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Bansheeバンシー妖精/幽霊イギリス/アイルランド----------出典----------民間伝承 元々、アイルランドやスコットランドに伝わる女性の姿をした妖精の一種で、幽霊の様に半透明で、黒服の美女とも醜い老婆ともいわれている。 その名前は『丘の女』『小山の女』を意味する。アイルランド語の『女性』(ベン[bean])と、古代の『丘』、後に『妖精』を表すようになった(シー[Si] [Sidhe])を複合したもの。 地域によって呼び方が変わり、ウォーターフォードでは[Badbh]、ウェックスフォードやキルデア、ウィックローでは[Badhbh]、キルケニーとレイシュでは[Badhbh]、[Chaointe]とよばれる。 アイルランドの伝承では、死期が近い者や、その近縁者の前に現れては、その死に行く運命を悲しんで泣くと伝えられる。 バンシーとの出会いは、近い死別を意味しており、バンシーは不吉の象徴として忌み嫌われている。 その声には魔力が込められており、叫び声は凄まじいほどの金切り声で、それを聞いた者は発狂して死んでしまうといわれている。 元々、[O’]や[Mac]の付くケルト一族の従者の精霊で、一族の者が死ぬのを彼女たちも窓の外で嘆き悲しんでいた。 北マンスターのダルカッション家はイーヴィル、南マンスターのマッカーシー家はクリオズナと言う名の精霊に守護されている。
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属性:知恵 レア度:C 彼女の周りでは不幸なことが多く起こる。 泣きはらした目は赤いが、青白い肌と整った顔のせいで、精巧な人形のように見えるほど美しい。 特徴 バンシー Lv 1 MAX HP 49 90 SP 15 195 力 4 17 知恵 7 28 精神 5 23 素早さ 9 16 耐久力 3 10 幸運 7 14 バンシー+ Lv 1 MAX HP 54 99 SP 17 215 力 4 19 知恵 7 31 精神 6 25 素早さ 10 18 耐久力 3 11 幸運 8 15 バンシー++ Lv 1 MAX HP 59 109 SP 18 236 力 5 21 知恵 8 34 精神 6 28 素早さ 11 20 耐久力 4 12 幸運 8 17 スキル 催眠攻撃(単) ファイアⅠ(単)
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バンシー 色 画像 レベル 攻撃力 HP 速度 能力 黒 3 3 3 普通 ■使用効果 アタッカー1体に「敗北時に相手のアタッカーのHPを0にする能力」を与える アタッカー1体に道連れ能力を与えるカード。 どんなに強力なアタッカーであっても、効果が発動すれば倒すことができる。例外的に混沌やワームなどもいるが… ライフ1と引き換えに相手アタッカーを倒す効果、と考えると分かりやすい。 主力アタッカーを消せれば有利になれるだろう。 付与するのは敗北効果なので、普通に発動するとライフを失うことになる。 相手アタッカーも倒れるからとドローに持ち込むような感覚で使っていては効果を活かせない。 相手の後続が豊富な状況では、道連れで倒した結果逆に不利になってしまうこともある。 道連れにするアタッカーは慎重に選びたい。 付与した敗北効果をカニで発動させれば、相手アタッカーを戦うことなく倒すことができる。 忍者に近い効果になり、はまれば非常に強力なコンボ。 植物クリーチャー+老婆も考えられるが、後攻持ちが多い植物につけるのはやや難があるかもしれない。 バンシーを使うターンは補助が利かないため後攻持ちを勝利させるのは易しくない。 苔男は勝利効果(A)を発動させると敗北効果が消えるので注意。 逆に(B)だと待機所のバンシーから使用効果をコピーして、老婆で付与する、といったトリッキーなこともできる。 