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あなたをさがして【登録タグ KENTAsan あ 巡音ルカ 曲 桜♪椛】 作詞:桜♪椛 作曲:KENTAsan 編曲:KENTAsan 唄:巡音ルカ 曲紹介 スタイリッシュでメロディアスなカッコイイ曲。 セクシー且つ、クールで切ない歌詞にも注目です。 間奏のシルエットは、作詞者の考えによるものだそう。 歌詞 何処へ行ったの? 貴方は あの日の事など忘れて きっともう 覚えてないわ なのに 会いたくなる… 今更だけど 私は 一夜(いちや)限りだと知ってても 少しずつ 心惹かれてゆくのを感じてた 本気の恋なら要らないわと 思っていた だけど もう遅い 私… 貴方に心盗まれてしまった ズルい 酷い 返して下さい早く あんまりよ 貴方はそんな人? 意地悪なのね 早く 此処へ戻って来て …虚しいわ 街中(まちなか)を行く 気付けば 無意識に貴方を探す 分からない 何処にもいない ひとり 立ち尽くして ふと横切った 影すら 貴方の面影を重ねて 『もしかして!?』振り向いてもね 其処にはいないから... 諦めなければいけないのと 分かっている けれど 出来ないわ だって… 知らないうちに傾いていたのよ 『違う、違う!』何度も言い聞かせてた 無理だった 次第に割り切れなくなっていった こんな事で ココロ折れそうだなんて――… 『好きよ…』 言いたい、言えないわ。思い絡まる こんな 気持ち掻き乱すなんて貴方 最低ね だけど好きになったのは私からで こっちの勝手にすぎない 情けない そうよ 初めはこんな風になるなんてね 思ってなかったわ 今はこれ程に 切ないの お願いよ 身も心も求めてる 巡り会えるように願う ただ 強く… コメント 名前 コメント
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はっぴーえんどはつづかない【登録タグ v flower は ミリ子 心華 曲】 作詞:ミリ子 作曲:ミリ子 編曲:ミリ子 唄:flower・心華 曲紹介 アンチヒーロー躍らせろ! illustration:琴葉猫 歌詞 (piaproより転載) ねえ ほらそうやって 手を振ってほら 子供みたいに ねえ ほらそうやって 手を引いた また子供騙しって ほら僕は傷付いてまた昨日みたいに ねえほら君も気付いてんでしょ?本当はさ 「明日雨になるよ だってね祈ったんだ ねえまたあの日の事 再現しようか」 弾けた馨る鉄の声と涙流すBB弾 夢掴め 此処はインセプションだ 蜘蛛の糸は無い 此処に残れよ アンチヒーロー踊らせろ ああ ほら君は手を取ってまた助けてと言う ねえ ほら僕は夢見たくて求めてしまったんだ それは紛れも無いまやかしなのに ああほら君は手招いて笑う「本当はね?」 明日君が死んで僕が独りでも 例え話だから まだ笑えるんだ 霞んだ目 舞い戻った聖地 其処で暮らすエイリアン 武器掴め壊せアウェイ戦だ 蜘蛛の糸は無い 此処に残れよ アンチヒーロー踊らせろ ひとつ ふたつ 不協指数が 影を連れてしとしと笑う 黒い穴の中に居たいんだって夢をひろげた 縋る君のアタマを割る 弾けた馨る鉄の声と涙流すBB弾 夢壊せ此処はインセプションだ 蜘蛛の糸はとうに切れた 武器掴め壊せアウェイ戦だ 嘘の君と共に消えるよ アンチヒーロー踊らせろ ねえ まだそうやって居るの? ねえ まだ手招いて云うの? ねえ まだ君が見える 其れはエミュレータ? 「明日君が死んで僕が独りでも 例え話だから まだ笑えるんだ」 コメント 名前 コメント
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ちるくれなゐ【登録タグ ち ナナミP 曲 鏡音レン】 作詞:ナナミP 作曲:ナナミP 編曲:ナナミP 唄:鏡音レン 曲紹介 輪廻転生と再会の物語。 ナナミP の9作目。 自身の投稿1周年に合わせてリリースされた。 「もみじ」のアンサーソング的な位置づけの歌。(作者コメ転載) 一部、ルカが歌っている個所がある。 イラストを 氷穂氏 が、動画を 生まれたての子鹿P が手掛ける。 歌詞 触れた指先の呼び声 探し求めて歩いてゆく 木枯らしが季節を連れゆく前に ひとめ逢いたい かざす掌 ひらり宿る 忘れ得ぬ時の記憶よ 幾度すれ違い 離れたとしても 巡り逢う日を信じた 高く晴れ渡るあの空に ひらり 舞い踊るように去った あなたは今は何処に 紅く 紅く 命を燃やすのでしょう? この胸に刻まれた 二つとないそのしるしが 時を超え 運命を超え 私を誘(いざな)うでしょう 交わらぬ世を 交わらぬ時を 生きるあなたは確かに其処に ゆめうつつの幻ではないと そよぐ風に頷いた この秋のいちばん鮮やかな 紅を探し歩こう 巡り巡る時の哀しみを 今 この手で終わらせるために irug ema huste sik uka no to kure at -絶えることなく季節は巡り- o dek adih con i u ku yetah eramu -生まれ果てゆく生命だけど- 時を超え 運命を超えて us am i etta mow at an a... -あなたを待っています- いま あなたの待つ場所へ ちるくれなゐの雨が降る・・・ ちるくれなゐの雨の中 永遠に冷めやらぬ熱を抱きしめ 凍てつく冬を超えてゆく もう二度とあなたの手を離さない コメント 名前 コメント
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ぎんがてつどうとにまいのきっぷ【登録タグ CHOCO BABY KAITO き 曲 鏡音レン】 作詞:CHOCO BABY 作曲:CHOCO BABY 編曲:CHOCO BABY 唄:鏡音レン・KAITO 曲紹介 「銀河鉄道の夜」をもとにして作られた切ないバラード。 ジョバンニがレン、カムパネルラがKAITO。 アナウンスの声はルカ。コーラスはミクとリン。 歌詞 (銀河ステーション、銀河ステーション…) 孤独な少年は友と二人 光り輝く草原を走る列車に乗った 知らぬ間に手にしていた 異なるチケット それぞれのカラー あれは島の真ん中 見えるノーザンクロス(ハルレヤ) バイブル片手に旅人たちは祈る(ハルレヤ) お菓子の鳥 可笑しな鳥 不思議な味 赤く燃えるさそりの炎が瞳に映る 僕らはまた二人ぼっち 君と行こう どこまでも どこまでも どこまでも 僕らのキップは異なっていて 何故だろう 君のキップが特別に見えた どこまでもつづく光のレール 君となら何も恐くなかった どこまでもいけるとおもっていた きみとなら(ハルレヤ) ほんとうのさいわいをさがしだせると(ハルレヤ…) 最後の返事の後 君は静寂に溶けて 僕は一人 雑音に目を覚ます 世界はあまりにも騒がしくて 僕を一人にはしなかった、きみはもういない… 孤独な僕は君と二人 光り輝く草原を走る列車で旅をした 本当の幸いは其処にあった あの汽笛はもう 聞こえない… コメント うぅ、いい -- はの (2010-06-25 20 59 49) ↑同感です^^ -- 刹那 (2010-09-19 23 49 36) 宮沢賢治 -- 名無しさん (2011-05-17 20 54 45) 名前 コメント
