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Top ガンダム総合スレ 「 蒼の残光」 第10章-1. 10.「蒼の残光」 リトマネン一党に対する哨戒活動を続けさせていたルロワ提督が幹部を招集したのは一 月十七日の事だった。 ユウがアイゼンベルグ、イノウエと共にブリーフィングルームに入った時、既にブライ トもスキラッチも中で待機していた。ユウは軽く一礼して席に着いた。 「何か判ったんでしょうか?」 秘書官として出席を許されたシェルーが小声で訊いてくる。ユウは無言で首を振った。 実際にそれ以外の理由で臨時召集などかかるはずはないが、では何が判ったのか、それは 全く知らされていなかった。 あるいは知らないのは自分だけかもしれない。ユウは思った。今自分はルロワやホワイ トから信用されていない。情報漏洩のリスクを軽減するためにユウへのリークを極力遅ら せる事はするかもしれない。 予定の時間になり、ホワイトが口を開いた。 「――今日集まっていただいたのは、当然ヤン・リトマネンとアクシズ残党の動向につい て、新たに判明した事実を伝えるためであります」 聴衆側にスキラッチがいる事に配慮してか、ホワイトは最低限の敬語で話し始めた。 「信頼すべき筋からの情報として、彼奴等の目指す進軍ポイントが判明しました」 スクリーンに宙域図が表示された。地球周辺のエリアだった。その中の一点が赤く光っ てポイントされた。 「地球圏?」 ブライトが声を出した。その位置は地球に程近く、周辺にはコロニーも軍事的な施設も 存在しない。 「そう、彼奴等はここを目指している。ここは現在の針路の延長線上にあり、その点から もこの情報は信頼に足ると判断している」 「その信頼できる筋とは、どのような関係なのか?」 スキラッチの質問は当然のものだった。それに対するホワイトの回答は同じく予想でき るものだった。 「残念ですが、それを明かす事は出来ません。連邦に対し善意を持つ者、とだけはお答え しましょう」 「……ふむ。それで、そこで何を始めると?」 「そこまで掴む事はまだ出来ていないようです。しかし、いくつかの標的を類推する事な ら可能です」 ユウは既にいくつかの標的について見当をつけ、可能性を検討していた。衛星軌道上に あるレーザー通信衛星を破壊して情報網を破壊するか。同じく太陽光発電衛星(サテライ ト・パワープラント)を狙うか。それとも――。 「直接地上の施設を狙う、なんて事もあるんですかね」 アイゼンベルグが挙手と共に発言した。ルロワやホワイトが答えるより早くブライトが 否定した。 「いや、それは無理なはずだ。以前ティターンズがグリプス2を地球めがけて照射した場 合の被害を算出したが、ほとんど衛星軌道上に近い位置まで近付いても深刻なダメージは 与えられない、という結果が出ていたはずだ。それならばコロニーを直接落としてしまっ た方がはるかに確実だと言う。そうでしたよね?」 ユウもその話は聞いた事がある。大気を覆う雲や水蒸気、塵の影響は彼らの想像以上に 大きく、超長距離から宇宙艦隊を壊滅させる巨大レーザーもその熱量の大部分を吸収、拡 散され、地表に到達する破壊力は到底費やされるエネルギーに見合うものではないという。 もちろん、エネルギーを吸収した大気の温度は上昇し、気候や気象に大きな影響を与える が、ブライトの言う通りコロニーを直接落としてしまう方が遥かに安価かつ効果的である とされていた。 ブライトの言葉にルロワも頷いた。 「そう、コロニーレーザーと言えども根本は光学兵器、宇宙から地上へ照射すれば大気に よる減衰は免れん。しかし――」 ルロワは一度言葉を切り、一同を見渡した。全員が後に続く言葉をそれぞれに予想して いるのを見て、再び言葉を継いだ。 「極めて短時間の連射が可能であれば、つまり、一発目のレーザーで大気中の水蒸気を飛 ばし、それが再び戻る前に二発目を正確に同じ場所に撃ち込めれば、地表までその力を運 ぶ事が出来るかもしれん」 全員が息を呑んだ。ユウやブライトのような歴戦の古強者ですら眉が跳ね上がる事を止 められなかった。 「もちろん大気は一発目で激しい気流を起こし二発目をピンポイントで標的に当てる真似 は不可能だろう。しかしその熱量は確実に大地を焼き山を抉る事だろう。海に落ちれば大 規模な水蒸気爆発と共に津波を引き起こす」 その場にいる、特に地球出身の者たちの脳裏に共通の光景が浮かんだ。故郷の地、その 上空から巨大な光の柱が落ち、町も、畑も、一瞬にして消失する。後には真っ黒に焦げた 大地だけが残り、人を含めた生物はその痕跡すら残さず蒸発して……。 「そんな事は許さん!」 『韋駄天』フランク・カーペンター大尉が烈しい口調で吐き棄てた。彼のように態度には 出さずとも、この場にいる全員の総意だった。 スキラッチがこの場をまとめるように口を開く。 「ルロワ提督、事実だとすれば事は一刻を争う。早急に出撃の準備を整える事を進言す る」 ルロワは頷いた。 「スキラッチ中将の言う通り、事は巧遅より拙速を尊ぶ。今より三時間後、全軍を挙げて 出撃、敵艦隊殲滅及び多連装コロニーレーザーの破壊を行う」 各艦艇には糧食、医薬品、弾薬など必要物資の搬入が急がれていた。ジャクリーンら整 備チームもMSの運搬を忙しく指示している。 そこにアイゼンベルグとシェルーが近づいてきた。 「お疲れ様です、少尉。これ、どうぞ」 シェルーがジュースを差し出した。ジャクリーンはそれを受け取る。 「ありがと。ユウは?」 「先に奥さんの様子を見てくると言ってました。その間はアイゼンベルグ大尉が隊長代行 です」 「ルーカスが?」 ジャクリーンはアイゼンベルグをちらりと見た。 「大丈夫なの?」 「たいした信頼だな、おい」 アイゼンベルグが笑いながら言った。 「まあ小隊の再編成なんかはもう終わって連絡も済ませてるからな。後は間違える馬鹿の 尻叩くくらいしかやる事はねえ」 「そうでしょうね。それで、サンディは何しにここへ?」 「私は資料運びです。中佐の書類は私しか正確に把握している者がいないので」 「ところでジャッキー、お前さんは今回は同行するのか?」 ジャクリーンは首を振った。 「今回は留守番よ。機体整備は終わらせてあるしあとは各艦のクルーに任せてあるわ。そ れより、どう?勝てそうなの」 「わからん」 アイゼンベルグはあっさりと答えた。 