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6月の放課後、ハルヒは「野球大会に出る」と言いだし、第九回市内アマチュア野球大会参加募集のお知らせと書かれた紙を持ってくる。 SOS団のメンバーは5人だったから後4人のメンバーを集める必要があった。 結局集まった4人も数合わせのメンバーで、谷口、国木田、鶴屋さん、キョンの妹だった。 草野球大会当日、上ヶ原パイレーツとの対戦でハルヒはメンバーの打順と守備をアミダクジで決める。(ただしハルヒは1番ピッチャー) 以下打順、および守備。 1番 ピッチャー ハルヒ 2番 ライト 朝比奈みくる 3番 センター 長門有希 4番 セカンド キョン 5番 レフト 妹 6番 キャッチャー古泉 7番 ファースト 国木田 8番 サード 鶴屋さん 9番 ショート 谷口 古泉いわく、ハルヒが望んだから4番にキョンがなったらしいが、全く4番としての力が震えず、たちまちに点差は開いていき、ハルヒの機嫌も不機嫌に。 10点差でコールド終了なのだが、7-0まで点差が開いたところで、閉鎖空間が発生する。 このままではまずいと悟った古泉は長門にある頼みごとをし、バットをホーミングモードにする。 たちまち点差は逆転し、9-11までになったとこでチェンジ。 その後、ピッチャーをハルヒからキョンに、キャッチャーを古泉から長門に変更し、長門の呪文により、究極の魔球で試合終了。 チームSOS団は見事勝利した。 その後、閉鎖空間に行かなければならない古泉が減るので、続行不可に。SOS団は辞退する。 尚、この時使っていたバットをキョンが上ヶ原パイレーツにいくらかで譲った。 おまけ ホーミングバットの行方
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11月も後半に突入し、日に日に冬らしさが増えてくる。 最近は部活から帰る時点ですでに真っ暗だ。 「今日は転校生が来たぞー」 岡部は教室に入ってくるなり、そう言った。 教室がざわつく。 お前らは小学生か?と突っ込みつつ俺も少しそわそわする。 「すっごい綺麗な女の子だと良いなー」 谷口、だとしたらお前には振り向かないぞ。 「入ってくれ。」 岡部の掛け声と共に、男子が入ってきた。 男子のため息と、女子の囁きが聞こえる。 入ってきた奴は古泉ほどではないものの、なかなかのイケメンだった。 「よし、じゃあ自己紹介をしてくれ。」 「こんにちは、春日清(きよ)です。」 春日とか言う男は澄んだ、綺麗な声で自己紹介を始める。 「趣味は本を読むこと、特にSFが大好きです。宇宙人、未来人、超能力者などに興味があります。」 …え? その時、ハルヒがガバッと立ち上がった。 「ねぇ、春日君。だったらSOS団に入団しない?」 「涼宮、勧誘は後で良い。んーとじゃぁ春日、うるさい奴だが、涼宮の隣に座ってくれ。」 「よろしく、春日君。」 後ろを振り向くと、ハルヒが春日に挨拶をしている。 「こちらこそ。よろしくお願いします。涼宮さんといいましたっけ?」 「そうよ、涼宮ハルヒ。SOS団の団長よ。」 俺はこいつらの会話を聞きながら、何でこんな微妙な時期に転校してきたのか、疑問に思っていた。まるで朝倉の時のようだ。嫌な記憶がよみがえる。 …後で部室に行けばあいつらが教えてくれるだろう。 授業中、春日とハルヒはずっと超能力者、未来人や宇宙人がいるかどうかについて話し合っていた。ったく、春日は転校生なんだからそんなにしょっぱなから先生に悪印象を与えてどうするんだよ? 途中休みになると、ハルヒは春日に俺を紹介した。 「こいつはキョン、SOS団の雑用係。」 あぁ、雑用係とわざわざつけられたのが気に食わないがよろしく。 「キョン君か、よろしく。」 キョンで良い、なんかくすぐったいからな。俺も春日でいいか? 「どうぞ、むしろ僕もその方が気が楽だよ。」 「さぁ、春日君!校舎の案内するからついてらっしゃい!」 そう言い走り始めるハルヒの後を、春日は微笑を浮かべてついていった。 さてと、俺は部室に行くか。 「来ると思っていましたよ。」 なら話は早い、春日、あいつは誰だ? 「彼は涼宮さんが生み出したものですよ。」 何のためにだ?話が合う友達が欲しかったのか? 「いえ、違います。」 じゃぁ何だよ。 「こればかりはあなた自身で気付いてください。一つ、私からヒントのような質問です。あなたは彼と涼宮さんが仲良くしているのを見て、何か感じますか?」 あいつらが仲良くしてるのを見て…なんとなくハルヒを取られた気がしてイライラする。しかし、何故ハルヒを取られた気がするのかも、それでイライラするのかもわからん。 「素直じゃないですね…」 「さらに鈍感。」 うぉ!長門、居たのか。 「居た、最初から。」 そ、そうか… 「おや、そろそろ次の授業ですね。では、私は行きます。」 じゃぁな。 「あなたは?」 もう少し後で行くよ。 そう言ったが、あまり授業に出る気は無かった。 あの二人が仲良くしてるせいでうるさくて、どうせ集中なんか出来ないしな。 「キョーーーーーン!」 ったく、何だよ。 あれ?ハルヒ? 「あんたなんで授業サボってたの?」 あ、いや、何でもない、ただ単にだ。 「そう。」 いつの間にか周りを見回すと、俺以外全員が揃っている。 「さて、今日は新団員を紹介するわよ!」 って、春日?!お前入るのか?! 「うん、楽しそうだしね。」 お前、本当に自分の意思か?ハルヒに強制させられていないか? 「えーと、キョンは放って置いて紹介よ!これが春日君、私たちの同じ1年生よ。今日転校してきて、未来人、宇宙人、超能力者とかに興味があるみたい。ってことで今日から団員だから、皆も自己紹介してね。じゃ、みくるちゃん。」 「あぁ、え?私からですかぁ?えぇと、朝比奈みくると言います。唯一の2年生です。一般的にはお茶汲みをやっています。よろしくおねがいします。」 「美しい方ですね、よろしくお願いします。」 「あ、ありがとうございます。」 「じゃぁ、次は有希!」 「長門有希、趣味は読書。よろしく。」 「私たちはもう自己紹介したから、最後は古泉君!」 「こんにちは、あなたの噂は彼や涼宮さんから聞いています。私は古泉一樹で、SOS団の副団長を務めさせて頂いています。」 「みなさん、よろしくお願いします。」 「新団員も入ってきたことだし、みんな気合入れてね!」 そこから一週間、春日は毎日部室に来て、俺達と打ち解けていった。 しかし、俺のイライラは溜まる一方だった。 何故か、春日と一緒にいるときにハルヒが笑顔になるのを見ていると嫌になる。 クソッ、俺が閉鎖空間発生させたいぐらいだぜ… だが、この気持ちがなんなのかが分からない。 今は金曜日の放課後で、今部室には長門、朝比奈さんと俺しか居ない。 「あのー…キョン君、どうしたんですか?最近イライラしているようですが。」 あぁ、朝比奈さん。気にしないで下さい。 「どうしたんですか?私の力になれることなら…」 そこで、俺は一部始終を話してみた。 朝比奈さんは俺の話を何も言わずに聞き、静かに頷くと 「キョン君は涼宮さんのことが好きだから、春日君に嫉妬してるんですよ。」 えーと…俺がハルヒを好き?春日に嫉妬? 確かに、もしかしたらこの感情は好き、それにこのイライラは嫉妬なのかもしれない。 だとしたらつじつまは合う。 そう…ですね。そうかもしれません。 「キョン君、気付いてよかったですね。じゃぁ、涼宮さんにアタックしてみてください。」 え、でもあいつは春日が… 「ここからは僕が説明しましょう。」 ん?古泉? 「今少しドアの外で聞いてしまいました。春日君は涼宮さんが、あなたに嫉妬をさせるために作り出したものです。」 相変わらずハルヒってすごいな… 「そこじゃないですよ、つまり嫉妬をして欲しいということは」 ということは? 「あなたはここまで来ても鈍感なんですか…?」 …何だ? 朝比奈さんまでそんな軽蔑した目で見ないで下さい…。 長門、お前もだ。 「ならいいです、明日は不思議探索があります。多分何かが起こるので、ちゃんと心の準備を。」 何が起こるんだ?何のための心の準備だ? 「「「…」」」 「よし、みんないるわね!明日は土曜日だから不思議探索をするわ!午前は団長の私用があるから、いつもの場所に1時集合ね!春日君は初めてだから、説明するわね。」 そういうとハルヒは不思議探索について説明を始めたが、ほとんど俺の耳には入っていなかった。 「キョン!遅いわよ!初めての春日君でもあんたより早いわよ!」 おい、春日、お前何故時間より早く来る事を知っている? 「いえ、ただ単に集合時間より早めにくるべきかな、と思ったので。」 …こいつとハルヒを取り合って勝てる自信がない。 「じゃぁいつもの喫茶店に移動!」 おいおい、神様はどんなにひどいんだよ。 午後のペアは 俺と古泉 長門と朝比奈さん ハルヒと春日だった。 俺の怒りのマグマが心の中でブクブクいっている。 「やったー春日君と同じね!私がこの町の良いところ教えてあげるわ!」 ……… 「ありがとう、涼宮さん。」 ……… 何だよ何だよ、ケッ、両方とも微笑みやがってさぁ。 「大丈夫?性格に悪化が見られる。」 あぁ、長門。気にするな。 「じゃぁ出発!春日君、早く行きましょう!」 ハルヒが春日の手を引っ張る。 一瞬怒りで脳味噌が吹っ飛んでいくかと思った。 いつも春日が来る前はハルヒにやられていたが、端から見るとこんなにもカップルに見えるのか…。 「私たちも行きましょうか。」 るせぇな、どこに行くんだよ。 「あなたの好きなところで良いですよ。」 じゃぁ、あいつらをつけるぞ。 「いつからストーカーになったんですか?」 モラルとかルールとか、正直そんなものは今どうでも良い。 俺は、ハルヒを春日に何があっても絶対に取られたくない。 …ここまで俺がハルヒを好きだとは思わなかったぜ。 「気付いて良かったじゃないですか。しかし、男の嫉妬は醜いですよ?」 放っとけ。 ハルヒと春日は、仲良く喋りながらいろいろな場所を回っていった。 大したことはしていないが、俺にしたら二人が傍にいるだけで嫌になる。 そして暗くなり始め、そろそろ集合場所に戻るかと思っていると、春日が何かを言い出した。 俺達の位置からは何を言っているのかは聞こえない。 ハルヒはその言葉に頷き、春日の後をついていった。 「どうぞ。」 古泉が俺にケータイを少し小さくしたような機械を手渡す。 これは何だ? 「長門さんがさっき仕掛けておいた盗聴器の受信機です。」 そういえばさっき長門とハルヒ達がすれ違ったような… 何故仕掛けたのかが気になるが、まぁここは感謝してせっかくだから使おう。 俺今完全なる犯罪者だな… 『ねぇ、春日君、こっちに何があるの?』 『まぁまぁ、僕についてきて下さい。』 二人はテクテクと人気のないほうに歩いていく。 