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553: ナイ神父Mk-2 :2018/02/17(土) 23 35 57 大西洋艦艇ネタ 鹵獲ナスカ級(イングランド級) 全長:ナスカ級に準ずる MS搭載数:6機 武装:120cm2連装ビーム砲×2 60cm連装レールキャノン×2 小型ミサイルランチャー×4 イーゲルシュテルン×10 概要 大西洋連邦が鹵獲したナスカ級を自国艦艇として改装した艦艇と成る。大戦中のザフトの主力であったナスカ級はその優秀さからザフトの主力艦艇として活動していたが、その分撃沈されても程度の良い物をジャンク屋が修繕して使用していたり、或いは形勢不利で敗北して連合に鹵獲された艦と言う物が多少ナリとは言え存在していた。そして、そうして鹵獲やジャンク屋への取締りで手に入れた艦艇を大西洋連邦では接収、武装を自国の物へと変更して戦力として使用していたので有るが、その立場が変わったのが大戦後期 からである。 当時MSを完成させた大西洋連邦ではアークエンジェル級や急遽の改修を施した各種艦艇、輸送船等をMS運用艦として用いる予定で有ったのだが、触れ始めたばかりのMSと言う兵器を運用する艦としては不安を拭えないで居た。其処で注目されたのが鹵獲されたザフト艦艇である。元より戦闘能力とMS運用能力を両立したザフトの艦艇は連合がMSを扱う為にも十分に有用な艦と言えた。 その為、大西洋は艦隊へ組み込んでいたナスカ級を一端艦隊から外すと再度改装を実施、取り外されていたMSハンガー跡に新たに連合規格のMS用の整備スペースを儲け、装甲全体へと防御能力強化の為のラミネート塗装を行い完成したのが当艦となる。 武装に関してはビーム砲の一部内部機器を連合規格に変えたほかVLSをドレイク級の物と弾薬を共通化させたミサイルランチャーへと変更して連射性能を向上、レールガンに関しては新規開発していた60cm級の大型榴弾砲の物をベースにレールガンに対応した砲身を用意して換装している。71年前半より徐々に改装が行われ始め、ヤキンドゥーエ攻略までに複数のナスカ級が当艦級として就役し同じく改装されたローラシア級(ロンドン級)と合わせて大西洋連邦の艦隊戦力として運用されている。 554: ナイ神父Mk-2 :2018/02/17(土) 23 36 36 オマケ 原作ゲート機体ネタ M2アストレイU 水中仕様 全高:17.53m 重量:91.3t 武装:M2M5D 12.5mm自動近接防御火器×4 背部フォノンメーザー砲×2 魚雷発射管×4 3連装ビーム砲×2 連装砲×2 ビームランス 概要 南洋同盟が開発した水中戦用MSの一つと成る。南洋同盟では大西洋の持つフォビドゥンヴォーテクスに対抗し得る機体の開発が急がれて居たのだが、水中戦用の開発経験に乏しいオーブ主体の南洋同盟では開発が難航していた。其処で南洋同盟は同盟国で有るプラントより水中機の開発協力を要請して完成したのが当機である。武装等から解るように当機はベースとしてアビスの物が参考にされており、此れはアビス元々汎用機に水中での戦闘能力を持たせるための試験機で有った事から選ばれた形と成る。 当初は前議長の残した機体を使用すると言うことはクライン議長等の手前避けようともされたものの、当時の東アジアの伸長等の情勢から早急に強力な戦力を必要とした同盟国の状況を省みて最終的には採用されている。しかし、重火力のアビスがベースである事やアストレイU自体が現状では数が少ない関係上当機は少数配備に留まり主力は旧来のアストレイを改造したアクアアストレイに成っている。 アクア・アストレイ 全高:アストレイに準ずる 武装:携行式フォノンメーザー砲 携行式両用ミサイルランチャー 実体式ランス 概要 南洋同盟が製造した水中用MSの一つと成る。当時の南洋同盟ではアストレイUをベースにした新型水中機の開発が行われていたが元々満足に配備出来ているとは言えないアストレイUでは生産が間に合わないと考えられていた。その為、南洋同盟では平行して水中機の開発がスタート、その結果開発されたのが当機と成る。当機は既存のアストレイに追加の水中用装備を装着した他バックパックと肩に水中用の推進器を取り付け海中での戦闘を可能にしている。武装は携行式のフォノンメーザーを基本に水中と空中両方で使える両用式のミサイルランチャーを装備、状況によって持ち替えることが出来る他、リーチの長いランスタイプの武装に取り入れている。しかし、根本的な性能としては汎用機の水中仕様と言う事から専門の機体に比べると一歩見劣りし現場からは寄り高性能な機体を求める要望が出されている。 555: ナイ神父Mk-2 :2018/02/17(土) 23 37 36 以上ですWIKIへの転載は自由です。取り合えずゲートネタの南洋同盟用の水中MSのネタと少し前に言ったナスカ級のネタをば・・・
