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610 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2008/01/13(日) 21 03 00 ――Interlude side Saber ――――今、私はどこにいる? 周囲を見渡せば眩い光は一条も見出せず、代わりに多色華美な彩りを総て塗りつぶす暗黒の海が広がっていた。 誰もいない。 慣れ親しんだ少年の笑顔も。凛々しさと誇りを併せ持った少女の勝気な顔も。寂しげな微笑を浮かべる少女の横顔も。…………老獪な魔術師の底意地の悪そうな顔も、いつも目尻を濡らしていた王妃の泣き顔も、最大の友であった騎士の秀麗な顔も、少年のような朗らかさをもった忠勇の騎士の笑い顔も。――――どこにもなかった。 胸が苦しい。動悸が激しく胸部を苛み、吐き気すら催してくる。 世界には自分以外誰も居なくて――。 皆、私から離れていって――。 ふと、自分はいったい何者なのだろうかと不思議に思った。 王。私はブリテンの王、アーサー・ペンドラゴン。それは判る。だがアーサー王などという肩書きは、もしや小娘が描いた空想に過ぎず、そんなもの世界中のどこを探しても在りはしないのではないか。アーサー王なんて、ただ私が人形を持ち出して遊んでいただけの絵空事ではないか。 誰もが認めない自分。誰もが見放す自分。誰もが浅慮と嘆き果てる自分。誰かを傷つけずにはいられない自分……。 私は、いったい……? 突如バキリと床板を踏み割る音が響き、それが自身を思考の淵から半ば強制的に覚醒させる。はっとなって音源へと振り返った先には、覚束ない残像を重ねる死神――――否、豪奢な馬へと跨った騎士が静かに佇んでいた。 「貴方は……?」 問いには答えず、無言の騎士はただ黙々と剣を構える。スラリとした長剣を関節の限界まで振り絞り、一撃に乾坤を賭すべく、必滅の気合を籠めた一刀のみの勝負。空いた眼窩は不気味な煌きを宿し、それが私を呑みこむくらいに一層深い眼差しで――百戦錬磨である筈の我が身が不覚にも総毛立った。 もはや言葉など要らず。意味も不要。これほどの強敵を前にして、どうして戦わずにいられようか。よしんば戦わずして危機を乗り越えたとしても、敗者の汚名までは逃れられまい。 体内の魔力を巡らせ、約束された勝利の剣を召喚する。幾多もの戦場を駆け抜けた、我が分身――星々の加護が付与された神造兵装は、光輝く黄金の刃を眼前の敵に威武し―――― 「――――ッ!?」 ――――てはいなかった。あれだけ眩しく輝いていた刃は、しかし一片の光も燈さず、まるで死を迎えたかのように鈍い鉄の暗さを呈していた。 驚嘆。その油断から生じる決定的な隙。 慌てて刃の先を目で追うも、返ってきた真実は絶望よりもなお重い、騎士王である己の存在意義の消失。突然過ぎる、エクスカリバーの死。 馬がないのはまだいい。人馬一体という言葉があれど、何も全ての移動手段に馬を用いる訳ではないのだから。しかし、剣は……。理想を掲げ、幾多もの戦場を渡り歩いた我が分身は……剣のサーヴァントとして呼び出された己にとって、そして騎士として存在する以上、剣の有無は何よりも優先すべき絶対条件であった。 剣がない以上、そこにあるのは騎士に非ず。凡俗な小娘に戦う力などあろう筈がない。 呆然とする私を尻目に、馬、鎧、剣、全てを揃えた真性の騎士が、掲げた剣を振り上げ――――私の胸元目掛け一気に振り下ろす。 「や、め――」 制止の言葉を無視し、無情にも剣は轟々と迫る。サクリと何かが胴を一閃し、続けてボトリと何かが落ちる音が聞こえ、反転した視界には輪切りとなった私の…………。 「やめっ…………やめろおぉ!!」 「きゃっ!?」 ――途端、闇に包まれていた世界に光が満ち溢れ、払われた瘴気の中から安穏としたアンティークの様相が現れる。首を左右に巡らせれば、心配そうにこちらを覗く、年端もゆかない少女の姿。 反射的に胸元を擦ってみるも、そこには抉れた傷の感触などなく、返ってきた反応は濡れてグシャグシャになった衣服の手触りのみ。心底安心した反面、途方もない疲労感が全身を襲った。 「は、あ……っ」 「あの、大丈夫……?」 背には柔らかい布の触感。やや遅れて喉の渇きが呼吸を遮っていることに気付き、咳き込む。真下を眺めれば水分を吸い尽くして鈍重となったシーツと衣服が目に入り、黒く変色したそれらが尋常でない発汗量を示していた。 「……水を、頂けませんか……?」 「あっ、うん。どうぞ、気をつけて」 小さな手から労わるように差し出された陶器製のコップを受け取り、中身を一気に飲み干す。清涼な水は疲弊しきった五臓六腑へと染み渡っていき、潤った細胞から生じる命の鼓動が、アルトリアの肉体を徐々に蘇生させていく。まるで湯を注いだ海草を見るかのように――水は本来あるべき自然の姿を促す神秘であった。 やがて体の隅々まで蘇生を完了させた後ようやく疑問を疑問として感じられる余裕が得られ、目の前の少女は誰なのか、ここは一体どこなのか、改めて不思議に思った。 当然の帰結として、疑惑の焦点はまず目の前の少女へと注がれた。赤い衣服に身を包むそう年端もいかない――しかしはっきりと大人の兆しを宿らせた彼女は、先程から穏やかな表情でこちらを見守っている。害意は感じられない。かくいう私も、先程の水のやり取りで、この謎の少女が信頼を預けるに値する人物だと確信していた。 「ありがとう、おかげで生き返りました。私の名はセイバー。よろしければ貴女の名もお聞かせ願えませんか?」 少女は僅かに首を傾げた後、微笑を込めて、愛らしい唇を開く。 「アフマウって言うの。よろしくね、セイバー」 アフマウ――。 恩人であろう少女の名を慎重に刻み付けたとき、ふと、ある異変を感じ取った。 Ⅰ:魔力が切れかけている…… Ⅱ:エクスカリバーはどうなったのだろう? Ⅲ:そもそもここはどこなのだろう? 投票結果 Ⅰ:0 Ⅱ:5 Ⅲ:0
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STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN 機種:PS5,PS4,XboxX/S,XboxOne,PC 作曲者:水田直志、山崎良、岩崎英則、鈴木克崇 発売元:スクウェア・エニックス 開発:Team NINJA(コーエーテクモゲームス) 発売日:2022.3.18 概要 初代ファイナルファンタジーの世界観を元に、ストーリーやバトルシステムを刷新した作品。 『仁王』やソウルシリーズのようないわゆる「死にゲー」的なゲームデザインが特徴的。 作中では「『異なる時空』から転送された」という設定で歴代FFの印象的なロケーションが登場し、 BGMもそのロケーションでのBGMをモチーフとしたアレンジが流れる。 収録曲(サウンドトラック順) 曲名 作曲者 補足 順位 Jack's Theme 水田直志 Garland 水田直志 Where It Begins – Motif from "Chaos Shrine" 水田直志,植松伸夫 Battle The Warrior in the Darkness 水田直志 Battle The Warrior 水田直志 通常戦闘 Where Hope Fails 水田直志 Revolving Fate – Motif from "Chaos Shrine" 水田直志,植松伸夫 Chaos's Theme 水田直志 Battle Chaos Advent 水田直志 vs.カオスとなる者 2022年243位第2回マイナーゲーム334位 Battle False Knight – Motif from "Battle" 水田直志,植松伸夫 vs.カオスとなる者(ソウルバースト後)原曲:FFI「戦闘シーン」 Kindred Soul 水田直志 Hope – Motif from "Castle Cornelia" 水田直志,植松伸夫 Sarah's Theme 水田直志 Sarah's Lute – Motif from "Opening Theme" 植松伸夫 The Dark Crystals – Motif from "Prelude" 水田直志,植松伸夫 Seagrot 水田直志 Battle The Ferocious 水田直志 Indomitable 水田直志 Ravagers of the Sea 水田直志 Dropped Anchor 水田直志 Pirates of Pravoka 山﨑良 Battle Captain Bikke 山﨑良 vs.ビッケ船長 Treachery and Trust – Motif from "The Imperial Army" 岩﨑英則,植松伸夫 西の城原曲:FFII「帝国軍のテーマ」 Adversity 岩﨑英則 A Promise – Motif from "The Imperial Army" 岩﨑英則,植松伸夫 西の城(後半)原曲:FFII「帝国軍のテーマ」 Battle The Black Knight – Motif from "Derelict Keep" 岩﨑英則,植松伸夫 vs.