ただし、老婆使用で敗北効果を付与した場合、付与する前に敗北効果がないと敗北効果が発動しない。 老婆使用時の細かい仕様は老婆のページか細かいルールのページを参照してほしい。 緑黒のデーモンなら一考の余地はあるか。 カメレオンを利用するのはターンが掛かるので、ロマンが見える。 敗北効果を上書きするような運用もできる。 堕天使に付与すれば敗北時のデメリットを打ち消せる。 相手のミイラやナーガ、水先案内人などに使うことで計算を狂わせるような使い方もあるだろう。 火の鳥に比べると重く、また相手に付与したときのリスクが大きいが、黒なので堕天使とのシナジーは良好。 他のコンボとして、混沌の影響下で相手に能力を与えるというものがある。 HPを0にする効果が逆転するため、結果的に勝利時にHPを倍加することができる。 混沌がこちらのアタッカーの場合、相手の使用効果で逆転されると面倒な展開になるので要注意。 相手のHPを倍加するか、バンシーの能力を持った相手アタッカーを残すかの選択を迫られる。 同レベルの赤カードであるソーサレスと良く似た挙動をする。 バンシーの方が優れた点として 無効持ちアタッカーを除去できる 勝てるアタッカーにあらかじめ付けておける といった点が挙げられるが、一方で 自アタッカーがいないor除去された場合に発動できない 相手の勝利効果に干渉できない といった点ではソーサレスに劣る。 いずれも戦況を左右しかねない要素であり、まさに一長一短である。 ソーサレスに比べるとコンボ色が強く、シナジーを考慮せずに挿すのはやや物足りない。 その分コンボが決まった時の制圧力が高いので、それを期待したデッキを組むことを考えたい。 また癖の強い効果が多い黒においては、バンシーの能力は比較的シンプルと言える。 それゆえの良さがあるので、黒の無効ファッティ対策とするのも悪くないだろう。 ver0.31でイニシアチブを持つ場合に敗北効果が先に発動するようになり、一部の勝利効果持ちとの相性が悪くなった。 クマや吸血鬼、苔男やワームがそれにあたる。特にワームは勝利効果を発動させてしまうので極めて危険。 河童の不意打ちに注意が必要である。ワームを見たときは状況に応じて相手につけるなどの対応を。 関連項目 敗北効果関連 意見所 名前 コメント
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バンシー(Banshee) / ショーン・キャシディ(Sean Cassidy) (キャラクター名、マーベル) 初出:X-Men vol. 1 #28(1967年1月) 種族:ミュータント、男性、アイルランド人 能力 口から超音波「ソニック・スクリーム」を放つ。 攻撃にはもちろん、この力を利用して飛行することも可能で、コスチュームの腕から脇腹にかけて飛膜がつけられており、これを広げて使う。 1992年版アニメ「Xメン」では飛行中にも叫んでおり、結構うるさかった。 概要と経歴 アイルランドにあるキャシディ城の城主。ただ城といっても、レプラコーン(妖精の一種)が出るような古城らしい。しゃべるときはアイルランド訛りがある。 元の職業はインターポールの捜査官。娘(サイリーン)が生まれたことも、世界を飛び回っていたので知らなかった。 インターポール時代には当局の隠蔽に逆らい、ヨーロッパで連続殺人を繰り返していたロシアのミュータント人を逮捕。しかしこのロシア人はKGBに引き渡され、後にオメガレッドとしての改造を受ける遠因を作ってしまった。 初登場時はチェンジリングに洗脳され、ヴィランとして登場。このときバンシーのコードネームを与えられる。 "Giant-Size X-Men"を経てX-MENに加わったいわゆる第二世代のX-MENでもある。 "Generation X"ではエマ・フロストと共同で生徒の指導に当たる。意見の相違も多く、当時はまだエマ・フロストがX-MENに合流したばかりだったこともあり、生徒から「あの二人、大丈夫か?」と心配されるくらいだった。 