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アイテム画面でプレミアム召喚チケットを仕様しようとすると『使用するために召喚画面に移動しますか?』と出て『はい』を押すと召喚画面に飛ぶのですが、その後プレミアムチケットを使用するボタンが見当たりません。もしかしたらチケットを使用する機能は実装されていないのでしょうか? - 名無しさん 2014-01-04 00 33 26 おそらくですが、お正月ガチャ実装時に、宝石のみの設定に運営が変更したようなのですが、それを戻し忘れているだけかと思われます。 - 名無し 2014-01-04 09 24 02 同盟のメンバーがお試し→一般になるためにはどうしたらいいですか? - 名無しー 2014-01-12 19 37 24 二日ログインすればいいと思う - 名無しさん 2014-01-13 04 45 58 招待コードはどこで入力すればいいのでしょうか? - 名無しさん 2014-01-17 18 10 07 すいません、ありました。 - 名無しさん 2014-01-17 18 13 45 スキルMAX時の発生確率の高い攻撃スキルのカードって何ですか?私はアルテミスの30%が最高何ですが他に有りますか。 - 名無しさん 2014-02-02 11 30 21 確率だけだと、アークエンジェルが40%というのがありますが、少々条件(相手に闇がいる)があったりします。もう少し条件を詳しく書くと良いアドバイスがもらえるかも・・・ - 名無し 2014-02-02 14 31 56 女神オネイロス×雪ん子の合体で何ができますか?スキルも教えていただけると嬉しいです。 - 名無しさん 2014-02-05 09 57 13 たしか、新小学生だったかな……スキルは忘れちゃいました(汗 - 名無し 2014-02-05 17 46 49 友達100人 全体攻撃25%アップ/5% - 名無しさん 2014-02-09 19 14 06 ゲームヘルプにもここの進化のページにも「Lvが高い方が~」としか書かれていなくて判断できなかったのでここで質問しますが…進化(or合体)時は進化元のカードだけでなく素材の方も高Lvな方が良いんでしょうか? - 名無しさん 2014-02-17 23 45 45 同盟の役職はどのくらいの期間で変更できますか。 - 名無し 2014-02-27 18 45 36 すみません、ドクターの進化事故でできる闇医者のスキルについて詳しく教えていただけませんか? - 名無し 2014-03-13 09 03 25 セルフオペレーション:自身の防御力200%アップ/15% - 名無しさん 2014-03-18 17 56 55 世界樹・魔法学院の半額セールってもう終わったの? - 名無しさん 2014-03-18 17 59 50 ゲームを終了させてもCPUの使用率がほぼMAXの状態を維持し続けるのですが、対処方法ってありますか?タスクマネージャー系のアプリで確認すると戦場のヴァルキリーという名前のカーネルが10個以上常駐してるようなのです。普通にアプリを終了させただけでは止まらず、一度電源を落とすしか止める方法がありません。 - 名無しさん 2014-03-21 21 17 01 すいません、スキルが2個ある場合2個目のスキルの上げかたと使い方を教えてください。 - 名無しさん 2014-03-21 21 18 29 それって、期間限定の魔女に対して攻撃力二倍とかそういうやつじゃない?それなら上げられないと思った。 - 名無しさん 2014-03-21 22 58 01 すいません、スキルが2個ある場合2個目のスキルの上げかたと使い方を教えてください。 - 名無しさん 2014-03-21 21 18 39 すいません、スキルが2個ある場合2個目のスキルの上げかたと使い方を教えてください。 - yasiro 2014-03-21 21 18 47 すいません、スキルが2個ある場合2個目のスキルの上げかたと使い方を教えてください。 - yasiro 2014-03-21 21 19 14 聖装オラクルと戦ってるとき聖女アスクレピオスのスキルが100ターン目まで戦っても4回しか発動しないんですが、そういう制限とかってあるんですか? もしくはターンが経過する毎に発動率が下がるみたいなやつとか・・・。 - 名無しさん 2014-03-29 00 48 34 リッチのスキルは開戦時の筈ですが、数ターン経過してから発動してきました。今回の再登場で仕様が変わったのですか?それとも魔女として出現する時はそういう事が起こり得るものなんですか? - 名無しさん 2014-04-19 19 38 10 前回は知りませんが女神ティティアなども開戦時のみのはずだが何時でも発動しましたし、攻撃力300%アップ系も複数使用したりと魔女時と所有時では仕様が違うのではないでしょうか。 - 名無しさん 2014-04-24 12 30 50 メフィストとアフロディーテの出現エリアの情報を求む。 - 名無しさん 2014-04-25 20 18 02 もう期間僅かですがメフィストは11-1にいます。 - 名無しさん 2014-04-29 11 30 49 あの神界マップの宝でスノウメイジを4枚はゲットしたのですがあと1枚が見つからなくてどこにあるかわかる人いるでしょうか?? - 五河琴里 2014-05-09 14 19 42 8-6で5枚になるはずです - 名無しさん 2014-05-15 19 51 24 8-6で5枚になるはずです - 名無しさん 2014-05-15 19 51 24 カードの最大兵士数をレベルをあげる以外の方法で増やすことはできないんでしょうか? - 名無しさん 2014-06-23 09 13 45 直接兵士数を上げる方法は無いです、先を見越せばレベルMAX同士の進化+継承のアルカナが最終的にそのカードの最大兵士数になるので皆さんレベルMAXにしてから進化させていると思います。攻撃力・防御力は後から幾らでも上げれます。 - 名無しさん 2014-06-28 12 11 40 あと4段進化出来るカードは通常1+1+1+1+1でMAXに進化させると思うが1+1=進化2、2+2=進化3と進化同士を進化させる事で最大16枚のカードを使ってMAX進化するとRカードでも最大兵士数が1万前後まで上がります。 - 名無しさん 2014-06-28 12 27 08 ありがとうございます。以前、SRは19999,URは29999まで上がるときいたことがあった気がしましたが、気のせいだったようですね。ありがとうございました! - 名無しさん 2014-06-28 13 34 09 それは攻撃力と防御力 - 名無しさん 2015-01-03 01 31 14 スキル欄にスキル1ってありますがスキルを2個目付けることができるってことですか?それとももともと2つスキルを持っているのがいるって事ですか? - 名無しさん 2014-07-16 00 22 14 期間限定で魔女に特攻ついてたりするのがいる - 名無しさん 2015-01-03 01 26 21 プロフィールのキャラはどうやったら変えれますか? - あ 2014-07-21 22 24 49 カード強化や部隊編成でカードをタップして詳細を表示してお気に入りに設定をタップで変更できる - 名無しさん 2015-01-03 01 27 33 娯楽施設って、遊べる回数時間回復しますか? 建て直しても回数戻らないので教えてください。 - 名無しさん 2014-09-17 11 52 31 乙女の防御の+値はどうやって増やすのでしょうか? - 名無しさん 2014-11-12 01 06 30 リセマラ方法を教えてください - あき 2014-12-28 12 26 06 四神降臨イベントで、どうしたら四神のカードを取れるのでしょうか? - Tony 2014-12-31 11 24 34 ドロップと高感度MAX - 名無しさん 2015-01-03 01 24 54 リセマラでUR出た人いますか?100回以上やってもSRまでしか出ないのですが…。 - 名無しさん 2015-01-12 00 34 03 おそらくリセマラでUR取っただろう(低レベルでUR持ち)は見たことあるけど、頑張ってリセマラしてもスキル次第では使えないし、イベントの使えるSRを集めた方がいいかと(更にいえばコストもかかるし) - 名無しさん 2015-01-12 08 22 50 なるほど、ありがとうございます。 - 名無しさん 2015-01-12 14 48 54 合成に使うスライムってどこで手に入るのですか? - 名無しさん 2015-01-17 02 44 51 色々 通常召喚でも手に入る事あるし、魔女討伐の時の報酬に入ってたりもするし、イベントの報酬とかでも貰えたりする - 名無しさん 2015-01-18 10 28 45 同盟を脱退してからまた同盟に入れるようになるまでどれくらいかかりますか? - 名無しさん 2015-01-18 21 11 11 防御部隊って何のためにあって、何をしてるんですか? - 名無しさん 2015-01-19 17 59 00 デュアル戦 同盟戦の受ける側になった時に使われる部隊 - 名無しさん 2015-01-19 19 57 29 ありがとうございます!(⌒⌒) - 名無しさん 2015-01-19 20 29 45 進化時LV50SR2匹のHSRとLV50攻守をアルカナでカンストさせたSR2匹のHSRって兵士数違い出ますか?攻守はアルカナでどうにでもなるので関係ないですが兵士数はどうかと - 名無しさん 2015-02-22 17 57 51 売れない、強化に使えないカードの処理方法を教えて下さい。 - 愚か者 2016-08-10 14 13 22 ゴールドガールのことだと思いますが、ゴールド倉庫が2万以上にならないと売れません。コレクションに入れておくか、勿体無いですが合成するしかありません。 - 名無しさん 2016-08-10 17 14 30 魔女戦などで敵が複数いる場合、スキルを発動し、攻撃対象を選択する事はできますか? - 名無しさん 2015-04-13 22 15 51 誰かが質問していたらごめんなさい。 - 名無しさん 2015-05-03 19 16 06 戦闘時にカードに☆(スキル発動)が出る条件というのがあるのでしょうか? 全体技を使いたいのですがなかなか発動できなくて・・・ヘルプにも特に乗っていなかったので教えてください - 名無しさん 2015-05-03 19 19 36 スキル発動は ランダム です - 名無しさん 2015-06-01 17 34 02 魔女討伐の最大回数はいくらになるんでしょう?私は今17回です。 - 名無しさん 2015-07-04 09 38 34 皆さん教えて下さい 。携帯を落とし際に画面が割れてデータ引き継ぎが出来ない状態で機種変更したのですがログインしても最初からになります。何とかデータ引き継ぎからプレイしたのですが教えて頂けませんか? - 相棒 2015-07-24 15 51 23 皆さん教えて下さい。携帯を落とし際に画面画面が割れてデータ引き継ぎが出来る状態じゃなくて仕方なく機種変更したのですがログインしても最初からになります。何とかデータ引き継ぎからプレイしたのですが教えて頂けませんか? - 相棒 2015-07-24 15 56 23 アナザーエリアって何でしょうか(´・ω・`) - 名無しさん 2015-10-23 20 52 24 サンダースピアって何回倒せばハート満タンになるのでしょうか?現在55回討伐してlv125になってます。 - 名無しさん 2015-11-25 14 41 32 スノウメイジってどこで出ましたか? - 名無しさん 2016-08-02 14 11 09 最初に貰えるカードは通常戦役を進めるか魔女報酬から貰えます。 - 名無しさん 2016-08-04 21 40 33 てすと - 名無しさん 2016-08-10 17 22 55
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此処は首都クラナガンに存在する広大な地下水路、其処に一つの小さな影が存在する…… その容姿は金髪に翡翠色と紅玉色のオッドアイの瞳、小さく幼い左手にはレリックケースが二つ鎖に繋がれていた…… そして少女は、か細い声で母を探しながら水路を歩き続けているのであった…… リリカルプロファイル 第十九話 交戦 …此処はスバル・ティアナの出身地であるミッドチルダ西部エルセア地方に存在するポートフォール・メモリアルガーデン、スバルの母、ティアナの両親と兄が眠る墓地である。 休暇を貰った二人はヴァイス陸曹からバイクを借り、この期を利用して墓参りに来たのである。 二人はそれぞれ参る墓へと赴き花を生け手を合わせると、今まで起きた出来事を近況として報告していた。 そして墓参りを終えた二人は一つの慰霊碑へと赴く、その慰霊碑はミッドチルダ失踪事件の被害者を弔う物である。 慰霊碑には被害者の名が刻まれており、二人はカシェルの名を見つけると手を空わせ静かに目を閉じる。 暫く静寂が続くと、スバルはゆっくりと目を開き慰霊碑を見つめた。 「此処で見ていてねカシェル、私達絶対に強くなって夢を叶えるから!」 スバルの決意が滲む言葉に呼応するように頷くティアナ、すると優しい風が二人の髪を揺らす。 その風はまるでカシェルが優しく答えてくれたように感じ、二人は微笑みを浮かべ慰霊碑を離れ墓地を後にするのであった。 場所は変わり此処はゆりかご内、現在ベリオンはオットーとディード、そしてルーテシアの相手をしていた。 だが相手と言ってもその巨体に乗り、ゆりかご内を探索しているだけなのであるが。 「やれやれ…遊び道具として作った訳では無いのですがね……」 レザードはその光景に頭を押さえ首を振る、作成後のベリオンはナンバーズの遊び道具と化していた。 大抵は模擬戦の相手なのであるが、オットーとディードはベリオンの肩の上がお気に入りらしく、良く乗っかっており、 更に先日では、セインとウェンディによる自作のメイド服を着せられていた。 二人の言い分ではベリオンの「御主人様」と言う一言のみで作り上げたのだという。 メイド服を着たベリオンの姿はまるで、足の無い某宇宙用MSを彷彿としており、 その姿を思い出し思わず苦笑しているとレザードの下にスカリエッティの緊急の通信が入る。 「どうしたのです?ドクター」 「レザード、困った事態が起きた………“鍵”が逃走した」 「………それはどういう事です?」 レザードの問いかけに説明を始めるスカリエッティ、事の発端は首都クラナガン近郊に存在する地下施設、スカリエッティは此処で“鍵”を作成していた。 “鍵”は順調に成長しレリックを融合できるまでに至った為、運送車で此処ゆりかごへ運送していた。 ところが、その道中に“鍵”が覚醒、生体ポットを破壊し暴走を始めた為 “鍵”の暴走を止めるべく同行していたガジェットI型が起動したのだが、瞬く間に破壊、そのまま“鍵”は逃走したのだという。 “鍵”にはレリックケースが二つ繋がれており、レリックの存在によって管理局が動く可能性がある。 管理局より早く“鍵”を回収しなければならない、其処で“鍵”に繋がれているレリックを利用してガジェットと不死者を囮として用い、 その間にナンバーズが“鍵”を回収して欲しいとの事であった。 “鍵”はSランクの砲撃にも耐えられるような造りをしているらしく、いざとなったら“鍵”ごと攻撃してもかまわないとスカリエッティは語る。 するとレザードは手を顎に当て考え始める、スカリエッティの依頼は“鍵”の回収、それに適した人物はセインぐらいであろう。 だが……もし管理局が先に“鍵”を回収したとしたら、それにデコイは優秀なモノの方が良い…そう考えるとクアットロとディエチが適切だと判断する。 何故ならばクアットロが持つISシルバーカーテンは視覚からレーダーまで情報を妨害させる特性を持ち、幻影すら見せる事が出来る。 そしてディエチの砲撃能力は高く正確でもある、つまり管理局の目を欺き、砲撃による強襲をかけるには十分な組み合わせなのである。 すると今までの話を聞いていたルーテシアがベリオンの肩から飛び降り、自分も向かうと話しかけてきた。 ルーテシアの話では自分が召喚するガリューは今回の回収作業に適しているという。 しかしルーテシアの護衛役であるゼストは他の世界へレリック回収の為に行動中である。 すると護衛は私に任せろ!っと無い胸を張るアギトだが、それを不安な目で見つめるレザード。 「仕方ありません…ベリオン、ルーテシアの力になりなさい」 「了解シマシタ、御主人様」 レザードの命令にベリオンは肩に乗せていたオットーとディードを降ろすと、ルーテシアと共に“鍵”の回収に向かうのであった。 …そしてその背中をジッと見つめるオットー、更にその光景を見つめていたディードは、徐にオットーの頭を撫でると二人はその場を後にする。 その背中はとても寂しい印象を醸し出していた…… 場所は変わり此処は交通事故が起きた現場、其処に紫の長髪の女性が存在していた。 彼女の名はギンガ・ナカジマ、陸上警備隊第108部隊に勤めている捜査官でスバルの姉である。 現場には大破した運送車が一台転がっており、ただの自動車事故と思われていたのだが、 よく調査してみると車両には内部から破壊されている形跡があり、更に運送車の外部・内部共にガジェットの残骸が散らばっていた。 そんな現場の状況に不審を感じたギンガは運送車の荷台を調べると一つの装置を目にする。 「生体……ポット?」 荷台に乗せられていた生体ポットもまた破壊されており、辺りには強化ガラスの破片が散らばっている。 ギンガは一度荷台から降り考え始める、現場の状況から見て恐らく破壊されたガジェットは生体ポットにいた存在によるものだろう。 そしてガジェットの残骸が散らばっているとなると、レリック…もしくはそれに準するロストロギアが関わっている可能性がある。 となると…あの部隊に連絡を取らなければなるまい…するとギンガは自分の考えを上司であるラッド・カルタスに伝えるのであった。 …一方現場から数キロ離れたビルの上、クアットロ率いる捜索チームが遠くで現場を視察しており、 クアットロは現場から少し離れた位置に水路への入り口が開いているのを発見、 恐らく“鍵”はあの入り口からクラナガンの地下水路に向かったと推測し、メンバーに指示を送る。 ベリオンはルーテシアの護衛、ルーテシアはガリューを召喚後セインと共に地下水路を探索、 そしてディエチは自分と共に行動、自分はシルバーカーテンを起動させて待機、何故ならば三十分後に来る予定である囮のガジェットと不死者の幻影を作り出す為であるからだ。 クアットロの指示の元、それぞれは割り当てられた任務をこなす為、散らばって行くのであった。 その頃エリオとキャロはシャーリーが立てたスケジュールを黙々とこなしていた。 二人は次の予定である洋服店でのショッピングの為に、町を歩いていると、ふと路地裏に目を向けるエリオ。 エリオが目を向けた先には一人の少女が倒れている姿があり、二人は少女の下へ急ぐ。 少女は衰弱している様で、左手には鎖に繋がれたレリックケースがあり、 更に先には繋がっていた形跡のある鎖が伸びており、恐らく鎖の先にはレリックケースが同じく繋がれていたと判断、 そして少女が倒れている先には地下水路への入り口が開いており、恐らく此処から来たのだろうとキャロは語る。 その話を聞いたエリオは頷きストラーダでロングアーチと連絡を取るのであった。 暫くすると現場にシャマルが姿を現し、二人は少女を任せるとロングアーチから連絡を受けたスバルとティアナがバイクを二人乗りでやって来た。 「休暇中悪いんやけど、任務や!」 はやての申し出に力強く返事するフォワード四名はデバイスを起動、レリックを回収する為次々に地下水路へと赴くのであった。 フォワード陣が地下水路に向かう前、キャロからの連絡を受けたロングアーチはその後すぐにガジェットと不死者が地下水路へと向かっているのを確認、 恐らく目的は少女の手に繋がっていたと思われるレリックの回収だと考え、 なのはとフェイトをガジェット及び不死者の迎撃に向かわせ、スバル達を地下水路に向かわせると、 他の位置から複数の反応が現れ、その幾つかは別の入り口から地下水路への進入を許してしまう。 そこではやてはヴィータを地下水路にいるフォワード陣の下へ向かわせるように指示したその時、一つの連絡がロングアーチに届く、連絡先は第108部隊のラッドからである。 連絡の内容は部下の一人であるギンガが地下水路へと赴いており、目的は機動六課と同じであるという。 そこで機動六課と共同戦線を張り、迅速にガジェット及び不死者を撃破、そしてレリックの回収を提案した。 はやてはその提案を承諾すると、なのは達にもその旨を伝えるように指示した。 一方なのはは襲撃を受けているポイントに向かうと、瞬く間にガジェットを撃破、 次のポイントへ急ぎ標的に攻撃を仕掛けると、ガジェットと不死者は陽炎のように消えていった。 「まさか…フェイク?!」 肉眼で騙す幻影、それはティアナがよく使う幻術に近いが、レーダーすら騙すとなるとそれ以上に厄介な代物である。 取り敢えずなのはは今起きた事をロングアーチに報告すると、ロングアーチの答えはとにかく片っ端から片づけろというものであった。 ロングアーチの答えに頬を掻くも仕方がないと感じるなのは、 何故なら幻術系は分析にかなりの時間を要する為、分析して把握するより幻影ごと潰した方が早いからだ。 なのはとフェイトはロングアーチの指示に了解すると続けて一つずつ潰しに掛かるのであった。 一方地下水路ではセインと分かれたルーテシアがガリューと共に“鍵”を探していた。 その時、待機していたクアットロから連絡が入る、内容は“鍵”が管理局側の手に落ちた事、ガジェット及び不死者が幻影ごと片っ端から片づけられている事、 そして“鍵”に付けられていたレリックケースが一つしか無いことを伝える。 そこでセインとルーテシアは“鍵”の回収からレリックケースの回収の変更を指示、ルーテシアは一つ頷くとレリックの捜索に移る事に、 そして暫く地下水路を道なりに進むと広い場所に出る、奥には既に局員が存在しており、手にはレリックケースが握られていた。 「ベリオン、ガリュー、奪い取って」 ルーテシアの命令にガリューとベリオンは局員に襲いかかるのであった。 一方スバル達はギンガと合流し先を進むとガジェットI型がレリックケースに手を伸ばしていた。 それを見かけたスバル達はガジェットと応戦、見事撃破しレリックケースはキャロに渡すと、 キャロは怪しい音を聞き顔を向ける、其処には巨大な機械が姿を現していた。 「なっなにあれ!?」 「私ノ名ハベリオン、レザード様に造ラレシ、ゴーレム」 ベリオンと名乗るゴーレムは礼儀正しく答えている瞬間、不意を付いて使役虫らしきものがキャロが持つレリックケースを奪おうとに手を伸ばすがエリオに阻止される。 その光景にティアナとギンガは分散するように指示すると、柱を壁代わりに全員が分散した。 その時スバル、ティアナ、キャロは同じ柱を壁にしており、相手の目的はキャロが持っているレリックケースの強奪だとティアナは考える。 するとスバルが代わりにレリックケースを持とうと進言するが、他にいい方法があると言うとキャロの帽子を取るティアナなのであった。 一方ベリオンとガリューの両名はスバル達を探しており、周囲を探索していると、 ギアセカンドを起動させたスバルがベリオンの下へ、そしてデューゼンフォルムを起動させたエリオがガリューの下へと飛び出す。 「リボルバァァキャノン!!」 「メッサァァアングリフ!!」 エリオの不意の一撃を辛うじて左に避けるガリューに対し、ベリオンは正面からスバルの攻撃を受け止めていた。 不意からの一撃を正面から受け止められたスバルは流石に驚いた表情を見せると、ベリオンはスバルの様子に好機と捉え右拳を振り下ろす。 だがスバルはすぐに気を取り直し後方に跳び、ベリオンの一撃を辛うじて回避した。 一方ガリューはエリオの一撃に合わせ右膝によるカウンターを狙っていた。 だがエリオはストラーダに備え付けられているサイドブースターとヘッドブースターを点火させ左に急速回避を行い難を逃れるのであった。 一方でキャロはレリックケースを大事に抱え、キャロの前ではギンガが前傾姿勢で、ティアナがクロスミラージュを向け構えていた。 その様子を遠くで見つめるルーテシア、すると後ろから殺気のようなモノを感じる。 「…動かないで」 「……幻術…渋い魔法ね…」 「……それはどうも」 するとキャロを守るティアナが陽炎のように消えていく、フェイクシルエットと呼ばれる幻術魔法である。 ルーテシアの賛美に答えつつ後頭部にダガーモードに変えたクロスミラージュを突きつけるティアナ、 ティアナは攻撃を中止するように命令するとルーテシアは温和しく応じる。 「アナタ……名前は?」 「……アギト」 ルーテシアはそう名乗ると上空から巨大な火球がティアナ目掛けて落ちてくる。 ティアナはとっさに後方へ飛ぶとルーテシアもまた火球を回避した。 そしてルーテシアの目の前に30cm程の小さな少女が炎を操りながら現れる。 「オラオラァ!かかってこいやぁ!この烈火の剣精アギト様が相手だぁ!!」 そう名乗ると手招きをして挑発するアギトであった。 一方ロングアーチでは海上から新たなガジェット及び不死者の群れを確認した。 しかも一つの群れに30~40と数が多く此方に向かっている事から増援であることには間違いない。 そしてその異常な数から町中のガジェット達と同様にフェイクが混じっている可能性がある。 其処ではやてが直々に海上の増援を相手にしようと立ち上がると、モニターにクロノの姿が映し出された。 「クロノ君?何で此処に?!」 「説明は後回しだ、時間が惜しい、海上の方は俺に任せてくれ」 「なんか良い手でもあるんかいな」 「まぁな…」 クロノの意味深な返事にはやては困惑するが、迷っている時間はない為、海上をクロノに任せる事となった。 はやての素早い判断にクロノは頷きモニターを切ると今度はもう一つのモニターに目を向ける、其処には最高評議会のエンブレムが映し出されていた。 「これでよろしいのですか?エインフェリアは切り札のハズ」 「…構わん、それにエインフェリアの実力を世間に見せるには良い機会だ」 世論を味方に付ける、その為にはエインフェリアの実力を見せる事が一番であり、それに加え地上本部に牽制を促すことができる。 更に地上を護る事にも繋がる為、一石二鳥どころか三鳥だと話す。 最高評議会の考えにクロノは無言になるが、此処で揉める事が出来る程時間があるわけではない、 クロノは最高評議会の考えに不満を覚えつつもエインフェリアに指示を送った。 エインフェリアには五タイプ存在し、フロントアタッカータイプの接近戦型、ガードウィングタイプの高速戦型、 フルバックタイプの防衛戦型、センターガードタイプの遠距離戦型、そしてどれにも属さない広範囲攻撃型である。 今回出撃するのは広範囲攻撃型のゼノンとカノンの二体である。 二体はクロノの指示の下、早急に現場へと向かって行くのであった。 一方地下水路ではアギトがレリック奪還に参戦、自分の周囲に火球を作り出すと一気に放ちスバル達を牽制する、ブレネンクリューガーと呼ばれる魔法である。 辺りは炎に包まれる中、スバル達フォワード陣は柱を盾にアギトの攻撃を防いでいた。 「どうしよ?!ティア」 「落ち着きなさい!スバル」 慌てるスバルをティアナは嗜め、状況を把握させる。 現在レリックはキャロが手にしている、その為自分達はキャロを中心にして防戦、 そして先程手にした情報では現在、自分達がいる現場にヴィータ副隊長が向かっており、自分達はヴィータ副隊長が来るまでレリックを死守すればいいのである。 するとヴィータ副隊長から念話が届く、今現在ヴィータはリインと共に現場の近くまで来ており、もうすぐで到着すると伝えられた。 「っ!ルールー、上から魔力反応!……こりゃでけぇぞ!!」 「そう……じゃあベリオン、足止めをお願い」 「了解シマシタ、ルーテシア様」 ルーテシアは淡々とベリオンに命令するとベリオンはヴィータを押さえる為に飛び立つのであった。 その頃、ヴィータは最短距離でスバル達の下へ向かっていたのだが、目の前には壁が隔れていた。 そこでヴィータはギガントハンマーで壁をぶち抜こうと考えた時、リインが声を上げる。 「ヴィータちゃん!前方に熱源反応!!」 「何だと!?」 次の瞬間、目の前の壁は砕け巨体が姿を現す、それは先程までスバル達が戦っていたベリオンである。 ベリオンの出現に戸惑うリインであったが、寧ろ壁を壊す手間が省けたとヴィータは応え、 グラーフアイゼンをラテーケンフォルムに変えベリオンに突撃した。 「邪魔だ!どけぇぇぇ!!」 ヴィータはそのままの加速を維持して一気に振り下ろすが、ベリオンは左手でヴィータの一撃を受け止めると、右手を握り締めヴィータへと振り抜く。 だがヴィータはとっさにパンツァーシルトを展開させ攻撃を受け止めるが、衝撃までは受け止められず吹き飛ばされる。 ヴィータは吹き飛ばされつつも姿勢を直していると、目の前にいるベリオンは銃口を覗かしている右手をかざし、直射砲を撃ち鳴らす。 ヴィータはとっさに右に回避、後方では光を放ち爆音が響くと、一つ舌打ちを鳴らし目の前のベリオンを睨みつけていた。 一方地下水路のスバル達は、未だガリューとアギトに苦戦を強いられていた。 互いの攻防が行き来する中、ルーテシアがアギトに念話で進言する。 (…アギト、私に会わせて轟炎を撃って) (なんか手があるんか?) ルーテシアは頷くと右手をスバル達に向け足下に紫紺色の五亡星の魔法陣を展開させる。 「…バーンストーム」 かざした手の指をパチンッと鳴らし唱えると周囲を巻き込むように大爆発を起こす、 更にそれに合わせアギトは巨大な火球、轟炎を放ち辺りは炎の渦で真っ赤に染まっていた。 しかしその炎の渦から飛び出すようにスバルとギンガがら姿を現し、まっすぐルーテシアの下へ向かいつつ攻撃態勢をとっている。 だがルーテシアは待っていたと言わんばかりに五亡星の魔法陣を展開させおり、既に指を二人に向けていた。 「ライトニングボルト」 次の瞬間、強烈な電撃がルーテシアの指から放たれ二人の体を貫き、なす統べなく倒れるスバルとギンガ、 その頃炎の中ではキャロによるホイールプロテクションで轟炎を分散させ更に竜魂召喚させたフリードリヒが舞い上がり、背中にはキャロが乗っていた。 キャロは大事そうにレリックケースを抱えて持っており、それを確認したガリューはすぐさまキャロの下へ向かう。 しかしそれを阻止しようとスバルとギンガは立ち上がろうとするが意識が朦朧として動けないでいた。 ルーテシアが放ったライトニングボルトにはスタンマジックと呼ばれる追加効果が含まれており、 この効果を持った魔法を受けると一定時間気絶もしくはそれに近い影響を受けるのである。 二人の様子を見て柱に隠れていたティアナが代わりにクロスミラージュで応戦するが、ガリューは体を回転しつつ魔力弾を回避、更には手を刃に変え撃ち落としていた。 キャロの下へガリューが迫る中、未だ燃えたぎる炎の中からストラーダをガリューに向け構えるエリオの姿があった。 「うぁぁあああ!!メッサァァァアングリフ!!」 エリオはカートリッジを三発消費すると一気に加速、ガリューの左わき腹を捉えると一気に吹き飛ばした。 エリオの一撃によって誰もが安心していた瞬間、エリオとキャロは紅いバインドに縛られてしまう。 キャロの後ろにはルーテシアがいつの間にか乗っており二人をレデュースパワーで縛り付けたのだ。 しかもキャロを縛り付けているレデュースパワーはフリードリヒをも縛り付けており、その効果によってエリオとフリードリヒは力が抜けるように落ち始めていた。 その落下中にルーテシアはキャロが手にしているレリックケースを奪うとフリードリヒから飛び降り、そしてガリューがルーテシアを抱えるように受け止めたのであった。 「……それじゃ逃げるよ…アギト、しんがりをお願い…」 「任せろぉおい!!」 ルーテシアの言葉にアギトの頭上に巨大な火球、轟炎を作り出すとそれをフリードリヒに向け投げつけ、フリードリヒを中心に辺りは火の海と化していた。 その様子を確認したルーテシア達は地上への出入り口へと向かうのであった。 …先程まで燃えさかっていた炎が消えていく中、フリードリヒを中心にスバルはプロテクションを、ギンガはシェルバリアを張り難を逃れていた。 「みんな!大丈夫?」 「なっなんとか……」 「くぅ、まだそんなに遠くには行ってないハズ!追いましょう!!」 「あっあの?ちょっと―――」 ティアナの制止を一切聞かず飛び出すように後を追うギンガ、 ティアナとスバル、そしてキャロは苦笑いを浮かべながらギンガの後を追うのであった。 一方ルーテシア達は地上に続く通路を進んでいるとアギトが後方から魔力反応を感知、先程の局員が追って来ていると判断した。 「どうする?ルールー!!」 「…うろたえないで、アギト」 ルーテシアには策があるらしく手を床に向け不死者召喚の詠唱を始める。 そして詠唱を終えると魔法陣から一体の不死者を召喚する、 その姿は楔帷子に緑の甲冑、むき出した太ももが印象的な女性の姿をしていた。 ルーテシアは不死者に足止めを命令すると不死者は槍型のアームドデバイスを起動させ構える、ルーテシア達はそれを確認すると先を急ぐのであった。 するとその道中にアギトはルーテシアに問いかけてくる。 「なぁルールー、あの不死者一体だけで大丈夫なのか?」 「……あの不死者は特別製…らしいから」 ルーテシアの答えにアギトは首を捻ると説明を始める。 あの不死者はレザード曰わく管理局にとって最も“有効的”な足止めであるという。 そう話しながらルーテシア達は入り口へと急ぐのであった。 一方スバル達はギンガを先頭にエリオとキャロを乗せたフリードリヒ、ティアナを背負ったスバルがルーテシアを追っていた。 そしてギンガ達の前に一つの影が目に写る、その姿はスバルとティアナが良く知る存在であった。 「あれは!!」 「エイミ姐さん!!」 そう…その姿は紛れもなくエイミであった。 だがその顔は土気色に染まり無表情で、かつてのカシェルと同様不死者化されていたのである。 その様子にスバルはティアナを心配する、何故ならばティアナはエイミを姐さんと呼ぶ程までに親しい関係柄であるからだ。 だがスバルの心配をよそにティアナはクロスミラージュを額に当てて祈るように目を閉じている。 「エイミ姐さん……今、救います!」 そして目を見開きエイミを直視する、不死者化したエイミを救うのは自分しかいない、 カシェルの時と同じ過ち繰り返さない!……ティアナの瞳には決意と覚悟が滲み出ていたのであった。 一方地上では海上からの増援の対抗策である、白いフードを被った金髪の男性ゼノンと、 黒いフードに覆われ手には引きちぎられた印象を持つ手錠が掛けられたカノンの二体が海岸上空で待機していた。 「数は30~40の群れ……さて、どうする?」 「どうもこうもないよ、片っ端から片付けるだけさ」 ゼノンはサラリと言うと詠唱短縮に特化した杖型ストレージデバイス、エーテルセプターを起動させると円状の魔法陣を展開する。 そしてカノンはやれやれ…といった様子で同じくエーテルセプターを起動させ円状の魔法陣を展開した。 ゼノンの杖の前には炎が火球の形になって燃え続け、カノンは中が吹雪いている印象を持つ球体を作り出していた。 それぞれは魔法を撃つ準備を進めていると、先に完了したゼノンが不死者の群れの位置を杖で指し示す。 「先行する、エクスプロージョン」 すると杖の前で真っ赤に燃えていた火球が不死者の群れに向かい、群れの中心にて一気に膨張、一瞬にして不死者を焼き尽くした。 すると今度は準備を終えたカノンがガジェットの群を指し示す。 「次は俺の番だ、グラシアルブリザード!」 カノンの魔法もまた先程と同様に群れの中心に向かうと一気に膨張、海ごとガジェットを凍り付かせた。 両名は互いに交互しながら魔法を撃ち続け、ガジェットと不死者の数を次々に減らし続けていくのであった。 その様子をモニター越しで見つめるはやて、この様子だと全滅も時間の問題と考えるも、あの二名はかなりの実力者だと判断していた。 一方一足早く地上に着いたルーテシアは入り口から離れた高速道路にて地下水路の様子をモニターで見ていた。 地下水路ではエリオがエイミを攪乱させ、ティアナが牽制、動きを止めたエイミにキャロがバインドをかけ、スバルとギンガのコンビネーションによる一撃を与えていた。 その連携によりエイミは苦戦を強いられており、その様子にルーテシアは一言つぶやく。 「手緩いか………」 そしてルーテシアは手をかざすと召喚を始める、召喚したのは地雷王と呼ばれる巨大甲虫である。 地雷王とは生体電流を放電し魔力を用いて振動させる事により、局地的に地震を起こす事ができる能力を持つ。 ルーテシアは召喚した地雷王3体を地下水路に通ずる位置に配置するとアギトが心配そうに叫ぶ。 「ルールー、いいのか!?アイツら潰れて死んじゃうかもだぞ!!」 「…別に……問題はない」 レリックケースは既に手元にあり、ベリオンは瓦礫程度で破壊されるハズは無くセインにはISがある、失うのは足止めに使った不死者と局員のみであるという。 ルーテシアは説明を終えると指を鳴らし、地雷王はその音を合図に放電し始めるのであった。 一方地下水路のスバル達はいきなりの揺れに戸惑いを見せていた。 その揺れは徐々に大きくなり地下水路の壁に亀裂が走り、破片が落ちてくる。 その状況にギンガは地下水路が崩落する可能性を考慮し、いち早くこの場から去ろうと提案、 他のメンバーはギンガの提案に乗るが、目の前にはエイミが立ちはだかっていた。 「くっ!押し通るしかないようね」 「待ってください!私に考えがあります」 キャロには何か得策があるらしく、援護をして欲しいとのことである。 四人はキャロの策を聞くとそれを受け入れ、配置に付いた。 キャロはセカンドモードを起動させると早速桃色の魔法陣を展開、 するとエイミの持つ槍から薬莢が二つ排出されると紅い魔力が槍を伝って全身を纏わせ、一気に加速、キャロ目掛けて突撃してきた。 スピニングエッジと呼ばれるエイミが得意とする攻撃である。 そのエイミのスピニングエッジに対しスバルが間に入りプロテクションで受け止め動きを止めると、スバル肩を踏み台にエリオのスタールメッサーが振り下ろされる。 しかしエイミはバックステップで回避すると、逆にエイミが槍を振り下ろす。 しかしエイミが槍を振り上げた瞬間をティアナは狙い、クロスファイアはエイミの槍を撃ち落とすと、 前方にいたスバルとエリオが左右に展開すると中央からギンガが加速しながらエイミに突撃、 ギンガのナックルバンカーがエイミの腹部に突き刺さると、九の字に曲げながら後方へと吹き飛ばす。 「行きます!鋼の軛!!」 その瞬間を狙いキャロはフィンが展開されている右手で床に触れると、床を介して桃色の鋼の軛がエイミの体に突き刺さる。 ミッド式の鋼の軛、ザフィーラとシャマルの訓練とシャーリーによって追加されたバインドである。 鋼の軛によって動きを止められたエイミを確認後、急いで地下水路の入り口へと向かう一同。 その中エイミに目を向けるティアナであったが、頭を横に振りその場を後にした。 地下水路の天井が瓦礫となって落ちる中、鋼の軛に縛られているエイミから紅い魔力が溢れ出していた。 「体ガ熱イ……チカラガ……目覚メル!!!」 次の瞬間、体から溢れ出ていた魔力がエイミの体を包み込むと同時に、エイミの頭上の天井が崩れ飲み込まれるのであった。 一方ヴィータとベリオンの戦いは、床を撃ち砕き、壁をぶち壊し、柱はへし折られ、地下水路崩壊の一端を担う程の熾烈さを繰り広げていた。 そしてヴィータの一撃がベリオン頭を捉え吹き飛ばすと、リインが地下水路の崩壊を示唆、 フォワード陣は既に出入り口へと向かっている事を確認したと伝えるとヴィータもその場から去ることを決める。 しかし土煙の中からベリオンが姿を現し、ヴィータは苦虫を噛んだ表情で睨みつけていた。 「ちっ!しつけぇ奴だ!!」 「…システム、バスターモードニ移行、スキル・マイトブロウ起動シマス」 そう言うとヴィータに目を向け佇むベリオン、 ベリオンが起動させたマイトブロウとは、相手を気絶、更にガードを破壊する効果を持つスキルである。 そしてベリオンの足下が光りだすと魔力を噴射、一瞬にヴィータの懐に入り右手を握り締めた。 ヴィータは一瞬の動きに戸惑うがすぐに冷静になりパンツァーシルトを展開、ベリオンの一撃に備えた。 しかしマイトブロウを起動させたベリオンの一撃はヴィータのシールドを一瞬に打ち砕きヴィータを直撃、まるで弾丸のように吹き飛び柱にめり込むのであった。 ヴィータは柱の中で気絶をしているとベリオンが近づき左拳で柱ごとヴィータを殴りつける、 柱はバラバラに砕け散りヴィータと共に吹き飛ぶと、ベリオンは追い打ちとばかりに目の前に現れ両手を組み床に叩き付けた。 案の定床は砕け、ヴィータは瓦礫と共に下層へと落ちるが途中で意識を取り戻し下層の床へと着地、しかし足下はおぼつかずよろめいており顔は俯いていた。 しかしヴィータを追って来たベリオンに捕まり右フックを振り抜かれる。 するとヴィータは左手をかざしパンツァーシルトを展開するが空しく打ち砕かれなす統べなくベリオンの一撃を受ける……ハズであった。 ベリオンの一撃はヴィータの左手によって受け止められており、ヴィータの左手…いや全身は赤い魔力に覆われていた。 パンツァーガイストと呼ばれるフィールド魔法を纏っていたのだ。 ヴィータは顔を上げると口の端から血が流れているが、その瞳は蒼く激怒していた。 「デカブツがぁ!!図に乗ってんじゃねぇ!!!」 そう叫ぶとカートリッジを二つ消費してギガントフォルムに変えると勢いよく振り抜き、ベリオンは壁に激突した。 するとヴィータが落ちてきた穴からリインが心配そうに降りてくると、それを確認したヴィータはユニゾンを要求する。 ユニゾンとは、ユニゾンデバイスであるリインフォースIIと融合する事を指し、 ユニゾンすることで能力の向上、更には補助などの支援を受ける事ができるのである。 ヴィータの言葉にリインは一つ頷くとヴィータの目の前に立ち、そして―――――― 『ユニゾンイン!!』 二人の声が重なり合って叫ぶと、リインは吸い込まれるようにヴィータの体と融合、 ヴィータの魔力が高まり騎士服は赤から白く染まり、髪はオレンジ色、瞳も青く変化していた。 「リイン!詠唱短縮!」 「任せるです!」 ヴィータはリインに命令するとギガントフォルムのままベリオンに突撃する。 一方ベリオンは左手のマシンガンで応戦するも先程とは打って変わって素早く懐に入られギガントハンマーがベリオンの胴体に突き刺さる。 しかしベリオンも負けてはおらず右ストレートを繰り出しヴィータのシールドを砕いて吹き飛ばす。 すると融合しているリインが後方にヴァルヒ・スツーツと呼ばれる白い柔らから支柱を展開させ激突を免れる。 そしてお返しとばかりにラテーケンフォルムに切り替え突撃、見事にベリオンの胴体に突き刺さる。 そしてカートリッジを三発消費すると噴射口から大量の魔力が吹き出しベリオンごと回し始め――― 「一対一の戦いでぇ!ベルカの騎士はぁ!!」 「負けはないです!!」 二人の息のあった台詞と共にベリオンを天井に向け投げ飛ばし、ベリオンは天井を突き破りながら姿が見えなくなっていく。 それを確認したヴィータは口の端の血を拭い中に溜まった血を吐くと、今度こそ脱出の為入り口へと向かうのであった。 一方地上では未だ地雷王が地震を起こしており、その振動により地下水路は轟音と共に崩壊した。 「あ~あ、やっちゃった……」 アギトのやりずぎじゃね?感を醸し出した感想を浮かべる中、一つの轟音が響く。 其処には先程ルーテシアが戦っていた局員の姿があった、どうやら先程の音は瓦礫を砕いた音のようである。 「たっ助かったぁ」 「どうやらみんな無事みたいね」 瓦礫で塞がれていた入り口を先行していたギンガがナックルバンカーで打ち抜き、どうにか脱出できたようである。 ティアナはメンバーの確認を終え周囲を見渡す、地下水路が崩壊した影響かビルの一部が倒壊、道路の一部が陥没している状況であった。 その酷い状況にギンガは他の部隊に救援を要請していると、キャロが地下から強大な魔力を感知したという。 すると地面が盛り上がると中から紅い竜が姿を現した。 「赤い竜!?……まさかエイミ姐さん!!」 