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}ニニ二∠三三三三三三三三三三三三三三三三三三三} }ニ二イ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 / _j=≪三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 / ,仁二三三三三≫'´ ̄, イ . . . . . ̄`≪三三三三三三 / ,仁二三三≫'´ / { . ,イ ヽ三三三三 V {ニニ三≫'´ . i ‰*㏄ { / } . .\三三三| {ニニ イ . . . .| / _ { . i . / ̄∨ \三三 | {=ニ/ / | /,ィ==x ` V | . 厶-- V ヽ三/ {ニ/ | . .|/ ん亦ミゞ V| . ./x===㍉∨ i . .∨ У | j† { { } } Ⅵ . / ん亦ミゞ,| | . | ∠ | | V辷d ヽ/ { { } } V| | . | <_ . | | ”“ , V辷ク Ⅵ |. / . V . ヽ i| / ”“ 〈ヽ . . .| 厶イ . V 刈 √ { | 厶、__∨ ト、 `ー─ ─一 / T”´ . . .| Ⅳ . | 介 、 / . | . | , -─┬‐┼ゞ_」 { ヽ, ` 、 ,. x─< . | . .i /. / ヽ, |/∧ / \ `¨¨¨´/__ Vヽ | . ./| / / ‘, |//∧ イ⌒i i ハ /7} Vヽ, 厶し′ ×─────────────────────────────────────── 【名前】七海アオ 【タイプ】あく/フェアリー 【特性】おみとおし… 場に出た時、相手の「持ち物」が分かる。 【もちもの】 【技x8:あくのはどう、じゃれつく、こどもだまし、ひっくりがえす、でんじは、あまえる、すてゼリフ、リフレクター】 こうげき:C- ぼうぎょ:D とくこう:B とくぼう:C すばやさ:B 【ポテンシャル】 『狂走』… 先発で場に出ると、「すばやさ」が上がる。 『ハーフ』… 人間と「ネコビト」の混血の『変種』 自身と同タイプの技のダメージを半減する。 『キャットハンズ』… 1/試/自動 相手が怯んだ時、一番最後に「変化技」による追加行動を得る。 『後の先』… 相手が自身より先に行動した時、稀に相手より先に行動することが出来る。 『対鋼回避』… 敵陣に「鋼」ポケモンがいる時、相手の「鋼」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対鋼耐性』… 敵陣に「鋼」ポケモンがいる時、相手の「鋼」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対鋼迫撃』… 敵陣に「鋼」ポケモンがいる時、低確率で自身の技のダメージが2倍になる。 『戦闘続行』… 低確率で相手の技のダメージを自身の行動後に持ち越す。 『スターター』… 『先発』が発動した時、自身の全能力値を強化(1.05倍)する。 技について 名前 分類 タイプ 威力 命中率 範囲 接触 備考 あくのはどう 特殊 悪 80(120) 100 単体 × 追加効果として、20%の確率で相手をひるませる。 じゃれつく 物理 フェアリー 90(135) 90 単体 ○ 追加効果として、10%の確率で相手の「こうげき」を1段階下げる。 こどもだまし 特殊 フェアリー 40(60) 100 単体 × 先制技。(優先度+3) 相手を怯ませる。場に出て最初に繰り出さないと失敗する。 ひっくりかえす 変化 悪 --- 100 単体 × 相手の能力変化を逆にする。 でんじは 変化 電気 --- 100 単体 × 相手を「まひ」状態にする。 あまえる 変化 フェアリー --- 100 単体 × 相手の「こうげき」を2段階下げる。 すてゼリフ 変化 悪 --- 100 単体 × 相手の「こうげき」「とくこう」を1段階下げたあと、手持ちのポケモンと入れ替わる。 リフレクター 変化 エスパー --- --- 自分の場 × 5ターンの間、相手の物理技のダメージが半分になる。 タイプ相性 ばつぐん(4倍) なし ばつぐん(2倍) 毒 鋼 フェアリー いまひとつ(1/2) ゴースト いまひとつ(1/4) 悪 こうかなし(---) エスパー ドラゴン 【備考】 初登場:8スレ目 8532 上嬢当子の手持ちとして登場。 コトブキ学院1年選手 『ハーフ』の「ネコビト」 戻る
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YZQ/044 R いたずらするアオ/サトリ 女性 パートナー ピアノ奏者 アオ/サトリ 女性 レベル 2 攻撃力 3000 防御力 5000 【じゃあどうしよう】《妖怪》《妹》 【自】このカードがベンチに置かれた時、あなたは自分の手札を2枚選び、自分の控え室に置いてよい。2枚以上置いたら、あなたのターンの終わりまで、あなたのリングの〈サトリ〉の次のアタックはパートナーアタックになる。 作品 『夜桜四重奏-ハナノウタ-』 備考 2013年11月25日 今日のカードで公開 このカードをパートナーにしているカード 取得中です。 関連項目 取得中です。
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アオとクロ 1話 まえがき 呪い師(まじないし)とは 古く存在する 知られない 稼業 多くは迷信を扱う紛い物 本物の呪い師とは 精霊を行使し 術と理をも極めた あらゆるものを操る秘匿の 種族 幻の一族は 実はその爪を隠して ひっそりと暮らしています 人知れず欲を満たしながら ■ 逃げ出した夜 「ぎゃあああっ」 視界に鮮明に映る赤。 振りかかる熱い飛沫。 男の断末魔の悲鳴。 「逃げて!」 裸体にナイフを握り締める姉の叫び。 体は無意識に動き出してドアを開ける。 部屋から飛び出す。 足がもつれる。 階段も廊下もけばけばしく薄汚れていて暗く、 所々からけたたましい嬌声や怒声が聞こえている。 暗闇が深まる通路を進むと音が遠くなり、 裏口と思しきドアから外へ飛び出す。 夜の街。 一糸まとわない身に受ける夜風は むっとするような汗と獣の体臭と一緒に、 血の匂いをまとわりつかせている。 突然、激痛を感じる。 衝撃に思わず体を緊張させる。 体は簡単にバランスを崩して地面に転がった。 足の裏から鋭い痛みが頭に響く。 顔は地面と擦れて熱くひりつく。 足の裏には、何かの破片が食い込んでいた。 思わず涙がこぼれ、乾いた土に落ちる。 猛烈な吐き気に口を開いても、 かすれた嗚咽だけがあふれてくる。 青い光。 顔をあげると、一握りほどの光が舞い降りてきた。 光の粉を零しながらすりむいた顔に触れると、 光は擦り傷に染み込むように消える。 途端に、傷の痛みも消えた。 驚いて顔に手をやる。 砂と混ざった血の感触がしたが、不思議に何も感じない。 そのまま呆然としていると数個の光が近づいてきた。 顔と同じようにすりむいた膝や足に光がとまり、 輝きとともに傷の痛みも薄れ消えていく。 わずかに気分が落ち着き、立ち上がった。 あたりを見回す。 一つだけぽつんと残った光が見えた。 光は誘うように姿を明滅させながら夜の闇を進んでいく。 足が引き寄せられるように光を追い、歩き出した。 ■ 青の館 眼を覚ますと昇ったばかりの日の光が目に入る。 館と呼ぶにはずいぶんと大きく感じる建物。 その一角の植え込みの中で夜を明かしたのを思い出す。 体は裸で泥だらけだ。所々は真っ黒なしみになっている。 先に逃がした妹は無事でいるだろうか。 周囲は静謐な朝の街並み。 聞こえてくるのは小鳥の声、わずかに行き交う足音。 「ご注文の品だ。ムネとハラミと…… あと、スープ用の骨もだな」 頭上からの太い声に思わず飛び上がりそうになった。 植え込みのすぐそばにあったドアが開いていた。 白エプロンの恰幅のいい中年猫に応じているのは、 黒褐色のネコ耳と細長い尾を持つ黒髪の少年。 「買い込むねえ。 大先生は珍しくお戻りかい。」 「ええ。ようやく盗賊団掃討の準備に一区切りついたようで」 「料理はどうだい、クロちゃん。」 「まだぜんぜん。先生にもお肉屋さんにもかないません。」 「飲み込みは早いんだ。上達なんてすぐさ。 ほれ、こいつはおマケだ。」 「わあ、ありがとうございます」 少年が代金を支払って礼を言う。 機嫌よく笑う猫おやじはのしのしと遠ざかっていった。 少年は荷物を抱えてドアを閉じる ……と思いきや くりっと眼だけを動かしてこちらを見る。 「!!」 一瞬、思考が止まった。 すぐさまドアと逆向きに駆け出した。 行く手から声が上がる。 「いたゼ!」 「おぅ!」 前方の通りから男が二人、自分に向かっていた。 見るからに粗暴な男たちはネコとイヌで、 どちらも街並みに似つかわしくない身なりだ。 たたらを踏んで、ぽかんとした少年の方へ駆け戻る。 少年は駆け寄るこちらの姿を確認すると、 呆けた顔のまま閉めかけていたドアを大きく開いた。 そのままドアの内側に走りこむ。 少年も身を滑り込ませる。 ドアの閉まる音。 「コラッ開けろぉ」 「 ソレ はオレたちのもんだ!」 どしどしと無遠慮にドアが叩かれる。 「ここは私有地ですよー。遺失物なら法的に申し立てして――」 どばん! 「くれませんか。」 少年がしゃべっている合間にドアがこじ開けられた。 無理に開けられたノブが少しひしゃげている。 安心しかけていて体がとっさに動かなかった。 入ってきた大猫の腕がこちらの腕を掴む。 とす、 とす。 「あべっ!」「おがっ!?」 こちらにのしかかるように迫っていた男たちの脳天に ものの見事にインクペンと……ペーパーナイフ?が立っていた。 たまらずこちらの腕を放り出して慌てふためく。 少し遅れて血が二人の顔からたれてくる。 「他人の住まいで早朝から大声を上げないでもらえますか」 ホールと続いている吹き抜けの階段から声が降りてきた。 全く気付かなかった。紳士な身なりをした長身の山猫の男。 声の穏やかさとは裏腹な鋭い眼で騒いでいる二人を睨む。 「不当なお客様には、次はナイフでいきますよ」 そう言ってニヤリと笑ってみせる。 ひっ という情けない声を出し、闖入者はドアから出て行く。 危機が去ったのを見届けると、床にへたりこんだ。 少年は荷物を奥の大きな長方形の食卓へ降ろす。 「クロ、戻りましたか。」 「はい先生。ただいま戻りました。 すみません、お休みのところを」 「目覚ましを一杯頂けますか」 「はい、すぐに」 クロ、と呼ばれた少年は山猫に一礼する。 山猫は眼の鋭さはそのままに、笑みを消した顔をなでつける。 そうしてようやく、こちらを見た。 「あなたも一応、不当なお客様なのですがね」 機嫌の悪そうな眼を向けられると悪寒が走った。 肉食獣特有の威圧感だ。 「どうぞ」 「ありがとう」 少年が食卓においたティーカップを口へ運ぶ。 その間中、山猫の鋭い視線は自分から外れない。 香ばしいお茶の匂いをかぐとふいに、お腹がなった。 山猫が眼を和らげて再び口元に笑みを戻す。 「クロ、彼女を風呂に案内してもらえますか。 彼女が着られるものも用意してください。 食事は私が用意しましょう。」 ■ 幻の蝶 足がもつれて、うまく動かない。 夜通し走り続けて重くなった手足。 それでも地面を蹴る素足を止められない。 捕まれば再び恐ろしい目に合う。 そして二度と抜け出せない。 昨夜、茂みで見つけたシャツをかぶっただけの姿で 石と砂の街路を息を切らして走る。 からりとした暑さに強い日差しを受ける道は 砂利すら敷かれておらず、土埃が舞いあがる。 路地を吹き抜ける風が白い裾をはためかせる。 点々とたたずむ街路樹の緑に眼を向ける余裕もない。 追いかけてくる足音が鼓動よりも大きく耳に響いてくる。 もう、だめ―― 限界を超えた疲労についに体を前のめりに崩す。 それでも目立たないように、建物の隙間に身を倒れ込ませる。 心臓は爆発しそうだ。息はどれだけ吸っても苦しさが取れない。 足音はすぐそばまで迫っている。 濃い日かげの中で、記憶に新しい青い光を見る。 目の前から舞い上がるその光は蝶の形をしていた。 透き通った青い蝶は通りの日向に飛び出していく。 すると、日に当たった途端蝶は形を変えた。 その姿は、今の自分と瓜二つだ。 「!!」 幻の少女は、振り向くとこちらに向けて微笑みかける。 そのまま、軽やかな足取りで駆け去っていく。 耳に響いていた足音は、そのまま白い幻を追っていく。 長い間、風の音に聞き入ってようやく息が落ち着いてきた。 