな」 白望「………zzz」 京太郎「……床で寝るか」 ズルズル…毛布をだしてきて 京太郎「…おやすみ…zzz」 早朝 ??「……」 白望「……京太郎?」 モゾモゾ… 京太郎「……zzz」 白望「……」 モゾモゾ…ギュ… 白望「依存か……京太郎はどっちがいいんだろう?」 京太郎「…zzzz」 白望「今はいいかな…考えるのダルいし……zzz」
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「かがみー。今日の巫女の手伝い、代わってくれないかなー?」 日曜日の早朝。わたしの部屋にきたまつり姉さんが、突然わたしにそんなことを頼み込んできた。 「先週、わたしがやったじゃない…なんでまたわたしがやらなきゃいけないのよ」 今日は特に用事があるわけじゃない。でも、まつり姉さんの頼みごとはなんか引き受けづらい。 「いやー、大学のレポートが遅れちゃって…頼む!この通り!」 両手を合わせてわたしを拝み倒すまつり姉さん。嘘は言ってないみたいだし、本当に切羽詰っているなら代わってもいいかな、と思う。 でも、どうしてこういう状況になる前にしっかりやっておかなかったのか…そう思うと、やっぱり身勝手なお願いだと思い直した。 「レポートなら、手伝いが終わってからでもできるでしょ?」 「それが出来るなら頼みにこないよー…」 わたしの言い分に、ばつが悪そうに頭をかきながらまつり姉さんはそう答えた。どうやら相当溜め込んでたらしい。 不快感が自分の顔に出てるのがわかる。こりゃ、またやっちゃうな。 「そーだ!今度美味しいスィーツ奢ってあげるよ!」 名案だとばかりに嬉しそうに言うまつり姉さん。 「…お生憎様。今ダイエット中よ」 冷たく突き放すようにわたしがそう言うと、まつり姉さんの顔がムッとなる。 「あ、じゃあレポートの方をかがみが代わりに…」 「それ、正気で言ってる?」 我ながら酷い言い方だと思う。 「…なによ、人が下手に出てたら…」 さすがにカチンときたのか、まつり姉さんの声色が変わる。ホント、なんでいつもこうなるんだろうか。 「まつりー!時間よー!早くきなさいよー!」 階下からいのり姉さんの声が聞こえた。それを聴いたまつり姉さんの動きがピタリと止まる。 そして、諦めたようにわたしの部屋から出て行った。いのり姉さんまで怒らせるのは、得策ではないと判断したんだろう。 「…まつりお姉ちゃん。わたしが代わろうか?」 まつり姉さんが部屋から出た直後に、外からつかさの声が聞こえた。あの子が、日曜のこんな時間に起きてるなんて珍しい。 「マジで!?じゃ、つかさ任せた!」 パタパタと小走りで去っていくまつり姉さんの足音。わたしはため息をついてベッドから降り、部屋のドアを開けた。 「つかさ、あんな頼み引き受けなくていいわよ…ってか聞いてたの?」 そして、廊下に立っているつかさにそう言った。 「え、あ、その…なんかまた喧嘩になりそうかなって…」 止めに入る機会でも伺ってたんだろうか。でも、まつり姉さんとの喧嘩を、つかさにとめられたことは無かった気がする。 「で、なんで引き受けたの?」 わたしがそう聞くと、怒られるとでも思ったのかつかさがばつの悪そうな顔をした。 「まつりお姉ちゃん、大変そうだったから…」 「大変なのは、姉さんの自業自得よ。普段からちゃんとしてれば、こんなことならないんだからね」 少々強い口調でわたしがそう言うと、つかさはうつむいた。 「そ、そうだよね…それは…そうなんだけど…」 しまった。なんで何も悪くないつかさに、わたしは説教じみたことしてるんだ。 「…でも…えっと…あ、も、もう行かなきゃ」 何か言いかけたつかさが、急に顔を上げて小走りに階段に向かう。 「え?ちょ、つかさ!」 何を言おうとしたのか気になって呼び止めようとしたが、つかさはそのまま階段を下りて行ってしまった。 