その竜の姿は猛禽のような爪に猛獣のような牙、鋭利な角に鋼のように強固な赤い皮膚と柔軟で強靭な巨大な体躯と尾、 そしてその肉体を浮かばすことが出来る程の翼を持ち、ティアナがグレイから聞いた特徴と同じモノを持っていた。 つまりあの竜はエイミが竜化した姿であるのは間違いないのである。 ティアナがエイミを説明しているとエイミはその巨大な拳で道路を砕き、尾で倒壊したビルを叩き、口から吐き出した炎はビルのガラスを砕き溶解させた。 今のエイミは不死者化に加え竜化している為、力が暴走しているのは明白、目に映る物全てに攻撃を仕掛けていた。 このままエイミを暴れさせていてはさらに被害が増える!そう考えたギンガはスバル達と共にエイミの下へと向かうのであった。 ウィングロードにて近くで見るエイミは思いの外巨大でベリオンの三倍近くあるように思えた。 これだけ巨大であると通常の攻撃は通用しないと考えるスバル、 しかしここで怖じ気つく訳には行かない!……そう自分を鼓舞するとエイミに突撃、額辺りにリボルバーキャノンを撃ち込む。 しかしスバルの攻撃にいっさい動じず寧ろ左手で弾かれ吹き飛ばされる。 すると足元からエリオがソニックムーブを用いたスタールメッサーを放つが傷は浅くエイミの膝を付かせるまでには至らなかった。 エリオの攻撃に気付いたエイミは踏みつぶそうとするが、ストラーダがソニックムーブを用い危ういところで回避する事が出来た。 その頃フリードリヒに乗ったキャロがエイミの前に立ちふさがるとフリードリヒはブラストレイを放つ。 だがエイミの炎には叶わずブラストレイを押しのけキャロ達を飲み込む。 「っ!キャロ!!」 その光景にエリオは叫ぶが、炎は渦のように円を描き分散、その中央には光の渦を張ったキャロの姿があった。 キャロはホイールプロテクションを用いてエイミの炎を防いだのである。 それぞれの戦闘を見ている中ティアナはギンガに考えがあると話す。 その内容を聞いたメンバーは一斉に頷くとそれぞれの位置に付く。 「一番!エリオ行きます!!」 エリオはスピーアフォルムの石突と噴射口部分から金の突起物が現れるウンヴェッターフォルムに変えると カートリッジを三発消費、ストラーダの先端に雷を纏う。 そして加速してエイミに突き刺さると周囲を雷に包まれ直撃する。 サンダーレイジと呼ばれるエリオの電気変換資質とフェイトの魔法を元に生み出した魔法である。 エイミの体に雷が撃たれている中、左手にフィンを展開させたサードモードを起動させたキャロがエイミの後方で魔法陣を展開させていた。 「二番キャロ!鋼の軛を撃ちます!!」 そう言うと両手を開き魔法陣に触れる、すると先程以上の巨大な桃色の鋼の軛が六本、 六角形の角部分を彷彿するような位置から伸びエイミの体を貫く。 するとエイミの正面にはナカジマ姉妹が構えていた。 「スバル!先に行くよ!」 「了解!ギン姉!!」 「三番!ギンガ、突貫します!」 そう言うとカートリッジを三発消費しエイミに向かっていく。 そしてエイミの目の前まで向かうと左拳を振り下ろし更に振り上げる、ストームトゥースと呼ばれるコンビネーションである。 だがギンガの攻撃はまだ終わらず、今度はウィングロードを螺旋の形に展開させて今度は左拳によるナックルバンカーを鳩尾あたりに打ち込む。 「スバル!今よ!!」 「応!四番スバル、ギア・エクセリオン!!」 スバルが叫ぶとマッハキャリバーから片足に二枚、計四枚の翼を展開、A.C.S モードを起動させる。 そして一気に加速するとカートリッジを二発消費、右拳に魔力が纏い、そのまま姉ギンガと同様エイミの鳩尾あたりに拳がめり込む。 更にスバルはカートリッジを三発消費すると拳に環状の魔法陣が展開、めり込んだ拳の先には魔力弾が形成されていた。 「ディバイン…バスタァァァ!!!」 ゼロ距離からのディバインバスターはエイミの体内で炸裂し内側から強固な皮膚を貫き穴という穴から魔力光が溢れ出す。 もはやとどめと思われた一撃であったが未だエイミは鋼の軛を外そうとしており、それを倒壊寸前のビルの屋上で見つめるティアナ、 するとクロスミラージュをダブルモードに変えるとビルから飛び降り、左の銃でエイミの額あたりにアンカーショットを打ち込む、 そして一気に巻き上げ加速させると右の銃をダガーモードに切り替える、狙いは脳髄である。 ティアナが迫る中、エイミは顔を上げティアナを見上げ口から炎を吐き出す。 炎はティアナに直撃する瞬間、ティアナは陽炎のように消える、お得意の幻術である。 本物は飛び降りたビルの中心、遠距離型狙撃銃ブレイズモードに切り替えたクロスミラージュを握り標準は見上げたエイミの頭である。 「さようなら…エイミ姐さん…」 そう一言呟くとティアナは引き金を引きファントムブレイザーを撃ち出す。 クロスミラージュから放たれたファントムブレイザーは高密度に圧縮されており、 エイミは小細く声を上げると頭を撃ち抜かれるのであった。 …撃ち抜かれ頭部を無くしたエイミの体は轟音と共に倒れ光の粒子となって消滅、その光景を涙を流し見つめるティアナとスバル… すると突然フリードリヒが雄叫びを上げ、キャロは戸惑い目を向けるとその目には涙が浮かんでいた。 「どうしたの?フリード」 キャロの問いに答えないフリードリヒ、何故フリードリヒは泣いているのか…それはエイミが消滅する瞬間にあった。 …ティアナの一撃がエイミの頭に直撃する瞬間、か細い声で一言「ありがとう…」と言っていたのだ。 …エイミには元々から意識があったのか?…それとも死の一瞬だけ意識を取り戻すのか? それはもう分からない…だがフリードリヒの耳には確かにエイミの感謝の言葉が届いていたのだ。 フリードリヒはまるで弔うように涙を浮かべ何度も雄叫びを上げるのであった。 一方、一部始終を見ていたルーテシアはモニターを閉じガリュー及び地雷王を送還する。 「いいのか?ルールー」 「……私の目的は果たしたから」 そう言ってレリックケースをアギトに見せ足早に去ろうとした瞬間、 アギトはバインドに縛られルーテシアの右コメカミ辺りにはラテーケンフォルムが向けられていた。 「やっと見つけたぜ、テメェラ」 ルーテシアの後ろにはヴィータが睨みつけており、レリックケースを置くように指示すると温和しく従い手を挙げる。 ヴィータ達はベリオンをぶっ飛ばした後出口へと向かい崩壊前に脱出していたのだ。 その後巨大な竜が姿を現し、ヴィータはあの少女の仕業だと考えリインに少女の詮索をさせその後に発見、現在に至ったのである。 その後しばらくしてヴィータの連絡をもらったスバル達が駆けつけ、レリックケースをキャロに持たせるヴィータ、 スバルとティアナは複雑そうな面持ちでルーテシアを見つめていたが、当人は涼しい顔をしていた。 ルーテシアはバインドにて縛られていると、クアットロからの念話が届く。 (…ルーお嬢聞こえていますかぁ?) (……クアットロ、今まで何していたの?) ルーテシアの問いかけにクアットロは説明を始める。 ルーテシアが地下水路で戦っている頃“鍵”を回収する為シルバーカーテンを用いて隊長クラスを足止め、その隙にセインが回収するハズであったのだが、 管理局はヘリを用意し“鍵”を運ばれるところであった。 そこで第二プランの強襲による“鍵”回収を試みる為ディエチがイノーメスカノンをチャージ中、地雷王の地震に竜化したエイミの暴走が影響してヘリを飛ばす事が出来なくなったのである。 だが今は地震王もエイミもいない為強奪にはもってこいの条件であると語る。 今セインはルーテシアの近くにおり、レリックケース回収後、ルーテシアも回収するという。 (其処で強襲の切っ掛けとなる合図の言葉を言ってほしいんですぅ) (……分かったそれで何をすればいいの?) (慌てないでねぇ、まだディエチのチャージが―――) (早くして……私…じらされるのは嫌いなの……) ルーテシアの言葉に両の手のひらを広げ肩をすくめるクアットロ、 仕方ないと考えたクアットロは眼鏡に手を当て不敵な笑みを浮かべるとあの紅い魔導師に向かってこう言うように仕向けるのであった。 一方ヴィータ達はヴァイスが操縦するヘリを見送ると、ルーテシアに目を向ける。 「取り敢えずてめぇは公務執行妨害で逮捕だ」 『逮捕は良いけど……大事なヘリは放っておいていいの?……また貴方は…守れないかも』 その言葉にヴィータの目が蒼くなる、この少女は八年前の事件の事を知っているんじゃないのか、 そう考え詰め寄ろうとした瞬間、リインが強力なエネルギーを感知したと、そしてその方向に指を指すと其処には女性が二人おり、 その一人が大型狙撃砲でヘリに向け直射砲を撃ち抜いた。 ヘリは急速回避出来ず激突は免れないと思った瞬間、ヘリと直射砲との間に桜色の光が割り込み爆発を起こす。 爆発によりヘリの周りには白煙が包まれ徐々に晴れていくと、其処にはエクシードモードを起動させたなのはの姿がありどうやら先程の光の正体のようである。 一方ヴィータはヘリの無事を確認していると、キャロの叫び声が上がり目を向ける。 其処には水色の髪の少女の姿があり、手にはキャロから奪ったレリックケースが握られていた。 ヴィータはその少女を捕まえるように指示するが女性は腰に付けた手榴弾のような物を投げつけると、まるで水面を潜るように道路の中を潜った。 すると置き土産である手榴弾のような物が光を放ち爆発する。 「くっ!閃光弾か!!」 目をくらましつつ周りを確認すると既にバインドが解かれた二人を抱えている姿があり、ヴィータは必死に捕まえようと飛びつくが健闘空しく空振りに終わる。 そしてリインは反応を調べるが対象は既にロスト、逃げられたという空しい事実だけが現場に残されているのであった。 一方クアットロとディエチはなのはに追われていた。 ディエチが手にしていたイノーメスカノンは重すぎるため現場に放棄、ビルの屋上を飛び移りながら逃走していた。 「待ちなさい!」 「待ちなさいと言って待つ人なんていませんよぉ」 そうクアットロは軽口を叩くとカンに障ったのかアクセルシューターを撃ち出される。 するとディエチは右足に力を込め思いっきり踏み込み跳躍、体を半回転しつつ腰に付けていたスコーピオンを抜くとアクセルシューターを迎撃した。 そして逆さまから落ち掛けたところをクアットロが足をつかみ難を逃れる。 「助かったわぁ、ディエチ」 「こっちも助かった」 そんな事を言いながら逃走を続ける二人、それを追うなのはにフェイトが追加されこのままでは本当にまずいと考えるクアットロであった。 一方逃亡者を追いかけているなのはとフェイトの下に一つの念話が届く。 (此方はエインフェリア、クロノ提督の名の下援護します) その聞き慣れない名前に困惑するもクロノの名が出た為、信用する二人、 二人はエインフェリアに指定された位置に向かうこととなった。 一方、エインフェリアのゼノンとカノンは海上を離れなのは達が追っていた場所を確認する。 「さて…何を撃つつもりだ」 「空を飛ぶ物にはこれが相応しいだろうな」 そう言うと左手に雷を走らせるゼノン、その考えに乗ったカノンもまた雷を走らせると魔法陣を展開させる。 そして二人の目の前に稲光が走る球体が出来上がるとゼノンは右、カノンは左に撃つこととなり そして―――― 『サンダーストーム』 撃ち出された魔法は真っ直ぐ現場に向かって進むのであった。 一方で隊長クラスの追撃を受けなくなった二人は少し戸惑いを見せ後方を見据える。 何も起きない、まるで嵐の前の静けさだなと考えていると上空に稲光が起きている物を発見する。 「あれは…グラビディブレスぅ?」 「いや…違うと思うけど、多分あれは……」 『広域攻撃魔法!?』 二人は声を合わせてそう言うと二つのサンダーストームは広がりを見せる。 その広がりの早さにクアットロは焦りつつ飛び抜けるが、後方ではサンダーストームから無数の雷がクアットロ達目掛け落ちていた。 「きゃああああ!?」 「ちょっと、クアットロ姉さん!?もっと高く飛んで頭が擦れる!!」 しかし上昇すればあのサンダーストームの渦に巻き込まれる、しかし低いままでもあの雷の雨にやられる。 クアットロは再度シルバーカーテンを使用して自分とディエチの姿を消すのであった。 一方なのはとフェイトは指定された位置で周囲を確認していると、先程の二人組が姿を現す。 「ビンゴ!行こうフェイトちゃん!」 「分かった、なのは」 そう言うとなのははレイジングハートを二人に向けカートリッジを一発消費し、フェイトは左手をかざしカートリッジを三発消費する。 そして互いの足元に魔法陣が展開され魔力弾が形成されていく。 そして―――― 「エクセリオンバスター!」 「トライデントスマッシャー!」 二人の魔法はクアットロ達を挟むように放たれ、クアットロ達は逃げられないと覚悟する。 そして二つの魔法がぶつかり合い相殺され辺りには魔力の残滓が舞っていると、 二人を片手ずつ掴む紫の短髪の女性が佇んでいた。 どうやら監視役としてスカリエッティに派遣されたようだが、妹達のピンチに思わず手を出したようである。 「たっ助かりましたぁトーレ姉」 「…早くディエチを連れて行け、しんがりは私に任せろ」 トーレの言葉に甘えるようにクアットロはディエチを抱えシルバーカーテンを使ってその場を後にする。 するとなのは達が逃がさないとばかりに追うとすると、 トーレの両手足にエネルギーの翼を展開、そして瞬間移動を彷彿させるようなスピードで なのはの腹部にミドルキック、更にフェイトの腹部にも後ろ蹴りを与えそのまま退避した。 その一瞬の出来事になのはは痛む腹部を押さえ困惑する中、 フェイトは先程の女性の速度はかつて自分が使っていたソニックフォーム、もしくはそれ以上の速度を出していたと考えていた。 なのはからの連絡を受けたヴィータは今回の失態は自分のせいだと話し、ギンガもまた同じ事を言っていた。 その中、恐る恐る手を挙げるティアナ、ヴィータ達には忙しくて連絡が遅れていたが、 スバルとティアナはレリックケースに仕掛けをして置いたと話しヴィータとギンガは首を傾げる。 一方“鍵”回収チームは合流地点に次々に集まり、其処にはベリオンの姿もあった。 今回、回収出来たのはレリックケース一つ、その事をどうドクターや博士に報告しようか考えていると、セインがレリックを見たいとダダをこね始める。 トーレはやれやれと言った表情を見せつつ了解するとセインは早速レリックケースの鍵を開錠、ふたを開けると中にはレリックは一つも入ってはいなかった。 「なんでぇぇぇぇぇ?!」 「…してやられたようだな」 中身は空っぽ今回の任務は徒労に終わり疲れがドッと出るメンバーであった。 一方行方知れずのレリックはキャロの帽子の中に隠されていた、戦闘面では後方支援のキャロに持っていてもらえば安全だとティアナのが出した提案であった。 その事にヴィータとギンガは苦笑いを浮かべていると、ヴィータがあきれた様子で話し始める。 「しっかし、いくら後方支援でもよく大丈夫だったな」 「えっ!?」 ヴィータの言葉に目を丸くするキャロ、レリックは高エネルギーの結晶体、いくら封印処置をされていても、 魔法が直撃すれば暴走する可能性があると語り、その言葉に冷や汗を垂らすキャロ、そして恐る恐る聞いてみた。 「もし…暴走させたら?」 「そりゃあもちろん……頭がパーン」 そう言って頭が爆発する様子をジェスチャーするヴィータに顔を青ざめるキャロ、 そしてキャロは涙目でティアナに抗議するのであった。 一方ゆりかごに戻ったクアットロ達はレザードとスカリエッティが待つ部屋に向かう。 そして今回の一部始終を話すと腕を組むスカリエッティ、その行動に息をのむ一同。 「つまり“鍵”もレリックも管理局側に回収されてしまったんだね」 「申し訳ございません、ドクター」 「まぁ、仕方がない、今日は疲れただろう…もう休みなさい」 そう言って皆を帰らせるスカリエッティ、一同はその行動に疑問を感じるも一礼して部屋を後にした。 暫く静寂が包み込む中、レザードの口が開き始める。 「いいのですか?お咎めなしで」 「あぁ、“鍵”はまた回収しに行けばいいからね」 それに地上本部を崩壊させるきっかけにもなると、狂喜に満ちた表情を現すスカリエッティであった…… 前へ 目次へ 次へ
