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クリスマスケーキ・JUCHHEIM 2008年12月25日 (木) 2008/12/25 20 49 Canon EOS Kiss Digital X 今日は妹と二人なので、紅茶もマグカップで。 ケーキはJUCHHEIM(ユーハイム)のもの。 市販のクリスマスケーキってどうも口に合わないようです。 普段は美味しいケーキを売っているお店でさえ、クリスマスケーキはちょっと……ってことが多いですね。 やはりケーキは自分で作るに限る、かな。 おいしいもの かなえキッチン : ごはん日記 2008年12月
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「わんわん大集合inクリスマス」 兵庫県の西宮市にある阪急百貨店内『阪急ハロードッグ』さん主催のわんわん大集合を、参画させて頂きました。 全部で5組のわんちゃんと飼い主様にご参加頂きました。 4つのゲームにチャレンジしていただき、 そのうち3つのゲームの優勝したわんちゃんには表彰状と景品をプレゼントさせて頂きました♪ 【仲間探しゲ-ム】 女の子のわんちゃんは女の子同士で、男の子のわんちゃんは男の子同士で!など 誕生日、クリスマスのわんちゃんとのご予定は?などを飼い主さん同士で話していただき、 仲間を見つけて、仲間同士で集まってもらいます☆ 【わんチャレンジレ-ス】飼い主さんとハ-ドルをジャンプ!おもちゃの誘惑の中を駆け抜けて、 最後にトンネルを抜けてゴ-ル!! 【わんちゃんサンタが◯◯しました!】ワンポイントレッスンでおすわり、ふせ、スピンをおさらい☆MCから出された、お題をわんちゃんに5秒以内にさせていただきます♪ 【4択クリスマスクイズ】クリスマスやわんちゃんにちなんだクイズを4択クイズで出題、 わんちゃんと一緒に答えだと思ったゾ-ンへ移動していただきます♪ 表彰式のあと、最後に集合写真を撮影し、フリータイムでお話を楽しんでいただき終了しました。 ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
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クリスマスのお知らせ 大統領府からクリスマスの使者として新しい猫士がやってきました 大統領府から共和国の各国へクリスマスプレゼントが贈られました。 鍋の国では、せっかくなのでモノではなく、 いっしょに鍋を食べ、ともに暮らす猫士と出会う仲間と出会いたい、ということで 我が国には一匹の猫士がやってきます。みなさん新しい仲間を暖かく迎えてあげてください。 クリスマスに素敵な出会いをありがとうございました! クリスマスイルミネーションのお知らせ クリスマスの期間、国内のいくつかの施設をライトアップします。 対象施設は観覧車・王城・めがにゃんこ灯台・そして駅ビルです。 家族で友達と恋人と、いつもと違った街並みをを楽しんでください。 ※ただしライトアップは状況により中止になりますのでご了承下さい。 クリスマスが平和でありますように。 r:灯火管制などライトアップをするに不都合な問題が生じていた場合は中止します。 藩国からのプレゼント クリスマスの日、藩国に居る全ての子供にクリスマスプレゼンが贈られます。 このプレゼントは国外から来ている子にもちゃんと贈られますよ! 何が届くかはお楽しみに! みんなよい子で待っていてくださいね。 対緑オーマ用避難勧告緩和 先日、東京の海法よけ藩国とリワマヒ国にて化け物が出現し、死の砂など遺跡騒ぎがありました。 その他にも緑オーマやセプテントリオンが植物を使って毒をまくなどの悪さをしています。 現在鍋の国は落ち着いているので、先日出した対緑オーマ用避難勧告については緩和するものとします。 食料生産地が不自然に盛り上がってたり、妙な停電がおきたり不自然な事件があった場合はすぐ警察にご報告ください。 なお、入国管理(身元不明などの不審人物の追跡調査)などは引き続き警戒を怠らないようお願いします。
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■楽しいクリスマスを過ごすために ・子供達にクリスマスプレゼントを贈ろう 詩歌藩国では子供達へのささやかなクリスマスプレゼントとして、ぬいぐるみを用意しています。 種類は色々、動物各種(へびがみ様にかめがみ様、ソットヴォーチェにジャスパーやエクウスも)、人形(PLやACE、職業別の人形も)などなど。 藩国内の神殿などで配布いたします。 各地の施設への配布も行いますので、希望数等を用紙に記入して政庁までお持ちください。 ・手作りのぬいぐるみをプレゼントしませんか? ご家庭で余った端布を持ち寄り、ぬいぐるみを作りませんか? 詩歌藩国ではクリスマス期間にあわせて、手作りぬいぐるみ作成教室を開きます。 お子さんへのプレゼントに、恋人とのペアドール作成にと役立つこと間違いなし。 お気軽に御参加ください。 ex.ご家庭でほつれてしまったセーターなどを利用して編みぐるみを作りませんか? 詩歌藩国ニット部の指導で素敵な編みぐるみに生まれ変わります。 ・ボランティア募集のお知らせ 上記のクリスマスプレゼントのため、当日のプレゼント配布を手伝っていただけるボランティア・スタッフを募集します。 簡単な審査を行いますので、応募は政庁までお願いします。 ・クリスマス期間の警備について T13は国内の警備を強化してきましたが、クリスマスは楽しく過ごしたいものです。 ですが、イベントだからこそ何かとトラブルが起こりやすいのも事実。 そこで、クリスマス期間は仮装した警備員が警邏に回ります。 伝統的な銃士隊衣装ですので、違和感なく町に溶け込めるでしょう。 不審物・不審人物を見かけた際にはお近くの警備員までご連絡を。 #なりすましの対策として、身分証の携帯などの対策を行います。 九音・詩歌:藩王、ボランティアスタッフ 星月 典子:摂政、企画協力 豊国 ミルメーク:衣装係 駒地真子:ニット部員 花陵:ニット部員 立花音羽:怪盗(共犯)
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ハゲ唯と憂のクリスマス ジングルベ~ル♪ジングルベ~ル♪ 今週末はいよいよクリスマス。 平沢家でもクリスマスツリーの飾り付けをやっている。 最近は LED照明の普及に伴い、クリスマスツリーも明るくて鮮やかなライトアップが出来るようになった。 平沢家のクリスマスツリーも今年からLED電球に代わり、とても鮮やかになった。 もっとも、LED電球を買ったきっかけは、例によって池沼唯の我侭だった…… ピカピカ、ピカピカ 光の見事な競演だ。 池沼唯ちゃんも色鮮やかに光るLED電球の光にとても嬉しそうだ。 唯「キャッキャッキャッキャ… (^q^)/」 憂「お姉ちゃん、嬉しい?」 唯「うれちー、うれちー (^q^)」 憂「良かったね」 「う~ん、お姉ちゃんにねだられて買ったけど、電気代が殆んど掛からないというのは驚きね~」 「怪我の功名というのかな?でも、ここでお姉ちゃんを甘やかしちゃうと調子に乗ってくるから、きちんと引き締めないと!」 だが、そうは思っていても、やはり憂は姉・唯の喜んでいる姿を見るのは嬉しいものである。 憂「お姉ちゃんも喜んでいるし、今年は良いクリスマスになりそうね……」 憂は希望を込めて言った。 憂は現在高校生だが、小さい頃に両親に逃げられて以来ずっと池沼な姉との2人暮らしをしてきた。 そのため、憂は勉学以外にも家計の切り盛りもしなくてはならず、いつも生活費を気にした生活をしていた。 