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【一瞬25%】 来歴 おもに女声系スレに棲息していたコテ
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『永遠と一瞬』 窓の外は雪、視界は5メートル程度。 ここは文芸部室。 パイプ椅子に座りながら私は一人待っていた。 私のメモリ空間にはエラーがたまっている。 この一年半、私の中に蓄積していたのは限りない数のエラー。 罪悪感という名のエラー。 そう、一年半前、私は朝倉涼子の情報連結を解除した。 あの時、朝倉涼子は言った。 やらなくて後悔するよりもやって後悔した方がいい、と。 だが、それは彼女の意思ではない。 本当の彼女はとても優秀。 だから後悔するようなことは決してしない。 いや、優秀という表現が適切かどうかは分からない。 なぜなら彼女は私や喜緑江美里よりも遥かに優れていたのだから。 そう、本来ならば朝倉涼子と私が闘えば私の勝つ可能性は0だった。 つまり、朝倉涼子と私の戦闘は「演技」だったのだ。 涼宮ハルヒの鍵たる「彼」の信頼を勝ち得るためだけの。 ただ、それだけの。 そして、その「捨て駒」として選ばれたのが朝倉涼子だった。 統合思念体は元々人間の記憶改変には消極的だ。 なぜなら、人間の脳は各部分が高度に相互作用しているため、記憶の一部を操作したところで改変される前の記憶の「残滓」とでも呼ぶべきものが残ってしまうからだ。 特に鍵たる彼に問題が発生してはならないという理由から、あのような内容となった。 私と朝倉涼子は、喜緑江美里からその説明を受けた。その間、朝倉涼子は終始落ち着いていた。 そして説明が終わると、彼女は何も言わずに自分の部屋に戻っていった。 私はそのとき何も言葉をかけてやれなかったことを今でも後悔している。 だが、その後悔ももはや意味をなさない。 そして私は彼の信頼を得、その代償として朝倉涼子を失った。 朝倉涼子がいなくなった日、私は一人自室で涙を流した。 初めて流した涙は朝日が昇るまで絶えることはなく、私のメモリ空間に膨大なエラーを残して消えていった。 その間私が再生していた記憶は、朝倉涼子に関する情報だった。 私と朝倉涼子が初めて会ったのは四年前の七夕、私が初めて彼と朝比奈みくるに出会った日だ。 そのときまだ構成されて間もなかった私たちにとって喜緑江美里は上司であり、私にとって朝倉涼子は同僚だった。 私たちはそれから、喜緑江美里に様々な情報操作についての指導を受け、実際の任務へと移った。 その日は私だけに任務が与えられていて、朝倉涼子は待機を指示されていた。 そして私は彼の信頼を得、その代償として朝倉涼子を失った。 朝倉涼子がいなくなった日、私は一人自室で涙を流した。 初めて流した涙は朝日が昇るまで絶えることはなく、私のメモリ空間に膨大なエラーを残して消えていった。 その間私が再生していた記憶は、朝倉涼子に関する情報だった。 私と朝倉涼子が初めて会ったのは四年前の七夕、私が初めて彼と朝比奈みくるに出会った日だ。 そのときまだ構成されて間もなかった私たちにとって喜緑江美里は上司であり、私にとって朝倉涼子は同僚だった。 私たちはそれから、喜緑江美里に様々な情報操作についての指導を受け、実際の任務へと移った。 その日は私だけに任務が与えられていて、朝倉涼子は待機を指示されていた。 そして私は、カレーを食べるたびに朝倉涼子のことを思い出す。 あの優しい微笑みと、自分の中にある感情を決してあらわにしない心の強さを。 それは私が感情を表せないのとは違い、彼女の意思によるものだった。 彼女は負の感情、つまり苦しみ、怒り、悲しみ、葛藤を表に出さないようにしていた。 そしていつでも私や喜緑江美里に笑顔を見せてくれた。 そんな彼女に嫉妬していたのかもしれない。 あるいは、憧れを抱いていたのかもしれない。 私は朝倉涼子に惹かれていた。 もちろんそれは恋人としてではない。 言うならば神に魅せられた人間のように、私は朝倉涼子に惹かれていった。 そして、朝倉涼子を知れば知るほど朝倉涼子の存在は私の中で大きくなっていた。 彼女と過ごす時間は特別であり、彼女の一つ一つの仕草が私を喜ばせた。 だが、そう感じている間にも残された時間は容赦なく流れていった。 彼女を消す役割が私に割り当てられることは分かっていたし、彼女が消えることも分かっていた。 でも認めたくはなかった。 その頃の私は自分に課せられる役割の大きさに辟易しながら、少しずつ削られていく彼女との今を必死でメモリ空間に保存することしかできなかった。 それは意味のないこと、それどころか私にとって有害なことだと知りながら、私は保存作業を続けた。 私がその無意味な保存作業から解放されたのは、彼女が消えた次の日、昇る朝日を見た時のことだ。 私は現実を受け入れた。 そして、私の心には大きな空白ができた。 塞ぎ様のない空白。 その空白を埋めるように、メモリ空間に蓄積した朝倉涼子の情報は、私の意志に反して自己解凍し始めた。 それからずっと、私のメモリ空間は朝倉涼子のイメージに支配されていた。 メモリ空間の中の「彼女」はいつでも笑っていた。 そして、一度も私のことを責めたりはしなかった。 それどころか、私を励ましてくれた。 同時に、メモリ空間にはエラーが蓄積し始めた。 人間が新しい環境に適応するのは迅速で、それは私にも当てはまった。 だからこそ気づかなかったのだろう。 朝倉涼子と同じ、内なる強さを持った「彼」の存在に。 朝倉涼子と同じタイプの人間がすぐ側にいたことを。 私が観測任務を開始してすぐ、涼宮ハルヒは文芸部室に現れた、鍵たる彼を連れて。 そして朝比奈みくるが加わった。 最後に現れたのが、「彼」、古泉一樹だった。 朝倉涼子が消えて初めて知った。 古泉一樹は朝倉涼子と同じ、苦しみを吐き出さずにひたすら溜め込んで耐える人間だったということを。 そう、たとえ前日の夜に閉鎖空間が発生して一睡もできていない時でさえ、必ず部室に来ている。 無理をしているのに、それをあらわにはしない。 古泉一樹の存在は、私の中で完全に朝倉涼子と重なっていた。 だから、私が古泉一樹に惹かれていったことは当然のことだったのかもしれない。その強さに、その微笑みに。 だが、古泉一樹のことを考えれば考えるほど、メモリ空間のエラーは増大していった。 朝倉涼子への罪悪感は拭っても拭っても消えなかった。 古泉一樹が私に好意を寄せていることは分かっていた。 だから私が、古泉一樹に好意を寄せていると伝えれば、彼は朝倉涼子のように私の側にいてくれるだろう、と思った。 彼が朝倉涼子の抜けた穴を補填してくれると。 だが、それは正しいことなのだろうか。 朝倉涼子を消しておきながら、自分だけ幸福になろうとするのは狡猾なことではないか、と。 私は罪悪感からは逃げられない、いいや、逃げてはいけないのだと知った。 この苦しみは永遠に続くものだと悟った。 それから毎日、私はあの日のことを思い出した。 睡眠時間を捨て、可能な限り朝倉涼子の情報を展開しなおした。 雨の日も、晴れの日も、空は灰色に見えた。 メモリ空間の朝倉涼子はいつでも笑っていた。 現実世界の古泉一樹はいつでも笑みを絶やさなかった。 私はこの長く暗いトンネルの中で立ち往生したまま、12月18日を迎えた。 全ては積み重ねだ。 私は致命的なエラーを積み重ね、時空改変に至った。 私が何を考えてあのような時空改変を行ったのか、その記録はない。 だが、これだけははっきりとしている。 私はつかの間の幸せ、朝倉涼子と共にいられる幸せをかみしめていた。 だが、現実は私の思い通りにはいかなかった。 統合思念体は私の行動を予測していた。 喜緑江美里は時空改変終了後の文芸部室にコンピューターを設置し、本棚の中の本の一つに、しおりを挟んだ。 そして、彼を私の作り上げた時空へ転送した。 統合思念体と朝比奈みくるの介入によって、改変された時空について私が保持している情報は私が改変してからの数分だけとなるはずだった。 その数分で、衝撃的なことが起こった。 朝倉涼子が彼を刺したのだ。 その瞬間何が起こったのか理解できなかった。 『彼のことなら大丈夫よ』 頭の中で彼女の声がした。 朝倉涼子は私に時空改変の間の三日間のデータを転送してきたのだ。 私のメモリ空間に直接。 そして知った、自分の今いる場所が朝倉涼子の情報制御空間だということを。 普通、情報制御空間は情報操作のために作られる。 だから、その空間は小さくて簡素な外観をしている。 外観を構成するために構成情報を使うわけにはいかないからだ。 だが、朝倉涼子は現実と全く区別がつかない情報制御空間を作り上げていた。 朝倉涼子は木々が風に揺れる様子も、朝焼けの空も、彼の腹部から流れ出る血液も、彼の感じているであろう痛覚も、それ以外の全ての現象も支配していた。 私には到底できない芸当だ。 私は身震いして動くことさえできなかった。 私は自分と朝倉涼子の間にある絶望的な実力差を実感していた。 『私は消えるけど、長門さんは消えちゃだめよ……。じゃあね!』 私のメモリ空間にそう残して、彼女は時空修正が確実に実行されるように、既定事項が満たされるように、刃を振り下ろした。 私にはまだ、朝倉涼子に伝えたいことが沢山あった。 夏休み中の時間のループのこと、私がコンピューター研に入ったこと、それだけではない。 私がカレーを作れるようになったこと、感情表現が少しできるようになったこと。 数え上げればきりがない。 彼女なら私の話を聞いて、嬉しそうな笑顔を見せてくれるはず。 彼女なら私の中にあるエラーを取り除いてくれるはず。そう思った時には全てが終わっていた。 私は既定事項を優先した自分の異時間同位体を恨んだ。心の底から憎んだ。 私のエラーは全て消えていた。 統合思念体にとって、朝倉涼子は今回も捨て駒でしかなかった。 時空修正が終わり、統合思念体の出した指示は私の心を完全に無視したものだった。 「『鍵』に、私の処分が検討されている、と伝えよ。」 それだけではなかった。 「本来ならばパーソナルネーム長門有希は完全処分となるはずだが、『鍵』との関係を考慮した結果、処分は見送られることとなった。ただし、今後統合思念体からの指示に反するようなことがあれば、パーソナルネーム長門有希はリプログラムされる。」 私には選択肢がなかった。 リプログラム、つまり必要なパーソナルデータを引き継いだまま、私は心を失い、完全に統合思念体の「人形」となる。 私は私でなくなるのだ。 そのとき私の中にあったのは古泉一樹の存在だった。 私が自我を失えば、古泉一樹の思いに答えられなくなるのではないか。 私が私でなくなることは古泉一樹も望んでいないのではないか。 私はそう考えた。 そのとき、私には分かっていた。 これが、自分の存在を消されることを恐れた言い訳でしかないということに。 そう、私は自分の存在が消えることを恐れていた。 そしてその言い訳に古泉一樹を利用した。 朝倉涼子はその身を犠牲にしてまで私を守ってくれた。 それに対して、私は自分の身の安全を優先させてしまった。 彼女は美しく、聡明だった。 私は汚くて、愚かだった。 朝倉涼子が私を愚かだと罵ったならば、私もあれほどまでに苦しむことはなかったのかもしれない。 だが、彼女はそんな性格の持ち主ではなかった。 それは残酷な優しさだった。 そして私は、一番なりたくなかった自分になった。 私はその日から、毎日深夜、自宅のマンションで自分を傷つけるようになった。 凶器は決まっている。 あの時、朝倉涼子が持っていたナイフだ。 だが、自分の胸にいくらナイフを突き立てても、統合思念体は私を修復した。 涼宮ハルヒの力を手に入れるためだけに。 ただ、それだけのために。 私は毎晩、合理性に欠くことだと分かっていながら自傷行為に明け暮れた。 一種のあきらめのような感情かもしれない。 いつからか、いっそのことあの時リプログラムされていた方が良かったのかもしれないと思うようになっていった。 それとともに自傷行為も行わなくなっていた。 今、彼女のナイフは私の鞄の中に入っている。 私が私である必要はどこにもない。 いや、それどころか私が統合思念体の人形だったなら、統合思念体としても都合のいいことばかりのはずだった。 暴走することもなければ、統合思念体の決定に反することもない。 だが、私は自我を与えられ、今ここで回顧している。 それだけではない、これから、統合思念体の意思に逆らおうとしている。 ふと疑問が湧く。 なぜだろう。 なぜ私は自我を与えられたのだろう。 その疑問に答えてくれる人はもういない。 私は本を読むこともなく、思索に没頭する。 午後3時6分。 彼に告げた時刻まで、まだ30分以上あった。 ガチャ。 思索に没頭するための時間を奪う音。 私がここに呼んだ人間、古泉一樹が入り口に立っていた。 彼の顔は、私が一年半求めてきた彼女の笑顔に一番近い表情をしていた。 「お待たせしました。」 「…いい」 今は授業中だ。 ここには私と、古泉一樹しかいない。 私は立ち上がる。 「それで、お話というのはどのようなことですか?」 今まで蓄積してきた様々な感情が心の中を埋め尽くしていく。 それらが力となった。 私は心の中にある壁を壊すように、その一言を口にする。 「私は古泉一樹、あなたを愛している。」 この言葉で私はトリガーを引いた。 自分に向けられた拳銃のトリガーを。 私が対立する勢力である「機関」や朝比奈みくるの組織に利用されることの無いように、私には「古泉一樹、朝比奈みくると必要以上に関わらないこと」との指示が下されていた。 もちろん、恋仲になることなどは禁止されている。 私は今、その指示を無視した。 私に下る処分は、リプログラム、そう決まっていた。 私は最後に古泉一樹の想いに答えられたことが嬉しかった。 彼女に似た笑顔の持ち主の幸せを実現することで、幾ばくかの罪滅ぼしになったのではないかと思った。 