俺達はコソコソとその後をつけて行く。 すると、春日はハルヒを人気のない公園に連れ込んだ。 「これは、もしかして、彼は涼宮さんに告白する気では…」 なぁんだぁってぇぇぇ?! 春日がハルヒに好意があるのは知っていたが、さすがにこんなに早く告白するとは思わなかった。 やばい、ハルヒは中学時代、どんな男に告白されても、その場でふったことは無いらしい。 つまり、春日がハルヒに告白したとしたら、どんなに短時間だとしてもあの二人は恋人関係になるわけである。 しかも、ハルヒもあまり春日を嫌っていないようだ。 ということは本気で付き合いだすかもしれないという事か?! 『どうしたのよ、春日君。こんなところに連れ込んで。』 『俺…ハルヒのことが好きだ!付き合ってくれ!』 『え…』 俺が飛び出そうとすると、古泉に抑えられた。 「後少し待ってください。」 『え、そんな、春日君?』 『僕は本気です。』 『ちょ、春日君、キャッ!』 するとその時、春日がハルヒをベンチに押し倒したのだ。 一瞬、古泉の腕の力が抜けた。 俺はそのまま、ハルヒと春日の前に出て行く。 おい、春日、何やってるんだよ? 春日がこっちを振り向く。 「キョ、キョン?」 「何って、涼宮さんに告白してるんだよ。」 「違うの、キョン、これは…」 そのことじゃない、何故お前はすでにハルヒを襲おうとしてるんだ? 「涼宮さんは告白は断らない主義だそうなのでね。」 だからと言ってお前何故服を脱がそうとしてるんだよ… 俺は黙々と春日に近付き、 ドスッと春日を殴った。 「キョン?!」 「何するんだ!」 女を襲ってる奴を殴って何が悪い? 「別に僕が涼宮さんに何をしようと僕の勝手だろう?」 違う。 俺はな、ハルヒが好きなんだ。 「…え?キョン?!」 最初お前が転校してきた時、俺は自分がハルヒを好きだとは思っていなかった。 だが、お前らが仲良くしているうちに俺は自分がハルヒを好きだって気が付いたんだ。 「キョン…」 「そんなこと言ったって…僕だって涼宮さんのことが好きなんだよ?」 あぁ、だろうな。でも俺だって好きなんだよ。 おいハルヒ、お前は俺と春日、どっちを選ぶんだ? 「…キョン、ごめんね。」 え…。 「春日君もごめん。」 どっちも振るのか? 「うぅん、キョンにはやきもち妬かせてごめんね?後、春日君、気持ちに答えられなくて、ごめん。」 「涼宮さんは、キョンを選ぶのかい?」 「ごめんね、春日君。春日君はすっごく優しいし、頼りにもなるし、趣味も合う。頼りにならなくて、気も利かなくて、ヘタレなキョンとは大違い。だけど…何故か分からないけど…私はキョンが好きなの。ごめんね。」 すると、ハルヒがいきなり倒れた。 お、おい?!ハルヒ?! 「大丈夫、安心して。私がやったこと。」 長門?! 「キョン、君と争えて良かったよ。」 春日の影が薄くなっていく。 おいおい、どうなってるんだよ? 「春日君は涼宮さんがあなたにやきもちを妬かせる為に作ったもの。あなたがやきもちを妬き、告白した今、用はない。」 「だから、彼は消えるんですよ。」 …春日、お前、意外と良い奴だったな。 「君もだよ、キョン。じゃぁ」 「「またいつか、どこかで」」 「キョーン、一緒に帰ろ♪」 ということで、あの日の告白以来、俺とハルヒは付き合うことになった。 春日のことを長門に聞いてみると、一言 「情報操作は得意。」 と言われてしまった。 つまり、多分みんなの記憶から消したんだろうな。 だが、俺は春日のことを忘れるつもりはない。 もしかしたら、あいつとは、良い友達になれたかもな。 しかし、ハルヒが今、俺の隣で笑っているのは春日のおかげだ。 「何考えてるの?」 いや、別に。お前のこと考えてたんだ。 と適当にごまかす。 「もう、キョンったら」 そういうハルヒの顔は、うっすらと紅色に染まっていた。
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・・・『嫉妬』と言う感情が、有機生命体には存在している。 そのように情報統合思念体に教わった。 私には、その感情が理解できない。というよりも、経験したことがないのでわからない。 私には縁のないもの。そう、思っていた―・・・。 『有希、用事があって今日のお昼一緒に食べれないや。ごめんね』 ハルヒに伝えられたのは、3時間目の休み時間。 私とハルヒは毎日昼食を共にする。しかし、用事があるのなら仕方ない。 『わかった。』 そう告げると、始業5分前の予鈴がなった。 ―・・・そして、4時間目終了のチャイムがなり、昼食の時間。 通常ならハルヒと共に昼食を食べているところ。 私はとりあえず、手を洗おうと廊下に出た。そのときだった。 ハルヒが、朝比奈みくるに抱きついていた。 …よくわからない感情が、身体の中をぐるぐる回る。 もやもやして、胸の奥を締め付ける。 『あ、有希・・・』 ハルヒが私を見つけ、こちらに向かってくる。 だが私は、なぜだかわからないがハルヒに背を向けてしまった。 本当になぜだかわからない。エラーが発生した。 ハルヒも追ってこない。私の中の『感情』というものにバグが発生したのかもしれない。 ―・・・その日の部室には、私とハルヒの2人だけだった。 静かな部屋に本のページをめくる音が響いていた。 しかし、彼女の言葉で沈黙はやぶられることになった。 『ねぇ、有希・・・どうしたの?』 『どうもしない』 私自身にもわからないのだから、どうもしないと答えた。 『どうもしない、じゃないわよ。なんだかいつもと様子が違うじゃない。』 『…』 私は何も答えずに、本に目を落とした。 『有希!話してるときは本を読まないのっ!』 そう言われ、本を閉じる。 『有希がおかしくなったのは昼休みよね?何があったの?』 昼休み・・・私は廊下で朝比奈みくるに抱きついているハルヒを見た。 そのときから私の様子が違うのだと言う。 『廊下で…朝比奈みくるに抱きついているあなたを見た。 あなたは、昼休みに用事があって昼食を共に出来ないと私に言った。』 『・・・へっ?』 『なのにあなたは朝比奈みくると行動を共にしていた。 私の様子がおかしいのだとしたら、それはきっとその時から。』 ハルヒの顔が紅潮してゆく。そして、私を抱きしめる。 『なぁに、有希・・・ヤキモチなの?』 『・・・ヤキモチ?』 ヤキモチとは、嫉妬のことだと、ハルヒが教えてくれた。 『ごめんね有希。今日はみくるちゃんの新しい衣装の採寸してたのよ』 『それにしても、有希がヤキモチ妬いてくれるなんて』 ハルヒは嬉しそうに笑った。 『ホントごめん・・・』 彼女の言葉を遮って、私はハルヒの唇に自分のそれを重ねた。 ハルヒの唇が離れる前に、無理矢理口をこじ開けて舌をねじ込む。 『んぅ・・・ちょ、有希っ!?』 ハルヒは私から離れ、顔を真っ赤にさせている。 『もう、ビックリするじゃない。』 ハルヒの言葉に返事はしなかった。そして、私は彼女の首に吸い付いた。 『ひゃっ!?』 私が彼女の首から唇を離した時、吸い付いたところは赤くなっていた。 俗に言う、キスマーク。 彼女は私のものという印。 『な、なにするのよ!!制服きても隠れないところにつけちゃって・・・!!』 顔を真っ赤にしながらまくしたてる彼女に向かって私はこう言った。 『あなたは私だけのもの。他の人には絶対に渡さない。』 これでもかと言うくらいに顔を赤らめる彼女に、また口付けをする。 嫉妬とは、相手をとても想っているということだと、理解した。 ハルヒは、私だけのもの。世界で一番、大切な人。
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団長 決めたわ。明日から『キョン断ち』するわよ! 団員1 なんなんだ、その『キョン断ち』ってのは? 団長 決まってるじゃない!キョンを絶つのよ。このままじゃ、あたしたち、単なるバカップルになっちゃうわ。だからキョン断ちするの。今は毎日会ってるし、おはようからおやすみまでほとんど一緒にいるけど、しばらくあんたには会わないわ。電話もしない。メールも打たない。机の上と枕の下と本棚と押し入れにあるキョン写真もすべて片付けるわ。そうね、有希に預かってもらいましょう。これで完璧ね。 団員1 なにが完璧だ? それだと俺もおまえに会えないじゃないか。第一、俺とおまえは同じ部活で同じクラス、席も前と後なんだぞ。 団長 問題はそこね。いいわ。あたし、しばらく学校に来ないから。 団員1 はあ?いいわけないだろ。 団長 成績の悪いあんたが休むと学業に差し支えがあるだろうから、あたしが休むほうがベターってもんよ。 団員1 勝手なこと言うな! 何日もおまえに会えないなんて、どうにかなっちまいそうだ。 団長 だからよ。意思の弱いあんたに『ハルヒ断ち』は無理だろうから、ここは団長のあたしが、耐え難きを耐え忍び難きを忍んでキョン断ちするの。感謝しなさい! 団員1 断る! バカなこと言うな! 俺に会えなくなって、おまえは平気なのか? 団長 あんたこそバカ言わないで!平気なわけないじゃない! いい、キョン? これはあたしたちに与えられた試練なの。会えない時間が本当の愛を育てるのよ。これを乗り越えたら、お互いがどれだけなくてはならない存在か、身にしみてわかるはずよ! 団員1 そんなものは、もう身にしみて分かってる! 団長 キョン……。 団員1 もし、本気でそんなこと言うんなら、俺にだって考えがあるぞ。 団長 考えって何よ? 団員1 浮気するぞ。 団長 はあ? 団員1 朝比奈さんと仲良くお茶っ葉を買いに行ったり、長門と図書館をはしごしてやる。それも3日おきだ。 団長 うっ! 団員1 それから鶴屋さんとゴージャスな○○をして、朝倉にはカナダと文通するぞ。ミヨキチとは遊園地へ行ってやる、しかも妹つきでだ! 団長 くぅ…。 団員1 それから古泉と○○して、さらにシャミセンと……。 団長 やめなさい! 古泉君とシャミセンはオスでしょ! 団員1 どうだ!これでもまだキョン断ちする気か? 団長 ひ、ひきょうもの! 団員1 お願いだ、ハルヒ、考え直してくれ。バカップルのどこがいけないんだ? お互いツンデレとフラクラだった頃に戻りたいのか?確かにあの時はあの時で楽しかったが、今とは比べものにならない。雲泥の差だ。精神病だというなら、それでもいい。自重しろと言うやつには言わせておけ。今の俺には、おまえのいない生活なんて考えられない。まだ少しでも俺を愛してくれているなら、ハルヒ、しばらく会わないなんて言わないでくれ。 団長 このぉ、バカキョン!! 少しでも、ですって!? 60兆個の細胞ぜんぶで、あんたを全て、まるっと、骨から皮まで愛してるわよ!! 団員1 ハルヒ……。 団長 わ、わたしが悪かったわよ。……そ、その、ごめん。 団員1 ハルヒ、おまえにそんな顔は似合わん。おまえは100ワットのパルック・ボールみたいに笑ってないとダメだ。俺も言いすぎた。 団長 ううん、キョンは悪くないわ。あたしがまた勝手な思いこみで突っ走って、キョンにつらい思いをさせたの。そんな思いしてまで、あたしを止めてくれるのは、いつもあんた。キョン、あたしもあんたなしの生活なんて考えられない! 団員1 ハルヒ! 団長 キョン! 副団長 長門さん、お二人を閉鎖空間に隔離できませんか?このままでは僕たちが……。 文芸部 今、行っている。しかし桃色空間の拡大が著しく、再優先で対処しても拡大速度に追いつけるのは6時間先。なおバカップル反射シールドおよびそのバックアップ・シールドは無効化された。 副々団長 殺せえ! いっそひとおもいに殺せ! キョンの禁欲へ