わたしはなんとなく煮え切らない気分のまま、朝食をとろうと階段に向かった。 「おはよう、お母さん」 「おはよう、かがみ」 台所に居たお母さんに挨拶をして、わたしはテーブルに着いた。テーブルの上には二人分の朝御飯。わたしと、もう一つはつかさの分だろうか。 「…つかさ、まだ朝御飯食べてなかったんだ」 わたしがそう呟くと、お母さんがこっちを見て首をかしげた。 「そう言えばまだ来てないわね。どうしたのかしら?」 お母さんの言葉に、わたしはため息をついた。 「いのり姉さんの手伝いに行ったわ」 「あら、今日はまつりじゃなかったかしら?」 「そうなんだけど…まつり姉さんが代わってくれってわたしのとこに来て、それで断ったら…」 「つかさにお鉢が回っちゃった?」 わたしの言葉を遮るように、お母さんがそう言った。結果的にはそうなったけど、何かそれは違う気がする。 「…つかさが自分から代わるって言ったのよ。そんな必要ないのに。大体、まつり姉さんがちゃんとしてたらこんなことに…」 「はいはい。お小言はそれくらいにして、早く食べちゃいなさいね」 またしてもお母さんに話を遮られる。確かにお母さんにするような話じゃないんだけど…。 なんか今日はうまくいかない。わたしは少しイラついた気分で朝食のパンをかじった。 「そういえば、今日はこなたちゃんのところに行くんでしょ?…つかさは神社の手伝いしてて大丈夫なのかしら?」 わたしが朝食を食べ終わるころに、お母さんが神社の方を見ながらそう聞いてきた。 「こなた?」 わたしが思わずそう聞きかえすと、お母さんは不思議そうに首をかしげた。 「あら、違うの?つかさがこなたちゃんの家に行くから起こして欲しいって言ってたから、てっきりかがみも行くんだって思ってたんだけど…」 「ううん。今初めて聞いたよ」 お母さんにそう答えてから、わたしは考え込んでしまった。 つかさが早くに起きていた理由は分かった。でも、なんで手伝いを代わったかという、新しい疑問が湧いてくる。 つかさがこんな時間から、約束もせずにふらっとこなたの家に遊びにいくとは考え難い。かと言って、約束をすっぽかして家の手伝いをするとも考えられない。 そもそもこなたと遊ぶ約束するなら、わたしに何も言わな…いや、こういうのはつかさのプライバシーだし、突っ込むのは野暮だろう。けっしてハブられたのが悔しいとかそう言うことでは無いはず…いやいや、そう言うことじゃなくて、えーっと。 と、考え込んでるわたしの前にチャリンと音を立てて何かが置かれた。見てみるとそこにあったのは金属製の鍵。わたしが顔をあげると、お母さんが少し困った顔をしていた。 「いのりね、倉庫の鍵を忘れていったみたいなの…」 「わたし、いってくる」 お母さんがすべて言い終える前に、わたしは鍵を掴んで玄関に向かっていた。 「…やられた」 わたしは倉庫の前で、ガックリと肩を落としてそう呟いた。 目の前には扉の開いた倉庫。手に持った鍵を良く見ると、お父さんの達筆な字で『予備』と書かれたタグが付いていた。 つかさのところに行きやすいようにって、お母さんの配慮なんだろうけど、こんな回りくどいこと…しないと、来なかったんだろうなあ、わたしは。 『そんなに気になるなら、直接つかさに聞いてみたら?』 『やめとく。つかさだって子供じゃないんだから、いちいちわたしが色々言わなくても…』 とかいう会話になってたんだろうな…我ながら難儀な性格だ。こんなんだからこなたにツンデレだのなんだの言われるんだろう。 「…思ったより早く終わったね」 「そうね、お昼過ぎると思ってたんだけど…」 少し離れたところから聞こえてきた声に、わたしは思わず隠れてしまった。 …えーっと、なんで隠れるのわたし。しかも倉庫の中に。二人の話し声が扉のすぐ前まで来た。今入ってこられたら、すごく間抜けなんだけど。 「…そういえば、つかさ。どうしてまつりと代わったの?」 