約 531,896 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2487.html
ゆっくり罵倒 うちに帰るとゆっくりが強盗に来ていた。 「ゆっ! ゆっくりにげるよ!」 キッチンでジャガイモをくわえていたまりさが、ぴょんと飛び上がって、もそもそ走っていく。 バカヤロ誰が逃がすか。俺はダッシュしてまりさを飛び越え、縁側に先回りした。 割られていたガラスの代わりにガラガラッと雨戸を閉める。 あーあちくしょう、これ実害じゃねえか。侵入だけなら許してやらんでもないと思ったのに。 実刑判決だな。執行猶予なし。 「ゆうっ! しめられちゃったよ! しかたがないね、ゆっくりあやまるよ!」 またピョンと跳ねたまりさが、俺を見てニコニコと笑いかけた。 「おにいさんごめんね! まりさははんせいしてるよ、ゆっくりゆるしてね!」 ピキキッ。 いかん、温厚なつもりが。 これはけっこう……クるわぁ。 「あぁ? なんだこのお調子もんが、それで許されると思ってんのかバカアホ短足ふくれ饅頭」 「ゆゆっ!? ゆるしてくれないの?」 「ったりめぇだ誰が許すかトンチンカンのアンポンタン! 藪にらみのへっぴり虫のインチキお化けのぶちゃむくれーのスットンキョーのデブ饅頭!」 「でぶっ!? まっまりさでぶじゃないよ! ゆっくりおこるよ!?」 またピョンと跳ねると、まりさは涙を浮かべてぷぅーっと膨れ上がる。 ゆっくり怒りのポーズだ。すかさず俺は怒鳴る。 「うるせえバーカ何がデブじゃないだこれだけボヨボヨならデブ以外の何もんでもねえだろうが!」 「ゆうっ? ゆゆゆゆ」 「デーブデブデブ脂肪の子! 太った中身はあんこっこ! 三段腹の怪生物!」 「ゆぐあああ、まりさでぶじゃない、でぶじゃないいい!」 ぷひゅるるる、と潰れてから、のてんばたん、のてんばたんとまりさはもだえる。 その鼻面に顔を突きつけてさらに怒鳴る。 「デブだしトンマだしノロマだド畜生! 田舎くさい土饅頭がダサボロい古帽子かぶって似合うと思ってんのかエセ生首の低脳団子!」 「だだだだだっ、ださくないいいぃぃぃぃ!!! まりさのおぼうしはさいこうのおぼうしなのぉぉ!!」 お、真っ赤になってわめきだした。そうだそうだ、ここがツボだった。 「お帽子お帽子素敵なお帽子真っ黒お帽子なんの色? あ・ヘドロ色♪ あ・ゴミの色♪ あ・葬式の・服の色♪」 ぺしぺしぺしぺし。帽子をはたいて歌ってやると、狂ったようにゴロゴロころがった。 「うだうな゛あぁぁぁぁぁぁ!!! おぼうしのへんなうだうだうなああぁぁぁ!!!」 「お帽子お帽子素敵なお帽子真っ黒お帽子なんの色? あ・燃えちゃった♪ あ・おコゲ色♪ あ・臭くて汚いうんうん色♪」 「やめろ゛ぉぉぉぉぉぉ!!!!? ぞんなうだ、なじなじなじなじぃぃぃぃぃぃ!!!」 「真っ黒まりさのお帽子は 昔々のお婆ちゃん しわしわばばあのお帽子だ かぶるとばばあだ、ババまりさ」 「ばばばばばばば、ばりざばば゛あじゃないよ゛ぉぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!?」 半狂乱で喚き立て、跳ね狂い、唾を飛ばす。 俺はにんやり笑って、正面から言う。 「ばば・まりさ☆」 「ばばあじゃないぃ!」 「ばばあ。おばばまりさ。しわしわクシャクシャ口臭い」 「くざぐ゛ないいぃぃぃ!!」 「鼻がない。耳もない。ないない尽くしない尽くし。ゴロゴロ転がるボールまりさ」 「なぐな゛いっ! なぐないのぉぉぉぉ!!!」 ぐっ、と腰を据えたかと思うと、猛烈に激怒した風情でぶるぶるぶるぶる震えながら怒鳴った。 「服も着てないパンツもはかない、エプロンもなければ箒もない。貧乏まりさ、ないないまりさ」 「ふっ、ふぐっ? ふぐってなに?」 目を白黒させるまりさを、すかさず嘲笑。 「服って何って? 服を知らないんだ。やぁーいやぁーい、バカまりさアホまりさ何にも知らないオタンチンまりさ! 服ってのはなぁーこれだよこれ!(バフバフ)見りゃわかんだろなんでわかんないんだっとにゆっくりはバカで愚かで無知でスカタンでアンポコリンでオッチョコチョイでメンチボーでアンガラモンガラでブッポーソーだなアッチョンブリケ!」 「あんがらっ! ぶりっ! ぎゅあああああああああ!!!!」 鬼のように目を吊り上げて、口をグワッと全開にして、とにかく何か言い返そうとした途端―― ぶっちーん、とまりさのこめかみが弾けた。途端に、ぶりゅーっと餡が噴出する。 「ゆ゛う゛っ!?」「うおっ!?」 まりさ本人だけでなく俺も驚いた。まりさの横顔から噴水のように餡が吹き出ていく。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、だめっあんこざんっでちゃだめっ!」 餡子を止めようと思ったのか、そわそわっ、とまりさはせわしなく左右を向いた。 しかしそれで遠心力がついてしまって、かえってビュッビュッと餡が勢いを増した。 「ゆ゛を゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!? とめてとめでどめで! おに゛いざんあんこどめでぇぇ!」 びょびょっ、と俺に近づいて、まりさは哀願した。しかし悪いが、俺はまったく逆のことを考えた。 「あーんこあんこ、あんこはうんこ、うんこがぴゅー! まりさがぴゅー! うんこまりさがぴゅっぴゅっぴゅー!」 「ゆがあああああ!!! ばりざはうんごまりざじゃない゛いぃ゛い゛ぃ゛!!」 びゅびゅー。 「や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! おに゛いざんや゛めろ゛お゛お゛、あんごでぢゃうでじょおおおお!!?」 「うーんこまりさは真っ黒まりさー、中身も帽子もうんこっこー」 「う゛んごじゃなあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い!!!」 それがまりさの遺言だった。 激怒とともにブシャアアアアと餡子が噴いた後は、急にまりさは空ろな顔になって、ヘタヘタと崩れてしまった。 帽子の下で、くぼんだ眼窩の中の目玉を左右別々の方向に向けたまま、「う゛ う゛ん う゛ ゆ」とつぶやいている。 どうやら、激怒により餡圧が高まりすぎて破裂した挙句、餡子欠乏に陥ったらしかった。 俺は、畳一面の餡子とガラスの破片を避けながら、雨戸をカラカラと開け、マイルドセブンエクストライトに火をつけた。 「ふぅ……」 そして、次から外で罵倒しようと心に決めた。 =============================================================================== 罵倒マジで難しいです。すぐ子供言葉になってしまう。 「機関銃のように罵声を浴びせる」ことのできる人がうらやましい。 YT 過去作品 その他 エレベーターガール そ その他 変身 そ ゆっくりいじめ系27 幻想鉄道の動物対策 虐 機 霊夢×ゆっくり系2 博麗神社の酒造り 虐 料 その他 諸君私はゆっくりが好きだ そ 美鈴×ゆっくり系2 ほんめーりん×ゆっちゅりー甘甘水責め 虐 そ その他 FireYukkuri そ ゆっくりいじめ系187 終端速度 虐 家 無 永琳×ゆっくり系11 八意永琳のアルティメット・サイエンス 虐 そ ゆっくりいじめ系264 幻想郷のみにくい生き物 虐 ゆっくりいじめ系281 冬眠ゆっくりの子守唄 そ 環 性 家 ゆっくりいじめ系312 乙女よ、森はまだ早い 虐 性 無 ゆっくりいじめ系345 ゆっくり塊魂 虐 ゆっくりいじめ系1044 ゆっくりと共同生活 虐 家 ゆっくりいじめ系1052 ゆっくりとガチバトル そ 魔理沙×ゆっくり系4 ゆっくりの身の程 ゆっくりいじめ系1285 ゆっくり夢幻 驚異のマイクロゆっくり このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/736.html
※舞台は何故かゆっくりが当然のように存在している外界です。 ※オリ設定満載です。 数年前に突如現れ、急速に社会に浸透していった(ような気のする)ゆっくりと呼ばれる謎の生物。 人間の生首が膨張したような容姿のそいつらは饅頭のクセに生きていたり、どこから来たのは全く不明だったりとあまりに謎が多すぎるゆっくり達。 が、目新しいものや珍しいものを好む人々はその「ゆっくりしていってね!」とか「ゆーっ!」などと珍妙な鳴き声をあげる未知の存在をあっさりと受け入れた。 そして俺はそんな不思議に満ちた生命体の研究や飼育用の商品の開発に携わっている“ゆっくりカンパニー”のしがない一社員だ。 今日はある町の住民の知らせを受けて町の近くの山に分け入って、野生のゆっくりの駆除に向かった。 もっとも、厳密に言うと駆除というよりも間引きに近いのかもしれないが。 装備は標準的な登山グッズとゆっくりに取り付ける発信機兼集音マイクが5つ。 加えてゆっくりを眠らせるための睡眠薬入りの飴玉が50個ほど。それとちょいと大きめの饅頭がゴミ袋の中に入れられている。 「先ぱぁい、なんでこんなクソ暑い中、野生のゆっくり探しなんて・・・「仕事だからだ!」 「あと、男が「ぱぁい」とか使うな、気持ち悪い!それが許されるのは可愛らしい女の子と我らが紫社長だけだ」 不勉強な後輩の研修も兼ねて、男2人でゆっくりが住んでいると言われる山を登っていく。 もっとも、ゆっくり学はまだ始まったばかりの学問で認知度は低いし、ゆっくりカンパニーの社員の8割は美人社長目当てなので野生種の保護の必要性が理解できなくても仕方ない。 だから不勉強を咎めるつもりはないが、近隣住民から集めた目撃情報をもとにゆっくり達の出没箇所をマークした地図と睨めっこしながら俺はため息をついた。 咎めるつもりはなくてもいちいち説明するのを煩わしいと思ってしまうのはどうしようもない。 「はあ、仕方ない・・・ゆっくりはな一定数以上になると何故か突然増長するんだよ。で、人間の町に下りて来る」 「で、ゆっくりによる被害がでるんですね?」 「そうだ、ゆっくりの死体が転がって町が汚れる。だからこういう知らせを受けたときにはゆっくりを保護するんだよ」 「保護?ゆっくりンピースにでも預けるんですか?」 「馬鹿言え。餡子が新鮮な赤ゆっくりは持ち帰る。にんっしんゆっくりも研究用に持ち帰る。特殊な個体は持ち帰る。他の連中は必要なら速殺す」 「速殺す?」 「・・・お前、ちょっとは自分で勉強しろよな。・・・・・・っと、ゆっくり発見」 その言葉を合図に、俺と後輩は身を低くして草むらの中に隠れた。 俺達の前を通り過ぎるゆっくりの一団の数は4匹。内訳はまりさ、れいむ、ありす、ぱちゅりーとなっている。 全員が比較的多量の食料を咥えており、またみんな満面の笑みを浮かべていた。 「ねえ、まりさ!むれもだいぶおおきくなったね!」 「むきゅ!これもまりさのかりすまのおかげよ!」 「ゆ!あたりまえだぜ!」 「でも、そろそろあのおうちじゃせまくなってきたわよ!もっととかいはなおうちをみつけないと!」 赤ん坊はピンポン玉、子どもは野球のボール、成体はバレーボールサイズが一般的だ。この4匹は全員バレーボールサイズ、つまり成体である。 その一団が目の前を通り過ぎていったのを確認すると、木陰に隠れながら追跡を開始した。 「追うぞ」 「りょーかい。しかしあの饅頭鈍くさいっすねぇ・・・」 「まあ、時速900mだからな・・・」 大抵の生き物の歩行は一歩目のエネルギーの何割かを二歩目に利用するが、ゆっくりの場合一部の種を除いてそれを一切しない。 そのせいで恐ろしく無駄と負担が多いのだ。余談だが、這って移動する場合は時速200mというカタツムリ級の鈍足だ。いや、体の大きさを考えるとそれ以下か。 が、そんなことを愚痴っても仕方がないので、それ以上は何も言わずに淡々と4匹を追いかけていった。 その4匹を追いかけていった先にはゆっくりの集落があった。 さっきの4匹を除くと、目に付く限りでは赤ん坊が9匹、子どもが10匹、成体が11匹の計30匹。 そして、成体のうち4匹が植物型のにんっしんをしていた。 植物型出産はにんっしんから僅か3日で出産を向かえ、生まれる子どもの数は1回につき大体10匹前後。 あれら全てが生まれればこの群れの人口は50匹を軽く超える。そうなれば変な自信をつけて人里に下りてくる可能性が十分にあった。 「先輩、あいつら集まって何してるんですかね?」 「聞いてりゃ分かる。少し静かにしてろ」 出来の悪い後輩を睨みながらも、俺はゆっくり達の言葉に耳を傾ける。 群れの中心にいるのはさっきの4匹。その中でもリーダーはまりさのようだ。 「むきゅ、みんなゆっくりはなしをきいてね!」 4匹を取り囲んで、がやがやと騒がしくしていた群れのメンバーがぱちゅりーの鶴の一声で静まり返った。 そして、その静寂の中、まりさが(ゆっくりにしては)重々しく口を開く。 「みんな!いまにんっしんしているこがうまれたらここではたべものをあつめきれなくなっちゃうよ!」 いまいちことの深刻さを理解できていない赤ゆっくりは「ゆぅ?」と首をかしげているが、他のゆっくりたちは固唾を呑んでまりさを見つめる。 「だから、あかちゃんたちがうまれたらにんげんのまちをゆっくりぷれいすにするよ!」 「「「みんなふあんかもしれないけど、これだけのなかまがいればだいじょうぶだよ!」」」 「「「「「「「にんげんのまちならもっとゆっくりできるね!!!」」」」」」 恐るべき集団心理。もしくは無知の幸福とでも言うべきか? まりさの宣言を聞いたゆっくりたちはにわかに活気付き、口々に人間の町を手に入れた後のことを話し始めた。 「あんな事言ってますよ?」 「仕方ないさ。野生のゆっくりには人間もいちいち干渉しないし、不味いから他の生き物に食われることも少ない」 「ああ、要するに怖いもの知らずなんですね」 まりさたちの言葉に苦笑する俺と後輩。しかし、この群れが人里に出ようと考える規模になっているならさっさと用事を済ませなければならない。 俺は段取りを考えてから、リュックに入れておいた睡眠薬入りの飴玉を取り出し、後輩にも目配せで自分に続くように促した。 