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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある未来の・・・ プロローグ 「だああああああ!不幸だーーーー!」 「待て、ゴラアアア!」 学園都市第七学区とある裏路地にて一人の少年が 多くの怖いお兄さんたちに追われていた。 逃げる少年はツンツンとした髪をしており顔は真剣そのものだ 対する追いかける男たちは獲物を見つけた狼のように楽しんだ表情をしている。 「ち・・・・・・くしょう、このままじゃ、追いつかれるか!?」 少年、上条当麻は後ろを振り返りながら徐々に狭まっていく 男たちとの距離に驚愕とする。 男たちの足は想像以上に速かったのだ! 「くそ!」 上条が舌打ちし角を曲がったところで誰かとすれ違いとなった。 「―っ!?おい、お前!」 すれ違ったのは中学生くらいの少女だった。 肩まである髪は黒色で、背は上条の身長より七cmほど低い。 そして、目に付いたのは常盤台中学の制服だった。 「やっと見つけた・・・・・・」 上条は立ち止まり、少女を睨む様に見る。 どこかの誰かによく似た少女は右手を壁の方向に向け 数秒すると走ってくる男たちにその手を向けると。 「手間かけさせやがってええええええ!」 叫びながらその右手から『何か』を放出させた。 「な・・・・・・!ぎゃああああああああ!」 『何か』に直撃した男たちは吹っ飛びそのまま裏路地のどこかへ消えていった。 「やれやれ、聞いた通りね」 溜息をついた少女が振り返り、上条のほうを向く。 「み・・・・・・御坂?」 その少女は上条のよく知る、常盤台のレベル5の少女にそっくりだった。 「やっぱり似てるんだぁ・・・・・・へぇ」 少女は多少満足そうに表情を緩ませる そして、上条との距離を縮めるように彼のほうへ歩みを進める。 「は?似て?いやいや、何をおっしゃいますか、お前いつの間に能力を増やしたんだ? 多重能力なんてお前ついにレベル6にシフトしたんじゃ?」 「そんな事あるわけないじゃない」 「いやいや、上条さんは見ましたよ、貴方様から放出される 電撃以外の『何か』が、あれはなんだって・・・・・・」 少女の表情がゆっくりと歪んでいく。 上条は多少の不安を胸の奥に感じた。 長年の経験と勘だ、そしてそれは――― 「初めまして、お父さん♪」 全く違った方向で降りかかったようだ。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある未来の・・・
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の帰還記念祭 第6話『ウソとホント』 「そうだ……アイツにストラップ返したんだ……」 とあるホテルの一室、黒子のものと思われる鉄の矢を片手に美琴は立ったまま小さくつぶやいた。 (今王冠はつけてないし……ってことは隣の部屋にいるアイツがストラップを持ってなかったら………) その上条は偽物ということになる。 美琴の心拍数は跳ね上がった。ストラップを持っているかどうか上条に聞けば1つ不安は消える。 だが万が一偽物だったら?と、考えると怖くて聞きたくなくなる。 美琴はさっき初めに黒子の鉄の矢を発見したソファに座り込んだ。 (どうしよう……聞きたいけど聞きたくない………) 「御坂ー?大丈夫か?」 「ええ!?」 ソファに座ってからすぐのことだった。 急に隣の部屋につながるドアが開いたかと思うと問題の上条当麻が顔を見せた。もうちょっと空気を読んでほしい。 驚いた美琴は少し大きめの声を出してしまったが眠っている女子4人は起きていないようだ。 起こすと上条との2人きりの時間が終わってしまうので4人には悪いが起こしたくない。なので美琴は小声で話し始める。 「ちょっと急に入ってこないでよ!」 「いや、もう10分も経ったのに全然戻ってこないから心配になって……で、なんでそこに座ってんの?こっち戻ってこいよ。」 小声でそう言いながら手招きする上条、だが美琴はためらう。上条と一緒にいたい決まっているが『偽物』という考えが頭をちらつき邪魔をする。 「いや、あの、今はちょっとそっちに行く気分じゃないっていうか……」 「『そっちに行く気分』ってなんだよ。御坂が来てくれないと上条さん寂しくて死んじゃうぞ?」 「な……」 上条はまたおかしなことを言いだした。こんなこと普段の彼なら絶対言わないだろう。 そのせいで美琴の上条に対する疑惑はさらに大きくなり、ついに不安感は限界を超えた。 「あのさ……」 「ん?どうした?」 「………………アンタ私がパーティの時に渡したストラップ持ってる?持ってたら……見せて。」 「え?なんで急にそんなこと……」 「いいから早く!!」 美琴は勇気を振り絞った。 人前でキスをする勇気はなくともストラップについて尋ねる勇気を美琴は持っていた。 そして尋ねた後は祈ることしかできない。 (お願い!お願いだから持ってて!!お願い―――――) 涙が出そうになる。まともに上条にの顔など見ることができない。 そんな美琴を前に上条はズボンの右ポケットに手を突っ込んで少し探った後 「ストラップ……ってこれのことだろ?ほら。」 「え……あ…」 上条が取り出したのは美琴がプレゼントタイムの時に渡したものと全く同じゲコ太ストラップ。 顔を上げてじっくり見てみたが少しついているキズの位置も同じだ、間違いない。美琴は上条が本物だと確信した。 「……そっか、そうだったんだ……えへへ……」 1つ不安が消滅した美琴からは自然に笑顔がこぼれた。 上条が本物だということはさっき『可愛い』と言われたことも上条本人からの言葉でありなんだか幸せな気分になった。 「?どうしたんだよ急にストラップ見せろって言いだしたり笑顔になったり……」 「ううん、なんでもないわよ?じゃ今度こそほんとにお手洗い行ってくるから待っててね♪」 緊張が解けたせいか美琴は本当にお手洗いに行きたくなった。 「え?じゃあ今まで何してたんだ?」 「気にしない気にしない♪」 美琴は上条の問いかけにちゃんと答えることなくご機嫌な様子でお手洗いのある通路へと姿を消した。 「おい質問に…………行ったか…?」 美琴がいなくなったのを確認した上条はドアをしっかりと閉め小さくそう言った。 そして間接キスをしたとき美琴と一緒に座っていたソファに再び腰をかけ、右手に持つストラップを見つめる。 「ストラップのとこまで思い出したってわけか……よし、順調に思い出してるみたいだな。」 完全防音効果がある壁のせいで静まり返っている部屋で上条の独り言だけが聞こえる。 「にしてもストラップを見せろって言われたってことは少し怪しまれてるのか……?ま、今更作戦の変更はできねぇしこの調子で何事もなく全部思いだしてもらいたいもんだな。」 そう言いながら上条はにやりと笑みを浮かべる――――― ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 美琴「いや~これ美味しいわね。」 美琴が上条にストラップを渡してから15分後、再び自由時間となり美琴は自分の席で料理を食べていた。 美琴達のテーブルに並べられていた料理は会場内の左右に設置されている長方形のテーブルから自分で取ってきたもので、美琴は少し大きめに切られたステーキをフォークで突き刺し口へと運ぶ。 イギリス国の超一流シェフ達が作った料理は美琴達が通うお嬢様学校、常盤台中学の料理をも上回る美味しさだった。 どんどん食が進む美琴を見ていた隣の席の黒子はあきれていた。 黒子「お姉様、お肉ばかりではなくちゃんと野菜も食べないとお体に悪いですわよ?」 美琴「今日くらいいいじゃないの。せっかくのパーティなんだし。あ、これもおいし。」 美琴は黒子の言葉に全く耳を貸さずに別の皿の料理にも手をつけた。 すると同じく料理を食べていた固法が 固法「でも太ったりすると上条さんに嫌われちゃうわよ?」 固法の言葉が聞こえたのか美琴の手がピタリと停止する。 そしてゆっくりと隣の黒子を見たかと思うと 美琴「………………黒子、ちょっと野菜くれない?取りに行くのめんどうだし。」 黒子「……お姉様それどういうことなんですの?あの殿方に嫌われたくないから野菜を食べるわけなのでしょうか?」 美琴「……………………………ぅん。」 黒子「な……ッ!?」 ものすごく小さな声で一言だけ発したが黒子には聞こえたようだ。美琴の顔はほんのり赤くなっている。 黒子は大きな衝撃を受けたのか手に持っていたフォークを床に落っことしてしまった。 黒子「お姉様本気で言っているのですか!?わたくしがお手洗いに行っている間に何が……!?」 美琴の乙女チックな反応に驚きを隠せない黒子。 そんな黒子を見た泡浮がサラダを食べていた箸を止めて 泡浮「そういえばさっき御坂様が舞台から戻って来た時、白井さんはいませんでしたね。」 タイミングが悪いのかどうかはわからないがその時黒子はお手洗いに行っていたのだ。 黒子「それで一体何があったのですの!?早く教えてくださいまし!!」 黒子は美琴に何があったのかものすごく知りたいらしく固法の両肩に手を置き、前後に揺さぶり始めた。 固法「ちょ、ちょっと落ち着いて。簡単なことよ、御坂さんが……」 佐天&初春「「上条さんを好きって認めたんですよ!!」 黒子「ッ!!」 固法を揺さぶっていた黒子が止まった。 みんなの言う通り、悩んだ末美琴はみんなに上条が好きだと打ち明けた。 そのとき上条が普段他人に暴力を奮うなんてことはなくキャーリサが言ったあれはジョークだとみんなに説明していた。 まあ普段女性に対して暴力を奮わないというのは本当だが、キャーリサのことについては上条に悪印象を抱かれないようにするための嘘だ。 美琴「ちょ、ちょっとみんな……そんな改まって言われると恥ずかしいっていうか……私は別にアイツのことなんて……」 すでにみんなに上条が好きだとカミングアウトしたもののやはり恥ずかしい、美琴は思わず上条を好きだということを否定してしまいそうになった。 