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※スゴロクさんの「蒼井 聖」、「水波 ゲンブ」、遊び盛りの学生LV15さんから「ゼア」、プランクトンさんの「七谷 狂夜」をお借りしました! リンカーネーション 雨が降りしきる中、一人の少年が路地裏で倒れていた。 否、それは少女だったかもしれない。見る者次第で印象を変える、その人物は正しく「中性」と呼ぶに相応しい容姿をしていた。 「……な……」 雨音に混じって、その者の声が聞こえた。か細く弱々しい声であり、ともすればその他の物音に掻き消されてしまいそうだ。 「み……な……て……ないで……」 さっきから、同じ言葉ばかりを繰り返している。 「み……んな……捨て……ないで……」 それは哀願だった。 それは懇願だった。 「みんな……捨てないで……」 心からの、切なる願い。それだけを、その者は求めていた。 「ミツは……失敗作なんかじゃ……ない……」 虚ろな瞳には、何も映っていない。ただ、その身体の上を流れていく雨が、まるでその者の涙であるかのようだった。 「だから……捨て……ない、で……」 壊れたレコーダーのように、同じ言葉ばかりを繰り返していた。 ただそれだけを、求めていた。 「やれやれ、まさかこんなものを見つける事になるとは」 培養槽の中に浮かんでいるその人物を見て、私は思わず呟いた。 手足を折り曲げ、まるで胎児のような状態でその人物はいた。私の主観では少年に見えるが、正直のところどちらなのかは判断がつかない。呼び辛いので便器上「彼」と呼称させてもらうが、「彼」におそらく性別と言う区別の手段は無用なのだろう。一体何を思ってこんな風にデザインしたのか、私には理解しかねる。 「ジングウさん、その子の具合はどうですか?」 扉が開き、サヨリさんとレリックがやって来ました。レリックは余程培養槽の中の人物に興味があるらしく、部屋に入ってくるなり一目散に水槽の中を覗き込もうとしています。 「ぐー、このこ、ねてる」 「そりゃそうですよ。無理矢理起こしては可哀想ですから、そっとしておきなさい」 「はーい」 「……しかしジングウさん、なんだってこの子を連れてきたんです?」 そう言って、サヨリさんは苦い表情を浮かべる。まぁ例のごとく、無茶を押してラボを再び機能させた事を気にしているのでしょう。そんな些細な事を気にしていたら、大物にはなれませんよ。 「何で連れて来たのか……当てて御覧なさい」 「……暇潰し……ですか?」 「イエス、オフコース」 私がそう答えると、がっくり、とサヨリさんは肩を落とした。はっはっは、私とサヨリさんの信頼関係も、ついに阿吽の呼吸の域にまで達した、と言う事ですねぇ。 「……ジングウさんって、頭が良い割にワンパターンですよね……」 「どう言う意味ですか、それ?」 「分かってる癖に……」 はっはっは……ま、冗談はこれ位にして。 「私の感情は別にして、「彼」を見殺しにするのはグループにとっては紛れも無い不利益ですよ。ただでさえ現状は、ノルンにノアと言う、二人も優秀な構成員を失っているのですからね……それに、「彼」は廃棄処分されたとはいえ、グループの所有物です。その所有物を回収したのですから、別に私は何も悪い事はしちゃいませんよ」 「はぁ……」 「あ」 その時、レリックが突然声を上げました。一体何だろうと思い、そちらへ振り返ると―― 「あ……」 「どうやら、眠り姫がお目覚めのようですね」 培養槽の中に浮かんでいた「彼」が、目を開けてこちらの方を見ていました。その表情には、状況が理解出来ずに怯えている色が見えます。 「心配なさらずとも、結構ですよ。DS-X001……おっと、貴方はBD-32の呼称の方が好みだったですかね、「ミツ」さん」 「!」 ゴボリ、とミツさんの口から空気の泡が出る。驚く事も無いでしょうに、貴方の基礎設計を行ったのは私なのですから。 「お帰りなさいミツさん。そしてようこそ、ホウオウグループへ」 「どうぞ」 サヨリさんがお茶を差し出すと、ミツさんは軽く会釈を返した……ふむ。一般的な教養は身に着いているようですね。 「……あの、貴方達は一体……?」 「これはこれは、自己紹介が遅れました……私はジングウ。このグループに寄生虫している身です」 「……ジングウさん?」 「ぐー、きせいちゅー、ってなに?」 「上京している人間が、故郷に帰っている時の事です」 「いやいや、今イントネーションが明らかにおかしかったですよね?」 「いやだなぁ、ただのジョークではありませんか」 そんな風に何時も通りの漫才をやっていたのですが、私は見逃しませんでした。ミツさんは私の名前を聞いた途端、表情が変わったのです。 「ジン……グウ……ミツを作った人間の一人……」 「え? この子、ジングウさんが作ったんですか?」 「基礎設計だけですよ。それをゼアに渡した直後で、「前の私」は死んでいますからね。完成体としての「彼」を見るのはこれが初めてです」 「……じゃない」 「はい?」 何やら、ミツさんが言ったように聞こえた。ただ、か細く小さな声だったのでよく聞こえませんでした。 「何です?」 「完成体……じゃない。博士がちゃんと作ってくれなかったから……」 「……聞き捨てなりませんねぇ、それ。私がヘマをやったとでも言うのですか?」 「……博士がちゃんと作ってくれていれば、ミツはみんなに捨てられる事も無かった……」 ……なるほど、それが貴方の言い分ですか。 まぁ、それはある意味一つの真理です。先天性の身体障害者の中には、「なぜ自分をこんな身体に産んだのだ」と思う人が少なからず存在します。ミツさんが言っている事は、正しくそういう事だ。「なぜ欠陥品として自分を創ったのだ」。「彼」はそう言いたいのです。 確かに、そう言いたくなるのも無理はありませんね。創られる側には自分の意志を反映させる事が出来ない。ただ、創造者が創りたいように創られるしかありません。そして欠陥品として産み落とされたなら……なるほど、創造者に対して恨み言を言いたくなるのも分からなくは無い。 ただ――それは「半分」正解に過ぎない。 「……やはり貴方は、欠陥品ですね」 「……え?」 私が言った言葉に驚いたのか、サヨリさんが固まった。そしてミツさんはと言えば、それに反応するようにピクン、と肩を震わせた。 「じ、ジングウさん、突然何を……」 「分からないのですか、サヨリさん? まぁ、実質ロールアウトし立てである貴方なら分からなくても当然でしょうが――ミツさんは欠陥品ですよ、能力以前の問題で」 その瞬間、ミツさんがガタンと椅子を倒しながら立ち上がった。サヨリさんが止める間も無く、「彼」は私の胸倉に掴みかかってきた。 「ミツは……ミツは何も悪くない……!」 「…………」 「ちょっと! ミツさん、落ち着いて!」 「博士が……博士達がミツを完璧に作ってくれていれば、ミツは捨てられたりなんかしなかった……!」 「ミツが完璧だったら、みんなに捨てられる事なんか無かった!」 ――ああ、なるほど。 ミツさんは自分が不完全な者に生み出された事に憤ってんじゃない。不完全だったが為に捨てられてしまった、その事が許せないのか。 「……その言葉、「彼ら」に面と向かって言えますか?」 「……え?」 「「彼ら」は妥協や手抜きを一切しない人達でしたよ。やるからには、その時出せるすべての力を注ぎ込み、その時作れる最高のモノを作る人間達でした……まさか貴方、それを知らなかった訳じゃないですよね?」 「……それは」 「確かに、職人が生み出した物が欠陥品であったなら、それは職人に責任がある……ですが、貴方の言い分は何ですか? 貴方を傑作品として生み出そうと努力したにも関わらず、その努力を無視して「ちゃんと創れなかったお前達が悪い」と?」 「あ……う……」 「甘ったれるのもいい加減にしなさい」 私がそう言うと、ミツさんの手から力が抜けた。「彼」は崩れ落ちるように床に膝をつき、俯いたまま動かない。やがてその身体が震えだし、啜り泣き声が聞こえ始め、ついには慟哭へと変わった。 「ちょ、ちょっと、ジングウさん……」 その時、サヨリさんが遠慮がちに話しかけてきました。 「サヨリさん、私が言った言葉に何か間違った事でも?」 「そりゃ、ジングウさんの言い分は正しいですけど……」 「ならば、良いではありませんか」 「いや、もう少し空気を読んだ方が――って、わー!!」 すると、突然サヨリさんが声を上げてミツさんに駆け寄った。何事かと思えば、青白い光の剣を顕現したミツさんが自分の首を切ろうとしており、サヨリさんはそれを必死になって止めようとしていたのです。 「は、離してください……! ミツは、ミツは……!」 「命を粗末にしないでください! とにかく、その剣引っ込めてー!」 「ミツは欠陥品です! いても意味は無いんです! だから、だから……!」 ……やれやれ。自分が欠陥品である事を認めた途端、今度は存在意義を失って自己破壊へと走りましたか。 それもある意味正解……ですが、やはり「半分」間違いです。 「だから甘ったれだと言うんですよ」 「う……?」 「私は、「貴方が欠陥品である原因を生みの親に押し付けるな」とは言いましたけれどもね……「自分が欠陥品である事を認めろ」とは、一言も言ってないですよ」 「い……一体、何を……」 「確かに、道具としての欠陥品に用は無い。創造者が求めた役割に応じた働きを示してこその道具ですからね。目覚まし時計として作ったのに、その働きをしない目覚まし時計に意味は無い……ミツさんの場合は、龍儀真精を完全に再現した能力を必要とされたが、貴方に宿ったのは外見を真似ただけの粗悪な贋作でした。だから、廃棄処分にされた。それは不良品の目覚まし時計を捨てる事と同じです」 「…………」 「……ですが、貴方と目覚まし時計とでは決定的に違う事があります」 「え……?」 「道具は、自分の在り方を選ぶ事が出来ない。それはなぜか――彼らには選択肢が無いからです。自分で考え、自分で行動する事が出来ない。だから選択肢が無い……だけど、人間はそうじゃない。この世に在って唯一人間だけが、自分の生き方を選ぶ事が出来、自分が何者であるかを決定する事が出来るのです」 様々な要素によって人は自分が何者であるかを決定付けていますが、最終的に自分が何なのか、それを決定するのは自分自身の意志に他ならない。それは決して他人などではないのです。 「ミツさん……貴方は、不良品になりたいのですか? 不良品でありたいのですか?」 「み、ミツ、は……」 ミツさんはしばらく黙っていましたが、やがて口を動かしました。 「……ミ……ツは……」 「はい?」 「ミツは……不良品なんかじゃ、ない……! ミツは、ミツだ……!」 それはか細く小さな声でしたが、私には魂の叫びであるように聞こえました。 (そう……それでいいのです) その叫びは誰にも間違いであるとは言う事は出来ない。例え神であれ、ホウオウであれ、そして私であれ、その言葉を否定する権利は誰にも持ち得ないのです。 「……さて、ミツさんの本音が聞こえたところで、行きましょうか」 「え。行くって、どこへです?」 私の言葉に、サヨリさんが首を傾げた。 「口にして言うだけなら誰にでも出来る事ですよ。「言うだけならタダ」。