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草薙素子〔くさなぎ もとこ〕 作品名:攻殻機動隊 作者名:[[]] 投稿日:2008年2月20日 画像情報:640×480px サイズ:181,118 byte ジャンル:[[]] キャラ情報 このぐぬコラについて コメント 名前 コメント 登録タグ 2008年2月20日 個別く 攻殻機動隊
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デザイン 機種 パチスロ攻殻機動隊S.A.C. アニメーション あり スキル効果 次ゲームに20%の確率で中段チェリーが成立する 消費SP 34 入手方法 イベント LvMAX経験値 ? 限界突破素材 限界突破先 限界突破元 備考
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良心の価値 ◆2Y1mqYSsQ. ボイルドはビルの屋上へと辿り着き、追跡対象とすれ違ったことを知る。 林が広がる間にそびえるビルの入り口に、複数の足跡を発見、突入を開始して、今に至る。 重力を制御し、一気に跳躍をしなかったのには理由があった。 制限……重力の制御に、リミッターがかけられている。 V3との戦いで感じた重力の壁の出力の弱さ。過去のボイルドのように、銃弾を逸らしきれない状況が生まれるだろう。 もっとも、ボイルドはそれでも構わなかった。 軍人としての経験が自分にはある。かつてのコーチより教わった、捜査技術がある。 何より、すべてを塗りつぶす、虚無がある。新たな化け物銃、ハカイダーショットを手に、階段を昇り、人の気配がしないことを確かめ辿り着いた屋上。 無駄足ではなかった。明らかに争った形跡がある。 あの面子……十代後半の少女一人。十代になるかならないかの少女。多脚戦車一台。 戦闘力は全員保有している。しかし、血痕があるということは、被害者は二人の少女の内、誰かと見ていいだろう。 なら、実行犯……裏切り者は誰なのか。 小型戦車が暴れた跡にしては、部屋はそれほど荒れていない。 小型戦車の暴走の線は薄いだろう。 短髪の十代半ばの少女なら? 彼女の主な武器は炸薬だが、仲間を裏切り、刃物を使って襲えば、破壊はこの規模で収まる。 悪い線ではない。しかし、問題はある。そのことを語るのは後だ。 あのゴシックロリータ服少女ならば? 三人と対峙して、一番危険を感じたのは彼女だ。見た目だけなら、戦闘力は少ないように見えるが、身のこなしは一流の軍人に劣るものではない。 引き際を心得た動き、とっさに腕を犠牲に最小限の被害で抑えた判断力。 その彼女が、あの未熟な動きが目立つ少女に遅れをとるとは、考えにくい。 彼女が残した右腕も、気になる。掌に移植された金属端子での変形の指令を正確に受け取り、形を変える金属だ。 と、なると犯人はゴシックロリータ服の少女である可能性が高いだろう。 ボイルドが膝をかがめて、痕跡を探る。 明らかに一時間かそこらにできた傷。なら、まだ遠くへ入っていないはず。 そう思考するボイルドの耳朶を、大型車のタイヤと地面が擦れあう、悲鳴のような音が打つ。 音は僅かだったゆえ、距離はある程度は離れているだろう。今向かえば間に合う。 いかなるものも虚無を訪れさせる。重力を展開、すぐに現場へ向かおうと跳躍の準備をする。 視界の端に、青い影がよぎった。とっさに、全身に重力の壁を張り巡らせる。 周囲に銃弾が降り注ぐ。一発、逸らしきれずボイルドの頬に血が流れた。 瞳の色と同じく、冷徹な眼差しで、小型戦車を射抜く。 空洞のような心に何も響かない。虚無に塗りつぶすべく、小型戦車へとボイルドは跳躍した。 □ 「ひゃ~、あの黒い人と赤い人、強いねー。近寄らないようにしよっと」 得たレアメタルを抱えて、タチコマは四本足を駆使し移動をしている。 ドラスの必要といったレアメタルの回収中にハカイダーとゼロの戦いを目撃していたのだ。 激闘を繰り広げる二機を尻目に、すたこらさっさと逃げて現在に至る。 (非常識な戦いだった……あんな人ばかりなのかな?) タチコマの思考が、戦闘をしていた二人に向く。どちらが仕掛けたのかは会話を聞き取れなかったため、分からない。 しかし、今構っていられないのは真実だ。早く二人の下に向かい、安全を確保するように進言しよう。 そう考えていたタチコマは、建物の陰に隠れる。雑居ビルの窓に、重力を操る男がいたのだ。 彼の男の戦闘力を知るタチコマはドラスたちの安全の確保のため、逆側に存在する雑居ビルの壁をワイヤーを駆使して登る。 レンズを伸ばし、ドラスたちがいたはずの場所を見るが、彼等はいない。退避したのだろう。 ホッとするタチコマが、大型車のタイヤが軋む音を捉える。同時に、ボイルドが動こうとしていた。 ドラスたちはあそこにいるのだろうか? 一つの疑問と共に、タチコマは跳躍、チェーンガンをボイルドに向ける。 完全な奇襲だ。なのに、チェーンガンの弾は重力の壁に逸らされていった。 対応能力の高さにタチコマは人間のように戦慄しない。 次の策をとるため、跳躍するボイルドを誘導するように退いていく。 「こっちだよー」 突進してくるボイルドを、挑発するように屋上から飛び降り、路地へとめがけて駆けていく。 それなりに横幅のあるタチコマでも、余裕で通れる道だ。 タチコマの、恐怖の鬼ごっこが今始まる。 □ 『――インフォメーションメッセージ』 ボイルドが保有するPDAより、電子音が響いた。 情報を聞き漏らさず、且つタチコマ――四脚の戦車――を逃がさないように、地面を蹴り続ける。 速度差より、接近戦を仕掛けるのは難しいと判断した。 左手にデザートイーグルを構える。マグナム弾が吐き出され、タチコマが存在していた地面を抉る。 『06 00時点における本プログラムからの脱落者をお知らせします』 右手に鈍く光る、ハカイダーショットはまだ使わない。 一撃必殺のモンスター。虚無への入り口。 四脚戦車は、まだ間合いに入っていない。銃口はピタリと、脚の一つへと向けている。 重力で腕を支えて反動に備える。引き金に指をかけた。 死んだ人間に、バロットはいない。ならウフコックも無事であろう。 『なお、進入禁止エリアは【C-2】、【H-8】の2ブロックとなります』 禁止エリアを頭に入れて、ボイルドは猟犬のごとくタチコマへと迫る。 瞬間、タチコマがワイヤーを引き上げる。ボイルドの頭上に、瓦礫が降り落ちた。 トラップ。重力の殻が瓦礫を逸らす。遮られる視界。一瞬の間でタチコマの姿が消える。 逃げたか。否。 ボイルドはコマのように回転しながら、地面を離れる。刹那、ボイルドがいた地点に無数の火花が散った。チェーンガンによる掃射だ。 ボイルドはビルの壁に、重力を横方向に発生させて『着地』した。照準が再びつけられる前に、タチコマに向かって発砲。 デザートイーグルのマグナム弾はタチコマの体表で跳ねる。左腕と共に、ボイルドはデザートイーグルを収め、ハカイダーショットの銃口を向けた。 破裂。超高周波炸裂弾がハカイダーショットの銃身から爆発的に加速する。 タチコマのボディに漆黒の穴が開く。 小型とはいえ、戦車の装甲を貫いたことに戸惑っているのだろう。 とはいえ、機械的な動きは変わらない。痛みを感じないからだ。 故障も恐れず、体当たりをしてくるタチコマを醒めた目で見つめる。大質量に任せた、のしかかり。 制限下でもトンを越える衝撃を生み出す、V3キックに耐えた重力の壁に、加速を得たタチコマのボディの衝撃がのしかかる。 逸らしきれない。刹那の間に、ボイルドは判断。 衝撃を流すように重力の範囲を球状へと変形させる。丸みの重力壁に沿って、タチコマのボディが流れていく。 自分の身体もタチコマの流れるボディにあわせて回転、すれ違いざまにハカイダーショットを一発放った。 炸裂<エクスプロード> タチコマの四脚のうち一本が吹飛ぶ。 残った三本足でタチコマは器用にバランスをとり、カメラアイをボイルドに向ける。 機銃の掃射。跳弾すらも重力の壁で防ぐ。 数発が逸らしきれず、ボイルドの身体に傷を刻む。痛み、傷の深さ、共に軽い。動きに支障はない。 ゆっくりとタチコマに近づくが、油断はしない。タチコマの機動をまだ殺しきれていないからだ。 ボイルドは目の前の多脚戦車を虚無で塗りつぶさんと、迫った。 タチコマはレンズに近づいてくるボイルドを映しながら、この後の行動を予測をする。 もし、ボイルドを逃がしたとするならば、彼はドラスやスバルを追いかけるだろう。 彼らが自分をおいてどこかに行ったとしても、そう遠くに移動するとは考えにくい。 人間という奴の理不尽さは何度も見てきた。ドラスなんて、他人を銃弾から庇うような性格の持ち主。 彼らが離れた理由を推察するなら、怪我人を抱えたスバルが何らかの方法でボイルドの接近を察知、ドラスを連れて逃げたのだろう。 もしも公安9課でのミッションだと仮定するなら、自分の役割は決まっている。 (囮だよね) なるべくボイルドを引きつけて、仲間の撤退路を確保する。命のない多脚戦車なら当然行うべき任務だ。 ドラスやスバルに置いていかれたタチコマが判断した、任務の内容。迅速に、確実に行うためのボイルドとの対峙。 まだ時間は充分に稼げていない。稼げる手段は、まだ尽きていない。 「ねえ、おじさん」 タチコマの声に、ボイルドは無反応。徹底して警戒を緩めず、臨戦態勢を解かない。 手負いの多脚戦車にだ。ありがたくてレンズからオイルが漏れそうになる。もっともそんな機能はないが。 タチコマは話を続ける。 「おじさんは何で人を殺すの?」 構わず、ボイルドが銃弾を吐き出させる。タチコマは跳躍、大穴の開く鉄板を見届けて、油断なく銃口を移動させるボイルドを視界に入れる。 タチコマはワイヤーを射出。己の身体を巻き上げて、銃弾から逃れる。 機銃をボイルドに向け、ばら撒きながら三本足で器用に退避。 ボイルドを振り切らない程度の速度で、ひたすらドラスたちが逃げたであろう方向とは逆に移動を続ける。 身体を掠める銃弾にひやひやしながらも、冷静にボイルドを誘導していった。 何せ、今機能停止すればドラスたちの身の安全は保障できないからだ。だから、これはきっと人間で言う「ひやひや」した状況なのだろう。 タチコマはビルにワイヤーを撃ち込む。無機質なカメラアイが陽光を反射、眼下に存在するボイルドを見つめた。 殺人者……いや、すべてを塗りつぶす捕食者は、局地重力の壁をまといながら迫る。 彼の行動を制限させる。タチコマは己の任務を理解した。 ボイルドはタチコマを逃がさないように重力の力場をコントロールして加速を続ける。 タチコマが全力で逃げない理由を推察。そして、タチコマを逃がす確立がほぼ零になる結果をはじき出す。 誰が最初に虚無に飲み込まれようと関係ない。すべて等しく虚無が飲み込む。 (いたぁ……い、の?) とっくに死んだはずの……いや、殺したはずの良心がかすかに蘇る。 自分を殺しても守りたかった良心。自分を拒絶したウフコック。眠らない代償に現れるようになったビジョンがボイルドの耳に、言葉を蘇らせる。 『羊じゃねえんだ』 ウフコックすらも飲み込もうとした街の欲望。守るには自分の良心を殺すしかなかった。すべてを虚無に飲み込むよりほかなかった。 ふと、タチコマに視線を向ける。脚を砕かれ、傷を追っていく姿はかつての自分たち……街の欲望の生贄となった羊のようだ。 彼は裏切り者がでたことを知らない。知ったらどうするのか、僅かに疑問が沸く。 自分のように、良心を殺すか。 ウフコックのように、良心であり続けるか。 その自らの気持ちも、刹那の間に虚無に飲み込ませ、軍人としての本能を前に出す。 破壊。 ただその一点をタチコマに殺気と変えて放つ。表面上のメタルボディからは感情の波は読み取れない。 やがてタチコマは、小さな工場へと入っていった。 自ら逃げ道を断つ。大柄ではあるが、機動力のあるタチコマの能力を考えれば、明らかな判断ミス。 ボイルドもそのまま工場内へと突入する。タチコマが工場内の中央で、待ち構えていた。 攻撃を防ぐ準備、ハカイダーショットを撃ち込むために銃口の移動、タチコマが回避行動をとる際に、着地する位置の予測。 すべて次の行動のために一瞬で準備し、威嚇のためハカイダーショットの一撃をタチコマの残った三脚のうち一脚を撃つ。 ボイルドは次のタチコマの闘争経路を予測して、そこにデザートイーグルの銃口を向けるために左腕を動かす。 結果は、タチコマの脚が吹飛んだだけだった。逃げることも、抵抗することもない。 何を考えているかと、ボイルドが思考をする。 決して、敵が諦めたからだとは油断しない。何らかの反撃の手段がある。 今までその慎重さと、相手を侮らない軍人としての生き様が、カトル・カールとの戦いを生き延びる結果を生んだ。 油断なく構えるボイルドの前に、タチコマが身体を震わせる。 恐怖でおびえているのか? 否。 「僕の勝ちだよ。おじさん」 勝利を確信した、振動。 飛び上がる巨大な影。ミサイルを確認。工場の天井に到達した。 炸裂<エクスプロード> 瓦礫が落ちて、虚無の雨となり襲ってきた。 タチコマはPDAに残る、最後の支給品の使いどころを見定める。 PDAに記された道具……『スプリットミサイル』。 十五メートルクラスのロボットに使われているミサイル。威力も凄まじいものがあるだろう。 その分、サイズが大きく、PDAから取り出すタイミングを見極めなければならない。 それに、このミサイルの威力をもってしても、ボイルドをしとめ切れるか予想がつかない。 タチコマはこのミサイルの使いどころを見つける。地図によれば、小さな工場があった。 だから、ここで待ち伏せて、ボイルドが近づくのをひたすら待った。 ハカイダーショットの弾丸が脚を砕く。二脚ではさすがに身体を支えきれず、崩れる。 PDAを操作する手が生きていることに感謝をしながら、タチコマはタイミングを計った。 ボイルドが油断なく迫る。―― 射程距離。 その思考を読み取ったがごとく、ボイルドが構えを取る。もう、遅い。 「僕の勝ちだよ。おじさん」 PDAから召還されるミサイル。天井に飛んでいくそれを、止めることはもうできない。 タチコマの狙いは、あくまで足止め。ボイルドというモンスターを、ドラスやスバルに近づけないこと。 そのため、建物の内部にボイルドを誘導。天井を破壊と共に、瓦礫にボイルドを埋める。 そして、あらかじめ外に向かって射出していたワイヤーを巻き取り、自分は工場から脱出する。 早速、タチコマは脱出のための行動に移った。 しかし、タチコマはその行動を中断。 重力の壁を展開するボイルドに、タチコマが突進をする。重力の壁ごと、ボイルドの身体を僅かによろめかせた。 ボイルドは落ちてくる瓦礫にすら、興味なさそうに見つめていた。そして、デザートイーグルの銃口をワイヤーに正確に向けている。 それは、確実に生き残れることの証拠。逃げれる証。―― タチコマを逃がさないサイン。 脱出不可能。ただし、ボイルドは瓦礫を逃れることができる。 そうタチコマが判断した瞬間、脱出を放棄、ボイルドを押さえ込むことにする。 その行動が生きた。刹那の猶予が、ボイルドの逃げる隙を殺す。 振り落ちる瓦礫が、タチコマの身体にのめり込む。傘のように重力の壁を展開するボイルドとは対象的だ。 「ドラスくん、スバルさん、逃げてね……」 誰にも届かない声。心にすら届かないことを知らずに、タチコマは言う。 ただ一人、虚無を抱えたボイルドにのみ、その声が届いた。 □ ボイルドにはパートナーがいた。 宇宙戦略研究所にて、万能兵器として開発された金色のねずみ。ボイルドが心を許した、小さな生命。 殺しきれなかった良心。守りたかった良心。 09法案にもとずく法執行機関のメンバーとなり、人に触れ合うウフコックには希望があった。 パートナーである自分も、日々自分の存在意義を持っていき、人とのつながりを増やしていく彼に希望を持った。 カトル・カールとの激闘、仲間の死、裏切り、街の欲望、法執行機関の乗っ取りの開始、守るべき価値のない証人。 虚無がボイルドを塗りつぶす。 ボイルドを動かしたのは、決して怒りではない。ただただ、守りたかったのだ。 残されたたった一人のパートナー、ウフコックを。 そのために……虚無を己の中に取り込む。すべてを虚無へと塗りつぶす。 闇の中で、重力の壁を展開したまま、重力の出力を上げる。 瓦礫がいくつか飛びのいた。差し込む光の向こう、青い多脚戦車が視覚に入る。 機能停止しているのだろう。彼の持つPDAにウフコックは存在していなかった。 「お前の仲間は裏切った。それを知ったら、今のように守るために動くのか?」 答えが欲しかったわけではない。ただの独り言。ただの呟き。 だからこそ、答えがあったのには驚いた。 「ドラスくんたちが裏切ったって、どういうことさ?」 「まだ生きていたか」 「うん、さすがにもう持たないけど……数分くらいは起動できるよ」 「抵抗もできないようだな」 「悔しいけどね」 ボイルドはタチコマに背を向けて、瓦礫を跳ね飛ばす作業に戻る。 そのままの姿勢で、タチコマに先ほど得た推察を語った。 「現場には争った跡があった。人の血も。つまり、どちらかが裏切ったということだ」 「現場検証か。少佐ならやるね。おじさん、僕たちと同じく警察の人?」 「法執行機関に所属していた時がある」 「ふーん。それじゃ、ドラスくんとスバルさんが喧嘩したのかな……」 「悲しいか?」 「よく分からないや」 タチコマの検索結果、『sad』に関する説明を得たことをボイルドは知らない。 タチコマはその結果、人間の感情であることを知るが、どう判断していいか分からなかったのだ。 「僕には悲しいって概念を理解できない。 僕に『死』がないからなのかな。でもドラスくんもスバルさんも、僕は仲間だったから助けた。 僕を裏切られて悲しいって感情は分からないから、それでいいや」 だからこそ、死をも覚悟する戦術を取ったのか。 ボイルドはそう理解をした。死を恐れぬのなら、瓦礫に自分ごと、敵を埋めようだなんて考えもしないだろう。 もっとも、それほど想っている仲間を守るためなら、己を殺すことができる人種もいることをボイルドは理解しているが。 タチコマの生き様は、一つの概念を思い出す。 『羊! 羊! 羊じゃねえんだ!』 ワイズの幻影が、またも蘇る。タチコマは羊なのだろうか? 本人はどう思っている。 かつて、良心に殺されたであろう自分と、タチコマを重ねた。虚無に身を任せなかった自分を。 何より、生きた良心、ウフコックに。 「『道具』であり続けたといいたいのか?」 「僕はAIだから死なないけど、『道具』ってのは異議あり! 機械にも愛を!」 「そうか」 「クスリともしないんだね。笑いは人生の……オアシス……だって……さ……」 タチコマが起動停止する様をボイルドは見届け、空気を吸い込む。 無知ゆえに、仲間を守り続けたタチコマに、死んだはずの良心が重なった。 物言わぬタチコマに、この殺し合いでのウフコックの未来を見たような気がした。 バロットに支給されていないのなら、この殺し合いの誰かにもたらされているかもしれない。 その人物が、バロットのようにウフコックを気遣ってくれる保障など、ない。 ウフコックが道具としての存在のみを要求され、強要されれば。 かつてボイルドが行ったように眠らせ、その力だけを振るうようになれば、ウフコック自身虚無に飲み込まれる。 ボイルドが一歩歩み寄り、薄暗い瓦礫の山の中、重力を展開。 同時にハカイダーショットを撃ち放つ。 崩れていく瓦礫。吹飛ぶ瓦礫。暗い視線がそれらを射抜く。 V3は言った。世界にはマルドゥック・スクランブルと理想を共にする仲間が存在すると。 この世界に、ウフコックがいる。 殺し合いで消耗される前に、ウフコックを救い出す。ウフコックを消耗するものをすべて、虚無に塗りつぶす。 希望など見えない。明るい未来など既にあきらめている。 いや、夢想すらしたことない。 ハカイダーショットを向ける。 デザートイーグルをPDAに送った。 左腕の重力発生装置を瓦礫に向ける。 (おお、炸裂<エクスプロード>よ――!) 醜い犠牲者たちのビジョンが蘇る。ハカイダーショットの銃口が火を吹いた。 爆心地――瓦礫を虚無に返す。 この殺し合いの参加者すべてを、零にするかのように。 【タチコマ@攻殻機動隊 破壊確認】 【残り 36人】 【G-1 小さな廃工場跡/一日目・朝】 【ディムズデイル・ボイルド@マルドゥックシリーズ】 [状態]:中程度の疲労、全身に中~小程度のダメージ、胸部に中程度の打撲 [装備]:デザートイーグル(5/7)@魔法先生ネギま! 、弾倉(7/7)×1+(0/7)×1 ※弾頭に魔法による特殊加工が施されています ハカイダーショット@人造人間キカイダー(8発消費) [道具]:支給品一式、ネコミミとネコにゃん棒@究極超人あ~る ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス×2(チンクの支給品) ドラスの腕、PDA×2(ボイルド、タチコマ) [思考・状況] 基本:ウフコックを取り戻す 1:瓦礫をどかす。 2:ウフコックを濫用させないため、参加者をすべて殺す。 3:バロットと接触する。死んでいる場合は、死体を確認する 4:ウフコックがいないか参加者の支給品を確認する 5:充実した人生を与えてくれそうな参加者と戦う 6:もっと強力な銃を探す。弾丸も。 [備考] ※ウフコックがこの場のどこかにいると結論付けています。 ※ドラスの腕を武器として使うことを検討中 [共通備考] G-1エリア内の小さな廃工場が瓦礫となり、ボイルドが埋まっています。 瓦礫をどかすのにどのくらい時間がかかるかは、次の書き手にお任せします。 【支給品紹介】 【スプリットミサイル@スーパーロボット大戦OG】 パーソナルトルーパーが装備できるミサイル。 時系列順で読む Back missing you true Next 密林考察にうってつけの時 投下順で読む Back 怪人タイプゼロ C-6ブロックの決斗! Next 密林考察にうってつけの時 044 A/B LIVED タチコマ GAME OVER 044 A/B LIVED ボイルド 101 クロ電話――劇的皮肉
