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【名前】1極匹のアリ 【大きさ】1極匹のアリ並 【攻撃力】1極匹のアリ並 【防御力】1極匹のアリ並 【素早さ】1極匹のアリ並 ◆考察記録--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 304 ◆jLVMzIsRAY 2018/08/23(木) 16 25 50.18ID J0Dym8r3 1極匹のアリ考察 虫の大群系だが数がとんでもないことになってる 単に1極と言ってもいくつか種類があるらしいが、現代で一番メジャー(だと思う)10^48を採用する。 アリは日本に多く生息するクロオオアリ(働きアリの体長が約7~12mm)としとこう。10mmにまとめられるから計算楽だしね!! ちなみに開始距離は0.01×10^48m=1.057×10^30光年くらい。雑計算だから間違ってるかも。 こんだけ群れてるとアリでも脅威になる。具体的には、1000匹潰すたびに1回噛まれてたら最終的に10^45回噛まれることになる。 ただまあ結局アリなのであんま硬いものは噛んでもダメージは通らないかな。遅い場合はたかって潰すこともできるかも。 人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)までは数の暴力で圧倒できる。 ○73億0032万8922人のゾンビ ゾンビ1体につき1億匹くらいで当たれば流石に倒せるだろうし、ゾンビ化した仲間も残りで潰せば問題ない。 ×ぱ 離れすぎてて着く頃には増殖されてる。というか倍々算で考えると1秒で約1000倍になる、つまり3桁増えるわけだから17秒後にはもう数で負けてる。 ×SCP-096&SCP-173 うーん、SCP-096に無双されるかな。SCP-173だけだったら数でゴリ押せそうなんだが。 ×下着ドロ専門パトロール隊 働きアリは基本メスらしいから金的は効かないとして、 秒速37万kmで動く相手は一人あたり1.4×10^47匹でかかっても厳しそう。同時に襲いかかれるわけじゃないしね ぱ>1極匹のアリ>73億0032万8922人のゾンビ
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永続罠 (1):自分の墓地の通常モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。 そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。 このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。 そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。 見れば見るほど下位互換としか言えない、そんなカード。 一応擁護しておくと、登場した時点では《死者蘇生》や《リビングデッドの呼び声》といった蘇生カードの種類が少なく、禁止制限の都合上一定の出番はあった。 だが現在、リビングデッドは無制限。足りなくとも万能蘇生の《竜魂の幻泉》や《戦線復帰》、追加効果持ちの《星遺物に眠る深層》といったカードが優先される。 そもそも通常モンスターを使うデッキがあまりない。最早時代ではないのか…時代は変わってしまったのか… いや、まだだ。このカードが熱い血潮を燃やせるデッキは、確かにまだある。 このカードが類似カードに比べて劣る点といえば、やはり通常モンスター専用という点。 当然、通常モンスターしか使わないデッキであれば上記のカードたちに劣らぬ役割を果たせるはず。 つまり【通常モンスター】なら…と考えても、別にこのカードである理由はないように思える。 ところが【ローレベル通常モンスター(以下、ローレベル)】、特にレベル3を主軸にするとなると、話が少々変わるのだ。 【ローレベル】の戦術といえば、やはり《魔の試着部屋》による大量展開と《下剋上の首飾り》による超強化だろう。 だが近年のデュエルでは、エクシーズやリンクといったレベルを持たないモンスターが跳梁跋扈し下剋上のしようもない。 特に守備表示のエクシーズモンスターは攻撃では突破できないと考えてしまっていい程だ。 こんな事態を防ぐため、【ローレベル】では良く《ジャスティブレイク》が採用される。 ジャスティブレイクは通常モンスターが攻撃されないと撃てないため、相手ターンに蘇生させたモンスターを使うことも多い。 だがジャスティブレイクは自分の守備表示の通常モンスターも破壊してしまうのだ。 大抵の蘇生カードで蘇生したモンスターは守備表示になってしまうが、《正統なる血統》で蘇生すれば《ジャスティブレイク》を生き残れる。 それでもリビングデッドでいいのでは?という声もあろう。 しかしリビングデッドには欠陥がある。蘇生させたモンスターをリンクやシンクロ素材にするとフィールドに残り続けるのだ。 さらに効果モンスターの召喚・特殊召喚を封じる《暴君の自暴自棄》の為にリリースしても残る。 多くの魔法・罠で戦闘や展開補助をする【ローレベル】で意味もなくゾーン一つを占めることがどれ程危険かはお分かりいただけるだろう。 その点、正当なる血統ならエクシーズ素材以外の使い方をすればフィールドを開けてくれる。 「攻撃表示で蘇生し」「モンスターがいなくなればちゃんと墓地へ行く」のはこのカードと《エンジェル・リフト》のみ。 そしてエンジェル・リフトはレベル3の蘇生が出来ない。 つまり、レベル3軸の【ローレベル】では《正当なる血統》が最も優先される蘇生カードになるのだ。 20年前、まだ遊戯王が始まったばかりの頃。上級モンスターすら珍しかったあの頃。 私たちはレベル2や3のモンスターたちを地割れや伝説の剣、時には落とし穴で補助しながら決闘していた。 もしかしたらこのカードはそんな「正統なる決闘」を受け継いでいるのかもしれない。 16スレ目 957名も無き決闘者 (ワッチョイ 9554-Azad)2019/08/09(金) 04 59 37.84ID jV0MjXMK0 おー良評価有難うございますちゃんと使い道があって使えそうだしオチも素敵 下位要素の塊から見事な独自要素の発見さらにもし場に残っても《オオアリクイクイアリ》のコストにすれば8シンクロができるぞ! Tag:【ローレベル】 正当評価 決闘を楽しむ
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レイはゆっくりと歩いて、その自衛隊員に近づいていく。 その隊員は流石にプロである。レイを見て、腰につるされた「警戒」のサインに気が付いたらしい。 手のひらで制して「待て」の合図をしてから、自分の武装をジープに投げ込み、 改めてレイの方に歩み寄り正式な敬礼を取る。 とにかく、紳士的に接しようとしていることを示したいようだ。 シンジはコックピットからその様子を眺めていたが、どんな話をしているのかサッパリ判らない。 ずいぶん時間を掛けている。10分、いや15分は過ぎただろうか。 次にレイや自衛隊員はどう動くのか。まさか、レイが腰の銃を抜くような展開が? しかし、仮にそうなったとしてもシンジは初号機に乗ったまま。 イザとなれば自分が暴れれば済む話だ。 ……なんていう心配は無用だったらしい。 レイがこちらの方を見て手招きをしている。降りてこいという合図だ。 シンジがあたふたと地上に降り立ち二人の元にやってくると、 その隊員は、レイは例外としても14歳の子供にすぎない彼にまでキッチリと敬礼をした。 そして、その隊員は後ろを振り向いてOKのサインを送っている。 シンジは小声でレイに囁く。 「綾波、大丈夫……なの?」 「大丈夫と思うわ。どうやら、彼らは軍の命令ではなく個人的に私達に会いに来たみたい。」 「僕達に、個人的に?」 「そう。この隊員達は私のことを知っていて、なんの支援も受けられない私達の状態が心配だと言っている。 それで支援物資を送りたいと。」 「……そうなんだ。」 「一応、日本国政府には問い合わせたの。 この人達の行動は政府や軍の命令ではない。我々が下したのは命令ではなく許可。 政府は私達に援助を行うつもりはないけど、禁止を発令している訳ではない。 個人的に支援したいなら、それを止める理由はない、と。」 「成る程……」 そんな話をしていると、遠方から数台のトラックやジープの増援がやってきた。 そして、それらから下ろされた物資は大半が保存の利く缶詰や食料ばかり。 中には米や生鮮食料、そしてジュースや酒、寝袋や燃料といった非常用品まで混じっている。 問題はその量からしてレイの配下には多数の部下が居ると思っているらしい。 とどめには、大鍋を取り出して火を焚く準備を始めている。 なんと、この場でカレーを作ってくれるというのだ。 物資の運搬後に作り始めて、今夜には出来上がるから他の仲間も呼んでこい、と隊員達は言うが、 しかしレイは、私達二人だけしかいないと答える他はなかった。 とてもコピー達を見せるわけにはいかないからだ。 それを聞いた隊員達は変な顔をしたが、しかし彼らは問いつめようとはしなかった。 そしてレイを見張り役に残して、シンジはエヴァを使って支援物資の運搬を開始。 使徒殲滅が本領の筈が荷物運びをしていると考えると、初号機はさぞ泣いていることだろう。 ま、それはそれとして、その後は彼らの作るカレーが出来上がるまで一眠り。 そんなことをしているうちに、既に時刻は夕暮れに差し掛かっていた。 搬入した物資の整理はコピー達に任せてシンジが地上に戻ると、物凄く良い匂いが漂ってくる。 自衛隊員の作るカレーがいよいよ出来上がるらしいのだ。 お暇な方は是非とも自衛隊カレーをキーワードに動画などを検索していただきたい。 大鍋と聞いただけでも期待が出来るというのに、その豪快さは男の中の男の料理。 その造る様を見るだけで絶対に旨くない筈はないと決めつけてしまうのが不思議な話だ。 実際、シンジは大満足だったらしい。 