だが佐天にそれをうまく利用された。 佐天「え?今『私は別にアイツのことなんて大好き』って言いました?」 美琴「うえ!?そんなこと全然言ってないから!!それにそれ今佐天さんが言ったのだと文章的におかしいでしょ!!」 初春「でも佐天さんみたいに言ってないとしても上条さんを大好きってのは事実なんですよね?」 美琴「じ、事実ってそんなこと……」 言葉攻めに遭い顔を真っ赤にする美琴、そしてその隣で魂が抜けたように真っ白になる黒子。 どうやら美琴が上条のことを好きだと決定的にわかり、黒子にはショックが強すぎたようだ。 泡浮「白井さん大丈夫ですか……?」 たぶん大丈夫ではない。 湾内「それで御坂様、上条様とはどういった方なのですか?本当は暴力を奮うようなお方ではないというのはわかりましたが普段はどのような振舞いをなさっているのですか?」 固法「あ、それと性格とかも教えてほしいわね。そのほうがいいアドバイスできるかもしれないし。」 美琴「え、えーと、ちょっと待って。」 美琴は紅潮していた顔を元に戻そうと軽く深呼吸を行った。 だが上条の性格をいざ説明しようとすると思ったより難しく美琴は少し考えた。 美琴(どんなやつかって言われたら……バカで無鉄砲で私をビリビリとか呼んだりする失礼なやつで…でも困った人がいたら助けなくちゃ気が済まない優しいやつでそんなとこがかっこよくて……って私は一体何を考えてんのー!?) 春上「御坂さんどうしたのー?」 ぶんぶんと首を左右に振る美琴を春上は不思議そうに眺めていた。 初春「う~ん……御坂さんは恥ずかしがって全然話してくれませんしこのままだと何もわからずに終わっちゃいそうですね。」 佐天「上条さんに直接話を聞ければいいんだけどね、そんな都合良くじっくり聞く時間があるわけ……」 土御門「えーそれでは少し予定を変更して只今より上条当麻への質問タイムにしたいと思うんだにゃー!!」 ものすごく都合よく質問タイムがあった。 ◇ ◇ ◇ 美琴達が作戦会議的なことを行っていた時から少し時間はさかのぼる。 ここは舞台裏、しかしもう上条に話しかけようとする女の子の姿は見えない。 姿が見えるのは主役の上条と力尽きてから復活した土御門の2人だけだ。 上条「おい!お前まだ着かないのかよ!とっくに始まってんだぞ!!」 上条は携帯電話を耳に当て少し大きめの声を出す。 その電話の相手はというと ???『うるさいな。それが北極海からお前を引き上げてやった恩人に対する言葉か?』 上条「それは今関係ねーだろ……とにかく急げってバードウェイ!」 そう、上条の命の恩人、レイヴィニア=バードウェイだ。12歳とは思えない口調で電話の向こうから彼女の声が聞こえてくる。 実はバードウェイは上条を助けたこともあり今日のパーティで紹介される予定で、当然のごとくプログラムにもその時間は組み込まれている。 ただでさせ遅れているのにこれ以上遅れてしまえばプログラムに支障が出てくるのだ。 慌てる様子の上条に対し電話の向こうのバードウェイは落ち着いた声で話す。 バードウェイ『確か私は舞台上で挨拶をすればいいのだろう?問題ない、後6時間もすれば着く。』 上条「6時間ってお前来る気ねーだろ!!」 バードウェイ『いや行く気はある。お前が“お願いします。どうかわたくしのパーティに来てくださいませ。”って言ったら今すぐ行ってやらんこともない。』 上条「………」 どれだけ上から目線なんだ、と上条はツッコミたくなったが必死に我慢した。そう言って機嫌を損ねられたらさらにめんどくさいことになる。 土御門「おい上やん、そろそろバードウェイは来るのか?早くしないと時間がヤバいぜよ。」 上条「……いや…まだまだ来そうにない。しゃーない、言うか……」 しかしこれ以上時間を遅らせるわけにはいかない。 仕方がないので上条がバードウェイトの言うことに従って例のセリフを言おうと覚悟を決めた時だった。 土御門「そうかー……ならしょうがないにゃー。」 上条「え?」 土御門は上条の手から携帯を奪い取り、バードウェイト相手に話を始める。 止める間もなかった。 土御門「もしもしレイヴィニア=バードウェイトさんかにゃー?」 バードウェイト『ん?そうだが……』 土御門「来れないなら無理して来なくてもいいにゃー。今、面白い企画を思いついたんですたい。それじゃ!!」 バードウェイト『な!?待て!行かないとは言ってな』 そこで電話はブツリと途切れた。 土御門が容赦なく電話を切ったのだ。そしてその携帯を上条に放り投げる。 土御門「よーし、これで万事解決だ。」 上条「おい……どこらへんが万事解決だ!絶対怒ってるぞアイツ。」 土御門「気にすんな!どうせキレられるのは上やんぜよ!!そんなことよりもっと面白いこと考えたんだにゃー。上やん、有無を言わず協力しろ。」 上条「……不幸だ…」 上条は何か言い換えそうかと思ったがそんな元気も出ず、携帯片手にうなだれるしかなかった。 ◇ ◇ ◇ そんなわけで急遽上条への質問タイムが決定。 質問タイムと聞いてから会場内の皆のテンションは上がりっ放しでそれは当然美琴達も同じこと。 初春「さてなんて質問しましょうかねー!“御坂さんのことどう思ってますか?”とか御坂さんのこと……」 美琴「ちょ、ちょっと!質問するにしても個人名出すのは勘弁してくんない!?」 婚后「でもこれで上条様がどのようなお人なのかがはっきりしますわね。低俗なお方でないといいのですが。」 佐天「何言ってるんですか!御坂さんが惚れるような人なんだからそんなことありえるわけありませんよ!!」 美琴「惚れたって…あぅ……」 固法「あ、ほら上条さん出て来たわよ。」 美琴が友人sの言うことに対して慌てたり顔を真っ赤にしたりあうあうしている間にすべて準備から調ったようで、舞台袖から王冠を冠ったままの上条がなんとも言えない表情で姿を現した。 今にも『不幸だー』とか言いそうな雰囲気だ。まあ実際舞台裏では言っていたのだが。 ちなみに何百万もする王冠をまだ冠っているのは、キャーリサから 『今日1日ずっと頭に乗せておけ。とったら私を殴った罪を明るみに出して国際指名手配犯にするの。』 と、脅されたからだ。理不尽極まりない。 上条はパーティ開始の時とギクシャクはしてないものの、重そうな足取りで舞台中央までやってくると一つため息をついた。 後で絶対バードウェイトにキレられると思ってテンションが低いのだが、それは上条と土御門しか知らない。 上条「はぁ……まあなぜか急に質問タイムとかになりましたが俺もできる限り答えたいと思います。えーとそれじゃあ……どうすんの土御門?」 上条に呼ばれ、先ほどからずっと舞台上の端で待機していた土御門が中央にやって来た。テンションが高そうだ。 土御門「それでは準備が整ったみたいなので……早速始めたいと思うぜよ!!」 気合いの入ったような始まりの挨拶と同時にパチパチと少し拍手が起こり質問タイムが始まった。 ちなみにこの質問タイムは全員参加ではないので、興味のない人は今までと変わらずにそこらへんを歩き回ったり食事をしたりしている。 だが美琴達はもちろん質問に参加する派、特に佐天、初春は質問する気満々だ。 そして質問の仕方は簡単。 土御門が合図した後に各自テーブルの上に設置されている自分の目の前にあるスイッチを押し、最も早い人が上条への質問権を得られる仕組みだ。しかし場合によっては複数の人が一度に質問できる場合もあるらしい。 さらにそのスイッチを押すことにより舞台前の巨大スピーカーと音声がつながり、会場全体に自分の声が聞こえるようにもなるというわけだ。 もっと簡単に説明するとカラオケみたいなマイクはないけどボタンを押せばそれだけで会場全体に押した人の声が聞こえるようになりますよ、というわけなんです。 科学の発達は偉大だ。 佐天「さあ御坂さん早速質問しましょう!まずは『御坂さんのこと好きですか?』ってあたしが……」 佐天が自分の前のマイクのスイッチを押そうと手を近づけたその瞬間、目にも止まらぬ早さで美琴が佐天の手を掴んだ。 そしてゆっくり顔を佐天の方に向けギロリと睨みつけ、額からはかなり少量だが紫電がほとばしった。 美琴「ストップ佐天さん……それはアウトよ…」 佐天「………はい……」 まさに蛇に睨まれたカエル、佐天はものすごい勢いでおとなしくなった。 そんな2人の様子を見ていたのか初春とあの婚后でさえスイッチから手をひいた。 ???「はーい!じゃあまずボクから質問したいと思いまーす!!」 と、美琴たちがいろいろ揉めたり?しているうちに前のスピーカーから声がした。 誰かが質問スイッチを押したようだ。 土御門「はい!まずは……青ピか…」 明らかに土御門のテンションが下がった。 土御門としてはいつも学校で一緒にいる青ピよりももっと他の珍しい人に質問してほしかったらしい。 青ピはそんな土御門の反応が不服だったようだ。 青ピ「ちょっとツッチーなんかテンション下がってへん!?それより上やん!ズバリ質問させてもらうで!!」 上条「なんだ?まあお前のことだからろくなこと聞かねーとは思うけどな。」 青ピ「いやいや~ボクをなめてもらったら困るで~!今からする質問は間違いなく全世界中の人が知りたがっとることやからな!!」 上条「はいはい……それで?聞きたいことあるなら早く聞けよ。」 青ピ「そうやな!ボクもすっごい知りたいことやしね、それじゃあ……」 そうやなとか言っておきながらひと呼吸入れる青ピ、長々と引っ張るのに嫌気がさしたのか上条も土御門も少しめんどくさそうな反応を見せている。 だが美琴達は青髪ピアスの質問内容が結構気になっていた。 固法「全世界中の人が知りたがってることって何かしらね。あの青髪の人上条さんのクラスメイトらしいから本当にすごい質問だったりして。」 初春「えーと例えば……『お前の正体は知っている。だからこの場で全て白状するんだ!』とかですか?」 佐天「初春……それ全然質問になってないし。ていうか正体って何よ。」 初春「いやー上条さんって結構ミステリアスだからつい…ですね。」 こんな感じで興味津々の友人s、もちろん美琴も普段は知らない上条についていろいろと知ることができそうなので少しドキドキしながら待っていた。 