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影を盗む ウォーヒン・ジャース 著 第1章 ろうそくの明かりがつき、泥棒はまばたきをしながら立ち尽くした。見つかってしまったのだった。泥棒は年若い少女で、身なりは汚く、ぼろぼろの黒い服を着ていた。数週間前、町一番の仕立て屋から盗み出したときは小奇麗で高級な服だったのだが。彼女の顔からは徐々に驚きが消え、無表情で手に持った金をテーブルの上に戻し始めた。 「なにやってるんだ?」と、ろうそくを持った男が、暗がりから出てきて言った。「聞くまでもないでしょ」と、少女は憮然として答えた。「泥棒してるに決まってるじゃない」 「まだ何も盗られてないようだから」男はテーブルに戻された金を見て笑った。「泥棒とは言えないな。盗もうとはしていたんだろうけどな。私が聞きたいのは、なぜうちに泥棒に入ったのかっていうことなんだよ。私が誰だか知ってるんだろう。鍵のかかってない家に入ってきたわけじゃないんだからな」 「他の家にはもう全部入って盗んじゃったのよ。魔術師ギルドの霊玉も盗んだし、最上級の警備で守られた砦の宝物も盗んだ。ジュリアノス聖堂の大司教からもお金を騙し取ったし、ペラギウス皇帝のポケットからも盗んだ。彼の戴冠式の最中にね。それで、次はあなたの番だと思ったってわけ」 「光栄だね」男はうなずいた。「さて、君の試みは失敗したわけだけど、どうする? 逃げるのか? 泥棒をやめるのか?」 「あなたの生徒になるわ」と少女は答え、笑みをこぼした。「この砦の錠前は全部やぶったし、警備の人たち全員の目をかいくぐってきたの。あなたが作った錠前と、あなたが配置した警備なんだから、訓練されてない人間にとってそれがどれほど難しいか知ってるでしょ。6ゴールドが欲しくてここへ来たわけじゃないのよ。私にそれができるって証明したかったの。私をあなたの生徒にしてよ」 隠密行動の達人は泥棒の少女を見た。「君の技術は十分高い、訓練は必要ないだろう。君の計画はまずまずだが、それについては教えてあげられることがありそうだな。そして、君の向上心は絶望的だ。君は今までの人生を盗みをしながら生きてきて、今ではやりがいのためではなく、楽しみのために盗みをしている。そういう性格は直らないし、そういう性格の人間は早死にする」 「盗めない物を盗んでみたいと思ったことないの?」と、少女はたずねた。「盗んだ人の名前が永遠に残るようなものを?」 達人は何も答えなかった。彼はただ眉をひそめた。 「あなたの名声に惑わされていただけみたいね」少女は肩をすくめ、窓を開けた。「一緒に歴史に残るような大仕事をする相棒をお探しかと思ったんだけど。あなたの言うとおり、私の計画はそんなに素晴らしくなかったのね。逃げ道のことは考えてなかったけど、なんとかここから逃げることにするわ」 泥棒の少女は、垂直な壁をすべり下り、暗い中庭を素早く走りぬけると、数分もしないうちに廃酒場の2階の彼女の部屋へ帰りついた。暗い部屋の中で、達人が彼女を出迎えた。 「いつ追い越したのかわからなかったわ」彼女は息をのんだ。 「道で、ふくろうの鳴き声がして振り返っただろう」彼は答えた。「泥棒の技術のうち、一番重要なのが相手に隙をつくることだ。そのために準備するときもあれば、偶然を利用することもある。これが最初の授業だ」 「それで、最後の試験はどんなことをするの?」少女は笑った。 彼がその計画を話したとき、彼女はただ目を丸くするだけだった。どうやら彼は、彼女が思っていたとおりの怖いもの知らずだったようだ。まったく彼女の期待通りだった。 第2章 薪木の月8日までの1週間、リンデールの空は暗く、うごめいていた。カラスの大群が雲のように太陽を隠していたのだ。彼らの耳障りな鳴き声とうめき声で、ほかの音は何も聞こえないほどだった。村人たちは家に閉じこもって扉と窓にかんぬきをかけ、このもっとも不吉な日々を生き延びられるよう祈るだけだった。 召喚の儀式の日、カラスたちは声もたてず、まばたきもせずに、その黒い瞳で渓谷へ向う魔女たちの行列を見ていた。月は出ておらず、薄暗がりの中で魔女たちを導く明かりといえば先頭の魔女の持つたいまつだけだった。彼女らの白い服は輪郭を失ってぼんやりと浮かび上がり、まるで消え入りそうに揺らめく亡霊の群れのようだった。 空き地の真ん中に、一本の高い木が立っており、その全ての枝には無数のカラスたちがひしめき合って、身動きもせずに儀式を見守っていた。魔女たちの長がたいまつを木の下の置き、他の17人の魔女たちはそのまわりに輪になって並んだ。そして、ゆっくりと、すすりなくような声で奇妙な詠唱を始めた。 魔女たちが歌い続けていると、たいまつの炎の色が変わってきた。炎の大きさは少しも変わらなかったが、その色はみるみるうちに灰色になり、それに照らされた魔女たちは脈うちながら降り注ぐ灰をかぶったように見えた。炎の色はますます暗くなり、まだたいまつが燃えているにもかかわらず、あたりはまるで真夜中の森のような暗さになった。たいまつの変化はとどまることろを知らず、とうとうその炎の色は漆黒よりも黒く、虚空のような名付けようのない色になっていった。炎は魔女たちを照らしていたが、それは普通の光とは程遠いものだった。彼女らの白い服は黒く変わった。ダークエルフの魔女は緑の目と象牙のように白い肌になり、ノルドの魔女は墨のように黒い肌になった。頭上で見守っていたカラスたちの羽は、魔女たちが着ていた服のように真っ白になった。 デイドラの王女、ノクターナルが色のない色の穴から進み出た。 彼女は魔女たちの輪の中心に、青白いカラスで満たされた木を玉座のようにして、高慢な態度で立っていた。魔女たちは高貴な支配者に対する服従を示すため、服を脱いで裸になった。彼女は夜のマントに身を包み、魔女たちの歌に笑みを浮かべた。それは彼女の神秘、隠された美、永遠の暗い影、そして太陽の火が消えた後の神聖な未来を謳い上げていたのだった。 ノクターナルはマントを肩から滑らせるように脱ぎ、裸になった。魔女たちは地面に目を落としたまま、顔をあげずに闇を賛美する歌を歌い続けた。 「今だわ」少女はつぶやいた。 彼女はこっけいなカラスの変装を身に付け、一日中木の上にいた。ひどく居心地が悪かったが、魔女たちが集まってくると彼女は体の痛みも忘れて他のカラスたちと同じように固まった。彼女と隠密行動の達人は苦心して計画と調査を重ねこの渓谷を探し出し、ノクターナル召喚の儀式がどんなものかも調べ上げていた。 ゆっくりと、静かに、泥棒の少女は低い枝へと下りて行き、どんどんデイドラの王女の方へ近づいた。途中、彼女は一瞬緊張を解き、達人はどうしているだろうかと考えた。達人は、この計画に自信があるように見えた。彼が言うには、ノクターナルがマントを脱ぎ捨てたとき、彼女に隙をつくる出来事が起こる。もしその瞬間に少女が正しい位置にいれば、マントを盗むことができるというのだ。 少女は一番低い枝を、カラスたちを慎重に押しやりながら横に移動した。カラスたちは、達人の言ったとおり王女の裸の美しさに身動きもせずに見とれていた。少女はもう、手を伸ばせばノクターナルの背中に触れる位置まできていた。 歌声がだんだんと大きく盛り上がり、少女は儀式が終わりに近づいていることを知った。ノクターナルは魔女たちが歌い終わる前に再びマントを身に纏うはずだった。そうなれば、マントを盗む機会は失われてしまう。少女ははやる気持ちのまま、枝を握りしめた。もし、達人がこの場に来ていなかったらどうしよう? これが本当にただの試験だったとしたら? ただ、こういうことができると示すためだけの計画で、本当に盗むつもりは最初からなかったのでは? 少女は腹を立てていた。彼女は彼女の仕事を完璧にやり遂げたのに、隠密行動の達人と呼ばれるあの男は恐れをなして逃げ出したのだ。この1ヶ月、計画のために、達人は彼女にいくつかのことを教えてくれた、だがそれが一体何になるというのだ? ただ、彼女は一つだけ得るものがあったと思っていた。あの夜、達人の砦に忍び込んだとき、彼女は1ゴールドだけくすねていたのだが、達人はそれに気付いていなかったのだ。それは、ノクターナルの手の届くところからマントを盗むのと同じくらい大きな意味を持つ盗みの成果だった。隠密行動の達人からでも何かを盗めるという証明だったのだ。 少女はこの考えに夢中になっていたので、男の声が闇の中から「王女様!」と叫ぶのが聞こえたとき、一瞬空耳かと思った。 次の叫びが聞こえて、彼女はそれが空耳でないとわかった、「王女様! 泥棒がいます! うしろです!」 魔女たちはいっせいに顔をあげ、叫び声をあげた。儀式の神聖さはやぶられ、魔女たちが少女のほうへ近づいてきた。カラスたちは我にかえり、羽を撒き散らし、ヒキガエルのような叫び声をあげながらはじけるように飛び去った。ノクターナル自身も、ゆっくりと振り向いた。 「汝、我を欺き汚さんと試むるか?」王女が囁くような声で言うと、漆黒の影が彼女の体から立ちのぼり、死のような冷たさとともに少女を包み込んだ。 生きたまま闇に飲み込まれながら、少女は最期の瞬間、地面にあった王女のマントがなくなっていることに気付いた。そして、彼女は全てを理解し、王女の質問に答えた。「私? 私は、あなたに隙を作っただけよ」 デイドラの神像関連 小説・物語 茶2
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ろうそくの灯りだけが照らす薄暗い部屋の中、寝台の天蓋布が揺れたような気がした。 「誰だべ?」と声を出す前に唇を塞がれた。懐かしく、暖かい唇の感触。その唇の主は、たとえ暗闇の中であったとしても間違うことはない。唇を離して相手の胸に飛び込んだ。 「悟空さ!」 「チチ・・・」 悟空はチチの小さな頭を黒髪ごと抱えて、その厚い胸板に閉じ込めた。・・・だが。 「なあして、悟空さがここにいるだあ!!こっただとこ、おっ父に見つかったらどうするだあ!」 雄叫びとともに、戦闘力130のアッパーカットが、悟空の顎を的確にとらえた。 「ぐはっ!!」 悟空は天井近くまで飛ばされ、寝台の外に転げ落ちた。慌てて上半身を起こすと、目の前にはチチが目を吊り上げ、両手を腰にあて、仁王立ちになって見下ろしている。 「いってぇーなー。何すんだよー」 「何すんだとは、こっちのセリフだべ!なして、ここにいるだ?!」 「でっけえ声出すなって。護衛の奴らが来るぞ」 部屋の外から女性の声がした。 「チチ様。何やら物音がしましたが、いかがなさいましたか?」 チチの寝所を守る、女性護衛兵の隊長である。 「な、何でもねえだ。ご、ご苦労だったな。も、もう、下がってええだよ」 「そうですか?では・・・」 甲冑(かっちゅう)の触れあう音が遠ざかって行った。 「ふぅ――っ」 チチは肺の空気を全部吐き出すと、寝台にドサッと腰を下ろした。悟空は、それみたことか、とばかりにニヤニヤと笑って、後を追うようにその隣に腰掛けた。 「なして、ここにいるだ?」チチはうつむいたまま言った。 「おら達が逢っているところを、おっ父に見つかったら、二人ともただでは済まされねえだぞ」 悟空の方を向き、真摯に見つめてくる大きな瞳には、涙が滲んでいる。 「そりゃ、分かってけどさ・・・会いに来たんじゃねえか・・・どんくれえ会わなかったと思う?」 「・・・半年だ。」 「半年も会えねえで、おめえは平気だったんか?チチ?」 チチは首を激しく振った。どれだけ会いたかったか。どれだけその逞しい腕に抱きしめられたかったことか。チチは悟空の首に抱きつき、自らその唇を求めた。 互いに貪るように、口を吸いあう。いつの間にか、悟空の手はチチの着物の裾をまくり、その白い脚を撫でながら、次第に太ももに近づいて行く。悟空の舌の動きに翻弄されていたチチが気付いたとき、悟空の指は、その中心の溝に差し伸べられようとしていた。 「いやっ!やめてけろ。悟空さ」チチは身をよじって、その腕から逃れようとした。 「やめていいんか?