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imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 ブラバン所属の俺が、ブラバンについて熱く語ってみる。 まあ、あれだ。音楽分野だけは本物だよう。 これは、パーカッション(俺所属)の王様、ティンパニ。 因みに、女王はドラムスです。あれ? ドラムスの方が男っぽい? 足を、骨折した。 それは、一般人にとっては大ケガの部類に入るんだろうな。 考えられる原因はぱっと探しても沢山ある。例えば、不慮の事故に巻き込まれて車に足を跳ねられた、高い所から落ちて足を打った、とか。 足を折った瞬間は、その痛みに声も出ねぇもんだ。俺も、骨折した時はその場から動けなくて、目の前が真っ暗になったし。 けど、逆に言えばそれだけのこと。 つまり、大ケガで済まされる、ということさ。 普通なら2ヶ月ぐらいで完治するし、その後はごく普通に生活できる。そこに不便なんてあっちゃあいない。 だが、俺の場合は違う。 俺は、この時点で夢を諦めることになった。 『もう前のようには走れません』 2日前に医者から言われた言葉を思い出す。 俺の場合は、走ってる途中で思いっ切りこけたのが原因さ。 この根岸第二病院に入院する前、俺は千駄ヶ谷競技場で高校陸上のインターハイに出場してた。 中学時代から神童と賞されて来た俺は、110mハードルの種目でぶっちぎりの予選1位を記録、順調に準決勝、そして決勝へと駒を進めた。 誰もが俺の優勝を確信しただろ。俺も自分で余裕だなと思ったよ。 けどさぁ、コースには魔物が潜んでいた、とはよく言ったものだぜ。 決勝のレースをスタートの時点でぶっちぎりの1位で飛び出し、あわや大会新記録が出るかと会場が沸いた時、俺は1番最後のハードルで足を引っかけて転倒した。 しまった、と思って俺はすぐに立ち上がろうとしたんだけど、俺は立ちたくても立てないっつー、生まれて初めての感覚に襲われてた。 そのままトラックに倒れながら、俺は17歳で絶望というものを体感した訳さ。 「はぁ……」 ベッドの上から、横浜根岸に広がる森林公園をぼーっと眺める。 当然、結果は失格。決勝レースでは何も結果を残すことが出来なかった。 あの絶望の瞬間から、だいたい1ヶ月ぐらいは経ったかね。日付の感覚が完全にイカレちまってるぜ。 そんでも、俺は陸上馬鹿っつー訳じゃねぇ。それぐらい経てば、心の整理をつけるぐらい出来た。 まだ悔しい気持ちはあるけどな。 「失礼します」 俺の吐息とアナログの時計針ぐらいしか音を立てなかった空間に、突然病室のドアがガラガラと喧しく鳴った。 また看護師が様子を見に来たのかと思ったけど、その正体は違った。 「どう、和毅。調子は?」 ああ、この凛とした声。恋姉だな。恋姉が来るとは思ってなかった。 「ああ。ダイジョブ。もう歩けるようにはなった」 「そう、良かった」 俺の側に近寄って、様子を見るなりほっとしたような表情を浮かべた恋姉の顔をベッドから見上げる。 恋姉――――滝瀬恋は、俺と2人で暮らしてる俺の姉だ。 幼い間に父親が俺達を捨てやがって、1年前に女手一つで俺達を育ててくれてた母親が死んじゃってから、恋姉は俺の面倒をたった1人で見てくれた。 生活費もろもろは叔父が仕送りしてくれてる。それだけで本当にありがてぇ話なんだけど、そんでもあくまでお金だけ。恋姉一人にかかる負担が相当なものだってことは簡単に予想出来る。 毎日毎日、陸上部ですんげぇ量の汗を流してる俺を影で支えてくれて、そんな自分自身も部活に精を出してる恋姉は、文字通り俺の誇りで、尊敬している人物なんだ。 けど、そうやってずっと守られ続けてきた自分の人生にも、嫌気が差してたんだよね、俺。だからこそ、恋姉に恩返しするという意味でもインターハイで優勝をしたかった。その思いを忘れないようにして、恋姉に迷惑をかけながらでも必死に練習を積み重ねてた。 っつーのに、結果的に恋姉にもっと迷惑を掛ける形になっちまった。ホント、情けねぇ。 「そんな暗い顔しないの」 恋姉がポンと俺の肩を叩いたおかげで、俺は現実に引き戻された。 慌てて笑顔を浮かべる。 「俺、そんな顔してたか」 「まあ……和毅が何を考えてたかってことぐらいは分かったわ」 「げ、またか」 「まあ、しょうがないよね……」 楽しそうな笑みを浮かべていた恋姉の表情が、ふっと曇った。なんだろう、また心配かけちゃったかな。 「本当に、悔いはないの?」 でも、恋姉の言葉はそんな類のモンじゃなかった。 恋姉の言う、悔い、っつーのは陸上生活を投げ捨てることに対してのものなんだろう。その質問は、今までも何回か聞かれたしな。 俺はもう踏ん切りがついてるとそのたんびに恋姉に言ったんだけどさぁ、どうも恋姉は俺が気を使っているんだと勘違いしているみたいで、ぜんっぜん俺の言うことを信じてくれない。 また恋姉の心配性が表に出たのかと思ったけど、今日はいつにも増して恋姉の様子が真剣だ。 もしかしたら、これで俺にこの話を聞くのは最後にしようと決めたのかも。 「ああ、仕方ねぇよ。こればっかりは」 恋姉の剣呑な雰囲気を汲み取って、俺はわざと明るくおどけた。恋姉に安心してもらえるように、って。 すると、恋姉は優しくため息をつく。 「はぁ……和毅は本当呑気なんだから」 「それが唯一の取り柄だし」 そう、俺のすっぱり切り替えられる性格は、俺が自慢できる長所だったりする。 俺は、目線を恋姉から窓の外の景色へ向け直した。木々がぶわーって緑色に広がってる先には、桜木町のランドマークタワーが聳えてる。 「これからは、退屈な日々が続きそうだな……」 陸上部でボロボロになるまで練習しまくってた時を思い出しながら、俺はため息と一緒にそう言った。 「無理はしないでね。頼むから、走り込みを始めるとか……」 「ははっ、まさか」 俺はインターハイに出場したけど、優勝まで間近という所で転倒し、結局は棄権扱いされた。 これからも、長い間激しい運動は禁止されるだろう。だから、俺はもう陸上を卒業することになるんだと思う。ちゃんと決めてねぇけど、これからは皆と変わらない。勉強に追われる普通の学園生活を送るんだろうな。 とうとう、休みが来たか。 そう思いながら、俺は恋姉と一緒に窓の外を悠々と飛ぶカラスを見つめてた。 