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ハルヒ名作子供劇場「アルプスの少女ハルヒ」 「さあ、みくるちゃん、あの火の輪を飛びなさい!」 「わ、わたしはヒツジじゃありません、ヤギですぅ それ以外にいろんなところが間違ってますっ。あ、長門さん?」 「私はヤギ」 「じゃあ、あんたは小さくて白いからユキね」 「ふえ〜ん、そっちは原作どおりなんですねぇ。少しうらやましいですー」 「じゃあ、ユキ、あの火の輪を飛びなさい!」 「あくまでも、そこは既定事項なんですねー」 「……許可を」 「よし、やっちまえ」 「あ、キョン君。キョン君は何の役なんですか?」 「“ヤギの大将”と“おじいさん”の二本立てです。この後、ハルヒと両手つないでぐるぐる回らなきゃならないと思うと憂鬱で」 「さあ、キョン。さっさと干し草のベッドを作りなさい!!」 「やれやれ」 「アーデルハイド、スープは音を立てずに、にょろーんと飲んじゃうっさ!」 「鶴屋さんは、ロッテンマイヤーさんですか?」 「そうだよっ! っていうか、みくる、さっさと着替えて車椅子に乗るっさ!」 「え、え、ということは、わたし、クララさんの役ですか」 「このメンバーで、朝比奈さん以外にできる人はいませんよ」 「って、古泉、お前は何だ?」 「クララさんの父親のゼーゼマン氏らしいですね、おそらくは」 「来たわね、ゼーゼマン。あんたの正体はお見通しよ! フランクフルトで銀行家、あんたユダヤ人ね!」 「ハルヒ、それ、いろんな方面的にまずいから」 「おお、クララが、クララがいきなり立ちました。なんとお礼をいって良いか」 「お礼なら、アルムの山と……」 「お礼なら、あたしに言いなさい!!」 「お前、何もしてないだろ!?」 「したわよ、火の輪くぐりとか」 「おい、シャミセン。おまえ、ヨーゼフの役か?」 「け、けだものにょろ!」 ………おわらないが、つづかない orz
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俺は、ハルヒの事が好きだが、告白するなんぞ出来ない…… 何故なら、俺はツンデレだと自覚している。 それなのに、いつものように生活している…… 「涼宮ハルヒの憂鬱キョンとハルヒの絆」 今の季節は夏、俺は今、学校へ行ってる所である。 谷口「よぅ!キョン!」 声掛けるな、暑苦しい 谷口「何言ってんだ?クールな口調になってるぞ」 なってない、なってない 場所変わって、教室 入ると、ハルヒがいる かなり暇なようだ 「よぅ」 ハルヒ「あ、キョン、放課後ミーティングあるからね、遅れないように!」 「はいはい」 と、言う時に岡部が来た 放課後、俺はいそいそとSOS団部室へ行った。 入る前にノックして入るのが俺のルールだ みくる「は~い、どうぞ」 我らアイドル、朝比奈みくるの声である。 う~ん、可愛い声ですね! 入ると、朝比奈さんと古泉と長門……そして、ハルヒがいた。 古泉「こんにちは」 長門「……(ゴクリ」 みくる「こんにちは、キョン君」 ハルヒ「遅い!ミーティングするわよ!」 やれやれ……挨拶無しですか、ハルヒさん いつものようにミーティングをやり、終わった。 そして、長門が本閉じた時が帰る時間になるのだ。 帰ろうと思ったのだが…… ハルヒによって呼び出された。 ハルヒ「キョン、あんたは残って……話したい事あるの」と言われた。 このまま、帰ったら死刑にされるから仕方なく了解した。 今、部室には俺とハルヒだけだ 「……」 ハルヒ「……」 「……」 ハルヒ「…ねぇ、キョン」 「何だよ」 ハルヒ「…あたしの事どう思ってるの?」 「?俺がハルヒの事どう思ってるかってか?」 ハルヒ「…うん」 唐突過ぎて呆然してしまった。 俺が、ハルヒの事どう思ってるのかって? ハルヒ「……」 「……」 ハルヒ「……」 長い沈黙である。何分経ったが分からないぐらいだった……そして、俺は沈黙を破った 「…最初は変な奴かと思った」 ハルヒ「!?」 「しかし、俺は、お前と一緒にいると楽しいと分かった」 ハルヒ「……キョン」仕方ない、ここで告白しようか……言うんだ!俺よ! 「……ハルヒ、俺はお前の事……」 キィィィィ…… な、何だ!?この耳鳴りは!? ???「やっと、見つけたね」 この声……まさか!? ???「やっと、見つけたね」 「お前はまさか……」そう、俺を2回襲い、殺そうとした………それが 「朝倉涼子!」 朝倉「当たり、流石、キョン君ね…私の事を覚えてるなんで」 「何で…何でこんな所にいるんだ!」 朝倉「私は、キョン君と涼宮さんに会いたかったの」 ハルヒ「朝倉さん、あんた、カナダへ行ったんじゃあ……」 朝倉「お久しぶり、涼宮さん……残念だけど、カナダ行ってないし……それに」 と、部室が異空間に変わった。 朝倉「私は普通の人じゃないわ」 「!?」 おぃおぃ、マジか? 朝倉がナイフ取り出したぞ…… ハルヒ「あ、朝倉さん……」 ハルヒは、呆然してるな… ま、仕方ないだろ?誰でも信じたくない出来事で呆然するのは当たり前… じゃなくで、こういう状況はどうすんだ……気付いてくれよ、長門! 朝倉「ふふふ……どうするの?」 くっ、逃げるしかないか…… おぃ、ハル…… ハルヒ「これは、どういう事?ねぇ、キョン!」 ちっ、ハルヒが混乱に陥ってるな… 「ハルヒ!逃げるぞ!」 ハルヒ「キョン!」 俺は、ハルヒの手を捕まって部室から逃げた。 とにかく、稼ぐんだ!時間を稼ぐんだ!長門! 朝倉「逃がしはしないわ」 逃げる、逃げる、とにかく逃げる…… …おかしい、階段が見当たらんぞ……これがエンドレス廊下かぃ! 笑えないな 朝倉「そう、笑えないわ」 いつの間に!? 朝倉「今度こそ、あなたを殺して、ハルヒを目覚めて貰うわ」 くっ、ここでゲームオーバーか! 朝倉「死になさい」 朝倉のナイフを俺の方へ投げる… ???「……させはしない」 この声は! 「長門!」 長門「…遅れてゴメン」 朝倉「ふふふ、まだ現れたね、有希」 長門「あなたは、私が消したはず」 朝倉「私は諦めない主義なんでね」 長門「あなたは、前より強くなった」 前より強くなった!?と言う事は、前のようには出来ないって事か!? 長門「…そう」 冗談じゃねぇ!と言う事は、この異世界から脱出するしかないのかよ! 長門「…そう」 朝倉「脱出しても無駄、私が追っかけるわ」 長門「…一つ出来る事ある」 「それは、何だ?」 長門が言ったのは、次の事である。 朝倉を無へ帰る事 つまり朝倉と闇に包まれた世界へ行けってか…… 「で、それはまだなのか?」 長門「……もう完了した」 なるほど、長門ってなかなかの策士だ。 長門「出口を開ける」 と、長門が呪文を唱えて、何も無い空間から出口が現れた。 「行くぞ、ハルヒ」 ハルヒ「う、うん」 ハルヒを出口まで連れて行く時に、突然、キョンは腕を捕まれた 朝倉「させない」 キョン「な、放せ!」朝倉「暴れても無駄よ」 ハルヒ「キョン!」 くっ…………仕方ない… 「ハルヒ!長門!出口まで走れ!行くんだ!」 ハルヒ「で、でも!」「行くんだ!」 ハルヒ「……分かった、行こ、有希!」 と、ハルヒは、長門を連れて走った… そう、それでいい… 朝倉「何をする気?」「お前を、道連れしてやる!」 朝倉「ま、まさか!?」 周りの空間が闇に染まって来る ハルヒ「キョン!何してるの、早く!」 ハルヒ、長門…脱出したな… 長門「…キョン」 寂しがるな、長門… ハルヒ「キョン!ねぇ!」 ハルヒ…今までありがとな… 「っ!ハルヒ!お前は、俺の……」 ハルヒ「キョーンッ!」 ――恋人だ 異世界の扉が閉ざされ、元の部屋に変わった。 そして、キョンは行方不明に… キョンが消えた… あたしが好きだったキョンが消えた… 「有希!キョン救えるでしょ!」 長門「…救える確率は低い」 「そ、そんな!?」 長門「彼の事は、病気という理由しておく」 「……」 長門「…ゴメン、ゴメンなさい」 「!ゆ、有希…」 泣いてる…あんな無感情だった有希が無いてる 「あ、あんたは悪くないのよ…有希、いいの、自分で責めないで…」 長門「うん…でも、ゴメンなさい」 「いいの!二人で救う事だけ考えようよ……うっ、ううっ…」 長門「……」 お互い、抱き合って泣いた…神はあたし達を見守ってるだろうか… 次の日 岡部「えー、●●●は病気で欠席だ」 クラス一同「エェーーッ!?」 ……キョン キョンの机… キョンの置き勉… …キョン 「よぉ!」 「映画、成功しよう!」 「やれやれ…」 「SOS団の事頼むぜ」 「俺、実は…ポニーテール萌えなんだ」 「ハルヒ、それ似合ってるぞ」 「ハルヒ、ハルヒ、ハルヒ……」 会いたい、キョンに会いたい… 阪中「どうしたの?ハルヒさん……泣いてるの?」 え、泣いてる? あたしが泣いてる…… 会いたい、キョンに… 授業が終わり、放課後になり ハルヒは部室へ行き、古泉やみくるに昨日の事を伝えた。 みくる「そ、そんな…キョン君が…」 古泉「キョンさんが行方不明に…」 二人も驚いてた。仕方ない事だったのよね…いえ、仕方なくない! 長門「ゴメンなさい」 「有希は悪くないのよ、全て…あの子が悪いのよ」 長門「……」 あたしは、信じてる…キョンは今どこにいるかを! それに… 「古泉君、みくるちゃん…あんた達は、やっぱり…」 古泉「…気付いてたのですか?」 みくる「そうです、私は未来人です」 そっか…有希が宇宙人だとすれば、この人達は…と思ってたけど… あの時、キョンが必死に言ってたのはこれだったのね… 「…古泉君、みくるちゃん、有希、あたしは何者なの?」 みくる「あなたは…時間を変える能力あります」 長門「こっちは、三年前…情報を爆発させたのは…あなた」 古泉「しかし、我々…『機関』では、あなたの事を「神」だと思ってる者がいます」 つまり、あたしは何者がはっきりしてないって事ね 古泉「恐らく、そうなります」 ん?と、言う事は 「あの時…そう、キョンとあたしがいた空間はもしかして?」 古泉「空間?巨人がいっぱい出て来た空間の方ですか?」 