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糸目の幻想生活記 動画リンク コメント (不幸な糸目が幻想入り)→糸目の幻想生活記 作ったの・・・糸目の人 84人目の幻想入り。小説形式。 「有名なアレ」で吸血鬼に。紅魔館にて一悶着あった後居候。 主人公 名前:糸目 性別:男 外見:黒いコート(フード付)不しn(ry 能力:危険を感じ取る程度の能力(思い浮かべた人物に対する危険も可) 年齢:14(中学3年。中二びょ(ry) 性格:周りに流されやすい。お人好しとも言う・・・かも。ボケにはとりあえず突っ込む 諦めは速い。 武器:ボウガン(気を使う)&ナイフ(現在200本所持)・・・だから不s(ry 身長:霊夢>糸目>レミリア ちっさい言うと怒ります。 備考:初対面=敬語(許可されたりすると一瞬で砕ける) 作者より・・・こんなのでも楽しんでもらえれば幸いです。 未熟なところもありますがやや冷ための目で見守ってください。 動画リンク 番外 新作 一話 コメント 名前 コメント
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ジャングルの王者が幻想入り 動画リンク コメント ジャングルの王者が幻想入り 作者 奈緒樹★ナイトウィッシュ ひとこと 主人公 その他 1970人目の幻想入り 動画リンク マイリスト mylist/31802882 最新作 一話 コメント 視聴してみたかったなぁ -- (名無しさん) 2017-02-05 21 16 28 名前 コメント すべてのコメントを見る
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プッチペットの種類 プッチペットの入手方法 散歩で拾ってくるもの(報告分のみ抜粋) プッチペットシルバー 48日目 【拾ったもの一覧】 プッチペット 277日目+ドルバペット169日目散歩データ プッチペット散歩集計(拾ったもの一覧) プッチペット散歩集計(シーン・アクション別集計) プッチペット散歩集計(再開後) 2011年8月20日メンテ終了後より、各ペット類の拾得物が大幅に改悪されたとの情報あり プッチペット他のペットと、ドルバペットの拾得物が同じようなものになったとの事 競輪townで取得可能なK袋が取得できるようになった点も変更された模様 184 名前:( ´∀`)ノ7777さん[sage] 投稿日:2011/08/22(月) 08 08 54.71 ID Ehjj4R7o0 とにかく管理人さんに拾得物を報告 袋系・・K袋vol.2 スロパチ系・・設定+1、設定+2、高設定 エサ系・・ビフテキ、カレーライス、高級メロン 遊び道具・・水着、携帯ゲーム ルーム系・・熊の剥製(大)(小) これプチシルね これ以下の情報は改悪前のものになります プッチペットの種類 1)プッチ(333プッチで交換可能) 2)プッチグリーン(555プッチで交換可能) 3)プッチシルバー(777プッチで交換可能) ★ページトップへ★ プッチペットの入手方法 1)ゲーム内アイテム欄の「その他」→「全てのその他のアイテム」から プッチを選択し、「使う」をクリック 2)「アイテム交換」で、交換したいペット引換券を選択し、「交換する」をクリック 3)交換した「ペット引換券」は、ゲーム内アイテム欄の「その他」→「ペット」に入るので、それを使い名前を付ける 注意)従来のペットと同時に飼う事は不可、Lvは1固定、寿命は約1~2週間、ステータスは上がるとの事(公式による) ※上記はプッチペット導入時に公式HPにあげられていた内容によります ★ページトップへ★ 散歩で拾ってくるもの(報告分のみ抜粋) プッチプラチナ袋(開封するとパチ・スロいずれかのプラチナが出るとの事)、プッチインテリ袋 WAT袋引換券(1000,300)、WATのかけら2、魔法の粉、魔法の粉(金粉、銀粉) ※WATのかけら2はもう出ないはず 勲章4倍引換券、勲章3倍引換券、勲章2倍引換券、ランダム倍数勲章券、もっとランダム倍数勲章券 最高激甘引き換え、激甘、共通最高、設定プラス券、設定据え置き、設定確認、席譲り、空き台予約、優先、最優先 無料カジノ券、麻雀券、プッチ、トレードチケット ※麻雀・カジノ券は出なくなった、共通最高・激甘は最高激甘引換になったとの情報あり プッチソファー、プッチ壁、プッチ床、バスプッチ、プッチベッド、テーブルプッチ プッチアバター引換券、プッチグリーン引換券、プッチシルバー引換券、プッチゴールド引換券、プッチレインボー引換券 9000or45000勲章引換 魔法のハイビスカスゴールド・シルバー 【勲章3倍引き換え券を拾ってきたシルバーくん】 【プッチプラチナ袋開封結果】 ★ページトップへ★ プッチペットシルバー 48日目 【拾ったもの一覧】 最高x36、激甘x38、設定確認x12、カジノ券x43、麻雀券x47 勲2x3、勲3x1、予約x1、魔法粉x6、席譲x9、優先x4 設定据置x17、300WAT袋x3、プッチx38、WATのかけらx29 Pグリーン引換券x3、Pアバ引換券x4、Pシルバー引換券 プッチ(ソファx6、テーブルx2、バスx4、ベッドx4、床、壁x2) ★ページトップへ★ プッチペット 277日目+ドルバペット169日目散歩データ 333プッチ 277日目 スカ(2483 / 4435)、最高設定券(216)、激甘ぐるぐる券(388)、麻雀券(299)、カジノ券(282)、 勲章2倍引換券(17)、優先入場券(10)、設定据え置き券(32)、席譲り券(29)、設定確認券(40)、空き台予約券(6) WATのかけら2(251)、魔法の粉(12)、プッチ(267)、プッチインテリ袋(3)、 プッチアバター引換券(37)、プッチグリーンアバター引換券(12)、プッチゴールド引換券(1)、プッチレインボー引換券(2) ベットプッチ(14)、テーブルプッチ(9)、バスプッチ(3)、ソファープッチ(8)、床プッチ(6)、壁プッチ(5) ドルバペット 169日分 スカ(505/1344)、おにぎり(67)、サラダ(130)、缶詰(237)、マグロヘッド(90)、ドーピング薬(28)、 ケーキ(11)、メロン(12)、ビフテキ(16)、大吟醸(13)、 絵本(17)、ボール(5)、トランペット(9)、ゲーム(7)、 お茶券(34)、アイスコーヒー券(5)、 激甘ぐるぐる券(1)、設定プラス1券(9)、設定プラス3券(3)、設定プラス4券(5)、勲章2倍引換券(3)、 スロット台1(8)、白熊の剥製(4) ★ページトップへ★ プッチペット散歩集計(拾ったもの一覧) ★ページトップへ★ プッチペット散歩集計(シーン・アクション別集計) ★ページトップへ★ プッチペット散歩集計(再開後) ★ページトップへ★