黒騎士 Battle Puppet of Darkness 岩﨑英則 vs.黒騎士(ソウルバースト後) Astos's Theme 水田直志 Refrin – Motif from "The Sunleth Waterscape" 山﨑良,浜渦正志 光歪の水郷原曲:FFXIII「サンレス水郷」 Growing Darkness 山﨑良 光歪の水郷(洞窟内) Place of Amalgamation – Motif from "The Sunleth Waterscape" 山﨑良,浜渦正志 光歪の水郷(後半)原曲:FFXIII「サンレス水郷」 Battle Elemental Core 山﨑良 vs.コアエレメント Battle Blending Distortions 山﨑良 vs.コアエレメント(ソウルバースト後) Mirage – Motif from "The Crystal Tower" 水田直志,植松伸夫 Fragments Blinking – Motif from "The Crystal Tower" 水田直志,植松伸夫 Scattering Light 水田直志 Battle The Chimera 水田直志 Battle Four Minds 水田直志 Phantoms 岩﨑英則 Whence the Winds Blow – Motif from "Tower of Bab-il" 岩﨑英則,植松伸夫 浮遊城原曲:FFIV「バブイルの塔」 Beyond the Heavens 岩﨑英則 Castle of Wind, Suffused with Hatred – Motif from "Tower of Bab-il" 岩﨑英則,植松伸夫 浮遊城(後半)原曲:FFIV「バブイルの塔」 Battle Tiamat – Motif from "Flying Fortress" 鈴木克崇,植松伸夫 Battle The Fiend of Wind – Motif from "Flying Fortress" 鈴木克崇,植松伸夫 Readiness 水田直志 Cornelia – Motif from "Town" 水田直志,植松伸夫 Shadows Rising 山﨑良 ジャックが音楽プレイヤーで流す曲 Arbor of Still and Din – Motif from "Danger in the Forest" 山﨑良,植松伸夫 Stagnant Air 山﨑良 Within the Miasma 山﨑良 Battle The Great Malboro 山﨑良 Battle Malefic Sighs 山﨑良 Lufenia 水田直志 Whence the Fires Ignite 水田直志 Calamity's Passage – Motif from "Find Your Way" 水田直志,植松伸夫 グルグ火山原曲:FFVIII「Find Your Way」 Mountain of Flame, Harboring Rage 水田直志 Battle Marilith – Motif from "Mt. Gulg" 鈴木克崇,植松伸夫 vs.マリリス原曲:FFI「グルグ火山」 Battle The Fiend of Fire – Motif from "Mt. Gulg" 鈴木克崇,植松伸夫 vs.マリリス(ソウルバースト後)原曲:FFI「グルグ火山」 Hoary Massif – Motif from "Servants of the Mountain" 岩﨑英則,浜渦正志 Mountain of Prayer 岩﨑英則 Desiring Death – Motif from "Servants of the Mountain" 岩﨑英則,浜渦正志 Battle The Dragon Zombie 岩﨑英則 Battle Restless Carcass 岩﨑英則 Whence the Earth Turns 山﨑良 Inviting Despair 山﨑良 Cavern of Soil, Dominating Fear 山﨑良 Battle Lich 山﨑良 Battle The Fiend of Earth 山﨑良 Clockwork Ruins 水田直志 Awakening Motive 水田直志 Go No Further 水田直志 Battle The Cray Claw 水田直志 Battle Guardian of the Ruins 水田直志 Whence the Waters Flow 岩﨑英則 Rumblings of Destiny 岩﨑英則 Submerged Temple, Bearing Resentment – Motif from "Mako Reactor" 岩﨑英則,植松伸夫 Battle Kraken – Motif from "Chaos Shrine" 岩﨑英則,植松伸夫 Battle The Fiend of Water 岩﨑英則 Unease 水田直志 Onslaught 水田直志 Battle Captive of Darkness 山﨑良 An Uninterrupted Ancient View – Motif from "Tough Battle #2" 山﨑良,水田直志 Battle The Iron Giant 山﨑良 Battle Sword Wielder 山﨑良 Lost Duty 水田直志 Extraordinary Duty 水田直志 Will You Resist or Accept? – Motif from "Somnus" 水田直志,下村陽子 不夜城FFXV「Somnus」のアレンジ Battle The Behemoth 水田直志 Battle Beast of Memory 水田直志 Where the End Begins – Motif from "Floating Continent" 岩﨑英則,植松伸夫 Fool's Darkness – Motif from "Floating Continent" 岩﨑英則,植松伸夫 Tortured Island, Sinking in Suffering 岩﨑英則 Battle Astos 岩﨑英則 vs.アストス Battle The Suffering of Fools 岩﨑英則 vs.アルテマウェポンオリジン Yesterdays 水田直志 Battle The Valiant 水田直志 vs.ビッケ船長(2回目) Sarah's Lute 水田直志 Light of Despair 水田直志 Battle Strangers of Paradise 水田直志 Solitude 水田直志 False Home 水田直志 Whence the Darkness Deepens 山﨑良 The Way of Hope and Despair 山﨑良 The Cycle – Motif from "Sunken Shrine" 山﨑良,植松伸夫 Battle Breaking Crystal – Motif from "Prelude" 山﨑良,植松伸夫 vs.次元結晶体 Battle Darkness 岩﨑英則 vs.混沌の闇 Battle Become Chaos 水田直志 vs.混沌の闇(ソウルバースト後) Quickening of Darkness 水田直志 The Dark Will Always Be With Us 水田直志 エピローグ Stranger – Motif from "Opening Theme" 植松伸夫 オープニング、エンディング サウンドトラック STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN Original Soundtrack