しかし、今年は思わぬ形で電気代が節約できてツリーも鮮やかに光ってと二兎を得ることができて、 とても満足な気持ちでクリスマスツリーを眺めていた。 憂はもう立派な主婦である。 ツリーから光がピカピカと点滅するたびに、それに呼応して唯の禿げ上がった頭がピカピカ光る。 憂は思わず笑ってしまった… 憂「クスクス…」 唯「うーい!どーちたの? (^q^)」 唯は突然憂が笑い出した理由が分からず問いかける。 憂はピカピカ光る唯のハゲた頭を見て昔の事を思い出していたのであった…… もう10年ほど前のクリスマスのこと…… ジングルベール♪ジングルベール♪ 小学1年生の唯と幼稚園の年長組の憂がクリスマスツリーに飾り付けを行っていた。 クリスマスツリーの頂点に星型の飾りを付けようとしていたが、子供の背丈では届かなかった。 そこで、姉である唯が椅子に乗りそこから星型の飾りを付けることにした。 憂は椅子が動かないように抑える役目である。 唯「うんしょっ、うんしょっと ( q )」 憂「お、おねーちゃんだいじょーぶ?」 唯「あ゛ーあ゛ー ( q )」 唯は背伸びして精一杯手を伸ばした。 唯「あう!できた~! (^q^)/」 「あう~~」ドテッ バランスを崩した唯は、床に顔をモロに打ち付けてしまった。 唯は運動音痴のため、家や学校で良く転んだり落ちたりして痛い目に遭っているのだが、全く懲りない。 だから、唯の体はコブやアザだらけであった。 唯「うぇーーーーーん (TqT)」 この頃の唯はもう立派な池沼(発達障害)だから、小さくても煩い池沼泣きを所構わずしてしまっていた。 しかし、この場には幼稚園の憂しか居らず、その憂に慰められる始末であった。 憂「おねーちゃん、だいじょーぶ?」 唯「あう!ゆい、おつむいたーい ("q")」 憂「も~、また~」 「そんな悪い事していると、サンタさんが来ないよ」 唯「あう!?」 唯はびっくり仰天!? サンタさんが来ないということは、プレゼントが貰えないということである。 唯はプレゼントが貰えるからクリスマスが好きなのであって、飾り付けなどはどうでも良かった。 この頃から現金な池沼さんだったのである。 それにしても、これではどちらが姉か分からない。否、どちらが親か分からないw しかし現実は残酷で、重度な障害を持った唯にはこれが精一杯である。 それでも、現在と比べたら、まだ障害の程度は軽かったのかもしれない。 というのも、唯は池沼のくせに怠惰だから、僅かに宿された発達可能な能力も自らの手で摘み取ってしまっていた。 それが積み重なってしまい、18歳になった今でも平仮名が読めず、10までの数も数えられない重度な池沼になってしまったのである。 唯自身は自分が怠惰であることを全く自覚していないが、憂が唯の一部始終を記憶しており、次第に唯の怠惰を語る生き証人となった。そして、気がついた時には唯は既に手遅れで、池沼の坂を転げ落ちるような生活が続いた。そのため何時しか、姉・唯は妹・憂に全く歯が立たなくなっており、更に、唯はもはや一人では生活不可能なレベルとなってしまった。 現在では、唯の身の回りのことは皆憂の世話になって居り、憂無しでは生きていくことが出来なくなってしまった。 では、具体的に何時からか?と問われると憂も覚えていないようであるが、少なくとも幼稚園時代で既に手遅れだったようである。 それでも血の繋がった唯一の姉妹であり、また両親に逃げられて以来ずっと2人で一緒に暮らしているから、憂の姉・唯を想う気持ちは並々ならぬ物がある。 「過剰すぎるのでは?」と疑われることも多々あるが、このような生活を送ってきた憂が姉を激しく慕う気持ちが多少歪んでもやむを得ないであろう。例え唯の躾のためのお仕置きが行き過ぎて、唯が病院送りとなっても…… さて、サンタさんが来ないかもしれないと知った唯は大慌て! すぐに、クリスマスツリーの頂点にある星に向って手を合わせて、必死に祈る。 唯「さんたたん、きますよーに!( q )」 憂「もー、おねーちゃん…」 「ちゃんとしないと、サンタさん来ないよ!」 唯「あう! ("q")」 唯ちゃんは、幼稚園児の妹・憂に叱られてしまった。 唯「ゆい、おりこーさんします!」 「さんたたん、ぷれぜんと、くらさい! ( q )」 憂「おねえちゃん、おりこうさんじゃないよー」 唯「あーう!! ゆい、おりこーさん!(`q )」 唯は憂に図星を突かれ、ムキになって憂の言うことを否定する。 しかし、この様な行動が「おりこーさん」では無いことを、小学1年生の唯も分かっていなかった。 今なら憂の言うことを否定すると唯は激しいお仕置きをされてしまうが、この頃はまだ憂も幼く姉はお仕置きしないとダメなんだ、という認識はなかった。 なにせ5歳の幼稚園児である。しかし、薄々「お姉ちゃんは池沼だなぁ…」とは既に気が付いていた。 唯「うーいも、さんたたん、おねがいする! (`q )」 なんと、池沼さんはサンタさんが来るように憂も一緒に祈れというではないか! 悪いのは全て自分自身なのに、妹の憂も巻き込むとは…… 典型的な池沼的行動の現われである。 しかし、憂は唯に言われた通りにお願いする。 憂自身もサンタさんからプレゼントが欲しいが、それが、池沼な姉の巻き添えを食らって自分も貰い損ねる危険性を察知したからであろう。 このとき憂はまだ5歳なので、サンタさんを真面目に信じていても仕方なかろう。 むしろ、18歳になる今でもサンタさんを頑なに信じている唯の方が異常である。 万が一信じていたとしても、妹の憂はとっくにサンタさんが居ないことを悟り、姉の夢を壊さずに毎年クリスマスイブの夜に、唯の枕元にプレゼントを置いていた憂の行為の方が遥かに素晴らしい。 もちろん、池沼の唯はそんな憂の心優しい想いなど知る善しも無い。 唯に「憂もお願いしろ!」と言われた憂であるが、何をお願いして良いのか分からない。 憂「おねーちゃん、サンタさんに何お願いするの?」 当然の質問であるが、唯は既にそのことを忘れ、自分のプレゼントのことをお願いすることで頭が一杯であった。 唯「さんたたん、ゆい、あいすいぱい! (^q^)/」 なんと!この時から唯の願いは「アイスを一杯貰うこと」だったのか…… やはり池沼の中の池沼、10年間全く進歩が無い。非常に残念な子である。 幼稚園児であった憂も、姉・唯の願いが余りにも下らなく、情けないことに顎然とした。 お前はもっと他にお願いすることがあるだろうが!と憂は幼心に思ったが、幼い憂にはまだ反論が出来なかった。 実際、憂が思った様に、唯は他の子よりも発達が遅れていた。 言語能力や身体能力はこれまで見てきただけでも十分に遅れていることが分かるが、ここに現われているのはそのほんの一部であり、その実態は実に嘆かわしいレベルである。 知能や身体能力以外にも、体の発育も遅れていた。その一つに、唯の髪の毛はまだ全部生え揃っておらず、頭のてっぺんは産毛が少し生える程度であった。普通に見れば、ハゲているようにしか見えない。 そのために、ハゲ唯とかアホ唯とか言われ、クラスの子以外からも色々なイジメや嫌がらせを受けてきたのである。唯自身はもうイジメに慣れてしまったので、イジメられているという認識が無いが、憂が見たら明らかに姉はイジメられていた。 しかし、イジメられていても池沼泣きして直ぐに忘れてしまう姉が残念でならなかった。 そのため、憂は姉が少しでもイジメられないように心から思った。 憂「おねーちゃん、髪の毛を貰えるように、お願いしなよ!」 憂の気が利いた配慮であったが、残念ながら唯にはアイスの方が大事であった。 唯「やー!ゆい、あいすもらうの!!(`q )」 残念極まりない… 憂はもはやこれ以上は無駄だと思ったのか、自らの願いを抑えて姉のことを祈った。 