冷静さが戻ると、すぐに不安が襲ってくる。 自分を逃がしてくれた姉の事。 自分たちを襲った獣がヨダレをたらしながら聞かせた話。 頭部の横に耳を持ち、尾も生えてはいない。 ヒト と呼ばれる種族はこの世界では非常に珍しく、 男女を問わず高価な、性的な愛玩奴隷として扱われる。 このままでは自分たちはいずれつかまる。 あの大きな犬や猫の、おぞましい慰み者になる。 体と心を踏みにじられ、散々苦しんだ後すべてが終わる。 姉の部活が終わるのを、学校の裏門で待っていた。 お母さんの誕生日。二人でプレゼントを買うと約束していた。 少し遅くなったけど、姉は裏口に早足に駆けてきた。 二人で笑いながら、母の喜ぶ顔を楽しみにして。 途切れる前の最後の記憶。 「おかあさん……」 思わずまた、目がにじんできた。 声を出すことは我慢して、ポロポロとこぼれるに任せる。 泣かないで、頑張って。 姉にそう言って何度も励まされた。 それでも涙を止めることは出来なかった。 ふと、自分を助けてくれる青い蝶の事を考えた。 どうして、助けてくれるのだろう。 たった今目の前で起きた出来事。 思わず悪い夢なのかと思ってしまう。 考えても何もわからなかった。 そのまま膝を抱えて座り込んでいると、あの蝶がまた現れた。 思わず手を差し伸べる。手にまるで本物のようにとまった。 蝶が自分を慰めてくれているように思い、少し安心した。 「みつけたぜ、嬢ちゃんよ」 聞こえてきた声に身体が震える。 頭上に覆いかぶさる大きな影にゆっくりと振り返る。 腕に厚く巻かれた真新しい包帯を示し、 左耳の大きく欠けたネコの男はその眼をギラリと光らせる。 「お前の姉貴に刺されたこの傷の借り、 埋め合わせしてもらおうかなァ、嬢ちゃん?」 背筋が凍りついた。 ■ 呪い師 「冷めてしまいますよ。」 そういうと山猫は懐から笛のような細い筒を取り出す。 火をつけてくゆらせるところを見るとタバコのようだ。 吸い込んだ煙を空中にふうと吐いてみせる。 食事に手をつける気になれなかった。 目の前に並べられている料理に、腹は耐え難い空腹を訴える。 だが、目の前にいるのは自分を捉えていたネコと変わらない。 どちらかと言えばより凶悪で残忍そうな顔をしている。 どうしても悪い方へ悪い方へ考えが傾いてしまう。 洗った髪はまだしっとりしていて顔に張り付いてくる。 少年が言った。 「よければ事情とか、話してもらえませんか?」 その言葉に答えたのは、自分ではなかった。 「それは出来ないでしょう」 「なぜですか?先生」 「ヒトの物でない血の匂いがしていました。 恐らく主人に逆らって傷を負わせたのでしょう。 ヒトが傷害を犯せば死罪です」 山猫の言葉が突き刺さる。気を落としてうつむく。 アオは煙をくゆらせながらしばらくこちらを眺めていたが、 飽きたように視線を外すと静かに席を立つ。 「クロ、少し出ます。 彼女をお願いしますよ。」 「承りました。どちらに?」 「野暮用です。夜には戻ります」 優雅な仕草でパイプを布に包み懐にしまう。 こちらを肩ごしに見やると、そのまま玄関から出て行く。 山猫が出て行くと、少年――クロが口を開いた。 「ちょっと失礼しますね」 そういうとさっとスプーンを手にとる。 皿からスープをすくって、口へ入れてみせる。 「ほら、毒とか、入っていませんから 安心して、召し上がってください」 人懐っこい仕草を見て、ようやく食べる気になった。 一度口に入れてしまうと、もう止まらなかった。 まる2日ほど何も食べていなかったのだ。 しかも味は高級レストラン並だった。 「先生はホントなんでも得意な方なんですよね。 僕なんかまだ失敗も多くて。 先生は何も言わず口にしてくださいますけど」 上品とは言えない速度で食事をしていると、少年が言う。 「あなたの……先生はどういう人なの?」 「先生は呪い師です。 迷信でない正真正銘の呪いの一族。」 「呪いって、魔法とは違うの?」 「 呪い とは言葉、薬物、知己、もちろん魔法。 様々なことを利用することで何か理想の効果を もたらす術のこと指します。 理解できない者から奇跡と賞されるので 特殊な能力だと誤解されますけど」 「あなたの先生は、魔法が使えるの?」 「一般的なものとは違いますが、使えますよ」 「あなたは?」 「僕は……まだ勉強中です」 えへへ、とちょっと悔しそうに少年が笑う。 「幼い頃から毒をその身に受け続けたり、 厳しい修練で呪いの法を獲得するそうです。 学問も堪能で。街の政治の一角も担う方なんですよ。」 先程出て行った山猫男を思い出してみる。 確かに、自分たちを追い回している輩に比べれば どんなにかスマートで知的な人物だとも思える。 睨まれた時は知性はどうあれ怖かったが。 「私は先生からそれを受け継ぐために 勉強をさせていただいてるんです」 「まるで完璧な先生ね」 「先生の欠点は趣味の悪さが……ごほん」 少年はお茶を濁す。 急に、通っていた学校の担任を思い出した。 国文専門のおっとりとした男の教師。 優しい先生だった。とたんに胸が苦しくなる。 こちらの表情を見てとったのだろうか。 少年がその両耳をつかんで持ち上げる。 すると、黒褐色の耳は少年の頭からすっぽりと外れる。 「あ!」 驚いて、口をあけたまま放心する。 少年は外した耳を抱いて眺める。 「あ……あなた」 「ええ、僕もヒトなんです。 ここでこうしているのは、先生のおかげなんです」 ヒトの少年は、優しい声で言った。 「心中お察しします。 先生はきっと、手を貸してくださると思います。 どうか、安心してください。」 ■ 日陰者たち エヴァンスは不愉快だった。 暗い路地裏の奥。 目の前でぜぇぜぇと荒い息を吐く部下たち。 口から出る息と同様に煩わしい言い訳が不愉快を募らせる。 調教を始めたばかりのヒトの姉妹を逃がし、 あろうことか荒らすには危険が大きい場所、 貴族や政治家が居を構える内街に逃げ込まれ。 おまけにそれを強引に侵入して見つかり、 さらにそれを取り返すことも出来なかった。 別の場所で見つけた妹は怪我をしていた。 だがそれも、突然幻のように姿が消えたという。 二人は額から血をにじませていたが、たいした傷ではない。 少なくとも与えようと思う罰には到底足りない。 密輸や窃盗を生業としていたエヴァンスの一団は、 その稼業を奴隷取引に鞍替えしている最中だった。 一所に長くとどまると地の番人の締め付けが強くなる。 奴隷業は、大抵の国で正統な取引だ。 しかし突然慣れない稼業に転じるリスクも小さくはない。 こんな煩わしい出来事も、今は我慢するしかなさそうだ。 「だ、団長。どうしやしょう」 上目遣いの部下を見下ろして、睨みつける。 咥えた葉巻をそのままに、静かに煙を吐く。 こちらの眼が完全にすわっているのがわかるのだろう。 部下たちはブルブルと震えている。 「お困りのようですね」 がざっ、と前の二人が振り返る。 部下を突き刺していた視線をそのまま声の方へ向ける。 「お望みならば、私が手をお貸しいたしましょう」 現れた長身の山猫。路地の入口の壁にもたれている。 細長いパイプからふかした煙があたりに溶け込むと、 部下のイヌの肩に、青い光――蝶がとまっているのが見えた。 蝶はふいと舞い上がると山猫の男へと近づき、見えなくなる。 「つけられたな。 全くもって救いようのないクズどもだ」 持たれた壁から身を離し正面からこちらを見る男に問う。 「……何だ、お前は」 「あなたの大切な商品、私なら無事にお届け出来ますよ」 相手の姿を見た部下が叫んだ。 「団長、こ、こいつです。オレらの邪魔をしやがったのは」 部下にニヤリと笑い、軽く会釈をしてみせる。 「その節は失礼を致しました。 ご高名なドン・エヴァンスの部下の方々とは知らず 朝方から騒がされたので少々気がたちまして」 「片われを匿ったのはお前か」 「そうです。」 「もう一匹も捕らえたのか」 「ええ、 妹 も。」 「私に買い戻せというのか」 「恐縮ながら、ご随意で結構です。 ただ、別の売り手を探すのも面倒なので」 チッと舌打ちする。 教育前とはいえ、主を証明する「首輪」すらしなかったとは。 部下のいいかげんな仕事に反吐が出そうだった。 「分かった。取引だ。 今夜、外街正門近くのオーレン商会の敷地に3時」 「承りました。伺いましょう。それでは。」 尖った耳をぴっと震わせて会釈する。 そのまま路地裏から出て行く。 「いいんですかい、あんなヤツの言う事を信じて」 「そうっすよぉ団長!」 「だまれ。無能なお前らが言えた台詞か。 別に私は奴を信じたとは言ってない。 こちらの素性も稼業もすでに知られている。 なら商品が戻る可能性を上げただけだ 商品が戻ったら――」 山猫の消えていった先を見たまま続ける。 「その場で始末すればいい、面倒もなくなる」 ■ 石の街の長 「また何か企んでおるのか、軍師殿」 静寂に声を響かせる。 聖堂を思わせる大きく荘厳な作りの広間。 神話を描いた巨大な天井を支える柱やアーチ、 落ちかけた夕日の差し込むステンドグラス。 日に焼けたそれらはもう長い間ほとんど変化がない。 青い日陰の中、佇む山猫の姿があった。 「仕事は順調ですよ。 結果は明日にでもご覧に入れましょう」 「咎めはせんから、せめて老いぼれを安心させるだけの 説明をしてはくれんかね」 「終わり次第、真っ先に報告を差し上げますよ」 数枚の書簡を眺めていた男はこちらをちらりと見る。 視線は合わせず、ゆったりとした官職の正装を無意識に撫ぜる。 目の前の男は、この街一番の切れ者だった。 この男が街にやってきた当時、街は穢れにまみれていた。 街の政治は悪い噂の絶えない貴族と王族ばかり。 当然治安も悪く、商業も活発ではなかった。 石の街は生産的な長所もない。 危険と貧困だけは簡単に手に入る場所だった。 今でも、この男の事はあまり分からなかった。 少なくともそれまでの指導者よりは遥かに理に長けていた。 平民出だった私を使い、僅かな間に街を変えてしまった。 おかげで老いさらばえるだけだった私は今や街を治める立場だ。 彼自体は一切、政治的な表舞台には立ちたがらなかった。 彼の働きを知るものすら、自分を含めこの街でたった数人だ。 「それで、どの程度の人数が必要かな。軍師殿」 「一小隊あれば十分です。 あとは私と生徒で片をつけましょう」 「よかろう」 感情も含めずにあっさりとした返事を返すと、 彼は満足げに礼をとりこちらに背を向ける。 その背に言う。 「軍師殿、 そなたが事を仕損じるはずなどあるまいが、 あまり不遜な遊びに度を越して入れ込まぬよう」 そう。この山猫にはおぞましい趣向があった。 私たちネコにすらおぞましく感じられる類のものだ。 今回の仕事とやらでどれだけ 犠牲者 が出ることか。 それでも、石の街に秩序を保っているのはこの男だった。 山猫は肩ごしに目を細めてにやりと笑みを返した。 広間の扉から外の光が差し込む。 ■ 弄ぶ猫 「妹さんがいたんですか」 日もすっかり暮れ、星が出始めた夜。 少し早めの夕食後、クロは紅茶を入れてくれた。 親身になってくれる少年に、心配だった妹の事を話していた。 「妹だけでもと思って、逃がしたの。 私も逃げられるとわかっていたら一緒にいたのに…… あの子、臆病だしおとなしいからきっと怖がってる」 「捕まっていないと、いいですけどね」 「うん……」 また気分が滅入ってきたので、お茶をすする。 向かいに座った少年は心配そうにこちらを見ている。 「妹さん、おいくつですか」 「15。私の2つ下」 「おふたりとも、ずいぶんお若いんですね」 かわいそうに、とは言わなかったがクロはそんな顔をしていた。 「あの子泣き虫で、いつも私が励ましてた。 失恋したときとか、なにか失敗をしてしかられた時とか。 中学の時はいじめにあったり……その時も言い聞かせたの。 泣いてないで、どうすればいいか考えなさいって 私も一緒に考えるからって」 「……仲が良かったんですね」 「うん。いつも私の後にくっついてたわ」 この世界に来たヒトは、二度と戻れないと聞いていた。 もし本当なら――妹は、自分に残されたたった一人の家族だ。 失うことは考えたくなかった。 「お話の妹さんとは、この娘ですか」 はっとして声の方を見る。 玄関から、目付きの鋭いあの山猫が入ってきていた。 その片腕に、小柄な少女の身体を抱いている。 「!!」 私はすぐさま駆け寄る。 抱かれた少女の顔をみて、安堵と喜びが湧き上がった。 思わず、妹の名を叫ぶ。 「感動のご対面ですね」 「聞こえてたの……」 「これだけ大きな耳がありますからね」 アオはその尖った耳をぴっと立ててみせた。 妹は気を失っているらしい。 身体のあちこちに擦り傷もあるが、無事のようだった。 アオの腕から受け取ろうと手を伸ばすが、押しとどめられた。 「薬で眠っています。このまま寝床まで運びましょう」 頷く。