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こっそり種牡馬:トリストラム imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 名前 コメント
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Tetris At The Speed Of Light テト譜 このテンプレのポイント JO土台 JOが置けたら片側確定 片側セットアップ率44.44% 左右反転込みセットアップ率69.44% 2巡目はソフトドロップなしで確定テトリス。 理想形は6段パフェ率28.57% (2/7) 。 6-3積み派生ができる。 このテンプレの弱み 2巡目の組み分けを高速で行うには慣れが必要。 派生一覧 テンプレ概要 作成者 ひすいらん テンプレ名の略称 タトソル 類似関係 外部サイト その他
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20 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 18 35 09 ID 8jL2gtt/ ところでユーロって羨ましいね 21 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 18 58 44 ID 5m53WcwO 20 ところでユーロって羨ましいね ああ でも実際の運営はなかなか難しいと思うよ どういうことかというと アメリカという超大国が健在で好き勝手する それに対抗しようとEUが・・・ しかし、アメリカという共通のライバル(敵?)がいなくなると 求心力より遠心力が強くなる 世界各地で民族の主張や独立傾向があるのはそれだ 外敵がいないなら、団結よりは各自勝手にやりたいと 今後EUが団結を保てるかどうか・・・ あるいは、これからもドンドン拡張していくのかストップするのか離脱する国が出てこないか・・・ 22 名前:和紙[] 投稿日:2008/06/08(日) 19 02 43 ID W84H1o7l ところで、皆さんが考える 資本主義以外のシステムってある? (共産主義以外で。) 23 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 19 05 50 ID 5m53WcwO 22 ご先祖さま、乙! おいらは、いわゆる修正資本主義か広義の社会主義かな ただ、21世紀バージョンを求むです http //ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%B8%BB%E7%BE%A9 社会主義(しゃかいしゅぎ 英 socialism)とは、広義では資本主義の自由放任によって生じる不平等に対して、国家、あるいは社会が何らかの干渉を行い、公正を実現しようというものである。 24 名前:筆者 ◆mn./N732Wo [] 投稿日:2008/06/08(日) 19 07 40 ID FfTOjkWr 21 恐らくそうはならないでしょうね。 アメリカが崩壊して、NATOが崩れたのちには、 欧州はロシアの軍事的脅威と自力で対抗せねばならなくなります。 そのため、リスボン条約が締結されて、EU軍の創設が決定されました。 求心力とか遠心力とか、どうせ北野さんのメルマガの内容を そのままパクっただけでしょう? 25 名前:筆者 ◆mn./N732Wo [] 投稿日:2008/06/08(日) 19 08 44 ID FfTOjkWr 23 嘘こけ。俺が社会民主主義とか、国家社会主義といった時、 異常に粘着してそれを否定しにかかっただろうが。 国家資本主義とか、大統領2,0とか、意味不明な事をいって居たしさ。 お前気色悪いんだよ。さっさと死ね。 26 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 19 13 34 ID gqxzzBur http //ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E8%AB%96 ↑米国経済崩壊関係のレスとはあまり関係が無いけど、資本主義からなる「近代世界システム」が どのようなモノかが書かれてます 少々前から俺がこのスレで主張してる資本主義の発達の歴史は基本的にこの「世界システム論」を 提唱したウォーラーステインっていう学者さんを論じた本からの引用です。 基本的に「近代世界システム」はそれまでの世界帝国による既存の「世界システム」とは まったく異なり、未だに世界帝国に進化する事なく、それでいながら消滅する事もない特異なシステムであり、 只、<中核ー周辺ー半周辺>に区分される世界の権力構造と分業体制が時代によって移り変わるだけという 特異な構造を持っているのだそうです これは、近代の歴史の過程で資本主義の覇権国(中核)が、地中海→イギリス→アメリカと 順次移り変わって来た事を上手く説明しているんじゃないかと思います。それじゃ、また 27 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 19 26 21 ID 5m53WcwO 19 それより、アメリカがまじめに財政再建を考えるかどうかが問題だけど アメリカと大阪府 大阪府「財政非常事態」を宣言。財政再建はスタートした アメリカは果たしてスタートするか ブッシュの間の再建スタートはないw http //mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080608k0000m070114000c.html 社説:大阪府財政再建 自治体改革のモデルになるか 毎日新聞 2008年6月8日 0時31分 5兆円の借金を抱え、都道府県で唯一赤字決算が続く大阪府が財政再建案を発表した。 事業費と職員給与の大幅削減、府有施設の売却や出資法人の廃止・民営化など、見直しはあらゆる分野に及ぶ。 橋下徹知事が、議論を公開して住民の関心を引き寄せ、短期間で一定の道筋をつけたことは評価していい。財政難で苦しむ他の自治体の参考にもなるだろう。 しかし、知事自身が言うように将来展望がなく、住民に血を流すことを強いる内容である。 大阪府はバブル経済崩壊後、景気対策として府債頼りの公共事業を進めた。 しかし、景気後退や企業の東京流出で収入の最大の柱である法人税収が落ち込み、財政悪化に歯止めはかからなかった。府財政は98年度以来9年連続の赤字だ。 橋下知事は2月の就任早々、「財政非常事態」を宣言。府の早期健全化団体転落を避けるため、9年間で6500億円、08年度で1100億円の収支改善を打ち出した。 (略) 28 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 19 29 55 ID 5m53WcwO 24 北野さんのメルマガ? だれよ、北野って?w 因みに、おれはメルマガ全くやってないけどね 29 名前:筆者 ◆mn./N732Wo [] 投稿日:2008/06/08(日) 19 32 38 ID FfTOjkWr 27 お前は、アメリカは財政再建が可能だといって来ただろ? 自説を曲げるな! 30 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 19 41 23 ID 5m53WcwO 24 EU軍? これか 「最大兵力は約6万名」 まだ小さいよね http //ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E5%90%88%E5%90%8C%E8%BB%8D 概要 ドイツ・フランス・ベルギー・ルクセンブルク・スペインの各国から部隊が派遣されて構成されている。