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春のダンジョン:羽ばたく花の丘 夏のダンジョン:星降る砂原 秋のダンジョン:虹登る滝 冬のダンジョン:氷原に咲く花 結婚後デート 春のダンジョン:羽ばたく花の丘 【ペルシャ】 わーっ!マイスくん!お花のじゅうたんだよっ!すごいねーっ! 【マイス】 あれ!?ペルシャってここに来るの初めてだった? 【ペルシャ】 ううん、よく来てるよ? 【マイス】 そ、そう……。なぜか初めてみたいな反応だったけど・ 【ペルシャ】 えー!?マイスくん、疲れてるんだよっ!早くお風呂に入らないとっ! 【マイス】 え!?あ、いや、えーと……。じゃ、じゃあ、ちょっと休んでいこうか。 【ペルシャ】 うん、わかったっ! 【マイス】 綺麗な景色だね。 【ペルシャ】 うんっ!それにいい香りだよっ! ちょっとだけ入浴剤用に貰っていっちゃおーっ! ペルシャはお風呂が好きだね・入浴剤って花で作るの?・その花の根には毒が ▼ペルシャはお風呂が好きだね 【ペルシャ】 うんっ!大好きだよっ! でもでも、今はおんなじくらい大事なものがたくさんあるんだー。 【マイス】 へえ、そうなんだ。なんなの? 【ペルシャ】 えへへー。秘密だよーっ♪ ▼入浴剤って花で作るの? 【ペルシャ】 一番多いのはやっぱりお花かなー。 でも、色々なものから作ってるよっ! 木の実とか、果物とか。 【マイス】 果物……? 【ペルシャ】 あと、イカとか。 【マイス】 イカ!? ▼その花の根には毒が 【ペルシャ】 知ってるよー。ビリビリ痺れていい刺激になるよねっ! 【マイス】 ど、毒風呂……? 【ペルシャ】 よしっと! これだけあればお風呂の匂い付けには十分かなー。 あっ!そういえば、マイスくんはどんなお風呂が好き? 普通のお風呂・ペルシャの用意したお風呂・女湯 ▼普通のお風呂 【ペルシャ】 じゃあイカだねー。 【マイス】 それ標準!? ▼ペルシャの用意したお風呂 【ペルシャ】 そ、そっかーっ! マイスくん、あたしの用意したお風呂がお気に入りなんだねっ! それじゃあ、マイスくんのために、今度イカどもを釣ってくるよっ! 【マイス】 それは遠慮します。 ▼女湯 【ペルシャ】 ダメです。 【マイス】 …………はい、すみません。 【ペルシャ】 じゃあじゃあ、マイスくんが大好きになってくれるお風呂をいつか用意するねっ! そうしたら、その、毎日入りに来てくれるかなあ? もちろんだよ・お風呂がなくても……・一緒に入ろうよ ▼もちろんだよ 【ペルシャ】 じゃあじゃあ、頑張るからねっ! 【マイス】 うん。 【ペルシャ】 えへへー♪ ▼お風呂がなくても…… 【マイス】 会いに行くよ、ペルシャに。 【ペルシャ】 そ、そっかー……。 お風呂屋さんとしては複雑だけど、やっぱりうれしい、かなー……。 てへへ……。 ▼一緒に入ろうよ 【ペルシャ】 ダメ。 【マイス】 …………うん。ごめんなさい。 【ペルシャ】 じゃあ、そろそろ行こっかっ! もしくはお風呂にレッツゴーっ! 夏のダンジョン:星降る砂原 【ペルシャ】 うわーっ!砂だらけだね、マイスくん! 【マイス】 まあ、砂漠だからね。 【ペルシャ】 そっかー。砂漠はカラカラだもんねー。 お風呂に入ったらいいのに。 【マイス】 ……ペルシャって、この砂漠に負けないくらいスケールが大きいよね。 【ペルシャ】 よし!砂漠さんにお風呂の素晴らしさを伝授していこーっ! いいよね、マイスくん? 【マイス】 はは……。 【ペルシャ】 さて、砂漠さんっ! …………。ねえ、マイスくん。何を質問しよっか? 砂漠さんの気持ちは分からない・みなさんお風呂に入りませんか?・好きなものは? ▼砂漠さんの気持ちは分からない 【ペルシャ】 そっかー。 マイスくんは裁く方じゃなくて裁かれる方なんだねー。 【マイス】 そのさばくじゃなくて。 ▼みなさんお風呂に入りませんか? 【ペルシャ】 こんなにいっぱい入れないよ。 【マイス】 うん。そうだよね。 【ペルシャ】 マイスくん、もうちょっと考えないとー。 【マイス】 あれ!?僕が悪い流れ!? ▼好きなものは? 【ペルシャ】 果物ですっ! 【マイス】 いや、ペルシャのじゃなくて。 【ペルシャ】 マイスくんのことも好きだよっ! 【マイス】 え!?あ……、ありがとう。 【ペルシャ】 やっぱり砂漠さんにお風呂に入ってもらう作戦は難しいねー。 でもでも、ここがいつかすべてお風呂になればっ! 【マイス】 壮大な計画だね……。 【ペルシャ】 そうしたら、一人でお風呂屋さんは無理かなー。 ねーねー、マイスくん。お風呂屋さんになる気はなーい? この大きさは無理だよ・ペルシャと一緒なら・しののめさんと一緒なら ▼この大きさは無理だよ 【ペルシャ】 じゃあ、もうちょっと小さければ考えてもいい? 【マイス】 もうだいぶ小さければ。 【ペルシャ】 じゃあ、なるのはいいんだねっ! 【マイス】 え? 【ペルシャ】 そっかー♪ ▼ペルシャと一緒なら 【ペルシャ】 えーっ!?一緒にやってくれるのーっ!? 【マイス】 それもいいかなあって。 【ペルシャ】 やったー!そうなったらいいなーって思ってたんだーっ! えへへー♪ そしたら、もっともーっとマイスくんと一緒だもんねっ! ▼しののめさんと一緒なら 【ペルシャ】 お、おかみさんはダメだよーっ! 【マイス】 どうして? 【ペルシャ】 えっと……。 マイスくんが誰かと一緒ならイヤで、おかみさんが取られちゃうのもイヤで……。 とにかく、ダメなものはダメなのっ! 【ペルシャ】 でもでも、マイスくんに手伝ってもらっても、大きなお風呂は無理かなー。 どうしよっか? さくやとしののめさんを呼ぶ・子供に手伝ってもらう・廃業する ▼さくやとしののめさんを呼ぶ 【ペルシャ】 さくちゃんとおかみさん、手伝ってくれるかなー? 【マイス】 きっとね。家族なんだから。 【ペルシャ】 そっかー……。 じゃあじゃあ、マイスくんも家族だねっ! 【マイス】 え……? 【ペルシャ】 これからもよろしくお願いします♪ 【マイス】 あ……うん。 ▼子供に手伝ってもらう 【ペルシャ】 子供って、誰の? 【マイス】 僕とペルシャの。 【ペルシャ】 …………。 【マイス】 ペルシャ? 【ペルシャ】 ぷしゅー。 【マイス】 ペルシャ!? ▼廃業する 【ペルシャ】 ええっ!?お風呂、なくなっちゃうの!? 【マイス】 無理やり大きくしちゃって、もしお客さんが来なかったら、 維持費だけですぐに大赤字だと思うよ。 【ペルシャ】 じゃあ、今のままでいいですっ! 【マイス】 よろしい。 【ペルシャ】 お風呂の話してたから、お風呂に入りたくなっちゃった! よーいっ!そろそろ帰ろっかっ! 秋のダンジョン:虹登る滝 【ペルシャ】 わーいっ!滝だ滝だーっ! 【マイス】 ペルシャは滝が好きなの? 【ペルシャ】 うんっ! 【マイス】 じゃあ、ちょっとここで休んでいこうか? 【ペルシャ】 やったーっ!大さんせーっ! 【ペルシャ】 ねえねえマイスくん! ここには晴れの日のお昼頃に、よく虹がかかるんだよっ! 虹ってキレイだよねー。お魚さんも、虹を見たらきっと大喜びだよーっ! 虹ってなんだと思う?・魚のこと好きだよね・虹を餌に釣れると…… ▼虹ってなんだと思う? 【ペルシャ】 小さな水滴に光が当たって出来る、自然現象だよ。 水滴にぶつかって分解された光を見てるから、いろんな色に見えるの。 つまり、太陽を背にしたときしか見えないから、ここだとお昼過ぎから見えるのです。 【マイス】 そ、そうなんだ。よく知ってるね……。 【ペルシャ】 そうかな?普通のことだと思うけどなー。 【マイス】 あはは……。 ▼魚のこと好きだよね 【ペルシャ】 うんっ! お魚さんたちはね、わたしが海で一人だったときも、 いっぱい遊んでくれたんだー。 だからね、大切なお友達なのっ! 【マイス】 そっか……。 ▼虹を餌に釣れると…… 【ペルシャ】 お魚さんは食べ物じゃありませんっ! 【マイス】 ご、ごめんなさい。 【マイス】 ところで、その……。ペルシャは海がキライだから陸に上がってきたの? 【ペルシャ】 うーん……。 マイスくんは、どこか別のところに行ってみたいとか、思ったことなーい? あるよ・ないなあ・行ってきます ▼あるよ 【ペルシャ】 きっとそれと一緒だよ。 キライじゃなかったけど、そこが居場所じゃない気がしたの。 それでね、こうやって出てきたら、さくちゃんとおかみさんに会えたんだ。 マイスくんにもね。 【マイス】 ……うん。 ▼ないなあ 【ペルシャ】 そっかー。 じゃあマイスくんには分からないかもねー。 でもでも、今は海に戻らないよ! 今はね、マイスくんの傍に居たいと思ってるから♪ 【マイス】 あ……、ありがとう。 ▼行ってきます 【ペルシャ】 え!?じゃ、じゃああたしも……。 で、でもお風呂とさくちゃんとおかみさんが……。 ど、どうしよう!? 【マイス】 冗談だから……。 【ペルシャ】 でもでも、本当はよく分からないんだー。 【マイス】 え? 【ペルシャ】 あたし、これでいいのかなあ? ずっとここにいても、いいのかなあ……。 いいと思う・ダメかもしれない・代わろうか? ▼いいと思う 【ペルシャ】 そうかなあ。さくちゃんやおかみさんに迷惑じゃないかなあ? 【マイス】 うん。二人の気持ちは分からないけど……。 僕はペルシャにいて欲しいと思ってるよ。 これからも、ずっと。 【ペルシャ】 マイスくん……。ありがとう。 ▼ダメかもしれない 【ペルシャ】 そうだよね。 あたし、さくちゃんやおかみさんに何もしてあげられないもん……。 【マイス】 いや、そうじゃなくて、 入浴剤にイカとかを入れるのが問題になりそうだなあと……。 【ペルシャ】 …………。 【マイス】 ペルシャ……。 ▼代わろうか? 【ペルシャ】 えーっ!?マイスくんって人魚になれるの!? 【マイス】 いや、そうじゃなくて……。 【ペルシャ】 じゃああたしがマイスくんに変身できるんだっ! どうしようっ!? 【マイス】 どうしようもないと思うよ。 【ペルシャ】 そっかー。残念でしたっ! 【ペルシャ】 じゃあ、そろそろ行こっか。 冬のダンジョン:氷原に咲く花 【ペルシャ】 うわーっ!きれーいっ!やっぱり氷の花はすごいねーっ! 【マイス】 そうだね。こんなに寒いところでキレイに咲いてるなんて……。 【ペルシャ】 お風呂のお湯も凍っちゃったのにねー。 【マイス】 え? 【ペルシャ】 あんまり寒そうだったから、つい。 でも、今日はマイスくんと一緒だからちょっとあったかいよ! このあったかいのを、お花さんにも分けてあげたいのですっ! 【マイス】 …………。 じゃあ、もうちょっとここで話していこうか。 【ペルシャ】 うんっ! 【マイス】 うう、それにしても寒いね……。 【ペルシャ】 そうだねー。イカでも食べたいねっ! 【マイス】 そ、そうかな……? 【ペルシャ】 マイスくんは何か好きなものとかないのー? 野菜・果物・イカ ▼野菜 【ペルシャ】 そうなんだー。 …………。 【マイス】 それだけ? ▼果物 【ペルシャ】 あっ!あたしも果物好きなんだよっ!お揃いだねっ! 【マイス】 うん、そうだね。 【ペルシャ】 争奪戦争だねっ! 【マイス】 え!? ▼イカ 【ペルシャ】 食べる方?それともお風呂に浮かべる方? 【マイス】 浮かぶの!? ペルシャの好きなものは?・ペルシャのキライなものは?・僕のこと好き? ▼ペルシャの好きなものは? 【ペルシャ】 お風呂っ! 【マイス】 うん。他には? 【ペルシャ】 えーっと、果物、さくちゃん、おかみさん……。 あとは、マイスくんかな♪ ▼ペルシャのキライなものは? 【ペルシャ】 イカ! 【マイス】 どれくらいキライなの? 【ペルシャ】 存在が許せません。 【マイス】 な、なるほど……。 じゃあ、次は好きな食べ物を。 【ペルシャ】 イカ。 【マイス】 ……あれ? ▼僕のこと好き? 【ペルシャ】 うん、好きだよっ! 【マイス】 どれくらい? 【ペルシャ】 うーん、取り敢えず果物以上かなっ! 【マイス】 ……どれくらい? 【ペルシャ】 でもでも、あたしはこの町のみんなが大好きなんだーっ! マイスくんはどう? 好きだよ・うーん……・女の子なら誰でも ▼好きだよ 【ペルシャ】 そうだよねっ!みんなに幸せになるといいなー。 そのために、もっといいお風呂にするんだーっ! 【マイス】 じゃあ、ペルシャも幸せにならないとね。 【ペルシャ】 え? 【マイス】 だって、『町のみんなを幸せにする』んでしょ? 【ペルシャ】 あ……。……うん、そうだねっ! ▼うーん…… 【ペルシャ】 マイスくんはあんまり好きじゃないんだね……。 【マイス】 えっと……。 【ペルシャ】 じゃあ、マイスくんも幸せになれるように、あたしももっともっと頑張るね! だから、キライにならないでね! 【マイス】 ペルシャ……。 ▼女の子なら誰でも 【ペルシャ】 誰とでも仲良くなれるのは、いいことだよねっ! …………。 でも、なんでかちょっとムカムカするのはなんでだろー? 【ペルシャ】 それじゃあ、そろそろ行こっか! 結婚後デート 【ペルシャ】 うーん!気持ちいいねっー!ねっ!マイスくん! 【マイス】 うん、そうだね。せっかくだからちょっと休んでいこうか。 【ペルシャ】 わーいっ!やったーっ! なんだか、こうやってデートしてると、プロポーズのときのこと思い出すねー。 【マイス】 そうだね。あの時は緊張したなー。 【ペルシャ】 あたしはビックリしたよっ! 【マイス】 あはは。 【ペルシャ】 でも……ねえ、マイスくん。ホントのホントに、あたしで良かったのかな? もちろん・僕じゃイヤだった?・誰でもよかったから ▼もちろん 【ペルシャ】 え?なんで?? 【マイス】 ペルシャが好きだからかな。 【ペルシャ】 …………。 あたしも、マイスくんのこと大好きだよっ♪ ▼僕じゃイヤだった? 【ペルシャ】 そんなことないよっ!マイスくんのこと、大好きだもんっ! 【マイス】 え? 【ペルシャ】 大好きだよっ! 【マイス】 もう一回。 【ペルシャ】 だ……。 …………大好き、だよ。 【マイス】 うん。 ▼誰でもよかったから 【ペルシャ】 そうなんだー。そうなんだ……。 【マイス】 じょ、冗談だから……。 【ペルシャ】 あたしねー、ホントは色々不安だったんだー。 【マイス】 うん……。 【ペルシャ】 前にも言ったけどね、あたしたちって、なんだか住むところが全然違う気がして。 だからね、海に帰るべきなのかなって、思うこともあったんだよ。 【マイス】 え!? 【ペルシャ】 でもでも、あたし、マイスくんと一緒だって、一緒に居たいって思ったの。 ……ダメかなあ? これからもよろしくね・さようなら ▼これからもよろしくね 【ペルシャ】 それじゃあ……! 【マイス】 うん。 【ペルシャ】 じゃあじゃあ、一緒に居ても迷惑じゃないんだねっ!? 【マイス】 もちろん。僕はペルシャが好きでプロポーズしたんだから。 【ペルシャ】 ……うんっ! それじゃあ、これからもよろしくお願いしますっ! 【マイス】 こちらこそ、よろしくお願いします。 ▼さようなら 【ペルシャ】 え……? 【マイス】 なんて、言うと思った?ペルシャは僕のお嫁さんなんだから、僕のそばに居てくれないと、困るよ。 【ペルシャ】 マイスくん……。 ……うんっ! 【マイス】 それに、ペルシャが海に帰ったなんて聞いたら、さくやとしののめさんにどんな目に遭わされるか……。 【ペルシャ】 えー?さくちゃんもおかみさんも、すっごく優しいよー? 【マイス】 うん。だから怖いんだけどね。 【ペルシャ】 さーっ!それじゃあ新しいお風呂の入浴剤を考えよっかなー。 【マイス】 ペルシャは本当にお風呂が好きだね。 【ペルシャ】 うんっ!あたしはお風呂じゃないけど、お風呂はあたしがいれるものだからっ! あっ!ねーねー、マイスくん。今日のお風呂はなんにしようか!? チャームブルー・チーズフォンデユ・イカ ▼チャームブルー 【ペルシャ】 マイスくんは落ち着きたい気分なのかな? 【マイス】 うーん、どうだろう。 【ペルシャ】 それなら、腕によりをかけて用意しておくねっ! ▼チーズフォンデユ 【ペルシャ】 うーん……。全部チーズでいいかなあ? 【マイス】 やる気なの!? ▼イカ 【ペルシャ】 それなら、今日のお湯からもういいダシが出てると思うよ。 【マイス】 ……つまり? 【ペルシャ】 ごちそうさまでした。 【マイス】 煮た上に食べたの!? 【ペルシャ】 じゃあ、帰ろうっか! 【マイス】 海、にじゃないよね? 【ペルシャ】 ……うんっ!二人の家に! ここを編集
