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登録日:2012/03/26(月) 15 48 47 更新日:2022/11/16 Wed 13 39 07NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 低血圧 健康 冷え性 地味に辛い 本気で辛い しかし理解されない 属性 朝が苦手 朝長美桜 生活習慣病 血圧 言い訳 ※ご自身の健康問題については、専門の医療機関に相談してください 俺、低血圧だから朝弱いんだよね~ 高血圧な俺よりマシだろ…… ある人は健康診断で、またある人は温泉の脱衣場などで測ったことがあるだろう。そう、血圧測定である。 腕に巻き付けたり、筒状の機器に腕を通して締め付けられるアレである。 血圧はmmHg(水銀柱ミリメートル)という単位が用いられ、収縮期血圧(俗に言う“上”)130mmHg前後、拡張期血圧(俗に言う“下”)80mmHg前後が正常値とされる。 一般的に上が140mmHgもしくは下が90mmHgを超えると高血圧とされるのに対し、低血圧は上が100mmHgに満たない場合そう呼ばれることが多い。 生活習慣病の一種にして、脳卒中や心疾患などのリスクを高める高血圧は忌み嫌われ医者からも注意を受ける。「高血圧症」という病名もある… 対して低血圧は一種の属性のような扱い方をされる(特に二次では)。というか、「低血圧症」という病名は無い。 高血圧と違い大病のリスクとされているわけでもなく、定義も曖昧であるため軽く見られがちである。 低血圧=朝弱いという半ば固定したイメージのためか実際に低血圧で体調が優れない時でも言い訳だろ?とか意志が弱いからだとあっさり片付けられることが多い。 理解されづらいが低血圧もれっきとした異常なので侮ってはいけない。 ほとんど自覚症状がないと言われる高血圧に対し、低血圧には特徴的な症状が表れる。 では低血圧だとどのような症状が出るのか。 朝が弱い 低血圧と言えばまず間違いなくこれと結びつけられるであろう症状。 特に二次ではほぼ低血圧=朝が弱いという意味で使われる。 脳の血行不良によって眠りが浅くなったり眠れなくなったりすることによって起こるらしいが医学的な根拠はない。 というか、朝に弱いのは低血糖である。或は寝不足か。 めまい、頭痛、気だるさ これも頭や全身の血行不良によって起こされるものであり、地味に辛い。倦怠感が食欲不振につながることも。 朝が弱いこととコンボで午前中はなかなかエンジンがかからない人もいる。 冷え 血の巡りが悪く、手足の末端から冷えだす。女性に多いとされるがもちろん男性にも起こる。 冬は特に深刻であり、室内でも靴下やスリッパは欠かせない。 動悸、息切れ 血行不良は心肺にも起こり、何気ないことで息切れしてしまったりすることも。単純に運動不足の可能性もあるが。 運動は低血圧の解消にも効果はあるので適度な運動を心がけよう。 《主な低血圧キャラ》 アテナ・グローリィ(ARIA) 紺双葉(それでも町は廻っている) 辰野俊子(〃) 北原美桜(あの夏で待ってる) スタン・エルロン(テイルズオブデスティニー) 菱沼聖子(動物のお医者さん) レイン恵(遊☆戯☆王タッグフォース) 水澤摩央(キミキス) サーニャ・V・リトヴャク(ストライクウィッチーズ) 八坂透(パワプロクンポケット13) 鳳鏡夜(桜蘭高校ホスト部) 笹塚衛士(魔人探偵脳噛ネウロ) 朝長美桜(HKT48) etc... 追記・修正は上90mmHgを下回っちゃう人お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ちびまる子ちゃんだかの話で、遅刻の言い訳に「低血圧で」と言おうとしたら「低気圧で」といってしまったって話があった気がする、笑ったなーあれ -- 名無しさん (2014-01-14 21 23 20) スプラッタだわ -- 名無しさん (2014-11-09 11 35 30) 60mmHg未満ならショック状態 -- 名無しさん (2014-11-09 11 41 13) 上90の下60くらいだった頃があった。今は110の80くらいになってるけど -- 名無しさん (2015-04-22 17 03 48) 名前 コメント
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■Pearls 意識障害イコール頭蓋内疾患と思い込まない 意識障害+ショックではショックの対応優先 低血糖をまず見逃さない 広く鑑別診断を「AIUEO TIPS」+α ■Pitfalls worst10 つまりは思い込みや決めつけが原因である どの場面でも広く鑑別を考えることを「習慣」に ①ショック+意識障害でCTへ走る ②両側宿瞳+意識障害で有機リン中毒否定せずにCTへ走る ③精神科患者の水中毒(低Na)を想定せずに 薬物中毒と決め付ける ④泥酔+頭蓋内損傷をアルコールのみと決め付ける ⑤てんかん+頭蓋内損傷をてんかん後のもうろう状態のみと 決めつける ⑥薬物過量(服用間違いも含む)を想定できず脳卒中と決めつける ⑦低血糖を否定せずにCTへ走る ⑧悪性腫瘍患者の高Caによる意識障害を想定できず 脳転移にようるものと決めつける ⑨慢性硬膜下血腫による精神症状を精神科に送る 慢性硬膜下血腫による麻痺を脳卒中と誤認する ⑩慢性硬膜下血腫のCTスキャンでisoな血腫を見逃す (両側性にあると偏位も出にくい!)
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被告病院の薬剤師が,原告らの被相続人(患者)に対し誤って血糖降下剤を渡したためにこれを服用した患者が低血糖症により重い意識障害を起こし,また,その約1年11か月後に同病院に入院した患者が同病院内で4回の転倒事故を起こし,その後肺炎により死亡したため提起された損害賠償請求事件につき,同病院医師らに過失があったものと認められ,これらの過失と患者の死亡との間に因果関係があるということはできないものの,上記の過失がなければ患者が死亡当時生存していた相当程度の可能性があるとして,被告に対し,慰謝料など合計660万円余りの支払が命じられた事例 平成18年1月26日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 平成14年(ワ)第5603号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日 平成17年11月17日 判決 主文 1 被告は,原告らに対し,それぞれ220万円及びこれらに対する平成13年2月9日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告らのその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,これを10分して,その1を被告の負担とし,その余を原告らの負担とする。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 被告は,原告らに対し,それぞれ8756万9146円及びこれらに対する平成13年2月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 A(昭和2年3月10日生)は,被告が設置しているB病院(以下「被告病院」という。)において前立腺肥大症の治療のために経尿道的前立腺切除術を受けるため入院したところ,退院する際に本来交付されるべき薬であるグリチロンではなく,グリミクロンが交付され,グリミクロンを服用後,低血糖性昏睡となり,被告病院に入院し,退院後,会社で転倒して,被告病院に再度入院した後,更に病院内で転倒し,平成13年2月9日,肺炎によって被告病院において死亡した(当事者間に争いのない事実)。 本件は,Aの相続人である原告らが,被告病院には誤投薬,低血糖性昏睡の原因究明義務違反及び付添看護義務違反があるとして,医療契約の債務不履行又は被告病院医師らの使用者としての不法行為責任に基づき,損害賠償及び平成13年2月9日(Aの死亡した日)からの民法所定の年5分の割合による遅延損害金を求めた事案である。 1 前提事実 当事者間に争いのない事実,乙A1ないし4号証,乙B1ないし3号証,原告C本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によると,次の事実が認められる。 (1) 当事者等 ア 原告D及び原告Cは,A及びE(平成16年1月2日死亡。)夫婦の実子である。 イ 原告Fは,原告Cの実子であるが,平成5年1月18日,A及びEの養子となった。 ウ 原告D,原告C及び原告Fはそれぞれ,EとともにAを相続し,更にEを相続した。 (2) 誤投薬による入院から退院に至る経過 ア Aは,平成10年11月12日から,前立腺肥大症の治療のため被告病院に入院した。その際,生活行動等について聴取されたAは,日常及び入院時における食事,排泄及び移動等は自立して行うことができ,理解力及び記憶力は良く,視覚障害及び言語障害等の障害は無い旨答えた(乙A1号証74頁)。 同月19日に手術が施行され,同年12月2日,被告病院を退院した。その際,被告病院担当医師は,Aに対し,前立腺肥大症に対する治療薬である「グリチロン」を投薬する必要があるとして,処方箋に「グリチロン」と記載したところ,薬剤師は,誤って糖尿病の治療薬である血糖降下剤の「グリミクロン」を交付した。 イ A(当時71歳)は,平成10年12月5日(土曜日)午後6時45分,意識障害のため救急車で被告病院救急外来に搬送され,同病院を受診した。 Aは,血液検査の結果,低血糖性昏睡であると診断された。G医師はEから,Aには脳卒中,心筋梗塞,狭心症及び糖尿病はなく,降圧剤は飲んでいるが,糖尿の薬は飲んでいないことを聴取した。Aの服用している薬については持参していないということでG医師は確認することができなかった(乙B1,2号証)。 同日,G医師は,Aの頭部CT及び心電図の検査を施行したが,明らかな異常を認めず,バイタルサインも一貫して安定していた。50%ブドウ糖液を静脈注射及び点滴したところ,Aの状態は改善した。 G医師がAに対し,家に帰れるか尋ねると,Aは帰れますと言ったが,その時点でAの足取りはややよろけていた(乙B2号証)。 同日の時点では,Aが低血糖性昏睡となった原因は判明せず,G医師は,低血糖の原因が不明であるから月曜日に内分泌内科を必ず受診するよう指示した(乙B1,2号証)。 ウ Aは,平成10年12月6日午前11時,再び低血糖性昏睡により救急車で被告病院に搬送され,そのまま被告病院に入院した。入院後,上記のとおり,グリチロンを交付すべきところ,実際にはグリミクロンが交付されていたことが判明した。 エ 平成10年12月7日,H医師は,「意識levelが不可逆的なものになってしまう可能性大」と診療録に記載し,同日,I医師も,「約5日間の低血糖状態が持続していたと考えられ,脳細胞の不可逆的な障害が起きている可能性あり」と診療録に記載した。 オ 被告病院医師は,平成10年12月8日,原告Cに対し,「12月2日から同月6日まで遷延性低血糖があり,期間が長くグリミクロンの作用も強力であった可能性がある。今後少しずつ意識レベルは改善していくと思われるが,最悪の場合,前と同じレベルまで戻らない可能性はある。何らかの後遺症の残る可能性がある。」旨説明した(乙A2号証14,15,18頁)。 同日の脳のCTの結果,脳溝は,軽度から中等度開大していた。また,同日のMRIの結果,年齢相応程度の萎縮と軽度の小梗塞巣を認めるのみで,低血糖によって生じ得る皮質,海馬,大脳基底核の信号変化は認められなかった(乙A2号証20頁,5ないし8号証,B4,8号証)。同月9日の脳波検査でも,基礎波は10Hz,40-50μvと良好で,全般性の徐波,三相波,棘波等を含む低血糖の悪影響としての異常所見は認められなかった(乙A2号証21頁,B4,8号証)。 カ 長谷川式簡易知能スケールでAを検査したところ,同月9日は30点満点中6点,同月18日は22点,同月22日には19点であった。なお,長谷川式簡易知能スケールは,30点満点中30~25点が正常,19点以下が痴呆(軽度~高度),24~20点が境界とされている。 キ Aは,平成11年1月11日に被告病院を退院した。 (3) 平成11年2月9日,Aは被告病院の神経内科を受診した。Aの主訴は,書字がスムーズにできないこと及び,着衣動作が鈍くなったことであった。実際にAは誤投薬前と同程度には文字が書けなくなっており(乙A1号証17頁,3号証5,6頁),左手の振りが少し少なかった(乙A3号証3頁)。その際診療に当たったT医師は,左上肢の振戦について老年性振戦と診断し,また,着衣動作などの動作緩慢があること及び左上肢に軽微な歯車様固縮が認められたことから,パーキンソニズムと診断した(乙A3号証3頁,B3号証)。 (4) 転倒による入院とその後の経過(原則として,(4)項においては,平成12年については月日のみで表示する。) ア 11月16日,A(当時73歳)は,会社の階段で転倒し受傷したとして,被告病院救急外来に搬送され入院し,頭部,顔面部打撲挫創,上口唇切創及び右手擦過と診断された。検査所見では,頭部単純X線には異常なく,頭部CTによれば,上顎洞付近の出血と骨折が見られた。 当日の看護記録には,「夜間トイレ等覚醒時1人で動かれる可能性あり。転倒や,末梢抜去おこらないよう頻回な訪室心がけ,注意していく。」との記載がされた。 イ 11月17日午前0時,Aからナースコールがあり,看護師が訪室したところ,Aはベッドの足下側にたたずんでおり,点滴本体からルートが抜けていた。Aは「トイレに行こうと思ってベッドから降りた。その後でナースコールを押した。ご迷惑をおかけしました。」と言った。看護師は,再度,トイレに行きたい等ベッドから動きたいときは体を起こす前にナースコールを押すように説明した。Aは「転倒など何もなかった。」旨話した(乙A4号証122頁。