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ブラックリスト 名前 コード 記載理由 備考 ももおう 2536-9796-6453 他プレイヤーに対する暴言・侮辱 いよかん 0733-6306-5965 故意切断、他プレイヤーに対する暴言・侮辱 ポロン 4384-4733-1434 他プレイヤーに対する暴言・侮辱、荒らし行為 =ふーりん ふーりん 3212-2322-4378 他プレイヤーに対する暴言・侮辱、荒らし行為 =ポロン
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ブラック・マン DMの幹部の一人。 MIND IN MINDで黒滝 晃の姿をとりフェイシャルマスターに近づいたが、色々あって敗れ去る。 後に日記で羅王のアストラルエネルギーをコピーだかなんだかして復活する。 復活後は紅牙の暴走を抑えにきたりなんだりしていて、苦労人になったような気がする。 ゲームではとある依頼をクリアすると仲間にする事が出来る。
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ブラックマロン牝 栗毛 幼駒評価 秘書 牧場長 河童木 長峰 美香 - ◎ - - ▲ 馬具なし 血統父:トワイニング(ミスタープロスペクター系) 母:イマースジレンマ(ニジンスキー系) 母父:スズカコバン(ニジンスキー系) 能力 スピード B パワー A 精神力 S 勝負根性 B 賢さ S 瞬発力 B 健康 C 柔軟性 B 距離適正 1800~2300 馬場適正 芝 小回り 普通 脚質 差し 右回り 普通 気性 普通 左回り 普通 成長型 遅め 喉鳴り なし 重馬場 得意 脚部不安 なし 走法 普通 腰の甘さ なし 特性叩き良化 厩舎栗東:池江泰寿 生産者ピュアスノーファーム 主戦騎手ルナハープ 取引額:1500万円(庭先取引) 産駒 馬名 父 クラス 活性因子 誕生年 ドリームジャーニー 2019 国内セリ ブラックホワイト 5400万円 2018 国内セリ ディープインパクト 7500万円 2017 国内セリ フサイチコンコルド 4800万円 柔 2016 成績24戦5勝OP 本賞金:7790万円 総賞金:32080万円 全成績:5-3-5-11 ダ成績:0-0-0-0 開催週 競馬場 レース クラス 距離 着順 天気 馬場 人気 斤量 騎手 印 戦法 14/12/3 中京 愛知杯 GⅢ 芝2000 5 晴 良 3 54 ルナ ▲△-▲△ 差し 14/11/3 福島 福島記念 JpnⅢ 芝2000 1 雨 稍重 3 55 ルナ ▲○▲-△ 差し 14/10/2 東京 毎日王冠 GⅡ 芝1800 4 晴 良 9 55 ルナ ----- 差し 14/8/5 新潟 新潟記念 GⅢ 芝2000 4 晴 良 9 54 ルナ ---△- 差し 14/7/1 カラー プリティポリーS GⅠ 芝2000 11 晴 良 16 58 ルナ 84 差し 14/5/5 ハリウッドパーク ゲイムリーBCH GⅠ 芝1800 7 雨 不良 14 52 ルナ 86 差し 14/4/4 香港 クイーンエリザベスⅡ世C GⅠ 芝2000 7 晴 良 14 55 ルナ 88 差し 14/3/5 ドバイ ドバイデューティーフリー GⅠ 芝1777 7 晴 良 12 55 ルナ 90 差し 13/12/2 香港 香港カップ GⅠ 芝2000 3 曇 良 14 55 ルナ 88 差し 13/11/2 京都 エリザベス女王杯 GⅠ 芝2200 3 晴 良 9 56 ルナ ---△- 差し 13/10/3 東京 府中牝馬S GⅢ 芝1800 1 晴 良 2 55 ルナ ○○◎◎◎ 差し 13/8/5 新潟 新潟記念 GⅢ 芝2000 2 晴 良 9 53 ルナ ---▲- 差し 13/6/3 阪神 マーメイドS GⅢ 芝2000 2 晴 良 4 53 ルナ △▲△△▲ 差し 13/4/4 福島 福島牝馬S GⅢ 芝1800 1 晴 良 1 54 ルナ ◎◎◎◎◎ 差し 13/3/3 中山 中山牝馬S GⅢ 芝1800 11 雨 重 4 53 ルナ △△▲◎△ 差し 13/2/2 小倉 小倉大賞典 JpnⅢ 芝1800 3 晴 良 6 52 ルナ △△-△▲ 差し 12/12/2 中京 中日新聞杯 JpnⅢ 芝2000 3 晴 良 7 52 ルナ -△-△- 差し 12/10/5 東京 秋嶺S 16万下 芝1800 1 雨 稍重 2 53 ルナ ○◎◎△◎ 差し 12/9/3 阪神 ローズS JpnⅡ 芝1800 4 晴 良 8 54 ルナ ----- 差し 12/8/3 新潟 天の川S 16万下 芝2000 8 晴 良 12 52 ルナ ----- 差し 12/5/4 東京 オークス JpnⅠ 芝2400 6 曇 良 16 55 ルナ ----- 差し 12/4/4 東京 フローラS JpnⅡ 芝2000 2 晴 良 5 54 ルナ △△-▲△ 差し 12/3/4 中山 フラワーC JpnⅢ 芝1800 3 晴 良 10 54 ルナ ----- 差し 12/2/3 京都 3歳新馬 新馬 芝1800 1 晴 良 2 54 ルナ ○◎◎◎◎ 差し