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1 タチコマ「さぁシン! 遠慮なく私の中に入って!!」 シン 「わかった、後ろから入ればいいんだよな?」 タチコマ「ちょっと狭いけどどう?」 シン 「あぁ、結構良い感じだな」 タチコマ「変に触らでね! 壊れちゃうから!!」 タチコマの中は狭くて後ろから乗る うふふ、あはは……イヤン…… タチコマ「シン、今日は特別なモノが欲しいなぁ~」 シン 「仕方ない無いな……ほら、早く準備して前を空けろよ」 タチコマ「わかったよ、早く……頂戴?」 シン 「ほら、天然だぞ」 つ[天然オイル] うふふ、あはは…… デス子「あれ? 私いらない子??」 シン 「ん? どうした、デス子」 デス子「うぐっ、えぐ……酷いですよマスだぁぁああぁ」 シン 「よしよし、ほらどうした?ちゃんと言ってみろ。聞いてやるから」 デス子「ますたぁ~のばかぁあっぁ~」 シン 「泣く子の相手は苦手なんだけどな……まぁ俺が原因みたいだから仕方ないか……」 続かない -01へ戻る -03へ進む 一覧へ
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闇の中のX ◆c92qFeyVpE 「やぁ、僕はタチコマ。君の名前は?」 タチコマの問いに、男は答えようとしない。 しばらく反応がなく、使用する言語が違うのだろうか? と思い始めたところで、ようやく男が動く。 「大……」 「『ダイ』? それが君の名前かい?」 「変……身っ!」 男は体全体で何かの文字を描くようなポーズを取りながら叫ぶ。 描かれた文字は――『X』。 「わわっ!?」 一秒に満たない時間で昆虫を思わせるような仮面と、銀色のスーツに包まれた男――Xライダーにタチコマは驚くと同時に後ろに下がる。 だが、Xライダーはそれよりも速くマニュピレータ―の一つを掴み、引き寄せながらボディを殴りつけて吹き飛ばす。 ――タチコマを始めとする思考戦車の装甲はそれほど強固なわけではない。 ライフル弾程度なら弾けるが、それでも数発同じ個所に撃たれたらへこんでしまう程度だ。 しかし、その程度でも素手の人間には十分すぎるほどの物である―― その相手が、『改造人間』でもない限りは。 タチコマのボディがひしゃげ、辛うじて体勢を立て直すがXライダーは休ませる暇なく駆け出していく。 それに対し固定装備としてつけられているチェーンガンを発射、威嚇などしている余裕はない。 どういうわけか照準がうまくあわず、足を狙ったつもりが右腕を撃ってしまい、痛覚がないのかXライダーは怯みもせずにその撃たれた右腕で殴りかかる。 「わっと! あんなの何発も喰らったら壊れちゃうよ!」 咄嗟に横へ回避するも、Xライダーは素早く追い続けチェーンガンの狙いをつける暇を与えない。 更に数発の拳がタチコマを捕えるが、それまで下がる一方だったタチコマが突然勢いをつけて突進しXライダーを吹き飛ばす。 すぐさま体勢を立て直し、退避行動に移るタチコマに狙いをつけ空高く跳びあがる。 「X……」 宙で回転しながら勢いをつけていき、タチコマ目掛け飛び蹴りを放つ。 「キィィィック!!」 上空から迫るXライダーにタチコマは何も対応できず、そのままXライダーの足がタチコマのボディを――『すり抜けた』。 「っ!?」 そのままXライダーのキックは地面を砕き、慌てて今すり抜けたタチコマを振り返る。 間違いなくそこにいるはず、だが、触れようとしてもそのボディはすり抜けてしまうのみだ。 Xライダーは一旦その場から離れ、全身の感覚を研ぎ澄ませる。 普通ならばまず気付かれないであろう機械の駆動音、それを察知し、その音源目がけて蹴りを放つ。 「……」 大きなプロジェクターのような機械が破壊され、タチコマの姿が消える。 吹き飛ばされたあの一瞬でこの虚像と入れ替わっていたのだろう、Xライダーは変身を解いて歩きだす。 その表情からは、感情の一欠片も見いだせない…… 【C‐3(北西部) 町/一日目・深夜】 【神敬介@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:疲労(中) 右腕重症 洗脳状態 [装備]:なし [道具]:支給品一式、不明支給品(1~3個) [思考・状況] 1:他の存在を排除する ※暗闇の種子による洗脳状態にあります ※暗闇の種子は胸部に埋まっています ※ライドルは没収されています 「危なかったー、前もって設置しといてよかったよ」 あの場を切り抜けたタチコマは、雪原をただ走る。 ――キットナンバー08「ウツセミ」―― 完璧なまでの虚像を映し出すという説明に嘘はなかったようだ、完全に騙されてくれた。 「そういえば何かで見たっけ、こういう時に言う伝説の台詞があったはず……」 追いかけてくることも考え、速度は緩めぬままタチコマは考え――思いつく。 「思い出した! 『こんなこともあろうかと』だ!」 【C‐2(南西部) 雪原/一日目・深夜】 【タチコマ@攻殻機動隊】 [状態]:ボディに中度の損傷 [装備]:右手のチェーンガン、各部ワイヤーなど固有武装 [道具]:支給品一式、不明支給品(1~2個) [思考・状況] 1:あの場から離れる。 2:変身する相手に注意。 3:少佐はどこかなー? ※制限により固定武装の照準がうまく定まりません。(支給品は問題なく使えます) キットナンバー08 ウツセミ@勇者王ガオガイガーFINAL 遠隔プロジェクションビーム発生装置。所謂リモコン操作できるプロジェクタ。 GGGの諜報部隊、ビッグボルフォッグが扱い、 その精度はボルフォッグと同等か、それ以上の策敵能力を誇った敵を完全に欺いたほど。 時系列順で読む Back からくりライダー Next 仮面が与える真実と疑惑 投下順で読む Back からくりライダー Next 怒れ鋼のサイボーグ!勇気と魂をその胸に 011 僕らはみんな生きている 神敬介 040:塗り潰された『PLUCK』 011 僕らはみんな生きている タチコマ 034 善意と悪意の行方
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人ならざるもの達の午前 Water Requiem ◆5VEHREaaO2 E-5の市街地に少女の死体と人ではない物が二体存在した。 片方は生命活動を終えた少女を抱えた青い蜘蛛型の機体、もう片方はそれを見下ろす黒い人形。 二体は、片方は無表情に、もう片方は嘲笑を浮かべながら対峙していた。 「ねえねえ、なんでキミはこの子を撃ったのさ?君が撃ったんだろ」 「あらぁ、ごあいさつねぇ。折角助けてあげたのにぃ」 「助けた?なんで?」 黒い少女、水銀燈と名乗る存在はそのままの体勢でタチコマを見下ろし続ける。 「当然でしょ、敵は排除しなきゃならないんだからぁ。この状況じゃあ、なおさらだしぃ」 だが、タチコマは反論する。 「敵は排除するという意見には賛成だけど、キミの意見には反対だ。 彼女は怯えていたから僕を攻撃した。だけど、公務執行妨害以外の罪にはならないし、 説得は不可能じゃなかったと思う。殺し合いに参加していたとしてもね。 あの状況で彼女が僕に勝てる可能性は低いし。 第一、君には僕の行動裁量権すら持っていないじゃないか。 僕の自己保全の権限は低ランク。よって、君が助ける必要も彼女を殺す必要もなかった。O.K?」 水銀燈は多少口元をヒクつかせながら再び口を開く。 「……生意気ねぇ、乳酸菌でも摂ったらどうかしらぁ?」 「僕にはそんな物は必要ないよ。天然オイルならタンク一杯まで飲みたいけど」 水銀燈はそんなタチコマに対して溜息を吐きながら、態々話しかけた理由を思い出すと 自分の考え実行することにする。 「ねぇ、あなたぁ。私と手を結ばない?」 「なんで?」 「あらぁ、決まっているじゃないのぉ。いくら私でも79の数を片付けるの……」 「絶対にノゥ!」 だが、タチコマには水銀燈の考えを理解できていたため、腕をクロスさせ否定の言葉を紡ぐ。 「…最後まで言わせなさいよ。まさか、みんな仲良く脱出できるなんて思っているのかしらぁ? だとしたら、とんだ笑い話だわ」 「僕としては、あのギガゾンビってのに約束を守る気があるのか、甚だ疑問に思うんだけどね。 そういえば、君って人間でも義体でもロボットでもないね。熱源がほぼ0で稼動できるなんて、普通ありえないよ」 「ふん。私はローゼンメイデンの第一ドール、水銀燈。お父様が作った完璧な乙女。彼方如きに理解できるはずもないわ」 「ふ~ん、そうなんだ。でも、何で服の裏の腹部ブロックがないの? 少佐に良い義体でも紹介して貰えるように頼んであげようかい?」 その言葉は完璧な乙女を自負する水銀燈にとって、最大の欠点でありかつ、コンプレックスを指摘する言葉でもあり、 決して言ってはならない台詞であった。 「ジャンクにおなり!!」 水銀燈は怒りに任せて銃の引き金を引く。 だが、その弾丸が当たる前にタチコマはバックし、龍咲海の遺体を抱えたままその場から逃げ出した。 銃弾は何発も外れ、何時しか小さな乾いた音が鳴る。 「チッ!弾切れか!?」 忌々しげにデイパックから新たなマガジンを取り出し、装填する。 「逃がさないわよ、私を侮辱した罪を償わしてあげるわ」 そうして、黒い羽を生やした少女は青い戦車を追った。 「ごめんね、僕が盾になってあげられなくて」 タチコマはそう言い、逃走先の裏路地に遺体を放置することにした。 これから起こる戦闘では、デッドウェイトになる事は明白だからだ。 「でも、これ以上この子の体を傷つけちゃいけない気がするのはなんでだろう?」 などと思考したものの、とりあえずは、すぐそこまで迫っている敵を迎え撃つため表に出る。 そこには、やはり少女がいた。 「あらぁ、態々ジャンクになりにきたのかしらぁ?」 だが、タチコマには水銀燈の挑発めいた言葉など通用しない。 「投降しろ!今ならまだ許してやる!」 「とうこうぅ?アッハハハハハハハハハ!空も飛べないくせに、どうやって私に勝てるって言うのかしら?」 「こうするんだい!」 そのまま、タチコマが何かを発射する。 「ふん、こんなもの」 だが、水銀燈はあっさりとかわす。