もちろん、それが自己満足でしかないことも分かっていた。 それでも、嬉しかった。 統合思念体が私のリプログラムにかかる時間は、1秒程度。 古泉一樹の返事が聞けないことだけが、大きな心残りだった。 雪が窓に当たる音が、さっきまでより大きくなっていた。 全く、長門さんは一年経っても変わってないのね。 私のことはもう忘れてしまえばいいのに。 私は私で、あなたと一緒に暮らした三年が楽しかったんだから、後悔はしてないわ。 でもね、そう、長門さんがこんなに苦しんでたなんてショックだった。 私がもっと早く長門さんの元に返って来れたら良かったんだけど、そうもいかなかったのよね。 いろいろ都合があって。 長門さん。長門さんは今リプログラムされるんじゃないかって心配してるけど、それはないわ。 だって、あなたの目の前にいるのはこの私だもの。 そろそろ種明かししなきゃね。 長門さんがかわいそうだし……。 視覚情報の統制を解除。 これで私はちゃんと私に、朝倉涼子に見える。 「何言ってるの?長門さん」 長門さんの両目が大きく見開かれる。 統合思念体から感情機能を著しく制限されているはずの長門さんが、驚いている。 それがありありと分かる。 三年一緒に暮らした私も見たことのない表情だった。 これも涼宮さんの影響かしら。 それとも、長門さん自ら変わったのかしら。 「朝倉……涼子?」 長門さんの目に輝きが増したと思ったら、次の瞬間には目から涙があふれていた。 そして、長門さんはふらふらと歩いてきて、不意に、私に抱きついてきた。 長門さんらしくない。 でも、こんな長門さんも好きだ。 「ずっと……ずっと……、あなたを待っていた。」 平坦だけど、力強い声。 長門さんも変わったのね。 「今まで35832回申請したけれど……、あなたの再構成は一度も認められなかった。なぜ……、あなたがここに?」 そんなの決まってるじゃない。 「私があなたのバックアップだからよ。私はあなたを守るためにここにいるの。あなたが消えないようにね」 長門さんは私をいっそう強く抱きしめる。 長門さんのぬくもりが伝わってくる。 私はこのぬくもりを、覚えていた。 私の一番好きな感覚だ。 遠い、遠い、昔の感覚。 「あなたらしくない。あなたはどんな質問にも論理的に矛盾のない答えを返してくれていた。この返答は論理的ではない。」 あなたの行動の方が論理的じゃあないと思うけどなあ。 「あなたが好きだから。それじゃだめかしら?」 また私の制服にシミが増えた。 「……だめ」 顔は見えないけど、長門さんが笑っているような気がした。 私の中のエラーが消えていく。 まるで元から存在していなかったかのように。 でも、分かっていた。 長門さんを苦しめると知りながら、私はまた、長門さんの元から去らなければいけない。 こうしていられるのもあと少しだということも。 「長門さん、もういいでしょ。」 私は長門さんの顔が見たい。 そしてそれを記憶に焼き付けて、私が待機している間ずっとそれを思い出していたい。 長門さんと一緒に暮らすことが叶わないなら、せめて記憶だけでも保持していたかった。 それすらも叶わないことを私は知っていた。 それでも、私は肩をつかんで長門さんと顔を突き合わせる。 長門さんはきょとんとしていた。 これも私の記憶にはない表情だ。 私は言わなければいけない、心を決めてその事実を告げる。 「長門さん。長門さんにとって辛いことかもしれないけど、私はもうすぐ統合思念体に還らなきゃいけないの。だから、私のことは忘れて。」 長門さんの目から光が消えた。 よく考えれば分かることだった。 このことは長門さんに伝える必要はなかったはずだ。 なのに、私は長門さんに伝えてしまった。 なぜ? もしかしたら私は長門さんに引き止めてほしかったのかもしれない。 統合思念体に還るというのは嘘だ。 今度の私の再構成は完全に私の独断専行。 私はこのあと完全に破棄される。 再構成はできなくなる。 私はどこかで消滅することを恐れていたのかもしれない。 でもだめ、私は消されなければいけない。 これは決まったことだから。 私にはどうしようもないことだから。 「……できない」 「どうして……」 長門さんはまた、目に涙をたたえた。 目に光が戻った。 その目はまっすぐに私を射抜いた。 「あなたを……絶対に行かせないっ!」 長門さんが初めて、声を荒げた。 長門さんが生み出されたから初めて。 統合思念体が長門さんにかけたはずの感情抑制プログラムはもはや無効化されていた。 瞬間、世界が変わる。 文芸部室は長門さんの情報制御空間となっていた。 そこは何もない、真っ白な空間だった。 いや、違う。 何かが空中を舞っている。 私に触れて、水になっていく。 これは……、雪? その中で自分と長門さんだけが見える。 長門さんが何をしようとしているのか、私には分からなかった。 長門さんが情報操作を始める。 それを妨害しようとしたけれど、できなかった。 長門さんはこの一年半で確実に力を増していた。 それも、私と対等なレベルまで。 それは率直に嬉しかった。 私の周りに光の檻が形成されていく。 私はそれに包まれていった。 いくら高速で逃げても、光の檻は私をとらえて、ついに私をその中に閉じ込めた。 長門さん、統合思念体は全て分かっているのよ。 だから、情報封鎖したところで私が消えることは確実なの。 だから、私のことは忘れて! 「強くなったわね。でも、まだまだよ」 この程度の情報封鎖なら数秒で解除できるわ。 ほら、もう一部が壊れてきている。 壊れたところが光の粒になって消えていく。 美しい光景だわ。 私がこうしていられるのもあと20秒程度。 私に敵わない長門さんの力ではどうしようもない。 私の体が、足の方から光の粒になっていく。 「最後に……、長門さんに会えて………よかったよ……!」 私の目にも涙が、初めての涙があふれていた。 長門さんは目をつぶって、ずっと詠唱を続けている。 私の構成情報が少なくなっていく。 私は、もう長門さんが私のことを気にする必要の無いように、私のことを思い出せなくなるように、長門さんの記憶改変を始めようとした。 私の情報改変能力は残りあとわずかだったけど、全てをつぎ込めば何とかなるはず。 私は記憶改変プログラムを長門さんの座っていた椅子に仕掛けた。 長門さんには分からないようにカモフラージュしたプログラム。 私の最高のプログラム。 不完全かもしれないけど、今の私にはこれが精一杯。 とても長門さん本人に改変を施すなんてできなかった。 でも、私はもうこれで、思い残すこともなくなった。 あとは、消されるのを待つばかり。 私は静かに、私の意識が消えるのを、私が消えるのを待った。 最後に私は、ぼやけた視界の中で長門さんが笑っているのを見た。 私の中にほんの少し、消えたくないという意識が生まれた。 それすらも飲み込んで、一瞬で全てが終わった……。 コンコン。 「どうぞ」 ガチャ。 文芸部室に古泉くんが入ってくる。 私は本を読むのを止め、顔を上げた。 長髪がかすかに揺れる。 「おや、長門さんだけですか。」 相変わらずの笑顔。 そのうちに苦しみや悲しみのすべてを隠している笑み。 私には分かる。 ブレザーに隠れた右肘に大きな裂傷があるのを。 そして、左脇腹には痣ができていることも。 痛くないはずはないのに。 この人も私と同じだったのね。 自分一人で抱え込んで。 「そうよ、まだ他の人は来てないわ。」 私も笑顔で答える。 彼と違って、心からの笑顔で。 でも私は、彼の笑顔も悪くはないと思う。 むしろいい笑顔だ。 「それにしても珍しいですね、長門さんが本を読んでいるなんて。」 「なによそれ、私だって本を読みたくなるときはあるわよ。」 「申し訳ありません、失礼な言い方でしたね。」 そう言って彼は頭を下げる。 機関の任務で疲れもたまっているはずなのに、こうして笑顔のままでいられるのはすごいことだと思った。 それと同時に、私に何かできないだろうか、と思うようになっていた。 長門さんの愛した、この人に。 それはせめてもの償い。 長門さんへの償い。 私は長門さんを犠牲にしてここにいる。 だから、私は長門さんに贖罪しなければいけない。 彼女への贖罪は、この人の笑顔を、いつまでも守ること。 私は決めた。 この人が死の淵に立つまで、私はこの人の笑顔を守る。 そして今日のことを忘れない、永遠に。 「まあいいわ、気にしないで。ふふっ」 「ありがとうございます。ところで、その本はどうされたのですか?」 これは……、私の大切な人の話よ。 私が世界で一番好きだった長門さんの、ね……。 『あなたが………、幸せになるべき』 長門さんが残した言葉。 私には重すぎる言葉だ。 でも、私はその言葉に応えたい。 他でもない、長門さんの言葉だから。 「そんなことより、読んでみて。古泉一樹。」 少し長門さんの言い方をまねてみた。 古泉くんは一瞬、意味が分かりかねるといった表情をして、すぐにいつもの笑顔に戻った。 今、気づいた。 長門さんの最初で最後の笑顔は、この人の笑顔に似ている、と。 「了解しました!おや……、変わったタイトルですね。『雪、無音、窓辺にて』ですか………」 この人は何も知らない。 今ここで何があったのかも。 長門さんの想いも。 でも、知らない方がいいのかもしれない。 喉の奥から何か熱いものがこみ上げてくる。 それをぎりぎりのところでこらえた。 少し歪んでしまった顔を隠すために窓の方を向く。 窓の外の雪は、もう止んでいた。 ………おわり。
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概要 輝理の裏の人格。 非常に凶暴で好戦的、更には嬲り殺すなどの行為を好む人間として最低な人格。 しかし、その戦闘力は非常に高く、通常の3倍と言われる。
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あんどろめだまでいっしゅんで【登録タグ IA Omoi VOCALOID あ 初音ミク 曲 殿堂入り】 作詞:Omoi 作曲:J.S.バッハ 編曲:Omoi 唄:IA 初音ミク 曲紹介 願望の歌です。 オリジナルはJ.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」。 イラストは ALYSSA氏 が手掛ける。 歌詞 今もここで 歌ってるよ 君にだけ聞こえる声で 「ダメだよ! 赤信号無視して渡っちゃ 持ち物には なまえを書かなきゃ その思いは いつか伝えなきゃ くれぐれも」 あぁ! 僕だって分かってるんだって でもそれ誰が言ったんだっけ そんなに簡単じゃないのにな くれぐれも 夢を見ているよ 世界中の人差し指が 上を向いたなら 何か変わらないかな ワケないかなあ! アンドロメダ迄 一瞬で届く 旋律を奏でたいのさ 君が二度と 暗闇に 迷わないように! 話したいことは 星のようにあるのに あなたにだけ うまく言えないんだ 凍えそうな私に あなたがくれる暖かさは この胸にはもう仕舞えないよ それを なんて呼ぶかなんて 言わないで! いつも通りの日々 だったのに あなたが気になって ちょっと目が合う だけで ただ嬉しくて アンドロメダ迄 一瞬で届く 旋律を奏でたいのさ この想いが 少しだけ 届きますように 閉じた瞼の 裏で会えたら 私達から あなたに質問 今あなたは 誰かを想ってますか その心は どんな形で どんな色を 見せていますか 心は 心が歌い出すような 歌が歌えたら 何か変わらないかな ワケないかなあ アンドロメダから 絶え間なく注ぐ 旋律に望みを乗せて この想いが 少しだけ 届きますように そんな願いが 少しでも 届きますように! 遠く遥か 祈りは届いていますか あなたにだけ聞こえる声で コメント 追加お疲れです。 -- かのん (2016-08-28 22 53 59) 追加乙ですっ!! -- 櫻宮 (2016-08-29 00 08 39) めっさ -- 名無しさん (2016-09-28 06 19 35) 閉じた瞼の裏で会えたらいいのにね。、。 -- 283 (2017-07-31 11 59 27) これ原曲あったのか。 -- 名無しさん (2018-08-18 07 41 14) もっと評価されてほしい...ほんとにいい曲 -- 名無しさん (2019-01-07 01 53 05) カラオケ配信待ってました!!1番好きなのでもっと伸びて欲しい。。。! -- 名無しさん (2019-09-01 08 31 44) この曲好きです -- ジェネシス (2022-02-25 11 26 49) バッハの曲だったのか!?サビの盛り上がりが大好きよ -- 名無しさん (2022-06-23 14 43 27) 名前 コメント