聞こえてきたいのり姉さんの声に、わたしは自分の状況も考えずに扉に身体を寄せて聞き耳を立てた。 「えーっと…かがみお姉ちゃんとまつりお姉ちゃんが喧嘩になりそうだったから…あのまま終わっちゃったら、二人とも気まずいだろうし…」 お人好しにも程がある。思わず言いそうになった言葉を、わたしは喉の奥に押し込めた。わたしたちの事なんか何時もの事なんだから、気にせずにこなたの家に遊びに行けばよかったのに。 「またあの二人…まつりもそうなるの分かりそうなものなのにね。なんでかがみに頼みに行くんだろ」 いのり姉さんがため息混じりにそう言った。 「きっと、まつりお姉ちゃんもかがみお姉ちゃんのこと頼りにしてるからだよ」 にこやかな表情が想像できそうな声でそういうつかさ。いやー、嫌がらせだと思うよわたしは。 「そんなものかしらねえ…つかさがかがみを頼りにするってのなら分かるんだけど…そういえば、つかさとかがみは喧嘩しないわね。少なくともわたしは見たこと無いんだけど」 言われてみれば、わたしもつかさと喧嘩した覚えがない。 「お、怒られるのはしょっちゅうあるけど…」 いや、つかさ。そんなことは言わなくていいから。 「まあ、つかさとかがみじゃ喧嘩にならないか…っていうか、つかさは誰とも喧嘩にならない気がするわね」 わたしもそう思う。怒られてキレたりとかしないし、ましてやつかさから喧嘩売るなんて天地が引っくり返ってもないだろう。 「わたし、臆病だから…そう言うこと怖くて出来ないよ」 「そう?つかさって結構知らない人にも話しかけたりするじゃない」 「そ、そんなに誰でもってわけじゃないよー」 うん。つかさは引っ込み思案なところがあって、誰にでも気軽に話しかけたりするわけじゃない。ただ、相手が困ってるとわかると、自分の状況考えずに助けようとするのよね…今日みたいに。 「…初めて巫女の手伝いをしたときね、わたしまつりお姉ちゃんとだったんだ」 唐突につかさがそんなことを話し始めた。そうだったっけ?と記憶をたどってみたが、いまいち思い出せない。 「かがみとじゃなかったんだ」 いのり姉さんが意外そうな声を出す。双子だからか、つかさはなにかとわたしと組まされることが多いからね。 「うん…それでね、御守り売る手伝いしてたんだけど、わたしずっと怖がってたんだ。お祈りしてる人がちょっと怖そうな人で、こっち来たらどうしようって」 ああ、それはわかる気がする…ってか、つかさでなくてもちょっと身を引いてしまうと思う。 「そしたら、隣に居たまつりお姉ちゃんが言ったんだ『あれは絶対カツラよ。あの人、髪の毛が生えますようにってお祈りしてるわ』…って」 アホか。 「アホか」 うわ、いのり姉さんと突っ込みかぶった。 「それでね、その人結局御守りは買いにこなかったんだけど…休憩時間にお散歩してたら、外れの方にその人がいたんだ…なんだか凄く悩んでるっていうか、困ってるていうか…そんな感じで」 まったく聞いたこと無い話に、わたしはじっと聞き耳を立てていた。いのり姉さんも同じらしく、相槌が聞こえなくなっていた。 「どうしようか迷ってたら、まつりお姉ちゃんの言葉を思い出したの。ホントにそうなら、そう怖い人じゃないのかなって思えてきて…何が出来るかわからないけど、とにかく話しかけてみようって思って…その…『髪の毛無くても大丈夫ですよ』…って、言っちゃって…」 ………わ、笑うな。笑うな私…ここで笑ったら隠れてるのばれるでしょ…ちなみにいのり姉さんは遠慮なく爆笑してる。 「怒られたでしょ、それ…」 ひとしきり笑ったいのり姉さんが、つかさにそう聞いた。まあ、見知らぬ女の子にいきなり頭髪の心配されたら、いい気分にはならないでしょうね。 「ううん…その人、しばらくポカンとした後ね、凄く笑ったよ。今のいのりお姉ちゃんみたいに」 なんだか意外な反応だ。 「それで、しばらくお話ししたんだ。