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正しい台詞(ペルシャ語)にも書いてある通り、るろうに剣心ペルシャ語吹き替えでは標準ペルシャ語ではなく口語ペルシャ語の特徴が多くみられるが、ネット上には日本語による口語ペルシャ語の解説が少ないため、少しではあるが解説する。 無論、標準ペルシャ語との比較で説明するため、標準ペルシャ語の最低限の知識は欲しい。 「ペルシア語」でググらんか! + 目次 1. 発音編1-1 /ā/は次に/n/や/m/が来る場合、口語では/u/に置き換わる。 1-2 「~を」の意味を表す"را"(rā)が、口語では母音の後で"رو"(ro)に、子音の後では"و"(o)に変化する。特に後者の場合、通常直前の名詞と繋げて書く。母音/i/の後では"یُ"(yo)に変化する場合もある。 1-3 /st/は口語では/ss/(語末では/s/)に、/zd/は口語では/zz/(語末では/z/)になる。 1-4 語頭の/h/はその前が子音の場合発音されなくなる。 1-5 語末の/ar/が/e/に変化する。 1-6 動詞の活用が変わる。 1-6-1 動詞の活用-過去形 1-6-2 動詞の活用-現在形 1-6-3 動詞の活用-「~です」動詞(コピュラ) 1-6-4 動詞の活用-「~です」動詞接尾辞形 1-6-5 動詞の活用-現在完了形 1-6-6 動詞の活用-仮定法現在形 1-6-7 動詞の活用-現在形・仮定法現在形共通 / 1-6-7-1 接頭辞による母音脱落 / 1-6-7-2 現在語幹が母音で終わる場合 1-7 人称代名詞の接尾辞形が変わる。 1-8 語末の子音が落ちることがある。 1-9 母音の同化 1-10 その他。 参考文献 1. 発音編 ※メルダース注意:便宜上ローマ字表記を用います。 ペルシア文字 ローマ字表記 カタカナ表記(*1) اٙ(語頭), ا(語頭以外) ā アー ب b バ行 پ p パ行 ت t タ行 ث s サ行 ج j ジャ行(*2) چ ch チャ行 ح h ハ行 خ x ハ行 د d ダ行 ذ z ザ行 ر r ラ行 ز z ザ行 ژ zh ジャ行 س s サ行 ش sh シャ行 ص s サ行 ض z ザ行 ط t タ行 ظ z ザ行 ع ' ア行 غ gh ガ行 ف f ファ行 ق gh ガ行 ک k カ行 گ g ガ行 ل l ラ行 م m マ行 ن n ナ行 و v(子音の場合)u/o/ou(母音の場合)خの後で発音なしの場合は無表記 ヴァ行ウー/オ/オウ ه h語末かつ直前の母音がeの場合無表記 ハ行 ی y(子音の場合)i(母音の場合) ヤ行イー ※短母音はペルシア文字上では表記されませんが、ローマ字ではa/e/oで表記します 最初に、超おおまかにどういう傾向があるかというと、 ①a⇒eに変化しがち ②語末の子音が簡略化されがち ③接尾辞や接頭辞が付くときに母音が落ちがち あたりが挙げられる。 まずは日本語版Wikipediaにすら書いてあるような基本事項から。 1-1 /ā/は次に/n/や/m/が来る場合、口語では/u/に置き換わる。 例(ān→un): 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 آن(ān) اون(un) 「あぁん…」が「うぅん…」になると覚えよう。 空耳では「うんてい道場」の「うん」になったりする。 例(ām→um): 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 تمام(tamām) تموم(tamum) 空耳ではよく「多分」になる。 ただし、この規則は絶対ではない。 検証シリーズではپایان(pāyān)がpāyunとならずそのままpāyānになっていたり、 آماده(āmāde)がumādeとならずそのままāmādeになっていることを確認できる。 面白い例もある。「あの」「その」という意味のآن(ān)は最初に挙げた例のようにunに変化するが、 「瞬間」という意味のآن(ān)についてはānで発音されているのをオニワバンスタイル検証にて確認できる。 おまけ:るろ剣吹替で確認した、単語別ā→uの変化有無 単語(標準ペルシャ語) るろ剣吹替での発音 ā→uの変化有無 意味 آن(ān) اون(un) ○ 「あの」「その」「それ」など آن(ān) ✕ 「瞬間」 نشان(neshān) نشون(neshun) ○ (dādanと合わせて)「見せる」 نشان(neshān) ✕ 「紋章」 مان-(-emān) مون-(-emun) ○ 「私たちの」など تان-(-etān) تون-(-etun) ○ 「あなたたちの」など شان-(-eshān) شون-(-eshun) ○ 「それらの」など همان(hamān) همون(hamun) ○ 「あの」「その」など آنجا(ānjā) اوجا(unjā) ○ 「そこ」「あそこ」 دانستن(dānestan)現在語幹دان(dān) دونستن(dunestan)現在語幹دون(dun) ○ 「知る」 نادانی(nādāni) نادونی(nāduni) ○ 「無知な」 ماندن(māndan)現在語幹مان(mān) موندن(mundan)現在語幹مون(mun) ○ 「残る」 توانستن(tavānestan)現在語幹توان(tavān) تونستن(tunestan)現在語幹تون(tun) ○ 「できる」 خواندن(khāndan)現在語幹خوان(khān) خوندن(khundan)現在語幹خون(khun) ○ 「読む」 رساندن(resāndan)現在語幹رسان(resān) رسوندن(resundan)現在語幹رسون(resun) ○ 「届ける」 گذراندن(gozarāndan)現在語幹گذران(gozarān) گذروندن(gozarundan)現在語幹گذرون(gozarun) ○ 「過ごす」「過ぎる」など آسمان(āsemān) آسمون(āsemun) ○ 「空」 پشیمان(pashimān) پشیمون(pashimun) ○ 「後悔した」 جان(jān) جون(jun) ○ 「心」 تکان(takānもしくはtekān) تکون(tekun) ○ 「揺れ」「動き」 تمام(tamām) تموم(tamum) ○ (kardanなどと合わせて)「完了した」など تمام(tamām) ✕ 「全て」(?)(*3) کدام(kodām) کدوم(kodum) ○ 「どの」 آمدن(āmadan) اومدن(umadan) ○ 「来る」 آرام(ārām) آروم(ārum) ○ 「穏やかな」※"Hamechi Aroomeh"の一節 حمام(hammām) حموم(hamum) ○ 「風呂」※"Hamoomi"の一節 قانون(ghānun) قانون(ghānun) ✕ 「法則」「法律」 الان(alān) الان(alān) ✕ 「今」 متأسفانه(mota'assefāne) متأسفانه(mote'assefāne) ✕ 「残念ながら」 امکان(emkān) امکان(emkān) ✕ 「可能性」 راند(rānd) راند(rānd) ✕ 「ラウンド」 کاپیتان(kāpitān) کاپیتان(kāpitān) ✕ 「キャプテン」 عنوان('onvān) عنوان('onvān) ✕ 「称号」 مانع(māne') مانع(māne') ✕ 「妨害」 پایان(pāyān) پایان(pāyān) ✕ 「終わり」 شیطان(sheitān) شیطان(sheitān) ✕ 「悪魔」 نگرانی(negarāni) نگرانی(negarāni) ✕ 「心配」 پنهان(penhān) پنهان(penhān) ✕ 「隠れた」 فرمانده(farmāndeh) فرمانده(farmānde) ✕ 「司令官」 قربان(ghorbān) قربان(ghorbān) ✕ 「犠牲」、(baleと合わせて)「かしこまりました」 انسان(ensān) انسان(ensān) ✕ 「人」 خانم(khānom) خانم(khānom) ✕ 「婦人」「お嬢さん」 افسانه(afsāne) افسانه(afsāne) ✕ 「伝説」 میدان(meidān) میدان(meidān) ✕ 「戦場」 امتحان(emtehān) امتحان(emtehān) ✕ 「試験」 بانو(bānu) بانو(bānu) ✕ 「婦人」 آماده(āmāde) آماده(āmāde) ✕ 「準備ができた」 آمادگی(āmādegi) آمادگی(āmādegi) ✕ 「準備」 انجام(anjām) انجام(anjām) ✕ 「遂行」 احترام(ehterām) احترام(ehterām) ✕ 「尊敬」 مدام(modām) مدام(modām) ✕ 「継続的な」 فراموش(farāmush) فراموش(farāmush) ✕ 「忘れた」 خوشامدگویی(khoshāmadguyi) خوشامدگویی(khoshāmadguyi) ✕ 「歓迎」 کامل(kāmel) کامل(kāmel) ✕ 「完全な」 دام(dām) دام(dām) ✕ 「罠」「網」※"Biya berim dasht"の一節 こうやって見ると、意外と変化のない単語が多い。 しかし、変化のある単語は代名詞や基本的な動詞など使用頻度の高い単語が多い。 また、変化のある単語の中でアラビア語由来の言葉はここに挙げた中ではtamāmやhammāmくらいである。 なお、実際の口語では、格式の高い言葉を除き多くの場合ānはunに変化するらしい。 例えば、検証ではunに変化しなかったشیطان(sheitān)も実際の口語ではشیطون(sheitun)に変化する。 1-2 「~を」の意味を表す"را"(rā)が、口語では母音の後で"رو"(ro)に、子音の後では"و"(o)に変化する。特に後者の場合、通常直前の名詞と繋げて書く。母音/i/の後では"یُ"(yo)に変化する場合もある。 例: 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 اینجا را(injā rā:ここを) اینجا رو(injā ro:意味は同じ) قانون طبیعت را(ghānune tabi'at rā:自然の摂理を) قانون طبیعتو(ghānune tabi'ato:意味は同じ) گوهو جوجی را(goho juji rā:呉鉤十字を) گوهو جوجییُ(goho jujiyo:意味は同じ) āは日本語話者には元々「オ」に聞こえがちである(ソースは筆者)ため、 あまり/rā/が/ro/になっても違いは分かりにくいかもしれない。 /o/にまでなるとrが消える分発音の差は大きくなる。 次は日本語での資料が見当たらない。どちらかというと規則というか傾向。 1-3 /st/は口語では/ss/(語末では/s/)に、/zd/は口語では/zz/(語末では/z/)になる。 例: 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 نیستی(nisti) نیسی(nissi) 時々そうなるかなくらいの頻度で観察される。 悪即斬検証の「デレステやれ!」とか間違いなく/st/の発音が保たれてるし。 /zd/が/zz/になる例は検証シリーズだと筆者未確認(そもそ/zd/という子音連続がレア)。 1-4 語頭の/h/はその前が子音の場合発音されなくなる。 例: 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 باز هم (bāz ham) بازم / باز هم (bāzam) 英語や韓国語でも似たようなことが起こることが有名な現象。 h自体が弱い子音だから消えるのは仕方ないね。 1-5 語末の/ar/が/e/に変化する。 例: 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 اگر (agar) اگه (age) دیگر (digar) دیگه (dige) 特にdigeの方は検証シリーズでも頻出する。 耳をすませばあなたもディギェディギェ言っていることに気づくであろう。 ただしこの規則で変化する単語は少ない。 他はمگر(magar) → مگه(mage)やآخر(ākhar) →آخه(ākhe)くらいらしい。 