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なにやら奇妙な輩が幻想入り 動画リンク コメント なにやら奇妙な輩が幻想入り 273人目 作者 ひとこと 主人公 動画リンク 新作 一話 コメント・レビュー SMILEVIDEO 2008年04月12日 02 53 39 投稿 なにやら奇妙な輩が幻想入り~ おまけだけですみませんのその4 更新停止してから随分経ちます。ご迷惑をおかけして申し訳ないです。ただいまうp主は旅に出ております(ちょいといろいろあってね)のでもうしばらく更新はできそうにありません。とりあえずこの作品の作り直しを決めましたのでそれだけ言っておきます -- (名無しさん) 2008-09-13 13 41 08 名前 コメント すべてのコメントを見る ※この作品のレビューを書いてくれる方を募集しています。レビューについては、こちらもご覧下さい。
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幻想郷で何かを探す旅 動画リンク コメント 幻想郷で何かを探す旅 何人目の幻想入りか 作者 ひとこと 主人公 動画リンク 新作 一話 コメント・レビュー 名前 コメント すべてのコメントを見る ※この作品のレビューを募集しています。レビューについては、こちらをご覧下さい。
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幻想郷 ~ Lotus Land Story -- タイトル画面テーマ Witching Dream -- 靈夢1面のテーマ Selene s light -- 魔理沙1面のテーマ 装飾戦 ~ Decoration Battle -- 1面ボス・オレンジのテーマ Break the Sabbath -- 2面テーマ 紅響曲 ~ Scarlet Phoneme -- 2面ボス・くるみのテーマ Bad Apple!! -- 3面テーマ 霊戦 ~ Perdition crisis -- 3面ボス・エリーのテーマ アリスマエステラ -- 4面テーマ 少女綺想曲 ~ Capriccio -- 4面ボス・靈夢のテーマ 星の器 ~ Casket of Star -- 4面ボス・魔理沙のテーマ Lotus Love -- 5面テーマ 眠れる恐怖 ~ Sleeping Terror -- 5面ボス・幽香のテーマ1 Dream Land -- 最終面テーマ 幽夢 ~ Inanimate Dream -- 最終面ボス・幽香のテーマ2 禁じざるをえない遊戯 -- エキストラステージ メイド幻想 ~ Icemilk Magic -- エキストラボス・夢月のテーマ かわいい悪魔 ~ Innocence -- エキストラボス・幻月のテーマ Days -- バッドエンドのテーマ Peaceful -- グッドエンドのテーマ Arcadian Dream -- スタッフロールのテーマ 幻想の住人 -- ネームレジストのテーマ Lotus Road -- 未使用曲(1面テーマ) Dreamy pilot -- 未使用曲(4面テーマ) Incomplete Plot -- 未使用曲(5面テーマ) Border Land -- 未使用曲(6面テーマ) Magic Shop of Raspberry -- 未使用曲(エキストラステージテーマ) Crescent Dream -- 未使用曲(スタッフロールテーマ)
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タイトル 動画リンク コメント スターバードが幻想入り 1277人目の幻想入り 作者 ひとこと 主人公 ファルコ 動画リンク 新作 nicovideoエラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 一話 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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幻想郷の夏祭り ボーカルは小峠舞。 ジャケットはこの曲を収録した、2015/08/14頒布の「66-Sixty six-」のもの。 BASIC MEDIUM HARD Level 4 7 9 Objects 151 298 490 BPM - TIME - Artist C-CLAYS Version VOLZZA Original 東方心綺楼 幻想郷の二ッ岩 動画 攻略 名前 コメント ※攻略の際は、文頭に[BASIC] [MEDIUM] [HARD] [SPECIAL] のいずれかを置くと、どの譜面に関する情報かが分かりやすいです。 コメント(感想など) 名前 コメント ↑攻略と無関係の曲に対するコメントはこちらでお願いします。あまりにもかけ離れた内容は削除される場合があります。
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僕が飼っているペットは、ゆっくりふらんだ。 ふらんは、まだ赤ゆの時にペットショップから買われて家に来た。 僕はふらんをひと目見て気に入り、毎日一緒に遊んで、楽しい時間を過ごしていた。 ふらんはその愛くるしい姿で、日々の僕の疲れを癒してくれる。 僕はふらんが大好き、そしてふらんも僕に良くなついてくれていた。 けれど、僕はふらんに、一つだけ不満なことがある。 「う~!」 ふらんの癖は、僕の指を軽く噛むことだ。 僕が仕事から帰ると、クッションの上でゆっくりしていたふらんが、 ふよふよと僕に近寄ってきて、手元にすりより、指をあまがみしてくる。 僕が頭をなでてやると、とてもうれしそうにニコニコとほほ笑むのだ。 「うー!うー!」 晩御飯を一緒に食べて、くつろいでいると、ひざの上にのっているふらんが、再び僕の指を噛む。 しかし噛む力はさっきのあまがみと違い、跡がついてしまうほど歯をたててくる。 これが合図だ。 ふらんはどこか興奮した様子で、僕の指を噛み続ける。 