が、 「何!?」 そのまま、建物の壁に張り付いたワイヤーを巻くことで、水銀燈に向かって高速でタチコマが飛んでくる。 「でも、遅い!」 水銀燈は少々面食らったが、僅かに位置を変え銃弾の雨を降らせる。 威力推定…10で装甲破壊-30Carbineを10として9mmx19は3-装甲破壊不可、回避の必要性無し。 だが、タチコマのニューロチップがそう判断するほど低威力である。 無論、装甲が劣化している現在ならばライフル弾でも貫けるが、ベレッタの9mmの弾丸ではライフル弾の半分以下の威力しか 持ち得ない。もし、一点突破を狙えばあるいは装甲を貫けるかも知れないが、水銀燈の射撃技術はトグサと比べても 児戯に等しいため、それは不可能であった。 そして、二体が距離を置いてすれ違おうとしたとき、突如水銀燈が体を捻る、その服に切れ目が付いていた。 それは、タチコマのマニュピレーターに何時の間にか握られていた剣によるものである。 タチコマは流石に普通にタックルをしても避けられると思考したため、支給された剣をデイパックから直前に出し、 離されるであろう距離を埋めることを思いついた。結果は失敗に終わったが。 「小賢しいまねを!」 水銀燈は、再び銃弾を放とうとするも乾いた音がするだけで、弾は発射されなかった。二度目の弾切れである。 「この役立たず!」 そのまま銃を放り投げる。 「玩具のくせに思ったよりやるわねぇ……お前には勿体無いけど…… これで……ジャンクになりなさい!!!」 そして、黒き両翼から無数の黒い羽が壁に張り付いているタチコマに向かって射出される。 「うっわわわわ!羽飛ばしてくるなんて、ずるいんだぞ!」 流石にタチコマも乱数回避を実行するが、黒い羽の数発がボディを掠める。 威力推定-呼称羽射撃-威力6-連続被弾で装甲破壊の可能性有り-回避の必要性有り。 タチコマはそう判断し、光学迷彩を実行するが、 「うわ!」 「見え見えよ!」 無数の羽が漂う中では効果がなく、再び羽がボディを傷つける。 なんとか、攻撃を回避しながらタチコマはフルスピードで辺りを逃げ回る。 「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!そら、そら、もっと速く逃げないと穴だらけになっちゃうわよ」 そのまま、タチコマと水銀燈は街中で黒い羽を撒き散らしながら追いかけっこをし、終に行き止まりに突き当たった。 「あらぁ、もう終わりなの?なら、今度こそ本当にジャンクになりなさい!!」 そして、無数の羽がタチコマに殺到する。 だが、これで終わるタチコマではなかった。 「ウォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」 そのまま、デイパックの中から鎖付きの星型の鉄球、名称フレイル型モーニングスターを抜き出し、 水銀燈に対して平行になるように振り回す。無数の羽は鎖や鉄球によって、そのほとんどが叩き落される。 その武器は、単純そうな見た目に反し扱い自体は難しいが、時間を掛けて使用するためのプログラムを組んだ タチコマにとっては雑作もないことであった。 「チッ!ちょこざいな!」 そのとき、脱力感が水銀燈を襲う。ミーディアムがおらず、長時間の戦闘機動も可能なタチコマ相手に、 長く戦闘を続けたため力が消耗されてしまったのである。 「えい!」 そんな、彼女に向かってタチコマは剣を投げつける。なんとか体をひねり水銀燈は避けるが、 「ワイヤー発射!」 バランスを崩した水銀燈にタチコマのワイヤーが迫る、なんとか初撃はデイパックを投げつけて防ぐも、 続く第二波が水銀燈の両腕に巻きつき、拘束されてしまった。 「まさか、私の力が途切れるのを狙って…」 「当然!さあ、最終警告だ。投降しろ!」 だが、彼女は決して敗北を認めない。敗北を認めてしまえば完全ではなくなるからだ。 「ふん!まだ、負けたわけじゃないわ!これぐらい…」 「投降しろって言ったよ、僕は。喰らえ!ガンダムハンマァァァァァ!!」 そのまま、タチコマは水銀燈に向かって、遠心力が加わり破壊力の増したフレイル型モーニングスターを投げつける。 「この!」 水銀燈は力を振り絞って羽でワイヤーを断ち切り、回避しようとするが、 その瞬間、フレイル型モーニングスターが水銀燈に直撃した。 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 その叫びを残し、彼女はフレイル型モーニングスターと共に何処かへと吹き飛ばされていった。 「これでよし」 戦闘が終わり、辺りに散らばる装備を回収したタチコマはとあることを実行することにした。 それは、この状況下では特に有利になることでもなく。九課の誰にも教えられていないことではあったが、 それは、自身がやらなければいけないと感じたことである。 Umi Ryuuzaki sleeps here :1980~2031 雨の振る中、そう掘られたコンクリートの破片と、荷物が二つ、そしてタチコマの最後の支給品である西瓜が E-5の空き地に置かれており、エクシードの剣が大地に突き刺さっていた。 それは、タチコマが作った即席の墓であった。あの後、支給品や荷物を調べる過程で 生徒手帳を発見し少女の情報が判明したため、墓に名を刻んだのである。 「じゃあ、君の道具は貰っていくね。こういうのって形見分けっていうんだっけ?そういえば、君の支給品は僕の榴弾と 天候を操作できる道具だったよ。僕の装備が入っていただけでも驚きなのに、すごい道具が入っていて驚きさ。 代わりに僕の支給品を置いて行くから、それじゃあね。バイバイ」 そうしてタチコマは、センサ-やボディから雨水を滴らせながら、その場を後にした。 【E-5市街地 1日目 黎明】 【タチコマ@攻殻機動隊S.A.C】 [状態] 装甲がぼこぼこ、ダメージ蓄積、燃料補給済み [装備] ベレッタM92F(残弾16、マガジン15発、マガジン14発) [道具] 支給品一式、燃料タンクから1/8補給済み、お天気ボックス@ドラえもん、西瓜四十九個@スクライド タチコマの榴弾@攻殻機動隊S.A.C、双眼鏡、龍咲海の生徒手帳 [思考] 1、九課のメンバーを探しに行く。 ※タチコマの光学迷彩はエネルギーを大きく消費するため、あまり多用できません。 ※タチコマの支給品には、食料の代わりに燃料が入っています。 ※タチコマの榴弾は一機では装填不可能 ※お天気ボックスは使用したエリアに四時間しか効果がありません、また晴れと雨と曇のカードしか付属していません。 ※龍咲海の遺体はE-5の空き地に埋められました。 ※龍咲海の剣@魔法騎士レイアース、西瓜一個@スクライド、デイパックは龍咲海の埋葬場所に放置されています。 ※E-5に雨が降っています。 【E-5 1日目 黎明】 【水銀燈@ローゼンメイデンシリーズ】 [状態] 消耗大、服の一部が破けている、フレイル型モーニングスターに吹き飛ばされている [装備] 無し [道具] 無し [思考]1、この状況をなんとかしたい 2、真紅達ドールを破壊し、ローザミスティカを奪う。 3、バトルロワイアルの最後の一人になり、願いを叶える。 ※水銀燈のデイパックはE-5の龍咲海の埋葬場所に放置されています。 ※フレイル型モーニングスターは水銀燈と共に飛翔中。吹き飛ばされ先は次の書き手さんに任せます。 時系列順で読む Back ギーガ鉄道の夜 Next 最悪の軌跡 投下順で読む Back ギーガ鉄道の夜 Next 最悪の軌跡 34 STALKER タチコマ 78 死と少女と 34 STALKER 水銀燈 80 遠坂凛は魔法少女に憧れない
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-目的- -選択- -未来- ◆wlyXYPQOyA 目の前の少女の様子が、放送を終えた直後からおかしくなっている。 きっと放送で友達の名前が呼ばれたりしたんだろう。流石の僕もそれは予測出来た。 きっと大切な人だったんだろう。 彼女の動きは完全に止まっている。 まるでコンピューターが不慮の事故で起動不可になったようだ。 そんな彼女を戻す為に僕はどうするべきだろう。 話しかけるのが一番かな、やっぱり。うん、そうしよう。 そうと決まれば「善は急げ」だ。彼女を元気付けないと。 悲しませる状況をなんとかしたいって、自分で言ったばかりなんだから。 ◆ 『八神はやて』 ホログラムからのこの音声を聞いた瞬間、私の何かが崩れ去った気がした。 糸が切れたみたいにその場に座り込んで、放送で聞いたその名前を反復する。 「はやて……八神、はや……て……」 はやてが、死んだ。 この事実を容赦なく突きつけられた私は、呆然としていた。 信じられない。信じたくない。死んだなんてことを考えたくなかった。 なのはみたいに優しく素敵で、優しく微笑んでいた大切な友達。 そんな彼女が死んだ現実を突きつけられ、私は絶望を感じて―― ――そして放送が終わった。 なのはやシグナム、ヴィータは名前を呼ばれなかったみたいだ。 そこは少しでも安堵するべきだったんだろう。 いや、それ以前にどこか矛盾している事もあったはずだ。 でも今の私には、それを考えたりするゆとりは無かった。 19人。そんな数の死があって、そしてはやても死んだ。 この現実が突きつけられたままで、なのは達の名前が呼ばれなかったことに安堵出来なかった。 それにカルラさんは目の前で死んでしまって、放送で名前を呼ばれてしまった。 私の所為で死んでしまったんだ……喜べるわけない。 「大丈夫かい?」 タチコマが話しかけてきた。 「何かあったんだろうけど、元気だしなよ。ね?」 元気付けてくれているのか、明るい声で話しかけてくれてる。 でも、今の私に気遣ってくれていたんだとしても無駄だ。 はやてが死んで、ショックで体が動いてくれないんだから……。 ただただ呆然とする私の涙は枯れていて、もう自分の両目からは何も流れはしなかった。 やっぱり私は駄目だ。このまま何も出来なくなって朽ちていくのがお似合いなんだ。 カルラさんやはやての代わりに、なんでこんな馬鹿な私が死ななかったんだろう。 私なんか、駄目なのに。私なんか、私なんか……。 「やっぱり、私が死んじゃえば良かったんだ……っ」 こんな私が生きる資格なんて……ない。 結局私は、タチコマに会ったばかりのときと同じ考えを繰り返すばかりだった。 それもこれも私が駄目だからだ。やっぱり私は……私は……。 「いや、その理屈はおかしい」 心が沈んでいく中。突然、タチコマからはっきりと否定された。 そうやって否定してくれるのは嬉しい。でも、私が言ったことは真実だ。 私が悪い事には変わりは無い。全く、変わりは無い。 「おかしくないよ……私はこんなに小さい人間で、何も出来ないから……」 そうだ、私は何も出来ない。