プロフェッサーXの元恋人モイラ・マクタガートと付き合うようになり、やがてX-MENを離れてミューアに住む。 "X-Men Deadly Genesis"でサイクロップスの末弟、ヴァルカンに殺害された。 家族 娘はサイリーン。父の死後、バンシーの名を引き継ぐ。 従兄弟はヴィランのブラック・トム・キャシディ。 実写映画 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』に登場。 本作では初代X-MENの一人となった。 「ジェネレーションX」のテレビ映画があり、指導者として登場。エマ・フロストと寝たようなシーンの写真が残っている。 トリビア バンシーには、ブラック・トム・キャシディのエネルギーブラストによる攻撃が効かない。 「バンシー」は死者が出る前に叫ぶとされる女妖精なので、本来は女であるはず。最初、女のヴィランとしてつくったが、スタン・リーが「女のヴィランは人気がないから、男にしろ」と言ったので変えた。元の女のデザインは、サイリーンのようだったとロイ・トーマスが言っている。
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バンシー カテゴリ:妖精・精霊 神話・伝承 イギリス伝承 生息地 人家 姿 若く美しい女性または、しわくちゃの醜い女。灰色の外套に緑の上着または、死装束を着ている 能力 死の予告 説明 立派な家系の家に住み着き、その家の誰かが死ぬ時に、その死を予告するように激しく泣きわめく。若くして死んだその家の娘がバンシーになるとも言われる。顔はヴェールで隠されているか、そうでない場合は死人のように青ざめており、激しく泣いているため目の周りは真っ赤に腫れあがっている。土砂降りの中、馬車と並走したり、壁をすり抜け部屋から部屋へと歩きまわったりも出来る。
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バンシー アイルランドに伝わる白い妖精。 死期の迫ったものがいると、その家の窓辺に現れて泣くと言われる。 別名: ベンシー (ベン・シー) ベンニー (ベン・ニー) ボドヴ(3) ボドヴフィーンテ (ボドヴ・フィーンテ) ファーシー (ファー・シー) バーンシー (バーン・シー) バウ(2) ボウァ グーラッハフリビン (グーラッハ・フリビン) グーラハアフリビン (グーラハ・ア・フリビン) バーバンシー (バーバン・シー) バーヴァンシー (バーヴァン・シー) ベアンシデー (ベアン・シデー) ビーンシー (ビーン・シー) ビアンシ (ビアン・シ)
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バンシー 登場ダンジョン 吹きすさぶ木立 朽ちゆく廃軌道 泥濘の水脈 深 閉ざされた大路 眠れぬ墓所 深 さざめく納骨堂 ◎ ステータス HP 120 正確さ 22 MP 12++ 回避 15 攻撃力 25 防御力 20 命中 97 敏捷性 20 体力 5 抵抗力 25 魔力 25 経験値 150 行動パターン 移動タイプ 浮遊:+50% 壁抜 接近 移動速度 2 行動速度 1 属性相性 種族 死靈:+100% 霊格 魔化( 無霊格:-150% 聖別:-100% ) 属性相性 弱点 耐性 無効 物理属性 一般属性 聖:+100% 氷:-100% 生命:-?% 攻撃タイプ 精神:+?% ステート耐性 弱点 耐性 麻痺 スタン 縛り 無効 毒 転倒 スキル 名前 初心 普通 魔境 射程 分類 属性 備考 名前 初心 普通 魔境 射程 分類 属性 備考 亡者の手 ○ ○ ○ 1 魔法 - スタン、脱衣、アクセ外しなど 金属音 ○ ○ ○ 自己中心15×15 魔法 精神? MP小ダメージ+スタン イニシエイション ○ ○ ○ 自己中心15×15 補助 - 精神up 逃げる ○ ○ ○ 自身 - - 最寄りの部屋出口を目指す モンスター召還 ○ ○ ○ 周囲 召喚 - ファントム2体召喚 (召還のspellingはゲーム中の図鑑の表記に従った。