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一瞬の花火 幾つもの難事件や悲しき復讐鬼たちを目の当りにしてきた少年名探偵・金田一一にとって、最も悲しかった殺人事件はなんだったのろう。 恋人の復讐の為に凶行を繰り返した、オペラ座館のファントムの事件か。 愛した人間を──涙を流しながら、しかし──殺すしかなかった悲しい殺人マシンの、六つの館の事件か。 友人・佐木竜太が殺された、あの赤い部屋の事件か。 小学校来の親友が起こした、魔犬たちの巣食う研究所の事件か。 些細なすれ違いを切欠に、金田一のかつての友達たちが殺し合わなければならなかったあの雪の降る村の事件か。 はたまた金田一がその館に足を踏み入れたばかりに起きてしまった、悲しい誤解の事件か。 それとも……この、一面のラベンダー畑の中で起きた、夏の青森を彩る事件なのだろうか。 結局、どれが最も悲しかったのかは、当人すらもわからないし比べる事もないだろう。 ただ。 ──これだけの悲しい事件の結果を目の当りにした名探偵も、その中で共通していた事を一つだけ見抜いていた。 そして、“その事”は同時に、殺人劇のもう一人の主人公たる多くの犯罪者たちも、名探偵と同じように知っていったのだ……。 たとえ悪魔のような人間に出会い、大切な何かを奪われ、その人間を“殺す”しかないほど憎んだとしても、復讐の果ての殺人の後に残るのは、耐えられないほどの罪の意識と、悲しみと、虚しさだけだという事だ。 復讐を果たした後も、かつての自分が失われていく恐怖や、止まる事のない手足の震えは止まらなくなる。 どんな目的で始まったとしても、犯罪はやがて、後悔へと形を変えていく。 誰にも許されない事をしてしまったという自責が、大切な物は決して元に戻らず浮かばれないという結果が、当人を苦しめる。 殺人の悪夢は絶え間なく殺人者の夢の中に出てくる。 血で汚れた手をどれだけ拭っても、それは決して簡単には落ちない。 かつて、悪魔たちに殺されてしまった大事な人との優しい思い出を時に思い浮かべようとするなら……それと一緒に、自らの罪が纏わりついて放れなくなっていく。 戦場の兵士たちが、残酷に敵を殺しながら、家で家族に温かい子守歌を歌うその切り替えが──“自分の恨みの為”に人を殺した彼らには、絶対に許されなかった。 そして、中には、自らの死を以て幕を引こうとした者も──そして、本当にその命を自ら絶つ事で幕を引いた者もいた。 悲しい動機を知って、──決して許されない事だとわかっていながらも──お互いがどこかで共感し合っていたはずの“名探偵”と“犯罪者”の間に、最大にして決定的な認識の違いが生まれるのは、いつも、その最期の時だ。 確かに殺人という手段が許される事ではなかったとしても……それだけの憎しみを抱えた復讐鬼たちの気持がわかる事は、金田一にもあった。 しかし、最後に、その罪の果てに自殺し、身体の力と、最後の心を失った犯人たちの亡骸を前にした時には、彼はこう思い続けるだろう。 ──どんなにどん底でも、どんな暗闇の中を生きていても、やり直しのきかない人生なんてないはずなのに。 ──生きてさえいれば、罪は償えるはずなのに。本気で望めばやり直せるはずなのに。 ──どうして。 ──どうして……。 ◆ ……ラベンダーの香がした。 それは、和泉さくらが、そして、彼女の亡き父が最も好きな花の香だった。その温かい香が、彼女を暗闇の中から目覚めさせた。 少しの躊躇と共に起き上がって見てみると、周囲は見紛う事なきラベンダーの紫色に囲まれている。どこか懐かしい、一面のラベンダー畑。暗闇の中でも星の灯りに照らされて、充分に映える不思議な色。 彼女自身の偽りの家──それが、この蒲生邸のラベンダー荘だ。 有名画家の蒲生剛三が資産で建てた巨大な敷地の家の別館……かつて、忌まわしき殺人事件の起きた場所であった。この屋敷の中で、二人の人間が殺された。 ……忘れる由もなかった。 「……」 さくら自身、その殺人事件が“終わり”を迎えた後だというのに、こうしてこの場にいるのが不思議でならなかった。 少なくとも、さくらがこのバトルロイヤルに招かれる直前までは、さくらの周囲には何人もの観衆が見守っていた筈だ。 そっと首に手を触れてみると、彼女の首には金属の固い物が押し付けられるように巻かれている。間違いなく、船の上で二人の命を奪った首輪がさくらの首にも巻かれているという事だった。 つまり、バトルロイヤルは夢でも何でもなく、確かに行われているのである。 「……」 この場所に来たせいで、あの冷たい感覚の後にここに招かれたように感じたが、いや、決してそういうわけではなさそうだ。本館で殺人事件の全貌が暴かれ、一度船の上で殺し合いの説明が行われ、再びこのラベンダー荘に来ている……というのは奇妙でしかない。 ここに来るまでの時系列を纏めてみると、矛盾が生じた。 バトルロイヤルの説明の後に殺人事件の説明が行われたわけではない。だが、さくらがいる場所からはラベンダー荘が見えている。 ……“地獄”に、来てしまったのだろうか? それとも、自分が混乱しているだけなのだろうか? さくらは、ふと、自分の足元に転がっていたデイパックに目をやった。こんなデザインの鞄を持っていた事はないし、さくらのように大豪邸のお嬢様があまりデイパックなどを背負う物でもない。 「これは……?」 思わず、声が出た。 それを手繰り寄せて、ファスナーを開け、中の物をそっと取りだした。……やはり、自分の物と見て間違いなさそうである。 彼女が最初に手にしたのは、地図だ。 そういえば、“ノストラダムス”と名乗る人物は、同じように地図を支給していると言っていた覚えがある。 地図を見ると、知っている場所の名前が書いてあった。 「“蒲生の屋敷”……ここが?」 さくらは、自分がいるのは、見た事もない島の一角であり、そのB-2というエリアに属する場であるのを、その地図を見てようやく知った。 蒲生の屋敷があるのは、本来なら青森県の某所である。 いや、それだけではない。マップ中には「東京タワー」まである。「コロッセオ」があのイタリアのコロッセオならば尚の事不思議だし、どう考えてもこの場は常識では考えられないミステリーに満ち溢れていた。 しかし──。 さくらは、すぐに、その事に頓着しなくなった。 「……!」 さくらの手が、わなわなと震えた。 彼女が次に取りだしたのは、この殺し合いに招かれている人間の一覧がリストアップされた用紙だったのだ。 和泉さくら、という彼女の本当の名前が書かれたその名簿をずっと下に辿っていくと、忘れてはならない名前がある。 「金田一君……!」 金田一一……そうだ、彼も参加していたのだ。 あの場で、“ノストラダムス”が二人の人間を殺した時、さくらの頭の中は、恐怖とショックで真っ白になった……。だから、その後で、誰かがノストラダムスに声をかけた事の印象が少し薄れていたのかもしれない。 ──いや、きっと、そうだった。 さくらは、誰かが目の前で死んだ事に、恐ろしさに震えずにはいられず──そして、大好きな人がその後で、また正義感の行動を取った瞬間を見逃すほどに、心が不穏に騒ぎ続けていたのである。 しかし、……考えてみれば、彼は、あの広間で確かにノストラダムスに反目した。まるでBGMのように聞き流していたのは、彼の声に違いない。 思い返してみると、いつもの「ジッチャンの名にかけて」という台詞も確かにこの耳で聞いたような記憶があった……。 金田一一──キンダイチハジメ。 さくらの友人であり、さくらを何度も助けてくれた想い人であった。──片想い、と言ってしまえばそれまでだが。 しかし、それがより一層、ここが地獄であるという事の信憑性を高めた気がした。 さくらは宗教を信じていたわけではなかったが、もしかしたら、──「地獄」というものが本当にあって、それが罪人にとっての苦痛を煽る物ならば、金田一がここに連れてこられるというのは、さくらにとっても、至極の苦痛の一つだろう。 どうして……。────どうして? 「……どうして!」 たとえば。 さくらだけがここに連れてこられるならばまだわかる。 しかし、金田一が、さくらのせいで連れてこられたというのなら、それは許されてはならない。 何故なら。 “さくらは死んでいて、金田一は生きているはずなのだから……“ 「どうして、金田一君が……」 さくらは、その場にへたり込んだのだった。 かつて、さくらが死ぬ時──最後に感覚を停止する聴力は、金田一の言葉を捉えていた。 ──バカだよ……お前は……── 本当に、自分は馬鹿だったのかもしれない……。 自分でも悲しくなるほどに……。 ◆ ──和泉さくらは、殺人者だった。 人を殺したくて殺したわけではない。──理由もなしに殺人を行う人間ではなかったし、むしろ、大人しく、純粋で、心優しい部類の少女であった。 そして、それは全く、演技などではなく、何かの歯車で狂ってしまったわけでもない。彼女は、今も決して、殺人などをしないだろうし、もし、困った人間がいれば手を貸そうとするかもしれない。 そんな人間が殺人を犯す理由のパターンは絞り込める。 事故によるもの、正当防衛によるもの、そうせざるを得ない状況に追い込まれたもの……大方そんなところだろう。 ──彼女の場合は、彼女の純粋さを憎しみで上塗りさせるほどにあくどい人間が、彼女の殺人の被害者だったのだ。 ◆ さくらが殺したのは、さくらの父を殺した人間たちだった。 彼女の父・和泉宣彦は芽の出ない画家で、さくらたちの家族は、北海道の高原で、貧しいながらも幸せに暮らしていたのだ。 そんな宣彦の才能を見つけた蒲生剛三という男が、彼の絵を自分の絵として発表する為に、彼を利用し、用済みとなった時に殺した。 蒲生の協力者には、海津という女医もいた。 ……さくらが殺したのは、蒲生と海津──この二人の人間だ。 そして、蒲生もさくらの身体を狙っていたし、海津はさくらを殺そうとさえしていた。──真性の下衆たちであり、さくらも、もし彼らの殺害を実行できなければ、死んでしまっていたかもしれない。 結果的に、さくらが“勝利”した。 順調に殺害計画は遂行され、二人の人間の命を奪うに至ったのである。 しかし、そんなさくらの胸中に残ったのは、決して、父の無念を晴らす事が出来た達成感などではなく──むしろ、あの幸せだった家庭から遠ざかったような……いや、もう二度と手が届かないように閉ざされてしまったような、そんな感覚だった。 ただただ、不快な物が纏わりついていた。 だから──さくらは、全ての殺人計画を終えたら、後は自らの命を絶つつもりだった。 ……最初はそんなつもりはなかったかもしれない。 怪盗紳士に罪を着せたのは、「あんな連中を殺して罪に問われたくはない」からだったかもしれないし、「神出鬼没の怪盗ならば罪を着せても捕まらない」からだったかもしれない。 画家の子供に生まれただけに、美術品を盗む怪盗紳士を許せない心は少なからずあったと思う。 つまり、最初は上手く逃げるつもりだったという事だ。 それでも、ある時から、全てを終え、金田一たちが館から去ったら、自ら死を選ぶつもりになった。 もう自分には何もないと思ったからだ。もうさくらには、父も母もない。 ……そして、何より、生きていく度に纏わりつく、忌まわしき殺人の記憶に耐えられない事も、よくわかったのだ。 たとえ、どんな人間が相手でも、誰かを殺した時に平気ではいられなかった。 ──そして、彼女は、金田一たちの目の前で、隠していたナイフで自らの胸を刺した。 そう、最後の記憶──さくらの友人、金田一一がその明晰な頭脳と推理力を以て、さくらが犯した罪を全て暴いた後の事だった。 去ったはずの彼は、真相を全て突き止めて帰って来たのである。 真相を暴かれた時、彼の言う事には一切反論をしなかった。 何せ、それは全て事実と寸分違わぬ物ばかりだ。 まさに、反論の余地がないのである。“本物の怪盗紳士”の正体を暴いた時もそうだった。……彼は、本当に、偉大なる祖父・金田一耕助の血を引く名探偵として、貶す所がない。 以前、不良の女子生徒に絡まれたさくらを助けてくれた時もそうだ。 そして、殺人事件に巻き込まれた“振り”をしていたさくらを、勇気づけた時も……。 あるいは、さくらが犯した罪を全て暴いた時の金田一も、それは強い正義感が成した行動だったのだろう。 ……彼は本当に凄い。 名探偵と殺人犯でありながら──二人は対立する関係でもなく、むしろ、お互いを少なからず大事に想う友人同士だったと言えよう。 さくらは、金田一の事が純粋に好きだった。 教室でいつも明るく笑っているクラスメイト。ちょっと馬鹿にも見えるが、いざという時には優しく、機転が利いて頼りになる男子。 うちのクラスのみんなを笑わせてくれる太陽のような存在だった。 本来なら決して巻き込みたくはなかったし、金田一の前で事件の全貌を明かされたくなどなかった。 ……とはいえ、これが因果応報なのだろう。 人を殺した報いが、“最も知られたくなかった人に、その罪を暴かれる”という結末だったに違いないのだ。 ◆ 今、殺し合いの場に来たさくらの手の中には、その時と同じように、刃が握られていた。 ナイフというにはあまりに大きい。それは、まさしく、刀そのものだった。 刃渡りは、ギリギリデイパックに入る程度という所で、よくこんな物を持ち歩いていたのだと思ってしまう。 しかし、結局のところ、さくらにとって、そんな事はどうでも良かった。 いずれにせよ、死んだはず──決して、一命を取り留めたなどと言う事があるはずなかった──のさくらがこうして生きている限り、あらゆるミステリーが許される状況になっているのかもしれない。 異常な事が付きつけられているとしても、さくらはもう“正常”など求めない。 「金田一くん……」 感情がある限り、苦痛は決して止まない。 心を閉ざす唯一の手段は、死ぬ事だけだ。 たとえ、一度死んだとしても……やる事は変わらない。 切っ先を自らの腹部に向けてみた。 ──あの時と同じように。 「お父さん……お母さん……」 剣を持つ手は、一瞬止まった。 ──そうだ。 さくらは、かつて自分が死ぬ時、もしかしたら、父や母に会えるかもしれないと少し思っていた。 しかし、それは決して叶わなかった。この殺し合いに巻き込まれたからだ。 だからか、あの時のように、思い切りがつかなかった。 「──」 それに、この場には金田一がいる……。 もし──仮にもし、自分の罪が何らかの形で、彼を巻き込んでしまったというのなら、まずはそう……彼に謝りたい。 彼は大事な友達だった。恋人には、なる事はできなかったが……。 昔、さくらが死のうとした時、金田一は真っ先に駆け寄り、必死になっていた。 力を失っていくさくらの目の前で、金田一が力を振り絞り、声をあげていたのがわかった。 そして……さくらがゆっくりと目を閉ざした時、金田一の声が死にかけた脳に届いたのだ。 ──バカだよ……お前は……── これまで、いじめられて罵倒される事はあっても、こんなに優しく、悲しそうな語調が耳に届いた事はなかった。 彼がどういう意味で言ったのかは、さくらにもわからない。 しかし──少なくとも、さくらを本心から貶す意味でそんな事を言う人間でないのは、さくらもこれまでで重々理解していた。 