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【back】1993/03/28 【forward】1993/04/18 テレビ欄 絶叫・ダチョウ倶楽部地獄の熱湯 フーミン好色新曲 ゲスト 熱湯以外 細川ふみえ にこにこにゃんにゃん 1組目 太田プロライブ 上島が当たる 2組目 リチャードクレイダーマン また上島が当たる リンク https //youtu.be/YqUL-mRwsgI(熱湯以外) 名前 コメント
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作者:グリム タイトル:一息、アチキ珍道中/Calm 3 ゴオオォォー…… ガタッ、ガタ、ガタタタタッ! ガン、ゴト、 「あいたっ」 ズンッ――ゴォォォォー! 景色が突風のように過ぎ去っていく。暗い夜道をアチキ達はスゴイ勢いで進む。それにしても、歩いてもいないのに進むというのは奇妙な感覚だ。よく揺れるし、速い。隣に座った気弱そうな男は顔が青くなり、たまに揺れて壁や天井に頭をぶつけて悶えている。 「柚子さん! 制限速度! 制限速度を守ってください!」 「……同行は必要ない、って言っただろう」 男の文句を無視して、前の席に座った柚子という女は男を責めた。男は押し黙り、というか天井に頭をぶつけて黙り込んだ。 はて、なんでアチキはこんなところにいるんだったか。そう思って、少し前のことを思い出す。確か、歩いてた。外はいつもよりも日が照って暖かくて、眠くて。そうそう、それで変な箱を見つけた。その箱の椅子はそれなりに柔らかく、横になることにした。 ……それからどうしたっけ。アチキは首を傾げるけど、思い出せない。たぶん大したことはないんだろう、うん。 「上島、なんでついてきた」 前の女は振り向かないでウエジマという男に問う。上島はまだ頭を押さえていた。痛いらしい。アチキは天井なんかにぶつからない、強いから。柚子が変な丸いのを回す。すると箱全体が傾いた。 「のわっ」 ――むぎゅ。 上島がアチキに倒れこんできて、潰された。痛い。アチキ強いのに。 「ててて……あれ、何か……気のせいだよな、じゃなくて。仮にも他県の事件なのに柚子さんが強硬に行こうとするからじゃないですか。柚子さんだけじゃ、絶対問題起こしますよ」 「なるほど、私をそう言う風に見ていたわけ、かっ」 今度は逆方向に上島が倒れこんだ。その上にアチキも倒れる。 「むぎゃ……あれ、なんか重い……」 失礼な。アチキは、……そう言えば、アチキは長いこと自分の重さを量っていない。でも重くはないはずだ。軽やかに動けるし、うん、たぶん。 とりあえず上島の上から体をどける。上島はなんとか椅子に座りなおし、息を吐く。 「だって柚子さんのコミュニケーション能力絶望的じゃないですか」 ジト目の上島。柚子は前を向いたまま何も答えない。でも返答するように足を奥へと踏み込んだ。突風のように過ぎ去っていた景色が一気に遅くなり、アチキは前の椅子に叩きつけられた。 痛い、アチキ何もしてないのに…… 上島も同じように、いや、顔から椅子にめり込んでいた、そんで固まってる。少し面白い。少ししてから顔を抑えながら上島は椅子に座りなおる。 柚子が初めて後ろを向いた。髪は短い黒。目は常に不機嫌そうに細められてる。怖い。いつもの怖いものとは違う、別物の怖さをもってる。アチキは知ってる、人はこれを……ぶっちょーづらって言う。……ぶちょーの顔はとっても怖いという意味らしい。ぶちょーってなんだ。 「到着だ」 それだけ言うと、扉を開けてとっとと箱から出て行ってしまう。上島も慌てて外に出た。アチキも続いて出てみる。そこは、アチキの知らない土地だった。でも、目の前にある建物はアチキも何度か見たことがある。 ――学び舎だ。 「柚子さん、やっぱり不味いですよ。令状も何も用意してないんですよね? ウチの管轄外ですし、それに、ほら、異形の事件なんて言っても信じてもらえないし……」 「問題ない。令状ならある」 「……え?」 慌てていた上島の表情が固まる。柚子は不機嫌そうな顔を崩さないまま、懐から立派な紙切れを取り出した。字は読めない。きっと字がへちゃくそ過ぎるんだ。きっと。けれど上島はそれに目を通して、内容を理解したらしい。……もしかしてアチキに読ませないための暗号? 上島の表情が驚きに変わってく。 「令状。……といっても、署長のじゃない。どこぞの女狐が用意してくれたヤツだ」 本当に嫌そうに、柚子は吐き捨てた。嫌ならそんなもの作らなきゃ良いのに。アチキはそう思い、呆れた表情の上島もきっと同じことを考えている。 柚子もそれを分かってるのか、その様子を無視してれーじょーを懐にしまいこんだ。 「件の事件もあるが、この学校には――」 そうして柚子は言葉を一回切る。上島が不思議そうに首をかしげた。アチキもマネして隣で首を傾げる。柚子は少し考えている風な様子で、懐に手を突っ込み、白い棒を取り出した。アチキも見たことがある、それは煙を吐き出すのを楽しむタバコというおもちゃだ。 けれど柚子はそれを吸わない。しばしそれを見つめた後に懐になおす。 「……なんでもない、未確認だしな。まずはここで起きた事件の処理を済ませてしまおう」 誤魔化すように静かな口調で言って、柚子は踵を返した。灯の消えた学び舎だけど、柚子は構わず中に入っていく。上島もそれに続いた。アチキも追おうとして、躓いた。下駄も脱げた。今日はさっきから痛いことばっかりだ。後ろを見ると、入り口の辺りに黄色いうどん麺みたいな紐が張ってた。読めない文字も書いてある。 アチキは転がった下駄を拾い上げて、二人の背中を追った。 「事件の概要は叩き込んでるな?」 「ばっちりです……けど。いつもの事ながら気分が悪くなりますね」 答えずに学び舎の中に入っていく二人。アチキもその後ろから入る。学び舎は夜のせいか、学徒の姿がない。静かだし、皆寝てるのかもしれない。夜は毎日運動会で、試験も宿題もないのが人間の学び舎らしい。ぱねぇ。……ぱねぇってなんだ? 二人は階段を二つ上り、いくつかの部屋を過ぎて、重そうな鉄の扉の前まで来た。 上島と柚子は並んで、何か確認するかのように目線を交わすと、柚子の方がゆっくりと扉に手をかけた。開いた扉から細い線が漏れ、それが徐々に量を増していく。目を擦る。つん、と、変な臭いが鼻をつく。なんだ、これ。 目が慣れてきて、まず目に飛び込んだのは這い蹲る人間と、赤いまだらがいっぱい。 「うっ」 上島が呻き、柚子が息を吐いた。そして、中にいた人間……二人が振り返る。どっちも年を食ったおっちゃんだ。一人は髭が立派なやつで、もう一人はつるっぱげ。 ――そっか、血だ。 「……どちらさまで?」 つるっぱげが怪しむように二人の方を見ている。柚子が一歩踏み出す。 「時枷柚子、一応、天夜市で刑事をしているものです」 胸のポケットから黒い手帳を取り出して、開いてみせる。それでもつるっぱげは疑わしそうに柚子を見ている。 「令状も取ってあります。こちらで起きた事件と同様の事件が市内で発生したため、双方の関連性を明らかにするために派遣されてきました。……つまり、調査協力です」 そこで初めてつるっぱげの表情が変わった。とっても嫌そうだ。そんな事を気にしていない様子で、柚子はポケットから手袋を取り出して嵌める。寒いのか? 髭のおっちゃんはニッと笑うと柚子さんに一つ礼をする。少し前に会った店のジジにちょっと似てるかもしれない。気の良い感じのおっちゃんだ。つるっぱげよりも百倍良い感じだ。 「どーも初めまして。警部の服部といいます」 「ご丁寧にどうも。……階級は警部補で、時枷といいます」 「ほぉ、その歳で、しかも女性で警部補ですか。これはこれは……」 「キャリアから外されたはみ出し物ですよ」 軽く二人が会話を交わすけど、意味が分からない。上島も青い顔をしてどっかに走っていっていないし。アチキはしゃがみこむと、三人がしゃがみこんで調べてるものを見ることにした。赤いまだら。 部屋の柄にしては変だ。変すぎる。南蛮の音を鳴らすという黒い箱にも飛び散ってる。桶に入れた色水をぶちまけたような、そんな感じの風景だ。 「この血は、人間のものですか?」 「いいや兎のだよ。最初は人間の血でも紛れてるもんだと思ったが、そんなもんは全く無し。それどころかペンキが混じってて意図が掴めん。変質者の仕業ってことで捜査は進められてるよ。近くで起きたヤツと同一犯と見てる」 「ったく、こんな事件が起きるようじゃこの国も終わりだな」 柚子の質問に服部のおっちゃんが返し、つるっぱげがぼやく。 「他の……巡査や検察官は?」 「肉片の回収で相当疲れてたからな、とりあえず帰した。この現場も明日の昼には片されるみたいだから今のうちに、な。一応全部調べてもらったが、やはり刑事は足で情報を集めなきゃならん。これが私なりの調査法でな」 カカッと笑い、服部は立ち上がる。