その人、いろんなこと知ってて、凄く楽しかった…それで、別れ際にね『楽になったよ、ありがとう』って言ってくれて…」 ああ、そっか…話すだけで楽になることもある。相手がつかさならなおさらだ。結構聞き上手なのよね、この子。 「…まつりお姉ちゃんの所に戻って、そのこと話したら言われたんだ『よかったね』って…わたし、思ったんだ。まつりお姉ちゃんはもしかしてあの人がなにか悩んでるってわかってて、話すきっかけになるようにあんな事言ったんじゃないかなって」 「それは…流石に考えすぎじゃないかしら」 つかさの言葉に答えるいのり姉さんの、苦笑する顔が目に浮かぶ。わたしもまつり姉さんがそこまで考えていったとは思えない…思えないけど、きっかけだったことには変わりない。 「そうかも知れないけど…でも、やっぱりわたしが少しでも人と話せるようになったのは、まつりお姉ちゃんのおかげだと思う。あの事が無かったら、わたしは今でもなんにも出来ないままだと思うから」 心底嬉しそうに話すつかさ。そのつかさのお人好しの大元が、よりにもよってあのまつり姉さんだとは…。 「あの、まつりが…ねえ」 いのり姉さんも少し信じられないようだ。 「…あ、あれ。わたし箒どこに置いたっけ…」 少し話の余韻に浸ってると、つかさが急に慌てたような声を出した。 「どこって…もう、忘れてきたんでしょ。戻るわよ」 呆れたような可笑しいような。いのり姉さんはそんな感じでそう言った。 二人の声が遠ざかった後、わたしはこっそり倉庫を出て家に戻った。 その途中、さっきのつかさの話を思い出していた。 つかさのお人好しの原点。あの子の美点ともいえるそれを引き出したのが、あのまつり姉さんだということ。 それがなんというか…悔しいというか…つかさのことは、なんでもわたしが一番だと思ってたのに。 双子だから、近すぎるから、見えないことや伝わらないこともある…ということだろうか。 まとまりそうに無い考えを色々とこね回しながら、わたしは家の玄関を潜った。 家に入ったわたしは、お母さんに鍵を返しながら文句を言った後、自分の部屋に戻った。 お昼までもうすぐと言ったところで、いのり姉さんとつかさの声が階下から聞こえてきた。結構時間かかったみたいだけど、つかさは箒をどこに忘れてきたのやら。 ふと、わたしはつかさにこなたとの事を聞こうと唐突に思った。巫女の手伝いを代わったのは、わたしとまつり姉さんのためだとはわかったけど、こなたとの事はどうなったのか、なんとなく気になったのだ。 わたしは椅子から立ち上がると、自分の部屋を出てつかさの部屋に向かった。 「つかさ、入るわよ」 軽くノックして、返事も待たずにドアを開けて部屋に入る。 家族の中でもわたしとつかさの間柄だから許される行為で、この前まつり姉さんの部屋に入るときにやったら、『ノックの意味無いじゃない』って怒られたっけか…いや、今はそんなこと関係ないわね。 「お姉ちゃん。どうしたの?」 ベッドの上に座っていたつかさが、軽く首をかしげながらそう聞いてきた。どこかに電話してたのかメールでも打ってたのか、手には携帯を握っている。 「えーっと、まあその…今日はごくろうさま。悪かったわね、巻き込んだみたいで…」 「ううん、大丈夫。わたしが出来ることってこんなくらいだし」 わたしの言葉に、笑顔で答えるつかざ。うーん、改めて考えると、ほんと双子なのかと疑わしくなるくらいお人好しだ。 「でも、今日こなたの家に行くつもりだったんでしょ?お母さんがそう言ってたけど」 わたしがそう言うと、つかさの表情が凍りついた。なんだろう、嫌な予感がする。 「…うん…その…つもりだったんだけど…」 うつむきながら、歯切れ悪く答えるつかさ。これは絶対何かあった。 「…こなたと何かあったの?」 「ちょっと…えっと…」 うつむいたまま呟くつかさ。相当言いにくいことらしい。わたしはつかさの座って、その顔を覗き込んだ。 