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ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII 【らいとにんぐ りたーんず ふぁいなるふぁんたじーさーてぃーん】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション3Xbox 360Windows Vista/7/8 (Steam) 発売・開発元 スクウェア・エニックス 開発協力 トライエースマーベラスAQL(*1) 発売日 【PS3/360】2013年11月21日【360】ダウンロード版:2013年12月3日【Win】2015年12月11日 定価 ディスク版 【PS3/360】7,400円ダウンロード版;【PS3】7,000円【360】6,667円【Win】2,200円 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 良作 ファイナルファンタジーシリーズ 概要 シナリオ 基本的なゲームの流れ システム ゲームの流れ・時間経過 戦闘システム カスタマイズ オンライン要素「アウトワールド」 その他システム 評価点 問題点 キャラクター・シナリオ面 システム面 総評 余談 神話の終わり、人の物語 概要 『ファイナルファンタジーXIII-2』の続編で『XIII』から続く「ライトニングサーガ」の完結編。 略称は『LRFF13』など。主人公はライトニングに戻り、プレイアブルキャラも彼女のみ。 『XIII』はストーリー先行のシリーズであったが、本作はそれとは対照的な「ワールドドリブン(常に変動する生きた世界)」をテーマに制作していたことがディレクター・鳥山求によって明かされた。 そのフレーズにたがわず、本作のシステムデザインには現実世界のような流動性が重視されている。 初回購入特典は、『ファイナルファンタジーVII』の主人公、クラウドの衣装をベースにした「ソルジャー1st」の装備一式。 また、購入する店舗ごとに異なるウェアが特典として付いてくる。 2015年12月11日にWin移植版が発売。一部を除くDLCと前作のセーブデータ特典を全て同梱している。 シナリオ 女神の死後、混沌の影響で崩壊しつつある世界で、再び目覚めたライトニング。「終焉に向かう世界で人々の魂を救済し、神の創造する新たな世界に導く」…それが神から彼女に与えられた、<魂の解放者>としての使命である。世界崩壊の猶予は13日。最期の13日に、ライトニングの物語が再び始まる。彼女の眠っていた幾百年の間にかつての仲間は各地でバラバラになってしまい、彼女のそばにいるのはその一人であるホープのみ。混沌の影響で人々は年を取らなくなっているようだが、なぜか彼の姿は少年に戻っていた…。 基本的なゲームの流れ プレイヤーは主人公・ライトニングを操作して舞台となる大陸「ノウス=パルトゥス」を探索。 そこで、各地に存在する人々の最後の願いをクエストとして受注、戦闘や収集探索を用いてそれをこなしていく形を採る。 本作の世界はほぼ完全にオープンフィールドであり、また自身の強化は戦闘による経験値ではなくクエストクリアによる能力値上昇のみ。 本作において戦闘は、主にモンスターのドロップアイテム目当てに行われるものとなっている。 『FF』シリーズというよりは、『ロマンシング サ・ガ』のようなシステムを取っていると言えるだろう。 「ノウス=パルトゥス」は大きく分けて「ルクセリオ」「ユスナーン」「ウィルダネス」「デッド・デューン」の4つの地域から成り立つ。 システム ゲームの流れ・時間経過 本作ではオープンフィールドにしては珍しく、1日による時間制限が課されている。 フィールドでは基本的に常時時間が流れている。メニュー画面や戦闘中やイベント中などでは時間は経過しない。 現実での2.5秒がゲーム内時間での1分に相当し、何もしなければ現実の1時間でゲーム内では24時間経つことになる。 同じ場所でも時間帯が変われば全く違う形相を見せる。このシステムは行動範囲に大きく影響しており、例えばルクセリオにある暗黒街には午前0時~午前6時以内にしか進入不可。効率よくクエストを進めるためには時間経過に注意を払う必要がある。 毎日午前6時になると活動拠点である「箱舟」に強制送還される。強制送還と言っても箱舟の案内役であるホープがしつこいくらいに「帰還の時間が迫ってますよ」と教えてくれるため、完全に忘れていたという事態には陥らないように工夫されている。 クエストクリアで稼いだ「輝力」をささげることで世界の寿命を7日から延ばしていき、最終日である13日目にまで到達させるのがゲーム全体の目標となる。つまりクエストクリアはゲーム進行の必須事項。 ゲーム終了後は、13日目への到達可否にかかわらずライトニングの能力やアイテムなどを引き継いで最初からやり直せる。つまり周回プレイ制でもある。 クエストは大きく分けて「メインクエスト」「サイドクエスト」「祈りのキャンパス」の3種がある。 メインクエスト:ライトニングが居ない幾百年の間に、様々な苦しみを背負うこととなったかつての仲間達を救済していく。 サイドクエスト:フィールド上で出会う民たちの依頼を解決していくサブイベント。 祈りのキャンパス:掲示板に掲載されたアイテムの調達依頼を達成していく。イベントシーンは無く、掲示板にアイテムを持って行くだけでクエストが完了するため、前二つに比べると実に簡素。 GPを消費して、時間の流れを止めるGPアビリティ「クロノスタシス」をいつでも何度でも発動することができる。これによって1日の活動時間を飛躍的に伸ばすことができる。 「現実での75秒=ゲーム内での30分」の時間を止めることができ、その間ライトニングは自由に行動できる。あくまでも「日時の経過」が停止するだけであり、NPCとの交流や買い物や敵との戦闘などは普通に行える。 クロノスタシスで消費した分のGPは、適当な戦闘に勝利すれば割と簡単に回復できる。時間を止めている間に、GPをクロノスタシスでの消費分以上に回復することも可能。 具体的に言うと多くてもザコ敵11体分くらいで1GP、ある程度強めの中型の敵に勝つと2~5GPを一気に取り戻せる。よって敵の多い場所ではクロノスタシスを連発して時間を止め続けながら、ほぼ半永久的に活動することもできる。 ただし難易度ハードでは手に入るGPの量が減るほか、難易度ノーマル以下でもメインクエスト進行には時間進行が必要不可欠なものばかりなので、考えなしに使う訳にはいかない。 戦闘システム 『XIII』系のATBシステムをアクションゲーム寄りにした、ATBの新たな完成形とも言うべきバトルシステムが採用されている。 戦闘メンバーは基本的にライトニング一人であり、操作キャラも彼女で固定。しかしライトニングは「スタイル」という、見た目・装備・アビリティ(コマンド)・能力の異なる形態を3つまで同時にセットでき、3つのスタイルを戦闘中に切り替えながら戦う。 スタイルの切り替えはワンボタンで行える。『X-2』のドレスフィアなどと違って、切り替えは一瞬で終わる。 アビリティはスタイルごとに○△□×ボタンに一つずつ割り当てる形式になり、ワンボタン入力でそれらのアビリティを実行できる。4ボタンx3スタイルで、全12種類までアビリティを組み合わせられる。 行動に必要なATBゲージはスタイル別に存在するが、本作では完全なポイント制になり循環ペースは格段に早くなっている。行動によって消費したゲージは時間経過で回復するが、待機中のスタイルは回復速度が早くなるため、3スタイルをローテーションさせながら戦うのが基本となる。 ガードや回避など敵の攻撃を凌ぐアビリティが充実しており、敵の攻撃を見切って上手くガードや回避を行うことが非常に重要。使いこなせば「悪魔も泣き出しかねないようなスタイリッシュプレイ」も。 とはいえ、上記の様に動こうと思うとアビリティの用意で膨大な作業を要求され、準備だけでも相当苦労する。移動に関しても回避系アビリティ以外は直線的な動きしか行えず、プレイヤーによる任意移動操作はノロノロと歩く事しか出来ない。 そして、これらを乗り越えても現実的にここまで動かせる敵はほんの数体のみ。 + 本作のスタイリッシュな戦闘シーン チェーン・ブレイクに代わる「ノックアウト」システム。 おおまかには従来のブレイクと似たシステム。一定条件により敵をノックアウトさせれば大ダメージを与えられるようになる。 チェーン・ブレイクはパーセンテージ表記やゲージにより、いつブレイクできるかが明確だったが、今回はダメージを与えた時の敵のHPバーの波立ち「ノックアウトウェーブ」の色や大きさで判断するようになり、若干だが難解さが増した。 ノックアウトするための条件は敵によって様々な条件が設定されている。序盤は敵を普通に攻撃するだけでもいいが、大抵は弱点を突くことでノックアウトウェーブが大きく揺れてノックアウトしやすくなる。他にも相手の攻撃の後隙や弱点となる魔法でノックアウトしやすかったり、あるいは敵の特定の攻撃を上手くガードするだけでノックアウトできる敵もいる。 ジャストタイミングという上級者向けテクニックがある。 攻撃時にタイミング良く攻撃ボタンを押すと、次に出す攻撃の威力が上がる。 敵の攻撃を受ける直前にガードを行うと、ガードによるダメージ軽減効果が大きくなり、その攻撃をほぼノーダメージにできる。 ジャストアタックに関してはそこまで劇的な変化は無いが、ジャストガードは話が別で、これが出来るかどうかで大幅に戦闘難易度が変化する。 GPという貴重な数値を消費することで様々な「GPアビリティ」が使用可能。これまでの「TPアビリティ」に相当する要素。 基本となるGPアビリティ「オーバークロック」は、L2ボタン一発で即発動できる。 オーバークロック発動中はライトニング以外の動きが非常にスローモーションになり、しばらくの間、一方的に攻撃を叩き込める。 確実にノックアウトさせたい時や、ノックアウト中のダメージ効率を上げたい時に使うのが主な用途。オーバークロックの残り時間はアビリティで消費されるが、終了後に全スタイルのATBが全回復するので、全スタイルのAPを使い切った時に発動するのがおすすめ。 