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VF-1D バルキリー VF-1Aの複座型。目立つオレンジ色が特徴の、主に訓練用として使われていた機体。 性能 チューンpt 12734 HP 1200/3200 射撃防御 5/26 格闘防御 8/27 スピード 15/42 ブースト 28/38 バランサー 16/40 旋回 25/45 レーダー性能 26/44 兵装 名称 威力 命中 連射 有効範囲 弾速 リロード 弾数 55mm3連装ガトリングガンポッド 61/76 - 3 22/42 12/32 18/38 69-100 マイクロミサイル(マルチ) 64/73 24/49 9-11 23/43 22/42 19/39 57-72 マイクロミサイル(連射) 65/75 14/39 1 32/52 20/40 14/34 22-27 対空レーザー砲 75/86 20/45 3-4 10/30 24/54 12/32 14-17 格闘 352/520 13/38 - - - - - SPA:全弾発射 ガンポッド、ミサイル、レーザー砲を連続発射する。 使用中、及び使用後はバトロイド形態。 機体特徴 初期機体にしては結構豪華な機体。 正式機のVF-1Aとそこまで大差無く、それどころか一部武装では上回っている。 主武装のガンポッドは垂れ流しタイプ。使いやすさは抜群。 マイクロミサイルはマルチ、連射のどちらも搭載。 マルチは弾数が多く、連射は強敵向け。ただ、連射の弾数の少なさが少々目立つ。 各形態説明でも書いているが、バトロイドでの使用はお勧めできない。 レーザー砲は何気に2門で、VF-1Aのものの倍の威力。 狙撃にしては威力が低めだが、弾速や命中によってしっかり当てていける。 格闘は威力こそ劣るものの、VF-1Aより1段多く、5ヒットする。 また、ガンポッドとミサイルは最終的に同性能となるので、 限界突破後はVF-1Aよりこちらの方が強くなる。 せっかくの複座型なのだから、好きなキャラとイチャイチャさせて欲しいものだ。 ファイター 全てのバルキリーにほぼ言えるが、移動兼高機動形態。 ガンポッドやレーザー砲は軸がほぼ固定される為使いにくいが、 ミサイルをばらまくには最適。 高機動で翻弄しつつ、ミサイルをぶちかませ。 ガウォーク ファイターとバトロイドの良いとこどり、とまではいかない。足して2で割ったような形態。 展開してるウィングからのミサイルや、腕をある程度自由に動かせるガンポッド、 どこから出してるのかよく分からないレーザー砲。これら射撃武器を総合的に一番使える。 反面、格闘は脆弱の一言。また、独特の操作感に苦手な人もいるのではないだろうか。 バトロイド 全形態で、唯一勝手に進まない形態。 人型と言うロボットに憧れる魂を揺さぶる形で、格闘性能を一気に引き出せる。 しかし、ミサイルは背中に畳んだウィングから斜めに発射するので、ある程度近い敵にはかなり当たりづらい。 特に地上の敵には難しく、地面にぶつかって爆風を撒き散らすだけになる事も多い。 ガンポッドやレーザー砲、特に、旋回性の高さからガンポッドはかなり使いやすくなるので、悪い形態ではない。 ファイター時、背面中央のパネル全体がオレンジ色になっているが盛り上がっている部分だけオレンジなのが正解。尾翼も方向舵部分はオレンジ色ではない。 -- 名無しさん (2008-11-09 12 41 09) 名前 コメント
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チー山ズ田ソイ重郎 ■キャラクター名:チー山ズ田ソイ重郎 ■読み方:ちーやまずたそいじゅうろう ■性別:男性 特殊能力『お前もオニギリ食わないか?』 チー山ズ田ソイ重郎の居る場所で争いが発生した時、ソイ重郎がボタンを押して発動する。フードファイト番組の司会でおなじみのンラッシャー板前さんが駆けつけフードファイト勝負を提案する。ソイ重郎とンラッシャーさんが居てフードファイトしないなんて事、まずは無い。 設定 日本に帰化した元スーパーヘビー級ボクサーにして元総合格闘技選手にしてフードファイター。 スキンヘッドにボクサーパンツ、オープンフィンがーグローブという見た目で外を歩いても職質されないお茶の間のアイドルおじさん。 にわかファンから帰化前の名前で呼ばれるのと、ディレクターの梅屋敷氏によるパワハラが最近の悩み。 ボクサーとしての戦績は平凡だったが、フードファイターとしては一流。 フードファイト番組で知り合ったンラッシャー板前さんと友情を築き、彼をいつでもよびだせるボタンを魔人能力として発現した。彼とンラッシャー板前さんが居る所、常にフードファイトの嵐が巻き起こる。 プロローグ 『自滅のソイヤ・見切り発車編』 「うむっ!お前らの財布は全部俺が引き受けよう!」 新幹線むげん、そのグリーン車内の平和は一人の男によって破られた。男の名は殺軀座(やくざ)、ヤクザな両親の間に生まれ立派なヤクザになる様に名付けられ、その期待に答えヤクザになっちまったヤクザの殺軀座である。なお、変換がめんどいので今後はやっくんと表記する。 何故やっくんはこの様な凶行に及んだのか?それは、先日後輩からいい儲け話を聞いたからである。広域催眠能力を持つ後輩が新幹線でのスリを成功したと聞かされたのだ。 やっくんは、自分も負けてられない、後輩が自由席で成功したなら俺はグリーン車でやってやる!と勢いだけで決定し、いざグリーン車に来たやっくんだったが、自分の魔人能力がスリに全く役に立たない事に今更気付き、ゴリ押しする事になったのだ。 そして、このゴリ押しは案外上手く行った。グリーン車に乗ってる人は金持ちばかり。金持ち喧嘩せず。強盗はどうせ捕まるだろうし、今逆らって怪我したり死んだら目も当てられない。そう判断した乗客達は次々と財布をやっくんに渡していく。 しかし、その流れに逆らう男が一人居た。 「金は無い。乗車券と大量オニギリ、それからこの呼び出しボタンが俺の手持ち全て」 やっくんはこの裸一貫無一文オニギリ座席一杯男を知っていた。会った事は無いが、昔見た格闘番組にチーズ・ソイというあんまり強くないデブボクサーがいた。間違いなく本人だ。 「その特徴的な見た目、お前は格闘家のチーズ・ソイか。こんな所で有名人と会えるとは、よもやよもやだ!」 「その名は捨てた。今の俺はチー山ズ田ソイ重郎。そんな事より素晴らしい提案をしよう。お前もオニギリ食わないか?」 「なにっ」 やっくんは驚愕した。ソイ重郎はスリ(強盗)である自分に全く怯えていない。それどころか、フードファイトしようと提案してきたのだ。 「オニギリはいいぞ。オニギリを食っていれば決して餓死しない。その上、具材を変えれば無限に飽きる事なく食い続けられる」 「断る!人はオシャレしてキャバクラで散財するからこそ美しい!俺はオニギリを食ったりしない!」 やっくんにはヤクザとしての意地があった。今回のスリという名の強盗は完全に見切り発車だったが、それはそれとしてヤクザがフードファイターの真似事など決して出来ない。 「ふむ、どうやらお前の意志は固い様だな。しかし、乗客の安全とお前の反省の為に、後、フードファイトは楽しいから絶対に受けてもらうぞ!はい、ポチッとな」 ソイ重郎が持っていた謎の赤いボタンをポチッと押すと、隣の車両から一人の男が入ってきた。 「さあ、この掛け軸の評価額は?ジャカシャン!」 ンラッシャー板前さんだ。フードファイト番組司会として超有名なンラッシャー板前さんだった。フードファイト番組の仕事以外何してるのか誰も知らない知られちゃいけないンラッシャー板前さんが期待を込めた目でやっくんの顔を覗き込んでくる。 「やーるのか、やーらへんのか、どっちやねん」 ソイ重郎が手拍子する。ンラッシャー板前さんの顔がやっくんに近づいていく。 「あ、そーれ、やーるのか、やーらへんのか、どっちやねん」 「うぐっ…」 ソイ重郎とンラッシャー板前さんはやっくんの前後に立ち、やっくんを挟んだ状態でチューチュートレインする。やっくんもつられてチューチュートレインするが、フードファイトの誘いには必死で耐える。 「やーるのか、やーらへんのか」 「わかった!やる!やるからンラッシャー板前さんを楽にしてやってくれ!」 ソイ重郎が画鋲付きバレーボールをトスし、ンラッシャー板前さんが顔面レシーブした所でやっくんの心が折れた。フードファイトの司会以外の芸をやるンラッシャー板前さんの姿に耐えられなかったのだ。 という訳でフードファイト開始。 「うまい!うまい!うまいっ!」 フードファイト開始後、最初は美味しそうにオニギリを食べるやっくんだったか、すぐにペースダウンしていく。 「フードファイトがこんなに苦しいとはな!別腹があったら入りたい!」 フードファイト素人のやっくんは十五個食べてギブアップ。この時点でソイ重郎は十六個食べ終わっていたので、勝利確定。まあ、プロとアマかタイマンしら普通こうなるよね。 その後、新幹線は駅に止まり、やって来た警察がやっくんを捕まえ事件解決。やっくんは一切抵抗しなかった。有名人とのフードファイトの喜びと食べ過ぎで動く気も起きなかったのだ。 こうしてヤケになったやっくんによる列車強盗は一人のフードファイターと司会者によって防がるたのだった。だか、忘れてはならない。ソイ重郎が大量オニギリと共にグリーン車に乗っていたのは強盗を迎え撃つ為などでは無かった事を。 「で、青菜の握り飯の食レポはどうしたのだ?」 事件の翌日、テレビ局で梅屋敷ディレクターに説教されてようやくソイ重郎は自分の仕事を思い出した。 そう、ソイ重郎は新幹線からの風景を見ながらオニギリを食レポする為に乗車していたのだ。 「ソイ重郎よ、貴様は私の命令を無視して何をしていたのだ?」 「し、しかし、私は逸材を見つけたのです!初めてのフードファイトで私と競り合いオニギリ十五個食べた男です!彼が罪を償ったらもう一度スカウトします!きっと梅屋敷Dの力にー」 「黙れ。頭を垂れて蹲え」 梅屋敷の命令に従い、すぐに土下座体勢になるソイ重郎。その後頭部を梅屋敷ディレクターが踏みつける。 「ソイ重郎、お前は私が選んだ面白外人の柱だ。お前には期待しているが、何をするかを決めるのは私だ」 それは違うと反論したかった。目の前で犯罪が起きているのに、番組用の動画撮影を優先しろと言うのかと反論したかった。だが、出来なかった。ただの芸人とディレクターには絶対的な力の差がある。梅屋敷の気分一つで簡単にソイ重郎の首は飛ぶ。ソイ重郎は歯ぎしりしながら梅屋敷の言葉に従うしかなかった。
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「バルキリー」 聖戦の系譜に登場する杖で12神器の一つ「聖杖バルキリー」 大司祭ブラギの末裔である、グランベル王国に従属する6公爵家の一つ、エッダ家の直系の者のみが使用できる。 ゲーム中ではクロードとその息子(ただし杖が使えるのはセティ、コープルだけ)のみが使用可能。 長年行方不明になっていたが、クロードがクルト王子暗殺の真相を探るために訪れたブラギの塔で発見し、クロードが持つことになる。 使用効果は戦死したユニットを復活させられる(暗黒竜、紋章におけるオームの杖と同様である) しかし、使用回数は1回のみであり使うと壊れてしまう。 杖の修理費用も3万ゴールドもの大金がかかる… しかし聖戦の系譜では毎ターンセーブ出来るのでそうそう戦死者は出なく、戦死しても即リセットされやすいのでバルキリーが使われることはあまりない。 ちなみに親世代で意図した異なるカップルが成立しそうになった時に男性キャラをわざと死亡させ、無事カップルが成立したあとに死なせたキャラを生き返らせる』といった使い方をされる事が多い。 またクロードに恋人が出来ても、フュリーかシルヴィア以外とのカップルの場合は、子供が杖を使えないのでバルキリーがアイテム欄を埋めるだけの存在になってしまう(これは家宝を次の世代へ継承させる設定である) 継承しても使えないという不遇な神器である。 しかしブラギの血の成長率補正効果は有用なので是非ともクロードを童貞から卒業させてからバーハラの地へ赴かせてあげよう。