ただし、آخر(ākhar)に関しては、少なくとも「終わり」という名詞の意味で ākheにならずākharのまま使用されていることが確認できる (「終の秘剣」の翻訳に用いられている)。 1-6 動詞の活用が変わる。 まずこの章を始めるにあたって、最低限の用語説明だけはしておく。 一人称単数→「私」「僕」などのこと 二人称単数→「君」「お前」などのこと 三人称単数→「彼」「彼女」「それ」などのこと 一人称複数→「私たち」「僕たち」などのこと 二人称複数→「君たち」「あなたたち」などのこと(なお、ペルシャ語では敬称「あなた」を表すこともある) 三人称複数→「彼ら」「彼女ら」「それら」などのこと 正直ペルシャ語の文法で一番面倒なのは動詞である(筆者の感想)。 比較として、英語で規則的な動詞は以下の形式である。 ・現在形はhe/she/itが主語の時のみ-s(もしくは-es)が付き、 他(一人称/二人称/三人称複数)は原形のまま ・過去形はどのような主語でも原型に-ed(もしくは-d)を付ければよい 例:英語の動詞watch現在形の活用 一人称単数(I) watch 二人称単数(you) watch 三人称単数(he/she/it) watches ここだけ違う 一人称複数(we) watch 二人称複数(you) watch 三人称複数(they) watch 例:英語の動詞watch過去形の活用 一人称単数(I) watched 全部同じ! 二人称単数(you) watched 三人称単数(he/she/it) watched 一人称複数(we) watched 二人称複数(you) watched 三人称複数(they) watched しかし、ペルシャ語は規則動詞であっても ・全ての動詞の現在形・過去形に対し、主語の一人称/二人称/三人称 それぞれの単数複数に応じて計6種類の異なる形がある というものである(フランス語やスペイン語、ロシア語などと似ている)。 例:口語ペルシャ語の動詞خریدن(kharidan)現在形の活用 一人称単数 میخرم(mikharam) 全部違う! 二人称単数 میخری(mikhari) 三人称単数 میخره(mikhare) 三人称単数 میخریم(mikharim) 三人称単数 میخرین(mikharin) 三人称単数 میخرن(mikharan) 例:口語ペルシャ語の動詞خریدن(kharidan)過去形の活用 一人称単数 خریدم(kharidam) 全部違う!! 二人称単数 خریدی(kharidi) 三人称単数 خرید(kharid) 三人称単数 خریدیم(kharidim) 三人称単数 خریدین(kharidin) 三人称単数 خریدن(kharidan) 1-6-1 動詞の活用-過去形 とはいってももちろん規則はある。 例えば、「私」(一人称単数)が主語であれば、動詞の語末はamとなる。 動詞کردن(kardan:する)の一人称単数過去形は、kardanから語末のanを除いたもの kard(これをkardanの過去語幹という)に、amを語末に加えた形کردم(kardam:私はした)である。 کرد(kard:過去語幹) + م(am:「私は」を表す語末) → کردم(kardam:私はした) 同様に、「君」(二人称単数)が主語の場合はiを語末に加えればよい。 「君はした」はکردی(kardi)となる。 前置きはこれくらいとして、まずこの「語末に加える人称マーカー」が標準語と口語で変わることがある。 語末に加える人称マーカー 主語 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 一人称単数 م(-am) م(-am) 二人称単数 ی(-i) ی(-i) 三人称単数※ د(-ad) ه(-e) 一人称複数 یم(-im) یم(-im) 二人称複数 ید(-id) ین(-in) 三人称複数 ند(-and) ن(-an) ※ 過去形では標準語/口語いずれもこの語尾はつかない 上記の通り、三人称単数、二人称複数、三人称複数において標準語と口語の違いがみられる。 例えば、「彼らはした」は標準ペルシャ語ではکردند(kardand)、 口語ペルシャ語ではکردن(kardan)となる。 ただし、二人称複数についてのみ、るろ剣ペルシャ語版でも時々inではなくidで発音している模様。 加えて、باید(bāyad)やشاید(shāyad)のように、昔は動詞の三人称単数形だったが今ではその意識が消えている単語については、*بایه(*bāye)や*شایه(*shāye)となることはない。 また、後述するように過去形においては三人称単数のマーカーは用いられないため、差異は無くなる。 まとめると、動詞kardan(する)の過去形は下記の通りである。 動詞kardan(する)の過去形「~した」 主語 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 一人称単数「私はした」 کردم(kardam) کردم(kardam) 二人称単数「君はした」 کردی(kardi) کردی(kardi) 三人称単数「それはした」※ کرد(kard) کرد(kard) 一人称複数「私たちはした」 کردیم(kardim) کردیم(kardim) 二人称複数「君たちはした」 کردید(kardid) کردین(kardin) 三人称複数「それらはした」 کردند(kardand) کردن(kardan) ※過去形では標準語/口語いずれも語尾はつかない このような感じで、ペルシャ語の動詞の過去形は過去語幹+主語に対応した語尾で表される。 過去語幹はすべての動詞に対し原形から語末のanを取り外して作られるため、 主語に対応した語尾さえ覚えれば動詞の過去形をすぐに導き出せる。 1-6-2 動詞の活用-現在形 先ほどペルシャ語で一番面倒なのは動詞と言ったが、 今の感じだと何とかなりそうだと思うかもしれない。 しかし、筆者が面倒と感じたのは過去形ではない。現在形である。 ペルシャ語の教科書を見ても、現在形は過去形よりも後回しで説明されることが多い。 例えば、先ほども登場したکردن(kardan)の一人称単数現在形はمیکنم(mikonam)である。 amは過去形と共通だとして、mikonは何処から来たのか、と思うであろう。 まず、miの部分はどのような動詞の現在形にも付く共通の部品である。 konの部分はkardan固有の現在語幹と呼ばれる部分である。 過去語幹とは違い、基本的に動詞の原形から現在語幹を規則的に導くことはできない。 これが面倒。 ちなみに、ペルシャ語検証に巫女が大量発生しているのはこのkardanの現在形のせいである。 ここで話が戻るが、この現在語幹が標準ペルシャ語と口語ペルシャ語で異なることが多い。 以下はその一例である。いずれも検証シリーズで確認可能である。 動詞の現在語幹 原形 標準ペルシャ語の現在語幹 口語ペルシャ語の現在語幹 شدن(shodan) شو(shav) ش(sh) گفتم(goftan) گو(gu) گ(g) گذاشتن(gozāshtan) گذار(gozār) ذار(zār) دادن(dādan) ده(deh) د(d) 例えば、「~になる」という意味の動詞شدن(shodan)の三人称単数現在形(「それはする」)は、 標準ペルシャ語ではمیشود(mishavad)、口語ペルシャ語ではمیشه(mishe)である。まるで別物やんけー! 筆者もここら辺は全く覚えていないので、ペルシャ語の口語での活用を調べるときは "調べたい動詞 wiktionary"でググってwiktionary英語版からその動詞のページを開き、 "Conjugation of 調べたい動詞 (colloquial Tehrani)"と書いてある活用表を参照するといい。 (日本語のwiktionaryはまだまだ発展途上であるため外国語を調べるときは英語のページの方が充実している) 1-6-3 動詞の活用-「~です」動詞(コピュラ) さて、ここまで一般的な動詞の話をしてきたが、英語でいうところのbe動詞についても触れよう。 その名を”بودن”(budan)という。 …あれ、英語もbで始まるけど、ペルシャ語もbの音で始まるんだーと思ったそこのあなた! 鋭い!「印欧祖語」で検索だ! 英語のbe動詞が例外的な活用をするように、ペルシャ語も少し例外的な活用をする。 ただし、過去形は一般動詞と同様に過去語幹(bud)から規則的に作ることができる。 要するにbudamとかbudiとかになる。優しい。 問題は現在形となる。なお、この動詞にはمی(mi)がつかない。 まずは標準ペルシャ語の活用を見てみよう。 動詞budan(~である)の現在形 主語 標準ペルシャ語 一人称単数「私は~である」 هستم(hastam) 二人称単数「君は~である」 هستی(hasti) 三人称単数「それは~である」 است(ast)/هست(hast)※ 一人称複数「私たちは~である」 هستیم(hastim) 二人称複数「君たちは~である」 هستید(hastid) 三人称複数「それらは~である」 هستند(hastand) ※「居る」というように存在を表す場合はhastとなる 三人称単数(上の表の「それはした」)のみ少し例外的で、 残りは”hast” + 「語末に加える人称マーカー」であることが分かるだろう。 そもそもこのhastは何処から来たんだ…という疑問は無しとする。 では口語を見てみよう… 動詞budan(~である)の現在形 主語 口語ペルシャ語 一人称単数「私は~である」 هستم(hastam) 二人称単数「君は~である」 هستی(hasti) 三人称単数「それは~である」 ه(e)/است(ast)/هست(hast) 一人称複数「私たちは~である」 هستیم(hastim) 二人称複数「君たちは~である」 هستین(hastin) 三人称複数「それらは~である」 هستن(hastan) 何でやねん!(`゚益゚) ということで、もともと変則的だった三人称単数にさらに別の形が追加される。 というよりこの追加された”e”こそが通常の形となる。 さらに、”e”は前の単語と分かち書きせず繋げて書くことが多い。 例:「あれは人斬り抜刀斎だ」のペルシャ語訳(新選組三番隊組長検証より) 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語(こちらが実際の翻訳) آن باتوسای آدمکش است(ān bāttousāy-e ādamkosh ast) اون باتوسای آدمکشه(un bāttousāy-e ādamkoshe) ※آدمکش(ādamkosh) = 人殺し = 人斬り。 ペルシャ語版ではMB英語版の翻訳”the Manslayer”を直訳している。 また、ānとunの違いは1-1参照。 残り、二人称複数(私たちは~)と三人称複数(それ/彼/彼女らは~)は一般動詞と同じような変化である。 そういえば言い忘れていたが、ペルシャ語の動詞は通常日本語と同じく文の最後にくる。 上の表ではاست(ast)になる場合もあると書いているが、実際には 「理論的にはاست(ast)になっていると言える」という具合である。 どういうことか説明しよう。 なお、ここからの説明は筆者の独自研究が多量に含まれているため、 あくまでも理屈であって事実とは異なる場合があることをご了承いただきたい。 例えば「緋村剣心(کنشین هیمورا kenshin himurā)だ」が口語ペルシャ語でどうなるか考えてみよう。 上の表をそのまま適用すれば、こうなる。 「○○は緋村剣心だ」 主語 口語ペルシャ語 一人称単数 کنشین هیمورا هستم(kenshin himurā hastam) 二人称単数 کنشین هیمورا هستی(kenshin himurā hasti) 三人称単数 کنشین هیموراه(*kenshin himurāe)→? 一人称複数 کنشین هیمورا هستیم(kenshin himurā hastim) 二人称複数 کنشین هیمورا هستین(kenshin himurā hastin) 三人称複数 کنشین هیمورا هستن(kenshin himurā hastan) 一人称複数(私たちは緋村剣心だ)って何だよ…というツッコミは無しや。 残念ながら、この表の"*kenshin himurāe"というのは間違っている。 (アスタリスク*をつけているのは間違った表現であることを示すため) 理由は口語ペルシャ語の「特定の母音2つが並ぶのを嫌う性質」にある。 具体的には以下のような母音連続が嫌われている。 ・ā + a ・ā + e ・e + a ・e + e ・e + i※ ※ei という二重母音は存在するが、ここでは「短母音e + 長母音i」を指す。 そもそも標準語の時点でいかなる母音であろうと連続するのは好まず、 yや'などの渡り音を挿入するのだが(詳しくはググらんか)、 口語ペルシャ語では一部用法で「2つの母音を合体させる」という対処法を採る。 合体させる方法としては、 母音に e a ā = i という強さ関係があり、 強い方に吸収されるという感覚である。すなわち、以下のようになる。 ・ā + a → ā ・ā + e → ā ・e + a → a ・e + e → e ・e + i → i ここで上の間違った例に戻ろう。 himurāeというのは ā + e の連続が起こっているため、himurāになるはずである。 いやいやそれじゃ動詞完全に消滅するじゃん!!! ということで、間のいい人は気づいたであろう。 こういうときだけ標準語と同じاست(ast)が用いられるのである。 ただし、himurā astも嫌な母音連続(ā + a)が発生しているため、himurāstになる。 …まあ、eの場合と比べればstが残っている分ましだ。 さらに、1-3の傾向によりst→sと発音される場合もある。 以上をまとめると、口語における「緋村剣心だ」はこうなる。 