約 506,069 件
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/33500.html
HUMAN LOST 人間失格 Blu-ray 発売日:5月20日 全人間、失格 誰もが知る日本文学の最高峰「人間失格」、狂気のSF・ダークヒーローアクションへ―― 日本屈指のクリエイター陣によって再構築された新たなるオリジナルアニメーション映画が、 ついにBlu-ray DVDで発売決定! ここを編集 2019年11月公開。プライムビデオが配信開始。 https //human-lost.jp 監督 木崎文智 スーパーバイザー 本広克行 原案 太宰治 ストーリー原案・脚本 冲方丁 脚本協力 橋本太知、戸堀賢治 絵コンテ 大串映二、木崎文智 キャラクターデザイン コザキユースケ サブキャラクターデザイン 岡崎能士、朝来昭子 コンセプトアート 富安健一郎、上野拡覚、大曽根純 コンセプトモデラー 清水智弘 コンセプトアニメーション 熊本周平 クリーチャーデザイン 伊藤暢達 メカニックデザイン 石津泰志、寺尾洋之 プロダクションデザイン Ferdinando Patulli グラフィックデザイン・モーショングラフィックススーパーバイザー 桑原竜也 絵画 福士亮平 CGスーパーバイザー 石橋拓馬 モデリングスーパーバイザー 中島吉紀 コンセプトアーティスト 川田英治、新保祐太、坪井将人、勅使河原一馬 美術監督 池田繁美、丸山由紀子 美術ボード 丸山由紀子 背景チーフ 峯田佳実 美術設定 池田繁美、大久保修一、友野加世子、乗末美穂 色彩設計・色指定 野地弘納 撮影監督 平林章 セットモデルスーパーバイザー 岡島大地 リギングスーパーバイザー 佐藤勇作 ルックデベロップメントスーパーバイザー 多田裕太郎 シェーダーライター Andreas Bauer アニメーションディレクター 大竹広志 エフェクトスーパーバイザー 岡本崇 ドローイング 福士亮平、榊田哲昌、増田美智 モーショングラフィックス 柿本千都留 背景セットアップスーパーバイザー 池上裕貴 ライティング コンポジットスーパーバイザー Warner Wan De Ming 編集 佐々洋章 編集助手 眞柄かおり、利根屋ゆかり ポストエフェクト 星野和成、佐久間達也 音響監督 岩浪美和 アフレコ演出補佐 関根奈美、山本浩司、田中亮 音響効果 小山恭正 録音調整 山口貴之、成田一明 録音助手 都築寿文、ヌンイラ玲南、池田聖菜 ダビングスタジオ助手 小笠原良汰 プロダクションマネージャー 上村健人 ロゴ制作・宣伝デザイン 草野剛デザイン事務所 予告編制作 大塚朝子、間杉侑太、小林一三、草野剛 音楽 菅野祐悟 アニメーションプロデューサー 森弘光 ラインプロデューサー 高橋亮平 アニメーション制作 ポリゴン・ピクチュアズ ☆インタビュー ▽STAFFデイリーインタビュー⑪:脚本 冲方丁さん ▽STAFFデイリーインタビュー⑩:メカニックデザイン 石津泰志さん ▽STAFFデイリーインタビュー⑨:色彩設計 野地弘納さん ▽STAFFデイリーインタビュー⑧:エフェクトスーパーバイザー 岡本崇さん ▽~あの作品の制作環境が見たい~ HUMAN LOST 人間失格 ▽STAFFデイリーインタビュー⑦:グラフィックデザイン 桑原竜也さん ▽『HUMAN LOST 人間失格』スタッフインタビュー「人多すぎ! クリーチャー多すぎ! バイクも触手も多すぎ」 ▽STAFFデイリーインタビュー⑥:アニメーションディレクター 大竹広志さん ▽『HUMAN LOST 人間失格』スタッフインタビュー「CGでもここまでの感情表現ができる」 ▽STAFFデイリーインタビュー⑤:監督 木﨑文智さん ▽STAFFデイリーインタビュー④:クリエイティブプロデューサー 橋本太知さん ▽STAFFデイリーインタビュー③:絵画 福士亮平さん ▽STAFFデイリーインタビュー②:撮影監督 平林 章さん ▽STAFFデイリーインタビュー①:アニメーションプロデューサー 森 弘光さん ▽『HUMAN LOST 人間失格』木﨑文智監督&コザキユースケさんインタビュー|参加のきっかけは15年前に交わした約束だった!? ▽『HUMAN LOST 人間失格』冲方丁さんインタビュー|日本SF界の巨匠が今のSFを語る「社会におけるSFの役割の変化の先にある“提案型SF”」 ▽花澤香菜に直撃!『HUMAN LOST 人間失格』の葉蔵は「どうしてあげればいいのかわからない青年」 ▽『HUMAN LOST 人間失格』の木﨑文智監督インタビュー 太宰治の「人間失格」がSFダークヒーローアクションに ▽「HUMAN LOST 人間失格」木﨑文智監督&冲方丁さんインタビュー、太宰治の小説からSFダークヒーローものがどのように生み出されたのか? ▽映画「HUMAN LOST 人間失格」で脚本 作家・冲方丁さんインタビュー ▽【インタビュー】『HUMAN LOST 人間失格』花澤香菜、「役を頂き続けることが難しい…」人気声優の苦悩と希望 ▽冲方丁×又吉直樹の“人間失格”対談!脚本&小説の執筆裏話、太宰作品が愛される理由を語る ▽太宰治の代表作がサイバーパンクなアクションアニメに! 世界が注目する映画「HUMAN LOST 人間失格」木﨑文智(監督)×冲方丁(ストーリー原案・脚本)インタビュー ▽「原案小説でもアニメでも美子は天使のようで無垢な存在でした」劇場版アニメ『HUMAN LOST 人間失格』柊美子役・花澤香菜インタビュー ▽宮野真守『HUMAN LOST 人間失格』で日本文化伝えたい ▽『HUMAN LOST 人間失格』 木﨑文智 監督 スペシャルインタビュー プライムビデオ:HUMAN LOST 人間失格 監督木﨑文智 主演:宮野真守, 花澤香菜, 櫻井孝弘 再生時間:1時間49分 初公開日/初回放送日:2019年 ■関連タイトル HUMAN LOST 人間失格 Blu-ray 二・二六 HUMAN LOST 人間失格 新潮文庫nex HUMAN LOST 人間失格 アフタヌーンKC HUMAN LOST 人間失格 ノベライズ 主題歌 HUMAN LOST feat. J. Balvin 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Blu-ray 魔女見習いをさがして Blu-ray「どうにかなる日々」Blu-ray Happy-Go-Lucky Edition 初回限定生産 Blu-rayDisc付き 『ラブライブ! スーパースター!!』