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「この世界の戦争は、土地や人民を手に入れる国家間交渉の一手段とされている。その為に被害を最小にする目的で戦争代理人として騎士、そしてメサイアが用いられる。 何故?―――当然だからだ」 教壇に立つ教師―――長野教官は、そう語る。 「考えても見ろ」 その眼は、教室にいる全員を押さえつけるかのごとく、危険に光り輝いている。 「誰が黒こげになった土地など欲しがる? 誰が廃墟になった都市など欲しがる? 誰が難民となった市民など欲しがる? 欲しいのは、そのままの土地と人なのだ。 さかのぼること約半世紀前、敵地を焦土にし、敵国の国力を奪う焦土主義が広く流布していたのは事実だ。 それがいかに間違いであったかは、あの戦争の後始末が教えてくれた! あの忌まわしき北米大陸戦争―――赤色戦争において、戦勝国となったプロイセン、ブルボン、ヴィクトリアといった世界に冠たる帝国は、戦いで荒廃した占領地の復旧といういわば後始末のためだけに戦費を上回るほどの莫大な費用の捻出を余儀なくされ、結果として、10年と経たない内に敗戦国だったアメリカに喰われた。 戦で勝ちを収めたにもかかわらず、その後で負ける。 まさに真の負け戦というべきだろう。 その苦い経験があればこそ、世界は変わった。 銃の発展に伴い、戦場の檜舞台から降りたはずの我ら騎士が再び返り咲いた。 一般兵で編成される軍隊を前面に出すのではなく、我ら騎士という選ばれた者達が、あらゆる被害を最小限に抑えて戦争を終わらせる。 それを台無しにしてくれる艦隊戦や空爆なんて多大な被害が予想される作戦は、サル以上の脳みそがあれば原則行わない。 平気でそんなバカは、アメ公か中華主義者にやらせておけばいい」 教官は、そこまで言うと、教壇を降りた。 「いくら貴様等がクソでも、ここにいる以上、こんなことは百もご承知とは思う」 檻の中に閉じこめられた熊のように、教官は机と机の合間を歩きながら言う。 「貴様等ウジ虫のクソ溜が、あろうことか畏れ多くも天皇陛下よりお預かりすることになるだろう、それがメサイアだ」 生徒達はテキストを読むフリをして息を潜めている。 「騎士の手足となり、あらゆる敵を殺す世界最強の兵器。どんな攻撃にも耐えうる万能の鎧に身を固め、計り知れぬ力で居並ぶ敵を叩いて砕く。決して倒れる事もなく死ぬ事もなく、ただひたすら操縦者の意のままに闘い続ける不死身の兵士。海であろうが空であろうが闘う場所を選ばない。勝利する事のみを目的とした完全なる兵器―――そして、その裏付けとなる現代魔法技術の昇華」 教官は目的もなしに歩いているのではない。 教室の端まで来ると、くるりとターンして、別な隙間を歩き、目的地を目指す。 「1950年代の東南アジア動乱。ケサン攻防戦がメサイアのデビュー戦となったことは知っているだろう。後先考えずに、物量だけで民間人を巻き込みながら戦う、あの芸のないヤンキー共の顔面に、彼らは痛烈な一撃を加えることに成功した―――わずか、10騎のメサイア、「スターリン」によってな」 ピタッ 教官の足が止まる。 その視線の先にいるのは――― 「祷子……祷子ってば」 横に座る生徒が定規を使って脇から突くが、肝心の生徒は微動だにしない。 机に突っ伏す長い髪。 騎士にしては小柄な体つき。 間違いなく、女性だ。 「メサイアはご存じの通り、人型兵器だ。 考えてみれば当たり前の話だ。 その道具が使えるか、使えないかの分かれ目は道具の使い方、ノウハウがどれだけ蓄積されているか、そこに集約される。 そして、兵器としてのノウハウがもっとも蓄積されているのは、何と言っても「人体」だ。 各種格闘技、刀剣や銃を用いた戦闘。人類は長い歴史の中で「人体」の使用方法についてノウハウを蓄積してきた。 戦闘機や戦車など、人間以上の存在に関するノウハウの蓄積など、せいぜいここ100年足らずしかないだろう。 しかも、性能自体が次々に変化する「乗り物」系兵器に対し、「人体」は有史以来大きな変化がない。つまり、過去のあらゆるノウハウが、いかに性能が上がろうと、基本的に全て使用可能なのだ。 その意味で、人間にとって、人型兵器が、もっとも使いやすい道具であるのは、ある面当然なのだが……」 隣の生徒は、定規で突くことを止め、テキストに目を落としている。 「その最強の兵器を使う貴様等ヒヨコ(パイロット候補生)の中には、その意義どころか、ここにいる理由すらわかっていないバカがいるらしいな……」 教官の額には青筋が走り、体から発せられる怒気が周囲の温度を急激に冷やす。 クシャンッ 可愛らしいくしゃみの音が室内に響き、机に突っ伏していた生徒が起きあがる。 「あ……あれ?」 まだ授業中なのに驚いているのは明らかだ。 そして、後ろを振り向くなり、教官と視線が合った彼女は、気まずそうにやや引きつり気味な作り笑顔を浮かべる。 教官は、震える声で、それでも紳士的な言葉を口からひねり出した。 「お目覚めかな?候補生」 「まったく!」 バンッ! 職員室に戻ってきた先程の教官は、苛立たしさをこめて教本をデスクに叩き付けた。 「長野教官、どうなさったのですか?」 横のデスクで書類仕事をしていた女性教官が訊ねる。 「候補生達に、何か問題でも?」 「問題ばかりですよ!」 教官―――長野雅也(ながの・まさや)大尉は、乱暴に椅子に腰を下ろしながら言う。 「また、あの風間です!」 「ああ。あの、鳴り物入りの?」 女性教官、二宮真理(にのみや・まり)中佐は、生徒達の履歴から該当する名前を思い出した。 「そうです。あの“ボンクラちゃん”です」 「“ボンクラちゃん”?」 「生徒達がそう呼んでいるんですよ。無理もないですけど」 「生徒同士で、愛称で呼ぶのは禁止されているはずですが?」 「固いことはいいっこなしにしましょう」 「長野大尉は、生徒達の肩を持つおつもりですか?」 「こういうことだけはね」 長野は肩をすくめてウィンクしてみせる。 不服そうな二宮は言う。 「それで?何ですか?もう明日には生徒達はシミュレーター訓練に」 「今回の選抜は、絶対に何かの間違いだと、そう言っているのです!」 ダンッ! 長野はデスクに拳を振り下ろし、荒い語気でまくし立てた。 「大体、なんなんですかあの面子は!俺はいつから女子校に配属になったんです!?」 「メサイアの操縦に筋力は必要ないですからね」 二宮はニコリと微笑みながら長野に答えた。 「メサイアのセミ・トレーサー・ライド・システム(STRシステム)はバネ仕掛けではないんですから」 「俺はそうであったらどれほど素晴らしいか。そう思っていますよ」 長野はそっぽを向きながらそう答える。 「とくに、あの“ボンクラちゃん”と来た日にゃ」 顔は苦々しげに歪む。 「―――あいつが芸能人養成の学校にいたことは知っています!ですけど、ですけどね?メサイアって、どんなものか位は知っていて当然でしょう!? それが、最初の基礎講習では…… 俺『以上が、メサイアの運用する兵器の基本構造だ。何か、質問は?』 ボンクラ(以下、ボと略してやる!)『あのぉ』 俺『風間候補生、何だ?』 ボ『ロケットパンチは、ないんですか?』 俺『あるかっ!』 騎体構造の授業になればなったで…… 俺『以上、メサイアの基本構造だ。質問は』 ボ『メサイアって、ガソリンで動くんですか?』 俺『……いつ、俺がそんなこと言った?』 ボ『だって、エンジンって……』 サバイバル訓練になればもう…… 俺『以上だ……風間候補生』 ボ『はい?』 俺『頼むから、何も言うな』 ボ『あのぉ……私、サバイバル訓練って、テントの張り方とか食料の確保の仕方を習うのかと思ってたんですけど』 俺『テントで敵が殺せるか!?』 しまいにゃ…… 俺『メサイアで戦うこととは何かわかっているのか!?風間候補生!』 ボ『えっと……ロボットに乗り込んで戦うリアルロボット対戦ゲーム?』 ……。 そうです。 あいつは、絶対にどこかおかしいんです。 そんな奴が、軍隊に入ること自体、何かの間違いなのです。 そうは思いませんか?」 「し、史上最強のギャグですよ……ププッ……それ」 吹き出すまいと必死に堪えつつ、二宮は震えながらそう言った。 「ロボットに乗り込んで戦うリアルロボット対戦ゲーム?な、成る程?」 「笑い事じゃありませんって」 「まぁ……懸念はわかりますよ?」 二宮は言った。 「貴重なメサイア、それをあんな若い女の子達が動かす。それが気に入らないんでしょう?戦場は女の死に場所じゃないって」 「……悪いですか?」 「いえ?ヒロイックな視点からすれば正しいと思います。ですが、これは日本全国の可能性のある全員を選抜した結果であること。その結果として、彼女達がこの養成過程に在籍していること。なにより、我々には、教育課程参加に関して、生徒を選別する権限は与えられていない。あくまで送りこれてくる殻付きのヒヨコ達を、どう猛な猛禽に変えてやる。それが我々にとっての全てですよ」 「……まぁ、そういうことにしておきましょう」 長野は深いため息と共にいかつい肩を落とした。 「バカでも(ピー)でも、使えればいいんですからね」 「もうっ。そういう口の悪いところ、直した方がいいですよ?娘さんにまた嫌われますよ?」 「何」 長野は苦笑してそれに答えた。 「長女の口の悪さと来たらこんなもんじゃありません。何度殴りそうになったか……。聞いてくださいよ。あいつ、私立行きたいなんて言うんですよ?しかも医学部」 「あら。いいじゃないですか」 「よくありません!」 長野は目を丸くして抗議した。 「学費、いくらかかると思ってるんですか!?俺が近衛軍医科大のパンフもっていってやったら、“行かない”の一言で斬り捨てられて!」 近衛軍医科大学は、近衛軍の軍医養成機関。在学中の学費と生活費は免除。ただし、軍隊同然の厳しい規律と、卒業後かなりの年数、軍医としての勤務が強いられることで知られる、帝国でもトップクラスの名門医科大学だ。 「軍隊は、いつだって子供達には好かれませんからね」 二宮は自嘲気味に口元を歪めた。 「かくいう私も、あの子達位の年頃には、近衛なんて絶対イヤだ!って言ってた口ですけど」 「泣く子も黙る二宮教官の言葉とも思えません」 「まぁヒドイ」 「ところで」 長野は声のトーンを落とした。 「教官、どう思います?」 「えっ?」 「例の作戦ですけど」 「アフリカですか?」 「決行日が決定したそうです」 ●翌日 「シミュレーター。これが本物なら、貴様等の棺桶と呼ぶところだ」 富士学校の一角に二宮の声が響く。 トラックがそのまま走れそうなほど広く、最低限の照明でようやく室内がわかる程度の明るさしかないその室内にあるのは、飛行機のコクピット部分だけを切り取ってきたような白い機械の塊。 その塊の各所に繋がれたケーブルと、下回りを支える複雑なアブソーバーやスプリングが、一体どういう使い方をするか、何となくわからせてくれる。 つまり、日常において定義される「普通でマトモなこと」には決して使われない。 そういうことだ。 「メサイアのコクピットで五体満足な死体が残ることはほとんどない」 二宮は言った。 「挽肉にされるか、生きたまま火葬されるか……口さがないアメリカの騎士達が、メサイアのコクピットを“挽肉製造器(ハンバーグ・メーカー)”や“未亡人製造器”と呼ぶのは伊達ではない」 それを聞く候補生達は顔色一つ変えることはない。 目の前の教官の言葉を、単なる脅しだと思っているからだ。 二宮は顔をしかめた。 彼女は決して嘘や脅しを言っているのではない。 そうやって死んだ仲間を、実際に見聞している。 つまり、事実を言っているのだ。 だが、その経験のない候補生達は、どれほど言っても、コクピットで騎士が挽肉になるなんて想像さえ出来ない。 「……まぁ、いい」 二宮は諦めている。 新米教官だった頃は、蕩々と言葉の意味を説教したものだが、すでに無駄だと悟っているのだ。 ただ―――はったりだと思われるのだけは、面白くはない。「今日、貴様等の乗るのは、単なるシミュレーターに過ぎない。何かの間違いで、本物に乗った時には、私が言っていることが正しかったと理解するだろう―――多くは、死んだ後に」 二宮はそんなイヤミを言うだけに止めた。 「全く……お前達と来た日には……他の分隊は全部、実騎搭乗訓練まで行っているというのに、これからシミュレーター搭乗なんて、恥ずかしいと思え」 「はいっ!教官っ!」 「……返事だけは一人前なんだから」 二宮は教本を開いた。 「操縦方法は、座学で教えた通りだ。もっとも。座学ではご不満らしく、独特な睡眠学習で勉強していた者もかなりいたが」 二宮の前で整列する候補生達は直立不動の姿勢を崩すことなく、健気なまでに教官のイヤミに聞き流している。 「まぁ。どっちにしろ、我々教官は、教えることは教えたつもりだ」 二宮はあえて教え子を突っぱねるような口調になった。 「限られた時間の中で、ただ聞く人形をやっても何の意味もないことは、これまでの訓練の中で骨身にしみているだろうし?これだって、単なるオモチャのつもりなら、待っているのは、貴様等の確実な死そのもの。それだって百もご承知だな?」 「はいっ!」 訓練生達の返答を聞いた二宮は、手元の資料をめくりながら言った。 「まず、本シミュレーターは、メサイアの動きを完全に再現するために、コクピット回りを構成するものだ。だが、単にコクピットの形だけを再現しても何の意味もない」 訓練生の何人かが、首を傾げた。 「早瀬。意味がわからないという顔をしているな」 「はぁ……」 早瀬さつきは首を傾げながら言った。 「シミュレーターって、コクピットを再現して、その操縦に慣れさせるための装置ではないのですか?」 「ふむ……本来なら腕立て20というところだが、まぁ、いい」 青くなる早瀬は、小さく安堵のため息をついた。 「メサイアを操る以上、メサイアの高い機動にパイロットはついていかなければならない。しかも、かなり厳しい動きに、だ」 候補生達の顔は、一様に「わかっている」という顔だ。 「だからこそ、このシミュレーターは、メサイアの機動を完全に再現出来るように作られている。具体的には、各種G、振動、衝撃―――これらによりメサイアが受けるダメージが、操縦システムを通じてパイロットにダイレクトに来ることは、座学で説明済みだな?泉」 「はい」 「時には、下手をすれば廃人になる程度では済まない程のダメージを求める、擬似的な実戦を搭乗者に味わわせるための装置。メサイアの“負”の部分を前もって味わわせる。それがコイツだ。単に操縦を知るという、“正”の部分のみに目を向けて、デパートの屋上にあるオモチャと一緒に見るな」 「……」 候補生達から返答はない。 「よし。数の問題がある。ペアを組め」 早瀬さつきが搭乗することになったのは、シミュレーター2号機。 ペアは祷子だ。 「じゃ、準備開始するよ?」 シミュレーターの前に立つ整備兵の一人が、手元の装置をいじり出す。 シミュレーターの前面部分が二つに割れ、中からシートがせり出してきた。 「あれ?」 それがさつきには疑問だった。 「コクピットって、上から入るんじゃなかった?」 「それは実騎」 整備兵は言った。 「実騎はすでにパイロットの身体的特徴にあわせたセッティングがされてるけどさ?不特定の騎士が乗るシミュレーターではそうはいかないだろ?その関係で、あえてシステムをコクピットから引き出して、騎士の体格に合わせてセッティングする。―――ま、他の国じゃ、こういうタイプのコクピットの方が一般的だけどな」 「近衛のコクピットは、もう、その騎士専用にセッティングされてるの?」 「Lサイズの服しか着れないヤツに、Sサイズの服を着ろって命じているようなモンさ」 「なるほど?」 ほら、さっさと“ブーツ”に脚入れて―――思ったより短けぇな……痛てぇっ! 「騎士の動作を最大限活かすために、騎士の身体情報やクセを元にグローブやブーツは絶妙なセッティングがなされる。言い換えれば、それほど厳しいセッティングがなされているから、そのメサイアを他の騎士が動かそうってしても、そうそう上手くいかないってことさ。ほれ、腕部セッティング完了―――腕振ってみな」 「へぇ?思ったよりずっと軽い」 さつきは自分の腕を覆うゴツイ操縦システムを軽く振ってみた。 腕が包まれ、軽く引っ張られる感じはあるが、ほとんど重さを感じない。 まるで手袋付きのジャンパーに腕を突っ込んでいるような、そんな感じだ。 「綿みたい」 「だろ?」 そのさつきの答えが気に入ったのか、整備兵はニンマリと笑った。 