そして美琴の友人sがこれだけ会話できるくらいたっぷり間を空けてから青ピは上条に向かって一言 青ピ「上やんって彼女おんの?」 美琴「ッ!!?」 会場内の女子陣が一瞬にして静かになった。興味のない男性陣及び一部の女子ははしゃべり続けていたが謎の空気に呑まれたのか徐々に静かになっていった。 雰囲気が変わったせいか質問された上条は上条で舞台上でおろおろしていた。 美琴達もしばらく黙っていたが佐天が沈黙を破った。 佐天「まさかの一発目からこんな素敵な質問がくるとは…上条さんのクラスメイトさん空気読めてますよね御坂さん!!……ってあれ?」 元気よく話しかけたのはよかったが、話しかけられた美琴はまったくの無反応だった。 というかイスに座って舞台の方を向いたまま硬直している。 黒子「お姉様……?全然反応がありませんわね。」 黒子が美琴の右肩を掴んで軽く揺らしてみたが依然として動かない。 すると固法が仮説を建てた。 固法「……もしかして上条さんに彼女がいるかもと思って緊張しちゃってるとか?」 初春「ええー、御坂さんに限ってそれはないんじゃないですか?」 固法の仮説を聞いた初春だが、普段の美琴とギャップを感じ信じられなかった。 で、実際はというとこんなかんじだ。 美琴(か、か、か、彼女!?アイツまさか彼女いるの!?い、いや鈍感なあのバカに彼女がいるわけ……でもアイツは世界中を飛び回ってるわけでどこかで出会いがあったりとかしちゃって……) まさに固法の言う通り。上条に彼女がいるのかどうかが気になって周りの声なんて全く聞こえていなかった。 そして静まり返っていた会場内も友人sのように話し出し、だんだん騒がしくなってきた。 すると騒がしくなってきたことで少し落ち着いたのか上条はまた1つため息をついた。 上条「はぁ…やっぱりろくでもない質問だったな。よし……土御門、次の質問いこうぜ。」 上条は隣の土御門に方を向いて軽く笑いかけた。 だが土御門はそんなテンションじゃなかった。 土御門「上やん……言え。」 上条「は?お前何言って……」 土御門「いいから言え!!正直俺も気になる!!」 土御門はマジだった。サングラスがギラリと光る。 上条はそんな土御門に少し驚いたようだった。 上条「なんでそんなマジになってんだ……まあ別に言ってもいいけどさ。彼女なんていないし。」 美琴「ッ!!」 上条はさらっと『彼女なんていない』と言ったが美琴は思いっきり反応し、足がテーブルにぶつかった。そのせいでテーブル上のコップがひっくり返りかけた。 こういった反応は会場内の至る所で見かけられた。 美琴(いたた……そっか……アイツ彼女いないんだ…よかった……) 足に少し痛みはあったがすぐにそんなことは気にならなくなった。改めてはっきりと上条に彼女がいないとわかり安堵の表情を見せる。 だが安心したのもつかの間、すぐに次の質問が上条にとんだ。 五和「じゃ、じゃあ好きな人はいましゅか!?」 青ピに続いたのは本日上条に対し1番積極的な五和。 だが焦ったせいか噛んで『す』が『しゅ』になってしまい言い終わった後に顔が真っ赤になっている。 笑いが起こる会場、だが美琴は笑ってなどいられず再び硬直した。 で、上条はというと全く悩むそぶりもなく答えを出す。 上条「好きな人ねぇ……いないかな…?ていうか2連続で上条さんには全く縁のない恋愛系の質問ですか。って、痛っ!おいお前ら物を投げんな!!」 天然フラグ体質だというのに恋愛に縁がないなどとほざく上条、そんな彼には舞台下から何か物が投げつけられていた。地味に痛そうだ。 上条はそんなかんじで大変そうだが美琴は美琴で大変だった。 美琴(彼女はいなくて好きな人もいない、か。『好きな人がいない』ってのは喜んでいいのかどうか微妙なところね……) と、美琴が考えるのは『好きな人がいない』ということはまだ上条と付き合える可能性は十分あるが、現時点で上条は美琴のことをなんの意識もしていないということになるからだ。 これから先どうすれば上条に一人の女の子として意識してもらえるだろうか、美琴は複雑そうな顔をした後、顔を伏せ一人悩んでいた。 そんな美琴の様子を見た友人sは密かに話し始める。 まあ密かにといってもテーブルは丸いので美琴からは丸見えなのだが、顔を伏せて悩んでる美琴は奇跡的に気づいていなかった。 佐天「こんな御坂さん今まで見たことないよね。それだけ上条さんのこと好きなんだろうねー。」 初春「ですよね!にしてもどうやって協力しましょうか……私たちは直接上条さんと知り合いではないですから結構難しいですよね。」 婚后「それなら良い考えがありますわ。恋愛経験が豊富なわたくしが御坂さんに直接アドバイスを……」 固法「まあそれでもいいけど……婚后さん本当に恋愛経験豊富なの?」 婚后「ッ!!」 ピクッと婚后の体が動き、表情が硬くなった。 それを隣で見た湾内は大慌て、とっさに黒子のほうを向き 湾内「あ、あの、白井さんももちろん協力しますよね?」 黒子「え?」 湾内がこのタイミングで黒子に質問したことは、固法が微妙に空気を読めないことを言いやばい雰囲気になりそうだったのを防ぐナイスな判断だった。 しかし美琴と上条がくっつくことに元から反対の黒子は当然協力する気などない。 黒子「いやわたくしはお姉様と上条さんのことを応援する気は……」 佐天「当然しますよね!!なんたって御坂さんと白井さんは親友ですしもんね!!」 黒子「え、いや、確かにわたくしとお姉様の仲は良いですがそれとこれとは別…」 佐天の攻撃、佐天が言うことに黒子はすぐさま言い返そうとしたが 初春「いくらなんでも御坂さんと上条さんをくっつけようとしてる私たちを妨害したりしないですよね?」 黒子「う……」 続いて初春の攻撃、黒子は黙るしかなった。 固法「初春さん何言ってるのよ。白井さんがそんなことするわけないでしょ?むしろ喜んで協力してくれるわよね?」 黒子「………はい…もちろんですわ…」 『風紀委員(ジャッジメント)』の先輩である固法がとどめの一言、こうして黒子も半分強制的に協力することになった……はずだ。 それにしてもこんなので本当にうまく協力できるのか心配になる。 とりあえず友人sは作戦を立てつつ、役に立つかもしれないので他の人の上条への質問を聞くことにした。 レッサー「とりあえず質問しますけどどんなコスプレが好みですか?」 友人s(絶対役に立たないと思うんだけど……) 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の帰還記念祭
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とある魔科学の幻想創造~イマジンクリエイト~ 【本文】 プロローグ 第一章 第二章 第三章 第四章 【初出】 【著者】 【含有】 【あらすじ】 【解説】 【関連作品】
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説 1日目 おまけ 上条当麻は浮かれていた。 明日は女の子とお食事である。 モテない(と、思い込んでいる)リア条…もとい上条にとって、 たとえお礼という形であってもこんな「ステキイベント」滅多にない。(と、思い込んでいる。) 上条当麻は浮かれていた。 だからすっかり忘れていたのだ。今がすっかり遅い時間であることを。 現在、自分の部屋に入る3秒前。 お腹を空かせすぎた白いペット(?)に思いっきり噛み付かれる9秒前。 自分のおにぎり(あわせて210円・税込み)だけをどこかに落としていたことに気づく47秒前。 宿題のプリントがあることを思い出し、あわててやり始める3時間前――。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説
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8000番台 (全車引退) 8000番台(U-LV324L)は、1993年~1995年にかけて導入された大型ツーステップバス。 車両 1993年に、当時増備を続けていた7500番台(U-LV324K)と並行して導入が始まった大型ツーステップバスで、7500番台より少ない90台が飯能や浦和(2000年閉所)を含めて全営業所に満遍なく導入された。国際興業バスでは8501(U-LV324M)が淡路交通から転入するまで最長尺だった。このU-LV324Lという型式は今後の国際興業バスの乗合標準車として検討された結果、導入が決定したものである。 各営業所の最混雑地区を中心に運用され、特に赤羽では他型式とトレードしてまで赤53(赤羽駅西口-ときわ台駅)の運用を8000番台で固定させていたが、都県境を跨いだ転属は1999年の8046(川口→赤羽)まで行われず、使用地区で区別して導入した法則を頑なに守っていた。2003年に池袋の8001が除籍されたのを皮切りに次第に姿を消し、最後は飯能に集められたが、2009年に全車引退となった。 国際興業バス引退後は、7500番台とは異なり岩手県交通への移籍はごく一部に留まっており、大半がサンデン交通、川中島バス、関鉄グリーンバス、那覇バス、鹿児島交通(現・いわさきバスグループ)など日本各地へ散らばった他、海外輸出も見受けられる。 外観 8000番台で最大の特徴と言えるのが配属先によって中扉の形状が異なる点で、都内向けは4枚折戸、埼玉地区向けは引戸が採用された。この影響で定員も1名異なる(都内向けは79名、埼玉地区向けは80名)。都内では中扉を降車で使用することから時間短縮のために折戸が採用されたが、埼玉地区では中扉が乗車・前扉が降車で、降車時に運賃を支払うことから、埼玉地区向けの車両まで中扉を折戸で採用してもメリットが無い。 1993年式と1994年式は側窓が下部固定・上部引き違いのいわゆる「逆T字窓」で、側面幕も下部に設置されていたが、換気の面で問題があることから最終増備となった1995年式の8064からは通常のユニットサッシ(2段窓)へ変更、側面幕も上部へ移設されている。 