「そういうことだ。それよりも・・・さっさと済ませるぞ」 「りょーかい」 指示と同時に、円陣を組んでいる群れの中に50個の飴玉を景気良くいっぺんに放り投げた。 「ゆ!なにこれ!?」 「いだい!いだいよ!」 「ゆっきゅりーーー!!」 「いったいなんなんだぜ!?」 「むきゅうーーー!!」 突然の飴の雨に群れは瞬く間に混乱に陥った。 ゆっくりの脆い体にとって飴は相当の硬さを誇るもの。 それらが50個もいっせいに降り注げば当たって怪我するものだっているし、考えなしに飛び跳ねて踏んで転ぶものもいるだろう。 が、群れの中に1匹だけ飴を知っているものが居たらしい。 「ゆゆっ!これはあめだわ!あまくておいしいとかいはなものよ!」 その一言で場の混乱が恐怖から食欲によるものにすり替わった。 「あまいのはぜんぶまりさのものだぜ!」 「ゆー!ゆー!」 「でいぶもあばいのほぢいよおおお!!」 「むきゅー!あまいものはかしこいぱちゅりーのものよ!」 全員の頭数より飴のほうが多いにもかかわらず群れは言い争いを始めてしまった。 さっきまでの結束力は一体なんだったんだか。 「ゆ!ゆっくりしていってね!!!!」 「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!!!」」」」」」」」」」」 そんな混乱のさなかに響き渡ったのはリーダーまりさの怒声。 本能に刷り込まれたその言葉は一瞬ながらも間違いなく全員の興奮と熱狂を鎮めた。 「みんな!いまはけんかしてるばあいじゃないでしょ!」 「「「そうだよ!まりさのいうとおりだよ!」」」 まりさと、それに続く参謀格のゆっくり達の叱責。 実は混乱の火付け役になったのは参謀格のありすだったりするのだが、そんな事は誰も気にしていない。 「みんな、あめはひとりひとつずつだよ!わかったね!」 有無を言わさぬリーダーまりさの剣幕によって、ゆっくりたちは完全に冷静さを取り戻した。 ・・・しかし、誰も飴が降ってきたことに疑問を持たないのはさすが餡子脳と言ったところ。 「む~しゃむ~しゃ、しあわ・・・ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「早っ!?」 「突っ込むな。起きたらどうするんだよ?」 睡眠薬入りの飴を食べたゆっくりたちはあっという間に眠りについた。 しかも、まりさが音頭をとっていっせいに食べたためものの見事に全員が一斉に。 「で、先輩。結局何を回収するんですか?」 「ゆっくりの頭の茎とにんっしんゆっくり。それと・・・リーダーまりさもだ。それが済んだら参謀3匹と適当な大人に発信機をつける」 「りょーかい」 後輩はポケットからナイフを取り出すと、茎を生やしている1匹のれいむに近づき、少しだけ茎の根元の皮を抉った。 茎にはようやく種族の区別がつくようになってきた赤ちゃんが12匹ほど成っている。どうやらパートナーはぱちゅりーだったらしい。 まだ成体になり立てと思しき若い母は幸せそうに「あかちゃ~ん」などと寝言で呟いている。 その言葉にしかめっ面をしながらも後輩は茎をきれいに引き抜くと、ゴミ袋の中の饅頭にそれを突っ込んだ。 「あんまり気分の良い仕事じゃないっすね・・・」 「仕方ないさ。本当はもっと頭数を減らしたいところなんだが、それをしないのが俺たちが出来る最大限の譲歩だろ?」 そう言いながら、俺はゆっくり達も気付いていない初期段階にんっしんのゆっくりを3匹ほどゴミ袋の中に放り込んだ。 「ん~、先輩って案外ドライなんですね」 「仕事だからな」 後輩の無駄話に付き合いながらもリーダーまりさを回収する。って、こいつも何気ににんっしんしてるじゃないか。 「ふ~ん・・・でも、先輩ゆっくり飼ってませんでしたっけ?」 「こいつらは俺のペットじゃないし、そもそもそれとこれとは話が別だろ?」 それから、参謀格の3匹と、比較的大きな成体の頭の飾りに発信機を装着した。 「よし、作業完了。ちょっと様子を見てからずらかるぞ」 「・・・ずらかるって、なんか悪党みたいっすよ?」 律儀に突っ込んできた後輩にローキックを入れつつ、ゴミ袋に放り込んだゆっくりの口に散乱していた飴を放り込んでから再びさっきの木陰に隠れた。 「ゆ!みんな、おはよう!ゆっくりしていってね!」 一番最初に目を覚ましたのは参謀格のれいむ。 「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!!」」」」」」」 その言葉に反応して他のゆっくり達もいっせいに目を覚ました。 「「ゆゆっ!まりさがいないよ!」」 「「「ゆっきゅち~・・・!」」」 「ゆぅうううう~・・・おか~しゃん、どこ~?!」 「おねーちゃん!あかちゃんたちが!?」 「ゆ?ゆゆゆっ!?でいぶのあがぢゃんがあああああああああ!!」 目を覚ましたゆっくり達を待ち受けていたのはリーダーや仲間と可愛い赤ちゃん達の失踪だった。 そして、その場にいる全員が好き勝手に各々の大事なものを探し始める。 全くの無秩序。ぱちゅりーが必死に「むきゅ!みんな、まずはだれがいないかかくにんよ!」と真っ当なことを言っているが、誰の耳にも届いていない。 しかも、他の参謀格2匹さえも他のゆっくりに混ざって必死にまりさを探している始末だ。 「まりさああああ!どごなのおおおお!」 「おがーぢゃあああああああああん!」 「「「「ゆっきゅち~!」」」」 「まりざのあがっぢゃんがあああああああああああ!!」 群れが混乱しきっている様子を見届けると、俺たちは足早にその場を後にした。 上司に報告を済ませた俺はさっさと自分の担当する実験に取り掛かる。 今回の実験は植物型と胎生型の出産に関するもので、ゆっくりにとって有害なものを検証するために行われるそうだ。 実験方法は至って簡単。茎を挿した饅頭に無駄に強力な農薬を大量に混入したり、栄養が届きにくいように茎を傷つけたり、水分や糖分を異様に多くしたりする。 もしくは母体に定期的に肉体的または精神的苦痛を与えてストレスを加えたり、毒も同然のものを食べさせたり、栄養を過剰摂取させたりする。 今回の実験に使用するゆっくりは先ほど回収した茎4本とにんっしんゆっくり4匹だ。それぞれにA~Dのアルファベットをつける。 茎Aは非常に整った環境で、非常にバランスの良い栄養配分の饅頭に挿した。 そして、この茎からは当然のように非常に健康的な赤ちゃんが生まれた。 れいむ種6匹とぱちゅりー種5匹。不運にもぱちゅりー種が1匹だけ死産してしまったが、それ以外はみんな非常に元気な、ゆっくり風に言うならばゆっくりした赤ちゃんだ。 俺がその赤ちゃんの入っているケージの蓋を開いて様子を伺うと、その気配に気付いた1匹のれいむが満面の笑みを浮かべた。 「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」 「「「「「「「「「「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」」」」」」」」」」 「ああ、ゆっくりしていくよ」 そんな赤ん坊達のケージの中にゆっくりカンパニー製ベビー用ゆっくりフードを入れてから蓋を閉じた。 「11匹か。それだけいりゃ次の実験の経費が節約できるな」 俺の傍らで、同僚がそんなことを呟くのが聞こえたが、無視して、中の赤ん坊達の様子を伺う。 「ゆ~・・・」 「ゆゆゆ~」 「ゆぅ!」 体の弱いぱちゅりーはみんな大人しくしていた。 ひとりお昼寝をするものもいれば、仲間同士で話しをするものもいた。 「「ゆっきゅちー!」」 「ゆっ!ゆっ!」 一方のれいむ達は元気に跳ね回りあるものは仲間とじゃれあい、あるものは仲良く歌を歌っている。 仲間と一緒にいることが当然になる前に別のケージに移すのが実験用ゆっくりの扱いのセオリーだ。 しかし、孤独にどう向き合うかを研究するのなら、こいつらはもう少しだけみんなで一緒に居させても良いんじゃないだろうか? 茎Bは一部を抉ってから包帯で固定して再生しないようにした状態で饅頭に挿した。 この茎からは意外なことに面白い結果が出た。 健康な個体は3匹で、その内訳はまりさ2匹にありすが1匹。未熟児が4匹は双方が2匹ずつ。そして個体識別不可能なものが2匹。 ここまでは予想通りの結果だった。全員の栄養が不足するのか、栄養が一部の個体に偏るのか・・・予想されていた結果通りのものだったといえる。 未熟児は殆ど喋らないし動かない。個体識別不能なものはすぐに死んだ。しかし、面白いのは健康な個体の行動だ。 ケージの蓋を開けて餌をばら撒いてやると、未熟児として産まれたもののために餌を噛み千切って口移しで与えてやっていた。 「ゆ、ゆっきゅちー!」 「ゅぅ・・・ゅぅ・・・」 未熟児サイズのゆっくりは非常に小さくビー玉ほどの大きさしかないため、ベビー用のゆっくりフードでさえ食べられないのだ。 しかし、生まれたてのゆっくりに自分より弱い個体を助けるなんて概念があるとは思わなかった。 とは言え、餌を与える側も所詮は赤ん坊。しかも、未熟児よりも頭数が少ないのだ。 やがてまりさ種の1匹が未熟児のために餌を千切ってあげるのを放棄し、もう1匹のまりさもそれに追従した。 「ゆ!ゆぅぅ~・・・」 「「ゅぅ・・・」」 「「ゅ・・・ゅゅ・・・」」 それでもしばらくはありす種が1匹で世話を続けていたが、やがて弱っている個体を切り捨て、最後にはありすも未熟児の世話を放棄した。 茎Cは大量の農薬を混入した饅頭に挿した。 子供が産まれたその日、ケージの中は魔境と化していた。そこに居たのは9匹の異形。 あるれいむは足が半透明のゲル上になってしまっていた。これでは歩くこともままならない。 あるまりさは目が顔の中心に1つしかなかった。そして、その目は何も映さなかった。 あるまりさは口がなかった。成長を見守るためにチューブをつないで生きながらえさせたが、野生ならばすでに死んでいただろう。 あるまりさは「ゆっくり」と言うことができなかった。口を開けば「qs、dんぢmgy、、wddg」と聞き取ることの出来ない訳の分からない音声を発するだけだった。 あるれいむは目が顔の横についていた。正面から見ればのっぺらぼうのその子は正面を視野に納めることが出来ないのでまっすぐ歩くことが出来なかった。 あるれいむは背中にも顔がついていた。だからと言って何があるわけでもないが実に不気味だった。 あるまりさは体が柔らか過ぎて大福としての形を保てなかった。まるで子供のころに作ったスライムのようだ。 あるれいむは体が異様に硬かった。そのせいで歩くことはおろか体を上下させることもままならず、口も殆ど動かなかった。 あるれいむは口が異常に大きかった。そして口以外のものがなかった。口だけの饅頭が狂ったように「ゆっくり」を連呼していた。 目の見えるものは他の姉妹の姿に怯えていた。でも、自分も似たようなものだと言うことには気付こうとしない。 「ゆ!ゆっきゅちー!ゆー!」 「ゆっきゅり!ゆっきゅり!ゆっきゅり!ゆっきゅり!」 顔2つの赤れいむが狂ったように口だけのれいむに体当たりをしている。 きっと、その化け物を追い払おうとしているのだろう。でも、傍目にはどっちも化け物だった。 どれもまともに育つ可能性があるとは思えないが、奇形の生存可能性を検証するのも研究になるだろうか、と思った。 茎Dは塩分を過剰に投入した饅頭に挿した。 産まれた子どもの大半は形はまともだった。そして、死産したのは4匹だけ。 10匹中6匹が何とか誕生したというこの結果には俺以外の研究員も驚きを隠せなかった。 もっとも、まともだったのは形だけだが。 まずゆっくりの形をした6つの饅頭は言語中枢が完全に狂ってしまっていたいた。 口を開けば聞こえてくるのは薄気味悪いノイズ。 「「「、。jsbん。、fdghrdmじdsんmdms」」」 「xcんm、。zx、smyんfjwめ、」 「「えgkdtcjrcldtr、いcvf」」 そして、1匹たりともゆっくりらしい心を持ったものが居なかった。 あるありすは生まれたてであるにも関わらず日長一日壁に体をこすり付けて自慰行為にふけっていた。 あるぱちゅりーは眠ることをせず、食事の時さえもずっと言葉にならない何かを発し続けていた。 あるありすはいつも何かに怯えてがたがたと震えていた。そして、近づいた姉妹を片っ端から攻撃していた。 あるぱちゅりーは何かにつけて姉妹を食べようと後ろから襲い掛かっては追い払われて、「むきゅ!」と悲鳴を上げていた。 あるありすは突然泣いたり、怒ったように頬を膨らましたり、酷く情緒不安定だった。 あるありすは自分のことをぱちゅりーだと信じ込んでいた。こんな狂った家族の中では誰も間違いを指摘してくれなかった。 俺は今度は糖分や水分だとどういう結果が得られのかも検証する必要があるな、と酷く覚めた目でその様子を眺めていた。 母体Aは広い部屋の中で普通の餌を食べながら生活してもらった。 産まれた3匹の子どもはどれもちゃんと子供サイズ近くまで大きくなっていて、みんな非常に元気だった。 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりちていってね!」」」 俺がケージを覗くと、母れいむは満面の笑みを浮かべて話しかけてきた。 「ねえ!みてよ、おにーさん!れいむのあかちゃんだよ!とってもゆっくりしたこだよ!」 「ああ、そうだな。ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりちていってね!」」」 あの日、回収したゆっくり達は「野犬に襲われているのを助けた。見つけたときには君だけだった」と言ったらそれを簡単に信じて、俺になついた。 「よし、それじゃあ、赤ちゃんたちにお兄さんから美味しいお菓子をあげよう!」 「ゆ!ほんとうに!」 「ああ、本当だよ。でも、ここじゃ食べられないから、ちょっとケージから出てもらうよ」 「「「ゆ~!ゆっくちたべるよ!」」」 そういって俺が赤ちゃんを連れて行くのを、母れいむはニコニコと微笑みながら見守っていた。 そして、このれいむが赤ちゃんと会うことは二度となかった。 母体Bは口の部分だけ開いている透明な箱の中で普通の餌を食べながら生活してもらった。 