以下,フまで乙4号証とする。)。 ウ 11月18日午前6時に至るまでの深夜帯に,Aから3回ナースコールがあり,その際,看護師は,ラジオを消してほしいと言われたが,実際にはラジオのスイッチは入っていなかったり,また,テレビのリモコンがない,尿器を片づけてほしいとも言われたが,実際には尿器内には何も入っていなかった。さらに,一人でトイレに行った様子で,閉まっていたトイレのドアが開いていたので,Aに問うと「行っていない。」と答えた(126頁)。 エ 11月20日,抜糸が終了したら退院の予定となった。Aは自力で起き上がることができない様子であった。看護師は,一人での歩行はまだふらつきがあるため,起き上がるときはナースコールをするよう説明した(130頁)。 また,Aは高血圧及び振戦と診断された(11頁)。 オ 11月22日午前0時ころ,看護師がAの病室を訪れると,出血汚染が,病室のベッドサイド及び床並びに包布寝衣にあり,更に鼻腔,両手先及び右前腕にも見られた。ソファーの上には血液のついたタオルがあった。看護師がAに聞くと「転んではいない。転んだようなもの。頭は打っていない。」と答えた(132頁)。 この当時,Aには,多少痴呆の症状もみられた(14頁)。 カ 11月23日午後11時,看護師が訪室するとAが壁にもたれて床に座っており,左後頭部からの出血が見られ,左頚頂部に35mmほどの挫滅創があり,骨膜に達していた。床には200ml近い血液があった。Aは,「トイレに行こうと思って。どこを打ったのか分からない。痛みとか吐き気はない。」と言った(136,137頁)。 頭部CT所見では,両側の硬膜下水腫が存在し,11月17日と比べ増加しており,薄いくも膜下出血の疑われる箇所もあった(13頁)。 11月24日午前1時5分,看護師が訪室すると,Aは覚醒した。看護師の問いに対し返答があった。看護師は,Aに対し,起き上がるときはナースコールを押すよう説明し,枕元にナースコールを置いた(139頁)。 午前1時20分,介護員からナースコールがあり,看護師が訪室するとベッド柵がおりており,Aがベッドサイドで床に倒れていた。床灯台に血液が少量付着していた。Aは「飴が取りたかった。」と話した(137頁)。 キ 同日,担当医師から原告Cに対し,CT上は硬膜下水腫が増加してきており,これについては11月16日の転倒が原因と思われること,16日,17日,23日と徐々に硬膜下水腫が増加してきていること及び今後慢性硬膜下血腫に移行することもあるが,現在は様子を見るしかないことを説明した。また,頭蓋X線で骨折と思われる所見があったが,J医師は,今すぐ何かするという必要はなく様子を見るしかないこと,後頭部の傷が治るのに一週間かかるとしてそれまで入院を延長することが決まったこと及び転倒などの事故のないように注意しつつ,離床をすすめる必要があるので,来週からリハビリを依頼することを説明した。 午後4時,看護師は,排泄希望時は必ずナースコールするよう説明し,ナースコールについて説明したがAは返答のみで押す様子はなかった。 午後5時40分,Aがベッドの柵を倒す動作をしていた。Aから,トイレに行くときはどうしたらいいのだろう,と聞かれ,看護師はナースコールについて説明し,Aは納得したが,ベッド柵をおろす動作を繰り返した。 ク 11月26日午前9時30分,Aから徘徊コールがあり,看護師が訪室するとベッドの抑制がはずれており,柵も下がっていた。Aは床に正座し前頭部から倒れていて,鼻出血がみられた。午前9時40分の回診時には止血されていた。このまま様子を見ることとなった。Aは,「飴を取ろうと思った。私が勝手にやりました。すみません。」と話した。その後,Aを詰所へ移動させた(147頁)。 ケ 11月28日,頭部CTの所見から,硬膜下水腫の状態であり,手術適応はないとJ医師は判断した。左前頭葉基底部に一部吸収の高めの所があるのでMRI検査を行うことになり,その結果脳溝内にわずかにくも膜下出血を思わせるところがあった。 夕方,Aの酸素飽和度が低下したので,酸素吸入を経鼻で2リットル行ったが酸素飽和度が上昇しなかった。AはICU(集中治療室)に収容された。 この時点で,胸部レントゲン上は明らかな肺炎像はなかったが,左肋骨に骨折があった。この骨折については,入院時の胸部レントゲンでは見られないものであった。 聴診上は呼気,吸気両時期にわたる湿性ラ音があったところ,のどの奥の痰を吸っても改善しなかった(22頁)。 コ 11月30日,AはICUから帰棟した。ICUで気管内挿管により十分な吸痰と加圧を行い,血液ガスのデータは著明に改善した。 誤嚥性肺炎を併発していたと診断され,抗生剤を投与して経過観察することとなった。 J医師から原告Cに対し,痰が詰まった原因としては,①脳の表面に水がたまっていることによる軽度の意識レベルの低下(ボーっとしている),②ベッドに長期に寝ていることによる肺の働きの低下(十分せきをして痰を外へ出せない)及び③高齢などが考えられる,との説明があった(31頁)。 サ 12月1日,呼吸音は左側で減弱していた。検査の結果,11月28日のAの咽頭液よりMRSAの陽性反応があった。ただ,肺炎の原因がMRSAかどうかは不明であった(25,26頁)。 頭部打撲後の硬膜下水腫について,入院後より徐々に硬膜下腔は拡大してきていた。この時点で,硬膜下腔の拡大が入院前の転倒によるものなのか,それとも,入院後の転倒によるものであるのかは不明だったが,11月23日午後11時前の転倒直後に撮影したCTでは既に存在していた。J医師は,右側の少量のくも膜下出血は上記の転倒によるものではないかと判断するとともに,これが意識低下の原因かどうかは不明と判断した。 シ 12月2日,熱が上昇したが意識はしっかりしていた。腹部膨満が見られた。抗生剤はメロペンに加え,バンコマイシンの投与も開始した(28頁)。 ス 12月3日,発熱が続いていた。 セ 12月4日,意識は傾眠傾向であった。被告病院は,当時の意識低下は低ナトリウムが直接の原因ではないと認識していた。治療の方針として,①脳病変に関して,硬膜下水腫,一部脳挫傷が意識障害の原因と考えられるが手術の適応はないので,週1回のCTで経過観察するとされ,②肺炎に関しては,痰多量で,MRSA及び肺炎桿菌が陽性反応を示していたので,バンコマイシン,メロペンの投薬を続行した(35頁)。 ソ 12月5日,Aは名を呼ぶとやっと開眼した。頭部CTにより硬膜下水腫はやや増加しているのが認められた。K医師は,J医師及びL医師立会いの下,原告Cに対し,転倒による硬膜下水腫があるが現在手術適応がなく,保存的に見ていく方針であり,肺炎などの内科的管理が必要と説明した(36,39頁)。 タ 12月12日,熱が上昇した。痰は,白色から黄色になり頻回吸引された。頭部CT画像所見は変わらなかった。胸部レントゲン画像によれば,肺の影は拡大はないがよりはっきりしてきていた(41頁)。 チ 12月14日,頭部CT画像からは相変わらず硬膜下水腫であると判断された(42頁)。 ツ 12月15日,CRP値が低下し,痰が黄色から白色になった。熱は39.2度であった(42頁)。腹部CTによって,肝右葉に腫瘤が認められたため,消化器科に相談がなされた(45頁)。 テ 12月18日,痰が増量しており,肺炎が悪化していた。K医師は,電話で原告Cに対し,肺炎が悪化したこと,肝臓内に病変があり,癌や膿瘍の可能性もあること等を説明した(45頁)。 ト 12月19日,簡単な言語指示に応じなかったので,念のため,ICU管理となった。 胸水を800cc以上抜いたが,余り酸素化は改善しなかった。血液ガス検査の結果が悪化していたので挿管をした(342頁)。 ナ 12月22日,胸部レントゲン画像には両側擦りガラス影がみられた(345頁)。 ニ 12月24日,肺炎像が悪化していた(347頁)。 ヌ 12月25日,K医師から,原告Cに対し,肺炎が重症化しており危篤状態で,呼吸状態がかなり悪く,昼にはそのストレスのため重症の不整脈が一過性に出現しており急変する可能性があるとの説明がされた。 右胸水を500cc採取された(348頁)。 ネ 12月26日,K医師から原告Cに対し,肺炎から全身状態が更に悪化しており,肝臓,腎臓の障害が出現していて,急変する可能性があるとの説明がなされた(350頁)。 ノ 平成13年1月9日,痰が多く,状態はよくなかった。気管切開がされた(362,363頁)。 ハ 平成13年1月30日,尿量を維持できず,腎機能障害が進行していた(375頁)。 ヒ 平成13年2月4日,尿量は10cc/h程度であり,四肢末梢の浮腫が著明にみられた(377頁)。 フ 平成13年2月6日,K医師から原告Cに対し,Aの腎不全が進行し尿毒症状態でピクつきが起こっており,数日以内に急変する危険性があると説明された(378頁)。 ヘ 平成13年2月9日午後1時23分,Aは,肺炎を直接の原因として被告病院において死亡した。 (5) 低血糖症等について ア 低血糖症について (ア) 低血糖症とは,種々の原因により血糖値が著しく低下した状態(一般には血糖値50mg/dl以下)をさす(甲B6号証)。 (イ) 低血糖の大部分は,糖尿病治療によって引き起こされ,中でもインスリンによるものが最も多く,その他にβ-遮断薬及び抗不整脈薬が原因となるほか,飲酒による場合,内分泌疾患,肝腎疾患などが原因として挙げられている(甲B1号証)。 (ウ) そして,血糖値が約60mg/dlになると,発汗,振戦,動悸,不安感,顔面蒼白,強い空腹感などの自律神経症状がみられるようになり,約50mg/dl以下になると,落ち着きのなさ,人格変化,記銘力低下などの精神症状,及び,複視,失語などの神経症状が生じるようになり,約40mg/dl以下になると,昏睡状態を呈するようになる。低血糖昏睡を放置すれば死に至ることもあり,また,昏睡のまま数時間経過すると血糖が回復しても植物状態に陥るなど不可逆性の中枢神経障害をもたらすことがある。のみならず,意識が回復しても,後遺症に苦しむことがあり,低血糖自体が新たな脳血管障害を誘発する場合もある(甲B6,7号証)。 (エ) そのため,低血糖の原因や誘因が不明である症例では,原因精査と低血糖の再発防止のために入院が必要であるとされ(甲B6号証),昏睡で来院した患者は,意識が回復したからといってすぐに帰宅させず,血糖値及び全身状態の安定が得られるまでは入院等の経過観察が必要であるとされている(甲B7号証)。 イ グリミクロンについて グリミクロンは血糖値を降下させる作用がある。また,劇薬指定された薬である。副作用として,低血糖,集中力低下,精神障害,意識障害等の症状が現れるとされている。 ウ 低酸素脳症について(甲B5,8号証) 酸素の欠乏による症状である低酸素脳症の後遺症としては持続性昏睡,痴呆,視覚性失認,錘体外路症候群(パーキンソン症候群)といった様々な症状がある。 エ パーキンソン病及びパーキンソニズムについて 「難病の診断と治療指針」(乙B3号証添付)には,「パーキンソン病の診断基準としては,①パーキンソニズムがある,②脳MRI又はCTに特異的異常がない,③パーキンソニズムを起こす薬物・毒物への曝露がない,④抗パーキンソン病薬にてパーキンソニズムに改善が見られる,以上4項目を満たした場合,パーキンソン病と診断する。」及び「パーキンソニズムの定義は次のいずれかに該当する場合とする。(1)典型的な左右差のある安静時振戦(4~6Hz)がある。(2)歯車様固縮,動作緩慢,姿勢歩行障害のうち2つ以上が存在する。」旨の記載がある(204頁)。 2 本件の争点及び争点に対する当事者の主張 (1) 被告病院の医師らの注意義務違反の有無 原告らは,被告病院の医師らには,①処方すべき薬を誤った点(以下「過失①」という。),②低血糖性昏睡の原因究明を怠った点(以下「過失②」という。)及び③付添看護義務を怠った点(以下「過失③」という。)の3点において注意義務違反があると主張する。 上記過失①については,被告は明らかに争わない。過失②及び同③に対する当事者の主張は次のとおりである。 ア 過失②(原因究明義務違反)の有無 (原告らの主張) (ア) 低血糖性昏睡は,長時間継続すれば,植物状態に陥る可能性や死亡する可能性もある重篤な状態であり,特に,高齢者の場合,ブドウ糖投与を行っているにもかかわらず低血糖が遷延したり,血糖値がいったん上昇しても糖質の投与を中止すると低血糖が再燃することがあるため,低血糖の原因又は誘因が不明である場合には,原因精査と低血糖の再発防止のため,入院の絶対適応となる。 (イ) Aは,平成10年12月5日に被告病院へ救急搬送された際,ブドウ糖投与によって意識を回復したが,糖尿病の既往歴はなく,低血糖に陥る原因が不明であった。 (ウ) したがって,被告病院の担当医師としては,Aを入院させて低血糖の原因を精査すべきであったが,これを怠った。 (被告の主張) (ア) 被告病院の担当医師は,平成10年12月5日にAが救急外来を受診した際,Eから,Aに糖尿病の既往歴のないこと及び循環器科で高血圧の薬を処方されて服用していることなどの情報を得たことから,血糖降下剤の内服による低血糖の可能性を原因から除外したのであり,内服薬の提示もなかったために,現物を確認することもできなかった。以上の状況からは,休日夜間の救急医療現場である同日の時点で,担当医師がAの低血糖症の原因が誤薬であることを確認することは困難であった。 (イ) 担当医師は,血液検査の結果,低血糖性昏睡と診断されたことから,Aに対して50%ブドウ糖液の静脈注射等を行い,その後,Aが,医師らの説明を十分理解できるまでに意識が回復し,自立歩行も可能となったために,入院適応ではないと判断し,精密検査のために月曜日である同月7日に内分泌内科を受診すること及び症状が現れた場合には直ちに救急外来を受診することを指示した上で,Aを帰宅させたものであり,以上の処置に過失はない。 