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https://w.atwiki.jp/touennotikai/pages/47.html
獲得配当pt一覧表 6月以降、告知無しで3ヶ月以上inしていない人を表から除外しております。 アイテム・Qと交換したい方はmystwingに伝えるか掲示板へ書き込みお願いします^^ また配当ptは上限10000ptとし超えたものはQに変換しギルドへの寄付と致します。 交換アイテムリスト(2010/04/05相場に合わせpt変更) アイテム名 個数(Q) 使用配当pt 備考 火の天与石 1個 ???pt 時価 水の天与石 1個 ???pt 時価 風の天与石 1個 ???pt 時価 地の天与石 1個 ???pt 時価 祝福の石 1個 ???pt 時価 ダミアンチケ 1個 900pt 相場によりpt変動 クアルチケ 1個 3000pt 相場によりpt変動 毘沙門 1個 8000pt 相場によりpt変動 弁慶 1個 7000pt 相場によりpt変動 ギルドに寄付 150000Q 100pt 相場により変動 またGP以外にもptを貯められるギルドクエストも考えております^^ ただいま調整中ですのでギルクエの方はもう少しお待ちください。 GP確認日時10/04/05 (次回確認日10/04/30予定) 名前 前回確認GP 今回確認GP 獲得GP 配当pt残高 今回配当pt 使用pt 合計配当pt 灯里7 3455761 4555923 1100162 10000 11001 11001 10000 エニノル 3977463 4515809 538346 10000 5383 5383 10000 爆笑族1号^^ 3741450 4129095 387645 10000 3876 3876 10000 YokoZ 3644719 3970399 325680 10000 3256 9900 3356 Pジャック・ 1868023 1868023 0 10000 0 0 10000 GUCCHI 332471 1138406 805935 3324 8059 1383 10000 まめ93 554115 654164 100049 5541 1000 0 6541 重霧の用心棒 273638 315253 41615 2731 416 0 3147 まつお 173990 174213 223 1734 2 0 1736 配当pt10000を超えたものに関しては自動的に寄付となります。
https://w.atwiki.jp/4ng3lb34ts/pages/50.html
ギルドOnly1 メンバー募集要項 Only1では、ただいまPK活動を共に楽しむ仲間を探しています。 ※特にPK志向のWIZさんとBRDさんを募っております。 BRDの場合: バフの熟練度を主に見ます 熟練度高い場合は35↑ その他の職の場合は 40LV↑を募集条件にします。 (円滑なレベリングのためにプレミアムチケットの使用を強くお勧めします) 基本的に活動中の他ギルドとの掛け持ちは禁止です。 白ネームでの活動をなさる方も勿論歓迎しますがこちらは勝手ながらOnly1メンバーと面識ある方というのが必要条件です(十分条件ではありません) PK志向の方も入ってすぐに赤くなる必要はないのでご安心ください。 またPKする方には以下の物を強くお勧めします。 バックパック拡張&強化プレミアムチケット チケットの方は個人差で必要ない方もいるかもしれませんが、バックパック拡張はOnly1でのPK活動においては少なくとも必要不可欠なものだと認識しています。 最後になりますがギルド概要の方も一度必ず目を通してください。Only1が目指すもの、Only1というギルドについてもう少し詳しく載せております。 不明な点はゲーム内にてギルマスのBatorerまでメールお願いします。
https://w.atwiki.jp/travianer/pages/19.html
家 Haus あなたの家です 家具を置いて寝たり清潔にしたりできます ワープホール Express-Höhle 入ると入ったところとは別のワープホールに出ます 行き先が複数ある場合は選択性 ショートカット場所 利用するためには課金でゴールドクラブに入ってなければなりません 農耕地 Getreide sensen 小麦が収穫できます 粘土採掘所 Lehm stechen 粘土が収集できます 伐採所 Holz hacken 木が収集できます 鉄鉱山 Erz schürfen 鉱石が収集できます 道標 Wegweiser infosアイコンと同じ役割 情報がチェックできる ??? Häuser ランキングの項目を見ることが出来る 居酒屋 Taverne betreten アルバイトをしたり飲み食いが出来ます 自作パン以外はお金がかかるので注意 ミニゲームもできる ※ 未確認情報 料理に関してはレベル10毎に価格が2倍になります(ダイアモンドの量は一定?) 少なくともレベル9→10になった段階で料理の質(満腹度への影響は未確認)の向上とともに価格が2倍になりました 製粉所 Mehl mahlen 穀物を小麦粉にすることが出来ます レンガ製造所 Ziegel brennen 粘土をレンガにすることが出来ます 炭焼き所 Kohle herstellen 木を石炭(!?)にすることが出来ます 製材所 Bretter schreinern 木を材木にすることが出来ます パン工場 Brot backen 小麦粉をパンにすることが出来ます 鋳造所 Eisen herstellen 鉱石を鉄にすることが出来ます(要 石炭) 倉庫 Lagerhaus 資源の貯蔵限界量を増やせます 納税所 Finanzamt 鬼です 常に法外な税を要求してきますデータ集計中 防具工場 Rüstungshändler 防具を買う事が出来ます 鍛冶場 Waffenhändler 武器を買う事が出来ます プレイヤー市場 Spieler-Markt プレイヤー同士で物を売買することが出来ます 詳しい記述はこちらへ NPC市場 NPC-Markt NPCと売買が出来ます 本家travianと違い課金なしです 雑貨屋 werkzeughändler クエスト5をクリアしないと使えない 職業に対応した道具を売ってくれます ??? Häuser ランキングの項目を見ることが出来ます ハーブ畑 Kräuter suchen ブタを手に入れてからここに行くと…? 闘技場 kämpfen 他のプレイヤーと戦うことが出来ます 詳しい記述はこちらへ 鉄工所 feinschmied 武器・防具・生産道具の改良が行えます 対価はもちろんダイヤモンドです 邪魔な木 buche fällen この先に進みたくばわしを倒して見せろ! ギルドハウス Haus betreten ギルド員ならば中の家具を利用できるらしい 家具などの値段は個人宅の1.5倍? ギルド倉庫 Lagerhaus 資源と☆をギルドに納めることが出来ます 本部 Hauptgebäude アップグレードするごとにギルド関連の建物の増設時間が短くなる 祭壇? Gildenschrein ここに資源を捧げることで特殊な効力を発揮する神代の創造物を得られる その効果とは一時的にBPや資源の獲得量を増大させるもので同じギルド員に適用される(適用されるプレイヤーレベルは調整可能?) なおこの創造物はギルド間抗争により略奪できる模様 図書館 Bibliothek ここでの読書により経験値が上昇します 一時間の読書につきAPを5ポイント消費します。読書中は一切の行動が出来ません トーナメント会場 Turniere ギルド内トーナメントに利用します 学院 Akademie 祭壇について。資源・経験値・SP - ななし 2009-02-25 06 00 02 祭壇ついて。(資源・経験値・SP・倉庫)×(10%~200%)×(適用されるレベル)で - ななし 2009-02-25 06 04 59 (失礼つづき)調整可。 - 名無しさん 2009-02-25 06 07 31 図書館について。レベルを上げると一時間に得られる獲得経験値が増量する。 - 名無しさん 2009-02-25 06 10 33 名前