「駄目だぁーーーー!!!」 さくらが手を止めた時、誰か、男の声が響いた。 はっとしてそちらを見ると、さくらとそう変わらない──といっても、少し年下だろうが──年齢の、妙な恰好をした男の子が慌てて駆け寄って来たのだ。 その姿に、さくらは思わず、はっと、かつての金田一の姿を重ねた。 「!?」 彼は、呆然とするさくらの元まで、すぐに近づいていた。 そして、息を荒げ、さくらを睨むように見つめながら、刀を、強い力で思い切り奪い取ったのだ。 だが、刀は空中で彼の手を離れ、空を舞って地面に突き刺さった。 流石に驚いて、さくらは彼の瞳を見た。 彼の瞳は──真っ赤になっていて、泣いているのだとわかった。 ◆ 少年──ポップは、決して強い人間ではなかった。 いや、むしろ、どんな人間よりも弱く、もしかすれば「あさましい」と言えてしまう人間だったかもしれない。 自分が助かる為ならば仲間を置いて逃げる事だってあった。弱くて、卑怯で、どうしようもないほどに普通の人間だ……。 しかし、そんな彼も、今は──誰よりも強い心を持つ人間になっていた。 大事な師や旅で出会った人たち、そして心強い仲間たちと共に、バーン率いる魔王軍と戦ってきたこれまでの道程で、彼は悪に立ち向かう勇気を得た。自分に打ち勝つ正義を得た。 それどころか、強敵を前にしても、その身一つで一生懸命に戦い続けるほど……強き戦士になった。 勇気と正義だけは、勇者と──ダイと、並ぶほどである。 そんな彼も、この凄惨な殺し合いに招かれた時は、すぐに……涙を流した。 この前にあった出来事が彼にとって強い劣等感を煽る物だったせいもあるが、やはり、クロコダインという大事な仲間を喪った事が決定的だった。 どれだけ回復呪文(ホイミ)を唱えても……死んだクロコダインには効き目はなかった。 第一、矢に串刺しにされて死んでいるのだ──どうしようもない。それでも、何度も何度も彼にホイミを唱えた。 結果、全てが虚しく……クロコダインはここにおらず、ポップはここにいるというわけだ。 「クソッ……間に合わなかった……クロコダインのおっさん……」 あそこで見せたクロコダインによる反逆。 それは、まぎれもなく彼の正義が発した強き意志。 だが、ポップにはそれだけの勇気が無かった。 仲間を殺されても、立ち上がる事さえできなかったのだ。 アバンの使徒たちが持つ「アバンのしるし」が光り輝き起きるはずの大破邪呪文……ミナカトールを起こそうとした時もそうだ。 自分は、クロコダインのように上手にやる事が出来ないのかもしれない。 そう……。 あの大破邪呪文を起こそうとしていた時に、ポップはこの殺し合いに招かれたのである。 しかし、ただ一人、ポップのしるしだけが光らなかった。 今も、その“お飾り”のしるしは、ポップの手元にある。 少し前まではアバンという師から受け継いだ誇りだったその石を見つめても、彼の劣等感を煽り続けるだけだった。今にでも捨てたくなる。 ……自分だけが。 そう、五人もいて、自分だけが、この石を光らせる事が出来なかった。 生まれながらの戦士や、勇者ではないポップのぶつかった才能の限界である。 あの後、ミナカトールの呪文を起こす人間に“欠員”が出来たはずだが──それは一体、どうなってしまったのだろう。 あの呪文が起こせなければ、何千、何万という人が死んでしまうとヒュンケルは言っていた。 と、その時、ポップは思い出した。 「そうだ……ダイ……」 クロコダインの亡骸に駆け寄ったのは、自分ともう一人。 かけがえのない親友──勇者ダイだ。 彼も大破邪呪文の為に必要なアバンの使徒の一人である。 ……よりにもよって、二人も欠員しているわけだ。あの後、マァムやヒュンケルたちは──どうなったのだろう。 とにかくあの呪文が中断された事に、安心してしまう自分の弱い心を、ポップはすぐに振り払った。 「……ダイ! いるか!? いたら返事してくれ!」 ポップは、泣きながらも大きく叫んだ。 しかし、彼の言葉は決して遠くまで響かない。大事な仲間の死の傷跡は思った以上に深く、声を殺して泣くのが精一杯だったのかもしれない。 まるで喉の中だけで反響しているようだった。むせかえるような喉の痛みと、詰まった鼻では、遠くまで聞こえるほど騒がしく声を張れるわけもない。 「……クソォッ!」 ポップは、この時、一度、座り込んでしまった。 彼の周りは、一面、紫色の植物に囲まれている。鼻が詰まっていて気にならなかったが、凄く温かい香がした。 紫の綺麗な植物、この香り……なんという名前なのだろう。 それで……少し落ち着いてから、ポップは手元にあったデイパックの中身を確認した。 そう、考えてみれば、この中に入っているものは、今日を生きる糧だ。上手くすれば、意外な使い方をする事で主催打倒の手がかりになるかもしれない。 少なくとも、どれだけ打ちのめされていようとも、ポップは「正義感」だけは捨てない人間だった。 こんな時でも、大魔王バーンや、ノストラダムスを倒す事は頭から外していないのである。 むしろ、それを強く願っていたからこそ、しるしが光らなかった事や、クロコダインが死んだ事にあまりに強いショックを受けていたのだろう。 ──みんなでやり遂げる、という事が出来なくなったからだ。 「ん? 名簿……?」 ポップは、この殺し合いに招かれた者の名前が載ったリストを手に取っていた。 ダイを探す彼の意思が呼応したのかもしれない。 すると、その名簿には、ダイ以外にも、ポップの知る名前が幾つか載っているのがわかったのだった。 「キルバーン……バーン……ハドラー……だって!?」 そこにあったのは、今、ダイやポップたちが倒そうとしている者たちの名である。 大魔王や、かつての魔王が敵になっている。一応、名目上、ポップはダイや彼らと「最後の一人」の座をかけて争っている事になるわけだ。 ノストラダムスの言葉に乗る気はないが、もしポップが最後の一人を志す場合、実力の時点で大きな壁が出来ている。 流石に正攻法での勝利は不可能なのは明らかである。 彼らが同名の別人や偽物でない限りは、ポップの実力の遠く及ばない所にあるだろうし、現状ではポップも負けを認めよう。 ダイですら、バーンなどとは今、真正面から一対一で戦って勝てるのかは微妙な所であるといっていい。 だが……それ以上に気になったのは──。 「ノストラダムスは……あいつらより強いってのかよ!」 そう、あの三人を拉致して連れてくるノストラダムスの実力だ。 おそらくは、彼らより上にあるといっていい。何らかの魔法や術でも使えば別だが、彼らがそんな物に引っかかるだろうか。 大魔王を倒すには、クロコダインを含めた何人もの仲間が絶対的に必要だった。 ……いや、しかし、考えようによってはプラスな部分もある。 バーンやハドラーがここに連れてこられてきているという事は、元の世界で戦っている者たちも大破邪呪文の中断以上の混乱に見舞われているわけだ。魔王軍も地上侵攻を進める事ができないという事になる。 それに、ポップの目的は最後の一人になる事ではなく、ノストラダムスを倒す事だ……。 もし、バーンやハドラーが同じ目的を持っているとするなら──いや。 ハドラーはともかく、バーンやキルバーンともなると、ポップや弱者は必要とせず、そもそも協力して脱出を寝返るほど対等な関係とはしないかもしれない。 やはり。 ポップがすべきは、ダイとの合流だ……。 仮にバーンたちと出会っても、上手く行くかはわからない以上、うっかり遭遇しない限りは、上手にバーンたちを避けながらダイたちを見つけたい。 (よしっ! ……泣いてても仕方ねえよな。 今俺がやるのは、大破邪呪文(ミナカトール)を完成させる事じゃなくて、ノストラダムスを倒す事だ! それなら、こいつが光らなくたって……これまで通り、ダイと一緒に、勇気で乗り越えればいいんだ!) ポップは、そう思って思い切り立ち上がった。 すると、ポップの視界には、先ほどまで全く見えなかった、“別の参加者”の姿があった。背の高いラベンダーたちに囲まれた場所では、お互いの姿が見えにくかったが、確かにポップはそれを確認した。 どうやら──ポップより多少年上程度の女性である。 そして──彼女は、その手に剣を持ち、今にも自分の身体に突き刺そうとしているのである。 あれは……。 「!?」 ポップは、飛び上がりそうなほど驚愕した。 苦しんで死ぬより、自らの手で命を絶とうとしたのだろうか。そう、まさにその瞬間である。──刃を自らに向けるなど。 しかし、その少女の命がこのまま尽きるのを、ポップは強く嫌悪した。 頭の中に浮かぶのは、やはり……。 やはり……。 (おっさん……!!) クロコダインが──大事な仲間が死ぬ姿が、脳をちらついて、離れなかった。 ポップは、止んだはずの涙を再び流し、奥歯を噛みしめた。 いつか──そう、いつか、幼い日に両親に問うた、答え難い質問と、その答えを彼は不意に思い出した。 ──どうして……── 誰かが死ぬというのは、どういう事か。 誰かが生きると言うのは、どういう事か。 そして……目の前に、自ら命を絶とうとする人間がいたら、ポップは──どうすればいいのか。 今度は、彼が泣いたまま発した叫びも、遠く響いた。 「駄目だぁーーーー!!!」 彼は、少女の自殺を止める為に、駆け出したのだ。 それは勇者の証や意志などではなく、彼の根っこの部分が脊髄反射を起こしたゆえの行動と言い換えても良かった。 ◆ ──どうしても人は死んじゃうの!? どうしてずっと生きていられないの!?── ◆ そして、時間は、“現在”に戻った。 五十メートルほどの距離を、ラベンダーをかき分けながら疾走したポップは、肩で息をしていた。 この程度の距離では、普通はそうそう息が切れる事もない。 しかし、泣きながら──嗚咽とともに、必死でもがくようにして、彼は、和泉さくらが死のうとするのを止めたのだった。 さくらも、直前には躊躇していたので、結果的にはそれは無意味だったかのように思える行為だったが、実際のところ、ポップ自身が大事な事に気づくのに、大きく意味のある瞬間だった。 遠い日の夜の事が頭に浮かぶなど……。 「──どういう理由が……あんのかは……知らないけどさ……、今……こうしてわけのわからない状況で怖いのかもしれないけど……!」 さくらは、呆然と、彼の姿を見つめていた。 何故か、それが、金田一少年の言いそうな事に思えたからだ。 はっとして、目を大きく開いているさくらの顔面に、ポップは、自分が今──この殺し合いにいる誰よりも強く思っている感情を叩きつけた。 「──だけど、自分から死んじゃ駄目だ!」 目をぎゅっとつぶり、肘で両目を擦ってから、ポップは言った。 その手の中──拳は、固く閉ざされている。何か、強い想いが、彼の拳を強く握らせていた。 「……俺の……俺の仲間だって……クロコダインだって……死にたくなかったはずなのに……あいつらに殺されちまったんだよ……! なのに、……なのに……、生きてる奴が、自分から命を捨てようなんて、絶対変だ……! 俺は認めねえ……!」 唖然とするさくらを余所に、ポップは続ける。 さくらも、彼の知り合いが──あの広間で殺されたピンクのワニ男だったのだと悟った。 あれは作り物のようにしか見えなかったが、しかし、ポップの表情や言葉は偽物ではなかったし、さくらの思考は混乱を極めたようである。 「どうして!? どうして自分から命を捨てちまおうとするんだ!」 ポップは激しい語調で問うた。 何故か、その言葉がさくらの胸には、鋭利な刃物のように深く突き刺さる。 どこの誰ともわからない人間の言葉であるが、他人のような気はしなかった。 まるで、目の前に金田一がいるような気分だった。 「……君は?」 「そんな事どうだっていいだろ! わけを話してくれよ……!」 ポップの息が整い始めた。 ここでさくらの声を初めて聞いてから、今、自分は会話をしているのだという事に気づいたのだろう、息は整っていくのではなく、整わされ始めた。 ポップは少し、頭の中で考えをまとめる。……あまり上手に纏まったわけではないが、ポップは落ち着いて、言った。 「俺は……俺は、みんな一緒に生きて、こんな所から脱出したいんだ……。だから、誰にも死なないでほしい……」 さくらの瞳は曇ったまま、ポップの方を見つめていた。 彼が誰なのかはよくわからない。……いや、彼は今、名乗る事さえも拒んだ。 ただ単に、自殺という行為への怒りが彼を突き動かしていたのである。だから、もう一度冷静に名前を聞けば、答えてくれるかもしれない。 だが、そんな事は、今はいい。 彼は、そんな事よりも、さくらが死のうとした理由を知りたいらしかった。 「……」 さくらも少し悩んだ。 相手は初対面の人間だ。何かを打ち明けるには抵抗がいる。ましてや、それは、本来、あまり他者に向かって話す事でもなかった。 しかし……。 初対面の人間だからこそ、容易く打ち明けられる事というのもある。 さくらが犯した罪とは、全く無縁な少年だ。 「……あたし、人を殺したの……」 呟くように、俯いてそう言ったさくらに、ポップは驚いたようだった。 殺し合いが始まって、まだそう時間は経過していなかったが……まさか、と。 しかし、そんな様子を察してか、さくらは首を振った。 「……ううん……ここに来てからじゃないわ。ここに来る前の話よ。 お父さんの命を奪った奴らを二人、この手で殺したの……」 ポップは、饒舌にさくらに言葉を投げかけていたはずの口を噤んだ。 何も言われず、ポップが少し恐れているように見えたさくらは、却って気が楽になった。 まるで置物を相手に話しているようで、──あまり気がねする必要が無い。 「……でもね、その人たちを殺したその時思ったの。 お父さんたちとの思い出は……私自身が、穢してしまったんだって……」 ポップの目は、殺人を犯した人間を見る目ではなかった。 普通の人を見て、人を殺した事のない普通の人の悩みを聞いているような気持ちになっていた。 結局は、ノストラダムスもさくらも同じ殺人者に分類されるかもしれないが、彼女だけは除外しても良いような気持ちになる。 