ならば、言葉をどうやって本物にするのか、それは行動によってです」 「で、ですからどうやって……」 「おそらく、今頃ストラウル跡地でアースセイバーとの戦闘が始まっている頃でしょう」 「え゛。な、何でアースセイバーと戦闘なんか……」 「まぁ、行って見れば分かる事です」 私はミツさんの方へと振り返った。 「行きましょう、ミツさん。そして証明するんです。自分が欠陥品などではないと言う事を」 「――くそ、まさか罠だったとはな!」 物陰に身を潜めながら、ゼアは攻撃をかわしていた。 敵は二人。だがそれは、アースセイバーでも屈指の戦闘能力を持つ蒼井聖と水波ゲンブの二人だった。龍儀真精と全く同じ能力である「龍の悪夢」を持つとは言え、ゼアでも苦戦を強いられていた。 「狂夜、そちらは無事ですか!?」 「ああ、大丈夫だ!」 ゼアがいる場所のほぼ反対側には、狼人間の能力を持つ七谷狂夜がいた。身体強化系の能力を持つ彼は比較的高い戦闘能力の持ち主であったが、距離を離しながら豊富な火器によって相手を圧倒する戦闘を行う聖が相手では、相性が悪かった。距離を詰めようにも、雨のように降り注ぐ銃弾が相手では分が悪い。 二人がなぜこんな所にいるのかと言えば、ノルンとノアの抹殺の為だ。数時間前、この場所で二人の姿が見られたという情報が入り、場所としても暗殺には丁度良いという判断からゼア達はストラウル跡地へと赴いた。 しかし、実際はアースセイバーが仕掛けた罠だった。ノルンとノアを消しにかかるであろうと判断し、偽の情報を流す事でホウオウグループのメンバーを誘き出す事にしたのだ。 結果はご覧の有様。我が事ながら軽率であったと、ゼアは内心で毒づいていた。 「何とか、隙を見てこの場から撤退しなければ……!」 しかし、状況は劣勢。アースセイバーは、何が何でもこの二人を捕らえるつもりでいた。 「ほ、本当に戦闘が起きてるー!?」 「あらら、やっぱり罠でしたか」 ゼア達が窮地に陥っている中、私達はその戦闘風景を一望出来る廃ビルの中にいました。廃墟街を揺るがす、凄まじいまでの爆音が聞こえます。な戦闘手段を武器に大きく依存する反面、無尽蔵に武器を呼び出す事が出来る……なるほど、蒼井聖の能力は実に厄介だ。 「水波ゲンブもいる辺り、聖の火線を突破してきたところを、彼が捕縛すると言った感じでしょうか。遠距離・近接双方対応。うまい布陣ですね」 「何冷静に言ってるんですか! このままだと、ゼアさん達やられちゃいますよ~!!」 明らかにピンチであるゼア達の様子に、サヨリさんはあわあわと取り乱している。レリックはむしろ楽しげに戦場を見つめているし、ミツさんはと言えば、どことなく困惑した様子を見せていた。 「ぐー、すごいすごい! した、どかんどかん、いってる!」 「ジングウ博士……貴方は、これから一体何を……」 「何って、仲間を助けるに決まっているじゃないですか」 「ジ、ジングウさん! 貴方、ようやく組織の一員としての自覚を……!」 「ただし、ミツさんが、です」 「……はい?」 サヨリさんは固まり、レリックはこちらを振り返って不思議そうな表情を浮かべ、そしてミツさんは驚いたような表情を見せていた。三者三様の反応が、そこにはありました。 「仲間がピンチ、敵は強敵……貴方の能力を発揮するには、お誂え向きではありませんか?」 「無理ですよ、ジングウさん! 敵は「サモンアームズ」蒼井聖に、「羅刹行」水波ゲンブですよ!? それをたった一人でだなんて……相手が悪過ぎます!」 敵の戦力を前に、サヨリさんはそう言って止めに入る。 確かに、敵は強敵だ。聖の能力はご覧の通りですし、ゲンブの能力も厄介です。 「……ですが、勝てない敵ではありません」 そう言った瞬間、サヨリさんが目を見張ったのが分かった……貴方は一体、私の何を見てきたと言うのです? 私が勝てない戦を仕掛ける人間に見えますか? 私は、ミツさんへと向き直った。 「行ってきなさい、ミツさん。そして証明しなさい。自分が不良品などではないという事を」 「……はい」 大きくは無いが、明確な意志を備えた声。うん、いい返事です。 「それでは、始めますよ」 そう言うと、私は右手を空高く掲げた。 「いい加減に降伏しろ!」 絶えず重火器を放ちながら、聖は相手に向かって降伏を呼びかけていた。 状況は明らかな優勢。敵は聖の攻撃によって手も足も出せない状態だ。この様子なら、ゲンブの出番もいらない。そう、彼は思っていた。 だがその時、空に何かが現れた。 「ん? 何だ、あれは?」 自分達がいる戦場の上空。そこに、密教に出てくる曼荼羅の様な図形が浮かび上がったのだ。 「あれは……まさか!?」 その時、聖の隣にいたゲンブは、それが一体何なのか気付いたようだった。 そしてその直後―― 「う――わっ!?」 光の雨が、二人に向かって降り注いだ。それは強力なレーザーの嵐だった。射線上にあるものを貫き薙ぎ払う。二人は咄嗟に回避行動を取り、突然飛んできた光の雨を避ける。 「ゲホッ、ゴホッ……なんなんだ、一体!?」 舞い上がった砂煙に咳き込みながら、聖は一体何が起きたのかを確認しようとしていた。だが、舞い上がった砂埃のせいで視界が遮られ、周囲の景色すら見る事が出来ない。 と、その時だった。ビシュン、と言う聞き覚えのある音が、聖の耳に聞こえてきた。それは、龍儀真精の技の一つ、幻龍剣が現れた時の音だった。 「まずい、ゼアか!?」 咄嗟に機関銃を呼び寄せ、聖は音の聞こえた方へと向けた。 すると砂埃の向こうから、何者かが近付いて来るのが分かった。青白い光が、ゆっくりと聖の方へと近付いて来る。 「な……」 そして近付いて来た人物がはっきりと見える位置にまで来たところで、聖は驚いた。それはゼアではない、全く別の人物であったからだ。 「お前は……ミツ!? 一体、何でこんなところに――」 聖の質問に、ミツは答えなかった。代わりに、「彼」は一瞬の内に聖の下へと踏み込んできていた。 「な――!?」 引き金を引く暇など無かった。ミツの振る蒼い光の刃、「スキル:ソード」が聖の持つ機関銃を切り捨てていた。 「くそっ!」 ガラクタと化した銃を投げ捨て、聖は新たな銃を虚空から呼び寄せる。だが構えた瞬間には、ミツは彼の眼前に姿を現していた。 「ちっ!?」 一閃。再び、銃は両断されてしまった。 (――行ける!?) 聖と相対するミツは、確かな手応えを感じ取っていた。 事前に、ジングウから聞かされていた通りだった。自分が戦っているこの相手は、武器さえ使わせなければ決して強い相手ではない。 聖が機銃を構えた――それを切り捨てる。 聖が剣を呼び寄せた――「スキル:ソード」の方が切れ味はある。 聖の手にグレネードランチャーが姿を現した――誘爆覚悟でそれを破壊する。 この男にとって、武器とは即ち牙だった。どんなに恐ろしい猛獣でも、牙と爪を封じてしまえば決して恐ろしい相手ではない。聖の牙を、ミツの爪が次から次へとそれを封じていく。状況は優勢だった。 ――しかし、敵は一人ではない。 「う!?」 突然右から飛んできた拳を、咄嗟にミツは防御して受け止めた。顔を向けると、そこにいたのはもう一人の敵、ゲンブだった。 「聖、大丈夫か?」 「ああ……こいつ、俺の弱点に気付いてやがった」 ゲンブの助けが入った事で、聖は破壊される事無く武器の召還に成功する。自分に銃口が向けられ、その射線上から逃げるようにしてミツは走った。 「逃がさん!」 ミツの動きを遮るようにして、ゲンブが回り込んできた。「ソード」を振るミツであるが、その攻撃は悉くかわされる。 (格闘戦能力が高いと聞いてはいたけど……確かにこの男、強い!) 幻龍剣を模し、鉄板すら容易に切り裂く「スキル:ソード」。しかしその一撃も、当たらなければ意味が無い。ゲンブの動体視力は高く、ミツの攻撃を紙一重の距離で次から次へとかわしていく。またそれだけでなく、隙を見つけては重たい一撃が飛んでくる。全く油断なら無い相手だった。 「!」 ゲンブが距離を離したのを見て、慌ててミツはその場から離れた。そして次の瞬間、それまで自分がいた場所へと無数の弾丸が突き刺さった。 前衛をゲンブ、後衛を聖が勤めるこの組み合わせは、ミツにとってかなり厄介な相手だった。お互いがお互いの弱点をカバーし合っていると言える。リーチの短さを聖が、フィジカルの弱さをゲンブが補っていた。 (強い、けど……ミツは負けるわけにはいかない! ミツがミツである事を証明する為にも!) 意を決し、ミツがゲンブへと迫る。そうはさせまいと聖の銃撃が襲い掛かってくるが、ミツはそれでも止まらなかった。 ゲンブに向けて横一閃。しかし彼はそれをやはり紙一重の距離でかわし、それどころかミツの懐に潜り込んでいた。 (!? しまった――) そう思った次の瞬間、ミツの胸を衝撃が襲っていた。「彼」の身体は吹っ飛び、その先にあったビルの外壁へと叩きつけられる。 「う……ぐ……」 胸を押さえ、何とか立ち上がるミツだったが、体勢を立て直しきれていない「彼」に向けて容赦無く引き金が引かれた。体中に、無数の鉛玉が突き刺さっていく。 「が――!?」 奇跡的にも、頭や心臓にはほとんど当たらずに済んだが、それでもミツは満身創痍だった。全身に出来た銃創から、だらだらと血が流れていく。自己修復機能が働いていたが、それでも処理が追いついていない。 (そんな……ここまでなのか……?) 抵抗力を失ったと判断したのか、ゲンブと聖が近付いて来る。それがまるで、ミツにとって死神の足跡のように聞こえた。 (嫌だ……嫌だ! まだミツは証明出来てない! ミツは不良品なんかじゃないって、まだ!) 全身にまるで焼きゴテが押し付けられているようだった。しかし激痛を抑えながら、何とかミツは立ち上がる。 「ふ……ん……!」 両手を合わせ、そこに全身のエネルギーを掻き集める。「彼」の合わせた手の間に、青白い光の塊が現れた。 「こいつ、まだ!?」 聖が機関銃を向け、引き金を引く。新たな傷がミツの身体に出来るが、「彼」はその痛みを無視する。ただひたすらにエネルギーを送り込み、光の塊をより強くしていく。 「ミツは――不良品なんかじゃない!」 光球の光が一層強くなったところで、ミツは二人に向かって手を伸ばした。太い光の帯が、射線上にあるあらゆる物をなぎ倒していく。 「ちっ!」 咄嗟に回避し、二人は迫ってくる光を避けた。それによって直撃こそなかったが、「スキル:バスター」の余波が周囲の建物を破壊していく。再び周囲が、砂埃によって包まれていく。 「く――しまった!?」 慌ててゲンブがミツのいる方へと向かおうとするが、倒壊していく建物の破片や瓦礫に遮られてしまう。周囲の変化が収まるまで、二人はその場から動く事が出来なかった。 「……くそっ」 倒壊が収まり、聖は思わず悪態をつく。 ミツの姿はどこにも無かった。負傷によって出来た血の跡が点々と残されていたが、それもなぜか途中から無くなっていた。おそらくは、先程まで彼らが戦っていたゼア達も既に逃げてしまっているのだろう。 結果はどちらも倒れていないので引き分け――だが、実質的には敗北と言わざるえなかった。 「は……ははは……」 ふらふらと、ミツは路地裏を歩いていた。 全身傷だらけの血塗れ。微動だするだけで、灼熱のような痛みが全身を駆け抜ける。エネルギーを使い果たしてしまったので、自己修復も満足に行えていない。 しかし、ミツの表情には笑みが浮かんでいた。 「や……た……」 アースセイバーの強敵二人を相手に、見事時間を稼いだ。