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「潰せ! 潰せ潰せ潰せ、潰せェッ!!!」 ノイズと共に現われる、戦鎚を振りかぶる鎧達。避ける度に石畳、露店、噴水の縁、家屋の壁等が木っ端と散る。 矢継ぎ早の集団戦法には途切れなく、そしてイヴの退路を断つ形で生じる。 彼女もまた間隙を縫ってリオンにブロンドの鞭打を見舞うが、敢えて彼は盾を出さずに彼女と同様回避する。 ―――皮肉な事に、二人とも合を重ねるごとに冴え渡っていた。互いが強ければ強いほど、自身の戦術が次々更なる扉を開ける。 まるで命懸けの舞踏。共に敵意に満ちた攻撃が掠め過ぎ、その体捌きが次第にしなやかさと機敏さを増していく。 「貫けッ!」 視界の外から突き込まれる騎兵槍―――首を傾げただけで回避する。 「はぁッ!!」 鎧達を迂回して迫る金髪の拳―――威力に逆らわず素手でいなす。 背筋が凍るほど、どちらも自分の有り様に震えていた。自分で自分が信じられなかった。 ……力量の近い者同士が戦う事でごくまれに起こる現象だった。 死地をそのまま経験値として、まるで共振現象の様に双方が高まりあう。更にこれは、ランナーズハイにも似た昂揚感に 突き動かされてどちらの意志でも止められない。 多くの場合、完全決着がその終焉だ。 そしてそれが訪れるのは、どちらかが上昇の均衡を破った時だ。 「斬れッ!」 振り下ろされる大剣を二分の見切りで捌き、その向こうに立つリオンに思考の外から一撃を振舞うべく地面にブロンドを穿孔させる。 常の戦闘なら有り得ない地面からの掌打を、黒い自動防御が防ぐ。だが開いた長大な指が盾を掴まえて脇へと押し遣り、 肘の様に曲がった其処から拳が生まれて襲来――――するも、素早く大きな後退で距離を稼ぎつつ、 「―――三人、掴まえろッ!!」 投げ飛ばされた意趣を返す様に、金髪の豪腕に三体の鎧が取り付いて更に足を石畳に打ち込む。 その膂力に動かないのを判断するや、イヴの髪が次の命令を下す前に肩口辺りで切断、たちどころにただの髪からチリとなる。 僅かに遅れて、リオンの命令によって現われた鎧が飛び退いたイヴを槍で刺し損ねる。 息つく間も無い攻撃に次ぐ攻撃、回避に次ぐ回避。 体力と気力の臨界はもう目の前だと言うのに、止まらない、停まれない。 二人の膝は笑っていた。露骨なまでの戦闘疲労が訪れながらも、なお冴え渡る自身と敵に躍らされる。 〝こいつ……何時になったら終わるんだ!!!〟 〝当たらない……当たらない……どうして…〟 焦燥を胸だけに押しとどめ、剣呑な輪舞は激しさを増す。 再び伸長したブロンドが巨大な手となり、大振りの拳鎚を振り下ろすもリオンは手も無く回避。 そして反撃……と思いきやその反力と下腿のバネで少女の身体は飛翔、制空権を物にする。その手には、何時の間にか拾った投槍。 「……ッはあぁッッ!!」 投じるや一転、それは空中で割れ砕け、無数の散弾と化す。 だが命令はしない、回避もしない。自動防御に防がせて真の機を鉄の驟雨に待つ。 その行動に答える様に、リオンの後方にブロンドの手が突き立った。 「! 殴れぇッ!!」 ブロンドの伸縮で自らをリオンの背後に送ろうとしたイヴの前に、威圧する様に拳を振り上げる鎧。その巨拳を、彼女も素手で捌く。 そして消失を確認して次の戦法に切り替えようとした瞬間、ずん、と威力が腹腔を貫いた。 「…ッ!?」 「…やっと………当たったぜ」 ――リオンの跳び蹴りが、中空の彼女を完全に捉えていた。 彼がこの高さに来るには、尺が足りない筈だ。故に此処は彼女とせいぜい鎧の領域である筈だ。 しかしイヴは知らない、リオンですら僅か一毛の閃きで至った。 ―――――彼女が出させた盾を、足場にしたのだ。 そして落下する二人。だが着地はそれぞれ別………リオンは辛うじて足から。イヴは背中から。 体重が軽いためそれほどきつい自由落下ではないが、それでもその差は明らかだった。 「う………ぐぅ……っ」 「どうだ………勝ったぞ!」 とてつもない疲労の中、荒い息を押しのけてようよう勝利宣言を搾り出す。それを聞く少女は、もう満足に動けない。 「お前は………もう危険だ……。 絶対この先……オレの計画と星の使徒の脅威になる………」 それは、お互いの戦い振りを慮ってのものだ。 戦いとは、多くの場合技術向上を促す。実際リオンは戦術のケタが跳ね上がった事を理解しているし、イヴも更なるナノマシンの 使用法に目覚めた筈だ。前衛であれ支援であれ、きっと最上の結果を出すだろう。 「動くな……今度こそ動くな…………痛みなんて…感じる暇も、与えねえ」 イヴも見上げながら、全身に廻らせた活性ナノマシンで筋肉から乳酸を追い出し、酸素を最優先で満ち渡らせ、あと少し動ける力を 何とか搾り出そうとするかたわら、修復型で損傷を今動けるだけ直している。 せめて三秒。それだけあれば充分次に繋げるが、それを作る時間すらリオンは与えまい。 「…ぶっ潰…!」 「――――お姉ちゃん、動いちゃダメ!」 その叫びに、リオンの目測が狂う。イヴの回避行動が止まる。鎧が、鉄槌を振り下ろす。 そして―――――、まるで岩同士が激突する様な巨大な轟音。 「な……に…?」 「……ッッ?」 巨大な四角柱の槌頭が、今まさにイヴが移動しようとした位置にめり込んでいた。その僅か指二本分の位置に、彼女の体がある。 呆然とするリオン。その隙にイヴは跳び退り、置き土産に金髪の鞭が彼を弾き飛ばすも地面を擦って着地した。 「くそ…ッ、何だ、一体…!!」 「……………シンディ…」 二人が目をやった其処に、息を切らせる少女が居た。 力の限り走ったのだろう、自分達より更に倒れそうな疲労状況だが、それでも彼女は倒れる事も言葉を停める事も一切拒否する。 「お姉ちゃん、右に逃げて!!」 彼女の能力を知るだけに、体が思考を待たず反応―――――、 「六人、斬れッ!!」 大上段で剣を構える鎧の囲みを、それだけで突破していた。 「上から来るよ! 防いで!!!」 「ブチ割れッ!!」 背後から振り下ろされる斧。しかし炭素結合強化したブロンドの腕が、鋼以上の強度で押しとどめる。 「一歩だけ下がって!!!」 「―――斬れ! 割れ! 投げろッ! 貫けェッ!!」 半ば自棄ぎみの命令の乱発。だが、シンディの言葉に従っただけで攻撃の渦中に居ながら掠りもしない。 思わぬ援護に、イヴは彼女と目を合わす。 二人の間に言葉は無い、しかしシンディの真っ直ぐな眼差しと立てた親指が改めて繋がる心と絆を証明していた。 戦うのは誰が為か、血に塗れるのは何が為か、傷付くのは何を守る為か、彼女は理解してくれた。だから此処に来て、 出来る事をしてくれる。 独り善がりの闘志じゃない―――――それを行動で保証してくれるシンディの勇気と優しさに、思わず涙を零しそうだった。 動けなかった筈の身体に、何処に有ったか判らない力が漲る。 「ありがとう」は後で言おう。今勝つ為に。彼女の一助を無駄にしない為に。そして……支えてくれた意志を、貫く為に。 これから回転するバレリーナの様に、上体を捻る。 「はァッ!!!」 