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鏡には映らない 著/米澤穂信 92 :鏡には映らない:2013/02/09(土) 22 21 48.90 ID WuIVVNos ある日買い物中の摩耶花は中学時代のクラスメイトに偶然会う。同じ部活に奉太郎がいることを知ったクラスメイトは「サイアクじゃん」と いう。奉太郎は中学時代のクラスメイト全員から嫌われていた。ひいては、学年全体から嫌われてもおかしくないことをやらかしていたのだ。 それは中学3年の頃。摩耶花たちの学年は卒業制作として大きな鏡を中学に寄贈することになった。 その木製の飾り枠の模様をクラスで分担して彫刻で作るのである。奉太郎の担当した部分は植物のツルが曲がりくねっているデザインだったが、 奉太郎はそれを「面倒だから」といってまっすぐな模様にして提出したのだ。その模様をデザインした生徒、鷹栖亜美は完成した木枠の 奉太郎の担当部分を見ると「ひどい」と泣き出してしまう。摩耶花と奉太郎のクラスは卒業製作を台無しにしたという噂が広がり、 奉太郎はクラスメイトからも非難されたが彼はそれら全てを受け流し、そのまま卒業した。 そんなことがあり、摩耶花も高校で再会した奉太郎のことが嫌いだったのだが、古典部で一年付き合ってきてみると、その印象は変わっていた。 えるの幼いころの疑問を解き明かしたり、上級生の映画を完成させたり、文集「氷菓」の原稿もちゃんと仕上げた奉太郎は、ただの怠け者ではない。 もしかすると卒業製作の時には何かやらない理由があったのでは、と思うようになる。奉太郎に卒業製作のことを聞いても忘れた、 覚えてないと繰り返すだけなので、摩耶花は真相を自分で調べることにした。 当時奉太郎と同じ班だった芝野という女子に聞き込みをしたところ、奉太郎は自分から手伝ってくれる人がいるので任せろ、と言ったという。 手伝いとは同じ中学の鳥羽麻美という子だという。芝野によると奉太郎と鳥羽麻美は付き合っていたというのだ。 鳥羽麻美も神山高校に進学して写真部に入部しているらしい。 その夜、里志との電話でふと彼女のことを話すと、彼女は同じ中学の同級生を嫌っているため中学時代の話はしない方がいい、と言われる。 93 :鏡には映らない:2013/02/09(土) 22 26 55.00 ID WuIVVNos 人を避けるように一人屋上で部活をする鳥羽麻美に会いに行く摩耶花。 強い拒絶を感じながらもなんとか、「奉太郎は自分にとってヒーロー。そのかたわれ」、あの卒業製作は「解けた呪い」、 「その秘密をしりたければ逆立ちでもしないとわからない」という情報を聞き出す。 ちなみに彼女はもう奉太郎には会わないという。会うと嫌いになるから、ヒーローのままにしておきたいのだと。 摩耶花は中学に赴いて鏡の前で逆立ち、はせずに木枠を携帯で撮った。その画像を逆さにすると、真相は明らかになった。 当時、鷹栖亜美とその友人たちは鳥羽麻美をいじめていた。その一環として卒業製作のデザインを逆さにすると、模様となっている植物や 動物などが「We hate Asami T」と読めるようにしていたのだった。それに気づいた奉太郎が里志に相談し、結局「s」の部分を変えることで 完成した木枠は「We hate A ami T」となり、鷹栖亜美はそれを見て泣き出したのだ。 古典部の部室にて、摩耶花は卒業製作の真相を解いたことを奉太郎と里志に告げた。恥ずかしそうな奉太郎に間髪入れず 「こんな理由があったとは知らず軽蔑してた。ごめん」と謝る摩耶花に対し、所在無げな奉太郎。 鏡があればその顔を映してやれるのに、と摩耶花は思うのだった。 以上です。奉太郎△ 94 :イラストに騙された名無しさん:2013/02/10(日) 04 57 57.45 ID GgXLzZGo 乙です 鷹栖亜美・・・いじめようとして自分に跳ね返ってきたら ひどいと言って泣き出すとか、ド外道やないですか
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かみさまもしらない【登録タグ VOCALOID か 初音ミク 才歌 曲】 作詞:才歌 作曲:才歌 編曲:才歌 唄:初音ミク 曲紹介 才歌氏の3作目。 歌詞 (動画説明欄より転載) 碧く爆ぜる文明が 嘘を暴く 騙されてたんだ 窓に映る幽霊は 息もできず溶けてった 生まれついた共犯者 僕らどんなに 色を消せばいい? 辿ってこれた足跡が見えない まだ純粋だったんだ 神様も知らない 振り切った走馬灯に手を振り返すまで 無感情な獣に くれてやる目などない ほらやっと気づいたんだ 神様じゃ足りない 塗り潰されてる賽を投げつけて 触れた君の手を引いてく 僕らだけの夜だ 一人一つ 目の色は 誰も彼も同じくありたい そんな顔を張り付けて 何も見えないだろう もういいかい? もういいよ 逃げ出した僕らの戦争 枯れそうな心臓が 命を歌う 笑ったまま泣いたって もう終わらせてしまえと 期待しただけ 誰も気づけずに 化け物は消えた 間違いだらけの夜だった それでも僕らは目を開けてさ まだ純粋だったんだ 神様も知らない 振り切った走馬灯に手を振り返すまで 無感情な獣に くれてやる目などない ほらやっと気づいたんだ 神様じゃ足りない 塗り潰されてる賽を投げつけて 触れた君の手を引いてく 僕らだけの夜だ 碧く爆ぜる運命が 嘘を暴く また見つけたんだ コメント 名前 コメント
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845 :名無しさん@HOME:2013/04/20(土) 12 46 31.14 0 義実家詣でから帰宅したのでやってきたDQN返しをカキコ 昔のお笑いネタなので、苦手な人はごめんね トメはすぐに「死んじゃいたい」「私なんか死ねばいい」チラッチラッな人 なんでそんなこと言うんですかーって言われたいのが見え見えで、ウザイ 今日は「新しい布団が欲しいけど高くて買えない」だった 夫は安いとこで買えばいいだろうと言ったんだけど、安いと寒いだの眠れないだのとグチグチ 要は買って欲しいんだけど察してちゃんなのでハッキリ言わないし、買ってやろうかと私達も言わないので「死んじゃえばいいのよ私なんてー」と始まった 夫、隣ではあああああと盛大に溜息を吐いた 私「どーしたのお兄ちゃん!溜息なんて吐いてぇえ」 夫、一瞬ポカンとした顔したけどすぐに乗ってくれた 夫「溜息だって出るよぉ、昨日も死んじゃえばいいのよプププー」 私「うんうん」 夫「今日も死んじゃえばいいのよプププー」 私「うんうん」 夫「明日も死んじゃえばいいのよプププー」 私「うんうん」 夫「多分10年後も死んじゃえばいいのよプププー!毎日毎日おんなじことの繰り返しで、お兄ちゃん生きてる気がしないんだよぉおお!」 私「そんなことないよお兄ちゃぁああん!!」 大声出して立ち上がり、いいからいいから~、テリーを信じてぇ~に合わせて夫を立ち上がらせ帰り支度をし、玄関で靴を履かせた そして「これで帰れるよお兄ちゃぁあん!!」 夫「おぅそうだったぁあー!!」 2人で生きてるってなんだろ生きてるってなぁに、と歌いながら帰ってきた トメは、え?え?ちょっと待ってよと後を着いてきてたけど無視して帰ってきた スッキリした 夫の携帯が光ってるけど何故か音は鳴らない 846 :名無しさん@HOME:2013/04/20(土) 13 06 13.06 0 ネタが分からないトメからしたら まったく意味が分からないんじゃね? お互い察してちゃん乙 847 :名無しさん@HOME:2013/04/20(土) 13 10 11.16 0 元ネタが全くわからないから何が何やら。 なんかのテレビのお笑いのだよね?確か。 生きてる云々のフレーズだけ聞いたことあるような気がするけど。 848 :名無しさん@HOME:2013/04/20(土) 13 24 19.85 0 845 激しくワロタ こんな夫婦いいなぁ 849 :名無しさん@HOME:2013/04/20(土) 13 25 08.65 0 テリーとドリー?古すぎだろ せめてミル姉さんにしとけ 850 :名無しさん@HOME:2013/04/20(土) 13 32 13.05 0 845 GJ!!!!!! 世代ドンピシャだった私くそワロタwwwwww 856 :845:2013/04/20(土) 15 49 54.41 0 古いネタでごめん gjくれた人ありがとう 死んじゃえばいいのよーにそうしてみてくださいと言ったことは何度もあるんだけど、どぉしてそんなこと言うのぉと 泣き出して余計めんどくさいことになるので最近は放置してた しかもこれが始まるとなかなか帰れないので始まる前に帰るか終わるまで待つかだったから、今回さっさと帰って来られてスッキリしたんで書き込んでみた トメが分かってなくてもいいんだ 次のお話→237-876