これが、終わりじゃなくて、始まりだったってことも知らねぇで…… 「くぅっ! 久々の学校だぜ!」 9月に入ってようやくダリィ熱気から解放されて、俺は夏休みも入れて1ヶ月半ぶりぐらいに嶺蘭学園中高校の校門をくぐった。 学園に復帰しても良い、というお達しを受けたのは昨日のことだったもんだから、俺は超慌てて学園の準備をする羽目になっちまった。もう少し余裕持って連絡しろし。 けど、俺が学園に復帰することをメールで皆に伝えたら、 『おお! ようやくか!』 『待ち詫びたぜ! 神童!』 『授業、お前が休んだ間に大分進んだぜ。これから苦しめ』 みたいに、ホントに超感動するメッセージをたくさん貰ったから、すげー嬉しかった。 恋姉からも、よかったじゃんと言って貰えたし、俺は学校に通えることの幸せに気づいたぜ。なんか、綺麗事のように聞こえちまうかもしれねぇけど。 学園に通ってるときは、こんな事無かったのにな。 「和毅~、あんまり調子に乗ってるとまた病院行きだよ?」 「いいじゃんか。この感動に浸ってたって」 「浸っててもいいけど、見てるあたしがハラハラするのよ」 「恋姉はケガしたこと無いからそういうけどなあ、これ結構胸がぐっとくるぜ」 「足がぐっと来ないかの方が気がかりだわ」 ぐっ、そこ突っ込まれると何も言えねぇぜ。 結局その一言で撃沈された俺は、へいへいと大人しく従うことにした。あーあ、女に言いくるめられるなんて、マジなさけねぇ。 根岸ん中だとたった一つしかない中高一貫校である嶺蘭学園は校舎が三つに分かれていて、西校舎、通称西棟は中学生の教室、あと体育館と講堂、食堂や図書室とか全校生徒が使う施設が入ってる。 そして、俺達がA棟っつー風に呼んでる東A校舎には、高校生の教室と、理科室や音楽室みたいな特別教室がある。んで、おんなじ風にB棟と呼んでる東B校舎はよーするに部室棟で、何だかよくわかんねーけど職員室と資料室もそこにあったりする。 高ニの恋姉と高一の俺は、教室が二人ともA棟にあっから、靴を履きかえてから一緒にA棟にいった。 そんで、夏休みだ入院だで暫く学校に来てなかったし、このタイミングで起こるサイアクな罠に対する警戒をきれーさっぱり忘れてたから、後が大変だったったら、もう。 あ、やべ、忘れてた、って気づいたのは、俺と恋姉が話をしながら廊下を歩いてる時に、ドドドドドとかいう、異様なっつーかマンガの中でしか出てこないような効果音が聞こえたときだったし。 「和毅、覚悟しときな」 恋姉の笑ってねぇ笑顔が、もっとこの状態を語ってた。もう腹くくるしかねぇのかなあ。ってか、恋姉の顔が超怖いんだけど、マジで。 んで、俺の抵抗むなしく、その予感は的中しやがった。 「滝瀬君、発見!」 「キャー、かっこいい!」 「前から憧れてたの!」 「怪我、大丈夫だったの!?」 俺の前の方からドドドド音鳴らして走っていたのは、やっぱ何人もの上級生達だった。 すぐに俺は上級生達にびっしり包囲され、身動きを封じられる。 そして、あれやこれやと俺は女の上級生達にもみくちゃにされはじめた。ああ、もう、勘弁してくれ。あ、コノヤロ、そんなとこ触んじゃねぇ! 俺はこの学園に入学する前から陸上をやってて、その影響で中学時代からよく陸上大会で優勝とかしてたんだ。そしたら、俺の知らない間に、俺は気づいたら学園内でかなりの有名人になってたんだよ。 まあ、インターハイの110mハードル決勝に残ったって言ったら、流石に校内には名前が知られちまうか。陸上部にとっては、南関東大会進出の時点で初だっつってたし。 でも、名前が知れ渡る程度ならまだ全然よかった。むしろ、なんか俺がスターみたいな気分になれてよかったかもな。 けど、俺はどうも名前の知名度を上げる代わりにこの学園の女子の票も知らぬ間に集めてちまったみたいで、今日は俺の久々の登校日つーこともあってか、めちゃくちゃ女子の集まりが激しい。 避けられるよりは100倍マシなんだが、度が過ぎると何事も良くないって言うぜ…… 「人気じゃない、和毅。よかったね、女の子に囲まれて」 恋姉もなんかジト目で見てくるし……。ってか、声のトーン低っ! 「好きでやってる訳じゃねぇんだって。お、おいこら、押すな!」 「ふん、どーだか」 俺が必死に言い訳しても、周りがぐわーって俺に押し寄せてくるもんだから全く声が届かない。おまけに、恋姉にはぷいっとそっぽを向かれちまった。ちょっと待ってよ~…… 嶺蘭学園はスポーツが特段強いわけじゃない。 むしろ、ここは進学校、それも神奈川で3本の指に入るぐらいの名門校で、毎日冷徹な鬼教師らがこれまた鬼みてぇな宿題を俺達に平気で出してくるような、勉強第一の学校だ。 勉強すんのはいいけどさ、俺も進学校だってわかって入ったんだし。でもさぁ、程度も考慮した方がいいと思うんだ、俺。 そんな勉強しまくりの学園にスポーツが強い俺が入ったもんだから、インターハイに出た直後なんてもう昔流行ったウーパールーパー状態だった。 それこそ、俺がストレスでぶっ倒れたほど。 今はもう落ち着いてきたけど、たまに沸いてくる過激派(つまり今日みたいな連中)に出会うと、もう俺はお手上げだよ。降参、降参。 だけど、過激派だって学園の一生徒だし、学校のシステムの前には塵にも劣るさ。 キーンコーン 俺を中心にして黄色い歓声がこだましてた空間に、めっちゃ重い鐘の音が鳴り響いた。よく教会とかで使われる、例のあの鐘だ。 タイミングとか考えれば、これは予鈴かな。 「あー、もう予鈴か」 「しょうがないわね」 「和毅君、また昼休み会いに行くからね!」 「ちょっと、抜け駆けは許さないわよ!」 「そうよ、一等賞はあたしのものよ!」 おい。いつ俺はくじ引きの賞にされたんだよ。 と突っ込む気力がある訳もなく、俺がはぁってため息ついてたらがやがやと語り合いながら上級生達は俺から離れていった。 「お疲れさま」 俺の周りに人間がいなくなって、恋姉はぽんと俺の肩を叩いた。なんだかんだいって俺のこと心配してくれてんだ、やっぱホント恋姉っていい人だ。 「もういい加減こんなの勘弁だぜ……」 「いいじゃない。人気者は将来苦労しないわよ」 「将来はいいから今苦労したくない……」 マジのこと言うともう座り込んで休みてぇって思ってたけど、んなことが出来る程学園も終わっちゃいねぇ。