「帝国のメサイアは世界で一番操縦に優れているんだ。ロシアのスターリンや、まして中華の“赤兎(せきと)”じゃ、こうはいかねぇ。あんなのは大リーグ養成ギプス並のシロモノだからな」 整備兵は胸を張っていった。 「これが帝国クオリティだ!」 「ふぅん?」 さつきは、少しだけ感心したように言った。 「じゃ、近衛のメサイアは、乗っ取られる心配もなければ、操縦系も他の国に比べて格段に優れていると」 「開発費年間数千億オーバーはダテじゃねぇからな」 「……税金の無駄遣い」 「二宮教官に言ってやろうか?」 「……教官達には、黙っていてね?」 「今日、暑いなぁ」 「……冷たいジュース、差し入れるから」 「ペット5本で」 「……わかったわよぉ」 「よし。商談成立―――で、グローブとブーツ装着したら、このブレストガードとヘルメットが下がる仕組みで……嬢ちゃん、胸までないのかよ―――グアッ!?ブ、ブーツで蹴るか!? コクピット。 そう言われれば、 座席があって、 レバーがあって、 ペダルがあって、 計器類があって、 ……そんな光景を想像するだろう。 メサイアのコクピットは違う。 座席はないに等しい。座席の代わりに、脊椎を固定するパーツがあるだけ。 そこを中心に、手を突っ込むパーツと、脚を突っ込む場所がある。 一般には、これを総じて“コントロールユニット”、もしくは単に“ユニット”とか“システム”とか呼ぶ。 ユニットを動かす騎士の四肢の動作を信号として読みとり、メサイアに伝達するセミ・トレーサー・ライド・システム(STRシステム)によって、メサイアの動きとして反映させる仕組みだ。 前進後進は、これをつけたパイロットの脚を動かすことで行われるし、手や腕の動きは、上半身部分のシステムの検知結果がダイレクトに反映される。 「腰を固定された状態でジタバタやって、それで敵を倒せ―――要はそういうことさ」 システム各部をさつきの体に合わせてセッティングしながら、その整備兵は言った。 「最初は慣れないかもしれないけど、後は場数だよ―――胸、きつくないか?」 「大丈夫。ありがと」 年頃の女の子としては、男に体をベタベタされるのは嫌だが、しかたのないことだと、さつきは割り切りながら答えた。 「コントロールユニットのうち、俺達がグローブって呼ぶ腕部操縦システムや、ブーツって呼ぶ脚部操縦システムから体を離していれば、その間は騎士の動きはメサイアに反映されない。だから、起動シークエンスとか、そういったことは、システム装着とは別にやってくれよ?でないと、メサイアが一生懸命、空中を押すなんて無様なことやらかすことになるからな」 「ププッ……そんなバカいないでしょう?」 「それがいるんだよ……慣れないと。それと」 なぜか教官達の方をちらと見た整備兵がさつきに渡したのは、ビニール袋だ。 「何?」 「すぐにわかる」 整備兵は、意味ありげな顔で言った。 「頼むからこいつで済ませてくれよ?後始末、俺達なんで」 何でこんなものが必要なんだろう。 それはイヤでもわかった。 起動手順はクリア。 スイッチや計器類が書かれた紙を壁に貼り付け、二宮の指導の元、指が痛くなるほど押し続けた賜(たまもの)だ。 後はシステムを動かすだけ。 恐る恐る脚を動かし、メサイアの動作を表示するモーションモニターの端に表示されるメサイア稼動情報表示を見る。 一歩踏み出していた。 また一歩。 また一歩。 歩いている。 世界最強の兵器が自分の意のままに動くことは、さつきにとって新鮮な感動だ。 「すご……」 モニターが映し出すのは、疑似環境。 手足が動く感覚が、皮膚越しに伝わってくる。 その感覚は、スノーボードを趣味とするさつきから言わせると、あの分厚い防寒服であるスノボウェアを着ているのとよく似ている。 それでも、メサイアが手を動かし、歩くというのがどういうことか、さつきにきちんと教えてくれる。 わずか1分足らずで、さつきはメサイアの感覚に慣れてしまった。 もっと揺れるかと覚悟していたが、魔法により完全に近い慣性制御が施されたコクピットは、システムが微弱な揺れを情報として伝えてくる程度で、この程度の動作では全く揺れないに等しいと、冷静に判断する余裕さえあった。 掌を見ようと右手を動かすと、モニターの向こうでメサイアの手が動き、首を動かせばメサイアの視界がそちらの方向へ動く。 「こういうものなんだ……」 『早瀬候補生』 通信機に教官の声が入る。 「はい」 『歩行訓練はクリアした。これからは戦闘機動に移ってもらう』 「戦闘機動?ま、待ってください!私、そんなの!」 『すべてオートで行われる。その際のシステムの動きを、今のウチに味わっておけ―――やりたきゃマニュアルでもいいぞ?』 そんな無茶な! 私はまだ歩ける程度だよ! そんなさつきのもっともらしい抗議は、言葉にすらならなかった。 「大丈夫ですか?」 シミュレーターから降ろされ、床にノびたさつきの顔を心配そうにのぞき込むのは、ペアを組んだ祷子だ。 同性として羨ましいを通り越している美貌の持ち主である祷子の顔を間近で見られるのは嬉しい限りだが、時と場合にもよる。 「……死んだと思った」 そういうのが精一杯だ。 胃の中のものは全て戻してしまった。 グローブに腕をとられてビニール袋を開く暇すらなかった。 今朝に限って、教官達がやたらと「メシちゃんと食え!」と言って回ってきた理由がわかった。 最後には胃液すら出なかったが、あれは辛かった。 「そんなに揺れるんですか?」 「最初がウソみたい……戦闘機動に切り替わった途端、振動とか、とにかく全部がすさまじくシビアになって……」 「はぁ」 祷子が辺りを見回した視線の先。 先程、先発でシミュレーターに乗って、今、立っているのは美奈代だけだ。 「泉さん以外、みんなぐったりされています」 「あいつ、バケモノよ」 「敵2撃破ですよ?スゴイです」 「私の気絶回数は……そんなもんじゃない」 「ふふっ……」 笑う祷子に、さつきは気づいた。 「美奈代、戦ったの?」 「というか……突然、他人の楯なんてごめんだって、マニュアル操縦を」 「突発的に出来ることなの?戦闘機動よ?」 「普通の人にケンカが出来るかどうか―――その問いと同じだって二宮教官は言ってました」 祷子はなぜかペロリと舌を出した。 「同じ事、教官に聞いて怒られちゃいました。座学で何を学んでいた!って」 「ふふっ……声マネ似てない」 「あら。ヒドイ」 笑おうとして吐き気に襲われたさつきは、口元を抑えながら言った。 「私も戦えば良かった……そう言いたいけど、こんなの、人間の乗れる代物じゃない……」 「スピーカーから、皆さんの悲鳴が聞こえてましたけど……」 「あんたも乗ってみればわかる」 そういうものか。 祷子は、かなり待たされてシミュレーターに乗った。 先発の候補生達がコクピット内部に盛大に吐きまくった後始末のせいだ。 「ボンクラちゃん。大丈夫かい?」 搭乗するのが、候補生であることそのものが何かの冗談とさえ言われる祷子だ。 さすがに整備兵達も心配なのか、セッティング中に何度もそう訊ねてくる。 「はい」 消臭剤や消毒用のアルコールのにおいがツンと鼻を突く中、祷子は、何も考えていないとしか言い様のない微笑みで答えた。 「ご飯、ちゃんと食べましたし」 「そ、そうかい」 整備兵は、少しだけ安堵の表情を見せた。 ちらりと他のシミュレーターを見ながら、整備兵は言った。 「あーあ。神城の嬢ちゃん達、泣いてるぜ?」 「まぁ。大変」 「すぐにボンクラちゃんも大変になるんだからよ……よしっ。出来た!」 問題は、むしろ外で起きた。 それは、祷子がシミュレーターを起動し終えた瞬間から始まった。 『風間候補生、待て』 モニターにシミュレーション中断を告げる表示が出る。 「え?」 祷子はきょとん。として動きを止めた。 システムはオールグリーン。 警告表示は何一つ点灯していない。 『システムエラーが発生した可能性がある。システムを再起動する。しばらく待て』 1時間後。 「どういうことです?」 シミュレーターコントロールルームで二宮は2号機担当の技官にくってかかった。 祷子の乗るシミュレーターの前では、美奈代達が何事か話しながら様子をうかがっている。 「何故、風間候補生だけ、起動中断、再開を?」 それがわからない。 教官として見る限り、祷子は問題なくシミュレーターを起動させている。 そのまま、次の過程に進めるのに。 「間違いないな?」 他の技官と話し合っていた技官は、ようやく二宮に気づいたという顔で言った。 「これを、見て下さいよ」 技官が指さすのは、数字の羅列。 それは、起動開始から完了までの時間だ。 「?」 「起動完了までの時間が早すぎるんです。それに、メサイアが安定していません」 「起動は問題ないじゃないてずか。安定は……知りませんが」 「問題なのです」 技官は呆れた。という顔で言った。 「こんなスピードでこなせるのは、高レベルの熟練騎士だけです」 「それを風間がやっている?」 「だから確認していたのですよ」 「私がおかしいと思うのは、あなたの方です」 二宮は睨み付けるように技官を見た。 背の高い、いかにも理系という、どこか人間らしくない冷たい顔立ち。 その皮膚の下で流れているのがどんな化学薬品なのか知りたくもない。 全てが気に入らなかった。 「今回は謎が多すぎます。第一、あなた達開発局βチームが訓練の監督を行うなんて」 「お答えできません」 ため息混じり。見下げた口調と態度で技官は答えた、二宮の神経をブチ切れる一歩手前に追いやった。 「すべては機密事項。また、こちらはあなた方の都合に合わせる必要はないので」 「実戦経験者にケンカ売ってます?」 「どうしてそういうとらえ方しかできないんですかねぇ」 二宮に拳をめり込まされる一歩手前で技官は言った。 「教官にこんな事言いたくないんですけどね?風間候補生は負荷をかけています」 「負荷?」 「ええ。シミュレーターにとって、風間候補生は、自らを操る“パートナー”ではありません。いいですか?メサイアと騎士、そしてMCは、共に戦う“パートナー”であることが求められるのです。三者のバランスが崩れたメサイアは戦力としての存在価値を激減させる。ご存じでしょう」 「言葉が不明瞭に過ぎます。独りよがりの会話は止めてください」 「……あなたの方がよほどけんか腰だ」 「どうも。それで?」 「シミュレーターは、風間候補生を恐れています。パートナーではなく、自分を酷使する支配者として」 「?」 「ごく希な現象ではありますけどね。自分では耐えられないほどの動きを求める騎士を、メサイアは恐れます。“他を当たってくれ”とでもいいましょうか?」 「……あれは机上の空論であり、現実には起きるはずがないと」 「確率は何億分の一以下です。確かに。しかし、この起動の素早さは、メサイアがあの娘に怯え、機嫌を損ねたくないと考えている証拠。それだけに興味があるんですよ。あの娘には」 技官はそう言ってモニターの一角を突いた。 表示されているのは、祷子のパーソナルデータ。 メサイアの操縦適正能力を示すSMD。 レベル一つの差で戦闘能力差はケタ違いに開く。 一般的な最高レベルであるレベルAと、最低のD同士で戦おうとしても、戦うことすら出来ないほどだ。 レベルFL。 現在、認定されている最高レベルの上から2番目というハイスペック。 認定されている女性騎士は人類でも5人といない。 近衛どころか、全人類規模で見た方が正しいほど、貴重なレベルだ。 近衛騎士の平均レベルがAA+。 それで世界最高レベルどころか、異常とさえ言われる。 世界最大の米軍ですら、平均レベルはBBB。もっと世界を広く見れば、BBが精一杯。 そういうものだ。 「この娘はそれだけじゃないんです」 「はっ?」 「いずれ、開発局でいただく人材です。大切に扱ってくださいね?くだらないシゴキで傷モノにされては困ります」 技官は肩をすくめた。 「開発局勤務だって、いろいろと制約というか、圧力かけられてるんですから」 「……わかりました」 二宮は言った。 「しかし、次のカリキュラムにも影響します。データ分析で対処して下さい」 「……了解。風間候補生、待たせて済まない。次のプロセスへ移行する」 二宮は、メサイアの情報に目をやりながら、祷子の操縦を見守った。 スゴイ。 それが祷子の感想だ。 メサイアの四肢が、いや、メサイアそのものが、自分の体になったような不思議な錯覚すら覚える。 だから、祷子は不思議だった。 皆がメサイアに乗って気分を悪くするのが理解できない。 自分の体を動かして気分が悪くなるはずはないのに―――。 ただ、そんな疑問も快適さすら、戦闘機動に移るまでのこと。 「―――っ!!」 急激なGに振り回されながら、祷子は奇妙な違和感を感じていた。 戦闘。 祷子にもそれはわかる。 わからないのは、 戦闘機動に移った途端、先程のメサイアとの一体感が全くなくなったこと。 全てが強い違和感となって祷子を襲う。 何故? 何が? どうして違ってきた? それに、この違和感は? 違和感? 違う。 これは不快感? いや―――不満そのものだ。 揺れるモニターに映し出されるのは、敵。 ドイツ帝国の主力メサイア“ノイシア”。 クリーム色の重厚な装甲に身を包み、シールドとメイスを装備している、世界的に見ても“有力”なメサイアだ。 日本も立憲君主国であることから、同帝国とは友好関係にあるが、やはり仮想敵となることは避けられないようだ。 敵は3騎。 戦況モニターに映し出される状況は、お世辞にも芳しいものではない。 祷子の騎は、その動きの稚拙さもあって、三角陣形のど真ん中に包囲されている。 前方にノイシアA。 左後ろにノイシアB。 右後ろにノイシアC。 それが、戦況モニター上で割り当てられた敵の名。 敵の戦況モニターに自分の騎が何と映し出されるのか、祷子は知らない。 ドンッ! モニターの中で、土煙と振動をあげ、ノイシアが突撃してきた。 迎え撃とうとした祷子だが―――。 「えっ?何で?」 思わずそう叫ぶ。 何のことはない。 騎体が、敵の攻撃を後退して避けたのだ。 「何で下がるの?」 あそこで下がっちゃダメ。 祷子の心のどこかで、何かがそう叫ぶ。 あそこで下がったら!! 祷子の目は、戦況モニターに移る。 彼我の配置が映し出されるモニターには、自騎と目の前の敵騎、そして―――。 背後には分散して伏せる敵数騎。 下がれば囲まれる。 囲まれれば殺される! わかっているはずだ。 それなのに、何故、下がった? 「きゃあっ!」 理由を知る術もないコクピットを激震が貫いた。 「ひ、被害は!?」 騎体の状況を示すステイタスモニターは、背部に中程度の損傷が発生したことを告げている。 「ちっ―――っ!?」 メサイアを動かそうとした祷子だったが、それが無理な注文であることを、すぐに思い知らされた。 騎体が動かない。 「操縦が!?」 力任せにシステムを動かそうとしても全く反応しない。 何とかしなくては。 そう思い、スクリーンモニターを見た次の瞬間、 ガンッ! 頭が割れたかと思った。 