内装 埼玉地区向けは引戸が採用されたことで戸袋窓が設置され、その部分に座席を配置していることで定員80名を実現させたが、折戸が採用された都内向けは乗降口の広さから定員79名と1名減っている。埼玉地区向けは整理券発行機などの機器を設置するスペースが中扉に確保されている。 1993年式・1994年式では背もたれの高いハイバックシートがビニールカバー付きで採用された。また1994年式ではそれらに加えて運転席の窓の上、各扉の側窓の下辺より上部まで黒塗りにされ、乗務員の名刺差しもフロントガラス左側へ設置された。このように8000番台では以前よりも乗務員の使いやすさ、乗客の見やすさを意識した配置に加え、黒サッシからの高級感を生み出すように設計された。しかし、ハイバックシートは運転席からの見通しが悪く乗降確認に支障が生じることから、1995年式より通常シートへ変更された。 1999年から特送専用車へ改造された車両は進行方向左側の座席が前扉〜中扉間を除いて2人掛けの座席に交換され、その座席にはシートベルトと背もたれに白いカバーが取り付けられている。 運用 各営業所とも、管内の最混雑路線を中心に投入されていた。特に赤羽導入分は赤53(赤羽駅東口ーときわ台駅)に集中的に回された。この赤53では、ワンステップバスが導入される前までは都内の他営業所から7500番台などとトレードしてまでも8000番台を確保し、独占運用が可能な状態としていたことは特筆に値する。 平成5年式 U-LV324L 社番 最終配置 登録番号 転属履歴 摘要 出入口表示 車検月 移籍先 8001 池袋 練馬22か6248 B→P 7 岩手県交通(除籍) 8002 赤羽 練馬22か6250 ←練 B→P 8 サンデン交通(除籍) 8003 赤羽 練馬22か6251 ←練 B→P 9 那覇バス(除籍) 8004 赤羽 練馬22か6252 ←練 B 那覇バス(除籍) 8005 志村 練馬22か6253 B→P 9 川中島バス→アルピコ交通(除籍) 8006 志村 練馬22か6254 B 9 川中島バス→アルピコ交通(除籍) 8007 志村 練馬22か6255 B→P 9 解体 8008 池袋 練馬22か6256 ←赤 B 9 サンデン交通(除籍) 8009 赤羽 練馬22か6257 B 9 那覇バス(除籍) 8010 赤羽 練馬22か6258 B 9 那覇バス(除籍) 8011 戸田 大宮22か2641 B→P 8 岩手県交通(除籍) 8012 戸田 大宮22か2643 B→P 8 岩手県交通(除籍) 8013 戸田 大宮22か2644 B→P 8 川中島バス→アルピコ交通(除籍)→海外輸出 8014 飯能 大宮22か2655→所沢200か・911 ←川 F 8 関鉄グリーンバス(除籍) 8015 飯能 大宮22か2656→所沢200か・912 ←川 F 8 関鉄グリーンバス(除籍) 8016 飯能 大宮22か2657→所沢200か・940 ←川 F 8 関鉄グリーンバス(除籍) 8017 飯能 大宮22か2658→所沢200か・922 ←川 F 8 関鉄グリーンバス(除籍) 8018 鳩ヶ谷 大宮22か2645 B 8 岩手県交通(除籍) 8019 鳩ヶ谷 大宮22か2646 B 8 川中島バス→アルピコ交通(除籍) 8020 鳩ヶ谷 大宮22か2647 B 8 川中島バス→アルピコ交通(除籍) 8021 飯能 大宮22か2648→所沢200か・943 ←鳩 B 8 海外輸出 8022 飯能 大宮22か2659→所沢200か・944 ←さ←浦 B→P 8 海外輸出 8023 飯能 大宮22か2660→所沢200か・947 ←さ←浦 B→P 8 海外輸出 8024 飯能 大宮22か2661→所沢200か・845 ←戸←浦 B→P 8 海外輸出 8025 飯能 大宮22か2662→所沢200か・840 ←戸←浦 B→P 8 海外輸出 8026 さいたま東 大宮22か2651 ←大 B→P 3 岩手県交通(除籍) 8027 さいたま東 大宮22か2652 ←大 B→P 3 岩手県交通(除籍) 8028 さいたま東 大宮22か2653 ←大 B→P 3 岩手県交通(除籍) 8029 戸田 所沢22か1186→大宮200か・936 ←飯 B 8 岩手県交通(除籍) 8030 飯能 大宮22か2654→所沢200か・941 ←西 B→P 8 海外輸出 平成6年式 U-LV324L 社番 最終配置 登録番号 転属履歴 摘要 出入口表示 車検月 移籍先 8031 池袋 練馬22か6450 B 8 サンデン交通(除籍) 8032 練馬 練馬22か6451 B サンデン交通(除籍) 8033 西浦和 練馬22か6452→大宮200か1508 ←練 特送 B→P 8 サンデン交通(除籍) 8034 練馬 練馬22か6453 ←志 特送 B 7 サンデン交通(除籍) 8035 鳩ヶ谷 練馬22か6454→大宮200か1363 ←志 特送 B 8 サンデン交通(除籍) 8036 赤羽 練馬22か6455 B 8 サンデン交通(除籍) 8037 赤羽 練馬22か6456 B 8 サンデン交通(除籍) 8038 赤羽 練馬22か6457 B 8→9 熊本電気鉄道 8039 赤羽 練馬22か6458 B 7 サンデン交通(除籍) 8040 赤羽 練馬22か6459 B 7 サンデン交通(除籍) 8041 戸田 大宮22か2788 B 8 海外輸出 8042 欠番 8043 戸田 大宮22か2789 B 8 海外輸出 8044 欠番 8045 さいたま東 大宮22か2790 ←戸 B 8 海外輸出 8046 飯能 大宮22か2791→練馬200か・・51→所沢200か1072 ←赤←川 特送兼用車バックアイカメラ装備 F 9 十和田観光電鉄(除籍) 8047 川口 大宮22か2792 特送兼用車 F 9 十和田観光電鉄(除籍) 8048 飯能 大宮22か2793→所沢200か・948 ←川 FP 8 八戸市交通部(除籍) 8049 欠番 8050 飯能 大宮22か2794→所沢200か・723 ←川 バックアイカメラ装備 F 8 八戸市交通部(除籍) 8051 鳩ヶ谷 大宮22か2795 B 8 サンデン交通(除籍) 8052 鳩ヶ谷 大宮22か2796 B 8 サンデン交通(除籍) 8053 鳩ヶ谷 大宮22か2797 B 8 サンデン交通(除籍) 8054 鳩ヶ谷 大宮22か2798 B 8 海外輸出 8055 さいたま東 大宮22か2799 ←浦 B→P 8 海外輸出 8056 さいたま東 大宮22か2800 ←浦 B→P 8 海外輸出 8057 さいたま東 大宮22か2801 ←浦 B→P 8 海外輸出 8058 鳩ヶ谷 大宮22か2802 ←西←浦 B→P 8 海外輸出 8059 さいたま東 大宮22か2803 ←大 B→P 8 海外輸出 8060 さいたま東 大宮22か2804 ←大 B→P 8 サンデン交通(除籍) 8061 さいたま東 大宮22か2805 ←大 B→P 8 海外輸出 8062 さいたま東 所沢22か1317→大宮200か・938→練馬200か・???→大宮200か1414 ←志←さ←戸←飯 B 8 海外輸出 8063 鳩ヶ谷 大宮22か2806 ←西 B→P 8 海外輸出 平成7年式 U-LV324L 社番 最終配置 登録番号 転属履歴 摘要 出入口表示 車検月 移籍先 8064 池袋 練馬22か6592 B→SE 4 サンデン交通(除籍) 8065 西浦和 練馬22か6593→大宮200か1509 ←練 特送 B 九州産業交通 8066 練馬 練馬22か6594 B 12 九州産業交通 8067 赤羽 練馬22か6595 ←練 B→SE 12 海外輸出 8068 志村 練馬22か6597 B 海外輸出 8069 志村 練馬22か6598 B→SE 4 サンデン交通(除籍) 8070 志村 練馬22か6599 B 4 サンデン交通(除籍) 8071 赤羽 練馬22か6600 B→SE サンデン交通(除籍) 8072 赤羽 練馬22か6601 B 1 サンデン交通(除籍) 8073 赤羽 練馬22か6602 B→SE 1 サンデン交通(除籍) 8074 飯能 大宮22か2920→所沢200か1120 ←戸 特送兼用車バックアイカメラ装備 B 5 海外輸出 8075 戸田 大宮22か2921 B 5 いわさきバスグループ 8076 戸田 大宮22か2922 B 5 いわさきバスグループ 8077 川口 大宮22か2923 F 5 いわさきバスグループ(除籍) 8078 川口 大宮22か2924 F 5 いわさきバスグループ 8079 川口 大宮22か2925 F 5 いわさきバスグループ 8080 川口 大宮22か2926 F 5 いわさきバスグループ 8081 鳩ヶ谷 大宮22か2927 B 5 いわさきバスグループ 8082 鳩ヶ谷 大宮22か2928 B→SE 5 いわさきバスグループ 8083 鳩ヶ谷 大宮22か2929 B 5 いわさきバスグループ 8084 鳩ヶ谷 大宮22か2930 B 5 いわさきバスグループ 8085 さいたま東 大宮22か2931 ←浦 特送兼用車バックアイカメラ装備特送 B 1 秋北バス(除籍) 8086 さいたま東 大宮22か2932 ←浦 特送 B 1 いわさきバスグループ 8087 飯能 大宮22か2933→練馬200か・257→所沢200か1132 ←練←西←浦 特送兼用車バックアイカメラ装備特送 B 1 海外輸出 8088 西浦和 大宮22か2934 ←浦 B→SE 1 いわさきバスグループ 8089 さいたま東 大宮22か2948 ←大 特送 B 4 いわさきバスグループ 8090 戸田 大宮22か2950 ←さ←大 SE 4 いわさきバスグループ 8091 戸田 大宮22か2951 ←さ←大 B 4 いわさきバスグループ 8092 飯能 所沢22か1412 特送兼用車バックアイカメラ装備特送 B 5 海外輸出 8093 西浦和 大宮22か2952 B→SE 5 いわさきバスグループ FrontPage 車両配置状況 8000番台