涙を流さんばかり、というとオーバーなのだが、これまで米と塩ばかりで生活してきた彼である。 肉はもちろん野菜や強い香辛料など、すっかり身体が忘れかけたものばかりを味わったシンジは、 周囲で隊員達が笑ってみているのも気にせず、ほとんどトランス状態に陥るほどに夢中で食べ続けた。 無理もないだろう。育ち盛りの年代の彼が、あまりにも過酷な生活を続けてきたのだから。 しかしシンジは、これまでの生活を意外と過酷に感じてなかったことにも気付く。 はたして、それは何故だろう。 様々な運命の変転、謎だらけの自分の状況、使徒の襲来を待ち続ける日々に夢中で我を忘れていたか。 あるいは、綾波レイの存在のおかげか。 ふと気が付いて、隣にいるレイを振り返る。 「綾波……平気?」 「何が?」 「そのカレー、肉入りだよ?」 「うん……平気……」 そういって二回目のお代わりを貰いに立ち上がるレイを、シンジは呆然と見送っていた。 確か、肉は嫌いといった筈である。 そのレイが大量の肉が入っている筈のカレーを、ゆっくりと味わって食べている。 とてもお義理で口に運んで、無理矢理のみこんでいるようには決して見えなかった。 しかしそのカレー、100人分よりもっと多いだろうか。こっちは二人しかいない。 その大量をカレーをどうやって始末をつける?と悩んでいたのも束の間のこと。 後から後からやってきた自衛隊員の連中のお陰で、その心配は不要となった。 流石は国防戦力の彼らである。無謀と思われた大鍋カレーがみるみるうちに空っぽになってしまった。 そして宴も果てて、最後には記念撮影まで求められてパーティーは無事終了。 流石は軍隊、後片付けをテキパキと済ませて帰って行った。 そんな彼らを見送りながらシンジは言う。 「綾波は……多分、判ってると思うけど。」 「何?」 「私的に援助っていうのは嘘だと思う。私的であれだけの物資は援助できないんじゃないかな。」 「……」 「なんだかさ、メシ抜きを子供に宣告しておいて、 後でおにぎりを持って行けって母親にこっそり命じる頑固親父みたいで。」 「そうかもしれないわね……でも、違うかも知れない。自分で言うのもなんだけど……」 「え?」 「私、何故か彼らに人気があるみたい……何かの折に私のことを知ったみたいね。」 それを聞いたシンジは吹き出して笑い始めた。 「アハハ、隊員さん達に写真を見せて貰ったよ。綾波の姿を隠し撮りしてたらしくってさ。」 「何度か戦自の基地に出入りすることがあったから、その時みたいね。 指揮権を得るために各部隊の将校との挨拶回り。 でもね……あの人達、最初に私が投入を命じた厚木と入間の部隊の生き残りなの。」 「え……?」 そしてレイは表情を少し曇らせながら話を続ける。 「その彼らが私に会いに来たというのを聞いて複雑な気持ちだった。 私は彼らに対して死ねと命じたに等しい相手の筈なのに。 しかし彼らは仲間を失った恨み辛みなんていう気持ちはこれっぽっちも抱いていない。 しかも、彼らはこんなものを私にくれた。」 そして取り出した一枚の紙切れ。そこには電話番号のようなものが書かれてある。 「これで自分達に直に命令してくれというの。融通の利かない政府なんかほっといて。 軍隊を抜けて、基地から兵器をぶんどって必ず参戦するから、と。」 「……」 「何故そこまで?と聞いたら……やっぱり自分では言いにくいけど、みんな私のファンだから、と。 自分達で兵器を開発して戦おうとする私のファンだから、と言ってくれた。」 「……」 シンジは少し考えていたが、やがて笑みを浮かべながらこう答えた。 「判るよ、その人達の気持ち。国とかいう大きな物のためより、誰かのために戦って死ねたら最高じゃないか。」 「……」 「人が命をかけたいと思う気持ちって、そういうものだと思う。国を守りたいという大義も根本はそれだと思う。 僕がここに止まりたいって思うのは、それと同じ気持ちだと思う。」 「……ありがとう、碇君。」 そしてレイはシンジの正面に立ち、改めてシンジの目を見据えた。 「碇君。なぜ、あなたをここに呼んだのか。それを教えたいと思うの。」 「え……?」 「ここで使徒と戦っているのは、何も世界を守るためとか、サードインパクトの勃発を防ぐためとか、 実を言うとそんな理由とはまったく違うの。使徒がやってくる理由も違う。」 「それじゃ……何のために?」 「あなた。」 「え?」 「使徒はあなたを消すために、あなたを目指して襲来している。 ここにあなたを呼んだのは、『この場所に使徒が来る』ためではなく、『碇君をこの場所で守る』ため。 実を言えば、私は人類を守るため、なんてそんなつもりは全く無かったの。 私はあなたを守るために。それだけのために、こうして戦ってきたの。 ここからあなたが移動すれば、使徒は必ずあなたを追いかけてくる。 それが、あなたをここに招いた理由。 たとえ誰からの援助も無くなったとしても、立ち退きを要求されても、私があなたをつれて逃げることは出来ない。 私は人類の資材を全て投じても、他の全ての人達の命を犠牲にしても、あなた一人の命を守るために。」
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カップヌドオオオオオオオオオオル 作詞/19スレ664 手に取るように ほどけてゆく未来が見えた 絵に描くように 微笑んだ僕の顔が見えた あわてるな あわてるな 幸せはいずれ やってくる あの日僕らが 口に含んだ 目一杯の 幸福の味 また今日も 短い時空を越えて やってくる 戸を開けるように ほとばしる匂いが浮かんだ 身を引き締めて 3分間の退屈を受けた あわてるな あわてるな 不幸はいずれ さってゆく ある日僕らが 耳に挟んだ 精一杯の 幸福の音 お湯を注いで 長い時空を茹でて やってくる あの日僕らが 口に含んだ 目一杯の 幸福の味 また今日も 短い時空を越えて やってきた いただきます 音源 カップヌドオオオオオオオオオオル(オケ) カップヌドオオオオオオオオオオル(メロ) カップヌードル(歌:仕官男)
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キロロの森 2 5-490様 第二話 誓い ガルスがランドットとの戦いを繰り広げて二日が経った。 森の南南西、戦った場所よりも少し離れた場所で、ガルスは木に止まって羽を繕っていた。 午後の穏やかな日差しがその青みがかった灰色の羽を包んでいた。 「おーい、もういいよー」 ふと、下の方でガルスを呼ぶ声がした。 見ると、小さな人間がこちらの方に叫んでいる。 「どうだった」 ガルスは小人のもとへ降り立った。 「やっぱりダメ、なーんも知らないって」 小人、アリクは小さな首を振った。 あの戦いのあと、二人(正確には、一人と一羽だが)は、ミコの呪いについて調べることにした。 ミコの呪い―アリクがかけられたその呪いは、やがてその身が虫になってしまうというものだった。 ガルスは呪いや魔術の類などは生来これっぽっちも信じていなかったが、現にいま、目の前の少女、アリクの頭には紛れもない虫の触覚が生えているし、先日はあのムクドリ、ランドットに魔法の力を見せつけられたばかりだ。 イヤでも信じない訳にはいかない。 「やっぱり誰も知らないね。虫なら何か知ってると思ったんだけどなあ」 アリクは小さな触覚を揺らしながら言った。虫に関係することなら、虫に聞けばいいと踏んでこれまで蟻やテントウムシ、ダンゴムシや名もない羽虫などに話を聞いてきたが、皆口々に知らないと言うのだった。 「やっぱり呪いじゃねえんじゃねえか?お前だけにかかった病気とかよ。ランドットのあれは勘違いとかで」 「そんなことないよ!かけられた私が言うんだから」 あれから、アリクは少し記憶を取り戻したらしい。事の発端は今から一週間ほど前にさかのぼる。 アリクは、森の西、ちょうどユタ川のほとりにかまえた小屋に一人で暮らしていた。ほとんど自給自足の生活だったが、それなりに充実していた。 その日も、いつものように川で水をバケツ一杯に汲んで帰ってきた所だった。ふと、小屋の脇に誰かが立っていることに気づいた。 アリクが近づくと、立っているのは老婆だということが分かった。 異様に小柄な老婆はアリクに気がつくと、ゆったりとした動きでお辞儀した。アリクは老婆に見覚えが無かったが、老婆につられてお辞儀を返した。だが…。 アリクが再び顔を上げると、そこに老婆はいなかった。 「あ、あれ…?」 思わず辺りを見回すアリク。その途端、 「こんにちわ」 「わっ!?」 背後から声をかけられた。 とっさに振り向くと、先ほどの老婆がいつの間にか背後にいた。 「えっ?えっ?」 アリクがきょとんとしていると、老婆はおもむろにアリクの顔に両手を伸ばした。どこか人間らしくない不気味な顔を近付けると、しわがれた声で言う。 「おお…やはり…やはりお前は素晴らしい物を持っているね。まさしくミコの呪いをかけるに相応しい。さあ、それをおくれ…私におくれ」 「え?なっ何のこと?ミコ?え?」 アリクは思わず手に提げていたバケツを見た。老婆は消え入りそうな声で何かを呟いた。 その瞬間、アリクの体を熱い光が包んだ。 「ひっ…!あっ…あああああっ!!」 体の奥にまで光が入り込むような感覚。それからすぐ、体の奥で何かが爆発したような感覚がした。 「おお…おおお…!素晴らしいっ…!」 老婆は光に包まれるアリクを見て歓喜に震えている。 アリクはやがて視界までもが光に覆われ、体の力が抜けていった。 「…で、気がついたらその姿だったってか」 「うん、その後そのおばあちゃん、まああれが金色の魔女だったんだろうけど、の隙をついてね、なんとか逃げたんだけどあの鳥に見つかっちゃって」 そして、ガルスと出会った。 アリクは頭に生えた触覚を引っ張りながら溜め息混じりに言う。 「はあ~あ、まさか本当に虫になっちゃうんじゃないだろうなあ」 「心配したってその角が無くなる訳じゃねえんだ。もう良いなら次に行こうぜ」 「うん、そうだね」 そう言うとアリクはガルスの背中によじ登った。