「○○は緋村剣心だ」(正しいバージョン) 主語 口語ペルシャ語 一人称単数 کنشین هیمورا هستم(kenshin himurā hastam/hassam) 二人称単数 کنشین هیمورا هستی(kenshin himurā hasti/hassi) 三人称単数 کنشین هیموراست(kenshin himurāst/himurās) 一人称複数 کنشین هیمورا هستیم(kenshin himurā hastim/hassim) 二人称複数 کنشین هیمورا هستین(kenshin himurā hastin/hassin) 三人称複数 کنشین هیمورا هستن(kenshin himurā hastan/hassan) 「理論的にはاست(ast)になっていると言える」というのは、 結局astではなくstになってしまうということだったのだ。 念のため注意しておくと、エザーフェの場合は標準語と同じようにyを挿入する。 エザーフェって何ですたいという方はググらんか。 1-6-4 動詞の活用-「~です」動詞接尾辞形 接尾辞形ってなんだそれCCO!と思われるかもしれないが、 ここではあまり深く考えなくてもいい。 とりあえず、1-6-3で紹介したhastamやhastiなどが短くなるよ、という風に思おう。 日本語でいえば「『である』を『だ』に言い換えてもいいよ」みたいな話? 動詞接尾辞形 主語 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 通常形 接尾辞形 通常形 接尾辞形 一人称単数 هستم(hastam) م(-am) هستم(hastam) م(-am) 二人称単数 هستی(hasti) ی(-i) هستی(hasti) ی(-i) 三人称単数 است(ast) 接尾辞形なし ه(e)/است(ast) 接尾辞形なし 一人称複数 هستیم(hastim) یم(-im) هستیم(hastim) یم(-im) 二人称複数 هستید(hastid) ید(-id) هستین(hastin) ین(-in) 三人称複数 هستند(hastand) ند(-and) هستن(hastan) ن(-an) 右矢印の左側が1-6-3で出てきた一般的な形、右側が接尾辞形である。 要するに、実は1-6-1で紹介した「語末に加える人称マーカー」の 過去形の場合と一致する。 面倒な三人称単数が接尾辞形無しで助かった 実際の使い方はというと、例えば ممنون هستم(mamnun hastam) = ممنونم(mamnunam) のように言い換えることが可能である。 実際検証シリーズに登場したことがあるのは接尾辞形を用いたmamnunamの方である。 あそこの毛なんなん… なお、通常は上の例のように接尾辞形は直前の単語につなげて書く。 「接尾」という名前はこういう意味である。 たーだぁーし!主に標準ペルシャ語では、直前の単語がه(e)で終わる場合のみ この接尾辞形も直前の単語と離して書く。 その場合は下の表のようにつづられる。 直前の単語がه(e)で終わる場合 主語 標準ペルシャ語 通常 直前の単語がه(e)で終わる場合 一人称単数 م(-am) ام(-am) 二人称単数 ی(-i) ای(-i) 三人称単数 接尾辞形なし 一人称複数 ایم(-im) ایم(-im) 二人称複数 ید(-id) اید(-id) 三人称複数 ند(-and) اند(-and) よく見ると、アレフ(棒みたいなやつ)が右側に追加されている。 アレフはeとの母音連続を避けるための渡り音(')を表すわけだが… 思い出したであろうか。 口語の場合、渡り音ではなく別の方法で母音連続を避けるのだった。(1-6-3参照) つまり、語末のeの音は強さ関係によって接尾辞形の母音に吸収され消えてしまう。 例えば、زنده (zende 生きている)に「私は~である」という意味の接尾辞形م(-am)を追加すると زندم / زنده ام / زندهم (zendam) となる(zendeamではない)。 標準語と異なり口語ではアレフを付けて分かち書きする必要が無いが、 正書法が無いため分かち書きしてもいい。多分。コミケで納豆うめぇ アラビア文字を知っている人なら違和感があるかもしれないが、 分かち書きしない場合、上の3つのzendamの記法のうち一番左のように هを語中形や語頭形にせず直接مを加えるという綴りにすることも多い。 本文では以降分かりやすさのためにこの記法を採用する。 1-6-5 動詞の活用-現在完了形 英語でいえば「have + 過去分詞」のあれである。 ペルシャ語では基本的に「過去分詞 + 「~です」動詞接尾辞形」となる。 ペルシャ語の過去分詞とは、1-6-1で出てきた過去語根に ه(e)を加えたものである。 例えば動詞شدن(shodan:なる)の場合、語末のanを除いたもの شد(shod)が過去語幹であり、そこにه(e)を加えたものشده(shode)が 過去分詞である。 「~です」動詞接尾辞形については直前までの1-6-4参照。 例えば、「(私は)~になってしまった」の場合、動詞شدنは 標準ペルシャ語→شده ام(shode am)、口語ペルシャ語→شدهم(shodam)となる。 ただし、接尾辞形なしの三人称単数(主語がそれ/彼/彼女)の場合、 標準ペルシャ語では一般形のاست(ast)を用いて現在完了形をあらわす。 よって標準ペルシャ語のshodan三人称単数「(それ/彼/彼女は)~になってしまった」は شده است(shode ast)となる。 では口語ペルシャ語の場合はどうだろう。 やはり1-6-3の通りeで終わっている単語の後だからاست(ast)を用いる? その場合三人称単数「(それ/彼/彼女は)~になってしまった」は شدهست(shodast)なのだろうか? 答えはそうではない。 口語ペルシャ語の場合、三人称単数では「~です」動詞が完全に省かれる。 つまり、三人称単数「(それ/彼/彼女は)~になってしまった」は شده(shode)が正しい。 まとめると、以下のようになる。 動詞شدن(shodan)の現在完了形「~になってしまった」 主語 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 一人称単数 شده ام(shode am) شدهم(shodam) 二人称単数 شده ای(shode i) شدهی(shodi) 三人称単数 شده است(shode ast) شده(shode) 一人称複数 شده ایم(shode im) شدهیم(shodim) 二人称複数 شده اید(shode id) شدهین(shodin) 三人称複数 شده اند(shode and) شدهن(shodan) もしかしたら、 「口語の場合、現在完了形と過去形は発音が一緒になるのでは?」 と思うかもしれない。確かに、動詞شدن(shodan)の一人称単数過去形は شدم(shodam)で、現在完了形もشدهم(shodam)である。 しかし実際は、アクセントの位置が異なる。(*4) 過去形の場合、語尾の人称マーカーにアクセントが来ないため、 アクセントの付く母音に ´ を付けるとすると、شدمはshódamとなる。 一方、本来過去分詞は語末にアクセントが来るため(یشده → shodé)、 母音が合体してもアクセント位置が保たれ、現在完了形شدهمはshodámとなる。 動詞شدن(shodan)の過去形と現在完了形の比較(アクセント記号付き) 主語 口語ペルシャ語 過去形 現在完了形 一人称単数 shódam shodám 二人称単数 shódi shodí 三人称単数 shód shodé 一人称複数 shódim shodím 二人称複数 shódin shodín 三人称複数 shódan shodán 1-6-6 動詞の活用-仮定法現在形 仮定法現在形とは…………突っついとけ!(投げやり) 作り方自体は簡単で、基本的には普通の現在形(1-6-2参照)の "می"(mi)を"ب"(be)に変えれば仮定法現在形となる。 例:口語ペルシャ語の動詞خریدن(kharidan)仮定法現在形 主語 口語ペルシャ語 仮定法現在形 参考:通常の現在形 一人称単数 بخرم(bekharam) میخرم(mikharam) 二人称単数 بخری(bekhari) میخری(mikhari) 三人称単数 بخره(bekhare) میخره(mikhare) 一人称複数 بخریم(bekharim) میخریم(mikharim) 二人称複数 بخرین(bekharin) میخرین(mikharin) 三人称複数 بخرن(bekharan) میخرن(mikharan) ただし、"آوردن"(āvardan/āvordan)の現在語根"آر"(ār)のように、 現在語根が母音から始まる場合は代わりに"بی"(biy-)を付ける。 例:口語ペルシャ語の動詞آوردن(āvardan/āvordan)仮定法現在形 主語 口語ペルシャ語 仮定法現在形 参考:通常の現在形 一人称単数 بیارم(biyāram) میآرم(mi(y)āram) 二人称単数 بیاری(biyāri) میآری(mi(y)āri) 三人称単数 بیاره(biyāre) میآره(mi(y)āre) 一人称複数 بیاریم(biyārim) میآریم(mi(y)ārim) 二人称複数 بیارین(biyārin) میآرین(mi(y)ārin) 三人称複数 بیارن(biyāran) میآرن(mi(y)āran) ここまでは標準口語共に一緒だが、1つだけ注意が必要なことがある。 それは、口語では直後の母音がoである場合、"ب"の発音が be ではなく bo になることである。 例えば、1-6-2でکردن(kardan)の一人称単数現在形はمیکنم(mikonam)であると学んだが、 これを仮定法現在形にするには"می"を"ب"に変えればよかった。 つまりکردن(kardan)の一人称単数現在形はبکنمだが、 これを標準ペルシャ語ではbekonamと読み、口語ペルシャ語ではbokonamと読む。 動詞kardanの仮定法現在形 主語 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 一人称単数 بکنم(bekonam) بکنم(bokonam) 二人称単数 بکنی(bekoni) بکنی(bokoni) 三人称単数 بکند(bekonad) بکنه(bokone) 一人称複数 بکنیم(bekonim) بکنیم(bokonim) 二人称複数 بکنین(bekonid) بکنین(bokonin) 三人称複数 بکنن(bekonand) بکنن(bokonan) ちなみに動詞kardanの場合は特別に仮定法現在形に"ب"を付けなくても許されるので、 基本的にبکنم(bekonam/bokonam)ではなくکنم(konam)が用いられる。 1-6-7 動詞の活用-現在形・仮定法現在形共通 1-6-7-1 接頭辞による母音脱落 現在形・仮定法現在形に共通して、口語では、 現在語幹が2音節(母音が2つ)以上の場合、"می"(mi)や"ب"(be)が付くと、 現在語幹の最初の母音が脱落する。 例えば、動詞انداختن(andākhtan)の現在語幹انداز(andāz)は aとāの2母音を含む(つまり2音節である)が、 これに"می"(mi)や"ب"(be)が付くと、最初のaが脱落して mindāz- / bendāz-となる。 動詞andākhtanの現在形 主語 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 一人称単数 میاندازم(miandāzam) میاندازم(mindāzam) 二人称単数 میاندازی(miandāzi) میاندازی(mindāzi) 三人称単数 میاندازد(miandāzad) میاندازه(mindāze) 一人称複数 میاندازیم(miandāzim) میاندازیم(mindāzim) 二人称複数 میاندازین(miandāzid) میاندازین(mindāzin) 三人称複数 میاندازن(miandāzand) بمیاندازن(mindāzan) なお、1-6-6の例で出した動詞آوردن(āvardan/āvordan)の現在語幹آر(ār)は 母音が1つであるため、この現象が発生しない。 1-6-7-2 現在語幹が母音で終わる場合 1-6-3で取り上げた 「"هیمورا"(Himurā)に三人称単数の"ه"(e)が続くとどうなるの」 という問題、実は動詞の現在語幹が母音で終わる場合でも同じことが起きる。 例えば、口語ペルシャ語اومدن(umadan)の現在語幹は"آ"(ā)である。 口語ペルシャ語اومدن(umadan)の現在形 主語 口語ペルシャ語 一人称単数 میآام(*miāam)→میآم(miām) 二人称単数 میآی(miāy) 三人称単数 میآه(*miāe)→? 一人称複数 میآیم(miāym) 二人称複数 میآین(miāyn) 三人称複数 میآان(*miāan)→میآن(miān) 一人称単数および三人称複数の場合は、1-6-3で提案した母音合体理論で説明可能。 二人称単数・一人称複数・二人称複数は文字的にはそのままくっつけるだけである。 三人称単数はまさに1-6-3と同じ問題が発生。 だがご安心を。考え方は1-6-3と全く同じで、こういうときだけ標準語と同じاد(ad)が用いられるのである。 よって、以下のようになる。 口語ペルシャ語اومدن(umadan)の現在形(正しいバージョン) 主語 口語ペルシャ語 一人称単数 میآام(*miāam)→میآم(miām) 二人称単数 میآی(miāy) 三人称単数 میآاد(*miāad)→میآد(miād) 一人称複数 میآیم(miāym) 二人称複数 میآین(miāyn) 三人称複数 میآان(*miāan)→میآن(miān) 1-7 人称代名詞の接尾辞形が変わる。 人称代名詞の接尾辞形ってなんだそれCCO!と思われるかもしれないが、 まず人称代名詞とは、日本語でいえば「私」「あなた」などで、英語では"I" "you"などを指す。 人称代名詞の接尾辞形とは、大雑把に言えば英語でいう "my" "your"などに近い役割を果たす形だと考えてよい。 ただし、英語では日本語と同じく「私の+○○」という順番であるが、 ペルシャ語の場合は「○○+私の」という順番である。 そして、1-6-3の「~です」動詞接尾辞形のように、単語の後ろに直接くっつける。 