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とあるえむおとこのこい【登録タグ KAITO takanonP と 曲】 作詞:takanonP 作曲:takanonP 編曲:takanonP 唄:KAITO 曲紹介 裏takanonPの本領発揮なドSホイホイソング。 歌詞 (作者ブログより転載) 君のいない金曜日 携帯鳴らし音を聞いてる 四回目のコールであら!? 電源を切られた 放置プレイもいいけど やっぱどこか繋がっていたい 帰ってきて怒られるの 正座して待ちましょう あと少し 何を仕掛けておこうこの部屋に 「お仕置きね」 多分君は言ってくれる なんでもいいよ 痛いのも 熱いのも 肉体労働 ソレも一石二鳥 買い物もいいね 布団? 鏡? 冷蔵庫? 惚れたほうが負けなら ずっと僕の負けでいい 何気ない生活に潜む 僕の被害妄想 リアルさに欠けてるかな だけど期待している 遅れてきた君が言う 僕が起こさない所為だって そんな約束してない だけどしたことにしよう 明日は どんな理由で詰られるのかな 思い切り無茶な理由つけていいよ 世界が羨む 僕の素敵な女王様 縛って踏んづけて 僕を逃がさないでね 見えない鎖で 二人繋がってるなら 指切りもいらない 僕がずっと追いかけるよ 大好きなんです 痛いのも 熱いのも 縛って踏んづけて 僕を可愛がってね ありえない時間に 呼び出して困らせてよ 僕は君のもの ずっと思い知らせてよ コメント 女王様はメイコのような気がするのは私だけ・・・? -- 名無しさん (2009-03-18 23 07 06) 私はミクのような気がする← -- うp主を目指して挫折した人 (2009-04-20 01 57 25) 作者がそう宣言・示唆していない限り該当しそうな女性ボカロに当てはめる必要はないと思っています -- 名無しさん (2009-04-20 11 11 32) もしかしたら恋人は人間かもしれないしね -- 名無死 (2009-10-18 09 37 05) 何を言う!!女王様は私だ!! -- 名無しさん (2010-04-08 10 42 51) 女王様は皆じゃないか?…とか言ってみる。 -- 名無しA (2010-04-08 13 44 46) ↑2 乙。 -- 名無しさん (2010-06-17 23 02 13) 女王様はレンだろwwwJK -- 名無しさん (2010-08-07 06 36 46) 誰でもよくない?いい曲なんだし -- さき (2010-09-04 11 08 37) メイコかルカだと思う -- 名無しさん (2013-09-30 00 10 17) M男の一途っぷりに泣いた。 -- 阿保 (2013-09-30 21 10 03) ルカ姉様かね? -- 名無しさん (2014-08-07 22 53 14) 名前 コメント
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『とある都市(まち)の超能力者(レベルファイブ)』 【本文】 『プロローグ』 『第一章 悪魔と修道女 Dark_White_And_Bright_White』 Ⅰ Ⅱ 【初出】 2010/04/05 Part7にて連載開始 【著者】 7-865(トリップなし) 【含有】 独自設定 【あらすじ】 【解説】
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このwikiは「汝は人狼なりや?」というチャットゲームに関連したものです。 そのチャットゲームを楽しめるサーバーのひとつである「るる鯖」に存在する「ひとつの配役だけ」に焦点を当ててみました。 当wikiは るる鯖で人狼ゲームやってみた!14D猫っていう村があるけど、参加してみたいな 14D猫に参加してみたけど、難しいよ… 14D猫、ゲームにはついていけるけど、感想戦で上手い人達が話してることよくわかんない… といった感じの方達へ向けたことをつらつらと書き綴らせていただいております。 村の傾向上、できればるる鯖で11Aや12Bなど、他の配役を一通りやって、 それぞれの配役である程度の技術(内訳の把握であったり、状況の把握であったり)を身に着けている方向けになっております。 でも慣れるとすっごく楽しいんですよ!!!14D猫は!!!みんなやろうぜ!!! 開催されている人狼サーバー:「汝は人狼なりや?」るる鯖 ※おことわり 当wikiを管理している者はるる鯖での経験しかありません。 当wikiに掲載されていることも全て「るる鯖の14D猫」に言えることなので、 他鯖にて同じような配役があったとしても、このwikiは100%役立たずです。ご了承ください。 また、戦略はあくまで管理者が思うもの・管理者と交流のあるプレイヤーから聞いたものがメインです。 るる鯖における全14D猫プレイヤーが同じ戦術をベストと考えるわけではありません。 あくまで意見のひとつとしてご覧ください。 管理者 とあるPL(るる鯖の14D猫によく出現するとある人狼プレイヤー) 特徴:強弁(らしい)
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とある古い森で 「はい、これは題名の通り古泉×森さんの話です。二人の関係にオリジナル設定入ってます。」「また全部が台詞ってんじゃねえだろな。」「そこは大丈夫です。」「そうか。んじゃ、スタート。」 そこはとある古い森。 の中のある小屋。 そこには、二人の男女が住んでいました。 「園生、ご飯ができましたよ。」 と、喋りかけるのは幸せそうな細い目をしたなかなかのイケメンです。名を古泉一樹と言います。「持って来て~。」 と、そう甘えるのはかなりの美人です。写真集でも出せば一週間以内で重版しそうなくらいです。名を森園生と言います。 まあ、緩みきった顔で甘える姿もそれなりにくるのですが、古泉はそれも気にせず、というより毎日見てるのでそういう気も起こらないのか、普通に抱き起こします。「えっち~。えっちえっち~。」 どうやら胸を触ってしまったようです。しかし、古泉は恥ずかしがりもせず、「園生、冷めてしまいますよ。」「む~、じゃあ食べる~。」 なんなのでしょうこのベタ甘っぷりは。砂糖吐きそうです。 そんな感じの日々を過ごしていた二人に、ある日異変が起こりました。 突然古泉の中に流れ込んでくる情報。「なんだ、これ……閉鎖空間……? 涼宮ハルヒ………世界の崩壊?」「一樹、何が起こったの? 一樹?」 始まる非日常の予感。いえ、確信。 「古泉一樹です。能力者です。」「森園生です。後方支援員です。」 『機関』へ入った二人。実は森さんは素手で熊を殺せるくらい強かったりします。 そうして、危険ながらも意外と充実した日々を送りつつ、「一樹、危ないっ!」「園生、ありがとう。」「あ、一樹……」「園生……」「そこのバカップル! こっちの手伝いしろよ!」 相変わらず、ベタ甘でした。 「なあ。」「何でしょうか?」「もう、お腹いっぱいです。」「残念でした♪」「うう、むかついても殴る気力も無い……」 それから三年。古泉は、とある県立高校に転校することになりました。「いやー、一樹ももう高校生かあ。」「一ヶ月前からじゃないですか。しかも、転校しますしね。」「……ねぇ、そろそろ敬語やめない? 年の差なんて気にせずにさ。」「残念ながら、性分なもので。」「むぅ。」 古泉はそういうキャラなのです。もし古泉が敬語じゃなくなったらとある魔法使いになりたかった巫女さんみたく自らの無個性さにうちひしがれたことでしょう。 またある春の日。「ねぇ一樹。楽しい?」 突然、森さんが聞いてきます。「楽しいですよ。」 何のことか分からないままでも、古泉が答えます。「生きてて。」 ひどい森さんです。「急になんですか。」 あまり動じない古泉も、ある意味すごいのかもしれませんね。「だって、最近一樹忙しそうだし、休みの日はSOS団で遊んでるし、構ってくれないんだもん」 寂しかっただけですか。「ふう……」 とため息をつく古泉。そこから始まる、べったべったのあっまあま。 まず、古泉は足を開いて体育座り。森さんをその足の間に入れて、準備完了です。森さんもう逃げられません。古泉は、まず首から攻めることにしました。「い、いつきぃ、だめぇ……」 と恥らう森さん。そんな姿を見せられるともっといじめたくなるのが男の性。古泉も例外じゃありません。「園生、大丈夫です。存分に、可愛がってあげますよ。」 おもむろに、わきばらに手を這わせ、そのまま手を動かす。こしょこしょこしょこしょこしょ。「あはははっ! あひゃははひゃはひゃはは!」 それから数時間、笑い声は絶えなかったとか何とか。 ………なんで古泉なのにいい目を見るんでしょうかね。 「……勘弁してください。」「止まらない止められない♪」「どこまでいったら終わりなんだ。」「どこまででしょうか?」「早くしてくれ。」 それからゆっくりと時は過ぎ、べた甘な二人はお互いを愛し続けました。 めでたしめでたし。 「ってこれで終わりかーーーーーーッ!!!!!!」「そんなわけ無いでしょう。あんなフリやっておいて。では、第二部っぽいもの、スタート。」 夏休み直前のある日。 古泉が、神妙な顔をしていいました。「園生、ちょっと頼みたいことがあるのですが。」 その顔は、まるでロバに乗ったナポレオンをもとに白馬に乗っている絵を描けと言われた画家のようでした。普通に話すと、それ自体は名誉なことだけれども手段がこずるいというかなんというか。絵を描くのはいいけどロバを白馬に変えるのはちょっとなあ……みたいな尻込みのようです。「何、一樹?」 古泉は、覚悟を決めた顔で、話しました。「メイド……メイドに、なってもらえませんか……?」 壮絶な告白。