「始まりは君の空」【みんなで叶える物語盤】 BEM~BECOME HUMAN~豪華版Blu-ray Blu-ray 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Compact Collection Blu-ray ぐらぶるっ! Blu-ray 映画クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 Blu-ray CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda Millennial Fair FINAL at NAKANO SUNPLAZA 2020 ゴブリンスレイヤー Blu-ray BOX 初回生産限定 グリザイア ファントムトリガー THE ANIMATION 03[Blu-ray] 特装版 ラブライブ! サンシャイン!! Saint Snow 1st GIG 〜Welcome to Dazzling White Town〜 Blu-ray Memorial BOX ゾンビランドサガ Blu-ray BOX 初回生産限定盤 Blu-ray 思い、思われ、ふり、ふられ 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 1st Season 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 2nd Season 完全生産限定版 Blu-ray ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII OVA Blu-ray 映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日 BD特装版 Blu-ray アズールレーン 三笠大先輩と学ぶ世界の艦船 ぶるーれい Blu-ray 水瀬いのり Inori Minase 5th ANNIVERSARY LIVE Starry Wishes かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 22 OVA同梱版 呪術廻戦 公式ファンブック よつばと! 15 監修 庵野秀明・樋口真嗣など 夢のかけら 東宝特撮映画篇 パラレルパラダイス 13 特装版 アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 9 オリジナルCD付き限定版 美樹本晴彦マクロス画集 軌 わだち― 夜ノみつき 10th EUSHULLY WORKS しらこ画集 ILLUSTRATION MAKING VISUAL BOOK カズアキ画集 Kazuaki game artworks ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~ 公式ビジュアルコレクション ぼくたちは勉強ができない 第21巻 音声ドラマ ミニ画集付き同梱版 あいきょう 荻pote作品集 ヒョーゴノスケ流 イラストの描き方 TVアニメ『くまクマ熊ベアー』オフィシャルファンブック 押井守原作・総監督 西村純二監督作品 『ぶらどらぶ』 解体新書公式コンプリートガイド OCTOPATH TRAVELER Design Works THE ART OF OCTOPATH 2016-2020 おそ松さん 3rd season SPECIAL BOOK 描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方 YMO1978-2043 「小冊子・YMO全トラックリスト2021 Amazon限定表紙版」付き To LOVEる -とらぶる- ダークネス FIGURE PHOTOGRAPHY COLLECTION 斉藤朱夏 CALENDAR 2021.4-2022.3 ラブライブ! サンシャイン!! Aqours DOME TOUR COMIC ILLUSTRATION BOOK ラブライブ! サンシャイン!! Aqours COMIC ILLUSTRATION BOOK 2020 Winter イジらないで、長瀞さん 10 特装版 「はたらく細胞」公式アニメ完全ガイド リスアニ! Vol.43.2「アイドルマスター」音楽大全 永久保存版VII アイドルマスター シャイニーカラーズ 3 CD付き特装版 ウルトラマンマックス 15年目の証言録 ウルトラマンZ特写写真集 じじぃ 人生は深いな 冴えない彼女の育てかた 深崎暮人画集 上 Flat. ぷよぷよ アートワークコレクション 古谷静佳1st写真集 re START THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER COLLABORATION! Great Journey ウルトラマンゼロ Blu-ray BOX クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 Blu-ray BOX 初回生産限定版 小林さんちのメイドラゴンBlu-ray BOX ゆゆ式Blu-ray BOX スペシャルプライス版 とーとつにエジプト神 Blu-ray 直球表題ロボットアニメ 全話いっき見ブルーレイ 未来ロボ ダルタニアス 一挙見Blu-ray VOL.1 シュヴァルツェスマーケン 全話見Blu-ray ワールドトリガー一挙見Blu‐ray VOL.1 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 魔王プレイボックス 初回生産限定 トータル・イクリプス 全話見Blu-ray Blu-ray Cutie Honey Universe Complete Edition 夜ノヤッターマン 全話いっき見ブルーレイ こみっくがーるず Blu-ray BOX 初回生産限定 Blu-ray 幼女社長 むじなカンパニーセット 初回生産限定 ログ・ホライズン 円卓崩壊 Blu-ray BOX 七つの大罪 憤怒の審判 Blu-ray BOX I Blu-ray 水樹奈々 NANA ACOUSTIC ONLINE 『Dr.STONE』2nd SEASON Blu-ray BOX【初回生産限定版】 魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編 Blu‐ray BOX 今井麻美 Winter Live「Flow of time」 - 2019.12.26 at EX THEATER ROPPONGI - Blu-ray盤 Blu-ray 仮面ライダーゼロワン ショートアニメ EVERYONE'S DAILY LIFE 仮面ライダー一挙見Blu-ray 1号 2号・V3編 仮面ライダー一挙見Blu-ray X・アマゾン・ストロンガー編 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1975-1981 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1982-1986 半妖の夜叉姫 Blu-ray Disc BOX 1 完全生産限定版 裏世界ピクニック Blu-ray BOX上巻 初回生産限定 Levius レビウス Blu-ray BOX【期間限定版】 スーパー戦隊 学研の図鑑 江口寿史美人画集 彼女 アニメディスクガイド80's レコード針の音が聴こえる necomi画集 PHONOGRAPHIC フルーツバスケット アニメ2nd season 高屋奈月 Illustrations 2 彼女、お借りします TVアニメ第1期 公式設定資料集 ドラゴンボール 超戦士シールウエハースZ 超シールガイド ガンダムアーカイヴス『ガンダムビルドシリーズ』編 Angel Beats! 