「しかたないな…いこうか」 ふらんは夜行性なのか、夜になるほど元気になっていくようだ。 そして何日かに一度、こうして僕と一緒に夜の散歩に出かける。 それは何故か、きっとふらんの種としての本能なのだと思うが、それとも僕の躾が悪かったのだろうか。 今日もふらんは、”オモチャ”を求めて夜の道をふよふよと飛び回るのだ。 「ゆゆ!いまならにんげんさんがいないね!ゆっくりかりにでかけるよ!」 「ゆっくちゆっくち!」 電柱の影から、野良のゆっくりが顔を出した。 恐らく母親のれいむと、その子供だろう、親れいむの頭の上に、まだ小さい赤ちゃんれいむが乗っている。 「でも、もしかしたらにんげんさんがいるかもしれないからね!そろーりそろーりでいくよ!」 「しょろーり!しょろーりぃ!」 無駄に大声で子供をあやしながらゆっくりと跳ねるれいむ、そしてキャッキャとはしゃぐ赤れいむ。 まさかこの二匹は、これから自分の身に不幸が降りかかるなんて、想像してもいないだろう。 「……」 ふらんは俺の横で、息をひそめている。 「そろーりそろーり!」 「しょろーり!」 ふらんが、全くこちらに気づかず、背を向けているれいむ達にゆっくりと近づいていく。 そして、すぐ背後まで迫ったとき、ふらんは突然大声をあげた。 「うぅーーー!!!」 「ゆっ!?」 それに気づいた親れいむが、ゆっくりとこちらを振り返る。 そこで僕は、これから起こることを想像し、思わず目を伏せた。 「ふらんだぁああ!!」 「うーーー!!!!」 ふらんの鳴き声とともに、ぐちゃぐちゃと何かがつぶれるような音がする。 「ぎゃああぁああああ!!!いじゃあいいぃ!!いじゃいいぃぃ!!!」 親れいむが絶叫している。 「ゆんやぁあーー!!おかーしゃぁあ!!」 赤れいむは、おそらく何もできないのだろう、ただただ泣き叫ぶばかりだ。 「うー!」 そしてふらんは、なんとも楽しそうな声をあげている。 「しねっ!ゆっくりしね!!」 「ゆぎゃあぁああ!!!」 しばらくすると、その音も声もピタリと止んでしまう。 僕が顔をあげると、目の前に、口の端に黒いものをつけたふらんが、満面の笑みで漂っていた。 「う~」 そして、さっきまで二匹のれいむが居た場所には、 一目見ただけでは何かわからないような、ぐちゃぐちゃの黒や肌色が混じった塊が落ちていた。 僕の不満とは、これである。 ふらんは、小さな頃はそんなことはなかったはずだが、成長するとともに、これが現れたのだ。 それは、ゆっくりを残虐に虐待し、殺して遊ぶという行為だ。 ふらんを買ったとき、捕食種だということは知らされていた。 だから餌にもきをつかって、ペットショップで売っている餌用生ゆっくりペーストを与えたり、 小さなゆっくりを模した猫じゃらしのようなもので遊んであげて、ストレスも発散させてきたつもりだ。 だけど、ふらんのこの行動は、発現してからなくなることはなかった。 初めはやはり生きたゆっくりを捕食したいのかとおもったが、どうやら違うようだ。 確かに口の端に餡子がついているが、これはれいむを食いちぎった時についたものだ。 その証拠に、落ちているれいむだった物は、大きさはほとんどそのままなのだ。 僕はこのふらんのオモチャ探しが憂鬱でたまらなかった。 一部の人は、ゆっくりを虐待するのを趣味にしている人もいるという噂を聞くけれど、 僕はそんなことをしようと思ったことはない、ゆっくりはペットのようなもので、愛すべき存在なのだ。 正直大好きなふらんが、野良とは言えゆっくりを虐殺するのは、見るに堪えないものがある。 けれど、それでふらんのことが嫌いになるかというと、そうなることはなかった。 なんだかんだいって僕はふらんの飼い主なのである。 愛犬家で言うところの、やっぱりうちのわんちゃんが一番、というやつである。 ふらんの犠牲になるゆっくりにはかわいそうだが、ふらんが望むのであれば、僕はその願いをできる限り叶えてあげたいのだ。 「ごめんね…」 僕はそう呟いて、現場を後にする。 「ゆゆっ!こんなところにあまあまがあるんだぜ、らっきーなんだぜ!うっめ、めっちゃうめえ!」 背後から、別のゆっくりの声がする、おそらくさっきのれいむの残骸を見つけたのだろう。 ふらんが殺害したあとの死体を放置していても、ほかの野良が綺麗にしてくれて掃除をしなくてもいいのは、少しだけ助かる。 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」 「ゆっ!あまあまのにおいがするよ!ゆっくりわけてね!」 「あみゃあみゃだじぇ!」 どうやら他のゆっくり達が群がってきたようだ。 ふらんはその声を聞いてもぴくりとも反応を示さない、ある一定の虐待をすると、 それまでが嘘のように、いつもの可愛いふらんに戻ってしまうのだ。 僕は宙に浮いているふらんを捕まえて、腕に抱え、優しく撫でながら帰路についた。 帰宅し、すぐに寝間着に着替えて、布団の中に潜り込む。 このふらんとの散歩が終わると、僕はいつも何もする気が起きなくて、 そのままもやもやとした気持ちを抱えて眠りにつくのだ。 「う~」 ふらんがいつものように、僕の布団にもぐりこんでくる。 もぞもぞと布団の中を這いまわるふらんを手探りで探し、両手で優しく捕まえて、枕もとまで引っ張り上げる。 「うー」 ふらんはうれしそうに、すりすりと僕に頬ずりをして、甘えている。 「なぁふらん、どうしてお前はゆっくりをいじめるんだ…?」 「うー?」 僕の言葉を理解しているのかいないのか、ふらんは分らないという顔をして、僕の目を覗きこんでくる。 ”うー”としか喋ることの出来ないふらんと、心を通わせて会話してみたいと思うがそれは叶わぬ夢だ。 「…」 「う~」 僕が黙りこくると、ふらんは再び僕の頬に柔らかい体をすりつけながら、僕の指をあまがみする。 ちゅっ、ちゅっ、と音と立てて僕の指をおしゃぶりの代わりにしている、ここはふらんの小さいころのままだ。 ふらんの頭を優しくなでてやると、ふらんは僕の指を咥えたまますやすやと眠り始める。 天使のような、可愛い寝顔だ。 眠るふらんを見つめながら、僕は再び思考の渦の中にゆっくりと落ちていく。 どうしてふらんはゆっくりをいじめ殺してしまうんだろう… 本能なのか、僕の育て方が間違っていたのか… わからない… 窓から差し込む光に瞼が刺激され、目が覚める。 布団から身体を起こして、ぼんやりと目をこすると、僕の腹の上あたりで、ふらんが退屈そうな表情でこちらをみていた。 「う~~」 目覚まし時計を見てみると、いつも会社に出勤するために家を出る時間をとっくに回っていた。 けれど僕は慌てない、なぜなら今日は休日、元々目覚まし時計などかけていなかったのだ。 