始めはガルスに対してやや恐怖を感じていた彼女も、今ではすっかり打ち解けたようだった。 ガルスはアリクがちゃんと登ったことを確認すると一気に飛び立った。 「あっ…ねえ見てガルス」 森の南東へ向かう途中、アリクが何かを発見した。 「何だ?手がかりか?」 「ううん、そうじゃないけど…ほらあそこ、木の色が変わってる」 ガルスがアリクの指す方を見ると、確かに深緑の木々の間に一点だけ白っぽくなっている箇所がある。 「あそこちょっと行ってみたい!」 先ほどまで沈んでいた声のトーンが急に上がった。 「お前な、自分の置かれてる状況わかってるか?」 「いいでしょ、ちょっとだけ」 アリクは子供のような声でガルスにねだる。 ガルスはしょうがねえな、と呟くと、くるりと旋回した。 二人がそこに降り立つと、一面に咲き誇る無数の白い花が出迎えた。 「うわぁ…綺麗」 アリクはガルスの尻尾から枝に降りながら言った。 上空から見た白いものの正体とは、この木々、シトラの木がつけた花だった。 「白く見えたのってこれのせいだったんだね」 アリクは花をまじまじと見つめながら言う。 花は近くで見ると少しピンクがかっているのがわかる。狼の舌のような花びらが5枚ほどついていた。 ガルスは花を見ているアリクを見下ろしていたが、ある違和感を覚え、辺りを見回した。何て事無い、普通の木だ。 「わー、なんか甘い匂いがする」 アリクはというと、少し背伸びして花の中をのぞき込んでいた。 「…そうやってると本物の虫みたいだぞ」 ガルスがからかうと、アリクは慌てて花から身を離した。 「…もー、やめてよそういうこと言うの」 アリクは赤くなってガルスを睨んだ。その時だった。先ほどからの違和感の正体が分かった。 「…おい、今って秋…だよな」 「え?うん、そうだね。まだちょっと暑いけど」 「思い出した…これ…確か春にも咲いてるの見たぞ」 アリクはきょとんとしてうん、と頷いた。 「いや…その前もずっと前からこの花が咲くっていったら春だった。なのに今は秋だ。なんで今頃これが咲くんだ?」 「そう言えばそうだね…何で今咲いてるんだろう」 アリクも周りの木々を見渡し、少し悩んでいたが、 「ちょっと寝坊したんじゃない?」と、呑気に笑った。 「心配したって秋が春になる訳じゃないんだし、さっ次行こ次」 「…お前が来たいって言ったくせに」 ガルスはやはりこの花の事が気になったが、確かに心配したって何が変わるわけでもないので、アリクの言い分で無理やり納得することにした。 木にだって、間違えることはあるさ。 ガルスはまた背にアリクを乗せて、森の南東へ飛び立った。 その頃…森の南西の上空を、左目の潰れたムクドリが飛び回って いた。金色の魔女の弟子、ランドットだ。ランドットは先日ガルスと戦った場所の付近で、彼を探していた。 たが、片目が潰れているおかげで、なかなか捜索がはかどらない。結果同じ所を何度もぐるぐると飛び回る羽目になっていた。 ランドットは探している間、何度も先日の事を思い出した。初めて味わった屈辱の味を。なんとしてもあのオオタカ、ガルスを探し出し八つ裂きにしないと気が収まらない。 と、その時、 “…まだ見つからないのかい?” ランドットの脳内をある声が駆け抜けた。 しわがれたその声からは明らかな苛立ちが読み取れる。 ランドットは慌てて 「も…目下捜索中にございます!今しばらくお待ちを…」 と一人返事をする。 “もうその台詞は聞きあきたよ…ランドット、お前にはがっかりだ” 「っ…」 “もういい、お前はここに戻っておいで。私が行こう” 不思議な声がそう言うと、ランドットは慌てて止めた。 「そっ…それはいけません!お体に障ります!まだあの人間から受けた…」 “お前を待っていると、かえってこっちの体が持たないんだよ” ランドットには返す言葉もない。 “やれやれ…骨がおれるね。あの娘の気配を追うよ” 「はい…」 ランドットには そう力無く返すより他はなかった。 森の南東部にある小さな池、パゴタの池で、ガルスとアリクは羽を休めていた。 川の神ユタの寝所といわれるこの池は、いつも恐ろしいほど澄んだ水を湛えている。 池のほとりで水を飲むガルスの横で、辺りをキョロキョロと見回すアリク。 「…お前さっきから何やってんだ?」 ガルスが訪ねると、アリクはなおも見回しながら言う。 「んー…ちょっとここで水浴びしたいんだけど」 「?ならさっさとすりゃあ良いじゃねえか」 ガルスはきょとんとしながら言う。するとアリクは少しむっとしながら返した。 「…じゃあ向こう行っててよ」 「何で?」 ガルスは素直に、そう聞いた。 「なっ…何でって、…何ででもいいでしょ!早く向こう行って!」 アリクはそう言うとしっしっ、とガルスを追い払った。よく見ると顔が真っ赤だ。 ガルスは訝しげな顔をしながらもしぶしぶその場を離れた。アリクはガルスが遠くに離れたことを確認すると草むらの中に隠れた。 「何だよあいつ…水浴びなんか適当にバシャバシャってやれば良いじゃねえか」 ガルスは一人ごちながら適当な木に止まった。 他人に見られると水浴び出来ない質なのだろうか。 まあどうせ水浴びなら一瞬で終わる。ガルスは仕方がないので少しの間だけ待つことにした。 …だが、待てども待てどもアリクの水浴びは一向に終わる気配はない。 それ程気の長い方ではないガルスはだんだん痺れを切らし、やがて我慢の限界に達した。文句でも言いにアリクのもとへ戻ろうとガルスは翼を広げた。 だがその瞬間、彼の体を嫌な感覚が駆け抜けた。 視線。沸き立つ殺気、湧き出でる歓喜、押し殺す動揺、その全てが複雑に混ざり合った、気味の悪い視線。 ガルスはとっさに上を振り向いた。だが、彼の視界が捉えた物は、ただ木々の間を縫って降り注ぐ穏やかな光だけだった。 「っ…!?」 気のせいではない、確かに感じた。ガルスはこういったことに関しては敏感な方だ。 …もしかすると、またあのランドットに見つかったのか?そうならば今、アリクを一人にしておくのはまずい。 不吉な予感がガルスの脳内を巡った。その時、 「うわぁっ!?」 アリクの悲鳴。予感が的中した! ガルスは次の瞬間、木の上を飛び出していた。 「や…あ…!」 池のほとりで一人へたり込むアリク。服を抱えて前を隠している。足が震えて立てないのか、必死に腕で後ずさりする。 そして、そのアリクに舌なめずりしながらおもむろに近づく大きな影。 「おい大丈夫かっ!?」 そこへ勢い良く飛び込んでくるガルス。彼の目に飛び込んだものは、怯えた表情でうずくまるアリクと… ただのアマガエルだった。 「…はァっ!?」 あまりの意外な展開にガルスは間の抜けた声で池に落ちた。 「ガッ…ガルス!?」 アリクは驚いて池の方を見るが、アマガエルは余り気にせずアリクに詰め寄る。 「いやあ~ヤッパリ見れば見るほど人間の肌ってすべすべしてるよなぁ~。ねえ今度は…そうだなあ肩の辺りペロッと行ってもいい?」 そう言うとカエルはベロリと長い舌を出した。 その瞬間 「…ざっけんなこのカエルがぁッ!!」 ガルスの大きな翼がアマガエルを弾き飛ばした。 「ぐげぁっ!?」 カエルはまさにカエルの潰れたような声を上げるとそそくさと草むらの向こうへ逃げ出した。 「…はぁ怖かったぁ…ありがとガルス」 「まったく紛らわしいことしやがって…何なんだあいつは」 「わかんないよ、服着ようとしてたらいきなり背中ベロッ何でここに居んの!?」 「何でって、助けに来てやったんだろうが」 ガルスはふてくされた。 「そっ…それはありがたいけど…」 アリクが言いかけたとき、ガルスはとんでもないことに気がついた。なんと、アリクが自分の毛皮を外して前に抱え込んでいる!人間は自らの毛皮を取り外すことが出来るのだ! もちろん、人間のアリクにとってはそんなこと当たり前の常識なのだが、野鳥のガルスにとっては世紀の大発見なのである。 「おっおい…お前なんだそれ?どうなってんだ?よく見せろ!」 ガルスはやや興奮しながらアリクの体を覗き込む。 「やぁっ!?ちょ、ちょっと何!?」 「その毛皮どうなってんだ?どうやって外した!?」 「は、外っ…!?なっ…!?…もっ、もういいからあっち行ってよヘンタイ!!」 アリクはそう言うと、そばにあった小石をガルスに投げつけた。 「あ?ヘンタイ?ヘンタイって何だ!?」 「良いからあっち行ってよヘンタイ!」 アリクは更に小石を投げた。アリクが投げられる小石なんぞたかが知れてるので痛くも何ともないが、あんまりにも騒ぎ立てるのでガルスはまたしぶしぶ離れるのだった。 よく見ると、アリクの顔は、また真っ赤になっていた。 …思ったより、面倒な奴を拾ってしまったかもしれない。ガルスは歩きながら少し後悔し始めていた。だが、同時に新しい発見に対する興奮もあった。 前々から人間に興味があったガルスは、アリクを初めて見た時えもいわれぬ感情を抱いた。 目の前に、あの人間が居るのだ。 とても小さくはあるが、紛れもない、人間が。 人間の事をもっと知りたい。だから、アリクを拾った。 今だって、人間の毛皮が取り外し可能だという事を知ったばかりだ。まだまだ、人間には自分の知らない事が沢山あるに違いない。 ガルスは再び沸き起こる興奮に意味もなく翼を羽ばたかせ、上を見上げた。 だが、その興奮は、直ぐに不吉な直感に豹変した。 二、三羽のカラスが、木の影からこちらを見下ろしていた。 「お…おいアリク急げ!さっさとここを離れるぞ!」 カラス達に聞こえないように押し殺した声でアリクを呼んだ。 「んーちょっと待って…まだ全部着てない」 茂みの向こうからアリクの間延びした声が返ってくる。 こちらが気づいたことに向こうも気づいたのか、カラスの一羽が飛び立った。 もはやぐずぐずしていられない。こうなったら無理やりにでもアリクを連れてここを離れなければ。ガルスは茂みを乗り越えアリクのもとへ戻った。 「ひゃっ!ちょっとまだ着替え終わって…」 文句を言うアリクを強引に嘴でくわえ背中に乗せると、ガルスはすぐさま飛び立った。 急いで上へ上へと上昇していく。森の上空へ出ると一気に翼を翻した。が…もはや時はすでに遅かった。 四方から次々と飛び出してくる無数のカラス。