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/ ̄ ̄\ / _ノ ヽ、_ \. | ( ●)(● ) |. | (__人__) │ | `⌒ ´ |. | |. ヽ / iヽ / i | ー-―' _| ,,,,,,,.... _,,. -‐''"´ ゞ `゛''‐- .,,_ __....,,,,,,, / /"" ー‐---、 /ー‐--- "''ヽ ~ヽ、./ ヘ / ソゞ Y ゝヘ ヾ iii ミ Y 〆ミ ミ|彡 三ヽ ソ /iヽ 人 入___ 水 》 ノヽ/¦ 丶ヘー ヽ_三 __彡|ゞ,,__ /ゝ' | ||ヽ || |ー―┬ーー''""''''''ー┬ー--‐/| ヽ、 || | |ミ< ヽ、___ ;; _ ノ 彡 / |/|名前:尾筆やらない夫AGE:26プログラミングで働くことが夢であった青年会社を首になり、ノマドワークも失敗、最終的にネットバトラーになった恐ろしい程の筋肉を持つが、それは『健全な肉体には健全なコードが宿る』との彼の信念故の物であり基本的に肉体的に戦ったりはしないらしい彼の本当の苗字は………【オペレータースキル】精密指示:デフォルトでナビの精密性を15上げる、また1戦闘に2回精密判定を強制成功させる【人間スキル】人間スキルは自動発動する他、自由安価で宣言することによって発動するプログラミング86%:天才ではないもののかなりの水準である、しかし彼はそれを生かすことが出来なかった範馬5%:強靭な肉体99としても作動、筋肉が強くなる 1000と、情報開示によって生まれた偽装及び変装65%:同性なら別人に成りすますことが出来るレベル、あるいは異性も…脅威、違和感把握75%:カン、目ざとさが高い胸囲把握66%:胸を見るだけで胸囲を少なくとも10㎝代で測ることが出来る、それ以下は判定嫌がらせ99%:悍ましいまでの嫌がらせの才能、偽装能力も相まって一人いじめが可能挑発55%:ウザァァァァい!説明不要!料理60%:ちょっとした料理屋のコックに成れる並列思考47%:沢山のことを同時にする才能機械修理60%:簡単な故障なら修理可能空間把握能力70%:空間を把握できる彼はナビが板野サーカスを始めても指示を続けられるだろう【所持品】旧式PET『Pip-Boy2929』ネットナビ『スコープドッグ』ネットナビ『マンダム』ネットナビ『筋肉番付子』 | l _,――-,|、 | / \ | / ゙l/′ ._, ―─ー-,、 r,jl",,,―, ,,r"゙广ヾ ,/ `''i|.|‘・○゙i、,|―‐''" | .| | / .,/ ̄タ ヾ 二ヽ l`,!ノ│ ,i 、ノ'「 ○ ((,,;;;;))| ."i_ノ─―-l'" ̄.| i ,,/" ゙l、 = ,,∠r‐'" / . i|│ .i / `ー =━=ニ゙‐'゛ . ./ .l| \___|/ / . l ゙|''ニミ,,イ / │` | .l゙ リ―----,,,,,,,, ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,i´ `‐ | .| ` ゙゙゙゙゙゙゙̄'''''''''''''¬―┐゙l、 .i . | / ヽヽ ./ `゙''┤ ,/ ヽヽ ` .,/,| /.. ヽヽ ./ / ,l゙゙厂 ̄.''''''''''―――l゙ . /` ̄ ̄ ̄名前:ベルセルガ旧名、スコープドッグ元は汎用戦闘型ナビ『スコープドッグ』だった武装、装甲、機動力を大幅に改造されており、究極奥義『マッハパイルバンカー』を使用可能第一部終了後、改造され、新しいナビになったらしい , --- 、 , ―――‐ 、 /. _ --―‐ 、 \ ´ \ `¨¨¨. 、 /. ′ \、 | . / / i| }、 \ ̄ ̄ ̄ 7、 | /. ′ i{ | \ ′ __/ }/ { / { ハ |. ┳┳ i| \_/ |/ 、 ′ /┳┳\.i{. ┗┛′ i| 八 / | ト、┗┛ 、_} リ `. | | lへ つ ._|___| .′ . | `. } __ ´ i} |/ 、{ , ¨¨¨ i} λ \.{ 八 i} ノ ′, . _ ¨从`¨¨¨¨¨¨¨¨ . . ′ . _ ¨ j{ | | . , _ ¨ 」{ | | .′ ′ | / | ′从′ , } / ノ. / / / λ .′ ∨ } { { / }、 名前:筋肉番付子 ドラム缶に入っていた女性型自立ナビ かなりのオブジェクト作成能力を誇るが、名前もあって不遇 マンダムほどではない _ / \ / | / \ | ∨ | 、__,ノ⌒丶| ,> ´ ̄ ̄ ̄`丶| }⌒ ー一=彡 \ /| / 〃 |\ \\ \ ー< /⌒ { / | 八 |,x≪\ Vハ―‐く \ /,,,-=ニ⌒フl ,ハ|,≫x、\| _笊`Y|\|小 \_ | /〃 -=彡く | / 〃_笊 Vり ,从 h \_;/― 、 | { ⌒ x―┴x从 Vり "´ | | } `ヽ |∨ これが…私? ______ /. . . ((;;) . .\"´ r ⌒ヽ | |ノ } | -‐=ニ二二ニミx . . . . . . . . . . . . /\} ヽ 、 丿 /| , x―― 、 ノ ′ _/⌒\ ̄ ̄`丶\\((;;)/. . . . .| . .| .. _ . イ/ノイ/. . . \. . . . . .\ | /´ } \=-、 \\\ . | . . . . . | . .|ノノ⌒○^ヽ\ . . . . .f  ̄\. . . . . .ヽ -====- 、 | { /⌒\ ノ . . .\ ヽ ∧__;/. . .|-=ニニ==ニニV| . . . . | . . . . . .} . . . ./ ,. -=ニニ=- 、\ | | /∨ 〉、_/ } . \ . . . . ||| . . . , ┐ / } } }o} } } | . . . . L . . /. . ./ /. /厂 / ̄`ヽ\ | { . . .\ / }\⌒ヽ . ヽ | ||| . ./ |イ{ { { }o} ノノ人 . . . . . ./. . . . / /. . | {__/\__八 | \ . . . .Y / } }_}| | |ー| / ̄〉ノノ /oノ } }⌒ ,ヽ . .厶=-‐| | |. . . |_/\_,/. . . } | | \ . .\_/ ハ , . . . |l // /ノ∨ /⌒ ー=≠=-く |\\_,//| | |. . / /\_ /. . . .// | | | | {\ . .\__/. . } /. . . . |// /_/^彳| ,,-、 ヽ人;ノ 7、\{八 ヽ \{___,/. . . .// // 、 、\ . . . . .//. . . . .人{/ ||___//\\ |∨ |\\ ヽ\\___,/ // \ \\  ̄ ̄` ー//入_ |__/ || \\| | | }\ ̄\`ー=ニニ=‐ ´/ ` ー=ニニニ=‐ ´ (__フ⌒)ー | ’ ` ー┘ 人ノ ∧}, へ、二二二二´  ̄ ̄ ̄ ̄ __/⌒ ー‐く ー 、_ノ/ __,// / /. . . ./| /. . , .へ、 ノ^ー≠=====z_ ー=≦/ _く,/. . /(;| /. . . く .(;;;) .\ / /  ̄厂 ̄ | . . . . . ./. . . . / . . . . . . . . \ . . . . . .\/ | . . . . . | .  ̄/(;;;)/} { . . . . . . . . . /\ .