この母ぱちゅりーの子どもは1匹しか生まれなかったが2匹生まれたとも言える状態だった。 いわゆるシャム双生児のようなものだろうか。その赤ちゃんは体と口の横幅が異様に大きく、目が3つあった。 そして、髪の毛は真ん中の目を境に右側がまりさ種のもので左側がぱちゅりー種のものになっていた。 「「ゆっくりしていってね!」」 2つの種の声が同時に聞こえてくる。声帯も少しおかしなことになっているのだろう。 それは、箱によって圧迫され、赤ちゃんがそれ以上大きくなる余地が残されていなかったために起きたものだった。 「やあ、ぱちゅりー。赤ちゃんはどうしたんだい?」 出産時には箱から出さねばならないので、当然俺は出産に立ち会っている。 「むきゅ、おにーさん!ぱちぇのあかちゃんはまだぽんぽんのなかよ!」 そして、中にこれ以上赤ちゃんが居ないこともしっかり確認している。 しかし、ぱちゅりーは中にまだ赤ちゃんが居ると思っている。 それは体も心も弱いぱちゅりーにとって独りっきりになってしまった上に普通の赤ちゃんを産めなかった絶望から身を守るための手段だった。 そう、この奇形の赤ん坊は母親に見捨てられてしまったのだ。 ケージを閉じたところで、後輩が「そいつ、最近箱から出せって言いませんね?」と尋ねてきた。 「箱から出たら気味の悪い赤ちゃんに触られるかもしれないからだろ?」 とりあえず、苦笑交じりにそう返しておいた。 母体Cは遠隔発火のライターを内蔵し、定期的に痛い目にあってもらった。 唐突の訪れる痛みにいつも怯え続けて眠ることもままならなかった元リーダーまりさも子どもは、全員異様に小さかった。 「「「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」」」 「ゆっくりしていってね!」 茎から生まれるタイプと大差ない大きさながら元気いっぱいに鳴く赤ちゃんたちに疲れきった表情で微笑むまりさ。 とは言え、全員これと言った異常もなく出産できたことを考えるとゆっくりはストレスに強いと見てよさそうだ。 多分、餡子脳だからだろう。 「ゆ~!」 「ゆっ!ゆっ!」 「ゆ~ゆ~ゆ~♪」 ケージの蓋を開けて、子どもたちが遊んでいる姿を眺めているまりさに話しかける。 「やあ、まりさ」 「ゆ!おにーさん!」 「とってもゆっくりした子だね!」 俺のその言葉を聞くと、まりさは少しだけ踏ん反りかえって、嬉しそうに笑う。 「まりさ、がんばったよ!」 「そうか。お疲れ様」 「おにーさん、ありがとう!」 その言葉に少し良心が痛んだが、すぐに思考を仕事優先に切り替える。 「まりさの子どもに美味しいお菓子をあげたいんだけど、ここじゃ食べられないんだ。だから少しだけ連れて行って良いかな?」 「ゆ!おにーさんならいいよ!でも、すぐにつれてかえってきてね!」 「分かってるよ。さ、おちびちゃんたち?おにーさんと一緒にゆっくりお菓子を食べに行こうか」 母親同様に俺のことを信頼しきっている赤ん坊たちは、何の疑いもなく手の上に乗ってきた。 「悪いけどまりさの分はないから、ここでゆっくり待っててくれ?」 「ゆゆっ!わかったよ!ゆっくりまってるよ!」 そうして、この元リーダーまりさは永遠にゆっくりと赤ちゃんの帰還を待ち続けた。 母体Dは廃油や産廃同然のものを餌にして生活してもらった。 しかし、茎Cと全く変わらない結果にうんざりさせられるだけだった。 予想通りの上に、頭数が少なく新鮮味もないこの結果を記録する気にもなれなかった。 ---あとがき--- スレに書き込めねえよ、ちくせう。 奇形を産ませておいてつまらない結果にうんざりってのは虐待お兄さん以上にアレだと思う。 普段は基本的に優しくても仕事のときは一片の慈悲もなし。まさに、冷徹お兄さんですよ。 そんなこんなで、現代ゆっくりシリーズの3作目です。 野良ゆっくりとその末路の一部を書いたつもりですが・・・あー、文章力が欲しいorz byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1468.html
「よし、理解した」 俺は虐待お兄さん、その中でも特に調査と分析を重んじるとても知的なお兄さんだ。 ここ数年、沢山のゆっくりどもを毎日毎日ブチ殺してきて理解した事がある。 あいつらが悪意を表にするのは集団のときだけで、一匹で居るときはさほど酷い事をやらないのだ。 ゆっくりによるゆっくりいじめもそう。集団での村への攻撃もそう。やつらは群れると悪意が濃くなっていく。 一匹だけだとせいぜい素の傲慢さで態度が大きい程度で、畑荒らしすら怯えて行わないのだ。 人間の家に侵入する割合もかなり低くなる。人に見つかっても逃げようとする固体が大半だ。 その事に気付いたからには調査開始だ。まず森でゆっくりれいむの家族を発見、捕獲する事にした。 かなりの数が居るな・・・ついさっき出産したばかりの母親と父親、お姉さん8匹に妹12匹、赤ちゃん20匹ってとこか。 「ゆっ!おにいさんゆっくりできるひと?」 「ごめん、今急いでるんだ」ポイッ 「何するのおおおお!!れいむの赤ちゃ」ポイッ 「ゆっくりできないお兄さんはゆっくりし」ポイッ ゆっくりどもを適当にあしらいつつ、背中の籠に放り込んでいく。 この籠はこの時の為に俺が自作した特性のゆっくり籠だ。 入り口には返しがついてるから入るときはスムーズなのに出すのは外部からバラさないと出られないんだ。 我ながらなんという便利な籠。文明の利器には感謝するべきだと常々思う。 「ゆ゛ぐう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!ぢゅぶれ゛る゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 「れ゛い゛む゛の゛あ゛がぢゃん゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 唯一欠点を挙げるとすると、構造の欠陥から大量に入れると内圧で大変な事になるらしい。 まぁ、そんなのゆっくりハントじゃまったく無意味だから気にしないけどね。なんでもかんでも悪いところを探して叩くのは不毛だ。 とりあえず巣に居るゆっくりどもを全部捕まえると、俺は家の実験室に帰る事にした。 俺の家まではここからだと10kmくらいか。岩場も多いけど気をつけて走って帰るとしよう。 「「「「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ぐあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」」」」 俺が跳ねる度に声がする。まぁ、いい熊避けになるだろう。 やっべ虐待お兄さんの血が騒ぐ!スキップとかもしちゃうぞーw 「「「「や゛あ゛あ゛あ゛あ゛め゛え゛え゛え゛え゛え゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」」」」 「ははは、ゆかいだ。はははははは!!!!!」 俺はゆっくり達の悲鳴をBGMにくるくると踊り跳ねながら5時間くらいかけて家に帰った。楽しいんだからちょっとくらい遊んでもいいよね。 年甲斐もなくはしゃいだので明日は確実に筋肉痛だろう。やれやれ。 「「「「ゆ……ゆっぐり…ざぜでぇ……」」」」 「ほら、お前らでておいでー」 蓋を外した籠をひっくり返して床に立てる。ここからがコツが居るんだ。 籠の底にある一本のピンを倒すと、底から空気が入って簡単に中身が出てくるらしいんだ。 ポキッ……シュー……べちょっ。 「「「「ゆぐうっ!」」」」 よし抜けた。あとは引っ張るだけだ。ここで垂直に持ち上げられないと中のゆっくりが崩れてしまう事がよくあるらしい。 ズズズ……ポンッ ぷるんっ 無事ゆっくりが取り出された。元々赤ちゃんから入れていったから上の方には餡子を吐きつつピクピクしてる赤ちゃんれいむ数匹が張り付いてる。 あ、ゆっくりの吐いた餡子が上から垂れてきた、これじゃまるでれみりゃの好物じゃないかw まぁ、捕獲するのが目的なので一回バラさないとな。しばらく養生すれば元に戻るだろう。ゆっくりだし。 そう思い、台所からスプーンを持ってきた。え?他になんかあるだろ? 他に使えそうな道具が無かったんだから仕方ない。バラすのに使える道具ならあるんだけど。 んじゃ、早速右端の赤ちゃんから外してやるか。 「「「「いだい!!ゆっぐりやめてね!!!」」」」 全てのれいむがいっせいに抗議の声を上げる。 ………あれ? もしやと思い、別のゆっくりの間にスプーンを入れていく。 他のゆっくりに負担がかからないように……そーっと…… 「「「「やめてっていってるでしょ!!おにいさんはひどいひとだね!!!!」」」」 結論:こいつら融合しちゃってるーーーー!!!!!! 少なくとも、感覚は共有してるらしい。どんなふうに融合しているのか気になるな…… 俺は桶に水を汲むと、こいつらにぶっ掛けた。 「「「「すっきりー!!」」」」 上にかかっていた餡子を流して気付いた事が有る。 1、表面上は完全に再生していた。赤ちゃんれいむもどうやら元気なようだ。 2、接着面は完全に結合してる。引っ張ると痛がるみたいだ。 3、この状態でも動く事は可能らしい。下になってるゆっくりがプルプル跳ねてた。 なんだこれ……… とりあえず次のステップに移りたいと思う。俺は赤ちゃんれいむを掴んで勢いよくひっぱった! ブチッ! 「「「「いだいよおにいざん!!やめでえええ!!」」」」 結構余裕あるな、こいつら。ところで外した赤ちゃんれいむは……… 「ゆゆ……ゆっくりちていってね!!」 うお!個別の意思を持った!?どうなってんだこれ!? とりあえず、手の中の赤れいむに現状を見せてみるか。何かわかるかもしれない。 「おーい、赤ちゃんれいむー」 「ゆゆ?おにいちゃんゆっくちできるしと?」 「これなーんだ」 そう言って手の中の赤れいむをゆっくりの集合体に向ける。 「ゆぐううう!!!れいむのばげものおおお!!!どっがいっでぇええええええ!!!!」 「「「「ゆゆっ!!ひどいよ!!あかちゃん、おかあさんれいむだよ!!!ゆっくりしてね!!!!」」」」 あー…………なるほどね。コアはおかあさんれいむか。 で、赤ちゃんはそう認識できないと。 しかし…これは俺の手にはおえんなぁ…… 「赤ちゃん、これはご飯だからゆっくり食べてね!!ほら、おいしいよ!!」 「わかった!!ゆっくりたべるよ!!むーしゃむーしゃ!!しあわせー!!」 「「「「どう゛じでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!」」」」 おー、食ってる食ってる。必死に逃げようとはしてるみたいだけど体の使い方がわからなくて抵抗できないみたいだな。 これなら当分は大丈夫だろう。 俺は研究所に鍵をかけて一週間ほど放置した。 一週間後に残ってた一匹のれいむはげんのうで叩いて上げた。 「ゆぴゅっ!!」 これが最後の言葉だった。 後に加工所の人に聞いたことだが、ゆっくり同士の癒着事故は稀によくあるらしく、 その中でも出産間近~子供を産んだばかりの頃のお母さんれいむが居ると意識が全員統合されるらしい。 出産前の段階で子供が暴れないように体がそういう処理をしているらしいが、まだメカニズムはよくわかっていないようだ。 今回の件で俺が理解した事が一つだけある。 「ゆっくりは一匹でも親族を食い殺す害悪だ!!俺は間違っていた!!」 より真理に近づいた俺は虐待お兄さん、その中でも特に調査と分析を重んじるとても知的なお兄さんだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ドスまりさへの復讐(中篇)書くはずが気がついたらこんなのになってたよ!! しかも元々は21スレ890番の証明をするはずだったのに………なんだこれ。 ゆっくり現実逃避した結果がこれだよ!! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1867.html
種付けゆっくり・前編 ある山のふもとに大きな村があった。その村の人々は主に農業により生計を立てていた。 しかし近年山のゆっくりが増え、村の畑を荒らしに来ることが多くなった。 村の人々はあらゆる手段を用いたが、ゆっくり達の数が多いために思うように行かなかった。 今日も村恒例のゆっくり対策会議が行われた。 畑を荒らしに来るゆっくりの対策を練るのであるが、今回は少し普段と違う。 最近村に越してきた虐殺お兄さんも会議に加わっているのである。 「今までこの村では様々な手段を講じてきたが、どれも良い成果はでなかった。 畑に罠を仕掛けるのは当然として、ゆっくりを駆除する山狩り等も行った。 それでも奴らは減らない。今の時期はともかく冬前までには駆除したい。何か良い方法はないものだろうか?」 村長はそう尋ねた。 「この村は森に囲まれていて、地の利はゆっくり達にあります。普通に罠を仕掛ける等ではうまくは行きません。 山狩りを行うにしても、ゆっくり達が散らばって逃げてしまえばそれまでです。」 村の人々も分かってはいたが、そこを指摘されて皆渋い表情をしていた。 「しかし」 お兄さんは続けた。 「手が無い訳ではありません。」 皆がどよめいた。 「この辺りのゆっくりを普通に駆除するのは非常に厳しいです。全滅させるとなると不可能です。」 村の人々は 「ではどうすれば良いんだ?このまま放っておけとでも言うのか!?」 お兄さんはさらに続けた。 「減らせないなら逆に増やせば良いんです。つまりゆっくり達を繁殖させるんです。」 その場に居た全員が顔を顰めた。 お兄さんは気にせず話を続けた。 「例えば成体ゆっくりが100匹いたとしましょう。100匹がそれぞれつがいになった場合 にんっしんするゆっくりは50匹になります。 残りの半分はにんっしんしたゆっくりの世話を行います。それがゆっくりの繁殖の基本です。 では残りの50匹もにんっしんしたらどうでしょう?」 皆ははっとした。 「世話役のゆっくりが居なくなるので子供が無事生まれる確率が極端に下がりますし、 にんっしんしたゆっくりも無事に過ごせる確率が下がります。」 