「ただ、勝てなきゃかなりの大事になるわな。コロニー落としと同レベルの災害をエネル ギー充填さえすれば何度でも引き起こせる史上最悪の兵器の誕生だ」 「本当に可能なんでしょうか。コロニーレーザーを連射して地上を破壊するなんて」 シェルーの質問には二人とも沈黙した。 「どの程度の被害になるかだな。正直に言うが俺はコロニー落としの被害を直接見たこと はないんだ」 「私もないわ。月生まれだし、地上勤務の経験もないからね」 映像としては消失したオーストラリアの一部やその衝撃波の被害を見たものの、そもそ も地上というものを実感した生活をしていないのでどこか他人事のような感情しか湧かな い。その意味ではサイド7からの難民を経験し、その後は地球で生活していたシェルーの 方が戦争の悲惨さを体験しているという点で想像力が働くかもしれない。 「まあ、勝つための作戦は提督連中が考えてくれるさ。運がいいことに連邦じゃ一番まと もな指揮官も来てるんだしな」 「戦争で勝つのも大事ですけど、皆さん生きて帰ってきてくださいね。ご遺族への通達を するのも辛いんですよ」 シェルーの言葉にアイゼンベルグは驚いたような顔貌で彼女を見たが、すぐに破顔して 彼女の背中を叩いた。 「なあに任せておけ、きっちり勝ってきっちり帰ってくるさ。伊達に十年こいつで飯食っ てるわけじゃないって所を見せてやるよ」 ジャクリーンも何か言いかけたが、声に出さずに止めた。シェルーはそれには気づかず、 時計を見ると暇を告げた。 「もうこんな時間。大尉、そろそろ各隊の巡回に」 「ん、そうか」 「それではこれで失礼します、少尉。お邪魔しました」 「……ええ、それじゃ、頑張ってね、ルーカス」 シェルーが一礼して立ち去っていく。アイゼンベルグもそれに続いたが、その直前、 ジャクリーンの肩に手を置いて言った。 「安心しな、隊長は死なねえよ。死なせやしねえさ」 ジャクリーンはピクリと肩を震わせ、軽く目を閉じた。 「…………ありがとう」 「これから出撃する。すまんがもうしばらくここで養生していてくれ」 ユウはマリーに告げた。 マリーの体調はほとんど回復していたが、また出撃中一人にして倒れられてはと心配で 任務に集中できない。マリーもそれを承知しているから素直に頷いた。 「悪いな、出来ればお前についていてやりたいのだが」 「気にしないで、ユウ。あなたと暮らすと決めた時にもう判っていた事よ」 「すまん」 マリーは笑った。 「あなたはいつも私に謝ってるわね。悪い事なんてしていないのに」 「そんなに謝ってるかな?」 「そうよ。プロポーズの言葉を覚えてる?『すまないけど一緒に地球に来て欲しい』だっ たのよ。それにグリプス戦役で半ば勝手に宇宙に上がる時にも私に謝っていたわ。正しい と信じてるなら謝らなくてもいいのに」 ユウは苦笑した。 「俺は俺の判断が全面的に正しいと思った事は一度もないよ。今まで誰にも言った事はな いがな」 「そうなの?」 意外だった。 「先の事を見通す事など俺には出来ないからな。スペースノイドのお前を空気がきれいな わけでもない地球に連れて行く事が正しい事なのか判らなかったし、グリプスの時は正義 がティターンズにない事は自信があったが、それでも万が一負ければお前は戦争犯罪人の 妻にされる。俺のせいでお前の人生が狂うかもしれん」 マリーは軽く声を立てて笑った。 「笑うとはひどいな」 「ごめんなさい。でも自分が正しいと思うなら迷わないで。私はそれについて行くから。 これは本心よ」 「……すまん」 「ほらまた」 ユウは再び苦笑した。 「だが、ありがとう。楽になった。この前の調子だとお前はこの戦いにあまり賛成してい ないと思っていたからな」 「……あの人たちの主張は間違ってないと、今でもそう思ってるわ。でも、もうあんなや り方が通用する時代じゃない。あの人たちは亡霊なの。時代に取り残された亡霊。誰かが 呪いを解いてあげなくては」 「その結果奴らが死ぬとしても?」 あえて訊いた。 「それでも、死ぬことも出来ずに彷徨い続けるよりはいいと思う」 「……そうか」 ユウは踵を返した。 「そろそろ行かないと」 「行ってらっしゃい」 マリーはユウの後姿に向けて言葉をかけた。 「ユウ……これで終わるのよね?」 ユウは立ち止まり、答えた。 「終わらせるさ……この戦いはな」 ユウは最後にマリーの顔を見た。泣いているような微笑を浮かべていた。 これより六時間前。 アラン・コンラッドは部隊配置の最終確認を行っていた。モニターを見つめ、想定され る攻撃ポイントの宙域図に敵の予想配置をポイントした画像に修正がないか再考する。 実際にはこの行為にたいした意味はないのだ。彼我の戦力差は歴然であり、この巨大兵 器を運搬するためにデブリなどの密集した、守りに易い宙域を通っているわけでもない。 地上になぞらえれば、攻城兵器を運んで見晴らしのよい平地のど真ん中を通るようなもの だ。敵の数は圧倒的に上、自分は虎の子の兵器を守るために半分以下の戦力で正面から戦 うしかない。そこに戦術の付け入る余地はない。 (つまるところ頼みはオリバーのサイコミュしかない……か) アランはおかしくもないのに笑いの発作に襲われた。人が手に武器を持つ事を覚えて以 来連綿と研磨され続けた戦略戦術、それよりもたった一人のきわめて個人的な資質の方が 遥かに戦況を左右すると言うのだ。士官学校で学んだものは何だったのだ? その時、仮の執務室のドアが開き、オリバー・メツが入ってきた。 「アラン、まだ仕事をしていたの?」 「ああ、ここが最後の難関だからな。いくら慎重でも過ぎると言う事はない」 「そうだね」 オリバーは迷いなくソファーに向かって歩き、座った。調度品の位置は完全に記憶して いた。 「――あの作戦はもう動いてるの?」 オリバーの質問にアランは少し渋い顔をした。無論オリバーにその顔は見えないがその 内心を読み取って入るかも知れない。 「もう既に潜入に成功しているはずだ。――オリバー、本当にいいのか?」 オリバーは声を上げて笑った。 「やっぱりやめよう、と言ってももう間に合わないんだろ?」 「……ああ」 「いいよ、もちろん。だって、この戦いに勝つのにどうしても不可欠なパーツなんだ、そ うだろ?」 「そうだ」 それは間違いない。この作戦には幾つかの必須要素があり、今二人が話している『作 戦』は当初の予定にはなかった。