腰に手をあて、あたたたた、と声を漏らす。腰が痛いらしい。 「それに付き合わされる俺の身にもなれってんだ」 「そう言うなよ清水。ああ、紹介が遅れたな、同僚の清水だ。長年の相棒でな」 「相棒、ですか」 そう言って柚子が視線をアチキに向ける。相棒になった覚えはない。振り返ると、顔を真っ青にした上島が立ってた。げっそりとやつれている。視線を戻すと、服部が苦笑いを浮かべ、柚子は不機嫌そうだった。 「はぁ、すみません。動物だと思ってても血は苦手でして……」 服部のおっちゃんがかかっと笑い、柚子はため息を吐いた。 何がそんなにおかしいんだろ。思いながら、アチキは上島の横をすり抜けた。 「血っていやぁ、近くの病院でも冷凍血液が盗まれたって……」 服部のおっちゃんの言葉が遠くなってく。 階段を二つ降りて、部屋を幾つか過ぎて学び舎の門まで戻ってきた。さて、暇も潰れたし帰ろうか。と思って、また黄色い紐に足を引っ掛けて転んだ。今度は下駄が上に飛び、アチキの頭に落ちてきた。痛い。……今日は厄日だ。 頭をさすっていると、ふと、目の前に影がさした。真っ暗な門の前、ジッと、学び舎の一室を睨んでいる。かと思えば、踵を返してどこかへ行ってしまった。 ――あれは……。 ふと気付く。 ……ここ、どこだ。 「――ということは、兎は全部?」 「ああ、足が落とされていた」 さっきの部屋に戻ると、上島は手持ち無沙汰に立ってた。柚子と服部のおっちゃんは喋ってて、清水のおっちゃんは窓際で煙草を吸っていた。 よく分からないけど、何か調べてるらしい。アチキは暇だ。 「それで、時枷警部補の意見を伺いたいんだが、どうだ?」 「時枷で結構です。……兎の足は海外では幸運の象徴とされていますから、収集癖のある変質者の犯行であるのではないかと」 幸運。なんで兎の足が幸せに繋がるんだろう。他人の考えなんて分からない。けど、どうしてそんな事考えるんだろう。幸せなんて、自分が考えるものでしかないのに。アチキはそんなことを考えて、どうでも良いと思った。 「なるほど。だが、それだけだったらこんな風に、あからさまに現場を汚す必要はない気もするな」 「……それも踏まえて変質者なのでは?」 「そうも取れるな。まぁ調査が進まないとなんとも言えないな」 その言うと、服部のおっちゃんは清水のおっちゃんに声をかけた。清水のおっちゃんはめんどくさそうに煙草を消すと、懐から取り出した袋に突っ込む。 何かするんだろうか、上島もアチキと同じように辺りを見回してる。 「じゃあ俺達は署で資料纏めないといけないからな、時枷さん達も出て行ってもらえますかね」 「はい、ありがとうございました」 柚子は服部のおっちゃんに一礼する。上島もそれに倣い、慌てて頭を下げた。アチキもなんとなく頭を下げた。清水のおっちゃんはそれに目もくれずとっとと部屋の外に出て行ってしまった。服部のおっちゃんはその清水のおっちゃんを見て苦笑い。 そうして三人は部屋から出て階段をくだり、学び舎の中からも出て行ってしまった。 「そいじゃな」 服部のおっちゃんと清水のおっちゃんは鉄の箱に入るとそのままそれを走らせて行ってしまった。それを見送った柚子と上島。……こいつらも帰るのかな? じゃあアチキも帰れるかも。 「それで、誰のコミュニケーション能力が絶望的だって?」 「あ、ははは……誰のでしょうねぇ~……」 上島は目線を逸らす。柚子は今にも上島を殺さんばかりの視線を向けていた。怖いものとは違うけど、今の柚子は怖い。けれどそれも一瞬のことで、ため息が一つ。白く濁って溶けて消える。それから少しの間、二人は何も喋らなかった。冷たい風が吹きぬけてく。……狐のお面が少しずれたから、アチキはそれを直した。 柚子が一度学び舎を振り返る。 「……異形か、退魔士の仕業だろうな」 「ただの悪戯じゃないんですか?」 柚子の言葉に、上島が返す。柚子は少し目を伏せて間黙っていたが、やがて顔を上げた。 「こんなイカレたこと、その二種類以外に考えられるか」 吐き捨てるようにそう言った。それは怖くて、でも。 『怖がってる』 「……上島、今なんか言ったか?」 「は? いや、何も言ってませんけど――っと、連絡だ」 上島は鉄の箱に歩み寄ると、中にある変な黒いヤツを取り出した。それに口を当てて何か言ってる。聞こえないけど。柚子はそれを見ながら、懐から白い箱を取り出した。アチキはそれを知ってる。確か、煙草の入っている箱だ。柚子はそこから一本の煙草を取り出す。だけど、それを口に運んだりしない。無言で、ジッとそれを見つめる。そして吸わないまま箱になおしてしまった。 「柚子さん」 上島が戻ってくる。柚子は煙草の箱を懐にしまいこみ、そちらを見た。 「連絡です。明日には署の方から人が送られて来るそうです」 「退魔士か?」 「いえ、先日から退魔士の人たちはごたついてますし……尾霧警部を筆頭に数名来るそうです」 その言葉を聞いた柚子の表情が変わった。驚き。たぶん、アチキはそう思う。柚子はそうか、と短く言ったきり黙りこんでしまった。またしばらくの間沈黙。アチキは暇で仕方がない。上島も暇なのか、視線をあっちこっちに向かわせている。 それから少し。 「……上島、先に帰れ」 沈黙を破ったのは柚子のそんな言葉。 「な、嫌ですよ。柚子さんの言う通りのヤツが犯人なら尚のこと……それに、俺らみたいな一般人じゃ何もできないじゃないですか! 退魔士の到着を待ちましょうよ。調査も、昼の間なら大丈夫でしょうし」 「私なら――」 柚子は言葉を呑み込んだ。でも、アチキには何て言いたかったのか、なんとなく分かった。『私なら勝てる』、きっと、そう言おうとした。何でかその言葉を呑み込んだ柚子は黙り込んだ。 「心配するな、軽く調べるだけだ。尾霧達が到着したとき、引き継がせて戻るよ」 上島は不服そうだったけど、その言葉に従った。上島があの箱の中に入る。アチキも入ろうと迷ったけど、後ろの扉が開かなかったから、柚子と残る事にした。箱が唸りを上げて、夜の闇へと消えてってしまった。それを見届けると、柚子も闇に向かって歩き出す。偶然か、さっき学び舎の前にいた奴が向かった方角だ。アチキもその後を歩いた。 柚子は歩きながら、赤い石を取り出した。それはなんだか、変な感じだ。辺りを探るような、気味の悪い気配。アチキはその気配に触れないように柚子の後に続く。……よく分からないけど避けられる。どやってアチキは避けれているのか、アチキにも分からん。 「……尾霧が来る前にできるだけ済ませたいな」 そう言う柚子は、少しだけ柔らかい表情をしてた。 柚子が足を止める。 「見つけた」 呟いて、柚子は眼鏡を掛けた。それから駆け足で曲がり角を曲がる。アチキもそれに続いた。見間違いじゃなかったら、手に持ってた石の色が変わってた。真っ赤だった石の色は少しピンクっぽくなってた。変な石は見たことあるけど、あんなに変な石は今まで見たことがない。ちょっと欲しい。 曲がり角の先には、少年が一人倒れていた。 ……そして、“怖いもの”が立っている。真っ白なスゥツを着た、変な男。でも、怖いものだと本能的に分かった。 「お前だな、……今回の犯人は」 柚子が懐から短筒を取り出して、その口を白服の男に向ける。 「犯人、とは何のことかなルェディ?」 男から返って来た言葉は、緊張感に抜けるものだった。妙に甲高くて、変な声。国の人間じゃない、たぶん、南蛮の人だ。背も高くて、髪の色は稲穂のような色。目は青く、肌も白く、月に映える。 怖い。そんな怖いものに対して、柚子は一歩踏み出した。肩の高さまで腕をあげ、短筒の口を男に向けたまま離さない。指は引き金にかけたまま、微動だにしない。 「この先の学校で兎をばらして遊んでたのは、お前だろう? バケモノ」 「ウサギッ!」 ビクッ!? ……お、男が大きな声を上げ、夜空を仰いだ。 「兎、いいね兎。淡白でありながら繊細な旨み、素朴で優しい風味……アーティチョークなど添えてソテーなども悪くない。嗚呼、空腹に火をつけたねぇ……」 怖い。怖いものだけどめっちゃ怖い。 よく分からなくて怖い。アチキは後ろに下がって、曲がり角の壁に隠れた。 「言い逃れはしない、って事で良いのか? その少年は……殺したのか?」 呆れたような感じで柚子が言う。 「全く、酷い味のオードブルだった」 「そうか」 渇いた音が二回響いた。 「魔性を殺す銀の弾丸だ。これでもかっ食らって死んどけ。犯人で、異形なら悲しむヤツもいないだろ」 短筒から吐き出されたそれは、アチキの目では追いきれず、男の両足に一つずつ穴を開けた。男の体勢が少し崩れるが、倒れはしない。柚子は驚いた風。男は笑う。 「――HAHAHAッ! 吸血鬼界の優良健康児であるワタクシを舐めてもらっては、困るッ!」 足から噴出していた血の勢いが一気に遅くなり、止まった。白い服は赤くなっていたけど、その下にあった傷はもうない。でもそんな事より怖い。笑い方とか。声の出し方がアチキ怖い。