最大兵力は約6万名。前身は独仏合同旅団であり、そこに3ヶ国が加わり構成された。 恒常的な上部指揮機構はなく、欧州連合のほか、必要に応じ適宜、国際機関の指揮下に置かれる。軍の目的として、以下の3つが創立憲章にうたわれている。 1.災害救援もしくは人道問題に対する派遣。 2.国際連合または欧州安全保障協力機構における平和維持任務。 3.北大西洋条約機構および西欧同盟における集団安全保障・防衛任務。 (略) 31 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 19 47 06 ID 5m53WcwO 29 お、なんか元気出てきたか? 就職決まるといいね、君 お前は、アメリカは財政再建が可能だといって来ただろ? 自説を曲げるな! 「財政再建が可能」は、GAO院長ディビットウォーカー氏の見解 18 「どうか誤解しないでください。アメリカはこれまで様々な大きな課題にうまく 対応してきました。ですから、今日お話ししたことについても、結局のところ、 アメリカは同様にうまく対応するだろうと、私は確信しています。」 だ おいらは、”指導者次第、政策方針と手腕をみるまで判断は保留”だ 18 32 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 19 54 58 ID 5m53WcwO 25 あたま悪いなお前 論文では、”社会民主主義”とか”国家社会主義”とか手垢のついたマイナスイメージの言葉を使うなと言ったんだろ 論文の説得力がなくなると 同じことをいうのでも、言葉を選べ 社会民主主義は、社会民主党があるから、混同されるぞ http //ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A_%28%E6%97%A5%E6%9C%AC_1996%E5%B9%B4-%29 社会民主主義2.0くらいなら許せるだろうが、それでもどうか 国家社会主義はだめだな おそらくほとんどだれにも相手にされないだろうよ、論文としては 大衆受けしない 33 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 20 14 14 ID 5m53WcwO 32 同じ料理でも、盛る器で見栄えが違う 汚い薄汚れた器(ことば)に盛るなよと 社会主義は、「日本における社会主義は、いわゆる「ソ連型社会主義」を指す場合が多い。」ということで、出来たら避ける http //ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%B8%BB%E7%BE%A9 修正資本主義と言った方がいいだろう そこのところを良く考えろ 23はキャンペーン用語ではなく、分かりやすさを優先させているんだよ 34 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 20 23 05 ID 5m53WcwO 31 ちなみに 財政破綻をしたとしても、それがどういう状況かということによって、その後の再建計画も違う 夕張市とかあるよね 財政再建団体に指定されたり でも、夕張市が消滅したわけではない、ここ大事だな http //ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%95%E5%BC%B5%E5%B8%82 財政再建計画 「映画祭」は中止、職員給与削減は2006年9月から実施することとなり、市長は50%(月収862,000円→431,000円)、助役は40%、教育長は25%、一般職員も15%カットとなり、4億200万円の削減となる。 2007年4月からは、さらに削減し、市長75%(月収259,000円、年収374万円)、助役70%(月収249,000円)、教育長66%(月収239,000円)、常勤監査委員も229,000円など、徹底した削減がなされ、市長の給与は全国最低となる。 市議会議員の人数も18人から9人に半減、議員報酬も311,000円から180,000円に削減される。 (略) アメリカが財政再建団体に指定されたとしてもw でも、アメリカが消滅するわけではない、ここ大事だなw 35 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 20 29 49 ID 5m53WcwO 26 ども 国連が発展して世界政府になり、世界システムになる・・・ いずれそうなるかも 36 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 20 32 21 ID bNhH30sm 1 社会主義思想の持ち主のようだから、北朝鮮に行くことを勧める。 良いとこらしい。 37 名前:名無しさん@3周年 ◆9YzZouIJBw [sage] 投稿日:2008/06/08(日) 20 37 49 ID TH+t3PYx 26 勉強になるなあ。 38 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 20 45 03 ID 5m53WcwO 36 おっさんも頭わるそう 23 「おいらは、いわゆる修正資本主義か広義の社会主義かな」で ”社会主義(しゃかいしゅぎ 英 socialism)とは、広義では資本主義の自由放任によって生じる不平等に対して、国家、あるいは社会が何らかの干渉を行い、公正を実現しようというものである。” と引用してあるけど それで、米国オバマ、下記 http //ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%90%E3%83%9E 出馬の演説で彼は「ここ6年間の政府決定や放置されてきた諸問題は、われわれの国を不安定な状態にしている」と述べ、医療保険制度や年金制度、大学授業料、石油への依存度を、取り組みが必要な問題として挙げた。 グローバル資本主義に懐疑的であり、大量の失業者を生んだ新自由主義経済政策のNAFTAに反対し国内労働者の保護を訴えるなど、ヒラリー・クリントンよりもリベラルな政治姿勢で知られている。 (引用おわり) 広義の社会主義によれば、米国オバマも社会主義だぜ、これどうよ? 39 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 20 47 54 ID 5m53WcwO 38 出馬の演説で彼は「ここ6年間の政府決定や放置されてきた諸問題は、われわれの国を不安定な状態にしている」と述べ、医療保険制度や年金制度、大学授業料、石油への依存度を、取り組みが必要な問題として挙げた。 グローバル資本主義に懐疑的であり、大量の失業者を生んだ新自由主義経済政策のNAFTAに反対し国内労働者の保護を訴えるなど、ヒラリー・クリントンよりもリベラルな政治姿勢で知られている。 いま、ゆり戻し 15 グローバリズムに修正が加えられるべき そして、日本も民主党かな?w 41 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 20 53 18 ID bNhH30sm 1 は資本主義社会で不具合を多発して、周りに迷惑をかけているらしい。 42 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 21 19 42 ID 5m53WcwO 41 おっさんも頭わるそう は資本主義社会で不具合を多発して、周りに迷惑をかけているらしい。 