しかし、彼らの想定を遥かに超えた敵手の存在が彼らに この作戦の追加を決意させる事になった。 「それに、ユウ・カジマにも一泡吹かせたいからね」 オリバーの笑みが歪んだものになった。アランはその笑みに危ういものを感じながらも、 言葉にする事は控えた。 「アラン、もう一度言うけど奴は僕の獲物だからね」 「判っている。だから今はゆっくりと休んでおけ。お前の力は急速に成長しているが、そ れでも万全でない状態で勝てるほど甘い相手ではないぞ、『戦慄の蒼』は」 あえて異称で敵手の名を告げたのは、ユウへの警戒を今一度喚起するためである。いま やその異称はあの『赤い彗星』や『連邦の白い悪魔』にも匹敵する畏怖をこの残党軍全員 の心に刻んでいた。 オリバーも素直に頷いた。 「そうだね、少し早いけど、休ませてもらうよ。アランも根を詰めすぎないで」 「ありがとう」 オリバーが部屋を出るのを見届けると、アランは再びモニターを注視した。 マリー・ウィリアムズ・カジマが病院から誘拐されたとの報がもたらされたのはユウが 妻を見舞った三十分後、出撃まで一時間を切った時だった。 「一体どう言う事だ!?警備兵は何をやっていた!」 「B地区、C地区、発見できません!」 「港だ、港を封鎖しろ!!」 司令部を怒号が飛び交っていた。 シェルーは隣に立つユウの横顔をそっと見上げた。ユウは表情こそ落ち着いていたが、 顔は蒼白で両手は固く握り締められていた。 本来なら舞台の最終点呼を行っているべき時間である。軍人の家族は常に最高のセキュ リティによって守られている。軍人とはそれだけで敵を作る存在であり、最も恐れるのは 自分ではなく家族に危害が及ぶ事である。家族の安全を保障する事は組織としての軍隊を 纏め上げる絶対条件であり、これが崩れれば戦場での勇猛など期待する事は出来ない。 今、その根幹が揺るがされているのだった。 「中佐、きっと大丈夫です」 気休めにもならないと知りつつ、シェルーが言葉をかける。ユウは何か返事を返したが、 その声は小さくてシェルーには聞こえなかった。 「よりにもよってこんな時に!」 ホワイトが毒づく。それは基地内の総意だった。 「港で不審な宇宙艇が発進シークェンスに入っています!」 オペレーターの報告も怒声に近い。モニターに宇宙港からガイドラインに乗る小型艇が 映し出された。その小さな窓に、青い髪が確かに見えた。 「誰が許可した!」 「む、無断で発進しようとしています。停船命令にも従いません!」 「止めろ!発砲も許可する」 この指示とも言えぬ扇動は現場に直に伝わり、待っていたというように一斉に銃を構え る連邦軍歩兵の姿が確認された。 先に発砲したのは小型艇の方だった。当然のように歩兵小隊も応射し、一年戦争時です ら戦場とはならなかったジオン共和国首都の宇宙港は銃火によって蹂躙を受ける事になっ たのだった。 その間にも小型艇はガイドライン上に乗り上げ、リニアモーターによる加速を開始して いた。 「前を塞げ!絶対に通すな!」 共和国の港湾警察が駆けつけ、船の針路を塞ぐべくガイドライン上にパトロール艇を横 切らせた。 小型艇は速度を緩めなかった。船それ自体の推力にリニアモーターの加速を乗せてパト ロール艇の横っ腹に突撃を敢行した。 パトロール艇は中央から船体を二つに折られ、船の残骸と化した。小型艇はほとんど傷 も負わず、再加速に入った。 「改造されているのか……!」 「リニアモーターがなぜ生きているんだ?なぜ電源を切らない!?」 質問の答えは誰も答えなかったが、同時に誰もが気がついていた。 内通者がいる。 軍施設である病院に意図も簡単に潜入し、拉致を敢行した手際のよさ。小型艇をまでの 逃走ルート。そしてガイドラインへの止まらない電源供給。事前に彼らを手引きし、協力 した人間がいる。それが軍内部とは限らない。病院と言えども全ての労働力を軍関係者で 運営するわけではない。清掃、食料や医薬品の搬入などは軍が契約した民間業者である。 もちろん人物照会は厳重に行われるが、ここは旧ジオン公国の首都であり、極論すれば現 在宇宙に散らばるジオン残党の誰とも一切の面識がない者など皆無だった。 ユウがマイクのそばに近づき、整備ドックを呼び出した。 「ジャッキー、大至急BD-4を降ろしてすぐに使えるようにしてくれ」 ジャッキーの表情は悲痛だった。 「――無理よ、ユウ。今から降ろしてたらとても間に合わないわ」 「なら今すぐ出せる戦闘機を用意しろ――いや、いい。艦から直接発進する。固定だけ外 しておいてくれ」 そう言うや司令部を出ようとしたユウをルロワの声が止めた。 「その出撃は許可しない」 振り向いたユウの顔貌には表情というものがなかった。シェルーが思わず「そんな!」 と声を上げたが、自分の立場を思い出すことに成功しそのまま口を閉じた。 ルロワは努めて冷静に告げた。 「今の艦隊は出撃準備が最優先だ。その動きを遅らせる行動は許可できない」 ユウの声も冷静だった。 「連中の行動には何らかの意味があるはずです。でなければこのタイミングで家内を誘拐 などする必要がありません。阻止行動は作戦の一環と考えます」 「果たして、本当に誘拐なのか?」 ルロワの短い言葉は、しかし爆弾のような衝撃をその場にいた全員に与えた。ユウは無 感情な声のまま問い返した。 「家内が自分の意思であの船に同道していると?」 「その可能性を除外しないという事だ。全ての辻褄が合うとは言わないが、少なくともい くつか、他に説明のつかない問題が解決する」 「…………」 ユウは無言で司令官と対峙した。傍にいたシェルーは殺気に近いものを感じ、この寡黙 な上官に対し初めて戦慄を感じた。 「不審船、港を出ました」 「哨戒艇が外を回っているはずだ。そいつらで止めろ!」 「速すぎます!これは小型艇のスピードじゃない!」 オペレーターと指揮を執る歩兵大隊長のやり取りがまるで遠くのように聞こえていた。 やがてオペレーターの絶望した声が聞こえた。 「……目標、見失いました」 ルロワは目を瞑り、深く息を吐いた。そして目を開けると、ユウに告げた。 「ユウ・カジマ中佐。貴官の奥方は敵方の手に落ちた。そこに当人の意思がどう関ってい たかはここでは無関係だ。重要なのは貴官にとって重要な人物の生殺与奪が敵の手に握ら れているという事だ」 「…………」 「この状況で貴官を戦場に連れて行くわけにはいかん。