歩き出したアオにそのままついていく。 寝室のベッドに、妹は優しく横たえられる。 どこで見つけたのか、白いシャツだけの姿だ。 「よかった……無事で」 「あなた方を取り逃がしたネコに捕まっていたので、 ちょっと強引な手を使いました。催眠ガス、というやつです」 「ありがとう、助けてくれて」 しおらしくなってそう礼を言う。 山猫はにやりと笑い、少し眼をこちらからそらして巡らせる。 それからこちらに視線をもどして、言う。 「別に助けた訳ではありませんよ」 何か、おかしかった。 目の前がぐわ、と揺れた。 そのままどんどん歪んでいく視界に、 少年の申し訳なさそうな顔が映った。 「すいません、先生の指示で 紅茶に鎮静剤を入れておいたんです」 身体に力が思うように入らなくなり、膝が落ちる。 倒れこむ前に男の褐色の毛に覆われた腕に抱きとめられる。 なんとかつなぎとめている意識に低い笑い声が聞こえる。 「クックック…… あなた方は高額な商品なのです。 取引にも非常に有効なので、欲を出しました」 「あ……ぅ……」 せめて目の前の悪魔に、何か言ってやりたかったが。 口も満足に動かず、ただ喘ぎだけが漏れた。 「檻に戻る前に家族に再会できて良かったでしょう? 奴隷になってもきっとワンセットの商品として扱われますよ。 ヒトが姉妹で落ちることなど滅多にないことですからね」 意識が途切れる。 ■ 夜が明ける前に 目を覚ますと、がたがたと揺られていた。 暗い。見回しても何もわからない。 周りを探ろうとして、後ろ手に縛られているのに気づいた。 口と鼻にもきつく何かが巻きつけてある。息が苦しい。 くやしさに苛立つ。じっとしていると不安も強くなってきた。 これからの事が頭のなかに嫌でも浮かんでくるからだ。 無理矢理に身体を動かす。 うつ伏せの右肩が柔らかいものに触れた。 毛のない、小さな身体。妹だ。 苦労して近づくと、妹がこちらを向いたのが分かった。 声を押し殺して身を寄せ合う。 「お二人とも。そろそろ到着しますよ」 山猫の声に身をすくませる。 暗い廃屋の前だった。 天井も壁も大きく崩れており、外と通じてしまっている。 崩れた建物の壁の横手には、大型の馬車がいくつか見える。 馬車から降ろされ、建物の中へと連れられる。 そこにはいくつかランタンがおかれていて、 大勢のネコの男たちが慌ただしく動いていた。 暗がりにいる私たちには気付いていない。 「こんばんは、エヴァンス殿」 全員が驚いてこちらを見る。 驚きに眼を見開く男たちの中から、前に出る老ネコ。 「どういうことだ」 老ネコ――エヴァンスがつぶやく。 アオはゆったりと会釈をしてから言う。 「失礼かとは思いましたが直接出向きました。 熱烈な歓迎のお出迎え、痛み入ります」 エヴァンスは歯噛みしてアオを睨みつけた。 アオは眼を閉じ、そのまま言葉を続ける。 「出迎えにはお礼を致しました。 ええ、それはもうたっぷりとね。 それでこの場所を――あなたの本当の居所を お聞かせいただいたというわけです」 不敵な笑み。 口元は笑いに歪んでいても、 再び開いてエヴァンスを見るその眼は、暗い。 「フン、負けておいてやろう。 お前のほうが上手だったようだ。 オイ」 その声に手下の猫が重そうなトランクを両手で抱えてくる。 エヴァンスが山猫を見る。その眼からは苛立ちが消えていた。 「確認しろ」 エヴァンスに言われてアオがトランクのロックを外す。 「ウッ」とアオの声が上がった。 何が起こったのだろう。 アオがトランクを取り落とす。 片手で右脇を押さえている。 銀色の細長いものが刺さっていた。 そのまま前かがみに倒れる。 エヴァンスは身体を揺らして笑い始める。 「クッハハハハ……、青二才が。 お前なんかが私をだしぬけるとでも思ったか 思い上がりの報いを受けるがいい」 エヴァンスが歩み寄り、 うずくまった山猫の顔につばを吐いた。 脇腹を思い切り蹴り飛ばす。 山猫の身体は転がり、 そのまま動かなくなる。 アオを見下ろしていた蔑んだ眼差しがこちらを向く。 その顔にはいやらしい笑いが張り付いたままだ。 「必死で足掻いたのに、全部無駄だったなァ。 役立たずでバカなヒトの癖に一人前の夢見やがって。 結局、おまえたちには性奴隷がお似合いだってことだ 私たちに拾ってもらい、売られて衣食住を与えられるだけ ありがたいと思え」 きっ、と睨みつける。 「……アンタたちに……」 ただただ悔しさだけが溢れてくる。 膝をついたままの身体を、できるかぎり伸ばして。 「汚らしいケダモノに 馬鹿にされる筋合いなんてない!」 先程まで感じていた恐怖がなくなっていた。 希望がないのなら、もう結果を恐れることはなかった。 「どんなに辛くても、耐えて生き抜いてやる! 人はアンタたちケダモノなんかよりも強いんだ。 あたしたちにしたことを、いつか後悔させてやる!」 声の限り、ありったけの悔しさを搾り出して叫ぶ。 獣たちが言葉を返すよりも早く―― 声が聞こえた。 「いいですね。気に入りましたよ」 山猫の姿がない。 声のした方を見る。 すらりと立つ影が、頭上に何かを放り投げる。 その何か――銀のナイフに全員の視線が集中したその瞬間。 何かが割れる音がして、周りの明かりが一斉に落ちた。 盗賊の男たちは驚きながらも身を固くして警戒する。 注意深く周りを伺う彼らが 匂い に気づく頃にはすでに、 あたりに広がっていた白い煙の効果が現れはじめていた。 ※ 暗い。 わずかな月明かりにも煙が渦を巻いている。 身体が勝手に震え続けている。 姉の身体にすがることしかできない。 そこではじめて、手が―― 身体が自由に動くのに気づいた。 姉の縄もすでに切れている。 暖かい手が私を撫でた。 あたりから沢山のうめき声と バタバタと倒れる音。 それが怖くて、動けないまま。 視界に、何かが映った。 青い光。 羽ばたく蝶。 何度も私を助けてくれた。 青い燐光が暗闇の中に浮かんでいる。 励ますように、強く輝く。 動かない身体に力を入れる。 抱き合っていた姉の手をとって。 輝く蝶を追う。 その輝きに周囲が照らされて 風景が青く浮かび上がる。 転びそうになりながらも、 輝きに向かって走った。 ※ エヴァンスは愕然としていた。 「どう……して、……お前……」 霞む眼に山猫の姿を捉える。 「私は毒の効かない体質なんですよ。 幼い頃から培った 耐性 でしてね。」 膝をつく。 山猫は冷たくこちらを見下ろしながら、 先程吐きかけられた唾液に濡れる頬を舐めとっている。 掴み上げられた顎から力が抜けてがくがくと震えはじめた。 獲物の味を確かめるように顔にべろりと舌を這わされる。 と同時に、腹に鋭い痛みが走った。 「がっ……!」 男の手はその体に刺さっていたはずの麻酔針を摘んで、 こちらの腹にゆっくりとねじこんでいた。 山猫は笑みを浮かべていた。 その表情に、私はこれ以上ないぐらい恐怖した。 その場に崩折れる。 ※ 妹に手を引かれて走っていると、唐突に煙を抜けた。 たどり着いたのは崩れた壁の横手にあった馬車だった。 すでに沢山の荷が積まれている。 食料や酒、宝石箱や硬貨の入った袋、そして檻。 檻には数人の男女が、人間が押し込められていた。 御者台に、妹と飛び乗る。 後ろから声が聞こえる。 咳き込みながら、追いかけてくる数人の影。 煙をぬけ、すぐ側まで迫っていた。 強く青い光が、馬車につながれた馬に溶け込んでいく。 すると、馬がいなないた。 馬車が動き出した。 力強く走り出す。 煙に包まれた廃屋があっという間に遠ざかっていく。 迫っていた影は広がる煙に再びまかれていた。 馬車は疾走する。 空が色づきはじめた。 ■ アオとクロ 「首尾はいかがでしたか? 軍師殿」 白みはじめた空。欠けた左耳を風が撫でる。 包帯の巻かれた腕の傷をかばいながら、 敷地の入り口に立って軍師アオ――山猫にたずねた。 やぶにらみの山猫は満足げに笑みを返す。 「上出来です。 これでようやく片がつきましたね。」 「いいんですか。あのヒトらを逃がしてしまって」 「構わないでしょう。 追い剥ぎになる訳でもないのですから。 街で世話を焼くあなたの手間が省けていいでしょう?」 そう言われると、苦笑いして走り去る馬車を眺める。 腕の包帯を何気なくさすると、彼がそれを見て言う。 「刺された傷はいかがですか」 「掠り傷です。 でもまさかあんなか弱そうなメスのヒトが、 こんな反撃をする勇気があるとは思いませんでした うちの隊にも、あれぐらい根性のある兵が欲しいもんです」 再び山猫の表情を見つめる。 普段は妖しくつり上がっているその眼が なんとなく、優しさに似た何かを湛えている気がした。 「 火付け役 、作戦は成功ですね」 「彼女らに事情は話ましたか」 「いえ、自分は」 「そうですか。 なら感謝してはもらえませんね。 街に舞い戻って面倒になることもないでしょう」 「子供のお守りもですが、潜入捜査にはまいりました」 「ご助力に感謝します。 礼はいずれ何かの形で」 少し離れたところで、彼の生徒がガスの噴霧器を片付けていた。 「いいコンビですね。 まだ若いのに軍師殿の右腕とは、大したもんだ」 「まだまだ、教えることはたくさんありますがね」 大勢の足音が聞こえはじめてそちらを振り仰ぐと 鐘を鳴らして仲間の警邏隊が近づいてきた。 指揮のための合図を送りながら、隊に駆け寄る。 ゆっくりと、夜が明けていく。 ※ 「先生、どうして彼女たちを 助けなかった のですか?」 師である山猫の男を見上げながら、尋ねた。 日はすっかり登っていた。 散らばっていた盗賊たちはあらかた護送車に乗せられ、 そろそろ撤収の準備も整おうとしていた。 「助けなかった、とは」 「彼女たちは街でまともな飼い主を探して 引きとってもらう予定だと伺っておりました」 「そういえば、そうでしたね」 師はそういって笑う。 その笑いに、さらに食い下がって問う。 「あのヒトたちが無事に生きていけるとは思えません。 このあたりの未開地はそれほど大きくありませんし いくら密輸品を積んでいてもいずれは尽きてしまいます」 「あなたも、ずいぶん彼らを過小評価しているんですね」 「? そうでしょうか」 「いえ、あなたの言うとおりですね。 彼らはこれから山というほど苦労と危険を背負うでしょう」 「では、どうして……」 師はしばらく宙を見つめていた。 はぐらかされたと思い始めた頃、返事が返ってきた。 「気が変わったのです。 その方が……面白そうじゃありませんか」 そういった師の顔をじっと見て、視線を落とし、また見上げる。 師の気まぐれは自分にはまだ理解出来そうにない。 「 まるで自分のことのようで ……胸が痛みますか」 「いえ、そんなこと」 師の言葉でつい、板についてしまった男装を気にしてしまう。 警邏隊の鐘が鳴り響き、隊の撤収を告げる。 ゆるゆると動き出す隊列を眺めながら、師と御者台に登る。 幌の中には、縛り上げた老ネコの身体が転がされていた。 心なしか――その毛だらけの顔は青ざめているように見えた。 手綱を持ち、顎でその老ネコを指しながら師が言う。 「そういえば、申し訳ありませんね。面倒をかけてしまって。 しばらく、この 玩具 の世話を頼みましたよ。」 「はい、先生。」 馬車が動き出す。
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YZQ/051 R 多忙なアオ/サトリ 女性 パートナー 広域読心 アオ/サトリ 女性 レベル 2 攻撃力 2500 防御力 4500 【今日は忙しいな】《妖怪》《妹》 【自】〔ベンチ〕このカードが【ファイヤー】か【ヒール】を持つ〈サトリ〉をサポートした時、あなたのリタイヤが相手以上なら、あなたは自分の手札を1枚選び、自分の控え室に置く。1枚以上置いたら、そのアタックはパートナーアタックになる。このカードをあなたの山札の下に置く。 作品 『夜桜四重奏-ハナノウタ-』 備考 2013年12月4日 今日のカードで公開 このカードをパートナーにしているカード 取得中です。 関連項目 取得中です。
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YZQ/006 TD 敏腕所員 アオ/サトリ 女性 パートナー 水着のアオ/サトリ 女性 レベル 3 攻撃力 3500 防御力 5000 【知らないんですか?私の情報網はすごいんですよ!】《妖怪》《妹》 【スパーク】【自】あなたはベンチとリタイヤ置場に『夜桜四重奏-ハナノウタ-』がいるなら、あなたは自分の山札を上から3枚見て、カードを1枚選んで手札に加え、残りのカードを山札の下に好きな順番で置く。 作品 『夜桜四重奏-ハナノウタ-』 備考 2013年11月11日 今日のカードで公開 このカードをパートナーにしているカード 取得中です。 関連項目 取得中です。