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「だびらひろ」の音変化。「だんぴら」とも》幅の広い刀。また、刀のこと。段平物。 薩摩の自顕流?の流派の人々は、丈夫なこの刀や、大太刀を好んで用いていたとのこと。 剣術を主体とする戦法を取る佐々木 真言が用いる野太刀もまた幅広肉厚の刃である。
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魔法少女が戦闘の際に強化魔法や固有魔法に振り分ける魔力のやりくりのこと。 魔法に費やせる魔力の量は魔法核の保持数によって制約を受けるため、 限りある魔力量をどのような魔法にどれだけ割り振る(リソースを割く)か、といったバランスを考慮する必要がある。 例えば魔力量1000の魔法少女が、ふだん固有魔法発動に500、四肢の攻防力強化魔法に一肢あたり200の魔力を割り振っているとする。 両手両足を強化すれば格闘戦闘に持ち込むことができるが、すると全部で800の魔力が必要になるため、 必要数500の固有魔法を格闘時に使用することができない。 固有魔法を使おうとするならば、一端四肢のうち二箇所の強化を切って計600のリソースを捻出する必要がある。 また、四肢のうち一箇所に多めにリソースを割けば、通常よりも強力な強化を得られる。 普段四肢それぞれに200のリソースを割り当てていても、ここぞというときに右腕に1000リソースを割けば威力5倍の右ストレートとなる。 同様に、右腕で防御可能な攻撃が来ると予測して、右腕に強化魔法を集中すれば、強固な防御力を発揮する。 ただし、右腕に割くためのリソースを捻出するために他の四肢の強化を切っていれば、そこは同時に脆弱な急所ともなり得る。 上記のように、状況に合わせて流動的に、各魔法にリソースを振り分けていくことが魔法少女の戦いでは重要となる。 魔力量の多い魔法少女=強い魔法少女と言われるのは、リソースが多いほど様々な魔法を同時に高威力で使用可能になるためである。 なお、奈津久 萌や門前 百合子のようにいわゆる「極振り」によって身体補正と再生能力にリソースの全てを割いた格闘型魔法少女も存在する。 あらゆる戦闘状況にオールマイティに対応でき、防御力向上に伴う生存率の高さなどからも魔法少女の1スタイルとしてポピュラーである。
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共通魔法ならば誰でも持っている能力の一つ。 魔力の周波数(チャンネル)を合わせることによって声に出さずとも意志を伝え合うことを可能とする魔法。 いわゆるテレパシー能力であり、呼び名は念話、念信など使う者によって様々。 言葉だけでなく抽象的なイメージや視覚情報などを伝えることもでき、必ずしも言葉を介する必要はないが、 余計な情報まで伝わってしまうのを防ぐために一度言葉にしてから送信するのが普通。 言葉にはコミュニケーション手段としてだけではなく、情報の選別と整理の機能があるからである。 なお、特定のチャンネルを他者に秘密にして使ったり、念話内容を暗号にしたりして『秘匿回線』化することで、 念話を傍受されないようにすることも可能。主に内緒話に使われる。 対して、その場にいる全員に無差別に念信を伝えることを公開回線やオープンチャンネルと呼ぶ。 余談だが、『コール』と呼ばれる好戦魔法少女用の念信コマンドが存在するらしい。
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全ての魔法少女が等しく使える共通魔法の一つ。 魔力を強くイメージした形に結合させ、擬似的に物体を創り出す能力。 魔法少女が武器を用いる場合、大抵はこの物体生成によって生み出したものを使う。 無から物体を創り出すわけではなく、あくまで魔力がその物体の性質を真似ているだけに過ぎない。 よって、生み出した魔法少女が死ねば生成物は消えるし、生成物を消して魔力を回収することもできる。 物体生成には具体的なイメージが必要なので、複雑な構造をもつものは中身を詳しく知っていないと生成できない。 坂上 南雲のように、共通魔法である物体生成に強力な補正をかける固有魔法も存在する。 なお、生成した物体は一般人にも知覚できる模様
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リリーブラック1 2スレ目 9 紫色の桜が散る。 罪人が取り憑いた桜が散っている。 「…俺、どうしてここにいるんだっけ?」 よく分からない内にここに来ていて、俺は―― 俺、もう死んだんだ。 死因なんて覚えていないし、そもそも…この場所に辿り着くまでが とてつもなく長かった。 死神に三途の川を渡らされて、閻魔に説教を食らって…結局、ここにいる。 「…結局、ここはどこなんだ?」 「教えてあげようか?」 急に答えられた声に振り向くと、そこに立っていたのは、黒い服を着た 一人の少女だった。 「…お前、誰だよ?」 「私はリリーブラック。ただの春を伝える妖精よ」 春を伝えるという事は、きっと季節は今は春なのだろう と言うよりも妖精って何だ? あの…フェアリーとかの類の妖精か? 「…春、ねぇ。…でリリーとか言うの、ここはどこなんだ?」 「あんた、私が名乗ったんだから名前くらい名乗りなさいよ」 「…悪ぃ、俺は○○。ただのしがない人間だ」 「見れば判るわ。大方、さっき閻魔様に裁かれたんでしょ?」 表情を崩す事無く、淡々と告げるリリー。 