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前ページ使い魔の炎 ワルドとの決闘に敗れた日の夜、烈火は客室のベランダで物思いにふけっていた。 部屋には烈火ただひとり。 ギーシュやキュルケたちは下で酒を飲んでいる。 ベランダから、空に浮かぶふたつの大きな月を眺める。 …自分がいることは、ルイズにとっては迷惑なのかもしれない。 烈火はそう考え始めていた。 決闘のとき、ワルドに言われた言葉を反芻する。 君では、ルイズを守れない。 烈火は唇を噛みしめた。 それでも、烈火はルイズのそばにいたかった。 しかし、烈火の心はすでに決まっていた。 主君を守るのが忍者の役目。 役目が果たせない忍者など、必要ないのだ。 だから、自分はルイズを絶対に守る。彼女がこの大事な任務を果たすまでは。 そしてそのあとはー 「レッカ、こんなとこで何してんのよ?」 不意に声をかけられた。 振り向くと、ルイズが立っていた。 烈火はとっさに笑顔を作った。 「い、いや、なんでもねえぞ姫! 月がキレイだなと思ってな!」 ルイズは烈火のいつもとは少し違う様子に感づいたが、任務の疲れもあるのか、深くそのことを問いただすことはしなかった。 「?…そう。 まあ良いけど、風邪とかひかないでよね。 任務に支障をきたすから」 「わーってるよ」 任務のがあるからとはいえ、やはり自分の心配をしてくれる。 ルイズは優しく、かっこよかった。 だからこそ、ルイズにこれ以上迷惑はかけられない。 だから、烈火はルイズに心配をかけないように陽気に返事をした。 …再び訪れる沈黙。 月の光が照らす中、ふたりは微妙な距離を保ったまま立っていた。 突然、ルイズが口を開いて沈黙を破った。 「…わたし、この間ワルドにプロポーズされたの」 烈火は驚きに目を見開いてルイズを見たが、慌てて無表情を繕った。 反応がない(ように見えた)烈火を見て、ルイズは続けた。 「レッカは、わたしとワルドが結婚したら、どう思う…?」 「…」 烈火は黙ったまま、答えない。 ーなによ、なんか言いなさいよ。 ルイズはそう思った。 私のことを守るだのなんだの言ってくれるけど、こんなときには何も言ってくれない。 レッカがひとこと言ってくれれば、何かが変わるかもしれないのに。 …って、なに考えてるのよ、わたし。 ルイズは、味わったことのない感情に戸惑っていた。 自分が自分じゃないような感覚の正体がわからず、ルイズはイライラを言葉にして烈火にぶつける。 「…何よ、何も言えないの…? あんたなんか、一生そこで月でも眺めてればいいのよ!!」 ルイズはフン、とそっぽを向き、ベランダを出ていこうとした。 「待てよ。俺は…」 慌てて烈火が口を開いた、その時。 突然の地響きとともに、巨大な影が月明かりを遮った。 「な、なんだ!?」 烈火とルイズは同時に外に目を向けた。 そこにあったのは、見覚えのある造形の岩石でできた巨大なゴーレム。 そしてその肩では、同じく見覚えのある人物がこちらを見て微笑んでいた。 「てめえは…!」 「フーケ!!」 二人の叫びを聞いて、フーケは嬉々とした声を出した。 「お久しぶりね、おふたりさん」 口元をニヤリと釣り上げる。 「てめえ、捕まってたはずじゃ…」 烈火は意外な人物の登場に自分の目を疑ったが、すぐに腰を落として臨戦態勢をとった。 「親切な人がいてね。 わたしみたいな美人があんな穴蔵にいるのはもったいないってさ」 「余計なことするやつもいるもんだな…なんか用か? こっちは忙しいんだけどな」 烈火はデルフリンガーを引き抜いた。 「冷たいわねえ。 素敵なバカンスをありがとうって、お礼を言いにきたのに!」 フーケが笑みを浮かべると同時にびゅん、と空気を震わせゴーレムの拳が動いた。 「危ねえ!」 「きゃあ!」 烈火はルイズを抱えて飛び上がった。 先ほどまで2人が立っていたベランダの一部が粉々に破壊される。 烈火は着地するとルイズを抱いたまま、全力で走り出した。 「戦うにしても、ここじゃ不利だ! 逃げんぞ姫!!」 「ち、ちょっと、離しなさい! ひとりでも逃げれるわよ!」 もがくルイズをなだめながら、烈火は必死で廊下を走り抜けた。 ワルドやキュルケに助けを求めるため、一階に降りた二人だったが、既に一階も戦場と化していた。 テーブルの裏に隠れているワルドたちに見つけたふたりは、低い姿勢で駆け寄った。 「参ったね」 ワルドの言葉にキュルケが頷く。 「一体なんなんだよ、これ!?」 「この前の連中、やっぱりただの物盗りじゃなかったってことね」 キュルケがやれやれ、と言わんばかりの表情で答えた。 「外にはフーケもいるわ!」 「わかってるわよ」 キュルケが指さした先には、吹きさらしの向こうから覗くゴーレムの足があった。 「如何せん数が多すぎる。 どうやらラ・ロシェール中の傭兵が集まっているらしい」 ワルドが渋い顔でつぶやく。 この状況を打破する手を考えているようだ。 そのとき、キュルケが再び口を開いた。 「…あたしとタバサが囮になるわ。 あんたたちは任務があるんでしょう?」 キュルケの言葉に、ルイズは驚いた声をあげた。 「えぇ!? で、でも…」 キュルケはつまらなさそうに口を尖らせて言った。 「ま、あたしたちは任務が何であるかすら知らないんだし… こんな奴ら、あたしたち二人でどうとでもできるわ。 ね、タバサ?」 優雅に本を広げたまま、タバサが頷く。 「ぼくのゴーレムがいれば、たかが傭兵ぐらい…」 青い顔のギーシュの言葉をキュルケが遮る。 「あなたがいても足手まといよ。 それにあなたも任務を命じられているんでしょう? …早く行きなさいな。 ヴァリエール、勘違いしないでね? あんたのために囮になるんじゃないんだから」 「…わかったわ」 そういいながらもルイズはキュルケたちに頭を下げ、歩きだした。 「…桟橋はこっちだ」 ワルドとルイズに、烈火、足手まといと言われて少しヘコんでいるギーシュが後に続く。 ときどき矢が飛んできたが、タバサが杖を振って張った風の防御壁にすべてたたき落とされた。 ルイズたちは厨房に通じるドアを一気に駆け抜けた。 烈火たちが厨房に向かったのを確認して、キュルケはため息をついた。 「えらそうなこと言ったものの、ふたりでこの人数を倒すのは骨が折れそうね」 懐から手鏡をとりだし、化粧を直しながらぼやく。 「…フーケ」 タバサの呟きに、キュルケが頷く。 「そうね、大将を倒して相手の戦意を喪失させるのが一番良さそう」 手鏡をしまい、一拍おいてキュルケは立ち上がった。 形の良い唇を開き、すうっと息を吸い込むと、叫んだ。 「でてらっしゃい、年増のおばさん! この"微熱"のキュルケが、謹んでお相手してあげますわ!!」 瞬間、壁が突き破られ、かたまった傭兵たちをかき分けるようにして、フーケのゴーレムが姿を表した。 「言ってくれるわね、小娘が…」 殺気を全身にたぎらせたフーケを乗せ、ゴーレムがふたりに迫る。 「レッカの真似をするしかないわね…タバサ、わかる?」 近づいてくるゴーレムから目を離さず、キュルケが呟く。 タバサはコクン、と頷き、簡潔に答えた。 「わかってる」 「お話は済んだかい?…遠慮なくいかせてもらうよ!」 フーケが吼えると同時に、ゴーレムの右足がふたりに迫った。 素早く飛び退き、体制を整え直す。 ふたりが先ほどまでいた場所には、大きなクレーターのようなものが出来ていた。 キュルケはその威力に思わず舌を巻く。 …この攻撃をくらう前に、勝負をつけなきゃならないわね。 