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浅花「ぁ…!(剣の切っ先が眼前に現れ、腰が抜けて尻餅を突いてしまう)―――ッ…!(その場から動けず、ぎゅっと目を瞑る) 」 アオ「…ッ……ダメだ…逃げ…て……ッ!(歯を食いしばり、声を絞りだす) 」 正義の霊長「――――――。(浅花に真正面から否定され、絶句する)…………嘘だろ、君"も"か…?…君も、俺を拒絶するのか―――(悲痛な表情になり、目を伏せる)―――……もう、いい。君が手に入らないのならば(剣を一振りし、浅花へと 切っ先を向ける)…せめて、誰のものにもさせない。――――――これから何十、何百人という"君"を殺すのかな。(茫然に、曖昧に、朧げに、そして虚ろに微笑む) 」 浅花「(近くのアオと霊長をバッと見比べ、静かに首を振る)違います…あなたはアオさんじゃありません…!!だって…だって!!アオさんは、…そんな怖い目、しないから… 」 正義の霊長「―――え?(浅花が自分を拒絶する仕草をし、笑ったまま汗を滲ませ胸の辺りがゾクリとする)い、いや……そうか、そうだよね。コイツ(アオ)がいるから戸惑ってるんだ。わかるよ…だってソックリだもんね。でも大丈夫、君のパートナーは俺だ…!だから…そんな顔をしないで…二人で新しい人生を始めよう…ッ!(汗が滲む笑顔のまま浅花に諭すように) 」 浅花「ひっ…!?(怯えた表情で、霊長が一歩近寄ると同時に一歩後退する)違う…違います…!あなたは…… 」 正義の霊長「会えた……やっと、会えた…っ!(心からの喜びを表情に出し、アオから手を離して立ち上がる)…あ、浅花ちゃん……わかるかい、俺だ…アオだよ!さぁ早く本物の世界に帰ろう!…こっちへ来て、浅花ちゃん…!(両手を広げ、一歩浅花へ近寄る) 」 浅花「ッッ…―――!!(口元を両手で覆い、目を見開いて二人を見ている) 」 アオ「……そう…じゃ、ない……ッ…俺が、言ったのは……っ…!(だらだらと汗が流れ落ち、荒い呼吸を整えようと肩が上下する)―――君のナイフが…酷く孤独に見えたから、言ったんだ…ッ…君は変わった、と―――――――紡いだ絆を捨て踏み躙る正義なんて、俺は認めな――――……!!?(はっとして声の主を確かめようと振り向く) 」 正義の霊長「だったらどうするか!?……"送る"んだよ…!!誰も傷つかない、腹も減らない、考えることさえ馬鹿らしく無意味になる天上の世界に…!!!(屈んで片膝立ちになり、アオの胸ぐらを掴み上げる)君にこんな正義を掲げられるか、俺に匹敵する勇気と覚悟があるか!?無いだろう!!だから俺と君はちが――――…!(悲鳴を耳にし、声の方へ目をやる) 」 「 ―――ッッ…!!(アオの後方から、声にならない悲鳴が響く) 」 正義の霊長「…当然だよ、変わったさ!俺は生温い正義を捨てて君よりずっとずっと強くなった!!君はまだ気づかないのか!?人間はダメな生き物なんだよ!!脅威を排除しても平和は一時的なもの、放っておけばそこら中に燻っている火種がひょんな事で燃え始める!!(感情を剥き出す) 」 アオ「…ッ…!!?……が…はッ……あ゛ァっ…!!(細く血飛沫を上げ、激痛にたまらず膝をつく) 」 正義の霊長「 ズ バ ァ ン ッ ッ ッ !!!(破裂音にも似た爆音を轟かせ、アオを一閃) 」 アオ「――――――――っ。(目を見開いて瞳が縮小していく) 」 正義の霊長「――――――ヒュンッ(剣戟の最中、一瞬アオより優れた疾さでアオの隙を認める)―――ニィ。 」 二人の動きは寸分違わず、まるで鏡写しのような激しい剣戟を繰り広げて連弾的に劈くような金属音が鳴り響く。 アオ・正義の霊長「キン―――キン―ギィン!―――ギャリッ――キッ―ギンッ!!――――ガァン!!―ガギンッ!―ガンッ―――キィインッ!!――ガッギィィン!!! 」 しん、と場が静まり返る。アオと正義の霊長は瞬時に刃を引いて構えを取り、再び双方の視線が交錯した刹那―――振り被る刃を解き放った。 アオ「ゾクッ―――――。(霊長の視線が突き刺さり、体を強張らせ目つきが鋭くなる) 」 正義の霊長「パキンッ!――――――― キ ィ イ ン ッ ! ! (双銃を消失させ、蒼い剣を生成しアオと全く同一の動きで斬撃を繰り出し刃と刃がぶつかり合う)………俺 が " 変 わ っ た " ?(スゥと瞼を降ろし、ハイライトのない冷徹な目つきになる) 」 アオ「ギィンッ!(蒼い剣で弾丸を切り裂き、拳銃を投げ捨てて霊長へと急接近し下方から打ち上げるように斬撃を仕掛ける) 」 正義の霊長「チャッ ガンガンガンガンガンガンガンガンッッ!!!(もう片方に握っていた拳銃で照準を合わせ、アオが放つ弾丸を全て正確に撃ち相殺する)ガンッ!!(アオより一発多く放ち、弾丸はアオの眼前へと迫っていく) 」 アオ「はッ!!(胸元に当てられている拳銃を上方へ押し上げて弾道を逸し、強引に拳銃を奪い取る)――――チャキッ ガンガンガンガンガンガンガンガンッッ!!!(後方へ飛び退いて拳銃を構え、連射する) 」 正義の霊長「――――――ッツ!!!(カッと目を見開き、もう一度引鉄を絞る)ガァン!!! 」 アオ「ドッ――――…か、ァっ……(弾丸が胸部を貫き、鮮血が飛沫を上げる)……君は"変わった"よ…ッ!!(徐々に口の端から血が垂れてくる) 」 正義の霊長「ガァアンッ!!パキンッ!(弾かれた拍子に大槌は砕け、双銃を生成する)ギャリリリリリィィイィッ―――(拳銃でアオの刺突を受け流し、火花を散らして滑るようにアオと髪が触れる程に接近する)――――――君の動きは手に取るようにわかる。変わらないね――――ガァンッ!!(低く冷徹な声色で言い放ち、銃口をアオの胸元に押し当ててゼロ距離で発砲) 」 アオ「"幾星霜の輝宝(アンビション・シャワー)"!!―――パキンッ!!!(ナイフを捨てて滞空中に蒼い剣を生成し、迫る槌を弾く)―――ぁぁぁあアアアッッ!!(着地し、鋭い刺突を繰り出す) 」 正義の霊長「グルンッズォオオッ!!(そのまま振りぬいて一回転し、勢いを増した一撃を滞空しているアオの顔面へと打ち込もうとする) 」 アオ「ぅおッ…!!(霊長に刃を打ち付けられ、体のバランスが崩れる)―――――くっ!!(振りぬかれる槌に手をついて側転。槌はアオの体直下を通過していく) 」 正義の霊長「キンッギンッガギィンッガシャァアンッ!!!(涼しい顔で連撃を受け流し、最後にアオの振るうナイフに強く刀身を打ちつけて霊長の持つナイフの刃が砕け散る)―――――パキッ。(そして次の瞬間には大槌を生成し、アオの横っ腹を殴り抜こうとする) 」 アオ「ガギィンッ!!(ナイフの抜き出し様に斬撃を受け止める)ガンッ!キンッ ヒュンヒュンッビュウッ!!(刃の背を空いた手で支えて押し返し、連撃を繰り出す) 」 正義の霊長「……いくよ―――――――ダンッ!!!(凄まじい跳躍でアオに接近し斬りかかる) 」 アオ「……ッ!(周囲を見回し、身構える) 」 BATTLE THEME 正義の霊長「わかってたよ…どうせそう言うのは。……本来俺が行うコレは救済の為なんだが―――(ナイフを生成し、切っ先をアオに向ける)―――君が邪魔だから殺す為にコレを使うね。 」 アオ「…駄目だ。絶対に渡さない。(即答し、霊長を鋭く睨みつける) 」 正義の霊長「―――――そう。君の想像で大体合っていると思う。……俺が多世界を巡っている目的は大きく2つあるんだ。1つは全ての世界の救済と……2つは健常な浅花ちゃんの奪還。…そういうワケだからさ、こっちの浅花ちゃんを俺に渡してくれないかな? 」 アオ「な、なんだよ…その口ぶりじゃ、まるで――――。 」 正義の霊長「いや――――……ううん。ただ、"彼女が元気なまま"君と居るのが憎たらしくって…ね。 」 アオ「…答える義理はないね。それを聞いてどうするつもりなの?(目つきが鋭くなる) 」 正義の霊長「あはは、まぁそう言わないで……ねえ、"こっちの彼女"はどうかな。元気にしてる? 」 アオ「…………できれば、もう会いたくなかったよ。(霊長を見て足を止める) 」 正義の霊長「……やぁ、久し振りだね。アオくん(ふらりと現れ、風に白髪を揺られながらアオを見やる) 」 アオ「カツ、カツ…カツ……(開けた広場を歩いている)……。(なんだ…やけに肌がピリピリする。クソ……) 」
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YZQ/043 RR ピアノ奏者 アオ/サトリ 女性 パートナー いたずらするアオ/サトリ 女性 レベル 4 攻撃力 3500 防御力 6000 リミテッドアイコン 【ファイヤー】 【えーいもう、わかりました!】《妖怪》 【起】〔リング〕[あなたの【スタンド】のエネルギーを1枚【リバース】する] → この技は、1ターンにつき1回まで使える。あなたのベンチとリタイヤ置場の〈サトリ〉が合計6枚以上なら、あなたは自分の山札の上から3枚見て、カードを好きな枚数選び、自分のベンチに置き、残りのカードを手札に加える。 【そんじゃあまとめてやっちゃいますか!】《妹》 【スパーク】【自】あなたのリタイヤがすべて〈サトリ〉なら、あなたは相手のベンチのカードを1枚選び、相手の控え室に置く。 作品 『夜桜四重奏-ハナノウタ-』 備考 2013年11月25日 今日のカードで公開 このカードをパートナーにしているカード 取得中です。 関連項目 取得中です。
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浅花「ぁ…!(剣の切っ先が眼前に現れ、腰が抜けて尻餅を突いてしまう)―――ッ…!(その場から動けず、ぎゅっと目を瞑る) 」 アオ「…ッ……ダメだ…逃げ…て……ッ!(歯を食いしばり、声を絞りだす) 」 正義の霊長「――――――。(浅花に真正面から否定され、絶句する)…………嘘だろ、君"も"か…?…君も、俺を拒絶するのか―――(悲痛な表情になり、目を伏せる)―――……もう、いい。君が手に入らないのならば(剣を一振りし、浅花へと 切っ先を向ける)…せめて、誰のものにもさせない。――――――これから何十、何百人という"君"を殺すのかな。(茫然に、曖昧に、朧げに、そして虚ろに微笑む) 」 浅花「(近くのアオと霊長をバッと見比べ、静かに首を振る)違います…あなたはアオさんじゃありません…!!だって…だって!!アオさんは、…そんな怖い目、しないから… 」 正義の霊長「―――え?(浅花が自分を拒絶する仕草をし、笑ったまま汗を滲ませ胸の辺りがゾクリとする)い、いや……そうか、そうだよね。コイツ(アオ)がいるから戸惑ってるんだ。わかるよ…だってソックリだもんね。でも大丈夫、君のパートナーは俺だ…!だから…そんな顔をしないで…二人で新しい人生を始めよう…ッ!(汗が滲む笑顔のまま浅花に諭すように) 」 浅花「ひっ…!?(怯えた表情で、霊長が一歩近寄ると同時に一歩後退する)違う…違います…!あなたは…… 」 正義の霊長「会えた……やっと、会えた…っ!(心からの喜びを表情に出し、アオから手を離して立ち上がる)…あ、浅花ちゃん……わかるかい、俺だ…アオだよ!さぁ早く本物の世界に帰ろう!…こっちへ来て、浅花ちゃん…!(両手を広げ、一歩浅花へ近寄る) 」 浅花「ッッ…―――!!(口元を両手で覆い、目を見開いて二人を見ている) 」 アオ「……そう…じゃ、ない……ッ…俺が、言ったのは……っ…!(だらだらと汗が流れ落ち、荒い呼吸を整えようと肩が上下する)―――君のナイフが…酷く孤独に見えたから、言ったんだ…ッ…君は変わった、と―――――――紡いだ絆を捨て踏み躙る正義なんて、俺は認めな――――……!!?(はっとして声の主を確かめようと振り向く) 」 正義の霊長「だったらどうするか!?……"送る"んだよ…!!誰も傷つかない、腹も減らない、考えることさえ馬鹿らしく無意味になる天上の世界に…!!!(屈んで片膝立ちになり、アオの胸ぐらを掴み上げる)君にこんな正義を掲げられるか、俺に匹敵する勇気と覚悟があるか!?無いだろう!!だから俺と君はちが――――…!(悲鳴を耳にし、声の方へ目をやる) 」 「 ―――ッッ…!!(アオの後方から、声にならない悲鳴が響く) 」 正義の霊長「…当然だよ、変わったさ!俺は生温い正義を捨てて君よりずっとずっと強くなった!!君はまだ気づかないのか!?人間はダメな生き物なんだよ!!脅威を排除しても平和は一時的なもの、放っておけばそこら中に燻っている火種がひょんな事で燃え始める!!(感情を剥き出す) 」 アオ「…ッ…!!?……が…はッ……あ゛ァっ…!!