「まぁな」 「だったら、ここから先にあるのは転生か冥界行きよ」 「どっちも…面倒そうだな」 「そのまま消滅したいならすればいいでしょ」 冷たい奴だなぁ…。普通、そういう時はもう少し励ますなり何なりすると思うんだが。 「…そうだ。今は季節的に春なのか?」 「そうよ」 「…お前って、春を伝える妖精なんだよな?」 その言葉に呆れ顔になりながら、リリーはまるで蔑むような視線を俺に向けて こう言い放った。 「あんたに伝える春はないわ」 やっぱ冷たい奴だ。むしろ春じゃなくて冬の妖精なんじゃないのか? 「まぁ、時間なんてほとんど無限にあるし、その間にでも消滅するか考えておけば?」 そう言い残して、その黒い衣装とは全く違う純白の羽を広げてリリーは空に 舞い上がった。 「俺、明日もここにいるからな!」 何だかよく分からないが、俺は彼女の事が妙に気になっていた。 まぁ、自分もそんな訳の分からない感情に動かされながら 次の日もここに居た訳だ。 無縁塚では、紫の桜花が舞い、奇妙に『俺』という存在が死んだ事を納得させてくれた。 「なんだ、まだ居たの?」 「居ちゃ悪いか」 そんな声と共に、俺の傍に降り立ったのは一人の妖精。 昨日と変わらず、やや冷たい態度を取る。 本当に春の妖精とは思えないほど冷たい少女だった。 春の陽気とは違って、彼女の言葉は冷気のように冷たい。 恐らく、それは彼女の本意で言っているものではないと思っているが… いや、そんなこともないのかもしれない。 彼女はほとんど、自分の思うとおりに言葉を投げかけている。 それが、俺にとっては嬉しい事だったりする。 「何よ、ニヤニヤして…頭でも打った?」 「や、そういう風にはっきり言う奴が珍しかっただけだ。うん、それって結構嬉しいんだよ」 素直にそう答えてやると、彼女はその言葉に不服なのか 不機嫌そうな顔になり 「…あんたってバカじゃないの?」 「まぁ、頭がいいって言われた事は無いな。どちらかと言えばずる賢いと言われてた」 子供の頃は、親にも呆れられるほどの悪戯小僧という事も認められる。 「はぁ、やっぱあんたってバカよ」 「そんな俺と真面目に話そうとしているお前もな」 「っ…そんな訳無いでしょ! 何で私が好き好んであんたと話さないと…!」 「はいはい」 真っ赤になりながら弁明する彼女に対して、俺は軽くあしらっていた。 そんな感じでわかった事はある。 彼女は、弄られ体質だ。 何でか分からないが、何処からか弄られオーラが出ている。 普段、こんな風に誰かに弄られているのか、それとも俺と出会ったことで発現されたのか 知らないけど。うん、間違いなく彼女は弄られ体質と言う事はよく分かった。 「…で、決めたの?消滅するかどうか」 「人を勝手に消滅さすな。まだ考え中だ」 一頻りからかった後、彼女は本題を出してきた。 …別に今、決断を出す必要があるかどうか知らないが、今は保留だ。 「…そう」 どうして、そう言った途端にお前の顔が曇るか分からないが…。 「ま、適当に適当に、だな」 大きな流れには逆らう事ができる訳でもなし、適当に流れに身を任せる方向で、 消滅する時は消滅して、転生する時は転生する。 「…あんた、明日もここに居るの?」 「そりゃな、行き先が正直分からないからな」 「あんたの状態は、辛うじて無縁塚に留まってるに過ぎないから。 このまま冥界に逝くか、それとも消滅するか、転生の道に入るかの分岐点に居るのよ」 そんな事を教えてくれるとはありがたい。 何故彼女がそんな事を知っているか知らないが、俺は彼女の言葉を信じて どうするか、少しだけ考えるようになった。 四日後―― 「…はぁ」 春の暖かい陽気に思わず眠気が訪れる。 驚くべき所は幽霊になっても寝る事が出来るという事か。 実は死んでから最初の日も考えに考えを繰り返していると、普通に寝てしまった。 元々、考えるのは得意分野じゃない。 「冥界、転生、消滅」 …どれがどう違うのか微妙な所だ。 死んでいる今になって、また進む先を決めないとならないのが面倒すぎる。 いやいや、待とうぜ俺。 進路を適当に決めるな、って偉い人が言ってただろ? じゃあ、考えてみるんだ。 「消滅」 まず最初に考えついて却下だった。 そもそも、それじゃ生きている意味…もとい、死んでいる意味がない。 そうなると考え付くのは、転生か冥界逝き。 「…転生、ねぇ」 魂だけ変わって違う『俺』になる。 辞書どおりの意味を考えると、生まれ変わって何か別の物になるということ。 それが蛙だろうと、鳥だろうと、文句は言えないわけだ。 生まれ変わった先が蛙でも、それは俺になる。 …我侭なようだが、俺はそんな物はゴメンだった。 違う何かになるなんて真っ平だ。 たとえ記憶を引き継がないのでも、絶対に嫌だ。 「冥界逝き、ね」 …そもそも冥界に逝くとしても、どんな状態になるのやら… この形状を維持するならまだマシか? 幽霊と言う身分ならば、まだ蛙よりはマシだ。 じゃ、やっぱり冥界逝きしかないじゃないか。 …明日、あいつに会ってどうにか冥界逝きの方法でも聞いてみるか。 翌日は割りと早い内に彼女は辿り着いた。 黒い衣装に冷たい言動。弄られっぷりは間違いなく いつもの彼女そのままだった。 「…あんたって、そう人を弄らないと気が済まないの?」 「いや、お前限定」 「……」 不機嫌になる様子もいつも通りで嬉しい。 そして、俺は彼女に聞くことにした。 「なぁ冥界逝きってさ、どうすれば良いんだ?」 微かに、空気が止まった気がした。 