14/2/26現在召喚ではない。) ドロップアイテム アイテム種別 アイテム名・備考 確率 エッセンス C:ファイン U:スタン、ガッシュ ?:レジリエンス、グリム 1/50 ワンド 混沌のワンド 1/50 食料 なまチョコ 不明 初期状態ではインビジブル(=透明)であり姿を確認できない。 ダメージを受けるとインビジブルが解除され、視認できるようになる。 居場所が特定できない時は、銃を持って防御スキルをインティミデイトにすると容易にインビジブルを解除できる。 動きはファントム召喚→イニシエイション→適当に動き回りながら金属音連打。 亡者の手は接近した際に使ってくる。 スタンやMPダメージはやや面倒なものの、基本的に危険度は低め。 無理に追うよりまずは召喚されたファントムの処理を優先した方が無難。ファントム同士が近接しているならホーリーヴァイアルを使うとまとめて処理できる。 イニシエイションでは周囲の広範囲のモンスターの精神力を上昇させる。 霊体や小悪魔の通常攻撃の攻撃基準は魔力なので、バンシー・ファントム・グレムリンなどから受ける被ダメが大きくなる。 なお、ステート:インビジブルは呪いの木馬のワンドで奪うこともでき、このステート状態だと 敵が自キャラの位置を見失う為、一方的に奇襲することも戦場からの離脱も容易となる。 敵からの攻撃を受けるなどしなければ約30ターン持続するので、憶えているといざという時に役に立つかも。 詳細はステート耐性-[ステート一覧]-[モンスター専用スキル系]を参照。 メモリー ♀記述(バンシー)の入手条件は不明。
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バンシー 登場ダンジョン 吹きすさぶ木立 朽ちゆく廃軌道 泥濘の水脈 深 閉ざされた大路 眠れぬ墓所 深 さざめく納骨堂 ◎ ステータス HP 120 正確さ 22 MP 12++ 回避 15 攻撃力 25 防御力 20 命中 97 敏捷性 20 体力 5 抵抗力 25 魔力 25 経験値 150 行動パターン 移動タイプ 浮遊:+50% 壁抜 接近 移動速度 2 行動速度 1 属性相性 種族 死靈:+100% 霊格 魔化( 無霊格:-150% 聖別:-100% ) 属性相性 弱点 耐性 無効 物理属性 一般属性 聖:+100% 氷:-100% 生命:-?% 攻撃タイプ 精神:+?% ステート耐性 弱点 耐性 麻痺 スタン 縛り 無効 毒 転倒 スキル 名前 初心 普通 魔境 射程 分類 属性 備考 名前 初心 普通 魔境 射程 分類 属性 備考 亡者の手 ○ ○ ○ 1 魔法 - スタン、脱衣、アクセ外しなど 金属音 ○ ○ ○ 自己中心15×15 魔法 精神? MP小ダメージ+スタン イニシエイション ○ ○ ○ 自己中心15×15 補助 - 精神up 逃げる ○ ○ ○ 自身 - - 最寄りの部屋出口を目指す モンスター召還 ○ ○ ○ 周囲 召喚 - ファントム2体召喚 (召還のspellingはゲーム中の図鑑の表記に従った。14/2/26現在召喚ではない。) ドロップアイテム アイテム種別 アイテム名・備考 確率 エッセンス C:ファイン U:スタン、ガッシュ ?:レジリエンス、グリム 1/50 ワンド 混沌のワンド 1/50 食料 なまチョコ 不明 初期状態ではインビジブル(=透明)であり姿を確認できない。 ダメージを受けるとインビジブルが解除され、視認できるようになる。 居場所が特定できない時は、銃を持って防御スキルをインティミデイトにすると容易にインビジブルを解除できる。 動きはファントム召喚→イニシエイション→適当に動き回りながら金属音連打。 亡者の手は接近した際に使ってくる。 スタンやMPダメージはやや面倒なものの、基本的に危険度は低め。 無理に追うよりまずは召喚されたファントムの処理を優先した方が無難。ファントム同士が近接しているならホーリーヴァイアルを使うとまとめて処理できる。 