「うん、そう」 古泉「あれは、「閉鎖空間」と言われる空間なんですよ。あなたのイライラで発生した空間です… あの巨人は「神人」と呼ばれる者なのです。アレは、あなたの不機嫌で出来た者達…あなたは夢だと思ってますが、違います。」 「え!?じゃあ…アレは…夢じゃないって事?」 古泉「えぇ、そうなります」 な、ちょ…え!?うそ!?あのキスはゆ、夢じゃないの!? 古泉「何があったか知りませんか、夢ではなく現実です。あなたの不機嫌が爆発したら…ここは無くなる可能性あります」 え?あたしの不機嫌で世界が無くなる? 「それは、世界崩壊って事なの?」 古泉「…はい」 そんな!あたしは知らないまま生きてたと言う事なの… みくる「涼宮さん、あなたは知らないまま生きて欲しいと望んで来ました…まさか、この時に告白するとは思いませんでした …すみません」 「みくるちゃん…いいの、あたしは気にしてないわ」 長門「私はあなたを守る」 「ありがとう、有希…ありがとね…」 と言いながら、あたしは、ふと、窓の方へ見た… 橙色で染まってて美しかった。 キョン、今どこにいるの… ???「うっ…こは、ど…だ…さ…い…みん…会い…い…ハ……ハル……ルヒーっ!!」 ハッ!? …ゆ、夢か… あれから、一ヵ月後…あたしは元気になって通っている。 でも、家では元気じゃない… 泣いた日だってある… 「んー?何だったのかしら?あの夢…」 時々、声が途切れて、何で言ってるのか分からなかった… なのに、どこが…懐かしい感じがしたわ… 何だったのかしら? SOS団室 「やっほー、みくるちゃん!お茶!」 みくる「は、はい…ちょっと待って下さいね」 みくるちゃんのメイド姿を見ると、嫌な夢忘れられるわ… 古泉「こんにちはー、おや?ハルヒさん、今日も大丈夫ですね」 「あったり前よ!それに比べて、キョンなんか…あ…」 古泉「…すみません」 みくる「…お茶置いときますね」 「あ、うん…」 そっか、今はキョンいないんだ…あたしって、まだ思ってるんだな… 「……キョン…」 まだだ、あたしって弱くなったな…キョンがいたら、きっと笑ってしまうよね 長門「……」 古泉「おや?長門さん、顔色が悪いですよ…大丈夫ですか?」 長門「う、うん…」 みくる「本当に大丈夫なんですか?」 長門「大丈夫」 と言って、立ち上がった。 古泉「おや、帰るんですか?」 長門「…(ゴクリ」 と、有希は歩き出した途端 「…ぁ…」 ドサッ! 有希が倒れた… 「!…有希っ!有希!有希!」 みくる「有希さん!」 古泉「保険室へ行きましょう!」 保険室 「有希、どうしたのかしら?」 みくる「そうですね…」 シャッ カーテンを開く音だ。 古泉「先生から聞きましたが…長門さんは、寝不足に疲労が溜まってたんですよ」 「寝不足と…」 みくる「疲労?」 古泉「えぇ、そうです」 「な、何で…有希が?」 古泉「…ハルヒさん、心当たりありますか?」 心当たり?……まさか… 「ずっと、キョンを探してたの?」 古泉「……」 みくる「……」 有希…有希も、まだキョンの事を… 「有希…何で、何で…あたし達と相談しなかったのよ…ズルイわよ!あたしは、団長なんだからね!…うっ、うっううっ…」 みくる「ハルヒさん…」 古泉「……」 有希は、今も寝てる…優しい天使の様に …よし、決めた! 「皆!よく聞いて!」 古泉「はい?」 みくる「何ですか?」 「あたし達と一緒にキョンを探そう!きっと、どこかにいるわ!」 みくる「涼宮さん…」 古泉「これは、良い決心ですね…僕も探しましょう」 「皆、頑張ろうね!」 長門「私は…まだ諦めてない…私も探す」 と、有希は起きてた 「有希!ちゃんと寝ないとダメよ!」 長門「大丈夫…時間を早くした…もう平気」 有希… みくる「行きましょ!」 みくるちゃん… 古泉「僕も一生懸命、探しますよ」 古泉君… ???「ハルヒっ!」 「!…え?」 周りを見ると誰もいない… どういう事?あ! (???「ここは、どこだ…寒い…皆に会いたい…ハルヒ、ハルヒ、ハルヒーっ!」) あの夢、まさか…キョン!? 皆に、夢の事を話すと 古泉「夢の中にキョンさんか?」 みくる「まさか、キョン君は…今、そこにさ迷ってるって事?」 「かもしれないわ…キョンは多分…」 長門「その可能性ある」 古泉「……」 みくる「……」 「…有希、何とか出来ないの?」 長門「ある」 古泉「え?それは…まさか?」 みくる「どういう事ですか?」 「古泉君、何か分かったの?」 古泉「…閉鎖空間へ行き、欠けた場所あれば…そこが異空間の入り口です」 欠けた場所? 「はい、例えば…そこに壁があるとすれば、閉鎖空間では壁では無くなってる…と言う事です」 つまり、あった物が無いとすれば、そこが異空間への入り口って事ね 「で、どうやって行けるの?」 古泉「ご安心を、僕の出番ですから」 古泉「ここでいいでしょう」 ここは、校庭…何でこんな所に? 「って、ここで何か出来るの?」 古泉「はい…その前に、あなたに言いたい事あります」 「何?」 古泉「僕とみくるさんに、長門さんは行けません…何故なら、あの空間はあなたの物ですからね」 「……」 古泉「一人で探せますか?」 「探せるに決まってるでしょ!」 古泉「そう聞いて、安心しましたよ…さぁ、目を瞑ってください」 目を瞑る?取りあえず、言われた通りにやるしかないわね… 古泉「失礼ですか、手を貸しますよ?」 「うん」 一歩、二歩、三歩… 古泉「目を開けて下さい」 ……ここは、閉鎖空間ね 古泉「後は、頑張って下さいね」 と言い、古泉君は消えた… …さて、キョンはどこにいるのかしら 一年五組の教室… 保健室… 食堂… トイレ… 屋上… 体育館… 色々、探したけど…見つからなかった… 「ふー…ここにも無いわね…と言う事は…SOS団室だけか…」 SOS団室のある校舎へ行き、階段に登り、到着した。 ここなら…見つかるはず…お願い! と、あたしは思いながら開けた… 何にも無い… 「う、うそでしょ…どこにも無いわよ…」 ん?何か…何か変ね… ロッカー…コスプレ服…盤ゲーム…お茶入れ…ヤカン… あ、PCが無い… 「どういう事?」 よく調べると…PCがあった机の向こうに入り口あった… 「入り口から見れば無かったのに…後ろにあったなんで…」 そう、そこが異空間への入り口… 何だが、怖い…怖くで行けないよ…キョン…あたしは本当は気が弱いのよ…キョン… 「うっ…ううっ、ひっ…怖いよぉ…」 カダンッ! 「ひっ!……な、何?」 周りを見ると、床に何か落ちてた… 「…これは…」 よく見れば、キョンの鞄だった… キョンが行方不明になって以来、鞄をおばさんや妹ちゃんに返してなかったっけ… キョン… 「ん?鞄の下に何かある…」 と、鞄の下にある物を取って見ると… 一冊のノートだった… 「何で、こんな物か?…日記?」 ノートの表面にデカデカと「日記」と書かれてあった… とにかく、開いて見る ○月○日 変わった女がクラスにいた。そいつの名は涼宮ハルヒ。 しかし、可愛かったな…ポニーテールすれば物凄く可愛いよな ○月○日 ちょっと話し掛けてみた…すぐに終わっちまった… まったくよ、こんな可愛い子がいるのに勿体無くね? ○月○日 ハルヒを観察したら、分かった…こいつ、曜日ごとに髪型を変えてるな…うむ、面白い ○月○日 SOS団か…まぁ、仕方ないか… 間違った方向へ行かなきゃいいんだがね… キョン…こんな事を日記書いてたの? ○月○日 夢を見た…ハルヒとキスする夢を…うわぁ、恥ずかしい!フロイト先生が笑ってしまうぐらい恥ずかしい… でも、味が良かったな… キョン…嬉しかったの? キョン… 最後まで読もう… ふー…次のページへ行くかな… ベラ・・・ 「ん?これは…最近の」 ふと、手が止まった… ○月○日 ハルヒを見て思った…ハルヒは確かに可愛い。 怒る顔も可愛かった…だけど、ハルヒと一緒にいるだけで楽しい… だから、俺はつい嬉しくなる…ハルヒはハルヒらしく行動してくれると俺は安心する… めちゃくちゃな行動をするハルヒが好きだ。気が強いハルヒも好きだ。 俺は、素直に「好きだ」と言えない…それでも、愛してる… ハルヒ、気付いてくれるのだろうか… キョン…あたしの事をそう思ってたの!? 「キ、キョン…あぁ、会いたい!会いたいよ!…気が強いハルヒが好き?…でも、あたしは…本当は、気が弱いのよ!」 あたしは、泣いた…物凄く泣いた…会いたくでも気が弱いまま… (キョン「ハルヒ、お前は!俺の……」) !? (――恋人だ) キョンは、こう言ってたわ…あたしを恋人してくれたんだ…あたしは、頑張るよ!いつまでも気が弱いままじゃダメだよね…キョン、待ってて!) と、あたしは異空間へ入った。 暗い… 上と下が分からない… 寒い… キョン…どこにいるの… フワッ! あたしがいた暗かった異空間が、いきなり明るくなった。 「な、何なの?」 ここは、あたしが通ってた東中… そして、今いるのは、校門の辺り… 「…!!」 「……!」 校庭の辺りに声が聞こえる… あたしは、そこへ行って見た 「あ、あれは」 そう、あたしが見たのは…中学校頃のあたしと…ジョン・スミスだった。 どうやら、線引きをやってる最中だった。 どうやら、線引きが終わったようだ 「ねぇ、あんた。宇宙人、いると思う?」 「いるんじゃねーの」 「じゃあ、未来人は?」 「まあ、いてもおかしくはないな」 「超能力者なら?」 「配り歩くほどいるだろうよ」 「異世界人は?」 「それはまだ知り合ってないな」 「ふーん」 あの男…確か… 「ま、いっか」 「それ北高の制服だよね」 「まあな」 「あんた、名前は?」 「ジョン・スミス」 ジョン・スミス!?ジョン・スミス…まさか…キョン? そうか、キョンは3年前へ行ったんだ… キョン…あたしの知ってるジョン・スミスだったんだ… その後、昔のあたしとジョン・スミスが去った後、校庭へ行った。 そっか、これを書いたのは…キョンだったんだ… ありがとう、キョン… と、その時にあたしの後ろから光が放った。 「え?」 あたしは、振り向いた その光が人の姿に変わった…そして、光が消えた。 「え?あ…」 目の前にいた…あたしの会いたい人がいた… キョン「久しぶりだな、ハルヒ」 ハルヒ「キョン!」 あたしは思わずキョンへ駆け寄り、抱き付いた… 「会いたかったよ!キョン!」 キョン「スマンな、心配掛けて…」 いいの…キョンがいたから、謝らなくでいいの! 「キョン…」 キョン「…ここは、3年前の七夕だな」 「うん」 キョン「さっき、気付いたんだろ」 「うん!」 キョン「……」 ハルヒ「……」 お互い見つめ合ったまま、動かない… キョン「ハルヒ、ただいま」 ハルヒ「おかえり、キョン」 ???「あら?いい雰囲気ね」 !?あの人が来た!?学校の屋上? と、二人は学校の屋上を見る キョン「いい加減しろ…朝倉涼子!」 朝倉「あら、張り切ってるね?