「あなたが誰だかはわからないけど……もし、本当に脱出したいなら、私を仲間に入れない方がいいかもしれない……」 ごくり、とポップは唾を飲み込んだ。 さくらの重い言葉は、まるでポップの心臓を締め付けていくようだ。 しかし、意を決して、彼は言った。 「でも……でも俺、よくわかんねえけど、──人を殺すのも悪い事だけど、自分の命を捨てるのも同じくらい悪い事だろ? ……それに、罪の意識ってやつを感じるなら、あんた、やっぱり悪い人じゃねえよ! ……死んじゃったら勿体ねえよ」 今度は上手く言葉が纏まるかわからず、少し手探りになった。 ポップには人を殺した経験などないし、それを踏まえて相手に納得のいく言葉をかけられるのかは全くわかなかった。 ただ一つだけ。──やはり、それでも、自ら死ぬのは間違っているという意見だけは変わらなかった。 「それに、やっぱり……償う方法が死ぬしかないなんて事はないはずだぜ! だって、そうだろ……? 今からやり直しちゃいけないなんて、誰が決めたんだよ!」 そして──まるで紡ぐように出たその一言が、何か、さくらをはっとさせた。 やり直す──その言葉が、さくらの中で引っかかったのだ。 そんな言葉をいつか、語りかけられたような……そんな気もした。 「え……?」 そんなさくらにも気づかぬまま、ポップは続けた。 今ポップが口にしているのは、さくらを説得する言葉というより、彼自身の願望と言った方が近かった。 しかし、それが却ってさくらの心を揺さぶったのかもしれない。 「だって……人は必ずいつか死ぬんだ。──だから、一生懸命、生きてるんだ! あんただって、最後の時が来るまで、一生懸命生きて、今からだってやり直せばいいじゃないかよ! 俺、もう誰にもクロコダインみたいに死んで欲しくないんだ……! どんな人間にだって、あがいてもがいて、一瞬でも長く生きてほしいんだ……。 そいつが……そいつが、俺たち人間の、一番の強さだって、思ってるから……」 クロコダインと言う仲間の死を受けたばかりだからこそ……彼は、ひたむきにそう言い続けたのだろう。もう、目の前で誰かが死ぬのを見たくは無かった。 そして、生きている誰かが、大事な命を捨てて行くのも……。 目を丸めたまま、さくらは、彼に訊いた。 「きみ、名前は……?」 「……俺は、ポップ。あんたは?」 「和泉、さくら……」 苗字と名前の概念は殆どなかったが、何となくどこが名前かはポップにもわかった。 とにかく、さくらが唖然としているのはポップにもよくわかる。 初対面の人間をこれだけ強く説得したのだ。──誰だって少しは驚くだろう。 「……イズミ・サクラ、か。なら、サクラ……一緒に脱出したいなら、絶対大丈夫だぜ! 俺の仲間もきっと、サクラの事をわかってくれる。 ダイっていってさ……凄く良い奴なんだぜ! まあ、俺と違って、あいつは女の子の事には、鈍感だけど……」 それから、ポップはもう少し元気で前向きな気持ちでさくらに語りかけた。 さくらが少しでも心を開いてくれたと思ったからだ。それはポップにとっても純粋に喜ばしい事だった。 少なくとも、今ここで命を絶つ事はないだろうし、少しはポップの言葉を胸にしまってくれたような気がする。 ふと、知り合いの話題で、ポップも気になる事があった。 「そうだ、サクラは……?」 「え?」 「サクラは、ここに知り合いが来てたりしないのか?」 そう問われて、さくらは、少しだけ躊躇してから、金田一の名前を告げた。 考えてみれば、脱出したい人間にとって、金田一はきっと、最大のブレインになる。 彼は頭が良いだけではなく、正義感も誰よりも強い──ポップとは、きっと仲良くやれるのではないかと思った。 さくらも、ポップに悪印象は全く無い。彼が純粋に脱出したいというのが、さくらにも伝わったのだ。 「……金田一くん、っていう友達がいるわ」 「キンダイチ? ……それって、確か、ノストラダムスの正体を暴くとか言ってた奴じゃねえか! 詳しく教えてくれよ!」 やはり、船の一室で金田一が啖呵を切ったのは間違いないらしいと、さくらは知る事になった。 金田一は、やはりあの時も……名探偵だったのだ。 そんな彼に想いを馳せながら、さくらは一度、ポップとちゃんと話してみる事を決めた。 【1日目 深夜】 【B-2 蒲生の屋敷・ラベンダー畑】 【和泉さくら@金田一少年の事件簿】 [状態]:健康、恐怖と震え [装備]:神刀滅却@サクラ大戦 [道具]:基本支給品一式、不明支給品0~2 [思考] 基本行動方針:????? 0:ポップと話す。 1:金田一くんに会いたいような、会いたくないような…。 2:自分は生きていて良いのだろうか? [備考] ※参戦時期は死亡後。 金田一の説得は、「バカだよ……お前は……」まで聞き取ったようです。 ※金田一と同じクラスだったので、小田切進の事は知っているはずですが、現在のところ特に意識はしていないようです。 【ポップ@DRAGON QUEST -ダイの大冒険-】 [状態]:健康、悲しみ [装備]:アバンのしるし@DRAGON QUEST -ダイの大冒険- [道具]:基本支給品一式、不明支給品0~2 [思考] 基本:打倒ノストラダムス。 誰にも死んでほしくない。 0:サクラと話す。特に、キンダイチという人間の事が気になる。 1:ダイを探し、一緒にノストラダムスを倒す。 2:バーン、キルバーンを警戒。ただし、ハドラーは…。 [備考] ※参戦時期は26巻「大破邪呪文の危機…!!!」終了後。 その為、アバンのしるしを光らせる事が出来ていません。 【支給品紹介】 【神刀滅却@サクラ大戦】 和泉さくらに支給。 「二剣二刀」の一つであり、帝国華撃団総司令・米田一基中将が持つ、霊力を帯びた直刀。 所持者を正しい方向へと導く力を授けられると言われる。 後に大神一郎に託され、「二剣二刀の儀」に使われた。 【アバンのしるし(勇気)@DRAGON QUEST -ダイの大冒険-】 ポップの所持品(ただし支給品枠1減)。 アバンに教えを受けた「アバンの使徒」たちだけが卒業証書代わりに持つ石。 輝聖石という特殊な石で作られており、敵から受けるダメージを軽減し、所有者の力を高める事が可能。つまり、強力なおまもりである。 いざという時には、彼らの身を守る魔力を発動するが、確実に生存を約束する物ではない。 五種類あるが、ポップが持っている石は、「勇気」の力に呼応する。 時系列順で読む Back 暁に死して、月に再び黄泉返り。 Next 復活の帝王 投下順で読む Back 暁に死して、月に再び黄泉返り。 Next 復活の帝王 GAME START 和泉さくら Next [[]] ポップ Next [[]]
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せかいなんていっしゅんでかわる【登録タグ 2010年 あしたのP せ 曲 歌愛ユキ】 作詞:あしたのP 作曲:あしたのP 編曲:あしたのP 唄:歌愛ユキ 曲紹介 ボカロ小学生がとても暗いオリジナル曲を歌います。 あしたのPがユキの新しい使い方を見出しました。 歌詞 世界なんて一瞬で変わってしまう この世に確かなものなど何も無い 「いつも」なんて一瞬で終わってしまう ほんのささやかな揺らぎだけでも 夢を見た 壊れる前の世界 気が付けば 遠い遠いずっと遠い 光なんて一瞬で闇に変わる 表と裏との距離はゼロだから 誓いなんて一瞬で裏切られる ほんのささやかな理由だけでも 信じてた 穢れる前の世界 気が付けば 遠い遠いずっと遠い 足元に何も無い 手のひらは空をきり どこまでも落ちていく この身体 果てしなく暗い闇 目の前さえも見えず いつまでも立ちつくす この心 世界なんて一瞬で変わってしまう この世に確かなものなど何も無い 心なんて一瞬で死んでしまう ほんのつまらない言葉だけでも 思い出す 潰れる前の世界 気がつけば 遠い遠いずっと遠い 空気がとても重い 支えきれなくなって 押しつぶされてしまう この身体 周りは静かなのに 心だけが騒いで うるさくて眠れない 今日もまた 足元に何も無い 手のひらは空をきり どこまでも落ちていく この身体 果てしなく暗い闇 目の前さえも見えず いつまでも立ちつくす この心 空気がとても重い 支えきれなくなって 押しつぶされてしまう この身体 周りは静かなのに 心だけが騒いで うるさくて眠れない 今日もまた コメント あまりにも良すぎたのでページ作ってみましたw -- 名無しさん (2010-01-23 12 18 14) ネタ物含めて暗い歌歌わせてるのは他にもあったけど、これは頭抜けてはまってますね。ていうか小学生云々抜きに良い。 -- 名無しさん (2010-01-23 21 15 27) ユキはこういう歌に合うよね -- 名無しさん (2010-01-23 22 16 52) やったーぼからんに入ったぞwww -- 名無しさん (2010-01-27 20 18 41) 歌詞違ったから直して来たぞ -- 名無しさん (2010-01-30 08 35 19) この歌好き〜 -- 名無しさん (2010-02-11 17 08 45) ユキは暗い曲の方が似合う気がする -- 名無しさん (2010-06-26 06 31 00) いいな、なんかw -- 名無しさん (2011-03-19 18 25 22) 暗いけど歌詞がいい。もっと評価されるべき歌。 -- 名無しさん (2011-07-04 05 54 04) この曲イイ。かなりイイ。 -- 名無しさん (2011-09-11 02 13 42) 再生:37,821 コメント:1,584 マイリスト:2,325 -- 閲覧数 7337 (2011-11-08 04 31 40) 鬱だけどずっと聴いてたい ユキちゃんってこういう曲似合うねw -- 名無しさん (2012-01-03 17 24 25) 「雪」からダークユキのパイオニアの地位を奪われた感半端ない -- 聴く前からいい曲!とか言う奴 (2012-01-22 15 52 25) これか! -- 名無しさん (2013-11-16 13 38 15) 定期的に聴きたくなって聴く いつまでも好きだ -- 名無しさん (2020-09-08 22 12 55) 強風オールバックも良いけど、この曲も好きです。 -- TAITO-U (2024-05-01 15 43 46) 名前 コメント
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【検索用 うちゅういっしゅんせんかせつ 登録タグ 2015年 UTAU ある調味料 う くーま よわむしくん 曲 曲あ 桐 滲音かこい】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ある調味料 作曲:ある調味料 編曲:ある調味料 イラスト:くーま(pixiv) 動画:桐(niconico) 唄:滲音かこい・よわむしくん 曲紹介 御終い それだけ 曲名:『宇宙一瞬前仮説』(うちゅういっしゅんぜんかせつ) 歌詞 (左:滲音かこい、 右:よわむしくん) いつから見えないのか 両手を広げて どこから立てないのか バランス取り取り 危ない橋さえ 倒した信号機が 渡りませうせう 僕らを見つめていた 両側ただ静かで 埋もれた記憶を それが気持ち悪くて びいどろに変えて 喉を通したら 足元転がる孤を 御終い それだけ 無視してまた一歩だけ 垣間見る 遠い空の翅さえ失くした僕らに あの日の中で その中で 眠たいな アルタイル 平和とか 長閑だとか 僕はもう 君のこと そんなことばかりしか ずっとずっと長い間 浮かばないの 見ていないのさ 届かない手紙はどこに消えるのか? いつまで落ちないのか 頭上を動かぬ どこまで保てるのか 天道睨めつけ 止まらぬ飛沫を 半分だけ壊れた 拭いませうせう 地球儀を踏みつけて 手紙は届かないね 脆い瞬きは 電話ももう切れてさ 何も捉えずに 咲かぬ花びらを それでも繰り返して 見つめて それから それだけ繰り返して 頽れる 呑み込んだ気持ちは重石になるの? いつまでだって 僕の持つ 怖いのさ セルロイド よわむしな 目元から 僕はまだ 君の手に 涙がふわりと 言葉ひとつさえ 空に落ちてくんだ 届けていないんだ 何度目のひとりが終わる夢見て 大口を空けた穴は変わらずに 舞い上がり ぶら下がり 落とし込め 吸い込まれ 縮こまり もう終わり 揺れ途切れ 泣き叫んで なきむしこよしな 離れ離れて 僕らの続きへと 僕たちは消えたのさ 崩れゆく最後に君を見れたらな コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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*GM_azalea Topic 『永遠の一瞬』 GM : GM :ここはザルツ地方、自由都市同盟近くの田舎道。 GM :近辺に砦を建てようとしていた蛮族たちを、ちょっと殲滅した帰りです。 GM :まだ周辺に残党がいないとも限りませんが、今のところ眼前に広がっているのは、あくまでも平和な風景。 GM :(発言開始どうぞ) ハノン :「なんとか終わりましたね。すこし可哀想な気もしましたが…」 クロウ :「蛮族が片付いて何よりでした。みなさん流石ですねぇ」 エイルマー:「ま、大怪我も無くて幸いではあったな」 レイン :「何だかスペシャリストの集団に紛れこんでしまった気分・・・皆凄いねぇ~」 ヴィオラ :「それはお互い様」(笑) レイン :「毎回こうだと楽で良いんだけど」(笑) クロウ :「まったくです、はい」 GM :さて、そんな風に道を歩いていると…… GM :ちょっと危険感知どうぞ。