「う~☆」 ふらんを連れて、よく晴れた空の下を散歩する。 昨日の夜も、ぼんやりと考えていたけど結局答えなんて出なかった。 でも、僕がふらんのことを好きなことには変わりないし、正解がないならそのままでも良い気もする。 けれど出来れば奇行をやめてもらいたいのは事実である。 が、うじうじ悩んでもしょうがないので、せっかくの休日をふらんを一緒に楽しく過ごすことにしたのだ。 いつもの散歩は大体近所を散策する程度だが、僕は今日は気分を変えて近くの森にいってみることにした。 この森は、市の自然公園で、野生の生態系を観察することのできる僕のお気に入りの場所だ。 と、いってもリスやフクロウがいたりするわけではなく、ここの主な生物は野生のゆっくりである。 広大な敷地を、ふらんと一緒にゆっくりと奥に入っていく。 すると、木々の間から、野生のゆっくり達の穏やかな声が聞こえてくる。 「ゆ~ゆ~ゆ~ん」 「むしさん、ゆっくりまつんだじぇ!」 「ゆっくち!ゆっくち!」 森は今日も平和なようだ。 ちらりと僕の横を飛んでいるふらんを見る、ふらんはニコニコとした顔で空中を漂っており、攻撃的な様子は一切見られない。 今までの経験から行くと、夜にならなければ、つまり太陽が出ている間は ふらんが豹変することはないようだ、ということが分かっている。 僕はふらんを連れて、森を進み、少し小高い丘になっているところまで歩いて行った。 そこで僕は、草の上に直接腰をおろして、家で丹精込めて作ってきたお弁当の包みを開ける。 「う~!」 ふらんが目を輝かせて、僕の手元を覗きこむ、お弁当箱の中身は、ふらんも一緒に食べられるような食材が詰めてあった。 とくにふらんのお気に入りが、僕の特製あまあま卵焼きだ。 僕が箸でそれを摘んで、ふらんのほうにひょいと放り投げてやると、ふらんは素早く動いて、器用に口でキャッチする。 「うー!」 口をもぐもぐさせながら、にっこりとふらんがほほ笑んだ。 自分も口を動かしながら、ふらんと一緒に食べていると、あっというまに弁当箱は空っぽになってしまう。 お腹がいっぱいになって、僕の膝に乗ってゆっくりしているふらんを抱えて、僕もゆっくりする。 こうしてふらんと一緒にぼんやりとしていると、日頃の悩みなど吹き飛んでしまいそうだ。 ぽかぽかと暖かい日差しが僕たちを包み込む。 満腹感もあって、なんだか瞼が重くなってきてしまった。 ふらんを抱えたまま、後ろに倒れこんで、背中を地面にくっつける。 そのまま軽く目を閉じていると、ゆっくりと意識がまどろんでいった。 肌寒さを感じて目を覚ますと、すでに太陽は傾き、空はすっかり茜色に染まってしまっていた。 寝ぼけ眼をこすりながら、体を起こす。 すると、僕の腕の中に抱いているふらんの様子が少しおかしいことに気がついた。 「どうした…?」 ふらんはぷるぷると小刻みに震え、ギュッと目を閉じている。 ずっと腕に抱いて眠ってしまっていたことで、何かあったのだろうか。 僕が心配そうに覗きこんでいると、突然ふらんは牙をむいて僕の指にかじりついた。 「痛ッ!」 「うー!うー!」 噛まれたところをみると、血がにじんでしまっていた。 「まさか…?」 もしかしたら、あの症状が現れてしまったのかもしれない。 しかし、なぜかふらんはいつもと若干様子が違っていた。 僕の指を噛んだ後も、ふらんは何かに脅えるようにギュッと目を閉じている。 「ふらん…?」 僕が声をかけると、ふらんは 「うー…」 と小さく一声鳴いて、僕の方を見つめてくる。 その目はやはりどこか怯えているようで、助けを求めているようにさえ感じた。 どうしていいかわからず、とりあえず安心させるためにふらんを優しく抱きしめる。 しばらくそうしていると、徐々に太陽が地平線に沈んでいき、辺りは暗くなってしまった。 突然、ふらんの体の震えがピタリと止まる。 「うー☆」 僕の腕の中で、ふらんが鳴き声を上げる。 僕が腕を離すと、ふらんは勢いよく宙に舞い上がった。 その様子は、さっきまでの怯えたものとは違い、喜々としていて、目もギラギラと輝いていた。 アレだ、と僕はとっさに思った。 ふらんは、ぱたぱたと羽をはばたかせながらあたりをうろうろすると、突然あらぬ方向に向かって勢いよく飛び出してしまう。 「あっ!ど、どこにいくんだ!?」 僕は慌ててふらんの後を追った。 ふらんの後を追っていくと、ふらんは丘を下り、どんどんと森の、それも遊歩道がない部分を直進していってしまう。 「まって!ふらん、まってってば!」 僕は引き離されないように必死で歩きづらい道を、植物を掻き分けながら進んだ。 「う~!」 何かを見つけたのか、ふらんが突然進路を変えて、少しスピードを上げる。 「お~い!」 突然のことに対応しきれず、ふらんを見失ってしまう。 しかしすぐにふらんの居場所は判明した。 『うわあぁああああ!!!ふらんだあぁああああああ!!!』 少し離れた位置から、ゆっくり達の悲鳴が上がる。 僕が声のした方に進んでいくと、そこはまさに地獄絵図だった。 「た、たすけてぇぇぇ!!!」ぐちゅっ 「ゆんやぁああ!ゆんや…」ぐちゃっ 「うあぁ…こっちにくるなっ!くるんじゃないのぜぇ!!」ぶちゅっ 「ゆっくちできにゃ」ぶちっ 泣き叫ぶ野生のゆっくり達を、僕のふらんが容赦なく次々と殺していく。 悲鳴の上がったときからノンストップでその行為は続いていたのだろう、 赤ゆ、子ゆ、成ゆ関係なく、即死してただの餡の塊になっているもの、一部を削り取られて、ビクビクと震えているもの、 家族を目の前で潰され、いつ来るかわからない自分の番に脅え一歩も動けずにいるもの。 そこにいる全てのゆっくりが、ふらんの絶対的な暴力になすすべなく翻弄されていた。 ふらんは、無数の悲鳴の中心で、実に楽しそうにオモチャ遊びを続けていた。 「う~~~!!」 「やべぢぇぇぇ!!!」 ふらんが嬉しそうな声をあげながら、体の大きなれいむに噛り付いている。 そのれいむは、なまじ身体が大きい分だけ頑丈なのだろう、無数につくふらんの歯型から餡子を垂れ流しながら、 なおも逃れようと、もみあげをばたつかせ、体を揺すって抵抗を続けていた。 「おきゃーしゃんをはなしぇ!!」 突然、物陰から一匹の子まりさが飛び出して、ふらんとれいむの間に割って入った。 その言動から、おそらくそのれいむの子だろうまりさは、恐怖にブルブルと体を震わせながらキッ!とふらんを睨みつけていた。 「おきゃーしゃんをいじめるな!まりさがあいt」 バクンッ 子まりさの言葉が終わらないうちに、ふらんは無言で大きな口を開け、子まりさの体に正面からかじりついた。 