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ワイルドハント/Wild Hunt 【クラス】ライダー 【真名】ワイルドハント 【容姿】闇夜を渡る死者の軍勢。金髪の女性が殿を務める。 【願い事】なし 【その他】秩序・善 地属性 真名看破は首領とされる人物なら全て可。 【英雄点】35点(ステ19点・スキル16点):令呪1画消費 【HP】45/15(+30) 【筋力】B :4 【耐久】C :3 【敏捷】D :2 【魔力】A+:6(7) 【幸運】C :3 【スキル1】騎乗:- 10点:任意のタイミングで英雄点25点の乗騎を召喚出来る。 【スキル2】闇夜の先導者:EX 05点:最大HPを15増やす。魔術攻撃と魔術防御時、補正値2を得る。 【スキル3】最果ての加護:E 01点:最大HPを15増やす。 【宝具】『夜駆ける亡霊旅団』(ル・グラン・ヴェヌール) 1/1 【ランク・種別】ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:1~60 最大捕捉:300人 【効果】魔術攻撃時、補正値10を得る。相手は幸運値を使用して魔術防御を行う。 +2019/01/01版 +20の質問 質問1 真名と現界年齢と性別を教えてください 「」 質問2 身長と体重を教えてください 「」 質問3 出身地を教えてください 「」 質問4 好きな色、自分を象徴するような色はありますか 「」 質問5 特技はなんですか 「」 質問6 好きなものはなんですか 「」 質問7 嫌いなものはなんですか 「」 質問8 天敵とかいますか 「」 質問9 属性について教えてください 「」 質問10 現代での生活について自由に話してください 「」 質問11 貴方の宝具、乗騎、戦術について自由に話してください 「」 質問12 貴方の外見について自由に話してください 「」 質問13 ざっくりとあなたの性格を教えてください 「」 質問14 自分の日本での知名度をどう思いますか 「」 質問15 貴方の適合クラスを教えてください 「」 質問16 聖杯にかける望み、あるいは聖杯戦争参加の経緯を教えてください 「」 質問17 親しい人間について自由に話してください、空欄でも構いません 「」 質問18 自分のマスターをどう思いますか、空欄でも構いません 「」 質問19 理想のマスター像を教えてください。それに対して今のマスターは何点ですか 「」 質問20 なにかこちらに質問はありますか 「」 今回はありがとうございました。あなたの望みが叶うことを願います +セリフ集 ●サーヴァント名 一人称: 二人称: マスター: キーワード : : 召喚 「」 レベルアップ 「」 霊基再臨 「」 「」 「」 「」 戦闘セリフ 戦闘開始 「」 「」 スキル 「」 「」 カード 「」 「」 「」 宝具カード 「」 アタック 「」 「」 「」 EXアタック 「」 宝具 「」 ダメージ 「」 「」 戦闘不能 「」 「」 勝利 「」 「」 マイルーム会話 「」 「」 「」 「」 好きなこと 「」 嫌いなこと 「」 聖杯について 「」 絆Lv.1 「」 Lv.2 「」 Lv.3 「」 Lv.4 「」 Lv.5 「」 イベント 「」 誕生日 「」 サーヴァント・マトリクス 【元ネタ】伝承 【CLASS】ライダー/Rider 【真名】ワイルドハント/Wild Hunt 【異名・別名・表記揺れ】嵐の夜、猛々しい軍 【性別】女性(本来は無性) 【髪色】金色 【瞳色】緑色 【外見・容姿】闇夜を渡る死者の軍勢。金髪の女性が殿を務める。 【属性】秩序・善 【天地人属性】地属性 【その他属性】亡霊、魔性 【ステータス】筋力:A+ 耐久:B 敏捷:A 魔力:B 幸運:B 宝具:C 【クラススキル】 騎乗:A 乗り物を乗りこなす能力。騎乗の才能。Aランクでは幻獣・神獣ランクを除くすべての獣、乗り物を乗りこなせる。ワイルドハントの先頭を駆ける「亡霊の王」の名に相応しい高ランク。 対魔力:B 魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。Bランクでは、魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。 忘却補正:A 人は忘れる生き物だが、彼女は決して忘れない。時がどれほど流れようとも自らの使命を忘れることはなく、システムの如く亡霊達を虚へと還す。 【固有スキル】 闇夜の先導者:EX 夥しい数の亡霊を引き連れ、闇夜を駆ける者。自然と彼女の後ろには列が連なり、此れを外れ得るモノは数少ない。死した者に対してのみ働く絶大なカリスマ。通常のカリスマスキルに換算するとA+ランク相当。ただの言葉が「絶対遵守の命令」となり、例外なく見た者を言い知れない恐怖に震え上がらせる。 魔力放出(影):A+ 主に魔性の存在が用いる、善属性に特攻効果を持つ特殊な魔力放出。彼女は瘴気として無意識的にこれを放っており、命在る者は近付くだけで身体に毒。 境界にて:B 生と死を別つ、或いは死と生を別つ「亡霊の王」としてのスキル。その確率は低いものだが、どのような強敵であれ即死の危険性を与える。 最果ての加護:E 聖槍の所有者へと自動的に付与されるスキル……の筈だが、彼女は例外的にこれを保有している。恐らくは、今回の現界に於ける「殿」がブリテンの亡霊王アーサーに近い存在であるから。 【宝具】 『夜駆ける亡霊旅団(ル・グラン・ヴェヌール)』 ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:1~60 最大捕捉:300人 殿を務める者の命により、亡霊の軍勢がその質量を以て襲い掛かる。瘴気によって対象の存在を汚染し、命ある者には中確率で即死が発生。この宝具で命を奪われた者は、当然だが彼らの列の最後尾に加えられることとなる。 【Weapon】 なし。偶に古びた剣や槍を持ち出すこともある。 【解説】 ワイルドハント。世界各地で言い伝えられる存在。 伝説上の猟師の一団が、狩猟道具を携え、馬や猟犬と共に、空や大地を大挙して移動していくもの。 土地ごとに固有のルールが存在し、守らなければワイルドハントの軍勢に連れ去られてしまう、という。 その正体は、生と死の境界を分けるもの。死者が生者を憑り殺さぬ様に、或いは生者が死者を徒に玩ばぬ様に。 何処からともなく顕現して死者を列に加え、そして虚へと帰っていく。その在り方はシステムに近い。 極めてアラヤに近い存在であり、彼らが召喚されるのは殆どが抑止力の介入によるもの。 【FGO風ステータス】 レア度☆5 ◇基本ステータス 能力値 初期値 最大値 HP 1900 12960 ATK 1859 12030 COST 16 16 ◇所有カード Buster Quick Arts 3 1 1 ◇所有スキル アイコン スキル名 CT 継続 効果 闇夜の先導者[EX] 8(6) 3 自身に「嵐夜の首領(自身のコマンドカードを1番目に配置すると後続の攻撃力アップ)」状態を付与 魔力放出(影)[A+] 8(6) 3 自身のBusterカード性能をアップ 3 +自身に〔善属性〕特攻状態を付与 最果ての加護[E] 8(6) - 自身のNPを増やす(30~50%) - +自身の弱体状態を解除 ◇クラススキル アイコン スキル名 効果 騎乗[A] 自身のQuickカード性能をアップ(10%) 対魔力[B] 自身の弱体耐性をアップ(18%) 忘却補正[A] 自身のクリティカル威力をアップ(10%) ◇宝具 宝具名 ランク 種類 種別 『闇駆ける亡霊旅団(ル・グラン・ヴェヌール)』 C Buster 対軍宝具 敵全体に強力な[サーヴァント]特攻攻撃[Lv.1~] オーバーチャージで特攻威力アップ ◇攻撃モーション 種類 Hit数 動作 Buster 3 黒馬に騎乗して現れ、敵を轢いて消える Buster 3 古びた槍を虚空から取り出し、相手の胸に目掛けて投擲 Buster 3 古びた剣を虚空から取り出し、大きく斬り付ける Quick 5 口笛を吹くと、死霊の軍団が一斉に襲い掛かる Arts 4 シャドウサーヴァントが地面から湧いて出て攻撃 EX 7 敵の周りを斬り付けながらぐるりと回り、最後に巨大な黒狼が襲い掛かる NP - 古びた槍を空へ掲げると、一瞬だけ槍に光が灯る スキル - 黒い瘴気が噴き上がる +絆レベル 【キャラクター詳細】 キャラせつめい 【パラメーター】 筋力 ■■■■■:A 耐久 ■■■■■:A 敏捷 ■■■■■:A 魔力 ■■■■■:A 幸運 ■■■■■:A 宝具 ■■■■■:EX 【絆Lv1】 身長/体重:cm・kg 出典: 地域: 属性: 性別: 一言説明 【絆Lv2】 来歴せつめい 【絆Lv3】 サーヴァントのスタンスせつめい 【絆Lv4】 ○スキル名:ランク スキルせつめい 【絆Lv5】 「宝具名」 ランク: 種別: レンジ: 最大補足: ほうぐるび ほうぐせつめい 【「クエスト名」をクリアすると開放】 こまかいせつめい 関連人物 生前 死後 コトリバコ とある亜種聖杯戦争にて、自らの列に加えたサーヴァント。 「死した魂に貴賤は無い。幾らお前が人を殺そうと、列に連なった今では関係のない事だ」
https://w.atwiki.jp/tcat/pages/11.html
ここはラペルズのギルド TwilightCatのギルドメンバーを紹介するページです。 ギルドのメンバーはレベルが上がったときなど自由にログインして、自分の情報を追加してください。 ログイン後、ページ上の編集ボタンを押すと、書き込むことができます。 キャラクター名 職業 レベル 写真(スクリーンショット) コメント にゃーすマン 2次職 重戦士(ガイア) レベル70くらい htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 いちようギルドのマスターです。ギルド活性化のためギルメン募集と、ウィキ作成がんばります^^