無力なんだ。 それどころか迷惑ばかりかけて、足手まといで……私は、 「何も出来ないだって? それは”絶対にノウ”だね。出来る事は沢山あると思うよ? 信じられないなら君の話を基にいくつか項目を挙げようか。まずこの人を埋葬することが出来る。 そして君の友人を捜索することも出来る。それどころかその「魔法」という要素によって、 友人や赤の他人を救済出来る可能性も発生してる。それが無理でもこの状況を打破する為の情報収集だって、 襲い来る敵を魔法によって排除する事だって出来る。僕と共に手を組んで共闘することも出来るしね。 ほら、選択肢は沢山あるよ。君が出来ることは非常に多い。だからその理屈はおかしい、僕はそう言ったんだよ」 突然私の反論を打ち切って、捲くし立てる様にタチコマはそう言ってくれた。 なんで、どうしてさっき会ったばかりの私なんかにそこまでしてくれるんだろう。 私なんかにこんなことを言ってくれるのは、どうしてなんだろう。 「選択肢は多いんだし、僕は出来る範囲で手助けしたい。だから、元気出して欲しいな」 ……そうか。やっぱり私を元気付けてくれようとしているんだ。 自分だって危険なのに、それを無視して私なんかに構ってくれてるんだ。 やっぱり、私は迷惑かけてるんだ。ごめんタチコマ、私のことはもう良いよ。私はもう……。 「あのさ、この世界に温泉があるみたいなんだけど」 ……は? 「うん、だからさ。ここは二人で温泉にいこうよ。 君も心をリラックスさせた方が良いだろうしね。うん、決定」 突然で強引なタチコマの言葉に、私は戸惑った。 いや、どうして突然温泉? 温泉なんてあったっけ? 「うん、地図で見たから間違いないよ。場所はここから北東だね。 これに入ると気持ちよくなってリラックスするって聞いたことがあるんだ。 とりあえず一旦そこで落ち着いて、それからこれからの予定を決めようよ」 気遣ってくれているのか、タチコマはそう言った。 正直強引で驚いたけど、気遣ってくれるのは本当に嬉しい。 でも温泉なんかに行けば、タチコマのしたい事を後回しにしてしまう。 私なんか放っておいて、自分の仲間を捜せば良いのに……。 「気にしない気にしない。それじゃまず、この女の人を埋葬しよう。 僕も手伝うからさ。それから一緒に温泉に行こう。それから……」 タチコマは言葉を続ける。 私はあっけに取られたのもあって、黙ってそれを聞いていた。 「それから、何が出来るかを一緒に考えよう。 君にもやるべき事があるんだから、それを整理するべきだよ。 だから、死んだほうが良かったなんて言っちゃ駄目だ。ダメ、絶対」 ◆ 自分が死ねばよかった。その言葉は間違ってる、と僕は思った。 思ったから、だからはっきりと言った。ちょっとはっきり過ぎたかもしれないけど。 でも、彼女に悲観的になって欲しくはなかったんだよ。 それにこのままじゃネガティブになっていくままだ。 僕は急な作戦――話題のすり替えまで行った。 だって、悲観的になって欲しくなかったんだもの。 多少強引だったけど、こうして僕は彼女に可能性を与えようとした。 こんな状況でも彼女の居場所を与えてあげたいと、そう思ったんだ。 例えばトグサ君なら、きっとそう考えるよね? 人間ならきっと、そう思うよね? ◆ 「……そう、だ」 一緒に考えよう、そうタチコマが言ってくれた時だった。 私は呟きを漏らしながら、自分が最初に何をしたかったのかを思い出した。 そうだ、私はなのはを捜さなければいけない。会って、真相を確かめなきゃいけないんだ。 それにカルラさんだって埋葬しないといけない。私が殺したも同然なんだ、私がやらなきゃ。 私はやっと、目の前の現実と向き合うことが出来る気がした。 そうだ。タチコマと私は、出会って放送を一緒に聞いただけの関係だ。 それなのにタチコマは、放送が終わった瞬間から今までずっと私と話してくれた。 駄目になっていた私に、タチコマが優しい言葉をかけ続けてくれた。 私なんかに構っている時間は無いはずなのに、言葉をかけてくれていた。 『僕は涙腺なんてないからその意味がよくわからないけど……キミを泣かせてしまうこの現状をなんとかしたいって、思う』 放送が始まる直前、こんなことを私に言ってくれた。 グチグチと腐っていた私に、言ってくれたんだ。 私を元気付けてくれる為に。私が歩き出せるようにする為に。 だから私はタチコマの言葉で全てを思い出したんだ。思い出せたんだ。 「ごめん……ありがとう……ありが、とう……っ!」 枯れていたはずの涙がまた溢れ出した。 タチコマの優しい言葉が、私の心に広がっていく。 嗚咽しながら、でも力を振り絞って私はタチコマに礼を言った。 「どういたしまして」 タチコマの優しげなその返答を聞き、私はやっと立ち上がった。 カルラさんを埋葬する為だ。そうだ、ここで燻る訳には行かないんだ。 タチコマの言うとおりだ。私は私の出来る事をやるしかないんだ。 なのはを捜して、それから私は……私は、なのはを……見つけたら……。 ここで気付いた。タチコマの言うとおりだと悟った。 今は落ち着かないといけないという事に、今のままじゃ自分は駄目だという事に。 タチコマには悪いけど、今は落ち着いてゆっくりと考える時間が欲しい。 『うん、温泉にいこうよ。リラックスした方が良いだろうしね』 温泉、か……行ってみるのも、良いかもしれない。 ああ、そうか。タチコマは私がこんな醜態を晒す事を読んでたのか。 ありがとう、タチコマ。本当にありがとう……。 私は涙を拭い、カルラさんへと視線を向けた。 埋葬する為に。自分の業を、正面から受け入れる為に。 ◆ 僕も多少強引だったかな。全体的に焦ってたかも。 彼女に息つく暇も与えずに話しすぎちゃったかもしれない。 終わった後でそう反省したけれど、でも同時に結果オーライだとも思った。 彼女は僕の言葉で元気を取り戻してくれたようだ。なら、それで良いんだ。 見れば彼女は、任務を遂行する時の少佐達みたいに何かを覚悟したようだ。 僕の言葉で彼女がそんな心情になったのならば、それはとても嬉しい。 でもやっぱり強引だったかも。次からは気をつけないとね、反省反省。 けれど彼女が元気を出してくれた様で何よりだ、本当に良かった。 やっぱり言葉は無力じゃないよ。凄いよ言葉、本当に凄い。 でもこれからが大事だ。これだけで満足しちゃいけないんだ。 目指すは有言実行――これからも僕は彼女を悲しませないようにしないと。 さて、そろそろ僕のすべき事も把握しておこう。 要点を整理すると、こうかな。 まずは南側にあったデイバッグを回収する。 それから彼女に頼んで榴弾を装填してもらう。 その後は温泉に行って彼女にはゆっくりとしてもらおう。 それを終えてから、彼女の仲間を捜す。または彼女を安全な場所に解放する。 ついでに僕を修理できる可能性や要因が発生したらチェックしておく。 以上。すべき事、ここまで。 九課の皆さんには申し訳ないけど、ここは一つ後回しだ。 まぁ少佐達のことだ、こんなところでそう簡単にはリタイアしないだろうしね。 僕は僕で、勝手にやるべきことをやらせてもらうよ。 あ、温泉の場所をもう一度確認しておこうかな。 実は僕自身も楽しみなんだよね。どんな感じなんだろ。 【D-7 森林・1日目 朝】 【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA s】 [状態]:疲労中、全身に軽傷、背中に打撲、決意 [装備]:S2U(元のカード形態)@魔法少女リリカルなのは [道具]:支給品一式、ランダムアイテム残数不明、西瓜1個@スクライド [思考] 1:カルラを埋葬、彼女の仲間に謝る 2:タチコマの誘いに乗り、温泉に行って自分を落ち着かせる 3:シグナム、ヴィータとも合流 基本:なのはに会い、もし暴走していたら止める。 [備考] タヌ機による混乱は治まったものの、なのはがシグナムを殺した疑惑はまだ残っています。 【タチコマ@攻殻機動隊S.A.C】 [状態] 装甲はぼこぼこ、ダメージ蓄積、燃料わずかに消費 [装備] ベレッタM92F(残弾16、マガジン15発、マガジン14発) [道具] 支給品一式、燃料タンクから1/8補給済み、お天気ボックス@ドラえもん、西瓜48個@スクライド タチコマの榴弾@攻殻機動隊S.A.C、双眼鏡、龍咲海の生徒手帳 [思考] 1:D7南部のデイバッグを回収。 2:榴弾を装填してもらう。 3:温泉にフェイトを連れて行って落ち着かせる。 4:フェイトを彼女の仲間の元か安全な場所に送る。 5:九課のメンバーと合流。 6:自分を修理できる施設・人間を探す [備考] 光学迷彩の効果が低下しています。被発見率は多少下がるものの、あまり戦闘の役には立ちません。 効果を回復するには、適切な修理が必要です。 時系列順で読む Back リスキィ・ガール Next 最悪をも下回る 投下順で読む Back リスキィ・ガール Next 最悪をも下回る 78 死と少女と フェイト・T・ハラウオン 113 触らぬタチコマに祟り無し Flying tank 78 死と少女と タチコマ 113 触らぬタチコマに祟り無し Flying tank
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タチコマ タチコマ 所持チーム:関西カントリーズβ 本拠地:コーラルプランクトン チーム傾向 打撃 ★★☆☆☆ 守備 本塁打 ★★★★★ 盗塁 三振 ★★★★★ 打ち取り エースの尼崎は何度も奪三振王を取っている実力派。 最近は減っている無走型を使い続けて、何度も優勝している常連。 タチコマへのコメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. 純白の雪の上、青い蜘蛛のような機械が一機、存在していた。 四つの足が蜘蛛を思わせ、マニピュレーターを前面に二本持つ、思考型戦車。 タチコマの名称を与えられている戦車は、先ほどの戦闘から逃げるように雪面を移動していた。 「うー、それにしてもボディがへこんじゃった。あの人凄い力だったなー」 ただのパンチが、バズーカに匹敵するくらいの威力だ。 二発、三発とくらっていれば、たちまち機能停止にタチコマは追い込まれていただろう。 「変身……とか言っていたねえ。やっぱりこんな壊しあいに乗っている人もいるんだ。 早く少佐か味方になってくれる人と合流しよーっと」 見た目の無骨さとは反対に、やけに幼い声。 タチコマはカメラアイを上下左右に動かし、人影がないか探索を続ける。 そのまま雪原を駆けて、 「ねえ、君。どこに行くの?」 「うわっ! びっくりした~」 タチコマの背後で、幼い声がかけられる。 振り返ると、澄んだ青い色の瞳に、空の色の肩にかかる髪。 細い眉に切れ目の瞳。陶磁のような白い肌には、衣服の類を一切身につけていない。 