(;;;) .〉} /| . . . . . . 、___;/}}, イ / ̄ . .< ̄\ /. . . .\/ / { . . . 、 . . . . . . . . . . . // \ /. . . . . . . . . .\ \ . . . . ./ 〉 . . . \___,;//. . . . ,xく 〈. . . . . . . . . . . . . . .` . く_;ノく l . . . . . /´ ̄ ̄| . . . . ./ .\} \ /  ̄`≫ .、. . . . . . . . . .\ . .〉 | . . | . . \ . . . . .| . /\ . . . . .ヽ . } ∧ 〃 . . . . . ,≫ . ._;/ / \| . . . . . . ̄ ̄\___\// | . .` .ー|! . . . . 〃___/. . / ` ー- 、 . . . . . . . . / | . . . . . .L . . ./. . . . . . . . . . /  ̄ ̄ | . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 名前:マンダム 旧名、SASUKE子 やらない夫が若気の至りで改造しまくったネットナビ、重すぎて大学のPCを破壊した実績がある 現在はやらない夫の『実行を止めるのはAIにとって殺すのと同じ』との信念に基づき、封印されている}
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/ \ |\_ _ノ .| |( ●) (●)| _| (__人__) | ,-ヽ、ヽ `⌒´ />..、 r ´ , -ヽlゝ /ゝl `>、. / \ ∧ ∧ /ヽ| l / 「´ /∨ `| <゙ \ / ,/| | / // | / ,、 \ / / | | / . |.| /| / / .\ \. / / / |/ |.| /| / | \ \ . / / | /` |.| |/ | \ \ / / /´ / |.| | ∧ \ \ . /彡\ / / / l. |.| | ∧ \ /_ゝ、 (/\)/ / / | // . ∠| ∧ |(/ヽ} /ヽ/゙´ | / ̄| .|.| —‐| ∧ ` X/\. / / | / 〈 二|.|二´ ∨ `\ \ \/ / .∨ / ∠、_/l\__∨ / ̄ .\ \ / ∨ / . リ ∨/ \ \./ / . /∨ . ∧ \ \ / / ∨ . ∧ \ \ / . / ∨ . ∧ \ \ / . / ∨ . ∧ \ \  ̄ ´ AA元ネタ 2ch派生 クラス:シーフ 二つ名“変幻”(ヴァリブル) やる夫の幼なじみ、カルテットの一人、カルテット-1メンバー、珠姫の兄 霊器「混沌原理(カオス・ストリング)」所持 『これまで見たことのある全ての武器』を再現する能力を持つ ハンドルネームはNAIO-YARA 気功によって一時的に体型を変えることができる さすらいのトラック運転手兼冒険者にてゲルマン流忍術の使い手、シュバルツ・ブルーダーとはイッサイカンケイガゴザイマセンヨ? カルテット-1脱退、紅美鈴の元で修行中(十二話) ファイター適正:S シーフ適正:S+ ウィザード適正:B グラップラー適正:S++ サムライ適正:S 878 名前: ◆8BbAD6KiAg[sage] 投稿日:2014/02/17(月) 22 13 38 ID 10vz1ngY [7/11] 運営記のやらない夫は才能はあるけど、 自分を認めてくれる人がいないと心が濁っていくタイプなんだよ……w なので自分を認めてくれて、しかも現在の自分より格上の美鈴が最適。 逆に振り回す系の嫁はあまり他人の才能や努力を認めないので、 一見上手くいっているように見えても徐々に濁っていく。 つーか、それが前世のない子。
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ツンデレがいる。 「――勘違いしないで。そりゃ、私の言い方もマズかったけど、とにかく、誤解なのっ」 一瞬の錯覚はやっぱり錯覚でしかなくて。 この世界はやっぱり三次元でしかなくて。 「ただ、あいつらが……私とあんたが仲が良すぎて間に入れそうにないだとか、私らにはお互い さえいれば恋人なんか必要ないだろうとか……」 「……」 なのに私の目の前には。 二次元にしか存在しないはずの、ツンデレがいる。 「べ、別に私はそんなのぜんぜん気にしてないのよっ? ただ、あんたはどう思うかな、って…… 別に心配したわけじゃなくてっ、だから――」 「……」 いや、ちょっと違うかな。 これは、ツンデレというよりは。 「だから、つまり――ほら、あんただったらそんなの聞いたら、なに言い出すかわかったもんじゃ ないじゃない? だから下手なリアクションをしないように釘を刺しとこうと思って……」 「……」 そうだ。 これは、このひとは。 「――あぁもうっ!! あんたも何か言いなさいよっ!!」 かがみだ。 私のよく知っている、柊かがみが、ここにいる。 「何かって……」 まぁ、言いたいことはとりあえず一つしかないんだけど。 言いたいというか、訊きたいというか。 「えっと……かがみ?」 「な、なによ」 「抱きしめて欲しいの?」 「そっ……!」 あ、沸騰した。 「そんなこと言ってないわよっ!!」 「いや、言ったじゃん。思いっきり言ったじゃん」 「だっ、だからそれは――言い間違いよっ!」 また、それ? 「だったらホントは何を言うつもりだったのさ」 「それは――だからっ! 今それを説明してんでしょうが! 黙って聞けよっ!」 「や、だって。何か言えって」 「うるさいっ!」 「……」 なんか、もう。 さらに支離滅裂になってる。さっきまで以上に言動が意味不明だ。 だけど。 わからないのに。かがみが何を言ってるのか、やっぱりさっぱりわからないのに。わからないという 点ではさっきまでとまったく同じなのに、気持ちがぜんぜん違う。 足元が砕け散りそうな不安も、泥が凍りついたみたいな胸のしこりも、まるで湧いてこない。 きれいさっぱりなくなったってわけじゃなく、まだ少し引きずってはいるけど、新たに湧いてくることは なくなった。 「だから……つまり私は、釘を……――そう! それよ! あんたが噂を聞いたときにちゃんと対応 できるように! この件に対しての二人の認識を共通のものにしておこうと思ったのよ! そのため にあんたがどう思うか聞きたいの!」 「はぁ……」 いやそんな、「上手く誤魔化してやったぞ! これでどうだ!」みたいな顔で言われても。 って、あれ? なんか、わかる。 かがみの考えてることが、言葉の裏に隠そうとしてることが、なんとなくわかる……気がする。 「……私が、どう思うか?」 ちょっと試してみよう。 「そ、そうよ。答えて。正直に」 「さっき言ったよね? イヤだって」 「……」 あ、落ち込んだ。 予想通りの反応だ。 「ん~……でも、」 なら、こういう仕草をすれば、 「で、でも、なに?」 やっぱり。ちょっと持ち直して、期待するような顔になった。 その顔に向かって、ムフフと笑ってみる。 「かがみと、って部分だけは、ちょっと嬉しいかな」 「っ……!」 おー、赤くなった赤くなった。 となれば次に言ってくるのは、 「あ、あんたが――」 そんなことばっか言うから変なウワサを……って、あら? 来ない。 震える唇をぎゅっと引き結んで、言いかけた何かを押しとどめて飲み込んで、かがみは私から 顔を背けた。 「――すぅっ……、……はぁ……――」 深呼吸。 制服の胸のあたりを片手で握り締めて、上半身をフルに使って呼吸を整えてる。 落ち着け、落ち着くんだ……と、自分に言い聞かせてる、みたいな。 しばらくそうやってから、おもむろに顔を上げる。まだかなり赤いけど、真剣な顔。 「……それは、どういう意味?」 「どう、って……」 戸惑う。 また、ちょっとわからなくなった。 「真面目に、正直に答えて。それ聞いて私がどう思うとか、そんなこと考えなくていいから。ってか また変な気を回したりしたら今度こそぶっとばす」 強い口調。 強い視線。 なんとなく緩んでいた空気が、再び張り詰めたものへと戻っていく。 