確か、確か……アチキは知ってる。こーゆー男は、変態というんだ。間違いない。 柚子は舌打ちを一つして、懐から大きい短筒を取り出す。弾を出す口がさっきよりも大きい。今度は何も言わずに腹に向かって二発撃ち込む。物凄い音がして、男の体が後ろに吹っ飛んだ。 倒れて動かなくなる男。……死ん―― 「HAHAHAHAHAHAッ!」 でない、怖いっ! 「少し痛かったがドントウォゥリィ! 言っただろう、吸血鬼界の健康優良児だと」 また二回轟音。男の体がまた後ろに吹っ飛んだ。また立ち上がる。服に穴が開いているけど、やっぱり傷口はすぐに塞がっていた。ちょっぴり痛そうな顔をしていたけど、男はすぐに笑い飛ばす。……男も怖いけど、無言で撃っちゃう柚子も怖い。 「対異形用のマグナム弾だぞ……デタラメな」 大きい短筒を下ろして、小さい短筒を三連続で撃つ。二発は地面に辺り、一発は男に当たった。けど、それは体に当たってない。どこにもなくなってる。かと思ったら、変な笑い声を上げる男。 「HAHAHAッ! ペッ、銃弾なんて止まって見えるなぁ!」 男は、噛んで弾を受け止めていた。 柚子が姿勢を低くして、小さい方の短筒を懐にしまった。男が驚きに目を丸くする。一気に男の懐まで潜り込むと、柚子は顎を蹴り上げた。男は足を躱せず、仰向けに倒れた。柚子は男が立ち上がるよりも早く胸元を踏みつける。空気を吐き出すような唸り声が聞こえる。 一瞬の間、やけにゆっくりと男に短筒の口を向けるのが見えた。 引き金を引く。轟音と光。赤いのが噴出して、喉に穴が開く。ヒューッと、空気が抜けるような音が聞こえた。 「……デタラメ、過ぎるだろう」 「HAHAHA、母国の町でもよく言われたよ」 至近距離で撃たれたのに、男は生きていた。男が柚子の足を掴んで、そのまま引き倒す。体勢を崩した柚子は地面に尻餅をつき、男は飛び上がった。塀の上、そして屋根の上へと飛び移る。 月を背にして、顔はよく見えない。 「――しかしデタラメは君もそう、大差ないだろう。君は退魔士ではないし、魔力も扱っていない」 柚子がそれに向けて撃つ。今度は、掠りもしなかった。 「私達の相手しているのに、それでは“退魔士”をまるっきり否定してしまっているではないか」 「何が言いたい」 「退魔士でない人間に異形が見える道具。魔力を用いていないのに異形に対し効果のある銃弾――そんなものを使えば、退魔士でなくとも、異形と戦える。そのような外法品、退魔士組織が即座に回収処分する類のものではなかったかな?」 男の言葉に、柚子の表情が強張る。 けどその強張った表情はすぐに鋭く変わる。大きい短筒を男に向かって撃つ。弾は肩口の肉を抉って、けれどその傷もすぐに治る。 男の言ってることはよくわかんないけど、たぶん、本当のことなんだと思う。 「HAHAッ! 返答が鉛球とはクレイズィとしか言えないな! 自己紹介も無し、碌な会話も無し、全く乱暴な御人だ」 「……良く動く口だな」 嵐のように短筒から弾が吐き出される。男はその弾を体を上手く曲げたり、叩き落とす。今度は血が飛び散ることなく、全てを捌き切った。男はスゴイ、普通のヤツなら戦ってるうちに立ち向かう心が折れてしまうだろう。でも、柚子もスゴイ、それでも心が折られることなく引き金を引ける。 アチキは壁に隠れつつ、そんなことを考える。ぱねぇ怖いから帰っても良いのかな。ぱねぇってなんだ。 「くそ、術式も正常に機能してる――クレイジーなのはお前の方だッ」 柚子が苛立った様子で叫ぶ。 「私は狂っていない。吸血鬼界の優良健康児である私も、叩かれれば痛い。なので、撃たれ続けて足が震えてきたよ」 男の白い服は赤い斑点まみれで、白い部分が少なくなっている。足もガクガク震えてる。アチキの足もさっきからずっと震えてる。いっそ逃げたくなってきた。 「この国にはこんな格言がありましたね。逃げるが勝ち。サンジゥロッケイ、ニゲルニシカズ! つまり、He who fights and runs away lives to fight another day!!」 そう言って男は飛び上がった。屋根を飛び越え、向こうの道へ。柚子は追おうとするけど、家を飛び越えることはできない柚子は追うことができない。夜道に苛立たしげな舌打ちが響き渡った。 柚子は短筒を懐にしまうと、さっきまで放置してた少年のそばにしゃがみこむ。 「……これは兎の……しかも、息がある」 少年の懐から柚子が取り出したのは、白い棒のようなものだった。柚子は近くに落ちてた鞄もあさくる。その中からは赤茶がこびりついた刃物が一本。赤いのもついてる。柚子は懐から小さな箱を取り出すと、なんか突いた後に耳に当てた。しばらく黙ってそれを当てている。なんだろ。アチキは不思議に思ってそれに近付いた。箱を耳に当てたまま、……頭大丈夫か? プッ、と変な音が箱から聞こえた。 「もしもし、ああ、尾霧。私だ――いや、プライベートじゃない。お前が明日担当になることになってた事件、恐らく解決だ。犯人らしき少年を確保した。ナイフと、それから兎の胴部を持ってる」 柚子は鞄にそれを突っ込むと、少年の手を後ろに回して手錠をかけた。 「任意ではないが証拠は揃ってるから手錠しておいた」 『そ……が犯人じゃなかっ……どうするつもりなんだ』 !! なんと、箱の中から男の声が聞こえる。そう言えば、この小さな箱は町でよく女達が耳に当てたりジッと見てるものだ。 「その時は、銃刀法違反とでもすればいい」 『相変わらずだな……また、危ないことしてるんじゃないだろうな』 「……身柄は地元のヤツに引き渡す。後は任せた」 『待て。あと、なんで令状が出る前にお前が捜査してるんだ?』 「以上。さよなら」 箱越しで男はまだ何か言ってたけど、柚子は箱を突っついた。男の声は途切れて、もう聞こえてこない。柚子はしばらくジッとその箱を見ていたけど、目を閉じて開くと、それを懐にしまった。それから眼鏡を外す。眼鏡を外したら一度ガクン、と柚子の頭が下に落ちた。目頭を強く抑える。……頭が痛いのか。しばらくして顔を上げる。少し目がうつろだ。 頭を二、三度振って立ち上がる柚子。今にも倒れそうだ。それでもしっかりと地に足をつけて立つ。 「となると、あっちの件も外れか。くそっ、戻ってもう一回調査のしなおしだ」 力強い。そう思った。 だから、アチキも歩き出した。 ここはどこかよく分からないけど、自分で歩いてみることにした。見知らぬ土地を。 「そこな、ガァールゥ」 んで、なんかに襟首を掴まれた。 アチキはあれからふらふらと街を彷徨うことにして、半時歩いたぐらいでさっきの男に捕まった。場所は歩き出した場所から少し離れた路地。さっきのスゥツも着替えたのか、真っ白い。あと、さっき持ってなかった手提げを持ってる。怖いものだけど、少し違う感じがした。……なんでだろ、怖いものなのに怖くない。うぅん、上手く言葉にできない。つまるところ、アチキにとっておそるるに足らないということなのか。 「HAHAHA、一緒に先ほどの少年から頂いた兎でソテーでも食べないかい?」 手提げから足のなくなった兎を取り出す男。やっぱ怖い。 「……む、兎は好きでなかったか。なら仕方がないな……おっと失礼、自己紹介をするのを忘れていた」 男はそう言って兎を手提げの中に突っ込んだ。そしてそれを道の脇に置いた。少し開いた口から濁った赤目がこちらを見ているのが見えた。 一つ咳払い。それに気付いてそっちを見ると、男が胸を張っていた。両手も広げてる。白く輝く八重歯を覗かせ、ニィッと笑ってる。それから大きく息を吸うと、歌うかのように言った。 「私の名は、イーヴァン! 吸血鬼の中の吸血鬼、つまり、Lord of vampire 、Evan. 頭文字をとると、そう、エル・オー・ヴィー・イー……ラブ! 愛という名の体言なのだよ。分かるかね?」 分からない、けど怖い。怖いものとは違う。なんか単純に怖い。 「少し前に乱暴な女に襲われてね。自己紹介もできなかったからウズウズしていた。反省はしていない」 イーヴァンが歌うように言って、少しの間静かになる。 「こうして会ったのもなにかのYEN……ん、縁、だったか。話をしようか」 一歩こちらに踏み込んできた。だからアチキは後ろに下がった。イーヴァンは少し残念そうな表情をしてから、ふむ、と唸った。 「つい先ほど、一人の少年の血を吸った」 しかし、とイーヴァンは前置きをする。 「その少年は小動物を嬲るのが趣味で、その帰りだったらしい。しかしそれを追っていたらしき女からは私が異形であるからと犯人扱いされた。異形と言うのは実に不平等とは思わないかね」 不平等とか難しいことはよく分からない。そう言うと、またイーヴァンは難しそうに唸った。難しいことを考えるぐらいなら、アチキはアチキでいるために頑張る。それだけだ。そう言ったら、イーヴァンは感心したように息を吐いた。えっへん。 「私はルーマニアという国で名が知れた吸血鬼でね。とある鼻持ちならない吸血鬼のエルマというのがハンターに追われてこの島国に来たと聞いて――笑いに来たのだよ」 なんだか嬉しそうにイーヴァンは言う。けど、その表情はすぐに曇った。 「結局見つけきれずじまいだった。が、探している間に人の生活というものに興味を持った」 そこで何か考えるかのような表情。 「よく分からない話になってしまったな」 イーヴァンはそう言って、また黙り込んだ。 アチキも特に話すことはない。踵を返してどこかへ行くことにした。一度だけ振り返る。イーヴァンはこっちをまだ見ていた。手を振り、にこやかに見送ろうとしている。 「ではまたYENがあれば会おう。君の名前はなんと言うのかな?」 アチキは、アチキだ。 「そうか、ではまたいつか会おう、ミス・アチキ」 アチキは、そいつに手を振った。 今日はどこへ行こうかな。 一覧に戻る