タチコマはその姿に見覚えがある。 いや、正確には声をかけてきた人物を四、五歳くらい成長させたような人物にだ。 セイン……タチコマのメモリに残っている、破壊された少女は確かそう呼ばれていた。 タチコマは浮かんだ疑問を、そのまま告げる。 「ねえ、君は最初に壊された、あの娘と知り合い?」 「ああ、あのセインって呼ばれていたお姉ちゃんか。よく分からない。 関係あるかもしれないし、ないかもしれない」 「曖昧だね」 「だって僕、今までずっと培養カプセルの中にいたんだもん。 パパくらいしか外の世界を知ることはなかったんだ」 アハハと笑う子供に、タチコマは注意深く見回す。 タチコマの世界には機械を身体に埋め込む義体化があり、ロボットが存在しているから当たり前である。 外見を変えるなど、比較的容易な技術だ。 最初のシグマの実演から、ここに来るまでに容姿を変える暇があったのか疑問もある。 だが、疑いを覆すほど決定的なものではない。 『変身』と告げて一瞬で姿を変えた謎の人物もいるのだ。 最初にシグマに化けていた相手みたいに、他人に変化できる参加者がいてもおかしくない。 とはいえ、タチコマもいつまでもこうして睨み合う訳にはいかない。 だから、タチコマが質問を開始しようとして…… 「くしゅん」 「ねえ、君。人間っぽいし、その状態だと寒くない? まあ、僕にはどんな感覚か分からないけど」 「凄く寒いんだよ。だから君に声をかけたのに……くしゃみまでしちゃったじゃないか」 「ああ、ごめんごめん。そういうつもりだったのか。今確認するから少し待ってね」 タチコマが確認したかったのは、感覚の有無。 人間でない存在なら、寒さを無視できるからだ。寒いから声をかけたということは、相手の感覚器官は正常だろう。 タチコマは器用にマニピュレーターでPDAを操作した。 PDAを操作するタチコマを見つめ、表面上では寒がっているふりをしながら、ドラスは内心ほくそ笑んでいた。 ドラスはネオ生命体として、人類に変わって生態系の頂点に立つために作られた存在である。 一時期とはいえ、狂気に取り付かれた望月博士によって人間の構造は頭に叩き込まれている。 もっとも、軽蔑の対象としてだが。 神となるべく作られたドラスにとって、人間のふりをしなければならないのは多少の屈辱だったが、制限を考えれば背に腹は変えられない。 とりあえあず、服を要求したのは正解だったようだ。 タチコマは服を要求するまでは自分のことを疑っていたが、服を要求するとあっさりと従った。 『人間臭い行動』としては間違いでなかったとドラスは学習、今後も使えそうだと脳内に書き留める。 くしゃみをし、身体を震わせ、肌の色を青白くさせ、眉を寄せる。 一般的に人間が寒い時に見せる反応だ。 タチコマ相手に保護欲を刺激するというのは、さすがに無理だが味方だと思わせてるには充分な演技だと判断する。 ドラスの目的はタチコマを味方につけること。なぜなら、ドラスはタチコマが戦闘する姿を目撃していたからだ。 麻生勝、仮面ライダーZOに似た戦士を相手に、逃げ切る戦闘技術。 天敵がいなくて嬉しかったドラスだが、麻生と似た戦士の姿は驚異的だった。 あれを相手にして生き残るというのは、難しい。 仮面ライダーを敵と思う人物が複数いるのなら、陥れ、弱らせ、自分の力とすることも可能だろう。 タチコマを軸に、次々味方を増やす。 タチコマの仮面ライダーに対する反応を見るに、彼は殺し合いに乗っていない。 なら、利用しつくす。ドラスは静かに微笑む。 「あ、あった。君、これはどう?」 「ん? みせてみせてぇー!」 それに、タチコマと自分は相性がよさそうだ。 ドラスは内心そう呟いた。 □ 雪に足音をつけて、スバルとT-800は駆ける。 街を目指して南下しているところに、遠くで激突音が響いてきたため、あわてて元来た道を走っているのだ。 特にスバルは全身に力を込めて、必死に駆けている。 スバル……彼女は人の死ぬ瞬間に立ち会ったのは、シグマに殺されたセインが始めてである。 もっとも、死ぬような目には何度も遭ってきた。 だが、誰かが死ぬような現場に立ち会うことだけはなかった。 これは彼女の世界で、攻撃能力を持つ魔法が、対象を殺害しないように設定できるのが大きい。 そして、セインは一時期敵だったとはいえ、面識があり、今では交流のある相手だ。 しかも、自分の身内である姉の保護対象である。 そのセインの死によって、スバルの心は少なからず磨耗している。 (なのはさんなら、誰も殺させずにあのシグマという人を逮捕できたはず。私は……これ以上誰も死なせないようにすることしかできない。 だから、殺し合いが行われているなら……誰かが殺されかかっているなら……絶対に守る!) 昔、なのはが自分を救ったように。その決意を胸に、スバルは加速する。 かなりの速さで駆けるスバルに、T-800は涼しい顔で並走している。 この殺し合いで見つけた、唯一の味方だ。 スバルはボブと呼ぶ彼と目をあわせる。T-800の瞳は相変わらず無感情。 スバルはそれに構わず、キッと正面を見つめる。すると、雪景色の中、青い影を二つ発見する。 一つはガジェット・ドローンとも思えなくもない、機械。 先ほどの激闘の音の主だろうか? そして、その手前にいる小柄な人影。 子供が兵器と思わしき機械の前にいる。 危ない、そう思った瞬間、スバルのしなやかな身体はバネのように跳ね、宙に舞う。 月光を遮り、ナックルをはめた右拳を戦車の手前に振り下ろす。 戦車は素早く後退し、地面の雪が爆薬によって舞い上がった。 スバルは爆薬の反動で痺れる右腕に構わず、後ろを振り向く。 「君、ここは危ないからさがって……ッ!?」 言葉を途中で中断したスバルは、驚愕に目を見開く。 フリルのついた黒い服に身を包む、小柄な姿。 空の色と似た髪と瞳をもち、キョトンとした様子でこちらの様子を窺う顔。 言うまでもなくスバルはナンバーズの一人、セインに似た姿の子供を発見して、戸惑っているのである。 そのスバルを庇うように、T-800は前に出る。 「ボサッとするな。やられるぞ」 「ご、ごめんなさい。ボブさん」 「……ねえ」 「今は置いといて……後で色々教えてね」 「だから……」 ゴスロリっ子の訴えを無視して、スバルは戦車を見据えて、両拳を前に構える。 対して、T-800は己の頑強さを活かすために、二人の前面に出る。 目の前の戦闘機械を倒す。二人の意思が真っ直ぐ相手へと、向けられた。 ドラスは目の前の短絡的な二人を見つめて、やれやれとため息を吐く。 スバルが前面に躍り出て、タチコマに接近、拳を振るう。 常人を遥かに超える腕力だが、自分や仮面ライダーには遠く及ばない。 それもそうだ。スバルの持ち味は腕力ではない。 魔術師としての彼女は、接近戦を行うためにデバイス・リボルバーナックルとマッハキャリバーを必要とする。 スバルは魔術師なのだ。魔力を使う媒体がないと、戦闘力は幾らか落ちる。 もっとも、戦闘機人へとモードを切り替えれば、その限りでもないのだが。 そういった事実を知らないが、それでも腕力に劣ると判断したスバルをドラスは評価する。 確かに腕力は自分や仮面ライダーに劣るだろうが、身のこなし、速さ、技のキレは一級品である。 味方につければ心強い。何より脆そうなのが気に入った。 味方につけて、幾度か戦いを共にすれば背中から撃ち殺さなければならない機会が来る。 その時に頑強で殺し損ねたという可能性が低いのは大歓迎だ。 続けて、ドラスの視線はT-800へと向けられる。 重戦車のような鍛え抜かれた肉体。 拳を打ち出し、蹴りを繰り出すたびに雪が大量に舞い上がる。 とんでもない力だ。おそらく、仮面ライダーや自分と遜色ない力を持つのだろう。 頑強さの方はタチコマが反撃をしないため、判断がつかない。 それでも、あの攻撃力なら仮面ライダーとぶつけた時に、戦果を期待できる。 ドラスはまたも視線を動かし、タチコマの動きを観察する。 タチコマのほうは、巨大な身体に似合わず雪原を縦横無尽に逃げ回っている。 四本の足を器用に動かし、時にマニピュレーターを駆使して二人を牽制している。 必死さからこちらをチラチラ見つめており、視線が合う。 さすがに、放置はマズイかとドラスはため息を吐いて地面を蹴る。 ひらひらと、身にまとう服が風にたなびいた。 「スト―――ップ!!」 「ちょ……危な……」 「待ってよ、その子は僕から声をかけたんだ。お姉ちゃんたち、その子を虐めるの?」 「え?」 スバルが驚いて、タチコマに振り向く。T-800もスバルに合わせて、攻撃の手を止めた。 もっとも、T-800は警戒を解いていないが。 タチコマは攻撃がやっと止んだことに安堵して、ゆっくりと三人に近付く。 「助かったよ~。ええっと、君の名前まだ聞いてなかったね。僕はタチコマ。君は~?」 「僕? ドラスだよ。よろしくね」 にっこりと握手をする二人に、スバルは毒気が抜けていく。 T-800も警戒を僅かに解き、二人に事情の説明を求めた。 □ 「つまり……ドラスくんに支給品を分けていたってこと……」 「うん、そうだよ」 「ごめんなさい! 私……てっきり……」 「人は過ちを犯すもの。だから大丈夫さ」 「凄いえらそー」 「問題はない。お互い、損傷率は数パーセントだ」 「そういう問題じゃないです! ボブさん!!」 スバルが律儀にT-800に突っ込むが、無表情は変わらない。 人間味の薄い相手だと、自分のことを棚に上げてドラスは思う。 罪悪感を抱くスバルに、タチコマが軽い口調で声をかけてくる。 「まーまー、誤解は解けたんだから、仲良くやっていこうよ」 「そうだね……私はスバル・ナカジマ。よろしくね。 隣の人はボブさん。仮の名前だけど、そう呼ぶことにしているから、君たちもそう呼んで」 「「はーい」」 仲良くそろえて手を上げるタチコマとドラスの姿に、思わずスバルの顔に笑みが浮かぶ。 しかし、和んでいるわけにはいかない。 「それで……ドラスちゃんに質問があるんだけど……」 「なに?」 「ドラスちゃん……最初にシグマに…………その……」 「最初にシグマに殺された少女セインとお前の関係を告げることを要求する。 場合によっては……」 T-800はコルトS.A.Aをドラスの額に合わせる。 スバルが驚き、ドラスを抱えて飛び退く。 「何をするんですか!? ボブさん!!」 「そいつがセインという少女の姿をとったT-1000でないという保証はない。 確かめるには一発撃ち込むのが確実だ」 「死ぬに決まっているじゃないですか!? やめてください!!」 「スバルの命令に従えという使命は受けていない。よって、その要求は受け入れられない。 ドラスという存在の引渡しを要求する。殺しはしない。足や腕を撃ち込めば、T-1000かどうか判断できるはずだ」 「ボブさんの……分からず屋!!」 スバルは告げると同時に地面を殴りつけ、ナックルに仕込んだ爆薬を起動させる。 