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/1132.html
夜が明けた。いつも通りに朝食を食べ、歯を磨き、制服を――いや、今日は私服にしてお こう――を着て、親と顔を合わせないようにしながら、マコトは家を出た。 電車に乗って、自分と同じ学校の制服たちに混ざって、いつもの駅に降りる。 広場に出て、タルタロスの方向へ足を向け、しばらく歩いた。 タルタロスへの道は駅に繋がる大きな通りからは外れているので、朝でも見かける人影は まばらだ。 マコトが駅からずっと自分の後をつけてくる数人のガラの悪い若者たちに気づいたのはそ んな道の途中だった。 始めは偶然道が一緒になっただけかと思ったが、試しに曲がり角を曲がった瞬間に全力 ダッシュをして距離をとろうとしたら、彼らも同様に走り出したのを道端のカーブミラー越 しに見て、いよいよ確信した。 あれは相手プレイヤーからの妨害だ。 迂闊にもタルタロスの登録名に本名を使うなんていう間抜けなミスを犯しているのを知っ てから警戒していたのだが、正解だった。 きっと奴らは隙を見せたら襲いくる。そう考えて、マコトは人通りの多い、大きな道路に 出た。タルタロスまではそこそこの遠回りになるが、仕方ない。 途中コンビニに寄る瞬間に横目で後方を見たが、そいつらは諦めたようでさっきよりも遠 巻きにこちらを窺っていた。 もしかしたらどこかへ行ってくれるかも、という淡い期待を抱いて少し漫画雑誌を立ち読 みしながら時間を潰し、店を出てその行為が無駄だったことに軽く嘆息して、また歩きだす。 交差点へ出た。道路を横切って向こう側の歩道へ行かなければならない。 他の人たちと一緒に信号が変わるのを待つ。この時間帯は変わる間隔が長い。 まさかここでは仕掛けてこないだろうな、と携帯のカメラで後方をうかがうと、敵たちは すぐそこまで迫ってきていた。先頭の、キャップに迷彩柄のパーカーを着た男が上着のポケット に手を突っ込んでいる。 小さく舌打ちした瞬間、信号が変わったのでマコトは急いで歩き出した。さりげなく距離 をとって、それから走ろう。 そうして横断歩道の真ん中にさしかかった時―― 一瞬、何が起こったのかわからなかった。 いきなり大きな衝撃が横から襲ってきて、天地がぐるりと回った。 呼吸はできず、目は眩み、体はしびれていた。 そして気づいたらマコトはアスファルトに大の字になって、地下都市の灰色の空を仰いでいた。 周りで誰かが騒いでいる。腹と口の中が熱い。咳き込む。赤い液体が額を横切った。 「だぁいじょーぶですかぁ~?」 身動きがとれないマコトの周りにいくつかの人影が立つ。そのうち1人は迷彩柄のパーカーを着ていた―― 我にかえっても、マコトはしばらく自分がどうなったのか解らなかった。 むしろ、我にかえったことで、マコトはますます状況が飲み込めなくなってしまっていた。 マコトはベッドに寝かされていた。それはいいのだが、どういうわけかマコトの周りには 何故か可愛らしい兎のキャラクターのぬいぐるみがいくつも置いてあるのだ。 とりあえず上体を起こそうとしたら全身に激しい痛みが走ったので、諦めて頭だけで周囲を見渡す。 ここは誰かの部屋らしかった。反対側の壁にクローゼットとパソコンの乗った机が見える。 そのパソコンの脇にもやはりキャラクターのぬいぐるみだ。 一体これはどういうことだろうか。しばらく色々と考えながらマコトは天井を見つめていたが、 部屋のドアが開く音で頭をもたげた。 「……ん?もしかして……」 その声は女性のものだった。いや、『女性』というよりは、『女の子』……? 彼女はベッドのそばに駆け寄ってきて、マコトの顔を見下ろして、いかにも嬉しそうな声をあげた。 「あ、起きた!」 その底抜けに明るい声に、思わず頷く。彼女の顔は照明の逆光でよく見えない。 「起きれる?」 「いや……」 「じゃあ、はい」 すると彼女は毛布をはがし、マコトの上体を起こそうとする。そこでマコトは自分が上半身裸で、包 帯とガーゼを巻かれていることを知った。 痛みに耐えつつやっとのことで上体を起こすと、彼女は満足げに「よし!」と頷く。 そこでようやく、マコトには彼女の顔がはっきり見えた。 彼女は整った、目の大きい、活発な印象の顔立ちをしていた。髪は短く切ってあり、少し色が薄い。 「可愛い顔だ」と、マコトは素直にそう思った。体格は小さめで、四肢は細い。中学生、いや、小学生だろうか。 「大丈夫?」 彼女の言葉に曖昧な返事。 「助けてくれたんですか……?」 「うん!」 即答だった。 彼女は机のところから椅子を引き、ベッドに寄せる。 「いやーもうびっくりしたよ!いきなり目の前だったんだもん。」 何を言っているのかいまいち掴めない。マコトは聞き返した。 「事故だよ。君はバイクにはねられたの。」 「バイクに……?」 その言葉で思い出した。 そうだ、自分は横断歩道の途中でバイクに跳ねられたんだ。 ただ直前で気づいたので、実際には『かする』ように跳ねられたのだけど。 ……しかし、タイミングが良すぎる。もしかしたら、あのバイクも敵の手によるものだったのかも。 そしてその後―― 「――なんだか君がいきなり怖い感じのおにーさんたちに囲まれたから、クラクション鳴らしておどか したら、みんなどこかへ行っちゃった。」 ……そうだったのか。ん、いや待てクラクション? マコトは改めて目の前の女の子を見た。 どうみても小学生、控えめに言っても中学生にしか見えないのだが。 「なに?」 見られていることに気づいた彼女が訊いてくる。マコトは少し焦った。 「そ、そういえば、自己紹介を……」 「ああ、してなかったね!」 彼女はそう言って姿勢を正し、マコトを正面に見据えた。 「私はイナバ、『ミコト・イナバ』って言います。大学で医学を学んでます。」 「大学生!?」 つい声に出してしまった。 ミコトはそれを聞きつけ、不満げに口を尖らす。 「あー……やっぱり、高校生くらいだと思ってたでしょ。」 本当は小学生なのだが、マコトは申し訳なさそうに謝っておいた。 「いやーいいけどね、よく言われるし。でも免許も持ってるし、お酒も1人で買えるんだよ。 ……まず年齢確認されるけど。」 納得しかできない。 「それで、君は?」 問われて、慌ててマコトも名乗った。 「マコト・アマギくんか。私と名前似てるね。『マ』コトと『ミ』コトで。」 そうして彼女は笑顔を浮かべる。 うーん……それ大学生の笑顔じゃないだろ。 「ここは、イナバさんのお部屋ですか?」 「うん。」 「……なんで俺はここに?」 「あれ?説明しなかったっけ?」 「いえ、そういう意味ではなくて、なんで病院じゃないのかなって。」 「へ?」 彼女は首をかしげたが、マコトは最初から疑問だった。 普通、交通事故に遭遇したら警察か消防に通報するだろう。もしくは無視か、写真をとるか。 「あーそういえば……そうだね。」 イナバは言われて腕を組み、考えこむような姿勢をとる。 それから数秒後、「よくわかんない!」ととびきりの笑顔で言ってのけた。 全力でツッコミを入れたくなったが、怪我の痛みに断念する。 「いやーこっちも動転してたからねー。なんだか勢いで君を車に乗っけて、手当てまでしちゃったよ! あはは……」 ちくしょう、ツッコミてぇ! 「……ま、まぁまぁまぁ!それでも手当ては自分で言うのもなんだけど、正確だよ!怪我も思った より軽かったし、病院行く必要も――あんまり無い位だし!」 『あんまり』かよ! 「どこも骨折はしていないし、ただちょっと打撲と擦過傷が酷い感じ。だけど今日半日安静にして れば日常生活には支障無い程度には回復すると思うから。」 ……本当だろうか。 「これでも最高学府主席だからね。信用して!」 「……え゛え゛え゛え゛えええええ!?」 思わず叫んでしまった。と、同時に怪我の痛みがマコトを苛める。 「だ、大丈夫!?」 うずくまるマコトを身を乗り出して気づかうイナバ。マコトはなんとか「大丈夫」と言った。 ……マコトもそんな長いこと生きているわけではないが、これほどツッコミどころしかない人間 を目にするのはもう後にも先にもないだろう。 目の前の女性は、小学生にしか見えないのに実際は大学生で、しかも最高学府の医学部主席とい うとんでもないエリートだったのだから。しかも若干天然入ってる感もある。 ……世の中凄い人が居るものだ。 「本当に大丈夫?何か他に痛むところがあったら言って――」 「――いや、大丈夫です。ありがとうございます。」 なんとかして上体を起こす。 イナバはその様子を見て少し安心したようだった。 「んーでも、思ったより元気そうだね――これなら今日中に回復するかも。あ、そうそう」 彼女は椅子から立ち上がる。 「アマギくんのお家に連絡したいからさ、電話番号とか教えてくれない?」 ぎくりとした。そりゃそうか、そういう流れになるよな。 「いや、家には……」 「あー、そうか、ダメな感じ?」 イナバは思い出したようにそう言った。マコトは簡単に肯定する。 「そうだよね。じゃなきゃ、平日の朝に高校生が私服で歩いてるわけないか。」 「……はい。」 「じゃあ、連絡はいいや。」 「……ありがとうございます。」 