「理論上はそうなるだろうが、どうやって全てのゆっくりをにんっしんさせるんだ? ゆっくりありすを使えば出来なくは無いだろうが、この辺りには殆ど生息してないぞ。」 「それについては良い方法があります。適当なゆっくりが3匹も居れば十分です。 あとは加工所に協力をしてもらえば大丈夫です。」 「ではどんな手を使うのだ?」 「ゆっくりを改造して野に放つだけです。 ゆっくりは敵意のないほかのゆっくりに対して、頬を擦り合うという習性があります。人間で言う握手の様なものです。 改造ゆっくりはその際に相手のゆっくりに精子餡を染み込ませます。 交尾とは違い精子餡が体内に到達するのに2日弱掛かりますが、確実ににんっしんさせます。 また、改造ゆっくりと頬擦りしたゆっくりも、改造ゆっくりと同じ性質を持つようになります。 ちなみにこの性質に変化する時間は、頬擦り後5~10秒程度ですので、群れ全てに広がるのには時間は掛かりません。 また、にんっしんまでの時間は2日弱ですが、にんっしんさえしてしまえばその後は早いです。 加工所仕様のゆっくりの様に、子供の量も孵化までのスピードも通常の3倍以上となります。 植物型であれば20匹程度、動物型であれば8匹程度の子供が急速に成長します。 大半が子供の成長に母体が耐えられずに死んでしまいます。 仮に耐えられて子供が孵化できても、孵化直後に改造ゆっくり化した親ゆっくりに触れてしまう為、 1~2日後に蔦を生やして黒ずんで死にます。そのショックで親ゆっくりも死んでしまうかにんっしん不能になります。 大体1週間もあれば山のゆっくりの大半が死滅します。」 村の人々は信じられないと言う顔をしているが、他に良い案もない為お兄さんの案を採用した。 「ではその案で行こう。今すぐにでも取り掛かれるのかね?」 「加工所にはこれから私が出向いて必要な機材を借りてきます。ゆっくりの調達はゆっくり達が寝静まった頃に行いましょう。 ゆっくりが寝ている内に処置をして、夜の内に巣に戻しますのでその時は協力お願いします。」 具体的な内容も全て決まった為、ゆっくり対策会議はそれで終了した。 その後お兄さんは加工所に行き必要な機材を用意した。 そしてその日の夜に村人2人を連れてゆっくりの生息地へと向かった。 生息地に着いた3人は早速ゆっくり達の巣を探した。 巣は程なく見つかった。その中でつがいになっていないものを探した。 つがいでないゆっくりの方が、他のゆっくりと接する機会が多い為である。 最終的にまりさ種とれいむ種の成体ゆっくりを2匹ずつと、それぞれ別の巣の子ゆっくり2匹の計6匹を持ち帰る事にした。 それらのゆっくりに麻酔を打ち、絶対に起きない状態にしてお兄さんの家に持ち帰った。 お兄さんは早速処置に取り掛かった。また、手伝いの2人も処置を手伝う事になった。 処置自体は割と簡単な作業だった。3種類の妙な色の液体を注射した後、機械でゆっくりを1分間振動させ、 薬液に2分程浸し、ゆっくり用乾燥機で乾かした後に小麦粉と薬を混ぜた粉をつけて傷付けない様に揉む。 10分程して表面がほん少しだけ湿ってくれば完了である。 処置が終わったゆっくりを巣に戻しに行く。時々ゆっ、ゆっ、と声が漏れるが、麻酔の為起きる様子は無い。 巣にゆっくりを戻し、巣のカモフラージュ等も元通りにした後、村に戻り、それぞれ家に帰る。 あとは数日後に出る結果を待つだけである。お兄さんは今から楽しみでしょうがない。 「「「「全滅まで何日掛かるかワクワクするぜぇえぇぇ!!今からテンションあがってきたぁああぁぁぁああ!!! フォォォォオォォォ!!!!!」」」」 お兄さんの夜はまだ長い・・・。 続く このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/435.html
~ゆっくりパチュリーの生涯~ 「むきゅうぅぅぅ・・・」 木の洞(うろ)の中から弱々しい声が聞こえてくる。 声の主はゆっくりパチュリーだ。今にもその命の灯が消えようとしていた。 ゆっくり種というのは頭は悪いが、生命力だけはあるというのが特徴である。 しかし、ゆっくりパチュリー種だけは違う。とても体が弱いのである。 生まれたときから喘息(ぜんそく)を患っているため、満足に獲物(昆虫など)を追いかけることが出来ない。 また、木の実などを食べていると、ゆっくり魔理沙や霊夢がどこからともなくやってきて、 「さっさとどいてね!」 「私達がゆっくりするよ!」 と体当たりされ、 「むきゅうー!」 と泣きながら転がっていく。もちろん食べ物は横取りされてしまう。 こうして食べる物は辺りに生えている雑草くらいしか無くなってしまうのである。 このようなことは野生のゆっくりパチュリー種において珍しいことではなく、栄養不足によって死んでしまう ことはよくあることであった。 「むきゅぅ・・・」 先ほどよりもさらに弱々しい声を上げるゆっくりパチュリー。もう動くだけの体力は残っていない。 薄れゆく意識の中、足音のようなものが聞こえた気がした。 「むきゅ?」 見知ぬ一室のふかふかなベッドの上でゆっくりパチュリーは目を覚ました。 周囲を見回す。窓とドアが一つずつ、とても清潔な感じの部屋だった。 キョロキョロとしているとドアが開き金髪の女性が部屋へ入ってきた。 「むきゅ!」 警戒するゆっくりパチュリー。野生のゆっくりパチュリーはとても警戒心が強く、人里の畑などを荒らすゆっ くり霊夢や魔理沙と違い、人間の前にはめったに姿を見せないのであった。 「あらあら、そんなに警戒しなくていいわよ。あなたを治療したのは私なのよ?」 そう言うと金髪の女性はゆっくりパチュリーの前に色とりどりのお菓子を置いた。 最初はむきゅーと警戒してお菓子を口にしようとしなかったが、空腹に耐えかねてすぐにお菓子に飛びついた。 「むきゅっ、むきゅっ、おいしいよおねえさん!」 いつも食料を横取りされていたゆっくりパチュリーにとってまさに天国だった。 置かれたお菓子を食べ終わるとゆっくりパチュリーはむきゅー!っと元気のよい声を上げた。 そして金髪の女性は話し出した。 「森を散歩していたら木の洞の中から弱々しい声が聞こえてきて覗いてみたらあなたが今にも死にそうだったの よ。急いで家までつれて帰って治療したってわけ。」 金髪の女性に言われ、ゆっくりパチュリーの脳裏にはあの時の状況がよみがえる。そして感じた死の恐怖を思 い出し、ガタガタ震え涙を流す。 「大丈夫よ、ここにいればゆっくりできるわ。」 「あ゛りがとおぉぉぉ、おね゛えさぁぁぁん。」 「私の名前はアリス・マーガトロイド、アリスでいいわ。今日はゆっくりと休みなさい。」 そう言うとアリスは部屋から出て行った。 お腹がいっぱいになったゆっくりパチュリーはゆっくりと眠りについた。 次の日、目を覚ますと目の前には笑顔のアリスが立っていた。 「おはよう、ゆっくりできたかしら?」 「むきゅー、ゆっくりできたよ!ありがとうありす!」 満面の笑みでお礼を言うゆっくりパチュリー。 「あなたにお饅頭を食べさせてあげようとしたんだけど失敗してばらばらになってしまったの。見た目は悪くて も味はいいはずよ。食べてもらえるかしら?」 「むきゅー!たべたい!たべたい!」 普段からまともな物を食べることが出来ないゆっくりパチュリーにとって見た目などどうでも良かった。 アリスは部屋から出ると餡子と皮がぐちゃぐちゃになった物を皿の上に乗せて戻ってきた。 普通の人間だったら口に運ぶのさえ敬遠する形状であったが、おかまいなしにむきゅーとばらばらになった饅 頭(?)に飛びつくゆっくりパチュリー。 「かわったあじだけどとってもおいしいよ!ありがと!」 食べながらアリスの顔を見てお礼を言うゆっくりパチュリー。アリスの笑顔が目を覚ました時見たものとは若 干異なっていた気がしたが目の前のばらばらの饅頭を食べるのに夢中ですぐに忘れた。 アリスの看病のおかげでゆっくりパチュリーはみるみると元気になっていった。 「そろそろお家に帰っても大丈夫そうね。」 アリスはゆっくりパチュリーを野生へ返そうとしていた。しかしゆっくりパチュリーはそれを聞くと震え、 「おうちいやだぁぁぁ!こわいよぉぉぉ!」 ついには泣き出してしまった。 「あらあらどうしたの?」 ゆっくりパチュリーは説明した。 おいしいそうな木の実や果物を見つけるとなぜかすぐにゆっくり魔理沙や霊夢が現れていつも横取りされてし まう。それでもなんとか生きていく分の食料は得ることができていた。そうあの時までは。 秋が終わりに近づきゆっくり種の中では頭の良いゆっくりパチュリーは巣に食料を蓄えていた。 冬は食べ物が少なくなり、こうしなければ体の弱い自分は生き残ることができないとわかっていたのだ。 そしてぎりぎり冬を越せるぐらいの食料を蓄えた数日後、事件は起こった。 いつものようにせっせと食料を集め巣に持って帰る(ほお袋に入れて)ゆっくりパチュリー。 「むきゅ~♪」 最近はゆっくり魔理沙や霊夢に邪魔されず順調に食料を蓄えることができてご機嫌である。 しかし巣に戻ると驚愕した。巣の中でゆっくり魔理沙と霊夢の2匹が自分が一生懸命集めた食料をむさぼって いた。 「むぎゅー!なにじでるの゛ー!」 普段はおとなしいゆっくりパチュリーであったが顔を真っ赤にして怒り、果敢にも2匹に体当たりをする。 しかし、 「おおこわいこわい。むぎゅー!だってさ。」 「いまはれいむとまりさがゆっくりしてるの!じゃましないでね!」 あえなく返り討ちにあうゆっくりパチュリー。目の前で自分の食料がどんどん減っていくのをただ見つめるこ としかできなかった。 「じゃあね!またくるよ!」 「ちゃんとたべものあつめておいてね!」 2匹が去り、巣に残ったのは集めた食料の残骸(2匹の食べ残しや食べかす)だけであった。 「むぎゅうぅぅぅ、むぎゅうぅぅぅ」 ゆっくりパチュリーはただ泣くことしかできなかった。 本格的な冬を迎え、食料を失ったゆっくりパチュリーはだんだんと衰弱していった。 「そう、そんなことがあったの。つらかったわね。」 そう言うとアリスはゆっくりパチュリーの頭をなでてあげた。 「それなら違うお家に引っ越してみない?私の家のすぐ近くの木にも大きめ洞があるわよ。何かあったら私が助 けてあげるわ。」 恐る恐るゆっくりパチュリーは聞いた。 「そこはゆっくりできるところ?」 「えぇゆっくりできるわよ。」 「むきゅー♪」 うれしそうに声を上げるゆっくりパチュリーであった。 「ここよ。」 ゆっくりパチュリーはアリスに案内され木の洞の前までやってきた。 「どう?気に入るといいのだけれど。」 ゆっくりと洞の中へ入っていくゆっくりパチュリー。入り口は小さかったが、中は以前自分が住んでいた洞の 2~3倍の広さはあった。ここなら十分ゆっくりできそうであった。 「きにいったよ!きょうからここがぱちぇのおうちだよ!」 「そう、よかったわ。今は冬で食べ物も少ないでしょうからプレゼントするわ。」 アリスの後ろを二匹の人形が大きな包みを抱え飛んでいた。アリスが指示すると二匹は洞の中へ入って行き、 包みの中身を中へ広げ戻ってきた。 「私が作った特別製のお菓子よ。痛みやすいから今日中に食べなさい。」 アリスはゆっくりパチュリーの前に洋菓子を置いた。 「そろそろお別れよ、さようなら。」 アリスは手を振りながらもと来た道を戻っていった。 「むきゅー、ありすありがと~」 飛び跳ねながらアリスを見送るゆっくりパチュリー。アリスがくれたお菓子を食べると巣の中へ入っていった。 目の前に山いっぱいの食料が広がっていた。以前の巣で冬越し用に蓄えた食料の量をゆうに超えていた。 さっそく食べようとしたが、急に眠気がおそってきて意識はまどろみの中へ消えていった。 次の日、ゆっくりパチュリーはなぜか巣の外で目を覚ました。しかも体にいくつか傷を負っていた。 巣の方からはなにやら音が聞こえてくる。急いで巣に戻ると言葉を失った。 ゆっくり霊夢、魔理沙さらにアリスまでもが自分の食料をむさぼっていた。 「む゛、む゛、む゛ぎゅー!」 ゆっくりパチュリーの声を聞いて3匹が振り返る。 「またむぎゅー!だってさ、こわいこわい。」 「やくそくどおりまたきたよ!」 「こんなぜいたくなたべものはいなかもののぱちぇにはもったいないわ。とかいはのわたしたちがたべてあげるわ。」 前回と同じように果敢にも体当たりするが相手が3匹では当然敵うはずもなく、 「まりさたちのじゃまをしないでね!」 「ここはもうれいむたちのゆっくりぽいんとだよ!」 「いなかもののぱちぇがいるだけでゆっくりできないのよ、でていって!」 トリプル体当たりをくらい「むぎゅー」と泣き転がって巣の外へ追い出されてしまった。 「どうじで、どうじで、ゆっぐりざぜでぐれないの~。」 涙が滝のようにあふれてくる。 「あらあらどうしたの?そんなに泣いて?」 振り向くとそこにはアリスが立っていた。 「あ゛、あ゛、あ゛りずぅぅぅ~。ゆっぐりでぎなぐなっちゃだよぉぉぉ。」 「そう、また食料を横取りされてしまったのね。」 「あ゛、あ゛りずだずげでぇぇぇ。」 「それじゃ食料を横取りしたゆっくり達をゆっくりできなくすればいいのかしら?」 「おでがい、ありずぅぅぅ。」 「えぇ、も・ち・ろ・ん・よ!」 アリスは見たものを恐怖に陥れるような笑顔で笑い、ゆっくりパチュリーをおもいっきり木の洞目掛けて蹴った。 「む!むきゅぅぅぅ!」 何が起こったかまったくわからなず転がるゆっくりパチュリー。食料をむさぼっていた3匹が再び入ってきたゆ っくりパチュリーに気が付く。ゆっくり霊夢が先陣を切ってゆっくりパチュリーに体当たりを仕掛けようとする。 「わたしたちのゆっくりぽいんとだってわからないの!」 しかし次の瞬間、 「ゆ゛!、ゆ゛ぅぅぅぅ!!! 」 悲鳴を上げ、八つ裂きにされるゆっくり霊夢。 「「れいむぅぅぅ!」」 ゆっくり魔理沙とアリスは絶叫した。 ゆっくり霊夢を八つ裂きにしたのはアリスの操っている上海と蓬莱人形だった ゆっくりパチュリーは目の前で絶命したゆっくり霊夢の光景を見て一気に顔が青ざめた。 もともと体が弱く臆病なゆっくりパチュリーにとって(いやゆっくり達にとっても)悪夢のような光景だった。 しかし、その悪夢はまだまだ続いた。 その光景を見るや否や我先にとゆっくりアリスを置いて洞から脱出しようとするゆっくり魔理沙。 