「え、えっと……」 「……」 「と……とりあえず、座っていい?」 一旦逃げる。 でもそれも「正直な気持ち」だ。かがみもさっき言ってたけど、立ったままじゃ喋りにくい。 「……そうね」 少しだけ眉をしかめてかがみが言うのを受けて、なんとなくほっと息をついて、ベンチに座りなおす。 さて……と、あれ? 紅茶がない。 慌てて首を巡らせて――すぐに見つけた。地面に落ちてる。中身がぶちまけられてる。 いつの間に…… 「ほら」 と、目の前に緑色が突き出された。緑茶のペットボトルだ。 顔を向けると、自分も座りなおしてたかがみが差し出してくれていた。 「あ、ありがと」 素直に受け取って、ひとくち。 まろやかな渋みがするりと喉に落ちていく。 おいしい。 この銘柄を飲むのは初めてじゃないけど、こんなに美味しかったっけ。かがみがくれたからかな。 って、そーいやこれ、間接キスだ。 「……」 まぁ、どうってことないけど。 「――それで?」 「え?」 「どういう意味なの?」 「あ……あぁ、うん」 そうだった。 意味。 ヘンなウワサを立てられるのはイヤだけど、それが「かがみと」って部分だけはちょっと嬉しい。 さっき私が言った、その意味。発言の意図。 それは…… 「……面白い反応、してくれるかなって、思って……」 「……」 「い、いつものかがみみたいな……だってさっきまでのかがみ、ちょっと怖かったんだもん」 「……」 なんで、何も言ってくれないの? ホントだよ? ウソなんか言ってないよ? それとも、こういう答えじゃ、だめなの? 「……はぁ……」 ため息。 心臓がきゅうっと締め上げられる。 「じゃあ、質問を変えるわ」 「え……?」 「あんた、私のこと、どう思ってるの?」 喉が、詰まった。 息ができない。 日はすっかり落ちて、辺りはもうだいぶ暗いけど、至近に迫ったかがみの顔は、よく見えた。 眉がきつく吊り上がっていて、口元は固く引き結ばれていて。 だけど、ほんの少し、震えてた。 緊張、してるんだ。かがみも。 同じなんだ。私と。 「ぁ……」 息が――できる。 わかる。 こういうとき、何を言うべきなのか。 どんな答えが望まれているのか。 でも、本当にそれを言っていいんだろうか。 遠慮はいらない。気遣いもいらない。かがみはそう言ってくれたけど。 この気持ちは、本当に言うべきことなのか。 これを伝えるべき相手は、本当にかがみで合ってるのか。 わからない。 けど、たぶん。 言えるのは、たぶん、今このときしか、ない。 「わたし、は……」 口を開いた――――まさにその瞬間! ――みっ、みっ、みらくるっ、みっくるんるんっ♪ ズコーっ!! 突如鳴り響いた調子っ外れな歌声に、冗談抜きでズッコけた! 「なにっ! いったいなにっ!?」 いや私の携帯の着うたなんだけど! いったい誰なのこのタイミングで! 「……」 ああああかがみも呆れてる。 ――すーなーおぉに~スキーとー、言ーえーなーいーキミーもー、ゆーうーきーをーだぁしーて~♪ うるさいよっ!! 喧しい二つ折りのキカイをポケットから引っ張り出して、へし折らんばかりの勢いで開いてやると、 液晶のディスプレイに表示されていたのは、 「……もしもし」 『ああ、こなた。なにやってるんだこんな時間まで。心配するじゃないか。遅くなるときは連絡入れろ って、いつも言ってるだろう』 「……おとーさん……」 だった。 『え? ……な、なんだ? どうした、こなた』 私の発した、なんかドス黒い声に、スピーカーの向こうで戸惑う気配。 息を限界まで吸い込んだ。 「――空気読んでよっ! せっかく良いムードだったのにっ!!」 我ながら無茶を言う。 『はっ!? ちょ、ちょっと待てムードってなんだ! 誰かと一緒なのか!?』 「……。今日、遅くなるから」 『なっ……!? ま――待てこなた! 男か!? 男なのか!? お父さんそんなの認めな』 ぶつんっ。 終了ボタンを力の限りに押し込んで強引に通話を終わらせる。そのまま電源も切る。 まったく。 今度こそ誰からの着信も逃すまいと音量を最大にしといた結果がコレだよ。 「ちょ、ちょっとこなた」 「ん?」 「なに、やってんのよあんたは。おじさんなんでしょ? そんな言い方したら誤解しちゃうじゃない」 誤解、か。 「いーんだよ。誤解させとけば」 携帯をポケットにしまう。 うん、誤解だ。 だから助かった。 「いいわけないでしょ。――ああもう」 「いいんだってば」 自分の携帯を取り出そうとするかがみを、そっと手で押さえる。 「それより、聞いて。返事するから」 「あ……」 はっとして、かがみは素直に手を止めた。 その顔をまっすぐに見つめながら、今度こそ正直な答えを、私は言った。 「かがみのこと、私は好きだよ」 「……!」 吊り目が見開かれる。 私はそれから目を逸らして、また正面を向く。顔を――反応を見ながらじゃ、この先は話しにくい。 「私さ、さっきまで様子がおかしかったでしょ」 そうだ。今ならわかる。 さっきまでの私はマトモじゃなかった。冷静なつもりで、でも決定的なところが狂ってた。 「……うん」 「それね、かがみと離れなきゃいけないって思ったからなんだよ。たぶん」 もう友だちじゃいられない。 二度と寄りかかっちゃいけない。 そんなことを思って、拗ねて、自棄になってた。かがみや他のみんなのことを考えているつもりで、 だけど本当のところは何も信じられなくなって逃げ出そうとしてただけだったんだ。 さらにはその反動なのかなんなのか、雰囲気に流されて間違ったことを口走りそうにもなったし。 「そのぐらい、かがみのことが好きなんだと思う」 向き直る。 かがみは息を呑んでいた。 自然と微笑むことができた。 「でもね、安心していいよ。だからどうしろとか、そういうことは何も言わないから」 「え……?」 「好きは好きだけど、友だちとしての範囲内だから。付き合いたいとか、恋人になって欲しいとか、 そんなことは思ってない。私はかがみのこと、そんなふうには、見てないから」 そう。 それが本心。それが誤解。 その証拠に、例えばこうして真正面から顔を見つめてても胸が高鳴ったりとかはしないし、唇に 目を奪われたりってこともない。だからこそ、間接キスぐらいならどうってことなくできてしまう。 セクハラまがいのスキンシップも、あくまで反応が面白いからやってるだけ。 私が性的な意味で女の子に萌えるのは、やっぱり二次元限定でしかないんだ。 「……だったら、『私と』って部分が嬉しいってのは、なんなのよ」 眉を寄せてかがみが訊く。 それは―― 「それは、正直よくわかんない。――ただ、」 「ただ?」 「うん。ただ、これが例えばつかさやみゆきさんとって話だったら、喜べなかったと思う」 その違いはなんだろう。 二人のことももちろん好きだけど、かがみに対するそれと、何が違うんだろう。 方向性か、それとも度合いの問題か。 「私は、つまり……」 「うん?」 「つまりあんたから見て私は、つかさやみゆきとは別ってこと?」 「ん……そ、だね」 やっぱりよくわかんないけど。 「かがみは、特別かな」 「……」 かがみが顔をしかめる。難しそうに。 「そんな顔しないでよ。性的な意味でってわけじゃホントにないんだからさ」 「べ、別にそんな心配してないわよ。ただ……」 目を逸らされた。 「ただ?」 「私も……たぶんなんだけど――その前に。お茶返して」 「あ、はい」 そういえば借りっぱなしだった。差し出して、突き出してきた手に握らせる。 「ありがと」 「ちなみに間接キスになりますが、よろしいか?」 試しにそんなことを言ってみる。けど、 「…………んなもん、今さら気にしないわよ」 動揺はほとんど見られなかった。 言葉どおり、そのままひとくち。動作が若干わざとらしいってゆーか、逆に見せ付けるように唇を 突き出し気味にしてる感じがしないでもないけど。 「むぅ、つまんない」 「茶化すな。――ってゆーか、私も同じなのよ。たぶん」 「え?」 「だから、」 また、ひとくち。 「私もあんたのことは、好きか嫌いかで言えば好きだけど、あんたと同じで変な意味じゃないってこと」 「……。好きか嫌いかの二択なら、好き?」 「そうよ。悪い?」 「うん。悪い」 思わず、といった感じで向き直ってくる。 軽くショックを受けたような顔。 「好きか嫌いか、どーでもいーか。三択で答えて」 「んなっ……!?」 ショックが重くなった。 