「それにしても」 いきなり彼女がマコトのすぐ前に顔を突き出してきたので、マコトはたじろぐ。 「見かけによらず、不良少年だね」 そうして微笑んだミコト・イナバは、影になったせいか、ふと鼻をくすぐった何かの香りのせいか、 その一瞬だけ、年齢相応の表情に見えた。 彼女は顔を引っ込めて言う。 「じゃあ、回復するまで居ていいよ。あ!そうだ、お昼ご飯食べていきなよ!昨晩シチュー作りすぎ ちゃったんだ!」 「……は、はい。」 勢いに圧倒されてしまった。 その返事を聞いて、イナバはまたにっこりと笑顔を浮かべ、そのあと「ちょっと用事を済ませてくるね」 と言い残して部屋を出ていった。 1人ベッドの上に残されたマコトは、とりあえずまた仰向けになる。 ぼんやりと、天井を眺めた。 ……なんだろう、あの人は。普通見ず知らずの男を、目の前で交通事故に遭ってるのを見たからと いって、本人が医学をかじっているからといって、家に連れ込んで手当てなんかするだろうか?むし ろ、医学をかじっているからこそ、普通は病院へ連絡をとろうとするものではないのか? それとも、それもあの人のあのどこかボケたキャラが為す所業だろうか。 ……まさかとは思うけれど、あのイナバさんも『ケルベロス』の仲間なんてことは…… ……いや、きっと考えすぎだろう。疑心暗鬼になっているだけだ。 あんな人に、タルタロスのような暗い世界は似合わない。 それに、もしも敵ならば、自室に連れ込みこそすれ、手当てはしないだろう。むしろとりあえず指や 腕を折って――いや、これ以上考えるのはよそう。 彼女は『親切な人』。これでいいんだ、きっと。 ……でも、やっぱこわいよなぁ。 結局、マコトが独りで立てるようになったのは夕方になってからだった。 まだ打撲したところがかなり痛むが、湿布や痛み止のお陰でなんとかなった。ただ問題なのは腕で、 内出血と打撲、あと擦り傷のせいで指を動かしただけでもかなり痛い。これじゃ明日の戦いに影響が出る。 ……結局、敵の妨害は少しだけだが、成功したわけだ。 それに加えてほんの少しショックだったのが、イナバの手当てが腰や太股にも施されていたことだ。 つまり、マコトが気絶している間、彼女はマコトのズボンを脱がして手当てをしていたことになる。 ……想像すると恥ずかしかった。 しかし、そのおかげで今、マコトはこうして立てている。 感謝していた。 ベッドのそばに立つマコトは顔をしかめながら軽く屈伸運動をする。激しい運動はやはり厳しい。 部屋を見渡す。白いウサギのキャラクターのグッズで飾られた部屋は、いかにも『女の子の部屋』という感じだった。 そういえば、この部屋はだいたい町のどのあたりだろう。そう疑問に感じて、マコトは出窓に近づいた。 カーテンは閉じられている。開こうと手をのばすと、激しい痛みが腕を襲う。こらえながらカーテンを開け、 外を眺めた。 見覚えの無い街並みだったが、その建物だけは嫌でも目についた。 「あれ……エリュシオンだよな。」 見間違えるわけがなかった。どうやらこの部屋はエリュシオンから駅へ向かう道を反対方向に行ったとこ ろにあるらしい。しかもエリュシオンからは見た感じそんなに遠くはない。 タルタロスへのアクセス良好とか、優良物件すぎるな。 そうひねくれた考えが浮かんだ直後、出窓に写真立てが置いてあるのをマコトは見つけた。 何気なく手にとる。写真はイナバ自身と、若い男性が楽しげな様子で抱き合っているものだった。日付は 一昨年だ。 イナバさんの彼氏だろうか。 ……きっとロリコンなんだろうな。 なんとなくマコトはその写真をよく見た。 相手の男性は大学生くらいで、長めの、明るめの色に染めた髪をしていた。イナバさんと服でよく見えない が、体格はどうやらそこまでがっちりしているわけではないが、筋肉質な感じだろう。 大きめの瞳と、明るい笑顔が印象的な若者だった。 ……どこかで見たことがある気がする。 加えて、マコトはこの写真に何か違和感を覚えていた。なんだろうか、何かが『違う』気がする。この写真は―― そのとき突然、部屋のドアが開かれてマコトはびくりと身を震わせた。 「あ、回復した?」 マコトが自力で立ち上がっているのを認めて、ミコト・イナバはそう言った。 マコトは素早く写真を出窓に置いたが、無駄だった。ミコトは一度写真立てに視線を飛ばして、言う。 「なにしてたの?」 「いえ……写真を。」 「ああ、その写真?」 イナバはマコトに近づいて、置かれた写真立てを手にとった。 「彼氏だよ。同じ大学で知り合って、それで……」 そこまで言った彼女はどう続ければいいかわからなくなったようで、沈黙する。マコトはとりあえず会話を繋げた。 「いい人そうですね。」 「そうでもないけどね。」 彼女は笑う。 「無駄に自信満々だし、オタクだし、バカだし、でも……」 「……でも?」 「……私を好きになってくれた。」 そう小さく言ったイナバの表情は無表情に近かったが、しかしその茶色の瞳には深い哀しみがあった。 今までの明るい彼女からは想像できないようなその表情にマコトは、息をのむ。心に痛みの無い大きな刃物がすぅと 突き刺さるような、そんな不思議な感覚がした。 そうして数秒の間、イナバは沈黙していたが、はっとして、「あはは、なに言ってんだろうね!」と明るく振る舞って 誤魔化そうとする。 曖昧に頷き、それからマコトは話題を反らすためにイナバに礼を言った。 「いやいやいいって、むしろこっちこそ病院に連絡せずに勝手なことしちゃったし。」 そして彼女はこちらを見た。 「それで、アマギくんはこれからどうするの?」 マコトは考えて、決めた。 「ちょっと寄るところがあるので、そこに。」 腕が痛むというのなら、早い内からグラウンド・ゼロのコントローラを握って、その痛みに慣れておく必要がある。 戦いは明日だし、それまでに腕の完治は間に合わないだろうから。 「そう……『大丈夫』?」 色々と含んだその言葉に、マコトは頷く。 「多分、大丈夫です。近いし。」 「へぇ。ちなみにそれはどこ?」 「あそこにゲームセンターが見えますよね?あそこに。」 「こんなときまでゲーム?」 「そういうわけでは」 「……本当は安静にしてて欲しいんだけどなー」 「……そういうわけにもいかないんです」 命がかかっているのだから。 「そう、じゃあ、せめて送っていくよ。色々と心配だし」 自分を轢いた連中のことを言っているんだろうな、とマコトは思った。 「悪いですよ」 「怪我人を好き勝手にいじくりまわして挙げ句の果てに追い出すなんて、そっちの方が悪いよ。」 ……『悪い』、か。なんだかひどく懐かしさを覚える言葉だ。 「アマギくんが遠慮しても、私は送っていくからね!」 きっとここでまた断っても、彼女は押しきるだろう。そういう人だということは、まだ会ってから半日も経っていない マコトにも理解できる。 「じゃあ……お願いします」 「ん!」 はじけるような笑顔で彼女はそう言った。 エリュシオンの駐車場でイナバと別れ、タルタロスに降りたマコトは、まず最初に登録名変更の手数料を納め、そして 練習室へと向かった。 グラウンド・ゼロのシートに座る。背中から足にかけて結構な痛みがあるが、静かに座っているかぎり問題ない レベルだ。 厄介なのは、やはり、肩と腕の痛みだった。 操作レバーをちょっと動かすだけでもひどい痛みがマコトを苦しめるし、複雑な操作が要求されるテクニックを しようものなら一瞬涙目になってしまう。 なにより、反応が遅い。普段なら絶対に当たらないような攻撃でもくらってしまっている。 このままでは駄目だ。そう感じたマコトは、一度練習室を出て医務室へ行き、痛み止をもらうことにした。それで どの程度改善されるかみてみよう。 痛み止を医務室で貰い(何故か代わりに採血を要求されたが)、廊下を足を引きずるように歩いていたときだった。 目の前の通路に見覚えのある人影があった。その人物はあの特徴的で耳障りな声を張り上げて、廊下の真ん中で電話 をしているようだった。しかも見たところかなり荒れていて、時々自分の頭をつかんで髪をぐしゃぐしゃにかき乱した り、廊下の壁を軽く蹴りつけたりしている。 マコトがそばを通り抜けようか迷っているうちに、電話は終わったようで、その人物は呼吸をととのえながらそれを しまった。 そしてふと、目が合う。 その人物――コラージュはひどく苦々しげな表情をして、マコトの方へと歩み寄った。 「まったく、不愉快だよ!」 コラージュがそう言うのをほんの少し、心の中で喜びながらマコトは理由を訊いた。 「こんなケースは始めてだ!」 彼は何故だかマコトを睨む。 「そりゃあタルタロス外でプレイヤー同士で何してもこっちは関知しないけれども、これはさすがに、許せないなぁ!」 「俺のケガに関係ある話か?」 「ああ――ちくしょう!」 マコトの言葉を無視したコラージュは一度大きく頭を振り、そしておもむろに上着の内側から『何か』をとりだし、 その『何か』で――自らの胸を撃ち抜いた。 壁に大きく鮮血が飛び散る。 マコトは一瞬何が起こったのか解らなかったが、鼻をつく火薬の臭いと、コラージュが胸を撃ち抜いたときに鳴った 大きな破裂音で状況を理解した。 コラージュはうなだれて壁に寄りかかり、脱力している。 「……うわあああ!」 数秒の間を置いて、やっとマコトは叫んだ。足から力が抜け、廊下にへたりこむ。 