目的を達成し、ホウオウグループに貢献する事が出来た。この結果を前にして、一体誰が「彼」を不良品と言う事が出来るだろうか。 「あは……あははは……」 ついに力尽き、その場にミツは倒れてしまう。しかし「彼」は、今まで生きてきて最高の気分に浸っていた。 五年前破棄処分にされてから、ミツにとってはただ絶望の日々だった。 望まれて生み出されたにも関わらず、自分は捨てられた。必要とされなかった。その事実が、「彼」の心を常に苛み続けていた。「彼」の心に、希望など一切ありはしなかった。 それでも生き続けようとしたのは、自分が不良品でないと言う事、心のどこかに抱き続けていたからだ。その想いが、「彼」を生かし続けていた。 そして今日、「彼」は自分の願いを見事に達成する事が出来た。自分が不良品などではないと言う事を、見せ付ける事が出来たのだ。 「や……ったよ……みん……な……」 やったよ、みんな。みんなが創ってくれたミツは不良品じゃなかったって、証明出来たよ。 そうミツは言いたかったが、「彼」の口はそのすべてを紡ぐ事は出来なかった。 意識が遠ざかっていく。ミツの視界は暗転していった。 「やれやれ、世話をかかせますねぇ……」 培養槽の中で眠っているミツさんを眺めながら、私はポツリと呟いた。 あの後、私はストラウル跡地近くの路地裏で倒れているミツさんを発見し、回収しました。スリープモードに入っていたのが幸いしたのでしょう。重症でしたが、復旧出来ない状態ではありませんでした。 「まったく……貴方の一体どこが不良品なんだか……」 出来損ないに死を与える廃棄施設から生き延び、その上メンテナンスも無しに五年間稼動し続けた……恐るべき耐久性の持ち主です。この事実からも、ミツさんを生み出す為に我々のスタッフがどれだけ力を注ぎ込んだか分かるというものです。 そして今日、「彼」は蒼井聖、水波ゲンブと言う強敵二人を相手にしながら、時間稼ぎという目的を見事に達成し、そして生き延びた。 「私の睨んだ通りですね」 「彼」は言わば、ダイヤの原石だ。もっと磨けば、より素晴らしい戦士へと生まれ変わる事でしょう。 「ハッピバースデー、ミツさん」 お誕生日おめでとう。今日は不良品だった貴方が死に、戦士:ミツとして生まれ変わった日です。貴方のリンカーネーションを、私は祝いましょう。 「ゆっくり休みなさい……傷が治れば、新しい生活の始まりですよ」 聞こえている筈が無い。しかし、ミツさんが笑ったような……そんな風に私には見えました。
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リィンカーネーション(前編) ◆qwglOGQwIk (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第183話 春閣下 城に辿り着いたエアーマンは、城に居るであろうゲームに乗らない人間を慎重に探し始める。 テニスボールを使って一騒ぎ起こすにも、相手の顔が分からなければ意味が無い。 最初にとり逃したオタク達やロックマンの知り合いなどに、自分の悪評を広められている可能性は高いからだ。 だからこそ接触は慎重に、こちらから先手を取らなければならないのだ。 どこからか騒ぎの物音が聞こえるため、相手の位置は大体把握できる。しかし詳しい位置が分からない。 こういうときにロムスカの持っていた首輪探知機があればいいんだが、とエアーマンは心の中で毒付く。 物音の中心、城の大広間の方を通路の陰からこっそり見る。 変な格好をした男が紫色の化物に襲われているのが見えた。 やや後方に緑色の帽子をかぶったヒゲの女と、男がもう一人。 見知った顔は居ない、か? 既に相当な時間が経過している以上、参加者達の情報交換によってエアーマンの評判は地に落ちているだろう。 見知った顔は居ないとはいえ、ほぼ間違いなく危険だと思われていると考えられていて間違いは無いだろう。 テニスボールを見せて仲間にならないかと誘い、あの三人を混乱させるのが今までの考えであった。 だが、紫色の化物と言うイレギュラーの存在がやっかいである。 見たところ無差別に人を襲うアレに加勢して三人組を倒すか、もしくはイレギュラーな化物を倒して友好をアピールするか。 最悪三対一と多勢に不勢となりかねない以上、判断に苦しむ場面である。 さて、どうするか……。 呆然と立ち尽くしていた海馬には、やよいクリーチャーの飛びかかりにさえ反応できなかった。 「ぐ、ぐあああああぁぁぁッ!」 「ヴッヴー」 海馬の腹部にかじり付いたやよいクリーチャーは、その肉を旨そうに齧る。 痛みでようやく我に返った海馬は、手に持ったゴッドクラッシャーでやよいクリーチャーの頭部を思いっきり殴りつけた。 やよいクリーチャーはゴッドクラッシュの衝撃で怯み、紫の肉片をあたりに撒き散らしていた。 やよいクリーチャーに齧られて赤く滲む腹部を抑えながらふらつく海馬は、後ろからやってきた日吉と亜美に受け止められる。 「大丈夫か!」 「兄(c)! ねぇあれって……」 「ああ、やよい…………だ……」 「嘘……でも……」 「何にしても、やるしかねぇだろうが!」 日吉は再び海馬達に飛び掛ってきたやよいクリーチャーをフライパンで叩き落し、もう一撃加えて吹き飛ばす。 「まったく、話す暇すら与えちゃくれないとはよ」 「済まない、俺がやよいから目を離さなければ……」 「でも、あれってやよいっち何でしょ? 何か変な薬でも飲んだだけでそのうち元に戻るんじゃないの?」 「分からない……」 「それは無理だろ、この化物は俺達のことすら覚えてないみたいだぜ。 だから、これ以上被害が増える前に止めを刺してやるのがせめてもの情けだろうが」 そう言った日吉は体勢を整えていたやよいクリーチャーに接近し、フライパンで更に追撃を加える。 反撃の暇さえ与えることなくフライパンで痛めつけられているやよいクリーチャーからは、ヴッヴーという弱弱しい声しか聞こえてこない。 べチャリ、ヌチャリと紫の肉片と体液が飛び散り、広間を汚していた。 それを見た亜美は、やよいクリーチャーと日吉の間に立ちふさがった。 「もうやめてよピヨくん! やよいっちが可哀想だよ!」 「だからこいつはやよいじゃなくてただの化け物だろうが!」 「でも……、でも亜美はやよいっちを見捨てることはできないよ!」 「じゃあどうするって言うんだよ!」 「とんだ茶番だな、さっさと殺してしまえばいい。できないなら俺がやってやる、貴様ら纏めてな!」 物陰から出現したエアーマンはエアーシューターを日吉、亜美、やよいクリーチャーに浴びせる。 奇襲によってエアーシューターの直撃を食らった二人と一体は仲良くズタズタにされ、吹き飛ばされることになった。 「亜美! 日吉! 貴様ぁぁぁ!!!!」 激昂した海馬はエアーマンに向かって突撃するが、エアーマンが巻き起こした旋風によってやすやすと吹き飛ばされてしまう。 壁に叩きつけられた海馬に向かってエアーマンは更に追撃を仕掛けに行く。 「さて、今楽にしてやるぞ」 「やらせるかよ!」「やらせないよ!」 エアーシューターが放たれる直前、亜美が飛びかかり、日吉が突撃を仕掛けてきた。 エアーマンは頭上の亜美を避けたものの、フライパンの強烈な一撃で吹き飛ばされることになった。 「糞ッ……邪魔をするなら貴様らから先に殺してやる!」 「やれるもんなら…」「…やってみろ!」 日吉と亜美は再び連携攻撃を仕掛けるが、エアーマンはそれをやすやすと避ける。 逆にエアーマン腹部より巻き起こった旋風であっさりと吹き飛ばされてしまう。 日吉と亜美は何とか受身を取って床との激突を和らげ、立ち上がった。 だが二人の息は荒く、立ち上がるのもやっとといった様子であった。 エアーシューターの直撃の代償は重く、二人の体も服もズタズタに切り裂かれていた。 明らかに重傷とも言える傷を負っていてさえ、二人は戦うのを止めようとはしなかった。 「しつこい奴らだ……立ち上がるのもやっとの癖に粋がるな!」 「てめえなんかに誰が負けてたまるかって言うんだよ……」 「あんたなんかに……絶対負けない!」 「フン……なら掛かって来い!」 エアーマンは二人を挑発するも、両者ともに動かない。 既に二人には戦う体力はもう無いと踏んでいたエアーマンは、挑発をして確かめてみたと言う訳だ。 結果は動かず。エアーマンは背中を翻して海馬のほうへ向かう。 「ぐっ……、貴様の相手はあの二人じゃないのか?」 「奴らは後でゆっくり始末してやるさ」 エアーマンは海馬の胸部に腕を押し付ける。 それを見て日吉と亜美が動くも、もう間に合う間合いではなかった。 放たれると思ったその瞬間、やよいクリーチャーはエアーマンに飛び掛っていた。 バランスを崩したエアーマンの放ったエアーシューターは、明後日の方向へと放たれた。 エアーマンの胴体に齧りつくやよいクリーチャーを、エアーマンは腕で殴りつける。 それでもやよいクリーチャーが怯まなかったため、旋風で吹き飛ばす。 体勢を整えようとした矢先、突撃を仕掛けていた日吉と亜美がエアーマンに強烈な一撃を加える。 「どいつも……こいつも……邪魔をするなああああぁぁぁぁ!」 「何度も何度もやらせてたまるかってんだよおおぉぉぉ!!!」 エアーマンはエアーシューターを日吉目掛けて放つ。 だが日吉の翻したヒラリマントによって、逆にエアーマンがエアーシューターに切り裂かれることになった。 その隙を見逃さず、亜美の仕掛けたスピンジャンプがエアーマンを痛めつける。 「ぐあっ……」 「それで終わりか、ロボット野郎?」 「舐めた口を聞くなあああぁぁ」 激昂したエアーマンが逆に日吉へと突撃を仕掛ける。 だがヒラリマントによって突撃の矛先は本来の方向から反れ、そこへ亜美のスピンジャンプを食らう羽目になる。 「カイバーマン、ゴッドクラァァァッシュ!!!」 吹き飛ばされたエアーマンを、海馬がゴッドクラッシュを大きく振り回して胴体を砕く。 ゴッドクラッシュの一撃を食らったエアーマンが壁に強く叩きつけられる。 よろよろとした動きで起き上がるエアーマンであったが、先ほどの一撃によって腹部の扇風機が潰れていた。 追撃を仕掛けてきた三人に試しに旋風を巻き起こしてみるも、巻き起こる風は先ほどと比べて明らかに弱い。 それどころか、今にもショートを起こして止まりそうな程であった。 だがその僅かな風でも、満身創痍の三人を足止めするには十分な威力があった。 エアーマンは、使わないだろうと思っていた月牙をその手に持つ。 「サテライト30!」 三体に分裂したエアーマンがそれぞれ日吉、亜美、海馬に襲い掛かる。 日吉はヒラリマントで何とか初激を避けるものの、亜美と海馬はエアーマンの体当たりに押し負けてしまった。 初激を乗り切った日吉には、三体のエアーマンが同時に襲い掛かる。 ヒラリマントで回避しきれないと判断して空中に退避するも、それを予想していたとばかりに更に上にいた四体目のエアーマンが更に空中から襲撃する。 「がはっ……」 エアーマンの攻撃によって地面に勢いよく叩きつけられた日吉は、そのまま動かなくなる。 「チョロチョロチョロチョロ目障りだったが、これで止めだ!」 「ウン、ソレムリー」 エアーマンが一体に戻り止めを刺そうと思った所へ、更なる乱入者が登場する。 「次から次へと、何なんだ貴様らは! 