「何があったの?言ってみて」 わたしは少し強めの口調で聞いた。こういう時のつかさは押すに限る。何があったにせよ、わたしに何が出来るかにせよ、とにかく話を聞かないと、文字通り話にならない。 「…あの…先週、こなちゃんち行った時に…」 先週…金曜日ね。こなたが見せたいものがあるからって、学校の帰りによったんだっけか。 「その時にね…こなちゃんの部屋にわたし一人になったでしょ?」 「うん。なんか見せたいものがおじさんの部屋にあるからって、こなたに連れ出されたのよね」 「…わたし、部屋にあったこなちゃんのお人形に手を引っ掛けちゃって、落としちゃって…首がとれて…」 お人形って…フィギュアのことか。 「それで…わたし、元に戻してそのまま帰ってきちゃって…昨日、こなちゃんから電話があって…『つかさでしょ』って…」 わたしはどういって言いか分からず、泣きそうなつかさの顔をただ見ていた。 「謝らなきゃいけないって思ったのに…思ったのに…わたし、『こなちゃんがあんなところに置いとくのが悪い』って言っちゃって…」 最悪だ。なんというか、あまりにもつかさらしくない。 「こなちゃん凄く怒って…今日何とか謝ろうって思ってたんだけど…朝、お姉ちゃんたちの話し聞いたら、つい…」 逃げた。そう言うことだったのか。もちろん、つかさがわたし達の喧嘩を止めたかったというのは嘘じゃないだろう。でも、それ以上にこなたから逃げたかったのだろう。 「どうして、最初に…フィギュアを落としたときに謝らなかったの?」 わたしがそう聞くと、つかさは首を横に振った。 「怖かったの。こなちゃんがこういうのすごく大事にしてるって知ってたから…こなちゃん普段怒らないから、怒ったらどうなるんだろうって…もしかして、ばれたら友達じゃなくなるんじゃないかって…そう思ったら、謝れなくなって…隠さなきゃって思って…」 これは、どうすべきなんだろうか。つかさが謝ったのに、こなたが意地を張って許さないってのならまだ対処のしようもある。わたしが間に入ってなんとかなだめれば良いだけだ。 しかし、今回はつかさが全面的に悪い。フィギュアを落としたのが事故なのだろうけど、その後が悪すぎる。わたしが間に入れば余計にこじらせる可能性もある…いや、こなたとわたしの間柄を考えると、確実にこじれるだろう。 とにかくなんとか助言だけでもしないと…と、焦るわたしの頭に、なぜかまつり姉さんの顔が浮かんだ。 「…つかさ、今からこなたのところに謝りに行きなさい」 そして、わたしはつかさにそう言っていた。 「…え…でも…」 つかさが顔を上げる。わたしの方を見たその顔は、酷く怯えた表情を見せていた。 「大丈夫、うまくいくから。わたしが保証するわ」 そのつかさに、わたしは出来うる限り優しく話す。躊躇する気持ちはわかるけど、ここはなんとしても背中を押さなければならない…たぶん、それが最善だから。 「もしうまくいかなかったら…その時は、わたしの事殴っても良いから、ね」 つかさはしばらく迷った後、恐る恐るうなずいた。 つかさの部屋を出て自分の部屋に戻ると、わたしは携帯を開いてこなたにメールを打った。 「今からつかさが謝りに行くわよ…っと」 送信し、携帯を机に置こうとすると、着信音が鳴った。携帯を開いてみるとこなたからの返信だった。その過去最速の早さに、わたしは自分の考えが間違ってなかったことを確信した。 昼食のテーブルに着くと、お母さんがわたしの方を見て首をかしげた。 「つかさはどうしたの?」 「こなたの家に行ったわよ。昼食はいらないみたい」 わたしが答えると、お母さんはやれやれといった感じでつかさの分のお皿を片付け始めた。 「つかさ、謝りに行くことにしたのね」 わたしの隣に座っていたいのり姉さんがそう呟いた。 「知ってたの?」 「仕事の片付けしてる時に、つかさが話してくれたのよ」 わたしが倉庫から帰ってきた後だろうか。