掛け声と共に捻りを戻した勢いに合わせ、まるで太い槍の様に束ねられた金髪がリオンに迫る。 「防げッ!!」 対する彼も、最早定番となった防御で凌ぐ。だが――、彼女の狙いは寧ろ其処から。 全てのブロンドが、鎧に巻き付いた。 「!?」 そして繭の様に覆われた其処から、無数の触手が生まれて再度彼へ猛襲する。 もう鎧や盾で攻撃を防げない事を確信――――やむなく身を転がして捕獲から逃れ、 「く…っ! 潰せ…!」「左に大きく逃げて!」 先刻までならせめて牽制になった一瞬を、あっさり言葉に奪われる。 「何なんだ……何であいつ………何で、〝出す〟のが判るんだ!?」 ばかりか、位置も対処法も。 リオンはシンディの〝力〟を知らない。だが、知った所で何が出来る訳でもない。それが未来を読むと言う事だ。 再び襲い掛かるイヴの鞭打。しかしリオンは防御を出さず敢えて回避に専念、最低限に抑える。 「もっと離れて!! 走ってくるよ!!!」 遂に助言は彼自身の行動にまで波及し、まさにそうしようとした一歩がイヴの大きな後退で無意味に終わる。 二人がそうであった様に、恐らく時間を掛ければ掛けるほど少女の予言も精密を増していくのだろう。 猛攻を凌ぎながら、リオンは苛立っていた。 其処へ、彼にとって最も憎むべきものがやって来た。 「シンディ!!」 息せき切って彼女の元に現れたのは、銃で武装したマリアだ。 彼女にしてみれば、突然走り出した娘を追いかけて来ただけ。しかしリオンには、その親子が別の光景に映る。 それは―――〝大人の指示で加勢に入った子供〟 「………大人の手先め」 そうと決まれば遠慮は無い。 劣勢で苛立ったリオンの脳はそう判断し、胸中に燎原の火そのままに怒りが燃え広がる。 対して、その怒りを至近で捉えたイヴには氷を捻じ込まれた様な悪寒。 「シンディ! マリアさん! 逃げて!!」 叫んだがもう遅い。しかもシンディは自分の未来を見ていない。 マリアと少年の目が合う……が、彼女には彼が如何なる存在か判らない。 「ブン投げろッ!!」 現れた鎧の握っていた物は、棘だらけの鎖鉄球。しかもそれを、頭上で振り回して遠心力を稼ぐ。 危機を察したマリアがシンディを抱き締める。無論それで何を防げる事も無い。 慌ててイヴが奔る。だが既に、鎧はその手から親子に向かって放っていた。 その軌道を遮るべく手を伸ばす。しかし遠く、遅い。彼女の目前を鉄球が過ぎ去った。 髪の腕が食い止めるべく寸手で軌道に割り込む………が、威力がそれを粉砕しただけで逸れもしない。 ―――凍り付いた一瞬で、少女は世界の無情を噛み締める。 〝どうして………?〟 問うがその答えは返って来ない。引き伸ばされた刹那の最中、悪意に満ちた幻影がゆっくりと親子の死に向かう様を目で追いながら、 イヴは余りにも自然に訪れる現実に愕然とした。 『お前に護れるものなんて、この世に有ると思うなよ』 先刻のリオンの言葉が、呪詛となって少女の心に木霊す。 〝頑張ったのに…どうして………〟 救えないのか? 護れないのか? それは何故だ? ヒトでは無いからか? 疑問は何も事態を進展させない。時は止まらず、リオンの殺意が掻き消える事も無い。 再びあの〝どうしようもない〟感覚が蘇る。諦念、絶望、虚無と言ったヒトを生きる屍にする心の死病。 結局全てが無理で、無駄で、所詮自分のやった事は世界を何一つ変えられなくて、空回りしただけだった。 祈りは通じない。希望は闇に消える。愛も夢も弱者が作った幻で、命は無益な強者に奪われるだけの存在だ。 結局全ては力であり、物量であり、物言わぬ行動にのみ支配されるものなのだ。 世界が閉じる。全てが色を失っていく。「この世に意味など無い」と、脳裏で絶望が囁く。 所詮ヒトならぬ身で、祈る事など無意味なのだ。応える神など、居る訳が無い。 〝――――――違う!!!〟 だが絶望の闇を、否定の光が切り裂く。 そうではない、誓ったのだ。今有る全てに。確かに今は限り無くゼロに近いが、諦めれば完全にゼロだ。 捨ててはならない、諦めてはならない、この矛盾と絶望に満ちた世界に折れてなお健在である為に。 絶望も諦念も虚無も、何もかも跳ね除けて吹き飛ばす為に、彼女の足は走った筈だ。 暴威にも、悪意にも、屈さぬと誓った筈だ。 しかしこの状況は、彼女一人では覆せない。最早彼女に出来るあらゆる手が届かない。 〝誰か……〟 祈りに応えないのを判っている筈なのに、それでも彼女は祈る。 〝私はどうなっても良いから…………助けて〟 伸ばした手の先に親子が二人。護りたい、助けたい、そして救いたい。願う、過ぎ行く刹那でひたすらに。 傷付いて欲しくない。死なないで欲しい。世界の悪意に負けない様に、ただ何よりも想う。 〝私に祈る資格が無いのも判ってる………〟 ヒトならぬ者の言葉が届くとは思わない。それでも祈る、世界を変える為に。 〝二人を……………助けて!!!〟 その願いに―――――――、銃声が福音となって応えた。 親子の背後から鎖鉄球を迎え撃つ強装弾の連射。それによって軌道が逸れ、少し遠くに有った屋台を破壊して消失した。 「危ねえな……ギリギリだったぜ」 残響が木霊す中、トレインが愛銃を下ろしながら安堵の息を吐いた。 「マリアさん、シンディちゃん、怪我は!?」 その後ろから、リンスが二人に駆け寄った。そして無事なのを確かめるや、彼女もまた肩を落とす。 「良かった…………もしこいつを連れて来るのがあと少し遅れてたら…」 ……リンスの言っていた「大変」とは、シンディの暴走だった。 危険極まりない街中を、少女一人がイヴを捜すと勝手に走り去ったのは全く以って大変な事態だったが……… それが無ければイヴは死んでいたし、もし本当に遅れていたらマリア親子は助からなかった。 何もかもが危うい綱渡りの現実。だがそれは、祈りが届いたとしか思えない神の配剤。 イヴも体から力が抜け、その光景を見るままにへたり込む。 「イヴ」 彼女に、トレインの力のこもった言葉が届く。 「………よく此処まで頑張った。後はオレ達に任せろ」 これまで邪魔扱いしていた男の暖かく優しい言葉。 染み入った。これまで受けたどんな言葉よりも。 一人じゃない。そう教えてくれる、簡素で拙い………だが何より届く極限状況だからこその愛情。 此処が戦場で、そしてまだ戦いが終わっていない事も判っている。それでも、双眸から零れ落ちる〝熱さ〟を止められない。 そして止められないままに、彼女は声を上げて赤子の様に泣いた。 だが悲しくも無い、辛くも無い、満身創意では有るから痛くは有るが、それとは関係無しに溢れる号泣。 