「あら、悪人面らしく台詞も陳腐なのね」 「このような年端も行かぬ子供を弄ぶなど、恥を知れ!」 「ぽよ!」 朝倉の仕掛けた一撃によってエアーマンのボディに大きく亀裂が入り、もはや戦闘どころでは無かった。 迫りくる弾幕を避けるのに精一杯で、反撃する機会すら見えそうに無かった。 次々と繰り出されるレーザー、そして石槍に剣閃。 サテライト30の分裂によって何とか致命傷を防ぐも、敵だらけの状況下ではもはや防戦一方であった。 「糞ッ、これでも食らえ!」 防戦一方で体力を削られ、後が無いと判断したエアーマンはエアーシューターをアリス目掛けて放った。 白黒の女と小さな人形の弾幕が止んだ一瞬、エアーマンは先ほどから戦闘に参加していないアリスを目標にしたというわけだ。 だがアリスは、巻き起こる突風を難なく回避する。 「こんなそよ風じゃ幻想郷に行ったら……」 「わ、わー、あの子裸だー」 「え、きゃああああああぁぁあ!!!!」 「ぽよ!ぽよ!」 突風で胴着が巻き上がった結果、アリスの裸体は観衆の下に晒される事になった。 あわててアリスは胴着を抑えるも、突風がパタパタと服をたなびかせていた。 エアーマンの残した風は思いのほか強く、服を手で押さえていてさえ下腹部の大事なところがチラチラと見えていた。 「これは……」 「どどどどーまんせーまん!」 アリスの目の前には鼻血を吹いている彦麿と、何やら恍惚としている変な海馬が居た。 亜美はあちゃーと腕を抱え、アリスは顔を真っ赤にしてその場に座り込んでしまった。 カービィはというとうつむいたり変な動きをしているアリス達の様子を眺めているだけだった。 「そ、それより奴は!」 「逃げたか……ふぅん……ふぅん……ふぅん……」 エアーマンが逃走し、事無きを得たと思っていたその場に、やよいクリーチャーがよろよろと歩いてきた。 激闘によって海馬達と同じように消耗していたやよいクリーチャーは、それでも臓物を求めてよろよろと彼らの元へ這いずっていた。 ヴッヴーという弱弱しい叫びが、既に消耗しきっていることの証でもあった。 「やよい……」 「やよいっち……」 海馬と亜美はやよいクリーチャーを見て、ただ何もできなかった。 やよいの面影を残すツインテールの片方は肉片となって欠け、体液がダラダラと漏れる化物になっていた。 それでも、やよいを攻撃することなどできるはずが無かった。 そこへ、彦麿が前へ出る。 「あの世にもいけず、この世にとどまる魑魅魍魎か……。 今、楽にしてやるぞ……」 「待て!」 「やよいっちは……!」 「渇ぁぁぁぁぁぁぁぁつ!」 彦麿の一渇によって、やよいクリーチャーの体が光に包まれる。 そこへ駆け出した亜美と海馬が彦麿の肩を掴む。 「貴い様ああぁぁぁぁぁ!!!」 「待ってお兄ちゃん!」 「やよいっち!?」 「その声はやよい、やよいなのか!」 海馬と亜美が声の方向を見れば、やよいだった光がそこにあった。 「お兄ちゃん、亜美、死んじゃってごめんなさい」 「やよい……」 「嘘でしょ……やよいっち」 「ごめんね、亜美ちゃん。それにお兄ちゃん。私からお願いがあるんです。 二人とも、私の分まで精一杯生きてください。 わがままな話ですけれど、私の代わりに妹や弟のことをお願いしたいんです」 「ああ、してやる、してやるとも!」 「やよいっぢ……分がったよ…………ぐすっ……」 「ありがとう亜美。 それとお兄ちゃん、私はお兄ちゃんの妹になれて本当に幸せでした。ありがとう」 最後の言葉を交わした光は、徐々に弱弱しくなって消えていった。 そしてその場には、元の絞殺死体となったやよいの姿だけが残されていた。 「成仏しろよ」 彦麿はやよいの死体に一瞥し、黙祷を捧げた。 海馬も亜美も、今は亡きやよいに黙祷を捧げた。 「これで一件落着といいたい所だが……」 「そうだ、すっかり忘れてたけど、ピヨくん!ピヨくん! ねぇ、ピヨくんが息をしてないの!」 亜美は日吉の元へ駆け寄り、様子を見る。 亜美の言うとおり日吉に息は無く、周りに散乱する血からそれは死んでいるようにも見えた。 「落ち着け亜美、まずは心臓だ!」 海馬が日吉の胸に耳を当て、様子を見る。 かすかに心臓の鼓動は感じられるものの、その鼓動は少しずつ小さくなっていった。 「まだ心臓は動いてる。医療道具を持ってくるから待っていろ!」 「兄(c)、亜美はどうすればいい」 「応急処置を頼む、できるか?」 「分かった!」 亜美は日吉の顎を持ち上げ、鼻を摘むと口から思いっきり息を吹き込む。 その後胸に手を当て、心臓マッサージを行う。 「なぁアリスよ、回復の魔法とかは無いのか?」 「私は七色の魔法使いよ、使えない魔法なんて無いわ。ただ……」 「ただ……?」 「最近そういう魔法を全然使ってないから、ちょっと時間がかかるわ」 「人命が掛かってるんだ、できるならばなるべく早くやってしまおう」 「えーと……」 アリスは色々な術式を日吉に向かって繰り出す。 だがどうにも利きが悪いといった様子で、次々に言霊を変えていた。 「変ね、これで良かった筈なんだけど……」 「……ったく、何やってんだお前ら…………」 「ピヨくん! ピヨくん! よかった!」 「うーん、これかしら……」 「ああ、さっきので頼む」 日吉はアリスに向かって指示を放ち、アリスは反応を確かめながら魔法を行使する。 日吉の話によるとどれも利いているが、種類によって効果が違うらしい。 アリスがしばらく魔法を行使し続けた結果、日吉は立ち上がることが出来るほどに回復していた。 「それにしても疲れたわ、普段使ってないのが悪いんだけどかなり無駄な魔力を消費した感じね」 「うむ、よくやったぞアリス」 「彦麿もね、まさか本当に陰陽術が使えるとは思わなかったわ」 「酷いぞアリス!」 「だって胡散臭いんだもの」 おろおろとする彦麿たちは、少しばかりして海馬の戻りが遅いことに気がつく。 少し怪しいと思ったアリスと彦麿とカービィは、亜美に教えられた医療品のある部屋へと向かっていたが、途中の通路で海馬が倒れていた。 「やれやれ、病人が二人目ね」 ■ ■ ■ 「糞ッ……糞ッ……」 一瞬の隙を突き、逃走に成功したエアーマンであったが、その体はボロボロというのにふさわしかった。 腹部の扇風機はひしゃげ、胴体には亀裂、頭部もへこんでいた。 加えてサテライト30の連続使用による消耗も相当な所に達していた。 「まぁいい、次がある。この体はロムスカかTASの奴に……」 「はぁ~い」 城外に出ようとしたエアーマンに戦慄が走る。 次の瞬間、エアーマンの右腕は目の前に現れた木刀によって叩き落されることになった。 「ぐ、ぐおおおお」 「残念だけどもう次は無いわね、ポンコツはポンコツらしくここでとっとと散りなさい」 「貴……様…………!」 エアーマンの前に現われ、シルバースキンを解除して現われたのは仕留めたはずの春香だった。 右腕を失ったエアーマンはエアーシューターによる反撃すら出来ず、その場に立ち止まるだけだった。 「逃げられると面倒だから張り込んでたけど、正解ね……」 「何だと!?」 「一部始終はきっちり見させて貰ったわ、コレのお陰でね」 と、春香は首輪探知機をエアーマンに見せびらかす。 「フン……ロムスカの奴め」 「これからあんたも同じ目にあうんだけどね」 「ふん、お前なんかに負ける俺ではない」 「悪いけどさっきまでの私と思わないほうが良いわよ、ポンコツ」 「減らず口を……!」 城外に続く入り口は春香が立ち塞がり、城内には取り逃がした7人がいる。 退いても駄目、となれば進むしかなかった。 だがエアーマンの体当たりは春香に当たることなく、逆に木刀の一撃でなぎ払われる。 そこへ春香が追撃を仕掛け、足をもぎ取った。 「これでもう満足に動けないでしょ?」 「舐めるなぁぁぁぁ!!!」 エアーマンは残った左腕で右腕を回収する。 もはやエアーマンには何も出来ないと判断した春香はその悪あがきの様子を嘲笑する。 エアーマンは右腕を元に戻そうとするも、精密機械であるロボットの体は元には戻らない。 「ほらポンコツ、そっちが何もしないならこっちから行くわよ」 「舐めるな小娘、俺は絶対に負けないッ!!!」 「悪人の言う台詞じゃないわね」 エアーマンの決死の突撃を前に、春香はゆっくりと木刀を振りかぶる。 頭に血が上って突撃しか出来ないエアーマンは、春香にとって単なる的でしかなかった。 逆に、逃げられたほうが面倒になるので、わざわざ挑発まで仕掛けたというのだ。 止めの一撃をエアーマンの頭部目掛けて振り下ろし、その体は糸が切れたようにばらばらになる。 「油断したな」 「なっ!?」 春香の目の前には仕留めた筈のエアーマンが居た。 それも右腕を再生すらして。 「食らえ! エアーシューター!」 エアーマンは春香の胸部に右腕を押し当て、ゼロ距離でエアーシューターを繰り出す。 その衝撃に耐え切れず、春香は大きく吹き飛ぶ。 「ふはははは、Dr.ワイリーの最高傑作、エアーマンは絶対に負けないのだ!」 エアーマンは声高らかに叫ぶ。 右腕は一種の賭けだった、だがそれは成功した。 体に受けた傷はサテライト30で再生できなかったが、それでもやらなければ負けていた。 エアーマンは全ての力を右腕に注力した、右腕が落とされて間もないせいか、はたまたエアーマンの闘争心の賜物か。 欠けた月を補うようにして、彼の右腕は旨く分裂体に引き継がれることになった。 「はぁ、ちょっと油断しすぎたわね」 戦慄するエアーマンの前に、先ほど直撃を加えて吹き飛ばしたはずの春香が立ちふさがる。 春香の体は赤銅色に染まり、圧倒的な圧力とともにエアーマンに一撃を加える。 エアーマンが再び反応する時間さえなく、春香の拳はエアーマンのボディを砕いた。 体を失いバランスを崩すエアーマンに向かって更に拳を加え、徹底的に解体した。 ほんの僅かな時間で、エアーマンは単なる壊れた機械へと早変わりしてしまった。 「本当、油断したわね……」 春香はエアーマンの右腕にディパックを回収する。 そして闘争心を沈めるも、ヴィクター化した体は中々元には戻らなかった。 「変ね……、あの一撃が堪えたのかしら」 sm182:月時計 時系列順 sm183:リィンカーネーション(後編) sm182:月時計 投下順 sm183:リィンカーネーション(後編) sm166:黒より暗い人物(後編) 天海春香 sm183:リィンカーネーション(後編) sm170:人はそれを―― エアーマン sm183:リィンカーネーション(後編) sm173:バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった 海馬瀬人 sm183:リィンカーネーション(後編) sm173:バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった 日吉若 sm183:リィンカーネーション(後編) sm173:バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった 双海亜美 sm183:リィンカーネーション(後編) sm173:バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった 矢部野彦麿 sm183:リィンカーネーション(後編) sm173:バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった アリス・マーガトロイド sm183:リィンカーネーション(後編) sm173:バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった カービィ sm183:リィンカーネーション(後編)