天使画集 Angel Diary PANZER FRAULEIN 野上武志画集 【陸編】 Angel's cage るび様画集 Sweet Dream はすね画集 画集 制服Girl's▼コレクション もりょ作品集 異世界ファンタジーのキャラクターコレクション 劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公式ビジュアルBOOK アイドルマスター シャイニーカラーズ イラストレーション ワークス VOL.2 Blu-rayDisc付き 八十亀ちゃんかんさつにっき 10 特装版 あんさんぶるスターズ! Ready For Star 2巻 缶バッジ付 Switch エーペックスレジェンズ チャンピオンエディション New ポケモンスナップ -Switch 【PS4】BIOHAZARD VILLAGE PLAMAX 聖戦士ダンバイン サーバイン ノンスケール PS製 組み立て式プラスチックモデル スーパーミニプラ 無敵ロボ トライダーG7 3個入りBOX 魔道祖師 前塵編 完全生産限定版 HGUC 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Ξガンダム MG 機動戦士ガンダムSEED モビルジン 1/100スケール カンチ 青 ノンスケール ABS&ダイキャスト製 塗装済み完成品 ☆赤ver 魔女の旅々17 ドラマCD付き特装版 クリストファー・ノーランの世界 メイキング・オブ・インターステラー BEYOND TIME AND SPACE 時空を超えて るるぶアズールレーン からかい上手の高木さん15からかいカレンダーカード付き特別版 「武装神姫」原案イラスト集 ALLSTARS 機動戦士ガンダム サンダーボルト 17 キャラクターブック付き限定版 とある科学の超電磁砲T OFFICIAL VISUAL BOOK Aqours 5周年記念アニメーションPV付きシングル「smile smile ship Start!」【BD付】
https://w.atwiki.jp/johnnys-jr/pages/27.html
人間・失格~たとえばぼくが死んだら 読み仮名:にんげんしっかく 放送期間:1994年7月8日~9月23日 放送局:TBS 放送時間:毎週金曜日22時~23時 全12話 主題歌;オープニング 冬の散歩道 エンディング 明日に架ける橋 その他 水曜の朝、午前3時 出演者: KinKi Kids(堂本光一・堂本剛) 赤井英和 国分博 三宅健 キャスト 堂本剛 大場誠 堂本光一 影山留加 赤井英和 大場衛 (大場誠の父) 桜井幸子 森田千尋 (新米の国語教師 担任の先生) 加勢大周 新見悦男 (教師) 斉藤洋介 宮崎信一(体育の教師) 横山めぐみ 大場夏美 (大場衛の妻) 荻野目慶子 影山小与 (影山留加の母) 黒田勇樹 武藤和彦(同じクラスの生徒) 小橋賢児 戸田哲雄(同じクラスの生徒いじめグループの一人) 山下容莉枝 村田志穂 山崎一 米田太一 国分博 間中俊平 (同じクラスの生徒いじめグループの一人 ) (元ジャニーズJr.) 反田孝幸 松野 裕次(いじめグループの一人) 吉村涼 菱田涼 夏夕介 瀬野公一郎 奥村公延 新藤校長 中丸新将 羽柴教頭 伊達昌平 坂元刑事 井川比佐志 須藤 久(刑事) 三宅健 生徒 柏原収史 生徒 あらすじ 中学3年生の大場誠一家は神戸から東京に引っ越してきて秀和学園の3年A組に転校してくる。 大場衛はラーメン屋で妻はお腹に子供がいる。 同じクラスの影山留加に学校見学の紹介をしてもらい後に親友になる。誘われ写真部に入る。 影山留加は常に主席の座を維持する優秀な生徒でスナック経営の母と2人暮らし。 武藤和彦がうさぎ殺しと言われいじめられてたのを助け大場誠はいじめられる。 給食に鉛筆削りのかすをいれられたりする。日ごとにエスカレートしていった。 体いじめグループのせいで育教師にも体罰をうける。 学校へ行きたくない誠にに父が行かせゲームセンターにいるのを警察に見つかる。 いじめグループのせいで体育教師にもいじめられる。 屋上でいじめグループが影山留加に刺せといわれて落ちかけたのを影山留加がてを差し伸べるが疑って手をつかまず落ちで死んでしまう。 その後父が部屋で教科書など落書きされてるのを見つけいじめに悔やむ。体育教師が体罰した写真があり見つかる。 その他 プロデューサー:伊藤一尋 6月から撮影始まる
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/2189.html
雑木林をかきわけながら、菊丸英二はさ迷っていた。 もっとも、迷子になっているわけではなく、仲間を探そうとしてのことだ。 「手塚やーい。不二やーい。おチビやーい。……みんなどこだよぉー」 呼びかけにも関わらず、その声は限りなく小声だった。 本当なら、大声で名前を呼んで走り回りたい。 しかし、うかつに大声を張り上げることが不用心かつ危険だとは理解できる。 ようするに、己を鼓舞する為に声を出しているだけなのだった。 目印もない森の中だということに配慮されたのか、支給された地図には、菊丸のスタート地点を示すらしき赤い点がついていた。 その位置表示によると、菊丸がいるのはマップの北の端近くらしい。 なら、人を探す為にもとにかく南下すべきだと彼は歩き続けていた。 真夜中の密林は必要以上に孤独と恐怖を煽りたてたが、体力トレーニングを積んでいたおかげで足だけは軽快に動く。 (何とかする方法なんて分からないけど、怖いけど、でも絶対に何とかして帰らなきゃ。 ……俺や手塚たちがいっぺんに行方不明になったら、大石だって心配して胃炎になっちゃうよ) そして、森林が少しだけひらけた空間が見つかった。 休憩地点のように空いた場所に、進路が合っていると言われた気がして菊丸は急ぎ足になる。 空き地に、女の子が座り込んでいた。 「きゃっ……!」 「うわぁ! びっくりした……」 少女は茂みをかきわけ現れた菊丸を見て、固まる。 何だか大人っぽいというか、雑誌のグラビアでもやっていそうな感じの少女だった。それでいて、大きくぱっちりと開いた瞳が可愛らしい感じだ。 「……あの、あの、私」 ディパックを盾のように胸の前に抱え込んで、言葉が見つからないらしくうろたえている。 そんな少女の様子に、菊丸は胸をつかれる。 体力には自信のある菊丸だってこんな状況に混乱しているのだから、目の前の少女はもっと怖かったに違いない。 「だいじょうぶだいじょぶ、警戒しないで。