キョン君」 いきなり、キョンサイドへ切り替わりまーす! 朝倉「ふふふふ…どうするの?」 ハルヒ「キョン…」 あぁ、大丈夫だ!ハルヒ、俺が守ってやるさ 「朝倉!俺は思い出したぞ」 朝倉「何を?」 「長門から聞いた事ある。この異空間は自分の意思で物を変えれると聞いた! だが、それも条件あるんだろ?」 朝倉「あら、有希ってお喋りね」 「その条件はここの異空間とはピッタリらしいな?しかも、この異空間はコンピュータ世界だろ?」 朝倉「で、それがどうしたの?まさか、物を出すとか?」 「大当たりだ。普通の人でも出せるらしいよな?だったら!」 俺がイメージした通りに物が現れた…それは銃だった。 それを取って、素早く構えた。 「もぅ、お前の思い通りはさせねぇ!そして、お前を撃つ!」 朝倉「!?」 「……」 朝倉「ふふふふ、あーっはははは…この私に何か出来るというの?」 朝倉「ふふふふ…行くよ!」 と、朝倉の手からナイフが出て来た。 「くっ!」 銃で防御する俺 ハルヒ「キョン!」 「ハルヒ!お前は隠れてろ!」 ハルヒ「う、うん」 キン! 朝倉「ハルヒを逃してどうするのよ?キョン君!」 キン! 「ハルヒは俺が守る!朝倉、お前がやってる事は間違ってる!」 キンキン! 朝倉「それがどうしたのよ!私が間違ってる?それは無いわ」 キンッ! 鍔迫り合いする両者 「それは、お前のエゴだって…分かってるのか?」 朝倉「さぁ?分からないわ」 「ふざけんな!」 と、俺は弾き返した 朝倉「私は、ふざけてないわよ?」 朝倉「あなたがいる世界はつまんないでしょ?」 「つまらくはない、むしろ、楽しいさ」 朝倉「あら?我慢してるの?」 「…俺は、ハルヒがいる世界が好きだ…だが、お前が思うような世界は欲しくない」 朝倉「あら、ハルヒ、ハルヒって言うけど、そんなに好きなの?」 と、朝倉は「やれやれ」のボースをしてる。 「確かに、好きだ…あいつは気が強くでも、本当は気が弱いところがある…それでも守りたい…」 朝倉「ふーん…」 「ハルヒはハルヒだ、お前の思うようにはさせない!」 朝倉「でも、もう遅いよね…どの道、あなたが死ぬのだから」 「それはどうかな?」 朝倉「え?影?まさか!?」 朝倉は、月の方へ振り向いた 「遅かったな……長門!」 そう、月を背景して現れた 長門「情報結合の解除を申請する」 と長門が言うと、朝倉のナイフが消えた 朝倉「そ、そんなバカな…」 説明しよう!キョンは戦略を考えていたのである! 銃を出した後、長門の事を思い浮びながら戦ったと言う事だ! 時が来たら、それを実行したのがキョンの策…流石、策士は伊達じゃないぜ! 朝倉「くっ…」 朝倉は、少しよろめく 「朝倉!お前の負けだ!」 と、銃を構えた 朝倉「くっ!これが私の負けなのね…」 「朝倉!これで…終わりだぁっ!」 と、銃の引き金を引く バァン… 朝倉「あぁ…私の…ま…けね…」 朝倉は涙の泣かしながら、結晶化になり…消えた。 「…長門、ありがとな」 長門「…(ゴクリ」 …さて、ハルヒの所へ行くか… キョン…あんたの想いは分かったよ… あたしの想い…キョンの想いは繋がってたんだね… キョン「ハルヒ!」 「キョン!…戦いは終わったの?」 キョン「あぁ、終わったよ」 「……」 あれ?何で有希がここに? 長門「私は、ここから出る…後は、あなた期待」 と言って、消えた。 あぁ、CGが何かのプログラムかな? キョン「…ハルヒ、ここで言わせて貰う」 「何?キョン」 俺の想い…まだ変わってない…今なら言える! 「ハルヒ、お前の事好きだ!付き合ってくれ!」 キョンの想い…確かに受け取ったよ…あたしの想い受け取って… 「あたしも好きだよ!あんたじゃないと…ダメなんだからね…」 ハルヒ、確かにお前の想いは受け取ったよ… 「ありがとう、ハルヒ」 ハルヒ「こっちもありがとう、キョン」 「ねぇ、キョン」 「ん?何だ?ハルヒ」 「キ、キスしてくれない?」 「…あぁ、するよ」 と、お互いの唇が重なる ハルヒは可愛い。 キョンは優しい。 何かあろうと守ってみせる。 何かあっても守りたい。 そして、俺は…それぞれの想いを今、一つになる。 そして、あたしは…それぞれの想いを今、一つになるよ。 俺は、あたしは、愛されるより愛したい。 そして、生きて行きたい。 ――永遠に エピローグ あれから、一週間後…あたしは元気に通ってる。 キョンに会いたいから楽しみに通ってる。 俺は、ハルヒに会うため楽しみに通ってる。 色々あったけど…これで、恋人同士になるな… 「おぅ、ハルヒ」 「あ、キョン」 俺は守りたい奴がいるから… あたしは会いたい人がいるから… 「おはよう!」 「おはよう!」 俺たちは あたしたちは 強い絆を結ばれているから 完
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二人のハルヒ 第1部 二人のハルヒ 第2部 二人のハルヒ 第3部 二人のハルヒ ハルヒの気持ち
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…あたしの誕生日まで、残り4日間ね。 最近ヒマでしょうがないし、クリスマスなんてイベントがある位だから SOS団団長のあたしの誕生日を祝わないのは道理に反するわ。 いや…とゆーか、既にどうあっても祝わざるをえない事態だわ! SOS団に早く知らせなきゃね!授業なんて受けてる場合じゃないわ! 「ねぇキョン!緊急事態よ!そろそろ… あたしが前の席に座るキョンを引っ張って話しかけると、 キョンはいつに無く真剣な顔であたしを見つめ、あたしの言葉を遮った。 なぁハルヒ、とキョンは喋りだして 「いま俺は非常に大事な案件を抱えているんだ。 これはとっても大切な事だから、今はそれに集中していたいんでな。 すまんが暫くはSOS団にも顔を出せそうにない」 「え?あ…あぁ、そうなんだ…」 普段のあたしなら気にもしないで突っ込んで行くけど、 この時は自分の誕生日パーティの話だったから少し引け目になってたのかな。 放課後、キョンは部室に来なかった。 (ま、パーティなんてここで簡単にやればいいんだし、 キョンに用事が終わる頃でも聞いて計画を立てれば大丈夫よね。 …みくるちゃん古泉くん有希にはまだ黙っていていいわね。 当日に団長を最も敬うべき立場の人間が不在だと、団長の威厳にかかわるから) なんて思って、あたしはいつも通りの活動をする事にした。 …次の日の活動にも、やっぱりキョンは来なかった。 それどころか、私が何か話しかけてもキョンは曖昧な返事ではぐらかすばかりで あたしに取り合おうとすらもしなかった。 よっぽど怒鳴りつけてやろうかと思ったけど、誕生日が近いという事が あたしに変なためらいを起こして言葉を言いつぐんでしまった。 「なによ。」 帰宅して自分のベッドに突っ伏して仰向けになり、 そう呟いてあたしはすこしダウナーな気分を味わった。 (せっかく誕生日が近いっていうのに、なんでこんな思いしなきゃなんないのよ… 悪い事は最悪のタイミングでやってくるって本当ね。 いつものあたしらしくしてたなら良かったのかな。大体、 あのためらいは何よ。みっともない。変な期待でもしてたのかしら。 もう…なんか馬鹿馬鹿しいわ。誕生日ごときで浮かれてんじゃないわよ自分。) 夜になっても自分を卑下する思考で頭が冴えていたあたしは、 時間の感覚すら無くなってきた頃合いに睡魔から一瞬で意識を刈り取られた。 その日、あたしは中学の時の夢を見た。 ずっと一人で過ごしていた中学生の頃。 夢の中でもあたしは一人っきりで、普段通りの生活を送っていた。 でも何故だか… まるで、悪夢を見ているかのようだった。 朝、あたしが教室に入ると珍しく既にキョンが席に着いていて驚いた。 あたしを目に映すと何処か物憂げな顔になったキョンは、 あたしが席に着いたのと同時に、 「今日の放課後、SOS団の部室には行かないで…長門の部屋に来てくれないか? …とても大事な話があるんだ。」 と、キョンは重く暗い顔で申し訳なさげに話しかけてきた。 …… あたしは不機嫌な顔を作って、窓の外へ顔を向けた。 放課後、あたしは教室で皆が帰ってしまったのを見計らってから 一人で下校し、有希の部屋に足を運んだ。 「なによ…古泉君も今日は学校休んじゃってるし、何でいきなりこんななの!?」 そう呟きながらあたしは色々考えた。これから…どうなるのか。 「…ひょっとして、サプライズパーティとか?…」 そう思った時、あたしの中で期待感と安堵の色が広がってきた。 「……でも」 あたしの誕生日には2日も早いし、最近のキョンの態度だとかを考えるとそれは、 …あたしが現実逃避をしているだけにしか思えない。 変に期待してしまったら、悪い事が起きてしまった時の事が恐ろしすぎて 何も考えられない。それにどれだけ良い結果を考えてみても、 それを打ち消す不安要素の方が沢山…ある。 有希の部屋の前に立って、あたしは乾いた口の中を潤す様に息を飲み込んだ。 (来るならこいってものよ。例え一人になったって中学時代と一緒なんだし、 別になにも変わらないわ。…今までありがとうって位は言ってあげる) 「………よしっ」 一息入れて、あたしはガチャリ、と扉を開けた 『誕生日おめでとーーーーー!!!!!』 パンパンとクラッカーが鳴って色付き紙があたしに舞い落ちる。 玄関には古泉くん、有希、みくるちゃん、キョンが立っていて、 みんなモールの付いたトンガリ帽を被ってクラッカーを持っていた。 「すまんなハルヒ、…こういう事だ。 お前の誕生日にはまだ早いが… まぁ、誕生日当日だと露骨過ぎるからな。今日にしたって訳だ。」 「……………」 「今まで話を聞かなくて悪かった。 なんたって、お前は自分からパーティを開きかねんからな。 …それでも良かったんだが、やっぱり誕生日は人から祝ってもらう方が 気持ちいいだろ?これは強制じゃなく俺達の気持ちだ。誕生日おめでとう」 「………ふぇっ…」 「―なっ!?ハル… 「グスッ…ふぅぅぅぅぅッ……ヒグッ!…うぅッふえぇぇぇぇん!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ SOS団一同は今、大変にあたふたしている! 古泉は世話しなく動き回っているし、 朝比奈さんは大変だとばかりにハルヒに駆け寄り肩を揉み、 長門はハルヒにトンガリ帽を被せ鼻メガネを掛けようか手を迷わせている。 …いちばん動揺したのは俺だった。まさかハルヒが泣きだすなんてな。 俺がなにをしていたかというと、オロオロしたりオタオタしたり等、 その場でハルヒを見ながらの奇々怪々な踊りだ。 誕生日パーティの発案自体は古泉からだった。 俺達はその計画に同意を示し、ハルヒが自分で計画を立てないよう気を配った。 