蒸発した雪が視界を遮り、白い景色に見舞われる。 T-800が迫る前に逃げようとするスバルの前に、タチコマが現れた。 「早く乗って、二人とも」 「タチコマくん、ありがとう!」 スバルはドラスを抱えたまま、タチコマにしがみつく。 二人がしがみついたことを確認したタチコマは、風のごとくその場を離れた。 白い蒸気が晴れた先には、T-800ただ一人が残された。 「タチコマの最高速度計測。追いつく可能性……十二パーセント……」 タチコマとの相対速度を割り出し、T-800は追いかけることを無駄と判断する。 もともと、T-800としてはスカイネットの企みを阻止さえできれば、それでよかった。 ジョン=コナーを守る。その使命を守るのに僅かな揺らぎさえ存在しない。 とはいえ、T-1000かも知れないドラスを放っておくわけにはいかない。 と、なれば…… 「乗り物の調達……小回りの利くバイクが望ましい」 T-800の判断に迷いはない。 踵を返し、雪に大きな足跡をつけながら一人進む。 乗り物の調達。そして、T-1000の始末。スカイネットの下僕かもしれない、シグマの始末。 彼は変わらない。T-800であるがゆえに。 【B-4 東/一日目・黎明】 【T-800@ターミネーター2】 [状態]:健康 [装備]:滝和也のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS、コルトS.A.A(6/6) [道具]:支給品一式、コルトS.A.Aの弾丸(30/30発) [思考・状況] 基本思考:シグマを打ち倒して殺し合いを破壊し、本来の任務に戻る。 その為に仲間を集める、殺し合いに乗る者には容赦しない。 1:乗り物の調達。小回りの利くバイクが望ましい。 2:街を目指して南下する。 3:スバルと合流する。 4:スバルの仲間(ギンガ、チンク、ノーヴェ)を見つけ、合流する 5:T-1000の破壊 6:ドラスをT-1000でないか、疑っている。 ※本編開始直後からの参加です。 ※スバルに、ボブと呼ばれています。 ※ライダースーツのナックルとその弾丸は、スバルに手渡されました。 ※スバルの住む世界、魔法、ギンガ、チンク、ノーヴェに関する情報を得ました。 ※シグマの背後にはスカイネットがいて、スカイネットの妨害行為によって 自分はこの場に連れてこられたのではと考えられています。 □ 「ふう、何とか撒いたけど……ボブさん……」 「こうなったら僕たちでT-1000とかいう奴を捕まえて、ドラスくんの無実を証明するしかないね」 「……タチコマ、それいい考え! ドラスちゃんの無実を証明しなくちゃ!」 「ありがとう♪ そういえば、スバルさんに言わなくていいの? ドラスくん」 「と、いっても僕の言えることって少ないのは分かるでしょ?」 「まあ、そうだけどね」 「どういうこと?」 「僕は生まれたばかりだから。培養カプセルの中にいたし」 にこっ、と無邪気な笑みをドラスはスバルに向ける。 怪訝な表情を浮かべるスバルに、ドラスは更に言葉を続ける。 「パパは僕を作って、色々教えてくれたんだ。 だけど、失敗作とかいって、僕を壊そうとしたんだ。何でも、お前みたいな奴は存在しちゃいけないんだって。 そういって壊されそうになったとき、いつの間にかここにいたんだ」 ドラスは真実を混ぜた嘘を告げる。人間の心理的に、真実を交えた嘘は見破られにくいと学習していたからだ。 もっとも、今のところ言っている内容は全て真実であったが。 自分が培養カプセルに収まっていた時に連れてこられた、ということ以外。 ドラスはZOに負けた瞬間、ここにいた。 敗北を学んだドラスは更に手ごわく、残忍な性格へと成長していく。 あえて、望月博士に否定された過去を持ち出したのは、スバルの同情をかうためだ。 ドラスはスバルを麻生勝と同類、いわゆる『お人好し』だと判断した。 見ず知らずのドラスを――知り合いであるセインと似た姿であるとはいえ――守るために全力を尽くす。 これは搾り尽くし甲斐のある相手だと、ドラスは笑い出しそうなのを堪える。 (そうだ、ここでは僕は宏くんになるんだ。お兄ちゃんに守ってもらった、宏くんのように、僕はお姉ちゃんに守ってもらう。 そして生きて帰って、僕は人間を淘汰して神になる。そうすれば、きっとパパも僕を見直す。僕だけを見てくれる) 最早、妄執に近いドラスの、望月博士に対する執着。 それはドラスの存在理由である。 「だから、僕は帰ってパパに言いたいんだ。僕は失敗作にならないように頑張るから、嫌いにならないでって」 ゆえに、ドラスが同情をかうために告げた言葉は半分は本心である。 父親を独占したい。父親に認められたい。いずれも子供っぽいくだらない理由。 それがドラスの根底をなす事実でもある。 そのため、スバルの心をドラスの言葉は動かした。スバルはドラスをぎゅっと抱きしめる。 「いいよ、ドラスちゃん」 「お姉ちゃん?」 「そんな人のところ、戻っちゃ駄目。ここから脱出したら、私たちと暮らそう。 大丈夫、きっと君の姉妹たちもいっぱいいるから。ここにも二人いるんだ。絶対会おうね。 まあ、こんなことに巻き込まれちゃって、喜んでもいられないんだけど」 スバルがはにかむように笑みを浮かべて、ドラスはキョトンとその笑顔を見つめる。 さすがのドラスもスバルが一緒に暮らそうと告げるほど、お人好しだとは思わなかった。 結果的には成功だが、どこか居心地が悪い。 「よーし、それじゃあお互いの情報交換を始よー!」 「うん!」 タチコマの声を合図に、お互いの身の上を再度話し合う。 ドラスは二人の情報を聞き逃さないように、興味ない演技をしながら耳を傾けた。 (そういや、ボブおじさんとかいったね。その用心深さ、危険だね。 いずれ、排除するようにするかな。それに……僕を好きにならない人間なんて、邪魔だしね) タチコマとスバルは気づかない。 彼女たちの傍にいる、無力そうな子供が鬼であることを。 「と、いうわけだから『変身』とかいう人には要注意だよ」 「分かった、タチコマくん」 「お姉ちゃん、ナイフ使う?」 「ううん、どうして?」 「僕の支給品がナイフだから」 「うーん……ドラスちゃんに危ないものを持たせたくないけど、ここじゃそうもいってられないしなぁ。 それはドラスちゃんが持っていて。いざという時だけ、使ってね」 「はぁーい」 ドラスたちと情報を交換しながらも、スバルはドラスの身の上を聞き、内心怒りに震えていた。 おそらくドラスは、セインと似た遺伝子情報を持つ戦闘機人として開発されたのだろう。 しかし、失敗作として処分を受けそうになったのだ。 そんな非人道的なこと、正義感の強いスバルが認められるわけがない。 スカリエッティなのか、それとも別の誰かは知らないが、ドラスをこんな目に遭わせた人間をそのままにしておけない。 元の世界に戻り、ドラスを開発した人間を逮捕する。そして、ドラスを幸せにしてくれる家庭を探す。 もしくは……尊敬するなのはがヴィヴィオを引き取ったように、自分がドラスを引き取るのもいいかもしれない。 とはいえ、自分がドラスを幸せにできるほどの器かどうかは、自信がないが。しかし、考えておくのも悪くはないかもしれない。 新たな目的を胸に、スバルはいっそう脱出への決意を固め始める。 「それにしても、ボブさん酷い。T-1000が姿を変えれるからって、女の子を撃とうとするなんて……」 その瞬間、談笑を続けていたタチコマとドラスが黙る。 まじまじとスバルを見つめる二人に、何かおかしいことを言ったのだろうか?と不安になる。 「どうしたの?」 「お姉ちゃん、僕、男の子だよ」 「生えていたしね♪」 瞬間、スバルの世界が凍った。 【D-3 東部/一日目・黎明】 【ドラス@仮面ライダーZO】 [状態]:健康 [装備]:荷電磁ナイフ@マルドゥックスクランブル。ラトゥーニのゴスロリ服@スーパーロボット大戦OG。 セインを四、五歳幼くした状態に擬態。ただし、生えている(両方ついているかは、お任せします) [道具]:支給品一式 [思考・状況] 基本思考:自爆装置とリミッターを外す。その後参加者を全員殺す。優勝したあとシグマも殺す。 1:スバルを利用尽くす。 2:T-800の排除。悪評を広める。 3:仮面ライダーとおよぼしき参加者の排除、もしくは吸収。 4:更に対主催者の人間たちを集める。 5:自爆装置、リミッターの解除。 ※枕たたき棒@魁!!クロマティ高校 がC-3 市街地周囲に落ちています 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 [状態]:健康 [装備]:滝和也のナックル@仮面ライダーSPIRITS [道具]:支給品一式、サブタンク(満タン)@ロックマンX、テキオー灯@ザ・ドラえもんズ ナックルの弾薬(28/30発)@仮面ライダーSPIRITS [思考・状況] 基本思考:シグマを打ち倒して殺し合いを壊す、その為の仲間を集める 1:ドラスを守る。 2:ギンガ、チンク、ノーヴェを見つけ、合流する 3:T-1000を捕獲して、ドラスの無実を証明。 4:3の後、T-800と合流。 5:タチコマを襲った相手を警戒。 ※本編開終了後からの参加です。 ※サブタンクは満タン状態です、使えばエネルギーの回復が可能です。 ※テキオー灯は、一時間のみ効力持続。 一度使った者には、24時間経過しなければ使用不可能と制限されています。 ※T-800の住む世界、スカイネット、T-1000に関する情報を得ました。 ※T-800のことを、ボブと呼んでいます。 ※T-800からの情報より、シグマの背後にはスカイネットがいるのではと考えています。 【タチコマ@攻殻機動隊】 [状態]:ボディに中度の損傷 [装備]:右手のチェーンガン、各部ワイヤーなど固有武装 [道具]:支給品一式、不明支給品(1個) [思考・状況] 基本思考:チーム結成。人員を増やす。 1:スバルの知り合い(ギンガ、チンク、ノーヴェ)と合流。 2:変身する相手に注意。 3:少佐はどこかなー? ※制限により固定武装の照準がうまく定まりません。(支給品は問題なく使えます) 【支給品紹介】 【ラトゥーニのゴスロリ服@スーパーロボット大戦OG】 ラトゥーニがたまに着用していた、ゴスロリ服。 画像 ttp //www.suparobo.jp/srw_lineup/srw_og2/chara_pe/19.html 時系列順で読む Back 怒れ鋼のサイボーグ!勇気と魂をその胸に Next なくすものがないぼくたち(前編) 投下順で読む Back 怒れ鋼のサイボーグ!勇気と魂をその胸に Next なくすものがないぼくたち(前編) 032 闇の中のX タチコマ 044 A/B LIVED 032 潜行する魔神 ドラス 044 A/B LIVED 032 それは唐突な出会いだった スバル・ナカジマ 044 A/B LIVED 032 それは唐突な出会いだった T-800 053 とっても嫌な聞き間違い