あまりにも彼女の反応が無かったので、そちらの方を見ると 「………」 固まっていた。 いや…彼女は固まっているのではない。 気を失いかけているのだ。 どうして、そんな事になっているのか分からないが、これがただならぬ事という事だけは 鈍い俺にもわかった。 「ちっ…」 俺一人じゃ、残念だが何も出来ない。 …いや、頼る奴なら居るんじゃないか? 最後まで説教してくれたあのにっくき裁判長とか、さ。 「仕方ねえ…っ、ちょっと耐えろよ…!」 横になりかけた彼女を抱きかかえて、裁判長の所に向かった。 考えてる暇なんてありゃしない。 一心不乱に走り続けた。 既に時は夜となり、四季映姫は優雅に茶を飲んでいた。 今日は如何せん裁かれる人が多かった。 明日に備えて、そろそろ休憩を取ろうと考えて呟いた。 「…ふぅ、今日の審議もこれで全部お終――」 「裁判長ーッ!」 「ぶーっ!」 思わず、茶を吹き出した。優雅な一時は終わりを告げた。 お茶は見事に霧となっていた。 堂々と真正面から戸をぶち破ってくるほど元気な霊が、まさか来るとは思わなかった。 「…非礼は先に詫びる、ゴメンなさい。で、本題に入るんだが」 目の前の霊は一人の妖精を抱えていた。 …見たところ、衰弱しているようなのだが、今の季節なら気にするほどもないくらい当たり前の 様子だ。 「こいつ、調子が悪いんだ。あんたなら何か知ってるだろ!?」 この霊――この前、裁いたばかりだが――はどうやら四季映姫を医者か何かと勘違いしているのか? いや、まず裁判長とか呼んだ時点でそれは無いだろうが。 「この季節の節目に、彼女がそうなってもおかしくは無い」 「…何?」 「春を伝える彼女、リリーは当然、夏が近づけば消えてしまう儚い妖精に過ぎません」 当たり前の事実を言った。 もっとも彼女だけでなく、きっと、春を司る妖怪たちもしばらく消えてしまうだろうが。 「えーと、確か○○とか言ったはずですね。 春が終わるまで彼女と一緒にいる、それが貴方が積める善行よ」 それだけ言って、男と妖精を追い出した。 非情な判断ではない。一番、適切な判断だと我ながら思う。 彼女はずっと、彼を見ていた。彼も彼女を必死に見ていた。 ならば、あの者達に積める善行とは、こういうことではないだろうか――? 「…何で泣いてるのよ?」 「泣いてねえ、これは雨だ」 結局何ができる訳でもなく、無縁塚で俺は彼女の元に居るだけだった。 彼女の身体は恐ろしく軽い。 これから存在がなくなるように、本当に彼女の質量がなくなっていった。 「お前ってさ、本当に強情だな」 「…何が?」 「あー、そう、居れる期間くらいちゃんと言おうぜ」 俺も散々と言わなかったけど。 今なら言える、あの裁判長に言われてようやく決めた俺の死に先。 「俺さ、冥界に逝くぜ。それで次の春まで、お前を待つ」 「ん…」 彼女は微かに笑う。 いつも冷たい目ばかりだったのに、こういう不意打ちには弱い。 今の俺の顔は到底見れるもんじゃないだろう。 「待ってる、からな」 「…迎えに、来ないの?」 「幽霊が迎えに来るんじゃ、あの世行きだろ? うん、でも、それもいいかもな…斬新でさ。なぁ?」 ふと、ほとんど彼女の身体の重みがなくなっていた。 そこにあったのは眠った彼女の身体と、紫色の桜。 ふわりと、彼女の身体が桜の花びらとなって空中を舞っていった。 その白かった翼も、桜花となって舞い上がる。 掴んでも、掴んでも、その桜の花びらは舞っていく。 「…はは、まだ…何も言ってねえだろ? 俺、伝えたい事があったんだよ。伝えないとならないことが――!」 周囲の桜は既に散っていた。 エピローグ 結局のところ、俺は冥界に逝く事に決まった。 元々、冥界逝きらしい俺は、温かく迎えられた。 それでも彼女への思いは途切れず、彼女がいない空白の 時を過ごし続けた。 何をしても無気力、夏は惰眠を貪り、秋は愁眠、冬は冬眠をして 庭師に働け、と怒鳴られたものだ。 そうして、ようやく春が訪れたのだ。 「…変な感じだな」 無縁塚は別段、変化の様子はない。 むしろ、あの時の異変がおかしかっただけで、普通に季節が巡れば 紫ではない桜花が咲き誇る。 「…よう」 「…うん」 花に囲まれて彼女はそこで佇む。 黒い服、白い翼、春の妖精なのに、まったくそんな感じを受けさせない佇まい。 「春ってさ、もう来たのか?」 当たり前の質問をしてみた。すでに暦の上でも春は迎えている。 その問いに、彼女は笑いながら答えた。 「あんたに伝える春は無いって、言ったでしょ?」 思わず彼女を抱きしめた。 今度は一春の思い出にはさせない―― 後書き ===ティラシの裏=== アルェ!?告白になってないぞォーッ!? ===ティラシの裏ここまで=== (他の人のを見て)ブラボー おぉ、ブラボー はい、ってな訳で、リリー裏版です。 表版よりも先に完成しました。 切ない話って難しいっスね。 『切ない話を書く』、『リリーを魅力的に書く』 両方やらなきゃならないのがリクエストを受けた物の辛いところだな。 いや、別に辛いと思ってませんが(笑 ─────────────────────────────────────────────────────────── 11スレ目 158 #1 ―――――――――――――――――――― 「なあブラック。お前が山に来た理由は分かったけど、何で逆さ釣りになってたんだ?」 「あれは……、どこぞの悪戯妖精のせいだ」 「そうそう、私たち酷い目にあったのですよ!」 そう言って机を叩くホワイト。