もちろん二体の人形は見逃さない。上海がゆっくり魔理沙の体を壁に押し付けると蓬莱が金槌とごっすん釘を取り 出す。それを見たゆっくり魔理沙は必死に、 「あ、ありすがここでゆっくりしようっていったんだよ!、ま、まりさはわるくないよ!、ゆっゆっゆっくりしてね!、 こ、こっちにこないでね!、い、いや゛あ゛ぁぁぁぁぁ!」 ゆっくり魔理沙の必死の懇願もむなしく額にぐっすん釘が打ち込まれる。 「いだい、いだい、や゛め゛でぇぇぇ!」 ごっすん釘を打ち込みゆっくり魔理沙を動けなくなった。2体の人形を見てゆっくりアリスはガタガタ震えている。 「ご、ごめんなざいぃぃぃ、あ゛りずはどがいはじゃないのぉぉぉ、ほんとうはいながもののゆっぐりなのぉぉぉ!」 ゆっくりアリスの願いが届いたのか2体の人形は洞から出て行った。 「た、たすかったの?」 ゆっくりアリスは急いで洞から脱出を計る。 (もうゆっくりパチュリーをいじめるのはやめよう。新しいゆっくり魔理沙をさがしてゆっくりしよう。) 暗い洞の中から光あふれる外へ勢いよく飛び出すゆっくりアリス。 「ゆ゛!?ゆ゛う゛ゔゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」 悲鳴を上げながらゆっくりアリスの体は3枚におろされ、黄色のどろっとしたものを回りに撒き散らす。 ゆっくり霊夢や魔理沙の中身は餡子だがゆっくりアリスの中身はカスタードクリームなのだ。 「あら、逃げられるとでも思ったの?」 笑いながら冷たくあしらうアリス。 ゆっくりパチュリーの青ざめた顔はもう真っ白になっていた。そして涙を流しガクガクとおびえていた。 巣の外からアリスの声が聞こえる。 「約束通り助けてあげたわよ。うれしいでしょう?」 「ひ、ひどいよありす!や、やりすぎだよ!」 「あら、何言ってるの?食料を横取りしたゆっくり達をゆっくりできなくすればいいのかと聞いたらあなたがお願い と言ったのよ。私はあなたのお願いを聞いてあげただけ。しかも特別に新たな食料まで用意してあげたのよ。」 ゆっくりパチュリーは周囲を見回すが、あるのはゆっくり霊夢の成れの果てとごっすん釘で固定されたゆっくり魔 理沙だけであった。 「あなたの、目の前にある残骸とゆっくり魔理沙よ。」 「む、むぎゅぅぅぅ、た、たべられないよ!」 「何言っているのかしら?私の家でたくさん食べていたじゃない。変わった味だけどおいしと言って。」 ゆっくりパチュリーは目の前に広がるゆっくり霊夢の成れの果てを見て、アリスの家で自分が食べた物とそっくり なのに気が付く。 「い、いや゛あ゛ぁぁぁぁぁ。ゴ、ゴホ、ゴホッゴホ、ゲホ、ゲェェェェェ。」 自分が食べていた物がゆっくりの残骸だと気づくと悲鳴をあげ持病の喘息が発症し、むせ返るゆっくりパチュリー。 「そうそう、あなたがもう邪魔されずにゆっくりできるように入り口に特製の糸を張っておいたわ。もし誰かがあな たの邪魔をしようと巣の中へ入ればさっきのゆっくりアリスの様に3枚におろされるわ。もちろんあなたも例外では ないから気をつけなさい。」 「あ゛りず、どうじでごんなひどいごとするのぉぉぉ。ゲホッゲホ。」 しばらくの沈黙の後アリスは答えた。 「あなたがあの紫もやしと同じ名前だからよ!」 吐き捨てるように言うとアリスは家へ帰っていく。 「ごごがらだじでぇぇぇ!ゴホッゴホッ。」 ゆっくりパチュリーの泣き声はアリスに届くことはなかった。 -アリス邸- 「あの紫饅頭最後まで私のことを呼び捨てにしてたわね。今思い出すだけでも腹が立つわ!」 アリスは椅子に座り紅茶を飲んでいた。 「それにしてもあの紅白と黒白饅頭思っていたより使えたわね。ゆっくりアリスまでいたのはびっくりしたけど。」 -1ヶ月半前- 「おーいアリスー。」 上空から手を振るのは霧雨魔理沙、アリスが好意を寄せる人間だ。 「いらっしゃいお茶の用意をするわ、あがって。」 「おう、遠慮なくあがらせてもらうぜ。」 何か特別なことをするわけでもなく、アリスは魔理沙との何気ないお茶会と雑談を楽しんでいた。 しかしそんな楽しい雰囲気も魔理沙の一言で終わりを告げた。 「そうそう、昨日図書館に行ったらパチュリーが古い魔導書を見つけたらしいんだ、しかも複数!」 「へ、へぇそれはすごいわね。」 (なんで私の目の前であの紫もやしのことなんて話すのよ) 「それでな、けっこう昔の文字らしく解読が必要で泊りがけで一緒に解読しないかって誘われたんだ。」 パリン アリスの握っていたカップが床に落ち割れた。 「おいおい、気をつけろよ。」 「ご、ごめんなさい。」 動揺するアリス。 (な、泊りがけですって!あの紫もやし魔導書をエサに魔理沙をつるなんてなんて卑怯なの!) 「そ、それで魔理沙はどうするの?」 「もちろんいくさ!」 その瞬間アリスの心は絶望のどん底に叩き落された。 「・・・どのくらいの期間なの?」 「パチュリーは最低でも1ヶ月近くはかかるんじゃないかって言ってたぞ。」 (1ヶ月!ダメよダメよ!魔理沙!行っちゃダメよ!) 「というわけでしばらくアリスには会えないんだ、悪いな。」 「え、えぇ私のことは気にしなくても大丈夫よ。」 (何言ってるのよ私、ここで止めないと1ヶ月も魔理沙に会えなくなっちゃう!) 「そうか、それじゃ雲行きが怪しいしそろそろ帰るかな、またくるぜ。」 「見送るわ。」 外に出ると魔理沙はほうきにまたがり、 「またなー。」 と言って帰っていった。 雨が降ってきた。アリスの心を反映しているかのようだった。 「ま゛り゛ざぁぁぁ、どうして私じゃだめなのぉぉぉ!あのもやしなのぉぉぉ!」 アリスは雨に打たれながらその場に泣き崩れた。 数日後、アリスは椅子に座ってボーっとしていた。まだショックから立ち直れていないようだ。 庭からなにやら音がする。窓から覗くとそこにはゆっくり霊夢2匹、魔理沙1匹が花壇の花をムシャムシャと食べ ていた。普段なら追い返すが今のアリスにとってどうでもいいことだった。 しかし次の瞬間アリスの頭の中にある計画が思いついた。再び生気が宿ったアリスはすぐさま人形達に森に住むゆ っくりパチュリーを気づかれないように探し出すよう命令した。そしてアリスは庭に出て行った。 「おねぇさんだれ?」 「ここはまりさたちのゆっくりぽいんとになったんだよ!」 「じゃまするならでていってね!」 なんてふてぶてしいゆっくり達だろう。勝手に人の庭に入ってきて自分の場所だと主張するなんて。 「1匹には見せしめとして死んでもらいましょうかね。」 そう言うと手をゆっくりの方へ向け、詠唱を始める。 そして出現した火の玉がゆっくり霊夢に命中し一瞬で消し炭となる。 悲鳴を上げながらゆっくり霊夢と魔理沙は一目散に逃げ出すが人形達が押さえつける。アリスが近づくと、 「わ、わるいのはあのしんだれいむだよ!れいむがここをゆっくりポイントにしようっていったんだよ!」 「おねがいゆるしてぇぇぇ」 泣き叫ぶ2匹のゆっくり。そこへ先ほどゆっくりパチュリーを探しに行った人形達が帰ってきた。 「これで役者がそろったわ。」 そう言うとアリスはかがみこみ2匹のゆっくりに話し出す。 「私の言うことを聞くなら助けてあげてもいいわよ。そのかわり、少しでも逆らったらあの死んだゆっくりの様になる わよ。」 「わ、わかったよ、いうこときくよ!」 「いうことききます!だからたすけてぇぇぇ!」 -時は戻って再びアリス邸- 「私の指示通りきちんと紫饅頭のエサを横取りしていたようね。」 ゆっくりパチュリーがエサを横取りされたのも餓死しかけたのもすべてアリスの計画だった。 「わざとエサを集めさせて蓄えたエサを一気に食べられたときの紫饅頭の顔と言ったら最高だったわ。睡眠薬入りのお 洋菓子も何の警戒もなく食べちゃうし、本当にばかな紫饅頭ね。」 -閉じ込められて3日後- 「おでがい、ゆるじでぇぇぇ。」 弱々しく泣き叫ぶのはごっすん釘で固定され、動くことができないゆっくり魔理沙だった。ゆっくり種は中の餡が 無くならない限り死ぬことはない。だがそれが仇となりゆっくり魔理沙は苦しみ続けていた。 ゆっくりパチュリーはと言うと空腹に犯されていた。目の前にはゆっくり霊夢の成れの果てが散らばっていたが口 にはしていなかった。 「おなかへったよぉぉぉ、ぱちゅりーがたべないならまりさがれいむをたべるうぅぅぅ。」 「むぎゅぅぅ、しずかにしてね。」 ゆっくり魔理沙がわめき散らしていたが体力を消耗するだけなのでゆっくりパチュリーは無視して目を閉じた。 次の日、ゆっくりパチュリーが目を覚ますと空腹がおさまっていた。 目の前に散らばっていたゆっくり霊夢の成れの果てが無くなっているのに気が付いた。 「ひどいよ、ひとりでぜんぶたべちゃうなんて、ぱちゅりーのいじわる!」 「むきゅ?なにいってるの?」 「とぼけないでよ、まりさのめのまえでれいむをたべてたじゃない。」 ゆっくりパチュリーは固まった。ゆっくりまりさはごっすん釘で固定されていて動くことができない。唯一の出入 り口はアリスによって封鎖されている。そうなるとゆっくり霊夢を食べたのは・・・。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」 突然悲鳴を上げるゆっくりパチュリー。死んでいたとはいえ無意識にゆっくり霊夢を食べてしまったことを信じた くはなかったのだ。 「ぱちぇじゃない、ぱちぇじゃない、ぱちぇはたべてない。」 自らに言い聞かせるように何度も繰り返すゆっくりパチュリー。 「まりさのめのまえでおいしそうにぱちゅりーがたべてたよ。」 「うそだーーーーー!」 普段はおとなしいゆっくりパチュリーの大きな悲鳴を聞いてゆっくり魔理沙は口を閉ざした。 ゆっくりパチュリーはゆっくり魔理沙から一番離れた壁に顔を張り付けひたすら、 「ぱちぇじゃない、ぱちぇじゃない、ぱちぇはたべてない。」 と次の日も次の日も言い続けた。 -閉じ込められて6日後- ゆっくりパチュリーが目を覚ますとまた空腹が収まっていた。恐る恐るゆっくり魔理沙の方へ振り返るとごっすん 釘に固定されたゆっくり魔理沙はいた。白目を見開いて体を痙攣させ体の半分が無くなっているゆっくり魔理沙が。 「む゛、む゛、む゛ぎゅう゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 これまでにないほどの悲鳴を上げるゆっくりパチュリー。そして、 「おっまんじゅう~♪おっまんじゅう~♪」 と歌いながら残りのゆっくり魔理沙をむさぼる。ゆっくりパチュリーの目はうつろで生気が消えていた。 餓死しようとしていたときの恐怖。やさしかったアリスの変貌。目の前で起こった虐殺。 そして無意識にゆっくり霊夢と魔理沙を食べてしまったのを認めることができない自分。 短期間にゆっくりパチュリーに降りかかったその惨劇はついにゆっくりパチュリーの精神を破壊してしまったのだ。 「あら、もう壊れちゃったの?せっかくもっといたぶってあげようと思ったのに面白くないわね。」 アリスは洞の中から聞こえるゆっくりパチュリーの声を聞くと残念そうに言った。そして入り口の糸をはずす。 「上海!蓬莱!」 命令されると2体の人形は洞の中へ入りゆっくりパチュリーを引きずり出す。 「おっまんじゅう~♪おっまんじゅう~♪おっいしっいな~♪」 「これは完全にダメね、しかたないわ。」 アリスはゆっくりパチュリーに糸を巻きつけると上海と蓬莱にゆっくりパチュリーを木の上へ固定させる。 「そのうちゆっくりを捕食するゆっくりにでも食べられるでしょ。」 そう言うとアリスは家へ帰って行った。 その夜、まだゆっくりパチュリーは歌っていた。 「おっまんじゅう~♪おっまんじゅう~♪」 その声を聞きつけてか遠くから丸い物体が飛んできた。 「おまんじゅうだ~♪いっただっきま~す♪」 大きな口をあけてむかってくる饅頭を食べようとするが次の瞬間ゆっくりパチュリーは真っ二つになり地面へぐ ちゃっと音を立て落ちた。 「うー♪うー♪」 ぐちゃぐちゃになったゆっくりパチュリーを食べているのはゆっくりれみりゃ。スピードを利用し羽で真っ二つに したのだ。 こうして、運悪くアリスの標的となってしまったゆっくりパチュリーの生涯は閉じたのであった。 End 作成者:ロウ 後書き 最後まで読んでくださった方々、まずはお礼を申し上げます。 ゆっくり達の生涯シリーズ(?)第4弾『ゆっくりパチュリーの生涯』はいかがでしたでしょうか? 今回のコンセプトは精神的いじめです。過去3作は意外と頭の中に文章がポンポンと浮かんできたのですが、今作 はなかなか文章や内容が思い浮かばず苦労しました。気が付くとけっこうな長文となってしまいました。 ちなみに、私にはSSを書くとき一つのポリシーがあります。それはなるべく幻想郷の人物を登場させるというこ とです。加工場の設定を使わせていただくときは職員を登場させなければなりませんが、オリジナルのキャラクタ ーをなるべく登場させないようにしています。 理由は単純で、東方が大好きだ!というだけです。 (旧作はやっていませんが紅魔からの作品はすべて持っています) オリジナルのキャラクターが登場する作品が嫌いなわけではありません。むしろ最近はさまざまなSSが投稿され てうれしいくらいです。誤解のないようお願いいたします。 (最近のSSではゆっくりきゃっちゃーがお気に入りです) 次回作は既に頭の中に浮かんでいます。最近はやり(?)のゆっくり一家に登場してもらう予定です。 毎回言うようですが私は文章を考えるのが苦手&遅いのでゆっくりと書かせていただきます。 そういえば、私は幻想郷のキャラいじめ板の頃からSSを投稿していますが、その頃から読んでくださっている方 はこのスレにもいるのかな? ↓今回のおまけは後日談です。 -後日談- 次の日朝早くから扉をたたく音がしてアリスは目を覚ました。 「もぉ、朝っぱらから誰よ。」 扉を開けるとそこに立っていたのは魔理沙だった。 「よぉ、アリス久しぶりだな、元気だったか?」 あまりの出来事に声が出ない 「どうした?体調でも悪いのか?なんなら出直すが。」 「だ、だ、だ、大丈夫よ、全然体調なんか悪くないわ。それにしてもどうしたの?こんな朝早くから。」 「1ヵ月半もかかったけど魔導書の解読が大体終わってな、アリスに読ませてやろうと思ってパチュリーが寝ている隙 にかっぱらってきたぜ!あと、しばらく泊まらせてもらうぜ!」 「え!と、泊まる!?」 「いやなら別に帰るが、ダメか?魔導書の量もあるし、アリスは昔の文字なんて読めないだろ?」 「ま、魔理沙がどうしてもって言うなら泊めてあげてもいいわよ。」 (何言ってるのよ私!素直に泊まってってどうして言えないのよ!魔理沙が帰ったらどうするのよ!) 「そうか、それじゃ遠慮なく泊まらせてもらうぜ!それよりアリス、それ寝巻きか?なかなかかわいいじゃないか。」 アリスは一気に顔を赤くして、 「魔理沙のばかぁぁぁ~。」 と言いながら急いで着替えに戻って行った。 「なにあいつ赤い顔なんてしてるんだ?」 こうしてアリスは魔理沙とゆっくりと楽しい時間をすごした。 目を覚ましたパチュリーは目の前に置かれていたメモを見ていた。 (魔導書を持ってアリスのところへ遊びに行ってくるぜ。) 「む、むきゅ~~~~~!」 パチュリーの声は紅魔館中にこだました。 おまけEnd