「!!!!!」 親れいむが、身体の前半分を失い、断末魔の悲鳴すら上げる間もなく絶命し、崩れ落ちるまりさを見て声にならない叫びをあげる。 「しね!ゆっくりしね!」 ふらんはそんな親れいむの様子を気にする風もなく、死んだ子まりさの死体をぐちゃぐちゃと踏みつけた。 「あ…あぁ…あぁぁああああああ!!!!」 親れいむはそれを見て気でも違えたのか、ものすごい表情になってふらんに襲いかかった。 「ふらん!あぶない!!」 慌てて僕が止めに入ろうとするも、それよりもはやく、ふらんが素早くれいむの側面に回り、 牙をむいてれいむにかじりつき、勢いをつけて身体を捻る。 ぶちり、という音を共に、れいむの片方のもみ上げごと、れいむの側面が抉りとられ、大量の餡子がドロドロと漏れ出した。 「どう…して…こんな………」 れいむはぼろぼろと涙を流しながら、傷ついたからだを引きずって子まりさの染みの所に近寄り、 覆いかぶさるようにゆっくりと倒れ、そのまま息を引き取った。 その光景を見ていた他のゆっくりたちは、我先にと蜘蛛の子を散らすように逃げ出そうとする。 しかし空を飛んでいるふらんのスピードに叶うはずもなく、一匹、また一匹とその儚い命が消えていった。 いつもなら一匹二匹つぶせば収まるはずのふらんが、なぜか今日に限って残虐行為をやめる気配すら見せなかった。 「もういい、やめろ!」 僕が少々乱暴にふらんを捕まえ、取り押さえようとする。 「うー!うー!」 僕の腕の中でじたばたと暴れるふらん、噛みつかれないように服で手を覆ってそのままじっと時間がたつのを待った。 しばらくすると、ふらんは徐々に抵抗をやめて、やがておとなしくなる。 「うー…」 ふらんの顔を覗きこむと、いつものふらんに戻っているようだった、けれどその瞳は、どこか深い悲しみを帯びていた。 言葉を交わさなくても、表情で、ごめんなさい、と言っているようだった。 「どうしちゃったんだよ…ふらん…」 落ち着きを取り戻し、少々元気のないふらんを抱えて、ゆっくりと森を進んでいく。 すると突然、辺り一面が目がくらむほどカッ!と光り、続いて僕の横に立っていた大きな木が音を立てて倒れた。 「なっ!なんだ!?」 予想もしてなかったあまりの事態に、僕が混乱していると、僕の背後から今まで聞いたことのない声が響いた。 「にんげんさん、あれはにんげんさんがやったの?」 声のした方を振り返ると、そこには僕の身の丈の倍はあるような、とても大きなゆっくりがいた。 初めて見たが、おそらくドスと呼ばれる個体だろう、ドスは足元にたくさんのゆっくりを従えて、ゆっくりと僕の方に近付いてくる。 「にんげんさん、たしょうのおうぼうはみすごせても、あれはそうはいかないよ」 ドスが口を開くと、足元のゆっくりたちが口ぐちに騒ぎ立てる。 「ドス!やっぱりあいつだよ!あのにんげんさんといっしょにいるふらんがみんなをころしたんだぜ!」 「むきゅっ、せーさいよ!ぜったいにゆるさないわ!」 「とんだいなかものねぇぇ!!!」 「う~…」 その惨劇を繰り広げた当の本人であるふらんは、僕の腕の中でぎゅっと目を瞑ってぶるぶると震えている。 きゃいきゃいと騒ぐゆっくり達よりも、僕はふらんのことが気になっていた。 ふらんは、あの状態になっている時と、普段通りに戻っている時は、まるで別の個体のようだ。 ふらんのやったことは確かに許されることではないかもしれない、だけど今この状況で味方をしてやれるのは僕だけだ。 僕はぎゅっとふらんを抱いて、ゆっくり達を睨みつける。 「う、うるさい!あれは…そう、事故なんだ!」 「そんなことはかんけいないよ、ドスはみんなのうらみをはらすためにここによばれたんだよ…」 ゆっくりとドスが大きく口を開けると、何やらドスの口内がぽぅっと明るくなり始める。 何か良くないことが起こると、直観的に感じた僕は、素早く身体を横に投げだした。 するとまた、カッ!と光が走り、視界が一瞬真白に染まる。 次の瞬間、今まで僕が立っていた部分が目で見てはっきりとわかるほど深く地面がえぐれていた。 「うわぁぁぁ」 これはまずい、命の危機を感じた僕は、震える足に鞭を打って無我夢中で走りだした。 『まてぇこのゲス!』 ゆっくり達が口ぐちに僕の背中に罵声を浴びせてくる。 途中何度も、閃光が走り、僕のそばの木をなぎ倒し、地面をえぐった。 あれがどうやら、ドスのみが使える攻撃的な能力、ドススパークというものだとおもう。 ゆっくりの力とは思えないほど強力なその攻撃は、おそらく生身の僕に直撃したら、本当に命が危ういと思う。 かすっただけでも、骨が折れたりしそうだ。 もうどこに向って逃げているのかわからない、けれど未だ後ろから聞こえてくるゆっくりの声に、僕は闇雲に走りまわった。 ふらんは僕の腕の中で震え、すっかりおびえきってしまっていた。 「大丈夫だからな!絶対守ってやるから!」 僕は何度もふらんに声をかけ、同時に自分の心も奮い立たせた。 突然、今まで草木を掻き分けながら走っていたはずの視界がパッと開けた。 そしてふいに、地面を蹴っていたはずの足が空を切る。 「あれ…?」 気づいた時には既に遅かった。 視界がガクリと傾き、直後にひざ、背中、肩、身体じゅうに地面が激突し、激痛が走る。 どうやら崖になっていた場所に飛び出してしまったらしい。 ごろごろと地面を転がりながら頭の一部が冷静に状況を判断する。 時間がゆっくりと流れていった。 痛い! 痛い! 地面に叩きつけられる度に身体がバラバラになってしまうような衝撃が伝わってくる。 ひときわ強い衝撃のあと、ふわりと無重力を体感する。 目を開けると、地面は自分のはるか下にあった。 死ぬのかな… そんな予感が頭をよぎる。 「うーーーーー!!!!!」 僕の腕に抱えられていたふらんが、大声をあげた。 僕が目を覚ますと、そこは辺り一面真っ白な霧に包まれた場所だった。 どこからか水の流れる音がする、近くに川でもあるのだろうか。 腕に抱いていたはずのふらんもいない、それになんだか体が重たい。 気合いを入れて身体を動かしてみるも、上半身を起こすだけで精いっぱいだった。 後ろ手に地面をついて身体を支え、どうしたものかと思っていると、霧の向こうから誰かが近づいてきた。 「四季様ー、もういいじゃないですかー、見回りならいつもやってますってー」 「なにをいっているのですか小町、貴方はいつも不真面目がすぎるので、今日は私がこうして特別についていてあげているのです」 「あたいはいつでも真面目ですよぅ」 きゃいきゃいと騒ぐ声が、二人分聞こえてくる。 目を凝らして良く見ると、相手がゆっくりと近づいてきて、その姿を確認することができた。 