予鈴もなってるし、俺と恋姉はちょっと急いで階段を上ってった。 「ところでさあ」 階段で足の感覚確かめてながら、またどーせ湧いてくる過激派にどうやってお引き取り願おうか結構マジで考えてたら、それじゃないことがふっと浮かんできた。 「ん? なに?」 「恋姉って、今日部活か?」 「あ~……」 恋姉は携帯を出して、すぐにスケジュール表を開いた。 「あるね。6時半まで」 「じゃあ、待ってた方がいいか?」 忘れてた、俺って部活辞めてんだった…… さっきも言ったけど、うちの学園は進学校ってことになってる。んなもんだから、最終部活終了時刻は6時半ってちゃんと決められてる。丁度陸上部とブラバンって部活のある日が同じだったから、俺達は今まで二人の部活が終わってから一緒に帰ってたんだ。 けども、俺は部活を辞めちまったし、6校時は終わっと暇になる俺と部活をやる恋姉じゃ、帰れる時間がめっちゃずれる。 「あ、そっか……」 恋姉もそれに気が付いたみたいで、困ったような顔になっちゃった。 「取りあえず、食堂で待っていようか? どうせ暇だし」 っていっても、俺は家帰ってすることなんてねぇ。あっても、モンハンの続きをするぐらいだから困ったもんだ。 「いいの、和毅?」 「ああ、俺のことは気にしないで」 「そう? じゃあお願いしようかな」 因みに、恋姉の所属はブラバンだ。なんか、前夕飯の時にサックスを担当してるのって言ってた気がする。 うちの吹奏楽は大して上手いわけじゃない。コンクールでも、なんかよう分からんところの大会で銀賞、とかそんなレベル。 けど、どうもこの学園が出来てからずっと存続してるむっちゃ古い部みたいで、学園ん中の部活で一番アットホームな雰囲気だっちゅーところがウリでかなり人気が高ぇ。 高3は受験体制に入るんだっつー名目で、夏休みの最後で強制的に部活を辞める決まりになってる。だから、今恋姉の学年がブラバンじゃ最高学年で、恋姉もサックスのパートリーダーやってるみたい。 まあ、恋姉はしっかりしてるしなあ。パートリーダーとか、まさにって感じだ。 「ふぅ。じゃ、ここで。頑張ってね、和毅」 そんなこんなしてる間に俺たちはA棟4階に到着してた。ここには高1の教室がズラっと並んでる。 もう一コ上の階に教室がある恋姉とは、いつもここで別れる。 「ああ、じゃあまた放課後に」 俺は恋姉に手を振り、俺の教室――――A組に入った。 ああ、このドアを開ける感触、超懐かしいな。 嶺蘭学園は、横浜の根岸にある高校だとはさっき言った。 京浜東北線で横浜から大船方面に5ついくとある根岸駅が最寄り駅である学園は、神奈川屈指の進学校ということで首都圏各地から生徒が通ってくる。 俺と恋姉みたいに歩いて通ってる連中なんて、1%いるかいないかだ。 「しかし、よく戻ってきましたね」 今目の前で静かに、しかしもの凄い早さでハンバーグを食すこいつ――――権田玲二は、高1では最も遠い、大宮から通っている。 湘南新宿ラインで通う玲二は、電車の遅延以外で遅刻することがない優等生なんだが、肝心の湘南新宿ラインがよくダイヤを乱すので、HRには出席していないことがよくある。 「貴方が陸上引退という噂が流れた時は、比喩ではなく学園中が揺れましたよ。どれほどの大ケガをしたのか、と」 「迷惑かけたな。足の骨折っただけなんだけど」 「いや、良かったです、本当に。それぐらいで済んでくれて」 ハンバーグの残りひと欠片を口に入れながら、玲二がしきりに頷く。 俺がまだかけそばを1/3しか食っていない間に、こいつはハンバーク(大)を完食しやがった。 「心の友、権田玲二様が応援してくれなければ、俺は復活できていなかっただろうさ」 「ふふっ、光栄です」 しかも、にこりと好青年の笑みを浮かべながら、玲二はさらに空いた皿の隣にあったカレーに手を付け始める。 こいつ、相変わらず鬼みたいな胃袋してやがるな。 玲二は、中学時代からの俺の親友だ。学園内で一番最初に友達になって以来、玲二は俺の中で最高の友達の座に座っている。 大人びた堅い口調とか、几帳面そうな顔立ち(鋭く尖った眼鏡、スリムに細いラインを描く頬と顎のラインは、結構学年の中でも人気を集めている)から結構絡みづらい奴に思われがちだが、本当はめちゃくちゃ気が利く奴だ。俺だけでなく、クラスメートからも厚い信頼を置かれている。 俺が骨折したと聞いたとき、恋姉よりも玲二の方が先に病室に駆けつけてくれたほど。 因みに、こいつも所属部活はブラバンだ。担当は確かトロンボーンだったか? トロンボーンパートには高2がいないから今年から僕がパートリーダーです、と言っていたことがあったな。 「でも、陸上部は辞めたんでしょう? 今後、何か部活に入る予定は?」 「ああ、今んとこないな。まず遅れた勉強分を取り返す予定だ」 「そうですか。何かあったらなんでも聞いてくださいね」 そう言いながら眼鏡の位置を直すこいつは、学力が学年トップクラスだ。高1の段階で東大理ⅠがA判定という強者である。 俺も、テスト前になると分からない問題をこいつに聞くのだが、玲二はそれをイヤな顔ひとつせず受け、それに分かりやすく教えてくれる。 恋姉だけじゃなく、玲二にも迷惑をかけることになりそうだが、勉強に遅れる方が問題だ。ありがたくお教えを受けよう。 俺? 俺の学力は中の上ぐらいだ。一番影が薄いところだな。 「恩に着るぜ」 「任せてください。ところで……」 かちゃり、と玲二がスプーンを器の上に置いた。みると、そこに山となって盛られていたはずのカレーは消えている。 あれだけ食って、よくまあそのスリムな体格を維持できるよなあ、お前。 「恋先輩とは?」 「ん? ああ、食堂で恋姉を待つことになった」 「そうですか。なら、ご一緒してもよろしいですか?」 食後の緑茶を啜りながら、玲二がそう尋ねてくる。 俺と恋姉はいつも一緒に帰っているのだが、よくその中に玲二が入ってくることがある。 俺と玲二は親友同士だし、玲二と恋姉は同じ部活の先輩後輩だから、別に問題ないだろ、と俺が誘ったのが最初だった気がする。 「とーぜん。恋姉と2人で来なよ」 「ええ、お言葉に甘えて」 俺は、残っていたかけそばのつゆを一気に飲み干した。 陸上から卒業しても、あまり周りの環境が変わらない。 ごくごく普通の日常。 玲二の笑顔を見ながら、俺は普通というものののありがたさを感じていた。 放課後になった。 