イ 過失③(付添看護義務違反)の有無 (原告らの主張) (ア) 一般に,入院中の患者に一定の結果の発生することが予測される場合において,病院が結果発生防止のためにいかなる義務を負うかについては,病院には医師の専門的判断を基礎とする裁量があることを前提に,結果発生の蓋然性,予測される結果の重大性,結果の発生を防止するための措置の容易性及び有効性並びに当該措置により医療上又は看護上生じ得る弊害等を総合考慮して判断すべきである。 (イ) 本件においては,Aが高齢であることに加えて,①被告病院の担当医師は,平成12年11月16日にAが入院したときに,Aの家族から,Aが自宅や会社内で度々転倒していたことを聞いていたこと,②入院中のAの言動には,不審な点が認められたことから,Aが病院内で転倒して頭部打撲の傷害を負ったり,それによって死亡したりする蓋然性は相当程度あったというべきであり,被告病院は,病院内でAが転倒して上記の重大な結果を生じることを予測できたというべきである。そして,Aは覚醒時には一人で動く可能性のあったこと,実際に不穏な行動を取っていたことからすると,転倒事故を防止するためには,付添看護措置を執らなければならなかったというべきである。 (ウ) 一方,被告病院は,Aの家族から家族による付添看護の申出を受けていたのであるから,被告病院でこれを受け入れ,Aに対して付添看護することは容易である上,受け入れたとしても医療上及び看護上の弊害が発生することは考えられない。 (エ) そうすると,本件において,被告病院の担当医師には,Aが病院内で転倒することによって重大な結果が生じることを防止するために,Aに対して付添看護を講ずべき注意義務があったというべきであるが,被告病院の担当医師はこれを怠った。 (オ) 被告病院では一般に付添看護をしていないからといって,被告に過失がないことにはならない。また,ナースコールによって排泄時の介助を得ることについても,患者は忙しい看護師に手間をかけさせることに躊躇するものであり,加えて,排泄を他人に介助されながら行うことは人間の尊厳にかかわる最も避けたいことであって,患者は自分で何とか排泄をしようと試みるものであるから,単にナースコールをするように指導するだけでは不十分である。 (被告の主張) (ア) 原告Cは,家族による付添看護を申し出たのではなく,病院負担での有料介護員による付添看護,それができない場合には個人負担での有料介護員による付添看護を求めていたのである。 (イ) この点,被告病院では,排泄希望時には患者にナースコールをしてもらい介助することとしており,Aには,排泄希望時にはナースコールをすることを繰り返し指導していた。また,Aが入院していた病棟には,午後5時から翌朝午前9時まで介護目的の職員(介護員)を交代で配置しており,Aのもとへは,介護員を介護のために頻繁に訪室させるよう指示していた。 Aが,上記の指導に従わないで,ナースコールをしなかったのは,同人に過失があったものというべきである。 (ウ) 被告病院では,患者負担による付添看護は禁止しており,家族による付添いも原則として禁止している。ただし,①家族などが側にいないと精神的に不安定の状態に陥る場合,②病状が極めて重い場合,③ターミナル患者(終末期患者)の場合には,医師の許可により患者の負担によらない付添いを認めることがあるが,Aの場合は,ふらつきがあっても一人で歩ける状態だったので,上記②には当たらなかった。 (エ) したがって,Aに付添いを付けなかった被告病院の措置に過失はない。 (2) 因果関係について ア 過失①及び②と転倒との因果関係 (原告らの主張) (ア) Aは,グリミクロンの服用後,低血糖症による昏睡状態に陥り,被告病院の処置によって意識は回復したが,以後,手の震え,声の震え,歩行のふらつきが生じ,自宅や会社で度々転倒するようになった。被告病院の担当医師が,低血糖症の原因を解明する義務を尽くし,平成10年12月5日の時点で誤投薬に気付き,適切な対処をしていれば,Aが,グリミクロンの副作用により歩行障害を起こすことはなく,平成12年11月16日以降の入院時に,歩行障害によって転倒することはなかった。 (イ) Aは,誤投薬事故以前は全くの健康人であり,Aの声の震え,手の震え,歩行のふらつき,記憶力及び判断力の低下は,誤投薬事故後に一度に発症したものであって,平成11年1月11日の退院時にも存在し,その症状は変わることなく残存し続け,平成12年11月16日の転倒事故に至ったものである。 (ウ) 糖分は脳にとって酸素と同様重要な成分であるから,低血糖症は,低酸素脳症と同様,脳に不可逆的損傷を与え,持続性昏睡,痴呆,視覚性失認,パーキンソン症候群などの後遺症を発症すると考えられる。実際,被告病院の担当医師は,平成10年12月8日,原告Cに対して,後遺症が残る可能性がある旨説明している。 (エ) 本件において,誤投薬による低血糖性昏睡以外にAの脳にダメージを与える事情は全くなかったこと,及び誤投薬事故前後のAの症状の変化を考慮すると,誤投薬事故後のAの症状は低血糖症による脳の障害に起因して引き起こされたものというべきである。 (被告の主張) (ア) 低血糖性昏睡の後遺障害として運動機能の障害が生じることはまれである。Aの場合,平成10年12月8日等の神経学的診察でも,運動失調や歩行障害は見られず,ふらつきを示す失調性歩行もなく,医師や看護師の観察によっても歩行時の顕著なふらつきは認められなかったのであり,急性期の頭部CT及び頭部MRIでは加齢による脳萎縮のみで大脳皮質病変も浮腫の所見も認められず,脳波は正常であったから,Aの感じたふらつきは,自覚的症状が主体の軽度なものであったと考えられる。このようなふらつき感は,加齢に伴う平衡障害,パーキンソニズム傾向(疑い),又は脳底動脈不全症などによるものと考えられ,また,不眠のために常用していた睡眠薬が一因になっている可能性もある。 (イ) Aには,誤投薬事故以前から,身体のふらつき感がみられ,誤投薬事故後の2年間で徐々に症状が進行しているところ,低血糖性昏睡の後遺障害は一般に進行性経過をとらないことによると,Aのふらつきは誤投薬事故の後遺症ではないと考えるべきである。 (ウ) Aの手の震えは,平成11年2月9日の診察時には,両手の姿勢振戦が軽度に見られたが,静止振戦はなく,筋の拘縮,広開脚位の歩行もほとんど見られず,麻痺,感覚障害及び深部腱反射も認められなかったことによると,老年性振戦と診断すべきである。これは,高齢者によくみられる一般的な疾患であり,誤投薬以前からAにあったものが増強したものと考えられるのであり,誤投薬事故との因果関係はない。 (エ) 平成12年11月16日の転倒は,誤投薬事故から2年経過した時期における転倒であり,誤投薬事故との因果関係はない。 イ 過失③と被告病院入院後の転倒との因果関係 (原告らの主張) (ア) 平成12年11月16日以降の入院において,被告病院がAに付添いを付けていれば,病院内での転倒は防止できた。 (イ) Aの入院後の言動には不審な点があり,一人でトイレに行った様子がうかがわれるのに「行っていない。」などと自分の行動を把握できない状態であったこと,平成12年11月20日にはAの症状は「振戦」と診断されていることから,手足の震えがあってこの時点で思うように行動できなかったことが予測されること,また,同日には,Aが自力で起き上がれない事実を被告病院は把握していること,さらには,1回目の病室内での転倒があった平成12年11月22日にはAには「多少痴呆」の症状が現れていたというのである。 (ウ) 加えて,Aが救急外来を受診した際に被告病院は頭部CTを撮影し転倒による脳への影響を懸念していること,及び同日の看護日誌には「夜間トイレ等覚醒時1人で動かれる可能性あり。転倒や,末梢抜去おこらないよう頻回な訪室心がけ,注意していく。」と記載されていることからすると,被告病院はAの転倒事故を十分予測していたものである。 (エ) 転倒事故防止のために採るべき措置について,入院当初からAは覚醒時に一人で動く可能性があったこと,実際Aは,訳も分からずベッドでたたずんでいる等不穏な行動を取っていたのであるから,付添看護措置を採らなければ,転倒事故は防止できなかったのである。 (被告の主張) (ア) 被告病院では,そもそも患者負担による付添看護は禁止しており,家族による付添いも原則禁止している。ただし,特に医師の許可により患者の負担によらない看護を認める場合があるが,①家族等が側にいないと精神的不安定の状態に陥る場合,②病状が極めて重い場合,③ターミナル患者(終末期患者)の場合である。病状が極めて重い患者とは,生死の境目にあるような重体の場合であって,Aは,ふらつきがあっても一人で歩ける状態であり,上記の場合には当たらない。 (イ) 被告病院は,Aに対し,トイレに行く際にはナースコールをしてもらうよう指導し,また,Aを重点的にチェックしていたのであるから,転倒したのはA自身の過失によるもので,被告病院とは関係ない。 ウ 上記の転倒と死亡との因果関係 (原告らの主張) (ア) Aは,平成12年1月16日以降の転倒により,硬膜下水腫となり,全身状態が悪化し,肺炎を起こして死亡した。 (イ) 仮に,転倒によって死亡が生じたとの高度の蓋然性がないとしても,転倒事故がなければ,Aは,平成12年11月16日の入院から約1週間後の同月23日ころには退院している予定だったのであり,同年12月ころに被告病院内において肺炎を併発することはなかったのである。被告がAの転倒事故を防止するために,十分な注意義務を尽くすなど,医療水準にかなった医療を行っており,本件転倒事故が発生していなかったとすれば,Aが,平成13年2月9日死亡時以降も生存していた相当程度の可能性が存在する。 (被告の主張) 死亡の直接の原因が肺炎であることは認め,その余は否認ないし争う。 (3) 損害額 (原告らの主張) ア 被告の上記の注意義務違反により,Aは,以下のとおり,合計2億6270万7438円の損害を被った。 (ア) 逸失利益 計2億2070万7438円 a 6200万円(Aが平成10年に取締役を務めていたM株式会社,N株式会社,O株式会社,P株式会社,Q株式会社及びR株式会社から受け取った報酬の合計額)×0.7(労働対価部分)×5.076(平均余命11.52年のライプニッツ係数)×0.9(生活費控除1割) =1億9826万8560円 b 300万1696円(Aが平成10年に支払を受けた年金)×8.306(ライプニッツ係数)×0.9(生活費控除1割) =2243万8878円 (イ) 慰謝料 2500万円 (ウ) 葬儀費用 300万円 (エ) 弁護士費用 1400万円 イ E,原告D,同C及び同Fは,上記損害に対する賠償請求権について,Eが2分の1,原告D,同C及び同Fがそれぞれ6分の1ずつ相続した。 さらに,Eが死亡し,Eの相続した損害賠償請求権につき,原告D,同C及び同Fがそれぞれ3分の1ずつ相続した。 (被告の主張) 原告らの主張は争う。 第3 当裁判所の判断 1 過失①(処方すべき薬の誤り)について 被告は,過失①について明らかに争わないところ,過失①は,Aにつき,前立腺肥大症の治療のため「グリチロン」を服用させる必要があると判断した医師がその旨を処方箋に記載したにもかかわらず,薬剤師が誤って血糖降下剤である「グリミクロン」を交付したというものである。これは,処方箋に記載された薬剤名をきちんと確認すれば容易に避けることのできたものということができる。当該薬剤師は,薬剤師に求められる最も初歩的な注意義務に違反したものであって,注意義務違反の程度は大きいというべきである。 2 過失②(原因究明義務違反)について (1) 前記前提事実(第2の1の(2)イ),乙A2号証(7ないし10頁),B1,2号証及び弁論の全趣旨によると,次の事実が認められる。 ア Aは,平成10年12月5日午後6時ころ,Eが呼びに行ったところ,いびきをかいて寝ていて応答しない状態であり,同日午後6時45分,被告病院に救急車で搬送された。 イ Aに対する治療等 (ア) 被告病院において,直ちに,血管の確保,血液検査がされ,酸素投与が開始された。また,心電図も撮られた。当時,重症の意識障害にあり,血圧は147/74㎜Hg,脈拍は84/分,酸素飽和度は91ないし95%であった。 (イ) 午後7時12分,名を呼んでも反応しない状態で,血糖値が28㎎/dlであったことから低血糖であることが判明し,50%ブドウ糖20ccの静脈注射及び同量の点滴がされた。その後,強い刺激に反応するようになった。 (ウ) 午後7時15分,血糖値は257㎎/dlに上昇し,眼球を左右に動かすようになった。 (エ) 午後7時30分,自ら排尿を訴えた。このころの血圧は,169/92㎜Hg,脈拍は90/分,酸素飽和度は97%であった。 (オ) 午後8時に頭部CTを撮影したところ,明らかな異常所見は認められなかった。このCT撮影中にも尿意を訴えた。 (カ) 午後8時20分,ベッドサイドに起立して排尿し,午後8時25分及び同35分にも自力で排尿した。 (キ) 午後8時45分ころ,意識レベルが回復し,自力で歩行することが可能になった。 ウ Eへの問診等 G医師は,Aに同行していたEに問診し,意識障害の原因になり得る脳血管系等の既往歴,糖尿病の有無,アレルギー及び内服薬について尋ねたところ,Eは,Aにつき,(a)被告病院において前立腺肥大の手術をし,退院したばかりであるが,高血圧で同病院循環器内科に,左眼底出血で同病院眼科にそれぞれ受診中であること,(b)既往歴として,結核はあるが,脳卒中,心筋梗塞,狭心症及び糖尿病はないこと,(c)内服薬については,降圧剤を飲んでいるが,糖尿の薬は飲んでいない旨答えた。G医師は,EがAの服用している薬を持参しているかどうか確認したところ,Eは所持していなかった。 エ G医師は,Aの上記の状態,殊に心電図及び頭部CT検査の結果から明らかな異常が認められず,バイタルサイン(血圧,呼吸及び脈拍)が安定していることなどから,切迫した緊急性はないと判断した。そして,同医師は,Aの意識が回復し,同人に対して帰れるかどうか尋ねると,帰ると答えたので,帰宅させることにした。同医師は,呼吸器内科の上級医にコンサルトした上で,A及びEに対し,(a)内分泌疾患などが疑われるので早急に内分泌内科を受診すること,(b)冷や汗や立ちくらみなどの症状があれば直ちに救急外来を受診すべきことを説明した。