ストーリーが進むと、GPの最大値が増えたり、オーバークロック中にライトニングの代名詞とも言える必殺技「シーンドライブ」を発動することもできるようになる。 GPは主に戦闘勝利で少しずつ回復していく他、エーテル類のアイテムでも回復できる。エーテル類はレアアイテムなので慎重に用いる必要あり。 防御コマンドが強力な分、本作ではHPの回復が非常に限られている。これまでの傾向に加え戦闘だけではステータスが成長しにくいことと合わせ、迂闊に防御を誤れば死につながるシーンが比較的多めである。 回復アイテムは一度に所有できる数も6個までと限られており、使いどころは非常に重要。最終的にはクエストの解決数とプレイヤースキルがものを言うだろう。 各地の宿屋や飲食店、GPアビリティの「リレイズ」や「ケアルガ」などでHPを回復することもできるが、やはり多用はできない。 ポジショニング 左スティックで、低速ながら360度に移動が可能。近接攻撃系アビリティは自動的に敵に接近して攻撃を行い、一方で近距離で魔法を使おうとすると後方に素早くバックステップする。その他、素早く移動を行えるアビリティもある。 敵の背後から攻撃すると効果がアップしたり、敵によってはノックアウトしやすくなる場合もある。また、敵によっては複数の部位が存在し、その部位の方向から攻撃することで部位のダメージやさらなるノックアウトを狙うことも。 魔法攻撃で敵から離れておくことで、その敵の攻撃に余裕をもって対処(ガード)しやすくなったり、打撃の溜め攻撃などを安全に溜められる。 これらの戦闘システムは『ラストランカー』のシステムをより発展させたものだと評価できるだろう。 カスタマイズ ウェア 装備品やアビリティをセットできる服装。アビリティは、ウェアごとに最大4種まで組み合わせることが可能。 ウェアによって、外見以外にも様々な性能差がある。 ATBの最大値・初期値・回復速度、HP最大値、物理・魔法攻撃力、物理・魔法耐性、状態耐性など。 多くのウェアには、何らかのボタン(○△□×)にアビリティが固定でセットされている。この固定アビリティは外せないが、どのボタンにセットするかを入れ替えることはできる。 ウェアの種類は多岐にわたり、ビジュアル重視でも実用性重視でも自分らしいカスタマイズが可能。 お馴染みの「黒魔導士」や従来のジョブにアレンジの加わった「フェイタルモンク」、初期ウェアにしては時代の先を行き過ぎている「アンビバレンス」など、計60種ほど。 ライトニングと言うキャラ自体、男女で様々な要因により支持されるキャラだが、スーツのマニッシュなものからビキニ同然のエロティックなものまで様々なウェアを用意することで応えている。 ウェアに関しては前作にもあったデコレーションのほか、幾つかの部位の色を弄って遊ぶことが出来る。タイツの色を肌色にして、生足風に見せることも。 『XIII』『XIII-2』の衣装もそれぞれのセーブデータがあれば利用可能。その他、『VII』『X/X-2』『XIV 新生エオルゼア』とのコラボレーションウェアも。 これらのコラボウェアは専用アビリティも特徴的で非常に強力。一方過去作の衣装は専用アビリティ無しという、使いやすくもあり玄人向けでもあるステータスを持つ。 作成したスタイル(ウェア構成)は、「スタイルコレクション」という予備のスタイル保存枠に最大6パターンまで保存しておくことができる。 アビリティ 従来まではアタッカー、ブラスターなどのロールごとに分かれていたアビリティも、自由に同じウェアに組み込める。 ただし今作では、「ブレイブ」「プロテス」などの自己強化系魔法はアビリティとしては登場しない。特定のウェアで一定条件により発動するオートアビリティや、特定のアイテムで強化状態になることはできる。 アビリティ自体に「攻撃力アップ+100」などの付属効果(オートアビリティ)が備わっていることもある。 アビリティは同種のものを「合成」することで強化でき、主に攻撃力倍率の上昇・ATBコストの減少が行える。 合成によって、そのアビリティに新たなオートアビリティを付加することもできる。 装備 装備品は「武器」「盾(防具)」「頭アクセサリ」「腕アクセサリ」「デコレーション」の5つのカテゴリーに分けられる。 武器は剣だけではなく、槍・双剣・杖・刀・短剣といった種類があり、それぞれ全く違った操作感覚を与えてくれる。 本作では「盾」を装備することができる。この装備は主にガード成功時の攻撃軽減率やHP最大値に影響する。 盾には籠手も含まれる。防御方面になかなか強化が出来なかった『XIII』シリーズにおいて、うれしい進歩である。 デコレーションはライトニングの外見に反映される装飾品で、戦闘には全く影響を及ぼさない。 2周目以降は、武器防具自体の強化を行うことが可能になる。強化を積極的にすれば、序盤で安価で購入した装備を周回しても第一線で愛用できる。 同種の武器防具は下位互換であっても強化を続ければ最終パラメータがほぼ同じになり、最終的にライトニングのステータスがカンストすると武器の攻撃数値はどうでもよくなる。 要は金を取るか手間を取るかという話である。 オンライン要素「アウトワールド」 前作にも進行状況をFacebookで投稿できる機能が備わっていたが、今作の「アウトワールド」では自分のゲームの進行状況の他にも、バトルスコア、スナップショットをオンラインで他のプレイヤーに公開することが出来る。 この機能をオンにしていると、世界各地にアウトワールドを使用する他のプレイヤーがモブとして出現、スナップショット等を見て楽しむことが出来る。 また、アウトワールドのキャラクターには「おみやげ」を持たせることが出来る。これによりレアアイテムの拡散もされており、ゲーム攻略にも大いに貢献するようなシステムに発展を遂げた。 Facebookでは更に「召喚」と言うシステムがあり、アウトワールドのキャラクターを探して呼び出すことが出来る。 ソーシャルゲームにも類似の要素があるが、このシステムの場合無理に他のプレイヤーとコミュニケーションをとる必要はない。人気の要素を保守層の多いコンシューマーゲームに上手く落とし込むことが出来ている好例の一つといえる。 その他システム 難易度はEASY、NORMAL、HARD(2周目以降で選択可能)の3種。 ゲーム途中での変更は不可能だが、次周の開始時に難易度を変更できる。装備などの周回引き継ぎ要素も、難易度に関係なく次の周回に引き継げる。 EASYのみこれまでの『XIII』シリーズと同じくHPがフィールド上でも自然回復するが、それ以外の難易度では各地で食事をするか、ポーションなどで自発的に回復が必要。バトルエスケープにもNORMAL以上では1時間経過のペナルティが付くなど、慎重な行動が要求される。 端末ひとつで済まされていたショッピングに関しては、鍛冶屋、武器屋など多くの店に細分化。食事についても各地の店で行う。 単純に利便性は下がっているが、RPGにおけるゲームデザインとしてはNPCも含めた生活感の演出にもなっており、またなじみ深い形でもあるため、やはりこのような従来型のほうが良いと思う者は多く、利便性が下がった事に関する不満等が大きく上がる事は無かった。 今回登場するモンスターのほとんどには、世界設定の関係によりその種族の生存数という形で出現数が制限されており、その種族が残り1体になると非常に強い個体「ラストワン」として出現する。ラストワンを倒せばそのモンスターは絶滅したことになり、以降は次の周回まで出現しなくなる。 ラストワンには名前の後ろに「Ω」が付き、まがまがしい紫色のオーラのようなものがまとわりついている。 ラストワンを倒すと、通常の個体とは異なるアイテムを落とす。 条件を満たせば、ラストワンしか登場しない隠しダンジョンに侵入することも出来る。 評価点 シナリオはおおむね好評。 ビターエンドで終わった前作とは一方的に、物語の黒幕と真っ向から対峙し、未来を勝ち取るとても真っ直ぐなストーリーになっている。 ノエルやスノウなど、かつての仲間を救済していく各地のメインクエストのシナリオに好評の声が多い。 そしてなによりも、今までほとんど描かれなかったライトニングの心情がシナリオのメインテーマとして掲げられている。それを軸に、ベースとなる「ファブラ ノヴァ クリスタリス」の神話についてもグランドフィナーレを見せてくれる。 戦闘の歯ごたえが抜群。 各ボタンを使うだけでアビリティを放てるシンプルなシステムながら、カスタマイズによって無数の戦法が取れるようなゲームシステムになっている。 難易度が上がるほど、ガードなどで「敵の攻撃をいかに凌ぐか」が非常に重要になるシビアなバランスとなっている。 その一方で弱点を突いてしまえば一瞬で片が付くバトルもあったりと、無双の快感を味わうことも出来る。 もともとFFシリーズ中でも手強い戦闘が特徴だった『XIII』シリーズ屈指の強さを誇る隠しボスがいる。2周目以降一定の条件下で戦えるラスボス強化版がそれで、延々と続くBGMもあって絶望的な気持ちにさせられた者も。 