水曜日最後の授業、学園の有名鬼教師、多田が担当する化学じゃあシーンと静まり返っていた教室は、一瞬にして騒然とした空気に飲み込まれた。 俺は、その中で学校生活復帰の一日目を終えた余韻に浸っていた。 前は授業が終わると喜び勇んで陸上部の部室へ向かっていたのに、今では終わってしまった授業に名残惜しささえ感じる。 多田は、俺がついていけてないことを知りながら、それでも馬鹿みたいなスピードで授業を進めてたんだけど。 俺がノートを鞄にしまっていると、横井と相川が声をかけてきた。 「よぉ和毅。お前陸上やめたんだろ? 横浜のゲーセン行こうぜ」 「久々でしょ? 遠慮しないでさ」 こいつらはクラスメートのダチ達だ。 クラスメートの連中とは、陸上部時代でも部活の休みの日にはよく横浜駅西口にあるゲーセンで遊びに行っていた。 横浜の南西口には相鉄線の改札があり、そこからさらに進むと所狭しとゲーセンが軒を並べている。しかも、憎いことに店舗ごとに設置してある筐体の種類や性能ににばらつきがあるもんだから、客引き争いが起きることもない。 「わりぃ。今日は遠慮する」 けど、俺は二人の誘いを断った。 今日一日授業を受けてわかったんだが、シャレにならんぐらい俺は勉強に追いつけていない。 化学なんか、俺が知らない間にテトラヒドロキソアルミン酸ナトリウムという、唱えるとヒール魔法が使えそうな得体の知らない物質の生成方法なんだかどうだかの話まで進んでいたようで、多田の授業中、周りにバレないように一人で頭を抱えてた程。 ゲーセンで遊んでいる場合じゃねぇ。 「勉強しなきゃならんから」 「あー、そっか」 「大丈夫か? 教えた方がいいか?」 「いや、平気だ。一人でやる」 じゃあな、と行って出ていった横井と相川を見送ってから、俺も鞄を背負って食堂へ向かうことにした。 うちの学校の食堂は、メニューの数は少ないけれど椅子の数なら膨大にある。机上の空論にはなるが、一応全校生徒が食堂に来ても全員着席できる程なのだとか。 金かける場所間違ってるだろ。 まあ、食堂は放課後でも軽食だけは売ってくれるから、そのシステムからは結構恩恵を預かっていたりする。放課後限定のサイドメニューも存在していて、放課後でも食堂にはそこそこの人数が集まる。 筈なのだが。 フライドポテトでもつまみながら微積を勉強しようかと考えながら食堂に入ると、気味が悪いことに人が一人としていなかった。 バックも見当たらないところから考えると、誰かがどこかへ退席したという訳でもないみたいだ。 (あっれ……?) 食堂の入り口で、一人で首を傾げる。 今日は別になにか行事が迫っているような期間じゃないし、俺が行事をすっぽかしているということも絶対ない。 厨房の方から聞こえてくる食器のぶつかる音と従業員の声以外には、音がなにも聞こえなかった。 (ま、好都合か) 奇妙な状況なのに変わりはないけど、俺はポジティブに考えることにした。 俺は食堂にわいわいと騒ぐために来たわけじゃない。遅れていた分の勉強を取り返しに来たんだ。 騒々しい空間よりも、俄然この方が助かるぜ。 俺は、最初の予定通り食堂のカウンターで暇そうに頬杖をついていたおばちゃんからフライドポテトを一つ買うと、食堂の奥の方の席に着いた。 鞄を机の上に置き、ポテトを早速一本口に放りこんでから数学の参考書を取り出そうとする。 けど、その前に前ポケットから俺はウォークマンを取り出した。 本気で勉強をするときでもない限り、俺はいつも何かしら音楽を聞きながら勉強する癖がある。というか、俺は静かな空間っつーのが苦手で、常に何かしら生活臭のする音が鳴ってないと落ち着かない質なんだ。 普段なら談笑する声をBGMにしながら勉強を進めていくんだけど、今日は食堂が閑静なものだから、音楽でも聞きながら勉強することにしたのさ。 イヤホンを耳に装着してから、メニュー画面を操作してある曲を再生する。 ELLEGARDEN――――10~20代の若者から絶大の人気を博し、2008年に活動を休止した邦楽ロックバンド――――のSupernovaという曲だ。 細美と生形の二本の厚いギターによるパワーコードメロディーから繰り出されるパワフルなイントロから、静かに滑り出すAメロのヴォーカル。 サビにはいる前の強烈な刻みから、そのまま猛烈な疾走感を伴うサビにはいる。 サビが1番、2番と続くと、しっかりと落ち着いたフレーズを持ってきてギャップを生み出す。かと思えば、それが終われば再び激しいサビのメロディが脳内を全速力でかけずり回る。 アップテンポ調の定石を丁寧に追っていった良曲だ。 だがなによりもこの曲で最大のポイントは、この爽やかな疾走感の元である、高橋の作り出す強烈かつ繊細なドラムスのリズム。 ブラストビート調の激しいビートで曲を盛り上げたと思いきや、唐突に三拍目にスネアドラムが入るスローリズムを挟み込む。 思わず首を振りたくなるようなサウンドがたまんねぇったらねぇ。 俺は周りに人がいないのをいいことに、体でサビのリズムを取りながら微積の問題を解く準備をした。 本当は、後ろに人がいた事も知らずに。 「ねぇ、あなた。滝瀬君って言ったっけ」 激しくオーバードライブの掛かったギターサウンドを聞きながらでも、脳に直接響きわたるような凜とした声。 「ん?」 イヤフォンを耳からはずしながら、声をかけてきた人物の方へ振り向く。 そこには、一人の女子生徒が毅然とした様子で立っていた。 綺麗に膝あたりまで長く伸ばされた黒く艶やかな髪。きりっと引き締まった顔のラインに乗っている薄い唇、小さくまとまった鼻、形の良い眉の直線がバランスよく整えられている。 何より印象的なのは、そのつり上がった目だ。 目尻が上がったその目には黒く光る瞳があり、捉えた相手を萎縮させてしまうような高圧的な印象を受ける。そんな漆黒の瞳には、俺の顔が浮かんでいた。 「違うの?」 端正な口から放たれる声は、同世代の女子と比べるとトーンが低くて大人っぽい。 でも、凜とした外見と併せて考えれば、これ以上ないくらいイメージにぴったりだった。 「質問に答えて」 女子生徒が少し苛立ちを見せながら机を指でタップしたところで、俺はようやく自分の中の世界から抜け出す。 「あ、わりぃ。俺が滝瀬和毅だ」 「良かった。合ってたみたいね」 女子生徒は、腕組みしていた手を解きながら、ふぅと息を吐いた。