Aは,午後8時45分に帰宅することになったが,当時,よろけながらも自力で歩行することができた。 (2) 前記前提事実(第2の1(5)ア)のとおり,一般的には低血糖の原因が不明である症例においても,原因精査と再発防止のために入院させることが必要であるとされている。この医学的知見に照らすと,G医師が,低血糖の原因が不明であるにもかかわらず,Aを帰宅させたことについては,慎重さを欠いた面があったと解される。 しかし,Aが被告病院の救急外来に搬送されたのは,土曜日の午後6時45分であり,搬送された後,同人は,上記のとおり,心電図及び頭部CTの各検査を受けたが明らかな異常が認められず,ブドウ糖液の静脈注射等を受けるなどした後,午後8時45分ころには症状が相当程度改善して,自力で歩行することができるようになったというのである。これに,Aを帰宅させるに際し,同人及びEに対して上記のとおりの説明をしていることを考え併せると,G医師が,Aを入院させて低血糖の原因を精査すべき注意義務に違反したとまで解するのは困難であるというべきである。 3 過失③(付添看護義務違反)について (1) 前記前提となる事実(第2の1(4))及び乙A4号証によると,Aは,平成12年11月16日(以下,3項においては,平成12年については月日のみで表示する。)に被告病院に入院した後,(a)11月22日午前0時前,(b)11月23日午後11時前,(c)11月24日午前1時20分ころ及び(d)11月26日午前9時30分前と,短期間の間に続けて転倒事故(以下,上記の被告病院内における転倒事故を「本件転倒事故」という。)を起こしており,上記(a)の際には病室のベッドサイド及び床並びに包布寝衣に出血汚染が見られ,本人の鼻腔,両手先及び右前腕にも血が見られ,(b)の際には左後頭部から出血し,左頚頂部に35mmほどの挫滅創を負い,それが骨膜に達しており,(d)の際にも鼻出血が見られたというのである。 (2) 被告は,本件転倒事故について,被告病院においては,家族による付添い及び患者負担による付添看護はいずれも原則として禁止しており,Aに対しては排泄希望時にはナースコールをすることを繰り返して指導し,更に午後5時から翌朝午前9時まで介護員を交代で配置し,頻繁にAのもとに訪室させるように指示していたのであるから被告病院の措置に過失は存せず,むしろ,上記の指導に従わないでナースコールをしなかったAに過失が存する旨主張する。 確かに,前記前提事実(第2の1(4))のとおり,看護師がAに対し,排泄をする場合はナースコールをするように繰り返して指導していたことが認められ,また,被告病院では,平成12年11月ころ,Aの入院していた病棟においては,午後5時から午前9時までの間,介護員一人が勤務し,(a)不穏患者の監視,話相手,(b)ナースコールに対応して看護師に要件を連絡するなどの業務についていたことが認められ(乙B7,11号証),また,患者の負担による付添看護は禁止し,家族などによる付添いも原則禁止とする方針を採っていたことが認められる(乙B7号証)。 (3) しかし,以下に検討するところによると,上記の被告の主張を採用することはできない。 ア 本件においては,前記前提事実(第2の1(4)),乙A4号証及び掲記の各証拠によると,次の(ア)ないし(オ)の事情が認められる。 (ア) Aは,11月16日に勤務先の会社の階段で転倒して受傷したことから被告病院に入院したものであり,看護師は,Aについて,夜間トイレ等に一人で行く可能性があるので,転倒が起こらないように注意していく必要のあることを認識しており,その旨を看護記録(乙A4号証122頁)に記載していた。また,診療録中に,「日中,夜間問わず,排泄希望時ナースコールしていただくよう説明していますが,ナースコールされない場合もあるため頻回に訪室してください。夜間介護員の協力を得てください。夜間は,徘徊コールと抑制を行ってください。」との記載(同113頁)も見られる。 (イ) 前記前提事実のとおり,(a)11月18日には,Aが深夜帯に看護師に対し,ラジオのスイッチが入っていないにもかかわらず,消してほしいと言ったり,尿器に何も入っていないのに尿器を片づけてほしいと言い,(b)11月22日には,多少痴呆の症状があると診断されている。これによると,被告病院の医師及び看護師は,Aには痴呆の症状が見られ,不審な行動をとることもあるのを十分に認識していたものと認められる。 (ウ) 前記前提事実のとおり,看護師は,Aにつき,(a)11月17日午前0時ころ,ベッドの足下側にたたずんでおり,トイレに行こうと思ってベッドから降りた旨を聞き,(b)11月18日午前6時前には閉まっていたトイレのドアが開いており,一人でトイレに行った様子であったことを知り,(c)11月24日午後5時40分には,ナースコールについて説明しても返答するだけで押す様子がなく,ベッドの柵をおろす動作を繰り返しているのを見ているのである。これらの事実によると,看護師は,ナースコールするように指導しても,Aがこれに従わないで,一人でベッドから降りてトイレに行くことを認識していたものと認められる。 (エ) 11月23日の転倒事故後,担当医師は,原告Cに対し,後頭部の傷が治るまで入院を延長させることにしたこと及び転倒などの事故のないように注意する旨説明した。 (オ) 原告Cは,被告病院の担当者に対し,Aが入院するに際し,同人がトイレに頻繁に行くが,足が弱っていて平衡感覚も大分衰えているので,ベッドの乗り降りや一人歩きで転倒するのが心配なので,家族が付き添うなり,常時の付添看護とすることの希望を伝えたところ,担当者は,完全看護であるから心配は要らない旨を答えた(甲A3号証)。しかし,この完全看護というのは,被告病院の看護体制に関する説明として誤りであった(この点,基準看護であったものを完全看護と誤って説明した点については被告も認める。)。 被告病院においては,上記のとおり,患者の負担による付添看護は禁止し,家族などによる付添いも原則禁止する方針を採っていたことが認められるが,(a)病状などにより,家族などが側にいないと精神的不安定の状態に陥り,療養の妨げになることが考えられる場合,(b)病状が極めて重く,かつ,患者家族から付添いの許可を求められた場合などにおいて,医師の許可を得て,患者の負担によらない付添いを認めることがあるとし,こうした付添看護に対する基本的な考え方と並んで,夜間の看護体制の検討も併せて十分に行い,昼夜を問わず,どうしても補助者が要る場合は,被告病院として補助者の確保をすることにしている(乙B7号証)。こうした方針を立てていた被告病院において,原告Cの上記の希望を拒絶しつつ,Aが4回も転倒する事態を招いたのは,看護体制の検討を十分に行っていなかったことを示すものといわざるを得ない。 イ 上記の事情を総合して検討すると,看護師は,Aに対しナースコールをするように何度も指導していたことが認められるが,上記のAの状況,それに対する医師及び看護師の認識に照らして検討すると,被告病院の医師及び看護師は,ナースコールをするように指導しても,これに従わない,又は従うことのできない理由について十分に探索した上で本件転倒事故を防止するよう的確に対処すべきであったというべきである。そして,Aの入院している病棟に夜間,介護員が勤務していたとしても,一人の介護員が病棟全体を担当しているのであって,当時のAの状況に照らすと,これをもって適切な措置が採られていたものということはできない。 上記の経過に照らすと,被告病院はAについて付添看護の措置を講ずべきであったと解するのが相当である。それにもかかわらず,この措置を講ずることなく,本件転倒事故を生起させた被告病院の医師及び看護師の責任は大きいといわざるを得ない。 被告は,ナースコールをするように指導した以上,それに従わなかったAに過失がある旨主張するが,上記に検討したところによれば,到底採用することはできない。 4 因果関係について (1) 過失①及び同③と転倒事故との因果関係について 上記のとおり,本件においては,被告病院には過失①及び同③が認められる。過失③と本件転倒事故との間に因果関係が存することは明らかであるというべきところ,原告は,過失①とAがその後に転倒したことについても因果関係が存する旨主張するので,この点について検討する。 ア 前記前提となる事実(第2の1(2)),甲A1ないし3号証及び原告C本人尋問の結果によると,Aは,平成10年12月6日から平成11年1月11日まで被告病院に入院したが,同病院を退院した後,以前と比べて歩幅が小さくなっただけでなく,歩く際にふらつくことがあったので,原告Cは,Aの住んでいた自宅の門から道路に出る7段程度の階段に手すりをつけたことが認められる。 これによると,Aは,上記退院後,歩行が不安定になることがあったと認められる。S医師は,低血糖症による脳に対する影響については,酸素の欠乏した低酸素脳症を参考に推論ができるとし,低血糖症はその後のAの精神面,身体面及び生活面に様々な影響を与えたということができ,同人に生じた歩行障害もその一つである旨指摘する(甲B5,8号証)。 イ しかし,前記前提事実,掲記の各証拠及び弁論の全趣旨によると,次の事情が認められる。 (ア) 低血糖昏睡は,身体症状として急性期にけいれんや片麻痺を呈することはあるが,植物状態や高度の痴呆状態にない状態において,後遺症として運動機能障害が生じることはまれであるとされている(乙B4,8号証)。そうすると,低血糖症に陥った者がその後に転倒しやすくなると認定することは困難である。この点について,S医師は上記アのとおり低血糖症により歩行障害が生じた旨指摘するが,同医師の指摘する内容は,推論が目立ち,その根拠は必ずしも明確でないことによると,採用することはできない。 (イ) 被告病院における経過等 a Aは,誤ってグリミクロンを処方された事故以前から,排尿困難及び頻尿に対して安定剤を,また,うつ病について抗うつ剤を服用していたことから,多少,手の震えや体のふらつきが見られた(乙B9,10号証) b 平成10年12月6日の入院時における意識レベルは,意識障害として最も重いものであった(乙A2号証3頁)。その後,長谷川式簡易痴呆スケールを見ると,同月8日には6点(30点満点)であったが,同月10日には18点,同月18日には22点,同月22日には19点と改善が進み,歩行についても,同月8日時点では,足をやや左右に開き,少し小股に歩いていたが,同月22日には,軽度の開脚歩行を示すものの,歩行自体はスムーズになった。同月28日には,看護師が「どうですか。」と尋ねると,「もう元通りです。」と答えている。 平成11年1月4日にはふらつきも少なくなり,その後,歩行時に広く開脚することもなくなり,腕の振りも良好で歩行は相当回復した(乙B8号証)。 なお,原告Cは,Aの回復ぶりを示す被告の診療録の記載内容は信用できない旨述べる(甲A1号証)。しかし,他に原告Cの述べる事情を認めるに足りる証拠は存しないことによると,直ちに上記の原告Cの述べるところを採用することはできない。 c Aは,平成11年1月11日に被告病院を退院した後,同年2月9日,同月23日に被告病院神経内科を受診した。その際,上記2月9日には「退院後,両手が震え書字がスムーズにできないのに気付いた。ボタンをはめたり,ベルトを締めるなど着衣動作も鈍くなった。不眠が増悪した。」旨を訴えているが,歩行については特段述べていない(乙A3号証3頁)。 そして,Aは,つえを使うことはなかったところ(原告C本人尋問の結果),平成12年11月16日以前に,自宅においてけがを伴うような転倒をしたことがあったことを認めるに足りる証拠は存しない。 (ウ) 勤務状況等 a Aは,平成10年12月6日に入院した当時,M株式会社(甲C2号証の1),N株式会社(同2号証の2),O株式会社(同2号証の3)及びP株式会社(同2号証の4)の代表取締役を務めていたところ,死亡するまでその地位にあった。 b 原告Cは,誤薬を処方された事故の前,Aは役員会を切り回し発言も活発であったが,同事故後は人が変わったような感じで,役員会に出席してはいたが,座っているだけで,全く発言しなくなった旨述べる(甲A1号証,原告C本人尋問の結果)。 しかし,Aは,平成11年3月ないし4月ころから出勤するようになったものであり,M株式会社の執務室は2階にあったが,援助を受けずに階段を歩いていたのであって(原告C本人尋問の結果),これにaのとおり,4つの会社の代表取締役の地位を務めていたことによると上記の原告Cの供述のみから,直ちに上記事故の前後における会社でのAの状態の変化を的確に認定することはできない。 ウ 上記イに認定した事情によると,低血糖症によって運動障害が残ることはまれであると解されるところ,Aについても,平成11年1月11日に被告病院を退院したころには,相当程度回復しており,同年3月ないし4月ころからは会社に出勤するようになり,平成12年11月16日の転倒に至るまでの間,自宅又は会社において上記のような転倒を起こすおそれがあったことをうかがうことはできないのである。したがって,過失①によって生じた低血糖症によって平成12年11月16日の転倒及びその後の入院中における本件転倒事故が発生した高度の蓋然性があるものと認めることはできない。 (2) 本件転倒事故とAの死亡との間の因果関係について ア 本件転倒事故が起きてからAが肺炎を直接の原因として死亡するに至る経過は,前記前提事実(第2の1(4))のとおりである。 イ 前記前提事実によると,Aについては,平成12年11月20日の時点では,抜糸が終了したら退院する方針とされたが(乙A4号証12頁),同月23日午後11時前ころに転倒事故が起きた後,同月24日にはこの転倒事故による後頭部の傷が治るまでの約1週間,入院を延長することとされた(同15頁)。ところが,その後,同月28日には,Aは,酸素飽和度が低下したことからICUに収容され,同日,同人は肺炎及び糖尿病等の内科的な合併症を起こすリスクが高いと思われる旨診断されている(同21頁)。同日には,胸部X線上,明らかな肺炎像は認められなかったが,同月30日には意識障害に伴い誤嚥性肺炎を併発しているものと思われる旨の診断がされている(同24頁)。 そして,本件転倒事故の影響として,くも膜下出血を起こし(同21頁),左肋骨を骨折した可能性があり(同22頁),硬膜下腔が拡大された可能性もある(同27頁)とされているところであり,平成12年12月4日には,硬膜下水腫及び一部脳挫傷が意識障害の原因と考えられる旨(同35頁),その後も,頭部外傷,硬膜下水腫のため意識低下が見られる(同52頁)と診断されている。また,Aの死亡後,被告病院においては,同人につき,「頻回の頭部打撲により,硬膜下水腫が貯留。それに伴って肺炎などを併