もう、こんなに濡れてんのに」 悟空は、チチの谷間から溢れる泉を指ですくって、自分の鼻先にもってきた。隠しようのない証拠を見せつけられ、チチは首筋まで真っ赤になった。 「恥ずかしがることねえさ・・・オラだって・・」 悟空はチチの手首を掴むと、自分の股間に押し付けた。 話は一年ほど前にさかのぼる。 天地をつかさどる天帝の一人娘・チチは、幼い頃からの想いが叶い、天界の勇者・孫悟空と結ばれた。ところが問題はその後おこった。この孫悟空という男、毎日毎日、修行にかまけ、一向に働こうとしないのだ。無論、新妻は「働いてけろ!」と躍起になって尻を叩くのだが、少しも効き目がない。それもそのはずだ。眉を吊り上げ、口から唾を飛ばしながら怒鳴っても、惚れた弱みで、修行に出掛ける夫に愛妻弁当を持たせているのだから。 そんな妻を可愛いと思うのだろう。昼間の仕事は全くしないが、夜の仕事ぶりは大層なモノらしく、毎晩、寝所の外まで嬌声が響いた。天帝の一人娘でも、チチは機織(はたおり)をするよう言いつかっている。ところが、夜の仕事で疲れてしまうのか、結婚後は機織り機に触れることもなくなってしまった。 こんな娘夫婦の不甲斐なさに、父である天帝は激怒した。自分の一人娘と結婚したからには、将来は天帝として、下々の者達の手本になってもらわねば困る。天帝に求められるのは強さではない。人々の模範となるべく、真面目に働き、平和な家庭を築くことだ。天帝は断腸の思いで一つの決心をした。 「おめえたづ!もう別れろ!二度と会ってはなんねえ!!」 この命令には当の本人達ばかりでなく、家臣達も愕然とした。チチは涙を流して許しを請うたが、天帝は、その小山のような巨体を震わせ、首を横に振るばかりだった。 「牛魔王よ。そう固い事を言うでないぞ。」 騒然とする宮殿の大広間を、亀の甲羅を背負い、サングラスをかけた老人が進み出た。天帝の武術の師である武天老師だ。天帝を「牛魔王」と名で呼び、天帝に意見が言える唯一の人物である。 「若い二人のことじゃ。毎晩、ぱふぱふだの、ぱんぱんだの、上になったり下になったり、後ろから前から、あーんなことや、こーんなことをしてるのじゃろう。仕事のことは、わしからも悟空によく言ってきかせるから、離縁などさせるものではない」 途中、二人の夜の営みを思い浮かべたのか、鼻血を出しながら天帝を諭した。 「いんや。いっくら武天老師さまの頼みでも、こればっかりは勘弁ならねえですだ。」 天帝は敬愛する師の頼みも断った。二人が憎くて、こんな酷な命令を下すのではない。 物心つかぬ時に母親に死に別れ、男手一つで育てた、文字通り目に入れても痛くない一人娘。 その娘が想いを寄せる悟空とて、実の息子のように思っている。悟空は、武天老師の元で共に修行した兄弟子・孫悟飯の孫であり、これまで幾度となく世界の危機を救った英雄である。加えて、それぞれの天地をつかさどる天帝達の頂点に立つ、界王の覚えもめでたい。何よりも、その心根はどこまでもまっすぐな青年なのだから。 だが、天帝という地位にあるからこそ、厳しくしなくてはならないのだ。 「じゃが、二度と会わせないとは、余りにも酷いことじゃ。せめて、年に一度だけでも、逢瀬の機会を与えてやってはどうじゃ?」 こうして、悟空とチチは天の川を挟んで別離を余儀なくされ、年に一度、七月七日だけ会うことを許されたのである。その間に、二人が心を入れ替えて、真面目に働くようになったら、直ちに一緒にしてやるように、と武天老師は天帝に念を押した。 その一年に一度しか会ってはならない二人が、七月七日まで数ヶ月を残し、なぜ、寝台の上で体を重ねているのか?当然、チチも疑問に思うのだが、その理由を聞こうとする口を、悟空は唇で塞いでしまっている。 唇を塞ぎながら、チチが身にまとった幾重にも重なる唐(から)衣(ころも)を、一枚一枚、剥いでいく。やがて、眩いばかりのチチの裸身が、ろうそくの炎だけが照らす中に浮かび上がった。白磁のような肌は柔らかく、粉をふいたようにサラサラしている。形良くふくらんだ胸、桜色の突起、柳のような腰。すらりとした脚の付け根には、チリチリとした光沢のある陰毛が、大事な処を隠すように覆っている。その秘めた場所に立ち入ることは、宇宙広しといえど、自分だけに許された特権なのだ。悟空は乾いた笑い声をたてて、その隠された場所に指を這わせた。 「はっ、やん、悟空さぁ・・・」チチはピクンと身体を震わせた。 「おっ?チチィ。おめえ、ココ、弱ぇなあ」 そんなことは百も承知なのだが、初めて知ったかのように、割れ目から顔を出した蕾を攻め続ける。くちゅ、くちゅと水音が鳴る。既に悟空を迎える準備は整った。悟空はチチの太ももの間に自分の太ももを割りいれると、下穿きの中からゴソゴソと、形を変えてそそり立つ自身を取り出した。 かり首だけを挿入すると、チチの背中を両手で抱きしめ、体重をかけて腰を落とした。 「んふっ、は、はあ、ん・・あ、ああん」 半年振りに身体の中に進入してくる異物感に、チチは堪らず声を漏らした。悟空は根元まで、ずっぷりと己を沈めると、チチの脚を押し広げ、激しく腰を打ちつけた。 身体の奥底で暴れる夫に、チチの意識が朦朧としかけたとき、悟空はチチの肩を掴んだ。 「一緒にイケっか?チチ・・・?」 夫の申し出に、チチはただ、こくこくと頷いた。悟空の腰の動きが激しくなり、チチは声を抑えようと、自らの指を噛み締めた。「くっ・・」耳元で悟空の低く呻く声を聞き、チチも身体を硬直させて、終焉を迎えた。 チチがぼんやりとした意識の中で薄目を開けると、目にチカリと弱い光が飛び込んできた。光の差した方向に顔を向けると、チチの鏡台にろうそくの灯りが、反射しているのが分かった。鏡には、薄暗い中で身体を重ね合わせた男女が、寝台に横たわっている姿が映っている。それは紛れもなく自分たちなのだ。 「あっ・・」チチは羞恥心から、思わず声をだした。 「ん?どした?」 何事かといぶかった悟空が、チチの視線の方向に目を向けると、ぼんやりと鏡に映し出された二人の姿が目に入った。 「へー。オラ達って、いつも、あんな風にヤッてんのか。」 まるで、新しい遊びを考えた子供のように、悟空は一つの悪戯を思いついた。 チチを抱きながら、身を起こすと、自らは寝台の上にあぐらをかいて座り、自分の腿の上にチチを向こう向きに座らせた。丁度、鏡台の正面に位置して座る格好になった。鏡には巨木に背後から抱えられているような、華奢な女の姿が映っている。この時、チチは悟空の思惑に気がついた。 「やっ!何するだ?!悟空さ!離して・・・」 だが、悟空はチチの身体を少し持ち上げると、また力を蓄えなおした肉棒を、チチの中に突き入れた。 「はあ!ああ・・悟空さ・・・」 イッたばかりの身体は、どこを触っても感じてしまうくらいに昂ぶっている。 「チチ。おめえがいいように、腰を動かしてみろよ。」 そっだら、はしたねえこと出来ねえだ。チチの道徳心は叫ぶのに、正直な身体は、最も感じる内壁を悟空のモノがこするように動き、一番奥の突起までもこすりつける。目を開けると、鏡には髪を振り乱し、上下に動く自分が見えた。腰を浮かせる度に、赤黒いモノが見え隠れするが、アレは夫なのだろうか?思わず顔を背けると、悟空はチチの顎をとらえ、鏡を見ることを強制した。 「やあん!んんっ!!あ、ああ、あっ!!」 白い乳房がぷるんぷるんと上下に揺れる。チチの声が大きくなる。 「しょうがねえなあ・・」悟空は一人ごちると、チチの顎先を掴み、自分の方に向かせ、その唇を、声と共に吸った。 ―― 本当はおめえの声が聞きてぇんだけどさ。 警護の者達に聞こえては厄介だ。 半身をひねり、悟空と口付けを交わす格好になったチチだが、その内部は悟空を絞るように、きつく締め付け、うねうねと動いた。 「チ、チチッ!よせって・・・」 図らずも悟空自身を苛(さいな)むことになってしまい、自業自得ではあるが、悟空はチチの中に全てを吐き出してしまった。 お互いの髪を触りあいながら、呼吸を整えたチチが、やっと質問を口にした。 「悟空さ。どうやって、ここまで来ただ?」 父・天帝の目を盗み、自分の寝所に忍び込んできたのは明らかだ。だが、宮殿の奥にあるチチの寝所の周りは、何百という女性兵士が十重二十重に取り囲んでいる。女性ではあるが猛者ぞろいだ。いくら夫が宇宙最強の戦士とはいえ、この厳重な警備網を、物音ひとつ立てずに突破することは容易ではあるまい。 「瞬間移動だ!」 「しゅ、しゅんかんいどう・・・?」 「ヤードラットって星の連中が教えてくれたんだ。」 天界の遥か果てに、ヤードラット星人という不思議な技を使う者達がいることは聞いたことがある。天の川の対岸の星にいるように言いつけられているのに、そんな所まで行っていたのか。チチは絶句した。 「人を思い浮かべて、そいつの気を感じ取ると、一瞬でそこへ行けるんだ!」 悟空は得意満面で話し続けた。 「えれえ苦労したんだけどさ。これで、いつでも、おめえに会いに来れっぞ!な、チチ!」 「そっだら根性さあったら、仕事してけれ!」 「・・・・・オラ、酢豚が食いてえな。明日、作ってくれよ。チチィ。」 「話をそらすでねえ!・・って、悟空さ、明日も来る気だか?!」 明日どころか、あさっても、その次の日も、悟空は毎晩、チチの寝所に現れた。 額に人差し指と中指を置く瞬間移動のポーズをとり、とぼけた顔で、やれ腹が減ったの、宇宙の平和がどうのと言いながら。勤労意欲は爪の先ほども見られなかった。 一方チチも、今夜限りだ、もう武道はやめさせる、明日から働いてもらう、と金切り声を上げるのだが、悟空のしどろもどろの言い訳に折れて、結局、毎朝、一緒に目覚めた。 引き離したら、心を入れ替えて真面目に働くであろうという天帝の思惑は外れ、悟空は一向に仕事をせず、チチも機織り機の前で居眠りをしてしまうという、前と何ら変わらない日々が続いた。 七月六日の晩。―― 悟空はチチを腕枕しながら、その絹のような髪を弄んでいた。 「明日は七月七日かあ。正面きって、おめえに会いに来られるな。」 「・・・悟空さ。明日、一日くれえ、来ないでくんろ!」 「いい?!なんでだよー?・・・あ!おめえ、もしかしてセイリってやつか?・・なに、オラのことなら気にすんなって。そりゃ、おめえの下の口の方がいいけどさ、オラ、別に上の口でしてもらえば、がはぁっ!!」 戦闘力130のエルボードロップが、悟空の鳩尾(みぞおち)に入った。 明日は七夕――― 引き離された二人が、一年に一度、会うことを許された日、と伝えられている。 (終)
