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ミスティア ミスティアイベント シナリオ攻略幻想郷戦記・今昔幻想郷 イベント 幻視の森を占領 パラライズビー*2、ポイズンビー*4が仲間に加わる(幻想郷戦記、今昔幻想郷) 妖怪獣道占領 妖怪獣道の内政値が上昇(幻想郷戦記、今昔幻想郷) 宵闇の荒野を占領 ミシャクジ様が仲間に加わる(幻想郷戦記、今昔幻想郷) 雲の通い路を占領 哀愁のブルーUFOが仲間に加わる(幻想郷戦記、今昔幻想郷) 幻視の森、妖怪獣道、宵闇の荒野、雲の通い路の全てを占領している(幻想郷戦記、今昔幻想郷)幻視の森で蜂妖怪、パラライズビー*2が仲間に加わる。 妖怪獣道で古参歌妖怪、中級妖怪*2が仲間に加わる。 宵闇の荒野で上級妖怪、中級妖怪*2が仲間に加わる。 妖怪の溜まり場で大妖獣、化け猫、化け狐、雪妖改、魔法使い(リザードマン)が仲間に加わる。 雲の通い路で忿怒のレッドUFO、哀愁のブルーUFO、義心のグリーンUFOが仲間に加わる。 ※中盤以降達成したが発生しなかった(最新バージョンにて)EXルーミアイベント発生後か一度領地を手放すと起きなくなる模様。 ルーミアの撃破数が100以上 ルーミアがEXになる(幻想郷戦記、今昔幻想郷) シナリオ攻略 幻想郷戦記・今昔幻想郷 最新バージョンではEXルーミアを出現させるのは難しい。自軍の領地を明け渡しつつおびき寄せたマスターを撃破→中立化した領地を奪い取る等と言った戦略を取ると稼ぎやすくはなる。ただしかなり度胸と上手い立ち回り、そして運がいる。 一般ユニットを地道に育てるのが無難。最初から雇える中級妖怪を有効に使おう。 歌妖怪がクラスチェンジすると古参歌妖怪になり、特技としてララバイが使える。強力な人材でも眠り耐性を持っていない事が多いので有効活用しよう。 マスターのミスティアの「毒に弱い」に注意。メディスンのイントゥデリリウムは即死フラグ。毒人形コエー ついでにリグルは麻痺、ルーミアは光に弱い。小傘はやや鈍いが弱点が無くて防御力も高いので安定して使える。 一般の妖怪達は耐性が他の非人間系に比べて微妙。加えて神聖に弱い。蝶弾と天女系の特技に注意。 天子の特技は一般の妖怪たちを漏れなく一撃死。「神聖に弱い」が無い人材すらかなりのダメージを受ける。 とは言え、天女系は技量、早さが低めで「闇に弱い」なのでタイマンではこちらに分が有る。 イベントでレティさんが手に入ると余裕が出る。ただし、序盤に八雲、永遠亭、星輦船の強豪に立ち向かえる戦力と戦略と度胸が必要。 周辺の妖怪(リザードマン)系勢力のマスターを先に撃破すれば人材は放浪する。うまくいけば強力な人材が手に入るかも知れない。 他の陣営と比べてヒールレイン要員がまったくいない上、空獲得が非常に難しい。下手すれば幽香も取られる可能盛大。ぜひともルーミアをEXにしたい。(幻想郷戦記) 最初の付近のエリアでできるだけルーミアのスコアを増やそう。下級妖怪で殴りミスティアと小傘を盾にリグルで回復し、歌妖怪とルーミアを育てる。とどめはすべてルーミアで。 上記のとおり、回復役が少ないのでミスティア以下人材のHP再生がありがたい。ヒールレイン要員を取れるまではなるべく人材で攻撃を受けたい。 最初のエリアにとどまってると3ターン目に確実に聖蓮船か霊夢に飲み込まれる。南下しながらキャラを育てよう。できればチルノとぶつかる前に中級妖怪、古参歌妖怪を作りたい。 光魔法B無しで紅魔館と戦うのは半ば無理ゲー。対紅魔館戦までにEXルーミアを取りたい。
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加入条件:チルノ戦記一章・ミスティア撃破後 初期装備:高速蒼弾、高速霊撃弾、傷薬 無効スキル:なし 初期能力 クラス Lv HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 移動 武器 スキル 夜雀の怪 4 20 5 5 8 8 5 4 4 8 速D 獣、飛行、突撃 CCボーナス クラス Lv HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 移動 武器 スキル 歌う夜雀 21 +5 +3 +2 +4 +3 +0 +3 +3 +0 +追E +貫通 基礎成長率(%) ※この数値は暫定的なものです、今後変動する可能性は非常に高いです HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 試行回数 平均 全ピン 無音 ver 42 56 27 56 64 34 37 17 100回 3.33ピン 0回 0回 幻想の系譜1.05a 雑感 チルノ戦記における最初の加入キャラにして、序盤の貴重な飛行枠。 成長、スキルともに攻撃面に特化している。魔力も物理タイプにしては伸びやすい。 防御性能においては獣、飛行という弱点を抱えていることもあり、チルノ以上に不安が残る。 同じく一章にて加入するリグル、ルーミアと比較しても、安定性にやや欠けるのは否めない。 基本的には敵に狙われないことを前提として、獣&飛行の機動力を駆使して戦うキャラとなる。 系譜のときは加入時点で高速弾使いが溢れていたが、今回は人数が限られるため活用機会も多い。 何より高速弾使いで最も魔力が伸びるのは(CC後のサニーを除くと)ミスティアなので、爆炎、轟炎などは優先的に持たせたい。 間接攻撃も可能なので、極力反撃を受けたくないミスティアにとっては抜群のシナジーが生じる。 もちろん通常の物理武器を使っても強いので、敵タイプに応じて上手に武器を使い分けよう。 系譜と同様、リグル、ルーミアと三位一体が可能。 しかしチルノ戦記においては前述どおり人数が限られているので、闇雲に三位一体を組むと攻撃手が足りなくなってしまいがち。 使うべき場面はしっかり見極めよう。 三位一体を組む場合は努力家を持つリグルを前衛にしがちだが、実はミスティアが最も支援効果を得られる。 展開が早いぶん努力家なしでも経験値が溜まりやすいので、回避が期待できる場面ならミスティアを前衛に出しても良い。 当然その場合は特攻武器への警戒を怠らないこと。事故って一撃で落とされる様なら、それは不注意以外の何物でもない。 残念ながらミスティアは無効スキルを持たない。 とは言え、もともと被弾を考えてはいけないキャラなので、あまり気にするものでも無いだろう。 支援相手 リグル ルーミア 精度向上のためデータの追加・報告にご協力ください 名前 コメント
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ミスティア8 新ろだ2-215 日が沈み、夜が来る。四方どこを見回しても木、木そして暗闇。そして時折聞こえる、何かの慟哭。 それは守るすべを持たぬ人間にとって死の象徴。闇の中の闇。一切の無。 ここ幻想郷の妖怪獣道に、不釣り合いな青年一人、ただひたすらに足を進める。 全く腕に覚えがないというわけでもないが、人間と同等以上の知性を持った妖怪にはまるで歯が立たない。 だから彼は足を進める。唯何も考えず、何も考えないでいられるから、足を進めることに集中する。 何かがいる、何かに見られている。考えたくない。気づきたくない。気づきたく……なかった。 だから青年は気づかない。気づかない……フリをする。辺りは暗闇。暗闇だから見えない。見えないなら……誰もいない。 何かに追われる。何かに後ろを付けられる。距離が狭まる。何かが徐々に青年との距離を詰めていく。 闇が迫る。横目で後ろを見る。目に映るは暗闇。だから何もいない。それでも闇は迫る。そこに闇がいる。闇が迫る。 再び前を向く。前を向いて足を進める。背後の気配と決別するために。 それでも背後の気配はなおも強く、青年を追い詰める。10歩、5歩、3歩、2歩、1歩…… 捕らえられる。暗闇に抱かれ、足が止まる。青年を追い詰めた暗闇は両手を背後から回し青年の腹部に回す。 暗闇から伸びる腕はしかし、優しく温かく青年を抱きしめる。まるでその感触を確かめるように。温もりを確かめるように。 青年も一瞬体を強張らせるものの、すぐに脱力し、暗闇に身を心を任せ…… 「ミスティア……」 と優しく、背後の暗闇の主――といっても単に青年が鳥目ゆえに視認できなかっただけだが――夜雀の怪ミスティア・ローレライ その人に声をかける。 「ありゃ、抱きしめられただけで分かっちゃうんだ?」 「普通の妖怪だったら僕を捕らえてすぐに頭からガブリッ……だからな……」 「むぅーちょっと残念。もう少し驚いてくれると思ったのにー」 そう言って頬を膨らませつつも、どこか嬉しさを隠せない表情のミスティア。 そんな彼女をフォローするように青年は返す。 「いや内心驚きのあまり心臓が悲鳴を上げてるんだけどね……。てか驚かせないでよ」 「それはねぇ……誰かさんが危険を冒してまで夜の道を無防備に歩くからいけないんだよ?」 「その……ごめん。どうしてもミスティアに会いたくて」 と、平淡に青年は言う。それは他意の無い青年の素直な気持ちであり、決して目の前の夜雀少女を赤面させようという他意はない。 それでも、目の前の夜雀少女にはあまりにも攻撃力がありすぎたようで……あっという間にミスティアの頬は真っ赤に染まる。 しばらく口をパクパクさせて返す言葉を探す……もとい思考停止中だったがはっと我に返り口を開くミスティア 「えっ!? あっ……その……で、でもっ! それで道中で○○に死なれたりしたら……私が……迷惑……」 ミスティアは呟く……青年を咎めるように、憂いを秘めながら、しかしそれは同時に惚気でもあり、 したがって再び羞恥に頬を染め、そしてトーンダウン。 「本当にごめん。でも大丈夫。こう見えて逃げ脚としぶとさには自信がある」 「今こうして夜雀さんに捕まったか弱い人ネギが一人いるわけだけど……」 「……僕は、一度捕まってからが勝負なのです。それにミスティアになら望む所。僕から捕まりにいくよ」 「……バカね」 呆れるように、そしてやっぱりどこか嬉しそうにミスティアは吐き捨てる。 「馬鹿な僕は……嫌いか?」 「嫌いなわけ……ないじゃない……。それに馬鹿なのはお互い様よ。妖怪の私にゾッコンなあなたも。 普通の人間さんを此処までダメにしてしまった私も。ふふっ……嫌いになれるわけないわね……」 「いや、僕は僕の意思でミスティアを愛してる。だから気にしないで、そんな些細な事」 「そう言ってもらえると……悪い気はしないわね……むしろ嬉しい……かな…… 私だって○○に負けないくらい○○の事が好きだし……それは私の素直な気持ち……だよ♪ っと、話を流される所だったわ、と、に、か、く……私は○○が大好きだからこそ……心配してるの! 反省……してよね?」 「……善処……致します」 「むぅ……毎回毎回善処善処って……思えば私達が初めて会ったのもこんな感じだったわね」 「うっ……覚えていらっしゃるのですか……」 「そりゃあいくら私だってあなたとの慣れ始めぐらい覚えてるわよ」 青年――名を○○――とミスティアは屋台の常連と店主という関係であり、 そして今や恋人同士であり、そしてかつては命の恩人でもあった。 幻想郷に○○が来て間もないころ、妖怪に関する知識のない○○が真夜中に妖怪の現れる道に足を踏み入れ、 あわや妖怪に喰われようとする所を、屋台の為に通りかかったミスティアに助けられたのだ。 人を食らう妖怪たるミスティアとしては、別に他の何処の馬の骨とも知らぬ妖怪が赤の他人を食らおうと知った事ではなく、 肉食獣が草食獣を喰らい貪らんとする様をみて食物連鎖という大自然の厳しさを実感しつつも冷徹に達観する人の如く ただ凛と通り過ぎればよい、いやいっそのこと折角の人ネギを横取りする事すら合理的ではあったのだが、 今にも屋台にて世の中の人間どもに鳥鍋反対を訴えかけ、ついで鳥目→八目鰻→金がっぽり商法を実行しようとする手前、 ここは命だけでも助けて信者を増やすのが得策だと夜雀少女は小さな頭で考えた。 結果思惑は当たり屋台の女将さんはリピーターと鳥鍋反対信者だけでなく、臨時皿洗いと恋仲まで作ることに成功したのだ。 「と、こう言うとなんだかまるで私が○○を利用したみたいね」 「いやいや本当にミスティアには感謝してる。事実、もしあの時助けられてなければ……僕は今ここにいないからね……」 「うー……嬉しいけど胸が痛むわ……と、とにかく、アンタは進歩がなさすぎ! もう少し……自分の事大切にしてよ……○○の為にも……私の……為にも……」 「う~ん……ミスティアにそう言われると断れないねぇ……」 「お人よしねホント……そんな○○が私は大好きなんだけれど……さ、行きましょ。屋台まで私に逢いに来てくれたんでしょ?」 「はい……女将さんの居る所なら何処にでも……」 「ふふっ、しゅっぱーつ!」 先程後ろから○○の背に襲いかかった時のまま、ミスティアは相変わらず○○の背に抱きつきながらも足を進めんとする。 「そ、その……そろそろ後ろから抱きしめるの……離してくれても……」 「こうしてぎゅぅぅって抱きしめていないと…… 自信過剰な○○君はすぐ私の手を離れて、そして妖怪に襲われちゃうんだから」 「そんなに僕は怖いもの知らずじゃないってば。それに僕はミスティアの傍を離れたりなんてしないから……疑ってる?」 「それに……一週間ぶりに逢ったんだもの……○○と出会ったの…… これでも恋焦がれる気持ちは……自身顧みず妖怪獣道を突っ走っちゃう無鉄砲な誰かさんにも負けないつもりなんだよ?」 「ええ、それはもう全身からビンッビンに伝わるのです。しかし何と言うか、体裁……というか……決まりが悪いというか」 と、頬を指で掻きながら、バツが悪そうに不満を漏らす○○。 「あら、屈強な肉体の○○君は華奢な妖怪少女に抱かれるのをプライドが許さない……と?」 「いやとても嬉しいのだけど……恥ずかしい、色々と。男の意地……なんだろうけど……」 「ふふっ、しょうがないわね……うん! そんな男の子の顔、立ててあげなくちゃ……おいで……」 ○○を解放すると、両手を拡げて○○を誘うミスティアに、それに答えるようにその細い体を抱きしめる○○。 「好き……大好きだ……ミスティア……」 「うん、私も○○の事が大好き。愛してるよ……○○っ!」 そう言って、照れる○○を強く抱きしめ返すミスティア。 その華奢な腕のどこにそんな力があるのか、意外と強い抱擁に○○は目の前に居る少女がやはり妖怪なんだなと改めて実感した。 「このまま抱きしめ合ったまま屋台に行ったら待っている人はどんな顔するのかな?」 「堪忍してくれ……恥ずかしすぎる」 「私に心配ばかりかけた罰だよっ!」 「うぅ……ミスティアさんが僕をいじめる……」 「ふふっ嘘だよ嘘。手、繋いで行こっか!」 「あ、うん……」 ミスティアが手を差し出し○○がたどたどしくそれを取る。 強く結ばれる手と手。大きな○○の手と、小さく細長いミスティアの手。指と指が絡まり合う。心と心が重なる。 暫く無言で二人は歩き続ける。○○の視界を木々が視界から通り去る。 人間を寄せ付けない夜の道の不気味な木々が茂みがしかし今の○○にはどうでもいいものに思えた。 大好きなミスティアに一週間ぶりに出会えたという嬉しさ、愛しさ。彼女が傍に居てくれるという心強さ。 そして先程から一向に鳴り収まる気配を見せない胸の高鳴り。○○はこれらの事で頭が胸がいっぱいで、背景など空気同然だった。 「出会ってから結構立つけど……やっぱりまだまだ初心だなぁ……」 「ん? なになにっ?」 「えっ!? いや、なんでもない……うん、なんでもない」 ○○は心の中で言ったつもりだったが声に出ていたらしく、ミスティアに傍受されてしまう。 「もしかして……照れてる?」 「照れてない」 「本当に~?」 「本当です」 「ふぅ~ん……じゃあ確かめちゃう、えへへっ」 「っ!!?」 突然○○の胸に顔を埋め、そして耳を付けるミスティア。 休むことを知らない○○の鼓動がミスティアの耳へと伝わる。 「凄いね……○○の胸、すごくドキドキいってる。心地よい鼓動……そんなに恥ずかしかったの?」 「違う……それはさっきミスティアが驚かしたからだ」 「照れ屋さんなんだね、○○は……可愛い♪」 「うぅ、そう言ってまた僕をからかう……」 「はいはい、いじけないの~! ほら、もうすぐ屋台だよ? このままいったらお客さんの肴にされちゃうよっ」 前方に薄らと光が見える。光はは徐々に強く大きくなり、やがて屋台の形を映し出す。 明りの正体は家主の居ない屋台の提灯の明かりではなく、どうやらすでに幾人か集まっている人妖の炊いた焚き火であった。 こちらに気がついたのか、手を振る影もある。普通の魔法使いや氷精といった顔なじみの連中であった。 「みんな~♪ お待たせっ!」 「や、どうもです」 勢いよく人の集まりに飛び込んでいくミスティアと、必死に羞恥を隠しつつも愛想よく振る舞わんとする○○。 そしてそんな見事なまでに恋人してる二人に向けられるは料理への期待と二人の仲への冷やかし。 二人の恋仲はすでに周知の事であり、結局のところ○○がいくら足掻こうと酒のつまみとなる事は逃れられない事実なのである。 「それで○○。一週間ぶりに皿洗い……していくんだよねっ?」 「うん、そのつもりできた。少しでもミスティアが楽できたらいいな……」 「えへへ……後でいっぱい賄い飯のサービスしちゃうんだからぁっ」 「おう、うれしいね、がんばるよ」 その後は忙しくも楽しかった。やはり目の前でイチャつかれると酒も八目鰻も進むようで、 一週間ぶりの夫婦漫談? という事もあってかどんどん空き皿がジョッキが○○の流しの元へ回ってきた。 ○○は食器を洗うその手を、休めることなく、丁寧に確実に洗い上げていく。 時たま休憩となると…… 「はいっ、○○……あーん♪」 「……それ……どうしてもやらないとだめか?」 「……嫌……なの?」 箸で八目鰻の蒲焼の切れ端を箸に取り、○○の目と鼻の先にまで差し出すミスティア。 渋る○○に追い打ちをかけるように周囲の期待の眼差しは降り注ぎ、そしてミスティアも悲しそうに上目使いを決める。 そんな八方ふさがりの○○にとって最早選択肢は一つしかなく…… 「いやその……人……みてる…し……っ……あーん」 「あーん♪ ふふっ、どう? 美味しい?」 「うん、美味しいよ。一週間もミスティアのご飯食べてないと体が細胞レベルで欲しがってる気がするね」 「あら、まだまだね。一日で禁断症状が出るくらいにならなくちゃ」 「ははは……それは嬉しいやら怖いやら……」 「ねねっ、今度は私に、ねっ、食べさせてよっ!」 「えっ!? う、うん」 ○○は箸を構え、八目鰻を切り分け、そしてそれをミスティアの口元に運ぶ。 再び注がれる周囲の視線。○○の手が箸が羞恥で震える。それを楽しそうに嬉しそうに見つめるミスティア。 「はいミスティア……あーん」 「あーん♪ ん、ぱくりっ……うん、おいしい♪」 なんてラブ&コメディも展開しつつ、楽しい? 時間はどんどん過ぎ去ってゆく。 夜は次第に更けていき終業のお時間。客がみな消え去り、再び二人だけの時間。 「ご来店ありがとうございましたぁ♪ さっ片づけ片づけ……っと思ったけれど、 ○○のおかげでする事無くなっちゃった。ありがとう○○」 「どういたしまして、女将さん」 「○○がいてくれると本当に助かるわぁ……料理に専念できるし、何より腕もはかどっちゃう!」 「そういわれると僕も嬉しいよ。こんな方法でしか恩を返せないからね」 「律儀ねぇ……今どう思ってるかは別としてあの時の私はただ○○を別の意味で食い物にしようとしていただけなのに」 「いやいやそんなことないって。それにミスティアに感謝することは命を助けられた事だけじゃない」 「えっ?」 まっすぐにミスティアを見つめる○○。ふいをくらったようにキョトンとするミスティア。 ○○の眼差しは鋭く、しかし優しくミスティアの瞳に突き刺さり、そして言葉を紡ぎだす。 「こんなにも美味しい鰻を食べさせてくれて、こんなにも楽しい場を提供してくれて、 おかげでこんなにも早くこの幻想郷に馴染む事が出来たし、困ったときに相談に乗ってくれる仲間が沢山できた。 