俺もゲームには乗ってないから」 いつものおどけた口調で、にぱーっと笑ってみせた。 「ほんと……?」 潤んだ大きな瞳で、見上げて来る。 あ、可愛いな、と思う。 「ほんとうほんとう」 警戒を解くためにディパックを地面に落とすと、しゃがみこんで、少女と目線の高さを同じにした。 「だいじょうぶ。俺は、絶対に人殺しなんてしないから」 ぱん、と破裂音が鳴った。 何の音だろう、と菊丸は思った。 それが、最後に思ったことになった。 ※ ※ 袖口から取り出したポケット・ピストルを再び袖口にしまいなおした。 まずは、一人。 ディパックには他にも武器があったが、初手は『いつもの手段』――可愛らしい演技をして油断させてズドン――で殺害することを選んだ。 ちゃんと前のプログラムと同じようにできるかを、試す意味もあったし。 彼をしばらく味方につけて、盾として使おうとも思わないではなかった。 そうしなかったのは、彼が光子のことを――ディパックを抱えたままだったのに――欠片も警戒しなかったからだ。 こんな状況でも簡単に人を信じてしまうようなお人好しのそばにいたら、危なっかしくてしかたがない。 だから相馬光子は彼を殺すことを決めて、躊躇なくそれを実行した。 このゲームに呼ばれる前の、『前のバトルロワイアル』でもそうしていたように。 演技力には自信がある。 力では女子中学生の域を出ない光子にとって、それは最大の武器だ。 どてっと人が転ぶ音がした。 「きゃうんっ!」 子犬のような鳴き声。 「ふぅ~。は、はにゃが……鼻が……」 新たな闖入者に、光子は少し驚く。 さっき少年が走り込んできた場所に、小さな少女が頭から倒れていた。 光子と同じか、少し年下ぐらい。 アニメの声優みたいな、幼く可愛らしい声をしている。 少女は、鼻をおさえながら立ち上がると、光子と目が合い―― ――光子の傍に転がる死体を凝視。 「ひっ……!」 子犬のように大きな瞳に、恐怖が宿る。 「あ、あ、あなたが――」 疑念を宿した声。 光子は一瞬で表情を切り替え、懇願する演技をした。 「違うの! ……私も、今来たところなの。倒れていたから触ったら、死んでて……びっくりして……」 瞳に涙をためておくのも忘れない。 涙なんか、いつでも流せる。 純真な人格を作ることなんて簡単だ。 「はぅ……本当、ですか?」 子犬のような目が、まっすぐに光子を見つめた。 恐がりながら、しかし光子を置いていけないという葛藤でせめぎ合っているのが分かる。 冷静に考えれば、死体のディパックが持ち去られていないから、別人が犯人の可能性は低いと分かったはずだけど。 もうひと押しだと、光子は内心だけでほくそ笑む。 「ううん、信じてくれないならそれでもいいわ。でも、危ない人が近くにいると思うから、すぐ逃げて。私は私で逃げるから」 「……そ、そんなことないです! 信じます! 一緒に逃げましょう!」 ぶんぶんと頭を横に振って、ぎゅっと両手を握りしめて力説する。 いい子だなぁ、と光子は思う。 きっと、愛情のある家庭で育ち、普通に友達をつくり、健全な恋をしていたのだろう。 光子の元に駆け寄って、光子の射程距離まで近寄り、疑うことを知らない子犬のように笑いかけてくれる。 「ありがとう」 光子は我ながら極上の笑顔で微笑むと、さっきと同じ動作で袖口からピストルを取り出した。 ざしゅっ グレープフルーツの果肉にナイフを入れたような気持ち良い音が響いた。 「え……?」 相馬光子が最期に見たのは、自らの首に刺さっている小刀だった。 ひどく、既視感を誘う光景だった。 どこで見たんだっけと記憶をたぐって、 ああ、あの時は、小刀じゃなくて除草用の鎌で、光子は『刺す方』だったのだと思い出して……。 それが、最後に相馬光子の思ったことになった。 小刀を抜いて大量の返り血を浴びた竹田千愛は、子犬のような演技をやめて素の顔に戻った。 小刀の血を丹念にぬぐって、隠し場所だった袖口にしまう。 とても冷静に、死体に向かって謝った。 「ごめんなさい。本当は撃つところから見てました」 演技には自信がある。 純真な人格を作ることなんて簡単だ。 もう動かなくなった少女に向かって言った。 「それと、もうひとつごめんなさい」 あどけない顔立ちには似合わない、感情の欠落した声。 仮面のような無表情で、恐ろしいほど理性的な瞳だった。 「私もあなたを殺そうとしていたんですよ」 【菊丸英二@テニスの王子様 死亡】 【相馬光子@バトルロワイアル 死亡】 【残り68人】 【C-1/森の中の開けた場所/深夜】 【竹田千愛@“文学少女”シリーズ】 [状態]健康、無感情モード、服に返り血(聖条高校の制服) [道具]基本支給品一式、ナイフ@現実、不明支給品残り0~2(確認済み) ポケットピストル(残弾5/6)@スパイラル~推理の絆~、相馬光子のディパック(支給品残り0~2) 菊丸英二のディパック(支給品1~3) [思考]基本:井上心葉を生還させる。櫻井流人は殺す。 1??? 2コノハ先輩の生存を優先 3流くんは私が殺す ※参戦時期は、少なくとも『神に臨む作家』で流人を『殺す』以前からです。 【ポケット・ピストル@スパイラル~推理の絆~】 袖口に仕込める超小型拳銃。簡単な動作で袖口から飛び出して手に収まるように仕掛けられているので、一瞬で奇襲に移ることができる。 Back 007魔法少女ほむら☆マギカ 投下順で読む Next 009人生は舞台、人は皆役者 GAME START 竹田千愛 Next 042道化(ピエロ)のつぶやき GAME START 菊丸英二 GAME OVER GAME START 相馬光子 GAME OVER
https://w.atwiki.jp/chaosori/pages/20.html
◇ 子どものころの夢はシャーロックホームズ、だっけか。 探偵になって、自分の病を解決してみたい。そんな理想の、夢だった。 現実は悲惨だ。おれが見ていた街はつまらない見栄とモラルに溢れていた。”だから、変えてやろう“しがないサラリーマンが、そんな風に想ってしまったのが運の尽きだった。 俺は生まれつき、“愛情”を疾患している。 何も愛するべき、ことがない。 見栄も人間さえもすべて、プラスチックのマネキンに見えた。 こいつら、一体何のために生きられるんだ? ろくでもない現実だ。 母はぼけ、姉は介護の一つももせず、姉の姪はいやらしい目つきで俺を見下しやがった。 腹立たしさすら感じなかった。低い月収のサラリーの身で、食えていることしか生活がなかったからさ。 あいつらを“術式”の薪にしてしまったとき、俺はこう告げたんだ。「いやあ。なんかもう、なんもかもイヤになっちゃったんだ。お母さん」そして、その結果がこの地獄だ。まったくもって意味がない。 おれという男は、結局どんなに足掻いても、結果がなかったんだ。 でも、愛せたんだ。 おれの涙は、本物だった。 あのときも、あの時も、俺は始めて感動をして泣くことができたんだ。 だから、愛する世界を、永遠に続けようと思っていた。 でも、俺だって、邪神に踊らされていた。 無意味だった。おれが抱いた結実のような幻想は泡のように弾け、すべては0に還る。 .....