コラージュの、拳銃を握った手を伝って、胸から流れてきた血が床に落ちた。 なんだこれ。わけがわからない。目の前の男はコラージュだ。あのコラージュがいきなり拳銃を抜いて――死んだ? 誰が?コラージュ?そんな馬鹿な。死ぬわけない。こんないきなり―― 「あー……痛い」 力の無いしわがれ声が聞こえる。マコトはハッとしてコラージュの死体を見た。 いや、死体ではなかった。コラージュはもはやうなだれてはいなかった。 彼は2本の足で力強く立ち上がり、上着の内側に拳銃をしまいながら気だるそうに首を鳴らしてさえいた。 そうして混乱しつつ腰を抜かしたままのマコトを認め、手をさしのべる。 「いやぁ、びっくりさせたね」 コラージュはさしのべた手のひらが血まみれであることに気が付き、ハンカチで拭って、また手をマコトにさしのべる。 「どうしようもなく気分が落ち着かないときはよくこうするんだ。こうすれば、脳ミソがリセットされる。」 マコトは手を受け取り、引っ張りあげてもらう。それでも足元がふらついたので壁に手をついた。 「いや……大丈夫なのか?」 何とか、マコトはそれだけ訊けた。 コラージュは笑顔で「うん」と答え、上着の前を開いて撃ち抜いた傷口をマコトに見せつける。 「めちゃくちゃ痛いけどね。でもホラこのとおり、血は止まってる……」 彼が見せつけるグロテスクな傷口からは、確かに血は流れていなかった。 「でも、それ、おかしいだろ……」 そうだ。絶対におかしい。胸を撃たれて大量に出血してるのに、本人はこんなに元気そうだなんて。 「ってそんなことはどうでもいいんだ。」 コラージュは上着の前を直し、マコトを見た。 そうして彼は微笑む。 「大変だったね、アマギくん。でも自業自得だから、相手のことを恨んじゃダメだよ。」 「あ、ああ……。」 「にしても、『オルフェウス』か。」 彼はくつくつと笑った。 「ギリシャ神話のオルフェウス。死んだ妻を追って冥府に下りた男の名前をプレイヤー名にするなんて、君はどれだけ あの――なんだっけ、コバヤシくん?が好きなんだよ。君は同性愛者?」 マコトは心底不快に感じて、もう相手をする気も失せて、コラージュに背を向けた。 「アマギくん、ひとつアドバイスしてあげるよ!」 コラージュはその背に叫ぶ。マコトは足を止めた。 「君は、『ケルベロス』に負ける。」 マコトは彼が断言の理由を述べるのを黙したまま待った。 「――だから、遺書はしっかり書いておいたほうがいいよ」 乱暴にマコトはコラージュの前から去った。
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所属ギルド 魔法使い専用 月光夜桜 リーダー 無限咲良 最大メンバー15人 blogs.yahoo.co.jp/saku1827←ブログ
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ギルドイベント ギルドイベント開催します! 第三回は「麻雀大会!」。 ひねりがなくてスマソ。 6/26(土)無事に終了しました!長時間おつきあいいただきありがとうございました! 結果 1位...瑞穂ちゃん 様 2位...ChikageBR 様 3位...トントン( ゚д゚) 4位...†パトリシア 様 事故の3位を除き、入賞した皆様には景品を送ります! おめでとうございます! 主催者のコメント ↓↓↓ コメント欄見るべし ルール 日時 開催:6/26(土)22 00~ スムーズに進めば1時間程度で終わると思います。 場所 会場はハンゲーム「麻雀4」。 ルール説明や準備などがありますので、参加希望者は21 45までにラテールにログインしておいてください。 準備 ハンゲームのアカウントをもっていない方は、こちらでハンゲームのアカウントを作成してください。 ルール ハンゲームで4人麻雀をします。 トーナメント方式にするか、点数方式にするか、 また、メンバーの組み合わせはどうするかなどは当日の参加状況を見て決定します。 麻雀をやったことがない人向け 麻雀のルールは特に難しくありません。 役を覚えたり、うまく手を作っていくのには練習が必要ですが、 基本は以下の通りです。 さいころを振って親を決める 全員が13個ずつ牌を取る、親は14個取る 親がいらない牌を捨て、次の人が引く 目標は、自分の番で手牌の14個を 3 3 3 3 2 の形にすることです。 数字の3連続、または、同じ牌を3つずつで一単位になります。 3個ずつでは14個にならず、2個余るので、数合わせに同じ牌を2個揃えます。 これを「頭」と言います。 3個3個3個3個+頭、つまり、上図のような形になればあがりです。 あがりの宣言は麻雀では「ツモ」と言います。 麻雀は役がないとあがれないですが、「ツモ」は役としてカウントされます。 つまり、引いてきた牌を上の図のような形にすれば、仮に役を一切知らなくてもあがれます。 あがったあとの手牌の並びや、あがり方でいろいろな役がつき、点数が決まります。 他人が捨てた牌で「ロン」と言ってあがることもできますが、 「ロン」は役としてカウントされないので、他に役を作る必要があります。 これを繰り返し、親が一回りしたらゲーム終了です。 ↓ルールやゲームの流れ、役など http //majyan.com/index.html ↓こちらで簡単に麻雀が試せます(フラッシュ) http //www.gamedesign.jp/flash/mahjong/mahjong.html 補足 わからないことがあったり、実際にやってためしてみたい場合は遠慮なくマスターまで! 商品 優勝...下級スペシャルアイテム交換券 2位...フェザーシールド 3位...チョコレート盾 4位...ガマガエルスタッフ コメント欄 国士失敗ざまぁwwww 俺が決勝でてれば1位だったんですがね。 やってみたところあんまり大会向きではないのかなって気がしました。初戦敗退してしまった人もこれを気に麻雀始めてくれればいつでも打ちますYO!遊びでみんなでワイワイって感じもいいんじゃないでしょうか。次のイベントに期待ということで締めたいと思います。 おつかれさまでした^q^ -- はにゃ (2010-06-27 00 54 50) 名前 コメント
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ゴールドハンド こおるとはんと【登録タグ:VOCALOID ライブP 曲 曲こ 曲こお 鏡音リン】 曲情報 作詞:ライブP 作曲:ライブP 編曲:ライブP 唄:鏡音リン ジャンル・作品:VOCALOID カラオケ動画情報 オフボーカルワイプあり オンボーカルワイプあり コメント 名前 コメント
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翌日、家を出たマコトは学校へ向かう途中、イナバから電話を受けた。 「コンドウさんから聞いてるよね?学校なんかいいから、ウチ来てよ。」 イナバ家に上がり、リビングの床に荷物を置いて、マコトはイナバに訊いた。 「そっちは大学は?」 「テストで点数とればいいから、行かなくてもいいんだよ。」 彼女はいつものカジュアルな格好で、ホットミルクのカップを啜りながら言った。 「いいなー、自由で」 「そうでもないよ、気を抜くとすぐダラダラしちゃう。」 「隣の芝は青く見えるのかな」 「かもね。……さて本題。」 イナバはカップを置き、マコトに向き直った。 「目標は打倒タナトス!ざ☆修行ぱぁと!」 「最近あざといな」 「なにが?」 「いやなんでもない。」 顔の前で軽く手を振る。 イナバは咳払いをした。 「と、いうわけでこれからコンドウさんの指定したタイムリミットギリギリまで、修行タイムだよ。 時間の許す限りトレーニングしよう。」 「ああ、わかってる」 「じゃあ早速だ!」 2人は昨日自分たちで設えた練習室へと向かう。 扉を開けると、小さな部屋いっぱいに組み上げられたグラウンド・ゼロの筐体が唸りをあげていた。 「すげー光景だな……」 思わずマコトはそう漏らす。フローリングの床にかつてゲームセンターでよく見かけた、 白く大きなカプセル型の機械がどんと置かれている様は異様というか、間抜けというか。 「そういえば」 マコトは思い出す。 「コーチをつける、って言ってたけど、その人はどこに?」 「その向こうがわ。」 彼女が指差したのはグラウンド・ゼロだった。 よく理解できないままとりあえずカプセルの中に入る。人型兵器『AACV』のコクピットをイメージして デザインされたそのシートに身を埋め、懐かしい気分に浸る。 思わず財布を取りだそうとして、必要ないことに気づいた。 『グラウンド・ゼロ』のカプセルはゲーム展開に合わせて激しく振動する。そのためのシートベルトをして、 ICカードを差し込んだ。 スタートボタンを押すと『グラウンド・ゼロ』のロゴが光り、モード選択画面に移る。 そこでマコトはあれ、と思った。 『グラウンド・ゼロ』にはオンラインモードとオフラインモードがあるのだが、選択できるのがオンライン モードしかない。しかし、オンラインプレイに必要なサーバーは既に無くなっているはずだ。 