辺りはあっという間に真っ黒に染まった。 「クソッ…囲まれたッ…!」 狼狽するガルス。 「うわぁ、すごいカラス」 それとは対照的にのほほんとカラスを見回すアリク。逃げきるつもりでアリクを連れてきたが、囲まれたとなってはそれも逆効果だった。 カラスのうちの一羽が二人を睨みつけながら言う。 「おいおいどこ行くんだ?ガルスさんよ」 その目に殺気が宿っている。先ほど感じた視線の正体が、今わかった。 「…てめえらに教える義理はねえ、とっとと失せやがれ」 カラス達を睨み返しながらガルスが凄むと、背後から低い声が聞こえた。 「…随分な態度じゃねえか、“傷嘴”」 「!その声…!!」 低い濁声。ガルスにとって、忘れたくても忘れられない声。 振り向くと、そこにはまさに“ボス”を名乗るに相応しい体格のカラスがいた。 「黒き爪」クロウクロウだ。 クロウクロウはガルスを見下ろしながら言う。 「久しぶりだな、デッカくなったじゃねえか」 「ちッ…わざわざあんたが出てくるとはな、たかがタカ一羽にご苦労なこって」 二人のやりとりを見たアリクは 「し、知り合い?」 とガルスに聞いた。ガルスは質問には答えず、小さく、隠れてろ、とだけ言った。 「この間は俺の部下を可愛がってくれたらしいじゃねえか…こいつらがどうしてもって言うんでな、ちょっとお礼に来てやったぜ」 笑いながら、それでも目つきだけは変えずに言うクロウクロウ。 そいつはどうも、と返すガルス。 「というわけで…さあ、お待ちかねだ!てめえら、思う存分やってやれ!!」 クロウクロウの雄叫びに、一斉に呼応するカラス達。次の瞬間、真っ黒の輪が、その中央、ガルスに向かって一気に収縮する。 「ッ…!!」 もはやこれまでか…ガルスが目を閉じて覚悟を決めかけたその時。 突然、カラス達の動きが止まった。 「なッ…おいてめえら、どうしたッ!?何止まってやがんだッ!?」 驚いたクロウクロウがカラス達に向かって怒鳴るも、カラス達は石に変えられたように表情すらピクリとも変えない。 不思議なことに、カラス達は羽ばたきを止めているのに落下せずにその場にとどまっていた。 奇妙な事態に両者とも唖然としていが、ガルスはチャンスとわかると即座に身を翻した。 「あッ…!!ちくしょうッ!待ちやがれッ!!」 直後、やや出し抜かれたクロウクロウもガルスを追った。 クロウクロウの追跡を無我夢中で振り切る内、森の真東に来ていた。柔らかな草の上に半ば墜落するように着地するガルス。 「きゃっ…!」 ガルスの激しく揺れる背で体を揺さぶられたアリク。 「に、逃げきったの?」 「いや…まだだ。それほど簡単に逃がしてくれる様な奴じゃねえ」 上空ではクロウクロウがガルスを探して旋回を続けている。ガルスはその様子を確認するとアリクをおろして言った。 「お前はここでどっかに隠れてろ。俺がいいって言うまで絶対に出てくるな」 「う、うん…ガルスはどうするの?」 「…あいつとの決着をつける」 「だ…大丈夫なの?」 アリクは心配そうな目でガルスを見上げた。 「…さあな」 ガルスはそう言うと羽ばたき、近くの木の枝に止まった。アリクを見下ろすと、未だ心配そうな顔をするアリクを目で促す。アリクはためらいながらその場を離れ、近くの草の影に隠れた。 …これで良い。確かに、アリクは追われている身だ。一人にしておくのは先ほど感じたように余り得策ではないが、このままアリクを連れていては巻き込んでしまうかもしれない上、何より闘いに集中できない。 今を逃してはいつあるかわからないのだ。クロウクロウとの一騎打ちなどという、絶好の機会は。 ガルスの胸に、“あの日”の屈辱が思い起こされる。あの日、あの若かりし頃の自分との約束を果たすために、今はなんとしてもこの闘いに勝たねばならないのだ。 ガルスはその赤く燃える双眸で上空の黒き翼を睨み上げると、その力強い翼で大空へと舞い上がった。 事の始まりは今から約2年程前に遡る。 まだ幼鳥と呼ばれる段階にあったガルスは、巣立ちを終えたばかりの兄妹達と共に、親のもとで狩りの訓練に励んでいた。 共に巣立った兄妹の中でも、ガルスは特に狩りがうまかった。両親にも勝るとも劣らない実力を持った彼は、見事に獲物を捕らえては、両親や兄妹達を驚かしていた。そう、その日も、いつものように…。 それは偶然だった。ガルスは、自分と同じぐらいの重さのウサギを捕まえた。追いかけている途中、小さな崖から落ちたところを狙って仕留めた。 偶々だったのだが、ガルスはこれによって、自分に実力があると勘違いした。自分の力を過信してしまった。 彼は喜び勇んで両親のもとへ舞い戻った。驚く両親や兄妹の顔を思い浮かべながら。しかし、彼が両親のもとへ戻ると、その高揚もすぐに消え去った。 そこにいたのは、変わり果てた姿となった両親と、黒い、大きなカラス。 紛れもない、クロウクロウだった。 それは縄張り争いの結果だった。自分の縄張りを広げようとしたカラスが両親と衝突し、兄妹達を森から追い出した。 一気に激昂したガルスは次の瞬間、目の前のカラスに飛びかかっていた。自分の力を過信し過ぎた。勝てるだろうと思っていた。 気がついた時には、ガルスの体は地に強く打ちつけられていた。力の差は歴然だった。 カラスはガルスの顔を踏みつけ嘲笑を零した。彼は初めて味わった屈辱にただ打ちひしがれ、何もできずにいた。 殺す価値もないと判断したのか、カラスは嘲笑を残してその場を去った。ガルスには、耐え難い屈辱と、嘴の端に深く刻まれた傷だけが残った。 それから後、ガルスはカラス達の縄張りに残ることを許された。カラス達よりも格下の存在として、だが。彼の扱いはけして良いものとは言えなかった。 彼はこの時誓った。必ず彼奴に復讐してみせると。必ずオオタカとして生まれた自分の誇りを取り戻して見せると。そう、固く心に誓った。 森の上空に、2対の翼のはためく音が響き渡る。 クロウクロウの黒い翼と、もう一つは、ガルスの青みがかった灰色の翼。2対の大きさは、ほぼ互角だった。 不意にクロウクロウが背後を取った。彼は一気にガルスの灰色の背中にたたみかける。 「がっ…!」 ガルスは呻いて、体勢を崩した。クロウクロウは間髪入れずにガルスの体を爪で掴むと、そのまま地面へ一直線に急降下した。そして、 「オラァッ!!」 そのままガルスの体を放り投げた。ぐしゃりと鈍い音を立てて、ガルスは地面に打ちつけられた。 「ぐぁっ!!」 ガルスの体に電撃のような痛みが走る。 やはり、クロウクロウは強い。流石何百、何千といるカラス達の頂点に立つだけある。2年の歳月を経ても、その実力は衰えるどころか、更に増しているように思えた。 衝撃が頭に回ってきたのか、視界が徐々にぼやけ始めた。上空では、クロウクロウが見下すように旋回を続けている。 「どうした!?もうくたばっちまったか!?」 「ぐっ…」 言われると同時にガルスは体を起こす。 「へっ…しぶとさだけは前より成長したじゃねえか!そうでなくちゃ面白くねえ!」 ガルスはクロウクロウを睨みながら再び上空を舞う。だが…飛べばまた、奴のパターンにはまってしまう。そうこうしているとクロウクロウが背後を取る。 再びクロウクロウの蹴りがガルスの背中に命中した。ガルスはまた体勢を崩すが、追撃をなんとかかわす。 駄目だ…背後を取られては、相手の攻撃を見切ることが出来ない。せめて攻撃のタイミングだけでもわかれば…。 やはりクロウクロウに勝つなど…無理だったのだろうか。あの日の自分の姿が脳裏によぎる。 ガルスはうなだれた。自分との約束も守れないのか…自分が情けなくなった。ふとその時、ガルスの目にあるものが映った。 「…そうか…!」 …諦めるなんて柄にもない。くすぶっていたあの日の情熱が、再びガルスの胸に宿り始めていた。 「こっちだ!クロウクロウ!」 ガルスはくるりと旋回し、太陽を背に飛び始めた。クロウクロウもすかさず身を翻し彼を追った。 「いつまで逃げ回るつもりだ!この腰抜けが!!」 クロウクロウがもう一度ガルスの背中に飛びかかった。だが、クロウクロウの爪は呆気なく空を切り裂いただけだった。 「!?」 次の瞬間、ガルスとクロウクロウの位置は逆転していた。クロウクロウの背中が勢い良く蹴り落とされる。 「ぐぅッ!?」 慌てて体勢を立て直そうとするが、慣れていないためかうまく行かない。そのままくるくると回ってしまう。 ようやっと立て直すと、きっ、とガルスを睨みつけた。だが。 「ッ!?」 そのガルスが一直線に急降下して…。 一瞬だった。ガルスの鋭い爪が、クロウクロウの左肩を大きく切り裂いていた。 クロウクロウは肩から鮮血を吹き出しながら、森の中へ落ちていった。 草むらの上に、血を流しながら横たわるクロウクロウ。その側へと、ガルスはゆっくり舞い降りた。 「ッ…!!」 クロウクロウは頭を上げると、霞む目をガルスに向ける。 「………」 ガルスは何も言わず、クロウクロウをじっと見下ろす。 「何故だッ…!?何故…さっきの攻撃を見切れた…?後ろからの攻撃をッ…」 「…簡単だ、影だよ。森に映った影を見てタイミングを測った」 普段高いところを飛ぶ鳥には、あまり自らの影を気にするという習慣がない。 「…あんまり俺らには縁のない物だがな」 そう言いながら、ガルスはその鋭い爪をクロウクロウの首へ向ける。今のクロウクロウには逃げる力はない。首を絞めれば、それで終わる。 「…じゃあな」 ガルスの爪先が、クロウクロウの喉に触れた。 「だめッ!!」 高く澄んだ声が、当たりに響いた。声の主、アリクが草の影からこちらを見ていた。 「あ…えっと…あのっ…二人に何があったか知らないけど…その」 アリクは、とりあえず止めたものの、自分が部外者だということに気付いてあたふたし始める。 「や、やっぱり…殺すの…?」 アリクは不安げな表情をガルスに向けた。ガルスはアリクとクロウクロウを交互に見たが、やがて、喉に翳した足を下ろした。 アリクはその様子を見届けると、ほぅ、と溜め息をついた。だが、それを受けたクロウクロウは黙っていなかった。 「なっ…てめえッふざけるな!!何で止めるんだ!!何で殺さねえ!!てめえッ…俺に情け掛けようってのか!?この俺にッ!?侮辱してんのか!!