平目不可>ちりり クロウ :2d6+4+2 危険感知スカウト [az_dice] Crow_G - 2D6+4+2 = [2,3]+4+2 = 11 レイン :2d6+5 スカウト [az_dice] Rain_G - 2D6+5 = [6,2]+5 = 13 ハノン :2d6+3+5 スカウト [az_dice] Hanon_G - 2D6+3+5 = [6,3]+3+5 = 17 クロウ :ホント知力系苦手(笑) ハノン :スカウト伸ばしてよかったわー GM :では、レインとハノンが気付きました レイン :ダイス運で面目躍如(笑) GM :近くから、争うような物音と、女性の悲鳴が聞こえた ハノン :「む?何か聞こえましたね」 ヴィオラ :「えっ、どうかした?」 エイルマー:「何か聞こえたのか?」 レイン :(ハノンと目を合わせる)「ん?気付いたか?」 クロウ :「…気付きませんでした…まだまだ修行が足りません」 ハノン :「ええ、女性の悲鳴のようなものが…。もしかしたら、さっきの残党かもしれません」 クロウ :「わかりました、行ってみましょう。警戒を忘れずに」 レイン :「残党だとマズイな。。。行ってみるか」 GM :はい、音のする方に向かってみると…… GM :男女の二人連れが、蛮族に襲われています! エイルマー:「残党がこんなところに居たのか?」 GM :男性はどうにか応戦しようとしていますが、形勢不利の様子 ヴィオラ :「うわ……」蛮族の種類わかりますかー? ハノン :「!大丈夫ですか!今、助けます!」 GM :「ウィア、僕はいい、逃げるんだ!」「そ、そんな……!」 クロウ :「二人ともこちらへっ!」大声で>二人連れ GM :はーい、蛮族は、ボガードとかゴブリンとかそんなのなので GM :~You Win!~ ヴィオラ :はーい(笑) レイン :「ここは俺達が引き付ける!」 レイン :あ(笑) クロウ :ああ(笑) GM :男性「……! き、君たちは?」 クロウ :「ケガはありませんか?」>お二人@GM ハノン :「大丈夫ですか?私たちは通りすがりの冒険者です」>二人@GM GM :女性「私は大丈夫です。アロンは……」男性「これ位は何てことない」 GM :と、男性は自分で魔法を使って傷を治してます レイン :「この辺りは蛮族の残党がまだうろついているんだ。危ないぞ」>二人 ヴィオラ :「なら、よかった。あなた方はどこかに向かう途中?」 GM :男性「あ、ああ。アルフォートに向かおうとしていたんだが……」 GM :ここから歩きで五日ぐらいかかりますね ヴィオラ :えー、先だっての依頼の報告の必要はありますか?(笑)>GM エイルマー:「二人で・・・か?」二人を見つつ ハノン :「ここからだと結構な距離ですよ」 クロウ :「名乗るのが遅れました。私の名はクロウ、よろしければお名前を伺っても?」>お二人@GM GM :ああ、街道を行けば、依頼を受けた街が通り道ー>ヴィオラ ヴィオラ :了解(笑) GM :男性「……僕の名前はアロン」女性「私は……ウィアといいます」>クロウ GM :で、アロンはエルフ、ウィアは人間っぽいです GM :アロン「この辺りは、蛮族が多いのか……?」 レイン :「私はレインよろしく。 ん~今の時期ここらの長旅はオススメ出来ないなぁ」>アロン&ウィア ハノン :「実は先ほど、この辺で退治したばかりで。おそらく先ほどの者たちもその残党でしょう」>アロン エイルマー:「安全とはいえないのは確かだな」>アロン ヴィオラ :「あたしはヴィオラ、これから(依頼を受けた街)に戻るところなんだけど……」ちらっ クロウ :「アロンとウィラ、ですね。ありがとう、それにしても何故二人きりで長旅を?…差し支えなければ」>アロン&ウィア GM :アロン「僕たちはどうしても、旅を急がなければならないんだ。しかし……」 GM :アロン「ザルツを離れて、二人で生活を始めるつもりなんだ」>クロウ クロウ :「それはそれは…お二人は家族となられるのですね?素晴らしい」微笑 ヴィオラ :「へぇ……って、えぇ?!」 GM :ウィア「でも、こんな危険な……やっぱり」アロン「行くんだ、どうしても!」 エイルマー:「ほぅ、それはおめでとうと言うところか」 ハノン :「おや、それはおめでたいですね。ですが、さすがに二人だけでは道中危険ですよ?」 GM :アロン「…………」 GM :アロン「君たちは、冒険者だと言ったか」 ヴィオラ :「えー……何か事情が? いや、ああ、うん」 エイルマー:「事情があるようだな」 レイン :「まぁまぁ落ち着いて、立ち話もなんだし近くの街までなら俺たちと一緒に来ればいいよ。」 クロウ :「どうでしょう?我々もあちらへ行く途中ですし、ご一緒しませんか?旅はマタずれ、と言いますし」 ヴィオラ :「それ道連れ」(笑)>クロウ GM :アロン「……ああ、出来るなら護衛を頼みたい。報酬は……」 クロウ :「ああ、いい間違いましたか?これは失礼を」深々と>ヴィオラ GM :と、アロンは、ごそごそと荷物を漁り、ティアラと指輪を取り出しました GM :アロン「これなら多分、それなりの値段で売れると思う。頼めるか?」>ちりり ヴィオラ :鑑定できるでしょうか GM :はい、鑑定どうぞー。セージorスカウト、一括でOKです クロウ :2d6+4+2 宝物鑑定スカウト [az_dice] Crow_G - 2D6+4+2 = [3,6]+4+2 = 15 ヴィオラ :2d6+7 セージです [az_dice] Viola_G - 2D6+7 = [4,5]+7 = 16 ハノン :2d6+10 セージ鑑定 [az_dice] Hanon_G - 2D6+10 = [1,4]+10 = 15 エイルマー:2d6+2+2 セージ鑑定 [az_dice] Aylmer_G - 2D6+2+2 = [3,4]+2+2 = 11 レイン :2d6+5 セージ [az_dice] Rain_G - 2D6+5 = [5,2]+5 = 12 GM :そうか、みんなどっちか持ってるんだ(笑) ヴィオラ :インテリパーティーだな、さすがエルフまみれ(笑) GM :えー、価値は両方合わせて、売値12000Gほどになるでしょう レイン :ウィア(人間)が希少種に(笑) ハノン :「…これ、もしかして大切なものじゃあ?」>アロン@GM クロウ :「こんな高価なものを…新生活には何かと金が掛かると、前にどこかで聞きましたよ。」(どこで聞いた(笑)) GM :指輪もティアラも、材質は銀+宝石で、ライフォスとアステリアっぽい意匠が施されています エイルマー:「…二人で位していける金はちゃんとあるんだろうな?」 GM :アロン「いや、もう、いいんだ」>ハノン ヴィオラ :「えー……」ツッコミあぐねる GM :アロン「僕は神官だし……いくらかの現金もあるから、生活の道は立てられると思う」>エイルマー ハノン :「………(さすがに受け取りずらいですね…)」 ヴィオラ :「これは……そのー……ちゃんと報酬として好きにできるものなんだよね?」 エイルマー:「とはいえ金は幾ら有っても問題は無い筈だ。 本当に良いんだな?」>アロン ヴィオラ :※出所の怪しいものではないよねという意味 GM :アロン「ああ、好きにしてくれて構わない」>ヴィオラ、エイルマー ヴィオラ :「……(何者ー?)」 ヴィオラ :「……まあとりあえず、街に戻ろっか?」 GM :アロン「それは元から僕が……頼んで作ってもらったものだし、もう必要のないものだから」 ヴィオラ :「…………?」 クロウ :「どうでしょう、報酬の受け取りは状況及び個人判断として、依頼は受けるということで」>ちりり レイン :「・・・依頼というなら私は受けても構わない冒険者だからな。だが一度街で休んで冷静になってから依頼するのをオススメするよ」>アロン ハノン :「私はかまいませんよ」>クロウ エイルマー:「まあ、立ち話ししてるよりは次の街に向かったほうがよさそうだな。まだ残党が出てくる可能性もある」 ヴィオラ :「やっぱり、ここではいっては言いづらいよねぇ。そうしよう」 GM :アロン「……いや、僕たちは街には寄らない。君たちが用があるというなら、近くで待っているよ」 エイルマー:「…食料とか足りてるのか? ずっと街の外は危険だぞ?」 クロウ :「事情がおありのようですし、依頼人は急いでらっしゃる。合理的な回答だと判断しましたが?」 GM :アロン「食糧、は……」ウィア「あります、二人の一週間分ぐらいは」 レイン :「(ここまで街に寄りたくないってのは何か事情がありそうだねぇ)」 ヴィオラ :「街の近く、ならとりあえずは安全かなあ……とにかく、行こうか」 GM :アロン「ありがとう、よろしく」ウィア「よろしくお願いします」 GM :というわけで、とりあえず先の依頼を受けた街に向かう、でいいかな>ちりり ハノン :はーい クロウ :はいー レイン :はい。 GM :はーい、では GM :街まではその日のうちに着きます。アロンとウィアは言った通り、街には入らずに待っているとのこと ヴィオラ :「えっと、誰か護衛に付いてなくて大丈夫かな」 ハノン :「報告と買出しだけでしたら私が行きましょうか?」 GM :アロン「ここなら守りの剣の範囲からも遠くない。さすがに、いざとなったら逃げ込むよ」>ヴィオラ ヴィオラ :「そう言うなら……」 クロウ :「わかりました、ではまた後ほど」 ハノン :「それでしたら、いちおうこの子を持っていてください」ごそごそ ハノン :かえるさーん GM :ウィア「きゃっ!?」 ハノン :かえるさん「げこっ。おれを持ってくれ~」 ヴィオラ :「……あたしの使い魔にする?」(笑)(鳥) GM :アロン「つ、使い魔か。わかった、預からせてもらう」>ハノン GM :さて、ここで特に行動がなければ、先の依頼の報告を済ませて、アルフォート方面へ進むことになりますがー>ちりり ハノン :了解ー エイルマー:はーい レイン :了解です クロウ :こちら特にないですー ヴィオラ :そーですね……それとなく手配されてる人々の確認なんかをしたいですが。ロールプレイした方がいいですか? ハノン :あ、道中の食料とかは?>GM GM :あ、そうですね。ここからは別依頼なので保存食は別換算 GM :手配の確認は問題なくー。それらしいものはありません>ヴィオラ ヴィオラ :了解 ハノン :じゃあ、保存食(1週間分)を3セット買います>GM GM :はーい GM :他にないかな? ヴィオラ :とりあえず保存食を購入 GM :はーい レイン :あう。表記ミス、7食分ではなく7日分もってます クロウ :保存食(1週間分)を買います ヴィオラ :2週間分で GM :了解! クロウ :非常時でもないのに栄養カプセルはひもじいから(笑) レイン :このPT皆エルフだからその苦労は解らない(笑) ヴィオラ :エルフの非常時=光合成 GM :では、以上かな? ヴィオラ :はーい クロウ :はいー GM :はーい、では GM : GM :~道ゆき、一日目 GM :アロンとウィアとは問題なく合流でき、アルフォート方面へと進むことになります GM :道中、他の旅人も蛮族も見かけることはなく GM :とりあえずは危なげない道中です、が GM :昼を過ぎた頃、川に差し掛かります GM :本来は橋がかかっていたようですが、どうやら増水で流されてしまったよう GM :ウィア「……これは」 エイルマー:「流れてしまってるな。橋が」 ハノン :「さすがに通れなさそうですね…」 GM :川幅は3mほど クロウ :「困りましたねぇ」 GM :あ、ごめん、5m! GM :アロン「何、これくらいなら……」 ハノン :「あ、ちょっとまってください」 ハノン :「私なら魔法で浮かせられるかもしれません…」 ヴィオラ :「とりあえず二人はそうすることにする?」 エイルマー:「ああ、安全策で行くか」 ハノン :レビテーションで浮かせて川越えれますか?>GM GM :レビテーションは術者のみですよー ハノン :なんだってー。見逃してた ヴィオラ :おっと クロウ :幅跳びに挑戦してもいいですか?>GM ハノン :「すみません、やっぱり無理のようです(がっくり)」 GM :幅跳びOKですー、助走もできる GM :アロン「こちらは、これでもエルフだ。ウィアを背負って渡るくらいは問題ない」 ヴィオラ :「……あー、はい」 GM :同じく、エルフの方は問題なく渡れます。濡れるけど! レイン :「むぅ・・・どうしても行かねばならんか・・・スマンがこのロープを張ってくれんか?」 クロウ :幅5mで-4、荷物は誰かに運んでもらって+2、助走可+2、でOK?>GM GM :OKー>クロウ クロウ :鎧は非金属です、はいー GM :軽装で助走付きなら、目標値10で幅跳びできます クロウ :2d6+5+3 幅跳びゴー [az_dice] Crow_G - 2D6+5+3 = [5,4]+5+3 = 17 レイン :鎧の装備変更はできますか? クロウ :スタッ!着地 GM :しゅたっ GM :脱いで運んでもらうのは可ですー>レイン ハノン :荷物は私が運ぼうか?レビテーションで レイン :「た・・・頼む^^;」>ハノン クロウ :「こちらへロープをー」手を振り ハノン :「では、みなさん。荷物を私に」 エイルマー:「ああ、頼む」 ハノン :ということで、荷物を受け取ってレビテーション使います>GM GM :はい、発動どうぞ! クロウ :「置いてきた荷物はお願いしますー」 ハノン :2d6+11 ふわり [az_dice] Hanon_G - 2D6+11 = [2,2]+11 = 15 ハノン :あぶねー GM :ふわり レイン :「頼む何かに固定してくれ~」(ロープパス)>クロウ ハノン :MP 57/63 GM :無事、荷物を濡らさずに運べました! クロウ :手近なところへロープ固定しますね>GM ハノン :ふわ~っと対岸に着地 GM :はーい、ロープOK GM :アロンは言った通り、ウィアをおんぶしてじゃぶじゃぶ普通に渡っております レイン :では十字をきり「南無三!」 