相手がよく知った森さんだったからまだセーフかもしれませんが、普通はアウトです。ていうかこれでも十分アウトです。「……………………………………………………一樹って、そういう趣味………?」「違います! 違うんですよ! SOS団で合宿しましょうってことを提案して、そこでの役割ですよ!」「……ふうん。……ふぅーん。見たくないんだ。」「そんなことは無いです。見たいです。見させてください。」「ほんとにー?」「本当です。」「じゃあ、おきがえたーいむ。」「微妙にろれつまわってませんよ。」 数分後。 そうして現れたのは、一分のすきも無くメイド服を着こなした森さんでした。 その姿はまるで本職の方のように完璧に似合っています。 まるで一幅の絵のようです。 「…………園生、あなた神ですか?」「あら一樹、よく分かってるじゃない。」「まあ置いといて。これは本当に似合ってますね……」「ふふん。まだまだ若いってことよ。」「その台詞が歳くってますけどね。……ギブギブ! 首はダメ!」「貸し一つね!」「結構ノリノリだったくせに……はいすいませんもう言いません。」 こうして、森メイドは誕生しました。 またある冬の日。 古泉は、少し焦った様子で森さんに電話をかけました。「何よ、一樹。不思議探索中じゃないの?」「園生……すいません。朝比奈さんが攫われました。」「……あんたがいながら何やってんのよ。」「言い訳させてもらうと、朝比奈さんと『彼』が二人でいたときに敵対勢力に攫われたようです。」「ふーん……新川ー。車出してー。」「お願いします。」 その後、古泉に対する怒りは全て敵対勢力の少女にぶつけられたとか何とか。 そういう風に、二人は過ごしていました。 突然超能力者になっても、二人の仲は変わらずに。 それは、どんなに稀有なことでしょうか。 きっと、運命とか前世からの縁とか、そういううそ臭い台詞が似合う二人は、これからも仲がいいのでしょう。 めでたしめでたし。 「…………………やっと終わった………」「いやー、名作でしたねー。」「明らかに自分でつくったもの見てそういう言葉を言えるお前は凄い。」「いえ、だって、これ園…森さんが作りましたし。」「……ノンフィクション?」「……ほとんど。」「………なあ、硬くて重いもの無いか? いい具合に人を撲殺できそうなの。」「まあまあ落ち着いて。暴力は何も生み出しませんよ。だから落ち着いて。そして頼みますからその大きく振りかぶった硬くて重いものを降ろしてください!」「ゴートゥーヘル♪」「いやぁぁああああっ!!!!」 「めでたし、めでたし。」「全然めでたくないですよ!」
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「驚いたか?すごいだろう?まだ他にもあるぞ、肋骨が6本しかないかわりに鎧板みたい になってたり、動脈だけじゃなくて静脈にも筋肉がまきついてたり、各関節に何種類か新 しい筋肉がくっついてたり」 彼は、本当に嬉しそうに、誇らしそうに、 「つまり俺の身体は、おまえがとばした経験の無い構造をしてるんだよ」 ……呆れるしかなかった。 「そもそもあなた、人間じゃなかったんですのね、これは私ともあろうものが、まんまと 想像の範疇を越えさせてしまったものですわ。そういえば数年前、人間の遺伝子を非合法 なレベルまでいじくり回したとかでガサ入れられた研究所がありましたけれど、ははあ、 まさかその実験体があなただったとは、よく今まで拒絶反応に耐えて生きてきましたわね ……」 「いくら現実逃避したいからといっても、勝手に人を悲劇の主人公化しちゃうのはやめよ う。僕はそういうのよくないと思う」 咎めるように空の拳銃を向けてくる黒山。 その部品の一つ一つを爆散させ、銃そのものを無数の針のような弾丸となして浴びせか けるという暴挙に出たとき、私は40メートル上空のビルの屋上にいた。 いくつものガラスが破片となって舞い落ちる音が、屋上を素通りして夜の空へと去って いく。ビルが揺れているようにさえ聞こえる残響が、ビル街の谷を満たして消える。 もう語る言葉も無い。なんだ、あの耳は?あれでは計算式を『浸透』させることなど不 可能だった。それに目に見えない身体のそこらじゅうにも、私が『ぶっ跳ば』した経験の ない構造があるらしい。どうしようもない、側頭部にもう一対聴覚器官のある人間の解体 新書など、どこにあるというのだ。 一つ確かなのは、黒山をコンクリートの中へでも『ぶっ跳ば』しておとなしくさせる、 という(望み得るかぎりでは)穏便な手段をとることができなくなった、という事実だ。 あんな、私の構造把握能力の“範囲外”をゆくブツをくっつけられていたのでは、無理矢理 通常の人間として『ぶっ跳ば』そうとしても無理だ。11次元的概念を通過させる邪魔に なってしまう。 それにさっき――銃を爆破して飛び道具にするというとんでもない行動――の爆発。鉄の 塊を粉々にできるほどの威力を生み出せるとなれば、コンクリート漬けにした程度では拘 束の意味はないかもしれない。ヤツの爆発には指向性爆破という非常識極まりない特性が あるのだ。……くそ、そんな威力が出せるなんて、知らなかった。ヤツにとっては、アン パイアの仕事など片手間にでもこなせるものだったらしい―― ビルが揺れるような断続的な音が響く。やめだ、これ以上の思考は無意味。態勢の立て 直し、休憩時間としても長すぎた。実際には数秒しか経っていなかっただろうが、それで も、あいつ相手に油断は命取りだ。即時決定、動き出せねばならない。 これよりの戦闘手段は金属矢や周囲の物体での飛び道具を直接『割り込ま』せるという 通常の一級攻撃方。状況によっては自分の身体そのものを標的の肉体に『割り込み』させ る、という禁じ手の使用も止むを得ない。 断続的な音。頭のなかで心得ながら、屋上の端まで移動しようとする。下の黒山を観察 しなければ。脳内の活動視野を読み取れるのでもないかぎり『跳び』先が分けるなどあり えないはずだが、さっきのこともある、慎重に、覗いて、 断続的な音。 数年知り合ってきた人間が見せる、さまざまな“裏切り”、その衝撃に一時的な機能不全 を引き起こしていた私の頭がやっと危険信号を認識したとき、すでにヤツはすぐ側まで迫 っていた。 断続的な爆発音。それは真下から響いていた。 それに伴うビルの揺れ、その震源は着実と接近――上昇してきていた。 ツインテールを宙に残す勢いで、夜の空を振り仰ぐ。 真っ赤な、人の形をしたエネルギーの塊が、夜の空から見下ろしていた。 目を奪われる時間は許されなかった。 ほとんど動物的な本能によって跳び避けたところへ、黒山らしき物体が落雷の疾さで急 降下、突き刺さる。 その間に、さらに隣のビルへと逃げ延びている私の慌てようが愉快なのか、赤い光体は 肩を揺らしながら、 「話は最後まで聞こうぜ、テレポーテーター。せっかくアドバイスしてやろうとしてんだ からよお」 弾切れしたときの消沈した調子からもとに戻って、学園都市を敵に回すと豪語した時の 高慢な口調。だがそんな姿で語り掛けられても応答のしかたがわからない。 赫赫(カッカク)。明るく激しく輝く様子。その言葉はこの物体のためにあった。屋上の 隅々までが赤く染めあげられている。夜の黒が赤に塗り替えられている。今にもドロリと 溶けだしそうな鉄のように透き通った、強烈な赤色。 爆発系の能力者が発生する起爆源、『焦点』。黒山はその現象を体表にしか現せられない という極めて稀異な能力者だが、その見た目は不穏に揺らめく不審火のようなものであり、 その範囲も、一度に展開できるのは両肘と両膝に相当する面積程度のものであったはずだ った。 しかし、太陽が人間の形をしたようなこの姿はなんなのだ。 「よーし、さっきの続きだ。俺をとばせない理由は、俺の身体がおまえの把握できない構 造をしているから、というのは理解したな?じゃ、次の疑問。どうして、文字どおりの“瞬 間”移動であるはずのおまえの攻撃を、俺は予測・回避することができるのか――」 危険だ、フェンスと10メートルほどの谷間をはさんでいながらも、私は計算式を追加 して退路を増やし、じりじりと後退る。あの疾さ、数秒でビルの壁を駆け登るのはまだい い、爆圧で体重を生み出したのだろう、それならまだ平常だ、見たこともある、しかしそ のあとの急降下、あれは危険だ。目が追い付かなかった。脳神経系を学園都市でも最高の テクノロジーで強化されている大能力者の動体視力と反射神経を越えている。連射される 銃弾の方がまだ可愛げがあった。 「うん?俺のこの輝きっぷりが気になるか?いや、俺もさっきできるようになったばっか りなんだけどな、まあそれはいい。ちゃんと聞いてるか?どうして行動が読まれるかだぞ? 有り難いアドバイスだぜ?まあ、まどろっこしかったならすまんな、単刀直入に言うか、」 するといきなり、黒山は輝きを強めた。爆発の予兆。 爆発したのは、黒山ではなくフェンスの方だった。 一瞬、私は自身を光粒子に変化させる光学系能力者を思った。まるでレーザーだった。 目にしみる赤光の直線な尾を引く黒山は合成樹脂製のフェンスを一瞬で食い破ると、自分 の巻き起こした衝撃波より速く私の目の前にいた。 迷わず、退避 しようとした時、黒山の言葉が聞こえた。 「目で、わかるんだよ」 退避先に向けていた視線が、ギクリと振り返る。 一つの原色で輪郭以外が塗り潰された、笑う赤鬼―― 私はその間になんとか発動された計算式によって『跳んで』いた。再びビルの谷の底。 上から、大気の引き裂かれる音がした。 『なぜ俺はおまえの行き先がわかるのか』 『目でわかるんだよ』 上を見た。 真っ赤に灼熱した小型の隕石が、壁一面のガラスにひび割れの波を作りながら翔んでき ていた。 たまらずに逃げ出す。斜めに突っ込んできた黒山の方向へ20メートルを『ジャンプ』、 墜落の勢いに引っ張られ、地面を叩きながら遠ざかる赤い光にむかって矢を一本『ぶっ跳 ばす』。 しかしその時、すでに黒山の目はこちらをむいていた。動体視力も効く程度に減速して いたらしい。かるがるとかわされる。 