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糖尿病患者にとって運動療法は食事療法と同じように重要なことです。 メリットとして「血液循環を良くする」「血糖値を下げる」「減量できる」などがありますが、インスリンの効果が出やすい体にするというのがポイントです。 運動の内容としては、有酸素運動が効果があるので、だいたい1週間に3日以上の頻度で、1回あたり15~30分、1日2回、1日で1万歩ほど歩くようにすると良いとされているようです。 ウォーキング以外にも自転車や水泳、ジョギングやラジオ体操が有酸素運動になります。 運動をする時間をとれない場合は、なるべく階段を使うとか、一駅の区間を歩いてみるなどの工夫をしましょう。 運動は無理なく続けられることが大事です。 ⇒糖尿病の看護 インスリン療法などの薬物療法を行っている患者さんは、運動療法中に低血糖になる可能性があるので糖尿病の看護には注意が必要です。 そういう患者さんが運動療法を行う場合は、必ずジュースやブドウ糖などを持ち歩きましょう。 それから、低血糖の心配が少ない食後に運動すると良いです。 運動前・中・後に軽く補食をするのも良いようです。 また、症状によって完全に運動療法を禁止した方が良い場合があるので、必ずかかりつけ医に相談して下さい。
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第44回糖尿病学の進歩その1です。 今回は、2型糖尿病の病態や外来インスリン治療に関する情報を中心に、職場の報告書向けに まとめた内容です。 web にもほとんど出ている内容でした^^; 順天堂大学医学部内科学・代謝内分泌学講座准教授弘世 貴久先生 「SU薬2次無効:2型糖尿病の外来インスリン導入」 ・ 2型糖尿病のSU薬2次無効時のインスリン外来導入のコツは、 ①低血糖を起こしにくい開始・増量スケール ②インスリン導入後に血糖コントロルが悪化し難い方法 ③生活にインスリン療法を合わせられる方法 ④注射回数が少ない方法(早期導入が可能) ⑤コントロール不良の場合、現治療をベースに治療のアップグレードを行える方法、 であると述べられた。 ・2009年にOHAでコントロール不良の患者に, 1日1回持続型インスリンインスリンデテミル)皮下注の追加と, 1日3回超速効型インスリン(インスリンアスパルト)の追加と, 1日2回二相性インスリン(二相性インスリンアスパルト30)を追加するのを比較した 4-T studyの結果、1日1回の持続型と1日3回の超速効型を加える方が 血糖コントロールが良好で,1日1回持続型の方が低血糖エピソードや 体重増加も少なかったとしている。 ・ BOT:basal-supported oral therapyでは経口薬を併用して、Basal Insulin (持効型溶解インスリン)を1日1回都合に合う時間に注射し、 空腹時血糖値が110mg/dl以下になるように増量する。 ・ 次に空腹時血糖値が低下してもHbA1cが低下しない場合には、basal-plus法で Bolus Insulin(超速効型)を1回から上乗せすし、basal-bolus法にstep upしていく。 ・ まず、BOTで必要な基礎インスリン量を1‐2回で決めて、足りない追加インスリン量を 段階的に決めていくstep up法。 ・ 目標血糖コントロールができればBolus Insulinの3回打ちでなくてもよい。 ・Basal/Bolusを1 1に近づけると、低血糖が減少して、コントロールが改善するとの 報告あり。 東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科講師西村理明先生 「持続血糖モニター(CGM)を用いた糖尿病治療」 ・ 日本人における耐糖能正常者、境界型、2型糖尿病患者の血糖変動を持続血糖 モニター(CGM Continuous Glucose Monitoring)で確認した結果を提示。 ・ 近年、食後高血糖は動脈硬化のリスクファクター ・ 食後高血糖を診断する上で、日本人の耐糖能正常者、境界型、2型糖尿病患者の 血糖変動を正確に把握。 耐糖能正常な24名(医師・看護師)を対象にCGMを施行した結果、 4日間の平均血糖値の中央値は101.0mg/dL、SDの中央値は16.5mg/dL、 正常者の血糖値は約100mg/dLを中心とした極めて狭い範囲を推移し、 食後血糖上昇のピークは食事開始後約40~50分、血糖上昇幅は朝食後が約20mg/dL、 昼食ならびに夕食後が約40mg/dL前後とのことであった。 ・ 耐糖能正常・境界型・食事療法のみの対象者では、食後の血糖上昇が目立つようになり、 食事開始から60分以内に最高値に達し、食後血糖の最高値は180mg/dL近辺まで 上昇するがすぐに低下する。 ・2型糖尿病で教育入院の食事療法のみの対象者では、食後の血糖上昇は顕著で、 血糖の最高値は食事開始から約60分で到来し、200mg/dL台後半にまで達し、 その後も血糖値は約1~2時間200mg/dL以上の高値を示す。 ・ 耐糖能正常、境界型、食事療法のみを行っている糖尿病対象では、耐糖能正常者では IDFのガイドラインの目標値である食後2時間血糖値140mg/dlに全く抵触せず、 境界型では食後2時間経過すると血糖値は低下し、ほぼクリアし、 2型糖尿病では、朝食・昼食後・夕食後の2時間血糖値はすべて、 管理目標値に合わないとの報告であった。 ・ 糖尿病患者における血糖変動パターンを耐糖能正常者のパターンにいかに近づけるかが、 糖尿病における血糖コントロールの究極の目標で、 その血糖変動を耐糖能正常者のような、食後高血糖がほぼ皆無で 低血糖もない状態にまで、正常化することが、糖尿病に起因する合併症を完全に 予防するために必要なのではないかとのことであった。 それにしても、なんごろくの糖尿病はすごい情報量です。 その2 以後でまとめようとしていたことも・・・書いてある^^; ヾ(* - *)
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子供が糖尿病ですが、体育の授業を受けて低血糖を起こさないかと心配です。 タイの授業を受けても問題はありません。事前に学校に注意点を伝えましょう。 お子さんに糖尿病があっても、血糖が良好にコントロールされていれば、体育の授業はもちろん、野球やサッカーなどのクラブ活動にも参加することができます。 プロスポーツの世界でも糖尿病を持ちながら活躍している選手が数多くいらっしゃいます。 例えばプロ野球の読売ジャイアンツなどでかつて投手として活躍した日浦壽夫さんは1型糖尿病で、現役当時からインスリン療法を行っていました。 野球以外にゴルフやバスケットボールなどでも糖尿病を持ちながらプロとして活躍して選手がいらっしゃいます。 学校の中で特別視されることを嫌がるお子さんもいるでしょう。 また糖尿病ということでいじめにあう可能性がないはいいきれません。 通学してる学校の状況などにもよりますが、気がかりなことがあれば、お子さんの希望を聞いたり担当医などと相談なさると良いと思います。 低血糖関しては予防と対処の鹿田をお子さん自身が身につけているなら、あまり気にしなくても良いと思います。 理解が十分でない場合は、担当医と相談しながら対処の仕方を教えてあげてください。 またインスリンの注射や血糖自己測定ができる環境を学校内に確保することも大事です。 糖尿病がある子供と接した経験がない小学校や中学校の教師も多いようです。 糖尿病のことや治療などについてよく説明して、病気を正しく理解してもらいましょう。 田七人参 糖尿病
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しのぶろぐ/2006年06月05日/低血糖症状 #blognavi
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チアゾリジン誘導体 経口血糖降下薬のチアゾリジン誘導体(チアゾリジン薬)は、インスリン抵抗性を改善する。 アディポネクチン(脂肪細胞から分泌されるホルモン)は、血管の障害部位を修復し、また、肝臓や筋肉へのグルコース取り込みを増加させ、脂肪燃焼を促進させる(肝臓、骨格筋に、作用し、蓄積した中性脂肪を燃焼させる)。 1.薬理作用 チアゾリジン(thiazolidine)誘導体は、脂肪細胞の核内受容体型転写因子PPARγに結合し、試験管内(in vitro)で、(グルコールの消費を促進させ、)脂肪細胞の分化を促進する(肝臓や筋肉で中性脂肪の蓄積が促進する)。 PPARγは、脂肪細胞に特異的に発現している、分化のマスター転写因子で、aP2遺伝子の上流プロモーター領域に結合する(注1)。 チアゾリジン誘導体(一般名:塩酸ピオグリタゾン、商品名:アクトス錠)は、インスリン抵抗性のある糖尿病患者に投与すると、高インスリン血症、高中性脂肪血症、低HDL血症、インスリン抵抗性を、改善する。 チアゾリジン誘導体は、肥満・インスリン抵抗性の動物を用いた実験結果では、「小さな脂肪細胞」の新たな分化を促進させ、「小さな脂肪細胞」の数を増加させる。 チアゾリジン誘導体は、TNF-αの発現を抑制し、インスリン抵抗性を改善する。 しかし、 チアゾリジン誘導体は、脂肪細胞の分化を促進するPPARγに結合し、脂肪細胞を分裂増殖させ、脂肪細胞数を著明に増加させる、肥満を来たす恐れがある。 チアゾリジン誘導体は、アディポネクチンを増加させ、インスリン感受性を高める。 チアゾリジン誘導体は、炎症系(CRP)、凝固系(PAI-1)の、改善作用がある。 チアゾリジン誘導体(アクトス錠15/アクトス錠30)は、通常、成人には、ピオグリタゾンとして15~30mgを、1日1回、朝食前、又は、朝食後に、服用(経口投与)する。 チアゾリジン誘導体は、肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害のある患者では、蓄積するおそれがある。副作用をチェックする為に、血液検査で、肝機能検査(AST、ALT、AL-P、γ-GTP)を、少なくとも、投与開始後12カ月までは、1カ月に1回、それ以降は、定期的(3カ月に1回程度)に、行う。 チアゾリジン誘導体は、副作用として、循環血漿量の増加によると考えられる浮腫が、短期間に発現し、また、心不全が、増悪、あるいは、発症することがあるので、心不全の患者、及び、心不全の既往歴のある患者には、投与しないことが、添付文書に記されている。チアゾリジン誘導体(医薬品名:アクトスなど)は、うっ血性心不全を引き起こしたり、悪化させるおそれがある。チアゾリジン誘導体の服用中は、急激な過度の体重増加、呼吸困難、浮腫など、心不全の症状が現れないか、注意が必要。心不全の症状が現れたなら、投与を中止するか、投与量削減を検討する。 チアゾリジン誘導体は、女性では、浮腫の副作用を来たすことが、比較的多い。 チアゾリジン誘導体は、他の経口血糖降下薬(スルホニル尿素系薬剤、スルホニルアミド系薬剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド系薬剤)や、インスリン製剤と併用する際には、低血糖症状の発現に注意を要する。 チアゾリジン誘導体などの経口血糖降下薬(糖尿病薬)は、サリチル酸剤、フィブラート系の高脂血症治療剤、ワルファリン(ワーファリン)などにより、血糖降下作用が増強され、副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)により、血糖降下作用が減弱される。 チアゾリジン誘導体は、妊婦や、妊娠している可能性のある婦人には、投与しない。また、授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合は、授乳を中止させることが、添付文書に記されている。 チアゾリジン誘導体(アクトス錠15/アクトス錠30)などの経口血糖降下薬の、作用等を、下表に示す。 表 経口血糖降下薬 作用分類 作用臓器 主な作用 種類 薬品名 商品名 副作用 インスリン分泌促進 膵臓 (膵島) インスリン分泌促進 スルホニル尿素薬 グリメピリド アマリール 低血糖 グリペンクラミド オイグルコン グリクラシド グリミクロン トルブタミド ラスチノン 速やかなインスリン分泌・食後高血糖の改善 グリニド系薬(速効型インスリン分泌促進薬) ナテグリニド スターシス ミチグリニド グルファスト 食後高血糖改善 小腸 炭水化物の吸収遅延 α-グルコシダーゼ阻害薬 ボグリボース ベイスン 肝障害、消化器症状(放屁、下痢、腹痛、便秘) インスリン抵抗性改善 肝臓 インスリン抵抗性の改善 ビグアナイド薬 メトホルミン メルビン 乳酸アシドーシス、胃腸障害、低血糖増強 ブホルミン ジベトスB 脂肪組織 チアゾリジン薬 ピオグリタゾン アクトス 浮腫・心不全、肝障害、低血糖増強 チアゾリジン誘導体(チアゾリジン系薬)は、インスリンとの併用は、保険上、承認されていない(インスリン皮下注射療法をしている患者には、チアゾリジン系薬剤を、保険扱いで処方出来ない)。 チアゾリジン誘導体(アクトス)は、2009年3月24日より、インスリン皮下注射との併用を認められた。 チアゾリジン誘導体(アクトス)は、Sulfonylureas、Metiglinides、Biguanidesとも、併用が可能。