マグカップが一瞬中に浮いた。 ホワイトを雪だまりから掘り出し…もとい。助け出して、俺の家で暖を取ることと相成った。 簡素な暖炉に火をつけて、湯気を立てる飲み物を見繕う。ちょっとした菓子もあったような気もしないでもない。 そう思って戸棚を探したが、探したがそんなものは見つからなかった。俺の家に気の利いた物は置いてないらしい。 「酷い目って…。逆さ釣りと雪埋めか?」 「そうなのです! 人を雪に埋めるなんて悪魔の所業なのです!」 「逆さ釣りも辛かったな……」 「悪戯妖精つったら……チルノか、サニーたちか」 「そう、そのサニーとか言う奴らなのです! うぅ~、くやしぃ~!」 ダンダンとまた机に手を打ち付けるホワイト。机から転げ落ちそうになったマグカップをブラックがすくいあげた。 駄々をこねる子どものように、ホワイトはぎゃあぎゃあと文句をたれ続ける。 そしてその背中をブラックがさすってやって、まるで場末の居酒屋とかでよく見る風景だ。 『俺は家族のために頑張ってるんだよぉ!』 『わかる、わかりますよ、課長! 僕も辛いです…!』 『そうかそうか、今日は朝まで飲み明かそう!』 みたいな。サラリーマン島耕作……にはこんな場面ないか。 「やられたんならやり返せばいいんじゃないのか? やられっぱなしはつまらないだろ」 「それはそうなのですが……」 「何か問題があるのか?」 「黒ちゃんがそういうのをあんまり好みませんしー。それに、」 そこで言葉を切ってホワイトは立ち上がる。何を思ったのか両手を大きく広げた。毎年、春の季節にそうするように、その細い両の手を羽のように広げ、息を吸い込む。 「春ですよー!」 その声に俺はビビッて、床に伏せた。俺ならずとも、幻想郷の春を体験したことのあるものなら、きっとそうだろう。その声は、弾幕の嵐が来る前触れだからだ。 春先に必ず聞こえる、天使のように明るい悪魔の声。その声と共に降り注ぐ強烈な弾幕。春の嵐は強いとよく言うが、これほどじゃない。 折角ついた花の芽も取れてしまうし、茂った木の葉は落ちる。建物も傷つく上に、怪我人まで出る始末だ。 湖にある紅魔館では毎年、弾幕の回避に手間を取られているそうだし、博麗の神社では巫女がマジギレしているそうな。 ホワイトがそこで撃墜されているかどうかは俺の知る所ではないが。 「…………おい、○○。大丈夫だ、安心しろ」 背中をブラックに叩かれて顔を上げる。そこには荒れ狂う弾幕があるわけでもなく、ぐちゃぐちゃになった室内が見えたわけでもなかった。 両手を広げたままのホワイトが恥ずかしそうに笑っているだけで、床に伏せる前と何ら変わりは無い。 ホワイトが頭を掻き掻き「こういうわけなのです」と、つぶやいた。 「…ええと、つまり?」 「要するに、今の私たちはその辺の妖精よりも弱いってことだ。弾幕を張ることはできないし、空も飛べない」 「というわけなのですよ。やり返したくても、やり返せないのです…」 「なるほど、じゃあ諦めるのか」 「いいえ、諦めないのですよ?」 ホワイトが、即座に返事をする。その声に温かみは感じられなかった。何処までも冷たい、感情のない声だった。 俺とブラックが驚いて顔を上げると、ホワイトが俺たちを見つめている。いつもと同じ表情、同じ顔だ。だが、そこには見慣れた笑顔はなかった。瞳に光は灯っていない。 ホワイトの桜色をした唇が、ゆっくりと動く。まるで大蛇が獲物を飲み込むときのように、獲物を嬲るように、もったいぶって。 「私は、諦めないのですよ? 春になったら思い知らせてあげるのです。誰にたてついたか、自分の所業がどんなに酷いことか教えてあげるのです」 「…………」 「そうですね…、まずはじめに私と同じ目にあわせてあげるのです。花に埋もれさせましょう。その後は黒ちゃんがされたこともしてあげましょう。高い木の上に逆さ釣りです。 その後は……弾幕で痛い目見せてあげましょうか。自業自得なのですよ、自分たちが悪いことをしたのですから、咎められるのは当然のことなのです。 うふっ。春が楽しみなのです。うふ、うふふふ、うふふふふふふふふっ!」 脳みその螺子が外れたのか、壊れたように低く笑い続けるその姿に、いつものホワイトの面影は見えなかった。はっきり言って怖い。背筋が震えたくらいだ。 かと思えば、ブラックはため息混じりに「またか」と呟く。頭痛でもするのか、額に皺を寄せて頭を振っていた。 「またかって…、前科でもあるのか?」 「去年も同じことを言っていた。一言一句違わず、な」 「忘れっぽい……のか」 「頭が春なだけだ。気にするな。……ああ…頭が痛い…」 「なかせてやるのですよー!!」 ―――――――――――――――――――― ===============文々。新聞三面記事============== 「なかせる…って、どんな風になかせるつまりなんですか」 マイクを向けつつ、不思議な顔つきをする天狗。 そのマイクを誇らしげに奪い取り、ホワイトはにこりと笑う。 息を深く吸い込み、「こうなかせるのですよ」と、天女のような笑顔で、言った。 「らめぇぇぇぇぇ! サニーのこくまろミルクでちゃうのぉぉぉぉほぉぉぉぉぉぉ!!」 ==========新聞買わなきゃらめなのぉ! ― 射命丸 文========== #2 ―――――――――――――――――――― 「ああもう、寒い! なあブラック、何で俺たちはまたこんな雪の中歩いてるんだ!?」 「…………私の知ったことか。さっさと歩け。帰るのが遅くなる」 「冷たいな、おい。