ヘルメット越しに伝わる激震。 それは頭部への一撃があった証拠。 敵の攻撃は、それだけでは終わらない。 メイスが振り下ろされるたびに、被害箇所に痛みが走る。 「―――っ!」 目をつむり、歯を食いしばるがそれでも痛みはやってくる。 メサイアはついに膝をついた。 動きはしない。 ただただこのシミュレーションが終わるのを待つ。 それが自分に出来るただ一つのこと。 ただ一つの? ……。 違う。 祷子は思った。 私はパイロットだ。 パイロットにしか出来ないことがある。 私は、それをしなければならない! 祷子は脇にどけていたコンソールを引き出し、騎体設定の操縦権限を外部・コントロールからコクピット・コントロールに設定、コントロールシステムを握りしめた。 「!」 ガギィンッ! 次の瞬間、シールドを装備した左腕が頭部をガード。メイスの一撃を凌いだ。 「う、動く!」 祷子は震える声で言った。 「いけるっ!」 ノイシアが狼狽した様子に見えたのは、祷子の錯覚にすぎない。 反撃に移る敵への対処を担当するコンピューターが次の処理をノイシアAに告げるために生じたわずかなタイムラグなのだ。 時間にしてわずか数秒足らずこと。 だが、祷子にはそれで十分だった。 ガンッ! 左腕の肘を引き、突き技の要領でシールドのエッジをノイシアAの股関節に突き立てた。 装甲スカートの隙間をねらい澄ましたような一撃を受けたノイシアAは脚部を切断され、バランスを失った。祷子の騎は、崩れ落ちてきたノイシアAを肩に背負う形になる。 「一騎!」 祷子はノイシアAをプロレス技の要領でノイシアBに投げつけ、同時に立ち上がった。 「バランサー、生きてるけど!」 思うように踏ん張りの効かない足回りをねじ伏せながら、祷子はメサイアを旋回させ、腰の刀を抜き放ち様、ノイシアCの腰部を切断した。 警告音が鳴り響くコクピット。 エラー表示で真っ赤になったモニター越しに、ノイシアA、Bが崩れ落ちるのが映し出される。 「いけっ!」 刀の慣性と騎体の関節の負荷をねじ伏せながら、祷子は刀を無理矢理メサイアの頭上にまで移動させ、一気に刀でノイシア2騎を串刺しにすべく、コントローラーを操作して……。 「騎体は……まぁ、仕方ない」 二宮は祷子に言った。 「騎士の機動にメサイアがついていかない故に騎体が破損するケースは、ごくわずかだが、実例として存在はする。また、今回の訓練にしても、元々は、メサイア戦の恐ろしさを、まず知ってもらうことが目的だ。目的は達成されたものと判断される」 「……はい」 「操縦権を自らのモノとして、敵を撃破した判断についても、決して非難されるものではない」 「……」 「あの状況でメサイア全騎を倒したことについては、文句はないということだ」 「……ありがとうございます」 「問題は、だ」 二宮の鋭い眼光を受け、祷子はすくみ上がった。 「騎の負担を考えない機動を行ったことだ」 「す……すみません」 「騎が貴様の操縦についていけず、エラーを宣言しているのを無視、あまつさえ、関節はガタガタにして……3騎撃破の代償として騎体は行動不能……自爆させたというのは、評価どころか、大減点対象だ」 祷子に返す言葉はなかった。 ノイシアCを撃破した次の瞬間。 右膝関節の構造パーツが破断、右脚部は膝関節から外れた。 祷子の騎はノイシア2騎を覆い被さるように転倒。 串刺しには成功したものの、祷子の騎そのものも行動不能。 システムは、祷子に脱出と自爆を要求してきた。 自爆システムを起動させた時の、自分の不甲斐なさと悔しさを思い出し、祷子は泣き出しそうになった。 「敵を倒す。それは評価出来る。だが、ああも騎体を安く見てもらっては困る」 「……」 「騎体を安く見る。それは、自分の命を安く見ているのと同じだ」 二宮はコーヒーポットに手を伸ばしながら言った。 「騎士の価値は、生きていればこそのもの。死んだ騎士に価値はない。なにより」 「はい」 「私は、貴様等に死ぬ方法を教えているわけではない」 そう言う二宮の目は、どこか慈愛すら感じさせる優しさを持っていた。 「近衛の騎士として、どんな戦いでも生きて功を成すための術を教えているつもりだ」 「……教官」 「敵を倒すことにこだわるな。生きる術と敵を倒す術はいつもイコールではつながらない。教えたはずだぞ?常に戦況を冷静に見定め、生き残ることを考えろと」 じっ。と祷子を見た二宮はため息混じりに言った。 「貴様や泉に言っても無駄か」 「?あの……私は確かに居眠りとか、いろいろありますけど……?」 「……泉は」 二宮はコーヒーを注ぐ手に注意しながら言った。 「単なる試験秀才……試験の時だけ成績はいいが、実践で活かせるタイプではない」 「えっ?」 「学校の成績はいいが、社会に出てその経験や知識が活かせない、そんなタイプだ。見ていてわかる。あいつは軍人、いや、社会人になれば絶対、苦労するタイプだ。私なら、さっさと結婚して専業主婦になることを勧める」 「……」 「第一、泉は知られていないが、お前以上の特技がある」 「はい?」 「目を開けたまま眠れるんだ。自習で知識は得ているようだが、授業ではよく寝ているぞ?」 「う、ウソ……ですよね」 「教官を舐めるな。そして、お前並に頭に血が上ると視野が狭くなる。……先程の説教は、すでに泉に話したことだし?ま、お前とは別な意味で劣等生といえば劣等生だ。―――飲むか?」 コーヒーの入った紙コップを祷子に渡しながら、 「そういえば、何故居眠りが多いか聞いていなかったな」 「……怒られます」 「聞かねば怒りようがない」 「……消灯の後、ヴァイオリンの練習を」 「ヴァイオリン?」 「近衛に入ったら、音楽大学に通わせてくれる。軍楽隊の指導もつける。そう言われていたんですが」 「無理だな……なんだ?そんなにヴァイオリンってのは難しいのか?」 「感覚が鈍るんです。しばらく使っていないと」 「……そうか」 二宮はふと思いついたように言った。 「一曲、弾いてくれないか?」
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加入条件 解説 ドッペルスキル ドッペルパッシブスキル コメント 加入条件 バルキリーを倒す。(成り易さ:★★) 解説 ドッペルスキル 名称 射程 範囲 遅延 タイプ 消費MP 消費POW 属性 説明 習得レベル コンディション・バリア 遠距離 単体 1 魔法 3 200 補防 状態異常・能力変化・瞬間効果を一度だけ無効化するバリアを単体に与えます。【能力変化:コンディションバリア】を与えます。 最初から ヒートウエポン 遠距離 全体 0 魔法 3 20 補防 全体に良い能力変化を与えます。【能力変化:攻撃上昇】を与えます。 最初から ウエポンブレス 遠距離 単体 0 魔法 3 40 補防 単体に強い良い能力変化を与えます。【能力変化:攻撃上昇】を与えます。 最初から 五月雨攻撃 近距離 単体 1 物理 2 60 斬 2~4回の複数回攻撃をします。 Lv3 アースウォール 遠距離 全体 0 魔法 3 20 補防 全体に良い能力変化を与えます。【能力変化:防御上昇】を与えます。 Lv4 アーマーブレス 遠距離 単体 0 魔法 3 40 補防 単体に強い良い能力変化を与えます。【能力変化:防御上昇】を与えます。 Lv5 回復の水 遠距離 単体 0 魔法 1 0 回復 単体のHPを回復します。 Lv7 ドッペルパッシブスキル 番号 説明 習得条件 1 物理打ち払い+5 最初から 物理打ち払い+7 Lv7 物理打ち払い+10 Lv10 物理打ち払い+15 Lv11 物理打ち払い+20 Lv15 2 STR+2 Lv2 STR+4 Lv6 STR+6 Lv8 STR+10 Lv13 3 命中+5 Lv9 命中+10 Lv14 コメント この娘の元ネタ、なんなんだろ? -- 名無しさん (2014-04-23 01 17 17) 名前 コメント
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プリンセス 基本情報 下界の平和な王国のお姫さ ま。純真無垢な言動で民に 愛されている。世間知らず は標準装備。 属性 進化段階 進化事故 合体 パッション 2段階 なし なし 取得方法 プレミアム召還、究極召喚、魔女討伐報酬 スキル スキル1 詳細 発動率(最大発動率) プリンセス・ガード 民たちが守ってくれる。全体の防御力100%アップ 5% スキル2 詳細 発動率 最大発動回数 - - - - ステータス 進化段階 レアリティ カードコスト 攻撃力 防御力 兵士数 売却額 - SR 36 3500〜 3600〜 3600〜 20000 ★ HSR 43 3850〜 3960〜 3960〜 32000 台詞 入手時 通常 こんにちは よかったらお散歩しましょう 親密度MAX後(クリックで展開) +... 遠いところへ連れて行って あなたとなら、どこへでも行ける 絆イベント (クリックで展開) +... 私、決めました あなたと駆け落ちします! 狭いお城を抜け出して、 どこか遠いところへ連れて行って 進化後カード ★imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (princess_1.png)
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脂、ちぃという孤児の成功者と出会い中国マンセーになる ↓ ちぃの口車に乗って、中国で宅配弁当屋をやるという企画を立ち上げる ↓ 「1000万円投資する」と大風呂敷を広げ全国からクズを募集したところ、ジュンと神賀という二人のクズがひっかかる ↓ 早速、神賀というクズに20万騙しとられて脂、涙目 ↓ もうひとりのクズは無事、中国に渡るが家探しの段からクズっぷりを発揮して批判メール殺到 ↓ 自分で選んでおきながら脂もジュン批判に加担、時には部外者であるジュンの嫁さえもディス、後に脂ファイル全スタッフあげての公開ジュンいじめが始まる ↓ 一方のジュンは誰の入れ知恵なのかこの批判に便乗して「イヤなやつ」キャラに転身。「たかがラーメン屋」なる名言を残す。 ↓ 上海オフ開催。ジュンは金を払わずに帰った二名の顔写真と本名と職場ん晒す攻撃に出るが、後に自身の失態を脂に晒される。このオフ会にてダーロンという新たなクズが登場する ↓ ダーロン順調にネタを連発するがいずれもやりっぱなし感が否めず読者には不評、一方のジュンは順調に迷走を極める ↓ ジュン、誰かに頼まれてオードブルを作るが、後のバードカフェ残飯おせち事件を予見させるような出来栄えと「どうだ!」といったコメントがスパイスとなってこの時の画像は神画像に認定される ↓ ジュン、このオードブルで起業を試みるが2、3軒に営業をかけただけであえなく挫折 ↓ 一方のダーロンは早くもネタ枯れし、記事はただの中国紹介に。この頃から孤児あがりの成功者ちぃさんは愛想を尽かしてフェードアウト ↓ 脂はダーロンと共に中国版探偵ファイルの立ち上げを画策。ことある毎にジュンとダーロンを比較しダーロンは手がかからない良い子と評する ↓ 一方のジュンの夢は中国版探偵ファイルの広告代理店へとシフトチェンジしスポンサー探しに奔走するが脂からは「頼んでもないのに」と一蹴されて幕 ↓ そういえばこの頃ダーロンの舎弟みたいのもいたけど現在は消息不明 ↓ IPアドレスがどうのこうのといった中学生が初めてホームページを立ち上げる過程をさも困難といった風にダラダラ記した日記みたいな記事を連発した挙げ句、中国版脂サイトオーブン ↓ すっかり存在意義を失ったジュン、一転して今度は「素直になります」的なキャラにシフトチェンジして「はっきり言います。僕は宅配弁当屋屋はやりません!」というウルトラC発言 ↓ 同時に「成功のパズルのピースがなんたらかんたら」、「ロジックがどうのこうの」といった名言を残し勝手に帰国 ↓ ここからはダーロンの独壇場となりコーナーの8割がダーロンに。しかしなぜか印象が薄く、ジュンをディスった以外、特に記憶に残る記事はなし ↓ 日本のジュン、旧来の知人と「チーム上海」なるものの結成を宣言。工業機械のメンテナンス?だかで一儲けを企む。新たなクズの登場が期待されたが、このチーム上海、この後は一切登場せず ↓ さらにジュン、「小さな応援団」と称して無意味に自分の娘の写真を晒す ↓ そしてジュン、脂によって小野田家(ジュンの家族)の家計は嫁の松屋(だっけか?)でのパートによって支えられてることを暴露される ↓ そんなジュン、自己破産に向けて弁護士と協議中であることを告白。借金からの逃げ切りを宣言。 ↓ 中国版脂ファイルはほんの数本記事をアップしただけで開店休業状態に。探偵ファイルをやるはずが「旅サイト趣」と同じ末路に(オープンしただけ趣よりましか) ↓ ジュンさん今度はオカルトに進出。さらには自身の体験をサスペンス風に語るが、ネタにせよリアルにせよ内容があまりにも薄っぺらいので読者の興味を集めるには至らず ↓ ダーロンの記事は再びただの中国紹介に。もはや何が「一発逆転」なのか誰もわからないようなgdgd状態に ↓ そんな時に燃料を投下してくれるのが我らのジュンさんで、自己破産を検討中の輩が自力で100万用意したとかで、札束の画像と共に「成功への道筋はつけた。3月から入金が記された通帳を公開する!」と宣言。…当然、公開はされず。 ↓ ダーロン、取材に訪れた成功者に取り入ってそこの従業員の女をデビューさせるというプロジェクトの発足を宣言。作曲をジュンに依頼。 ↓ それまで不仲と思われていたダーロンとジュン、ここにきて急に親密ぶりをアピール。その目的は不明。 ↓ 順調に思われたアイドル育成プロジェクトも、元より場当たり的な企画なのですぐに暗礁に乗り上げる。ダーロンの「このプロジェクトの目標?何だっけ?」といった頓珍漢な発言に全俺、完全に腰砕け ↓ 迷走を極めるダーロン、「戦力外通知」という画像と共に再びジュンをディス。あの実は親密アピールは何だったの? ↓ そこで現れた脂、実はダーロンにも騙されてましたと、またしても経営者としては致命的な無能さを自ら大胆告白。ジュン、ダーロンの反撃が待たれる ↓ 脂「ダーロンが今付き合ってるのは詐欺師集団」と断言。また、ダーロンの出身地南京町の大物を知っていると記事で匂わす。 ↓ ダーロンがヲチスレに降臨 ↓ アンジェラより企画終了のお知らせ、「支援金」で何ひとつ成果も残せなかったため ↓ 脂連日火病記事投下。「19才、女子大生 りさより」のメールでダーロンのリークを疑う。 ↓ ダーロンファイル始動。 ↓ ついに「一発逆転物語」コンテンツ自体を削除、得意のなかったことに ↓ 敗北宣言もなくgdgd感が漂うも、ダーロンは当初の目的が半ば達せられて矛を収める形でダーロンファイルの更新を一時凍結 ↓ 息をふきかえした脂さん、本人とバイトで2chを無意味に荒らす←←今ココ