それ、大作だろ? http //www6.atwiki.jp/sokakitacho/ 創価学会は北朝鮮宗教である 43 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 21 27 04 ID 5m53WcwO 32 国家社会主義はだめだな おそらくほとんどだれにも相手にされないだろうよ、論文としては 大衆受けしない 老婆心ながら 論文では、同じことを「国家社会主義」という用語を使わずに言えばいいだろ 「いまの社会は個人主義に走りすぎている。もっと協力と育児を重視すべきだ」と これをもっと前面に出して訴える 必要なら、新しい用語として名前をつける 国家社会主義は、あまりにもださい 44 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 21 32 39 ID 5m53WcwO ほい http //www.fujitv.co.jp/b_hp/2001/chousa/chousa.html 報道2001調査結果(6月5日調査・6月8日放送/フジテレビ) 【問1】あなたは次に行われる衆議院選挙では、どの党の候補者に投票したいですか。 自民党 15.6%(↓) 民主党 33.0%(↑) 問2】あなたは、福田内閣を支持しますか。 支持する 20.2%(↓) 支持しない 72.4%(↑) 【問4】小泉政権が2006年に決めた骨太の方針に基づき、政府は2007年度から5年間社会保障費を毎年2200億円削減する方針です。 あなたはこの方針通り、来年度も社会保障費を2200億円削減すべきだと思いますか。 はい 24.8% いいえ 59.6% 首都圏の成人男女500人を対象に電話調査 46 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 21 39 37 ID z5Ic8SMy やっぱりここは、社会主義国家らしく、「人民の父筆者様を崇める国家であり、筆者の為の筆者による民主主義共和国」というのはどうだろう 48 名前:筆者 ◆mn./N732Wo [] 投稿日:2008/06/08(日) 21 40 26 ID FfTOjkWr 30 まだ創設されたばかりの黎明期の軍隊だろ? これが正規軍として拡大されていくと言う事なんだよ。 もう一ついっておくけど、お前は他人の意見に対して、 下品な形でおとしめる事しかしないよね? だから気色悪がられるんだよ。お前盆暮れ正月に親戚が集まる時に、 親兄弟から無視されてんじゃないのか?特別出来が悪くて 腐った人間だから、親戚やら実の息子からも相手にされてないんだよ。 ウィキペディア、お前はさっさと死ね。存在するな。 49 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 21 40 56 ID 5m53WcwO 46 賛成ですだ 「民主主義人民共和国」の方がいいかもw 50 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/06/08(日) 21 42 20 ID 5m53WcwO 48 ああ、そうなんだろうけど ま、しばらくウォッチングだな 60 名前:和紙[] 投稿日:2008/06/08(日) 23 03 05 ID W84H1o7l なんか皆キャラ濃すぎるぞ。 2CHのなのに。 まあ、いいんだけど。 キャラの濃いコテを増やすか。
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前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一 トリステイン魔法学院。未来の支配階級たる少年少女たちを育て上げる伝統ある学び舎――そして君の当座の居場所。 この学院は、天に突きつけられた巨大な指を思わせる本塔とその周囲に配置された四つの塔。そして男女別の寄宿舎や倉庫、厩舎などのさまざまな付属施設からなる。 君はいま、四つの塔のうちのひとつである≪風の塔≫のなかの一室、広々とした教室のなかに居て、『ご主人様』である貴族の少女、ルイズの隣の席に座り、自前の羽ペンと羊皮紙で黙々とメモをとっている。 講師をつとめる魔法使いは≪疾風のギトー≫と名乗る、黒く長い髪と青白い肌が目立つ、ひどく鬱屈とした男だ。 ギトーは、自らが得意とする≪風≫系統の魔法こそ最強であるという持論を展開し、聞き取りづらい声で長広舌を振るっている。 話に興味の湧かぬ君は羽ペンを持つ手を休め、ここ数日のあいだ、頭を悩ませている様々な事柄について考える。 死んだはずの月大蛇と土大蛇の出現から一週間以上が経過したが、君が危惧していた、残りの大蛇が自身と仲間の復讐を果たすべく 学院に来襲するような事態は、いまだ起こっていない。 張り詰めていた緊張の糸をゆるめつつある君だが、七大蛇が君の前に現れぬということは、より悪い事態の前触れではないのかという考えも捨てきれない。 七大蛇は、君に対する復讐よりもずっと重要な陰謀――このハルケギニア全土を揺るがすほどの、恐るべき邪悪な計画を練っているのではなかろうか? そして、カーカバードからこのハルケギニアへとやって来たのは、君や七大蛇だけではない。 オスマン学院長や教師のコルベールによれば、未知の種の幻獣や亜人を目撃したという報告が、トリステイン王国全土から 毎日のように寄せられているそうだが、その怪物どもはいずれも、あの暗黒の大地からの来訪者なのだ。 スナタ猫、スカンク熊、火狐といった猛獣だけではなく、オーク(ハルケギニアにも同名の怪物が存在するが、ずっと大柄らしい)やゴブリン、 黒エルフ、鳥人といった人間型種族までが、このトリステインの地に出没しているのだ。 悪意に満ちた何者かが、トリステイン王国に混乱をもたらすため次々と怪物どもを召喚し、あちらこちらにばらまいているではとも考えたが、 それではあまりにも効率が悪い。 やはり、次々と≪門≫が現れてはすぐに消えるという、およそありえぬほどに奇妙な自然現象なのだろうか? そのような≪門≫のひとつが眼前に現れてくれれば、簡単に帰ることができると考える君だが、≪門≫は一方通行かもしれぬと思い直す。 それに、行き先がイルクララ湖の真ん中や、ザメン高地の断崖だったならば、たちまち死んでしまうことだろう。 ぼんやりとそのようなことを考える君を、ルイズがちらちらと横目で見る。 視線に気づいて向き直ると、彼女はあわてて目を逸らす。 ルイズになにか用かと尋ねようとした瞬間、教室の扉が開き、派手な長衣をまとった金髪の男が入ってくる。一七八へ。 一七八 教室に現れた男をよく見てみると、それがコルベールであることに気づく。 禿あがった頭を金色のかつらで覆い、装飾だらけの長衣をまとったその姿は、普段の物静かな彼とは似ても似つかぬものであり、滑稽でさえある。 いつもの倍も不機嫌な顔をして抗議するギトーをよそに、コルベールは本日の授業はすべて中止であると告げる。 「本日はこのトリステイン魔法学院にとって、記念すべき日であります。畏れ多くも、先の国王陛下の忘れ形見、トリステインの麗しき誇り、 アンリエッタ姫殿下が当学院に行啓なされます」 異邦人である君にはなんの感慨も湧かぬことだが、大半がトリステインの貴族である教師や生徒たちにとって、これは一大事であるらしい。 生徒たちはざわめき、ルイズもぴんと背筋を伸ばしてコルベールの話を聞いている。 王女の歓迎式典の準備のために授業は中止となり、生徒たちは正装で門に整列せよとの旨を伝えたコルベールは、 「それでは、くれぐれも姫殿下の前で粗相のないように! 身だしなみには万全を期すること!」と話を締めくくる。 それを聞いた君は、笑いをこらえる。 