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オープニングクイズ Q.この都市の名前は? 正解:リオデジャネイロ 四字熟語問題 正解:三寒四温 共通点は何?問題 共通する「漢字」は何? 永井荷[?] 紀伊[?]土記の丘 おわら[?]の盆 TWILIGHT EXPRESS 瑞[?] [?]見鶏 [?]車 正解:風 読み上げ問題 「Macintosh」や「iPhone」などを世に送り出しだ実業家は誰? 正解:スティーブ・ジョブズ 「いばらキッス」「あすかルビー」「紅ほっぺ」などの品種がある果物は何? 正解:イチゴ 日本最大の繁殖地は伊豆諸島の鳥島、英語で「アルバトロス」という鳥は何? 正解:アホウドリ PR動画「ふくふくぱくぱく」を制作した、山口県の都市は何? 正解:下関市 日本の研究グループが発見した113番目の元素は何? 正解:ニホニウム バラエティー番組での和田アキ子のモノマネで注目されているモノマネタレントは誰? 正解:Mr.シャチホコ メニューから選ぶ料理のことは、「献立表によって」という意味のフランス語で何? 正解:アラカルト 次の3曲のタイトルの数字の合計はいくつ? 『春[?]番』 キャンディーズ 『[?]の夜』 尾崎豊 『[?]日の紙飛行機』 AKB48 正解:381 ※「1」「15」「365」 『ウルトラマンダイナ』でアスカ・シン隊員を演じた俳優は誰? 正解:つるの剛士 絵本『リサとガスパール』で、リサとガスパールが住んでいるフランスの都市は何? 正解:パリ 一般的なサイコロの「3」と「6」の裏の面の数字を足すといくつ? 正解:5 ※「4」「1」 慣用句で、多くの中から特に指名して選び出されることは「何の矢が立つ」? 正解:白羽(しらは) 映画問題 『サムライマラソン』、安政遠足が行われた安政2年は西暦「1755年」「1805年」「1855年」のどれ? 正解:1855年 読み上げ問題 笑ったように見える顔のクオッカが生息するロットネスト島がある国はどこ? 正解:オーストラリア ろうそくの炎で最も温度が高いのは「炎心」「内炎」「外炎」のどれ? 正解:外炎 宝塚歌劇団の月組公演の舞台の原作で、吉川英治の小説に描かれた剣豪は誰? 正解:宮本武蔵 「ジン」「ラム」「テキーラ」、カクテルの「マイタイ」「ブルー・ハワイ」のベースはどれ? 正解:ラム アタックチャンス 献血で、400mlの全血献血ができる人の年齢は女性は18歳から、では男性は何歳から? 正解:17歳 2018年に登録された日本の世界遺産の名前は「長崎と天草地方の何関連遺産」? 正解:潜伏キリシタン JAXAが打ち上げた気候変動観測衛星は「しきさい」「しきちょう」「いろどり」のどれ? 正解:しきさい 「六本木歌舞伎第三弾『羅生門』」で歌舞伎初出演の、V6のメンバーは誰? 正解:三宅健 服部嵐雪の句、「梅一輪 一輪ほどの 何」? 正解:暖かさ 『怒りの葡萄』『エデンの東』などの作品で知られるノーベル賞作家は誰? 正解:スタインベック プロボクサーの清水、次長課長の井上、俳優の妻夫木、共通する名前は何? 正解:聡(さとし) 海上保安庁所管の灯台の数は、全国におよそ「1200」「2200」「3200」のどれ? 正解:約3200基 ユネスコの無形文化遺産に登録されている「レゲエ音楽」が生まれた国はどこ? 正解:ジャマイカ ISSAが「ちゃんぷる~大使」を務めているのは「沖縄市」「那覇市」「石垣市」のどれ? 正解:沖縄市 「天下一大五郎」「加賀恭一郎」「湯川学」、これらの主人公を生み出した小説家は誰? 正解:東野圭吾 映像クイズ ある「都市」 カスタードアップルなどのフルーツが人気の[?]では、 毎年ガネーシャ像を担ぎ歩くお祭りが開催されています。 ユネスコの世界遺産に登録されている駅舎や港にあるインド門が有名です。 クリケットリーグの本部があり映画産業が盛んな、インドを代表する都市です。 正解:ムンバイ
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メールと現実 タイトル:聖母 作者:志田 小雪 掲載号:2014年バレンタイン号蜜柑テーブル 娘は跪いて祈った。 「母なるマリア様、貴女の御名を讃えます」 今日もマリア像は、白い石膏の肌に金曜の朝の光を、柔らかく留めていた。それは三十人程しか入らない小さな教会の壁際に置かれ、粛々と、足元で祈る娘の祈りを受け入れていた。マリア像とは反対側の、開け放された入り口から溢れる朝日が、生まれ変わるような新鮮な金色で教会の床を洗い流した。 「ああ、マリア様、今日も私たちを悪魔どもからお護りください」 娘のブロンドの髪が朝日に透けた。目は影の中で憂いのある青みを湛えていた。娘は立ち上がって胸の前で丁寧に十字を切ると、一歩下がってマリア像を仰ぎ見た。 「平日の朝って、なんて素晴らしいんでしょう!マリア様を独り占めできるわ」 娘の目線は、マリア像を嘗め回すように上下した。冒涜的にも見える行為だったが、その眼には尊敬とあこがれの想いしか込められていなかった。 鳥のさえずりが聞こえ始めると、娘ははっとして踵を返した。 「いけない、早く帰って朝ごはんの手伝いをしないと」 慌てて教会から駆け出ると、所々に汚れのあるスカートをたくし上げて、自分の家に向かって走った。時々名残惜しそうに後ろを振り返ったが、怒った母親の顔を思い浮かべると、何度も振り返るわけにはいかなかった。 娘は走りながら考えた。 「マリア様は今日もお美しかったわ。あの慈悲深い目もと、通った鼻筋、柔らかな手、そして溢れるあの母性。なんて素敵なのかしら。あれが石でできているなんて、信じられないわ。いつか本物のマリア様に会えたなら……」 夏の朝の空気が娘を包む。娘は額に汗を浮かべつつ、走り続けた。 「ああ、こんなのとっても恐れ多いけど、私将来はマリア様みたいな女性になりたいわ。あんな慈悲深くて優しい女性になりたい。そしていつか、人を助けるようなことができたらいいわ……」 娘の額の汗が、一筋流れた。娘の顔は汗臭い俗人の羨望に満ちていた。 もう家の目前まで駆けつけた時、 「マリア!」 一人の青年が少し離れたところから娘の名前を呼んだ。そう、奇しくもこの娘の名前は、あの聖母マリアと同じ「マリア」だった。それが彼女の聖母マリアへの憧れの、強い引き金になったのは言うまでもない。マリアは呼ばれた方を振り返ると、幼馴染のヨハンという青年が大きく手を振っているのが見えた。マリアは目を輝かせ、頬を上気させながら名前を叫んだ。 「ヨハン!」 ヨハンは、軽やかにマリアの傍へと駆け寄った。マリアの心の中では、幼馴染への愛情が、聖母マリアへの憧れを端に追いやっていった。 「おはようマリア。今日もマリア様にお祈りしてきたのかい?」 走ってきたから、少し息がはずんでいた。ヨハンはさわやかな笑顔で言ったが、ほんの少しのからかいも感じさせた。 「あら別にいいでしょう? それより、ヨハンはこれから畑に行くの?」 「うん、そろそろイモができているはずだからって、父さんが言うからさ」 ヨハンの手には芋を入れるためのずた袋とスコップが握られていた。ヨハンは毎日朝早くから畑仕事をしていた。 ヨハンの家もマリアの家も、農業を営んでいた。この小さな村の住民のほとんどがそうだった。小麦は、領主に納めなくてはならず、それだけでは普段食べるのに少ないので、大体の家では、空いた畑で芋を作っていたのだった。と言っても、土地や水に恵まれて、この二人の家は別段貧しいというほどでもなかった。二人は 「そうなの。いっぱいなっているといいわね、うちはこの前採ったけど、あまりいっぱい採れなかったわ」 「そうなんだ、じゃあたくさん採れたらマリアの家にもおすそ分けするよ」 「本当? それはとてもありがたいわ」 二人は仲睦まじそうに話し合い、笑いあった。ふと笑いがやんでも、お互いの目を見つめあうだけで、嬉しくて、なんだか笑いがこみあげてきて、二人は何度も何度も笑った。しかし 「マリア! 何しているの!早く帰ってきて手伝いなさい!」 向こうのマリアの家から、大声で母親が呼ぶので、二人はようやく笑うのをやめた。 「お母さん、相変わらずだね」 ヨハンはにやりとすると、「じゃあまたあとで」と言って走って行った。マリアも小さく笑うと、向きを変えて、鬼の形相をした母親の待つ家へと、軽やかに駆けだした。お母さんが怒っているというのに、気持ちがこんなにも明るいのはヨハンのおかげね、とマリアは心の中でひとりごちた。そしてさらに声に出して加えた。 「いつまでもヨハンと話していられたらいいのに」 マリアの声は誰に伝わるでもなく、宙ぶらりんに空に浮かんで消えた。 「実は、あなたのこと好きなのよ、ヨハン」 マリアが家に入るなり 「遅いわ!まったくもう。毎朝毎朝、信心深いのはいいことだけど、家の手伝いもしないで、ボーイフレンドと喋っているようじゃあ、明日から教会へは行かせられないわね」 母親はいつものようにひとしきり説教するとため息をついた。 「わかったわ、ごめんなさい。明日からちゃんと早く帰ってくるから、ね?」 マリアはいかにも聞き分けがいい子のように、素直に謝って見せたが、明日から教会通いをやめる気は微塵もなかった。 「どうせ何を言っても勝手に行くんでしょうけど」 諦めたようにつぶやくと、マリアを水場へと引き連れていった。 「さあ、お芋を洗ってちょうだい」 そう言って、マリアに芋を手渡した。マリアは「はぁい」と返事をすると、芋を二、三個受け取って、じゃぶじゃぶと洗った。後ろから「あら、このお芋、ネズミに齧られちゃってるわ、いやね」という母親の独り言が聞こえたが、水音に掻き消されて、マリアにはよく聞こえていなかった。 色づいた木の葉と走るマリアの髪の毛が、秋の香ばしい朝日に輝いた。マリアは今日も、マリア像に祈るために走って教会に向かっているのだが、以前のような明るい羨望の色はほとんどなかった。代わりにマリアの顔は、憔悴で蒼く染め上げられていた。 「マリア様、どうか、どうか本当にお助けください」 マリアは教会に入るとすぐに、マリア像の足下に崩れ落ちた。賛辞を唱えることすら忘れていた。秋も半ばだというのにマリアの頬を汗が伝った。 「皆が、村が、大変なんです。皆高熱でうなされているんです。それから、二、三日後には死んでしまいます。ある人は震えながら死にました。ある人は膿んだ目を剥いて死にました。ある人は皮膚が真っ黒になって死にました。怖い、怖いのです。どうか、私の母を、私を、私の家族を助けてください。お願いします」 マリアは一息に、必死に祈った。その祈りは死に際の荒い呼吸にも似て、ひどく醜かった。金の髪はもつれ、瞳の青は乱れていた。入り口から吹き込む秋風が、マリアを執拗に冷やした。マリア像の瞳は、マリアのことなど見えていないように、半分伏せられていた。 「お導きください、マリア様」 それでもマリア様が返事をすることはなかった。 この日も教会からの帰り道でヨハンに出会った。 「マリア、そんなに暗い顔をしていたら、君まで病気になってしまうよ」 ヨハンは心配そうに、それでいて少し明るく言った。しかし、ヨハンも表情の奥に大きな不安がありありと透けて見えた。夏より、ヨハンの頬は少しこけていた。 「そんな怖いこと言わないで!」 マリアはややヒステリック気味に答えた。実は、マリアの母親がつい先日高熱を出したばかりだったのだ。そのことは、まだヨハンにも伝えていない。病人が家にいることが知られれば、皆がマリアを避け、生活に必要なものを買うことすらできなくなってしまうからだ。ヨハンの冗談は、マリアにはひどく現実味を帯びて聞こえていた。マリアは震えながらうつむいた。 「……ごめん、マリア。君を怖がらせたくて言ったわけじゃないんだよ。ただ、俺はマリアが、そんな顔をしているのを見ていられなくて」 ヨハンはごにょごにょと慰めや言い訳を言ったが、マリアがなにも反応しないのを見て、一度口を閉じた。そして、真剣そうな顔をすると、もう一度、マリアに呼びかけた。 「あのな、マリア。今日はマリアに言いたいことがあって、マリアの帰りを待ってたんだ。」 小さく息をついて続けた。 「俺、もうすぐこの村を、出なくちゃいけないんだよ。父さんが、もうこの村にいても危険なだけだ、町に出ようって。」 それでもマリアはうつむいたままだった。ヨハンはかなり困った顔をしたが、今度は少し声を大きくして、優しい声で言った。 「それで、もし、マリアがよかったら、一緒に町に出ないか? 町なら綺麗だから、きっとこんな病気もないよ。マリアのお母さんも、きっとその方がいいって言うに決まってるさ」 ヨハンの提案にも、マリアは答えなかった。母が病気で付いていけないなんて言ったら、きっとヨハンも私を避けるに違いないわ、とマリアは心の中で漏らした。 ずっとうつむいているマリアに痺れを切らしたヨハンが、迫るように言った。 「なあ、一緒に村を出よう。マリアの辛い顔を見るのも嫌だし、マリアをこの病気だらけの村に置き去りにするのも嫌だ。一緒に町に出て、一緒に暮らそう!」 ヨハンは一瞬息を詰まらせた。それから、まるで、声が出なかった人が初めて声を出す時のように言った。 「マリア、俺、ずっとマリアのことが好きだったんだ。だから、こんなところで死にたくない。マリアを嫁にもらって、ずっと一緒に、幸せに暮らしたい。だから、一緒に来てくれ」 言い終わると、ヨハンはマリアを抱きしめた。しかしマリアは、それをすぐさま振り払うと、突き放した。ヨハンはよろめいた。 