貴官は一時的にMS隊隊長の任を 解き、我々の監視下で基地内に待機してもらう」 「提督!それはあんまりです!」 異議を唱えたのはシェルーである。先程は自重したが、ついに我慢できなくなったのだ。 「隊長自ら奥様を助けたいはずです。それに隊長がいなければあの新型MSに乗る指揮官 やNTと戦えないのではないですか?」 「そうだ、中佐の実力は傑出している。それ故に戦場には出せんのだ」 「何を――」 言いかけてシェルーは沈黙した。マリーを人質に取ったアクシズ残党がその命の保証と 引き換えに寝返りを命じた時、ユウはどうするだろうか?ただでもあのNTと互角に戦え る唯一のエースが参戦しないだけでも厳しいのに、さらに敵に回られたら如何に数で勝ろ うともMS戦で優位を取ることは不可能にさえ思える。それはシェルーよりむしろ実際に 戦場でユウを知るものの方が強く感じているはずだ。 ルロワは周囲に向けて命じた。 「ユウ・カジマ中佐を監視下に置く。中佐は執務室で待機、基地に残る者は交代で見回る ように――誰か、中佐を執務室に連れて行け、銃は取り上げろ」 ルロワの命令は粛々と実行された。しかし、この命令を理不尽と思わないものは一人と ていなかった。 マリーを乗せた小型艇――正確にはそう偽装された高速戦闘艇が着艦し、マリーが運び 込まれた。マリーは薬物で眠らされ、全くの無抵抗のまま担がれていた。 「隊長、連行いたしました」 「ご苦労」 アランは短く返事し、それから念を押すように 「手荒な真似はしていないだろうな?」 と訊いた。部下はその声の低さに一瞬脅えたような表情を浮かべたが、すぐに 「ハッ。薬を打つまでに抵抗されましたが、取り押さえる以上の事は行っておりません」 「そうか。よし、ご苦労だった。間もなく戦闘が予想されるが、それまで休め。飲酒も許 可する」 部下を下がらせると、後ろを振り返りオリバーを見た。 「最後に聞いておく――本当にいいんだな?」 「うん」 オリバーの返答には躊躇いがなかった。しかしその返答は逆にアランを不安にさせた。 「もう後戻りはできないぞ」 「マリオンもきっと判ってくれるよ」 アランは諦めたようにため息を吐いた。 「……判った。では予定通り進める」 それだけ言ってオリバーの元を離れ、司令部のリトマネンに報告しに向かった。 アランがやろうとしている事は一言で言えば、マリオン・ウエルチの強化処置だった。 NTの力を失っているマリオンに薬物投与と催眠誘導により強化人間としてNTの能力を 復活させる。 そしてその能力をコロニーレーザーの照準に使うのである。 彼らの計画は既にルロワらが推察している通りだった。コロニーレーザーの最大出力連 射により大気の層を突き破り地表に深刻な破壊を与える、まさにその一点にあった。ルロ ワらは狙いが多少逸れても地上に届くだけで成功と結論付けたが、彼らはより正確に ニューヤーク市の巨大な像を中心とした半径二・五キロの範囲を一瞬にして蒸発させる計 画を立てていた。 しかし、一撃目で大気は高熱を帯び、気流が乱れコンピューターでは予測不可能な屈折 率の層を作り出す。その条件下で初撃から五秒以内での修正を行うため、彼らはサイコ ミュ技術を転用、コロニー一基当り二十八の制御用ロケットの操作をNTの精神波で行う という荒唐無稽ともいえる計画を立てた。言わば、コロニーレーザーのサイコミュ兵器化 である。 当初この制御にはオリバーが就くことになっていた。唯一のNTであり、彼の存在を前 提にしたシステムとも言えたが、同時にそれは残党軍でも最大級の戦力である彼と彼のM Sが当然予想される防衛戦に出撃出来ない事を意味する。これはただでさえ数に劣る残党 軍にとって深刻な問題であった。しかも、作戦の実行段階になって敵の中に恐らくは現在 この宇宙でも五指に数えられる『戦慄の蒼』がいた事は、オリバーを巨大兵器の砲手とす るこの計画をさらに危ういものにした。そこで、マリオン・ウエルチを強制的に味方とし、 彼女にコロニーレーザーの照準を行わせるという代替案が提出された。提案者はオリバー である。 しかし、短時間での強化処置は人格や記憶を破壊するリスクを格段に増大させる。まし てこのサイコミュは実践データもなく、オリバーにあわせて調整されていたためマリオン に予期せぬストレスを与える懸念もあった。もしそうなればマリオンはもはやマリオンで はなくなる。 アランには、今のオリバーがその意味を本当に理解しているか疑問だった。 リトマネンはマオと一緒だった。リトマネンはアランに気づくと軽く手を上げ傍に招い た。 「首尾よく事が進んだようだな」 「御意」 「いい報せがある。この一件でユウ・カジマが拘束、軟禁されたようだ」 「ユウ・カジマが?本当ですか」 事実ならば大きな朗報である。これで事実上彼やオリバーに対し一対一で勝利しうる者 はいなくなった。いるとすればアムロ・レイが戦場に現れた場合のみだろう。 しかし、あまりにも情報が速すぎる。マリオンを誘拐した部隊が帰還してまだ三十分と 経っていない。情報が高速艇を追い越している。ミノフスキー粒子がほぼ最高濃度のこの 宙域でどうしてそのような事が出来るのか。 「確かな筋からの情報ですよ、コンラッド隊長」 スティーブ・マオが慇懃な口調で請合った。つまりこの情報はマオからもたらされた、 という事になる。 アランはこの件で深く追求する事をやめた。マオがどのような人脈を持っているにせよ、 今は自分達に有用に働いてくれている事に違いはない。こういう男は勝ち続けている限り 協力を惜しまないものだ。 「これは確かに朗報です。『戦慄の蒼』なき連邦艦隊など烏合の衆、我が軍の勝利は揺る がぬものとなるでしょう」 「アランよ、お前がそこまで断言するとは珍しいな」 リトマネンが珍しく軽口を利いた。アランは殊更真面目に 「これほどの好機、なお悲観論、慎重論を振りかざすはむしろ士気を落としましょう」 マオが声を立てて笑った。アランはそれには構わず 「それでは私は持ち場に戻ります。閣下は全軍の掌握をお願いいたします」 そう言ってアランはその場を立ち去った。 ズム・シティを出発したルロワを筆頭とする連合艦隊は間もなく戦場に到着しようとし ていた。旗艦『ハイバリー』では、ユウに代わりMS隊の指揮を委ねられたルーカス・ア イゼンベルグが通信回線を開き、MS隊に最終的な訓示を垂れていた。 