発売後数か月は公式が積極的にボスのタイムアタックイベントを行っており、各プレイヤーが競うようにタイムを更新したり、動画をアップロードしていた。 一度倒したボスとラストワンは、同一の難易度内であれば箱舟にていつでも再戦可能。 サウンド面も健在。 メインコンポーザーは『XIII-2』より続投の水田・浜渦・鈴木氏。 先行公開された3曲を筆頭に、水田・浜渦両氏が共同制作した戦闘曲「ハイボルテージ」や13分にもわたる壮大なメドレーである「至高神ブーニベルゼ」など、聴き応えのある新曲が揃っている。 前作・前前作からの続投曲も多いが、ポップだった前作、透明で幻想的だった前々作に比べ本作の新曲はダークで陰鬱な印象を受けるものが多い。シーンごとに全く違った印象を与えてくれる。 新曲には「ライトニングのテーマ」もとい「閃光」の旋律が盛り込まれていることが多く、同一の旋律が楽器や曲調を大きく変えて登場することが多い。ライトニングの最後の冒険であることは、音楽面からも強調されている。 独特なビジュアルエンジンによる、魅力的な背景描写が探索意欲を掻き立ててくれる。 「光都ルクセリオ」の昼と夜で見せる光と影のコントラストは見事なもの。ただ拘り過ぎておりゲームとしては慣れるまで若干見づらい部分も。 エンディングムービーの画質は度肝を抜かれるレベル。洋ゲー大作にも全く劣らない美しさであり、スクエニのビジュアルチームの本領発揮と言えるだろう。 問題点 キャラクター・シナリオ面 ライトニングの扱いが本来のキャラと異なる場合がある ギャグのようなシーンも増えた今作であったが、代表的なものだとあるサイドクエストでライトニングが言わされることになる「食べちゃうにゃん」には「流石にあからさますぎ」などと賛否両論。 インタビューでの様々な発言からかディレクターの都合でライトニングが自由勝手に弄繰り回されているという印象を持つ者も多く、ディレクター本位の方向性に抵抗を示す声も少なくない。 ウェアやデコレーションによるライトニングのコスプレ要素 ウェアの中には奇抜なデザインのものが多く、この格好で街中を走り回ったりダンジョンを潜ったりするライトニングはかなり異様な姿に見える。基本ウェアである「アンビバレンス」ですら布面積の方が少なく、この例に漏れない。 デコレーションも、大半のものは獣耳や尻尾や翼を付けたり肩に人形を載っけたり、いつものライトニングなら絶対に被らないような帽子を被ったりといったネタ的なものであり、普通に「ライトニングらしい」デコレーションというのはあまりない。ライトニングはスクエニの玩具とまで言われる始末。 ただしドレス姿のウェア「クレセントムーン」系のデザインは割と好評。ストーリーの展開上これを着る必要があり、ウェアの着替え要素が活かされているポイントだろう。 ライトニング以外のキャラクターに関しても違和感の残るキャラがいる。 一例としては「ねえちゃん」と気軽な呼び方をしていたサッズが、『XIII』でも言った事がない「ライトニング」という呼び名を使う。 これら以外にも妙にキャラクターの設定そのものが変わってしまっているような節がある。「長い年月がたった」というゲームの設定上そうなったと言えばそれまでだが。 良くも悪くもライトニングの物語 全てのシナリオはライトニング側の目線で送られるため、サブキャラ達の行動に至る経緯などの描写は不足しがち。この点は「誰にも感情移入できない」とばっさり切り捨てられることも。 他の戦闘メンバーも存在しないため、この点も評価が分かれる。 シナリオも一つ一つで見れば評価出来る部分も多いが、『XIII』シリーズ通してみると穴や矛盾が多く、完成しているとは言い難い。 システム面 アビリティのバランス アビリティの入手格差 属性攻撃系アビリティのうち、「サンダラ」「サンダガ」はドロップする敵がたった2種しかおらず、「アイスブラスト」に至ってはラストダンジョンにいる1種の敵しかドロップしない。 しかも前者の2種のモンスターは絶滅カウントを共有しており、その上2体以上で出てくるので、あっという間にラストワンまで狩っていた…という事もよく起こる。 後者はこの時期になるとさほど戦力にならないアビリティであり、強化も不十分なまま次周に持ち越す、と言う状態。ドロップする敵が1種のレアアビリティかつ指折りの性能を持つ「エレメト」「エレメラ」とほぼ同じ境遇にあるというのにあんまりである。 使い勝手が良すぎる中級魔法と、使い辛い下級・上級魔法 中級魔法のラ系は下級・上級魔法に比べて、入手性の良さ、コストパフォーマンスに優れる万能な性能で、どんな場面にも対応出来るため、非常に使い勝手が良い。 それに対して上級魔法のガ系は ・高威力・広範囲ではあるが、連発出来ないことも考慮すると総合的にはさほど高威力なわけではない上、敵が3体以上の複数で出現する場面がそこまで多くないので、ラ系魔法よりそこまで優れているわけではない。 ・ATBコストが大きすぎることと、ノックアウトタイムがゼロなことから、この魔法だけではノックアウトは狙いにくい。 ・従来の『XIII』シリーズのように使用中はカメラがズームするのだが、アクション性の高い今作の戦闘では、視界が悪くなるこの演出は余計に感じることもある。 ・そもそも中級魔法に比べて入手性が良くない。 上記の様に扱いにくい要素が多い。 また、下級魔法は単純に「弱すぎて使い道が無い」状態で、本当に最序盤でしか使い道が無い。 以上により多くのプレイヤーは中級魔法を好む傾向にある。 実際、どうしても上級魔法が必要と言う場面も無く、レベルの高い中級魔法が装着されたウェアが入手しやすい(一つはシナリオ上必ず入手する)こともあって、今作では上級魔法はかなり影が薄くなっている。 一応、上級魔法には打ち上げ効果やカット値の高さ、一発の大ダメージ等、使いようによっては有利な展開を作れるだけの性能はあるので全く使えないというわけでは無く、汎用性に欠けているのが難点。 13シリーズ前2作ではチェーンゲージ等の仕様から下級魔法も出番はあったのだが、今作では完全に死に体になってしまった。 カメラワークの悪さ フィールド、戦闘共にカメラワークが悪い。 通路や建物、上下移動でカメラが意図せず見下ろし視点になったり物凄く近くなったり、壁が近くになると勝手にグルグル回ったりととにかく不便。 戦闘中も動き回るライトニングに対して、カメラの動きが遅く全く動きについていけていない。 戦闘中の移動は敵を基準にアナログパッドの入力で上下左右が決まるので、慣れるまでは戦闘中にアビリティで左右に動くだけでも苦労する。 一日の時間制限には否定的な声もあり、縛りに囚われず自由に冒険がしたいという層からはやはり不評。 時間が要らない、と言われる主な理由の1つは「クロノスタシス発動のためにいちいちメニューを開く必要がある」こと。効果時間も現実時間では一分程しかないので、一分ごとにメニューを開いて……を延々繰り返す事を考えてみればその手間がわかるだろう。 もう1つは「時間的猶予がかなりあり、時間という概念がそもそも進行を阻害する要素になっている」こと。 「クロノスタシス」をちゃんと活用していけば、余程無駄な時間の使い方でもしない限り、かなりの時間的猶予があるゲームバランスになっているため、時間自体があまり意味を成していない。意図的に時間を止めずにプレイしていても8日目辺りにはやる事が無くなる程。 加えて、時間制限のあるクエストがメインにも幾つか、サイドクエストでは数多くあるため、二度手間になりやすい。2周目以降は効率のいいもの以外スルーされる原因にもなってしまっている。 これなら時間を無くしてプレイヤーに進行を一任した方が快適だっただろう。 オーバークロックが強すぎる このアビリティは一定時間「ライトニング以外の敵味方全ての動作が遅くなる、ATB消費無し、攻撃モーション高速化、ウェアのATBゲージ全回復」という能力なのだが、これがとにかく強力無比。 GP消費がたったの2、使用制限が無いので連発可、使用する事でウェアのATBを全回復出来るため、GPが切れるまでは一方的な攻撃をし続ける事が可能。 敵をノックアウトし、弱体漬けにしてから発動すればもう勝ちは確定したようなもの。 GPは最大で9にもなるため、コレを連発すれば例え最高難易度だろうが強化ボスだろうが無傷で全て葬り去る事が出来てしまう。 オマケにボス系統を倒すとGPは固定で5回復するので、2回までは実質消費コスト無し。 更に、ゲージがほんの少しでも残っていればシーンドライブを発動出来てしまうため、ギリギリまで使って最後にシーンドライブ、と放つことで更にお手軽高火力になる。 このゲームが簡単、難しいの意見で分かれる最大の理由がコレ。分かってさえいればサンドバッグを殴るのと変わらない。 使わなければいい話ではあるが、せっかくのゲームのシステムを使わなければいい、で済ませてしまうのは勿体ない事もあり、性能を抑えるべきだったという点は否めない。 ウェア切り替えバグとスコアランキングでの公式の対応の悪さ 本来であれば発動不可能なアビリティを発動させたり、威力を異常な上乗せをする事が出来るバグ。 