「なんで、なんで今そんなこと言うのよ! なんで……」 マリアは金切り声で叫びながら、見開いた目でヨハンを見た。ヨハンはあまりの形相に身をのけ反らせたが、驚きよりも悲しみに打ちひしがれて、すぐにうなだれた。マリアの目がやっとヨハンの顔を見た。瞬間、マリアははっとして全身の力が抜けた。ヨハンの顔が、あまりにも可哀想で、あまりにも哀れ過ぎたからだ。マリアは、ヨハンの顔から、少しだけ目線を下げて言った。 「ごめんなさい、今まだ少し混乱していて。でも、私も、本当はあなたのこと、好きなのよ。だから、もう少し、あと一か月、ううん、二週間だけ、お返事を待ってもらえないかしら。さっきあんなことをしておいて、ひどい話なのは分かってる。でもほんの少しだけ、待っていてほしいの」 するとヨハンは悲しげな笑顔で 「いいよ、父さんは一か月後に村を出るって言っていたから」 と答えると、「じゃあまた二週間後に、ここで」と言って家に帰ってしまった。後ろ姿からは生気が抜けていて、まるで死人が歩いているようだった。一人残されたマリアに、秋の北風が吹きつけた。その様子はまるで枯葉が強風で吹かれているように、儚かった。 「ねえヨハン。あなたは、私がこれから黒くて熱い化け物になってしまうとしても、愛してくれる?」 マリアはさっきまでヨハンがいたところにか細く呼びかけた。 空は燃える炎のような夕焼けに染まっていた。対照的に夕方の闇にのまれた村は、燃え尽きた炭のように真っ黒だった。マリアとヨハンが話してから三日が立った。途方に暮れたマリアはあれから三日三晩ずっとマリア像の前で祈りをささげていたが、『神のお導き』はなかった。しかしマリアにはそれしかできなかった。それしか、自分が救われる道はないように思われた。 「マリア様、私はいったいどうすればいいのでしょうか」 夕闇が教会の中を包み込んだ。かろうじて燭台に三本だけ火のついたろうそくが立っていて、マリア像の顔がようやく少し見える程度だった。教会の中からは昼間の熱気がすべて逃げ、代わりに夜の冷え込みが教会全体を満たしていた。マリアは暗闇に跪いて、祈った。 「私は、どうすべきなのでしょうか。ヨハンについて、町へ行くべきなのでしょうか。でも、そしたら母は? 母はどうしたらよいのでしょう。母親を見殺しにするなんて、私にはとてもできません。早く解決策をお教えください。もう、もう、もしかしたら母親は死んでしまっているのかもしれないのです!」 「もし、母親が死んでしまったとしても、私は、そのままヨハンについていくことはできないように思います。母の病気が、私にうつっているかもしれないから。でも、ヨハンの気持ちを無下にするなんて、自分の気持ちに嘘をつくなんて、一番愛する人の傍にいられないなんて、あんまりです。私には、あまりにも辛すぎる……」 マリアの涙が闇の中で、ろうそくの光を反射して光った。マリアは残っている僅かな力を絞り出すと、決死の叫び声をあげた。 「マリア様、こんな病気、早く消し去ってください!」 マリアの声が闇を切り裂いて、マリア像ののど元まで迫った。しかし寸での所で、マリア像は冷気と暗闇に守られていた。マリアは蚊の鳴くような声で訊いた。 「共に祈ることすら、していただけないのですか?」 マリア像は沈黙を破らなかった。寒さがマリアにのしかかった。マリアは絶望したように床に崩れこむと、そのまま気を失ってしまった。 「神は許されました。ここから西へ半日ほど歩き続けなさい。半日の間、歩を緩めることは許されない。森に入っても、決して立ち止まってはならない。起きたらすぐに向かいなさい。森の中の馬小屋に辿り着くでしょう。そしたら迷わずその中に入りなさい。その中にいる黒い鳥が、あなたの救世主です。迷ったら主に体を捧げなさい。その決断のみが、必ずあなたを救うでしょう。あなたに聖母の愛を与えるでしょう」 マリアは不思議な呼びかけで目が覚めた。床で寝ていたせいか、はたまた寒さのせいか、体の節々がとんでもなく痛んだ。寝ていたはずなのに、内容も、誰の言葉なのかも、マリアには鮮明に理解できていた。マリアは寒さで固まった体を無理矢理起こすと、マリア像の前でもう一度跪いた。 「ありがとうございます、マリア様。すべては神の御言葉のままにいたします。どうか、すべてがうまくいくように、共にお祈りください」 マリアはすぐさま立ち上がると、馬のような勢いで教会を飛び出した。 マリアは聖母マリアの言葉通り、半日間西に向かって歩き出した。マリアは本当に歩みを止めなかった。肌寒い朝に出発し、草葉の露の輝きに、目もくれず歩いた。さわやかな昼下がりも歩き続け、熟れた果実に目もくれず、森に入った。悲しい夕焼けにも、獣の遠吠えにも、足を止めることはなかった。夜の帳を鏡のように映していた泉でも、水を飲むことすらしなかった。もうほとんどあたりが真っ暗闇になった時、マリアの目の前、に小さな松明の明かりに照らされて、馬小屋が現れたのだった。マリアはさほど驚くでもなく、ただただ「救世主って案外近くにいるのね」とぼんやりと考えた。 マリアは微塵も怖がらずに、馬小屋の戸を叩くと中に入った。中には馬は一匹もおらず、そこには飼い葉桶にはまった一人の死体と、黒マントを羽織って黒いつば広帽子をかぶった男の背中が見えた。馬小屋の中は薄暗かったが、壁に三本の松明が掛かっていたので、昨晩の教会に比べたらよっぽど明るかった。マリアは男の背中に向かって声をかけた。 「あなたが私たちを救ってくださるのですか?」 男はゆっくり振り返った。瞬間、マリアは息をのんだ。男の顔はまるで鳥の頭のような、白い仮面で覆われていたからだ。仮面の下半分は、まるで嘴のように長細く突き出して尖り、目があるだろう部分は赤いアイピースがはめ込まれていた。それは正面から眺めると、薄ら白い鳥の悪魔が、うつろな目でこちらの心を読んでいるように見えた。 「条件次第では」 黒マントの鳥男は手短に答えると立ち上がって、飼い葉桶にはまっていた死体を持ち上げると、小屋の隅へと転がした。男は柱に立てかけてあった木の杖を取ると、マリアに向き直り、話し始めた。 「何も知らないようだから教えてやろう。私は医者だ。この頃流行っているペストという病気の薬を作っている。そこで死んでいるやつもペストだった」 気の杖で転がっている男の横っ腹をつついた。まるで動物の死体をつつくように、嫌そうにつついた。 「私はペストの薬を作るため、様々な実験を試みた。が、それは町では上手くいかなかった。ペスト患者を大勢囲い入れるなんて、周りの住人には迷惑極まりないからな。それで森の真ん中にあったこの馬小屋で、一人々々実験をしているという訳だ。それに、ここならどんなひどい実験をしても、咎められることはないから、逆に好都合だった」 あまりに続けざまに説明されて、マリアは少し混乱したが、この男が医者で、病気を治す薬を持っているということだけは理解できた。 「それで、薬を頂けませんか」 マリアは逸る気持ちを抑えきれずに言った。医者はため息をつくと、木の杖で地面をトントンと叩きながら嫌悪感丸出しで言った。 「まったく、田舎娘はこれだから嫌だな。勿論、薬はある。けれど、その薬でも完璧に治るわけではない。まだ副作用も大きい。病気を治したいのだとしたら、それはまだ無理だ。そこの実験台がついさっき死んでしまったからな」 マリアは困惑した。マリア様を信じていたからだ。 「でも、マリア様が、あなたのことを救世主だと……」 白い仮面が松明の明かりで、うすぼんやり赤く照らされた。医者はイライラして答えた。 「田舎者は人の話を最後まで聞けないのかね? マリア様だか救世主だか知らないが、とにかく、今のままではペストは治せない。ただ、もう少し、あと一人実験台があれば、薬が出来上がる。まあ成功すればの話だがな。まあ今まで七割弱は上手くいったから何とかなるだろう」 マリアが良く分からないという顔をしていると、医者はつかつかと歩み寄って、赤いアイピース越しにマリアの目を覗きこんだ。くちばしの先がマリアの頬に触れた。赤いアイピース越しの瞳は、意地悪く輝いていた。 「察しが悪いようだから端的に言おう。君に実験台になってもらいたい。その代り君に完全な薬を一瓶あげよう。一週間でいい。薬ができれば君は無事に帰す。どうだい、やるかい」 マリアはようやく理解した。と、同時に彼女の脳裏にマリア様の言葉がよみがえった。 「主に体を捧げなさい」 マリアの目は期待と聖母マリアへの憧れに輝いた。 「分かりました。あなたに従います」 それから一週間、マリアは様々な実験を受けた。ベッドなどないから、昨日まで死人がはまっていた飼い葉桶をベッド代わりにした。麻酔などない時代だから、マリアは多くの苦痛に耐えなくてはならなかった。ペスト菌を無理矢理摂取させられて、高熱を出したこともあった。マリアはほとんどの時間意識を失っていたが、断片的に医者が話しかける言葉を聞いていた。 「ペストは抗菌薬さえできれば怖い病気でもなんでもないんだ。抗菌薬は予防剤にもなる。何故みんな理解しない……」 「……聖書では悪魔が殺した人の数より、神が殺した人の数の方が多いんだそうだ。皮肉なものだな。悪魔の所業の方が人を助けることもある」 「もう町でもペストが大流行しているそうだ。ついさっき、連絡用の使いが伝えに来た。さっき高い小遣いを要求して帰って行ったがな。もうこれなら町で実験しても問題なさそうだ」 しかしその言葉は一切、マリアに届いていなかった。医者の言葉を聞いている間、つまり意識が多少ある間、マリアは妙な充実感に包まれていた。自分が自分で亡くなっていくような感覚、全ての苦しみから解き放たれるような感覚、そして、自分が聖母と一体化していくような感覚。それらがマリアを着実に、満たしていった。自分の犠牲が村中の人、いや世界中の人を助けることになるかもしれない。助ける人の中には、自分が知らない人もいるだろう。知らない人のために自分を犠牲しているという、自己犠牲の高揚感が、マリアの、聖母マリアとの融合を速めた。 「ああ、私は今、聖母マリアになっている! 今、私は、全ての人を愛している!」 マリアは薄れる意識の中で、ぬるま湯のように心地よいその気持ちに、いつまでも浸かっていた。 「私は聖母マリアになったのだわ!」 医者は約束通りほぼ一週間で帰してくれた。実験は四日足らずで終え、その後四日間は経過を見るという名目で、療養期間に充てた。完全ではないがある程度体力が回復したマリアは、頭で計算してはっとしたのだった。解放される日の翌日こそ、ヨハンとの約束の日だったのだ。マリアは慌てて飛び出そうとしたが、一週間が過ぎるまでは医者が外出を許さなかった。 マリアは来た道を迷わず、まっすぐに引き返した。来た時と同じスピードでは歩けなかったが、それでも明日までにたどり着かなくてはならなかったので、ほとんど止まらずに歩いた。が、どうにも喉が乾いてしまって、一度、森の中の泉に立ち寄ることにした。マリアは泉の傍に歩み寄ると、水を掬うために手を伸ばした。手には実験の後遺症の痣が、黒く染み着いていた。澄んだ水が、手の中で揺れた。手の隙間からは、水がぽちゃり、ぽちゃりと滴り落ちた。マリアは静かな水面に顔を映し見た。首から右の頬にかけて、黒い痣がカビのように根を張っているのがありありと見えた。医者から言われていたから驚きはしなかったが、なんだかどうしようもなく喪失感を覚えて、泣いた。取り返しのないものを失ったような気分がした。綺麗な自分は、どこかえ消え去ってしまったようだった。鏡のような水面に、いくつもの小さな波紋が広がった。しかしいつまでも泣いている訳にいかなかった。マリアには時間がないのだ。マリアは水をもう一度水を掬って飲むと、涙も拭わずに立ち上がって、また村へと一直線に歩き始めた。 マリアは道に転がる死体を避けて歩いた。あまりにも多くの死体が転がっているので、千鳥足で歩くほかなかった。中にはまだ息や余力のある者が紛れていて、マリアの足に縋り付いた。マリアは、そっと振り払うと「ごめんなさい、ごめんなさい」と呟きながら、ヨハンの家へと飛ぶように走った。