「いいか、俺は『お前らを生きて帰らせる』なんて事は言わねえ。生きて帰りたきゃ自力 で生き残れ」 いきなりとんでもない言葉から始めたが、言い方こそ違えど、これはユウがよく言って いる事である。ユウにとって職業軍人とは有事に死ぬために生かされてる存在なのである。 「だが忘れるな、この戦いに負ければ確実に軍人以外に数える気もおきねえような死人が 出る。アースノイドならその中に身内や友人が混じる奴も多いだろう。中には顔貌も見た くねえ奴も死んでくれるかもしれねえがな」 軽口にも反応はなし。隣にいたイノウエが目だけを動かしてルーカスを睨み、彼は小さ く肩をすくめた。 「……とにかくだ、てめえの命惜しさに逃げ回っても、死ぬ必要のない連中が大勢死ぬっ て事だ。生き延びるなら戦って生き延びろ。それが軍人として税金で無駄飯食ってる俺達 の唯一許された生き残り方だ!」 訓示を終えてMSデッキに戻ったアイゼンベルグはドリンクを片手に愛機のコクピット に潜り込んだ。 「あー……やっぱり俺は柄じゃねえ」 つくづくそう思った。 二十年前から軍人として生きてきて、いろいろな上官の下で働いた。中には後ろから射 殺したくなるような無能もいたし、逆にいつかこうなりたいと純粋に憧れるような高潔の 士もいた。今彼の上官となる男は極度の無口でシニカルな男だったが、偏屈でも変人でも なく、戦場では最も頼りになる戦士だった。その強さ故に数少ない言葉にも説得力があっ た。 自分にはそんな説得力も、人徳もない。中隊規模の部下を相手にするのがせいぜいで、 こんな大部隊、それも複数の艦隊が集まった混成部隊の指揮をする日が来るなど想像して いなかった。 ちらと周囲を見回した。ユウのBD-4はない。彼の軟禁が決まると整備士のジャク リーンは即座に彼の愛機を艦から降ろし、ジムⅢを積み込むよう指示した。 「いくら高性能でも誰も扱えない兵器を積んでおく余裕なんてない」 という理由だった。今MS隊は切り札ともうべき人材を欠いたまま戦闘に赴こうとして いる。その不安を払拭させるカリスマ性を自分が持ち合わせていないことは自覚していた。 「大佐……自分は大佐のようにはなれそうにありません」 現在ではなく、過去の上官に向けて彼は呟いた。まだ一兵卒に過ぎなかった頃、彼が最 も尊敬し憧れた上官に。自分の守るべきものを守るため、ただ一人最後まで戦場に残って 散ったという武人に。その最期の戦いの場にいなかった事を心底無念に思った人生の師に。 上へ
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作品情報 あらすじ 管理者レビュージャンル 評価点 問題点 総評 余談 作品情報 作品名 カスタムメイド! 作者名 たちつてつこ@twitter 掲載誌 まんがタイムきららキャラット 掲載期間 2014年9月号~2014年11月号(ゲスト)2014年12月号~2016年10月号 単行本発売日 1巻:2015年9月26日2巻:2016年9月27日 他作品 備考 4コマオブザイヤー2015年新刊部門第10位 あらすじ 鳳凰路財閥家の娘たるもの、オタクは隠し通さなければとメイド達と距離をとっていたユウの元に、ユウの憧れる同人作家「絶対正義先生」の、マサキがメイドとしてやってきた。期待の新鋭が描く、お嬢様とメイドのあたらしい関係、第1巻をお届け!! 管理者レビュー ジャンル ギャグ 日常 評価点 濃いキャラを活かしたストーリー。オタク×お嬢様の鳳凰路ユウ(ほうおうじ-)、メイド×一夜漬け×同人作家の相対マサキ(あいつい-)、主従関係の二人を中心とした作品。 キャラ濃すぎてアンバランスに感じるが、どの個性も作品活かされている。もちろん、他にも個性的なキャラが盛りだくさん。 萌え要素強め。特にユウの萌えパワーが強い。 問題点 オタク要素強め。やはりメイド主軸の作品だとオタク要素が強くなりがち。きららの時点でオタクかも。 総評 濃いキャラ付けとそれを活かしたストーリー・ギャグが印象深い。数多くあるメイドモノの中でも、しっかり個性を示せている作品。 余談 本作の単行本2巻に、読み切り作品が収録されている。 『トイレのはなこちゃん』キャラット2014年4月号 『お気軽にっ!』キャラット2014年6月号
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バンド名 バンマス メンバー(バンマス含む) 美穂? 美穂(),恵さん(),有賀さん(),恵子(),河野さん() なんばが レナ セーヤ(vo),ナオ(gt),ともの(gt),あきひこ(ba),レナ(dr) ずーとるび カワノ カワノ(gt&vo),有賀(gt&vo),稲葉(ba&vo),なつき(dr) Chipa ユウ ユウ(gt&vo),やなぎ(vo&cho),マサ(gt),ファジー(gt),ぐれ(ba),小西(key),カワノ(dr) ぐれ ユウ,ぐれ,クマイ スキマスイッチ れな カワノ(gt&vo),小西(ba?),よしみ(key),れな(dr) レント いなば せーやちゃん,れな,よしみ,ともの,いなば,かわの バンドの新規エントリー、メンバーの変更や、やっぱやめるとかもバンマスが中心に更新してってね。
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地下4階、病室 進也「あれ・・・華凛‼‼‼?」 坂城「ち、何してんだあいつ・・・全然返事しねえな」 刃「珍しい事もあるもんだな」 ユウ「何かあったのか・・・強行手段に出るか・・・許可をくれよBLOODのボス」 進也「え・・・あ・・・いいよ」 カチャ ユウ「砂で鍵穴開けた、入れるぞ」 坂城「何でも出来るんだな・・・お前」 ユウ「まあね♪」 進也「あ・・・これ・・・」 刃「タイムワープしてたのか・・・爆睡してっけど・・・おい華凛、起きろ」 華凛(10年前)「・・・・・・?」 進也「起きた?・・・えっと・・・何から説明したら・・・」 ユウ「んま、こういう事だ」 華凛「誰?」 進也「10年後のユウ君だよ、タイムワープって言ったら分かる?」 華凛「10年後の世界に来ちゃってるのね・・・」 坂城「飲みこみ早いな・・・」 華凛「慣れてるから」 刃「雪希は・・・無事っぽいな・・・ってか無事も何もねえんだけど♪」 ?