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公演期間・劇場 2007年5月17日(土)~2007年5月18日(日) 横浜アリーナ(東京) 2007年5月24日(土)~2008年5月25日(日) 神戸ワールド記念ホール(大阪) 演出・振付 上島雪夫 音楽 佐橋俊彦 作詞 三ツ矢雄二 振付 上島雪夫/本山新之助 キャスト 越前リョーマ:阪本奨吾 手塚国光:渡辺大輔 大石秀一郎:豊田裕也 不二周助:古川雄大 菊丸英治:浜尾京介 河村隆:小笠原大晃 乾貞治:高橋優太 桃城武:牧田哲也 海堂薫:柳下大/平田裕一郎 堀尾 原将明 カチロー:川本稜 カツオ:江口紘一 木手永四郎:ヨウスケ・クロフォード(Luke.C) 知念寛:林野健志 平古場凛:齋藤ヤスカ 甲斐裕次郎:篠谷聖 田仁志慧:松崎裕 幸村精市:八神蓮 真田弦一郎:兼崎健太郎 柳蓮二:小野健斗 仁王雅治:中河内雅貴 柳生比呂士:馬場徹 丸井ブン太:桐山漣 切原赤也:大河元気 葵剣太郎:川原一馬 佐伯虎次郎:伊礼彼方 樹希彦:池上翔馬 木更津亮:加藤良輔 忍足侑士:斎藤工(東京のみ) 樺地祟弘:鷲見亮(大阪のみ) 亜久津仁:寿里(JURI) 金田一郎:松岡佑季(大竹佑季) 石田鉄:宮野真守 越前南次郎:上島雪夫
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公演期間・劇場 2004年6月13日(日) 東京体育館(千駄ヶ谷) 演出・振付 上島雪夫 音楽 佐橋俊彦 脚本 三ツ矢雄二 キャスト 越前リョーマ:遠藤雄弥 手塚国光:滝川英治 大石秀一郎:土屋裕一 不二周助:kimeru 菊丸英治:永山たかし 河村隆:阿部よしつぐ 乾貞治:青山草太 桃城武:森山栄治 海堂薫:郷本直也 堀尾 石橋裕輔 カチロー:豊永利行 カツオ:堀田勝 伊武深司:小西遼生(小西大樹) 越前南次郎:上島雪夫 (特別出演)
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公演期間・劇場 2010年5月7日(金)~2010年5月9日(日) 神戸ワールド記念ホール(神戸) 2010年5月20日(木)~2010年5月23日(日) 横浜アリーナ(横浜) 演出・振付 上島雪夫 音楽 佐橋俊彦 作詞 三ツ矢雄二 振付 上島雪夫/本山新之助 キャスト 越前リョーマ:高橋龍輝 手塚国光:馬場良馬 大石秀一郎:辻本祐樹 不二周助:橋本汰斗 菊丸英治:高橋翔太 河村隆:張乙紘 乾貞治:荒井裕介 桃城武:延山信弘 海堂薫:林明寛 堀尾 丸山隼 カチロー:平井浩基 カツオ:高橋里央 幸村精市:増田俊樹 真田弦一郎:兼崎健太郎 柳蓮二:山沖勇輝 仁王雅治:中河内雅貴/和田泰右 柳生比呂士:馬場徹/小野田龍之介 丸井ブン太:紅葉美緒 ジャッカル桑原:戸田慎吾 切原赤也:大河元気/西村ミツアキ 白石蔵ノ介:春川恭亮/佐々木喜英 千歳千里:磯貝龍虎/大山真志 金色小春:西山丈也/飯泉学 一色ユウジ:平野良/植野堀まこと 石田銀:広瀬友祐/米山雄太 忍足謙也:水田航生 財前光:佐藤永典 遠山金太郎:木戸邑弥/河原田巧也 伊武深司:太田基裕 不二裕太:KENN 亜久津仁:寿里(JURI)/清水良太郎 跡部景吾:久保田悠来 日吉若:細貝圭 天根ヒカル:汐崎アイル(IRE) 木更津亮:加藤良輔 田仁志慧:松崎裕 越前リョーマ:柳浩太郎 手塚国光:滝川英治 大石秀一郎:土屋裕一 不二周助:kimeru 菊丸英治:永山たかし 河村隆:北村栄基 乾貞治:青山草太 桃城武:森山栄治 海堂薫:郷本直也 越前南次郎:上島雪夫/本山新之助
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公演期間・劇場 2003年8月7日(木)・2003年8月8日(金) 日本青年館大ホール(東京) 2003年8月13日(水)~2003年8月15日(金) サンケイホール(大阪) 演出・振付 上島雪夫 音楽 佐橋俊彦 脚本 三ツ矢雄二 キャスト 越前リョーマ:柳浩太郎 手塚国光:滝川英治 大石秀一郎:土屋裕一 不二周助:kimeru 菊丸英治:永山たかし 河村隆:森本亮治 乾貞治:青山草太 桃城武:森山栄治 海堂薫:郷本直也 堀尾 石橋裕輔 カチロー:豊永利行 カツオ:堀田勝 荒井:森川次朗 長内正樹 構井晃道 松村武司 越前南次郎:上島雪夫(特別出演)
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公演期間 2003年4月30日(水)~2003年5月5日(月) 劇場 東京芸術劇場中ホール(東京) 演出・振付 上島雪夫 脚本 三ツ矢雄二 キャスト 越前リョーマ:柳浩太郎 手塚国光:滝川英治 大石秀一郎:土屋裕一 不二周助:kimeru 菊丸英治:一太郎 河村隆:阿部よしつぐ 乾貞治:青山草太 桃城武:森山栄治 海堂薫:郷本直也 堀尾 石橋裕輔 カチロー:豊永利行 カツオ:堀田勝 荒井:森川次朗 長内正樹 構井晃道 かつお 越前南次郎:上島雪夫(特別出演)
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登録日:2010/05/04(火) 23 57 36 更新日:2024/02/16 Fri 19 56 51NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 おでん芸 お家芸 お笑い三銃士 どうぞどうぞ ウエシマ作戦 ジモン「甘いな〜」 ダチョウ ダチョウ倶楽部 デブ トリオ ノッポ マッチョ ヤー! リアクション芸 上島竜兵 伝統芸 兵庫県 天才てれびくん 太田プロダクション 寺門ジモン 愛すべきバカ達 押すなよ 新・余分三兄弟 昔は四人組だった 様式美 沖縄県 熱湯風呂 肥後克広 芸人 ダチョウ倶楽部とは日本が誇るリアクション芸人のトリオである。 トリオではあるが初期は4人組で、テレビでまず見られない過激な芸をする芸人達の一人が在籍していたのはあまり知られてない。 概要 出川哲朗と並ぶリアクションの持ち主であり、現在もリアクション芸人といえばダチョウか出川と言われる程。 おでん芸や熱湯風呂が十八番であり、リアクションといったら彼等を外して語る事は出来ないであろう。こんにちは根岸の弟子でもある。 昭和末期~平成初期に生まれた世代には『天才てれびくん』の初代司会「おあいこトリオ」として知られている。 NHKしかも教育テレビとあってさすがに下品なネタはやらなかったが、リアクション芸人として期待されていた節があり、 1年目1学期のシーズンは「人間ではない存在に変えられてしまった」と言う設定で、顔出し人形に入って操演をしながら司会をやるというある意味民放以上の無茶振り。 2学期のシーズンは操演こそなくなったが今度は「ガラクタの寄せ集めで人間になれた」という設定で相変わらず動きにくそうな衣装であった。 2年目と最終年である3年目は極端にひどい衣装を脱したものの、相変わらずコスプレのようなネタ衣装で司会を務めていた。 司会者の衣装がマトモになったのは、4年目に入ってキャイ〜ンが司会に就任してからである。 ある意味では彼らが最初だったことで、後に山崎邦正や出川哲朗が後継番組に出演できたのかもしれない。 なんだかんだで志村けんとのコントが多い。 「いいか? 絶対に押すなよ? 絶対にだぞ!」 は芸人におけるフリであり熱湯風呂での決まり文句である。こんな風に言われたら押してあげよう。 ただし振られて押されないのもオイシイので、押す人のさじ加減による。 日本文化の特徴でもある「暗黙の了解」の象徴として、外国人に説明する際これが用いられることも。 ちなみにゲーム等でパロディされた「絶対○○するなよ」はフリではないので注意。でもやらないと進まない場合もある。 