何か機嫌悪くないか」 「寒いからな」 むげもなくブラックはそう言って、雪にまみれた足を動かした。俺もその後に続く。 俺と彼女の間に一つの会話もなく、言葉を交わす事はあっても、俺から話しかけるだけで、それが発展することはなかった。 互いに、コートの前襟を堅く締めて、手袋をしても冷たくなる指先に息を吐きかけていた。 何でこんなことになったのか…。俺はつい十数分前のことを、鬱な気分で思い返していた。以下回想。 ―――――――――― 「帰りたくないのです」 「は? 今何と仰いましたかお嬢さん?」 「今夜は帰りたくないのです。泊めて欲しいのです」 ホワイトが壊れた笑顔をやめてからすぐのことだった。 椅子に何食わぬ顔で座りなおし、俺にお茶のお代わりを要求した後、ホワイトは悪びれもせずそう言った。 しかしだ、この台詞何も知らない人が聞いたらとんでもないことになるんじゃないだろうか。 狭苦しい家に男と女が二人っきり。その上、「今夜は帰りたくないの……泊めて…」何ていう台詞は破壊力抜群だろう。 皆で同じ釜の飯をつつき、同じ風呂に入り、同じ布団で寝る。それでも寒さに体は震え、次第に体を寄せ合って……。 そんなピンク色の妄想を考える男なんてすぐに分かってしまうわけで、ブラックが眉根を寄せながら、俺の肩を叩いた。 「○○、変なこと考えてないか」 「かっ、考えてないぞ」 「○○さんは私と一緒のお布団で寝るのですよねー?」 「ほう、そうなのか?」 「そうなのですよー。黒ちゃんも一緒に寝るのですか?」 「おい、勘弁してくれよ。暑苦しくて堪らないだろ」 「じゃあお泊りしてもいいのですね?」 「こんな寒空の下に放り出すわけにも行かないだろ。泊まってけ」 「やったー! お泊りなのですよ、黒ちゃんも楽しみなのですねー?」 「……そう…だな。ホワイトは楽しそうだな」 この時急に、二人の間に何かが開いたような気がした。 空気の温度とか、心のキョリとか、言葉に出来ないそんな何か。小さいけれど確実に、何か開いたような気がする。 「冷蔵庫の中見てくる。足りなかったら買いにいこう」 そう言って俺に背を向けたブラックに、俺は声をかけることが出来なかった。 その後、ブラックはコートを俺に借り、長靴をはいて手袋をはめて、雪の中に繰り出した。俺を振り返りもしない。 雪を踏みしめて必死に歩くその背中に、ホワイトを一緒に探していたときの事を思い出す。でも、今と、その時は、違っているような気がしてならなかった。 ―――――――――― 「なあブラック。お前機嫌悪いだろ」 「悪くないって言ってるだろう。何度言えばわかるんだ」 「いいや、悪いね。だってさっきから喋らないし。それに……ほれ、額に皺寄りっぱなしだ」 「っ、触るな。……もし、仮に、例え話だが、機嫌が悪かったらお前のせいだ。私は悪くない」 「俺のせいって……」 「ふぅん。心当たりがないなら考えるといい。その内分かる」 冷たくそう告げて、ブラックは買いをすると、里に消えていった。今夜は鍋にするらしい。八百屋に魚屋と、忙しく走りまわっているのが人ごみの中に見える。 その姿を見ながら、腕を組んで考え込む。やっぱり、コーヒー飲むのを強要したからか? いや、でもまだ飲ませてもないしなあ。 …なんだいこのボムはぁ!? じゃなくて。 いっそブラック捕まえて問い詰めるのもありかなと、思った。こう、肩を引っつかんで、真正面から男らしく突っ込むのもありかなと。 だけどそんなことをしてブラックに嫌われでもしたらどうしようか。平身低頭して謝っても許してはくれまい。 「でもなあ……」 このままにしておくのもそれはそれでいけないだろう。 なにより、こんな先の分からないままにしておくのは嫌だ。折角今会えたのだから、今一緒にいて、ブラックがいて、話す事ができるのだから。 安っぽいとか、ガキっぽいとかそんな言葉が頭を過ぎった。まあ、それはそれでいいかもしれない。 心を伝える一番簡単な方法は、全部ぶちまけること、だし。 「○○、待たせたな。ほら、早く戻ろう。ホワイトが待ってる」 「なあ、ちょっと待てよ。お前さっきからなんでそんなに急いでるんだ?」 「それは…ほら、ホワイトが待ってるから。お前もお腹が空いてるだろ?」 「質問を質問で返すな。ご飯とかはとりあえずいいから、答えろよ」 「さあ、早く早く、早く帰ろう。お腹がすいた、早く帰ろう」 「だから。人の話を聞けって。っつかお前こっち向けよ」 「ぁ……」 無理矢理に道程を急くブラックの腕を掴んで、俺のほうを向かせる。抵抗もしないで、ブラックの身体がそれに従う。 そうして、ようやく交わす事ができた視線と視線。ブラックの瞳は濡れたビー玉のように光っていた。 「ぶっ…………!」 とかそんなことより前に。 俺の視線はブラックの顔の上を走り回っていた。 そこにあるのは寒さで赤くなった鼻。の下に黒いマジックで書かれたぶっといひげ。 ホワイトのものより少し色の濃い唇。を無理矢理赤のマジックで書き足してたらこ唇にしてあった。 ふっくらと柔らかそうなほっぺたは、これまた赤のマジックで『@』のマークが書いてあった。両方共に。 そして真っ黒な瞳の周りには黒のマジックでまつげが書き足され、そのうえで眼鏡が書いてあった。 極めつけは額に『肉』の文字。 「~~っはははははっ!!」 いきなり大きな声で笑い出した俺を、面食らった顔でブラックが見つめている。しかし、その目の周りにはお粗末な眼鏡が書いてあるわけで。余計に俺の笑いを誘う。 