あの道化た扮装が、彼の言う『万全』だとは! 寄宿舎の自室に戻ったルイズは早速、服装を整えるが、寝起きのときのように君の手を借りようとすることはない。 君は、なにか自分がやることはあるのかとルイズに尋ねるが、 「平民や使い魔まで、生徒と一緒に並ぶ必要はないわよ。そもそも、ボロ服姿のあんたなんかを姫さまの前に出せるわけないでしょ」という答えが返ってくる。 この少女も少しは丸くなったと思っていた君だが、考えが甘かったようだ。 ルイズから『自由行動・ただし歓迎式典の邪魔にならぬように』と言いつけられた君は、どこで時間を潰そうかと考える。 どこへ行く? マルトー料理長の居るであろう調理場・二二五へ ≪使い魔≫たちが主人の帰りを待つ中庭・五九へ 歓迎式典を見物できる見晴らしのいい場所を探す・三六へ 五九 広場には種々雑多な獣や怪物が居て、寝転がったり、その辺をうろついたり、それぞれが思い思いの方法で主人の帰りを待っている。 君にとっては、何度見てもなじめぬ異様な光景だ。 ≪使い魔≫は、主人に命令されぬ限り人間に危害を加えることはないとわかってはいるのだが、無意識のうちに、怪物どもを刺激せぬよう ひっそりと忍び足で動いてしまう。 かつてトレパニの洞窟で闘ったものと同じくらい凶暴そうなマンティコアの、もの問いたげな視線を避け、空に浮かぶ血走った目玉にぶつからぬよう、首をすくめる。 ここに来たのは失敗だったと考え広場を離れようとするが、他の≪使い魔≫たちから距離をとって広場の端にうずくまる青く巨大な姿を目にし、ふと足を止める。 あの青い鱗と大きな翼をもつ竜は確か、タバサの≪使い魔≫であり、名はシルフィードといったはずだ。 フーケの一件以来見かけなかったが、どうやら普段は自由に大空を飛び回っているため、あまり人目につくことがないらしい。 この広場で羽根を休めているところを、君は偶然にも目撃したようだ。 君はこの竜に近づいてみてもいいし(二五四へ)、わざわざ危険を冒さずこの場を離れてもいい(二九一へ)。 二五四 君の足音――ほとんど立てなかったはずなのだが――に気づいた竜は、長い首をもたげてじっと見つめてくる。 その大きな瞳はあきらかに冷血の爬虫類のものではなく、どちらかといえば犬や馬など、人間のよき友として飼い馴らされた獣を連想させる。 竜の瞳の輝きには、秘められた知性さえ感じられる。 君は、なにか竜の興味を惹くような物はないかと背嚢をさぐるか(三二〇へ)? やはりこの場を離れるか(二九一へ)? それとも術を使うか? HOW・四五六へ LOW・三五一へ MAG・三七五へ YAP・四七〇へ JIG・三三八へ 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
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リスMDパフェは銀山氏考案の開幕テンプレ。
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セットアップ確率 ソフトドロップあり ハードドロップのみ 左右反転含む 46.90% 25.95% 片側のみ 27.62% 16.83% するめSPとは、ゆう氏考案の開幕テンプレである。 SOJ土台。 地形が乱れやすいテンプレかもしれない・・・ 参考 テトリス開幕テンプレWiki https //tetrisopener.wicurio.com/index.php?%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%81SP
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カルデラ積み/DoubleYou テト譜 このテンプレのポイント 土台 片側セットアップ率 左右反転込みセットアップ率 2巡目TSTルートは画像の向きだとパフェ率が9割以上あり、高火力 2巡目インペリアルクロスルートはパフェ時にTSSテトリスやTSDが絡むことがある このテンプレの弱み 2巡目TSTルートは画像と逆の向きだとパフェ率が8割に落ちる 2巡目インペリアルクロスルートはパフェ率が6割くらい 派生一覧 2巡目TST→確定火力派生1 2巡目TST→確定火力派生2 2巡目インペリアルクロス→確定火力派生 テンプレ概要 類似関係 はちのす - 1巡目一致またはTミノ以外一致
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前ページ次ページSeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger この年、トリステイン、ゲルマニアの両国は、不況だった。 得るものの少なかった戦役によって財政は逼迫し、それが農民達へのしわ寄せとなって現れていたのだ。 上納分どころか、自分たちが食べる分でさえ確保が難しい状況にあって、領主達は税を納めろとしつこく詰め寄ってくる。 トリステイン、ラ・ヴァリエール公爵のように、公明克つ有能な領主等は逆に私財を切り崩して領民を餓えさせぬように施策を行ったが、大半の貴族達はそうした義務を忘れ、ただ権利のみを求めたため、多くの農民が食うに困る生活を送ることとなった。 そんな時期に、ゲルマニアの一角でその事件は起こった。 その家も多分に漏れず、税を納められない家だった。 取り立てに来た役人が、しきりに祖母を殴打し続けるのを見ていられなくなった孫の少年は、数ヶ月前村を訪れたおかしな二人組に教えられた技を使った。すなわち、擬似魔法だ。 「ドロー ファイア」 炎に撃たれた役人は男爵家の三男坊であり、ドットとはいえ火メイジであった。すかさず杖を抜き、生意気にも刃向かった少年に自身の炎を浴びせてやろうと詠唱を始めた。だが 「ドロー ファイア」 二度目の擬似魔法は的確にその手の杖に当たり、役人は杖を取り落としてしまった。 慌てて杖を拾おうと伸ばした手は、少年の足で踏みつけられ、逃げようにも手が押さえつけられて身動きが取れぬ状況で三度目の炎をその身に受けた。 「ドロー ファイア」 役人は死んだが、付き従っていた衛兵は生きてその場を逃げ出した。 メイジを殺してしまった。 すぐさまその事実が村全体を駆けめぐり、意見は真っ二つに割れた。 その少年を領主に突き出すことで事態の安静を計ろうとする者と、こうなったからには徹底的に戦うべきだと主張する者。 前者は年寄り達であり、後者は年若い、特に当の少年と親しく、同じく擬似魔法を身につけていた青少年達だった。 この二派と、子供達と親達、どちらに付くべきかと悩む中年層が、何かを決定するよりも早く、衛兵達に知らせを受けて領主が派遣した一個小隊が派遣されてきた。 メイジ三名を含むその部隊を、制止も聞かずに青年達がいくらかの犠牲を払いつつも撃退してしまったことで、事態は加速度的に悪化していくこととなる。 そんな事件より一月。二週間前に、恐れていた事態が発生したと認識したスコールだったが、結局何も出来ないままようやくに戦場跡の一つへ訪れていた。 「……酷い有様だな」 戦場跡というものは得てして悲惨なものだが、それでもアニエスにとってこれまで以上に悲惨な光景と見えた。 肉が炎で焼かれ、凍り付けのまま砕かれたらしい死体が腐臭を放つ。 そんな場所が、これまでの10倍はあった。魔法が蔓延化した結果だろう。 「奴らめ、本気でメイジを滅ぼせるとでも思っているのか?」 ガリア王ジョゼフの企図した通り、火種が付いてあっという間にゲルマニア全体へ燃え広がった反乱の炎。発端となった土地の名前をとって『ポツダムの旗』を名乗り、ある程度のまとまりと統率を持つ軍のようになった彼らの掲げる目標は、メイジを排除した世界だ。 「現実問題として到底不可能な事だと理解している奴も居るだろうが、否と言えない状況なんだろう」 一種の集団的ヒステリーが引き起こされていると言えるだろう。