憂「サンタさん、おねーちゃんの髪の毛が生えますよーに!」 ああ…なんという姉想いの妹か! しかし、生まれた環境が悪すぎた。憂のこの配慮を理解してくれる人は誰も居なかった。 やはり、名は体を表すというが、憂の文字通り憂(うれ)うべき人生である。 こうして、2人のサンタさんへのプレゼント(願い?)が出揃った。 姉・唯「あいすいぱい」w 妹・憂「姉の髪の毛が生えるますように!」 そして、夜になり唯と憂は2段ベッドに入り、クリスマスイブの眠りに付く。 なお、2段ベッドの上段に寝るのは妹の憂であった。通常は姉妹の場合、姉が上に寝る物であろうが、姉の唯は梯子が旨く登れないことがあるため、安全を喫して唯が下段に寝ていた。 上段に寝る憂が下段に寝ている唯を見ると、頭のてっぺんがハゲている様子が良く分かる。 そんなこともあって、憂はサンタさんに姉の髪の毛をお願いしたのであろう… 翌朝 いよいよクリスマス当日。最初に目が醒めたのは、憂である。 下段からは激しいイビキが聞こえてくる。それは唯のイビキだが、唯は常に鼻が詰まっているため、イビキが激しい。本人は苦しく無いのだろうか?また、煩くないのであろうか? そんな心配まで5歳の憂はしている。 クリスマスの朝だが、残念ながら唯の枕元にサンタさんからのプレゼントは無い。当然だろう…。 そして、唯の髪の毛も昨日と変わらず、ハゲたままである。つまり、2人ともサンタさんからのプレゼント(願い)は叶わなかったのである。 憂「あ~あ、またお姉ちゃん、サンタさんからプレゼントが貰えなかったのか…」 と自分のことは置いておいて、姉の悪事を残念に思ったのである。 そのとき、憂は約2時間後に、唯が池沼泣きする様子が目に浮かんだ。池沼泣きするのは勝手だが、喚き声を聞く憂はたまった物ではない。 そこで憂は考えた! サンタさんの代わりに、自分が姉・唯の枕元にアイスを置いておけば、池沼泣きせずに済むだろう…… それはそうだが、憂はまさかこれが毎年続く羽目になるとは、この時は知る善しもなかった。 憂は下段で寝ている姉・唯の目を醒まさない様に静かにベッドの梯子を降りて、台所へ向かった。そして、冷凍庫からアイスのボックスを1つ取り出した。このボックスにはアイスが6本入っている、いわゆる、お得用タイプである。 憂は今取り出したアイスのボックスを持って部屋に戻った。 ベッドではまだ唯は激しいイビキをかいたまま眠っていた。 憂は持って来たボックスのアイスを唯の枕元に置き、簡単な手紙を書いて添えた。 手紙はサンタさんからの積もりだが、流石にまだ憂は幼稚園児なので文面は平仮名だけの簡単な物である。 もっとも、その姉の唯は平仮名すら読めない池沼なのだが…… とにかく、憂の作戦の仕込みは出来た。あとはアイスが溶けない内に唯が目を醒ませば良い。 憂は姉・唯の喜ぶ姿を楽しみにしつつ、再びベッドに入った。憂は姉が起きて喜ぶのを見届けようとしたが、そこはまだ幼稚園児。直ぐに寝てしまった…… しばらくして…… 唯「ふぁ~~あ~う~(-q-)」 池沼さんが目を醒ました! それにしても、酷い寝顔だ!涎はもちろん、鼻水も垂れている。しかも、万年鼻詰りが苦しいのか、無意識に鼻をほじくった跡まである…… 唯の寝顔はこの頃から既に酷かったのだ。 寝起きの池沼さんも、だんだん目が醒め辺りの様子が分かってきた。 唯「あう!?(゚q゚)」 どうやら池沼さん、枕元にあるアイスのボックスに気が付いたようだ!! 唯「あ~、さんたたんだー!!(^q^)/」 「キャッキャッキャッキャ……(^q^)/」 唯はサンタさんから待望のアイスをいっぱい貰ったのである。この池沼にとって人生で最大の喜びであった! まあ、無理も無い。両親に逃げられ、しかも、物心着いたら既に池沼でどこへ行っても怒られまくっている人生だ。 唯は初めてのプレゼントにキャッキャキャッキャと激しい奇声をあげて、すっかり興奮していた。 一方の二度寝した憂だが、この騒ぎで否応なく起こされた。 しかし、目を開けても布団から出ずに、2段ベッドの上段からそっと姉・唯の人生最大の歓喜を見届けいた。 姉の余りの喜び様に、サンタさんのプレゼントではなく、自分が冷凍庫から持って来たという事実がバレたらどうしよう……などと、別の心配をしていた。 まったく、これが幼稚園児の妹が心配することなのであろうか? もっとも、その心配は杞憂であった。 唯は自分が「おりこーさん」だから、サンタさんがアイスをくれたと信じて疑わない。それどころか、 「自分はサンタさんからアイスのボックスを貰った!」 と、会う人に対して自慢する始末。この池沼ぶりには、幼稚園児の憂も呆れた。 結果的には、この自慢により唯は学校で更にバカにされ、イジメられる新たなネタになるとは、流石の憂も読めなかった。 一方、憂は2段ベッドの上段から姉・唯の大はしゃぎ振り見ていたが、余りにもマヌケな様子にすっかり呆れれていた。しかも二段ベッドの上からだと、唯の禿げた頭が否応にも目立つので余計に哀れな姿み見える。 憂は幼心にも、これが自分と実の姉なのか……と思い絶望的な気持ちになっていた。 自分が冷凍庫から持って来たアイスにこれ程のバカ騒ぎとは…… 残念でならない。 憂がため息をついて落胆していたら、池沼が自分の名を叫んでいた。 唯「うーい!うーい!」 唯「ゆい、さんたたん、あいすもらったー! (^q^)/」 「キャキャキャキャ……(^q^)/ 」 唯「ゆい、おりこーさん♪」 憂「……」 唯は勝ち誇ったように自慢していたが、憂はもうバカバカしくて返事をする気力も無い。これほど苦労し、姉に絶望する幼稚園児も居ないであろう。 憂が返事をせずに黙っていたら、唯が二段ベッドの梯子を登ってきたではないか! これには憂も慌てた! というのも、唯は梯子が登れないから下段に寝ていたのに、アイスを抱えながらでは登れる筈が無い。 憂「お、お姉ちゃーん!だめだよー!」 唯「あーう!だいじょーb」 と言いかけるや否や、唯は梯子から見事に落っこちた。 ドッシーン!! 唯「びぇーーーーーーん!! (TqT)」 また池沼泣きが始まった。 しかも、梯子を2,3段程度しか登っていないのに、何故か頭を床に強打してしまう運動音痴ぶり。しかし、池沼泣きをしていても、唯はアイスのボックスを離さずしっかりと握り締めていた。 まったく……何とも卑しい池沼だ。 憂「もう…」 憂は仕方なしにベッドから降りて、池沼泣きをする唯を慰める。それにしても、どっちが姉だか分からない。 (2010.12.19-12.20) 池沼唯のSS に戻る カウンター 今日 - 昨日 - 合計 -
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クリスマスレッドの壁 xmas_wall_red_0911.swf 2009クリスマス スクラッチ 期間限定 クリスマスカード コーナー 男女共通 インテリア 床・窓・壁