キュルケは、タバサに目で合図を送る。 作戦決行のサインだ。 タバサが頷き、杖を振る。 唱えた呪文は「エア・カッター」。 巨大な体と力を持つゴーレムも、攻撃の直後は隙だらけだ。 かまいたちによる斬撃で、ゴーレムはいくつもの土塊と化してと崩れ落ちる。 フーケは一瞬顔をしかめたが、すぐに笑顔を作った。 「この程度で私のゴーレムを倒せると思ってるのかい!?」 屋内なので周りに石や土はないが、これぐらいならすぐに再生できる。 しかしそのとき、ふと自分と"ゼロ"のルイズの使い魔との戦いの風景がフーケの脳裏によぎった。 粉々にされたゴーレムを、炎によって焼き尽くされた光景が甦る。 キュルケが微笑み、タバサが頷いた。 しまったー フーケがキュルケたちの思惑にフーケが気付いたときには、無数の"ファイアボール"がゴーレムの断片を襲っていた。 「これが空を飛ぶのか?」 烈火は初めて見る異世界の桟橋と船に目を丸くした。 大樹に木の実がぶら下がっているように見える。 どうやら大樹が"港"、木の実が"船"らしい。 「海に浮かぶ船もあれば、空に浮かぶ船もあるわ」 平然と答えるルイズ。 「君は、ほんとに何も知らないのかい?」 ギーシュに呆れられたが、烈火は無視した。 こんなのを知っているわけがない。 大樹の根本にたどり着くと、中は空洞になっている。 目当ての階段を見つけ登るワルドに、ルイズと烈火、ギーシュが続く。 途中の踊り場にたどり着いたとき、ふと烈火が不気味な気配を感じた。 誰かがいる…? 烈火は呼吸を整え、精神を集中した。 「な、なんだ!?」 そのとき、ギーシュが素っ頓狂な声をあげた。 ギーシュの近くを黒い影がすり抜け、ルイズに手をかけようとしていた。 「姫、危ねえ!」 烈火はとっさにルイズの後ろの影に回し蹴りを叩き込んだ。 「きゃあ!」 ルイズは悲鳴をあげ尻餅をついたが、怪我はないようだ。 烈火の蹴りをくらった影は、空中で体を反転させ軽々と地面に着地した。 「何者だてめえ!?」 烈火が叫ぶと、影はすくっと立ち上がった。 月の光を反射し、男の顔が浮かび上がる。 暗闇に不気味に映える白い仮面。 仮面を見た烈火の頭に、以前の夢がフラッシュバックする。自分を圧倒的に上回る、堕天使の姿を象った炎。 ルイズを守りきれず、炎に包まれる自分。 「くっ…」 戦闘中にもかかわらず、思わず烈火は頭を抱え、膝をついた。 「レッカ!!」 ルイズの声ではっと我に返る。 「相棒! 構えろ!」 デルフリンガーが叫んだ。 そのときには、杖をかまえた仮面の男がすでに目の前まで迫っていた。 しまったー 「『ライトニング・クラウド』!」 呪文の正体に気付いたデルフリンガーが叫ぶ。 男の周辺から蛇のようにうごめく稲妻が飛び出し、烈火に直撃した。 デルフリンガーを掲げて電撃を受け止めたが、鋭い痛みが烈火の右腕を襲う。 「うあああああああ!!」 思わず右手を押さえ、うずくまる。 常人なら気絶するほどの痛み。 「この野郎っ!!」 しかし烈火は痛みを振り払うと素早く立ち上がり、勢いそのままに鞘に入ったままのデルフリンガーを男の顔面に叩き込んだ。 再び吹き飛ぶ仮面の男。 続けざまにワルドが呪文を唱え、"エア・ハンマー"で宙を舞う仮面の男に追い討ちをかけた。 再び吹き飛ばされた男は階段から落下した。 しかし、地面に打ちつけられることなく着地し、暗闇へと姿を消した。 「…痛えな、チクショウ」 烈火はその場に座り込んだ。 左腕には、巨大なミミズ腫れのような火傷の痕ができていた。 なんつー威力だ… 始めて味わう痛みによる呻きを、なんとか烈火はかみ殺した。 「レッカ!」 心配そうな声をあげながら、ルイズが駆け寄ってきた。 ワルドが烈火に近づき、右手の傷を見て言った。 「よく腕一本で済んだな。 『ライトニング・クラウド』は本来なら命を奪う程の呪文だぞ?」 そして烈火の右手に握られたデルフリンガーに目を向ける。 「インテリジェンスソードか。珍しい代物だな。 これが電撃をふせいだのか…金属ではないのか?」 「知らん、忘れた」 ぶっきらぼうに答えるデルフリンガー。 どうやら決闘で蹴飛ばされた時以来、ワルドの存在が気にくわないようだ。 「レッカ、大丈夫?」 ルイズが烈火に駆け寄る。 心配そうな表情で、よく見ると涙が滲んでいる。 「立てるかい?」 ギーシュが烈火を助け起こそうとしたが、烈火は心配をかけないためにその手を振り払い、笑顔を作った。 「大丈夫だ、問題ねえよ。…先を急ごう」 前ページ使い魔の炎
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【キャラクタ・人物】つのこ(仮名) ケラトーブリの女性。 街の中心街で花屋兼樹医のような仕事をしている。 とてもおおらかな性格。 ぼいん。 本名は「ケラスィア」
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imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 国耀門・獣皇門 とある雪山の何処かにある、魔界に続くと云われている巨大な二つの門。 手前にある黒き門が国耀門。 灯された薄紫色の炎は人為的に灯されたものではなく、何か別の魔術的要因があると疑問視される。 その分厚い門が開いたという話は聞かれないが、 『門の中は真の暗闇。そこに蠢くモノ達はこの世のものではなく、やがて世界の脅威となる』と、 そんな一説だけが囁かれている。 獣皇門とは、国耀門の奥にある一際巨大な門。 国耀門については先のような話があるが、この獣皇門については何一つ噂がない。 それはこの国耀門を無事通りきった人間が一人もいないからかもしれない。 いや、もしかしたらこの二つの門そのものが「ない」からなのかもしれない。 地名
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概要 忍軍バトルは忍軍VS忍軍のリアルタイムバトルです。 1週間を通しての個人順位、忍軍順位、忍軍勝利数で報酬を得る事が出来ます。 忍軍について 毎週月曜日に忍軍が結成される(結成された時点で先週の忍軍とは無関係になる) 忍軍は20人で構成され、同じチームに所属している場合は同じ忍軍に配属されるつまり10人のチームに所属している場合は自分のチーム10人は常に同じ忍軍で他の10人が毎週変わる事となる チーム以外のプレイヤーは先週は同じ忍軍でも、今週は敵となる事もあり得る ソロチームや10人に満たないチームでも合わせて20人になるように忍軍に配属される 忍軍バトルに参加するには、LV5以上で参戦可能な模擬戦・ルーキー戦に参加する必要がある模擬戦・ルーキー戦に参加していないと無所属となり、マッチングされない 所属しているチームとは別に、その週の所属忍軍のページや掲示板が常時利用できる 対戦スケジュール 1日3部構成 第01戦 月曜 12 00 - 12 59 第02戦 月曜 19 00 - 19 59 第03戦 月曜 22 00 - 22 59 第04戦 火曜 12 00 - 12 59 第05戦 火曜 19 00 - 19 59 第06戦 火曜 22 00 - 22 59 第07戦 水曜 12 00 - 12 59 第08戦 水曜 19 00 - 19 59 第09戦 水曜 22 00 - 22 59 第10戦 木曜 12 00 - 12 59 第11戦 木曜 19 00 - 19 59 第12戦 木曜 22 00 - 