ミスティアと話しているととても楽しくて、ちょっぴりまだ恥ずかしいこともあるけれど、でも幸せになれる。 僕だけじゃない、皆がミスティアに感謝してる。だから皆の分まで……恋人として、良き理解者として……」 ……ありがとう、ミスティア」 暫くは○○の覇気ともとれるその言霊の勢いに呆気に取られたようなミスティアだが、 やがて時間がたつにつれ、○○の感謝の言葉の重みに気付き始め、徐々に頬が耳が赤く染まってゆく。 「う……うん、私……そんなに偉い? 人を鳥目にして……そして八目鰻で荒稼ぎしようとする私が……そんなに偉い?」 「あぁもちろんさ。美味しい鰻で、一杯の酒で、皆をほっこりさせてくれるミスティアは皆の……そして僕の誇りだ」 「へ…えへへ……○○にそう言ってもらえると……凄く嬉しくて……胸が熱くなって…… その……上手く言えないけれど……こちらこそありがとう○○……」 「どういたしまして……さっ、それじゃあ僕もこのへんでお暇……」 「な~にいってるの? 私が送って行くわよ」 「えっ?」 帰ろうとする○○の手をギュッとつかむミスティア。 「あ……気にしなくていいんだよ? ミスティアもお疲れだろうし、迷惑はかけら」 「だーかーらっ! 帰り道で妖怪さんにもぐもぐされる方が迷惑だって言ってるじゃない! それに、私は迷惑なんかじゃないよ? ひと時でも長く、○○と一緒に居られるんだもの。 迷惑……じゃない、幸せ……なんだよ?」 「あ……うん、ごめんミスティア。そうだね、一緒だと心強い……うん送って」 「まっかせなさいっ!」 屋台の明かりを消し、たたみ、そして後にする○○とミスティア。 妖怪に襲われる心配で一杯だった漆黒の夜道も、胸の鼓動による爆音に悩まされた逢瀬コースもそこにはなく、 ただただひたすらの幸せが○○の心から満ち溢れていた。 無言で夜道をただただ進んでゆく。言葉がない。が、その空気はとても優しく温かく穏やかだった。 幸せなひと時、胸の鼓動が共鳴する至福のひと時はすぐに過ぎ去り、○○の家の前に到着する。 里の外れにある小さな小屋。幻想郷にきて間もない○○に、暫くの仮住宅。 「今日は本当にありがとうミスティア。そして本当にお疲れ様」 「うん、久しぶりに張り切りすぎちゃったかな……とても幸せだけど、疲れちゃった」 「本当にお疲れ様……何か……御褒美をあげたいのだけれども何もなくてね……」 「ふふっ……御褒美なら……簡単に準備できるじゃない」 「えっ……あ、その、うん」 ○○を妖しい視線で絡め取るミスティア。 その言葉だけでミスティアが何を要求しているのかを察した○○の胸が再び高鳴る。ドキドキ、バクバク、胸を締め付ける。 「うん、ミスティア……目、閉じて……」 「ん……これで……いい?」 「うん、目、ずっと瞑っていてね。御褒美……あげるね」 そう言って○○も目を閉じ、手探りでミスティアの背中を抱きしめ、伝う様に頭へ手を伸ばす。 ミスティアからも、○○の体へ背中へと手を伸ばし、抱き寄せるように抱きしめるように、徐々に接近していく。 接近する。お互いの吐息がよく聞こえてくる。もっと接近する。吐息が唇に触れる。さらに接近する。お互いの熱気を顔で感じる。 もっと接近する…… ――ちゅ、 唇と唇が触れる。柔らかい感触。温かい感触。二人の優しさが愛が交わり、爆ぜる。 抱きしめる腕に力が入る。体と体が密着する。二人の胸の鼓動がお互いの胸を打ち、響き合い、共鳴する。 全身の力が抜ける。無防備な唇を無防備な体を無防備な心をお互い曝しあう。信頼しているから、愛し合っているから。 柔らかい唇にはどんどん力が込められ、形を変え、その豊かな弾力性で心地よさを相手に返す。 ――ちゅむ……ん…ぷぁ…… 数十秒とも一刻ともいえる短い様な長い様な、そんな時間が過ぎさり二人は唇を解放する。 解放してなお唇に残る柔らかい、優しい感触に暫くの間恍惚として、○○はゆっくりと目を開ける。 「ふふっ、やっと目を開けた♪」 ○○の目に飛び込んできたのはいかにもしてやったりな表情の、ミスティアの顔。 「見て……たの?」 「うん、割と最初の方からね」 「閉じていてって言ったのに……」 「えへへ……ごめんね……○○がキスするときどんな顔してるのかなって……気になっちゃって…… 可愛かったよ、○○が必死になってキスしてる顔……とても可愛かった♪」 「あ……うん……その……どうも……」 羞恥に顔を伏せながらも○○は嬉しさを隠せない様子で、精一杯ミスティアに微笑みかける。 ミスティアもまた、精一杯の嬉しさを、愛しさを、幸せを表現するために○○を強く抱きしめ、その胸に顔を埋める。 最後に、とミスティアの頭を優しく撫で、そして離れようとする○○。 「そろそろ……行くね」 「えっ!? も……もうお別れなの?」 「うん……また明日も行くから……さ、離して……」 と言って抱擁する腕を解く様に促す、がミスティアは止める気配はなく…… 「……だ…よ……」 「えっ?」 「……嫌だよっ! 離したく……ないよ……」 「ミ……ミスティア!?」 埋めた顔を持ち上げるミスティア。○○の眼に映ったのは、涙を流し、憤りとも哀しみとも取れぬ複雑な表情で 何かを訴えかける一人の夜雀の少女の姿だった。 「折角1週間ぶりに出会えたのに……もうお別れなんて……嫌だよ……離したくない……手放したくないよ……」 「ミスティア……大丈夫だ……もう一週間なんて待たせない。一週間はただ仕事が入ってただけだ。 また明日から毎日通える。ミスティアと毎日会えるんだ」 「……怖いよ……○○を手放してしまったら……仕事中無理して怪我しただとか……私に逢う途中で妖怪に襲われたとかで…… 逢えなくなっちゃうんじゃないかって……手放したら最後なんじゃないかって私怖いよっ!」 「ミスティア……」 「もう一週間なんて……ううん、一日でも待ちたくないよ……ずっと一緒に居たい……ずっとお話していたいよ……」 「……僕もだよミスティア……この一週間僕は……心に穴が開いたみたいで……仕事の合間もミスティアの事ばかり考えていて」 「じゃあっ! ……○○……一緒に暮らそうよ……こんなにもお互いを想い合っていて……こんなにもお互いに愛し合っていて お互いがいないというだけで日常生活に支障が出るくらいに私達はお互いにダメにして……ダメにされちゃったのに…… それなのに別々に暮らしているなんてヘンだよっ! ○○と……一緒に生活したいよ……」 「ミスティア……ダメなんだ……僕にはまだようやく安定した仕事を見つけたばかりで全然蓄えがないんだ。 ミスティアには結構式を挙げさせてやる事も出来なければ満足に食べさせてやる自信もない。幸せにしてあげる自信がないんだ。 そればかりか僕と一緒に居るとミスティアに迷惑がかかる。僕は自分を顧みない馬鹿だし、その上とても弱い。 生活力は幻想郷に来る前から全然ないしこちらの世界にはやっと少し慣れたばかりだ。 ミスティアと一緒になったらきっと僕はミスティアに頼りきりになって…… 今まで以上に僕はミスティアに迷惑をか『○○の馬鹿っ!!』 っ! ……」 夜の人里の一角にミスティアの声がこだまする。突然発せられた罵声に○○は口を止め、腰を引き立ちすくむ。 激昂した夜雀の少女のみが○○の目に映る。○○の見た事のない、否、幻想郷中の人妖が拝んだことのない、ミスティアの表情。 ○○が今までに出会ったどの妖怪よりも恐ろしく荒々しいその覇気を目の当たりにして、 弁を続けることも、反論する事も、のけぞる事も唾を飲む事も出来ず、ただ無意識のうちに腰が竦み足が震え冷や汗が噴き出るのみ。 「さっきから『ミスティアに迷惑がかかる』 ってばかり言って……○○は私と一緒に居たいの!? 居たくないの!?」 「……っ……」 「さっき○○私に言ってくれた、私と話していると楽しいって、 幸せだって、言ってくれた……それを聞いて私とても嬉しかったっ! なのにそれは嘘なのっ!? 本心で言ってくれたんじゃないのっ!? 私は……私の事を気にしない○○の意見が聴きたいよ……○○の素直な気持ちが……心が聴きたいよ……」 「……ミスティア……」 返す言葉もなく、ただ呆然とミスティアの心の叫びを聞く○○に、さらに詰め寄るように、○○に語りかけるミスティア。 「私は……唯○○と一緒に居られればそれだけで幸せなんだよ…… 別に結婚式がどれだけ遅くなっても、それが幸せに出来ない理由になんてさせないからっ! ○○は唯と一緒に居られることが一番の喜びなんだよ……○○が私を養えないて言うなら私が○○まで養う、 私を幸せにできないというなら私が○○まで幸せにする、誰にも文句は言わせないから…… ……○○に迷惑をかけるなんて言わせないっ! だって迷惑なんかじゃないもん…… 大好きな○○と一緒に暮らせて、大好きな○○を幸せに出来るのは……他でもない幸せだもんっ!」 「……」 「○○は自分勝手だよ……自己中心的だよ……私に迷惑がかかるって言っていつもいつも私を頼ることを回避して、 自分だけで全て背負って、それだのに私の事になると途端に無鉄砲に行動して、 もしそれが私の事を想っての行動だって言うのならそんなのウソよっ! ○○はただ、自分の体裁を気にしているだけだよ…… ○○はただ私の前でかっこつけたいだけだよ……私そんなのいらない。 弱くたって情けなくたって力量がなくたって私そんなの気にしない。 私はただ○○にもっと素直に、純粋に私を求めて欲しいよっ!」 「……ごめ…ん……」 「私はただ○○と隣り合ってお話できるだけで幸せ、○○とお話して素直な気持ちをぶつけ合うだけで幸せ。。 ○○が私の作ったご飯を美味しい美味しいって食べてくれるだけでいい、そして時たまダメ出ししてくれたらそれだけで嬉しい。 ○○が私の隣でお皿を洗ってくれるだけでいい、指でこするだけで音が鳴るようなピカピカのお皿を私が必要な時に常に傍に置いてくれるだけで私はとても助かる。 ○○が優しく私の事を抱きしめてくれるだけでいい、私が抱きしめたいと思ったときに手の届く位置に居てくれれば私は幸せ。 ○○が今日も一日お疲れ様って労ってくれればそれでいい。それで頭を撫でてくれたり、肩を揉んでくれたり、キスしてくれたりするのが私の明日への活力になるから。 ○○がいつも傍に居てくれるだけで幸せ。○○が傍に居てくれれば私は幸せ。○○となら、どんなことだってできるし、どんなことだって楽しい」 「……ミス……ティア……」 「ねぇ○○……私を……○○にとっての幸せで居させて……いつもいつでもいつまでも……私に幸せそうな○○を見せてよ…… ○○が私のおかげで幸せを感じてくれるのが私は一番幸せ……だからもっと頼ってほしい。もっと甘えて欲しい。 もっと近くに、いつも触れるぐらいに近くに居て飾らない、隠さない、素直な、幸せな○○を見せて欲しいよ……」 ミスティアは言い終わると、再び○○の胸に顔を埋め、その涙で○○の服を濡らしてゆく。 やがてミスティアの咽び泣きが終わったのを見計らい、○○はそっとミスティアの顔を持ち上げる。 「ミスティア……離して……」 「○…○……」 ○○はまるで何事もなかったかのように、そっとミスティアの肩に手をかけ、再び離れるように促す。 自分の想いが届かなかったと、失意の表情を見せるミスティアに、○○はあわてて続ける。 「大丈夫……僕はもうミスティアの元を離れない……ただちょっと……荷物をまとめる準備をさせてくれ……」 「えっ!?」 「こんな小さなボロ屋だからな、大したものはおいてないんだ。だからすぐ終わる。……手伝って……くれるかな? それから僕の新しい住居だね。いずれは二人の家を持ちたいなぁ。ははっ、お仕事頑張らなくちゃだな。 だからそれまで、ミスティア。僕をミスティアの家に置いてくれるか? ミスティアの傍に置いてくれるか? 今まで以上に……ミスティアを幸せにする役目を……果たさせてくれるか? 今まで以上に幸せになった僕を……見つめていて……くれるか……?」 「○…○っ!」 肩を抱きミスティアの瞳をじっと奥まで覗き込む○○。それを見上げるミスティアの表情は明るく、喜びの涙が流れていた。 「ミスティアの言うとおりだ。僕は、ミスティアの傍に居られる事が幸せだ。ミスティアとお話しできるのが幸せだ。 ミスティアの歌を傍で聞いてあげられる事が幸せだ。ミスティアの作ってくれた料理を食べられるのが幸せだ。 ミスティアのお傍で、お皿洗いができるのが幸せだ。疲れたミスティアを傍で労う事が出来るのが幸せだ。 ミスティアと一緒に手を組んで歩く事が出来るのが幸せだ。ミスティアとキスしたり抱きしめ合ったりするのが幸せだ。 ミスティアが幸せそうな顔を僕に向けてくれるのが幸せだ。僕の手でミスティアが喜んでくれるのが幸せだ。 今やっと気がついた。僕はこんなにも幸せだった。そしてもっともっと幸せになれる術があったんだ。 そしてミスティアを、大好きなミスティアを幸せにする方法もこんなにも近くに…… ミスティア……貴女は僕の幸せだ……そして僕は、ミスティアの幸せで在り続けたい…… 今までごめんミスティア。僕はミスティアの想いにずっと気付けなかったばかりか自分の気持ちにも嘘をついて来た。 『恋人同士』『愛してる』なんて言っておきながら僕は自分の事だけを、自分の体裁だけを考えて自分を偽ってきた。 ……一緒に暮らそう! 僕はずっとずっとミスティアに傍に居て欲しい。もうミスティアが傍に居てくれないとダメなんだ。 やっと気づけた。いや、やっとミスティアの前に素直になれた。これが本当の僕だ。 とても頼りなくて、力量もなくて、馬鹿でとても甘えん坊でどうしようもない奴だが、世界で一番貴女を愛している。 もう……ダメなんだっ! ミスティアが居ないと僕はダメだ。ダメにされてしまった。僕の心はミスティアの物だ。 だからミスティア。責任を取って一緒に居て欲しい。僕も、ミスティアをダメにした責任として一緒にいたい」 「うん……もうずっと一緒だからっ……もう絶対に離さない、逃がさないんだからっ!!」 再び○○の胸元へ顔を埋め、涙でその服を濡らす。違うのは怒りと哀しみの涙から、喜びと幸せの涙へと変わったという事。 感極まった妖怪の腕力という事で、見た目は少女といえどもやはりその力は普通の人間の手に負えるようなものではなく、 あわてて○○はバランスを取り、ミスティアの腕に手をかけてそれを制する。 「あ……こら強く抱きしめすぎっ……と、とりあえず荷物まとめるからな、離さない、はしばし勘弁してくれ…… ……改めて今日から、僕たち真に恋人だ……愛してる、ミスティア……この世の誰よりも……」 「うん……私も……○○大好きだよ♪」 一刻後、背中に風呂敷を担いで肩を寄せ合う何とも奇妙な二人組が夜明けの妖怪獣道を遊歩していったとか。 Megalith 2010/10/23 前略。俺は今頭を抱えています。 「もう一回、言ってみ?聞き間違えたかもしれん」 「ん?○○の家に暫く泊めてって言ったの」 小首を傾げる桜色の少女に、俺はため息をつく他、なかった。 「・・・・・・うん、じゃあ整理してみようか」 「?」 更に小首を傾げて不思議そうにする目の前の少女。 普段、屋台で見せる女将然とした雰囲気はそこにはない。あぁもう可愛いなぁ。 ・・・・・・ってそうじゃなく。 「何でミスティアはここに来たんだ?」 「えーと、屋台が壊れたから。直るまでここに居ようかと」 「いやいや妖夢。屋台じゃなくて自分の家は?」 「元々森に住んでたんだもん。家なんて作ってないよ」 「・・・・・・じゃあ野営すればいいじゃないか。お手の物だろ?」 何でそこで俺の家に転がり込むって選択肢が出てくるんだ・・・・・・。 再びため息をつく。 「いやぁ。屋根の下で過ごす快適さを覚えちゃったもので~♪」 「だから待て。そこで転がり込まれる方の気持ちも考えろ。っていうか屋台ってそんな快適だったか?」 ビシッと突っ込んでやる。うん、ここで甘い顔しちゃ駄目だ。 骨の髄までしゃぶり尽されかねない・・・・・・! 「藤原さんって、知ってるよね?」 「ん。あぁ、あの火の鳥の人」 この覚え方もまぁどうかと思うが。 たまにあの人もあの屋台に出没する。 ついでに焼き鳥持ってこられることにミスティアは毎回半泣きになるのもお約束だ。 「うん。あの人。焼き鳥はまぁ困るんだけど、やけにうちを気に入ってくれたらしくて、屋台を改造してくれたのよ」 「へぇ」 「水道電気ガス完備に仮眠室完備にお風呂完備の生活空間の場所をくっつけて」 「いやいやいや待て待て待て」 それ最早屋台じゃねーだろ!? どーりで最近謎のスペースが奥にあるなぁと思ったよ・・・・・・。 「で?その便利な暮らしにすっかり慣れちゃったから今更外で生活する気にならないと」 「その通り~♪○○はやっぱり察しが良いねっ」 「・・・・・・じゃあ次だ。何でうちに来た。他にもっとあるだろ、博麗神社とか博麗神社とか博麗神社とか」 厄介人を押し付けるならあそこは中々便利だ。家主もぶっきらぼうだが、なんだかんだ甘いしな。 紅白巫女にこんなこと言うと怒られそうだが。 「○○の家が良いのよ~♪温もりある家~」 「いやだから何でだって」 「楽しそうだから」 言いやがったよ。しれっと言いやがったよ。 そんなに俺面白いキャラしてねーぞ。 いやまぁこういういたいけな少女に頼られるのは嬉しいけどさ男として。 残念ながら中身普通に妖怪だけど。 「・・・・・・」 「いいじゃない。美味しい料理、食べさすよ?あぁ、勿論○○には手出さないから。 美味しそうだとは思うけど人はもう食べないように決めてるの」 「まぁ人食い妖怪の屋台なんざ誰も行こうとは思わないだろうからな」 「そういうこと~。で。駄目?」 ・・・・・・正直ミスティアの料理と言うのはかなり魅力的だ。 最近特に腕を上げており、評判もうなぎ登りだと聞く。 かくいう俺もそれを目的として屋台に結構な頻度で通っているわけだし。 だが。もう1つ、問題がある。俺は男だ。そしてミスティアは女だ。 だから・・・・・・その、間違いも起こりうる可能性もあるわけで。 「・・・・・・いやな?男一人女一人、一緒に同居って問題があると思わないか?」 「ん~何で~?」 「いや、だから・・・・・・」 「構わないよ。○○にだったら何されても」 ・・・・・・口ごもる俺に対しそんなことを満面の笑みで言われた。 いやいやいや、ミスティアさん?今なんて言いました? 「は?」 「いや、だから。○○にだったら何されてもいーよ。 それに、あんまり酷いことはしないだろうし。ヘタレだし。 そもそも襲われても怖くないし。弾幕的な意味で」 うふふ、なんて笑いながらそんなことを言う。 ・・・・・・こいつは意味分かってて言ってるんだろうか。言ってるんだろうなぁ。 あの連中の酒に付き合ってくうちに大分性格も悪くなったように思う。 「ヘタレ言うな。っていうかそういうことを冗談でも言うもんじゃない」 「冗談じゃないよ?」 鈍いなぁ、とやれやれというポーズでため息をついてくれやがった。 ・・・・・・冗談じゃないってどういうことだよ。 「だって私、○○のこと、好きだもん。それが理由。駄目?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」 いやいやいや待て待て待て。この目の前の少女は今上目遣いで何言ってくれた? 俺のことが好き?冗談だろ?からかってるんだろ? そもそも俺とミスティアの関係って屋台での客と店主の関係であってそれ以上じゃなくって・・・・・・。 何でそこでそんな言葉が出てくるようなことが? あれ?もしかして俺、酒が入ったとき何かやらかしたか?思い出せ思い出せ。 「おーい、もしも~し?」 「・・・・・・はっ!いや、お前・・・・・・本気か?」 「本気じゃなかったらこんなこと言わないよ」 むぅ~、と膨れる。その頬は真紅に染まっていて・・・・・・。 成る程、どうやら本気らしい。まさかこうなるとはなぁ・・・・・・。 俺は頭をポリポリと掻きながら、どう答えるべきか、考えた。 「俺は、好きだ、とは言い切れんな」 「・・・・・・どうして?」 何処か怯えたような、不安そうな顔をされる。 「だってそうだろう。俺もお前も、所詮は屋台での相手しか知らない。 それで好きだ、なんて簡単には言えない。・・・・・・だから」 そこで俺は言葉を一旦区切る。 ・・・・・・そして息を吸って、落ち着いて次の言葉を続けた。 「こうして折角お前から言ってきたんだ。