実は参加者に申し訳ない気がした。本当だ。ウソじゃない。 そして俺は奮闘むなしくアエゴーシュマの期限が切れ、幸運が消えてクソみたいなヒグマによって地獄行きだ。 意味がない。まったくもって意味がない。 新しい世界では、分からないなりにどんなに奮闘しても、いいアイディアを練っても、結局すべて誰かに持ってかれ、嗤われつづける。俺が入り浸かったていたアエゴーシュマの地獄は、そんな「現実世界」で無意味に生き続けるエンドだった気がする。被造物のように、成れていれば。だが、意味がない問答だ。..... 解き放たれた。 新たに“殺し合い”だと。よせばいいのに。 ....なら、本当に“刑事”にでもなってみるか?..... 【E-5/デパート2階衣料品売場/“鉱澤楯”@オリリピ2/深夜】 [状態]: 常に虚脱状態、アエゴーシュマによって造られた“鉱澤”が漂白された元のサラリーマン、人を愛することができない疾患 [装備]:拳銃(弾は3発) [道具]:支給品一式、不明支給品3 [思考・行動] 基本方針:⁇⁇(方針不明)。.....刑事? 1:.....どうする?.......何人か知ってるやつはいるが...... 2:本当は使ったこともない拳銃で自分のアタマでも撃ち抜くか、それとも....。 3:”鉱澤”が消え去った以上、もう”参加者”は愛せない。 [備考] 本バトル・ロワイアルの独自設定として、鉱澤の”刑事”という職業もアエゴーシュマで手に入れたものとしています。 本性は39歳の低月給サラリーマン、人格障害を抱えていたのがアエゴーシュマに縋るきっかけとなっています。 名簿では「鉱澤楯」とだけ記載されています。また、漂白されたのは精神のみで鉱澤の外見もそのままです。しかし、交渉のカリスマ性やアエゴーシュマによる補助幸運は切れています。 しかし、”愛せない病”を持っているとはいえ頭脳はそのまま“鉱澤楯”(元のサラリーマンの知能)のままです。 002.そういうお年頃 投下順で読む 004.Redo 002.そういうお年頃 時系列順で読む 004.Redo
https://w.atwiki.jp/doreemon/pages/95.html
#blognavi まずはじめに自分で書いてて不愉快になる話。 先天的な病で苦しんでる人がいる。 渡米して手術すれば直る可能性があるという。 その費用にうん千万かかるという。 その人が若く、これからがある場合募金をしてその人のために何かしてあげたいと思う。 しかしよく考えてみると、その人がもし元気になって病をもってない人と同じような暮らしができるまで回復したとしよう。そのとき彼、ないし彼女は結婚をし、子をなすかもしれない。その子が先天的な病を持って生まれたときどうするのだろう?仮にその子には運良くその先天的な病が発現しないかもしれない。しかし、その子がまた子をなした時、その人のために何かしたくなるような症状を持って生まれない可能性がないといいきれるのだろうか?そのときまでに医学がその病を感知させることができるといえるのだろうか? 人間失格なことを言ってるような気がするが、そう考えるのも人間の一部分であると思う。 次にオタクの話。 よくおたくが自分の世界を持っていて現実をみていなくてついていけないという話を聞く。はたしてそれは真実なのだろうか?彼らが見ているのは非現実。非現実を見るのはその根本に現実からの拒絶があるからだ。その性質について、その性癖についての疎外があるからだ。ならば彼らの見ているのは現実の逃避先としての非現実だ。現実ばかりをみていたら精神を壊し、現実を見れなくなるから。そして彼らが非現実で見てるのは、アニメだろうが漫画だろうがゲームだろうが、アダルトゲームだろうが、妄想だろうが、それは現実の写像に過ぎない。まったくの無から生み出すことはおたくのすることではない。オタクが好きなものではない。で、あるなら彼らが見ているのは現実なのだ、どうしようもない現実の中で、自分が壊れないため、現実を見失わないため、彼らは現実と付き合うために世界を築いているのだ。オタクではない人間よりもはっきりと現実と付き合っているのだ。たまたま性質や性癖が、現実と融和している普通の人間のように漫然と付き合うことができないので、完全と付き合っているのだ。より現実的に現実と付き合っているのだ。普通と呼ばれる人が作った逃避しないと現実と向き合えないような利己的で排他的な現実の中で。 まあ、秋葉で顔をさらす人や犯罪犯す人、テレビで萌えとか平気で言うようなハードおたくの人は知らないけど。 最後にまた人間失格の話 私は子をなすのが怖くてたまらない、私自身生きていたいと感じることはもうほとんどなくなっている、痛くなくて怖くないのなら次の瞬間にでも死にたいと思っている。能力のない自分やそれより劣る他人に対して侮蔑することや、あきれることしかできない、そんな私が子をなすのははっきりいって悲劇だとしか思えない。生きるための技術を教えることはできても、生きる喜びや生きる意味などははっきりいってまったく教えることができないだろう。それはもうどうしようもないくらいに。まあ、最近そんな話も、予定もない、煙も立たない状態ですが。 カテゴリ [日記] - trackback- 2005年07月08日 22 31 50 #blognavi
https://w.atwiki.jp/beesan/pages/1.html
ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます ■ 新しいページを作りたい!! ページの下や上に「新規作成」というリンクがあるので、それをクリックしてください。 ■ 表示しているページを編集したい! ページ上の「このページを編集」というリンクや、ページ下の「編集」というリンクを押してください。 ■ ブログサイトの更新情報を自動的に載せたい!! お気に入りのブログのRSSを使っていつでも新しい情報を表示できます。詳しくはこちらをどうぞ。 ■ ニュースサイトの更新情報を自動的に載せたい!! RSSを使うと簡単に情報通になれます、詳しくはこちらをどうぞ。 ■ その他にもいろいろな機能満載!! 詳しくは、FAQ・初心者講座@wikiをみてね☆ 分からないことは? @wikiの詳しい使い方はヘルプ・FAQ・初心者講座@wikiをごらんください。メールでのお問い合わせも受け付けております。 ユーザ同士のコミュニケーションにはたすけあい掲示板をご利用ください 要望・バグ・不具合報告はメールでお気軽にお問い合わせください。
https://w.atwiki.jp/beesan/
メニュー トップページ? メニュー メニュー2
https://w.atwiki.jp/beesan/pages/3.html
更新履歴 取得中です。
https://w.atwiki.jp/ln_alter2/pages/108.html