元よりゲルマニアの非メイジ階層は他の国に比べて上昇志向が強い。そこへ、今回の事件だ。思ったよりも戦えている自分たちに不可能はないと酔ってきている可能性がある。 「せめて、ゲルマニア一国で事が収まってくれれば良いが……」 現状を考察した二人の結論として、ゲルマニアは――少なくとも現行の王朝は――敗北するというのはほぼ確定事項と見ている。 系統魔法と擬似魔法が直接戦った場合、ハルケギニアで入手出来る擬似魔法の関係上からも、そもそもの威力からも、擬似魔法側に勝ち目はない。 だが、今回は数が違いすぎた。 『ポツダムの旗』のほぼ全ては擬似魔法の使える者達で構成されている。対するメイジ側の軍勢は一般の兵士達からかなりの数の脱走兵が出て、更にその大半が反乱軍に合流するという有様だった。 誰だって勝てる方に付くし、何より今回、実情はどうあれ『ポツダムの旗』は平民対貴族という名目を掲げている。貴族方に付きたがる平民は少ない。 結果、前衛を務めるべき兵士が居ないままに、メイジ達は必死に詠唱を行いながら擬似魔法と雨のように降ってくる矢にその身を晒すこととなったのだ。 スクウェア・クラスのメイジ等ならば、一度に十数名を屠って見せたが、数十名を前にしては風の前の塵に同じ。 唯一優位を保って戦えたのはドラゴンやマンティコア、グリフォンに乗って空を駆ける騎士達だったが、歩のない将棋は負け将棋。結局防衛対象を守りきることが出来ずに戦略的敗退を続けていた。 そしてこの戦場は、ゲルマニアの帝都ヴィンドボナの目と鼻の先。今頃帝都では包囲作戦が展開されているだろう。 (空路からの補給はあるだろうが……それもいつまで保つか) 艦隊そのものが押さえられるのも時間の問題かも知れない。 「レオンハート、思い詰めた顔をして居るぞ」 「ああ……俺に責任がない、と言ってしまうのは簡単だが、全く無関係の事態でもないからな」 「決めたんだろう。お前は介入しない、と」 「……そうだ」 以前から想定を続けていた、今回の事態。いざ直面してスコールの出した結論は不干渉だった。 擬似魔法がこのハルケギニアにあって異質だと言ってしまうのは簡単だ。だが、ジョゼフによって拡散された擬似魔法を今更どうやって無くせと言うのか? 擬似魔法を完全消滅させるのは、平民の大半を殺すことと同義といえる。そんなこと誰にも出来やしないし、出来たとしても、結局はメイジ達とて困るのだ。 かといって彼らと同調するのもまた論外だ。メイジを排除すればハルケギニアが立ちゆかなくなるのも自明の理である。故に選んだ選択肢。現状に対しての不干渉の立場。 だがこれがもし、本気で一方が一方を全滅させるような意図を持ったのならば……。 「……行こう。任務があるからな」 踵を返してスコールはラグナロクへと歩き出す。 現在のゲルマニアで大半の傭兵は『ポツダムの旗』についており、オーク等は放っておかれっぱなしだ。元々、そうした連中に対処するため、という名目で触れ回っていた擬似魔法を、使える者の悉くが反乱軍の方に加わっているのだから、バカバカしい話だ。 故に現状にあってスコールのやることに変わりはなかった。 北方の雄ゲルマニア帝国は、事実上壊滅した。 皇帝とその家族はアルビオンのゲルマニア占領地に落ち延び、大半の貴族も近隣諸国へ亡命。残ったのは、反乱当初から『ポツダムの旗』に荷担した目端の利くメイジと、元々貴族の地位を持っていなかった傭兵メイジだけ。 それ以外のものは皆、戦死するか粛正されていた。 現在『ポツダムの旗』は、ゲルマニアを抑えたことで今は内政に力を向けている。 だが、完全制圧を成したとき、彼らはどのような対外交渉を行うのか? 半年前のレコン・キスタはアルビオンを抑えた後、トリステインへとその牙をむけた。 メイジの排除を謳う彼らが同様の行動に出るのは、より可能性として高いと言えるだろう。 ゲルマニアを討ち滅ぼした敵。現在のトリステインが太刀打ちするのは難しいだろうことは想像に難くない。 そう推測しているトリステインの宰相マザリーニ枢機卿が進めているのが、傭兵スコール・レオンハートとその相棒のアニエスの抱き込みである。 四ヶ月前、魔法学院で発生した事件により、傭兵アニエスの目的を銃士隊より聞き知ったマザリーニはすぐさま旧魔法研究所実験小隊の面々及びあの事件関係者の現在の状況を調べさせてみて、愕然とした。 20年の間に病死や事故死、戦死したものを除いて、ここ半年の間に全ての者が死んでいる。それも、原因不明の突然死やコルベールと同じく空から降り注いだ隕石によって死んだ者が大半なのだ。 偶然と呼ぶには余りにも不可解すぎる出来事だ。 ハルケギニアでも流れ星が隕石の見え方の一つだという概念はあるし、空から降ってきた石、として好事家には高額で取引されたりもしている。 それらの大半は偽物らしいが、それは今は関係ない。どちらにしろこうも頻繁に隕石が落ち、その全てが一定の関係者というのはもはや不可解の域を超えている。考えられるのは…… (擬似魔法には、隕石すら操れる力もあると言うのか……!) それはマザリーニにとっては戦慄すべき事実であった。明らかになりつつあるその力が『ポツダムの旗』共々自分たちに向けられると思うとゾッとする。 だが、ここで改めて思い直してみれば、スコール・レオンハートは消極的で過ぎるほどにトリステインに、政治に関わろうとはしていなかった。 何か別のことをたくらんでいるのではないかとかえって疑りもしたが、今回の件で判ったことの一つに「やろうと思えばとっくに自分は殺されている」という事実がある。それも、誰にも証拠は掴ませないままで、だ。 ここまでくればほとんど確信じみてくる。あの男に国をどうこうしようという気は全くない。 ならば政治屋としてのマザリーニが腐心すべきは、何とかしてスコールをトリステインの側に引き込み、新政ゲルマニアに対抗する手段を模索するのみという訳だ。 もちろん責め立てたのでは却って反心を招くだけ。ならば彼らが欲しがる何かを用意しなければなるまい。シュヴァリエという一種政治的地位は以前あっさりと蹴っている。ならばやはり金か。それも、しっかりとつなぎ止めておけるほどの大金を……。 「宰相閣下」 そんなところへ、書簡が届けられた。 「教皇猊下から?」 枢機卿であるマザリーニだ。もちろん年に何通か、形式・実務を問わず教皇庁との手紙のやり取りはある。しかし教皇自身の名で来るのは珍しい。 だが、こんな状況下だ。『ポツダムの旗を名乗る異端者達に云々』という内容であろう、と当たりを付けて封を切って読み進めていく。と、見る間にマザリーニの顔色は変わっていった。 「何だ、これは!?」 自身の計画通りゲルマニアで反乱が起きたと知り、ガリア王ジョゼフは快哉を叫んだ。 彼の予測の通り、集団戦法をとれば擬似魔法は十二分に系統魔法と渡り合ってみせ、ついにゲルマニア皇帝はまだ勢力の残っている占領地であるアルビオンへ脱出。ここに事実上ゲルマニア帝国は崩壊した。 このままで行けば小国のトリステインもそのまま併呑するだろうと思えたが、そこで横槍が入った。 「まだだ!まだそれは早すぎるぞ、教皇っ!」 ロマリア教皇からトリステイン王宮、そして各貴族へと送られた手紙の内容を知ってジョゼフは顔をしかめた。 その書簡に曰く、 『今代のトリステインにはより王に相応しい者が居る。それは虚無の系統を継ぐラ・ヴァリエール公爵の三女である。現在ゲルマニアにて発生している邪教を信望する異端者達に対抗するため、彼女を頂点としてトリステインはすぐに大勢を整えよ』 という通達だった。 普通ならば、教皇とはいえ他国の指導者から王位について口を挟まれれば内政干渉に当たり、一顧だにされないどころか大顰蹙を買うところであろうが、今回は事が事だ。 虚無が現れたのならば、成る程その者を王位に付けるのが妥当であろうと考えるのがブリミル教徒であり、ハルケギニアの常識なのだ。