一緒に暮らそう。 そして、お互いを良く知ろう。一緒に料理して、ご飯食べて、掃除もして。外に出て。 そして近づいていって近づいていって・・・・・・。お互いの知らなかったことを、知っていって。 そうすればきっとお互いに好きだ、って自信をもって言えると、思うから」 俺の偽りのない気持ちを、紡いでいく。 「だから、これからよろしくな、ミスティア」 「・・・・・・うんっ!」 その時見せた彼女の笑みは、とても晴れやかで。 俺の中で今でも強く、残っている。 「・・・・・・と、いったところだ。同居生活始めた切欠ってのは。それが2ヶ月前だな」 「おい、霊夢。お茶あるか。とびっきり渋いの。甘いのろけ聞かされて口の中が甘ったるいぜ」 「出がらしで良けりゃあるわよ」 「酷っ!?客人に対してそれは酷いだろ!?」 ――博麗神社。 いつもながら参拝客の居ないこの神社には、霊夢と魔理沙と、俺とミスティアが居た。 ミスティアは耳たぶまで真っ赤にしている。あぁもう可愛いなぁ。 「屋台はもう直ってるのよね?なのにまだ同居してるの?」 霊夢はお茶を啜りながらそう聞いてきた。 それに対し、魔理沙は茶化すように言う。 「当然だろ?二人はもう式まで済ませた仲なんだ。夫婦なら一緒に暮らしていて当然、だろ?」 「・・・・・・まぁ、そういうこったな」 隣のミスティアの頭を撫でながらそう答える。 益々赤くなって林檎のようになっている。愛いやつだ。 ――そう。俺らはもう、婚約している。 「色々あったんだがな。まぁ、なんだかんだ気が合ったというか、相性が良かったというか。 一緒に暮らし始めたら後は早かったな。一月したらもうゴールだ」 「相性ねぇ。あっちの方か?」 にやにやと黒白はそんなことを言ってくる。 ・・・・・・はしたないな。年頃の少女なのに。まぁ、憎めないが。 「そういう問題じゃねー。まぁ、お前も好きなやつが出来て、一緒に暮らしたら分かるさ」 「そういうもんか?」 「そういうもんだ」 そう断言してやる。・・・・・・すると、今度は霊夢が口を挟んできた。 なんだかんだいってやっぱり気になるのだろう。 こちらも年頃の少女なことに、変わりはない。 「でも、何でミスティアはそんな唐突に○○のところに言って、告白して押しかけたのかしら」 「・・・・・・そこは本人にしか分からないなぁ」 そういって隣を向くと、恥ずかしさに耐え切れず俯いている彼女の姿がある。 羽もパタパタしている。可愛い。 「うぅっ・・・・・・もうやめない?この話・・・・・・」 「嫌だね。こういう他人の恋話ほど面白いものはないんだぜ」 「・・・・・・だ、そうだ。諦めろ。こいつらにロックオンされた時点でどうしようもない」 「・・・・・・うー。それじゃ、言うけど。屋台に来ていた○○に、一目惚れしちゃったのよ。 誰にでも分け隔てなく喋っててさ、そして明るくて、気が利いて。 時たま疲れてるときなんか気がついてくれて声をかけてくれたりして。優しくて。 だから、どうにかして近づきたいなぁ、と思ってて。その矢先に屋台が壊れちゃって。 これだ!って思って思いっきりアタックして。それで勢いで、つい・・・・・・」 モジモジと答えるミスティア。そこまで言い終えるとまた俯いてしまった。 ・・・・・・いや、流石にこれは恥ずかしいな。俺も。 「成る程ね~。ベタ惚れじゃない。良かったわね、○○」 「・・・・・・今度はこっちが恥ずかしいな、全く」 「そんじゃ、この仲睦まじい二人を祝して宴会と行こうぜ!」 ・・・・・・いや、何でそーなる。そもそも式を挙げたのは一ヶ月前でその時も散々騒いだろうに。 まぁ、騒ぎたいだけなんだろうなぁ、多分。 「・・・・・・別に良いけど、うちでやるんじゃないでしょうね?」 「勿論ここだが」 「・・・・・・はぁ。片付け、やりなさいよ?いつも大変なんだから」 「分かってる分かってる」 いつもながらのやり取り。あいつ絶対分かってないな・・・・・・。 今日も霊夢が一人、ため息をつきながら後片付けすることになるのだろうな。ご愁傷様だ。 これからも。こんな日々が続く。そしてきっと退屈しないだろう。 だって、俺には素敵な、可愛らしい歌姫が傍に居るんだから。 「ま、これからもよろしくな。ミスティア」 「うん。こちらこそ。○○」 いつまでも、幸せに。
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加入条件:8章外伝終了時ルーミアが加入する場合同時に加入 初期装備:高速霊撃弾、傷薬 固定共鳴:幽々子、響子、妹紅、リグル、ルーミア、橙 固定三位:リグル+ルーミア 無効スキル:なし 初期能力 クラス Lv HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 移動 武器 スキル 夜雀の怪 11 25 9 7 13 13 8 8 5 8 速C 獣、飛行、突撃 CCボーナス クラス Lv HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 移動 武器 スキル 歌う夜雀 21 +5 +3 +2 +4 +3 +0 +3 +3 +0 +追E +貫通 基礎成長率(%) ※この数値は暫定的なものです、今後変動する可能性は非常に高いです HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 試行回数 平均 全ピン 無音 ver 42 56 27 56 64 34 37 17 100回 3.33ピン 0回 0回 1.05a Lv20成長例1(ver1.04a) Lv HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 実績値 20 30 15 10 19 20 13 12 10 上昇値(+) 9 5 6 3 6 7 5 4 5 成長率(%) - 56 67 33 67 78~ 56 44 56 Lv20成長例2(ver1.05a) Lv HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 実績値 20 31 18 12 20 20 13 14 7 上昇値(+) 9 6 9 5 7 7 5 6 2 成長率(%) - 67 100 56 78~ 78~ 56 67 22 雑感 生足に定評のある夜雀。淡いピンク髪。悲鳴が情けない。鶏肉。 事あるごとに濃いピンク髪幽々子にいじられてる姿が目撃される。不幸だー! 獣+飛行でかなりの機動力を誇るが、同時に弱点も多く抱えるため少々動かし辛い印象が付きまとう。 しかし飛行ユニットは運用次第で多大なメリットをもたらすので、上手に活用したい。 ステータスは典型的な高火力高機動低装甲型。打たれ弱さは目立つが全体的に成長率が高い。 また、高速弾使いの中では何気に魔力も有している方なので、余らせがちな火炎高速弾も持たせられる。 飛行キャラの中ではHP成長も悪くない。しかしそれでも高いと言える水準にはやや足りない。 獣+飛行の特性を活かし、極力被弾の少ない立ち回りを心掛けるのが正しい運用方法と思われる。 突撃及びCC後習得の貫通は、発動することで逆にやっつけ負けの引き金を引く可能性がある。発動した時の状況も考えて運用しよう。 そしてミスティア最大の利点は、強力な三位一体ユニットを構成する一員である、ということ。 同時期に加入するリグル・ルーミアと協力することで、エース級どころかチート級レベルの凶悪ユニットが誕生する。 とりわけミスティアは高MVと飛行を利用した移動役となるのが殆どだが、進入不可地形上での空中戦で前に出る機会もある。 最低限特効にさえ気をつければ、最強の空戦勢力として名を馳せるのも夢ではない。 余談 成長吟味し、エースとして育成した場合 Lv40成長例(ver1.22b)転生無ドーピング無 Lv HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 実績値 40 51 39 21 40 40 30 31 24 弱点の多さだけは気を付けたいが極めて優秀な飛行物理アタッカー。 三位における移動役としてだけでなく攻撃スキルも優秀。 支援も三位の双方から受けられるため飛行ユニットの割に回避率も高い。 共鳴相手考察 固定共鳴相手はなんと6人。巫女と並んで3番目の多彩さを誇る。 しかし何と言ってもリグル・ルーミアとの三位一体が外せない。余程の無茶をしない限り、だいたいこれで何とかなる。 雑感のとおりミスティアは主に移動と空中戦担当。努力家の恩恵を考えるとメインの前衛はどうしてもリグルになりがち。 しかし正直なところ、獲得経験値にこだわらなければ誰が前衛でもチートクラスであることに変わりない。 この強すぎる三位一体を封印するなら、他との共鳴も面白いかもしれない。 同じく同時期加入の橙は、能力が非常に似通っている。長所はより伸ばせるが短所は補えない。 対してバランス型なのは、響子との鳥獣伎楽コンビ。しかし、この二者はどちらも高機動の獣キャラなので、そこが勿体無いところ。 食物連鎖ピンク髪コンビの幽々子の場合、飛行が被るのはやはり気になるが、裏を返せば空中で入れ替えができるという利点も。 妹紅と組むなら、後衛に付いてあげるのも一興。ミスティアからは速さ補正と移動力、妹紅からは努力家補正で、WIN-WINの関係を築ける。 焼き鳥って言うな! 支援会話 リグル (支援レベルB、A、S時) ルーミア (支援レベルB、A、S時) 精度向上のためデータの追加・報告にご協力ください 名前 コメント
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ミスティア・ローレライ 加入場所 祭りの集落で慧音を仲間にした後話しかけて合流 ステータス倍率 HP★★★ MP★★★★☆ 攻撃★★★★☆ 防御★★☆ 魔攻★★★★☆ 魔防★★★☆ 命中★★★★☆ 回避★★★★☆ スキル詳細 スキル名 前提スキル 種別 対象 消費MP 詠唱時間 効果 ブレイククロー アクティブ キャラ 鋭い爪で強く引っかく。通常より威力の高いダメージ。 イルスタードダイブ ブレイククロー5ブラインドナイトバード5 アクティブ 床 周辺に闇を与えつつ攻撃。自分の周辺の敵にダメージを与える。稀に暗闇状態にする。 リトルバタリオン ブレイククロー10 アクティブ キャラ 小鳥の軍団を呼び攻撃する。連続でダメージを与える。 ブラストノイズ アクティブ 床 大きな叫び声を出し、音の衝撃波で自分の周辺を攻撃。 木菟咆哮 パッシブ 無し 0 0 スキルレベルに応じて昆虫種族に追加ダメージ。 毒蛾の暗闇演舞 イルスタードダイブ3 アクティブ 床 0 周囲を闇に隠しつつ、毒蛾の毒を撒く。範囲内を毒状態にする。スキルレベルに応じて確率増加。 ブラインドナイトバード アクティブ 床 0 夜雀の力で全てを閉ざす闇を呼び出す。範囲内を暗闇状態にする。スキルレベルに応じて確率増加。 発声練習 パッシブ 無し 0 0 声を出す練習をする。歌スキルの効果が上昇する。 賛美の歌 発声練習1 アクティブ 床 0 聴くものを幸せにする歌を歌う。範囲内のHPを回復する。スキルレベルに応じて回復量増加。 輪廻の歌 発声練習1 アクティブ 床 0 聴くものを神経を活性化させる歌を歌う。範囲内の凍結、睡眠、停止状態を回復する。スキルレベルに応じて確率増加。 救済の歌 発声練習1 アクティブ 床 0 聴くものを開放する歌を歌う。範囲内の封印、移動不能状態を回復する。スキルレベルに応じて確率増加。 ミスティア・ローレライの激唱 発声練習1 アクティブ 床 0 まるで機械のような凄まじい早口で歌を歌う。範囲内の詠唱時間を短くする。スキルレベルに応じて効果増加。 狂乱怒涛のスクリーモ 発声練習1 アクティブ 床 0 叫び声で他の音が聞こえないような歌を歌う。範囲内でスキルが使用不能になる。スキルレベルに応じて消費MP減少。 士気高騰の軍歌 発声練習1 アクティブ 床 0 みんなの士気が上昇する歌を歌う。範囲内で獲得経験値が上昇する。スキルレベルに応じて効果増加。 運否天賦のゴスペル 発声練習1 アクティブ 床 0 神に祈りを捧げる歌を歌う。範囲内でアイテムのドロップ率が上昇する。スキルレベルに応じて効果増加。 疾風迅雷の応援歌 発声練習1 アクティブ 床 0 素早く動けるようになるような歌を歌う。範囲内で行動速度が上昇する。スキルレベルに応じて効果増加。 怨徹骨髄の詩吟 発声練習1 アクティブ 床 0 恐ろしい詩吟を吟ずる。範囲内で属性の耐性が上昇する。スキルレベルに応じて効果増加。 諸行無常のわらべ歌 発声練習1 アクティブ 床 0 不思議なわらべ歌を歌う。範囲内で消費MPが減少する。スキルレベルに応じて効果増加。 特徴 歌スキルによってさまざまな支援が出来るのが魅力 詠唱速度アップで雑魚、ボス戦でも活躍できスキル封印も出来る ドロップ率アップで素材集めも出来る 経験値アップやドロップ率アップは敵が範囲内にいないといけないので必然的に最前線に出る事になる 回避率は高いがHPが低いので余り狙われすぎないように 攻撃面ではブラストノイズが威力も高めで範囲もそこそこ詠唱も無しなので使いやすい お勧めスキル リトルバタリオン・・・消費も軽く威力も高めな遠距離スキル。 ただし実用的なダメージが望めるのはスキルLv.6からでLv.1に到ってはダメージすら発生しない。 そのため序盤から一気に覚えさせなければならないため、即戦力にできるブラストノイズと好みが分かれがち。 ブラストノイズ・・・範囲攻撃スキル。 前提スキルが軽くスキルLv.1から実用に足る威力を出せるため扱いやすい。 特に歌唱スキルを中心とした育成だとリトルバタリオンの実戦投入が困難になるため、多くの場合攻撃面はこちらに頼りがちになる。 賛美の歌・・・序盤から使える範囲回復スキル。 無詠唱で使用でき、発動から10ターン継続的に回復させることができるため非常にコストパフォーマンスがいい。 回復量もいうほど低くなくIntに軽く振るだけでも結構な量を回復できる。 注意点としては、ミスティアの歌唱スキル全般に共通することだが発動中に移動と防御以外の行動をとるとスキルがキャンセルされること、次に敵味方関係なく範囲内のキャラ全てに効果を及ぼすこと、そしてミスティア自身はスキルの恩恵を得られない点である。 ミスティアローレライの激唱・・・詠唱加速スキル。 Lv.10の時点で三分の二、発声練習も10にすれば詠唱時間を半分まで軽減できる。 詠唱時間の関係でスキルLv.が上がれば上がる程スキルの使い勝手が悪くなるキャラを運用するうえでは欠かせないスキル。 注意点としては詠唱ゲージが増える速度が上がるのではなく、あらかじめ詠唱ゲージが溜まった状態から詠唱を開始させる仕様であるため、スキルの影響範囲内にいる状態から詠唱をスタートしなければ意味がないので使用の際にはパーティの位置どりを考える必要がある。 反面MP消費を気にしないのであれば味方の行動直前で激唱に切り替えることで擬似的に他の歌唱スキルとの併用が可能となる。 アリスのブリッツクリーク等対象の詠唱時間を短縮させるスキルとも重複するので併用すると・・・ 名前 コメント
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キャラ名 HP 攻撃 防御 知力 射程 速度 特技 パワーゲージ スペルカード ミスティア 450 30 40 60 3 3 5 夜盲「夜雀の歌」 スペル効果 スペル詳細 編集Ver:2.0.1 考察
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ミスティア6 9スレ目 271 よぉ、久しぶりだな、神社での宴会以来か。景気はどうだ? 俺のところか? おかげさまで、相も変わらず繁盛させてもらってるよ、また今度嫁さんと一緒に飲みに来い。 しっかし、夏もそろそろ終わりだってのに、まだまだ暑いな。お前ん所は大丈夫か? ん、嫁さんがバテ気味なのか。お前が無理させすぎてるんじゃないか? 何がって、そりゃ夜の生活に決まってるだろうが(ニヤニヤ よし、悪かった、その拳を下ろしてくれ。…ったく、短気なのは相変わらずだな。 詫びといっては何だが、こいつをやるよ。 ん? 中身は鰻だ。スタミナ満点、これで精力付けて夜に挑めば嫁さんも大満ぞk …何も、殴ることは無いだろう。 そんなことよりお前の方こそどうなのかって? ははは、繁盛してるって所から察してくれ、二人で元気に切り盛りしてるよ。あいつの歌も一日中響いてるしな。 それじゃぁそろそろ俺は行くよ。仕入れの最中でな、あまり遅くなるとまたどやされちまう。 絶対飲みに来いよ? 約束だからな。 9スレ目 446 今日も今日とて、みすちーは俺の風呂の中でリサイタル。 相変わらず艶めかしくしなやかな両脚とか バスタオルに覆われた膨らみかけの胸とか 少女らしい少し痩せた丸っこい両肩と色っぽい項とか…… ……要するにみすちーの姿全部、未だに直視できないけれど。 そして、俺の家の風呂の中でみすちーが声を張り上げて歌っていた。 「―――― 赤く燃え 見事に散って 星になった命よ~♪ 時を越え その名前を 胸に刻もう……Just Forever~♪」 「おおおお! すごい! すごく熱いよみすちー! 熱すぎる!!」 みすちーはすごい。 歌声が奇麗なことは言わずもがなだが、歌を歌うときには必ず曲のイメージに声を合わせてくる。 ロックを歌うときは、激しく強く荒々しく。 しっとりしたラブソングを歌うときは、優しく切なく。 「みすちーは やっぱりすごいな……! ってか、どんな曲歌っても、曲のイメージぴったりに歌えるってのがすごい!」 「えへへ……曲を選ばないのがプロってものよ♪」 「いやいやみすちー! プロよりもすごいんじゃないかってくらい上手かったよ! 」 「そ、そうかな……」 「そうだって! まださっきの曲の余韻が残っててドキドキしてるしさ!」 「も、もう……口が上手いんだから……」 胸の前で、曲げた両手の人差し指を互いにいじらせながら 僅かに俯いた顔、その色はわずかに赤く染まっている。 「……もしかして、みすちー……照れてるの?」 「え? あ、あの……その……」 焦ってる……確定だ。 みすちーってば照れちゃってるよ。 その時、俺の心に悪戯心が芽生えた。 もっと照れるみすちーが見たいなー……と。 「いや、謙遜することないよ。まるで、ローレライの歌を聞いてるかのように歌に引き込まれちゃうしさ」 「そ、そんなに褒めないでよぉ……」 彼女は持参していたミニタオルを両手で持ち、口元をそれで隠す。 頬は先ほどよりも紅く染まっていた。 子犬のような愛らしい瞳が、俺を上目遣いで見上げている。 背中の羽をパタパタと羽ばたかせ、耳が僅かにぴょこぴょこ動いている。 「みすちーの歌は幻想郷一だね。いや、外の世界でも頂点に立てると思うよ」 「や、やだやだぁ……そんなに褒めちゃダメだってばぁ…!」 背中の羽の動きが“パタパタパタ…!”でなく、“バタバタバタバタ!!”と速くなる。 耳がさらなる速度でにぴょこぴょこ動き、ミニタオルを両手に持ったまま顔全体を隠す。 きっと、彼女の頬はこれ以上ないくらい紅く染まっているのだろう。 ……ヤバイ。 止められない。 みすちーって……時々、思わず襲ってしまいたくなるくらい ものすごく可愛い時がある。 今がまさにそれだ。 照れるみすちーが可愛すぎる、 もっと照れさせたい もっと恥ずかしがらせたい もっともっともっと…… 「すごく安らぐ歌声だもん…… い つ ま で も ず っ と 聞 い て い た い な」 「えっ……?」 ―――― いつまでも、ずっとって……ずっと、一緒に……? 「……――――~~~~ッ!!!」 ボ ン ! ! 「ちょ、ちょっと! みすちー大丈夫か!? ってか、また湯当たり!?」 「はぅぅ~……」 ―――― ああ…私、幸せ……もう、死んじゃってもいい……… 夜雀の意識は幸せな色に包まれたまま、薄れていった…… 近くにいすぎるために自分の淡い想いに気づかない青年と 熱い想いを胸に秘めながらも、自分から告白することができない恋に臆病な少女。 