例えば、「私の名前」はاسمم (esmam)となる。 اسم(esm)が「名前」、語末のم(am)が人称代名詞の接尾辞形である。 相変わらず前置きが長いが、この接尾辞形がが標準語と口語で変わることがある。 人称代名詞の接尾辞形 主語 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 一人称単数 م(-am) م(-am) 二人称単数 ت(-at) ت(-et) 三人称単数 ش(-ash) ش(-esh) 一人称複数 مان(-emān) مون(-emun) 二人称複数 تان(-etān) تون(-etun) 三人称複数 شان(-eshān) شون(-eshun) 一人称単数(私)以外全て微妙に異なっている。 お気づきかもしれないが、一~三人称複数の場合は、 1-1で見た「あぁん…」が「うぅん…」になる現象、つまりān→unの変化である。 「~です」動詞接尾辞形と全く同様に、直前の単語がه(e)で終わる場合は 標準ペルシャ語は渡り音が挿入され、口語ペルシャ語は母音が合体する。 テラマンドクサーイ!のでこれ以上の説明は省略する。 1-8 語末の子音が落ちることがある。 そりゃぞんざいな発音ならそういうこともあるわね…やっぱこう… という話ではあるが、特に顕著な例としては、 語末の子音が (任意の子音) + r である場合、rが消える というものがある。 例えば、چقدر(cheqadr:「どれほど」)は語末の子音が d + r と上の条件を満たしており、 口語ではچقد(cheqad)と発音される。 cheqadr→cheqadへの変化に関してはよく知られた話であるが、 実際検証シリーズを聞いていると、 ・فکر(fekr) → fek ・صبر(sabr) → sab のようにcheqadrだけでなく他のパターンでもrが脱落しているのを確認できる。 とはいえfekrやsabrは独自研究の範疇を出ないことはご承知を。 とりあえず個人的にはこう発音されてるように聞こえるよ、というまで。 1-9 母音の同化 短母音の音色が直後の母音の音色に近づくことがある。 (音声学的に言えば、舌の位置が同化(assimilation)する。) 標準か口語かというより、発音がフォーマルかインフォーマルかの問題ではあるが。 これはペルシャ語吹替でも露骨に分かる例がある。 口語ペルシャ語اومدن(umadan)の現在形(正しいバージョン) 単語 標準/口語ペルシャ語(フォーマルな発音) 標準/口語ペルシャ語(インフォーマルな発音) شروع(shoru') /ʃoɾuːʔ/ /ʃuɾuː(ʔ)/ گروه(goruh) /goɾuːh/ /guɾuː(h)/ شروع(shoru')は「開始」の意味、گروه(goruh)は「グループ」の意味の単語で、どちらも検証で数度登場するが、 前者は「スルー」などと、後者は「食(く)う」や(エザーフェと合わせ)「狂(くる)え」などと空耳されており、 短母音oが直後のuの音に近づいていることがわかる。 また、1-6-6で説明した be- が bo- に変化する現象も同様の理由と考えられる。 その他にはجلو(jelou)が場合によっては/d͡ʒolo(w)/と発音される場合がある。 しかし、吹替の発音がそこまでぞんざいでないためか、上記事象以外はあまり確認できない。 例えば短母音eが直後の長母音iに影響されてiの発音に変化する現象は筆者の感覚ではほぼ存在しない。 1-10 その他。 代表的なのは、「良い」という意味を表す"خوب"(khub)が 口語ペルシャ語では"خب"(khob)になることであろうか。 ただし、khobになる場合は主に間投詞に限られる。 簡単に言えば、日本語で単純に「良い」という場合は"خوب"(khub)のままで、 日本語で「良し!」という場合は口語形"خب"(khob)となる。 日本語では間投詞に古い語形「良し」が保たれているが、 ペルシャ語では逆に間投詞に砕けた語形が現れるのだから面白い。 なお、khobに「とても」の意味の"خیلی"(kheili)が付くと、 kheiliはkheileのように発音される。 あとは、یک(yek 一つの)がیه(ye)になることもある。 標準ペルシャ語と口語ペルシャ語で違う単語 標準ペルシャ語 口語ペルシャ語 意味 備考 خوب(khub) خب(khob) 良し 「良い」という形容詞的な用法だとるろ剣吹替でもkhubとなる خیلی(kheili) خیله(kheile) とても 上記のخب(khob)と組み合わさったときだけ現れる模様。参考:vajehyabでは「テヘラン方言で"باشد"の意味」としている。 یک(yek) یه(ye) 一つの 「1」という名詞的な用法だとるろ剣吹替でもyekとなる -مت(mota-)例:متأسفانه(mota'assefāne) -مت(mote-)例:متأسفانه(mote'assefāne) アラビア語由来の接頭辞 文字上は変化無し。本当はmota-とmote-の差が標準語と口語の差かどうかは不明。ただし、黒柳恒夫著のペルシャ語辞書上はmota-とある一方でるろ剣吹替ではmote-で発音していることや、このページでのローマ字表記がwritten(文語)でmota-、spoken(口語)でmote-になっていることから、標準語と口語の差と判断。 参考文献 英語であればネット上にも情報が数多く存在し、 書籍であれば日本語でもいい情報が書いてあったりする。 下記をご参考されたし。 日本語サイト https //ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%98%E3%83%A9%E3%83%B3%E6%96%B9%E8%A8%80 安定のWikipedia。しかしこのくらいの情報量では足りない 英語サイト http //sites.la.utexas.edu/persian_online_resources/language-specific-grammar/diglossia-readings/ いろいろ載っている。だが英語だ。アワビのロースが"I'll bring the law of"に聞こえてしまうレベルの力をお持ちの方にお勧め。なお、見落としがちだが下の方に1~10までのリンクがあり、いずれのリンクも口語ペルシャ語の資料が載っている。 http //artyom.ice-lc.com/pvc/simpleverbs.php 口語ペルシャ語の動詞活用を検索できる。・ページ左側の"spoken"と書いてある方のリンクが口語ペルシャ語のローマ字表記・ページ左側の"written"と書いてある方のリンクが標準ペルシャ語のローマ字表記・ページ右側の"نوشتاری"と書いてある方のリンクが標準ペルシャ語のアラビア文字表記・ページ右側の"گفتاری"と書いてある方のリンクが口語ペルシャ語のアラビア文字表記となっている。 Toosarvandani, Maziar D. 2004 "Vowel Length in Modern Farsi" (pdf)1-9 母音の同化 で説明した事象について記載されている。 ペルシャ語サイト https //vajehyab.com/ ペルシャ語オンライン辞書。 日本語書籍 ペルシア語文法ハンドブック 著・吉枝 聡子 https //www.hakusuisha.co.jp/book/b206220.html ぶっちゃけこれがあれば十分(もちろん標準ペルシャ語も含めて)。お近くの図書館にあればラッキー 以下編集中。正直何を書いても大体上の英語サイトかペルシア語ハンドブックに既に書いてある
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4340.html
PRINCE of PERSIA 【ぷりんす おぶ ぺるしゃ】 ジャンル アクション 対応機種 AppleII、Macintosh、IBM-PC、AMIGA、Atari ST、PC-9801VM/UV以降、X68000、NES、マスターシステム、スーパーファミコン、メガCD、PCエンジン、ゲームボーイ、ゲームギア、ゲームボーイカラー、Xbox 360 発売・開発元 Brφderbund 国内発売元(*1) 【PC98/X68k】ブローダーバンドジャパン【SFC/GB】メサイヤ(日本コンピュータシステム)【PCE】リバーヒルソフト【MCD】ビクター音楽産業 発売日 【PC98】1990年7月20日 定価 【PC98】8,800円 判定 良作 概要 ストーリー 特徴・システム 評価点 問題点 総評 余談 その後の展開 続編・派生作品 概要 『カラテカ』の作者であるジョーダン・メックナー氏が次に製作したアクションゲーム。 発売当時は同作同様に非常に滑らかな動きをすることが話題となり、ミリオンヒットを達成した人気作となった。 初出はApple II向けに1989年10月3日に発売され、翌年1990年には様々な機種へと移植された。 日本向けの初移植は1990年7月20日発売のPC-98版である。1991年以降には家庭用ゲーム機にも幅広く移植され、知名度を上げることになった。 ストーリー ペルシャ国王サルタンは国を離れて戦地へと赴き、その間、国政は腹心のジャファーに任された。しかし彼は邪な心を持っており反乱を起こす。まんまと権力を手に入れたジャファーは正統なペルシャ国王になるために、サルタンの姫との婚姻を画策する。その頃、旅の途中でペルシャに訪れた若者がいた。彼は姫と知り合い、やがて恋仲となる。しかしそれはジャファーにとっては障害以外の何物でもなかった。 若者を地下牢へ投獄し、姫を王宮の最上階に幽閉して婚姻を迫るジャファー。 だが姫は頑として受け入れなかった。 業を煮やしたジャファーは、砂時計を姫の前に置き、最後の一粒が流れ落ちるまでの間に結婚か死かの二者択一を迫る。 一方、若者は見張りの隙を突いて牢から脱出。囚われの姫を救い出すため走り出したのだった。 特徴・システム サイドビューのアクションゲーム。様々なトラップが施された迷宮(全13面)(*2)を突破し、囚われの姫を救出に行く。 動きは多彩で、走ったりジャンプしたりはもちろん、よじ登ったりぶら下がったりなどもできる。これらの動きを組み合わせて進んでいく。 迷宮には石の板が敷かれていて、これが動きの単位となっている。走ると一歩で二枚分進む。トゲだらけの床を進むことが出来る忍び足で一枚分。助走しないジャンプで二枚分飛べ、助走すると三枚分飛べるなど。この動きの単位はトラップを突破するタイミング取りの基準となる。助走をつけて落とし穴の二枚前でジャンプで三枚分飛び、そのまま一歩走って二枚分進み、ジャンプして三枚分飛ぶ、というような感じでタイミングを取っていくのだ。この練りこまれた動作が、一種のアクションパズル要素を生み出している。 ただし、動きが必ず板の長さの単位に収まる訳ではなく、実際は微妙なズレが出ている。調整をしないでいい加減に動くと死に繋がることもしばしば。 よくある残機制ではなく「制限時間制」を取っている。制限時間がなくなった時点でゲームオーバーになる(*3)。 制限時間内ならいくら死んでも構わないが、タイムリミットが訪れる前に全てのステージをクリアしなくてはならない(バージョンによっては途中セーブが可能)。 死んだ場合は攻略中のステージの最初からに戻されるが、それまでに経過した時間は巻き戻らないため大幅なタイムロスになる。そのためじっくりと迷宮を探索している余裕はない。マップ構成と攻略法をある程度頭に入れた上で、スムーズに進んでいかないとまず間に合わない。 また、本作の主人公は体力制(初期値3ポイント)であり最大値を上昇させる手段もあるが、戦闘と移動それぞれで1ダメージまたは即死の条件が設定されており、行動に制限がある。リアルな人間として考えると相当な身体能力を持つキャラクターだが、決してスーパーマンではない。 例えば、通常の状態では二段下に落ちただけで1ダメージを受けてしまい、三段目以上の高さから落ちると即死してしまう。壁にぶらさがりながら慎重に降りることで、もう一段分安全に降りることができるようになる。その仕様上、原則として四段以上の高さから無事に降りる手段は無い。(*4)機種によってはたった一段下への扱いについても制限があり、「壁にダッシュジャンプしてぶつかり一段下の床に落ちる」「一段下の床に掴まろうとしてジャンプし壁にヒザを強打する」といった事象でも1ダメージとなる場合がある。ある意味リアル。また、武器を持った相手との剣戟による戦闘場面もあるが「剣を抜いていない状態で敵の攻撃を受ける」と、どんなに体力があっても一撃で殺されてしまう。この点は原作者であるジョーダン・メックナー氏の過去作『カラテカ』の基本システム(構えを取らずに攻撃を受けると即死)をそのまま引き継いでいる。 アクションパズル要素が色濃く、マップの随所に仕掛けられたトラップを突破する事に主眼が置かれている。 トラップは深く空いた3段もしくはトゲ床の穴、仕掛けによって開閉する格子、乗ると落ちる板、床から飛び出す槍、ギロチンなどがある。一つ一つのトラップは単純なものだが、それが複数組み合わさる事で、単純に回避するだけでなく攻略に工夫を必要とするギミックとなってる。そしてトラップはいくら体力があろうとも引っかかれば一発死。このため、慣れるまで非常によく死ぬ。 上述の通り、数は少ないが、敵キャラとの戦闘もある。刀による剣戟(攻撃と防御が可能)で相手の体力をゼロにすれば勝ちとなる。だが、ボスキャラクター以外は必ずしも倒す必要はなく、攻略優先でなんとか逃げるという選択もある。もっとも、簡単に逃げさせてくれるわけではないが。 評価点 ぬるぬる動くアクションゲーム 一歩キャラが動けばその特徴はすぐ分かる。当時の他のアクションゲームと比較すると、動きの滑らかさが段違いであり、とてもリアルな動きを見せてくれる。主人公の勢い良く走る姿や着地した時のしゃがみポーズ、よじ登る時の力の入れ加減など、まさに生きているかのよう。発売当時は余りに滑らかで気持ち悪いとまで言われたほど。 これは、実際のモデルとなる人物の動きを写真で撮影し、それをトレースして作画に活かす「ロトスコープ」という手法によるもの。 この手法は古くはディズニーが初の長編アニメ作品『白雪姫』を制作する上で、キャラクターの動きに写実的なリアリティを取り入れドラマ性を高めるために初めて用いた手法としても知られている。 最初に発売されたAppleII版は280×192というファミコン並みの解像度だが、にもかかわらずこの生きているような動きが見事に表現されているのだ。 