パーティの役割に関しては、古泉の組織が先立つ物を用立ててくれるし、 サプライズ的な要素もあるので部室では不便だと長門の部屋を借りるとの話だし、 朝比奈さんに重い荷物を持たせて準備を頼む事などもってのほかだ。 まぁ色々とそんなんがあって、俺は買い出し兼仕度係となった。 各自そろそろ準備を始めようとしていた矢先、丁度ハルヒが俺に団活の計画を 持ちかけてこようとしたので俺はとっさに浮かんだ理由をあげて話を中断させた。 そしてその後、俺は放課後にお菓子や小道具の買出しや準備なんかに手を取られていた。 …実の所、、ハルヒの誕生日より二日早く開催されたのは予定外の事だった。 何故かと聞かれれば、昨日の夜から例の閉鎖空間が絶え間なく発生し始め、 また、明け方には観測史上最大規模の閉鎖空間が現れたらしい。それによって 俺達はハルヒが俺の対応に相当なショックを受けているのを知り、これはいかんと 開催を急遽本日に繰上げしたいう訳だ。 古泉は過去最大火力の神人討伐に時間を取られ、どっちみち学校へ行く程の時間も 無かったのでそのままパーティの準備に勤しんで貰った。 おかげで皆がパーティの雰囲気の中はしゃぎまわしてる最中も 古泉はうつらうつらとしていた。…ご苦労だったな。 すっかり元気を取り戻してくれたハルヒを含むSOS団の面々と 鶴屋さん、谷口、国木田、俺の妹…等々SOS団に関わりをもった人達で お菓子やシャンパン、ケーキが乗った台を囲んで暫くワイワイやっていたが、 みんなそれぞれ頃合いだろうとハルヒに贈り物を贈呈し始めた。 …非常にやばい。まだ俺はハルヒへのプレゼントを…用意出来てないぞ… パーティの準備に忙しかったのと、なにを選ぶべきかさっぱり解らずに ずっと決めあぐねていた結果、今日の急な開催までついには間に合わなかった。 …どうしようか。家に忘れた?いや、家に来られでもしたらアウトだ。 下手したら虚偽の罪に対し鉄拳制裁が執行されかねん… ここは正直に言っとくのが得策だな。 「ハルヒ…すまないが、俺はまだプレゼントを選べていないんだ… その、誕生日当日に渡すって事で良いか?」 「……」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「…いいわよ、もう満足してるから」 あたしの言葉に一瞬キョトンとしたキョンは、 「じゃあ当日にな。待っててくれ。」 と右の手のひらをこっちに向けて、済まないという意思表示をした。 …ホントにプレゼントなんてどうでも良いのに。 あたしは最後の最後でSOS団の皆を疑ってしまった事を忘れるかのように パーティでは思いっきりテンションを上げていた。 みんな、ありがとう。…ごめんね。 そしてキョン。2日前のあの言葉… …キョンの気持ちとして受け取っておくから。 了
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『くちゃくちゃガム』今、北高の生徒の間で大人気のガムである。 おことわり 主音声は、通常の話ですが、副音声は、ガムを噛んでる音になります。 ご注意ください。 主音声 ハルヒ「ん~、くちゃくちゃガムはおいしいわね~。 あっ、朝倉さんだ」 朝倉「む」 副音声 くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ… 休みの日、くちゃくちゃガムを噛みながら、道を歩いているハルヒ。 偶然、別方向からハルヒの方に向かって歩いている朝倉を発見。 彼女もくちゃくちゃガムを噛んでいる模様。 くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ… 主音声 朝倉「ちょっと、散歩の邪魔よ。さっさと退きなさい。」 ハルヒ「なんですって!?」 ハルヒ「あんた、…私を怒らせる気?」 ハルヒ「文句があるのなら、いつでも相手になってあげるわ、 この野郎」 朝倉「あんたが私に逆らおうなんて8億年早いわよ。」 ハルヒ「それ以上言うと、私の必殺ドロップキックを食らわせてあげるわよ」 副音声 くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ… 主音声 ハルヒ「どうやらアンタ、死にたいようね」 朝倉「言っとくけど、死ぬのは涼宮さん、あんたのほうよ」 ハルヒ「ふん、後悔させてやるわよ、ゴミ野郎…」 朝倉「あんたの顔を面白い○○にまげてあげるわ」 ハルヒ「あんたのおでんの思い出を忘れさせてやるわ…」 朝倉「今日の晩御飯、遅らせてやるわよ・・・・」 ハルヒ「死ね―――――っ!!2年後に!!」 ドカッ、バキッ、ゴフッ 朝倉「痛ッ、やったわね!?あんたなんか8年前に死ねぇ――――っっ!!」 グサッ、グチャッ ハルヒ「じゃぁあんたは生まれる前に死ね―――――っ!!」 主音声 ハルヒは朝倉とケンカした一人、キョンの家に向かった。 そして、彼の家の呼び鈴をならした。 “ピンポーン” “ガチャ”っとドアを開けたキョン 「どうした、ハルヒ」 「ちょっと入るわよ」 「お、おい、どうしたんだよ」 ハルヒは無言のまま、キョンの家に入ってきた。 ~キョンの部屋にて~ そんなハルヒにキョンは、麦茶を入れてハルヒに渡した。 「朝倉め~。まだイライラするわ」 なにがあったのかキョンは気付いた。 「まさか、ハルヒ、朝倉とケンカしたのか?」 ただ無言でうなずくハルヒ。 「お前らしくないな。朝倉とケンカするなんて。 一体何が原因で、ケンカなんかしたんだよ。」 「イヤ、聞いてよー。それがねー。」 「思い出せねぇ―――――――――っっっ!!」 「なんか余計な音が混じってて…、全然思い出せないわ…。」 「いったいなんでケンカしたのか、朝倉さんに聞いてみる」 そういって部屋から出ようとした瞬間、ハルヒは『くちゃくちゃガム』を見つけた。 「あっ、くちゃくちゃガムだ(ハート)」 「あんたもこれ食べるのね」 「え?あ、…あぁっ…。」 「1枚もらってくわ。」 「よーし、行ってくるわ!!」 主音声 ハルヒ「ねぇ、朝倉さん。」 朝倉「ん?」 ハルヒ「私達、なんでケンカなんかしたんだっけ?」 朝倉「それが私も覚えてないのよ」 朝倉「まぁどうせ、あんたのくだらない行動が原因だと思うけど。」 ハルヒ「何ですって!?」 副音声 くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ… 主音声 ハルヒ「てめぇ、またやる気か?」 朝倉「ええ、いつでもやってやるわ。」 ハルヒ「おのれ、くたばれ―――――――っ!!」 朝倉「うっさいバーカバーカ」 ハルヒ「う○こう○こ」 朝倉「き○○まき○○ま――――っ!!」 ?????「やめろぉ――――――っ!!」 副音声 そういって出てきたのは、シャミセン。 こいつ自身もくちゃくちゃガムを噛みながら喋っている。 くちゃくちゃくちゃくちゃ… 副音声は引き続きガムを噛んでるくちゃくちゃ音でお楽しみください。 ハルヒ「シャ…、」 朝倉「シャミセン…。」 シャミセン「やめときな。ケンカなんて弱い事のすることだぜ。」 ハルヒは朝倉に指さして、 ハルヒ「で、でも…、最初に朝倉さんが…。」 シャミセン「・・・。いいかよく聞け。」 いつの間にかシャミセンは筋肉ムキムキになって、そして二人にこう言った。 シャミセン「友情は、かけがえのない一生の宝なんだ――――――!!」 それを聞かされた二人は、胸を打たれ、同時に自分のやった過ちを後悔した。 そして二人はシャミセンに抱きつき、泣きながら ハルヒ「うわ~~~ん、ごめんなさ~~~~~いっ!!」 朝倉「もうケンカなんかしないわ――――――!!」 副音声 くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ… 主音声 ~放課後、部室にて~ ハルヒ「いや~、おとといは感動したわね~」 キョン「?ハルヒ、何に感動したのか?」 ハルヒ「聞いて頂戴。それがね。」 ハルヒ「思い出せねぇ―――――っっっ!!」 ハルヒは頭を抱え込んでしまった。 ハルヒ「あぁ、もう……。なんで思い出せないのよ~・・・。 いろんなことがあったのに…、なんかくちゃくちゃくちゃくちゃうるさくて…。」 ハルヒ「くちゃくちゃ?」 偶然テーブルの上にあったくちゃくちゃガムを見て、それをとって思った。 ハルヒ「これだ――――――――――――っっっ!!!!!」 キョンに抱きつき、 ハルヒ「原因がわかったよ―――!!これでもうくちゃくちゃ言わないよー!!」 ただキョンは唖然とした表情だった。 ハルヒ「この喜びを…、朝倉さんにも伝えてくる!!」 そういうと、ハルヒは部室を出て、学校から抜け、外へ出た。 キョン「おい、ハルヒ!」 ハルヒ「朝倉さーん、もうくちゃくちゃしないよー。」 キョン「おい、ハルヒ、待てよ!!」 キョンは走っているハルヒを精一杯追いかけていた。 ハルヒ「もうくちゃくちゃなんて…、一生言わせるものかー!!」 ドンッ! ハルヒは誰かにぶつかり、しりもちをついた。 ハルヒ「いった~、ちょっとどこを見てあるい……て・・・」 ハルヒの表情は変わった。 ぶつかった人物は、とても大きい人物だった。 それは”神人”だった。 神人はかなりお怒りの様子。 指でこいこいと合図をしている。 自分のことかなと思いハルヒは自分に指を指した。 神人はコクリと返事をし、彼女は”神人”の方へ向かった。 一人取り残されたキョン。 しばらく無音だったが、 ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ…… ハルヒが”神人”にやられてる音が聞こえる。 キョンは一人この音にビビッていた。 ~おわり~ 元ネタ 「くちゃくちゃガムじゃっ!」