分かりやすいのは密林の狩人のアルテミスピアスで、このウェアは本来開始時ATB0なため、最初からアルテミスピアスを使う事は不可能。 しかし、他のウェアで強斬りを使った後に、このウェアに変更する事でATBが無くてもアルテミスピアスを発動できてしまう。 また、アビリティが持つ状態異常時にダメージアップの特殊効果がある。 本来、ステータスアップ系を除いてそのアビリティのみに発揮される物なのだが、別のアビリティにも効果を上乗せ出来てしまう事実が発覚。 非常に簡単な操作でありながら、本来ならあり得ない威力を出す事が出来るこのバグは、異常〇〇と呼ばれ、上記アルテミスピアスにこの上乗せバグを乗せたものは異常ピアス、と呼ばれ、猛威を振るった。 普通にプレイする際にはメリットでしかないが、ゲームバランスの著しい崩壊に繋がるため、利用はオススメ出来ない。現在の動画では後述する理由もあり、テクニックとして通されているが、れっきとしたバグ。 過去に行われていたスコアランキングでは、上位100位に入る事で、特定のプレゼントがあったのだが、このバグを利用したスコアで上位1~100位全てが同率一位という異常事態になった。 これらのスコアは正攻法では絶対に勝てないスコアだったため、ランキングは「いち早くバグを利用したプレイヤーリスト」と化し、ランキングの意味をなさなくなり、多くのプレイヤーから批判の声が上がった。 しかし、その声に対しての運営のとった態度は「やったもの勝ち」であった。 結果的に公式がバグを認めた形となり、普通にプレイしていたプレイヤーだけが割を食う形になってしまった。 悪化したエンカウントシステム 前作同様、今作も敵シンボルがランダムに湧く、というシステムなのだが前作の問題点を引き継いだ上に更に面倒な点が増えてしまっている。 こちらに気付き、追いかけてくる状態だとNPCと会話が出来なくなるのだが、コレがイベントキャラクターだろうとお構いなし。 敵はそこらで湧く上にこちらに気付くのが早く、また追尾速度が速く、追尾してくる距離も異常に長く設定されているため、相変わらず強制戦闘の様なパターンが多い。 また、前作同様に敵が目の前に湧き、湧いたと同時にこちらへ先制攻撃をしてくるという理不尽極まりないシステムも相変わらず。グラフィックすら表示されていないのに攻撃してくる事がおかしいと思わなったのだろうか? 今作では先制されるとHPが5%減る事に加え、戦いたくなかったとしてもエスケープを行えば1時間強制経過、と前作以上にストレス仕様になっている。 敵シンボルを避けようにも、ダッシュにはスタミナ制限があるので無制限に走り続ける事も出来ず、敵の攻撃範囲が異様に広くされておりジャンプして空中に居ようが当然の様に当たるため、回避もかなり手間がかかる。 中には見た目と判定が一致していない攻撃もあり、見るからに当たっていないのに戦闘になる敵も居る。 今作は敵がいれば倒せばいい、というわけにもいかないシステムにもかかわらず、敵との戦闘が避け辛いのは面倒極まりない。 絶滅システムと日数変化システム 今作では、殆どの敵に限りある生息数が設定されており、その生息数を全て倒すと絶滅、文字通り出現しなくなる。 これ自体は新しい命が生まれない死んでいく世界、というゲームの設定にあっているのだが、肝心のゲーム部分として見ると欠点がある。 今作は日数によって、敵のドロップアイテムやアビリティ、アビリティのレベルが変化し、敵によって一度に出て来る出現数がアップするのだが、これが非常に厄介。 日数によって変化していくにもかかわらず、敵が一度に出現する数が増える=一度の戦闘で倒す数が増える=絶滅が早くなる、という結果になるため、事実上の戦闘回数がどんどん減ってしまい、日にち後半でしか手に入らないアイテムなのに、後半になる程アイテムを手に入れるチャンスが減る、という状況になってしまう事が多々ある。 難易度HARDを利用すれば、最初から全てのドロップが解禁されているが、今度はドロップするアビリティの下限レベルが上がってしまい、低レベルのアビリティが集められなくなるという欠点があり、これがアビリティの合成で足を引っ張る。 結果的に、2周目以降に解禁される贖罪のクリスタルを使用して、難易度をいったりきたりしながらひたすら同じ事を繰り返す作業になってしまう。 スタイルコレクション機能が使いづらすぎる。 「複数のスタイルに、個数が限られている同じウェア・装備・アビリティを設定することができない」という、不便な仕様になっている。 このせいで、「同じウェアでもアビリティだけが違う構成」や「装備やアビリティはほぼ同じでウェアだけが違う構成」などを複数作っておいて、状況に応じてこれらのスタイルを交換するといったことができない。 これら複数のスタイルは、あくまでもメニュー内で同時に管理しているだけであり、複数スタイルを同時に戦闘に用いるわけではないので、個数限定のウェアや装備などが被っていても問題はないはずなのに。 結果として、スタイルコレクションを利用せず、戦闘に使う3つのスタイルを状況に応じて毎回手動で変更することになりやすい。 周回前提だが、周回要素が噛み合わないゲームデザイン 周回を前提として作られているゲームなので、ある程度の周回は当然あるが、周回の必要があるのか? と思う点に周回要素がつけられている反面で逆に周回ゲームとしては物足りなかったりする点が多々ある。 降魔の書と呼ばれる、これまでに戦ったボスやラストワンと何度でも再戦出来るというシステムがあるのだが、これはそれぞれの難易度で一度倒さなければその難易度内では挑戦できない。 そのため、全てのボスと全ての難易度で戦いたいと思うなら「難易度別に3回の合計9周」もの回数、同じ内容を行う必要がある。 一度倒さなければ挑戦出来ないのはわかるが、難易度別に倒す必要はあったのだろうか? 一方クエストはサイドクエストだけでも148個とかなりの量はあるが、それでも1周でほぼ全て、最短で2周あれば全て達成出来てしまい、また変化もないので2周目以降はスキップ連打になる。 周回前提であるならば、周回による変化などの要素が欲しかったところ。 13日目のボス戦での撤退後や、2周目以降では周回のやり直しが出来る「贖罪のクリスタル」が出現するため、ある程度手間の緩和にはなっている。 根本的な問題点として、周回といっても結局「日数による微細な強さの違い」程度しかないため、変化らしい変化が無く、ただの消化作業になってしまう。 難易度NORMALの存在価値がほとんど無い。 難易度NORMALは、他難易度と違って、利点が薄く選ぶ理由が無い。 難易度EASYであればGP回復量が多い、消費量が少ない等、アビリティやアイテム集め等をやり込む上での作業効率が良い。 難易度HARDであれば敵が全てのアイテムをドロップするようになるなどの恩恵があり、敵も相当に強くなるのでやり応えもある。 難易度NORMALにはこういった物が一つも無く、EASYとの差は少し難しくなった程度の差しかない。 2周目以降ともなるとライトニングの成長によって、その僅かな差すら無くなる。 そのため、1周目こそNORMALで楽しむ事は出来ても2周目以降は、EASYかHARDがあればゲームとして片付くため、この難易度自体が必要無くなってしまう。 周回を前提としたゲームバランスであれば、もう少し難易度ごとに差異が欲しかった所。 総評 せっかくのオープンワールド制ゲームでありながら、時間制限付きという事で前評判はよくなかったが、実際にプレイされる様になると、遊び応えのあるバトルや、これまでのシリーズには無かったRPG要素の大幅増加等から、前評判とは裏腹に好評の声が上がる結果となった。 TVCMで謳われた「FFの新たな挑戦」は、調整不足や不満こそ残る形にはなったが、概ね成功したと言える形に収まっただろう。 余談 DLCスタイルの一つ「ミッドガルの花売り」は、本来はVジャンプブックスの攻略本の購入特典コードでしか入手できないはずだったが、スクエニ側の手違いにより、普通に有料DLCとして購入できてしまっていた時期があった。現在はコードの有効期限も切れているので、このスタイルは入手不可能となっている。 PC版はほぼ全てのDLCが同梱されているのだが、このスタイルに関しては上記の問題もあってか同梱されておらず、今後の配信予定も無い。 タイトル発表時にディレクターの鳥山氏が行ったプレゼンテーションは、本作を語る際に悪い意味で話題に上ることが多い。 詳しくは割愛するが、本作のゲームデザインなどについて説明をしたものではなく、言ってしまえば「ライトニング」について語った内容となっている。知りたい者は動画などを探してみると良い。
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ASINが有効ではありません。 名称:FINAL FANTASY Versus XIII(ファイナルファンタジー ヴェルサス XIII) 発売元:スクウェア・エニックス プレイ人数:1人 機種:PlayStation3 発売日:未定 ジャンル:RPG 価格:未定 ※左は北米版(日本版が無かったのでw) 公式ホームページへ 基本情報は上記公式ホームページへお進み下さい。