(細く血飛沫を上げ、激痛にたまらず膝をつく) 」 正義の霊長「 ズ バ ァ ン ッ ッ ッ !!!(破裂音にも似た爆音を轟かせ、アオを一閃) 」 アオ「――――――――っ。(目を見開いて瞳が縮小していく) 」 正義の霊長「――――――ヒュンッ(剣戟の最中、一瞬アオより優れた疾さでアオの隙を認める)―――ニィ。 」 二人の動きは寸分違わず、まるで鏡写しのような激しい剣戟を繰り広げて連弾的に劈くような金属音が鳴り響く。 アオ・正義の霊長「キン―――キン―ギィン!―――ギャリッ――キッ―ギンッ!!――――ガァン!!―ガギンッ!―ガンッ―――キィインッ!!――ガッギィィン!!! 」 しん、と場が静まり返る。アオと正義の霊長は瞬時に刃を引いて構えを取り、再び双方の視線が交錯した刹那―――振り被る刃を解き放った。 アオ「ゾクッ―――――。(霊長の視線が突き刺さり、体を強張らせ目つきが鋭くなる) 」 正義の霊長「パキンッ!――――――― キ ィ イ ン ッ ! ! (双銃を消失させ、蒼い剣を生成しアオと全く同一の動きで斬撃を繰り出し刃と刃がぶつかり合う)………俺 が " 変 わ っ た " ?(スゥと瞼を降ろし、ハイライトのない冷徹な目つきになる) 」 アオ「ギィンッ!(蒼い剣で弾丸を切り裂き、拳銃を投げ捨てて霊長へと急接近し下方から打ち上げるように斬撃を仕掛ける) 」 正義の霊長「チャッ ガンガンガンガンガンガンガンガンッッ!!!(もう片方に握っていた拳銃で照準を合わせ、アオが放つ弾丸を全て正確に撃ち相殺する)ガンッ!!(アオより一発多く放ち、弾丸はアオの眼前へと迫っていく) 」 アオ「はッ!!(胸元に当てられている拳銃を上方へ押し上げて弾道を逸し、強引に拳銃を奪い取る)――――チャキッ ガンガンガンガンガンガンガンガンッッ!!!(後方へ飛び退いて拳銃を構え、連射する) 」 正義の霊長「――――――ッツ!!!(カッと目を見開き、もう一度引鉄を絞る)ガァン!!! 」 アオ「ドッ――――…か、ァっ……(弾丸が胸部を貫き、鮮血が飛沫を上げる)……君は"変わった"よ…ッ!!(徐々に口の端から血が垂れてくる) 」 正義の霊長「ガァアンッ!!パキンッ!(弾かれた拍子に大槌は砕け、双銃を生成する)ギャリリリリリィィイィッ―――(拳銃でアオの刺突を受け流し、火花を散らして滑るようにアオと髪が触れる程に接近する)――――――君の動きは手に取るようにわかる。変わらないね――――ガァンッ!!(低く冷徹な声色で言い放ち、銃口をアオの胸元に押し当ててゼロ距離で発砲) 」 アオ「"幾星霜の輝宝(アンビション・シャワー)"!!―――パキンッ!!!(ナイフを捨てて滞空中に蒼い剣を生成し、迫る槌を弾く)―――ぁぁぁあアアアッッ!!(着地し、鋭い刺突を繰り出す) 」 正義の霊長「グルンッズォオオッ!!(そのまま振りぬいて一回転し、勢いを増した一撃を滞空しているアオの顔面へと打ち込もうとする) 」 アオ「ぅおッ…!!(霊長に刃を打ち付けられ、体のバランスが崩れる)―――――くっ!!(振りぬかれる槌に手をついて側転。槌はアオの体直下を通過していく) 」 正義の霊長「キンッギンッガギィンッガシャァアンッ!!!(涼しい顔で連撃を受け流し、最後にアオの振るうナイフに強く刀身を打ちつけて霊長の持つナイフの刃が砕け散る)―――――パキッ。(そして次の瞬間には大槌を生成し、アオの横っ腹を殴り抜こうとする) 」 アオ「ガギィンッ!!(ナイフの抜き出し様に斬撃を受け止める)ガンッ!キンッ ヒュンヒュンッビュウッ!!(刃の背を空いた手で支えて押し返し、連撃を繰り出す) 」 正義の霊長「……いくよ―――――――ダンッ!!!(凄まじい跳躍でアオに接近し斬りかかる) 」 アオ「……ッ!(周囲を見回し、身構える) 」 BATTLE THEME 正義の霊長「わかってたよ…どうせそう言うのは。……本来俺が行うコレは救済の為なんだが―――(ナイフを生成し、切っ先をアオに向ける)―――君が邪魔だから殺す為にコレを使うね。 」 アオ「…駄目だ。絶対に渡さない。(即答し、霊長を鋭く睨みつける) 」 正義の霊長「―――――そう。君の想像で大体合っていると思う。……俺が多世界を巡っている目的は大きく2つあるんだ。1つは全ての世界の救済と……2つは健常な浅花ちゃんの奪還。…そういうワケだからさ、こっちの浅花ちゃんを俺に渡してくれないかな? 」 アオ「な、なんだよ…その口ぶりじゃ、まるで――――。 」 正義の霊長「いや――――……ううん。ただ、"彼女が元気なまま"君と居るのが憎たらしくって…ね。 」 アオ「…答える義理はないね。それを聞いてどうするつもりなの?(目つきが鋭くなる) 」 正義の霊長「あはは、まぁそう言わないで……ねえ、"こっちの彼女"はどうかな。元気にしてる? 」 アオ「…………できれば、もう会いたくなかったよ。(霊長を見て足を止める) 」 正義の霊長「……やぁ、久し振りだね。アオくん(ふらりと現れ、風に白髪を揺られながらアオを見やる) 」 アオ「カツ、カツ…カツ……(開けた広場を歩いている)……。(なんだ…やけに肌がピリピリする。クソ……) 」
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいや・・・本作の主人公 アオイ・・・せいやの幼馴染。気が強く巨乳 ユウ・・・せいやの義妹。重度のブラコン しらうお・・・白く透き通るような肌をした見るからに清楚な美少女。その正体は川の主という噂も・・・ しゃな・・・せいやと同じクラス。学園のアイドル的存在 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいや「しらうお・・・」 しらうお「せいや君、来てくれてありがとう」 せいや「どうしたんだ?ここに来いって」 しらおう「あのね、言いたいことがあって。私は本当はこの川の精なの・・・」 せいや「・・・! やっぱり、そうか・・・」 しらうお「気づいてたんだね」 せいや「俺が小さかった時、この川で溺れかけたのを助けてくれたのはキミだったんだね」 しらうお「うん。・・・せいや君、ずっと前から・・・大好きでした」 俺もしらうおのことが好きだ → ごめん・・・俺には好きな人がいるんだ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「なんでしらうおちゃんをフったの?」 せいや「それは・・・」 アオイ「しらうおちゃんは本気だったんだよ?」 せいや「それは・・・!俺には好きな人がいるから!」 アオイ「しらうおちゃんより好きな人・・?」 せいや「・・・・・・」 アオイ「誰よ・・・黙ってないで答えてよ!ねぇ答えて!」 せいや「俺が・・・」 アオイ「・・・・・・」 せいや「俺が愛しているのは・・・」 アオイは息を呑んだ。 せいや「このハッサムだ。俺はもうコイツ以外愛せない!」 ハッサム「ちょいーっす^^」 アオイ「・・・・・・!!」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「・・・嘘・・・嘘よッ!」 ハッサム「嘘じゃねーっすよ^^僕達ガチで愛し合ってるんすから」 アオイ「そんな・・・」 アオイはせいやを恨めしげに見つめる。 せいや「そういうことだよ・・・ごめんな」 アオイ「う・・・うわあああん!せいや君のバカーーッ!」 アオイは泣きながら駆け去った。 せいやはその後姿を黙って見つめていた。 せいや「ハッサム、もういいぞ。すまなかったなお前にあんな演技させて」 ハッサム「いえ・・・ご主人様のためならどんなことだってできます でも・・・本当にこれでよかったんですか?」 せいやは黙って頷く。その顔はどこか哀しげだった。 大切な人に嘘をついたからだろうか? ハッサム(なら・・・さっき僕を愛してるって言ったのも・・・嘘だったんですか?・・・ご主人様) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいや「・・・・・・」 ハッサム(ご主人様・・・元気ないです。やっぱり昼間のことを・・・) ハッサム「あの・・・ご主人様」 せいや「なんだい?ハッサム」 せいやは優しく微笑む。 だが、その笑みにいつものような自然さはない。 ハッサム「あの・・・えぇと・・・やっぱりなんでもないです」 せいや「おいおい、なんだよ。気になるじゃないか」 ハッサム「・・・ご主人様、やっぱり昼間のことを?」 せいや「・・・・・・」 せいやは黙り込む。 その表情を見たハッサムは、いけないことを聞いてしまったと後悔した。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ハッサム「あ、ごめんなさい!でも・・・ご主人様の元気がないから僕、心配で・・・」 ハッサムは申し訳なさそうに俯く。 そんなハッサムの頭をせいやは優しく撫でた。 ハッサム「あ・・・」 せいや「心配してくれてありがとう。俺は大丈夫だから・・・」 せいやはニッコリ微笑んだ。 その表情はいつもの明るいせいやだった。 せいや「さ、もう寝よう」 ハッサム「ハイ///」 ハッサムはこの幸せがずっと続くことを願った。 だが、この先待ち受けている悲劇を二人はしるよしもなかった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 朝―― せいや「・・・zZ」 ハッサム「ご主人様まだ寝てる・・・」 一瞬何か考えた後、そっと辺りの様子を窺うハッサム。 ハッサム「誰も見てないよね・・・」 ハッサムは無防備なせいやの唇にそっと顔を近づける。 その体は少し震えていた。 ハッサム「や、やっぱり無理です///」 ハッサムは急に体を引き離す。 ハッサム「う、うわ」 しかし、その反動でバランスを崩し、前のめりになる。 ハッサム「あ・・・///」 気付くと二人はその唇を重ねていた。 ハッサム「ご、ごごごご主人様と、キ、キ、キsfkfせhfrs」 ただでさえ紅い顔をさらに真っ赤にして大慌てのハッサム。熱いのか羽をしきりに羽ばたかせている。 せいやはのん気なもので全く目を覚まさない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ユウ「ハッサム?まだ寝てるの?朝ごはんの準備手伝って」 一階からせいやの義妹・ユウが呼ぶ声がする。 ハッサムは慌ててせいやの部屋から飛び出した。 ハッサム「おはようございますユウさん」 ユウ「あ、起きてたんだ。おはよう!ハッサム、なんか顔赤くない?」 ハッサム「い、いえ!そんなことないです///」 ユウ「そ、じゃいいんだけど。早速飼育小屋からラッキーの卵とって来てくれる?」 ハッサム「分かりましたぁ」 ハッサムは家の裏の飼育小屋に向かう。 もう春だというのに吐き出す息はまだ白い。 ハッサム「えぇと・・・ラッキーの小屋どれだっけ・・・ん?」 形は似ているがラッキーより大きい影が見えた。 モジャンボ「モジャンボ」 ハッサム「なんだモジャンボか」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「モジャンボ!眠り粉!」 ハッサム「あ、あなたは!うっ・・・」 眠り粉を思い切り吸い込んだハッサムはその場に倒れた。 アオイ「アンタなんかにせいや君は渡さない・・・あのしらうおにもね・・・ せいや君は私のものよ!」 アオイは邪悪な笑みを浮かべ、上空を見上げる。 透き通った青空に、今まさに暗雲が立ち込めようとしていた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ハッサム「う・・・」 アオイ「あら、やっと起きたのね」 ハッサム「こ、ここは・・・放して!放してください!」 アオイ「ギャーギャーうるさいわね。モジャンボ!パワーウィップで締め上げなしあ」 モジャンボ「モジャンボ」 ハッサム 「ヤだ!…ヤだ!……乱暴は止めて!」 モジャンボのヌラヌラと湿った触手が引き締まり、ハッサムの四肢を締め上げる。 ハッサム「あぐ・・・くぅぅぅうううぅ!」 痺れ粉の付着した体液が徐々にハッサムに浸透していく。 ハッサムの体から力が抜けていく。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「へぇ・・・アンタ♀だったんだw僕僕言ってるから♂だと思ってた」 アオイはハッサムを見下すようにして睨む。 そして視線をその顔から下腹部へと移した。 アオイは悪戯を思いついた子供のようにほくそ笑む。 アオイ「じゃあ・・・こういうことされると感じちゃったりするんだ?」 アオイはハッサムの陰部に手を滑らせた。 ハッサムが反応し、体をビクッとすくみあげる。 