私はそれ以上の連射をあきらめ、退避――しようとして、すでに詰められてしまったのを 悟った。 たしかにあいつは目の動きによって予測できるらしい。しかし、それが判明したからと いって根本的な問題は解決されない。私が現在デフォルトで使っている計算様式において、 視線の方向は11次元を計算処理するうえでは変更できない確定要素であり、つまり私は その場所へ目を向けることなく移動することができないのである。視線を用いないタイプ の計算式の心得もないではないが、とても実戦で使える練度ではない。 もう、逃げも隠れもできないのだ。 覚悟を決めた。金属矢の残り本数を確認する。右腿に5、左腿に7。 ――認めさせてやる。私の力を。 両手手の指の間に4本ずつをはさみ取り、残りの3本も手の平に握って計算式を展開す る。 自分と黒山とのあいだに生まれる、数十の『ジャンプ』候補。人知を越えたスピードの 黒山を、この網の目に引っ掛けられるかどうか、包みこめられるかどうか。すべての勝負 は数秒にかかっていた。 まだ地面を後向きに滑り続けていた黒山が、身をかがめる。攻撃態勢に入る。 激増する光量。 『焦点』が告げる最終警告。 その時、十九学区の一角に存在するビル街は、ありったけのクラスター爆弾と全方位コ メットレーザーの蹂躙をうけた。 空間という空間がつぎつぎと爆砕され、ありとあらゆる建造物がはじけとんだ。赤色の 光の柱が何本何十本何百本と明滅しては、地面を、壁面を、縦横無尽に串刺しにしていっ た。地の底からゆさぶられる廃ビル街。それらすべての現象が、一人の生命体が破天荒な 軌道で通り過ぎたあとにできた残響にすぎないということを理解するのは難しかった。 風の速さで迫る、破壊の津波たる赤い光柱の乱立。それが私に押し寄せるまでの数秒の あいだに、すべてが終わった。 手の中に残っていた金属矢の最後の一本が地面に落ちる。 カラン、と転がる乾いた音。 私の頭蓋骨は、黒山の右手に後ろから鷲掴まれていた。 ▼ 手のひらから生み出された爆発によって紙屑のように圧縮する頭部、へし折られる頸椎。 指の背に爆発させた圧力によって掴み潰され、指肢と骨の白い破片の侵入をうける脳髄。 恐怖の入り込む隙間もなく、容易に想像できた。今、自分の生命は、文字通り黒山の手 の中にあるのだ。 短い、肺まで届かない呼吸が連続する。体じゅうの皮膚が、冷たい汗にうすく包まれる。 だが頭ではもうほとんど理解していた。 黒山には、私に負傷させるつもりなど、最初から、全く、微塵もなかったのだと。 廃ビルの街は再び夜の底に沈み、静まりかえっている。 「正直、」背中から、心底うんざりした声が届けられる。「こんなに長く“戦闘”を続けさせ られたのは、おまえが初めてだよ。おとなしく俺の弾に撃たれていればいいものを、ちょ こまかと動きまわりやがって」 うんざりしたような、あきらめきったような、苦々しく渋るような、渋々ともったいぶ るような、そんな声。いつもの黒山だった。 まだ頭を固定された状態でいるために、私は背中を向けたままで答える。 「心外ですわね。むしろ貴重な経験をお積みさせてあげたことに感謝してほしいくらいで すわ。大方、30秒間以上一人の人間と交戦し続けたことなんて一度もないんじゃありま せんの?」 「ふん。余計な心配してもらう必要はねぇ。今までこれで十分間にあってきてるよ。そん な経験値、弾を使いきってしまった損害を差し引けば大幅マイナスだ」 「あの状況であんな状態のあなたの意図を察しろというのが無茶ですわ。私に透視能力を 期待してもらっても困りますの。本当に撃ち殺されるかと思いましたわよ」 「失敬な。俺はいつだってのっぺりと生温かなハートを絶やさない男だぞ」 その言葉に、私は打ちのめされる。 全くの一人相撲だった。本気なのは私だけだったのだ。そして、最後まで傷つけないこ とを考えていた手抜きの黒山に、あらゆる意味で完全に敗北した。 ほそく、震える吐息を、できるだけ細く吐き出して、言葉をしぼりだす。 「……やはり、あの弾は麻酔弾だったんですのね……」 背後の黒山は口を閉ざす。 「……ここまできても、こんな状況ですらも、あなたは手を抜いていたんですのね……」 「あー……うーん……」煮え切らない声に乗せて、頭を掴んでいる手がゆるむ。 私はそれを咎めるように、黒山へ頭を押しつける。するとそれに比例するようにして、 自分の体から力が抜けていってしまう。思えば、この半日は休みなしで働き通しだ。 このまま彼の手に体重をまかせてしまいたい。普段では考えられもしない無防備な願望 の浮かんだ自分に、呆然とした驚きを覚える。だが今なら、彼は何も言わずに受けとめて くれそうな気がした。頭を掴まれて、ぶら下げられて、吊り下げられたままで居させてく れそうな気がした。 人を殴るため、人に暴力を与えるために変形し、適化し、特化した、何百という人間を 殴ってもヒビ一つ入らない、もはや凶器の存在としての腕。その甲殻類めいた感触を受け る頭部に、しかし私は、まるで居間で眠りに落ちかけている子供を許す親のそれに近いも のを感じる。 実際、ここで私がなにかの理由で――疲労でも、緊張から解放された反動でもなんでもい い――意識を失い、倒れ伏してしまったなら、彼はちゃんと安全な場所へ運んで寝かせてく れるだろう。右前腕と右肩、そして脇腹に負った負傷も気にせずに。 固定された視界のすみで今もポツポツと震えながら広がっていく血溜りの源泉となって いるのは、彼の体から生えている金属矢だ。 無我夢中で握った手汗とともに『ぶっ跳ば』された単体元素の無骨な金属の凶器は、今 や真っ赤な流血にその身を潤している。 あの最後の正面衝突のとき、私はついに黒山の戦闘方法を見抜いた。幅30メートルの 反復上下左右跳びでUFOとUMAの境界線を飛び交い、一発、二発と直角に私の攻撃を かわしながらも一定の速度で接近する運動を見て、気付いたのだ。あの不規則は、膨大な 経験から導きだされた規則によって完璧に計算し尽くされたものなのだと。 彼は、戦闘の一切を、全てが統べて、予測していたのだ。 戦闘の合間合間に生まれる数秒のインターバルの中で標的の目的を完全に見抜き、行動 を把握し、膨大な戦闘経験に基づいて次の予測行動と自分の行動計画を一瞬で立ち上げる。 あとはそれに従って、自らの能力が成し得るかぎりのスピードをもってして破壊を実行す るのだ。たしかに彼は視線から私の『ジャンプ』先を予測することはできるのかもしれな い。加えていくらかはリアルタイムでの修正もあるかもしれないが、それはあくまでも補 助、補強にすぎないのだろう。 人間の反射神経が追い付いていけないのは当然だ。黒山本人は、反射行動というものは ほとんどとっていなかったのだから。コンピューターでの出題にワープロで回答する形式 のテストを考えればいい。普通ならばいちいち問題を読解し、回答文章を構成して出力を しなければならない。しかし彼は、最初の問題がでた時点でつぎに出てくる問題の方向が 分かっている。二つめの問題がでた時点では、プログラムが組み合わせる数百通りの順列 のなかから、すでに数十先の問題内容までが把握できる。なぜなら彼はそのテストをもう 何度もクリアしたことがあるし、問題の順番を決めるプログラムの仕組みを知っているか らだ。そして彼にとっては解答の意味する言葉すらも特定の意味を持たず、出力されるべ きただの情報の連なりにしかすぎない。自分の肉体というキーボードを相手に、ディスプ レイを顧みることもなく、ひとえに速さだけを考えて一連のキーをぶっ叩く。そんな人間 に、まともな方法でかなう者はいない。 現に彼は言った、こんなに長い間の戦闘は経験がない、と。それはそうだろう。力のか なわない敵にはそもそも挑戦するという愚を犯さないし、たとえ圧倒的複数の標的が相手 でも、数十秒の戦闘シミュレートさえ立ち上げられれば、その間に全域を沈黙させ終えて いるに違いないのだ。 驚くべき――いや、諦観すべきはその演算のパワーとスピード、判断材料(データ)とな る戦闘情報の収集力、それにそれらすべての基盤となる戦闘経験の膨大さだった。 そして絶望すべきは、その力をもってして彼の起こした行動だった。 彼の戦闘方法を見抜いた私は次に放った必殺狙いの十発のうち三回を命中させた。一方 の彼は怯むことなく私に接近して背後をとり、決定的な王手を突き付けただけで私を武装 解除させたのだ。 私が見破ることすら、計算のうちだったのだろうか。負傷をかえりみず私を無傷のまま 打ち負かそうという意志こそが、結果的に私を無傷で打ち負かすことすら、計算のうちだ ったのだろうか。 いずれにせよ確かなのは、私は最後まで黒山の思い通りに負け切り、そして一切の傷を 負わなかったということだ。 いつのまにか、黒山の手は“掴んでいる”のではなく“置いている”状態になっていた。そ して明らかに、私の頭を撫でていた。慰めていた。 平常であれば最高の侮辱と受けとる行為だったが、私が思ったのは『最後に人にこんな ふうにされたのはいつだっただろう』というようなことだけだった。 そうしていた時間は、長いと言うなら長かったし、短いと言えば短かった。 沈黙は、背中から破られた。 「なあ、おまえさ、」どこか、ふっきれた感じのする声だった。 「強くなればなにかすごいことができるとか、強ささえあればなんだって簡単に成し遂げ られるとか思ったことはないか?思ってたりしないか?」 我に返る。全く黒山大助らしくない台詞だったのだ。気付くべきだったのだが、さっき の戦闘のときの偽悪的な立ち回りのような、典型的でありきたりな口調や、わかりきった 綺麗事を偉そうに説教するなんてまねは、黒山にとってはほとんど嫌悪の対象だった。一 度など、任務中に殴り倒したスキルアウトがもう悪いことはしないと嘘には見えない様子 で言ったのを、ありきたりでムカつくと言って締めあげ、もういちど竹林で修業して出直 してこいとわけのわからないことを叫んだことがあるほどだ。 その彼が、どうやら一家言うとうとしている。 ようやく、思い出す。 ようやく、思いはじめる。 