目を見開いたその顔に、ムフフと笑みを向けてやる。 「あーごめんごめん。ツンデレにはちとキビシー問題だったね」 「だから私はそんなんじゃないって!」 「じゃー答えて?」 「っ……!」 あっさり引っ掛かった。 うわ、なんか、やっぱ、楽しい。 「……嫌いじゃないし、どうでもよかったら今ここにいないわよ」 苦虫を噛み潰したような顔で、背けて、ぼそぼそとかがみは答えた。 「むぅ……まぁいいでしょう」 「なんで偉そうだよ」 腕を組んで反り返ってやると、ジト目で睨んできた。 そしてため息。 「ってゆーかね、そんなことはわかってんのよ。問題なのはその先なの」 「先って?」 「だから――」 吐いた分よりさらに大きく息を吸い込んで、かがみは再度、私の目を見据えてくる。 真剣そのものの眼差し。 だけど気圧されることは、もうなかった。 「私は……私も、あんたのことは普通に友だちだと思ってた。――つかさの、とかじゃないわよ? 最初はそうだったかも知れないけど、今は違うんだからね」 「……うん」 うなずく。 素直に、信じられた。 「……。でも、あいつらが噂してるのを聞いて、わかんなくなったのよ。私にとってあんたは、本当に “ただの友だち”なのか、って」 そういえばさっきから何度かそんなことを言ってた気がする。けどやっぱり、よくわからない。 「どういうこと?」 「例えば……他の、みゆきとか日下部とか峰岸とか相手なら、それで納得できるのよ。友だち―― ううん。親友、かな。でもあんたの場合はそうじゃなかった」 「私は、親友じゃない?」 「違くてっ。……別に、親友でもいいわよ。あんたさえ良ければ」 ツンデレだ。 「ただ、それだけじゃない何かがある気がするの。ただし、れ、恋愛感情とかじゃないわよっ。それ は何度も考えたし確認もしたから、間違いないわ」 どもられると説得力ないんですが。 ってゆーか、 「確認って、どうやって」 「……今もやってるわ。正面から顔見てもドキドキとかしないし、さっき教室で手とか握られたけど、 それも別に平気だった。恋愛感情だったらそれじゃ済まないでしょ?」 「……」 なるほど。 一概には言えないんじゃって気もするけど、私もそれはおんなじだしね。なんとなくわかった。 でも、 「ええと、つまり……」 声をこぼしつつ、思わず首を捻る。 「それが何か、マズいの?」 「マズいってゆーか……つまり私は、私とあんたの関係を、はっきりと定義したいの」 わかんないなぁ。 言ってることはだいぶ理解できたけど、かがみが何にそこまでこだわってるのかが、いまいち ピンとこない。 「親友、じゃダメなの?」 「だから……」 額に手を当てて、呻くようにため息。 「別にダメってわけじゃないけど、それだとみゆきとか日下部とか峰岸と一緒になっちゃうじゃない。 あんただけは、なんか違うのよ」 「そりゃ違うでしょ。私とその三人とじゃ、タイプがぜんぜん」 「それを言うなら三人ともそれぞれ違うでしょ。あんただけおかしな方向にズレてるの」 「おかしな方向って?」 「それがわからないから言ってんでしょうがっ」 どうしろと。 「……意識しすぎなんじゃないの?」 「どういうことよ」 「だから、その――男子たち? ソレがヘンなウワサしてるの聞いたせいで、釣られてヘンに意識 しちゃってるだけなんじゃ、ってこと」 「……その可能性なら、私も考えたわよ」 「でも違った?」 「うん」 頭を抱えたくなる。 なんなんだ、それ。 「ってゆーか、あんたは気にならないの? あんたも似たようなもんなんでしょ?」 「ん? ……うん。かがみだけは特別だよ。でも、それで十分じゃない? 特別な親友」 「……でも、それじゃ……」 「なに?」 「…………それじゃ、困るのよ」 わっかんないなぁ! もう! さっきまでとは別の意味で食い違ってる。なにかこう、根本的なところでズレがあるってゆーか。 そーいやかがみって元もとは理系なんだよね。私たちと同じ組になりたいから文系選んだって だけで。その辺りが、関係してるのかな。 なんてゆーかこー、数学的ってゆーか、方程式とか化学式みたいなものを人間関係にも適用 しようとしてる、みたいな。冷たいってわけじゃなく、それがかがみなりの誠実さなんだろうけど。 でも、だとしたら私じゃ力になれないよ。 「――ってかさ」 「うん?」 私の声に、難しそうな顔がこちらに向く。 「別に今日中に答え出す必要とかないなら、続きは明日にしない? もう真っ暗だよ?」 「あっ……」 そして慌てたように周囲に巡らせて、うなずいた。 「……そうね。ごめん」 「や、いいけど。――よっと」 弾みをつけてベンチから立ち上がって、放ったらかしだった紅茶の缶を拾う。 あーあ、ほとんどこぼれちゃってる。もったいない。せっかくかがみが買ってくれたのに。 えっと……あれ? ゴミ箱がない。撤去されちゃったのかな? ま、いーや。どっか途中にあるだろう。 「……悪かったわね、ヘンなことに付き合わせて」 自分も立ち上がりながら、ぽつりとこぼすようにかがみが言った。 「いいよ。必要だったんでしょ?」 「うん……」 煮え切らない声だ。 表情の方は、よくわからない。暗いし。 「ま、確かに解決しなかったけどさ」 だから歩み寄った。 「でもコレって、たぶんそんなすぐに答えが出るような問題じゃないと思うよ? だからとりあえず、 今日のところは問題の共有ができたってことで満足しとこーよ」 そしてにっこりと笑いかけると、しかし目を逸らされてしまった。 「……そう、ね」 むぅ。 なんだろう。まだ何かあるのかな。そんな態度じゃまた不安になっちゃうよ。 「ねぇ、かがみ」 「ん……?」 「一つお願いがあるんだけど」 「……なに?」 視線が戻ってきた。 少し安心する。 だけど、まだ足りない。 「目、閉じて?」 言うと、かがみは一瞬きょとんとして、次にぎょっとなって、一歩下がった。 思わず苦笑いだ。 「そんな警戒しないでよ。別にキスなんかしないからさ」 「そ、そんなこと思ってないわよ……でも、本当でしょうね」 「信じてってば」 「……分かったわよ」 諦めたように息をついて、そして一歩下がった体勢のまま、かがみは目を閉じた。 それを確認すると私は、まず空き缶とカバンをベンチに置きなおして、それから。 抱きついた。 「!?」 あったかい感触が小さく跳ねた。 「ちょっ……!」 「じっとして」 三次元も捨てたもんじゃないね。 こうして触れあって、温もりを感じることができるから。 「じっとしてじゃないわよっ。い、言い間違いって言ったでしょっ。私は別にこんなこと――」 「私がしたいから、だよ。――言ったでしょ? お願いだって」 「……っ」 それほど力は込めてないから、振りほどこうと思えば簡単にできるはず。 だけどかがみは、胸を大きく上下させながら、逆に身体の強張りを少しずつ解いていってくれた。 嬉しい。 「ねぇ」 「……なによ」 「その、定義? はともかくとしてさ、つまり今までどおりでいいってことだよね? 私たち」 「……できれば自重して欲しいけどな、こういうことは」 「わかってる。人前じゃやらないようにするよ。……でも二人っきりのときなら、いいよね?」 「だっ――なんであんたはいちいちそういう言い方なのよっ!」 「ふひひっ、さーせん」 ホントに、なんでだろうね。 かがみに対する私の「好き」は、あくまで「友だちとして」の範囲内だけど、実はかなりボーダー ギリギリなのかも知れない。 ちょっとした弾みで“許されざる側”に転がり落ちてしまうような、そんな危うい位置にいるのかも。 「――よっし! かがみ分補充かんりょー」 手を下ろす。 一歩離れて、ベンチから空き缶とカバンを拾い上げて――そうやって、両手をふさいだ。 「なんだよ私分って」 「別名ツンデレ分。現代人の必須栄養素の中でも最重要なものの一つだよ」 そして歩き出す。 公園の出口に向かって、ゆっくりと。 「どうやらその『現代』とやらにはお前しか存在してないらしいな」 「オーケー、ツッコミ分も確保」 「……このやろう……」 隣を歩きながら、額に手を当てて苛立たしげにかがみは呻く。 「てかさ、かがみ、顔赤いよ? ソノ気はないんじゃなかったの?」 「それはっ――そう、だけど……仕方ないでしょ、ああいうスキンシップとか、慣れてないんだから」 二人で並んで公園を出る。 「そっか。ごめんね、私は慣れてるんだ。おとーさんがあんなだから」 ――その、直前で。 