俺をッ…この“黒き爪”を侮辱するのかてめえはッ!?」 クロウクロウはガルスをなじった。持てる力を全て込めてなじった。 これまで絶対的な力を持ってカラス達を束ねてきた“黒き爪”が、高々オオタカ一羽に負け、その上そのオオタカに情けで命を助けられるとあっては、その名が折れるも同じだ。折れた名を背負って生きてゆけと言うことと、同じだ。 「そんなんじゃねえよ」 静かな声が、クロウクロウを遮った。 「てめえの為じゃねえ、俺のためだ。どうせ今、てめえを殺したって」 ガルスは、クロウクロウを見ずに言った。 「後味が悪くなるだけさ」 てめえには殺す価値もねえ、とガルスは付け足した。その無慈悲さが、彼なりの、クロウクロウへの慈悲だった。 「…後悔しても知らんぞ」 「しないさ。…あいつに誓ってな」 ガルスは、ゆっくりと草の影から出てきたアリクを見ながら言った。 あの頃の自分が、いつの間にか太陽の光を浴びて、淡く消え去っていった。 「…ミコの呪い?」 クロウクロウは首を傾げた。 「うん、何か知らない?かな?」 アリクはクロウクロウを見上げながら言う。 「…何ていうかだな、お前ら切り換え早すぎだろ」 その様子を脇で見ながらガルスは突っ込んだ。 「…いや、聞いたトキねえな」 「うーん、そっか…」 「無視か」 先ほどからアリクはクロウクロウと何故か仲良くなっていた。あれだけ殺せと意地を張っていたクロウクロウだが、やっぱりアリクに止めてもらったのが嬉しかったのかもしれない。やっぱ殺しとくべきだったか、とガルスは少し本気で後悔した。 血の気が多いと豪語しただけあって、クロウクロウの先ほどの出血もすぐに止まり今はピンピンしている。 「いやそれにしても、虫になる呪いか…嬢ちゃんも難儀してんだなあ」 「うん…でもわからないんじゃしょうがないね」 アリクは触角を下げてうなだれる。 「いや、俺の部下どもが何か知ってるかもしれねえ、なんなら探させてやるよ」 「えっほんとに!?やったありがとう、クロウクロウ!!」 「クロウでいいさ、どうせ本名じゃねえしよ」 「へえ、そうなんだ?クロウって割と親切なんだねぇ、ね、ガルス」 アリクがガルスに振ったが、ガルスはそっぽを向いて無視した。 「?どうしたのガルス」 「………」 アリクはガルスの尻尾を引っ張ったが、ガルスはアリクの手を振りほどいた。 「もー、なんなの」 いじけてんの?と言おうとしたアリクの声が詰まった。アリクは突然すっくと立ち上がると辺りを見回した。 「ん?何やってんだお前」 ガルスが気付いてアリクを見ると、アリクの顔に再び不安の色が出ていた。それも今までのような表情ではなく、恐怖の入り混じった表情だった。 「…?何か居るのか?」 クロウクロウも辺りを見回すが、誰の姿も見当たらない。 「…いる…あのおばあちゃん…」 「金色の魔女が!?」 すると、どこからともなく、しわがれた声が聞こえてきた。 “…ほう…私を察知したか…やはり素晴らしい…” 「なんだ…この声ッ…?」 それは、遠くから聞こえるようでも、頭の中から聞こえるようでもあった。 「ッ…!」 アリクがふととっさに振り向く。 「ますますお前が欲しくなったよ…」 アリクが振り向いたその先には、 「…ねえ、アリク」 異様に小柄な、老婆がいた。 ←・→ タグ …
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俺達は君を待っていたッッッ 389 名前:水先案名無い人 :2005/10/13(木) 11 13 19 ID qnXRr+Px0 全選手入場!! 虎殺しが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 武神ッッ 俺達は君を待っていたッッッ愚地独歩の登場だ――――――――ッ すでに我々が完成してきたッ どこへ行っていたンだッ 総合格闘技ッッ 俺達は君を待っていたッッッ稲城文之信の登場だ――――――――ッ 組み付きしだい投げまくってきたッ どこへ行っていたンだッ 五輪アマレス代表ッッ 俺達は君を待っていたッッッロジャー・ハーロンの登場だ――――――――ッ 素手の殴り合いが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ ムエカッチュアーッッ 俺達は君を待っていたッッッジャガッタ・シャーマンの登場だ――――――――ッ 真の護身が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 少林寺拳法ッッ 俺達は君を待っていたッッッ三崎健吾の登場だ――――――――ッ パナマの鉄拳が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ ケンカ全階級制覇ッッ 俺達は君を待っていたッッッラベルト・ゲランの登場だ――――――――ッ 打撃対策が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 全日本柔道ッッ 俺達は君を待っていたッッッ畑中公平の登場だ――――――――ッ レスリングの神様が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ ベスト・ディフェンスッッ 俺達は君を待っていたッッッローランド・イスタスの登場だ――――――――ッ 暴走族が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 特攻隊長ッッ 俺達は君を待っていたッッッ柴千春の登場だ――――――――ッ バーリ・トゥード(なんでもあり)が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ ピュア・ファイターッッ 俺達は君を待っていたッッッズールの登場だ――――――――ッ 韓国海兵隊から帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 炎の虎ッッ 俺達は君を待っていたッッッ李猛虎の登場だ――――――――ッ ルールの無いケンカが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ バウンサーッッ(用心棒) 俺達は君を待っていたッッッリチャード・フィルスの登場だ――――――――ッ 達人の奥義が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 先生ッッ 俺達は君を待っていたッッッ渋川剛気の登場だ――――――――ッ 地上最強が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 世界ヘヴィ級チャンプッッ 俺達は君を待っていたッッッアイアン・マイケルの登場だ――――――――ッ 御存知ムエタイが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 格闘技で最強ッッ 俺達は君を待っていたッッッデントラニー・シットパイカーの登場だ――――――――ッ オレを驚かせる奴が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 柔術の本場ッッ 俺達は君を待っていたッッッセルジオ・シルバの登場だ――――――――ッ 2m40!!! 310kg!!!が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 説明不要ッッ 俺達は君を待っていたッッッアンドレアス・リーガンの登場だ――――――――ッ 超実戦柔術が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 日本ンッッ 俺達は君を待っていたッッッ本部以蔵の登場だ――――――――ッ キック・ボクシングが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 統一王者ッッ 俺達は君を待っていたッッッロブ・ロビンソンの登場だ――――――――ッ 自分を試しに日本へきたッ!! どこへ行っていたンだッ サンボ全ロシアチャンプッッ 俺達は君を待っていたッッッセルゲイ・タクタロフの登場だ――――――――ッ 鎬流が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ ”紐切り”ッッ 俺達は君を待っていたッッッ鎬昂昇の登場だ――――――――ッ ピット(ケンカ)ファイターが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 一切不明ッッ 俺達は君を待っていたッッッジャック・ハンマーの登場だ――――――――ッ シュート・レスラーが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 死角はないッッ 俺達は君を待っていたッッッ山本 稔の登場だ――――――――ッ 中国四千年の拳技が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 香港ッッ 俺達は君を待っていたッッッ烈海王の登場だ――――――――ッ 全盛期が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 燃える闘魂ッッ 俺達は君を待っていたッッッ猪狩完至の登場だ――――――――ッ 闘士の炎が帰ってきたッ どこへ行ったンだッ 医者の仕事ッッ 俺達は君を待っていたッッッ鎬紅葉の登場だ――――――――ッ 特に理由はないが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 横綱ッッ 俺達は君を待っていたッッッ金竜山の登場だ――――――――ッ 実戦カラテが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ デンジャラス・ライオンッッ 