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更新日時 2012-06-06 16 13 53 (Wed) 問題1 亜鉛の過剰摂取による症状を2つ +... 解答 ①同じミネラルである銅の吸収を阻害して銅欠乏性貧血など過剰症がある。 ②しびれ感、HDLコレステロールの低下など。 解説 亜鉛過剰摂取のリスク 亜鉛は毒性が極めて低いとされているため、通常の食生活では 亜鉛の過剰症が問題となることは、あまりありませんが 急性亜鉛中毒では胃障害、めまい、吐き気がみられます。 継続的に過剰摂取すると、銅や鉄の吸収阻害による銅欠乏や鉄欠乏が 問題となり、それに伴う貧血、免疫障害、神経症状、 下痢、HDLコレステロールの低下などが起こるおそれがあります。 問題2 高カリウム血症の患者に対して行って良いのは? 1.下剤を投与 2.1+嘔吐誘発 3.グルコースとインスリン投与 4.利尿薬 5.生理食塩液を一杯入れながらグリチルリチン大量投与 +... 解答 3、4 解説 1. 禁忌ではないがやらないこと。 2.医療倫理的にも常識的にもだめ。 4.K排泄促進を期待して用いる。とくにループ利尿薬。 5.副作用ありすぎで人体実験じゃないんだしだめ。 問題3 正誤は? 1.低カリウム血症の患者に対してKClを休息iv 2.Naとかも超速で補正 +... 解答 共に× 解説 1.余りにも有名な禁忌。 2.禁忌 問題4 1型DMでDKAになって運ばれてきた患者。 pH 7.01, BS 795, BE=-23, HCO3-=8, 尿ケトン体(3+) 対応で正しいのを2つ選びなさい。 ①インスリン持続点滴 ②生理食塩水点滴 ③重炭酸ナトリウム ④透析 ⑤人工呼吸 +... 解答 1、2 解説 こないだ1型DMでDKAで運ばれてきた患者には①と②だった。 呼吸してなかったら⑤もあり。 ③は×。とりあえず①、②で、ダメっぽかったら④もありかも アシドーシスに反応して③するようじゃまだまだ。 pH7切ったら考えるかも。だから問題の条件がpH7.01なんだと思う。 現場では言うほど、③は使われないよ。 インスリン入れれば、G-I療法の要領で血中Kを細胞内に入れるだろ? 血中のKが下がれば、細胞内のKは細胞外に出て行こうとするが、その際に陽イオンのバランスを保つために細胞外のHイオンが細胞内に入り、これによってアシドーシスを緩和する方向に働く。 つまり、インスリンの投与によって、アシドーシスの改善が期待できるわけ。 重炭酸Naは、インスリンを入れてもアシドーシスが改善しない場合には適応になりうるがな この問題の状況では、 ③④⑤に関してはもっと他のデータが揃わないとわからないから、 ①②が最優先であることさえわかればいい、ということだと思うよ。 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)では、 【病態】 インスリン↓↓⇒ブドウ糖の細胞への取り込み↓⇒脂肪分解の亢進⇒脂肪酸の生成 ⇒肝への脂肪酸の取り込み⇒肝でのケトン体産生⇒代謝性アシドーシス(AG↑) ⇒インスリン抵抗性↑⇒血糖↑↑⇒浸透圧利尿⇒細胞内脱水≪血糖値上昇の悪循環≫ 治療の順位としては(1)と(2)が緊急使用となっている。 (1)高血糖に対して、速効性インスリンを5単位/時間の速度で静脈内持続点滴(血糖値が250mg/dlになるまで) (2)脱水に対して、生理食塩水の輸液(1l /時間) 準緊急として、 (3)アシドーシスの補正は原則として不必要(pH7.0以下の重症例のみ) 問題5 糖尿病性ケトアシドーシスではWBC↑だけど、この理由は? +... 解説 脱水による濃縮で~っていう説明もあるけど、それだと高血糖高浸透圧昏睡でWBC↑がはっきりしないことの説明がつかない。 結局、ケトーシス下では何らかのサイトカインが誘導されている「らしい」ということになっているみたい。 発熱を伴うことの説明にもなっている。でも基本的に発熱があったら感染症によるDKAが疑われる。 けど明らかな感染がない例でも認められることがあって、そういう例ではおそらくこのようになっている。 DKA⇒発熱ではない。 これなら「DKAはWBCどうなるっけ?高浸透圧昏睡は…?」と迷っても思い出せる。 という、暗記のために都合の良い理屈の一例。 STEPによれば、WBC上昇にはカテコラミンやコルチゾールの作用亢進が推測されているらしい。 DKAはインスリン枯渇状態で組織に糖が足りてない状態。よって血糖上昇ホルモン(カテコラミンやコルチゾール)は上昇。 コルチゾールには血中の白血球数を増やす作用があった。 一方高浸透圧性非ケトン性昏睡ではインスリン分泌は少しは残っておりコルチゾールの上昇は激しくない。 問題6 DKA疑いの患者が搬送された。検査で必要性が低いのはどれか? ①BUN ②Na ③Cre ④K ⑤HCO3‐ (2)上記患者をインスリン+生食で治療中にモニター心電図(3点誘導心電図) で最も注意するのは? ①U波 ②P波消失 ③異常Q波 ④テントT ⑤QT短縮 (3)上記に注意していたところ一時改善したが、再度意識消失した。 まず行うのは何か? ①生理食塩水静注 ②インスリン静注 ③ブドウ糖静注 ④エピネフリン気管内注入 ⑤エピネフリン皮下注 (4)治療方針を決めるために最も有用な検査はどれか? ①12誘導心電図 ②心エコー ③脳脊髄液 ④頭部単純CT ⑤ハンドドロップテスト +... 解答 (1)③、(2)①、(3)③、(4)④ 解説 (1)(101D-47改変問題) 糖尿病の高血糖性昏睡では、どのような病態になっているかを知り、 そしてそれをすぐさま治療につなげる必要があるので必要な検査を迅速に行わなければなりません。 まず、DKA疑いとありますので低血糖昏睡ではなく、高血糖性昏睡であると考えます。 高血糖性昏睡にはDKAとNKHC=HHCがあり、これらは両極端の病態とされがちですが、 実際はDKAでも浸透圧が高くなることがありますし(脱水が強ければなりえます)、NKHCでも軽度であるがアシドーシスになります。 どちらにしても、浸透圧の程度とアシドーシスの程度が病態と治療法を決める上で重要ということです。 浸透圧の程度によって輸液の種類が変わります。 脱水が激しい=つまり高浸透圧高浸透圧(350mOsm/kg≦)であれば1/2生食 それ以下であれば生食になりますので、浸透圧を知る必要があります。 浸透圧の計算式は、2*Na+BUN/2.8+BS/18となりますので①BUNと②Naの値は測定する必要があります。 またアシドーシスでは高K血症になり、高K血症は致死的不整脈を引き起こしますので、 場合によってはメイロンの使用やグルコン酸カルシウム、緊急透析を考えなくてはなりません。 よって④Kや⑤HCO3-も必要です。 ③Creも腎障害の程度や脱水の程度を知る上で必要になりますがBUNや浸透圧である程度予測できますので、 必ずしも必要とは言えませんし上記の4つに比べれば必要性は低いといえます。 (2)(100C-21改変問題) 高血糖性昏睡の治療中に最も注意することは、脳浮腫、低K血症、低血糖です。 急激に補正することで脳浮腫になりますし、インスリンによって糖が細胞内に入る際に Kも一緒に入っていきますので、低K血症になります。またインスリン過剰投与で 逆に低血糖にもなります。BS<300となればKの補充や糖の補充を考えます。 以上のことを考え、ここでは低K血症のモニターをしていると考えます。 低K血症の心電図はU波、QT延長が見られますので、①が解答となります。 ②と④と⑤は高K血症で見られます。治療前にはアシドーシスにより見られることがあります。 ③はここでは関係性がありません。 (3)(91D-30改変問題) 正答率53% 上述したように治療中に注意するのは、脳浮腫、低K血症、低血糖です。 ここでは、この3つの可能性が考えられますが分からなければ、まず低血糖と考えブドウ糖静注することが望ましいとされます。 脳浮腫であっても浸透圧利尿効果により増悪させる可能性は低くブドウ糖静注により浸透圧をあげれば改善方向に向かうことが考えられます。 脳浮腫にマンニトールやグリセオールを使うことと糖尿病昏睡の治療の原則を知って欲しいという問題です。 ①は既に行っているので、必要性は低い②は禁忌選択肢。 ④⑤は行うにしてもまずは静注です。ここでは必要性は低いと考えられます。 (4)(101D-48改変問題:採点除外問題) 何度も繰り返しますが、高血糖性昏睡の治療中に注意することは脳浮腫、低K血症、低血糖です。 低血糖については(3)でブドウ糖静注していますが血糖値は測る必要があります(選択肢にはありませんが)。 ①:(2)(3)の問題でモニター心電図をつけて注意して観察していたとあるので低K血症の可能性は低いと考えられます。 もちろん行う必要もありますが、最も有用とは言えません。 ②:DMの人がAMIを引き起こした可能性や不整脈の可能性があるかもしれませんが ①の解説と同じようにモニター心電図をつけているので最も有用とは言えません。 ③:禁忌選択肢。脳浮腫による脳圧亢進の可能性がある段階では禁忌となります。 まず頭部CTや眼底検査、cushing徴候の有無を調べてから行います。 ④:そこで脳浮腫の程度をみるために頭部CTが解答となります。 ⑤:もちろん精神疾患の可能性もありますが、最も有用とは言えませんし、これにより治療方針が決まるわけではありません。 これは101回の問題だな。100回にDKAにインスリン中に意識障害がきたら頭部CTを行うを選ぶ問題が出ている。 前年度の問題の中に翌年度の答えが書いてあるから、前年度の回数別は何回も見直して問題文も暗記しよう。 問題7 エストロゲン製材でPRL産生が亢進するらしいんだけど、なぜでしょうか?? +... 解答 通常プロラクチンは、ドパミンにより抑制されているため、 ドパミン受容体を遮断する抗精神病薬、 胃潰瘍治療薬(主にドグマチール。胃薬・抗鬱薬)、 降圧剤、エストロゲンを含む経口避妊薬/等の常用によって 高プロラクチン血症が起こることがあります。 これを、薬剤性高プロラクチン血症といいます。 解説 医学大辞典によると 薬剤性高プロラクチン血症 疾患の治療のために薬剤の投与を受け,その副作用のために高プロラクチン血症を呈することをいう。 プロラクチンは視床下部のドパミンにより抑制的にコントロールされているので, ドパミン産生抑制薬(レセルピン,αメチルドパなど),抗ドパミン作動薬(抗精神病薬, ヒスタミンH2受容体拮抗薬などの中枢性抗潰瘍薬,一部の抗うつ薬など), 下垂体に直接作用するエストロゲン製剤(ピルなど)の投与により 高プロラクチン血症となることが多い。高プロラクチン血症の原因の多くを占めるので, 薬歴の聴取が重要となる。 問題8 Basedow病ではコレステロール↓なのに、褐色細胞腫では↑になる。 他はみんな同じような症状なのに、不思議じゃないか? 遊離脂肪酸はどちらも↑だし、覚えにくいことこの上ない。 なぜか? +... 解説 基本的に、どちらも異化が亢進してコレステロール産生は増加するが、Basedow病では胆汁分泌が著しく亢進する「らしい」。 結果として、胆汁に排泄されるコレステロールが著しく増加するので、Basedow病では血中コレステロールは↓になる。 (排泄機構のない遊離脂肪酸は、低下しない) このように甲状腺ホルモンは消化活動全体を亢進させる。 ところが、カテコラミンはむしろ逆に、消化を著しく抑制する。 だから、褐色細胞腫では便秘になる。Basedow病の下痢とは逆に、褐色細胞腫でコレステロール↑が目立つのも、胆汁排泄が抑制されるから。 こうすれば、 Basedow病 - Cho↓、FFA↑、下痢 褐色細胞腫 - Cho↑、FFA↑、便秘 カテコラミンは消化管運動を抑制する という一連の知識は忘れなくて済むんじゃないかな? 本当に全例で胆汁への排泄がそんなに亢進するのかわからないらしいけれどね。 問題9 ミトコンドリア遺伝子異常で正しいものを3つ選べ。 ①肥満 ②難聴 ③母系遺伝 ④インスリン抵抗性 ⑤低身長 +... 解答 2、3、5 解説 ×①比較的若年(平均30歳代)に発症し、肥満を伴わない。 ○②難聴を高頻度に合併する。 ○③母系遺伝する。姉妹、母親、母方祖母も糖尿病など ×④インスリン分泌低下のため、治療法はインスリン療法が適応となる。 ○⑤低身長、四肢近位筋の筋力低下、知能低下などがある。 その他の特徴 乳酸アシドーシスをきたしやすい 病型がいくつかある。(6病型)病型毎に責任遺伝子が異なる。 やせ型で低身長の比較的若年発症のDMをみたら ミトコンドリア遺伝子異常を疑う。 問題10 次の文を読み,65~67の問いに答えよ. 42歳の女性.口渇,多飲および多尿を主訴に来院した. 現病歴 1年前から義母の介護が始まり生活が不規則になった. 1ヵ月前から症状が出現している. 既往歴 25歳時,アルコール性肝障害を指摘された. 生活歴:飲酒は日本酒2合/日を22年間.喫煙歴はない. 家族歴:姉,母親および母方祖母が糖尿病である. 現 症:意識は清明.身長152cm,体重42kg.脈拍80/分,整.血圧154/92mmHg. 検査所見:尿所見:蛋白(-),糖4十,ケトン体1十. 血液所見:赤血球420万, Hb 10.8g/d/,血小板10万. 血液生化学所見 随時血糖406mg/dl, HbAic 10.5%, AST 881U/l, ALT 641U/l, LD〈LDH〉4291U/l (基準176~353),クレアチニン0.6mg/dl. E65 病態として考えられるのはどれか.2つ選べ.(正答率31.7%) a 腎性糖尿 b アシドーシス c インスリン分泌光進 d 肝からの糖放出光進 e エリスロポエチン分泌低下 E66 この患者にみられるのはどれか.