とある舞台の人間失格 ◆RC.0aa1ivU ―――気がつくと辺りは真っ暗だった。自分が目覚めたところも、いつもの寮のベッドの上ではなく、砂利混じりの草の上。きょろきょろと周りを見渡した御坂美琴が目覚めて最初にやったこと、それは自分の頬をつねってみることだった。 うにーと、伸びたほっぺたからはピリッとした痛みがかえってくる。 「……夢じゃない……みたいね」 はあ、と彼女は溜息をつく。なんだかひどい厄介事に巻き込まれたらしいということだけは、まだ目覚めきっていない、多少寝ぼけた彼女の頭でもなんとか理解できた。そのままのろのろとデイパックの中身を探り―――そして、そこで完全に彼女の目は覚めることとなる。 超能力開発機関『学園都市』でも五本の指に入る名門・常盤台中学のエースにして、学園都市でもたった七人しかいない『超能力者(レベル5)』、 百万を超える学生たちの中において三番目の能力の持ち主、『超電磁砲(レールガン)』こと御坂美琴。 この殺し合いの舞台における彼女の物語はここから始まる。 「ちょっと! どういうことよ、これ」 デイパックの中から、最初に彼女が取り出した物。それは参加者名簿だった。……まあ、それ自体には何の問題もない。問題はそこに書かれていた 彼女の知り合い達の名前である。 美琴と同じ常盤台中学の後輩にして、空間移動の能力をもつ、大能力者(レベル4)―――白井黒子。 ほんの数回、「アイツ」と一緒にいるところで出会ったことがあるシスター―――インデックス。 ……そして、彼女や妹達(シスターズ)の命を助けてくれた少年。無能力者(レベル0)にも関わらず、彼女の一撃を平然と防ぎきるツンツン頭の少年。 そして彼女にとって最も大事な存在である少年―――上条当麻。 「何でこんなに……?」 そもそも彼女達が暮らす学園都市は、世界の最先端技術の集まる場所だ。外の世界と比べると、その技術力は数世代は先を行っている。そのため、 学内の技術を流出させないために何重にも防御策はたてられている。 まして、彼女達能力者は学園の技術の最上位に位置する。生徒達が自主的に学園外に出ることさえ難しいというのに、生徒の学園外への誘拐、それも 複数ともなれば一体どんな組織が関与すれば実行可能となるのか、想像さえつかない。 ―――だが、それがどうした? 想像もつかないほどの組織が関与している。だからおとなしく彼らの言うことに従って、たった一人の生き残り、この場所に集められた名簿に名前が 載っている彼女以外の49名と。名簿外の10名。彼ら彼女らを殺して生き残る? ……そんなのはごめんだ。 目指すは脱出。倒すべきはあの狐面の男とそのバックにいる黒幕。 まずやるべきことは、脱出を目指す仲間の保護と、殺し合いに乗ることを決めた者達へのちょっときつめのお仕置き。 (……その前に少し試しておかないとね) 現在彼女がいる場所は、まず間違いなくBの1もしくは2。そのわかりやすい目印である天文台、学園都市にあるものに比べると、 時代遅れな巨大な望遠鏡の見える方向へと彼女は歩き出した。 ◇ ◇ ◇ 歩くことしばし、美琴は目的地―――天文台のやや先、この舞台の果てへとたどり着いていた。 彼女の前には漆黒の闇が広がっている。上を見ても、右を向いても、左を見てもそこから先には「黒」以外に何もないのだ。 「さーてと」 軽く呟くと美琴は普段のように彼女の「能力」を使う。 ―――学園都市第3位、『超電磁砲(レールガン)』 彼女の能力は学園最強の電撃使いである。10億ボルトにも達するその 膨大な電撃は―――漆黒の壁に音もなく吸い込まれ、消えた。 「あちゃあー、やっぱりダメか」 自身の一撃がそれほど効果を上げなかったにも関わらず、彼女の声に落胆の色はない。彼女としても自身の力が普通に使用できた時点で 単純な物理攻撃でこの「壁」が突破できないことは予想できていた。仮にも、自分をさらえるような組織だ。それがこの力で破れるような障壁で自分を閉じ込めるはずがない。 ―――だとすると。 ぶんぶんと、頭を振って美琴は思いついた考えを吹き飛ばす。 (……そんなことあるわけないじゃない! もう樹形図の設計者(ツリーダイアグラム) もないのに、あんなバカげた実験おこせるわけない!) 彼女が思い起こしたのは少し前まで学園都市内で秘密裏に行われていたある実験だ。 絶対能力進化(レベル6シフト) 計画。……たった一人の能力者のレベルを上げる、ただそのためだけに二万もの命を犠牲にした悪夢のような計画。 ―――そのためだけに彼女のクローンが一万人以上殺された計画。 その実験自体は、とあるツンツン頭の少年と彼女のクローン「妹達(シスターズ)」によって阻止され、実験をはじめるために必要不可欠だった機械もすでにない。 だから今のこの事態とは何の関係もない、はずだけど。 「ああー! もうやめやめ! ここを調べるのは黒子達と合流してからでも遅くないわね」 そう言うと美琴は「壁」に背を向ける。 きっとこんな黒い物を見続けているから暗い考えばかりが浮かんでくるのだ。自分の力ではどうにもならないここも 空間移動の能力を持つ黒子や、自分の雷撃、いや学園最強の能力者さえ打ち倒したアイツの力があればきっと打開策も見えてくる。 それに時計回りに世界が消滅する、ということは、なるべく参加者を内側に閉じ込めておきたい、ということではないだろうか? だとしたらあの「壁」は案外薄いのかもしれない。まあ、それらは彼らと合流してからの話。今は―――。 「……それまでは私にできることをしなくちゃね」 そうして彼女は天文台へと向かって歩き出す。 今の彼女が優先するべきなのは戦う力を持たないもの―――例えばあの銀髪ちびっこシスターのような―――を守ること。 そのためには人が集まりそうな施設を見ていくのが手っ取り早い。 まずは手近な場所から回って、それから街の方へ……そんなことを考えながら彼女は歩き出す。 ◇ ◇ ◇ 一度は通り過ぎた天文台へと、戻ってくるのにはそれほど時間はかからなかった。 「……さてと」 ドアの前に立って軽く一息。美琴はドアを大きく開ける。 「誰かいますか? 私は御坂美琴といいます。殺し合いにはのってまっ―――!」 しゅっ、と言葉の途中に紛れ込んだ風斬り音。 美琴の胴体めがけて飛んできたそれは彼女に当たる直前、何かに弾かれるように大きくその軌道を変えて地面に当たり、 からからと金属音を奏でる。 地面に転がるそれは銛。返しが付いた一度刺さると抜けなくなる凶器。それを撃ってきた相手は暗がりから月明かりの下へ出て来ると、にたにたとした笑顔で美琴に向かって声をかける。 「いやあ、すまなかったねぇ、お嬢ちゃん。怪我がないようで何よりだ、っとまずは自己紹介のほうを先にするべきかな? 俺の名前はガウルンという。くっくっく、いやあ今のは完全にこっちが悪い。俺はこう見えても気が弱くてねえ、誰か来た! と思ったらついついこいつをぶっ放しちまった」 そう言うと男は美琴にもよく見えるように、つい今しがた銛を放った武器、アンカーガンを動かす。 男は年はおそらく40歳前後だろうか。まず目に付くのが、額のあたりに刻まれた傷と首周りに残る火傷の跡。だが、そんな物より男を特徴付けているのが―――。 「―――嘘よね?」 まだ、何か喋ろうとする男に向かって、美琴は固い声で告げる。 「……ほう? どうしてそう思うのかな? み・こ・と・ちゃーん」 「理由は色々あるわ。