「あ……」 足が止まった。 ほとんど自動的に、隣を見上げる。 「かがみ」 「な、なによ」 かがみも、あと一歩ってところで、止まった。 「かがみは、私のことが普通に好きで、でも別に興奮したりとかはない、んだよね?」 「そうだけど……え? 急になに?」 戸惑ってる。 構うことなく私は続けた。 「私もそれはおんなじ。でも、会えなくなるとか、近くにいられなくなるとかはイヤ。できれば一生の 友だちでいたいと思ってる。――かがみは、どう?」 「それは……まぁ、否定はしないけど」 戸惑いながらも、かがみは答えた。 少し曖昧だけど、答えてくれた。 だったら。 「だったら私、知ってるよ。それに近い関係を、なんて言うか」 頬が緩む。 かがみは目を見開いた。 「な、なに!? 教えて!」 勢い込んでくる。 期待に満ちたその姿に、ますます顔が緩む。気持ちが抑えられなくて、私はニンマリと笑った。 人差し指を一本、立てた。 「夫婦」 あ。 なんか久しぶりかも知れない、この仕草。 「……」 「……」 「……はぁっ!?」 あはっ、凄い顔。 パースが狂ったみたいだ。 「つまりかがみは私のヨメってことだね!」 「いやちょっと待て。なに言ってんだ、なんでそうなる」 引きつったようなしかめっ面で、早口で、かがみ。 それをまぁまぁと制しつつ、私は話を続ける。 「最後まで聞いてよ。――うちってほら、お母さんいないじゃん」 「……」 って、固まっちゃった。 うぅん、やっぱコレ関係の話ってムダに重過ぎるよね。自分じゃ個性の一つぐらいにしか思って ないのに。テンション下がるなぁ。 「そんな顔しないでってば。単に、だからうちには夫婦ってものも存在しないってことだよ」 「…………じゃあなんで、そんなこと言えるのよ」 「知らないから、考えてみたことがあるんだよ。ゆーちゃんの実家に遊びに行ったときに叔母さん たちを観察してみたりとか。そしたらそんな結論が出たわけ。好きあってるけどがっついてなくて、 でも離れたくないと思ってる、って。かがみのトコもそんな感じじゃない?」 「それは……」 お、揺らいだ。 よぉしトドメだ。 「つまり私はかがみのヨメってことだね!」 「に、二回も言うな!」 うわぁ、どうしよ。 嬉しい。ってか楽しい。 ニヤニヤが止まんない。 「そんなの――そんな、それは、なんか違うだろ! おかしいだろ!」 この反応。 これこそ、かがみだ。 「よおっし結論出たね。じゃー帰ろーっ」 公園の外に、一歩、踏み出す。 「聞けよっ! ってか! お前やっぱりわかってないだろ!」 そして歩き出すと。 かがみも追いかけてきてくれる。 「そういうことばっか言うから――って! 待てっ! 待ちなさいよこなたっ!」 名前を呼んでくれる。 「ほらかがみ、早くっ。帰り遅くなっちゃうよっ」 「だからっ! 待てって言ってんでしょうがっ!」 私が呼ぶと、答えてくれる。 それっぽっちのことが。 すごく、嬉しい。 やっぱり私は、危うい位置にいるらしい。 ちょっとした弾みで“許されざる側”に転がり落ちてしまうような、そんな位置に。 だけど実際に堕ちてしまうことは、きっとない。 ボーダーギリギリの崖っぷちだけど、そこにはちゃんと柵があるから。 たとえ全力で寄りかかっても、しっかりと受け止めて支えてくれる、優しくて誠実できれいな柵が。 「だってもうこんな真っ暗だよ? おとーさん心配してるだろーなー。誤解してるだろーし」 「あんたが自分で誤解させたんだろうが。……付き合わせたのは、悪かったけど」 ここから堕ちるってことは、その柵を――かがみを、壊してしまうってことだ。 そんなの、できるわけがない。 実行した時点で全てが無意味になってしまうようなこと、どうしてやろうなんて思えるだろう。 少なくとも私はイヤだよ。それがどんなにナイスなボートでも、絶対に乗りたくなんかない。 「でしょ? だからさ、かがみ。このままうちに来て一緒に説明してよ」 「はぁ? なんでそんなことしなくちゃいけないのよ」 私が私であり、かがみがかがみである限り、私たちが恋人関係を結ぶことは決してない。 だから、たぶんそう遠くない将来、かがみは私じゃない誰かと恋人になる。 それはきっと、辛い。 「だってこんなに遅くなったの、かがみのせいじゃん。それに最近ブッソーだし、送ってってよ」 「あんたなら平気だろ。ってか私はどうすんのよ」 でも、そうなったら、そのときは。 「大丈夫だよ」 私は、このままでいよう。 「おとーさんに送らせるから。車で」 「って、そんなわけにいかないでしょ。悪いわよそんなの。結局迷惑かけちゃうじゃない」 それまでとまったく変わらずに、かがみにべたべたしてやろう。 キミがかがみのカレシだろうが、かがみは私のヨメなんだゾって、笑って言ってやろう。 そうやって、思いっきりヤキモチ妬かせてやろう。 それはきっと、凄く楽しい。 「だーいじょーぶ。喜んでやってくれるって。その方が私も安心できるし。――おとーさんは嬉しい。 私は安心。かがみは安全。何か問題あるかね?」 相手にとってはたまったもんじゃないだろうけど、最後には笑って許してくれると思う。 かがみが選ぶような相手なら。 「……わかったわよ。そこまで言うなら、そうしてあげるわよ」 「やたっ! わ~いっ」 「だからくっつくな! ……ったく、何がそんなに嬉しいのよ」 そして何より、私とかがみが、女同士だから。 「だって今は少しでも一緒にいたい気分なんだもん。明日からはみさきちと共有しなきゃいけないし」 「っ……きょ、共有とか言うな。私が善意であんたらの世話してやってんでしょーが」 「はいはい、ツンデレツンデレ」 「ツンデレ言うなっ!」 許されていないからこそ、許される。 そんな関係を、私たちは築くことができる。 「あ、そーいやかがみは家に連絡しなくていいの?」 「ん? あぁ、つかさに言っといたから、大丈夫よ」 その関係に名前はない。 ただの友だちでもないし、恋人同士でもない。もちろん夫婦でも、パートナーでもバディでもない。 親友とも、ちょっと違う。 「むー、自分ばっかり用意が良くてズルいよね」 「うるさいわね。…………あ」 「ん?」 「あ、いや。つかさで思い出したんだけど……まぁ、ぜんぜん関係ない話よ」 そんな名前や定義なんか必要ない。 「お。いーね、ムダ話。なんか久しぶりな気がするよ」 「そうか? まぁ、そうか。――でもこれ、あんたに言ってわかるのかな?」 私とかがみは、 「なになに?」 「えっとね――」 “私とかがみ” だ。 コメントフォーム 名前 コメント ふ~む…これは、深い作品ですね…最高です!!!! -- 名無しさん (2008-11-10 20 44 21) 親友より上・・・心友?とか -- 名無しさん (2008-10-27 09 24 15) 深いです。 最高です。 -- 名有りさん (2008-10-26 02 21 53) 深く考えさせられました。 長々と書けませんが、こういう関係が実は一番好きなのかもしれません こなかが最高!! -- 名無しさん (2008-10-22 19 32 08) その関係に名前がなければ、作ってしまえばいい。 ・・・超親友? -- 名無しさん (2008-10-22 04 21 15) この二人ならきっとたとえどっちかが男でもこなたとかがみの関係は揺らがないでしょう ただ恋愛は出来なさそう こなたにとってかがみより大きい存在なんて出来る可能性は低いでしょうし 実はかがみみがみゆきが告白されたと勘違いしたと思ったままの気が つかさが同姓を否定できなかったのは誰のせいでしょうかねぇ -- 名無しさん (2008-10-22 01 05 05) 二人が一線を軽く飛び越えてしまう作品に慣れてしまった中、この様な作品はまた新鮮で違った気持ちになりますね。この二人はいつまでもこの二人のままが一番だと思います。 べっ、別に百合展開を期待してたなんてゲフンゲフン -- 名無しさん (2008-10-21 06 00 12) こな×かが、大好きですが・・・ 本当にありそうな、こういうこな×かがも、良いものですね。 ちょっと切なくて、でもある意味最良のこな×かがと思いました。 作者様、ありがとう。 -- 名無しさん (2008-10-20 14 48 11)
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止まらない想い(とまらないおもい) ■作詞・作曲:宮崎歩