イニシエイションでは周囲の広範囲のモンスターの精神力を上昇させる。 霊体や小悪魔の通常攻撃の攻撃基準は魔力なので、バンシー・ファントム・グレムリンなどから受ける被ダメが大きくなる。 なお、ステート:インビジブルは呪いの木馬のワンドで奪うこともでき、このステート状態だと 敵が自キャラの位置を見失う為、一方的に奇襲することも戦場からの離脱も容易となる。 敵からの攻撃を受けるなどしなければ約30ターン持続するので、憶えているといざという時に役に立つかも。 詳細はステート耐性-[ステート一覧]-[モンスター専用スキル系]を参照。 メモリー ♀記述(バンシー)の入手条件は不明。
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バンシー 扉なんか開けなければ良かった。 確実な死がそこに待っていると知っていたら、どんなことがあろうと 扉を開けるような愚は冒さなかったに違いない。 でも……もう遅い。 俺は扉を開けて、見てしまった。 ――泣き続けるバンシーを、見てしまった。 伝承に曰く 流れるような長い髪をたなびかせた、青白い顔 泣きはらしたせいで紅くなった瞳 緑衣の上には灰色のマント ……若い女の姿であることなど、この際なんの慰めにもならない。 “死者が出る家にはバンシーが訪れる” この家には、俺しか住んでいないのだから。 交易商の父がこの街に腰を落ち着けたのは10年ほど前のことだ。 商人として優秀だった父は、それまでの蓄えを元手にしてこの街で住居を兼ねた 商店を開き、この地方では手に入りにくい品々までを取り揃えた店は街の人々や 旅人にも重宝された。順風満帆な日々。 そんな父の姿を見ながら成長した俺も、13の歳から商売の手伝いをするようになり 以降6年間はみっちりと商人の心得や商売のコツを叩き込まれた。 「……まあ、お前も半人前ぐらいにはなったかな」 微かな微笑を浮かべて満足気に呟いた父は、自らの死期を悟っていたのかもしれない。 俺が19歳になって間も無くしてから父は逝き、幼いころ既に母親を亡くしていた俺は 晴れて天涯孤独の身と相成った。それが悲しくなかったわけでは無いが、満ち足りた 表情で眠るように旅立った父の顔を思い出せば、この店を立派に守り通すことこそが 俺に出来る唯一の親孝行であるように思えた。 一人で店を切り盛りするのは重労働ではあったが、古参の商人仲間や馴染みの客に 助けられつつどうにかこうにか父の真似事をこなす。 そんな生活を二年も続けたある日、俺はバンシーを見てしまったのだ。 いつも通りの時間に店閉まいし、遅い夕食を摂り終えた俺はランプを消して寝台に潜り込む。 夕刻から吹き始めた強い風は益々その勢いを増し、木の窓枠をギシギシと軋ませる。 目を閉じて眠気に身をゆだねようとしたその時― …………ぁああ ぁー…… 「……?」 風の音に混じり、高い声が聞こえた。身体を起こして耳を澄ます。 ああああああぁ……ぅぁあああああああああぁぁ…… 「女の……泣き声?」 闇の中、手探りでランプを探して灯りを点す。 その声は店の入り口近くから聴こえてくるようだ。 寝室を出て店内を進み、樫で出来た重い扉の前に立つ。 この辺りは比較的平和な土地柄とは言え、街から街を繋ぐ街道では 稀に旅人や商隊が賊に襲われた、という話も聞く。 さてはそういった被害にあって逃げてきた人だろうか? 武器替わりの薪を握り締め、おそるおそる閂を外して扉を開けた。 「……………誰か、いるのか?」 びょうびょうと吹きすさぶ風の中、ランプを掲げて外の様子を伺った。 弱々しい灯りが照らし出したのは細い体と風に踊る髪だ。 悲しげに顔を両手で覆い、肩を震わせて泣く若い女。 濃緑色の衣と灰色のマントを視認した瞬間、脳裏に閃くものが俺を戦慄させる。 あれは確か……隣村の老人がいつか話していた―― ――バンシー、といってな。家の前で泣いて、死者が出ることを伝える ――わしが子供の頃には時折見かけたもんがおった ――最近じゃあ、とんと噂にものぼらんが そうだ、嘆きの精は――――――――確実な死を告げるのだ 「うっ…うわああああああああああああああああああっ!!!」 