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リーンカーネーション(りーんかーねーしょん) 概要 ヴェスペリアに登場したスキル。 登場作品 + 目次 ヴェスペリア 関連リンク関連スキル ネタ 被リンクページ ヴェスペリア 補助スキルの一種。戦闘不能から復活する時、一定確率でOVL状態になったり復活できなくなったりする。 パティがペルセウスから修得できる。 分類 補助 LP 300 効果 戦闘不能から復活する時、一定確率でOVL状態になったり復活できなくなったりする 修得者 パティ 備考 - 修得者 修得方法 パティ ペルセウス ▲ 関連リンク 関連スキル ネタ 被リンクページ + 被リンクページ スキル:補助(TOV) 武器:ペルセウス ▲
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10 唯の自宅には、すでに律と梓がいた。 澪が腰を下ろすと、憂が紅茶を入れて持ってきた。 「いきなりごめんね、澪ちゃん」 唯が申し訳なさそうな笑顔を浮かべて弁解した。 「いやいや、こんなことになったら話し合いは必要だよ」 澪は微笑して言った。 皆、始めのうちは何から切り出せばいいのかわからないようで、へどもどしていたが、 澪が話を進めるとだんだん話の整理もついてきて、とりあえず部活は続けるとの結論になった。 「ああ、それとムギちゃんのお葬式の時にムギちゃんの家の執事さんに会ったんだけど」 話が一段落したところで唯が話し始めた。 「ムギちゃんが殺された時に使われた凶器の一つがティーポットだったね。 それでね、ムギちゃんのご家族が、ムギちゃんの好きだったものは残らず持っていたいみたいなんだけど、 そのポットがどうにもどこで買ったかわからないみたいでね、執事さんも全然知らなくて、 少しでもいいから情報が欲しいらしいんだけど、わからない?」 そう言って唯は皆の顔を見回した。 「いやー、ムギのことだからイギリスかどっかのアンティークの物でも使ってたんじゃないか? 古ーい、高価そうなポットとか結構持ってきてたからな」 律はあごの先に手を当て、考えながら言った。 「いや、そうとも限らないよ。 ポットに描かれていた青いカーネーションの絵は少しも色あせてなかったし、 そもそも、青いカーネーションは確か1995年に世界で初めて遺伝子組み換えで誕生したんだ。 だから一概に古いとは言い切れないだろ?」 澪は人差し指を立てながら得意げに言った。 「ふーん、しっかしホントに澪は物知りだな。桜高の澪は博学才穎ってとこか」 律がそう言うと、澪は愉快な気持ちで笑った。 11 「ポットで思い出したんだけどね、ムギちゃんをポットで殴った人は、 つまりムギちゃんを殺した人は左利きじゃないかなって思うんだ」 唯が思い出したような口ぶりで言った。 まさに左利きであった澪は、思わぬ指摘に少なからず狼狽したが、 これは唯のでまかせだと思い、黙って話を聞くことにした。 「まず、ムギちゃんの後頭部の少し左寄りに傷があったのは警察の人が説明してたよね」 「でもそれだけで犯人は左利きだって言えるかな。 警察も犯人は両手でポットを持って振り下ろしたって考えているみたいだし」 間髪入れずに澪が口を挟んだ。 「そうだね。でもね、それでも私は両手を使ったとは思えないんだ」 ここで話を切って、唯は紅茶を一口飲んだ。 澪は内心ビクビクしながら唯が話し始めるのを待った。 「床に落ちていた破片の中にね、ポットの取っ手が落ちていて、 よく観察してみると、取っ手とポット本体の接合部分が綺麗に取れていたんだ」 そう言って唯はテーブルの上の小さなティーポットを手に取り、 取っ手と容器本体の接合している部分を二箇所、指で切り落とす真似をした。 「何を言いたいのかよく分からないなあ」 澪は唯がどういう意図でこのようなまわりくどい言葉を弄しているのか てんで理解出来なかったので、思わず言った。 「つまりね、もし両手でポットを持って振り下ろして割れたなら、 この取っ手には少なからずもっと破片がくっついているはずだと思うんだよなー。 そんな割れ方をするのは、片手で力いっぱい振り下ろして後頭部にあたったとき、 この取っ手がガコッって外れたからじゃないかな。もちろん、確実にそうだとは言えないけど。 それで、頭の傷のつき方から見て、相手は左手にポットを持って殺害したと思うのが自然じゃないかなって」 澪は今まで安全だと思っていた足元の地盤が、突如として薄氷に変わり、ひびが入り始めたように感じた。 そして、目の前にいる唯がいつもと違う、何か別人のような気がして恐ろしかった。 出来ればすぐさまその場から逃げたかった。 「あはは、それじゃあ澪が犯人みたいな言い方だな」 律が澪の顔色を窺いながら言った。 「そうだぞ、なんだか私が犯人みたいじゃないか」 澪はやっとのことで平静を保ち、作り笑いを浮かべて同調した。 「うーん、私はね、澪ちゃんが犯人じゃないかなって思うんだ」 12 唯の言葉はなによりも恐ろしい響きをもって澪の耳朶を打った。 一瞬、悪い夢ではないかと疑った程だ。 「どういうことですか唯先輩、私には澪先輩が人を殺すなんて考えられませんよ」 梓がいきり立って反駁した。 「青いカーネーションだよ」 唯がぽつりと言った。 「あのティーポットは確かに青いカーネーションが描いてあったそうだね。 でも、執事さんから聞いたんだけど、あのポットをムギちゃんが音楽室に持ってきたのは、 事件の当日だったんだよ? それも今まで持ってきたことは一度もないって。 澪ちゃんの言うとおり、最近買った新しい物みたいだね。 でも、どうして澪ちゃんは青いカーネーションが描いてあるってわかったんだろう。 私たちが駆けつけた時には、ポットはもうバラバラに壊れていて、とてもカーネーションが 描いてあるなんてわからないよね。 それでも、澪ちゃんはどうしてそれがわかったんだろう」 澪は冷や汗を額に浮かべ、顔には恐怖の色がありありとにじんでいた。 口も利けず、自分の犯した重大な失策を頭の中で反芻し、唯の罠にまんまとかかった自分を呪った。 そして、唯の鋭い推理に対して言い知れぬ敗北感を感じて、何を考えることも弁明することも出来なくなり、 一口も飲まなかったほの暗い紅茶のカップの底を、ただぼんやりと見つめていた。 Fin 読んでくれた方、ありがとうございました。 最初は、あまりにSSとして出来が悪いように思えて、ボツにしようと 思ったのですが、せっかく書いたからと思い、投下しました。 うう…澪すまない。 戻る
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ワンちゃんカーネーション 2009年5月14日 (木) 今年の母の日は旅行中でしたが、先月母から子供たちそれぞれに、色と幅、素材指定でベルトの贈り物リクエストがあり、あぁでもないこぉでもないと詳細に指示するものですから、母の日の数週間前から私たちはベルト騒動にすっかり振り回され、母の日が無事に過ぎてホッとしております。 私達はそれぞれのセンスに任されベルト選びをすることになったわけですが、色や素材だけではなく幅は〇センチと細かな指定があるおかげで、案外大変だったのです。 デパートでそれらしき物を見つけても、1本に決めるのは難儀で、母が気に入るだろうか、母に似合うだろうかと迷いだすときりがなく、結局、デパートのベルト売り場で候補を何本かあげて、携帯で写真を撮ってメールで送り、母に好みの物を選んでもらうことに。 打ち合わせていたわけではないのですが、妹たちも同じことをしていたそう。 60歳過ぎた女性がするベルトってどうも想像がつかないのですよね。私は普段ベルトのオシャレをしないので、ベルトの使い方もよくわからないし、スカートを買った時についてくるベルトしか持っていない気がする。 母は昔からベルト好きで、スーツやワンピースを作ると、共布でベルトを作ってもらうほど、お洋服とのコーディネートでベルトは重要アイテムらしい。 私の子供時代も、母は細い革のベルトや、女優さんがするような大きなバックルがついた太いベルトをしていたことを記憶している。 で、私はデパートのベルト売り場から母に連絡をすると、「ママは普通の女性よりウエストが細いからどんなベルトでもオシャレに着こなせるから大丈夫、(携帯から送った写真を見て)これとこれが素敵ねぇ〜でもこっちもママに似合うと思うの」と言うことで、結局私は4本のベルトを贈りました。。。 で、いかに自分のウエストが細いかということを力説されまして、その細いウエストを保つためにはどのような努力をしているか、今日も素敵なベルトをしていることとウエストが細いということを褒められたのよ、しかもママはバストも大きいから余計にウエストの細さが強調されるのよ、というお話をされまして… 本人は自慢話をしているという自覚は一切ない、それが我が母。 私が子供の頃、母は自宅でウエストに紙テープを巻いて過ごしていました。 あなた達もしてごらんなさい、と言われて妹たちと面白半分に真似てみたけれど、一回呼吸しただけでお腹に巻いた紙テープはブチッと切れて吹っ飛んでいきますからね、(そんなおかしなことしている、でもオバサンになってもキレイへの執着心が強い)母ってスゴイ、と子供ながらに感心しておりました。 でも、美意識の高さは自覚するからこそで、年齢とか環境とか探せば言い訳や逃げ道はたくさんありますから、楽チンなことに流されてお腹ぽっこりのおばさんになるか、60歳過ぎてもベルトをカッコ良く着こなせるマダムになれるかは、自分の意識と努力次第ということは確かでしょうね。 いやぁ、私としては年を重ねるごとにふくよかになっていく位が女性らしいと思わないでもないですが。 母は、果てしなく前向きで明るくマイペースで、子供である私たちでさえ理解不能の超越した存在の女性です。 このところの体調不良について母に話すと、ストレスが溜まるとか眠れないってママにはよくわからないわ、と言われましたしね。 何か失敗したりイヤなことがあった日は、夜寝る前に、どうして失敗しちゃったんだろうと失敗したことを思い返しては悩んでついネガティブに考えて寝付けなかったりします。 たとえば最近では、学校で思うようにお菓子が作れなかった時など、あぁ私はお菓子作りが向いていないのでは、今の学校に通うことは間違いだったのでは、どうしてこんなにヘタなのだろう、なぜずっとマブタの痙攣が治らないのだろう、もしかしたら学校に通うことを体が拒否しているのでは、などと悪いことばかり考えてしまうのです。 母はそんな時、失敗したけれど、こんないいところもあったなあ、やっぱり私は凄いわ、こんな楽しいことがあったわ、明日はもっと楽しいことがあるに違いないわ、母の日に自分が欲しかったとっても素敵なベルトを子供たちからプレゼントされて私は幸せな母親だわ、子供たちに感謝、神様ありがとう、と思うのですって。 布団に入り目を閉じたら寝ているから、眠れないってどういうことかわからないわ、と平然とおっしゃる、それが我が母。 母のポジティブスィンキング、私も見習いたいものです。 写真の可愛らしいカーネーションは、愛犬Rちゃんのために。 もうおばあちゃま犬ですが、若い頃は出産もして母親でもあるRちゃんなので、飼い主である私がプレゼント。 普通の日記 かなえキッチン : ごはん日記 2009年05月