木々はすっかり葉が落ちて、芝も茶色く枯れていた。村中に腐ったような臭いが立ち込めていた。空は雲が低く垂れこめていて、午前中だというのにあたりは薄暗く、肌寒かった。 「ヨハン!」 マリアが約束の場所までたどり着いたとき、ヨハンはもうすでにそこで待っていた。二週間前に比べて、恐ろしく痩せていたが、それでもペストには罹っていないようで、痣や目の腫れはなく、熱がある様子でもなかった。マリアの表情は途端に明るくなった。ヨハンならこんな姿でも愛してくれるに違いない、と信じて疑わなかった。一緒にこれから幸せに生きていけると、心から確信していた。マリアは上ずった声で、ヨハンに呼びかけた。 「ヨハン! ごめんなさい、待たせてしまったかしら?」 ヨハンの反応は、マリアの期待したものとは違っていた。ヨハンはマリアを一目見ると、骸骨のような顔を恐怖に引きつらせて後ずさった。 「マリア、君は、病気になってしまったんだね」 マリアはひどく傷ついて、困惑した。実験台にされた時よりも、強い痛みを感じた。 「……ええ、確かに、一度は罹ったけれど、もう治ったわ。本当よ。それに私は、皆を助けるために、病気になったのよ。その御代に、薬をもらって来たの。ほら、これよ」 マリアは薬の瓶を掲げて見せた。 「これを飲めば、あの病気も治るらしいの」 マリアは一生懸命に説明したが、一言も、ヨハンには聞こえていないようだった。 「頼む、これ以上近づかないでくれ! 俺は、俺は病気になんかなりたくない! 病気なんかで死にたくない!」 ヨハンはマリアを凝視したまま、どんどん後ろに下がった。 「お前の母親は、お前がいなくなってから二日後に、目をひん剥いて死んでたよ……。お前の父親はどこかへ逃げたみたいだぜ。」 「お前の家からうつったんだ! きっとそうに違いない! お前の家が近くになかったら、母さんも死ななくて済んだんだ。父さんに捨てられなくても済んだんだ! 全部お前のせいだ!」 「こっちに来るな化け物! その黒い顔が、何よりの証拠だ!」 ヨハンは一方的に捲し立てると、狂ったように何か言いながら、逃げて行った。「俺だけでも生き残るんだ! 一人でも町に行くんだ」というところだけが、かろうじて聞き取れた。 マリアはショックのあまり眩暈がした。雷に打たれたかのように、体が痺れて動かなかった。どれほどの時間か、マリアには見当もつかなかったが、時間が経ってようやく、マリアは口だけを動かすことができるようになった。マリアは冷たく呟いた。 「たとえ化け物の私を愛してくれないあなたでも、私は愛し続けましょう」 「それが、私の、凡人である私の、精一杯の愛です」 マリアは自分の家のドアにノックをした。ドアをゆっくり開けると腐臭がつんと鼻を突いた。そこには、母親の死体が無造作に転がっていた。家の中は荒れ果てていた。母が死んで父が逃げた後、誰かが家を物色したようで、金目のものはおろか、母の服まで剥ぎ取られ、無くなっていた。マリアは茫然自失のまま、母の骸の前に跪くと祈った。 「ごめんなさい、お母さん。助けてあげられなくてごめんなさい。あんなに私を大切に育ててくれたのに、何も返してあげられませんでした。これから私は、償いに行ってきます。だから、どうか、母の無償の愛で、私を許してください」 もう涙も出なかった。ただ淡々と、それでも痛切に祈ると、マリアは家を後にし、教会に向かった。薬瓶を握る手に、力がこもった。 マリアは息を切らしながら、マリア像の足下に跪いた。もうあたりは暗くなり、教会の中にも夜が忍び込んでいたが、燭台に刺さった二本だけのろうそくが、闇に押しつぶされないで、何とか光っていた。途中から走ってきたので、息がかなり上がっていたが、マリアは構わず賛辞を述べた。 「母なるマリア様。貴女の、御名を讃えます」 声は切れ切れになったが、それでもマリア様はそれを聞き入れているように思われた。マリアは続けていった。 「マリア様、神は私が償うことをお許しになりますでしょうか。私は聖母になることを夢見て、とんでもない過ちを犯しました。万人の愛に目がくらみ、大切な隣人への愛を怠りました。自分の救いしか求めず、隣人の救いを忘れていました。それなのに、私は、自分が聖母になったと勘違いしていたのです。私は悔い改めなくてはなりません。今すぐ、悔い改めなくてはなりません。ああマリア様、お答えください。神は私をお許しになりますか」 二本のろうそくが、呼応するように揺らめいた。開け放した入口から、夜の風が強く吹き込んだ。マリアの金糸のような髪が、ふわりと踊った。そのときマリアは確かに、聖母の声を聴いた。 「神はあなたを許されました」 マリアは床に崩れ落ちた。薬の瓶が床に落ちて割れた。ガシャンという悲劇的な音が、教会の中に響き渡る。中の錠剤は逃げるように転がって散らばった。 「マリア様! ありがとうございます! ああ、ああ、マリア様!」 マリアは全身をわなわなと震わせると、勢いよく立ち上がった。青い目が、炎のように燃えていた。マリアは涙を零しながら、燭台に向かって勇み立って歩み寄った。「やっと救われる、やっと救われる!」と唱えながら、燭台のろうそく二本ともを手に取ると、再びマリア像の前に戻った。マリア像は、今までにないほど慈悲深い目で、マリアを見つめていた。マリアはもう一度、マリア像に声をかけた。 「今から、償います。マリア様」 するとマリア様はまたお答えになった。 「償うとき、主の祈りを唱えなさい。そうすれば、神があなたをお守りになるでしょう」 マリアの顔は感涙でぐちゃぐちゃに崩れていた。マリアは力強く答えた。 「マリア様の仰るままに」 マリアは持っているろうそくの炎をスカートの裾に翳すと、炎は優しくマリアの服に燃え移った。マリアは炎に柔らかく抱きしめられた。嬉しくなってまた泣いた。むせび泣きながら、しゃくり上げながら、マリアは祈りの言葉を唱えた。 「天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。み国が来ますように。みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。わたしたちの日ごとの糧を今日も お与えください。わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください」 「どうか、人間をお救いください!」 マリアは炎の中で、自分の心に聖母が宿ったのを感じた。 引用 主の祈り……カトリック中央協議会、日本司教団公文書より「主の祈り」 http //www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/prayers/00lordpr.htm
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桃太郎伝説 253 名前:水先案名無い人 :2005/11/05(土) 01 04 36 ID t3Keqo620 全桃太郎伝説入場!! 情報屋はここにもいた!! 鬼が島の毒の沼の向こうに意味ありげにいた!!! 実は全く意味無し!! おじぞうさまだァ――――!!! 最も使う術はすでにわしが教えている!! 仙人応援団代表てんのせんにんだァ――――!!! わしに勝ちしだいきんたん教えまくってやる!! 最初の仙人代表 いっかくせんにんだァッ!!! 会心の一撃の出し合いならわしが教えた術がものを言う!! 攻撃補助の術 ろっかくを教えてくれた だいちのせんにん!!! 真のいなづまを知らしめたい!! Aボタンを108回 しかいせんにんだァ!!! 話は糞長いが術の重要さなら全術でわしが教えた術じゃ!! 糞長い話を二回聞く ダメせんにんだ!!! ほうひ対策は完璧だ!! 全ダジャレ名前代表 ひとりでもせんにん!!!! 全トラップのベスト・ディフェンスはわしの術にある!! ふゆうの術の仙人が来たッ なゆたのせんにん!!! 術詠唱の長さなら絶対に敗けん!! 最強のダメージの術見せたる だだぢぢ むげんのせんにんだ!!! ラスボス戦(オニとの総力戦)ならこいつが弱い!! 鬼が島のファースト・ファイター あおオニだ!!! 鬼が島から銀色の鬼が登場だ!! 全然楽勝 ぎんのオニ!!! ソフトの容量の節約がしたいから同一グラフィック(手軽な色違い)になったのだ!! オニのケンカを見せてやる!!みどりのオニ!!! キツネの頭に鬼の体とはよく作ったもの!! キツネの鳴き声が今 実戦でバクハツする!! コンコーン きつねオニ先生だ―――!!! 全身に輝く金色こそが地上最豪華の代名詞だ!! まさかこの鬼がきてくれるとはッッ きんのオニ!!! 金銀ときたから俺まできたッ どんな体なのか一切不明!!!! 鬼が島のパール(真珠)ファイター パールのオニだ!!! 俺は馬面なのではない馬の頭をもっているだけなのだ!! 御存地獄の獄卒 うまオニ!!! 一発KOの境目は今や俺前後にある!! オレに燃やされる奴はいないのか!! ひのオニだ!!! デカァァァァァいッ説明不要!! 地獄の獄卒!!! ミノタウロス!!! うしオニだ!!! 色違いはどのキャラでも使えてナンボのモン!!! 超実戦節約術!! 本家鬼が島からみずのオニの登場だ!!! 変な笑い声はオレのもの 邪魔するやつは殴り殴り思いきりのしかかるだけ!! ゆでたまごっぽい笑い声統一王者 つちのオニ 桃太郎を倒しに首無しで現れたッ!! 桃太郎伝説全ホラーキャラチャンプ くびなしオニ!!! あたまのろうそくに更なる火をともし ”ヘビメタ系”とうだいきが帰ってきたァ!!! 今の自分に金棒はないッッ!! 超有名オニしゅてんどうじ!!! 鬼が島四千年?の巨体が今ベールを脱ぐ!! この辺でまんきんたん1回 ばっかんきだ!!! 愛や正義の前でならオレはいつでも全盛期だ!! 燃えるラスボス 閻魔羅闍 本名で登場だ!!! 五人の求婚者はどーしたッ 思わせぶりの炎 桃太郎伝説では隠したッ!! 惚れるも惚れさすも思いのまま!! かぐやひめだ!!! 特に理由はないッ 有名人がさらわれるのは当たりまえ!! なんでさらったのかはないしょだ!!! 日の下開山! はなさかじいさんがきてくれた―――!!! 竜宮城で磨いた実戦もてなされ術!! おとぎばなしのデンジャラス・釣り師 うらしまたろうだ!!! 実戦だったらこの仲間を外せない!! 超A級喧嘩師 いぬだ!!! 超一流声優の超一流の高音だ!! アニメ版で聞いてオドロキやがれッ 桃太郎の二番目の仲間!! きじ!!! 基礎攻撃力はこの仲間が完成させた!! 桃太郎の切り札!! さるだ!!! 村一番の勇者が帰ってきたッ 鬼が島から帰ってきたッ 主人公ッッ 俺達は君を待っていたッッッももたろうの登場だ――――――――ッ 加えてラストイベントに参加できなかった超豪華なキャラを4名御用意致しました! ドラクエでいうところのスライム あかオニ!! 伝統派力自慢 きんたろう!! クイズに答えてお金をもらおう!ふくのかみ! ……ッッ どーやらもう一名はペヤングやきそばを食べてて遅れている様ですが、 到着次第ッ皆様にご紹介するのねんッッ 関連レス 257 名前:水先案名無い人 :2005/11/05(土) 01 24 19 ID DtBt+iGT0 カルラって…何作目だっけ? コメント 名前