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メガネって? 一般の婦女子と仲良くなる過程で必ず出てくる話題。 『どんな男の人が好みなの?』 こういう話題、凄く困ります。 私の場合、確かに一言で表わせる。 『眼鏡を掛けている人・・・かな』 でもね、これ、絶対といって良いほど伝わってないの。 『へ~。私も!ペ・ヨンジュンとか好き!あなたも好き?』 プライドに掛けて『うん』とうなずけない私は 説明を試みます。 『うーん、ちょっと違います。なんていうのかな~ もっとこう、知的な感じ?』 『ん~芸能人でいうと誰?矢嶋智人さんとか?』 『あ~・・・違いますね・・・うん。なんていうか・・・ 私が好きなのは、眼鏡≪が≫似合う人っていうより、 眼鏡≪に≫似合う人、なんです』 『・・・ふーん・・・』 はい!会話終了~! 軽快な会話を楽しむためには個人の偏屈な趣味を いちいち掘り下げる必要がありません。 これ以上多く語ることはないんです。 でも絶対に伝わってないことだけはテレパシーが 使えない私にも明白じゃよ! でもあれよな~・・・ぺが好きかと聞かれたときに 『そうだ』と言えばよいんだよな~・・・ 私も!私も!的に相手との距離も縮まろうに・・・ もっと如才無くなりたい。メガネに関して。
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アルバスじいちゃんは硬直したままだった。 そんなにおかしいか? 確かに、皆がHappy ENDとはいかないかもしれない。 見通しとか甘いと言われればそれまでかもしれない。 でもな、この魔法界はまだ救われている方だ。 どーすんのど鬼畜な世界とかドSな世界だったら。 あれは救いようがないじゃないか。 マジで笑えないほど、いろいろ考えまくってどっちにつくか考えるわぁ! でもこの世界はまだ救いがあるんだから、追及するに決まってるじゃないか。 アルバスじいちゃんが空中で動きを止めたのを確認し、周りを見渡す。 中庭に面した廊下に先生方が集まってきていた。 というより、私達の行方が気になり過ぎてガン見している。 ああ、やっぱあの大声と爆発音じゃ聞こえるわな。 「一つ聞く」 あ、アルバスじいちゃんがゆっくりと降りてきた。 『なんです?』 「今年はなぜ、大丈夫なのだ?」 『狛が素直だったからですよ。今年のラスボスは彼だったんです。ま、もう一人いますが、そちらはなんとか対処しますよ。かなりの切り札になる子だからね』 「誰じゃ?」 『来たらわかるよ。というか、あとでちゃんと説教する準備しといてね』 「誰が来るか、想像つかぬな」 『ここでは言いにくいし、的確に言えば道筋が変わってしまいますから』 意味ありげに周りに目をやる。 その視線を負ったアルバスじいちゃんは、ハッとした。 遅いって。 彼はやれやれとため息をつく。 どうやら、アルバスじいちゃんの気は収まったらしい。 いやいや、ため息つきたいのはこっちなんだけど!? 「それで、今後どうする気じゃ?」 『言ったでしょ?私は私の道をゆく。死者なんて出させてやるものかって』 「ふむ、具体的には……」 『だから言えないんですって。いろいろ変わっちゃうから。とりあえず、校長室へ戻ってくださいよ。私は今からお菓子とサンドウィッチを作ってきますから』 もういいかと、回れ右をして厨房へと向かうことにした。 背後では、セブルスとミネルバ以外の先生方がアルバスじいちゃんに駆け寄り、質問攻めにしている。 あ、シニストラ先生が病みはじめた。 頑張れ、リストカットなどさせるな。 ほどなくして食べ物を作ってきた私は自室に戻り、真ん中の引き出しを引き抜いて、奥にある隠し部屋のような空間へと入れた。 よし、これでハリーに届くはずだ。 その背後にはセブルスと狛、ミネルバがいた。 三人はソファに座り、セブルスが杖で入れてくれた紅茶を飲んでいる。 引き出しをもとに戻し、くるりと振り返った。 『お待たせしました』 「それでよいのか?」 『ええ。セブルス。これであちらに届くはずです』 「元気だといいのですが……」 『そうね、ミネルバ。それを祈るばかりだわ』 質問に答えながら、移動してセブルスの横に座る。 ちなみに狛はミネルバの横に座っていた。 「それで、校長とはあのような形でよかったのか?」 「そうですよ!一応、禪の意向が汲(く)みとられましたけれど、あれは表向きだけでしょう。おそらくは根に持っているはず……」 『あー、そうだろうとは思いましたよ?けどね、今はこれでいいんです。次の子が一掃してくれる予定なので……』 「??いったいどんな子で……」 「そろそろ教えろ」 『うーん、あくまで予定に過ぎないので……。本当に味方についてくれるかもわかりませんし……。ここはあえて言わない方が、未来を軌道修正できるかもしれません』 「つまり言うつもりはないと?」 『そういうことになりますね、ミネルバ。それに、狛、貴方ももう殺しなどしたくないでしょう?』 「もちろんですよ!私はずっとその後悔で、餓死することを選んでいたのですから!」 『ならば、なおのこと言えなくなりましたね……』 言ってしまえば、狛はその子に”操られる”末路かもしれない。 私の表情を見たセブルスとミネルバが、顔をしかめる。 え、顔に出てた? ……ちゃんと顔に出る癖直したはずなのに。 「わかりました。では今は聞かないでおきましょう。ただし、その子があなたについた時にはちゃんと教えてくださいね」 「そういうことだ。我輩もそれまでは聞かん」 『ありがとう』 「あ、ありがとうございます!」 私は微笑んで、狛はとにかく自分のせいでこうなったのかな?と流れ出、それぞれお礼を言う。 「ところで、先程まで狛が何か勉強していたというのですが、いったい?」 『ああ、算数ですか』 「……算数?だと?」 『セブルスが知らない教科ですね。まぁ、マグルの学校で扱う教科です』 「なぜ、マグルの教科など?」 「ここは、ホグワーツなのだが……」 『ずばり、そこなのですよ。確かにここはホグワーツなのですが、それ故に基本的な計算ができていないんです。例えば、セブルスの教科の魔法薬。あれいわゆる魔法の科学じゃないですか。数字がいっぱい出てくるでしょう?あれ私がやった時結構なスピードでできましたよね?算数で習った計算を応用して、ああなったんですよ??』 しかも使ったのは、小学生が使うような初歩の初歩の計算。 どーしてそこまで面倒な事をしているのか、タイミングが外れるぎりぎりに投入しようとしているのか、どうしてその量の材料を入れようとしているのか。 魔法薬の授業は、いの一番に調合終了していた為、それらの行動を観察していたのだが、ロンとネビルに簡単な計算式をやらせてみて納得した。 見事二人とも答えが間違っていたのだ。 と、いうことは数学まではいっていない基礎学力なのだという事。 一瞬『これでいいのか魔法界!』と心の中で叫びましたとも。 ええ! かなり心配になりました。 心配になり過ぎたので、とりあえずハリー、ロン、ネビルの三人にまず簡単な九九から教えることに。 いやぁ、吃驚だよねそれだけで結構時間の使い方が改善していったよ。 やればやれるじゃん!ってね。 そっから小学校卒業したくらいの計算力にはさせました。 うん! あれは疲れた。 あ、ちなみにこれ冬休みになる直前までには終わってたのよね。 若いっていいなぁ、スラスラとまるでスポンジのように吸収するのが早くって。 んで、テストには間に合うような暗算こなすようにはできていなかったけど、授業ならなんとかできていた。 「?!そうなのか……」 『え、セブルス言ってたよね。微妙な科学って。科学って数式使って解けるんですよ?証明するんだったかな。その場合は、数式ではなく化学式っていう名前になるんですけどね』 「しかし、禪。そのような教科をどうして狛に?」 『他に教えれる教科がないんですよ。ミネルバ。魔法薬なんて私には無理ですし、歴史も日本史以外はいまいち。言葉は、支障がないようだから教えなくともいい』 んで、日本の五教科のもう一つ英語はここじゃ母国語。 国語と同意義なのでいらない。 逆に日本語教えようと思ったら、なんか知らないけど知ってた。 かなり古い言葉だったけど。 