俺はきょとん顔のブラックがまた面白くて、面白くて、笑いすぎて目に涙が滲む。 腹筋がいよいよ痛くなってきた。涙で滲んだ視界は真っ白な雪と、黒のコートを着込んだブラックだけしか判別できないほどだ。 「…おい○○。何がそんなに面白いんだ。人の顔見て笑うなんて最悪な奴だな」 「だって……! おま、鏡見てみろ…!」 「鏡? なんだっていきなりそんな……」 「いいからいいから。そら、そこの池でいいから」 ブラックの背を押して、近くにあった池へ歩いて行く。 水面に氷が張って、雲の間から差し込む光で、きらきらと、鏡のように光っていた。 ブラックと二人して、それを覗き込んだ。涙を目の端にためて笑う俺と、何がなんだか分からないといった顔のブラックの顔が、氷に映って。 そして、俺とブラック、二人の声が、寒空に響いた。 「ぁんじゃこりゃああああああ!?」 某刑事ドラマばりの叫び声を上げて、俺は自分の顔を押さえる。 そこには、ブラックと同じように落書きがしてあった。ひげや頬のマークは当然のように書かれてあった。 ブラックと違う所は俺の額に書いてある文字が『バカ』の文字だったことだ。 「おい○○! 何だこれは」 「それは俺が聞きたいな。いつの間にこんなもん書かれたんだ」 二人して落書きに汚れた顔を突き合わせる。 さっきまでの口論もそっちのけで、視線と視線をぶつけ合う。火花も散らんかというその間を、“ひゅん”と、何かが走る。 一瞬後に、何かが雪に落ちる音。そちらの方を向けば雪の塊が砕けて地面に埋まっていた。 ―ああっ、外れた! ―サニーサニー、ばれちゃったよ! ―第2球投げたー! ―ルナもふざけてないで! やいのやいのと騒ぐ声がする方へ顔を向ければ、不思議な衣装を纏った妖精が三人。黒髪の妖精は他の二人を抑えようとしているが、それにも構わず雪玉を投げる二人。 ゆらり、と、ブラックが体を動かした。とても緩慢な動作で、それなのに目で追う事は敵わなかった。 俺もそれに倣う。視線を投げた先に、妖精が三人。ようやく俺たちの動きに気づいたのか、雪玉を投げる手が止まった。 「○○、さっき、機嫌が悪いといったな。気のせいだと言ったが、すまない、当たっていた」 「奇遇だな、俺もだ。どこぞの妖精がなぁ」 「ああ、“どこぞの”妖精のせいだな」 「とりあえずどうしてやろうか。花に埋めるか、それとも逆さ釣りにするか?」 「それはホワイトがやるって言ってたろう」 「じゃあお前は? どうするんだ」 「とっつかまえて、ぶん殴って、池に沈める」 「よしきたっ!」 スタンディングスタートで、同時に走り始めた。 帽子が風に飛ぶ。ブラックの長髪が風に踊っている。おもむろに手袋は外し、丸めた。 大きく振りかぶって、それを力強く放り投げた。 「覚悟しろこの悪戯妖精どもがっ!」 ◇◆◇ 「……疲れた」 「言うな、私もだ」 結論から言うと、結局俺たちはサニーたちを捕まえることはできなかった。所詮妖精と、侮ったのが間違いだった。 あちらが存外に賢かった、己の能力を熟知し、そして使いこなしていた。見えない足に転ばされ、声が消されて連携がとれず、雪だまりに自ら突っ込む結果となった。 疲労困憊となった俺たちは、すぐ家に帰るのは諦めて、里で、一休み入れることにしたのだった。 身体があったまるからという理由で、甘酒をちびちびと飲む。少し癖のあるえぐみが、口の中で溶けていった。 「…ブラック。怪我とかはしてないか」 「大丈夫だ。そういうお前はどうだ、頭から地面に突っ込んでたろう」 「うー、少し、ひりひりするかな。まあ大丈――」 「どれ、見せてみろ」 ブラックが机越しに、俺の前髪を捲り上げた。黒の瞳が、心配げに細められる。 俺はその予想外の行動に、しばし、我を忘れて、前だけを見つめ続けた。 動くことの出来ない視界の中で、唯一動きを見せるブラックの身体。耳元で聞こえる衣擦れの音が、何故かとても、くすぐったい。 「なんだ、大したことないじゃないか。……○○、顔が赤いぞ。まさか甘酒で酔っ払ったとか言わないだろうな」 「ブラック……お前…」 「ん?」 「優しい所あるんだな」 「なっ!? お前私が血も涙もない奴だと思ってたのか!?」 「だってさっき『ぶん殴って池に沈める』とか言ってたし…」 「悪戯した子供にはお仕置きが必要ってことだ。至って普通だ」 「でも『そういうのは好まない』んじゃなかったのか」 「あまり、だ。あまり好きじゃないだけだ。勘違いするな」 「じゃあ少しはそういう性癖があるわけだ」 「っ! ないない!」 がたんと、音を立てて席を立つ。大きな音に、店中から視線が集まった。それに晒されたブラックは、気まずげに「とにかく」と、咳払いを一つ。 「私にそんな性癖は無いからな。勘違いするな、私は普通だ」 「そうやって普通とか言う奴に限って、アブノーマルなんだよな」 「だから違うと!」 「まあまあ、落ち着け」 耳まで真っ赤にして、ぶるぶる震えるブラックの肩を抑える。涙目になってるのは何でだ。やっぱりそっちの気があるのか? 何てこんなことを言ったら、間違いなく店の中で暴れだすので、さっさと連れ出すことにする。 勘定を支払って、雪がちらつく道へ足を踏み出した。ぎゅうぎゅうと雪を踏むたびに、音が鳴って、気分が高揚する。まるで子どもの頃に戻ったみたいだ。 道の端にある雪の塊を、足で蹴り上げた。ばらばらと細かい雪が、宙を舞う。 「○○、お前子どもみたいだ」 そんな俺を見て、ブラックが微笑んでいる。その手に、家をでる時に渡したはずの手袋は無い。 