とロープを伝います(笑) GM :ふむ、では クロウ :岸まで来たらアロンに手を貸します GM :冒険者+敏捷で目標値10、失敗すると流れに足を取られて転ぶ!>レイン GM :アロン「ああ、有難う」>クロウ レイン :ヘッピリ腰ですが覚悟を決めて(笑) クロウ :「さあ、掴まってください。ゆっくり上がって」>アロン レイン :2d6+5+2 「うぉぉぉ地獄の光景だ」(ガクブル) [az_dice] Rain_G - 2D6+5+2 = [4,6]+5+2 = 17 GM :渡河成功! ヴィオラ :んじゃ私も伝う方で(笑) GM :はーい、同じ判定どうぞー ヴィオラ :2d6+9 [az_dice] Viola_G - 2D6+9 = [3,4]+9 = 16 ヴィオラ :おっけー GM :さすがに成功! レイン :「濡れたまま旅するのは良くない!乾かそう!!」(対岸で枝集めて火をおこしてます) ヴィオラ :これが海だったら危なかったぜ……(笑)(地形適性ない) エイルマー:エルフだからこの際泳いでわたります>GM GM :アロン「そうだな。ウィア、濡れなかったか?」ウィア「ええ、大丈夫……」 クロウ :ではその間の周囲警戒をしておきます>GM GM :はーい、エルフの川流れ判定はなくてOKです(笑)>エイルマー エイルマー:はーい(笑 レイン :「ほら君もこっちで乾かす」>アロン GM :では、全員渡河に成功。しばらく火に当たって、濡れた服も乾きました レイン :後ろからズボンの裾引っ張られて「熱っつ!」とかなりながら(笑) GM :と、いうわけで GM :その日は後は道中何もなく、やがて日が暮れてきます ハノン :「今日はこの辺で休みましょうか」 クロウ :「わかりました、そうしましょう」 ヴィオラ :「だねー……」 エイルマー:「野営の準備だな」 GM :アロン「明日もこのまま、何事もなく進めるといいな」ウィア「そうね……」 ヴィオラ :クロウ・ヴィオラ/レイン・エイルマー・ハノン の6時間交代で GM :はーい、了解 GM :では…… GM :2d6 [az_dice] GM_azalea - 2D6 = [6,6] = 12 ヴィオラ :……ろくぞろ……? GM :くっ(笑) クロウ :不吉ですな(笑) ※(AzA)……ブラフでダイス振ったら6ゾロが出てイベント起こさざるを得なくなりました。 GM :1d2 [az_dice] GM_azalea - 1D2 = [1] = 1 エイルマー:何が起こるんだ! ヴィオラ :こっち来たかー GM :一巡目、クロウ/ヴィオラ、んー、危険感知どうぞ ヴィオラ :平目はどーですか(笑) クロウ :2d6+4+2 危険感知 [az_dice] Crow_G - 2D6+4+2 = [1,6]+4+2 = 13 GM :あ、OKで! ヴィオラ :2d6 [az_dice] Viola_G - 2D6 = [4,5] = 9 ヴィオラ :(*´ー`*) GM :2d6 [az_dice] GM_azalea - 2D6 = [1,3] = 4 GM :ん、では GM :二人は、ウィアが起き出して、何かまごまごしてるのに気付きます クロウ :「(…どうしたんでしょう?…ここは女性であるあなたにお任せしてもいいですか?)」小声>ヴィオラ ヴィオラ :「(あ、うん……) どうしたの?」 GM :ウィア「っ、……あ」 ヴィオラ :「何か探し物?」 GM :ウィア「いえ……何でもありません。目が、覚めてしまって」 ヴィオラ :「そっか。あんまりこういうところで寝たことない?」 クロウ :こちらは素知らぬ顔で周囲の警戒を続けます GM :ウィア「いいえ、旅は慣れているけれど……」 ヴィオラ :「あ、そうなんだ。巡礼さんとか?」 GM :ウィア「いいえ、私は、そういうものとは遠い生活を送ってきましたから……」 ヴィオラ :「あ、あたしも」 GM :ウィア「あなたも?」 クロウ :「それは、どういったことで?」 ヴィオラ :「神様っていまいち実感わかないっていうか。まあ、ご飯食べるときとかお祭りの時とか普通に拝むけど……」 ヴィオラ :「でもアロンさん神官なんだよね?」 GM :ウィア「私も、そうです。神殿に出向くようなこともほとんどなくて……」 GM :ウィア「ええ、あの人はアステリアの神官」 クロウ :「唐突ですが、ひとつ伺ってもいいですか?」>ウィア@GM ヴィオラ :「アステリアかー……エルフっぽいっていうか……神殿で知り合ったんじゃないんだ」 GM :ウィア「……はい?」>クロウ クロウ :「これはあくまで推測ですが、お二人は何かしらの反対にあって”かけもち”してきた…違いますか?」>ウィア@GM GM :ウィア「……!」 GM :ウィアは、ぶるっと震えます クロウ :「ああ、確信にふれてしまいましたか?申し訳ない」 ヴィオラ :「……(うわあ)」 GM :ウィア「……見ての通り、彼はエルフで私は人間です。それに……」 ヴィオラ :「エルフと人間……ないわけじゃないだろうけど」 GM :ウィア「…………」 ヴィオラ :「あのティアラとかは、ウィアさんの?」 GM :ウィア「……いいえ」>ヴィオラ クロウ :「これも何かの縁、と言うそうですよ?いい言葉です、はい。話すだけでも楽になることもあるのでは?」>ウィア ヴィオラ :「あ、そーなんだ……あ、別にあたしたちは駆け落ち反対とかじゃないからそこは安心して」 GM :ウィア「彼が、あのティアラや指輪を作ってもらうために、彼の里から人の街へ出てきて」 GM :ウィア「旅芸人をしていた私と、偶然出会ったんです」 クロウ :「なるほど、運命的ですねぇ」 ヴィオラ :「じゃ、エルフ用なのか」 ヴィオラ :「いや、それはどーでもいいんだけど、ね(笑)」 GM :ウィア「……そうなります」 ヴィオラ :「あたしも一つ……反対してる人が、いるの?」 GM :ウィア「……彼は、彼の里には必要な人です」 ヴィオラ :「……そっか」 クロウ :「彼は、あなたとの人生を選んだのですね」 GM :ウィア「水に浮かぶ花のように……私たちは、激情に流されるようにしてここまで来てしまったけれど」 GM :ウィア「本当にそれでいいのか……」 ヴィオラ :「(エルフの里で、必要とされる存在……うわあ、違う世界すぎる)」 ヴィオラ :「まあ……恋愛なんてそんなものじゃない。誰かを取り残しても成就させたい気持ちがあるなら、幸せだと思う」 クロウ :「辛いことを聞いてしまいましたね…でも」 クロウ :「少なくともあなたは一人じゃない。違いますか?あなたには、アロンがいる。」 GM :ウィア「……そう、ね」 GM :ウィア「ありがとう……。残りの道も、よろしくお願いします」>ヴィオラ、クロウ ヴィオラ :「うん、おやすみ」 クロウ :「ええ、ゆっくり休んでください。おやすみなさい」 GM :と、いうわけで、ウィアは寝床に戻り GM :後は、何事もなく、夜は更けていきました GM : ヴィオラ :はーい クロウ :はいー GM :~道ゆき、二日目 GM :なだらかに、道は続きます クロウ :「(昨夜のこと、皆には話しますか?)」小声>ヴィオラ ヴィオラ :「(まー、かいつまんで……)」 ヴィオラ :ある程度予備知識があった方がフォローしやすいかなと思うので エイルマー:「ふん、成る程な」 レイン :「ふむ・・・」 ハノン :「なるほど・・・」 GM :アロンとウィアは、お互いを気遣うようにしながら、並んで歩いています GM :さて、そんな道中 GM :途中で、寂れた村に差し掛かります GM :寂れた、というか、人影すらない ハノン :「…廃村、でしょうか?」 ヴィオラ :「っぽいねー……守りの剣もなさそうだし」 クロウ :「人の気配がないようですねぇ」 GM :家が何軒か並んでいますが、荒らされたような跡もあります レイン :「一応用心はしておくか」 エイルマー:「ちょっと注意するか。蛮族が息を潜めているとも限らん」 クロウ :「そうしましょう」 GM :ウィア「……蛮族に、襲われたのでしょうか」アロン「…………」 ヴィオラ :「おっけー」 GM :アロン「やはり、この辺りは危険が多いか……」 GM :まあ、とか言って何も起こらないんですが! GM :ウィア「私の故郷も……今は、こんな姿」 ヴィオラ :「うん……あたしも、守れなかった街はある」 クロウ :「そうでしたか…」 エイルマー:「厳しいがこれも現実だな」 ハノン :「そうですね…」 ヴィオラ :「そういえば、二人はどこに落ち着くつもりなの?」>ウィアアロン GM :アロン「とりあえず、大きな街に……。落ち着く所ならどこでもいいんだが」>ヴィオラ ヴィオラ :「そっか。まあ、人が多いところの方が仕事ありそうだしね」 GM :アロン「……守りの剣がある所なら、こんな事もないだろうしな」 ハノン :「まあ、新生活をするには大きい街のほうがいいですしね」 ヴィオラ :「……よし。じゃあとりあえずそこまで、気合い入れていこう」 クロウ :「ええ、そうしましょう」 エイルマー:「ああ」 GM :アロン「ああ。よろしく頼む」ウィア「……お願いします」 GM :と、いうわけで、廃墟の村を通り過ぎ GM :旅は、まだ続きます…… GM : GM :~道ゆき、三日目 GM :の夜 GM :1d2 [az_dice] GM_azalea - 1D2 = [1] = 1 GM :またか(笑) ヴィオラ :またきた(笑) ※(AzA)二連続で二直組には暇させてしまうことに。ここはランダムじゃなくてよかったなあ GM :クロウとヴィオラ、危険感知どうぞ! クロウ :きた(笑) ヴィオラ :2d6 [az_dice] Viola_G - 2D6 = [6,3] = 9 クロウ :2d6+4+2 危険感知 [az_dice] Crow_G - 2D6+4+2 = [2,3]+4+2 = 11 ヴィオラ :行使判定で出てくれ…… GM :2d6 [az_dice] GM_azalea - 2D6 = [2,2] = 4 GM :では GM :二人は、ウィアが、また起き出してきているのに気付きました GM :が、今度はまごまごする様子もなく、そのまま夜営地から離れていこうとしています クロウ :「(様子がおかしいですね…ついて行きましょうか?)」小声>ヴィオラ ヴィオラ :「(うーん、お願い……あたしはこっち見てる)」 クロウ :では尾行します>GM GM :はい、では GM :スカウト+敏捷で判定どうぞ>クロウ クロウ :2d6+4+3 隠密判定 [az_dice] Crow_G - 2D6+4+3 = [3,1]+4+3 = 11 GM :2d6 [az_dice] GM_azalea - 2D6 = [6,6] = 12 クロウ :ぎゃー GM :気合い出した!? ヴィオラ :また出た(笑) GM :えー、平目なので、達成値12扱いとします GM :確定でOK?>クロウ クロウ :確定です GM :はーい GM :では、ウィアはクロウに気付いて、立ち止まります クロウ :「どこへ行かれるのですか?一人では危険ですよ?」しれ~っと(笑)>ウィア@GM GM :ウィア「あっ……」 GM :ウィア「……このまま、行かせてくれませんか」>クロウ クロウ :「何も言ってはくれないのですか?私達にも、アロンにも?」 GM :ウィア「……私が、彼を縛るわけにはいかないんです」 クロウ :「ちょっと…こちらに座りませんか?行くなら無理に止めはしませんが、そのあとでもいいでしょう、さあ?」 GM :ウィア「……言葉が、必要なら」 クロウ :「ありがとう、ではこちらへ」適当な場所に促します クロウ :「彼を縛る、とは…?」 GM :ウィア「彼は……私よりずっと、後まで生きます」 クロウ :「ええ、それは抗えない事実です。」 GM :ウィア「どうしたって、彼にとっては、一時のことなんです。そのために、道を誤らせるわけにはいかない」 クロウ :「そうですねぇ…寿命からすれば、確かにひと時と表現されてもしかたないのかもしれません。ただ…」 クロウ :「あなたにとってかけがえのない人ではないのですか?そして彼もそう思っている。ならば」 ヴィオラ :そんじゃ、なかなか戻ってこないので他の人起こします……(笑)>GM GM :はーい! クロウ :「けして道を誤ったなどとは思わないんではないでしょうか?」 GM :ウィア「彼は……そうかもしれません。でも……」 GM :と、この辺りで合流していいよ!>ちりり ヴィオラ :「どしたの?」わらわら(笑) エイルマー:黙ってその場に行こう クロウ :助かった(笑) GM :ウィア「皆さん……」 ハノン :「ほっ、よかった。長い間戻られなかったと聞きましたので心配しましたよ」 クロウ :「ええ、実は…(カクシカ)という訳でして」>ちりり レイン :「・・・なるほど。な」 ハノン :「寿命の違いですか…、うーん…」 ヴィオラ :あ、アロンのところに鳥さん残しておきます(笑)>GM GM :はーい! エイルマー:「気にするとこは本当に其処なのか?」 ヴィオラ :「でも……ここであなたがいなくなっても、アロンさん必死に探し回るだけじゃないの?」>ウィア@GM GM :ウィア「……きっと、諦めてくれると思います。それか、彼の里の人が迎えに来れば……」>ヴィオラ クロウ :「アロンときちんと話をされたほうがいいと思いますよ?結果がどうあれ二人が納得しないことには」 レイン :「・・・で次は里に縛られる事になる訳だ」>ウィア クロウ :「ここまで共に歩んで来たじゃありませんか」 GM :ウィア「……そうだとしても、彼は一人ではありません」>レイン ハノン :「そうですね…。