だが他にどうしようもないのでオンラインの『対戦』モードを選択する。 すると、自動的にクラス別の部屋に分けられる。そこには通常同じくらいの実力のプレイヤー名がリストになって 表示されるのだが、グラウンド・ゼロが回収された今、最下クラス『E』の部屋には1つの名前しかなかった。 「『TESTER』……?」 他に名前は無いし、おそらくこれで合っているだろう。カーソルを合わせてボタンを押した。 画面に自分と相手の情報が表示される。当然だが、お互いにほぼ素人同然の成績だ。 名前を選択し、対戦を申し込んだ。筐体に備え付けのマイクを引き寄せる。 「あなたが俺のコーチですか?」 答えは対戦申し込みを受けることで返された。 画面は速やかに機体選択と武器選択画面になる。タルタロスでの嫌な思い出―― いつもの重装型とライフルを選んだ。 「重装型か……」 スピーカーからぼそ、と相手の声が聞こえた。よく聞き取れなかったが、少なくとも男だろう。 そういうお前は、と敵の機体を確認すると、自分と同じ重装型だった。 ……オーケー、まずは自分と同じ機体を選んで、実力の差を見せつけようというんだな。やってやろうじゃねーか。 マコトの胸に炎がちらついた。 いつもの発進前のCGムービーが終わって、画面が白く染まる。 さぁ、お手並み拝見だ――頭の中で『口だけ男』の実況が流れる――『今回のステージはぁ!?』――雲海を抜けた。 『――サハラ砂漠だ!』 頭の中の実況は放っておくことにした。 『こいつはラッキー!お互いの実力を知るなら最適のステージだ!アフリカ大陸の死の砂漠を再現したこのステージは 広大で、しかも視界を遮るものがほぼナッシン!だけど気をつけなぁ!?』 その通りだ。 『クソたっけぇ気温のせいでオーバーヒートは起こしやすいし!巻き上がる砂嵐で視界も同じく砂嵐! 地味に高低差もあるから――ってこいつは飛んでりゃ関係ないか!』 やっぱ口だけ男はうるさいな。今回に限ってはあいつに責任は無いけれど。 いつものように着地する。が、いつもと違って地面が柔らかいので、機体の脚が埋まり、バランスを崩して転倒した。 予期せぬ衝撃に舌を噛む。走る痛みと微かな血の味。が、気にしないようにして素早くスラスターを吹かし、 その罠から脱出する。 大きく巻き上がる砂煙。しまった、と思ったときには遅かった。 遠距離から射撃を受ける。防御しつつ、避けるために高度を落として飛行した。 まだお互いの位置が把握できない始めの瞬間に、自らどこに居るかを教えるなんて。 だが相手がそれに噛みついてきたおかげで、マコトも敵のだいたいの位置を知ることができた。 11時の方向に敵はいる。しかも飛んできた弾から、武器はライフルかマシンガンだとも判った。 レーダーを広く。果たして予想通りの方向に反応があった。 相手もマコトの位置を把握したころだろう。これで対等だ。 マコトは敵機に向かってまっすぐ飛んだ。このステージでは小細工はほとんど意味を為さない。 ならば早いとこ目視できる距離まで近づくべきだろう。 砂丘を越える。見渡す限りの大砂漠にぽつりと、黒い重装型AACVが居た。 敵はこちらを向いている。ならば相手もこちらを目視しているはず。だが向こうはピクリとも動かない。ナメやがって。 ライフルの狙いをつけて、乱射した。 発射された弾丸はいくつもの小さな砂の柱を上げながら敵へとさかのぼっていく。ついに敵が動いた。 マコトを向いたまま、滑るように後退していく。大きな砂煙が巻き起こった。 くそ、よく見えない――しかしその砂煙の向こうがわに確かに相手はいるのだ。マコトはトリガーを引く指は弛めない。 機体ステータスなどのさまざまな情報を表示する、画面脇の小さなウィンドウに「命中」の表示が連続する。 よし、当たってる。 敵が後退を止めた。砂煙の向こうからライフルを構えた姿が現れる。なんだ、今さら反撃か?もう遅い――トリガーをさらに握りこむ。 途端、警告音が鳴った。 はっとして、自分の失敗を知る。両肩のメインスラスターとライフルが熱ダレを起こしている。そうだ、ここは『サハラ』だ。 引き金から指を離し、スラスターも一瞬別方向に吹かしてから止める。少し冷却しなければ最悪停止してしまうからだ。 幸いこのステージはよく強風が吹くので冷却にさほど時間はかからない。それより問題なのは目の前の―― 視線を飛ばしたその時、ピタリと正確にこちらに狙いをつけた、敵のライフルの銃口と目が合った。刹那、画面が砂嵐に覆われる。 マコトは何をされたのか理解した。 ヘッドショットだ―― マコトたちが操る人型兵器AACVは頭部がメインカメラであり、またその他の主要な機能が集まった、 人間と同じいわば『脳』なのだ。 そしてその『脳』が破壊されると、一時的にメインモニタがきかなくなり、移動を含めたその他あらゆる行動ができなくなる『脳震盪』 の状態になってしまう。時間はだいたい10秒ほどだが、プレイヤーの間では『頭部を破壊される=負け』だと認識されている。 それほどに10秒間の棒立ちはこのゲームでは致命的だった。 当然マコトも、目の前に降り立った『テスター』に何も抵抗することはできず、ただ巨大な剣で胸を貫かれるのを待つほかはなかったのだった。 画面に『LOSE』の4文字が大写しになる。マコトは深いため息をついた。 まさか頭部を破壊されるなんて。あんな小さなポイント、狙って当てられるものじゃない。なのに破壊されるとか、 運が悪かった。――そうにきまってる。 画面にはリザルトが表示されている。総合ポイントもテスターの方が上だ。 なんとなく眺めていると、スピーカーから相手の声がする。 「……さて、はじめましてアマギくん。」 テスターの声はやはり少年のものだった。 「俺が『テスター』だ。アヤカさんから頼まれた。」 「テストは合格か?」 「もちろん、不合格。」 その事務的な物言いに、こいつとは仲良くな れそうにないな、とマコトは思った。 「リプレイを見よう」 テスターは言う。画面がリプレイに切り替 わった。 「まず君の意見から聞きたいな。君の最初のミ スはどこだ?」 「着地か?」 マコトは少し投げやりな態度で言った。 「はずれ。」 「でも最初に位置を把握されるのはマズいだ ろ。」 「普通はね。だけど今回のステージのような場 所ではレーダーの効きがいいし、見晴らしもい いからどうせ何もしなくてもすぐにお互いの位 置は判る。 近距離なら問題だけど、ある程度遠 距離なら数秒の違いは問題じゃない。むしろ短 期決着を望むならあれは正解だ――体勢さえ保っ てれば。」 嫌味ったらしいな、このテスターとやらは。 「問題はそのあと。」 画面はマコトがテスターに突撃するシーンになった。 「まず第1に、射撃開始の距離が遠すぎる。ロックオンを信用しすぎているのかもしれないけれど、敵だって避けるんだ。 遠ければ当たらないのは当たり前。」 テスターはそう、画面を俯瞰モードにして指摘した。 「第2に、撃ちすぎ。あの撃ち方じゃ万が一長期戦になったらほぼ確実に弾切れになる。しかも君はこちらが重装型だと確認したうえであの射撃だ。 正面からの重装型にただのライフルじゃ、有効打なんか見込めるわけない。」 少しイライラしてたせいだよ、とマコトは思う。 「第3に、ステージ環境を考慮に入れてなさすぎる。山岳要塞とか、あからさまな障害があるならともかく、 今回の『砂漠の熱』のような、パッと見ではわからないような障害には君は気づくのが遅い。今回の熱ダレとか、 文字どおり致命的だ。」 「……そうだな。」 悔しいが、その通りだ。反論できない。 「さらに君は砂漠の砂煙すら考えていなかった。せっかく見晴らしがいいのに、あんなふうに外した弾丸の砂煙を立てちゃ意味がない。 敵から目を離す時間が1秒長くなるほど、自分の寿命が1時間短くなると考えるべきだ。あと――」 「わかった、わかった。もう充分だ。」 マコトは少し皮肉っぽく、しかし半分は本心で相手の言葉を遮った。 「テスター、アンタが凄いってのは分かったよ。」 「……そうか。」 「アンタもプレイヤー?」 「いや、俺は――いや、そんなことはどうでもいいんだ。」 「なんだそれ」 「ところで、話を戻すけれど、その、君が倒そうとしている――えと――」 「タナトス」 「そう。そいつをあと13日以内に倒すには、どうすればいいと思う?彼はきっと俺より強い。」 マコトは一瞬考えた。 「練習。」 「何の?」 「何って――倒すための。」 「それじゃダメだ。目的意識を持たなきゃ。なにしろ時間が無いんだ。」 「じゃあ、どうすればいいんだ。」 ムッとする。 「それを考えるのも、君の課題だ。」 「なんだそれ。」 「そしてそれを考えるには一分一秒も無駄にできない。次のラウンドへ行こう。」 テスターが何を言いたいのか、マコトにはまだわからなかった。 それから数時間、マコトはテスターとの戦いを続けていたが、そろそろ集中力が切れてきたので、 小休憩をとることになった。 テスターが言う。「必要なのは余計な事を考えないこと。『ここで撃ったら相手が死ぬ』とか、そういった、 勝つという目的のためにならない思考はカットすべきだ。」 「そんなこと、考えるわけない。」 「それは何故だ?」 「だってそんなの当たり前だろ。」 「そう、その通りだ。『当たり前』。」 「なんなんだよ、何が言いたい?」 