俺達は君を待っていたッッッ加藤清澄の登場だ――――――――ッ 外せない人が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 超A級喧嘩師ッッ 俺達は君を待っていたッッッ花山薫の登場だ――――――――ッ 超一流レスラーが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ ニューヨークの鋼鉄人ッッ 俺達は君を待っていたッッッマイク・クインの登場だ――――――――ッ 武術空手が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 神心会の切り札ッッ 俺達は君を待っていたッッッ愚地克巳の登場だ――――――――ッ 若き王者が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ 俺達は君を待っていたッッッ範馬刃牙の登場だ――――――――ッ 加えて負傷者発生に備え超豪華なリザーバーを4名御用意致しました! フランシス・シャビエルが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 栗木拓次ッッ 俺達は君を待っていたッッッマウント斗羽の登場だ――――――――ッ ……ッッ もう一名が帰ってこないッ どこへ行ったンだッ リザーバーッッ 俺達は君を待っているッッッ到着次第ッ皆様にご紹介だ――――――――ッ 関連レス 394 名前:水先案名無い人 :2005/10/13(木) 12 11 35 ID 1DG6yhyO0 さすがに三番煎じは 395 名前:水先案名無い人 :2005/10/13(木) 12 13 17 ID S9gmuPkRO 元ネタいじりが帰ってきたッ 全パターン制覇するというのかッ コピペ職人ッッ 俺達は飽きたと言いつつ君を待ってしまうッッッアナウンスパターン統一の登場だ――――――――ッ 398 名前:水先案名無い人 :2005/10/13(木) 17 45 55 ID 6lVsNUxB0 389-393 来ると思ったよ、だいぶ前から 399 名前:水先案名無い人 :2005/10/13(木) 19 21 40 ID K2EBEY1YO 393 不覚にもリザーバーでワロタ コメント 名前
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長屋クイズアリーナ(ながや―)とは、オンラインクイズ支援ツール。 ぽーまん氏のウェブサイト「ぺんぎんの布団」上に置かれている。2018年8月に公開を開始し、現在の最新バージョンは3。 長屋は(現行)64の部屋に分かれ、それぞれの部屋が早押し機として機能する。1つの部屋で最大30人の接続が可能である。 SkypeやDiscordなどの音声通話ソフトと組み合わせて、オンラインクイズの場として利用される。 2020年初頭からのコロナ禍において、オフラインでの大会やサークルの開催が控えられる中、利用者が増大した。 本ツールはドネーションウェアであり、利用自体は無料でできるが、寄付を募っている。 外部リンク ぺんぎんの布団 作者Twitter
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――なんとなく予測出来てはいて、イメージトレーニングもしたのだけれど、やはり目の当たりにすると怖い、とシルスは思った。 血色の髪を伝って、脂汗が垂れる。心臓は激しく脈動し、歯の根は少しばかり合いそうにない。 「――さて。覚悟は決まったか?この痴れ者が」 石造りの部屋の中、そんな声と共に響く鞭のような音。 今までにあまり聞いた事のない、背筋が凍り付くような声色だった。 部屋の隅に追い詰められながら、シルスは思う。こんな事になってしまう前の話を。 そしてにじり寄って来るベルを見て思う。僕、死んだかな――と。 「――そもそも、召喚術と錬金術は昔から相互依存関係にありました。錬金術は物質の運搬・転送はどちらかというと苦手でしたし、召喚術はインスタントな利便性に欠けていました。そこで両者が――」 「……もうよい」 半分以上魔術学院の講義と化している、黒髪を持つ長身の男――錬金術師ヘイルの説明を途中で遮ったベルは、窮屈そうに身を捩った。 「……ベル、本当に分かってくれた?」 ベルの傍らに立っているシルスが、不安げに訊く。 ベルは、シルスを鋭い眼光で睨み付け、しかし何も言う事はない。 「貴様らが先輩後輩とやらの関係にあるのはよく分かった」 「では、お見逃し願えませんか。こちらとしても、天界に喧嘩を売るような真似はしたくありませんので」 「……分かった。仕方あるまい」 「済みませんヘイルさん。ご迷惑をお掛けして」 「気にしないで下さいシルス君。こちらも討伐されても仕方のない身です」 シルスとヘイルが互いに謝罪を交わす側で、ベルの眼光が鋭さを増す。 二人は――少なくともシルスは――それに気付かずに続ける。 「さて、こちらが言うのもなんですが……色々あって疲れたでしょう。そろそろ夕暮れも近い。休んでいかれますか?」 「そうですね、お願いします。――ベル、いいよね?」 シルスの問いにベルは答えない。 シルスは仕方なさそうに、再びヘイルに一礼した。 「では案内させましょうか。ポチ!」 「只今」 呼び掛けから応答まで一瞬の間があって、部屋に鎮座する実験器具の影から一人の猫人――つい先程、シルスにやりたい放題やっていた方――が現れた。 「お客様を空き部屋に案内してください」 「御意」 ポチと呼ばれた猫人はヘイルに深く一礼すると、シルスに向き直り一礼した。 「――へぇ、じゃあ、シルス君はご主人様のご学友なんだ」 「ええ、まぁ」 塔の通路を歩きながら、ポチを先頭に三人は歩いていた。 先程から引っ切り無しにポチはシルスに話し掛け、情報収集と同時に愛嬌を振り撒いている。 「ご主人様、そんな話は滅多にしないから興味あるわ~ねぇ、後で私の部屋に来ない?お話聞きたいし、それに……」 ポチは歩みを止め、シルスに身を寄せて、 「貴方と一緒に楽しいコトもしたいな~」 「う……」 「柔らかくて大きかったでしょ?私の胸。どう?揉んでみない?」 「あ、う……」 「誰かさんじゃ絶対に体感出来ないボリュームよ?」 ポチはシルスの背後に視線を送りながら、誘惑を続ける。 不意に、そんな二人に声が掛けられた。 「――部屋は、ここなのか?」 抑揚のないベルの声。 ポチは、ああいけない、などとわざとらしく呟き、 「そう。ここが貴方達のお部屋。夕食と湯浴みの準備が出来たら呼びに行くから、それまでごゆっくりね」 そう言ってポチはシルスに微笑を送りながら通路の闇に姿を消した。 「ふぅ……じゃあ入ろうか」 ベルに一言掛けて、扉を潜る。 中はそれなりに広く、宿屋にある一通りの家具と、三人ぐらいが寝転がれる巨大なベッドがあった。 ベッドには真新しいシーツが、天井のランタンから発される光を反射して橙色に輝いている。 「いい部屋だね。ねぇ――」 ベル、と呼び掛けようとした瞬間、重い金具が絡み合う――まるで鍵が掛けられたような――音が響き、 「――一ヵ月と八日前だ」 そんな意味不明の声と同時、シルスの身体は部屋の壁に叩き付けられた。 「がっ――!」 全身が砕けるような衝撃に、シルスの息が切れる。 激しく咳き込んだ所を、首を思い切り掴まれた。 「ぐ……ベ、ベル……何を」 「その日の行為で、貴様は私の胸に触れたな」 親指でシルスの顎を持ち上げ、そこに小さな傷跡があるのを見付けながらベルは問うた。 「そして今日、あの下等生物の胸に触れたな」 「ぐ、あ……!」 その傷跡を、ベルは上書きするように竜尾で切った。 血の珠が次々と生まれ、張力で支え切れなくなった端から、赤い筋を作っていく。 ベルはそれを、人よりも少しばかり長い舌で舐め取り、 「気持ち良かったか?あの女の胸は」 「う……」 ――ベルの方が、そう答えようとした瞬間、身体が解放された。 空気を求めて身体が勝手に激しい呼吸を繰り返す。 ややあって落ち着いたシルスが見たものは、こちらを氷のような鋭く冷たい目で見るベルの表情だった。 「――嘘を吐くな」 そんな声が聞こえて、ゆっくりとベルが距離を詰める。 シルスは本能的な恐怖に駆られて、思わず後ずさった。 「そうだ。我が甘かった。我の下僕である貴様の全ては例外なく我のモノであり、誰であろうと触れてはならぬと――そう刻むのを忘れていた」 そこでベルは、久々に邪悪な笑いを浮かべ―― 「――さて。覚悟は決まったか?この痴れ者が」 ――そう、宣言した。 肉棒が捩じ切られる程に締め上げられ、シルスは朦朧とした意識を僅かに回復させた。 「――はっきりしたか?まだ夕餉も終わってはいない。就寝には早いぞ?」 シルスの上で腰を振っているベルが言う。 「ふふっ……っ、ふ、くっ、イくぞ……!」 「ぐ、ああッ……」 ベルの笑いを含んだ嬌声とは裏腹に、シルスからは苦悶の声が上がる。 それもその筈だ。 行為が始まってから早数時間。ベルはその間に自らの指やシルスの肉棒を使って幾度となく達しているが、シルスは未だ一度も精を吐き出してはいない。 原因は、肉棒の根元に巻き付いた竜尾のせいだ。 「ぐあ……ッ!」 シルスが達し、精を吐き出す脈動の音が響く。だが、実際にはベルの胎内に白濁液は一滴たりとも出てはいない。 「ふふ……苦しいか?我の胎に出したい、ぶち撒けたいか?我の高貴な身体を、下賤な貴様の精で汚したいと――そう思わないか?」 「あ、ぐ、ぎっ……!」 ベルの細く柔らかな外見からは想像出来ない程の力で締め上げられ、苦痛と快楽に苛まされるシルス。 ベルの淫らで甘美な問いに激しく首を縦に振るうが、しかしベルは邪悪な笑みを崩さずに、 「だが、まだだ。貴様に我を刻み込むにはまだ足りぬ」 「ぐ、そ、そんな――」 「黙れと言ったろう」 ベルがシルスの胸板に手を着き、腰を捻る。 子宮口を限界まで腫れた亀頭が擦り、再びシルスが苦悶の声を上げる。 行為はまず、シルスとの数分に渡るディープキスに始まり、次に胸板の上での愛撫、手淫が終わったら挿入、という流れで来ている。 