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圭梨 クリスマス編① 十二月二十二日が終業式だった。その日は沙都子たち(クラスメート二人、あわせて四人)でパーティーを開いた。場所はエンジェルモート。その時はクリスマス当日に休めるようにアルバイトをしていた詩音が、随分サービスをしてくれた。悟史との惚気もお盆に載せて運んできた。頼んでもいなかったのに。 次の日はレナや魅音たち雛見沢のメンバーとのパーティーだった。前日は制服も着ていたし、そうそうはしゃぐことはできなかったけれどこの日は違った。お酒に一発芸、罰ゲームというスリルを楽しむ要素が加わって、とても盛り上がった。富田と岡村のピエロぶりは笑えた。二人には人を笑わせる才能があるようだ。くっつけばいいのに。 目一杯楽しんだつもりだ。 けれど、圧倒的に足りないものがあった。 みんなの言葉を思い出す。 『圭ちゃん?』 『圭一くん?』 『圭一さんですの?』 かぁ~っと顔が熱くなる。 「?マークはついていなかったのですよ。みんな圭一と断定していたのです。梨花は往生際が悪いのです」 空気の読めない神が思考に割り込んできたのでキムチをお供えしておいた。その辛さは声を奪ってしまいかねない程に強烈なものであり、あぅあぅ喘ぐこともできず標的は地に伏すのだ。 「さて。これで準備万端ね」 あと一時間ほどでイヴを迎える。念入りに持ち物をチェックしていたためここまで遅くなってしまった。いつもならとっくに布団を敷いている時間だけれど、全く眠くないのはどうしてだろう。不思議だわ。 「何が持ち物チェックですか。わくわくしながら何度も同じものを出し入れしていただけなのです。二時間もそうしているなんて、ボクは梨花の正気を疑うのですよ」 キムチおいしい。 「もう寝ようかしら」 電灯を消し、ふと思いついてまた点ける。財布に入れた乗車券を光にかざしてみた。自分でも頬が緩んでいくのがわかった。明日、圭一に会えるんだと思って。 「り、りかぁああ……」 「あんたいたの?」 羽入が、文字では表現できないうめき声で私を呼んでいた。その通り何を喋っているか全く不明だったのだけれど、私に向かって墓場から這い出たゾンビのように手を伸ばしていたから名前を発しているのだと判断することにした。 「……」 「え? なに?」 完全に分からない。とりあえず、テレビのコマーシャルのようにキムチの箱を掲げてみた。 頬の横だといかにも辛そうな匂いが鼻孔を漂ってくる。私は何とも思わないけれど。 羽入は白眼になっていた。 さすがに怖いので、今度はシュークリームを……と思ったところで、突然電話が鳴った。 もう寝ようかと思っていたときだけに少し驚く。いつもなら羽入を巻き込んで悪態をつくところだけれど、今日はいいか。それにしても、一体なんだろうこんな時間に。 「はい、古手です」 『あ、梨花ちゃんか……?』 胸が高鳴った。 「圭一っ? どうしたの?」 『起こしちまったかな、悪い』 「ううん、起きてたわよ」 圭一との電話はほとんど夜の九時を超えない。好きに電話をかけ合いたい。でも出てもらえないと辛いのでお互いに確実に居る時間を選んでいる。九時以降はその条件に高確率で当てはまるけれど、一種のけじめみたいなものだ。……まぁ、電話代もままならないものだしね……。 『起きてたのか? もう寝てる時間じゃないか?』 「……あ、明日の準備があって」 楽しみで寝付かれないと、言えるはずもない。 『あ、梨花ちゃんそのことなんだけどな……』 「なに」 圭一の声が、ぐっと低く小さくなった。はっきりしないものの喋りからは何かを言いにくそうにしているというのがすぐにわかった。その時点で、私に対する気遣いが感じられて不安になった。返事も短いものになってしまう。 『明日……その、来ないでくれないか……?』 「……」 声が出なかった。不意に動けなくなってしまい頭だけがふらふらとした。垂れ下がる受話器のコードが目の中で回っている。 『正月には帰れるんだ。それまで、悪いけど……』 「私が、行っちゃいけないの?」 『……り、梨花ちゃんっ、泣いてるのかっ?』 泣いているかどうかは分からない。けれど悲しいのは事実だった。 「……っく」 どうやら泣いているみたいだった。弱くなったものね、と自嘲する。こういう心のもち方は久しぶりな気がする。六月を抜け出せなかった頃、世界をどこまでも客観的に見ていつも考え、行動していた。それは自分の殻に閉じこもる逃げでしかないと教えられたわけだけれど。辛いことがあったとき寄りかかれる場所ができた。それが圭一で、もしもその存在が居なくなってしまえば私はどうなるのだろう。 ふと暗闇の中で一人座っている幼い私が浮かんで、震えた。 『ぐすっ』 これは私じゃない。 「……圭一?」 『あ、ああ。実は風邪ひいちまったんだボゴホッ!』 「……」 『だから、梨花ちゃんがこっちに来たらうつしかねないと思ってだな……。クリスマスの穴埋めも考えながら、こうして電話してる』 あぁ寒い、と少し遠くで聞こえた。圭一の話を理解するまできっかり五秒。 『梨花ちゃん?』 じゃあ、圭一は自分のせいで私が風邪をひくのが嫌だからと考えて明日の予定を取りやめようと電話してきたのね。どれだけ私のことを考えてくれているのだろう。優しいのだろう。なんてなことを私が思うはずもなかった。 「泣いてなんかないわよっ!」 『え、ええ? な、んだよ急に……』 「うるさいわね! なに、風邪ひいたの? 貧弱なことこの上ないわっ。それもイブ前日にだなんて、あんた少しは空気読みなさいよ! 魅音じゃないんだから! ったく……待ってなさいよ、すぐ行くからっ」 『いや、それは……』 「いいからっ。……圭一、寂しいんでしょ」 私が寝込んだときのことを思い出す。自分以外が普段どおりの生活サイクルを送り、ひとり取り残されていると感じたとき、ひどく寂しくなったのだ。圭一が「ひとりで家に居ると寂しいもんな」と笑ってお見舞いに来てくれたことが何より嬉しかった。 『……そう、だな。正直、寂しいな……ん、でも……』 「すぐ行くから」 『あ、いや』 乱暴に受話器を置く。面と向かい合っていれば別だったかもしれないけれど、電話越しでなら圭一に有無を言わさせないことは簡単だった。 「羽入。急用ができたわ。留守よろしく」 「どこに行くのですか?」 「圭一のところよ。朝に出るつもりだったけれど、もう行くわ」 羽入がきょとんとした顔をする。着替え始めていた私がそれを不思議がると、羽入はテーブルの上の切符をしげしげと眺め始めた。あ。 「明日の朝八時が発車時刻なのですよ。東京行きの切符は」 また電話が鳴った。どうでもいいけれど、深夜のコール音はびっくりする。ただでさえ部屋が狭いというのに。暴力的とさえいえる。私は受話器を僅かに持ち上げ、がちゃりと切った。圭一だろうと思ったからだ。すぐ行くと言っておいて、実は家を出るのは明日まで待たなくてはならないという早くも前言撤回が必要な状況に、私はきまりの悪いものを感じてしまったのだった。 「はぁ。明日まで待たなきゃだめなのね」 無駄な気を張った分、脱力も大きかった。テーブルに肘をついてテレビのリモコンに手を伸ばす。ちょうど明日の天気を伝えていた。とはいっても事前に確認してあるので今更見たところで新しく得られるものはない。明日は快晴。電車も通常通り運行できるだろうということを聞いて、私は数日前から安心していたものだ。 完全に目が冴えているので眠ることさえ容易ではなさそうだ。何しろ布団に入ろうという気も起こらない。羽入と、いや羽入で遊ぼうか。私の遠出するときはいつも駄々をこねる。 遊べ遊べと前日にはよく言ってくるのだ。今日もそうだった。 圭一とどちらが一番とは言えないけれど羽入のことも疎かにはできない。 そう思って声をかけようとしたら、当の本人は気持ちよさそうに寝ていた。 「これほど待ち望んだ朝はないわ」 白のコートに身を包み、旅行鞄を片手に玄関に立つ。 薄いピンクのマフラーが首を温めてくれるけれど、それでも冷気は入り込んでくる。からっと晴れたせいか今日の冷え込みは一段と強い。氷の匂いが鼻を冷やし、吐き出した息でそれを温めなおす。バス停に行かないと。 「避妊はちゃんとするのですよ~」 「うっさい」 見送る羽入に手を振ってイブの雛見沢を出た。 帰ってくるのは二十八日。そのときは圭一も一緒だ。 しょうがや梅干、ネギとにんにく。風邪を引いた身体に効きそうなものを。昨日新たに荷物に詰め込んだ。忘れ物はないか、と電車の中でチェックする。やがて発車の合図が鳴る。学祭のときはこのベルが恨めくてしょうがなかったけれど今は大歓迎だ。 