(正答率6.4%) a 難 聴 b 無月経 c 色素沈着 d 手指伸展障害 e 平衡機能障害 E67 治療の組合せで正しいのはどれか.(正答率43.4%) 摂取エネルギー量 塩分量 薬物治療 …………………………………………………………………………………………………… a l,300kcal/日 5g/日 経口血糖降下薬 b l,300kcal/日 5g/日 インスリン c l,300kcal/日 8g/日 経口血糖降下薬 d l,300kcal/日 8g/日 インスリン e l,700kcal/日 5g/日 経口血糖降下薬 f l,700kcal/日 5g/日 インスリン g l,700kcal/日 8g/日 経口血糖降下薬 h l,700kcal/日 8g/日 インスリン 出典:103回E65~67 +... 解答 65 b、d 66 a 67 b 解説 主要所見: 口渇,多飲,多尿 キーワード: ①口渇・多飲・多尿(→糖尿病,尿崩症の存在を疑う) ②不規則な生活(→過食・ストレスにより増悪する疾患を疑う) ③母方の糖尿病(→母系遺伝から,ミトコンドリア関連疾患を疑う) ④随時血糖高値・尿糖陽性(→糖尿病の存在を疑う) ⑤尿ケトン体陽性(→ケトーシスをきたす病態を疑う) 12要点: 著明な高血糖・尿糖陽性の所見から糖尿病の存在を疑う. その上で,母系遺伝,ケトン体陽性などの情報からミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病を思いつく。 ○b ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病では乳酸アシドーシスを合併しやすい。 × c ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病ではインスリン分泌は低下する. ○d インスリン欠乏時には肝臓からの糖放出は充進する. ×e 本例は尿蛋白陰性,腎機能正常より顕性の糖尿病性腎症は否定的である. したがって腎不全時に認められるエリスロポエチン分泌低下の存在は考えにくい. a 11.3% b 92.2% c 52.2% d 36.5% e 6.7% ○a ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病では難聴を高頻度に合併する. ×b 本疾患の症状とは無関係である. × c 糖尿病における色素沈着は,高度の高インスリン血症の際に出現する. ×d 筋緊張性ジストロフィーに特異的な症状で,本例とは無関係である. ×e ミトコンドリア遺伝子異常には難聴を合併するが,内耳機能や小脳機能障害は伴わない. a 6.4% b 14.0% c 19.3% d 22.7% e 37.9% ×a, c, d, e, f. g, h ○b 本例は養母の介護をしている42歳の女性であり,軽労働者にあたるためBMIから算出した標準体重(51kg)〉425~30k calで計算すると 1,270~l,524kcal/日が適切である.従って, l,300kcal/日を選ぶ.高血圧もあるので塩分制限は必要であり, 5g/日が適当. 治療法はインスリン療法が第―選択であり,経口血糖降下薬の適応ではない。 a 28.7% b 43.4% c6.8% d8.3% e 2.9% f 7.9% gO.6% h 1.3% ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病の特徴 ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病は特異な病態を呈する. 〔特 徴〕 ①母系遺伝である. ②比較的若年(平均30歳代)に発症し,肥満を伴わない. ③病態の主体はインスリン抵抗性ではなくインスリン分泌低下である. ④難聴を高頻度に合併する. ⑤乳酸アシドーシスをきたしやすい(アルコール過剰摂取があれば尚更). 〔治療薬の選択〕 ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病治療は,インスリン療法を第一選択とする. 〔エネルギー摂取量〕 肥満を伴わないこと,乳酸アシドーシスを予防することを考慮し,厳しいエネルギー摂取制限は行わない. 〔塩分摂取量〕 高血圧を合併した糖尿病では. 6g/日未満の塩分制限により腎症の進展を阻止する。 問題11 DKA疑いの患者が搬送された。検査で必要性が低いのはどれか? ①BUN ②Na ③Cre ④K ⑤HCO3‐ +... 解答 3 解説 KDAや高浸透圧性昏睡を調べるのに、浸透圧を計算する。 BUN(含窒素成分)は検査が必要 浸透圧=2(Na+K)+BS/18+BUN/2.8 anion gap =Na -(Cl +HCO3-) 血漿浸透圧の正常値は、290±5mOsm/l anion gap (AG)の正常値は12±2mEq/l 問題12 血液検査で食後に増加しないのはどれか?1つ選べ。 ①Cre ②βリポ蛋白 ③インスリン ④中性脂肪 ⑤血糖 出典:101C32 +... 解答 1(正答率:78.5%) 解説 ○①個体差(筋肉量、男>女)があるが、食事の影響は受けない。 ×②βリポ蛋白はLDLとされ、カイロミクロンやPreβリポ蛋白(VLDL)と違い 食事の影響は強くは受けない。 ×③食事により分泌が刺激される。 ×④食後に増加する。 ×⑤食後に増加する。 問題13 21歳の男性.強い全身倦怠感と腹痛とがあり,家族の呼びかけに対する反応が悪くなったため救急車で来院した .生来健康であったが,1ヵ月前から口渇と多尿とに気付くようになった. また,体がだるく,朝,起きにくくなっていた.意識は軽度混濁. 身長170cm,体重59kg.体温36.1℃。呼吸数32/分.脈拍100/分,整.血圧96/60mmHg.皮膚は乾燥している. 結膜に貧血と黄疸とを 認めない.心雑音はない.腹部は平坦で,圧痛は認めない. 尿所見:蛋白1十,糖4十,ウロビリノゲン1十,ケトン体3十. 血液所見:赤血球560万, Hb 17.0g/dl, Ht 52%.白血球9,200,血小板32万. 血清生化学所見:血糖860mg/dl, HbA1c 11.0% (基準4.3~5.8),総蛋白8.2g/dl, アルブミン5.6g/dl,尿素窒素32mg/dl,クレアチニン1.8mg/dl,尿酸8.0mg/dl, AST 32単位. ALT 25単位,Na 132mEq/l、 K5.8mEq/l, Cl 88mEq/l. 動脈血ガス分析(自発呼吸, room air) pH 7.23, PaO2 95Torr. PaC02 19Torr, HCO3- 8mEq/l. まず行う輸液はどれか. a 重炭酸ナトリウム液 b 1/2濃度生理食塩液 c 生理食塩液 d ブドウ糖液 e ブドウ糖加生理食塩液 +... 解答 c 解説 ×a 急速なアシドーシスの補正は組織の酸素欠乏の原因となるため, pH 7.0までは重炭酸ナトリウム投与は行わない. ×b 高Na血症(Na 155mEq/Z以上)の時はI/2濃度生理食塩水の投与を考慮する. ○c 脱水を伴っており,直ちに生理食塩水(500~1000m//hr)の点滴静注を開始するとともに, 速効型インスリン(0.2単位/kg体重)の静注および,持続点滴静注(0.1単位/kg体重/hr)を開始する. ×d ブドウ糖液の投与は低血糖昏睡の際に適応となる. × e 血糖値250mg/d/以下になったら糖含有の補液に変更し,インスリン持続投与に併用する. *正 解 c コメント: ※糖尿病性昏睡,とりわけ高浸透圧性昏睡では血糖よりも脱水を是正することを主眼 とする.次に大切なことは失われた電解質の補充で,測定値がどうであれNa, Kの 絶対値はともに不足しているのである。 血漿浸透圧の基準値 健常人の血漿浸透圧濃度は290mOsm/lに極めて近い値に保たれている。 浸透圧の計算式 浸透圧=2(Na+K)+BS/18+BUN/2.8 この例では 浸透圧=2(132+5.8)+860/18+32/2.8=334.8mEq/l 糖尿病性ケトアシドーシスでは、 ①血糖値の補正:インスリンの少量持続点滴を行う。 ②電解質、アシドーシスの補正: A)浸透圧>350 または 血清Na>155mEq/lの時は0.45%食塩水を使用。 B)浸透圧≦350 または 血清Na<155mEq/lの時は0.9%の生食を使用。 (こちらの場合が多い) 100ml/hrのスピードで点滴する ③重炭酸NaはPHが7.1以上では投与しない。 PHが7.0以下で、使用する。 DKAのように不揮発酸などが貯留する病態では 浸透圧計算式と実際の値にはギャップがあり、あまり参考にはならん コメント: ※糖尿病性昏睡,とりわけ高浸透圧性昏睡では血糖よりも脱水を是正することを主眼 とする.次に大切なことは失われた電解質の補充で,測定値がどうであれNa, Kの 絶対値はともに不足しているのである。 問題14 65歳の男性.意識混濁のため来院した.3年前に耐糖能異常を指摘されたことがあった. 10日前にかぜをひき,口渇と全身倦怠感とが出現した. 3日前に近医で血糖660mg/dlを指摘され,インスリンによる治療が開始された. 身長160cm.体重50kg.血圧140/85mmHg.尿所見:蛋白(-),糖4十,ケトン体(士). 血清生化学所見:空腹時血糖520mg/dl,尿素窒素65mg/dl,クレアチニン2.2mg/dl. Na 156mEq/l, K4.5mEq/l.動脈血pH 7.38, HCO3- 22mEq/l. (1)最も考えられるのはどれか. a 尿毒症 b 副腎皮質不全 c 乳酸アシドーシス d 非ケトン性高浸透圧性昏睡 e 糖尿病性ケトアシドーシス (2)まず行う点滴はどれか? a 1/2濃度生理食塩液 b 生理食塩液 +... 解答 (1)d (2)a 解説 意識障害 ①65歳(→高齢) ②10日前にかぜをひき,口渇と全身倦怠感 ③空腹時血糖520mg/dl (→DM) ④Na 156mEq/l ↑(→非ケトン性高浸透圧性昏睡?) ⑤ケトン体(士),動脈血pH 7.38, HCO3- 22mEq/l (→糖尿病性ケトアシドーシスは否定的) ⑥尿素窒素65mg/d/,クレアチニン2.2mg/dl(→脱水) 糖尿病患者が,意識障害にて人院した場合にはまず血糖の異常, すなわち低血糖か 高血糖になったのかを鑑別することが重要である. 高血糖の際,糖尿病性ケトアシドーシスなのか,非ケトン性高浸遠圧性昏睡によるものなのか, 乳酸アシドーシスによるものなのかを鑑別することが重要である. 本症例では,血糖520mg/dlと高値である. 尿ケトン体は低値. 血漿浸透圧=2(Na十K)十BS/18十BUN/2.8 =2(156十4.5)十520/18十65/2.8≒373mOsm/kgH20 (正常は285~295)と高値動脈血のpH7.38とほぽ正常より, 非ケトン性高浸透圧性昏睡と考えられる. Naは150mEq/l以上となる事が多く, Na,Gluの高値が血漿浸透圧の上昇に多く寄与する. 非ケトン性高浸透圧性昏睡☆☆☆ ×a クレアチニンが2.2mg/dlであり,またアシドーシスもないことより否定的. ×b 腎不仝や副腎皮質機能低下症では,低ナトリウム血症,高K血症がみられる. ×c 乳酸アシドーシスではアシドーシスの存在により,pHは低下するが,本例ではpHは正常である. ○d アシドーシスがないこと,高血糖と高Na血症,それに基づく昏睡があることよりもっとも考えやすい. ×e アシドーシスがない点,尿中ケトン体が(土)と顕著でない点より糖尿病性ケトアシドーシスは否定的である. ●●非ケトン性高浸透圧性昏睡では,糖尿病性ケトアシドーシスと異なり脂質代謝への影響が少ないため, 脂肪醸の増加によるpH低下がみられず,アシドーシスはみられない. 非ケトン性高浸透圧性昏睡のまとめ ①好発:2型DMの高齢者 ②誘因:感染・下痢・ストレスなど ③皮膚・□腔粘膜乾燥.血圧↓,顛脈,(高度の脱水症状) けいれんや童識障害(∵脳細胞内脱水)がみられる. (多彩な精神症状) ④血漿浸透圧高値.著明な高血糖,高Na血症.尿中ケトン(-~土)がみられる。 →非ケトン性高浸透圧性昏睡を考える. 治療:ケトアシドーシスの治療に準じるのが第一原則! 直ちに生食の点滴静注を行う.(Na≧155mEq/lなら1/2生食) 問題15 ケトン性低血糖症で正しいのはどれか。2つ選べ。 ①小児期の低血糖症の中で最も多い。 ②血中乳酸が増加する。 ③ロイシン負荷試験で低血糖が誘発される。 ④カテコラミンの皮下注射が有効である。 ⑤10歳ころまでに自然軽快する。 +... 解答 1、5(正答率:28.8%) 解説 ①低血糖の頻度としては新生児低血糖が最も多いが、新生児を除いた小児期では ケトン性低血糖症が最も頻度が高い。 ②血中ケトン体は上昇するが、乳酸、ピルビン酸は正常である。 乳酸が上昇する低血糖症を診た場合は、糖原病などの先天代謝異常を考慮すべきである。 ③ロイシン負荷試験で低血糖が誘発されるのは、膵β細胞過形成が原因である ロイシン過敏性低血糖症である。 ④本症の治療はできるだけ空腹を避けることである。低血糖症状を呈したときは、 ブドウ糖を含んだ輸液が有効である。 ⑤本症は年齢が進み、年長児になると自然軽快する予後良好の疾患である。 低血糖症の定義 状態 血糖値 ……………………………………… 低出生体重児 20mg/dl以下 成熟児 30mg/dl以下 生後72時間以後 40mg/dl以下 乳児以後 50mg/dl以下 ケトン性低血糖症 ketotic hypoglycemia 小児の低血糖症の中で最も多く認められ,全体の50%を占める。 1歳半以降の幼児に認められ,意識障害・痙攣などの低血糖発作が突然起こり, 発作間欠時はまったく正常で,発作間欠時の空腹時血糖も正常である。 発作は絶食の後に起こりやすくケトン尿が先行する。 夕食を十分とらなかった翌朝に起きることが多い。 身体的には未熟児,SFD児,身体発育不良児に認めやすく, 男女比は2:1で男児に多い。