「何で俺がこんな事しなくちゃいけねぇんだよ」 「お前がやらないなら俺がやるよ」 「お前にやらせる訳にはいかないから俺がやるよ」 「じゃあ俺がやるよ!」 「「どうぞどうぞ」」 「なんでだよ!」 の流れは実生活でもノリの良い人がいれば使われたりする。 話が進まない時にこのフリをしたら言い出しっぺがやらされたりと意外にリスキー。だがコレをやるのは一種の様式美なのかもしれない。 時々、スペシャル番組等で雛壇やゲスト全員を巻き込んで大人数でするときもある。その時の様子は圧巻である。 「「「「どうぞどうぞ」」」」 メンバー紹介 肥後克広 沖縄県那覇市出身。リーダーであり司令塔。 と見せ掛けて意外に天然という事がアメトーークによって暴露された(しかも親子で)。 実際はメンバー最年少であり、背が高いから絵面的にリーダーっぽいという扱いを受けているに過ぎない。実は二代目リーダーでもある。 英語というか基本的に勉強が苦手な様子。縄跳びも壊滅的に苦手である。 名字のせいで熊本県出身と勘違いされやすい。 森本レオのものまねが非常に上手い。 また、ドリカムのベーシスト、中村正人にそっくりであり、誰かが吉田美和のものまねをする際、バックにいることもしばしば。中村本人とも頻繁に共演している。 本人曰くプライベートで中村のファンや知人から間違って声を掛けられる事もしばしばあるが、敢えて否定せず中村本人のていで応対しているらしい。 長男・博暁は「肥後DNA」の芸名で「ドレミ倶楽部」というお笑いコンビとして活動していた。 寺門ジモン 兵庫県川西市出身。本名・義人。ネイチャーな人。肉体派芸人であり、ムキムキ。 肉好きが行き過ぎて牛の卸売に参加出来るようになってしまった。さらに2020年11月にはEXILE・NAOTOと土屋太鳳を主演に従えなんと初の映画監督作品「フード・ラック!食運」が上映。スクリーン上で美味しそうに焼かれる肉には彼のこだわりと説得力が詰まっていることだろう。 ネイチャージモンという漫画も出てたりする。番組後期の草野キッドの救世主。 シンプルに奇人、変人といった括りの人物であり、ダチョウ倶楽部でも上島、肥後と別に活動することも多い。 でも志村けんと絡むとなぜか影が薄くなる。 メンバーで唯一『寺門ジモンのウザちゃんねる』と言うYouTubeチャンネルを持っており、肉や料理ネタは勿論、オオクワガタ捕りやスニーカーの話等本人以外ついてこれないようなマニアックなネタを数多く披露している。 一方で肉の食レポが嵩んでいた時には体調が不安になり、毎日30リットルの青汁を摂ったがトラック一杯分のほうれん草を10台分摂取していたことが医者の手により発覚。無事尿管結石を患うハメになったポンコツエピソードがあったりする。 上島とともにテアトル・エコー附属養成所出身であり、蜘蛛男で知られる声優の槐柳二氏は師匠にあたる。 上島竜兵 兵庫県丹波市出身。本名・龍平。リアクション担当。ダチョウ倶楽部といったらこの人のリアクション無しに語れないだろう。 有吉曰く「ポンコツ」。 にもかかわらず3人で一番の常識人。ていうか肥後と寺門がぶっ飛んでるだけか。怪物くんに出演経験有り。 竜兵会という会を主催している。が、有力な後輩は次々に独立してしまった。 竜兵会の結成理由は、当時、目の前で滑った芸人をナイフで刺すという噂があった千原ジュニアの前で滑らないよう作戦会議をするため。 熱湯風呂や熱々おでんの被害者であるが、ネタを振ってスルーされると押せよ!と逆ギレ風にツッコんでくる。 メンバーの中ではネタが多い方であるが、だいたいスベる。 最近ではメンバー三人ともではあるが上島が特に俳優としても活躍しており、中でもミステリーものでは犯人から被害者まで何でもこなす他、一方でサスペンスでもアウトロー的な怪しい人物も演じることがある。 最近年齢のせいかリアクションが怖いらしい。 俳優の西田敏行に似ており、共演することも多い。 若手を養ったりするためかネット上で叩かれる事は少ない。 ある調べによると、400度までの熱湯に耐えられるらしい。 2022年5月11日死去、61歳没。 上島の死去後は、いつもの流れの後に別の共演者が「どうぞどうぞ」を喰らったり、熱湯風呂に入るようになった。 また、メンバーが追悼コメントで言及したスーパー銭湯アイドル・純烈との共演が多くなり、ユニットの楽曲も発表している。 元メンバー 南部寅太(現:南部虎弾) 山形県鶴岡市出身。本名は佐藤道彦。デビュー当初のリーダー。 逆立ったわずかな頭髪にサングラスが特徴。初期の頃に脱退、現在は電撃ネットワークの一員。 脱退理由は「コントの方向性の違い(南部は現在の電撃ネットワークに通ずるより過激なものにしたかったが、他の3人に拒否され仲違いした(*1))」「南部が大先輩に対して『あなたは本当に面白くないですね』と言ったところ激怒され、事務所をクビになってしまった」等諸説あり、本当のところは不明。南部本人は「3人に根回しすることなく毒舌を吐くなどして自分の独断行動にメンバーが付いて行けなくなり、結果としてクビになった」と述べており、やはり方向性の違いが有力そうである。 ガキの使いに肥後が出演した際には、脱退理由を、「これからはボケではなくツッコミをしなければいけないから」と述べた。だが、そんな真面目な話の最中にメガネが斜めに掛かっていたらしく、松本人志に「世界を斜めに見だした」と突っ込まれていた。 とは言え南部が抜けた後もメンバー3人と完全に不仲になったわけではなく、それ以降もダチョウ倶楽部と電撃ネットワークはたびたび共演することがあり、ビートたけしの番組に呼ばれた際は南部が「ダチョウをクビになったやつじゃねえか」と言われ、その後で他の三人が南部をボコボコにするのがお約束であった。南部が病気で入院した際には、3人がお見舞いに来たこともあり、いい意味で刺激のしあえるライバル関係にあったのだろう。 上島の逝去後も、南部は自身のYouTubeチャンネルで彼への想いを涙ながらに語っていた。 多くのリアクションを生み出した事から芸人に尊敬される事も多いが蔑まれる事も多い。親しい芸人に特に蔑まれているらしい。愛情の裏返しだろうか? 十八番として色々な芸はあるものの定番のリアクション芸として使われる事も少なくない為にテレビ番組での出番は少なめ。 しかしリアクションに慣れてない若手芸人のお手本としてテレビに呼ばれる事もちらほら。 PRキャラクターとして起用され、ステージイベントに呼ばれる機会も多い。 決して上品とはいえない芸風ながら、会場との一体感が作りやすい持ちネタ、会場を巻き込みつつ実際には自分たちだけが身体を張る、定番のギャグで先方を多少茶化す形にはなってもその後のトーク自体は真面目に行うなど、世間の期待に応えつつ場を弁えた対応で他人に迷惑をかけることがないためだろう。 芸風が変わらず何をやってくれるかがある程度想像しやすく、会場の盛り上げに長けているというのは企業からすれば非常に安心できる存在である。 一方でイベント進行役がある程度の振りを出さないと繋げにくく、会場を盛り上げるのに苦戦することがある。 ダチョ・リブレの有吉ギャグスクール内に措いて、時に凄まじいギャグ(キャノンボール、裸にされた地理学者など)を生み出すギャグセンスを持っていることは、あまり知られてはいない。 2024年1月20日死去、72歳没。 亡くなった日は、上島の誕生日でもあった。 代表的ギャグ 絶対押すなよ! どうぞどうぞ 上記を参照してくれ 東日本大震災のときは「どうぞどうぞ」に因み「ヤシマ作戦」ならぬ「ウエシマ作戦」も展開された。 聞いてないよ〜 無茶振りのようなコメントを投げかけられたとき、返しとして使うギャグ。 元はバラエティで本当に過激な無茶振りを食らって本気で「聞いてないよ…」と言ったところがウケ、ギャグになった。 相手からの振りがないと成立しづらい。 ジャンプ 上島が「〜って言ってんだ・ろ!」と言って床を足でドンッと踏み込むとあたかもその衝撃で飛んだかのようにジャンプする。 その度にジャンプする人が増える。上島がやり始めたら皆がやるという暗黙の了解がある団体芸。 しかし最近は、同じ事務所の後輩の土田等が拒否する事があり、上島がやってくれと涙ながらに頼む。 最近は一回で全員がジャンプするようになった。 ジャンプしてもらったらお礼を言うことも忘れない。 すみません、取り乱しました 上島がキレだした後、リーダーや寺門が「本番中だよ本番中!」と突っ込むと急におとなしくなり、カメラに向かって挨拶する。 落ち着いた後にリーダーや寺門に後ろから頭を引っ叩かれるまでがお約束。 「本番中だよ」のツッコミは例えばNHKであれば「ここNHKだよNHK!」というツッコミも加わるなど、その場に応じて言い回しを変えることがある。 キス 主に上島がキレだして、宥めるリーダーや寺門がキスをして収まる。或いは他の男性芸能人にキレてキスをして収める。 