恐らくトリステインはこの流れで固まるだろう。 報告を受けて、つまらなそうに頬杖を付きながら、ジョゼフは盤上のビショップをつま弾いて倒した。 ジョゼフとてルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの事は前々から知っていた。教皇も同じだろう。だが、今トリステインが虚無の下に一丸となられては、ゲルマニアの反乱軍は壊滅・分散しかねない。 ジョゼフの企図した、ハルケギニア全土を巻き込む戦乱へ持ち込むには、まだ擬似魔法の勢力が不安定なのだ。 これから面白くなるはずだったところで水を差され、胸に抱き始めていた興奮も冷めたジョゼフだったが、もちろん教皇からの介入を予想していなかったはずもない。その為に、アレを温存してきたのだ。 投入時をここと見定め、ゲルマニアの『ポツダムの旗』へ移送する手配を行った。 教皇からの直接の書簡に、度肝を抜いたトリステインの貴族達だったが、その中でも憤りを示したのは彼らだけだった。 「なんという……何ということをしてくれたのだ、猊下は!?」 一躍時の人となった少女の親、ラ・ヴァリエール公爵その人である。 「ルイズが……あの子が虚無……!?」 夫が読み終えた後の手紙を受け取って、夫人もまた言葉を失っていた。 手紙にはルイズが虚無であるという理由・根拠についても事細かに述べられていた。 普通の系統魔法が使えぬ事、使う魔法使う魔法が爆発してしまうこと、王家の血を引いていること、それら全てが、確かにルイズと一致していた。 公爵は娘達があまり大っぴらに社会で動くことを快く思っていなかったが、それは別に男尊女卑だとかそんなつまらない理由からではない。 世の中というものはそうきれい事ばかりが通用するものではなくて、時として望まないながらも人の恨みを買ったり、誰かの陰謀に巻き込まれたりしてしまうものだ。 特に政治というものはその色が強く、王族なんてその渦中も渦中。ど真ん中だ。 現在の国際情勢、虚無という特殊性を考えれば、ルイズがその渦中に放り込まれることは避けられまい。 「……トリスタニアへ行く」 「お待ち下さい」 眉根をつり上げ、それだけ言った公爵に夫人が声をかける。 「止めないでくれ、カリン。猊下からの書状と現在のトリステインの情勢ではもはや流れは決まったようなもの。せめて、せめてあの子の手助けだけでもしなくては」 「ええ、ですから、私も参ります」 「あり得ることなのか?」 疑問をありありと顔に浮かべてスコールは尋ねるが、別にアニエスだってハルケギニアの判断基準全てを知っているわけではない。 「普通は、無いのだがな。このような事……」 答えるアニエスの方も考え込みながら応じる。 「だが、噂通りあのヴァリエール公爵の三女が虚無であるというのなら、隣国でメイジが排除されようとしている異常事態にあって、そこに対抗するのに虚無を頭に据えるというのは判る話だ。 我々にとってはそれだけ始祖の存在は大きい」 虚無の曜日、教会へ行ったアニエスと買い物を済ませてきたスコールが語り合う午後の酒場。教会で仕入れてきたアニエスの情報は大きく社会を揺るがすものだった。 (始祖ブリミルに、虚無……) スコールでもある程度のことは流石に知っている。6000年前に現れた最初のメイジだとか、4つの使い魔を従えたのだとか。 だが、それよりも今問題なのは、現実としての虚無メイジの戦闘力だ。もし、これが『魔女』に匹敵するようなものであるなら、ゲルマニアの反乱軍は皆殺しにだってされかねない。そうなれば今度は擬似魔法が徹底的に悪者扱いされる可能性も出てくる。 広めたのはスコールでないにしろ、ハルケギニアで最初に擬似魔法を用いたのは間違いなくスコールなのだ。事は無関係ではない。 (一度オダイン博士の意見も聞いた方が良いか) アニエスも伝説以上のことは知らないと言っているが、あの研究者なら何か知っているかもしれない。 前ページ次ページSeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger
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「うむ。こんなところだろう」 そんな王の独り言にさえ体をびくりと震わせるルイズを、パリーが生暖かく見つめる。 筆を置いた王は、長く文の書かれた紙に執務机の傍らに置かれていた豪奢な印を押すと、それを大きな封筒の中に丁寧に仕舞い込んむ。そして、引き出しから取り出した赤い蝋を明かりとして使っていた蝋燭の火で炙ると、溶けた蝋を封筒の蓋の上に垂らし、別の引き出しから取り出した印璽を押した。 封蝋が成された封筒と二つの印をその場に置いて、ジェームズ一世は深く息を吐きながら顔を撫で付けた。 首を振り、固まった肩を動かして音を鳴らすと、やっとルイズの顔を見る。 昼に会ったときよりも一層疲れた様子に、ルイズは喉をごくりと鳴らした。 「帰途につく途中に引き止めて済まなかった。どうしても、渡しておきたいものがあってな」 ふう、と息を吐いて、王は椅子に深く腰掛ける。 どう反応をすればいいのか分からないルイズを微笑ましく見て、王は言葉を続けた。 「手荷物を増やすことになって申し訳ないが、アンリエッタに、朕の姪に渡して欲しいものがあるのだ」 「……な、なんデしょうカ」 緊張に震える舌を無理やり動かしたせいで、若干声が裏返っていた。 思わぬ恥を晒してしまったと顔を赤らめたルイズを、ジェームズとパリーの二人は懐かしいものを見るような目で眺め、少しだけ時間を置いて話の続きを始める。 王の手が、自身の頭上に光る王冠にかけられた。 「渡して欲しいものとは、これのことだ」 ルイズの前に、アルビオンの王を現す権威の象徴が置かれた。 煌びやかな黄金と宝石の光に輝く王の証を前に、ルイズは緊張を強くしてジェームズの顔を凝視する。 王冠を渡すという行為がどんな意味を持つのかを、血縁上は遠くとも、トリステインの王位継承権の椅子の端に座っているルイズは、よく理解していた。 「王位を、アンリエッタ王女に譲渡するというのですか!?」 信じられない行為だ。王が他国の王族に王冠を預けるということは、国をそのまま売り渡すようなもの。戦争に負けたわけでもないのにそんな行為をすれば、王は自国の民の手で断頭台に送りにされるだろう。 アルビオン王が一体何を考えているのか、ルイズにはまったく理解が出来なかった。 「落ち着くのだ、ヴァリエール嬢。なにも、内戦の尻拭いを押し付けようと言うではない。いや、内乱に敗北した時点で押し付けたようなものか」 「事情を、理由を説明してください!」 執務机の向こうに居るジェームズに向かって、ルイズは身を乗り出して迫る。 これをアンリエッタに渡すということは、単なる王位の譲渡では終わらない。アルビオンの正当なる後継者がトリステイン王女であると内外に示すということであり、それは同時に、アルビオンの王に君臨しようとしているレコン・キスタに、トリステインを攻める動機を与えることになる。 だが、それを王は否定した。 「待て。誤解をするでない。アンリエッタにこれを渡すのは、レコン・キスタがアルビオンの王を名乗り、その傲慢な思想ゆえに戦を広めるのを見てからだ」 ルイズの頭上に大きな疑問符が浮かんだ。 「連中が、ハルケギニアの統一と聖地回復を大義名分としていることは知っているな?」 「……はい。聞き及んでおります」 レコン・キスタは、ハルケギニア全土に共通した政治体制を打倒し、新しい概念による統治を目的としている。だが、体制の打倒を掲げるということは、全ての王に喧嘩を売るのと同じようなものだ。内戦の枠を超えれば、世界を敵に回して戦うことになる。どう考えても可能とは思えないことを、平然と語っているのだ。 知識のある人々にとっては、夢想家の類にしか見えない。 そして、聖地回復という思想。