一人は、赤い髪の毛を頭の左右で結び、短めのツインテールにした巨乳のお姉さん。 もう一人は、なんだか仰々しい飾りのついた帽子をかぶった、少し背の低い女の子だ。 二人の関係がどういうものなのかはわからないが、女の子がくどくどと何かを言うたびに、お姉さんがペコペコしている。 なんだか不思議な光景である。 「おや?めずらしい」 お姉さんが僕を見つけて、物珍しそうな顔をする。 女の子は僕の方を見て、手に持っている角ばった棒を口元にあて、目を細めた。 「そこのあんた、一体何をしてるんだい?」 「何って言われても、僕もさっぱり…」 僕は二人に、それまでの経緯と自分が崖から落ちたらここにいたことを伝えた。 「へぇ、そいつは災難だ」 お姉さんは僕の話を聞いて、なぜかおかしそうにお腹を抱えてハハハと笑った。 女の子はというと、相変わらず難しそうな顔をしてこちらを、というか、僕の少し横を見つめていた。 「どうかした?」 僕が気になってそれを尋ねると、女の子は僕の方、けれど消して僕ではない、空中を見つめて口を開く。 「貴方、何かとても罪深いことをしたようですね…小町、聞いてやりなさい」 お姉さんはそれに応えて、僕のそばに寄ってきて少ししゃがみ、そっと目を閉じた。 少しして、ふんふん、なるほどと一人で相槌を打ち始める。 「そうなのか、あんたもなかなか苦労したんだねぇ」 そしてやはり僕ではなく、僕の横を見て声をかける。 一体何が起こっているのか、僕にはさっぱりだった。 お姉さんが呆気にとられている僕を見て、ニカッと笑う。 「いやぁ、あんた愛されてるねぇ、こんないい子がそばにいてくれて幸せだねぇ」 「何のこと?」 僕が聞き返すと、お姉さんは「あぁ…」と何かを思いだしたように呟いた。 「ん~、今は霧が出ててわかりづらいけど、ほら、ここのとこ、よーーくみてごらんなさい」 お姉さんが指し示す部分を、眉間に皺をよせてジッと見つめる。 すると、霧ばかりだと思っていた空中に、霧よりも色の濃い白いもやもやした何かが漂っているのが見えた。 「これは一体…」 「で、小町、なんと?」 僕の疑問を遮って女の子が聞くと、お姉さんは少し考えてから答えた。 「えっと、要約するとですねぇ、私の中に宿る本能を抑えつけることができなくて、 多くの命を手にかけてしまいました、だそうです ついでに、彼女がお兄さんと呼ぶこの男は、関係ないと申しております」 「ふむ、なるほど」 「ま、まってくれませんか」 僕はさっきお姉さんが言った言葉が気になっていた。 ”本能を抑えることが出来なくて多くの命を手にかけた” ”お兄さんは関係ない” もしかしたらこれは、この場に姿が見えないふらんのことを言っているのではないだろうか。 「あ、あの、その人、ふらんって名前じゃないですか?」 僕が恐る恐る聞いてみると、お姉さんは僕の横をじっと見てから、僕の方に向きなおった。 「そうだってさ」 「こら、小町」 女の子がいきなり、手に持った棒でお姉さんのお尻をピシャリと叩いた。 「きゃん!」 「慎みなさい、あまりそのようなことをするべきでありません」 「そのようなことって?」 僕が聞くと、女の子が難しい顔をして答える。 「あなたは本来ここに居てはいけない存在です、たまたま迷い込んだだけのものが あまりこちら側との関係を深めるべきではありません」 「そんなこといったら私たちだってそうじゃないですかー」 「あげ足をとらない!」 再び女の子がお姉さんを棒で折檻した。 やっぱりお姉さんの言っていることはふらんのことだったんだ。 僕は間接的とはいえ、初めてふらんと言葉を交わしたことに、喜びを感じていた。 ふらんは本能を抑えつけることができなかった、と言っていた。 やはりあれはふらんが望んでの行動ではなかったのだ。 それがわかっただけでも僕は十分満足だった。 「う~、暴力反対」 お姉さんが叩かれたお尻を痛そうにさすっている。 「ありがとうございます」 僕がそう言うと、お姉さんは頬を掻いて 「よくわかんないけど、どういたしまして」 と照れくさそうに笑った。 「ところであなた」 女の子が僕の方を見て、少し厳しい表情になる。 「先ほど、あなたは関係ないとそこのものが発言をしましたが、罪というものはかばい合いで消えるものではありません 私は裁く者の身として、常に公明正大でなければいけない、貴方の今後のためにも、この場で一度判決してあげましょう」 女の子が僕を見て、ぎゅっと目を細める。 すると突然、僕の視界が一瞬真白に染まる。 何事かとおもっていると、さっきの濃いもやもやが僕の視界を覆っていたらしい。 そのもやもやが、お姉さんの腰についている巾着袋のあたりをふよふよと漂っている。 お姉さんは女の子の方を見ていて、それに気づいていない。 もちろん女の子も、僕に注目しているので気づいていない。 しばらく沈黙が続く。 すると、突然そのふよふよが、お姉さんの巾着の中に吸い込まれた。 ふいに、女の子が口を開く。 「貴方は…」 「しろ!」 突然、三人のうちだれのものでもない声が響いた。 『!?』 三人の視線が、一斉にお姉さんの腰の巾着袋に集まった。 「おにーさんは、しろ!」 声はそこから聞こえ、なにやらもぞもぞと動いている。 「え、なになに?どういうこと?」 お姉さんが巾着袋を開け、ごそごそと中を探る。 取り出されたのは、大人の拳程度の大きさのお饅頭だった。 「しろっ!」 それは身体をぷるぷると震わせながら、一生懸命その言葉を叫んでいた。 良く見ると、そのお饅頭は、お姉さんの隣にいる女の子とそっくりの顔をしていた。 しいて言えば、お饅頭なので輪郭が丸い、というくらいで、あとは頭の上の飾りまでほぼ同じである。 「小町、それは一体…」 女の子は、自分の言葉を遮られたからか、それとも自分に似た饅頭が出てきて、 それが動いているからか、わなわなと肩を震わせてギロリとお姉さんを睨みつけた。 「あー!これはかっぱ堂謹製のえーきちゃん饅頭!楽しみにしてたのに!ひどい!」 その視線をさらりと無視して、お姉さんはとても残念そうな顔でその饅頭を見つめた。 「しろ!しろ!」 当のお饅頭は、お姉さんの手のひらの上でぴょんぴょんと跳ね、しろ!しろ!と繰り返し叫んでいた。 「ゆっくり…か?」 僕がそう呟くと、お姉さんは目を凝らして、じっとえーきちゃん饅頭を見つめた。 「ん~…そっか、あんたの横にいたのって、ゆっくりだったんだねぇ、饅頭同士相性が良かったっていうことかな…」 「い、今すぐそれをどうにかしなさい!」 女の子が顔を真赤にしてプリプリと怒っている、よほど自分の顔の饅頭が気に入らないのだろう。 