彼女は生まれて初めて――――――嬉しさで泣いた。 「…さて、次はこっちの問題だが……」 イヴの激涙を背景に、トレインはイヴと同じ様に満身創意の少年へと足を運ぶ。 「坊主、お前が道士だな? 今消えた鎧がお前の道か」 弾丸を込めながら、トレインは警戒を全て彼の一挙手一投足に注ぐ。 「ウチのお姫様と随分遊んでくれたじゃねえか。遊び賃代わりにクリードの居場所を教えたら、大人しく帰してやっても良いぜ」 銃剣やらスパイクやらが飛び出した異形の銃に、それだけでリオンの戦意が挫かれそうになる。 のみならず黒服の怪物に「逃げるので精一杯だった」と言わしめる魔獣の前では、何が出来るだろうか。 しかし……だから此処で終わり、と言う結論は彼の中には無い。 「上……等…ッ…だぜ。 大人なんかに負けてたまるか………オレの道はナンバーズを蹴散らした事だって有るんだ……」 「オレがそんなもんに収まると思ってんのか?」 それでもトレインの眼差しは空気が軋む音がしそうな鋭さと強さだ。視殺戦でこの男に敵うのはクリード位のものだろう。 「オレは、悪意向ける奴に老若男女平等だがな……それでも良いのか?」 シンディやマリアばかりか、リンスまでその気迫の余波にさえ潰されそうになる。 トレインも内心怒りに怒っているのだ。平和な街を戦場にされ、一般市民を巻き添えにされ、そして仲間はこうして傷付いている。 その上、事の一因が自分にもあるのだと言う事が、彼を魔獣に戻しつつあった。 「やってやるぜ………遊びは終わりだ。 もう…こんな街知った事か。お前ら……一匹残らず瓦礫に埋めてやる!」 「安心しろ、オレは丁寧に埋葬してやる」 何処までも淡々と、しかし雄弁なトレインの殺意。だが、それでも少年の妙な自信を見逃さない。 「見せてやるぜ……これがオレの…………!!!」 そう身構えたその時だった。 まるで隕石の様に――――――、何かがリオンの傍に降り立った。 激しい破砕音、飛び散る破片、それらが闘争の空気に水を打つ。 「! てめえ……あの時の…」「こいつ…!」 トレインとリンスが懐かしい敵の襲来に緊張を固める。 「……リオン、これ以上の戦闘は無意味だ。撤退するぞ」 二人の戦意に動じる事無く、黒服の怪物はうっそりと撤退命令を告げる。 「邪魔すんなよファルセットさん! こいつらは………此処で絶対に殺す!!!」 しかし少年は、怪物の指示に応じず頑と戦意を示す。 「もう戦闘可能なのは俺達二人だけだ。此処で手を全て晒す事も有るまい」 「…ああ? エキドナはどうしたんだよ!? あいつが居れば……!」 「生きてはいるが、この通りだ」 怪物が顎をしゃくって肩に背負うそれに目を向けさせると………其処には、濡れた布の様に力無く手足を垂れ下がらせる彼女が居た。 良く見れば、何事かを呻くばかりで意識も覚束無いらしい。 「はあぁ!? 一体誰が…!」 「―――――イヴ!!!」 「…奴だ」 怪物が示した先には、戦い抜いたイヴを見つけて蒼白のスヴェンが立っていた。
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どうしてこんな事に巻き込まれてしまったのだろう…… 森を移動しながらマゴットは必死に考えていた、確か… ある日エニクスと言う少年が私の事を尋ねて来たのだ、魔王を倒す為に力を貸して欲しいと言って。 もし当事の自分が冒険という物について少しでも理解していたら即座に断っていただろう。 魔物達との戦いで何度も傷付いた、死にかけた事も数え切れないほどあった、 それでも戦い抜く事が出来たのは皆が一緒にいてくれたから、今は1人…独りだ。 「………!」 大きく頭を振って思考を切り替えた、此処で塞ぎこんでいても仕方がない、 今は仲間と合流する事だけを考えていればいい、私達はあのバラモスにも勝ったのだから。 「………?」 ……おかしい……私達はバラモスに勝った、だがその後に何かがあった気がする…… とても重要な事……竜の……光の……思い出せない………どうしてこんな事に巻き込まれ… 「……!」 ドサッ 考え事に夢中に為り過ぎていたらしい、こんな悪戯ー草を結んで作った簡単な罠ーに引っ掛かって 転んでしまうなんて。 ゴッッ! マゴットの記憶は其処で途絶えた。 ハーゴン「先ずは1人……。」 鎌を使ってマゴットを気絶させたハーゴンは生贄の儀式を行うべく簡易祭壇の設置場所へ移動していった。 【ハーゴン 所持品:死神の鎌 第一行動方針 シドーに生贄を奉げる(若い女三人)*マゴットを拉致】 【マゴット@女賢者(気絶中) 所持品:不明 基本行動方針 仲間と合流】 【現在位置:島の中央部の森】 ←PREV INDEX NEXT→ ←PREV ハーゴン NEXT→ マゴット NEXT→
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祓巫女・逆神紅霊 (SR) くぅ…なんて規模の悪霊…、これが神と称される禍の王…これは最早、閻魔様ですら等級を測りかねるのではないかしら… それでも私は紅麗…!! 逆神の巫女、逆神紅麗!!! 滅私、全てを賭してでも、必ず此処で止めを刺す!!!! 祓巫女・逆神紅霊+ (SR) くぅ…なんて圧力の悪霊…流石は神と称される禍の王、常人ならばこの場に居るだけで蒸発してしまう…国一つ滅ぼしかねない… それでも私は紅麗…!! 逆神の巫女、逆神紅麗!!! 滅私、全てを賭してでも、必ず此処で止めを刺す!!!! 祓巫女・逆神紅霊++ (SR) くぅ…どうしてこんなに世界を恨むの…この魂は一つじゃない…世界全体の…負の感情の集まり…だと言うの…それでも私は紅麗…!! 逆神の巫女、逆神紅麗!!!滅私、全てを賭してでも、必ず此処で止めを刺す!!!! 祓巫女・逆神紅霊+3 (SR) くぅ…逆神が封印してきた最大の敵…神と称される禍の王…手に負えない…斃す…否、被害が甚大すぎる…ご先祖様…私はどうすれば…いえ、迷ってはいけない! そう、私は紅麗…!! 逆神の巫女、逆神紅麗!!! 滅私、全てを賭してでも、必ず此処で止めを刺す!!!! 祓巫女・逆神紅霊+4 (SR) ぐぅ…お父様、お母様…この紅麗、必ず仇を取ります…なので…少しの間だけ其処でお待ちください…直ぐに、直ぐにお救い申し上げます!! 家族を犠牲にしてもなお!!! ご先祖様なんて関係ない!! 私は紅麗…!! 気高き逆神の一人娘、逆神紅麗!!! 私の全てを賭して…再び眠れ!!!! 禍津神乃王!!!!!