「そうだったのですか……」 『まぁ、他にもやることはできるけど、人見知りになってしまったんだから単純作業から始めていく方がいいかなって。いきなり大勢の人に囲まれても、どうしていいか分からないでしょう?冷静になる為にもね』 単純作業は、他人を冷静にさせてくれる。 私そう言えば、前の世界で掃除が好きだったなぁ。 あれも単純作業だよね。 でもね、言わなかったけど……それだけじゃないんだ。 狛。 君も未来を選び取ろう? 操られるのでもなく、解らないまま流されるのでもなく。 自分で! 次の日の朝。 私はタンスの引き出しを抜いて、食料がなくなっているのを確認し、安堵した。 今日で狛が来てから三日。 夏休みはまだ始まったばっか。 狛は長生きしてるからか、結構落ち着くのが早かった。 もう、良いかな……。 謝罪するのは早い方がいい。 『狛』 そう判断して私は声をかけたのだった。 『マートル!ひさしぶり!』 「やっと来たのね!!」 ハイタッチ(?)をして、再会を喜ぶ。 え? 幽霊だからありえないって? そこは、魔法で触れられるようにしました。 ほんと、何でもありだよね魔法って。 「禪さま。この方は?」 『さま付けなくていいから』 「では、禪さんでは?」 『……それでいいわ。こちらは、マートル。見ての通り、ゴーストよ』 「あら~。今日は一人じゃなかったのね?禪、この人は?」 『狛というの』 そう言ってから、狛の耳元でマートルに聞こえぬよう、彼女がどういった状況でここにいるのかを話した。 狛の白い顔から更に血の気が引いて行くのが、見ずともわかるくらい彼の雰囲気が変わる。 一通り話し終えると、蚊帳の外にいたマートルに、狛はドケ座した。 おい! 私はそれを君に教えた事は無いぞ?! 「マートルさん!大変申し訳ありませんでした!」 「いったいなんなの?!」 目を丸くして状況が呑み込めない様子のマートル。 ですよねー。 こうなりますよね。 心の中でため息をついてから、私は呪を唱えだした。 唱え終わり魔力を解放させて、人払いと防音、ついでに幻覚を見せる魔法を展開させる。 これでよし! 『あのね、マートル。聞いてほしいの』 「な、なんなのよ?ふ、たりとも??」 私が魔法を使ったのを見てマートルは混乱しそうになっていた。 狛は未だに頭を下げたままだ。 『とりあえず、深呼吸して。ほら、すーはーすーはー』 「こ、こう?すーはーすーはー」 『そう。すー……はー……すー……はー……』 「すー……はー……すー……はー……」 促した深呼吸でダイブマートルの気が落ち着いてくる。 うん、これならなんとか行けるかな? 『マートル』 「なに?」 『怒らず、とりあえず最後まで話を聞いて』 「うん」 『この子ね。人ではないの。バジリスクっていう大きな蛇なの』 「そ、そうなの」 『それでね、ずっと暗いところに押し込められていたの』 「……」 『ずーっと、ずーっと暗い部屋に。何年月日が流れたか分からなくなった。そんなある日、この子は外に出る事ができたの』 「よかったじゃない」 『そう思う?でもね、それは悪夢の始まりだった。この子はただの兵器として扱われ始めたのよ』 「え?!」 『そうして、そそうをすると叩かれ、魔法を投げつけられた。この子は従うしかない。そうして彼は、他人を襲う事を強制された』 「……」 『彼は出来るだけ、致命傷を避け殺さぬことを選んだ。少しでも逆らおうとしたんだ。彼に、そう聞いたよ。けれど……たった一人だけ殺してしまったんだ』 「…………」 『その直後、彼はまた再び闇に閉じ込められた。今度こそ、兵器として。彼は闇の中で悔いては泣き腫らし、遂には涙が枯れ果て、生きることを諦めた』 「こめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 『これが、この子に起こったこと。そして――マートル。貴女が死んだ経緯』 「………………」 マートルは、しばらく口を開け、眼をいっぱいに開いて、ずっと謝り続ける狛を見ていた。 しかし途中から口を閉じ、難しい顔をして何かを考えている。 答えられようによっては、私は友を一人失うのかもしれない。 でも、それは前の世界では慣れっこだ。 なにしろ、友達などいるかいないか微妙だったから……。 いや、あれはいないに等しかったな……。 「事情はわかったわ。狛、もう謝らなくていい。ここで怒ってもあたしは死んだ事に変わりないの」 「で、ですが!」 「禪の説明で分かったわ。あたしが確かに一番の被害者なのだけれど、ずっと嫌な思いしてきたのは貴方も同じなんだって」 「…………」 「だからね、怨まないことにした。ここで死んで、ずーっとここにいるけれど、退屈じゃなかったし……時々物を当てられることはあるけど、それ以外は空や森を眺めたり、水の中で泳ぎ回れるし、生きていた時より、自由に動ける事ができる。今じゃ、禪が時々来てくれるし」 「すみません」 「だから、謝らないで」 「……はい」 うなだれる狛。 仕方ないよね。 事情が事情だし……。 「それで、禪。他にもこの前のように厄介事が来るのかしら?」 『貴女もお見通しなのかな?』 「馬鹿ね。あたしはずーっとここにいるからこそ、感でなんとなくわかるのよ」 『……長年の感ってやつですね。ええ。確かに次も厄介な事が怒るわ。しかもここでね』 「ここなの?」 『ええ、ここよ』 「はぁ……」 彼女はため息をついて、手洗い場に寄り掛かる。 「あら?なぜあたしったら、触れるのかしら?」 『私がそのように魔法をかけたの。ちなみに防音や人払い、幻術までかけておいたわ』 「なかなか気が利くじゃない」 『この状況にしたのは私ですし、今私はアルバスじいちゃんに嫌われていますから』 「?!どういうこと?」 『他のゴーストからは聞いていませんか?』 「このところ、ずっとパイプの中通って湖まで行って帰ってくるってこと繰り返してたから……」 『……あーそりゃしかたない。実はね、私が狛を迎えに行って仲間にしたらめちゃくちゃ怒りまして…………』 「察したわ」 『え?』 「ここでは誰しもあの校長先生の顔見たことあるもの。あの人は、なんというか……そう侮れない感じだったわ。いつも笑顔だったけど、瞳の奥は笑ってなどいない。見つめる先も、もっと別の場所」 『……そう。貴女にでも分かるの…………』 「ええ。正直、うんざりだわ。だからこそでもあるけど、あたしは禪につく」 『いいの?』 「今更よ。どうせ、死んでしまっているし、かけるなら禪の方がいいわ」 『ありがとう』 また独りにならずに済んだなと安心しながら、礼を言う。 彼女は、この五十年の間に精神的に強くなったようだ。 映画の中では精神的にまだ不安定だったようだが、去年私が介入したからか、そうなったのか? わからないが、彼女には良い方に向いていると思うので、このままにしておこう。 毎日ヒステリーでは可哀想すぎる。 「ねぇ、禪。未来って選べることできるのでしょう?」 『あー……そりゃ、いくつか選択しあるから、たくさん色々とルートがあると思うよ。絶望の未来もあるだろうけど、ものすごくいい未来もあるはずさ』 「ホント、貴女って喋り方変わってるわね。――未来が選べれる。なら、選び取るまでよ」 『あらら、言うようになったわね』 「貴女を見ていたら、そう思うようになったわ。なんか、ずっと泣いているのに飽きちゃった」 こりゃ、本当に強くなったなぁ。 以外に精神が強くなったマートルを、少し眩しく思いながら私は目を閉じて、今度こそと決意を新たにした。 次ページ:ギルデロイ対策と訪問へ
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番宣部長SP~今宵、私は宴会部長2009~で放たれた桑谷 夏子のきつ~い一言。 多くのスレ住民が傷ついた。 番宣部長SP内で視聴者からの不幸を募集し、 出演者達が応援のコメントを送るというコーナーが行われた。 桑谷 夏子は「携帯に一度も着信がありません」というお便りを紹介。 その返事として、「もう携帯いらないね!」とズバッと切り捨てた。 ひどいw 冷たいwというレスが多かったが、 さすがなっちゃんという意見も多かった。 ちなみにこの衝撃的な一言は、スレタイにもなった。 【もう携帯電話】AT-X part4802【いらないね】 http //live24.2ch.net/test/read.cgi/liveskyp/1261326125/