ベルの頭の中に響くのは、あの猫人の声。 自分には出す事の出来ない、酷く官能的な声。 あんな下等で下衆な生物に自分の所有物であるシルスを弄られた事もそうだが、何よりベルには一つだけ気掛かりがあった。 「そもそも、だ。何故貴様が奴に謝る?それも『ご迷惑をお掛けしました』だと?それではまるで、貴様が我の主人のようではないか」 「く、あ……ご、ごめん……」 「貴様と我の主従契約など、あんなモノは形だけの物だ。我はいつでも契約を破棄し、貴様を殺して天界に帰る事が出来るのだぞ?その事を忘れてはいないだろうな?」 ――そんな事は有り得ないという事を、ベルは知っている。 シルスの記憶力がいいとかそういう問題ではなく、自分がそんな事をする事自体が有り得ない。 未だ自らの口から好きだとシルスに告げていないベルは、互いの接点がその主従契約一つに全て掛かっているという事を十分に理解していた。 故にそれが無くなれば、シルスがベルの手許にいる理由も無くなってしまう。 シルスは新たな相棒を――自分などよりもっと扱い易く、頼りになるかも知れない相手を――召喚して、それで終わりだ。 自分にはシルスの代わりなどいないし、考えられない。 「ふ、ふ。せいぜい苦しむがいい。我が受けた屈辱はこんなものではないぞ?」 「ぐ、うぅ、ごめん、ごめん……」 ベルの胎内で再びシルスの肉棒が脈動するが、やはり精は出ない。 自らが課した仕打ちとは言え、胎にシルスの精を注がれない事はベルにとってももどかしくあった。 縛り付けるモノが欲しい、とベルは思う。 同じ竜相手ならば、自分の高い身分が鎖になったのだろうが、異種族であるシルスには自分の身分などあまり意識しないだろう。 それではベルという個に残るのは、竜故の高い戦闘能力と、無駄に高いプライドだけだ。 そんなモノで――何か些細な事で切れてしまいかねない線で、この男を引き止めておける筈がない。 「ぐ、ぎっ……ベルっ、許してッ……」 「駄目だ。貴様のような浅ましい男には、この程度ではまだ足りぬ」 「ぐ、あ……そんなっ……」 自分の想いを洗いざらい吐き出して、それをシルスに認めて貰うという事も考えた。 だが、そうしてもし拒絶の言葉がシルスの口から出てしまったら? ――ベルは思う。それは単に契約を解除される事よりも怖い、と。 それに、絶対に拒絶されるだろうという、確信に近い思いがベルにはあった。 最初の出会いからして最悪で、自分の想いが好きだと確定するまでに色々と酷い仕打ちをしたし、シルスの――そしてベル自身の初めての時も相当な物だった。 そして今なお、こうして不必要な苦痛と屈辱を強いている。 これで好いてくれる道理などある訳がない。 「あ、ぐうっ!う、うああっ!」 「んっ、ふっ、あ、は……!ふふ……いいぞ、貴様のモノは……!」 そう言いながら、ベルはシルスの睾丸を撫で上げた。 作りはされども出はしないせいで、そこは痛々しいほどに腫れ上がっていた。 ――これ程の量があれば、我でも身籠もる事が出来るだろうか。 考えた末の結論は、子供だった。 竜が人の子を成す可能性はあまりにも低いが、完全なゼロではない事をベルは竜の知識で知っている。 それがもし、成れば。 ――この男を、我に縛り付ける事が出来るやも知れぬ。 あまりにも下衆な考えである事は分かっていた。 しかし、ベルにはシルスの好意をあまり損なわない方法で、それ以外を思い付かなかった。 だからこうして―― 「ふ、ふふふ……もういいだろう」 「あ、が、ベ、ベルっ……!」 「さあ、我の前で下衆らしく、浅ましくイってみせろ!汚してみろ、貴様の精で!」 竜尾の拘束を解くと同時、シルスの肉棒を強烈に締め上げる。 ――刹那、凄まじい精の奔流がベルの胎内を満たした。 「う、ああああああああっ!」 「……っっ!」 愛しい男の精が流れ込む、その感覚だけでベルは数度の絶頂を迎えながら、シルスの脈動する肉棒を締め上げ続けた。 肉棒から子宮へと直接流し込まれる精を一滴たりとも逃さぬ為に。 不確かな、まだ絆とは到底呼べるモノではないそれを、僅かでも確かなモノへ近付ける為に―― 少年の、悲鳴に近い嬌声が聞こえるに当たって、ポチは扉を叩く手を止めた。 声を出さずに笑い、何処からともなく取り出したメモに、 「夕食の準備が出来ました」 そう記して、扉に挟み込む。 そのまま笑いながら、ポチは再び通路の闇へと姿を消した――
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トリップ ◆1/dtGJfhU6.F ◆TZeRfwYG76(企画用) ◆Yafw4ex/PI (旧トリップ仕様) 以下のSSは全て文字サイズ小の環境で編集しています 背面が灰色になっているSSがあるのは仕様です(等幅フォントを使いたいので書式付き設定) 更新SS 11/22 未来の古泉の話 11/6 簡単でおいしい!おかずレシピ「キョンの夕食」 7食目 「ふわふわ」「天麩羅」 10/25 罪の清算 「朝比奈さん大活躍(微糖)」 「かんざし」 「時限爆弾」 言いたい事は言えない話 停滞中の連載SS 甘 1 甘甘 2 カカオ → IFエンド 「これもまた、1つのハッピーエンド」 注意! 欝展開あり 3 甘甘甘 4 HERO 5 「お酒」「紙一重」 *微エロ注意 森さんと古泉の話 カプ:森古泉 注意! 森さんのキャラがオリジナル設定になっています 「大須」 「お地蔵さん」 「古泉の墓の前で」 昼休みの雑談 コメディー カプ:長キョン 簡単でおいしい!おかずレシピ「キョンの夕食」 1食目 簡単でおいしい!おかずレシピ「キョンの夕食」 2食目 簡単でおいしい!おかずレシピ「キョンの夕食」 3食目 「鏡」 簡単でおいしい!おかずレシピ「キョンの夕食」 4食目 「歯茎」「スパイス」 簡単でおいしい!おかずレシピ「キョンの夕食」 5食目 「オニーク」 簡単でおいしい!おかずレシピ「キョンの夕食」 6食目 「番外編 ハロウィン・クッキー」 簡単でおいしい!おかずレシピ「キョンの夕食」 7食目 「ふわふわ」「天麩羅」 完結したSS 長編 涼宮ハルヒの誰時 涼宮ハルヒの愛惜 1話 「銀行」 2話 「蛍光灯」「メリークリスマス」 3話 「結婚」 4話 「酔い覚まし」 5話 図書館 6話 「誓い」 7話 「就職活動」 8話 「台風」 9話 ハルヒの選択 前編 10話 ハルヒの選択 後編 注意! 森さんのキャラがオリジナル設定になっています 注意! 物語が進展するにつれて、カップリングが変化します 未来の過去の話 注意! 森さんのキャラがオリジナル設定になっています 1話 2話 3話 4話 「FINAL FANTASY」 5話 「あ し た」 長編 クロスオーバー オリキャラ注意 涼宮ハルヒの欲望 1 『魔界塔士Sa・Ga』 カプ:長キョン 涼宮ハルヒの欲望 2 涼宮ハルヒの欲望 3 涼宮ハルヒの欲望 4 涼宮ハルヒの欲望 5 安価 涼宮ハルヒの失踪 カプ:ハルキョン 鶴屋さん要素あり 短編 色んなキャラの話 「北風」「手袋」「魔法使い」「アレキサンドライト」「階段」 「二の腕」 「雪合戦」「ヤンデレ」 キョンの話 「死と生」「彼岸花」「ハンガー」「風車」「弥七」「花火か夏祭り」 オリキャラ注意 「殺し屋 キョン」 朝倉の話 「山月記」 「ブルマの朝倉」「橘 佐々木 九曜」「エロ」 長門の話 「喧騒」 長門と朝比奈の話 「赤えんぴつ」 国木田の話 国木田が溜め息をつく話 喜緑さんの話 「胆汁」 世界はそれを、何と呼ぶのでしょうか? 部長氏の話 「復讐」 「振られんぼ」 キョンと古泉の話 「銀河鉄道の夜」「トトロ」「ハルキョンについて語る古泉」 オリキャラ注意 「二日酔い」 「辞書」「手紙」 パジャマ☆パーティー キョンと佐々木の話 君、思えど 願いを言える日 キョンと鶴屋さんの話 *微エロ注意 「もみじ」 キョンとみくるの話 うさみくる 「ラピスラズリ」 ティンクルスター *微エロ注意 「コランダム」 「双天使」 キョンと朝比奈さん(大)の話 「オープンキャンパス」「三十路」 新川さんの話 「新川×キョン妹」 鶴屋さんの話 鶴屋さんに隷属 ~お姉さんには逆らえない~ *微エロ注意 カプ:ハルキョン 「学校に行きたくない○○」 「大雨」 プリンのスレタイ 「ほ か ろ ん」 オリキャラ注意 「ハルマゲドン」 「雪解け」 カプ:長キョン 「秋雨」「春雨」 オリキャラ注意 「メモ帳」 「夢」 ハロウィンのお話 トリック・オア・トリック ミッション・イン・ハロウィン カオスな話 ハルヒ「か~っかっかっか~~!」 「 」で区切ったタイトルのSSはお題SSになります お題とはテーマを頂き、それにそって書いたSSの事です お題一覧 50音順 赤えんぴつ 秋雨 秋空 朝比奈さん大活躍(微糖) 朝比奈みくるが本気で怒りそうなこと あした 新川×キョン妹 アレキサンドライト アワビが大量で困っています 烏龍茶 エロ 大雨 大須 オープンキャンパス お酒 お地蔵さん オニーク 階段 鏡 風車 学校に行きたくない〇〇 紙一重 樺太 かんざし 喫茶店の紅茶 北風 北高保健室からのお知らせ 喜緑「朝倉さんを知りませんか?」 給食 興味から芽生える愛 銀河鉄道の夜 銀行 くせ毛 クリスマス クロネコヤマトの宅急便 蛍光灯 結婚 喧騒 古泉の墓の前で コランダム 殺し屋キョン 佐々木とロードローラー 時限爆弾 辞書 失望 死と生 就職活動 主人がオオアリクイに殺されて一年が過ぎました 新製品 ロッテ 雪見だいふく <たまごプリン味> 睡眠 スパイス 銭湯 双天使 台風 橘 佐々木 九曜 胆汁 誓い 仲秋の名月私を月に連れてってを佐々木で 鶴屋さん〇隷属 手紙 手袋 天麩羅 道路工事 図書館 トトロ 長門の好きなお茶 二の腕 ニャホニャホタマクロー 歯茎 花火か夏祭り ハルキョンについて語る古泉 春雨 ハルマゲドン ハンガー 彼岸花 氷点下 ファッションセンターしまむら 復讐 浮沈艦 二日酔い ブルマの朝倉 振られんぼ ふわふわ ベットの下 ボート ほかろん 魔法使い 三十路 水戸黄門 メモ帳 メリークリスマス もみじ 約束 弥七 山月記 ヤンデレ ヤンデレキョン 夕立 雪合戦 雪解け 夢 幽霊 酔い醒まし ラピスラズリ リンゴ 13日の金曜日 FINAL FANTASY iPhone MacBook Pro 総数 100オーバー