二人が帰るの遅かったのは、その話をしてたからなのかな。 「わたしはこなたちゃんの事あんまり知らないから、相談するならかがみがいいって言っておいたけどね」 「そうね。いのり姉さんが適当なこと言ったら、余計ややこしくなりそうだし…」 わたしが茶化すようにそう言うと、いのり姉さんは不機嫌そうな顔をした。 「まつりじゃあるまいし、そんな適当なこと言わないわよ」 「…そこでわたしか」 今度はまつり姉さんが口を尖らせる。こういう連鎖っぷりはさすが姉妹だと思う。 「なんていうか…つかさは結構深刻っぽかったけど、かがみはあんまり心配してなさそうね」 いのり姉さんがわたしの方を見ながらそう言った。わたしは、少し上を見ながら頬をかいた。 「んー…なんていうんだろ。なんとなく似てるっていうのかな…」 そして、まつり姉さんの方を横目で見た。わたしの視線を追ったいのり姉さんは、納得したように微笑んだ。 「なるほどね。怒るの、続かないんだ」 「え、なに?わたしがなに?」 まつり姉さんは急に視線が集まったことに戸惑ってる。たぶん、もう今朝喧嘩しかかったことなんか、どうでも良くなってるのだろう。 「…こなたはこんな風じゃなくて、つかさに怒ったの後悔してたみたいだけどね」 わたしの呟きに、まつり姉さんはますますわからないと言った風に、首をかしげた。 「んー、なんなのよ…」 「なんでもないよ…それより、レポートの方は順調なの?」 わたしがそう聞くと、まつり姉さんはそっぽを向いた。頬に冷や汗が流れてる。なんか嫌な予感。 「…いや…それが…えっと…かがみ!レポート手伝って!」 今朝と同じように拝み倒してくるまつり姉さん。高校生にレポート手伝わせる大学生ってどんなだ。 「…いいわよ。わたしの分かる所だけならね」 突っ込もうとする心を抑えて、わたしはそう答えていた。 「え…」 「あら…」 「へ?」 いのり姉さんやお母さんはともかく、言いだしっぺのまつり姉さんまで目を丸くしてる。そんなに意外な答えだったのだろうか。 「たまには…ね」 今日くらいはまつり姉さんの理不尽に付き合ってもいい。わたしはそう思っていた。 以下、余談。 つかさは夕飯が終わったころに、上機嫌で帰ってきた。 なんでもお詫びにと、こなたの家で夕飯を作ってあげてきたらしい。 誤りに行った人間が楽しんできてどうするんだと思ったけど、それもまたつかさらしいなとも思う。 何はともあれ、全部丸く収まってよかったと思う。 まつり姉さんのおかげ…と言うほどではないと思うけど、きっかけにはなったはず。 わたしは未だ終わらないレポートを手伝いながら、まつり姉さんのことを少しだけ見直していた。 ………にしても、ホントにこれどんだけ溜め込んだのよ。 ― おわり ― コメント・感想フォーム 名前 コメント なんだか、ほのぼのしました。 -- チャムチロ (2014-05-11 16 10 02) こんなに楽しい家族うらやましいですw -- 名無しさん (2010-10-14 22 57 19) なんかこういうの好きです。 姉妹・家族が多いと良いですよね。 良いことも悪いことも有るけど楽しそうだ。 少し憧れるかも…。 -- 名無しさん (2010-08-13 23 24 31)
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雨が降り注ぐ近代都市を、重武装の神姫が滑るように移動していた。 その神姫は背中のブースターを全開にし、その巨躯からは想像もつかないほどの速度でビルの谷間を翔ける。 その姿は・・・神姫と言うよりは・・・・一体の機動兵器の様だった。 「・・・・・・・・目標確認、破壊、する」 機動兵器の彼女は小声でそう呟く。元々声の大きい方ではないからだ。 『うん。なかなか調子がいいじゃないか。