22 59 第13戦 金曜 12 00 - 12 59 第14戦 金曜 19 00 - 19 59 第15戦 金曜 22 00 - 22 59 第16戦 土曜 12 00 - 12 59 第17戦 土曜 19 00 - 19 59 第18戦 土曜 22 00 - 22 59 第19戦 日曜 12 00 - 12 59 第20戦 日曜 19 00 - 19 59 第21戦 日曜 22 00 - 22 59 バトル 忍軍バトルに参加すると、バトルptが全回復するよって忍軍バトルの前に通常バトルやクエストでバトルptを使いきっても問題無い 相手の忍軍20人から、対戦するプレイヤーを自由に選ぶ事が出来るただし格下より同格など、より困難なプレイヤーに勝った方が多くの忍軍ptを得る事が出来る 戦闘に敗北しても、少量だが忍軍ポイントや士気ゲージが溜まる逆に言えば挑まれた戦闘に勝利しても敗北しても、影響するのは相手の獲得ptの増減だけでこちら側に変化はない ただしバースト中に敗北したり挑まれて勝利した場合は、最終的な勝敗に影響することになるだろう 一度勝利したプレイヤーに対して連続してバトルを仕掛けた場合は、獲得できる忍軍ptが徐々に減少する バトルptを3消費する全力攻撃で、攻撃力・得られる忍軍ptや士気ゲージが増加する 最終段階の 極 への覚醒に必要な「覚醒の巻物」が通常攻撃では3、全力攻撃では6取得出来る 連携 他のプレイヤーが勝利してから10分以内に勝利すると連携が繋がるあくまで「連携」なので、一人で連続して攻撃しても連携ボーナスは溜まらないAB二人のプレイヤーが3回ずつAAABBBと攻撃するより、ABABABと交互に攻撃していくことが望ましい ただし一人で攻撃しても連携ボーナスの持続時間は延ばすことが出来る 忍軍で最初の連携で10%、それ以降の連携で1%、最大150%まで攻撃力が上がる 士気ゲージ バトルで攻撃をすると、結果に応じて士気ゲージが上昇するそれ以外に、後述の3つの回復手段を行っても増加する 士気ゲージが1000に到達すると忍軍士気上昇(バースト)が発生し、10分間味方全員の攻・防が上昇するさらに戦闘後の獲得忍軍ptならびに覚醒の巻物数が倍になる 回復手段 忍軍バトル中は通常の治癒の力などのアイテム使用に加えて、以下の方法でバトルptが1回復し士気ゲージも上昇する日記投稿ただし、日記投稿後に表示されるリンクから烈火の炎に戻らないとバトルptは回復しない 一括コメント同じ忍軍全員に一括コメントを送る 忍軍掲示板投稿まれに読み込み不良で掲示板に投稿してもバトルptが回復しないことがあるが、再度投稿する事で回復する 忍軍バトルの戦術 平日から祝日までお構いなく開催されるので、全ての戦いに参加して張り付くのは到底不可能参加出来ない時もあるのは仕方の無い事なので、その分参加出来る時は積極的に協力しよう 重要なのが連携と士気ゲージ連携によって攻撃力が上がると、通常では勝てないプレイヤーにも勝つ事が出来るかもしれない攻撃力が上がる事で、得られる忍軍ptも増加する さらに士気ゲージMAXでバーストすると攻撃力のみならず、獲得忍軍ptも増加するので一気に差をつけるチャンス終盤に追いつかれそうになって治癒の力を使うよりは、バースト中に使った方が効率的に忍軍ptを稼げる 士気ゲージを溜めるためにはバトルで勝利することも大事だが、上記の回復手段で士気ゲージを稼ぐことも重要特にバースト中は士気ゲージが溜まらないので、どうせ回復手段を使うなら士気ゲージを溜めている間に使った方が効率が良い 忍軍バトルでは回復アイテム無しで最大11バトルptが使用できる開始時に全回復するので5、15分に1回復するので忍軍バトル中に自然回復するのが3、回復手段で3の合計11pt もちろん忍軍バトルの60分間中ずっと張り付くことは難しいので、毎回このバトルpt全てを使いきる事はなかなかハードルが高い 連携や士気ゲージの仕組みを理解し、同じ忍軍の仲間のために溜めていく行動を心がければ格上の相手に勝つことも難しくなくなるだろう 相手が格上ばかりで勝てなかったとしても、迷惑になるどころか少量だが忍軍pt、何より士気ゲージ溜めに貢献している あなたがバトルで1つ勝利すること、もっと言えば参加すること自体が忍軍全体の勝利にも結びついている 報酬 忍軍バトルに参加すると、以下の報酬を得ることが出来る。 炎の石(忍軍バトル終了時に獲得。忍軍内順位・獲得ptで増減)後述の錬金で使用する 覚醒の巻物(戦闘に勝利することで獲得。通常攻撃が全力攻撃かで増減) 個人ランキング報酬 忍軍ランキング報酬 忍軍勝利数報酬 錬金 炎の石を消費して「錬金」する事でアイテムが得られる。 +錬金(銅):炎の石10個消費 [姫]佐古下柳 1000ゼニ 3000ゼニ 5000ゼニ 回復の丸薬(自分用) +錬金(銀):炎の石20個消費 ガチャチケット [姫]佐古下柳 3000ゼニ 5000ゼニ 10000ゼニ 回復の丸薬(自分用) +錬金(金):炎の石30個消費 ガチャチケット [治癒の少女]佐古下柳 [姫]佐古下柳 5000ゼニ 10000ゼニ 20000ゼニ 50000ゼニ 100000ゼニ 回復の丸薬 回復の丸薬(自分用) 「錬金」だけあって出るのは殆どゼニだけなので、銅錬金で回すのも良いかもしれない。
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装備品:てつの〇んこ ゲーム内におけるてつの〇んこ エグゼターにあるトルネコの店で買える阿部さん専用の武器。 数少ない阿部さん専用の武器として使えるだけマシ、といった感じ。 伏字に関しては気にしてはいけない。 元ネタ トルネコの店で売っている点から鑑みて『ドラゴンクエスト4』のてつのきんこが元ネタだろう。 てつのきんこはドラクエ4の第3章で手に入るアイテムで、持っていると全滅した際に所持金を半分失ってしまうペナルティを回避できるアイテム。 だが第3章で手に入れても第5章に持ち越せず(*1)、第3章でスルーして第5章で入手した際にはなんと金庫が壊れてしまっている。 ドラクエ10では「だいじなもの」として扱われ、初見殺し多めなゲーム性からかなり重要なアイテム。
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あの日の炎剣フラン R 火 (4) クリーチャー:ヒューマノイド 1000 ■スピードアタッカー ■このクリーチャーが攻撃する時、相手のブロッカーを1体選び、破壊してもよい。 作者:翠猫 火のヒューマノイド。 攻撃時にブロッカーを焼けるスピードアタッカー。パワーは低いので除去されやすく、1コスト上には(ハンター限定ではあるが)味方の攻撃時にもブロッカーを焼却できる《GENJI・ボーイ》がいる。コストも4と微妙に重いのが気がかり。同サイクルの中では一番パワーが低い。火のくせに。 名前の由来は「フランベルジュ」。 関連(あの日のシリーズ) 《あの日の炎剣フラン》 《あの日の翼盾マグリット》 《あの日の狐将ラプラス》 《あの日の荒爪シルバー》 《あの日の海嘯アクロ》 フレーバーテキスト そして、時代は流れる。 評価 名前 コメント