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リィンカーネーション(後編) ◆qwglOGQwIk (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第183話 春閣下 春香は深呼吸を二、三回程繰り返し、高ぶった闘争心を沈めるのに集中する。 無言で少しの時間集中することで、春香の体は赤銅色から元の人肌へと変化していった。 「何とか戻った、か……」 春香は自身の体を注意深く確かめ、その体が人間へと戻っているのを念入りに確認する。 確認が一段落し、ほっと一息を吐いた後にエアーマンの遺物を回収することにした。 エアーマンの腕とディパックを土産に接触すれば、先ほどまで戦っていた城内の人間が敵に回ることはまず無いといって良いからだ。 「ふぅ……もうこれで限界よ…………」 アリスの魔法によって重傷を負っていた海馬、亜美、日吉の三人は何とか動ける程度まで回復していた。 回復魔法だけでは完全回復には程遠いため、海馬の持っていた医療品による治療をあわせて行い、全員の傷をしっかりと治療した。 だが代償としてアリスの魔力は完全に枯渇し、朝倉人形やイフリナ人形を維持する魔力すら無くなっていた。 朝倉人形は特にすごーく問題のある格好になってしまったため、イフリナ人形とともにそさくさとアリスのディパックの中に仕舞われることになった。 「ふぅん、感謝する……」 「どういたしまして」 「ぽよ!」 「ふん……礼は言っておく」 「アリスっちありがとう!」 「ところで、どこかに服は無かった?」 それを聞いて海馬、亜美、日吉の顔が赤くなり、ため息をつく。 アリスは彦麿の顔を見て何のことかを察し、ついでに彦麿の足を蹴っ飛ばしておいた。 「残念だがこの城に服は無かったぞ」 「結局私達は自分の服を乾かさなきゃいけなかったからね」 「はぁ……」 「ぽよ! ぽよ!」 溜息をつくアリスがカービィの声の方向を見れば、そこにはやよいの死体があった。 サイズ的には問題が無さそうだが、倫理的に問題がありそうだった。 死体から服を剥ぐと言うのもなんというかな話であり、加えてクリーチャーだったころの体液が服に染み付いていた。 紫濡れのそれは、健康的にも大問題であった。 「カービィ……さすがに……それは…………」 「服が無いなら洗濯をすれば良いのよ、どうせ死人には文句を言う口は無いわ」 と、彼らの前に銀のコートを身に纏った何者かが現れる。 その好戦的な口ぶりに反応して身構えるも、コートを一瞬にした脱いだ何者かはディパックとエアーマンの腕をその場に投げた。 「これで私に敵意が無いことは分かったかしら、亜美?」 「は、はるるん? でもなんかちょっと怖い……?」 「怖いわけ無いでしょ亜美。私は私、天海春香よ」 春香は亜美に一睨みを加えると大広間にいる人間の様子を観察し、その中央へと躍り出た。 「知り合いか、亜美?」 「うん、はるるんだよ!」 「天海春香よ、私のことは閣下と呼びなさい」 「閣下ねぇ、ふぅん……」 「はるるんなんか怖い……」 「まぁ積もる話も何だし、情報交換も兼ねてやよいを埋葬してあげましょう」 比較的体力に余裕のあった彦麿、アリス、春香の手によってやよいの遺体は城の庭に埋められることになった。 日吉の提案によってけいこと番長の墓の横に、仲良く眠りにつけるようにした。 亜美はやよいとの別れを惜しんでいたが、春香はやよいの死体に一瞥し、複雑な表情を見せながらも涙は流さなかった。 ちなみにやよいの服は倫理的、衛生的に問題がありそうなので回収はしなかった。 その後、安静を必要とする海馬、日吉、亜美の三人を休息させることと、安全な場所を確保する意味で春香達は寝室へと移動した。 道中で彼らが遭遇した参加者と支給品についての情報交換、そして自己紹介を行った。 「ふぅん、アリスは魔法使いだというのか。丁度いい、少し聞きたいことがある」 そう言った海馬もとい、着替えて元に戻ったカイバーマンは次の句を漏らす前に、紙をアリスたちのほうへと提示した。 「魔法のことについてだ、霊夢やレイジングハートの使う魔法と、アリスの使う魔法の違いだ」 (俺達の会話は首輪によって盗聴されている。それだけでなく監視装置もある。 室内をチェックしてみたが監視装置に値するものは無いし、室外からの監視に備えて死角を選んでいる。 これから話すことは首輪の解除に関してだ、奴らに聞かれては困るという訳だ。) 「霊夢にレイジングハートね……霊夢は魔法なんか使わなかったと思うんだけど、レイジングハートについて詳しく教えてもらえるかしら?」 (監視に盗聴ね。いいわ、一体どういう話かしら?) 「霊夢の話だと、レイジングハートを始めとするインテリジェントデバイスは魔術師が使う杖で、魔法の発動を手助けするものらしい」 (俺がこの首輪を解析してみたところ、内側がやや脆く、外側が固いことが分かった。 それだけでなく、俺が回収したこの首輪と自分の首輪を見比べれば分かるが、サイズは一人一人異なる。 分解しようにも継ぎ目らしきものは何も見当たらない) 「インテリジェントデバイスねぇ、話から察するに霊力や魔力を変換するアーティファクトの類のように思えるわね。 まぁでも私が使ってる人形魔法と大差無いわ、道具に魔力を通して力を行使するという意味では同じものよ」 (八方塞がりって訳ね、それで私に何を協力して欲しいのかしら?) 「ふぅん、そういうものなのか……」 (俺の考えだが、この首輪には魔法の技術が使われている。 話を聞いた限りでは魔法の専門家なのだろう? この首輪の魔術的解析を頼めないかと思ってな) 「魔法のアイテムは色々蒐集しているけど、そういった道具に関しては初耳ね。 ところで、何故魔法の話などしたのかしら?」 (いいわ、魔力は空っぽだけど解析ぐらいなら何とかなるわ、その首輪を貸してみなさい) 「脱出の手段として魔法が使えるかもしれないからだ。レイジングハートによると次元を移動する魔法も存在するらしい」 (頼む) 「うーん、それは少し難しいと思うわね。そんなものが支給されている以上、対策ぐらいは相手だって考えているはずよ」 (分かったわ、解析を始めるから少し集中させて) アリスはカイバーマンから首輪を受け取ると、そこへ魔力を流し込む。 わざとらしく考え込む声を流し込み、適当に相槌を入れながら解析を進める。 休息中の三人を除いたゴッドカイバーマン、彦麿、春香、カービィが注目する中、後ろのベッドがガタリと揺れた。 集中しているアリスを除く四人が後ろを振り向くと、そこには起き上がった日吉がいた。 「……ケッ、一体何をやってるんだか…………」 「日吉、大丈夫か?」 「当たり前だ、休んでなんていられねえよ」 日吉は重傷にも拘らずベッドから這い出し、自身のディパックに加え、エアーマンの持っていたディパックを持って外へ出て行こうとする。 「日吉!」 「日吉、おぬしはその体で一体何をするつもりだ!」 「あんた馬鹿? 重病人は大人しく寝てなさい」 「ぽよ!」 「テニスだ、悪いがこれは借りるぞ」 「日吉!」 彦麿たちの声など気にも留めず、少しばかりふらつきながらも、それでも確かな足取りで外へ出て行ってしまった。 「馬鹿につける薬は無いわね」 「しかし、あの体で誰かに襲われでもしたら……」 「あれでも貴重な戦力だ、だからこそ本当は休ませたほうがいいのだがな」 「ぽよ! ぽよぽよ!」 呆れる春香と彦麿の前にカービィが飛び出すと、自分が日吉をしっかり見守ると言わんばかりにアピールを行った。 春香は溜息を付きながらも、行きなさいとばかりに指示を出しておく。 日吉の後にカービィがついて行ったのを見て、しょうがないといった様子で三人はアリスのほうへと戻った。 アリスの方はといえば解析はもう終わった取った様子で、紙をカイバーマンのほうへと差し出していた。 「ふぅん……なるほど…………」 アリスの紙に書かれていた考察結果はこうだ。 慎重に魔力を通してみたところ有用な変化は見られず、多少の魔力注入は問題ないと判断。 強度に差異のある外側と内側にそれぞれ解析用の魔法を行使してみたところ、不思議なことに魔法の術式の存在は検知できなかったというのだ。 ただ、内側と外側では内側のほうが魔力が通りにくくいとの結果が得られた。 これを考えるに何らかの魔法の術式が首輪の内側か外側に施されているが、既に術式は消滅していると考察したのだ。 アリスの見立てでは内側に術式が施されているだろうが、外からでは正体が分からないとのこと。 いずれにせよ、分解をして中を見なければこれ以上の考察は厳しいという訳だった。 メモを食い入るように見つめるカイバーマン達の前に、春香は一枚のメモとともに発言を行う。 「ルビコン川を渡れよ。さっきの魔法による話だって試してみなきゃ分からない。 何でもやってみるものよ、可能性のあることなら何だって私は試してみる」 (つまり首輪を解体すればいいのよ、それで中身が分かれば万事解決ってことでしょ) 「おい、それは……!」 「危険すぎるわよ!」 「閣下、止めた方がよい!」 春香は首輪を手に剛力を込めると、首輪をメリメリと引き伸ばしていった。 やがて外力に耐え切れず、亀裂が入った首輪の内側はベキベキと音を立てて解体されることになった。 ワッと押し寄せる三人の前に、春香は黙れといわんばかりに紙を提示する。 「こんなふうにね」 (危険は無いわね、さっきの考察にもあったけど魔法の痕跡だけ残っているということは死亡とともに機能が停止している可能性は高い。 それにさっきの放送を貴方達も聞いたでしょ? イレギュラーなんてものが入り込んでいる以上奴らの力も絶対ではない。 むしろ何らかのトラブルが起こって、首輪の監視なんて気にも留めてないと思うわね) 「たしかに、だが……」 「結果がうまく行ったからいいもの、もし失敗したら……」 「アリスやカイバーマンの言うとおりだ、それに……」 「成功したからいいのよ」 春香の閣下らしい一言により、その場はそれで締めくくられた。 その時会話の偽造は成立していなかった。 だが主催者側から何のアプローチが無かったところを考えるに、春香の言うとおり監視や盗聴どころでは無いトラブルが起こっている可能性は高いと考えられた。 とはいえ偶然相手が盗聴網をチェックできなかっただけの可能性もあるし、主催者側に余計な情報を与えたくないという心理もあり、再び筆談を加えながら雑談を行うことにした。 中からは幾つかの機械部品と、幾多にも張り巡らされた回線とICチップを主に構成された回路が出現した。 春香があれだけ力を加えたにも関わらず、外側の外装はヒビ一つ無く、砕けたのは内側だけに留まっていた。 首輪の外郭部からはアリスの考察通り、内側に奇妙な術式が刻印されていた。 