なんだか良く分からないけど、マイペースな子でこっちの調子が狂うな。 「前、いいかしら」 「あ、あぁ」 うろたえる俺を余所に、優雅な仕草で着席する女子生徒。 「私の名前は矢月春薫。学園の高1D組よ」 組んだ両手の甲に顎を乗せ、彼女はそう名乗った。 ヤヅキバル……はて、そんな珍しい名字の女の子居ただろうか。 「あ、えっと、俺はさっきも言ったように滝瀬和毅。所属は高1Aだ」 「ええ。知っているわ」 「それで、矢月春さんは――――」 「薫、でいいわ」 思わずうっと唸ってしまうようなキツメの口調で、矢月春さん――――薫はそう言い放った。 何か、矢月春という名字に恨みでも持っているのだろうか。矢月春なんてそうそう聞く名字じゃないし、もしかするとどこかの名家のお嬢様なのかも。 「そういうことを考えられるのが嫌だから、私はそう呼ぶなと言っているのだけれど」 正直に言えば、はっとした。 (俺、今口に出していったっけ?) 「あ、いや……その……」 「いいの。初対面だもの。仕方がないわ」 何でだ? 薫は初対面の人間と話をしているとは思えないぐらい冷たい対応をし続けている。なのに彼女からは、偉そうに振る舞っている器の小さい女だという印象が全く持てない。 強いて言うなら、薫は本物のカリスマ。 「で、何の用件だったんだ?」 「ええ。ちょっと、さっきの貴方の様子を見ていて思ったことがあって」 「思ったこと?」 「そう」 ちょっと席を外すわね、と一言言ってから、薫は食堂に設置されている自動販売機に向かい、伊右衛門の濃いめを手に持って戻ってきた。 キャップを外し、軽くペットボトルのキャップに口を付ける薫。かすかに動いている喉が艶めかしい。 ……って、何考えてんだ俺は! 「ふぅ、失礼したわ。でも、まず順番に話さないとだめね」 少しだけ伊右衛門を飲んだ薫は、キャップを閉めながらそう切り出した。その目はキャップではなく俺を捉える。 「あなた、確か陸上のインターハイで怪我を負ったわよね」 「あ、あぁ」 急に陸上部に入っていた頃の話を持ち出され、俺は正直いって戸惑った。 (いきなり何を言い出すんだ。こいつは) 「当然ながら、今後陸上に参加できる見込みは?」 「ない」 「そう。じゃあ、聞くけど」 薫は、最初に俺に苛立ちを見せてきた時と同じように、机の表面を人差し指でタップしていた。 しかし、今回は違う。 静かな空間にコツコツと響く硬質な音。聞くけど、と微妙な所で話を止めた薫は、まだ話を始めず、静かに机を叩く。 コツ、コツ、コツ、コツ、コツ、コツ、コツ、コツ、コツ (……なんだ、これ) その音を聞いている間に、俺は自分の感覚が狂いだし始めたことに気がついた。 もう1分以上はこの状態が続いているだろうか。それなのに、薫の生み出す音に狂いはない。 音量、テンポ、響き。そのどれもかもが一定。まるで一人だけの空間で静かにメトロノームを聞いているような錯覚。 「……おい」 俺は耐えきれなくなってとうとう言葉を発した。 いつの間にか出てきた汗を袖でぐっと拭う。 「まあ、合格かしら」 すると、意味の分からない言葉を発して薫はタッピングを中止した。 「なんのつもりだよ」 いくら何でも、初対面の相手にこんな気分にされては黙っていられない。 俺が薫を睨みつけていると、薫は臆した様子もなく、さらりとこんなことを言ったのだった。 「貴方、吹奏楽部に入らない?」 to HOME
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作品名:赫炎のインガノック 使用者:スーク・ベイリング スチームパンクシリーズ(Liar-soft)に登場する存在。 クリッターのひとつ。 音による脳死と死体の操作を行うクリッター。 一度は人間の手によって撃退されるも吸血鬼のスーク・ベイリングと融合し、自身の複製能力を作り出す。 "吸血鬼"との融合前の能力について音殺 "吸血鬼"との融合後形容 音による探知 無限増殖 欠点 使用者との関連性超小型クリッターとの融合実験 元ネタ 関連項目 関連タグ リンク "吸血鬼"との融合前の能力について 音殺 音で人の脳を破壊し、操る音によって数千単位の人の脳を破壊できる。 音によって脳を破壊された者を操る。 かつて10年前の混乱の中で、 あれは数千の人々の脳を砕いた音の怪物だ。 殺した人間のすべてを死の兵として操って。 "吸血鬼"との融合後 形容 再生装置に擬態しているスーク・ベイリングの頭部に装着されているヘッドホン。 CGではヘッドホンに巨大な目がある。 頭部に装着された物々しい再生装置ひとつ。 機関機械のようでありながら 幻想生物のようでもあるそれ。 音声再生装置であるように擬態する、それ。 それこそ—— 荒れ狂う音のクリッター。 あらゆる人の鼓膜と頭蓋と脳を揺らし、 永久の狂気をもたらすもの。 音による探知 あらゆる音を聞くことができる。機械の駆動音から血管の血が流れる音まで微細な音ですら感知可能。 サウンドブラストの補助によって元々高かった聴覚が強化されている。 【スーク】『機関の駆動音、歯車の軋む音、 人々の声、心臓の鼓動、血管の奔流!』 『微細な運動のもたらす僅かな音すらも、 すべて、すべてこの俺の脳の中にある。 今や、俺が、このインガノックだ。 無限増殖 自分の姿とそっくりの複製を作り出す殺した相手の存在を濾過性病原体で変質させ、自分の複製へと変える。複製は装備まで同じである。 常人では判別不可能な程そっくりだが、《奇械》の目を使えば判別できる。 声と共に上空へ姿を見せるのは、 無数の“スーク”たち。 クリッター・サウンドブラストによって 更に歪められた濾過性病原体群を利用し、 彼の複製へと変えられた犠牲者たち。 白いコート。細いミラー・シェード。 そして、ヘッドホンがひとつ。同じだ。 すべての個体が同じ特徴を備えている。 少なくとも、そう、 人間の目であれば同じに見えただろう。 サウンドブラストの狂気の音をばら撒く端末濾過性病原体で増殖したサウンドブラストのスピーカー。サウンドブラストの反響体として無限に増殖する。 後述の欠点の関係から複製能力を持たないと思われる。 視える。何もかもが視認できる。 今や、彼らは、命ある生物ではなく、 サウンドブラストの端末に過ぎない。 