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フラダ火山属性パズル 縦の5つの炎 クロスクロードの塔滑る床 スイッチON・OFF クレリ山脈滑る床と氷柱溶かし カナレット遺跡深部タイル踏み イブキの塔色つき扉と3色のスイッチ 歪みの空間第3階層(酒場) イブキの空間赤宝石と緑宝石 ダンジョンなどで出てくるパズルに関するヒントを掲載しています。 難しめなものには答えも付してますが、あくまで最終手段として使っていただければ…。 フラダ火山 属性パズル 属性の相殺は「火←→氷」、「風←→土」、「雷←→水」です。 緑の宝石を下に動かして、それを壁に青い宝石を運ぶ方法や、 黄色の宝石を左に動かして、それを壁に赤い宝石を運ぶ方法などあります。 上記をヒントに試してもわからない!という人のため用(解答例):属性パズル 縦の5つの炎 炎に触れると色が変わって行き赤い時に次のたいまつに触れると新しく炎を灯すことができます。 炎の色の変化は次のとおりになっています。 主人公が触れているたいまつの炎:橙→緑→水→赤→黄→青→紫→… それ以外のたいまつの炎:赤→橙→黄→緑→青→水→紫→… 面倒に見えますが、全てが同じ色の炎のとき、それぞれのたいまつを同じ回数だけ調べれば全てが同じ色に戻るようになっています。 これを踏まえて考えてもどうしてもわからない!という人のための解答例(反転): ※注意事項:【ただし、2段目以降は新しい段を一度調べて全ての炎の色が橙になっている状態をスタートとしています。】 1段目:【4回調べる】 2段目:【それぞれのたいまつを2回ずつ調べる】 3段目:【それぞれのたいまつを5回ずつ調べる】 4段目:【それぞれのたいまつを4回ずつ調べる】 5段目:【それぞれのたいまつを1回ずつ調べる】 クロスクロードの塔 滑る床 攻略の基本は「ゴールから逆算する」こと。全体を見ながら2~3手目分までを逆算すると、 どこに到着すればいいのかと、そこに到着するためにどのように移動するかが見えてくる。 どうしてもゴールにたどり着けない!という方は…(解答例):滑る床 スイッチON・OFF 1 2 3 4 - 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 初期状態は上のような状態(黒地に白文字がON状態、そうでないものがOFF状態)。ルールは以下のとおり。 スイッチを押した周囲のスイッチのON・OFF状態が逆転する。 ON状態になったスイッチを押すことはできない あまり意識しなくても順番にON状態のまとまった場所を作っていけば、気がつくと解けていることが多い? どうしてもゴールにたどり着けない!という方へ… (解答例):【解析中】 ※上表の番号に対応したスイッチを押せばOKです。 クレリ山脈 滑る床と氷柱溶かし このパズルを攻略するに当たっての基本方針は2つ。 発射される炎は6マス分移動するということ→溶かした分6マスの移動が可能になる 炎は岩を貫通しないが、壁は貫通する 問題1(13マス×15マス) スタート地点よりもゴール地点を見て、どこからなら通れそうかを考える。 そこから逆算して基本方針を思い出しながら考えてみるとわかる。 わからない、考えに考えたけどダメ、という方は…(解答例):氷柱溶かしA 問題2(10マス×9マス) これもゴールから見て、どこから炎を打てばいいかを考える。そうすると、正面から挑む限りは 頭に思い描くようなところで停止して、そこから炎を打つ状態にすることは不可能なのでは?という答えに至る。 そこで、正面からがダメなら… わからない、考えに考えたけどダメ、という方は…(解答例):氷柱溶かしB カナレット遺跡深部 タイル踏み 本項では特に3つ目のパズルについて触れることにする。 1つのマップに存在する四角形のタイルを全て踏むことで先に進むことができるが、 見出しやゲーム上での説明にあるように、あくまで全ての床を歩くことが目的であり、一筆書きが目的ではない。 あとは、ゴールから逆算してみるのも一つの考え方でしょう。 上記でいまひとつ、ピンとこないという方は…(解答例):タイル踏み イブキの塔 色つき扉と3色のスイッチ それぞれの色つきの扉は、3色のスイッチのオンオフに対応している。 赤がオンであれば赤の扉が、赤と青がオンであれば紫の扉が、というように 3色のスイッチの組み合わせで開く扉が決定される。 ※ ちなみに、一定時間が経過すると5000T払ってパズルを解いてくれる黒ローブの人が現れるらしい。 理屈はわかるが、どうすればいいのかピンと来ない、お金は払いたくない!という人は…(以下反転) 【赤と緑オンで右へ。黄の扉開けて床スイッチ】 【赤オフ青オンで左へ。宝箱のある部屋へ。宝箱(罠)をとる。】 【トラップ床(緑のスイッチのある列)を踏んでから素早く部屋から出て右。赤のスイッチオン】 【扉を通って緑オン、扉を通って赤オフ、床スイッチ】 【来た道のスイッチを押しながら入り口まで。】 【そのまま右へ行くと道がつながっている。】 歪みの空間 第3階層(酒場) 話しかける人とその順序が大事。ちなみに一度酒場から出ると「話した」というフラグがリセットされるので注意。 入り口右のテーブル近くにいる金髪白服の男性に話しかける 貴族風の緑服男性に話しかける→「上」を選択 マント姿の客に話しかけ、クイズに挑戦(正解しても外れても先には進める、正解すると完全復活薬をもらえる) カウンター前の女性(くのいち)に話しかける→マップ左側へ移動 移動後、魔法使い風の紫服の人に話しかける(酒場の外に出してくれる人)→「やめておく」を選択 マップ左側の椅子に座っている黒髪の男性に話しかけてから上の壁紙を調べる→カウンター内へ移動 手伝いとマスターに話しかけてからコックに話しかける→「うん」を選択→球体のある場所へ移動 ※球体のある場所へ移動してからは、白服の男に話しかけると道を空けてくれる。 また、その隣にいる青髪の男性に"上から"話しかけると「白い実」をもらえる。 イブキの空間 赤宝石と緑宝石 ステージ1 練習問題のようなステージ。4個中3個は当てはめるべき場所がほとんど明確なので、そこから類推できるかと思います。 ステージ2 最初の宝石の動かし方がヒントです。 始めに中央の4つの宝石を回すように動かしてみてください。きれいにはまる配置が見えてくるかと思います。 どうしてもダメ、降参という方は…(解答例):赤宝石と緑宝石A ステージ3 ストーリー進行には関係ないですが、アイテムを手に入れることができます。 他のステージとは違い、赤4に対して緑1の構成。 ここから「赤3個は壁などに利用して、残りの1個を緑へ」というところまでは想像がつくでしょう。 あとは、ゴールから答えを類推してみたり、周りを良く見てみたりしましょう。 どうしてもダメ、降参という方は…(解答例):赤宝石と緑宝石B [上へ]