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死と少女と ◆TIZOS1Jprc 「うぐッ……。ヒック……」 いったいこの小さな少女のどこからそんな量の涙が出てくるのか。 そう思いたくなる程フェイトはずっと泣いていた。 『私の……せいだ……』 もう冷たくなって、死後硬直まで始まっているカルラの亡骸にすがり付いたまま。 『あの時フォトンランサーなんて撃たなければ! もっと早く誤解を解いてれば! いや、せめてもっと周囲を警戒してれば悪意を持った人の接近に気付けてた!』 闇夜が白み始めているのにも気付かずに目を伏せたままずっとすすり泣いていた。 夜は、明ける。 そして暗い森の中にも光は射す。 不意に射し込んだ光に顔を上げると。 そこに奇妙な形をした巨大なクモがたたずんでいた。 * * * 埋葬を終え行動を再開したタチコマは少し離れて線路沿いに進むことにした。 駅などの要衝を九課のメンバーが制圧していることを考慮したからだ。 そして途中でイーロク駅にたどり着いたものの。 「うわっ! タンマ! ストップ! のせてー!」 無情にも西へ向かう列車が丁度発車していた所だった。昭和時代の電車を模した自走列車がタチコマの目の前を通り過ぎる。 厚い装甲に阻まれ熱センサが届かず中の様子は確認できない。 線路にたどり着いた時にはもうずいぶんと距離が開けられていた。 「あーあ、行っちゃった。それにしてもスゴい列車だったなー。装甲列車なんて前時代的なモノ初めて見たよ」 タチコマの速さなら今からなら追い付くが、その場合イーロク駅の確認はできない。 追い付いても列車の中に侵入するのは一苦労しそうだ。 結局タチコマは列車を諦めてイーロク駅の調査を優先した。 ホーム、待合室、トイレ……は狭くて入れない。 階段、地下通路、機能していない改札、駅員区画、駅員用トイレ……やっぱり入れない。 ざっと調べた所、今駅の中に人は居ないようだ。 先程の列車に誰か乗り込んだかどうかは、もはや確認できない。 仕方なくホームに戻ってせめて時刻表を確認しておく。 「4 30発ってのがさっき出てったやつだね。4時間ごとの発車か……。で向こうの駅からの次の列車の到着は2時間後っと」 2時間何もせずこのまま駅に留まるのもアホらしい。九課のメンバーなら市街地に向かっただろうか。 「……でもこっから東の線路ってどうなってるんだろ?」 それにさっき北東の森の方でちらりと光が瞬いたのも気になる。戦闘の可能性。 仲間を探すための指針が全くない現状で頼りにすべきはその好奇心。 タチコマはそのまま線路沿いを東に突き進むことにした。 タチコマが市街地を抜けて森に入った時のことだった。 「あるうひ~♪ もりのなか~♪ くまさ……銃声?」 かすかだが北の方から銃声が聞こえた。音波の波形からするとおそらく12番ゲージを使用する型のショットガン。 銃声は一発切りでそれ以上は聞こえない。正面戦闘ならば複数回の発砲が聞こえる方が自然。接近戦にしか使えないショットガンでは狙撃も有り得ない。 ゲーム開始から5時間も経過して試し撃ちというのも考えづらいので、友好を装った者による騙し討ちが最も可能性が高い。ならば 「少なくとも顔は確認しとかないとね」 必要に応じて加害者の拘束、もしくは無力化を行わねばならない。 光学迷彩を作動させておく。 先程の戦闘によるダメージで光学迷彩の効果が著しく低下しているが、この薄暗さなら先に相手に発見される可能性は一段と低くなる。 彼本来の使命を遂行すべくタチコマは銃声の音源へと向かった。 途中にデイバッグらしき物を見掛けたが罠の可能性も考えて一旦無視。 そして、タチコマが現場で見た物は奇妙な形状に耳朶を改造した女の死体と、それにすがり付いて泣きじゃくる金髪の少女だった。 『えーーーーーーと』 この少女が死体の女を殺したのだろうか? 戦闘の跡らしき傷が彼女の所々に滲んでいる。 何にせよ先刻海を錯乱させて、挙句殺害されてしまった様な失態は繰り返してはならない。 あの時はパズの言う事を真に受けて必要以上に馴れ馴れしく接し、あらぬ誤解を受けてしまった。 こういう時はきっと一般的なロボットに対する先入観の通りに"ロボットらしく"行動すれば相手も安心するに違いない。 まず光学迷彩を消して姿を現す。突然表れた巨大な気配に金髪の少女が顔を上げた。 『さあ、ここからが勝負だ! コミュニケーションは言葉! 今こそこの膨大な記憶野を活かす時!』 「オハヨウ、オジョウサン。ボクノナマエハ、たちこまデス」 ぎょっとして少女が身を引く。 「……ロボット?」 「イエス。ボク、ろぼっとデス。ショウタイヲシラレタカラニハ、ニガスワケニハ、イキマセン」 益々気味悪げな表情で少女はあとずさった。 『あちゃー。逆効果だったみたい。やっぱり変な冗談は無しにして、矢張り冷静かつ客観的な態度でのぞまなきゃね』 「ごめんごめん。さっきのは会話を和やかにするためのジョークさ。僕は公安の備品で思考戦車のタチコマさ。とりあえずこの状況の経緯を聞きたいんだけど。まずキミの名前を教えてくれるかい?」 フェイトはぴょこぴょこと機敏に動くマニピュレータとくるくる回る外部観測ユニットを交互に眺めた。 「はあ……。私はフェイト……」 とりあえず同じ会話のフィールドに立つことには成功したようだ。そしてタチコマはストレートにさっきから気になっていた事を尋ねた。 「で。それ、キミが殺したの?」 あまりにストレートな物言いは、時に人を傷つける。 それ、が何をさすのか判らなかったか、一瞬呆気にとられた少女の眼に再び涙が込み上げた。 「私のせいなんだ……。わたしが……ころしたも同然……。わたしのほうが……! 死ねばよかったんだっ……!」 再びしゃくりあげる少女。 泣き声のボルテージが上昇しタチコマは途方に暮れる。 結局、少女フェイトが落ち着くまでにさらに数分を要した。 「じゃあキミの犯したのはせいぜい傷害と不慮の殺人未遂だね。キミは未成年だから前科にはならないだろうし、そもそもここ日本じゃないみたいだから僕達の捜査権は及ばないよ」 ようやくある程度落ち着いたフェイトから簡単に事情を聞いたタチコマはそう結論付けた。 とはいえこの少女が嘘を言っている可能性は思考に留める。 女を蜂の巣にしたショットガンは見当たらないが、デイバッグの中に隠しているかもしれない。 「……そういう問題じゃない」 さっきからずっと眼を伏せたままのフェイトがぽつりとつぶやいた。先程"お近付きのしるし"に与えた西瓜にも全く手を付けていない。 「私がしっかりしてれば、この人……カルラさんは死なずにすんだ。わたしが……なんとかしなきゃいけなかった」 そう言うと再びフェイトはうつむいて喋らなくなった。 『それにしても、ねえ?』 タチコマは先程のフェイトの話を反芻する。 『彼女の話が本当なら彼女は僕達のいる2031年から30年位過去から来た事になる。タイムスリップ?時空管理局執務官?バカバカしい話だよ』 しかし先刻相対した水銀燈なるロボット(?)の放った分析不能の黒い羽。 出会ったいずれも若い人間3人の内全員が今時電脳化していないという事実。 そしてフェイトが見せてくれたS2Uなる黒い杖に変化するカード。 どれもがタチコマの常識の遥か上空を行き交う話だった。 『やっぱこれ疑似体験だよね? 新手の行動テストかな?』 しかしこのバトルロワイアルが現実であろうと仮想であろうとタチコマの取るべき行動には関係の無いことだった。 AIのタチコマの頭脳にとって現実と仮想は等価。 現実の任務に失敗して破壊された所で、分化した数ある個体の一つが欠けただけの事。 また、仮想空間で酷い失敗をすれば性能不良として扱われ、待っているのは廃棄処分だ。 どのみち人工知能であるタチコマに"死"は存在せず、破壊を恐れて任務を疎かにすることは考えられない。 なすべき事は九課のメンバーとの合流、バックアップ。 そしてこの少女の保護。 例え彼女が嘘を付いていたとしても、だ。 「……誰かの為に涙を流すことは価値があることだって、トグサ君が言ってた」 タチコマの声にフェイトは顔を上げた。 「僕は涙腺なんてないからその意味がよくわからないけど……キミを泣かせてしまうこの現状をなんとかしたいって、思う」 それが現実であれ仮想であれ。 なぜだろう、目の前に居る傷付いた心を、放っておくことができない。 その言葉にフェイトはタチコマへの警戒を、ほんの少しだが、解いた。その時。 突然上空に巨大な主催者の仮面の男の姿が浮かびあがった。ギガゾンビのホログラム。 少女にさらなる死を突き付ける定時放送が始まったのだ。 そして夜は、明ける。 【D-7 森林・1日目 早朝~朝】 【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA s】 [状態]:疲労中、全身に軽傷、背中に打撲、泣き疲れ [装備]:S2U(元のカード形態)@魔法少女リリカルなのは [道具]:支給品一式、ランダムアイテム残数不明、西瓜1個@スクライド [思考] 1:放送を聞く。 2:カルラを埋葬、彼女の仲間に謝る。 3:タチコマを警戒しつつ情報交換 4:なのはに会い、もし暴走していたら止める。 5:はやて、シグナム、ヴィータとも合流 6:この西瓜……どうしよう [備考]:タヌ機による混乱は治まったものの、なのはがシグナムを殺した疑惑はまだ残っています。 【タチコマ@攻殻機動隊S.A.C】 [状態] 装甲はぼこぼこ、ダメージ蓄積、燃料わずかに消費 [装備] ベレッタM92F(残弾16、マガジン15発、マガジン14発) [道具] 支給品一式、燃料タンクから1/8補給済み、お天気ボックス@ドラえもん、西瓜48個@スクライド タチコマの榴弾@攻殻機動隊S.A.C、双眼鏡、龍咲海の生徒手帳 [思考] 1:放送を聞く。 2:フェイトと情報交換、榴弾を装填してもらう。 3:D7南部のデイバッグを回収 4:フェイトを彼女の仲間の元か安全な場所に送る。 5:九課のメンバーと合流。 6:自分を修理できる施設・人間を探す。 [備考]:光学迷彩の効果が低下しています。被発見率は多少下がるものの、あまり戦闘の役には立ちません。 効果を回復するには、適切な修理が必要です。 時系列順で読む Back 「夢を見ていました」 Next これが薬師の選択です 投下順で読む Back misapprehension Next これが薬師の選択です 59 「友達だ」 フェイト・T・ハラウオン 110 -目的- -選択- -未来- 71 人ならざるもの達の午前 Water Requiem タチコマ 110 -目的- -選択- -未来-