宿主を反響体として歪みの音を撒き散らす、 クリッターと濾過性病原体の結合した異形。 無限の増殖。浸食する音。死の音そのもの。 欠点 サウンドブラスト本体は物理有効変異型濾過性病原体と深く結びついているため、物理攻撃が有効。増殖能力がない複製のサウンドブラストは物理無効。 ——クリッター・サウンドブラスト—— ——無限増殖体—— ——物理的な攻撃は無効—— ——ただし—— ——クリッター“本体”であれば—— クリッターを破壊されると総ての能力を失うクリッターと深く結び付いている濾過性病原体も消滅する。濾過性病原体を失うことで"吸血鬼"の力も失う。 正確には—— 彼を吸血鬼たらしめる変異型濾過性病原体と、 それと深く結びついたクリッターを、砕いた。 無限増殖体と化した彼の根幹を、 無限複製装置として在るクリッターを。 背後の“彼”は砕いてみせた。 不滅の増殖体たらしめる源を砕かれて、 スークはもはや誰を襲うこともないだろう。 二度と。誰のことも。 使用者との関連性 超小型クリッターとの融合実験 スーク・ベイリングが受けたクリッターとの埋め込み実験被験者の生存率0バーセントの人体実験で確率を凌駕してクリッター・サウンドブラストを掌中に収めた 元ネタ サウンドブラスター(Sound Blaster) PC等に使用されるパーソナルコンピュータ用のサウンドカードのブランド。 ワイヤレスヘッドホンなどにも使用されている。 関連項目 クリッター サウンドブラストの種族分類。 関連タグ ウイルス スチームパンクシリーズ(Liar-soft) 吸血鬼 増殖 存在 精神攻撃 肉体変異 赫炎のインガノック 身体操作 音響 リンク Wikipedia サウンドブラスター
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●不細工デブの口癖 名言 ・マジ神ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいい! ・マジうぜーし ・マジちゃきぃし ・おいっ!おいっちゃ! ・あーあ、、、 ・あーもぉっ(怒 ・ゲームする奴とかマジ屑やし ・俺、絶対子供にゲームやらせんし(ドヤッ ・このクラスマジ糞やし怒 ・筋肉で太ったんやし♪ ・面倒くせぇなぁー ・だりだりだりだりだり(怒 ・だりいいいいいいいいいいい!俺、小学生かよ(怒 ・炎の料理人(笑 ・神神神ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!! ・っしゃあ!神ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!! ・80点かよ、つまんねぇなぁー ・サッカーやりてぇー ・おいっ(怒) ・だりぃいいいいいいいいいいいー服装検査引っかかったし・・・。 ・だりーだりー・・・ミスティックフェイス! ・体罰なんかされたらボコボコに返すし(笑) ・先生、Nくんに暴言はかれました。 ・先生、Nくんが授業中、廊下を歩いています。げへへへへへ(笑) *今後も名言等吐くことになったら、更新します。
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《イリュージョナリィブラスト》 No.634 Command <第八弾> NODE(4)/COST(2) 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔攻撃を行っている相手キャラクター1枚〕の攻撃を取り消す。その後、〔相手プレイヤー1人〕にXダメージを与える。Xはこの効果で攻撃を取り消した相手キャラクターの攻撃力に等しい。 (自動β): 〔このカード〕が相手プレイヤーのカードの効果によってデッキ、または手札から公開された場合、目標の〔相手プレイヤー1人の手札1枚〕を無作為に選び、破棄する。 「いくら早く動いても、私の幻覚から逃れる事は出来ない」 Illustration:SHO コメント 攻撃を取り消したうえで相手にダメージも与えられる、優秀な防御兼攻撃カード。 目標を指定する効果ではないため、八雲 藍/1弾や古明地 こいし/5弾の攻撃も無効化可能。そのかわり永江 衣玖/5弾に無効化される。 このカードの登場以降、高い攻撃力を持つキャラクターでの攻撃はリスクが増した。ライフが少ない状態での攻撃は死に直結する。 攻撃を強要させるカードを組み合わせれば、狙って使っていくことも十分可能。 また、デッキまたは手札から公開された場合にハンデス効果が付随する。 条件や対象カード等は『反幽幻弾』の項目を参照。 こちらの場合は、イリュージョナリィブラスト自体を破棄する必要はない。 関連 第八弾 Advanced Starter 赤眼『望見円月(ルナティックブラスト)』
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カード画像 基本情報 カード名 ブラスター・ヴォルテックス カード種類 イベント レベル 2 所属軍 ウォルナー 属性 禁呪 カードID 2020GB01-002 レアリティ ★★★★L イラストレーター 草薙蝶炎 カードテキスト 使用タイミング:セットして、敵ユニットが攻撃してきた時に使える。■相手の、中央ライン以外の前列のユニットを全て破壊する。 フレーバーテキスト 数々の「禁呪」や「精霊エンジン」の遺物が物語るように、かつてのウォルナーに強力な文明が存在していた事は確かだ。彼らは滅んだのか、あるいは「どこかへ行った」のか? ■解説・総評 スターターデッキ『外道ビート』では、公式サイトの記事及びパッケージが両方とも「ブラスター・ボルテックス」になっているが、実物は正しいカード名になっている。 関連 収録パック 第一弾「地球 異世界連合軍結成!」 名前
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No.0110 アースブラスト・ドラゴン ユニット:ドラゴン 召喚コスト:赤1無4 移動コスト:赤1無1 パワー:4000 スマッシュ:1 レア度:アンコモン 特殊能力 このユニットが召喚された時、その周囲のエリアにある敵軍ユニットすべてに2000のダメージを与える。