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赤木、朝倉、消失長門、千秋の異端組は対主催の仲間を見つけに歩き出す…ところだったが、 どうしても式をしたいと朝倉と消失長門がダダをこねたので、千秋と一緒に待ちぼうけとなった。やれやれ…。 立会いの神父を買って出たのは、言峰綺礼とかいう変な男だった。 ただ通りすがっただけだが、その役を是非私にやらせてくれと言ってきたので、 怪しい感じムンムンの男だったが、とりあえず任せることにした。 千秋は泣き止みはしたが、足元ふらついてて、まるで二日酔いの酔っ払いみたいになっている。 無理も無いか・・・あんなことが立て続けに起こったらなあ。 「喜べ少年――君の夢は、ようやく叶う 向こうでは、二人を祝福する気など微塵も無い神父が、二人の前で聖書の一節でもなんでもない言葉を垂れている。 「私が殺す。私が生かす。私が傷つけ私が癒す。我が手を逃れうる者は一人もいない。 我が目の届かぬものは一人もいない。 打ち砕かれよ。敗れたもの、老いた者を私が招く。私に委ね、私に学び、私に従え。 休息を。唄を忘れず、祈りを忘れず、私を忘れず、私は軽く、あらゆる重みを忘れさせる。 装うなかれ。許しには報復を、信頼には裏切りを、希望には絶望を、光あるものには闇を、生あるものには暗い死を。 休息は私の手に。貴方の罪に油を注ぎ印を記そう。永遠の命は死の中でこそ与えられる。 ―許しはここに。受肉した私が誓う。 ―“この魂に憐れみをキリエ・エレイソン” ―柊かがみ、オマエはうざい死ね」 何なんだコイツは? 気味悪いったらありゃしないぜ。 まあいいか。余計な事に煩わされないですむんだから。 そんな時、何かの音が聞こえてきた。この音量からして、どうやら放送のようだ。 ん? 何かカタカタ言ってるけど、これ本当に放送か?? いや待てよ? これはもしやモールス信号? これでも俺はガキの時からモールス信号は覚えてるタチなんでね。 なになに? 『我々は銚子に居る、来るなら来い』だと? 銚子か……幕張メッセ近くのここからだと、結構距離があるな。 ざっと見積もって6時間くらいってとこか。 「おい、何をブツブツ言ってるんだ?」 千秋に声をかけられたところで、俺は我に返った。 「今の放送、聞いたか?」 「今のカタカタうるさいのが放送だったのか?」 「モールス信号だよ。19世紀後半に発見され、第一次大戦ぐらいまで通信手段で使われてたヤツだ。 それによるとだな、どうやら主催どもは銚子にいるそうだ。お茶煎れて待ってるだとよ」 「要は行くアテが見つかったってことだろ?」 「そういうこと」 二人は顔を見合わせて笑いあう。 「終わったよ~」 式らしきものを終えた残りの二人が現われた。 状況を説明し、一路銚子へ向かうことを即決した。 「それじゃ、にっくき雁首を斬る仲間を集めに行くとするか?」 銚子へ向かうため四人が立ち上がった、その時だった。 「さぁて、そううまく行くかな?」 どこからともなく声がした。 この声には聞き覚えがある。さっき爆死したはずの千秋の姉の声だ。 「貴様はさっき死んだはずだぞ。どこにいる!?」 「……まさか、生きてるのか?」 辺りを見回すが、声の主はどこにもいない。 近くにあるのは、南夏奈の死体から未だに立ち上る爆炎だけ…… 「千秋、今回だけはバカ野郎の言葉はそっくりそのままアンタに返すよ♪ 私が何のスタンドを持ってるか忘れたって事は無いよね? 『マジシャンズレッド』鋼鉄すら溶かせる炎を操る能力だよ? おまけに私は主催によって改良を加えられた強化人間なんだ。 爆弾一つ喰らったところで、痛くも痒くもない。 それどころか、私は本当の力を引き出せるようになった。感謝するよ千秋♪」 姿の無い夏奈の怨念が、自分を倒していたはずの妹を嘲笑うかのように言い放った。 「私をホントに怒らせた事、後悔させてやる。覚悟しなぁ!」 その言葉を皮切りに、立ち上る炎がガソリンを加えたかの如く勢いを増した。 周囲が火に包まれる。あまりの火の勢いに、四人は思わず飛びのいた。 現われた炎はみるみるうちに一箇所に集まり、やがて炎で作られた一匹の竜が出現した。 それは10m以上の長さを持ち、さっきまでの少女のものではない、燃えるような邪悪な眼をしている。 「あっはははは。驚いた? 今の私にかかれば千秋を丸焼きにすることくらい、造作も無いことだ。 さあどうする? 大人しく私に灰にされるか、崩れる瓦礫に飲まれて野垂れ死にするか、 どっちかしかないよ。どっちがいい?」 竜となった夏奈の喋り方は無邪気な少女そのものだが、滲み出る雰囲気は邪悪そのものだ。 「フフフフフフフフフフ……」 すると突然、千秋が笑い始めた。 「何がおかしい!?」 「残念だな。お前はもう私の知っている、あのバカ野郎の南夏奈じゃない。 お前みたいなバケモノは、この私の手で消し去ってやる」 「俺はお前に恨みなんか微塵も無いんだが、貴様のような はらわたまで煮えくり返った悪党にやられる筋合いは無い。覚悟しな」 「ほう……大した自信だな。まあいいや」 大型の竜は身構える四人に向き直り、改めて身構える。 「冥土の土産に、千秋にいいことを教えといてあげる。 姉さんは死んでなんかいない。まだどっかで生きてるよ。 ただ、私と同じ主催側の強化人間になってね♪」 「な……」 「それじゃ、こっちから行くよ!」 【二日目・6時15分/幕張メッセ近く】 【赤木しげる@アカギ】 [状態]強運、神域、悪漢 [装備]不明 [道具]支給品一式 [思考]基本:ゲーム転覆。 1:同じく対主催の仲間を探し、準備が整ったら主催本拠に突撃 【南千秋@みなみけ】 [状態]眠い [装備]不明 [道具]支給品一式 [思考]基本:アカギについていく。 1:主催に制裁を加える。 朝倉涼子@ハルヒシリーズ】 [状態]普通 [装備]不明 [道具]支給品一式 [思考]基本:カオスロワを潰す 1:消失長門と籍を入れることができて嬉しい 【消失長門@涼宮ハルヒの消失】 [状態]普通 [装備]不明 [道具]不明 [思考]基本:朝倉についていく。殺し合いには乗らない。 【南夏奈@みなみけ 死亡扱い】 [状態]火竜 [装備]不明 [道具]不明 [思考]千秋他対主催全員を灰にする 【言峰綺礼@Fate/stay night】 [状態]絶好調 [装備]なにか [道具]なにか [思考]二人の門出を祝う
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428 三つの鎖 1 sage New! 2009/11/07(土) 00 25 03 ID ugR8nC3i 朝4時30分。 まだ日も昇らない暗いうちに僕はむくりと起きた。 布団にもぐりこみたいのを我慢して着替え、階段を降り、顔を洗い、キッチンに向かう。 手早く調理器具を取り出し、冷蔵庫から昨日のうちに下ごしらえした食材を取り出す。 機能セットしたご飯が炊けているのを確認する。 (炊飯器が壊れた時は大変だったな) あの時は朝昼サンドイッチにしたのを覚えている。 みそ汁の出汁をとりながら家族四人分の弁当を作る。弁当には京子さんの好きな鶏のから揚げを入れる。 続いて朝食の用意と晩御飯の下ごしらえを始める。 晩御飯は妹の好きな鶏肉の料理にしよう。 鶏肉を冷蔵庫から取り出し考えること一分、照り焼きに決め鶏肉を手早く切り分ける。 下ごしらえの終えた食材を冷蔵庫に戻し、朝食を手早く作る。 旬のカツオの切り身をフライパンで生姜焼きにする。血圧の高い父のことを考慮し、塩分は控えめ。 みそ汁を味見していると京子さんが降りてきた。 すでにスーツを着ている。とても父と同年代とは思えない瑞々しい肌。 「幸一君おはよう」 「…おはようございます」 「いつもありがとうね。手伝うわ」 京子さんはエプロンを付け、キッチンに入る。 「ありがとうございます」 特に手伝ってほしいことは言わない。それでも京子さんは手早く朝食を手伝ってくれる。 次に父が降りてきた。すでにスーツに身を包み鞄を手にしている。 「おはよう父さん」 「おはよう。いいにおいだな」 かすかに顔をほころばす父。魚の匂いに気がついたのだろう。 朝食の準備も後はご飯とみそ汁をテーブルに並べるだけ。 しかし最後の一人がやってこない。 