2人は、まだまだ恋愛初心者。 ……その割に互いに結構大胆だったりもするのだがw 11スレ目 143 草木も眠る丑三つ時。 それは闇と妖怪が支配する時刻。 だがその中で、それを照らす光のような歌声が響いていた。 声の主は夜雀、ミスティア・ローレライ。 その歌声は流麗。 それでいてどこか温かさを感じさせるものだった。 少女は歌う。 その身の幸せを。心の内の喜びを。そして溢れんばかりの愛を。 それを木陰で聞くは一人の青年。 彼は目をつむり、彼女の歌を一心に聞く。 今この場は他ならぬ彼のためのコンサート会場。 やがて想いと旋律は最高潮を迎え、歌は終焉へと至る。 一瞬の静寂の後に拍手の音が響き渡った。 「どうかな? 今度の新曲?」 少女は問う。 期待と不安の入り混じった声で。 「うん、すごくいいね。何て言うか胸にジーンて来た」 青年は答える。 その感じたものを素直に。 「えへへ、ありがと」 顔を赤らめ、少し照れた様子で笑う。 二人にとってこのやりとりはいつものこと。 しかし違ったのは青年がある疑問を口にしたことである。 「けど、何かいつもよりしっとりとした歌だね。今度の歌のテーマって何なの?」 それに対し、少女は体を少しこわばらせる。 そして息を大きく吸い、それを大きく吐き出す。 その顔は真剣で、決意に満ち溢れていた。 「この歌のテーマはね……『あなた』なの」 「え? それってどういう……」 少女は目を閉じ、自分の胸に両手を当てる。 「私はあなたのことが好きです」 少女は朗々と言葉を紡ぎ出す。 その想いと共に。 「あなたに会えて良かった。あなたの笑顔を見てると私も嬉しくなれた。 あなたが傍にいないとどうしようもなく寂しくなった。そして私は……あなたと居るだけで幸せだった」 再び目を開け、その視線を青年へと向ける。 「だから……私とずっと居てください」 少女の突然の告白に青年は目を見開いた。 だがその表情はすぐに元の穏やかな微笑へと戻る。 「俺もミスティアのことが好きだよ」 散歩にでも出かけるような気軽さで告げる。 なぜなら、既に彼にとっては彼女と共に在る世界こそが当たり前だから。 「歌う時の真剣な表情が大好きだ。屋台をするときの楽しそうな顔も好きだ。俺は君と君の歌が大好きだ」 だから彼女の願いに対する答えはたった一つしかありえない。 「俺は君と一緒に居たい」 少女の手を引き、その小さな体を抱きしめる。 それは強く抱きしめれば壊れそうで、それでいて何にも勝る温かな強さも持っていた。 少女もまた青年の背中に手を回し、その温もりを感じる。 いつも傍にあった大切な温もりを。 そして二人は歌い続ける。 彼らの大切な想いを乗せて。 いつまでも。いつまでも。 12スレ目 451 うpろだ832 食べ物が無い! この部屋にはぞっとするほどに、口に入れられるものが無いのだ。 おまけに、扉には鍵がかかり、目の前には無表情かつ無愛想な男が立ちふさがり、あ、つまり○○なんですけど。 他人行儀な言い方してみたけど結局○○なんですけど。 とにかくそいつが無表情かつ無愛想、更に無言で立ちふさがり、見下ろす両の目。 覗き込んだらそのまま何処か、この世界の何処か、もしくはすぐ傍の外の深い夜の空、それの色が透けて見えそうな、暗い色。夜を含む赤。濃い死んだ色。 好きだったものを飽きたからと無邪気に殺して、後から取り返しのつかない過ちに怯えだす、幼い子供が血溜りに見る色の瞳。 絶望を満遍なく、多量に含む色だ。 手が持ち上がらないから、視線だけでじっと見る。 座り込んだ床が冷たいのは、夏だというのにこの部屋が、病的に冷房が効いて何処にも熱がなく、生きているものの私の中にすら、温度が無いくらいだから。 触れていないから解らないけど、いつもいつも青白い、この部屋と同じく病的な空気を孕んでいる瞳の彼も、同等に冷たいだろうと安易に予想できた。 肌が寒いし、お腹は空っぽだし、全部が全部空虚じみていて、頭が上手く回らない。 腕や足に力が入らないのは、彼の瞳に住み着く悪魔、もしくは彼そのものが、私の事を飲み込もうと企んでいるから? この使い勝手の悪い生白い手足は、恐怖に竦んでいるのだろうか。 食べ物の無い空間で始まること、それは最後、共食いだ。 強い方が生き残り、次の世代に駒を進めるため。 弱いものは食われ、血肉になるのだ。弱肉強食と言えば早いか。 なんとも血沸き肉躍る話だが、自分が弱いほう、血肉にならざるを得ないほうでは、話にならない。 私はまだ飲み込まれたくないし、自分を生かすのに精一杯なのだから、いくら愛する男といえど血肉なんぞになるのは真っ平御免である。 私は漠然じゃない、しっかりとした生命の危機、不安から、曖昧な笑顔を浮かべてそっと後ずさる。 後ずさりながら、何回か瞬きをする。 すると、いつの間にか彼は私の背後に回りこんでいて、無表情かつ無愛想かつ、更に無言で、私の首と胸の中間辺りに、腕を回す。 緩くだけど力が入って、筋張って太い、いかにも男らしい、強者らしい、勝利者らしい腕がぐっと私を押さえつけて捕まえる。 自分の後頭部が彼の胸の辺りに当たっていることに気付いて、驚いた。 心臓の鼓動は当然、私までは聞こえないけど、呼吸の度、微かに上下している。本当に、微かに。確かに。 ああこの人は生きている、と改めて思って、やはり私はこれから彼に食べられるのだろう。と半ば諦めのように、だけど微かに恍惚して、思った。 やたらと大きい手のひらが私の肩を撫でる。 ぎょっとするほどに長い指先が喉元に触れる。 きちんと切られているのに、どうしてこの爪は、こんなにも大きいのか。 飴玉のように艶々と光るそれは、食べられる側の私なのに、うっかり舐めてみたいと思ってしまうほど、極上に素晴らしい代物だった。 食べる側というのは、いつも必ず何処か、あるいは全てが、食べられる側より優れていて、彼らの死に際にうっとりと憧れを抱かせる。 肉食獣なら牙。巨大な魚類なら輝く鱗。彼なら、美しい爪。 本音を言うなら、その全部を。 私はセオリー通り、憧れて、うっとりと目を細める。物欲しそうに。 だって、出来たら、力があれば、私はその爪をひとつひとつ唾液を絡めて舐め上げて、絶望の象徴のようなその瞳を、嫌悪やら、憎悪やら、運が爆発的に良ければ、快楽とかに染めてしまいたかったのだ。 こんな寒さと飢餓に震える何も出来ない今の私では、無理だけれど。 ああ、この部屋には食べ物が無い。 なんにも、無い。 扉には鍵がかかっていて、私の全ては彼の手の中で、胃に詰め込む食べ物を求め里まで走るには、少々障害が多すぎる。 仕方が無いから私は、彼に憧れたままで、血肉に成ろうかと、思います。 私は妖怪だから、優しく上手くしてくれれば生き返れるかもしれないのだし。 鋭い歯が、近づいてくる。 世界中の魅力を独り占めしたような、緻密な手のひらが服を破る。 肩紐が落ちて、帽子が落ちて、髪の毛が舞って、頬にかかった。 どうか、私の周りの皆様、先立つ不幸をお許しください。 一時的とはいえ、私は、愛する男の血肉になるしかないようです。 何故なら、この部屋には食べ物が無いし、鍵はかかっているし、○○は私の首を撫でて、それはもう愛おしげに撫でて、たっぷりと欲を含んだため息を吐くのです。 これはもう、咀嚼されるしかないでしょう。 まさかあのしつこい庭師より大食らいの亡霊より先に、自分の愛する人に食べられるとは思わなかったけれど。 私は、弱者です。弱肉強食で言ったら、肉なのです。 ああ、この部屋に食べ物があれば! そうしたら私も○○も、お腹がいっぱいで、少しは幸せに笑えたでしょう。 私は生白く、彼は絶望の色した瞳で。絵画のよう。もう、それは叶わないけれど。 彼の瞳と同じ、絶望を瞼の裏で見ながら、朦朧とした体を彼に任せていた。 そのとき。 首の後ろに押し当てられた柔らかな唇の感触と、「ミスティア」と微かに掠れた、この部屋で唯一熱を持った声で私を呼ぶ彼に気付いて、私は初めて知る。 食欲を別の欲で満たす方法を。 (乗り切る方法は愛/頂きますなの?頂かれますなの?) 12スレ目 318 幻想郷に流れ着いて今年で6年目、ここでの生活もすっかり慣れ友達もできた。 しかし、人間以外の友達がほとんどだが…。 〇〇「今日も特にする事無いなぁ。」 普段特に目的意識もなくそこはかとなく生活する俺。NEET予備軍 or NEETである。 と、そこへ現われた一人の妖怪。 ミスティア「あ、いたいたぁ。やっぱりここね。」 〇〇「やっぱりってなんだよ。」 彼女はミスティア・ローレライ、知り合って3、4年になる大の仲良しだ。 ミ「〇〇はいつも家にいるでしょ、他のとこに居ることなんて滅多に見ないからねぇ。」 〇〇「まぁ、否定はしない。で、今日は何の用なんだ?」 ミ「へへ、蒲焼屋の新メニュー試食会よ。ちょっとコンロ持ってきてよ。」 〇〇「炭火じゃなくていいのか?」 ミ「試食だから堅い事言わないの。」 台所からカセットコンロと金網を持ってきてテーブルに置く。するとミスティアは持ってきた籠から商売道具一式を出し始めた。 〇〇「言葉の割には本格的だな。‥‥って、それはなんだ。」 ミ「えへへ、この前人間が置いてったお酒よ。すごく高いんだって。」 〇〇「じゃあなんだ、飲み会でもするのか?」 ミ「もちろんよぉ。だって今日は〇〇と会って丁度4年目よ。ま、試食もやるけどねぇ♪」 〇〇「なんだ、覚えてたのか。」 ミ「あらあら、〇〇も覚えてたとは関心関心。うれしいじゃないの。」 〇〇「去年はやったっけ?」 ミ「去年は〇〇が先に酔い潰れておしまいよ。今年は最後まで残っててよね。」 〇〇「最後っていつまでだよ。」 会話をしながらもミスティアは手際よく下拵えしている。流石、商売慣れしてるなぁ。 ミ「まずは乾杯ね、私の自慢の八目鰻。炭火じゃなくたっていけるんだから。」 〇〇「ん、じゃぁかんぱ~い。」 いつ食べてもミスティアの蒲焼はうまい。たとえガス焼きでも他の人が焼いた蒲焼は食べられそうもないくらいだ。 〇〇「相変わらずうまい!どんどん焼いちゃって!」 ミ「最初からそんなに飛ばしちゃっていいの?最後までもたないかもよ?」 〇〇「いいの、ミスティアが焼いてくれてるんだもん。」 ミ「あら、もう酔ってきた?じゃあ、次は新作よ。」 〇〇「‥‥‥‥なにそれ。」 ミ「カエル。」 〇〇「それは客に出していいのか!?」 ミ「ちゃんと処理してあるわよ。つべこべ言わず食べなさい!」 〇〇「う‥‥むぐむぐ‥‥‥ん!割とイケるかも!」 ミ「ほんと?」 〇〇「まぁ、ミスティアが焼いたからかな。」 ミ「絶対酔ってるわね、でも、ま、ありがとねぇ♪」 その後も新作を食べ続けた。 牛肉、豚肉、魚、昆虫、果ては野菜まで。蒲焼にできるのかと思うような物まで器用に焼いていった。 〇〇「よくもまぁ、こんなものまで‥‥。」 ミ「や、焼ければ大体、蒲焼にできるわよぉ。」 二人ともフラフラに酔いながら作り置きしてた蒲焼を食べながら杯を交わす。ミスティアの持ってきたお酒が無くなったら〇〇の家にあるものを持ってきて終わる事無く飲み続けていた。 ミ「それにしても〇〇~、お酒強くなったわねぇ。」 〇〇「俺が先に潰れたらミスティア一人になっちゃうだろ?」 ミ「な、何言ってんの!ばか‥‥。」 〇〇「あれ?顔、さっきより赤くなった?」 ミ「お酒の‥‥所為でしょ!」 〇〇「そっか、無理するなよぉ。布団敷いとくから今日は泊まっていきなよ。いくらミスティアでもそんなに酔ってたら帰れないだろ。」 ミ「‥‥‥そのつもりで来たから…。」 〇〇「ん、何か言った?」 ミ「な、何でもないわよ!飲み会なんだから最初から泊まるつもりだっただけよ!」 〇〇「強引な、とりあえず風呂作ってくるよ。」 ま、今日は初めから泊まってもらうつもりだったけど‥‥。 そう、何を隠そう俺はミスティアの事が好きなんだ。無邪気で頑張り屋、仕事中は普段とは違った魅力があり、みんなは気付いてないけど周囲への気配りも忘れない。 一緒に居る時間が積み重なるほどこの想いも深くなっていく。 〇〇「ほら、できたよ。先に入っちゃいなよ。」 ミ「覗かないでよねぇ♪」 〇〇「できたらね。」 ミ「まったくぅ。」 ふふ、可愛いなぁ。こんな可愛い子と今夜一緒に寝るなんて。寝顔はもっと可愛いのかなぁ。 そんな事を考えてたらいつのまにかミスティアが風呂を出ていた。 ミ「覗きに来なかったのねぇ、サービスショットで待ってたのに♪」 〇〇「ちょっと酔いすぎじゃないか、ほら、早く寝ちゃいなよ。」 ミ「じゃあ、待ってるから早くねぇ♪ふふふ…♪」 今日は酔い潰れないように押さえておいたが代わりにミスティアが飲み過ぎたみたいだ。こんなミスティアは初めてみる。 でも、たまにはこんなのも‥‥‥。 手早く入浴を済ませミスティアのもとへ向かう。 ミ「あ、きたきた!はい、こっちこっちぃ。」 〇〇「俺は自分の布団があるから一人で寝なさい。」 ミ「冷たいのねぇ、一日くらいいいじゃないのぉ♪」 〇〇「それもそうだな。」 ミ「切り替え早ッ!〇〇こそ酔ってるじゃないの。」 〇〇「ミスティアほどは酔ってないよ。」 なんだ?今日のミスティアは?やけに誘ってくるけどまさかそんな事は‥‥。 とりあえずミスティアの布団に入る。 〇〇「酒臭い‥‥。」 ミ「お互い様ぁ♪」 〇〇「なぁ、今日はどうしたんだよ。そんなに酔っ払って。」 ミ「そうねぇ、じゃあ最初に言っとこうかしら。私と付き合ってぇ♪」 〇〇「はいはい‥‥、ってなんだってぇ!」 ミ「えへへ。だから付き合ってほしいのよぉ♪」 〇〇「やっぱり酔いすぎだ。」 ミ「ちょっとぉ。好きだから付き合いたいってのは自然の道理でしょう?それともな~に?私じゃ不満でもぉ?」 〇〇「不満はないがこういうのは酔ってないときにするもんだろ。」 ミ「酔ってなかったら〇〇に言わせるまでずっと付きまとうつもりだったのよ~。でも、お酒の力借りないと〇〇も言わなそうだけどねぇ♪」 〇〇「今酒の力借りてるのはミスティアでしょ。ミスティアだって酒の力借りないと言えなかったんだろ?」 ミ「むぅ、言ったわねぇ!何の為に私が自腹で試食会なんて開いたと思ってんのよぉ!〇〇は食べるだけ食べて飲むだけ飲んで、それで終わり~?」 〇〇「それはミスティアも同じだろ。それにもうすこしでミスティアの誕生日だろ?それまで待ってれば俺の方から行ったのに。」 ミ「ちょ、ちょっと、今、後半なんて言ったのよぉ!〇〇の方から~?」 〇〇「あ、あぁ。俺もミスティアの事好きだからな。」 ミ「え!!!!‥‥‥‥‥‥。」 急に黙り込んでしまったミスティア。俺の方もまさかの告白で緊張してるがそこは酒力でカバーする。 〇〇「どうなんだ、付き合いたいのか?」 ミ「〇〇はどうなのよ。」 〇〇「俺は付き合いたいよ。ミスティアの事好きだからな。」 ミ「‥‥‥‥‥。」 〇〇「ん、どうした?」 ミ「‥‥‥‥すやすや。」 〇〇「大事なところで寝るなよ。まぁ、今日はミスティアがすごく頑張ってたからな、続きはまた明日って事で。おやすみ。」 ミスティアのほっぺたをぷにぷにしながら眠りについた。やわらかくて気持ちいい。 頬を伝う涙は見なかったことにしてあげよう。 翌朝 〇〇「う~、ちょっと頭痛いかな。」 ミ「大丈夫?飲み過ぎるからよ。」 〇〇「ミスティアの方が飲んでただろ?」 ミ「普段から飲んでる量が違うのよ。」 〇〇「いつもあんなに飲んでるの?それより昨日のことだけど…。」 ミ「え、な、何よ、昨日の事って。」 〇〇「知らんぷりしても顔は正直だぞ、もう赤くなってきたよ。」 ミ「むぅ、仕方ないわね。じゃあ、昨日のことが何?」 〇〇「俺からも頼む、付き合ってくれ。」 ミ「‥‥‥。一つだけ、私と〇〇両方に条件付けていい?」 〇〇「何?」 ミ「別れないこと」 〇〇「それじゃなんか縁起が悪いよ。そういう時はこう言うの。一生一緒に居ることって。」 ミ「〇〇!」 〇〇「ミスティア!」 それ以上の言葉は必要なかった。抱き合って触れ合う肌からお互いの気持ちは伝わっていた。 しばらくして蒲焼屋の店員が一人増えたという噂が流れだした。 12スレ目 861 うpろだ898 青年の目の前に巨大な獣が迫る。 獣は腹が減っているのか牙を剥き出しにして、青年に襲いかかろうとしていた。 「く……そぉ!」 「グォォォォォォォ!!」 対し、青年は尻餅をついたまま追い詰められている。 獣の咆哮が響き渡り、青年は恐怖に身を震わせ、瞳を閉じた。 そのまま、青年の人生は終わるはずだったが―――― 「ギャアアアアアアァァゥ!!」 ズゥゥゥゥ………ン!! ――――その前に、獣の人生が終わるほうが早かったようだ。 獣は突如として出現した光の弾に貫かれて、断末魔の咆哮を上げながら絶命する。 「大丈夫? 怪我はない、○○?」 恐怖に歪んでいた青年の顔が、この上なく安堵に緩んだ。 それも当然だ。青年の心強い親友が助けに来てくれたのだから。 「助かったよ……ありがとう、みすちー」 ・ ・ ・ 「にしても、早いもんだよね。幻想郷に来てから もう1年かぁ……」 宵闇の腹ペコお化けに襲われていたミスティアを、○○が助けたのが慣れ染め。 それ以来、この二人は種族こそ違うものの、無二の親友として付き合っていた。 「うふふ……思い出すわね、あなたが初めて私を助けてくれたこと――――」 そして、二人は しばし過去の逢瀬を肴に話をふくらませる。 けれど、楽しい時間はすぐに過ぎ去ってしまうもの。 いつの間にか太陽は西の空に傾き、周囲は闇に覆われつつあった。 「ん……もうこんな時間か。みすちー、今日はお仕事?」 「え? ええ……あ、あの……」 「ん、どうしたの?」 「あの……今日はちょっと忙しくなりそうなんだけど……もし、よかったら――――」 「待った」 「え?」 「皆まで言うなって。水臭いじゃないか」 皆まで言わずとも、○○はミスティアの意図を悟ることができた。 今夜は『忙しくなりそうだから助けてほしい』……というミスティアの意思を汲み取る。 それを断るほど、○○は友達甲斐の無い男では無かった。 「……あ、ありがとう」 「おう、なんでも御座れだ」 「それじゃあ、早速行こう?」 ○○はしゃがみこみ、万歳の要領で両手を頭の上にあげる。 ミスティアは、その手を掴み、翼を羽ばたかせた。 ふわっ―――― ミスティアの身体が、次いで○○の身体が宙に浮く。 普通の人間である○○は空を飛ぶことができないので、屋台のあるミスティアの家まで連れて行ってもらうのだ。 木々の高みを超え、視界が緑から赤に染まる。 沈みゆく夕日が眩しい。 美しい景色を眺めながら、○○はしみじみ考えていた。 ―――― 幻想郷に来てよかった ここは現代社会ほど便利な場所では無い。 けれど、それを補って余りある色々な魅力がある。 なによりも、生涯の親友とも言えるミスティアにも会えたことは、○○にとって人生最高の幸運だった。 けれど、そのことは照れくさいので、ミスティアには言わない。 いや、言わなくてもミスティアもわかっているだろう。 「そういえばさ、みすちー 最近 歌いに来ないよね?」 「え? あ……うん……ちょ、ちょっと……ね」 「どうしたの? 顔真っ赤だよ?」 「な、なんでも無いよ!」 「? ……ヘンなみすちー」 そう長い時間も経たず、二人はミスティアの家に着く。 小さな洞窟の側に建てられた家だ。 ミスティアは、○○を洞窟――――もとい屋台が入っている倉庫の側に下ろす。 「じゃあ、俺は屋台をいつもの場所に出してくるわ」 「う、うん……」 屋台を手伝うのも、週に数回――――このような力仕事はもはやお手のものになっていた。 ミスティアが家から食材を用意している最中に、○○は倉庫から屋台を出す。 大きめの屋台をえっちらおっちら洞窟の外に運んで行くと、ミスティアが食材を用意して待っていた。 「そ、それじゃ始めようかしら……」 「おう」 食材を屋台の上に置くと、ミスティアは一枚の板を屋台に立てかけた。 その板に描かれてある文字を見て、○○は首を傾げる。 「あれ、『貸し切り』?」 「そ、そうよ」 これまで、幾度となくミスティアの屋台を手伝ってきたが、今までに貸し切りになったことは一度も無い。 ミスティアの屋台を貸し切る者が誰なの、少し興味があった。 「へー、客は誰よ?」 「…………」 「? ……みすちー、どうしたの?」 ミスティアは俯きがちに、黙り込んでしまう。 