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局名 福岡放送 略称 FBS 放送対象地域 福岡県 開局日 1969年4月1日 コールサイン JOFH-DTV リモコンID/アナログ親局 5/37ch ニュース系列 NNN 番組配給系列 NNS OP CL 現行(2005年-) 放送開始の告知(オープニング)は行っておらず、放送終了の告知(クロージング)のみを放送している。夜の福岡の街をヘリコプターでシーサイドももちから天神、キャナルシティ、博多駅の順で映していき、最後に渡辺通りのFBS社屋を空撮した映像にBGMを重ねたものである。本社屋移転に合わせて一新した。 1世代前(1994年4月 - 2005年2月27日《本社移転》まで) 開局25周年に合わせて一新。 オープニング:モーツァルトの「おもちゃのマーチ」を子供たちが演奏する様子の映像を中心に、左側を中継局の一覧がスクロールする。それまでCH案内は一部中継局だけだったが、このバージョンでは全局が表示された。 クロージング:擬人化された動物たちがジャズバーで酒と音楽を楽しむ様子を描いた影絵アニメをバックに、右側を中継局の一覧がスクロールする。バックに使われていた楽曲はキャノンボール・アダレイの「Stars Fell on Alabama」を短く編集したもの。 なお、本社移転当日の最後のCLの前には、「これをもちまして渡辺通現社屋からの放送を終了いたします 明日 あさ5時55分からは福岡市中央区清川の新社屋で放送を開始します これからも多彩なFBSの番組をお楽しみください」というお知らせがあった。 2世代前(1982年頃 - 1994年3月) オープニング:朝をイメージする映像と、軽快なインスト音楽をバックに中継局(一部)の一覧を流した後、ブルーバックで今日の日付・番組一覧を表示する。 カラーバー→グレーバックに白い輪郭のFBSロゴ→レースカーテンをかけ、花瓶を置いた出窓(窓の向こうは白)→出窓が無人で開く→柄の部分にタオルをかけたテニスラケットの横にテニスボールが置いてあり、もう1つのテニスボールが画面の外から転がってきて、ラケットとテニスボールにぶつかる(バックは白)→白い丸テーブルの上に置かれたバスケットとレモンスカッシュ(1つずつ)→ホワイトバックの右下に「福岡放送」の白テロップ(丸ゴシック体)→ブルーバックになり、日付と曜日を中央に表示。曲が変わり、「おはようございます。ただいまからFBS福岡放送の放送を開始いたします」のアナウンス(女性アナ)→ブルーバックに「このあとの番組」を表示。「このあとの番組はご覧の通りです。今日も一日、FBSテレビジョンの番組でお楽しみください」のアナウンス(1分15秒) クロージング:通称自殺のキャンドル。ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズの「A Look To My Heart」をバックにレコードのターンテーブルやろうそくの炎などが映る。また、エンディングには「明日の放送開始は○ ○○(開始時間)です」 という1枚画を添えていたことがあった。 3世代前(1969年頃-1982年頃) 開局からしばらくはスタジオオーケストラ演奏の「ぼんち可愛や」の演奏とともに、天神祭の切り絵が局名・コールサインとともに静止画で表示していた。 また、開局当初は福岡市内の夜景写真をバックに中継局一覧→その中継局の所在地図(福岡・佐賀のほぼ全域と山口県西部は黄色く塗りつぶされている)→FBSのロゴと夜景写真というパターンもあった。 フィラー放送 定時番組終了後は「日テレNEWS24」が、フィラー番組として放送されている。 フィラー放送の前には、「日テレNEWS24」のロゴマークが出て、画面下部には「このあとは日テレNEWS24をお送りします」と表示する。 「日テレNEWS24」放送中のCMは、(差し替えなどは行われず)「日テレNEWS24」で流れているものがそのまま放送される。
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アイテム 素材 数量 素材 数量 素材 数量 素材 数量 素材 数量 備考 編集 あぶら きのえだ 2 しょくぶつ 1 きのみ 2 1 必須 編集 ツル しょくぶつ 3 あぶら 1 1 必須 編集 ロープ きのえだ 3 ツル 1 でんぷんノリ 1 崖を上るのに利用 編集 でんぷんノリ マッシュポテト 1 あぶら 1 1 必須 編集 そまつなオノ きのえだ 30 おおきないし 30 1 必須 編集 いしのオノ ヤシのき 50 おおきないし 80 ツル 10 1 必須 編集 りっぱなオノ ヤシのもくざい 100 おおきないし 100 ツル 20 30m(2) 編集 てつのオノ おおきないし 200 ロープ 10 すぎのもくざい 150 きんぞくのいた 1 60m(2) 編集 こうてつのオノ おおきないし 200 きんぞくのいた 10 ケヤキのもくざい 150 はがねのいた 1 せっちゃくざい 10 ハンマー必要 編集 ヒドいつりざお きのえだ 30 しょくぶつ 30 編集 まともなサオ ヤシのもくざい 80 ツル 20 15m(2) 編集 じょうぶなサオ ヤシのもくざい 100 ロープ 10 さかなのホネ 30 1 必須 編集 りっぱなサオ スギのもくざい 200 ロープ 30 クギ 20 60m(2) 編集 プロっぽいサオ スギのもくざい 300 いと 50 クギ 40 ねじ 40 じょうぶなハリガネ 1 0 編集 きのナイフ きのえだ 10 チュートリアルで作成 編集 きづち きのえだ 50 しょくぶつ 50 おおきないし 30 編集 すりばち きのえだ 80 きのみ 50 おおきないし 5 1 必須 編集 ナイフ ヤシのもくざい 120 ロープ 20 クギ 10 ねじ 10 はがねのいた 1 60m(2) 編集 ござ ツル 40 ロープ 5 30m(2) 寝るときに利用 編集 ろうそく しょくぶつ 20 あぶら 5 30m(2) 夜に使うと周囲が少し明るい。 編集 えいようざい しょくぶつ 2 マッシュポテト 3 きのみ 10 10m(2) 編集 スパイシーポテト マッシュポテト 2 スパイス 2 10m(2) 編集 ねぶくろ ロープ 20 つよいいと 20 はぎれ 40 60m(2) 編集 いえ ヤシの木 900 スギのき 300 ケヤキのき 300 ハリガネ 100 クギ 400 120m(2) 編集 かいがらのピアス さかなのホネ 1 きれいなかいがら 2 10m(2) 編集 サンゴのくびかざり さかなのホネ 1 サンゴ 1 かいがら 1 10m(2) 編集 いかだ ヤシのき 100 スギのき 100 ロープ 50 タイヤ 10 120m(2) 編集 せっちゃくざい ちいさなかじつ 1 でんぷんのり 1 60m(2) 編集 ソーセージ ミンチ 20 ひつじのちょう 10 いと 3 スパイス 3 60m(2) 編集 ぎょにくソーセージ スパイス 3 すりみ 20 ひつじのちょう 10 いと 3 90m(2) 編集 つよいいと せっちゃくざい 1 いと 1 60m(2) 編集 のこぎり スギのもくざい 100 ハリガネ 30 きんぞくのいた 50 くぎ 50 はがねのいた 1 60m(2) 編集 さかなとりアミ ツル 20 ロープ 3 じょうぶなハリガネ 1 水辺に設置後30分で収獲可 編集 ばんのうあみ つよいいと 8 じょうぶなはりがね 1 ロープ 20 60m(2) 水辺に設置後1時間で収獲可 編集 でんち アルミはく 5 ヤシのもくざい 10 はぎれ 5 ハリガネ 5 15m(2) 編集 はし ヤシの木 900 スギのき 600 ケヤキのき 600 ハリガネ 50 クギ 80 編集 ブーメラン スギのもくざい 5 ケヤキのき 50 こうてつのクギ 3 ボトルイベントよりレシピ入手 編集 ショベル スギのもくざい 50 てつパイプ 10 きんぞくのいた 3 じょうぶなねじ 1 編集 ランタン ロープ 20 ハリガネ 20 きんぞくのいた 20 ねじ 20 せっちゃくざい 5 30m(2) 編集 コンパス ハリガネ 100 きんぞくのいた 80 ねじ 200 15m(2) ハンマー必要 編集 テント つよいいと 40 てつパイプ 50 はぎれ 100 90m(2) ハンマー必要 編集 さいきょうのオノ ケヤキのもくざい 300 おおきないし 500 きんぞくのいた 200 はがねのいた 5 せっちゃくざい 100 ハンマー必要 編集 ひりょう うさぎのフン 1 とりのフン 1 ひつじのフン 1 イノシシのフン 1 かにのこうら 1 10m(2) 編集 ハンマー てつパイプ 5 ロープ 30 てつのかたまり 1 60m(2) 編集 プロのサオ ケヤキのもくざい 400 つよいいと 100 ハリガネ 150 てつパイプ 80 ねじ 100 ハンマー必要 編集 ライト ハリガネ 120 てつパイプ 20 きんぞくのいた 100 でんち 2 でんきゅう 1 30m(2) 編集 show sort
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特別な夜 寒い夜だった。 俺はマフラーに深く鼻を埋める。そうしていないと、痛くて歩けない。 通りでは街路樹が電飾に輝き、波打った遠近図をを描いていた。 肩を並べて歩く男女は皆そろってスローペースだ。 どこかの店先からか遠くで賛美歌が流れているのが聞こえた。 (クリスマスか……関係ねーや) そんな連中を縫うようにして足早に抜けていく。 よっ、と歩道に駆け上がったところで、 「うあ?」 子供が倒れていた。冷え切った路面に頬を寄せて。 「おい……大丈夫かぁ?」 ……返事はない。 「困ったな……」 別に俺が助けなくても、すぐ別の通行人がやってくる。 顔を上げれば、ほら、正面から歩いてきている。スーツ姿の社会人だ。学生の俺なんかより、大人に任せておいたほうがいい。 適切な処置ってものをわきまえているだろう。 でも、俺は立ち止まったままでいた。 ……ここでこいつを助けなければ後悔する。どうしてかそんな気がした。 そんな柄でもないのに……。 俺はしゃがみ込んで、そいつの頬を叩く。目覚めない。息はしている。 その体を背負おうとする。小さいから重くはない。 だが、気を失っている人間を背負うのは難儀なことだった。 通行人が何事かと見ていく。 はあ……なんだって俺は……。 背負うのは諦めて、抱き上げる。 病院まで腕力がもつのか……。 「……空腹?」 医者の言葉をオウム返しに訊く。 「昨日から何も食べてないみたいだね」 それが子供の症状だという。 今は落ち着いているのか、カーテンで仕切られた隣のベッドで寝ていた。 「ちっ……人騒がせな……そんなことぐらいで行き倒れになるなよ……」 腕をだらりと下げる。ぱんぱんに張ってしばらくは使えない。 「まあ、事情がある家だからね」 「なんだよ……」 「両親がね、いないんだよ……」 重々しく息を吐いた。 「父親が仕事場で事故に遭って、入院後すぐ亡くなって……そうしたら、母親も後を追うようにして病気でね……」 「ふたりとも亡くなったのか……」 医者は頷く。 「今は確か、おばさんの家に厄介になってるとか。そのおばさんも夜遅くまで仕事で、かぎっ子なんだそうだよ」 「クリスマスの日だってのにか……」 「まあ起きたら、なにか温かいものを食べさせてあげるよ。君もごくろうさま」 そう言って医者は俺の膝を叩いた。 これで俺の役目は終わった。 この診察室を後にして、稽古場に向かえばいい。 けど、まだ何か引っかかるものがある。だから訊いてみた。 「何食わせんだよ?」 「ん? 君も食べていくかい?」 「ちげーよ、何食わせんのかって訊いてんだよ」 「まあ近くのうどん屋のカツ丼でも……」 「はぁ?」 一瞬唖然とした。すぐ怒りがわいてくる。 「んなもん食わせんなよっ、クリスマスだろーが、今日はよっ!」 「いや、それは別に関係ないだろう……?」 「大ありだよ、ばーかっ!」 俺は椅子を蹴るようにして立ち上がる。 医者に背を向けると、ベッドに近づいていって、そこに横たわる小さな体を揺すった。 「おい、起きろ」 「君、どうするんだいっ、乱暴はいかんよっ」 「うっせぇ、あんたみたいな大人には子供の気持ちなんてわかんねぇんだよっ、クリスマスにカツ丼食わされる子供がいるかよっ! よく考えろぉっ!」 喧騒の中で目覚める、男の子、あるいは女の子。 