全力で扉を閉め、閂を下ろす。 鼓動は早まり身体には冷たい汗が滲んだ。 見てしまった。 見てしまった。 見てしまった。 この家には俺しかいないのに。 まだまだしなければならないことがあるのに。 「……なんで、俺なんだよ……」 床に膝をついて頭を垂れる。 俺はいつまで生きていられるのだろうか? 明日まで? 明後日まで? あの老人は何と言っていたっけ? ――死人が出た家のもんはな、口を揃えて「昨夜バンシーが出た」と言っとったよ 一晩、だけ? 猶予はそれだけなのか? 「そんな………」 時間が一瞬のようにも永遠のようにも感じられる中、震えながら夜を過ごした。 窓から差し込む光が瞼を突き刺す。 胡乱な頭で状況を把握しようとして―― 「………っっ!!!!!!」 床から飛び起きた。 俺はいつの間にか眠ってしまっていたらしい。 それは別にいい。大した問題じゃない。 「……ここは……あの世なのか?」 身体にはきちんと感覚がある。どこにも異常は感じられない。 見回せばそこはいつも通りの店内で、周囲からは朝の早い人々が奏でる喧騒が聞こえてくる。 まったくもって、いつもと変わらない朝だ。 「はははっ…夢でも見たのかな俺」 そうだ、そうに違いない。 バンシーなんか見ていないし、俺が死ぬ理由は無い。 昨夜は仕事疲れで神経がやられていたのだろう。 よし、そうと決まれば…… 「開店の準備でもするか」 商品の陳列を確認し、店内を掃除する。 僅かな時間で朝食を作り手早く腹ごしらえをする。 食器を片付けようとした時、棚と壁の間に何かが落ちているのが見えた。 顔を近づけてみると、それはネズミの死骸だった。 「うわ……どっから入り込んだんだよ……」 ぶつぶつ言いながら、まだ比較的新しいその死骸を片付ける。 保存食品の類も扱う店である以上、不衛生は敵だ。 そうこうしているうちに日は昇って行き、通りには様々な人々が溢れていく。 からんからーん 「おっと…お客さんだ」 前掛けを羽織りながら急いで店に出る。 あれこれと注文の多い客の相手を終える頃には、バンシーの夢などすっかり忘れていた。 その夜。 帳簿を付けながら仕入れ品目の選択に頭を悩ませていると、店の扉を叩く音が聞こえた。 すでに店は閉めている時間だが、極々稀にこういう客がいる。 無視してしまっても咎められる筋合いは無いだろうが、そこは俺とて商人の端くれ。 融通を利かせてあげれば以降はこの店を贔屓にしてくれるかもしれない、という打算もある。 店の明かりを点けて扉を開け、営業用の―― 「いらっしゃ……」 「なんで生きてるのよっ!!!!!」 ――笑顔も凍るほど酷いことを言われた。 「なんでよ!? 死んでるはずでしょー!?」 「……………えーと、あの……お客さん?」 「信じられない……確かにこの家から死の気配がしたのに……」 「もしもし? お客さん?」 腕組みしてブツブツと呟くのは、腰まで届く美しい黒髪の女の子だ。 野暮ったい緑衣と灰色のマントがいささか大きすぎるようで、裾をずるずると引きずっている。 可愛らしいとさえ言える顔立ちの中、紅玉色の瞳だけが異彩を放っていた。 少なくとも俺はこんな瞳の色をした人種を知らない。 緑衣に灰色の外套、おまけに紅い瞳なんて……そんなの、まるで。 「……バンシー!?」 「きゃあっ! ……な、何よいきなり大声だして」 「お、お前っ! 俺を殺しに来たのかっ!?」 「殺す? なんでよ?」 「いや、だってお前、ホラ」 言葉に詰まる。アレは夢だと思っていたのに、目前の少女は間違いなく現実だ。 であるならば……俺の死もまた現実ということになってしまう。 昨夜の絶望感がじりじりと背筋を這い登り、俺は慄然とした。 「……俺が死ななかったのが不満なのか。それでまたこうして……」 「それよ! あたしもそれが聞きたいの」 「へ?」 「この家って、あんた以外に誰か住んでる?」 「いや……俺一人だけど」 「濃密な死の気配を感じたのよ……だから昨夜、張り切って泣いたのにっ!」 