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610 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/23(火) 23 54 35.10 ID aLGYjQc0 薄翅蜉蝣<Hagenomyia micans> コレは、私、有珠巴 鈴音が、幼女を拾った事で、始まった日記である。 一日目 何気ない朝。何時もの狭い部屋で起きて着替えて髪を漉き、顔を洗いに洗面所に向かう。 途中リビングで、新聞を読んでいるサラリーマンである親父に、軽く挨拶する。 もう、親父から返事が無くなって久しくない。 台所に立つお袋にも、挨拶をする。お袋は、軽く手を振った。私を見ずに。 さっさと行けと言う事だろう。私は、さっさと洗面所に行き顔を洗う。 鏡に写った私の顔を見てため息を付く。醜い。醜いよ私の顔。 顔をタオルで拭き、そのままタオルを洗濯機の中に放り込む。 リビングに戻る時に、年が七つ離れた妹とすれ違う。 妹は、私を見て……見てと言うか睨んでる。まぁ、知っていたが私は嫌われている。 そんな、妹の横をすり抜けてさっさと朝食を頂く。 出来上がったばかりの食事は、暖かい。でも、冷め切っている。 妹が、リビングに戻ってくるまでに必要な分だけの食事を取り残りは、そのまま残す。 栄養なんぞ、コンビニで売っている栄養ドリンクか錠剤を呑めば事足りる。 私にとって形骸化してしまった食事など、そんなものだった。 そのまま部屋に戻り、学校に行く為の準備を終えリビングに顔を出さずに玄関を出る。 今日も、空は腐った様に蒼い。 学校につけば着いたで、私以外のクラスメイトとやらは、一人二人しか居ない。 そのクラスメイトに挨拶する事も無く私は、己の席に着きカバンを椅子の下に放り込む。 窓際の席故に、直ぐに外を眺めれる。正直、学校などどうでも良い。 入れと言われたから入った様な物。それに、中学卒業じゃ職業選択が限られる。 正直、退屈な授業。何をしても酷くつまらない。 同年代の友人すら居ない。いや、もう友人を作る方法すら忘れてしまった。 一体、何時から私はこんな酷く醜くなったのだろうか……わからない。 小さい頃を思い出せば、親と笑いながら過ごしていた日々を思い出せ……無い。 611 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/23(火) 23 55 11.61 ID aLGYjQc0 楽しかった思い出。嬉しかった思い出が、思い出せない。 人間とは、そう言う生き物であると知っているが、一つも思い出せないとは…… 既に始まった授業中に、ついため息を一つ付いてしまった。 教師に目ざとく目撃され、前に出て問題を解けと言われてしまう。 なんら難しくもなく基本公式を覚えていれば出来る問題を解く。 何故か教師は、顰め面を浮かべるが知った事ではない。 機械的に動き、機械的に答え、機械的にその場に居る。 学校とは、私にとってそんなモノだった。 学校が終わってしまえば、私は、再び家に帰る。 なんら変わりない何百回と往復したこの帰路。 私は、家に帰るまでの途中にある喫茶店に立ち寄る。 この喫茶店は、つい最近出来たばかりの店で、有名でもなんでもない。 喫茶店の客といえば、喫茶店のマスターの知り合いばかり。 新規客など、居ないに等しいのだが、その新規客の第一号が私だ。 入店した私に、コップを磨いていたマスターは、何時もの笑顔を浮かべ、いらっしゃいと、言う。 そんなマスターに軽く会釈し、何時ものカウンター席に座りマスターのブレンドコーヒーと、今日のケーキを頼む。 色々とコーヒーを飲んできたが、此処のブレンドコーヒーが一番巧く美味いと思っている。 マスターは、慣れた手つきで、コーヒーを淹れて行く。 私の目の前にあるサイフォンで、淹れられるコーヒー。それを見るのが一番の時間つぶしだった。 私とマスターが会話する事は殆ど無く、私は淹れられたコーヒーと今日のケーキを食べソレが終えれば、会計を済ませ さっさと喫茶店を後にするのが常だ。 淹れたてのコーヒーを飲み、ケーキを食べる。それが、終われば会計を済ませ私は、喫茶店を後にした。 ふと、後ろを向けば、マスターが静かに空になったカップと皿を流しに居れている所だった。 612 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/23(火) 23 55 45.93 ID aLGYjQc0 再びの帰路。今度は本屋に寄る。正確には、本屋で売っているCDに用事がある。 CDの棚を見れば、新曲入荷やら有名になったアーティストのアルバムやらが並んでいる。 しかし、私はそれを無視して視線を下に向ける。其処には、もう古くなったCDが陳列され 値段もシングル百円。アルバム三百円と厚紙に書かれ棚に貼り付けられていた。 私は、一枚のアルバムを手に取りそれを購入する。 購入したアルバムのタイトルは……FRIENDSⅡ……B zのアルバムだ。 別にB zのファンとかそう言う訳じゃない。ジャケットの後ろに書かれた曲欄を見て購入しただけだ。 聴くか聴かないかは、不明。寧ろ購入しただけという感じもある。 用件が済んでしまえば、さっさと本屋を後にしまた、帰路に戻る。 家まであと数分と言う所で、私は、道端に置かれたダンボールについ視線をやってしまった。 ダンボールには、殴り書きで「拾ってください」なんて書かれてある。 捨て猫が捨て犬か……と、思いそのままダンボールを放置してさっさと家に帰ればよかったのだが…… ダンボールから、ボソボソと小さな声が聞こえる。人間が聞いて判る声。 だから、ついダンボールを覗き込んでしまった。 ダンボールの中に居たのは、うずくまって横になっている幼女だった。 幼女は、やせ細っていてお腹空いた。と、ブツブツと言っている。 捨てられた幼女。虚空の様な空ろな瞳。 気が付いたら、その幼女を抱き上げていた。軽い。抱き上げてまずはじめに感じたのはそれだった。 そして、その幼女が抱き上げられた事に驚く様子も無く、相変わらず空ろな瞳で私を見ていたのには少々衝撃を受けた。 抱き上げてしまった。そのままダンボールに戻す訳にも行くまい。 もし、幼女を家に連れて行ったならば両親は妹は、どう思うだろうか? いや、寧ろどうとも思わないのかもしれない……私は、苦笑を浮かべてしまう。 私は、幼女をそのまま抱きかかえ家に向う。 おなかすいた。さむいよ。と、呟き続ける幼女の声を聴きながら。 613 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/23(火) 23 57 46.54 ID aLGYjQc0 家に着くと、案の定家の鍵は閉まっており、両親はおろか妹も居ない。 私は、そのまま風呂へと足を進める。汚れている幼女の体を洗ってやった。 あったかい。と、呟く幼女。洗い終え体を拭き終わった後で、幼女を私の部屋に連れて行き 幼女に、私の上着を着せる。着せると言うよりも被せる。 その幼女を部屋に残したまま、私は台所に足を運び冷蔵庫を開ける。 牛乳が二本。うち一本は、三分の一も残っていない。 それを手に取りコップを一つ食器棚から拝借する。 