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/352.html
fuku0692.txtの便乗犯&中途半端虐待。 「ゆっくりレティの帽子を奪って逃走劇」ものを考えていたのに、ゆっくりした結果がこれだよ!! ゆっくりについて、面白いことを聞いた。 いわく、飾りがないゆっくりは苛められる。 いわく、死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは殺される。 いわく、ゆっくりの飾りを盗ったものは死ぬまで付きまとわれる。 へぇー。そーなのかー。 というわけで、加工所で働いているおじさんに土下座した。「ゆっくりさせてください!」 ダメだった。 しかたがないので、朝から所長に直訴した。それでもダメだったので色々やった。具体的にはテロ。 執念が認められ、どうにかこうにか、実験させてもらうことになった。 場所は加工場から離れた実験用地域の一角。 結界が張られているため、妖怪や野良れみりゃ、野良犬などの襲撃による想定外もない。 さっそくゆっくり霊夢一家の住処を発見した。手のひら大の子れいむが10匹、直径20cmぐらいの親れいむの11匹家族。 ゆっくり一家が寝静まるまでじっと待ち、チャレンジ開始。 寝ている子れいむからリボンを全て奪い、1匹に結び付ける。 うむ、ゴージャス。 完成したゴージャス子れいむ、略してゴれいむを、用意していた透明な箱にいれて、準備完了。 満足して箱を抱きかかえ、巣の近くで横になる。 興奮してなかなか寝付けなかった。さてうまくいくといいが・・。 翌朝、「「「ゆっくりしていってね!」」」の声で起こされる。 声でけえなおい。野生でもこんな声なのか・・? 抱きかかえたゴれいむも箱の中で目が覚めて、 「ゆっくりしていってね!」 はいはい、ゆっくりゆっくり。 「おじさんだーれー?ゆっくり出来る人?」 はいはい、ゆっくりしろモーニング! 「ゆっ!なーにこれー?ゆっ!ゆっ!」 箱で暴れ始めた。ああ面倒だ。ゴれいむは脇に放置して、巣の中の様子を伺うことにした。 連鎖して声が響く。 「ゆっくりしていってね」「ゆっくりしていってね」「ゆっ」「ゆゆゆっ!」 ざわざわと騒ぎになる。ニヤニヤが止まらない。 「りぼんがないよっ!」「ゆっ!れいむのりぼんがない!」 「へんなのー!」「ゆ゛っ!!れいむもないよー!」「え゛ーっ!」 ・・・なるほど。鏡とか知らないから、リボンが無いのに気がつくのが遅いのか・・。 遅れて親れいむが反応する。 「みんなのりぼんがないよー!」 巻き起こる悲鳴。 「「「「う゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛お゛があ゛ざあ゛ん゛!!!」」」」 しかし、それを聞いても親れいむは困惑顔だ。 「・・・本当にれいむのれいむ??」 ・・リボンが無くなると識別できなくなるというのは本当だったか・・。 それにしても・・・・なんて表情だ。 こわいこわい、とか言う変わった突然変異を見せてもらったことあるが、あれより顔がでかくて眉間にしわがよってる分腹立たしい。グーパンチしたい。 「「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」」」 あーあ、ショックだろーなー。かわいそうに。 腹筋が捻れてきたので、ゴれいむを箱から取り出す。 叫びが聞こえていたのだろう。すっかり怯えている。 「ほら、早くお母さんところでゆっくりしていってね!」 箱から出してやると、一目散に巣に戻っていった。 「お゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん」 「ゆっ!れいむー!」 それに気がつく親れいむと・・・ 「あ゛あ゛あ゛・・・ゆゆっ!!りぼん!!りぼんいっぱい!!りぼん!!りぼん!!!」 リボン無しの子れいむ達。 「ゆゆっ!?だれ!?ゆっくりできないこはでていってね!」 親れいむが識別できないのに、ゴれいむに認識できるわけがないか。 初めて見るリボン無しに一瞬怯むゴれいむ。慌てて親れいむの元に跳ねていく。 「おかーさん!しらないこたちがいるよ!そとにへんなひともいるよ!これじゃゆっくりできないよおおおおおおおお!!」 「れいむ!れいむ!」 親もゴれいむのことはわかるらしい・・。リボンの数は気にならないのか? そう思っている矢先、 「りぼん・・」「れいむのりぼん・・・」「りぼん・・・」 いい感じに出来上がっていく子れいむ。 そこにゴれいむが、いい感じに火種を投げ込んだ。 「ゆっ?・・・りぼんないこはしらないよ!ゆっくりでていってね!」 「「「「がえ゛じで!がえ゛じで!ゆ゛っ゛ぐり゛り゛ぼん゛がえ゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!」」」」 ゴれいむに襲い掛かっていく子れいむ達。 「や゛め゛っぐっげぶ、や゛め゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」 すごく・・・フルボッコです。 そして動く親れいむ。 「ゆっくりできないこはしね!」 「ぎゅっ!」「げぶっ!」 2匹踏み潰された。容赦ないな。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛がえ゛ぜ!お゛があ゛ざん゛を゛がえ゛ぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 ますますヒートアップする子れいむ。 だがこのままでは、親+ゴれいむ側の圧勝だろう。 ・・・そうはいくものか。 「ゆっくりしろモーニングゥアアアアアアアアア!!!」 「「「ゆ゛っ!」」」」 全力で怒号をあげて巣の中に突進。親れいむを両手でがっちりホールドする。 「おじさんだれ!?ここはれいむのおうちだよ!!ゆっくりできないからさっさとでていってね!」 ゴれいむ・・・おにいさんは君にだけは言われたくなかったよ。 「おにいさんはゆっくりマン!君たちをあの悪いゆっくりから助けにきた!」 と、子れいむ達に語りかける。 「君達の親は私がゆっくりさせておくから、早くアイツからリボンを奪い取るんだ!」 子れいむ達の顔に理解の色が広がっていく。 「ありがとう!おにいさん!」「ゆっくりしね!」「りぼんとるこははやくゆっくりしんでね!」 そして再開する死刑執行。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛れ゛い゛む゛の゛!!れ゛い゛む゛の゛こ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 親れいむうっせ!ゴれいむが・・・あ、食われてる。朝飯まだだったなそういえば・・。 そんな食事風景が終るまで親れいむをがっちりホールドしておいた。落ち着いたのを見計らって巣から引っこ抜き、透明箱に閉じ込める。まだ声も出さずに泣いている。その様を見てテンションあがってきた。 さて・・・こっからが本番よ。 「やったね君たち!」 子れいむ達に話かける。 「「「ありがとうおにいさん!ゆっくりできたよ!」」」 「おかーさんはどうしたの?」 「おかーさんはゆっくりさせているよ!さて、リボンつけてあげるね!」 「「「わー、ありがとうおにいさん!!」」」 いわく、死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは殺される。 「はい、みんなつけ終わったよ!」 「ありがとーおにーさん!」 ・・・しばらく待ってたが、こいつら同士では殺しあいは発生しないようだ。 ガセネタか・・・と、親れいむを箱から出して巣の中に戻してみる。 まだ泣いてた。ほーら、可愛い子れいむたちだよ。 「ゆっ!!!」 ビグンッ!と親れいむの体が激しくうごめいた。ゴれいむが殺されたときですら、ここまでの衝撃は無かったというのに。 ワクワクしながら、手を離して見守っていると、子れいむ達が寄ってきた。 「おかーさんもとどーりだよ!」「れいむたちだよ!」「わるいこはゆっくりさせたよ!!」「ゆっくりしていってね!」 和気藹々としている。 突然、親れいむが跳ねる。子れいむが4匹下敷きになった。 「ゆっくりしね!」 「ぎゅっ!」「ゲベッ!」「ギャベぶっ!」「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」 突然の凶行に残った4匹は言葉も無い。 「ゆっくりしね!!」 ストンピングが続く・・もはや4匹は原型も残っていない。 親れいむがこっちを振り向いた。平時の表情となんら代わりが無いが・・・ 「しね!!!」 動けなかった2匹はそのまま下敷きに、残り2匹は慌てて巣から抜け出そうとする。 ・・ギリギリ、逃げる2匹をどうにか捕まえることが出来た。 「しねしねしねしね!ゆっくりしね!」「お゛がぁざあ゛あ゛あ゛・・・」「ゆ゛っぐり゛・・・じだ・・・」 振り返ると、着実に押しつぶし作業が進んでいた。うわさ通りとはいえ、これは一体どういうメカニズムなのか・・。 巣から抜け出し、1匹を透明箱に入れてもう1匹とともに隠れた。 しばらく巣で暴れまわる音が響き・・それが止むと、親れいむが中から這い出てきた。 ぐったりしている。あれだけ暴れれば当然か・・。 そして、透明な箱に気がついた。 瞬時にして親れいむの形相が鬼のように変わり、全力で透明な箱に体当たりを行う。 体が箱にめり込む。こぼれおちる餡子をものともせず、箱を踏みつけにかかる。 「シネ!ゴボッ!シネッ!シネッ!シネッ・・・」 殆ど中身を出し切って、ようやく親れいむは力尽きた。箱にベッタリ張り付いている。 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 「うわっ?しまった!!」 あまりのことに呆然としてしまい、子れいむを取り逃がした。 慌てて後を追ったが・・・・・ゆっくりまりさの家族に遭遇した子れいむを見つけた。・・・これは間に合わない。 せんべいになるまで10秒かからなかった。 もったいないことをした・・・。 「「「すっきりー!」」」」 ・・・・??ゆっくりまりさがつぶやいた言葉に疑問を抱いた。え?すっきりなの?? 「ねえ君たち?」「おじさんだーれー?ゆっくりできないならあっちいってね!」 冷静に、用意していた袋にゆっくりまりさ一家を全部詰め込んで2、3回叩きつけるのに、10分はかからなかったと思う。 「ねえ君たち?」「「「う゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」」」」 落ち着いて、1匹小さいゆっくりまりさを口の中に入れて甘噛みした。もちろん、顔が見えるようにだ。 「や゛め゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 吐き出して告げてやる。 「ゆっくりする?」 「「「ゆ、ゆっくりするよ!」」」 一番デカイゆっくりまりさを取り出し、おせんべいになった子れいむを見せて質問する。 「なんで、アレを潰した?」 「なんかいらいあらするからだよ!ゆっくりできないこはしんでね!」 いらいら・・・そうか。 さっそく、まりさの帽子を奪い取った。 「あああああああかえしてええええええええええ!!」 聞く耳もたずに、潰された子れいむからリボンを取り出し、結んでやる。 「やめてやめてやめてああああああああああ!!」 そしておもむろに袋の中のゆっくりまりさを開放する。 そして始まるフルボッコ。 20分ぐらいかかった。親まりさは善戦したとだけ言っておこう。 なるほど・・・デカさとか親とか子は関係ないか・・・メモメモ。 「「「すっきりー!」」」」 ・・・手元に残っている親まりさの帽子を、生き残っているうちで1番目でかいまりさとトレードしてみた。 「帽子おっきー!」「おかあさんのぼうしだー!」「いいなー!」 なにも起きない。生きているうちに奪うのはアリなのか。これは不思議だ。 魔理沙一家に別れを告げ、親れいむの元まで戻って透明な箱の中を見てみると、 最後の子れいむも死んでいた。 箱ごと加工場に持って帰り、調べてもらったところ、死因はストレスらしい。驚くほど餡子が甘くなっていた。 ・・・まだ加工場での実験日数はある。餡子を食しつつ次の実験方法を考える。 いわく、ゆっくりの飾りを盗ったものは死ぬまで付きまとわれる。 つづくかもしれない。 ニア ゆっくりいじめ系167 ゆっくり飾りシャッフル
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5271.html