「あら・・・随分とちっこい子達ね♪」 坂城「テメェは・・・テイル‼‼」 テイル(10年後)「どうも、レインに呼ばれて来ちゃった♪」 ユウ「あぁ、テイル姉さんか、ちーっす」 テイル「ユウも来てるのね・・・まあいいわ、レンは向こうなの?」 ユウ「あぁ、UBと一緒らしいぜ」 進也「テイル・・・さん・・・」 テイル「あら、ボスも随分かわいらしくなったわね・・・♡」 進也「ちょ‼‼」 ユウ「そんなんで赤くなるとは・・・まだまだガキだな、シン」 テイル「あんたもやって欲しい?」 ユウ「いやぁ・・・遠慮しとくわ・・・」 華凛「・・・この時代の?」 刃「今、色んな人がタイムワープしてて分かり辛いんでな」 ユウ「色々あって混乱してるだろうが、ひとまず手が空いてる俺がこの時代の事教えてやるよ、ついて来い」 華凛「ど・・・どうも・・・」 刃「さーて、俺は飯でも食うかなぁ」 坂城「俺もそうするか・・・シンも来いよ」 進也「うん、一緒に行く」 テイル「10年前の彼にも会って来なきゃ♪」 レイン「来たか・・・テイル」 テイル「どうも、レイン♪」 レイン「ご苦労、雪希の面倒見てくれるか?」 テイル「いいわよ、その為に呼ばれたんでしょ?」 レイン「まあ・・・そうだな」 進也「おいしい‼」 刃「プロ並みだな」 モック「そんな事言われると・・・照れる」 坂城「確かにな・・・絶品だ」 モック「キッチン作る仕事の時ついでに取ったんだ、免許」 ウィーーーーン レイン「よぉ、いい匂いするな」 テイル「私も頂いてもいい?」 モック「いいよ」 レイン「シン、地下五階にいるユウが呼んでるぞ」 進也「俺?」 レイン「あぁ、ご指名だ」 刃「仕方ねえ、俺も行くか」 坂城「お前らだけじゃ不安だ・・・仕方ねえなぁ」 進也「華凛・・・どうかしたのかな」 地下五階 華凛「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」 ユウ「なぁ、そろそろ切り上げねえか?俺もやり辛いんだが・・・」 華凛「でも・・・」 カチャ 進也「どうか・・・した?」 ユウ「悪いな呼びだして・・・十個以上年下のお前に頼るのもあれなんだが・・・」 坂城「なるほどね・・・意外に無茶する奴なんだな、なぁ新田」 華凛「あ・・・」 刃「初日から飛ばし過ぎじゃね?汗凄いし・・・息切れまくってるぞ」 進也「華凛・・・女の子なんだし・・・」 華凛「女って元々・・・男より・・・弱いから・・・その分・・・多くやらないと」 ユウ「ふむ・・・まあその問題はそっちで解決してくれ、また明日な」 カチャ 坂城「ほら、水」 華凛「ありがと」 華凛「ハァ・・・ハァ・・・」 進也「だいぶ・・・落ち付いた?」 華凛「うん、ごめん・・・もう大丈夫」 刃「まあ焦る気持ちは分からなくも無いけどな」 進也「そろそろ・・・聞かなきゃいけないと思ってたんだ」 華凛「何?」 進也「玲斗とは・・・どういう関係なの?」 華凛「玲斗様は命の恩人で・・・いつも私よりもっと上にいる人・・・かな」 坂城「その玲斗の命令でお前はシンの幹部になったと?」 華凛「正確には私は代理だから・・・出来る事をしたいって思ってる」 刃「でも面白いよな、玲斗と同じ技使うんだろ?」 進也「うん・・・精度は違うけど根本は全く同じ技だった・・・幻覚も格闘も」 華凛「そこは・・・言えない」 坂城「ま、言いたくねえ事を無理に言わせる必要は無いな」 刃「俺は気になるなぁ・・・」 坂城「おい若月」 刃「星川玲斗って男・・・俺は凄い気になる」 進也「珍しいね・・・刃」 刃「分かんない、冥知の何とかとは関係ねえよ・・・あいつ言動は冷たいけど・・・本当は温かい奴なんじゃないかと思うんだ」 坂城「正気か・・・あいつが今まで何をして来たかお前理解して無いのか?」 刃「それも・・・正当防衛みたいな・・・何か大事な理由がある気がするんだ」 華凛「私は、玲斗様とボスが戦った後に玲斗様と知り合ったの・・・だから貴族の件とかも知っている事はみんなと一緒」 華凛「事後報告だったから詳しい理由については知らない・・・」 坂城「どーだか、俺にはただの復讐者の様にしか見えねえがな」 進也「うん・・・玲斗ははっきり言ってよく分からない・・・探ろうとしても嘲笑われてるみたいな気がして・・・」 華凛「でも、あの人の事を悪くは言わないで・・・私の・・・恩人だから」 刃「別に悪く言うつもりはねえよ、まあお前が話してもいいって思うまで俺らは待ってっからさ♪」 坂城「若月、「俺ら」って勝手に一括りにしてんじゃねえよ、心外極まりねえ」 刃「まあそう言うなって♪」 華凛「どうして・・・私にそこまでしてくれるの?」 進也「どうしてって言われても・・・」 華凛「玲斗様はみんなに嫌われてると思ってたの・・・その代理の私にこんなによくしてくれるなんて・・・」 刃「別に玲斗の事嫌いじゃねーよ、変わってる奴だとは思うけどな」 坂城「嫌いってのは確かに違う、能天気馬鹿よりは話せる奴だと思うぜ、俺らを狙ったのは解せねえがな」 進也「華凛と玲斗は関係無いよ、華凛は仲間だと思ってるから」 カチャ レイン「いい雰囲気のところ申し訳無いんだが、ガキ共は寝る時間だぞ」 進也「え・・・もうそんな時間?」 レイン「あぁ、明日も修業やるんだし寝ろ」 刃「おう、おやすみー」 坂城「じゃあまた明日な」 華凛「うん・・・」 レイン「お前もだ華凛、同い年だろ」 華凛「・・・はい」 数時間後、同じく地下五階トレーニングルーム 雪希「ハァ・・・ハァ・・・」 バシッ 雪希「ハァ・・・ハァ・・・」 カチャ モック「何だ、雪希さんか」 雪希「だ・・・誰?」 モック「僕はこの基地の整備員みたいなもんだよ、この時代のあんたとは同期になる」 雪希「ハァ・・・ハァ・・・」 モック「はい、水・・・ちょっと落ち付いたら話するから」 雪希「すいません」 モック「一応言っておくけどこの壁僕が作ったんだ、生光込めたパンチならさすがに分かる」 雪希「・・・」 モック「この時代の雪希さんとは随分長い事一緒にいてね、しょっちゅうサポート頼まれて大変だったよ」 雪希「私の事・・・どこまで知ってるの?」 モック「むしろ知らない事は無いと思うよ、僕を苦手だと思っているのも、雨苦手なのもね」 雪希「そうなんだ・・・」 パシッ 雪希「ちょっ・・・いきなり・・・何を・・・」 モック「僕に掴まれただけでその反応じゃ・・・戦闘で役には立たないよ」 雪希「でも・・・あの人たちと一緒にいる為にはそれくらいしないと・・・」 モック「この時代のあんたはよく言ってたよ・・・自分に出来る事を精一杯する人が・・・一番輝いて見えるって」 モック「今のあんたに出来る事って戦闘なのかな・・・お、お迎えだよ」 カチャ テイル「これだから子守りは嫌なのよ・・・あんた何してんの‼‼‼?」 雪希「す・・・すいません・・・」 テイル「あらモッ君、迷惑かけたわね」 モック「構わないよ・・・」 テイル「まったく・・・帰るよ」 雪希「うん・・・」