早く鳴れ早く進めと念じていただけにいざ動き始めると「レッツゴー!」と言ってみたくなった。当然恥ずかしくてできない。けれどそのとき車両の前の方でタイミングよく、幼い女の子が言ってくれたので私は右手を突き上げることだけをした。 到着は昼過ぎ。 背もたれに深く寄り掛かり、私は去り行く景色を眺めた。 上下巻ある四百頁強の文庫本をあと少しで読み終えようというとき到着した。幾度かの乗換えと、数え切れないほどの発進と停車の感覚が体に刻まれ、少しだるい。雛見沢ほどではないけれど東京にも雪は積もっていた。今もぱらぱらと舞い落ちている。少し汚いような気がする。見上げても誰かがビルの窓から落としているのではないかと疑うほど。 「くっ……少し詰め込みすぎたわね……」 東京はやはり人が多く、荷物の想像以上の邪魔さ加減に苛々してしまう。すれ違うたび追い抜かれるたび、誰かに当たりそうで嫌だった。けれどもうこの駅から歩いて二十分ほどで圭一の家に着ける。……いえ、三十分くらいかしらね。 とりあえず着いたことを連絡しようと思い、公衆電話を目指した。十円玉が無かったので百円玉を使う。鳴ったコール音×十円分だけ圭一に請求しようと思った。果たして。 「百円ゲットー」 ではなくて。 「出ない」 寝ているのだろうか。だとすれば無闇に起こす必要もない、か。風邪なんかに罹ったら動くのも億劫だしね。圭一の部屋はそんなに広くはないけれど、なんでも座っていて手に届くというほどでもないし。……ただ、ノックをしても起きてくれなかったら少し悲惨なことになりそうね。受話器を置いて振り返る。 「よ、梨花ちゃん」 「……」 ポケットから出した片方の掌をこちらに向けている。私のあげたマフラーに顔を埋め、ややくぐもって聞こえたその声は掠れているのがすぐに分かった。鼻も啜っている。 「久しぶり」 「なんでいるのよ」 詰問するかのような口調。驚きよりも呆れ、嬉しさよりも怒り。そういう感情が先に立つ。 病人は動くな、そう言ったのは誰だったか。額に手を当て溜息、吐息の消えかけのところに視線を飛ばす。若干眉間に皺を寄せて。 「へへっ」 悪戯が成功した子どものように笑う。軽く無邪気な笑顔と振る舞いはどこか頭のねじがぶっ飛んでいるのでは、と思わされる。それとも風邪をひいたというのは嘘だったのだろうか。その想像は怖かったけれど、こうして迎えに来てくれた以上心配することはなさそうだ。目下、気にかけるべきは。 「久しぶりね、圭一。体は大丈夫なの?」 「ん? 梨花ちゃん、道分からないだろ?」 ええ、と。微妙にかみ合っていない。まずは圭一の言ったことだけに反応してみる。 確かに過去数度こうして訪れたときはいつも迎えにきてもらっていた。途中、喫茶店に寄ったり買い物をしたりということもあったけれど、東京のお店の豊富さはそうそう遠くに足をのばす必要性を感じさせないわけで。この駅から圭一の家までのルートを大きく外れたことは一度もない。歩いて二十分ほどの道ならばすぐに覚えられる。だとしても迎えにきたいといったのは圭一で、私も賛成だったのだけれど、さすがに体調が悪いときにまでそれを要求するほど私は冷血じゃない。よって道ぐらい知っているから家で大人しく寝ていなさい、とする私の主張は間違っていないわよね。うん、何か圭一のあっけらかんとし た様子にどちらが正しいのか分からなくなってしまったのよね。おまけに言う気もなくなるし。 「? 行こうぜ梨花ちゃん」 圭一がごく自然に私の手をとる。がらがら声でなければ全くいつもことなのだけれど。どうも体の調子に関しては私の主観で判断するしかないらしい。本人の申告は得られていないのだし。圭一は意地を張るタイプだから、答えなかったのは私に心配をかけまいと考えてのことだろう。とりあえずここは圭一を立てておくとして(うん、いい女)、家に着いたら即刻布団に放り込んでやろう。 「へへへっ」 「なによ」 「会えて嬉しいんだよっ」 「……」 じっ、と隣を歩く圭一に視線を移した。 寒さで赤らんだ笑顔が吐息に紛れている。また、額には汗も滲んでいた。歩き出してから圭一が何度かふらつくのを、私は繋いだ手に軽く力を込めて支えていたのだけれど、その瞬間だけつい忘れてしまった。 「お、おお……? へふぶッ!」 こけた。頭から盛大に。 「あ、ごめんなさい」 何の抵抗もなく雪に顔を埋めてしまっている。首を捻りこちらを見た。 「なぜ梨花ちゃんが謝る?」 自分が万全の体調でないことを、理解していないようだった。起き上がるのも辛そうなのに、相変わらず顔には笑みが張り付いている。風邪だと私に電話してきたくらいだから当然自覚症状はあったに違いないのだろうけれど、今ではさも健康であるかのように振舞っている。意識と身体のずれを今の圭一に見る。お酒に酔った状態に近いのかもと私は思った。であれば、早く休ませてあげたほうがいい。多分、これはうぬぼれではなく、圭一は私と再会したことで妙に気分が盛り上がっているのだろうから。 「早く行きましょ」 私も同じように嬉しく、気持ちが高ぶっていた。なのに学祭のときと違って幾分か平静でいられたのは、珍しく子どものような圭一の振る舞いをじっくり見ていたいと思ったからだった。可笑しさと愛おしさで心は穏やかだった。 たまには風邪もいいかもしれないわね。 ようやく到着、と。 「ってなによこれ……」 前に見た雰囲気とは随分違った。なかなか綺麗にしてある、と感想を持った当時が懐かしい。今でもそんな言葉が出てこようものなら私は女として失格に違いない。 入ってすぐが台所でその奥が六畳の和室になっている。半分開いた隙間から覗く、圭一の主な生活拠点である和室の惨状も目にはついたけれど、まずは食器のごった返す流しについて突っ込んだ。 「いったい何日洗ってないのよ」 「んー?」 玄関で私の後ろに立っていた圭一。振り返ると視線が上手いこと定まっていなかった。そうだった。風邪だったのだ。家に着いたことで安心したのか、自分の身体の感覚が舞い戻ってきたのかもしれない。先ほどまでは気持ちが頭の少し上をぐるぐる回っているようだったから。ランナーズハイが急に止まったような感じだろうか。 「ま、まぁいいわ。とりあえず着替えて寝なさい」 「おー……」 足元が頼りなかったけれどそんなに距離があるわけでもないので何事も起きず圭一は奥の部屋に消えていった。ごそごそと億劫そうに衣服を脱ぐ音が聞こえる。というか、襖閉めなさいよ……。 「さて……」 私は荷物を玄関脇に置くと、コートを脱いで袖をまくった。少し寒い。 まずは食器洗い。キッチンの構造自体はうちのものとよく似ている。左右に半歩歩けば料理の全てを賄える、といったところだ。 「スポンジと洗剤が見つからない……」 コンロに置いたままの鍋に箸やスプーンが入ってたり、空の牛乳パックが、胸まで積み重なる不安定な食器タワーの土台を作っていたりと、何かと恐ろしい。流しの底にかすかに見えた丼、それに付着している汚れは落ちにくそうだと一目で悟った。 きょろきょろと探すうちにスポンジはアメーバーのように広がった台拭きの下に発見。洗剤は見つけたと思ったら重みを感じなかったので新しいものを出した。それは一番に開けた棚の中に転がっていたので、助かった。 それから三十分ほど経ち、ようやく体裁が整ったので私はお粥を作ることにした。 出来上がるまで少し時間がかかる。 喉が渇いたので冷蔵庫を開けた。 「予想していたけど……」 ビールだけが入っていた。私はビールは好まなかったので手に取る気は起きなかった。たとえ飲むにしても時刻はまだ十五時過ぎだった。圭一の看病のことも考えると、今日はお酒を飲むことはしないほうがいい。そこでふと気づく。ああ、お酒は、圭一に止められていたのだっけ。気分がいいと、どうしても飲みたくなってしまうのだった。 静かな寝息が、隣の部屋から私の家事の途切れ途切れに聞こえていた。