俺は以前から実ゆっくりを使ってヤリタイ実験があった・・・ そのためにわざわざ山奥まで行きにんっしんっ!したれいむ(でいぶ)を3匹ほど連れてきた 幸い1匹のゆっくりから5本ほど茎が生えていたので材料には事欠かない その日はわくわくしながら眠りについた 次の日 「ゆっくりしていってね!」 「くそどれいはゆっくりはやくごはんさんをたくさん持ってきてね!」 「くそじじいはあまあまをおちびちゃんのためにさっさとよこしてね!」 まー五月蝿い五月蝿い 爽やかな朝を阻害されたような気分だが我慢しよう 「分かったよ 今持ってくるからNE☆」と胡散臭い笑顔に棒読み口調でさっさとキッチンに行った ちょうど生ごみが溜まっていたのでコンポストとして活用した 腐ってるのもあるけどゆっくりだし、いいや 「おじさんだれなの?」とか言わないあたりこいつらは扱いやすいな… そう思ってる間にも 「うんめっ!めっちゃうめっ!!」 「幸せえええええええ!!」(幸せを頭の中で死遭わせと変換する) 「ゆっ!ゆっ!」 うぜぇ・・・・握りつぶしたくなるが我慢我慢、奴らが食っている間に準備は完了した 実験の開始DAAAA! まずは茎ごとゆっくりを採る! 合計したところ13個の茎が集まった 「でいぶのあ゛がぢゃああああん!!」 「じね゛ええええええ!ごどぐそに゛んげええええん!」 「うんめっ!うんめっ!・・・ゆ?ゆああああ゛あああ!お゛ぢびぢゃああああん!」 うむ!いい返事(?)だ! 1匹遅れた奴いたけど その茎の3本をそれぞれハバネロsoup、廃油、塩水(飽和水溶液)に入れ、あとの7本は冷蔵庫へシュウウウッ! 超exciting! ぎゃーぴー流石にうるさいので「最高にゆっくりしたおちびちゃんになるようにしているんだよ」と言ったら 「ゆ、てんさいのれいむはゆっくり理解したよ!」 「さすがはれいむのくそどれいだね!れいむのうんうん食べてもいいよ!」 「ゆっふふうう!おちびちゃんの美貌にひれ伏したんだね!」 途端に横柄になりやがった・・・1週間後にはどんな表情になるのか 俺は実ゆっくりと親ゆっくりの顔を記録するためにカメラを設置した 1週間後 素晴らしい結果が出た! ハバネロsoupにつけていたのは素晴らしい(虐待鬼威山目線で)表情で死んでいた 廃油につけていたのは全て欠ゆとなって生まれていたし、塩水は生まれたはいいが水の拒否反応がすさまじかった あとの10匹も有効活用したいところだ 「あ゛がぢゃあああん!ゆっぐりじでえええええ!」 「ゆっぐりじでいっでね!・・・どぼじでへんじしでぐれな゛いのおおおおお!!」 「お゛びず飲んでえええええ!」 続く 作者より 初めてssを書いてみました 中3なので駄文は生暖かい目で見つめてやってください、3話に分ける予定です 最後に・・・・ゆ虐は超exciting!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3118.html
ゆっくり昔話オープニング曲(1番) まりさ~良い子だ内臓(わた)だしな~♪ 今も昔もかわりなく~♪ 虐待お兄さん(おに)の情けの子守唄(レクイエム)~♪ 遠い~永遠亭(やしき)の~も~の~がた~~りぃ~いぃぃぃ♪ 雪ゆっくり むかしむかし、あるところに普通のお兄さんが住んでいました。 ある冬の日お兄さんは雪山で遭難しましたがゆっくりちるのに助けてもらい命拾いしました。 別れ際にゆっくりちるのはお兄さんに言いました。 「自分に遭ったことを誰かに話したら殺す」と。 翌年の冬。お兄さんが遭難した時と同じくらい寒い日でした。 お兄さんが家で暖をとっているとドンドンと戸を叩く音が聞こえてきました。 一体誰だろう?と思い戸を開けるとそこにはあの時のゆっくりちるのが立っていました。 「ちるのはたびのとちゅうぐうぜんたどりついたんだよ。みちにまよったからひとばんとめてね!」 実はちるのはお兄さんが自分のことを他人に喋ってないか監視するために旅人の振りをして近づいたのでした。 「君あの時のちるの?よくわからないけど泊まっていく?」 ちるのの変装は一発でばれてしまいましたが、お兄さんは昔の恩もありしばらくちるのを泊めることにしました。 しかし所詮ゆっくりと人間、まったく恋仲にはなりませんでした。 やがてお兄さんにも人間の恋人ができ、ちるのは段々邪魔者扱いされるようになりました。 夏の暑い日。とうとう痺れを切らしたお兄さんはちるのを家の外に投げ捨て中から鍵をかけました。 「ゆっくりいれてね!ちるのをすてないでね!」 ちるのが泣き叫びますが戸は開きません。 暑さに弱いちるのはやがて日射病にかかりそのまま死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ちぇんとぱちゅりー むかしむかし、あるところにとても素早いゆっくりちぇんととても遅いゆっくりぽちゅりーがいました。 ある時ちぇんはぱちゅりーに言います。 「ぱちゅりーはどんそくなんだねーわかるよー」 怒ったぱちゅりーはちぇんに決闘を申し込みます。隣の山頂まで競争し、自分が勝ったら土下座して謝れ、と。 翌日。二匹は競争しますがぱちゅりーは素早いちぇんにどんどん引き離されていきます。 「どくそうたいせいなんだねーわかるよー」 半分ほど道を進んだところでちぇんは楽勝だと思ったのか居眠りしてしまいます。 「ぐおーすぴーふぐしゅー…い、いぎゃあああ!」 突然の激痛に目を覚ますちぇん、いつのまにか野生のれみりゃに頭からかじられていました。 「もぐもぐ…あまあまおいしいどー」 「い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛!ゆ゛っ゛ぐり゛や゛め゛でね゛え゛え゛え゛え゛!」 普段だったら素早く逃げるのですがれみゃに押さえつけられているので逃げることができません。 哀れちぇんはれみゃに食べられて死んでしまいました。 「ゼハッ!ゼハッ!も、もうすこしでさんちょうだよ…」 ぱちゅりーはゆっくりとした足取りながらも着実に進み、ついに山頂までたどり着きました。 「か、かったよ。ちぇんかった。これであんしんしてみらいにかえれるね…ぐほっ!おげええええ!」 普段運動をしていないぱちゅりーに山登りは過酷過ぎました。 山頂について安心したのか今までの疲れがどっとでてしまい、 咳き込んだ拍子に大量の餡子を吐いてしまい死んでしまいました。 めでたしめでたし。 醜いれいむの子 むかしむかし、あるところにゆっくりれいむの一家が住んでいました。 しかし両親がれいむ種にもかかわらず一匹だけ金髪のれいむが混じってました。 「そのかみのけげひんないろだね、このいんばいが!」 「りぼんのないきもちわるいれいむとなんかあそんであげないよ!」 「うわーん、にゃんでみんにゃいじめるのー」 金髪のれいむはみんなと姿が違ったため虐められていました。 ある日、偶然通りがかった旅ゆっくりぱちゅりーから自分はれいむ種ではなくありす種であることを教えてもらいます。 実は金髪のれいむ(ありす)は昔今の両親から拾われた子だったのです! ありすは本当の親を探すため旅に出ました。本来なら単行本10冊分くらいの長編なのですが短編集なので省略します。 つらい旅の末ありすはついに本当の親とめぐり逢います。本当の親はまりさ種のゆっくりでした。 「おきゃーしゃーん、あいちゃかったよー!ぐべっ!」 嬉しさのあまり母まりさに飛びつくありす。ですがあっさり吹き飛ばされてしまいます。 「ありすのこはしね!おまえなんかれいむのこじゃないぜ!」 ありがちな話ですが、ありすはまりさがレイパーありすにレイプされて生まれた子でした。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 何度も何度も母親に踏みつけられ、哀れありすは死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ゆっくり太郎(山編) むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。 お婆さんが洗濯をしていると山の上からどんぶらこっこ、どんぶらこっことドスまりさの死骸が流れてきました。 まんじゅうじゃけえ食えるじゃろ、と思ったお婆さんはドスまりさの死骸を家に持ち帰りました。 お爺さんがドスまりさの死骸を包丁で切り開くとなかから子ゆっくりまりさが出てきました。 「ゆっ!おじいさんはかわいいまりさにたべものをよういするんだぜ!」 子供がいないお爺さん達は子まりさにゆっくり太郎という名をつけ飼うことにしました。 それからのまりさはペットとして怠惰な暮らしをしていましたが、ある日仲良しの野良れいむが死んでいるのを見かけます。 近くにいる野良ゆっくり達の話を聞くと3丁目のお兄さんに虐殺されたそうです。まりさの怒りが天を突きました。 まりさがお兄さん退治に行くというとお婆さんはピクニックかえ?と言いきび団子を持たせてくれました。さあ冒険のはじまりです! お兄さんのところへ向かっている途中。一匹の犬に出会いました。犬はまりさの持つ団子を物欲しそうな目で見つめています。 「いぬさん!だんごをたべさせてやるからおれのけらいになるんだぜ!いっしょうばしゃうまのようにはたらくんだぜ!」 犬はあっという間にまりさの団子をたいらげ、まだ足りないのかまりさの体をかじり始めました。 「いでででで!やめるんだぜ!おれはたべものじゃないんだぜ!」 その時、どこからともなく猿がやって来たかと思うと爪でまりさの目をえぐり食べてしまいました。 「う゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛ばり゛ざの゛づぶら゛な゛お゛め゛め゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 おこぼれに預かろうと空からカラスが飛んできてまりさの体をついばみます。 「や゛べでね゛!や゛べでね゛!ばり゛ざばお゛い゛じぐな゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 哀れまりさは3匹に食べられ死んでしまいました。 まりさを食べて満足した3匹は家に帰ります。 「お、お帰り。今日は3匹そろってお帰りかい。」 待っていたのは虐殺お兄さん。実は3匹はお兄さんのペットだったのです。 今日も村は平和でした。 めでたしめでたし。 ゆっくり太郎(海編) むかしむかし、ある海岸近くでゆっくりにとりがほかのゆっくり達に虐められていました。 「みかけないゆっくりね。とかいはじゃなくてなんだかゆっくりできないわ」 「きもちわるいゆっくりはしぬんだぜ!」 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」 その時偶然ゆっくりれみゃが通りがかりました。ちぇんとぱちゅりーに出てきたれみりゃです。 「う~!た~べちゃうぞ~!」 「まりさはまずいからありすを…ぐぎゃあああ!」 「とかいはなわたしをたべようだなん…ひぎぃ!」 お腹が空いていたれみりゃはにとりを虐めていたゆっくり達を全て食べてしまいました。 自分のことを助けてもらったと勘違いしたにとりはれみりゃを竜宮城へと招待します。 「う~♪れみりゃはこ~まかんへいくど~♪」 れみりゃはにとりに乗って海へと潜ります。やがて竜宮城の前まで辿り着きました。 「もうすこしでりゅうぐうじょうだよ…ってうぎゃああああ!」 水に弱いれみりゃは溶けて死んでいました。腕だけが残ってにとりの体を掴んでいます。 「ゆっくりはなしてね!ゆっくりはなしてね!」 死体に掴まれているという恐怖からにとりはでたらめに暴れまわります。 やがて人食いザメの住む海域に紛れ込んでしまい、サメに食べられ死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ゆっくりの恩返し むかしむかし、あるところに愛でお兄さんが住んでいました。 お兄さんが山を歩いていると罠にかかっているゆっくりみょんを見つけました。 「ちーんぽーちーんぽー…」 巨大な虎バサミに挟まれみょんは瀕死です。可愛そうに思ったお兄さんはみょんを罠から出してあげようとしました。 「ちーんぽ…みょぉぉぉぉぉ!」 みょんの体には罠が食い込み皮がズタズタに破れていましたが、皮肉にも罠に挟まれていたことにより餡子の流失が防がれていたのです。 罠が外れ体を圧迫するものがなくなったみょんは傷口から大量の餡子を噴出し死んでしまいました。 死んでしまったみょんは恩返しをすることができませんでした。 めでたしめでたし。 めいりん姫 むかしむかし、あるところにめいりん姫というたいそう綺麗なゆっくりがいました。 「…」 ん?どうしたんですかめいりんさん?浮かない顔して。 「…!」 どうせ自分も殺されるんだろうって?じゃあめいりんさんは死なずにハッピーエンドにしてあげますよ。 「~♪」 ある日めいりん姫は山で遭難している王子様を発見します。王子様は気絶していましたがとてもかっこいい人間でした。 王子に一目惚れしためいりん姫は気絶した王子様をふもとの山まで届けてあげました。 それからは王子様のことを思う日々。いてもたってもいられなくなっためいりん姫は魔女に相談しました。 「へっへっへ、おまえのこえをよこすんだぜ。そうすればかわりにどうたいをあげるんだぜ。」 めいりん姫は魔女と取引し胴体を手に入れました。これで王子様と結ばれることができる! めいりん姫はすぐに王子様のところに向かいました。 しかし運悪く途中で虐待お兄さんに捕まってしまいます。お兄さんはこう言いました。 「うわー胴体つきのゆっくりめいりんなんて珍しいな。これで一儲けできそうだ。」 お兄さんはめいりん姫を使って見世物小屋を開きました。お兄さんは檻の外からめいりん姫を虐めます。 夜にも珍しい胴体つきめいりんと虐待ショーにみんな大喜び! 虐待お兄さんは大儲けでとってもハッピーになりました。 めでたしめでたし。 おまけ 醜いれいむの子にでてきた旅ぱちゅりーとめいりん姫にでてきた魔女まりさがここにいました。 「ちょっとごつごうしゅぎすぎるわよ」 「ここはなにもなくてつまらないんだぜ」 二匹は今までの話の中で運良く不幸にならなかったゆっくり達です。しかしこれから人間に虐待されてしまいます。 「うそいわないでね、どこにもにんげんなんていないよ」 「まりさをいじめられるものならいじめてみろだぜー」 実は語り部は虐待お兄さんだったのです!お兄さんは素早く2匹を捕獲してしまいました。 「ゆべ!もうはなして!おうちかえるー!」 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」 「ヒャァ!虐待ダアアァ!」 過去作 ゆっくり転生(fuku3037.txt~fuku3039.txt) ゆっくりくえすと(fuku3068.txt) ともだち(修正)(fuku3103.txt) ANCO MAX(fuku3178.txt~fuku3179.txt) 利口なゆっくりと賢いゆっくり(fuku3386.txt) このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2864.html