カイバーマンは機械部品を検品し、アリスは壊れた首輪の残骸に刻印された術式の解読を始めた。 手持ち無沙汰な彦麿はというと、春香からアリスの服でも探してあげなさいとの命を受け、城内で服の物色に当たっている。 「まあいいわ、亜美が起きたら……って居ない!?」 解析が程なく開始されて暇を持て余す春香であったが、アリスとゴッドカイバーマンの解析が一段落ついたので一言状況確認の一言を放っただけであったが、話題の当人が居なかったため紙の提示が一瞬遅れる。 「亜美まで単独行動か……ったく、今から私が探しに行くわ、あんた達はここで適当に休憩してなさい」 (解析が終わったみたいね、結果を報告しなさい) 「分かった」 「頼んだわ、私達も疲れてるし少しは休みたいしね」 カイバーマンとアリスは紙を春香に渡し、それを読ませる。 春香はニヤリと笑い、紙を当人達の手に戻す。 紙に記された解析結果は想像以上のものであった。 魔術サイドの解析結果として得られたものは、首輪が参加者に与える制約の正体が判明したこと。 アリスの解析によれば、首輪に刻まれた刻印の機能は大まかに四つ。 一つは首輪を装着した参加者に力の制約を与える魔術があり、詳しい機能は分からないが首輪の機能によって本来発動されるはずの力は大きく制限を受けるというもので、アリスの回復魔法の利きが妙に悪かったのもこのせいらしい。 二つ目は機械機能とのリンクを図るもの。アリスの解析ではそれ以上の詳細は分からなかったが、海馬の解析結果とあわせて考えるにこれはあくまで保険、機械機能に何らかの不備が発生した場合に首輪を爆発する機能が取り付けられているのだろうとのこと。 三つ目に何らかの干渉を防ごうとする機能があるらしい。これは首輪の機能とは別に独立している機能で、アリスの解析によるとディパックと何か関係しているようだが、詳細は不明と記されていた。 最後の一つに与えられた機能は魔術的な攻撃に対する防御機構のようだ。 稼動している首輪を魔術的な能力で取り外そうとした場合、この防御機構がある程度までの解析を無効化し、相手の攻撃を無力化できないならば先ほどの魔術サイドの機構は機能を停止し、機械サイドに異常を検知させるというものらしい。 そしてこの防御機構は魔術サイドの機構全般の管理を行っており、参加者の死亡を確認するとともに機能を停止するのだという。 何故防御機構を停止させるのかは不明だが、首輪が解析されようが構わないといった主催者側の余裕の表れにも思えるとのこと。 他にも幾つか機能はあるとの事だが、詳細も良く分からない枝葉の機能で不備な点も多く、解析結果には記述されていなかった。 一方ゴッドカイバーマンの担当した機械サイドの解析については大した成果は得られなかった。 解析によって分かったことは首輪に密着する沢山の機械部品があり、そのどれもが現代である21世紀初頭の技術を遥かに凌駕しているというもの。 軽く100年程度の技術格差があり、もはや機械部品が何の機能を担っているのかさえ理解できないという。 しかしこれまでに得られた情報から推測するに、参加者の盗聴を行う盗聴器や、生存確認を行う機械部品があるのは間違いないだろうとのこと。 そして機械部品に取り付けられているのは超小型の高性能爆弾で、これも現代の技術では考えられない加工が施されているとの事。 点火に関しては危険すぎるので見送られたが、強者さえ爆殺出切るほどに強力なそれは、不用意に爆発させればどれだけの被害を及ぼすのかさえ分からないとのこと。 一見して分からないだらけの機械部品であったが、一つだけゴッドカイバーマンにも理解できるパーツがあった。 全体を統括するCPUコアに使われているパーツが、Intel社のPentium4プロセッサだということ。 何故一つだけ技術的に陳腐なパーツが使われているかというと、首輪の機械部品を管理するCPUにはバグがあってはならないからだ。 組み込み用のCPUでは予想外の動作が無いよう、仕様を知り尽くした20年も30年も前のCPUが現役で使われているが、これも同じ様な理屈なのだろう。 主催者側の超科学にとってPentium4程度、もはや陳腐化した安全な技術とでも言いたいのだろう。 だが、これが逆にカイバーマン達にとって逆転の秘策となる。 主催者側の超科学には対抗できないとはいえ、コア部分を統括するCPUは現役の部品。仕様も頭に入っている。 超技術の塊であるNice boat.に搭載されたコンピューターを使い、Pentium4の命令セットをエミュレートする。 そして各機械パーツの解析を行い、首輪の動きを統括するROM部分の動作さえ分かれば、稼働中の首輪をハッキングして機能不全を引き起こすことさえできるかもしれないという考察がそこには記されていた。 一見すると出来過ぎの青写真でしかないが、そこには確かに首輪解除の突破口が記されていた。 ならば、後は実行するのみ。たとえ罠であろうと可能性があるならば実行するしかない。 海馬の言う仲間の霊夢が到着次第、直に首輪解析へと向かうのが最良であろうと考えていた。 春香は今後の予定を頭に入れながら、自分を悩ませる亜美の居場所について頭を巡らせていた。 【エアーマン@ロックマンシリーズ 死亡】 【残り21人】 【D-1 城・廊下 /二日目・早朝】 【天海春香@THE IDOLM@STER】 [状態]:チャイナヴィクターブラボー春閣下、全身に切り傷(核鉄で回復中)、中度の疲労(核鉄で回復中)、胸部にダメージ(核鉄で回復中) [装備]:シルバースキン@真赤な誓い、洞爺湖の木刀@銀魂、マウンテンバイク@GTASA [道具]:陰陽玉*2@東方project 、支給品一式*3(食料・水一食分消費)、DIGIZO HYPER PSR(残り二十分程度)@現実、上海人形、花粉防止用マスク テニスボール*2、雛見沢症候群治療セット1.5日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に、首輪探知機(残り電池80%)@バトルロワイヤル [思考・状況] 基本行動方針:ゲームに乗らない人たちを自分の下で一つに纏めたい。 1.とりあえず英雄達の背中を守れるブラボーな司令塔になりたい。 2.ヴィクター化を躊躇わないが、エネルギードレインに仲間を巻き込みたくない。 3.霊夢と合流後、Nice boat.で首輪の解析を行いたい。 4.解析が終わったら魅音を迎えに行く。 5.つかさを殺したくはない。ゲームを破壊した後でも凶行をやめないようなら…… 6.怪しい人でも、確実な証拠が無い限り、ゲームに乗っているかどうか自分で確かめたい。 7.敵を殺すことは躊躇わない。誤解が無いか、説得できないかは確かめたい。 ※ヴィクター化しました。 第一形態であるため、自由に戻れます。制限により、エネルギードレインの範囲は周囲2メートル。 吸収効率、再生力、身体能力にも制限がかかっています。 シルバースキン・リバースでエネルギードレインを抑えることが出来ますが、まともに動けません。 ※閣下になりました。 覚醒し「閣下で三国統一を目指してみる」の春香に近い口調と性格になりました。 目が半目で怖くもあり、何か人を(特に男性)魅了します。 ドジっ子属性は消滅しましたが、キャプテン・ブラボーに憧れている節があり少し変です。 激しく動揺したりすると、たまに素に戻る場合があります。 ※武装錬金の内容を漠然と把握しました。 ※アイスソードを呪われた魔剣だと認識しています。 ※夢や空想でしかないはずのものが、現実に存在していることを知りました。 針入りのおはぎを見て確信しましたが、他人を信用させられる証拠だとは思っていません。 ※エアーマンの一撃で黒い核鉄に傷が入ったかもしれません。 【D-1 城・寝室/二日目・早朝】 【海馬瀬人@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】 [状態]:断固たる対主催の決意、正義の味方ゴッドカイバーマン、全身に重度の打撲(治療済み)、腹部に傷(治療済み) [装備]:ゴッドクラッシュ@ゴッドマン、正義の味方カイバーマンのコスプレ@遊戯王DM 盗賊の棺桶@勇者の代わりにバラモス倒しに行くことになった、DMカード(青眼の白龍、マジックシリンダー)@遊戯王DM(残り1時間程度で再使用化)、DMカード(六芒星の呪縛、攻撃誘導アーマー)@遊戯王DM(現在使用不可) [道具]: 支給品一式×4(水1食料2消費)、十得ナイフ@現実、毒針@ドラゴンクエストシリーズ、ナイフとフォーク×2 包丁、首輪の機械部品、包帯、ことのは(妖精の剣)@ヤンデレブラック、オクタン@ポケットモンスター MASTER ARTIST01~10@THE IDOLM@STER、壊れたオセロ@現実 [思考・状況] 1:霊夢の帰りを待ちながら休憩 2:船に積んであったコンピュータを利用し、首輪のハッキングを行う。ついでに船内捜索もしたい。 3:自分と同じ境遇、そうなりそうな人を救いたい(ただし仲間の安全が優先) 4:殺しあいには絶対に乗らない ※ブルーアイズが使えないのは、自分が主として認められていないためだと思っています ※やよいのディパックを回収しました、世界中の葉は消耗され消滅しました。 【矢部野彦麿@新・豪血寺一族 -煩悩解放 - レッツゴー!陰陽師】 [状態]:全身に打撲によるダメージ(痛みは引きました)、半裸 [装備]:なし [道具]:支給品一式、ネギ@ロイツマ、孔明ブロック(大)@スーパーマリオワールド(友人マリオ) 、長門の首輪 コイン*2@スーパーマリオワールド [思考・状況] 基本.主催を含む悪霊退散 1.アリスの服を探す 2.春香達に同行 3.アリスを必ず守る。 4.つかさを心の闇から連れ戻す 5.琴姫の意思を継いで、悪霊を退散させる。 6.悪霊退散の為の修行を積む 7.猿の物の怪を改めて退散する 【アリス・マーガトロイド@東方Project】 [状態]:全身打撲に切り傷(包帯による治療済)、魔力全消費 [装備]:彦麿の道着 [道具]:支給品一式*2(水残り一本)、プラスパワー*5@ポケットモンスター、朝倉涼子、炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト、レヴァンティン@くらっとけ!スターライトブレイカー(魔法少女リリカルなのはシリーズ) 、首輪の残骸 [思考・状況] 基本.しょうがないので異変解決。魔理沙の意思を継ぐ 1.できればまともな服がほしい。 2.春香達に同行 3.魔力が回復したら、すぐにでも朝倉人形を復活させる。 4.涼子のため……じゃない、生き残るために少しやる気を出す 5.涼子の力でブレインな弾幕を作る方法を考える 6.お気に入りの人形とグリモワールオブアリスを探す 【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:動かない裸の朝倉人形(残り数時間で完全に死体化) [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況] 1:テイシチュー ※朝倉涼子 死亡扱いです。首輪はついています。 命令がなければアリスを自動で守ります。 