勝手に貴方が居なくなったのではそのことで逆に彼を縛ってしまいますよ?」 ヴィオラ :「……ぇー。このまま進むと結局は一人になっちゃうって言いたいの?」 ヴィオラ :「……失恋ってヤバいよね……(笑)」>ハノン エイルマー:「重荷なのか? アロンと一緒になることが貴女にとって」>ウィア GM :ウィア「私は……彼と出会えて幸せでした。それだけで、満足です」>エイルマー ハノン :「ハ、ハハハ…(何かを思い出した)」 ヴィオラ :「……ごめん」自分も色々思い出した(笑) クロウ :「何が、ですか?」>ヴィオラ&ハノン GM :ウィア「……アロンには、故郷に婚約者がいるんです」 エイルマー:「その幸せから逃げる。逃げて如何するつもりだ? 好きなのに一緒になれない悲劇のヒロインにでもなる気か?」>ウィア ヴィオラ :「あー……それでアレかあ……やだなあ」 ヴィオラ :「えーと、えーと、あなたと一緒に暮らすことによって、人間社会で友達とかできるんじゃないの? それはノーカン?」>ウィア@GM ハノン :「ですが、大事なのは彼の気持ちでしょう?彼は婚約者より貴方を選んだのでは?」>ウィア GM :ウィア「……彼の婚約は、彼の里のために定められたものです」 GM :ウィア「彼の里は二派に分かれて、分裂の危機にある……二派の友好のために、一派の代表の息子である彼と」 エイルマー:「将来のことまでは如何こうは言えないが、一時の心の熱に身を任せても良いのではないか?」 ヴィオラ :「……(うわあ……めんどくさ……)」 GM :ウィア「……小さな里の中でいがみあっていたら、蛮族の脅威に対抗できない……私の故郷も、そんな風に滅びました」 GM :ウィア「私たちだけが幸せに、一時なれたとしても、彼はきっと、後悔する……」 ハノン :「同じ種族同士であるのに、分裂ですか…。悲しいですね…」 クロウ :「ふむ、アロンにもそういった事情があったのですねぇ」 エイルマー:「はっきり言うが根本的な解決を見ない限り、結婚しても争いは続くぞ?」 ヴィオラ :「まあ、団結が大事っていうのはわかるけど……」 GM :ウィア「けれど、そうやって手を結んでいかなければ……」>エイルマー エイルマー:「表向きの争いは少なくなっても裏での綱引きは続く、そんなものだ。」 GM :ウィア「でも……、それでも、彼がいるのといないのとでは、きっと違う」 エイルマー:「本気で手を結ぶ気が有るなら、結婚以外の事でも大丈夫なはずだ。それに・・・・そんな結婚に嫌気が差しているのがアロンかも知れんぞ」 ヴィオラ :「……どっちにしろ、本人に聞いた方がいいんじゃないかな……、だってウィアさんこのまま結婚しても、そーゆーこと思いながらじゃ不幸になりそう」 クロウ :「諸事情は多かれ少なかれ誰でもあるものです。悩んでおられるようですが、結論は二人で出すべきだと思いますよ」 レイン :「そうだよな、話し合いもせずこのまま君が去っても結局 “里の為にウィアを犠牲にした” という後悔だけが残るんだし」 GM :ウィア「……私たち、出会うべきではなかったのでしょうね」 ハノン :「そうですね。そして、結論を出したら後悔をしないことです。自らの選択に自身を持つこと。世の中に完全に正解というものはないのですから…」 ヴィオラ :「…………起こしてくる?」 エイルマー:「そうだな、はっきりさせるなら早いほうが良いだろう」 クロウ :「それは違うと思います。この世にある無駄な出会いとは、蛮族とのそれだけです、はい」<出会い ヴィオラ :では、そこを退出してアロンさんを起こしに>GM GM :はーい ハノン :じゃあ、私もついていこうかな GM :アロン「どうした、何が……ウィア、ウィアは!?」 ヴィオラ :「落ち着いて……そこにいるから」 ハノン :「…私は何もいいません。ただ、ウィアさんとちょっと話をして欲しいのです」 GM :アロン「話……?」 GM :と、アロンは連れてこられる ヴィオラ :ていく! ハノン :あうと クロウ :「あなたの中では、もう伝えるべきことは決まっているのでしょう?では、それを彼とお話しなさい」>ウィア GM :アロン「一体、どう……」ウィア「……ごめんなさい」 GM :ウィア「私があなたに、重荷を背負わせるわけにはいかないの」 GM :ウィア「寿命の違う私より、あなたには相応しい人がいるのだから」 ヴィオラ :「(そうかあ……皆、いなくなっちゃうんだなぁ……)」 GM :アロン「そんな!」 クロウ :やや離れて二人を見ている。 ヴィオラ :「えっと……正直なこと聞くけど、里で決められた相手っていうのはどう思ってるの?」>アロン GM :アロン「彼女は所詮、親の決めた相手だ。……好きになったことはない」>ヴィオラ ヴィオラ :「あたしのおばあちゃんの時とかもそうだったみたいだけどね……うーん」 エイルマー:「その里が決めた女性の相手だが、貴方ではなくては絶対にダメだという事か?」>アロン GM :アロン「……僕の家と彼女の家が、里のアステリア系とライフォス系を代表している。近親に他に独身者もいない」 クロウ :「(結婚とは、ただ好き同士だからする、という単純なものではないのですねぇ。実に興味深い)」聞きながら心の中で思う ヴィオラ :「……恋って周囲には天災みたいなもんだよねぇ……」 エイルマー:「成る程。そもそもの揉め事の発端と現状はどうなってるんだ?」>アロン ハノン :「(村の分裂がどうにかなれば双方丸く収まりそうなのですが…)」 GM :アロン「元々、アステリア様の信仰でまとまっていた所に、他の場所から流れて来たのがあちら側だ。大きな争いになったことこそないが、小さな諍いはしょっちゅう起こる」>エイルマー GM :アロン「……でも、それもこれも、下らない意地の張り合いだ」 ヴィオラ :「信仰って面倒だなあ……」 エイルマー:「仮に蛮族が攻めてきても纏まれないくらいにか?」>アロン ハノン :「…おかしな話ですね。もともと二柱の神は親友同士だというのに…」 レイン :「正直当人同士が納得してないのに、家柄同士で結婚さえしてしまえば丸く収まるという里側の考えも甘いと思うしねぇ」 レイン :「結婚はゴールではないんだよ?」 GM :アロン「たまに来る蛮族たちを相手取る時、連携が取れていないのは事実だ……」>エイルマー エイルマー:「そもそも信仰は自由だからな」 ヴィオラ :「……みんな的には、許婚はアウトなんだ」 クロウ :「信仰…私には理解が難しい問題です、はい」 レイン :「そのへんの所、駆け落ちという手段にでる前に真剣に里の人と話し合ってみたのかぃ?」>アロン ハノン :「やはり、当人の気持ちが大切だとは思いますね」>ヴィオラ エイルマー:「結婚したところで解決しないなら、はっきり言えば無駄なだけだからな」 ヴィオラ :「そっか……相手の気持ちはわかんないけど」 GM :アロン「……言えば、ウィアと引き離されてしまっただろう」>レイン クロウ :「ですが、村の派閥に関する事情をお二人が背負い込むことはないと考えます」 ヴィオラ :「うーん……想像しにくい、けど……」 ヴィオラ :「アロンさんはウィアさんといないと幸せになれない。……ウィアさんは? アロンさんといると幸せになれない?」 クロウ :「方法の一つがうまくいかなければ、次の方法を考える。もちろん、村の者達が、です」 GM :ウィア「私は……私だって、アロンを愛しています。でも」 GM :ウィア「彼の里の運命や、彼のその後の人生を変えてしまうような価値なんて、私にはありません」 GM :アロン「違う! 僕には、世界の全てより君の方が大事なんだ!」 ヴィオラ :「うわぁ……」 レイン :「・・・なるほど村からウィアを守って戦うといえば聞えは良いが、実際にはウィアが傷つく事になるのは目に見えているからな。話し合わず駆け落ちした事を責めはしないよ。ただ・・・」 ヴィオラ :「じゃいっそアステリア様ともライフォス様とも違う神様の言葉を信じてみたら? リルズ様とか」 クロウ :「どうやら、初めから二人の結論は出ているようですね。」二人の肩をポンっと エイルマー:「アロンが里の運命を背負ってるような台詞だが、それは違うぞ。里の命運を握っているのは里人一人ひとりだ」 GM :アロン「アステリア神は自然に生きよと説く。愛を貫くのが自然じゃなくて、何が自然だっていうんだ!」 クロウ :「後押ししてくれる人が誰もいなくて孤独だったのでしょう?わかります。大丈夫、ここにいますよ」微笑 レイン :「このまま駆け落ちを続けても結局ウィアは後悔しつづける(傷つく)事になるんじゃないかぃ?」>アロン GM :アロン「……そう、なのか?」>レイン レイン :「なら・・・二人が取るべき道は一つだろ?」>アロン&ウィア ヴィオラ :「そこだけ聞くとアステリア様は駆け落ち推奨してるみたいにも聞こえるけど……違うよね」(笑) ヴィオラ :「あのね……リルズ様もね、愛とか絆を大事にしろって説いてる。それだと愛って一つしかないみたいに聞こえるけど」 ヴィオラ :「でも、育ててくれた人とか、一緒に育った人とか、絆がある人って里にもいるよね?」 ヴィオラ :「身内だから、よけいイラッとすることもあるかもしれないけど……」 GM :ウィア「……やっぱり、私たち、間違っていたと思う」 ヴィオラ :「あと、個人的なことをゆーと」 ヴィオラ :「そんな、里の人たちの怨念がこもってるみたいなアクセサリーもらっても困る(笑)」 GM :アロン「それは……すまん」(笑) GM :ウィア「きちんと秤にかけないまま、傾いてしまったのが、いけなかったの」 GM :ウィア「いえ、秤にかけるのが怖かった……幸せの形を変えないまま終わらせたかった」 GM :ウィア「……帰りましょう、アロン。あなたの里へ」 クロウ :「さあ、戻って休みませんか?この闇の中、一人で行かせるつもりはありません。進むなり戻るなり、いずれ明朝に」>ちりり GM :アロン「……納得させられるとは思わないが」 ハノン :「結論は出たようですね」 ハノン :「最初から諦めていたら何も始まりませんよ?」>アロン ヴィオラ :「……だめならだめで、その時また逃げる手伝いぐらいはするから」 GM :アロン「……どう転んでも、ウィアの手を放しはしない。それだけだ」 GM :と、いうわけで レイン :「いいかぃアロン。思いだけで突っ走ってウィアの気持ちを省みないなら、彼女はいずれ君の元から去っていくよ」 レイン :「なら、二人とも・・・例え傷つく事になったとしても立ち向かうしかないんじゃないか?」 クロウ :「(皮肉ですねぇ、尾行に失敗したことがむしろ吉と出たようです、はい)」まだまだ修行が足りないと心の中で反省 GM :アロン「……そう、しよう。それが、ウィアのためなら」>レイン GM :二人は、結論を出せたようです ヴィオラ :「うん、それが正しい愛なんじゃないかな…… ……うー」自分でうっかり愛とか言っちゃった GM :~道ゆき、帰り道 GM :来た道を戻る一行。通る道は同じでも、行きよりも二人の顔は晴れ晴れとしているようです ヴィオラ :「アロンさんってけっこー衝動主義?(笑)」 GM :アロン「どうなんだろう……ウィアに会うまで、こんな行動に出る事はなかったんだが」 ヴィオラ :「そっか……なら今頃みんな慌ててるだろうなあ」(笑) クロウ :「お二人にはお二人だけの幸せの形があると思うのです、きっと。見つけてください、あきらめないで」>ウィア エイルマー:「巡り会うべくしてあった運命の人だからだろうさ」 ハノン :「その愛があれば、きっと幸せになれますよ」 GM :ウィア「……はい。いつか彼を置いていってしまうことは、変わらないとしても」>クロウ ヴィオラ :「うーん……このぐらいの情熱見せてくれたら諦められるのかなあ……(ぶつぶつ)」 レイン :「なぁ・・・ウィア。俺たち冒険者は普通の人達より少し多目の出会いと別れを経験するんだ・・・」 レイン :「その出会いは人生の中のほんの一瞬の時間かもしれない。。。だけど・・・」 レイン :「・・・だけど、俺はその出会い達を後悔した事は一度も無い・・・よ」 ヴィオラ :「出会いの職業かぁ。確かにそうかも」 GM :ウィア「ええ、せめて、与えられた時間を精一杯幸せで満たせるように、その後までも照らせるように……」 クロウ :「いつか、永遠の別れが来たそのときに、これで良かったと思える。それでいいと考えます、はい」 レイン :「がんばれ♪」>アロン&ウィア エイルマー:「ずっと幸せにいられるようにな」 クロウ :「(次こそは気付かれぬよう尾行せねば…まだまだです)」 ヴィオラ :「うん。幸せになるんじゃなくて、幸せでいなよ」 ハノン :「お幸せに。あなた方の幸せを祈っていますよ」 GM : *GM_azalea Topic 『永遠の一瞬』
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一瞬の化身 UC 自然文明 (5) クリーチャー:ミステリー・トーテム 2000 ■リベンジ・チャンス―各ターンの終わりに、相手がコストを支払わずにクリーチャまたはクロスギアをバトルゾーンに出した、あるいは呪文を唱えていた場合、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。 ■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札からS・トリガーまたはS・バックを持つコスト5以下のクリーチャーをコストを支払わずに召喚しても良い。 作者:紅 フレーバーテキスト DMO-01 「スーパーパック ノーリミット・カウンター」ハイ、ドーン! 収録 DMO-01 「スーパーパック ノーリミット・カウンター」 評価 名前 コメント }