まず、あなたは私がドアを開ける前からその銃を構えていた」 美琴の言葉を聞いて、男が浮かべる笑みはいっそう深いものとなる。 「それから? それから?」 「事故で撃ったって言うなら、その銃にもう次の銛が装着されているのもおかしいわよね?」 「うんうん、そうだねえ」 「そして―――」 「ほう! まだ何かあるのかい?」 「人を撃っといて、そんなにたにた笑っていられるような奴が、事故とか言っても信じられるわけないでしょう!」 「ぎゃははははっ! そりゃあもっともだ! 大正解だぜ! 美琴ちゃん! オレは! 実は! 殺し合い乗っている! いや、楽しんでいるんだぜえぇぇぇぇっ!」 彼の最大の特徴。見るものを不快にさせるような笑みを満面に浮かべ、ガウルンは目の前の少女に向かってアンカーガンを放つ―――その直前。 「―――遅いわよ」 ハイテンションなガウルンとは対照的に冷めた美琴の声が響いた。 「っ!?」 しょせん相手の武器は銛。その程度の武器なんかじゃあ学園都市第3位の能力の前では、素手と大して変わりはしない。 嫌な予感を感じたのか、ガウルンは慌てて大きく跳び、先ほどまで彼がいた巨大な望遠鏡の影へと戻ろうとする。 ―――だが、雷の前ではその動きは遅すぎる。 それでもさすがというべきか、ガウルンの胴体めがけて放たれた美琴の一撃。 雷撃の矢は大きく跳んだガウルンの胴体からは逸れ、しかしさすがにかわしきる事はできずに、彼の足に直撃する。 「~~~~っ!?」 そしてその一撃で十分だった。 人の筋肉は電気刺激によって動かされる。従って強力な電気ショックを受けた人間は、そのショックが消えるまで自分が思うように体を動かすことができなくなる。 相手を一瞬で無力化する一撃。 それさえも彼女、御坂美琴にとってはその力の一部分でしかない。 「残念だったわね」 吹き飛ばされ、びくびくと動くガウルンに近付きながら余裕の表情で美琴は言う。 そもそもこの勝負、始めからガウルンに勝ち目はなかったのだ。 仮に美琴の一撃よりも早くガウルンが銛を放っていたところで、彼女に傷をつけることは敵わなかった。あの武器では先の不意打ちの時でさえ、彼女の能力で張られていた電磁波によるバリアーを突破することは敵わなかったのだ。 始めから明確に勝者と敗者が分けられていた、争いと言うのもはばかられる勝負が終わる。 「さてと、少し痛い目にあってもらうわよ」 ガウルンに近付く美琴の手で電撃が弾ける。 ……最も彼女にガウルンを殺すつもりはない。 もう一度至近距離から電撃を叩き込み、完全に相手の戦闘能力を奪ってから、ロープか何か、とりあえず天文台なら最低でもあるであろう消化ホース等で身柄を拘束する。 それが彼女のプランだった。 ―――3歩。 ―――2歩。 ―――1? ばしゃ。 「……え?」 全身に広がる冷たい刺激。 ガウルンまで後一歩というところだった。美琴がその地点まで近付いたその途端、電撃のショックで動けないはずだったガウルンが素早く身を起こすと懐から何かを投げつけてきたのだ。 (……え? な、何? ……水!?) 予想外の反撃に慌てながらも、美琴は間合いを離し電撃を放とうとし、自分にぶつかった何かの正体に思い至り―――攻撃を思いとどまる。 ……確かに彼女は電気を操ることが可能だ。だが、それはあくまでも操れるのであって、彼女が電気を浴びても平気というわけではない。 今の彼女は全身ずぶ濡れ。今投げつけられた液体がただの水ではなく、何らかの通電性の高い液体の可能性もある。そのままいつものように電気を放てば、最悪彼女自身も感電する。―――彼女が普通の能力者なら。 (甘いわよ!) 超能力(レベル5)は伊達ではない。 彼女は電気を「操れる」能力者であって「放てる」だけの能力者ではないのだ。 そして彼女は狙いをかえて、やや上空から、まさしく稲妻のように雷撃をガウルンのいる地点へと落とす! 「……え?」 その直前、まるで一切電気なんて浴びてはいないかのような素早い動きで、ガウルンは美琴の目前まで迫っていた。 「あ、ま~いぜ。み・こ・とちゃん!」 「がふっ!」 ガウルンの嘲りの言葉が聞こえたそのときにはすでに、美琴の胴体にはガウルンの拳が叩き込まれた後だった。 叩き込まれた衝撃に美琴は数メートルは吹っ飛ばされる。 ―――皮肉にも、まさしく稲妻に打たれたかのような衝撃に、美琴は指一本動かせなくなっていた。 ただ、攻撃を受けた胸だけが燃えるように痛む。 「……な、ん」 「あ? ああ、なるほど! なるほど! 何で? って聞きたいんだね、美琴ちゃんはぁ! 不思議なわけだ。 電気ショックで指一本まともに動かせないはずのこの俺が! どうして美琴ちゃんにこーんな簡単に反撃できたのかぁ!」 ぎゃはは、と笑いながらガウルンが近付いてくる。 間近に死を感じながらも、ガウルンの言葉は、まさしく今一番美琴が知りたかったことでもあった。 「いいぜぇ、やさしいやさしいこのガウルン様が教えてやるよ」 そして、美琴の前まで近付いてきたガウルンは美琴のそばまで近寄ると 「じゃーん」 と、ふざけた口調で自分の足を外してみせ、再び付け直す。 ―――それが答え。 もちろん、受けた場所が義足だったからといって、美琴が全力で雷撃を放っていれば、その衝撃でガウルンを行動不能に陥らせることは十分に可能だった。 だが、美琴にガウルンを殺す気はなく普通に肉体に当たっていれば、十分に人を行動不能にするレベルの、完全に手加減されていた電撃は、その力をガウルンへと完全に届かせることは敵わなかった。 「だめだぜ~。誰が見てるかわからないんだから、うかつに自分の武器や情報を見せちゃあ」 そして美琴が犯していた最大の2つの失策。 一つは、実験のつもりで「壁」に向かって放っていた電撃。その一撃はすぐ近くにあったここ、天文台からも見えていた。ガウルンにとっては戦う前から相手の手の内が見えていた。 相手の主武装が電気攻撃とわかれば、その裏をかく方法なんか幾つだって思いつく。美琴の一撃を一瞬遅らせた水の一投などは、まさに相手の攻撃がわかっていればこそのものだ。 そしてさらに、自身の目的。殺し合いに乗る気がないということをあっさりばらしたのも、彼女のミス。ただでさえ、殺気がない攻撃に殺す気はないという甘すぎる発言。 ガウルンは自身の安全を完全に確認した上で、この戦いに挑んだのだ。 「わかったかい? それじゃあ……」 にたにたとした笑みはそのまま、ガウルンの目、いや彼の放つ空気が変わる。そして――― 「死ね」 (う……そ) 決して外れることがない至近距離からの銛の一撃が、美琴へと打ち込まれる―――ことはなかった。 「誰だ?」 ガウルンは銛を数メートル先の開け放たれたままの出入り口へとむける。 一体いつの間にそこにいたのかにやにやと笑い顔を浮かべて、彼はいた。 人間失格、零崎人識。殺人鬼がそこにいた。 「おいおい、おっさんお前何よ? 俺みたいなんに訊かれたくないかもしれないけどさ。これって犯罪だぜ? 暴行傷害殺人未遂。 理解してるか? やっていいこと悪いこと」 笑みを浮かべつつ、呆れた声で人識は言う。 それを聞き、ガウルンは狙いは逸らさずに、空いていた手でぴしゃ、と自分の顔をたたいて言う。 