何か、食べ物と思ったが……食べ物を勝手に拝借して何か言われてはたまらない。 故に、私が部屋に持ち帰ったのは数量少ない牛乳とコップ一つだけ。 コップに牛乳を注ぎ、それを幼女に渡すが、幼女は反応すらしない。 しかたないので、幼女の手をとり、コップを両手で持たせる。 そこでやっと幼女が、私の顔を見た。私は、短く飲め。と言うと、幼女は恐る恐るコップに口を付けて牛乳をゆっくりと飲み始めた。 ゆっくりとだが、空になったコップにまた牛乳を注いでやると、幼女は再びコップに口をつける。 しかし、幼女幼女と呼ぶのに少々抵抗が出てきた。 幼女とは、幼女と言う種族を差す言葉で、どう考えても名称ではないと思ってしまったからだ。 だから、名前があるかどうかしらないが、私は幼女に名称を与える事にする。 「蜉蝣」 と。 しばらくすると、蜉蝣は眠ってしまった。眠ってしまった蜉蝣を布団に寝かしつける。 安心したのかどうかわからないが、蜉蝣は嬉しそうな表情で眠っていた。 両親が帰宅するまでまだ時間があった為、私は自分のパソコンに電源を入れネットに接続する。 そして、昔、気まぐれで作って一切更新していないブログに、初めて書き込みを始めた。 ブログのタイトルは、薄羽蜉蝣。そして、初めての書き込みのタイトルは、蜉蝣を拾った。だった。 614 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/23(火) 23 58 18.50 ID aLGYjQc0 両親が帰宅し、私は直ぐに蜉蝣の事を告げる。 すると、両親は、そう。とかあぁ。としか答えず、拒否もしなかった。 妹も、私を睨むだけで何も言わない。 それだけ伝えると、私はさっさと部屋に戻る。夕食までまだ時間がある。 その時間を有効利用する為に、私はパソコンで幼女の事を調べる事にしたのだった。 一日目終わり。 おまけ。 朝・妹 「う。また、お姉ちゃんに挨拶できなかった……お姉ちゃんも挨拶してくれなかった……うぅ……」 学校・女子生徒 「はぁ。今日も有珠巴様は、お綺麗だわ……窓を見て黄昏る姿がもう……」 学校・男子生徒 「おい! 有珠巴様の写真集できたぜ!!」 「流石だな! 写真部!!」 「一冊千円でどうだ!!」 「買ったっ!!」 夜・両親 「貴方。あの子珍しいわね。自発的になんて」 「あぁ………」 「……新聞読みながら人の話を聴かないで頂戴。貴方」 「あぁ………」 「貴方!」 「お、おぅ!? あ、なんだ? なんの話だったかな?」 「……はぁ……」 669 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/28(日) 08 30 52.01 ID dzbzMC20 薄翅蜉蝣<Hagenomyia micans> 二日目 何時もの時間に目を覚ます。 目覚ましをセットした覚えも無いのだが、幼少からの癖なのか どんなに疲れを覚えていたとしてもこの時間に目を覚ます。 まだ眠気の残る頭で、昨日飼う事になった幼女<蜉蝣>を思い出す。 蜉蝣は、私より先に布団で寝ていた為、私は部屋のスペース上。 もう一人寝れるだけのスペースを作りそこで毛布を被り寝た訳なのだが…… 非常に辛い体制での睡眠だった故に、間接がギシッと錆びた蝶番の様な音を立てた。 と、言ってもそんな気がするだけだが…… ふと、布団に視線をやる。 其処には、蜉蝣がいまだ眠り続けている姿がある。 ソレを見た後は、普通に着替え部屋を出る。 顔を洗いに洗面所に向かい、何時も通りに挨拶し何時も通りに顔を洗う。 そして、何時も通りに妹に睨まれる。 そんな妹の横を通り過ぎ、朝食を取った後で、残った朝食をそのまま部屋に運ぶ。 部屋に戻れば、蜉蝣が、起きており相変わらずの虚(から)の目で此方を見た。 蜉蝣を抱き上げ、椅子に座らせた後、布団をたたみ。簡易テーブルを組み立て その上に朝食……まぁ私の残りなんだが、それを置く。 670 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/28(日) 08 31 22.77 ID dzbzMC20 蜉蝣がそれを見て何処か困った様な表情を浮かべた気がしたが…… 私は、蜉蝣にそれを食べろと、告げた後で、空になった食器はそのままにしていていい。 部屋は極力出ないようにしてくれ。と、告げた。 あぁ、それと、トイレはこの部屋を出て右の突き当りだ。と、最後に付け加える。 これで、言い残している事は無いと確認した上で、私はカバンを手に家を後にする。 何時もよりも時間を消費してしまった為。 珍しく妹と共に登校する事となってしまう。 私と登校する事を認知した妹は、驚いた様な表情を一度浮かべた後で、キッと睨んできた。 其処まで私が嫌いか? と、口には出さずに心の中で思う。 今日の空は、綺麗な灰色に覆われた晴天だ。 途中まで同じ道を歩く私に妹が、何やら私に言おうとするが結局言わずに下を向き 目だけを此方に向ける事を数回。一体、どんな罵詈雑言を私に告げようと言うのか? まぁ、私にはどうでも良い事を思いながらの登校だった。 学校に到着し何時も通り靴を履き替える為に私に与えられた靴箱の戸を開ける。 ザラッと手紙が落ちてくる。私は、それらを無視し上履きを手にし外履きを、靴箱に突っ込む。 そして、上履きに履き替え、足元に散乱した手紙を拾い集め。そのまま近くのゴミ箱に捨てた。 私に恨み辛みを持つ輩は、学校でも多すぎる。 可愛らしい封筒。普通の封筒。中に一体どれだけの…… 其処まで考えて諦めた。私は、嫌われ易いのだ。それで十分だ。 それにしても、私を油断させる為に可愛らしい封筒まで用意するとは……恐れ入る。 その後は、いたって何時も通りだった。 ただ、三時限目辺りに雨がパラパラと降って来た事に、嬉しさを覚える。 671 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/28(日) 08 31 53.03 ID dzbzMC20 雨は、良い。色の無い雨は、空の色に染まって灰色になる。 教師にまた、指名される。英文は苦手だ。わからない旨を伝えると教師は、外ばかりみてるな。と私に言う。 しょうがないじゃないか。窓から見える枠に囲まれた灰色の世界は美しいのだから。 授業はその後、差し当たり無く進み昼食の時間になる。 この学校では、弁当を持ってくる者と学食、もしくは購買部で昼食を済ませる者の三者に分かれる。 まぁ、ごく一部には、近くのコンビニへと学校を抜け出し食料購入に行く者も居るが…… 教員に見つかれば、説教を免れないのがネックだろう。 因みに、私は購買部で済ませる者になる。 購買部に足を運べば、其処は他の生徒達でごった返している。 購買部は、この時間に限り戦争と言った状況である。 そんな擬似戦争を眺める。十分もすれば戦争は終わり、人が掃ける。 そうなってから私は、やっと購買部の販売員に声をかけ、今何が残っているのか尋ねた。 すると、シュークリームと紙パックのコーヒーが残っていると告げられた。 嬉しい事だ。シュークリームは私の好物。コーヒーも好きな飲み物だ。ただ、無糖じゃないのが残念だが。 購入を済ませば、購買部をさっさと後にして歩いて直ぐ其処にある広間に足を運ぶ。 設置された長椅子に腰をかけ、シュークリームの袋をあけ一口食べた。 