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作者:8Y/H0h55o 948 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/11(月) 02 02 38.92 ID 8Y/H0h55o 男「今日は暑いな、コンビニでアイスでも買ってくるか」 俺は立ち上がり、玄関に向かう。 ドアを開けようとすると、ドアの動きが途中で止まった。 何かが引っかかっているようだ。 男「?」 もう一度ドアを引き戻し、開けようとするがやはり引っかかる。 男「いったい何なんだよ!!」 俺はドアを引き戻すと、今度は勢い良く押し開けた。 ホビャ!! ドアの向こうで何かの叫び声がした。 男「ドアの前に何か転がってるな」 男「これは……ほむほむか?」 ドアの前には恨めしそうにこちらを眺める一匹のほむほむがいた。 ほむほむ「ホムー!!」ナニスルノ!!ヒドイ!! 男「なんだ、ほむほむかよ」 俺はそういうと興味なさげにコンビニへと歩き出そうとする。 だが足に重みを感じた。とっさに下を見る。 見るとほむほむがしがみついていた。 ほむほむ「ホム!ホム!」ムシスルナ!! 男「面倒くせーな、まったくよ」 ほむほむの体は薄汚く汚れており、見るからに野良ほむだった。 しかしその瞳は偉そうにこちらを見つめている。 男「お前は何が望みなんだよ?」 ほむほむ「ホムン!」エサヲヨコセ!! どうやらこのほむほむは餌をねだりに来たようだ。 当然こんな薄汚い下等生物にくれてやる食料はない。 男「悪いな、ほかを当たってくれ」 ほむほむ「ホムー!!」フザケルナ!! ペシペシ 靴に振動を感じる。ほむほむが叩いているのだ。 ……まったく痛くないのだが。 だがほむほむごときに叩かれるとやはり腹が立つ。 しかし今はアイスが先だ。俺は無視することにした。 ほむほむ「ホムゥ!!」コッチミロ!! 俺はそういうと、コンビニへ歩き出した。 追いかけてくるかと思ったが、 ほむほむごときの脚力では追いついてこれなかったらしい。 ティロリロリーン 店員「いらっしゃいませー」 俺はまっすぐにアイスコーナーに向かうとアイスを手につかんだ。一本だけ。 だが俺の脳裏にあのほむほむの顔が浮かぶ。 次の瞬間、俺は二本のアイスを握っていた。 店員「どうも、ありがとうございやしたー」 精算を済ませ、自宅へと歩を進める。 家の前までくると、玄関にはまだあのほむほむがいた。 チョコンと体育座りをしている。だが暑さでその顔は真っ赤だ。 ほむほむ「ホムー……ギュルギュル」オナカヘッター ほむほむ「……ホム!!」カエッテキタ!! ほむほむは俺を見つけると、トコトコ駆け寄ってきた。 男「ほらよ、アイスだ。それ食ったらどっか行ってくれ」 ほむほむ「ホム!?」クレルノ? 男「ああ、やるよ」 ほむほむ「ホムン」シカタナイカラタベテヤル ……つくづく生意気な奴だ。 だがこの付き合いもこれで終わり。 ほむほむ「ホムー……ガリガリ」フクロガアカナイ…… 男「ったく、ほら貸せ」 ほむほむ「ホムン!」カエサナイ!! 男「開けてやるっつってんだろ」 ほむほむ「ホム?」ソウナノ? 俺は袋をあけ、再びほむほむに手渡した。 だがほむほむは俺の手からアイスを勢い良くふんだくった。 いちいち気に触る奴だ。 ほむほむ「ホム!!」サッサトナカニイレロ!! こいつ、部屋に入る気か? 俺はほむほむを無視して部屋に入った。 これ以上こいつを見ていると、本気で潰してしまいそうだったからだ。 それからPCでいつもどおり2chなどして時間をつぶした。 いつのまにか時間は夕方になっていた。 これで最後にしようと適当に開いたスレ。 男「【まどか「」ほむほむ食べよう】?」 その中身はほむほむに対する虐待を綴った体験記だった。 優しくされた後に無残に殺されるほむほむ。 他の種に食べられ、孕ませられるほむほむ。 一言で言おう……最高だったと。 読み終えた俺はほむほむを虐殺したくてたまらなくなっていた。 自分でも分かっていた、いけないことだと。 現在法律でほむほむの虐殺、ほ食は禁止されている。 ほむほむの生存数が激減したからだ。 だがすでに俺は部屋を飛び出し、辺りを探していた。 だが見つからない。もうすでに何処かに行ってしまったのか…… 男「くそ、あの時捕まえとくんだった」 俺は意気消沈し、部屋に戻った。 男「あっ、鍵かけてなかった」 だが盗まれるものは何も無い。別にいいだろう。 そう思っていると、物音が聞こえた。 参ったな……泥棒か? 恐る恐る部屋に入る。 ……冷蔵庫が開いていた。 ハコビダセ!イソゲイソゲ マズソウナニクダナ ……ほむほむだった。しかもたくさんいやがる。 冷蔵庫の中身を運び出していた。 ほむほむ1「ホムー」ハヤクハヤク 仔ほむ「ホム♪」パーティーダ!! どうやらあのほむほむは群れを作っていたらしい。 これは好都合だ。昼間の俺とは違うぞ。 男「おい、何してる!!」 ほむほむ1「ホム!?ホムーホムー」ミンナニゲロ!! いっせいに逃げ出すほむほむたち。 男「待て、逃げなくていい」 ほむほむs「ホムン?」ドウイウコト? 男「住処と餌を提供してやるってことだよ」 ほむほむs「ホムゥ……ホムホム!!」ジャアイイヨ! こんなときまで上から目線か……ムカつくな…… だが今は我慢だ。 男「ほら、君達の住処だ」 俺はそういうと去年まで買っていたハムスターのケージを近くに置いてやる。 たくさん買っていたのでケージは二つだ。 ……面白いことを考えたぞ。 ほむほむs「ホム」キタナイナ デモイイカ そういうとほむほむたちは全員同じケージに入ろうとする。 男「そこに入っていいのは、家族のほむほむ達だけだ」 男「普通のほむほむ達はこっちのケージにね」 そうやって家族のほむほむ達を仕分けする。 これは長く楽しむためだ。 ほむほむs「ホムー!」エサヨコセ!! 男「分かった分かった、ちょっと待ってろ」 そういうと俺は家族ケージから一匹の仔ほむを引っ張り出した。 仔ほむ1「ホミュン?」ドウシタノ? 親ほむ1「ホム!!」ナニスルノ!! 親ほむ2「ホムゥー!!」カエシテ!! 親ほむたちが顔を真っ赤にしてケージを叩く。 男「心配するな、味見してもらうだけだから」 親ほむ1「ホム……」ナライイカ 親ほむ2「ホムゥ……」カナラズカエセヨ 返すさ……生きてるかは分からんがな 俺はまず仔ほむをまな板の上に乗せた。 仔ほむ1「ホミュン?」ナニスルノ? 俺「……ほむ飯さ」 そういうと俺は仔ほむにお手製ほむ飯セットを突っ込んだ。 仔ほむ1「ホビャァァァァァァーーーーーー!!!!」イタイヨォォォォォォーーーー 男「ここで思いっきりもち米を押し込むっと」 ビュルビュルと音を立てて仔ほむの腹にもち米が入っていく。 仔ほむ1「ホビャー……ホビャー……」ポケー 腹に大量のもち米を挿入された仔ほむのお腹は破裂寸前だ。 意識もない。精神が壊れたか。安い生き物だ。 男「これを湯でてっと」 煮えたぎった鍋に仔ほむを投げ込む。 仔ほむ1「ホビャァァァァァァーーーーーー!!!!」アツイヨォォォォォォォーーーーーーーー あまりの熱さに意識を取り戻したか。 じたばたと必死にもがく仔ほむ。 俺はそれを箸で沈めてやった。 仔ほむ1「」ブクブク 真っ赤に茹で上がった仔ほむを皿に移す。 おいしそうだ……だがこれはあいつらの飯だからな。我慢我慢。 俺が餌を持っていくと、あいつらはゲージをガンガン叩いていた。 親ほむ1「ホムン!!」ウチノコカエシテ!! 男「そうあせるな、ほら飯だ」 そういうと俺は仔ほむ飯をあいつらのケージ入れてやった。 仔ほむ1「」 親ほむ1「ホムー♪」ゴハンダ……ン? 親ほむ2「ホム……」モシカシテ…… 男「……お前らの子供だよ、うまそうだろ?」 親ほむ1「ホム……」ソンナ…… 親ほむ2「ホムホム……」ウソデショ 親ほむたちはショックを受けているようだ。 顔が真っ青である。 茹で上がった仔ほむを見る親ほむの顔がたまらない。 男「はやく食べろよ、冷めるぞ?」 親ほむ1「ホッホッ……ホムゥ!!」ワタシノコカエシテ!! 親ほむ2「ホムー!!」ナンデコンナコトスルノ!! 反抗してきたのでここら辺で一発〆ておくか。 男「好き嫌いばかりする子は嫌いだなー」 俺はそういうと生きている仔ほむを引っ張り出す。 親ほむ1「ホム!!」ソノコニナニスルノ!! 親ほむ2「ホムンホム!!」ヒドイコトシナイデ!! 仔ほむ2「ホミュン……」マダネムイ…… 男「眠そうだな、起こしてやるよ」 俺は必死に訴えてくる親ほむたちの前で 仔ほむを持ち上げる。 仔ほむ2「ホミャ!」タカイノコワイヨー 親ほむ1「ホム!」オロシナサイ!! 親ほむ2「ホムン!!」イマナラマダユルス!! こいつらどっちが格上か分かってないらしい。 ……思い知るがいい。 俺はおもいっきり仔ほむを床にたたきつけた。 仔ほむ2「ホミャァァァァァーーーーーーー」 親ほむ1「ホムゥゥゥゥーーー!!」ヤメテェェェェーーーー バシン!!そう音を立てると、仔ほむはぐちゃぐちゃになった。 仔ほむの体は落下の衝撃に耐えられなかったらしい。 軟弱な構造だな。この生き物は。 親ほむ2「ホム……ホムゥ……」ヒドイ…… 男「はやく飯を食わないと、全員こうなるぞ」 親ほむ1「ホムゥ……」ジブンモコウナルノ? 親ほむ2「ホムン!!」ソレハイヤダ!! 親ほむたちは泣きながら仔ほむを食べ始めた。 親ほむ1「ホム……」ゴメンネ 親ほむ2「ホムゥー」ユルシテネ…… 仔ほむ「」ガツガツ 男「そうそう、そうやってちゃんと食べればいいんだよ」 これから楽しくなりそうだ。 そしてあのスレ。俺を目覚めさせてくれてありがとう。 続く……よ ジャンル:ほむほむ 仔ほむ 制裁 感想 すべてのコメントを見る