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ブラスターマスター 機種:PS 作曲者:浅野諭 開発元:アートシステム 発売元:サンソフト 発売年:2000年 概要 『超惑星戦記 メタファイト』(海外名では『Blaster Master』)の流れをくむ1作。海外名は『Blaster Master Blasting Again』。 謎の生命体を倒しつつ異世界のゾーンを進む本格3Dアクションシューティング。本作以降シリーズのタイトルが『ブラスターマスター』に統一された。 音楽は『アストラスーパースターズ』などのサンソフト作品を手掛けた浅野諭氏が全曲作曲。 曲数が多く、各エリアでは浅い階層と深い階層ごとに曲が用意されているほか、戦車用と人間用のBGMもそれぞれ個別にある。 収録曲(サウンドトラック順) 曲名 作・編曲者 補足 順位 Blasting again 浅野諭 ロールデモ When my father was alive... オープニング1 Dive! オープニング2 Battle Field 地表エリアBGM Break through 洞窟面タンクBGM1 Rocking under the world 洞窟面キャラBGM1 Encounter ビーハイブ登場 Boss s Theme 1 ボスBGM1 Boss s Theme 1 - imminence 勝利目前ボスBGM1 Power up パワーアップBGM Water gate 水流面タンクBGM1 Lonely chaser 水流面キャラBGM1 Traces of Eve イブの痕跡 The castle of the plants 植物面タンクBGM1 Severe battle 植物面キャラBGM1 Volcano 火山面タンクBGM1 Hot Air 火山面キャラBGM1 Boss s Theme 2 ボスBGM2 Boss s Theme 2 - imminence 勝利目前ボスBGM2 Swift current 水流面タンクBGM2 Brightness ペンダント再び Darkness of the ground bottom 洞窟面タンクBGM2 Mechanical castle 洞窟面キャラBGM3 Deep in enemy s den バイオプラント Doubt エルフィの告白1 Elfie s confession エルフィの告白2 Into the fire 火山面タンクBGM2 Electric Field 火山面キャラBGM2 Alart! 火山面キャラBGM3 Crisis! エルフィの告白3 Embrace - Theme from Eve - イブ登場 Natural menace 植物面タンクBGM2 Reminiscence イブの助言 Chaos 植物面キャラBGM2 Kaiser appears カイザー登場1 Rage of Roddy カイザー登場2 The final battle カイザーBGM The final battle - imminence 勝利目前カイザーBGM Spirit acceleration blast 魂のアクセルブラスト The rest of the souls エンディング Rush boy - Theme from Roddy - スタッフロール It s "End" ゲームオーバー Option オプション画面 サウンドトラック ブラスターマスター オリジナル サウンド トラック
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あの戦闘から二日がすぎた。 謎の巨大ロボット同士の対決は、ニュース、新聞、雑誌…… あらゆるメディアで取り上げられ、あっという間に有名になってしまった。 第二話 戦え!真夏の大決戦 「一志~また電話ぁ、八丹羽新聞さんがあんたの話聞きたいって」 「またかぁ?」 一階から、母親が一志へと呼びかけてきた。 謎の巨大ロボットの出現、そしてその戦闘で生き残った数少ない人間として、 あの日以来一志はあらゆるメディアからインタビューを求められた。 おそらくは鋼の家にもインタビュアー達が押しかけているだろう。 「あー、悪いけど断っといてよ。俺出かけるからさ」 二階の自室から母親へと答える。 鋼の様子を見に行かなきゃならない。 あの日、鋼は無事に逃げれていたようだった。 ただそれ以来、姿は見ていない。 鋼の親曰く、部屋に閉じこもっているらしい。 まぁ、いろんなことがあったんだ、当然だろう。 「よっ!と」 ベッドから飛び起き、鏡の前へと向かう。 鏡に向かい合い、服を脱ぐ。 胸の水晶は心なしか昨日に比べて輝きを失っているように見えた。 「あいつも部屋に篭りっきりじゃ体に悪いだろう……」 海にでも誘ってやるか! そう考えた一志はクローゼットを漁りだすと古臭いプールバックを引きずり出した。 「親父のお古だけど……まぁ問題ないわな」 そう自分に言い聞かせ、ポンポンと必要なものを詰めていく。 「スイミングキャップ、水中メガネ、ビキニパンツ……はいいや。直接サーフパンツ穿いてけば良し。 日焼け止め……」 ちっょとの間、ニヤニヤと都合のいい妄想に耽っていたが 首を振り妄想を振り払う。 「よしっ……」 ズボンを下着ごと脱ぎ、サーフパンツに穿き替え 脱ぎ捨てたズボンを再び穿く。 「胸の水晶は……アクセアクセ! オシャレっぽいし問題なし!」 一人騒ぎながら先ほど脱いだ服を着なおす。 「それに……ブラストロンのこと、ちゃんと話しておきたいしな」 あれから連絡すらないのは、やっぱりブラストロンの事も関係してるんだろう。 「……よっし! 行くか!」 頬を両手で叩き、自室をでる。 階段を降り、リビングを覗くと、母親がテレビを見ながら落花生を食べているところだった。 摘んでは殻を剥き口に放り込んでいく。テレビではあいも変わらず巨大ロボがどうたらと、真面目そうな男が語っていた。 「母さん、海いってくるよ」 「なんか変なのがでたから、それには気をつけるんだよ」 一応は心配してくれているのか、手を合ってくれている母さんを背に 玄関へと向かい靴を履く。 