ある意味、私にとって人生の最大の楽しみなのかもしれない。 ただ、その頻度は非常に高いのでよく分からないが…… シュークリーム一つと紙パックのコーヒーは、数分と立たない内に胃袋の中に消える。 ゴミは、備え付けのゴミ箱に放り込む。 いつもならば、図書室に足を運ぶのだが、今日は窓から見える綺麗な灰色の世界を堪能するとしよう。 672 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/28(日) 08 32 39.80 ID dzbzMC20 数分ぼんやりしていると、見知らぬ女子生徒に声を掛けられた。 ネームプレートの色から見るに、私と同じ学年の女子生徒。 立てロールが嫌に印象的だ。 その女子生徒は、私に向ってビシッと指差した。 そして、凛とした表情で口を開く。 「貴女を超えて見せますわ!」 と、だけ言うと彼女は、さっさとこの場から去っていった。 ……訳がわからない。超える? 私を? 何を? はて? 私を超えるとは……なんだ? 結局、彼女の言葉に対しての答えが、まったく見つからずに学校は終わってしまった。 帰路につく。帰りにそういえば近場に幼女関連の品物を取り扱う店が、あったなと足を運んだ。 幼女ショップ『Seven Acoustic』と、その店には書いてあった。 看板に書かれた名前の理由はわからない。別に其処が幼女ショップならばそれでいいと思う。 とりあえず、私は店に入る。店に入れば、ゲージに入れられた幼女らに一斉に凝視される。 コレには、単純に驚いてしまった。 私に気づいた、店員が「いらっしゃいませ」と営業スマイルと言うヤツを浮かべて挨拶する。 そんな店員に私は、幼女を昨日から飼い始めたのだけど、最低限必要な物は何だ? と、尋ねる。 すると店員は、直ぐ近くにあった豆粒が封入された袋を手に取る。 商品の説明をし始める店員に、私はその言葉を遮り要約すると何だ? と、少々性急に尋ねた。 673 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/28(日) 08 33 09.44 ID dzbzMC20 店員は困った表情を浮かべた後で、一週間に一度コレを幼女に与えれば病気等に抵抗が付く。と、説明してくれた。 私は、それを二袋購入し袋の後ろの簡易説明を読む。 説明には、一週間に一度、適量(10g前後)食べさせてください。とだけ書いてあった。 レジ前を占領してしまって居た様で、気が付いた後は店員に軽く会釈し店を後にした。 家に到着してまずした事は、濡れた制服を洗濯機に放り込み動かす事だった。 一緒に下着も放り込んでおく。全裸になってしまうが、家に誰も居ないのだから問題は無い。 そのままバスタオルで全身の湿り気や髪が吸収してしまった水分をふき取る。 それが終われば、自分の部屋へと足を進めた。 部屋に入れば、何故かゴスロリ衣装を着たまま眠りこけている蜉蝣。 何故? と、思ったがお袋の趣味を思い出す。私が、幼少の頃良く着せられた覚えがあるので間違いない。 蜉蝣にゴスロリを着せたのはお袋。流石に、服装まで気が回らなかったので、この点に関しては感謝するしかない。 寝ている蜉蝣を尻目に、私は箪笥から下着を取り出し着替える。 黒いジーパンと黒いシャツをクローゼットから取り出しそれを着る。 私の物音で起きたのか、蜉蝣が私を見ていた。 そんな蜉蝣を抱き上げ私は、たたんだ布団の上に座りそんな私の膝の上に蜉蝣を座らせた。 蜉蝣は、顔を上に上げ私を見る。そんな蜉蝣を私は見る。 別段やる事は無い。本を読むつもりもないし、勉強なんて毛頭するつもりは無い。 試験が始まる期間ならば勉強の一つでもしたのだろうが、試験はまだまだ先。 そう気張る事でもない。 なんとなく、蜉蝣に今日の出来事を話す事にした。 それにしても……彼女は一体なんだったのだろうか? 私を超すとは何だ? わからん。 674 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/28(日) 08 33 36.66 ID dzbzMC20 他愛なく過ぎる時間。灰色の世界は、いつの間にか終わり。 夜空には、血の様な朱<あか>い満月が浮かんでいた。 夕食の時間。私はさっさと食事を済ませた後、お袋が珍しく私に声をかけた。 「蜉蝣ちゃんも、今度からちゃんとこの場に呼びなさい」 それに、私はわかった。とだけ答えて部屋に戻ったのだった。 二日目終了。 675 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/28(日) 08 34 07.99 ID dzbzMC20 おまけ。 登校時 妹「お、お姉ちゃんと一緒。一緒に登校だ……ど、どきどきするよぅ……な、なにか話を話し……うぅ」 登校・靴箱前 男子生徒×10「ちぃ!! これで通算三十回目の撃沈か! せめて読んでくださいよ! 有珠巴様ッ!!」 女子生徒×10「あぁ。また捨てられてしまったわ……せめて、お手にとって読んでくだされば……」 昼食時間・購買部 男子生徒・女子生徒達「シュークリームと紙パックコーヒーは必ず、一つのこぉおおおす!!!」 昼食時間・購買部・有珠巴購入終了時。 男子生徒・女子生徒達「有珠巴(様)が、笑った……努力した甲斐があった(わ)」 昼食時間・貴女を超えますわ!! 男子生徒A「だれ? あの女?」 男子生徒B「しらね」 女子生徒A「私も知らない」 女子生徒B「Aに同じく~」 帰宅時・朱い月 蜉蝣「………わらってる?」
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#blognavi 実家(南城市玉城糸数)の村で15夜と敬老会とアカナースージ(今年誕生した新生児のお祝い)行事があり出かけました。 当初14日に行われる予定でしたが台風13号のため一週間遅れの開催となりました。 式典は午後5時半から余興は6時からとなっていますが何曲か歌って欲しい、と言う要請もあり弟の奥さんとデュエットや他の方のさんしん伴奏などもあるので音合わせのリハーサルもあり早目に出ました。 愛車の軽トラで午後1時出発かなりゆとりが有る筈でした。 高速道路あと10K位で出口と言う所でエンジン故障であせりました。 レッカー業者に最寄の出口まで運んでいただき、其処から親戚の自動車整備工場に引き取りに来て頂きました。 日曜日で整備士が休みで直ぐには直らないと言われました。 お陰でリハーサルは2回約30分位しか出来ませんでしたが特に問題も無く本番待ちとなりました。 琉部、エイサー、フラダンス、民謡と多彩な演目が目白押しです。 17のプログラムで12番目の出番でした。 先に2曲歌い、弟の嫁さんを舞台呼んでデュエット曲を歌いました。 皆さん顔なじみの方々が多いので少し緊張しましたが気持ちよく歌わせていただき大きな拍手も頂き大満足です。 ごご9じカチャーシーで閉幕となりました。 終わった後同級生5人で12時前までカラオケを楽しんできました。 軽トラの故障で帰宅を諦め実家で泊まらせてもらいました。 この日記は代車をお借りして帰宅した22日午後1時過ぎに書きました。 カテゴリ [日記] - trackback- 2008年09月22日 14 09 28 名前 コメント #blognavi