外面は、ただ頬を赤く染めているだけだが、彼女の内心は大喧噪を引き起こしていた。 (言え……言うのよ、みすちー! 大丈夫! きっとうまくいくわ……! 今日こそ、この進展の無い関係から、大きな一歩を踏み出すんだから――――!!) 「……た」 「え?」 しばらく、沈黙した後―――― ミスティアは、強く絞り出すように呟いた。 「あ、あなた……」 再び沈黙が流れる。 今度は長い沈黙。 ○○には、ミスティアの意図がさっぱりわからない。 それも当然だろう。 手伝ってと言われたのに、客が自分自身などとは お釈迦様も想像できないだろう。 「………???」 今、何が起こっているのか、頭を抱えながら○○は考えて―――― ああそうか、聴き間違いか そうか、そうだろ、そうに違いない。 いやっはっは、ダメだなぁ俺の耳も―――― 「き、今日は、あなたの貸切りだよ……」 「へ?」 違った、聞き間違いではない。 だが、理解ができない。 今日は、○○の誕生日でもない。 ミスティアが○○と出会ってから、一周年の記念日は来週だ。 貸し切りになる理由がわからない。 「いや……でもさっき手伝ってって……」 「て、手伝ってもらうの……私の恋心を……ぁぅぅ……」 可愛らしく、俯きながら頬を染めるミスティア。 ○○の貸切である理由を、恥ずかしさから最後まで告げることができない。 この時点に至れば、たいていの者にはミスティアが○○に抱く感情がどのようなものかは理解できたであろう。 けれど、○○はそれに気付けない。 何故か? ○○が“ウルトラ”の上に“超”が付くほどの超ウルトラ鈍感青年だったからだ。 「え? ごめん、聞こえなかった。もう一回言ってくれないかな?」 「だから……その……あのね、○○」 「うん」 「貴方……好きな人って……いる?」 「好きな人? いるよ。みすちー」 「えっ……」 ミスティアは喜色を伴った声を漏らす。 そんな彼女を、○○は―――― 「無二の親友だもん。当然じゃないか」 ――――即 叩き落とした。 全く気付いていないあたり、もはや神が与えた才能と言わざるを得ない。 ミスティアの怒りのボルテージがどんどんと上がってくる。 「ああもう……そうじゃなくて……!」 「?」 「だから! えっと……好きって言うのは、そうじゃなくて!! その……」 今までに、ミスティアはそれとなくアプローチをしてきた。 否、幾度となく積極的の極みとも言えるアプローチまでしてきた。 一緒に風呂に入り、背中を流し ―――― 湯当たりするまで○○の為に歌った。 なのに、全く○○は気付かない。 「うーん、ごめん、みすちーの言いたいことが 良くわかんないや……もっと、わかりやすく言ってくれないか?」 ―――― プツン さすがのミスティアにも我慢の限界が訪れた。 「もうっ! もう! もう! もう!! どこまで鈍感なのよぉ!!」 「え、え?」 けれど、○○は自分がミスティアを怒らせてしまった張本人だと気付いていない。 そもそも、鈍感と言われて気づくくらいなら苦労は無い。 いきなり怒りだしたミスティアに、狼狽しながら混乱しているのがいい証拠だ。 「いい!? 一度しか言わないからよく聞いて!」 「え? あ、うん」 「私が! 私がしょっちゅう あなたの家に行っていたのも!」 ぶん! 腕を振りながら、ミスティアは○○に力説する。 「一緒にお風呂に入ったのも! 歌を歌ってあげたのも!!」 ぶんっ! ぶんっ!! 腕をぶんぶん振りながら、力の限り叫ぶ。 「それもこれも! 全部! 全部ッ…!! 貴方のことが! 好きだからに決まっているじゃない!!」 怒りと羞恥に頬を紅く染めて 目の端に涙を浮かべて 緊張に身体を震わせながら…… ど真ん中ストレートの直球勝負でミスティアは○○に想いを告げた。 「はぁ……はぁ……」 荒い息を吐きながら、ミスティアは目を閉じて○○の返答に震える。 (言っちゃった……!) もし、断られたら もし、嫌われたら どうしよう 私たちはどうなってしまうのだろう……? 今まで、積み上げてきた二人の関係が壊れてしまうのではないか。 嫌だよ そんなの嫌だ 怖い…… 怖い 怖い 怖いよ…… 永遠に続くかのような、長くて短い時間の中、恐怖がミスティアを激しく苛む。 彼女の手も足もカタカタと震え、心はルーミアに喰われるとき以上の恐怖を味わっていた。 ミスティアは固唾をのんで、○○の次の発言を待つ。 ○○の返答は―――― 「え、好きって……ライク? ラブ?」 ブチッ!! 「 ラ ブ に 決 ま っ て い る で し ょ お お お ! ! 」 シュン――――ドゴァッ!! 「ごふぁぁ!!」 どこまでも空気を読めない超ウルトラスーパー鈍感男に、ついにミスティアの幻の右が炸裂する。 人の力をはるかに超えた妖怪の力によって、○○は天空高く吹き飛ばされた。 その姿や廬山昇○破に吹き飛ばされる蟹のようだった。 「 あ じ ゃ ぱ ァ ――― !! 」 ひゅぅぅぅぅぅ~~~~~ぽふっ! 空気を切りながら、落下してきた○○を、ミスティアは両手で受け止める。 さすがに、○○の全身が地面に打ち付けられるのは無視できなかったようだ。 「あ、あんなこと、好きじゃなきゃ……貴方じゃなきゃ死んでもやらないわよ!!」 「いたたたた……ご、ごめん、全然気付かなかった」 「……ッ!!」 この上なくデリカシーの無いセリフが、ミスティアの心を真っ二つに切り裂く。 さすがにミスティアも、もう限界だった。 「うう……酷いよぉ……」 「あ、あの……みすちー?」 ○○のあまりの非道さに、ミスティアは怒りを通り越して、とうとう泣き出してしまった。 「ひっく……一緒にお風呂に入ったりとか……ぅぅっ…ものすごく恥ずかしかったけれど、頑張ったのにぃ……」 「みすちー……」 「バカ……バカバカバカぁ……ふぇぇっ…ぐすっ」 事此処に至って、○○はようやく深い罪悪感に苛まされる。 ……ハッキリ言って、遅すぎるのだが。 「ごめん……今まで、気付いてあげられなくて」 「うぅ……ぐすっ………」 ○○は、ミスティアを優しく抱きしめる。 ミスティアは泣きじゃくりながら、バカ、バカ、と○○をなじる。 そうして、彼の胸の中で子供のように泣き続けた。 子供のように、いつまでも―――― ・ ・ ・ そうして続く長い嗚咽の後、ミスティアはポツリと呟いた。 「……ごめんなさい、ヘンなこと言っちゃって……」 「ヘンなこと?」 「……いいの、わかってるよ……貴方にとって、私は親友でしかないって」 ミスティアが、○○の身体を押し戻す。 彼女の声色は、今まで泣きじゃくっていたとは思えないほどに強い。 けれど、その反面ひどく儚いイメージを抱かせる。 「……みすちー?」 「……でも、ごめんなさい……私、貴方のこと諦められないよ……」 「ミスティア……」 「たった一晩だけでいいの! あなたのこと、大好きだから…… 今夜だけは貴方のためだけに歌わせ――――んぅ……ッ!!??」 ミスティアの声が途中でくぐもったモノに変わった。 何故か? ○○の唇が、ミスティアの唇を塞いでいたから。 「!!??」 今度はミスティアが混乱する番だった 何が起こっているのかも分からない 驚きのあまり思考を纏めることもできない けれど、驚くミスティアとは裏腹に、○○は冷静そのもの。 少し頬が朱に染まっているが、啄ばむようなキスを数度繰り返す。 「ん……」 そのまま、○○はミスティアの唇を本格的に責め始めた。 まず、自身の唇で、彼女の唇の柔らかい感触を、ゆっくり味わう。 凍りついたように動かない――――動けないミスティアの唇をペロリと一舐めする。 さらに、唇で彼女の唇を挟み、緊張を解きほぐすように――――味わい、貪り、嬲る。 それは、どんな上等な食事よりも濃厚で、愛おしくて そして、僅かに淫らな味付けがされていた。 「ふぁ……」 ミスティアは耐えきれずに切なげな声を上げた。 熱い彼女の吐息が頬にかかり、酷く心地がよい。 たまらず、ミスティアの指に、自分の指をするりと絡ませる。 すると、彼女もそれに応えるかのように手を軽く握り返してきた。 「ん……ぅ」 喘ぎ声にも似た、か細い呻き声。 それが、彼女の歌声以上に、○○の心の琴線を震わせる。 ミスティアの身体から、どんどんと力が抜けていった。 しかも、その理由は驚きはもとより、この上ない心地よさによるものだった。 唇を中心に、体中全てが蕩かされるような甘い情欲が身を包む。 ○○は彼女の指を握っていた片手を外した。 そして、彼女の身体を片腕で抱える。 ○○の片腕にかかる重量は全く無いと言っていいほどに軽い。 「ぇ……?」 不意に、ミスティアが小さな声を上げた。 二人の唇が離れたからだ。 ○○の唇は、ミスティアの涙の跡を次のターゲットにする。 彼女の涙の跡に沿うように、唇を這わせ、舌先で小さく舐めあげた。 「ぁ……」 一瞬だけ、二人は互いに見つめあい、静かに目を閉じた。 ○○はミスティアを強く抱きよせ、ミスティアもそれに応える。 堅くなっていたミスティアの身体も心も完全にほぐれた。 だから、今度はミスティアからも求める。 ○○のキスに比べれば、あまりにたどたどしい舌と唇の動き。 けれど、その拙さが逆に○○の心を掻き乱す。 「んっ……!!」 互いを貪りあうような、熱く、濃厚な、甘い口づけ。 互いの唾液が互いの舌に絡み、唇にまとわりつく。 それだけで、甘い電流が脳を痺れさせ、溶けたアイスのようにどろどろに蕩けさせていった。 「……っは……」 10分ほど後、○○はようやくミスティアの唇を解放した。 「はっきり言うよ?」 「ぇ……う、うん……」 「みすちー、君のことが好きだ」 「……え?」 「だから、今夜だけといわず――――ずっと、俺のために歌ってくれないかな?」 ・ ・ ・ 「みすちー、すごく嬉しそうだね……」 「だって……幸せなんだもん」 ミスティアは、○○に体を預けながら 幸せに身をゆだねていた。 甘い甘い一時。 この上なく幸せな一時 きっと、それはずっと続いていくはずだ。 そう考えただけで、ミスティアの心は天にも昇るほどの幸福を味わっていた。 けれど、幸福のあまりに、彼女の心をチクリとした不安がよぎる。 「ね、ねぇ……○○」 「ん?」 「本当に……私で良いの?」 「え?」 「だって……私は歌うことしかできないもの。弾幕ごっこも強くないし、胸もぺったんこだし……」 「おバカ」 「え?」 「関係ないよ。弾幕ごっこが弱かろうが、胸がなかろうがみすちーはみすちーだろ? 俺が今まで、そんなことで親友をやめようとしたことあった?」 「……ない…わ」 「だろ? そういうことだ。大好きだよ、みすちー」 ○○はミスティアの頬に軽く口づけた。 彼女の表情がみるみるうちに和らいでいく。 「……これ、夢じゃないよね?」 「いや、つーか夢だったらむしろ俺が泣いちゃうぞ……」 「うふふ……」 再び、甘く緩やかな時を過ごす。 と、その時……○○は少し気がかりになっていたことを思い出した。 「そう言えばさ……どうして最近ウチに来なかったの?」 「う……き、聞きたい?」 「ああ、聞かせて」 ミスティアは、何故か喋ることをためらっていたが、○○に促されてポツリポツリと話し始めた。 「その……ここ最近ね、あなたと一緒にお風呂入っていると、ヘンなことばかり考えるようになっちゃって……」 「ヘンなこと?」 「う、うん……貴方に……その……触られたらどんなだろうとか、貴方に……抱かれたいとか」 (ヤバイ……この流れは) ○○は聞いてしまったことを激しく後悔した。 しかし、もう遅い。 「あ、あのみすちー? この流れは非常にまずいよ?」 「だんだん、そんなえっちなこと考えるようになってきちゃって……その……あの……」 (ヤバイ……このままでは別スレに行ってしまう!!) 「○○のことを考えると(>A<;)が(>A<;)っちゃって…… でも、何回も何回も(>A<;)ても、(>A<;)が(>A<;)ちゃって……」 ミスティアの瞳は既に潤んで、その頬は羞恥だけでなく 情欲に赤く染まっている。 言動がヤバくなってネチョフィルタがかかってきている。 このままでは、この話がオチなしで打ち切りエンドになってしまう。 けれど、○○はそれ以上に抜き差しならない状況に追い込まれていた。 ミスティアがあまりにイヤらしすぎて、可愛らしすぎて耐えられないのだ。 (落ち着け、偶数を数えるんだ……偶数は必ず2で割り切れる公平な数字……俺とみすちーで、いつでも半分こに出来る……) 「で、でも……本当は、違うんだよ? 私、そんなにえっちな子じゃ――――」 「2、4、6……」 ブツブツと何事か唱え始めた○○を見て、ミスティアの目に怯えが宿る。 「ぁぅぅ……こんなえっちな子は……キライなのかなぁ……?」 「不安そうな顔 & 上目遣い & 涙目」コンボ発動。 しかも、発情した女の顔で―――― ○○の理性は、そこまでが限界だった。 ブチッ!! 「アーイ……」 「え? 」 「キャ――ン……」 「ちょ……ちょっと○○?」 「グレェェェェ――――――イズ!!」 「きゃ、きゃあああああっ!!」 ○○が完全に壊れてしまった。 有無を言わせず、○○はミスティアをお姫様のように抱きかかえ、彼女の家に飛び込んで―――― 「みっすみすにしてやんよォォォ――――!! ア――――ッハハははははァ――――!!」 「ち、ちょっと落ち着いてぇぇ○○~~~~っ!!」 この後のミスティアの運命は、推して知るべし。
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ミスティア 成長率 HP MP 攻撃力 防御力 素早さ 4 4 4 4 4 習得スキル スキル名 習得SP 消費MP 属性 効果 天蛾の蟲道 20 15 魔 全体混乱 夜雀の歌 30 15 魔 単体攻撃+命中下げ イルスタードダイブ 40 15 物 全体攻撃 真夜中のコーラスマスター 50 15 魔 自分攻or魔反撃+敵単体攻撃
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「今日は給料日でね・・・霊夢に飯奢ってやって・・・・そしたら家の支払い分が給料から引かれててさ」 「それは災難でしたねー」 此処は雀の屋台、雀といっても妖怪雀だが獲って喰われたりはしない 「だから今の俺にはこんな甘露煮を食べる金しかないわけだよ!あぁ、酒に酔えればどれだけ楽か」 「そうですねぇ」 先ほどから俺が愚痴を投げかけている彼女はミスティア・ローレライ( 「・・・さっきから生返事ばかりじゃ無いか、寂しくて泣いちゃうぞ」 「とりあえず周りを見て、私の忙しさを知ってください」 珍しく屋台はにぎわっており10人弱は客がいるようだ 切り株に座って甘露煮を食っているのは俺ぐらいなモンだ、皆楽しそうに酒に酔っている 「・・・八目鰻・・・蒲焼・・・大吟醸」 「あーもー五月蝿いですね!ブツブツ言ってないで手伝ってくださいよ」 「めどい、あーごめんなさいごめんなさい鳥目はもう懲りましたすいませんすいません」 「じゃあこれをあっちの長椅子のお客さんとこに持っていって」 「うぃ」 「はぁぁぁ疲れたましたー」 「ミスティア乙!」 「すいません手伝わせてしまって」 「謝るぐらいなら最初からもう鳥目はry」 「あまり物でよければ何か出しますよ?」 「すまんなー」 少しこげた蒲焼、ちょっと残った焼酎それと焼きおにぎり 「焼きおにぎりなんてあったか?」 「○○さんが前に食べたいって言ってたから・・・」 「おお!ミスティアが俺のためだけに作ってくれたおにぎり!」 「わざわざ口に出さないでください!」 照れて赤くなっているのか、酒のせいか、提燈のせいで赤く見えるのか 「そういえばお金ないって言う割にはしょっちゅう来ますよね」 「お前に会いに来てんだよ」 「へ?」 空気が凍るとはこの事か、○○は自分が言った事に少し後悔する 「え、その、それはどういう」 「ははは!冗談だよ、冗談!からかって悪かったな」 そう言って○○は席を立ちミスティアに背を向けようとした所で腕をつかまれた 「○○さん待ってください」 「ミスティア?」 「なんで私に優しくしてくれるんですか?何で私のところに来てくれるんですか?私はあなたを食べようとしたんですよ!?」 「そりゃ惚れちまったんだからしょうがないだろ?それに喰われかけたっても喰われてないんだから俺は気にしねぇ」 「○○さん・・・でも私」 「ああもう、鳥のくせにいつまでも昔のこと気にしてんじゃねぇよ!」 そう言って俺はミスティアの口を塞いだ 「んんっ!??」 ミスティアはこれといって抵抗はしなかった、だからそのまま強く、強く抱きしめた ずっとこのままでいられればと願いながら 8スレ目 21 ─────────────────────────────────────────────────────────── 居酒屋日誌 ○月狐日 営業場所を移動したので日誌を新しくした。 向こうで事故って幻想郷に迷い込み何冊目になるだろうか。 ここで独力で生きていく内にいつのまにか人間をやめていたので 年月の流れを感じにくくなってしまった。 まあ、人間だろうが妖怪だろうが俺は居酒屋をできるならなんでもいいんだが。 そんなことをいまさら考えてしまうのは、今日も店に九尾の狐が来店したからなのかもしれない。 向こうでもこの幻想郷でも九尾というのは妖怪でも強者の部類にはいる。 その九尾を式にするスキマ妖怪も存在するのだが 俺は昔話みたいに九尾の狐は恐ろしいものだと思ってた。 そんな風に考えていた時期が俺にもありました。 この狐なかなか愛嬌のあるお人で、初めて交わした会話は 「なかなかうまいお稲荷さんだ!隠し味はなんだ?」 である。 自分の式の寿司を頬張る姿を見て鼻血出している姿をみたら恐ろしさとか どこかに吹っ飛んでしまった。 今ではタメ口でお稲荷さん談義をする仲だ。 今日の用事は酒が欲しいとのこと。 なんでも新しい式を鍛えるために必要らしい、酔拳でもしこむつもりだろうか。 そういえば前々から聞きたかったことだがなぜ九尾の狐は店にある「百合・ゲラー」ブロマイドを見ようとはしないのか。 元いた世界では有名な超能力者なのだが、謎でしょうがない。 ○月鬱日 今日は屋台仲間のミスティアと一緒になった。 同じ屋台なので同じ場所になる可能性はあるが、最近その頻度が上がっているような気がする。 八目鰻の屋台と和食専門の屋台が並んでいるといろんな需要に答えられるので売り上げも 倍増になるので喜ばしいことではあるが。 そんな中一人の女性がミスティアの屋台に来た。 酒とツマミを頼んだ彼女はカウンターの端で鬱全開で飲み始めたのだが 鬱オーラに当てられたか他の客は次々帰ってしまった。 彼女のオーラで商売あがったりの俺らがほとほと困っていると今度は一人の男が来店した。 このオーラに慣れているのかは知らないが、彼が来た瞬間鬱オーラが少し緩和されたのはありがたかったので 邪魔にならないように奥に引っ込んだのだが、これがいけなかった。 その後しばらくするとミスティアが顔を赤くして俺の屋台に入ってきた。 何事かと聞くと 「さっきのお客さん達・・・き、きすしながらお酒飲んでるよ~。」 と涙目で訴えてきた。 一応様子を見に行ったのだが・・・日誌には描写し辛いので割愛しておこう。 とりあえず二人は泥酔していたのでお帰り願った。 今朝の新聞にその二人のことが載っていたのでミスティアと苦笑していた。 ○月@日 出会いというものは本当にわからないものだ。 今日は営業場所を白玉楼とよばれるお屋敷の近くに移したのだが、まずお客の多くが幽霊だということに驚いた。 なかには俺と同じ時代を生きたものもいたので久しぶりに人間時代を思い出しながらついついお客と酒を酌み交わしてしまった。 お昼をまわったころ、騒ぎを聞いたかこの屋敷の主人が来店した。 お供に半霊の庭師と人間の料理人が付いてきたがその料理人には見覚えがあった。 向こうも気づいたか2,3言葉を交わしたら確信。俺が人間のころ、まだ駆け出しの修行時代。 俺とそいつは同じ所で包丁を学び腕を磨いた。 才能はソイツのほうが有り俺より一年早く一人前になっちまった。 俺は悔しくてガムシャラに修行したもんだ、懐かしいな。 ソイツが行方不明になったのを知ったのは俺が晴れて一人前になり店を構えるときだった。 