アオイ「あは!もしかして気持ちいいの?」 ハッサム「はぅ・・・ち、違・・・ひあぁ!」 ハッサムのさらに真っ赤になった顔が羞恥の表情に歪む。 アオイ「こことかいじったらどうかな?」 アオイの手がハッサムの股を擦り上げる。 ハッサムのうめき声がより悲痛な物になる。 ハッサム「あうぅ!あぁ!…ご主人様…助けて……あはっ…ご主人様…ご主人様ぁ…んっ!」 アオイ「あははは!いくら叫んだって無駄なんだよ、この変態め!」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ハッサムは痺れる体をよじらせてモジャンボの触手から逃れようとする。 しかし、モジャンボの触手はハッサムの四肢をしっかり捕えて離さない。 さらにモジャンボの刺激性のある体液がハッサムを蝕んでいく。 アオイ「まだ抵抗する気?モジャンボ、やりなさい」 モジャンボ「モジャンボ」 モジャンボは触手をハッサムの陰部にすべりこませ、その性器を激しく擦った。 思いがけない刺激にハッサムは体をビクビクと痙攣させる。 ハッサム「あっ!くあああああ!」 アオイの責めでただでさえ敏感になっている局部は、モジャンボの体液の刺激に耐えられない。 ハッサムの体はしゃっくりでもしてるかのように、しきりにビクビクと引きつる。 ハッサム「あぐ・・・や、めて・・・ひぐっ!・・・お願い・・・許して・・・アッ!」 なまめかしく濡れたモジャンボの触手が、ハッサムの性器の下で盛んに暴れ回り 思いがけない快感をもたらす。 ギュッと目を瞑り、唇をかみ締めて、襲いくる快感から何とか理性を保とうとする。 しかしモジャンボのすさまじいテクニックに、ハッサムは限界を迎えようとしていた。 ハッサム(ご主人様・・・助けて・・・ご主人様ぁ・・・) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「口で止めてなんて言ってても、下のお口は正直ね・・・もうグショグショじゃない」 ハッサム「ひっ」 アオイはハッサムの膣に中指をねじ込ませた。 クチュクチュと淫靡な音をさせながら、アオイはハッサムの膣をかき回す。 ハッサム「はああん!あうっ・・・くあ・・・あ・・・!」 アオイ「これだけ濡れてればもういいか。モジャンボ!」 アオイはモジャンボに目配せする。 モジャンボの虚ろな目がギラリと悪意の色を帯びた。 アオイ「安心していいわよ。モジャンボとじゃ子供はできないからね」 ハッサムの顔がとたんに青ざめる。 ハッサム「いや・・・いやああ!」 アオイ「アハハ、これでアンタはもうせいや君のものじゃなくなる!汚れてしまえ!」 ???「やめろっ!!!」 モジャンボの逸物がハッサムを犯そうとしたまさにその時、薄暗い部屋の扉が蹴破られ 眩しい光が差し込んだ。 アオイ「せいや君・・・!」 せいや「アオイ・・・決着をつけにきた。全てにケリをつける!」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「よくここが分かったねせいやクン・・・」 せいや「アオイ・・・」 せいやは部屋の惨状をみて愕然とした。 なぜアオイはハッサムにこんなむごい仕打ちを・・・ せいや「ハッサムが連れ去られるとこを見てたんだよ・・・小屋のラッキー達が」 アオイ「ふーんそう、まぁわざと見られたんだけどね」 せいや「一体なんでこんなことを・・・」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ その一言でアオイの表情が変わった。 アオイはせいやを睨みつけ、語気を強める。 アオイ「せいやクンが私を振ったから!私のものにならないから!だからよ!!」 せいやはアオイの言葉にひるむ。 あの日―アオイに嘘をついた日の後ろめたさが甦る。 せいや「・・・でもハッサムには関係ないだろう!放してやってくれ」 アオイ「フフ・・・いいわよ。でも条件があるわ」 せいや「・・・条件?」 アオイは妖しく微笑み、いきなり来ていた服を脱ぎ捨て半裸になる。 暗い部屋に薄光するように映えるアオイの白い肌。 アオイ「抱いてよ・・・せいやクン」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 透き通るほど白いアオイの体は、その無機質な色とは逆に肉感的だった。 豊満な乳房は、うっすらと上気して淡い桜色になっている。 アオイ「せいやクンが初めてなんだよ?私のこんな姿・・・見せたの」 アオイはゆっくりとせいやに近づいてくる。 一歩踏み出すごとに溢れんばかりの乳房が、たわんで揺れる。 アオイ「せいやクンに感じて欲しいの・・・女としての・・・本当の私を・・・」 アオイはせいやの首に手を回し、口がつきそうになるほど顔を近づける。 せいやはあまりに突然の事に、動揺し後ずさった。 しかし、アオイは後ずさるせいやの腰に手を回すと、そのまま抱き寄せ胸を密着させた。 ゴムまりのように柔らかいアオイの胸の感触が、せいやの理性をかき乱す。 アオイ「抱いて・・・せいやクン」 せいや「だ、ダメだ・・・アオイ・・・やめてくれ」 消え入りそうになる理性を必死に繋ぎとめ、せいやはアオイの体を押し返す。 アオイ「あ・・・」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいや「ゴメン、アオイ・・・俺には・・・できない」 アオイはその言葉に、一瞬体をビクッと反応させ俯いた。 そしてそのまま、先ほどの凍てつくような冷たい声を放った。 「じゃあ・・・コイツがどうなってもいいんだ・・・?」 アオイの声を合図に、モジャンボが腰を浮かせた。 モジャンボの逸物がハッサムの膣口の周りを撫で回す。 ハッサム「ひっ・・・いや・・・やめて」 せいや「ハッサム!頼むアオイ・・・それだけはやめてくれ・・・お願いだ」 アオイは冷ややかに笑った。 アオイ「だから言ってるじゃない。私と一つになれば・・・私のものになれば・・・解放してあげるって」 せいや「・・・・・・分かった」 ハッサム「ダメですご主人様!僕の・・・僕のことはいいですから!ご主人様ぁ」 アオイ「アンタは黙ってなさいよ!ポケモンのくせに!」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ビクッと体をすくませ、ハッサムは黙り込む。その目は悔しさで涙に濡れていた。 アオイは再びせいやに近づき、腰に手を回す。 そして自分より一回り大きいせいやに、背伸びするように口を近づけた。 もう少しで二人の唇が重なり合う。 アオイの背伸びは限界・・・あとはせいやがその気になればいいだけだった。 しかし― せいやは、やはり動くことができなかった。 アオイ「なんで・・・なんでよ!私はこんなにせいやクンのことが好きなのに!愛してるのに! なんでせいやクンはそれに応えてくれないの?」 俯いたアオイの頬を一筋の涙が伝う。 それを見たせいやの心は何かに鷲掴みにされたように痛んだ。 せいや「アオイ・・・ごめん・・・ごめ・・・!?」 突然だった。せいやの腕に激痛が走った。 見ると、せいやの腕に何かの液体が入った注射器が、突き刺さっていた。 アオイ「アハ・・・アハハ・・・もういいや。無理やりでも・・・アハハ」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいや「う・・・アオイ・・・何を・・・」 アオイ「これはね。モジャンボの体液を薄めた神経毒」 せいやの体がピクピクと痙攣し始める。 体が痺れて力が入らない。せいやはその場に倒れこんだ。 アオイ「安心して・・・死んだりしないから。体の自由が奪われるだけ・・・」 アオイはスカートを脱ぎ、下着をおろす。 そして、せいやの着ている服をぬがせ、指でせいやの乳首を刺激する。 せいや「うっ・・・あ・・・!」 アオイ「ふふ・・・分かる?毒のせいで感覚が敏感になってるの」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 親指と人差し指で乳首をつまみ、コリコリといじるアオイ。 せいやの口から悲鳴ともあえぎとも分からない声が漏れる。 アオイ「気持ちいいんだね・・・せいやクン」 アオイはせいやの胸に顔を沈め、愛おしそうに頬ずりする。 その普段なら何でもない感触も、今のせいやには理性を乱す刺激となる。 せいや「くっ・・・ふあ・・・あ」 アオイ「せいやくん・・・かわいい」 アオイは小悪魔のような笑みを浮かべると、せいやの乳首に歯を立てた。 そしてぎりぎりと歯に力を入れた。 せいや「あ・・・!うああ!い、痛い」 苦痛のあまりせいやは悲鳴を上げた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイはそれでも歯の力を緩めない。キリキリと歯をすり合わせ、せいやの乳首をしごく。 アオイ「大丈夫だよ、せいやクン・・・その痛いのもすぐ気持ちよくなるから・・・」 せいやはなんとかアオイから逃れようと身をよじろうとするが、麻痺した体に力がはいらない。 せいやはアオイの前に成す術がなかった。 アオイは血の滲んだせいやの乳首を、濡れた舌で舐める。 アオイ「せいやクンの血・・・おいしい・・・フフ」 せいや「アオイ・・・やめて・・・」 アオイ「ダメ。これからもっと気持ちよくしてあげるよ」 アオイはせいやの下半身まで体をずらし、そっと腰を浮かせる。 濡れたアオイの陰部から愛液が糸を引き、せいやの勃起した逸物に垂れ落ちる アオイはゆっくりと腰を落とす。 せいやの逸物はアオイの膣にズブズブとと飲み込まれた。 アオイ「くっ・・・はぁぁ・・・あん!」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいや「うああ!くっ・・・あああ!」 狂乱の稲妻がせいやを貫く。 それは今までに味わったことのない凄まじい快感だった。 アオイ「ふっ・・・あっ・・・あん!」 アオイの腰が、せいやの股間の上で巧みな動きをみせてくねり、激しく擦り合わさる。 ハッサム「あ・・・そんな・・・ご主人様ぁ」 自分のご主人が、他の女に犯されるところを、ハッサムは何も出来ずに 見ているしかなかった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ハッサム「うう・・・ひぐ・・・こんなの・・・ひどい・・・」 自分の目の前で、愛する人が他の女に犯されている。 ハッサムにはとても直視することが出来なかった。 しかし、いくら目を閉じても淫靡な嬌声が耳に入り込んでくる。 ここはハッサムにとって地獄そのものだった。 ハッサム「いや・・・もう聞きたくない・・・もう止めて」 ハッサムの嗚咽も願いもまるで聞えていないのか、モジャンボは微動だにしない。 しかし、動かないはずのモジャンボの陰が一瞬揺らめいた。 ???「キキ・・・やるねぇwうちのアオイタンもw」 いつからそこにいたのか。 それは隅の暗がりから、前かがみで現れた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ヤミラミ「ちょいーっす^^」 ヤミラミが大きな口を目一杯広げて笑う。 ギザギザの歯がギラリと光る。 ヤミラミ「ないこれ。モジャンボ一匹でお楽しみ中?ずるいなぁおいらもまぜてよ^^」 ハッサム「いやっ・・・触らないで!」 ヤミラミ「キキ!堅いこと言うなよ^^」 ヤミラミはハッサムの局部をツンツンとつつく。 ハッサム「ふっ・・・あっ!」 ヤミラミ「フヒヒ」 ハッサムのクリトリスを摘み弄ぶヤミラミ。 ハッサムは体をよじりながらも、ヤミラミを睨みつける。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ヤミラミ「なんだぁその目は?いいのかなそんな目しちゃって^^」 ヤミラミはモソモソとハッサムの腹によじ登ると、己の逸物を押しつけた。 ヤミラミ「生意気言ってると、おいらのドリルで衝きあげるぞ!」 ハッサム「ホントにドリルですね・・・小さすぎて見えませんでした」 ヤミラミ「ああ?絶対に許さないよ!」 ヤミラミがハッサムの膣口に逸物をずらす。 ヤミラミ「キキ。それじゃあ頂まーす^^」 ハッサム「いや・・・やめてーっ!」 その時だった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ヤミラミ「ぐえっ!」 突然伸びてきた触手が、ヤミラミの首を締め上げた。 モジャンボ「あまり調子に乗るなよヤミラミ」 モジャンボの触手がキリキリと音をたて、締まってゆく。 