鼻息荒くまくしたてる少女の姿は、戸口で悄然と泣き続けた姿とどうにも一致しない。 これでは嘆きの精ではなく憤りの精だ。こちらの思惑などどこ吹く風、といった様子で バンシーは続ける。 「……納得いかない……納得いかないわ………あたしの初仕事だったのに……」 「でも俺はこうして生きてるしなあ」 「だったらあの気配は? 間違いなくこの家からだったわよ?」 「………あー……もしかして……」 そんなことはないだろう、と思いながらも一応伝えてみる。 言われてみればこの家に“死”が存在したことを。 ただしそれは…… 「……………………………………………ねずみ?」 「うん、ねずみ」 「………何よそれ」 「灰色で、ちゅーと鳴く……」 「知ってるわよっ!!」 があっ、と口を開けて噛み付くように怒鳴る少女。 俺もいい加減、この状況が単なる八つ当たりだと理解していた。 自然と口調がきつくなる。 「死んだのが俺じゃなくて残念だったね。とにかく、お客さんじゃないなら帰ってくれ」 「……べ、別に死んでほしかったわけじゃ……ないけど……」 「バンシーを見た家の者がどれだけそれを恐れて、悲しむか知ってるのか? 逃れられない死ならわざわざ予告なんかしなければいいんだ……悪趣味な」 「……だって、だって……あたしの、お仕事だから……」 しょんぼりと肩を落とす少女の姿は、さながら叱られた子供のようだ。 紅い瞳の端にはじんわりと涙が溜まり、いまにも零れ落ちそうに見える。 商人の俺は、商品を売るのが仕事。嘆きの精は、死者を悼んで泣くのが仕事。 頭では理解出来るが、どうにもこの少女に向いている仕事とは思えない。 ……まあ、ねずみの死の気配すら感知できるのはある意味で優秀なのかもしれないが。 「ごめん、俺も言いすぎたよ。でもさ……ねずみと人の区別も出来ないのはちょっと……」 「う、うるさいうるさいっ!! 初めてだったからちょっと気負いすぎただけなのっ!!」 「……あー、確かに俺も店を一人で回しはじめた頃は良く失敗したなあ… 品物仕入れすぎてとんでもない在庫量になったり……」 「……………これは………!? 今度は間違いないわ……あの家から気配がするっ!」 「聞けよちくしょう!」 人が折角慰めるつもりで披露した失敗談も聞かず、数軒先の家を睨むバンシー。 あの家には確か……鍛冶屋の4人家族が住んでいたはずだ。 豪快な主人とキップのいいおかみさん、双子の子供達は七歳になったばかりだ。 あの中の誰かが、死ぬ? 「お、おい……ホントにあの家に……?」 「いってきまーす!!」 「待てってばよおいっ!!」 嘆きの精は身を翻し、鍛冶屋の戸口を目指してとてとてと走っていく。……あ、転んだ。 何事もなかったようなフリをしながら立ち上がり、服の土ぼこりをぱんぱんと掃う バンシーの背中を眺めながら溜息をついた。今度もねずみだったらいいな、と思いながら。 翌朝早い時間に鍛冶屋を訪れた俺は、店先を掃除するおかみさんにそれとなく尋ねた。 「何か変わったことはなかったか」と。きょとんとしたのもつかの間、おかみさんは 不思議そうに答える。 「今朝起きてきたら、台所でうちの年寄り猫が眠るように死んでいた」 「子供たちが悲しむだろうから、どう伝えていいか困っている」 ……ねずみではなかったが、ノリはかなり近いものがある。 きっとあのバンシーは、また今夜鍛冶屋におしかけて自らの予告を確かめるだろう。 あの荒くれ主人に怒鳴りつけられるバンシーの姿が目に浮かび、内心で決意を固める。 要らん騒ぎを起こす前に身柄を確保せねば。 「というわけで、またハズレです。……いや、ある意味では当たりなのかもしれないが」 「…………いきなり店に引っ張り込んでおいて、他に言うべきことはないの?」 店の椅子に座るのは、滅茶苦茶不満そうな顔をした件のバンシー。 ねずみから猫にクラスアップしたとはいえ、嘆きの精としてはかなりダメダメな結果である。 こいつはそのうちヤモリや蜘蛛の為に泣きかねない。 「お前ね……あの家の親父さんをこんな夜更けに叩き起こしてみろ。