『ちょっとデンジャーな状態だった』 彼ここで暴れていた、というそもそもの原因はなんなのか。 『俺は、学園都市から離反する』 そして彼は、何のためにそんな行為を働こうとしているのか。 どうやら彼にとってはかなり重大な話らしい、言葉を選ぶ。 ――とはいえ、短時間で答えの出るような問いではなかった。 「……あいにく、明確な返答は持ち合わせておりませんわ」 「そうか。――まぁ、そうか」 そこで、自分を自覚したようだった。 少し力加減をかえた調子で、 「なあ、ちょっとだけ俺の話聞いてろよ」 そこから彼は一気に言葉を続けた。まるで、一つの言葉も言い残すまいとしているよう だった。 「強さってのはな、目的じゃないぞ、あくまで手段なんだ。そのことを覚えていろよ―― って言いたかったんだが、まあ、大して重要なことじゃぁない。大事なのは具象だな。そ ういうわけで、さっきのおまえとの戦闘からのアドバイスだ。とりあえずはおまえ、視線 を媒介にしない計算式を、予備用程度でもいい、習得しろ。次はとばしの原点だな、おま え、手に触れないとうまくとばせないだろ?靴や服ならイッチョマエにとばせてるんだ、 全身どこからでも自在にとばせるようになれ。少なくともモモのホルダーからは直接確実 に、手と同等になるまでだ。三つめに、おまえの戦闘スタイルはがむしゃらすぎる。せっ かく生身で神出鬼没ができるんだ、一撃必殺なんて狙わないでいい、もっとヒットアンド アウェイを心がけろ。体が3次元に割り込む際の風切り音もどうにかした方がいいな。耳 で分かるヤツなんかにとっては、視線以上に恰好の攻略方になるぞ。“学び舎”に請求しと けよ、フクロウの毛皮で服を作れって。あとはこんぐらいの運動は息ひとつ乱さないぐら いに基礎体力をしこたまつけとけ、って言いたいとこけど――」 まあ、いいか。 ポン、と置きなおされる手。 次に続く言葉を、私は信じられない想いで聞いた。 「馬鹿強くなったなぁ。シライ、クロコ。ピーピー泣き喚いてた頃とはえらい違いじゃな いか――」 そして、つけ加えられた言葉。 「これなら、安心して第七学区を預けられるな」 とっさに、私は振り返ろうとした。察知したからだ。 黒山は、今そうして私を止まらせなければ、すぐに消えてしまっていた。 黒山の硬い指の感触が食い込んでくる。力を込められた手の触れる頭の中を、たった今 与えられた言葉がかけめぐっている。馬鹿強くなったな、シライクロコ。強くなったな、 白井黒子。 震える。――強くなったな。 震えてくる――白井黒子。フルネーム。 震えが沸き上がる。 ――これなら安心。あとはよろしく頼んだぞ 「どうしてっ――!」 あんな台詞を吐いたのはわざとに決まっていた。私を動揺させた隙に逃げ出そうとして いたのだ、確実に。 しかし、私は自分でも恥ずかしくなるような声を出すことしかできない。 「なんでッ!何のためにそこまでするんですの!正気じゃありませんわ!どんな目的のた めに、そんなッ、馬鹿げてっ!」 私は何を言っているのだろう。がむしゃらに黒山の手を振りほどこうとしている自分。 何をそんなに焦っているのだろう。 なにも言い返してこない黒山が、なぜこんなにも、泣きそうなほど腹立たしいのだろう。 「今ならまだ間に合いますのよ!もう定期連絡の時間ですの!あと20秒で初春に連絡を 入れないと、初春はウスハ先輩にあなたのことを知らせるんですのよ!学園都市を敵に回 して、無事でいられるはずが」 「無事で済ますつもりなんて、最初からない」 ブシュッ――と音がして、血にまみれた金属矢が地面に転がった。 私は金縛りにあったように停止する。 「もちろん、死ぬつもりもないさ――」安心させようとする声で、黒山。「加えて、俺がと るべき最善の中には、殺人は含まれてはいない。安心しろ。ここでおまえが俺を取り逃が したとして、おまえが白黒な行事に参加する羽目になるようなことは絶対に起こらない。 約束する」 赤く色づけられた金属矢がコロコロと転がっていく。黒山の体内にはまだあと2本残っ ているはずだった。金属矢をのぞいた黒山の体だけを、頭に触れる手から『ぶっ跳ばし』 てみようとするが、やはり計算式が適応されない。ため息をついてあきらめた。 「……無理ですわよ」私は小さく答えた。「あんなアドバイス、もらうだけなら簡単ですわ よ。でも、そう簡単に実行できるはずないじゃありませんの」 「それなら、だいじょうぶだろう」安堵した様子で、黒山は、「目的地さえ知ってしまえば、 おまえは、速いさ」 そして彼は、私から手を放した。 彼の手は、私から離れていった。 私は、動かない。振り向かないように努力していた。しばらく掴まれていたせいで、や けに頭が涼しい。風が抜けていく。そんなことに意識を向ける。 「ち、ちょっと――」しかし、やはりこれだけは聞かずにはいられなかった。「まだ、私の 話は終わっていませんわよ」 「なんだ、第七学区最強の風紀委員さん」黒山は、答えるつもりで応える。 私は背後に聞く。 「だから――」すこし気恥ずかしさを覚えた。ごまかすために一気に言う。「あなたがこん なことをする理由」 すこしの間、いつにもまして渋るように、 「ちょっと一緒に里帰りしてもらいたいヤツがいて、な」 その瞬間、私はついに振り返っていた。が、すでに黒山は飛び去った後だった。誰もい ない空間を振り返る髪が、拡散する爆風になぶられる。 廃ビル街を、無数の爆発音がコダマしていた。私の手は自然に携帯の電源を入れていた が、これではもう、音声解析をしても黒山の行方の特定は不可能だろう。 私はべたりとその場に座り込み、そのまま爆発の残響の漂う夜の街に身を浸した。 思う。その身に赤い光をみなぎらせ、あらんかぎりの力で跳躍を繰り返しているであろ う黒山大助を思う。 『ちょっと一緒に里帰りをしてほしいヤツがいて、な』 思わず、笑ってしまいたくなる。 今、彼は生まれてはじめての感情の中にいるのだろう。 その人のためならば、何でもできる。他はどうでもいい。世界も、他人も、自分さえも。 命すら惜しくはない、むしろ捧げたい、投げ出したい。私は詳細に箇条書きできる。なぜ ならその感情は私も体験しているからだ。 笑える。最後の最後に口を開いた黒山の、それが世の中に溢れるほどありふれた、しか し微笑ましいほどに純粋な理由だったとは。 最初は、そうだ、留年生だ。黒山は留年していた。本当にいるんだ、留年する人なんて。 次はクレイモア、アーミィ、セカンドウエポン。学徒出陣計画のグレードに、学園都市離 反宣言。そして猫の耳を持つ、『ぶっとばし』不可能な肉体構造。異常な輝きを放つ焦点。 さらには行動の全てを読み切り反射神経の限界速度を越える黒山の戦闘方法――戦闘の完 全予測(シミュレート)。 それらの最後の最後に、一緒に里帰りしてもらいたいヤツが、ときたもんだ。 黒山大助。おまえ、はっきり言っちまえばよかったのに。ありきたりなのは嫌いだって のは知ってるけど、さっきならけっこう様になってたよ。それに、女ってのはそういうの に弱かったりするんだよ。 だから、はっきり言ってしまったらよかったのに。 好きな女のためだ、ってさ。 まぁいい。私はスカートを払って立ち上がる。 今から志を果たすにせよ半ばで挫折するにせよ、私はまたおまえに戦いを挑んでやる。 今度は第七学区の最強なんてチンケな肩書きを求めてではない。おまえという存在を超越 する証を求めてだ。命をかけて戦うという時に非殺傷武器を用い、その弾が尽きてすら意 志を曲げず、結果的に無傷で負けさせる人間に、私はかならず勝ってみせる。いつになる かは分からないが、そうだ、おまえも言った。目的地を知った私は、速いさ。 だから黒山大助、そのときまで絶対にくたばったりするんじゃ 電話が鳴った。 初春からだった。 「たった今、黒山先輩の全情報が、消失しました」 書庫(バンク)からも、 先輩の高校の名簿からも、 第七学区風紀機動隊からも、 住民票からもです。 「今、この世には、黒山先輩の存在を証明するものが、ひとつもなくなりました……」 初春はそれから約3時間のあいだ、ボロボロの雑巾のような姿に変わり果てて眠る黒山 が発見されるまで、ひとつの言葉も発さなかった。 ▼ そのコマンドは、遠くはなれたコンピュータールームから発された。 十九学区のいたるところに張り巡らされた盗撮カメラは、グレード5候補であるグレー ド4+の戦闘も余すことなく監視していた。その14器のうち10器は一方の候補、識別 名称クレイモアによる巻き添えを受けて破壊されたものの、生き残りたちは決着を知るに は十分な情報を自分達の親玉に送っていた。 結果、判断された事実―― テレポーテターの戦意消失による、クレイモアの圧勝。 および、クレイモアの学園都市への明確な離反意志の確認。 これにより、黒山大助の情報は次のように動かされた。 対群衆鎮圧用人型兵器クレイモアはグレード5、つまり学徒出陣計画の最上級へと格上 げされ、同時にその存在の情報秘匿度もランクAからランクAAへ移項。 しかし直後に、学園都市に背く危険因子として認定。その全存在を抹殺するべく、電子 回路の中を無数の命令が駆け回る。 第一七七支部。デスクに突っ伏し、時折肩を震わせる初春飾利の目前のディスプレイに 変化があらわれる。 散らかすようにして引っ張り出されたウィンドウ――とある高校の生徒名簿、黒山大助の 名前で検索を試みられた書庫の検索画面など――の隙間に、それらにのしかかられ、挟まれ るようにして、ひとつの名簿がある。学園都市の全風紀委員をグレード別に表示した、文 字と背景の黒白だけの味気ない名簿。 その一番上に表された、グレード4+の二人の階級が変化する。 『白井黒子 テレポート グレード4+』から、『4+』の数字が消され、 『白井黒子 テレポート グレード4』 そして『黒山大助 クレイモア グレード4+』は、 『黒山大助 クレイモア グレード5』 しかし直後、全風紀委員の頂点に君臨した名前は、個人の姓名でも能力名でもない単語 へと変化する。 『VIOLATION』――反逆行為。 そして一瞬の後には、その文字すら跡形もなく消え去る。