ヤミラミ「う・・・ぐぅ・・・くるし」 モジャンボ「アオイが入れるなと言ったのに逆らうのか?ヤミラミ」 ヤミラミ「ご・・・ごめん・・・なさい・・・ぐええ」 ヤミラミはそのまま壁に向かって放り投げられる。 ハッサム「あ・・・あの・・・どうして・・・」 モジャンボ「勘違いするなよ。アオイの命令だからだ。別にアンタを助けたわけじゃない」 ハッサム「・・・・・・」 モジャンボ「・・・モジャンボ」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 二人は行為に夢中なのか、ヤミラミがシメられていることにも気が付かない。 せいやのうめき声に、アオイのあえぐ声が重なる。 興奮で汗ばんだ体と、熱い吐息が部屋の淫猥な空気を強めていく。 アオイ「あん!ふあ・・・せいやクン!せいやクン!」 せいや「くっ・・・はあ!アオイ・・・アオイ!」 馬乗りになったアオイが腰を上下させる度に、その肉壁がせいやのペニスに絡みつく。 アオイの膣が、中身を搾り取ろうとするほどの強さで吸い付いてくる。 あまりの快感に、せいやは抵抗することが出来なくなっていた。 アオイ「あッ・・・ハァ・・・せいやクン・・・気持ちいい?・・・あうっ」 せいや「気持ちいい・・・気持ちいいよアオイ!」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいやは自分も腰を動かし、アオイを突き上げ始める。 せいやの肉棒がアオイの中を激しくかき回し、漏れた愛液が飛び散る。 アオイ「ぁあぁッはぁッ!奥にッ・・・せいやクンのが奥にぃッ!あッあん!」 せいやはアオイのくびれた腰を掴み、いっそう激しく突き上げる。 汗に濡れたアオイの顔が、快感の為に歪む。 もう限界だった・・・。せいやは一瞬体をこわばらせ、アオイの中に精液を放出した。 アオイ「ふあぁああッ!」 ドクドクと精液が膣に流れ込み、温かい感触がアオイの子宮に広がる。 そして繋がったままのせいやのペニスがビクビクと痙攣し、思いがけない快感をもたらす。 混ざり合う快感が、アオイを絶頂へと導いた。 アオイ「う・・・あッ・・・あッ・・・」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 性的絶頂を迎えたアオイの体は、のけぞったまましきりにビクビクと引きつり 膣をうごめかせる。 そして、そのままガックリとせいやの上に倒れこんだ。 アオイの柔らかな乳房の感触が、せいやの胸板にのしかかり、心地よい感触をもたらす。 ドクドクと脈打つアオイの鼓動が伝わってくる。 無理して動いたせいか、毒の回りが早くなっているようだ。 息を切らして果てたままのせいやは、もはや首を動かすこともままならない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一体ハッサムはどうなったのか? もうモジャンボに犯されてしまったのだろうか。 せいやがそう思ったときだった。 ハッサム「ご主人様!」 縛られていたはずのハッサムが、目の前に立っていた。 せいや「ハッ・・・サ・・・ム!」 アオイ「アンタ!どうやって・・・!?」 ハッサム「どいて!」 アオイ「きゃあッ!」 ハッサムはアオイを押しのけ、満身創痍のせいやを背中に背負った。 ハッサム「ここから脱出します。しっかりつかまってて下さい!」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイとせいやが行為にふけっている頃― ヤミラミ「うぇっうぇっ・・・げほっ・・・モジャンボの野郎・・・」 ヤミラミ「二軍の分際で調子に乗りやがって・・・アオイ御三家の力、思い知らせてやんよ!」 ヤミラミは暗闇からモジャンボに飛び掛る。 ヤミラミ「死ねよやああああ!シャドーボール!!」 モジャンボの しびれごな! ヤミラミ「はうッ^^;」 全身が麻痺したヤミラミは自重で地面に叩きつけられる。 ヤミラミ「馬鹿な・・・なぜ鈍足のモジャンボがおいらに先制を・・・」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ モジャンボ「自分の特性を忘れたか」 ヤミラミ「あ、あとだし・・・!」 モジャンボ「お前はもう始まる前からモジャンボ」 ヤミラミ「低種族値を舐めたその発言・・・絶対に許さないよ!」 ヤミラミは懐からラムの実を取り出し、口に含もうとする。 モジャンボはそれを見逃さなかった。 モジャンボ「モジャンボ!」 するりと伸びた触手がヤミラミの手を弾く。 ヤミラミ「しまった!木の実が^^;」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ヤミラミの手を離れた木の実は、空中にクルクルと弾き飛ばされる。 そして、ゆっくりと落下するラムの実の、その着地点にあるのは― ハッサム「んぐ!?」 ラムの実はハッサムの口に吸い込まれるように消えた。 ハッサム「痺れが・・・とれた!」 モジャンボ「モジャンボ!?」 ハッサムの目に活気が戻り、全身に力がみなぎる。 ハッサム「いいかげん放してもらいます!シザークロス!」 きゅうしょに あたった! 触手を切り裂かれ、狼狽するモジャンボ。 モジャンボの呪縛を打ち破ったハッサムは臨として立ち上がる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ヤミラミ「ハッサムTEEEEEEE!!」 ハッサム「あなたもまだやりますか?」 ヤミラミ「ま、待て!ラムの実やるから!な?だから助けてくれ」 ハッサム「シザー・・・」 ヤミラミ「うわああ!分かった!カムラの実とヤタピの実もつけるから!」 ハッサム「カムラの実とヤタピの実・・・」 ヤミラミ「ああそうだ。だから頼むよ^^;」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ハッサム「シザー・・・」 ヤミラミ「わああああ!サ、サン!サンの実とナゾの実もつけるからあああ!」 ハッサム「・・・・・・」 ヤミラミ「・・・」 ハッサムの シザークロス! ヤミラミは たおれた! ハッサム「これ全部もらっていきますね」 ハッサムはヤミラミの木の実を全てしまうと、交わっている二人に向かって走り出した。 ハッサム「ご主人様・・・今助けます!」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「逃がさない・・・絶対に逃がさない!マグカルゴ!」 アオイの呼び出しに応じ、マグカルゴがボールから飛び出す。 アオイ「マグカルゴ、ハッサムに火炎放射!せいやクンに当てたら絶対に許さないよ!」 カルゴ「マグ・・・」 マグカルゴは息を大きく吸い込み、灼熱の炎を噴き出した。 一筋の炎がハッサムの足めがけて伸びていく。 ハッサム「ひっ・・・」 ハッサムは炎に一瞬怯み、回避行動が遅れた。 高熱の炎が眼前に迫る。 せいや「くっ・・・!」 せいやは出せる力を振り絞り、自分を背負うハッサムを引っ張る。 重心が傾き、ハッサムは後ろ向きに倒れこんだ。 炎が二人のスレスレを通過し、チリチリと大気を焦がす。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいや「うっ・・・げほっげほっ!」 床に叩きつけられ、背中を激痛が襲う。 ハッサム「ご主人様!」 せいや「大丈夫か・・・ハッサム・・・ケホッ」 ハッサム「私は大丈夫です・・・それより、そんな体で無茶したら・・・」 せいや「これ以上・・・お前を・・・傷つけさせない」 ハッサム「!!」 ハッサムの目に涙が滲む。 ご主人様はこんなにも自分のことを想ってくれている・・・ しかし、感傷に浸っている場合ではない。 ハッサムは流れそうになる涙をハサミで拭い、立ち上がる。 ハッサム「僕も・・・ご主人様を絶対に護ります!」 ハッサムはせいやを再び背負い 既に火のまわり始めた部屋を飛び出した。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「せいやクンに当てるなって言ったでしょ!」 カルゴ「・・・あ、あててないです・・・」 アオイ「火までついちゃったじゃないの!」 カルゴ「・・・だって・・・アオイさんが・・・うう・・・」 アオイ「もういい!もどれ!」 カルゴ「・・・・・・;;」 アオイ「私のせいやクン・・・逃がさないよ・・・絶対に」 アオイも燃え盛る部屋を飛び出す。 その時だった。 アオイ「きゃあああああ!」 木造の脆い柱が火で崩れ、アオイに倒れこんできた。 アオイの意識は、そこで途切れた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 既に日の落ちた暗闇の空を紅蓮の炎が彩っている。 炎がアオイ邸を飲み込み、轟々と音を立て燃えている。 屋敷から少し離れた場所に、炎に照らされる二つの影があった。 ハッサム「ご主人様、これを飲んでください」 ハッサムはラムの実を砕いて、せいやの口に含ませようとする。 しかし、気絶しているせいやは口を閉じたまま、実を飲み込もうとしない。 砕かれた実がせいやの口からこぼれ落ちる ハッサム「ダメ・・・このままじゃ飲み込んでくれない」 ハッサムは残りの実を口に含み、自分の唾液とからませる。 ハッサム「お願い・・・飲んで」 ハッサムはせいやの口に、自分の口を近づける。 そして、そっと唇を重ねた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ハッサム「ん・・・」 ハッサムの口は液がこぼれないよう、せいやの口を覆うように包み込む。 そして液が流れ込みやすいように、舌でせいやの舌を押さえる。 舌を絡めあうその様はディープキスのようであったが それは淫靡さを感じさせないほど静かだった。 やがて、せいやの喉が上下し液を胃へと流し込んだ。 せいや「う・・・」 ハッサム「ご主人様!」 せいや「ハッサム・・・?」 ハッサム「ご主人様!体は・・・体は大丈夫ですか!?」 せいやは指先に力をこめる。 先ほどまで満足に動かなかった手に感覚が戻ってきた。 しかし、まだ万全とはいえない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいや「ああ、大丈夫だ。ハッサムがしてくれたのか?」 ハッサム「ハイ!」 ハッサムはせいやをギュッと抱きしめた。 ハッサム「よかった・・・ホントによかった・・・あのまま目を覚ましてくれなかったら僕・・・僕・・・」 せいや「ありがとう・・・もう大丈夫」 せいやはハッサムの頭を撫でる。 しかし、屋敷のほうを見たせいやはその愛撫をすぐにやめた。 せいや「ハッサム・・・アオイは?」 ハッサム「まだあの中に・・・」 せいや「なんだって!?」 せいやは咄嗟に立ち上がり、屋敷の方へと行こうとする。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ハッサム「まってください!どこへ行く気ですか!?」 せいや「アオイを・・・助けにいく」 ハッサム「無理ですよそんな体で!それにもうあの火勢では・・・」 炎はすでに屋敷の天蓋を突き破り、天に届こうかという勢いになっていた。 ハッサム「お願いです・・・アナタに死んで欲しくないんです」 ハッサムはせいやの手を必死で掴んだ。 せいや「ハッサム・・・こうなったのは俺のせいなんだ・・・だから・・・」 ハッサム「どうしても行くというなら・・・この手をちぎります」 ハッサムは涙を流しながらせいやを睨む。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいや「ハッサム・・・」 せいやは哀しげな笑みを浮かべ、そして言った。 せいや「必ず、戻る」 せいやの手がスルリとハッサムのハサミから抜ける。 ハッサム「あ・・・」 せいやの後姿は段々遠ざかり、煙と炎に包まれ・・・見えなくなった。 ハッサム「うっ・・・うっ・・・ご主人様あああああ!!!」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「だめ・・・この柱びくともしない」 アオイは足を圧迫する柱をどうにかしようと奮闘していた。 アオイ「うぐ・・・」 挟まれた引き抜こうとすると足に激痛が走る。 アオイの右脚の骨は柱に潰されてしまっていた。 アオイ「このままじゃ皆焼け死んじゃう・・・せめてアンタ達だけでも・・・」 モジャンボ「モジャンボソス・・・」 アオイはポケモン達をモンスターボールに戻す。 