数々のトラップを攻略する楽しさ。 前述の通り、動きの単位がある程度決まっているのでパズル的に突破できる。どこで助走して、どのタイミングで飛んで…等々。トラップに対しカチッとはまるような攻略法を見出していく楽しさがある。 コース突破の要領が分かれば、ゲーム本来の目的であるタイムアタックに必然的に挑戦することになる。これがまた緊張感があって変わった楽しみができる。アイテム取得や戦闘すらタイム短縮の対象とし、ひたすらに速さを追い求めていくプレイは難しいが、バッチリ決まった時の快感は大きい。 やけにリアルな惨殺描写。 本作の描写のもう一つの特徴。トラップに引っかかった時の様子が妙にリアル。ギロチンに真っ二つにされた体、槍に串刺しになった有様、高所からの墜落死…。どれもみな「痛そう」では済まない死に様が、リアリティを重視したゲーム展開に花を添える。 問題点 操作性が少々やっかい。 「ボタンを押した瞬間にプレイヤーの命令通りに行動する」というようなものではなく、主人公の歩幅やジャンプに必要な助走距離、踏み切りのタイミングなど様々な要素を前もって把握することを前提とした、良くも悪くもリアル志向な操作性になっている。この手のアクションゲームとしては類例がごく限られており、まともに動かせるようになるまで相応の練習が必要となる。 総じてトライ&エラーを経てプレイヤー自身の腕前の熟達が求められる玄人向けのゲームであり、ライト層やアクションゲーム初心者には難しい。 プラットフォームの変遷に伴ってトラップやギミックの種類こそ増加しているが、基本的にトラップは一撃死であり、回避手段も変わり映えがしない。やや単調さを感じる部分もある。 一部機種では、一定の状況になった際に激しい処理落ちが発生する。複数のトラップが同時に機能するような場所は仕方ないと思えるが、流石に単純に戦闘するだけで処理落ち(*5)はあんまりである。 主人公とほぼ同じ姿をした特殊なボス「シャドーマン」(一部機種には登場しない)の対処方法が、ゲーム中ではノーヒントである点。 「シャドーマンにダメージを与えると主人公もダメージを受ける」(逆も同様)という厄介極まりない特性を持っており、その特性に対する解法はゲーム中ではヒントが一切無い。だからといって「マニュアルプロテクトのように取扱説明書には攻略法が記載されている」のかというとそうでもなく、機種によっては取扱説明書でも断片的なヒントしか記載が無いので、取扱説明書がプレイヤーの手元にあったとしても解法が分かる保証は無い。 当時の洋ゲーらしい点ではある。 解法自体は不自然なものではなく、推理によって導き出せる類いである。 総評 一目で分かるその滑らかでリアルな動き。さらに仕掛けの謎解きから行動の最適化まで、パズル要素の濃いゲーム性。それらを備えた本作はこれまでに無いゲームだった。 実際の人間のモーションをトレスしたその動きはまさに生きているかのよう。そして巧みなトラップはそのリアルな動きを十分際立たせる。 ゲームとしても様々なトラップを潜り抜ける楽しさがあり、タイムアタックに挑戦する楽しみもある。 操作性を熟知し、そのうえでトライアンドエラーを繰り返して覚えるタイプの高難度のゲームであるが、そうした作風にやりがいを覚えられるプレイヤーであれば楽しめるだろう。 余談 360にて『プリンス・オブ・ペルシャ・クラシック』として、2007年配信された。描画自体は3Dだが、ゲーム操作は2Dとなっている。 リトライしても時間が巻き戻るようになっており初心者にも優しいシステムになっている。 2010年に『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』を元にした映画が公開されている。ただ、内容は元のゲームのシナリオとはほとんど関係ない。 『ASSASSIN S CREED』は元々このシリーズのスピンオフとして製作されていた。初期のタイトルは『Prince of Persia Assassins』だった。 PS2で発売された『時間の砂』3部作の開発で培われたノウハウが、後にユービーアイソフト最大のフランチャイズとなる『ASSASSIN S CREED』シリーズを生み出すこととなった。 ゲームの背景世界や物語は『千夜一夜物語』をモチーフにしている…と思われがちだが、実はどちらかと言うと映画『バグダッドの盗賊(*6)』の1940年版の方が直接的なネタ元になっている部分が多い。 ゲームの物語は映画とは比較にならないほど単純だが、宿敵が魔法使いで名前がジャファーという部分は同じ。 結果的に、シナリオや背景の一部に同じ映画を参照しているディズニーのアニメ映画『アラジン』と一部の設定がかぶっているが、ディズニーの映画の公開は1992年、このゲームの発売は1989年であり、なんとこちらの方が早い。 ちなみにSFC版17面、特に中ボスの登場シーンは1974年の映画『シンドバッド 黄金の航海』へのオマージュだと思われる。 その後の展開 人気作であったため、必然的に日本移植版も製作されている。 本作が日本国内で人気作品となる大きな要因になったのは、アルシスソフトウェアが手掛けたPC98版である。 AppleII版の2倍の解像度とデジタル8色モードによって描かれた緻密なドット絵表現で(*7)、開発者のジョーダン・メックナーが絶賛したことで知られている(*8)。 PC98版では、13ステージにラスボスとの最終決戦の場面が追加され、オリジナル版のラスボス戦は中ボス扱いとなった。 また、当時アルシスソフトに在籍していた山中季哉氏が手掛けるオリジナルBGMが、全場面に用意された(*9)。独自のオープニングやエンディングのビジュアルの追加など、単純な移植でなくリメイク作の様な出来となっている。 上記の通り様々な追加要素や改良点がある為か、国内メーカーが手掛けた移植版は基本的にPC98版がベースとなっている。 日本におけるCS機ではSFC/MCD/PCE/GB(海外のVirgin Games開発)でも移植版が発売されている。PC98版に引き続きアルシスソフトウェアが手掛けたSFC版は、基本システムを踏襲しながらも内容は大幅なアレンジが施されている為、詳細は後述。 PCE版やMCD版はステージ数はPC98版と同じであり、ドット絵の雰囲気もPC98版に近いものになっている。こちらはCD-ROMの容量を生かしたビジュアルシーンやアニメーションデモを追加している。 なお、MCD版の開発元は公式にはビッツラボラトリー(タイトル画面に表示)だが、実質的にはゲームアーツとビッツラボラトリーとの共同開発である。 続編・派生作品 『プリンス・オブ・ペルシャ』(SFC 1992年7月3日発売) 開発は先述の通り、PC98版を手掛け原作者から称賛されたことのあるアルシスソフトウェア。原作やPC98版に無かった要素が、自然な範囲で多く追加されている点が特徴。 ストーリーと基本システムは原作から踏襲されているが、元の雰囲気を残しながらも「制限時間が原作の2倍でステージ数が20に大幅増加」という構成の強化を施され、BGMもPC98版を手掛けた山中季哉氏に加えて中野哲也氏らの手によって全て新曲に差し替えられており、パラレルワールドのようなアレンジ版となっている。 シリーズの中では異色作と言える内容だが、SFCソフトであることや『ゲームセンターCX』で取り上げられたことなどから、日本での知名度は高い。 『プリンス・オブ・ペルシャ2 ザ・シャドウ アンド ザ・フレーム』(PC/SNES/GENESIS 1993年発売) 日本語版は一部のPC版(*10)にしか存在せず、日本での知名度は低い。Xb版の『時間の砂』にはPC版『2』も収録されている。 初代の後日談としてストーリーが展開する(*11)。前作は終始城内が舞台だったのに対し、今作では城外の洞窟や遺跡など様々な屋外フィールドを冒険する。ストーリー性も強く、前作とは趣が異なる。 『プリンス・オブ・ペルシャ3D』(Win 1999年9月22日発売 DC 2000年12月6日発売) シリーズ初の3Dアクション化。主な特徴として移動中から戦闘モードに入ることで操作形態が変化したり、最初は丸腰で牢屋に放り込まれた状態から脱出する方法や要所で解決策を探るなど謎解きの要素が多くなった。 『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』(PS2 2004年9月2日発売) 原題は『Prince of Persia:Time of Sands』で、まさかの3D新作。開発はユービーアイソフト モントリオール・スタジオが中心となって作られている。 サブタイトルにある通り「時間」を操る、当時としては斬新なギミックが盛り込まれている。プリンスの多彩かつ滑らかなアクションも好評で、一定の人気を得た。 なお、現在『時間の砂』のリメイク版がPS4/One/Win向けに開発されているが、何度も延期を繰り返したあげく開発がデザイン段階に戻っているらしく、発売時期は未定となっている。 『プリンス・オブ・ペルシャ ケンシノココロ』(PS2/Xb 2005年10月13日発売) 原題は『Prince of Persia Warrior Within』で、『時間の砂』の続編。内容は基本的に前作と同じ。 ストーリーでは、前作において「時間の砂」を解き放ち歴史を変え時の番人「ダハカ」に追われる身となったプリンスが「時の島」へと赴く。 『プリンス・オブ・ペルシャ 二つの魂』(PS2 2006年6月15日発売) 原題は『Prince of Persia Two Thrones』で、『時間の砂』3部作の完結編。プリンスと別人格・ダークプリンスを使ってゲームを進めていく。 プリンスは剣を、ダークプリンスは鉄製の鞭を武器として使用し、ダークプリンスの鞭でしか進めない場所も多々ある。 また、一撃で敵を葬り去ることができる「スピードキル」が導入されたほか、馬車などの乗り物に乗って戦う場面がある。 『プリンス・オブ・ペルシャ』(PS3/360 2009年1月22日発売) 『時間の砂』3部作のシステムと『ASSASSIN S CREED』で使われていた「Scimitarエンジン(*12)」を使用した、『プリンス・オブ・ペルシャ』のリブート版。 『時間の砂』3部作と直接的なつながりはなく、いわゆる独立した世界の作品であり、ナンバリングもサブタイトルもないため、初代と区別する便宜上『プリンス・オブ・ペルシャ(2008)』と呼称されることが多い。 『プリンス・オブ・ペルシャ 忘却の砂』(PS3/360/PSP 2010年6月24日発売) 原題は『Prince of Persia:Forgotten Sands』で、『時間の砂』3部作の直接的な続編に当たる。 『ASSASSIN S CREED』シリーズで培った要素をいろいろ盛りこんだため、さらにスピーディな展開を見せるような作品に仕上がっている。時間を操る要素ももちろん健在。 なお、日本未発売のWin版はユービーアイソフトの認証サーバーとゲームデータを同期するDRMが組み込まれており、常時接続した状態でないとセーブはおろかゲームプレイ自体もできない代物(*13)だった。 当時はサーバーダウンもかなりの頻度で発生したり、本作以外にも同DRMが組込まれていた別のゲームでは数日もプレイできない事態が起きていた(*14)ことから多数の批判も上がっていた。 ただ、このシステムが後のユービーアイソフトの配信プラットフォーム「Uplay」「UBISOFT Connect」の礎になったのは間違いない(*15)。 『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』(PS5/XSX/PS4/One/Switch/Win 2024年1月18日発売) 13年半ぶりとなるシリーズ完全新作。新主人公・サルゴンが王国からさらわれた王子を救うため、偉大なカーフ山へと旅に出る。
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ペルシャ 体格 筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運 リアル表記 7.59 25.63 25.63 3.38 7.59 0.67 7.59 0.67 1.50 評価値 6 8 8 3 5 -1 5 -1 1 機数 体格 筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運 1機の場合 7.59 25.63 25.63 3.38 7.59 0.67 7.59 0.67 1.50 5機の場合 37.95 128.15 128.15 16.90 37.95 3.35 35.95 3.35 7.50 10機の場合 75.90 250.63 250.63 30.38 75.90 6.70 75.90 6.70 15.0 15機の場合 113.85 378.78 378.78 41.28 113.85 10.05 113.85 10.05 22.50 20機の場合 151.80 501.26 501.26 60.76 151.80 13.40 151.80 13.40 30.00 機数 体格 筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運 備考 1機(評価) 6 8 8 3 5 -1 5 -1 1 5機(評価) 10 12 12 7 9 4 9 3 5 (対数の性質上)ALL+4 10機(評価) 11 13 13 8 10 4 10 4 6 ALL+5 15機(評価) 13 15 15 10 12 6 12 6 8 ALL+7 20機(評価) 13 15 15 10 12 6 12 6 8 ALL+7 特殊 ・ペルシャはI=D、戦車として扱う。 ・ペルシャは白兵戦行為ができ、この時、白兵戦の攻撃判定は×1.50(評価1)される。 ・ペルシャは近距離戦闘行為ができ、この時、近距離戦闘の攻撃判定は×2.25(評価2)される。燃料を1万t消費する。 ・ペルシャは中距離戦闘行為ができ、この時、中距離戦闘の攻撃判定は×1.50(評価1)される。燃料を1万t消費する。 ・ペルシャは遠距離戦闘行為ができ、この時、遠距離戦闘の攻撃判定は×1.50(評価1)される。燃料を1万t消費する。 ・戦闘時に1機につき燃料2万tを使用する。 ・戦闘時に1機につき資源2万tを使用する。 ・パイロットの他、コパイロット2名を必要とする。 ・兵員5人分として数える。 ・アタックランク15として数える 次のアイドレス マンチカン(I=D)?、サイベリアン(I=D)、スフィンクス(I=D)?