「はいはい、ちょっとごめんよー」 お姉さんはえーきちゃん饅頭のほほをつかんで、ぐぃっと横に引っ張った。 「ゆっ!ゆぐぐぐぐ…」 ぐにっとえーきちゃん饅頭が横に引き伸ばされる。 「あれ?っかしーなぁ、ん?んんん?」 お姉さんは首をひねりながら、ぐにぐにといろいろな方向からえーきちゃん饅頭を引っ張り、こねくり回した。 「うぅうー!」 あ、いまふらんっぽかった。 どうやらさっきお姉さんが言っていたように、僕の横にいたふらんがえーきちゃん饅頭に宿った、ということらしい。 僕が何だか和んだ気持ちでその光景を見ていると、お姉さんは額から滝のように油汗を流しながら、ぼそりと呟いた。 「あのぉ…なんかなじんじゃったみたいで、とれません…」 「あぁっ、なんということでしょう!」 女の子がこの世の終わりのような顔をしてガクリと膝を折る。 「このような不細工な饅頭が私の名を冠し、あまつさえ動き回るなどと… それにゆっくりと言えば、近頃急に湧いてきた不快極まりない生き物じゃありませんか…」 「ん~、饅頭なんだし、割ったら切り離せると思うんですけどねぇ」 女の子は、はぁと深いため息をついて立ち上がり、スカートの裾をパンパンと払う。 「もうよいです、宿ってしまった以上、それはもはや生きているもの、無益な殺生はいけません」 女の子はちらりとこちらを見ると、疲れ切った顔で僕に言い放った。 「貴方も、いつまでもこんなところにいたら、戻れなくなりますよ、はやくお行きなさい」 「いけって、どこに…?」 僕が不安そうな顔をすると、お姉さんが僕の前にしゃがみ込み、僕の額に指を置いた。 「ではこのあたいが、あんたを導いてやろう、だんだんねむくなーるねむくなーーーる」 お姉さんが呪文を唱えながらぐりぐりと僕の額を人差し指で捏ねまわす。 そんなバカな、と思ったが、なぜか僕の思考はどんどん鈍っていってしまう。 「じゃ、達者でな」 お姉さんが僕から離れ、女の子と連れだって再び歩きだす。 もう指一本動かすことはできなかった、薄れゆく意識の中で、お姉さんと女の子の会話がどこか遠くで聞こえていた。 「ところで小町、そのえーきちゃん饅頭とやらはどこで売っていたのですか」 「ちょっとこの間散歩をしていたら、かっぱに会いまして、 暇つぶしに新商品を開発したんだけどいらないかといわれ、興味をひかれたもんでつい」 「ほう、つまり油を売っていた挙句、買い食いまでしようとした、と」 「い、いやいや、後で食べようと思ってとっておいたんですよ、だから買い食いでは…」 「問答無用!後でその河童も連れてきなさい、一緒にお説教をしてあげましょう」 「そんなぁ…」 そして僕の意識は再び闇の中に落ちていった。 「おい!あんた大丈夫かっ!?」 力強い声と、肩に来る衝撃で僕は目を覚ます。 「よかった、生きてたか」 ランニングシャツを着た筋骨隆々のお兄さんが、僕を見下ろしていた。 「ここは…」 身体を起こそうとすると、全身がバラバラになりそうな痛みが走る。 「動かない方がいい、このまま病院にでも運んでやるから、じっとしてろ」 お兄さんが身体をかがめて、僕の身体を背負い、軽々と持ち上げる。 「いやぁ、あんたこの崖から落ちたのかい?よく助かったなぁ…んっ?」 お兄さんが僕が今まで横たわっていた場所を見て、何かを見つけたようだ。 「これは…ゆっくりふらんか?こいつが下敷きになったおかげで助かったのかもな」 「!!」 お兄さんの肩越しに、僕もそれを見てしまった。 もうぺしゃんこになって中身をぶちまけ、絶命してしまっているが、たしかにそれは僕のペットのふらんだった。 「す、すみません…その子も…なんとか連れて行ってくれませんか…お願いします…」 「ん?あ、あぁ、まぁいいけど」 お兄さんは僕の言うとおりに、ふらんの亡きがらを掻き集め、ポケットから取り出したビニール袋に入れてくれた。 僕が助かったのには、ふらんが下敷きになってくれたことと、 あの崖の真下がちょうど遊歩道のすぐそばだったことが幸いしたらしい。 もしふらんが下敷きになっていなければ、衝撃で致命的な怪我をおっていただろう。 遊歩道のそばでなければ、発見されることなく、動けないまま放置されてしまったかもしれない。 とにかく幸運にも、僕の命はふらんの命と引き換えに助かった、ということだ。 病院に連れて行ってもらうと、腕や足の骨にひびが入っていたが、命にかかわるようなけがはないと言われた。 お兄さんはお礼を言うと 「なぁに、いいってことよ」 と、白い歯を輝かせてニッと笑ってくれた。 僕はその後、ビニール袋に入ったふらんの死体を、ペット葬をしている業者に依頼して、手厚く葬ってもらった。 だけど、不思議と悲しいという気持ちは湧いてこなかった。 きっとふらんは僕のことを助けてくれたのだ、そしてあの眠っている時に見た夢では、 ふらんは姿は変わってしまったけど、元気に動き回っていた。 そして僕のことを気にかけていてくれた。 僕は、悲しみに暮れてなどしまわないで、今自分が生きていることに感謝し、 あの世でのふらんの幸せを祈ることに決めたのだ。 それから数か月、ふらんが居なくなって初めての夏が来た。 去年はふらんを連れていろいろな所にあそびにいったものだが、一人になってみると、 なんだかんだいって寂しいもので、何かしたいとも思えず、僕は日々ぼんやりと部屋の中で過ごしていた。 その日も、茹だるよな暑さの中、外に出る気も起きず、部屋の中にひきこもっていた。 すると突然、家の呼び鈴の鳴る音が部屋に響き渡った。 誰かが来たり、何かが届いたりする予定はなかったはずなのだが… まぁ、新聞の勧誘か何かだろうと思い、面倒くさい気持ちで玄関にたどり着く。 「はぁい」 僕がドアを開けると、作業着に身を包み、帽子を目深にかぶった配達員が、僕にダンボールをぐいっと押しつけた。 「まいど!いやぁ、暑いねぇ」 顔は見えなかったが、女性の声だった、抱えていた荷物がどけられると、 大きな胸が作業着をぱんぱんに押し返しているのがわかった。 「あ、ハンコ…」 僕が荷物を足下に置いて、ハンコを取りに行こうとすると、背後から配達員が声をかける。 「あぁ、いらないいらない、ちゃあんと合ってるから、じゃあね」 そう言うと配達員はさっさとドアを閉めてしまう。 「あっ、ちょっと!?」 僕が後を追おうと、慌ててドアを開ける。 しかし、数秒もたっていないはずなのに、そこには既に誰もいなかった。 不審な気持ちでいっぱいになりながらも、僕は渡された段ボールの荷を解いた、すると 「おにーさん!」 ぴょんっ!と勢いよく、段ボールの蓋があき、僕の胸に何かが飛び込んでくる。 「うわっ!」 