「あー、そうだなあ。うん、そりゃもっともだ。けど、お前も言われたことはないか?」 「ん? 何を?」 「人の嫌な事をしちゃいけないって、な」 「うんうん、確かに」 「つまり……人が楽しんでる最中に水を差すんじゃねえ!」 言うなり、ガウルンは素早く人識に向かって銛を撃つ。 だが、そんな見え見えの一撃が殺人鬼に当たるはずもなく、人識はあっさり身をかわすとそのままガウルンのところへ襲い掛かろうとして―――彼は見た。 いつのまにか、ガウルンがまるで手品のように、もう片方の手に銛撃ち銃ではない、本物の拳銃を持っているところを。 「死ねよ、ばーか」 気付いた時にはもう遅い。銃弾が人識へと放たれる。 (え? じゃ、じゃあ……) それを見ていた美琴は知る。自分はあの男に遊ばれていたことを。 あるいは最初からガウルンがここまで腕のたつ危険な相手だとわかっていたら、彼女も不用意に倒れた彼へと近付かなかったかも知れない。 平然と殺気や敵意を撒き散らす殺人狂と思えばこそ、油断したのだ。 そして、彼が誘導したそのままに美琴は引っかかり、助けに来てくれたらしいもう一人も今、この男のせいで命を落とす。 絶望に落ちる美琴の視界に、銃で撃たれた人識の姿が……。 ひょい。 「「え?」」 「おいおい、どいつもこいつもあぶねえなあ。ここにゃあ俺以外危険人物しかいないのかね?」 あっさりと銃をかわした人識はそのままぶつぶつと文句を呟く。 ―――殺人鬼集団零崎一賊。 誰よりも殺意の塊である彼らは、当たり前のように殺気を「視る」 故に、撃たれる前から殺気によって軌道がわかる銃撃は、それがどんなに優れた不意打ちであっても彼らには通じない。 「てめえ……」 「で? どうするよおっさん。逃げるんだったら今の内だぜ? そんな武器で俺に勝とうなんざ十年遅い。こっから先は容赦しねーぞ」 「ちっ」 確かに悔しいが、このまま真っ向勝負でこの餓鬼とやりあうのは分が悪い。ガウルンは冷静に判断する。 ただでさえ手ごわそうな相手であることに加え、時間がたてばもう一人電撃使いが復活するのだ。 ……ここで自分をあっさり逃がすような甘い相手だ、後々殺す機会はいくらでも回ってくる。 「くっ! 覚えていやがれ!」 「ちょ、ちょっと……っ!」 あっさりと相手を逃がす人識に、文句を言おうとして胸の痛みに美琴はうめく。 ―――それがガウルンの命を救った。 「おいおい、大丈夫か? しっかりしろよ」 「!?」 すぐそばで聞こえた人識の声にびくりとガウルンは身を震わせる。 逃走に意識を向けたその一瞬。言い換えればガウルンの注意が人識から外れたそのわずかな時間の間に、いつのまにか人識はガウルンのすぐそばにまで近寄ってきていたのだ。 「てめえ!」 「おいおい、おっさん。あますぎだっつーの。逃がしてやるなんざ戯言に決まってんだろ。この俺に銃を向けた相手を許してやるほど、このおれはあまくねーぞ」 「おもしれえ……やってや……」 「と言いたいとこだけど、なんかアイツが」 と人識はガウルンの言葉をさえぎって、倒れてうめく美琴を指す。 「アイツがやばそうだから、戯言抜きに逃がしてやんよ。運が良いじゃん」 ぎり、と完全になめられた口調にガウルンは歯軋りした。 「貴様は……殺す!」 「ほいほい」 殺意を込めた視線で今度こそ、人識をその視界におさめながら、ガウルンは天文台からその姿を消す。 ガウルンの気配がいなくなったことを確認し、人識はきょろきょろと天文台のあちこち、とりわけ高所へと視線を向ける。 「んー。どう見ても蒼はここにいそうにねえなあ」 さすがにここから先は手がかりがない。 次はどこをあたろうか? っとその前に。 倒れたままの美琴へと人識は歩く。 「ま、まずはあの子犬みてえな雰囲気の姉ちゃんの治療かね」 【B-1 天文台 一日目 深夜】 【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】 【状態】肋骨数本骨折 【装備】なし 【所持品】支給品一式 確認済支給品1~3 【思考】 基本 この世界からの脱出、弱者の保護 1 知り合い(白井黒子、インデックス、上条当麻)との合流 2 当面は基本方針優先。B-1消滅の半日前ぐらいには黒子、当麻との合流を優先する。 3 助けてくれた相手(人識)と行動する? 【備考】 マップ端の境界線は単純な物理攻撃では破れないと考えています。 この殺し合いが勝者の能力を上げる為の絶対能力進化計画と似たような物であるかも知れないと考えていますが、当面のところ誰かに言う気はありません。 【零崎人識@戯言シリーズ】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:デイパック、支給品一式、礼園のナイフ9本@空の境界、七閃用鋼糸6/7@とある魔術の禁書目録、少女趣味@戯言シリーズ [思考・状況] 1:《死線の蒼》はいそうにねえなあ 2:ぶらつきながら《死線の蒼》といーちゃんを探す。 3:子犬っぽい姉ちゃん(美琴)を治療する。頼まれたら一緒に行動しても良い? 4:両儀式に興味。 [備考] とある約束のために自分から誰かを殺そうというつもりはありません。ただし相手から襲ってきた場合にまで約束を守るつもりはないようです。 ナイフが一本使い物にならなくなっています。 「くくっ、ははははっ! カシム以外にもあんな面白い奴がいるとはなあ! 楽しくなってきたぜ!」 月明かりの下、男は笑う。 男の喉、その左からはべっとりと血が流れ出している。 ―――先の一瞬。人識が刃を止めていなければ間違いなくガウルンの頚動脈は断ち切られていた。 「主食がカシム! デザートにあのガキ! まだまだほかに面白い奴がいるかもなあ!」 どうせ自分は長くない。 地獄への道連れはなるべく多く、派手なほうが良い。 悪意の塊のような男は闇へと消える。 闇の中でもなお薫る血と死の匂いを漂わせ。 【B-1とC-1の境界 一日目 深夜】 【ガウルン@フルメタル・パニック!】 】 [状態]:膵臓癌 首から浅い出血 [装備]:銛撃ち銃(残り銛数3/5) IMI デザートイーグル44Magnumモデル(残弾8/8+1) [道具]:デイパック、支給品一式 [思考・状況] 1:どいつもこいつも皆殺し 2:カシム(宗介)とガキ(人識)は絶対に自分が殺す 3:かなめは半殺しにしてカシムの目の前で殺す [備考] 癌の痛みは行動に影響を及ぼすことはありません。 2巻から3巻の間ぐらいからの出典です。 投下順に読む 前:人間考察 次:mother 時系列順に読む 前:人間考察 次:CHALLENGER 御坂美琴 次:みことマーダラー 前:たいがーころしあむ 零崎人識 次:みことマーダラー ガウルン 次:丑三つ時(――苦死満つ刻――)
https://w.atwiki.jp/nohohondame/pages/117.html
トリップは◆kcKkif3FVE のほだめブログアンテナの管理人さん スレでは主に「かんりにん」としてブログアンテナへの登録を担当。 【登録タグ】 06年 07年 08年 09年 10年 コテハン 名前 コメント