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「あんた・・・誰?」 俺に向かってそう言ったのは涼宮ハルヒだ。 あんた?誰?ふざけてるのか?嘘をつくならもっとわかりやすい嘘をついてくれよ! だがハルヒのこの言葉は嘘でも冗談でもなかった。 この状況を説明するには昨日の夕刻まで遡らなければならない。 その日も俺はいつものように部室で古泉とチェスで遊んでいた。 朝比奈さんはメイド服姿で部屋の掃除をし、長門はいつものように椅子に座って膝の上で分厚いハードカバーを広げている。 ハルヒは団長机のパソコンとにらめっこしている。 いつものSOS団の日常だった。 「チェックメイト。俺の勝ちだな古泉!」 俺はいつものように勝利する。 「また負けてしまいましたか。・・・相変わらずお強いですね。」 微笑みながらこっちをみる古泉。 俺が強い?言っておくが俺は特別強くなんかないぞ!おまえが弱すぎるんだよ古泉! まぁこの微笑野郎が本気でやっているかどうかは疑わしいもんだが。 そうだったら腹がたつな! 「今日はここらでやめとくか。」 「そうですね。続きはまた明日とゆうことで。」 ニコニコしながらチェスを片付け始める古泉。 すると長門がハードカバーを閉じる。 同時に下校の予鈴が鳴った。 ハルヒが立ち上がって鞄を肩にかける。 「さぁ、あたしたちも帰りましょ!」 ハルヒの号令に俺たちは帰宅の準備を始める。 「たまにはみんなで一緒に帰りましょ!」 ニコニコしながら腕を組んでいるハルヒ。 「そうだな、たまにはいいかもしれないな。」 今思えばこのときが運命の分かれ道だったのかもしれない。 帰りの支度を終えた俺たち5人はいつもの坂道を下り始めた。 先頭に俺、隣にハルヒ、俺の後ろに朝比奈さんと古泉がいて最後尾に長門がいる。 「ねぇ、キョン。あんた土曜日ヒマ?」 ハルヒが歩きながらこちらを向く。 土曜日か…ヒマと言えばヒマなんだが俺には睡眠という名の立派な業務がある。 「まぁどうせヒマでしょ?あたし叔父さんから映画のチケット2枚もらったのよ!特別にあんたを招待してあげるわ!」 正直俺は映画館のあのかったるい感じが嫌なのだがハルヒにしちゃまともな誘いだ。特に断る理由もないだろう。 「映画ねぇ。別にいくのはいいんだがどんな映画を見に行くんだ?」 こいつのことだからSF物かもしくはホラーか?まぁそれなりに楽しめる内容だといいんだが。 「あ、あたしもまだどんな映画だか知らないの。」 「チケット貰ったならタイトルくらいわかるだろ?」 そう返すと何故かハルヒは顔を赤くする。 「べ、別にいいじゃない!どんな映画でも!」 嫌な予感がするな。こいつがタイトルを言えない映画ってなんだ? まさか恋愛ラブストーリーだったりしてな。 「と、とにかく土曜日空けときなさいよ!」 まぁいいか。 ハルヒがどんな顔して恋愛ものを観るか楽しみでもある。 そんな会話を俺とハルヒがしていると聞いていた古泉が微笑声をもらしながら近づいてきた。 「お二人方、週末は映画館でデートですか。お熱いですねぇ。」 うるさい古泉。おまえはいつも一言多いんだよ。 「デ、デートじゃないわよ!キョンはただのオマケなのよ!勘違いしないで頂戴古泉君!」 そこまでむきになって否定しなくてもいいと思うが… 「そうゆうことにしておきましょう。」 ハンサム野郎は再び微笑して頷いた。 ここまでは普段どおり何ら変わりはなかったが事件はこの後起きる。 坂道を下ると大きな交差点にぶつかった。 信号は青だ。 俺はハルヒの誘ってきた映画のことを考えながら渡り始めた。 このとき俺がよくまわりを見て渡っておけばあんなことにはならなかったかもしれない。 突然、大きなブレーキ音とともに俺の横に一台のバイクが突っ込んできた。 「危ないキョン!」 ハルヒは俺に飛びついて俺を転ばせた。 俺とハルヒはそのまま転がる。 危機一発。俺は寸前のところでハルヒに助けられたようだ。 「・・・っ・・・なんて乱暴な運転しやがる・・・」 俺は体を起こしながら辺りを見る。 「大丈夫ですか!?」 古泉たちが駆け寄ってきた。 「・・・なんとかな。ハルヒ助かったぜ!」 俺はそう言いながら隣に倒れこむハルヒを見た。 ハルヒは道路に倒れこんだまま目を瞑っている。 「おい!ハルヒ?」 ハルヒは応答しない。 その場にいた全員が言葉を失った。 ハルヒはぐったりして目を瞑ったままだ。 「お、おいハルヒ!しっかりしろ!」 ハルヒの体を抱き寄せ問いかけるが返事はない。 「動かしてはいけません!」 そう言って古泉は電話を取り出し救急車を呼ぶ。 なんでこんなことに… 「頭を強く打ってます!もう少しで救急車が到着します!あまり動かさないで下さい。」 真剣な顔で古泉は俺を見つめる。 すると長門が俺とハルヒの前に来るとハルヒの頭に手をかざした。 なにやら呪文を唱えているようだ。 そして俺を見ると一言だけ発した。 「心配いらない。傷は塞いだ。」 長門がそう言ってくれたおかげで俺は平静を取り戻した。 長門が大丈夫だと言うんだ。すぐにハルヒは目を覚ますだろう。 俺が安心すると大きなサイレンと共に救急車が到着した。 救急隊員がハルヒを担架に乗せると救急車の中に運んでいった。 「僕たちも付き添いましょう!」 古泉の言葉で俺たちもハルヒに付き添い病院に向かう。 救急車の中では救急隊員がハルヒの口に人工呼吸器をあてている。 俺は先ほどの長門の言葉を頭の中で何度も自分に言い聞かせながら平静を保っていた。 病院に着くとハルヒは緊急治療室に運ばれていった。 俺たちはロビーで待つことにする。 「ぅ・・・ぅぇ・・・涼宮さぁん・・」 朝比奈さんはさっきからずっと泣いており古泉がそれをなだめている。 「長門さんがあの場で治療してくれたおかげで涼宮さんはほとんど無傷です。心配いりませんよ。」 そう言ってる古泉だがいつもの笑顔はない。 「とりあえず今は待ちましょう。僕たちにできることはそれしかありません。」 どれくらいの時がたっただろうか。気がつくと辺りはすっかり暗くなってる。 すると治療室から医者がでてきた。 真っ先に古泉が医者に駆け寄る。 「彼女のお友達の方々ですか?」 「えぇ、先生。彼女の容態はいかほどでしょうか?」 古泉はいつになく真剣な顔だ。 「心配いりませんよ。頭を強く打っていますが奇跡的に無傷です!すぐに目を覚ましますよ!」 「そうですか。ありがとうございました。」 古泉は医者に会釈すると俺たちにやっと笑顔を見せた。 「よかったです。長門さんのおかげですね。」 ようやく朝比奈さんも泣き止んだ。 俺は長門に顔を向けると長門は相変わらずの無表情だった。 「長門。ありがとう。」 長門は淡々と答えた。 「涼宮ハルヒは大事な観察対象。万が一のことがあっては困る。」 ありがとな長門。お前はそう言っていても俺にはお前に対する感謝の気持ちでいっぱいだ。 「皆さんこれからどうします?僕は今から涼宮さんのご両親に連絡してきますが。」 どうする?決まってるだろ? ハルヒが目を覚ますまでそばにいるさ!いつだったか俺が入院したときもあいつはずっとそばにいてくれたんだからな。 「俺はしばらく病院に残るよ。」 「わかりました。では僕は電話してきます。」 あとはハルヒが目を覚ますのを待つだけだ。 俺は朝比奈さんと長門を連れてハルヒが運ばれた病室へ入った。 人工呼吸器を口につけたまま眠っているハルヒ。 俺はそんなハルヒに心の中で声をかけた。 おいハルヒ!さっさと起きてくれよ。お前がいないとSOS団はどうなるんだよ。それに映画に一緒に行く約束もしただろ!お前が寝たままじゃチケットが無駄になるだろ! 第一俺を庇ってくれたことの礼も言いたいんだよ。 だからさっさと起きろ! 言いたいことはまだあるんだ。 しばらくすると古泉が戻ってきた。 「涼宮さんのご両親がもうすぐ到着されます。おそらく僕たちは邪魔でしょう。今日のところは帰りましょうか。」 ハルヒが目覚めるまでそばにいたかったがハルヒの両親に迷惑をかけるわけにもいかない。 「仕方ないな。今日は帰ろう。」 俺たちは病院を後にして解散した。 翌日になると俺はいつものように学校に向かった。 坂道を駆け足で登り校舎に入る。 そしてクラスに入る。 だがハルヒの席にハルヒはいない。 やがてHRが始まり担任の岡部が切り出した。 「えぇ、涼宮は昨日交通事故に遭って頭を強く打ったそうだ。怪我はないらしいが今日は大事をとってお休みだ。」 クラスが騒然とした。 だがすぐにいつもの空気に戻る。 その後俺は授業を受けたがやはりハルヒが後ろにいないとなんだか物足りないな。 「ねぇキョン!いいこと思いついたわ!」 そう言ってつついてくるハルヒが途端に恋しくなったな。 結局俺は授業など上の空って感じであっという間に1日が過ぎた。 廊下にでると古泉と朝比奈さんと長門が俺を待っていた。 「先ほど病院から連絡がありました。涼宮さんが目を覚まされたようですよ。」 「本当か古泉?」 「えぇ。僕たちもすぐに病院に向かいましょう。」 やっと目を覚ましてくれたかハルヒ… お前のいない学校はつまらなかったよ。 そんなことを思いながら俺たちは病院に向かった。 ハルヒの病室に着くと俺は昨日のことをどうハルヒに謝ろうかと考えながら扉をノックした。 「どーぞ!」 ハルヒの元気な声を確認して俺は安心した。 ゆっくりと病室の扉を開けるとそこにはベッドの上でしかめっ面をして腕を組むハルヒがいた。 俺たちは病室に入り扉を閉めた。 「ハルヒ。もう大丈夫なのか?」 ハルヒはしかめっ面のままこちらを凝視していた。 「あんた・・・誰?」 俺は耳を疑った。 あんた誰?何言ってんだよこいつは。 ちっとも笑えないぞ! 「は?」 「は?じゃないわよ!勝手に人の病室に入ってこないでよ!」 「せっかく見舞いに来てやったんだ。なんの冗談だよ?」 ハルヒは表情を変えない。 「見舞い?なんであたしの知らない人間が見舞いに来るのよ!」 どうゆうことなんだ?俺を知らない? すると古泉がいつもの笑顔で話かける。 「お元気そうで何よりです。涼宮さん。」 ハルヒは不思議そうな顔で古泉を見る。 「なんであんたもあたしの名前知ってんの?どっかで会ったかしら?ああ、そういえばそれ北高の制服ね。」 全くもってわけがわからん。誰か説明してくれ! 突然古泉が俺の耳元で囁く。 「一旦出ましょう。わけは外で説明します。」 俺たちは古泉の言うとおり一度出ることにした。 ロビーに移動した俺たちに古泉が語り始める。 「先ほどの涼宮さんの奇妙な言動ですが、記憶喪失と考えると全てつじつまが合います。」 「記憶喪失だって?ハルヒはホントに俺たちのこと忘れちまったのか?」 「えぇ、それも僕たちSOS団のことだけをね。」 「俺たちだけ?なんでそんなことがわかる!」 「涼宮さんはご両親とは普通に話してるようですし涼宮さんは北高のことを知っていました。なので消えてる可能性があるとしたら僕たちSOS団に関する記憶でしょう。」 ハルヒの中から俺たちだけの記憶が消えた?なんでそんなややこしいことになっちまったんだ。 「おそらく僕たちとの思い出が涼宮さんにとって一番大事なものだったからでしょう。それが優先的に消されてしまったのです。」 「元には戻らないのか?」 「わかりません。突然思い出すこともあるようですが・・・」 とりあえずもう一度涼宮さんの病室に行きましょう! 俺たちは再びハルヒの病室にやってきた。 古泉がノックをする。 「どーぞ!」 こうなりゃやけだ!意地でも俺たちのことを思い出させてやる! 扉を開けるとしかめっ面のハルヒ。 「またあんたたち?あたしに何の用なのよ!」 俺は手当たり次第ハルヒに質問をぶつけてみることにした。 「なぁ、谷口って知ってるか?」 何故か最初に谷口が浮かんだ。 「谷口?あのバカがどうしたのよ!」 なるほど谷口は覚えてるのか。 「じゃあ国木田って知ってるか?」 「国木田?ああ谷口といつもつるんでるやつね?」 国木田は俺と同じ中学だ。ハルヒは中学の国木田を知らないはずだ。 