アオイ達のいた部屋は完全に炎に包まれ、廊下が火の海になるのも時間の問題だった。 もし廊下の先に屋根から伝った火が回り込めば、完全に逃げ場がなくなる。 アオイ「私・・・ここで死ぬの?」 これは非道な手を使って、欲望を満たそうとした罰なのだろうか。 ハッサムを傷つけ、せいやを傷つけ、しかし得られたものは何もなかった。 アオイの頬を涙が伝う。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「せいやクン・・・ごめんなさい・・・」 懺悔の涙を熱風が一瞬で蒸発させる。 酸素が薄まり、有毒の一酸化炭素が廊下に押し寄せてくる。 アオイ「ゲホッ・・・もう・・・ダ・・・メ」 アオイが意識を失いかけたその時だった。 「・・・イ・・・ア・・・イ」 アオイ「・・・・・・」 「・・・アオ・・・イ・・・ア・・・イ」 アオイ「誰・・・?」 せいや「アオイ!アオイィィィ!」 それは間違いなくせいやだった。 炎をかわしながら、自分の名を叫びながらこちらに向かってくる。 せいや「アオイ!」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「せいやクン・・・なんで・・・」 アオイ「私・・・あんなひどいことしたのに・・・なんで・・・」 目から涙が溢れ、アオイは子供のように泣き出した。 涙と鼻水と涎で、既に顔がぐちゃぐちゃになったアオイと目が合う。 せいやは黙って、アオイを抱きしめる。 せいや「いいんだ・・・いいんだよもう・・・」 アオイ「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」 せいやの優しさに、アオイが泣いた。 せいや「大丈夫だ。今助けてやる」 せいやはアオイの脚にのしかかっている柱を持ち上げる。 そして、身動きの取れないアオイを背負い、元来た道を引き返した。 炎が背後から渦を巻き押し寄せてくる。 せいや「アオイ、しっかり掴まってるんだ!一気に駆け抜ける!」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 高熱の炎と黒煙が、せいやの後ろから迫ってくる。 少しでも走る速度を落とせば、煙に巻かれるか炎に包まれる。 いずれにしても助からないことは明らかだった。 せいや「ハァッ・・・ハァ・・・!」 せいやは息を切らしながら必死に駆ける。 高熱の外気が唾液を蒸発させ、呼吸するたびに喉を刺激する。 せいや「くそッ・・・息が・・・」 胸が焼けるように熱い。 せいやはそれにも耐えて走る。 せいや「アオイ、頑張れ!もうすぐだ」 長く続く廊下を駆け続け、玄関に続く扉が見えた。 10m・・・6m・・・もうすぐでドアノブに手が届く。 その時だった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいや「うわッ!?」 突然の轟音― 炎で炭化し崩れた屋根の残骸が廊下の天井を押しつぶし、扉の前を完全に塞いだ。 せいや「そんな・・・」 もはや進むことも戻ることもできない。 そんなせいやに追い討ちをかけるように、再び天井が軋みだす。 せいや「くそッ・・・ここまでなのかよッ!」 せいやが叫んだ瞬間 はち切れんばかりに湾曲した天井が破れ、せいやとアオイに残骸の雨が降りかかる。 せいや「くっ・・・!!」 轟音とともに崩れ、落ちてくる木片や柱。 せいやはアオイをかばう様に、自分の体で覆う。 しかし、せいや一人でどうにかなる物量ではなかった。 せいやは自分の死を悟った。 しかし― せいや「・・・・・・なんとも・・・ない?」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいやは伏せていた顔を上げる。 せいや「ハッサム!!」 ハッサム「大丈夫ですか?ご主人様」 そこには倒れ掛かってきた柱を受け、持ちこたえるハッサムの姿があった。 ハッサムはのしかかる重みに必死に耐えている。 ハッサム「ご主人様・・・僕が破った窓から・・・早く逃げてください!」 せいや「お前は・・・お前はどうするんだよ!」 ハッサム「僕は・・・ご主人様が無事ならそれでいいんです」 せいや「何言ってる、そんなのダメだ!」 ハッサム「アオイさんを助けるんじゃなかったんですか!?このままじゃ皆焼け死にますよ!」 ハッサムはせいやをキッと睨む。 それは今までにハッサムが一度も見せたことのないほど真剣な表情だった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ハッサム「お願いします・・・ご主人様・・・」 せいや「・・・・・・」 せいやはアオイを背負い窓際に向かう。 そして、飛び降りながら叫んだ。 せいや「必ず戻る!それまで持ちこたえてるんだぞ、いいな!」 せいやの頬を涙が伝い、空中へと消えていく。 ハッサム「ご主人様・・・ずっと・・・好きでした。これからもずっと・・・」 せいやにはハッサムが一瞬、微笑んだように見えた。 でもその笑顔もすぐに炎に包まれ、見えなくなった。 せいや「ハッサムゥゥゥゥ!!!」 せいやの空しい叫びは、火の粉とともに空に消えた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とっくに鳴り止んでしまった目覚まし時計を眺め、せいやは呟く。 最近せいやはこんな生活をずっと続けていた。 せいや「いつもあいつが起こしてくれてたもんな・・・」 いつも二人で寝ていたベッド。 元々シングルだったから、二人で寝るのは窮屈だったはずなのに 今はとても広く感じる。 せいや「・・・・・・」 いつもそこにあったはずの笑顔が、そこにない。 せいやは言いようのない空しさを感じていた。 あの日以来、ハッサムは未だ帰ってきていない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ユウ「あ、お兄ちゃん。やっと起きたんだ」 せいや「おはよう。起こしてくれなかったのか?」 ユウ「起こしたってすぐ寝るくせに」 せいや「まぁな」 せいやはテーブルに置いてある朝食のパンを咥えると そのまま、玄関に向かう。 ユウ「どこ行くの?いつものとこ?」 せいや「ああ。今度からははやく起こしてくれよな」 ぶっきらぼうに応えると、せいやはそのまま出て行った。 その背中はやはり、どこか寂しげだった。 ユウ「ごめんねお兄ちゃん・・・あの子の役割を、居場所を奪うことはできないから お兄ちゃんを起こしてあげられるのは、あの子だけだもの・・・」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいやは白い廊下を抜け、アオイの病室の扉をノックする。 アオイ「せいやクン?入って」 せいやはスライド式の扉を開け、病室に入る。 アオイはベッドから半身を起こし、せいやを出迎えた。 せいや「アオイ、具合はどう?」 アオイ「先生がもうすぐ歩けるようになるって言ってくれたの。でもリハビリ大変そうだなぁ・・・」 せいや「俺もリハビリ手伝うよ」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「ホント!?」 アオイは目をキラキラと輝かせる。 せいや「ホントだよ。だから早く治そうな」 アオイ「うん!私頑張る!」 アオイはギプスで固定された脚を上下させる。 アオイ「いっ!!」 せいや「おいおい、あんまりはしゃぐなよ。治るものも治らないぞ」 アオイ「ごめんね・・・でもここ退屈なんだもの」 せいや「じゃあ、外の空気でも吸いに行くか」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいやはアオイの乗った車椅子を押しながら、小高い丘にやってきた。 病院の敷地内にあるこの丘からの眺めは絶景だった。 アオイ「風が気持ちいいね」 せいや「ああ」 アオイ「・・・・・・」 アオイはせいやの顔を見上げる。 せいや「どうした?」 アオイ「あの子・・・まだ戻らないんだ?」 せいや「ど、どうしてそんなこと?」 アオイ「だって、せいやクンそのことばっかり考えてるでしょ。顔に書いてあるもの。ハッサムって」 せいや「アオイ・・・」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アオイ「実は私ね、足怪我してよかったって思ったの。せいやクンがいっつもお見舞いに 来てくれて、私のこと大事にしてくれる。本当に嬉しかった」 でも― アオイはそう呟き、言葉をつなぐ。 アオイ「結局、あの子には適わなかったなぁ・・・」 せいや「アオイ・・・俺は」 アオイ「いいよ。無理しなくて。もし責任みたいなの感じてるんなら、それはせいやクンのせいじゃないよ 全部私のせい。だから私に同情なんてすることないよ」 アオイはニッと微笑んだ。 しかし、せいやには感じていた。 その気丈な笑顔の裏の、アオイの素顔を。 アオイ「だから・・・もう来ないでせいやクン。じゃないと私・・・つらすぎる・・・」 せいや「アオイ!!」 アオイ「!?」 せいやはアオイを抱きしめる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ せいや「同情でこんなことすると思うのかよ!責任なんか感じてない!俺は・・・やっと気付いたんだ」 アオイ「せいやクン・・・」 せいや「俺は・・・お前が好きだ。今度は嘘なんかじゃない・・・ずっと一緒にいたい」 アオイ「いいの?私なんかで・・・私、あんなひどいことしたんだよ?そのせいでハッサムも・・・」 せいや「ああ・・・前も言ったろ?全部許すって。だからもうそんなこと言うな」 アオイ「うッ・・・ひぐ・・・せいやクン・・・せいやクン・・・ありがとう・・・」 アオイはせいやの胸で泣いた。 しかし、その泣き顔はあの日のように暗くはなく、とても清々しいものだった。 せいやは空を見上げる。 淡く暖かい日差しが雲を照らし、春の訪れを告げている。 せいや「それに・・・あいつは絶対戻ってくる。俺の最高のパートナーなんだから そうだろ?ハッサム・・・」 一陣の風が吹き、二人の傍を通り過ぎていく。 その風の音に紛れて、せいやを呼ぶ声が聞えた気がした。 しかしそれもたなびく草木の音に霞んで―空へと消えた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ エピローグ 丘に立つ二人を、木の陰から眺めている二つの影。 モンジャラ「いいのか?行ってやらなくて」 紅いメタリックな頬を、ほんのりと赤く染めるその影。 ハッサム「いいんですよ・・・しばらくこのままで」 モンジャラ「怒ってるのか?」 ハッサム「ご主人様・・・僕のいない間にいちゃいちゃと・・・ブツブツ・・・」 モンジャラ(怒ってるな・・・) モンジャラ「しかしあの火事でよく助かったもんだ」 ハッサム「あなたに助けてもらわなかったら・・・僕死んでました」 モンジャラ「炎で焼けて退化しちまったけどな」 ハッサム「あんまり変わってないですけどね」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ モンジャラ「言うじゃないの。で、これからどうするんだ?」 ハッサム「まだまだご主人様には寂しさをかみ締めてもらわないと。旅にでも出ようかなぁ」 モンジャラ「その間に忘れられるかもな」 ハッサム「ご、ご主人様はそんな人じゃないです!」 さっきまでの強気な態度はどこへやら、慌てるハッサム。 モンジャラ「どうだかなぁ・・・」 ハッサム「むぅぅ・・・あなたって・・・」 モンジャラ「ん?」 ハッサム「意外とおしゃべりなんですね」 モンジャラ「・・・・・・モンジャラ」 どこかへ転がっていくモンジャラ。 ハッサムは視線をせいやに移し、不敵に微笑む。 ハッサム「ご主人様、僕まだまだ諦めませんからね、フフ」 fin ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 作者乙・ハッサム超・可愛すぎ結婚してくれ
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池袋で2、3回会った 新丸子のBBQにもDADAさんと来てた 初めて会ったのはDADAさんちで、まだホストをしてたとき 二泊目で死にかけてたからほとんど話せなかった 一回一緒に電車に乗ったけど何のときか忘れた 目玉ボタンのジャケットきてた その後池袋外飲みで私がべろんべろんになってたところを助けてもらった ゲロシーンに立ち会っていただいた。いい人 今は百貨店に勤めているらしいからいつかお邪魔したい