上島か出川が多用するが、どちらかがピンで出ると他の芸人が犠牲になる。 遂には嵐の櫻井翔までもが犠牲者になった。 基本的に男性がターゲットであり、女性が相手のときはキスをしようとして止められるまでがお約束。 くるりんぱ 上島がキレて帽子を叩きつけた後や突っ込まれて帽子を落とされた後、拾う時に「くるりんぱ」と言って帽子を回しながらかぶり直す。 だいたいスベる。これを機にキレて上記のキスやジャンプとの併せ技も。 土田晃之がいると高確率でネタを潰される。 因みにミジュマルもやった。 熱々おでん 上島を羽交締めにして熱々のおでんを食べさせる芸。白滝を口に付けられて熱がり、卵は無理矢理口に入れられる。 卵は勢いよく吐き出すまでがお約束であり、最近は普通に熱いのでレシピを渡して作ってもらっている。 土鍋の蓋の開け方など非常に細かいテクニックが凝縮された芸である。 元々は「ひょうきん族」で片岡鶴太郎がやったコントでのハプニングが定番と化したものを、事務所の後輩であるダチョウ倶楽部が受け継いで芸に昇華したもの。 イベントの試食で何かを食べるときも熱がらせるネタや無理矢理食べさせる流れをやることがあるが、このときは吐き出さずにちゃんと食べる。 なお、笑点の演芸コーナーで熱々おでんを披露する時には客席から拍手が起きた。 この料理は、甘からず、辛からず、かといって旨からず リーダーや寺門から「まずいんじゃねえかよ!」と突っ込まれるまでがお約束。 イベントでの食べ物を試食する際にも平気でこれをやるが、掴みのネタとしてやったあとは真面目に感想を述べる上、お馴染みのギャグとしても知られているため企業からクレームが来ることはない。 熱湯風呂 日テレのお昼のお色気番組「スーパージョッキー」のコーナー「熱湯コマーシャル」から生まれたネタ。 細川ふみえより飯島直子より、ダチョウ倶楽部にルーレットが当たるのを期待した視聴者も多いはず。 上島はアシスタントと言う名のヨゴレ役で、無茶振りで熱湯風呂に入らされる機会が最も多かった。温度は51℃前後。 「押すなよ!押すなよ!絶対に押すなよ!!」と叫ぶ上島を寺門と肥後が「早よ入れ」と言って熱湯兄弟に突き落とす。 押すな押すなではまだ準備段階なので本当に押してはならない。 絶対に押すなよ!で準備完了なのでその時押そう。 また、よく見れば解るが「画面に移りにくい方の手の指」で数を示しており、これは何回目の「押すな」で押せ という意味である。 「絶対に押すなよ」と言う瞬間には画面に映りにくい方の手を構え直しており、押されるための準備を整えている。 落とされるときもちゃんと足から入りつつ全身を沈めており、怪我に注意しながら「乱暴に叩き落とされた」という雰囲気を出している。 完成された伝統芸である。 小島よしおが伝統的なこの芸を台無しにしたのはあまりに有名。 熱湯風呂にどういう流れで入るかはそのときの状況に応じて変えており、場にそぐわないときは入ろうとする素振りだけで終わらせている。 例えばケツメイシのMVではスーパースロー撮影まで使って全力で熱湯風呂に溺れて見せた一方、ソフトバンクモバイルのCMでは押してもらえず「押してよ〜」で入らずに締めている。 また、上島はアシスタントとして番組内でアシスタントコンビ「熱湯兄弟」を組んでいた辺見えみりと共に番組のエンディング曲『アッチッチサンバ』をリリースしている。 水を吹く 熱湯風呂等でわざと溺れた後、救出された上島が横になる。 誰かが「ピュッピュッピュッ」と言うか、人工呼吸で腹を押すとそれに合わせて上島が口から水を吹く。 ものまね 往年のものまね特番「ものまね王座決定戦」及び「ものまね紅白歌合戦」ではものまね芸を披露。 基本的に肥後がメインに他二人が傍に回るスタイル。 当初は全員がウルトラマンの扮装をして「少年隊」「キャンディーズ」の歌を歌うというこの手の番組ではありがちな賑やかし枠だった。その後、リーダーの名古屋章のものまねが大ウケした後は、ものまねのレパートリーを増やしていき、満を持して森本レオのものまねを披露した回では、ものまね四天王のビジーフォーを破り決勝まで100点満点を獲得するなど隠れた強豪へと成長した。 リーダー以外の二人もそれぞれ安岡力也(ジモン)、野村沙千代(上島)の物真似で人気を得た。 優勝回数は2回。内1回は決勝で当時のものまね四天王(清水アキラ、ビジーフォー、栗田貫一)をストレートで破る快挙を果たしている。 「ものまね紅白」以降はものまねをベースにしながらも前述のリアクション芸を交えた往年のスタイルに変化している。地味に30年以上に亘り出演し続けた隠れたレギュラー番組である。 「何で俺が追記、修正しなくちゃいけねぇんだよ」 「お前がやらないなら俺が追記、修正やるよ」 「お前にやらせる訳にはいかないから俺が追記、修正やるよ」 「じゃあ俺が追記、修正やるよ!」 「「どうぞどうぞ」」 「なんでだよ!」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったとしても……\絶対押すなよ!?/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] まさに伝説のリアクション芸人 -- 名無しさん (2014-02-06 13 45 15) ドリカムの二人が主演の映画では肥後さんが「本物の中村正人」として出演していた。 -- 名無しさん (2014-02-27 11 10 52) 「絶対に押すなよ!」が「いいぞ!押せ!」ってサインだっけ -- 名無しさん (2014-02-27 14 20 55) 三人のなかはよろしくないのか -- 名無しさん (2014-02-28 01 38 27) どうぞどうぞは言葉が通じない国の人相手でも笑いを取れるんだろうなぁ。 -- 名無しさん (2014-09-19 20 36 30) 昔から芸風があまり変わらないのに今も活躍するのは芸人の人生として理想か。 -- 名無しさん (2014-10-28 19 53 44) 正月か何かの番組で珍しくコントをやったのに、最終的におでん食って終わったのは笑ったw -- 名無しさん (2014-12-22 18 07 41) ベイスターズの関根きゅんの唇を奪った上島を許すな。 -- 名無しさん (2015-05-30 20 59 47) 許します -- 名無しさん (2016-01-23 06 06 46) どうぞどうぞ、はウルトラ戦士ですら作法を熟知しているのだ -- 名無しさん (2017-05-16 18 37 36) 肥後が楽屋でみんなを笑わせようと屁をここうとしたら物凄い量のウンコが出て本人も驚いた逸話は有名なのかな? -- 名無しさん (2017-05-17 17 55 11) 刑務所の慰問で「有罪だよ!全員囚人!」というネタをやって空気が凍り付いてそれ以来刑務所から声がかかることは無くなったって本当なのかな -- 名無しさん (2017-05-17 18 42 31) 肥後の名前は芸人達からもほとんど覚えられていないのか…。 -- 名無しさん (2019-09-18 12 46 51) コロナの影響でキスのネタが見れないのが寂しい。 -- 名無しさん (2020-09-10 20 53 35) 押すなよ!も「ソーシャルディスタンスで押せないんです」と水曜日で言われてたから実質的に持ちネタ封印だな -- 名無しさん (2020-09-10 21 21 25) 彼らのネタの数々はこんにちは根岸から受け継がれた芸であることはあまりにも有名である -- 名無しさん (2020-09-10 21 26 08) 上島もいつの間にか還暦か…。久しぶりに伝統芸が見れて今のご時世に合わせたネタになってて早くアクリル板やマスクを使用しなくてもいい状況に戻ってほしいところ。 -- 名無しさん (2021-08-20 00 46 22) 信じられない。上島さん…… -- 名無しさん (2022-05-11 07 36 06) 上島「殿ー!お久しぶりですなー」 バカ殿「えっ?何でこんなに早くこっち来てんの?」 フェイクニュースであってくれ -- 名無しさん (2022-05-11 07 50 03) ニュースじゃコロナ禍始まった頃からちょっと引きこもり気味になってたっていうけど…上島さん… -- 名無しさん (2022-05-11 08 25 50) 唐突すぎて言葉を失ったわ…しかも首吊り自殺とは… -- 名無しさん (2022-05-11 08 56 38) ↑首吊り……。それはものごっつショックだわ……。自分もさっきそのニュース見たけど……。お悔みを申し上げます……。 -- 名無しさん (2022-05-11 09 11 51) 俺は信じない -- 名無しさん (2022-05-11 10 02 44) ↑ 俺も... -- 名無しさん (2022-05-11 10 42 06) もう押すなよとか伝統芸が見れなくなるのか…。 -- 名無しさん (2022-05-11 11 18 26) 南部さんのYouTubeチャンネルが尚更泣ける -- 名無しさん (2022-05-12 12 44 58) リアクション芸の神様ってレベルで身体張りまくってたイメージだけど実は人知れず思い詰めていたのかな。ご冥福を…。 -- 名無しさん (2022-05-12 13 00 01) フェイクであってほしかったな -- 名無しさん (2022-05-12 15 51 38) 彼もコロナの犠牲者と言ってもいいかもしれないな… -- 名無しさん (2022-05-12 18 04 40) その場を確実に暖められる素晴らしいトリオ芸だったな・・・。たくさん笑わせてもらって感謝しかない。ありがとう、どうぞ安らかに。 -- 名無しさん (2022-05-12 22 17 32) ↑2 憶測はあれだけどここ数年、芸能人の自殺が相次いでもういつ誰がそうなってしまわないか不安になる。一人で抱えずもっと弱音は吐いてもいい風潮になってほしい。 -- 名無しさん (2022-05-13 14 44 26) いい人ほど...って例なんだろうなぁ -- 名無しさん (2022-05-13 14 52 09) 最初は急死としか聞かなかったから、何か病気かな?怖いなぁって思ったのに、後で自殺と聞いてびっくりしたわ -- 名無しさん (2022-05-13 16 12 25) 馬鹿な、60過ぎだぞ -- 名無しさん (2022-05-14 00 33 29) どうして逝っちまうんだよっ!(地面を蹴る) -- 名無しさん (2022-05-14 23 07 00) ↑ドン!(殿と竜さんが跳ぶ) -- 名無しさん (2022-05-15 11 26 47) 訃報を聞いてゴレンジャーの畠山さんが一瞬よぎった -- 名無しさん (2022-06-08 20 23 24) 代表的なギャグ見ると竜ちゃんが笑いの軸だったんだなあって。惜しい人を亡くしてしまった -- 名無しさん (2023-08-04 07 38 09) エスパー伊東の逝去から僅か数日で南部虎弾も急逝するなんて…。ご冥福をお祈りいたします…。 -- 名無しさん (2024-01-21 14 25 02) 名前 コメント
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公演期間・劇場 2006年3月28日(火)・2006年3月29日(水)Zepp Tokyo(東京) 演出・振付 上島雪夫 音楽 佐橋俊彦 脚本 三ツ矢雄二 キャスト 越前リョーマ:柳浩太郎 手塚国光:城田優 大石秀一郎:鈴木裕樹 不二周助:相葉弘樹 菊丸英治:足立理 河村隆:小谷嘉一 乾貞治:荒木宏文 桃城武:加治将樹 海堂薫:鯨井康介 堀尾 石橋裕輔 カチロー:豊永利行 カツオ:堀田勝 跡部景吾:加藤和樹 忍足侑士:斎藤工 向日岳人:青柳塁斗 芥川慈郎:矢吹卓也(Takuya) 宍戸亮:鎌苅健太 鳳長太郎:伊達考時(伊達晃二) 樺地崇弘:鷲見亮 日吉若:河合龍之介 越前南次郎:上島雪夫(特別出演)
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作者:グリム タイトル:狩猟者―狼煙/Cat box― 1/2 七つの村の七つの墓場から土を持って参れ。 その土を人の血によって捏ねよ。 こうした土を三年かけて三千の足にて踏ませる。 その土にて九寸のヒトカタを千作り、鍋にて煮るがいい。 さすれば、一つ、浮かび上がらん。 「ホトケは何人だ?」 「二人――ですね。たぶん」 頼り無さそうな男――部下の上島泰斗(ウエジマ タイト)は頼りなさげにそう答えた。まぁそうだろう。現場の写真を見て考える。現場は世辞にもきれいとは言えないようなアパートの一室。室内はどす黒い血で彩られている。被害者と思しきモノは衣服の切れ端と色んなものの欠片だ。 無論、その“欠片”には被害者の身体部分も含まれる。 恐らく人間業ではない。 「異形か……そうでなければ退魔士、か」 それ以外ならば殺人のために、わざわざ相手の体に爆弾を埋め込むようなクレイジーだろう。 「柚子さん、何か言いましたか?」 「名前で呼ぶな」 馴れ馴れしいので一刀両断しておく。 うなだれているようだが、とりあえず無視しておこう。現場写真をしまい、今度は資料を目に通す。太田唯、行方不明。可能性で一番高いのは、彼女が汚染によって異形化、養父である相沢を殺して逃走、と言う筋書きだ。或いは……整った顔立ちの少女だ。襲撃者に拉致されてねぐらで犯される。これも前例が無いわけではない。 異形だろうと退魔士だろうとこの手の事件では拉致後に犯してから殺す、と言うことは少なくない。 ……しかし、あいつらと同じ年頃の少女がそういう被害にあったかも知れないと思うと、無性に腹が立つ。 「あのー、柚子さん? 顔、怖いですよー?」 「……誰の顔が怖いって? それとまた名前で呼んだな」 ホルスターに収まったエアーウェイトの銃口を向けて黙らせる。青くなって、なんでもありませんはい、とか言ってまたうなだれた。海晴もそうだが、最近の男は根性無いんじゃないか? 銃をしまって廊下を歩く。上島もその後に続く。 そして扉を開けた。天夜市警にある異形対策本部の部屋だ。異形対策、と銘打ってあるが、こちらでは退魔士の事件も取り扱っている。過ぎたる力は人だろうと異形だろうと関係ないということだろう。 室内には誰も居ない。まぁ、基本皆出回りでデスクワークなんてあってないようなものだ。 「上島、コーヒーでいいな」 「あ、はいっ。淹れてくれるんですか!?」 「その代わりここ数日の事件をパソコンでピックアップしろ。コーヒー淹れるまでにな」 一瞬、上島の表情が堅くなる。 「えっと、ここ数日って?」 「市内で起きた二週間以内の全て。異形の関わってるっぽいのなら軽犯罪も含めろ。コーヒーを淹れるまでにだからな?」 「い、いえすミス……」 なぜか分からないが、上島はうなだれつつパソコンを起動させた。やはり根性無しなのだろうか。そんな事を考えながらインスタントコーヒーを作る。豆もあるのだが、こっちの方が簡単でいい。棚を漁って砂糖をあるだけ取り出す。 ……こんなもんでいいだろう。 カップを二つと砂糖をコートのポケットに突っ込んで持っていく。 上島は物凄い勢いでキーを叩いていた。私にはとてもできない真似だ。私はパソコンとは相性が悪いらしい、海晴にはパソコンに触れるなとも言われた。だが言うのも癪だから署の人間には秘密にしている。 パソコンの横にカップを置く。 「集まったか?」 「無理言わないでくださいよぉ……こんな短時間じゃ三日分が限度ですぅ……」 上島がピックアップした事件は三日の内に起こった異形がらみの事件だ。 第一に、月明学園で発生した都市伝説。これはアヤメが討伐した例の都市伝説のことだろう。今回の事件に関係あるとは思えないが、機関側の退魔士の報告が気になる。事件現場付近にその都市伝説を助長する“天夜”を謳う者の存在。それを名乗る人間は少なからず居るのだが、引っかかるものがある。 コーヒーに砂糖を流し込む。スティックで二桁ほど。適当にまぜっこむ。 第二に……またこれも月明学園。クラスが一つ丸々謎の昏睡。救急車を呼ぶ騒ぎになる。未解決だが、退魔士の術の暴走とか大方そんなものだろうか。無関係。 第三……小等部の石鹸盗難事件? 確かにへんちくりんな事件だが今回は殺しだ。無関係。 甘いコーヒーを口に運ぶ。 国道に穴が開いた、か。直接的関係ある事件とは思えない。やはり一番怪しいのは旧市街地に起きてる謎の失踪事件か。今回の事件だけ死体を残しているところを見ると、なんらかの問題が起きたか……手口を変えたのか。まぁ確実に関係あるわけではないのかもしれない。 ざりざりと砂糖の感触を舌で感じながら、ディスプレイを眺める。 「退魔士がらみとなると、あっちに回すことになるな」 「えーっと、裁定者でしたっけ」 上島の言葉で真っ先に浮かんだのはあのいけ好かないジジイの顔だ。 「あんな奴等に手ぇ借りるなんて冗談じゃないがな。規則なら仕方ない、か」 「でもそっちの調査は俺らだけじゃぁ……」 「その辺、魔力だとかファンタジー設定みたいな調査は向こうさんに任せる。次までに適当な退魔士を寄越すだろうしな」 退魔士なんざ皆どこか壊れた人間だが、そんな人間の力を借りないと調査できない。個人的には物凄く嫌なのだが、私も上島も……と言うか市警の人間は異形の存在に関係があり、“見えない”か“魔力を汲めない”連中ばかりだ。異形退治だろうと退魔士の逮捕だろうと、統括から退魔士を回してもらうしかない。 上島もコーヒーを飲んでピックアップした事件を読み始める。 ……む、こいつも一端にブラック飲んでやがる。 「こーしてみると、一般の事件が霞んでると言うか……なんですね」 「あっち絡みの事件は人の生き死にに関わる事が多いからな。怪物相手なんだから仕方ないだろ」 息を吐く。 時計を見ると、もう正午前だった。 「上島、昼食を摂れ。十三時に統括の方に出向く」 「え、統括の方って?」 「統括の資料室で類似する事件がここ五十年以内にないか調べるんだよ。あっちには市外の資料も揃ってる」 言い捨てて、部屋を出る。 急がなければ。 ――猫達が待ってる。 「柚子さんが、猫好き、ねぇ」 購買で買ったのであろうジャムパンを齧りながら、樫月がしみじみと呟く。 そう、あんな性格の姉貴だが、猫が大好きなのだ。毎日決まった時間にキャットフードと缶詰と猫用のミルクを持って野良猫に餌をやっているのだ。ちなみに本人は隠しているつもりらしいが、細々した置物や、携帯のストラップとかがやけに可愛らしい猫だったりしてるわけだから、ある程度観察眼のある人間にはバレバレである。 弁当の玉子焼きを口に運ぶ……ふむ、タマネギを刻んで炒めたのを混ぜたが、結構いける。 ――現在、四時間目が終わって昼休み。教室の人間はまばら。大抵は好きな場所で食事を摂っているか学食である。しかし昼休みに入った途端に校庭でボール遊びしている連中もいる。窓際の席でそれを眺めながら弁当をつつく。 「あ、そのから揚げくれ」 「冷食だし、冷めて固いぞ」 「海晴はわかってねぇなぁ、肉なんだよ、肉」 分かりたくもないわ。言い放ちながらジャムパンの入っていたビニールの上にから揚げを置く。樫月はそれを素手で掴んでそのまま口に運び、さらに残り少なくなったジャムパンを全部口に放り込んだ。 ……ん。この冷食はいつもと違うメーカーだけど、前のよりも美味しいな。今度からこっちに――いや、値段はこっちのが高かったし、微妙か。財布と相談しながら、余裕があるときにこっちを買う事にしよう。 「にしても、良いよな、柚子さん」 こいつの頭は大丈夫かな。 この前の鍋パーティ以来、ずっとこんな感じだ。今は居ないけど、穂積さんが居たらいたで何か複雑な顔するし。まぁ親睦が深められたなら……結果オーライ、ってところだろうか。 「そーいや海晴、今年のクリスマスイヴどうすんの?」 「十二月入ったばっかだろ、まだまだ先じゃないか」 しかし樫月は僕の目の前で、チッチッチ、と人差指を振った。正直、ウゼェ。 「予定だよ予定。まぁお前の事だから柚子さんとーとか、特になし、ってとこだろ? せっかくの高校生生活だぜ?」 無視して白米を口に運ぶ。 「姫月さんとラブホでってどうよ。性夜ってな!」 「んぶっ!」 「きたねぇ!?」 盛大に米粒を樫月の顔面に吹き付けてしまった。ついでに喉が詰まったので樫月のミネラルウォーターを拝借した。 落ち着いて、まず。 樫月の鳩尾目掛けて正拳突き。 「がぼぉ」 「食事中に下ネタ紛い飛ばすな。しかも何でアヤメなんだよ、ってのと、聖夜は翌日だ。あとうざい」 言いたいことを全部まくし立てて、ミネラルウォーターで喉を潤す。弁当はあらかた食い終わったが、まだデザート用のリンゴが残っている。口に運ぶが、やはり水気がなくなって余り美味しくない。取り合えず水で流し込む。 弁当箱を空にして樫月の方を見ると、椅子から転げ落ちてのたうっていた。 「いっつぅー……お前って武道派じゃねーのにやけに慣れてないか?」 「そりゃ、中学からお前殴ってるから。そっちの慣れだろ」 「なるほどな」 と言う会話の後、樫月は何事も無かったかのように椅子に腰掛けた。 たまに異形じゃないかと疑うのだが、“ベニイシ”を使って確かめた結果、異形ではないということが分かった。となると、正真正銘の変人なのだろう。樫月はペットボトルを手に取り、中身が空の事に気付く。僕の方を少し睨んだが、諦めたように息を吐いた。 会話が途切れる。 外を見ると、十人に満たない生徒がボールで遊んでいた。寒くないのだろうか。 「で、姫月さんと進展無いのか?」 「……進展、て」 「幼馴染だろ? クラスじゃ狙ってる奴も居るし、姫月さん、実際何度か告白もされてるんだぜ」 「あー……」 その話は何度か聞いたことがある。全てアヤメ本人からだ。 全部振ってやったそうだが、一人だけ強引に迫った奴が居たらしい。アヤメを押し倒そうとして…… 言うまい、と言うか言うまでもないだろう。 その彼は今のところ病院から帰って来ない。 「見た目はいいからね」 「余裕か、それは姫月さんはお前以外になびかねぇって言う余裕なのか?」 なんか樫月が切れた。鬱陶しいので額にチョップを振り下ろした。額を押さえて悶絶する樫月を無視。弁当箱を片付けて机の中にしまいこんだ。他の連中も食事を終えて昼休みを満喫しているのか、ガヤガヤと騒がしくなってくる。 樫月が立ち上がる。 「んじゃ、俺はパソコン室いってくら」 ジャムパンの包装ビニールを握り、その場を立ち去っていく樫月。 なにをしようか。 そう考えながら、僕の足は自然と屋上へ向かった。 「時枷。識別番号はイの二八番」 「――照合確認しました。こちらの鍵をどうぞ」 メガネを掛けた受付嬢から鍵を受け取る。相変わらず妙に凝ったアンティーク品だ。しかし参ったな、上島のやつが識別コードを持っていないとは。 統括機関の資料室は、統括の機関に所属する退魔士の他に、異形の事件を調査する警察や、また一部の人間達が利用する事が出来る。しかし退魔士でない場合はめんどい手続きを経て、識別コードを取得しなければ閲覧権は与えられない。 市警の人間は大体手続きをしているはずだが、上島のやつはやっていなかったらしい。今やらせている。上島が統括機関から出ることができるのは翌日の朝日よりも遅いだろうが自業自得だ。 「ここ五十年そこらで起きた天夜外の殺人事件の資料はどこにある?」 「そちらの四番の資料棚になります」 指差した棚をザッと見てみる。箱のような本がずらりと並んでいて、背表紙にはタイトルではなく、事件の種類と年号が書かれていた。その中から、十年前の冬の事件を適当に選び、抜き出す。 ……この頃一番酷かった事件は、外来種の異形。つまり、諸外国から来た真祖の襲撃事件になる。処理はできたものの、一般人にいくらか被害が出ていた。もしかしたら、掃討から逃れた異形がこちらに流れてきたのではないか。そう思ったが、どうやら違うらしい。諸外国から流れてきた異形は、人を食料としている。生き残りだとすれば、あんな風にバラバラにする事はないだろう。 五十年前。外の組織の抗争が一番激しい時期だ。見せしめとして惨い殺され方をされた事もあるらしい。だが、今回の被害者は一般人だ。見せしめのとして殺すなら、相手を間違っているような気がする。 分かっている被害者は相沢、それなりに金持ちで会社を持ってる。そしてもう一人はガードマンの男。退魔士に関わっていたのかは現在調査中だが……微妙なところだ。 「天夜内の事件はどこに?」 「一番から三番の棚になります」 受付嬢の指差した棚に歩み寄り、五十年前の資料を手に取る。 ――快楽殺人の天狗、修憐。何人をも行方不明にして、殺害方法も不明。しかも当人も行方不明。だが殺し方が明らかに違うので、可能性としてはかなり低いだろう。 十年前の資料を手に取り、ふと、妙なものを見つけた。 「……ん?」 携帯を取り出す。 「申し訳ありませんが、資料室内での携帯のご利用はご遠慮頂けないでしょうか」 「ああ、すまん」 仕方ないので、一旦受付嬢に鍵を返し、資料室から出る。そして上島にコール。 「もしもし、あー、上島か?」 『もしもし!? あ、柚子さん? 資料探し終わったんですか、だったらこっちを手伝って――』 「今回の事件資料、持ってるだろ。被害のあった住所言ってみろ」 少しの間があって上島が答える。どうやら見間違えではなかったらしい。 『で、柚子さん、終わったら手続きを――』 電話を切る。もしそうだとすると、この事件はまた別物と言うわけだ。 資料室に戻る。 「鍵を」 「識別コードの方をお願いします」 融通が利かないな……、そう思いながらまた鍵を受け取る。そして先ほどの資料を開き、先ほどの住所と比較。合致した。 ……十年前の事件。同じ場所で異形による殺人事件が起き、一度部屋が改装されている。太田枝理――行方不明になっている娘の母親が異形化、父親を殺害。しかしまた“なんらかの要因”があり、母親の枝理もその場で死亡したとなっている。 太田唯には、異形の可能性がある。 加えて術式まで用いた捜査網の中で太田唯が見つかっていないという事は、その異形を手引きしている者――退魔士がいる。 異形を利用して、何かをしようとしている。 資料室を出て、短縮に登録している、一番掛けたくない場所にコールした。 『はい、こちら統括本部』 電話口からは、女性のものと思われるマイク音声。統括機関の白い部屋で聞くのと同じ声だ。 「時枷柚子だ。――安倍桜花を出せ」 一覧に戻る