慌ててキャッチすると、僕の腕の中でソレがもぞもぞと動き、顔をあげた。 「ひさしぶり!」 それは、あの夢で見たえーきちゃん饅頭だった。 「え…?どういうこと…?」 僕が段ボールの中に目をやると、そこに一通の手紙が入っていることに気がついた。 僕はその封を開けて、中に目を通す。 そこには、妙に達筆な字でこう書かれていた。 前略、迷子君へ あんな所で寝ていたあんたに会ったのも何かの縁だろう。 あの後、四季様にこってりとしぼられてから、やっぱりその饅頭を捨ててきなさい、っていわれちゃってね。 殺すのも殺生だし、かといってぽいと捨ててしまうのもバチが当たりそうだ、元々は食べ物だし、粗末にしちゃあいけないやね。 というわけで、あんたにあげるよ、外見はかわっちまっても、中身は元々あんたの連れらしいし。 楽しくやってくれたまえ。 追伸、あんた長生きしそうな顔をしてるよ、見るまでもなくあたいにはわかるね。 次会うときはずっと後だろうけど、その時はたくさん楽しい土産話を期待してるから、そのつもりで。 小野塚小町より 良く分からない文もあったが、あの夢は夢ではなく、あのふらんの入ったえーきちゃん饅頭がこの子らしい。 「おまえ…やっぱりふらんなのか!?」 僕が両手で抱えたえーきちゃん饅頭を見つめて、少々興奮気味に尋ねる。 「いまはえーきだけど、おにーさんのふらんですよ!」 「ほ…本当に…?」 踊りだしそうなほど嬉しい反面、一度この目でむごたらしい姿になってしまったふらんを見てしまっている身としては、 まだほんの少し信じられなかった。 「うー!」 えーきがふらんの口調のマネをする。 そして、僕の指をぱくっと咥え、優しくあまがみをした。 恐る恐る僕がその頭をなでてやると、えーきは僕の手に体をすりよせ、ニッコリとほほ笑んだ。 「ふらんだ…やっぱりふらんだ…!」 僕はうれしくなってしまい、ぎゅっとえーきを抱きしめる。 「いまはえーきですよ!おにーさん、あいたかった…」 いつの間にか、僕は両目からボロボロと大粒の涙を流していた。 また会えた嬉しさと今まで我慢してきたさみしさと、もうとにかくいろいろなものがぐちゃぐちゃに混ざって心をかき乱す。 それはえーきの心にも伝わったのか、いつのまにかえーきも、わんわんと声を出して泣いていた。 それから僕たちは、あの時のように毎日を実に楽しく、ゆっくりと過ごした。 もうえーきには、ふらんだったころのあの衝動は起きなかった。 後でペットショップで聞いた話では、ペットショップで売られているゆっくりは、 たとえ本来凶暴な性格を持っている捕食種でも、 基本的にある程度飼いゆっくりにしやすいように品種改良をされて売られているらしい。 それがたまたま、先祖がえりのようなことが起こり、種としての本能が蘇ってしまうゆっくりが稀にいるらしい。 本来そのようなことが起こった場合は、ペットショップ側では、”商品の交換保障”などで対応をしてくれていたそうだ。 しかし、僕はやっぱり、最後までふらんを信じてあげてよかったと思う。 もし、僕が最初に凶暴性に気づいた時、ペットショップに言って、 交換してもらったとしたら、今回のようなことは起きなかっただろう。 けれどそれで何の意味があるというのだ、それで交換されたふらんは、ふらんであっても僕のふらんではない。 僕は、僕のふらんのことが心から大好きだった。 そして、色んなことがあったけど、姿が変わってしまっても僕達はこうして再開し、再び平穏を取り戻すことができた。 「う~!」 えーきの姿になっても、ふらんだったころの癖はまだまだ治らないらしく、 えーきはよく、鳴き声をあげながら僕の手にじゃれついてきた。 僕が指でえーきのほほをなでてやると、えーきは指をかぷりと咥え、あまがみをする。 そして夜眠るときは、あの頃のように僕の指をちゅっちゅっと吸いながら、おしゃぶり代わりにして眠ることが多い。 言葉が交わせるようになって、僕たちの絆は以前よりもより深いものになったと思う。 「おにーさん!おさんぽ!おさんぽ!」 「はいはい」 えーきは空を飛ぶことは出来ないけれど、ふらんの時にしたように、僕と外を散歩するのが大好きだった。 僕はふらんが大好きだ、そしてふらんも、僕によくなついてくれている。 えーき、と呼ぶのはまだ少しだけ慣れないけれど、それもいずれ、時間が解決してくれるだろう。 僕達はこれからも、ずっと一緒、そうだよね。 僕がほほ笑みかけると、えーきもにっこりと笑顔を返してくれた。 おしまい。
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高校2年のオレが幻想入り 動画リンク コメント・レビュー 高校2年のオレが幻想入り 692人目の幻想入り 作者 通称:アイマスクの人、本田 ひとこと こんにちは、本田です(違。 動画更新は主が受験期間のため現在不定期です。 制作状況など→ttp //blog.livedoor.jp/eyemask/ 主人公(その伍の時点) 名前(仮名):夜半(よわ) 性別:男 年齢:17歳(某高校2年生) 性格:気さく、本心を隠す 髪型:ソフトモヒカン 髪色:黒 瞳の色:暗い灰 特徴:・頭にアイマスク(柄が時折文字になる) ・自分の本名が分からない(部分的な記憶喪失) ミンティア ・ゆずカクテルとリッチグレープカクテル以外 のミンティアを全て所持。 ・DryHardのみ3つ所持。 ・マンゴーカクテルはルーミアとの契約で渡し たため所持していない。 EXルーミア これについては【その参】↓8 27からのEXルーミアの設定を参照。 高校2年のオレが幻想入り【その参】 動画リンク 新作 一話 コメント・レビュー これは期待できる。ていうか絵うめぇwww -- (名無しさん) 2008-08-24 22 37 36 こぶろうさんとクロスしてほしいな。 ミンティアvsチュッパチャップス(笑 -- (名無しさん) 2008-08-30 13 47 35 相方が類を見ない人。絵が上手くネタもいい感じ。オススメ。 タイトルで敬遠している人も一度見てみては? -- (名無しさん) 2008-08-31 00 56 03 これは幻想入り神絵師の一人に数えられても良いのではないかと思う。 -- (名無しさん) 2008-08-31 22 47 11 中身がリアル学生(大学生・専門学校を除く)だったから避けてたが 試しに見てみると普通に面白いし見れる。 -- (名無しさん) 2009-08-13 22 33 12 名前 コメント すべてのコメントを見る ※この作品のレビューを募集しています。レビューについては、こちらもご覧下さい。