注意書き ※現代っぽい社会が舞台です ※うんうん、しーしーが描写はないけど出てきます ※無意識の虐待描写しかありません 冬。 「ゆえ〜ん、ゆえ〜ん」 道端で赤ゆっくりれいむが泣いていた。 市街地では親ゆっくりが採餌の際、人間や動物に殺されるのは珍しくない。 この赤れいむも、両親が人間に踏みつぶされて孤児になってしまったのだ。 赤れいむの側に踏みつぶされた両親が転がっていた。 青年は赤れいむを哀れに思い、うっかり自宅に連れ帰ってしまった。 ゆっくりを飼うのは簡単だろうと、軽く考えていた。 青年の友人がゆっくりを飼っているのを見てそう考えたのだ。 その友人はゆっくりブリーダーで、ゆっくりの事を知り尽くしているからこそ、 第三者から見れば簡単に飼育しているように見えた。 そんなことはまるで考えずに赤れいむを飼い始めた青年は、一般的な飼育方法から 逸脱しまくった育成をするのであった。 赤れいむには使われていない四畳の部屋を与えた。 「おにーしゃん、おいちいおかちをちょーだいね!」 青年は何も考えず、クッキーを与えた。 「おにーしゃん、おうちがしゃみゅいよ、あっちゃめてね!」 青年は部屋にホットカーペットを導入してあげた。 育成環境が良かったので、赤れいむはあっという間に成体れいむサイズに生長した。 ある日、青年がゆっくりを飼い始めたと聞いて、友人が家を訪ねてきた。 四畳部屋の片隅に鎮座しているゆっくりれいむを見て絶句した。 通常ゆっくりは「おうち」すなわち巣を作り、気温変化や外敵から身を守るのだが、 ホットカーペットの上で育てられたれいむは「おうち」を作ろうとしなかった。 さらに青年がいつも餌を与えていたため、でっぷり太ってまさに鏡餅のような様相であった。 「餌はなにをやってんだよ」 友人は青年に問うた。 「クッキーだよ。それ以外は食べられないみたい」 青年の答えに、友人は呆れ果ててしまった。 生物はその構成成分を食料として要求し、それを美味と認識する。 人間なら、糖・脂肪・蛋白質を人体に有害なレベルを超えても摂取し続けるのは、そのためだ。 野生では安定した食糧供給が困難であるので、この本能はそれほど問題ではないのだが、 安定した供給が行われている状況下では、管理が重要になってくる。 青年はそんなことには思い至らず、れいむに言われるがままに餌を与え続けた。 れいむがクッキーを好んだのには理由がある。 クッキーの原材料である小麦粉・卵・砂糖などは、まさにゆっくりの構成成分だ。 中毒に近い症状を呈しても、何の不思議もない。 余談だが、このような食生活を続けたゆっくりは、野生では生存不可能になってしまう。 野生のゆっくりは主食である昆虫や草本から生存に必要な栄養素を吸収する能力を後天的に身につける。 しかし、赤ゆっくりの段階からクッキーのような食事をとり続けると、自然の餌から栄養素を吸収する能力が退化してしまう。 野生の赤ゆっくりにクッキーを与えたら、普通の餌が食べられなくなり、餓死してしまったというのは このことが原因である。 れいむに宛がわれたホットカーペットも悪い影響を与えていた。 ぽかぽかでゆっくりできるそれは、れいむの底部を低温火傷させていたのだ。 しかし、動かなくても食料を摂取できる環境下では、大したストレスにはならなかった。 だが、そのことはれいむに致命的な悪影響を与えていた。 運動不足である。 過剰な栄養摂取と運動不足は、れいむの体に通常種では見られない異常を顕在させた。 「なんかこのれいむ、黄色くないか?」 ブリーダーである友人は、れいむの外見の異常を感知した。 直接触るのには抵抗があったので、ポケットティッシュを取り出し、れいむの表面を拭ってみた。 焼き肉屋のテーブルにこびりついた油を拭き取っているような感触。 ティッシュを見ると、バターのような黄色いシミがついていた。 過剰摂取した油分が体表からしみ出しているのだ。 また、拭う際にれいむの底部が妙に茶色がかっているのが気になった。 触ってみると、硬化しているようだった。 おそらくホットカーペット上に居続けて運動しなかったために、底面が焼かれたのと同じような状態になっているのだろう。 近づいてみると、酸っぱいにおいが漂っている。 餡子とアルコールを混ぜたような臭いだ。 「こいつ、うんうんとかしーしーとかどうしてんの?」 「うんうん…?何それ?」 「ゆっくりの排泄行為なんだけど…」 友人は説明しかけたが、それ以上いうのを止めた。 赤ゆっくりの頃からホットカーペット上で生活し続けたため、あにゃるなど排泄器官が低温火傷で塞がってしまったのだろう。 体サイズの急激な増加は、食料の過剰摂取だけというわけではないようだ。 すえた臭いの原因も、このあたりにあるのだろう。 当のれいむは、青年や友人には感心がない様子で、ずっとおうたを歌っていた。 「ゆ〜…ゆ゛…ゆゆ〜…ゆ…」 それから一週間後、青年の家で爆発事故が発生した。 幸い被害者はいなかった。 爆心地にいたゆっくりれいむを除いて。 謎の爆発事故とされていたが、調べていくうちにれいむが原因であることが分かった。 ゆっくりれいむが爆弾化した。 それが結論だった。 長い間ホットカーペット上に放置されていたため、底部が低温火傷で硬化した。 正確には低温炭化。 れいむの外皮は熱せられ続けたため水分が奪われ、熱が逃げにくいものになってしまった。 ここで蓄熱がおこり、発火温度に達すると、火種がなくても燃えだしてしまう。 そんな外皮に染み出した油分が合わさって、ロウソクの芯と同じ状態になっていた。 いわゆるロウ化現象である。 すえた臭いは、れいむの中身である餡子の糖分がエタノール発酵したせいだ。 油分たっぷりの外皮はゆっくりの皮膚呼吸を阻害し、発酵を促したのだろう。 つまり、れいむはロウソクの芯に包まれたアルコールランプになっていたのだ。 れいむが何も語らず、おうたを歌っていただけのように見えたのは、 外皮が硬化して「ゆ」以外喋ることができなくなっていたせいだ。 ゆっくりれいむは物言わぬ爆弾と化していたのである。 この事件以来、ゆっくりは市街地から完全排除されることとなった。 爆破時刻等、精密性にはかけるが、手軽に強力な爆弾が作られるからだ。 例えば、赤ゆっくりを携帯カイロの上に置き、油分の多い食料を与えれば、簡単に爆弾化できる可能性がある。 この事件以来、ペットとしてのゆっくりの需要はなくなり、友人はブリーダーを廃業した。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3997.html
現代設定です スタンプゆっくり by 十京院 典明(旧名 ”ゆ虐の友”従業員) ガラス箱からゆ木が突き出ていて、その先端は別のガラス箱へと伸びている。 一方の箱には、もはや涙も枯れた妊娠まりさ。もう一方の箱には、今まさに新しい生命が生まれ落ちようとしていた。 「ゆゆっ!まりさのおちびちゃん……」 まだ意識のない、しかし生まれる寸前の子まりさがゆ木からぷつんと切り離され、ガラス箱に落ちる。 ゆ木を介して伝わる胎ゆっくりの気配が消え、まりさは子供が生まれたことを知る。 「かわいいおちびちゃん、ゆっくりしていってね!」 まりさは大きな声を上げた。今まで何度も繰り返してきた、届かないわが子への祈りを。 * * * * 最初に感じたのは、振動と音。どこかへ運ばれているらしかった。 ”ゆっきゅちうごいてるよ!きっとみゃみゃにはこんでもらってるんだにぇ!” 「ゆっきゅちちていってね!」 子まりさは産声を上げた。蛍光灯の明かりも、曇りガラスからおぼろげに見える視界も、 ガーとかジジジーとかいう不思議な音も、全てが初体験の刺激である。 だが、待ち望んでいる親ゆっくりの声が聞こえなかったので、子まりさはもう一度挨拶をした。 「ゆっきゅちちていってね!」 やはり答えはない。身じろぎをしようとしたとき、まりさは底部がきっちりと固定されているのを知った。 これでは跳ねて親を探しにいけない。もっとも探しに行こうにも四方は壁で囲まれているのだが。 「ゆえーん!ゆえーん!みゃみゃどこにいるのーー!?」 やがて箱がガタンと小さく揺れ、振動と音が停まる。ベルトコンベアの終端まで来たのだった。 「ゆすん…ゆすん…どーじでみゃみゃきてくれにゃいの…?ゆっきゅちちたみゃみゃのまりしゃだよ…?」 やがてまりさは浮揚感を覚える。 「おしょらをとんでるみたい…!きっとこれで、みゃみゃにあえるにぇ…!」 ガラス箱は人の手で運ばれ、倉庫へと移されて積み重ねられる。 「くらいよー!こわいよー!」 「ゆっきゅりできないよー!」 倉庫の中は、か細い子ゆっくりの鳴き声で満たされている。 「みゃみゃー!みゃみゃー!」 「おかーしゃーん!おかーしゃーん!」 しばらく経ち、倉庫内のスピーカーが気だるげに音を吐き出し始めた。 「ジジ…ブツン。おちびちゃん、ゆっくりしていってね」 抑揚の無い、どの種のものともわからない不思議な声。 「みゃみゃ!?ゆっくりちていってにぇ!」 「おかーしゃん!?ゆっきゅちちていってね!」 箱の中のゆっくり達はそれを我が親のものと思い雀躍する。 「ジジ…ジ…いまはいってあげられないけど、がまんしていいこでいてね」 「ゆん…ゆん…!」 「ゆっきゅちりかいちたよ!ゆっきゅりしゅるよ!」 機械音声は数時間に一度流れるようになっている。それは、箱の中の子ゆっくり達の唯一の心の支えだった。 「みゃみゃ!おにゃかすいたよ!」 「ジジ……ゆっくりしていってね」 「どーじでごはんもってきてくれにゃいのぉぉぉぉ!!!」 「ゆっくりしていってね」 * * * * 三ヶ月が経った。すでに子まりさの心の中には、ゆっくりと時間をかけて染みこまされた諦念しか残っていない。 喋ることも、それ以前に何かを思うこともほとんどなく、時間の感覚もなく、固定されたあんよは何にも触れたことがない。 数時間おきの機械音声の「ゆっくりしていってね」だけが反射を呼び覚まし、辛うじて生命を維持しているにすぎない。 ”ゆ っ き ゅ ち ち て い っ て に ぇ” 身体能力は縮小し、思考は鈍磨し、ただまりさは生きていた。生きるために、生きる―― 時たま、光が差すことがある。ドアが開かれ、あわただしく足音がして頭上のガラス箱が物音を立てる。 それはガラス箱の中身が上から順番に消費されているということなのだ。 そんなことを何度か繰り返して、まりさの”順番”がやってきた。 バタン。カッカッカッ、 ”ゆ ゆ ゆ ?” ドアの開く音、あわただしい足音――そこから先がいつもと違う。 自分の箱の前面の曇りガラスに黒い影が映り、曇りガラスが取り払われる。 ”ゆ っ く ち き れ い だ に ぇ” それはまりさが生まれて初めて見る、曇りガラスにぼやけていない世界だった。 ”し ゅ っ ご く ゆ っ き ゅ ち ち て る よ” * * * * そこから先は、ジェットコースターのような刺激の連続。 にんげんさんの分厚い手がほっぺたを掴み、すさまじいスピードでどこかへと連れて行かれる。 四角い箱をかぶせられ、視界が真っ暗になるのも初めて。倉庫の中は、いつも薄ぼんやりと明かりが点いていたから。 あんよにも箱をあてがわれる。 ”み ゃ み ゃ に あ い た い よ に ん げ ん さ ん ゆ っ き ゅ り つ れ て っ て に ぇ” 暗闇の中でまりさは、面影しか残っていない親との再会を夢想する。 エンジン音。恐ろしいほどの加速度と振動。 三十分ほどの時間を経て、ようやくそれは止まった。 まりさは先ほどと同じように手で掴まれて移動する。 ”お し ょ ら を と ん で る み た い …” 人間が会話をしている。 「空き巣に入られたと通報があったのはこちらですか?」 「はい…そうです…」 「それでは、お邪魔します」 また、物音。数人の人間が移動する気配の後で、片隅に置き去られていたまりさが持ち上げられる。 「それでは、指紋を取りますね」 ぺたん。 ”ゆ ゆ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ! !” まりさはあんよに激しい刺激を感じた。そのままべったりと押し付けられ、それは、 生まれて一度も跳ねたことのないまりさにはもはや激痛だった。 ”い ち ゃ い よ ゆ っ き ゅ り や め て に ぇ” 箱暮らしのまりさに痛みを逃れるための運動能力は育まれていなかった。助けを求める咽喉はすでに枯れ、 涙も出なかった。 ”い ち ゃ い よ ぉ ぉ ぉ ぉ !” 従来の粉末を利用する指紋採取方式にとって替わった、 生まれて一度も跳ねたことのない子ゆっくりを使用したスタンプゆっくり―― もしこのまりさスタンプに上蓋が無かったとしたら、この現場で同じようにスタンプとして使用される 何匹もの同類たちの姿を見られただろう。 * * * * そしてまた、箱の中にいる。 ”お も ち ろ か っ た に ぇ” ”に ん げ ん さ ん ま た お そ と に つ れ て っ て に ぇ” ゆっくりとまりさは思考する。 蛍光灯の明かりと、視界を遮る曇りガラスだけの世界。その世界でまりさは幸せだった。 ”は や く み ゃ み ゃ に あ い た い に ぇ” まりさは知らない。二度とお外に出ることも、親まりさと再会することもないということを。 そして、採取した指紋をデータバンクに登録したあとで、 リサイクル工場行きという末路がすべてのスタンプゆっくりを待ち受けていることも。 END