「幸一君、梓を起こしてあげて」 京子さんがお椀を取り出しながら言う。 「…分かりました。後はお願いします」 僕はため息をついてエプロンを外した。 妹の梓とはあまり仲が良くない。京子さんもそれを分かっているからあえて僕に起こしに行かせるのだろう。 階段を上り梓の部屋の前でノックする。返事無し。 「あずさー。入るよ」 扉を開けた途端、むわっとした空気が流れる。 まだ春先にも関わらず締め切られカーテンのかけられた暗くて空気の澱んだ部屋。 僕はまずカーテンひらき窓を開ける。 朝のまぶしい日の光が差し込む。相変わらず散らかった部屋。 外の空気を吸い込みベッドに向かう。 タオルケットから白い足がはみ出ている。 梓はいつも締め切って熱くなった部屋で寝るので、春先でも平気で下着にシャツで寝る。 起こしに行くといつも目のやり場に困るが、何度言っても直してくれない。 床にある短パンをつかみ、梓をゆらす。 「あずさー。起きて。もう朝御飯だよ」 梓はむっくり起き上がった。 長い髪が壮絶にぼさぼさになっている。 眠そうな眼をしている。 「すぐ行く。出て行けシスコン」 きれいな桜色の唇からはいつものように罵倒が飛ぶ。 僕は苦笑しながら短パンを渡し部屋から出ていく。 部屋が散らかっていたから今度掃除してあげよう。 429 三つの鎖 1 sage New! 2009/11/07(土) 00 27 08 ID ugR8nC3i リビングでは湯気の上がる朝食が並んでいた。 京子さんは調理道具を洗ってくれている。 「京子さん僕がしますよ」 「いいのよ。いつもおいしいご飯を作ってくれてるんだし。これぐらいさせて」 京子さんはにっこり笑った。 心臓がでたらめな鼓動を刻むのを、意志を総動員して抑え込む。 梓はすぐに降りてきた。 家族全員が椅子に座る。 『いただきます』 「…いただきます」 妹だけ不機嫌そうに口を開く。これもいつものこと。 静かな朝食が進む。 「幸一君、今日もおいしいわね。腕を上げたかな?」 「そんな事ないですよ。ありがとうございます」 「幸一、このカツオはうまいな」 「村田のおばさんがくれたんだ」 父の質問に答える。梓の眉がぴくっと動く。 「梓、高校はどうだ?」 父さんが尋ねる。 「…まあまあ」 梓は不機嫌そうに答える。 「梓は生徒会から勧誘されているんだ」 「ほう。まだ入学したばかりなのにか」 父さんは感心したように答える。 「何度か手伝わされただけよ」 梓は不機嫌に答える。 朝食が終わり、緑茶を京子さんが入れてくれる。 梓だけ冷たいお茶を渡す。梓は一気に飲んでリビングを出た。いつも通りシャワーを浴びるのだろう。 お茶を飲み終わった二人が出勤するのを見送り、僕は家事を片付ける。 朝食の洗い物を行い、僕と父と京子さんの部屋の布団を干す。ゴミ箱のゴミをまとめ軽く掃除する。 梓の部屋に入り、ため息をつく。どうやれば二日でここまで散らかすんだろう。 床は脱ぎ捨てた服や下着やシーツが散らばり、本が散乱している。 僕は手早く服と下着とシーツを洗濯かごに入れる。こんな空気の蒸した部屋にいるせいか、散らかった服も下着もシーツもしけって感じる。梓が部屋を閉め切るせいで部屋はすごく暑い。 梓は汗をかくとすぐに着替えるから部屋には服や下着が散乱する。暑がりな梓と全く逆の行動をいつも不思議に思いながら片付けを続ける。本を棚に入れ、アイロンと台を片付け、布団を干す。フローリングの床に掃除機をかけゴミをまとめる。 掃除機を片付け風呂場に向かう。 下ではすでに梓が制服に着替えて牛乳を飲んでいた。 梓が無言でブラシを投げつけてくる。 僕は受取り、梓の髪にブラシを通す。風呂あがりなためか梓の体温を熱く感じる。 別に妹は髪の手入れをできないわけでない。面倒くさがり屋なのだ。ここで小言を言うと睨まれるので何も言わない。 「梓、部屋を掃除したよ」 梓の頭がぴくっと動く。 「このシスコン。そんなに妹の部屋をあさるのが好きなの」 「たまには換気しないとだめだよ。埃がたまりやすいし」 梓は無言で髪止めのゴムを渡してくる。 僕は手早く妹の髪をポニーテールにする。 終わると梓は何も言わず鞄を持って出て行った。 いつもの事だが少し悲しい。 430 三つの鎖 1 sage New! 2009/11/07(土) 00 28 02 ID ugR8nC3i 落ち込みながら風呂場に向かう。梓は風呂に入る前に洗濯機を回すように頼んでいる。僕の頼みをほとんど聞いてくれないが、これだけはちゃんとしてくれる。洗濯物を取り出し庭へ。 洗濯物を干していると声をかけられた。 「幸一君。おっはー」 庭の外には知っている女の子が黒い犬と一緒にほほ笑んでいた。長い髪をまとめた女の子。 女の子はどうでもいいが、この黒い犬はシロという。黒いのに。 「おはよう春子。おばさんがくれた魚、お父さんがおいしいって喜んでいたよ」 「本当?お母さんに伝えとくね。梓ちゃんは?」 「もう学校」 「ふーん。ねえ、一緒に学校に行かない?」 「分かった。ちょっと待ってね」 春子は手を振り隣の家に入った。 待たしてはいけない。僕は残りの洗濯物を急いでほして制服に着替えた。 弁当を取りにキッチンに行くと、二つあった。僕のと梓のだ。 僕は二つとも鞄に入れた。 春子と二人で学校に向かう。 道すがらとりとめのない話をする。 「相変わらず梓ちゃんに避けられているの?」 「うん。嫌われているのかな」 「しょーがないなー。お姉ちゃんが一肌脱いであげるよ」 「ありがとう。期待しないで待ってるよ」 春子と話すといつも不思議に思う。春子も小さい時からの知り合いだから気兼ねなく話せるのに、何で妹と話すと緊張するんだろう。 靴箱でいったん春子と別れ梓のいる教室に向かう。 こっそり教室をのぞく。梓は僕が教室に来ると怒るのだ。 教室に梓はいなかった。 「あれれー?お兄さんじゃないですか」 後ろから突然声をかけられた。 「またお弁当ですか?」 見覚えのある女の子がにやにやしていた。 「ええと…」 誰だっけ。 「中村です。梓の友達の。ひどいですねー。覚えてくれてないのですか?」 「覚えているよ。中村夏美さん」 今思い出したけどね。 「梓見てない?」 「あの子時間ぎりぎりまでどこかで時間つぶしていますよ」 それは知っている。 「申し訳ないけど、梓に弁当を渡してくれないかな」 「うーん。私としては全然OKですけど、あの子私が渡すと不機嫌になりますよ。兄さんは私に弁当渡すのも嫌なぐらい会いたくないんだって」 何その理不尽。 「お昼休みに渡してあげてください。そっちのほうがあの子喜びますよ」 「教室に行くと怒るのに」 「そんな事ないですよー」 中村さんはけらけら笑う。 「分かった。お昼休みにまた来るよ」 「伝えときます!イエッサー!」 中村さんは何故かびしっと敬礼した。 431 三つの鎖 1 sage New! 2009/11/07(土) 00 29 18 ID ugR8nC3i お昼休み。 立ち上がるとクラスメイトの耕平が声をかけてきた。 「こーいちー。飯にせえへん」 「妹に弁当渡してくるから先に始めといて」 「ああ。梓ちゃん弁当忘れたんや。オッケーオッケー。こっちは適当に始めとくわ」 耕平は笑ってほかのクラスメイトと学食に向かった。 「幸一君」 今度は春子が声をかけてきた。 「梓ちゃんの所に行くのでしょ。私も行く」 「いいけど…。なんで?」 「これを機に梓ちゃんとの仲を修復するの。私お姉ちゃんが一肌脱いであげる」 胸をそらす春子。 「さ、行きましょ」 僕の手をつかみ歩き出す春子。