「俺が言いたいのは、その『当たり前』が『当たり前』であり続けるということが『当たり前』であるようになる、 というのがこの練習の最終目的であるということだよ。たとえ敵が唯一無二の親友であっても躊躇いなく引き金を 引けるような……そんな、『当たり前』のことをできるように、君はならなくちゃならない。」 「それなら、もうできてる。」 「そう。その『当たり前』を大切に。」 やはりマコトに彼の言葉は難しすぎた。 日もとっぷりと(電源が)落ちて、すっかり暗くなった通りをふたりは歩いている。 マコトは歩きながら大きく肩を回し、それから首を鳴らした。その様子を、隣で歩くイナバは見てとって、 「おつかれさま」と声をかけた。 なんとなく気恥ずかしく感じ、マコトは彼女を見ないように返事をする。 「頭痛がするよ」 彼はそう言った。それは本当だった。朝から晩までゲームしてたらそりゃそうだ、とマコトは自分にツッコミをいれた。 「帰ったら少しストレッチをするといいよ。血行が悪くなったのかも。」 「試してみる」 イナバはマコトの横顔を覗き込み、練習の成果を訊いた。マコトは曖昧にごまかす。今日1日顔も名前もわからないコーチと練習した結果、 どうやらあの『テスター』は自分なんか足下にも及ばない腕前の持ち主らしい、というのがわかったが、 どうにもマコトはそれが気にくわなかった。 コーチが自分より上手いのは当たり前のことなのだが、何か気に入らない。きっとこれは生来の性分によるものだ。 マコトはそう諦めて、今日のこの胸のムカつきと頭痛の不快感を、プラス方向へ転換するための努力をすることにした。 「すごいプレイヤーだよ、アイツ。とらえた、と思ったらあっちより先にこっちが撃たれてる。」 「へぇ」 「ノーロックでの射撃すらほとんど避けられなかった。もう意味がわからない。」 「でも、タナトスはそれより強いんでしょ?」 「アイツがそう言ってただけだよ。あれより強いとか、想像つかない。」 「ふーん……」 イナバはまた前を向いた。その横顔は街の灯りに照らされて少し大人びて――年齢相応に――見える。 マコトはぽつり、つぶやくように彼女に言った。 「ありが――」 「そういえば、申し込みはしたの?」 しかし遮られた。マコトは首を傾げる。 「なんの?」 「ほら、タナトスとのゲーム。はやく申し込んでおかないと、予定狂うかもだよ。」 そういえば、やってない。てっきりアヤカさんがやってくれているものと思っていたが、確認してみたほうがいいかもしれない。 「帰ったら確認するよ。」 「うん。――それで、なに?」 またイナバがこちらの目をのぞき込んでくる。ブラウンの大きな瞳を道路を走る車のライトがキラキラ輝かせる。 「いや……べつに、なんでもない。」 マコトは面映く感じてそっぽを向いた。 感謝の言葉を述べるにはまだ早いかもしれない。 きっと、全てが終わってからの方が意味がある。 そのために、彼女に一言、あの言葉を言うために、生き延びよう。 負けてなるものか。 「このあたりでいいよ。」大きな交差点に出たあたりで、マコトは言った。 「そう?」 イナバは足を止めた。 「じゃあ、ゆっくり休んでね。」 「ああ。」 「また明日」 「また明日。」 「おやすみなさい。」 「おやすみ!」 二人は別れた。 マコトは歩きながら携帯電話を開く。なんだか少し、心が温かかった。 ――その日の深夜。 タルタロス内にあるコラージュの私室は、美術館か博物館、あるいはどこかのトイレの掃除用具箱や無味乾燥な廃墟 の一角を切り取って繋ぎ合わせたような奇妙なものだった。テレビは1台も無いが、水道の蛇口は8つもあるし、 床には下の階の部屋(空き部屋)の絶景を望める天窓がある。壁の豪奢なシャンデリアは重量にあっさり組み伏せられて ぐしゃぐしゃだし、ベッドはどういうわけか常に機械で冷却されていて、さらに極めつけは、コラージュはまったく この部屋が好きではなかった。この部屋はうるさすぎる。 だがコラージュはこの部屋を改装したりだとか、そんなことをするつもりもなかった。 理由は、彼の最初の記憶がここにあるからだ。 コラージュには過去がない。気づいたらこの部屋でベッドに寝ていて、気づいたらタルタロスのオーナーだった。 その最初の目覚めはだいたい一年前で、そのころには既にタナトスが傍らにいた。 以来、コラージュはタナトスの指導をうけて、施設の経営や、様々な悪事のノウハウを手に入れたのだ。 なぜ自分には過去が無いのか、タナトスに訊くと、彼はこう答えた。 ――タルタロスオーナーであるコラージュは何人もいて、代替わりするのだと。先代のコラージュは何か別々のものを継ぎ合わせるのが大好きだったのだと。 そう聞かされて、コラージュは納得した。この全身の縫い目はそういうことか。定期的にある違法なナノマシンを 注射しなければ生きていけないのもそのせいか。 ということは、自分には、自分だけのものと言えるものが何もないということになるな――そんなことを彼は思って、 その『オリジナル』なものを探すことこそ我が人生とし、いつか見つかればいいな、そんなことを思いながら日々を過ごしている。 そして今、コラージュは1日の仕事を終えて、スーツを脱いで、寝間着のまま夜食のグリーンサラダを食べている。 何故だかダイエットがしたくなった。 静かな部屋にノックの音が転がり込む。返事をした。 入ってきたのは怪物の仮面に、ゆったりしたローブをまとった、大柄な人間――タナトスだった。 彼はテーブルの向こう側に座る。 「なにか用かい?」 訊かれて、タナトスは頷いた。 「この間の『裏切り者』の件だが」 「うん?」 「私たちは利用されたかもしれない。」 「……どういうことだい?」 コラージュは瞳にあやしい光を宿らせた。タナトスはひと息おく。 「マコト・アマギだが……最近妙だ。とある家に頻繁に出入りしている。」 「へぇ。」 「それで調べたのだが、どうやらその家には『サイクロプス』が居るらしい。」 「サイクロプス……が?」 タナトス再び頷く。コラージュはフォークを置いて、顎を撫でた。 現在のタルタロスのセキュリティシステムを作った人間と一緒にいる……。 「なんか、アレだね。よくないね。」 「ああ。そこで例のあの写真を洗い直してみたが、やられた。あれは偽造だった。しかも高度な技術の…… ほぼ間違いない。一度話を聞いてみなくてはいけない。」 「そうだね。キムラくんには申し訳ないことをしてしまった。謝らなくちゃ。」 コラージュは悲しげに目を伏せる。タナトスはその様子を見て、さらに言った。 「だが問題がある。さっき、マコト・アマギは私にゲームを申し込んできた。」 それを聞いて、コラージュは目を輝かせる。 「本当かい!?ついにか!いつ?いつだい?」 「13……いや、12日後の夜からだ。」 そう聞くと少しコラージュは残念そうに肩をすくめたが、すぐにまた嬉しそうに身を震わせた。 「そうか……ついに彼が死ぬのか……ああーもう、彼が死ぬとき、僕にどんな表情を見せてくれるのか、すごい楽しみだよ!」 興奮した面持ちで、彼はレタスを口に運んで噛み締めた。オリーブオイルの舌を刺すような刺激。 「それで?」 コラージュは促す。 タナトスは何か言いたげな様子だったが、それを飲み込んで続けた。 「……お前も知っているはずだ。私が――」 「確かに、君はそういうのは好きじゃないね。このタルタロスにおいて自分の有利になるようなチートを使わないのも、 君だけだ。」 コラージュの言葉を、タナトスは無言で肯定する。 「だけどさ、今回のこれはそういう問題じゃないよね?」 「だから、私に任せてもらいたい。」 「君に?」 「ああ――べつに話を聞くのは、彼でなくても構わないのだから。」 タナトスはそう言って、仮面の奥の金の目を細めた。 ここはいったいどこなのだろう。 どうして私は椅子に縛り付けられているのだろう。 目を開けても部屋は真っ暗で、何も見えない。 記憶も少しぼやけている。 たしか、家に帰ろうとして、そのあと…… そうだ。急に車が近づいてきて…… 口元に何か布を当てられて…… そうだ、私は…… そこまでたどり着いた瞬間、部屋に光が差し込む。眩しさに目を細めながらそちらを見やると、誰かが入ってきたよう だった。 それは怪物の面をつけ、ローブを着た、奇妙な人物だった。本能的に恐怖を感じ、身が強ばる。 「深夜の女の子のひとり歩きは感心しない」 その怪物はタナトスと名乗った。 全てが終わるまであと『12日』。 朝起きて、カーテンを開けて、洗面所で顔を洗う。寝間着のままリビングに下りて食パンを手にとって、 上にチーズとちぎったベーコンを山ほど乗せてトースターに入れる。焼き上がるまでにコーヒーを淹れて、 砂糖を入れてかき混ぜる。 ちょうどできあがったピザトーストをコーヒーで流し込みながら新聞の殺人やら誘拐やらの物騒な記事を 流し読みして、最後に4コマ漫画とテレビ欄を読んだ。 そのとき、母親がリビングに入ってきたのでなるべく早く食器を片付け、部屋に戻る。 学校の制服に着替え、トイレのあと、洗面所に戻って歯磨きをし、ついでに軽く髪型を整え、それから無言で家を出た。 途中まではいつもと同じ、途中からはいつもと違う道を歩き、イナバの家の前にたどり着く。 インターホンを押した。 ……反応が無い。もう一度。 反応は無い。 