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仮面ライダーディケイド 支給品の経過・消費 門矢士 ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド ライドブッカー@仮面ライダーディケイド 桜井の懐中時計@仮面ライダー電王 →野上良太郎→門矢士へ イービルテイル@仮面ライダーW →フィリップへ 支給品一式 光夏海 キバーラ@仮面ライダーディケイド →E-4住宅街で放置→矢車想→門矢士へ T2ガイアメモリ(トリガー)@仮面ライダーW →E-4住宅街で放置→北條透→破壊 ザビーブレス@仮面ライダーカブト →E-4住宅街で放置→矢車想→北條透→橘朔也へ→破壊 ザビーゼクター@仮面ライダーカブト →E-4住宅街で放置→矢車想→北條透→橘朔也→解放 支給品一式 →E-4住宅街で放置→北條透→橘朔也へ 小野寺ユウスケ アマダム@仮面ライダーディケイド スカルメモリ@仮面ライダーW →一条薫→ガタックゼクターが運搬→小野寺ユウスケへ 士のカメラ@仮面ライダーディケイド →一条薫→ガタックゼクターが運搬→小野寺ユウスケへ 不明支給品1 →一条薫→ガタックゼクターが運搬→小野寺ユウスケへ 支給品一式 →一条薫→破壊 海東大樹 ディエンドライバー@仮面ライダーディケイド →門矢士へ ラウズカード(クラブのJ~K)@仮面ライダー剣 →志村純一→E-5に放置→橘朔也→フィリップへ ブラッディローズ@仮面ライダーキバ →E-5に放置→不用品用デイパックへ スパイダーショック@仮面ライダーW →フィリップ→破壊 支給品一式 首輪 →キングへ アポロガイスト カードデッキ(シザース)@仮面ライダー龍騎デッキ→破壊 ボルキャンサー→解放→破壊 ディスクアニマル(アカネタカ)@仮面ライダー響鬼 →相川始→橘朔也へ→破壊 支給品一式 →B-5ビルに放置
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416 :VIP村人u:2006/11/26(日) 00 20 23.27 ID DQ8dLChL0 ライブの日、俺が思っていた以上に人は集まり、シンヤの路上ライブで知り合った ギャラリーのマサキさんに会うまで心細い思いをしていた。 「これ全部シンヤのファンですか?」 「まっさかぁ!シンヤくん以外にも2つバンドが演奏するんだよ」 「あ、そっか…」 勘違いに思わず顔を赤らめ、マサキさんにも笑われる。 シンヤの演奏は二番目でソレまでの時間、俺にとって興味が無いヤツの音楽を永延と 聞かされるだけの苦痛な時間だったが、シンヤの演奏が始まった途端それまでの 苛立ちなど全てが吹っ飛んだ。 初めてのライブにシンヤも緊張しているのか、一曲目はいつもの調子が出ていなかった。 しかし二曲目からは調子を取り戻し、それどころか絶好調になっている。 他の客もシンヤの曲に合わせて踊りだしたり騒いだり、初めてのシンヤのライブは 大成功といえる 「皆さんありがとーっした!あとユウ!来てくれてありがとなー!」 突然名前を呼ばれ、ドキッとした。 暫くシンヤは周りをキョロキョロすると、俺を見つけた途端Vサインを向けて、ニッと 屈託の無い笑顔を向けてきた。 この時の俺の顔は真っ赤だったに違いない。 俺は贅沢にもあの笑顔をずっと独り占めしたいとすら思って、一生心にしまっておく つもりだったこの感情を、いつか明かそうと決意した。 多分拒まれるかもしれない。それでも俺はこの思いだけを伝えたいと思った。 417 :VIP村人u:2006/11/26(日) 00 21 44.09 ID DQ8dLChL0 高揚とした気分のまま家に帰ると、玄関には母が立っていた。 「こんな時間までどこに行っていたの?」 いつもは温厚な母が腕を前に組み、鋭い眼差しで俺を射る。一瞬怯みそうになるが、 負けじと睨み返すと母が驚いた顔をした。 「どうだっていいだろ。…心配するようなことはしてないよ」 「どうだっていいって…」 「俺だって子供じゃないんだからほっといてよ」 「何を言っているの!夕食をすっぽかして、ミカちゃんも心配していたのよ!」 「…始めから行かないって言っただろ?俺、もう寝るから」 「待ちなさいユウ!ユ…!」 言葉が終わるのも待たず俺は部屋のドアを閉め、ベッドにそのまま倒れこんだ。 俺はシンヤの歌とライブでのことを思い出し、他の事を何も考えないで寝入った。 それだけがあれば十分だった。 朝になるとまだ怒っている母が朝食を作っていたが、俺はそれを気にすることなく 朝食を済ませ、いつもより早く家を出た。 「あ…」 暫く歩くとミカと鉢合わせして、お互いに気まずい思いをした。 うつむいた顔で俺を視線を合わせようとしないミカに俺はまた苛立ち、そのまま横を 通り過ぎようとすると、「待って!」とミカに止められた。 418 :VIP皇帝:2006/11/26(日) 00 22 42.99 ID DQ8dLChL0 「…ユウちゃん、久しぶりに一緒に行ってもいい?」 「何で?」 「ごめん。怒ってるよね。私ずっと避けてたもんね…」 「そういう意味じゃない。何で俺がミカと一緒に行かなきゃいけないの?」 「え?」 「この際ハッキリ言うけど、俺、好きな人できたよ」 ミカの大きな目が見開かれる。 「嘘…ユウちゃん嘘だよね?」 「嘘じゃない。それにさ、俺らは親同士が決めただけの婚約者だろ?」 「違うよユウちゃん…親同士じゃないよ…」 「その人かいる限り俺はミカを一番好きにはなれない。だからミカも他に好きな人作れよ」 「ユウちゃん聞いて。お願いユウちゃん、私ね。昔ね、ユウちゃんと」 「じゃあな」 言いたいことだけをいい、俺は無常にもその場を去る。我ながら最低だと思っている。 でも言わなくてはいけないと思っていた。 「どうして?」というミカの泣き声が後ろから聞こえて、俺は胸が痛んだ。それと、ミカの 言いかけた言葉が引っかかり、その日はシンヤと居ても満たされることは無かった。