温かい手に頬が熱くなる。耕平達と食事の約束が。 「耕平君なら女の子のお誘いを断るやつは絶交じゃー、って言うと思うよ」 「何で僕の考えていること分かるの」 「何年目の付き合いだと思っているんですか」 「分かったから手を離して」 「えー?何で?」 「その、恥ずかしいよ」 「相変わらず恥ずかしがりやですね」 春子はにこにこしながら手を放してくれない。さらに僕の手をにぎにぎしてくる。ドSだ。 「何で僕をからかうときだけ敬語なのさ」 「それはですね、私が幸一君のお姉さんだからです」 たった1日なのに。 「それに私は幸一君の料理のお師匠様だからです」 「…わかりました師匠」 「分かればよろしいです」 梓の教室をこっそりのぞく。 中村さんが目ざとく僕を見つけた。 「おにーさーん!こっちです!」 梓がものすごい形相で僕を睨む。怖すぎる。 恐怖で教室に入れない僕を春子が押す。 「ほら梓ちゃん。幸一君とお弁当をお届けにまいりました」 「いらない」 即答する梓。冷たい視線を僕に向ける。 「まあまあ。ここはハルお姉ちゃんの顔に免じて一緒にご飯食べよ」 「あ!私もご一緒していいですか?」 姿勢よく挙手する中村さん。びしっという音が聞こえてきそうな勢いだ。 「もちろん。梓ちゃんのお友達?私は村田春子っていうの」 「村田先輩ですね。私は中村夏美といいます!夏美って呼んでください!」 意気投合する二人。 「なんか僕たちおいてきぼりだね」 「珍しく兄さんと意見があったわ」 取り残される兄妹。 「はい梓。お弁当忘れていたよ」 無言で受け取る梓。 「こら梓ちゃん!幸一君にお礼を言わないとだめでしょ」 「あーずーさー!お兄さんが可哀そうでしょ!」 二人に攻められ梓は面倒臭そうに口を開いた。 「…兄さんありがとう」 胸にじわっときた。妹に礼を言われるのなんて何年ぶりだろう。 「…うん。どうしまして」 思わず涙ぐみそうなのをこらえる。 そんな僕たちを春子と中村さんはにこにこ見ていた。 432 三つの鎖 1 sage New! 2009/11/07(土) 00 30 45 ID ugR8nC3i 四人で机を囲み弁当を開く。僕と梓が向かい合う。 「さすが兄妹。中身は一緒だー」 中村さんが僕と梓の弁当を見てはしゃぐ。 「お兄さん」 「何?」 「鶏からいただきます!」 中村さんが僕の弁当から鶏の唐揚げをひょいとつかみ口に運ぶ。 「私も弟子の進歩を確認しよーっと」 春子も僕の唐揚げをひょいとつかむ。 「うんめー!お兄さんうますぎですよ!」 さらに一つ食べる中村さん。あれ?から揚げ弁当がご飯と野菜弁当になっちゃったぞ? 「結構なお手間です」 春子はにこにこしながらサイコロステーキを一つ僕の弁当に入れてくれた。さすがお金持ち。 「お兄さんこれどーぞ」 中村さんがミートボールを僕の弁当に入れる。唐揚げとは釣り合わない気がする。 「ありがとう」 食べようとしたら梓が素早くサイコロステーキとミートボールを奪い口に詰め込む。 呆然とする僕を冷たく見つめながら梓は飲み込んだ。 「シスコンの兄さんには勿体ない」 結局僕はご飯と野菜だけの昼食となった。 「えええー!?お兄さんが弁当作っているのですか!?」 中村さんの大声が教室に響く。 「夏美うるさい」 「ちょっと梓!お兄さん料理の鉄人?」 「私が料理を教えたからね。これぐらい当然なのです」 春子は胸を張る。中村さんは思わず春子の揺れる胸を見つめ自分の胸に手を持って行った。 「春子先輩!ししょーと呼ばせてください!」 「幸一君は朝昼晩とご飯を作り洗濯掃除もこなす自慢の弟子なのです。一家に一台幸一君なのです」 二人ともネタが古い。 「お兄さん何者ですか?家事万能ですか?」 「あのね中村さん」 「ノンノン!私のことは夏美と呼んでください」 「ええと夏美ちゃん、梓も手伝ってくれるから」 「お兄さんいい人過ぎ!梓!お兄さんもらっていい?」 梓は手で顔をあおぎながらうっとうしそうに口を開く。 「夏美、ひとつ言っとくけど、兄さんはいつもあられない格好で寝ている私に鼻息荒く近づいて鼻の下伸ばしながら起こしに来るのよ。妹の髪をとかしながらウットリして、妹の部屋を掃除と称して荒らす変態シスコンよ」 「いやいやいや」 僕は慌てて否定する。 「えー。それはちょっとドン引きですね。妹の髪ととかしてウットリとか。お兄さん、そんなに梓ちゃんの髪が好きなのですか?」 中村さんが僕から距離をとる。 「ふふふ。夏美ちゃん分かってないですね」 春子がにこにこ笑う。嫌な予感がする。 「梓ちゃんは面倒臭がり屋だから幸一君にさせているだけなのです」 「梓そうなの」 「まあね」 「どんだけお兄さんをこき使ってんだYO!」 あっさり認める梓に突っ込む中村さん。 「幸一君覚えていますか?女の子の髪の手入れの方法がわからなくて私に教えてと頼んできたのを」 春子が自分の長い髪をなでながらウットリささやく。無論ほかの二人に丸聞こえ。戦慄が走る。 「春子待って」 「何回も私で練習させてあげましたよね」 「春子先輩!その言い方はなんかエロいっす!」 梓の視線が絶対零度より低くなる。 「ふーん。そんなことあったんだ。シスコンじゃなくて幼馴染好きだったんだ」 梓は手で顔をあおぐ。怒りで熱くなっているんだろうか。 433 三つの鎖 1 sage New! 2009/11/07(土) 00 31 56 ID ugR8nC3i 「幸一君。今度女の子の髪の扱いが上昇したかテストさせてあげます。私を満足させたら合格です」 その言い方はやめて! 「お兄さん。その、あの」 中村さんが頬を染める。 「今度私もお願いしていいですか?」 机の下で梓が僕のすねを蹴った。許してください。 お昼休みも終わりが近づき僕と春子は一年生の教室を後にした。 去り際に中村さん、いや夏美ちゃんが「いつでも来てくださーい!」と元気いっぱい手を振ってくれた。梓は相変わらず不機嫌そうだった。 自分の教室に戻ると耕平が声をかけてきた。 「その様子だと珍しく梓ちゃんと昼飯食べたみたいやな」 「うん。行けなくてごめん」 「何言っとんねん!妹とはいえ女の子の誘いを蹴るようや男とは絶交やで!」 耕平が笑う。その台詞は春子が予想していました。 「で、どやって梓ちゃんを飯を食ったんや?」 耕平が好奇心丸出しで訪ねてくる。 「ふふふ。それは私のおかげなのです」 胸を張る春子。耕平は思わず春子の胸に視線が行く。大きいもんな。 「っと俺としたことが。ハルの姐御すいません」 「ふっふっふ。見るだけならいいですよ。哀れなチェリーボーイが私の胸に興奮するのは仕方ないのです」 「姐御サーセン!」 頭を下げる耕平。 僕は苦笑する。春子は面倒見がいいしノリも意外といい。けど少しオヤジ臭い所がある。 「幸一君」 春子は僕の顔をのぞく。顔が近い。 頬が熱くなるのがわかる。 「梓ちゃんとご飯食べて楽しかった?」 僕はうなずいた。 「春子のおかげだよ。ありがとう」 春子は微笑み、背伸びして僕の頭をなでた。春子も身長は高いが、僕はそれ以上だ。 「ちょっと恥ずかしいよ」 「ふっふっふ。存分に恥ずかしがれなのです」 耕平は指をくわえて見ていた。 「ええなー。あねごー。俺の頭もなでてーな」 「今すぐ大気圏から消え失せて」 「ひどっ!」 耕平は頭を抱えて絶叫する。クラスメイト達は生暖かい目で見ていた。 434 三つの鎖 1 sage New! 2009/11/07(土) 00 32 56 ID ugR8nC3i 放課後。耕平はHR終了と同時に飛び出した。今日はバイトらしい。 春子は生徒会に向かった。 