「行くぜ、男の子、あるいは女の子」 その細い腕をつかむ。 「どこに?」 甲高い男の子の声で訊いた。 「どこに?」 もう一度男の子は訊いた。寒空の下で。 俺は考え込む。 稽古場か? いや、稽古場に連れ込んだら、さごるわけにはいかないし、こいつの相手をしてられなくなる……。 なら家か? 遠い。タクシーでも使わないと帰ってこれなくなる。 だから俺は答えた。 「ここ」 「え? なにが?」 「ここが目的地っつってんだよっ」 寒いのも手伝って、いちいち言葉尻が荒くなる。 「なにもないよ?」 「調達してやるさ……。とりあえず待ってろ。腹減ってるんだろ」 「おら、チキンだ」 ファストフードのフライドチキンの箱詰めを手渡す。 男の子は、わぁと顔をほころばせた。 「今夜はクリスマスだからな。遠慮せず食えよ」 俺たちは閉店した店の前の段差に腰掛ける。 男の子は3本を、俺は1本をまたたく間に平らげる。 備えつけのおしぼりで手を拭き、男の子の口を拭ってやりながら思った。 「なんか足らねーな……」 俺は首をひねる。 「さて、なんでしょう? 訊いてみる。 「なんでしょう?」 訊き返される。 「おら、ケーキだ」 リボンで飾られた箱を突き出す。すげぇ痛い出費だ。 「ショートケーキなんてケチなもんじゃねぇ。ちゃんとした丸いケーキだ。サンタも立ってる」 地面で開封して見せると、男の子はまたわぁと顔をほころばせた。 ろうそくを立て、ライターで火を灯していく。 電気を消す必要もなく、それはまばゆく光り輝きだす。 しかも温かい。 ふたりで冷えた両手をかざす。 「なんか足らねーな……」 そうしながらも俺は首をひねる。 「さて、なんでしょう?」 「なんでしょう?」 「歌だ」 「うた?」 「そう。ジングルベルを歌わなきゃクリスマスは始まらない。」 俺の声はよく通る。毎日発声練習をしているからだ。 けど、遠慮はしない。 この町の奴ら全員巻き込むぐらいの勢いで歌ってやる。 男の子も、か細い声で精一杯歌う。 歌い終えた後、俺はまだまだだな、という顔をしてやった。 ろうそくを吹き消し、プラスチックのフォークで両端からふたりで食べていく。 俺が先にギブアップした。甘いものはそんなに入らない。 男の子はまだまだだな、という顔をしていた。 三分の一を残し、男の子もギブアップした。 残りを箱へとしまい、ふたり、親子のように並んで、身を寄せ合う。 「なんか足らねーな……」 俺はまた考える。 「さて、なんでしょう?」 「なんでしょう?」 無邪気な顔で問い返す。 その無邪気さは、かつては知っていたのだろうか。 その温もりを。 俺は先刻聞いた医者の話を思い出す。 ……父親が仕事場で事故にあって、入院後すぐ亡くなって……そうしたら母親も後を追うようにして病気でね……。 「……母親だ」 俺はそう口にしていた。 「ははおや?」 「ママだ、おかあさんだ」 「ママ、いないよ」 「知ってる。でもクリスマスなんだしよ、いてほしいだろ」 俺は立ち上がり、公衆電話を探そうとした。 けど、すぐやめた。 誰を呼ぶつもりだ? 春からつき合っていた彼女とは先月別れたばかりだ。 男の子はそんな俺を座ったまま見上げていた。少し哀しげな目で。 またその顔を、わぁと輝かせてみたい。 ろうそくをたくさん立てたケーキみたいに。 「今日は特別な夜だからな」 「とくべつなよる?」 「そう」 にこりと笑ってやる。 「だから、きっと叶うさ」 俺は通りを行き交う女性に、声をかけ続けた。 俺とあの子につき合ってくれないか? 少しの間でいいんだ。 けど、見知らぬ男と子供のために時間を割いてくれる奴はいなかった。 無視か苦笑いを浮かべるかして、目の前を通り過ぎていく。 くそ……。 俺は声をかけるのをやめ、しばらく人の流れを眺めていた。 その中に見つけた。 見知った顔だ。二年の時、同じクラスだった奴だ。連れもなくひとりで歩いてくる。 俺は駆け寄る。足を滑らせ転げそうになるが、不格好に持ちこたえる。 「よう」 そう声をかける。 「わ、古河くん」 相手は驚いた顔をして立ち止まった。 「おまえ、なにしてんの」 「これから勉強会。こんな日でも遊んでる時間なんてないからね。受験生はつらいっすよ」 「なぁ……俺につき合ってくれないか。少しでいいんだ」 「え? 今から?」 「そう、今から」 彼女は思いを巡らせた後、納得顔になる。 「あー、彼女と別れたんだってね」 「知ってんのかよ……」 「うん」 なにが楽しいのか笑顔で頷く。 「今、あの子、バスケ部の子と付き合ってるよ。古川君もやっぱスポーツしてたほうがよかったんじゃない?背も高いし、運動神経だって抜群なのに、もったいないよ」 「なんだそれ……もてるためにスポーツしろってか」 「いや、してたら、もててたよって仮定の話で。わたしはぜんぜんそんなこと言わないけどさ」 慌てたように取り繕う。 「言ってんじゃん」 「そう……かな」 「ああ、言ったよ」 「じゃ……ごめん」 気まずい空気になる。 なにやってんだろ…… あ、そうだ。 俺は目的を思い出す。こいつを責め立ててる場合じゃない。 「で、付き合ってくれんのか? 少しでいいんだ」 「いいよ。少しじゃなくても」 やった。子供のように喜んでしまう。 「よし、じゃ、こっちに来てくれ」 その腕を引っ張る。 「そんなんひ慌てなくてもっ……」 先には男の子がぽつんとひとりで待っていた。店の前の段差に座って、手を息で温めていた。 「あいつとクリスマスパーティやってんだ」 「え、わたしと古河くん、ふたりきりじゃないの?」 「ああ、あいつと三人で」 「なんでさっ?」 「なんでって、あいつとパーティやってんだってば。あいつこんな夜にひとりきりなんだぜ? そんな話ってないだろ?」 彼女が逆方向に引っ張る。そのまま腕を振りほどいた。 「なんだよ……」 「そんなのあんたひとりが相手してればいいじゃないっ」 怒った声で言った。 「話を聞けよ、事情があるんだよっ、母親役が必要なんだよっ」 「母親役ぅ?」 呆れたように頬を歪めた。 「勉強会さぼろうとしてたのに、そんなので振り回されるこっちの身にもなってよっ」 「そりゃ悪いと思ってるよっ、でもこんな夜だぜ! なんでも叶う夜にしてやりてぇじゃねぇかっ」 「なにそれっ……演劇のやりすぎでおかしくなったんじゃないの?」 「はぁ?」 今度は俺が顔をゆがめる。 「なんでそんなこと言われなくちゃならねぇんだよっ、演劇馬鹿にすんじゃねぇよっ」 「………」 もう彼女はなにも言わない。涙目のまま、俺を睨みつけた後、走り去っていった。 くそ……・ また心の中でこの状況を罵った。 どれだけの時間が経っただろう。 いつしか立ちつくしていた。 体温が下がっていく。指先は冷たさを通り越して痛く、足の先は感覚がなくなっていた。 今頃仲間達と、狭い稽古場で練習に汗を流していたはずだ。 それをさぼって、なにやってんだ、俺は……・ ズボンが引っ張られていた。 振り返ると、男の子が立っていた。 「ね」 「なんだよ……」 「ぜんぶ、かなったよ?」 「まだ途中だよ……」 「とりもだべたよ? けーきもたべたよ? うたもうたったよ?」 「まだだよ……」 まだ残ってるんだよ……。 「ありがとう、ぱぱ」 その言葉は俺に向けて。 「え……」 俺はしばらく止まっていた。 「ぱぱって……おれか」 訊き返す。 「うん、ありがとう、ぱぱ」 俺はその言葉に崩れ落ちる。 地面に膝をついて、男の子を抱きしめた。 「ありがとうをいうのは、こっちだ……」 涙が止まらない。だらだらと頬を伝って落ちていく。 こんな短い時間でも………こんな無茶なやり方でも……。 それでも、ぱぱって……。 なら、俺はやっぱり叶えてやりたかった……。 「ごめん、ごめんな……」 その首筋にそうつぶやいた。 叶えてやりたかったんだ、神様。ぜんぶ。 「叶いますよ」 神様の声が。 「だって、特別な夜ですから」 違う、人だ。女性だ。 俺たちは顔を離す。その瞬間に降りてくるのは、大きく膨らんだ靴下だった。 「これも、足りなかった……ですよね?」 男の子は、わぁという顔をして、それを受け取った。 俺は濡れた顔を服の袖で拭ってから、女性を見る。 女性は走ってきたのか、息を切らせていた。 コートの下に制服が見えた。ウチの制服だ。 こんな子いたっけか。見覚えがない。 俺が思い出せないだけか。だから訊いてみる。 「あんだ、だれ?」 「ママ」 男の子の顔が、また、わぁとほころぶ。 ぜんぶ、叶った。 残りのケーキを一緒に食べた。俺も無理をして詰め込んだ。 それは家族の時間だからだ。 食べ終わると、温かい飲み物を買ってきて飲んだ。 そして、手をつないで温め合った。 「今日出会ったばかりなのに……」 その温もりを感じながら、不自然さを口にした。 「一度だけ、演劇をご一緒したんですよ、覚えていませんか」 意外な言葉が返ってくる。 「あんた、ウチの演劇部だったのか?」 「いえ」 彼女は首を振る。 「今年の春です。演劇の題材にと、あなたは図書室で本を探していました」 「へぇ……」 他人事のように間の抜けた返事をする。 「でも、タイトルを忘れていたんです。図書委員の方を捕まえて、必死に手振り身振りを交え、内容を伝えていました。そこそこ有名な本だから、知ってるはずだって。それを見ていた私はすぐぴんときました。私、その本知っています、と告げました。でも滑稽ですよね。私も内容は思い出せても、タイトルは出てこなかったんです」 徐々に思い出してきた。その日のことを。 「ふたりで説明しているうちに、あなたは主人公を演じ、私はヒロインを演じていました」 日だまりの中で、彼女は舞って、俺はその身を抱いた。 拙かったけど、愛の感じられる演技だった。 「そうか、あんただったのか」 最後には拍手の中にいた。数は少なかったけど、温かな拍手だった。 「実はさ、本番のヒロインより、ヒロインらしかったと後で噂になったんだ」 「嘘ですよね?」 「ほんと」 俺がそう答えると目を線にして笑ってくれた。 「私は演劇、好きですよ」 冷え切った俺の心まで温かくなる。 「セリフ覚えてる?」 「はい」 「じゃ、ディナーショーにしてやるか」 立ち上がった俺を、少年がきょとんとした顔で見上げている。 「俺が一番好きなものを見せてやるよ」 「でも、まだなにか足りないですよね」 俺に続いて立ち上がった後、彼女はそう俺の文句を真似てみせた。 「さて、なんでしょう?」 「なんでしょう?」 俺と男の子が同時に返す。 「雪」 彼女の答えに俺は眉をひそめる。 「冬の物語ですから」 「いや、いくらなんでも、それは無理だろ……」 「きっと、叶いますよ。だって、特別な夜ですから」 その無垢な目を見ていると、本当にそう信じたくなる。 俺はひとつ頷いてから、客席に向く。そして胸に手を添えて、敬礼をする。 彼女も同じようにした。 物語の始まりだ。 彼女の手を取る。 図書室にできた日だまりの温度を思い出して、俺は思わず微笑する。 あ、と男の子が一際白い息を吐いていた。 空を向いていた。 俺たちも見上げる。 ああ……本当に……。 なんでも叶う夜だった。