不意に不吉な胸騒ぎが、ユウスケのアパートをノックしたとき記憶とともに襲いくる。 ざっと周囲をうかがってから玄関のドアに手をかけた。鍵がかかっている。ただ、留守なだけか……? いや、彼女は自分がこのくらいの時間にくることは知っているはずだ。留守なんて、変だ。 携帯電話をとりだし、彼女に電話をかけてみる。 コール1。 コール2。 コール3。 まだ、イナバは出ない。 コール4。 コール5。 そろそろ―― コール6。 繋がった。 「おはよう、アマギくん。」 おぞましい声が飛び出してきた。 「お前――!」 「久しぶりだな。」 タナトスだった。電話の向こうで彼はボイスチェンジャーを通話口に当てて話している。 マコトは衝撃のあまりしばらく口がきけなかったが、やがて言った。 「……彼女に何をした。」 タナトスは落ち着いた口調で答える。 「少し、話を聞かせてもらっているだけだ。」 「なに……?」 「アマギくん。君はプレイヤーだから、勝つために最善を尽くすのは当然だ。しかし彼女――サイクロプスは、 君とは立場が違う。」 タナトスの声は冷酷だった。 「彼女には警察と手を組み、タルタロスを危機に晒そうとしている疑いがある。こちらとしては、 サイクロプスには中立であってほしいのだ。サイクロプスは君に肩入れしすぎた。」 「だったらまず俺を潰すべきだろう!」 「君は私との勝負を予約しているだろう?そういう相手に手を出すのは、私の主義ではない。」 「はぁ!?ふざけんな!」 「私が冗談を好むように見えるのか?」 電話を片手に怒鳴り散らすマコトに、タナトスは微塵も動じない。 「心配するな。」 相変わらず冷静な声。 「タルタロスから君に何かをするのはこれで終わりだ。その家の中にある筐体で思う存分練習すればいいし、 なんなら地下にあるスーパーコンピュータでこちらを攻撃してもかまわない。玄関の鍵はプレゼントと一緒に郵便受けに ある。」 マコトはゾッとして周囲を見渡す。 「……見ているのか……?」 「当然だ。その家の中も我々はすでに把握している。」 タナトスはそう言った。 「君も男ならば、堂々と戦え。」 そして最後に付け加えた。 「そのほうがより深く絶望できる。」 郵便受けを開けると、鍵と一枚のDVDが入っていた。 マコトはそれを抱えてイナバの家に踏み込む。 主のいない家は恐ろしく静かでうす暗い。マコトは荷物をおき、リビングのDVDプレーヤーにディスクを入れた。 初めは暗転している画面が映っているだけだったが、すぐに意味あるものが画面に映る。 そこは暗い部屋だった。コンクリートのような硬く冷たい素材の床と壁でできたその部屋には、窓も灯りも含め、 ほぼ何もない。 部屋にあるのは、画面中央の、頑丈そうな椅子一脚だけのようだった。 その椅子に、誰かが縛り付けられている。 その人物は子供のようだった。パーカーにショートパンツをはき、そして頭には――マコトは目を背けたくなった―― 黒いビニール袋が頭をすっぽり覆うようにかぶせられていた。その袋は中の人物が呼吸をする度にしぼんだり膨らんだり している。 ちょっと待て、あの格好―― (イナバさんだ……!) マコトは彼女のその服装に見覚えがあった。あれは昨日、自分を送ってくれたときの服装のままだ。 この映像は、いったい……? そう思ったとき、カメラの視界に新たな人物が入ってきた。 不気味な仮面に、大仰なローブ――タナトスだ。 彼はカメラを持ち上げる。イナバが画面から消え、代りにタナトスの顔が大映しになった。 仮面の奥で金の瞳がぎらぎらと輝いている。 「アマギくん。君のパートナーであるサイクロプス、彼女が心配だろう。安心していい、彼女は無事だ。」 彼はそう言ってカメラを持ち替えた。画面がぐるりと変わって、今度はイナバが映し出される。 「さすがだ。簡単に口を割りそうにはない。」 画面外からタナトスの腕が伸び、彼女の顎を指先で撫でた。イナバはびくりと身を震わせる。 それからまた画面にタナトスの顔が映し出される。 「アマギくん、彼女は君と私の戦いが終わるまで監禁させてもらう。またケルベロスの時のようなことがあったら困るか らな……大丈夫だ。手荒なことはしない。こちらとしても、なるべくなら彼女を失いたくはない。」 タナトスはまたカメラををイナバに向けた。 「彼に何か言いたい事は?」 すると、彼女は応えた。その声は被せられた袋のせいで少し聞き取りづらい。 「ひとこと。それと袋を取って。苦しい。」 そこで唐突に映像が暗転した。しかしそれはすぐに戻る。戻ったときには、カメラの前には相変わらず椅子に縛られ たイナバが座っていたが、頭の袋は無くなっていた。カメラは今度は椅子の前の台かなにかに置かれているらしく、 映像は安定していた。 「アマギくん、まずはゴメン。」 彼女は頭を下げた。 「こんなことになるなんて……油断してたよ。」 悔しそうな表情を彼女は見せる。 「だけど心配しないで、タナトスは脅迫とかそんなことは嫌う人だから、わざと勝負に負けるとか、そんな余計な気は 使わなくていいからね。」 彼女は快活な笑顔を見せる。 「このくらいの修羅場なら初めてじゃないから!今回も上手くやるよ!だから君は君の仕事に集中して。」 笑顔はすぐに消えた。無理している、とマコトは直感した。 「タナトスも言っていたけど、今回は私が手を出せないようにするための処置だから、私はもう協力できない。 クライアント――分かるよね?にもそうメッセージをお願い。」 彼女の眼は力強かった。こんなときでも次につなげる方策を考えているなんて、真似できない。 「頑張って。君なら、絶対勝てるよ。」 微笑むイナバ。 映像はそこで終わった。 「……なるほど。それで全部?」 「はい。」 電話越しの声には感情が無かった。いろいろ思うところがありすぎて、どの感情を表に出すべきかわからないのだろうな、 そうアヤカ・コンドウは考えた。 それから少し思考を巡らせ、アヤカはマコトに言った。 「計画の変更はとりあえず無しよ、君はタナトスとの戦いに集中して。その映像によればサイクロプスが監禁されるのは タナトスとの戦いが終わるまででしょう?生きて彼と再会したいのなら、君が頑張るしかないじゃない。」 答えは返ってこない。が、アヤカはそれを同意ととった。 「向こうにこれ以上の妨害をする気がないのは凄く助かるわ。テスターとの接続が不可能になったら詰んでいたもの。」 「……はい」 「彼を助けられるのは君しかいないわ。そう思いなさい。」 そうして電話を終えた。 しかし先ほどの言葉とは裏腹に、アヤカの頭にはある考えが浮かんでいた。 ――果たしてサイクロプスは本当に口を割らないでいられるのか? それはノーだと、彼女は思う。この世には死ぬより辛いことなんていくらでもあるのだ。彼女はそれを知っていた。 だがそこまでいかなくとも、今回のこの計画に手を貸すことで、サイクロプスが得る警察への『貸し』と、 今後も裏社会で生きていくために必要な『後ろ盾』を比較して、彼が後者をとってしまったら、それで計画はおじゃんだ。 そして当初アヤカと交わした『サポートのみ』という契約にこちらが違反した、と言われてしまえばそれは容易に実現してしまう。 最強の弾丸は、今や不安定な爆弾に成り下がった。 アヤカは天を仰ぐ。なるべくならリスクは増やしたくないが…… 抹殺予定リストに、ひとつ名前を増やすかな。 「そうか……残酷だね」 テスターは画面の向こうの、顔も知らない少年から事情を聞いて、そうこぼした。 「あのタルタロスの野郎ども……許さねぇ……!」 苦々しいマコトの声。 だがテスターの胸には義憤だとかとは別の感情があった。 彼はそれを素直に口にする。 「マコトくん、君が羨ましいよ。」 意外な言葉にマコトが一瞬固まったのが感じられた。 「……俺は、君よりも長く戦っている。その目的はいつも同じだ。」 テスターは目を細めた。それはとても寂しそうな表情だったが、その顔を見る者はいない。 「『人を殺すため』……昔も、これからも、それ以外のために戦うことは多分無い。だけど君は」 彼は顔をあげた。 「『誰かを助けるため』に戦えるんだ。羨ましい……ホントに。」 「……アンタは――」 「俺はかつて友達を殺した。」 言葉をさえぎって、テスターは言う。 「友達も殺したし、好きだった人も間接的にだけど殺したし、顔も知らない相手は山ほど殺した。だけど一度だって、 それで誰かを助けることはなかった。」 「テスター……」 「アマギくん、俺は君に会えて良かった。」 微笑みがマコトにも伝わった。 「俺の人殺しの技術が初めて誰かを救うことになるかもしれない。そして、それができるのは君だけだ。」 「……ああ、そうだな。」 「迷うな、戦え。それが君だ。」 「ああ!」 マコトは力強く応えた。 そうだ、迷っている暇はない。 ――こうして、全ては『12日後』に向かって転がり落ちていく。 全てを終わらせ、親友の仇を討ち、そして大切な人を救うために、テスターからあらゆる技術を受けつぐマコト・アマギ。 全てを終わらせ、己の復讐を果たすために味方も敵も騙してタルタロス崩壊のシナリオを描くアヤカ・コンドウ。 全てが終わることを願うミコト・イナバ。 全てを終わらせないために迎え撃つタナトスとコラージュ。 全てが終わるのは、『12日後』だ―― その日は酷い雨だった。