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ファンタジー 概要 名古屋市営地下鉄鶴舞線上り(上小田井駅方面)で列車の接近を知らせるために使用されているメロディサインの曲名。
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476 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2008/02/20(水) 23 03 11 「感じるのです……。元の世界では欠片も感じられなかったというのに、この幻想世界では我がマスターの息吹が伝わってくるのです! 忘れよう筈がない。契約の経路を通じ流れてくる、マスター……シロウの生命の息吹が!」 一旦言葉を切り、ゆっくりと目を瞑る。すると意識せずとも頭に巡る、少年と過ごした幾星霜。 誰も寄せ付けず秘め続けた私の心に無遠慮に入ってきた初めての人。主従の関係を超えた、私の大切な人……。 「アーチャー、貴方には本当に申し訳なく思います。ですが、ようやく主の手掛かりを掴んだというのに、このまま易々と引き揚げる訳にはいかない。この魔物達が跋扈する世界……。恐らくシロウも只ならぬ苦行に苛まれていることでしょう。そんな彼をそのまま捨て置くなど、私には到底できない相談です」 弓兵は話に割り込むことも、相槌を打つこともせず、ただ黙々と私の語る口上に耳を傾けていた。そして言い終わると同時に万感の想いを込めた深い溜息を吐き出す。 ……他の誰でもない。この私自身を探しに遥か異世界の彼方までやって来たのだ。ましてや私の探し人と同じ人間という、決定的な矛盾。 彼がこれまでに費やした労力。徒労。二者択一に弾かれた男の哀愁。救いに伸ばした手を無碍にも切り捨てられたこの哀れな弓兵のことを思えば、胸に空いた穴以上の痛みが自身の胸中を駈け抜けた。 「……そうか」 「すみません……」 再度男の口から吐き出された重い吐息が、怯えた胸を締め付ける。 彼は……いったい今何を考え、何を思っているのだろう……。 横目でそれとなく顔色を窺うも、ランプの微光から生じる影が顔の半分ほどを覆い、深い皺を予想させる溝が浮き彫りとなっていた。極度の緊張に、弱り果てた心臓がドクンと高鳴る。 「――――妬けるな」 「え?」 「妬けると言ったんだ! ったく、俺自身のことだというのにな。俺が俺に負けるだなんて、世界中探しても俺くらいなもんだよ」 「す、すみません」 「いいさ、もう。かつての栄光だったモテ期も、歳を経れば無残な過去の遺物ということだ。……その代わり、私もここに留まらせてもらうぞ。鞘役は生憎と奴に取られてしまったが、私にはとっておきの盾があるのでね。小僧以上に役立つことは保障しよう」 シロウ……。 アーチャーは常時の彼らしい気障な笑みを口元に浮かべ、ふっと鼻を鳴らす。その様は現在の少年にはない、積み上げてきた経験に裏打ちされた自信と、隠しようのない長き苦労の顕れが宿されていた。 ふと、そんな彼を眺めていると、何でもなしに涙が浮かんでくる。 「ありがとう……アーチャー……」 「止せよ……。散々、迷惑ばっかりかけちまったからな……」 俯く私に、そっと肩を叩くアーチャー。 久方ぶりとなる優しい時間が流れていき安らかさすら覚え始めていた頃合い、安寧に築かれたひと時は突拍子もなく対面の扉が開くことで泡沫に消え去った。次いで部屋内に溢れる眩い光と、床に伸びる足長の影絵。 慌てて涙を拭い視線を突然の侵入者へと向けるも、そこには見知った少女の姿。 アフマウ――。 横目で弓兵の姿を確認するも、事情を察したアーチャーは既に霊体化し、そこに居た形跡は欠片も残さない。――不自然にも二つ存在するティーカップ、そして不自然にも瓦解した壁以外は。 「あっ、ごめんなさい。着替え中だったのね。てっきり眠っているとばかり……」 「……え? あ、ああ、そうですね。はい、たくさん汗をかいたもので」 指摘されてから、自分がアーチャーに剥かされ上を着ていないことに思い至る。 良かった……。この天然気味の少女は気付いていないようだ。 だが安堵し胸を撫で下ろすのも束の間のこと。少女の足元から二体の紅白人形が這い出て、目敏く部屋の異変を嗅ぎ取った。 「ちょっと待て。何だ? この崩れた壁は……」 「二つノティーカップモ不自然極まリナイナ!」 「ああっ! そ、それは私の寝相が悪かったのです! ティーカップを一つ余計に持ってきたのは寝ぼけていたのでして。ええ、ええ、そうなんですよ!」 苦しい言い訳に対し少女は不思議そうに首を傾げ、冷や汗を流す私を見やる。 やはり後付けとしては苦しいか……。姿を消した弓兵の溜息が、気のせいか聞こえてくる気がした。 「ふーん、そうなんだ。じゃあ寝ぼけたセイバーの隣に寝るのはちょっと危険ってことだね。気をつけないと」 「…………」 「…………」 「…………」 空白。一瞬の間。 部屋を満たす異質な空気にまるで気付かないまま、素直な少女は先を続けた。 「それよりセイバー! 傷は大丈夫? 何でもトロールが飼っている猛獣に深手を負わされたって聞いたけど……。メネジン、出して出して」 「あ、ああ。そら、ポーションとエーテルの差し入れだ……」 細い針金と見紛うかのような腕が、小さな香水のような瓶を二つテーブルに置く。ガラス製の容器を満たす中身は、何やら青く澄んだ液体と黄緑色の液体のようだが……。 「ね、今からマウと温泉入りに行こうよ。汗かいているのでしょ? 近くにあるのだけど、湯治の意味も兼ねて。アヴゼンの回復魔法と併用させたら、きっと傷なんてすぐに治っちゃうんだから」 「えっ? あ、はい。温泉ですか……。ありがたくお供させていただきましょう」 後ろを振り向けば、弓兵の苦笑する気配が伝わってきた。 思考を一巡させてから改めて透明な彼の方へと首を向ける。アーチャーには悪いが一足先に骨休めをさせて貰おう。 (一応言っておきますけど、覗くと本気で怒りますよ?) (……失敬な。早く行きたまえ) ――Interlude out. Ⅰ:狩人の試練② Ⅱ:ウィンダスでのゴタゴタ 投票結果 Ⅰ:2 Ⅱ:5
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549 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2008/02/24(日) 23 31 17 「……俺に黙秘権は、ない、よなぁ……」 「…………」 少女はそれに答えず、ただじっと頑なに磨かれた視線でこちらの双眸を貫き、おどけてやり過ごそうと目論む俺を遥か最果てに突き落とす。 何故彼女は、親しい間柄とはいえ所詮は赤の他人でしかない俺にここまでの執着を見せるのだろう。 ……わからない。 いつも生真面目で、それ故に全幅の信頼を預けている彼女なだけに、今俺達の間を漂う重苦しい“何か”が神経質なまでに苛立たしい。出来ることならば、閉ざした口をそのままに、不明の問いに対して丸めた背中を向けてやり過ごしたい気分で満々だ。 だが、一方で短い付き合いながらも莫耶の秘めたる誠意を熟知しているからこそ、彼女の問いかけには真正面から臨むしか道がないというのも解っていた。 「気になるんだ……」 「……と言うと?」 「カレンのことが。別に今までだって風変わりな奴だなって思っていたんだけど……。何ていうのかな、バストゥークで昏睡しているカレンを見た時、ああ、彼女を離してはならない、ってはっきり感じたんだ。だからここが危険な場所だと理解していても、連れて行くしかなかった」 「…………」 「ヘン、だよな。でも離れたくないんだよ、コイツと。こんなの、俺の我侭に過ぎないってのに……そのせいで、また酷い目に遭わせちまったってのに……でも、また手放してしまったら、今度こそ決定的な亀裂が俺達の間に走っちまいそうで……。はは、信じられないくらい、エゴだよな」 「……そうか」 本当に、身勝手な我侭だ。 俺の形振り構わぬエゴイズムが、彼女を壊す。もう既に壊れかけの彼女に、最後の鉄槌を下してしまう。 思うな。 幾人ものシアワセを握り潰してきた俺が、人並みの幸福、喜びを手に入れられると思うな。 この出来損ないの衛宮士郎は、その生涯を贖い/救いに宛てることでしか存在を許されない。己の罪深さを忘れて償い以外の生き方に価値を見出すなど、“許されることではない”。 その証拠に――――見ろ。 思いがけない答えを投げかけられた莫耶は素っ頓狂な顔で俺を見据えて……。 「――素敵、だな」 見据えて…………って、あれ? 「莫耶?」 「いや……。 おめでとう、シロウ。それはとても貴い感情だ。……ここでは人間と獣人が常に殺しあうのが常の世界。ときには辛いことだってあるだろうし、泣きたくなることもあるだろう。でも2人ならば……1人では耐えられないことも分かち合える。手を差し伸べあって乗り越えることもできる。嬉しいことなら2倍だ。そして、カレンは貴方の隣に立てるかもしれない人……。 ひたすらに広い世界で出会えるか否かの天文学的数字の中、貴方は彼女を見つけることができた。