それが心地よく、家事が落ち着いたところで私は、ああ、二人でいるんだと今をかみ締めることができた。 「圭一ー……」 と控えめに和室を覗く。視線を走らせたベッドの上には圭一はおらず……。 「って、なんでこたつで寝てるのよっ」 「……んあ?」 「ちょっと圭一」 間の抜けた声に被せるようにして呼びかける。同時に肩も軽く叩いた。風邪をひいているのにこたつで寝るなんて頭が悪すぎる。体調が悪化の一途を辿るだけじゃない。 「んん~……? んー…梨花ちゃん……?」 「起こしてごめんなさい、でもこたつで寝るのはよくないわよ」 「あーあたま……くらくらする」 「だからちゃんとベッドで」 「ん」 圭一がベッドの方を指差す。気づかなかったけれど、そこはさながら物置のようだった。 主に新聞紙によって埋められており、所々では書籍や雑誌がひょっこりとに顔を出している。足元にはゴミ袋まで……。目線を挙げると、空っぽのペットボトルが窓枠から落ちそうでもあった。なるほど、これでは寝床として使えるはずもない。 「たはは……」 膝元で恥ずかしそうに笑っている。男の一人暮らしなんてこんなもんだよ、といわんばかりに。はぁ、と溜息をついた。こたつのテーブルにもごみが散らかっていた。カップラーメンの空き箱がまるで紙コップのように自然に鎮座している。あと缶詰。そして私は圭一の私服を踏んづけている。またまた溜息が出てしまった。 「圭一、いったいいつから風邪なのよ」 「ん。一週間前くらいかな……」 「それでこの散らかりようなわけね――一週間前?」 一週間も風邪なんて……悪いのは病原菌なのかしら、それとも圭一の身体? けれどこのだらしなさ漂う生活を目の当たりにすると、そんなこともさして気にならなかった。 「これもあって……梨花ちゃんに来てもらうのは気が引けたんだよな……」 「そうね……って勝手に膝を枕にしないで」 折った膝に圭一の頭が乗っていた。おそらくお風呂にも入っていないのだろう。ぼさぼさの髪を撫でようとするけれど、それをしてしまえばこのまま落ち着いてしまいそうなのでこらえた。 「こうして寝かせてくれたらすぐ治ると思う」 案の定そう言う。治るわけもないし。 ……。 「…け、い、い、ち?」 びくりと手の動きがとまる。声色を変えたことに気づいたのだろう。スケベな横顔を睨む。 「おいたはそこまでにしときなさいよ」 圭一はスカートの中に入れようとしていた手を苦笑いしながら引っ込める。同時に私は立ち上がった。頭の置き場を失った圭一が変に呻いたけれど気にしない。さらに邪魔な物を無造作に手にとって床にばら撒いていく。ベッドを空けるのに数分とかからなかった。空けるだけなら、ね。圭一をちゃんと寝かせた後の整理が大変そうだわ。今日はゆっくり休める暇もないみたい。 「ひー。つめてー。梨花ちゃん一緒に寝てくれー」 「すぐに温かくなるわよ。それより、この部屋寒いわね。ストーブはつけないの?」 「つけている間に眠っちまったら怖いじゃないか……」 「じゃあ私が起きていればいいのね」 にやり。 「あ」 「さっさと就寝」 「あーあ……」 布団の中で悔しそうに動き回るのを見て、これは当分寝そうにないわねと思った。ちょうどいい。部屋を綺麗にしている間にお粥も出来上がるだろうから。そのことを伝えると急に神妙になり礼を言った。 それから、散らばった物を一つ二つと手に取り、片付け始めた。 片付けの最中に発見した体温計には三十八度と表示されていた。渡してすぐに圭一は咳を二回。そんなに異常な咳ではない。その証拠に、何かと私の背に話しかけてくる。 「ごめんなーせっかくのクリスマスなのに」 「イブよ」 テレビは聖夜の街並みを映してている。インタビューを受ける人もその後ろを過ぎていく人たちもみんな幸せそうだった。浮き足立っている様子が伝わる。それに比べてこの部屋ときたら……。ちらりと圭一を見る。本当に申し訳なさそうな顔で息を吐いている。不思議と文句を言う気にはならなかった。 「明日までに治ればいいんだけどな」 「……これはこれでいいんじゃないかしら」 ゆっくりと時間が過ぎた。 続く
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前編はこちら 38 あったかクリスマス(後編)1/5 [sage] 2009/12/24(木) 22 20 54 ID wakyYTL8 クリスマスイブの夜。 私はケーキや料理をテーブルに広げて、二人きりのクリスマス会の準備を整えていた。 憂「…お姉ちゃん、まだかな」 今年は梓ちゃんの都合が悪いということで、軽音部のクリスマス会は行われない。 にも関わらず、お姉ちゃんは用事があると言って出かけてしまっていた。 お父さんとお母さんは旅行に行っていて、今この家には私一人しかいない。ちょっぴり、寂しいかも。 それにしてもお姉ちゃん…こんな時間までどこに行ってるんだろう。 憂「もしかして…彼氏と会ってるとか?」 いやまさか、お姉ちゃんに限ってそんなことは… あり得ないことじゃない。お姉ちゃんはかわいいし、内緒で誰かと付き合ってたってなんの不思議もない。 考えたくないけど、今頃相手の家で二人きりになって、プレゼントを交換してたりして… 「メリークリスマース♪」パーン! 憂「きゃあっ!?」 突如、背後から破裂音と聞き覚えのある声が聞こえた。ドギマギしつつ振り向くとそこにはサンタ…いや、 いつか見た赤いワンピースのサンタ服に身を包み、腰くらいまである白い髭を生やしたお姉ちゃんが…私の後ろに立っていた。 39 あったかクリスマス(後編)2/5 [sage] 2009/12/24(木) 22 24 23 ID wakyYTL8 憂「お…お姉ちゃん?その格好…」 唯「ノンノン、私は唯じゃありません、サンタです!」 お姉ちゃ…サンタは誇らしげに胸を張った。 自分から名前を明かしてしまっていたりクラッカーの中身の紙くずが帽子の上に乗っていたりと、思わずお姉ちゃんと呼んでしまいそうになるそのサンタに、私は再度質問した。 憂「サンタさん、その格好は?」 唯「去年さわちゃんに着せてもらったの借りてきたんだー♪あ、ついでにつけ髭も貸してくれたんだよ!」 憂「先生の家に行ってたんだ…よかった…お姉ちゃん、すごく似合うよ♪」 唯「えへへー♪」 私の言葉を聞いて嬉しそうに微笑むお姉ちゃんは、あっさりサンタ設定を解除してしまったようだ。 帽子についた紙くずを取り除いてあげていると、お姉ちゃんは思い出したように私に言った。 唯「憂、お料理全部準備し終わった?」 憂「えっと…あとはスープあっためるだけだよ」 唯「そっか!じゃあ早速…」 憂「うん、スープ準備するね」 唯「プレゼント交換しよう!」 憂「えっ?」 私はお姉ちゃんの言葉に驚いていた。まさかこのタイミングで言い出すとは思わなかったから。 てっきり、料理を食べてお腹を膨らませてからだとばかり… 40 あったかクリスマス(後編)3/5 [sage] 2009/12/24(木) 22 28 11 ID wakyYTL8 唯「憂、早く早くー!」 憂「う、うん!」 少し不安だけど…渡さないわけにもいかない。私は心を決め、用意していたプレゼントを取り出した。 唯「じゃあ…メリークリスマス、憂♪」 憂「メ、メリークリスマス!」 唯「えへへ…それじゃ一緒に開けよ♪」 憂「うん…」 私は予想外にドキドキしていた。もし喜んでもらえなかったらと考えると、とても不安になる。 そして今私の手の中にあるお姉ちゃんのプレゼントも、私をドキドキさせていた。とても柔らかい感触だけど…一体なんだろう? 唯「じゃあいくよ?せーので開けようね」 憂「う、うん!」 唯憂「せーの!」 私たちは同時に包みを開けた―― 憂「これ…」 お姉ちゃんがくれたプレゼント。