神隠しと噂にもなったが75日終わるころには皆忘れちまった。 俺は目標を失って放浪、そして事故に巻き込まれた。まあその経緯でここにいるんだが。 久しぶりの再会に屋敷のお嬢も庭師もほっといて話し込んじまった。 あとでお嬢様がふくれっ面したらしい。こんないい職場で働いているんだ、いい気味だ。 予断だが昔からの癖はいまだ健在らしかった。 白玉楼の厨房に案内されたときだ、屋台を同じ場所にしたミスティアが俺のことを聞いたらしく厨房まで来たんだが 「夜雀が厨房に入るなど禁止ーーーーーーーーーー!!!!!!厨房はいつも清潔でなくてはならなーーーーーーい!!!!!11111」 と怒鳴ってしまった。 さすがにミスティアは同業者なので大丈夫と説得しようとしたのだが止まることもなく結果は二人して惨敗。 あいかわらず厨房では無類の強さを誇っていた。 クソッ、屋台ならあいつにも勝てるのだがなぁ、とミスティアに愚痴ったら笑われてしまった。 ○月山田 今日は珍しく一人での営業だった。 ミスティアには鰻の仕入れで一緒にいけないと断りまでいれられたので、 余計に何か寂しい気持ちがした一日だった気がする。 昼過ぎに閻魔様が来店した。 人間から妖怪になった俺は初めて閻魔様が来店したと聞いたときはは何か罰でも下るのか、と 内心びくびくしていたが別にどうこうするつもりはないと言っていたのを覚えている。 いつもは部下の死神といっしょにいるはずなんだが、と思考したがこっちもいつもと違い 一人だったのでちょっとだけ仲間意識が芽生えていた。 ただ、今日の閻魔様はかなり違っていた。 いきなりうちの店の一番度数が高い日本酒を頼んで一気にあおりだして 「う、ううっ…あの二人っ!別に、私だって好きで一人身やってるわけじゃないというのに…」 と愚痴りだしてしまった。 これはただ事ではないと思って話し相手になったんだが、なんのことはない 部下に先を越されたらしい。 その後も延々と 「人の目の前でイチャついちゃってさ・・・」「私だって恋人はいるんです!でも同業者だからいつもは会えないだけなんです!」 等々聞かされ続けた。 それから閉店時刻まで飲み続けてふらふらになりながら帰っていった。 願わくば閻魔様の恋人よ、とっととくっついてくれ頼むから。 泥酔閻魔は精神的に疲れる。 ○月雀日 いつも通りミスティアと営業。 最近はほぼ毎日いっしょにいる気がする。 朝、目が覚めたら隣の屋台からいい匂いがする。 ミスティアが 「朝食を作ったから一緒に食べない?」 と誘ってきた。ミスティアの飯はうまかった。 昼、開店時間ちょっと前。 仕込みの仕上げでミスティアが指を切った。 焦っていたのかわたわたと指を振り回していたのですぐに指を舐めてやった。 すぐに血は止まったのだがミスティアが今度は顔を真っ赤にして固まってしまった。 はて、俺はなんか失敗でもしたのだろうか。 夜、閉店間際。 本日も売り上げ上々でそろそろ仕入れをしなければと思う。 少し酒が余ったので俺とミスティアで飲むことにした。 俺はあまり酒に酔わないタイプなのだがミスティアが酔いだして 「○○さんはいつも鈍感です。なんで気づいてくれないんで・・・しょう・・・。」 と俺のことで愚痴り出した。 昔から周りから鈍い鈍いと言われるがまさかミスティアにまでいわれるとは思っていなかった。ちょっとショック。 ミスティアは酒が回ったか熟睡していた。 そのミスティアの頭を膝に乗っけて考え事。 つまりミスティアは、俺の料理が食べたいとのことだな。 と、さっきの愚痴られの答えを出してみた。ふむ、明日は俺が手料理を振舞ってやろう。 これからもよろしくな、相棒。 8スレ目 50・51 ─────────────────────────────────────────────────────────── ♪恋心 君へ差し出した言葉 今は答えいらないから ただとっていて ぼくを動かした君の魅力焼き付けて 夢で終わらないように願い続けた町の中で ミスティアー!今は借り物の歌でしか言えない俺だけど いつか自分の言葉でちゃんと言うから、そのときには答えを聞かせてほしいー! 8スレ目 145 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「フェッフェッフェフェイエー、フェフェフェイエー、エー、レブレッキン」 「相変わらずひどい歌ねー」 「こんばんわ、愛しい夜雀嬢」 「なんでいっつもここまで来て歌うのよ」 「里だと妙な歌歌うなって怒られて」 「だからって屋台の前で歌うのもどうなのよ、つばが飛ぶじゃない」 「ごみぇん、それよりみすちーに会いたくて」 「はいはい、わかったから早く手伝って」 「本当だってばー」 「わかったわかった」 「俺客扱いされてねー」 歌って本当にいいものですよね 8スレ目 644 ─────────────────────────────────────────────────────────── よぉ、久しぶりだな、神社での宴会以来か。景気はどうだ? 俺のところか? おかげさまで、相も変わらず繁盛させてもらってるよ、また今度嫁さんと一緒に飲みに来い。 しっかし、夏もそろそろ終わりだってのに、まだまだ暑いな。お前ん所は大丈夫か? ん、嫁さんがバテ気味なのか。お前が無理させすぎてるんじゃないか? 何がって、そりゃ夜の生活に決まってるだろうが(ニヤニヤ よし、悪かった、その拳を下ろしてくれ。…ったく、短気なのは相変わらずだな。 詫びといっては何だが、こいつをやるよ。 ん? 中身は鰻だ。スタミナ満点、これで精力付けて夜に挑めば嫁さんも大満ぞk …何も、殴ることは無いだろう。 そんなことよりお前の方こそどうなのかって? ははは、繁盛してるって所から察してくれ、二人で元気に切り盛りしてるよ。あいつの歌も一日中響いてるしな。 それじゃぁそろそろ俺は行くよ。仕入れの最中でな、あまり遅くなるとまたどやされちまう。 絶対飲みに来いよ? 約束だからな。 9スレ目 271 ─────────────────────────────────────────────────────────── 今日も今日とて、みすちーは俺の風呂の中でリサイタル。 相変わらず艶めかしくしなやかな両脚とか バスタオルに覆われた膨らみかけの胸とか 少女らしい少し痩せた丸っこい両肩と色っぽい項とか…… ……要するにみすちーの姿全部、未だに直視できないけれど。 そして、俺の家の風呂の中でみすちーが声を張り上げて歌っていた。 「―――― 赤く燃え 見事に散って 星になった命よ~♪ 時を越え その名前を 胸に刻もう……Just Forever~♪」 「おおおお! すごい! すごく熱いよみすちー! 熱すぎる!!」 みすちーはすごい。 歌声が奇麗なことは言わずもがなだが、歌を歌うときには必ず曲のイメージに声を合わせてくる。 ロックを歌うときは、激しく強く荒々しく。 しっとりしたラブソングを歌うときは、優しく切なく。 「みすちーは やっぱりすごいな……! ってか、どんな曲歌っても、曲のイメージぴったりに歌えるってのがすごい!」 「えへへ……曲を選ばないのがプロってものよ♪」 「いやいやみすちー! プロよりもすごいんじゃないかってくらい上手かったよ! 」 「そ、そうかな……」 「そうだって! まださっきの曲の余韻が残っててドキドキしてるしさ!」 「も、もう……口が上手いんだから……」 胸の前で、曲げた両手の人差し指を互いにいじらせながら 僅かに俯いた顔、その色はわずかに赤く染まっている。 「……もしかして、みすちー……照れてるの?」 「え? あ、あの……その……」 焦ってる……確定だ。 みすちーってば照れちゃってるよ。 その時、俺の心に悪戯心が芽生えた。 もっと照れるみすちーが見たいなー……と。 「いや、謙遜することないよ。まるで、ローレライの歌を聞いてるかのように歌に引き込まれちゃうしさ」 「そ、そんなに褒めないでよぉ……」 彼女は持参していたミニタオルを両手で持ち、口元をそれで隠す。 頬は先ほどよりも紅く染まっていた。 子犬のような愛らしい瞳が、俺を上目遣いで見上げている。 背中の羽をパタパタと羽ばたかせ、耳が僅かにぴょこぴょこ動いている。 「みすちーの歌は幻想郷一だね。いや、外の世界でも頂点に立てると思うよ」 「や、やだやだぁ……そんなに褒めちゃダメだってばぁ…!」 背中の羽の動きが“パタパタパタ…!”でなく、“バタバタバタバタ!!”と速くなる。 耳がさらなる速度でにぴょこぴょこ動き、ミニタオルを両手に持ったまま顔全体を隠す。 きっと、彼女の頬はこれ以上ないくらい紅く染まっているのだろう。 ……ヤバイ。 止められない。 みすちーって……時々、思わず襲ってしまいたくなるくらい ものすごく可愛い時がある。 今がまさにそれだ。 照れるみすちーが可愛すぎる、 もっと照れさせたい もっと恥ずかしがらせたい もっともっともっと…… 「すごく安らぐ歌声だもん…… い つ ま で も ず っ と 聞 い て い た い な」 「えっ……?」 ―――― いつまでも、ずっとって……ずっと、一緒に……? 「……――――~~~~ッ!!!」 ボ ン ! ! 「ちょ、ちょっと! みすちー大丈夫か!? ってか、また湯当たり!?」 「はぅぅ~……」 ―――― ああ…私、幸せ……もう、死んじゃってもいい……… 夜雀の意識は幸せな色に包まれたまま、薄れていった…… 近くにいすぎるために自分の淡い想いに気づかない青年と 熱い想いを胸に秘めながらも、自分から告白することができない恋に臆病な少女。 2人は、まだまだ恋愛初心者。 ……その割に互いに結構大胆だったりもするのだがw 9スレ目 446 ─────────────────────────────────────────────────────────── 草木も眠る丑三つ時。 それは闇と妖怪が支配する時刻。 だがその中で、それを照らす光のような歌声が響いていた。 声の主は夜雀、ミスティア・ローレライ。 その歌声は流麗。 それでいてどこか温かさを感じさせるものだった。 少女は歌う。 その身の幸せを。心の内の喜びを。そして溢れんばかりの愛を。 それを木陰で聞くは一人の青年。 彼は目をつむり、彼女の歌を一心に聞く。 今この場は他ならぬ彼のためのコンサート会場。 やがて想いと旋律は最高潮を迎え、歌は終焉へと至る。 一瞬の静寂の後に拍手の音が響き渡った。 「どうかな? 今度の新曲?」 少女は問う。 期待と不安の入り混じった声で。 「うん、すごくいいね。何て言うか胸にジーンて来た」 青年は答える。 その感じたものを素直に。 「えへへ、ありがと」 顔を赤らめ、少し照れた様子で笑う。 二人にとってこのやりとりはいつものこと。 しかし違ったのは青年がある疑問を口にしたことである。 「けど、何かいつもよりしっとりとした歌だね。今度の歌のテーマって何なの?」 それに対し、少女は体を少しこわばらせる。 そして息を大きく吸い、それを大きく吐き出す。 その顔は真剣で、決意に満ち溢れていた。 「この歌のテーマはね……『あなた』なの」 「え? それってどういう……」 少女は目を閉じ、自分の胸に両手を当てる。 「私はあなたのことが好きです」 少女は朗々と言葉を紡ぎ出す。 その想いと共に。 「あなたに会えて良かった。あなたの笑顔を見てると私も嬉しくなれた。 あなたが傍にいないとどうしようもなく寂しくなった。そして私は……あなたと居るだけで幸せだった」 再び目を開け、その視線を青年へと向ける。 「だから……私とずっと居てください」 少女の突然の告白に青年は目を見開いた。 だがその表情はすぐに元の穏やかな微笑へと戻る。 「俺もミスティアのことが好きだよ」 散歩にでも出かけるような気軽さで告げる。 なぜなら、既に彼にとっては彼女と共に在る世界こそが当たり前だから。 「歌う時の真剣な表情が大好きだ。屋台をするときの楽しそうな顔も好きだ。俺は君と君の歌が大好きだ」 だから彼女の願いに対する答えはたった一つしかありえない。 「俺は君と一緒に居たい」 少女の手を引き、その小さな体を抱きしめる。 それは強く抱きしめれば壊れそうで、それでいて何にも勝る温かな強さも持っていた。 少女もまた青年の背中に手を回し、その温もりを感じる。 いつも傍にあった大切な温もりを。 そして二人は歌い続ける。 彼らの大切な想いを乗せて。 いつまでも。いつまでも。 11スレ目 143 ─────────────────────────────────────────────────────────── 食べ物が無い! この部屋にはぞっとするほどに、口に入れられるものが無いのだ。 おまけに、扉には鍵がかかり、目の前には無表情かつ無愛想な男が立ちふさがり、あ、つまり○○なんですけど。 他人行儀な言い方してみたけど結局○○なんですけど。 とにかくそいつが無表情かつ無愛想、更に無言で立ちふさがり、見下ろす両の目。 覗き込んだらそのまま何処か、この世界の何処か、もしくはすぐ傍の外の深い夜の空、それの色が透けて見えそうな、暗い色。夜を含む赤。濃い死んだ色。 好きだったものを飽きたからと無邪気に殺して、後から取り返しのつかない過ちに怯えだす、幼い子供が血溜りに見る色の瞳。 絶望を満遍なく、多量に含む色だ。 手が持ち上がらないから、視線だけでじっと見る。 座り込んだ床が冷たいのは、夏だというのにこの部屋が、病的に冷房が効いて何処にも熱がなく、生きているものの私の中にすら、温度が無いくらいだから。 触れていないから解らないけど、いつもいつも青白い、この部屋と同じく病的な空気を孕んでいる瞳の彼も、同等に冷たいだろうと安易に予想できた。 肌が寒いし、お腹は空っぽだし、全部が全部空虚じみていて、頭が上手く回らない。 腕や足に力が入らないのは、彼の瞳に住み着く悪魔、もしくは彼そのものが、私の事を飲み込もうと企んでいるから? この使い勝手の悪い生白い手足は、恐怖に竦んでいるのだろうか。 食べ物の無い空間で始まること、それは最後、共食いだ。 強い方が生き残り、次の世代に駒を進めるため。 弱いものは食われ、血肉になるのだ。弱肉強食と言えば早いか。 なんとも血沸き肉躍る話だが、自分が弱いほう、血肉にならざるを得ないほうでは、話にならない。 私はまだ飲み込まれたくないし、自分を生かすのに精一杯なのだから、いくら愛する男といえど血肉なんぞになるのは真っ平御免である。 私は漠然じゃない、しっかりとした生命の危機、不安から、曖昧な笑顔を浮かべてそっと後ずさる。 後ずさりながら、何回か瞬きをする。 すると、いつの間にか彼は私の背後に回りこんでいて、無表情かつ無愛想かつ、更に無言で、私の首と胸の中間辺りに、腕を回す。 緩くだけど力が入って、筋張って太い、いかにも男らしい、強者らしい、勝利者らしい腕がぐっと私を押さえつけて捕まえる。 自分の後頭部が彼の胸の辺りに当たっていることに気付いて、驚いた。 心臓の鼓動は当然、私までは聞こえないけど、呼吸の度、微かに上下している。本当に、微かに。確かに。 ああこの人は生きている、と改めて思って、やはり私はこれから彼に食べられるのだろう。と半ば諦めのように、だけど微かに恍惚して、思った。 やたらと大きい手のひらが私の肩を撫でる。 ぎょっとするほどに長い指先が喉元に触れる。 きちんと切られているのに、どうしてこの爪は、こんなにも大きいのか。 飴玉のように艶々と光るそれは、食べられる側の私なのに、うっかり舐めてみたいと思ってしまうほど、極上に素晴らしい代物だった。 食べる側というのは、いつも必ず何処か、あるいは全てが、食べられる側より優れていて、彼らの死に際にうっとりと憧れを抱かせる。 肉食獣なら牙。巨大な魚類なら輝く鱗。彼なら、美しい爪。 本音を言うなら、その全部を。 私はセオリー通り、憧れて、うっとりと目を細める。物欲しそうに。 だって、出来たら、力があれば、私はその爪をひとつひとつ唾液を絡めて舐め上げて、絶望の象徴のようなその瞳を、嫌悪やら、憎悪やら、運が爆発的に良ければ、快楽とかに染めてしまいたかったのだ。 こんな寒さと飢餓に震える何も出来ない今の私では、無理だけれど。 ああ、この部屋には食べ物が無い。 なんにも、無い。 扉には鍵がかかっていて、私の全ては彼の手の中で、胃に詰め込む食べ物を求め里まで走るには、少々障害が多すぎる。 仕方が無いから私は、彼に憧れたままで、血肉に成ろうかと、思います。 私は妖怪だから、優しく上手くしてくれれば生き返れるかもしれないのだし。 鋭い歯が、近づいてくる。 世界中の魅力を独り占めしたような、緻密な手のひらが服を破る。 肩紐が落ちて、帽子が落ちて、髪の毛が舞って、頬にかかった。 どうか、私の周りの皆様、先立つ不幸をお許しください。 一時的とはいえ、私は、愛する男の血肉になるしかないようです。 何故なら、この部屋には食べ物が無いし、鍵はかかっているし、○○は私の首を撫でて、それはもう愛おしげに撫でて、たっぷりと欲を含んだため息を吐くのです。 これはもう、咀嚼されるしかないでしょう。 まさかあのしつこい庭師より大食らいの亡霊より先に、自分の愛する人に食べられるとは思わなかったけれど。 私は、弱者です。弱肉強食で言ったら、肉なのです。 ああ、この部屋に食べ物があれば! そうしたら私も○○も、お腹がいっぱいで、少しは幸せに笑えたでしょう。 私は生白く、彼は絶望の色した瞳で。絵画のよう。もう、それは叶わないけれど。 彼の瞳と同じ、絶望を瞼の裏で見ながら、朦朧とした体を彼に任せていた。 そのとき。 首の後ろに押し当てられた柔らかな唇の感触と、「ミスティア」と微かに掠れた、この部屋で唯一熱を持った声で私を呼ぶ彼に気付いて、私は初めて知る。 食欲を別の欲で満たす方法を。 (乗り切る方法は愛/頂きますなの?頂かれますなの?) 12スレ目 451 うpろだ832 ─────────────────────────────────────────────────────────── 幻想郷に流れ着いて今年で6年目、ここでの生活もすっかり慣れ友達もできた。 しかし、人間以外の友達がほとんどだが…。 〇〇「今日も特にする事無いなぁ。」 普段特に目的意識もなくそこはかとなく生活する俺。NEET予備軍 or NEETである。 と、そこへ現われた一人の妖怪。 ミスティア「あ、いたいたぁ。やっぱりここね。」 〇〇「やっぱりってなんだよ。」 彼女はミスティア・ローレライ、知り合って3、4年になる大の仲良しだ。 ミ「〇〇はいつも家にいるでしょ、他のとこに居ることなんて滅多に見ないからねぇ。」 〇〇「まぁ、否定はしない。で、今日は何の用なんだ?」 ミ「へへ、蒲焼屋の新メニュー試食会よ。ちょっとコンロ持ってきてよ。」 〇〇「炭火じゃなくていいのか?」 ミ「試食だから堅い事言わないの。」 台所からカセットコンロと金網を持ってきてテーブルに置く。するとミスティアは持ってきた籠から商売道具一式を出し始めた。 〇〇「言葉の割には本格的だな。‥‥って、それはなんだ。」 ミ「えへへ、この前人間が置いてったお酒よ。すごく高いんだって。」 〇〇「じゃあなんだ、飲み会でもするのか?」 ミ「もちろんよぉ。だって今日は〇〇と会って丁度4年目よ。ま、試食もやるけどねぇ♪」 〇〇「なんだ、覚えてたのか。」 ミ「あらあら、〇〇も覚えてたとは関心関心。うれしいじゃないの。」 〇〇「去年はやったっけ?」 ミ「去年は〇〇が先に酔い潰れておしまいよ。今年は最後まで残っててよね。」 〇〇「最後っていつまでだよ。」 会話をしながらもミスティアは手際よく下拵えしている。流石、商売慣れしてるなぁ。 ミ「まずは乾杯ね、私の自慢の八目鰻。炭火じゃなくたっていけるんだから。」 〇〇「ん、じゃぁかんぱ~い。」 いつ食べてもミスティアの蒲焼はうまい。たとえガス焼きでも他の人が焼いた蒲焼は食べられそうもないくらいだ。 〇〇「相変わらずうまい!どんどん焼いちゃって!」 ミ「最初からそんなに飛ばしちゃっていいの?最後までもたないかもよ?」 〇〇「いいの、ミスティアが焼いてくれてるんだもん。」 ミ「あら、もう酔ってきた?じゃあ、次は新作よ。」 〇〇「‥‥‥‥なにそれ。」 ミ「カエル。」 〇〇「それは客に出していいのか!?」 