加齢とともに発作頻度は減少する。 ケトン食で低血糖発作が再現され,低血糖発作時にグルカゴンを負荷しても 血糖の十分な上昇がみられない。 本態は不明であるが,糖新生の基質不足や糖新生系代謝の未熟性が関与していると考えられる。 ケトン性低血糖症の診断として,ケトン食負荷試験が行われる 問題16 32歳の女性。口渇、多飲、多尿および体重減少を主訴に来院した。 意識は清明。身長160㎝、体重46㎏。脈拍80/分、整。血圧104/72mmHg。 甲状腺の腫大は認めない。 尿所見:蛋白(-)、糖4+、ケトン体2+。 血清生化学所見:空腹時血糖324mg/dl、HbA1c9.8%(基準4.3~5.8) 治療方針決定に有用な検査はどれか。2つ選べ。 ①動脈血ガス分析 ②尿中Cペプチドの測定 ③尿中アルブミンの定量 ④インスリン負荷試験 ⑤75g経口ブドウ糖負荷試験 +... 解答 1、2(正答率:55.4%) 解説 糖尿病性ケトアシドーシス ○①動脈血ガス分析でアシドーシスの程度を把握し緊急性を判断する。 ○②尿中Cペプチドは1型糖尿病と2型糖尿病の鑑別に必要。 ケトアシドーシス急性期脱出後の自己注射継続の要否の判定に必要で、 抗GAD抗体測定と同時に行われる。 ×③糖尿病性腎症の評価に必要だが、本症例の治療方針決定には重要とはならない。 ×④インスリン負荷試験は視床下部下垂体系の負荷試験として行われるものである。 ×⑤糖尿病か否か不明の患者に対して行うもので、悪化をきたすので不要である。 糖尿病が1型か2型かを鑑別するためには、内因性インスリン分泌能の評価が必要である。 方法として、1)グルカゴン負荷試験:グルカゴン1mg静注6分後のCPR(Cペプチド)を測定 →(通常1.0g/ml以上なら内因性インスリン分泌能あり) 2)尿中CPR測定(40~80μg/日が正常。10~20以下はインスリン依存状態) 問題17 15歳の男子.2ヵ月前から全身倦怠感があり,1ヵ月前から多飲と多尿とが出現した.2週前から悪心と嘔吐とを繰り返し, 今朝から意識混濁を来し救急車で搬送されてきた.脈拍96/分,呼吸数28/分,整.血糖736mg/dl、尿ケトン体3十. この患者で予想される動脈血の所見はどれか. pH PaCO2(Torr) HCO3-(mEq/l) Na(mEq/l) Cl(mEq/l〉 a 7.00 43 11 137 102 b 7.18 23 9 136 96 C 7.21 36 14 136 108 d 7.40 40 24 141 107 e 7.46 32 32 145 98 +... 解答 b 解説 呼吸数28/分,血糖736mg/d/,尿ケトン体3十(→糖尿病性ケトアシドーシス) したがって,アシドーシスを示しているa~cが鑑別の対象となる. 糖尿病性ケトアシドーシスではanion gapは増大する. また, Kussmaul呼吸により過換気となり, PaC02↓も認めることが多い. × a anion gap は24と増大しているが, DKAでは通常PaCO2↓傾向を示すため,否定的。 anion gap =Na -(Cl +HCO3-)=137-(102+11)=24 ○b anion gap = 136 - (96 + 9) =31と著明に増大しており, PaC02↓も認め糖尿病性ケトアシドーシスの所見に一致する. × c anion gap は14と正常範囲であり,否定的である. × d, e 糖尿病性ケトアシドーシスでは,アシドーシスにより,pHは通常7.3以下 ※anion gap (AG)は CI一とHCO3- 以外の陰イオンが異常に増加しているか否かをみる検査。 糖尿病性ケトアシドーシスではケト酸の増加によりanion gap ↑を示す. <血液ガス分析の基準値> Pao2:80~100Torr、Paco2:40±5Torr、pH:7.4±0.05 HCO3-:24±2mEq/l、 BE:0±2mEq/l、酸素飽和度:95%以上 anion gap (AG)の正常値は12±2mEq/lである. 問題18 糖尿病性ケトアシドーシス性昏睡と非ケトン性高浸透圧性昏睡の鑑別に有用な所見はどれか. a 幻 覚 b 過呼吸 c 頻 脈 d 低血圧 e 皮膚乾燥 出典:87A72 89A69 +... 解答 b 解説 糖尿病性昏睡がみられた場合には,糖尿病性ケトアシドーシス性昏睡か非ケトン性高浸透圧性昏睡かの鑑別が重要である. 尿中ケトン体,動脈血pH, HCO3-で鑑別する。 臨床症状でもおおまかな見当はつけることは可能である. × a, c~e 高血糖,高度脱水,昏睡による共通症状である. ○b 糖尿病性アシドーシスでは, Kussmaul大呼吸と呼ばれる過呼吸を呈する. これは代謝性アシドーシスを過呼吸によって代償しようとしている状態である, また、血圧については、糖尿病性ケトアシドーシスでは「脱水により血圧の低下がみられる」と。 非ケトン性高浸透圧性昏睡では「高度の脱水により、時に血圧低下を伴う」と。 問題19 24歳の女性。下痢と体重減少を主訴に来院。半年前から1日2,3回の下痢が始まり、 体重が減少してきた。階段を上るときに動悸を感じるようになった。 身長162㎝、体重48㎏。体温37.2℃。脈拍112/分、整。血圧128/58。皮膚は湿潤。 血液所見:赤血球410万、白血球3.500。血液生化学所見:空腹時血糖98mg/dl. 総コレステロール128mg/dl。ALP 410IU/l(基準115~359) 内服治療開始後の臨床視標で重要なのはどれか? ①体重 ②血圧 ③便性状 ④白血球数 ⑤血清総コレステロール 出典:104D42 +... 解答 ④(正答率:58.5%) 解説 6ケ月前からの下痢、体重減少、動悸(頻脈)、皮膚湿潤からBasedow病による甲状腺中毒症状を疑う。 初期治療としての抗甲状腺薬内服による副作用への注意点を問うている。 抗甲状腺薬内服による重大な副作用として、無顆粒球症があるので白血球数減少には注意。 24歳、女性(→女性に多い疾患) 下痢(→甲状腺中毒症状) 体重減少(→代謝亢進による症状) 動悸、頻脈、皮膚湿潤(→交感神経優位の症状) 総コレステロール128(→脂質代謝亢進による低コレステロール血症) ALP410(→骨代謝亢進によるALP高値) ×①治療によって体重は増加するが、副作用ではない。 ×②治療によって変化することはない。 ×③治療によって下痢は改善する。 ○④抗甲状腺薬内服による副作用として、白血球数減少(無顆粒球症)に注意する必要がある。 ×⑤治療によって脂質代謝が改善すると上昇するが、副作用ではない。 抗甲状腺薬内服による副作用 (1)2~3週間後:薬疹 (2)3~12週後に:白血球数減少(無顆粒球症) 白血球数と好中球をチェックする必要がある。 無顆粒球症(好中球:500/μl未満)と診断した場合、直ちに抗甲状腺薬の使用を中止する。 関連問題 問題21 アレルギー反応の分類と疾患の組み合わせで正しいのはどれか。 a Ⅰ型アレルギー:特発性血小板減少性紫斑病(ITP) b Ⅱ型アレルギー:混合性結合組織病 c Ⅲ型アレルギー:クリオグロブリン血症 d Ⅳ型アレリギー:Goodpasture症候群 e Ⅴ型アレルギー:慢性甲状腺炎(橋本病) 出典:104B-17 +... 解答 c 解説 まあBasedowと橋本の引っかけだわな。(BasedowがⅤ型) (ITPはⅡ型)(シェーンライヒヘノッホ紫斑病SHPはⅢ型) Ⅲ型はDr.Kの語呂にクリオグロブリン血症を加えて 「シェー 散々 楽 すれば カビ生えた クリと ケツから 糸が たくさん」 Ⅲ型 SHP RA SLE 過敏性肺炎 クリオ 血清病 AGN 多発性動脈炎 と憶えよう。 問題22 ケトン性低血糖症について正しいのはどれか?1つ選べ。 ①学童期に多い。 ②朝に発症しやすい。 ③糖尿病に合併しやすい。 ④高脂肪食で予防する。 ⑤グルカゴンで治療する。 +... 解答 ②(正答率:35.2%) 解説 ×①小児期に多く、主に18ヶ月~5歳の幼児に好発する。遅くとも10歳までには自然軽快する。 ○②夕食をあまり取らなかった翌朝に発作が起こりやすい。 ×③関係ない。 ×④ケトン性低血糖は、ケトン食(高脂肪)や低血糖で誘発される。 ×⑤発作予防には、高蛋白、高炭水化物食を頻繁に与える。 発作時には、ブドウ糖(オレンジジュースなど)を投与する。 (経口できなければブドウ糖の静注) 問題23 インスリン治療していたが熱発して、インスリン注射を自己中止したあと、 意識障害を起こしDKA疑いで受診した。 (正答率:82.2%) 検査で最も必要性が低いのはどれか?1つ選べ。 ①血球 ②血糖 ③含窒素成分 ④脂質 ⑤電解質 出典:101D47改変 スレ6 441氏 +... 解答 ④ 解説 ○①感染症の存在を疑い、WBCや白血球分画を知りたい。 ○②DKA疑いで当然血糖値は知りたい。 ○③脱水度の評価に必要。 ×④必要性は低い。 ○⑤KDAなのか高浸透圧性昏睡の鑑別や治療法を決定するのに血清Na、K濃度が参考になる。 ④の脂質を選んだ人は、深読みしてインスリン↓↓⇒脂肪分解の亢進⇒脂肪酸の生成⇒ ケトン体産生⇒代謝性アシドーシス(AG↑)を考えてしまい脂質検査の価値が高いと 考えてしまったのかな? KDAや高浸透圧性昏睡を調べるのに、浸透圧を計算する。 浸透圧=2(Na+K)+BS/18+BUN/2.8 ③含窒素成分 (BUN)は当然検査が必要。 脱水が急速にくるとCreの変動は殆どないが、BUNは上昇する。 問題24 SIADH不適合分泌症候群に合致する血液検査所見はどれか?2つ選べ。 ①Ht55% ②空腹時血糖 45mg/dl ③Cre 1.8mg/dl ④尿酸 2.5mg/dl ⑤Na 128mEq/l +... 解答 ④⑤(正答率:91.4%) 解説 ×①血液は希釈されてHtは上昇しない。 ×②血糖値は変化しない。 ×③クレアチニンは正常。腎不全は認めないため。 ○④尿酸値は低下する。 ○⑤低ナトリウム血症が、SIADHの最も基本的な異常所見である。 SIADHは血漿浸透圧が低下しているのにADHの分泌↑、or腎臓のADHに対する感受性↑で起こる。 別の疾患の合併症orは部分症状として発症する。 原因: ①肺疾患(肺癌、特に小細胞癌など) ②中枢神経疾患(代表的には髄膜炎) ③ADH産生性腫瘍 ④薬剤性のものなど ☆SIADHの診断基準の要約 ①血漿浸透圧低下:270mOsm/l (mOsm/kgのどちらでも良い)以下 (正常値は、290±5mOsm/l) 血漿浸透圧=2(Na+K)+BS/18+BUN/2.8 ②低ナトリウム血症:血清Na<135mEq/l ③尿中ナトリウム濃度>20mEq/l ④尿浸透圧>300mOsm/l ⑤腎機能、副腎機能正常(血清Cre<1.2mg/dl、血清コルチゾル>6μg/dl) ⑥血漿バソプレシンが測定される ⑦脱水所見は認められない。 ⑧尿酸値は5mg/dl以下が多い(参考所見) 問題25 32歳の女性。3日前から高熱と咽頭痛とを主訴に来院した。甲状腺機能亢進症のため、1ケ月前から抗甲状腺薬を服用している。 体温38.9℃、脈拍120/分、整。血圧120/80mmHg。咽頭と口蓋扁桃とに偽膜を認める。 胸部打聴診で異常所見はない。腹部は平坦で肝・脾は触知しない。 血液所見:赤血球450万、Hb14.0g/dl。Ht42%、白血球1200(桿状核好中球2%、分葉核好中球2%、単球9%、リンパ球87%)、血小板22万。 血清生化学所見:AST35単位、ALT30単位、LDH200単位(基準176~353) まず投与するのはどれか?2つ選べ。 ①抗菌薬 ②抗腫瘍薬 ③甲状腺ホルモン ④副腎皮質ステロイド薬 ⑤顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF) 出典:98A33 +... 解答 ①⑤ 解説 診断:(薬剤性)無顆粒球症、敗血症 無顆粒球症:好中球が500/μl未満のこと。100/μl未満は重症無顆粒球症。 白血球1200/μlのうち、好中球数=1200×(2+2)%=48/μlと著明な好中球減少を認める。 発熱は、咽頭痛・扁桃を感染巣とした細菌感染→高熱、脈拍数増加から敗血症と思われる。 ○①細菌感染症の治療として、血液検査結果を待たずに最も早急に行う必要がある。 ×②LDHが正常範囲内で白血病などは考えにくい。 薬剤性無顆粒球症の診断の際には白血病の可能性を否定するため、骨髄穿刺を行う場合が多い。 ×③甲状腺機能低下を示唆する所見はない。 ×④感染症には好ましくない。 ○⑤保険適応外であるが、好中球の増加を期待してしばしば用いられる。 関連問題 問題26 水溶性ビタミンは次のうちどれか?1つ選べ。 ①ビタミンA ②ビタミンC ③ビタミンD ④ビタミンE ⑤ビタミンK +... 解答 ②ビタミンC 解説 ×①ビタミンAは脂溶性。不足すると夜盲症になる。 ○②ビタミンCは水溶性。不足すると壊血病。鉄欠乏性貧血にVitCを加えると鉄剤の吸収を促進する。 ×③ビタミンDは脂溶性であり、不足するとくる病、骨軟化症の原因となる。 先天性胆道閉鎖症では、胆汁分泌不全により早期からVitDなどの脂溶性ビタミンの欠乏が起こる。 ×④ビタミンEは脂溶性。ビタミンEが不足すると溶血性貧血や小脳失調、深部感覚障害などの神経症状が起きることがある。 ×⑤ビタミンKは脂溶性。ビタミンKが不足すると正常な凝固因子Ⅱ(プロトロンビン)が生成されず新生児ビタミンK欠乏症により、 頭蓋内出血が起きたり、新生児メレナで消化管出血などを引き起こす。 脂溶性ビタミン DAKE(だけ) (105B34)(106回出題) 食物中の鉄分は三価鉄(Fe3+)であり、十二指腸上皮細胞表面の鉄還元酵素(Dcytb)とビタミンC(アスコルビン酸)は三価鉄(Fe3+)を二価鉄(Fe2+)に還元することで十二指腸からの吸収効率を上げる効果がある。
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X 新生児けいれん 備考 低血糖,低Ca血症