これも夢物語だ。 それ自体は人類そのものが掲げる始祖ブリミルの時代からの悲願ではあるものの、実現が可能なら当の昔にどうにかなっている。砂漠の向こうでエルフたちが占拠している聖地は、過去に数度の奪還に成功したと言われているが、長く続いたという話はない。あっという間にエルフたちに取り返されているからだ。 強敵であるエルフを打倒することは、各国が何千年間も考え続けてきたこと。それが唐突に可能になる、なんて都合のいい話があるわけがない。 二つの思想は、レコン・キスタが求心力を得るために掲げた看板に過ぎないのだ。その程度のことは、ルイズにも分かっていた。 だが、それがどうしたら王位の譲渡と繋がるのか。血の上りかけた頭では、答えに辿り着くことは難しそうだった。 「レコン・キスタの目的がその二つだとすれば、必ずやトリステインに戦争を仕掛ける。ガリアでも、ゲルマニアでもなく、トリステインにだ」 アンリエッタも危惧していたレコン・キスタの動向に、王が裏付けを語り始める。 「奴らは所詮、寄せ集めの軍隊だ。掲げた大儀を実行に移せなければ、組織そのものが瓦解するだろう。その程度は、奴らも理解しておるはず。その流れで行けば、どうしても何処かと戦争をする必要が出てくる。最終的にどこの国とも戦争となるなら、内戦の後で疲弊した戦力を強大な軍事力を持つガリアやゲルマニアにぶつけるとは考え難い。かといって、国土としては小さいなりとも、ロマリアを攻めるとなれば、国の内外に広く存在する教徒たちの叛乱を促すこととなる。これも有り得まい。すると、残る国は一つとなろう?」 ルイズが、口元を引き締めて頷いた。 「でも、トリステインはそのためにゲルマニアと軍事同盟を結びます。わたし個人としては不本意ですが、ゲルマニアの軍事力は相当なもの。両軍が手を合わせれば、レコン・キスタなどに遅れは……」 「それが間に合うなら、これらは土にでも埋めて見なかったことにすればよい。だが、恐らくは間に合わぬであろう」 言葉を止められて、ルイズは、え、と声を漏らした。 「政略結婚の話は、手紙で拝見した。だが、レコン・キスタはそのときを待たずして攻めるであろう。正面からか、奇襲か、までは分からぬがな」 そこで、ルイズは唐突に、今回の旅が秘密の任務でありながら妨害の手が入っていたことを思い出した。 既に、レコン・キスタもトリステインとゲルマニアが手を結ぼうとしていることを知っているのだ。敵が強大になるのを指を銜えて待っているなど、普通はありえない。 そのことにルイズが気が付いたことを表情で察した王は、静かに頷いた。 「妨害が間に合わぬなら、完全に結びつく前に叩く。常套手段だ。そうなれば、ゲルマニアはトリステインを見捨てるだろう。なぜなら、両者を戦わせて疲弊させ、その横を突いて美味い所を掻っ攫った方が利口だからだ」 レコン・キスタに一度征服されてしまえば、始祖の時代から続いた王権などに意味は無くなる。トリステインを手に入れたレコン・キスタが再度軍備を整える前に攻め、トリステインであった土地とアルビオンの土地、その両方を手に入れればいい。宗教庁のロマリアも、軍事同盟の無い国が他国を見捨てて利益に走ったとしても、文句は言えないだろう。 もしかすれば、ガリアも途中で参戦し、ゲルマニアと共にトリステインとアルビオンの国土をナイフとフォークで切り分けるように分配するかもしれない。 大国が二つ並ぶのは戦争を誘発させる恐れがあるため、独立国と表で発表しておいて、王には適当な駒を置き、搾取だけを行うことだって考えられる。 トリステインもアルビオンも、属国どころか、ただの植民地に成り下がるのだ。 最悪の結末である。 「では……」 ルイズは目の前の封筒と王冠に目を落とし、息を呑んだ。 「うむ。これは、トリステインとアルビオンを守るための、切り札なのだ。現実性の無い思想と民を考えず利権ばかりを追い求める彼奴らは、必ずや国民から信頼を失う。そうなれば、正当なる王権を持ち、既に安定した国の治世を預かっているアンリエッタ王女を国民は受け入れるであろう。逆に、民心を失ったレコン・キスタは兵士の士気を低下させ、補給もままならなくなる。軍の内部も混乱は避けられまい。となれば、トリステイン一国でも、勝機は見えてくる。そして、トリステインが単独でレコン・キスタを打ち倒せれば、他国も手は出せなくなるであろう」 そう言って、ジェームズはルイズに封書と共に王冠と二つの印を差し出した。 ルイズはそれに手を伸ばし、指先が届くか届かないかの位置で逡巡した。 この城には今、王党派の最後の意地をかけて戦おうとする兵士たちが大勢居る。彼らは王のために、アルビオンのために戦っているのだ。 なのに、王は王でなくなろうとしている。それが、アルビオンやトリステインを守るための決断であっても、今死のうとしている人々は、それで納得するのだろうか。 世界の大きな流れを考えれば、それを気にしている余裕なんて、ルイズにも王にも無い。両国の未来が奪われようとしているのだ。一部の人々の心情を理由に諦めろなんて、口が裂けても言えるものではない。 やりきれない思いに戸惑うルイズを前に、ジェームズは差し出した封書を机に置いて、情けない笑みを浮かべた。 「考えておることはわかる。これをそなたに渡せば、その瞬間から朕はアルビオンの王ではなくなる。王党派は瓦解したも同じであろう。朕のために戦う者たちの裏切りだと、そなたは考えておるのではないか?」 心情を言い当てられた事で、ルイズは肩を震わせた。 「しかし、まさにその通りなのだ。朕は、明日の決戦にて命を落とす者たちを悉く裏切っておる。だが、これも必要なことなのだ。トリステインも、アルビオンも、一国で生きるには難しい時代に来ておる。二国とも領土は狭く、ガリアとゲルマニアの二国を相手にするには体力が無さ過ぎる。遠からず、統一の必要性はあったのだ」 「それが、今というのですか?」 ルイズの問いに、ジェームズは頷いた。 「意図して作った状況ではないが、あるのであれば使うまで。我らは、ただでは滅ばぬ。アルビオンはトリステインが生き残るための足掛かりとなり、子供たちを生かす糧となるのだ」 だからこそ。と続けて、王は王冠と二つの印を乗せた封筒を再び手にして、ルイズに差し出した。 「そなたにこれを受け取ってもらいたい。そして、生き残ったアルビオンの民を、朕の愛すべき民を、どうか、宜しく頼む」 頭を下げるアルビオンの王に、ルイズは緊張に顔を強張らせて、おずおずと手を差し伸べた。 見た目よりもずっと重い封書と、その上に置かれた印と王冠を手にして、それを胸に抱きかかえる。 王権を譲渡する文章と、王冠。 それを手にしたルイズは、今この瞬間、アルビオン王の代理人となったのだった。 「……確かに、お預かりしました」 ルイズの言葉に王が顔を上げ、椅子に座り直した。 表情には安堵の色が浮かび、口を開くことなく脇で佇んでいたパリーも、どこか安心したような様子を見せる。 これで決戦に赴いたとしても後顧の憂いは無くなった、ということなのだろう。 「ありがとう、ルイズ殿。やっと肩の荷が下りた。レコン・キスタの連中め、悔しがるであろうな。決戦の末に朕の首を手にしたとて、もはや朕はただの老いぼれ。王でもなんでもないのだからな」 「全てを知ったときの連中の顔が目に浮かぶようですな」 唐突に笑い出した二人を見て、ルイズは心のどこかで、王は単にレコン・キスタに嫌がらせがしたいためだけに王権をアンリエッタに譲ろうとしているのではないか、なんて思った。 裏切り者の連中にくれてやるくらいなら、姪のプレゼントにしてくれる!と言ったところか。 とはいえ、渡されたものは間違いなくトリステインの力となる。王が言うようなときが来る日まで、必ず自身の手で管理しなければならない。 五芒星の刻まれたタイ留めを外し、脱いだマントで封筒と印、そして王冠を包む。 これで、人目に触れられることも、無くしたりする事も無い。