ミ「ちゃんと処理してあるわよ。つべこべ言わず食べなさい!」 〇〇「う‥‥むぐむぐ‥‥‥ん!割とイケるかも!」 ミ「ほんと?」 〇〇「まぁ、ミスティアが焼いたからかな。」 ミ「絶対酔ってるわね、でも、ま、ありがとねぇ♪」 その後も新作を食べ続けた。 牛肉、豚肉、魚、昆虫、果ては野菜まで。蒲焼にできるのかと思うような物まで器用に焼いていった。 〇〇「よくもまぁ、こんなものまで‥‥。」 ミ「や、焼ければ大体、蒲焼にできるわよぉ。」 二人ともフラフラに酔いながら作り置きしてた蒲焼を食べながら杯を交わす。ミスティアの持ってきたお酒が無くなったら〇〇の家にあるものを持ってきて終わる事無く飲み続けていた。 ミ「それにしても〇〇~、お酒強くなったわねぇ。」 〇〇「俺が先に潰れたらミスティア一人になっちゃうだろ?」 ミ「な、何言ってんの!ばか‥‥。」 〇〇「あれ?顔、さっきより赤くなった?」 ミ「お酒の‥‥所為でしょ!」 〇〇「そっか、無理するなよぉ。布団敷いとくから今日は泊まっていきなよ。いくらミスティアでもそんなに酔ってたら帰れないだろ。」 ミ「‥‥‥そのつもりで来たから…。」 〇〇「ん、何か言った?」 ミ「な、何でもないわよ!飲み会なんだから最初から泊まるつもりだっただけよ!」 〇〇「強引な、とりあえず風呂作ってくるよ。」 ま、今日は初めから泊まってもらうつもりだったけど‥‥。 そう、何を隠そう俺はミスティアの事が好きなんだ。無邪気で頑張り屋、仕事中は普段とは違った魅力があり、みんなは気付いてないけど周囲への気配りも忘れない。 一緒に居る時間が積み重なるほどこの想いも深くなっていく。 〇〇「ほら、できたよ。先に入っちゃいなよ。」 ミ「覗かないでよねぇ♪」 〇〇「できたらね。」 ミ「まったくぅ。」 ふふ、可愛いなぁ。こんな可愛い子と今夜一緒に寝るなんて。寝顔はもっと可愛いのかなぁ。 そんな事を考えてたらいつのまにかミスティアが風呂を出ていた。 ミ「覗きに来なかったのねぇ、サービスショットで待ってたのに♪」 〇〇「ちょっと酔いすぎじゃないか、ほら、早く寝ちゃいなよ。」 ミ「じゃあ、待ってるから早くねぇ♪ふふふ…♪」 今日は酔い潰れないように押さえておいたが代わりにミスティアが飲み過ぎたみたいだ。こんなミスティアは初めてみる。 でも、たまにはこんなのも‥‥‥。 手早く入浴を済ませミスティアのもとへ向かう。 ミ「あ、きたきた!はい、こっちこっちぃ。」 〇〇「俺は自分の布団があるから一人で寝なさい。」 ミ「冷たいのねぇ、一日くらいいいじゃないのぉ♪」 〇〇「それもそうだな。」 ミ「切り替え早ッ!〇〇こそ酔ってるじゃないの。」 〇〇「ミスティアほどは酔ってないよ。」 なんだ?今日のミスティアは?やけに誘ってくるけどまさかそんな事は‥‥。 とりあえずミスティアの布団に入る。 〇〇「酒臭い‥‥。」 ミ「お互い様ぁ♪」 〇〇「なぁ、今日はどうしたんだよ。そんなに酔っ払って。」 ミ「そうねぇ、じゃあ最初に言っとこうかしら。私と付き合ってぇ♪」 〇〇「はいはい‥‥、ってなんだってぇ!」 ミ「えへへ。だから付き合ってほしいのよぉ♪」 〇〇「やっぱり酔いすぎだ。」 ミ「ちょっとぉ。好きだから付き合いたいってのは自然の道理でしょう?それともな~に?私じゃ不満でもぉ?」 〇〇「不満はないがこういうのは酔ってないときにするもんだろ。」 ミ「酔ってなかったら〇〇に言わせるまでずっと付きまとうつもりだったのよ~。でも、お酒の力借りないと〇〇も言わなそうだけどねぇ♪」 〇〇「今酒の力借りてるのはミスティアでしょ。ミスティアだって酒の力借りないと言えなかったんだろ?」 ミ「むぅ、言ったわねぇ!何の為に私が自腹で試食会なんて開いたと思ってんのよぉ!〇〇は食べるだけ食べて飲むだけ飲んで、それで終わり~?」 〇〇「それはミスティアも同じだろ。それにもうすこしでミスティアの誕生日だろ?それまで待ってれば俺の方から行ったのに。」 ミ「ちょ、ちょっと、今、後半なんて言ったのよぉ!〇〇の方から~?」 〇〇「あ、あぁ。俺もミスティアの事好きだからな。」 ミ「え!!!!‥‥‥‥‥‥。」 急に黙り込んでしまったミスティア。俺の方もまさかの告白で緊張してるがそこは酒力でカバーする。 〇〇「どうなんだ、付き合いたいのか?」 ミ「〇〇はどうなのよ。」 〇〇「俺は付き合いたいよ。ミスティアの事好きだからな。」 ミ「‥‥‥‥‥。」 〇〇「ん、どうした?」 ミ「‥‥‥‥すやすや。」 〇〇「大事なところで寝るなよ。まぁ、今日はミスティアがすごく頑張ってたからな、続きはまた明日って事で。おやすみ。」 ミスティアのほっぺたをぷにぷにしながら眠りについた。やわらかくて気持ちいい。 頬を伝う涙は見なかったことにしてあげよう。 翌朝 〇〇「う~、ちょっと頭痛いかな。」 ミ「大丈夫?飲み過ぎるからよ。」 〇〇「ミスティアの方が飲んでただろ?」 ミ「普段から飲んでる量が違うのよ。」 〇〇「いつもあんなに飲んでるの?それより昨日のことだけど…。」 ミ「え、な、何よ、昨日の事って。」 〇〇「知らんぷりしても顔は正直だぞ、もう赤くなってきたよ。」 ミ「むぅ、仕方ないわね。じゃあ、昨日のことが何?」 〇〇「俺からも頼む、付き合ってくれ。」 ミ「‥‥‥。一つだけ、私と〇〇両方に条件付けていい?」 〇〇「何?」 ミ「別れないこと」 〇〇「それじゃなんか縁起が悪いよ。そういう時はこう言うの。一生一緒に居ることって。」 ミ「〇〇!」 〇〇「ミスティア!」 それ以上の言葉は必要なかった。抱き合って触れ合う肌からお互いの気持ちは伝わっていた。 しばらくして蒲焼屋の店員が一人増えたという噂が流れだした。 12スレ目 318 ─────────────────────────────────────────────────────────── 青年の目の前に巨大な獣が迫る。 獣は腹が減っているのか牙を剥き出しにして、青年に襲いかかろうとしていた。 「く……そぉ!」 「グォォォォォォォ!!」 対し、青年は尻餅をついたまま追い詰められている。 獣の咆哮が響き渡り、青年は恐怖に身を震わせ、瞳を閉じた。 そのまま、青年の人生は終わるはずだったが―――― 「ギャアアアアアアァァゥ!!」 ズゥゥゥゥ………ン!! ――――その前に、獣の人生が終わるほうが早かったようだ。 獣は突如として出現した光の弾に貫かれて、断末魔の咆哮を上げながら絶命する。 「大丈夫? 怪我はない、○○?」 恐怖に歪んでいた青年の顔が、この上なく安堵に緩んだ。 それも当然だ。青年の心強い親友が助けに来てくれたのだから。 「助かったよ……ありがとう、みすちー」 ・ ・ ・ 「にしても、早いもんだよね。幻想郷に来てから もう1年かぁ……」 宵闇の腹ペコお化けに襲われていたミスティアを、○○が助けたのが慣れ染め。 それ以来、この二人は種族こそ違うものの、無二の親友として付き合っていた。 「うふふ……思い出すわね、あなたが初めて私を助けてくれたこと――――」 そして、二人は しばし過去の逢瀬を肴に話をふくらませる。 けれど、楽しい時間はすぐに過ぎ去ってしまうもの。 いつの間にか太陽は西の空に傾き、周囲は闇に覆われつつあった。 「ん……もうこんな時間か。みすちー、今日はお仕事?」 「え? ええ……あ、あの……」 「ん、どうしたの?」 「あの……今日はちょっと忙しくなりそうなんだけど……もし、よかったら――――」 「待った」 「え?」 「皆まで言うなって。水臭いじゃないか」 皆まで言わずとも、○○はミスティアの意図を悟ることができた。 今夜は『忙しくなりそうだから助けてほしい』……というミスティアの意思を汲み取る。 それを断るほど、○○は友達甲斐の無い男では無かった。 「……あ、ありがとう」 「おう、なんでも御座れだ」 「それじゃあ、早速行こう?」 ○○はしゃがみこみ、万歳の要領で両手を頭の上にあげる。 ミスティアは、その手を掴み、翼を羽ばたかせた。 ふわっ―――― ミスティアの身体が、次いで○○の身体が宙に浮く。 普通の人間である○○は空を飛ぶことができないので、屋台のあるミスティアの家まで連れて行ってもらうのだ。 木々の高みを超え、視界が緑から赤に染まる。 沈みゆく夕日が眩しい。 美しい景色を眺めながら、○○はしみじみ考えていた。 ―――― 幻想郷に来てよかった ここは現代社会ほど便利な場所では無い。 けれど、それを補って余りある色々な魅力がある。 なによりも、生涯の親友とも言えるミスティアにも会えたことは、○○にとって人生最高の幸運だった。 けれど、そのことは照れくさいので、ミスティアには言わない。 いや、言わなくてもミスティアもわかっているだろう。 「そういえばさ、みすちー 最近 歌いに来ないよね?」 「え? あ……うん……ちょ、ちょっと……ね」 「どうしたの? 顔真っ赤だよ?」 「な、なんでも無いよ!」 「? ……ヘンなみすちー」 そう長い時間も経たず、二人はミスティアの家に着く。 小さな洞窟の側に建てられた家だ。 ミスティアは、○○を洞窟――――もとい屋台が入っている倉庫の側に下ろす。 「じゃあ、俺は屋台をいつもの場所に出してくるわ」 「う、うん……」 屋台を手伝うのも、週に数回――――このような力仕事はもはやお手のものになっていた。 ミスティアが家から食材を用意している最中に、○○は倉庫から屋台を出す。 大きめの屋台をえっちらおっちら洞窟の外に運んで行くと、ミスティアが食材を用意して待っていた。 「そ、それじゃ始めようかしら……」 「おう」 食材を屋台の上に置くと、ミスティアは一枚の板を屋台に立てかけた。 その板に描かれてある文字を見て、○○は首を傾げる。 「あれ、『貸し切り』?」 「そ、そうよ」 これまで、幾度となくミスティアの屋台を手伝ってきたが、今までに貸し切りになったことは一度も無い。 ミスティアの屋台を貸し切る者が誰なの、少し興味があった。 「へー、客は誰よ?」 「…………」 「? ……みすちー、どうしたの?」 ミスティアは俯きがちに、黙り込んでしまう。 外面は、ただ頬を赤く染めているだけだが、彼女の内心は大喧噪を引き起こしていた。 (言え……言うのよ、みすちー! 大丈夫! きっとうまくいくわ……! 今日こそ、この進展の無い関係から、大きな一歩を踏み出すんだから――――!!) 「……た」 「え?」 しばらく、沈黙した後―――― ミスティアは、強く絞り出すように呟いた。 「あ、あなた……」 再び沈黙が流れる。 今度は長い沈黙。 ○○には、ミスティアの意図がさっぱりわからない。 それも当然だろう。 手伝ってと言われたのに、客が自分自身などとは お釈迦様も想像できないだろう。 「………???」 今、何が起こっているのか、頭を抱えながら○○は考えて―――― ああそうか、聴き間違いか そうか、そうだろ、そうに違いない。 いやっはっは、ダメだなぁ俺の耳も―――― 「き、今日は、あなたの貸切りだよ……」 「へ?」 違った、聞き間違いではない。 だが、理解ができない。 今日は、○○の誕生日でもない。 ミスティアが○○と出会ってから、一周年の記念日は来週だ。 貸し切りになる理由がわからない。 「いや……でもさっき手伝ってって……」 「て、手伝ってもらうの……私の恋心を……ぁぅぅ……」 可愛らしく、俯きながら頬を染めるミスティア。 ○○の貸切である理由を、恥ずかしさから最後まで告げることができない。 この時点に至れば、たいていの者にはミスティアが○○に抱く感情がどのようなものかは理解できたであろう。 けれど、○○はそれに気付けない。 何故か? ○○が“ウルトラ”の上に“超”が付くほどの超ウルトラ鈍感青年だったからだ。 「え? ごめん、聞こえなかった。もう一回言ってくれないかな?」 「だから……その……あのね、○○」 「うん」 「貴方……好きな人って……いる?」 「好きな人? いるよ。みすちー」 「えっ……」 ミスティアは喜色を伴った声を漏らす。 そんな彼女を、○○は―――― 「無二の親友だもん。当然じゃないか」 ――――即 叩き落とした。 全く気付いていないあたり、もはや神が与えた才能と言わざるを得ない。 ミスティアの怒りのボルテージがどんどんと上がってくる。 「ああもう……そうじゃなくて……!」 「?」 「だから! えっと……好きって言うのは、そうじゃなくて!! その……」 今までに、ミスティアはそれとなくアプローチをしてきた。 否、幾度となく積極的の極みとも言えるアプローチまでしてきた。 一緒に風呂に入り、背中を流し ―――― 湯当たりするまで○○の為に歌った。 なのに、全く○○は気付かない。 「うーん、ごめん、みすちーの言いたいことが 良くわかんないや……もっと、わかりやすく言ってくれないか?」 ―――― プツン さすがのミスティアにも我慢の限界が訪れた。 「もうっ! もう! もう! もう!! どこまで鈍感なのよぉ!!」 「え、え?」 けれど、○○は自分がミスティアを怒らせてしまった張本人だと気付いていない。 そもそも、鈍感と言われて気づくくらいなら苦労は無い。 いきなり怒りだしたミスティアに、狼狽しながら混乱しているのがいい証拠だ。 「いい!? 一度しか言わないからよく聞いて!」 「え? あ、うん」 「私が! 私がしょっちゅう あなたの家に行っていたのも!」 ぶん! 腕を振りながら、ミスティアは○○に力説する。 「一緒にお風呂に入ったのも! 歌を歌ってあげたのも!!」 ぶんっ! ぶんっ!! 腕をぶんぶん振りながら、力の限り叫ぶ。 「それもこれも! 全部! 全部ッ…!! 貴方のことが! 好きだからに決まっているじゃない!!」 怒りと羞恥に頬を紅く染めて 目の端に涙を浮かべて 緊張に身体を震わせながら…… ど真ん中ストレートの直球勝負でミスティアは○○に想いを告げた。 「はぁ……はぁ……」 荒い息を吐きながら、ミスティアは目を閉じて○○の返答に震える。 (言っちゃった……!) もし、断られたら もし、嫌われたら どうしよう 私たちはどうなってしまうのだろう……? 今まで、積み上げてきた二人の関係が壊れてしまうのではないか。 嫌だよ そんなの嫌だ 怖い…… 怖い 怖い 怖いよ…… 永遠に続くかのような、長くて短い時間の中、恐怖がミスティアを激しく苛む。 彼女の手も足もカタカタと震え、心はルーミアに喰われるとき以上の恐怖を味わっていた。 ミスティアは固唾をのんで、○○の次の発言を待つ。 ○○の返答は―――― 「え、好きって……ライク? ラブ?」 ブチッ!! 「 ラ ブ に 決 ま っ て い る で し ょ お お お ! ! 」 シュン――――ドゴァッ!! 「ごふぁぁ!!」 どこまでも空気を読めない超ウルトラスーパー鈍感男に、ついにミスティアの幻の右が炸裂する。 人の力をはるかに超えた妖怪の力によって、○○は天空高く吹き飛ばされた。 その姿や廬山昇○破に吹き飛ばされる蟹のようだった。 「 あ じ ゃ ぱ ァ ――― !! 」 ひゅぅぅぅぅぅ~~~~~ぽふっ! 空気を切りながら、落下してきた○○を、ミスティアは両手で受け止める。 さすがに、○○の全身が地面に打ち付けられるのは無視できなかったようだ。 「あ、あんなこと、好きじゃなきゃ……貴方じゃなきゃ死んでもやらないわよ!!」 「いたたたた……ご、ごめん、全然気付かなかった」 「……ッ!!」 この上なくデリカシーの無いセリフが、ミスティアの心を真っ二つに切り裂く。 さすがにミスティアも、もう限界だった。 「うう……酷いよぉ……」 「あ、あの……みすちー?」 ○○のあまりの非道さに、ミスティアは怒りを通り越して、とうとう泣き出してしまった。 「ひっく……一緒にお風呂に入ったりとか……ぅぅっ…ものすごく恥ずかしかったけれど、頑張ったのにぃ……」 「みすちー……」 「バカ……バカバカバカぁ……ふぇぇっ…ぐすっ」 事此処に至って、○○はようやく深い罪悪感に苛まされる。 ……ハッキリ言って、遅すぎるのだが。 「ごめん……今まで、気付いてあげられなくて」 「うぅ……ぐすっ………」 ○○は、ミスティアを優しく抱きしめる。 ミスティアは泣きじゃくりながら、バカ、バカ、と○○をなじる。 そうして、彼の胸の中で子供のように泣き続けた。 子供のように、いつまでも―――― ・ ・ ・ そうして続く長い嗚咽の後、ミスティアはポツリと呟いた。 「……ごめんなさい、ヘンなこと言っちゃって……」 「ヘンなこと?」 「……いいの、わかってるよ……貴方にとって、私は親友でしかないって」 ミスティアが、○○の身体を押し戻す。 彼女の声色は、今まで泣きじゃくっていたとは思えないほどに強い。 けれど、その反面ひどく儚いイメージを抱かせる。 「……みすちー?」 「……でも、ごめんなさい……私、貴方のこと諦められないよ……」 「ミスティア……」 「たった一晩だけでいいの! あなたのこと、大好きだから…… 今夜だけは貴方のためだけに歌わせ――――んぅ……ッ!!??」 ミスティアの声が途中でくぐもったモノに変わった。 何故か? ○○の唇が、ミスティアの唇を塞いでいたから。 「!!??」 今度はミスティアが混乱する番だった 何が起こっているのかも分からない 驚きのあまり思考を纏めることもできない けれど、驚くミスティアとは裏腹に、○○は冷静そのもの。 少し頬が朱に染まっているが、啄ばむようなキスを数度繰り返す。 「ん……」 そのまま、○○はミスティアの唇を本格的に責め始めた。 まず、自身の唇で、彼女の唇の柔らかい感触を、ゆっくり味わう。 凍りついたように動かない――――動けないミスティアの唇をペロリと一舐めする。 さらに、唇で彼女の唇を挟み、緊張を解きほぐすように――――味わい、貪り、嬲る。 それは、どんな上等な食事よりも濃厚で、愛おしくて そして、僅かに淫らな味付けがされていた。 「ふぁ……」 ミスティアは耐えきれずに切なげな声を上げた。 熱い彼女の吐息が頬にかかり、酷く心地がよい。 たまらず、ミスティアの指に、自分の指をするりと絡ませる。 すると、彼女もそれに応えるかのように手を軽く握り返してきた。 「ん……ぅ」 喘ぎ声にも似た、か細い呻き声。 それが、彼女の歌声以上に、○○の心の琴線を震わせる。 ミスティアの身体から、どんどんと力が抜けていった。 しかも、その理由は驚きはもとより、この上ない心地よさによるものだった。 唇を中心に、体中全てが蕩かされるような甘い情欲が身を包む。 ○○は彼女の指を握っていた片手を外した。 そして、彼女の身体を片腕で抱える。 ○○の片腕にかかる重量は全く無いと言っていいほどに軽い。 「ぇ……?」 不意に、ミスティアが小さな声を上げた。 二人の唇が離れたからだ。 ○○の唇は、ミスティアの涙の跡を次のターゲットにする。 彼女の涙の跡に沿うように、唇を這わせ、舌先で小さく舐めあげた。 「ぁ……」 一瞬だけ、二人は互いに見つめあい、静かに目を閉じた。 ○○はミスティアを強く抱きよせ、ミスティアもそれに応える。 堅くなっていたミスティアの身体も心も完全にほぐれた。 だから、今度はミスティアからも求める。 ○○のキスに比べれば、あまりにたどたどしい舌と唇の動き。 けれど、その拙さが逆に○○の心を掻き乱す。 「んっ……!!」 互いを貪りあうような、熱く、濃厚な、甘い口づけ。 互いの唾液が互いの舌に絡み、唇にまとわりつく。 それだけで、甘い電流が脳を痺れさせ、溶けたアイスのようにどろどろに蕩けさせていった。 「……っは……」 10分ほど後、○○はようやくミスティアの唇を解放した。 「はっきり言うよ?」 「ぇ……う、うん……」 「みすちー、君のことが好きだ」 「……え?」 「だから、今夜だけといわず――――ずっと、俺のために歌ってくれないかな?」 ・ ・ ・ 「みすちー、すごく嬉しそうだね……」 「だって……幸せなんだもん」 ミスティアは、○○に体を預けながら 幸せに身をゆだねていた。 甘い甘い一時。 この上なく幸せな一時 きっと、それはずっと続いていくはずだ。 そう考えただけで、ミスティアの心は天にも昇るほどの幸福を味わっていた。 けれど、幸福のあまりに、彼女の心をチクリとした不安がよぎる。 「ね、ねぇ……○○」 「ん?」 「本当に……私で良いの?」 「え?」 「だって……私は歌うことしかできないもの。