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#freeze 有栖川有栖 contents #contentsx 書籍情報 plugin_html is not found. please feed back @wiki. 著者 : 有栖川有栖 発行元 : 講談社 単行本発行 : 1999.5 文庫版発行 : 2002.6 火村シリーズ(作家アリスシリーズ)の国名シリーズ第二弾である。 収録作品 切り裂きジャックを待ちながら わらう月 暗号を撒く男 赤い帽子 悲劇的 ペルシャ猫の謎 猫と雨と助教授と あらすじ 1. 切り裂きジャックを待ちながら ある劇団員から相談を受けたアリスが観たビデオには、その劇団の看板女優が椅子に縛り付けられて、劇団が身代金を支払ってくれるように懇願するシーンが写っていた。大事な公演を前にした劇団に送られてきたものだ。 しかし、その身代金の支払期限が近づく中、強引にゲネプロが始まったとき、悲劇は起こった。セットのクリスマスツリーに、誘拐されていたはずの女優が殺害された上で吊るされていたのだ……。 2. わらう月 小さい頃から月が怖かった女性。 彼女がボーイフレンドと一緒に浜辺で撮った写真のバックには美しい月が映っていた……。 3. 暗号を撒く男 殺された男は親譲りの家こそ持っているが、独身でひそかに結婚を切望する普通の男であった。しかしその家には普通とは思えない暗号めいたさまざまな品物が置かれていた。火村を落ち込ませたというこの謎の正体はいったい……。 4. 赤い帽子 水死体として発見された男は音楽家だった? 人の目を引く赤い帽子を生前かぶっていたらしいその男が死ぬ前にしゃべっていた言葉の中に「ビオラ」という言葉が入っていたとの証言が得られたのだが。 いつも脇役として火村の推理を聴いているだけの森下刑事が刑事らしい地道な捜査で犯人を追い詰める。 5. 悲劇的 アリスはふと立ち寄った火村の研究室で、ある学生が提出したひとつの――本来の課題の主題から完全に逸脱しいる――レポートを見せられた。それは身近に起こった犯罪を憎み、犯罪の起こる世の中を憎み、神をも憎む壮大なアンチテーゼ――学生らしいといえば学生らしいが――であった。それに対する火村の答えとは? 6. ペルシャ猫の謎 表題作。溺愛するペルシャ猫は、彼を見捨てて去っていった恋人の忘れ形見だった。そんな彼がある日、家の中で襲われたが、朦朧とした意識の中で見たものは商売上金に困っている双子の兄弟だった。しかし彼には鉄壁のアリバイが……。 7. 猫と雨と助教授と 火村のとある日常風景。 書評 1.切り裂きジャックを待ちながら 読売テレビの「真冬の夜のミステリー」の中で放映されたものをノベライスしたものだけあって、冒頭の脅迫ビデオのシーンといい、巨大なクリスマスツリーのセットに吊り下げられた死体といい、映像として目を引きそうな演出が用いられています。また、犯人のアリバイを崩すポイントとなった部分は、直接見えない部分の矛盾を暴くスタイルとなっており、火村先生の観察力に脱帽させられました……が……、犯人の動機が多少無理やりな感じがしてしまいました。また悪いことに、動機がしっくり来ないと、なぜこのような犯行方法をとったのか、という犯罪計画の根本にある部分までが嘘っぽくなってしまったように感じました。 でも、読んでいて、素直に楽しめる作品であることには違いないです。 2. わらう月 火村・アリスコンビが登場するパターンにしては珍しく、三人称視点で語られています。トリックなどは全くもって現実的であるのですが、月のイメージが密接に絡みつく物語の流れはある意味幻想的で、これは月を畏怖する女性の視点で語ることでその雰囲気がより一層引き立っていると思います。 3. 暗号を撒く男 これは……短編集でないと許されない結末ですな。なおかつ有栖川先生がこの話を串カツをぱくつきながらの話題として書かれているのも、あまり構えすぎて考えない方がよい、と暗にご忠告くださっているのだという気がしてなりません。 4. 赤い帽子 この作品も有栖川先生があとがきで語られるように、異色作です。 大阪府警の社内雑誌?に連載されたもののようです。それだけに主役は過去にもよく登場している森下刑事となっています。アルマーニの刑事といったほうがわかる人は多いかもしれません。で、今回は火村・アリスコンビは登場しないのですが、正直ちょっと残念でした。物語自体は森下刑事達の地道な捜査風景が描かれていて、いつもと違う雰囲気は楽しめたのでよろしいのですが、やはり国名シリーズ中の短編ですから、ほんの端役でも良いのでご出演いただきたかったところです。 あと、終わり方はちょっと……。あれが文学的な手法というものかもしれませんが、やはり読者側も「ミステリ」を読んでいる意識を持っている以上、無理矢理でも不条理でも何でも良いから「結末」というものを欲している方が多いのではないかと思うのですが。特に今回はめったに活躍の場がない森下刑事の晴れ舞台でしたので、なおさらきちんと事件の終わりまで見届けたかった気がします。 5. 悲劇的 これはちょっと感想の書きようがありませんね。でも、火村先生。ああいうタイプの学生さんにああいうこと言ってしまったら、より一層悲劇的な結末が到来してしまいそうでコワイです。 6. ペルシャ猫の謎 これは……短編集でないと許されない結末ですな。(二回目) 度量の広い人なら笑って許せるかもしれません。私は有栖川先生のファンなので何でも肯定的に捉えてしまう結果、許してしまいましたが、少なくとも推理小説ではないですね。けなしているわけではありません。純粋に、 「これは推理小説じゃないよね」 と思ってしまう内容な訳です。 ただ、本格推理小説家たる有栖川先生のかなり中心的なシリーズだと言える国名シリーズの表題作ですので、ちょっと問題があるような……。 7. 猫と雨と助教授と 火村先生ファンの方は必見です。 反則です。 さすが推理小説界のキャラ萌え作家の頂点! 総括 有栖川先生のほかの作品をきちんと読んでいる方であれば、イレギュラー的な作品群として受け入れることはできるかもしれません。私自身も結構好きです。しかし知人に有栖川先生のことを紹介するのにこの作品はお勧めできません。それにしても心配なのは、この本が「国名シリーズ」のひとつとして出版されていることです。人によっては有栖川先生という新本格派の中核をなす作家を知るための入門編として選んでしまうこともあるでしょう。その場合、本来の先生の魅力が伝わる確率はかなり低いと言わざるを得ません。その意味で首を傾げてしまう本ではあるのですが、短編集ですから本来はお遊び的な作品や、実験的な作品も歓迎されるべきだと思いますし、実際楽しい物語が多かったですので、単なる短編集としてであればなかなかの良作であると思います。 感想・書評投稿 ぜひ、この書評に対するあなたのコメントをお願いいたします! こちらからどうぞ あなたもこの本についての書評を書いてみませんか? 短いものでもけっこうです。 こちらからどうぞ
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品名:ペルシャザクロドリンク濃縮 名称:ペルシャザクロジュース(濃縮還元) 原材料:ザクロ、ザクロ種子エキス 取扱サイト ペルシャザクロドリンク濃縮 製品に関する情報: 準備中
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プリンス・オブ・ペルシャ / Prince of Persia Brøderbund 1989.10.3 Apple II トラップ溢れるアラビアン宮殿に潜入して、最上階に捕らわれた姫を救出するACT 当時としては、凄く滑らかな挙動で動くキャラが話題となった 移植 レトロPC各種や、様々なプラットホームにされました Amiga.Amstrad CPC.PC-9801.PC-8801.X68k.Atari ST.ZX Spectrum.Sam Coupé.Mac OS GB.GBC.NES.SNES.セガ・マークIII.MD.MDCD.ゲームギア.PCエンジン SUPER CD-ROM². Prince of Persia Classic XbLAで配信されたリメイク作品。北米ではPSNでも配信されている模様 関連 カラテカ 続編 プリンス・オブ・ペルシャ2?? プリンス・オブ・ペルシャ3D?? プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂?? プリンス・オブ・ペルシャ ケンシノココロ?? プリンス・オブ・ペルシャ 二つの魂?? プリンス・オブ・ペルシャ?? Prince of Persia The Fallen King?? プリンス・オブ・ペルシャ 忘却の砂
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発売日 2008/12/18 価格 7329円 ジャンル アクション 発売元 UBIソフト 人数 1人 オンライン人数 ― 対象年齢 CERO B 公式サイト http //www.ubisoft.co.jp/pop/ 特典 アートブック付きサウンドトラックCD 関連記事 Xbox.com | プリンス・オブ・ペルシャ発表会レポート 2chスレ 2ch検索 Prince of Persia
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速水ペルシャ&バーサーカー ◆CKro7V0jEc 上野動物園の閉園の時間は、午後五時であった。 遊園地や動物園の閉園時間というのは寂しいもので、時間を告げる音楽を聞きながら、両親に手を引かれて帰っていく時には寂しさを覚えるものである。 多くの子供は、あと一時間でいいからパークをもっと楽しみたいと思った経験があるだろう。 逆に、もう一時間いたとして、ほとんど見つくし、遊びつくしてしまったために、やる事がない子供もいるが、それでも去る時には不思議と寂しさが胸に湧きあがる。 しかし、我儘も言えないので、そのまま、他の家族たちが門をくぐって出ていくのを見て、自分たちも帰るのだ。 時に、後ろを振り向いて。 一日楽しませてくれた夢の場所にさよならを告げる。 ──今日は、楽しかったね。 ああ、だからこそ、もっとそこにいて楽しい時間を続けたいと思うのだ。 それは、妖精の夢のように、儚い思い出となっていく。 生きていけば、やがれ両親とこうして遊園地に連れて来られる事もなくなる。 大人になり、やがてまた来るこの場所は、もっと狭く、つまらない場所になっている。 それを心のどこかでわかっているのか。 ──また来ようね。 しかし、そんな言葉を告げたとしても、もう二度とそこには来ないかもしれない。 永久の別れかもしれない。 それが大人の階段。 しかし、子供であるうちは、誰も妖精の夢を見続ける。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 月上にも、まだ妖精の夢を見続ける少女がいた。 当然ながら、真夜中には上野動物園は、人っ子一人おらず、動物も殆ど休んでいて鳴き声一つ聞こえない。 明日の朝になればまたこの門が開くはずだが、それまでの僅か九時間の退屈を待てないのが子供である。 しかし、この夜遅くに平然と起きて外出できるのは、その子供がまた特殊な境遇にあるからだといえよう。 速水ペルシャ。十一歳。 幼少期をアフリカで凄し、ライオンたちと共に生きてきた……。 その境遇は、全く嘘偽りがない。この後、彼女は魔法少女になるのだが、魔法少女になるという出来事よりも、生まれてすぐアフリカでライオンと生きてきた境遇の方が遥かに異常なのだ。 野生児として培った驚異的な身体能力は、この小さな少女には不釣り合いな次元に達している。 計測された限りで、100メートルをなんと8秒台で走っている。 