それはエプロンだった。ピンクの、とてもかわいいエプロンだ。 唯「えへへ、憂いつも同じやつ着けてるから…似合うといいんだけど」 そして私がお姉ちゃんにあげたプレゼントは、膝掛けだった。これもピンクの生地だ。 憂「お姉ちゃん、ギター弾くたびに冷たそうにしてたから…膝掛け、作ってみたんだ」 私たちは、お互いに交換したプレゼントをジッと見つめていた。そして… 唯「…憂」 憂「…お姉ちゃん」 41 あったかクリスマス(後編)4/5 [sage] 2009/12/24(木) 22 31 35 ID wakyYTL8 唯憂「ありがとうっ!」 二人一緒に、お礼を言い合っていた。 唯「…ぷっ!あはは…」 憂「ふふっ…あはは…」 なんだかおかしくなって、私たちは笑い合う。 さっきまでの緊張はすっかり消え、幸福が私の心を満たしていた。 唯「ねぇ憂、さっそく着けてみて?」 唯「うん♪あ、だから料理の準備のこと聞いたんだね」 唯「ピンポーン♪私も膝掛け使ってみるね?ギー太乗っけても冷たくないか確かめてみよっと」 憂「じゃあ私も…」 私は鏡の前でエプロンを着けてみた。…今まで、エプロンを着けるのにこんなにも幸せな気分になったことなかったな… 唯「わぁ、似合う似合うー♪」 憂「えへへ…♪あ、お姉ちゃんはどう?膝掛け」 唯「うん、すっごくあったかいよ!今度りっちゃんたちに自慢しちゃおーっと♪」 憂「もう、お姉ちゃんったら…ほどほどにしなきゃダメだよ?」 唯「はーい♪あ、そういえばさっき私が帰ってきた時、なに独り言言ってたの?」 憂「な、何でもないよ!ス、スープあっためるから、お姉ちゃんはケーキ食べる準備して!」 唯「おー♪…あ、憂?」 憂「なに?」 唯「ホントに、ありがとね」 憂「…うん。私も…ありがとう、お姉ちゃん」 42 あったかクリスマス(後編)5/5 [sage] 2009/12/24(木) 22 33 29 ID wakyYTL8 ――今年は、去年みたいにホワイトクリスマスにはならなそうだけど… その代わり、とてもあったかい、とても幸せなクリスマスになりました。 ありがとう、お姉ちゃん。 おしまい
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840 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/11/27(金) 19 55 52 ID ??? 802 シャギア「やあ、ミスターポン酢」 リボンズ「リボンズだよ、フロスト兄弟」 オルバ「まあまあ。そこは良いじゃないか、ミスター・ボンズ」 リボンズ「それはアニメ製作会社」 シャギア「うむ。良いツッコミだな、オルバよ」 オルバ「良い感じだね、兄さん」 リボンズ「で? アレハンドロのところから助けてくれたのは感謝するけど、何か用かい?」 シャギア「用というほどの事はないが、最近、我々の出番がないのでな」 オルバ「たまには悪い事をしようかと、悪役らしく」 リボンズ「ふむふむ」 シャギア「そこで、貴兄に力を貸してもらおうかと」 オルバ「三人寄れば文殊の知恵、クリスマスを台無しにしてみないかい?」 リボンズ「まあ、このスレらしく最後はドカンと負けるのが目に見えてるけど、おもしろくはあるね」 シャギア「例えば、クリスマスに妹が彼氏としっぽりふけこむ可能性の在る御仁らを招く用意もある」 オルバ「例えば、クリスマス終了を願っている御仁らを招く用意もある」 リボンズ「フロスト兄弟・・・・・・」 シャギア「なんだね?」 オルバ「何かな?」 リボンズ「君達は最高だね」 シャギア「ふふっ」 オルバ「だからこそ、僕らは運命のライバルでいられるのさ!」
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彼女の休日 12姉妹の場合 クリスマス編 クリスマスを数日にひかえたある日の朝、エイプリルはニュースを見て小さくため息を付いた。 「どうしたんだよ。朝からため息なんて、そんなに嫌なニュースか?」 隣で一緒にニュースを見ていたメイが、興味深そうにテレビを見た。 ニュースでは、離れた場所の惑星が一足早くクリスマスを迎えており、レポーターが賑やかな街の様子を鮮明に伝えている。 そして画面が切り替わり、壁に大穴が開いていたり、煙突が破壊されていたり、屋根が抜けていたりと無残に一部が破壊された家屋が次々と映された。 画面左上には【今年も出現! サンタの異常なプレゼント】とテロップが表示されている。 リポーターは破壊された家の住民にインタビューしていて、どの家庭も突然の災難に困り果てているようだが、子供だけは満面の笑みでサンタクロースに 感謝の言葉を述べていた。 「なんじゃこりゃ?」 「最近、クリスマスになると現れるコヨーテなサンタクロースですわ」 エイプリルはメイに淡々と語り始めた。 何でもそれは12月になると宇宙中のショッピングモールから、商品を根こそぎ窃盗をして姿をくらます。 そして彼らにプレゼントを希望の手紙を送るとクリスマス当日に、手紙に書いた物がクリスマスの夜の届くというのだ。 普通に届けるのなら良いのだが、少しでも障害になろうものなら追いかける警官隊を振り切り、戦車を弾き飛ばし、無人の家屋を踏み潰して目的地へ直行するのだ。 その手段を選らばぬ姿勢は目的地に着いても変わることはなく、玄関以外の場所から無理やり中に押し入って、プレゼントを自前の靴下に入れて去っていくのだ。 そんな彼らを治安上の問題から各警察と軍が出動して、身柄の拘束を試みたのだが全てが失敗に終わっている。 無茶苦茶な連中ではあるが、貧困にあえぐ人々から金持ちに至るまで老若男女問わず可能な限りプレゼントを配布する一面が、大衆から【奇跡のサンタクロース】と 呼ばれていて支持されていた。 「なんだ、そのサンタ結構良い奴じゃんか」 「良くありませんわ!」 両手で勢いよく机を叩いて、立ち上がると右手で硬く拳を握り締めた。 拳の握りすぎで腕が震え、双眸には怒りと憎悪の炎が激しく燃え上がっていた。 「あの腐れ外道のおかげで、「」さんへのプレゼントが買えなかったんですのよ!」 「それは難儀だな」 「まったく、奇跡のサンタクロースなんてこの世からいなくなれば良いのですわ!」 「そ、そんな……あのサンタさんは良い人なのに」 「何をおっしゃるの!? 誰にでも平等なのは結構ですが、あれはただのド・変・態以外の何者でもないですわよ!」 「ひどい……エイプリル」 「何を言うので――え?」 エイプリルは声の主を見た。メイを見るとばつの悪そうな顔で、親指で背後のドアを指差した。 その先には、ひどくショックを受けて泣き出しそうなジューンが立っていた。 「え、えーと。ジューン? これはちょっと言いすぎでしたわね。というか、貴方この前買い物の途中で手紙を投函していましたけど、もしかして宛名は」 「【奇跡のサンタクロース】」 「…………」 「「「お姉ちゃんおはよ~。あとちょっとでクリスマスだね手紙だした?」」」 気まずい雰囲気をよそに、オクト、ノヴェ、ディッセが手紙を手にやってきた。 クリスマス・イヴの夜になり、12姉妹とマルチアーノ、ニルソンと「」の面々は豪華な夕食を楽しんでいた。 食卓の上には七面鳥の丸焼きやクリスマスケーキといった定番メニューから、料理の得意な物が腕を振るって作った料理までギッシリと置かれている。 「「」さん、どうぞ私が切った七面鳥をお食べになって」 「エイプリル、ずるいですわよ! 自分だけ「」さんに切った七面鳥を食べさせてあげるなんて! それは私の役目ですわ!」 「あらジャニアリー、「」さんは私が切ったのをお食べになるのですわ」 「なにをぉぉ! こうなればどちらが「」さんに食べさせられるか勝負ですわ!」 