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基本情報 名前 ラビー・フィールズ 生没 ラドリザン (1235~1322) 出身 ラグライナ帝国 種族 人間 性別 男 略歴 14歳の時、ラグライナ帝国の兵役につく。 まだ入隊したてのころ、彼はちょっとしたミスを犯し、上官に叱られていた。そこにたまたま通りかかり、助けてくれたのがルディであり、彼はその優しさと美しさに一目ぼれした。 「ルディ様に見てもらいたいっ!」、その想いだけを胸に、がむしゃらに剣の修行にうちこみ、数々の功績を上げ、18歳の春に将軍になった。 しかし、部隊の副官でありながら、自ら最前線で剣を振るうことに固執、個人の戦果と引き換えに、部隊統率は壊滅的であり、第3次モンレッドの戦いにおいて壊滅。 これを憂慮したエルは、彼の親友でもあるユウ将軍を組ませることで、前線のラビー、後方のユウという図式を作った。(なぜか指揮官はユウではなくラビーだった) この新部隊で、クァル・アヴェリの戦いに参戦。更にガルデス共和国首都を目指して進軍したが、その最中ノスティーライナの戦いにおいてラヴェリア自らが指揮する部隊による奇襲を受ける。かろうじてこれを撃退したが、その直後にラヴェリア事件がおきた為、共和国攻めは一旦中断され、帰国する。 1257年、セルレディカ崩御により勃発した帝国内乱戦争においても、当然の様にルディを擁護して神聖帝国の一員となり、ティルの戦いにおいて、この内乱において最初に戦火を交えた将軍となる。 1258年ハルバートの戦いにも参戦するが、アリスの猛攻によって壊滅寸前にまで追い詰められた。 1259年、帝国内乱戦争の終結により、ラグライナ帝国将軍として、帝位に就いたルディを盛り立てていくこととなる。 ルディ没後、その志を継いで旧帝国貴族との戦いに従事する傍ら、同僚のカレンと結婚。 アレシア連邦が安定期に入ると、将軍を辞してカレンと共に料理店を開いた。 人物 妙にテンションが高く、一言で表すと「変な奴」であった。戦闘においては奇行も目立つが、剣の腕は本物で、戦果はあげていた。 剣の修行は既に趣味と化している。それで体力を消耗するのか、会議などで昼寝をしている姿がよく目撃されている。 仕官以来の付き合いであるユウとは公私に渡る相棒、第3次モンレッドの戦い以後、二人の部隊は統合され、ユウが副官として兵を操り、ラビーは思う存分最前線で剣を振るった。 将軍として職務を続けつつ、妹ラビィへの仕送りは欠かさない妹思いの一面もあった。 ルディに対する思いが「恋」ではなく「敬愛」であったことに気づき、戦場、作戦会議と常に一緒に過ごしてきたカレン将軍にひかれていた自分の気持ちに気づきプロポーズ。結婚に至る。 兵卒だった頃、敵でありながら、戦場で命を救ってくれたキロール将軍を尊敬している。 ユウの紹介で初対面したカレンを、男と勘違いして、盛大に吹っ飛ばされた。 カレンの異名の一つである「鉄の猪」を生み、広めたのがラビーである事は、墓の中まで持ち込んだ秘密であったが、後世になって同僚の日記から始めて真相が暴かれた。 関連項目 The End of ELEGY
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前に描いたユウちゃんの対となる絵ですw炎とかちょっと工夫してみたけど・・どうでしょ?前回のフルミーネにコメくださった、kotoeさん、はるさん、トロさん、みみかさん、姫さん、どうもありがとうございました☆今更上に上げるのもなんなんで・・失礼ながらここでお礼を。 -- seira (2008-05-26 05 21 04) レイくん可愛いっっ!!!このレイくんください☆(黙)保存しても良い?リクよろしい?よろしかったらフェーリお願い♪ -- ユウちゃん (2008-05-26 10 04 15) ユウちゃん、コメありがとう☆保存はもちOK!!むしろ、保存してくれてありがとう!リクも常に受付中みたいなもんだから大丈夫!フェーリだね。了解!裏版に描いとくね。 -- seira (2008-05-26 16 10 43) 名前 コメント
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生きてたころのレイくん。たしかユウちゃんみたいな性格だったんですよね?目の色は…ユウちゃんと逆なのかな、てことで緑色。ほかの服が思いつかなかったのでいつもどうりです;前回の絵にコメントくれた方ありがとです!とってもうれしかったです!コメ返ししたいけど絵はあげたくないので返せなくても許してください; -- みいゆ (2010-07-28 20 27 42) 目の色ユウちゃんの逆・・・それいいですね!(え レイくんかわいいでs^^ -- 若草 (2010-07-29 09 04 46) レイ君って緑目て感じですよね レイ君可愛すぎるv -- 優曇華 (2010-07-29 15 16 54) レイくんカワイイですね。 -- 鵺 (2010-07-29 15 38 27) 名前 コメント
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キャラ技第二弾。ユウちゃん「グレイブミスト」 墓場の霧 -- 宇宙人 (2008-08-18 12 39 14) ユウちゃん可愛いね☆よくそんな意味しってるんだねー・・・自分ワカラナイ;;(本当にバカのバカです コウモリもいる!ハジになんかいる・・・なんかぷよみたいなのが。。 -- ルイ (2008-08-18 12 48 36) ワザ描けるなんて凄いです~!ユウちゃん可愛い>< -- こなな (2008-08-18 16 24 48) ルイさん>横の「連鎖ボイス」って所にかいてあります。骸骨書こうとしたら、霧で消えました;; こななさん>ありがとうございます!ほぼイメージですので・・・。 -- 宇宙人 (2008-08-19 18 15 23) 名前 コメント