ブレードよりもこう言う兵器系に向いてしまったのはなんとも皮肉なもんだが・・・・まぁいいか。それよりもノワール』 「なに」 『今日一日の感想はどうだい?』 「・・・・・それを・・・どうして・・・・聞くの?」 ノワールはそういいながらビルの陰から現れたターゲットを破壊する。 右手のライフルの残弾は・・・・残り僅か。 『どうしても何も、ハウはもう寝てるしサラに聞くわけにもいくまい。私達が見たのは暗闇で何か話していた二人だけだ』 「・・・・・・・・・・・」 彼女の主の言葉を無視しマグチェンジ。 その間も左手に装備したライフルは火を吹き続けている。 『おぉっと。わからないという返答はなしだよ? 具体的な意見を聞くまでは、このトライアルは終わらないし終わってもその武装は使わせてあげませんからね?』 多分、クレイドルで寝ている自分の傍にはニヤニヤ笑った主がいるのだろう。ノワールはそう思った。 意地が悪い。 「・・・・多分・・・二人・・・好き合った・・・・でも・・・・」 ・・・・でも、なんだろう? 何か違うような、そうでないような。そんな感じがする。 『・・・・ふむ。つまり微妙な状態なわけだな』 とうとう右手のライフルの残弾がなくなった。 ノワールはライフルを捨てると、左手のライフルを右手に持ち返る。 そのまま空いた左腕で、近くまで来ていたターゲットを殴った。ターゲットはよろめき、その隙にライフルで止めを刺す。 それと同時にアラームが鳴り響き、ノルマをクリアした事を知らせた。 『ん? 随分と早いな。もう二百体倒したのか。・・・・・AC武装は物凄い相性がいいな。メインこれで行こうか』 「ヤー、マイスター」 * クラブハンド・フォートブラッグ * 第十九話 『出現、白衣のお姉さま』 「ちょっと! 何で起こしてくれなかったのよ!! 遅刻確定じゃない!!」 「そうは言われましても。何度も起こしたのですが・・・・まさかハバネロが効かないくらいに眠りが深いとは」 「どおりで口の中がひりひりするわけね! 毎度の事ながらあんたには手加減って言葉が無いの!?」 「――――――わたしは相手に対し手加減はしない。それが相手に対する礼儀と言うものなのです」 「無駄に格好いい!? あんたいつからそんなハードボイルドになったの!?」 「時の流れは速い・・・というわけでハルナ。わたしと話すより急いだ方がいいのでは?」 「あんたに正論言われるとムカつくのはなぜかしらね・・・・?」 朝、目が覚めたときにはもう八時を過ぎていた。 普段私を起こすのはサラの役目だけどさ。流石にこういうときは起こしに来てよお母さん・・・・・・。 大急ぎで制服に袖を通し、スカートのファスナーを上げる。 筆箱は・・・あぁもう!! 「何か学校行くのがだるくなってきた・・・・休もうかしら」 私がそういうと、サラが驚いた顔で見つめてきた。 え、なに? 「・・・・珍しいですね。普段なら遅刻してでも行ってたのに。と言うか無遅刻無欠席じゃないですか。行ったほうがいいのでは?」 「ん・・・でも何か面倒になっちゃってね。・・・別にいいじゃない。たまには無断欠席も。それに・・・・・」 学校には、八谷がいる。 昨日の今日でどんな顔をしたらいいのか判らない。 お互いにはっきり言葉にしなかったとはいえ・・・・OKしちゃったわけだし。 「うん、決めた。今日はサボる。サボって神姫センター行って遊びましょう!」 「・・・・・まぁ、別にいいですけれども」 そうして辿り着いた神姫センターには、当たり前と言うかなんと言うかあんまり人がいなかった。 まぁ月曜日だし午前中だし。来ているのは自営業さんか私みたいなサボり位だろうけど。 それでも高校生と思しき集団がバトルしてたのは驚いた。まぁ多分同類だと思うけど。 ・・・・でも強いな。あのアイゼンとか言うストラーフ。 砂漠なら・・・勝てる、かも? 「それにしてもなんだか新鮮ですね。人が少ない神姫センターというのも」 「平日はこんなものじゃない? 