僕も帰ろうとしたところ、靴箱で梓と夏美ちゃんに会った。 珍しい。梓は人ごみが嫌いだからすぐに帰ることはしない。 「おにーさーん。今から帰りですか?」 「うん。夏美ちゃんも?」 「一緒に帰りましょう。いいでしょ梓?」 梓が渋い顔をする。 「ええと、やっぱり遠慮しとこうかな」 「何言ってるのですか。梓もうれしそうですよ」 この子はどこを見ているんだろう。 「ほら、行きますよ」 夏美ちゃんが僕と梓の手を一緒に握りひっぱる。 梓と夏美ちゃんの手の暖かさが伝わりどぎまぎした。 「変態シスコン」 梓がぼそりとつぶやく。 「え?梓なんて?」 「夏美。この変態シスコンは妹と後輩の手にドキドキしているのよ。妹として恥ずかしいわ」 「えー。お兄さん本当ですか?」 「ええと、女の子に触れるのが苦手なんだ」 「ほら夏美。否定しないでしょ」 「お兄さんって恥ずかしがり屋ですね」 そんな事を話ながら帰る。 分かれ道で夏美ちゃんは手を放し、放した手を大きく振って去った。 周りは帰る学生や買い物の主婦でごった返している。 梓は不機嫌そうに顔を手であおぎながら立ち尽くして動こうとしない。 理由を僕は知っている。人ごみが嫌いな理由も。 「梓」 僕は梓に手を差し伸べた。 梓が冷たい視線を僕に向ける。 「何?後輩の手の温もりが無くなったから妹の手の温もりがほしいの?」 「うん」 梓はそっぽを向く。 「このシスコン。まあいいわ。兄さんが女の子にふれる練習にもなるし今回は付き合ってあげる」 梓は僕の手を握った。僕も握り返す。梓の手は燃えるように熱い。 「練習って。まあいいや」 「私が練習に付き合ってあげないと春子にお願いするかもしれないでしょ。女の子にふれるのが苦手だからってそんなことしたら私が恥ずかしい」 相変わらず不機嫌そうな梓。 そこから何もしゃべらず僕たちは帰った。話しかけて梓をこれ以上不機嫌にすることはないと思った。 435 三つの鎖 1 sage New! 2009/11/07(土) 00 34 17 ID ugR8nC3i 家に着き、僕たちは分担で家事を行った。 布団をたたみ、カバーを付ける。 梓は洗濯物をたたみアイロンがけと風呂掃除。いつもは僕が行うことも多い。 そして二人で晩御飯を作るのと明日の下ごしらえを行う。普段は梓が帰ってくるのはもっと遅いので僕一人で作ることが多いが、今日は珍しく二人で作った。 梓の料理の腕前は僕より上だ。春子の言うとおり梓は面倒くさがりだが、やればいくらでもできる。 この家の子供の夜ごはんは早い。父さんと京子さんの帰りはいつも遅いし、今日は柔道の練習がある。 「いただきます」 鳥の照り焼きを口に運ぶ。おいしい。梓は無言で食べるが、心なしか頬が緩んでいる気がする。 梓はやっぱり鳥料理が好きなんだなと実感する。僕は父さんに似て魚が好きだけど、梓の好みに合わせて晩御飯は鳥料理が多い。安いし。 食後、僕は食器を洗う。 梓はのんびり僕が入れたアイスティーを飲んでいた。暑がりな梓はいつも薄着で家では特に顕著だ。今も短パンにシャツ一枚と目のやり場に困る格好だ。 僕も食後の緑茶を飲み一息つく。 そのまま無言が続く。本当なら気まずいはずだが、僕はもう慣れてしまった。そのことが少し悲しかったりする。 コップを流しに置いて、鞄を持つ。中に道着と帯があるのを確認し、梓に告げる。 「梓、行ってくる」 梓は無言。 いつものこと。僕は家を出た。 僕が向かったのは市民体育館。ここで週に何回か柔道の練習が行われる。 ここの練習は短いが濃い。集まっているのが大学の体育会や現役の警察官ばかりだからだろう。本当なら僕のような高校生が来れる場所では無い。警察勤めの父の口添えがなければ無理だっただろう。 へとへとになりながら着替えを終え体育館を出る。そこに春子がいた。 「幸一君お疲れ様」 春子は微笑んだ。春子はこの市民体育館で行われる合気道の練習に参加している。僕の参加しているのとは反対に、子供中心ののんびりした練習だ。 「一緒にかえろ」 僕が返事をする前に僕の手をつかみ歩き出す。 頬が熱くなる。 「春子」 「手は離しませんよ」 にこにこする春子。いや、にやにやしている。 「なんか最近手を握ること多くない?」 「へー。お姉ちゃんと手を握るのが不満なのですか。おじ様おば様ごめんなさい。春子は幸一君の教育を間違えました」 「いや、その、今日は二回目じゃない」 「三回目でしょ」 え? 「帰り道に夏美ちゃんと梓ちゃんと」 気のせいだろうか。僕の手をつかむ春子の手が冷たく感じる。温かいのに。 春子がにこにこしながら握る手に力を入れる。 そのまま僕たちは無言で歩く。 「幸一君。何か反応してよ」 「えっと、なんて言っていいかわからなくて。怒ってる?」 「まさか」 春子がにっこり笑う。 「今日の練習で子供たちが『ハルお姉ちゃんのカレシが女の子二人と手をつないで帰ってた』と聞いた時は幸一君も立派になったと思ったのです」 空気が弛緩する。 「帰り道に見られたのかな。人多かったし」 「情報を提供してくれた子供たちには丁寧に指導しちゃいました」 舌を出す春子。何をしたのだろう。 「私びっくりしたよ。梓ちゃんが人の多い時間に帰ってるの久し振りに聞いたし」 「夏美ちゃんに引っ張られたのだと思う」 春子は梓が人ごみを嫌う理由を知っている。 とりとめのないことを話しながら帰った。時々僕の手をぎゅっと握ってくるのにどぎまぎした。 春子の家の前で手を放し別れる。春子の家の犬のシロがわんと吠えた。 「おやすみ幸一君」 「おやすみ春子」 「また明日ね。困ったことがあればいつでも言ってね。お姉ちゃんはいつでも幸一君の味方だよ」 436 三つの鎖 1 sage New! 2009/11/07(土) 00 35 03 ID ugR8nC3i 父さんと京子さんは食事を済ませてお風呂も終えていた。 僕は道着を洗濯機に入れシャワーを浴びる。 復習予習を軽く済ませて寝間着に着換えた。 歯を磨こうと洗面所に向かうと水音がする。梓がシャワーを浴びているのだろう。 仕方なくキッチンで歯を磨く。 磨き終えて戻ろうとしたらキッチンに梓が来た。僕は無言でコップに牛乳を入れ渡す。 梓は無言で受け取り無言で飲み無言でコップを返して踵を返した。 「おやすみ」 梓は何も言わない。 ここで自己紹介をしておく。 僕は加原幸一。 高校二年生。 好きなことは柔道。 悩みは妹に嫌われていること。 詳しい話はこれから語っていくと思う。 目次へ 次へ
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作詞:mothy(悪ノP) 作曲:てとてと(情熱P) / mothy(悪ノP) 歌:鏡音リン 翻譯:四海漂泊怪叔叔 黄磷之炎 由黃燐而生的火炎 將罪孽深重的身體燃燒殆盡 為了得到一小塊面包 錢是必要的 “能請您買根火柴嗎?” 路人頭也不回向前走去 冷得連希望都要凍結 在嚴寒中瑟瑟發抖 渴求着微小的溫暖 忍不住點燃了火柴 在搖曳的火光那頭 看到了幻影 啊 為那至福的追憶 深深着迷吧 由黃燐而生的火炎 請溫暖我的身心吧 回到現實眼前只剩 這些賣不掉的孤獨 在賣光全部火柴前 爸爸不許我吃東西 受夠了寒冷和飢餓 我點燃了 有父親在等待的家 在搖曳的火光那頭 看到的影像 啊 讓那無盡的苦惱 熊熊燃燒吧 從燒塌的家取出硬幣 用它買了一塊面包 這是不容寬恕的重罪 身體被綁到柱子上 處刑者在我的腳邊 燃起了火焰 不過是吃了一小塊面包 卻連這都不被原諒 由黃燐而生的火炎 燃燒殆盡吧 我的身體也好 心也好──