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蘇州刑務所でコレラ発生 外国人医師らが急行した 1991年4月14日 中国。 救急車は蘇州刑務所へと向かう。 救急車内には医師の中で海外の青年と思われるものがいた。 彼はCIA工作員トム・ビショップでコレラ発生を機に何らかの理由で医師に扮し仲間と共に蘇州刑務所へ行く。 救急車は蘇州刑務所に到着し医師らはコレラに感染してる囚人の治療のため刑務所内へと行く。 警備看守「来たか。今、始める」 看守「準備できてます」 警備看守「ご苦労」 警備員担当の看守は警備室をでる。 警備看守「先に私に打て、安全性を試す」 警備担当の看守は安全のため自ら被験者になり注射をされる。 医師「1時間もすれば落ち着きます」 警備看守「囚人たちを」 治療が進む一方でトムは薬を飲むと検査・治療用の機械を取り出し、一方で医師達により囚人の治療が行われていた。 一方でトムは医療用の機械をコンセントにつなげようとしていた。 看守「おい、やめとけ危ないぞ」 トム「プラグを差し込むだけだ」 トムが電機のプラグを差すと自分自身が感電し、同時に刑務所内で停電が起きる。 医師は感電したトムを殴り、医師らはその遺体を人気のない部屋へと運ぶ。 医師「おい早くしろ奴が来るぞ!」 医師は死んだトムに注射をし、心臓蘇生をしようとするが反応しない。 医師「死んだ」 看守「行け!戻って予防接種を終わらせろ」 医師らはトムの遺体に布をかぶせ、再び治療の仕事へと戻る。 看守「何をしてるんだ、10分以内に回線をもとに戻せ!10分だぞはわかったな早く!」 看守らは停電で落ちた電源の復旧の作業していた。 一方で感電死で死んだはずのトムは目覚め、感電死は看守を欺くための芝居であり、耳の無線機から仲間の通信が届く。 医師(通信)「残り時間はあと7分」 看守「準備はどうした!なぜそんなに手間取ってるんだ!グズグズするな!」 作業員「よし振動を出せ」 作業員は電源の復旧の準備をしてた。 作業員「問題が1つ見つかりました!」 医師「後6分」 医師は時計を見ながら看守らの動向を警戒する。 トムは暗くなった部屋を懐中電灯で光を照らし銃を構え、中を探索していた。 一方で作業員らは電源の復旧を続けてる。 看守「いいか、まだ直らないのか?」 作業員「今やってます!もう少しで直せますから!」 医師(もうすぐ、電源が戻るぞ…) 医師が電源の復旧に不安になる中、トムは暗くなった牢屋内を探す中、光に怯える囚人と出会い頭になり、トムはガムを授ける。 トムが一つだけろうそくのついた収容室で女性と思われる囚人を発見する。 一方で電源の復旧を続ける作業員。 看守「電気の修理くらい簡単にできないのか!。何をしてるんだ!おーい!さっさと直せ!」 作業員「はい!」「よしそっちはいいから、こっちをやろう!」 作業員らが電源復旧する中で警備員に叱責される。 警備員「10分以内といったはずだぞ!」 電源復旧が続く中、トムは小型のプラスチック爆弾で牢の扉を破壊し中へ入る。 警備員「おい何ぼやぼやしてる!しっかりとやれ!」 医師「脱出しろ」 電源復旧がもうすぐの中、トムは女性の囚人を連れて刑務所内を脱出しようとすると中、刑務所内全体電源が入ると同時にトムは咄嗟に医療ベッドを入り救急車へと運ばれる、看守が囚人を確認する中、一人だけ風船ガムをしてる囚人に不審に思う。 警備員「通行証を」 運転手は通行証を見せる。 警備員「おい、お前だ降りろ!」 警備員がそれを言うと運転手の付き添いの医師は車を降りる中、刑務所内の警備の看守が医師が医療中に監視カメラで救急車が外に出るのを不審に気づく。 警備看守「馬鹿な!。脱出だ!その救急車を止めろ!」 トムを筆頭とする医師らは銃を持った看守らならびに囮であった医師らはその場にいた看守に包囲される。 看守銃撃隊「そのまま動くな!静かに降りろ!早く!」 トムは刑務所内へと連行され、変わって香港の都市部となる。 SPY GAME
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澪「だから私をもっと見てくれ!」 澪「イヤらしい目でな!」 唯「どうしちゃったんだろう…」 律「昨日アニメ見てたらかっこいいって。影響されやすいからな、澪は」 唯「りっちゃんは?」 律「ノリで一回まねしたけど」 唯「やってやって!」 律「うー…『うちのこたちは皆、女の子にしか興味ないんだから』」 紬「あらあら」 澪「本当か!律!」 律「ただの物真似だよ!」 澪「私はわかってるからな」 律「何をだよ」 澪「性欲溢れる高校生が女子高に行く理由…」 澪「それは!」 唯「家から近いから?」 澪「違う!ムギ答えてやれ!」 紬「うちのこたちは皆、女の子にしか興味ないんだから」 律「全員そうだとは限らないだろ」 澪「律、想像してごらん」 澪「放課後、誰も使わない教室で、制服での性行為…」 澪「こんなに燃え上がるシチュエーションはない!」 澪「しかし、この学校に男子はいない。つまり…」 唯「女の子同士で燃え上がるんだね!」 澪「良いぞ、唯。その調子だ」 律「こいつらもうやだ」 澪「と、いうわけで、律行くぞ!」 律「どこに?」 澪「誰も使っていない教室だ!」 律「物理室?」 澪「ここは放課後誰も来ない。物理部も廃部になったしな」 律「詳しいな」 澪「性行為にふさわしい場所ランキングを作ったんだ」ピラッ 律「おまえ、この前しばらく部活休んでたと思ったらこんなことしてたのか」 澪「こんなこととはなんだ。大事なことだぞ」 律「はいはい、部活戻るぞー」 澪「待てよ」ドン 律「おい、…冗談だろ?」 澪「逃がさないからな」 律「は、ははは」 澪「唇閉じてくれ。キスできない」 律「…キスするの?」 澪「ああ。マニュアルにはそう書いてあったぞ」 律「マニュアル?」 澪「これだ」ガサゴソ 澪「じゃーん。『初めてのレズビアン』」 律「何て本持ってるんだよ」 澪「一か月前買ったんだ!」 律「アニメ見る前じゃねぇか」 律「こんな本…買う時恥ずかしくなかったのか?」 澪「アマゾンで買った」 律「いつ行った!そんなに遠くに買いに行くほど欲しい本なのか!ってかよく売ってたな!」 澪「」 律「?」 澪「りつかわいい!!!!かわいーよーーーー!!!」チュッチュッ 律「んーーーー!!!」 澪「ん…」チュー 律「離せっ!!」バッ 澪「律…」 律「もうやめてくれ…」 澪「律は、私が初めての人じゃ嫌?私のこと、嫌い?」 律「そういうんじゃなくて…ごにょごにょ」 澪「何?」 律「いきなりすぎて戸惑ってるってゆうか、本当にいいのかなって…」 澪「問題ない」 律「そうなの?」 澪「たいてい高校生の初体験はノリと勢いだからな。夏だし!!」 律「」 澪「…駄目かな?私は律となら…いいよ」 律(なんで、こんなときに可愛くなるんだ!)ドキドキ 澪「律?」 律「ああもう!いいよ!なんでも!セックスすりゃいいんだろ!」 澪「そんな堂々と言うな。○○で隠すのが淑女のマナーだぞ」 律「」 澪「でも、そんな律もかわいいぞ」チュ 澪「3日間履き続けた律の汗つきパンティ舐めたいくらい可愛い」 律「」 澪「どうしたさっきから黙って。早く可愛い声を聞かせてくれよ」 澪「日本の喘ぎ声は息を吸うんだ」 澪「あっ…はぁっ…あぁん…」 澪「はぁ…外国人の…んっ…喘ぎ声は…」 澪「おぉーう…おーう…おーまいがっ!」 澪「息を吐くんだぞ!」 澪「どっちが好き?」 律「Oh my GOD!」 澪「洋物が好きか。中々マニアックだな」 律「いや、これはノリで」 澪「ノリノリなんだな!律!」 律「そういうわけじゃなくてー」 澪「早速やるぞ!ほらカーテンしめて!鍵も閉めて!」 律「嬉しそうだな」 澪「よし!準備Ok!」 律「…」 澪「どうした?」 律「……緊張してる」 澪「…私もだよ」 律「澪も?」 澪「うん。好きな人と初セッ○○出来るのに緊張しない奴なんていない」 律「え、好きな人って…」 澪「律が好きだよ」 律「そんなこと…急に言われても…」 澪「急じゃない。ずっと前から好きだったんだ」 律「…」 澪「律は?私のことどう思う?」 律「…」 澪「…」 律「好き、かも」 澪「素直じゃないんだから」クスクス 律「何笑ってんだよー」 澪「好きってはっきり断言できるように分からせてあげる」 律「おい!どこ触ってんだよ!」 澪「胸だ。乳首はまだ触ってあげないぞ」 律「そういう意味じゃない!」 澪「なんだよ。○○クスしたいって律が言ったんだよ」 律「記憶歪んでます」 澪「さっきのは嘘だったの?」 律「嘘じゃないけど…電気消して」 澪「嫌だ!可愛い律の顔が見えなくなる!」 澪「乳首の色も!陰毛の色も!ク○○○スの膨れ具合も!おま○○の濡れ方も!」 律「消す!ぜってー消す!!」ダッ 澪「させるか!!」ダッ 律「よしゃ!」パチ 澪「相変わらず足早いな…」 律「まぁ若干見えるけど、これくらいの薄暗さならいいか」 澪「見えない聞こえる見えない聞こえる」 律「いや、見えるし」 澪「物理室のカーテンは光通さないんだぞ」 律「でも、隙間から洩れてるし」 澪「ということで、どこを触るか分からないが許せ」モミモミ 律「見えてるだろ!胸まで一直線じゃないか!」 澪「うーん…」モミモミ 律「澪?」モジモジ 澪「感じてる?」 律「んー?くすぐったいとは思うけど…」 澪「小さいからかな?」 律「」 澪「心配ないぞ!私が大きくしてあげるからな!」 律「…」 澪「…」モミモミ 律「…」 澪「喘が…ない…だと…」 澪「私は…下手糞なのか…?」 律「いやっ、ほら、お互い初めてだしね?」 澪「慰めないでくれ。律は自分の体を慰めてればいいんだ」 律「…なんだよ!澪の馬鹿!」 澪「馬鹿とはなんだ!馬鹿って言うほうが馬鹿なんだぞ!ばーかばーか!」 律「澪だって言ってるじゃん!」 澪「先に言ったのは律だもん」 律「私は澪にしてほしいのに、自分でしろとか言うからだろ!」 澪「りつー。ごめんー。すきだよー」 律「ぶー」 澪「ふてくされたりっちゃんも可愛いぞ☆」 律「…本当?」 澪「本当本当!律になら手○ン1時間ずっと出来るくらい可愛いと思ってる!」 律「もうしゃべらなくていいよ」 澪「私たちの間に言葉なんていらないってことだな」 律「どうしてそうなる」 澪「ちょっと待って。本もう一回見るから」ペラペラ 律「うわー…すごいな…」 澪「律もこんな風に乱れさせてあげるからな」 律「こんな風ってSMのページじゃないか」 澪「律!私は間違ってた!最初はゆっくりなでるように触るんだ!」 律「そうなんだ」 澪「反応薄いぞ。SMに興味津々なのか?」 律「ちっちがう!」 澪「残念ながら物理室に鞭はおいていないぞ」 律「当たり前だ」 澪「ろうそくはあると思うけど」 律「いらない!」 澪「あると思うけどSM用のとは違うからな」 澪「SM用のろうそくは解ける温度が違うんだ。もっと低いんだぞ」 澪「それに血を連想させるように赤い。持ちやすいように太くなってるしな」 澪「賢くなったな、律!」 律「この分野は要りません」 澪「それでは気を取り直して!」 律「はい!」 澪「触ります!」 律「よっしゃこい!」 澪「…」ドキドキ 律「…」ドキドキ 澪「…」ドキドキ 律「…まだ?」 澪「じ、焦らしプレイです…」 律「臆病者め」 澪「だって、また律を気持ちよく出来なかったら、私、私…」 律「じゃぁ…私が澪の触ろうか?」 澪「えぇぇぇぇえええええ!!??」 律「うるせえ」 澪「だって律が私の大きな胸を舐めたいって言うから!!」 律「ところどころ噛みあわない時があるのは何故」 澪「律になら良いよ」バッ 律「脱ぐの?」 澪「もちろん!」バーン 律「全裸かよ!」 澪「ソックスは脱がないところがポイントです」 律「触るぞ…」 澪「あ、ああ…」 律「…」ドキドキ 澪「…」ドキドキ 律「えいっ」プニ 澪「」びくん 律「どうかな…?」サワサワ 澪「ん…もうちょっと続けて…」 律「分かった」サワサワ 澪「だんだん…気持ち良く…なってきた…」 律「見てて分かる。息荒いし」 澪「乳首もたっちゃったからな」 律(羞恥心の塊だった澪はどこへ行ったんだろう) 澪「ねぇ…律のも触りたい…」 律「いいよ」 澪「脱がしてもいいか?」 律「え、学校では恥ずかしい…」 澪「分かった、脱がすぞ」 律「何がわかったんだ」 澪「全部は脱がさないから安心しろ」 律「うさんくさい」 澪「ブラをはずします」 澪「背中に手を入れてフックをとります」 澪「肩ひもをずらして…とれない!」 律「シャツ着てるし。ってか実況すんな」 澪「まぁとらなくてもずらせれば良しとしよう」 律「そういうもんなの?」 澪「肌蹴た制服姿が色っぽさを演出」 律「…直に触らないのか?」 澪「ずいぶんと積極的だな」 律「違う!違う!」 澪「シャツの擦れる感触がまた別の気持ちよさを誘ってくれるはず」 律「処女のくせにやたら詳しいな」 澪「処女を馬鹿にすんな。律も処女だろ」 律「…」 澪「え?え?」 2