仕事や学校あるし。・・・・あぁでも最近は神姫預かる仕事も出来たんだっけ」 「そんな職業があるのですか。なんと言うか、実にスキマ産業的な・・・・所でハルナ、わたしは武装コーナーを見たいです」 私はサラの言葉に苦笑しながらも、センターに設けられた一角に向かって歩き出す。 このセンターは武装やら神姫本体やら色々揃ってたりするので結構お気に入りだ。筐体もリアルバトル用とVRバトル用の二種類を完備してるし。 とりあえず売り場についた私はサラを机に乗せ、商品を自由に見せて回る。・・・・買うつもりは無いのよ。 そうこうしているとサラが一挺の拳銃のカタログを持ってきた。 「ハルナ、このハンドガンなんてどうでしょうか」 「・・・いや、そういうの良く判らないんだけど」 「なんと!! ハルナはこの芸術品を知らないと!? このマウザーは世界初にして世界最古のオートマティックハンドガンなのです。マガジンをグリップ内部ではなく機関部の前方に配置しているのが特徴でグリップはその特徴的な形から『箒の柄』の異名で呼ばれています。かつては禿鷹と呼ばれた賞金稼ぎ、リリィ・サルバターナや白い天使と呼ばれたアンリが使用した銃として有名ですね。さらにこの銃、グリップパネル以外にネジを一本も使用しないというパズルのような計算しつくされた構造を持っておりこの無骨な中に存在するたおやかな美しさが今もマニアの心を魅了し続けて ―――――――――――」 「あ、この服可愛いー。でもレディアントはサラに合わないかな」 「ひ、人の話を聞いていないッ!? そして何故ハルナではなくこのわたしがこんなに悔しいのですかっ!?」 ふふん。ささやかな復讐なのよ。 「でもさ、だったらそんなへんてこな銃じゃなくてこっちの馬鹿でかい方が強いんじゃないの?」 「ぬ・・・わたしのツッコミを無視して話の流を戻すとは。いつの間にそんな高等技術を・・・・それはともかく、確かに威力が多きければ強いと言えなくもないですね。でもそのM500は対人・対神姫用としては明らかにオーバーパワーです。リボルバーですから装弾数も期待できませんし」 「ふぅん。数ばらまけないのはきついわね」 威力だけじゃ勝てないってことか。 サラのマニアックな説明はそもそも理解する気が無いけれど、戦闘に関してはさすが武装神姫。私よりも知識が多い。 ・・・うん、この後バトルでもしてみようかしら。 どうせ暇だし、作戦を立てたり実力を図る意味でもバトルはしたいし。 「ねぇサラ。この後さ ――――――」 「ん? こんなところで何をやってるんだお前」 と、サラに話しかけようとしたら逆に後ろから誰かに話かけられた。 振り向くと・・・・そこにはなぜか白衣を着たお姉ちゃんが立っていた。胸ポケットにはノワールちゃんだけが入っている。 「え、何で白衣?」 「第一声がそれかね。これはバイトの仕事着だよ。それよりもお前、何でこんなとこいるんだ? サボりか」 「え、えと・・・・それはですね・・・なんと言うか」 まずいことになった。 そういえばここら辺はお姉ちゃんのテリトリーだったっけ。 ここで見つかってお母さんに告げ口されたら・・・・! 「ん・・・あぁ別に怒ってるわけじゃないんだよ。サボりなら私もよくやったさ。仲のいい三人組で遊びまわったもんだ」 そういってお姉ちゃんは笑った。 よかった。告げ口されたらどうしようかと。 「そっか・・・・そういえばハウちゃんはどうしたの? ノワールちゃんだけだけど」 「アイツは定期健診。今神姫用医務室にいるよ。それよりも、暇だったら一戦やらないか? 今バイトの方も暇だしな」 お姉ちゃんはサラの方をチラリと見ながらそう言った。 サラがどうかしなのだろうか。 「うん、いいよ。それじゃ筐体の方へいこう。・・・サラ、おいで」 「承知です」 断る理由の無い私達はお姉ちゃんの誘いに乗った。 戻る進む