弾幕ごっこも強くないし、胸もぺったんこだし……」 「おバカ」 「え?」 「関係ないよ。弾幕ごっこが弱かろうが、胸がなかろうがみすちーはみすちーだろ? 俺が今まで、そんなことで親友をやめようとしたことあった?」 「……ない…わ」 「だろ? そういうことだ。大好きだよ、みすちー」 ○○はミスティアの頬に軽く口づけた。 彼女の表情がみるみるうちに和らいでいく。 「……これ、夢じゃないよね?」 「いや、つーか夢だったらむしろ俺が泣いちゃうぞ……」 「うふふ……」 再び、甘く緩やかな時を過ごす。 と、その時……○○は少し気がかりになっていたことを思い出した。 「そう言えばさ……どうして最近ウチに来なかったの?」 「う……き、聞きたい?」 「ああ、聞かせて」 ミスティアは、何故か喋ることをためらっていたが、○○に促されてポツリポツリと話し始めた。 「その……ここ最近ね、あなたと一緒にお風呂入っていると、ヘンなことばかり考えるようになっちゃって……」 「ヘンなこと?」 「う、うん……貴方に……その……触られたらどんなだろうとか、貴方に……抱かれたいとか」 (ヤバイ……この流れは) ○○は聞いてしまったことを激しく後悔した。 しかし、もう遅い。 「あ、あのみすちー? この流れは非常にまずいよ?」 「だんだん、そんなえっちなこと考えるようになってきちゃって……その……あの……」 (ヤバイ……このままでは別スレに行ってしまう!!) 「○○のことを考えると(>A<;)が(>A<;)っちゃって…… でも、何回も何回も(>A<;)ても、(>A<;)が(>A<;)ちゃって……」 ミスティアの瞳は既に潤んで、その頬は羞恥だけでなく 情欲に赤く染まっている。 言動がヤバくなってネチョフィルタがかかってきている。 このままでは、この話がオチなしで打ち切りエンドになってしまう。 けれど、○○はそれ以上に抜き差しならない状況に追い込まれていた。 ミスティアがあまりにイヤらしすぎて、可愛らしすぎて耐えられないのだ。 (落ち着け、偶数を数えるんだ……偶数は必ず2で割り切れる公平な数字……俺とみすちーで、いつでも半分こに出来る……) 「で、でも……本当は、違うんだよ? 私、そんなにえっちな子じゃ――――」 「2、4、6……」 ブツブツと何事か唱え始めた○○を見て、ミスティアの目に怯えが宿る。 「ぁぅぅ……こんなえっちな子は……キライなのかなぁ……?」 「不安そうな顔 & 上目遣い & 涙目」コンボ発動。 しかも、発情した女の顔で―――― ○○の理性は、そこまでが限界だった。 ブチッ!! 「アーイ……」 「え? 」 「キャ――ン……」 「ちょ……ちょっと○○?」 「グレェェェェ――――――イズ!!」 「きゃ、きゃあああああっ!!」 ○○が完全に壊れてしまった。 有無を言わせず、○○はミスティアをお姫様のように抱きかかえ、彼女の家に飛び込んで―――― 「みっすみすにしてやんよォォォ――――!! ア――――ッハハははははァ――――!!」 「ち、ちょっと落ち着いてぇぇ○○~~~~っ!!」 この後のミスティアの運命は、推して知るべし。 12スレ目 861 うpろだ898 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○○「お~いみすちー」 ミスティア「○○?どうしたのー?」 ○○「こんな姿になっちまったー」 ミスティアの目の前には見事にショタ化した○○がいた みすちー「○○……可愛いよ。とっても可愛いよ食べちゃいたいくらい♪」 ○○「食べるのは勘弁してくれ~」 みすちー「う~んその格好じゃお店手伝うのも無理みたいだし……○○、今日は客引きだけやってくれない?」 ○○「わかった~」 その日ヤツメウナギを食べに来る人が絶えなかったというが、そのまま○○をさらおうとした人も後を絶えなかった…… ○○「ふぃ~疲れた~」 みすちー「お疲れ様~とてもたくさん売れたよ~」 ○○「よかったよかった……って俺の姿が元に戻らなきゃ意味ないじゃん」 みすちー「何か変なもの食べなかった?」 ○○「う~……あっ!そういえば昨日は紫さんが来てそれから…二人で飲んでて…」 みすちー「きっとそのときにやられたね。明日になれば元に戻れると思うよ。……多分」 ○○「はぁ、今日は疲れたから家に帰るわ」 みすちー「あ、あのさ、今日泊まっていいかな?○○の家」 ○○「あ~…… うんいいけど」 ○○の家 みすちー「お腹すいてない?何か作ろっか?」 ○○「ああ、頼んでいいかな?」 みすちー「任せてよ!!」 みすちー(ま、○○のおうちだ~勢いで行くって言っちゃったけど、どうしよう……それにやっぱ子供姿の○○は可愛いなぁ♪) ○○「みすちーは今日はなんか嬉しそうだな」 みすちー「へっ?そ、そんなことないよっ!!」 ○○「そうか?っ!!みすちー鍋見て!!鍋!!」 みすちー「あっ!!焦げてる!!」 …… みすちー「ごめんね○○。おかず焦がしちゃって……」 ○○「んにゃ、別に大丈夫だよこのくらいの焦げ。っとと」 ふいに○○の箸からおかずが落ちる みすちー「ほら、いつもと違うんだから気をつけないと。ほ、ほら、あーん」 ○○「え、う、あ、あーん」パクッ みすちー「な、なんか恥ずかしいね……」 ○○「う、うん。…………ふぅ食べた食べた。ごちそう様でした」 みすちー「お粗末さまでした。ねぇ○○、この後どうする?」 ○○「ん、お風呂入って寝るだけだけど」 みすちー「わかった~お片付けしてるからお風呂に入ってていいよ」 ○○「ありがとう、みすちー」 お風呂のなか ○○「ふあ~生き返るな~……まさかみすちーがうちに来るなんてな~」 みすちー「湯加減はどう?」 ○○「ちょうどいいよ~」 みすちー「じゃあ私も入るね~」 へ、……私も入る?why? ○○「ちょ、ちょっと待って!!みすちー!!みすちーは女の子だから……」 ガラガラガラ みすちー「おお、○○の家のお風呂って広いんだね~」 ○○「み、みすちー、入ってきちゃダメだって……」 みすちー「だ、ダメだった……?」 GJです 鼻血が出そうです ○○「せ、せっかくだから背中流してあげるよ」 みすちー「うん!!ありがと!!」 その後は何もないですよ。もちろんR-指定なことなんてしてないですよ みすちー「いいお湯だったね~」 ○○「そうだな~……さて、寝るか。みすちーは俺のベットを使ってくれ」 ギュッ、みすちーが俺のパジャマの裾を握っている みすちー「あ、あのね○○い、い、いっしょに寝てもいいかな?」 ベットの中 ○○「だ、大丈夫かみすちー、狭くないか?」 みすちー「あーうー、だ、大丈夫だよ」 ……………… みすちー「ねぇ○○、○○は好きな人いるのかな?」 ○○「好きな人か~…………うん、おれはみすちーのことが好きだよ」 みすちー「うれしいよ○○、私も○○のこと好きだよ」 ○○「みすちー……」 みすちー「ふふ、ねぇ○○今日は泊めてくれてありがとうね」 ○○「いや、みすちーだけだからね。家に泊めるの」 みすちー「うん……そういってもらえると嬉しいな♪…………」 ○○「みすちー?」 みすちー「すーーー……すーーー……」 ○○「寝ちゃったか……おやすみ、みすちー」 翌日の朝 みすちー「う~~~~ん。ふわああ良く寝た~。あれ?○○ー」 ○○「おはようみすちー。よく眠れた?」 みすちー「あっ元の姿に戻ってる~良かったね!!」 ○○「だな。朝ごはん出来てるぞ」 みすちー「うん。……なんか私たち夫婦みたいだね」 ○○「……みすちーがそれでいいなら、……結婚しようミスティア」 みすちー「う、嬉しいよ、○○。私も○○のこと愛してる……」 二人がキスしようとした瞬間 バタン!! 文「ちわーす。朝刊で……あややややや、これはいいスクープですね!!さっそく記事にしなくちゃ!!」 バタン!! ○○「…………あの新聞記者め……まぁいいか。さっ朝ごはん食べようみすちー」 みすちー「そうだね○○!!」 こうして二人は夫婦になりましたとさ めでたしめでたし 後日、文々。新聞に二人のことが載るのは別のお話 うpろだ1031 ─────────────────────────────────────────────────────────── 後悔先に立たず。彼の周りはすでに真っ暗闇で、辺りはしんと静まっていた。 泣く子も黙ると云われる丑三つ時、闇に包まれ途方に暮れた人間が一人、薄暗い森の中に佇んでいた。 「妖怪ごときに食われてたまるか・・・一発お見舞いして、絶対に生きて帰ってやる」 ファイティングポーズを取って意気込む人間。犬や猫ほどの鋭さもない粗末な聴覚を研ぎ澄まし、必死に敵の位置を探る。 「かかってきやがれ妖怪、そのキレイな顔を吹っ飛ばしてやるぜ」 畜生、なぜこんなにも私の想いは届かないのか。 こちらの後悔も先に立たず。哀れな人間を惑わせ視界を奪った夜雀は、自らの行為をただ省みるばかり。 妖怪が人間に興味を持ったのが間違いだ、と彼女の行為を貶すのは容易い。 しかし彼女は真剣だったのだ。ただ一人の人間に恋焦がれ、それを真っ直ぐに求めた結果がこれである。 今、一人の男は視力を奪われ、妖怪にとってはあまりにも弱弱しく見える拳で虚空を切る。 「さぁ、ここまで暗くなりゃ逃げようがないわ。 妖怪野郎どっからでもかかってきやがれ、俺様の鉄拳でフルボッコにしてやるぜ」 そして今、彼の視力を奪った妖怪は、今まさに自らの行為を激しく後悔していた。 「私はただ、仲良くなりたかっただけで・・・」 視界を奪えば足は止まる。そんな風に考えていた時期が私にもありました。 確かに足は止まったが、早足で森を抜けようとしていた彼は今や臨戦態勢。 不用意に近づけば柔らかい鉄拳が飛んでくるであろう。彼は先ほどからしきりに拳腕を振り回している。 「さぁ、さっさとかかってこい妖怪野郎。人間様をタダで食えると思うなよコンチクショー」 もはやヤケクソだろう。 相変わらずブンブンと、拳が空を切るむなしい音が耳に入ってくる。 「・・・あの、もしもし?聞こえてる?」 とりあえず話しかけてみた。 だって、こんな人間初めてだし。こんな気持ちも、初めてだし・・・。 「聞こえてるぞ、そこにいるんだな?今一発食らわせてやるから覚悟しやがれ」 相変わらずシュッシュッと情けない音が聞こえてくる。 鳥目の彼には私が見えないのだ。鳥目になると、自分の近くのものしか見えない。 だから彼は、私の声が聞こえた方向を向いて、拳を振り回しシュッシュッと風を切るばかり。 ・・・それならば大したことはないだろうと、私はゆっくりと彼に近付いた。 ゴッ 「・・・お、当たった・・・」 左の側頭部に衝撃が走った。 どうやら彼の鉄拳をまともに食らってしまったらしい。 それでも妖怪の私には大したダメージにはならない・・・はずだったが・・・ 「あっ・・・うぅ・・・」 足元がふらつく。 なんだろう、急所にでも命中してしまったのだろうか。 不意を突かれたのがまずかったのか。 私は力なく前に倒れ・・・たと思った。 「うお、おっ、おい、何だお前・・・」 ・・・倒れてない。 何だろうこれ。何やら暖かい、やわらかい感触が私の身体を支えているような・・・ ドサッ 私は耐え切れず、その感触に身体を預けた。 やわらかくて暖かい。まるで天国みたいで・・・。 「え・・・あ、え、女の子・・・?」 「あ・・・うん・・・」 きっと、今の私はこれまでにないくらい無防備なんだろう。 背中には彼の左手。お腹には彼の右手。 もう、頭の中が蕩けてしまっているかも知れない。 「うぅ・・・ん・・・」 頭は回ってるのに声が出ない。 側頭部がジンジン痛む。こんな弱そうな男の拳でこんな目に逢うなんて、悔しいっ・・・!! 「あー、その・・・大丈夫か・・・?」 彼の心配そうな声が聞こえる。 あぁ、録音しておけばよかったわ。この声だけでご飯三杯はいける自身があるのに。 「あ・・・らいじょぶ・・・」 舌が回らない。彼の拳のせいなんだろうけど。 なんだろう、自分がすごく恥ずかしいよ・・・。 「ご、ごめん、その、女の子だとは思わなくって・・・」 「・・・私女の子だけど、妖怪だもん」 言っちゃった私。 盛大にカミングアウトしちゃったわ。 何てこったい。何やってんだ私。ムキになっちゃダメよ私。 「あー・・・妖怪・・・?やっぱり?俺を鳥目にしたのも君の仕業ってこと?」 「・・・うん、ごめんなさい。私・・・」 あぁ。言い訳しようとしてる私。 これはもうダメかもわからんね。 「私はただ、あなたと仲良くなりたくて・・・」 「・・・へぇ・・・」 「私、あなたのことが好きで、それで振り向いてほしくて、私・・・」 「・・・・・・」 ・・・案の定無反応だよ畜生。 あーあ、失恋しちゃったかなぁ。 「・・・取って食われるかと思ったよ」 ・・・そりゃそうだよね。 いきなり森の中で妖怪に視力奪われりゃ、そうだよね・・・。 怖がらせてごめんなさい、愛しい人。 「ほんとに、俺はここで死ぬのかって本気で思ったんだからな」 そうだろう。そうだと思う。 ああ、私は何て愚かなんだろう。 「・・・だから」 「だから、取って食われる気持ちってのをいっぺん思い知るといい」 ・・・えっ? ちょっと、私をどこに持っていくつもり? 降ろしてってば。ちょっと、どこ触って・・・ 「取って食ってやるから覚悟しろよ、可愛い妖怪さん?」 コラ、離しなさいってば!人間が妖怪を取って食うなんて、そんな話・・・ 「うん」 「よし、いい子だ」 「・・・うん」 そんなヘンな話、聞いたことないけど、 ・・・ちょっとアリかも知れないって思った。 だって、月がヘンに見えたから。 うpろだ1033 ─────────────────────────────────────────────────────────── 一人の男がいました。 彼はこの幻想郷とは違う世界の人間でした。 つまり外の世界からきた人間だったのです。 彼は幻想郷に迷い込み一人の妖怪の少女に恋をしました。 最初はその想いに気づかない振りをしていました。 しかし日に日にその思いが強くなっていきます。 そして結局彼は少女に告白をしました。 「ミスティアさん、僕は貴女が好きです」 「ごめんなさい……」 「……そうですか」 だけど彼の想いは届きませんでした。 どれだけ愛おしくても所詮は人間と妖怪。 彼の想いは叶わぬ想いだったのです。 少女は彼に告白されたときとても嬉しく思いました。 しかし彼女は彼の想いに答える事はできなかったのです。 人間と妖怪では寿命が違いすぎました。 その所為で自分だけが置いていかれるのが怖かったのです。 だから彼女は彼を拒絶しました。 大好きな彼を…… そしていつしか彼は少女から離れていきました。 彼女は悲しみました。 大好きな歌を詠うこともできなくなるほどに。 先の事を考えて彼の事を拒絶したのにそのせいでどうしようもなく彼に会いたくなってしまったから。 でももう遅い。もう彼は会いに来てくれない。 だから泣きました。 それから暫くして彼が少女に会いにきました。 彼女は喜びました。ですが直ぐに絶望します 。 「どうして、どうしてこんな事を!」 彼は少女の前で首と腕の動脈を切り裂いたのですから。 「……貴女がどうしようもないくらい好きだった」 彼は言います。抑えきれなかった想いを。 「ならどうして!?」 少女には理解できませんでした。 何故自分の事が好きなら死のうとするのか。 「貴女の隣に居れないのなら、せめて貴女の一部になりたいと思った。ただそれだけですよ」 彼は言います、届かないなら文字通り一つになりたかったと。 それ以外は何もいらないと。 「っ!? じゃ、あ私のせ、い? 私が貴方を拒んだから死んでしまうの?」 「違いますよ。ただ僕がそれを望んだんです」 「でも…でも……!」 彼の言葉を聞いて少女は自分を責めました。 自分が素直になっていたらこんな事にはならなかった。 こんな悲しい結末にはならなかったはずだ。そう思いました。 「ミスティアさん、僕の最期のお願いを聞いてもらえますか?」 「いや! 最期なんていわないで!」 「僕が死んだら…僕の体を食べてください」 自分を責める少女に彼はお願いをしました。 自分を彼女の糧にしてくれと。 「!?」 「せめて貴女の一部にしてください……」 「嫌! そんなの絶対に嫌!」 「お願いです。僕の最期のおねがいを……」 少女は彼の願い事を精一杯拒否しました。 「○○? ○○!?」 しかし彼にその言葉が届くことはありませんでした。 「――」 「いや! お願い起きてよ! 傍にいて良いから! ずっと傍にいていいから!」 「――」 「だから、はやく起きてよ……」 「――」 だってもう彼は事切れていたのですから…… うpろだ1337 ───────────────────────────────────────────────────────────
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ミスティア1 1スレ目 5 「今夜は僕のためだけに歌ってくれないかな、みすちー」 1スレ目 759 夜雀の歌が聞こえる。 「―――」 それは実に騒がしい歌だった。 聞いてて癒されることなど絶対にありえない、ハードなリズムと歌詞の歌。 だから俺は目を覚ました。 「……」 今は夜。夜というより真夜中。人間は寝る時間だ。 「安眠を妨害する奴はシメてもいいよな。死ぬほど」 呟いて俺は外に飛び出す。 そして歌の発生源を弾幕で追い払い、寝た。……あまり眠れなかった。 夜雀の歌が聞こえる。 「―――」 それは実に騒がしい歌だった。 聞いてて癒されることなどまずありえない、ハードなリズムと歌詞の歌。 だから俺は目を覚ました。 「またか……ッ!」 俺は外に飛び出していき、歌の発生源を弾幕で追い払い、寝た。しかし――― 「―――」 今日の夜雀はしつこかった。またこの近辺に舞い戻り、歌を歌い始めたのだ。 「……上等だよ」 俺は外に飛び出していき、歌の発生源を弾幕で追い払い、寝た。 だが、夜雀はまた舞い戻ってきて歌い始めた。俺は飛び出していき――― それの繰り返しは朝まで続いた。ほとんど眠れなかった。 その日から、俺の夜は変わった。 夜雀の歌を合図として目覚め、弾幕で追い払い、寝る。次に夜雀が歌い始めるまで。 朝が来るまでそれの繰り返し。 そんな生活が、一月以上続いた。 ……体の一つや二つは壊して当然だったが、しかしまったくもって体調は良かった。 「何でだろうな……」 体が壊れない事、夜雀がしつこい事、―――そして、自分が一思いにやってしまわない事。 疑問だらけだった。 夜雀の歌が聞こえる。 「―――」 それは実に騒がしい歌だった。 聞いてて癒されることなどありえない、ハードなリズムと歌詞の歌。 いい加減聞きなれた、綺麗な声の歌だ。 だから俺は目を覚ました。 「……外は雨だぞ? 土砂降りだぞ?」 雨音の間を縫って、夜雀の歌は聞こえてくる。 「……」 気づくと俺は外に飛び出していた。 「おいっ! 今日はやりあう気は無い! だから話を聞け!」 俺の姿を認め攻撃態勢へ入った夜雀に、俺は声を張り上げる。 「……」 夜雀は攻撃態勢を解かないものの、しかし攻撃を仕掛けてくる様子は無かった。 さて何を言おうかなと俺は考え―――すると自然に口が動いた。 「お前、名前はなんていう?」 「ミスティア。ミスティア・ローレライ」 「そうか。―――ミスティア。歌うなら俺の家の中で歌え」 それだけを言って俺は夜雀に背を向け、家のほうへと歩きだした。 夜雀―――ミスティアはその後を飛んで着いてきた。 (何で、だろうな……) 横になりながら、俺は考えた。 「―――」 ミスティアの騒々しい歌を枕元で聞きながら、思った。 (……いい歌じゃないか) そして俺は眠りについた。 翌朝、俺はひとつの質問をした。 「ミスティア。なぜお前は歌う?」 なぜあそこまでしつこく、雨にも負けず、弾幕にもめげずに歌えるのか。 「好きだから」 「……そんなに歌が好きか?」 「あなたが好きだから」 なるほどな、と思い、俺はようやく自分の気持ちを理解した。 「俺もどうやらお前のことが好きらしいぜ?」 ―――今日もミスティアの歌が聞こえる。 いつの間にか俺は、この歌が聞こえないと眠れなくなっていた。 おわり ……うむ。どうやら俺には甘いの書く才能が欠如してるようだぜ。