アリスの魔力が尽きない限り、表情もあり、人間と区別がつきません。 魔力が尽きた状態で数時間放置すると死体になり、二度と操れません。 朝倉涼子の情報改変能力は、暗黒長門の半分以下まで落ちています。 ※バリアジャケットはアリスの魔力枯渇に伴って解除されました ※つかさの連れていた魔獣の名を知らないため、死亡済だと気付かず危険視しています ※アリスは、ここから脱出するにはこの世界の核となる何かの停止が必要だという仮説を立てました。 ※炎道イフリナのフィギュアもアリスの魔力枯渇に伴って機能を停止しました。 ■ ■ ■ 「ピヨくん! 一体何やってるの!」 「見れば分かるだろ、テニスだよ」 城の朽ちた城壁に向かってテニスボールを壁に打ち付けていた日吉の元に、亜美がやってきた。 亜美は首輪解析の途中で日吉同様目が覚めたのだが、何やら難しい話をしていたので参加せず横になっていた。 だが隣に居た日吉の姿が見当たらなくて不安になり、居てもたってもいられず飛び出したというわけだ。 カービィはというと日吉の打ったボールを拾ってきたり、日吉の様子を眺めているといった様子であった。 日吉の表情は固く、その息は荒かった。 「ピヨくんは動いて良いような体じゃないんだよ!」 「それでもな……俺はやるしかねぇんだよ! 俺が弱かったからYOKODUNAにも負けた、TASの野郎にも負けた。 それだけじゃねえ、俺が強かったらやよいの奴も死ななかった!!!」 「ピヨ……くん」 「俺がもっと強くならなきゃ、下克上はできやしねぇ。 あの糞ピエロ野郎に一泡吹かすためにゃ、休んでなんかいられないんだよ」 「でも、でも!」 「……頼む、後少しだけでいい」 「後、少し……?」 「後少しで……無我の境地に辿り着けそうなんだ。 でもそんなんじゃ足りねえ、何としても天衣無縫の極みまでたどり着くんだっ……!」 「ピヨくん……」 亜美の悲痛な叫びも物ともせず、日吉はラケットを振りかぶるとテニスボールを壁に向かって叩きつける。 荒い息を吐きながらも、それでも日吉は懸命にボールを追いかけ、より良い動きを模索していた。 「……分かったよ、ピヨくんがそこまで言うなら亜美は止めないけど……」 「けどなんだ、ヒゲ?」 「も~ヒゲじゃなくて亜美だよ! ピヨくんは何度言えば分かるのかなぁ!」 「それで亜美、一体なんだ」 「私も……もっともっと強くなりたい。 もっともっと強くなって、オメガモン達や、やよいっちにまこちん、千早お姉ちゃんや真美の仇を討ちたい!」 「いい返事だ、ヒゲ助」 「だ~か~ら~ヒゲじゃないってば!」 【D-1 城・外壁/二日目・早朝】 【日吉若@ミュージカル・テニスの王子様】 [状態]:全身に大量の打撲と切り傷(治療済み)、疲労大、体力僅か、肋骨損傷・左の腕と肩にごっすんくぎ(共に治療済み)、少し寝不足 [装備]:カワサキのフライパン@星のカービィ、テニスボール [道具]:支給品一式*4(水一本消費)、サテライト30@真赤な誓い、ねこ鍋@ねこ鍋、XBOX360、ピーピーマックス ヒラリマント@ドラえもん、ことのはの鋸 [思考・状況] 1.無我の境地に辿りつく 2.無我の境地に辿りついたら、霊夢が来るまで休憩 3.いつか天衣無縫の極みを会得し、主催に下克上する。 4.亜美にボブ術の基本を教える。 5.下克上の障害は駆除する 【双海亜美@THE IDOLM@STER】 [状態]:疲労大、全身に大量の打撲と切り傷(治療済み)、右足に大きな火傷・肩と左足に火傷(共に治療済み、徐々に回復中)、ルイージ(HI☆GE)、少し寝不足 [装備]:ホーリーリング@デジモンアドベンチャー、ルイージの帽子@スーパーマリオワールド [道具]:支給品一式(食料1消費)、弾幕の作り方@東方project [思考・状況] 1:日吉の特訓に付き合うが、無理はなるべくさせない。 2:ムガノキョウチ? テンイムホウノキワミ? なんだろー? 3:霊夢って人がが帰ってくるまでお休みしたいなぁ 4:殺し合いには乗らない。みんなで脱出する方法を探したい 5:ヒゲドルとして生きていきまーす、んっふっふー 6:無事に帰れたら、オメガモン感謝祭を開く。 ※日吉たちはTASとケラモンが城内に侵入していると推測しています。 【カービィ@星のカービィ】 [状態]:左腕爆破、全身にダメージ、胸部から腹部にかけて切り傷(治療済み) [装備]:なし [道具]:支給品一式(食料全消費) [思考・状況] 1.日吉と亜美を守る。 2.いつか魔獣を倒したい。 3.魅音お姉さんの人探しを手伝う。スマブラ経由の知り合いには会いたくない 4.でも、ヨッシーとか、知らないヨッシーかも 5.マルクを倒して殺し合いを止める ※様々な記憶が内包しています。パッチをつけることで思い出しやすくなります。 ※ミックスコピーを思い出しました。 ※それぞれの自己紹介、支給品、出会った参加者について大まかには情報交換を済ませました。 ※首輪について 首輪の内側には魔法の刻印が刻まれています。外側は高度で強固な金属によって覆われています。 アリスの解析によって首輪の刻印には能力制限機能、機械部分とのリンク機能、ディパックに参加者を入れさせない機能、魔法によるハッキングを防ぐ機能があると考察しました。 首輪の中には超高度な技術で構成された電気回路や機械部品があり、盗聴や参加者の体調管理を行っていると考えられるが、詳細は不明。 首輪を動かすCPUコアはPentium4ですが、現在は未稼働です 首輪の中に超小型爆弾がありました。首輪が解体されたため、不用意に取り扱うと爆発します。 Nice boat.のコンピューターで解析すれば、首輪の機能が判明し、ハッキングによる解除も可能だと考えました。 sm183:リィンカーネーション(前編) 時系列順 sm184:( ゚∀゚)o彡゜シルバー!シルバー!(前編) sm183:リィンカーネーション(前編) 投下順 sm184:( ゚∀゚)o彡゜シルバー!シルバー!(前編) sm183:リィンカーネーション(前編) 天海春香 sm186:括弧、推理、城にて(前編) sm183:リィンカーネーション(前編) エアーマン 死亡 sm183:リィンカーネーション(前編) 海馬瀬人 sm186:括弧、推理、城にて(前編) sm183:リィンカーネーション(前編) 日吉若 sm186:括弧、推理、城にて(前編) sm183:リィンカーネーション(前編) 双海亜美 sm186:括弧、推理、城にて(前編) sm183:リィンカーネーション(前編) 矢部野彦麿 sm186:括弧、推理、城にて(前編) sm183:リィンカーネーション(前編) アリス・マーガトロイド sm186:括弧、推理、城にて(前編) sm183:リィンカーネーション(前編) カービィ sm186:括弧、推理、城にて(前編)
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カーネーションの花束(小) L:カーネーションの花束(小) = { t:名称 = カーネーションの花束(小)(アイテム) t:要点 = カーネーション,5本,片手で持っている人 t:周辺環境 = 驚く相手 t:評価 = なし t:特殊 = { *カーネーションの花束(小)のアイテムカテゴリ = 消費型アイテムとして扱う。 *カーネーションの花束(小)の効果1 = カーネーション5本とみなす。 *カーネーションの花束(小)の効果2 = 受けとった相手は普段より少しだけ打ち解けやすくなり、愛情の評価値が少しだけ上がりやすくなる。 *カーネーションの花束(小)の効果3 = 贈った時の記憶強度が1.3倍になり、花を見る事でその日の事を思い出すことがある。 *カーネーションの花束(小)の効果4 = 使用(プレゼント)してから9日で消滅する(枯れる) } t:→次のアイドレス = カーネーションの花びらのお守り(アイテム) } 価格 7マイル
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カーネーションの花束(大) L:カーネーションの花束(大) = { t:名称 = カーネーションの花束(大)(アイテム) t:要点 = カーネーション,10本,両手で抱えている人 t:周辺環境 = 赤くなる相手 t:評価 = なし t:特殊 = { *カーネーションの花束(大)のアイテムカテゴリ = 消費型アイテムとして扱う。 *カーネーションの花束(大)の効果1 = カーネーション10本とみなす。 *カーネーションの花束(大)の効果2 = 受けとった相手は普段より打ち解けやすくなり、愛情の評価値が上がりやすくなる。 *カーネーションの花束(大)の効果3 = 贈った時の記憶強度が1.5倍になり、花を見る事でその日の事を思い出すことがある。 *カーネーションの花束(大)の効果4 = 使用(プレゼント)してから11日で消滅する(枯れる) } t:→次のアイドレス = 感謝(イベント) } 価格 12マイル
https://w.atwiki.jp/ryuunabe/pages/2184.html
カーネーションの花束(小) 商品ページ 名称:カーネーションの花束(小)(アイテム) 要点:カーネーション,5本,片手で持っている人 周辺環境:驚く相手 評価:なし 特殊: *カーネーションの花束(小)のアイテムカテゴリは消費型アイテムとして扱う。 *カーネーションの花束(小)の効果1。カーネーション5本とみなす。 *カーネーションの花束(小)の効果2。受けとった相手は普段より少しだけ打ち解けやすくなり、愛情の評価値が少しだけ上がりやすくなる。 *カーネーションの花束(小)の効果3。贈った時の記憶強度が1.3倍になり、花を見る事でその日の事を思い出すことがある。 *カーネーションの花束(小)の効果4。使用(プレゼント)してから9日で消滅する(枯れる) →次のアイドレス:カーネーションの花びらのお守り(アイテム)
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カーネーションのコサージュ(かーねーしょんのこさーじゅ) 外見に+2する。 L:カーネーションのコサージュ = { t:名称 = カーネーションのコサージュ(アイテム) t:要点 = 思い出,コサージュ,カーネーション t:周辺環境 = 宰相府 t:評価 = なし t:特殊 = { *カーネーションのコサージュのアイテムカテゴリ = ,,,着用型アイテム。 *カーネーションのコサージュの着用箇所 = ,,,頭に着用するもの。 *カーネーションのコサージュの形状 = ,,,髪飾り。 *カーネーションのコサージュの外見補正 = ,歩兵,,外見、評価+2。 } t:→次のアイドレス = 周囲から似合うねと言われる(強制イベント),美白に走る(イベント),龍に花飾り(イベント),晋太郎にお礼(イベント) } 保有国一覧 藩国名 入手履歴 保有者 使用履歴 現在所持数 フィールド・エレメンツ・グローリー 09/03/25:入手 久珂あゆみ 1 参考資料 イベント掲示板 No.28260 アイドレスWiki:カーネーションのコサージュ 上へ 戻る 編集履歴 矢上麗華@土場藩国 (2009/03/26)