だから、おめでとう」 「お、う……」 「胸を張って。彼女を守れるのは貴方だけだ。大切な人と一緒に居れば、喩え薄暗い墓地であろうと色鮮やかな花畑に変わる。そして、それはけして身勝手なエゴじゃない。 重要なのは、夢心地の中で如何に喜びを体現できるかということ……。私はシロウのことを全て知っている訳ではない。だけど、上手くは言えないけど、負い目だけは感じないで。それだけは、絶対にしちゃ駄目だ」 「…………」 彼女なりの、エール、なのだろうか。 拙いながらも、一つ一つ慎重に言葉を選び悪戦苦闘しながら語る様は、本人ならずともどれだけ懸命に口を動かしているのか切実なほど理解できた。 しかし、負い目のない生き方だなんて、果たしてこの俺に在るのだろうか……? 正義の味方として身を費やす以外の道が、在るのだろうか……? いくら真理の探究に没頭しようとも、泥沼の如く汚泥にぬかるんだ頭では、明瞭な答えなぞ得られない。 「……そろそろ行こう。流石にこれ以上一定の場所に留まり続けるのは危険だ」 「そう、だな……」 眠りこけるカレンを負ぶさり、再び探し人の探索を開始する。 先導する莫耶に連れ添う形で歩いて行くも、どうしてか急に、寝ている筈の彼女の体温が熱いくらいに上昇しだす。背中越しに伝わる熱さが、じわりと肌を湿らせた。 「――士郎、……き」 「えっ。カレ、ン?」 耳元に投じられた、消え去るか否かのギリギリのラインを定めた弱々しい声。聞こえていない言葉の筈なのに……正体不明の想いが、何故か――――妙に、嬉しかった。 その真意を確かめるべく首を後方に巡らせるも、隙だらけの胸にぶつかる硬い感触。 不覚ながら起きた突然の出来事に全身は弛緩し、ついカレンを抱えていた手を外してしまう。……当然ながら、ドスンと低い音を響かせ尻餅をつく黒い物体。 「……痛いわ」 「あっ、ゴメン」 こちらを胡乱に睨んでくる彼女はこの際置いておくとして、とりあえず目の前に突拍子もなく現れた硬い感触の正体を確かめる。果たしてそこに存在したのは、光り輝く鎧を織り成す銀色のプレート。つまり、俺の目と鼻の先に、ピタリと莫耶が静止していた。 「どうした? 急に立ち止まって」 Ⅰ:「地面に深い穴が空いている……」 Ⅱ:「知らない女性が立っている……」 Ⅲ:「;;」 投票結果 Ⅰ:1 Ⅱ:3 Ⅲ:5
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ファンタジー アルゴノーツ 伝説の冒険者たち ケイト・ペッキンセール in アナザーワールド 鏡の国のアリス
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594 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2008/01/01(火) 15 06 53 …………何だっけ? えっと、思い出さないといけない筈なんだけど……うーん、全然出てこないな。 「シロ~、早く行きましょうって。いつまでも女を立たせたまま待たせるなんて、ちょっと無粋じゃなくて?」 バタコの催促の声が固まろうと努めていた思考を急速に瓦解させていく。途端、さっきまで意味のない危機感に慄いていた自分が馬鹿みたいに思えてきた。 「ま、別にいいか。どうせ大したことじゃないだろうさ」 そう自らに言い聞かせ、前を歩くバタコに追いつこうと小走りに駆ける。 とりあえず街に入ったらコーネリアさんやグンパ、シドに会いに行こう。ここの門からは商業区と繋がっているから、まずはコーネリアさんから訪ねてみるか。 バタコに先導され門を潜った先には、果たしてかつて見知った街の風景が広がっていた。 ************************** クォン大陸南のグスタベルグ山脈にその拠点を置く工業国家、 バストゥーク共和国。 伝統ある騎士団を持つサンドリア、 魔法大国ウィンダスなどに比べると、 その歴史は浅い新興国である。 しかしその高い技術力と豊富な鉱山資源が、 バストゥークの勢力を前記二国に比肩するまでに拡大させた。 バストゥークの人口の約半数は技術力に長けた種族、ヒュームが占める。 商業、工業、政治の実権は彼らが握っており、 彼らのその産業に対する嗅覚が発展をもたらしたと言える。 また、人口の約3割は、600年前、南西のゼプウェル島から移住してきた種族、ガルカである。 彼らの強い力は、 バストゥークの数々の鉱山開発に大いに貢献することとなった……。 ************************** ……整然と並べられたタイルに、中世ヨーロッパ風の建築物の群れ。せいぜい一ヶ月にも満たない期間だったが、ここは俺の暮らしていたバストゥークに間違いなかった。加えて、ある一人の少女と暮らした思い出も。 「懐かしいなぁ。ここも何だかんだで半年ぶりなんだよな」 「えっ? アンタ、バストゥークに来たことがあるの? ……そういえば、よくよく考えれば私とアンタが最初に出会ったのって、この近辺の港町だったわね」 「うん。短い期間だったけど住んでいたこともあったんだぞ。いやあ、いい所だった! また魚でも釣りながら住みたいって思えてくるね」 意気揚々と、ここの素晴らしさを伝えたい一心で彼女に語りかける…………が、当の彼女は俺の意に反して暗い表情に変化し始め、何故だか怒りの形相すら醸し出していた。あまりに理不尽な展開に、背中から冷や汗が流れ落ちる。 「アンタ……。ば、馬鹿っ!! 私達の任務を忘れたの!? それじゃアンタ顔知れ渡ってるじゃない!? ……ええ、貴方のことですから、ご近所付き合いも欠かさなかったのでしょうよ」 ますますわからない。 いくら考えてもどうして彼女が怒っているのか辿り着けないので、単刀直入に聞いてみることにした。 「えと、バタコさん? 何で貴女がそんなに怒っているのか、俺には皆目見当もつかないのですけれど……。あ、ちなみにご近所付き合いは盛んだったぞー。ここで俺の名前知らない人なんていないんじゃないかな? 何たって俺はれっきとしたバストゥーク国民だからな!」 ――その言葉を皮切りに、いよいよ彼女の堪忍袋の緒が切れた。青ざめていた顔は一気に赤く染まり、狂犬の如くこちらに噛み付くように食いかかってくる。 「バカッ! バカッ! バカッ! この鈍感! どうしてわからないのよ!? 顔知れ渡っているとか国民とかマズイでしょうが! いいっ!? 私達に課せられた仕事、そのにぶちんの頭でもう一回よく考えてみなさい! もし私が指摘しなけりゃ、私達牢屋に入っているとこだったのよ!」 「え、と?」 仕方ないのでもう一度整理してみよう。 えーと、任務の内容が、身元不明、もしくは国籍不明である俺達が二国の市井調査を行うこと、で間違いはないよな? それでまず初めに各国のウィンダス領事館へ赴き、その旨を報告。そしてそこでも仕事を手伝わされる可能性があり、その時は速やかにそれを達成すること、であるから……? 「えーと、うーんと……あっ、そっか。国民が自分の国をスパイしてちゃ世話ないよな? ははは、ゴメンゴメン。忘れてたよ」 「アンタって人は……。もう、ホントに頼むわよ」 肩を落とすバタコを慰めようと身を屈むが、ふと辺りを見れば自分達が奇異の視線を集めていることに気付く。そりゃ門の前でこれだけの言い合いをしていたら嫌でも注目されるか。 「とりあえず早くも怪しまれてるっぽいし、移動しようか。今回に関して俺は無理みたいだから、悪いけどバタコに任せる。という訳で申し訳ないんだけど、俺は世話になった知人の所を訪ねることにするから。巻菜の件はこっちに任せといてくれ」 「馬鹿……。言われなくてもそうする以外道はないでしょうが。これは貸しだから覚悟しときなさいよね!」 そう言い、小柄な体をぷりぷり怒らせてバタコは去っていった。多分、領事館とやらに行く気だろう。我ながら間抜けな失敗をしたものである。 「貸しは大きいかなぁ。返せないくらい大きかったら困るなぁ……。ま、いっか」 記憶にある彼女はいつも広場にいのでその辺を歩き回ってみるが、中々捕まらない。やむを得ず適当な通行人に尋ね、ようやく彼女の家の道順を聞きだすことができた。早速向かってみることにしよう。 「シロウ君、お久しぶりねえ。冒険にでも出かけていたのかい?」 「いやあ、ちょっと野暮用で」 道を歩けば表を掃除しているおばさんに声を掛けられる始末。やはりバタコの言った通りに、迂闊に調査なんてすれば拙かったかもしれない。 そうしてとうとう教えられた道順をクリアし、コーネリアさんの家へ到着することができた。予想だにしなかった豪勢さに一瞬たじろぐも、口内の唾を飲み込み、覚悟を決めて呼び鈴を鳴らした。だが……。 「どちら様でしょう?」 出て来た人物は俺の知る若い女性ではなく、僅かに歳を重ねた、ぷっくらとしたおばさんだった。その細めの目がジロリと胡散臭げにこちらを一瞥した。 「えと、コーネリアさんはいらっしゃいますか? エミヤシロウと申しますが……」 Ⅰ:「お嬢様はご在宅です。こちらへどうぞ」 Ⅱ:「お嬢様はいらっしゃりません。中に入ってお待ちください」 Ⅲ:「貴方のような怪しげな男にお会いさせる訳にはいきません」 投票結果 Ⅰ:2 Ⅱ:0 Ⅲ:5