これは、言うまでもなく、世界新記録を大きく塗り替え、永久に記録保持者の座を彼女のものに出来るレベルである。 参考までに挙げておくと、今日までの100メートルの世界記録は、ジャマイカのウサイン・ボルトによる9.58秒という数字である。 それは世界に衝撃を与えた超人的なタイムであった。 そのボルトの半分ほどの身長もない少女が軽々と乗り越えてしまうのだから、人間の身体構造はいまだ謎だ。 そして、そんな彼女は律儀にもこの上野動物園の門の前で、開園を待ちわびていた。 門を飛び超えてしまう事も容易な事だが、それはいけない事だと承知している。 「うう~ん、待ちきれないですの~」 ペルシャは、足踏みを止めない。 この門の前で、我先に動物たちの世界に飛び込むのを待ち続けたい。 今入っても、お休みの真っ最中には違いない。 だから、待ちたい。……朝まで。 あと9時間。気が滅入ってしまう。 ペルシャ一人ならば、特別この動物園に行く事もなかっただろうが、今日は新しい友人がいる。 そう、ペルシャ自身が、この聖杯戦争で呼び出してしまった「友人」が。 「……ウウッ、アウッー」 サーヴァント、≪バーサーカー≫である。 その現在の姿は、ペルシャと同じく、野生の中で生きたようにさえ見える少女であった。 髪は自然と長く伸びきっており、様々な方向にぼさぼさと跳ねている。更には、時に四つん這いになって声を発する事まである。 ペルシャと決定的に違うのは、人間の保護者がいなかったか、あるいは「教育する事ができなかった」ように思われる事である。 無教育、無教養、ではなく、こう呼ぶ。 ……知的障害、と。 年齢相応の知識を吸収する事ができず、彼女の場合は野生動物のように這って歩いてしまうのだ。 名前は、エレイン・リードと言った。しかし、真名として登録された別の名は、「ジェノサイバー」。 かつて、彼女たちの世界で「神」となった最悪の兵器である。 地球最後の大戦で、彼女は世界の敵となり、地球全土を滅ぼした。 人間の醜さを知り、人間に敵対し、エレインの持つそのあまりに強すぎる力を行使した結果であった。 精神的に幼く、──しかし、誰より中立的に世界を計れる少女が世界を滅ぼせる力を持った時、世界は滅び、また、「ジェノサイバー」も滅んだ。 やがて、生き残り、また新しく文明が築かれた頃、僅かな人類は、前時代の遺産を目にして、ジェノサイバーの姿を神と称えたと言われる。 しかし、彼女は神などにはなりたくなかった。 人間として、友達を作り、ささやかな幸せを享受しながら生きたかったのだ。 死んで神となり、転生し、身ごもった子供を産めないままにまた殺された。 彼女は何度輪廻を超えても幸せになれない。 再び世界を滅ぼす力となった後、その世界に存在するのをやめた。 再び眠りにつき、誰にも見えないところで朽ちていく。 それは、エレインにとって、死ぬ事と同義だった。 だから、こうしてまた最初と同じような子供に戻れた時、エレインは、動物園に入るのを待ちわびていた。 ああ、自分は、もう一度人間の姿になれた。 人間という生物はたくさんいる。ジェノサイバーのように、この世にたった一つの孤独ではない。 ずっと昔。あの時、一緒に遊んでくれた……今はもういないあの男の子のように、友達ができたのだ。 エレインは思わず、歓喜の声をあげる。 それははっきりした音声ではなかった。言葉にならなかった。喉から出したい言葉を発する事ができない。 しかし、その歓喜の声を聞いて、ペルシャは先ほど、一緒になって喜んだ。 彼女の咆哮が喜びを意味する物だと、ペルシャも知っていたのだろう。 何故喜んだのかはペルシャも知らないが、とにかく楽しそうだったので便乗したという形だ。 彼女はそういう少女だった。 だから、言葉が通じないままに、二人は友達になった。 「……うぅ。でも、このまま待っていてもラチがあきませんの」 ペルシャは、眉をつなげて言った。 管理人らしき人もいない。訴えても門を開けてくれる者はいない。 動物園に真正面から入る事はできないだろうし、9時まで寒空の中で待つというのは辛いものだ。 友達のために、この中を案内してあげたかったが、そんな事をする前にエレインが風邪をひいてしまうだろう。 「ウゥ……」 「バーちゃん、また今度にしましょう」 聾唖で真名を告げる事ができないせいで、ペルシャは彼女を『バーサーカー』のバーちゃんと呼ぶ。 「エレイン」と名乗ったつもりだが、言葉が話せず、「エ・エ・イ・ン」としか言えない。 どんなに強く発そうとしても、言葉がちゃんと通じるには時間がかかる。特に、固有名詞は誰でも解読が難しい。 「大丈夫ですの。明日になれば、すぐ開園します」 「アゥ……」 「わがまま言っちゃ駄目ですの。さ、行きますのよ」 ペルシャは、まるで妹ができたような気分だった。 まだ赤子のような言葉さえ離せず、世界を大雑把な感情だけで見つめるエレインの姿が、途方もなく幼い物に感じたのだろう。 動物園に入れないだけでひどくしょんぼりするエレインを注意してあげたくなったのは、母性をくすぐられているからだと言ってもいい。 「ウゥゥ……」 エレインは、ペルシャに腕を引かれながら、真後ろの門を何度も振り返る。 ペルシャに促されるのを拒絶している。 それは、久々のワガママであった。 扉の向こうに行けば、色んな動物がいる。 それを、友達と一緒に見ながら、駆けまわるのである。 人がいる場所。 たくさんの人の笑顔がある場所。 友達がいる場所。 しかし、かつて奪われていった平和な世界。 それが、真後ろの小さな楽園にある気がした。 無論、それはこんな時間に訪れても見かける事ができないかもしれないが……。 そんなエレインの我儘を見て、ついにペルシャは少し声を荒げた。 「もう、バーちゃんのうっすらパー!」 「ウッ、ウア、アアー」 「動物園はまた明日! これはもう決めた事ですの。でも、明日になったら色んな動物を見られますのよ。 今日はペルシャと一緒にもう寝ましょう。……あら、もうこんな時間。こっそり帰らないと怒られますの」 その言葉で、エレインはペルシャに身を任せた。 ペルシャに腕を引っ張られ、ペルシャと一緒に寝るのを少し楽しみにしながら歩く。 動物園に行けないのは少し寂しいが、ペルシャと一緒に寝るのもまた少し楽しみだ。 だが、エレインはまだ、真後ろにある動物園への未練を捨てきれなかった。 もう一度、ここに来る事はできるのだろうか。 これは、甘い白夜の幻で、また彼女の前から大事な人は消えてしまうのではないかと……。 拒絶され、またエレインは一人になってしまうのではないか、と……。 ────明日が遠い。 ────明日が不安だ。 ────明日が怖い。 『エレイン……私たちは、この世界にいてはいけないの』 【クラス】 バーサーカー 【真名】 ジェノサイバー(エレイン・リード)@ジェノサイバー 虚界の魔獣 【パラメーター】 筋力D 耐久D 敏捷C 魔力C 幸運B 宝具A 【属性】 混沌・中庸 【クラススキル】 狂化:C 理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。 彼女の場合、宝具を使って一時的に発動するものであり、狂化スキル発動後に狂化をし続ける事はない。 また、素体そのものが元から知的障害を患い、言語能力を持たないエレインである為、どちらにせよ狂化スキルの振れ幅は大きくない。 【保有スキル】 神性:E(A) 神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。 変身時に高まる。 純粋:B 邪心を一切持たない子供のような心。 大切な存在を殺害された時には強い母性でそれを防ぐ力を発する。 知的障害:B 彼女の場合、知能の限界が人より狭く、年齢よりも幼い振る舞いをしてしまう障害。 しかし、純粋な人間とすぐに友人になる社会性を持ち合わせ、感情表現は豊かである。 また、言葉を発する事はできないが、相手の言葉の意味を何となく理解する事ができる。 【宝具】 『脳奥の神秘(ヴァジュラ)』 ランク:C 種別:対人 レンジ:1~5 最大補足:1~5 彼女が先天的に持つ驚異的な生体エネルギー。 超能力や念力に近いパワーを発揮し、最大時には敵を破裂させる事もできる。 この力を覚醒させれば、空に飛んだり、物体を宙に浮かせたりもできる。 『人の夢(フェアリー・ドリーミン)』 ランク:C 種別:結界 レンジ:1 最大補足:1~10 エレインは悲しい夢を見る。 友達になった少年は無残に殺され、娘のように慕ってくれた女性は狂ってしまう。 虚界の魔獣(ジェノサイバー)となった彼女の孤独な運命も宝具であり、彼女と彼女に関わる存在に悲しい終わりを残してしまう。 それが、この世界にいてはならない破壊神の宿命であった。 『虚界の魔獣(ジェノサイバー)』 ランク:A 種別:変身 レンジ:∞ 最大補足:∞ 「ダイアナ・リード」とシンクロする事で誕生する、人間より一回りほど大きい巨大な超生命体。 この宝具の発動と共に、パラメーターは計測不能になる。全身からエネルギーを放出し、それだけで戦車やヘリを撃墜する。 巨大な羽根で飛翔するグロテスクな異形を持ち、時として天使や神とさえ言われた。 憎しみによって巨大化した時にはビル群ほどの大きさにもなり、大陸を滅ぼし、エネルギーでタイムスリップする事もある。 ただ、大きさに関わらず、ジェノサイバーが世界を滅ぼす力を持つのは確かである。 エレインの意志と無関係に暴走してしまう性質ゆえ、「この世界にいてはいけない存在」でもある。 しかし、その力自体が通常の魔術師では操り切れない為、決して本来敵な力を発揮する事はできないだろう。 『理性の姉(ダイアナ・リード)』 ランク:B 種別:精神 レンジ:エレインの精神内 最大補足:エレインの精神内 虚界の魔獣(ジェノサイバー)へと変身した際に、エレインに注意を呼びかける声。 ジェノサイバーの体はエレインがになっているが、その際に双子の姉であるダイアナも精神融合しており、エレインに呼びかける。 単独では暴走してしまう危険性のあるエレインに言葉を投げかけ続け、「自分たちはこの世界にいてはいけない」と必死で訴え続けている。 つまり、感性で行動するエレインに対して、「理性」で彼女を抑える姉なのである。 【Wepon】 なし 【人物背景】 神秘の生体エネルギー・ヴァジュラを秘めた双子の少女の妹。 双子の姉であるダイアナと精神融合し、虚界の魔獣ジェノサイバーへと変身する。 その強大なエネルギーは、エレイン自身も制御する事ができず、時として暴走し、世界を滅ぼしてしまうほどの力を発動してしまう。 彼女は、非常に純粋な心を持つが、親しくなった子供たちが戦争で殺されていく姿を見て、彼女は人類に仇なし、世界のほとんどを滅ぼした後で、長い眠りについた。 【願い】 エレインのままでいい。 友達や母や娘や姉と生きられるささやかな幸せが欲しい。 【マスター】 速水ペルシャ@魔法の妖精ペルシャ 【マスターとしての願い】 なし。 【能力・技能】 様々な職業に変身する魔法を使う事ができる。 100メートルを8秒台で走る野生の身体能力を持ち、大の大人の男でも腕力で敵わないほどの馬鹿力を持つ。 【人物背景】 アフリカで生まれ、自然の中で育った元気な少女。 一応、虎に育てられたとかそういうわけではないので、普通に日本語を話す事ができる。 11歳の夏に日本に向かう途中、ラブリードリームの妖精から、愛のエネルギーを集めるための魔法を託される。 魔法の力で様々な職業のスペシャリストに変身する事ができ、言葉遣いも大人っぽく変化する。 1年以内にエネルギーを集められなかったり変身する姿を他人に見られると、愛する人が女性に変わってしまうという制約がある為、正体を明かす事はできない。 「やーの」、「わーの」、「うっすらパー」といった奇妙な言葉を使う。 【方針】 不明。
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ソファーとペルシャ猫 分類 : インテリア/いす・机系 2009年2月 ガチャ@セルフィ「バレット・シティ」護るもの 通常版