おそらく、ギーシュやキュルケあたりは何なのかと尋ねてくるだろうが、王からの預かり物とでも言えば深くは追求してこないだろう。 「……あ!?た、大変!」 仲間のことを思い出したルイズは、部屋の片隅に置かれていた水時計の針を見て、イーグル号の出港時間が迫っていることに気がついた。 パリーに呼び止められてから、いつの間にか一時間近くも経っていたのだ。 「陛下。大変申し訳ございませんが、帰りの便が間もなく出港してしまうので、これで失礼させていただきます」 「お、おお。補修作業で遅れておったイーグル号が、そろそろ出港するのだな。引き止めて済まなかった。さ、早く行かれよ。大事な大使殿を決戦の道連れになどしたら、あの世で馬鹿息子に叱られてしまうからな」 そう言ってまた笑い出したジェームズとパリーにお辞儀をしたルイズは、体の向きを変えて早足に部屋の扉に向かった。 両開きの扉の取っ手に手をかけて、ふと振り返ると、ジェームズとパリーがそっと手を振る姿が目に映る。 この姿を、しっかりと目に焼き付けておこう。 明日滅びる王家の姿を、そして、トリステインのために、手に残る全てを残してくれる人々の姿を、ルイズは生涯の宝物として心に刻み付けることを誓った。 最後の別れに一礼して、ルイズは改めて扉の取っ手に手をかけた。 「……ん、あれ?」 扉が、開かなかった。 鍵がかかっているというよりは、向こう側から押さえられている様な感覚だ。 誰かに閉じ込められている? 嫌な予感が脳裏を過ぎり、ルイズに不安の種を植え付けた。必死に扉を開けようとするルイズの姿に、ジェームズとパリーも笑みを消して近づいてくる。 「扉が開かぬのか?」 「は、はい」 王の言葉にルイズは頷き、取っ手を再び握る。ジェームズとパリーも、扉を開けるためにルイズの隣に並んだ。老人二人と少女一人。成人男性のそれと比べれば貧弱だが、それでも三人がかりであることに違いは無い。 しかし、扉はまったく開かなかった。 「……どういうことだ?衛兵!そこに居らぬのか!?誰か!誰か!!」 異常事態にジェームズが声を上げ、扉の向こうに呼びかける。ルイズもそれに続いて声を張り上げようとしたとき、何か、硬いものが破れる音と鈍い物がぶつかったような音が、同時に鼓膜を震わせた。 「……そこに居られましたか、陛下。自ら位置を知らせてくれるとは、実にありがたい」 心根が震えるような冷たい声が、扉の向こうから囁くように流れ込む。その声に聞き覚えのあったルイズは、包みを取り落として首を横に振った。 「ウソ……、ウソでしょ?そんな……、ウソだと言ってよワルド!?」 扉の向こうから聞こえてきた声は、ルイズの婚約者だった男、ワルドのものだった。ルイズが悲鳴を上げようとする間もなく、隣に居た人物が床に倒れる。パリーが血相を変えてその姿に縋り付き、叫ぶように呼びかけた。 「陛下!ジェームズ陛下!しっかり!お気を確かに!!」 「……え?あ、え、なんで……、なんで?」 胸に赤い穴を開けて倒れたジェームズ一世の姿を目に入れて、ルイズは両手で顔を覆う。穴の位置は、正確に心臓を抉っている。ちらりと横目に見た木製の扉からは、王が居た場所を狙い済ましたかのようにレイピアの刀身が生えていた。 旅の間に幾度も見た、ワルドのレイピア。それが、目の前で扉の向こうに引き抜かれていた。 「本来はウェールズの首を取るつもりだったのだが、本人が居ないのでは仕方が無い。代わりの手土産としては悪くないだろう」 何かを蹴り飛ばすような音が続き、扉がゆっくりと開かれる。倒れる王に縋るパリーとルイズの前に、真っ赤な世界が広がった。 「正面からでは梃子摺るかと一息で殺したのだが、それが仇となってしまったな。まさか、首を無くしてなお扉を守ろうとするとは。不用意に音も立てられぬために、無駄に時間を食ってしまった」 ワルドが、扉の正面に倒れる首の無い大男の死体を踏みつけ、執務室の中に足を踏み入れる。死体の手には金属の杖が握られていた。ニューカッスルを訪れたルイズたちを迎えた、あの大男のものだ。奥歯が合わさらず、カタカタという音だけが頭の中に響き渡る。 死んだ。 扉一枚しか隔てていない場所で、人が死んだ。殺された。ワルドに、仲間に、婚約者だった男に。気がつかないうちに、廊下が真っ赤で、足元が暖かくて……!? 混乱する頭の中で、開け放たれた扉から染み込んでくる赤い液体の温度だけがはっきりと感じ取れる。息をどれだけ吸い込んでも息苦しさが取れることは無く、逆に、錆びた鉄の匂いが不快感を掻き立てた。人が死ぬ姿を直接見るのは、これで二度目だ。だが、過去に経験があるからといって、ルイズの震えは止まることは無かった。 「お、おのれ逆賊が!」 「ジジイは黙っていろ」 立ち上がりながら自身の杖を取り出したパリーの胸に、ワルドのレイピアが突き立てられた。やはり、これも心臓を貫いている。苦悶の表情を浮かべ、それでも歯を食いしばったパリーが、握った杖をワルドに突きつける。 「ぐ、があ、は……」 だが、喉から漏れる空気は魔法の詠唱に変わることなく、ちっぽけな断末魔となって消えた。ワルドは白目をむいて動かなくなったパリーに足をかけると、それを支えにレイピアを引き抜いてルイズに視線を向けた。 爬虫類を思わせる暖かみの無い瞳に、ルイズの背筋が凍りつく。 「君には選択肢が二つある。このまま僕と来るか、手紙を渡して死ぬか。どちらかだ」 伸ばされた手を見つめて、ルイズはやっとラ・ロシェールでの襲撃事件に首謀者が居ることを思い出した。 あの騒動は確かにタバサの友人が影響を及ぼしていたが、そもそもの発端は、今回の任務を知る裏切り者によるものだ。傭兵たちを金で雇い、先導した人間。この状況を見れば、それが誰だったのか、言われなくても分かる。 「あ、あなたが裏切り者だったのね!」 ルイズの言葉に、ワルドが不敵な笑みを浮かべて頷いた。 「そうだ。レコン・キスタの指導者クロムウェル卿から与えられた僕の任務は、王女が送ったという手紙の回収と、ウェールズ王子の首さ。少々、予定が変わってしまったがね」 なんでもないことのように告げるワルドを睨み付けて、ルイズは恐怖で固まった体を奮い立たせる。 貴族は、いや、人間は己の行動に責任を持たなければならない。知らぬこととはいえ、ワルドという敵を城の中に引き込んでしまったのは、ルイズの責任だ。姫殿下も、このことは知らなかったのだろう。だが、今更それを言っても仕方が無い。今はこの場を切り抜けることが重要だ。 後ろ手にルイズは杖を隠し持ち、ワルドの隙を窺う。どうせ、何をしても爆発するのだ。とびっきり短い魔法で爆発を連続させて、ワルドに攻撃の隙を与えることなく逃げ出してやる。覚悟を決めるルイズの前で、ワルドがレイピアの先端をルイズに突きつけ、自分の頭にある羽帽子に手をかけた。 「で、どうする。僕が裏切ったことが分かったとしても、君にはどうすることも出来ない。大人しく僕と共にレコン・キスタに行くか、それとも、この場で死ぬか。選びたまえ」 どちらも冗談ではない。 生き延びるために敵の手中に収まるなど屈辱だし、王に託されたものと親友に届けなければならない手紙を抱えた今、死ぬわけにも行かないのだ。首を振ったルイズは、大きな目を鋭くさせてワルドの視線に真っ向から向かい合った。 「どちらもお断りだわ!アンロック!」
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セットアップ確率 ソフトドロップあり ハードドロップのみ 左右反転含む 37.78% 27.78% 片側のみ 32.22% 21.11% リジェネSDとは、ゆう氏考案の開幕テンプレである。 参考 テトリス開幕テンプレWiki https //tetrisopener.wicurio.com/index.php?%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8DSD