そのことを訊ねると、「さっきサニーたちを追いかけているときに落とした。すまん」と目を伏せる。 「あー、大声で怒鳴りながら投げてたな。あれ高かったんだぜ?」 「だからっ、すまんと言ってるだろう。ケチ臭い奴だ」 「うるせ。……ほら、これ使え」 ブラックに、俺のしている手袋を渡してやる。手にはめてやると、少し指先が余ったが、まあ落ちることは無いだろう。 直に指先が外気に触れて、痛い。でもまあ、俺が寒いくらいはいいか。今日くらい、指先が使い物にならなくなっても、晩飯はブラックが作ってくれるって言ってたしな。 そんなことを思いながら、指先をこすって、息を吐きかける。気休めどころか、何の意味もないことは承知の上だ。 「○○、ほら。これ使え」 ぺち。 ブラックの声に振り向くと、何かが俺の顔面に当たった。後ろを振り向くと、ブラックと目が合った。片方の手袋がない。 ブラックが「下を見ろ」と、地面を指差す。それに従って視線を下げると、地面に横たわる手袋。 とりあえず、訳も分からないが、拾い上げる。 「使えったって、お前が寒いだろ」 「いいからいいから。“人の厚意はありがたく受け取っておくもんだ”。…だろう?」 「上手いこと言いやがって、この野郎」 「しかしなんだ、この台詞自分で言ったらかなり恥ずかしいな」 「だろ? あの時俺も結構恥ずかしかったんだぜ」 「でも、癖になりそうだな」 「お前、そっちの気があるのか!」 「だからないと言っている!」 ちょっと弄りすぎたか。ブラックの右手が拳に変わっている。このままでは殴られかねないと、慌てて最後の台詞は撤回した。 手袋は使えと、そうは言うがブラックだって片手が寒そうだ。しきりに右手をこすり合わせている。 「ブラック、お前も寒いんじゃないか。手ぇ真っ赤だぞ?」 「ああ…私なら大丈夫だ」 そう言って、するりと。 その左手を、傘のように広げて、俺の右手に、絡める。 指と指が交じり合って、絡まって、繋がった。 「ほら。こうすれば寒くない」 心底嬉しそうな笑顔で、優しく瞳を細めて、笑った。 俺は何故かその顔を直視できなくて、思わず逸らしてしまった。それでも右手を離す気にはなれなくて、少しだけぎゅうっと、握り返した。 そして、また。その手は握り返される。 「このまま家に帰るのか?」 「それもいいな。○○、私は酔っているってことにしておいてくれ」 「そうか。じゃあ、俺も酔ってるってことにしておいてくれ」 「私達を見たら、きっとホワイトはびっくりするだろうな」 「だろうな。何せ俺たちは一回死んで、生き返ったんだしなぁ」 「“オラは死んじまっただー”」 「ブラック…。お前結構古臭い奴だったんだな」 「うっ、うるさいうるさいうるさい! バカって言う奴がバカなんだ!」 「お前はチルノか! つか、叩くな叩くな!」 ==============文々。新聞地域欄============== 「うー寒い寒い」 今温もりを求めて全力疾走している俺は、幻想郷に住むごく一般的な男の子。 強いて違う所をあげるとすれば、女の子を弄るのが好き(性的な意味ではない)ってとこかナ。名前は○○。 そんなわけで、帰り道にある山道にやって来たのだ。 ふと見ると、道端に一人、手袋をはめたリリーブラックがいた。 「ウホッ! こんな所にいい手袋…」 そう思っていると、突然ブラックは手袋を片方外しはじめたのだ…! 「 は め な い か 」 そういえばこの山道はハッテン場の―― 「……ホワイト。何書いてるんだ?」 「新聞に投稿する小話なのですよ。○○さんも読むですか?」 「おう――……ってなんじゃこりゃ」 「手袋を通じて黒ちゃんと知り合う、○○さんの話なのです。ハッピーエンドなのですよ」 「嘘付け! 何が『すごく……温かいです…』だっ!」 「演出なのです」 「じゃあなんだこの『ああ……次はソックスだ…』は!」 「演出なので――」 「嘘をつけっ!」 「あああああ頭を揺さぶるのはやめるのですうううう」 「やめろ○○。止めるだけ無駄だ」 「そんなこといったってこれ見てみろよブラック。こんなもん新聞に載せられないだろ」 「天狗は賢明だ。こんなものを載せたらどうなるかよく分かってるはずだ、安心しろ。それとホワイトは後で地面に埋めておく。春になったら花でも咲くだろ」 「あ、あははー? 黒ちゃん? 怒ってるのですかー?」 「そんなはずがないだろうホワイト勘違いをするにも程があるぞなあ○○もそう思うだろ?」 =============てぶくろテクニック==============
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「リリーブラック」 呪力:2 レベル:映姫 攻撃:4 迎撃:1 命中:5 種類:拡散 [戦闘フェイズ]常時 このスペルで戦闘を行った場合、戦闘フェイズ終了時にこのスペルを捨て札におく。 解説 LogX きーちさん、ナイスアイデアありがとうです。 Lv.1スペルには困っておりましたのです。 黒い春告精が出たので一時封印
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区別なき天災 056 ブラックレイン 攻撃 レア1 「攻撃魔法」 フィールド全体を1パワーで攻撃する 消費ストーン数 1コ 突如たちこめる不吉な暗雲が、殺傷力を持った黒い雨を降らせる。敵にも味方にも公平に降り注ぐ闇の雨…。自身が傷つくことを恐れない者だけが、このカードの、真の価値を知ることになるだろう。