斧で頭カチ割られるぞ」 「ひいっ!」 頭を抱えて怯える姿を見て、少しばかり溜飲が下がる。 この人騒がせなへなちょこバンシーを放置しておくのは、本人(本精?)にも街の住民にも よろしくない。意を決して厳しい言葉を告げる。 「お前さ、向いてないと思うよ。そのうち人間の気配にも行き当たるかもしれないけど あまりにも予告の精度が低すぎるんじゃないか?」 「…………余計なお世話。あたしのお仕事の邪魔しないで」 「そもそも楽しくないだろ? 人の死を告げるために泣くだけなんて」 俺が言いたいのはそれだった。 逃れられない死を告げるのは、決して愉快なことではないだろう。 死を求めて彷徨うのならそれは死神と何ら変わらない。 悲しいことがあって嘆くのではなく、嘆くために悲しいことを探すのは―― 「――なんか、つまんなくないか?」 「……訳知り顔で好き勝手言わないで! だって他に……」 「他に?」 「他に……すること、ないもん。できることも、ないもん」 「………………」 嘆きの精は、ようやく自分の為に嘆く。 そう在るように生まれた存在だから、そうするしかできないと。 改めて少女の姿を眺めてみる。紅い瞳の他は本当に普通の人間と変わらない。 いや……普通というには器量が良すぎるか。 「お前に出来る仕事があるんだけど、良かったら話だけでも聞いてみないか?」 「…………お仕事? あたしにできること?」 「ああ……実はな…………」 その夜、俺の店の明かりは随分長いこと灯っていた。 「いらっしゃいませ! 何をお探しですか?」 「ありがとうございましたー!」 その街には、小さいながらも品揃えの豊富な雑貨屋がある。 二十歳を少し過ぎた若い店主と、それよりもっと若い看板娘が二人で切り盛りする店だ。 「あれっ……確かに仕入れたはずだったんだけどな……」 「そこじゃないってば。ほら、暖炉側の棚の二段目!」 くるくると表情を変える看板娘は、いつも通りに店主を叱る。 「どちらが店主か分からない」と笑う常連客。 「しかしなんだね……店主、あんたいい奥さんつかまえたじゃないの」 「「奥さんじゃありません!!」」 「……二人して否定せんでも」 長い黒髪と紅い瞳の少女を見て、まるで嘆きの精のようだと言う人もいた。 店主と看板娘はそうすると決まって顔を見合わせて笑うのだ。 「ホント、この人かいしょー無しで困るんですよ。 あたしがいなかったらこのお店つぶれちゃうんじゃないかな?」 ――看板娘は、それはそれは楽しそうに嘆きを洩らした。
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親カテゴリ:精霊 出現戦地 傭兵 進化 黄金とキルトの街ナト × -- ダックケープ × -- 基本データ 説明 死を告げる泣き女。死神ではなく、死を告げる者である。 詳細 成長タイプ ランク STR AC DEX HP 耐性 属性 服従Lv 購入 売却 精神 麻痺 毒 特攻 魔法 ブレス ? F 30 47 58 37 25 25 0 3 0 0 無 5 1,366文 137文 特殊能力 技名 種類 対象 属性 説明 恐怖の絶叫 まひ 3 無 耳にしたものは恐怖で身動きがとれなくなる恐怖の絶叫。 参考ステータス ステータス Lv.10 Lv.20 Lv.30 Lv.40 Lv.50 Lv.60 Lv.70 Lv.80 Lv.90 Lv.100 最小 最大 最小 最大 最小 最大 最小 最大 最小 最大 最小 最大 最小 最大 最小 最大 最小 最大 最小 最大 STR 1095 AC 1120 DEX 1421 HP 1875 経験値テーブル(累計) 技使用率 AI 使用率(%) 一回攻撃 91 恐怖の絶叫 9 コメント (ログはこちら) バンシーLv100 恐怖の絶叫から能力の変化なし STR1153 AC1137 DEX1501 HP1867 - 2012-10-11 10 17 55 バンシーLv50 恐怖の絶叫から能力の変化なし - 2012-09-12 13 42 58