扉を開けるとそこに待っていたのは満天の青空だった。 今日は太陽もそこまで照らしていないのか、暑さもちょうどいい。 「よっし……いくか!」 勢いよく扉を閉め、鋼の家へと向かう。 空には太陽が爛々と輝いていた。 「……会いたくない?」 「ええ……、あの子、一志ちゃんが来たって伝えたら……」 鋼の母親が、申し訳なさそうに一志へと鋼のメッセージを伝えた。 「そう……ですか……。また今度、寄らしてもらってもいいですか?」 「ええ……ほんとごめんなさいね」 母親が深く頭を下げる。 「いえ、こちらこそ急にお邪魔してすみませんでした」 「ごめんなさいね」 鋼の母親が、再び頭を下げ扉を閉めた。 やっぱり、駄目か……。 「……海に、行くか」 一人、海へと続く道を歩いていく。 太陽の光が背へと照りつけてくる。 夏も真っ盛りからか、浜辺には沢山の人がいた。 親子連れでわいわい楽しむ者たち、恋人同士でじゃれあう者たち、そして…… 巨大な鰭 「キャァァァァー!」 「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「さっ、鮫だぁぁぁ!!!」 浜辺のあちこちで悲鳴が上がる。 波を掻き分け鋭く尖った巨大な背びれがこちらへと向かってくる。 波を掻き分け、巨大な……5メートルはあろうかという背びれがこちらに向かってきた。 その表面は鉛のごとく鈍く輝き、波の下に光る二つの目は、海面からでも分かるぐらいに爛々としていた。 「ブゥゥラァァストロォォォン……」 水中から声がする。 ボコボコという空気を排出する音にかき消されながらも、一志の耳にはその声が確かに聞こえていた。 ブラストロンを呼ぶ声が。 「くそっ……あれもなのかよ!」 巨大な背びれがこちらへと向かってくる。 「ぎゃああああああ!」 「たっ、助け……!」 次々と人を飲み込み、鋭利な背びれで切り裂いていく。 青い海が赤く染まり、鮫の二つの眼が爛々と輝く。 「ブゥゥラァァストロォォォン……」 逃げ惑う人々の波を掻き分け、巨大な背びれと向かう。 「オオオオオオオオオオオオオッ!!」 握りこぶしを作った右手を胸の前へと持っていく。 そして、そのまま海へと飛び込んだ。 光が、とてつもない光が海から噴出した。 海の青をも塗りつぶすとてつもない光。 逃げる人々の背面で、光が弾け、 巨大な闘士が姿を現した。 「うおおおおおおおおおおおっ!!」 太ももまである海水を物ともせず、ブラストロンは巨大な背びれへと向かっていった。 「てぇぇぇぇい!」 海底の影に向かって拳を振り下ろす。 ドパンと音をたて水しぶきが宙に舞った。 が、その拳が影を砕くことはなく、むなしく海面へと突き刺さるだけだった。 「くそっ、相手のホームじゃこっちが不利だ……ぁぁあ!??」 突然、左足がもの凄い勢いで引っ張られた。 どうやら敵は、ブラストロンを完全に海底へと引きずり込もうとしているらしい。 「このっ……!」 足に力を入れ、なんとか耐えようとするが、ズルズルと深場へと引きずられていく。 左足へと食らいついている影へと拳を叩き込むが、大量の海水のせいであまり効果はないようだ。 「くそっ、こっちはまだ慣れてないんだ、引きずり込まれてたまるかぁぁっ」 左足を全力で蹴り上げる。 バシャァ 水しぶきと共に、巨大な背びれの小隊が露になる。 流線型の体、ピンと張った背びれ、尖った頭部からは足へと噛みつく鋭い牙…… その姿はまさに巨大なサメだった。 そのまま蹴り上げた足を、かかと落としの要領で海面へと叩きつける。 大量の水しぶきがと着水音が響き、その勢いで、足から巨大サメが離れた。 海水も、物凄い圧力が掛かるとコンクリートのように硬くなる。 叩きつけられた衝撃からか、巨大サメはのろのろとブラストロンと逆の方向へと泳ぎだした。 「逃さんっ」 右手を天へと掲げ、強く念じ、叫ぶ。 「ブラストウィィィップ!」 掲げられた手の中に光が集まり、光り輝く鞭となった。 「とぉぉりゃぁ!」 鞭がしなり、巨大サメの背びれへと巻きつく。 「おおおおおおおお!」 巻きついた鞭を力いっぱい手繰り寄せる。 巨大サメのもがく振動が、ブラストロンの手を通じてビリビリと一志の手へと伝わってくる。 「ア゛ア゛ア゛ア゛ッ……!」 手繰り寄せるたびに、巨大サメがもがき暴れる。 「どっせい!」 手繰り寄せた鞭を背中に担ぎ、背負い投げのごとく巨大サメを陸へと投げ飛ばす。 「ゴガァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ……」 海から一気に数十メートルも離れた陸地へと投げ飛ばされ叩きつけられる。 その衝撃に巨大サメは悶え、そして動かなくなった。 「こいつも、俺を狙ってきたのかよ……」 ブラストロンから降り立った一志は、敵の正体を確かめるためにサメの元へと歩き出した。 だが、先ほどまであった巨大ザメの姿は消え、先ほど襲われた人達の死体が残っているだけだった。 超光戦士ブラストロン・SSに戻る next back
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ブリザード・ブラスト R 自然文明 (8) 呪文 ■S・トリガー ■相手のマナゾーンにあるカードをすべてタップする。そのカードは次の相手のターンのはじめにアンタップされない。 作者:123 収録 DMSS-07 「時門編 第二弾 禁断儀式術(サイキック・アウェイク)」 評価 名前 コメント
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【名前】 ライジングブラストペガサス 【読み方】 らいじんぐぶらすとぺがさす 【登場作品】 仮面ライダークウガ 【初登場話】 EPISODE 25「彷徨」 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダークウガ ライジングペガサス 【詳細】 仮面ライダークウガライジングペガサスの必殺技。 ライジングペガサスボウガンから封印エネルギーを込めた圧縮空気弾を連射し標的を撃ち抜く。 ブラストペガサスが単発発射なのに対し連射が可能な上、威力も強化され、爆発も連続して起こる。 連射が可能となり、一発だけでは仕留め切れなかった標的に対しても有効打となった。