つまりハルヒには北高の記憶はあるということだ! 俺はハルヒを追い詰める。 「じゃあお前の席の前に座ってるやつは誰だ?」 ハルヒはその場で考えこみ始めた。 「・・・あたしの・・前?・・思い出せないわ。なんで?」 なるほど… やはり俺たちだけの記憶がないらしい。 「・・・なんで思い出せないの?・・・っていうかあんたたちは誰なのよ!」 「お前と同じ学校のもんさ!俺はキョン。こっちが古泉で、こっちが朝比奈さん。こっちが長門だ。」 なぁ思い出せよハルヒ!お前だけが一方的に俺たちを忘れるなんて許さないぜ! 「あまり考えさせるのもよくありません。また出直すことにしましょう。」 ここは古泉言うとおりにしておこう。 「じゃあなハルヒ!明日学校でな!」 「ち、ちょっと待ちなさいよ!まだ話は終わってないわ!」 ハルヒの言葉を無視して俺たちは強引に病室をでた。 全く勝手なやつだ。俺たちだけのことを一方的に忘れやがって。 「まぁいいではありませんか。涼宮さんがご無事だったのですから。焦る必要はありません。」 「だがなぁ」 「涼宮さんは明日から登校してきます。きっと明日思い出してくれますよ。」 今日の古泉の言葉には妙に説得力がある。 「そうだな。今日は帰るか。」 そうして俺たちは解散することにした。 その日の夜、俺は明日ハルヒの記憶を取り戻すための作戦を考えていた。 ハルヒの記憶を戻す方法はある。 それは俺はジョン・スミスだと言うだけでいいんだ。 だがそれを使うと今までのことや俺たちのことを全てハルヒに話さなければならない。 下手するとハルヒの力が暴走する。 だからこの方法だけは避けたい。 そんなことを考えながら翌日になった。 今日はきっとハルヒが来る。 俺は急いで学校に向かった。 駆け足で教室に入るとハルヒの姿があった。 椅子に座り腕を組んでまわりをじっと睨んでいる。 まるで一年前ハルヒと出会ったときのようだ。 「よう!体はもう大丈夫なのか?」 俺は自分の席に座りハルヒに話しかけた。 「あんた昨日の!なんであんたがここにいんのよ?」 「ここは俺の席だ。」 ハルヒは戸惑った顔をしている。 今までいろんなハルヒの顔を見てきたがこんな顔は初めてみたさ。 正直可愛かったね。 「・・・っ・・思い出せないわ。あたしが忘れてるのはあんたなの?」 頭を抱え込んでるハルヒ。 「いずれ思い出すさ。」 俺はそう言って前を向いた。 それからのハルヒはずっと空を見て考えこんでいた。 思い出してくれよハルヒ。俺たちのことを。 それから時間は流れ昼休み。 俺はハルヒを部室に連れていくことにした。 「ハルヒちょっと来てくれ!」 ハルヒの手首を掴み強引に部室まで引っ張っていく。 「ち、ちょっとなによ!」 ハルヒの言葉に俺は耳を貸す余裕はない。 「・・・文芸部?なんでここに連れて来たのよ!」 文芸部。つまりSOS団の部室だ。 「今日からここがあたしたちの部室よ!」 一年前ハルヒがこの部屋でそう言った日からSOS団は始まった。 扉を開けるとそこには朝比奈さん、長門、古泉がいた。 ハルヒを中に入れ俺は問いかけた。 「どうだ?この部屋覚えてないか?」 ハルヒは少し考えこむと 「・・・わからないわ。・・でも・・・なんか懐かしい感じがするの・・」 よかった。連れてきた甲斐があったみたいだ。 毎日通った部室だ、ハルヒの体が覚えているんだろう。 「涼宮さんはこの部屋で団長をやっていたんですよ。」 古泉と朝比奈さんが壁に貼り付けられた写真を指差した。 夏合宿のときに孤島で撮った写真だ。 「これ・・・あたし?なんで?・・・思い出せない。」 まるでおもちゃを無くした子供のような顔で写真を見つめるハルヒ。 「俺たちはここでお前のつくったSOS団として活動してたんだ。その写真が証拠だよ。」 ハルヒはやがて無言になる。 しばらくの沈黙が流れやがてハルヒが切り出す。 「SOS団だとか・・・団長だとか・・・わけわかんない・・」 今にも泣き出しそうな顔でそう言うと走って部室を出ていった。 「・・・ハルヒ」 出ていった瞬間ハルヒが遠くに離れてくような感じがした。 「仕方ありません。いきなり現実として受け入れるのはいくら涼宮さんでも難しいでしょう。」 古泉も珍しく寂しい顔をしている。 すると俺の服を掴むやつがいた。 長門だ! 「長門?」 長門は無表情のままこちらを向く。 「涼宮ハルヒの精神状態が不安定になったことでこの部屋の空間を構成している力のバランスが崩れようとしている。」 よくわからないがそれがまずいことだってことは俺にもわかる。 古泉が神妙な面もちで言う。 「とにかく放課後対策を練るとしましょう。」 結局その日ハルヒは教室に戻って来なかった。 放課後俺は再び部室に向かった。 部室にはすでに3人の姿がある。 古泉が真剣な顔でこちらを見ている。 「涼宮さんは?」 「ハルヒは結局帰って来なかったよ。」 古泉と朝比奈さんは何か深刻な顔をしている。 「困ったことになりました。先ほど機関から連絡があったのですが世界中で大規模な閉鎖空間が発生してるようです。」 「なんだって?」 「おそらく涼宮さんの精神状態が不安定になったことで発生したのでしょう!このままではこちらの世界とあちらの世界が入れ替わってしまいます。そうなる前に涼宮さんを見つけなくてはなりません。」 くそっ!こんなことになるならハルヒをここに連れて来るんじゃなかった! 「悔しんでもなにも変わりません。とりあえず今は一刻も早く涼宮さんを探し出さないといけません。」 「ああ。わかってる」 俺は長門を見た。 「長門。お前の力でハルヒを探せないか?」 長門は答える。 「今はできない。現在私の能力は何らかの影響で弱まっている。」 何らかの影響?それもハルヒの仕業なのか? 「・・・おそらく」 「ここ話していても何も解決しません!今は涼宮さんを見つけだすことが先決です!」 古泉の号令で俺たちは手分けしてハルヒを探すことにした。 くっ!ハルヒ。どこにいるんだ! ハルヒの行きそうなところに俺は走った。 東中か?それともいつもの喫茶店か? とりあえず行ってみるしかない。 俺はいつもの喫茶店に走った。 ハルヒはいないようだ。 じゃあどこだ?東中か?何も考えずに俺は東中に向かう。 走りながらハルヒの携帯に電話をかけるが繋がらない。 俺は東中に着くと無我夢中で探しまわった。 ここにもいないのか?じゃあどこにいるんだハルヒ! 気がつくと辺りはすっかり暗くなっていた。 こんなことになっちまったのは全部俺の責任だ!俺が無理やりハルヒに記憶の断片を突きつけたり、いや、その前にあのとき事故に遭わないければハルヒはこんなことにならなかった。 自分自身に腹がたつ!頼むハルヒお前に会いたい! いつの間にか俺は北高に戻ってきていた。 真っ暗な校庭の真ん中にポツリと誰か立っている! ハルヒなのか? 俺は校庭の真ん中に駆け寄った。 「ハルヒ!」 校庭にいたのはハルヒだった。 ハルヒは悲しそうな顔でこちらを見た。 「あんた・・・一体なんなのよ・・」 いつになく力無い声だ。 「・・・わかってるのよあたしだって。何か大切なことを忘れてるのは・・・」 「・・・ハルヒ」 「・・でも・・どうしても思い出せないの!・・・あんたのことだって絶対知ってるはずなのに。」 ハルヒの悲しい顔を見ると俺は胸が苦しくなる。 ハルヒは俺に近づき続ける。 「ねぇ教えて!あんたは誰なの?あんたは私のなにを知ってるの?・・・教えてよ・・」 俺はハルヒの両肩に手を乗せて言う。 「・・・いいんだハルヒ。無理に思い出さなくて・・・お前はお前だ。他の誰でもない。涼宮ハルヒだ!」 ハルヒは目から涙を流しながら俺を見つめている。 「・・・・・なんであんたを見るとドキドキするの?・・・なんで・・」 俺はハルヒを抱きしめた! 俺の胸の中で泣いてるハルヒ… 「なぁハルヒ聞いてくれ。お前が俺のことを思い出せなくても俺はお前が大好きだ!・・・俺だけじゃない!古泉も長門も朝比奈さんもみんなお前が大好きなんだ!」 俺は一年前にハルヒと閉鎖空間に閉じ込めらたときのことを思い出していた。 今はあの時とは違う。今俺がハルヒにキスをしたところであの時のようにうまく行く確証はない。それどころかそんなことをすれば逆にハルヒの精神状態をよけい不安定にしてしまうかもしれない。 だが気がつくと俺はハルヒの唇に自分の唇を重ねていた。 なぜそんなことをしたかって? 決まっている!俺がしたかっただけだ! 俺はハルヒと世界を天秤にかけてハルヒを選んだ。 もうこのあと世界がどうなろうとかまわなかった。 今はただハルヒと唇を重ねていたかった。 1分ほど経っただろうか。俺はハルヒから唇を離しハルヒの顔を見た。 ハルヒの頬は赤くなっている。 こんなときに不適切な発言かもしれないが言っておく。 世界で一番可愛いと思った。 ハルヒの肩から手を離すとハルヒが小声で言った。 「・・・・・・・・・・・・・ばか」 「すまんハルヒ。つい・・・」 ハルヒは赤い顔のまま顔を横に向けた。 「・・・ばかキョン。・・罰として土曜日奢りなさいよ。」 ん?今なんて言った?土曜日?まさかハルヒ! 「思い出したのか全部!?」 ハルヒは再びこちらに向いて 「大体あんたがあのときよそ見したから悪いのよ!今度からはちゃんと周りをみてから渡りなさい!」 よかった。いつものハルヒだ。 そのあとのハルヒとの会話はよく覚えていない。 そしてその日の夜に古泉から電話があった。 古泉の話によると世界中に発生していた閉鎖空間は消えたらしい。つまり一件落着ってわけだ。 翌日からハルヒはいつものハルヒに戻っていた。 部室ではハルヒが朝比奈さんをいじくり、長門は相変わらず分厚いハードカバーを広げ、俺と古泉はチェスで対戦。 そこにはいつもと変わらない日常があった。 ◆エピローグ◆ 土曜日の話だ。 俺はハルヒと映画を見に行った。 鑑賞した映画は男と女が繰り広げる非日常のラブストーリーだった。 俺の隣のハルヒは終始真剣にスクリーンを見つめていて、映画のワンシーンであるキスシーンが流れると頬を赤く染めていた。 正直俺は映画よりハルヒの顔見てるほうが面白かった。 映画を見終わり俺たちは駅に向かって歩いていた。 「なぁハルヒ。あんなチャラけた映画の何が面白いんだ?」 「あんたにはわかんなくていーの!ばかなんだから!」 俺はハルヒをからかってやった。 「お前キスシーンのとき顔赤くなってたぞ。」 ハルヒはその場で赤くなり俺の胸ぐらを掴む。 「な、なんであたしの顔見てたのよ!?いやらしい!」 「別に。お前も純情なんだなハルヒちゃん!」 「う、うるさいばかキョン!」 ハルヒは尚も俺の胸ぐらを掴みながら小声で言う。 「・・だいたい、あんたからだけなんてずるいじゃない・・」 そのまま俺を引き寄せ唇を重ねてきた。 短いキスが終わりハルヒは赤く染まった頬のまま言った。 「これでおあいこだからねキョン!」