「望むところですわ」 「えっと、ボクに選ぶ権利は……?」 「「一切無し! さぁ食べてくださいな!」」 2人は七面鳥の肉のを一気に「」に食べさせた。 初めのうちは何とか噛んで食べれたが、押し込むペースと量が次第にエスカレートして行き、食べさせると言うより無理やり肉の塊を押し込んでいく。 「くぬ! くぬ!」 「さぁ、まだ沢山ありますからたーんとお食べ」 「ちょ、ふた…りとも……いきが………できな……」 「」の声はもはや声にならず、助けを求める手も宙をさまようだけだ。 しだいに手の動きが緩慢になり、顔色が信号のように赤から青へと変わっていった。 「おいお前ら! 「」が窒息してが死んじまうよ!」 「メイお姉ちゃん。「」が白目むいてるよ!」 傍から見ていたメイとオーガストが、「」の様子の変貌に危機感を覚えてジャニアリーとエイプリルを静止する。 「」は遠のきかけた意識の中で、川の手前にいる七面鳥がこちらへ手招きする幻影を見た。 その少し離れた席ではフェブラリー、マーチ、ジュライ、セプの面々がビーフストロガノフを揃って食べていた。 「わぁ、このビーフストロガノフ美味しい。 これってジュライが作ったの? 今度作り方を教えて」 「初めて食べるけ、どこんなに美味しいなんて」 「……美味い。ジュライGJ」 「あらあら、お世辞を言っても何もでないわ。セプ、作り方を教えてなんて、「」さんにご馳走してあげるつもりでしょう?」 「え、あ、あの…それはその!」 笑みを浮かべたジュライの言葉に、セプは顔を真っ赤にして否定するように手を振った。 しかし、図星を言われて動揺する様子をフェブラリーとマーチは面白おかしく茶化した。 「ジューンお姉ちゃんの作った飴細工はなんで変な形してるの?」 「映画で見たような気がするよ」 「これはガーゴイル像といってだな――オクト、頭だけ咥えて舐めまわさないでくれ。不気味だぞ」 「ふぇ?」 それぞれが思い思いに楽しんでいる中で、窓の外は異様な状況になっていた。 何かが爆発して爆炎が高く立ち上り、そこかしこから警察車両のランプが点滅している。 それらの騒ぎはゆっくりと、だが確実にマルチアーノ家へと近づいている。 その事をまだ誰も気が付いてはいない。 ようやく追撃をふりきったそれは直線に出ると、エンジンを唸らせ急加速した。 性能の良いとはいえないサスペンションのせいで、車内はひどく揺れるが気にすることではない。 遥か前方に見える塀を突破すれば、12人が待つ最終目的地だ。思っていたより頑丈そうな塀に運転手はインカムに叫んだ。 「ボス、体当たりの突破は難しいですがどうします?」 「このまま加速しろダッシャー。ヴィクセン! あれを撃て!」 「イエス、ボス!」 男の指示により、車体上部に設置された砲塔がゆっくりと前方を向いた。 そして照準が合わさると、搭載された23m連装機関砲が毎分2000発の連射で機関砲弾を吐き出した。発射された機関砲弾は頑丈な塀を削り取り、無数の亀裂を走らせる。 そしてそのまま塀に迷う事無く突っ込んだ。 突然の銃声と爆音にマルチアーノ家にいた者全員が騒然となった。 各々が所有する武器を手に庭へ飛びして、騒ぎのあった方へ向かうとそこは以上な雰囲気に包まれていた。 「メリィィィクゥリスマァァアアアアス! ボーイ&ガール! 元気にしてたかぁぁあい?」 その男は赤い服を着て、純白の大袋を肩に提げて立っていた。 大きなお腹に白い髭をはやした笑顔のおじいさんではなく、丸太のような両足に逆三角形の引き締まった上半身。 袖からからも伝わる筋肉の塊のような腕に、岩のようにごつくて大きな手。皺と傷にまみれた彫りの深い顔には白髭と白髪を生やし、申し訳程度に頭上に赤帽子が載っている。 彼が立っているのは8頭のトナカイが引くそりではなく、赤白緑で塗装された8輪装甲車のハッチだった。 車体側部の前後にはスピーカーが装備され、シャンシャンという効果音と有名なクリスマスの童謡が流れているのだが、エンジンの排気音でよく聞き取れない。 「へ……へ……へん……」 「ひぃ、ふぅ、みぃ……。よし、確かに全員いるな」 「もしかしてあれが【奇跡のサンタクロース】?」 「その通り! 本日ラストのプレゼントを君たちマルチアーノ家の皆さんにお届けに参りました!」 「変態ですわぁぁああああ!」 エイプリルの絶叫をよそに、サンタは装甲車から降りると袋に手を突っ込み、綺麗に包装された箱を取り出した。 箱にはそれぞれリボンに名前が書かれており、サンタは名前を読み上げて、プレゼントを配りだした。 「「「サンタさんありがと~」」」 「いやぁ、こんな可愛い三つ子さんにお礼言われると照れるなぁ。来年も良い子でいるんだよ」 「「「うん!」」」 いつの間にかやってきたのかニルソンは装甲車の横に来ると、しげしげと各部を覗き込んだ。 「うむ、BTR-94とはなかなか良い趣味しているね」 「突っ込むのはそこですの!?」 姉妹達にプレゼントを配り終わり、サンタはいそいそと装甲車のハッチに片足を突っ込むと、エイプリルはルガーを引き抜いた。 そのまま照準をサンタの頭に合わせる。 「ちょっと待ちなさい。私のプレゼントを横取りした罪は重いですわよ」 「へいお嬢ちゃん、そいつは悪かったね。でも俺達にはああするしかないんだよ。今は急ぐんで行かせてもらう。ではまた来年のクリスマスに会おう、さらばだセニョリータ!」 「ちょ!? 待ちなさい!」 エイプリルの制止の声は爆音を上げるエンジンにかき消され、庭を疾走すると再び機関砲を発射してから塀を突破していった。 呆気にとられ、呆然としたエイプリルの肩をメイが軽く叩いた。 「あのー、エイプリル?」 「貴方たち、姉妹が揃いも揃ってあの変態に手紙を出しましたのね」 「ああそうなんだよ。エイプリルも誘おうと思ったけどサンタの話するたびに機嫌悪くしてたからさ」 「……なんかこうして見ると私って空しいですわね」 「アハハハ、ほら冷えるから先に家に戻ってるよ」 一同が家に戻り、エイプリルはその場に立ち尽くして空を眺めた。 12人も姉妹がいるのに自分だけ仲間はずれだと、結構悲しいものだということを初めて実感した。 ほんの少し目頭が熱くなる。それ以上のことにならないようにさらに空を仰ぎ見る。 「……くすん」 「エイプリルさん?」 「はい?」 目元に手をやりながら振り向くと「」が立っていて、後ろ手にしていた手から、木箱を差し出した。 ローズウッドのような木材で作られたシンプルの木箱のふたには、金色の金属プレートがはめ込まれ、【To April】と書かれている。 大事そうに両手で持ち、エイプリルはふたを開けた。 「えっと、これは……」 「エイプリルさんの欲しいものとかよく分からなくて。とりあえずこんなのしたけどよかったかな?」 木箱に入っていたのは、金色に磨かれて4月に咲く様々な花が所狭しと彫刻された小型の拳銃だった。 手にとって見ると彼女の手にちょうど良い大きさに収まり、各部品の作動に一切のガタツキは無い見事なものだ。 マガジンのそこには【大切な人に捧ぐ】とつたない字で彫ってある。 「そこだけは自分でやってみたかったんだ。気に入ってもらえたかな?」 拳銃を懐に仕舞い込み沈黙のまま俯くエイプリルを「」は心配そうに覗き込むと、突然「」はエイプリルに抱きつかれた。 そのまま「」の胸に顔をうずめると、上目遣いで「」と目を合わせた。 「こんな、こんなに嬉しいプレゼントをもらって気に入らないわけありませんわよ」 「そう、それはよか――」 不意に「」の唇に柔らかいものが触れた。 何が起きたのか一瞬わからず目を白黒していると、エイプリルが前で嬉しそうにくるくると回っていた。 「「」さん」 「え、あの今のもしかして」 「秘密。それよりも一つ言い忘れていた事がありましたわ」 「エイプリルさん?」 「メリークリスマス!」